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24回国会衆議院1956/04/06

商工委員会 第28号

発言数
62
登壇者
7
会派数
2
開催日
1956/04/06

会議録

神田博自由民主党

○神田委員長 これより会議を開きます。  この際お諮りいたします。電源開発促進法一部を改正する法律案審査のため、来たる十一日の本委員会に参考人の出頭を求め、意見を聴取することにいたしたい存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

神田博自由民主党

○神田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  なお参考人の選定等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

神田博自由民主党

○神田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。     —————————————

神田博自由民主党

○神田委員長 それでは電源開発促進法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。質疑を継続いたします。質疑の通告がありますから順次これを許します。鹿野彦吉君。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員 私は企画庁長官に、電源開発促進法の一部を改正する法律案に関しまして少し承わりたてと思います。  せんだって私は日本経済自立の問題について、雇用の増大ということについて長官にいろいろとお聞きいたしましたが、大体私が考えておるのとほとんど同じようなものであると私は了解いたしましたが、こうした面から考えてみますときに、日本の狭い国土必ずしも狭いものではないとい考え方のもとに置くためには、人間をこの狭い国土の各地に分散させなければならないということは基本の原則であると私は考えます。東京に八百万の人口、大阪にまた何百人の人口というものが集まっている。それで純粋に企業体を経営します場合には、やはり企業の密集しております東京ならば、どのよう企業を持ってきても一番やりやすいということは理の当然であります。でありますから、割合に人聞の住まわないところの山地、あるいは人間が割合にまばらであるところの北海道、東北地区などに人間を多く住まわせるということは、この現在の日本に与えられた宿命である。またあらゆる政策がこれを基本にして推し進めていかれなければならないと思うのでありますが、今回この電源開発促進法の一部を改正する法律案に盛られたところの下流増益の問題につきましては、こうした問題に非常に逆行する形をとるのではあるまいか。たとえば奥只見の問題につきましても、東北地区におけるところの電気料金が非常に安くできるというものを、東北にそのまま流すことによって、東北地区におけるところの企業の誘致をすることになり、ここに人間を生活させるというようなことになるわけでございます。ところが下流増益によって、これを取り上げて中央に持ってくるということになれば、日本全体から見れば、一応妥当なる措置と考えられますけれども、東北地区にただ一つ恵まれている安い電気料金という条件を剥奪するというようなことになるわけでございますから、こうした雇用の増大、日本の経済自立というような基本的な考え方に立ちまして、企画庁長官は今回のこの下流返還の問題をどのようにお考えになりますか、承わりたいと思います。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 ただいま鹿野さんのお話のように、日本全体の経済計画を立てる上におきまして、できるだけ人口を各偏僻の地に配置する政策をとるということは最も必要だと考えます。つきましては、その地方に、工場を建てる人のために、できるだけ有利な条件を提供するということを国策として立てるべきだということは、全く同感でございます。それが同感であるにもかかわらず、東北地区に今度下流増を負担せしめるということは、これに反するではないかという御質問でございますが、私は日本の電力というもの全体から考慮いたしまして、今後の電力開発は逐次山間地帯に入っていかなければならぬ。従いまして、その建設の工費も高くつく、高くつくが、これば国策として建設をしていかなければならぬという実情であります。つきましては、現在東北地区における発電をいたしておりなす各発電所の原価計算が高くなるということは、防がなければならぬということでありますが、しかし奥の地方における電力開発をいたしまして、その結果下流の方においては相当の利益を受けるわけであります。ということは、ダムを建設しなくても、水をある程度得られ、発電機だけふやせば電力をふやすことができるのでありますから、相当の利益が得られるわけであります。その利益を得られる範囲において、ある程度の上流の開発を促進するためにこれを負担するということは、現在の電力よりも幾らか安くなる、安くなるがある程度のものをさいて、上流の開発に寄与するということは、これは東北全体の電力開発の上において必要なことだと存じまして、今回の法案を提案いたしたのでございます。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員 未開発地域におけるところの電源開発はだんだんと原価が高くなる、こういうことから下流増の問題に到達した、こういう長官の仰せでございますが、しかし電源開発そのものは、私企業でありませんので、開発困難であるから、国家の資金によってこれを開発いたしていく、こういう立場に立つわけでありますから、原価が高くつくからということは私は理由にならないと思います。これは国家的に計算をいたしまして、国民生活、国民経済全体に及ぼすところの影響がどのようになるかという根拠に立たなくてはならないのであって、ただ一つの事業上の採算が基礎になるようなことがあっては、恨本的に日本の経済自立という基本に立ちます場合に、何らの意味を私は持たないものであると考えますけれども、この点いかがでございましょうか。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 今後の上流における電力を開発をすることにおいては、建設の工費が高くなるから、これを一企業者にまかしておくことによって、むやみに電力が高くなるということは、国策に反する。そういう意味におきましては、国策会社である電源開発会社をしてこれを開発せしめて、これに要する資金等につきましては、政府自体の財政が許す限りにおいては政府が投資する、政府の財政の許す範囲におきましては政府が融資するという、いろいろな方法を講じまして、低金利の資金をもってこれに開発せしめるということに手当をしていけば、建設工費は高くついても、これに要した資金の金利が安いということによりまして、電力料金をできるだけ引き下げていくという方針をとっていきたいと考えております。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員 ですからできるだけ安く引き下げるということはけっこうなことでございますが、ただ問題は未開発地区の電源を開発することが、私企業によってはできなくとも、国家的立場から考えた場合に、国民経済の上にプラスになる前提を置かれた場合に、これを開発することになるわけでございますから、原価が高くつくから下流増をとるんだという考え方は出てこないはずじゃないだろうかと私はお聞きいたしておるわけでございます。まあそうしたことは大体長官もおわかりのことと思いますから、追及はいたしませんが、私がお聞きいたしたいことは、あくまでも私は東北出身の国会議員として、小さな立場から東北だけの利益を守ろうとして発言をいたしておるものではございません。ただ東北地区出身の私が国会議員として非常なる関心を持ちますために、特に私はこの問題に関連して御質問いたすわけでございます。繰り返して申しますけれども、何といったところで、この狭い国土に九千万、一億になんなんとするところの人口を擁して、必ずしも日本の国土狭きにあらず、資源不足にあらずという基礎を得せしめるためには、どんなことをしても、積極的に人口の分散をはかる政策がとられなければならない。その場合に、東北におけるところの魅力は一体何があるでしょうか。何にもございません。ただ電気料金が非常に安くなるであろうという可能性だけの問題です。しかも現在においては、まだ東北地区においては電気料金は高い状態にございます。これはすなわち東北地区における未開発電力はたくさんあるんだけれども、これを開発する力がなかったというところに原因をいたしたわけでございまして、普通の状態では開発できないから、これを政府の力によって開発していくというので着手されたわけでございます。ところがせっかく着手をして、今度は東北地区に下流増の益があるからというので、それを取り上げて、そうしてまたこれを東京に持ってくるというようなことは、この人口の分散という大鉄則に沿えぬのではないか、こういうことを私は長官にお尋ねいたしておるのでございます。これをもう一ぺん一つ伺いたい。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 ただいまの御質問によりますれば、新しい電力を開発して、それによって起った利益を全部東北から取り上げてしまって、それを東京に還元する、こういうふうなお考えのようでございますが、私はそういうことはできることではなくて、当然この新しい上流の——かりに只見川で申しますれば、田子倉の開発で奥只見が開発できますと、これによりまして起った電力量は、あるいは東北にも一部持っていきましょう、あるいは東京にも持っていきましょうが、しかしながら絶対量といたしましては、この上流のダムを建設することによりまして下流の方の本名、上田の方におきましては相当の利益が出るわけでございますから、この利益を全部持っていってしまうというのではなくて、利益のある一部分を開発のために供与するということは当然にやるべきことであるということで、奥只見及び田子倉を開発するときには、東北電力と東京電力と、電源開発会社との三者間におきまして申し合せがありまして、ちゃんと交換公文書を作っているわけであります。そういうようなことを常識といたしまして、今後電力は上るというのではなく、それによって既設の電力は下げ得るということになっているわけでございます。その下げ得る一部分の利益を負担せいというだけでございますから、私は終局において、あの上流を開発すれば東北の電力は値が上るということじゃなくて、下るということを前提にして考えていいと思います。同時に、東北における電力料金がもっと安くなるということは当然われわれは希望するわけでございまして、電力が豊富であるということは、当然東北の開発に対しての大きなファクターであります。けれども私は東北地方の開発においては、ただ電力だけでなく、そのほか東北におきましては今日まで等閑に付されておるところの地下資源というようなことにつきましても、政府はこれに対して努力が足りないのじゃないかというようなことも今日考えているわけでございますから、この方面におきましてもさらに十分の検討を加えて、これを振興する措置を講じたい、こう思っているわけでございます。一般的に申しまして、この今日の電源開発促進法と別途に、東北の新しい工業を開発するためには特殊の方針を持っていかなければなりません。それには電力を下げまして、全体の負担をなるべく軽くするというようなことは、政府として別途に考慮すべき問題かと考えております。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員 どうも長官と私はピントが合わないのでございますが、私は承知いたしております。要するに東北の電気料金が下流増によって高くなるんだというようなことを私は毛頭考えておりません。奥只見を開発して、安くなることは当然です。しかしながら全体として安くなるべかりしその幾分のものでも取り上げてこれを東京地区に持っていくということを問題にいたしておるわけであります。それを日本経済自立という大鉄則に対しましてどういうふうにお考えになるかということをお尋ねいたしておるわけであります。しかしこれも、そのようなことを長官と論議しておったところで時間を食うだけでございますから、私はこの問題はまだわかっていただいておらないのではないかと思うのだけれども、わかっていただければそれでいいわけでございます。私は東北の振興のために申し上げていることではありません。日本の経済自立のために長官にお尋ねしている。私は東北出身の議員でありますが、問題は日本経済自立のためにどうしてもその方向に持っていかなくちゃならないのではないかということを尋ねておるわけです。東北地区のために、電源開発だけではなくて、地下資源の開発をする、こういうようなことを申されますけれども、そのことはどうでもいいことでございます。問題は、地下資源の開発とか何をやるにしたところで、現実において東北地区が開発されない状態にありますよ。企業を幾ら誘致しようとしても誘致できない現実の状態です。これはいろいろな原因があります。企業というものば関連の原料産業がいろいろ集まっているところにみな集まってくるわけですから、普通の状態においては、当然東京とか大阪を中心としたところに企業が集まってくるわけです。ですからこれらの当然の流れに対しまして、政府のあなたのような方々が、もし日本の経済自立から人口の分散をやらなくちゃならないという立場に立つならば、あらゆる機会に各地におけるそうした特殊性を生かして、そうして人口の分散をはからなくてはならない。たまたま東北地区においてただ一つ、企業誘致のために電気料金が安くできるというこの条件をどうして殺しなさるのか、このことをどういうふうにお考えになるのか、そういうことを私はお尋ねいたしているわけでございます。  なおまたこれに関連いたしまして、下流で利益を受けるのだからある程度のものを返さなくてはならないのは当りまえだ、これはだれにもわかるのです。ところが電源開発株式会社と東北電力株式会社と二つがここにあることによってこうしたむずかしい問題が出てくるわけです。しかも東北地区においてせっかく開発されたところの電気が東北地区と東京とに卸売りされるというところに出てくるわけでございますから、私は電源開発促進法の基本において、電源開発株式会社はただ開発だけをやって配給の業務をやらないというような立場に立ったならば、こうしたいろいろな複雑なる問題は解消すると考えるのでございますが、こうした日本経済自立というような根本の原則に立ちまして電源開発株式会社の基本を変えられるという考え方をお持ちになっておられるかどうか、私は長官にお聞きしたいと思います。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 ただいまお話のごとく、かりに現在新しく開発される田子倉の電力が、これは東京にいくかあるいは東北で使うか、この点はまだはっきりいたしておりませんから私はっきり申し上げかねますけれども、かりに下流でやっている東北電力のあの電力と、それから今後開発されます奥只見、田子倉等の電力が一つの機関に、簡単にいえば東北電力でこれが取り扱われるということになれば、こういったふうな問題はおのずからある程度解消し得るだろう、こう思っているわけでございます。またそれで、この供給地域を、先ほどお話しのごとく、東北にできるだけ厚くし、そして消費地域の東京地方においてはある程度これを負担せしむるというような方針もこれはとり得るだろうと思っております。そういう根本的方針から申しまして、電源開発会社は国家の資金でこれを開発するのでありますから、できるだけ安い金利の金で開発する、しかし開発会社であるから開発をすることがこの任務である、従って開発された発電所は電力を売るのではなくて、発電所自身もこの付近の業者にこれを売り渡すということは私は有力なる一つの意見と存ずるわけでございます。そういうふうなことも、今後の電源開発会社の歩み方につきましてはどうあったらいいかということにつきましては、これは非常に考慮すべき点もあるだろうと思いますので、こういうことは私は有力な御意見として承わっておきたいと存じますが、現在の考え方とすれば、一部分電源開発を国家でやれば、この電力をもって従前の日本発送電会社がやっておったような工合に融通会社としたらどうかというような意見もあるようでありまして、これも一つの意見として聞く必要もありますが、そこらの点は政府といたしましては慎重に考えまして決定いたしたい、こう存ずる次第であります。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員 私は多分長官もそのようにお考えになっておることと予測いたしておりました。問題はただ、これはやるには相当の勇気が要ることでございます。いろいろな要望が出てくりことでございましょう。しかしながら今後数々と起るところの紛争、数々起るところの紛糾状態を考えますときに、ある程度のわずかの勇気を出してこの電源開発株式会社の電源開発の基本という問題をきちっときめられることが私は一番いいのではないか。たとえば今回の下流増が予想せられておるところの奥只見の問題にいたしましても、開発会社が開発をする、あとはその地区の電力会社にもう渡してやるということになれば、原価がいかに高くつこうが何しようが、計算はみな簡単に出て参りますね。これこれの金、電気料金でなければ政府が奥地開発をやることができないんだということになるならば、それはそのような方針で下流増というものを取り上げればいいのであるし、これは全国各地においてそのような方針をとればいいわけです。そうすればそこに何らの紛糾は出て参りません。またとられたところの東北地方全般といたしましても、政府がそうした立場に立ってやることに対し、何も文句はない。ところが、繰り返して言いますけれども、配給のことまでやって、半分は東京に、半分は東北に売るんだというようなことになってくるから、ここに今度はお互いの業者間の紛争も生まれてきます。また実際上の問題として、これが受益者負担であると一昨日通産省の当局から答えられておりますけれども、ただ受益者負担というような観念に立ちましたならば非常に大きな論議がここに生まれて参ります。この問題は私はなかなか簡単にきめられないと思う。ですからそうした多くの問題を残してまでそういうような受益者負担の観念においてさばかなければならないというような愚を避けて、一日も早くこの促進法の根本を改正されることが賢明ではないか、私はこういうふに考えるわけでございますが、それに対する長官の決意をあらためて一つ承わりたいと存じます。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 ただいまの御意見につきましては、私は有力なる御意見として、これは政府は当然取り下げて考慮すべきものだと存じまして、その点は私どももある程度においては同感でございます。ただここで問題として、この促進法を実行いたしますことにつきまして、この機会に若干私申させていただきたいと思います。  実際問題といたしまして現在本名、上田等は大体一キロワット十万円ないし十一万円で建設費は上っておるわけです。ところが田子倉になりますと、これは十六万三千円という数字が出ておるわけでありまするが、しからばこれは物価が上ったからそういうふうに上っているかというと、現在におきまして、たとえばただ流水をとめて簡単なダムを作るということになりますと、富山県の和田川のダムは一キロワット六万七千円で上っておるわけでありまして、これはただ単に水を一時とめてやるだけでありますから、そうなると今後のダムの建設ということにつきましては、どうしても大規模に多量の水を貯蔵する、こういうふうな考え方で国家としてはやっていかなければならぬ。ということは、現状におきましては大体二千二百万キロワットというふうな数字が出ておるわけでありまして、これを三十五年度までに私どもの開発いたしますのは千百七十四万という数字を開発していきたいということでやっておるわけでありまして、あと約一千万キロぐらいがまだ未開発なものが残っておる。これは鹿野さんがしょっちゅうおっしゃる人口分散というような問題からいっても、どうしても実行していかなければならぬ、単に電源開発だけでなくして水利の問題等も考えましてですね。それがために今度三十一年度には一千五百万円も予算をもらって調査に本格的にかかるということに相なっておるようなわけでありまして、今後開発するには非常に大きな資金を要する、これはできるだけ国家資本の安いものでもっていきたい、こう存じておりますけれども、新しく開発するためにはなるべくその開発を安く上げるということもやらなければならぬ。それには下流増によって起った利益を幾らか勘案する、この原則でもっていかなければならぬ、これは当然だろうと思いますので、それで今回は促進法を出したようなわけでありますから、どうかこの辺をよく御了解願いまして御賛成願いたい、こう思うわけであります。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員 私は今長官の仰せられることはよくわかります。下流増に対してある程度の負担をさせることによって奥地の開発が非常に進むということは非常にわかります。だからこそ私はこのような紛争をできるだけ避けてこれが進むように、電源開発促進法の基本にメスを加えて改正されることを私は要望いたした次第でございますから、一つその点ぜひ御了承願います。  なおこの機会に私は、もうあとは蛇足の問題でございますが、とりあえず暫定として電源開発促進法が基本的に改正されるまでの間、今回まず論議となる点は、受益者負担ということが問題になってくるわけでございますが、下流増を受けるところのある特定会社がこれを負担する場合に、上流の施設に対して管理権を獲得する、持ち分を持つということは、これはまた当然の考え方でなければならぬ。今度はまた別個に、受益者負担というような立場からすれば、一般の公共事業の受益者負担という場合は、国家あるいは公共企業体がそれをやる場合にこれによって利益を受けるところのものは一部の負担をするというのがいわゆる受益者負担の観念でございますが、こうした点から申しますならば、ごくわずかのもの、たとえば百億かかるところの工専費に対して五千万円とか一億円というようなものを負担するということになるわけでございますが、今回の下流増の問題に対してどのような程度のものを考えておられるのであるかどうか、長官から承わりたいと思います。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 これはお話のごとく、自分がその経費の幾らかを負担するということになれば、これに対する管理というものは当然だと思います。しかしながら、そういった問題は当業者の間で話し合いによって決すべきものである、私はこう存じております。一つのダムを管理する上において、二人、三人の人が出て、いろいろな問題を起せば、これを管理することははなはだ困るだろう、実行上困難だろう。従いまして管理はやはり一本の頭でやらなければならぬが、その管理するについての基本の方針等につきましては、これは経営者が一本の場合は問題ありませんが、分れている場合は、お互いの申し合せの中にこの問題を織り込んで、お互いの申し合せを作る、そうすることによってこれは実行していけるだろう、こういうふうに存じております。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員 問題は、協議というよりも、管理をする以上、やはり持ち分というものが基礎にならなければならない。だから下流増というものを法律できめる以上、やはり管理権を持つことが当然であると長官が考えられますならば、当然はっきりと法律の中にこれをうたうべきものだと考えるわけでございます。持ち分、管理権を認めるか、認めないかということが問題になると思うのでございますが、その点に対して長官は、管理権は当然認めなければならぬ、こう今おっしゃっておりますが、そうであったならば、その基本の持ち分というものも当然これは認めるべき筋合いのものだと私は考えますが、いかがでございますか。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 その辺の問題につきましては、一会社でやっておる場合は問題ありませんが、今日の場合、たとえば電源開発会社と東北電力ということになりますれば、両会社の間に話し合いをつけてやるべきものだと思います。両会社とも、国家の公共事業を実行に移す、これを受け持っておるところの、きわめて良識のある、そうして公共事業性をよく自覚した人たちがやっているのでございまして、この点はよく話し合いによって私は決せられるだろうと思っておるわけであります。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員 長官の言うことはよくわかりますが、良識のある人々が経営をされておる、こういうことでありますならば、これほどむずかしい下流増の問題を法律にしないで、お互いの協議の中にまかせていくということが、当然考えていい問題であるまいか。ことに先ほどから長官と私の間において意見の一致を見ましたところの、日本経済自立という基本的な立場に立ちます場合、近いうちに電源開発促進法というものがはっきりした状態にしなければならぬということになるわけでございますから、それまでの間暫定措置としてこうした法律を作るまでもなく、お互い良識のある当事者間において円満なる協議が進められるようなことだけで私はけっこうなんじゃあるまいかと思いますが、長官の御意見を伺いたい。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 私は東北に関する問題については、田子倉を開発いたしましたときにもすでに申し合せがあったごとく、これは大きな問題といたしておりません。むしろ今後いろいろ、あるいは愛知公団のダムを作るとか、あるいはほかのダムを作るとかいうことにつきましては、この問題は相当起るだろう、こういうふうなことから考慮いたしまして、こういうような国家の方針、つまりこれが常識から正しいと感じたことの方針だけは、この法案によって定めておくということになれば、今後の話し合いをつける一つの糸口を作る機会ができる、こう存じておるわけでございますから、その程度に御了承願いたい、こう存じております。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員 私が長官にお伺いしましたのは、非常にむずかしい問題でございますから、法律で下流増を返還すべし、こういうことを作る以上は、それに対して出資をするという観念に立って持ち分を持つ、管理権を与える、その割合はまた別の協議によってきまってきますけれども、そういうようなことをしなくてはならないのではないかとお尋ねしたところが、長官は、管理権を持つことは当然だ、こういうようなお話でございますから、管理権を持つことを認めるならば、この基本である持ち分をまず認めなくちゃならないのではないかと私はお尋ねいたしたわけでございますが、持ち分の問題は、良識もる人々であるから、両者間の協議にまかせていい、こういう御意見でございますから、この問題を両者間の協議にまかせていいということについては私も賛成ですが、それをなぜ法律に作らなければならぬか。もともと良識のある方々であるから、これらの人々の協議にまかせていいものを、法律に作るといって提案されたから、私はこう申し上げているのであって、両者間の協議にまかせるということで、この下流増の問題は要らないのではないか、これは協議にまかせていいのではないか、こういうことをお尋ねしているのであります。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 私はその考え方も東北に関する限りにおきましては正しいかと思っておりますが、国家全体といたしましては、先ほど申しました通り、今後いろいろな場合が起って参りまして、たとえば地方公共団体によってこの工事をやるとか、あるいは一企業者にやらせてその工事によって既設の業者が利益を受ける場合があるとか、いろいろな場合を想定いたしましてこの法律を制定いたしたいと存ずるわけでございます。基本方針としては、すでに東北地方におきましてはこういうふうな申し合せをしているわけでありますから、この申し合せをしていることを法律化しておくことは何ら差しつかえない、こういうように考えましてこれを提案いたした次第であります。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員 そうすると長官と私とはますます違ってきます。私は東北一地方のためにこの問題を論議したのではございません。日本全体という立場から、日本経済自立という基本に立って、日本の経済自立のためには人口分散が大鉄則であるということについて長官と私は意見の一致を見た、こういうふうに考えているわけであります。長官から今東北のためならばというようなお説をお伺いすることは、私ははなはだ不満でございます。繰り返して申しますけれども、私は東北出身の国会議員ではありますが、東北の一地区だけの利益のためにこのことを申し上げたのではないということをぜひ御認識願いたい。日本全体の立場からいってそうすることがいいのではないか、私はこう申し上げているのであり、また近い将来電源開発促進法の基本をはっきりしなくちゃならないわけでございますから、今このむずかしい下流増の問題を法律によって規定するならば、持ち分の問題も、管理の問題もきめるのが不当である。それを良識あるところの両者間の協議にまかせるというならば、それはけっこうなことだから、下流増のいわゆる負担金の問題も両者の協議にまかせた方がいいのではあるまいか、このことをお尋ねいたしているわけであります。長官、いかがでございましょうか。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 この両者の協議にまかすということは、これはできるだけやっていきたいと思いますが、これを促進するようにするためには、ある一つの基本の方針でその話の糸口だけでも作っておくということは、国家全体として考えなくちゃならぬと思います。こういうような意味でこの促進法を提案いたしたのであります。しからば、そういうことをきめるならば、下流において利益を得る、負担する人は上流のダムについての発言権も管理権もとっておく必要がある、こういう御意見でありますが、この御意見は正しいと私は思っておりますが、そこらの問題は当業者の間で話をするように持っていくべきだ、そういうふうに持っていきたいと存ずるわけであります。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員 いろいろ政府も考えた末にこの法案を出されたことでありますから、私はこれをなくせということを言っておるのではありませんが、問題は、下流増の返還というものをきめる以上は持ち分を持たせなくてはならないじゃないかということです。ある工事に対して負担金を持つわけでございますし、その負担金が少くとも全体の工事費の一〇%くらいに到達するというような場合は、どうしても持ち分を持たせなくてはならないと私は思います。受益者負担というような立場に立つならば、工事費の〇・一%くらいを負担する、あるいは多くて一%負担するということになるのではないかと思いますが、この点について長官は、受益者負担という立場に立ちます場合に、一般の通念によって一%以下くらいのものを負担させようとなさいますかどうか。あるいはそうでなく、相当多くのものを考えておられるとするならば、持ち分を持たせなければならないと考えますが、これに対して長官はどのようにお考えになりますか。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 その問題はやはり個々によって決すべき問題だと思いますし、今何%を負担するかどうかというような問題も、個々によって考えていかなければならないと思います。しかし、すでに実行に移されております岩手県の胆沢なり猿ケ石なりは、多目的ダムで作られたものでありますから、そういうものにつきましては電力業者が負担する、それから農業開発の方で負担する。こういうアロケーションがきまっておるのでありますから、その管理をだれがやるかということは、建設省なり、農林省なり、電源開発関係の人と話し合って、話が進んでおるようなわけであります。そういうふうにやっていくべきものだと存じておるわけでございます。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員 僕も大体において切り上げたいと思いますけれども、しかしこれは非常に論議が残りますし、結局あとへ続くことでありますから、もう少しお尋ねしておきたいと思います。  問題は、これを受益者負担という観念でやられるかどうかということであります。受益者負担でやられるとするならば、その負担をするところの金額は、もともと国家あるいは公共企業体がある特定の事業をやる場合に、そこに当然生まれてくる利益に対してある程度の負担をするという通念からいたしまして、ごくわずかのものになるのではないかと私は考えます。これに対しての受益者負担ということについて、長官は今具体的な問題として何%ということは算定できないとおっしゃいましたが、私もその点はその通りと考えますけれども、だた一%前後であるか、あるいは一〇%以上のようなものであるかどうかというようなことは大体推定がつくわけでございます。またお考えになっておることと思いますが、その点についてのお考えを私はお聞きいたしておるのでございす。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 これはやはり個々について見なければわかりませんが、上流に建設いたしますダムの大きさ、あるいはそれの豊水の時期、あるいはそれに対する電力の質の良好なりやいなやというような問題、いろいろな点がありまして、これは当業者がそのときごとにきめなければならぬ問題だと思っております。たとえば三浦のダムにいたしましても、これは幸いに全部関西電力がとることになっておりますので、いろいろな問題はなかろうと思います。いろいろな点から考えまして、一%であるとか、一〇%以上になるか以下になるかというようなことは、今ここで申し上げかねるわけであります。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員 それでは実例を奥只見に引くことにいたしましょう。長官は現実に電源開発の総裁もされたことだし、現に今これを主管される企画庁の長官でありますから、大体の数字はおわかりだと思いますけれども、この奥只見の工事費に対して、下流増の利益を受けると思われるところの概略のパーセンテージはあるでございましょう。また、これに対するところの下流増をどのくらい分担させるかという下ごしらえがちゃんとできておってこの法案もできておることでございますから、大体どの辺のところに一〇%——もっと具体的な数字は私には見当がついておるわけでございます。長官もそういう点には入りにくかろうと思いますけれども、一〇%以上というような大体の数字を私は出しているわけでございます。少くとも一〇%以上と一%というものについては御答弁が願えるものと私は思っているのでありますが、一〇%以上でありますか、一%前後でありますか、その点を一つお聞かせ願いたい。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 その問題につきましては、直接これを管理いたしております通産省の政府委員からお答え申し上げた方がいいかと存じます。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員 それでは長官がいる前で通産省の政府委員から聞かしていただいて、そのあとでまたぜひ長官からも承わりたいと思います。

川上為治通商産業事務官(公益事業局長)

○川上政府委員 奥只見の場合に、下の方で具体的に大体どれくらい下流増が出るかという計算の問題なんですが、この計算の仕方によりましても非常に違ってくるわけなんであります。一番最後の送電端でとりますと非常に大きな数字になるのですけれども、送電端で利益をはかるということは、こればまた非常にむずかしい問題があるわけなんで、私の方としては、発電端、発電所において電力が幾らふえるかというところでとった方が一番よくはないかというふうに一応考えております。これは、先ほども話がありましたように、業者同士で話をすることでありますので、これを最後のところでとるか、発電端のところでとるかという問題ももちろん議論になると思うのですが、発電端というところでとりますというと、送電端よりも小さくなるわけでございます。では、発電端でとりましてどの程度になるかという問題でございますが、田子倉の場合を一応計算してみますと、発生電力量が上の方で五億五千二百万キロワット・アワー、それから増加、すなわち下の方の発電所でどれくらいただで電力がふえるかということになりますと、約一億八千万キロワット・アワーというように、非常に膨大な下流増が出ることになっております。しかしながら、それではこのうちどの程度上の方に返すかという問題になれば、これは先ほど話がありましたように、業者同士の話し合いでやるわけでございます。私どもの方としましては、一億八千万キロワット・アワーは、それだけよけい出るのだが、それを全部上の方の工事費に返すべきだというようなことは毛頭考えておりません。では、大体そのうちの何分の一ぐらいにするのかという問題になりますと、これは業者同士の話し合いによってきめるということに相なるわけであります。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員 今の話はよくわかっているのです。わかっているが、今のようなそんな答弁では全然答弁にならないと思うのです。一億八千万キロワット・アワー出るからそれをみな返せということば考えておりませんなんで言わなくたって、これは当然過ぎるほどの話であって、政府が電源開発会社というものを作って、そうして未開発電力を開発したという精神からいえば当然のことです。そしてまたそのようなことはわかっておるのでございますが、下流増というものが生まれるについてある程度の分担をさせる、返還をすることが当りまえだというてこの法律でうたう以上——私が今企画庁長官にお尋ねいたしたのは、一昨日あなたの方から受益者負担である、こういう精神に基くんだというお答えがありましたから、受益者負担という精神に基くならば、政府並びに公共企業体がやる一般の公共事業からくるところの受益者負担という通念に従いますならば、私は工事費の一%を負担する。利益を受けるところの二%とか三%負担をするというようなことになるのではあるまいか、このことをお尋ねいたしておるのでございます。で、それがたとえば一〇%以上負担させるというようなことになります場合は、これはもう受益者負担というようなことから離れて、いわゆる持ち分を持たせなければならないし、管理権も当然やらなければならない。もちろん経済企画庁長官は、管理権は当然やらなくちゃいかぬというふうにお答えされましたので、このことは別といたしまして、管理権の基礎である持ち分を持たせなければならないんだ、こういうことになりますから、一体あなたの方では一〇%以上というようなところで考えられておるのか、あくまでも受益者負担という観念に基いて、一%前後のことで考えておられるのか、どちらですかということを私はお尋ねいたしておるのです。

川上為治通商産業事務官(公益事業局長)

○川上政府委員 受益者負担という考えからいたしまして、その下流の方の負担額というのは非常に僅少であるべきだということは、私の方としては考えておりません。それは受益者負担という思想から、非常に軽く負担すべきだというふうには考えておりません。それからこの法律は、私はこの前、受益者負担というのが、法理論的にそこに根拠を持たせるようにしてあるということを申し上げましたが、それ以外にいろいろな理由があるわけでございまして、たとえば負担の公平とか、そういうような問題、あるいは、これは言葉が過ぎるかもしれませんけれども、不当利得ではないか——とにかくただでそれだけ出るんだから、ただでそれだけもうかる、そういう言葉で申し上げますれば、不当利得というような思想もあるかと思うのですが、私どもの方としましては、そういうようないろいろなものが入って、新しい法理論と申しますか、そういうことでこの法律を作っているわけですが、そういう面から申しましても、非常にその額は小さくあるべきだというように考えられないのではないか。従いまして、これは個々の場合によりまして非常に違うと思いますので、それは当事者同士の話し合いによってきめたらいいんじゃないかというふうに、私どもの方としては考えているわけでございます。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員 ただいまの通産省の担当局長からの答弁において、私は非常に大きな問題を得たと思っておりますが、不当利得の観念がここに入るというようなことになれば、これは実際もう考えが根本的に違っていると思います。東北電力株式会社がもうけるということを今私は全然頭の中に考えておりません。下流増によって得たところの利益というものは、一会社がもうけるんじゃなくて、これは当然通産省が管理して監督をして、そうして原価主義というものに立って、安い電力をを東北地区に供給するということになることを私は前提といたしております。ですから私は、日本経済自立という根本から、人口分散の観点に立って長官と冒頭において話し合ったわけでございます。しかもここに不当利得の観念を取り入れて、下流増を分担させるというような考え方は、まさしくこれと全然相反することになるわけでございますから、この法律の基礎が全然違ったものとなると私は考えます。企画庁長官はいかがお考えになりますか、私はこの点をお伺いいたしたいと思います。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 どうも、ただいま通産省の政府委員の申しましたことにつきましては、法理論的に言えばそういう理屈は当然かと思いますが、私はそういったことじゃなくて、常識的に考えて、これは受益者負担ということもあるだろうし、また私はむしろこれは上流の開発を促進するという意味からこういう法律を作っておく必要がある、こういうことでありますから、いろいろな目的があると思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 関連して。長官は今、法律論からいえばそういう観念もあるかもしれないがと、こういうお話であります。先ほど局長からの不当利得という話を聞いて、果して不当利得の中にそういう概念が入るかどうか。相手に損失を与えるということが一つの構成要件になっている。そういうことをお話になると、たまたま鉄道で駅を作ったために土地が上って、鉄道は損をしていないけれども、その住民ば、土地が上ったから鉄道に一つ負担を分担せいとか、あるいは、たまたまある家で非常にいい庭木を植えたが、これは隣りからもながめることができるとか、これはあるいは下水なんかも同じです。相手に損失を与えなければ不当利得の観念は入らぬのです。私はきわめておもしろい、珍しい学説を承わったのですが、私はここには不当利得の観念は入ってこないと考えるのですが、もう一回御答弁を願いたい。

川上為治通商産業事務官(公益事業局長)

○川上政府委員 この問題につきましては、私の方としましては法制局ともいろいろ議論もしましたし、またほかの方の意見もいろいろ聞いたのですが、いろいろ考えてみて、やはりこの問題については受益者負担的と申しますか、そういう法理論が最も正しいものではないかというふうに考えておるわけでございまして、さっき話がありました、不当利得だけでこれを律するということは理論的には非常にむづかしい。従いまして受益者負担ということが法理論としては一番いいことではないかというふうに考えて、この条文を作ったわけでございます。ただ外国の例、たとえばアメリカの例を見ますと、これはどうも受益者負担の思想よりも、むしろ先ほどのお話のような不当利得という方が非常に強く出ておるのではないかというふうに考えておるのですが、この点につきましてはいろいろ議論があったのですが、私の方としましては受益者負担というのを法理論の中心にすべきじゃないかというふうに考えておるわけでございますけれども、しかしそうかといって負担額は非常に僅少であるべきだということにはならないのではないかと考えております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 私も別個に質問いたしますからこれでやめておきますが、もう一言お聞きしたいのです。受益者負担といいましても、現行の法概念の中には当てはまらない点があると思う。現在の法概念にある受益者負担というのは、国または公共団体が行う事業である。すなわち国または公共団体がこれは税金によって工事をしている。そこで利益は利用者が公平に受けなければならない。ところが特殊な人が著しく受益をする。財源は全部税金ですから、その人には受益者負担をしてもらおう、こういう思想なんです。ところが今度の法案のは、国または地方公共団体じゃない。電源開発は公共的な色彩を有しておるけれども、他の電気事業者にもやはり同じように法律の適用があるわけです。ですから、これは今までにない新しい法概念で律せられておると思うのですが、受益者負担といいましても、現在の法律にはそういう観念はありません。この点はどうですか。

川上為治通商産業事務官(公益事業局長)

○川上政府委員 その問題につきましてはその通りだと私は考えるのです。ただ電発は一種の公共事業的なことをやっておりますし、それにまたほかのものにつきましては、電気事業者でありますけれども、具体的にはほとんど県営のものがこれに該当することになるのですが、そういう点もありますし、それにわれわれの方としましては、受益者負担ということそれだけで割り切って考えてはいないのでありまして、先ほどもちょっと申し上げましたが、受益者負担的と申しますか、そういう新しい概念と申しますか、そういうものによって、私の方としては法制局の方とも十分相談いたしまして、そういう条文を作ったわけでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 もう一点。公共的と言われますが、国有鉄道公社は電気事業よりも政府機関であり、予算は国会の承認を得ますから、より公共的だ。これが駅を作るといえば、土地が上るのです。あるいはその方が店が非常に繁盛する。極端にいえば、道路法やあるいは都市計画法でも、土地代が上るのは受益者負担でとろうというのだから、駅ができれば、その付近の人から当然受益者負担として鉄道がとり得る。法律がなければもちろんとり得ないのですが、あなたの概念では、法概念としてはとり得るというような新しい概念を創設されんとしておる。ですから、理論がなければ一つ飛躍をするのですから、あなたの力にきわめて強固な理論がなくては、簡単に受益者負担的であるとか、あるいは不当利得的であるということでは、どうも納得できない。そうすると、鉄道でも国有鉄道だけでなくて、地方鉄道といわれる私企業の鉄道だって公共事業ですよ。ですから、土地収用法の適用は受けます。電気と同じように公用負担の適用を受けておる。ですから、法概念として、そこの鉄道が鉄道建設によって、法律によって受益者負担としてそれをとる権利を生ずるかどうか、こういうきわめてむずかしい問題があります。私は後に質問いたしますから、はっきりした見解を持っておいてもらいたい、かように希望しておきます。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員 川上さん、あなたは少しお調べになった結果、外国でも受益者負担としてとっておる、あるいは不当利得としてとっておるというようなお話ですが、そういうところに私は誤りが入っておると思うのです。ここのところはそうではなく、企画庁長官と私が話したように、世界の中で日本だけが特殊性を持ったものですよ。狭い国土にたくさんの人口がうようよして生活しておる、資源が不足だ、これは日本の特殊性ですよ。日本だけにある特殊性です。ここに基盤があることを考えないと、私はこの問題が解決できないと思うのです。アメリカなんかにおいては、何も国の力によって人口の分散をさせようということは、少しも考えなくてよろしい。あるいはまた北欧諸国においても人口が非常に少い、だから各地に分散させるというようなことを考えなくてもよろしい。どこの国だって、日本ほど人口分散ということを考えなければならぬ国はございません。ここが一番基本の問題で、日本は好むと好まざるとにかかわらず一億の人口をかかえて、この狭い国土に生活していかなければならない。しかも三等国、四等国として甘んずることなく、一流国家として経済的にも世界に勇飛しようという脈々たる野心を日本民族は持っておる。この基本に立って、ここに到達するためには、ただ一つ日本の狭い国土を活用していくよりほかに道がないのではないか。ここに人口分散の原則が、日本だけにとって生まれてくる。人口分散というこの建前からいつて、この電源開発も考えなければならない、こういうことに立っておるわけでございますから、不当利得というような考え方が少しでもあなたの中にあるとするならば、これを全然捨てていただいて、一東北地区というようなことでなく、日本全体の経済、日本経済自立という基本に立って行政をやられるところのあなたが公平に大きな立場からぜひ考えていただきたい。さすれば今のような不当利得であるとかあるいはまた受益者負担というような考え方が出てこなくなる、私はこう思うのでございます。受益者負担ということがもしも出てくるということになれば、それに対するところの負担はごくわずかの分担金でよろしいということになるわけだし、そのことは、外国の文献がこうあるから、外国の事情がこうだからというようなことで、しゃくし定木にやらないで、あくまでも日本の現実に照らして日本的なる考え方を持っていただきたい。私はこのようなこと要望いたします。ここにもし下流増というものを、これは奥地電源開発促進のために課さなければならないとするならば、これはあくまでも持ち分というものをはっきりさせなければならない、持ち分というものを認めない以上は、受益者負担というような一般通念に従ってごくわずかのものを分担させるにとどまらなければならない、こういうふうに考えるものでございます。これは実際上の出費問題になってきますと、非常にむずかしい問題が数々出てきます。幾ら協議事項に入ったところで、なかなかこの協議はまとまらない、まとまる見通しが出てこないと思います。ですから一口も早く電源開発促進法の基本についてメスを加え、電源開発促進の本来の使命のあり方についてはっきりされるように、私は企画庁長官にも大いに要望いたしまして、一応私の質問を打ち切ることにいたします。

神田博自由民主党

○神田委員長 次は中崎敏君。

中崎敏日本社会党

○中崎委員 私はまず電力行政全般の中で、ことに監督行政、それから料金の問題、さらに下流増等、この法案の核心について大体三段階に分けて質問してみたいと思います。最近の傾向を見ますと、独占資本を含むところの大資本の力、政治的、経済的力というものが相当な勢いをもって強くなって参りまして、しかも漸次弱い大衆の層に圧力がかけられておるのであります。しかもそれが傍若無人といいますか、不遠慮に相当の圧力が加わりつつあるのじゃないかというふうに心配しておるのであります。昭和の初めに三井財閥の団琢磨理事長が暗殺された、当時はドル買いを中心として財閥、ことに大資本というものが相当跳梁ばっこしておったのでありますが、その後こうしたようなものにある程度自制心なども加わりまして、大資本の圧力というものはやや下火になっておったのじゃないかというふうな機運もあったのでありますが、ここ数年来の大資本の傍若無人の動きというものは、実に見るにたえないものがあるのであります。ことに独占資本である電力資本についても同じようなことが言えるのではないかと思う。独占的な背景と大きな資本と、さらに政治とが結ばったところの大きな力によって、電力会社が相当権利の乱用あるいは違法なことをあえて平気でやっておるというふうな事態があるのでありますが、一体政府は、こういうふうな独占的な、しかも公益的な、広範な使命を持った事業に対して、どういうふうな用意と心がまえを持って監督しておるのか、その監督については具体的に一体どういうふうな措置を講じているのかを聞きたいのであります。

川上為治通商産業事務官(公益事業局長)

○川上政府委員 電源開発会社に対しましては電発促進法の関係で監督の規定もありますし、また一般の電力業者に対しましても、これはもちろん県営、公営等も含みますけれども、これに対しても現在公益事業令によって監督の規定があるわけなんですが、私どもの方としては、その監督の規定によって監督をいたしているわけでございまして、電発に対しては、通産省の中に監理官という制度があって、この監理官がしょっちゅう連絡をとって、電発のいろいろな事業についての監督もいたしております。また電気事業者に対しましては、これは年に数回にわたりまして特別の監査をするというような方法によって相当詳細にわたって監査もいたしているわけでございます。もちろんこれはいろいろな点から十分でない点もあるわけなんですが、そのために今おっしゃいましたように、いろいろなところで違反をしているようなところがあるかと思うのでありまして、先般御指摘の通り、ある会社が税金を払っていない、そういう問題があったのですが、これに対しては、私の方からもさっそく社長を呼びつけまして、当然やるべぎことをやらないでいることはいけないということで、そういう指導監督もいたしております。私の方としては、今後そういうことがないように、権力監督あるいは指導を強めていきますと同時に、もし現在の監督規定に不足の点がありますれば、将来電気事業法を制定します際に、監督強化の規定も入れたいと考えております。

中崎敏日本社会党

○中崎委員 ただいま公益事業局長から言われた問題でありますが、中国電力会社に関する問題をこれから具体的に指摘して、独占資本が国家の手厚い保護を背景にして、いかにでたらめなことをやっているかということを、例をもって示してみます。今お話の地方税、固定資産税に対して中国電力公社が、自分の設備のある市町村に対して標準税率と称して、自分で一方的に税金をきめて、その法律に規定してある通りのものを払わない。そして三カ年間の長い間にわたってこれら被害を受けている市町村は、財政上非常に困っているので、しばしば猛烈な要求をするけれども、独占的な立場をどこまでも主張して受け入れない。先般公益事業局長もそれについて善処するということで、今のお話によると、社長を呼んでやったというのでありますが、島根県からの関係者の報告によりますと、中国電力会社がきっぱりそれを断わっている。どういう理由で断わったかというと、第一に、九電力の申し合せの線を破ることはできないから、一方的に自分の方できめて、その通りにやるのだ、政府が何と言おうと問題はない、こういうことを一つの理由にしている。もう一つの理由は、中国五県のうち島根県以外には減免してもらっているので、島根県だけ納税するわけにはいかないといって、きっぱり断わっております。   〔委員長退席、小平(久)委員長代理着席〕 それから、一体どういうわけでそういうふうなことになるかというと、もしそれを聞かないと、電気事業の電気の工事をやってやらないとか、それをおくらせるとかいうふうな、いやがらせをもあわせてやって、強引にこれを押しつけている。独占的な公共の立場を利用している。頼みにいっても電気をつけてもらえない。こういういやがらせをして強引に押しつけているわけなんです。それから、はなはだしいのは電気税に関するリベートの問題でございますが、島根県においては昭和二十六年の十一月に、元来電気事業者が市町村にかわって電気税を取り立てて払うことになっているのでありますが、ところがその電気税の中から一%のリベートを各関係市町村に強要してそうして取り立てているのであります。それはどういうことになっているかというと、まず関係市町村の、島根県におけるところの町村会に押しつけて、そうして自分たちが料金をかわって取り立てるのだから、町村税を取り立てるのだから、一%のリベートをよこせというので、不承々々に承諾させた。それでそれは市町村でなしに町村会です。だから市は断然その中に入ってなかった。ところがそれに加わってない市に対しても一%のリベートを強引に差し引いて取ってしまっている。そして二十六年以後合併されたところの町村が非常に多いのですから、全然承諾していないところの町村にも一方的に押しつけて今日まで実行している。このことについては通産省に対してもしばしばこういうようなむちゃなことをやっているということを申し入れてあるにかかわらず、何ら措置が講じられていないという連絡があったのでありますが、一体こういうような要請に基いて取り立てるということは、たとえば料理屋が国家にかわって料理飲食税を取り立てるのと同じようなものです。あるいは会社が給与所得者の所得中から源泉で所得税を差し引いて取り立てるのと同じようなものです。それにもかかわらず、そうした会社に対しても料飲店に対しても何ら手数料を国家でも市町村でもくれない。ところが電気会社だけが自分がかわって取り立てるのだから一%よこせというので、強引に法律によらないで一方的に押しつけて、市町村からそれだけの金を取り上げている。こういうようなめちゃくちゃなことをやっておって、政府はどういう監督をしているのか。そこを一つお聞きしたい。

川上為治通商産業事務官(公益事業局長)

○川上政府委員 今中国電力が島根県に対して所定の税金を納めていない、それにつきましては私の方もいろいろ調べてみましたところが、そういう事実があるというようにわかりましたので、これは島根県だけではありませんが、中国の全県となっておりますけれども、私の方としては、公文書でそういうことをしてはいけない、早く払うべきものは払いなさいということを言ってやりましたが、その後また先生から御指摘がありましたので、先ほど申し上げましたように、電力会社の社長を呼びまして、私からも特にその話はしてありますし、実は昨日常務会がありましたので、そこの常務の人にその話をしましたところが、その通り私の方はいたしますということを言っているわけなのですが、そういうことを言っておりますれば、私の方としましても一応信用しているわけなんですけれども、今御指摘のようにそういうものは払う必要がないとやはり向うの方で言っているということでありますれば、私の方でももう一ぺん調べまして適当な措置を講じたいと考えます。なおその中で、連合会で何かそういうような打ち合せをしているので払うわけにいかないというようなことなんですが、私はその連合会の協約なり話し合いというものをよく知りませんけれども、おそらく過当なものについはなるべそういう税率をかけないようにしてもらうようにしようじゃないかというようなこととか、あるいは地方によりまして相当いろいろな名目で、たとえば寄付金とかそういうものを取っておりますので、そういうもので過当なものはなるべく出さないというような打ち合せをしておるからという意味じゃないかと思うのですが、その辺は私の力でももう一ぺんよく調べてみます。  それからリベートの問題、これは私も初めてそういう話を聞いたのですけれども、おそらくそういうことはないと思うのですが、もしそういう事実がありましたならば、私の方としましても十分調べて厳重な監督なり行政指導をいたしたいと考えております。

中崎敏日本社会党

○中崎委員 さきの固定資産税の標準税率をこえたものは一方的に払わないという問題でありますが、これについては本年の二月七日に自治庁から、島根県の電気事業者委員会というのがあるのでありますが、それに対しての回答によりますと、途中からでありますが、従って市町村がその財政上やむを得ざる必要により超過税率を採用して、その区域内の固定資産の所有者の全部について均一な超過負担を求めた場合におきまして、それが電気事業者に対してのみ偏重な負担を負わさないものである限り、電気事業者が標準税率を超過する部分に相当する税額について標準税率によらない課税であることを理由として固定費産税を納入しないのは、他の固定資産所有者との間の均衡上当を得ないばかりでなく、法令の規定に違反するものであると言えます、こう断定しておる。でありますから、今何だか過当であるとかないとかいうふうな、そういうことを局長が一方的に言われるのもおかしい。要するにもうちゃんと他のものと同じように、もちろんこれは法令の範囲内においてということはわかっている。法令の範囲内においてその市町村が他のものと同じような固定資産税の税率をきめてやるからには、この電気事業者だけが一方的にのがれるわけにはいかないということだ。であるからこの趣旨に従ってやっておったら文句はないのだが、これを一つ監督上十分に実行するように責任を持ってやってもらいたいのであります。  それからリベートの問題でありますが、この電気税に関するものについてその百分の一で、金額のいかんにかかわらずこういうふうなことを一方的に押しつけるということがすでに問題なのでありますから、こういうやり方を一つ改めるようにやってもらうと同時に、この問題についても即刻一つ十分な調査をして、こんなことがないようにもとへ改めるようにやってもらいたい。  それからさらに、広瀬町といって島根県の一つの町でありますが、ここに対してどういうことをやりましたかというと、無電燈部落の電燈工事をするに当って——広瀬町に無電燈部落があった。その部落に今度は電燈工事をやるに当って三十数本の新設の電柱の固定資産税を中電の要求によって将来徴収せざること議会において決議させた、こいうことになっておる。というのは、もしこの要求に従わなければ、無電燈部落に対して工事をやってやらないということで押しつけて、そうして町の議会へそういう決議をやらして、電柱費はとりませんということの一札を入れさしている。こういうふうなでたらめなことをやるところに、私が言う独占事業を乱用してやるという一つの問題がある。これは戦争中においてもしばしばやられておる。無電燈部落で何とかして電燈をつけてくれといって中国電力に言うていく。そうしたところが、できません、できませんといって引っぱっていく。やむを得ないからどんどん何百万も、ない金を住民が出し合って、一切の費用を負担して、そうして今度はその設備はどうなるかというと、全部が電力会社のものになってしまう。一体こういう規定があるようでありますけれども、何がゆえにこういうむちゃなことを——ほんとうに無電燈部落の人たちは長い間困っておる。それであるにもかかわらず、何とかして近代的な文化の一端に浴さしてもらいたいという情熱を持って電力会社に行くと、独占事業だからほかにはやれないのだから、自分のところで、もうだめです、だめですと言うて押えつけている。やむを得ず待ち切れないから、もう泣きの涙でみんなが金を出し合ってやれば、その設備は一切電力会社のものになる。これは一体どういうことになるのかお聞きしたいと思います。

川上為治通商産業事務官(公益事業局長)

○川上政府委員 今のそういう具体的な例につきましても、私の方としましてそういうことが事実でありますれば、これはどうしても監督上やはり見のがすわけにもいきませんので、私の方でよく監督指導いたしたいと思います。

中崎敏日本社会党

○中崎委員 今申しました広瀬町、事は一町でありますが、そのやり方はいかにもでたらめでめちゃくちゃであります。これはさっそく調査して、もしそういう決議などやらしたら不当であるから——向うが自発的にやったやらぬという水かけ論じゃないのです。わずか三十本の電柱の税金さえ払わないような、そういうでたらめな一方的な押しつけをやるということが間違っておるのだから、これはさっそく取り消しをやらして、そうして不当なことをやりましたというところのあやまり証文をむしろこの町に対して出すべきであると思うのでありますが、この点についても調査を願って、至急善処方をお願いしておきたいのであります。これはほんの一、二の事例にすぎないのでおりますが、こうして独占的な権力を利用して住民を苦しめるということについては、十分に監督を厳重にして、再びこういうような誤まりのないように一つやっていただくことを要望しておきたいと思うのであります。  次に電気料金の問題でありますが、これは四月一日から例の夏冬一本を通した料金がさらに継続されて、一年間ですか何ですかされるということになったようであります。もともとあの昨年の電気料に関する問題の審議の過程において、この四月一日からの実施については国会、ことに商工委員会においてもそれは十分に意見を諮って、そうして善処するという申し合せもきまっておったのでありますが、これはどういうようなことになっておるのか。さらに電気料については、相当電気事業者が今利益を得ておって、あの考課状の面などを見ても利益が相当ある。その後利益一割配当を一割二分配当にいつの間にか引き上げておるという実情にもなっておるのでありますが、そこらの点もにらみ合せて、一体この電気料というものが今後どういうような推移をたどっていくのか、お聞きしたいのであります。

川上為治通商産業事務官(公益事業局長)

○川上政府委員 電力あるいは電燈についての三割頭打ちの問題につきましては、昨年この委員会でいろいろ問題がありまして、決議もあったわけでございますが、私の方としましては、その決議につきましては十分尊重をいたしておるようなわけでありまして、その決議の趣旨に対しては、いろいろ検討もいたしたわけでございますが、今度の措置につきましては従来やっておりましたものをそのまま一年、ことし一ぱい、すなわち三十一年度一ばいこれを続けるというただ非常に軽微な問題ではないかというふうに一応考えまして、公益事業令の第四十二条のただし書きによって、さらに一年間延長するということにいたしたわけでございます。軽微と申しますと非常に語弊があるかと思うのでありますが、頭打ちを続けるということは、これは需用者の方から見てもまことにけっこうなことではないか、またぜひそれをやってくれというような意見も各方両からありましたし、ただ単に昨年やって参りましたものを一年間続けるというだけの問題でありますので、別にいろいろな手続をとらなくてもそれでいいのじゃないかというふうに考えまして、先ほど申し上げました四十二条の第一項のただし書きを適用いたしたわけであります。もちろん先ほど申し上げました、この電気料金に関する昨年の委員会の決議につきましては十分尊示しまして、また十分検討もいたしました結果でございます。その点御了承願いたいと思うのであります。  それから現在の料金を今後どういうふうにするかという問題でございますが、私の方としましては将来電気料金はなるべく安くするように持っていかなければならないというふうに考えております。これは基本的な考えでございます。しかし昨年の経理状況等から見て、今直ちに引き下げることがいいかどうかとう点につきましては、いろいろ根本的に議論があるところでありまして、現に工事を盛んに進めておりますので、そのために金利なりあるいは償却なりというものがかさみまして、実際問題としては平水ベースでありますならば、当然料金は上っていくべきものでありますけれども、私どもとしましては昨年度もうけたならば、そのもうけた金を極力開発の方につぎ込んでやってもらいたいということで行政指導をやっております。そのためか、昨年度におきましては相当の開発が行われておる次第でございまして、電気料金を今後どうするかという問題につきましては、もう少し推移を見ましてどうするかということをきめたいと考えておるのであります。経理の非常にいいところと、非常に苦しいところと実はあるわけでございまして、一部の会社におきましては、おそらく三十一年度においては果して十分乗り切っていけるかどうかというような会社もあるわけでございますので、その点も十分研究した上で処理したいと考えております。

中崎敏日本社会党

○中崎委員 最近における金融の情勢を見ますと、相当金融緩慢の徴候がある。従いまして金利が下っていく状況にもあるのであります。ことに長期の社債等に対する金利も下ってきておるのであり、今後もまた相当に下る見込みの情勢になっておるわけでありますし、しかも電力会社における社債などは相当の金額に達しておる等の点もあって、それらの点を含めて最近における電力会社の一般的営業好転の事情等を含めてみたときに、電力料なり電気料の値下げは、ある程度可能になるのであります。ことに昨年のああした国会における審議の過程においても、実際においては、初め予定された以上の料金がよけいに入ってきておる形になっておる。あらゆる形において計算的なものよりは実際は高くとられておるという事実は随所にあるのでありますが、そういうものも含めて、むしろ料金を値下げするという前提の上に立って考えられておった点もあるので、あわせてこの際値下げについての何らかの配慮が具体的に払われるような事情があるのではないかと思うのでありますが、その点いかがですか。

川上為治通商産業事務官(公益事業局長)

○川上政府委員 先ほど申し上げましたように、最近豊水あるいは暖冬、石灰の価格が下っておるという面からいたしまして、会社の中には相当利益を得ておるものもあることは事実でございます。これは新聞にも出ております。しかしそういうような金をどうした方面に会社が使っておるかという点につきましては、これはいろいろ批評もありましょうけれども、たとえば送電のロス軽減に非常に努力しているとか、あるいは開発に非常に努力しておるとか、いろいろな合理化に対しまして相当の金をつぎ込んで、先ほど申し上げました電源開発なり、ロス軽減というものに対しまして、非常に大きな役割を果しておるわけでございます。たとえばロス軽減につきましても、四、五年前と比べますと、現在におきましては非常に低くなっておりまして、すでに大体二十%も割っておる。昨年度におきましては予定よりももっと割っているというような状況になっておりますが、それは結局そういう利益の金を修繕費なりそうした方面に相当使ってロスを軽減しておるというようなことで、合理化に対しまして非常に役立っておるわけでございまして、私どもの方としましては、この豊水、暖冬というのは、今後の見通しとしてはなかなかむずかしいのですが、しばらく、そういうふうに利益がありましたならば、そういう方面に相当つぎ込んで、そうして将来の電気料金を安くするための努力をこの際続けて払わしておいた方がよくはないか、また一面において予定以上に開発をこの際進めさせるということが私はいいのじゃないかというふうに考えまして、今直ちに料金を改訂するということはよほど検討を要するものではないかと考えておるのであります。ただこの三十一年度の様相をもう少し見きわめた上で料金をどうするかという問題については検討をいたしたいと考えておりまして、長期の問題としましては、将来電力料金を下げる方向に持っていくことは全く先生のおっしゃることに同感でございます。

中崎敏日本社会党

○中崎委員 いろいろ問題はありますが、次に進むとします。ことに下流増に関する問題はいろいろ問題もあるようでありますから、参考人などの意見を聞いた上で、しかもきょうは両大臣ともおられないのでありますから、あらためて質問したいと思うのでありますが、一、二聞いておきたいのは、ダムの建設によって下流において利益を受けるところから受益者負担などのような考え方の上に立って一部の利益を徴収するというのでありますが、逆に今度はダムの建設等によって被害を受けるようなものに対しては、一体どういう措置が講ぜられるのか。

川上為治通商産業事務官(公益事業局長)

○川上政府委員 これは現在においても民法に損害賠償の規定がございますので、損害を受けた場合は、その規定によって補償することになっておりまして、現に各方面で損害を補償いたしております。

中崎敏日本社会党

○中崎委員 そうすると、たとえば下流における電力会社がダムの建設によって利益を受ける場合にはとる。しかし同じ電力会社がダムの建設によって損害を受けるという場合もあり得ると思うのであります。言いかえれば相殺的な要素もあるのではないかと思うのでありますが、そういうふうな場合においては、どういうふうになるのですか。

川上為治通商産業事務官(公益事業局長)

○川上政府委員 上の方で利益を受け、下の方で損害をこうむる、相殺的な問題が起きるという問題も私はあると思うのですけれども、やはり利益を受けた場合におきましてはこの法律を適用し、損害を受けた場合におきましては一般の民法の規定において損害を支払うということで法律的にはいいのではないかと思うのですが、その点はその会社同士でどういうふうに相殺するかという問題についてもお話し合いをした方がよくはないかというふうに考えております。

中崎敏日本社会党

○中崎委員 ここにも問題があるのですが、今度は、さて利益の負担金をする場合に、両方の関係者の間で話し合いをすることになるのでありますが、話し合いがつかなければ一体どういうことになるか。これは一つの基準でも設けて、この範囲においてこういうふうな基準でやるのだ、あるいは審議会等を設けて、関係者を集めてその意見を聞いて、それを通産大臣なりが適当に裁量する、あるいは最後的な決定をするというふうな方法でも持った方がいいのじゃないかと思うのですが、そこらのことはどうですか。

川上為治通商産業事務官(公益事業局長)

○川上政府委員 この下流増の問題につきましては二つあるわけでありまして、下の方で利益がある場合におきましてはその利益を上の方に返して工事の一部を負担すべしという問題と、その返す場合においてどの程度に額をきめるかという問題が二つあるわけですが、前者につきましてはやはり法律でそういう規定を置いておきませんと、果して返すべきであるか返すべきでないかという問題がありまして、根本的に返す問題について紛糾が生じますので、私どもの方としましてはこういう規定を法律で置く方がよくはないかと考えた次第でございます。  第二の問題につきましては、これは額の問題でございまして、今先生もおっしゃるように、非常にその額の問題で紛糾するような場合もあるかとも思いますけれども、私どもの方としましては、やはりこういう問題につきましては民主的に話し合いをして、極力民主的に話し合いをつけてもらうことに行政指導をしていきたいと思うのであります。従いまして話がつかぬ場合においてはどうするかという問題は、将来もしそういう問題が続々と出てきた場合におきましては、私どもの方としましてもあるいは法律を改正していただいて裁定なりそういう措置をとっていただかなければならないようなことになるかもしれないと思うのですけれども、私どもの方としましては、行政指導によりまして、そういうようにわれわれの力をもって無理やりに法律でやるということをしないで、民主的に話をつけた方が一番いいんじゃないかと考え、裁定の規定を置かなかったわけでございます。

小平久雄自由民主党

○小平(久)委員長代理 この際お諮りいたします。木材利用の合理化に関する小委員長より木材利用の合理化に関する諸問題調査のために、次回の小委員会において参考人より意見を聴取いたしたいとの申し出があります。小委員長の申し出の通り、本問題について参考人の出頭を求めることに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小平久雄自由民主党

○小平(久)委員長代理 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  なお参考人の選定等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小平久雄自由民主党

○小平(久)委員長代理 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  本日はこの程度にとどめまして、次会は来る十月午前十時より開会することとし、これにて散会いたします。    午後零時二十四分散会

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