地方行政委員会 第4号
- 発言数
- 43 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/02/10
会議録
○大矢委員長 これより会議を開きます。 昭和三十一年度地方財政計画について調査を進めます。質疑の通告がありますので、順次これを許します。 なお大臣はお昼前に出席するという通告がございました。政務次官の早川崇君、後藤財政部長がお見えになっております。北山愛郎君。
○北山委員 それでは昨日の質問を続行しますが、昨日質問いたしました本年度の起債のワクの問題は、大体了解いたしました。ただ八十億の借りかえというのは、政府資金、公募、それぞれどういう比率か、あるいはどういう方法でやるか、この際明かにしていただきたい。また八十億というような基準を設けたのは、どういうところにその理由があるか、もう少し詳細に、説明していただきたい。
○後藤政府委員 お尋ねの借りかえ債の八十億でありますが、これは政府資金三十億、公募五十億であります。これを八十億の数字にしましたのは、政府資金及び公募債の償還の額を大体中心にして考えたわけであります。 まず公募債の方から申しますと、公募債の三十一年度に償還すべきもののうち、最後の年度に来ておりますものが大体百億ございます。これは従来の契約が八分五厘で五年ということ広であります。一般の縁故の公募債は五年の均等償還になっております。最後の年度に来ておるものが約百億ございますので、そのうちの半分程度を延ばす——全額を延ばすということも考えられないことはないのでございますけれども、安全率をとりまして、約半額を延ばそう、こういうふうに考えたのであります。 それから政府資金の方は、原資とのからみ合いの問題がありまして、御承知の通り郵便貯金が伸びませんので、来年度の政府資金の量は本年よりもだいぶ減っております。郵便貯金で百億以上減ぜざるを得ない事情になっております。従って原資がありませんので、さらに借りかえ債で原資を使いますと、一時借り入れの資金にも影響して参りますし、他の投融資にも影響して参る、こういうことで三十億に下ったのであります。五十億ぐらいはわれわれほしいところでありますが、そういう資金の事情によりまして、三十億になったのであります。これも一番最後の投融資計画の決定のときに三十億だけふやしてもらいまして、きまったのであります。 これを実施いたします方法といたしましては、政府の関係は問題はないと思いますが、民間の借りかえというのは、それぞれの団体と金融機関との間のいろいろな事情がございますので、先ほど申しましたように、全部を借りかえるということは困難であり、それで安全率を五〇%くらいに見たのであります。従って銀行協会、金融機関と相談をいたしまして一定の約束をいたし、その約束を基礎にして、それぞれ公債費の多い団体について個々の問題として借りがえをしていきたい、かように考えております。
○北山委員 御説明のようでありますと、この借りかえ起債というのは、本来ならば一般財源でもって充当しなければならない分について起債を認めるのですから、その性質上赤字起債を認めるということになるのではないかと思うのです。起債された金をもって借金を返すというのでありますから、普通ならば一般財源でやらなければならぬ、それを起債でやる、だから赤字債だ、こういう性格になるのじゃないかと思いますが、その点を伺いたい。それから、赤字債ということになれば、やはり地方財政法との関係で差しつかえがないかどうか。それをお伺いいたします。
○後藤政府委員 私どもは赤字債とは考えておりません。借りかえという考え方は昔からある考え方でありまして、金融情勢が変化して参りました場合には、借りかえという制度が必ずあったのであります。特に最近は銀行の金融利子が非常に下っておりますので、この下った利子の条件に合せて利子負担を少くしていくということは、当然のことだろうと考えておったのであります。そういう金融情勢に関連いたしまして、この際従来の高い八分五厘の利子のもの、まだ九分以上のものも団体の中にはございますが、そういうものを安い八分以下のものに借りかえる、年限も従来の五年のものを七年以上に延ばしていく、こういうことは私は当然のことであると考えております。またこういうふうなことは従来からもやっておりますので、ものによりましては起債の年限をすでに延ばしておる、借りかえを当然に予定して起債の許可の際年限を考慮しているものもございます。従って私はそう赤字債的なものとは考えておりません。
○北山委員 昔からあったということでありますが、昔あったことが現在の制度のもとで立法の裏つけなくして当然できるものだとは限らないわけです。しかも戦後における現在の制度のもとで、はやはり起債の元利償還といりものは、一般財源で支出するということになって、その通りやってきておるのですから、今度返す分について起慣を認めるというのですから、やはり実質上赤字債という性質と見なければばらぬ。その点私は非常に疑問に思っしおるわけであります。その点はもう少し御検討いただきたいと思います。それから本年度の公債費六百二十五億ですか、この内訳は政府資金関係が元利償還の総額が四百七十二億五千六百万円、公募関係に百五十二億幾らというふうに承わっておるわけであります。この政府関係の四百七十二億幾らというのは資金運用部に返る金である川どうか、これを承わりたい。
○後藤政府委員 お尋ねの政府資金の償還分四百七十二億のうち元金が百九十三億でありますが、これは大部分が資金運用部関係でありまして、一部簡保の関係がございます。つまり郵政省関係が一部ありまして、運用部の方に返すものはたしか百三十億台ではなかったかと思います。
○北山委員 利子の方は二百七十九億というのはどういう配分ですか。
○後藤政府委員 政府資金二百七十九億のうち、これは現在手元に調べたものがございませんので、あとからお知らせいたしますが、利子の方はたしか簡保の方が相当量が多かったと思います。
○北山委員 いずれにしましても、資金運用部と簡保の方に四百七十二億が本年度返されるということになるわけです。従ってこの簡保の方の特別会計、それから資金運用部の運用の計画、この中にはこの回収が含まれておらなければならぬと思うのです。予算の方の説明を見ますと資金運用部の運用計画は次の通りだ。三十一年度として非運用金の回収として三百十八億です。そのうち国債が一億、地方債が百六十億、その他が百五十七億こうなっているのです。それから簡保の方を見ますと資金調達として、余裕金の回収金としてたった一億しか見てない。当然地方債以外にもたくさんございますが、地方債関係だけでも資金運用部と簡保には四百七十二億というものが、元金の回収並びに利子として受け入れておらなければならぬじゃないか、こう思うのです。今の数字では少しはっきりいたしませんけれども非常に少い数字しか計上されてないのじゃないか、こう思うのですが、その関係はおわかりでしょうか。
○後藤政府委員 これは両会計の原資の問題でありまするが、先ほどの八十億のうち三十億分というのは、あとで原質を三十億だけ伸ばして、伸ばした分だけを私どもの方へ借りる、こういう格好にいたしたのでございます。従って原資の方で含めてございまするので、それぞれの会計の歳出の方の関係は、私どういうふうになったのかまだ承知しておりませんが、原資を伸ばすことによってわれわれの方の三十億をふやしてもらう、こういうふうに考えております。それから回収金の問題でありますが、これは私どもの方で毎年、おっしゃるようなことをいっておるわけでありますが、もっと見てもいいのじゃないか、われわれの方の計算は大体こういうふうであります。決算を見ましてもそう違ったことになっておりませんので、その辺のことは私もちょっとわかりかねております。しかし大体百六十億ぐらいの元金をそこに見ておるのじゃないかと考えておるのであります。
○北山委員 今申し上げた通り、資金運用部ははっきり地方債の回収として百六十億見ております。それから簡保の方は全部入れて一億しか見ておらぬのです。ですから元金の回収だけをそれに計上してあると見ても少し少な過ぎる、それ以外の二百七十九億の利子というのは一体どういうふうに資金運用部なり簡保では受け入れておるものかどうか。これは普通の経常費の中へ入れてあるものが非常に大きな金額ですから、普通ならば利子収入として入れて、それをまた原資の方へ回して運用するのが当然じゃないかと思うのです。どうも食い違いが非常に大きいので疑問に思っておるのですが、どうですか。
○後藤政府委員 回収金というのは私は元金だけだと考えております。これは政府資金の償還が多少毎年食い違いがございますが、大体同じくらいの数字になっておると考えております。それから利子の関係は回収金の表へ出た数字以外のところに入っておる、かように考えております。
○北山委員 利子の二百七十九億というのはこれ以外のところに入っているというのですか、回収金以外のところでどこでどういうふうな処理をされておるか、これを承わりたいのです。
○後藤政府委員 先ほど申しましたように回収金の中は元金と私どもは心得ております。それ以外の積立金の利子、公債の利子等は他のところに入っていると思いますが、なお大蔵省の方に聞き合せまして、正確な御返事をいたしたいと思います。
○北山委員 この地方債の元利償還についての資金運用部並びに簡保会計における処理というものは、自治庁でも的確に把握しておらぬようでありますから、これはお調べを願って知らしていただくと同時に、また委員会としても大蔵省の理財局を呼んで確かめてみる必要があると思うのです。二百七十九億という利子収入は、やはり運転資金のワクの中へ入ってもしかるべきじゃないか、こういうふうに考えますので、これは委員長にお願いしておきます。 それから自治庁長官しお伺いします が、今年の地方財政計画を大ざっぱに 拝見しますと、いろいろ御苦心の跡は 確かに認められるわけであります。ただまず第一に気がつきますのは、自主 財源の増強というわけで税の増加を相 当大幅に見ている。三百九十六億です。そのうちで国の方からくるような金も若干ございますが、そういうものを省きまして、しかも国税の増加と両方加えますと約八百五十億くらいの税の増加になるじゃないか。内訳を申し上げますと昨三十年度は国税、地方税で一兆一千五百二十六億、三十一年度は一兆二千四百二十一億、差し引き八百九十五億、そのうち国に対する分等を引きますと約八百五十億くらいの増税であります。これは昨年の国税、地方税全体の額に比べまして約七%くらいの増徴になるわけであります。国民所得はそれほどは伸びていないじゃないかと思う。たしか四%幾ら国民所得が伸びているというふうに承わっておりますので、今年度の中央、地方の税の徴収計画は国民所得の上昇を上回る増税ではないか。これは少し行き過ぎではないかと考えられるのですが、財政学の権威であられる自治庁長官は、その点どういうふうにお考えでありますか。
○太田国務大臣 数字の点は御指摘の通りと思いますが、国税、地方税の関係は私まだ数字をこなしておりません ので、後藤財政部長から御答弁申し上げて、それからまた私から申し上げたいと思います。
○後藤政府委員 御承知の通り、国民所得の伸びと税収の伸びと必ずしも数字が合っていると思いませんし、また税収の伸びの方が大きくなっておりますが、これは全体の問題ではなくて、たとえば個々の法人企業の所得が非常に伸びている。特に今までは法人で所得が伸びましても過去の欠損の方に補てんしておりましたものが、今年の三月の決算期からどんどん税の上に現われて参ります。特に秋になって参りますと、従来の欠損をみんな消しまして、それが全部課税所得となって現われてくるという傾向になって参ります……。ので、従来潜在をしておった税が表に出るものが相当あると思っております。そういうものが法人税の伸びとなって現われておりまして、それが非常にわれわれの方の法人税割の伸びとなって現われてきておるというふうに考えておりますので、合わないのはそういう点で合わないんじゃないか、これが一番大きな原因だと私は思っております。所得税の伸びは、これは現実の所得の伸びと——もちろん全体として横ばいの状態でありますが、雇用関係がよくなって参りますし、それから〇・二五その他の関係で全体的にじりじりと国民所得の量がふえて税関係に反映しておるのではないか、かように考えるのであります。御指摘の国民所得の伸びと税の伸びとが必ずしも同じ調子ではないというのは、私は主として法人税の関係にあるんではないか、かように考えております。
○北山委員 いかなる税にしろ、とにかく税の総額としてどの程度に押えるかということは、やはり国民の所得あるいは産業活動等の情勢を見てやるべきものではないかと思うのであります。国民所得は四・三%上っている、ところがどうも税の方は七%ぐらいだということは、大ざっぱに考えまして、やはり増税の傾向にあるんじゃないか、国民所得に相応じたような基礎に基いて税の見通しを立て、あるいは仇法を作るということならばいいのですけれども−またそれが自然でしょう、しかしそれより以上に上回る税収を見込んでおるということは、鳩山内閣は今年度におきましてやはり増税に転じておる、こういうふうに見られてもしょうがないじゃないか、こう思うのですが、長官はどうお考えですか。
○後藤政府委員 総額で税の伸びが国民所得の伸びよりも多いから、それは増税であるかどうかという議論も一つ私はあると思いますけれども、普通に増税と申しますときは、やはりそれぞれの税の税率を上げますとか新税を起していくとかいうような場合に、増税というのが私は常識ではないかと考えております。従って所得が伸びるに従って、また従来の潜在所得が表に現われる関係からして、税の増収になるという場合には、必ずしもそれは増税とは言えないんじゃないか、かように私どもは考えておるのであります。
○北山委員 新税も作っておるのです。確かに勤労所得税は若干引き下げましたけれども、それをこえるところの、国税においてもまた地方税においても新税を作っておる。だからして、もしもその分は国民所得に相応させるだけである、それが適当であるという方針ならば、あえて新税を作る必要はないのです。それだけの伸びが自然増収として出てくるというならば、何も新しい税金を立てる必要はないんじゃないかと思うのです。それをわざわざ作っておるのですから、しかも総額において今のような率において昨年よりも上回っておるということは、やはり増税、その上回る分だけは少くとも増税になるんじゃないか、こういうふうに考えるわけです。個々の法人税が伸びるとかいうことはやはり部分的なものであって、税全体として見て、われわれ国民負担に転嫁されると思うのですが、これはむしろ大蔵大臣の所管かもしれませんから、以上の点を指摘をいたしまして、あらためて大蔵大臣でも来ていただいたときにお伺いしたいと思います。 それから大臣は今年の財政計画においては相当いろいろな点を考慮し、従来の悪い点を是正をし、赤字の原因をなくした。確かにそういう点は認められる。しかしそういうことになるとするならば、昨年あるいは一昨年等は財政計画というものが適当でなかった。正しくなかったということを裏書きしておる。従ってそういうところから来る赤字は、一体国の責任になってくるのではないか、こういうふうな結論になると思うのですがどうですか。
○太田国務大臣 今年も赤字が出ないように財政計画を立てたのでございますが、過去におきまして財政計画というものがその点において悪かったということは常に言われる。基本になる二十五年度決算というものにきずがあったことは申し上げるまでもございません。さらに昨年は相当切り詰めて国の財政のしわを百四十億円も節約で埋めようということでございましたが、そこらにもあるいは国がやったとも言い得るかとも思います。けれども、これは国家財政との関連になりますので、私は国の方にもあったが、しかし内容的に見れば地方にもいろいろ努力すべきものもあったのではないか。御指摘の点は一面においては正しいと思いますけれども、それだけが今までの赤字の原因でもなかったように存じ上げます。たとえば地方債が非常にふえるというのも、国の方の関係で地方へ押しつけたのではないかといろいろな点を考えてみますと、国の方にも、言葉は少しぞんざいかもしれませんが、不親切な点があった。その影響が地方にしわ寄せされておった、その点私はお言葉のように感じます。
○北山委員 今までの財政計画が昭和二十五年度を基準にして積み上げている。それが実態とは合わない、適当でないものであったから、今年は三十九年度を基礎にしてきめたということでありますが、なるほど過去の財政運営については地方にもいろいろ直さなければならぬ点があり、また現に直しつつあるわけです。従ってこういうふうに今年度については財政計画を是正したとするならば、やはり今までの過去の分についても、この国の責任から出てきた赤字という問題については、あらためて考え直す必要があるだろうと私は思います。従って今年から実施をされております地方財政再建促進法、これなどについても大臣はそういう見地からお考え直しをする気持はないか、これを承わっておきたい。私どもの見解ですと現在の再建促進法というものは、なるほど金は貸してくれるが非常に条件がきびしいのであります。きびしいために、しかも将来長きにわたって地方団体を拘束するという点において非常に地方団体がおそれておる、こういういわばふぐは食いたいが命は惜しいというような点がありますから、その毒を一つ抜くというお気持が大臣にないかどうかそれをお伺いしたいと思います。
○太田国務大臣 せっかくこの前の国会でできました再建法は、昨年の暮れに法令を整え、公布いたしまして、一月いっぱいはこの趣意を徹底させることの手続きに追われておりまして、まだできたものを動かしておりません。ただしこれがふぐは食いたしのたぐいであってはいけない。つまり問題は運用にあるかと思います。方式といたしましてはあの方式を堅持して効果の上るようにしたい。もちろん危なく毒が回るようなことは一切考えたぐないと思います。やり方につきましては御忠告も仰ぎ、あの法の目的を達するようにいたしたい、こう考えております。
○北山委員 運用の問題についてもこの前お伺いしたように、一体基礎になる赤字の金額についてすら政府部内の意見が不統一であるというような事態では、地方団体が心配をするのも無理がないと思うのです。どういうふうな運営をされるか、これは杞憂ではないと思う。従ってやはりそういうおそれのある規定を法の中から削除をして、もう少し安心してこの適用が受け得るというふうにしなければ、私はこの地方財政再建促進法の意味というか効果というかこれが疑われる、そういうふうに考えるわけであります。従って運営についても、これからこまかい点を事務局長にお伺いをしなければなりませんが、一番大事な点は、再建計画によって将来八カ年の間地方財政を拘束するという再建計画の性格を変更する気持はないかどうか。問題は過去の五百億なりの赤字を年次的になしくずしをするだけにとどめておいて、あとそれ以上の過大な要求を再建計画の中で要求するようなことは間違っているのじゃないか。今の再建法ですと、過去の、一つの団体でいえば十億なら十億の赤字を八年間でなしくずしに返していくという以上に過大な要求を持っているように見えるのです。その点を一つ明確にして、もっぱら累積赤字の処理であるというふうに法案を直す気持はないかどうか、これをお伺いしたいのであります。
○太田国務大臣 申し上げるまでもなく、再建法は過去の赤字のたな上げが眼目であり、それ以上に出ておらないので、ございます。過去、すなわち二十九年度前のことでございまして、現年度、三十年度につきましては、過ぐる臨時国会の御審議を仰いだ結果、まず赤字は出ないでやっていく、さらに三十一年度については今御審議を願っている方策によりまして赤字の出ないようにする、過去の分につきましては今まで再違法できめた線に沿ってやっていきたい、こう考えております。
○後藤政府委員 大臣の説明を補足いたしますが、過去の赤字を解消するために過去の赤字をたな上げいたしまして、それを償還する計画が再建計画でございます。しかし再建計画を立てなければならぬような赤字のあります団体におきましては、どうしてもその財政構造自体を直していかなければ、再建債の償還がとうていできないのではないか、かように私ども考えておるのであります。個々の団体に当ってみましても、やはり財政構造自体に触れていかなければ、再建債の償還が十分にじきないというふうになりますので、そり財政構造の改善をはかっていくとい、建前から、再建計画そのものをながめて参りますると、多少普通の起債の償還の場合とは違った行き方をせざるを得ばい。そういう建前で再建法ができておるのでございます。そういう意味で一般の起債の法律構成とは違った考え方をせざるを得ないということを御了承願いたいと考えるのであります。
○北山委員 大臣はお忙しいようですから、もう一点だけお伺いしておきますが、大臣は地方団体の人件費を削減するといいますが、節約をするために、いわゆる定員定額制あるいは実員定額制というような方法をとるようなお話がいろいろ伝わっておりますが、これを将来おとりになるような気持があるかどうか、これを伺っておきたい。
○太田国務大臣 その通りでございます。もちろん定員制は条例できめることになるのでございまして、あるいは職種でございますとか、今までどれだけ勤めたとか、あるいは年令の点などにつきましてもいろいろ考えていきたい。しかしそれをやっていくという方向につきましては御指摘の通りでございます。
○北山委員 これはしかし今まででも予算あるいは財政計画の建前上は基準となる人員なり何なりはあるのです。ただいまのお言葉のようでありますと、直接地方団体の人事行政を拘束するということになるわけでありまして、適当でないのではないかと思います。間接に財政上の基準を立てていく。そのものさし、地方の人件費なりあるいは給与費なりを計算する場合の適当な基準というものを、基礎としては持っている。これは今までのやり方であって、これはいいと思いますが、しかし直接に五万の市はどのくらいの人員でなければならぬというようなことをいって、理論上そういうことが国でもって立てられますか、そういうことで地方団体の人員を拘束するということになれば、一体どこに自治体の自主性があるか、ですから私は大臣のお言葉は、直接地方団体の人事行政に干渉するという意味ではなくて、これは財政計画の基礎としての標準をお作りになってやっていくと、こういう意味に解していきたいと思いますが、それでよろしゅうございますか。
○太田国務大臣 そのおしまいのお言葉の通りでございます。
○北山委員 その再建計画の話なんですが、後藤さんが補足されたのですが、その補足が問題なわけです。私の言うのは、やはりこの再建促進法というものが、過去の累積赤字の処理だけが重要で、これが目標そのものだというならば、それ以外の事項についてはやはり制度の上で、今度の財政計画の是正のように、そういう方法で主として直していくんだというのでなければ、是正の意味が私はないのではないかと思う。たとえばことしの財政計画上は地方公務員の昇給分として四%見ておられる、五十何億ですか見ておられる。これは国の公務員もその程度であるからというので置いたわけです。ところが自治庁は、一方においては地方団体に対しては昇給昇格等はできるだけ延伸するようにとか、そういうような行政指導をなさっておられる。これは矛盾でないかと思う。財政計画の上では四%の昇給昇格方の財政需要を見込んでおりながら、実際の指導においてはこれと反対のような、なるべく昇給昇格はやらないようにというような指導をするということは、矛盾でございませんか。だからして私は申し上げる。財政計画を正しいものとして、しかも実態に合うように今度是正したんだから、財政計画上は四%見込んでいるんだということだけを言って、あとは地方団体の自主性にまかせるというのが当然じゃないか、従ってそういう問題まで再建計画の中に織り込むということは行き過ぎじゃないか、こういうふうに考えるのですが、どうでしょう。
○後藤政府委員 私どもは昇給昇格はいけないということは、絶対的には申しておりません。ただ個々の団体につきましては、給与費がどんどん伸びていくような形はおかしいではないか、むしろ給与費は、もう経済自体が横ばいになってきたのだから、給与費はそう変らない状態に移っていくというのが望ましい状態です、そのために、給与費の合理化ができないのであれば、昇給昇格をストップしていくということもやむを得ない、こういう態度をとっているのであります。何もしないでおいて、昇給昇格だけをどんどんやっていけば、その財政構造が変な格好になって参りますし、また歳入の何らない団体においては赤字が出るにきまっております。その赤字の出ないようにするためには、やはりそういう措置もやむを得ないという態度なのでありまして、絶対的に昇給昇格をやってはいけないという指示はいたしたことは、ございません。財政計画上は従来も二・五%の昇給昇格分は見ておるといり説明をいたしております。その見ておりましたものが国の公務員の実態と異なっておりますので、新しく三十一年度は四%に引き上げたのであります。やはり財政計画の説明としては、引き上げて給与費の合理化をはかったつもりで私どもはおるのであります。個々の団体におきまする問題は、個々の団体全体の財政の一環としての給与費をとう考えるかという問題であります、給与の方を中心にして事業の方をやめるのであれば、それもやはり一つの考え方だろうと考えます。その場合には必ずしも給与費は上げない、昇給をストップする必要を強調しているわけでも何でもないのであります。ある程度の事業をやっていきたいという前提に立って、そうして給与費というものをどうながめていくかという場合には、給与のストップもやむを得ない、こういう態度をとっております。
○北山委員 昇給昇格を絶対にやってはならぬというような指示はしないかもしれないけれども、しかしおそらく昇給昇格等の延伸を考慮しろというような一般的な指示はなさっておると思うのです。それがやはり困ると思うのですよ。財政計画では四%見ておるのだというようなことでいくならば、やはりその線で一般的な指示をすべきじゃないか。そうでないと、赤字団体などでは再建計画の中にみんなそういうものを織り込まれてしまう。それから今度の財政計画でも、自治庁は不十分であると言っておられる。起債元利償還の元利補給やら、あるいはもう少し借りかえをするとか、そういういろいろな措置について不十分であると言っておられる。不十分なままの財政計画を実施して、そうして今度は赤字団体には再建計画を作らせる。これはバランスがとれるような再建計画を作りせるということになれば、その不十分なものを再建計画の中で個々の団体に押しつけるということになってしまり。その点が理論的に矛盾しているのしやないか、こう私は申しておるので了が、どうでしょう。
○後藤政府委員 われわれが理想といたしております地方財政計画そのものでありますと、不十分であったのであります。これは私どもも率直に認めざるを得ないと思います。だからといって、不十分なものを押しつけるという意味ではございませんが、不十分な中で、地方団体が不十分であるから従来通りのことをやってもよろしいという結論に私はすぐならぬではないかと思う。やはり地方団体というものの性格から申しまして、国の措置がたとい不十分でありましても、その範囲内においてできるだけの努力をしていくという建前をとるべきではないか、これが公共的な団体の性格ではないかと思うのであります。従って、そういう意味で不十分なことはわれわれも率直に認めますが、不十分であるから逆に地方団体が怠けてよろしいという結論にいくのは、ちょっとおかしいのじゃないか、かように考えておるのであります。
○北山委員 それは自治庁としてはそういう結論にはなかなかいけない、これはきまり切ったことでしょう。昨年度のような非常に不合理な財政計画でも、がんばってこれはこれでいいんだ、これで赤字が出ないんだといって強弁したほどでありますから、それは自治庁としては無理がないかもしれぬが、一般的な基準からいえばおかしいんじゃないか。しかも個々の団体によって事情は違うけれども、単に累積赤字の処理だけではなかなか足らないような、非常に財政状態の悪い団体があるわけであります。それ以外の措置が必要だという団体がある。従ってそういう措置は、大きく国の方が援助の手を差し伸べてやっていくのが、地方財政再建の正しい方法であって、それをやらなければ、不十分なままにしておいて再建計画で強制するということになれば、非常に無理なことが出てくるわけなんです。従って私は、再建計画というものは、やはり累積赤字の年次償還、自治庁に出す再建計画はその範囲で差しつかえない。あとの分はこれに付帯した事項である。強制力のない、何というかあまり強い拘束力のない性格の部分を加えて骨組みはまず赤字の年次償還だ、こういうふうなことで差しつかえないのじょないかと思うのですが、これは重ねてお伺いいたします。非常に重要な点です。
○後藤政府委員 先ほども申し上げましたように、赤字があります団体については、それぞれやはり相当の財政構造の改善をはかっていかなければならないということが、われわれが実際に見ておりましてわかるのであります。この財政構造の改善をはかるために必要な環境を作ってやるということが必要なわけです。そういう環境を作るために必要な法律的な整備をしたのが再建促進法であります。従ってその改善に必要な環境を作っていく限度にとどまるべきであるというふうに考えたのであります。そういう意味の条文がたくさんございます。それから財政計画は、非常に不十分でありましても、普通の健全財政をやっております団体との間の均衡の問題がございます。健全財政を堅持して苦しいながらもやっておる団体との均衡の上から申しまして、ある程度従来の起債のつけ方とは変った考え方をすべきものがあるように考えますので、そういうことがやはり財政再建計画の中に入っていくのであります。そういう点で、多少何というか強い響きを与えておることはわれわれも認めるのであります。しかし先ほどおっしゃいましたように、フグは食いたし死ぬのはいやだというような、そんな強いものではなくて、多少塩辛くなっておる程度でありまして、甘くはありませんが、そう私は毒があるようには考えておりません。
○亀山委員 恐縮でありますが、きょうは用がありますので、この辺で午前中は休憩を願いまして、午後適当にやっていただきたいと思います。
○加賀田委員 政務次官に伺います。三十年度の補正予算が大体決定されたように新聞等で聞くのでありますが、昨年の二十三臨時国会は地方財政の根本的建て直しを目途として開催されたのですが、その席上でいろいろ説明されたいわゆる百八十八億の財源的な措置をする、しかもこの中では公共事業費を八十八億削減して、地方負担を軽くするんだ、あるいは起債の十四億の引き上げをするとか、いろいろ具体的な説明をされておるのですが、そういうものは臨時国会で説明された通り、今度の補正予算の中に盛られておるか、どうか質問してみたいと思います。
○早川政府委員 公共事業費の節約八十八億は少し減っております。六十四億に減っておりますので、それによって問題は地元負担金が少しふえるということになりますが、同時にあの当時〇・二五分の赤字補填について、実は国が責任を負うような閣議決定になっておりませんのでしたが、附帯決議によって極力穴埋めをしよう、この穴埋めの面に関しましては、御知承のように九十五億の所得税のはね返りとかガソリン税あるいは入場等の増収で、委員会できまりました御趣旨は相当程度と申しますか、御満足に近い補正ができる、かように考えております。ただ例の十四億の起債の問題は、これは財源措置にかわる措置として大臣が御答弁になったわけですが、これはちょっとこの補正予算で完全に片づかないで、起債として残っていく、こういうことになるんじゃないかと思います。
○加賀田委員 まだ正式に国会に提出されておりませんので、具体的内容に対してはまたわれわれとしての意見もあると思いますが、正式に発表されたらその地方財政の関係のある部分だけでも、ここで変更された分、あるいは実施される分はあらためて御説明願って、われわれはそれに基いてさらに意見等を述べたいと思いますので、そういう機会を作っていただきたいと思います。
○後藤政府委員 公共事業費の節約の八十八億が六十四億になったわけでありますが、そのうちで直轄事業分とそれから補助事業分との区分はできておりません。できました上で、はっきり地方負担の増が出てくるわけであります。それに見合って今の財源措置の問題は片つけたい。交付税その他はきまっておりますけれども、その場合はまた新しい交付税も出ますので、法律が必要ではないかと思っております。それから財政計画はもちろん変更しなければなりません。そういう意味でできるだけ早い機会に御説明いたしたいと思います。
○大矢委員長 それでは本日は、この程度にして、次回は公報をもってお知らせいたします。 これをもって散会いたします。 午後零時一分散会