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24回国会衆議院1956/05/16

商工委員会 第50号

発言数
41
登壇者
5
会派数
2
開催日
1956/05/16

会議録

神田博自由民主党

○神田委員長 これより会議を開きます。  この際、連合審査会開会の件についてお諮りいたします。ただいま本委員会において審査中の繊維工業設備臨時措置法案について、昨十五日大蔵委員会より連合審査会開会の申し入れがありましたが、これを受諾するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

神田博自由民主党

○神田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。     —————————————

神田博自由民主党

○神田委員長 次に、繊維工業設備臨時措置法案を議題とし審査を進めます。質疑を継続いたします。質疑の通告がありますから順次これを許します。加藤清二君。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 労働省が来られますと田中君に譲りますが、その間の穴埋めとして申し上げます。きのうの続きでございますが、きのうも申し上げました通り、本法案が無事に通過するかしないかのポイントは、犠牲産業であるところの機械産業を救済する策が政府において講ぜられておるかおらないかという点でございます。そこで次官に承わりますが、本法案が施行されるに当りまして、閣議でその対策が決定されております。その対策の一つに紡織機更新促進打合会なるものが用意されておると聞きますが、その内容について次官はよく御存じでございますか。

川野芳滿自由民主党通商産業政務次官

○川野政府委員 紡織機更新促進打合会を事務次官所管のもとに作りまして、その委員会におきまして長期計画を立てまして、その計画に従いまして更新を促進させよう、こういうことでございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 その内容の中に、打合会では、内外需要を勘案して、紡機更新計画とその実施対策を検討する、こうありますが、その紡機更新の調査及び実施計画案なるものができておりますか、おったらここへ出していただきたい。これはきのうの続きでございます。

小室恒夫通商産業事務官(繊維局長)

○小室政府委員 先般重工業局長から御答弁申し上げたように、各社別に紡績会社の更新需要を調査しております。一方五カ年計画に照応する紡機工業の生産の見込み等についてのお尋ねもありました。三十二年ないし三十五年の紡機の更新等の需要は、その面から推定をいたしております。その数字はただいまお配りしておる資料の中にございます。三十一年度の紡機の更新の見込み等については、別途口頭をもって御説明が行われるかと思います。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 各社別の更新計画と言われますが、政府は紡績ないしは機場、つまり機械の需要部門に対して、これこれのものを買えというその強制命令を発することができますか、できませんか。

小室恒夫通商産業事務官(繊維局長)

○小室政府委員 命令という意味であれば、それはいたしかねると思います。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 そうなりますと、需要者の自主的な更新意欲に待つ、こういうことに相なります。そうなりました場合に、買わないということは十分考えられるのでございます。私はごめんこうむるということは十分考えられます。そこで、ただ需要者の需要を期待しての計画というものは、これは壁にかいたもちでございますし、むなしいから手形と相なっておることは、二十九条のあの実績にかんがみてよく御存じのはずでございます。従いまして、この審議の正確を期するために、私は二十九条の折の実績のデータを要求しておるわけでございますが、いまだ手元にございません。そこでわが党の政策審議会が調査をいたしました結果によってこれを推定いたしますならば、もし増設の設備を禁止した場合におきましては、政府がある程度の奨励策をとられましても、遺憾なことに需要の実績はぐっと低下を見ているのでございます。いずれ詳細は数字で出していただくとして、政府の把握しておられますこの実績を簡単に御説明願いたいと思う。

鈴木義雄通商産業事務官(重工業局長)

○鈴木(義)政府委員 私から御説明するのは適当であるかどうかわかりませんが、御説明申し上げます。安定法二十九条の発動後の実績でございますが、綿スフ織機におきまして、大体三十年一月から十二月までの内需は一万一千八百二十一台、輸出が五千百二十九台、合計しまして一万六千九百五十台、こうなっております。それで二十八年の内需は一万七千九百十五台、二十九年の内需は一万五千九百二十二台でございます。それから輸出は、二十八年が五千四百七十一台、二十九年が二万六千四百一台、かようになっております。そこで三十年一月から十二月までの実績をごらんになるとおわかりだと思いますが、内需の方は、実はその当時更新新計画といたしまして、一万九百七十二台を一応予想いたしましたが、それとほぼ同じような計画にできております。ところが輸出は、実は二十九年は一万六千台というふうに、パキスタン等の需要で非常に伸びておりますが、それが昨年は落ちまして五千百二十九台となりまして、一昨年の需要程度になったのであります。従いまして、生産額としましては一万六千九百五十台というように落ちておりますが、内需の方は、更新計画に予想した通りに大体いっております。  それから絹人絹織機の方は、内需、輸出合計いたしまして、二十九年は一万一千五十台でございましたが、三十年の一月から十二月までは一方六千六百四十八台とふえております。従いまして、これは更新計画の予定以上にいっております。  それから毛織機の方は、二十九年の合計が千六百七十六台でございますが、三十年の一月から十二月までは二千七百六十台ということで、これも内需、輸出合計いたしましてふえております。取りかえ計画も、当時考えました計画以上に取りかえが行われておる、こういう状態でございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 一方的な調査ないしは答弁だけを聞いておりますと、ただいまのお答え通りでございます。ところがこの際の絹織機とか毛織機というのは、かりに二十九条の発動がありましても、今回の例と比較するにはあまりにもその条件が離れております。すなわち毛の方は、二十九条はやってもこれはうらはらの関係に相なっておりまして、ほとんどその必要性を感じていない部門でございます。また絹の方は、これはまた半木製の機械でございまして、更新しなければならない時期にずっと直面しているところの機械が多かった上に、その地方々々における県庁ないしは地方自治団体の援助ないしは企業組合の幹部の方々の更新意欲というものが相マッチいたしまして、当然のことながらふえるべきものがふえた、こういうことでございます。ところが綿織機に至りましては、これがほんとうに二十九条の真髄を実行に移したものと言い得るのでございまして、これを今回の法律をもって規制するというものと比較する場合に、一番近い例に相なるわけでございます。そこでこれと比較いたしてみますると、二十九年度と三十年度と比べますと、三十年度すなわち二十九条の発動が完全に一年間実行に移された部門については、悲しいかな五二%しか行われておりません。もしこの数字が間違いであるというならば、その点を指摘していただいてけっこうでございます。五二%しか更新をされていない、こういう結果が生じてきております。そのおかげで、機械屋の倒産が続出いたしました。下請も倒産し、大企業も痛手をこうむりました。その結果は、やがてここに従事しておる労働者の首切りということに相なったのでございます。その悲劇のどん底に追い込まれましたその業を中心とする地方自治団体は、赤字で苦しみました。その実例は、この間ここで刈谷市長がるる述べられた通りでございます。もしうそであるとするならば、刈谷の昨年度の収支の予算、決算書を見ていただけば一番よくわかります。あそこの学校の更新計画までができなくなってきたのです。学校の子供は学校に行くのをやめて、山にワラビをとりに行ったのです。私も一緒についていきました。私は涙がこぼれたです。これは事実です、私はうそを言っているのじゃございません。こういう結果がこのたび来ないとは、だれが保証できましょうか。二十九条においてしかりでございます。いわんや二十九条以上の法律をもってこれを規制するということに相なりまするならば、当然の結果として二十九条以上の悪影響が出来ることは理の当然でございます。それについて一体この更新計画をどう立てておられるのか。いまだに更新需要の計画を需要会社からとっておる段階で、どうしてこれが救済できましょうか。すでにもう計画は立て終って、そうして何月にはこれこれの機械がこれだけの会社に売れていくからということになれば、安心してこの法律を通すことができるのでございます。それはできていないけれども、とにかく法律を通すだけは通せということなら、中小企業がぶっ倒れて死んでもよろしいという結果になるわけです。それでよろしゅうございますか。私はまさか中小企業は死んでもよろしいというような、そんな考えは持っていらっしゃらないであろうと思う。そういうことに相なるならば、二月二十四日に発表なさったこの更新計画には、内容の裏づけがあるだろう、こういう見地に立って承わります。  紡織機の更新は税法上でも優遇する、こう出ておりますが、税法上どのような優遇が講ぜられますか。

小室恒夫通商産業事務官(繊維局長)

○小室政府委員 耐用年数の短縮につきまして、目下大蔵省と話し合い中でございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 目下話し合い中、それじゃこの法律が来週中には通ることになると、通ったあとどうなりますか。

小室恒夫通商産業事務官(繊維局長)

○小室政府委員 この新しい法律案は、紡績機械について新増設を絶対禁止しているわけではございません。これは今後の需要をよく見て、各部門ごとに必要な紡機は、これは新増設を秩序を持って認めて参りたい、こういう考えでございまして、いわゆる二十九条の場合とその点は違います。それからまた私ども行政指導といたしまして、紡機を更新することを促進いたしますことは、私相当効果があると思っております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 繊維局長の答弁は無理からぬと思いますが、この際ここを言いのがれたならば、それで責任がのがれられる、こういうことで、自分のやろうとしておることにうまい理屈をつけてそれで通す、あるいは困ったことについては、別個な角度から答弁をして言いのがれをする、これで政府の当局の人たちは事が足りるかもしれませんが、これが実行されることによって、親はもちろんのこと、子供までが学校に行くことさえも難渋するという、この実態をよくお考えになって、ここで言いのがれすることよりも、それを救済してやるという気持に立って、お答えが願いたいのでございます。  次に紡織機の更新のために所要資金の融通を円滑にする、特に中小紡、織布専業者には、市中融資のあっせん等、政府金融機関融資の確保に努める、こうありますが、これは具体的にどういうことを行われようとしておりますか、それはいつから行われますか。

小室恒夫通商産業事務官(繊維局長)

○小室政府委員 今日中小紡の大部分は、あまり資金的に困難を感じていないと私は存じますけれども、しかしながら同時に中小企業金融公庫の貸し出しの対象になるような、つまり中小企業としての規模を持った中小紡に対しては、紡機の更新については、積極的に貸し出してもらうということについて公庫と話し合って、すでにこれは別ワクでもって貸し出してもらえるということに了解ができております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 それはいかほどでございますか。

小室恒夫通商産業事務官(繊維局長)

○小室政府委員 これは資金需要に応じて、まずそれほど大きな資金需要があるかどうかわかりませんが、リミットを別につけないで今考えております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 それは希望があれば、全部満たされる、こういうことでございますか。

小室恒夫通商産業事務官(繊維局長)

○小室政府委員 目下のところは、そういう見通しを立てております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 ここで金融の問題で特にお訴えしておきたいことがございます。それは二十九条の折にもそのようなことが行われたのであります。しかしよく考えて下さいよ、これは直接機械屋にいく金ではありません。紡績及び織布部門は、自分がよりよくなるために、二十九条なりあるいは今度の法律なりが行われるわけであります。紡績部門は今日よりよりよくなるためでございます。ところが機械部門はこれが行われることによって、今日よりもより悪くなった経験を二十九条で体験しているのでございます。その際によくなるところへ追い打ちをかけて金融をしてやる、税制措置をしてやる、ますますこの部門はよくなるでございましょう。けっこうでございます。ところが悲しいことに、救うてやろうとしたところの犠牲者はお流れをちょうだいする以外に手はないのでございます。これはおわかりになりますか、重工業局長。お流れちょうだいですよ。直接機械生産部門へいく金じゃございませんよ。そこでこれがどういう結果が生じて参ったかと申しますと、ただいま繊維局長が通産次官の代理で答弁いたしましたように、去年も同じように中小企業金融公庫、商工中金等の金をひもつきで貸す、こういうことになっておった、それを審議会できめた。ところが果して機械屋にこれがひもつきで渡ったか、それをあなたはどう答えますか。渡ったか渡らないかはっきり答えて下さい。

鈴木義雄通商産業事務官(重工業局長)

○鈴木(義)政府委員 昨年の資金問題は、やはり機屋さんの方に金融が出て、それによって更新需要が促進され、それによって機会需要が促進された、こうなっております。特にひもつきで機械の関係の方にその金がいくということではございません。従いましてわれわれとしましては繊維産業、機屋さんの方がその金をいただき、それによって更新需要を起し、その注文が機械関係にいった、こういう考え方でございます。今回の場合もさようなわけでございます。結局機械関係と繊維産業とはお互いが密接な関係を持っております。結局需要ということが問題でございます。従いまして資金面は繊維産業に参りまして、それが更新需要を促進して、機屋さんなりの金が、更新需要が結局機械産業を潤す、こういう形をとっているわけでございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 だから私の言うた通り、直接被害を受ける方はお流れをちょうだい、こういうことなんです。よりよくせんがための二十九条であり、繊維工業設備制限法である。繊維部門はそれでよりよくなって、おまけに融資までもらって、機械を早く直しなさいということで税制の措置まで受けました。悲しいことにここで、次官代理の局長さん、よく心得て下さいよ。ここから先が問題ですからね。どういうことかといいますと、ひもつきで機械が更新されるであろうと思うて機場に出した中小企業金融公庫の金や商工中金の金は、機場でストックしている部門が多いのであります。どうしてストックしたか。それじゃ機場がネコババをきめたか。そうではございません。どうしてストックしたかといえば、銀行の窓口がストックさせたのでございます。なぜかならば、機場さんの抵当はすでに銀行に入っているのでございます。原料高の製品安で苦しむところの機場は、自分の納めた品物の金は商社からなかなか参りません。しかしながら紡績に払う金は早く払わなければならない。そこでやむなく自分の財産をを自分の設備を担保にして、これを銀行から借りているのでございます。そこへ機械を更新しなさいというて中小企業金融公庫の金が参りました。窓口が遺憾なことに市中銀行でございます。市中銀行は、おっとどっこい待った、君のところは金が焦げついておるじゃないか、肩がわりしよう、そしたら貸してやる、それでなければ判をついてやらぬぞ、申請してやらぬぞ。悲しいときの神頼みだ、おぼれんとする者はわらをもつかむだ、やむなく銀行の支店長に頭をすりこ木のように下げて、まだ足らぬでそでの下を使って、まだ足らぬで夜の夜中まで別な場所へ行って陳情運動をやって、そうして借り入れた金は結局歩積み、両建と、それから先に借りた糸代金の方へ回ってしまって、これが機械の注文の方へ行かなかったがゆえに予定の五二%しか機械、つまり機の産業は行われなかった、こういう結果が生じてきておる。このたびも同じようなことで、こうやって金を貸しますからこれでよろしいといったって、それが果して何パーセント機械の更新に向けられるか。そのうちの何パーセントが機械屋の方へ回るか。このことについてとくと御考慮が願いたい。いわば機場自体が政府の施策の悪いおかげで病人の状態にある。従ってごちそうを作って持っていったって食いやしません。食えません。あなたたちにはごちそうと思われるものが栄養にならないのですから、これはカンフル注射をやらなければならぬ。死ぬ一歩手前の人間だ、倒産一歩手前の人間だ、カンフル注射をやる、そうしなければ設備を更新するなんというところまではとてもいくものじゃございません。やむなくよそへ支払わなければならない金でも食糧に回してしまう、これが現状でございます。薬代に回すというのが現状でございます。その点をよく御考慮に入れて、そうして融資計画なり、融資のひもつきなりをおやりにならないと、これは画龍点睛どころの騒ぎじゃございません。全くのから手形に終るのでございます。さてこういう状況下にあって、大臣はどのようにこれを処置されようとしておるのか。特別にできたこの委員会でどのようにこれを処置されようとしておるのか。仏作って魂を入れてみて下さい。どういう魂が入りますか。

川野芳滿自由民主党通商産業政務次官

○川野政府委員 中小企業金融公庫の貸し出し実情というものにつきましては、加藤委員もよく御承知であられるであろうと存じております。すなわち地方銀行等を通じて融資を申し込む際におきましては、その設備更新等の計画書を添えて、実は地方銀行を通じて中小企業金融公庫に申し込むわけであります。その計画の線に沿いまして、中小企業金融公庫は融資をいたします。融資をいたしました結果は、また中小企業金融公庫におきましては、その後監査をやります。従いまして計画に沿わない資金を出しておる、こういうことがかりにあったとするならば、中小企業金融公庫は地方銀行に相当な監督権の発動ということをやるわけでございます。従いましてもし機屋さんが機械の更新を実行する計画を立てまして、かりに融資を受けました場合には、必ずやその計画の線に沿って融資の金を使わなければならない、こういう結果になります。従いまして機械の更新をするという名のもとにかりに融資を受けたならば、その金がほかに回るということはなかろうと信じておる次第であります。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 その期待がほんとうに期待通りにいけば、こんなところで私は大きな声をする必要はないのですよ。それが期待通りにいっていないから、私の先輩でしかも常々尊敬しております首藤先生も中小企業金融公庫の総裁を呼んで口をすっぱくして説かれたのです。私もあのときはもっともだと思った。その期待は悲しいことに期待はずれなんです。だからそんなむなしき期待を持って今日のこの悲惨な金融状態に当てはめようというのがすでに無理なんだから、済みませんがそんな抽象論や形式論でなくて、具体的にあった具体論を一つ——具体的に行うことが一番専門の与党さんでしょう。抽象論を言うのは社会党の専用だったはずです、社会党は空理空論を言うではないか、これがあなたたちの私を攻撃する唯一のあれだったでしょう。ところがきょうはくるっと変っちゃったのです。弱りましたね。空理空論という言葉は返上——返上と言ったって私はあなたのところに返上はしたくないのだ。こんなものはあっさりよそへ捨ててしまって、お互いに実際に即した施策を施して救う、こういうふうに持っていきたい。だからそのつもりで答えて下さいよ。  だんだん次へいきまするが、内需の更新事情についてはまた別な時間に計画的にお尋ねするとして、というのはあなたの方からデータが出てないから、出てからきちっと実態に即してやる、こういうことにして、次は輸出振興でございますが、御承知の通り設備を拡大することがほとんどできないということになれば、内需の更新か輸出以外に手がございません。そこで輸出についてどのような具体策が行われているか、ここにはいろいろあげられておりまするが、私は具体的にどういうことが用意されているかということが承わりたいのでございます。

鈴木義雄通商産業事務官(重工業局長)

○鈴木(義)政府委員 輸出の対策といたしましては、先般来御説明申し上げております通り、新しい市場の開拓を大いにやるというわけで、昨年も実は織機関係につきまして中近東、中南米というような方面にも人を派遣したわけであります。今年度も紡機関係を含めましてさような計画を進めていきたい、それから昨年の調査の結果にかんがみまして、やはり日本の輸出はアフター・サービスという点が非常に大事なものであります。これらにつきまして業界で一つ案を作っていただく、それに対して国として補助していきたい、このような考え方が第二点であります。これら市場調査あるいはアフター・サービスというふうな補助に対しまして、政府としては大体二千万円ぐらいの補助を考えていきたい、こういうことが今年度の計画でございます。さらに輸出の態勢も整えていきたい、いろいろ業界の態勢を整えて計画的にできるだけ輸出を促進するようにしよう、今年度の目標につきましては輸出審議会で検討いたしております。大体昨日も申し上げたかと思いますが、昨年の実績の九%上の程度の目標を考えております。その中でも紡機、織機等につきましては、昨年よりも相当上の目標を持って努力していきたい。一昨年はパキスタン方面等の需要が非常にあったわけであります。それがなくなり減っておりますが、本年度はインドあるいは中南米その他の需要が相当期待できるというふうに考えておりまして、エキスポーター関係も相当積極的なようであります。かようなわけで、目標を立ててただいま申し上げましたような施策を立てて、できるだけ輸出を振興していきたい、かように考えておる次第でございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 だんだんの御説明ごもっともでございまするが、二十九条をいよいよ発動する折にもそういうお話を承わったのでございます。その通りのお話を承わりましてこれでもってしんぼうしろ、こういうことでした。私はしんぼうができぬと言ったところが業界の人やお役所の人はえらい人だもので、えらい人のおっしゃることはそれもそうだろうということで、泣きの涙の泣き寝入りをおやりになりました。その結果どういうことになったか、内地の需要がどんどん減った、もう売れるのは外地だけじゃないか、こういうことを見のがすほど外国のバイヤーやエージェントたちはばかじゃございません。そこで買い手はおれらだけじゃないか、こう来た。もっと負けろと言った、皆さんは安売り競争をするからいけないということを言いたいでございましょうが、何を好んで自分の作ったものを安売りするばかがありますか。安売りをしなければならないように仕向けられてくるからするのですよ、ここをよく考えて下さい。それは商社が安売りをしたからいけないとか業者が勝手に安売り競争をしたからいけないと言われるが、自分の作ったものは、機械屋の身になってみれば、自分のかわいい子供なんですよ。これをだれが安売りしたいというばかがおります。しかしそれをしなければならぬように追い込まれてくるのです。つまり力の関係なんです。やむなく一割下げた。隣りが一割下げたからお前のところも下げろ、こう言われる。それでは私のところは一割二分下げましょうか、こうくる。これは当りまえのことです。向うが一割五分下げた、それじゃバイヤーの運動費から滞在費は持てと、こうなる。当りまえなんです。結局合せて三割ぐらいの値下りが参ったのでございます。それはやがて大会社の収入減となって、これがやがて働く労働者の賃下げとなり、その賃下げは、やがてその町の中小企業の不況を来たして参りました。大きな問題です。しかもこのたびは悲しいことにスクラップ高でございます。トン当り一台一万円で売ればいいというお話でございますが、とんでもない話なんです。トン当り二万七、八千円はとんとんなんです。へっちゃらな話なんです。今三万円ぐらいしている。その材料を買うて作った機械が、輸出にのみたよる結果は、やがてまた三割切り下げられたらこれは完全に出血輸出と相なりまするが、他の機械部門が出血輸出のときは砂糖をもらったりバナナをもらったりしておりまするが、この繊維機械だけは一人立ちをして参りました。この際バナナや砂糖をもらえますか。

鈴木義雄通商産業事務官(重工業局長)

○鈴木(義)政府委員 繊維機械はお話の通り、従来業界が非常に強く、輸出につきましても努力されて相当の輸出を見ております。昨年の織機の輸出は、実は先ほど来申し上げております通り、主としてパキスタン等一昨年にありました需要が減りまして、さような関係で需要は減り、輸出も不振であったわけであります。われわれとしましても、輸出についてはできるだけ努力し、市場調査等をしたわけでございますが、さような結果に相なっております。それから安売りの問題は、これはほかの機械関係あるいはほかの商品についても同じ問題がございまして、われわれとしましてもできるだけ業界の輸出態勢を整えましてさようなことのないように努力していきたい、こういうわけで、業界と現在も話し合っているところでございます。それからもう一つ、バナナ、砂糖の補助はどうか、こういうお話でございます。これは現在すべてやめております。われわれとしましては、昨年の三月までございましたが、それをもって一切やめておりますので、さような方法はとれないと思います。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 それで私も何も今まで一本立ちできた機械屋ですから、それに砂糖をやってちょうだいとかバナナをやってちょうだいとかいうことが目的じゃないのです。一本立ちできたけれども、政府の法律のおかげによって犠牲をしょうのだ、その犠牲をしょわないようにあなたは努力するとおっしゃるが、二十九条のときの努力はむなしいとは言いませんけれども、確かに犠牲を救うことはできたが、全部救うことはできなかった、これはお認めになりましょう。このたびも、もしそこから犠牲が出た場合には、造船のように砂糖からとった金を与えるとか、あるいは利子補給をするとか等々、すでに先例があるのだから、もし犠牲が出た場合に、そういう救済措置をとる用意がありますかということを聞いておる。これは次官に伺います。

川野芳滿自由民主党通商産業政務次官

○川野政府委員 機械の問題につきましては、先般来局長等から種々御説明申し上げましたように、設備の更新あるいは税法上の優遇措置あるいは金融問題、こういうことをやりまして、機械産業の打撃を食いとめたい、かように考えておる次第であります。なお造船等にやりました利子補給等のようなことは現在のところ考えておりません。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 そうすると犠牲が出た場合に出っぱなしですか。その犠牲は、それを経営している経営者のみならず、そこに働く従業員その従業員の子弟、その従業員の住んでおります地方にまでもやがて悪影響がきますが、それを見て見っぱなしですか。それも、自分が勝手にやったということならそれは勝手ですよ。自由ですよ。ところが政府の命令ないしは法律によってそういう犠牲が生じてきますよ。それをほっておいてもよろしいですか。それをほっとくというならば、ダムを作ったけれども水底に埋没する人はほっといたと同じことになります。

川野芳滿自由民主党通商産業政務次官

○川野政府委員 本法律案は、機械産業の輸出を正常化し、さらに機械工業を合理化する、こういうような目的をもって実は作られておるのであります。すなわち繊維工業というものが堅実なる歩みを続けるということは、ひいて機械産業が堅実な歩みを続ける、こういうことにもなりますので、そういう観点からこの法律案というものが実はできておるわけであります。従いまして機械工業につきましては、先ほど来申しましたように、できるだけ打撃を最小限度に食いとめたい、こういうような施策を実はやるべく準備を進めておるような次第であります。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 本法案が機械産業の振興とその輸出に努力するなんということを言われますと、これはとんでもない話なのです。それだったらこの法案の第何条の第何項にそれが盛られておりますかを聞きたい。

川野芳滿自由民主党通商産業政務次官

○川野政府委員 繊維工業のことでございますが、すなわち繊維工業が正常な歩みを続ける、こういうことはひいて繊維工業に関する機械産業の発達になる、こういう意味でございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 だから私はきょうの当初からそれを言うておる。これは繊維工業をよくしようということなのです。そのおかぶりを受けるのが機械工業なのです。その繊維工業へ、この金は機械を買うのですよというて直接融資をしてやっても、それが途中で横へ流れていってしまうのが現状だということを言うておる。そういうやさきに持ってきて、繊維工業がよくなったらそれで機械工業が直ちによくなる——そんな、鏡の反射と違いますよ。鏡の反射のように考えていらっしゃるようだが、それは次官としてはそういうふうに答弁しなければならぬでしょう。しかし心のうちではわかっていらっしゃると思う。わかっていることをほんとうに言ってしまったら大へんなことになるからそういうふうに言っていらっしゃるのでしょうが、考えなければならないことは、直接に響いてこないというところにある。直接好影響がこないというところに問題がある。それをどうしますかということを聞いておるのです。よろしゅうございますか。二十九条の折に下請がばたばた倒れ、従業員がばたばた首を切られ、経営者側の研究部門まで縮小されたのは——一年先、二年先の好影響じゃ問題にならないですよ。一月、二月ないしせいぜい半年までが持ち切らぬのです。あなたも企業をやっているからそれはようおわかりでしょう。手形は一月はおろか一日待ったなしです。待ったなしでぴしゃっとくるのです。それを救わなければほんとうに救ったということにならないのだ。だから私は抽象論でなしに具体論で行きましょうと言うておるのだ。二月、三月、四月、ここらが一番むずかしいのですよ。峠を通り越えれば相手も生きて行けますよ。ところがみんなそのときに切られていくのだ。従って、せめてそういう場合に、ほかの業界でも、造船やほかの機械ですでにやっているのだから、それをやる用意があるかということを聞いておるわけなのです。それがないというのなら、これは切って切り捨てごめんといわざるを得ない。一年先、二年先によくなる、そんなものが待ち切れますか。

川野芳滿自由民主党通商産業政務次官

○川野政府委員 繊維工業と繊維関係の機械工業というものは唇歯輔車の関係にあるのでなかろうかと、実は私はかように考えておる次第でございます。従いまして、繊維工業が健全な発達をするということは、長い目で見ますると、さらに繊維関係の機械工業の発達、こういうことにも私は相なるのではなかろうか、かように考えております。しかし目下のところ直ちに機械工業等に影響がある、こういうようなことでございますから、先ほど来申しましたように、通産省といたしましては、事務次官を主管といたしまして、あらゆる角度からこの打撃を最小限度に食いとめる、こういうような点について検討をいたしておるような次第であります。  なお中小企業金融の問題でございますが、実は先ほども申しましたように、中小企業の金融公庫の金というものは、その計画書に基いて使用される、こういうことになっておりまして、かりにこういう機械を買う、こんなことで実は計画書を出して金融公庫から金を融資いたします。融資されました金というものは、その機械の設備が備わる、こういうことになりまして初めて地方銀行はその預かっている金を出しておるものと私は考えております。しかし実際問題としてそういう点において欠けておる点等がございましたならば、今後十二分に中小企業金融公庫に対しましてもそういう点注意して参りたい、こういうふうに考えております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 同じことを、堂々めぐりやっておってもだめです。私はそんなことを言うておるのではないのですから。中小企業金融公庫のことは、法律にはあなたのおっしゃる通りだ。あれは本委員会で、私はあれだけで九時間質問した。一緒に作ったのだからよく知っている。ところがそれが実行に移されていないというのです。実行に移されていない、そこが問題なのです。それよりも何よりも、そういうことを総合してよく知った人であるならば、その知った上に立って、倒れていくものを救わなければならぬ。政府が、わが子は繊維工業だけであって、それにまつわる機械産業はわが子でない、かりにわが子であってもそれはまま子である、こうおっしゃるならば、私は何をか言わんやだ。しかし繊維が安定したいと思えば、同じように、あれも人の子、機械だって安定したいと思うのは当然のことなんです。またそれを考えてやることがわれわれ立法者の責務である。この責務を遂行するだけの話なんです。何もむずかしいことではない。すでにこの倒れんとするものを救済する策は別な業界にはあるのです。あることを言うてあげましょうか。アルゼンチンから何がゆえに繊維業界は二割高の原毛を買わなければならないのか、繊維局長が一番よく知っている。繊維局長の知っている例で言いましょう。ブラジルから何がゆえ二割高の原綿を買わなければならないのか、何がゆえにアメリカから余剰農産物として一割五分も二割も高いところの短繊維、あの綿を買わなければならないのか、これは他にそれ以上の犠牲を受けている造船を初めとした機械の輸出をうまくさせんがためである。言葉をかえて言えば、通産大臣のいうところの拡大均衡を推進せんがために、やむなく繊維業界がしょわされているところの犠牲でございます。それをあえて承知のすけで紡績は受けながら、その犠牲は機場にしょわせ、その先は機械屋にしょわせ、最終仕上げ部門にしょわせ、最後には一般小売にしょわせる。そのしょわせたあげくの果ては、一般消費者にしょわせて、今年のゆかたの二割高、三割高ということになっているのだ。こういう状況を百も承知の上でありながら、過去においてもすでに犠牲をしょっている機場や機械、これがその犠牲に追い打ちをかけられるというのが今日の実態なんだ。これに対して何ら施すすべがなく、ここに書かれたすべての条項なるものは、やろうと心得ているけれども、今原案はないと言う、から手形じゃないか。あなたが銀行金融を正常化するというけれども、銀行金融を正常化する一番のもとは何かというたら、から手形を発行させないということなんだ。それをあえてあなたの方はやろうとしているじゃないか。そんなことで、どうして国民が聞きますか。どうしてこの犠牲を救うことができませんか。そこであなたの方に案がそれぞれあるでしょう、ないとは言いません。私の方にもあります。その案を相持ち寄って、審議の結果この法案を通すまでに、ぜひ一つ具体案としたいと思いまするが、大臣はいかようにお考えでございましょう。

川野芳滿自由民主党通商産業政務次官

○川野政府委員 通商産業省が繊維関係の機械工業に対してまま子扱いにする、こういうお言葉がございますが、決してそういう考えは持っておりません。先ほど来申しましたように、あるいは設備更新、あるいは中小企業金融公庫から別ワクをとりまして、できるだけ金融面についても考慮を申し上げる、あるいは二千万円の予算をもって市場の拡大を促進する、こういうようなことで、実は機械工業の振興のためにも検討をいたしておる次第であります。なおその他いい案等がございましたならば、御注意をいただくならば、その問題等につきましては、できる限り実行に努力したい、かように考えます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 ただいまの、いい案があったなら持ち寄ってこれを救済するもとにしましょうという、その言いたるやまことによしでございます。私もその意見にはもろ手を上げて賛成でございます。従って残された時間は短かいようでございますが、その間に一つよくこの問題を検討いたしまして、ほんとうに繊維業界に働くところの犠牲者、すなわち機場と機械屋がこの際救われるというような方途を一つ編み出したいものだと思います。従いまして私の質問は、これで終ったわけではございません。あとの問題はここに留保いたしまして、委員長の命に従ってきょうはこの程度にとどめます。

神田博自由民主党

○神田委員長 本日はこれにて散会いたします。明十七日午前十時より開会することにいたします。    午後零時三十五分散会

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