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24回国会衆議院1956/09/10

商工委員会中小企業に関する小委員会 第3号

発言数
76
登壇者
8
会派数
1
開催日
1956/09/10

会議録

中崎敏日本社会党

○中崎小委員長 これより会議を開きます。  中小企業対策について調査を進めます。設備の近代化、企業の拡大強化、資本蓄積の進展等により、大資本企業と中小企業との較差がいよいよ激しくなって参りました。中小企業対策は単なるかけ声のみでなくして、国の政策を通じてその方針を明確化し、これを強力に推進することが必要であると信じます。この趣旨に沿うて、まず中小企業全般に関する最近の情勢の報告を求め、第二に中小企業の実態調査についての中間報告、中小企業振興審議会の構成と経過、中小企業金融、ことに損害保険資金の導入に関して、百貨店法の運用、昭和三十二年度予算編成の方針、これは中小企業に関しての問題でありますが、大要以上のような点について概略の説明を求めて、それから各委員からの質疑応答によって議事を進めていきたいと思います。まず中小企業庁長官川上為治君。

川上為治中小企業庁長官

○川上説明員 中小企業の状況につきましては特別に御説明申し上げるまでもなく、最近たとえば造船関係とかその他のいんしん産業の関係で、その下請関係が比較的よくなっておるというような状況もありますし、また全般的に日本の経済が最近におきましては非常によくなっておりますので、その関係から中小企業におきましてもある程度その恩恵なり余沢を受けておるというような状況になっておりますけれども、依然として中小企業の問題につきましては、あるいは金融の問題、税の問題、いろいろな点につきまして、一面におきましては非常に苦しい状況にございまして、何とかこの際中小企業に対しまして特別の措置を講ずべきではないかというような意見が、業者のみならず、各方面からほうはいとして起っておるような状況でございます。特に最近におきましては大企業関係が安定して参りまして、その反面におきまして中小企業は今申し上げましたように、なかなかまだ苦しいというような関係から、大企業と中小企業との経営その他についての較差がますます開いてくるというような状況になっております。従いましてそういう点からいいましても、中小企業の安定をこの際はかるということは非常に大事なことではないかというふうに考えております。私どもの方としましては、従来からたとえば中小企業についての実態そのものについては企業の診断制度を利用し、あるいはまた商工会議所あるいは商工相談所というような機構を通しますし、あるいは協同組合なりいろいろな組織を通しまして事情を聞いておるのでありますけれども、中小企業の実態そのものにつきましてまだ正確に把握していないという点がございますので、早急にこの際実態を把握することが必要ではないかというふうに考えましたので、ことしにおきましても、三百万くらいの予算をとりまして、そして一応実態について調査を現在やっておるわけでございます。あとでこの問題につきましてはなお詳しく申し上げたいと思うのでありますけれども、私どもの方としましては従来の調査は比較的概略の程度でありましたので、思い切って今後におきましてはもっと詳しい、ほんとうに中小企業の実態がどういう状態になっておるのか、どんな点に非常な問題があるのか、いろいろ業界の方からも訴え、あるいはいろいろな方面でいろいろ論議されているけれども、果してこまかいところでどういう点にほんとうの隘路があるのであるか、どうすればこれを除去することができるのかというような問題についてもっと詳しく調査したいというような気持で現在やっておるわけであります。そこで政府といたしましては、こういう状態になっておりますので、何とかこの際早急に中小企業の問題について解決点を見出したいということで、六月の末に内閣に中小企業振興審議会というのを設けました。これは全部民間のエキスパートを集めまして、それを委員として、委員の数といたしましては三十名でございますが、会長は日本商工会議所会頭であります藤山氏になっていただきまして、そうしてこの審議会の下に二つの部会を設けまして、一つは第一部会、これは金融、税制、そういうような問題でありますか、そういう問題を担当することにいたしました。もう一つの部会は第二部会、これにつきましては組織あるいは労働問題、あるいは商業者、あるいは零細企業の問題、そういう問題を検討することにいたしまして、今日まで総会、両部会合せまして約七回程度会議を開いております。そうしていろいろな問題につきまして検討をしておりますけれども、まだ結論は得ておりません。大体この機関は臨時的な六カ月程度の機関ということにいたしまして、その間に当面の問題につきまして、あるいは根本的な問題につきましても早急に結論を得るものにつきましてはこの六カ月の間に結論を得るというようなことにいたしまして、先ほど申し上げましたように、今日まで相当回数を開きましていろいろ検討いたしておるわけでございます。この詳細につきましてはお手元に詳しい資料を差し上げておりますので、あとで振興部長の方から詳しく御説明申し上げます。  現在までその審議会におきましては組織問題、これはいろいろ組織の問題についていわれておりますので、現在いわゆる協同組合、それから安定法に基く調整組合というのがあるわけなんですが、大方の業界の意向としては、組合制度をもっと強化しなければならない。強化された組合によりまして中小企業の振興をはかるべきだという意見が強くありますが、その中で今の統制的な組合、非常に強化された組合というものをこの際作るべきだ。たとえば昔の同業組合組織というようなものを作るべきだというような意見が一つございます。それからまた現在の調整組合と、それから協同組合、これと合体した組合組織を作るべきではないか。そうでないと非常に不便であるというような意見もいろいろございます。また一面におきましては、協同組合そのものについてはこれは非常にけっこうな組合組織であるけれども、なおその事業についてある程度調整してもらいたいというような意見もありました。そういう意見もいろいろありますので、こういう問題について、早急に結論を出したいということで、第一部会の方ではもっぱら今日まではそういう問題を検討いたしております。また第二部会におきましては、商業関係、従来中小企業の問題につきましてはどちらかと申しますと、メーカー関係の問題につきまして集中されておりましたきらいがありますので、この際商業問題につきましても、いろいろ組合組織なりあるいは金融なり、いろいろな点で助成すべきだというような意見がございますので、こういう問題につきまして現在いろいろ検討いたしておりまして、この第二部会におきましては、今後零細企業の問題でありますとか、あるいは労務問題でありますとか、いろいろな問題についてさらに検討することになっております。  第一部会につきましては、金融問題、それから税制問題についていろいろ検討をいたしまして、これにつきましてもまだ結論を得ていません。私どもの方の考えとしましては、予算あるいは税制あるいはその組織というような非常に急を要しておる問題につきましては、大体九月一ぱいあるいは十月の中旬ころまでに結論をこの審議会において得てもらいたいということで、審議会の方にはお願いをしておるわけであります。そうしてなるべく次の通常国会におきまして、予算案なりあるいは法律案として提案ができるように持っていきたいというふうに考えております。なお詳しい問題につきましては、あとで振興部長から御説明申し上げます。  それから中小企業の金融問題につきましては、これはいろいろ言われておるわけでありまして、この振興審議会におきましても、この問題につきましては真剣に現在検討されております。この金融問題については、一番問題とされております点は、中小企業に対する金融の資金が足りないということを非常にいわれておるわけであります。大企業に対しましては、あるいは国家財政投融資にしましても開銀関係から相当出ているし、また市中銀行におきましても、大企業に対しては相当まかなっているけれども、中小企業に対しまして特に零細企業の方面に対しましては資金が十分いっていないという問題、この資金源を豊富にするという問題をいろいろいわれておるわけでありまして、この前この中小企業振興審議会でいろいろ各金融機関からの来年度における資金の需要の見通しという話がありましたが、これは私の方で深く検討したわけではありませんし、審議会でもそれぞれ検討したわけではありませんが、一応資金の需要というのは、来年度におきましては約七百億ないし八百億程度、中小企業関係に特別な資金を導入してもらいたい。たとえば中小企業金融公庫でありますとか、商工組合中央金庫でありますとか、あるいは国民金融公庫、そういう一連の機関に対しまして約七百億ないし八百億程程の資金を特別に出してもらいたいというような、これは現在の資金の状況から見まして、来年度の資金の需要を判断いたしますというと、大体それくらい出してもらいたいというような要求も出しております。われわれとしましては、こういう資金需要をどういうようなふうにまかなうかという問題があるわけなんですが、この問題につきましてはまだどういうふうにこれをやるということは結論を得ておりません。振興審議会のいろいろな意見も聞きましてそれから大蔵省とも折衝いたしまして、何とか中小企業の金融につきましては特別にめんどうを見るような方策を講じたいというふうに考えております。  それからもう一つの問題としましては、どうも金利が高いということをいわれておるわけであります。最近におきましては、市中銀行の金利も相当安くなっておりますけれども、また大企業に対しましては、開銀あたりからの資金が相当出ておりますが、これは金利が安い。しかしながら中小企業に対しましては、中小企業金融公庫とか、そういう特別な利子の安いものはあるけれども、総じて言上えば非常に利子が高い。たとえば中金にしましてもこれは非常に高い。あるいは信用組合なりあるいは信用金庫なりそういうものも非常に高い。何とかこれを下げるべきだというような意見が相当強く出ておるわけであります。これに対しましてわれわれの方としまして、なるべく資金源を豊富にして、しかも安い金利となるような措置を講ずることにしなければならないわけでありますが、そうしますと結局政府の方から相当のめんどうを見るということにしなければいけないのではないかというふうに考えるわけであります。その方法論としましては、政府の出資とか、あるいは安い金利で融資するとか、あるいはまた利子補給とかいうような方法があるかと思うのですが、そういう方法につきましては、現在いろいろ検討をいたしておるのでございまして、何とか中小企業向けの金利を安くしたいというふうにわれわれとしては考えておるわけであります。  それから先ほど委員長からお話がありました借用保険の問題、あるいはまた信用保証の問題につきましても、これは現在特に零細企業関係に対しまして非常に大きな役割を果しておりますので、これにつきましても資金源そのものが最近におきましては足りない。たとえば信用保証協会につきましても、地方財政の関係から保証金額が将来なかなか多く期待できないのじゃないかというような意見もありますので、われわれとしましては何とか国の助成によってこれを援助することができないかということも、いろいろ検討をいたしております。また保険の問題にしましても、保険の基金そのものが非常に少い。現在基金は二十億程度になっておりますけれども、もっとこれをふやしてもらいたいというような意見もありまして、この問題につきましても予算的な措置と合せて、われわれとしましても大蔵省といろいろ検討したいというふうに考えております。最近損害保険なりあるいは生命保険の余裕金を、何とかこの中小企業関係の方に出してもらいたいというような意見もあるわけなんですが、私はもっともな話であるというふうに考えますので、この点につきましても今大蔵省と検討をいたしておりまして、そういう余裕金を中小企業の方へ出していくということは、非常にけっこうなことであるというふうに考えておるわけであります。  そういうようなふうにこの金融問題につきましては、せっかく検討をいたしております。ただ今度では具体的にどうするかというところまではまだいっておりません。しかしながらわれわれの方としまして、そういう予算とかいうようなものにからまずに措置できるものにつきましては、この際早急に措置をしたいというふうに考えております。たとえば商工組合中央金庫と中小企業金融公庫との関係をどういうふうに結びつけていくか、そしてまた信用組合とその金庫との関係をどういうふうに結びつけていくか、そういう具体的ないろいろな問題につきましては、予算と関係なく措置をいたしまして、そして中小企業に便利になるように計らっていきたいというふうに考えておるわけであります。  それから委員長からお話のありました百貨店の関係、これは最近百貨店との関係が相当シリアスになって参りまして、ああいう法律を作っていただいたわけでありますが、現在個々の百貨店の増改築の関係につきまして、百貨店審議会におきましていろいろ検討をいたしております。すでに現在までに若干その調整をされまして百貨店の増築なりあるいは売場面積の拡張なりを認めたものもあります。これは小売業界の方と十分話し合いをして、そうして大体これならばよろしいということで、百貨店審議会におきまして決定を見たものもあるわけでありますけれども、大部分のものにつきましてはなお審議未了になっております。中には相当いろいろな問題のあるものもありまして、そういう問題につきましては、地方の商工会議所に設置されております商業活動調整審議会ですか委員会ですか、この委員会におきましていろいろ検討をいたしております。私どもの方としましては、やはり小売業者の立場だけではなくて、需要者の関係も十分考えなければなりませんので、そういう活動調整委員会におきまして、いろいろ検討されましたその意見を参考といたしまして、百貨店審議会においてこれを決定するというようなことにいたしているわけなんですが、いろいろ複雑な問題も場合によってはありますので、慎重にこの問題は検討していきたいというふうに考えているわけであります。  それから来年度の予算の問題につきましては、われわれの方としましては、今後中小企業の問題につきましては、非常に大きな問題となって参ります関係もありますし、またこの際どうしても中小企業問題は何とかある程度解決しなくちゃならぬというようなふうにも考えますので、来年度の予算としましては、通産省におきましては最も重大な事項の一つとしてこの問題を考えましてそして現在いろいろ予算問題については検討をいたしております。実はきょうも省議でこの問題については検討いたしている状況でございます。通産省の今までのいろいろな予算の中で、たとえば貿易振興とか、あるいは技術関係の問題とか、あるいは中小企業の問題とか、いろいろ重大問題がありますけれども、通産省としましても、今申し上げましたように中小企業問題につきましては、来年度の予算としては最も大事な問題の一つとして、この際できるだけこの中小企業振興のためになるものならばということで、いろいろな問題を検討いたしまして、ぜひ来年度の予算におきましては、要求の予算を獲得するように、一つ努力したいというふうに考えているわけであります。  大体われわれが今いろいろ検討している段階におきましては、従来一番大きな問題としては、先ほども申し上げましたように、中小企業に対する金融の問題についてのその財源確保、七百億ないし八百億というそういう要求、これが妥当であるか妥当でないかは検討の余地があると思うのですが、そういう非常に熾烈な低金利の資金源というものを、どういうようなふうにまかなっていくかということを一番重点的に考えまして来年度の予算の問題については当りたいというふうに考えているわけであります。それから先ほど申し上げました信用保険なりあるいはその保証協会なりそういうものの基金、そういうものを国がどの程度援助すべきであるかという問題についても、最近の地方財政なんかの関係もありますので、この問題につきましても非常に重点的にわれわれは考えて措置をとりたいというふうに考えているわけであります。  それ以外の問題としましては、もちろん従来やっておりました協同組合の共同施設補助の助成金、ことしは一億でありますけれども、これはもっとふやさなければならぬと思うのですが、これを少くとも四億くらい要求しようと思っております。そういう問題とか、あるいは設備の近代化につきましては、これは相当役立っておりますし、ことし三億二千万円程度政府の助成金をもらっているわけでありますけれども、必ずしもこれが十分であるとは考えられませんし、またこういう際に、すなわち中小企業が何とかして設備の近代化ができるというような情勢下にあるときに、思い切ってこういうことはわれわれは助成してやるべきじゃないかというふうに考えますと、どうしてもことしの三億二千万円程度では足りないのでありまして、来年度におきましては、あるいはその五億なり四億なりという資金は、どうしても政府の方でめんどうを見ていくべきじゃないかというふうに考えまして、これも相当重点を置いて折百画したいというふうに考えております。  それから企業診断とかあるいは商工相談所を通しましてのいろいろな指導とか、そういうような問題も、これはきわめてじみではあるけれども、非常に重大な問題とわれわれは考えておりますので、また業界の方でもこの問題につきましては非常に喜ばれておりますから、われわれとしてはこの際やはりこういった方面の助成ということも、思い切ってやりたいというふうに考えております。  それから新しい問題としましては、従来たとえば府県にもいろいろ技術関係の研究所なり指導所というものもあるわけでありますし、また国におきましてもそういう機関を持っているわけなんですが、やはり中小企業、特に輸出関係のみやげ品とか、そういう問題になりますと、どうしても技術的な向上をはかることが非常に大事でありますので、何とか地方のそういうような機関、国のそういうような機関と中小企業者との結びつきををつけて、そして技術的な援助をするということが非常に大事だというふうに考えますので、、従来は大してこうした方面に対する、いわゆる助成というのはいたしておりませんけれども、この際思い切って金を投じまして、助成すべきじゃないかというふうに考えておるわけでありまして、そういう関係の予算も来年はぜひ要求したいというふうに考えております。  それから最初申し上げましたが、中小企業の実態につきましては、実はあまりこまかいところまではよく調べていない。果して中小企業というものがほんとうにどういうような状態になっておるかということは、もう少し私は調査しなければいけないというふうに考えますし、現に農林関係におきましては年々相当の予算をもってこの実態を調査いたしておりますが、相当いい結果が出ておりますけれども、中小企業につきましては、そういう調査が十分に行われておりませんので、来年度におきましては思い切っていわゆる国勢調査的な、そこまではもちろんできないと思うのですけれども、相当広くかつまた深く調査を私は三年くらいの計画でやりたいというふうに考えておるわけでありまして、その結果によりまして、たとえばおもちゃならおもちゃ、あるいはゴム製品ならゴム製品というようなほんとうの中小企業のそれについての実態というものがわかりますれば、それに応じて、いろいろな対策を個別的にとっていくということも可能ではないかというふうに考えておるわけでありまして、そういうことをぜひ私の方としましてはやりたいというふうに考えておるわけであります。  以上申し上げましたように、来年度の予算につきましては、特にわれわれの方としましては金融関係に重点を置いてやりたいというふうに考えています。きわめて簡単でありましたが、その程度申し上げまして、なお御必要によりまして中小企業振興審議会の今日までのいろいろな審議の状況、その中で中小企業問題についてどういう問題が議論されておるかということを振興部長の方から御説明申し上げます。

今井善衞通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○今井説明員 ただいま長官からお話のありました審議会の審議内容につきまして、補足しまして御説明いたします。配付しました資料によりまして御説明いたします。  まず二ページをめくっていただきます。審議会は一部会と二部会に分れておりまして、一部会は金融税制の問題、二部会は組織その他の問題を審議しておりまして、冬部会はそれぞれただいままで三回にわたって審議しております。この一の中小企業の組織の強化、これから順を追って簡単に御説明いたしますと、一番問題になっておりますのは、この一にあります中小企業の組織の強化の問題でございます。  まず第一に、組織の形態につきまして第一に、現在共同事業は協同組合のみ、調整事業は安定法に基く調整組合がやっておりまして、地方の実情によりますと、二枚看板でやっているという関係が多いので、一つの組合で調整事業も共同事業も行えるようにしたらどうかという声が綿、スフ、絹、人絹その他の中小企業の中堅的部門から出ております。  その次に、これに対しまして協同組合と調整組合とは性格が何と申しましても違う。そこで一本化することは無理じゃないか、そのためには協同組合とは別個に同業組合制度を作るべきではないかという声が出ておりますが、これは主として商業部門、なかんずく小売商業部門並びに下請関係の工業部門、そういう方面から出ております。  それから(4)といたしましては、以上いろいろの声もあるけれども、やはり協同組合というものは中小企業の合理化に非常に役立っておる、従ってそういう場合に、組合の一本化とか強制加入とか、そういうことは考えるべきではないのではないかという意見が出ております。  それから最後に、中小企業といたしましては、地方々々にいろいろの形態の業態があるから、業態の実情に即して、あるいはこの協同組合、調整組合を一本にした組織をとることもよかろうし、あるいはまた別個に同業組合組織をとった方がよかろう。この組織法としましては、非常に弾力的な幅の広い組織にして、業界がとりたい組織をとるようにしたらどうかという意見もございます。  それから、その次にうたっておりますのは、強制加入の問題でございまして、現在業界に対する統制手段といたしましては、二十九条のアウトサイダー命令で行なっておりますけれども、中小企業は大企業その他との関係におきましていろいろのトラブルがある。そこでどうしても中小企業が打って一丸となって大企業に対して当るためには、強制加入の制度が必要であるという意見が強く述べられております。この意見は、大体上の方の組織の形態についてというものの(2)、(3)の同業組合を協同組合とは別個に作るべきであるという主張の方々が主張されておるわけでございます。  それから(3)にありますことは、現在調整組合におきまして、二十九条命令が発動されておりますけれども、もっと発動の要件を簡単にすればそれで足りるのではないかという意見も述べられております。  それからその他といたしまして、組合の活動を強力に行うためには、どうしても外部のものに対して団体交渉権が強く認められるべきである、その団体交渉をいたしますために、組合の、たとえば強制加入とかあるいは同業組合を作るべきであるという一連の主張とつながっておるわけでございます。  それから組合の強化には金融の裏づけが必要である、特に協同組合につきましてはもっと積極的に組合金融を行いまして、組合の強化をはかるべきではないか。それから次に官公庁が発注いたしますにしても、組合を通じて発注をさせたらどうか、そうすれば組合の強化になるというふうな意見も述べられております。  それから第二に、中小企業の改善充実の問題、これは第一部会で審議されておるわけでございますが、現在までに出ました意見を要約いたしますと、第一は、ただいま長官から申されましたように、中小企業の政府金融機関に対する財政投融資をもっと大幅に増額すべきである、その際合計いたしますと七、八百億円ぐらいの投資をすべきであるという意見が述べられております。特に商工中金につきましては、金利の引き下げという意味からいたしまして、新しく財政投融資を大幅に投入すべきであるという意見が述べられております。それから資金運用部資金が毎年二千億円程度増加しつつあるわけでございますが、そのうち半分程度は中小企業向けに確保すべきであるという意見が述べられております。それから政府預託金を民間の中小企業金融機関、商工中金なりあるいは相互銀行、そういうところにもっと預託を増額するとともに、今後もそういう制度を恒久化すべきであるという意見が述べられております。それから一般金融機関の中小企業向け資金配分の増額、これは日本銀行に中小企業向けの特ワク融資を実施すべきであるという意見とか、あるいは市中金融機関にいろいろ預金という形で資金がふえておるけれども、これをたとえば政府金融機関が債券を発行して吸収するとかいうふうな方策を講じたらどうかという意見が述べられております。それから一般金融機関の中小企業向けに貸し出す割合を、何らかの形できめたらどうかという意見が述べられております。それからその次の零細金融の円滑化につきましては、国民金融公庫が零細金融で果します役割を強調いたしまして、特に増額すべきであるという意見が述べられておりますほか、現在の信用組合は員数の制限等がございまして信用金庫とさほど違わないような働きをしておるけれども、もっと昔に返りまして、頼母子講的なものを新たに作ったらどうか、その際組合員の預金ということよりは、掛金というものに中心を置きまして、お互いに同士的な金融をもっと助長したらどうかという意見も述べられております。それから商品担保金融を積極的に推進すべきではないかという意見が述べられております。それからその他といたしましては、特に商工中金に対しまする政府出資の増額、それから資金運用部資金がもっと低利で商工中金債を引き受けるとか、あるいは直接貸し付け得る態勢を聞いたらどうかという意見が述べられております。  それから中小企業向け金利の引き下げのために、利子補給制度というものは考えられないかという意見が相当述べられております。それから次は税金の問題でございまして、まず第一に法人税の問題でございますが、大企業と中小法人との関係をうたいまして、大企業につきましては、後にあります租税特別措置法によりまして、事実上非常な恩典を受けておりまして、課税の対象になる所得が非常に僅少に認められておる。それとの均衡上小法人につきましては、現行の二段階税率を引き下げるとともに、現在所得五十万円までというものを、百五十万円とか五百万円とかまで拡大したらどうかという意見が述べられております。  それから所得税の問題でございますが、現在個人企業と法人企業の税負担が不均衡である。特に個人企業の場合には事業主の給与に相当いたしますものが経費として認められていない。法人につきましては、事業主につきましては経費として落せるわけでございますが、個人営業主につきましてはそれが認められていないから、それを経費として認めるような形にしたらどうかという意見が述べられております。それから零細企業につきましては、特に基礎控除を引き上げるとか、あるいは一定所得額までは非課税とするというようなことで、大幅に税負担を軽減すべきであるという意見が述べられております。それから先ほど申しました租税特別措置法、これは中小企業の立場からいいまして、できるだけ廃止することを望む。もしかりに廃止できないにいたしましても、少くとも中小企業に適用できるように、合理化資金の積立金を非課税にするような措置を認めてほしいという意見が述べられております。それから物品税、売上税の問題でございますが、これはもちろん中小企業としては反対であるという意見が強く述べられております。  それから第四の中小企業の販路の拡張の問題、これはまだ総合部会において取上げられただけでございまして、十分審議はしておりませんが、官公庁が発注いたします場合に、中小企業のものを優先的に取り上げるようにすべきであるという意見とか、あるいは大企業が二次製品部門に進出するのに対して調整すべきであるという意見とか、あるいは特に建設業につきまして官公庁が発注いたします場合に、大企業に対しまして発注量が非常に多くて中小企業に回ってくるものがきわめて少い。それを何とか調整すべきであるという意見が述べられております。  それから中小の商業問題につきましては、現在商業につきましては工業と異なりまして調整活動というものが認められておりませんが、商業につきましても調整活動を認めるような組織を作るべきであるということが言われております。特に小売商業につきましては、過剰人口のはけ口になっておる。従いまして小売業の制限というものを取り上げたらどうかという意見が述べられております。  それから消費生活協同組合、購買会等の事業活動につきまして何らかの規制を加えて小売業者との事業の分野の調整をはかるべきではないかという意見が述べられております。  それから第六といたしましては、労働問題でございますが、これはまだ部会で取り上げられておりませんので、総合部会でありました意見をここに述べたのでございますが、中小企業の労働問題は、特に中小企業の安定が先決であるけれども、その際中小企業の労働者の特質といたしまして、一カ所に固まりまして事業を営むというようなことがありますので、集団的な労務者のために、厚生福利施設を国が何らかの予算措置でもって考えたらどうかということが述べられております。それから五人未満の零細企業従業者に対して、健康保険なり失業保険なりの社会保障制度を全面的に適用すべきではないかという意見が述べられております。それから零細企業問題につきましても、特に社会保障の問題と社会政策との関連をもっと強めるべきではないかという意見とか、あるいは税制面でもって特に他の部門との均衡をはかるべきではないかという意見が述べられております。  以上でございます。

中崎敏日本社会党

○中崎小委員長 質疑を行います。通告がありますから順次これを許します。神近市子君。

神近市子日本社会党

○神近小委員 私はこの部門には非常に初学者でございますから、ひょっとしたらずいぶんつまらない質問をするかもしれませんから、あらかじめお断りをしておきます。  中小企業の問題は、今まで私どもの知っているところでは、国家的にも今までほうってあった部門で、一度も周到な国家の保護を受けていない階層でございます。今この審議会の審議の過程をいろいろ説明していただきまして、問題のあるところをよく持ち出してあるということを大へん感心して拝見しているのですけれども、この審議会を六ヵ月に期限を切ってあるというのは一体どういうわけなんでしょうか。今度の立法について大体その間の御審議で十分だというような、これは立法のための審議会というようなものなんでしょうか、それが一点。それから審議されておりますところで、たとえば協同組合制度、これはわかるのです。けれども調整組合制度はどういう性格のものであるかということがもう一つ。それから税法の問題、あるいは利子補給の問題、あるいは保険の問題、そういう金融の促進、そういうふうなものが非常に必要だということはよくわかりますけれども、この審議会内の空気として、こういうものが成立するような空気があるのかどうか、そういう点、この三点ほど伺いたいと思います。

川上為治中小企業庁長官

○川上説明員 この審議会に大体六カ月という期限をつけたのはどういうことかというお話なんですが、これは法律に基く審議会ではございませんで、臨時に作った機関でありますので、そういう機関につきましては従来の慣例から六ヵ月ということになっております。そういうことで六ヵ月ということになったわけでございます。それと一つは、この中小企業の問題につきましては、この際大いにいろいろ検討しまして、少くとも次の通常国会に間に合うようにしよう。六月の末に作りましたから、六ヵ月程度、一つこの問題について集中して検討して、そうして次の通常国会に、あるいはその法律案として、あるいは予算的な措置として、あるいは税法的な措置として出したいという関係から、一応六ヵ月ということにしたわけであります。ただ六ヵ月いろいろ検討している間に、どうしても中小企業の問題については、この程度では結論が得られないのでいろいろ問題が残っておる。だから何とかこれをもっと長くして、一つ検討しよう−じゃないかというようなことになりますれば、これは延ばすことも差しつかえないと思うのですが、その場合におきましては、やはり何か法律に基く特別な機関を作るということに相なるのではなかろうかというふうに考えるわけでありまして、私どもの方としましては、当面のいろいろな問題につきましては、何とかしてこの六ヵ月以内に検討をして結論を出していただきたいというふうに考えておりますけれども、いろいろ根本の問題もありますから、場合によりましては法律に基く特別な機関を作らなければならぬ事態になるかもしれないというふうに考えております。今申し上げましたこの六カ月というのは・ただ法律に基かない機関であるから、慣例として一応六ヵ月ということにしただけであります。そういうふうに御了承願いたいと思います。  それからもう一つの調整組合の問題は、中小企業者が競争して、そのためにあるいは輸出関係とかその他の方面に非常に悪影響があります場合は、現在できておる安定法に基きまして、調整組合を作り、また必要によりましては、いわゆるアウトサイダーを規制する命令を出す、そういう組織の組合でございまして、現在までに相当数の組合ができておりまして、また調整命令が発動されておる組合もあるわけであります。現在この委員会においていろいろ審議していただいて通りました法律に基いて組合組織ができておるわけでありまして、非常に問題の多い、たとえば輸出関係とか、そういう問題についての統制的な組合でございます。  それから次の税の問題とかあるいは金融の問題とか、そういう問題についていろいろ検討しておるようだけれども、空気はどうかというようなお話なんですが、先ほどもおっしゃられましたように、中小企業の問題につきましては、何とかこの際思い切った手を打っていかなければならぬ。神近先生は、中小企業の問題について政府は今まで何もやってなかったというふうにおっしゃるのですけれども、やはり中小企業庁としましても、通産省としましても、従来できる限りのことはいろいろやっていたわけでありますが、それがなかなか十分でなかった。しかも最近におきましては、大企業と中小企業との較差が相当ひどくなってきた、この際中小企業については特別な措置を講じなければならぬというほうはいとした空気になっておりますので、この審議会におきましても、真剣にこの問題は検討しておりまして、何とか一つ結論を設けようじゃないかというような非常に強い空気になっておることを御報告申し上げておきます。

神近市子日本社会党

○神近小委員 私が申し上げたのは、中小企業の国家保護が一番おくれていたという歴史的のことから申し上げましたので、中小企業庁の問題を申し上げたのではございません。それでよくわかりました。機構の性格上非常にお骨が折れるということをお察しして私は申し上げたのです。  それからもう一つ、団体交渉権をお考えになっているようですね。これが労働組合の団体交渉権でしたら、ある程度ストライキをやるとかあるいはデモをやるとかいうような方法で、外郭の意思表示としては行われておるようです。この場合は下請工場から大企業に対する団体交渉権でございますが、もしそれだとするならば、これに対しては調停組織、制度を作るというようなお考えのようですけれども、そういう場合は、資本を持っておる側は非常に強くて、資本を持っていない側は弱くなる。その交渉はどういうふうに御想像なさっていらっしゃいますか。       、

川上為治中小企業庁長官

○川上説明員 この団体交渉権の問題は、いわゆる大企業に対しまして中小企業がいろいろな問題で交渉するのを、個別的なことにしないで、組合を作って、その組合で団体的に交渉させる。たとえば百貨店でありますと、その百貨店という大企業に対しまして、その百貨店の販売価格とかあるいはその販売の方法とか、そういう問題について中小企業者、特に小売業者といろいろ問題がありますので、小売業者をして組合を作らしめて、その組合が大企業、百貨店といろいろ交渉いたしまして、お互いに共存共栄ができるように持っていこうという考え方なのですが、これは百貨店だけの問題でなくて、さっき先生がおっしゃいましたような、いわゆる大企業者と下請工業の関係、あるいは下請工業でなくとも問屋と小売商との関係、いろいろな業種、業態によってそれぞれ違うと思うのですけれども、そういう問題が必ずありますので、そういう価格の問題とか販売の方法とかあるいは仕入れの問題について団体的な交渉を組合を通じてやろう、そういう関係でございまして、それを法律によりまして規制をして、そうして法律によってその団体交渉権を組合の方に持たせる、その交渉された、妥結された問題につきましては、大企業者の相手方でありましても十分これを守る、また中小企業者の方でもそれを守る、組合もそれを守るという式に持っていこうという考え方でございます。従いまして、われわれの方から言いますと、いわゆる組合を作って団体交渉権を持って、いろいろ交渉をして、まとまったものは両方とも守っていくというふうなことでありますから、大資本に対しましては、むしろこういう法律なり団体交渉権なり、こういうことによって中小企業を非常に保護しようという考え方でございます。なおこの問題につきましては、私の方で今そういう団体交渉権を考えて、そういう法律に着手しておるということでは毛頭ありませんので、この審議会におきましてそういう意見がいろいろあるということを申し上げましたので、われわれとしても、審議会の答申なり、あるいはその事前においてこういう問題が出ておりますからよく検討いたしまして、どうしても中小企業者に対しましてはこういうものが必要であるという結論を得ますれば、次の国会に法律を出したいというふうに考えておるわけでありまして、まだはっきりわれわれの方で、ではこういうあれをやりますというところまでは結論を得ておりません。

中崎敏日本社会党

○中崎小委員長 松平君。

松平忠久日本社会党

○松平小委員 若干御質問したいと思うのです。先ほど審議会の御説明があったわけですけれども、この審議会の報告はこういう意見もあった、ああいう意見もあったということで、ただこの委員会にいろいろな意見を報告するために羅列したというような体裁のものであるか。あるいはほかにもいろいろ意見があったけれども、こういうような意見を取捨選択した結果、いろいろなこういう意見があったというものであるか。あるいは中には全会一致で、通ったような意見もあるというようなことについて大要お聞きしたいわけであります。たとえばこの調整組合と協同組合の関係についていろいろな意見がここにあったように書かれております。しかしまた地方金融措置等については、ほとんど全会一致したような体裁の報告文もあるわけでありまして、その点が私ども少しわかりにくいことですから、まずその辺のことをお聞きしたいと思います。  それから第二点は、これらの意見の中で、ほぼ全会一致というような、意見の一致を見たような場合におきましては、これを大体一つ予算的措置なりあるいは立法措置なりないしは行政措置でできるものは着々行政措置でやっていくというようにお考えになっているのかどうかということを第二点として伺いたいと思います。

川上為治中小企業庁長官

○川上説明員 ここにお配りいたしましたのは、この審議会におきまして、こういう問題につきましてはこういう意見が非常に多いです、こういう意見がありますということを羅列的に出したわけでありまして審議会といたしましては、先ほど申し上げましたように、総会、部会合せまして七回程度しかまだ開いておりませんし、しかも現在どういう問題につきましてもまだ全然そのきまったというところまで行っておりません。たとえば組織の問題につきましても、いろいろそれぞれの委員から検討あるいは意見を出しておりますけれども、まだ、では審議会として部会として、この問題についてはこういうふうにいたしましょうというところまでは行っておりません。また金融の問題につきましても同様でありまして、そういういろいろな意見がありましてまだ全然結論も出しておりません。先ほども申し上げましたように、われわれとしましては、予算あるいは税金問題あるいは組織の問題、こういう次の国会に非常に関係のありますような、特にそういうものを早く結論を得たいというものにつきましては、今月一ばいかあるいは来月早々には少くともその結論を得てもらわないと、私どもがその意を受けて予算折衝なり、税に関する折衝なり、そういうことができませんので、なるべく早く結論を得ていただきたいということを審議会に対しましては申し述べておりますけれども、まだ結論を得るというところまでは行っておりません。その他の問題につきましても、どうしても次の国会に間に合せなければならぬという問題がありますれば、これはわれわれといたしましても、早く結論を得てわれわれの方にそういう意見を出していただくようにお願いいたしたいというように考えております。  それからいろいろな審議会の意見につきましてはどういうようにこれを考えるかというような御質問でありますが、われわれといたしましては、この審議会はたとい臨時の機関あるいは法律的の機関でなくても、通産省ではなく内閣に置いたということを非常に重大に考えておりますし、また内閣といたしましても、中小企業の問題についてはこの機関に諮問いたしましてその意見を尊重するということになっておりますので、もちろん財政的ないろいろな問題はありましょうけれども、われわれといたしましては、ここで審議された結論に対しましては、十分次の財政なりあるいはその法律というものに取り入れてやりたいと考えております。

松平忠久日本社会党

○松平小委員 そこでさらに突き進んでお伺いしたいのですが、この審議会は今まで七回ばかりお開きになったということでありますが、今後相当ひんぱんに開いて早く結論を出さなければならないということになるのではないかと思います。そこでこの一つのアウトラインといいますか、方向といたしまして、ここで大きな問題を五つ、みなで八項目にわたってお出しになっているわけであります。この八項目にわたって何らか一つ結論を出して、次の国会でその実現をはかっていくという心がまえでおられるのであるかどうか。またこの分け方も、ただ単に何というか、報告の体裁として分けたというにすぎないのか、八項目についてなるべく早く結論を出してやっていきたいという熱意でいることを希望するわけですが、その辺はどうでしょうか。

川上為治中小企業庁長官

○川上説明員 これは今先生からお話がありました通りでありまして、われわれといたしましては、ここに掲げておりますものはただ一応体裁として出しておるわけではないのでありまして、こういう問題については、なるべく全部についてぜひともこの年末までに結論を出して、次の国会に法律案なり、予算案として出したいわけであります。特に早いものについては、これは大蔵省との折衝とか、そういう関係がありますので われわれとしては、金融の問題とかあるいは税制の問題とか、そういう問題については一日も早く審議会の結論を出してくれということを要求しておるわけであります。

松平忠久日本社会党

○松平小委員 非常に積極的なお考え方であって、従来の中小企業の行政面をさらに相当前進させる考え方で施策を練っておられることを伺って私どもも非常に力強く感じておるのでありまして、われわれもともどもにぜひとも一つ勇気をふるってこれをやっていかれることをさらに希望する次第であります。  ついては若干細目について伺いたいのですが、最近この金融問題について、委員会の中に中小企業金融公庫と商工中金のあり方についての若干の意見があるわけであります。これについて先般新聞で伺ったところによりますと、川上長官は、商工中金と中小企業金融公庫は二木立でいくべきものであるという御意見を発表しておったのでありますが、この御意見を発表するに至ったいきさつと、それからそういう二本立でいかなければならぬという積極的な理由と申しますか、そういうものを参考までに一つ聞かしていただきたい。

川上為治中小企業庁長官

○川上説明員 私は中小企業金融公庫と商工組合中央金庫とを一緒にしてはいけない、やはり別々にしなければならぬというふうに、はっきりそれを申し上げたことは今までありません。これはおそらく新聞の方で適当に書いたのじゃないかと思うのですが、私が今まで申し上げましたのは、中小企業に対するいろいろな金融機関というものは、中小企業についてのバラエティが非常に多いのですから、やはり金融機関そのものについてもいろいろの種類の金融機関というものがなければいかぬじゃないか。たとえば今国民金融公庫と中小企業金融公庫とを一緒にするとか、あるいはまた信用組合と信用金庫を一緒にするとかいうことは、そういうバラエティの問題を十分慎重に考えて検討しなければならぬ。特に最近中小企業金融公庫とそれから商工組合中央金庫との合併説がいろいろ言われているので、私はこれはやはり慎重に検討した上で結論を出すべきだということを申し上げました。それが一緒にするのは反対だというふうに書かれたのじゃないかと思いますが、私は実は慎重論者でありまして、それを一緒にする、しないということをまだはっきり申し上げていないのであります。ただどういうわけで慎重に考えるべきかということは、公庫を作りましたときのいきさつはいろいろありましょうけれども、そういういきさつは一応抜きにして考えまして果して現在一緒にするということが中小企業者の金融のために非常に役立つかということを、私は根本的に考えなければならないと思います。もしそれが非常に役立つということであれば、私は万難を排して一緒にすべきじゃないかというように考えますけれども、果して一緒にすることが中小企業金融に対して非常に飛躍的なプラスになるかという点については、私自身も相当検討しなければならぬ疑問を持っております。たとえば果して資金量そのものがふえるかどうか。別々にしておいた方がいいか、あるいは一緒にすると果して政府の出す資金量がふえるかという問題になりますと、やはり相当疑問があるのじゃないかというふうに思います。それじゃ金利が下るかといえば、一方は下るかもしれないが、一方は上るというような問題がまた出てきはせぬか、あるいは中小企業金融公庫と商工組合中央金庫というものは、それぞれ特殊の性格を持っているのじゃないか。一方は組合金融を中心とした性格であり、また一方はいわゆる設備資金中心であって、組合を通さないで直接に貸すというそういうような特別な性格を持っている。そういう性格についても私はいろいろ検討しなければならぬ問題があるのじゃないかというように、いろいろな問題を検討しますと、今すぐいきなりこれを合併するということを結論づけていいかどうか疑問だ、私はそういうふうに考えるわけでありまして、この問題につきましては振興審議会におきましてもいずれ検討をされますが、そういう審議会の意見等も十分検討いたしまして何らか結論を得たいというふうに考えております。もちろんこれはいつまでも延ばすということでなくて、少くとも次の国会にはこの問題はあるいはいろいろ御質問なりあると思いますので、私は少くともはっきりした考え方をそれまでには作っておかなければならぬというように考えますが、今は十分慎重に検討すべき問題だということを申し上げるわけであります。

松平忠久日本社会党

○松平小委員 銀行の統合とかあるいは分離とかいう問題は、私はやはり何かこれに行き詰まりがあるとそういう議論が起ってくると思うのであります。従ってその行き詰まりというものはどこにあるかということを相当深く分析してみなければならぬと思うのでありますが、商工中金にしても、中小企業金融公庫にしてもあまり世間からうまくいわれていないという理由の一つは、どうもやはり行員といいますか、そこで働いている職員、そういう人たちの考え方が相当影響があるんではないか、こういうふうに思います。  そこでお伺いしたいのは、これらの二つの銀行についての職員の採用というものは、一体どういうような規定になっているのか。私ども承知しているところによると、たとえば某銀行からここに参りまして三年くらいおって、またもとの銀行へ帰るというようなそういう職員もかなり中堅幹部には駆るようであります。そういたしますと、結局それらの人々は重役の言うことをなかなかよく聞かぬということでもって、どうしても統制がとりにくいところがあるのではないか。それから銀行そのものの性格というものもよくのみ込んでやっているのではなくて、今まで自分たちがおったところの銀行、また今後帰るべきところの銀行のしきたりといいますか、つまり従来の大銀行の考え方で中小企業金融というものを取り扱っていく、その観念がなかなか抜け切らぬ人々が多いのではないか、こういうふうに思います。商工中金にしても、これはかなり古くなっておりますけれども、しかしやはり一つの銀行の行風というものはなかなか確立されないわけであって、いわばいろいろな方面から烏合の衆的に出てきた職員であります。そこでそういう場合には銀行においてもあまり優秀な者を出さない、くずみたいな者を出してしまうというような関係がありまして、なかなかいい人間は集まらないということがあったのではないかというふうに思われます。従って、運営面における最も大きな要素というものは人であります。人を中心にいかに運営するかということでありますので、私はこの点が最も大切なのでなかろうかと思います。そこでこの採用の方法というものをお聞かせ願いたいと同時に、もう一つはさらに進んで訓練等もしておるようであります。しかしながらその訓練が窓口業務その他に対しても行き渡らない、徹底しないのではないか、こういうふうに私は見ております。そういうところに非常に欠陥があって人事がうまくいかないのではないか、これが不評判になる相当大きな部分をなしているのではないか、こういうふうに思うのであります。その点について率直な御意見を承わりたいと思います。かつて同僚の小笠君が長官であったときに、私はこれを取り上げまして、小笠君に率直に言ったことがあるのでありますが、このとき小笠君が言っておったことは、確かにその通りで、商工中金のごときは実は烏合の衆でもって、なかなかうまくいかないのだ、だからこの支店長をかえてほかの支店長を持ってきても、果してそれがうまくいくかどうか疑問だ、だから一つ皆様方でりっぱな職員にするように大いに教育してくれというようなことを、逆に小笠君が言ったことがあるのです。今それを思い出して、昨今の状態を見ておりまして、やはりそういうような状態があるのではなかろうか ことに新しい中小企業金融公庫のごときはその感を私は深くしておるのですが、ただいま申しました二つの点についての御答弁をわずらわしたいと思います。

川上為治中小企業庁長官

○川上説明員 松平さんからのお話はまことにもっともなことでありまして、私どもとしましても、今の公庫なりあるいは中金につきましてのそういう御意見は十分感じておるわけであります。ただその中金につきましては、これは歴史も相当長いし、最近におきましてはある程度固まって参りましたので、まあ訓練が十分でないとかあるいはそれほど優秀な人がいないというようなことはございますけれども、まあ前よりはある程度よくなってきておるのではないかというように考えます。ただ公庫につきましては、何分わずか三年くらいしかたっておりませんので、他の方から人を借りなければなかなかすぐ間に合うということもできませんので、勢い中堅幹部、そういうところを他の銀行なりそういうところから借りて間に合わすというような状態でありましたために、今御指摘のようなそういう問題が起きておると私は思っております。従いまして公庫なり中金に対しましては、私の方からも、そういう問題はよく考えて、内部をよく統一され、またお客さんに対しましても十分親切に迅速にやるようにしてもらいたいということは再々言っておりますけれども、今日までなかなかうまくいっておりません。この点はどこか欠陥がもっと具体的にあるのじゃないかと思いますので、十分検討いたしまして、そうして今話がありましたような方向に極力持っていきたいというふうに考えております。御指摘の通りであります。小笠先生の時分からすでに相当日にちはたっておりますけれども、まだ私の時分にもなおそういうようなことになっているのははなはだ遺憾でございますけれども、いろいろ聞いてみますと、銀行員と申しますか、非常にエキスパートが必要である。公庫の方で特に最近支店とかいうものを広めることができないというのは、一つにはそういう打員を獲得するということが非常にむずかしい。銀行業務というのはわずか二年や三年程度ではとてもものにならぬ。だから勢いふやすこともできぬし、ふやそうと思えば他の方から便宜借りてこなければならぬというような状態に今公庫がありますので、そういうことからそういう状態になっているのじゃないかというふうに考えます。この点につきましては何かいろいろな方法を考えまして、充実するように持っていきたいと考えておりますので、具体的にどういうことが悪いということを一つどんどん御指摘願いまして、われわれはそれに対しまして善処正するうに持っていきたいと思います。

松平忠久日本社会党

○松平小委員 川上さんも非常にその点については認識をされておるようであります、が、やはりそれは安定感といいますか、公庫と中金と一緒になるとかならぬというようなことも早く確定して安定を与えるということが必要ではないか。この、委員会の同僚の中にもそういう分離論というようなことを主張しておる人もありますけれども、そういう工合に世間からいろいろ出ますと、やはり安定しない、浮き腰が立ってしまう、早く逃げたい、こういう気持がことに私は中堅の方にはあるように見受けるのであります。従って安定させるということがまず必要ではないか。それから次には、借りてきたものをまた向うへ戻すというような今の制度、これを早くやめさせる、そうして自分自身の行員を作っていくということにしなければ、いつまでたっても上意下達と申しますか、そういうものにもならないし、また下意上達もうまくいかぬというふうに思いますので、この点は特に企業庁において十分なる分析をしてもらって、いい公庫を作り、またいい行員を養成していって、それが落もついて真に中小企業の金融に徹するという考え方のもとに上から下までやるようにということが最も肝要である、機構いじりではなくてむしろ私はその方が肝要であるというふうに、私の経験からもつくづくそれを感じておるのであります。どうぞその点については特に御配慮をお願いしたい、こういうふうに思います。  それについてただいまも長官から話があったが、商工中金を現行法の範囲内において事業量を拡大していくというために措置をするということをおっしゃっておったが、それはすなわち信用組合を使っていくということであろうと思います。そこでこれは今から申し上げるまでもなく、やはり農業部面というものがなるほど伸びておる、相当国家の保護を受けておるということの一つの手段としましては、農林中金のあることは申すまでもありません。そこで零細企業を含むところの、ことに商業方面においては何としても相当の国家の保護ということが必要であると同時に、それが行き渡ってこなければならぬということになりますと、やはりあなたのお考えのように組合金融にこれを徹展させていくということが必要であろうと思います。そこで現在の状況下ではどういう程度にこれが話し合いが進んでおるのかどうか、承わると、たしか全国で五十箇所の組合を指定して大銀行のような工合にして商工中金の金融を受け持たしていくというようなお考えであったようでありますが、先般も会議において六百幾つの組合がある、それから中には大きい組合よりもむしろ小さい組合の方を育成するという考え方から、小さい組合を健全なものにして、これに金融を下請と申しますか、金融の代理業務をやらしていく、こういう希望もあった。そこで私どもとしては、できるだけ多くの組合がこの商工中金の傘下に入っていくことが筋であろう、私はこういうふうに思いますが、現在はどういう状態になっており、また近い将来どの程度それを実現していくという考え方であるか、それをお伺いしたいと思います。

川上為治中小企業庁長官

○川上説明員 中金と公庫の問題についてどうするかという問題は、早くきめてもらわなければ非常に困る、私もその通りだと思います。ですからこれは職員の気持の安定から言いましても、どうしてもこういう問題については早くきめた方がいいと思いますので、私としましては振興審議会におきまして、この問題についてもおそらく話があると思うのですが、早く大方の人の考え方を出してもらいまして、そうして私どもの方としましては次の通常国会とか何とかいう問題とは必ずしも一致しなくても考えてもいいと思いますから、早く結論を出して気持を安定させるように持っていきたいというふうに考えます。  それからほかの銀行から借りた人をまた返すとかいうようなことはやめてもらいたいというお話なんですが、私は暫定的にはそういうことは必要ではないかと考えておりますけれども、なるべくそういうことはないように、そうして公庫それ自体におきましても十分自分のところで養成して一本立ちとなって、早くそういう方々で運営されていくように持っていきたいと考えております。  それから信用組合と中金との関係は、私は先ほど申し上げましたように、これはどうしても密接な関係を持って、そうして中金が組合金融に徹していくようにすべきであるというふうには考えて、そう強化策をいろいろ検討いたしております。先ほどお話がありました信用組合のうち、五十組合だけを選定するとかあるいは小さな方だけにするとか、そういうふうなことはまだ何もきめておりません。私の方からは中金に対しましてその問題を提示しまして「また信用組合関係の方にもそういう問題を提示して、何かこの際緊密な連携を取ってやる方法を十分検討してもらいたい、そうして一案を作ってわれわれの方に出してもらいたい、それによってわれわれも一つ考えて、これがいいということになれば、即座にそれを実行するように持っていきたいという話はしておりますけれども、まだ具体的には金庫の方からも持ってきておりません。ただ金庫の方としましても、信用組合の方としましても、私の方から話がありましたその問題については、真剣に検討して何とかそういう線に沿うように持っていきたいという空気になっておることは事実でありますので、われわれとしましては、この際もっと早くこの問題を具体的に解決するように持っていきたいと考えております。私は信用組合というものを、四十とか五十とかいうことでなくて、できればなるべく多くの組合を直接に中金の傘下に持っていくような注意をすべきじやないかと考えておりますけれども、やはり銀行の方からいいますと、信用の問題とかいろいろな問題もありましょうから、そう簡単にはいかぬかもしれませんけれども、私の気持としてはなるべく多くの組合と中金との結びつきを緊密にするように持っていきたいという気持は持っております。これもそういつまでもぐずぐずしてはおれませんので、なるべくこういう問題も振興審議会の関係はありますけれども、われわれとして特別に法律をどうするという問題にも関係ありませんから、具体的に早く解決していきたいというふうに考えております。

松平忠久日本社会党

○松平小委員 私どもやはり農業に関係する農林中金と信連との間がバック・ボーンになっていると思います。今日の中小企業のバック・ボーンを作る、一本差し込むという場合には、やはり商工中金と信用組合というものの緊密化を徹底的にやっていきましてそれを全国的に普及させていくということが非常に大きな役割を演ずるということは、長官もこれをお認めになっておるようだから、この点につきましてはぜひ早急に一つ実現をするように、今後とも御努力を願いたいと思うのであります。  それから最後にお聞きしたいのは、これも先般の中小企業の会合でいろいろと問題になったのでありますが、その結論は私どもまだよく存じませんが、ただいま長官も触れた例の生保、損保の余裕金、これも今お聞きするとあまり大した余裕金はないというお話でしたが、これを中小企業の方に向けていく、そのためには所要の法律改正等もしていかなければならぬということで、ただいまのお話だと大蔵省と折衝中だということでありましたが、今までのわれわれの受けておる請願は、五百億くらいそっちへ回してもらいたいということでした。ところが片方の保険協会の方の話だと、五十億か六十億しか余裕金がないということをこの前は言っておった。ちょっとあまりに開きが大き過ぎるようでありますし、われわれの気持としては少くとも半分程度もしくはそれに近い程度のものを漸次中小企業に向けていくという一つのめどを立てる必要があるのではないかと思うのであります。大蔵省との関係もあることでありますが、この点についての大蔵省との話し合いの過程におきまして、どの程度これが進んでおるのか。またこの見込みとしてはいつごろこれを実現するというめどのもとに話し合いをしておるのであるかということをお聞きしたいのであります。この点に関する今までの経過をお伺いしたいと思います。

川上為治中小企業庁長官

○川上説明員 この問題につきましても、先般国会を中心としましていろいろ懇談会がございましたが、われわれとしましては、前からその問題についても聞いておりまして、そういう余裕金があるならばぜひとも中小企業の方へ回すようにしてもらいたいという話をしておるわけなんですが、まだ松平さんに申し上げるところまで具体化いたしておりません。大蔵省の方でも、この問題について相当積極的な考えを持っておる人もおりますけれども、中にはきわめて消極的な考えを持っておる人もおるようでありまして私の方の係りの課長が向うの課長といろいろ話し合いはしておりますけれども、まだ具体的にどうするというところまでにはきておりません。保険会社の方でも相当積極的に考えておる人もおるようですし、また一面におきましては、どうも消極的に考えておる人もあるようでありますので、その辺の調整もまだ十分できておりませんが、私の方としましては、そういう余裕金が五百億というのはこの前の懇談会でもいろいろ問題になりましたように、そういう大きな金を果して出せるかどうか。これは相当疑問があると思うのですけれども、ある程度の金は何とかそういう余裕金があれば出し得るのじゃないかと考えますので、これも早急に御指摘の通り大蔵省なり保険会社の方と話し合いをつけたいというふうに考えております。ただいつまでにこれを解決するかということになりますと、なるべくこういう問題については早く解決したいというふうに考えております。非常に抽象的に早く早くといっても、お前はいつやるのかということになると思いますけれども、われわれとしては誠意をもってこの問題についても解決したいというふうに考えております。

松平忠久日本社会党

○松平小委員 この前も議論になったのですけれども、ことに生命保険の金は中小商工業者から出ておる金が多いと思うのであります。それが大企業ばかりに行って、中小企業の方にはほとんど回ってこないという点からいっても、保険協会等においても、相当考えなければならぬ問題じゃなかろうか。また国家としても、政策的にも考えていくべき性質の金であるというふうに思います。そこで保険会社の方におきまして必ずしも賛成してないものもある、こういうお話でありましたが、それは結局損失保証と申しますか、貸した金が返らなければ困るということが一番大きな問題であって、結局信用保証保険の問題にからまってくるのでありまして、これを同時に解決しなければならぬということが一つのポイントになっておると思うのであります。そこでこれをやっていくためにはそれらの問題を一括して解決していくということで、われわれの考え方としてはどうしても次の国会にこれの所要の改正をするという覚悟でやってもらいたい。こういうふうに強く御鞭撻申し上げます。われわれも同じ気持で関係方面を説得するつもりでおりますので、どうぞその点は一つの目標を置いて積極的、な努力をお願いしたいことを申し添えまして私の質問を終ります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)小委員 先ほど来松平委員の中小企業の金融問題に開通いたしまして若干具体的なことでお伺いいたしたいと思います。  実は先日私小委員会の行政視察で新潟県へ参りました際に、新潟県の燕市で御承知のように洋食器の産業をやっておりまして、あそこを視察したのですが、そのときに燕市では洋食器の製造業者が協同組合を作りまして、その協同組合が共同施設を持っております。その施設に対しまして、おそらく中小企業の設備近代化の補助金じゃないかと思うのですが、補助金をもらって設備をして、中小企業の協同組合が共同で資材を購入して、その共同設備で素材と第一次製品といいますか、製品に近い材料を作っておって、各業者に配給して渡しておる。こういうことをやっておるのを見てきたわけであります。これは今中小企業庁でも、中小企業の組織の強化育成といわれておる面から考えても、また中小企業の運営の合理化という点から考えても適切だと思うのですが、そういうようなことについて今後いろいろと各産業においてそういう形態も考えられるのですが、長官としてはそういうふうな形態についてはどのように考えておられますか。

川上為治中小企業庁長官

○川上説明員 私はやはり中小企業者が一つの組織を作って共同施設の力によって中小企業に非常な恩恵なり便宜なりあるいは育成をはかっていくということはどうしても強く押し進めなければならない。本年度におきまして「は応助成金としましては一億ということになっておりますけれども、とてもこれだけでは足りないので、来年はもっともっとふやしていきたいと考えますが、またそういう組合に対しまして特別な金融をしていくということは非常に大事であると考えますので、商工中金とかそういう金融機関を中心として極力助成するように持っていきたいと考えております。その点は全く先生と同感であります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)小委員 私は一つ具体的な例をあげてお考えをお聞きしたいのですが、たとえば兵庫県の小野市はそろばんの全国的な産地でありまして、大体全国の九〇%近い製品を小野市一帯で作っておるわけです。そこにはそろばんのワクを作る生産業者が四百二十軒、玉を作るのが百軒、それからそれに必要な竹を作るのが四十軒ほどあるのですが、それらが今まで企業組合を作っていた。その組織をもっと強化して、今言ったような燕の例にならって材料の共同購入というようなことをやり、ある程度の加工を共同施設でやって各業者に材料を渡して製品にしていく。燕市と同じような考え方で進もうとしておるのですが、たとえばそろばんの玉にする材料というのは盛岡にしかない木だそうです。俗にサクラカバというのだそうで、学名をオノレ・カンパーという木だそうです。その木をそういうところから個々に買いにいくと、足元を見られて値段をつり上げられるということで、中小企業は——もう中小企業というより、この辺の業者はもっと零細企業というか、家内工業的にやっておるものが多いのです。そこで資材がないために、仕入れにものすごく損をしておるわけです。そこで今言ったような形態によって、近代化の設備を共同で持って、共同の資材を購入してやっていきたいということになっておるのですが、そういうような場合に、中小企業の組織強化という点から、中小企業庁としてもこれについて相当育成をやっていただけるかどうか、いかがでございましょうか。

川上為治中小企業庁長官

○川上説明員 非常に具体的になって参りましたので、果して私の申し上げることが妥当かどうかわかりませんが、そろばんについて、そういう業者の方々が協同組合を作られて、共同施設を作り、また共同購入をされることは、私はまことにけっこうなことであって、それはまた強化しなければいかぬというふうに考えております。そのためには政府としましても、中金なりそういうところから特別な金融をするように持っていきたいというように考えております。ただその設備近代化の今の資金、あるいはまた協同組合助成金という問題になりますと、これは全体の資金が実は非常に少い関係もありますので、現在は主として輸出関係とかそういうところに重点を置いておりますので、今の金額の範囲内においては、果して具体的にそのそろばんの共同施設まで助成金が渡り得るかということになりますと、ちょっと問題があるかと思いますが、私は将来におきましては、そういうところはどんどん広げていかなければならぬだろうと思っております。従って助成金もそういうところまで出し得るようにしなければいかぬだろうというふうに考えますので、来年度あるいは再来年度におきましては、この協同組合の助成金ももっともっとふやすように、設備近代化の助成金ももっともっとふやすように持っていきたいというふうに考えまして、そうした方面からも助成できるようにしたいというふうに考えます。今の中金からのいろいろな金融の特別な措置ということは、現在におきましても十分私はでき得るのじゃないかと思いますけれども、あまりにも具体的ですから、その問題につきましては別途具体的に詳しく聞きまして、なるべく御援助申し上げるようにしたいと考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)小委員 あまり具体的に申し上げて恐縮だったのですが、今長官がおっしゃったところで私は一例をあげたのですが、そういったような方向へ中小企業が組織を強化しながら発達していくというか、育成していくという点について、長官の気持がわかりましたので、けっこうでございます。

中崎敏日本社会党

○中崎小委員長 神近市子君。

神近市子日本社会党

○神近小委員 当委員会はけさから中小企業の育成保護に関する政府のお考えを伺っているところでありますが、私はこの前の国会で通過いたしました百貨店法の実施の方面について一、二お尋ねしたいと思います。  結局今国家的な問題になっていることは、この中小商工業者をどうするかという問題であって、これは自民党でもあるいは社会党でも、同じように保護方策を考えて、これを当面の問題と考えているわけです。この百貨店法も、やはり同じ趣旨でこの前の国会に提出され、そして社会党も自己の案を下げて御賛成したのだと私は承わっております。それでさしあたりこの実施方面のことで二、三お尋ねしたいと申しますのは、あの法律ができまして、附帯決議もついております。その実施方面で、あのあとであの規定によってどのくらい新しい百貨店に許可をお与えになったか、あるいは増築、新設その他の申請に対して保留というようなものは幾つぐらいあるか、それからそれはどこどこにわたっておるかということをちょっと教えていただきたいと思います。

松村敬一通商産業事務官(企業局次長)

○松村説明員 ただいまの御質問でございますが、お話ございましたように、先般の国会で成立を見ました百貨店法につきましては、問題は非常に重要でございますので、特に百貨店審議会というものができまして、工藤昭四郎会長以下六名の委員の方にしばしば御会合を願いまして、御質問のございました新増築の問題、あるいは営業時間、休業日等をいかに定めるかということにつきまして、いろいろ十分御審議を願っておる次第でございますが、御質問の増築、新築等の許可の問題につきましては、百貨店法が六月十六日に施行になりまして、施行日の現在において現に増設をやりかけております百貨店から申請をとりまして、その審査をまず第一にやっておるわけでございますが、出ました件数が七十五件ございまして、ただいままでに十三件が許可になっております。そのうち、現在二件保留のままでございますが、その十三件の中で、増築の許可というのが十一件ございます。それから一件は新設の許可、これはある店がこれは小さい出店でございますが、それを前のものをやめて横に移したという形でございます。これは法律の形としては百貨店の一応支店の新設という形になりますので、それが一件でございます。それからもう一件は常業許可でございまして、これは百貨店法に基きましてその店の面積が百貨店というものに当るようになりますので、それを一件許可をいたしました。これは増築ではなくて、新たに百貨店の定義に入ってくるという意味で、常業許可という形になっております。合せまして十三件が現在許可されたものでございますが、ただその十三件、特にその十一件の増築が、全部そのまま申請通り必ずしも許可になっておるという形ではございませんので、これは運営といたしましては、百貨店の店舗の所在いたします土地の商工会議所の中に、商業活動調整委員会という委員会ができまして、これは利害関係人及び中立の方々等で構成されておるのでございますが、百貨店側も小売側も、あるいは一般の消費者代表とか学者の方々とか、そういう方々で協議会を作っていただきまし、、その協議会の意見を中央の審議会の方に出していただく、こういうことにしてございますが、その協議会において、百貨店の方と小売の方との間でいろいろ話をしていただいて調整をしていただきまして、百貨店の方が相当の大きな面積を申請しておって、このままでは小売は反対であるけれども、しかし現布の増築の状況、工事の進捗状況等から申しまして、この程度の増築であれば、小売としてもある程度納得のいく程度である、こういうようなお話がございました場合は、両君で御相談をしていただいて、面積をある程度削減して、申請を訂正するような形で調整していく、そういうようなこともやっていただいておりますので、同じ増築の許可ではございますが、中にそういうような調整によって許可をされたというものを含んでおることをつけたしておきます。  それからもう一つ申し上げておきたいのは、これは中央の百貨店審議会で審議をいたしますときには、ただいま申し上げました商工会議所の意見を聞くことも一つでございますが、そのほかに官報で公示をいたしまして、利害関係のある人の意見を申し出てもらって、それを十分しんしゃくする、こういう形になっております。それで大体百貨店の増築許可申請がございますと、原則として三週間くらいの期間を限りまして、その間に審議会長まで意見を申し述べてほしい、こういう官報の告示をいたし、同時に地域の会議所あるいは小売団体等にも十分その趣旨を申しまして、意見を出していただくようにしておりますので、そういう意見も十分伺い、商工会議所に出ました意見とつけ合せまして、審議会の方で御審議を願っておりますので、そういう意味におきまして、小売その他利害関係のある方々の御意見は従来の許可申請の取扱いについては、相当よく反映をいたしておるのではないかと思います。

神近市子日本社会党

○神近小委員 今その協議委員会ですか、そこで両方つき合せて、そして意見の一致を見た上で審議会に答申するわけですね。地方の協議会はこの十一件の増築ですか、それは全部その両方納得の上で大体決定したとおっしゃるわけですか。

松村敬一通商産業事務官(企業局次長)

○松村説明員 ただいまの御質問でございますが、現在解決して許可をいたしましたのは、今御指摘のようにすべて双方が納得をされて結論が出たものでございます。ただ今後は実は商業活動調整委員会と申しますのは、今申し上げたようなことをできればやっていただきたいという趣旨なんでございますが、ものによりましては、これは百貨店側の方はどうしても増築を主張なさるし、小売の方はどんなことがあっても絶対に反対だ、こういう御意見の場合が間々あるわけでございます。そういう場合には、必ずしも調整委員会といたしまして、まとまった結論はお出しになれないわけです。そういう場合には、結論ではなくて、それぞれどういうお立場の方がどういう御意見であったかという御意見と、それから御意見の基礎といたしまして、たとえばその都市の人口がどういうふうにふえていっておるとか、あるいは百貨店の売り場面積がその人口との割合で一人当りどのくらいの面積になっておる、あるいは新しい百貨店の増築申請が従来の百貨店の面積を何割ぐらい増すものであるか、その他中央の審議会で審議をしていただきますのに参考になりますような数字を会議所において十分御調査をいただいて、それをあわせて報告していただきまして、それとともに賛成、反対それぞれの御意見の詳細、つまりどういう根拠で御賛成であり、どういう根拠で御反対であるかということを詳細に会議所の方から御報告いただきまして、それを十分参考にして中央審議会で御判定をいただく、そういうふうなことにいたしておりまして、今後のいろいろな問題につきましては、必ずしも地方の会議所で御意見の一致しないものが相当多く出て参ると考えております。

神近市子日本社会党

○神近小委員 よくわかりました。それで今審議会は前国会のあとで成立しましてから、何回くらい御審議になっておるか。

松村敬一通商産業事務官(企業局次長)

○松村説明員 現在まで六回会合をお願いいたしております。それで委員は、御承知かと思いますが、工藤昭四郎氏に会長をしていただきまして、学者代表の方をお二人と、婦人代表の、これは消費者代表という意味で主婦連合会の三巻副会長、全国地域婦人団体連合会の山高理事長、このお二人を消費者、婦人代表という意味でお入りいただき、商工会議所の専務理事、それから常識代表と申しますか、そういう意味で日本経済新聞におられました小汀利得さん、そういう方々に、皆さん非常にお忙しいのでございますが、十分時間をさいていだだきまして、六回御会合を願っておりますが、百貨店の増築も、相当急いで店開きしたいというのもございます。同じ許可にしても不許可にしても、なるべく早く結論を出した方がいいというものもございますので、それやこれやで適当に順序をきめまして、御審議を願っております。なおまだ早く片づけなければならないのが相当残っております。七十五件中十三件しかまだ片づいておりませんので、今後ぜひひんぱんに御会合を願おうということであります。

神近市子日本社会党

○神近小委員 それで今残っている案件の中で最もむずかしい案件になっているものがございますか。代表的な意見の対立とかいうようなことで、むずかしい懸案になっているという件数はどのくらいでございますか。

松村敬一通商産業事務官(企業局次長)

○松村説明員 これは具体的に百貨店審議会の方でいろいろ御審議を願いますまでは、ちょっとどれがむずかしいということも非常に申し上げにくいのでございますが、ただ普通に考えまして非常にむずかしい問題の一つは、池袋の関係で百貨店が三件申請がございまして、あすこのステーション・ビルというのがございますが、その関係と、それに西武デパートと三越、三つが一緒に競合したような形になっております。特にステーション・ビルにつきましては、この前の国会の附帯決議もございまして、これは公共施設を利用するような百貨店については許可を慎重にやれ、こういう趣意の御決議もございますし、建物の進行度合い等から申しましても、相当問題もございます。それから一方西武デパートあたりの拡張の規模も非常に急激に大きくなりまして、一方また従来からいろいろ地元で誘致運動があったのではございますけれども、三越の問題等もございまして、この辺非常に込み入っておりますので、特に審議会におきましても十分慎重を期したいという意味で、ほかのケースとはちょっと異例に、それぞれの関係方面の御意見を十分審議会としても直接拝聴をしたいということで、どちらかと申しますれば特別な扱いをしておられるようなものがございます。そのほかにもいろいろとまだむずかしい問題も出てくるかと思いますが、現在審議会として特にそういう扱いをしているのはこの一件でございます。

神近市子日本社会党

○神近小委員 私も池袋はときどき行くことがございますので、あそこが非常に困った状態になっているということは承知しております。あれは附帯決議で公共の建造物を利用してはいけないということがあったわけでございますね。それであすこは国鉄との契約、あるいは予納金というようなものを出して、あの許可を得ていて、初めは売店あるいはホテルあるいは食堂、事務室というような申請をして、あとで国鉄と契約の訂正をやっております。それで百貨店法の附帯決議で、公共の建造物が個人の資本によって利用されるということは何としても私ども不当だという考えを持っている。八重州口の問題もございましたし、それからまた新宿の問題も出て、百貨店法がそのあとに出たわけですけれども、そういう場合法律ははっきりと大資本に対する中小商[業の保護という精神によって立法されている。片方はそういう気配を無視して、国鉄はこれと契約の訂正をやっている。あるいはまたこれはほかの方面、決算あたりでも問題が出るだろうと思うのですけれども、国有財産あるいはそれに類するものをそういうふうに使ってはいけないということ、特に池袋のあの問題は、非常に駅そのものが狭められて、個人使用になるビルは九〇%もあり、そうして切符の売り場と荷物の預け場というようなものが北口と南口、あるいは西口と東口とにある。この間もほかの駅の場合で、その両側にあることの、不便ということが非常に問題になって、私ども国鉄と交渉してそれを解決したことがございますけれども、そういう実態の場合に、通産省としてこれに対して非難をして反省を求めるというようなことは不可能なんでしょうか。

松村敬一通商産業事務官(企業局次長)

○松村説明員 お話の件でございますが、従来東横、西武がございまして、それに今度西武、三越、池ビルが先ほど申し上げましたようにそれぞれ相当規模の追加の申請をいたしておるわけでございまして、これには御指摘のような公共の施設の利用という面もございますわけで、先ほど申し上げましたように、審議会といたしましても特別慎重に考慮しなければいけないということで、各関係方面の御意見を順々に審議会自身で聞いておられる、そういう状況でございまして、東京の商工会議所の審議会においてはある程度の商業活動調整委員会の一応の結論みたいなものをお出しのようでございますが、そういう御意見とかその他を十分しんしゃくして、今後審議会でいろいろ御審議を願うという段階でございまして、その御審議を通じて、百貨店法の趣旨に最も合うような常識的な解決ができますれば最もけっこうだと思っておるところでございます。

神近市子日本社会党

○神近小委員 これは御承知の通り非常にむずかしい問題で、強力な反対運動が起っているということ、それから丸物というようなデペートがあそこへ予定されていること、そしてそれが土地にあまり関係のない資本で、しかも幾らか非難を受けておる資本であるということ、それからヒンター・ランドの人口が、池袋、新宿、渋谷というように考えて調査してみますと、池袋は新宿とそんなに変りはないのです。それから渋谷は二百万以上にわたって、しかも東横が一軒ある。新宿はやや池袋と同じ人口で、今予定されているのを加えて三軒。池袋が新宿と同じ人口を背後にかかえていて四つ。しかも西武なんというのは土地の鉄道や何かを持っている資本でありまして非常に強力なものである。ちょっとこれは無理であるし、それからあなたがおっしゃったような一人当りの面積は非常に小さくなるわけです。こういう場合お考え願わなければならないと思うのですけれども 東京都の商工会議所の商業活動調整委員会の答申も大体反対のように承わっております。その百貨店審議会に対する報告 答申を受けて審議会がまた審議するということになるのですけれども、その審議会がまた協議会案と反対の答申を内閣に向ってしましたときには、審議会案は絶対に守らなくちゃいけないものか、参考にするものであるのか、あるいはその審議会というものが非常に強力な機関であってその答申に実態にそぐわないようなことが出た場合に、あなた方の方でそれを扱うのにどういうふうになさるのでしょうか、この三つの関係についてちょっと伺います。

松村敬一通商産業事務官(企業局次長)

○松村説明員 ただいまの御質問でございますが、法律的に申しますと、まず東京の商工会議所の商業活動調整委員会の意見は、中央の百貨店審議会に対する参考資料の一つというような意味になると思います。先ほど申し上げましたように、百貨店審議会といたしましては、審議会長が審議をされる前に商工会議所の意見及び利害関係人の意見は必ず聞いて参考にしなければならない、こういう法律の構成になっておりますので、必ず商業会議所の意見は求めますけれども、しかしそれは一つの参考の意見でございまして、そのほかにも直接利害関係人からの意見その他必要な資料等を十分に検討されて、審議会の意見をきめられますので、審議会と商工会議所の商業活動調整委員会との関係につきましては、協議会の意見は一つの参考資料として審議会で考えられるという程度のものと申し上げてさしつかえないと思います。それから一方法律の建前では、通産大臣が直接許可不許可をきめるわけでございますが、きめるにつきまして必ず百貨店審議会の意見を聞かなければならないということになっております。これは本質的に申しますれば、一つの諮問機関でございますから、通産大臣の権限といたしましては、百貨店審議会の意見と違う決定をするということも考えられるわけでございます。しかしこれはこの法案の審議の際にも通産大臣の方から国会に対しまして、この法案の運営は非常にむずかしいものであり、待に非常に円満な常識による判断に基かざるを得ない、そういう意味で、百貨店審議会にお諮りして、この審議会の意見を非常に尊重して行政をきめて参る、こういうような御説明を十分いたしておりますので、実際問題といたしましては百貨店審議会の意見を非常に尊重した形で通産大臣の許可不許可という形になる、そういうふうにお考えをいただきたいと思います。

神近市子日本社会党

○神近小委員 通産大臣は前国会の末期に、十五日でございましたか、参議院の商工委員会である程度自分の考えをおっしゃっております。お宅の大臣は割にりっぱな方でございますからこの決定に誤りはなかろうと思います。参議院の場合もそういう答弁をしていらっしゃるのでそう信じますけれども、この中間のところに対してはやや不安を持っている人が多いのです。なぜかといいますと、あれは一番最初池袋ビルですか、その発会の当時に相当の金を持ち寄ってそうして発会して、その五千万円という金が今どこに行ったかわからないというようなこと、そういうことをいろいろ聞いております。国鉄もなかなかむずかしいらしいし、大へんこの点で土地の大多数のほとんどすべてといっていいくらいの小売商の人たちが非常に今不安にかられている。この点で私は通産省の御善処をぜひ願いたいと思うのです。御存じのように、前の広場というものもほとんどなく、私ども今まででもあの道路の工事中は、池袋に用事があるときに車をつけるところがほとんどなかったくらいだったのです。今度はそれがもっと狭くなる、あれはあと改装が済んだらどういうことになるかわかりませんが、その点でも相当今の建築のやり方は悪いということはみんな知っております。それでぜひ御善処願いたいというのが私のきょうの質問の骨子でございますが、国鉄の予納金というものがあるということを聞いております。でその予納金というものは一体どのくらいの金高であって、そうしてこの契約を解消させるというような場合には一体どういうことが考えられるか。それが四億とか五億とかという話がありますけれども、そういうものを負担することができない場合にどういうことができるか、ちょっとそれをあなたのお考えでけっこうですから聞かせていただきたい。それからもし用途を変更させるというような場合の補償というようなべらぼうな話も出ておるわけなんです。私どもはそういうことは考えられないと思うのですけれど、あるいは審議会あたりの人たちはそういうことを考えられていやしないかということも言われております。そのこともあなたのお考えでよろしいですからこれは絶対に出すべきものじゃないというのが私どもの考え方ですけれど、それについてのお考えをお聞かせ願いたいと思います。

松村敬一通商産業事務官(企業局次長)

○松村説明員 今お尋ねの予納金の問題は、私たちもまだ国鉄の契約自体についても十分わかっていない点もございまして、一番最近の審議会に国鉄の方の方も来ていただいて、審議会でよく契約内容その他を検討して話を聞くということになっておりますので、ただいまのところどういう形のものか、私たちの方でもよく承知しておりませんので、ちょっとその点だけはお答えを差し控えさせていただきたいと思いますが、もう一点の補償の問題につきましては、これは常識的にはいろいろの考え方があるのでございますが、法律的に申しますと、補償は考えないというのが法律の建前でございます。これは説明としては、百貨店の増設の許可、不許可という問題は、建物自体を建ててはいけないということではないので、建物は建築許可上の問題でございますが、それを百貨店に使うとか、売り場として使っては困る、それをたとえば貸しビルにするなわあるいは何か催しものを行うとか、そういうことは全然自由なわけでございますから、むろん百貨店ならば非常に利益が上ったはずなのに、そういうことに転用すれば利益が少くなるという意見もあるわけでございますが、一応法律の建前といたしまして、今回の百貨店法で不許可ということについては法律が補償するとか、そういう問題は起らない、そういう建前の解釈をいたしております。

神近市子日本社会党

○神近小委員 これは国鉄の適当の方に伺わなくちゃならないのですけれども、あの契約を訂正すると弄に、売り場ということがあったということで、売り場ならデパートと同じだというような考え方、これは世間では通用しない考え方です。オフィスがあって食堂があってそこにたばこやキャラメルを売る売り場があるというのは当然のことでありまして、これはデパートとは絶対に違うところなんですから、私たちはその点でも国鉄の十河総裁あるいは副総裁の参議院における御返事のあったことについては特に考えて、この池ビル会社の重役たちに対して提訴が行われておるというほど硬化しておる問題ですから、一つこれは百貨店法が作られた精神にかんがみまして、そうして今われわれが保守党も革新党も全部中小企業、商工業の保護に何とかここで強力な手を打たなくちゃならないという時世にきているのですから、一つその精神の線に沿って非難されないような態度をとっていただきたいということをお願いして、私の質問を終ることにいたします。ありがとうございました。

中崎敏日本社会党

○中崎小委員長 田中君。

田中武夫日本社会党

○田中(武)小委員 百貨店の問題につきまして御質問いたします。先ほど来神近委員からもいろいろと百貨店法実施後の状況その他について御質問がありました。要は、政府並びに審議会等々が百貨店法の精神をどれほど理解してこれを運用していくかという問題にあると思うのであります。先ほど国鉄の駅の問題等々についての質疑応答がございましたが、四月十七日でしたかに、本委員会において百貨店法が議了せられたときにも附帯決議がついておる。その第二項は、「政府は、国、地方公共団体及び公共企業体の所有する土地又は施設を利用して、百貨店業を営むことを、原則として許可しないこと。但し、地方都市等において、中小小売業者に与える影響の少い場合は、この限りでない。」そういう附帯決議がついております。ところが一体政府並びに事務当局は、今までもそうでありましたが附帯決議等をどれだけ尊重し、どれだけこれを実行しておるかということは、私は疑問だと思います。たとえば駅の問題等についても池袋といったようなところにおいては、この附帯決議の第二項のただし書きが当てはまらないということははっきりしております。そうするともう議論の余地はないと思いますが、そういう点はどうですか。

松村敬一通商産業事務官(企業局次長)

○松村説明員 ただいまお話のございました附帯決議につきましては、通産省といたしましても、審議会といたしましても、もとより十分その趣旨を体して運営するということは非常にはっきりしておりますので、その点は十分御了解をいただきたいと思いますが、ただ何分非常に複雑な事情でございまして商工会議所の商業活動調整委員会におきましても、本件は特別念を入れて審議をしてあの意見を一応作っておるようなわけで、ございまして、先ほど申し上げましたように十分当事者の意見も聞いて附帯決議の趣旨に沿い、なおかつ最も現状に即したような解決をしたい、そういうことで審議会でも特別初めから池袋だけは別に扱って、慎重に事を運んでおられるようであります。附帯決議の尊重ということにつきましては、通巌省といたしましても審議会といたしましても問題なく十分その方針で進んでおる次第であります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)小委員 先ほど来の次長の御答弁を聞いていると、いかにもスムーズに事が運んでおるようなお答えをしておられるのですが、たとえば商工会議所の中に設けられておる商業活動調整委員会の構成なりあるいはこれの運営等につきましても—— 一例をあげましたならば、百貨店法の施行が六月十六日、協議会の規則の施行が八月の二十二日なんです。それで何か三週間あるとかというような御答弁が先ほどあったと思うのですが、これは姫路市の一例ですが、委員の委嘱が八月の二十三日に行われてこの第一回の会合が八月の二十八日、引き続いて八月三十日に第二回の会合があって、小声商側の委員として意見の開陳と資料の提出を要求せられたが、わずかの期間であってそういうようなことについて十分調査をし、十分自分たちの意見を述べる間もなく、そういうような会合が運営せられておるというような事実があるのですが、こういうようなことについて、いわゆる答申というようなものについては、どういうことになっておりますか。

松村敬一通商産業事務官(企業局次長)

○松村説明員 先ほど申し上げましたように、非常にスムーズに行われておると申し上げましたのは、すでに解決した都市について特に申し上げたわけでございますが、しかし六月十六日に施行になりまして、通産省の方から直ちに各会議所に対してこういう問題があるので、こういう趣旨で、こういう構成で商業活動調整委員会を作ってほしいということを頼みまして、これは会議所によってまちまちでございますが、ただいま御指摘の姫路市はあるいはかなりおそくできたような都市であるかも存じませんが、かなりの都市ではむしろ相当早くできておりまして、先ほど申し上げましたように、通牒で十分公平なような形に作ってもらうように申してございますので、大体のところは十分各方面の意見が代表されるようにできておるのではないかと思います。それでこれは七十五件出て参りましのたを、初めから全部一緒に公示いたしたわけではございませんので、若干順序を踏みまして、と申しますのは六月中あるいは七月に開店をしたい、実際上建物もほとんどできておる、こういうケースもございましたから、その約二十件ほどのものをまず第一に公示をいたしまして、その後申請書の不備等でそのまま官報に出せないようなものも相当ございましたので、一々当りまして十分書類を整備してから公示をやっております。従って公示の時期が若干ずれたのもございますが、会議所の方としましては、公示があってから商業活動調整委員会の活動を開始する、こういうところもございますから、あるものは開始が遅れておると思います。それから御指摘の期間でございますが、これは今申し上げましたように工事中のものの申請でございまして、なるべく早く解決いたしませんと、その間にまたどんどん工事が進んでしまう、そういうこともございますので、原則といたしまして会議所の意見及び利害関係人の意見は、公示または通牒を出しましてから、三週間以内に一応意見を言っていただく、こういう取扱いをいたしております。その間にさっき申し上げましたように、現在すでに処理済みのものは、その間に双方の意見が十分まとまって申請してきたものでございますが、今後はむしろ問題の多いものが相当あると思われまして、そういうものについては賛成、反対それぞれの意見が別々に根拠をつけて出していただいて、それをしんしゃくして審議会で発表する、こういう仕組みに相なっております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)小委員 本百貨店法審議のときにもわれわれ問題にしたのですが、商工会議所の意見を聞くということは、いかにも民主的なように聞えるが、実際はこれはところによって違うと思いますが、商工会議所の構成等から考えて十分小売業者の意見が反映できるもんではないというようなことを私申し上げたいと思うのです。従ってその運営に当りましても、今次長が言われるような運営がなされずにしてしまって、一例としてあげました姫路市においては、委員の任命がなされて、引き続き一回、二回と会合を持ってやったために、小売業者関係としては十分な資料をもって十分な説明もし、意見も調整するというような期間もなくしてなされた。こういうような実情があるわけなんです。従ってこれらの人の意見を聞くと、せめて二週間も時間があるならば、もっとわれわれとしては打つべき手もあったのに、こう言っているのが実情なんです。そこでこういうような答申案がなされた場合に、通産省ははんとうにその答申の文書の表面だけで考えられずに、十分実情を現地について調べていただく必要があるのではないか。その上に立って左右を決する、こういうことが必要ではないかと私は思うのですが、この点はどうですか。

松村敬一通商産業事務官(企業局次長)

○松村説明員 お話の趣旨は全く同感でございます。事実私たちもそういうふうに運用をいたしておるつもりでございます。それで会議所から一応意見は出て参りますけれども、特に小売の方で十分会議所の方に意見を言い尽せなかったというようなケースにつきましては、小売の方にも直接意見を言っていただくように別に公示もしてございますので、実際問題としては必ず小売の方からの御意見が出て参ります。そういうようなどうも会議所の結論が必ずしも十分に業者の意見を尽したものではないのではないかというように思われますケースにつきましては、私の方としましては地方の通産局等を通じまして、あらためて十分意見を聞いてその調整ができあるいは十分意見を尽してもらったというところで、その意見を添えて、審議会の方に審議をお願いしておりますので、御指摘のように会議所の構成自体が大企業の方が中心になっておる、あるいはむしろ中小企業の方が中心になっておって百貨店の方がむしろこれが弱いというところも都市によってはございます。そういう実情もある程度私たちの方はわかっておりますので、必ずしも会議所の意見だけでどうということではございませんので、会議所の意見のほかに十分その都市の実際の意見を承わってから御審議を願うというようなことにしておりますし、今後も御趣旨に沿うように進めていくつもりでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)小委員 十分その土地の実情を調べてやってもらいたい、こういうことが私の言っている趣旨なんです。またこの法案審議のときにもいろいろ問題にし、やかましくわれわれも言ったわけなんですが、これが昨年の二十二国会で、社会党から出して審議未了になり一年後に成立したという関係で、百貨店業者から見れば、やがてどんなものかわからぬが、百貨店法ができるであろう。そうするならばわれわれは困るというので、それができるまでにどんどんやろうということで、すでにものすごく増築、新築をやっておることは御承知の通りであります。従ってもうすでに増築、新築したから許可をしろ、こういう格好で今申請が出されておると思います。たとえば既成事実を作って、その上に立って強く打ち出してくる、こういうやり方がやられておる。自衛隊を作るに当っても、既成事実を作ってからどんどんやられたと同じような方法によって押し進められているというのが、実情じゃないかと思うのです。そこでこれらのことについて申請が出た場合、すでに既成事実がある、せっかく建てたんだからというような考え方の上に立って、この審議、許可等を進められるのかどうか、こういう点が一点。しかも先ほど申しましたような理由で、やがて制限を受けるであろうということから、もう数年先を見越して、おそらく十年間くらいはこれで増築、新築しなくてもいいようなところまで新築や増築がなされておると思う。従って全国平均の増築率が昨年だけでも三二%だということを聞いておるのですが、私が今申し上げておる姫路地方におきましても山陽、やまとやしきという二つの百貨店があるわけでありますが、山陽におきましては従来の四〇先強の増築をやっておる。それからやまとやしきにおいては実に九〇%強、約倍に近い売り場面積の増築をやっておるわけです。そういうものがすでにできておる、だからこれによって許可をしろ、こういうような方向に出てきておると思います。そういうような場合に、そういう既成事実の上に立ってやるような考え方を持たれるのか。それと同時に既成事実はすでにできておるが、それが現在のその土地の実情に合わずに、先ほど申したように十年も先のことを見越し、十年も建てなくてもいいというようなところまでやっておるとするならば、これはどういうように考えておられるか、そういうような点についてお考えを承わりたいと思います。

松村敬一通商産業事務官(企業局次長)

○松村説明員 従来までの審議会の審議におきましては、御指摘のような、既成事実になっておるから、それでやむを得ないから認める、そういうふうな形で許可になっておるというふうには考えておりません。ただ法律の附則にございますのですが、現在の既成事実ではなくて、施行当時の六月十六日現在の増築の程度ということ、その程度は考えろ、こういうようなことにはなっておりますので、その点を全然無視するというわけには参らないと思いますけれども、しかし本体は、一体その増築は中小企業に重大な影響があるかどうか、そういうことが中心に審議が進められておりますし、今後もそういうふうな状態だと思います。  それから先ほど御指摘のございました、いわゆるかけ込み増築等もすでにやっておるところもあり、相当先まで増築してしまっておるのだから、今度の審議については十分慎重に、制限的に解すべきだといへ御趣旨のように聞きましたが、これは私たちの方で今増築率というのを十分考えて、あまり増築の程度が激しいものについては、増築を認める場合にも相当遠慮をしてもらうという形で運用をいたしておりますし、その増築率を見ます場合にも、ただ六月十六日現在からどのくらいふえるかということだけではございませんで、最近にかけ込み増築式のことでもう相当ふえてしまって、その上にふえる、そういうものについては、もう少し前までさかのぼって、最近一度どのくらいふえたか、それがなおどのくらいふえるか、そういうような二重の増築率等も十分加味して、常識的に見て、たまたま六月十六日前に相当開店してしまって、そこは知らぬ顔して、あとをちょっとふやすんだ、その増築率は非常に少いからいいじゃないかというようなものにつきましては、もっとさかのぼった増築率について相当大きいものについては十分慎重に考える、そういうような運営になっております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)小委員 たとえばここに千坪の増築をした、こういうような場合、すでに建築ができてしまっておる、だからこれを全部売り場にしたいんだ、こういうような場合、その十坪のうち、ある一部は認めて、ある一部はこれを文化施設に使うとか、あるいは他の方へ、事務室とか何かに使うとか、こういったような問題が出てくると思うのです。そういう場合、たとえばすでにでき上っておる千坪なら千坪に対して、そのうちの何坪を売り場面積に認めるかというときの考え方を、先ほど言われたような六月何日ですか、以前に許可したもの等とにらみ合せて考える、こういうことですか。

松村敬一通商産業事務官(企業局次長)

○松村説明員 お話の通りでございます。非常にいろいろな例がございましてちょっと基準として、たとえば何割くらいならいい、あるいは人口に対してどのくらいの面積になっておればいいとか、これは一つの目安でありまして、それなら面積は幾らまでいいかということをきめるような正確な基準にはとてもいたしかねますので、実はどのくらいということの基準は、非常にむずかしくて、なかなかできないかもしれませんが、あらゆる要素をかみ合せてやる、こういうことでございますが、ともかく今のお話のように、増築もすでに建物ができておるから、それはやむを得ず売り場面積としてみな認めるのだというような運用はいたしておりません。売り場面積として申請してきても、一部のものは娯楽施設にしてもらう、あるいは事務所にしてもらうとかして、一部だけを売り場として認める、こういう例が相当ございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)小委員 先ほど私が例にあげました姫路の二つの百貨店の例をとって、みますと、百貨店の意見を聞きますと、九十二万の消費圏を見越して増築したんだ、こういうようなことを言っておるようです。ところが現在姫路の人口は二十五万二千ほどです。従ってそれの四倍という消費圏を見越しておる。そうなると、姫路市だけでなく、その周辺一帯を消費圏と見てやっておるということで、その辺一帯の各小都市、中都市——中というよりは小ですね、小都市の商店街は大きな恐慌を来たして騒いでおるわけです。たとえば四倍ということならば、東京に例をとった場合、東京は人口八百万ですか、それの四倍という人口を見た場合、東京だけでなく、関東地方から東北、北陸まで入れたような範囲になる、こういうことになると思います。従ってその面積に対してどの程度が妥当であるかというようなことを考える場合に、そういう姫路なら姫路を中心として考える場合、百貨店が主張しておるような大きな消費圏を見た場合、その辺一帯の小都市の商店がやられてしまう、こういうようなことになるわけです。たとえば現在ですら、姫路の実情を申し上げましたなら、姫路の中心の商店街は二百二十三軒あるそうですが、そのうちすでに閉店、倒産をしたのが九十八軒に上っておるというような実情です。その上に持ってきて、そのような増築、拡張をやられた場合、すべてがいかれるじゃないか、こういうことで大へん騒いでるという実情です。従って商工会議所あるいはそれの商業活動調整協議会ですか等々の意見のみでなく、十分実情を調査していただきまして、許可をせられるに当りましても、その実情に即したことをしていただく。なおせっかくできておるのだから、これを遊ばすということももったいないと思うので、そういう点は十分文化施設なりその他のものに活用するような方向で指導していただいて、中小企業の影響のあまり大きくならないような、要は百貨店法の精神の上に立っての運営が望ましいと思います。従って一方的に百貨店等では、もうすでにでき上ったのを、いつ幾日開店披露をやるとか、あるいはいつ幾日売り出しをやるというような宣伝をすでにじゃんじゃんやる。一方審議会の審議をせかせて、それまでに間に合うよう許可をとろうというような思惑もあるやに聞いております。そういう点について、一方的に開店の日をきめてそれに追い込んでくるということに対しましても、十分実情を調査し、把握できる上で処理していただきたいと思うわけです。

松村敬一通商産業事務官(企業局次長)

○松村説明員 ただいま御指摘の御趣旨を十分体しまして善処いたしたいと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)小委員 それから先ほどの次長の御答弁の中に、百貨店法実施後許可した中に、双方がよく話し合って調整ができたところに対して許可したというお話があったので、そういうようなこともいいのじゃないか、十分話し合う機会を与えていただいて、それの協議が終るのを待って許可する、こういう方法も一つの方法じゃないか、こう考えますので、今申し上げているような地方を例にとりましても、そのような点も考えていただいたらいいじゃないか。一方的に、先ほど言っているように百貨店がいつ幾日増築開店の披露をいたします、売り出しをいたしますといったようなことで、どんどんと早く許可をとろうとやっているところにつきましても、十分話し合いをするような時を与えて、その上に立って調整をするというようなことも望ましいことじゃないか、こう思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷小委員 先ほど神近先生が質問なさっておりました問題につきましてお尋ねしたいと思います。今神近先生が具体的におあげになりました丸物の問題、これは当然公共団体の土地あるいは施設を利用しての建築である、こう考えられるのですが、それに間違いありませんか。

松村敬一通商産業事務官(企業局次長)

○松村説明員 そういうふうに解釈しております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷小委員 それならばその後建築が進行して、あるいは許可になるか不許可になるかということがいろいろ論議されておる、こういうことはないと私は考える。少くともあなたの方で国会の審議を十分に慎重に検討をされるならば——また大臣も本衆議院の決議あるいは参議院の決議は十分尊重してやります、こういうことを答えておる。しかもこの問題については、衆議院においては「政府は、国、地方公共団体及び公共企業体の所有する土地又は施設を利用して、百貨店業を営むことを、原則として許可しないこと。」ただし書きがございますけれども、ただし書きは「但し、地方都市等において、中小小売業者に与える影響の少い場合は、この限りでない。」こういうことで、少くとも法が予定しておりますものは、原則としては許可しないのですから、大都市においてはそういうことはあり得ない。それから参議院における附帯決議を見ましても、「百貨店業者が顧客誘引のため、みずから、もしくは他と提携してターミナル施設を設けないよう本法の運用に万全を期すること。」こういう決議をなさっておる。ですから私は池袋における丸物の問題は、これは議論の余地がない問題である。少くとも国会においては、これは議論の余地がない。当然できない、こういうように考えられる問題であると思うのでございますが、いまだにそれが審議をされておる。あるいは建築が進んでおる。こういう、ことは何といっても政府の怠慢である、かように考えますが、一体どういうようにお考えですか。

松村敬一通商産業事務官(企業局次長)

○松村説明員 先ほど来いろいろ御説明申し上げましたのは、現在の審議の実情を御報告申し上げましたので、御承知のようにこの百貨店の増設許可の運用の問題は百貨店審議会に諮問をしてきめる、こういうことになっております、それで百貨店審議会の方で現在どういうふうな状況まで進んでおるか、特に御指摘のございました本件については、特別問題が複雑であるということで、非常に慎重に審議をしておる実情である、そういうことを御報告申し上げた次第でございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷小委員 私は慎重に審議されることはけっこうであるけれども、これがむしろ時間を延ばすという意味における慎重ならば、私はあなたの方でこういう法案の運用に万全を期しておられないと思う。これは丸物さんにしても、早く決定をしていただかなければ迷惑なことでしょう。百貨店を申請してどんどん建築をしておる、そうして許可は延びる、だからまだやってもいいんだろうということでどんどんおやりになると、あとから取り消しがくる。取り消しというか不許可という通知がくるということになると、私は為政者として非常に不親切なやり方だと思う。本来ならばこういう法律が出たときに、もうあなたの方はだめですということで、そういう建築については——建築をとめるというのはむずかしいかも知れないけれども、インジャンクションでも出す、いわゆる差しとめ命令でも出すべき性質のものだと思う。現在の法律ではそれはできぬかもしれぬけれども、考え方としては、そうすることが為政者としての当然の任務であり、その親切さがそごになくてはならないと考える。ですから今さらこういう問題が国会審議の俎上に上って議論をされるということは、われわれとしては不可思議であり、非常に残念に考える。これはこの法の精神からいって、また附帯決議の精神からいってできないと、大臣は阿具根君の質問に対して、具体的な問題として答弁しておるじゃないですか。すなわち阿具根君は当時参議院において、池袋の丸物の例を出した、そうしてそれについて、そういう事情であるならばこれは十分研究し、附帯決議にもありますので、そういう方法でやりたいと考えるということだった。ですから、こういう議論のない問題をいつまでも延ばしては——審議会、審議会と言われますけれども、審議会は諮問機関でしょう。ですからあなたの方で、当初に、私の方はこういう意向を持っておる、こういう運営で、大体審議会に乗ってくる問題か乗ってこない問題か——これはどうしたらいいだろうかという問題じゃなくて、われわれの側から言えば、これはできない。ですから現在建築申請中でありますから、法の運営としてできないのだということを審議会に話されて、審議会でそういう結論を早くやられるのが当然である、かように考えるのですが、どういうふうにお考えですか。

松村敬一通商産業事務官(企業局次長)

○松村説明員 御指摘のようにこういう問題は、たとい許可にしても不許可にしても、なるべく早く結論を出すことが為政者として当然であるという御意見、まことに同感でございまして、私たちも審議会に対しましては、特に本件につきましては一番最初から御審議をお願いをしておる次第でございまして、審議会の方で、事情が非常に複雑であるから十分研究をして結論を出したいということで、現在なお審議が続いておりますような次第でございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷小委員 審議会は何を審議しているのですか。審議会は一体どういう要素を審議されておるのか。事情が複雑であると言われておるが、国会の立場として、そういうターミナルの施設は許可しないという方針なんです。ですから審議会は一体何を審議しているのか。一体何を聴取しているのか。国会は、できない、こういうワクをはめている。ですから私はその点が非常に奇異なんです。たとえば普通の状態でありますと、そういう公共物という要素がないということになりますと、これはいろいろ利害関係者の意見を聞かなければならぬ。ところがこの場合は公共企業体の所有する土地又は施設を利用しておるということになるでしょうが、これは許可しないということをはっきり言っている。審議会が附帯決議の範囲を逸脱して審議しようとしているのか、この点を一つ御答弁願いたい。

松村敬一通商産業事務官(企業局次長)

○松村説明員 いろいろ事情が複雑と申しますのは、御指摘のように附帯決議の趣旨に沿って審議会で審議していただいていることはその通りなんでございますが、ただ池袋の問題は、池袋地区全体としてもやはり考えなければいけない。つまり現在申請をしておりますものは、西武が約三万平方メートルぐらいの増加申請、三越が一万七千ぐらいの増加申請、池袋が二万一千ぐらいの増加申請、合わせて約七万平方メートルというような増加申請がなされております。それで個々のものにつきましては、いろいろそれぞれの事情があるので、ございますが、同時に池袋地区といたしましては、先ほど神近先生の御指摘が、ございましたヒンター・ランドの問題、その他一応池袋地区全体の百貨店の増設の可能性とか、そういうこともあわせて考えて審議したい、こういう趣旨でいろいろと事情を聴取しておられるわけでございます。その辺の非常に複雑な事情につきまして、いろいろむずかしい問題があって、審議会が慎重を期しておるというふうに申し上げた次第であります。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷小委員 公共企業体の施設を利用しないで増設計画がある、あるいは新設計画があるという分については、やはり池袋地区全体について審議をしてもらう必要がある、こう思います。しかし今公共企業体の土地または建物を利用するものについてはできないということを言っておるのですから、この問題はあなたの方で、これはできませんよと内示を与えてしるかべきなんです。総合的にやれるのは総合的にやらなければいけないけれども、この問題はもう法律でできないということを言っているのですから、この問題が議論になるというのはおかしい。あるいはあなたさっき西武とか言われましたが、いろいろな増設、新設計画、これはやむを得ない、これは審議して結論を出していただかなければなりませんけれども、公共企業体の所有する土地または施設を利用しての行為、これはできない。これはわれわれが審議をしまする過程の中にいろいろ議論がありましたが、要するに、こういう施設を利用するということは不公正な競争になる。公正な競争ではない、こういう判定をしたがためにわれわれは附帯決議をつけたのです。ですからそれは一般の三越あるいは西武が新築あるいは増築の計画があるというのと一緒にしてはいけないと思う。できないということが初めから法律でわかっているのですから、その点だけは当然区別してやっていただかなくちゃならぬ。またその点が行政官庁としての親切心であり、また政治の運用であると思うのです。この点はどうなんですか。どうもみそもくそもというと語弊があるけれども、一緒にして議論をされておる。だから法律上できないというのを、できるような可能性があるようなにおいをさせるということは、これは丸物さんも大きな迷惑であろうと思いますが、これはどうなんですか。

松村敬一通商産業事務官(企業局次長)

○松村説明員 御指摘の趣旨、なお最近の審議会の方に——従来からも附帯決議の趣旨は十分御説明を申し上げておりますが、なお軍ねて御説明をいたしまして審議を促進していただくように取り計らいたいと思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷小委員 これは一般的な問題として聞きます。丸物とは全然関係がない話ですが、このターミナルは許すべきだ、しかも大都市においてこういう結論が出たといたしますと、あなたの方ではそれを受け入れられるのですか。これは一般的な、仮定の話ですが、われわれはそれはできないのだ、許可しないのだ、こういうことを言っている。ところがあなたの方で、いや審議会の方ではこういう答申が出た、こういう場合の問題を仮定して、どうなんですか。

松村敬一通商産業事務官(企業局次長)

○松村説明員 結局最後は通産大臣の行政判断ということになると存じますが、先ほど申し上げましたように、この審議会会の意見を尊重して運用したいという趣旨を非常に強く考えられてできた法律でございますので、審議会でおきめになったことを非常に尊重するとは思いますけれども、しかしこれはあくまで法律的には諮問機関でございますから、審議会でおきめになりましても、何もそれに必ずしも大臣は拘束される必要がないので、場合によってはおそらく審議会できまったよりも甘い方に変更が行われるということは考えられないと思いますが、辛い方に行政的に変更が行われるということはあり得ることだと思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷小委員 行政官庁が、私は原則論を聞いて、おりますけれども、この問題に関して発言をしておるように、甘いものになった場合はとか、あるいは辛いものになった場合はと言うことは、私は慎しむべきものだと思う。やはり尊重すべきだということで、あるいは事情によっては甘いもある、辛いもあるのですから、その点は審議会がある以上は、私はそういう発言は慎しまれた方がいいと、かように注意をしておきます。しかしわれわれが言っておりますのは、あくまでも法の範囲内であり、国会の範囲内であり、一応立法者が考えた観楓内でやってもらいたい、こういうことを希望しておるわけです。ですから立法者が考えている外のことを審議してもらっては困るじゃないか、その点を審議してもらっては非常に迷惑じゃないか、こう言っているわけです。ですからその点を一つ十分考えていただきたい、かように要望いたしまして、私の質問はこの点に関して終ります。

中崎敏日本社会党

○中崎小委員長 ちょっと速記をやめて。   〔速記中止]

中崎敏日本社会党

○中崎小委員長 速記を始めて。  暫時休憩いたします。    午後一時四十八分休憩      ————◇—————    午後二時四十三分開議

中崎敏日本社会党

○中崎小委員長 これより会議を続行します。  先ほど通産大臣と運輸省関係に百貨店問題に関連して出席を要求したのですが、あいにく両者とも都合が悪いので、この点御了承願いたいと思うのであります。  さらにこれからどういうふうに会議を進めるかについて多賀谷君から発言がありますから、これを許します。多賀谷君。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷小委員 大臣に来ていただいて、衆参の委員会におきます決議についてさらにその運営について大臣の所信を再度お聞きしたい、こういうふうに考えておりましたのですが、大臣はあいにく所用のため出席できませんので、委員長の方から政府に対して要望していただきたいと思うのであります。それは衆議院並びに参議院におきまして、国または地方公共団体あるいは公共企業体の所有する土地または施設を利用しての百貨店業を営むことを、原則として許可しない。ただし書きはございますけれどもこのただし書きは地方都市等において、こういう条件になっておるのでございます。これに対しまして参議院においても同じような決議がなされておりまして、この決議の趣旨といたしますところは公けの施設を利用してのいわば顧客の誘引はこれは不公正な取引だ、不公正競争である、こういうようにわれわれは判断をしてこういう決議をしたわけでありまして、これは厳守していただかなければならないと考えるのであります。でありますから法運営につきましても政府においてはこれを厳格に守っていただきたい、こういうことを一つ要望していただき、なお審議会等に対しましても十分政府からその意を伝えていただきたい、このことを一つ政府に対して要望していただきたい、かように考えます。

中崎敏日本社会党

○中崎小委員長 ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止〕

中崎敏日本社会党

○中崎小委員長 速記を始めて。  それでは、川上中小企業庁長官並びに企業局次長松村敬一君に対しまして、小委員長から一昔申し上げたいと思います。先ほど多賀谷真稔君から発言がありました通りに、百貨店法の運用に関しまして、鉄道ターミナルの問題、ことに公共の施設を百貨店に利用させてはならぬというあの決議の趣旨に沿うて、現在審議中の問題並びに将来にわたっての問題でありますが、これについて、いやしくも国会の決議を尊重して、これを逸脱することのないようにやってもらいたいということ、ことに百貨店の問題は具体的に今委員会において論議されておりますので、その問題などをも念頭に置いて大臣に質疑をなし、あわせて国会決議の尊重すべきものであるということを強調するつもりであったのでありますが、大臣がこの委員会にあいにく見えませんので、あるいは百貨店の一審議会が近く開かれるであろうということをも予定されておりますので、それらのことをもにらみ合せてみて、すみやかに大臣に対して委員会の意見のあるところを一つお伝え願って善処してもらいたいということを小委員長から特に申し入れしておくわけであります。  それでは大体今のようなことでこの委員会を終りたいと思います。  これにて散会いたします。    午後三時一分散会

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