商工委員会総合燃料対策及び地下資源開発に関する小委員会 第4号
- 発言数
- 43 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/09/03
会議録
○小笠小委員長 これより会議を開きます。 鉱害賠償及び鉱害復旧制度に関し調査を進めます。 先般来商工委員会においては各地に委員を派遣し、実情調査を行なって参りましたが、そのうち特に本小委員会の当面の重要課題であります鉱害問題について、参考のためその調査の結果について私から簡単に御報告申し上げます。 御承知のように、現在の石炭鉱害復旧につきましては、特別鉱害復旧臨時措置法と、臨時石炭鉱害復旧法の二法律が施行されております。 福岡県当局の報告によりますと、昭和三十一年七月末における特鉱法に基く復旧事業瞳は、金額にして九十二億円、進捗率は認定事業量の九三・七%に達し、地元市町村を初め関係者の方々から非常に感謝されましたことは、まことにうれしく感じた次第であります。これは政府関係官初め、地元関係者の努力のたまものであると思います。特別鉱害復旧臨時措置法の施行前に見られた美田変じて泥海と化した往時の面影は今はなく、豊かに実る田園の情景が、本法の威力を物語っているように思いました。 このように特別鉱害復旧臨時措置法に基く復旧は、明年五月の本法の有効期間内にほぼ当初目的の事業を完了するものと想像されます。しかしながら臨時石炭鉱害復旧法に基く一般鉱害の復旧は、相当予定計画量を下回っております。すなわち一例を福岡県にとりますと、昭和三十年度末の復旧事業量は、金紙にして約十二億円、その進捗率は一七%となっており、当初予定の四〇%を著しく下回っておるのが現状であります。これは一般鉱害と認定されながら、鉱業権者の所在が不明であったり、資力を喪失したりしている等の原因によるものであります。従いまして、地元被害者を初め関係者は、現行臨時石炭鉱害復旧法の運用にいま一段の強い施策をとられたいとの熱心な陳情がありました。現地におきましては、飯塚市、直方市を初め関係市町村民が手に手に歓迎と書いた旗を振って出迎えられ、われわれ一行は本件の緊要性と被害者の苦悩をひしひしと身に感じつつ視察を進めたのであります。調査報告の詳細は時間の関係で別の機会に譲ることといたしますが、以下簡単に陳情の内容を申し上げることにいたします。 第一に、現行の和解仲介制度では、鉱害紛争の処理がきわめて不十分であるから、鉱業法の一部を改正いたしまして、鉱害審議会を設置する等の措置により紛争処理の促進をはかられたいというものであります。さらに鉱害紛争処理については、鉱害の事実認定の可否に基因する紛糾の多い現状にかんがみて、鉱害測量制度を充実されたいというものであります。 第二に、家屋、墓等は臨鉱法による国庫補助の対象とされていないため、著しく復旧がおくれている現状にかんがみ、家屋、墓等も農地同様に国庫補助の対象とされたいというものであります。 第三は、鉱業権者の所在不明または無資力等のため復旧が放置されている鉱害については、国の責任においてすみやかに復旧するよう措置されたいというものであります。 第四に、福岡県木屋瀬地区等に見られる加害者不明の被害については、すみやかにこれを鉱害と認定して復旧されたいというものであります。 第五に、鉱害の適正なる復旧をはかるため鉱害引当金制度を設け、この引当金については損金処理を認めるよう税法上の改正を行われたいというものであります。 第六に、特別鉱害復旧臨時措置法に基いて認定された物件については、必ず法の有効期間内に復旧を完了するよう措置されたいということ等であります。 以上が陳情の概要でありますが、最後に言申し上げたいことは、現在石炭の採掘によって発生した鉱雪は、現地において深刻な社会問題となっていることであります。しかしてこれが復旧について関係者は非常な努力を払っておりますが、今回の視察により、私たちはこれを炭鉱地帯の一現象と見るべきでなく、国家的視野をもって本問題を解決せねばならぬと痛感した次第であります。以上をもって調査の報告を終ります。 それではお諮りをいたしますが、この際小委員長のもとにおいて作成いたしました本問題解決の方法に関する案を朗読いたします。 政府は、本問題の重要性にかんがみ、国土の有効な利用及び保全並びに民生の安定をはかり、あわせて石炭鉱業の健全な発達に資するため、左記事項について次の通常国会を目途として必要な措置を講ずべきである。 一、鉱業権者の所在不明または無資力にかかる鉱害を早急に復旧することとし、これに伴う地方公共団体の負担を軽減する等必要な措置を講ずること。 加害者不明の被害についても右に準じて措置すること。 二、鉱害家屋の復旧を促進することとし、これがため、国庫補助金を交付する等必要な財政措置を講ずること。 三、鉱害の適正かつ早急な復旧をはかるため、鉱業権者の鉱害賠償資金の確保について、適正な措置を講ずることとし、これに伴い税法上供託金及び鉱害賠償費引当金等の損金処理を容認すること。 四、鉱害紛争の円滑な処理を図るため、紛争処理に関する必要な措置を強化し、これに伴う十分な予算措置 を講ずること。 五、鉱害紛争中、鉱害の認否に関するものが大部分を占める実情にかんがみ、その迅速的確な判定を行うため、鉱害測量に関する予算の充実をはかること。 六、特別鉱害復旧臨時措置法に基き認定された物件については、特にその復旧に遺憾なきを期すること。 以上であります。 簡単にただいま朗読いたしました案文の解釈についで御説明申し上げておきたいと思います。 第七は、鉱業権者の所在不明の問題であります。この「鉱業権者の所在不明」の意味は、失踪宣告を受けたというふうな法律的な見解にとどまらず、もっと鉱業権者の責任の不明な場合その他を広く解釈するようににいたしたいと思うのであります。 「加害者不明の被害」という第二項につきましては、たとえば木屋瀬地区のごとく、鉱害と認定するかどうか、いろいろ問題のあるような地域をも復旧せしめるの意味におきまして、これを付記いたしたのであります。 第四の、「紛争処理に関する必要な措置」、この点につきましては現行法おきまして、和解の仲介制度がございまするが、和解の仲介制度に限らず、さらに必要なる諸制度を考究していただきたい、こういう趣旨でございます。 第六の、特鉱法に関しましては、明年五月十二日をもって法律の期限が満了する予定に相なっております。しかるに工事能力等との関係から見まして、期間内に工事の完了のできない場合も予想されますので、それらの問題につきましては遺憾のないように予定通り工事の進捗するに必要なる措置を法的その他予算的に講じてほしいということであります。 申しおくれましたが、第三項におきます「鉱害賠償資金の確保」につきましては、既発生の鉱害賠償にとどまらず、将来起るべき鉱害の復旧という問題をも含めての趣旨に解釈いたしたいと考えております。 以上、簡単に小委員長の案を御説明申し上げたわけでありまするが、本件について御意見等がございますればこの際発言を許すことといたします。
○淵上小委員 まことに妥当なる小委員長案であると思いまするが、この問題の取扱いについてどういうふうな御予定であられるか、小委員長の所見を伺いたい。
○小笠小委員長 お答えいたします。ただいまの小案につきましては、私どもが現地の調査その他関係者の意見を聴取した結果、鉱等復旧の問題を解決する方向として、こういう諸事項の解決に向って進またければならないと考えたのであります。政府におきましては、これらの事項について必要なる法律的あるいは予算的措置を考究していただきまして、来たるべき通常国会にその成案を提出していただきたい。なおその成案を得る過程において、時々われわれ委員の方にも御連絡を願って、ともどもこういう方向の解決ができるようにいたしたい、こう考えております。
○淵上小委員 ここに通産省局長もお見えになっておりますが、これはいかがでしょうか。商工委員会において一ペん決議でもする方が政府当局としては取扱いやすいではないかというような気がするのですが、その点に関する方針を聞いておきたい。一つこの点はお考えおきを願いたいと思います。
○小笠小委員長 お答えをいたします。国政調査の結果として、われわれは商工本委員会において以上のような問題を報告して、商工委員会において決議が行われますように申し入れをいたしたいと考えております。 この際商工委員永井勝次郎君より小委員外の発言を求められておりますので、これを許すに御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小笠小委員長 御異議なしと認め永井君の発言を許します。永井勝次郎君。
○永井勝次郎君 ただいま委員長から示された案の第一項の「鉱業権者の所在不明」ということは、単に居所が不明だということばかりじゃない、こういう御説明であります。第二項の「加害者不明」というのは、加害者がだれであるかということが不明であるという意味ではなくて、鉱害によるものか、水害その他地震等の披露によるものか、その不明な被害、こういうふうな解釈であるというお話であったのでありますが、そうだとすれば、第一項の当初の「鉱業権者の所在不明」、それに加害鉱業権者の責任の所在不明、こういうふうに明確にうたった方がよいではないか、こう思うのです。その点について、この原案の表現だけですと、鉱業権者の所在不明だけですから、居所不明ということだけにとられて責任の所在が不明という意味にはこの表現からはとりがたい、そういうものが漏れることになりますが、この点について重ねて小委員長の説明を願いたいと思います。
○小笠小委員長 お答えいたします。鉱業権者の所在不明の意味は、通常の言葉に従って書いたのでありまして、法律用語ではございません。従いまして先ほど申し上げましたように、純粋の法律上鉱業権社の所在不明となれば、失跡宣告を受けるとか何とかという場合に限られるのでありますが、そういう場合のみでなく、そういう場合のほかに鉱業権者が何代も変ってきて、その間に鉱害が起る、そういうようなことで責任の所在がはっきりしないというふうな場合も含む、こういうふうに御了解を願いたいのであります。あくまでも本案起草に当りましては、現実に鉱雷あるいはこれに類するものとして被害が起っておるものを早急に復旧せしめるに必要なる法律的、予算的措置を政府に要望いたしたい。こういう趣旨で書いたのであります。今永井君からその案文を修正したらどうか、こういう趣旨でございますが、今申し上げましたような趣旨でありますので、政府当局が本案を具体化するに当りましては、今私から申し上げましたような趣旨であるというふうに御了解願って作案を願えれば、永井君の発言の目的を達するのではないかと実は考えるのであります。
○伊藤(卯)小委員 商工委員会を開くということはなかなかそう早急にもできないのじゃないかという気もするのですが、国政調査の報告、並びにきよう小笠小委長から出されたこの案というものは、おそらく商工委員会が開かれた場合には全会一致で承認されるものと私は信じております。従って商工委員会が開かれなくとも、本日この小委員会によってこれが議決をされれば、直ちにこれを政府側に送付されて、石炭局長を中心にして、この要綱に基いて——かなり広範なものだと思いますし、また臨時石炭鉱害復旧法の根本的な改正なのだと思いますから、一つこの改正については十分腹を据えてその任に当ってもらいたいと思うのです。おそらくこの案を作られる場合にいろいろ運動があると思います。賛成、反対が相当あると思います。だからそういう賛成、反対というものにあまり気を使わずに、またわずらわされないで、国会の委員会の要請であるという、この痛い見地に立って政府は改正案を作られるように、私は石炭局長に強くこの点を要望いたしておきます。おそらくこれに着手されるということになれば、相当いろいろなわずらわしい問題が出てくることを私は想像することができますから、一つ腹を据えてやってもらいたい。そうしないとこれはなかなかやれぬということにもなります。これらを具体化する上について臨鉱法の根本的な改正をこの際やらなければ鉱害地のあの復旧、紛争、社会問題化を事前に解決することは不可能ですから、そういう国家的見地から個個の反対賛成ということにわずらわされることなくやってもらいたい、こら私は強く要望いたしておきます。従って先ほど小笠小委員長からも言われましたが、案がそれぞれ作られていきますならば、必要に応じて小笠小委員長のもとにそれをお見せ願って、そして小笠小委員長はまた必要に応じてわれわれを招集して、十分検討をする機会を作ってもらいたい。政府側から改正案が出されてきた場合に、国会がこれをまた新しい見地から論議をして、そのために非常に時間をとるようなことではけなはだ遺憾でありますし、せっかく政府側が苦労して作ったものをいたずらにこの論議で長引くようなことでも、改正案成立の上にはなはだ遺憾でありますから、政府側から正式に出されてきた場合には、あまり多くの論議なくして全会一致の形で議決が与えられるように進めることが私非常に好ましいことと思います。そういう点は一つ石炭局長も特に十分連絡をとってやられるように、小笠小委員長もまた政府側を鞭撻して、政府側からも進行状態について絶えずわれわれにも機会を作って御相談を願い、そうして下審議をしつつ完全なものに作り上げるように、小笠小委員長もこの点に十分御尽力を願いたい。こういうことを要望いたしておきます。
○小笠小委員長 今伊藤委員の御発言ごもっともでありますので、小委員長といたしましては極力御趣旨に沿って努力をいたし、ます。
○淵上小委員 今の伊藤君のお話ごもっともであります。全然賛成であります。重ねて一つお願いと要望を申し上げておきたいと思います。鉱害復旧に関する一般鉱害並びに特別鉱害の両法律のみならず、鉱業法にも関連して改正を必要とする事項があると私は考えております。よく鉱業法の御検討も願いたいと思うのであります。鉱業法は帝国憲法時代、すなわち滅私奉公の時代にできた法律でありまして、今日の日本国憲法は個人の基本的人権を根本にした憲法になっております。あるいは鉱業法の条項の中には今日の憲法違反の条項があるのじゃないかという点も私は考えておるのであります。どうぞ鉱業法にも関連して十分な御検討をお願い申し上げたい。この滅私奉公の問題は、五、六年前、特別鉱害の法律を作るときに、すでにそういう発言をしておるのでありますが、あわせて鉱業法の検討をお願いしたいということを申し添えたいと思います。
○内田小委員 ただいまお話がありました、この案の進め方に関する事項について申し上げたい。たとえばこの案を商工委員会の決議にして政府に提出するということを委員長は言われておりますが、事は差し迫っている問題があるようであります。たとえば第三項の鉱害賠償資金の取扱いに関する事項などは、税法上の問題にもなっております。御承知のように今これは臨時税制調査会が、来年度の税制全体の改革に関していろいろと研究して結論を出しかかっている。先般通産省の方でも通産省の意見として、来年度の税制改正に関する意見書というようなものを大蔵省とかあるいは臨時税制調査会に出しているわけですが、この第三項のごときは単に国税庁の行政措置でやれる面もある部分はありますが、やはり臨時租税措置法の改正というような問題にもひっかかってくる。ところが臨時租税措置法については、御承知と思いますけれども、一般の空気はあれは大企業に対して利益を与えるような条項が非常に多いから、むしろ臨時租税措置法によるいろいろな恩典、特典というものは、全部やめようという方向に進んでいるように聞いております。これに対して通産省側は、やめてはいけないのだ、むしろあれは存続強化すべきだという意向を出しておるのですが、この際この第三項に載せてあるような鉱害復旧に関する引当金を税制上損金として取扱らとかあるいは非課税にするとかというような事項につき属して、本委員会の意見を待たずに何か出しておられるのではなかろうかと思いますが、その辺はこれはむずかしいから実は出しておらぬ、衆議院のこういう御意見があれば今後善処いたしましょうというようなことになっておるのかどうか、この点を局長からお伺いしたい。
○讃岐説明員 今のお話まことにごもっともであります。私ども今日まで研究をいたして参りましたが、鉱害復旧資金の点については、実は結論を出しかねておったような次第であります。大蔵省ないしは税制調査会に対して何ら意見を出しておりません。このような御結論をいただきましたので、さっそく善処いたしたいと考えております。
○内田小委員 讃岐君の御意見ですが、同じ鉱業についても、たとえば非鉄金属なんかの臨時鉱床補てん積立金の制度なんかについては、通産省はそれを取り上げて、あの部分は課税所得からはずすというような意見を出しておられる。これは非鉄金属というものは非常に景気がいい、もうかり過ぎて困るからあまり一ぺんに所得を出して課税されたのではたまらぬというような趣旨はあるのでしょうが、それはそれでけっこうですが、そういうもうかる方の産業にあと押しするについては勇敢であって、一般国民も困れば石炭鉱業自体もまたなかなか合理化が完成しておらないという、いわば斜陽ではないでしょうが、景気必ずしもよろしからざる方に対しては援助しないという態度にも受け取られるのですが、その点の御意見を承わりたい。
○讃岐説明員 ただいまのお話、確かに鉱山局では金属鉱山の補てん積立金につきまして、通産省として免税の措置の意見を出しておることはお話の通りでありますが、石炭局につきましては考え方が——というよりも名前が違うのでありまして、追加投資の引当金の免税措置という形で意見を出しております。鉱害賠償は石炭が一番大きいのでございますが、金属鉱山にも共通な問題でありまして、この供託金ないしは鉱害賠償のための積立金の免税措置についてはまだ意見を出しておりません。これは鉱山局と共通でございます。御了承を願います。
○内田小委員 局長の御説明わかりましたが、その手続が、本委員会を招集して決議となって政府に届けられて、初めて行動を起すということでは間に合いませんから、大体きょうの空気もおわかりでしょうし、また委員長も非常に御熱心であります。われわれ自由民主党としてもまた社会党の同僚としてもこれは超党派的の問題のようでありますから、さっそく大蔵省なり臨時税制調査会の方に案を作って申し入れておいていただかないと間に合わないと思いますから、小委員長からもそういうように計らうようによく御鞭撻をお願いいたします。
○伊藤(卯)小委員 この前神田委員長、小笠小委員長ともにわれわれが福岡の通産局に参りました折に、この鉱害に対するあっせん委員の問題について、あっせん委員は任命されてあるけれども、会合費もない、従って旅費、日当も出せない、だから実質的のあっせん活動はされていない。この機関をせっかく意義あらしめようとするならば、やはり会合費なりまた旅費、日当なり、それに必要な経費がなければこれは有名無実であるという訴えを出先機関からわれわれがいろいろ陳情を受けたとき、神田委員長も小笠小委員長もまた私どもも、それははなはだおもしろくないじゃないか、どのくらい今必要とするのかといったところが、五十万円くらいあれば大体いいと思うんですという意見も出ておりました。そのとき、その程度のことではやはり問題になるまいじゃないか、もう少し予算措置をしてやってそうして十分その機能を発揮してもらうようにすべきじゃないか、帰ったら直ちに政府側とも話し合って、その予算的措置をしてやろうじゃないか、こういうことが小笠小委員長初め私どもの一致した意見であったわけです。その後小笠委員長が、通産省なりまた政府側との間に、その応急の、あっせん委員の活動のできるような予算的措置の問題について話し合いをどのように進められて、どういう見通しになっておるか、その点を一つお聞かせ願います。
○小笠小委員長 仲介制度に要する経費の問題につきましては、今伊藤委員のお話しのような経緯であります。私ども帰りましてから通産局と打ち合せをしまして、まず第一に、ただいまは来年度予算の概算要求の時期でありますので、概算要求に相当の要求額を盛ることに話を進め、これがすでに概算要求として大蔵省に回っておるころだと思うのであります。本年度分につきましては、御承知の通り予算の執行上追加予算が行われない限り予備金支出になるので、この予備金支出につきまして必要なる要求の手続を進める、こういう方向で計数等の整理に当っておるというのが現状でありまして、順序としては来年度大きく、続いて本年度の経過的なものを措置していく、こういうような話に進めておるわけであります。
○淵上小委員 ただいま内田委員からの御注意がありましたが、これに関連しまして賠償引当金の積み立てを供託にするか社内留保とするか、あるいは通産局長に保管を寄託するか、いろいろな場合が想像されますが、業者側は社内留保を希望しておるようであります。その前に今内田委員からの注意がありました課税対象から除くということは、税法の改正に関連する問題であります。一つ今後この積み立てをどういうふうにするか、よく御検討おき願いたいと思います。福岡県は、聞きますと、現在トン当り五円四十二銭しか積み立てしていない。タバコ一、二本にも当らない。今炭価がトン当り四千円も高いのに、どういうわけで、五円三、四十銭しか積み立てていないかという問題もありますが、この積立金の額並びに保管方法、これは今内田委員から御注意の課税対象から除く除かないの税制改正の問題にも関連すると思います。この点をよく御検討願いたい。
○小笠小委員長 ほかに御発言がなければ、本件についてお諮りをいたします。ただいま提案になりました鉱害復旧に関する案につきまして、これを小委員会として決定するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小笠小委員長 御異議なしと認めます。それでは本件を小委員会案として商工委員会に報告し、商工委員会において決議を行うよう申し入れることにいたします。 なお讃岐石炭局長より発言を求められておりますので、これを許します。
○讃岐説明員 先ほど淵上先生から、鉱業法は旧憲法の時代にできた法律であるというようなお話がございましたが、鉱業法は新憲法になりましてから、昭和二十五年に令文改正いたしてございます。
○多賀谷小委員 ただいま決議をされましたことに若干関連をして一、二点質疑を行いたいと思います。 まず、石炭局長にお尋ねいたしますが、今鉱業法の改正はその後昭和二十五年にやったというお話ですが、実は施業案の認可の条件についてお尋ねいたしたいと思うのですが、鉱害復旧の資力が初めからないというように客観的には想像される業者に施業案が出ておるからといって認可をしておる。あるいは図面のこときは、これは名をあげてもいいのですが、一昨年でありましたか、ある炭鉱は池の下を掘っておる。そうして、実はその目は日曜日でありましたが、電気の関係でこれを公休にしないで稼働をして、月曜口に公休にし、月曜日には池をほして魚をとるという予定であった。ところがその魚は実は坑内から出てきたものである。要するに図面がずさんでありますから、坑内を掘っておったら池の底を抜いてしまった。そうして九名も死んでおる。こういう事件が起ってそれから鉱務監督官があわてて行ってみましたところが、単にスケッチをしたようなものをトレースした程度しか図面がなかった、こういう事情であります。これはこの前も保安局長にもやかましく言いましたが、一体政府は、これだけ大きな災害を持つ、また大きな鉱害を持つ、従業員の生活をになっておる鉱業権者の、しかも稼行の施業について一体どういう条件で認可をしておるか。これは大きな問題であると思うのです。この前もわれわれが陳情を受けました際に、私たちはもう鉱害を復旧してなどと言わない、とにかく今の炭鉱をやめさせてくれ、こういう陳情があった。こういうことを考えますときに、私は、もっとも今臨時石炭合理化法の関係がありまして、坑口再開は、これはかなり強い条件がありますから、臨時処置的にはかなりその面において制限がされておると思いますけれども、鉱業法の根本法がそういうずさんなことではだめだ、かように考えるのであります。一体施業案の認可の条件が非常にルーズである。そうして判さえ押せばそれが稼行される。そうして被害はどんどん出ておる。これは鉱害においてもまた一般の災害においてもしかりですが、こういう問題について立法的な改正の必要があるのではなかろうか、こういうことを考えるのですが、局長はどういうようにお考えであるか。
○讃岐説明員 施業案の認可につきましては、鉱業法の関係から申しますと、鉱物の合理的掘採ということを中心といたしまして、たとえば地下五十メートルにつきましては地上の工作物の所有者の承諾をとる、こういうふうなことをやっておるわけでございまして、鉱害予防につきましては、もっぱら鉱山保安上の関係で監督しておるわけでございます。施業案を通商産業局長が認可するに当りまして、鉱山保安監督部長と協議いたしまして、鉱害の発生を可及的に予防できるように措置しておる次第でございますが、事がきわめて技術的な問題でございまして、ときにお話のような不祥事件が生ずることもあるのでございます。この点はまことに遺憾に存じておる次第でございますが、実は鉱山保安法の詳しい規定がございまして、私今宙で覚えてないのでございますが、その鉱山保安法でいきます場合に、その運用に十分注意をいたしますれば、さような不祥事件は予防できるのではないかというふうに考えておるような次第でございます。
○多賀谷小委員 私はまだ不勉強ですから各国の立法例を詳細には調べておりませんけれども、私はただ施業案を出したからだれでも認可をするということではないと思うのです。今局長は鉱山保安から見る災害についておもにお話になりましたが、私はそれも一例として申したのでありまして初めからこれが操業をし、それによって被害が伴うと、これは賠償能力がない、あるいは賠償する良心を持たない、こういうおそれのある鉱業権者が中にはおるのです。ところが書類がきたから企業自由の原則でこれはしようがない、一応書類はととのう、こういうことで認可をされると、将来、所在不明とか無資力にかかわる鉱害というものがかなり出るということが予想できるわけであります。ですから私はもう少し——なるほど企業をする自由はありますでしょうけれども、それだけ他人に迷惑をかけておるのですから、私はもう少し施業案の認可については法律改正をして高度な立場からこれを検討する必要があるのではなかろうか、こういうことを申しているわけです。これについてどういうようにお考えてあるか。
○讃岐説明員 まことにむずかしい問題でございまして、ただいま満足のいただけるような御答弁ができるかどうか心配でございます。鉱業権の設定にいたしましても施業案の認可にいたしましても、これはイエスかノーかの二つしか答えが出ないということになっております。それが鉱山保安上きわめて危険だという場合におきましては、これに対しまして保安上の命令を発する、こういうことになっております。そこでその鉱業権者の資力、無資力の問題につきましては鉱業権設定のときにさかのぼって判断をするのがいいのじゃないかというような問題にもなってくるのじゃないかと思われるのでありますが、現実に施業案が出されまして、その施業案が鉱物の合理的開発上適当なものと認められまして、なお鉱山保安法上の条件も満足できるという場合におきましては、そのこと自身鉱害の発生が予防できる認定しておるわけでございまして、この程度で現在保安法上の運用をやっておるわけでございますから、きわめてまれな場合におきましてそういう不祥事件が出るのでございまして、運用上注意すれば何とか防げるのじゃないかということを考える次第でございます。
○多賀谷小委員 鉱業権の取得の場合は、これは先願主義で、明治以来伝統的にとっておるわが国の制度ですからあなたの力でこれを変更せいと言っても無理ですけれども、認可という次の段階があるのだから——鉱業権の設定と事業をやるというのは別個に考えていいのじゃないか。その場合に認可をするという権限はあなたの方にあるのだから、あなたの方で条件をもう少しシビヤーにされたらどらか、こういうことを私は申しておるわけなんです。私は中小企業を圧迫せいと言っているのじゃない。大いにやっていただいてけっこうでけれども、もう少し今のようなあまりにも資力がない、非良心的な鉱業権者が横行しておる、まあそら言えば失礼になるかもしれませんけれども、事実はそうなんです。そらいいようなことが防げるのじゃなかろうかと私は思うわけです。これについて二回も三回も聞きませんから、最後に明確な答弁をお願いしたい。
○讃岐説明員 たびたびどうも恐縮でございますが、鉱業権者が鉱業権を持って鉱物を開発するという義務を持っておるという建前からその義務を持っておる者は……。(多賀谷小委員「義務を履行しない」と呼ぶ)法棒上の要件を備える限りにおきましては、これは拒絶する理由はないというような意味からただいま御答弁を申し上げたような次第でございまして、鉱害の発生を未然に予防するように、そういう条件をもって掘らせるというところに問題の。ポイントがあるのじゃないかというように考えるのでございます。お前は金がないからだめでしょうと言うよりも十分鉱害の発生を予防する措置をとらせて掘らせるというところに法の目的があるというふうに考えまして、ただいま御答弁を申し上げたような次第でございますが、今後もら少し鉱山保安局とも相談をいたしまして、研究きしていただきたいと思います。
○多賀谷小委員 私は単に資力がないと言っておるのじゃないのです。資力あっても良心がないというのが多い。この方が実際は多いかもしれません。しかもそれは、ある炭鉱をやってすでに経験済みである。それにまた稼行きせると、これは大へんだといって被害者は反対するが、いかんともしがたい、稼行される、要するに施業案を認可される、こういう例があるのですよ。それで私は質問をしておる。一つよく研究していただきたい、かように考えるわけであります。 続いて今出ました供託の問題でありますが、法律は、昭和十四年に鉱害賠償の法案が出まして十五年に施行以来供託金制度があるのですけれども、残念ながらこれは有名無実である。と申しますのは、手続がない。政令によって手続がきめられることになっておるのですけれども、その鉱業法百十八条の二項が全然行われていない。これは何と申しましても政府の怠慢なのです。ですから供託金があるのですけれども、その供託金を取ろうということができない、不可能です。とにかく供託金はあるけれども、それが全然優先弁済をしてもらち手続がないということは、これはいまだにわれわれが引当金の問題とか鉱害復旧の促進の問題を話しておるのがおかしいくらいです。政府は一体何をしておるか、こう言いたいのです。一体この政令はいつできるものであるか、これをお聞かせ願いたい。
○讃岐説明員 まことにごもっともなお尋ねでありまして、法務省と時々連絡はいたしておるのでございますが、法務省の方でまだ準備ができていないのでございましてまことに恐縮でございます。法務省といたしましては、近く供託法の全面改正をいたしたいという方針のようでございまして、同時にこの問題も裏づけたいということのようでございますが、なおよく連絡をいたしまして、至急御期待に沿いますように努力をいたしたいと思います。
○多賀谷小委員 法律ができてから十八年にもなるのですから、もう少しこの問題を重要に考えていただきたい、かように考えます。 それからこの際ですから、もう、二点お伺いいたしますが、これは例の買い上げ整備法のできるときの問題でありますけれども、対象になりました買い上げ炭鉱に鉱害があるという場合、その鉱害が未解決である、その未解決の中には未発生の分もあり、既発生の分もある、未発生の分については、これは油の示すところで次の鉱業権者が払うでしょうけれども、既発生の分についてはどういうようにお考えであるのか。これは実はこの前の国会において論議をきれました際に、既発生の分についてはそれが未解決であるという事態が生じた場合には、鉱業法百九条の三項、すなわち損害の発生後に鉱業権の譲渡のあった場合は、前鉱業権者が連帯して責任を負う、この条文を適用するんだというお話であったが、今もそういうようにお考えであるかどうか、これをお尋ねいたします。
○讃岐説明員 法律上から申しますと、お話のように当然さようになると存じます。ただ整備事業団におきましては、現在買い上げ炭鉱の処理に当りまして、安定鉱害は買い上げる以前に解決して持ってきてくれということで処理いたしたのであります。
○多賀谷小委員 ですから、そういう努力をされても未解決の問題が残るということになれば、結局連帯をして責任を負うのでしょう、こういうことを聞いておるのです。
○讃岐説明員 さようでございます。法律上当然そういうことになります。
○多賀谷小委員 なおこれらの法律に関係いたしまして、例の失対の問題ですが、実は労働省から見えておられないのであまり局長に聞くのもどうかと思うのですけれども、一言要望なりまた質問をしてみたいと思います。 実はこの整備事業法ができますときには、政府でははっきりとこれは国で責任を負ってやる、これは国の法律の施行に伴ってできた失業者であるから、国が責任を持ってやるんだ、しかも市町村には迷惑はかけません、こういうことをおっしゃっておったわけです。ところが実際は本年の二月から失業者が出てきた。そこで失対事業を早くしてくれという要請がありましたけれども、それが依然として行われなかった。最近自民党の政調会の方々が見えて、これはひどい、だから高率の失業対策を適用するようにしよう。高率と申しますと、労務費五分の四を国が負担するという率である。ところが労務費五分の四を適用するというのは、本来この石炭合理化法の施行に伴って起った失対に適用すべきものではない。ものではないと言うと語弊があるかもしれないけれども、さらにこの失業者については、高度の国家的な全額補償が行われるはずであった。この五分の四ができたのはそういうことではなくて、一般的に失業者の多い地帯には五分の四を適用しよう、こういうことで、これは駐留軍労務者とかあるいは合理化法に基く失業者の問題ではなかった。ところが最近五分の四を適用して、いかにも恩を着せたようなことをおっしゃっておるけれども、これは本来お門違いではなかろうかと思う。しかもこの失業対策は二百五十二円なんです。普通の失業者の場合でありますと、比較的女子が多いものですから、男子はあるいは二百六十円なり二百七十円になります。ところが今度の場合は、すなわち直方市に例をとりますと、直方本洞三山の場合においては、女の方がほとんどいないものですから、男子はみな二百五十二円の適用を受けておる。しかもそれだけではなくて、従来従業員であった、ところが親も動き、子も働いておったという世帯でありますと、親か子か一人しか働けない。ですからもう一人の従業者が失対につくことはできない、こういうことになっておるのです。これは日雇いの原則をそのまま適用いたしますからそういうことになる。世帯主あるいは世帯に一人ということでありますから、従来従業員であり現在失業しておるけれども、失対にもいけない、こういう矛盾が出てきておる。これを一体どういうようにお考えであるか。石炭局は当法案の責任者でありますから、失対につきましても一般的な失対ではなくて、少くとも公共事業でありますと三百八十円程度に賃金がなるのですから、私は公共事業を持ってきて、国が全額これを行うべきである、こういうように考えておるのですが、あなたの方はどういうようにお考えであるか、もう法律が通ってしまったら失対は知らぬというおつもりであるのかどうか。
○讃岐説明員 この失対事業の詳しいことにつきましては実は私よく存じませんので、まことに恐縮でございますが、五分の四の負担も満足でないというお話でございます。私どもといたしましては、本年の十月まではこの失対事業の繰り上げ施行によりましてともかく急場を糊塗するということで、実はやむを得ないということで了承して、いただいたような次第でございます。十一月以後は目下自民党政調会でも非常に心配していただいておるわけでございますが、公共事業をもちまして問題を解決するように研究中でございます。本日の午後から経済企画庁を中心といたしましてこの点について協議があるわけでございます。いまだ結論を得るに至っておりませんが、そういうように一生懸命やっておるわけでございまして、私どもは法案が通ったらもうよそにお願いするという態度ではもちろんござい度せん。一生懸命各省にお願いいたしまして、円満なる解決が得られますように努力しておる次第でございますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
○多賀谷小委員 実は合理化法案ができるときは石炭局は積極的に労働省なりほかに呼びかけて、そして合理化法が施行になっても失業者はこうして救済するのだという案を出された。それは石炭局が積極的にかけずり回ってそういう案を出された。ところが法案が通ってしまって、しかもあの法律によりますと本年の一月一日からはもら失業者が出るという予定で、当時は第四・四半期にも十分間に合うように失業者の救済をいたします、こういうことであった。ところが三十年度の第四・四半期は過ぎて、三十一年度にかかる、しかも第一、第二・四半期がまさに過ぎようとするのに、あなたの方はまだ公共事業の施行を見るような準備ができていない、こういうことでは、私は所管官庁として非常に無責任であると考えざるを得ない。あなたの方で出された資料は、三十一年一月一日からもら公共事業で救済できる予定になっておったのですよ。それが九月になっても、十月でなければまだ一般の公共事業は持ってこれないなんというばかな話はないと思う。しかも今申しましたように一世帯に一人しかいけないので、ほかの連中は全然いけない。ですから非常に困っておる。これは私は通産省全般として、石炭局のえらい怠慢といわざるを得ないのです。建設省はなるべく事業価値のあるところへ持っていきたがる、これは建設省としては当然だ。労働省としては失業者の多いところへとりたがる、これは当然ですよ。そこで建設省と労働省で常に争っておる。その中をあなたの方で、法案の責任者ですから、法案通過の経過を話されて十分あなたの力で努力して、こういう失業者の多い地帯に公共事業を持ってくるという運動をしていただきたいと思う。もう質問をいたしませんから、一つ最後の答弁をお願いいたしたい。
○讃岐説明員 まことにいろいろ御心配をかけまして恐縮に存ずる次第でございます。お説の通りに今後大いに努力するつもりでおります。どうぞ御了承願います。
○小笠小委員長 伊藤君。
○伊藤(卯)小委員 多賀谷君が質問しておる問題はきわめて重大な問題ですが、大体小笠小委員長も当時お聞きになっていたと思いますが、あの法律を作るときに石橋通産大臣、当時の西田労働大臣、それぞれ責任大臣からこの合理化法を実施するに当って整備に伴う失業者がこれこれ出るということが明らかにされておった。そこでわれわれとしては一体これを配置転換ができるかという問題について相当議論をした。そういう中の一つとして川崎線の新設の問題も出てきた。それには労働大臣なども、あの川崎線に五千何百人を就働さすことができるということをかね太鼓入りで相当宣伝をしたものなんだ。しかるにあれについて一体人間が配置就働しておりますか、おりはしないじゃないか。一体どこに具体的に配置就働しておるか、しておるとは言えないと思うのです。大体これらも政務次官ここにおったら逃げ出さなければならぬような責任がある。両政務次官がここにはおるが……。そこでわれわれとしては、買い取りをしていく、失業者は出てくる、配置先がないということになってくると、今多賀谷君の言っているような今日の問題が出てくるから、事業を中止きせる前にほぼその人員をどこそこに就働さすという目安がついてから休鉱をさすようにということを強く要望してある。政府側関係大臣もその点は十分考えて、少くとも失業保険の切れないうちに就働さすようなことについては責任を持ってやるというようなことを言っておる。ところが失業保険は切れてしまっておるけれども就働先はいかんともすることができないというので、地方自治体でも困っておるというのが現状なんです。しかしこれを今石炭局長を前に置いて言ってみたところで、行炭局長はその当時のことを知らぬのであるからしかたがない。これは当時の政府の責任だから。そこでさきの問題を商工委員会で議決してもらうためにも、できるだけ早い機会に委員会を開いてもらう方が恐ろしいが、なおこの問題についても至急神田委員長とも御相談になって商工委員会を開いてもらいたい。そしてそこに通産大臣、新たな労働大臣等に出てもらってわれわれはこの問題を十分論議をしなければなりませんから、この点は小笠小委員長に私は強く要望しておきます。 それからいま一つこれに関連することになりますが、整備買い取り方を申し出た山の事業団側への買い取り価格が発表される。そうするとそれは債権の何分の一にも達しないというところがら債権者がこれに同意の判を押さないためにその買い取り方がきまらない。ところが炭鉱は休鉱してしまっておる。そうすると失業者はもう三カ月も四カ月も五カ月もそのままおるというようなことはこれはまことに許されぬことだとわれわれは思うのであります。当然これは法律を作るときにそういう点をどのように処理するかということはあわせて考えておかなければならなかったことだと思う。また行政措置をどうするかというごとも政府としては当然考えなければならなかったことである。ところがそういうことをそのままにしてあるために、今私がお話しするようなことが現に起つておるわけです。その債権者のおもなものはだれであるかといえば、多くは国家の出先機関であります。たとえば国税庁の関係あるいは保険の関係あるいは金融の関係そういう国家の出先機関の諸君がその炭鉱から百万円の取り立てがあるというようなものが殺到してくる。そうするとそれをおのおの分け合ったところで半分にも三分の一にも達しないということになる。そうすると国家の出先期間が、国家の機関として、整備されるその金箱が少いから、どの出先機関も百万円を一応三十万円でいたし方がございませんというわけにいかぬのです。これは国家の出先機関の官吏であるから、それは百万円あくまで取り立てなければならぬ。そうすると同意の判が押せないから、従ってその炭鉱は買い取り整備にならぬということになる。この矛盾をそのままにしておいていいかということであります。主としてこれは国家の出先機関との間に問題が起っておることです。だから当然これはすみやかにそういう場合においての整備を実現さすためには、買い取り単価を上げるか、しからずんば国家の出先機関が取り立てるところの債権をそれに伴うように打ち切るか、いずれかをしなければならない。この場合にも一番しわ寄せを食って因っておるのは、そこの労働者である。山は休鉱になっておる。未払い賃金なわ離職金なり退職金なりがもらえない。整備炭鉱になっておらぬから従って失業保険ももらえない。かりに失業保険をいろいろな意味でもらう形をとったとしても、もうその間に失業保険は切れてしまうというような現状が起っておることは、これは小笠小委員長もお聞きになったはずである。こういうことは私は石炭局長の耳には大分前から報告されてあると思う。出先機関からそれらの点について一体どういう手を打っておりますか、それを一つ明らかにして下さい。
○讃岐説明員 ただいまのお話は全く事実でございまして、われわれといたしましてもこれの解決に非常に苦慮しているわけでございます。この問題は実は旧のお盆までに片づけたいという方針で、各省と相談を進めておりました。現在のところもう最終段階にまで来ておりますが、まだもう少しく各省の間に意見が一致しない点がございまして、届先の官庁まで通達をするというところに参っていないのでございます。おそらく今週中ぐらいに完全に結論が出し得るんじゃないかというふうに考えております。
○伊藤(卯)小委員 そういう時間的にそれらの問題の解決案が作られるということであれば、それはけっこうであります。そこで今後はあるまいけれども、こういう一つの政府の手落ちのために、労働者が相当困っておるのである。これらの問題については、これはいわば政府の手落というべきものである。だからそういう失業者についてに、これはいたし方がないのだということだけでは労働者には済まぬと思う。だからそういうためにあるいは何カ月もの間困っておる失業者には何らかの考え方をもって報いるという必要がある。これは炭鉱経営者のみの責任じゃない。これは法律を作ったときに、行政処置上当然起ってくる、考えておかなければならない問題を考えておらなかった。しかも国家の出先機関との間の問題である。その場合に一番しわ寄せを食って困っておるのは、そこにおった労働者だけであるということであるから、こういう諸君については、私はやはり買取り事業団等との間において、何らかこれらに対する考え方を与えてやるべきじゃないか、こう思いますから、これは一つ石炭局長がその出先機関との問題の処理、解決をされると同時に、そのために何カ月も因っておる炭鉱の失業者に対しては何らかの特別な処置を講ずるということについて、一つ買取り事業団との間において御相談になるように、一つ私の方から要望いたしておきます。
○小笠小委員長 ほかに発言はございませんか。——発言がございませんので、本日はこれにて散会いたします。 午後零時一分散会