商工委員会重化学工業に関する小委員会 第6号
- 発言数
- 78 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/10/04
会議録
○小平小委員長 これより会議を開きます。 鉄鋼業に関して調査を進めます。まず鉄鋼の需給の現状と見通し及び国内価格の推移等について政府当局より説明を求めます。鈴木重工業局長。
○鈴木説明員 それでは鉄鋼の需給の現状、見通し及び価格の現状と推移について申し上げさせていただきたいと思います。お手元に資料が配ってありますので、その中の「鉄鋼需給の現状と見透し」と書いた題目の資料をもとにして御説明いたします。 最近御承知の通りに鉄鋼に対する需要がきわめて旺盛でございまして、供給がこれに追いつかず、そのために市中価格の高騰を見るに至っております。 そこで、大体どのような価格の状況であるかということを、この第一ページの表にして例として示してございます。詳しい価格の方の表は別にお配りしてございますので、それによっていただきたいと存じます。 そこで、この表の中で申し上げますと、丸棒十九ミリでございますが、建値は現在四万六千円でございますが、ここにごらんのように、六月は五万七千五百円でございましたものが、その後七月はアメリカのストライキ、さような関係でまた上り、八月、九月とさらにその後の需給関係を反映して、九月現在では九万七千円、かような数字になっております。厚板、薄板につきましても、それぞれ建値が五万二千円あるいは六万円というのに対しまして、ここに書いてあります通り十三万二千円あるいは十万五千円というような市中相場が出ております。ただこの場合に御注意願いたいことは、ここに書いてあります市中値段と申し上げますものは、取引量から見ますと、注に書いてあります通り、全体の二割内外というふうに言われております。主要メーカーであります八幡、富士、鋼管三社は、ここに書いてあります建値で全部その品を売っておりますし、そのほか大手メーカーの川崎製鉄、住友金属、神戸製鋼というような会社は、大体この三社に準ずるような価格で売っております。大体この市中価格によりました取引量というのは、ここに書いてあります通り全体の二割内外というようにお考えおき願いたいと思います。 そこで、それではこのような価格の状況が起り、また需給の状況が起ったのはどういうようなことであるかという原因の問題でございますが鉄鋼需要の増大は何に基因しただろうかということについて、第二ページ目に書いてございます。昨年来わが国の経済一般の活況に伴う設備投資の拡大あるいは建築の増加、また消費水準の向上による耐久消費財の生産の増大等にある、そのために鉄鋼の需要が急テンポに上昇している、かような状況でございます。 そこで第二表の指数を見ていただきたいのでありますが、鉱工業生産指数は、一番最近六月の対前年同月比というのにあります通り、昨年に比べましてこの六月は一・二と二割程度の上昇を示しております。しかしながら機械工業につきまして見ますと、この表にあります通り一三五という指数でございまして、三割五分上昇しております。また機械の受注高は二二六というような数字でございまして、二倍以上上っておる、かような状況でございます。また建築の着工坪数を見ますと、ここに住宅と非住宅と分けてございますが、それぞれ三割六分あるいは三割というような上昇を示しておる、かようなことが鉄鋼の需要の増大の原因である、かように見られるわけでございます。 そこで供給の方はどうかということでございますが、詳しくはあとで申し上げますが、大体の数字を申し上げますと、三ページ目の初めに書いておりますように、この三十一年度の供給の数字は、三十年度に比べまして、普通鋼鋼材で百四十万トンの生産増というように見込まれます。また鋼材の輸入見込みでございますが、昨年はほとんど鋼材の輸入をいたしておりませんが、今年度は上期において七十万トンの輸入外貨の割当をいたしまして、現在私どもの推定では、年度内に約四十万トンくらい入ってくる、かような見通しを立てておりまして、これが供給増として見込まれます。さらにもう一万は輸出の減少でございますが、昨年度より輸出が減って参りまして、それが内需に回る部分が大体七十万トン、かように推定されます。そこで計三百五十万トンの供給増ということが、本年度においては考えられるわけでございます。しかしながらこの輸入の増大の影響が現われますのは大体十一月ごろからで、十二月ごろに相当大きくなるというようなことでございまして、現在ではまだ全体的には需要が均衡するはずでございますが、まだ需要の増大の要因がこれから出てくるという段階にあるわけでございまして、従って現在ではまだ不足をしておるというような点が強く現われておる、かような状況でございます。 次にもう少し立ち入って生産の増加について申し上げますと、生産につきましては別に三十一年度鉄鋼生産計画という表が配ってありますから、これを詳しくごらん願うことにいたしますが、大体の要点は、ここに書いてあります通り、高炉銑で申し上げますと、三十一年度の生産見込みは五百九十万トンでございまして、昨年より一二%の増加でございます。また鋼塊は千百六十四万トン、昨年より一九%増、普通鋼鋼材は八百二十七万トン、昨年に比べまして一九%増というふうになるわけでございます。そこで昨年度の普通鋼鋼材の六百八十九万トンとことしの見込みの八百二十七万トンの差が百四十万トンでございまして、これだけの供給増が期待されるわけでございます。 次に輸出がどのようになっておるかということでございますが、昭和三十年度における鉄鋼製品の輸出は契約ベースで二百十二万トン、それから船積みで百九十七万トンでありますが、二十一年度の契約の状況は四月以降月平均十万トンでございまして、八月は六万六千トン、九月もほぼ八月と同じような数字と予想されます。そこで現在の見通しでは三十一年度の年間船積みは百三十万トン前後と考えられるわけでございまして、これによりまして昨年度に比べまして本年度は輸出向けが減った関係上、その数字だけ国内に回るといたしますれば、出荷増が約七十万トンとなる、かように計算されるわけであります。 次に鋼材の輸入でございますが、昨年度は鋼材の輸入はほとんどいたしておりません。しかしながら本年六月非常に鉄鋼の需給のバランスが破れそうな気配が見えましたので、このために緊急輸入という措置をとったわけであります。そこで上半期にここに書いてありますような外貨予算額として七十万トン、そのうち現在まで外貨割当をしましたものが六十四万トンというふうになっております。もちろんこれは外貨割当でございますので、これに暴き輸入契約ができ、それから船の手配ができ、さようなことになって入荷するものはある程度これより落ちなければならないわけであります。その点で実は最近のヨーロッパのスエズ問題等に関連しまして、船腹の関係でヨーロッパから来るものについては若干その点におきまして不安があるわけでありますが、まあ私どもの現在の予想では年度内に大体四十万トン程度の鋼材の輸入が確保されるだろう、かように考えております。 そこで以上を合計いたしますと、五ページに書いてあります通り、生産の増加で百四十万トン、輸出減少による供給増で七十万トン、輸入は一応推定といたしまして四十万トン、計二百五十万トンの供給増が昨年に比べると期待されるわけであります。そこでこの二百五十万トンの供給増は、昨年度に比して国内向け供給といたしましては約四割の供給増を意味しております。 さようなわけで、大体かような数字が確保されれば、年間全体としては鉄の供給は需要にマッチするのではないか、かように考えております。ただ問題は、やはり年間全体としてバランスすると申しましても、その要因が主として下期、今後に出るわけでありまして、生産は、この表に書いてあります通り、上期と下期との差は九%であります。また輸出が減少いたしますが、上期は昨年の契約による船積みが残っております。輸出契約の減少によります輸出の減少は下期において現われます。また輸入鋼材の入荷も大体十一月から始まる、あるいは十二月のころになりますので、かような影響は今後において現われる、かようなわけでありまして、現在はまだ不足の状態であります。今後かような状況が出て参りますと、需給関係は好転し、価格についても落ちついてくる、かようにわれわれとしては考えておるわけであります。 さらに通産省としてどのような需給安定措置をとったか、またとりつつあるかということを御説明します。六ページに入りますが、まず一番大きな対策は、何と申しましてもやはり供給の増加をはかるために従来やっていなかった輸入を大々的にやるということでございまして、六月末普通鋼鋼材の緊急輸入の措置をとり、現在まで七十万トンの外貨の予算を計上して、これに基く割当をやっておる状況でございます。またこれ以外実は銑鉄も昨年の輸入は微々たるものでございましたが、今年度は上期で外貨割当及び自動承認制を合せて四十四万トン程度、年度内に五十六万トン程度の銑鉄の輸入を確保したい、かように考えて併行してやっておる状況でございます。それから価格の問題に関連しまして、実は八月積み以降の鋼材の価格の値上りが行われましたが、その際今後の安定を期するために大手筋三社と話し合いをいたしまして、特別の事情のない限りはこの価格をできるだけ据え置くということで話し合いをいたしてきておる次第でございます。それから特に実は現在かように鋼材が逼迫しますと、何といいましても大手筋のメーカーから従来のお得意先として供給を仰いでいる大きなメーカーは比較的よろしゅうございますが、特にしわが中小機械メーカーその他によるという心配があります。それに対しまする対策といたしまして、従来鋼材あっせん所というものを設けまして、それが東京、大阪、名古屋、福岡、かようなところにそれぞれ事務所を持ち、中小零細業者に対する鋼材のあっせんをやって参りました。これを七月から額を倍にいたしまして、一千トンを二千トン、倍にふやしましてこれに対するあっせんをやっております。それから特に最近は輸出機械用の鋼材を確保する必要が痛感されて参りましたので、主として中小機械輸出業者向けの鋼材を確保する意味をもちまして、輸出機械用鋼材のあっせん所を計画して、近くこれが発足の運びになるわけであります。さらに実はここには書いてございませんが、第三の手といたしまして、やはり従来主要メーカーの問屋との関係が十分なく、市中から相当高い値段で買っておられた方々への供給を潤滑にするために、輸入鋼材をプールして一定数壁の鋼材をプールした価格で売ろうという計画を試みとして実行することになっております。その考え方は、おもな問屋十七、八社に対しまして、全国鉄鋼メーカーの生産量の一%程度に相当する、三月で申し上げますと、二万五千トン程度の鋼材を建値で出しまして、それに一対一あるいは一対二に見合う輸入鋼材をプールして、それについてそういった市中から高い値段で買っている方に対して、適当なプールした価格で供給しよう、こういう考え方で輸入会社等のプール案を業界において計画し、これが近く軌道に乗る運びになっております。 それからその次の対策といたしましては、これは輸出の問題でありますが、輸出につきましては業界の自主的調整によりまして、業界が基礎産業として伸びる鉄鋼業の使命というものをよく勘案しまして十分国内の供給に対して確保するという考え方で、自主的調整をお願いしているわけでございまして、それによって国内の需要を満たすように努力しておるわけでございます。これは先ほど申しました通り、輸出については相当昨年よりは内需のために減ってきている、かような状況になっております。 それからいつも問題になります鉄くずの問題でございます。これは従来鉄くずカルテルがございましたが、これに対してアウトサイダーがありました。これは特殊鋼業者及び普通鋼電炉業者でございます。しかしながらどうしてもくず鉄の確保と価格の安定を期するためには、やはりもっと広い範囲においてカルテルを結成しなければならない、かような観点から、従来の普通鋼カルテルのほかに特殊鋼業者のカルテル、それから普通鋼電炉業者のカルテル、三本建のくず鉄カルテルを結成いたしまして、これが九月二日より発足してこの目的に沿うようになった次第でございます。 それから第七番目は、やはりスクラップの問題であります。今年度の鉄鋼増産をはかりますためには、どうしても輸入スクラップの増加が問題でございましてそれにつきましては実は主としてアメリカに仰ぐことになっておりますが、それにつきましていろいろアメリカの輸出制限とかさようなことで問題があったわけでございます。その後現在の段階では、外交折衝の結果、米国側の協力によりまして大体本年度のわれわれの所要数量の確保は見通しがつきましたので、この点は非常によいファクターとなっておるわけでございます。 なお現状は以上の通りでございますが、さらに将来の問題といたしまして、われわれとしましては業界とよく相談しながら第二次設備拡充合理化計画というものを立案しまして、今後これをなるべく早目に実施するように、特に設備拡充の焦点は、高炉、転炉の増設を初め、圧延設備の近代化、あるいはそれに伴う資源の開発ということについて、できるだけ努力していきたい、かように考えておる次第であります。 大体以上で私の説明は終ります。
○小平小委員長 これより質疑を行います。通告がありますので順次これを許します。宇田耕一君。
○宇田小委員 今の御説明の中で、こまかいことは刷り物があるようですけれども、これを読むひまがありませんから、あるいはこの中に数字があるかもしれませんが、二、三点伺っておきたいと思います。今のお話の中で、問題は鉱石とかあるいは石炭の輸入の価格はフレートに関係が多いのですが、フレートがこういうふうに上ってきた場合に、コストに対する見通しはどうなんですか。
○鈴木説明員 大体現在の建値がきまります六月現在のときは、そういう点を十分考えてわれわれ検討いたしましたが、その後の状況として特に大きくなっているということは感じておりません。今後の推移によってはどう変るかわかりませんが、現在のところはわれわれそう見ております。
○宇田小委員 この六ページの2のところに、特別の事情がない限り一年間据え置くとありますけれども、今のフレートの動きから見ると一年間据え置くというのは、実際問題としては成り立たないんじゃないでしょうか。
○鈴木説明員 その点は今後の状況にもよりますが、われわれとしましてはできるだけ鉄鋼は基礎産業であり、機械工業その他に影響が多いものですから、業界に希望いたしましてできるだけ現在の価格を据え置きをするように努力していきたいかようなことをお話しし合ったわけでございます。従いましてわれわれとしては特別の事情がない限り、できるだけ現行の価格を維持していきたい、かような考え方でございます。一〇宙小委員そうすると価格を据え置くために、場合によっては特別な補償方法とか、あるいはその他の行政措置、価格を安定させるための特別な立法措置等を考えておるというわけですか。
○鈴木説明員 その点は考えておりません。実は鉄につきましては 政府が価格を公定するというふうな制度ではございませんので、一応民間がきめる建前になっております。ただ従来の経偉から申しまして、われわれがその価格について行政指導として鉄鋼の使命からしましてできるだけこういうふうにしてほしいという希望を出して、従来建値をきめるときに相談してきた、かような状態であります。
○宇田小委員 そうすると高炉とか転炉等の建設とかその計画というものは従来発表しておるものをとりあえず変更せずにいく、そういうわけなんですか。
○鈴木説明員 従来、実は最初に作りました鉄鋼五カ年計画というのがございます。それによりますと、ことし八百三十万程度の普通鋼材を作りますと、その当時作りました五カ年計画の最終目標は八百万トン足らずでありまして、それを突破しておるというような状況であります。それからその後われわれは重工業局だけで実は試案を作りまして、改正した五カ年計画、長期計画というものを案として持っておりますが、現在の状況ではさらにそれを検討して、もう少し大きなものにしなければならないのではないか、かように考えております。従いまして、従来の計画に基いた各社のそれぞれの計画もございますが、また各社自身もそれを再検討するということで、相当大きな規模になりつつあります。さような計画が現在出てきております。われわれとしましては、それらを今後の需要と勘案しながら再検討して、できるだけ今後の鉄鋼の要請に沿えるように設備の拡充をやっていきたい、かように考えております。
○宇田小委員 そういたしますと、設備の拡張をしなければならぬ原因は内需ですか、それとも輸出ですか。どっちがそういう計画変更というものを考えなければならない重要な原因になっておりますか。
○鈴木説明員 その点はわれわれが当初考えた産業の成長レベル、経済の成長レベル、成長規模と申しますか、それが相当大きく違ってきているわけでありますので、見当としては内需の伸び方であります。しかしながら鉄鋼業は同時に輸出の使命を持っておりますので、われわれは将来輸出の問題も十分考え、新しいマーケットのことも考えて、両面から見て立案したいと考えております。
○宇田小委員 内需の自然需要増ということを伺ったのですが、これを見てみると、この数字にもそういう傾向が出ております。内需の場合は必ずや中小企業に非常に影響の多いものであって、プール計算で鋼材の輸入をしてそうして計上していきたい、こういうお話でありますが、その中でもう一つ大事な点は、アメリカからスクラップを持ってくる、それはどれくらいの価格で入ってくるのでしょうか。トン数はどれくらいですか。
○鈴木説明員 トン数は、大体本年度のわれわれの目標としておりますのは約百八十万トン程度でございます。それから価格の方は大体二万九千円から三万円くらい、こういうふうに考えております。
○宇田小委員 そういたしますと、それくらいのトン数のものをそれだけの価格で持って来て、それで——これもやはり原料高の原因になっておるのだろうと思いますが、これもやはり何かそれに伴う措置を講ずるわけでありますか。鋼材その他の値上りが必ず起る原因になるのではないですか。
○鈴木説明員 先ほどお話し申し上げました通りに、六月現在と現在との状況においては大きな変化はないように思うということを申し上げたので、今後の問題は、大きな変化があるかないかさらに検討しなければならぬと考えますが、現在のところは非常に大きな変化はない、もちろんものによりましては相当コスト的に響いてくるファクターも出てくると思います。また逆の面でそれがさらにふえる面もございますれば減る面もございます。従来から鉄鋼業界は合理化に努力しているので、さような点でわれわれといたしましては、その努力目標としてはできるだけ鉄の価格を安定していく、しかしながらもちろんコストに大きな変化があるような場合には、これは十分研究に価する問題だ、かように考えております。
○宇田小委員 そういたしますと、われわれがこれを通覧をしてみて、やはり鉄鋼政策は、一つの需要に対する的確なる判断の材料というのは、どうもどっちかといえばメーカーまかせのようなふうに見えるのです。なお数字をよく検討してもう一ペんお聞きする機会を持ちたいと思いますが、国際的に見て、新しい問題はスエズの紛糾の問題であります。それが東南アジアに与える影響というのは、どういうふうになる見通しを持っておられるか、それを一つ聞きたい。
○鈴木説明員 スエズが東南アジアにどんなふうに影響を来たすか、いろいろお考えが皆さんにおありと思います。またいろいろ検討しなければならないファクターも多いと思います。しかしながらわれわれとしては、もしスエズの関係でヨーロッパあたりから来る鋼材がある程度苦しくなれば、日本に対するたとえば輸出関係の要請というものは強くなるのではないか、かように考えますが、また逆に日本の供給力もただいま説明しております通り、なかなか苦しいものがありますので、どの程度どういう影響が来るかということは、われわれとしてはなお検討してみたいと考えております。
○宇田小委員 ヨーロッパの輸出といいますか、ソビエトとの関係あるいは共産主義グループとの関係から見ると、最近機械類が相当活発に動き始めておるように思うのでありますが、そういたしますと、船の関係や輸送の関係から見て、ヨーロッパの輸出というものは、ヨーロッパの内側でもってなるべく近距離の需給計画を立てるというふうに見受けられるのでありますが、その影響で東南アジアへ来る品物というものはどうも窮屈なものが多くなって、特に機械類がそういう傾向が多いように思えるのでありますが、そうすると、その影響は日本に何らかの形で現われてくると思います。先ほどあなたが仰せられたように、日本の国内需要が増すという原因は、プラントその他の製品の輸出に関係する意味での鋼材の需要ということもあるだろう、こういうふうに思うのですが、そういたしますると、ヨーロッパの貿易状況の変化、それによって日本の貿易事情あるいは原料需給の変化等非常に多くなるように——特に共産主義の国々もこの経済政策というものは昨年以来非常に違った形をとりつつあるので、それの影響がわが国にも大きく響いてくるように思われます。そういう点から見ると、鉄鋼の増産計画というものは、もう少し根本的に検討しなければならぬ点があるのではないかと思います。そうして先ほどもお話がありましたが、第二次製品以下の製造計画あるいは合理化計画というものについても、何らか計画を考え直さなければならぬというようなお話があったのですが、自分たちが見ているとどうも二重投資のように思われる面もある。ところが二重投資かと思って見ていると、その面がかえって非常に生産不足に陥っているというようなところも出てくる。最近の鋼材なんか、やみの価格はわれわれの想像以上に上っているのですが、そういう思わぬ高騰を起すような原因というものは、メーカーの考えでも、大体われわれ見ていると、役所よりはずっと徹底した見通しのいい場合が多いように思いますけれども、それに合わすようにする方法としては、物動計画そのものがどうもはっきりしない点がずいぶん多いように思われるとか、あるいは鉄鋼計画の中の、特に設備の合理化等については、先ほどもお話のありましたように、新しい計画というものをどういう点から手をつけていくというふうな今後の方針ですか、これを伺いたいと思います。
○鈴木説明員 ただいま御指摘になりましたいろいろな点がございますが、われわれとしましても今後の鉄鋼業の、内地の鋼材ないしは輸出問題、さようなことを頭に入れながら需要を想定し、それに沿うような設備の拡充計画を民間と相談してやっていきたい、かような考えであります。そこで今までこのことで非常に苦労した問題は、何といっても原料副題であります。まず原料関係と申しますとやはり高炉の増設、それからもう一つはスクラップ問題に関連しまして転炉の問題、かような設備を中心に、大いに伸ばしていきたい。それに関連して原料問題はどういたしましても鉄鉱石の供給の確保をはかる問題がございますので、これも海外資源の非常にいい、しかも大量に出るようなところからの獲得をできるだけ手広くやっていきたい、かような考え方であります。これに関連して鉄鋼の専用船の問題、それから圧延設備も、現在では第一次計画によりまして出ておりますが、今後の需要から見ますとまだ足りない部分がございます。これらの点についても近代的の設備を相当必要とする、かような観点から相当広い、相当大きな計画になりますが、各業界で今立案しているものを検討しつつ、われわれとしましてはできるだけ目的に沿うように、設備の増設が足りないで、鉄鋼の需給に不足を来たすことがないように今後極力検討を加えてやっていきたいと考えております。
○宇田小委員 それで鉱石の点はこの前も御説明がありましたから、きょうは石炭のことを伺いますが、石炭では開らん炭の話もありましたが、一昨年来樺太炭の話も出ておったのであります。ソビエトとの関係もあってそういう問題が話題に上ってくると思いますが、樺太を中心としたあの付近の粘結炭についてはどういうことをお考えですか。
○鈴木説明員 現在では比較的問題になっておりません。一、二年前にある時期に入れたものはあまりものがよくなかったということもありますが、しかし今後はこういう問題も十分検討していきたいと思います。
○宇田小委員 それでソビエトの提案と称せられておるものに、五億ルーブルとか、かなりまとまった金額の日本に対する貿易計画があるということですが、われわれはその中にどういうものが考えられておるか、具体的にはわからぬのですけれども、粘結炭は灰分一〇%くらいに思うが、釜石に持ってきてテストしたということも聞いております。そういうものについては調査はなすっておられますか。
○鈴木説明員 先生が非常に御勉強で、私どもは実はその点詳しいことを聞いておりませんので、調べた上で御返事さしていただきたいと思います。
○宇田小委員 それでは重要な原材料等については、大いに御研究を願って別の機会にお聞きしたいと思います。そこで昨年来私どもがたびたびお話ししている原料関係のうちで、国内の砂鉄の問題ですが、砂鉄は国内あっちこっちでかなり埋蔵量の多いものが各方面から持ってこられるのですが、砂鉄についてはどういうふうにお考えですか。
○森説明員 砂鉄につきましては近来非常に世間の注目を集めておりまするし、われわれとしても開発のための非常な努力をいたしておるわけであります。昭和二十九年に未利用鉄資源の開発調査計画というようなものを作りまして、それは一五カ年計画でございますが、それによって一億トンの砂鉄を発見しようという目標のもとに出発をいたしました。今ではその第三年目でございますが、現在までのところでは四千五百万トンの鉱量を確認いたしております。そのおもな所在地は北海道、東北、それも青森が特に多いのであります。それから千葉等でございます。これらの地域につきましては、特に本年度はその開発利用のために特別な予算がつけられまして、これは経済企画庁についたのでありますが、東北開発のための特別の調査費であります。それの実施を鉱山局に委託されましてそれに基きまして、埋蔵量の調査にとどまらず開発利用の面も調査するというふうなことになっております。そのようにいたしまして、埋蔵量なりあるいは開発方法の調査というものが、おおむね国の予算を中心にしてやっておりますが、さらに関連の業界、あるいは地方庁等の協力も得まして、財源的には非常な豊富なものを持っております。大体そういう未利用鉄資源の調査に使います金は、毎年総額で四千万円ないし六千万円、そのようになっております。ただこれは砂鉄にとどまらず磁硫鉄鉱の調査も一部含んでおります。そのようにいたしまして砂鉄の埋蔵堆の調査、あるいは開発利用の調査につきましては相当な金を特別に使ってやっておりますが、この砂鉄の開発につきましては、大体特殊製鋼業者がその鉱区を持っておるという関係があります。またそれはつまり砂鉄が主として特殊製鋼に使われるということを意味しておるのでありますが、砂鉄による銑鉄の生産、この事業を振興するということが、砂鉄鉱の開発に一番有力であるというので、昨年の秋通産省としましては砂鉄銑の振興対策というものをきめまして、いろいろな助成策を講ずることにいたしております。なおわれわれとしましては特に東北に重点がありますが、たとえば砂鉄鉱の開発は単に砂鉄鉱だけを見ておったのではだめでありまして、たとえばチタンの精製、あるいはそのガスを利用する関連化学工業、そういうものの関連もあわせ考えて適当な立地を研究したいということで、ただいま調査をいたしておるわけであります。
○宇田小委員 東北、それから最近は千葉、北海道、こういう三つのことを昨年来論議されておりますが、別々にどれくらいトン数を見込んでおられますか。
○森説明員 未利用鉄資源の調査を出発いたしましたときには、おおむね一億トンの埋蔵量を発見しようということであったのですが、その内訳について申し上げますと、北海道が約二千万トン、青森が四千五百万トン、岩手県が一千万トン、秋田県が七百万トン、千葉県が百万トン、その他が一千万トン、計九千三百万トンになるのでありますが、この鉱量は予想の鉱量でございまして、未利用鉄資源の調査の計画はこれを確定鉱量というしっかりしたものにまで固めようというものでございます。今日まで発見されました四千五百万トンの地域別内訳につきましては、ちょっとただいま手元に資料がございませんが、一番多いのはただいま申し上げました北海道、青森、千葉がおもだというところでございます。
○宇田小委員 そうすると、この四千五百万トンというのは確定したものですか。
○森説明員 今日まで発見、確認されたものでございます。今後まだあと三カ年ございますから、それによってまた相当量ふえることを期待いたしているわけであります。
○宇田小委員 そういたしますと、一番多くはっきりとわかっておるのは東北——青森県付近ということですか。
○森説明員 さようであります。
○宇田小委員 そういたしますと、青森県を中心として積極的に——ただいまの重工業関係のお話の中にありましたように、どうしても鉱石が足りなくて輸入対策というものが非常な急を要することになっておるのですけれども、特に砂鉄のように特別なキャラクターのいいものをたくさん早く電気銑その他にして使うということ、これはもう非常に緊急を要する重要な件であると思う。従ってこれだけの四千五百万トンという相当な埋蔵量が確定したというならば、これを企業化することについてどういうふうなお考え方をしているか、どういう案がありましょうか。
○森説明員 政府では特に東北地方の開発に重点を置いて、その一環として東北地方の砂鉄について特別の調査費がつけられましたのですが、その関係で東北地方の砂鉄の開発事業が今後一段と進められると思います。その線によりますると、実は本年四百五十万円の調査費を特にいただきまして、それによって確定鉱量をさらに精査する。精査して砂鉄の銑工業及びその関連産業の立地条件を精査した上でその立地を確定しよう。あるいは電力問題あるいは輸送問題、そういうものもあわせて調査いたしまして、その上で本格的な開発計画を作ろうということで、実はただいま調査中でございまして、大体本年度の終りにはそういう調査の結果がまとまりますので、それに基きましてわれわれとしては確たる開発計画を作りたいというふうに考えております。
○宇田小委員 その点について重工業局はどう考えておりますか。
○鈴木説明員 砂鉄を使います電気銑の問題でございますが、実は昨年われわれその問題を非常に重視いたしまして、五カ年計画として、当時は年産電気銑が十五万トンでしたが、それを倍にして持っていこうというふうな案を考えていたのであります。しかしながら現状では今年三十一年度産は大体生産二十万トンというふうに予想しております。お手元に資料があると思いますが、三十五年度の予想はわれわれとしては三十八万トン、かような数字で大いに砂鉄を利用する電気銑の生産を伸ばしていきたい、かように考えております。むろんこれには交通、道路いろいろな輸送関係の問題化もございますし、また電力の確保ということが大きな問題であります。さような点も勘案し、同時に今後またさらに量が非常に多くはっきりつかめるということになりますれば、電力等と見合いましてこの計画を多くすることは可能と思います。 それから設備的な問題といたしましては、かような電気銑の事業に対しまして開銀の融資のあっせんをする、かようなことで昨年から今年にかけまして、電気銑の設備の大型化とかあるいは密閉化とか、かようなことのための設備として五億円に相当するような設備の推薦を開発銀行にいたしております。まだ決定しておりませんが、さようにして助成していきたいと考えております。
○小平小委員長 長谷川四郎君。
○長谷川(四)小委員 ついでだから今のことから聞きます。電気銑の鉱山局の方の考え方でいく生産と、重工業局の方の生産のバランスがとれていないのではないか。要するに電気銑の問題一つを取り上げてみても、鉱山局の方で生産をしようともくろんでおる生産高は、最小限度——私は四千五百万トンなんというのは最小限度であり、まだまだ九千三百万トンなんというそんなものではない。私の考え方はこの三倍も五倍も考えておるのである。あなたの方の考え方というのは、マッチしそうにない、バランスがとれていない、こういうふうに思うのだが、その電気銑の考え方をもうちょっと詳しく教えていただきたい。
○鈴木説明員 われわれの方は同じ省内でございまして重工業局と鉱山局といつも連絡をとってやっておるつもりでございます。ただ事業は、従来電気銑の原料として砂鉄を使います場合には非常に不安が業界にありましたのを——やはり砂鉄というのはあってないような、あるときはあると思ってもなくなるということがあります。相当はっきりした量をつかまないと事業ができないわけであります。従いましてわれわれとしましてはさような点を考えながら、十分この重要性も考えながら大いに指導していきたいと思いますが、現在のところでは、ただいま申し上げました通り今年度三十万トンというのを三十八万トンへ持っていこう、さらに鉱量がはっきりし、業界がそれでは一つ大いにやろうという場合には、さらにさらに育成していきたい、かような考え方であるわけであります推進する方法としましては、ただいま申し上げました通り開銀の資金の援助というようなことを十分考えてみる、かような方向で進みたいと思います。
○長谷川(四)小委員 まことにわれわれは申しわけないのだが、仕事をやれやれといっても金借りまであなたの方にまかせておいて、政府が率先してやらなければならない事業に政府みずからが乗り出していって金融をつけてやる、そこまで当然やらなければならないのだが、どうもそこまでやっておらないので、そういうことになるのだと思うが、いずれにしても私の考え方からいうと、まだまだそんなものではないのであって、もう少し一段とあなたの方が苦しい中でもごあっせんなさってそうしてすみやかに生産のできるような態勢を整えてもらいたいということを私は念願します。 鉱山局長にちょっとお伺いしますが、磁硫鉄鉱の件で、磁硫鉄鉱の生産をやっているのが国内に何個所ありますか。大きなものだけでいいです。
○森説明員 磁硫鉄鉱は従来活用の道が乏しかったので比較的おくれておる事業でございますが、最近鉄鉱資源としては一番有力なものとして着目されているところであります。それでわれわれの承知いたしております磁硫鉄鉱の山としては数個所ございますが、特に代表的なのは日本鉱業の山口県の河山、それから東北では赤金鉱山、それから中国の棚原鉱山、これは同和鉱業のものです。その棚原は磁硫鉄鉱と硫化鉄鉱と共存しておるという状態でありますが、大体この三つが一番われわれ顕著なものだと考えております。
○長谷川(四)小委員 あなたのおっしゃる通りだと思うのであって、磁硫鉄鉱が活用されるということになったのもごく最近でありまして、脱硫、脱銅というような点がはっきりとできるようになったという、その後でございます。しかし磁硫鉄鉱で日本がこれにもっと力を入れたならば、私はこれは相当大きな数字があげられると思うのでございまして、こういう点についても乏しい財政ではあるけれども、どうもあなたの方に言うのはまことに申しわけないので、私の方が金さえ出せばもっとやれると思うのだが、そういっても何らの処置ができないところが情ないところなのだが、もう少し磁硫鉄鉱を生かしてもらわなければならないと思うのです。今ほどおっしゃった大きなものをあげればその程度だと私は思うが、まだまだこの大きなものをもう一段と伸張し、そして活躍できるのだ、こういうふうに見てきておりますが、その点についてどうかもう一段と御活躍をお願い申し上げます。 さきの御説明の中でちょっとお聞きしたい点があるのですが、輸出の減少した理由は、国内の鉄鋼が高くなったから、国内で高く売れるから輸出が少くなったのか、その理由をもう少しはっきりと教えてもらいたい。
○鈴木説明員 その点はまず国内、輸出、両方の面で非常に需要があるわけでございますが、昨年あたりは相当輸出が出まして、今後の問題といたしましてはできるだけ自主的統制をやる、業界が輸出市場を確保しつつ、同時に国内の需要を満たそう、かような観点で自主的調整をお願いしておるわけでございます。そこでそのような状況になったわけでありますが、最近の情勢は、若干国内の需要が強いために、それに引きずられて輸出が減少している、われわれはそういうふうに見ております。
○長谷川(四)小委員 機械設備投資の拡大の影響であり、建築の増加だとか、消費財生産の増大、こういうものが影響して国内で需要が多くなったために少くなったのだ、そういうことも理由にあげられるだろうし、要は国内で売る方が価格が高く売れるから、結局輸出が少くなったのだともいわれるわけでございます。そこでこういう系統から見て、こういうふうに高くなったのはだれが一番金をもうけたんですか。どの部門が一番もうかったんですか。あなたの目で見てどうですか。
○鈴木説明員 非常にむずかしい問題でございますが、まずわれわれの見方から申し上げますと、大体鋼材の建値について申し上げますと、これについてはコストの影響を従来十分見ておりますので、これについて鉄鋼メーカーが従来より多く利益を得たという考え方は出ないと思います。しかしながら考えてみますと、市中価格はそれに比べると相当に高いから、そこでこれを売っているところは利益を得ていると言えなくもないと思いますけれども、これはまたさような鉄鋼の生産の場合には高いスクラップ、すなわちカルテルのアウトサイダーとして高いスクラップを買ってやっている。だからこういう非常に不安定な状況から見た結果で、果してだれが非常に利益を得ているかということは、ちょっと私ども確定的には申し上げ得ないと思います。
○長谷川(四)小委員 しかしこういうふうに、国内の需要の多くなっていくに伴って鋼材が高くなってきて以来というものは、もうここ一月や二月の問題ではないのでございまして、ここ半年前からこういう道をたどってきて極端に高くなってきているのでありまして、夜が明けると千円くらいずつ高くなっていることは、あなたも御承知の通りだと思います。これを見るに見かねて鋼材のあっせん所を作って下さったと思うが、あっせん所というものに携わる方はどなたが携わるのでありますか。
○鈴木説明員 それは鋼材クラブに鋼材あっせん所というものができまして、関係の鋼材クラブのメンバーから幹事が出て、それがあっせんの労をとっておるわけでございます。
○長谷川(四)小委員 そうすると鋼材が高くなったために非常に苦しみに陥られている中小企業者というものがたくさんあるわけですが、そういう方々が全部申し込んだときに、そのごあっせんに応じられますか。
○鈴木説明員 その点が問題でございまして、実は従来非常に供給量が少うございまして、七月にさらにそれを倍にいたしまして供給量をふやしておりますが、何せ申し込みが相当多いわけでございます。従いましてそれと同時にあっせん所扱いの品種的にも、あるものに殺到すればそれが十分まかなえないという事態も出ます。そこで考えましたのは、先ほど申し上げました輸入のプールでございます。大体従来は、政府が今度やります一期に五万トン程度の申し込みが鋼材の小口あっせん所にあったものですから、さような点を考えて、各メーカーから一%の二万五千トンずつ出してもらって、それを輸入鋼材で倍にし、そしてこれをできるだけ供給の円滑をはかるために小品扱いにやると、かようなことになっております。
○長谷川(四)小委員 要するに絶対量というものが需給のバランスがとれないのだ、こういうことなんでしょう。であるからそこにあっせん所を作った、これは非常にいい考え方のように思うが、このあっせんをしてもらえなかった人たちということになると、またこれが大へんあなた方に憎しみを持ち、親心が大へんなことになってくる。これは少しむずかしいと思うのだが、そうすると、そういうところに対して、あっせん所を通して全部をあっせんしてやるということになれば一番これがスムーズにいくわけなんですけれども、それができないということになると、高く買う人と安いものを買う人と二つに分れることになりますが、そういう場合に高く買った人に何かあなたの方で方法がありますか。
○鈴木説明員 非常にむずかしい御質問でございますが、今の経済は私が申し上げましたように政府が法律でもって統制してあるものでもございません。従いまして大きなメーカーは建値で従来の問屋を通じ、従来のお得意さんに売る。それから従来そういうルートで買わずに市中から買っておられた方は、今非常に苦しんでおられるわけです。そういう方に対して何らかの手を打ちたいというのがこの鋼材あっせん所の使命でございます。従いまして従来のお得意に売っていた分から差し引いて出すわけでありますから十二分にいかないということになりますが、これが十分効果を上げるようにわれわれは望んでいるわけであります。第一段の策をさらに補完するために、さっき申し上げました輸入鋼材をプールして量を増して しかもそれは輸入鋼材をプールいたしますから建値よりは高くなりますが、市中の相場から見ますれば相当安い値段でいけるような価格で供給の円滑をはかりたい、かような努力を続けておるわけでございます。
○長谷川(四)小委員 私の聞きたいのは、あっせんをされる方々は自分の力で幾分でも安いものの契約があり、また買える人たちであって、依然としてあっせんを受けられない人は同じ苦しみを持続していくんだ、こういうことに結論づけられやしませんか。それではせっかくのあなたの肝いりのあっせん所が、かえって何かの的になりはしませんか、こういうことに考えられるからお聞きするのでございます。でありますからこのあっせん所を、これより以下のものに対しての苦しみの点をあっせんしてやるということならば、一定のレベル以下のものにする。あなた方のあっせんするのはそのレベルの中に入る人たちのみじゃないか、だからこの点を十分に考えてもらわなければ、せっかくの肝いりが何もならなかったということになりはしませんか、こういうことなんです。頭のいいあなたがやるのだからそういうこともないだろうけれども、そういう点について十分気をつけなすってやって下さい。 それから輸出鋼材のあっせん所というのもこれと同じケースでございますか。
○鈴木説明員 大体同じような考え方でございます。
○長谷川(四)小委員 さらにもう一つ承わりたいのは、やはり海外から資源を求めなければならないのだというお話でございます。今なるべく近いところ、料金の安いところからというようなお話もありましたが、一番可能性のあるところはどの辺でございますか。
○鈴木説明員 現在鉄鉱石につきましては大体東南アジアが主でございます。従いまして大きなソースはやはりマレー、フィリピン、コア、インド、香港、さようなところでございます。
○長谷川(四)小委員 鉱山局長さん、カナダからスラッグですか何か、チタン関係のやつ、あれは石原産業でよく入れたのがありましたね、あれは今どうなっておりますか。
○森説明員 それは引き続いて輸入をされております。
○長谷川(四)小委員 何トンくらい年間輸入しておりますか。国内の生産はそれとマッチしておりますか。その二つを聞かして下さい。
○森説明員 ただいま正確な数字を持っておりませんのでまことに失礼でございますが、大体国内のチタン原料として、たとえば東北の蒲沢鉱山というような非常に有望な鉱山がありまして、国内資源によるスラッグも相当量生産されておりますが、大体輸入品と国産原料によるものとが半々くらいに御理解願って大した間違いはあるまいかと考えております。
○長谷川(四)小委員 やはり依然として輸入しなければ、国内のチタン・スラッグでは間に合わないということになりますか。
○森説明員 輸入スラッグを特に使っておりますのは、チタン・ホワイト、それからまた酸化チタンと申されておりますが、これは非常に経済的な、つまり価格の面が問題でございまして、その製品の価格を適当ならしめるためには輸入品の方が安いので、それを使わないとどうもやっていけないというようなことでありますが、根本的にさかのぼりますと、これは日本の技術がそれだけおくれているということでありまして早く技術の向上を来たしまして、輸入スラッグにたよらないでも安いスラッグができるというふうにいたさなければならないと考えております。
○長谷川(四)小委員 これらの関係は重工業の方とも関連がありますので、あと懇談会においてゆっくりと御意見を承わることにいたしまして私は質問を終ります。
○小平小委員長 多賀谷真稔君。
○多賀谷小委員 まず本年度の見通しについて本年度は生産の増強に、加うるに輸出の減少による供給増という異例な処置をとる、さらに緊急輸入をして昨年の供給の四割増を確保した、こういうお話がありましたが、私はむしろ三十二年度を聞きたい。本年度はやっとこれによって糊塗するにしても、三十二年度はどういうような状態になっておるか。すなわち政府は五カ年計画を出して、そして毎年七・四%一般的な生産指数を伸ばし、鉄鋼においてはたしか四・五%の増を見ておったと思う。そこでもう三十一年度の本年度にきて三十五年度の最終的な年度の目標をはっきりする、こういううれしい悲鳴といいますか、こういう状態になった。そこでこの五カ年計画を策定するに当ってなぜ鉄鋼の伸びを四・五%というように押えたのか、私はこれをまずお聞かせ願いたいと同時に、三十二年度はどういうふうにしてしのがれるつもりであるか、これをお聞かせ願いたい。
○鈴木説明員 まずこの鉄鋼計画がなぜさような低目であったかという問題でございますが、これは従来経企庁が中心となりまして五カ年計画を作りました当時の日本の経済の成長のレベルというものが大体低かった、低く見ていた、さようなことで大体鉄のそれに対する需要の見方も低かった、かようにわれわれは考えております。さようなわけでこういった違いが出てきた。しかし同時にこれは日本ばかりでなしに、世界におきましても、非常に現在鉄の状況が不足しておりまして、さような点から見て世界的のレベルが急にこの一、二年上ってきたということが大きな原因ではないか、かようにわれわれ考えております。さようなわけでイギリスあたりでもその他の国でありましても、一般の産業に対しまして鉄の伸びは特に見込みが違っていた、かように考えられるわけであります。それから御質問の来年の問題でございますが、実は御質問のような点を心配してわれわれとしても鋭意来年の計画を作成しております。わかりますことは、銑鉄につきましては大体今年度から五、六十万トン増産ができ得るだろう、こういうことは言えるわけであります。ところがまだわれわれがこれから検討します問題は、スクラップがどれだけ確保できるか、これはいろいろ事情がございまして、目下検討いたしておる状況でございます。それが大きな生産のファクターになります。それから需要はそれに対して幾らふえるか。これももう少し状況を見てきめたいと思っておりますが、需要の問題いかんによってはやはり相当鋼材を輸入する必要があるのじゃないだろうか、かように考えています。現にわれわれはこの下期で五十万トンの外貨予算のワクを持っておりますが、それはもちろんこの三月の末までに入る分ではございませんで、むしろそのうちの相当部分は来年度に実際は入荷するというふうな数字に考えております。しかしながらこういうふうな点を考えまして来年度の需要を幾らにすべきか、それと同時にスクラップが幾ら確保できるかということによって、来年の計画をできるだけ早目に立てたい、かように考えております。
○多賀谷小委員 まず第一の五カ年計画の策定の問題ですが、一般の生産指数を五カ年計画では七・四%と見ておる。それに対して鉄鋼は四・五%の伸びを見ておる。私はどうもこの点がいわば解せないのです。なぜかように低く鉄鋼を見積っておるか。こういう点がどうも策定に当ってそごがあるのではなかろうか。と申しますのは、実績の方はどうかといいますと、一般生産指数は二十九年から三十年が一二%、さらに三十年から三十一年度が一七%から一八%といわれておる。一方鉄鋼はどうかといいますと、実績は二十九年から三十年が一九%の伸びを示している。ですから一般指数よりも鉄鍋の伸びの方がずっと多いわけです。これは現在の状態が非常に異例なのか。それにいたしましても一般の生産指数の七・四%に対して鉄鋼の伸びを四・五%と考えたのは、著しく低く見積ったものではないか、私はかように考えられるわけです。その点についてお答え願いたい。
○鈴木説明員 ちょっと数字の点が私わからないのでございますが、大体われわれの承知しておりますところでは、一般の鉱工業生産指数と内需向け銀塊生産の過去の増加率を比較いたしまして、前者は一二・三%、昭和二十六年から三十年度、それから後者は……。八%というふうになっておりまして、鋼塊生産の方が若干下回っております。それから経済自立五カ年計画の鉱工業生産指数は各年七・四の増加率でございますが、これは過去の実績の一二・三の約六〇%を押えるというふうにわれわれ聞いております。それで鋼塊の場合にもやはりこれを適用しまして、昭和三十年、三十一年の増加率が一二・七%であることを勘案して、三十一年度以降大体六%というようにしているとわれわれは聞いておりますが、その点われわれの方も数字が間違いであるかもしれませんから、もう一ぺんはっきりいたします。そういうふうに聞いております。
○多賀谷小委員 それでは経企庁も見えたところでぜひ質問をいたしたいと思うのですが、三十二年度の問題として先ほどもお話がありましたように、アメリカとのスクラップの問題が——かなりアメリカは抑制を要請してきておる。現在本年度においては何とか確保できそうだけれども、まだ見通しは十分わからない、こういう話です。ですからこのスクラップ問題はかなり鉄鋼生産に影響すると思うのですが、銑鉄の生産の増強のお話がありましたけれども、スクラップが十分入らないということになると、この前お話のありました酸素上吹き転炉の問題もあると思うのですが、そういう点は十分経済計画とマッチしておるわけですか。
○鈴木説明員 御指摘のまず最初の点でございますが、われわれは来年度の需給を考えます場合に、できるだけスクラップを全力を尽して確保いたしたい、かように考えております。 それから鞍炉の問題は、実は来年大体四基ぐらいのものが途中ででき上りますが、しかし、御承知かと思いますが、これは鉄源として足りない場合は、やはり転炉ができましても、結局転炉が銑鉄を百パーセント食えば、それだけどこかで足りなくなるわけでございますから、その点は計画としては同じわけです。ただスクラップにかわって銑鉄がうんと増産できれば、その点は非常に楽になる、かような状況になるわけであります。
○多賀谷小委員 船賃の問題がございましたが、従来からとにかく問題になりました鉱石専用船の問題は、一体どの程度計画が進んでおるのか、これをお聞かせ願いたいと思います。
○鈴木説明員 この点よく御質問をいただくわけでございますが、現在の段階では、この二、三カ月前に鉄鋼関係の大きなメーカーで話し合いがまとまりまして大体まずとりあえず第一次的に十五隻、年々三隻ずつのものを作っていきたい。しかしその方法につきましては、よく海運界なりと相談してやっていきたい、かようなことを民間できめたわけでございます。従いまして、これを中心にして今後われわれとしては推進していきたい、かように考えております。これがまず第一次の対策でございます。さらに今後新しい鉄鉱石の開発の地点、開発の計画等がきまりましたならば、あるいはそれと関連して港湾施設等がきまりますれば、また内地の港湾施設、さようなことを考えて鉄鋼業界と連絡し、第二、第三と、そういうような計画について研究していきたい、かように考えております。
○多賀谷小委員 鉱石専用船が年々三隻というのは、いわゆる鉄鋼メーカーが持つ白船ですか、そうしてそれに対しては融資の処置はあるのですか。それとも自己資金でやれる態勢にあるのですか。
○鈴木説明員 その点は鉄鋼メーカーが持たないで、むしろ海運業界と相談して、海運業界にお願いしたいというような考え方でございます。しかし、それにつきましてはいろいろな意見がございまして、最終的な結論は出ておりません。
○小平小委員長 椎名悦三郎君。
○椎名(悦)小委員 大体皆さんの御質問が各角度からありましたから、そう聞くことも私は持っておりませんけれども、一つ伺っておきたいと思います。 三十上年度の砂鉄による銑鉄生産計画は二十万トン、三十五年度においては三十数万トン、ただしこれは現在における計画であって、資源がなお多量に確認される場合においては、さらにこの計画をふくらますこともあり得るというお話がありました。東南アジアでは足りなくて、さらにインド洋まで出かけなければならぬというような状況にあるので、もし国内に相当有力な資源があれば、これをふやすことをまずもって考えなければならぬ。そこで私は問題は二通りあると思うのです。まず砂鉄なり磁硫鉄鉱の資源の調査をやっておられるというように承知しておりますけれども、数カ月前に聞いた数量も、今日伺う数量も大してふえておらぬ。これは手元にある資源の確認に対して少し手ぬるいじゃないか。そういうような点についてどういう方法をとっておられるか、もう少しスピード・アップをする必要があるのですが、そのスピード・アップの方法について伺いたい。
○森説明員 これまで申し上げました埋蔵量は三十年度の調査の結果の数字でございまして、本年度に入って発見いたしましたものはこれに追加いたしておりません。大体予算の関係で、一年間にわたって、前の三分の二くらいの期間で調査をし、残りの三分の一の期間で各調査班が調査した結果を調整し、かつそれを報告書にまとめるというようなわけで、一年単位で取りまとめをする関係上、どうしても現在はっきり申し上げられる数字は、三十年度末の確認量ということになるのでありますが、しかし今後はやり方によればもう少しその作業をスピード・アップして、一度、年の半ばで中間的にまとめて、しかもそれがその年の成果の大部分を占めるというようなことに持っていく余地もあるかとも考えられます。これらは今後やはり大いに仕事のスピード・アップをするという方向で改善を加えていきたいと考えます。
○椎名(悦)小委員 少しのんき過ぎるように考えられます。いまさら数字をあげて申し上げる必要はありませんが、砂鉄資源なり磁磁鉄鉱なりというものは、今も引当ある。あるあるということを人がやかましく言っておる。半年前に聞いたことと、今日聞くこととほとんど同じであるというようなことは、どうも少し手元の資源に対して、ちょっと冷淡であるというか、のんき過ぎるというか、その点につきまして、私は非常な不満を感ずる。こういう点はあらゆる方法を使って、あらゆる方面を鞭撻督励して、そうして一日も早く国内の資源を確認するという方向に御努力を願いたい。今、多賀谷委員からお話がございまして、需要は相当ある、しかし供給計画がこれにマッチしないではないか、こういうことでありましたが、今日の経済の建前からいって、これは国家が計画して、国家が先頭に立って生産計画を行うのでない、いわゆる計画経済でないという関係上、国の方でいろいろ奨励はしておるけれども、業界の連中が進まないために、実際は、業界の連中の手元にある計画を集計して、これが計画だといっておるような状況でありますから、そういう経済の建前でやっておる限りやむを得ない。やむを得ないと思うけれども、しかしながらこれはただぼんやりしておらぬで——私は無理やりにひっぱっていく計画経済がよいかどうかということについては多分に疑念は持っております。しかしながら、少くとも指導経済の程度まではいかなければいかぬ。指導経済ということは、要するに鉄を作るなら金はあるぞ、それから資源はこれだけあるじゃないか。資源の調査というものは、そろばん勘定の連中にまかせておいてはだめなんでありますから、国家が率先して資源の調査をやって、これを確認して鉄源はここにある、それから必要なる資金の供給はこっちに用意ありということで指導して、そうして持っていかないといけぬじゃないかと思うのであります。これを無理やりに何ぼ作れといってけつをひっぱたいてしまうと、これはどうも鉄のような格好のものだけができて、中身はどうも巣みたいなものができるかもしれない。ちょうど軍事経済の飛行機増産に見るような、あまりやれやれといってかけ声ばかりかけると、内容の伴わないものができますから、これもいかぬ。いかぬが、それもほどほどにやらぬといかぬと私は思うのであります。そういう意味において資源の確認だけは一つスピード・アップをやって、ぜひ一日も早く——半年前に聞いたことと今聞いたことと全然同じじゃどうもわれわれはどうかと思う。この点を強く要望いたします。
○小平小委員長 本日はこれにて散会いたします。 午後三時一分散会