社会労働委員会 第34号
- 発言数
- 6 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1956/04/19
会議録
○佐々木委員長 これより会議を開きます。 公共企業体等労働関係法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。趣旨の説明を聴取いたします。倉石労働大臣。
○倉石国務大臣 ただいま議題となりました公共企業体等労働関係法の一部を改正する法律案につきましてその提案理由を御説明申し上げます。 公共企業体等労働関係法は、公共企業体等の職員の労働関係を規律するために昭和二十三年に制定された法律でありますが、周知のごとく占領下早急の間に立法されたものであり、その内容はいわゆる翻訳立法の最たるものでありまして、その後若干の改正はありましたが、なおわが国の実情に適しない点が多く、また技術的な不備欠陥が随所に見られ、このため公共企業体等の労働関係に無用の摩擦、紛争を招いているきらいすらあり、従来とも本法改正を要望する声が少くなかったのであります。 政府におきましても、右のごとき事態に対処するため、各方面の意見をも参酌して本法改正の要否等につき慎重検討を進めて参ったのでありますが、特に問題の重要性にかんがみ、本年一月十四日、労使公益の各側を代表する臨時の委員を委嘱いたし、本法改正の要否等に対する意見を求めましたところ、右委員の構成する臨時公労法審議会は、発足以来約一ヵ月間に会議を重ねること九回、慎重審議をいたしました結果、去る二月八日本法の改正に関しかなり具体的な意見を答申するに至ったのであります。政府におきましては、自来この答申を慎重検討いたして参ったのでありますが、労使公益各側を代表する委員によって構成された審議会の民主的な審議の結果はできる限り尊重すべきであることは申すまでもないところであり、労使公益各側の意見の一致を見ました点はほとんどこれをいれ、その意見に沿って改正法案を立案することにいたしたのであります。 そもそも公共企業体等労働関係法に関連する問題の根本的解決には、一面において三公社五現業のあり方そのものの検討が必要であり、他面労働法体系全般との関連において考えられなければならない点のあることは、もちろんであります。政府としてはこれらの問題については常時真剣な検討を重ねているのでありますが、しかし今日これらの基本的問題を直ちに解決するわけには参らぬことは申すまでもありません。さればといってまた今日公労法の不備をそのまま放置することも適当でありませんので、従って、今回の改正案は、現行公労法の基本的建前は一応これを維持することとし、その前提で現行法上わが国の実情に適しない諸点を改め、関係当事者間における無用な紛争の原因をできる限り除去し、健全な労使慣行の確立を促進するとともに、委員会の機構を整備し、その簡素能率化をはかろうとするものであります。 以下本法案の大綱について御説明申し上げます。 今回の改正案の主要点の第一は、団体交渉の手続を改めた点であります。現行公労法におきましては、団体交渉は、労働組合が行うのではなく、米国からの直輸入制度である単位制度を採用して、団体交渉は、この単位を代表する交渉委員によって行うこととされていますが、これはいわゆる直訳的制度の最たるものであるとともに、きわめて複雑かつ難解でとうていわが国の実情に適せず、現在はほとんど有名無実化しつつあるのみでなく、またかえって関係者間の紛議のもととなる場合さえあるきらいがありますので、改正案におきましては、この単位制度を廃止し、わが国の労使関係における一般的慣行に従い、労働組合が団体交渉の当事者となり、その指名する交渉委員が団体交渉を行うことといたしております。なお、これにあわせて、従来本法の適用外であった公社の臨時的職員につきましても、純粋の日雇い労働者以外の者はこれを本法上の職員の中に含めることにいたし、もって労働関係の統一的処理をはかることにいたしております。 次に改正案の第二点は、仲裁制度を整備し、仲裁裁定に関する問題の処理を合理的かつ円滑ならしめる措置を講じている点であります。現行法におきましては、公共企業体等と職員との間の紛争は、最終的には仲裁裁定によって定まることとなっておりますが、当該裁定が公共企業体等の予算上資金上不可能な資金の支出を内容とするものである場合は、国会の承認を待って初めてその効力を発生することとなっております。この建前は、現行法制上当然のことではありますが、この制度の運用面におきまして、従来種々紛議のあったことは、周知の通りであります。改正案はこの点につきまして、後述のごとく仲裁に関する機構、手続を合理的なものに整備するとともに、政府として仲裁裁定をできる限り尊重する精神を明らかにし、あわせて給与準則、給与総額の制度にも若干の改正を行い、もって仲裁裁定を真に公正妥当にして権威あるものたらしめることにより、裁定実施に関する紛議をできるだけ避け、円滑合理的な労働問題処理の慣行を確立せんとするものであります。 改正案の第三点は、委員会の機構を整備し、その簡素能率化をはかった点であります。現行法におきましては、公共企業体等の労働関係を取り扱う委員会としましては、公共企業体等仲裁委員会及び中央、地方の公共企業体等調停委員会の合計十一の委員会が並立しておりますが、今回の改正案におきましては、これらの各委員会を統合して一つの公共企業体等労働委員会を設けることとし、この委員会の下に各種の機関を統合して、簡素にしてしかも能率的な機構を整え、公共企業体等の労働関係の実情に即して機動的に強力な活動をなす態勢を整えるように措置いたしております。この公共企業体等労働委員会は、公益委員五人及び労使委員各三人ずつ計十一人の委員をもって組織されることとなっておりますが、特に公益委員の任命につきましては、その任務の重要性及び特殊性にかんがみ、労使委員の意見をも聞いた上で、両議院の同意を得て内閣総理大臣が任命することといたし、もって公益委員の人選を真に公正かつ権威あるものたらしめんとしております。 以上の三点が今回の改正案の主要点でありますが、その他の点につきましても、答申に盛られた意見をできる限り尊重しまして、所要の事務的技術的改正をいたし、公共企業体等の職員の労働関係の処理の円滑化をはかっております。 以上本法案の提案理由を御説明申し上げたのでありますが、本法案が成立、施行されますならば、公共企業体等における健全にして合理的な労働慣行の確立と公共企業体等の正常な運営の確保に資するところ少くないものと確信いたしております。何とぞ御審議の上すみやかに可決せられんことをお願い申し上げます。
○佐々木委員長 以上で説明は終りました。本案に対する質疑その他につきましては後日に譲ることといたします。 —————————————
○佐々木委員長 次に身体障害者福祉法等の一部を改正する法律案、性病予防法等の一部を改正する法律案、及び母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改正する法律案の三法案を一括して議題とし、審査を進めます。趣旨の説明を聴取いたします。小林厚生大臣。
○小林国務大臣 ただいま議題となりました身体障害者福祉法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。 現在、身体障害者福祉法、生活保護法、未帰還者留守家族等援護法及び結核予防法におきましては、これらの法律に基く、医療に関する給付の担当機関を病院及び診療所に限定しておりますが、これらの給付措置の一環として、薬局において薬剤を交付する場合が考えられますので、関係法律を改正致しまして、今回これらの法律の医療に関する給付を担当する機関として厚生大臣または都道府県知事が薬局を指定できることとすることが、本法律案のおもな内容であります。 なお、このほか、右の薬局における薬剤の交付と関連いたしまして、国民健康保険法につきまして、国民健康保険法の規定による国民健康保険運営協議会の委員を、薬剤師を代表する者からも委嘱できる道を開く等、若干の法文整理を行うこととしたのであります。 以上がこの法律案を提案いたしました理由であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。 次に性病予防法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。 性病予防法におきましては、性病診療所費に対する国庫負担率は、二分の一となっておりますが、これは補助金等の臨時特例等に関する法律によりまして、昭和二十九年度来四分の一に低減されているのであります。 しかし、その後検討の結果、性病予防行政の円滑な運営をはかるためには、この特例措置を廃止することが妥当と認められるに至りましたので、このたびこれが廃止の措置を講じようとするものであります。 ただ、保健所に併設されております性病診療所につきましては、保健所と一体的に運営されております等の特殊性に基きまして、現在のところ保健所の経常費に対する国庫負担率が三分の一になっている関係上、これと同一にするのが妥当と考え、国庫負担率を三分の一とした次第であります。 以上がこの法律案を提出いたしました理由であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。 次に母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。 改正の第一点は、貸付の種類に、新たに住宅補修資金を加えたことであります。現行の貸付の種類には生業資金、支度資金等七種類の資金がありまして、現在までに総額約二十七億円が母子家庭や父母のない児童に対して貸し付けられ、わが国の母子福祉対策に多大の寄与をしておるわけでありますが、さらに今回これに住宅補修資金を加え、補修を特に緊要とする住宅に居住している母子家庭に対し、補修のための資金を貸し付ける道を開き、その生活意欲の助長をはかり、あわせてその経済的自立を促進し、母子家庭の福祉を増進しようとするものであります。 改正の第二点は、高等学校における修学資金の額を現行の月額七百円以内から月額千円以内に引き上げたことであります。昭和二十九年度の貸付実績によりましても、高等学校の修学資金は、すべての貸付金のうち、人員において四一%、金額において一五%の多きを占めており、この資金に対する要望ははなはだ強いものがありますが、現行の貸付額では実際の就学に際し容易でない実情にかんがみ、これを引き上げることとしたものであります。 改正の第三点は、貸付金の貸付を受けた者が災害、疾病等により、償還金を支払うことが著しく困難になったときの支払い猶予の制度及び貸付金の貸付を受けた者が死亡し、または精神、身体上の著しい障害を受けたため、貸付金を償還することができなくなったときの償還の減免の制度を設けたことであります。右のような場合における支払い猶予や償還減免の制度を設けることの必要性は、言を待たないところであり、本法制定の当初から考えられていたものと存ずるのでありますが、その機を見ず今日に至ったものであります。 以上が改正案の大要でありますが、何とぞ御審議の上、すみやかに可決せられんことをお願い申し上げます。
○佐々木委員長 以上で説明を終りました。なお三案に対する質疑その他につきましては後日に譲ることといたします。次会は明二十日午後一時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後二時二分散会