商工委員会 第43号
- 発言数
- 44 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/05/07
会議録
○鹿野委員長代理 これより会議を開きます。 委員長は所用のため暫時出席がおくれますので、私が委員長の指名により委員長の職務を行うことにいたします。 繊維工業設備臨時措置法案を議題といたし、審査を進めることにいたします。質疑を継続いたします。質疑の通告がありますので、順次これを許します。加藤清二君。
○加藤(清)委員 私は、前会に引き続きまして、主として繊維工業設備制限に関係のある外貨の問題について、まずお尋ねをしてみたいと存じます。 第一にお尋ねしたいことは、今年度から外貨の割当方式が変更されまして、お話に聞きますると、今まで繊維の設備に割当になっておりましたところの外貨を商社に移行する、しかもそれがうわさによりますると、七月一日ごろから実施される、こういうことでございます。これは繊維を業としておりまする紡績を初めとし、機場にとっては画期的なことでございまして、この影響はもう先のことを考えるまでもなく、おそろしい結果を招来することと相なりまするし、やがてはこのことは繊維業界に大きな打撃、と申しまするよりも死ぬか生きるかの問題を招来することでございます。そこで私は、こういう外貨が移行される場合に、まずもって受け入れ側の商社に受け入れ態勢ができているかいないかをお尋ねしなければならぬのでございます。ほんとうはこれは通産大臣にお尋ねしたいのでございますが、おられなければ、それにかわるべきお方から責任ある御答弁が願いたいのでございます。第一点は、商社の外貨の割当の準備態勢ができているかいないか、この点についてお尋ねいたします。
○樋詰政府委員 ただいまの加藤先生の御質問でございますが、まず第一に、今期から外貨の割当の方法を変えて商社に割り当てる、今までの設備割当をやめるというふうに今進んでいるというようなお話でございましたが、これはあるいは私の聞き取り方がまずかったのかもわかりませんが、われわれといたしましては、今まで設備に関連して割り当てておりました制度をやめて、商社が自由処分できるような割当に変えるといったようなことは、今のところまだ全然考えておらないのでございまして、外貨というものの割当、これは御承知のように外国に送金をしてもよろしいということの許可、外貨を使ってもいいという許可でございまして、それと、この外貨で入ってきたものをだれにどう使わせるかということは、一応われわれは分けて考えているのでございまして、たとえば、ほかの物資についても今大部分のものについてやっているわけでございますが、あるものはいわゆる商社の輸入実績等によって割り当てまして、その入ったものはその商社が自分の欲するところにどこに売ってもいい、これは純粋の商社の割当でございます。かりに繊維がこういうことになれば、これは相当のいろいろな変動ということも起るかと思われますが、いわゆる内示書という言葉で呼ばれておりますたくさんの品物のように、それぞれのメーカーには一定の設備能力あるいは生産の実績あるいは生産計画といったようなもので、外国から輸入したものを使ってもよろしいという権利を内示書という形で付与いたしまして、一方外貨そのものは、先ほど申し上げましたように、外国から物を買って、だれの名前で送るかという、その金を送る人に送ってもよろしいという許可を与える性質のものでございますので、かりにAというメーカーが百なら百の外国物資の使用権を主務官庁から認められた場合に、そのメーカーが自分で為替を取り組み、信用状を開くということをやりまして、外国に送金するという場合には、そのメーカーはメーカーであると同時に商機能を営んでおるわけでございますので、この場合には、当然そのメーカーが外国貿易の当事者であるということで外貨を割り当てるということをいたしておりますが、もしいわゆる商社というものを使いまして、この商社に海外との契約あるいは輸入申請、さらにLCの開設から送金ということをやってもらう場合には、その外貨というものは現実にILを申請し、LCを開いて送金する人間がその人の名前でやるわけでございますので、これはわれわれといたしましては、そのILを申請して、LCを開く人が外貨を送ることを認められるというのが当然じゃないか。従いましてわれわれの方で——今加藤先生が商社割当にするとおっしゃられましたけれども、いわゆる商社という中には、純粋の商業活動だけをやっておるものと、それからメーカーであって同時に輸出をやりあるいは輸入をやるという、貿易業務もやっておるものと、二通りあるわけでございまして、われわれの方も、もしメーカーが従来設備割当でやっておられた際に、今後も自分の名前であくまでも外貨の割当を受けたいとおっしゃる限りは、御自分でLCを開いて、自分で取引をされるというなら、その方はメーカーであると同時に商社であるから、当然御自分の名前でできる。しかし物の使用権だけは自分が確保しておるけれども、送金はほかの商社に頼むという場合には、その送金の許可は送金する商社自体に与えるというのが一番普通の形じゃないか、そういうふうに考えまして、昨年の春から逐次ほかの物資についてこういう制度に移行してきたわけでございますが、その間私が今申し上げましたことのほかに、いろいろ業界に混乱でも起るといけないということから、特にその点を心配された若干の業種につきましては、一年ばかり準備期間を置き、模様を見るということで昨年から経過したわけでございます。その後約一年たちましたけれども、ほかの業種にはこのメーカー割当というものを、メーカーには使用権を表示する内示書を渡し、送金する人に外貨を渡すという制度で、どの業界にも全然文句は起らなかったということで、通商局としてはできるだけ早くやりたい、こういうことを昨年から思っていたわけでございますが、実はこの問題は通産省といたしましては、もうすでに事務段階では十分に論議し尽しまして、われわれの方は大臣の御裁定を待つということで、あとは大臣がどういうふうにおきめになるか、われわれ通商局といたしましては当然やるべきことではないか、こう思っておりますが、まだ大臣の御決裁がございませんので、いつになるか、あるいはやらないのかやるのかということ自体まだ未定です。そういうことになっております。
○加藤(清)委員 樋詰次長のだんだんの御説明、これは何も知らぬ人が聞いておると、それもそうかもしらぬと思うんです。おそらくそういうお答えになるだろうとは思っていましたが、それは机の上で頭のいい人がひねり出した机上の悲しさでございまして、実際やっている者の身から見まするとチンプンカンプンですね。見当はずれの結果が生じて参るのでございます。 さてただいまのお答えでございますると、すでに事務当局の手を離れて大臣決裁になっておる、こういうことでございまするので、大臣がいらっしゃらないと正確なところがわからないという段階でございまするが、委員長さんどういたしましょう。
○鹿野委員長代理 大臣が二時ごろ見えられるそうですから、この問題をちょっと残して別の質問をしていただきたいと思います。
○加藤(清)委員 そうしましょう。それでは委員長の仰せに従いまして、私は次に質問を進めますが、そういう大きな外貨——綿花と原毛とだけでもって軽く見て五億から六億ドルに至る外貨でございまするが、この外貨を商社が受け入れてそれを実施する——まあ樋詰さんのお答えによりますると、送金の実務だけを商社がやるとおっしゃられますが、かりに送金の実務だけであったとしても、果して今日の商社はその受け入れ態勢ができているのかいないのか、この点を私は最初にお尋ねしたわけでございます。そのお答えがございませんので、その点をどうぞ……。
○樋詰政府委員 六億ドルに上ります繊維の外貨資金を、いわゆる紡績屋さんと全然無関係に商社だけで円滑に金融その他ができるか、受け入れ態勢ができるかというようなお話でございますが、これは先ほども私申し上げましたように、われわれが今やりたいといって去年から言っております制度といいますものは、全然紡績のことには目をつぶって、商社にだけいきなり金をやるということを言っておるのじゃございません。これはメーカーに対して役所の方で内示書というものを出して、これは設備の力なりあるいは生産実績、計画といったようなものに応じて百俵を使える、あるいは千俵を使えるということの、一種の切符を出しますが、その内示書を集めてきた方に、と申しますのは、その内示書をもらったメーカーは、輸入したければ百分の名前で輸入申請をして、自分の名前でLCをお組みになれば、これは同時に貿易業務を営むわけでありますから、それをおやりになればいい。それと同時に、毛の関係では紡績と同時に商行為をやっておる方が相当にございます。ところがそういうことをやらないで、とにかく既存の商社を使って入れるという方が非常に多いわけでございますか、そういう方は御承知のようにあるいは紡績が取引先の銀行と話をいたしまして、原綿なり原毛なりが入ってきたあとの国内金融をどうつけるかというようなこともすっかり話した上で、その商社にLCの開設あるいは送金を委託する。その際にこれは企業によりましては紡績がいわゆる保証をして商社が金を借りるということもありますし、あるいは商社が単独でやれるというものもございますので、今商社が全然単独でそういう膨大な対外送金の金融がまかなえるかどうかというお話がございましたが、まかなえる会社もあるし、まかなえない会社もある。しかしまかなえない会社というのは、結局商社に注文を出すメーカーがその後の国内金融との関連等からうしろについているという格好で、商社とメーカーとがタイアップした上で、その送金ということができるようになっておるわけでございますので、われわれといたしましては逐次商社の実力を培養するということにつきましては努力いたしておりますが、今商社の力だけで必ずしもやれるということまでに至っていないことは御承知の通りだと思いますか、大体従来の制度に実質的な変更はないというふうに考えておりますために、これは各メーカーの業界と並んで商社が逐次整備されていくということで十分やっていけるのではないかと考えております。
○加藤(清)委員 ただいまのお話にもございました通り、商社ではとてもやっていけないところもあるということでございますが、私がお尋ねしたいと思っている点は、そういう個々の問題よりも、商社全体の近ごろの傾向をお尋ねしているのでございます。なぜかならば、さきに政府は商社の指導、育成、強化のために外貨の保有を許されたわけでございます。それは全部の商社にあらずして一部の商社でございました。この一部の商社に外貨の保有を許すと同時に、交互計算を許されたはずでございます。このことは事重大でございまして、内地からながめておれば、優等生だけをかわいがって、それ以外の者は落第させたということで終るかもしれませんが、外国側からながめてみますと、船場七社と二社五綿のいわゆる十四社、それに加うるに、共同でできました七社、約二十社だけは外国のエージェントなりシッパーなりから見ますると、これは日本政府の保証を受けた商社である。従って取引をするならこことならばよろしい、こういうことなんです。ところがそれ以外のところは政府からも見放されておる、従って商社信用は、これは日本政府でさえも信用していないのだから、われわれが信用することはできないのだ、こういう考え方が盛んに行われておるのでございます。その結果から商社筋では、外貨保有と交互計算を許された商社は、これは割合にうまくいっておりまするものの、それ以外の商社ではとりつく島がなくなって、一体将来どのようにして外国との貿易を振興しようかということで非常に苦労をしておる。これが商社と商社との問の対立を一そう深める原因を来たしております。つまりいえば、商社との混乱を来たしているということでございます。そこでまた六億ドルに余るような外貨がころげ込んだということになりますと、ますますてんやわんやになる。従って私はこの際はまだ商社としては受け入れ態勢が十分にできていない。ほんとうに健全な輸出貿易を発展させるためには、六億ドルにも及ぶ外貨を受け入れるところの態勢が整っていない。かように論じておられる新聞論説に私も賛成するものでございますが、一体それでもなお受け入れ態勢は十分にできているとお考えでございましょうか、この点をお尋ねいたします。
○樋詰政府委員 どうも私はなはだ受け取り方が、お聞きの仕方がまずいかと思いますが、商社のいわゆる外貨保有ということと、今の六億ドルということは、われわれ全然関係のないものと思います。 まず六億ドルの方から申し上げますか、これは先ほど申し上げましたように、いわゆる商社に割り当てて、そして商社が自分の力で国内金融をやって、外国為替を買って、そして向うに送金する。送金して入ってきたものはどこに売ってもよろしいということになれば、これは先生のおっしゃる通りのことになるかと思いますが、そうじゃなくて、メーカーから注文を受けて、そのものを使う権利はメーカーにある。そのメーカーから注文書をもらってくる。しかも注文書をもらってくるときに、あなたは一体自分の取引先の甲銀行に為替を取り組むということをやってくれるか。もしそういうことになれば、その入ってきたものの国内金融というものについても、自分は甲銀行からめんどうを見てもらえるんだが、そういう国内金融の関係等も考えて為替の取引はどこどこにしてもらいたいというような条件を全部のんだ上で、それじゃあなたのかわりに外国との交渉あるいは送金という面を私のところで受け持たしていただきましょうということでやる限りにおきましてはこれは常にメーカーの方が主導的な地位に立っておる。これはいわゆるAA物資なんかと違いまして——AA物資等は、商社が自分の危険におきまして、物を入れて、そして入ってきた物はどこに処分してもいいということでございますが、これはそうでなくて、この物は甲紡績会社が使うんだということであれは、その甲紡績会社に売った一万俵なら一万俵というもの、それを甲紡績が自分で直接入れようが、あるいは特定の乙商事会社を使うか、あるいは丙商事会社にするかということで、こういう銀行に為替を取り組みあるいは受け渡しをする、こういう条件で、マージンはこうこうだという契約をした上で、その物を入れてもらうという、結局実務を頼むということになるのでございますので、これは現在までやっておることと全然実体は変りはない。これは私の方は実はなぜ一体メーカーの方でそういうふうに御心配になるのかということが、どうもわからないのでございまして、現に一年間やりまして、どこの業界からも制度が変ったために困ったといったようなお話は、一度も伺っておらないのでございます。これがかりにいわゆる発券制度みたいなことになりまして、メーカーにはそれが要る。しかし片一方商社の方には割当があって、その割当以上は受け入れないということにでもなれば、いやでもおうでも好まない商社と結びつかなければならないという問題も起るかと思いますが、そういうことじゃございません。とにかくどの商社を使うということについては、完全なる選択権をメーカー側が持っているという限りにおきまして、現状と何ら変らないんじゃないか、そういうふうに思っております。 それから外貨保有の問題、これは御指摘の通りに、昨年の秋に約二十社に対しまして、国内で集中された外貨を買って、一定限度までは持ってよろしいということでいたしておりますが、これは大体われわれ主としてねらっておりますのは、いわゆる総合商社というような格好で、日本とだけの貿易ということよりも、日本との貿易もやる、同時に第三国の貿易もやるといったような総合商社の拡充強化ということは、非常に大切じゃないか、そういうふうに考えておりますが、この総合商社ということで、ことに第三国貿易でもやるという際には、いわゆる世界の商機を見まして、そうして機敏な活動をせにゃいかぬ。この場合に銀行に金を借りにいくというようなことをやって、一々理由を聞かれたり何かでひまがかかり、秘密が漏れるということよりは、とにかくある程度手金で手付でも打てるものなら打つということをやっておいて、あとでゆっくり銀行に借りに行くということで、世界中またにかけていろいろ広範な商取引をやるためには、ある程度いつでも使えるだけの外貨を持っている必要があるのではないか。しかもそういう必要の起るのは、その店の取扱い高が多ければ多いほどそういう機会が起るというふうに一応判断されますので、とりあえず貿易量が相当に多いということを前提といたしまして、また海外に支店がなければ、これは海外の支店の手元を充実させるということから起っておりますので、充実したいにもそういう機構がない。だからそれは機構ができるまでお待ちいただく。またたまたま支店を持っておっても、取引量その他から見て、わざわざ国内で円でドルを買って、それを向うに送金して遊ばしておくという必要もないではないかと思われる程度の規模の方は、初めてやった制度でございますので、いましばらくこの制度の動き方というようなものを見た上で、やはりそういう方にもある程度外貨を買って持っていただくことが必要であるというふうに思われるならば、逐次そういう方をふやしていこう。とりあえずの段階といたしまして、非常に取引高が多くて、その次の段階との間に相当の開きがあるといったようなところを選んだ結果、たまたま二十程度になっているという点でございますので、この制度につきましては、この二十社がいかにこの外貨を活用するかということとあわせた上で、さらに今後検討したい、そういうふうに考えております。
○加藤(清)委員 私の質問が長いとあとで言われるといけませんから、私は要点を簡単にお尋ねしますが、簡単にお答えいただきたい。樋詰さんの御答弁は、すでに原綿、原毛の外貨は商社割当にしてしまったものというふうな考え方のもとに論を進めて、それがまことにいいもんだというこじつけでスコラ哲学をここでやっていらっしゃるようですが、私はその基本を聞いているのでありますから、その基本がいいか悪いかをお答え願えばけっこうでございます。 第一番は、受け入れ態勢が商社側にできているかいないかということを聞いているのでありまして、その受け入れ態勢の中に、商社側は第一番に外貨保有を認められた商社と、認められない商社がある。それから交互計算が許された商社と許されない商社がある。非常に凹凸がはなはだしい。そのために外国の商社は、日本の商社を相手取るときに、つまり外貨保有、交互計算を認められたものは政府から保証を受けたと同じことだから、それを相手取ってやった方が安全である、こう考えるのは無理からぬことなんです。そういう状況下にあって、受け入れ態勢がはたしてできているということが言えるか言えないかということを聞いているのでございます。だからそこに焦点を合せてお答え願いたいと思います。私は、それじゃこれでは受け入れ態勢ができていないという例を一、三あげてみます。第一番に外貨保有を許された商社について、今あなたは支店を持っているとかどうとかでこの外貨を有効に使えるからであるということをおっしゃいましたが、それは目的はそこにあったでございましょうが、実際に商社の内容を調べてみますと、受け取った外貨を十分に使いこなせないで金利に困ってしまって、よそへ売りましょうかというような商社が出てきている。すでにそのことを御存じのはずでございます。そこで外貨保有を今日の状態のままにしておいて、なお原綿、原毛の外貨をこれに追い打ちをかけようとしておるか、あるいは外貨保有の調整を行なって後に大きな荷物を背負わせようとしておるかということは、今後の貿易に大きな影響を来たすと同時に、業界の安定、不安定にも大きな影響を及ぼすものでございます。そこでかつて私が大臣にお尋ねいたしました折に外貨保有はテスト・ケースとしてこういうことをやらしたんだから、将来これを拡大するんだというお話でございました。ところが拡大はされずに、これに交互計算という拡充の方式をもって臨んでおられるようでございまするが、こういう政府の恩恵を特権として一部の商社に認めて、あとは認めないという方針でございまするか。ないしは将来でき得べくんばこの特権を与える範囲を広げようとしていらっしゃいますのか。この点を通商局長さんにお尋ねをいたします。
○板垣政府委員 商社割当制度の問題と現在やっております商社の外貨保有制度とは全然別個に私どもは考えておるわけでございまして、商社の現在やっておりまするのは、商社の海外支店の経費、及び一部の第三国貿易のための費用でございまするので、現在の狭い範囲におきましては、全然今の商社割当制度とは別に運営されているわけでございます。しかしこの現在の狭い範囲の外貨保有制度につきましても、御質問がありました通り、将来はできますれば漸次拡大をして参りたいと存じます。ただ現在におきましては、先ほど樋詰次長から御説明がありました通り、海外支店の費用がおもでございますので、範囲につきましても海外に支店を持っているものに限定せざるを得ないわけでございますし、そもそもこの制度を始めまするときに、政府部内におきましてはごく数社に限りたいという強い意向もあったわけでございますが、通産省といたしまして、それはあまりに狭過ぎるということで、できるだけ範囲を拡大いたしまして、原則として海外に支店を持っているものほとんど全部を含みまする二十社まで拡大し得たわけでございまして、今後海外に支店を置く商社がそれ以上ふえた場合、それから取引額もふえますに従って順次この制度を拡大をして参りたいと思います。先ほど御質問がありました商社割当制度とは別に区別して考えております。
○加藤(清)委員 外貨保有は支店の費用だとおっしゃったのですが、支店を海外に持っている商社でも、外貨保有を許されたところと許されないところがあるわけでございますが、これはどういうわけでございますか。
○板垣政府委員 海外に支店を持っているもので今回漏れましたのはわずかに三社だけでございます。これはどこで切るかということが非常にむずかしい問題であったわけでありまするが、結局海外支店ないし現地法人を持っているもの、及び全体の取引額というものもこの際参照いたしまして、ちょうど二十番目と二十一番目の取引額の相違が非常にはげしいということで、一応今回の第一の段階といたしましては、二十社で切るのが一応の基準ではないかというので、二十社にとどめた次第でございまして、今後できますれば海外に支店を持っているものには漸次広げていきたいと通産省としては考えております。
○加藤(清)委員 それはいつおやりになりますか。大臣は至急やるというお答えでございましたが。
○板垣政府委員 いつ広げるか、まだ大蔵省あたりとも相談しなければなりませんので、ただいま御確答はできませんが、できるだけ早い機会にやりたいと思っております。
○加藤(清)委員 今まで伺いましたところは、主として海外に支店を持っているとか、あるいは年間一千万ドル以上の取引をしたものであるとかいうことで区切っておられるようでございますが、その結果は総合商社にウエートが置かれて、専門商社はまま子扱い、こういう結果になっておるわけでございますが、ここでぜひ承わりたいことは、大臣が言うところの拡大均衡をほんとうにおやりになる、輸出振興をするということが日本政府の使命であり通商局の任務であるとするならば、この際私は、専門商社は一体どのように育成をしようとしていらっしゃるのか、その計画は果してどうなっているのか、それを承わりたいのでございます。
○板垣政府委員 貿易商社の問題は現在の貿易自由の原則におきましては、政府は育成するとか、養成するとかという手段がないわけでございますが、私どもとしましては、ただいま御指摘の通り、綜合商社のみに、重点が置かれ、これが独占的な弊害を生ずるということは、できるだけ避けたいという考え方を持っておりまして、できるならば長い間伝統的に特定の市場なり特定の商品をつちかいました商社は、ぜひ育て上げたいという考えを持っております。しからば政府としてこれを養成するのにどういう行政的手段があるかということになると、これはむずかしい問題でございますが、私どもとしましては、そういう方針におきまして、たとえば一例をあげれば雑貨類とか特産品とか、そういうようなものはできるだけ総合商社に手を引いてもらって、漸次専門商社なりそういうような分野へ返すべきだということを言っております。最近の動きを見ますと、だいぶ大きな総合商社におきましてはそういうような考え方に同調しておられまして、自分たちもぜひそういうような方向にいきたいんだという総合商社のお考えもございます。そういうふうなことも考え合せまして、専門商社の生きる道をわれわれとして考えて参りたいと思っておりますが、しからば行政的にどういう手段をとるかということになると、ただいまのところは特別な手段はないわけでございます。
○加藤(清)委員 大臣は拡大均衡を口にしておきながら——それを口にされてからすでにもう数年と言いたいほど年を経ているわけなんです。ところが専門商社の指導育成の方途は何ら講じられておらないというのが現状のようでございます。それでは一体どうやったら輸出振興ができるのかお尋ねしたい。具体的に申し上げてみましょう。繊維局長もここにいらっしゃるからよくおわかりのことと思いますが、去年アメリカ輸出の繊維製品は、なるほど前年に比較して三倍程度伸びました。一億三千万から四千万スクエアーということでございます。ところがこれ以上の数量が東南アジアで減少しておるのでございます。すなわち綿、スフ、人絹等のプリント集地が東南アジアからエジプトに向けて輸出されておりましたものが、二億スクエアーも減少を来たしました。この結果は輸出用で作りましたところのものが国内に流れる結果になりました。国内市場が圧迫された結果はやがて日本向けに作りました着尺物特に夏物の着尺がぐんと押されました。そうしてその結果は日本の内地向けの着尺を作っておる染色整理のメーカーの倒産の原因と、これを扱っている商社の不渡りを累加させたのでございます。このことは銀座なりあるいは横山町なりをごらんになれば、輸出用の柄がわんさとそこへ持ち込まれたことをあなたたちもよく御存じだと思います。その結果はおそろしゅうなって、ことしは見込み生産をぐんと減らしました。その結果どうなったか。ことしの夏のゆかた地はプリント物にして二割余、ゆかた生地にして一割五分から三割値上がりがきておる。結果は国民が迷惑をしたということになったんですが、その原因が那辺にあるかということをお調べ願ったでございましょうか。問題は、東南アジア向けの生地というものは大量生産に出るものではございません。柄物でございまするから、これはインドネシアに向うか、エジプトに向うか、アンカラに向うか、これは数量が少いのでございます。数量の少いものは、一体どこが作るかといえば、大紡績ではなくして、糸は中小紡、作るのは、最後の仕上げをやるところは小さな会社であります。いえば中小企業でございます。もっといえば零細企業でございます。さてこれらの品物を扱う商社は一体何であるかといえば、三井でもなければ三菱でもございません。これは地方に昔から根を張っている小さな専門輸出商社でございます。このものを総合商社とえらい格差をつけて競争を余儀なくさせられる結果は、これらの海外における息の根をとめてしまう。その結果はやがて内地のこれらメーカーにも消費者にも悪影響を来たした、こういうことでございます。もっとも二億スクエアー減ったという原因には外交上の問題があるでしょう。インドネシアにしても何にしても、賠償の問題が重なってきておりまするから、それもなるほど原因の一つではございまするけれども、総合商社のみを指導育成して、専門商社を野放しならいいが、まま子扱いにしておく結果は、あなたたちの意図しない結果、すなわち大企業のみを助けて小企業を殺してしまうという結果が生じておるのでございます。それでもってあなたの方は、今日に至るもなお専門商社の指導育成の具体的方策がないということであるならば、これは頭がないのか知恵がないのか、あるいは中小企業に対する愛情がないのか、疑いたくなるのであります。そのやさきに持ってきて総合商社だけにもつと政府から特権を与えるということは、これはおかしな話なんです。今私は繊維のプリントに例をとりましたが、例はほかにもございます。たとえて申し上げますると、繊維機械の輸出についての一番大きい、日本一たくさん成績を上げているものは、これはやはり今度外貨保有の仲間へ入っておりません。日本の毛製品を日本一たくさん扱っていて、日本一たくさん輸出している商社、これも外貨保有の中に入っておりません。ミシンを一番たくさん輸出した功績者、陶器を一番たくさん輸出して外貨を獲得した商社、これなどはもうける方の、外貨を獲得することの方にはずいぶん骨を折らされましたが、外資を保有するという神岡には入れられていないのが現状でございます。つまり専門商社を見殺しにしている、かせぐだけかせがしておいてから兄殺しにしている、こういうことであります。あなたたちの一千万ドル取引は、輸入とか輸出とか総合して考えられた結果でございましょうが、輸入したのはもうかっているからわざわざほうびをつける必要はないと思う。それにほうびをつけて、かせぎにかせいだ専門商社は一向その恩恵に浴さないということでは、あまりにも差別がはなはだしいではないか、こう思うわけでございますが、一体いかがでございましょうか。
○板垣政府委員 どうも総合商社に外貨保有制度を認めたことが、何か利益を与えたとか特権を与えたということの御質問にも受け取れましたが、決してそうではないのでありまして、外貨保有は制度上の問題、要するに為替管理上の緩和化の一制度でありまして、希望する方にはその金を使って外貨を買い取って、そうして海外取引の費用に充てるというたけの制度でございます。従って今の、非常に功績がありまするが海外の支店を持っていない専門商社は、外貨保有を形式上認めてもいいわけですが、認められてもさしあたりは利用の方法がないということなので、私どもとしましては第一段階としまして二十社で一応切った、しかしそういう専門商社が漸次海外支店でも持てるようになりますれば、これは当然その制度を拡大することは差しつかえないというふうに考えます。いずれにしましても外貨保有制度によって総合商社に利益を与えた、特権を与えたということではございません。
○加藤(清)委員 大臣がいらっしゃいましたので私はこの問題について大臣にお尋ねをいたしまするが、過ぐる本委員会におきにまして、外貨保有を商社に認めるという制度を設けるのだということ、さしあたってはそれは輸出輸入一千万ドル以上をこえたものにテスト・ケースとして許すんだ、そこで私はその折に、そうなりますると切り捨てられたもの、つまり与えられなかったものと与えられたものとに大きな相違を来たすことになる、その相違はやがて大を生かして中小を殺すという結果が生じてくる、これは困ったことだかどうなさいますかというお尋ねをいたしましたところ、大臣は、ごもっともだからこの制度はテスト・ケースとしてやって、よろしければ将来拡大するのだ、こういうお話であったのでございます。私はいつ拡大されるかを心待ちに待っていたわけでございまするが、ただいま通商局長のお話によりますると、外貨保有は何も利益を供与したのではない、こういう御答弁でございまするが、これは経済を知らない者ならばいざ知らず、経済の行為、特に外貨がどのような効用を持っているか、効果を持っているかを知る者にとっては、とんでもない子供だましの答弁でございます。そこで私がお尋ねしたいことは、外貨保有を許された商社は、内側から見れば一千万ドル以上の商社、支店を有する商社、こういうことになっているようでございまするが、外国の商社にして日本と取引を行おうとしているシッパー、エージェント等から見ますれば、これは政府が保証をした商社である、しかも交互計算まで許したんだからこれは政府の裏書きをされたと同じことである、従って取引をするならば将来この商社と行うべきであるという論を外国の商社側が述べていることをあなたは外国通信で御存じでございましょう。これが利益でなくて何でございましょう。大きな利益なんです。そういう利益だということがわかっているならば、私はそういう能力を持っているものには許すべきではないか、特に専門商社の、外貨獲得に非常に功績のあった商社に対しては、当然のことながら次の段階においては許されるべきではないかと考えまするが、大臣はさきの委員会の答弁と近ごろ心境は変化を来たしておりますか、おりませんか。
○石橋国務大臣 別段前の場合と変っておりません。ただこれはだれにもかれにも全く無差別に自由に許し得る場合はとにかく、そうでありませんから、どこかやはり線を引かなければならぬ。そこで一応あそこで線を引きましたが、しかしながらある規格にはまるようになればいつでもたれでも外貨の保有が許されるということでありますから別段……。ただ一応の形式的な線を引いただけであって、それをだれにでも勝手に許すということはできないからああいう線を引いたということでありますから、お話のようにある資格を持つに至ればもちろん同じ待遇を与えるのであります。
○加藤(清)委員 ここが問題でして、資格を有するようになれば許すというのですが、その資格でございますが、もう今まででさえもいろいろな総合的な方法によって政府は、あなたが見えぬうちに局長がお答えになったが、総合商社の指導育成強化の方策は立てておる。ところが専門商社の指導育成の具体的方策というものはほとんど顧みられていないという状況です。そういうハンディキャップがついているところへ持ってきて、また外貨保有交互計算というハンディキャップをつけたとすれば、ハンディキャップをつけられた一方はどんどん伸びますよ。ところがそうでない方は伸びよう、至ろうと思ったってなかなかそこまでいけるものじゃないのです。しかしこちらの専門商社は外貨獲得については、今も大臣の来ぬうちに申し上げましたが、たとえば繊維の輸出について、たとえば繊維機械の輸出について、たとえば陶器の輸出について、たとえばミシンの輸出についても日本一の実績を上げている商社があるのでございます。それは自己の力でやってきた、ところがもうちょっとあと押上をしてもらえばもっと伸びられる、あなたのおっしゃる拡大均衡の線に沿って、大臣のおっしゃる通りの仕事ができようというにかかわりませず、それがこの際に大きなハンディキャップをまたつけられ、こちらは顧みられない、そうして顧みないで、お前さんここまで来たらそのようにしてあげるからここまでおいで、ここまでおいでと言ったって、これはおいでおいでというくらいなら、何とか手を差し伸べる方法があってしかるべきだ。それでなかったらこれは政策じゃないです。政策という以上は助けてやらなければならぬ。あなたはその最高の責任者なんです。そうでしょう。だからさきの委員会でおっしゃったように、外貨保有をテスト・ケースとしてこうやって認めたんだ、将来はいいということになれば拡大してみせる、こういうお話でございましたので、一体いつの時期にどういうものを拡大なさろうとしていらっしゃるのか、このことだけが聞きたいのでございます。
○石橋国務大臣 あの制度はまだこの間始めたばかりでありますから、まだテストにもテストでないにもそんな時期はたっておりません。しかしながらお話のようにそういう専門商社というものも——どれも専門商社だからといって許すわけにもいきませんが、しかしながらそういう専門商社の問題は十分研究しております。なお研究はいたします。
○加藤(清)委員 十分研究して将来この制度を拡充強化する、こういうことでありますか、参考として聞きおく、こういうことでありますか。
○石橋国務大臣 それは研究をしてみてからでないと何ともお答えができませんが、むろんあの制度をある一部のものだけに永久に限るなんという考えはないのであります。これが日本の貿易のために必要である、こういう判断がつく限りにおいてはこれは拡充することはむろんであります。
○加藤(清)委員 それではそういう政府からの恩恵は一部の人だけにとどめず、もし——もしでなく要すればその恩恵はあまねく分ち与える、こういうのが大臣の精神だと考えてよろしゅうございますね。——それならば私は承わりまするが、拡大される場合の基礎資料でございまするが、それがそれの取り方いかんによっては永久に二十社なら二十社にもなります。あるいは十社に縮めることもできます。どの線で線を引くかということが問題なのです。そこでこの点を私はかつてこの特別委員会が持たれました折に、一物の水上さんだとか日経連の堀越さんだとか代表がそれぞれ来られました折にお尋ねしました。どういう規格でいくか、どういう基準でもってこれをきめるかということに対して、そのときは御答弁がございませんでしたが、私はその折にこういうことを提案したことを覚えております。第一番は資本の多寡、第二には過去の実績、第三にはそれを構成している腕、銀行の信用力、第四にはこれなどを実行に移したとき過去の金額の実績でなくして成績の実績、たとえば外貨をたくさん獲得したとかあるいは悪いことをしたとかいうようなそういう実績等々を総合して判定を下すべきではないかということを申し上げましたところ、あの記録を調べていただけばわかりますが、この参考人の方々も、ほとんどいまだ結論には至っていないがごもっともな御意見でございまして、しかもそれは貴重な資料でございますというお話でございました。そこで私は将来このことを拡充強化されるに当っては、もう一度ここではっきりとつけ加えておきたい、それはぜひ一つ専門商社の指導育成ということを考えてもらいたいということと、またの一つは中小企業の商社にして生きる道を絶たれたり伸びようとする芽をつまれるようなことだけはやめてもらいたい、それが行われないというと、やっぱり石橋さんの政策も上に厚く下に薄い政治だった、こういう批評を受けなければならぬと存じます。この際私があえて申しまするならば、今申し上げましたような商社の内容、それから販売網の充実の程度、それは先ほど通商局長も言われました。それからもう一つはそれに対する意欲とかあるいは金融機関、メーカーとの関係、これは一つぜひ考慮に入れていただきたいと思うわけでございます。特に最後に申し上げましたメーカーとの関連ということは、やがて中小企業の輸出業者のみならず中小企業の工業化を指導育成する根本になると思うのであります。なぜかならば、総合大商社にのみその大きな権限を与えておきましても、総合大商社は小さい陶器屋さんだとかあるいは小さいミシン屋さんだとか小さい染物屋さん等々まで手を伸ばして、そこらででき上ったものを輸出しようなんというような余力は十分ございません。それをやり得る商社、それを指導育成強化するということがやがて中小企業を伸ばし、あるいは授産場で働く未亡人を助ける、こういう結果にも相なることと存じます。このことは何も日本が初めてやることではない。スイスの時計屋がそうなっておる。イギリスの毛織業界がそうなっておる。だから何も新しいケースではございません。中小企業の鉱業、中小企業の商社、あるいは専門の商社を指導育成するあたたかい情心を大臣は持っておられますか、持っておられませんか。
○石橋国務大臣 これは人が人を区別するのですから、なかなかむずかしい問題で、ややもすれば誤まりも起りますし、また一方から他方を見ればいろいろの批判も起るので、われわれとしてはむろん公正に、日本の貿易全体を伸ばすためにいかにするかという観点から、できるだけ公正な判断を下しておるつもりでありますが、これに対するいろいろの御批判があることはごもっともであるし、またけっこうであります。また今後の判断については、お話のように十分考慮するように指導いたしましょう。
○加藤(清)委員 それでは、今度は一つ最初にお尋ねしたことでありますが、大臣御承知の通り、商社の業界が、まだ凹凸の是正もできておらなければ受け入れ態勢も十分にできていないというこのやさきに、今まで紡績ないしは機場等々に割当になっておりました原綿及び原毛の外貨割当を、この七月一日から商社に割り当てるんだ、こういうことが新聞その他でにぎにぎしく報道されております。この問題について、その関係の地元としては非常に苦慮をして心配をしておりまするが、これについて一体大臣は、新聞の報ずるように——あれはまあ早耳、早聞きだったでありましょうが、七月一日からやる用意がございますか、ございませんか。
○石橋国務大臣 大体さような方向へ持っていきたいと思っております。ただお話の、もう前年来中京地区の紡績等が、特別なあの地方の事情によって、商社割当は困ると言っているということを聞いておりました。そこで私は、中京地区の人も、ほかの地区でやれるし、結局はやらなければならぬことならば、中京地区だけがなぜやれないか、それは金融関係とかいろいろのことを言いますが、それならばそういうふうに金融その他の措置も、中共地区でも一つ努力して改善するようにしてもらわないと、ただ中京地区だけ特別の事情があるからおれのところは困るということでは困るということはかねがね言うておきました。一期延ばそう、一期延ばすから、その間に中京地区も十分考えて、足並みをそろえていけるようにしてもらいたいということは、警告というほどやかましいことじゃありませんが、中京地区の人には、あそこで会合がありましたときに言うておきましたし、そのほかの機会においてもしばしば言うてあります。ですから、その準備はもうできつつあるものだろうと思いますから、なるべく全国一律にやりたい、こう考えております。
○加藤(清)委員 金融の問題だけでございますれば、これはある程度の準備も可能でございましょう。しかし問題はそれだけではないことを大臣は御承知のはずでございます。先ほど来通商局長及び樋詰次長からもるる御答弁を願ったわけでございまするが、少し実情と離れているようでございまするので、この際簡単に私は実情を申し上げますが、過去における紡績あるいは機場への外貨割当がかりにございましたとしても、その外貨を機場や中小紡は自分に行使したのではございません。だれに行使させたかといえば、大紡に、いわば綿の十大紡、毛の六大紡に依頼をして多く輸入をしたものでございます。その結果はどういうことになるかというと、ある程度好みの糸を仕入れ得るという好条件が機場ないしは新紡、新々紡に与えられたわけでございます。ところがこれを、使用権は紡績に置いておくのだが、送金その他の手続やら仕入れは一切商社にやらせる、こういうことになりますると、御承知でございましょうが、仕入れ先は、綿であればアメリカが一番多い、毛であれば豪州が一番多い、ここまで行き得る商社というのは、大きな商社だけでございます。ここに支店を持っておるのは、これはもう限られた商社だけでございます。そこが持って帰ります。その折りに、果して好みの原毛、好みの原綿が、新紡、新々紡の中小紡や機場に与えられるか、こういう問題でございます。これを一体どう考えておられますか、繊維局長もおられるようでありますから、果して与えられるか与えられないかということをはっきりお答え願いたい。
○小室政府委員 ただいままだ内示書付の商社割当が実施になっておりませんが、今の大臣の御答弁もあって、将来かりにこれが実施になったという場合を前提として今の御質問にお答えいたします。むろん中小紡その他原綿なり原毛なりを使って紡績をする立場のものは、綿の性質、自分の会社の必要とする銘柄その他用当程度承知しているはずでございまして、これが内示書を出して適当な品質のものを買ってもらうということでございますから、まず一般の場合にはその点で支障が生ずるということは私は考えておりません。
○加藤(清)委員 大臣は、ただいまの言葉がここでは通用するんだが、実際に通用するとお考えでございましょうか。
○石橋国務大臣 私は直接の商売人でありませんからわかりませんが、今の話は論理は通っております。
○加藤(清)委員 それが机の上で仕事をしておる人の悲しさですよ。畜生の悲しさと言ったら怒られるからそうは言いませんが、悲しいことですよ。なぜかならば、はっきりした実例は、今ここに阿左美さんもいらっしゃることと存じますが、機場の関係の人に尋ねたら一ぺんにわかる。ただいまこの時期において、機場は好みの糸が買えますか。毛糸はストップ高でございますよ。綿糸はぼんぼん上っております。この際機場が好みの糸を買えますか。買えるように三品市場はできておりますけれども、あれは投機の対象になってしまって、つなぎの場にはなっておりません。今でさえも好みの糸が買えないのですよ。ましていわんや材料の権限を全部剥奪された日に、そんな内示書とかいうものは問題じゃないのですよ。実際業界に一足でも足を突っ込んでごらんなさいよ。全然入りません。入らないということは、どういう結果が生ずるかと申しますと、御承知の通りだ。バイヤーはこういう生地を織れと言うてくる。こういう柄を織れと言われる。たとえばこの柄を織れと言われる。この柄を織るには糸に好みがあるのです。好みの糸でなければできないのですよ。それをまあまあ糸が入手困難だからというて、それに似た糸で作るものだから、イミテーションだ、こういうことになる。日本の製品は悪いということになる。ことしのゆかたを見てごらんなさい。ゆかたを作って、これを一ぺん洗たくしたら三寸ぐらい縮みます。なぜ三寸ぐらい縮むか、ここを一度よくお考え願いたい。何も中小の機場ないしは中小紡が粗製乱造するからじゃないのです。好みの材料がもらえないのです。工費を圧迫されてくる。やむなく別な糸を使わなければならぬ。二〇二三、二〇〇三というても、それはそれだけ糸の本数も入らなければ質も変っておる。だから縮むのです。いかにサンフォライズかけたって縮みます。結果は、注文とは似ているけれども非なる品物を作ったり、あるいは最初の形はよく整っていたけれども、ちょいと使うてみたらとんでもない姿になってしまったという品物を作らせる結果が生じてくるのです。これはやがて輸出を不振にしたりクレームをつけさせたりすることになり、内地では国民消費者がその悪影響をこうむる、こういうことになってくるのです。イギリスのように、トップにしても糸にしてもさっと売り場にあって、それを好んで買えるような状況下にあれば、これは文句ないのです。しかし今のような状況において、それで外貨をよそへ持っていかれるというならば、これは戦後どんどん伸びていた輸出、特に毛製品等は一ぺんにストップさせられてしまうという結果が生じてくる。しかもこの中小紡、新紡、新々紡はほとんどどうかというと東海地区に多いのでございます。従って愛知とか静岡とか岐阜とか三重とかいうあたりから、それは困りまするという声が出てくるのでございまして、決してこの土地の人たちだけが、心根が悪いからそういうことをあなたに陳情するわけじゃないのです。やむにやまれぬ事情でそういう事情に追い込まれておる。もしあなたが十大紡と同じように外貨割当をやってこらんなさい。新紡と新々紡は、落綿の外貨しか割当がなかった時代がある。本綿の外貨は十大紡だけに割当てられていた。これを同じように割当ててごらんなさい。これは文句ない。ところが政府の施策は最初からハンディキャップがついておる。そのハンディキャップがついたまま今日に進んできた。上に厚く下に薄いというハンディキャップがついたまま、ここに来てストップをやられるものだから、一人歩きのできる者はいいのだが、一人歩きのできない者はまだつえがほしいというのは当りまえなんです。いかがですか。
○石橋国務大臣 新紡とか新々紡の中でも私も知っておるものがあるが、必ずしもそうはかりでもないようだ。それはいろいろのハンディキャップがありましょう。しかしこれからはそうでないように漸次してもらわなければ困ると言っておる。だからそれは今まで相当期間を延ばしておりますし、なお一つやってほしい、こういうことです。
○加藤(清)委員 そうでないようにするために、私は大臣に質問しておる。あなたのおっしゃる精神に沿うように一人歩きができるようにする、このために私は質問しておるのであって、あなたがおやりになったとは言いませんけれども、過去の長い習性で上に厚く下に薄いという、こういう施策が知らず知らずのうちにとられてきたのです。何も今の繊維局長が悪いということを言っておるのじゃないのです。今の繊維局長は、ほとんど繊維会館へ常時詰めておらなければ、その日は暮せない、これは無理はないのです。そういう習性で、大きな力を持った者だけは政府の援助なり政府の保護なりが与えられて、小さい者には与えられていなかった。後ほどになってからほんのわずか、おすそ分けで外貨の割当を受けた。こういうこともございましたが、この結果はクレームのつくものはいつも中小紡の製品だ、こういうことになる。何も技術が悪いわけじゃないのです。何も心根が悪いわけじゃないのです。政府の施策にハンディキャップがついておるからなんです。それを、せっかく今度与えられたそのものをまた取り上げるというのですから、これはひどいじゃないか、こう思うわけなんですが、大臣としてはどうしても七月一日からやられますか、やられるとしたら国会はむしろ旗じゃなく布旗で取り巻かれますよ。これは事実ですよ。私が信頼をし尊敬をしておる大臣ですから、そういう無謀なことをおやりになるとは思いません。繊維局長だって、これはやったら大へんなことになります。何も繊維局長は十大紡の繊維局長でなくして、新紡、新々紡もやはりその傘下のかわいい子供じゃないかと思うのです。どうしてもおやりになりますか。
○石橋国務大臣 今繊維局長が言いましたように、やるとかやらぬとかきめておりません。きめておりませんが、私はもうすでに一年以上中京の諸君にはしばしば繰り返して言っているから、一つよく話をして、できるならやってもらおう、こう言っている。
○加藤(清)委員 こんな押し問答をしておってもしようがないから、こういうことを大臣にお願いしたい。大臣は歴代の大臣から比べると非常に信用が厚い。今度の繊維局長もどちらかといえば信望が厚い。その政府において私はぜひ、ほんとうに一人歩きのできるような措置をお前らの方で築け築けと云ってもなかなか築かれませんから、大臣も繊維局長も通商局長も、本省はそろって新紡、新々紡、ないしは中小の機場が一人歩きのできるような施策をまず与えて、それからつっかい棒をはずしてやる。こういうことなら話はわかる。ところが、今まで援助は大きいところだけやっておいて、小さいところに与えずにおいて、今度はしばらく与えたものをみんな今取り上げるというのでは、せっかくの大臣に対する信用も喪失されるではないかと思うのです。だからもう押し問答はやめますが、ぜひ一つ一人歩きができるように、つっかい棒をはずしても一人で歩けるような基礎をまず築かして、それから実施に移すということが一番賢明な方策であり、大臣としてとるべき道ではないか、こう思います。大臣いかがでございますか。
○石橋国務大臣 私どもとしても、むろん人を苦しめようなんということは毛頭考えておりません。みんな一人歩きが早くできるように願っている。そこで一人歩きできるように、ここ少くとも一年以上、特に中京地区のために時期を延期して今までおりました。それでしばしばその話も中京地区にはしておりますから、もうそろそろ準備ができてもいいのではないか、こう言っているのであります。実際についてはなお十分検討いたしまして適当に処理しますが、どうかただ延ばしてくれ、一人歩きができないからいつまでも延ばしてくれというのも困るし、早く一人歩きができるようにしてもらわなければならぬ。それに対して政府にどうしろという要求は、できることかできないことか知りませんが、十分伺うことは伺いましょう。
○加藤(清)委員 それではこういうことをしていただけませんか。これは委員長において御考慮願いたいと思うことですが、これを実施に移すに当っては、賛成もあれば反対もあるでありましょうが、反対の意見が非常に濃厚でございます。地方自治団体も業界も、金融界までもその意見に同調している面がずいぶんありますので、一つぜひ賛否両論をこの委員会でよく聞いて、反対だという方が間違いであるならば実施されてもやむを得ませんが、いずれにしてもとにかく意見を聞く機会を与えられたいのでございます。
○鹿野委員長代理 加藤君の今の問題については、理事会に諮って善処をすることにいたします。
○加藤(清)委員 それでは私の質問はまだアメリカ綿の輸出その他たくさんありますが、あまり私一人で独占しても御迷惑でございますので、この辺でやめます。
○佐竹(新)委員 私は先般の委員会で電源開発促進のときに、佐久間ダムの工事に関する資料を項目をあげて要求しておったのですが、まだその資料が届かないのです。この促進方をお願 いいたします。
○鹿野委員長代理 ただいまの資料を至急に一つ出していただくことにいたします。 次会は明八日午前十時より開会することにいたします。 これにて散会いたします。 午後二時五十一分散会