社会労働委員会 第52号
- 発言数
- 24 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/06/02
会議録
○藤本委員長代理 これより会議を開きます。 都合により委員長が不在でありますので、私が委員長の職を行います。 労使関係、労働基準及び失業対策に関する件について調査を進めます。発言の通告があります。順次これを許します。井堀君。
○井堀委員 きょうは公報で午前十時に委員会の招集の成規の手続をとっておるわけであります。ところが午前十時になっても委員長はおろか与党の理事の諸君も顔を見せぬという状態なんです。ことにきょうは、あらかじめ理事会で話し合いが成立して、労働大臣の出席を求め、労働関係に対する質疑を行うということになっておるのであります。しかるにただいまもう十二時を過ぎてようやく開会して、しかも労働大臣の出席がまだ行われていない。こういう状態で一体正常な国会の運営と申せるのでありましょうか。ことにわれわれの留意しなければならぬことは、議会政治、ことに民主主義のもとにおける議会政治は、政府並びにその多数党である与党が責任を持って、国会の運営を行わなければならぬことは申すまでもないのであります。もしこの責任政治がじゅうりんされたり軽視されたりすることがありまするならば、これは議会政治それ自身が成り立たなくなる。しかも十時といえば決して早い時間ではありません。会期はあと一日です。それも長期にわたる会期の延長を行なっておるのであって、会期の延長は、かりそめにも国会法に規定された常会の期間というものは容易に延ばすことを許されない建前をとっておるのであります。しかし院議によって一応会期は延長されたのでありますから、その是非は今論じないのでありますが、一日会期を延長することによって、日本の苦しい財政の中からきわめて巨額な経費を必要とするのであります。ひとり財政上の負担を強要するだけではありません。そのために国政は一方に片寄って、行政上の能率を阻害することも言うまでもないのであります。ただ与党や政府の御都合主義で延期を許さないという国会法のきびしい規定は、国費やあるいは国の行政上に重大な支障を来たすから、会期を厳然と法律によってきめてあることは申す衣でもありません。その会期を多数によって反対があるにもかかわらず押し切って、会期の延長を行なったのは、議長が、会期延長のその期間において、しかも与野党の理事会において申し合せて招集された委員会が、この醜態は何事です。この責任をとらぬような無責任な政党やまた政府の閣僚が出席を約束して、聞くところによれば昼寝をしておる、何事です。こういう状態が国民の信頼を得るような政党政治やあるいは責任を持つ政府のあり方でないことは申すまでもありません。まことに遺憾しごくでありまして、委員長代理を勤めておられます与党の理事は、このことを政府にも厳重に一つ申し入れをしてもらいたい。あるいは委員長に対しても責任ある処置を、今後もあることでありますから、厳重に警告されんことを要望いたしておきます。 私のお尋ねしようとする問題は、雇用の問題と未払い賃金、債権問題を中心にいたしまして、政府にただしたいのであります。時間を空費いたしましたことを芸ことに遺憾と思うのでありますが、一応私の質問しようとする点につきましては、会期もすでに余すところ一日でありますので、この会期中に政府が国会に約束をいたしました事柄の実施経過についてお尋ねをすることと、さらにその答弁を伺って、今後国会に長時間行政上の仕事をとられておりましたものを集約されて、国会で議決されました、あるいは国民の意思を行政の上に反映していただきますために、いささか要望があるのでございまして、なお来たるべき国会には、それを法律案その他の方法で提案もしくは報告をしていただきたいために、質問を試みたいと思うのであります。 今伺いますと、労働大臣が午後御出席の予定だそうでありますので、はなはだ遺憾でありますが、それまでお待ちすることにいたしまして、その節また質問いたします。
○藤本委員長代理 ただいま井堀委員からの御発言の御趣旨は、私も非常に傾聴いたしました。国会の審議が正常なルールによって進み得るよう与党も野党も大いに努力いたすべきだと思っております。御要請の点は委員長その他にお伝えいたします。 午前中はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午後零時十一分休憩 ————◇————— 午後一時四十分開議
○佐々木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 公立病院運営に関する問題について調査を進めます。 この際お諮りいたします。本問題に関し、全国都道府県立病院協議会事務局長の尾口平吉君及び岩手県医務局次長の杉田一忠君の両君を参考人として、御意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐々木委員長 御異議なしと認め、そのように決します。 この際参考人の方々に一言申し上げます。本日は御多用中御出席下さいましてありがとうございました。最初に御意見を述べていただき、後刻委員よりの質疑にお答え願いたいと存じます。ただ議事の整理上、御意見をお述べ願う時間は約十五分程度にお願いいたします。なお念のため申し上げておきますが、参考人の方が御発言なさいます際は、委員長の許可を御なければなりませんし、参考人の方は委員に質疑をすることはできないことになっておりますので、以上お含みおき願います。 それではまず尾口参考人にお願いいたします。
○尾口参考人 全国都道府県立病院協議会の事務局長尾口平吉でございます。本日私どもの意見をお聞き願える機会を得させていただきましてありがとうございました。 医療保健制度を推進いたしますためには、社会保険その他の医療の公費負担制度を改善することはもとより必要でございますが、同時に医療機関の整備、医療機関の運営の改善を行わなければならないと存じます。この二つはちょうど車の両輪のような関係にあるのじゃないかというふうに考えますが、現在は健康保険の赤字問題もからみまして、社会保険の問題はいろいろと政治的に論議されておりますが、病院自体の運営という問題につきましては、ほとんど政治的な関心が払われてないというふうに私ども考えるのでありまして、ぜひこの問題につきましてもお取り上げのほどをお願いしたいと思うのであります。 まず医療機関の整備につきまして、わが国の医療機関は昭和二十三年五月の医療制度審議会の答申に基きまして、医療機関の整備拡充方針、それから医療法に基き、医療審議会によって審議決定された計画で、現在整備が進められておると思いますけれども、現在の整備の状況につきまして次の点を改善していただきたいというふうに存じます。 第一は、現在病院の整備費というもの——病院を一つ建てますのには巨額な資金を要します。特に医学の進歩、それから病院管理水準の向上によりまして、非常に多額の資金を要するのであります。最低一床当り、一つのベッドを作るのに五十万程度の資金を要します。従いまして全国的に見ます場合、この病院投下資本というものは非常に大きいものになりつつあると思うのでありまして、効率的にこの資本を使っていくということは、国民経済上も、また医療費の低下をはかる上からも必要なのじゃないかと思うのでありますが、現状は非常にこれが乱立し、競合しておるというような事態が、官公立病院自体に見受けられるのであります。その例は鉄道、逓信、労災、厚生年金というようなところで、どんどん勝手に病院を作っておる。そこにりっぱに地域病院があるのに、その近くにそういう職域病院ができていくという状態でありまして、明らかに二重投資でございます。それらを強力に統制し、そして一定の計画に基いて、最も効率的な病院の整備を行うという方向に切りかえていっていただきたいと思うのであります。そのためには、官公立病院だけをまず統制すれば、現在私立病院では病院が実際問題としてふえておりません。先申しましたように、一床当り五十万円もかかりますので、私立病院に資金を投資いたしましても、とうてい資本剰余は上ってこないわけでありまして、従って官公立病院だけがふえておるというような実態であります。従いまして、官公立病院にそういう強力な計画化を行いましたならば、最も効率的に病院整備ができるのではないかと思うのであります。それから病院の整備につきましては、あくまで病院という本質からいいまして、地域病院を主体とすべきであると思う。その地域の人は職域のいかんを問わず、病院を利用できるというところの考え方が必要じゃないか。職域病院を作りまして、その地域の一部の職域の人を見るということは、非常に不経済でございます。そのためには、職域的な病床ももちろん必要は感じますが、それは地域病院に付設すべきではないか。地域病院の主体はあくまで公的医療機関だと思います。都道府県立並びに市町村立の病院、そういうものが中心であるべきだと思いますので、それらの病院に、たとえば鉄道とか逓信というような病院は、そこの病院に病床を併設するということの方が経済的ではないかと思います。鉄道、逓信等は続々とりっぱな病院を建てておりますが、これの利用率は非常に少い。一つのレントゲンで、百人で使えるものを十人しか使ってないということは、その原価も非常にかかっておるわけでありまして、しかも地域の人たちに全部開放してやったらどうかということになるのでありまして、公立病院はあくまでも地域の病院を主体とすべきであるというように考えるのであります。 それから整備計画の基礎条件となっております診療券の問題でございますが、現在の診療券は保健所という行政単位をもとに設定されておるようでございますが、実際の患者の動きは行政的な範囲とは非常に違ってきておりますので、もっと実態に即した診療券調査を行い、これを再検討していただきたいということであります。同時に人口一万当りの病床数が大都市と都市と地区によって変っておりますが、最近の診療券調査に見ましても、やはり病院はその近くの人しか来ないのであります。従いまして、医療の機会均等の立場からしまして、この四十、三十、十五というような差も、もう少し縮める必要があるのではないかというように思います。同時に、農村あるいは山村であっても、相当種皮の病床を必要とするのじゃないかと考えるわけであります、それから公的の医療機関の整備に対しまして、国庫補助が若干出ておるようでございますが、非常に少い額でございまして、これをもう少し大幅に広げていただきたいということと、それからそれの起債の問題でございますが、これも額は需要の半分にも満たないような状況にあります。それで国庫並びに労災、厚生年金等の社会保険あるいは簡易保険、あるいは生命保険会社というようなところに出資をお願いいたしまして、整備基金のプールを作っていって、整備資金のプールから計画的に病院の整備資金を流すというような方法で統一願いたいと思うのであります。 次に、県立病院の運営でございますが、県立病院は二十八年の厚生省の調査によりましても、これは県立と市町村立を入れますと八百二ございます。そのうち都道府県立病院というのは二百四十五ございます。しかし二百床以上の病院ということになりますと、都道府県立病院で五十八、これは全国病院数の一三%に当ります。なお、これはその後国立病院の県営化というようなことで増加しておるはずでございます。ただ県立病院の開設年度は、私どもの調査によりますと、ほとんど終戦後のものでございまして、終戦前のものは一〇%程度であり、あとの九〇%は終戦後できたものでございます。これは医療法並びに地区住民の要望がそのように急速に都道府県立病院を作り上げていったのではないかと思うのであります。 県立病院の機能はどのようなものであるかということを考えますのに、第一に、無床地区の解消でございまして、これは無病床または病床の非常に不足している地区には、採算がとれないために病院ができないのでありますから、公的財源によって病院を作っていくというところに一つの性質があると思います。これはまた当然採算がとれないということが前提になっているということになるのであります。 第二は、高度の医療給付でございまして、そのためには、建物とか附帯設備あるいは医療機械器具が、近代医学を駆使するに十分なものでなければならないわけであります。従ってこれは採算を無視して設備を充実する必要も生じてくるわけであります。次に、専門医の充実、総合診療態勢の確立、研究の便宜供与というような機能がございます。 次に、完全看護、完全給食、完全被服給付、その他快適な環境のもとにおいて診療が行われますようにサービスを強化するということ。これらによっていわゆる高度の医療給付を行うためには、今のような条件が必要になってくるわけでございます。 次に、メディカル・センターとしての機能でございますが、これは県立病院を他の医療機関に開放いたしまして、その地区の医療水準を引き上げる、たとえばレントゲンのようなものでも病院だけで使うのではなく、県立病院のレントゲンはその地区の開業医の方たちに開放して、この方々にも使っていただくということにしますれば、開業医がレントゲンのために非常に多額な金を費し、その金を患者から回収する必要は起きなくなるわけでありまして、そういうふうに経済効果があり、医療費引き下げの面にも効果があると思うのであります。 次に、専門医師団による地区医療機関の医師能力向上のための便宜の供与でございます。それから病院管理のモデルとしまして地区病院の管理の向上に寄与するというような機能を持っておるわけであります。 次に、公衆衛生への協力でございますが、保健所だけではとうてい公衆衛生の充実は期し得られないので、県立病院はこの面にも協力態勢をとっております。 それから医療技術者の教育機能でございます。これは看護婦の養成所あるいはインターン、そういうものの医療技術者を県立病院において教育しなければならないと思うのであります。 次は、救急病院であります。 このように県立病院の機能は、一般の開業医、私的病院と違いまして、より高度の公共性を持っておるわけであります。 ただこのような機能を持たなければいけない県立病院が、現在その機能を十分に果していないというのが実態でございます。その理由は、第一に財政的裏づけの欠除でございまして、これは国の病院の財政援助、それから公的医療機関整備計画の不徹底、起債償還年限が不当に短かいというようなことによって財政が圧迫されているということであります。 次に、地方自治体の財政が非常に悪くなって参りましたので、一般会計から当然繰り入れし、あるいは一般会計で支払うべき費用を病院の収入によって支払わしている、従って普通の経営費の圧迫を来たしているというふうな事情であります。それから社会保険診療報酬の不合理、これは今問題になっております新医療費体系等にからむわけでございます。 それから、地方自治三法がそのまま病院に適用されておりますので、これが病院の経営合理化活動を非常に阻害しております。 それからいま一つは、中央の専門的運営指導の不足。県立病院は現在各県に野放しの状態でありまして、運営の基本的方針について中央からの強力なる指示というようなものが今ないわけであります。それで、県によっては非常に悪い経営や運営をやっているところもありますので、中央の専門的な運営指導の不足というのがこの機能不全の一つの理由になっているわけであります。 次に、医師給与の不適正による勤務医師の不足。これも、地方公務員法その他に縛られまして給与が不適正になっているわけであります。 次に、県立病院の現在の経営実態はどうかと申しますと、特別会計がほとんど採用されておりますが、岩手、新潟の二県はすでに地方公営企業法が適用されております。 それから整備費の元利償還、これは当然一般会計でやるべきものでございますが、現在は大部分が病院にさしているような状態になっております。 それから看護学院の費用でございますが、これもやはり一般会計によるべき性格でございますけれども、現在は病院収入によってこれを行わせているというような府県が多くなっております。その実態は、私どもの調査によりますと、百五十床未満の県立病院におきましては赤字が三・八%出ております。それから二百床未満の病院では赤字が一〇・四%、四百床未満では赤字が一五%であります。また、これは一カ所でございますからあまり当てになりませんが、四百床以上になりますとこれは黒字になっております。しかし総体ではやはり赤字が出ているわけであります。精神、結核につきましてもやはり若干の赤字を出しております。しかし、この赤字は額は少いようでございますけれども、経営の実態は、職員数を非常に少くしているということでありまして、医療法の規定する人員を配員いたしますと赤字は非常に多くなってくるわけであります。たとえば、百五十床未満のところへ医療法通りの職員を置いたといたしますと赤字は一割二分になります。二百床未満もその通りであります。病院数からいいますればこの二百床未満の病院はほとんど含まれるわけでございますが、これらの県立病院は現在医療法通りの職員を置くといたしますと、一二%の赤字を出しているという現状になるわけであります。 次に、私どものお願いしたいこれらの対策といたしましては、まず第一に財政原則の確立でございまして、県立病院の経営財源の整備費及び整備起債の元利償還、これは当然県有財産のふえることでもあり、住民の資産もふえるわけでございますので、この経費は一般会計で持ってもらいたい。それをもし患者に持たせる場合は、患者税によって財産を増加していくという結果になりますので、そういうふうにお願いしたいということ。その次に看護学院の経費の二分の一程度、これも一般会計で持つべきである。それから無医村診療所及び無床地区病院の赤字額というようなものも、当然これは行政的配慮において行われる。この県立病院の病院自体の収支ではなく、一般会計で持っていただきたいと思うのであります。これらの経費を除いたいわゆる経営費は、これは原価主義に基きまして病院自身の収入でまかなっていくのは当然だと思います。国立病院は今このような経営をなされておるようでありますが、県立病院は国立以下の非常に悪い条件のもとに経営をさせられ出ておるということになるわけであります。しかし、この整備費及び整備起償の元利償還を一般会計で持つということを要求いたしましても、地方財政が非常に窮迫しているので、どこの県でも困難な状態であり、従ってこれに対しましては、国庫補助金の増額、及びあとの方に陳情書がついておりますが、その陳情書のように、整備費起債の償還年限の延長、利子の国家補給というような方法をとっていただく以外にないと思います。 次に運転資金の融資の円滑化でございますが、今まで大体県立病院の七〇%は社会保険でございます。ですからそれは二カ月ないし六カ月おくれます。その間の運転資金の問題につきまして、今までは一般会計から一時借りていたのでありますが、一般会計の金繰りは非常に苦しくなってきましたために借りることができないので、県立病院はその意味でも非常に苦しんでおります。これを労災とか厚生年金とか、そういう社会保険の基金あるいは簡易保険の金というようなもので、政府から融資していただきたい。年間ピーク時において十億程度あればこの運転資金はまかなえるわけでありますから、それについてもそういう措置をとっていただきたいと思うのであります。次に採算規模への整備及び特殊職域病床の併設でございますが、われわれの調査によりましても、三百床以上の病院になれば一応採算的に成り立つのとありまして、そのために現有病院の整備につきましても国庫補助並びに起債を認めていただきまして、早急に採昇線へまで整備をしたいということ。それから職域病院——さっき申しました鉄道とか逓信とか、あるいは更生年金とか労災とか、そういう病院は独立して作るのではなくて、そういう病床を県立病院に併設あるいは付設していくということをやっていただきたい。これが最小の経費で最大の医療効果をおさめる道と思います。県立病院もそれによって経営上もよくなって参るわけであります。 それから社会保険診療報酬の適正化の問題でございます。社会保険診療報酬は物と技術とを分離しまして、物は原価計算方式により完全確保していただきたいと思うのであります。しかもこれは早急に改正をお願いしたい。この場合入院料につきましては、病院格差を設けていただき、医療費原価の要素の中に投下資本に対する利子及び元金の償却願等を算入していただきたい。これは電気事業等においては行われておるのでありますが、病院だけにはそういう計算方式がとられていないのでありまして、もう少しそういう点で原価主義に徹した点数制をとっていただきたいと思うのであります。 それから県立病院会計制度の改正でございますが、当然県立病院自体でも経営を合理化していかなければならないわけであります。そのためには企業会計方式を導入しなければならないと思いますが、現在、地方自治法、財政法に制約されまして、それができない状態であります。そうかと言いましても、やはり公益企業法によりますと病院の実態に沿わないという問題がございます。それで病院の会計制度を医療法の中に規整していただくなり、あるいは特別法を出していただくなりして、企業会計一本でいけるというふうにしていただいて、経営合理化をやりやすくしていただきたいと思うのであります。 次に人事管理制度の改正でございますが、地方公務員法が医師に適用されます結果いろいろの困難な問題が起きて参りますので、医師に対しては適用を除外していただきたい。必要があれば別に法的措置をとっていただきたいと思うのであります。 次に、中央指導機関の設置と開設者への指示でございます。厚生省の医務局、地方自治庁、病院開設者、病院管理者の代表によって常設の委員会を設置して、県立病院の運営及び管理改善に関しまして、強力な育成指導措置をとっていただきたい。それで現在の医療法第三十五条の規定を生かして、基本方針につきましては開設者に指示を行うようにしていただきたいと思うわけであります。 以上でございます。
○佐々木委員長 次に杉田参考人にお願いいたします。
○杉田参考人 私の方の県が、県立病院の県下の医療施設に対して占める割合が非常に多いので、私参考人としてお呼び立てになったのだと思います。 岩手県の県立病院は三十ございまして、大体県下の病院施設の四割が県立病院になっております。こういうことになっておりますのには実は沿革があるのでございまして、昭和九年ごろの凶作時代に開業医さんが岩手県に入りましても、ああいう民度のおくれている、しかも貧農の多いところでありますので、入った方も全部やめていく。要するに医療施設に全然恵まれないというところから、産業組合運動とか医療組合運動として各地に診療所ができてきて、これが農業会の病院に発展し、戦後厚生連になった。そういうのと、戦時中でございますが、例の医療団が医療施設を設けて、そうしてその医療団が解散になりまして、そのあと経営をどうするかというふうな問題。農業会病院の方は農業会の清算という問題がございまして、これらのいわゆる公的医療機関というものをすべて統合いたしまして、昭和二十五年に県立病院にしたという経過をたどっております。従いまして岩手県に参りますと、盛岡、一関、花巻の三つの都市には県立並みの病院がありますが、あとの地区は全部病院は県立病院になっております。この点ほかの県とは違う形になっております。しかしこれらの中心病院は県立病院でございますけれども、この病院の中でベッドを二百床以上持っておるのは二カ所しかないのでありまして、半数以上が百ベッド以下であります。今尾口参考人からお話があったように、百以下のベッドを持って病院を運営するのは非常にむずかしい問題でございますが、そういうことをやらざるを得ないという状況にあります。 そこで、現在の経営状況でございますが、利用料は大体年間八億五千万程度になっております。そこで施設をいろいろ改良して参りますのには、いわゆる起債、長期借入金をしなければならないわけでありますが、三月三十一日現在、この長期借入金は二億五千六百万ということになっております。そのほか運転資金として短期借入金を九千万借りておるという形でございます。これらの借り入れをやっていきまして金利を年間約二千五百万払っております。ところが、そういう状態でございますので、一般会計からも相当援助を受けなければ経営できないという状況で、三十年度におきましては一般会計から三千百七十三万二千円の繰り入れをしてもらっております。そのほかに七千万という金を無利子でもって、いわゆる繰り戻しの形で、年度初めに繰り入れて年度の終りに繰り戻すという形で、無利子で七千万借りておる、こういうような経営を余儀なくされております。しからばこれだけの経営をしておって、施設等において十分やっておるかという問題になりますが、先ほど申しましたように僻地の病院をやるために赤字が出る、そのために中央病院の施設も十分できない。このごろガン・センターを設けなければならないという問題もあるが、それに必要な深部治療機械さえも買えない、レントゲンの断層の機械、これも約三分の一程度の病院にしか配置できない、必電計等も大体半分ぐらいの病院にしか配置ができない、こういう経営状況でございます。そのほかに絶えず心配しておりましてやりたいと思っておりますのは、職員の退職手当の積み立てをしなければならないということですが、それも実はやれない。こういう状況になっておりまして、非常に経営が苦しいのであります。御承知の通り地方財政の再建整備促進の関係上、今一般会計はできるだけ繰り出しというものをやめようという状況でございます。何とか繰り出しておる金をやめようということで、これを一般会計からやかましくいわれるのでございます。しかしこの年間三千万から七千万を無利子に回してもらうということがもしもできないことになりますと、おそらく僻地にありまする病院というものは閉鎖せざるを得ない。百床以下のような病院を閉鎖するという措置をとらなければ経営はできないだろう、こう思うのであります。そういうことからいろいろ私たちが、もしもこういうことができたならばと思っていることは、先ほど尾口さんからもお話がありましたように、今政府の長期債を借りて建設等をやりますが、これには公募すなわち金融機関から借りる部分もございます。金融機関から借りる部分というのは大体償還年限五年とか七年でございます。政府のものは十年でやっておりますが……。ところがこの病院の場合は耐用年数が大体二十年平均ぐらいになると思います。大体この耐用年数に合ったような償還ができるならば——こういうことを申しますのは、実は利用料というのは公定価格でございます。ガスとか電気事業でございますと、その料金は大体償還とか利子とかを考えておると思います。病院の利用料というのは、公定価格でございます。私の方では大体保険を利用するのは九四%、先ほど尾口さんは七〇%と言われましたけれども、払の県の場合は国民健康保険が全県普及しておりまして、九四%まで保険でかかっております。ですからほとんどが公定価格になっておりまして、いわゆる利潤——という言葉を使ってよろしいかどうか、剰余と申しますか、それは非常に少いのであります。だからとうていやはり耐用年数に合ったような償還の金でなければやれない。それか短期の公募のような場合には五年とか七年に縮められるために、結局一般会計から繰り入れてもらわなければやれない、こういう問題になります。それですからこの問題は、償還期限を延ばしてもらってもいいでしょうし、金利の一部を負担してもらってもいいでしょうし、いろいろ考え方があると思いますが、起債償還の問題にはいつも苦しんでおります。それから今保険を利用する者が九四%と申しましたが、この保険の中には生活保護関係も含めて申し上げたのでございます。いわゆる一般の、全額自分で払うのが約六、七%でございます。ところがこの保険関係とか生活保護関係というのは大体支払いが二カ月から三カ月おくれになって、この間の運転資金が必要なために、先ほど一般会計から七千万を無利子で借りておると申しましたが、私の方では大体利用料は一月七千万から八千万の間になります、年間八億五千万と申しますと大体七千万でありますが、これが三カ月となると二億一千万円の運転資金が必要になりますので、七千万は一般会計から貸してもらっておりますが、あと九千万程度のものを市中銀行から借りておったということであります。そのほかは未払いになっておる。いわゆる材料、薬屋さんやもしくは給食関係の材料が未払いになる、こういう経営をしております。この運転資金の利子というものがばかにならないのでございまして、私の方は長期でなしに一時借入金の利子は年間八百万ばかり払っております。これがなかなかばかにならないので、機械類の予算が三十一年は大体一千万くらいですが、それに近い額のものを運転資金の利子で金融機関に払っておるという格好であります。こういうものは本来保険制度からくる利子なのでございまして、こういう運転資金に対する利子補給というようなものがどこかでできれば非常に楽じゃないか思っております。 それから根本的にこういうような経営になっておりますについては、いわゆる僻地に病院を持たざるを得ない。これは岩手県の特殊事情かもしれませんが、やはり日帰りできる範囲に病院を設けなければならない。しかし人口は疎である、人口密度は低いということになりますと、やはり五十くらいの病院を経営せざるを得ないのであります。そういうところには実は眼科とかそういうものを置きたくても内科とか外科だけでがまんしてもらう。婦人科も置けないという病院を設置しております。そういうところに婦人科等を置けばますます赤字が出るという経営の実態であります。そういうところから国民の医療の均等化もしくは医療の質の均等化ということを考えるならば、そういう採算のとれないような科を設置することに対しても、国民に平等な医療を内容とする意味において何らか政府が施策を講ずべきではないか。政府は無医村対策として診療所を作ることに力を入れておりますが、最近においてはある程度質を高めることが必要ではないか。そういうことになると交通不便の僻阪の地帯の病院に対しても何らかの政府の援助があってしかるべきじゃないか。県の一般会計が援助するということは、今の地方財政再建整備関係から不可能でありまして、国の方においてまず御心配願えないものかという感じがいたすのであります。 それから、先ほど尾口さんのお話にも出ましたが、やはり私の方でも心配しておる点は、あるところに病院を設置しますと、そこへほかの病院が出てくること、これが絶えず心配であります。ほかの病院と競合するということはお互いにつまらない話であります。どっちかがつぶれるというならば病院を設置してもつまらない、お互いに経費を損する。たとえば市が病院を作るというようなおそれがあるときはこっちが遠慮するとか、大体市の場合はよく打ち合せてやっておりますが、先ほど申し上げましたある特定の職業関係、たとえば会社、工場等が大きく作られる、あるいはさっきのお話の労災病院とか厚生年金病院という話が出ますが、そういうものと絶えず密接な連絡をとりながら、お互いが競合して経営が苦しくなるということはしたくないと思って努力しております。私の方もそういう努力はいたしますが、医療施設の設置についてはある程度医療施設の全国的な合理化という線から、強権的でなくて、いろいろと打ち合せ等をやって、むだのない医療施設を全国的に配置しなければならないじゃないかという感じをいたしております。 以上簡単でございますが……。
○佐々木委員長 発言の通告がありますのでこれを許可いたします。岡良一君。
○岡委員 きょうはお二人の参考人の方から地方における診療機関の中核としての都道府県病院の現状についてそれぞれつまびらかな御意見を承わって、私ども感謝にたえない次第であります。ただいまの御陳述については私どもは別に質問を申し上げるほどのことはありません。事実そうであろうということは、私ども現に地元等においてもつぶさに見聞いたしておるわけであります。たまたまこの機会に医務局次長が御出席でありますので、厚生省側からただいまの御陳述に関連をして二、三の御方針を承わりたいと思うのです。 第一点でありますが、中央における医療機関の整備に関する審議会が設けられてありますね。都道府県立病院というものについては、この審議会ではどういうふうにそのウェートを見ておられるのでございましょうか。
○河野政府委員 中央において、府県立病院をどういうふうな考え方でおるかという御質問であったと思うのでございます。医療機関につきましてもいろいろ種類がございます。診療所、病院、これは一番大きな区別でございます。病院につきましても、一般病院、結核病院あるいは精神病院といろいろな種類がございまして、それぞれにつきまして必ずしも一律的な考え方ではいけないのじゃないか、かように考えるわけでございます。それぞれにつきまして特色を生かした整備ということが考えられなければならないと思います。従来考えられております線を簡単に申し上げますと、診療所につきましては、これは大体私立医療機関と申しますか、そういったものでまかなわれておるのが従来の現状でございます。大体におきまして、それはそういった方針で参ることがいいのではないか。ただ非常に経営の困難な地域につきましては、必ずしもそういうふうな方針をとることが適当でございませんので、こういった面につきましては公的なものでもってまかなっていかざるを得ないのじゃないか、かように考えておるわけでございます。病院の方につきましては、最近医療技術あるいは設備等ますます進歩いたして参りまして、非常に多額な資本を要するような格好になっております。従いましてこういった面につきましては勢い資本の大きなと申しますか、官公立、こういつたものがだんだんふえてくることにならざるを得ないのじゃないか。実際の推移を見ましても、そういった傾向を示しておるわけであります。その場合に、それでは官公立と申しましてもどういった形態のものがよかろうかというふうなことが問題になると思います。官公立と申しますれば国と地方公共団体でございますが、国ですべての医療機関を直接経営していくというふうなことは必ずしも適当ではないのであります。国としてやるべきことは、国でなければできないような面を分担をしていくというふうな考え方でいくべきではないか。医療機関のような、国民生活、地方住民と非常に密接な関係を持ちます面につきましては、むしろ地方自治の建前からいいまして、できることなら地方団体がまずこういつたものを考えていただく、その及ばないところにつきまして国がこれをカバーしていくというふうな考え方がいいのではないかというふうな考え方が、従来の中央におきましていろいろの審議会等において議論された線でございます。ただ、結核療養所であるとか精神病院であるとかいった特殊な病院につきましては、その施設の特殊性にかんがみまして、やはり国が相当積極的に乗り出していかなければならないというふうに考えられておるわけでありますが、一般病院につきましては、むしろただいま申し上げましたような線でいくべきではないかというふうな考え方が、従来の中央における審議会等の考え方であったわけでございます。ただ、最近地方公共団体の財政事情が非常に窮屈になって参りましたので、そういうふうな面から、あるいは若干例外的な考え方もせざるを得ないのじゃないかというふうなことがいわれておりますが、ただいまのところでは、基本線といたしましては、大体そういうふうな考え方をとっておるわけでありますが、この地方公共団体のうちで、それでは県をどういうふうな立場で考えていくかという問題が次に出て参ると思うのであります。 医療機関の整備につきましては、先ほど来参考人の御意見にもございましたように、個々の施設を単独に考えるということでなしに、包括的に、全般的な視野から整備をしていく必要があろうかと思うのであります。医療機関につきましては経営の比較的むずかしいものと、比較的経営の容易なもの、こういうふうなものが地域的にもあるいは規模別にも考えられるわけでありますが、こういったものを総括的に考えて参りますると、それぞれのものをばらばらにやるということでなしに、むしろできるならば採算の非常にとりにくいところ、それからそうでないものと一緒に経営することが非常にいいのではないか。先ほど最初に申し上げましたように、診療所につきましても非常にへんぴなところでございますと、これはなかなかだれがやりましても経営が困難でございます。そういった施設とその他の施設とあわせて経営することによって初めて、そういったへんぴなところの経営もできるのではないか。そういうふうな立場から考えてみますと、やはり病院の経営、勢いへんぴなところにおける診療所の親病院というふうな性格を持たして参ることができますれば、ただいま申し上げましたようなことが満足されるわけでありまして、そういうふうな立場から申しますと、地方公共団体のうちにおきましても県立病院の占めます地位は非常に研く評価する必要があるのではないか、かように考えております。御質問の趣旨に十分沿えたかどうかわかり談せんが、大体の考え方はそういったような構想でただいまおるわけであります。
○岡委員 御趣旨はよくわかったのであるし、また私どもとしてはそうあるべきだと思うわけなんです。と申しますのは、やはり日本の医療制度の大事な支柱は、医療機関の体系が合理的であるかどうかということにあろうと思うのです。ところが先ほど来参考人からの御指摘もありまするように、いわば医療機関がきわめて無計画的に設立が認められておる。従って同一地域において競合しておるかと思うと、医療機関が経営採算上不利であるというところでは依然としてそれが無医村とかいうような形で放任されておる、こういうような事態は、やはりぜひとも医務局として御整理なさる当然な責任があると思うわけです。そこで今次長のお考えでは一般的な、従って結核、精神病等特殊な疾病ではなく、専門的な診療機関ではなく、内科、外科、小児科、婦人科、耳鼻科、眼科等を含む一般的な総合病院としての都道府県立病院というものは、やはりその都道府県における診療の内容においても、また設備の実態においても、いわばモーデル的な内容、設備を持つものとして経営さるべきものではないか。これはやはり所在の施設の、開業医の診療所等につきましても、お察しのごとくやはり資金面から、なかなか日進月歩の医療施設を備えるわけにいかない。だからわれわれからいえば、むしろそのような都道府県立病院が十分な診療内容を与え得る施設を持ち、人を持ち、そのことによってかえって私的医療機関に対しても、あるいはオープン・システムをとるとか、いろいろな形で利用の機会を与えるくらいな顧慮が、私は今後ますます必要だと思うのです。そこまで申し上げれば、私の私見になりますが、ともあれ都道府県立病院のあり方というものは、一般的な診療科目を持つ総合病院としては、その都道府県内における技術水準においても、施設の設備の水準においても、いわば第一級のものであるべきだ、これが地方公共団体の法的医療機関として設置される一つの大きな要件だと私は思うわけですが、その点について、やはりそのようにお考えでしょうね。
○河野政府委員 ただいま御発言のありました通りに私どもも考えております。
○岡委員 ところが今尾口君なりまた杉田君なりからの御意見を聞くと、なかなかそうはいきかねるという実態をお述べに相なりました。尾口君は全国都道府県立病院の共通的な現在の実情を集約されて御意見をいただき、それから杉田君は岩手県の実態に即して申されたわけです。岩手県の方の実態は、岩手県の特殊な実態といえば言い得るでしょうけれども、しかしまた岩手県の現在の医療機関の体系というものは、やはり一つの新しい日本の医療機関の体系を私は暗示していると思うのです。たまたま大きな不況に見舞われ、開業医としては経営採算上みんなその地を去った、そこで公共団体が医療機関を設置し、その経営に当ってきたという行き方は、現在となってみれば、やはり日本の将来の医療機関の体系というものに対して、非常に有益な教訓的な実態であろうと、私は思うわけです。そういうわけで尾口君あるいは杉田君の御意見を聞いてみましても、しかし事実上そのような高い任務を持つべき都道府県立病院が、実際においては高き機能を発揮しようにもなかなかできがたい条件の中に今いるということです。一つの大きな条件は、財政的な点ということに触れられました。またその触れられた御意見の中でも、単に都道府県立病院だけの問題として解決すべきでない問題がたくさんあります。それは医療金融公庫でも作って特殊に、これは公私を含めての問題として措置しなければならないような問題も多々ありますが、問題はやはり都道府県立病院の直接監督指導の衝に当られる厚生省として、本年度の都道府県立病院に対する補助金は、どれだけになっているのですか。
○河野政府委員 最後のお尋ねの本年度の予算でございますが、四千五百万円、そのうち三千万円が一応一般病院の補助でございまして、残りの部分が僻地医療対策といたしまして、僻地に作ります機関、病院の出先診療所に対する補助でございます。こういう内訳になっております。ただいま御質問がございましたように、岩手県にいたしましても新潟県にいたしましても、県立病院網を持っておりまして、全国で非常に特異の存在を示しているわけです。私どももこれらの県立病院が健全に運営されていくことにつきまして、非常な関心を実は持っているわけで、す。ただお言葉にもございましたように、十分御援助ができないようなことになっているわけでございますが、私どもといたしましても、できるだけの努力を従来からして参っているわけであります 従来から一番問題にされておりましたのは、整備費をどういうような方法で工面するかということであったわけです。補助金につきましては、数年来大体四、五千万円やっと認められるようこなっているわけでございますが、これが実現するまでには非常に長い期間を要しまして、やっとわずかばかりの補助金が認められることになったわけであります。今日これで十分であるとは実は考えておりません。年々この増額について努力をしているわけであります。財政的な事情もございまして、十分私どもの希望が入れられることになりませんで、その点は残念に思っているわけであります。ただこの補助と並行いたしまして融資の面、主として地方債でございますが、預金部資金によります地方債であります。これも六、七年前には非常に少額でございまして、わずか二、三億程度しか認められてなかったわけであります。現在では昨年度たしか十五、六億であったかと思います。本年度も若干それを上回る起債を認められるようなことになっております。そのほか厚生年金の還元融資であるとかいうような方からも、あちらからもこちらかりもというような方法で、できるだけ努力して参っているわけであります。まだ十分御期待に沿う段階に至っておりませんことを非常に遺憾に思っております。
○岡委員 私ども県の事業としていろいろな事業があろうと思いますけれども、診療の事業というものの公共性にかんがみまして、やはり国としても相当財政的な責任ある裏づけを必要とするのではなかろうかと思うのです。そういう点から本年度三千万円ということ、それから一方融資、起債ということになりましても、先ほど来参考人の御意見にもあったように、その利息だけでもなかなかやりきれたものではないという実態に、起債融資に仰いだ結果がなって、そのことが病院の正常な運営のガンになりつつあるという実態であったわけです。そこで昨年も、たしか三千万円程度だったと思いますが、この補助金は昨年度どういうような方向に交付されたのでございましょう。
○河野政府委員 昨年度四千五百万円でございます。実は私ども医療機関全般の整備の構想を一応描いているわけであります。先ほどもちょっと参考人からもお話があったと思いますが、数年前社会保障制度審議会で御勧告をいただきました線によりますと、大体大都市で人口万当り四十、中小都市で人口万当り三十、それからその他の郡部と申しますか、そういった方面では大体万当り十五というふうな目標を勧告されておるわけであります。それに基きまして、一応のプランを描いてみているわけでございますが、なかなかこれは合計いたしますと非常な数になります。一挙にこれを実現することも非常にむずかしいと存じまして、そのうち病院網の骨格と申しますか、そういうふうなものをまず作っていく必要があるのではないか、そういったものを優先的に取り上げて整備を進めていくという方針を立てまして、補助にいたしましても起債の御援助にいたしましても 一応基幹病院の整備計画を作りまして、それに入っておりますもののうち地方負担もございますので、地方のそういう負担関係をにらみ合せまして補助対象をきめるような方針をとつておるわけでございます。
○岡委員 よく事情はわかるわけなんです。たとえば昨年四千五百万円の補助金だ、そういうことになれば、補助金の効率を考えますと、ただ平等にあそこにもここにもわずかな金額を交付するということでは何ら具体的に実を結び得ない。従ってかなりまとめて、何年間かの計画でその一つの基幹病院を作るというふうに、経済効率を考えておそらく補助されておられるのではないかと察するわけです。そこでこれは尾口君でも杉田君でもいいのですが、都道府県立病院で昨年補助金を申請された病院数、その総額は一体どれくらいになっておりますか。
○尾口参考人 それは私どもはちょっと調査してないんでございます。厚生省の方でそれはおわかりになるのじゃないですか。
○河野政府委員 正確な数字をただいま用意してございませんが、地方の方でも予算の少いことを非常によく知っておりますので、地方から出す場合にも非常に厳選をしてもらっておるわけでございます。それでも査定と申しますか、選択をしますのに非常に困る程度に出ておりまして、たしか十億近い補助要求があったのではないか。正確な数字をちょっと持ち合せておりませんが、大体の感じはそういう数字であったかと思います。
○岡委員 私も三千万円や四千五百万円では、現在の都道府県立病院の補助要求に対しては九牛の一毛だろうと思うのです。厚生省としてはこの面将来の構想としてせっかく予算要求をされても討ち死にをするということは別としまして、やはりもっとふんばってやってほしい。ことしあたりはどの程度要求されましたか。
○河野政府委員 先ほど申し上げました基幹病院の計画というとかうなものをもう少し具体的に申し上げますと、たとえば少くとも県の中心には中心病院になるような最高級の病院が一つなければならぬ。それから府県の幾つかのブロックに——大体府県が分れると思うのでございますが、そういった府県内のブロックになれば、その中心にこれに次が病院、それから末端の病院といたしまして各保健所地区に大体一つくらいは少くともなければならぬのじゃないか、そういうようなことで病院計画の骨組みを考えておるわけであります。そういったものを合せますと、大体二分の一補助といたしまして三十億くらいの金が要るわけでございます。五カ年計画でこれをやりますと、大体年六億くらい金がほしいのではないか、かように考えております。
○岡委員 きょう参考人としてお呼びをいただいた尾口君、杉田君お二人の御意見を聞きましても、現在の都道府県立病院の実態についてはいろいろな点でなかなか思うにまかせない。特に強い御要求と申すべきものは、せっかく中央地方に医療機関の整備審議会と申すべきようなものがありながら、一方では他のいろいろな団体が勝手に機関を作られまして——機関は多々ますます弁ずとはいうものの、最も合理的に、それこそ病院全体の建設費その他に伴う予算を効率的に使い、しかも地方住民の福祉に役立ち得るような医療機関の整備方式というものが今のところ地方では全然果されておらないということ、これはやはり厚生省の方の中央において地方における医療機関のための整備の審議会の役割りが十分果されておらないということにもなろうかと思うのであります。先ほど申しましたように、医療制度の根本は医療機関の合理的配置にあろうと思いますので、この点が一つの問題点。その次の問題点としては参考人よりはいろいろ具体的に覚悟すべきであろうというふうな予算的な、財政的な意見がありました。しかしこれはやはり単に都道府県立病院だけの問題でなくて、解決しなければならぬ問題が多々ありますが、少くとも都道府県立病院については一応厚生省としてはその都道府県におけるいわば一流の都道府県立病院としての技術内容と施設の内容を伴うべきものであるにかかわらず——またかくさせたいがためには五カ年計画としても年間六億の予算は必要であろう、しかしその予算も今年は四千五百万円というところにとどめおかれておるというようなことは、やはり都道府県立病院の任務に対する認識、それに対する予算の裏づけにおいて非常に低調であるということがはっきりしておるわけであります。そこで実は先ほど来厚生省でも都道府県の中核の病院でなければならぬ、そのような内容実態を整えしめたいということで予算的努力もしておられるが、思うにまかせないという実情がはっきりしたわけです。そこで私の、動議というようなかた苦しいことではありませんで、希望でありますが、この問題について別に委員会の決議をとるというような厄介なことをして角立てる必要もないと思いますが、せっかく遠方からお見えいただいて、都道府県病院の実態について、きわめて単純な問題でありますが、私どもは一応認識を得たわけでありますので、委員会としてこれをどう取扱うかということについて、明日の委員会でけっこうですから、一つ都道府県立病院の現在の実態にかんがみて、あるいはまた公共性にかんがみて、予算的にもまた病院の配置等についても十分一つ関係の大臣等に委員長から申し入れをしていただきたいというようなことについて、次回の委員会にでもぜひおはらかい願いたいと思います。
○佐々木委員長 わかりました。明日理事会を開くことになっておりますから、その前に委員会でも開いて、御趣旨は了といたしますので、何らかの対策を講じたいと思っております。次会は明三日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後二時四十八分散会