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24回国会衆議院1956/03/08

地方行政委員会 第19号

発言数
55
登壇者
8
会派数
2
開催日
1956/03/08

会議録

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 これより会議を開きます。  国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案を議題として質疑を行います。質疑の通告がありますのでこれを許します。  なお政府委員として自治庁選挙部長兼子秀夫氏が出席しております。中井君。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 本件につきまして一、二点、これは経費の面でありましょうが、お尋ねいたしたいと思います。  まず第一に個人演説会の告知用のポスター、この制度を廃止したということでありますが、これはどういう理由でありましょうか。その点をちょっと伺っておきたいと思います。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子政府委員 これは御承知のごとく参議院の委員長の提案で、公職選挙法がすでに衆議院の議決を三月一日に見ておりますが、あの参議院提案によりまして、主として参議院の選挙運動の関係の条文が相当程度改正になっておりますが、そのうちに個人演説会の告知用ポスターの廃止が規定されております。この演説会告知用のポスターは従前の制度で参りますと、本来衆議院議員にありましては、衆議院議員の特例の二百一条の三で五千枚ということが従来の規定でございましたが、これが告知用のポスターだけでございますと記載内容につきまして制限がある、やはり選挙運動用のポスターにしてほしいという論議が前からいろいろとありまして、それでこの告知用のポスターが廃止されて選挙運動用のポスターに変ったわけでございます。これは告知用のポスター五千枚が規定されましたときから、そのような議論があったのでありますが、これが今回の改正によりまして運動用のポスターに制度が切りかえられた、運動が自由にできる、このような趣旨でございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 今のお話を聞きますと、個人演説会用のポスターについては記載内容に制限があるから、それで一般運動用の方に切りかえた、そういうことになると経費の面では個人演説会用のものは経費が安く、そして今度二千枚が五千枚になる運動用ポスターの方は高い、こういうことになりますか。経費の面ではどれくらいの移動がありますか。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子政府委員 公営の関係につきましては、個人演説会の告知用ポスターが、二千五百六十三万八千円の減額に相なります。それから選挙運動用のポスターが、新たに四百六十二万三千円の増額で、差引約二千百万円ばかりのものが節約に相なる予定でございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 そういたしますと先ほどのお話とちょっと逆のような結果になるように私は考えるのでありますが、まあ大したことはないと思います。そこでお尋ねいたしたいんですが、今度の改正案では、先ほどのあなたのお話では、この六月に行われる参議院選挙についての改正案、おもにそれを目当てとしての改正案ということでありますが、そういうふうに了解してよろしいですか。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子政府委員 今回の公職選挙法の改正案は、御承知のごとく第二十国会で選挙法が改正されましたが、そのときに参議院におきましては、参議院関係について意見があるから後にまた別個検討をする、このような考え方のもとに、第二十国会で公職選挙法の改正が行われたと記憶いたしております。そのような趣旨から昨年の二十二国会におきまして、参議院で提案されまして、衆議院に回付になったのでございますが、流れまして、二十三国会にあらためて提案をされております。その内容は参議院選挙運動の関係が主たるものでございますが、それ以外に知事や市町村長が、任期前にやめて選挙を早めてやる、このような点につきましては、従来いろいろと弊害があるという論議がありましたので、そういう点。あるいはまた選挙運動期間を短縮するというような関係から、これは参議院ばかりでなく、衆議院の選挙以外の選挙につきまして、運動期間の短縮をはかっております。  それからいま一つ重要な点は、参議院の改正におきましては、従来政党の政治活動におきまして、所属候補者の計算に当って、従来は無制限でごさいましたが、参議院の立法におきましては各候補者の所属計算を二つまではよろしいというような案であったわけでございますが、それが先般衆議院の修正によりまして、所属候補者は一人ということになり、衆議院で可決された次第でございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 選挙法は内容が非常に複雑でありまして、今われわれが質問しておりますのは経費の問題でありますから、経費の面を中心にお尋ねしたいのです。結局のところ今度の選挙法の改正の関係で、国としては経費の節減になるのですか、それとも経費がよけいかかるようになるのですか、その辺の予算的な関係を一応御説明を願いたい。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子政府委員 選挙ごとに申し上げますと、今回の公職選挙法の改正によりまして公営関係の経費の増減を見ますと、衆議院議員の選挙におきましては、総体において四千九百万円の減と相なります。それから参議院議員地方区の選挙におきましては、千五百三万円の減と相なります。参議院議員の全国区におきましては、これは公営はがきの拡大によりまして千九百十六万七千円の増になります。従いまして全部の選挙が一緒になると仮定いたしましてもなお相当の減額になっておる次第であります。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 今相当の減額になっておるということでありますが、その減額した予算を三十一年度には組んでおられるのか、それとも現行法通りで予算を組んでおられるのか、どちらですか。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子政府委員 予算はこの法律案に合せまして減額したものを組んでおります。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 そこでこれに関連してお尋ねいたしたいのですが、今の改正案を見ますと、大体ポスターの枚数だとか選挙期日だとかいうものを算術的に計算をしておるのですが、根本問題として、選挙を行うに際して、各単位団体の市町村においては非常な努力をしておると思う。そこでちょっと伺いたいのだが、選挙関係者の日当とか手当とかそういうものについて、自治庁はどういう基準を示しておられるのか、またそれに対して国としてはどの程度の金額を負担しておられるのか、それをお聞きしたい。

桜沢東兵衛総理府事務官(自治庁選挙部管理課長)

○桜沢説明員 お答えいたします。ただいまのお尋ねの立会人の手当の件でございますが、衆議院の場合には立会人手当が二百二十円ということになっております。これは参議院の方も同様でございまして、この金額は若干低いので、一日二百二十円をもう少し上げていただきたいというふうな要望もあったのでありますが、これにつきまして大蔵当局の方とも打ち合せまして、少し引き上げをいたしたいと思っておったのでございますが、他の同様な種類の選挙の立会人の経費も同じように現在大へん低いのでございます。これは他にも影響がございますし、かつまた立会人の数が非常にふえまして、一挙に予算の上に一千万円くらいの影響があるわけでございます。その関係もございますので、しばらく他の経費とにらみ合せて、全体で節減できるような方法を考えてほしいというので、追ってこの金額の問題は、今後選挙法の全般的な改正がございます際に検討を加えたいと思っております。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 私が今お尋ねしたのは、単に立会人だけのことじゃありません。一般論として、選挙部長どうですか、今日本で行われておる選挙は公正に行われておると思っておるのですか。私は選挙というような重要な問題について、経費の問題を非常に簡単に考えておるように思う。大体選挙部長は御存じない。下部団体の市町村が選挙人名簿を作るなんということは大へんなことですよ。こんなことを言ってどうかと思うが、各地区によってこれは過去においてはほとんど完全に行われたことはありません。従って、補正の選挙人名簿を作ったり、投票の当日になっても大へんな問題が各地で起っておる。去年仙台あたりでも大問題が起りました。またどこか静岡県あたりでも大きな問題が起った、何か勲章をもらう人が昔選挙違反とかそういうものに関係があったとか。こういうものはすべて経費に大いに関係があると思う。全国の府県、市町村の役職員は選挙があると、また選挙か、また一カ月棒に振らねばならぬというので、ほとんど徹夜をしてやる。そういうものに対する経費はほとんど見ておられぬというふうな、まことに情ない状況において選挙の事務が行われておる。このことが日本の選挙が済みましてからいろいろな問題が起る最も大きな原因じゃないかとさえ私は考えておるのです。そういう点について、今の御答弁を伺うと、立会人が一日中朝七時ごろから、そして投票が終りましても、あの任務というのはきわめて重要であるが、わずかに二百二十円、それも判を持ってこい、何を持ってこいと言うて大へんなのですよ。こんなものは五百円でも千円でもぜひやらねばならぬと思っておるが、そういうことについて一つ政務次官からも私は意見を聞きたいと思う。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子政府委員 選挙の経費について不十分ではないか、そのために選挙の執行にいろいろと弊害が起っているではないか、このような御趣旨の御質問でございますが、選挙の経費、特に名簿を作るというような問題は、御承知のごとく非常に厄介な問題でございます。これは国の選挙と地方の選挙の両方に基本名簿は使えるというような関係でございますけれども、経費の面から申しますれば、国の選挙につきましては、経費の実態調査をいたしまして、できるだけこの基礎に盛り込んでおります。常にその実態が基準経費の法律に反映するように、われわれは選挙が済みますと調査をいたしておるのでございます。なおこの経費の扱い方につきまして、大蔵省方面では、割合に選挙は経費は潤沢であるのではないか、このような見方をしておるのでございます。それはどういうことかと申しますと、何も選挙の経費が潤沢であるわけではないのでありますが、最近の地方団体の経費が非常に窮屈でございますので、選挙関係の経費は他に比べて比較的潤沢なような印象を与えておる。大蔵省の者が地方団体の調査に行きますと、選挙がありますと経費の面では助かりますというようなことを率直に述べるわけであります。ただ個個の団体につきますと、たとえば中小都市、佐野の参議院の補欠選挙が一昨年でございましたかありましたが、あのとき等を見ておりますと、基準経費で見ました基礎の人員よりもよけいな人員を使っておるというような点があります。あるいは立会人の経費等を市会議員の選挙の場合には単価を国の基準よりも上げておる。従って国の選挙におきましても、その団体におきましては市会議員、市長の選挙と同様な単価で支出する。そういうふうな面におきましては、国から渡した経費で若干足りないというような問題は若干起るわけでございますが、大体におきまして選挙の経費は仕事ができるように交付されておるというふうに私ども見ております。ただ昨年の衆議院の選挙、それから地方選挙におきまして問題がありましたのは、これは選挙の職員がなれておりますと、ついなれておるというような安易な感じをもって仕事をするということが一つ。それから、選挙の関係の事務が非常に複雑でございまして、職員が正直申しますとあまりなりたがらない。選挙が始まりますと徹夜等相当事務が複雑になってくる。それから、よそから臨時に応援させます事務員では十分にできない。本来そのスタッフを持っておらないと、選挙の執行が万全を期せられないというような事務的な面があります。そのような面につきましては、講習等の手段によりましてできるだけ技術的なレベルを上げるというような配慮をいたしておるわけであります。全般的に見まして、選挙の管理上の経費につきましては、私どもはこれで不十分であるというふうには考えておらないのでございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 今の答弁を聞いて私は驚いたのですが、大蔵省が全国を回ってみて選挙の経費だけはたっぷりある、冗談じゃありません。みな選挙の経費には弱っておる。特に二百二十円なんという単価は今どこにありますか。ニコヨンだって、三百六十円、五百四十円もらっておりますよ。こんなとんでもないことで日本の選挙が公正に行われるなんということは私どもには信ぜられないほど、ほんとうにひどいことです。どうもそうい認識でかかっておられましては、私は自治庁当局の考え方をむしろ笑止したくなるのですが、こんなことではとんでもないことだと思います。どうぞうんとがんばって一つ多額にとってもらいたい。  それから、今選挙人名簿の話もあったが、もとより市長の選挙、知事の選挙そのほかの選挙もありますが、これと衆参両院の選挙との比率ですね、こういうものについて、経費はどういう算出で出されておるのですか、その点を伺っておきたい。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子政府委員 国の選挙と地方選挙の経費の配分につきましては、国の選挙がある年、地方選挙が予想される年に分けて、国の方は国の予算に計上し、地方選挙の経費につきましては地方財政計画に織り込んで、地方財政全般の問題として処理をされておるわけでございます。  名簿等につきましては、その利用の率から申しますれば、各団体によっていろいろ違うと思うのでございますが、大体名簿は制度上折半ということに処理をいたしておるわけであります。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 折半にしてその経費はどういう形で出されておるのか、補助金で出されておるのか、何で出されておるのですか。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子政府委員 それは交付税で出されております。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 その交付税の計算が、選挙関係のものは非常に低いのです。私どもはよくそういうものを研究しています。私ども今回のこの改正案については反対じゃないです、経費の面ですから賛成しますが、こんな少額なことで選挙ができるとお考えになっておっては大へんだということを、もう一度申し上げておきます。  それからもう一つの問題をお尋ねしたいのだが、この選挙の経費は、自治庁から府県に回って、府県から市町村に参りますが、赤字の府県で、選挙の経費を市町村の方に回さぬところがたくさんある。そういうことについて、これまで自治庁はどういう監督、指導をしてきておるか、お聞かせ願いたい。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子政府委員 この前の選挙のときでしたか、具体的の県をあげますと、ちょっと工合が悪いのでありますが、私の承知いたしておりますのは、関西のある県で、政府から県に交付金が参りますと、県は金繰りがつらいものでございますから、市村村に交付するのがおくれたという事例があった。そのときには、至急に金を出せということで、県の方に連絡をいたしましてやったわけでございますが、何分にも県全体の金繰りが相当多額の赤字と申しますか、財政が窮乏しておりましたために、市町村に御迷惑をかけておる。これは他の土木等の補助金と同様でございますけれども、それ以上に選挙等の経費につきましては私ども注意をいたしておりまして、この前の国会の選挙におきましては、年度を分けて国の方は処理をいたしましたけれども、地方で支出いたします国の選挙の経費につきましては、その年度内で処理をするように注意をいたしまして、県にもその趣旨を強く連絡申し上げた次第であります。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 今土木の補助金と選挙の経費を一緒にされたような御答弁があったが、だいぶ違いましょう。土木の補助金というのは、大体において県がそういうものを分割する権限を持っています。これはそんなものじゃないでしょう。ずっと下までいかなくちゃならない。そういうことをやる府県は、やはりこれは背任罪ではないかと私は思うのですが、そういうようなことについては、そんな甘い考え方では非常に困るということを申し上げておきます。  それから最後に、今回政府の方では小選挙区制度とかなんとかいって今盛んに研究されておるが、もしそういうものが出るということになると、これはまた変更するのですか、その辺のところをちょっとお聞きしたい。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子政府委員 これは主として公営関係の経費、それから事務に関する経費でございますが、かりに選挙区制度が改正になりますと、どれだけ経費面に異同を及ぼしてくるか、あるいはその運動において、そういう選挙区制の改正を伴わなくても、あるいは公営のポスターが拡大されるとか減少するとか、そういうことになりますと、この基準経費は影響を持ってくるわけでございます。まあ大ざっぱに申しまして選挙区制度が改正されて、公営の面が拡大されるといたしますれば、基準経費の法律も、やはりそれに即応して改正をしなければならぬ事態が起るんではないかと思うわけであります。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 関連して……。私もその点を考えたのですが、また新しく選挙法の改正になれば、この基準が変ってくることは当然であります。  そこで早川政務次官にお伺いしたいのですが、最近この国会の審議の状況等からいたしまして、参議院の六月の選挙を繰り延べるとかあるいは繰り上げるとか、そういうようないろいろな説が流れておるようであります。この点について政府としてはどうお考えになっておるか。またもし繰り上げるというようなことになれば、技術的にはどういうふうな形でやれるものか、法律を作るとかいろいろあるでしょうが、技術的な点も合せてお伺いしておきたい。

早川崇自由民主党自治政務次官

○早川政府委員 現在政府としては、期日を農繁期を避けておくらすか、また土曜日をさかのぼらせるか検討中でございますが、まだ結論は出ておらないのでございます。技術的にその場合どういう方途を講ずるかということは、選挙部長からお答えいたします。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子政府委員 御承知のごとく選挙法の三十二条第一項の規定によりまして、議員の任期満了が六月三日でございますので、参議院の選挙を二十五日といたしますと、一応五月の五日が告示日ということになるわけでございますが、今回の国会におきましては、召集がおくれました関係上、通常国会の会期を百五十日とりますと、五月十七日が会期の終了日でございます。そういたしますと、公職選挙法三十二条第二項の規定が適用されまして、かりに五月十七日に国会が閉会された場合を考えてみますと、閉会の日から三十一日以上三十五日の間に選挙期日を定めなければならないという規定になっておりますので、六月十七日から六月二十一日までの間に、選挙期日を定めるということに相なるわけでございます。そういたしますと、五月二十二日から五月二十六日の間に選挙期日の公示が行われることとなるわけでございます。ただいまの御質問の繰り上げるか繰り下げるかという問題でございますが、繰り下げる方は、任期が六月三日までございますから、その方は法律的には措置を要しないのでございますが、もし繰り上げるということになりますれば、これは国会法の百五十日という規定がございますので、その方を処理いたさなければならないのではないかというふうに解釈をされるわけでございます。それから六月三日に任期満了になって、選挙がどうなるか。六月三日に任期満了して、そのときに閉会をいたします場合を考えますと、選挙法の規定から、閉会の日から三十一日以上三十五日以内でございますので、七月四日から七月八日までの間に選挙の期日が定められ、従って逆算いたしますと、六月の八日から十二日までの間に選挙期日の公示が行われる、こういうことに相なるわけでございます。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 そうすると、要するに繰り上げの場合でも繰り下げの場合でもやはり技術的には法律を改正すればできると了解していいですか。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子政府委員 繰り下げと申しますのは、任期満了一ぱいまでという考え方でございますので、これは何ら法律的な措置を要しないのでございます。繰り上げます場合には、国会法の関係で、その辺をいじらなければならぬということはございます。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 もう一点お伺いしておきたいのですが、今選挙制度調査会で新しい選挙法の改正案を審議中でありますが、政府としては再々今度の選挙法を改正をやるというようなことを言っておられますが、それは選挙制度調査会の案を基準にして、大体そのままおやりになるのであるか、あるいはいろいろ伝えられておる案が、与党の中にたくさんあるようでありますが、そういうもので依頼を受けておやりになるのであるか。私どもから言えば、政府がただ与党の考えだけを取り入れるということは、政策の場合には当然のことでありますけれども、選挙法というようなことはルールでありますから、いわゆる議会政治というものを維持する一つの基本的なルールということになりますと、やはり与党の考えだけを入れるんじゃなくて、野党の考えも入れなければおかしいんじゃないかというような気がするのですが、一体政府としてはどのようにお考えですか。

早川崇自由民主党自治政務次官

○早川政府委員 選挙制度調査会はあくまで諮問機関でありますから、むろん選挙制度調査会の案をも参考にいたし、さらにわれわれ政府として独自の見解で、改めるべき点があれば十分改めまして国会に提案いたしたい、かように考えておりますので、選挙制度調査会の案即政府案ということにはならないと思います。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 私の聞いているのは現実の問題なんです。現実の問題としておそらくもうだれでも知っている通り、与党の中でいろいろ検討されている案がある。一方においては選挙制度調査会の案がある。そこでこれはもうだれもわかっていることなんですよ。その際に政府としては諮問機関としての選挙制度調査会の案を参考にするということは当然でしょうが、それ以外に与党の案でもって、それに若干これを加味してやるということだけではいかぬじゃないか、少くとも野党なり、そういうものに案があればその意見も取り入れてやるというような措置が現実の問題として、これはだれが考えても当然ではないか、こういうふうに思うのですが、その点についてのお考えを聞いておるわけであります。現実の問題を聞いているのです。

早川崇自由民主党自治政務次官

○早川政府委員 それは当然のことでありまして、たとえば選挙制度調査会におきまてしも、野党といったらあれでありますが、社会党から出ております調査委員の意見も十分しんしゃくいたしておりますし、特に二、三日前の小委員会におきましては、青森と佐賀の定員を一名ふやそうじゃないかという案なんかは、社会党の委員の方が主張されたのであります。選挙制度調査会においてもそれを採用いたしておるような次第でございまして、筋の通った案がありましたら、あるいは国会の審議の過程において、むろん国会において修正することもできるわけでございますから、政府といたしましてもそういった調査会の過程をも尊重いたしまして二名ふやすということには、大体異存のないようなことになっておるわけでございます。なお個々の選挙区の区劃に関しましてはいろいろ御議論があろうかと思いますが、できるだけいろいろな人口、地勢あるいは行政区画、あらゆる面を総合いたしまして、妥当な文面をする、かように考えている次第でございます。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 もう一点だけ、問題がちょっと大きいのですがお伺いしておきたいのです。それはどうも今度の選挙法の改正などは、選挙区というような非常に技術的なことをお考えになっているんじゃないかと思う。小選挙区というようなものが日本の政治の将来に及ぼす影響については十分考えていないんじゃないかというような気がするのです。特に一般には常識的に二大政党の形を維持するために、小選挙区制がよろしいというようなことも理由にしておられるようでありますけれども、しかしこれは国によってそれぞれ事情を異にしておる。日本の場合にはやはり国民の階層というか、階級といいますか、その生活の差が非常に隔たりがあるわけなんです。ですから国民の大部分はその政治的な意見は別としましても、生活上のあるいは経済上の不満というものは非常に大きくある、階級対立が非常に激烈になるというような条件を持っておるわけなんです。そういう際において、二大政党を維持するという理由のもとに小選挙区制を置くならば、対立する、いわゆる保守、革新との政争はものすごく激烈にならざるを得ないんじゃないかということは、全国的に見て食うか食われるかという闘争になってくる。そうすれば、二大政党を維持するのではなくて、二大政党をぶちこわしてしまって、食うか食われるか、もう一党専制、どちらが勝つかというような必死の闘争に私はなると思う。われわれとしても、もし小選挙区制度が出たならば、おそらく社会党としてもあるいは従来の運動方針を変えなければならぬほど、これは重大な意味を持っていると思うのです。従って私はこの二大政党維持育成のために小選挙区制をとるのだという議論には、どうも納得をしておらないのですが、政務次官はどのようにお考えであるか、この機会に伺っておきたい。

早川崇自由民主党自治政務次官

○早川政府委員 いずれ選挙制度特別委員会で論議になると思いますが、私の意見を申し述べますならば、今の民主主義の国家においてはほとんど小選挙区制をとっている。アメリカ、イギリスしかり、ヨーロッパしかりでございます。ただ日本だけが中選挙区制ということは、諸外国の例から見て、奇異な感じを実は世界から抱かれているわけです。(「どこの国にそんなことがあるか」と呼ぶ者あり)そしてまたこれは一つの珍しきモデル・ケースとして日本だけが見られているわけです。  もう一つ、階級対立が激化すると申しますが、私は見解を異にするのです。お互いに保守党も社会党も小選挙区で政府をとったならば、国内が分裂して抗争するということは、私は政党自身に対する自信の欠除だろうと思うのでありまして、むしろ政局が安定してよき政治をどんどんやることによって、貧困を除去し得るという利点があると思うのです。社会党がもし過半数をとられた場合にも同じことだろうと思うので、われわれは二大政党で政局が安定すれば階級対立が激化するのではなくて、むしろ調整する方向に進む。しかも安定政権ができるという意味におきまして、政党自身に対する自信の上に小選挙区制というものが考えられておるわけでございまして、北山先生の方はそれに対する疑惑という観点から論じられておると思います。その点でやはり見解の相違を感ずるのでございます。私たちはむしろ二大政党それ自身に対する信頼と、政局の安定による階級対立を緩和できる方向に進みたい。不安定であればかえってそれが貧困化する、混乱が日本に来る。そのように考えておりますので、その点は残念ながら見解を異にいたします。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 時間がないのに大きな問題を持ち出して御迷惑をかけますからやめますが、しかし今のようなお説であれば、やはり鳩山内閣というものは、政策でもってこの二大政党が争うのだということをおやりになればよろしいのであって、どうも政策の方に自信がなくなったので、自分の方で土俵を狭くして闘うのだという印象をわれわれはぬぐうことができない。この問題が大きいのでありますからあとにいたしまして、私の質問はこれで終ります。

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 先ほど中井君からも質問がありましたが、例の選挙管理委員会に対する交付金、それを一括府県、市町村にやらずに、じかに選挙管理委員会に交付してもらいたいということが従来あるのですが、それができなければどういう理由でできないのか、もう一回どなたからでもけっこうですからお聞きしたい。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子政府委員 国から直接国の選挙の交付金を市町村に流すことができるかどうかという問題でございますが、御承知のごとく国庫から日本銀行を通って、現金の方はそれからさらにその地方銀行に送金される。一方指令が中央官庁から地方官庁に参るわけであります。そこで府県庁におきまして、こちらからの指令に基きまして、さらに各市町村別の配分の経費を算出いたしておるわけでございます。でありますから金が流れていく時間よりもまだちょっと時間がかかりますけれども、府県で計算をしてそれから府県から流れる。やはり技術的には国から直接市町村に流すということは不可能と思われるのでございます。どういたしましても府県を通して流すということが事務的に便利であり、またその方が結局は早く金が到達する、ただ地方財政の窮乏の面から、府県の金が拘束を受けるということはぜひとも障害を排除いたさなければならぬ、かように考えておる次第であります。

門司亮日本社会党

○門司委員 こまかいことをちょっとお尋ねいたしますが、さっきの選挙費用の話だが、政府はこの機会に、これはきょうあげなければならぬ筋合いではないと思うのだが、単価を変える意思はないか。事実上だれが見ても失業対策の費用よりも安いような費用を、しかも選挙の立会人の給与としてきめておることはおかしいと思う。だから一体これはどう考えてこういう数字をどこから出してきたのか。一体何を基準にして選挙費用だけ安くてもいいということを考えたのか、ことに昔というか以前の法律なら多少考えるところはあった。それは投票の立合人は候補者が選んでおったから、それはある程度そっちにまかしておいてよかったかもしれない。しかし最近はそうではない。役所の方で作るようになった。そうすると役所が費用の責任は持つべきだと思うのだが、大した金でもないから改めたらどうだろう。大した日にちもかからぬし、時間もかからぬから、すっきりしたもので出したらどうですか。そういう意思はないですか。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子政府委員 立会人の経費につきましては、おっしゃる通り以前は候補者の方から御推薦願った、いわば志願のような形で従事されたわけでございますが、今はそうではなく、中立の見地から選んでおるわけでございます。大蔵省の内幕を申し上げてもどうかと思うわけでございますが、国の財政といたしましてもなかなか窮屈でございますので、こういう経費につきましては昔の制度にかえたらどうかというようなことを、ときどきわれわれの方に言うて、そういうような関係からなかなか実現が困難でございます。なお今後御趣旨に従いまして、単価の引き上げにつきましては努力をいたしたい、かように考えております。

門司亮日本社会党

○門司委員 その費用はどれくらいあればいいのですか。今のお話だと受け取れないのです。選挙は国のほんとうの政治の大本ですから、一番大きな制度なんだから、それの立会人を公平にするために法律を改めて今のような制度をとっているのです。それを選挙だから、国の財政というけれども、能率とか財政というものも必要ですけれども、守らなければならぬことはデモクラシーです。民主主義を忘れた上に能率だとか財政だとか言われても困ると思う。むろんある程度の財政上の制限はあるかもしれません。しかしだれが考えても無理がないという一応の基礎がどこかになければならぬでしょう。二百二十円という基礎は一体どこから出したのです。どこでどういう算定をすればそういうものができ上るのです。もしそういう御意見なら大蔵省をここに呼んで算定の基礎を示してもらいましょう。失業対策にさえそれ以上の給料を払っておるのでしょう。あの失業対策の最低の費用というものは、われわれは一応不満ながらも大体の最低の線ではないかということが常識づけられておる。一体それ以下のものを出さなければならぬという根拠があるのなら、大蔵省をここに呼んで算定の基礎をはっきりして下さい。それでないとわれわれは納得するわけにいかない。いつの場合でも選挙というものについてはいいかげんなことがやられているから、ろくなものができないということになりはしませんか。ことに投票の立会人、開票の立会人にいい人を選ぼうとするならば、いい人を選ぶという建前からものを考えて私は判断すべきだと思う。算定の基礎があるのなら算定の基礎を示して下さい。どういう基礎でこういう数字になったかということを示して下さい。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子政府委員 御説ごもっともでございますが、この単価の基準は、この法律が制定されました当時の単価でございまして、その後引き上げが行われておらないのであります。かりに立会人の日当を三百円といたしますと、ごく概算でございますが、約一千万円程度の増額が必要となるのでございます。

門司亮日本社会党

○門司委員 一千万円の費用で済むというのなら、三百円でも五百円でも上げたらどうなんです。法律が変らないからと言うけれども、法律はたびたび変えているんです。選挙費用というやつは何回も変えているのです。これは与党の方々と相談しなければならぬと思うのだが、これを議員修正したらどうなります。こういう問題については私ははっきりやってもらいたいと思う。  それからあとは早川政務次官にちょっと聞いておきたいと思いますが、参議院の選挙について、何か繰り上げるか繰り下げるかということを考えておられるようですが、もし考えておるとすれば、どういうところからそういうことを考えなければならぬか一応聞いておきます。法律上はっきりきまっておるのですから法律通りにやれるのです。どうなんです。一体どういうことがあるから繰り下げるかということを考えているのですか。

早川崇自由民主党自治政務次官

○早川政府委員 それは投票日が農繁期ということになりますと、投票率が非常に減るというようなことを考慮いたしまして、こういう国会議員の選挙は、できるだけ多数の人たちが投票できるような条件に置くことが、民主主義の発展のために必要だ、かように考えて考慮しておるわけであります。

門司亮日本社会党

○門司委員 今の御答弁ですが、国会は現行法をそのままやれば十二月の上旬で十日に召集しても終るのは五月の七日もしくは八日になります。そうすると参議院の選挙を法律通りに行おうとすれば、六月三日に任期が切れるから五月五日に投票しなければならないことが出て参ります。どうしてもそこに一日ないし二日の食い違いが必ずあると思う。そうするとこの法律は単に今後の場合だけでなくて考えるのならはっきりものを考えて、思い切って国会と関係のない期日にできるようにしておかなければ、三年先にまた同じような問題を私は持ち込むと思う。こういう点について何かお考えになっておりますか。

早川崇自由民主党自治政務次官

○早川政府委員 まだ選挙期日の繰り延べ繰り上げということは検討中で、結論を得ておりませんので、従って今お説の問題についても、現在実は成案を得ておりません。

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 それでは暫定休憩いたします。    午前十一時四十八分休憩      ————◇—————    午後零時三分開議

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 それでは休憩前に引き続いて会議を開きます。  国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  別に御質疑がなければ、これにて本案に対する質疑は打ち切りたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 御異議なしと認め、これにて本案に対する質疑は打ち切ります。  別に討論の通告もありませんので、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔総員起立〕

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 起立総員。よって本案は全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決しました。

吉田重延自由民主党

○吉田(重)委員 私は、この際ただいま採決いたしました国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案に対しまして、自由民主党、社会党両党を代表して、本案について附帯決議を付すべき旨の動議を提出いたします。  まず決議案文を朗読いたします。    附帯決議案   選挙執行の基準経費については、立会人の日当等頗る過少であると認められる。依って政府は速かに之が対策を講ずべきである。   右決議する。  御説明申し上げるまでもなく、選挙の執行に当っての基準経費については、立会人等の日当等は非常に過少であります。それとともに管理事務費も非常に軽少であるわけでありまして、ここに政府は、管理事務費を含めまして、すみやかにこれに対する対策を善処せられんことを希望する次第でございます。

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 ただいま吉田君より本案に関し附帯決議を付したい旨の動議が提出されましたが、これについて御意見がありますればこの際承わることにいたしたいと思います。——別にないようでありますから、吉田君の動議について採決いたします。  吉田君の動議に賛成の諸君の起立を求めます。   〔総員起立〕

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 起立総員。よって吉田君の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。  なおお諮りいたします。本案に対する委員会の報告書作成につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 御異議がなければ、そのようにとりはからいたいと存じます。     —————————————

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 次に小委員の補欠選任についてお諮りいたします。すなわち、地方税法等改正に関する小委員でありました徳田與吉郎君が、去る七日一たん委員を辞任せられましたので、その補欠選任を行わねばなりませんが、これは先例に従い委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 御異議がなければ、小委員には従前通り徳田與吉郎君を指名いたします。  次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。   午後零時七分散会      ————◇—————

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