商工委員会中小企業に関する小委員会 第2号
- 発言数
- 63 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/04/14
会議録
○中崎小委員長 これより会議を開きます。 ただいま本委員会におきまして、百貨店法案について審査をいたしておりますが、本小委員会におきましても、中小企業対策の一環として、百貨店に関する問題について調査を進めたいと存じます。 なおこの際、小委員外の商工委員の御発言は随時これを許したいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中崎小委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。 質疑の通告がありますから、順次これを許します。小笠君。
○小笠公韶君 今日の日本経済におきまして大きな地位を占めておる問題の一つとしまして、中小企業問題、そのうちで中小小売商問題というものが、実は大きな問題として残されておるのであります。今日の小売商における問題の焦点は何であるかといいますと、一つは小売業の企業が多過ぎるということだと思うのであります。 いま一つは、百貨店を中心とする大きな資本による大規模経営が、小売商に圧迫を及ぼしておるということが第二点だと思うのであります。 第三点といたしましては、消費者の自衛的措置から出るいわゆる消費協同組合もしくは購買組合というふうな制度からくる小売商への圧迫の問題であろうかと考えるのであります。 こういうふうな三つの問題をとって考えますときに、この問題の解決をどうはかっていくかということにつきましては、非常に難問であると思うのであります。私は百貨店法の制定によって、小売業の上に襲いかかっておる不安の気分を除去するという必要を痛感するものでありますが。これと同時に、今申し上げましたような消費者の面、あるいは購買組合、消費協同組合、あるいは大生産者の街頭進出という問題に対してどういう手を打っていくかという問題が取り上げらるべき大きな問題であると考えるのであります。この意味におきまして、これらの問題に対する政府当局の考え方、あるいはこれに対する対策についてまず伺いたいと思うのであります。
○川野政府委員 ただいま仰せのごとく、中小商工業の対策という問題は、なかなかむずかしい問題でございます。従いまして中小企業の対策をいかにするかというような問題の基本的調査が必要であるというふうな点から、実は個々の人の実態の診断をする必要がある、こういうような点から今回若干の予算も組んだような次第であります。さらに中小商工業者がばらばらに活動いたしておるならば、とうてい所期の目的は逃し得られない。これにはどうしても団結の必要がある。すなわち中小企業の組織化、こういう問題を今大きく取り上げておるような次第であります。さらに購買会あるいはその他の問題等につきましては、この点等から中小商工業者に非常な影響を及ぼしておることはお説の通りであります。従いまして産業合理化審議会の商業部会におきまして、今これらの問題について検討中でございますので、その答申を待って適切なる施策を講じたいと考えておる次第であります。
○小笠公韶君 問題の所在点は、今申し上げましたような点であり、これに対する御研究を進められておると思うのでありますが、今御答弁の中に、中小小売商、いわゆる中小商業者というものについての組織化の問題であります。組織化によって中小小売業の健全化という問題、あるいは振興というような問題が果して可能であるかどうかという問題に対して、私は若干の疑問を持っておるのであります。少くとも現在の中小企業等協同組合法に基く法制のもとにおいて、小売業の組織化が果して可能か、どうか、私から申し上げるまでもなく、小売業というものは、あくまでも自由主義の立場に立っておるのであります。特に日本の小売業というものが過剰であるという立場から、実に競争激甚であります。そういう点から見て、組織化をやっていくに当りまして、中小商工業者の組織化と小売商の組織化の間に、私は違ったニュアンスを持った施策を行うべきであると考えるのでありますが、そこらにおいて現行の中小企業等協同組合法を基幹とする組織化が、果して効果を予期の通り上げ得るかどうか、そういうお考えを持っておるかどうか、伺いたいと思うのであります。
○川野政府委員 お説のように、中小商工業者の組織化という問題は非常にむずかしい問題であろうかと考えます。しかし実際問題といたしましては、金融面におきましても、あるいは仕入れ等の面におきましても、中小商工業者というものは、団結を密にいたしまして、そうして団結の力をもって金融の面あるいはその他の面におきまして活動する以外に、今日中小商工業者の生きる道はない、こういうことになるとするならば、中小商工業者もおのずから自覚を新たにいたしまして、そしてこういう面の団結に進んでいく以外に方法がなかろうか、こういうふうに考えますると、この面に向って、当局といたしましても指導いたしまして、できるだけの組織化を促進いたしたい、こういうふうに考えておる次第であります。
○小笠公韶君 日本の組合制度は、御承知の通り明治十七年の組合準則から始まっておるのであります。同業組合、産業組合制度を経て、いわゆる輸出組合あるいは商業組合、工業組合あるいは戦時中の商工統制組合、今日の中小企業等協同組合という変遷を経て、長い歴史を経てきている。しかもこの長い歴史を経ながら今日組織化を新しくいわれておるそのことを裏返して申しますと、なかなかむずかしいということを私は証明しておるものだと思う。従いまして、今日の事態に処して、組織化を推進するとなれば、従来の構想に新しい構想を盛らなければ、私は口頭禅に終ると考えるのであります。その意味におきまして、私は現在のような形における組合制度に対して、再検討を加える御意思があるかどうか、特に工業と商業の特質を明らかに把握して、その特質に合うた制度、あるいは準則というものを打ち出していくというふうな御用意があるかどうかをまず伺いたいのであります。
○佐久政府委員 お説の通り、商業関係の組合組織というものは非常に困難であります。と申しますのは、組合組織によってどれだけの共同利益がはかれるかというような点についての把握が足りないというのが原因だろうと思います。もちろん組合組織によって共同購入なりあるいは共同保管というような利益はもちろんあるのですが、どうもその辺のところが、一般商業者においてまだ十分認識が徹底していない。こういう点は今後大いに啓蒙しなければならぬ点だと思います。同時に工業関係と商業関係と本質的に性格を異にしておりますので、現在の協同組合法が果して将来も今の形で十分に効果を発揮し得るかどうか、これは検討の余地が私はあるように思っております。ただ具体的にどういう形のものにしたらいいかというような点は、今後の検討に待たなければならぬと思いますが、その辺のところは必ずしも現在の協同組合というものは金科玉条であるというふうに、かたくは考えておりません。
○小笠公韶君 中小企業対策、特に従来盲点になっておりました中小商業者対策につきましては、どうか想を新たにして、新しいものを一つ考え出していただきたいということを特にお願いするわけであります。と同時に、組織化の問題と並行して、この小売商問題は日本の過剰人口問題の延長であります。この意味から考えまするとき、小売業の経営面だけをとって考えて対策をいたしますれば、百年河清を待つにひとしいといっても差しつかえないと思うのであります。この意味において、抜本的に、人口問題と虚業政策とのかみ合せの大きな見地から、一つぜひ具体的な措置をおとり願いたいと考えます。具体的な問題として中小小売商の一つの大きい難点は、何と申しましても、金融問題だと私は思うのであります。この金融問題について、私はこれまでの中小企業金融がともすれば生産偏重に陥っているのではないか、工業者偏重に陥っていはしないかということを心配するものであります。その意味から今後政府機関あるいは政府機関に類する機関の運用に異りまして、ぜひとも商業面に対する考え方をいま少し強く打ち出していただきたいことを希望いたしまして、私の質疑を終ります。 —————————————
○中崎小委員長 次に中小企業金融に関する諸問題について調査を進めます。前回の小委員会におきましては、佐久中小企業庁長官より中小企業の現況及びその対策に関し概略その説明を聴取いたしましたが、これらの問題について政府当局並びに小小企業金融公庫、国民金融公庫及び商工組合中央金庫御当局に質疑を行いたいと存じます。なお念のために申し上げますが、政府委員のほかに中小企業金融公庫総裁坂口芳久君、国民金融公庫総裁櫛田光男君、並びに参考人として商工組合中央金庫理事加藤八郎君がそれぞれ出席されております。 それでは質疑に入ります。質疑の通告がありますので順次これを許します。阿左美廣治君。
○阿左美小委員 中小業者のために本日ここにおいでいただきました参考人は、いずれも金融機関として中小企業の金融を専門に扱っていらっしゃいます中小企業金融公庫、国民金融公庫、商工組合中央金庫の皆様で、いわば中小企業に直接関係のある金融機関でございます。これらの金融機関を適しまして、中小企業は現在細々ながらも経営に当ることができているのでございます。この中小企業というものは、政府におきましても、いろいろの対策、施策を研究するときには最もむずかしいのでございまして、口では中小企業対策ということを申しますけれども、実際にこれを実行せんとするときになりますと、なかなかこれはその意のごとくならないのでございます。農業関係におきましては、業種が統一しておりますから、容易でありますけれども、中小企業は業種がさまざまでございまして、その関係もきわめて複雑なのでございまして、この対策を立てんとするときには、なかなかこれは容易ならざることになるのでございまして、結局無策に終るというようなことが今日継続されておるのでございます。しかしながら、現在の中小企業というものの実情は深刻をきわめておりしますので、このまま放任することはでき得ないのではないか、こういうふうに私は考えるのでございます。何と申しましても、中小企業の対策は、金融より始まると思うのでございます。その金融について一般の市中の金融の状態よりも、専門的にこれを援助しなければならぬところの公庫金融機関が、その比率が高い、またこの貸出条件が非常にきついというようなことから、現在中小企業といたしましては、金融を求めるということが容易でないのでございまして、われわれは長年の間この中小企業に対しまする関係を持っておる関係から、いろいろこういう方面に対しましては、皆様ともあやかって今日に至っておるのでございますが、現在の社会情勢から一般の金融比率が非常に緩和されまして、現在多少金融もよくなったと思うのでございますが、ひとり中小企業に対しましてはまだなかなかその金融は緩和されません。こういうような状態か継続するならば、中小企業というものは壊滅に瀕するではないか、こういうふうに非常に憂慮するものでございますが、昨年の今日と、現在におきまして、中金の貸し出しの高はどのくらいになっておりますか、一応加藤さんにお伺いいたしたい。
○加藤参考人 ただいまお尋ねのございました商工組合中央金庫のこの一年間の貸し出しの状況の変化はどうかという御質問だと思いますが、その点について数字を申しますと、ちょうど年度末に当りますこの三月三十一日現在におきまする貸し出しの残高は、六百億五千六百万円という数字になったのでございまして、前年の同日、すなわち三十年の三月三十一日現在の残高は、五一百三十五億七千八百万円でございましたので、純増額が一年間に六十四億七千七百万円になって参ったのでございます。簡単でございますが、以上お答え申し上げます。
○阿左美小委員 昨年よりも貸し出しの増加になっておるということは、それだけ中金が一般の金融をつけておることを証明するものでありまして、これはまことに喜ばしいことと思うのでありますが、金利は現在どのようなもので行なっておりますか、お伺いいたします。
○加藤参考人 御承知のように、一般金利の引き下げ傾向に伴いまして、中金もいろいろ資金源の許す限りにおきまして引き下げをはかることにいたしまして、この四月一日より新規貸し出すものにつきまして相当大幅の引き下げを実行いたしたのでございます。その内容を申しますと、割引手形につきましては、従来二銭九厘の日歩でございましたものを二銭七厘といたしましたし、それから手形貸付におきましては、従来日歩三銭でございましたものを、二厘五毛下げまして二銭七厘五毛、かようにいたしたのでございます。なお一年未満の証書貸付につきましても、従来日歩三銭でございましたものを二銭七厘三毛と、同率に下げたのであります。それから長期と申しますが、一年以上の貸し出しのものにつきましては、一年以上二年未満の証書貸付が、従来一割二分でございましたものを一分下げまして一割一分に、また二年以上の証書貸付で従来一割二分五厘でございましたものを、やはり一分下げまして一割一分五厘、かように下げたのでございます。これは最高貸し出し金利の下げ方でございまして、商工中金といたしましては、その収支の許す限りにおきまして、この以下における実行金利をいろいろ考えて実行いたしている次第でございます。
○阿左美小委員 まだまだ金利は相当引き下げの余地があると思いますが、現行におきましてはその金利でやむを得ないことと思いますが、これはどうか経営の合理化をはかりましてなお一段の金利引き下げをお願いいたしたいのでおります。 そこでお伺いいたしますが、貸し出しに対する保険を付してあります金額と、保険に関係のない金額の差額はどんなふうになうておりますか。
○加藤参考人 大体総貸し出しの一割につきまして信用保険がついておりますし、なお総貸し出しの二割につきまして信用保証協会の保証がついているというような数字になっております。
○阿左美小委員 何と申しましても、現在の中小企業というものの内容が非常に貧弱である。それで現在中小企業というものは一体何のために事業をなしているかというと、金融機関のために仕事をしている、また大商社のために仕事をしている、その金利かせぎのもとに事業をしているというのが現在の状態だと思う。品物の売れ行きが悪くなる、また値段が下ってくると、生産を増大しなくちゃならぬ、こういうような矛盾の経営を現在しているのでございます。それはどういうことでそういうことをやるかと申しますと、資本の貧弱さから、手形の発行をしている。その手形をやはり解決するために生産を続けなければならぬ、利息を支払うために生産をしなければならぬというような矛盾の経営をしているのが、現在の中小企業の偽わらざる内容であるのでございます。このような状態を解決いたしますのには、どうしてもこれは金融の正常化をはからなければならぬ。つまり手形を落すための商売をするというようなことは、一応解決する必要があると私は思う。こういうようなことに対して、貸し出し金融業者というものは、一応その資金は何に使うのかということが、この貸し出しの二つの方針になるのでございまして、手形を落すために金を借りるんだということであれば、これは金を借りる対象にならない。しかしそれを何とかごまかして借り入れるというのが、現在の中小企業の真の偽わらざるところの状態だと思うのでございます。こういうようなことに対しましては、よほど金融業者としても内容を調査して、実際金融の正常化をはかるということが安全であるということになるのであります。そういうような内容に対して偽わったところの計画のもとに、金を貸したり借りたりするということが、いろいろ間違いを起すのでございまして、こういうようなことは、もう少し金融業者としても突っ込んで、どういう内容である、どういう結果である、それをこういうふうに解決すればこういう正しいところの利潤が出るのである、こういうようなことを把握して金融をつけていただくということが最も必要じゃないか、こういうふうに考えますが、どうも一体この中金にいたしましても、公庫といたしましてもそうでございますが、書面が正しくできれば貸し出しをするが、内容というようなことは深く研究をしておりませんで、貸し出し、借り入れの手続きにおいて間違いがない、こういう計算ができておるんだ、こういうことがととのっておるんだということになれば、金は借りられる。実際の真に正しいところの計画のもとには、金は借りられないというのが現状だと思う。これはよほど研究をすべきではないかと思うのでございまして、金融業者としてももう少し中小企業に対しては突っ込んで内容を調査して、そして正しい金融をしていただくということが最も必要ではないか、こういうふうに考えるのでございます。そこで、最近地方の組合とかあるいは商工会議所とかいうような方面にだいぶ突っ込んで参りまして、出張所とか代理とか調査とかいうようなことを依頼をして参りまして、また地方の商工会議所等とだいぶ連絡をとってやるような御計画があるように思われますが、今後もそういうような方針は継続して、大いに地方の協力を得て、正しい間違いのないところの金融をしていただくということが必要と思いますが、中金といたしまして、今後そういうような方針を積極的におとりになるお考えがありますか、以上お伺いいたします。
○加藤参考人 ただいまの、組合の金融を受ける場合に実態をよく調査をしてやれというお話、まことにごもっともでございまして、書面だけにこだわっておるわけではございませんが、内容が正しければ、自然書面で出されることも正しかろう、かように考えて、一応書面の審査をいたし、なお実態について調査をしてやるというようなことを従来ともやっておったわけでございますが、今後とも実態の把握に努めまして、誤まりのない金融をやるように努力いたしたいと思います。
○阿左美小委員 中小企業がその必要に迫られまして、資金を借り入れる場合にどうも手間取る。中金に申し込みましても、早いのでも一カ月、二カ月かかる。またおそくなると半年もかかるというような状態が今日まで継続して参っておるのでございます。これは、資金というものは、必要のときに必要であって、必要のないときには必要ないのでございまして、やはり迅速を重んずるのでございますから、もう少し調査をふだんのうちになさって、そうしてある程度の、組合とかあるいは組合員とかいうものの個人調査をよくやっていただいて、必要なときには直ちにその金の借り入れが容易であるというようなことを常にお考えいただきたいと思うのでありますが、どうもそういう点に対しまして調査ができておらぬ。またなかなかむずかしいのであります。あるいは理事諸公の手元まではそういうようなことが行かぬかもしれませんけれども、地方におきましては、簡単に考えていいことも非常にむずかしいのです。それがために商機を逸したり、またすべての原料の買い入れの時機を失うというようなことが往々にしてあるのでございますが、かような金融を中小企業になす上におきましては、もう少し迅速に、ある場合には電話でも金が借りられるというようなところまでふだんの準備と、ふだんの業態をよく御調査なさることが必要と思いますが、これに対してどういう駒考えでございますか。
○加藤参考人 商工中金の貸し出し手続がおそいという御非難につきましては、前々からわれわれも非常に心配しておるところでございまして、従来人手毎が非常に少なかったために相当おくれた事例もございました。最近はだいぶよくなって参りましたと思いますが、ただ一般のいわゆる一会社なり一個人に対する貸し出しの場合と違いまして、組合金融でございまするので、自然組合の内容について調べると同時に、それを転貸される転貸先についてもある程度の内容を把握いたしませんと、適正な金融ということができませんので、そういうふうに調査を要すると内容が複雑であるという点は御了承いただきたいと思います。なお全般的に中金との預金取引が活発に行われていないところが多いのでございまして、普通の銀行でございますと、しょっちゅう預金取引がございまするので、それを通じてその事業の実態をつかむということができる次第でございまするけれども、中金の店舗は各府県に原則として一カ所くらいのような状況でありますので、預金手続を全面的に活発に行うことが実際不可能なお取引先も多いのでございます。そういう場合にしょっちゅう内容をつかみにくいということで、お取引のときに当って調べるということになりますので、自然おそくなっておるような状況もあったのでございます。しかし何としても今お説のように、商機を逸するような金融では、せっかくの金融もその目的が達せられませんので、それに沿うようにわれわれとして今後全力を尽しまして、迅速化に努力いたしたいと存じます。
○阿左美小委員 中小企業金融公庫の総裁にお伺いをします。最近非常に一般の金融にも御理解を持っておいでになるようでありますが、代理貸しというものが場合によっては非常に遺憾の点があるのであります。今後代理貸しというものはだんだんと縮小して、直接貸しにいくことがよろしいんじゃないかと考えます。それはなぜかと申しますと、銀行を通じての借り入れというものは、やはりその銀行の意見によるわけであります。その銀行がこれを扱ってやろうという意欲のない代理店に申し込みましても、これは手続上不可能であります。結局銀行はどういう場合にこれを受け入れてくれるかと申しますと、ある程度個人の間柄におきまして、銀行との関係がある。銀行へ資金を求めようといたしましても、どうも銀行はこれ以上は融資できないというようなことになると、中小企業金融公庫にこれを求めましょう。であるから、これが借り入れができましたら、この分にこれだけは入れてもらいたいというような条件がつく。こういうことになりますと、せっかく資金を求めて、銀行に資金を求めてやるようなことになるのであります。しかしそれは、はなはだもってけしからぬじゃないかといいますけれども、やはりこれは銀行との個人の関係のある場合には、そうならざるを得ない。それは業者とすると非常に困るのであります。かりに百万円の借り入れをいたしましても、その百万円の金は五十万円きり資金に回らぬ。五十万円は銀行の旧債にそれをとられるというようなことが往々にしてある。これは中小企業といたしまして、資金上非常にまずい結果になる。どういたしましても、代理貸しになりますると、やはり銀行にいたしましても、いろいろの条件をつけざるを得ないというようなことになります。どうも代理貸しというものは、おやめになった方がよろしいのじゃないか、こういうふうに考えまして、なるべくこれは直接貸しにしていただくことを今後お考えを願いたいと思うのであります。こういう点に対して、どうお考えですか。
○坂口説明員 ただいまお尋ねのございました点は、毎々当委員会でいろいろ御意見がございまして、代理貸付につきましていろいろと弊害等も伴って参りました、私ども十分にそれをうまく指導していけなかった代理店たどもございました点は、非常に遺憾に存じております。しかしながら代理貸付にも、多量の資金を消化いたします場合には、代理店を使いますることが非常に便利な場合もございますし、また遠隔な地等におきましては、代理貸しのやむを得なかった点もございます。しかしそれだけで十分でないことはお話の通りでございます。昨年来直接貸しを始めまして、公庫の力の及ぶだけ直接貸しをやって参りたいと思います。これまで公庫の直接貸しは、まだ五億円余りでございますが、本年度におきましては、六十億円を目標といたしまして、直接貸しに力を入れて参りたい。そして代理貸付でできないような方面に力を入れて参りたいと思います。なお私どもの方の能力の許します限りにおきまして、この直接貸しの力を伸ばして参りたい、こう考えております。
○阿左美小委員 そこでこの中小企業金融公庫におきましても、どうも申し込みまして、代理店を通じて取り扱うということになると、ことさらに非常に長い。申し込みましても金融を得られる間はむしろ中金よりも非常にむずかしいのじゃないか、こういうような点で業者からもいろいろの非難の声が出ておるわけですが、これらも何とかもう少し調査を迅速にせられまして、なるべく申し込みと同時に借入れができるというようなことをお考えを願いたいと思うのであります。ただいまは金利はどういうことになっておりますか。
○坂口説明員 年九分六厘にいたしております。月で八厘に当るわけでございます。
○阿左美小委員 代理居に手数料はどのくらいお支払いになっておりますか。
○坂口説明員 この四月から代理手数料を引き下げまして、手数料は実収利息の三割五分にいたしております。甲方式につきまして……。
○阿左美小委員 私は、これを総裁にお伺いすることは無理かもしれませんが、どうも商工中金と中小企業金融公庫は合併するのがよくはないか、こういうふうに考えておりますが、同じような機関でやりますことはかえって複雑である。むしろこれは一本化して、大いに国も中小企業金融のために力を入れまして、何らかこれを再編成する必要があるのじゃないか、こういうふうに私どもは考えでおりますが、こういうことに対して、一本にいたしますことがよいとお考えになっておるか、一本よりも二本の方がよいとお考えになっておりますか、お考えを一つ伺いたい。
○坂口説明員 非常に根本的な問題でございまして、研究を要すべき問題と存じまするが、公庫のできました経過から見ますると、商工組合中央全席と私どもの方とは、法人としての性質も違いますし、またやっておりまする目的も、一方は組合であり、私の方はそれ以外のものであります。また私どもは長期資金を扱うという、業務が違っておりますので、ただいまこれを一緒にいたしますことが中小企業者のために必ずしもよくなるとは思われないというように感じております。しかし非常に重要な問題でございますので、もっとよく研究していきたいと存じます。
○阿左美小委員 それはごもっともでございまして、これは考え方によりますれば、今後いろいろ研究をしなければならぬと考えますが、大体において、この中小企業金融公庫が何ゆえに作る必要があったかということを考えてみますと、どうも中金が非常に話がわからない、どうもこのような機関ではたよりない、こういうようなことから、中金を大いに督励するために、もう一つ作ったら本気になるだろうということで、当初中金がもう少し中小企業に対して理解を持ちまた相当にやっていただけば、何も同じようなものを二つ作る必要はなかった。どうもすべて中金が今日までに進んでおったならば、あるいは中小企業金融公庫は作らなくても済んだろう、けれども、その必要が当時はあったのです。それがゆえに、二つ同じようなものを作らざるを得ないということのために作ったのでありまして、今日はだいぶ両者とも金融にもなれてきますし、窓口も、とやかくいろいろの意見はありますけれども、以前から見れば非常に大なる進歩といわざるを得ない、そういうように両名が非常に金融機関として堂々として独立で、きるような態勢が整って参ったのですから、あえて二つ置いて同じようなことを繰り返すよりも、私は合間して一本にして、政府もこれに大いに力を入れまして、そうしてこの中小企業金融対策というものをあらためて作り直す必要が出てきたのじゃないかというふうに考えます。今日ここでどう申しましても解決すべき問題でございませんから、いろいろ研究を要することとは思いますが、私は今後そういうふうにしていただくのが中小企業の立場からいってもよいのではないか。どうも今日のように、いろいろ中金においても、また中小企業金融公庫においても、直接貸しあり代理貸しありで、いろいろ複雑なるところの金融を受けるということは、業者としても非常に迷惑であると考えます。しかしこれは大いに研究を進めていくべき問題と思うのでございます。そこで公庫は、まことに公庫の使命を私は確かに果していると思います。零細なる業者に対する金融に対しては、まことに使命を完全に果しているのではないかというように考えておりますが、今後大いに公庫の使命を果す上においては、現在の零細なる業者に対して、なお一段の努力をしていただきたいと思うのであります。一体現在国民金融公庫の貸出金は、総額どのくらいになっておりますか。
○櫛田説明員 現在四百八十億円でございます。
○阿左美小委員 昨年の現在とどういう差がありますか。
○櫛田説明員 昨年は大体四百億でございました。年間八十億ふえております。
○阿左美小委員 そこで貸倒れというような未回収のものはどのくらいありますか。
○櫛田説明員 貸し倒れとして処理したものはまだございませんが、現在四百八十億のうち、おもな部分でありまする四百二十億に相なっております普通貸付は、主として中小企業に対するものでありますが、その後の回収の状況は、一昨年あたりから少し悪くなってきておりますけれども、現在で延滞率をとっておりますが、三%くらいで、大体順調と申し上げてよろしいかと思います。お客様の方には大へんな御協力を願っておりまして、回収状況はまことに良好と考えてよろしいかと思います。
○阿左美小委員 公庫も最近地力へ非常に協力を求めるような方法に出ておるようです。商工会議所に出張あるいは扱いを委託させて参っておるようであります。今後はそういうような方針でおやりになるお考えですか。
○櫛田説明員 御承知のように、私ども非常にお客様の申し込みが多く、またそれが全国的に相なっております。店の数が各府県に一つないし三つくらいで、全国で六十五に相なっております。しかしながらどうしても店の数が少いので、代理貸しもいたしておりますが、直接貸しの御希望も地方によりまして大へん旺盛であります。そういった関係で人手の関係等もございますので、やはり各地方ごとに申し込みをどこかに集中いたしまして、場所を借りてこちらから出張いたしまして、そこで一定の区域を定めてお話を承わり、また調査をさせていただくという仕組みをとりませんと、なかなか仕事が円滑に参りません。かたがた市町村とか、商工会議所、商工会といったところに、そういう意味においてお取りまとめを願う、あるいは調査に参りましたときに、それの場所を拝借させていただくといったような御便宜をはかっていただく方が、お客様のためにもまた私どものためにも都合がいいと思っておりますので、大体さような方向でこの両三年来やって参っております。おかげさまで、全体の数で申しますと、普通貸付で三十七万、ほかの恩給貸付、更生資金貸付等を入れますと七十二万のお客様を現在持っております。かような多数の方々に対して、今後も大体そういう方針で参りますのが、今までの経験からして円滑にいくのではないかと考えております。
○阿左美小委員 中小企業に対する育成指導は非常にむずかしいのでございます。今日ここにおいでいただきました金融機関の皆様の御理解と御協力がなければ、中小企業金融はどうにも行われることのできないものでありますので、皆様方の御協力を得ることはもとよりでございます。私どもは、中小企業は非常に数が多いので対策がむずかしいから今日まで何もなすことができないというような現状だと思いますが、しかしむずかしいからやることができないのだということであれば、今後わが国の経済はどういうことになるか、また思想的にも経済的にも、中小企業が破綻したならば重大問題になるのではないかと考えます。今日までとかく中小企業は他の団体に対して政治性がないと言われますが、確かにその通りでございます。しかしないのではなく、行えないというのが現状だと思うのであります。しかしこれは行えないからしてこのまま置くということは、今後考えなければならぬと思うのであります。国におきましても、相当今後中小企業対世に対しては画期的な対策を、立てなければならぬと思います。単にこれら金融公庫の金融に依存するというようなことでなく、国として大いに今後対策を講ぜざるを得ないのではないかと考えておりますので、この点について一つ中小企業庁長官に伺います。
○佐久政府委員 中小企業対策の非常にむずかしい点はお話の通りであります。また今日までかなり国会におきましても御協力をいただいていろいろの対策を講じて参っておりますが、それによって抜本的に中小企業問題が解決されたというふうには考えられない。早く言いますと、そのときどきにおける大きな問題に対するこうやくばりというような非難を受けざるを得ないようなことでありますので、中小企業対策は、単なる産業政策という面から見ただけで、つまり純粋の経済問題としてだけ考えて解決される問題であろうかという点に私は非常な疑問を持っておりまして、相当に社会政策的な味を加えた政策を今後考えていかなければならぬと思うわけであります。たとえば企業の数が少くてそれによって生産される、あるいは販売される数量が消費者の手に渡ってきわめて円滑な循環をやっている間は、かりにこの規模が小さくても中小企業としては成り立つはずなんであります。現在の問題というのは大体生産過剰からきている、また企業過剰からきている問題であります。そういう問題を解決する場合には、純粋の経済面だけでは私は解決しないんじゃないか、従って今後の中小企業対策というものは相当社会政策的に考えていく必要がある、こういうふうに思うわけで、あります。 ただいまの政治力の貧弱であるというお話でありますが、これは私個人の感想にすぎないのでありますけれども、農業関係の団体というのは非常に強固な結束をして、しかも政治的にはかなり強い力を持っておる。それに比較しますと商工関係の結束というのはかなり弱い。今後これはもちろん強めていかなければならぬのでありますが、農業というものと商工というものの業態の本質的な差からそういう点が出てきているのではないかと思うのであります。最近協同組合組織につきましても、各都道府県の中央会あるいは全国の中央会というものが結成されました。これは今後の活動に待つわけでありますが、また数日前にも政治連盟というものが結成され、中小商工業の団結に対する意欲というものはかなり強まってきてはおると思いますけれども、今後一そうそういう方面の団結力というものが強くならなければならぬ、こういうふうに思うわけであります。まあ根本的な考え方としては以上申し上げたことで進みたいと思います。
○阿左美小委員 仰せの通りだと思うのです。中小企業対策というものは多少そこに社会的政策がなかったならばこれは解決しないのではないか、こういうふうに私も考えております。こうしたものを甲急に円滑に回収でき得ない場合には、資金の融通はしないというような資金の出し方では、結局現在の行き詰まったところの中小企業の金融は解決しない、こういうふうに考えるのでありまして、社会政策というものを加味した一つの政策を必要とするわけであります。そこで、どうも私はいろいろこの国会を通じてみましても、中小企業対策というものに対してまことに消極的であるというふうに常に考えておるわけであります。しかし今日まではそれで通って参ったと思うのでございますが、今後は中小企業対策というものはもう少し画期的な対策を立てざるを得ない社会情勢になる、こういうふうに考えますが、川野政務次官に一つお伺いいたします。
○川野政府委員 中小企業対策の問題はまことにむずかしい問題でございます。従いまして従来もいろいろな計画がなされたのでありまするが、残念ながらいまだに完全な目的を達していないことばまことに遺憾に存じておる次第であります。しかしそれだからといってこういう大きな問題はさらに推進していかなければならないことは当然でございます。従いまして政府といたしましてもいろいろな施策を講じて参っておるような次第であります。今後さらに団結の面においてもまたは予算の面におきましてもでき得る限りの御助力を申し上げまして、この目的達成をやり遂げたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○中崎小委員長 次に首藤新八君。
○首藤小委員 中小企業の振興策はいろいろありますけれども、一番大きな問題は何といっても金融にあることは今さら議論する余地はありません。しかもその金融界は昨年来政府の巨額な支払い超過あるいは貿易市場の好況というような好材料に恵まれて非常に緩慢となり、そして金利が著しく低下したことも御承知の通りであります。よって私たちはこの中小企業の特殊な金融機関である商工中金あるいは金融公庫あるいは国民金融公庫等の金利を一般の金利水準に達するようにすみやかに引き下げるべきであるということを強く要望して参ったのであります。先ほど商工中金の答弁によりますと、若干笠利を下げておるようでありますけれども、しかしながら現在の市中の金利に比較いたしますとなお大幅な高率にあります。先ほども長官あるいは政務次官は中小企業の健全な発達はできるだけ協同組合を結成して、そして利用することが効果的であるというお話でありましたが、まさにその通りであります。しからば協同組合を作って、それだけでどうして振興するのでありまするか。少くとも協同組合を作った以上は作らない業者よりも作った業者がいろいろの面において多くの利便を受ける、それでなければ振興はないはずであります。特に金融においてはしかりであります。ところが一般の金融界はすでに金利は二銭五厘が平均である。あるいは二銭三厘という金利も相当できてきている。その場合に中小企業の中核的金融機関の金利が二銭七厘あるいは二銭七厘五毛、長期は一割以上というようなことで、どうして中小企業の振興があり得るか。協同組合の結成を奨励しながらも、作ったからといって一般のものよりも高い金利を払わなければ借りられないというようなことで、どうしてこの中小企業の振興があるでありましょうか。その点に私は一番大きな実は疑問を持つ。 そこで具体的に私は長官と政務次官にお尋ねしたいのでありまするが、商工中金は四月からの新規貸出しに対しては、先ほど加藤理事が答弁されたような金利を下げたそうであります。これも一般金利は高いということは今申し上げた通りでありますが、少くとも金利を下げる以上は、普通の場合新規の貸出しはむろん、旧貸出しに対しても一律に引き下げるのはこれは常識でなければならない。それを商工中金は新規だけ金利を下げて、旧貸出しはそのまま据え置く。私は金利引き下げの対策としてはきわめて遺憾な処置だと思うのでありまするが、しかしよって来った原因が何にあるか。おそらく商工中金自体はもっと金利を引き下げたい、あるいは旧契約に対しても同率に引き下げたいという強い希望を持っておるであろうと思うのであります。それができないという原因が一体何にあるのか。むろん一番大きな原因は商工中金の資金源が商工債券の発行に依存しておる、それが高い、これが一番大きな原因であることはこの際申し上げるまでもない。よって政府の方でできるだけ商工債券に依存しない他の面において強力に金利を引き下げるような措置を講ずべきである。これが協同組合の結成を促進したところの政府の当然とるべき責任でなければならぬと私は考える。この点においてどういう処置をとったか。またその一つとして、先般もこの委員会で同僚の内田委員から発言されておりましたが、産投の十億の資金を必要のない生産性本部に融資して、生産性本部から商工中金に又貸しをする、きわめて非常識な方法をとって融資しておるのでありますが、この金利が六分五厘ということになっておった。ところが数年前商工中金に融資する場合に五分五厘にするという政令がはっきりできておるのであります。よって、当然これは六分五厘でなくてその政令の五分五厘によるべきだということを内田委員から強く発言しておったのでありますが、それに対してその後の情勢が、どうなっておるか、その点からまずお聞きしたい。
○佐久政府委員 組合結成と並行して、それに対する金融、しかもそれは金利の安い金融を考えるべきであるという点、全く私も同感でございまして、もちろん今度の商工中金の金利引き下げはこれで十分とは考えられませんが、従来に比較して二厘五毛ほど下げましたのも全くその趣旨からでございます。この中小企業金融が、一般的に扱いの件数が多い、と申しますのは一件当りの金額が少い、そういう関係から、どうしても大きな市中銀行などよりも手間がかかるということは避けられない現象であります。従って若干金利が高くならざるを得ないというのは一つの理屈でありますが、現実の要求からすれば、そういう問題を超越してやはり金利は下げていかなければならぬ、こういう根本的な考えを持っております。そこで今度の商工中金の二厘五毛の金利引き下げも、現在の状況で考えられるいろいろの財源を捻出いたしまして、さしあたりこの限度まで可能であるということで金利の引き下げを行なったのであります。 それから新しい貸し出しだけに限定しましたのも、実は既往の貸し出しのものについても金利の引き下げはやりたいという気持は十分持っておるのであります。それは今後の企業の合理化と申しますか、そういう方面でできるだけ財源を浮かして、その財源をもって既往のものにも充てていきたい、こういう考えを持っておるのであります。ただその点についてはっきりした見通しがまだ立っておりません。と申しまして、それのはっきりした見通しが立つまで一般的な金利引き下げ問題を延ばしておくというわけにも参りません。そこでさしあたり可能な限度で四月一日から引き下げを行うということで発表いたしたわけでございます。 それから第三番目の御質問の、余剰農産物特別会計の金を生産性本部に十億貸し、それを商工中金に貸す、こういう形をとって一応融資いたしたのでありますが、貸す場合の金利を六分五一厘を五分五厘にしろという御要求もございまして、関係の事務当局とずいぶん長い折衝をいたしておるのでありますが、まだ実は結論が出ておりません。これははっきりした記憶は私ございませんが、この前に五分五厘にしたときにはおそらくそのもとの金は全然利子がついていなかったのじゃなかったか、今度の余剰農産物の金とは若干性格が違っておるというふうに記憶しております。
○首藤小委員 余剰農産物の資金を生産性本部に融資する、先ほど申し上げたごとくきわめて変則的な措置であって、少くとも政府においてこの特殊金融機関の金利を下げなければならぬという熱意があったならば、さような資金を融資する上において支障があるならば、思い切ってそういう支障を払拭いたして、できるだけ安い金利がこういう機会に入るような措置を講ずべきである。それにもかかわらず、そういう手数の煩を避けるために回りくどい方法をとること自体が私は努力が足りないと思う。同時に今の余剰農産物の産投に対する金利は幾らになっておるか、この点一つお聞きしたい。
○佐久政府委員 中小企業向けの資金の獲得について努力が足りない、力が足りないという御非難は、私は甘んじて受けざるを得ないと思います。最初政府資金を二十億という話がいろいろ込み入りまして、生産性本部に対する補助金と申しますか、何か政府の金を出さなくちゃならぬという要請と両方からみまして、形としてはまことに妙な形になったのであります。生産性本部に余剰農産物特別会計から貸す金利は四分でございます。
○首藤小委員 生産性本部に四分の金利で融資する、そうすると、もし六分五厘ならば生産性本部は二分五厘の不当所得をするという結論にならざるを得ないと思うのです。何がために、肝心の中小企業を対象とした金融機関に対してはさような安い特別の金融をせずしておいて、回りくどい道をたどってわざわざ生産性本部に二分五厘の不当な金利をやるかというところに私たちは非常な遺憾の気持を持つものであります。少くとも、かような不要な回りくどい道を避けて、できるだけ低利な金を金融機関に回してやる努力が必要であり、それが企業庁の一番大きな仕事だと考えるのであります。今承われば、まだ解決していないそうでありまするから、今後ともこの問題は強硬に折衝せられて、せめて五分の金利で商工中金に回すような方法を講ずるように努力してもらいたいということを私は希望しておきます。 同時に、かりにこれが五分になり、あるいはまた他の面においていろいろの努力によって金利を下げようとしても、商工中金の資金源自体は、御承知の通り大部分商工債券に依存しておる。この商工債券が一般市中の金利よりも著しく低い金利ではとうていまかない得ないことば議論の余地がないわけです。よって、根本的な資金源の獲得に別個の方法で検討する時期にきた。今の金融状態は、本年も政府の支払い超過はおよそ八百億に達する、あるいは昨年は三千七百億、一昨年は九百億、かれこれ三年間に四千億以上の支払い超過である。貿易も、今の状態からいえば、本年も相当の好況が期待される。かれこれ総合して考えると、本年の金融情勢は昨年よりも一そう緩慢になることが予想されるのであります。現在においてもすでに二銭五厘あるいは二銭三厘で、今後における金融が以上申し上げたような事情によってさらに緩慢になりますれば二銭五厘が二銭四厘になり、あるいは二銭三厘になるということが考えられるのであります。その際にこの特殊金融機関の金利がかようなことになりますると、今日まで商工中金で金融を受けておったものは、またそういう業者に対して、銀行は貸さなかった過去はあっても、かように金融が緩慢になりまするとやはりその業者に銀行は貸すということになってくる。しかもその場合に安い金利で貸すようになってくる。そうすると商工中金から金融を受けておったものは、必然銀行から借りて商工中金に全部返してしまうということになってくる。それにもかかわらず、なおかつ商工中金から融資を受けなければなぬという業者がありとすれば、それはどの点から見てもあまり好ましくない業者だと断ぜざるを得ないのであります。結論的に言えば、そういうことになれば商工中金になお残っておるところの債務者は、どれもこれもが好ましくない業者だ、いい業者は全部借りかえてしまう。しかも一般の金利との間に格段の相違を生ずるということになってきますれば、私はせっかく作ったこの特殊金融機関の使命を果す上において非常な欠陥を生じてくる。いわゆる二階に上ってはしごを取られたようなことになってきゃせぬか。安い市中の金融機関から全部融資して、そうして商工中金に払ってしまう、商工中金は悪いものが残ってしまう。ここに私たちは大きな不安とおそれを持っておるのであります。それを解消するためにも、政府はこの際格段の努力をもって一般金融状態の金利と相違のないところまで金利を引き下げるような措置を講じなければならぬ。いわんや先ほど言われた通りに中小業者の振興は協同化以外に効県的だ対策たし。しからば協同組合を作ったことによってこれだけの利益があるんだ、なるほどこれによって金融は楽になり金利は安くなった。その事実によってこそ初めて中小業者は振興できるのであります。ただお題目的に協同化、共済化を唱えたところが、何ら実益のないようなままに放任をしておきますれば、百年たっても中小業者は振興しない。これを事実をもって効果的な方法を講じてやる、これが一番現在における必要な対策だと私は考える。しからばできないかというと、できると私は考える。先ほども阿左美小委員が言われておりましたが、中小企業金融公庫は先ほど総裁の答弁によると年九分六厘だ、商工中金の方は長期は一割以上であります。公庫は員外であります。いわゆる組合を結成してない員外であります。せっかく政府が奨励して組合を結成さして、その組合員に対しては一割以上の金利、政府の指導に従わないところの員外、一般のものに対しては年九分六厘、これを政務次官どういうふうにお考えになるか。政府の趣旨に賛成して、従ってここで組合を結成したとたんに金利は長期は一割以上だ。政府の趣旨に少くとも同調せず、組合を結成しないで、それが九分六厘だ。これでどこにこの組合結成の効果があるか、この点政務次官はどういうふうにお考えになるか、一つ伺ってみたい。
○川野政府委員 組合を結成させまして事足れりといたしておるわけではございません。組合を結成いたしますと、だんだんと団体の力を持ち、されにその力となるものは世論の台頭となって参るかと考えております。そういう世論の力というものが出て参りますると、ただいま商工中金の話が出ましたが、商工中金の金利が高いということは、言葉をかえて申しますとその資金源の金利が高い、こういうことに相なっておろうかと考えます。そこで資金源でありますその資金に対しまして、安い金利の資金源を求むるということになりますと、とりもなおさず商工中金の金利を下げる、こういう結果になろうかと考えます。ゆえに政府といたしましても、できるだけ商工中金等に対しましても安い金利の金を、財政投融資等の金を実はつぎ込むべく努力はいたしたので、あります。しかしいろいろな事情で今年は僅少にとどまりましたことは、まことに遺憾千万に存じておる次第でありますが、さらに今後におきましては安い金利をできるだけ一つ多く商工中金あるいは中小企業金融公庫あるいは国民金融公庫等にも回しまして、そうしてできるだけ一つ金利を下げたい、こういうふうに考えておる次第であります。 なお商工中金に対しまして、このたびわずかでございましたが下げたのでございますが、しかしこれをもって事足れりといたしておるわけではございません。さらにあらゆる面を検討いたしまして、今後さらに金利を下げていきたい。また中小企業金融公庫等におきましても、今回は代理店の手数料をある程度下げたのでありますが、さらに代理店手数料を下げる余地があるかどうかというような点も今後検討いたしまして、できるだけ金利を引き下げる、こういう方向に進みたいと考えておる次第であります。
○首藤小委員 私が政務次官にお尋ねしたいと思うのは、政府が奨励しておる協同組合を結成したものは金利が高い、結成しないものは金利が安い。これに対してどういうお考えを持つか。特に申し上げたいのは、員外の金融機関である公庫の資金源が一体どこから出ておるか、ほとんどが財政資金であります。無利子である。政府の奨励するこの商工中金のいわゆる協同組合員は、財政資金はスズメの涙ほか出てない。ほとんどが商工債券その他高金利の資金源に依存しなければならぬ。これは政府の趣旨とやることが私は大きな矛盾がありはせぬかと思う。この点に対してどういうお考えを持っておるか、この点私はお聞きしたい。
○川野政府委員 銀行の性格というものが——御承知のように商工中金は組合を中心とした金融機関であります。一方中小企業金融公庫は政府の機関であります。従いまして銀行の性格からいたしまして、中小企業金融公庫に対しましては安い金利の金が今日つぎ込まれておる、こういう実情であろうかと考えます。そこで商工中金等におきましてもその性格等を変えますれば、あるいは相当の安い金利の金が相当たくさんつぎ込まれるのではなかろうかとも考えるのでありますが、しかし商工中金は御承知のように組合を中心とした性格を持つ金融機関でもございますので、そういう関係の方々は果してそういう性格を費える、政府色の強い金融機関にすることをお好みにたるかどうかという点も、これは一つの課題であろうかと考えております。しかし組合色の強い金融機関からさらに政府色の強い金融機関に移り変えられる、こういうことになりまするならば、あるいは安い金利が相当つぎ込まれる、こういうことにもなろうかと考えます。 なお組合の問題でございますが、組合に対しましては高い金利、組合外のものについては安い金利、こういう金利が現在ついておる金が貸し出されておるのではないか、こういうお話でございます。その点は私も全く同感でございますが、この点についてはさらに今後検討いたしまして、組合についてもどうすれば安い金利がつくのであろうか、こういう点も一つ検討せねばならない問題ではなかろうかと考えておる次第でございます。
○首藤小委員 率直に言いますと、政府は中小企業の振興をはかるために協同組合を育成せいということを言を聞けば奨励いたしておる、これはいい方法だと私は考える。ただし金融面から見れば、組合を結成したら高い金利で借りなければならぬ、結成せぬ方が安い金利で使える、そこに政策の矛盾があると私は考える。片一方では組合を結成せい、結成したら高い金利、結成しなかったら安い金利、これでは少くとも金利の面から見れば、政府の方針に逆行するような措置をやっていると断ぜざるを得ない。私はここに政府の方針の大きな矛盾があると思う。しかも先般来私は申し上げておりますが、三つの特殊金融機関が中小企業のために設けられておる。過去においては商工中金あるいは国民金融公庫に対しても相当の非難があったが、数年来二つの金融機関は事務も非常に迅速になってきた、融資も適正化してきたということで、ほとんど私たちは両金融機関に対する非難は耳にいたしていない。よって多年の経験知識を得たこの二つの金融機関を伸ばしていきたい。これに反してこの中小企業金融公車は今や全国的な非難の焦点となっておる。中小企業金融公庫を当初設立する場合に、私はこの提案理由を作文したのでありまして、私たちが公庫を創立したいという趣旨は十分に表わしているつもりであります。同時に杉は商工中金と一緒にやるべきだ、商工中金の中において、右手では員内、左手では員外の金融をやってこそ、初めて中小企業に対する金融の使命を完全に果せることを強調したのであります。また同時に金融の対象は、先ほども阿左美委員が主張されておったが、当時の中小業者は設備でなくて運転資金だった。長い間の統制によって中小業者は適正な利潤を獲得できた、そのできた利潤をほとんどみな膨大な設備に投資してしまった。統制は解除になった、いたずらに生産の競争をやる、直ちに行き詰まったのは運転資金、当初公庫を作ったときにはこれが一番はなはだしいときであったから、私は運転資金に重点を置くべきだということに主力を置いて実は公庫を作ったのでありますが、その後の公庫のやり方を見ると全く期待に反している。さらにまた公庫に対する非難がどうしてこうまで強いか、これは事情はいろいろありますけれども、一番大きな公序の欠点はその人を得ないということ、要するに当事者にその人を得ないということ、もう一つは融資の方法が誤まっておること、いわゆる一番大きな原因としては、代理貸しに非難の対象があると私は考える。率直に申し上げて現在の代理店はおそらく五千を数えると思うのであります。資金源は、一体今の投融資が何ぼになっておりますか、五百億未満じゃないかと思う。かりに五百億になっておりましても、五千の代理店がありますと、一つの代理店の平均は百万円であります。従って全国の代理店にそれぞれの中小業者がかような新しい機関ができたという期待から、どれもこれも申し込んだ。ところが資金源はありはせぬ。資金源がないとは言えないから、条件にむずかしい条項を入れ、あるいはいろいろな難くせをつけて融資をしない。従って代理店も公庫に申し込んでもおそらくだめだということで、代理店の方でも非常にこれに対して消極的な態度をとってきておる。従って公庫は貸さない金融公庫だ、かりに貸しても非常にむずかしい条件をつける、これが今一番大きな非難の対象であります。私はこのシステムが間違っていると思う。わずかな資金源でもって非常にたくさんの代理店を持つ、しかもいいものは銀行みずから貸してしまう。本未公庫を作った場合、金融ベースに乗らないものを救済するために作ったということが目的で、あることが第一条に書いてあります。ところが公庫の言うようなむずかしい条件を兵備するものは、公庫で借りなくても銀行で貸してくれる、金融ベースに乗り過ぎるほどの内容を持った業者でも借れぬということであります。それじゃ何のために公庫を作ったか、先ほど長官が社会政策を加味したといったまさにそれであります。少くとも金融ベースに乗らない業者への融資は多分に社会政策を加味した融資をしなければならぬ。それから先般の坂口君の答弁によりますと、貸し倒れは一つもないじゃありませんか。ないはずであります。いいところばかりに貸してある。これで中小企業への金融がどうして完全にいくのでありますか。しかも資金源はほとんどが財政資金であります、無利子であります。無利子の資金源が九分六厘という高利で貸されておる。商工中金は先般まで商工債券は八分五厘ですよ。最近ようやく下って七分か七分五厘になっておる。公庫の方はほとんどが無利子であります。そうして貸し出し金利は九分六厘、商工中金の手形貸しあるいは割引手形に対する金利よりもはるかに高い、商工中金の方は先ほどの答弁によると割引手形は二銭七厘、手形貸しが二銭七厘五毛、これは八分一厘から八分三厘、非常に高い資金源である、中金が年八分何ぼで金融できる。ただの資金源を持つ公庫が九分六厘、ここにも大きな矛盾があるじゃありませんか。特になぜ公庫はかような高金利でなければ運営できないのか、結局代理貸しの手数料が一番大きな原因をなしておると思います。代理貸しに四分二厘、最近多少下ったらしいが、これは全くむだではありませんか。しかも先ほど申した通りに資金源は少い。代理店はいたずらに多い。そこで代理店は申し込んだものに十のうち一しか融資ができない。これがために非常に非難を受ける政府の方では中小業者のために無利子の財政記資金を投入した。それがこういうことになって九分六厘という高利である。高利であるのみならず、ほとんど十分の一しか融資しない。何のために公庫を作ったのか、何のために政府はこんな大きな犠牲を払わなければならないのか、結果的に見て私たちはそういう感じを深くいたす。このままそのようなことを放任していいか。企業庁は少くとも外局でありまして、全企業の九二%を包含している中小企業を監督しており、全生産量の七二%を占める中小業者の元締めをするのが企業庁であります。その企業庁の努力いかんは日本産業全般の振興に大きな影響を持つのであります。従って企業庁は、こういうところに目をつけなければいかぬ。ただできておるから、このまま放任するというような消極的な態度では、永久に日本の中小企業者は振興しない。わざわざ無利子の財政資金をたくさん出して、世間から批判されて高金利で貸す、こんなばかばかしい話はないじゃありませんか。しかも今後それが改良される見込みがあるならばともかく、私はおそらくそれはないと思う。公庫が最近直接貸しをやる、さっき阿左美委員も直接貸しをできるだけたくさんやるように要望しておったが、直接貸しをたくさんやるためには、やはり全国に支店を持たなければいかぬ。本筋が直接貸しでありますが、その直接貸しをあまねく全日本の中小企業者に融資するためには、全国に今の商工中金あるいは国民へ金融公庫と同様の支店を持たなければならぬ。そうして対象はやはり中小企業者であります。同じ相手を対象として、同じ性格の金融機関をどうしてそんなにたくさん作る必要がありましようか。少なくとも一つの支店をこしらえれば、やはり何十人かの職員を必要とする、それに膨大な費用を必要としまするから、元はただの資金でも結局は高い金利になってしまう。かようなことでどうして中小企業の金融が円滑になるか。そこでこの際私は、企業庁としては抜本塞源的な措置をすべきだと思う。特に公序は、昨年来直接貸しを始めておったが、始めた直接貸しの対象は輸出に限るというような、私らから考えるとまことに不可解な措置をとっておる。輸出産業もちろん重要でありますが、今の輸出産業自体が何もかも輸出製品を作っているところは一つもありません。みな他のものに関連性を持っておる。そして輸出に対しては別に輸出入銀行ができておるのであります。何も公庫が輸出入を引き受けなくてもよい、しかも公庫の本来の設立の目的は、一般の中小企業者の金融の円滑化である。輸出業者に対しては特別の金融機関がたくさん作ってある。また本質的に輸出業者は先ほど申した通りに、その工場で何もかも、原材料一切やれる工場はない。みな他の工場から原料を仕入れる、そういう工場は、内地品として金融の恩典が与えられていない、かような実際に沿わないところの融資をやっている。そうして直接貸しをやりましたと御本人は非常に御自慢らしく宣伝をしておるけれども、私らはやはりこれほど愚劣な、これほど間違った融資の方法はないと考える。しかも先ほど来申し上げたごとく、代理店が五千、資金源が五百億や六百億になりましたところで、一行当りは百万か百二、三十万です。よってやはり貸し出しは減額になっておる。世間の批判はますます高くなってくる。ですから、この際いかにすれば金利を安くできるか、いかにすれば資金源を豊富にできるか、資金源を豊富にすればコストが安くなってくることは議論の余地はありません。しかも商工中金も国民金融公庫もすでに全国に代理店を持っておるのでありまして、わざわざこしらえる必要はない。この際私はすべからくこれを合理化する、そうして商工中金と、合同、あるいは一部は国民金融公庫に分割してもよいと思う。合理化して、豊富な資金をできるだけ低利で融資する、これによって初めて中小企業の金融はだんだんと円滑化していくであろう。この点に主管庁の企業庁が目をつぶって、できたものはやむを得ないという考え方で放任することは、先ほど申し上げたごとく私はほんとうに中小企業の振興に誠意を持っておるかどうかということを疑わざるを得ない。この際政務次官も企業庁長官もこの点に対して格段の努力をしてもらいたい。また先ほど坂口君は阿左美委員の質問に対して、事は非常に重要だ、慎重に検討しなければならぬ、また公庫が別にある方がいい面もあると言われたが、一体どこにいい面があるのか、これほど明白な理由はないのであります。それを慎重に検討しなければならぬというけれども、過去三年間坂口君はその衝に当っておる、その衝に当っておる坂口君がまだそういうことに気がつかぬのか。どうして金利が高くなっておるか、せっかくの政府の無利子の金を何がゆえにかように高い金利で貸さなければならぬのか、あるいはまたどうしてこういうことに世間の批判が強いのかというふうに思いをいたし、そうしてその禍根がここにあるということは深く検討をしないでもすでにわかっておるはずであります。もしそれがわからぬというのならば、坂口君はよほどどうかしておる人間だ。私は先般もこの委員会で申し上げた、私たちは坂口君の生活を保障するためにわざわざこういう機関を作ったのではない。日本の経済を健全に成長させたい、それがためには中小企業者の振興が前提になる、そうしてその中小企業者の健全化は、結局は金融に帰着する。よって金融の円滑化ができるかできぬかによって日本の中小企業者の振興の成否を決定する。そうしてそれが全日本の経済の振興に直接大きな関係を持つということを私は申し上げた。少くとも坂口君がほんとうに日本の中小企業者の振興に関心を持つならば、こういう面に思いをいたして、そうしてすべからぐその禍根を一掃する熱意を持って、一日も早く日本の中小企業者が円滑な金融を受けられるという状態を作るために、あらゆる努力を傾倒すべきだと私は考える。これに対して坂口君はどういう考え方を持っておるか、一ぺん伺いたいと思う。
○川野政府委員 商工中金と中小企業金融公庫との合併問題あるいは中小企業金融公庫の運営の問題あるいは金利等の問題につきましては、先般の委員会におきましても、また本日も詳しく承わったのでございますが、この問題に対しましては、実は金利が高い、こういうような問題等につきましてはできるだけ一つ金利を下げたい、こういうことで今検討をいたさせておるような次第であります。今回代理店手数料をある程度下げましたのもその一つの施策の現われでありますが、実は代理店手数料等ももう少し下げたらというお話等もあったのでありますが、まず今回はこの程度、こういうことである程度下げた、こういうことにいたしたような次第であります。 なお一店当りの金の面に関しまして、代理店が非常に多いので、はないか、こういう御説も実はごもっともかと考えるのでありますが、しからば今直ちにこれをやめる、こういうことになりますと、すでにある程度の資金を出しておる関係上、その点を考慮いたしますと、今直ちにやめさせるということもどうであろうか、こういうような点等も実はあるわけでございます。なお、金利等の問題につきましては、あるいは総裁からお話があろうかと考えまするが、復興金融金庫の債権の引き継ぎ問題、こういう問題等も実はからみ合っておるような次第でございます。 そこで、御説のように、商工中金と中小企業金融公庫とを直ちに合併したならば、商工中金は各県に支店を持っておるのであるから、その支店も利用できるじゃないか、こういうような点も実はあるのでありますが、先ほども御説明申し上げましたように、商工中金と中小企業金融公庫との性格の相違の問題もあり、またこれを今直ちに合併いたしまして、商工中金の現在の支店を利用するということになった場合に、果して両金庫の合併後の金を円満に運用できるかどうかという問題、あるいは現在は中小企業金融公庫の金利が商工中金より安いのでありますから、中小企業金融公庫並みの金利に下げられるかいなかという問題、あるいはその他いろいろの問題等がございますので、その問題等を今検討中でございます。果してそういう問題を円満に解決して合併することができるかどうか、こういうような点を検討中でごさいますということで御了承願っておきたいと存じます。
○坂口説明員 たびたび首藤委員から御忠告を承わり、率直に御意見を曲かしていただきまして非常にありがたく存じます。金利の点につきましては、今政務次官からもお話がございました通り、九分六厘でありまして、他の政府機関のそれに比して安くないと存じますので、できるだけこれが引き下げに努力して参りたいと考えております。またこれらの高い金利の二部に代理店手数料が入っております。それが原因であり、またそれの高いことが金利を高くしているというお話もございましたので、こちらの皆様の御意見にも従いまして、今度幾らかは下げたのでございますが、将来その点については研究して参りたいと思います。また公庫と商工中金の合併の問題につきましては、先ほども申しました通り、非常に重大な問題でございますので、十分に研究して参りたいと考えております。すでに三年前やったのにというお話でございますけれども、非常に根本的な問題でございますので、私どもとしては十分に研究して参りたいと思います。
○首藤小委員 政務次官からの御答弁では、商工中金と公庫は性格が違うからなかなか困難だというお話でありますが、これらはひとしく中小業者を対象とした金融機関であります。しかも片一方は、先ほど申した通り、政府の奨励した協同化に賛成したものであり、片一方は必ずしも協力しない業者であります。それにもかかわらず、この両者の金利に差異があるということが一番大きな矛盾だと私は考える。そこで、性格が違うから困難だという、その違う性格を——これはおそらく制度の問題だと思うが、この制度をこれにマッチするように合せるということが政府の使命だと私は思うであります。ただ既設の機関がこういう性格になっているから困るのだというようなことでこれをほおかぶりしていくということはあまりにも消極的過ぎると私は考える。この問題については、今後格段の検討と御努力を切に私は要望しておきたい。政府の方であまりに骨惜しみするならば、また私たちも考慮しなければならぬという考え方を持っておるのであります。 なお、坂口総裁にお尋ねしたいが、三年前に公庫を作ったときに、自転車の購入資金四億円が公庫の方に政府資金と一緒に投入されたが、これに対しては、当時、自転車振興費のそれまでにおいて決定した金利である七分五厘を今後も間違いなく確保すべきであるという附帯決議を実は付したのであります。ところがこれに対して、公庫の方では、振興費の回収金を新たに融資しないということで、私たちの手元でも最近相当あちらこちらから批判を聞くのでありますが、それに対して、どういうふうになっているか現状の報告をしていただきたいと思います。
○川野政府委員 私の答弁中、言葉が足らなかった点があったかとも考えるのでありますが、私が申しました意味は、性格等も違いますので、そういう点を材料とさせていただいて検討させていただきたいということを申し上げたのでありますから、その点を御了承願っておきたいと思います。
○坂口説明員 自転車の関係の資金につきましてはかねてからお話がございましたので、関係の省との打ち合せをいたしております。
○首藤小委員 打ち合せの経過はどういうふうになっているか、その点を伺っておきたい。
○佐久政府委員 これが結局四億のワクを、七分五厘でありましたか、普通の金利よりも安く自転車関係に貸す、こういう制度だったと思いますが、その後一度貸した金が返還された場合に、その返還された部分はワクからはずしていくというやり方を現在はとっているわけですが、今秋の方の通産省の内部で、大体七分五厘で従来の制度をさらに延長しようという考えのもとに、どういう形でどういう企業に融資をするか、一つの計画を内部的な打ち合せでやっておるところでございます。大体の方針としては、御趣旨に沿い得るように進むのじゃないかというふうに考えておりますが、省内で一応まとめまして大蔵省とさらに折衝する、これが事務的な経過でございます。
○首藤小委員 それでは私はしばらく政府部内の決定を待もたいと思いまするが、当初の方針が七分五厘である。しかも現在の一般の金利からも決して安くないような金利になっているのであるから、少くともこの際これくらいはやはり確保するような方針をとってもらいたい。また同時に公庫としては、出すときには一ぺんに出してしまったが、それが長期にわたって少額ずつ償却されておりますから、これをまたまとめて出すということも、実際上事務上困難な点もあるかと考えるのであります。従って、その面については他に適当な金融機関はあるのであります。要するに振興費を主として扱っている金融機関もあるのでありますから、そういうところに公庫から融資して、その窓口を一つにして、そこから融資するということをすれば、これも合理化の一つではないかという考え方を持っておりますので、こういう点も一つ検討していただきたい、こういうことを希望します。要するに、先ほど申した通り、一般の金融情勢は非常に緩慢なとぎだ、だから金利も下る、それにもかかわらず一般よりも安くしなければならぬ中小業者の金利が、依然として非常な高値にあるということでは、政府のいわゆる主張と矛盾がある。また本質的に一般の企業よりも安くしてこそ、初めて中小企業の振興があり得るのでありますから、この点に常に格段の留意をせられて、その方針に今後も進んでいただくことを私は強く希望いたしまして、私の質問を終りたいと思います。
○中崎小委員長 加藤清二君。
○加藤(清)小委員 私はただいままでに応答のありました中小企業に対する金融の問題についてお尋ねしたいことがたくさんございます。たとえて言えば、市中銀行の歩積み両建の問題、県の補助金の問題からくるところの、これの難渋しておる問題、それから政府の融資とこれがこげつきと交換されている問題等々ございますけれども、見ますると一時半なんです。私は朝から今まで阿左美、首藤委員のお話を傾聴しておったわけなんですが、これから後皆さんに御迷惑をかけるということはちょっと無理じゃないか、こう思うのです。そこで委員長としては、きょうこれから私の質問をあと何分許してもらえますか、それともこれが無理であるというならば、月をあらためてこの問題について審議をする機会を与えていただけますか、それをここでお尋ねいたします。
○中崎小委員長 どうですか、たとえば緊急な質問があるということならば、十分なら十分程度でやって、次にまた引き続いてやるか、あるいはいっそこの次にあらためてやるか、あなたの御希望はどうですか。
○加藤(清)小委員 それでは次にいたします。
○中崎小委員長 それではこの次に大蔵省関係の方も呼んで、そしてさらに根本的にこの問題を検討するということに一つはからいたいと思います。 本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせいたします。本日はこれにて散会いたします。 午後一時二十三分散会