商工委員会 第12号
- 発言数
- 149 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/03/06
会議録
○神田委員長 これより会議を開きます。 中小企業信用保険法の一部を改正する法律案及び中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案並びに昨五日参議院より送付され、本委員会に付託されました高圧ガス取締法の一部を改正する法律案を一括議題といたし質疑に入ります。質疑の通告があります。順次これを許します。内田常雄君。
○内田委員 私はただいま上程されました中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案を中心として若干のお尋ねをいたし、また政務次官以下政府委員の諸君と意見を交換いたしたいと思います。 本日通商産業大臣が御出席になっておらぬことはまことに遺憾であります。これは何か宮中に御出席というやむを得ない御用件の趣きでありますから、政務次官からよくお伝えを願いたいのであります。私が今お尋ねをいたそうとする中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案というのは、今回御提案になっている改正の条項はきわめて簡単でありまして、まことに事務的な改正のように見えますけれども、私がお尋ねいたさんとするところは、事務的のように見えながら、実はさにあらず、中小企業金融というもののあり方というものを今後どうするかについてじっくり政府にもお考えをいただきたいし、また御同席の委員諸君にも御研究をいただいて、今後の措置を御研究願わなければならない問題を含むものでございます。今回のこの法律案は、ただ中小企業金融公庫が主務大臣の認可を受けて昭和三十一年度において十億円を商工組合中央金庫に貸し出すことができるという、これだけの法律でありまして、その限りにおいてまことにけっこうなはずであります。お金を十億円商工中金にお出しになるというのですから、お引き揚げになるということよりもいいことになっております。 まず第一にお尋ねをいたしたいことは、この中小企業金融公庫から商工中金に回されるという十億円は、とどのつまりは政府から出る金で、中小企業金融公庫というものは、申すまでもなくその資金源は政府の出資とそれから資金運用部からの貸付金でできておりまして、ほかの金はないのでありますから、政府の金を一たん中小企業金融公庫に入れて、その中小企業金融公庫から商工中金に回すというワン・クッションの回し方であります。そこでだれでも気がつくことは、なぜそういうワン・クッションのめんどうなことをおやりになるのか、中小企業金融公庫もまた商工組合中央金庫も、同じく中小企業金融のための車の両輪のごとき中枢的な政府関係機関でありますために、どうせ政府から金をお出しになるならば、さようなワン・クッションの方法はとらないで、まっすぐに商工中金にお出しになる方がよくはないか。これは技術の問題もあると思いますが、今後のくせを直す意味からも、まっすぐに出した方がよくはないか。私はしろうとでありますけれども、同じしろうとの政務次官も、同じようにお考えにならないかどうか。まず大臣のかわりに一つ一つ伺いたい。
○川野政府委員 商工組合中央金庫は御承知のように政府機関でございません。従いまして資金運用部資金法の法律の建前から商工組合中央金庫に貸し出しができない。従って中小企業金融公庫に一たん入れまして、中小企業金融公庫から商工組合中央金庫に貸し出す、こういうことにいたしたような次第であります。
○内田委員 冒頭に申し上げましたように、これは政府もわれわれ国会議員も一緒になって中小企業の改善をいたそうという趣旨でございますから、決して意地悪のことを申すわけではございません。ただいま政務次官のお答えの中で、商工組合中央金庫は政府機関ではないというお話でありましたが、実はそうではないのであります。公庫とか公社とかとは違いますが、りっぱに政府出資をいたしておりますほか、商工組合中央金庫の理事長、理事、監事等は全部政府の任命でございます。それから監理官もおられますし、あの法律の構成をずっと読みますと、今日の公団や特殊会社よりもはるかに政府機関に近い法律の構成になっておることは、私はよく法律を研究いたしましたから、これは間違いないのであります。それで、そのために資金運用部から直接貸しができないというけれども、同じような政府関係の機関に資金運用部はどんどん資金の貸付もいたしております。また政府からも出資いたして、政府資金を直接出しております。たとえば帝都高速度交通営団でありますとか、このごろ幾つかの怪しげな公団が——怪しげなと言っては失礼でありますが、地方公共団体の資金を入れたり、また民間の資金と抱き合せたりして公団や特殊会社がどんどんできるのでありますが、これらに対しましても資金運用部や簡易保険の積立金から資金を直接出しておるのであります。ただ私が承知いたしておるところを申しますと、もし商工中金に資金運用部から金を出すといたしますと、これといささか類似のような格好になっておる農林中金等にも資金運用部から金を出さなければならない、それがどうもいやであるから、従って資金運用部資金法を改正して直接貸しの方法をとらないというとこらにあるらしいと思います。しかしながら、政府から商工中金に直接貸しをせよということは、第二十二国会及バ第二十三国会におきましても、当委員会の決議になっておるのでありまして、昨年くらいまでは商工中金の発行する商工債券の一部を資金運用部で引き受けておりました。ただしこれは金利が非常に高いので、一般の銀行の引き受け条件と同じで年八分五厘でありましたのを、それはけしからぬから、今後は資金運用部から商工中金に直接貸しをするように資金運用部資金法を改正してもらいたい、その場合貸付金利は年六分五厘にしろ、こういう具体的過ぎるような決議が実は当委員会を通っておるのであります。これは社会党の委員諸君が出したわけではないので、当時の自由党も、民主党も含めまして、全会一致で通っておるのでありまして、いわば政府がそれを怠っておるのであります。この点はここで政務次官その他政府委員の諸君と議論を重ねませんけれども、ぜひ今後の問題として、また国会の決議を尊重するあり方として、さらに事態に即しまして、今後十分御研究を願いたいのであります。 次に伺いたいことは、今度中小企業金融公庫から十億円をお出しになるという法律をわざわざ作るのでありますけれども、中小企業金融公庫からはすでに商工組合中央金庫に二十億円ほど貸し出しがなされまして、そのうち十億円は昨年引き揚げたようでありますけれども、まだ十億円の中小企業金融公庫から商工組合中央金庫に対する貸付が残っておるのであります。これも同じ資金運用部資金を財源とする貸付が十億円残っておるのであります。従って今度の法律というものはどういうことを意味するのか。今度新しく十億円は貸してやるけれども、前の十億円は引き揚げるということであるのか。果してそのようなことであるならば、これは天下をごまかすと申しますか、中小企業者をごまかすことはなはだしいものでありまして、陰で十億円の引き揚げをしながら、法律の上では麗々しく十億円出すという法律を作って、わざわざ国会議員の衆参両院の諸君の審議をわずらわすということは、ナンセンスと申しますか、ごまかしになるのでありまして、もし前の金を引き揚げるならば今度のものはごまかしだ。前の金を引き揚げるのか引き揚げないのか、つまり中小企業金融公庫から商工組合中央金庫に対して、三十一年度の十億円と前の十億円と合せて二十億円というものを政府資金のワン・クッションで貸し出されるのか、そこのところを念のために伺っておきたい。
○佐久政府委員 先ほど政務次官からお答え申し上げました政府機関云々の問題ですが、これは法律論としてはいろいろ議論の分れるところだと思いますが、大蔵省ともいろいろ相談いたしまして、大体三つの観点から考えて今度の法律案を提出いたした次第でございます。第一は、直接商工中金に貸す場合には現在の資金運用部資金法を改正しなければならない。その改正の問題ですが、大体貸し出す金は国の金でありますから、今の法律の建前からいうと、国または国に準ずるものに貸すという形になっております。
○内田委員 高速度交通営団、地下鉄はどうですか。
○佐久政府委員 これは準ずるものという解釈であります。そこでもう一つは、もしここで商工中金に貸し出すという制度を作りますと、非常にたくさんの申込み希望者が出るのでちょっと収拾がつかなくなるだろうというような関係があります。それからもう一つは、今度の貸し出しは全く臨時的の関係を考慮して出しておりますので永続的の制度としては考えていない。こういう三つの点から、特別な公庫法の改正という形で提案申し上げた次第でございます。 それから第二の点の御質問でございますが、すでに十億貸し出してあるものを来年度は返させるかどうかについては、返させるつもりはございません。従って既往のものと今回のものと合計いたして二十億を公庫から商工中金に貸し出す、こういう形になるのであります。
○内田委員 佐久長官から第二の点につきましてきわめて明快なお答えがありまして私は安心いたしました。ただ聞くところによりますると、現在貸し付けてある十億円というものは、今年の八月に引き揚げる予定であるやに聞いておりますが、きょうあなたが言明されました以上は、中小企業をお助けになる意味からしても——あなたの今のお言葉ですと三十一年度ということでありますから今年の八月でありましょう。今年の八月が参りましても、年度内は引き揚げないように御奮闘願いたい。もし引き揚げるのであれば、今度の法律というものは全く意味のないことは私が先ほど申し上げた通りであります。 それから次にお尋ねしたいのですが、今の商工中金と資金運用部との関係については、実はもうさような法律上の問題ではなく、力関係と申しますか、あるいは因襲といいますか、あるいは役人の方のお考えといいますか、これはほんとうのことでありますが、ことに大蔵省方面においては商工中金というものを政府の関係から切って離そう、めんどうは見ない——あれは非常にややこしいといいますか、はなはだけしからぬ表現でありますが、いろいろな組合を中心としてできておる、そのいろいろな組合というものは、申すまでもなく法律で堂々と認められておる中小企業等協同組合でありますが、それらの出資をもっておる厄介な組合であるから、あれはめんどうだからあまり援助をしないことにして、なるべく大蔵省も通産省もそれから身を引こうという考えがずっときていることはこれはあらゆる点で争われない、さような御言説も政府当局の心なき官僚の方からしばしば聞くのであります。そのために、通産省は中小企業等協同組合をかかえており、また口を開けば中小企業の組織化とか、あるいはそれによる金融とかということをいいますけれども、実際は通産省が今申すような大蔵省の考え方にやられているということ以外にないのでありますから、これは私から警告をいたしておきます。 第三点でありますが、これから本論に入りますが、それならばその十億円というものはどうせ政府から出る金なので中小企業金融公庫からワン・クッションで中小企業に回すのでありますが、相手方はだれに貸すのでありますか。おそらくそれはその中小企業等協同組合またはその構成員に貸す金だと思いますが、いかがですか。
○佐久政府委員 それは商工中金の性格から考えてお説の通りであります。
○内田委員 そこで翻って伺いたいのですが、中小企業等協同組合というものは、これは協同組合以外の一般の中小企業者にも貸せるし、また中小企業等協同組合法の第二条を見ますると、協同組合にも貸せるようになっておるわけです。そうしてみると今度の十億円というものは最終的に協同組合に貸すものであるならば、これは法律論を離れて実際論としてわざわざワン・クッションで商工中金に持っていかないで、政府からいただいた金でありますから中小企業等協同組合がまっすぐに協同組合に貸したらいいだろうと思うのです。中小企業金融公庫は現在われわれの存じているところでは、約五百億近い金を貸しておるのです。そのうち何十億ですか何百億かは中小企業等協同組合に貸しておるはずでありますから、落ちる先が同じ協同組合に貸すならば、わざわざワン・クッションで商工中金に持っていって、そしてそれを協同組合に貸す必要はないと思います。なぜ私はそんなことを聞くかといいますと、それは商工中金に十億円の金を回して貸しますと、それを借りる中小企業者というものは、今までのところならば年一割二分で借りる。大へん高い。こんなべらぼうに高い金は今日天下にない。ところがその同じ金を中小企業等協同組合から借りますならば、これは九分六厘で借りられるわけです。そこであなた方が妙な芸術を講ずるために、最後に借りる人は、第一点の質問のように大蔵省からまっすぐに商工中金に貸さないということがあるならば、それと同じ変な芸術を用いてワン・クッションでやるために、協同組合というものは商工中金で借りるならば九歩六厘で借りられるものを、わざわざ一割二分六厘で借りなければならないというばかな結果になりますが、これをどうお思いになりますか。
○佐久政府委員 御説のところも十分わかることはわかるのですが、実は商工中金の貸し出す金は主として短期のものであります。公庫の貸し出す金は長期のものでございます。その資金繰りの関係を考えた点と、もう一つは御説のように商工中金の金利が非常に高いので、いろいろな点を講じまして金利の引き下げをやりたい、その一助にもということを考慮いたしまして、商工中金に貸し付ける、こういう方法をとったわけでございます。
○内田委員 一応さようなお答えがあるだろうと思いましたが、それが大へん間違いなのです。ということはいろいろあるのですが、商工中金は元来短期の金を貸すところだ、こういわれることは第一間違いです。佐久さんは御着任になってからまだ一年もたたないから、商工組合中央金庫法であるとか、あるいはその定款ということをつぶさに御研究になったかどうか知りませんが、商工中金の法律及びこれに基く定款の建前というものは、あくまでも長期の年賦貸しということしかできないことになっているのです。今日現実には担保を取ったり、あるいは短期の貸し出しも相当やっておるでしょう。ところが商工中金はあなたの方で作られた法律やあなたの方で御認可された定款によると、何ら担保を徴せずして十年とか十五年とか長期貸しをするということになっておる。そして短期に貸す金は余裕金の運用でしかやっていけないと明文に書いてある。それを逆にあなたが言われるような御指導を中小企業庁長官たる者がされるならば、ことやよしとして、商工組合中央金庫は高い利息で短かい金を貸す。つまり長期低利というものが中小企業者には一番欲せられている金であるのに、あなたの今の御説明を言質にとられて、高利短期の金を貸すようなことになりまして、今のお話はとんでもないことであります。もしそうすれば車の両輪で、中小企業金融公庫は長期の金を貸し出して、商工組合中央金庫は市中の商業銀行と同じように短期に貸し付けたり手形の割引をさせるならば、それも一つの考え方でしょう。そのかわり金利は中小企業金融公庫の九分六厘よりはるかに下げると同時に、法律もそのようにお直しになってやらないと、今の仕組みのままでやると世を欺き、人に迷惑をかけることでありますから、これは御注意を申し上げます。 その次に商工組合中央金庫の金利は高いということをあなたはお認めになっている。その高いのは困るから資金運用部資金の六分五厘を中小企業金融公庫を通して貸し付けて、何とか商工中金の金利を下げさせたいというお話はよくわかるのでありますが、ところが実際はそうはいかないのであります。なぜならば中小企業金融公庫というものは、さっき申しましたように五百億の貸し出しをしているその資金の中の半分はただの政府出資金であります。私の記憶では一般会計から百七十億、その他産業投資特別会計とか継承融資の関係で、前の復金とか開発銀行とかあるいは政府の見返り資金とかの貸付を継承したものが出資になっているのでありますが、これが八十何億かあったと思います。大体五百億貸し出しのうち半分がただの政府の出資、あとの半分が六分五厘の資金運用部資金でありますから、コストが安いのです。従って算術的にやるならば六分五厘とただの金とを足して二で割れば三分二厘五毛というコストであります。ところが商工中金の方はあなたがさっきお認めになっているように、さような金が入っていないのです。昨年二十二国会で政府の出資した十億を、われわれやっさもっさと一生懸命になって劣後株ということにいたしたのでありますが、これは無配の株でない。あと資金運用部や市中銀行が今までは八分五厘で引き受けている。最近社債や金融債の引き受け条件の改善によりまして何分か下っておりますが、しかし今までの金の中心はやはり八分五厘の商工債券の金でありますから、その商工中金にこの六分五厘の金を十億くらい持っていってみましても、商工中金というのはやっぱり五、六百億の金を貸しておりますから、決して資金のコストを下げられない。それよりも、それをほんとうに下げたいと思われるならば、さっきの第一の問題に返るのでありますが、中小企業金融公庫に対すると同じような考え方を商工中金についてもとらなければいかぬわけであります。ことに中小企業金融公庫の方は協同組合以外の一般の中小企業者たる個人にも貸すことになっている。しかしながら通産省や中小企業庁は中小企業の組織化ということが、あたかも中小企業に対する政府の第一の政策であるような御発言をしばしばやっておるのでありますから、その協同組合を対象とし、協同組合の出資に政府の出資を加えた商工中金というものが、政府の金融施策の対象からはずれるということは何としてもおかしいことでありますから、十億を六分五厘で回すというようなことをやったって決して金利は安くならない。もっと抜本的な策を講じなければならないのであります。これは私の見解でありますからこのくらいでとどめることにいたしまして、さらに意見を進めて参りますと、私は一体中小企業金融公庫の九分六厘という金利もはなはだ高過ぎると思うのです。なぜならば、さっき申すように半分はただのぜに、半分は六分五厘のぜにでありまして、ぜにの元のコストは三分二厘五毛です。三分二厘百五毛を九分六厘で貸すわけですからそのさやは六分三厘五毛です。六分三厘五毛なんて経費率をかけている金融機関というものは天下に一つもない。その点からいうとまだ商工中金の方はいい面がある。商工中金の金は今申しますように八分五厘です。商工債券を中心としておりながら貸す金は長期ですと一割二分、短期ですと一割一分ということですから、その差額は三分内外、つまり経費率といいますか、これは民間には配当もいたしておりますから、配当まで加えて、また税金まで払って三分内外、ところが中小企業金融公庫の方は税金も払わない、配当もしない、剰余金なるものを政府に一部入れるかもしれませんが、公庫の方は六分三厘五毛の経費率がかかる、商工中金の方は三分内外だとしますと、まだ私は商工中金の方がいい面があるように思うのであります。これはこの商工中金も中小企業金融公庫も、今の状況では貸し出しが大体どっちもちょうど五百億です。商工中金が千億も二千億も貸しておれば、これは経費率も下るでしょうが、中小企業金融公庫と同じですから、一方が六分三厘五毛もコストがかかり、一方は三分内外だということははなはだおかしいことです。同じようなもので農林漁業金融公庫がある。これは農林省大蔵省の共管でしょう。これも全く中小企業金融公庫と同じように、政府のただの出資と六分五厘の資金運用部の金がいっておると思いますが、この方は貸し出し金利は九分六厘ではなしに七分内外だと思います。しかもこの中小企業金融公庫のように二年、三年というような、長期といえども中期に近い金よりも、そっちの方は十年、十五年、二十年というような長期の金を貸し出しながら、貸し出し金利は七分かその前後です。そこで中小企業者は口を開けば、中小企業者はあまりに農村よりも金融の面においてもはなはだしい劣後待遇を受けておる、税金の面においてもそうである、これはひどいじゃないか、ぜひ農林漁業金融並みにまで中小企業もしてもらいたいのだが、どういうわけだろう、こういうことを言っておる。これはおそらく中小企業を担当せられる長官でありますから、あなたのお耳にも入っておると思いますが、農林漁業金融公庫の方の運営の仕方も私はいろいろ調べていただきたいのであります。 一体なぜ中小企業金融公庫の方が三分二厘五毛の金を九分六厘で回しているかというと、実は大部分は御承知のような代理店手数料というものに払っておるわけです。代理店手数料というものは四分から四分三厘払っておる。四分五厘というものもある。元金が三分二厘五毛ですから、それに四分五厘乗っけるのだから、それだけでも八分何厘になってしまう。それに公庫のいろいろな事務費や運営費をかけると九分六厘になるということでありますが、この四分三厘だか四分五厘というものもあのままにしておくことは果していかがかと思うのです。私はきょうは資料も何も持って参りませんが、この間三十一年度の予算書を調べて見ました。政府関係機関の予算書というのがありますが、あの中には中小企業金融公庫の経費予算もありますし、農林漁業金融公庫の経費予算もあるのでありますが、農林漁業金融公庫の方は昭和三十年度末で約九百億円くらいの貸し出しのようです。千億足らずです。それから中小企業金融公庫の方は今申しますように五百億、貸し出しは農林漁業の方が多い。これはどっちも代理貸しで、中小企業金融公庫の方はこのごろ直接貸しも始めたようですけれども、農林漁業金融公庫は完全な代理貸しです。そこでその代理店手数料が予算に載っておるのですが、昭和三十年及び三十一年を見ますと、代理店手数料はどっちも同じくらいです。どっちか一方の年におきましてはむしろ農林漁業の方が代理店手数料が少い。そうすると一方は九百億から一千億の金を貸していて、代理店手数料が少い。中小企業金融公庫の方は少い金を貸していて代理店手数料が多いといった、こっけいなことになってきておるのであります。そこでこれは一つお調べを願いたい、御勉強を願いたいのでありますが、中小企業金融の金利低下が叫ばれておる。それにはどうしたら安くなるか。今度の一条の法律のように、政府の六分五厘の金をワン・クッションで商工中金に回せばそれで金利が下るなどと考えていたら、こんな子供だましなことはないのであります。一口で言えば、私は中小企業金融公庫につぎ込んでおる原資の安い金を商工中金へ、つまり原資は安いが経費率だか利ざやがうんと大きい、その仕組みを改めて、安い金を商工中金のようなものにつぎ込んで、商工中金のようなやり方でこれを振り回せば、こっちは経費率といいますか、配当や税金までも含めた経費率が三分内外、こっちへつぎ込めば、安い金を経費率の安い方につぎ込むのでありますから、両々つまり安いものと安いものの二乗ですから安くなって、長期金利も短期金利も安くなることわりだと思いますが、あれとこれとは全然別のものである、わざわざ法律を作って一方に入れた金を一方に回すというような法律的な芸術だけを作ったのではだめだ。経営思想そのもののあり方について考えを及ぼさなければだめだと思います。私は責任のない国会議員の立場からでありますから、しごく勝手なことを申したのかもしれません。あるいは間違いがあるかもしれませんが、私の長々申し述べましたことについて簡単にお答えを願いたい。これは政務次官の方が、しろうとであるために、かえって眼光紙背に徹するということもありますので、次官から伺いたいと思います。あまり法律ばかり勉強しておる長官になりますと、法律でこうだ、こうだということになりまして話があれですから。
○川野政府委員 ただいま内田委員のうんちくあるお話を承わりましてまことに敬意を表しておる次第であります。しかし中小企業金融公庫は政府資金を資金源として中小企業者に長期の資金を融資しておる公庫でございます。さらに商工組合中央金庫は系統組合の親機関として組合員並びに組合に対して融資をいたしておる金融機関であります。従いましておのおのその性格に異なるところもございますので、そういう意味合いからいたしましても、中小企業金融公庫を設立する際におきましては、商工組合中央金庫があったのにかかわらず中小企業金融公庫を作った、こういうわけでございます。 なお金利の点でございますが、御承知のように中小企業金融公庫の金利も高いのでございまするが、この点については、実は代理店貸し等の手数料も下げる方向で現在検討をいたしておるような次第でございます。
○中崎委員 議事進行について……。中小企業に関するこうした問題は、法案は明日上げるような段取りになっておるようでありますが、今までの論議の過程を通しましても、いろいろ重要な政策上の問題もあるし、さらに事大蔵省に関係しているような重要な問題もあるのでありまして、この席上において見受けますと、通産大臣も見えておらないし、大蔵省関係の人も来ていない。今までの例を見てみますと、大蔵省関係が、中小企業金融に関しては共同管理の責任を持つのにかかわらず、商工委員会をきわめて軽視しておりまして、ほとんど責任のある者が出てきていないという長い間の傾向であります。従いましていつでも大蔵省の一方的な考え方に押しつけられておるというのが現状であるが、この問題打開の上においても、相当論議をかわすべき段階ではないかと思う。そこで私はまず通産大臣の出席を要求すると同時に、大蔵大臣もしくは政務次官並びに銀行局長をも含めてこの際出席を要求して、熱心に、今までうっせきしておるところの問題を討議しない限りにおいては、明日法案を上げろといってもなかなかそこまでいかないということを委員長に忠言しておきたいのであります。委員長において適当にお計らい願いたいと思います。
○神田委員長 了承いたしました。大臣、政府委員の出席は今要求しておりますからさよう御了承を願います。
○佐久政府委員 先ほど内田委員からの御質問にございました点で私の気づいた点をお答え申し上げます。商工組合中央金庫の金利の引き下げの問題、これは先ほど十億を貸し付けることによって金利の引き下げを考えるかということでございましたが、十億でそれだけ金利引き下げをやれるというほど大それた考えは実は持っておりません。その他のいろいろな方法を講じまして金利の引き下げをはかっていきたい、その金利引き下げの一助としてこの十億というものを考えている、こういう趣旨を申し上げた次第であります。 それから商工中金の資金を安い金利の原資をもって充てる、これは私も趣旨は全く同感でございますので、従来ともその点は努めたつもりでもおりますし、今後とも十分に努力をいたしたい、かううに考えております。 もう一つ公庫の手数料の問題でございますが、現在貸し出しの方式に甲乙二つの方式がございます。甲方式は三百万円以下の貸し出しについては実収利息の四五%の手数料を払い、三百万円をこえるものについては四〇%、乙方式は三百万円以下のものが三〇%、三百万をこえるものは二五%、こういう手数料を払いまして全部を平均しますと四二%くらいになるわけでございます。今度はこれをさらに一五%くらいに下げるつもりでございますが、おそらく実現できると思っております。
○内田委員 どうも私もあまり意見を述べ過ぎて肝心のことを問い忘れたようですが、今度の法律案では十億出資することができると書いてあるだけでありまして、別に条件も何も考えてはいない。長官の先ほどのお考えでは今度は当座の金を供給するんだということですが、法律による十億円の貸付は何年になっておるのか、どのくらいを予定しておるのか。今度の条件は政府の資金運用部の金を六分五厘のワン・クッションで貸すんだと、ひとりよがりで思っておりましたが、あるいはそうじゃないかもしれない。何度も申しますように中小企業金融公庫の金は資本金が二百何十億、六分五厘の借入金が二百何十億円ありますから、その平均三分二厘五毛で貸すのかもしれないし、資本金の方を回してやろう、直接には資本金で見てないが、二百何十億のただの出資金から十億を無ざやで貸してやろう、つまり無利子で貸してやろうということになるのか、そのいずれでございましょうか。これらの諸点をはっきりしてもらいたい。
○佐久政府委員 貸付の利率の方は、運用部資金を新しく公庫に出して、それをトンネルの形で参ります関係から無利子というわけにはちょっといかないのでございます。それから貸付の期間は当分すえ赴きで五年償還、公庫の関係については運用部との話でそういうことになっております。
○内田委員 今御説明がありましたが、私もだんだん考えているうちに変になりました。資金運用部から公庫に回す金が六分五厘だから、無ざやで商工中金の方に六分五厘に入れるという考え方がおかしいんで、ごく単純な考え方だと、先ほど申し述べましたように無利子の資本金と六分五厘の借入金の平均で三分二厘五毛で貸すか そうでなければ、六分五厘の金でありますけれども、これを中小企業金融公庫自身が面接中小企業者に貸せば九分六厘、手数料が四分三厘ですから、九分六厘から四分三厘を引いてしまえば五分二厘ということになります。五分二厘で貸していくというのは、中小企業金融公庫の方はそろばんがとれる。運用部の代理店で手数料を商工中金の方にやる、そうすると五分二厘というそろばんも成り立ち得るわけです。私は中小企業金融公庫をいじめようとか何とかいうことではないが、あなた方がよけいな法律を出すために、まず最初から九分六厘で借りられるものを、商工中金に回すものだから——商工中金の方がおられるのに何ですが、一割何分ということになってしまう。だから中小企業者は何のことだかわからない。ほんとうはゼロが一番いい、その次は平均した三分二厘五毛、その次は九分六厘から手数料を差し引いた五分二厘であるべきだと思います。私はここであなたの言質はとりませんが、御用意がないようでありますから、次の機会なり、理事会なりに、なるほど内田君の言うことはもっともであると思ったら——考え直してみたらいいにきまっておる、商工中金の理事の方もここにおられますから、よい話を聞いた、それでなければ困るというように、商工中金なり何なりにお話を願いたいのであります。これはそのくらいにいたします、私の質問も終りに近づきましたが、私は与党でありますから、この法律案はぜひ通さなければならぬのでありますが、さっきもちょっと言いましたように一番大切なことは、佐久さんや、次官にはぜひ腹に入れておいていただきたい。商工中金というものはこれは政府の機関じゃないのだ、あれは業者の系統機関であるといって、政府は糸を切って離したいという考え方が非常に濃厚にあるわけであります。失礼ですが、何といっても商工官僚は力が弱いから、だんだんいつの間にかその魔法にかかってきておられることも事実であります。そのうちに中小企業金融公庫にとっつかまっておると、また——門司理事さんがお見えになりましたが、思うようにいかぬのだということになって、一体中小企業庁という役所を作った理由が何のことかわからぬじゃないかということになりますから、この際これも次官なり長官からはっきりお聞きしておきたいのであります。ほんとうに商工組合中央金庫というものは政府関係機関じゃない、民間の勝手な機関であるから、時に触れて適当に援助するけれども、まっ正面から政府の中小企業金融のエージェント、代理機関じゃないのだというお考えであるかどうか。これは間違いですよ、そのことをもう一度はっきり聞かしておいていただきたい。門司理事も来ておられますけれども、私は商工中金に苦言を呈したいのであります。商工中金というものは理事長には元の通産次官の偉い人がおりまして、あなたもかってのお役人であるようでありますが、できるだけ政府の機関であることを逃げよう逃げよう、離れよう離れようという考え方があるわけであります。安い金はほしいが、うっかり政府から安い金をもらって、政府の管理、監督で縛られると大へんだということを、口を開けば言っておるが、これはおかしい考えである。現にそういうことを佐久さんは御研究になっていないことをさっき現わされたのでありますが、商工組合中央金庫法というものは今日の特殊会社、公団よりもひどい縛られ方を政府にされておる。さっきも言ったように役員は理事長から副理事長から理事まで全部政府の任命なんです。今日の公庫や公団においても、理事まで政府は任命してない、理事は総裁がこれを任命するようになっておる。また役員が定款や法令に違反したときには解任の対象になっておるのが公団や公庫では普通であるのに、商工組合中央金庫においては理事や役員が法律や定款に違反すると三年以下の懲役、罰金というような、今日の公団や公庫よりもひどいしばられ方になっております。評議員というものがあって全部政府任命であるということで、それがまた縛られておるのでありますから、これ以上政府から縛られっこない。公団や公庫よりも商工中金の方がよけい見方によっては政府によって縛られておるのであるから、これ以上は縛られない、安い金をもらうことが縛られそうで因るのだ、フグは食いたし、命は惜しいといっておることは全くこれは錯誤であります。一体商工中金というのは政府との結びつきをどのように考えておるのかということを佐久長官、そのあとは門司理事からちょっと御発表を願いたい。
○佐久政府委員 先ほど申し上げましたのは、資金運用部資金法の解釈の問題として、国または国に準ずるものとしての扱いができないということを申し上げたのでありまして、実質的に商工中金をだんだんと手離していこう、あるいは勝手にやらしていこうというような気持は、私は毛頭持っておりません。先ほどちょっと融れましたように、なるべく安い原資を獲得して金利を下げて、中小企業の金融というものを円滑にしていきたいという点については、今後とも努力をいたしたい、こう思っております。
○神田委員長 この際お諮りいたします。ただいま議題となっております中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案の内容は、商工組合中央金庫に直接関連を持っておりますので、参考人として商工組合中央金庫理事門司正信君より、随時質疑の形式により意見を聞くことにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○神田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
○中崎委員 議事進行について。中小企業金融に関する問題はきわめて重要な問題でありまして、一般施政の質問の中にもかれこれ片言隻句をば質問をしてみたのでありますけれども、まだ十分にといいますか、この問題については相当論議すべき重要な問題も残っておるのであります。そこで、ただいま委員長が言いましたように、中小企業金融公庫の責任者に対する意見を質疑応答の形において聞くのもけっこうでありますが、さらに商工中金並びに中小企業のいろいろな組織などもありますから、そういうふうな代表者にも出てきてもらって、こうしたときに最も適切な意見をもあわせて聞いておく必要に迫られたのであります。そこで委員長の側において、商工中金並びに中小企業等協同組合の責任者——いろいろ組織もあるようでありますが、その代表的なのを一、二加えて、早急に一つ参考人として出てもらって、質疑応答の中にそれを加え得るように御配慮願いたいと思います。
○神田委員長 中崎君の今の動議はそのまま聞いておきまして、そういうような方向で進めたいと思います。 商工組合中央金庫理事、門司正信君。
○門司参考人 先ほど内田委員からのお尋ねの点につきまして、私からお答え申し上げます。商工中金は創立当初の性格から申しましても、できるだけコストの安い資金を、当時で申しますれば預金部の低利資金というようなものを多額に導入いたしまして、貸付の令利も安くしていくということが好ましいわけでありまして、戦後商工中金の資金源の事情が非常に変りましたために、低利かつ長期という、この創立当初の使命が十全に果されていないのでございますが、私どもとしては、政府当局にもお願い申し上げまして、今後できるだけコストの安い資金源を多額に導入させていただくことができれば、非常に幸いに存ずる次第でございます。なおそれに関連いたしまして、資金はほしいが拘束されることはいやだというようなことじゃないかというお尋ねでございますが、これは金融機関としての業務を円滑に処理していくという点から申しまして、それに支障のあるような拘束が加えられますと、仕事がやりにくいという程度の意見は持っておるのでございまして、それ以上の考えはございません。
○中崎委員 議事進行について。中小企業金融に関する問題の審議の都合上、資料の提供を要求しておきたい。まず中小企業金融公庫が政府から融資並びに投資等、その他金利のコスト、政府から幾らの金額をなんぼで預かり、片方は無利息でしょうが、どういう数量の出資があり、さらにどういうふうな金利で貸し出しをしておるか。それが代理貸しの場合にはどういうふうな金利になって、普通代理金融機関に対してはどういうふうな手数料を出しておるのか。同じように、中小企業金融公庫の政府からの融資等の金利並びに一般の預金として集めておるもの、並びに金融債として発行しておるものの、その金利の詳細、さらに農林漁業金融公庫の、今と同じような、受けるところの金利コストの構成部分及び明細。さらに農林中金の何とあわせて、この際資料の提供を要求しておきたいのであります。
○内田委員 私の質問もいよいよ終りに近づきましたが、中小企業金融公庫の坂口総裁がお見えになりましたから、今まで申し述べましたことをかいつまんで簡単にもう一度申し上げて、最後に川野政務次官の御所見を伺いたいのでありますが、要するに今度の中小企業金融公庫から商工中金に貸し出す十億円は、法律には条件も何もきまっておらないので、この貸出条件は商工中金の貸出金利をできるだけ安くせしめる意味において、安くすることが必要である。そのためには、中小企業金融公庫というものは、二つの資金源を持っておる。一つは金利がない資本金、もう一つは六分五厘の資金運用部資金であるから、一番安く貸すためには無利息の資本金の十億の方を回していただくか、その次はゼロの資本金と六分五厘の借入金を平均した三分二厘五毛で回していただくか、その次は、先ほど佐久政府委員から伺いますと、資金運用部資金の六分五厘の金を無ざやで六分五厘で商工中金に貸すという話でありますが、これは全く意味がない。坂口さんの方で中小企業の方にお貸しになる場合は代理貸しでありまして、高いのは四分三厘の手数料を払っておるのであります。従って六分五厘があなたの方にすっぽり入ってしまう。一方市中に貸し出すものは九分六厘で貸し出しても四分三厘八毛とられるのでありますから、あなたの方に入るものは非常に小さいものしか入っておりません。ですから手数料を引いて貸していただくか、その辺できめられるお考えがないかお聞きしたのでありますが、これは総裁といたしましても、商工省、大蔵省あるいは相手方の商工中金とも十分御相談になって、安い利子で貸してやる趣旨が達せられますよう御尽力願いたいと思います。 次に締めくくりでありますが、要するに中小企業金融のあり方というものは、これは政府も大いに介入いたしておるのでありまして、中小企業金融公庫は政府全額出資の政府機関であり、また商工組合中央金庫につきましても、政府は十数億の金を出資いたしており、また役員以下の監督あるいは資金計画、事業計画その他の監督、その他一切がっさいが特殊会社よりはるかに強い拘束を受けておる機関でありまして、私はどちらも政府関係機関であると思います。相手方、受ける方は中小企業一人でありますから、できるだけ安い金を安く貸さなければならないのであるから、そこで今ここに安い金を貸す仕組みになっておる中小企業金融公庫の仕組みと、それから金を出す方の機構は、はなはだ失礼でありますが、中小企業金融公庫には六分何厘という低利率のものをかけておる、つまり平均三分二厘五毛の金を九分六厘で貸しておる、六分五厘の利ざやといいますか、そういうものをとっておる中小企業金融公庫よりも、またほとんど全部が代理貸しでやっており、そして代理店に手数料をとられている中小企業金融公庫のあり方よりも、全国に五十数軒の直接の支所また出張所を持っている、また今までで申しますと、八分五厘の金を一割一分、一割二分で運用しておる、これは高いけれども、利ざやからいいますと、中小企業金融公庫よりもはなはだ安いのでありますから、つまり中小企業金融に供給せられる安い金を、商工組合中央金庫で行なっておるような安い仕組みで金を貸すようにするためには、政府関係の両機構を何らか合理的に統合する必要がありはしないかと私どもは考えるものであります。先ほど川野政務次官から政府は商工中金がありながら、わざわざ別に中小企業金融公庫を昭和二十八年に作られたと言われましたけれども、あの中小企業金融公庫法というものは、実はその二、三回前の国会、私の記憶では第十三回か、十四回国会くらいから議がありました際に、これは別の機構にしないということで、商工組合中央金庫と一緒にするかあるいは国民金融公庫と一緒にするか、当時の政府の特別会計を何か一つの貸し出し機構にまとめるという趣旨で参っておったものを、実はいかなる理由であるか私どもにはわかりませんでしたが、一夜にして別個の中小企業金融公庫というものができた。その経緯にかんがみましても、私は今日この機構の機能を総合されるということを研究されてしかるべきだと思うのでありますが、そのようなことについて研究の価値があるかどうか、いかにお考えになるか、最後に川野芳滿政務次官からお伺いいたしたいのであります。
○川野政府委員 先ほど御答弁申し上げましたように、中小企業金融公庫は、政府の資金を資金源としてそうして長期の設備資金並びに運転資金を供給いたしておる金融機関でございます。商工組合中央金庫は組合並びにその構成人員に対して金融いたしておる金融機関であります。これらは、おのおの特色がございまして、従って現在のように二本建になっておるのでございます。そこで御説のように、この両金融機関を合併して直接貸しにしたらどうか、こういうような御意見もたびたび拝聴いたしておるような次第であります。しかしかりに合併いたしたといたしますと、果して現在の中小企業金融公庫の九分何厘に全体の金利が下るかどうか、こういう点も非常に懸念されるのであります。これが合併しました暁におきましては、さらにより以上の金融をつけますとけっこうでありますが、ややもすると両建になっておる現在よりも、資金源が非常に少くなるというような懸念等もございますし、従って金利が中小企業金融公庫の現在の金利よりもあるいは上るのではないか、実はこういう懸念もあるわけであります。 さらに現在の代理店貸しでありますが、代理店貸しにつきましてはいろいろの弊害もございます。しかし反面また非常な利点もあるのではなかろうか。現在国内には五百の銀行と五千の支店がございますが、こういうような関係から今日非常な発展をいたしておるという点もあるのじゃなかろうか、こういう点を考えますと、今すぐに合併してどうであろうかというふうにも考えておる次第でございますが、内田委員のうんちくのあるお話もありましたので、さらに検討をいたしたいと考えておるような次第でございます。
○内田委員 私の質問はこのくらいにいたしますが、最後にもう一点伺いたいのは、今協同組合の話が出ましたが、前の第二十二国会で中小企業等協同組合法の一部改正案が成立いたしまして、その際全国に中央会ができたことは御承知の通りであります。この中央会はどの程度まで全国的にできたか私は資料を持っておりませんが、相当程度できて参ってきておると思いますが、そのために昭和三十一年度の予算におきましては、この中央会に対する補助金を通産省において予定せられておるやに伺っております。もっとも予算書を見ましても、款を見ても項を見ても目を見てもさらにまた目の内訳を探ってみましても、ちょうどラッキョウの皮をむくようにどこまでいっても中小企業協同組合共同施設費補助という字ばかりでありまして、中央会補助という字は出てこないので私も心配にはなっておるのでありますが、先般の通産省官房長の当委員会における御言明によりますと、この共同施設補助費の中から通産省は中央会に対して補助金をお出しになる予定であるという話で安心しておりました。ところが中央会がどんどんできて参りました三十年度——現在もまだ三十年度に属しておるわけでありますが、この三十年度につきましては、もちろんこの当初予算には中央会の補助金は載っておりません。また先般補正等もありましたが、補正の中にも載っておりません。ただし中小企業協同組合共同施設等補助という款項目は、これは昭和三十年度においても存置されておるのでありますから、三十一年度の予算の形式と同じ考え方でいくならば、三十年度におきましても中央会の補助金を出せるのではないかと思います。形式のいかんにかかわらず、中央会は政府の補助を当てにいたしまして全国各地でどんどんできておりまして、事務局の機構もでき、事務局長そのほかそれぞれ選任されまして、活動を開始しているのでありますが、三十年度は何もやらぬということになりますと、政府の御趣旨や督励を体して、早く中央会を作ったものはばかを見まして、えらい赤字を設立当切からしょい込んでしまうということになりますから、何とかして現会計年度、三十年度にも中央会の補助金を出されるのが至当であると思います。ことに前国会の中小企業等協同組合法の一部改正法律案の成立に際しましては、当委員会で決議を付しまして、昭和三十年度においても必ず速急に中央会の設立補助を支出すべし、こういう決議が出されまして、通商権業大臣もこれを了承しているのでありますが、三十年度においてはどんなふうに相なりましょうか。もし補正も成立しない、また当初予算の中にもその含みがないということになれば、予備費の支出等でおやりになる考えであるか。私は大へん心配でありますから、川野政務次官からお考えをお述べおきを願います。
○川野政府委員 実は通産省といたしましては、三十年度におきましてもある程度の補助金を出そう、こういうような考えのもとに予算的措置を交渉いたしたのでありますが、残念ながら実は認められない実情でございます。しかし三十一年度におきましては、ぜひ補助金は出したい、こういうことで目下折衝中でございます。
○内田委員 予備金残額がまだあるはずでございますから、予備金支出等につきまして内閣と御折衝を願いたいと思います。私の笠間はこれで終ります。
○神田委員長 加藤清二君。
○加藤(清)委員 最初に私、議事進行でお願いしたいのでございますが、先ほどお願いしました大蔵関係は、一体こられるか、こられませんか。
○神田委員長 銀行局長と理財局長が見える予定になっております。大臣もすぐ見える予定です。
○加藤(清)委員 大体先ほど来お話を承わっておりましてもおわかりの通り、いつの場合でもそうでございますが、大蔵関係と通産の関係におきまして、いつも通産が大蔵にやられがちなんです。そのしわ寄せがこの法律に現われたり、予算に現われたり、ひいては金利にまで及んでくる、こういうことに相なっているわけなんです。この際ぜひとも大蔵の直接責任者をここへ呼んで、その人たちの頭をたたき直さぬことには、幾ら中小企業庁の長官がどう言おうと、金融公庫の総裁に何を言おうと、これはだめだ。そこで、ぜひ一つ大蔵関係の責任者を至急ここへ呼んでいただきたい。 それで、私ほど来同僚内田委員から眼光紙背に徹するところの理論展開が行われたわけなんですが、私は、この人だけは中小企業者の大会に行って、私こそは金融のために努力しましたと言える人だということを痛感したわけであります。ただし聞いていると、途中からあそこだ、ここだと思うところでふわっとなってしまうのです。そこで私は内輪からながめた聞き方でなくして、中小企業が命の親とも考えておりますこの金融機関を外側から一度ながめて、皆様に御反省を促すと同時に、直すべきところは早急に直していただきたい、こう思うてお願いするわけです。中小企業の金融の問題を一口に言えば、これは第一は法律通り実行してもらいたいということです。法律通り実行してもらいたい。法律通り実行されていない面があるから、こういう声が起ってくるわけです。第三点は貸し出しを容易にしてもらいたいということです。非常に困難なるがゆえにこういう声が起ってくるわけです。次には金利を安くしてもらいたいということです。金利が高いからこういう声が起ってくるわけです。次には貸し出しの量、中小企業金融公庫にしても商工中金にしてもさようでございますが、その扱い最が少いので、その扱い高をふやしてもらいたい。この要点に尽きると思う。大臣がおられませんので、次官によくこの要点をつかんでもらいたいと思いますが、もう一度申し上げます。今日命の親と頼んでいる中小企業金融公庫あるいは商工中金に対して中小企業が頼むことは何かといえば、第一は法律通り実行してもらいたい、貸し出しを容易にしてもらいたい、金利を安くしてもらいたい、扱い量をもっとふやしてもらいたい。もらいたい、もらいたいが四つ重なっているわけでございますが、これを完全に行なっていただきますならばもう何をか言わんやでございます。幸い大蔵政務次官が御臨席遊ばさったのでございますから、この大蔵政務次官は長年にわたって本委員会においてこのことをあなたみずからのお口から述べなさったことなんですから、もう実行に移していただけるだろう、いい人が政務次官になって下さった、こんなうれしいことはないというのが一般の声でございますが、果して実行に移されますか、されませんか、逐条にわたって私お尋ねしたいと存ずるのでございます。 まず第一に法律を実行に移すか移さないかの前に私は承わりたい。政府機関及び貸し出し直接担当の方々は本委員会における決議を一体どのように考えていらっしやるのか。実行に移されるのか移されないのか、この点は政務次官よりもまず公庫の総裁と大蔵政務次官と商工中金の理事さんにお尋ねをいたします。
○坂口説明員 本委員会の決議は十分尊重して参りたい、そのつもりでやっております。
○加藤(清)委員 それでは同じ件について大蔵省の責任者と商工中金に承わりたい。
○門司参考人 商工中金におきましても本委員会の決議は大いに尊重いたしまして、極力その御趣旨に沿うようにいたしたいと思っております。
○加藤(清)委員 決議の内容を私は言っているのではなくして、委員会における決議は、通産大臣の先日の答弁では額面通り受け取って、実行に移しますということでございました。それが実行に移されていないということになりますと——公庫の総裁も実行に移すと言われ、商工中金の理事も実行に移すと言われました。そうなると問題は大蔵省だけでありますが、大蔵省は一体どのようにお考えでございましょうか。
○山手政府委員 私は今来たばかりで、あなたの議論は何の議論か、初めから聞いておりませんので、もう一度……。
○加藤(清)委員 議論ではない。決議の実行をやるかやらないかです。
○山手政府委員 何の決議か、そこを私はよく聞いてないのです。
○加藤(清)委員 決議の内容を私は言うておるのではなくして、本委員会の決議を実行に移す気があるかないか、またどのように考えていらっしゃるかということを聞いておるのです。内容のことを言っておるのじゃない。
○山手政府委員 私は、当委員会が熱心にいろいろ商工行政について御検討を願い、御決議をいろいろされるだろうと思いますが、そういう決議がありました場合にはできるだけ尊重して参りたい。ただ私は中途で来ましたものですから、具体的に何の決議を尊重するかという……。(「すべてですよ」と呼ぶ者あり)それはもちろん尊重いたします。
○加藤(清)委員 そうなりますと、通産省当局もここの決議は実行に移すとおっしやる、関係の金融機関も実行に移すと言われる、大蔵省は尊重すると言われる。さてそこでどうしても聞かなければならぬことは、ただいまも内田委員からお話のありました中小企業金融公庫、商工中金に対する決議が今まで、あなたのいらっしゃるときにだいぶ行われたはずでございます。それが一向実行に移されておりません。(「具体的に言え」と呼ぶ者あり)具体的に言えとおっしゃいますから私の材料を一つ申し上げますと、御承知の通りこの工業組合に中小企業金融公庫の金を貸そうじゃないか、まことにけっこうだ、厚生省もそれを命令しておるのだから、やろうじゃないかということで、大蔵委員会においても本委員会においても決議をされてからすでに一年余もたっておりますが、なお実行に移されていないようであります。一体どこに支障がございますか。承わるところによると、どうもこれは通産省にあらずして、大蔵省がむずかしいという話のようでございます。一体どこに支障があるのでございますか。どこがいけないのでございますか。
○山手政府委員 その問題につきましては、お示しの通り私どもがこの委員会で審議をいたしておりますときに決議をいたした案件でございます。私は大蔵省に参りましてその問題について二、三の方々から御注意もございましたし、その原因が那辺にあるかということについても調べてみましたところ、まあ大したことでもございませんので、銀行局長そのほか事務当局に命じまして、必ず四月一日から御決議の趣旨に沿うて善処するように指令をいたしておりまして、その点については決議が守られていくものと私は考えております。
○内田委員 石橋通産大臣がお見えになりましたから、実は大臣がお見えになります前に私は数点にわたって長広舌をふるったわけでありますが、どうも明確な御答弁がありませんでしたので、今同僚のお許しを得まして、ぜひ大臣でなければお答えが願えまいと思われる二、三の点について、もう一度簡単にお尋ねさせていただきます。 第一は、今お尋ねしておりますのは今度上程になっております中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案についてでありますが、この法律はごく簡単なもので、中小企業金融公庫は昭和三十一年度に十億円の金を商工中金に貸してやることができるという、これだけのことでございます。そこで私が考えましてふに落ちない第一点は、中小企業金融公庫が貸す金は政府からいただいた金でありますが、これを中小企業金融公庫が直接中小企業者に貸せば、現在の利率は九分六厘でありますが、それを商工中金に回して貸しますために、これが一割一分とか一割二分とかになるわけでありまして、政府のせっかくのありがたい気持が、今度の法律のためにかえって金利が高いことになってしまう、これはおかしいのじゃないか、こういうことが第一点であります。もし政府の安い金を中小企業者に回そうというのであるならば、今度の商工中金を通して貸します場合にも一割一分や一割二分でなしに、少くとも中小企業金融公庫と同じように、九分六厘で貸さなければ、この法律のためにかえって中小企業者が迷惑するのであります。 第二点はそれに関連するのでありますが、そのために今度中小企業金融公庫から商工中金に回す金の金利は幾らかとお尋ねしましたら、これは公庫が資金運用部から借りる利息の六分五厘を無ざやでそのまま商工中金に貸してやるのだというお話でありました。ところが私の考えますのには、これも変で、公庫の金は無利子の資本金と六分五厘の借入金半々でなり立って、両方で約五百億円くらい政府から借りているわけであります。そこで半々なんだから平均しても三分二厘五毛じゃないか、従って今度の法律では何分と書いてないから、三分二厘五毛で貸したらどうか。あるいはもっと親切にするならば、無利子の資本金の方の金を無利子で商工中金に貸してやったらどうか、あるいは最大限といっても、政府のお答えのように六分五厘で貸すのじゃなしに、現在中小企業金融公庫のやり方は、市中銀行に対して四分三厘の代理店手数料を払っておるわけです、そこで九分六厘で中小企業者に貸しましても、公庫に入る金は九分六厘マイナスの四分三厘でありますから、結局五分三厘しか入らぬわけであります。五分三厘しか入らぬのだから、少くともそれと同じ条件で、五分三厘で商工中金に貸したっていいのじゃないか、これは私は理屈が通るはずだと思うがどうかとお尋ねしておるのでありますが、どうもいいお考えがないので、それは一つそちらで私の言うことをお考え下さい、こういうことを申しておるわけであります。 第三点は、大体公庫と商工中金と二つあって、お互いに能率を害しておる。公庫の方は、今申すように政府のただの金あるいは六分五厘の低利資金が半々に入っておって、安い金がいっており、従って資金コストは三分二厘五毛であるにもかかわらず、民間に貸すときには九分六厘だ、公庫というのはさやを六分三厘五毛もとっておるのだ、これは一見はなはだ非能率であります。たとえばいろいろ理屈もありましょうが、とにかく政府の三分二厘五毛の金が、中小企業者にいくときには九分六厘でありますから、その利ざや、経費率は六分三厘五毛もかかっておる。安い金が安く貸されてない。ところが商工中金の方は今までは八分五厘の金融債を出しております。その八分五厘の金を一割一分ないし一割二分で商工中金が貸すわけでありますから、大へん高い金であるけれども、しかし商工中金の勘定からいくと三分内外の利ざやしかとってないのじゃないか、従って公庫よりも貸し出しの利ざやといいますか、経費率というものははるかに改善されておるわけであります。なぜかというと、全国に五十幾つかの出張所があって、直接貸しをしておる。そこで安い金を安く貸すのが中小企業金融の本旨であるから、そのためには中小企業金融公庫と商工中金の機能を合体して——私は法人格の合併とまであえて言いませんが、機能を合体して、せっかく中小企業に入れた三分二厘五毛の金を商工中金式な貸出法によってやれば、これが今の九分六厘でもなし、一割一分、一割二分でもなしに、もっと安いところでも貸せるはずです。これはわれわれが机上で計算するとそうなるのです。そういう両機能の合体をはかったらどうか。いずれも中小企業の政府関係機関じゃないか、これに対する御意向いかん。 最後に、大体政府はけしからぬ、商工中金というものは協同組合とそのまわりの連中の系統金融機関であって、あまり政府の指を染むべきものじゃない、あれは政府から切り離してかってにやらしておくべきであるという思想が、これはうそではございません。大蔵省中心に強いのであります。通産省がそれを受けこたえる力がない。ただ口先だけでは中小企業の組織化ということを言いますけれども、金融の段になると、もう組織化もへったくれもない。組織化金融の方が高い金を貸しておる。非組織化金融の方が中小企業金融公庫を利用して安くいっている。これはおかしいじゃないか。通産大臣の言われる中小企業の組織化ということも口頭禪に終っておるということはまことに残念だ、こういうことでありますが、このうち一つでも二つでも通産大臣からあらためてお答え願えれば非常に幸いだと思います。
○石橋国務大臣 お説は一々ごもっともでございます。第一の十億円を中小企業金融公庫から回そうというのは、御承知のように、前にもこの委員会の附帯決議として、今商工中金の使っておる金は八分幾らでありますが、それを六分五厘にしろ、こういうお話もありまして、わずかでございますけれども六分五厘にしたい。ところがそれには今の商工中金の規定上直接に商工中金が六分五厘の資金を調達することは今できませんから、そこではなはだ苦しい算段でありますが、一応中小企業金融公庫の窓口を通して六分五厘の資金をとにかく商工中金に使わせよう、こういうだけのことでありまして、ほかにそれ以外のことを考えておらないのであります。 それから今の商工中金と中小企業金融公庫との関係の問題は前から御議論もあり、われわれも考えておるのでありますが、今すぐにこれを一緒にするということもいかがなものであろうか。それから金利の問題も、商工中金はなるほどお話のようなわけでありますけれども、しかし今度は組合を通すと、また組合の手数料などがかかって、これまたなかなか問題がありますので、結局実際の借り手にはそう安い金はどっちに回ってもなかなか入らぬというような難点がありますので、一つ十分検討しないと、ただこれを一緒にしたから金利が安くなるとも必ずしも言えないのじゃないか、こう思っております。
○中崎委員 関連して。今通産大臣からきわめて不十分な答弁を聞いたのでありますが、山手政務次官は長い間通産行政には非常に熱心な人でもあるし、ことに中小企業金融については私たちと一緒に大いに心配をし、努力してきた一人でありますが、今回大蔵省の主要な地位を占めておられるので、われわれと同じような立場において大蔵省でも八面れいろうの腕を振っておられることと思うのでありまして、ただいま内田君から質問のありましたような点について、一つ抱負、含蓄のあるところをお示し願いたいと思うのであります。
○山手政府委員 なぜこの公庫を通じて出しておるかというふうなお尋ねであったわけでありますが、どうも私も皆さんと同じような気がいたしまして——公庫から商工中金に金を出すということになると、公庫と中金とが上下の関係になったり何かをするようなこともあり、今の金利や何かのお話も出てくるわけでありますから、できれば資金運用部資金法の改正をいたしまして、ストレートで商工中金に出すような方法も考えたらどうだろうか、こういうことで、私が行きまして大蔵省でも実は議論もいたしたわけでございますが、何分にも今年は御承知のように運用部資金も非常に窮屈でございます。それで大蔵省としてはできるだけ運用対象を多くしないように——窓口といいますか、貸付の対象なんかを一つ広げますと、二つ、三つと広がっていく。片一方原資は非常に窮屈になってきて、昨年よりも今年は郵便貯金なんかがずいぶん減っておるというふうないろいろの関係がございますので、やむを得ず公庫法を改正をいたしまして、御審議を願って、公庫を通じて資金を流していこう、こういうことに方針を決定いたしたわけでございますが、確かに内田委員、中崎委員のお説のようなこともございまするし、これは私どもも運用部資金法の改正そのほかもにらみ合せて今後に待ちたいと考えております。 それから商工中金と中小企業金融公庫を一本にして機能を一つにしたら云云というお話がございましたが、通産大臣からお話がございました通り、私ども中小企業者の立場に立ちまして、こういう機関が一本になった方がよろしいのかどうか——一本になると多少変った色彩も出てきていいようでもございますけれども、中小企業者の立場からいたしますと、その持っておりまする性格はおのおの特徴があるわけでありますから、かえって不便な面も出てくるであろう、こういうことも考えられまするので、それは今後慎重に検討を続けていかなければならぬ問題であって、今すぐに軽々にこうしたらいいという結論に持っていくわけにはいかないと考えておる次第であります。
○神田委員長 加藤清二君。
○加藤(清)委員 商工関係の金融機関が金利が高い、だからそれを安くしてもらいたいという陳情なり議論なりの根拠は、農林と比較してということであり、市中銀行と比較してということであります。たとえて申しますと、中小企業金融公庫は御承知のように法律では最低七分五厘ということになっておる。ところが普通貸し出されているのは一割程度、末端で借りるものは、どうしても一割、それに県の信用保証協会等々を合せますとまた四分五厘追加されてくるわけです。それだから高い、こういうことがいわれるわけです。同じような趣旨で設けられました農林漁業の金庫は、中小企業金融公庫の場合よりも期限が長いにもかかわりませず——つまり中小企業金融公庫は最高五年なのです。ところが片一方は実質上からいって倍から三倍にもなっておる。実質からいきますると、中小企業金融公庫の方は五年が二年になったり三年になったりしているわけです。ひどいのは一年半というのもあるわけですね。にもかかわりませず、金利の方だけは一割以上になって、農林漁業の方は大体七分五厘になっておるわけでございます。いなかへ参りますると、お百姓さんが金を借りた、すぐお隣りの荒物屋さんが同じような金を借りた、ところが片一方は期限が長くて金利が安い、片方は期限がずっと短かくて金利が高い、これはおかしいじゃないか、これは一体どういうことでございまする、こういうことになってくるわけです。そこで結局農林と商工を比べた場合に、商工大臣の方が腕が悪いじゃないか、末端ではそう考えやすいのです。そこで大臣としてはこれを一体どのように考えていらっしゃるのか。果して過去において御調査なさったことがあるのかないのか。もし御調査なさったとすれば、どこにそういうかけ離れたえこひいきが生まれなければならぬという理由が存在しているのか。もしその理由があったとするならば、それを改革しようとする意思があるかないか。また意思があったならば大蔵省と折衝なさるかなさらないか。大蔵省としてはこういうアンバランスをどのようにお考えになっていらっしゃるか。その点についてお尋ねいたします。
○石橋国務大臣 農林中金と商工中金は力が非常に違いますようです。とにかく中小企業者の力が元来農業者よりも弱い。資金の関係からいいましても、農林中金の方は相当多くの預金が吸収できるけれども、商工中金の方にはそういうものがないというところに根源があるのです。政府から出す金に、別段農林の方には特に安く、商工の方には高くしているということはないと私は思っております。
○加藤(清)委員 私は商工中金と農林中金を比較しているのではございません。農林漁業の公庫とそれから中小企業金融公庫とを比較して言っているのであります。
○山手政府委員 確かにそういうきらいがあるわけであります。しかし商工業と農業関係の根本的な差異からも私は来ていると思うのでありますが、以前は農業関係には土地改良、そのほかいろいろな名目で零細な補助金なんかがたくさん出されておったわけでありますが、できるだけそういう零細な補助金なんかは打ち切ってしまおう。打ち切って補助金を出すかわりに融資でいく方がよかろう。こういうことで補助金を融資に振りかえて、そのかわり融資も普通の商業採算的な条件や何かをつけたんでは、補助金にかわる融資でありまするから無理なところが出てくる。そこで特別に農林関係につきましては優遇措置をとって、農業の実態に即したような、補助にかわる融資というふうな形の体裁を整えていこう、こういうふうな気持もあって、いろいろ差がついてきておるといいますか、私ども遺憾に思っておりますけれども、そういうふうな形が現われておるわけです。
○加藤(清)委員 山手さんのおっしゃる通り、非常に大きな相違が生じてきておるのです。そこで通産大臣のおっしゃるように、政府の投融資なりあるいは金融債なりが、同等に行われておるにもかかわりませず、末端においては相違ができておるということになりますると、これは中間の窓口ないしはその元締めにおいて企業努力をしてもらわないといけない、こういう結論になってくるわけなんでございますが、それでよろしゅうございますか。
○石橋国務大臣 それは今の山手大蔵政務次官の説明の方がよろしゅうございます、しかし、末端の努力もむろん要ります。組合が組合費のかわりに金融の手数料で組合の経営をしているというようなことも事実ありますから、それはできるだけ下げさせるように今努力しておりますが、そういう差異もあります。
○加藤(清)委員 私のお尋ねしておるのは、組合の手に金が渡る前のことを言っておるのです、つまり、本部とそれから窓口まで、その窓口から借りる側に渡るときまでのことを言っておるのであって、組合で取っている手数料まで加えたら、一割見当じゃありません、もっともっとふえます。それで私の申しているのは、窓口から借りたい人に渡りまする折に、農林漁業の方は大体七分平均になっております。高いので八分というのもありますけれども、ほとんどが七分平均になっている。それから期間は二十年というのもありますけれども、平均十五、六年になっているわけです。ところが中小企業の方は、悲しいことに最高が五年、これは法律できめられておりまするから何でございますが、法律でせっかく五年ときめておきながら、実質においては、これは総裁が見えるから御存じでございましょうけれども、まあ大体二年から三年程度ということになっているわけです。そこで中小企業の方がどうして法律通りに実行に移してもらいたいと言うかというと、御承知の通り現在の中小企業はほとんど工賃かせぎになっているわけです。設備をいたします設備資金を償却していく場合に、一年や一年半で返せと言われたって、これは返されないのです。そこで、せめて法律通り実行してもらいたいという声が起きております。どうだ、お前さんら、五年ぐらいかかったら払えぬかと言うと、いや、五年あればやれますが、もう借りたとたんに、あくる日から返金の方に追われている。これでは困ります。その返金に追われるから、やむなく品物を投げ売りしたり、工賃の安いにもかかわらず、やむなく出血していかなければならぬ。こういう悪循環を繰り返しているわけなんです。そこで私の言いたいのは、金利を下げてもらいたいとか、あるいは年数をふやしてもらいたいと言う前に、法律通りなぜ実行できないか。法律通りかりに実行できたとしても、農林漁業と比較した場合においては大へんな相違ができているが、これは一体どういうわけでございますかということをお尋ねしているわけです。 〔委員長退席、小笠委員長代理着席〕
○坂口説明員 今の加藤委員のお尋ねはこういうことじゃないかと思います。期限の点で特に例を上げてお話がありましたから、期限についてだけ申し上げますと、期限は業務方法書におきまして五年を原則とするというふうにきめておりまして、法律できめておりません、従いまして、原則五年で平均が約三年近くになっております。しかしながらその期限につきましても、ただいまお話もございましたし、また災害等の場合には延ばしまして七年の場合もございますし、また特殊な場合には十年まで延ばした例もございます。今後そういう点につきましては、十分に実際の実情に合うようにやって参りたいと思っております。金利につきましては、御承知のように政府から出ます資金の割合でございますが、出資と借入金との比率が農林公庫の方とは違っておりますので、そんな関係で必ずしも農林公庫通りには参らないわけでございます。
○加藤(清)委員 あなたは農林漁業と中小企業金融公庫とを比較した場合、資金源が違う、資金のコストが違う、こういうことが言いたいのでございましょうけれども、私の調査したところによりますと、ほとんど違っておりません。これは大体半々になっております。それでもしそういうことをおっしゃるならば、ここでデータを出してもらいたい。農林漁業と中小企業金融公庫との資金源の比率を出してもらいたい。私が予算を見たところ、あるいは今までずっと関係してきたところによりますと、ほとんど違っていないのです。違っているところを申しましょうか。どこが違っているか、それを私はあなたの方から言ってもらいたかったが、あなたがおっしゃらないから申しますが、窓口の代理業務をやっているところ、ここが違うんです。これがあなたの方の分は四分五厘になっているでしょう。ところが農林漁業の方はそうじゃないのです。それからもう一つは、貸し出しするときに窓口の代理業務を行なっている人が、農林漁業の場合には県の信用保証協会などはそんなに問題にしないのです。ところが中小企業の場合だけは、どうしても一ぺんあそこの窓をくぐってこいというわけです。あそこが許可したら私の方も許可してあげましょう。これは商工中金でも同じことをおっしゃる。これは資金源が金融債になっているから無理はないと思う。銀行と相談しなければいけないというのも無理はないと思いまするが、中小企業金融公庫の場合でそういうことが行われている率が、農林中金と比較して比較にならぬほど多いということなんです。末端の人はその金利がどこへ分配されていくかは知らないんだ。ただ借りたい、借りたいの一心で、言われる通り判こをつくんだ。ついてみたら、とたんに金利が高かったと、こういうことなんです。それですから、窓口は御承知の通り——今日銀行が預金として集めた金でさえも、その資金源を人に貸す場合でも、なお金利を下げましょうという空気になってきておるわけです、資金量がふえたから……。もう信用のあるものだと、どうぞ私のところの金を使ってくれといって宣伝して回っておるので、総体の金利を見ると、大体二銭六厘はすでに割って二銭四厘程度になってきておるわけなんですね。これと商工中金の金利の四銭と県の信用保証協会の四銭五厘と加えたものと比較すると、ここに半分以上違った結果が出てくるわけなんです。それでこれに対して内部の企業努力だけでは、とうてい追っつかないわけなんです。従ってこの際法律改正をなさいまするならば、当然この中小企業がほんとうに苦心惨たんし、要望し、政府を命の親と頼んでいる今直さないと、私どもが心配することは、商工中金や中小企業金融公庫へ行くよりも、銀行へ行った方が手っ取り早い、こういう声が出てくるわけなんです。そちらへそちらへとお客がついてしまうと、あなたたちがいかに宣伝なさりても、お客が向うについちゃう。それはやがて政府機関の衰微する原因になってくるわけだ。そこを私は心配するわけなんだ。現に現実の問題として、二銭四厘で借りられる。なおこのごろは両建もなければ、歩積みせぬでもよろしいということになっておる。まだこの歩積みをやらせておるのは、相互銀行ぐらいのものです。だからこのバランスをとるに当っても、農林中金とのバランスもさることながら、市中銀行とのバランスを考えていかないと、あなたたちの金庫が衰微して参りますよ。どうしてくれます。大臣と次官にぜひ御答弁を願いたい。
○石橋国務大臣 大へん詳しいお話ですが、市中銀行へ回るのは、そのことだけはけっこうだと思います。われわれは、中小企業の場合はなるべく市中銀行から金融してもらう方がいいんで、そのために政府機関が要らなくなればむしろ理想に近くなるのじゃないですか。しかし市中銀行では金融がうまくいかないとか、あるいはいろいろ不便があるとかいう場合に政府機関が活動すべきで、商工中金も中小企業金融公庫も、そういう意味でもともと発足したのじゃないかと思います。だから今大蔵省あたりでも、できるだけ市中銀行から中小企業に金融が行われるように指導しているんだと考えております。
○山手政府委員 ただいま通産大臣から御答弁のあった通りでございまして、なるほど一時的には市中銀行の金利が非常に下って参りまして、そっちの方に移った方が得じゃないかという議論がちらほら出ておることも知っております。しかしことしのように輸出が異常な伸びを示し、かつ、かつてないような大豊作が起きて、そのために市中の金融が緩和されていくというふうな事態が、それじゃことしの秋も同様に豊作であって、こういう好条件が続いて、市中の金利がどんどん安くなっていくと言えるかどうか、そこにも問題があろうと思います。そういういろいろなことを考えてみますと、やはり政府機関や何か、こういうような中小企業者のささえというものも、しっかり政府が持っていく必要があろうと私どもは考えておるわけでありまして、これはお話がございましたように、政府機関なんか必要がなくなるというようなことは、きわめて望ましいことでございますが、そうだからといって、今市中金融の方が金利が非常に安くなったから、すぐそれでもう不要な機関だというふうに考えたり、おざなりの政策でお茶を濁したりすることのないように努力をいたしていきたいと思います。ことに今度大蔵省でも例の不動産銀行の問題をぜひやらせたいというので検討をいたしております。今までのような対人信用でなしに、担保さえ持っていけば、すぐ多少の金は融通できるような不動産銀行なんかも作らせたいということで努力いたしておりますけれども、実際にやってみると、今新しく銀行を作ってそういう特殊な融資をしようと思えば、金利が非常に高くなって、言うはやすいけれども、実行はなかなかむずかしいという実情があるのです。中小企業金融公庫につきましても、今あなたのお話のように、窓口を、代理貸しやいろいろやったりいたしておりまするし、新しくできた機関の金利というものは——私いろいろ理想的な、やりたいことはたくさんあるのですけれども、新しく今作るということになると、当面は金利なんかもそう安くならないで、非常に困った問題が起きるというふうな気がいたします。しかしぜひお説のようにできるだけ努力をいたしたいと考えております。
○加藤(清)委員 ただいまの山手次官の市中銀行との比較の場合のお話は納得いたしますが、そうなってきたら、政府機関を抹消するのが理想だ、こう大臣はおっしゃいましたが、それは割り引きせぬでも、額面通り受け取っていいんですか。
○石橋国務大臣 別に割り引きずる必要はありませんが、それは理想ですよ。市中銀行でもう自由に中小企業者が金融ができるようになるのが一番いいんです。わざわざ特別の機関を設けなくても済むというくらいになることが理想的であります。
○加藤(清)委員 これは重大な問題でございます。それからもう一つは、何がゆえに農林漁業が安くて、こちらが高いかの御答弁がまだございませんので、午後に回すと委員長がおっしゃられれば質問を保留したまま、午後でもあすでもけっこうでございます。
○小笠委員長代理 この際午後一時半まで休憩いたします。 午後零時四十九分休憩 ————◇————— 午後二時十九分開議
○神田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。小平久雄君。
○小平(久)委員 高圧ガス取締法の部改正案につきまして簡単に数点だけ承わっておきたいと思います。 今度の改正案でありますが、その提案理由の説明のうちにも、提案理由はもちろん御説明はありましたが、今度のねらいのうちおもなるものがどういう点にあるか。特にこの法律としましては、改正は今度が初めてのようでありますが、今回の改正案のねらいのおもなるところを一つ御説明願いたい。
○吉岡政府委員 提案理由につきましては、先般政務次官から御説明いたしましたが、内容の実費的の点を中心にして御説明申し上げます。 第一点は、最近におきまして生産が始められ、急速に伸びて参りました液化酸素についての保安上の万全を期するための改正でございまして、従来溶接とか、酸素製鋼に使用されておりますガスは、御承知のようにボンベに詰めまして、これをガス状で供給しておったのでございますが、一昨年あたりからこれを液体の形において消費者の手元まで輸送いたしまして、終局においてはガス状で処理するわけでございますが、そのような液化ガスというものが出て参ったわけでございます。 それで、この特徴といたしましては、大体普通の五十キロ程度のボンベで百本分に相当する数量の輸送ができる。従いまして一台のトラックで、ボンベに換算いたしますと、三、四百本分の輸送ができる。従いまして、御承知のようにボンベは非常に重量物でございますので、輸送費を大幅に軽減できる。またその成分の点におきましても、水分をほとんど含んでおりませんために、使用上におきましてもいろいろ特徴があるということで、最近急激に生産並びに消費が増加して参りました。現在におきましては酸素ガス消費量の約一五%を占めておりまして、今後ますます増加するであろうという状況でございます。しかしこれを使っておりますところは、大体大きな酸素製鋼をやっております製鉄会社でありますとか、あるいは溶接関係におきましても、造船造機関係のきわめて大規模な業者約二十社程度でございます。また生産者も現在五工場でございます。そこで今回の改正におきましては、以上のような新しい液化酸素の発達にかんがみまして、消費段階におきましても、新たにこれに対する消費の施設及び方法という点につきまして技術上の基準を定める。またこれを消費いたします工場におきまして取扱い主任者の制度を設けさせる。従来生産者のところにおきましては作業主任者というような制度がございましたが、この液化酸素の消費者と申しますものは、その仕事の実態から見ますと、ちょうど従来の生産者に相当するような関係も考えられますので、これに関する規定を入れるということにいたしましたのが第一点でございます。 第二点といたしましては、これも最近におきまして急速に発達を見つつありますプロパンガスの関係でございます。プロパンガスも一昨年あたりまでは帝石の天然ガスを原料とするものがただ一社あったわけでありますが、御承知のように最近ハイ・オクタン価のガソリンの精製のために、接触分解というような装置が各製油所において相次いで完成を見て参ったわけであります。その際に出ます廃ガスの利用方法といたしまして、プロパンガスの生産が急激にふえて参りました。二十八年度は一社でございましたのが、二十九年度は二社、昨年からは十工場においてこれが生産せられております。数量で申しますと、二十八年度年間二千トン、二十九年度六千トン、三十年度二万トンというように、二ヵ年で約十倍になっております。今年度は大体三万トン近くになると思いますが、来年度以降さらに急激に増加するであろうと考えられておるわけであります。これは大体その九〇%は普通のタウンガスと同様に、主として一般消費者の家庭に消費せられております。これらの点を考えまして、プロパンガスの販売の段階におきましても、新たに取扱い主任者という制度を設けまして一定の知識、経験のある者にこれを担当させ、この取扱い等につきまして販売業者みずからが万全を期しますとともに、これを通じまして、多数の一般消費者等にも災害を起させないようにいたしたいというのが第二の改正理由でございます。 その次に、第三といたしましては、この法律の関係でいろいろの手数料を取っておりますが、現行の手数料は、本法施行当時、すなわち昭和二十六年に定めたものでございまして、その後の物価の変動等も考えまして、今回二割ないし三割の増額をいたしたいというのが第三点でございます。それで現在この法律関係の手数料の収入とこれに要する取締りの経費と考え合せますと、大体この監督の仕事は主として地方庁を通じていたしておるわけでありますが、年間の経費約四千万円に対しまして、手数料収入はその半額にも満たない。そういう関係で、やむを得ずただいま申し上げましたような程度の増額をお願いしたいということが第三点でございます。 その他いろいろ技術上の点もございますが、おもなる点は以上の通りでございます。 なお高圧ガス取締法につきましては、法律に基きます高圧ガスの保安審議会というものがございまして、ここで専門の方々の御研究を願いまして、その結論を中心として改正法案を作成いたしましたような次第でございます。
○小平(久)委員 ただいまの御説明で、今回の提案の理由が大体わかったのでありますが、その中心をなしますものは液化酸素及びプロパンガスの危険性を防止するというところにあるようであります。液化酸素なりプロパンガスについてのその危険性というのは一体どういう性質のものであるのか、また従来その業者につきまして何か危険な事例が実際に相当数多く発生でもしておるのか、そういう点について簡単に説明していただきたい。
○吉岡政府委員 酸素は御承知のようにそれ自体としては可燃性ではないわけでございます。ただ付近に燃焼物がございますと、その物の燃焼速度を非常に助長するという関係がございまして、これの取扱いには十分注意を要するというふうに考えられるわけでございます。 それからプロパンガスの関係は、これは性質そのものから申しますと、一般の石炭ガス、都市ガスと危険度におきましては大差はないわけでありまして、むしろ毒性を含んでおらないという点におきましては、都市ガスよりも安全であるということも言えるかと思うのでございますが、何分にもきわめて最近の発達に属するものでありまして、消費者がこれの扱いについて十分知識、経験と申しますか、使いなれておらないというふうな関係がございます。それから御承知のように、きわめて小型のボンベに詰めまして家庭でこれを消費するわけでございまして、これを消費者が倒すとか、移動するとかいうふうなことはしないようにすべきであるのでございますが、その辺にもまだ十分なれておらないという点がございます。 それからなお現在十工場でこれを生産いたしておりますが、そのうち三工場につきましては無臭といいますか、においを含んでおらないものでございます。従ってにおいによって危険を感知するということがしにくい関係がございますので、これにつきましては着臭剤を、輸入等の措置をとりまして、においをつけるという措置をただいま進めております。大体理論的にと申しますか、理屈から申しますと、私どもは大なる危険性はないと思っておりますが、しかしただいま申しましたような関係で、この取扱いについては十分に消費者の認識を深める必要がある。それにはやはり現在約二十万世帯にこれを供給いたしておりますので、これにつきましてはやはり消費者と直接接触する販売業者自身に十分知識を普及いたしますと同時に、これを通じまして消費者にも間違いのないように措置いたしたいと考えております。 事故の実例といたしましては、先ほど申し上げましたように、プロパンガスの消費は一昨年あたりまで一社程度でございまして、毎年数件という程度でございましたが、昨年におきましては約二十件起しております。二十万世帯が使用して二十件の事故というのは、初めてのことである程度やむを得ないということも考えられますが、しかしこれは十分今後注意をいたさなければならぬと存じますので、それらの点につきましてただいま申し上げましたような法律の改正によって万全を期して参りたい、かように考えております。
○小平(久)委員 今の御説明によりますと、プロパンガスにつきましては、二十万世帯から使っておって二十件の事故、事故の件数からいくと必ずしも多くないと思われるのですが、また先ほどからの説明によりますと、要するにガスそのものは危険じゃない。ボンベの移動等が危険だというようなお話でありますが、具体的に起きた事故からしてどんな事故であったのか。もし御承知ならばこれは一般常識としてこの際承わっておきたいと思います。 それからプロパンガスがここ二、三年来、非常に普及しておるということはわれわれも承知しておるのであります。そこでこのプロパンガスと一般の都市ガスとの関係ですが、人によっては都市ガスよりもむしろプロパンガスの方が燃料としては得だ、得でないまでも大体同じくらいだというようなことを言う人もあるようでありますが、そういう点は当局から見れば一体どんな関係になっておるのか。それから将来都市ガスとプロパンガスが競争的な立場になるような傾向があるのかどうか。おそらく都市ガスのあるところでは、プロパンガスは使わぬ。少くも現在はそうであると思っておりますが、将来の問題としてその両者の関係はどんなふうに見通されるのか、それらの点について一つ御説明願いたいと思います。 〔委員長退席、小笠委員長代理着 席〕
○吉岡政府委員 昨年起りました事故の原因をいろいろ分類してみますと、たとえばホースがはずれておったとか、それからガスがなくなりました場合に、消費者が十分なれませんので、ボンベを倒して——倒せば出るというふうに考えましたのか、そういうことで急激にガスが出ましたとか、あるいは誤まってパイプとか機械をはずしたとか、全般的に申しまして、なれないために起った事故が大半であろうと思います。しかしこれらの点は、先ほど申しましたように特に今後十分いろいろな方法をもちまして販売業者自身も教育し、またいかにしてこれを消費者に周知徹底させるかということにつきまして研究して参りたいと思っております。 それから都市ガスとの価格の関係でございますが、これは熱量にいたしますと、一般のタウンガスの大体二倍程度のカロリーがございますが、カロリー換算いたしますと、大体都市ガスと同じ程度の値段になっておると思います。ただ都市ガスのように配管等の工事費を必要といたしませんので、ただ器具を買えば直ちに簡単に使用できるというようなことで普及を見つつあります。ただ先ほど申し上げましたように、ガスそのものが石油精製の特に接触分解等の装置を持っておるところから出て参るわけでありまして、そう簡単にこれを作るために生産するというわけには参りませんので、いわば石油精製の一つの副産物の利用である、こういう関係があるわけでございまして、従って価格等も大体都市ガスの値段と競争し得るというような形において定められておるんじゃないかというふうに考えられます。従って、そういう関係でボンベに詰めて輸送いたしますので、あまり遠距離に持って行っては採算的に成り立たない。それらの関係で地域的におのずから限界もあると思います。しかし都市ガス自身も現在非常に消費者の要請が強いわけでございますので、現状におきましては、都市ガスの手の及ばないところ、あるいは消費者から申しまして都市ガスを引くだけの資力等を持たないところ、そういうところを主体として普及しておる、こういうように考えられるわけでございます。従いまして将来の問題といたしましては、都市ガス自身も木材利用の合理化等の見地からも通産省としては急速にこれが普及をはかっておりますし、またプロパン・ガスも、ただいま申し上げましたような石油精製の副産物の利用というような面で今後育成をはかって参りたい、両々相待って発展をはかるべきものである、かように考えております。
○小平(久)委員 今の御説明のうちで、プロパン・ガスの場合に、ホースが切れたとか、からになったのをよくわからぬでボンベをさかさまにしたとかいう話がありましたが、それによって一体どういう事故が起きたのですか。ガスそのものが危険でないというならば、別にホースが破れてガスが出ようが事故が起るとは考えられないが、どんな事故が起きたのでしょうか。
○吉岡政府委員 これは一般のメタン・ガスと違います点は、メタン・ガスは空気より軽いわけでございまして、大体上の方にいくわけでございますが、プロパン・ガスは空気より重い性質がございますので、下の方が滞留する。従いまして漏れておるのを気がつかずにそこでマッチをすりますとか、あるいは床の方に何か可燃物がございますと、それによって火災が起きる、こういう関係になるかと思います。
○小平(久)委員 事故というのは、それによって火事が起きたというのですか。直接人命というか、健康に支障があったというのではなくて……。
○吉岡政府委員 そういう場合もあるわけでございます。
○石橋国務大臣 死者十六名です。
○小平(久)委員 これは大した問題じゃないと思うけれども、二十万世帯も使っておって、二十件の事故の実例がある、しかもガスそのものは危険じゃないのだ、火をつければつくという危険があるという話だから、具体的にどういう事故があったのか、今大臣のお話だと、十何人か死んでいるということですが、この死んだ者も、火災が起きて死んだのか、ガスの直接の害毒によって死んだのか、危険だという内容は一体どういう危険なのか、そこをこの際はっきり伺っておきたいと思ったわけです。 それからなお、プロパン・ガスについて、先ほど製造工場あるいは製造量のことは承わりましたが、一体今全国で何軒ぐらい販売している店があるのですか。
○吉岡政府委員 先ほどちょっと申し上げ方が悪かったかと思いますが、火災によりまして死傷者を出しておるという事件もございます。ただタウン・ガスと違いまして、ガス自体には毒性はないわけでございまして、ガス中毒というような関係はないのでございます。火災が原因になりましたり、あるいは急激に噴出した関係でやけどをする、こういう程度のことでございます。 それから販売業者の関係は、全国におきまして約二万二千ございます。しかしこれはプロパン・ガス以外の一般の高圧ガスをも取り扱っておるわけでございます。総数にいたしましては、その程度の販売業者があるわけでございます。
○小平(久)委員 その点はそれくらいにしまして、次に取扱い主任者の制度ですが、これはもっぱら経験によるようでありますが、何年間の経験とか、そういう必要な条件があるわけですか。何もそういうことはなくて、ただ要するに届け出ればよろしいということでありますか。
○吉岡政府委員 従来生産の段階におきましては、先ほどちょっと申し上げましたような作業主任者という制度がございまして、これに対しては国家試験を実施いたしまして、その合格者でなければこれに従事できないということにしておるわけであります。しかし今回販売業者に設けようとしております取扱い主任者は、特に先ほど申し上げましたように、プロパン・ガス等におきましては、この普及がまだきわめて最近のことでございますし、またこれが危険度等を考えますれば、生産者に要求するほどの専門知識と申すよりは、ある程度の経験、知識と、むしろ災害防止に対する熱意を今後いかにして訓練していくかという点が相当の重点になるというふうにも考えられるわけでございます。それらの点から考えまして、現在のところ大体二年程度の経験と、それからある程度の学識と申しますか、それを要求することにいたしたいと思いますが、この点につきましては、なお先ほど申し上げました高圧ガスの保安審議会等の意見も聞きまして、省令等をもって定めたいと思っております。ただいまのところ、その程度に考えております。
○小平(久)委員 その際において、液化酸素消費者の場合とプロパン・ガスの販売業者の場合、これは大体同じような条件でお定めになる御意向でしょうか。
○吉岡政府委員 液化酸素の消費者は、先ほど申し上げましたように、相当大規模の工場でございまして、消費者とはいいながら、そこで液体で運んで参りましたものをボンベに詰めかえますとか、あるいは一定の貯蔵施設を持つというような関係がありますので、これにつきましては、相当程度の技術水準を要求しなければならぬのではなかろうか、かように考えております。プロパンの販売関係につきましては、先ほど申し上げましたような程度で十分ではなかろうかと考えております。
○小平(久)委員 最後に、今度の改正案によりますと、作業主任者、その中の第三種の冷凍機械主任者ですか、その試験を知事に委任するということのようですが、そうなりますと、これは各県で試験をやる場合に何か一定の基準というか、標準というか、そういうものを各県にでも示しておいて試験をやるということになるのかどうか。と申しますのは、各県で思い思いに、ばらばらにやるということになると、受験者からいえば、県によってむずかしい県とやさしい県ができるのではないか。たとえば今自動車の免許の試験なども、聞くところによると、県によってむずかしいところもあるし、やさしいところもある。こういうようなことも聞きますので、知事にまかせるというので、その点を承わっておきたい。と同時に、ある県で試験に受かったという場合に、それはほかの県へいっても使えるのかどうか。自動車の免許証などは使えるようですが、そういう点も参考のために承わっておきたいと思います。つまり全国共通かどうかということです。
○吉岡政府委員 ただいま御指摘の点はまことにごもっともであると思います。冷凍機械の関係は比較的危険度も低い。また地方庁におきましても、これは現行の取締法は昭和二十六年でございますが、大正十一年ごろから、元の内務省当時からこれが取締りをやっておりますので、相当の経験者もおりますし、さような関係で比較的危険度の低いものの試験を地方に移譲するということにいたしたわけであります。お説のように、出題とか採点の基準は本省におきまして専門の先生方にお願いいたしまして十分調整をとって参りたい。 なお、従ってある県で合格いたしました場合には、全国共通の効果を持つ、このようにいたす考えでおるのであります。
○小平(久)委員 今のことと関連して……。一たん試験に受かれば、それはもう一生効果を持つのですか。自動車などは何年かに切りかえするようだが……。
○吉岡政府委員 原則として一生効果を持つということでございますが、この法律に違反いたしましたような場合には、場合によって返納を命ずるということに規定いたしておるわけでございます。
○小笠委員長代理 内田常雄君。
○内田委員 私は与党としてこれからの審査を促進する意味で、ただいま議題となっております中小企業信用保険法の一部改正案につきまして、その運用についてごく簡単に御質問したいのであります。どうも私はしろうとでよくわからないのでありますが、信用保険とは別に、信用保証協会による信用保証があるわけでありまして、たとえば中小企業が百万円くらいの金を借りるのに、信用保険の方で参るという手と信用保証協会の保証の方で参る手と、今の法制上両方あるわけですが、大体何を保険によらせ、何を保証協会の保証によらせるのか、中小企業庁の一般方針を簡単に承わりたいと思います。
○佐久政府委員 信用保険という方は国が保険をする建前で、それには四種類ございます。信用保証協会というのは国の保証というのではなしに、民間機関の中小企業に対する保証で、性格ぶ少し違っておるわけであります。
○内田委員 性格が違っていることはわかるのですが、要するに中小企業者に対して金融機関が金を貸し出しやすくするわけでありますから、保証があり、保険がありとやたらに複雑にしたのでは利用者が迷うわけでありますから、この制度をお作りになるときに、たとえば長期の貸付については信用保険でいく、短期の貸し出しについては信用保証協会でやるというように、これは信用保証協会法という法律があって、法律で公認しておる団体でありますから、そういうことがないと、保険に入っていいやら保証協会の保証を求むべきかわからない。さらにまた、おそらく保険料率、保証料率は同じではなく、安い高いがあると思うのですが、今言うように法律上の性格だけ違いがあって、両方やり方があるのですということでは、金を借りる人が好きな方を選びなさいということだけで、ただ制度を複雑にしたことになるのでありますが、秋山君からでもけっこうですから、私の心得のために伺っておきたい。
○秋山説明員 お説まことにごもっともでございますが、実は信用保証制度と申しますのは、沿革的に見ますと非常に古い制度でございまして、昭和十二年に東京府と東京市と合議の上で共同で地方的に始められた、発生そのものはいわば需要に応じて出た自然的なものであったわけであります。従って戦前には数県がそれを実施しておった程度でありますが、戦後非常に中小企業の金融が苦しいということから、ほとんど全国に普及いたしまして次いでたしか昭和二十八年であったと記憶しますが、信用保証協会法という法律を設けまして、これの制度を法的に保証すると申しますか、裏づける措置をとったわけでございます。一方信用保険制度の方は、戦前にありました類似の制度を求めますれば、金融機関の中小企業融資に対する損失補償制度、これも実は古い沿革はございますけれども、いずれにいたしましても制度そのものとしては、いわば災害等の場合、たとえば大正十二年の震災でありますとか、昭和二年のパニックでありますとかというようなとき、いわば臨時措置としてそのつど特別の法規を設けて政府が実施したというような沿革を持ったものでありまして、これが継続的に中小企業金融の裏づけ措置、いわゆる信用補完措置として取り上げられましたのは、戦後の昭和二十五年でございます。従って沿革も違いますし、実はねらっているところも違う。同時に、ごく概括的に申しますと、信用保険は当初六ヵ月以上の貸付に対してのみ適用しておったのでございますが、一般の金融情勢から見てこれは長きに失するということで、昨年改正いたしましてこれを三ヵ月に短縮いたしたわけでございます。一方信用保証の方の全国の実績を見ますると、この保証期間の実績が大体四、五ヶ月ということになっておるのであります。最近こそやや重複したような形になっておりますけれども、少くとも従来の考え方では、中期あるいは長期のものは大体保険の対象たるべきもの、それから短期の場合は、保証の対象たるべきものというふうに考えられておったわけであります。
○内田委員 よくわからなかったような点もありますが、そうでありますならば、できるだけ指導方針を業者に徹底するようにはっきりさせて、こういうものは保険の方でめんどうを見る、こういうものは保証協会の方でめんどうを見させるということをはっきりさせていただきたいと思います。なぜ私がそういうことを言うかといいますと、今度の改正案は保証、保険の問題でございます。中小企業者が金融機関から金を借りる際に、信用保証協会の保証を受ける、そして保証料を払う、そうするとその上に保証協会がまた保険に入る、そしてまた保険料をだれが払うかわかりませんが、中小企業者がかぶるようなことで、二階建、三階建になっておりますから、とどのつまりは、午前中も議論が出ましたように、中小企業の金利そのものが高い。保証料をとられ、保険料をとられということで、繁文縟礼、金利負担を増高するだけになりはせぬかということを心配をいたすからであります。その点の御説明と、それからそれにまた関連して今回の保証保険の改正点でありますが、あれは保証協会に対して保証を受けて保証料を払い込んだ場合には、今度は金を借りる方の中小企業者は、保証協会だけの負担で、中小企業者には関係なしに保険料が出るものかどうか。つまり中小企業者の方としては、保証保険によって負担が増高しないような仕組みになっておるかどうか、お尋ねいたします。
○佐久政府委員 保険料なり保証料が普通の金利の上にかぶさるために負担がふえるという心配はお説の通りであります。その点も考えまして、今度の改正では料率もかなり思い切って、保険基金に穴があいたり何かしない限度で十分考えたつもりであります。また保険料を借りた者に負担させるということはしないつもりであります。
○内田委員 ただいまの佐久長官からのお話で、保証保険の場合は、その保険料は保証協会がかぶって、中小企業者自体には何らかぶるところはないという話でございますから、私はその通りであることを願っております。あるいは調べてみたら違っておった、やはり利用者の方にも負担がいくということであったならば、また他日の機会にお取り消しになるなり、再説明を願いたいと思います。 もう一点お尋ねしたいのは、今回新しく包括保証保険というものを御創設になるのでありますが、これをやれば保証協会がやっておる小口の個別保証保険というものは要らなくなる。いたずらに制度を複雑にして——さっき秋山君から御説明があったように、いろいろな保険があるということですが、あまりいろいろない方がいい。中小企業者はとても理解力がありませんから、二十万円以下の借り入れをする場合には、それはもう自動的に今度の包括保証保険に入ってしまうということであって、あっちこっち選択しようと思っても料率が違う。今度の包括保証保険は保険料率が非常に安くされているようでありますが、なお存続されるであろうところの小口の保証保険の方は包括保証保険よりもはるかに料率が高い。私はこれは安くした方がいいと考える。小口の方を残しておく必要はないのじゃないか、一緒にしたらいいんじゃないか、この点はいかがですか。
○佐久政府委員 それは一緒にしたらという議論もないことはないと思うのですが、場所によっては非常に事情も違っておりますし、選択の余裕を十分残しておいた方が実情に合うのじゃないかという考えのもとに二つを置いたわけであります。
○内田委員 その点は実情に合うかどうかはやってみないとわかりませんから、もうしばらく御研究になって、ほんとうに実情に合せられるように、もっぱら包括の方でいけるようでしたら、繁文縟礼の方はおやめになるのがよくはないかと思います。 それから、これは全く法文の技術的な用語でありますが、指定法人という用語を盛んに使っておりますが、この指定法人は信用保証協会の方だけのことでありますか。ほかに何か政府が指定される御用意でもあって、わざわざ信用保証協会という言葉を使わないで、われわれ国民にわかりにくい法律上の指定法人という用語をお使いになったのかどうか。もしほかになければ、信用保証協会とはっきり書いて、信用保証協会の地歩を確立させたり、理解をしやすくした方がいいと思って御質問をいたします。
○佐久政府委員 指定法人というのは、保証協会だけのことでありまして、保証協会だけであれば、そういうふうに書いた方がわかりやすいというのは、私も同感でして、実はそうするつもりがあったのですが、手続上ちょっとミスをいたしまして、申しわけない次第であります。
○内田委員 中小企業金融とか信用保険のことは、私も実はいろいろ掘り下げて勉強してみますと、今のミスだけではなしに、ほんとうはいろいろなミスがあるように思います。けれども、私は与党委員でもございますから、激励だけを申し上げて、かつまた与党の委員からも質疑打ち切りをするような方向にいくために、質問を簡単にしろというお話がありますから、私は一応これでこの件は取りやめまして、法律の成立に賛成をいたす次第であります。
○小笠委員長代理 阿左美廣治君。
○阿左美委員 私、ちょうど大臣がお見えになっておりますので、二、三大臣に質問をいたしたいと思います。 私は中小企業に対しては、かねがねからいろいろの施策も考えているのですが、中小企業に対する対策というものは、実際にこれを実行せんとすると、なかなかむずかしいのであります。結論においては、なかなかその施策が見出せないということになるのでありまして、結局は、中小企業に対してはその運営資金をたやすく出してやる、またその利息を安く使わせるという以外には、どうも中小企業に対する振興対策はないと私は思うのであります。そういう点から考えてみますと、中小企業に対する運転資金をもう少し容易にこれを扱うようなことを考えなければならぬと考えておりますが、なかなかそういう段階に参りませんで、今回利率を引き下げる、利息を引き下げるといいましても、われわれ中小企業の唯一のたよりにするところの金融機関は商工中金でございますが、その商工中金の金利が、現在のこのままでいきますと、とうてい一般市中銀行並みの金利には、コスト関係でこれは中金としてもいかないのであります。そこで今回政府の計画せられました中金に対します十億円の出資でございますが、この利子もやはり年六分五厘なんです。こういうようなことになりますと、中金といたしましても利子の引き下げは困難だと思う。やるといたしましてもきわめて微々たることしかできないと思うのでありまして、こういうような点を考えますと、何とかわれわれは中小企業に対するところの対策をもう少し積極的に立てなければならぬじゃないか、こう考えているわけであります。そこで午前中いろいろ同僚内田委員からも質問がありましたが、中小企業金融公庫の方は非常に立場がよろしい、また一部は政府の無利子の資金である、一部はやはり六分五厘であるというようなことから考えてみますと、これを平均いたしますと三分二厘五毛、きわめてコストが楽であります。安いのでございます。こういうような点で中小企業金融公庫の貸し出し利率は九分六厘であるが、これはいわゆる委託代理店を経営いたしますから、そこに手数料を払うということになりますと、内田委員がいろいろ申されましたが、その手数料は大体において四分三厘支払っている。そういうことになりますと、そういう手数料を払うならばむしろこれを中金の方に、現在のようにトンネル融資でなく、直接政府が中金にこれを融資したならば、そういう手数料は支払わなくていいのじゃないか。そういうようなことからいきますと、手数料を差し引きますと、中小業者に五分三厘で貸し付けもできるのじゃないかと考えますが、この点に対して大臣はどうお考えになっておりますか。今後もあくまでこういうような扱いにおいてこれはおやりなさるというようなことになっておりますか。しかしこれは数字的にいいましても明らかでございまして、これをトンネル融資でなく、直接中金の方にそういう融資をするならば、中金といたしましても利子をもう少し大幅に引き下げることができると思います。この点に対しまして大臣の御所見を伺いたい。
○石橋国務大臣 御説ごもっともと思いますが、この前も申し上げましたように、中小企業者の金融についてはいろいろむずかしい点もあるが、なお一つ制度その他について研究しないといけないと思います。御承知のように商工中金というのはつい最近までは何かいささかままっ子扱いされておったようなことで、非常に高い金を使い、従って高い利子を取る。それに対して中小企業金融公庫というものができた。これをすぐに一緒にして果していいかどうかということは、通産省でもかねがね問題にして研究しているのでありますが、まだ実は結論に達しない。大体現在においてはいきなりこれを合併して必ずしも中小企業者のために利益にならぬ。やはり現状においては二つ置いた方がいいのじゃないかということで、今年また来年においても同様な方法をとろう。しかしそうかといって商工中金の金利があまりに高いことも困りますので、そこでいろいろの御批判もありますが、とにかくさしずめ十億円の六分五厘の金を商工中金に回すようにする。 〔小笠委員長代理退席、委員長着席〕 そのほか指定預金等も、大蔵省のかねがねの方針では急速に引き揚げるというような方針であるのでありますが、これもそう急激な引き揚げをしないというようなことにしまして、とにかく三十一年度においては幾らかでも商工中金の金利を下げよう、われわれの希望のようには下りませんけれども、若干金利は下げられる見込みでやっておるわけです。そういうことでなお一つ皆さんの御意見も十分伺って、この金融問題について——金融問題だけじゃありません、中小企業をどうするかということは事実大問題であります。実は各方面からいろいろ議論があるけれども、なかなか名案がないというわけでありますから、しかるべき方法によって実際タッチされている皆さんの御意見を伺って、なお一つ今後検討したい、こう思います。
○阿左美委員 私はこの前の委員会におきましても大臣にお伺いをいたしたのでございますが、そのときも大臣からただいまのような御説明をいただいたのでございます。どうしても私は中小企業に対するところの一つの解釈といたしましては、金融を容易ならしめるという以外にはないと思うのです。そういうことから考えてみますと、中金と中小企業金融公庫というものを合併いたしまして、どうしてもそこに画期的の対策を立てまして中小企業対策というものを充実するほかには道がないのじゃないか、こういうふうに考えます。しかし大臣のお考えといたしましても、それはかえって窓口を狭めることになる、二つの口があってかえって都合がよろしいので、一つにしてその二つ分の資金がその窓口から出るか出ないかということも疑問であるし、それは大いに考える必要があるというような御答弁をいただいておりますが、しかしこれは政府がやらんと欲するならば決してできないことはないと思います。現在のような中小企業に対する消極的の対策というものが、今後継続せられるならば、中小企業といたしましても、これは非常な重大問題じゃないか、こういうふうに考えますので、これは今どうこうというわけにも参りますまいが、どうか将来を考えまして、中金と中小企業金融公庫というものを合併をし、そして一本の金融機関にしてこれが積極的に進むように運営していくというような方法をぜひともお考えを願いたいのでございます。しかしそれは今そういうふうに申し上げましても、直ちにということはどうかと考えられます。ただお願いをいたしたいことは、先ほど午前中内田議員からもいろいろな御意見がありましたが、中金に対します今回の十億円の融資でございます。これが九分六厘ということになっておりますが、しかしこれをトンネルでなく直接貸しにするならば、これは数字の上からいきましても四分三厘というものを代行店に支払っておるのでありますから、それを支払わないことにして直接にいたしますれば、五分三厘で中金に十億円の融資ということはでき得ることになると思いますが、何ゆえに九分六厘にしなければならぬか。またこれは運営の上からいきまして五分三厘にでき得ると思いますが、それに対しましてはどういうふうにお考えになっておりますか。
○石橋国務大臣 実はそういうふうに考えるよりもう少し簡単に考えたのでありまして、結局直接に商工中金へ運用部から資金がいけば、これは六分五厘になる。ところがそうはいかないものですから、ただ、いわば悪い言葉かもしれませんけれども、中小企業金融公庫の名前を借りて六分五厘の運用部の資金を商工中金に付けるというだけの考えでいきました。中小企業金融公庫から商工中金へ融資をする、こういう考え方で出たものでないものですから、従って六分五厘トンネルということになったわけであります。
○内田委員 関連して通商産業大臣に二、三の点を伺いたい。今の阿左美委員の御質問に関連いたしまして、私はこういうことを考えるのでございます。商工中金は今までもそうでありますし、また今後もそうでありますけれども、大体商工中金債というものを発行して大部分の資金を集めておるわけでございます。ところがこの商工中金債に対しましては、政府は何らの特典を与えておりません。従来は政府の財政投融資として資金運用部で商工中金債を引き受ける際に、マッカーサー時代の古い、ドッジ博士ですか、そのころの墨付きを持ち出して 一般の市中金融機関の引き受ける条件と資金運用部の引き受ける条件とを変えてはならぬということを、まことに千年のおきてのように考えられまして、市中と同じ条件でしか商工中金債を引き受けなかった。従ってノミナル・レート八分五厘ということでございまして他の政府関係金融機関その他の機構に資金運用部資金が流れ出します場合は六分五厘あるいはそれ以下の条件があるにかかわらず、商工中金が八分五厘というひどい目にあわされてきたわけであります。ところがごく最近、ことに今第二十四国会あたりに提出されておりますもろもろの法律案を見ますと、政府保証ということが大へんはやって参りまして、つい本日の本会議でも可決せられました東北興業株式会社のような——通ってしまったから少し悪口を言うてもいいかもしれませんが、はなはだ怪しげな特殊会社に東北六県の公共団体のみならず民間資金が入っている、この点は商工中金と同じようなものでありますが、かような東北興業のような、政府保証をしても果して立つか立たぬかわからぬような東北興業債券に対して、新しく元金及び利子の支払い保証を政府提案として、法律の改正を御提案になっているのであります。そのほかに三十一年度の予算総則を見ますと、すらすらと十ばかり新しくいろいろな政府出資関係の法人を拾い出しまして、その全部について元金及び利子の支払いの保証の制度をするという約束をいたすと同時に、それぞれの法律の改正を試みているのでありますが、なぜ政府は商工中金にだけはさような恩典をお与えにならないのか。これは金融に関係ある常識を持っているものといたしましては、政府保証がございますと必ずその金利の三厘や五厘は市中引き受けの条件がよくなって参ります。それだけ商工中金の資金コストは低くなりますし、また発行も容易になるわけでありますが、東北興業あるいは日本航空、道路公団、住宅公団、比々みなしかりでありますが、これらのものには元利保証をするのに、なぜ商工中金についてだけは元利の保証という点を大臣は大蔵省なり閣議に突っぱられないか、その点をお伺いしたいと思います。
○石橋国務大臣 きわめてごもっともな御質問であります。どういうわけで商工中金がこういうふうになったか、歴史的なことは私は知らないのですが、しかし昨年からそれでも商工中金を幾らかでも助けようと思って多少の努力をいたしておるのであります。まだお話のようにあの債券に政府保証をやるとか特別に運用部から六分五厘で貸し出させるとかというところまでいっておりませんが、一つ御支持をいただきましてせいぜい努力をいたします。
○内田委員 大蔵省の資金課長もおられますが、これは大臣の決心の問題だと思う。今日次期総裁にまで擬せられるようなことが新聞に出ております通産大臣が、しかもかつては大蔵大臣もせられた方でありますから、ほんとうにおやりになるつもりでかようなことをお申し出になれば必ずできなければならぬ、かように思うのでありますが、まあ大臣はあるいはほかにいろいる大へんなこともございましょうし、あれやこれやの兼ね合いでおやりになっておられると思いまして御同情申し上げます。ただ前回の国会以来少しでもよかれと思って法律案をお出しになったと申されましたが、あれもこの前は十億円を、しかも配当をもらうつもりで商工中金に出資するというような法律案でありまして、われわれ議員がけしからぬということで、寄ってたかって劣後株にして、当分配当するものでないということに直したわけでありまして、大臣の御心配より保守党をも含めた議員の心配の方があずかって力があるようにさえ思えるのであります。それはともかくといたしまして、ちょうど資金課長がおられますが、大蔵省の方から見た御見解を、資金課長ではもの足りないのではありますが、大臣になったつもりで一つ御説明を願いたいと思います。
○堀口説明員 さっきからいろいろ御質問があったのですが、運用部の方の建前といたしましては、午前中に山手政務次官からもお答えがありましたように、今の資金法の七条で運用の対象を列挙的に相当しぼっておりますし、現在の資金量が割合に少い時代におきまして、あれを非常に広げるというわけにも参りませんし、そういう意味で資金法自体の根本的な考え方を変えずに、商中のそういう金利の醜い面を何とか少しでも漸進的に変えていきたいということで、一応臨時的な考え方といたしまして法律の抜け穴と言っては語弊がありますが、現在の法律の建前上金融公庫の方を通じて六分五厘の金を出すということになったわけであります。
○内田委員 法律は生きものでありますから、法律をお直し下さればよいのです。また資金量が少いと言いましても、資金運用部資金法の第七条とやらに、いかがわしいと申しては何でありますけれども、そんなものを入れるなら当然商工中金を入れた方がましだというような、つまりそれ以下のかなり変な関係の法人も新しくお入れになって、苦しい金を供給なさっておるというようなことから見ますと、どうもあまりに商工中金というよりも中小企業者というものを冷淡視しているのではないか。午前中にも私は申し述へたのでありますが、通産省の方は中小企業の組織化——この組織化を促進するためには、いろいろ作文や、お話によりますと、やはり表面上は金融の面も組織的金融ということになるわけであります。ところが大蔵省の方は、腹の中ではきっと中小企業者あるいは中小企業協同組合というものをかわいいと思っておられるのかもしれませんが、表面上あるいはお言葉の上では逆に、中小企業協同組合というものはどうも手に負えぬのだ、ああいうものが組織して出資しておる限り商工中金というものはどうもめんどうが見にくいというような気持があられるようであります。これは議論をしても仕方がありませんが、今日中小企業という問題は、日本の八千九百万人という人口をささえる意味におきましても、また五ヵ年計画を達成する上におきましても、余剰労力というものは、農村は一ぱいでありますから、中小企業というものを振興させて、そこに吸収、包含する以外にないのであります。そうしない限り、必ず国が乱れくずれるのでありますから、通産省のみならず大蔵省の諸君も、ぜひ一つ歩調を合せて、中小企業というものは大切であり、決して等閑に付せられないということを十分御銘記を願いたい。社会党の諸君がいない間に言うわけではありませんが、中小企業というものは今日の国内の国民組織の上から申しましても、これを保守につけるか、革新につけるかという一番大切な階層であります。ぜひ一つ今日の保守党政府に職を奉ぜられる公務員の諸君におかれましても、おれは保守党の公務員であるという見地から、中小企業者を保守党の国民層につけるという見地からも考えてもらわなければならぬことであると思います。 それはそのくらいにいたしまして、先ほど同僚阿左美委員から大臣に御要求のありました点につけ加えて申しますと、要するに阿左美さんの大臣に対する明確な答弁を要求しておる点は、こういう点であると思います。つまり今度の十億円を金融公庫から商中に回すということはけっこうなことでありますが、それを六分五厘という資金運用部資金法によって、そのままトンネルで回すということは、何らそういうことは法律にも約束されていないし、だれが考えたか分らぬことじゃないか、要するに政府は金融公庫に金を入れまして、ことしは御承知のように百四十五億円入れるのです。そのうちの十億円を商中に貸すのでありますが、一たん金融公庫の金になりますと、金融公庫の資金コストというものは決して六分五厘ではないので、阿左美君も指摘されておりますように、半分はただの政府出資が入っておりますから、平均資金コストは三分二厘五毛であります。従って金融公庫の金を商中に貸すとおっしゃる以上は、金融公庫の資金コストの平均率でお貸しになるのが当りまえではないか、つまり六分五厘じゃなしに、三分二厘五毛で今度の法律による十億円を商工中金に貸してしかるべきではないか、一歩あるいは十歩譲りましても次のようなことが言える。すなわち金融公庫というものは今自分で貸し出せば九分六厘で貸し出せるのであります。その中には四分三厘という代理店手数料が入っておりますから、金融公庫のふところに入ってくる金は九分六厘マイナスの四分三厘でありますから五分三厘になるわけであります。従って少くとも十歩、百歩を譲っても五分三厘でこの十億円を商工中金に回してやっても中小企業金融公庫は何らの損はないじゃないか。もし自分で貸すとしたならば、中小企業金融公庫のふところへ入っていくのは五分三厘でありますから、そこで大臣の親心をもう一歩二歩お進め下すって、幸い今回の法律案にはこの十億円の条件が何も書いてございません。政令できめるとも書いてございませんから、十億円回すことも大いにけっこう。そこで貸す条件としては、これを三分二厘五毛で貸すか、あるいは五分三厘で貸すかということでおきめをいただけないか。そうするならば、おそらくここに商工中金の理事の方もお見えでありましょうが、その金にはできればひもぐらいつけて、そうして中小企業金融公庫と同じような条件、九分六厘なら九分六厘で貸すことができるかもしれません。かたがたその商工債券の引き受け条件もすでに一回改善されましたが、来たる四月からはさらに改善の兆が見えておりますから、商工中金の方の資金コストもずっと下って、石橋さんの大臣御在任中に、商工中金の資金コストは一割以下になるということで、国民はさすがは石橋通商産業大臣であるということにも相なるわけだと思いますので、ぜひ三分二厘五毛で貸すかあるいは五分三厘で貸すかということも、なるほどごもっともな考え方である、あるいはうちへ帰ってよく相談をしようという御返事を期待するわけでございますが、いかがでございましょうか。
○石橋国務大臣 商工中金の金利をできるだけ下げたいということは、前にも申し上げた通りで、商工中金の債券の発行については、今市中金利の下ったことに応じて引き下げ得るような方策を何とか講ずるようにということを大蔵大臣と相談しております。ですから今のお話もできることでありますか、できないことでありますか、とにかく今ちょっと直ちにできますとも、できないともお答えできませんから、いずれ研究をいたしまして、できることであるなら実行いたしたいと思います。
○内田委員 大いに大臣を激励申し上げます。
○阿左美委員 ただいま同僚内田委員からいろいろ懇願をいたしましたが、私もなおお願いを申し上げたいと思うのであります。 ただいま五分三厘にしていただきたいということは、私はそう御心配はなくともでき得るんじゃないか。これは公庫そのものとしても、私は別段御異議はないと思うのであります。そうして実収入は何ら公庫においても変りませんし、また政府におきましてもこれはでき得ないことではないと思うし、そう大した御心配はないと思いますから、これだけは一つ明確な御答弁を願いたいと思います。必ず御意見通り五分三厘にはやる、一つこういう明確な御答弁を願いたいと思うのであります。その他のこともいろいろ注文はありますけれども、これはいろいろの手続もありましょうし、また御研究もいただかなければならぬと思いますが、九分六厘で公庫が貸しておるのですから、そのうち四分三厘というものは手数料に支払っておるというのですから、その手数料を引きまして、五分三厘というもので中金に貸すということになれば、むしろこれは大口に貸すのですからもっと安くしてもよろしいのではないか。一般の金融の扱いは大口は金利が安いということが常識なんで、むしろ十億円という金を大目に五分三厘で貸すということは公庫としても非常に御都合のいいことであって、これに対する反対とか、これはできないとかいう理由は私はないと思う。どうか一つ、これは実際中小企業の立場からのお願いでございますが、今日大臣から、確かにそれはごもっともであるから、今日から五分三厘に取扱いをいたすという明確な御答弁を願いたい。
○石橋国務大臣 商工中金に代理貸しをさせるという考え方を持てばお話のようにできるわけであります。そうすると法律関係も出て参るだろうと思いますから、なお一つ研究しまして……。きょうやれますとはちょっとどうも……。
○阿左美委員 どうもまことに私どもの気持が大臣に通じないで困っておりますが、でき得ないことは私はないと思うのです。どうか一つこれは特別にお考えいただきまして——何と申しましても中小企業というものは、先ほど内田委員もいろいろ申し上げました通り、今日重大なる危機に直面しておるのでございまして、たとえばそういうふうな施策が政府において講じられるというだけでも、気持の上において非常に意を強うするような状態でありますから、もし今日どうしても御言明ができないということになれば、一つ大蔵省の方ともよく御相談を願いまして実施されるようにお願いいたしまして、私の質問を終ることにいたします。
○神田委員長 次は中崎敏君。
○中崎委員 先ほども要求しておいたのでありますが、大蔵関係の相当偉い人でないと、相当問題がありますので、私の偉い人というのは最高の権限を持った人であるということをはっきりしておきたいのであります。
○神田委員長 中崎君にお答えいたします。御要求の資料はもうすぐお手元に配付ができると思います。 それから御要求されました政府委員は、今大臣に交渉いたしております。政務次官は参議院の決算委員会に前約で出ておりまして、どうも動きがつかないようであります。理財局の堀口資金課長、銀行局の加治木特殊金融課長が参っておりますので、一つこの辺で間に合うところを続行願いたいと思います。銀行局長も理財局長も病気で休んでおりますから……。
○中崎委員 私の申したいのは、最低局長でないと、ただ単なる一課の所管事項だけを聞いておるわけではございませんので、相当責任のある答弁を要求しておるのです。従いまして私の質問しますのは全部といっていいくらい大蔵省の最高の施策に関係ある問題でありますから、私はまず第一に大蔵大臣の出席を要求したいのであります。この点につきましては大蔵大臣なかなか忙しいと見えますが、一面においてあまり通産行政の中の中小金融についてはわれわれから見て深い関心がないのじゃないかというふうな気持もするのであります。至って不勉強で、この委員会にもいまだほとんど出席しないという状態でありますので、この重要な法案を審議する段階でもありますから、大蔵大臣の出席を一つ委員長から特に督励御鞭撻をお願いしたいと思います。
○神田委員長 承知いたしました。 それでは加藤清二君。
○加藤(清)委員 午前の質問が時間の関係上留保になっておりますので、私は午前に引き続いて承わりたい。ほんの少々の点を一つここで明確にお答え願いたいと思います。午前にも申し上げましたが、第一に中小企業金融という問題につきましては、大体この法律通り実行されていないという問題が一つ。それから貸し出しを容易にしてもらいたいということ。それから金利を安くしてもらいたい。貸し出しの量、つまり扱い金額の量をふやしてもらいたい。これがもう中小企業者の一斉に言うところでございます。そこで先ほど内田委員から法律の内部からながめてお尋ねになりましたので、私はこれを外部からながめてお尋ねしたいと存じます。 まず第一点は農林中金、大臣さっきあなたは農林中金と農林漁業金融公庫との区別がごっちゃになっていたようですが、そうじゃないのです。私の質問は農林漁業金融公庫と中小企業金融公庫との比較において、比較にならないほど、金利の点においても期限の点においてもあるいは金額の点においても大きな相違がここにございまするが、これは一体どういう点から生じてきているか。それを直す気があるのかないのか、直すとするならばいつの時期に直すか。こういうふうに私は事こまかく御質問したのですが、それがまだ十分答えられておりません。そこでその点をまず一つお答え願いたいのでございます。
○加治木説明員 農林漁業金融公庫の金利が、かつて補助金から変ったもの等を内容といたしまして、多分に政策的な金利といいますかそういう性質のもので、必ずしも原価計算的に金利水準がはじかれたものではないのであります。しかしもちろんそういう金利を前提としまして、独立採算可能なように、今までは出資の量をふやすというような貸出金であれば六分五厘、出資であればもちろん金利はとらないわけでありますが、中小公庫とその意味においては同じ条件でありますが実質的に出資の量をふやすということで、そういった安い金利でも採算がとれるようにやっておったのであります。ところが最近御承知のような情勢でありまして、出資に多くを仰ぎ得ないようなことになりまして、現在では出資と貸し出しの割合は中小公庫と農林漁業金融公庫と大した差は出ておりません。従いましてこれと同じような状態が続いた場合に、農林漁業金融公庫が果して採算がとれるかという問題はこれから出てくることになります。その点には触れないことといたしまして、もう一つの点は、御指摘になったと思いますが、代理店手数料は九分六厘の四〇%程度でありますから、中小公庫の場合には手取り三分七、八厘になると思います。甲と乙とを平均いたしますと、乙の方がずっと安くなります。それから農林漁業金融公庫は平均しますと一分八厘くらいになっておると思います。これは扱い金額の多寡によって、たとえば三十億以上ですと一分、それから平均しますとちょうど二分前後になっております。これはわれわれの方で適正な手数料というのをはじいてみたのでありますが、農林漁業金融公庫の資金を扱う場合と中小企業金融公庫の資金を扱う場合とでは、適正手数料をはじく場合に若干条件が違っておるのであります。一応中小公庫の場合は、甲種だけをとりますと、甲種は代理店のリスクの負担、保証割合が八割であります。中小公庫は従って二割ということになります。ところが農林公庫の場合は全然逆でありまして、農林公庫の負担割合が八割で代理店の方は二割であります。従って、手数料の中には当然代理店のリスク負担分も含まれておるわけでありますから、この点が違って参ります。それから貸出経費は、中小公庫は現在最長三年、行く行くは延ばすようなことを考えておりますが、現在はそういう制度になっております。平均して二年くらいになっておりましょうか。農林公庫は平均しますと十年くらいになっております。もちろん貸出期間を延ばすべきだという御意見もあるようでありますけれども、その現状を前提にいたしますと、貸し出しは、年率に直しますと、十年に一回の経費をかける場合と三年、二年に一回の経費をかける場合とでは年率のパーセントとしては貸出経費率が下って参るわけであります。従って今申し上げたように、農林公庫の方は、代理店の危険負担部分が中小公庫の場合よりも小さいということと、貸し出しの経費率が年率に直しますと小さくなる、こういった関係で今言ったような差が出ておるのであります。われわれの方で理論的に計算いたしますと、大体今のところ権衡はとれておるというように考えております。 〔「名答弁」と呼ぶ者あり〕
○加藤(清)委員 そのメイ答弁のメイは少しどうかしておるメイなので、あなたはほとんど相違がないと抗弁しなさるから、私は相違があるという証拠を見せます。まず第一番に、中小企業金融公庫と農林漁業公庫の期限を調べてごらんなさい。法律によりますると——これは私が岡田中小企業庁長官とその下におられた石井振興部長と一緒に審議して作った法律だから、もう暗唱しておるのです。そのときにどうだったかというと、五年じゃ短か過ぎる、だから農林公庫と同じようにもう少し延ばそうじゃないかといったら、当初はこういうことにしておいてだんだん直せばいいじゃないかということでそのままになってきておる。最高が五年ですよ。そして先ほど公庫の総裁がお答えになったように、平均が三年以下なんです。ところが農林漁業の方はどうかというと、据置期間が三年か五年ですよ、読んでみましょうか。十五年、二十年、二十五年、十五年とずっといきまして、あなたのように算術平均をやりますと、平均は大体十八年余になっておる。ところが片方は据置期間のうちにもう払ってしまわなければならぬという状況なのです。期間からいってもこんなに違うのに、ハンディキャップがないなどという議論はどこから出てきますか。 それから金利を考えてみたって、途中の操作はどうなっておるか知らぬけれども、支払う方の身になって考えてみなければいかぬ。問題は支払う方の金利が問題なのです。そこで支払いの金利は、中小企業金融公庫の場合は法律では七分五厘でよろしいということになっておる。要すればそれがほとんど一割で、それにプラス・アルファがつくのですよ。うそじゃない。そこへ中小公庫の方が見えているから聞いてごらんなさい。中小公庫の窓口で一ぺん借りてごらんなさい、どういう勘定が出るか。これは県の信用保証協会の保証をとって見えましたかと聞かれますよ。とってこようとすると、四分五厘ぴんとはねられます。だから一割で足りなくて、プラス四分五厘程度になってしまうということなのです。ところが農林漁業の方は平均七分五厘なんだから、それでもあなたはハンディキャップがないとおっしゃるのですか。具体的に言って下さい。それでそういうハンディキャップなしで貸してくれるということならそんないいことはないのですから……。あなたの答弁通りだったら何の言うこともない。
○加治木説明員 私先ほど申し上げましたのは、かりに原価計算的にやる場合に、中小公庫と農林公庫では資金源を政府からもらっている。これは原価計算からいうと大して差がないようになっておりますので、単純に算術平均いたしますと、代理店手数料が中小公庫の場合は四分くらい、農林公庫の場合は二分ちょっと切るようなことになっております。この点どうしてそういう差異が生じたかということを御説明申し上げましたのです。その場合、農林公庫の方が一つは貸し出しの経費率が安くなる、というのは、農林公庫の方は六年以上の貸し出し、中小公庫の方は三年以下であります。従って貸し出しの経費を年率に直しますと農林公庫の方が平均が下る、十年に一回、三年に一回の貸し出しの経費でありますから、十分の一と三分の一という差が理論的には出てくるわけであります。これは言い過ぎでありますが、まあそういう意味で申し上げたのであります。もう一つは、中小公庫の場合は、甲種の場合に代理店が八割保証する。ところが農林公庫の場合は八割は農林公庫が負担する、代理店としては二割しか危険を負担しないわけです。従って、甲種だけを申し上げますと、代理店の危険率部分に相当する手数料部分は農林公庫の方が安くていいということになるわけであります。そういった関係で一方が代理店手数料二分程度、一方が四分程度であるというのは、大体そう不権衡でない、こういう趣旨の御答弁を申し上げたのであります。
○加藤(清)委員 そこで今度は大臣にお尋ねしますが、問題は、同じような性質の政府の金が出ているこの両公庫が、末端に参りますると、中小企業の方はたくさんな金利で払われて、農林の方は少い金利で長いこと借りられる、こういうことでございまするが、それが短くてもなお有効に使われるという短かさの程度であり、金利が、ほかの金融機関、市中銀行と比べてみてこれが安いのだという答えが出ていればよろしいですが、その期間は中小企業者が借りた金を返却するに当って、あまりにも短か過ぎるので非常に難渋しており、それから金利の点においては市中銀行と比べてみても高いという答えが出る。これに対して、何とか改善してもらいたいという声が町にほうはいとして起っておりまするが、大臣としてはどのようにお考えで、どのような御努力をなさいますか、お尋ねします。
○石橋国務大臣 私も、中小企業に対する金融はできるだけ豊かにすると同時に、低金利にしたいという念願においては、決して加藤君に劣るものじゃありません。しかし、さっきからお話の農林漁業との相違というのは、一つは仕事の相違にもよるだろうと思います。仕事が、一方の中小企業の方は、相当危険性を持っておる商工業であるし、片方は土地とか何とかいうものに定着しておる仕事だということもあるのじゃないかと思うのです。ですから、これはできるだけ中小企業の金融をよくするということに努力する以外に道はないのでありまして、今すぐにそれを農林漁業と同じにしろ、こう言いましても、いろいろの歴史もありますし、仕事の種類も違いますし、これは、できないだろう。できるだけその方へ接近するように努力するということ以外にはないと存じます。
○加藤(清)委員 言葉を返すようで悪いですが、なるほど農業は土地に定着している。中小企業は握り分散という危険もある。だから金利が高い、一がいにそうおっしゃいますが、そうでない部面もあるのですよ。同じ農業でも、種を作るとかあるいけ森林伐採とか等々、私ここにも持ってきておるのですが、森林伐採のあれでさえも年間四分五厘で、総体の金利が四分五厘で二十五年間借りられるようになっておる。だから一がいにそうは言えませんが、大体あなたがおっしゃることは額面通り受け取るとして、そこでそういう方向に大臣が努力するとおっしゃいまするならば、一つどうしても承わりたいことがあるが、現在の法律を十分に活用してさえもなお期限が少い、金利が高い、こういう結論なんです。にもかかわりませず、その取扱いの当面の公庫側や窓口側は一体どのような方向に借り手の方を導いているかというと、三年借りたいというところは二年にしておきなされとこう言う。そんな県の信用保証協会の裏づけなんか必要ない。なぜかならば三倍くらいの担保を取るのです。それでもなお保証協会へ行つて保証してきてくれ、こう言う。つまりすでに前提条件が悪いということがわかりつつも、なお法律の最大限を生かさずに、そのワクをかけられた法律を一そうワクを広げようという傾向が窓口で行われておりまするが、これについてはただいま御臨席の大蔵政務次官が当委員会のまだ理事でいらっしゃったころからも再三おっしゃったことなんです。それがまだ依然として今日このままの状態であって、今度あまつさえせっかく中小企業金融公庫にもらった十億の金をよそへ貸そうじゃないかという法律を今ここで通そうということになっておるが、それで果して中小企業が救えるとお考えでございますか。まず公庫の総裁の方に、そういう傾向を是と考えていらっしゃるのか、また是でないとするならば、何がゆえに短かい期限を一そう短かくし、高い金利を上そう高くしなければならないのか、その点を一つとくと納得のいくように御説明願いたいのでございます。
○坂口説明員 ただいまお話のございました金利の点につきましては、将来なるべく低くなりますように私どもも努めたいと存じます。それから期限の点につきましては、午前中も申し上げましたが、原則五年でございまして、七年のものもございますし、長いのは十年のもございます。またこれから先、期限につきましてはさらに実情に合ったように延ばしていきたいという感じはいたしております。それから貸付の条件等につきましても、これから私どもの公庫の方針としては量的の補完のほかに質的の補完にも進みまして、大体御趣旨のような方向に進みたいと考えております。
○加藤(清)委員 今の答弁だけでは将来が案じられます。そこで先ほど大臣の答弁にも中小企業庁の長官の答弁にもございましたが、商工中金も中小企業金融公庫も現在の法律の最大限を行うのでなくして、押えつけられておるこの法律を一そう押えつけて、その内輪の操作をやろう、それが何といいますか慢性的になって、それが普通のことのように行われている。いわば裏口営業が正式な貸し出しのスタイルのように一般に行われておる。だから先ほどのような答弁が行われておるわけでございますが、将来この状態をどうしようとしていらっしゃるか、中小企業の長官にも一つこの際承わっておきたいのです。
○佐久政府委員 従来の関係はいろいろむずかしい状況がありました。たとえば資金量として全体的に非常に足りない。なるべくよけいなものに均霑させようと思うと若干期間を短縮するというような弊害もあったと思います。今後資金量もできるだけふやすようにいたしますし、貸付の期間もできるだけ長くするようにしたい、かように考えております。
○神田委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○神田委員長 速記を始めて下さい。
○加藤(清)委員 私はたくさん質問がありまするが、同僚議員が早うやめておけ、早うやめておけとおっしゃいまするので、なるほど待つ身のつらさということもあるでしょうから、私はもうこの一点でやめます。やめますが、最後の一点だけはよく聞いてもらいたい。それは今日御承知の通り、市中金融の金利というものは上る傾向でなしに、下る傾向にある。これは大蔵大臣が再三述べているところです。すべての金利を下げようという傾向になり、また事実それが行われつつある。市中金融は三銭くらいから二銭八厘、二銭八厘から二銭六厘と下り、今や二銭四厘なら、歩積み両建をやらなくとも借りられる、こういう状況になってきておるわけでございます。さてその際に中小企業金融公庫、政府が安い資金源で行なっているものが、末端では高いということになりますると、この問題は私の質問が終っただけじゃ済まぬと思う。特に商工中金の金利が日歩四銭以上に相なっているということは、これは借りたい人が多過ぎても、なおあなたのところの資金がだぶつくという原因にもなるわけなんです。このままで放置しておきまするというと、政府の育てておりまする金融機関が、やがて市中金融に食いつぶされるおそれなきにしもあらずだ、こう心配されるわけなんです。そこで先ほど来承わっておりますると、期限の点においても、金利の点においても努力するとおっしゃっておられまするので、いかように具体的に御努力をなさいまするのか、近き将来においてどのような具体的措置がとられようとしているのかを承わりたいのでございます。 まず第一番に、たとえば商工中金の資金源である金融債を、投融資に切りかえるとか、一般会計から持ち出すというような措置が予算面でとられておるかいないか、どうもいないようでございます。そうなりますると、企業努力でということになるでございましょうが、企業努力の範囲で金利の引き下げを行なったら、一体どの程度行われまするかを両公庫及び金庫の代表者に承わりたいのでございます。どの程度内部の企業努力だけで金利の引き下げが行えるかということでございます。それとも企業努力ではどうにもならぬ、資金源を何とかしてもらわなければならぬとおっしゃるならば、大臣としては将来この資金源を改善する用意があるかないか、この点でございます。 それからもう一つは、窓口の四分五厘ということは、先ほどの農林漁業と比較いたしてみましても、高きに失する。なるほど危険負担が多いというお話もございましたが、この危険負担については、三倍の抵当をとっていらっしゃるのが通例のようでございます。しかもそれは、借りた金で作った設備は抵当に入らなくて、別個の抵当を取っていらっしゃる向きが多いようでございます。その上なお貸し倒れ引当金というものが、政府からちゃんと用意されておられるはずでございまするが、それでもなお四分五厘という手数料は必要なのか。今日一般市中から集めた資金源でさえも、金利を安くしましょうというやさきに、安全地帯で、この金を有効に自分の店の宣伝に使っていられる向きがあるが、私としては、宣伝に使う以上は、むしろこちらから駄賃をとってしかるべきだと思うにかかわりませず、これについて四分五厘という高利な手数料を与えていらっしゃるようですが、これを改善する用意があるかないか。もしありとするならば、どの程度、いつの時期にこれを引き下げようとなさいまするのか。これは時代の風潮でございます。決してわが党が無理を言うているわけじゃございません。そこでこの点明らかにしてもらいたい。 最後に承わりたいことは、これはちょっと差しさわりがあるかもしれませんが、中小企業金融公庫が設立をされます当時に、私どもはこの金融機関は別個なものだ。何となれば、その第一条に、過去の金融機関が融資することを困難とした対象に融資するをもって本旨とするということになっている。これを間違えて行われると、親心子知らずということになる。従って、中小企業の苦しい実態をよく心得た方方に、その業務の本山をつかさどってもらいたいんだという、これは附帯決議にその用語がついておったはずであります。さればこそ大蔵省と通産省と両方から入ってこれは構成されたはずでございますが、私が見ているところによりますと、その後ふえたのは大蔵関係の人が多いようでございます。これは一体どういうわけでございましょうか。特にこの金融機関が、一般金融の窓口のルールに従ってやられていることはいけないことであるということが、本委員会において再三論議されているにもかかわりませず、入ってこれをつかさどる方々が、自分の過去のベースで走っているものですから、どうにもここに食い違いが起きてかなわぬ。そこで私は、せめて中小企業庁の長官のような、この商工委員会で、ほんとうに中小企業の苦しみを訴えられた人が入られるといいがと心待ちに待っていた。これは私のみならず、中小企業者の全国大会の決議事項にもなっているにもかかわりませず、記内君といい岡田君といい、みなよそへ行ってしまわれる。大企業の方へ、大企業の方へと行ってしまわれる。中小企業庁の長官にしても真に中小企業のことを考えてその道へ入った人は、終戦後数えるくらいしかない。小笠公韶さんはその一人でございましょうが、だから私は小笠さんに敬意を表している。内田さんもその一人で、敬意を表している。しかし今後通産省で、ほんとうにこの実態を体験した人をこの公庫の中へ繰り入れて、ほんとうに実態に即したような運営をなさる覚悟がありやいなや。この問題については、貿易促進に関して在外公館の人員のことについても私は申し上げてみたいことがありますが、この際は、大蔵省や普通銀行関係の人とともに——それも必要でございまするが、それ以外に、ほんとうに実態に即するために、内輪から直すということは内田さんの言われた通りでございますから、そのための具体策として、中小企業に非常に研さんを積まれた方方を送り出す用意ありやいなや、この点は大臣に承わりたいと思うわけでございます。
○坂口説明員 もう少し具体的にというお話でございましたが、ただいま研究いたしておりますのは、ちょうど新年度になります関係もございますから、ただいま加藤さんのお話になりました期限の点、担保その他の貸付条件の点、この点につきましては研究いたしておりまして、期限につきましては原則として今五年になっておりますが、これは先ほども申しました通り何年か延長したものが原則くらいになるような気持で運営して参りたいと考えます。先ほども申しましたように、ただいまの実績が三年近くになっておりますが、それは初め五年というのが原則だったためでございます。これを幾らか実情に合うように延ばしていきたい。中には十年のものもあると申しましたが、期限についてはもう少し延長して参るということを一つ考えております。 それから貸付条件につきましては、御説のように私どもの公庫は普通の金融機関で融資困難なものにというつもりでこれまでやって参りまして、お話もございました通り、申し込み担保も認めますし、二番、三番も認めることにいたしておりますが、なお手続がむずかしいという非難もございますので、この条件につきましてはある限度におきましてその条件を緩和いたしまして、代理店のしんしゃくにまかしたい、あるいは窓口のしんしゃくにまかしたい、直接貸しもございますから、ある程度しんしゃくを加えて参りたいという点で寄り寄り通産省、大蔵省方面とも協議いたしております。 最後に金利の点につきましては、このたびは全部借入金という関係もございますので、これからの貸付につきましては、お話もございますので代理店手数料を約一五%程度引き下げて、来年度からやって参りたい、そういうつもりでおります。しかし金利そのものを下げますところには直ちに来年度早々からはできません。けれども、先ほども申しました通り将来引き下げることについて努力をいたしたいと考えております。それだけでございます。
○門司参考人 ただいまのお尋ねの中に、自己努力ではどの程度下げられるかという御質問がございましたが、私どもが計算をいたしましたところでは、貸し出しの面その他あらゆる面で努力をいたしましても、自己努力では日歩にいたしまして何毛程度しか下らぬ。 それから貸し出しの期間の問題につきましては、組合関係の事情、もちろん短期の運転資金もございますし、長期の運転資金もございますが、方針といたしましては当該資金の使途によりまたはその償還の能力というものを見て無理のないとこるで定めるように支所を督励いたしておるのでありますが、長期貸付につきましては、戦後御承知のように預金部の長期の低利資金というものが入らなくなって、しかも商工債券というものが一時もう出せたくなった時期がございます。そういうことで長期の資金需要であっても心ならずも短期で貸したという時期もございましたが、その後三年もの長期債が出せるようになったので、その資金源に見合った程度の貸し出しはいたす、さらにまた最近五年ものが出せるようになりましたので、これに歩調を合せまして最近では五年以上の六年、七年というようなものも逐次ふえつつあるような状況でございます。
○石橋国務大臣 公庫なり金庫なりの企業努力だけでたくさんのことができるとは思いません。しかしながら、先ほども申しましたように、商工中金の方も、わずかでありますが、政府資金は今六分五厘云々で御議論もありましたけれども、とにかくそれが出ます。それからこれは一般会計から持ってくるというわけにはなかなか参らぬと思うのであります。ほかの方法で運用部の資金を適当に回すとか、あるいは余裕金の預託を引き揚げるという方針を緩和して、ある程度資金の繰り回しを楽にする、そういうようなことでとにかく日歩にして二厘なり二厘五毛くらいの金利の引き下げをしたい。それからその後のことはさらにもっと根本的に考えなければならぬ。運用部資金などの運用をどういうふうにするかという根本問題でありますから、それはさらに検討をいたしまして、できるだけ安い資金を多量に商工中金等へ流し得るような方法を講じたい。 それから人事問題は、出身が大蔵省であるとか通産省であるとかいうことはそう影響は私はないと思う。たとえば商工中金あるいは中小企業金融公庫へ行けばやはりそこがかわいいのですから、そこで一生懸命やってくれていると思います。ですからどこから来た人だから、大蔵省から来たからえらく渋くなるというようなことは私はないと考えております。
○加藤(清)委員 今のはこういうことなんです。何も大蔵省から見えたから中小企業の実態がわからぬということを言うておるのではございません。坂口総裁も日銀関係から見えたけれども、ようわかっておっていただける。しかしやはり育ちというものは争えないですよ。それだからこそ吉田総裁でさえも毛並みということを盛んに言われた。実態が把握されていないのです。だからこちらから訴えるときに非常に時間的なロスが多いのです。これだけはあなただってよくおわかりいただけると思います。そこでこれをもっと突っ込んでいけば、公庫の本部よりも、むしろいけないのは窓口の代理店であるということが言われている。それはどうかといったら、自分の金融ベースに乗っけて貸しているから、親心子知らず、こういうことになっちゃうのです。ここらあたりの消息をあなたがよくお考え下さると、そこに実際に体験した者と体験しない者との相違というものが出てくるわけなんです。だからこそ少しでも金融を法律の精神にのっとって、ほんとうに実行に移してもらうようにするためには、実態のよくわかった人を一人でも多く繰り込んでもらう、あるいはときどき交換するというような工合でもいいと思いますが、そのようにされることが一そうこの金融をスムーズにし、ありがたみを中小企業に施すゆえんではないか、私はそう思う。思うだけでなく事実だれしもそういうことを言うのです。だから大臣にこの際奮起をお願いしたい、こういうことなんです。その点一つ御考慮に入れて今後善処していただきたいと思うわけでございます。
○石橋国務大臣 御説は十分尊重してやります。
○神田委員長 この際お諮りいたします。ただいま議題になっております三法案のうち、高圧ガス取締法の一部を改正する法律案につきましては、他に御質疑もないようでありますから、質疑を打ち切ることに御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○神田委員長 御異議なしと認めます。よって質疑は終了することにいたします。 次は中崎敏君。
○中崎委員 中小企業の金融に関する問題はきわめて重要な意義を持つものでありますので、この問題につきまして私は大蔵大臣の出席を要求しておるのでありますが、まだ大臣は見えないようであります。委員長から出席されない理由を一つお示し願いたいと思います。
○神田委員長 大蔵大臣は今賠償の会議に出席しておりまして、どうしても時間に間に合わないというので、山手政務次官が出席しております。
○中崎委員 今中小企業に関する問題は、通産省といたしましては一応の熱意を持っておると認められますけれども、大蔵省の共管事項となっております関係もありまして、ややもすればこれが冷や飯を食うと申しまするか、軽視されると申しますか、十分に考慮が払われていないのではないかというふうな気持を持つものであります。そこでまず通産大臣にお伺いしたいのでありますが、本日からの論議を通してみましても、政府全体としての金融のあり方が、まず第一に通常の市中銀行を中心とするところの民間の金融機関に対しては最も寛大である。恩恵にあまりになれ過ぎておるとでも申しますか、そういう状態であるが、これに続いて農林中金、農林関係の金融、一番冷や飯を食って冷遇視されているのは中小企業に対する金融であるというふうに考えるのでありますが、通産大臣この点はお認めになるかどうか、お聞きしたい。
○石橋国務大臣 どういうのですか、別段市中銀行に特別の恩恵をたれているようにも見えません。それから農林中金と中小企業金融公庫との間には、先ほど政府委員から説明もありましたように、いろいろ歴史的の事情もあり、事業の上の事情もありまして、現在結果においてある程度の差があるということは事実でございますが、しかしながら最近は実は中小企業金融公庫などに対して、今までから見れば、相当手厚い資金の供給も行い、いろいろの便宜も与えるような努力を政府全体としていたしておると考えております。
○中崎委員 いわゆる官僚のなわ張り争いと申しますか、まず普通の市中銀行を中心とする民間金融機関は、これは大蔵省の直接管轄の金融機関であります。勢い金融について一番大きな力を持っておるところの大蔵省は、そのほかいろいろの政治的な意図といいますか、これは長い間にわたってあるということはいなめませんが、これはしばらくおくといたしまして、いずれにいたしましてもいわゆる嫡出子といいますか、きわめて大切に温存しておるということが言えるのでありまして、先ほどの本会議におきましても、いわゆる租税特別措置法等によりまして、民間の金融機関に対しましては税の減免等について、相当思い切った措置が講じられております。 〔委員長退席、小平(久)委員長代理着席〕 一面においてたとえば中小企業金融公庫の場合におきましても、四分五厘に及ぶ膨大な手数料を払っておる。これに対して農林中金あるいは農業協同組合等に通ずるところの農林金融については、中間的なものであるのでございますが、約三倍も民間の金融機関に対して莫大な手数料を与えている。それでこれは一体どういうことに基因するかといえば、先ほどの銀行局の課長からの話によると、一面において資金源の問題であり、一面においてリスクの問題であるということを言うております。ところがまずここで聞きたいのは、一体中小企業金融公庫から普通の金融機関を通じて貸し出したもののリスクは今日どの程度になっておるか、言いかえれば貸し倒れ、また未回収のものがどういう状態であるか、これを数字をもってお示しを願いたい。
○加治木説明員 中小企業金融公庫の代理貸しの部分だけの具体的なリスクの統計は残念ながらないのであります。それから現実に発生したリスクでなく、今税法上、たとえば中小企業でありますと、年間千分の十五までの貸し倒れ準備金の積み立てが認められております。こういったものを勘案しまして、かりにそういった制度が合理的であると考えた場合に、私の方はこういう作業をしてみたのであります。いろいろはじき方については問題があると思うのですが、一応各金融機関の償却前利益、決算した場合に出てくる償却しない前の利益と償却した後の利益との差額、要するに償却額というものを算出して、これを現実に発生したリスクなりあるいは将来発生すべきリスクに備えるということで見ましたら、大体今の要償却額は、地方銀行等金融機関によって違いがあるが、大体一%前後であります。
○田中(武)委員 議事進行について。国会法によりますと、委員会の成立定足数は二分の一と称しておりますが、ごらんの通りの状況であり、ことに与党の諸君は数名しか出ておらない、しかも時間は四時半にもなっておりますので、本日はこれで散会せられまして、明日あらためて定足数をもって開会されんことを希望いたします。
○小平(久)委員長代理 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○小平(久)委員長代理 速記を始めて下さい。 本日はこの程度にとどめます。次会は明七日午前十時より開会することとし、これにて散会いたします。 午後四時三十一分散会