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24回国会衆議院1956/02/24

地方行政委員会 第12号

発言数
53
登壇者
8
会派数
2
開催日
1956/02/24

会議録

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 これより会議を開きます。  入場譲与税法の一部を改正する法律案を議題といたします。本案については昨日質疑を打ち切りましたので、本日は直ちに討論に移りたいと思います。  別に討論の通告もございませんので、直ちに採決に移ります。入場譲与税法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔総員起立〕

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 起立総員。よって本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決します。  なおお諮りいたします。本案に対する委員会報告書の作成につきましては、委員長に一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 御異議なければさよう取り計らいます。     —————————————

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 次に地方交付税法の一部を改正する法律案、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律案、地方税法の一部を改正する法律茶、以上三案を一括議題として、質疑を行います。質疑の通告がありますので順次これを許すことといたします。永田亮一君。

永田亮一自由民主党

○永田委員 奥野さんが来ておられますので、一つ私鉄の事業税のことについてお伺いをいたしたいと思います。御承知のように、今私鉄の事業税は外形標準課税になっておるのでありますか、私鉄の会社の中には、赤字で配当もできない、収入がほとんどないというような、非常に苦しい立場に追い込まれておる会社がたくさんあるのであります。ところが外形標準を課税の基準としておりますために、配当もしない、また経営が非常に困難である、しがも公共的な企業であるためにつぶしてしまうわけにいかない、そういう会社に対してまで、私たちから考えれば苛酷と思われるような課税が行われおる。なぜ私鉄のような公益的な企業に対して、こういう苛酷な外形標準課税の方法をとらなければならぬか、まずこの理由について奥野さんの御説明を伺いたいと思います。

奥野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奥野政府委員 府県が事業税に課税して参ります根拠がどこにあるかというところから問題が始まるのじゃなかろうかと思っております。事業税の課税の根拠は、府県が事業の継続のために、道路施設でありますとか、衛生施設でありますとか、やはり相当の協力をしているのではなかろうか、協力をしているならば事業がそれに対してある程度の経費負担をすべきではないか、一種の応益課税という問題になると思います。事業が利益を上げていれば府県の経費の一部を分担するけれども、損失を上げていれば経費は一切持たないのだということでも府県としては困るのじゃなかろうか、かような考え方でございます。そういう点から言いますと、事業税の課税標準は、所得ではなしに、事業の規模を表わすようなものをとった方がいいのではないか、かように考えられるわけであります。事業税はいろいろな名称を経てきているわけでありますけれども、課税標準につきましても、外形標準課税をやっておった時代もございますれば、収益課税をやっておった時代もあるわけでございます。しかし二十二年から府県の独立税として事業税が再出発しているわけでございますので、そうなりますと、やはり一そう応益的な見地から県の経費を分担する。従って課税標準は事業の規模を表わすものが適当だ、こういう結論になるのではなかろうかと思います。そういうこともあって課税標準を附加価値に切り下げたらどうかというようなシャウプ勧告も出て参ったのであります。しかしながら、課税標準をやりますことはその事業の負担に激変をもたらすわけであります。そういう見地から考えて参りますと、まだ経済界の基礎が安定していない際に、そういう変更を与えることは適当でないじゃなかろうか、変更を与え得るものであるならば変更をしたらどうか、そういうことから料金統制が行われているのでありまして、その定められました料金が将来にわたって維持していけるような状態については売り上げ金額を課税の標準にして課税して行こうじゃないか、こういうことになって参ったわけでありまして、おおむねこういう趣旨のものが今日外形課税としてとられて参ってきておるわけであります。

永田亮一自由民主党

○永田委員 ただいまの御説明ですと、大体私鉄などは地方公共団体から受ける便益が相当にあるから応益的な意味において外形標準課税になったということであると思うのであります。私考えてみますのに、なるほど私鉄は地方公共団体からいろいろ便益を受けている面もあろうかと思います。しかし同時に、地方公共団体の方はより以上私鉄から便益を受けていると思うのです。応益的な立場ということだけを考えてみると、一体どっちが利益を受けているのか。地方公共団体が受けているか私鉄が受けているかこれを考えてみたこきに、私鉄が地方団体から受けている応益の度合いと地方団体が受けている応益の度合いを比較してみると、地方団体の方が利益を受けていると思うのです。かりに私鉄が赤字でつぶれてやめたということになりますと、その地方におる住民はとたんに困るのであります。これはどの地方の例をとってみてもわかると思うのであります。私の方のいなかでも私鉄が赤字で困っておる。それならもうやめてしまえばよいわけでありますが、やめたとなるとその土地の人たちが学校へ通うとかその他の点で非常な不便を感ずる。赤字でありながらみすみすこれをやめることができない。そういう点を考えてみますと、むしろ応益的な原則というものは、地方公共団体の方がより強く受けておると感ずる。それから今おっしゃった附加価値税の考え方でありますが、この附加価値税の考え方というものは、これは昭和二十五年ですかシャウプ勧告のときにこういう問題が起きまして、二十九年からこれを実行するということになっておった。ところがあのようにこれが実行されない。なぜ実行されないかというと、これはいろいろの欠点があったからでありますが、特にその中でも附加価値税の前提となるものは、その負担が消費者に転嫁されるということを予定しておったのだろうと思うのです。ところが現在の国内の経済情勢から考えてみまして、特に私鉄などの場合に、その運賃を転嫁するということは非常に困難なんです。それで国会などで附加価値税の問題がいろいろと議論されて、とうとう日の目を見なかった、こういう経過があるわけです。私鉄がその運賃を消費者にそのまま転嫁できない、こういうことをいろいろ考えてみましたときに、しかも赤字で経営ができないからといって、つぶしてしまうわけにはいかない。こういうものに対してまで収益があってもなくても赤字で配当ができない。そういうところにまで外形標準課税をするということは、これは間違った行き方ではないか。少くとも応益的な見地から考えてみて、応益的でなしに応能的な考慮を払うべきではないかと考えておるわけであります。こういうことについて、一応御説明を願いたいと思います。

奥野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奥野政府委員 第一点は地方団体と私鉄とはお互いに持ちつ持たれつではないか、こういうお話でございますが、おっしゃる通りだと私は思います。ただしかしながら私企業と地方団体とを同列に論ずることは適当でないと思うのであります。一方は利潤を追求する企業百であります。一方は利潤を追求するのじゃないのであって、地方団体の構成員全体の安寧あるいは福祉の向上をはかっていくわけでありまして、その全体の福祉の向上をはかっていく経費を、構成員がどう負担し合っていくか。その負担し合う場合に事業を行っているものは、事業の規模に応じて経費を負担した方がよろしいのではないか、こういうことを申し上げたわけであります。  第二点は税を転嫁することが困難ではないか、こういうお話でございます。私たちは運賃をきめます場合に、コスト計算が行われて、そうして運輸省で運賃の認可がされると思っておるのであります。その場合に事業税はどういう形において負担を求められるものであるかということは、法律に明らかになっています以上は、その料金の基礎に当然算入していくと考えておるのであります。もとより事業税相当額を料金の基礎に算入いたしまして、一たび定められた料金が、その後物価に変動を生じてくるとかいろいろな事情で、さらにこれを引き上げなければならない、こういう問題になりましても、公共事業なるがゆえに、なかなか簡単に料金の改訂が行えない。その間において企業は転嫁が困難であるとか、あるいは負担が困難であるとかいうような問題が起ることは、私は否定いたしません、その通りだと思うのであります。しかしながらやはり料金統制が行われています以上は、その料金政策の見地から考えて、その企業が当該地方団体にどれくらい経費分担をしたらいいのか、これを無視されても困るのじゃないか。やはり料金をきめます場合に、当該地方団体に対してどれくらいの経費を負担すべきであるか、これを基礎において料金をきめてもらいたいと思うのであります。私鉄の場合には、きめられた料金は守っていけるだろう。守っていける以上は、その料金の基礎に間違いがない限りは結局転嫁されていく、こういうことになるのじゃなかろうか、こういうように思っております。しかしもとより企業合理化等の問題もありますので、必ずしも転嫁を予想しておるというわけのものではありません。独占的な企業でありますので、その料金は守っていけるだろう、かように申し上げておるのであります。

永田亮一自由民主党

○永田委員 今奥野さんの説明がありましたが、なるほど私鉄というものは利潤を追求しておることは間違いない。ところがそれならば利潤が上らなかった場合に、赤字でもなおこれを経営していくということは、これは資本主義の社会において矛盾した考えであります。赤字においても非常な苦労をしてなお経営を続けていく。これは普通の事業であるならば、損をすればやめてしまう。破産をしてそれまでということが当然のことでありまするが、私鉄のように非常に公共的なものは、これをやめたらその土地の人が非常に困る、そういうことが考えられるので、私鉄の経営者というものは一生懸命に経営してもなお赤字が出た場合、これをやめることは簡単にできない。仕方がないからなおバスを一緒に経営してバスの方の収入をあげて、私鉄の赤字をカバーしていく、こういうように苦心惨たんしておる実情なんであります。なお、今バスのことを申し上げましたが、バスのみが去年の国会において所得課税に直っておる。しかも鉄道が依然として外形標準課税に残されておる、こういう矛盾したことがあるのであります。地方においてはバス会社と鉄道会社が競争しておるところがずいぶんあります。しかもその競争しておる片方のバス会社が収入課税でなく去年の国会で訂正をされておるのに、私鉄のみがまま子扱いをされて収入課税に残されておる、こういう状態が全国各地にあるのであります。バスと私鉄を区別する理由がどうも私にはわからない。この点を一つ御説明願いたいと思います。

奥野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奥野政府委員 第一点の問題は、これは永田さんのよく御承知のことを申し上げて恐縮なんでありますけれども、地方税を考えます場合に経費から支払われる税金と、もうけから支払われる税金と二つに分けることができると思います。経費から支払われる税金には、市町村税として固定資産税があり、府県税として事業税があると考えておるわけであります。もうけから支払わたる税金には市町村に市町村民税、府県には府県民税がございます。市町村民税と府県民税は応能的な見地から課税されておりますので、もうけがなければ払う必要はございません。しかしながら事業税は経費のうちから払われる税金だと観念されておるわけであります。従いましてもうけがあろうと損があろうと市町村に対して固定資産税を払い、府県に事業税が払われる。それを財源にして府県や市町村が公共的な仕事をやっていけるのじゃないか、こう考えられるのであります。料金が定められます場合は利潤は織り込まれましょうし、あるいはまた従業員の給与も織り込まれましょうし、税も織り込まれるだろうと思います。しかし料金が少くなるとか、経費が苦しくなった場合にどこにしわを寄せるか。まず税にしわを寄せるということ、これは経費から払われる事業税の性格から考えますと、すぐにそう結論を出されることは困るのじゃないか。利潤にもしわ寄せをしてもらいたい、あるいは経営者の取り分にもしわ寄せしてもらいたい。場合によっては従業員の昇給もある意味においては困難になろうと思います。やはり相対的に考えていかなければならないのじゃないか、こういう見地から経費から払われる税金としまして収入金額を課税基準にしていくのだ、こう考えているわけでございます。  第二点はバス事業との関係でございます。御指摘のように私鉄とバス事業とが競争関係に立っている例もございます。昭和二十九年であったと思いますが、バス事業も実は収入金額を課税標準として課することになっておったわけであります。これを参議院におきましてハス事業だけ修正されたわけであります。その際にバス事業を外形課税からはずせば、私鉄もはずさなければならなくなりはせぬだろうかどうだろうかという議論がありました際に、いや私鉄はバス事業とは規模が違う。相対的に考えた場合には規模が違うのだから、これは外形からはずすべきではないのだ。バス事業をはずすということは、私鉄も収入金額課税から除外するという意味ではないのだ、こういう議論をなされたわけであります。その結果永田さんの立場からいえば矛盾しておるとおっしゃるわけでありますけれども、そのまま今日に至っているわけであります。当時の考え方がいいか悪いかいろいろ問題がございましょうが、むしろ応益課税の見地に立って考えた場合には、バス事業も収入金額課税がよろしいのだと思うわけでありますけれども、それはやはり私鉄との関係において規模が若干違うから所得標準課税にしております。これも一つの考え方だろうと思います。課税方式に問題があるのではなしに、収入金額を課税標準として、一五%という税率がいいのか悪いのか、これは私は大いに議論があると思うのでありますが、課税標準としてはやり収入金額を課税標準にした方がいいのではないか、こういう考え方を持っておるのでございます。

永田亮一自由民主党

○永田委員 ただいまのバスと私鉄を区別した理由について、バスは大規模でない、私鉄は大規模だというような議論があったのでありますが、私は必ずしもそうじゃないと思います。バス会社もいろいろ名前をあげればわかりますが、非常に大規模の、大資本でやっておるところがたくさんある。私鉄は百八十社ほどありますが、その中にはまことに微々たる軽便鉄道のようなものがたくさんあるのでありまして、私鉄がバスに比べて大規模の事業だということは当らないと思います。そして大規模の事業だから外形標準課税にしておくのだという理由にはならない。私はどうも納得がいかない。バス事業と私鉄軌道を同じような徴税の形態にとるべきだということを今でも考えておるわけであります。それから、多くの私鉄が大規模でないことは今申し上げた通りでございますが、なおこのほかの大規模の企業がいろいろあるわけであります。そういう企業に対して、これが所得課税であるにかかわらず私鉄のみに外形標準課税を行うという理由がどうもわからない。こういう点を一点お聞きしたいのであります。  さらに先ほど申されました附加価値税の考え方でありますが、なるほどさっきおっしゃいましたように、資本に対しては利子を与える、土地に対しては地代を与える、労働に対しては労賃を与える、企業に対しては利潤を与える、こういうことは経済原論に出ておることでありまして、申すまでもないことでありますが、これに対して今部長は、さらに地方団体の用益に対して地方税を支払うべきだという御議論であったと思うのであります。これは附加価値税の考え方がこういう点にあるわけでありますが、こういう考え方に対して、国会が二十五年から二十九年までいろいろと論議を尽して、その実際の執行の場面になってみると、不都合な点がたくさんあるという結論が出て、これが実行されなかったことは御承知の通りであります。大体において法人が五割程度増加し、個人が五割種皮減少するということでありまして、法人関係に反対論が多かったということは当然のことでありますが、特に私鉄などの収益力の少いものに対してこの附加価値税的な考え方を適用することは、私は妥当じゃないと思います。さらに多くの人を使っておる産業、こういうものに対して附加価値税的な考え方、地方団体の用益に対して地方税を払うべきだという考え方は、私は当らないのではないかという気がするのでありますが、こういう点についても御意見を承わりたいと思います。

鈴木直人自由民主党

○鈴木(直)委員 ちょっと関連して。かつて地方税といたしまして事業税をやめて附加価値税にするという考え方が当時の司令部方面からサゼスチョンがありまして、そうして附加価値観を採用するような法案が出たことがあります。そのときに、地方税というものは、地方の公共団体にはある程度世話になっておるのだから、それに対して地方公共団体に納めるという意味からして、所得税の付加税に類するような事業税でなく、外形標準課税による課税方式をとる附加価値税でいくべきである、こういう考え方で附加価値税に置きかえられるようになったのでありましたが、その後の経過によりまして附加価値税は廃止されまして事業税一本という地方税体系として進んでおるわけであります。そういう考え方を持ちますと、事業税というものの本質はやはり所得課税というのが性格的に正しいのではないか、附加価値税的な外形標準課税を事業税にとるということは、例外的な措置であるというふうに考えるわけであります。附加価値税を事業税に置きかえるというなら別でありますが、附加価値税を廃して事業税一本でいくという現在の税体系をとっていく上におきましては、やはり事業税の本質である所得課税ということでいくのが正しいのではないかというふうに理論的には考えるわけであります。ところが一部のものに——今問題になっておる点もそうでありましょうが、一部のものにのみ事業税の課税方式を附加価値税的な外形標準課税にするということは、やはり筋としては例外的なものであるから、強くそれがあるべき姿であるという主張をとるべきものではないのじゃないか。今政府のお話によると、それが正しいというような確信を持った答弁のようでありますが、やはり事業税としては例外的な課税方式じゃないかというふうに考えておるのであります。従って、例外的なものであるけれども、それを事業税に直すと、地方の財源に非常に不足を来たすというようなことがあるとか、あるいはそれをとっても、大企業の私鉄などは相当地方のお世話になっておるのだから、例外的にやむを得ないという程度の論拠じゃないかというふうに私は考えるのであります。先ほどのお話を聞きますと、どうもこれが正しい課税方式であるというふうに確信を持っていらっしゃるようでありますけれども、その点もあわせて聞いておきたいと思います。

奥野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奥野政府委員 第一点は、私鉄だけに外形課税をしいているというようにおっしゃつたのでありますが永田さんのおっしゃったのはそういう意味じゃなかったかと思いますが、御承知のように電気供給業であるとかガス供給業、それから地方鉄軌道業、この三つについては料金統制が行われており、しかも独占的な企業であるということで外形課税を行なっておるわけであります。そのほかに損害保険事業、生命保険事業、これも外形課税をやっておりますが、これはまた趣旨がちょっと違っておるわけでありまして、鈴木さんのおっしゃいましたように、地方財政が非常に窮迫しておりますので、課税標準を変えます結果減収になることは非常に困るわけであります。こういう問題もおっしゃる通りございます。外形課税をしております今申し上げましたものから得ておりまする税収入が五十四億六千二百万円となっております。これを所得課税に置き直しますと二十億五百万円になるわけでありまして、差引三十四億五千七百万円の増収を得ておるわけであります。それでは現在の地方税法の建前で所得課税を本体にしているのか、外形課税を例外的にしているのか、こういう問題でありますけれども、これは法文に現われております言葉から申しますと、第七十二条に所得または収入金額によるのだ、こう書いてあるわけでありまして、実はどちらが原則だというふうにもうたっていないわけであります。立案して参りました当時にもやはり事業税は応益課税の方がいいのじゃないか、もし応能的な課税をしていくとしますならば、事業税と府県民税とが全く重複するじゃないか、こういうことも申し上げられると思うのであります。従いましてまた事業税につきましては単に外形課税だけじゃございませんで、法人税の場合とは異なった取扱いを幾多いたしているわけであります。たとえば重要物資製造業につきましては、法人税は免除いたしましても、事業税は課税する、あるいは増資配当分につきましては、法人税の場合には一割を限度にして損金算入を認めるけれども、事業税には認めないとか、そういうような式に幾多の例外を設けて参ってきているわけであります。もともと料金を決定します場合に、事業税は売り上げ金額の一・五%、これを私鉄から府県に納めさせていくのだ、こういう法律の建前になっておるから、料金をきめる場合には一応積み上げました金額に一・五%を加算して参ってきておるわけであります。その場合に利潤は一般の私企業よりもある程度制限していくという考え方も立とうかと思うのであります。もし利潤を基礎にして加算をしてもいいということになるならば、おのずから料金をきめる場合の基礎が変ってくるのではないかと思います。こう思っております。やはり料金をきめます場合には、府県に払う事業税相当額も基礎にいたして算定してもらいたい。また事実こういう問題を特に地方財政上非常に問題にいたしましたのは、戦後のインフレ時代において料金を極度に押えて参りまして、自然地方団体に支出して参りまする金額というものが、利益を標準にいたします限りはほとんどゼロになってしまう、こういう問題もあったわけでありまして、やはり事業税の本質からいきますと、料金算定の場合にどれくらい負担すべきかということも考えてもらわなければいかぬじゃないか、こういう考え方もいたしているわけであります。   〔委員長退席、亀山委員長代理着席〕

永田亮一自由民主党

○永田委員 さっき質問した中の答えが抜けているのもありますが、たとえば私鉄が大規模であってバスが小規模だというために、私鉄のみを外形標準課税にするという議論は、私は当らないのじゃないかという点を質問しました。その点の御答弁をまたあとで願います。  それから事業税が応益的な原則によってやるべきだという一応の原則は、私はこれを全然否定するわけじゃございません。応益原則によって事業税を納めるべきだということについては、一応の理屈があると思います。今奥野さんの言われたように、所得税とダブルじゃないか、あるいはさらに最高の額において、つまり累積課税が非常に行われておりますから、上の方を考えてみると、所得税でうんととってまた事業税で所得課税をすれば、非常な加算になるというような議論もわかっております。しかしそればかりで私はものことを判断できないと思う。特に応益原則に対して応能的な考えを持つべきだということを私は言いたい。それはもう先ほどからたびたび申しましたが、赤字でにっちもさっちも動かなくなっている会社が相当ある。この前ちょっと調べてみましたが、全国で私鉄百四十八社について調べてみたところが、もう赤字で配当もしないし、非常に困っておるところが六十一社あります。そしてその六十一社はほんとうに赤字で困っておるので、その企業者たちの中には何とかしてこれを挽回しようというので、バスなどをあわせて経営しておるものもあります。バスが昨年所得課税になったために、さらにバス事業をあわせてやる、その私鉄の赤字をカバーしょうという考えを持つてバスと両方やっておって、私鉄の赤字をなくしていこうと努力しておるものもあります。しかしバスと私鉄と両方やって、しかも赤字の会社が三十五社もあるのです。私はこういうことを考えてみたときに、応益原則ばかりを振り回して、机の上でなるほど税の体系として事業税が応益原則のみによって行うべきだということを言うのはけっこうでありますが、現実に当てはめてみた場合に、担税能力も何もないようなちっぽけな赤字の会社にまで、外形標準課税を押しつけるということではもうやっていけません。そういう会社はつぶれてしまう。先ほど奥野君も収入の点を言われましたが、応一益原則によって外形標準課税によれば、これこれの増収があると言われましたけれども、もしも赤字で困っておる会社に、さらに事業税をどんどんかけていくということになりますならば、私鉄は経営をやめてしまうだろうと思うのです。そうすればこれは元も子もなくなるのでありまして、増収が幾らあるといっておっても、私鉄が経営をやめてしまえば、収入が一つもなくなるのでありますから、ゼロということになります。こういう点も考えてみて、増収がこれだけになるという点からのみ応益原則を適用するということは、大きな損をすることになる。こういう点を特に考えてもらいたいと思うのです。  それから日本の私鉄企業というものは、外国の例なんかと比べてみても、定期券というものを出しておる。この定期券というのは外国なんかにあまりないのですが、これが非常な割引をやっておるのです。特に学生なんかが通学するのに、あるいはサラリーマンが安い月給で会社へ通うのに、その負担を軽くするという意味でこれは日本独得のものなんです。定期券によって半額、さらにそれ以下にも料金を負けておる。こういうことは日本の私鉄がやっておることで私はいいことだと思うのですが、こういう点にもししわ寄せが来るならば、私鉄は定期券というものをやめてしまうかもしれない。そうすると通学しておる学生などが普通の料金を払い、倍以上の学費がかかるということになるのです。さらに安月給のサラリーマンなんかが会社へ通うのに交通費が非常に高くなってくる。こういう点も考えてみて、私は応益原則のみを振り回すということが、社会情勢から見て適当かどうか。今の情勢から考えてみて、私鉄をこういう面でいじめることばかりが能ではないと思うのです。私鉄も営利会社でありますから、つぶされる前にはいろいろなあがきをすると思う。そういう点をよく考えてみて、しぼれるところからはしぼった方が得だという考えをやっておったら、結局は大きな損をするということを申し上げたいのであります。  それからさっきのバスと私鉄を区別するということは、私はどうも納得がいかない。その点ももう一ぺん御説明を願いたいと思います。

奥野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奥野政府委員 バス事業を事業税のうちで収益課税をします部分から除外いたしましたのは、先ほど申し上げた経緯でございます。おっしゃいます通り、同列に扱った方がなおより公平にいくのではないだろうかという感じはいたしております。そうだからといって今のような形になっておることが認められないのだというほどのものでもない、そのようにお答えをしておったわけであります。バス事業を私鉄が兼営する、こういうのは非常に多くなってきていると思います。この兼営部門をはずしまして、バス事業と私鉄事業とを比較いたしました場合には、総体的に見ましてやはり私鉄事業の方が全体として規模が大きいのではないか、また独占性も強いのではないだろうか、こういうことが申し上げられるのではないか、こう思っておるわけであります。  それから第二点の、収益のなくなってきたものに対してなお事業税を納めさせる、これは不合理ではないかというお話でございます。これはやはり収益がなくなってきたら固定資産税もやめるべきだ、こういう議論もある一面においては通ずるのではないだろうか、こう思っておるわけであります。応益的な負担として市町村に固定資産税、応益的な負担として府県の事業税、しかも事業税については今課税標準を変えるということは、附加価値税の例をとって鈴木さんがおっしゃいました通り、いろいろ疑問を与えることは適当ではないと思うのであります。そういう意味からいたしまして、結局あれは今永田さんが御指摘になりましたが、行われないできたわけでありますけれども、料金統制の行われているものにつきましては、料金に算入すればそれは可能になるのじゃないか。その場合に事業税は法律通り料金に算入するけれども、利潤はあまり認めない、あるいは多く認める、こういう料金のきめ方もあり得ると思うのであります。あるいはまた料金決定のその後の事情の変化によるズレというものもあり得ると思うのであります。料金の決定の仕方についてはいろいろ議論はあると思うのでありますけれども、料金統制の行われているものにつきましては、事業税負担分を的確に算入してもらいたい。算入された以上は独占企業で守られるはずだから、守られたものは府県に税負担として出してもらえないだろうか、こういう考えをとっているわけであります。もとよりそれがために私鉄が経営できなくなってしまうということは地方団体としても大問題でございますし、これはやはり道路政策なり私鉄政策なり、地方団体がいろいろ考えまして、減免措置をとりますとかあるいは積極的に徴税政策をとりますとか、それはまた別の見地から行われていいのじゃないか。税負担という問題とその私鉄を発展させていくという問題と、これは別個の見地から取り扱われていかなければならないじゃないか、こういう考え方を今同時にいたしておるわけであります。また地方団体が積極的にそういう施策をとりますことを、私は別に悪い問題だと思っていないわけであります。課税政策としてはこういう料金統制の行われている事業につきまする課税標準は、収入金額に求めた方がいいのじゃないか、こういう考え方はいたしておるわけでございます。

永田亮一自由民主党

○永田委員 去年百五十ほどの会社について調べたのですが、そうしたところが、無配当の会社が五十六ある、これは今あなたがおっしゃったように料金が認可制になっているから、利潤の方によけい回す心配があるとおっしゃいますが、現実に三分の一の会社は無配当なんです。この点をよくお考え願って、今の世の中で利潤ばかりよけいに取ろうなんと考えたって、労働組合もあるし、そういうことはできるものじゃないです。これは私はもっと高い見地から、公益的な見地から私鉄というものを育てていく考えを持つのが自治庁の考えじゃないかと思うのです。さらにその収入の面から言いますと、たとえば所得課税にした場合に減るとおっしゃいますけれども、これは収入金額に対して所得が〇・一二五に達しておるところが、ちょうど税収がトントンになるのです。それ以上の収入を得ておる会社は、つまり東京で言うと大きな会社です。そういうところはそれ以上に収入を上げているのです。だから外形標準課税にするよりも所得課税にした方が税金がたくさん上るのです。私が申し上げたいのは、赤字で四苦八苦して、しかも苦心惨たんして経営をしておる会社をいじめるのがよいのか、それとも非常な大規模の会社でうんと利潤を上げておる、二割も三割も配当しておる会社があるかと思いますが、一割五分をこえて配当しておるものが全国で八社あります。そういうところからどんどんとったらいいじゃないですか。私の考えは所得課税にすれば、そういうふうにうんともうかっている大きな会社から税金がよけい入ってくるのです。外形標準課税にした場合には、そういう会社からの収入が少いのです。所得課税にした方がそういうもうかっておる大会社からの収入はふえるのです。私はその地方における軽便鉄道のような小さな会社をいじめるよりも、むしろ収入という点を考えるならば所得課税にして、大規模のうんともうかっておる会社からとるべきだという考えを持っておるわけであります。  それからもう一つお尋ねしたいのですが、さっき奥野さんは外形標準課税になっているのは私鉄のほかに電気、ガスそれから保険事業、こういうものがあるとおっしゃった、その通りであります。ところが電気、ガスというのは大体独占企業であって、これは消費者に転嫁ができやすいのです。ところが私鉄の方はそうじゃないのです。先ほど学生の問題やサラリーマンの問題を申しましたが、こういう方面に転嫁をするということが非常にむずかしい、それでこれを一緒くたに考えるということは間違っていると思うのです。それからもう一つ、ほかの大規模の事業が所得課税になっておるにかかわらず私鉄のみが所得課税にならない、この理由がどうもわからない、これも一つ御説明願いたいと思います。

奥野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奥野政府委員 最初の問題は非常な利益を上げているところがあるのだから、同じ私鉄でもそういうところから事業税をうんとたくさんとればよろしいじゃないか、こういう御議論があります。この問題につきましては永田さん自身がお触れになりましたように、所得に累積して課税をしていくということは企業意欲というものを阻害して、資本の蓄積をはかっていく場合になるたけ避けた方がよろしいじゃないか、こういう御意見もあるようでございます。もとより利益をたくさん上げますと法人税でありますとかあるいは府県民税、市町村民税においてたくさん税負担をしていただくわけであります。あらゆる税の形においてよけい負担させる、こういうことは税の体系としては避けた方がいいのではないだろうかというふうに思うのでありまして、税はそれぞれ基礎が異なっておるわけでございますので、そういう意味においては所得に累積して課税していく、その結果企業意欲の面においても悪い影響を与える、これは避けた方がいいんじゃないか、しかし別の見地で法人税や住民税で相当の税収を得ていくんだから、それはそれで公平が期せられているんじゃないか、こういう考え方を持っておるわけでございます。もとより私は収入金額課税をやっておりますものについての負担が、これでよろしいのだということを申し上げておるわけではございませんで、もし地方財政の状況が許すならば税率は下げたい、こういう気持は多分に持っておるわけであります。しかしながら現状においてはそれがかないませんので、先ほども申し上げましたようにこういう課税方式のもとに三十四億五千七百万円の増収を得ておるわけであります。これはしかし今申し上げましたような見地から将来なお考えていかなければならないだろうというふうに思っております。転嫁の問題につきましては、これは競合線等において問題があるかもしれませんけれども、料金が維持できないということでもないんじゃないのだろうか、ただ料金を高くした場合にはそれぞれその利用者が少くなってくるとかいうふうな式の問題は出て参るだろうと思いますけれども、七の場合におきましてもやはり固定資産税と事業税というふうなものを同じような性格に考えておりますので、別の見地からの徴税を地方団体としては考えていくべきであろうけれども、税の基本をそれがために変えるということはできる限り避けていきたいのだ、こう申し上げるわけであります。なお御承知だと思うのでありますけれども、現在臨時税制調査会におきまして三十二年度以降の税体系をどうするかという問題が起っております。これに対しまして大蔵省の事務当局が一つの提案をしておるだけのことでありまして、どういう方向をとるかわかりませんけれども、わが国の税制は二十五年の改革後直接税中心主義をとり過ぎた、もう少し間接税に移行していきたい、しかし間接税についてもなかなか適当な方法もないが、一つの案として売り上げ税または附加価値税を作ることによって流通税をふやす、その反面法人税や所得税を減税したらどうか、これとの関連において事業税の存廃を考えたらどうだろうか、こういう提案をいたしておるわけであります。言いかえれば売り上げ税課税と言いましょうか、昔ありましたような取引高税と申しましょうかあるいは附加価値税と申しましょうか、流通税的な面、こういうところになお将来税収入を相当求めていったらいいんじゃないだろうか、こういう考え方も実は相当多くの人に抱かれている考え方であります。そういうふうなことをあわせて考えて参りますと、独占的な企業であって料金統制が行われて、その料金の事業税相当額を算入していける。その料金が維持されていく。それならば維持されただけのものは県に経費の負担分として納めていく、こういう考え方もできるのじゃないか。結局課税形式の問題ではなく、一・五%という税率が高過ぎるという議論になってくるのじゃないか、こういう気持を持っておるわけであります。しかし御指摘になりました点は幾多の問題を包蔵しておるわけでありまして、将来も十分検討していかなければならない問題だと思います。端的に申し上げればこの税率を引き下げることじゃないかということを、率直にお答えしておるわけであります。

永田亮一自由民主党

○永田委員 いつまでやっても同じような議論になるのでもうやめますが、ただ奥野さんは三十四億増収になるということを盛んにおっしゃいますけれども、これは今言った中小の私鉄がほんとうに犠牲的に行なっておるのです。これがほんとうの資本家的立場から考えてやっても赤字になるのだから、おれはやめたと言って運転をやめてしまえば、三十四億の増収どころかうんと減収になるのですから、この点から考えてみて、今増収になるからと思って喜んでいても、これがとまってしまえば入らない。しかもそのために全国民がどれだけそれによって不便を受け、損害を受けるかということを考えてみたときに、私はこういう小さな困っておる赤字の私鉄を今後育成して、ある程度の税金が当然納められる程度に発達するまでは外形標準課税をやめるべきだ。所得課税によって、所得に応じて課税をやっていくべきだ、所得があろうがなかろうが、税金を納めるというやり方はどうも納得ができない。これは意見でありますが、申し上げます。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長代理 門司委員。

門司亮日本社会党

○門司委員 私はごく簡単に大臣にこの機会に聞いておきたいと思います。地方税の改正の要綱を読んで見ますと、いろいろ税の改正の中で、法律案は別途に出すが、三公社に対する納税の問題に触れられておるようでございます。これに関連してお聞きしておきたいと思いますことは、現在アメリカ軍の使用しております、非常にたくさんな土地、建物等があるのであります。同時に当該市町村は、そのことのためにかなり大きな負担を背負っております。このアンバランスをどこで埋めるかということでありますが、もしこれを埋めようとすれば、結局米軍の使用いたしておりますこれらについても、何らかの処置がとらるべきではないかと考えるのでありますが、これに対する大臣のお考えをお聞きしておきたいと思います。

太田正孝自由民主党自治庁長官

○太田国務大臣 米軍使用の土地に税がかかっておらない、これは御承知の通り行政協定に基く法律によりまして、かけられなくなっております。防衛庁関係の土地等についても同様な姿でございます。しかるにこういう土地があるために、その自治体が、別にたくさんの費用を払うとかいうような事実のあることも御指摘の通りでございます。今のところこれをかけるということは、今の条約に基く法律によりまして、でき得ないことであるさりとて自治体は非常な負担を受けるのをどうするか。結局のところただいままでとっておるやり方は特別交付税等によりまして、そういう点を見ていこう。はなはだ不十分ではございますが、たとえば横浜とか呉とかというような地域に対しまして、今とっておるやり方は、かようなやり方でございます。決して完全とは考えておりません。

門司亮日本社会党

○門司委員 完全とお考えになっていない。これはよくわかりますが、なおこれに私どもの考え方から申し上げますと、固定資産税というような考えだけでなくして、ここに使っております電気その他は、非常にたくさんの量を使っておるのであります。なるほど行政協定第三条の規定から見ますと、こういうものに直接課税することは困難であると思う。しかし国は地方自治体に何らかの責任を負うべきであるということは考えられるのであります。従って大臣の御答弁のようなことだけではなかなか問題の解決はつかないと思う。たとえば横須賀市の場合、特殊物件までにかりに税金がかけられるというようなことになって参りますと、横須賀市だけでも市から提出いたしております資料を見ますると、大体五億二千万円という大きな数字になっております。もしこの金額があるならば、横須賀市は決して今のような状態ではないと思う。従って三公社に納付をさせるということに政府はお気づきになるならば、やはり同じようにこれらの当該市町村もお考えになっていただくことの方が妥当ではないかと考えますが、そういうことが考えられるかどうか、もう一応大臣の御答弁を伺っておきます。

太田正孝自由民主党自治庁長官

○太田国務大臣 御趣意はごもっともと思います。現状におきましてはこれはできませんけれども、今の趣意をよく検討いたしまして、何らかの措置を考えたいと思います。

門司亮日本社会党

○門司委員 これは奥野君に一つ聞いておきたい。例の呉にある造船所はたしかアメリカが使用していると思う。そして契約は当時八十六万ドルで十カ年の契約であったと思う。その間はアメリカの一つの私の会社が自由に使っておって、所有権が明確に移転されたと同じ形をとっておる。それは十年後には施設を日本にそのまま返すということになっておる。ここはおそらく治外法権じゃないかと思うが、これらに対する税金はどうなっておるか。もしそちらに資料があるならお答え願いたい。資料がなかったら、この造船所に対する課税がどうなっておるか調べて至急知らせてもらいたい。

奥野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奥野政府委員 呉の海軍工廠は大部分日本の会社、工場に貸付をいたしております。この部分につきましては、今回の国有資産等所在地町村交付金の対象になるわけでございます。ただ御指摘になりましたアメリカ合衆国に貸し付けております部分につきましては、貸付資産でありましても交付金の対象にならない、こういう規定を今回置いておるわけであります。それに関連して門司さんが今いろいろ御指摘になっておられる問題は、実は知らなかったわけじゃございません。十分承知しておったわけでございますが、いろいろ問題がございまして、なかなかここまで解決が至らなかったというのが本心でございます。昨年鈴木委員から国有林野所在市町村交付金制度についていろいろ欠陥を御指摘になり、ぜひ制度化したいということをお答えしておったのでありますが、これは幸いにして制度化していただいたわけであります。門司さんの御指摘の問題もいろいろ考えたわけでありますが、大臣が御答弁になりましたように、防衛庁において使用しております公有資産との関連におきまして解決に至らなかったのでありますが、そのアメリカ合衆国が使用しておる資産でありましても、飛行場でありますとかいうようなものと、工場的なものと、住宅的なものと、こういう振り分け方をして一歩でも前進させることが可能じゃなかろうか、三十二年度の問題として私たちはぜひ解決に当っていきたい、それまでは大臣から御答弁のありましたように、地方交付税の運用において当該市町村、地方団体の負担を緩和していきたい、かように考えております。

門司亮日本社会党

○門司委員 大体それでいいような気がするが、内容がちょっと違うように思う。呉の造船所はアメリカが使っておるのですね。そしてほとんど無税にひとしい治外法権みたいなやり方をやっておると思う。これについてどういうことになっておりますか。一応税金がかけられておるか、かけられてないかということ、この点を十分調査してみていただきたい。

奥野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奥野政府委員 調査した結果間違っておればお答えを改めたいと思いますが、呉の海軍工廠は、日本の会社にもずいぶん貸しておるわけでありまして、大体これを中心にしまして、三十一年度に国から交付金が三千万円ちょっと呉市にいくことになっております。なおこの点につきましては、横須賀等の問題もありますので、よく調査した上であらためてお答えします。

門司亮日本社会党

○門司委員 もう一つは、今のあとから調査するというお話で、大臣も何とかこれを考慮するとかいうお考えのようでありますが、これらの地帯は、実際から申し上げますと、軍の撤退に伴いまするいわゆる解雇問題等も非常に起って、おりまして、そして財政上にも非常に大きな影響を市に与えております。たとえば呉のごときも、一方においてそういう治外法権的なものがあるかと思うと、今度約八千人の従業員が英濠軍の引揚げに伴って離職しなければならぬことが当然起ってくる。そうなって参りますと、それから市民税等の徴収がきわめて困難になると同時に、来年度の市民税は入らないということになってくる。一方に失業対策費用は、必然的にふえてくる。こういう形を現実に出しております。神奈川における相模原市のごときは、わずか人口八万人くらいのところに、千三百人が首切られておる。あるいは横須賀等においても、三千七百人が首切られておる、こういう大量解雇になっております。市は一方において非常に大きなこういう固定資産を持ちながら、それが単にアメリカ軍が使用しているということだけで、行政協定三条に基く措置ということだけで、財政上の収入がちっともなくて、反面にそういう支出がたくさん課せられておる。こういう問題について政府はもう少しはっきりした処置をとるべきではないか。今回三公社に税金をかけて、そして三公社から当該市町村に出させる。それが地方財政の一つのプラスになるのなら、私はアメリカ軍が使用して、直接にそういう市町村に非常に大きな迷惑をかけている分について、政府が責任を持って御善処すべきであると考えておりますが、これについてもう少し大臣につつ込んでお話をしておきたいと思います。政府はこういう問題も考えて、特にこの問題に関する委員会を実はお持ちになって、おります。内閣の副官房長官の田中氏を中心とした委員会ができておる。しかしこれらの委員会におきましても、何ら予算化したものがないのでありまして、ただ関係各省が集まって協議をされるというのにとどまっておりまして、その実効のほどは何も上っていない。大臣の所管と多少違うかもしれませんが、非常に大きな関連を持っておりますので、お聞きしておきたいと思いますが、大臣はこの際こういう問題を解決しますことのために、たとえば駐留軍の引き揚げに伴う善後処理費というような、これは仮定の名前でありますが、そういう名前ででも何か予算化して、特別の処置を当該地方にとっていきたいという御構想があれば、私は非常に幸いだと思いますが、この点についてのお考えを一つ、もしございますれば御答弁願いたいと思います。

太田正孝自由民主党自治庁長官

○太田国務大臣 御指摘の駐留軍のいる土地における失業問題、あるいはその地域における自治体の費用がかかること、直接間接の影響などたくさんあると思いますが、ただいまのところ、特別交付税で見ていく以外には方法はない。今回の改正によりまして、ほかに貸したような場合においてはかける規則もできたのでございますが、さらに進んでやっていくという問題になりますと、アメリカとの関係においての協定などとも関連を持って参りますので、とくとその点を考えてから、また私だけの範囲でもありませんので、よく検討して善処したいと考えております。

門司亮日本社会党

○門司委員 私は参考までに申し上げておきますが、たとえばこういう問題の費用の算定は、事実上の問題として厳密に考えられていないのであります。横浜あるいは私のいる神奈川県等に対して明細なデータがありますので、お示ししてもいいのでありますが、駐留軍がおって、講和条約発効後における、あるいは二十五年くらいから今日までの、何ら政府の考え方の中にもない、また地方の自治体にもほとんど考えていなかったと思われるような費用、駐留軍がいることのために使った費用というものが、今日まで累算すると大体二十億になっております。これらのものは、毎年々々分割して出ますから、大した費用でないようでありますが、累積された費用を県庁で調べてみると、私は二十億を越えていると思います。これは一神奈川県における財政計画の上に載らない余分のものであって、しかもそれは何も神奈川県だけが戦争に負けたわけではございませんで、日本の責任においてこれを処置すべきであると私どもは考えております。こういうことを考えて参りますと、これらのことについても十分御参考にしていただきまして、横須賀においてもあるいは呉においてもどこにおいても、大体駐留軍のいる所在地というものは、こういうたくさんの費用をかけております。同時に引き揚げて参りますあとの始末というものは、全部自治体が背負わなければならぬという形になっております。十分その点は御考慮を願っておきたいと思います。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長代理 北山君。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 きょうは地方税につきまして大ざっぱに二、三の点をお伺いしたいのですが、その前に、私この前予算委員会の分科会で二十九年度の地方税の決算額について、私どもに当委員会から配付された資料に基いて三千四百四十八億と質問したのでありますが、この数字が違っているらしい。そこでこの正しい数字をお伺いしたい。

奥野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奥野政府委員 ちょと今見当りませんので、少し探さしていただいて、あとでお答えさしていただきたい。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 それではその問題はあとでお伺いします。  それでは一般的な問題をお伺いしたいのですが、私どもはこの国会におきまして、地方行政の委員会においても、現在の地方税の制度における欠陥を委員会の審議の際にいろいろ指摘され、自治庁としてもそれを承認している点も多々あるわけであります。ところが今年また地方税法の改正案が出たのを見ますと、それらの点はほとんど改正されないで、むしろ改悪になっているのではないか。だから自治庁から出されました今度の地方税法の改正というのは、地方税法改悪事項というように直した方がいいように思う。というのは、いろいろ大臣の御説明がございましたが、これを通じて見られるところは、地方税のつり合いをとる、均衡をはかる、あるいは非課税の範囲を縮小するというような、いろいろな理届をつけて、新しい税目を立て、増税をはかっているということであります。その結果として、自然増を合せて昨年に比べて三百九十何億かの増収見積りになっている。これはほとんど昨年の税収の一〇彫の増収を見ておるわけです。国税の方は五%くらいでありますが、地方税の方は一〇%も増収を見ておるということは、今度の地方税法の改正案なるものは黙っておっても、従来の法律によっても大体において相当額の自然増が出るというにもかかわらず、さらにいろいろな目的税であるとかあるいは交付金、納付金等を作って、そして結果においては国民の負担をふやすというところに全体の改正案のねらいがある、かように考えなければならぬと思うのですが、これについての大臣のお考えを承わりたいと思うのであります。

太田正孝自由民主党自治庁長官

○太田国務大臣 数字の点は私少し記憶が違っているかもしれませんが、普通税におきまして前年にふえた額に二百九十二億、そうして法人税の関係及びたばこ税の税率を変えたなど、いわゆる増税に当る部分が、大まかに考えているのですが半分くらいで、自然増収の分が半分くらい、今数字は事務当局から申し上げますが、そういった状況でございまして、国税に対する関係から見ると御指摘のような数字が出るかと思います。しかし本年百五十億の減税をいたしました前と比較してみますると、やはりそんな多い額じゃないと思います。しかし増収であるという事実は明確に認めなければならない、こう考えております。数字の点はちょっと御説明をさせます。

奥野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奥野政府委員 先ほどのお尋ねにお答えしておきます。二十九年度税収入の決算見込額は三千六百七十八億八千七百万円ということになっております。  その次の三十年度、三十一年度の間における税の伸びでありますが、譲与税を含めました金額でありますと四百十二億、そのうち譲与税を除きますと四百億になるわけであります。今回の制度改正で百二十億くらいの増収になっておるわけでありますが、それ以外の部分でありましても、今大臣がお話しになりましたように税率改訂を昨年行なった、そして実際動いてくるのはことしからであるようなものがだいぶあったわけであります。具体的に申し上げますと、たばこ消費税の税率をことしの三月の売上分から引き上げる改正を、昨年の国会で御承認いただいたわけであります。この関係で百八億八千百万円の増加になりました。それから府県民税、市町村民税両方とも、所得割も法人税割も、昨年、所得税や法人税が減税されるけれども地方税にはその余裕がないから、従前通りの額を維持することを目途に税率を引き上げさしていただいたわけであります。その結果所得税や法人税は減ってくるわけでありますけれども、住民税の所得割や法人税割は従前の額を維持できるわけでありますから、その間に減るのとふえるのと、ギャップがございます。たとえば法人税割で府県の標準税率五%が五四%に上っております。また所得割が五彩から五五%に上っております。市町村民税の法人税割が七五%から八・一%に上っております。所得割が一三%から一五%に上っております。もう一つは、今回法人税法の改正におきまして交際費の損金算入限度額を押えましたり、退職手当準備金への繰入額の累積額の限度額、これを押えたりいたしました結果、所得の額がふくらむわけであります。その関係で、法人事業税や法人税割のふえて参りますものが三十四億九千七百万円ございます。こういうようなものを除いてしまいますと純粋の自然増は百億円ぐらいだ、こういうことになって参るわけでございます。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 自然増の内訳について詳細伺ったのでありますが、確かに一部一についてはお説の通りに考えられます。しかし少くとも税法の改正等によってそれだけの税収がある、約三百億の税収があるのですから、その上にわざわざ百十何億もの増徴を都市計画税その他においてかけなければならぬということはどういうことか。それだけの自然増があるといっても、これはやはり一つの負担であります。負担であることには間違いないので、それ以上にさらに新税を立てたということは、やはりいろいろな事情があるでありましょうが、ともかく地方税において税収をふやすという御方針であることには間違いないと思う。そういう方針が、地方団体にとっては確かに財源を得ることになりますからうれしいことではありましょうが、住民にとってはやはり負担になるのではないか、こういう点について大臣はどのようにお考えであったか。さらに非課税規定を整理して増収をはかるといいますけれども、しかし現行の地方税法の制度の中には、非常に不公平な問題がほかにもたくさんあるはずなのです。一例をあげますと電気税のごときであります。電気秘は、現在膨大な部分、全体の約四割ぐらいを消費している事業関係については、電気税は無税になっておるわけです。大量の電気を使って、しかもそれは非常に安い電気であります。安い電気を使って、その事業は電気税を払っておらぬ。その電気料金の額はたしか七百億ぐらいに上ると思いますが、従って一〇%とすれば七十億、だからして電気税についても一般家庭では高い。そういう事業家よりも非常に高い電気を使い、さらに一割の電気税を納めておる。その事実は、はっきり自治庁は知っているはずなのであります。なぜこういう問題に手をつけなかったのか。ほかにも固定資産税等においてたくさんございますが、そういう点については何にもお考えにならなかつたかどうか、これをまずお伺いしたいのであります。

奥野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奥野政府委員 北山さんよく御承知のように、電気ガス税を今まで消費税として純化していきたい、こういう考方をとって参ってきておるわけであります。従いまして、またわが国の基礎産業に属する部分におきまして、原材料的な役割をしておりまする電気については電気ガス税を課さない、それによってできる限りコストの引き下げを、逆に言えばコストが電気ガス税のために上ることを避けていきたい、そのことがまた日本の産業の発展あるいはまた輸出振興の面から考えても必要なことではなかろうか、こういうような考え方に立っておるわけであります。普通の課税免除というよりも電気ガス税の性質を消費税に純化していきたい、そういう考え方をとって参っておりますので、それ以外の部分には課科が及ばないようにして参りたいというふうに存じておるわけであります。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 しかし電気税については、私は非常にはなはだしい例だと思う。そういう点を考慮に入れたとしても、家庭用の消費量というのは全体の電力の一七%です。ところが料金の方は三五%ですからすでに少い数量を使って、しかも高い電気料金を一般家庭は負うておる。その上にさらに税金を背負っておるのに、一方は税金を払わない、これは私は非常に不公平だと思うのです。そういうふうな安い電力を供給して、しかも税金をかけないということによってコストはなるほど下るかもしれない、コストの下ることによってその生産物、商品の価格というものがこの自由経済のもとで下るということの保証はどこにもない。ただもうけさすだけである。あるいはそうなるのかもしれない。そうなるならば過去における統制時代は別としまして、現在においては、こういう問題はやはり考慮すべきではないか。一〇%全部かけなくても、五%でも三十五億か四十億ぐらいの税収は確保されるのです。そういうことは考えないで国鉄にかけるとか、そのほかの都市計画税であるとかいろいろなものをあさったようでありますが、こういう点については、私は自治庁として、何ら現行制度の是正をはかるという気持がないのじゃないか、こういうふうにしか考えられないのです。この電気税の問題については大臣どうでしょうか。

奥野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奥野政府委員 一応私から御答弁させていただきます。今度の税制改正案を立案いたしまするまでには、あるいは地方制度調査会におきまして、あるいは臨時税制調査会におきまして、十分御審議を願ったわけであります。その際に、自治庁の事務当局といたしましては、現在非課税になっているものについては、どういう種類のものがあるか、その関係でどれくらい減収になっているかという資料を作成いたして、御審議いただいたのでございます。その際には、もとより電気ガス税につきましても、御指摘のような部分を数字に出して提出したわけであります。いろいろ御審議いただきました結果、電気ガス税の非課税の範囲は、いわゆる非課税整理という問題とは別の問題だ、国の経済政策に出ているものであって、それはいわゆる非課税整理として整理すべきものではないのだ、こういうようなお考え方を表明されたわけでありまして、その結果非課税の整理に当りましても、現在提案しているような部分に局限いたしまして、今度の改正案を提出いたしたような次第であります。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 問題を地方制度調査会の方へ持っていって、責任をそっちの方に負わせるのですが、しかしそれならば地方制度調査会の答申があれば、自治庁は全部それを実行するか、たとえば消防施設税について実行するかといえば、それはまたそれで、政府のお考えによっておやめになる。地方制度調査会の方では、やはりいろいろなメンバーがおるでありましょうが、いろいろな考慮でもって、今の電気税についての是正をしない。しかしほかの答申部分についてはしておる。その部分はまた政府の都合によってやらない。これではいつまでたっても公平なる税制というものはできない。こういう問題ですが、大臣おわかりだろうと思うのですけれども、この点についてはどう思いますか。

太田正孝自由民主党自治庁長官

○太田国務大臣 逃げ口上で申し上げるわけではございませんが、税制の改革につきましては、私も非常に頭を悩ましたのでございます。たとえば第一に地方制度調査会で掲げられておった農業事業税、農林事業税でございます。か、八十億円を見込んでおるものも問題があります。御指摘の消防施設税、これも問題があります。それぞれ今度入れたらどうかということにつきましては、審議を重ねましたので、勝手にこれをはずしたわけではございません。農業事業税の問題は、非常に大きな産業政策とも関連を持っておりますし、消防施設税の方は保険事業との関連も持っておりますので、一応も二応も私どもとしては及ぶ限りの研究をしたのでありますが、どうもこの際に踏み切れない。あるいは財源調整につきましての法人事業税を取り上げるというような問題も、非常にこくのある税でございますので、これに手をつけることもむずかしい。そういう意味におきまして、根本的にやるべき税制調査会に、三十二年度の分として実現を期すべく譲った、これが偽わらざる私の感じでございまして、勝手なところばかり取り上げたというような根性ではございません。それはあしからず御了承を願いたいと思います。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 答申案がいろいろ差しさわりがあって、そのまま実行できないということもよくわかるのでありますが、問題はだれの意見を聞くかということだと思うのです。この電気税にしても一般家庭はこういうしかけは知らないから黙っているのです。そうして高い電気税、約二百億の電気税を負担している。ところが一方においては税金は払わないし、べらぼうに安い電力料によってやっている事業がある。こういう事実を知らないから一般の運動にはなってこないのであります。ところが事業家とかあるいは財界方面においては、こういう点は敏感でございますから、たとえば保険事業について消防施設税をやろうと思えば、直ちに政府に対して懇談を申し入れる、あるいは与党に対して懇談会を開いてこれは困るという。そういうことによって結局差しさわりができて、地方制度調査会の答申案が実行できないことになる。だからそういう角度からものを考え検討しておれば、いつまでたったって公平妥当なる税制はできないと思うのです。これは今後の問題でもありましょうから、そういう今までのようなやり方ではなくて、もっとすっきりとしていて国民の前にほんとうに公平な税制として、ぜひ税金はこういう仕方で納めて自治体の仕事をやらせてもらいたいということが、堂々と言えるような税制に直していただかなければならぬ。現在の住民税にしても固定資産税にしても非常に不公平であります。それが何年も前から指摘されているのに実行されない。ことしもまた膨大なる税法の改正案を出してきましたが、末梢的な非常にこまかい規定ばかり多くて、ほんとうのかんじんかなめの中身はない。私は改悪であるといわざるを得ないのです。これはあとで討論でもするときに申し上げます。  次にお伺いしておきたいと思いますのは、今お話のようにいずれにしろ約四百億の税の増収があるわけなんであります。それを基本にしてことしの地方財政の計画は組まれている。従って地方団体としては昭和三十一年度において大体この税法なりあるいは地方財政計画の基準に従って税金をとっておれば、まずまず昭和三十一年度は越せる、こういうふうなお考えで財政計画を組み、かつ税制をおきめになった、かように考えてよろしゅうございますか。

太田正孝自由民主党自治庁長官

○太田国務大臣 大体さようでございます。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 そうしますと個々の団体によっていろいろ事情が違うかもしれませんけれども、しかし特別増税をやらなくても——やらせるというようなことは政府としては期待しておらない。そこで財政計画に見込んだのは自然増や新税による妥当なる税収計画、収入計画でありますから、それ以上のことをしなくてもいいじゃないかと、私どもは当然そう思うのです。従ってこの財政計画なりあるいは税法以上のことを地方団体に対して税の増徴をしろというようなことを、自治庁長官は期待しておりますか、おりませんか。

奥野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奥野政府委員 お話の点は御承知のように地方財政計画を作っていきます場合には、地方団体が全体として最小限度の行政をやっていくに必要な財源には事欠かないようにという見地で考えるわけであります。ただこれも御指摘になったわけでありますが、個々の地方団体によりましては、従来の地方債について元利償還費が三十一年度で急に膨大な額になってくるとか、あるいはそれぞれの地方団体におきましてその地方の発展をはかっていくために、積極的な施策をいろいろ講ずるとかいうふうな問題がございますので、あるいは増税をする、あるいは減税をするというようなことはもとよりそれぞれにおいて起ってくるだろうというふうに思っております。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 当局としてはお答えがしにくいかもしれませんが、たとえば税の問題ではありませんが、地方財政計画に地方の中小学校の職員数の増加を七千九百人見込んだ。ところが実際の行政指導の場合にはなるべくふやさないようにしろとか、あるいはまた公務員の昇給昇格の率は四%と財政計画に見ている。しかし地方団体に対しては昇給昇格はなるべくやらないようにしろというような矛盾した指導をなさらぬようにしてもらいたいと思うのです。一応財政計画というものを大臣が自信を持ってお立てになり、特に三十一年度においては過去のあやまちを直して、昭和二十九年度の決算に基いて大体において実態に合せるようにこれを直したのでありますから、それを基礎にして指導なさるべきはずだ。従って税についても大体四百億というような自然増なり新税というものをお立てになったんだから、その範囲で指導するのが至当であって、多々ますます弁ずということで、赤字があるなら税金をふやせというような指導はなさるまいと思うのですが、これを一つお伺いしたい。

太田正孝自由民主党自治庁長官

○太田国務大臣 ただいま事務当局からお話し申し上げました通り、各自治体にそれぞれ違った事情がありますので、あるいはその自治体の考えるところによって減税もしたり、増税もすることがあるかと思いますが、私の考え方としては、財政計画に盛ったその精神を持って指導していきたいと思います。昨今いろいろなことを聞きまして、先ほど北山さんの御指摘になりました学校の子供がふえるについて、学校の先生をたしか七千五百に、ふやすという計画がある。しかるにかかわらず各地において整理的なことをしているじゃないかというようなことも承わりまして、びっくりしていろいろ調べてみました。これは一例でございますが、その問題につきましても明後年度に中学校でございますか、減ってくる状況になります。そのときになって、ぽつっとやってはいけないから、新陳代謝をする意味におきましても、ほどよくやっていきたいということの考えを持っております。しかし七千五百人ふえるという、その計画には何の妨げもない方法でもってやっていかなければならぬ。あるいは言葉なり表現なりが悪くて、非常に各地で神経を刺激したということも聞いておりますが、その点はとくと戒めまして、ほんとうの一精神によってやっていくようにいたしたい、こう考えております。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 大体の御方針は承わりましたが、先ほど申し上げましたような趣意で、これから各税日ごとにいろいろこまかい点をまたあらためてお伺いしたいと思うのです。ただきょうは一点だけお伺いしておきますが、固定資産税の場合の土地の面積なんですが、私は非常に疑問に思っておるのです。田畑、宅地、山林、原野等の面積が、昭和二十五年以来ずっと見ておると減っていくんです。百七十万町歩ばかり減っている。どうも台帳の面積が全体として減るということは、私は受け取れない。日か畑になったり、あるいは宅地になるということはわかるけれども、相当の面積が消えてなくなってしまうということは私はわからないのですが、一体この固定資産税の基礎になる土地面積は、台帳によるんだろうと思いますが、その統計資料等はどういうふうになっておるのですか、それをお伺いしたい。

奥野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奥野政府委員 公用地でありますとか公共用地でありますと、土地台帳法の適用からはずれて参るわけであります。また固定資産税も課されなくなるわけであります。そういう面積がふえて参りますと、自然土地の面積でありましても、私たちの使っております数字は、固定資産税の課税の対象になる土地なものですから、減ってくることもあるわけであります。私たちが使っております数字は、市町村が固定資産税の関係の概要調書を府県に送る義務を、地方税法において負っているわけでありまして、これをさらに府県がとりまとめまして、自治庁に送ってくるわけであります。これを基礎にして計数をまとめているわけでございます。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 土地のいろいろな種別がございますが、その中で一番異動があるのが山林と牧場、原野です。昭和二十五年は山林は八百四十三万町歩、牧場は二十五万町歩、原野は百七十一万町歩、この三つで合計して千三十九万町歩、こういうふうな計算です。これは統計によったのです。ところが昭和三十一年度では、山林の方は七百四万町歩、牧場は十六万町歩、原野は百四十六万町歩、合計して八百六十六万町歩になっている。そうしますと差引いたしまして百七十三万町が山林原野等において減っているのです。だから日本の統計はでたらめであって、国土が狭い狭いといいながら、まだほんとうの面積もつかんでおらない、実にばかげた話だと思うのです。そこで特に今度は国有林等についても税の対象になってくるのでありますが、私は国のやっている調査ですらも信頼を置きかねるので、この点について一体どういうふうな統計でどういうふうに出てくるものであるか、なぜこんなふうに面積が縮小してくるのであるか、この点を一つ資料として出していただきたい。それからもう一つは、今までの資料でもいただいておりますが、ちょっと古いようでありますし、われわれとしても検討してみたいので、この地方税法全部についての非課税の関係を、やはり体系的に出してもらいたい。電気ガス税についても最近のものをいただきたい。発電所あるいは船舶等についても、電気会社はこのごろもうかっておるようでありますし、海運会社も景気がいいようでありますから、わざわざ固定資産税なども負けてやる必要もないのではないかという気もいたしますから、そういう関係の資料を一つまとめて出していただきたい。きょうはこれで終ります。     —————————————

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長代理 それではお諮りいたします。連合審査会の開会についてであります。ただいま本委員会において審査中の地方税法の一部を改正する法律案について、建設委員会から連合審査会開会の申し入れがございました。この建設委員会の申し入れのごとく、連合審査会を開会するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長代理 御異議なければ、地方税法の一部を改正する法律案について、建設委員会と連合審査会を開会することを決しました。  なお開会の時日につきましては、建設委員長と後刻打ち合せました上決定いたしたいと思いますので、さよう御了承を願います。本日はこれにて散会いたします。    午後三時十六分散会

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