商工委員会 第58号
- 発言数
- 93 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/05/30
会議録
○神田委員長 これより会議を開きます。 まず請願審査小委員会設置の件についてお諮りいたします。ただいままでに本委員会に付託せられました請願は、合計八十一件でありますが、これらの請願の審査のため、小委員七名よりなる請願審査小委員会を設置することとし、なお今後本委員会に付託せられるものがありますれば、これもあわせてこの小委員会の審査に付することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○神田委員長 御異議なしと認めます。よって請願審査小委員会を設置するに決しました。 なお小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○神田委員長 御異議なしと認めさよう決定いたします。 それでは 小笠 公韶君 鹿野 彦吉君 小平 久雄君 笹本 一雄君 長谷川四郎君 中崎 敏君 永井勝次郎君 を小委員に、小平久雄君を小委員長にそれぞれ指名いたします。 —————————————
○神田委員長 次に通商産業の基本施策に関して調査を進めます。 理事会の申し合せにより外貨割当、外資、貿易に関する諸問題について質疑を行います。質疑の通告がありますので順次これを許します。佐竹新市君。
○佐竹(新)委員 先般本委員会におきまして、外貨割当の全般に対しまして質疑をいたしました。その質疑の経過におきまして、いまだ事務当局の方からも、また大臣の方からも結論的な答弁を得ていないものがありますので、その後の処理経過を、委員会で問題になった点の処理経過をいかようにされたかという点で、私は順を追って質問をいたしたいと思います まず通商局長に質問をいたしますけれども、先般私は韓国ノリの輸入の問題について相当な時間をいただいて質問したのでありまするが、そのときにおきましては、ただ事務処理の問題の経過についての御答弁であり、大臣に対しては結論的にはこうした事務当局の事務の処理が非常に不当であったということに対しての責任の点をお尋ねいたしましたが、これも最後的な結論を得ていないのであります。ここで重ねて質問をいたしますが、この韓国ノリの問題は、私は先般お尋ねしましたように、非常に疑惑に包まれている問題であります。また事務当局といたしましても、その事務的な経過が非常に失態であったことは明らかでございます。そこでその後におきますところの処理をどのようにされているのであるか、お尋ねを申し上げます。
○板垣政府委員 韓国ノリの問題につきましては、昨年某商社の債権回収のために無為替輸入を許可したことに端を発しまして、ただいま御指摘の通り行政上遺憾の点が出て参りましたことは、前々から申し上げている通りでございます。私どもといたしましてはその後鋭意その矯正方の研究をしておったわけでありますが、たまたまこの問題は、新しき本年度の韓国ノリの輸入問題とも関連いたしますので、それと関連して関係方面とも十分協議いたしておった次第でございますが、最近やっと結論が出た次第でございます。第一には本年度の輸入のノリの総量の問題、昨年通関停止のために未通関のまま税関にあるノリの処置の問題、さらにただいま御指摘のありました認証違反をいたしました商社の処分問題、大体この三つでございますが、まず韓国のノリの本年度の輸入問題につきましては、生産業者と輸入業者との間に構成をいたしております韓国ノリ需給調整協議会に諮問をいたしまして、その結果昨年から通関停止になっている分、本年度新しく入れる分、全部を入れまして本年度一億枚という結論が出ました。これも今後国内のノリの生産の増強に従いまして漸減の方針をとるということで、衆参の関係委員会とも打ち合せをしまして、私どもとしましては本年度一億枚を入れようということに決定をいたしました。 それから昨年度から通関停止になっております今約五千万枚につきましては、その一億枚の中に入れまして、できるだけ近い機会に買い入れをすることになりました。 最後に念書違反の商社に対しましては、その行為をいろいろと調査いたしましたところ、はなはだ不都合なる点が発見されましたので、これに対しましては厳重なる処分をいたすことにいたしました。その処分の内容につきましては、個々の商社に対する行政処分の問題でございますので、この公開の席で発表いたしますことは差し控えたいと存じますが、厳罰主義で臨む方針でございます。
○佐竹(新)委員 そういたしますと今年度保税倉庫にあったものは、私の聞いておりますところでは三千五、六百万枚というふうに記憶しておったのでありますが、今の局長の答弁で五千万枚、それから今度新たな今年度の割当が五千万枚、計一億枚、こういうふうに解してよろしいのでございますか。
○板垣政府委員 それを少し詳細に申し上げますと、すでに輸入手続といいますか、日本に到着いたしまして未通関になっておるものが、正確に申しますと三千二百万枚でございまして、そのほかに実は中共と取引をやつておる商社の分で向うの輸出許可がとれなかった分が二千五百万枚でございます。これを合せまして昨年から繰り越しの分ということになります、従ってそれを差引いたしました残りの分が新規輸入ということになります。
○佐竹(新)委員 中共との取引といいますと、一応日本の方からこれを割り当てて日本の方に入れて、さらに中共との貿易に使うノリのことを言うのでありますか。
○板垣政府委員 昨年韓国側の李承晩大統領が、台湾などの例にならつたのか、中共と取引しておる日本商社に対してはノリの輸出の許可を韓国では与えないという措置をとったわけでございまして、それに対する分でございます。しかしながら日本側、私どもといたしましては、これはあくまで韓国側の言いなりになる必要はないと思いますので、あくまで日本商社に対する外財割当は有効であるという措置をとっていきたいと思います。従いましてあるいは今後依然として韓国側が中共と取引をしている商社に対しましてノリの輸出許可を与えないというような事態が続きますならば、私どもとしましては信用状の代理開設等を許しまして、事実上入れ得る措置をとりたい、かように考えております。 〔委員長退席、鹿野委員長代理着席〕
○佐竹(新)委員 御承知のごとくノリの問題は、韓国から輸入されてきますことによって、わが国の生産者が相当の打撃を受けるということで、先年、先々年の水産委員会あるいは農林水産委員会におきまして大きく取り上げられた。そこで当局の方でも需給安定協議会というようなものを作られまして、入れるための調整の場所にして、国内の生産者の打撃を緩和していくということで、御承知のように全国のノリの組合が輸入いたしました場合には、保税倉庫に入れて、保税の倉庫料であるとか関税であるとかいうものを一定期間負担をいたし、その輸入の調整をしておったわけであります。しかしながら今回の問題はそういう一つの機関を無視したといっては語弊があるかもしれませんが、通産当局の方で特定の商社に入れることを許された。これも市場に売ることが目的でなくて、一定期間保税をするという念書をとつて入れられたのでありますが、その念書をとつておきながら、念書違反をしたところに問題があるわけであります。かかるごときことが今後正当な外貨割当によって入り、需給安定協議会あたりで承認を与えたものでないものが入ってくるということになりますと、これは輸入の秩序を乱すのみならず、かつまた国内生産に大きな打撃を与えるのでありますから、この点は私は本委員会において厳重にしなければならぬということを申し上げたのでありますが、今の局長のお言葉によりますれば、そうした念書違反をした商社に対しては厳重な行政措置をとる、こういうことでございますから、私は当局の言明を信頼いたしまして、これ以上は申し上げませんが、水産関係の事務当局の方がおられましたらお尋ねしたいと思うのでありますけれども、大体においてわが国のノリの生産者、いわゆる生産業者に打撃を与えない、それがために年間において韓国からどのくらいのものを入れたならば国内消費の需給調整ができるのか、こういうことについて御調査になっておればこの機会に御答弁を願いたいと思います。
○太田説明員 私水産課長でございます。ただいま佐竹先生の御質問にお答え申し上げます。実はノリの需給の問題に関しましてはどのくらい一体有効需要があって、どのくらいの輸入が許されるのかということでありますが、国内の生産は徐々に回復しつつありまして、われわれの現在手元に持っております統計によりましても二十九年度は十三億枚、三十年度においては十四億五千八百万枚というふうに生産が順次伸びております。それに見合いまして輸入の方はどの程度に抑えたらよいかということになるわけでありますが、その点は結局需要がどの程度に見られるかということになるわけであります。実はその的確なる調査は現在のところありませんので、一応本年度におきましても大体前年度の一億枚程度ということできめた次第であります。
○佐竹(新)委員 私は本委員会の委員になるまで農林水産の方の常任委員をいたしましておりまして、農林水産関係においては詳しくいろいろの角度から知っておるのであります。やはり水産当局の方で一応の国内の需給がどのくらいあって、韓国からどの程度入れたらよいかということはやはり業者の方ではなるべく少く入れてもらいたい、これが業者の考え方であります。そうすれば日本国内のノリの生産が高まってきますから、それだけ利益が大きいということになりますから、自己の産業を保護する上においては当然であります。しかしながら消費者の面から申しますと、値段もあまりつり上げられると消費の関係においてやはり困るから、安くしてもらいたいということになる、その関係を調整されるのが官庁のお仕事であります。その統計を出されるのが官庁のお仕事であります。してみればやはり昨年は一億枚入れたのだから、本年度も一億枚入れるのだ、こういうことではわれわれどうも納得がいきかねるわけであります。やはり国内の消費の関係と生産の関係と輸入の関係、この三つの関係をにらみ合せて、そこで当局が一つの数字を出されまして本年度においては大体においての生産がこの程度であるから、このくらいな枚数を入れたらいいのではないかという一つの基礎資料をお持ちになることが必要ではないかと考えるのでありますが、そういう点におきまして、もちろん水産庁はその方が仕事でございますから、十分に国内のノリの調整の関係をお考えになっておられますか知りませんが、大体本年度におけるところのノリの生産の関係は、地方的にいってどこが非常によくてどこが悪いかというような点は御調査になっておりますか。
○太田説明員 実は先ほど申し上げましたように、ノリの国内生産の状況は、全体的に見まして漸次回復しております。本年度どの地域がどういう状況であるかということにつきましては、私ちょっと存じておりませんので、後ほど調べましてからまたお答え申し上げたいと思います。
○佐竹(新)委員 こういうノリというものは、あなた方御承知のように、これは朝鮮におきましてもあまり食べない。中共にも向かなければ東南アジアにも向かない。ノリの消費はほとんどわが日本がやる。日本がやるために、韓国が日本と合併して日本の領土でありました当時に、日本から行って教えて作らしたものであります。それが非常に適地でありましてよくできると聞いておりますが、しかし韓国の方からだんだんやはり日本向けにきて、日本の品物との交換をするというときに、生産の拡大をしてきます。台湾のバナナと同じようなことでありまして、バナナが日本へ入らなければ日本の食生活に大きな影響をするというものではない。私は一種のぜいたく品であろうと思いますけれども、日台協定によりまして一定のものは国内に入れなければならない。ノリがちょうどそういうような関係になっておるのであります。従いましてやはり国内の消費者の需給を満たしまする上におきましては、国内の生産というものを拡大していかなければならない。なるべくよその国から入れずに日本の国内で、ことに漁業というものはわが国においては非常に大きな産業でございますから、従いましてこういうような浅海の漁場というものは、ますます政府も資金を入れて生産の拡大としていくという方向に予算的にも水産庁は考えておられるようにいろいろ聞いておるのでありますが、そうして参りますとどうしても韓国との関係上、これは李承晩ライン、親善関係、そういうような一貫的な大きな政治的な点から考えまするときに、やはり一億というものは入れなければ——国内でそれだけはいらないのだが、いろいろな関係で入れなければいけない、そういうことになって参りますと、これが一つの慣例になりまして、いつまでたっても一億の数字は下らないということになりまするならば、今あなたの御説明のようにわが国が生産を拡大していきましても、なお一億入れるということになって参りますると、これは将来日本にとっては非常に損になることであろうと思うのであります。こういうような点に対しまして、水産当局並びに通商当局は、ことしはさしあたり一億というような輸入を一応認めるけれども、来年度の生産拡大によってはこの数字を下げることが可能であるかどうか、この点についてはどういうようにお考えになっておるか。
○板垣政府委員 実はただいま水産当局からお答えしましたように、国内の需給との関係で、まだ正確な調査ないしは結論は出ていないのでありますが、通商当局だけからいいますと、私どもはまた別の観点、すなわち韓国との通商拡大、それから国内の消費者にノリをできるだけ安く食わせる、こういう観点をどうしても重視いたしますので、その点から言いますると、私の感じといたしましては実は一億枚というものは少い数字だ、もう少し入れてほしいという希望を持っておるわけであります。しかしながら何といいましても、ノリの輸入は国内の生産業者との関係をどうしても調整しなければなりませんので、私どもとしましてはこの数量をきめる上におきまして、常に需給調整協議会の意見を完全に聞いてきめることになっております。今年度は一応生産業者との間に話し合いがつきまして一億枚となったのであります。今後の方針につきましては、やはり漸減方針ということはそれぞれの関係の方から要望がございまするし、私どもも考え方といたしましてはその方向で進みたいと存じます。しかしながら来年度果して一億枚より減らすことが全般の関係からいっていいかどうか、あるいはもし一億枚でも、まだ来、年一度に至っても国内の生産との関係で、大して大きな影響はないというような結論がもし生産業者との間で決定いたしますならば、必しも減らす必要はないのじゃないか。しかしながら、どうしても来年度において国内の生産量も相当ふえる、従って韓国ノリを輸入しなくても国内で十分にまかなえるし、かつノリももっと安くなるという見通しがつきますれば、私どもただいま観念的に考えております漸減方式に従って、漸次減らしていきたい、こういうような考えでおります。
○中崎委員 関連して。これは通商関係と国内の経済政策に関連する基本的問題にもなると思うのでありますが、今局長はできるだけ消費者に安い価格のものを供給したい。これは当然のことなんです。しかし一面において、これがために国内産業が致命的な打撃を受ける、少くとも不当にそれがために価格に大きな打撃を受けて、そして事業が成り立たないということになりますと、それはもうすでに限界を越えたものというふうに考える。従いまして今のノリの場合において、国内におけるところのノリの生産コストというものは一体どういうものであるか。現在ノリの業者はそうべらぼうにもうけておるかどうか。ノリの適正な価格というものは、どういうものが一体正しいのかということについての見解をまず聞いておきたいのであります。
○太田説明員 実は韓国ノリの輸入の問題とからみまして、その点についてはいろいろ研究している段階でございまして、いまだ申し上げるほどのものもございませんので、ごかんべんをいただきたいわけでございますが、非常に困難かと思いますが、いずれ調査をいたしまして御報告申し上げたいと思います。
○中崎委員 実はこうしたノリについては、幾多の政治的な疑惑のある問題なんであります。そうした問題が今みたいなような、至って調査粗漏のままに、一つの政治的感覚から多くを動かしておるというような印象を持つということは、非常に遺憾であります。従いましてすみやかにこの点については、農林当局とも十分連絡をとられて、国民が納得のいく方法によって、なるほど政府は今回これだけの措置をとったのは当然のことであるというふうな方針のものに、この問題と取つ組んでいただくことを特に私から要望しておく次第でございます。
○佐竹(新)委員 ただいま中崎委員の方からも御質問になりましたが、輸入の取扱いをいたします商社の問題でございますが、いつもノリは莫大な利益がある。従ってこれにはスキャンダルがつきものになってくる。通商当局としては、事務的にそういうことなしにやっておいでになりましても、この外貨の割当等をめぐりまして、相当スキャンダルがあるようにうわさされるわけであります。うわさされるだけでもその責任の一端はやはり通商当局にも関係してくるという結果になるのでありますが、本年度の外貨の割当に当りましては、いかような処置をもって臨まれるのであるか、この点を答え願いたい。
○板垣政府委員 御指摘の通り、韓国からのノリが比較的生産業者との関係があったにかかわらず、需要が相当強い。しかるに輸入は相当制約をされております関係で、非常にこれに対して殺到しておる。そのために私どもが毎年ノリの外貨割当に苦労しておる次第でございますが、この経験にかんがみまして、本年度の割当からは——先ほど申し落しましたが、実はこのノリを一億枚入れるにつきまして、新規に入れる分につきましては、今後は先般国会をお通しいただきました特定物資輸入臨時措置法を適用いたしまして、この特定物資の一つとして差益を吸収するという方法をとりたいと思います。そういたしますれば国内の生産業者との調整もある程度できますし、ただいまの過当利潤に向って輸入申請が殺到するという弊も除かれるのではないかという、ふうに考えております。
○佐竹(新)委員 私もその点をお尋ねしようと思っておったのであります。せっかくああした臨時措置法ができたのでございますから、ノリというものは非常にうわさに上っておる問題でありますから、ぜひとも特定物資の措置法の中に入れて差益の吸収をして、そして商社は、疑惑つきのいろいろスキャンダルを生むような批評のあるところの割当はぜひしてもらわないように粛正をしてもらいたい。そうしていただきまするとだんだん業者の方もまじめになってき、また需給安定協議会に入っております構成の中におきましても、きわめてまじめな議論がそのまま輸入に、あるいは生産に、消費にというようになって参りますから、そういう点をぜひルートを正しく乱さないようにやっていただくということを、重ねて警告をいたしておきまして、ノリの問題につきましては質問を終ります。
○中崎委員 ただいまの問題に関連して質問したいと思います。実は先般国会を通過しました特定物資の価格差益の臨時措置法についてでありますが、今ノリの場合についてもその品目に指定して、同じ扱いをするという通商局長からの御発言でありました。ところが例の臨時措置法につきましては、考え方は差益を国家がとるというのでありますから、考え方そのものは間違つていないと思います。ところがどういう方法で一体差益をとるかというその方法論になると、非常に考えなければならぬ幾多の問題があるのではないかと思います。従いまして一定の金額を差益で予定して、その金額で入れさすというふうなことになると、その金額が適正を期し得るかどうかということは問題であろうと思うのであります。また一面においては従前の実績を持った業者のみを指定して、そうして政府の方で予定しておる一定の金額を入れさすということになるならば、新しいところの業者は全部締め出してしまうという結果にもなってくるし、たとえばバナナの問題についても、先般全芭連については実績としないということを言われるにもかかわらず、実際においてはやっぱり一定の金額をもって今度は入札の対象とされるのではないかと思うのであります。そうなるとどういうふうな方法で、実績としないというふうな人たちに対して割当をするのかという問題になると、なかなかこれはむずかしい問題です。言いかえれば、実績としないと言うにかかわらず、実際にはやはり実績を認めるということになるのではないか。そうすれば今度は入札のときにたまたま落札しなかったというふうな人は一体どうか。従前の輸入関係の業者が一体どういうふうな立場において認められるのか。あるいは今度は新規にある範囲において、これは輸入を認めてもいいのじゃないかというふうなものも中にはあり得る。言いかえれば、従前のもの以外に新規には全然門戸を閉ざして、そうしてそれを締め出しをしてしまっていいのかどうか。そうして価格差益のあの法案というものは、完全に政府が当初意図しておったような方向にそれがうまく運営できるのかどうかということになると、ここにまた一つ問題があるのではないか。そこでああしたような法律を実際に適用し運用する場合において、そうしたような新しく門戸を開放するという問題については、一体どういうふうに考えておるのか。具体的にはどうしようとするのかということについてお聞きしておきたいのであります。
○板垣政府委員 御指摘の通り、特定物資に関連する物資につきまして、新規業者をどの程度入れるかという点は非常に大きな問題でございます。バナナにつきましては、御承知のように、加工業者を加入さしたわけであります。ノリにつきましても、当初の案では、私ども実は一億枚以上入れてもらいたいという意見を持っておった。ですからその際にはある程度新規業者につきましても入れようという考えを持っておったわけであります。しかしながら生産業者との話し合いによりまして、結局去年からの繰り越し分も入れて一億枚という数字になりましたので、先ほど御説明申し上げました通り、新規輸入分は五千万枚、四千数百万枚というわずかな数量になります。従ってこの際新規業者を新しく入れますと、非常にわずかな数量の分配について非常に困難な問題が生じますの しで、私ども現在の考えでは、少くとも今年に関する限り、ノリに関しては一応新規業者はやめまして今後の問題にしたいというふうに考えます。 またもう一つの根拠は、実は昨年半分くらい新規業者を認めておるわけであります。従って昨年度においては相当新規業者が加入をした。すでに百社に近いノリ輸入業者が参加の資格を得ておるわけでございますので、今年度全体の数量も少いことでありまするし、それから去年一応資格者は拡大されておりますので、今年は従来通り実績主義でいきましてもそう大きな支障はないんじゃないかというふうな考え方であります。
○中崎委員 もう一つですが、実はノリの場合におきましても、今税関において保留されておるものは、ある意味において密貿易に類するといいますか、そういうふうな性格のものもあるのではないかと思うのでありますが、そういうふうなものが実際において今回実績としてというか、その取扱いを認められるという結果になるのではないかと思うのでありますが、もしそういうふうなものをそういう扱いをするとならば、今後においても同じようなことが起るんじゃないか。従ってそういうような場合においては、それは新規業者であっても実際においてはそれに加入するような結果になるんじゃないかというふうに考えておるのでありまして、ことにこれが定額の差益を国家へ納めるというふうなことになるならば、一そうこの問題は、そういうふうなものも入り得る余地がはっきりできるんじゃないかというふうに考えるのでありますが、この点どういうふうになっておりますか。
○板垣政府委員 密輸入のものにつきましては全然問題になりませんが、かりに密輸入にまで至らない不正規輸入分が、私ども今の考えでは、全体の数量は非常に小さくなるので、不正規輸入分を正常ルートで入れさせるということはただいま考えてはおりませんが、もしかりに何らかの措置でこれを輸入させるということにいたしましても、これを実績に勘定するということは考えておりません。
○佐竹(新)委員 次は、先般やはりこの委員会で問題になっておりましたバナナの問題でございますが、御承知のように差益の方は参議院を通過いたしました。台湾との協定ももはやできたというふうに聞いております。そういたしますと、通産大臣が本委員会において、その当時は五月十五日を目途として新しい割当をするという御言明をされておったのであります。また河野農林大臣も、全芭連が疑惑を持つようなことがあってはいけないから、通産大臣と話し合って早期に割り当てるということを御言明になっておるのであります。しかるに今日参議院は法案が通過いたしまして、それから日台協定も完了いたしましたが、今年度分の割当をいつされるのであるかお答えいただきたい。
○板垣政府委員 御指摘の通り日台貿易の調印もされまして、バナナは昨年と同様四百五十万ドル入れることになりました。一方特定物資輸入臨時措置法も国会を通過いたしましたが、この方は官報掲載等の手続等の関係もありまして、六月五日に施行されるということになっておりますので、六月五日以後できるだけ早く新しいバナナの外貨割当をいたしたいという所存で、ただいま鋭意その割当方法等につきまして検討中でありますので、御指摘の通り法律施行後できるだけ早い機会に外貨割当をいたしたいというふうに考えております。
○佐竹(新)委員 本年度の割当はやはり日台協定によりまして四百五十万ドルですか。
○板垣政府委員 本年度一年間の輸入予定量が四百五十万ドルになっております。従って六月五日以降至急に割当をいたします分は、まだ最終的決定は見ておりませんが、その半額程度になろうかと思っております。
○佐竹(新)委員 昨年度の割当に対しては非常に紛議をかもしまして、全芭連というような問題が起きまして、本委員会で相当議論の中心になったわけでございますが、大体今通商当局のお考えになっておる本年度に対する割当の方途は、どのような方途をもって割当をいたそうとしておられるのか。
○板垣政府委員 新しい外貨割当の方法につきましては、先ほど中崎委員からも御指摘がありましたようにちょっとむずかしい問題がございますので、まだ結論が出ておりません。しかし二、三日中に結論を出したいと思っておりますが、大体の方向といたしましては新規業者分、すなわち加工業者に対しまして一定の割合でもって割り当てていく、その他につきましては大体昨年の実績を基礎といたしまして割当をするということになろうと思います。差益徴収の方法につきましては、当委員会におきましてもいろいろ御意見がありましたことを参照といたしまして、ただいまのところ入札制度を廃しまして、定額徴収という方向で参りたいというふうに考えております。
○佐竹(新)委員 そうすると定額徴収になりますが、一かごについて千七百円とか千八百円とかいうものを政府の方でお示しになって、そして昨年のようにいやに高い値段で買ったものに対して国に差益金を納めるというような方途をとらず、やはり政府の方で一定の目標を出されまして、そのものに割り当てる、こういう方法でございますか。
○板垣政府委員 定額徴収の金額につきましても、ただいま鋭意検討中でございまして、決定を見ておりませんが、大体私どもの考え方といたしましては、ただいま仰せられました従来の線、すなわち千七、八百円という線、これが下限でございます。それから上限といたしましては先般入札で現われた数字四千何百円、これは非常に高いと思われますので、その中間程度のものでもう少し詳細に検討をいたしまして決定をしたいというふうに考えております。
○佐竹(新)委員 割当に対しましては事務当局は事務的にやられるのでございますから、われわれがあまり深入りする必要はないと思うのでありますが、紛議をかもした問題だけにわれわれは非常にこれを興味を持って見ておるわけであります。今申されました加工組合というものの中には全芭連も入っておろうと思うのであります。しかし全芭連が必ずしもバナナで大きなもうけをしたかということになりますと、全芭連そのものは今まで台湾から輸入した実績を持っておりません。従いまして古い台湾の商社にのみやられまして、台湾の商社のものが多く入ってきて、そして全芭連のものは荷物がおくれてなかなか入ってこないというような状況も聞いておるのでありますが、いずれにいたしましても今後割り当てられるにつきまして、あまり自分が直接に台湾から輸入をすることができないというようなものは、何かの方途をもって別な考えを持たれなければいかぬのじゃないかと思うのです。こういう特殊な物資であり、特にバナナというものは長い期間を置いておくわけには参りませんから、早い商取引をしなければなりませんけれども、実績者ならば実績者に対しまして、過去においてどのくらいな実績を持っておったかということも、それは一応御検討にならなければならぬでありましょう。その他加工の方面に割り当てられるとしまするならば、大体九州地方において年間のバナナの消費がどのくらいであり、中国地方において、四国地方においてどのくらいであり、関西、近畿においてどのくらいであり、北陸、東北、北海道においてはどのくらい、こういうようにブロック的に消費というものを考えられて、そうしてその消費地帯には各加工業者がおるのでありますが、消費地帯の加工業者の数において一々割り当てるということでなしに、ブロック的に何%というものを割り当てて、そしてそれが適正に消費地に安く入るというようなことを具体的に考えられないと、一たんあなたの方で外に公表される、そういうようになりますとまた猛烈な業者の競争があり、全芭連のような結果になって再びこの商工委員会において持ち出さなければならないようなことになっては私はならないと思うのであります。その点については今度の問題で加工業者の方の関係する者の数が大体全国的にどのくらいであるか、実績業者がどのくらいか、その。パーセンテージまではあなたの方でこういうところで公表されては困りましょうから私は何も申し上げません、問いませんけれども、それの割当に対する基本的な考えはどういうように考えておりますか。
○板垣政府委員 ただいま御指摘の点は私ども同感でありまして、私どもももともと加工業者を本年入れた場合に、やはり輸入の意思と能力のある者というふうに限定をいたしておるわけでありますが、事実輸入の能力がなくて委託輸入した者も多少あるように聞いております。これをいかにして排除するか、まだ方法等はわかりませんが、この点は重大な関心を持ってただいま検討中でございます。 それから次にこの加工業者を入れた場合に、地域的配分をどうするかということは貴重な御意見と思いますので、実は私ども検討いたしております。これはどういう形でうまく配分できるかどうか、この点はまだ最後的結論を得ておりませんが、ただいま検討中でございます。
○佐竹(新)委員 進駐軍関係は現在どういうルートでバナナを入れておりますか。
○板垣政府委員 進駐軍関係はこれは通常の輸入と別になっておりまして、軍の入札で入れることになっております。
○佐竹(新)委員 それは大体年間どれくらいのものを輸入しておりますか。
○板垣政府委員 ただいま資料を持っておりませんので数字は申し上げられませんが、そう大きな数字でないと思います。
○佐竹(新)委員 そこで私はこの機会にぜひ申し上げておきたいと思うのでありますが、御承知のようにバナナというものは台湾がわが国の領土であった当時には自由に入っておりましたからたたき売りもされたのでありますが、今日この食堂で買って食べても一本のバナナが八十円くらいしております。これが日に日に非常に高くなっておりまして、市場で、かご一万三千円にもなっている。それはバナナにもよりましょう、大きなのも小さいのもありましょうが……。これは値段を安く入れさして大衆に消費さすようにしてやる、こういうことを目途としてやっていただかなければならないのでありますけれども、しかしこの輸入のルートというものは、台湾の商社との関係が非常にデリケートになっておりまして、ややもすれば特定の者がこの値段の操作をするというようなことで、かえって今年度あたりでも莫大な値上りがしておるという結果になって参りますので、いわゆる道中に落ちる中間業者のマージンが非常に多く入ってくる、こういうようになりまして、せっかく安く売られるものがそういう一つの人為的作用によりまして高い値段にされるということになって—一それは国は差益を取られればそれで国庫の収入になるのでありますが、結論的に言いますと貧乏人はとてもバナナを食べることができぬような状態であります。従ってこういうような関係を適正にせられるような方途をお考えになっておりますかどうか。
○板垣政府委員 確かにバナナにつきましては台湾との関係がありまして、華商系が現地からの積み出しの点においても、日本における輸入の面におきましても非常な勢力を持っておる関係上、御指摘のような点があろうかと思いますが、これをいかにして排除するかどうか、なかなかむずかしい問題でありますが、ただいまこれにつきましても検討をいたしております。 しかし、全般的にバナナをもう少し安くできないかという問題につきましては、確かに現在は非常に高くて——まあ国会のバナナは少し高過ぎるようでありますが、いずれにしましても高いことは事実でございます。しかしこの根本的な対策といたしましては、やはり全体の輸入量をふやすことよりしか方法はないわけでございます。私どもも外貨の面から言いまして、特に国内の競合もございませんので、バナナはむしろ自由に入れてもいいのじゃないかというふうに考えておりまして、台湾との通商交渉の手段といたしまして、その見返りの日本の農水産物あたりの輸出が確保できますれば、これは入れてもいいのでありますが、そういうはっきりした保証もなくしてやたらにこちら側だけが、いかに日本の国民生活を豊かにするといいましても、そう野放図には入れることもできませんので、さしあたり本年度の台湾との交渉におきましても、昨年の横ばいということにいたしましたが、今後こちらからの見返り輸出の確保につきましてなお台湾側と折衝いたしまして、これが成功いたしますれば、来年度あたりからもっと多量に入れられると思います。結局は台湾よりのバナナの全体の輸入量をふやすことによって、価格を下げるよりほかないというふうにただいまのところ考えております。
○佐竹(新)委員 さらにバナナの問題につきまして御質問を申し上げまして、これで打ち切りまして他の問題に移りたいと思いますが、要するに、この問題の一番の難点は割当の問題でございます。みんなバナナはもうかるということで、割当となりますと非常に殺到してくるかと思いますので、本年以後におきましては通商当局も、断固たるところの態度を一つ堅持されまして、そして中間においていろいろ、だれの手を通じてどういうようにしようとか、彼の手を通じてどういうようにしようとかいうことがないように、公表されたらそれをもう絶対に不動なものとして動かさない、いかなる外の運動があっても絶対に動かさない、こういうことを一つ厳重に守っていただきたいと思うのであります。私は全体の加工業者という点から考えてみまして、そこで全芭連だけを、実績はとにかくといたしまして、認めるということになっておるのでありますから——しかしながら加工業者ということになれば全芭連も入るのであります。してみれば、加工業者というものは御承知のように、加工業でございますから、輸入業ではございません。従って台湾から直接に入れるという力も、実際には今度の全芭連によって明らかなように、ほとんで他の力、いわゆる台湾人関係の商社の力を借りて、実際はその力で輸入をいたしておるというような状況でございます。またはなはだしきに至りましては、加工業者が自分で直接入れて、それを自分でさばくというのではなくて、神戸なら神戸の浜に着きますと、その六〇%は自分の傘下の組合でさばくが、あとの四〇%はいわゆる一般に売っておる、こういうことでございまして、なかなか加工業者の力では、金の関係も大きいし、また過去における輸入実績等もありませんから、その間において価格のルートを非常に乱すわけでございます。こういうような点につきましては、加工業者は加工業者としてただ一定の場所に集まって、これを相場の対象のように考えないで、いわゆる中国、四国というような全国的な消費を対象としてあくまでもやらすような方途をもって本年度におしては割当をやっていただきたい、私はこういうように考えておるわけであります。その割当につきましては、もう通商当局においてごく少数なところできめられて、そして大臣の決裁を得られましたならば微動だに動かさない。通商当局は公表しておるけれども、その公表がひっくり返ってまた今度はこういうものが入ったということで、全芭連の入ったいきさつはいろいろな経過をたどってああいう結果になって、バナナ合戦が始まったというようなことになっておる。そういうことは今年は絶対にないように、一つ通商当局においても厳重に守ってやっていただきたい、こういうことを付言いたしまして、バナナの問題については質問を終ります。
○中崎委員 その点に関連してもう一つ。実はこのバナナに限りませんので、他の特定物資についてもほぼ同じことが言えるのじゃないかと思うのでありますが、いずれにしてもこれを割当を受けて輸入するということによって、相当の利益がある。しかもそれが適正な利潤であるならばいいのだけれども、場合によっては相当に不当な利潤がある。従いまして佐竹委員が言われますように、アリの甘きにつくがごとくみんな寄ってたかってこれを割当を受けようとするという結果になるのであります。そこでこうした特定物資については、原則としてこの割当の際に一つの行政指導といいますか、適正な利潤の幅を一つ設けて、これ以上には原則として出ないような、そういう配慮が払われてしかるべきものではないか。たとえばバナナについてある期間におけるところの輸入についてはこれだけの原価がかかる、それに適正な利潤を加えて、大体これだけの線においてこれが処分さるべきものである、もしそれにたかって、非常に不都合にといいますか、不当にその値段が高く暴利をむさぼられたというようなことができてくるというような場合においては、次の時期においては、そういう者に対する割当はかげんするんだというふうな一つの措置といいますか、考え方が加えられたら、それが秩序の混乱というか、場合によればまた政治的な幾多忌まわしいような疑惑が起る原因が、ある程度これによって食いとめられるのじゃないか、こういうようにも考えられるのであります。これは通産大臣にも農林大臣にもお聞きしたいと思うのでありますが、通商局長はこれについて一体どういうふうに考えられておるか。少くともそういった方向に沿って何らか新しいところの配慮を加えようとしておられるかどうか。いわゆるマル公価格とかいうふうな強権の発動を伴うようなものにはできないとしても、少くとも次の割当を前提として、一つの行政指導において一つの適正な幅というものがここにおいて求められるのじゃないかというふうに考えられるのでありますが、これについて何らか一つの配慮が今後加えられるのか、あるいはそういうことを今後考えてみようというふうに考えられるかどうか、そこを一つお聞きしたいのであります。
○板垣政府委員 一種の行政指導で価格をきめていく、ことにあとで暴利をむさぼった者が出た場合にそれを調整するという中崎案は、ちょっと私は実施がむずかしいのじゃないかと思います。御趣旨はごもっともでございますが、しかしながらそういう事態が起らないようにやろうというのが今度の定額徴収法でございまして、大体初めから原価計算をきめまして、それにプラス一定の時期におけるこの程度の輸入量、それから国内の需給関係というものをにらみ合せて、差額徴収を相当一ぱいまでとりますので、もしそれ以上暴利をむさぼろうとしましても、それは国内ではそれより高くなったら買わぬだろうというようなところまで定額をきめていくということになりますれば、御趣旨の点も確保できるのじゃないかと思います。それを破ったらあとで調整するということはだれが破ったか審査も実施上なかなかむずかしいと思いますが、なお参考にいたしまして研究はいたしたいと思います。
○中崎委員 たとえば今回のバナナの場合においてもそうでありますが、この場合には入札制度によりまして最高額が決定されないでやられたような関係もあるのでありますが、それにしても現在のバナナの相場は、かご一万三千円をこえておるものもあるのであります。というのは、政府の方へ納めた三千八百円の差益のほかに、やはり予定以上に不当に値段が高くなっているということは—一それがすくある人が暴利をむさぼったということにはならぬかもしれぬけれども、少くともこの予定以上にどこかに金が吸い込まれていっておる、利潤が吸い込まれていっておるということだけは言えると思います。言いかえればそういうように通常の常識を越えた著しいところの高い利潤の幅というものが流れていくというところにやはり適正なものでないものもあるのだから、およその一つの目標、一応大体の線を引いて、それに著しいところの大きな高騰がないような、こういう措置をその後における割当と、それに今のそうしたような値段ともからみ合せてみて、一歩前進の姿で、何らか適正化をはかっていくというような配慮を払われればいいじゃないかと思うのでありまして、大体この点は今の局長の言明でも、これを全然考えないということでもないので、何らか考慮もしてみたいというふうなことをも含まれておるものと私了解して、これ以上の質問はとめておきたいと思います。
○佐竹(新)委員 それからバナナの問題でもう一つ特に局長に御留意願いたいのは、どうしてもこういうものは、多年のいろいろな関係がありまして、実際には実績で自分の方へ割当は受けておるけれども、それを商行為の対象にするのではなくて、割当を受けたら、その割当自体を、ちょうどホテルが、自分が割当を受けたレモンの権利をよそへ売ってしまうということがなされておる。これと同様に、バナナにおきましても実績があるということで割当を受けても、その割当は第三者に売ってしまって、そのところで千円か千二、三百円の幅をとって実際には人にやらしておる。ただ実績だけが残っておるというのが相当にあると私は思う。こういうことをやはり認められぬように、今年度におきましてはそういう商社に対しては割当をしないのだということを厳守してもらわれるかどうか、その点をお聞きしたいと思います。
○板垣政府委員 その点は確保されると思います。と申しますのは、実績主義と申しましても、私ども実績の基準といたしますのは、現実にバナナを輸入いたしました通関ベースで計算をいたしますので、もしかりに権利だけを譲ったというものが起ってきますと、その次からは当然実績に勘定されないのであるから、その点で保証はされていると思います。
○加藤(清)委員 関連して。ただいま審議されております特殊物資の輸入臨時措置法に関連して、私大臣とのお約束がございますのでこの際確答を願いたいのでございます。 それはほかでもございませんが、現在やみ輸入が盛んに行われているうちの一番王座が時計でございます。この時計のやみ輸入が非常に多いということは、いろいろ理由がございますけれども、内地の生産量が内地の需要量とバランスがとれていないというところにあるわけなんでございまして、年間推定六十万個、政府当局は五万数千個とお出しになりましたが、あれは今のお話の通関の場合に実際に発見されたものだけでございまして、発見されたうちのまた一部分でございます。実際は大体六十万個くらいやみ輸入が行われて、それが小売市場にばらまかれているという実態でございます。これをほんとうの安定した経済に乗せるには、どうしても外貨の割当をこの際思い切ってふやす必要があるではないか。そのことが輸出、輸入を正常化すると同時に、内地の時計販売をも正常化する、それはやがて内地の時計生産業者にもある程度の刺激を与えて、品質向上、その他やがて輸出にもなるのじゃないかという意見を、その法案の審議の折に述べましたところ、通産大臣は、私の意見とあなたの意見は全く一致しておる。従って本年度は至急に外貨の割当をふやすということを本委員会で言明なさったわけでございますが、一体そのことはいつ行われて、どのくらいふえるのでございましょうか、その答弁のいかんによっては、今やみ輸入を計画されている分を防止する好結果をも招来することだと思いますので、この際はっきりと一つお答えが願いたいのでございます。
○板垣政府委員 腕時計の密輸入が非常に多いことは御指摘の通りでございます。私どもといたしましても、国内生産量との関係がございますが、できるだけ実際に国内に需要のある腕時計はもう少し入れて、かたがた密輸入の防止の一助に役立てようという考え方で進んでおります。従ってただいま御質疑の点につきまして、今度の割当につきましても、国内生産量等にもう少し検討を加えまして、外貨割当をふやしたいというふうに考えております。もっとも腕時計の密輸の防止は非常にむずかしい問題でございまして、先般大蔵省で開かれました税関長会議でも、この問題をだいぶ討議したのでありますが、今度の差額徴収制度に乗せまして、かりに相当多量に入れたといたしましても、あれは持ち運びの非常に便利なものでございますし、国内価格と国外価格とにマージンがある間は密輸入はどうしてもある程度行われるのじゃないかと思いますが、いずれにいたしましても、現状の腕時計の輸入は相当少いようでございますので、もう少し増加をいたしたいと存じております。割当は六月中旬ごろまでにはきめたいと思っております。しかしそれがどれくらい増額できるかは国内生産業者と十分に打ち合せておりませんので、まだ決定はいたしておりません。
○加藤(清)委員 それでは大臣も通商局長も同じ意見のようでございますし、私、と申しますよりも、これは本委員会がほとんど一致した意見でございましたので、この問題は具体的に実現をしていただけるものならば、せめてそのするということを公表なさることが、着々準備されているやみ輸入を防止することに非常に効果的だと思うのです。これが抜き打ちにやられますと、すでにやみ輸入が準備されてしまい、入ってしまってからでは効果が薄うございますので、この点はほんとうに内地の時計流通部門を正常化する意味においても、ぜひ至急にやっていただきたい、こういうことを再び要望申し上げる次第でございます。
○佐竹(新)委員 次に私はレモンの問題に入りたいと思うのでありますが、御承知のように藤井商店が問題を起しまして、この委員会で問題になりまして、その後通商当局は藤井商店の許可の全体を取り消してしまったということで、私はこういう不正な商店に対してはそれが当然であると思ってこの問題では了承したわけでありますが、最近市場ではレモンが非常に高い。私一昨日でありましたか、ある喫茶店に行きまして、レモンの値段を問うたところ、百二十円という驚くべき値段で、これはもちろん今生産期でありますから、国内のレモンができておりますから、これを入れられるについては、今直ちにというようなことは、国内の生産を擁護する意味においていかないと思います。しかしながら国内のレモンと、外国から入ってきます、特にサンキスト・レモンあたりのレモンのにおい、それから皮の薄さ、しぼった汁の量というようなものを考えますと国内のレモンと、外国から輸入しますレモンでは雲泥の相違があると業者は言っております。従いましてこういうような国内で消費される価格が高いというようなことは非常に遺憾のことでありますが、今のような、ホテルに一括して一ヵ年に五千ドルからの外貨をとるのであるから、特別な外人に高いものを食わしてはいけないので、説明員の説明によりますと、日本に来てホテル代が高い、ホテルの中でとるものが高いというようなことでは、観光誘致の意味からいってもいけないので、特に通産省としては外貨を割り当ててホテルに直接とらせるようにしておる。しかしながらこのものが市場に横流れいたしまして、依然としてホテルのレモンが特に安いというわけではない。そういうものはやはり一般輸入の中に入れて、そういう特定の人にやらすというのでなくて、バナナやノリ、そのほかのものと同じように輸入をする、しかも話に聞きますれば、西欧の方面のレモンは、むしろアメリカのサンキストでできるレモンよりは、その方が質がよくて値段が安いというように承わっております。そういう方面のレモンも幅を広げて入れられ、同じ国内の外貨を割り当てて入れるのだったならば、安いものを国民に消費さすというような関係から、ただサンキスト・レモンじゃなくて、たとえばギリシャであるとかその他の方面にも、私は専門家ではありませんから知りませんが、まだ入る余地はあるそうであります。そういうようなところのレモンを、年間の量は少いかもしれませんが、これも差益の吸収の対象とされまして、国内で安く売らせるように、横流しをして、それが入った値段の何倍というような不当な利益を得るというようなことのないような処置をとられることがいいんじゃないかと思いますが、局長はどのようにお考えでありますか。
○板垣政府委員 レモンの輸入につきましては、私どもも実は昨年の中ごろから、御指摘と同じような方向で考えておりまして、本年度はレモンをもう少し輸入を増加したいというふうに考えております。ただ遺憾ながら四、五、六という生産期がございますので、これはどうしても国内のレモン生産との関係で避ける必要がございまするので、これを避けまして、七月早早至急、ホテル以外の一般輸入もやりたいというふうに考えております。なおサンキスト・レモン以外の中近東あるいは西欧のレモンを入れたらどうかというお考えに対しても私ども完全に同感でありまして、今後入れまする際にはグローバル制度で実施いたしたいと思いますので、そういう方面の価格も安く、かおりの高いレモンの入り得る余地もあるだろうと思います。
○佐竹(新)委員 大体この委員会で問題になったことを総ざらいして、最後の外貨割当に対する結論をつけて通産当局にお尋ねしたのでありますが、最後に、私はこの委員会で日中貿易の問題で、エビの問題を質問してそのままになっておるのでありまするが、その後通産当局においてもいろいろ調査になって、アメリカに出しておる工どのカン詰は渤海湾のエビでないということがほぼ明瞭になったように承わっておるのであります。そうしますと、産地の判別もはっきりいたしたのでございまするし、こういうような民間協定もできておるようなときでございまするし、中共の渤海湾のエビは非常に多量にとれるということでございますのでいそういうようなものを日中親善、貿易促進の一つとして、日本が絶対量が足らないのでございますから、市場のてんぷらエビになったり、いろいろな揚げエビに、渤海湾はほとんど冷凍物でございますので、なるのでございますから、そういう点も一つ御配慮になりまして、近くこれに対して公表される御意思があるかどうか、この点をお聞きしたい。
○板垣政府委員 中共のエビの問題につきましては、実はただいままでの調査では、御指摘と反対の結論が出たことを遺憾に存ずるのでございまするが、私どもその後いろいろ業者なども呼びまして調査いたしたところによりますと、実はアメリカに出ておるエビも渤海湾でとっておるということがはっきりいたしたのでございます。そういたしますと、やはり先般申し上げました通り、アメリカに対する中共産品の原産地証明問題ともからみますので、私どもはかりに渤海湾のエビであっても、アメリカと円満に話がつきますれば、中共から入れることに方針としては異論はございませんけれども、何といたしましても同じものが日本へも入り、アメリカヘも行くということがほんとうといたしますとどうしても原産地証明問題ともからんでくる。そうすると現状におきましてはまだ豚毛の問題も片づかないということで、もう少し検討を要するのじゃないかというふうに考えまするが、ただいまのところは、まだ一応の調査でありますので、もう一ぺんその点を深く検討いたしましてお答えいたしたいというふうに考えます、
○佐竹(新)委員 私は戦争前に中国に九年もおって、引揚者で帰ったのでありますが、その間軍の仕事を手伝いまして、渤海湾のエビを相当取り扱った。船を出してとらしておった。従いまして渤海湾のエビと内地でカン詰にするエビくらいは、自分自身でわかるのであります。内地でやるカン詰のエビは、大正エビとか芝エビと申しまして、小さいエビです。渤海湾のエビはカン詰にはならないのです。それで私は通産当局が入れられるニュースが間違っておるのじゃないかと思う。と申しますのは、私の聞いております話では、アルゼンチンからメキシコの方ヘエビの漁撈に出かけておるのは、いわゆる大洋漁業、マルは、こういう大きな業者が向うの政府の許可を受けてエビをとりに行ってる。そういうエビを持って帰る。こうなって参りますと、どうしても渤海湾のエビはじゃまになるのであります。近い所からとりますから値段が安い。そういうことで、いろいろ通産当局に入れられるところのデマが流布されておる。まだ、はっきり申し上げられませんけれども、通産省内部においても、そういう連絡によってなかなか固執されるような傾向がある。私は虚心たんかいに申し上げまして、通商貿易の促進という問題であり、これはまた軍需物資というようなものではないのでありますから、ワクの中には入っておらないかもしれないが、エビは絶対量が足りないし、国内の値を下げてやるということからいいましても、日本のてんぷらエビには持ってこいであります。そうすれば、あなた方がてんぷらうどんを一つとって食べられても、安いてんぷらうどんが食べられる。安いエビが食べられるわけです。そういう目の先にあり、しかも日本の漁船に青島の灯の見えるところまで漁携をやらしてくれておるのですから、こういう好意をもってやらしてくれるところに対しては——特にアメリカに出した豚毛に、いつか黒い毛が入っていた。これは中共からの豚毛であった。これは業者が悪いんですから、そういう不都合な業者に対しては、許可を与えないとか、厳重に検査をやらなければならぬという問題であって、この問題を特にエビの問題にひっかけていくということが私はおかしいと思う。そういうことは一つよく調査されぬと困る。私はカン詰業者にも相当知った人がおります。それから丸の内の太平洋貿易、これはサンフランシスコに支店を持っておりますが、広島県の人間でございまして、私は長い間つき合いをしております。こういう専門業者に聞きますと、とんでもない、渤海湾のエビがカン詰にされたりしてアメリカに行くはずがない。またカン詰協会の会長の植田さんというのは静岡の中小企業のマグロなどやっている人です。大資本漁業がマグロをとってきまして、これを冷凍にして、骨も血も何もかも一諸くたに冷凍のままでアメリカに売りつける。そういうことによって静岡地方にあるところの国内のカン詰業者は相当に打撃を受ける。大資本漁業の方には割当が多い。中小企業の方の中間産業というものを考えるとカン詰にしろ、あるいはいろいろの労働者を使い、あるいは箱を使うということになれば、中間産業にとってはむしろ中小企業のものが外国に輸出された方がいいということで、例のカン詰需給安定審議会というものを、私は水産委員のときに提案いたしまして通りました。現在それによって実施されておるのでありまするが、そういうように大資本漁業はそういうような中小企業あるいはいろいろなものに対して妨害して、自己の利益をはかろうとする。またその先棒をかつぐ人もあるわけです。こういう点を考えられぬというと、どうも書類の上でそういう報告があったから、私の言うたこととは遺憾ながら反対だということでは、私は片づけられぬと思う。私の方がよく調べておる。実際にどんな専門家でも呼んで聞いてごらんなさい。貿易業者の一部でそういうことを言って非常に反対しておるということも聞いております。だからそういう点は虚心たんかいに、問題は大きな中共の貿易促進ということ、中共との間におけるいわゆる日中の漁業協定によりまして、せっかく拿捕されておったものが拿捕されないで、渤海湾の奥、青島の灯の見える所まで行って日本の漁船が漁撈しておる。あそこはたくさんとれるけれども、向うは冷凍設備が十分でないから、そちらでとってもらいたい。そのくらいのところは通産当局においても、また外務省においても、政府は大きな腹になって日本に入れて、それによって日本のてんぷらエビその他のエビの値段を安くするという意思表示をするということは、お互い日本のためじゃないかと私は考えるのでありますが、通産当局はいかようにお考えか。
○板垣政府委員 エビの問題につきましては、実は私忙しくて自分で調べることができないで下僚の報告によって今お答えしたわけでありますが、実地において御経験のある佐竹先生のお 話、これもほんとうのような気がいたします。実情は私自身決定をいたしかねておるわけであります。国会が終りましたら私自身の手で検討いたしたいと思います。 全体の考え方といたしましては、私ども佐竹先生の御意見に反対ではございません。ただ何といいましても、対米輸出の関係がございますので、金額が少いからこれはもう無視してよいといえばそれまででありますが、しかし話し合いで十分円満に片づけられれば片づけた方がいいと思いますので、その点渤海湾のエビの性質並びに豚毛の問題は、これは大きな問題になっておるわけでありますから、この方の成り行き等を見まして、結論が出ましたならばできる限り中共貿易促進の方向に問題を処理したいというふうに考えます。
○佐竹(新)委員 御承知のように、国会におきましても全会一致でもって中共貿易促進決議案というものが上げられておる。この決議の趣旨に沿いましても、何かアメリカの大使館の方で豚毛のことで日本政府の方へやかましく言ってきたというようなことも別にないのであります。商社の方から苦情が出たので、そういうふうに喧伝されて渤海湾のエビを入れてはけしからぬ。そういうことは、アメリカとの取引全体の大きな立場から見れば、そんな小さなことは言うはずがない。それを、側かあなた方の方から遠慮をされてやられるということになれば、国会で決議した中共貿易の拡大どころじゃない、縮小されるということになってくる。そういう点は、私は重ね重ね申し上げますように、もう少し大きな腹になって、雅量を示してやられるようにしないと、まだ国交が回復されておらぬのであります、民間協定でありますので、つまづけばどこからつまづいてくるかもわからない。やはり公海の漁業の操業の安全というようなことから考えてみられても、こういうものは向うが余って冷凍設備で困る、早くこちらから冷凍船を持っていって買ってやる、このくらいの度量が私は通商当局にあってほしいと思う。そうすることが民間協定を生かして、その結果が日中貿易促進の決議の趣旨に沿うということになるのでございますから、この点は、通商局長におかれましても、また大臣の代理であられます川野政務次官におかれましても、一考をしていただきたい、こういうふうに考えるのでございますが、いかがでございましょう。
○川野政府委員 この問題につきましては、大へん恐縮でございますが、私もまだ研究いたしておりませんが、ただいま佐竹委員からの熱意ある、また経験に富んだお話を承わりまして、私といたしましても非常に参考になったわけでありますが、今後さらに検討いたしたい、かように考える次第であります。
○佐竹(新)委員 他の議員の方の発言もありますので、大体私が本委員会におきまして質問いたしましたほとんどの点の総決算を今日して、通産当局の最後の御言明をいただいたわけでありますが、最後にお尋ねいたしておきたいことは、これはわが党においても非常に重大となっており、農林委員会においても重大になっておるところの馬の問題でございます。この馬の問題は本委員会で初めて出すわけでございますが、実はわれわれの調査したところによりますと、どうも疑問が残っておるのであります。そこでこの外貨割当の許可をされました通商当局として、農林委員会におきましても、また参議院におきましても樋結次長が御答弁されておることが、納得のいかぬ点があるわけであります。われわれは、この速記録により、あるいは永田参考人の証言等から考えてみまして、ここにどうしても為替管理の違反があると思うのでございますが、通商当局ではこの点に対してどのようにお考えになっておりますか。
○樋詰政府委員 ただいまの先生のお話は、十月の二十四日に外貨の割当が正式にあった、それに先だってサラブレッドを三頭買っておるじゃないかという点の御質問だと思いますが、かりに正式の外貨割当がないというのにもかかわらず、それに先だちまして向うで馬を買った、そうして債権債務を発生させる、あるいはそれに伴って国内でその取扱い商社に対して代金の支払いをしたということであれば、これは一応為替管理法の二十七条で規定していることに触れるということを申し上げざるを得ないということになろうと考えられるわけでございます。しかしもしその際に一種の停止条件というようなものがついておる、これは為替の割当を受けたら買うのだ、もし為替の割当がだめだということになれば、その馬は日本には引き取ることができないから、他に適当に処分するなりということで、将来為替の割当を受けたら買いたいということで、はっきりした債権債務というものをそこに発生させていないということであれば、これは一応為替管理法二十七条等に規定してあります事項には触れないのではないか、そういうふうに私は考えるわけでありまして、これは私自身といたしまして、その際実際問題としてどういうことをお話になっておるか、一応形式的には十月の二十四日に割当をいたしまして、その後信用状が開かれて送金されておる、しかも十月二十四日に割り当てられました外貨の割当の許可の中には、一応馬に対して十万ドルということで、非常に包括的な割当になっておりますので、その範囲内でその後に送金その他の手続がとられたということは、これは一応為替管理法の違反事実にはならない、そういうことになるわけでございまして、本件につきましてはむしろ事実問題がどうであったということが違反になるかならぬかということのわれ目ではないか。私、事実がどうなっておるかということについて詳細に知りませんが、ただ何も条件がなくしてあれば、何人といえども為替の割当なしに債権債務の発生の当事者になってはならない、あるいは非居住者が居住者に対して支払いをしてはならないという明文がございますので、かりに条件がないということになれば、明らかにそれに触れるというふうに解釈するのが常識ではないか、そういうふうに考えております。
○佐竹(新)委員 私がこの質問をいたしますのは、問題はサラブレットの三頭を全体の割当の中にまぜておったということくらいで、そう大きな問題ではない、しかしながら為替管理という問題から考えてみると、これは小さい問題として見のがすわけにはいかない、しかも対象者が河野農林大臣である、国家の行政をあずかる大臣が、そういう——私はとにかく違法と見るのですが、違法を犯してまで、しかもわれわれは、原則として競馬競輪に類するようなものは、これはもう日本の何から考えてみても反対であるという態度をわが党はとっておるわけであります。そういうような立場から考えてみましても、大臣であるがゆえにこれを軽く見るということはできない。むしろ大臣というような人が先んじて為替管理を守るということが必要なのであって、そういうところに私は大きな問題がある、そのように考えて、わが党の綱紀粛正委員会におきましても各弁護士の人が、あの速記録を見まして、厳重に法的にもいろいろな角度から調べてみたわけであります。今樋詰次長の言われる点とわれわれの考えておる点は違うので、おそらく樋詰次長は農林水産委員会におけるところの、いわゆる河野農林大臣と大映社長の永田雅一氏が二人で馬を入れる相談をした、このいきさつについて、参考人としての永田雅一君の証言を読んでおられないのではないかと思うのでありまして、ここに重要な問題があるのであります。と申しまするのは、永田雅一氏はこう言っておるのです。昭和三十年九月十六日日本を出発して、十七日渡米したのでありますが、渡米に際し、九月十二日同人の秘書木村武千代氏を通じて、農林省畜産局の事務官本多政治氏から、馬の輸入に対する外貨が一万五千ドル余っておるから、社長がアメリカへ行かれるなら馬を一万五千ドルで輸入されたらどうかという話があったということを聞いた。たまたまサンフランシスコのエアポートで河野一郎氏に会った際、右の話をして、自分は馬を買って帰りたいと思うが君はどうするかと尋ねたところ、ぜひ僕も半分乗せてくれということで、二人で馬を買うことをきめた。このときさらに河野農林大臣は永田雅一氏に対しまして、君にしても僕にしても、馬は好きだけれども、なかなか馬を見るということはできない。たまたま中央競馬会から井上君が中心で、カリフォルニア州におけるところのトロッター・レースその他の競馬の視察に来ておるから、彼に見せて馬を買わしたらどうだろうということで、河野農林大臣は井上綱雄君に連絡することを約して別れた。その後九月二十六、七日ころであったと思いますが、永田雅一氏がロスアンゼルスに行ったところ、永田氏のホテルへ輸出商店の清水貿易会社の主人と外一名の日本人を伴って井上氏がたずねてきて、河野農林大臣からいい馬を二、三頭買えといわれたが、買っていいのですかと尋ねられたので、買ってもらいたいと返事をしたところ、買うには手付金がいるという話であったので、今旅行の帰り道だから金は持っていない、自分を信用して金を立てかえて払っておいてもらいたいということを頼んだところ、清水貿易の主人はこれを承諾して、永田氏は馬三頭の買い入れ方を井上氏に依頼して十月四日日本に帰国した。その後十日ほどしてから、井上氏から藤井という輸入商店を紹介するから、それに一万五千ドルに相当する円価を払ってもらいたいということであったので、永田氏は中央区室町二ノ八におもむいて一万五千ドルに相当する邦貨五百四十一万二千円を払い込んだものであります。右の馬は昭和三十一年一月十日ころに横浜に到着したので、永田は河野に対して、僕は牡馬を一頭とる、河野農林大臣は牝馬二頭をとってくれと言った、こういういうに永田氏は参考人として立証しておるわけであります。そういう関係でありますから、右の代金の支払いにつきまして、永田氏は衆議院農林水産委員会に参考人として出頭いたしましてそういうことを述べております。このときに永田氏は、これは領収書でございまして、私写真をとって参りましたですがと言って、写真の領収書を見せた。「五百四十一万二千円、ただし右金額は米国産牝馬三頭の購入代金、米貨一万五千ドル、清水貿易立替払分円価お預りしました。右金額正に領収致しました。昭和三十年十月十四日藤井商店」と書いた領収書を見せておる。ここで私は今あなたの言われましたように、要するにあなたの方で割り当てられたというより、すでに事前にこういうことがなされておるのである。そこではっきり為替管理の違反ができた、こういうようにわれわれは解釈するのです。その点で農林大臣であろうが、だれであろうが、為替管理の違反を犯したのであるから、これは通産当局はどういうような処置をとるお考えでありますか、この点をお伺いしたい。これは樋詰次長がお答えがむずかしければ、大臣の代理で来ておられる川野政務次官から為替管理法違反であるということがはっきりしたならば、河野一郎氏、永田雅一氏に対して、どういう御処置を通産当局はおとりになるのであるか。この点について御言明をいただきたい。
○川野政府委員 先ほど樋詰次長からも御答弁申し上げましたように、本件が果して為替管理法の違反になるかどうか、こういう点も疑問でございます。しかし為替管理法違反になる、こういう事実がありましたならば、通産省といたしましては適当な処置をとる、かように考えておる次第でございます。
○佐竹(新)委員 私はこれは明らかに為替管理法違反だと思う。為替管理法違反を犯したところのものに対して、監督行政庁であるところの通産当局が厳重な処置をとる。その処置のとり方はどういう処置のとり方をされるのであるか。
○川野政府委員 どういう処置をとるかという点についてでございますが、具体的問題を検討した上できめたい、かように考えておりまして、今ここでどういう処置をとるか、こういう質問に対しましてどういう処置をとるというような言明は避けたいと思います。
○佐竹(新)委員 問題が為替管理という大きな建前からいきますと、これは厳重に守らなくてはならない。しかも国の大臣がこういうことをやる。しかも永田雅一という実業家がこういうことをやる。それがこういうことになって通産当局を欺罔したということになれば、その為替管理を厳重に監督する立場にある通産当局は、こういう事実があるということで検察庁に告発しなければならない。そういう処置をとるかどうかということであります。
○川野政府委員 検討の結果の内容いかんにあろうかと考えます。従いまして内容いかんによりまして適当な処置をとりたい、かように考えておる次第でございます。なおここで検察当局に向って通産省が告発するかどうかという点等につきましては、重要な問題でもございますので、検討させていただきたいと存じます。
○佐竹(新)委員 内容の問題については、永田雅一人が参考人として農林水産委員会に出て、みずからこういうことを言っておるのであります。だからわれわれは重要視しておる。われわれは政治的に農林大臣をどうするとか、こうするとかいうことじゃない。これは為替管理という大きな建前から、こういう違反を犯さないように、一般の人に見せしめをしなければならない。ややもするとこういうことをやりたがる。いろいろなことをして抜け道を考えたがる。そういうことを大臣みずからやったのではしめしがつかない。だからわれわれは大きな建前から、厳重に今回に限っては処置しなければならない、こういうように考えておる。何も河野農林大臣に私怨があるわけじゃない。親のかたきでも何でもない。そういう点で為替管理という、こういう一つの大局的の立場を誤まってはだめだ。それを誤まらすようなことを、もし通産当局においても、あるいは農林省の事務当局におきましても、こういうことを知りながらやらしたということになれば、これは一心同体になるわけです。おそらく私はそういうことは知られずに、一、二の人は知っておったかもしれないが、全体としては泥をかぶせられたような形になっていると思う。しかしながら、すでに為替管理違反になることを知りながら、一国の大臣が、馬が好きだからということでこういうことをしたということは、ゆゆしい問題だ。為替管理という道を守っていかなくてはならない建前から、われわれはこれを放任しておくわけに参らない。こういうように申し上げるわけですから、一つ十分に検討してもらいたい。そうしてこういう問題が出たら、少くともその関係した証人がどういうことを言うたかと速記ぐらいは見ておいて、十分に内容を検討して、委員会で質問が終ってしまったらあとは野となれ山となれで、国会でも済んだら消えてしまう、こういう考えでありますと、まだこの処置がついていないということになれば、われわれには臨時国会がある。落選をすればとにかく、議員に当選してきておる限りにおきましては——小選挙区法もつぶれましたら、幸いにして落選を免れますから今度はまた出てくる。そうして河野さんが大臣になるというなら、大臣になる道をふさがなければならぬ。そういう点は十分に一つ考えていただきたい。以上をもって私の質問を終ります。
○鹿野委員長代理 多賀谷真稔君。
○多賀谷委員 私は実はこの前、機械振興法案審議に際しまして若干質問をいたしましたミシンの問題について、再度質問をいたしたいと思います。大蔵省の方も見えておりますから、大蔵省の方からも関係の部分についてはお聞かせ願いたいと思うのです。 実はシンガー・ミシンが日本に進出せんとして、それが思うようにならなかったということは、御案内の通りでございます。ところがシンガー・ミシンは、パイン・ミシンと協定をしまして、メリットという名前のミシンを作らせて、そうして国内販売をしております。ところがこれは必ずしも思うようにいかなかったと見えて、最近シンガー・ミシンから重役並びに技術者が参りまして、次のような計画をしておるということを聞いているわけであります。それは、本年十月日米友好通商航海条約議定書第十五項、すなわち日本に蓄積しております円によって日本の旧株が取得できない、こういう条項があって、その三ヵ年という効力がなくなりますので、それを契機にいたしまして、戦争中にシンガー・ミシンが日本に持っておりました工場に対する補償金が円蓄積となって残っておるそうでありますが、その円蓄積をもって、この日本のパイン・ミシンでありますか、何会社であるか知りませんが、旧株を取得して、そうして今度はシンガー・ミシンとして国内販売をしよう、さらにメリットについては東南アジアに進出させよう、さらにまた家庭ミシンだけでなくて工業用ミシンも製作しよう、こういう意図があるやに聞いておるわけでありますが、これに対してどういうように考えられておるか、まず通産省からお聞かせ願いたいと思います。
○鈴木(義)政府委員 シンガー・ミシンとパイン・ミシンの提携問題につきましては、この前申し上げたかとも存じますが、一昨年提携によります外資から昨年の秋、機械の無為替の申請が出ております。しかしながらこれらにつきましては、果して日本の産業の発展に寄与するかどうか、あるいは国際収支に寄与するかどうかという点に疑問がございますので、その許可が留保されて今日にきております。一方、お話の通りシンガー・ミシンはパイン・ミシンに注文いたしまして、メリット・ミシンを作らして大体月千五百台程度出ておりますが、この分を含めましても、パイン・ミシンの生産が従来よりさほどふえておりませんので、国内ミシン工業に与える影響はさほどのものではないというように考えております。最近、お話の通りシンガー・ミシンからパイン・ミシンに対して、シンガーのミシンの注文をしようというふうな契約の話を聞いておりますので、これらにつきまして目下事情を調査しております。しかし御指摘のような、蓄積円をもって株式を取得するというような具体的な問題につきましては、まだわれわれとしては聞いておりません。一昨年シンガー・ミシンの提携の際も、資本は半分半分という話がございましたので、シンガーとしてはさような気持を従来から持っていたと存じますが、具体的に最近そういうふうな交渉があるかどうかということについては、私としては承知していない状況でございます。
○多賀谷委員 実は私は産業界の実情にうといのですが、その私にもこの問題が耳に入り、また陳情を受けておるわけであります。ですから、その専門家である重工業局長のところには当然入っておると思う。これは私は労働者の一部から聞いたんですけれども、あなたの方は——業界は労使同じ関係になるものですから、当然業界の方からこの問題についてはお話があり、その協力方の要請があったと判断をしておるのですが、今まで全然そういうお話を耳にされておりませんか。
○鈴木(義)政府委員 先ほど申し上げました通り、シンガーとパインの最近の話し合いにつきまして目下調べておりますが、特に私自身、まだ業界からさようなことで話は聞いておりません。
○多賀谷委員 これは実はここには持ってきてないのですが、業界の、たしかミシンという新聞だったと思うのですが、このことがはっきり書いてある。ですから私は耳に入っていないというのは、ほんとうに入っていないというならばこれはきわめて怠慢な話であるし、また入っておるけれども、まだ発表の時期でないと言われるなら、これはまた私たちとしては、こういう重大な問題をもう少しざっくばらんにお話し願わなければならぬ、かように考えるわけです。実情調査といいましても、実はこの前から質問をしておるのですから、その後どんな調査をなさいましたか、もう少しはっきりお話しいただけないと、こういう外資の問題はやはり民族的な問題ですから、われわれは民族産業としてどういうふうに、こういうシンガー・ミシンその他の進出を防ぐか、しかも国際的に信用を失墜するような方法では困るだろうという、いろいろな問題をお互いに研究をしなければならぬ、かように考えておるわけですが、局長の方ではほんとにまだ調査の段階ですか。
○鈴木(義)政府委員 この提携問題は一昨年以来いろいろ問題がございまして、われわれとしましても日本のミシン工業界の立場から、これは非常に慎重に考えておる次第でございます。この点は従来御説明しましたところで御承知だと思います。そこで問題の具体的ケースは、一、二ヵ月前にシンガーの関係者が日本に来た。それで何らかの話し合いが行われたというふうな話を聞いておりますので、その内容、その進行状況というようなことについて、目下われわれとして照会を発して調べております。御指摘のような点が、私直接聞かなかったので何でございますが、果して具体的にあるかどうか、これは会社の報告を待ってはっきりさせたいと思いますが、われわれとしてはまだその点の事実をつかんでおりません。
○多賀谷委員 そういたしますと、今私が指摘いたしましたように、蓄積円によって旧株を取得するかどうかという問題についてはまだはっきりしたことはわからない、こういうことですが、一応想像はされるわけです。これが事実かどうかということは別として、そういうような出方をしてきた場合にどういう手を打たれるか、これをお聞かせ願いたい。
○小島説明員 大蔵省といたしましても、このシンガーの問題につきましては、一昨年の外資導入の申請に関しまして、いろいろ検討いたしましたが、その関係のことしか現在存じておらないのでございます。私どもといたしましては、シンガーの外資導入は、国内の産業的な見地につきましては、もちろん通産省におかれまして御検討なさったのでございますが、私どもも、国内のミシンの技術も相当進歩しておりますし、海外の技術を入れる価値はほとんどないのではないかというふうに考えられますし、国際収支の面から見ましても、この提携をやることによって、わが国の国際収支が改善されるという価値も、別段認められないのではないかというふうに考えておりまして、そのために、シンガーの外資導入は認めないという、一応の考えをきめておるのでございます。昨年の十二月下でございましたか、この商工委員会におきまして申し上げました通り、不認可の方針でございますが、ただ国際的な考慮を要するような関係から、不認可の処分を下すよりは、取り下げ指導によりまして、本件は円満に解決する必要があるという判断から不認可の処分はいまだ下ってはおりませんけれども、私どもといたしましては、これを認めないという方針で参っておる次第であります。 最近のお話でございますが、その点につきまして、私どもまだ何ら聞いておりませんが、この蓄積円の問題といたしましては、私どもは慎重に検討する必要があるというふうに考えておるのでございまして、ただいまの点につきましては、実際の状況について、通産省とよく御相談いたしまして善処いたしたい、こういうふうに考えておるわけであります。
○多賀谷委員 従来の経過はわかっておるのですが、その従来の経緯の説明の中で、不認可の処分は、決定しないけれども、認めない方針であるということであります。それから重工業局長は、留保になっているということでありましたが、私は、もう少し行政機関としては、はっきりする必要があるのじゃなかろうかという気がするのです。認めないが、こういう問題は保留するというような、あるいは時期によっては許すかもしれないような思わせぶりは、私は禁物ではなかろうかと思うのです。なぜもう少しはっきり、認めないというふうにされないのですか、不認可の処分はしていないけれども認めない方針だというような、何か余裕を残したような話をされないで、もう少しはっきりされたらどうかと思いますが、この点大蔵省はどうですか。
○小島説明員 私どもといたしましては、先ほど申しました通り、これを不認可の処分にするのが適当であるというふうに考えるのでございますが、しかしながら国際的な関係を考慮いたしますならば、処分として不認可にするよりは取り下げ指導の方が適切であるかというふうに考えております。
○多賀谷委員 その取り下げ指導をして、取り下げたのですか。その点をもう一度お聞かせ願いたい。
○小島説明員 いまだ取り下げないで、懸案となっております。
○多賀谷委員 それは指導したのじゃなくて、取り下げ指導をしたいと思うけれども、それもまだいっていない、結局保留になっておるということでしょう。取り下げ指導をしたのですか、指導をしたが向うは取り下げなかったのですか。その点をはっきりして下さい。事務的なことで大したことはないのですが、そういうニュアンスを残しておくということは、かえって危険ではなかろうか。国際関係の問題もあるから、はっきりできないのだという点もわからないことはないのですけれども、私はもう少しはっきりした方が、この場合はいいのではなかろうかと思います。
○小島説明員 取り下げ指導は事実行われたのであります。しかしながらその効果が現在までのところ、上っておらないということでございます。
○多賀谷委員 指導はしたけれども、向うは取り下げなかったというのですから、こういう点は事務的に扱われた方がいいのではなかろうかと考えるわけです。そうしなければ、日本の業界がかなり不安な気持を持つ。あるいは今まで私が質問しましたことが、杞憂であるかもしれないが、その原因はどこにあるかといえば、認可の問題についても、まだはっきりした態度がきまっていない、こういうところに、その原因があると思うのであります。それで、これは普通と違って認可しなければできないという、認可の権限が監督官庁にあるのですから、もう少しはっきりされた方がいい。この権利は自然権ではない、この場合は特別な場合で、権利を得るためには、一つの認可という門をくぐっていかなければならぬので、普通の権利の場合とは違うのですから、そういう点は、もう少しはっきりされた方がいい、かように考えます。そこでこの点を今後の外資委員会で、一つはっきりしていただきたいと思います。 次いで質問しますが、今戦時中の工場の補償で、三億四千万円程度、円蓄積があるということを私聞いていたのですが、私も実は真偽のほどはわからない。そこでシンガーが持っておる円蓄積はどのくらいあるのか、これがわかっておりましたら、お知らせ願いたい。
○小島説明員 その点につきましては、実は調査をしてみなければわからないのでございますが、本日のところそれに関する資料を持ち合せておりません。
○多賀谷委員 どうもあなたの方は調査不十分ですね。実は先ほど申し上げましたように、日米通商航海条約の議定書の第十五項が失効になるかどうかということで、その問題を今後どうするかということが大きな問題になっておるわけであります。ですから、私はこういう調査は十分もうなさっておってしかるべきであると思うのです。 そこで次に質問しますが、この航海条約の議定書の円蓄積による旧株取得ができないという条項が失効する、こういう問題について、大蔵省はどういうふうにお考えであるのか。さらに再交渉をされるつもりであるのか、あるいはさらにその事態に基いて、別個に法案を使って用途を制限されるつもりであるのか、こういう点をお聞かせ願いたい。
○小島説明員 その問題につきましては、関係各省で慎重に検討をして参っておりまして、かつ経団連の意向を通産省から尋ねられまして、その見解を求めたような経緯もあるのでございますが、私どもはこれをなお慎重に検討いたしております。私どもは経団連の意向を尊重したいという考えで、その事態の推移を見守っておったのでございますが、すでに経団連におきましても旧株の外国人による取得の問題につきましては、さほどおそれるには足らないというような観測も出ておるようでございますが、私どもといたしまして今後の対策につきましてはなお慎重に考えたいと存じております。
○多賀谷委員 まだ経団連としては正式に出てないのでしょう。さほどおそるるに足らぬというのは一部の空気ですか。私はその事情をよく知らないのですが、とにかく日本の経済界には二つの意見がある、こういうことは承知しておるわけです。経団連としては正式な意見が出ておるのですか。これは大蔵省でも通産省でもどちらでもけっこうですから、お聞かせ願いたい。
○小島説明員 正式な意見として伺ったものではございません。しかしながら新聞紙上におきましてそういうことを二、三回拝見いたしました。それによりましてただいまお答え申し上げたのでございまして、いまだ正式に意向の通知があったのではございません。
○多賀谷委員 どうもはっきりしないのです。新聞紙上で二、三回というのですが、私も新聞紙上で両者の意見のあったことを知っておる。朝日新聞の論壇でもこの失効に対する反対、要するにこの問題は、この議定書第十五項は何とかして延期してもらいたい、すなわちこの議定書がかわされましたときは、日本の企業の資本が過小である、だから日本の資本が過小でないような状態まで——企業がまだ不安定であるということでこれが結ばれておる。その後昨年の五月で再評価の実施率が九三・六%も進んでおるけれども、資本の組み入れ率は七・五%程度だ。あるいはまた明年の三月までに、例の企業資本充実のための資産再評価等の特別措置法によって、現在再評価の積立金をかなり持っておるのは資本に組み入れることになっておる。もっともこれは株の配当が一割五分以上、こういう条件はついておりますけれども、こういう状態になって漸次進みつつある。しかしまだ実際の企業の実態に即した資本というような状態には、資本構成はなっていないと私は思うのです。まだ非常に資本額が少い。利益金が資本金よりも多いというのはかなりの会社にあるのです。ましてや売上金なんかを見ますると、少くとも売上金が資本金の十倍——これは半期です。こういう会社もかなりあるのです。幾多ございます。こういうような状態で、私はまだ日本においては企業の資本力は非常に過小である、かように考えておるわけです。こういうときに私は円蓄積による旧株の取得を許すということになりますと、なるほど円蓄積そのものが非常に多いものではないので、必ずしも日本経済がこれによって重大な影響を来たすということはないでしょうけれども、かなりネックのところがやられる可能性があると私は思うのです。あるいは基礎産業につきましては、あなたの方では通商航海条約によってある種の制限があるから、これについては旧株取得についても及ぼそうというような考え方を持っておられるように聞いておるけれども、しかし基礎産業でない産業についても日本に特有の産業がある。また日本が今後それを超重的に振興して海外に伸ばさなければならぬ企業がある。たとえばミシンのごとき、あるいはカメラでもそうです。これらはみな資本金が小さい。あるいは最近はルイ・マークス会社が入ってきて、日本のおもちゃ会社をほとんど下請け企業のようにしておる。こういう状態である。これらの中小企業としても今後大いに海外に伸ばさなければならぬ商品を作る会社も多い。だから少くとも大蔵省でははっきりした態度を決定していただきたい。そうしなければ、もしこれを延期をするということになりますと今から交渉しなければならない。外交交渉です。できるかできぬか、これもわからない。それなのにまだはっきりしないというようなことでは私は相ならぬと思うのですが、これについてどういうようにお考えであるかお聞かせ願いたい。
○小島説明員 先ほども申し上げました通り、通産省、それから外務省でございますが、関係各省とよくなお協議いたしまして善処いたしてみたい、こう考えます。
○多賀谷委員 実は国会も一応六月の三日で終るのです。その後参議院の選挙もあるというので、おそらく休会中も委員会は当分の間開かれないと思うのです。しかし今審議しております蓄積円による旧株取得の問題は本年の十月で失効になるわけでありまして、この問題は日本経済にとってきわめて大きい問題であると思う。ですからもし、わずかでありますけれどもこの会期中を逃がすならば実際審議しても意味をなさないと思う。九月、十月になって交渉せいというても無理だと思う。ほうっておけばこのまま失効するのですから、まだ大蔵省やあるいは通産省では態度が決定されないということでは非常に困る。あるいは石橋通産大臣はすでにあちこちの会合で、円蓄積による旧株取得をしても大したことはない、こういうように発表されておるのをわれわれ聞いておるのですが、そういたしますと私たちはこの問題について十分審議をしないうちに問題が事実上解決される、あるいは政府としてはこのまま推移をして事実上問題を解決していくのではなかろうか、こういうようにも考えられるのでありまして、私は明日一つ責任ある大臣並びに関係の政務次官に出ていただいて、そうしてぜひこの問題を一応本委員会において審議をしてみたい、かように考える次第であります。そこで委員長におかれてはそういうようにお計らい願いたい。今聞きましてもお聞きのように十分な回答ができないのです。あるいは事務担当官では、これだけ大きな問題ですから無理だろうと思うので、私はそういうことを希望いたします。
○鹿野委員長代理 ただいまの多賀谷君の御発言に対しては、六月二日の午前に政府から答弁をお願いすることにいたしますから、御了承願います。 なお本日はこの程度にとどめます。 次回は来たる六月一日午前十時より開会することといたしまして、散会いたします。 午後一時三十分散会