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24回国会衆議院1956/03/12

社会労働委員会 第18号

発言数
99
登壇者
19
会派数
3
開催日
1956/03/12

会議録

佐々木秀世自由民主党

○佐々木委員長 これより会議を開きます。  労使関係に関し、三公社の調停案問題について調査を進めます。  この際お諮りいたします。本件に関し参考人として国鉄労働組合企画部長の野々山一三君、全国電気通信労働組合委員長の鈴木強君、全逓信従業員組合委員長の横川正市君、以上三君を選定し、調査を進めたいとの御意見がありますが、そのように決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐々木秀世自由民主党

○佐々木委員長 御異議なしと認め、そのように決します。  本日御出席の方々に一言申し上げます。議事の整理上、意見をお述べ願う時間はお一人おおむね最高十分程度としていただきたいと存じます。その後委員よりの質疑にお答え願いたいと存じます。  それではまず労働組合側の御意見をお聞きいたします。国鉄労働組合本部企画部長野々山一三君。

野々山一三国鉄労働組合本部企画部長

○野々山参考人 私は国鉄労働組合の企画統制部長をしておる野々山であります。調停案の問題をめぐりまして、若干私どもの見解を申し述べて皆さんの御理解を得たいと思うのです。  私どもは昨年の十月に国鉄職員の平均賃金二千円、現行賃金に比較いたしますると一二%の賃上げを要求をいたしましたが、団体交渉が不調に終りましたために、十一月の下旬に公共企業体等中央調停委員会に調停の申請をお願いをいたしました。ちょうど三カ月、通常でありますと二カ月で調停が出されるべきでありますが、委員会側も非常に今日の事情を苦慮されたものと思うのでありまするが、一カ月期間が延びまして、二月の二十九日、すでに御案内だと思いますが、調停案が私どもに提示されたのです。内容については、私が申し上げるまでもないのでありまするが、私どもとしては、二千円の賃上げ要求は国鉄職員の戦前の賃金あるいは今日の労働の状態及び類似産業の労働者諸君の賃金の水準等から見まして、確信のあるものでありましたが、委員会側が今日の実情からして、経理事情の改善を待って国鉄職員の労働の質と量に応じた賃金に是正すること、とりあえず本年度内に平均五千円以上の額を支給すること、前回昭和二十九年十一月に出されました調停案を実施しておるのでありまするが、それが予算が見られていないので、その予算措置を講ずること、昇給は適格者に全員できるような予算措置を講ずること、並びに〇・二五の国家公務員と公社職員の期末手当の差を埋めることの五項目の内容であります。私どもの要求からいたしますと相当に満ち足りないものがあるわけでありますが、現下の事情からいたしまして、紛争の早期解決という見地から並びに国鉄労働組合が出しますいろいろの事柄の国民への影響というものを私ども労働組合も真剣に考えた結果、二月五日にこの調停案を受諾をすることにいたしまして、委員会側に回答をいたしたのであります。先ほど申し上げましたように、この調停案に対して私どもほんとうに耐え切れないほど不満があるわけでありますが、受諾をいたします気持というものは、ごくかいつまんで申し上げましたが、議会としても私どもの意のあるところを十分にくんでいただきたいと思うし、この動向について見守ってもらいたいと思うのです。  そういうように組合側としては非常に耐え切れないものでありますが受諾したのですけれども、たまたま二月六日に、今日までの紛争状態にあった事態をつかまえて、経営者側は私どもの組合の指導者のうち五名を、最高は停職九カ月、最も軽いもので戒告の処分に付してきたわけです。ちょうどいろいろ議論があったけれどもこれでもう事をおさめようじゃないかといったときに、前に議論したことをもってお前らはけしからぬからというので、うしろからまたこん棒で頭をたたかれたような感じを持っております。私は率直に申し上げて、国鉄労働組合四十万組合員の経済的な要求を解決する仕事を担当しながら、しかも耐え切れないほどに不満の多いものであるけれども、調停委員会が三カ月にわたって慎重に御審議をいただいたものであるだけに、公正な第三者の判断として言われたものであるだけに、これを涙をのんで受諾をしたのでありますが、にもかかわらず私どものとった行動に難くせをつけて、なお懲戒処分に付する、こういう構えをとっておられることは全く残念であります。にもかかわらず、少し補足さしていただきたいのでありますが、新聞などで見るところによりますと、政府筋のいろいろの方々は、こういう調停案というものは不見識だし、今日の事情に即応していないものだ、であるからのめないものだというように言われたり、その上の機関であります仲裁委員会に訴えて、仲裁委員会の判断を求むるべきだ、といったようなことを言っておられるのです。もしこのままそういう格好になるとすれば、今日いろいろ言われております私ども公労協、その中の国鉄労働組合の闘争はやはり四十日も五十日も先までいかなければならぬ関係になると思うのです。先生方も十分御承知のように、二十四年に公労法が施行されてから今まで二十何回にわたって仲裁裁定が出たものです、本来ならば仲裁委員会の裁定が出てそれを実施して下さいという闘争なんというものはあり得ないものだ、私ども労働者もほんとうにそう思っておるのです。しかしそれを完全に実施してくれ、こういって闘争をしなければならぬように、そういう実績が積み上げられているのです。仲裁へいけば四十日も五十日もかかるでありましょうし、そういうものはのんではいけない、公正な第三者が言われたものをのんでいけない、こういうふうにおっしゃるならば、労働組合が今争議を解決しよう、こういう気持になっているものを長引かせる関係になると思う。私ども国鉄労働者は、国民の足を担当していることを、ほんとうに心からそう思っているのです。ですから国民の皆さん方に迷惑をかけることは毛頭私ども望むところではありません。争議の早期解決ということを常に考えておるのです。公正な第三者の判断でありまするから、私ども耐えがたきを耐えて受諾をしたわけでありますから、議会でもよろしく今日の現状をおくみ取りをいただきまして、争議の早期解決に一歩でも役立つような御配慮をお願いをしたいし、さらに、争議を解決しようと組合が言ったのに加えて懲戒処分をしたりなどするようなことをされたことについても、即刻これをとりやめてもらうことによって労使関係の正常化、そして国民生活がより豊かになりますような配慮をば議会としてぜひ直ちにとっていただくことを強く要望して、きわめて短時間でありまするから、簡単に私どもの意見としておきたいと思うのです。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木委員長 次に全国電気通信労働組合委員長鈴木強君にお願いします。

鈴木強全国電気通信労働組合本部委員長

○鈴木参考人 私が全電通中央闘争委員長の鈴木強でございます。今日日本のきわめて大きな社会問題になっております公企体組合員の争議、紛争の解決について本委員会がきわめて重大なる関心を持たれ、私たちの意見をお聞き下さいます機会をいただきましたことを最初に心から厚くお礼申し上げます。私は本年三月二日公企体等中央調停委員会より提示されました日本電信電話公社職員の基準内賃金の引き上げに関する調停案について意見を申し述べたいと存じます。  私たちの全電通従業員組合員は、敗戦後今日までで年間戦禍によって四分五裂化いたしました日本の電信電話事業の再建と発展のために、特に私たち全電通労働組合は運動方針の中に事業の再建運動を取り上げまして、今日まであらゆる困苦を乗り越えて国民の期待に沿える電気通信事業の再建と発展のために努力をして参った次第でございます。幸いにして私たちの努力が実を結びまして、すでにわれわれの事業は戦前のサービス水準を相当大きく上回るところまで発展して参りました。さらに事業収入をごらんになってもよくおわかりのように、年々増加の一途をたどっているのでございます。すなわち労働生産性を見ますときに、昭和二十四年を一〇〇といたしました場合に、昭和二十九年におきましては一八四・四%、さらに昭和三十年度におきましては二〇八%をオーバーするところまで——これは想定でございますが、非常に能率が上って参っておる次第でございます。一方事業収入の面を見ましても、三十年度の収入予定の一千百七十五億円に対しまして、まだ若干残っておりますが、おそらく五十億近い増収が確保できるだろうという自信を私たちは持っておる次第でございます。しかしながら一方そこに働いている私たち電通労働者の賃金の実態というものは、ここ二カ年以上完全にストップされたまま放置されておりますし、一方われわれに関連する産業であります国際電信電話株式会社の職員の給与の実態は、昭和三十年の四月一日現在におきまして基準内賃金は二万五千六百五十七円、さらにNHK関係の職員の実態を見ましても、昭和三十年の七月一日現在一万九千二百七十円となっておるのであります。ところが私たち電通労働者の場合は、昭和三十年四月一日現在一万五千八百八十七円という状態でございまして、この較差が非常に大きくなっておる次第でございます。また民間賃金水準を見ましても、昭和二十九年一月から三十年の十月まで約九・五%上昇をしておるわけでございます。こういう状態にありますので、われわれは昨年三カ月にわたりまして、十五万組合員の実態を中心にして、日本の経済の動向、さらに一般の賃金、物価水準、生産性等の労働経済指数の動き、さらに公社経営の実態等を見きわめた上で、この広範な情勢の中で慎重に考慮を払いつつ、全国の職場で慎重な討論を重ねました結果、二千円の引き上げをぜひこの際実施したいということで、これが決定を見まして、十月二十日に公社に賃金引き上げの要求を出した次第でございます。自来、団体交渉を十数回重ねましたが、遂に結論を見るに至らず、決裂をいたした次第でございます。公社側の賃金引き上げを拒否いたしております理由は、公社五カ年計画遂行に要する資金調達の関係上、事業収支の差額の全額を建設財源に充当すべきである。職員の給与改善に充てるべき金は、いかに増収をはかってもないというのに尽きると私たちは考えます。遺憾ながら私たちはストライキ権を奪われておりますので、十二月五日に中央調停委員会に調停の申請を行なった次第でございます。中央調停委員会は、調停期間を延長すること約一カ月間、慎重な検討を加えた模様でございますが、本年の三月二日調停案を労使双方に提示して参りました。そして紛争解決のために不満はあっても、大乗的な見地に立って、調停案によって解決するよう強い要請がなされました。そして諾否の回答も三月六日を目途にしていただきたいというようにめ求れらた次第でございます。私たちはなまけておって賃金引き上げを要求したものでは絶対にございません。少くともわれわれが、だれにも負けないだけの事業愛を持って今日まで事業の生産の向上とサービスの改善のために努力して参ったことは、日本電信電話公社の経営の実態を御承知いただいております議員の皆様方には、よく御理解いただけることだと私は考えます。ところが提示されました調停案は、主文の第一項と理由の中で述べておりますように、先ほどの公社が団体交渉の際に、全額を建設資金に充てて、給与改善には充てる金はないという拒否の理由に対して、調停委員会が、公社当局のもうけた金は全部建設資金に回すべきだという見解に対して、少くとも収支差額が予定額を上回る場合においては、その相当部分を職員の給与の財源に充てることは不当でないというようにはっきりうたっております。さらに日本電信電話公社の常務は高度の技術的性格を持ち、かつ公社の業績向上に対して相当の貢献をなしているのに対し、その給与は必ずしも適当なものとは認められないので、適当な時期にこれが改善の措置を講ずることというようにわれわれの賃金の不適当なことを認めておる次第でございます。しかしながらさしあたり暫定措置として、本年度内に一人五千円以上の支給をやりなさいということでごまかしております。具体的に給与改善の時期と方法については、何ら明示されておらないのでありまして、われわれにとってはきわめて不満なものになっておる次第でございます。しかしながらわれわれは調停案の内容を慎重に検討し、現下の情勢を勘案いたしました結果、重大なる不満を持ちながらも、法治国家の私たち国民として、また公労法の労働運動を進める場合は、われわれの押えがたき不満はあっても、あえてこれを忍んで、三月六日に第二小委員長の石井照久氏に対して、調停案の趣旨をさらに具体化し、早急なる紛争解決のため、今後とも格別の御援助を賜わるように委員会に要請をして、私たちは涙をのんで、調停案を受諾するという回答を出した次第でございます。われわれのこの受諾の態度の底に流れておりますものは、今社会問題になっておりますこの紛争を何とかわれわれは解決をして、さらに電信、電話のサービスをより向上させていきたいという気持にほかならないのでございます。ところが公社側が今日に至りましてもまだ調停案に対する態度を決定いたしておりません。さらに政府もこれを静観するというような、きわめて無責任な態度をとっていることは、私たちにとって非常に遺憾なことでございます。公社や政府の諸君が、先ほど野々山委員も申されましたように、私たちの今度の賃上げ闘争に対して、日本経済を破壊するものであるとか、あるいは二・一スト以上のゼネ・ストであるというような形、さらにわれわれのやっております合法的な労働運動さえ権力によってこれを押えつけようとしておりますが、私はこのことは、今の日本の労使慣行の中からいってきわめて残念に存じております。従って公社、政府当局も私はこういった労働組合に対する挑戦をやめていただいて、すみやかに示された調停案を受諾していただいて、さような措置をとって各企業の団体交渉にぜひ乗せていただきたいと思います。この努力を私は今の政府が直剣にやるべきだと深く信ずる次第でございます。  最後に、私は昨年の六月ジュネーヴのILO国際会議に日本の労働者代表として出席をいたしました際に、ことしの事務局長の報告の中に、労使関係の問題が大きなテーマとして出されておった次第でございますが、今日のごとき政府やあるいは公社、日経連の諸君がとっているような切り捨てごめん的な労働運動に対する態度に対しては、私はまことに寒心にたえません。われわれにももちろん戦後労働運動の若さがございますが、日本経済の再建と祖国の発展のためには、もっと政府もあるいは公社当局も労働運動というものを重視していただいて、お互いに腹を出し合って徹底的に話し合う場を作るべきだと存じます。そうして労働者の正しい要求は最高度に取り入れていただいて、事業の発展と今後日本の再建発展のために労働者がやろうじゃないかという気持を持てるような正常な労使慣行をぜひ作りたいものだと念願をいたします。どうか本委員会の皆さん方がこの事態を十分に御理解していただきまして、超党派的に今回の調停案に対して一日も早く紛争が解決いたしますよう格段の御協力をいただきたいことをお願いいたしまして、私の意見を終ります。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木委員長 次に全逓信従業員組合委員長横川正市君。

横川正市全逓信従業員組合本部委員長

○横川参考人 全逓の中央執行委員長をやっております横川でございます。  本日は国務の審議等に非常に多忙な折にもかかわりませず、現在社会一般的に非常に大きな問題になっております官公労、その中にあります九つの公労法適用職員でありますそれぞれの組合に提示されました調停案をめぐって大きな紛争を起しておるわけでありますが、この解決のために本日その事情聴取等をされる段階に至りましたことを心からお礼申し上げまして、この問題解決のために特段な御努力をお願い申し上げたいと思う次第であります。  全逓の調停案は三月十日に十二時四十分から提示を受けたのでありますが、かって調停委員会が事案を解決するために努力をいたしますその努力の方向というものと本年行われました調停委員会のその調停審査中の努力の内容というのは、全く様相を一変いたしたというふうに私どもは感じているわけであります。  その一つの理由といたしまして、私どもは全逓側の事情を聴取されるその内容において、最終段階においては実に三昼夜以上かかって、ほとんど徹夜をしてこの問題に対する最後の解決点を見出すために、努力をお願いいたした次第でありまして、こういうことは、かって調停委員会が成立されてから、初めてのことであるというふうに私どもは感じておるわけであります。まだ組合といたしましては、公社に提示されました調停案は相当日時がたっておりますけれども、私どもの場合には、まだ日曜一日しか経過いたしておりませんために、これに対する受諾ないしは拒否等の態度はまだ決定いたしておりませんが、事案に対して、私どもの少くとも持っておりますいろいろな理由について、御説明申し上げまして、皆さんのこれからの御審議の御参考に供したいと思うわけであります。  調停案の内容を大別いたしますと、ほぼ公社と同項目に分けられておるわけでありますけれども、いずれもその項目が三公社という公社の性格を持ったものと、五現業といういわゆる現業の性格を持ったものとに分れておりまして、その会計支出の問題等の困難な点について、あいまいな言葉を使われているというのが、この調停案の五項目に集約された相違であろうというふうに私どもは感じておるわけであります。ただこの調停の申請に至りますまでの組合側の考え方といたしましては、三十年の十月を起点として調査されました労働省の「労働事情」によりますと、一般に労働階級の賃金の平均ベースというものは、現在のところ一万二千円から一万五千九百九十九円、このくらいのところに立っておりますそれぞれの階層では、主食と副食の占める割合というものが、七七・五%になっているわけであります。さらに同じように、二万円から二万四千円までの賃金をもらっている者の主食と副食の割合は七一・一%、また二万八千円から四万円までのそれぞれの賃金については六四・四%というふうに、主食副食の占める割合というものは、非常に高くなっておるわけであります。一般にエンゲルで計算されます内容からいきますと、三七・八%から四二・三%というのが、大体賃金労働者にとって生活の安定の度合いだといわれておりますけれども、私どもの賃金がこういうようなところに据え置かれておるということ自体が、非常に私は不合理であるというふうに考えた点が第一点であります。  第二点は、最近の賃金の占める割合についての資料を見てみますと、これは同じ労働省の統計によりますが、一万円以下八千円以下の賃金労働者が二百万、それから一万二千円以下の賃金労働者が三百万、一万五千円以下の賃金労働者が同じように百五十万と、こういうふうに数字が出ておるのであります。私どもの賃金の内容を見てみましても、平均ベースにいたしまして一万四千七百十三円、かような賃金になっておりますが、これで実際上主食副食の割合、いわゆる一般の生活の安定度合いがはかれるかどうかという問題が中心になりまして、私どもの賃金要求をいたしたわけであります。ところがこれをめぐって、審議された重点はどこに置かれたかと申しますと、調停案第一項に掲げてありますように、労働の質と量、ことに郵政省の場合には、全職員が手と足と、そして全部の者が全力をあげて働くという上に成り立っている事業である、こういう点を認めておるわけであります。しかし、その点を認めておりながら、実際にそれでは後段ではどういっておるかと申しますと、経理状況が非常に悪いので、現行はこのベースについて上ることを認めがたい、こういうふうに調停案が出されておるわけであります。実はこの点のものの考え方がどうもふに落ちかねる。ことに郵政企業の内容は、皆さんももう御案内のように、どこの官庁のどの部門を見ていただきましても、手と足と、それから全力をあげて働いている。そういう企業の中で、少くとも私どもの方では、共同募金等に出資する金がもう累積いたしまして二十億を上回っておりますし、三十年度においては五億二千万円という新たなる金を、共同募金等へ私どもは働いてこれを納めているという企業体であります。そういうような企業の内容から考えてみまして、単に経理の状況が悪いという予算編成上の問題で、私どもは他と差をつけられるということについては、非常に納得のいかない問題だというふうに考えているわけであります。その他二項、三項、四項、五項は、それぞれ調停案が提示されておりますけれども、どの項目を見ていただきましても、郵政企業の経理内容ということに非常に重点が置かれまして、問題解決の焦点からぼかされているという点について、私どもは非常に大きな不満を持っているわけであります。しかし現状におけるところの一般的な社会における情勢や、あるいは私どもの関知いたします政治情勢、ことに先月の二十七日に私どもが一般経過報告のための職場大会を本省の会議室で持っておりましたところが、自民党の代議士であります辻政信さんが出席されまして、これを傍聴されておりました。あとで私は聞くところによりますと、何ら直接官庁と関係のない、ないしは労働問題として直接的な関連の持っておらない人たちが五六人集まっておられまして、今度の問題に対して非常にきつい弾圧と、それからそれに伴うところの徴戒処分等による一つの措置を、適時適切の時期をはずしながら、私どもに与えてくるような、そういう印象を受けたという問題に触れているわけであります。問題解決の焦点というのはそういうところにはないのでありまして、いろいろ問題になっておりますことを、両者話し合いの中で、不合理は不合理、適切なものは適切として解決していこうというこの熱意の問題については、私どもは一向避けるものではないのでありますから、こういう点で努力をいたしておる次第であります。  こういう状況にありますので、国会の先生方、皆さんにおかれましても、良識をもって、当面戦われております問題等に対して判断をされ、解決の一日も早いよう御努力をお願い申し上げたい、かように考えるわけであります。以上公述を終ります。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木委員長 次にお諮りいたします。三公社中の全専売労働組合委員長斎藤一雄君が見えましたので、参考人に追加し、御意見をお聞きしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐々木秀世自由民主党

○佐々木委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。斎藤一雄君。

斎藤一雄全専売労働組合中央執行委員長

○斎藤参考人 私は専売の委員長斎藤であります。ただいままで国鉄、電通、全逓の各組合代表から、すでにいろいろ組合側の要求内容並びに調停案に対する組合の見解等が述べられておりますので、私から特にそういう点で申し上げることはないと思いますので、私は専売の事情について、ここに多少他の公企体と相違する点について御説明をいたしたいと思います。  私どもの組合は、昨年の十月に賃上げの要求を行いました。そうして十二月十九日に調停申請を行いまして、三月三日に調停案が提示された、こういうことになったわけでありますが、この調停案の中で専売の場合は、第二項が国鉄あるいは電通とは多少違ったうたい方がされております。また第五項におきましても、特別の賞与制度というものを専売の場合はすみやかに確定実施せよ、こういう調停案が示されているわけであります。第二項のうたい方が、特に専売の場合は業績賞与という字句が抜けている。従って専売の第二項の一時金というのが一体どういう性格を持つものであるかという点が、大へん他の企業体やあるいは五現業の調停案等についてもいろいろな影響を与えるのではないか、かような意義を持っていると思うわけであります。第二項におきまして、専売の場合は、業績賞与というものが含まれておるかおらないか、こういうことは別にいたしまして、専売は昨年まで業績賞与というものが支給されて参りました。この業績賞与の性格そのものについて大へんいろいろな見解がございまして、特に最高の業績賞与の支給基準というものを仲裁委員会において一カ月に押えております。従って、益金が出ない場合の措置等についても最高を一カ月に押えたということは、これは最低の線の場合においても、ある程度公共企業体の性格からしては当然押えるべきである。要するにマイナスが出た場合においても、赤字が出た場合においても、そういう点においては、公共企業体の性格からして、少くとも公務員等の期末手当程度は保障さるべきではないかという意見を組合側は強く持っておるわけであります。従ってさような観点からいたしても、専売企業の場合に、本年度は益金があるいはないかもしれない——私どもは赤字になるとは思っておりませんが、しかしないかもしれないというような予測が立てられております。これは三月の決算を見なければわからない問題ですが、決算前に、あるいはないとか、あるとかいう予測のもとに、業績賞与があるとか、ないとかということではなしに、ある程度公共企業体としての性格上、今日までの職員の努力というものも認められなければならない、こういう趣旨が調停委員会において取り上げられまして、国鉄あるいは電通と同じような五千円以上という一時金が示された、こういうように私どもは解釈しておるわけであります。  ところで、第五項の特別賞与制度の問題は、やはりこれも仲裁委員会のいうところの業績賞与のことでありますが、仲裁委員会は、業績賞与を出せ、また調停委員会においては、特別賞与制度を作れ、こういうふうにいわれておるのでありますが、特に特別賞与制度の場合は、職員の努力部分ということが、今日まで業績賞与の支給の際大へん問題になっておりまして、どういう部分が職員の努力部分で、あるいは企業の努力部分はどういう点にあるのかという点になって参りますと、大へんいろいろな意見がありまして、なかなか労使間においても意見の一致を見ることが困難であったわけです。従って調停委員会は、業績賞与にさらにそのワクを広げまして、職員の努力部分の中には、製造数量がふえた場合等においても、これは努力部分として評価すべきではないか、従ってそういう意味では、どういう益金が上ったとか、あるいは経費節減がなされたというだけではなしに、製造数量がふえたとか、あるいは職員の労働というものの質なり量なりがふえた、こういう場合には、特別賞与制度を作って実施すべきである、かような見解を調停委員会はとりまして第五項が出されたと思うのであります。従って第二項の問題も、第五項と関連をいたしまして、本年度は特に専売企業の労働者というものは、タバコが非常に売れ行きが悪いために、またタバコの嗜好が下級品に移行したために、製造数量においてはむしろ昨年より以上に努力をして、かつ販売関係の職員等は、その売り込みのためには大へんな労働強化を行なってきておるわけです。さような意味で特に調停委員会は第二項を評価したわけでありますが、今日まで公社側との間におきましては、これらの問題について交渉が進展をせず、かつ公社側の調停案に対する態度も明確でないままに今日に至っている事情であります。  特に私どもは今回のこの調停案をめぐりまして考えられますことは、政府並びに自民党の方針というものが、春闘に対しまして大へんきつい態度をとっておりますが、そのためにかえって労使間で解決すべきことが解決できないような状態になっているということも、この席上特に申し上げておきたいと思うのであります。私どもの組合も本日の第三波闘争に入りまして、すでに各所において賃金カットがなされたという通知がけさから報告として入って参っておりますが、かような私どもの今回の春闘第三波におきまして三割休暇を行なっておりますが、この三割休暇は今日まで私ども何回も行なってきたことであります。従って私ども労働者の感じからいたしますと、公労法のワク内で三割休暇というものはすでに認められたところの闘争戦術である、こういう考え方を持っておったのでありますが、今回は特に公社側から賃金カットをやられているという事態が発生しているわけであります。今日までこういうような闘争戦術をとりましても労使間の関係というものは円満に解決をして参ったのでありますが、今回はこのような公社側の態度によって、かえってかような賃金闘争というものが、賃金カットあるいはその他弾圧政策というものと対抗するところの労働争議として、新しい性格の闘争に専売の場合はおそらく今後発展するだろうということを私どもは考えざるを得ないのであります。従って特に今回の調停案の各条項を見ますと、これは公社側の方から公述されればわかると思いますが、私どもは企業内において解決しようと思えば、できないことではありません。これは企業全般としての予算の問題にもかかりますが、そういう部内において問題を解決しようとすれば解決できるのに、かえって政府やその他の外部からの圧力によって問題が長引いているという点を十分御勘考願いまして、本委員会におきましても私どもの紛争に特にお力添えを願いまして早期解決ができるようお願いを申し上げたいと思う次第であります。  はなはだ簡単ですが、以上をもって公述といたす次第であります。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木委員長 以上で労組側の説明は終りました。  次に質疑に入ります。発言の通告がありますので、順次これを許可いたします。赤松勇君。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 参考人及び理事者側にお尋ねをしたいと思います。なお同僚議員からたくさんな質問の通告がありますから、私はごく基本的な問題に限りまして簡単に質問を申し上げてみたいと思います。  まず第一に、これは労組側の諸君にお尋ねをいたしますが、私の質問に対しましては、どなたでもけっこうですから答えていただきたいと思います。と申しますのは、われわれこの調停案の内容をいろいろ皆さんの御意見とともに研究する過程におきまして、どうしてもやはり今度の春闘の性格の問題が問題になるわけでございます。よく国会で論議をされますが、きょうは公労協の諸君が中心なんですけれども、皆さんが所属されておりますいわゆる総評、日本労働組合総評議会なるものが、今次春季闘争はこれを政治闘争して展開する、いわゆるゼネラル・ストライキとしてやるのだ、こういうことを言っているということをよく聞きます。私はそういう事実を知りません。ただ藤田委員長が京都におきまして、そういう様相を呈するようなことになるかもしれないということは言いましたけれども、ゼネストをやるというようなことは、一回も機関決定しておりませんし、そういう公式な言明はないと考えておりますが、この点につきまして労組の諸君は、何かそういう政権を奪取する一つの基礎工作として、下準備として今度の春季闘争というものをやってきたのか。それとも、しばしば調停案あるいは仲裁裁定がじゅうりんされている、そういう事実から、やむにやまれずいわゆる一二%の賃上げ要求というものを出してきたのか、こういう点について、簡潔でけっこうですから、一つ一般の誤解を解くためにこの際明白にしていただきたいと思います。

横川正市全逓信従業員組合本部委員長

○横川参考人 全逓の横川でございます。ただいまの質問にお答え申し上げたいと思います。私は、この春闘に入る事前において行われました、新聞あるいはその他の報道機関を通じての春闘に対する政府側の見解の発表、ないしは経団連、日経連ないしは与党の方々の見解の発表等については、まことに心外なものというふうに考えております。その実相は、もうすでに春闘が一般的に山を越したといわれる現状において、明らかだというふうに思うわけであります。その第一点は、私鉄その他の組合が逐次それぞれの企業内におけるところの話し合いにおいて解決をしていっておる、こういう事情にありますし、二つ目は公労協の内部におきましても、調停案をめぐってそれぞれ受諾し、あるいは調停案の内容について事情聴取を行われる中で、企業と労組との間の話し合いをやっておるわけでありまして、この点について事情がおわかりになるであろうというふうに思うわけであります。私は総評におけるところの幹事といたしまして、過去において、人事院の勧告が両二度においてゼロ勧告が行われ、さらにまた調停委員会においては二度においてゼロ調停が出されたという、こういう建前の上に立って、労働者の生活の安定と向上をはかるためには、なみなみならない決心をしなければ、このベース改訂はできないだろう、こういうふうに考えて、この春闘に対して私どもは参画をいたしておるわけでありまして、そのことが、政治的な、しかもそれを第一義においた闘争というふうに誤解をされた点について、私は非常に残念に思うものであります。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 よくわかりました。私どももやはりそういうように考えておったのでございます。これで公労協を代表されまして、横川君から明確に労働者側の態度が表明されましたので、一般の誤解も解けるであろうと思うのであります。  そこで続いてお尋ねをいたしまするが、従ってそういうような考え方から賃上げ要求をされる、そこで労組の賃上げ要求の仕方として、第一の段階におきましては、団体交渉を行う。そうしてできるならば闘争を避けて、団体交渉の段階において平和的にかつ民主的に話し合いで解決をしたい。そうしてその団交の過程でどうしても妥結ができないというような場合には、やむを得ず、心ならずも第二の段階であるところの調停の段階に移行する。この調停の段階において出された調停案に対しましては、むろん不満であれば拒否する自由と権利を持っておりまするけれども、今次の調停案に対しましては、いろんな不満があるけれども、諸般の事情を考えて、自分たちは非常に不満ではあるけれども、これを受諾をしたのである。そうして円満な妥結を一日も早く急ぎたい、こういうお考えであるかどうか、これを一つお尋ねをしたい。いわゆる闘争々々、闘争激発主義一点ばかりではないと私は考えるのでございまするが、こういう点について、やはり誤解がありまするので、この際明白にしておいていただきたい。  これは理事者側にもお尋ねいたしまするが、理事者の皆さんにおいて、やはり団体交渉の段階において早期妥結をするということが、一般労使の紛争の中で望ましい姿であると思うのです。やむを得ずこれが調停の段階に移行した場合におきましても、やはりそこから出されました調停案、それがいろんな不満がありましても、当事者の一方であるところの労組側が承認をしたという場合におきましては、理事者側もこれを承認するということが、私は民主的な態度ではないか、こういうふうに考えるのでありまするが、この際労組及び理事者側のお考えをお尋ねしたいと思います。理事者側は国鉄当局の副総裁にお願いいたします。なお専売の総裁も来ておられますので、お願いいたします。

野々山一三国鉄労働組合本部企画部長

○野々山参考人 私国鉄労働組合の企画部長でありますと同時に、公労協の戦術委員会を代表いたしておる、そういう立場から、先ほどの御質問にお答えをいたしたいと思います。  御質問は、組合側は非常に不満であるけれども、調停案を受諾する立場をとって、これから先一体どういうふうにこの闘争を考えてるのかというふうに言われたと思うのでありまするが、先ほど公述でも申し上げましたように、公労協全体に出されるでありましょうし、すでに六者に出されております調停案というものは、内容において多少の違いはありますけれども、大筋はほとんど同じものだと思うのです。従ってこの公労協全体としてこういったものについてどういうような態度をとろうかということも、率直に申し上げて、相談をいたしたところであります。私どもはもとより、全逓の横川委員長から申し上げましたように、経済要求をいたしておるのであります。従って経済的な問題がある程度私どもの気持に合う——非常に不満であっても気持に合うということであれば、いつでも受諾をしてけっこうだし、問題を解決してけっこうだ、かように申し合わせをいたしておるところであります。でありますから、受諾を回答いたした組合は一斉にすでに団体交渉の開始を要求しておるところであります。ただ残念ながら経営者側は、まだ政府側の意向がきまらないものを団体交渉には応じられないといった態度のようであります。非常に残念であります。一日も早く、もっと本来の労使の直接の交渉という見地から、私どもが要求いたしております、早く団体交渉をして解決しようじゃないか、この気持に乗っかっていくようなありようというものが、ぜひ出されることが望ましいと思います。重ねて申し上げますが、私どもは経済要求をいたしておるわけでありますから、経済要求が解決すれば、今日ただいまといえども解決する用意があるということを申し上げておきたいと思うのであります。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 ただいま御質問がございましたが、当初労組の方から二千円のベース・アップの要求がございまして、これは大体におきまして百五十億の金額になる次第でございます。国鉄は相当膨大な企業体ではございまするが、この金の捻出はとうていできないところでございまして、しかも今日国鉄は、機会あるごとに申し上げておるように、経済的に非常に行き詰まっておりまして、国民各位にサービスするということも現在の段階でははなはだ難渋いたしておるような次第でございまして、この点をお話して拒絶いたした次第でございます。それでお互い調停にお願いした次第でございまするが、ただいま先生がおっしゃいました通りに、私ども管理者といたしましても、国鉄の争議が一日も早く収まるようなことを昼夜念願いたしておる次第でございます。御承知の通り、国鉄は国民各位の利害関係に密接な企業でございまして、旅客といい、貨物といい、一日も運行を阻害してはならぬ企業でございますので、この辺につきましては十分関心を持ちまして、極力紛争を避けたいという強い念願と希望を持っておる次第でございます。しかしながら、調停に入りまして調停案が出て参りましたので、私ども、調停委員会の昼夜にまたがる非常な熱意と御努力は、十分陰ながら拝見し、承知いたしておりまするので、できるだけ調停委員各位の御努力のあとを追って、解決に向っていきたい、こう考えております。また翻って考えてみますと、私どもは国民から公共企業体をお預かりしております以上、十分にその経済上のあんばいをしていかなければならぬという重大な責務を持っておりますので、そういう点を勘案いたしまして、その財源等のにらみ合せに昼夜苦心しておる次第でございます。

入間野武雄日本専売公社総裁

○入間野説明員 お答えいたします。いろいろの諸問題を労使相互間で解決したいということは、常に私の念願としているところであります。ただ諸種の事情によりましてうまく妥結しない問題のあります場合は、あるいは調停なり、あるいは仲裁なりにかけて、公正なる第三者の判断に待つ、そうしてこれを解決していく、これもいたし方ないことであろうかと考えております。今回の調停につきましては、ただいま国有鉄道の副総裁からも申し上げましたように、調停委員の諸君は夜を日に次いで、非常に熱心に研究して下さって、ああいう調停案が出たのであります。私は平素四万従業員の努力、また幸福なりについては、常にこれを念願しておるものでありまして、できるだけよくしてあげたいという心持は常に変らないのでありますが、何にせよ今年度は御承知の通り国会のお許しを得まして、納付金も約五十億減額しておるような実情であります。しかもその五十億円減額していただいた納付金すらも、ただいまのたばこの売り上げ状況からいたしますれば、果してうまくいくかどうか、実に懸念にたえない。私どもの使命の一つは、やはり納付金を納めて一般会計に貢献するということである以上、しかも補正予算で下げていただいたのまでも赤字を生ずることがあっては、当事者としてまことに申しわけないと考えております。そこで先月も地方局長会議を開きまして、できるだけ配賦予算の節約を希望し、またその数字を近く取り寄せてみたいと思っております。いずれその数字を見ました上で、態度を決定していきたい、こう考えております。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 ちょっと電電公社の山本職員局長がおられますから……。

山本英也日本電信電話公社理事(職員局長)

○山本説明員 ただいまのお話につきまして、電電公社といたしましては、調停案が去る三月二日に提示されましてから、慎重に調停案の内容を検討をいたしておるところであります。御案内のように、電信電話事業は、年々相当大きな新規投資を行なって参りませんと、国会等でお認めをいただきました五カ年計画というようなものの遂行も容易な問題ではないのでございます。従いまして、業績は相当の成績を示してはおりますが、にわかに職員の給与の改善というものに振り向けられる財源というようなものは、恒久的な見通しも現在は立てられない状況でございます。今赤松先生のおっしゃいましたように、目下組合との間には紛争状態が続いておるわけでございますから、一日も早くこの紛争状態を円満に解決したいという考えにおきましては、電電公社も熱望をいたしております。その意味におきまして、私ども公社当局といたしましても決して責任を感じていないわけではございません。十分に責任を感じて、組合とも調停案をめぐりまして、団体交渉に一日も早く移るような形になりたいという工合に考えております。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 ただいま国鉄、専売、あるいは電電公社いずれも調停案を尊重する、そうして早期に紛争をば妥結したい、こういう御意向であることがよくわかりました。そこで私はこの調停案をどういうように受諾されるかということにつきましてはこれは質問を避けております。ただここでお尋ねしたいことは、今度出されました調停案につきましては労働組合側はみな不満なのであります。不満ながらもこれを一応受諾するということに国鉄、電通等はその態度を決定しておりますが、そこで国鉄、それから専売、電電公社等はこの調停案を妥当とお考えでありますかどうか、この一点を明白にしていただきたい。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 調停案の最初に示された言葉に、「両当事者は忍び難きを忍び、」という言葉があります。これは労組の方ではそういうお感じを持たれたかと思いますが、管理者といたしましては、こういうことを申し上げては悪いのかもしれませんが、感じはそういう感じじゃございませんで、何と申しますか、私企業であればできるだけ利潤を出して配当をするというようなことが考えられ、忍びがたきを忍びということになるかもしれませんが、私どもはできるだけサービスの改善をすると同時に、労働意欲を向上させるように給与の改善も考えていかなければならぬものだ、かように考えるので、その辺の感じは、私個人として申しますとそういうような感じを持っておる次第でございます。それでただいまお話がありました通り、鉄道の業務はその質量ともにきわめて大きい責任をになっておるということでございましたが、鉄道が非常に公傷者が多いとか、危険作業に従事しておるとか、昼夜を分たず列車に乗務しておるというようなことを考えますと、決してこの調停案が、何と申しますか、過当だというふうに私は考えておりません。しかしながらまた先ほど申しましたように、鉄道の企業ということから申しますと、鉄道の状態は非常に老朽な設備をかかえておりまして、これを復旧するのにも金がなくて非常に困っておるという点を考えますれば、なかなかそれを遂行するには財政的に非常に困難だ、かような両方の見方があるわけであります。この両方の見方を申し上げてお答えといたす次第であります。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木委員長 参考人またはその他の説明される方にお願いいたしますが、多数の委員から質問がありますので、お答えは率直簡明にお願いしたいと思います。

入間野武雄日本専売公社総裁

○入間野説明員 調停の趣旨に沿うていきたいとは考えておりますけれども、事財政に影響するところでありますので、にわかにいいとも悪いとも申し上げかねているような状態でありまして、ことにいろいろの問題もございますので、まだ委員会の方に御返事を申し上げていない今日、確たることを申し上げることは差し控えたいと思います。

山本英也日本電信電話公社理事(職員局長)

○山本説明員 電電公社といたしましては、現在お示しになりました調停案の内容が妥当であるかどうかということを検討いたしておるところでございます。またこの問題は、ただいま専売公社の総裁が仰せられましたように、まだ調停委員会に正式に回答いたしておりません。従いまして、提示されました調停案の内容を妥当である、あるいは妥当でないということを申し上げるまでに至っておりません。

森本靖日本社会党

○森本委員 ちょうど電電公社の副総裁が見えましたので、関連をして今の問題についてお聞きしたいと思います。  今まだ検討中であるというふうに言われましたが、この問題については、すでにこの前の逓信委員会において、調停案が出たあくる日に質問が出まして、当時責任を持って出席しておられました電電公社梶井総裁は、この調停案について尊重したいと考えます、あと二、三日の間において一応この問題の諾否についても回答するつもりだ、この回答がちょうど六日になっておったわけでありますが、その六日の当日委員会の席上でそういう言明をせられたわけであります。それから約一週間になるわけでありますが、その間において、今の職員局長の発言では、いまだにこれを検討中であるということですが、それでは前の逓信委員会における論議がはなはだしくもとへ戻ったというふうにわれわれとしては感ずるわけでありますが、この点については、電電公社当局としてはどう考えておられるか。六日の委員会において梶井総裁が、予算措置、問題云々について政府との間において話し合いがついておらないので、ここでは公社当局として確たる返事はでなきい、しかし公社当局としては、この調停案については尊重していくようにしたい、こういうふうに回答しておるわけです。この回答は今の職員局長の回答と若干違いますので、その辺をはっきりしておきたいと思う。

靱勉日本電信電話公社副総裁

○靱説明員 今森本委員のおっしゃったように、逓信委員会におきましても、この問題に対する公社の見解について御質問をいただきました。期日といたしましては一応六日になっておりましたが、なおこの問題の内容につきましても、きわめて重大なる要素を含んでおりまするし、私どもとしましては、政府関係機関でございまして、中に予算的措置を講ずるというような、主文の第三項以下の問題もございますので、いやしくも尊重して回答いたします上におきましては、これらにつきましても責任ある回答をいたしたいという考えで、非常におくれて申しわけない次第でございますが、目下各方面から検討いたしておる次第でございます。もともと私どもは、なるべく早く紛争を円満に解決いたしたい、と同時に、調停案に対しましてはこれを尊重するということは当然の考え方でございまして、そういう趣旨をこの際におきまして御説明申し上げたような次第でございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 そこで公社当局としてはこれを尊重したいということははっきりしたわけでありますが、尊重するということになると、当然予算措置を講じなければならぬ。公社当局としてはこれを尊重して受諾したいけれども、この予算措置を講ずるということについては政府のはっきりした了解がない、そこで今日政府の了解がない限りにおいては、はっきりした回答ができない、こういうふうに解釈、してよろしゅうございますか。

靱勉日本電信電話公社副総裁

○靱説明員 尊重するという意味は、これはあくまで調停案に対します趣旨というもの、それからこの調停委員会の性格というものについて私どもそういう考えを持っておるのでございまして、尊重したから直ちに諾否の問題というわけにはいかないのであります。もちろん趣旨を尊重し、公社自体としてこれを十分検討いたしますとともに、問題は単に電電公社だけの問題でもないのでありまして、諸般の事情を勘案して最終的に回答を申し上げなければならぬ、こういう状態でございますので、政府との間にまだ了解が十分つかないからとか、あるいは尊重するというのは、これは当然承諾することだというふうにお考え願うことは違うのでありまして、その点はもちろん皆さん方においても当然おわかりになると思いますが、私どもはその趣旨を尊重しつつ今これをいかに回答するかを検討いたしておる、こういう次第でございます。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 国鉄副総裁にお尋ねいたしますが、私ども国会で政府に対しまして調停案に対する態度を何度も質問しました。そうしますと、所管大臣の労働大臣は静観をする、こう言うのです。静観をするということは、それぞれ公社において態度がきまって、その後においてこれを考えたい、こういう答弁を今までして参りました。そこで順序として私ども政府の公式な答弁から考えますと、公社側の方で予算上の問題はしばらくおくとしまして、調停案を尊重する、そうして妥当なものであるということになりまして、これを受諾する、受諾した結果、これこれの企業内の資金上のいろいろな点があって、これこれ足らない、従ってこれこれの面において政府の方で考慮してもらいたいというような出し方をされるのであるか、それともこの調停案の受諾の仕方については、たとえば大蔵大臣その他と折衝をして、あくまで政府とともども態度をばおきめになるお考えであるか、いずれであるか、これを明確にしていただきたい。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 先ほど申し上げました通りにこれは鉄道企業体といたしましての財政的な検討がいろいろ問題でございますので、ただいませっかくその財源その他等につきまして調査をいたしておりますので、その結果におきましては、あるいは関係方面にお諮りするようなことが出て参るかもしれないのですが、   〔委員長退席、藤本委員長代理着席〕 ただいまの段階は、私どもの方で財源の検討その他をいたしておる段階でございます。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 なお質問があるのですけれども、自民党の中川君が質問をしたいということでございますので、亙譲の精神をもって、十分ほどだそうですから、先に質問をしていただくことにいたします。

中川俊思自由民主党

○中川委員 私は質問ということではなくて、実はきょう質問の通告をしていなかったのでありますが、たまたま先ほど来組合側の御発言を承わっておりまして、私が平素考えておることから申しまして多少関心の深いものがありますので、お聞きしたいと思って突然通告をしたようなわけで、まことに御迷惑ですが、しばらくお許しを願いたいと思います。  私は先般来この委員会におきましても政府に対して経費節約を極力主帳して参っております。労働大臣に対しても、また厚生大臣に対しても、大臣が就任したときに国費をもって委員にごちそうしたり何かしたりすることはけしからぬということを私は言っておる。また労働省でも、厚生省でも、ほかの役所でも全部そうだろうと思うのですが、くだらぬ印刷物をたくさん出して、それにむだな金をかけておる。これはみな国費、国民の血税なんです。新聞の切り抜きみたいなものを集めて、くだらぬ経費をかけておる。そのことを私は先般来この委員会でも取り上げておるのです。同様に、このたびの問題につきましても私が感じましたことは、むろんこの紛争の早期解決ということは当然のことでございまして、早くやってもらわなければ困る。理事者側とあなた方はいいかもしれないが、一番迷惑をこうむるのは国民ですよ。国民が一番迷惑をこうむっている。だから理事者側も反省し、また組合側にも反省してもらう点が多々あるだろうと思う。公社側では、予算がない、金がない、調停案を出されましても予算がないという一点張りだろうと思う。先ほど専売公社の入間野総裁は、今年は五十億も納付金を延期してもらったのだとか、あるいは配賦予算の節約も考えなければならぬとかいうことを言っておられる。そういうことを言っておられる反面、それならば専売公社自身が平素そういうふうに心がけておるかということなんです。また組合側も平素そういうふうに心がけて、国民に迷惑をかけないように自粛しておるかということです。両方とも胸に手を置いて反省してもらいたいんだ。専売公社あたりでも、金がないのになぜあんなりっぱな建物を作るんだ。それから私は、先般来国会のたばこの会で問題にしようと思っていたのですが、ちょっと待てということであったから問題にしなかったんだが、諸君はたばこ小売人をいじめておることもはなはだしい。またタバコを耕作しておるところの耕作組合をいじめておることもはなはだしい。例をあげれば幾らでもありますよ。私はたくさん例を持っておる。それをあなた方はみなやっておるんだ。弱い者いじめをやっておるんだ。たとえば一例ですが、小売の組合は三分なら三分の利益を当然もらう権利があるんだが、実際今日全国のたばこ小売人というものは三分の利益を取っておりますか。そのうちから旅行費が幾らだ、いや、何が幾らだというのでみなあなた方に天引きされておる。三分の利益を取ってはおりませんよ。耕作組合でも同じだ。あなた方に対してうまく工作をするものは一級品の選定を受ける。ところがあなた方に対してうまく工作をすることができない純朴な農民は、一級のタバコを作っても二級にも三級にも査定されておる現状ではないですか。こういうことが平気で行われておる。国鉄あたりも鍛冶橋のところにあんな大きな国鉄労働会館を作っておるが、あれだけのものを作る金があるんなら、賃上げなんか要求しなくてもよろしい、私はそう思うんだ。電電公社も同じだ。金がない、金がないといって——今度は理事者側ですが、金がないのになぜあんなりっぱな建物を作るんだ。  要するに、私は静かにあなた方の主張を聞いておると、ぜいたくに生活をして、りっぱな家に住まって、小づかいは使いほうだい使って、足りないからもっとくれ、こういうことに解釈される面が非常に多い。私はそういうふうに解釈する。それでは国民の同情はありません。実際に国民の中には今日その日の生活に困っておる者が多いじゃありませんか。この委員会でもしばしば問題になるのでありますが、遺家族の援護の問題、あるいは日雇い労務者の問題、つき添い婦の問題等たくさんあるのです。そういうふうな人に比べれば、失礼だが、国鉄とか、電電公社とか、全逓、専売公社の組合員の諸君なんかは労働貴族だと私は称しておる。先般も私はそのことを委員会で言ったが、あなた方は労働貴族だ、私らから見ればぜいたくを言う資格はない。私は自民党であっても、あなた方の当然の要求はどこまでも支持します。幹部がこれを拒否しようと思っても、あなた方の要求が当然であるならば、最善を尽してそれを支持するだけの雅量を私は持っている。しかしながら公平な立場から考えてみて、今日組合側にも加担することができなければ公社側にも加担することができない。どっちもぜいたくをやっている。賃上げ賃上げといっていたずらに賃上げだけをやっていくということは、私が申し上げるまでもなく、これはもう日本経済の破壊です。だんだんインフレに導く要素を作っていくのでありますから日本経済の破壊になる。私は質問らしい質問をあなた方にして答弁を求めようとは思いませんが、公共企業体であるということをどうか一つ十分に念頭に置いてもらいたい。公共企業体は公けな機関でありまして私企業と違うのですから、これらの点を十分念頭に置いて考えていただいたならば、こういう問題はおのずから解決できるだろうと思う。調停案の中に、忍びがたきを忍んでなんて、まるで二・二六事件のときのような文句を書いているが、忍びがたきを忍んでなんていうことはもっと非常に苦しい立場にある人に対して言う言葉であって、あなた方労働貴族に対して言う言葉じゃない。だから、私は別に答弁を求めようとは思わないが、要するに理事者側も組合側も十分反省してもらいたいということです。国民の協力がなかったら、国民の共鳴がなかったら、いずれの労働争議も解決いたしません。決してあなた方の都合のよいようにいかない。理事者側もまた同様でございまして、ぜいたく三昧をしておって、そうして組合員がわずかな賃上げを要求すればこれを拒否するというような態度はいけない。組合側がまじめにやっていることに対してはやはりまじめな態度で接してもらいたい。そういうふうにお互いが互譲の精神をもってやらなかったならばこの問題は解決しないのでありますから、これらの点は、こんなところで公述してもらわなくてもいいから、組合側も理事者側も、こんなところへ持ち出す前に、両者において胸に手を置いて十分考えてもらいたい。今晩一晩十分反省してもらいたいと思う。私はこの点だけを申し上げて、諸君の時間をもらったのでありますからこれでやめます。

藤本捨助自由民主党

○藤本委員長代理 井堀君。

井堀繁雄日本社会党

○井堀委員 電電公社副総裁と国鉄の総裁のお二人にお尋ねをいたしたいと思います。  先ほど来、赤松委員からお尋ねをいたしましたのに対する御答弁を伺いますと、今問題になっておりまするベース・アップの団体交渉から、さらに調停に持ち込みまして一部調停の結論が出たようでありますが、これに対する結論をお尋ねすることはある意味で御迷惑かと思いまするから、詳細お答えのできる問題を取り上げて二、三明らかにいたしたいと思っております。  このベース・アップにつきましては一般に強い関心を持っておりますることは、先ほど来だんだんお話がありましたように、公企業に非常に大きな影響をもたらす事業でありますだけに当然で、公企労法に規定されておりますように、できるだけ問題を友好的にかつ平和的に処理されることを望みまする点は国民同様だと思います。そのことが今日思うにまかせないという事実が若干あります。私はこのことを遺憾に思いますとともに、事柄はきわめて明確な賃金値上げの要求に対する紛争が中心でありますから、このことについては今にわかに問題が発生したものでないことは想像にかたくないのであります。かなり前からこういう問題について、経営の衝に当る責任者としましては、一般の国民生活なりあるいはこの種の企業というものがどの程度の労働条件を維持すれば適当であるかということの目安は持っておいでのはずであります。こういう点について労働組合側からも要求が出、団体交渉も行われたものと思う。この団体交渉の過程において、電電公社にいたしましても、国鉄にいたしましても、お二人とも総裁を助けて経営一切を統轄される立場の責任者でありますから、こういう問題に対するはっきりした日ごろからの見解があると思うのであります。そこでそういう立場で一つお伺いいたしたいのは、ただいま組合と当局との間の話し合いの形でありますが、団体交渉は今日一応たな上げになって調停の段階というふうになっておるのでありますが、その状態は一体平常な姿であるかどうか、平常でないとすればどういう状態であるか、平常であれば平常であるということをこの際はっきりお答えをいただきたいと思います。第一の問題は先ほど来申し上げておりまするように、このベース・アップに対して、当局としてはどのように御判断なさって組合側に回答されてきたかについてごく簡単でけっこうでありますからお二人の御答弁をお願いいたしたいと思います。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 ただいまベース・アップというお話でございましたが、現在国有鉄道は財政的な見地から申しまして相当憂うべき状態にございますので、ベース・アップということはとうてい考えられないということでございます。  第二段のかような状態が正常状態であるかどうかという御質問につきましては、私ども決して正常な状態とは考えておりません。ことに調停に対しまして回答がおくれておりますことにつきましては、まことに遺憾に感じております。

靱勉日本電信電話公社副総裁

○靱説明員 第一段の在来どういうふうに考えていっているかという点につきましては、私どももちろん多数の職員が仕事をいたしておりますので、職員の給与の妥当性というものについては常に検討いたしておる次第であります。今回の調停案におきまして、ベース・アップするようなことは、現在においては考えられないというような趣旨のものがまず第一にうたわれておるわけでございまして、当時組合からの平均二千円アップという要求に対しましては、公社におきまして若干業績が上ってはおりますけれども、これを平常化しましてベース・アップすることはとうていできないというような見解のもとに、双方遂に意見の一致を見ないで調停にかかった、こういう事態になっておるのでございます。私ども国民に対しまして電信電話のいいサービスを提供するという意味合いにおきましては、職員全体が能率よく、しかもきわめて勤勉にこの職務を遂行していかなければならぬ、そういう面から見まして私どもの仕事はかなり——かなりというよりか、むしろ非常に職員の勤惰に関係いたしておりますし、またその能力に関係するところが多いのでございますから、なるべく業績賞与において、私どもはこの事業の特殊性と申しますか、職員の労働の価値に対して報いていかなければならぬ、こういうような見解に立っておりますと同時に、もちろんベースの適、不適ということについては常に関心を持っておるような次第であります。  そこで公社におきましては、前年度におきまして新たな給与体系を作ったのでございますが、これの実施の結果を見てみますと、なお若干考慮を要する点がございます。これらにつきましては、ここにある程度の是正をいたさなければならぬというような考えをもって、組合とも折衝いたしておったわけでございまして、その他こまかい各給与のことにつきましてもなお改訂を要するような点はあるのであります。しかしただいまのベース・アップの問題につきましては、私どもやはりまだそういうような状態には公社の経理、財政状況から見ましても、その他一般の情勢から見ても困難であるというような見解を持った次第であります。  なお現在の状態を平常と見るかどうかという御質問でございますが、これはもちろん紛争状態になっておりますので、これは決して平常な状態だとは考えておりません。従いまして紛争をなるべく早く円満に解決することに努力いたしておる次第であります。

井堀繁雄日本社会党

○井堀委員 お二人の御答弁ほぼ同じようで、多少食い違いはあるようでございますが、それぞれのお仕事の関係で相違はあると思いますけれども、ベース・アップを適当としないというお考えのようであります。それでは現在の職員の給与体系ないしは給与の実態というものが正常なものであるとお考えであるか、あるいは一日も早くこれを改善して正常なものに置きかえねばならぬというお考えであるのか。この点に対する日ごろの御見解を聞かせていただきたい。  それから第二の、ただいまいずれも正常なものでない、紛争状態にあるという御答弁がありまして、非常に意外に私は感ずるのであります。当時者としましては、正常な状態でないというその原因はきわめて明確でありますから、その原因の問題について、今両方、からめてお尋ねをしたわけであります。まず前段の問題について、ベース・アップは適当でないと思うが、しかしこういう事態が起ったということについては、その責任をどのようにお考えになっておるか。この点との関連においてもう一度御答弁をお二人にお願いいたしたい。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 ただいまの給与につきましては、調停の前文にございます通りに、国鉄は質と量とにおいて非常に過酷な勤務をいたしております。先ほどもちょっと述べました通りに、一年間に数百人の公傷犠牲者を出しますし、また昼夜の別なく乗務をいたしておるというふうな点から考えまして、給与については将来ともできるだけ改善していきたいとは考えておりますが、先ほども申しました通りに、現在国鉄は種々の関係で決してあり余る金を持っておりません。と申しますよりも、現在は非常に多くの古い施設を持っておりまして、これを急速に取りかえていかなければならぬ。それから年々非常に膨張をして参ります旅客の輸送あるいは貨物の輸送に対しまして輸送力もつけていかなければならぬ。そういう点が全部意にまかせずに済んでおる。かような状況でありましたならば、この給与の改善ということもなかなか早急にいたしかねる、かように考えておる次第でございます。それでそういう状態になったのはどういうわけか、こういうお話がございましたが、そういう点については日夜経理の改善に努力いたして参りますが、しかしこれは相当昔からのいろいろな悪い条件が重なり重なって現状に至った次第でございまして、こういう経理の改善ということは、なかなか一朝一夕でできがたい原因もございまするが、せっかくいろいろ企業の合理化その他によりまして、一日も早く経理の改善をいたしていきたいと念願しておる次第であります。

靱勉日本電信電話公社副総裁

○靱説明員 正常の状態でないと申し上げましたのは、紛争が起っておるということを申し上げた次第でありまして、この紛争に対する団体交渉の経過につきましては、先ほどごく簡単に御説明申し上げたような次第であります。そこで給与体系につきまして、きわめて完全無欠なるものが常に存在するかということになりますと、これは私どもなかなかむずかしい問題だと思っております。従いましてやはり給与体系におきまして、改善すべきものについては、組合側ともよく協議いたしまして漸次改善する、こういうふうな態勢になっておったのでございますが、今回の紛争は主としてベース・アップの問題でございます。これに全部からみまして、やはり両当事者の見解の相違というものを調停委員会の調停にゆだねるというような一つの労働紛争に対する解決の態勢になっておりますので、調停委員会に調停を申請した、こういう形になっておるのでございます。これはいずれの責任なりや、こういう正常な状態でないことについてどういうふうに責任を感ずるのか、こういうことでございますが、私どももちろん紛争の起るということは決して好ましからざる事態だと思うのでございますが、組合といたしましても、もちろんこれは単に電電公社だけの問題でなく、今回におきましても、三公社五現業というものが一致しまして、やはりみな二千円アップというような線で大体出ておるというような形になっておりますので、この問題の処理はしかく決して簡単でないという事態を私ども十分承知いたしておるのであります。調停案自体につきましても、調停期間をかなり過ぎて調停案が提示されるというような状態でありまして、今回の紛争につきましては、私ども平素からやはり組合と十分協議し、団体交渉もいたしまして、種々の問題の解決に当っておるわけでございますが、この事態を常に絶対に起らぬ事態に持っていけるということについては、双方におきまして、さらに努力をいたさなければならぬ分野が相当にある、こういうふうに考えておる次第でございまして、私ども今後しばしば紛争の起ることがないように考えていきたい、そういう考えでございます。

井堀繁雄日本社会党

○井堀委員 それではもう一ぺん重ねて明確に一つお聞きしたいと思います。画一的なベース・アップは好ましくない、しかし現在の給与の実態や従業員の待遇については、業績とにらみ合せて改善していきたいというふうにお答えがあったと思います。そこで今その内容についてのよしあしをわれわれは言及する立場に置かれていないと思うのです。調停にもかかって、調停のあったあとのことでありますから……。そこで私のお尋ねいたしましたのは、今お答えがいただけましたから明らかになりましたが、労働者側の要求としては、画一的なベース・アップをもって正常な給与体系に進もうとするという御意見のように聞いておりますが、当事者側にそれに対して異論があるとするならば、これは相当長い期間をかけて討論すべきだと思います。これはひとり現在の公社に限ったわけではありませんが、民間企業も含めて、日本の現状というものは、まだ正常な労働者の給与体系を求めることにいろいろ困難な事情にあることをわれわれはよく知っておるのであります。しかし大事なことは、これが公共企業体でありますだけに、われわれとしては強い関心を持つものであります。それは民間企業の場合と異なりまして、公企業体の場合においては、他に率先して新しい形を作り上げていく義務がお互いにあるわけであります。こういう点からわれわれはやはり問題をとらえていかなければいけないと思います。当事者でありますから切実に感じておられると思いますが、施設の改善ももちろん急がなければならぬのでありまして、私が特にこの二つの公社を取り上げたのは、二つの公社とも国民生活に結びついており、その企業は民間企業と類似の事業であるからで、この企業において一番大切なのはサービスである。運輸企業にいたしましても通信企業にいたしましても、特別の機能を持っておるのでありまして、広いサービス的な役割がやはりある。このことは私は人の質によると思うのであります。先ほど中川委員からも追及がありましたが、やはり国民に対するよいサービスをするためには、その労働者の人格なり徳性なりが高まってこなければならぬことは言うまでもないのであります。古い言葉ですが、衣食足りてという言葉がありますように、今日のような生活に追い込んでおいてよきサービスを求めるということが無理な注文であることは、皆さん御承知のことと思います。こういう点から、少くとも公社をあずかる人々としては、こういう給与体系、こういう賃金形態でなければならぬという案は持っておるはずである。これは非常に重大なことだと思うのでありますが、国際的な日本の経済関係というものを無視して労働条件の問題は考えられぬのです。これは皆さんも御検討になっておると思います。日本の公企業のサービスというものは、諸外国のそれに比べて非常に悪いのであります。そのことはそのまま労働条件が低いということに統計の上で説明されることができるのであります。この労働条件をどうして引き上げていくかという対策が持たれておって初めて団体交渉に受けて立てるのです。公企労法の改正と今取り組もうとしておりますが、この法律の一条にも明らかにされておりますように、これは民間における労使関係とは違うのであります。要求が起ってから賃金の問題を考慮したり、あるいはベース・アップの問題が出てからあわててこれに対応するというようなことでは間に合わぬ。これはこの第一条をお読みになればすぐわかる。こういう企業をおあずかりになる代表者といたしましては、当然そういうような要求が起ってくる以前にそれぞれの対策を持っていなければならなかったと思います。そのことを御発表願えるかと思って伺ったのでありますが、不得要領の御答弁でまことに遺憾に思うのであります。こういう点で実は団体交渉が一番望ましい姿である。これはこの法律の精神です。これでうまくいかない場合は調停に移し、さらに三段階の最後の段階の仲裁の段階を持っておるわけであります。皆さんは、人はかわられましたけれども、受け継ぎをされておると思いますが、私はこの委員会でたびたび政府を督励し、いつもこの法律の精神を説いた。要求の起る前にどうして団体交渉の形において労働条件の問題をもっとノーマルに持ち出してくることができないのか。団体交渉がうまくいかないで、調停に持ち込んできて、その調停を受けるとか受けないとか、尊重するとかしないとかという議論をここでしなければならぬことはまことに遺憾なことであります。法律の精神に明らかなように、友好的に団体交渉でやれと書いてある。やむを得ぬ場合が調停です。最後の段階に仲裁に持ち込むわけです。私は先ほどの御答弁で大体わかりましたけれども、それはまあ全体の関係の中において、労働条件と施設の問題、あるいは業績と給与の問題、そういう関係はあると思いますけれども、こういう問題はもっと前に当局側としては明らかに、われわれはこういう給与体系、こういう待遇が望ましいというものを、今までお示しになったことがございますか。またもしあったというならば、お聞きになった労働組合の方々もここにおいでになりますから、そういうものをお考えになり、またそういうものを具体的にこの調停に臨む前に提示されたことがあるかどうか。私は今初めて聞くのじゃありません。国鉄の場合には、長崎総裁の時分にもこの委員会でそのことをあらかじめ希望しておいた。やりましょうという約束をしておる。速記録を見ればわかる。こういうことについて事務受け継ぎをなさったことがありますかどうか。ちょっと話は脱線しましたけれども、とりあえずあなた方団体交渉に臨まれるときに、対案を持っておいでになったかどうか、その点を一つ明らかにさせておきたいと思います。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 昨年の暮れにおきまして、二千円のベース・アップの要求がございました。それを団体交渉のきっかけといたしまして、話が始まりましたので、まあ常々私どもは個々の形態におきましては、賃金体系というものは始終考えておりますが、具体的に団交あるいは正式の給与の改善という題目で労組と折衝したことは、最近、団体交渉の以前、今回の調停の以前におきまして、具体的に行なったことはございませんでした。

靱勉日本電信電話公社副総裁

○靱説明員 私どもの方としましては、先ほどお答えしたような次第で、常にこの問題については検討いたしております。従いまして、ただいまの御質問の団体交渉したときに腹案を持っておったかどうかという点でございますが、私ども組合の要望するような案はもちろん持っておりませんでしたが、給与体系について若干是正すべきものがある。その他の個々の問題につきましても意見は持っておったわけであります。もちろんその案も持っておった次第でありますが、何と申しましても、これはもう私から申し上げる必要はないかと思いますが、ともかく三公社五現業二千円アップで、二千円にあらずんば絶対に受けないという形ですから、どうしても調停に持っていかざるを得ない、こういう結果になったのでありまして、労働紛争の現在の姿というものは、確かにそうなっておる。私どもがかりに二千円に応じなければこれは絶対に団体交渉成立せず、こういうような状態になっておるという次第もよく考えていかなければならぬ、こう思っておりますが、先ほど申したように、常日ごろ私ども給与の適正妥当ということについては検討いたしておる次第であります。

井堀繁雄日本社会党

○井堀委員 この機会に要求しておきたいと思うのですが、国鉄、電電公社、専売公社、郵政のそれぞれ経営者側を代表する方が見えておる。わずかの時間で尽すことはできぬと思いますが、国鉄は今のお答えでは何らの用意がなく受けて立ったような話であります。また聞き方によっては腹案が必ずしもないようではないように聞えます。電電公社の副総裁は明らかに腹案があるようです。で、この機会に要求しておきたいことは、現在のこういう公共企業体の持つ正常な労働条件、ことに給与の問題について、一つ当局の見解を書面にしてこの委員会に提出してもらいたいと思う。  それから先ほどお尋ねいたしましたら、今紛争状態という言葉がありました。それから正常でないという言葉がありましたが、念のためにお尋ねいたしておきますが、公企労法の十七条にある、すなわち罷業、怠業その他業務の正常でないというこの十七条に該当する状態かそうでないか、この点に対する御答弁を願いたい。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 ただいまの状態につきましては、ただいま第三波に入っておりますので、この詳報を受けましてから判断いたすべき問題でして、今ここで直ちに公労法十七条に該当する行為であるかどうかということを簡単に申し上げられる段階ではないと考えております。

靱勉日本電信電話公社副総裁

○靱説明員 私どもの方におきましても、ただいま直ちに十七条に該当する事態であるかどうか、本日の状況においてはまだそういう状態でないというふうに考えておりますが、この第三波と申しますか、これの進行状況によりましては——現に組合側に対しても警告書を出しておることは事実でございます。そういう事態については、公社側としましては、そういうことがないようにということをはっきりと警告をいたしておるわけでありまして、ただいまのところ、今国鉄からお答えしたと同じように私ども考えております。

井堀繁雄日本社会党

○井堀委員 はなはだ奇怪な御答弁であります。あなた方お二人とも総裁にかわるべき立場だと考えます。あなた方は組合の要求を受けて立って、しかも調停が出ておる。すなわち労使関係は一つの経済要求を満たすべく意見の対立をしておる。当然そこには団体の動きがあることはわかっておる。その動き方に対してお尋ねをしたわけです。正常でない、あるいは紛争状態ということを言っておられる。それが十七条に該当するかしないかわからないような、一体乱暴な答弁があるものじゃない。該当しておる、いない——これから先のことを聞いておるのじゃない。現在あなた方が正常でないとかあるいは紛争状態とかいう言葉を使われたから、そのことを聞いておる。今お使いになった言葉は、十七条に該当するのかしないのか、そのことを一つ。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 公労法第十七条は、私が申し上げるまでもなく、非常にむずかしい規定でございまして、たとえばあれに該当するやいなやということにつきましては、どういう点で、あるいはどの範囲で、あるいはどういう事象が起った場合に該当するかということは、私まことに浅学ではございますが、学者の間においてもいろいろ説があるように承知いたしております。たとえて申しますれば、鉄道事業におきましても、あるいは改札が一人無札ができましても、これが正常な運営でないということが申されますが、また公労法十七条の精神から見れば、無札一名で該当するというふうなこともまた常識上考えられない次第でございます。ただ形式的ではなく、私どもは十七条の適用があるかいなかということにつきましては、その行為の影響その他実害、いろいろな点から判断していかなければならないのでございますから、争議につきましてもやはりその全貌が明らかになりませんと、にわかにその十七条に該当するやいなやという最後的な決定を下すことは、非常に困難だと私ども考えております。

靱勉日本電信電話公社副総裁

○靱説明員 紛争あるいは正常の状態でないということを申し上げましたのは、ともかく組合側から要求があり、団体交渉において解決つかないで調停委員会にかけた、こういう事態で現在そのベース・アップを中心に、要するに基準外賃金の引き上げという問題について両者の意見が一致していない。組合はこれに対してあるいはいろいろと闘争本部を作り、そういう行動になっておるということについて私が申し上げたので、それが現在業務のサービスの点において紛争が起って混乱しているからということについてお答え申し上げたのではない。そういう労働関係になっておるということを申し上げたのであります。  それから私どもの公社だけのただいままでの経過についてみますれば、現在までは十七条に該当する事項はないと私どもは考えておる次第であります。

井堀繁雄日本社会党

○井堀委員 電電公社の副総裁に一つ伺います。そういう紛争は十七条に関係がないということでありますが、これは労使関係の意見の対立ですから両者に責任があることは言うまでもありません。その問題はいずれ答弁書が出てくれば、内容を見て組合の要求とあわせわれわれは判断する資料にいたしたいと思います。  国鉄の副総裁についてでありますが、あなたは今十七条に該当する事項が起きておるかいないかわからない、今の状態は正常である状態かどちらかわからないといったような十七条の法律解釈を私は聞いておるのではありません。あなたは鉄道をあずかる責任者として、今電電公社の副総裁はあのように答弁をされております。あなたの御答弁は何か聞き方によりますと、十七条に該当する事項があるかもしれない、ないかもしれぬというようなお答えのようですが、あなたはこの現状をどうお考えになっておりますか。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 ただいままで私が承知しておるところによりますと該当しているものはございません。

井堀繁雄日本社会党

○井堀委員 それで私のお尋ねしたい点ははっきりしたと思うのです。そこで希望したいことは、こういう給与の問題についてはただいままでの御答弁で明らかなように、必ずしも正常な給与でないという点については、立場こそ相違せよ一致しておるようであります。こういう問題についてわれわれ国民の立場から要望したいことは、法第一条の精神にあるように、友好的に第三者調停や仲裁にかかってこぬで済むように問題を処理されるように希望いたしたい。しかしこれはなかなか意見が必ずしも一致するものとは私どもも即断はしません。しませんが、こういう問題について調停の精神を尊重することをそれぞれ皆さんの立場から表明されておりましたが、これはもう尊重することが当りまえなんです。望ましいことはこういう紛争の中に、ことに調停案を拝見いたしますと、多くの団体交渉を後に持つことが前提になっておるようであります。団体交渉を持つ際でありますが、皆さんの方は比較的少数で協議がまとまるわけです。労働者の側になりますと、職場が国鉄にいたしましても電電公社にいたしましても全国的でしかも多数である。こういう多数の意見を統一して団体交渉の場に移すということがいかに技術的にむずかしいことであるか。この点は憲法の精神なり労働法の精神にあるように、個々の労働者の意見をもってしては団体交渉にならぬのです。もし少数の人の考え方で団体交渉に応ずるようなことでありますならば、その労働組合はそれ自体が労働組合の本質をそこなうものであるくらいのことはおわかりでありましょう。でありまするから、組合員の意思が統一されてくる、すなわち組織的な人格というものが団体交渉に反映してくるということについては、こういう企業をあずかる立場の人もよほど留意しなければならぬ問題だと思うのであります。一方的な命令や、一方的な意思によって、そういう労働者の組織的な人格の統一やあるいは意見の整理や、そういうものにいささかも迷惑のかからないように十分御留意をいただきたい。そういう点に配慮が足らないのではないか、私は、たびたびこういう三公社五現業の問題が国会で論議された際にいつもそう思う。今回の場合でも特にそういう点が感じられます。先ほど来赤松委員との質疑応答の中にも、何か責任を他に転嫁するかのごとき答弁を伺うのであります。もちろん公企業体でありまするから、国の方針、政府の政策と全然遊離した経営が行われようとはわれわれも考えません。しかし独立採算が許されて企業の地位は確立されております。特に労働条件については、あなた方が全責任を持たされておるわけであります。それを何か政府の政策に、あるいは他の政治勢力に籍口して問題の解決を遷延するかのごとき傾向が今までたびたびある。こういうことがありましては、団体交渉などというものは正常なものになろうはずがないのであります。こういう点に私は団体交渉の運営の上に非常に無理があったんじゃないかと思う。それが調停にいき仲裁に発展するんじゃないか。仲裁などは不名誉きわまる話です。また調停を受諾するかしないかとまごまごするようなことでは、この公企労法第一条の精神を十分把握しておるとは思いがたいのであります。こういう点を十分御配慮になりまして、さっきから伺いますと、給与の問題については何も相反する立場ではないようであります。多少の意見の食い違いは余儀ないでありましょう。しかしそれは団体交渉でやるべきだ。こういうような意味において正常な団体交渉の姿に一日も早く発展されますことを希望いたします。特に二つの点につきまして御答弁をいただきましたが、第一の給与の問題については、ぜひ最も短い時間に書面にして当局の考えておいでになりまする給与の正常な姿とは何かということをわれわれの方に報告願いたい。これは委員長にも希望しておきますが、今日御出席の四つの公社からそれぞれに至急にそれを取り寄せていただきたい。これをもって私の質問を終ります。

藤本捨助自由民主党

○藤本委員長代理 井堀委員の御要請による答弁資料をすみやかに御提出願いたいと思います。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 ただいまのお話、特に御指示をいただきました点は、私どもも十分考えまして、もし団交に入りました場合には十分その御趣旨を体して協議をいたしていきたいと思います。またただいまの資料の御提出につきましては承知いたしました。できるだけすみやかにととのえましてお手元にお届けいたします。

藤本捨助自由民主党

○藤本委員長代理 大坪君。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員 私は今総評の指導しておりますいわゆる春季闘争というものに対しては非常に深い関心を持ってその経緯を注視いたしておるわけでありますが、三公社に対する調停案をめぐって、労働組合側からは、機関車労働組合を除いてそれぞれ大体受諾の回答がなされたようでありますけれども、公社側からはまだそれに対する御回答がなくて係争中の事柄でありますから、要求の事項、さらに調停の内容等についてこの際私はかれこれ御質問申し上げる気はございません。社会党の委員の諸君もそこに非常に配慮をされて、非常に遠慮した質問をされておりますことは、私もきわめて同感をいたす次第でございます。私もさように思うわけであります。ただ先刻私はおくれて入って参りましたが、専売公社の斉藤さんですかの供述の中に、政府や与党が今度の春季闘争に対して強硬な態度をとったことがかえって労使間の話し合いにじゃまになったというような御発言があったように聞きましたので、その点について私はちょっとお伺いしたいと思うのであります。なおさらにもう一つ国鉄の当局に対して引き続いてお尋ねをしたいと思います。  先刻の斎藤さんの供述の、今私が申し上げた言葉はどういうことを意味するのか、私は非常に理解に苦しむので、その御解明が願いたいと思います。私は政府与党である自由民主党に属しておりますが、自由民主党は去る二月の八日でしたかに、今回のこの春季闘争における総評の指導について党の考え方というものを述べて、いわゆる声明を出した。その出したことは、今回の春季闘争は御承知のように総評が昨年の七月から計画をしていることである、そしてその要求は、大体二千円程度のものでありますけれども、賃上げ要求である——純経済闘争とは言っておりますけれども、その要求のいたし方、闘争の戦術、規模等から見まして、私どもは単なるいわゆる経済闘争じゃないという感じを深く持ったわけであります。それは要するに官公労の三公社、五現業はもちろん、官あるいは国家企業と民間企業とを一緒にして、民間企業においても非常に採算のいい、いわゆるいんしん産業と、まだ立ち上りをいたし得ておらない炭鉱のごとききわめて不況な産業を一緒くたにして、同じような立場における賃金値上げをいたしておる。しかもその闘争の方式が、時期の選び方からしましても、スケジュールを組んでやっているという点から見ましても、また直接関係ない官公労を先頭に立てて政府デモ、国会デモ等を計画しているような事柄等からしましても、特に社会党と連絡をしてやるというような事柄が規模の中に掲げられておる、それから二月三日の定期大会においては、社会党の鈴木委員長も出られて大いに激励されて、われらは政治闘争と組んでやるのだ、特に三月には内閣不信任案まで盛り上げて持っていくのだというようなことを言っておられるし、外に旅行しても言っておられる、その他一々今回の争議の特色を数え上げますと、いわゆる賃上げだけをする経済闘争だというふうにはどうしても考えられない。しかも三公社、五現業のごとき、公企業ないし政府の経営する事業が関係しているわけでありますから、国民の日常社会生活に非常に深い影響を及ぼすのみならず、国民の経済に非常に大きな関係を持つものであるというようなことからして、私どもは労働運動の正常化を希望するけれども、こういう政治闘争をただ見過ごしておくことは適当でないということを言ったのです。それは声明の中にもはっきり出ている。それが今回あなた方が三公社の当局と——今専売関係でありますから、専売当局と話し合いをなされる上においてどういう、あなたの話にあった悪影響があったか、これは私どもも反省せねばならぬ点があるかもしれないから、その反省の資料にもしたい、こういうことで伺ってみたいと思います。

斎藤一雄全専売労働組合中央執行委員長

○斎藤参考人 私は今度の春闘において、特にこういう春闘の中で私どもの調停案の取扱いが今までと非常に相違したような感じを受けております。この感じは先ほど公述の際にも申し述べましたように、特に政府与党である自民党が春闘に対する声明を行い、また政府は警告を発しまして、それに従って専売公社当局もわれわれに対して警告を行なって参ったわけです。しかしながらこの警告というものは、今日までも出たことはございますが、そういう中におきましても、今日までは大体三割休暇は、専売の場合、合法として慣行化されておったわけであります。また職場大会にいたしましても、あるいは庁内ビラ張りとか、その他懸垂幕等にいたしましても、これらは公労法の中における労働慣行として一応今日まで慣行化された、こういうふうな印象をわれわれは持っておりますし、これは公社当局はその点の考え方がどうかよくわかりませんが、少くとも今日まではそういうことは合法として、少くとも公労法の十七条の適用を受けたり、あるいはまた就業規則の適用を受けたり、こういう事態はなかったわけであります。しかしながら今回この調停案が出まして、私どもこれに対する受諾の態度を表明いたしました。従ってこの調停案の内容そのものからいいますならば、専売は大へん経費節減を行いまして、なるべく予算を浮かして赤を埋める、こういうようなことを経営者がやっておるようですが、それにいたしましても給与予算は、給与総額というものは定められておりますから、従ってそういう一般経常費とは別個のワクを持っておるわけであります。専売のように大へん企業が苦しい場合は、予算総則もあるいはある面では利点があるかとも思うのですが、予算総則というものがあるがゆえに、給与総額の中からは、公社当局もまさか金を大蔵省に返す、かような考え方は持たないだろうと思うのであります。従いますれば、大体給与総額の中におきましては五億円程度の金は余ることになるというふうに私どもは考えておりますが、多少経費がその他に使われておるから、むろんそんな額はないということは言えるにいたしましても、私は一人当り平均五千円程度の調停案の実施はできないというようなことを公社当局は言えないと思うわけであります。しかしながら今回の調停案の公社当局の回答というものはいまだなされておりませんし、先ほど井堀先生からも御質問がありましたように、特にこの公労法の第一条は、労使間において団体交渉を行なって紛争を解決するというのが、最も大きなねらいになっております。また平和的に紛争を解決するというのは公労法の最も特徴を持った点でありまして、かような点からいたしましても、少くとも調停案の提示を受けまして、すでに一週間を経過し、すでに回答期限からも三日を過ぎておる、こういう段階で公社が回答を行わないということは、公社の経理内容を見た上においては、これは公社当局が大体他の公社あるいは五現業その他政府の意向を待って態度をきめる、こういうふうなことを考えておるという以外に私どもとしては考えられないわけであります。もしさようであるならば、たとえば警告書を政府が出すと、それに従って専売公社当局も、今まで警告も何もなくて認められておったものを、それは労働争議に反しておる、あるいはこれは違法であるということで、今までは平和におさまっておったものを、ことさらにそういう処分を行うことによって紛争を拡大しようとしておる、こういう点は私どもはまことに遺憾だと思っております。そういう関連から、むろん政府やあるいはその与党であります自民党におかれましても、一連のお考え方があろうかと思うのであります。従って私が先ほど言いましたことは、政府与党である自民党が、今回特に強い態度をとっておる、これは声明書で明らかなことですが、そういうことや、あるいは政府が警告書を発して、そうして今までは円満におさまるような、あるいは専売当局においては、この調停案そのものを処理するという場合においては労使双方で円満におさまるという見通しがあるにもかかわらず、それがおさまり得ないということは、私どもとしてはまことに遺憾であるということを申し上げた次第であります。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員 政府当局や特に私どもの属しておる自民党が声明を出したということは、労使間の交渉を正常なルールに乗せてやっていったらどうかということを言っておるのです。たとえば私どもの掲げた声明の中にも、こういうことがはっきり書いてある。われわれは国民経済の興隆と国民生活の繁栄のために、労働運動の正常化と健全化をこいねがう見地からということを言っているのです。交渉の仕方を正常な労使間のルールに乗せてやってくれということです。その調停の内容についてかれこれ言っているということはないのです。政府当局といえども、警告を発したのは、労働争議のやり方を常軌を逸しないようにしてくれということを言っているのです。今回の調停案に、政府当局も最初に強硬態度を持した、与党も持した、だから調停案に対する回答を当局がちゅうちょしているだろうというようにあなたは解しておるようだが、先刻から当局の話を聞きますと、調停案の内容の三項、四項は、特に予算措置を要するということを書いているから、その予算措置を要するについて、予算措置をどうするという検討を今しているんだ、これは政府当局にも話し合いをしなければならぬ、のみならず三公社であるから、他の企業にも影響するであろうというような配慮もしなければならぬから、それでひまが要っているんだという御回答であった。私はごもっともだと思う。今回の春季闘争の最初に政府が強硬声明をしたから専売当局が萎縮しておるとか、あるいは自民党が声明を出したから萎縮しているということはあり得ないと思います。あなたが政府当局の強硬声明で専売当局が萎縮したと考えられるならば、私はあえてあなたと議論する気はないんだけれども、先刻あなたも労使間の団体交渉によってこの紛争は解決するのが正常の道だと言っておられます。私どももそう思う。それを期待するのだ。ところが今回の春季闘争というものは、総評が指導して昨年の七月から計画して、そうして民間企業も一緒にし、何ら政府に要求も出していない公務員も一緒にして、大きな労働組合の圧力をもって対抗し、要求しているのです。それがいいとあなたは言うのですか。あなた方の労働組合だけで専売公社と一対一の立場で、労使間の団体交渉で交渉を片づけてくれればいいとわれわれは考え、また念願もする。あなた方は総評という日本一の労働組合のバックを持って、そうしていろいろの闘争、ストライキ等まで入れまぜ、国会デモまで入れまぜて、そして大きな圧力をもって闘争をやりながら、片一方事業主の方には、政府当局が強硬声明をした、与党の自民党が一片の声明を出した、それが非常な圧力だ、こう感ぜられるのであるか、その点は非常に不幸平な感じはしませんかと私は思うのです。その点はどうでしょう。今後の問題もあるので、一応この点についてお話を願いたい。

斎藤一雄全専売労働組合中央執行委員長

○斎藤参考人 私は、具体的にこれがどういう関連性を持つかというようなことはもちろん知り得ませんが、しかしながら、専売の調停案が出てから今日まで、自民党の政調会におかれましても、三公社の理事者を呼ばれて、そして三公社の給与内容を御調査されたということは、これは自民党も、政府与党としての立場からでしょうが、調停案の内容については大へん強い関心を持たれておるということの一つの証拠だろうと思うのであります。従って、そういう政府与党が声明書を出したから、何も与党と専売公社という企業体とは直接関係ないじゃないかといわれましても、専売公社の当局側の考え方は、——私どもよく言うのでありますが、専売公社は国家企業であるし、また政府の意向を体しなければ運営ができないのだ、こういうことを言っておるわけです。従って、そういう面からいたしますと、公社当局は政府の意向に大へん動かされてある程度労働政策をとっておる、こういうふうに私どもは見ざるを得ないのであります。そういう意味で、むろん自民党の声明が直ちに私どもの争議にどうこうという直接的な関係はないかもわかりませんが、そういう公共企業体という性格からして、公社当局の理事者に強い影響を与えたということは、私どもの団体交渉の中から感じられるわけであります。従って、この専売公社の調停案というものは、本来ならば労使双方で解決すべきであって、たとえば政府の声明書なりあるいは警告なんというものがありましても、今日までそういう慣行化されたものを特に取り締るようなことをすれば、これは労働者側の反発を招いて、かえって争議が拡大されることは明らかなんですから、理事者としては、むしろ調停案についてこれを妥結するような道をすみやかに講ずるというのがその立場ではないかと思うわけであります。特に、私は調停委員会の席上でも申し上げたのですが、今回はこの春季賃上げ闘争の波の中でもあるし、公社側としてもなるべくすみやかに調停案に対する回答を行なって、そうして解決をはかりたいというので、そういう点を強く調停委員会にも申し入れまして、公社側も当初一週間の回答期限ということであったのですが、それを五日に縮めまして、お互いにそれではその日までに回答しょうということを約束したわけであります。それが八日でしたか、それからも5すでに三日もたっておる今日、公社側が組合に対して、こういう点は何とか労使間で話し合いたいとか、あるいはこういう点は予算措置を必要とするのであるから政府の意向を待ってからきめたいとか、そういう意向を当然出すべきじゃないかと思うのであります。しかしながら今日までそういうようなことも一言も組合にあいさつすらないということは、——私どもは、こういう紛争を早期に解決したいという気持から、なるべくそのようなことについても労使間の意思を疎通させるようにしなければならないのじゃないかと思っておりますが、そういう意味で、もし公社がそういう回答ができないということであるならば、私どもとしては、これは邪推とは思いませんが、少くとも政府に気がねして、公社当局としては決断がつかないのじゃないかというふうにしか考えられないわけであります。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員 私が伺っているのは、あなたは政府当局や自民党の圧力で専売公社が萎縮しておる、それで回答をようしないということを盛んに言われるけれども、あなた方は総評という大きなバックを持ってやっているじゃないか、それを公社にばかり圧力を受けているとか、あるいはまた政府や与党は圧力をかけた、そうおっしゃるけれども、総評に対してはあなたどうお考えになるかということを言っているのです。自分の方は総評という大きなバックを持って大ストライキまでやろう、こういってやってきておる。こっちの方は自民党といえども何ら権力はないでしょう。政府与党も何らの権力はない。大きなたとえば電車をとめるとか汽車をとめるというような権力はわれわれは持たぬのです。ただ私は国民の代表として、国民の生活を守りたいために言うておるのです。そこに不公平はないかということを言うておるのです。そこを伺っておるのです。それをお答え願いたい。  それからもう一点つけ加えて尋ねますが、専売公社は、これは国鉄も電電も同じですが、国家機関である、国家の事業です。だから政府の意向を聞いて事業経営をするというのは当りまえじゃないですか。政府の意向を聞かぬで全然独立採算だというので、その辺の私企業と同じような考え方、立場で、一体経営ができ得るとあなたは考えていますか。政府の意向を聞かぬでやれるものであると一体あなたはお考えになっているかどうか、その点をつけ加えてお尋ねしたい。

斎藤一雄全専売労働組合中央執行委員長

○斎藤参考人 私どもは総評とはいろいろ連絡して、むんころの春の賃上げ闘争をやっておりますが、総評に指導されるというか、今言われたようなそういうことでなしに、私どもの組合として千五百円のベース・アップというものは、昨年の五月の大会で決定したものであります。この要求をずっと行なって調停段階を通って調停案が出た、こういうことでありまして、むろんさようないろいろな第一波、第二波とかいうことは、友誼組合とも相談をして、なるべく一致した線でこれを行うというようには努力をして参っておりますが、総評がどうのこうのということではなくして、むろん私どもは専売公社当局が調停案をのんで解決するということであるならば、今直ちにでもこれを解決する用意を持っておるわけであります。  それからただいま専売公社当局が政府の意向を聞いて専売公社の運営をするのは当然だ、こういうふうに言われますが、私は企業全般のことについてさような見解を持たれるのは当然と思うのでありますが、しかしながら事労働問題に関しましては、これは公労法にも明らかであります。公労法においては労使間でもって労働条件というものはきめなさい、かようなことになっておるのでありまして、特に給与総額というものが現在ありまして、そういう中で専売の場合は幸か不幸か昨年たばこが売れなかったために給与予算が多少余っているという面もありますし、そういう面ではこの給与総額だけでも、この調停案は実施できるということが言い得るわけであります。   〔藤本委員長代理退席、委員長着席〕 そういうその他の予算的措置については、むろん政府当局の意向を聞いたり、あるいは打ち合せの上で解決する、そういうことを組合がいかぬというのではないのでありまして、少くとも解決できる面があるのですから、そういう解決できる面についてはすみやかに解決すべきじゃないかということを申し上げているわけであります。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員 これは給与総額の範囲内でやれるかどうかということを当局は検討していると思います。それを逸脱するようなことであれば、それはとうてい専売当局だけではできない。しかしこれはとにもかくにも予算措置を講じてやれという調停になっておるのです。もともとはこういう予算案は組んでないわけでありますから、それは政府の意向を受けるというか、政府との話し合いをすることは当然のことなんですよ。それを単なる私企業と同じようなものの考え方をされるということであれば、特にあなたは執行委員長のようであるが、とんでもない間違いであろう。これはしかし私は何もあなたとここで議論をする必要はない。ただあなた方が非常に大きな総評という労働組合の力を借りてやりながら、何か自由党が一片の声明を出したら、自由党の圧力に専売当局は屈するという、そういうひがみは一つ持たぬようにして、そうして今後は総評に属して総評の指導を受けられるのはけっこうですけれども、こういう労使間の問題のごときは、やはりあなたの言われるように、労使間の団体交渉でまず解決をつけるという手段をとるべきじゃないかということを思うわけです。これはあなた方に御忠告を申し上げたい。何でもかんでもすぐ親団体の総評の力を借りると言えば、それは専売公社だって政府や与党の力を借りると言わざるを得ない、借りたくなるだろう。自分だけやって相手がしてはならないというのはどうかと思う。今後はやはり国の企業でもあるしするから、政府当事者と公社側と労使間の団体交渉によってものを解決する、こういうことによって一つやってもらいたいと思います。  それから先刻自民党の政調会で専売公社の当局を呼んで調停案についてかれこれ話を聞いたということを、何か圧力をかけたようにあなたは誤解しておいでになるようですが、私も実は自民党の政調会に属しているものなのです。これは調停案が出た、幸いに労働組合側が承諾した、しからばなるべく早い機会に公社側も回答を出して妥結できるものなら妥結した方がいいのではないか、予算上それができるかどうかということを聞いた。私の方は早く解決しなさいと言っているのですよ。幸いに非常に大きなストライキまでいくようなことにならないで済んだ三公社、五現業については、私は国家のため、国民のために非常に幸いだと思っております。であるからこれは各参考人についても申したいのですが、これは各理事者側がなるべく早い機会に調停案に対する回答をお出しになるように、私は昼夜兼行の努力をしていただきたいと思う。そして相なるべくはのめるものならのむようにする。これは調停の内容に入りますから、私はかれこれここで申し上げたくない。三公社側から国会がわれわれに圧力をかけたということを申されるかもしれませんから、私はそれ以上申し上げませんが、公社側もなるべくすみやかにこの調停案についての態度を早くおきめ願って、そうしてもし平和に解決がつくならば、できるだけすみやかに事態を収拾していただきたい、こう思います。  あなたに対する質問は、先刻あなたがそういうことを言われたから、私ども自由民主党の者として黙っておれないという気持でお尋ねした。ところがあなたには非常に大きな誤解がある、その誤解を私ははっきり解いていただきたいと思います。  もう一つ、時間も非常にたちましたがこれは国鉄当局にお尋ねいたします。今回のいわゆる春季闘争が起りましてから、全国的に国鉄だけはあちらこちらで職場大会等が開かれていざこざがあったようであります。私は九州の者でありますが、九州では駅長がそのために脳溢血で倒れたということもある。これは直接職場大会でつるし上げを食ったから倒れたのかどうか、はっきりしませんけれども、とにかく脳溢血の前兆があって休養しておったのを職場大会を開くので無理にひっぱり出されて非常に苦労して、帰ってから死んだということであります。のみならずまた二、三ごくわずかであるけれども列車の遅延等があったということでありますが、実は私どもも今度の春闘で、うっかりすると鉄道が一時間でも、三十分でもとまるようなことがないかということを心配しておった。幸いにそれは国鉄当局並びに労働組合の幹部諸公の御努力の結果でございましょう、そういう事態にまでもならなくて済みそうであるということは、私はもう国民生活の上から、国民経済の上から非常にけっこうな、ありがたいことだと思っております。どうか最後までそういう事態の起らないような状態で円満に解決することを希望いたします。ところが新聞で聞いたところでは——実は私はきょうは質問なんかするつもりはなかったけれども、ちょっと今の斎藤さんの発言で刺激されて質問したわけでありますが、この間の新聞を見ますと、国鉄では何か従業員の懲戒処分をされたというようなことが出ておりました。内容も詳しくは存じません。それでその懲戒処分の内容は大体どの程度のものであるか、それからその処分をされた理由及びそのいきさつ、それが今回のいわゆる春季闘争に関連しておるものであるかどうかということを一つ簡単でよろしゅうございますから……。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 お答えいたします。処分をいたしましたのは日鉄法の三十一条並びに三十二条を適用いたしております。その事態は制止を聞かないで、公安官の警戒を突破して構内に入ったという理由であります。それでその処分は停職が四名でございまして、うち二名は九カ月、うち二名は三カ月の停職でございます。それから一人戒告がございます。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員 公安官の制止を聞かずして構内に入ったというのは、今度の労働争議に関係しておることですか。たとえば職場大会を開くとか、あるいは何か汽車の運行について、特別に機関車をとめるとかいう指示でもするというためでありますか。全然今回の争議には関係ないことでございますか。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 もちろん今回の争議に関連してございますが、列車をとめるという意図はなかったものと考えております。ただデモでございまして、それが相当の多数に上りまして、警戒線を突破した、こういう程度でございます。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員 それから列車の運行に支障を来たしたということが、今回の争議中——あるいは争議に関連してと言った方がいいかもしれなないが、雪が降ったからとか、水が出たからということでなしに、相当あったように聞いておりますが、今直ちに全部の数字を求めたいとは思いませんけれども、概略でいいから、そういう事態が起ったとすればお聞かせ願いたい。

井上正忠日本国有鉄道参与(職員局長)

○井上説明員 第一波闘争のときには列車の支障は全然ございませんでした。第二波闘争の二月二十八日から三月二日にかけまして、全国的に第二波闘争で職場大会を持ったのであります。山口県になりますが、広島の本線をはずれました宇部におきまして、若干の列車の乱れがありました。今回の第二波闘争におきまして、列車に直接支障を及ぼしました経費といたしましては、広島の宇部の場合に若干ございましたが、しかしこれは従来に比べますと支線の列車でございますし、列車の編成も小そうございますし、営業列車というよりも宇部港から工場に入ります専用線の列車の問題でありますので、ごく軽微のものと申し上げていいと思います。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木委員長 多賀谷真稔君。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 まず理事者側にお尋ねいたしますが、実は衆議院並びに参議院の本会議におきまして、公労法の一部改正の際に、衆、参議院の各質問者から、倉石労働大臣に対して、今度の調停案を政府はどういうように対処するつもりであるかというような質問が発せられたわけであります。その際倉石労働大臣は、理事者側が決定をしていないので、理事者側の決定がきてから検討したい、こう発言がございました。そこで理事者側は、すでに各調停がなされ、組合側が意思表示をしてからかなりの日数も経たわけでありますが、政府に対してどういう回答をされたか。理事者側内部ではどういう決定をされておるか、内容はいいですけれども、すでに内部で決定して、政府の意見を求めておる、こういう段階であるかどうかお聞かせ願いたい。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 先ほども申し上げましたが、調停案につきましては金の問題でございますので、その財源の捻出等につきましていろいろ計数整理その他をいたしておりまして、いまだ政府に対して話をする段階に至っておりませんでした。ただ非常に事務的に処理がおくれましたことは私どもも申しわけなく考えておりますが、現在そういうことでございます。

靱勉日本電信電話公社副総裁

○靱説明員 調停案が三月二日に示されましたので、私どもといたしましてはもちろん准政府機関でございますので、郵政省の監督責任者に対しまして調停案は直ちにごらんに入れますと同時に、調停委員会の説明等につきましても整理いたしまして、私どもの公社としての最終的な意見は追って御連絡するというような意味合いでお別れしておったのでございますが、その後におきましても若干予算的措置の問題等もありますので、これらの計数その他につきましても御連絡はいたしております。ただ私ども最終的にこの案で回答いたしたいということで、政府の方に御連絡は遺憾ながらまだいたしていないのであります。

三枝正勝日本専売公社職員部長

○三枝説明員 専売公社といたしましても調停案が提示されましたので、その後次の委員会にその内容についての質疑等を行いまして、その関係につきましては大蔵省に報告いたしております。ただし最後的な態度につきましては先ほど総裁からのお話がありましたように、いろいろ財源等の関係もありますので、そういう見通しをつけた上で大蔵省へも折衝を行いたいということであります。ただし事務的には最近までのいろいろな状況あるいは今後の調停案に関する財源の問題等の数字的な事務連絡という程度はやっておりますが、最後的な折衝としての段階にはまだ至っておらないという状況でございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 国鉄の調停が一番早かったと思うのですけれども、まだ国鉄においてすら事務的に計数をはじいている——私はとんでもない怠慢だと思うのです。一体民間企業はどういう状態ですか、民間企業ならば一晩で計算します。非常に紛争しておる中で調停案が出される。そうすると一晩で各社長が集まって労働担当の職員を集めて計算をする。しかるに国鉄においては出されてからもう何日になりますか、あるいは全電通においても専売においてもそうですが、これだけ多くの従業員をかかえている各公社がまだ計数をはじいているということは、私はしごく不届きであると思う。そういう局長以下の職員ならば首を切りなさい。まだ計数をはじいているということではわれわれはどうも承服できない。その点について国鉄が調停案が出されてから一番期間が長いのですから、国鉄副総裁から代表して御答弁願います。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 他の企業体のことは私お答えできませんでございますが、国鉄としましては一番先に調停案が出まして、まだごたついておりますのははなはだ申しわけないことは先ほど申し上げた通りでございますが、国鉄はこれが相当の余裕でも持っておりますればすぐはじき出されるわけでございますが、何がさて、この老朽施設の取りかえも満足にいかないような程度でございまして、しかもこの三月末日まで二十日以上もございまするので、そういうふうな収入状況も会社と違いまして直ちに明確に出すということも困難な事情でございまして、極力努力はいたしておりまするが、まだ決算前でございまして——もちろん決算に至らなくてもできるだけ早く見当はつけて参りたいと存じまするが、企業形態が非常に膨大でありまして、収入並びに支出につきましてはいろいろ複雑な関係もございますので、ただいま整理中でございまして、この点ははなはだ遺憾に存ずる次第でございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 どうも単に事務的な計数をはじいておるというのではなくて、政府の意向を待っておる。その政府の意見を聞いて同時意向にしたい、こういうような気持があるんではなかろうかと推測されるわけでございます。少くともわれわれの常識からいって、調停が急に出たわけじゃない。調停すら延び延びになって一カ月も延びておる。しかも紛争状態は起っておる。こういう際に計数がはじけないなんということは、それもきのう出た調停に対してきょうはどうですかと私が聞くのなら無理であろうけれども、もうすでに十日ぐらい以上たっておる今日において、どうも解せない。そこで推測するところは、政府の決定を待って、その決定を理事者側の決定としたい、こういうように私は推測をしても間違いないと思うのです。こういうところが私は理事者側が卑怯であり、企業に責任を感じてない、かように考えるわけです。大体公企労法ができたときには、この公企労の労働者は公務員からはずして、わざわざ公社というのを作ったわけです。それまで公社がなかったのを公社を作って、そうして労働関係を別個にしよう、そういうところから出てきたわけであります。そこで自主的な団体交渉を行なってこれを解決しよう、こういうことになったのですが、私は今のような状態では政府が相手方である、こういうことと何ら変りがない、かように考えますが、一体国鉄副総裁並びにその他の理事者側はどういうようにお考えかお聞かせ願いたい。これは政府と何ら変りがありません。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 先ほど申し上げました答弁を繰り返すことになりますですが、私ども力の足りない点は重々おしかりをこうむらなくちゃなりませんですが、いろいろな収支の状況が複雑いたしておりますし、またいろいろ鉄道としては公共企業体として国民にお返しすべき施設ということもにらみ合せて考えて参らなければならぬというふうな関係上、いまだその財源につきまして検討中でございます。もちろんただいま御指摘になりましたように、公共企業体の管理をあずかる任務といたしましては、給与の問題のみならず、すべての問題につきまして責任をもちまして努力いたしておるつもりでございます。

靱勉日本電信電話公社副総裁

○靱説明員 私どもやはり公共企業体の本質と申しますか、公社法によって定められたところの責任については経営者として当然責任を持ってやっておる次第でございますが、今回の調停案を拝見いたしますと、やはり予算的措置の問題も含んでおる。予算的措置の問題につきましては、公社といたしましてはこれは予算を作りまして政府へ出しますが、この提出権というものはないのであります。従いまして公社自体でもって何ら他の機関と連絡なくしてやれるという分野は、現在の給与の面におきまして公社におきましてはかなり制限を受けておるのが現状でございます。これは法律の建前でございまして、給与総額その他すべて一般の予算と同じように国会において議決を要するわけでございますので、それらの状況を考えまして、われわれの責任をどこへ持つかということを常に考えてこういう問題に対する判断をしなければならぬわけであります。私ども単に政府だけから解決がつかないというふうには考えてないのでありまして、私ども自体の経営の状態からいかなる予算を政府にお願いするか、また予算提出権というものは郵政大臣にあるというような点を考えまして、調停案に示されたような回答を責任を持ってする場合に、できるだけこれにつきまして要するに実効的な回答を出さなければならぬわけでございますから、そういうような努力は私ども公社の経営者の責任である、こういう考えで現在その責任の遂行に努力いたしておるような次第でありまして、決して責任を回避し、卑怯な態度をとっておるわけではないのであります。  なお今回の調停というものは、三公社五現業みんな一斉に、日にちに若干の差はありますが提出されておったのでありまして、これは電電公社だけが独自でもって解決するというわけにいきません。もちろん公共企業体として、しかも多数の職員を持っておるような大きな社会的の影響のある企業体でございますので、やはり諸般の事情というものもよく考えて判断をすべきものである、これが経営者として当然の責任である、こういう意味合いにおきまして時日がおくれておる、こういうことで、この点については私どもはなはだ申しわけないと思っておりますが、調停案自体、非常に調停委員会においてもこの審議に長日月を要したのであります。私どもとしましてもその趣旨を尊重し、これはきわめて慎重に検討して、各般の事情からこの結論を出してお答えしなければならぬ、こういう考えでおる次第でございます。

三枝正勝日本専売公社職員部長

○三枝説明員 専売公社が公共企業体となった本旨にかんがみまして、私どもできるだけ法律に許された範囲内において自主的に事業を運営していきたいという考えでおるわけでございます。しかしながら今回の問題につきましてはそれぞれ予算を伴う問題でございまして、専売公社の目的とするところはやはり一軒を確保するという、そういう大きな目的もありますので、特に本年度につきましては五十億円程度の減額補正を行なってもらったという関係もありますので、もうあとしばらくたてば全国的な各方面からの資料も集計いたしまして、ある程度の見通しもつきますので、そういう関係を合せて考えたい。できるだけそういう点はすみやかに決定いたしたい、こういう工合に考えておるわけでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 各理事者側とも、実は予算提出権の問題との関連において、非常に意思決定が困難である、こういうお話でありました。私はそのことは否定いたしません。いなもっともであろうと考えるわけです。と申しますのは、実は現在公労法が制定され、団体交渉を基本として、しかも団体交渉の慣例と慣行を作る、こういう意味において公労法が制定されておるわけですが、実際は給与を上げるということの交渉は不可能である、ほとんど団体交渉の余地がない、こういうことになっておるのであります。先ほどどなたか団体交渉でやるべきだと言われましたけれども、法律の趣旨はそうであったが、後になって予算総則というのができた、そして一銭一厘たりとも団体交渉では動かすことはできない、これは余地がない、すなわち調停から仲裁に行って、仲裁によって裁定が出て、それによって政府が予算を組むしかけになっておるのです。本来公労法というものは団体交渉をベースにして、それを慣行としてやるように法律はうたってあるけれども、その後運営において全く団体交渉の余地のないような法案になっておる。そこに根本的な問題がなければならぬと思うのであります。  そこでこれは組合の方にも聞きたいのですが、あなた方は交渉しておるときに、今度の場合でも一体団体交渉を何日ぐらいされておるのですか。私はおそらく権限のない、できもしないことを交渉されてもらちがあかないと思う。そこで労使双方はすぐ調停に持っていこうとする。するなといっても、こういうベースの問題はこういうことにならざるを得ない。こういう点について、どういうふうにお考えであるか。せっかく組合が見えておりますので、組合側の意見もお聞きいたしたい、かように思います。

鈴木強全国電気通信労働組合本部委員長

○鈴木参考人 お答えいたします。調停案が出まして、私たち不満がありましても受諾するという態度をきめましたことは、先ほど私申し上げた通りでございます。そこでわれわれとしては、事態を解決するために早く公社に受諾の態度をきめていただいて、団体交渉に乗せていただきたいわけです。ところが公社側は態度がきまりませんので、遺憾ながら団体交渉に持ち込めないわけです。従って紛争は私たちが解決しようとしておりましても、解決ができないというのが実態でございます。ですから、われわれ便々としてこの解決を遷延しているというわけではないのですが、そういう熱意があっても、遺憾ながら公労法上軌道に乗っていかないというのが実情でございますので、われわれとしては一日も早く公社当局に腹をきめていただいて、政府もこれを認めていただいて、公社の団交に乗せていただきたい、かような気持を持っておるわけでございます。そのことをきょう特に委員の皆様方にもお願いしたかったわけでございます。  それからこの機会に、ついでにと申しますと語弊がありますが、先ほど中川先生が、私たちに対してあとで訓辞ということを言われておりましたが、訓辞を聞かされました。私はもちろん筋のある訓辞ならば冷静にお聞きしてよいと思いますが、あの中には少くとも専売、電通それから国鉄、いわば八つ当り的に建物のりっぱになったことはけしからないとか——事業の実態から推して、電信電話事業に対して私はもう少し与党の皆様方にも御理解を持っていただきたいと思います。あの設備をするには、それだけの理由があるわけであります。機械設備をする場合に、やはりバラック設備ではできません。むしろああいうりっぱな建物ができましても、厚生設備は無視されておる、休憩室も寝室もわれわれの希望する数はできていない、そういうところから見ると、われわれは不満があるくらいでありますが、その点はぜひ自民党の方々にも理解していただいて、建物がよくなったことが何かしらとんでもないことをやっているのだというように考えられたり、またわれわれが労働貴族だということを言われたのでは、私たちは非常に残念です。労働貴族ということがどういう判定のもとに言われたかわかりませんが、少くともわれわれが一万五、六千円の賃金をもらっておって労働貴族だと言われることは私たちにとっては、承服できない次第であります。私たちがなまけておるようなことを言っておりますが、私たちも一生懸命努力しておりまして、組合運動の若さの面についてはやはりわれわれも認めていいと思います。労使慣行のあり方についても、率直にいってできるだけ団体交渉においてすべてを解決して、ストライキというものは私は軽々にやるべきではないということを信念として持っております。そういう労使慣行を打ち立てるためにわれわれも及ばずながら努力しておるわけでありますが、少くとも戦後十年たっております。一時日本共産党に支配された労働組合運動がどういう状態であったかということは、今の保守党の皆さん方もよく御理解がいっておると思います。あの中にあっても、自由にして民主的な労働組合を打ち立てるために、時には頭をなぐられたこともありました。しかし信念として今日まで健全な労働運動を育ててきた、私も及ばずながらその責任者の一人でありますが、そういう立場を考えていただくために、民主化同盟ができた、その際には労働組合が頼んだわけではないのですが、率直に言ったら、政府の諸君もあるいは当時の保守党の諸君も、この運動に対しては組合運動の健全化ということから大きな期待を持っておったと思います。その運動もあれから六年、七年たってわれわれが自主的な判断を伴って労働運動をするときに、またこれが赤だとか二・一以上のゼネラル・ストライキである、日本経済を破壊するということで高飛車にものを考えていただかずに、もう少し大局的な見地からわれわれの運動も理解していただきたいと思います。われわれももちろん中川先生のおっしゃったように、国会にも陳情に参ります。さっきから申し上げておるように、公労法の不備というか、われわれは公社と団体交渉をしてきめたい、ところがきめられないようなシステムになっておる。従って、われわれは国会における予算とともに審議される公企体の組合です。ですから、場合によっては自民党の皆様方にも社会党の皆さんにもお願いをしに来なければならぬと思っておる。これが政治闘争だと言われることは納得ができないわけであります。そういうふうにお互いに角を突き合ってけんかをするということでなしに、もう少し虚心たんかいにお互いに労使が話し合いの場を見つけて、私たちに納得のできる説明をしていただきたい、また私たちもそれが納得ができれば聞かなければならないと思います。そういう気持を持っておることをこの機会に申し上げておきたいと思います。私は何かしら、参考人に呼ばれたのですが、聞くことも非常に耐えられないので、一言申し上げた次第であります。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 理事者側に伺いますが、団体交渉の余地が比較的少い、少くとも給与の基準をきめる場合には団体交渉の余地はない、こういうように現在の状態ではなかなか困難な点があると思いますが、一体当局はどういうようにお考えになっておりますか。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 労働三法と申しますのは非常にむずかしい法律でございまして、私どもなかなか全部の理解は困難でございますが、なるほど先生のおっしゃいました通りに、実際の運用の面につきましてはまだいろいろ疑問があるのではないかというふうに考えられる次第でございます。今御指摘のように、団交をたび重ねましてもなかなかうまくいかぬという点がございまして、またそれを予測しておるからこそ調停あるいは仲裁というふうな国家的な機関の設置が法律できめられておるということであろうと思いますが、私ども公企業体といたしましてもその経理、運営につきましてはまだいろいろな点におきまして改善していきたい、また改善していただきたいという点はあるように考えております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 大体おもな点はもう質問がされておりますので、私は一言国鉄の理事者側に質問をいたしたいと思います。先ほど大坪委員の質問の際に、今度懲戒を発表された問題の中で鉄道公安官の問題が出ておりましたが、今度の争議でも鉄道公安官が出動をした、こういうような事例がありますかどうか。また鉄道公安官はだれの命令によって出動したか、お聞かせ願いたい。

井上正忠日本国有鉄道参与(職員局長)

○井上説明員 今回の争議につきましては、鉄道公安官は出動した例がございます。これは鉄道管理局長が諸般の状況を判断いたしまして、公安官に連絡をいたしたわけでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 実は、鉄道公安官に司法警察官としての権限を付与するという場合の法律案がずっと前の国会に出たわけですが、それを可決したときに条件があるわけです。それは、鉄道公安官というのができて労使の紛争の中に入ってくる可能性があるからというわけで、当時いろいろ委員の方から質問をされた結果、いや絶対にそういうことはありません、鉄道公安官が将来労使の紛争に入るというようなことは絶対にございませんということで、これは通過を見た法案であります。そのときに共産党だけが、いや鉄道公安官というのは将来中に入る可能性があるということで反対をいたしましたが、私たちはその共産党の先見の明に全く敬意を表せざるを得ないような状態になってきておる。これはこの前も法務委員会、労働委員会の合同審議で取り上げられたことがあるのですが、鉄道公安官というのは争議の紛争の際に、管理者の連絡あるいは依頼によって出てきておる。そうして、普通の民間の労使の紛争の際の、いわば守衛のような役割をしておって、いよいよ激突いたしますと今度は司法官になって手錠をはめる、これはこの前も話したのですが、まさにばくち打ちとおかっぴきのようなものでありまして、二足のわらじをはいておる。なるほど、守衛が出て労働組合側と相対峙することは許されておる。そのことを私は言うのでありませんが、それがいよいよ激突して参りますと、いつの間にか警察官に化けて、あるいは警察官という二重の権限を行使して、そうしてこれを引っぱっていく、こういうことは私は全く不届きであると考える。私はあの際かなり大きな論議がありましたから、その後労働紛争には鉄道公安官というのは介入していない、かように考えておったわけです。それが介入しており、さらに今度の事件でも鉄道公安官が出動して、司法警察官としての鉄道公安官の命令を聞かなかったというのでいろいろ問題が起きておるようですが、当局としては依然として鉄道公安官の出動を要請する、こういう態度をとられておるかどうかお聞かせ願いたい。

井上正忠日本国有鉄道参与(職員局長)

○井上説明員 多賀谷先生のおっしゃいますことはよくわかります。われわれも、公安官を労使の紛争に介入させたくない気持は同様でございます。ただときたま争議の場合におきまして数千名の外部のピケ隊が動員された、しかもその職場大会にしましても、休暇闘争にいたしましても、その駅では組合の闘争の指令を返上しているというような前提条件がございますと、どうしてもわれわれとしてはトラブルを覚悟しなければならない、このトラブルを現場の管理局長といたしましては、できるだけ事前に防止したいという気持は当然だと思います。そういう意味合いにおきまして、やむを得ず公安官に連絡をするということはございます。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 関連して。当時あの法案をここで審議したときには、今多賀谷君が言ったように、絶対に労使の紛争には介入させないというのがあのときの条件なんだ。うそだと思ったら、もう一ぺんあの議事録を読み直して下さい。なぜあの際に公安官にそういうような権限を付与したか。実は私も、将来こうなるだろうということを危惧いたしまして、反対だった。反対ではございましたけれども、政府及び当局の方といたしまして、ことに国鉄の当事者が出て参りまして、どうしてもそういう権限を付与してもらわなくちゃ困ると言う。その理由を聞いてみますと、当時第三国人が列車内であばれて困る、この第三国人を取り締るために警官を呼ぶまで時間がかかるから、進行中の列車の中で取り締るということはとうていできぬ、従って第三国人の暴力行為を取り締るために、応急の措置として公安官にそういう権限を与えてもらいたい、これが国鉄当局のわれわれに要請いたしました理由なんです。そのほかには何もありません。絶対にもう労使の紛争には介入させないという条件付だったのです。今あなたはどこかの場所において労使の紛争が激化して、そのために公安官の出動を余儀なくさせた、こういうことをおっしゃるけれども、いかなる場合においても、公安官は労使の紛争に介入してはならぬという国会の決議なんです。あなたは国会の決議に反しだことをやろうとしておる。うそだと思ったら、もう一度議事録を読み直してごらんなさい。これは重大ですよ。副総裁、そうでしょう。副総裁の答弁を求めます。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 ただいまのお話でございますが、私ども国鉄という国民の利害に非常に緊密、重大な機能を持つ機関をあずかっております責任者といたしましては、できるだけ国民多数各位に御迷惑をかけなさいように念願するのは、管理者としての責任だと考えております。ただ公安官の問題でございますが、これは私ども決して好んで出しておるわけではございませんでして、ほかの職場から大挙して数百人、数千人が来るという場合には、これはきわめて少数でございますが待機いたしまして、それも激突を避けるという意味合いで、しかし構内にデモ隊が入りますれば、これは重大なる事態に立ち至りますので、それを単に制止するという意味合いで、少数を配置いたした次第でございます。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 私は一昨々日、党を代表いたしまして、地方行政委員会において、この点について緊急質問をやった。それは、大麻国務大臣それから警視庁の幹部を呼びました。その中で私どもが問題にいたしましたのは、労働者の団体行動権は、憲法第二十八条で保障されておる、また労働組合法の第一条はその自由を保障しておる。警察官の出動は、いかなる場合においても、労使の紛争に介入してはならぬ。そうして建物の中におけるところの——たとえば辻政信君は占領という言葉を使っておる、彼は元軍人ですから、そういう軍隊用語が好きなんです。しかし占領でも何でもない。建物の中でもって自由に集会することは、これは当然与えられた権利です。ただその場合管理権の問題がやはり出てくると思う。管理権の問題が出て参りますならば、それは管理者とそれから労組側とは、双方団体交渉なり何なりで、自主的に解決すべき問題なんです。そこで、たとえば暴動が発生したとかあるいは殺人行為が行われたという場合におきましては、これは刑事事件でございますから、警察官の出動もやむを得ない。しかしながら職場大会というものは、強盗犯でも、殺人犯でもない、労働者に与えられた団体行動権です。私は先般も言ったのですけれども、戦前において、たとえば労働争議に一人の警察官が抜剣をしたということだけで議会で大問題になった。山本さんなんか古い人だからよく御存じだけれども、戦前警察官が労働争議にどんどん出動したという例はあまりありません。昭和四年の洋モスのストライキのときには、これは確かに千人を越える警察官が動員されたけれども、ほとんどのストライキには千人を越える警察官が動員されたことはなかった。しかるに、この間の田端の駅なんか何だ。三十何名の集会でしょう。そして応援団が来ておった。たかだか二百名ぐらいじゃないか。そこへ八百名の武装せる警視庁の予備隊が出動している。これが正常な姿ですか。しかもそれは職場大会をやっている。職場大会の要求事項は何か。便所を新設してくれ、水道を新設してくれ、そういう要求を討議している職場大会じゃないか。それに八百名の武装警官が出動しなければならぬ理由が一体どこにあるか。私は淺沼書記長と一緒にこの前あなたにお会いに行った。そして、警察官の出動を当局は要請したかと私が聞いたら、要請はしませんと言う。ところが、一昨々日の地方行政委員会における警視庁の答弁といたしましては、国鉄当局の要請があったから現場に行ったと言った。武装警察官の出動をあなた方は要請していないと言っているけれども、政府の方は、あるいは警視庁の方は要請したと言う。その上、出てならぬ公安官を動員している。それほどまできびしく暴徒扱いをしなければならぬほど、国鉄労働組合の職場闘争というもの、あるいは当然憲法や労働組合で許されているところの職場における集会の自由というものが制限されていいのかどうか。どうかつされていいのかどうか。威嚇されていいのかどうか。私は、これは一国鉄の下部の職場大会の問題ではないと思う。団体行動権がこのようにして知らず知らずの間にだんだん狭められつつある。これは重大な問題です。労働争議を治安対策と考えていますか。労働争議は治安対策じゃないのですよ。それが労働争議の範囲からはみ出して、そして治安上の問題になったときには、これはやむを得ないと思うのです。そういう事実がありますか。公安官の出動はいかなる意味においても絶対反対です。それから、警察官の出動も私はけしからぬと思うのですけれども、とにかく公安官の出動は法の精神に反している。国会の議決に反しているのですから、この場において公安官の出動は今後やらないということを言ってもらわなければ、議会の議決に反するので、重ねて私は副総裁の答弁を要求する。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 おしかりをこうむりました。しかし、私どもの過去の経験もお話をいたしますと、従来ピケ隊が入って構内を占拠したり、あるいはその駅の駅員をカン詰にしたりする例はございますので、この点は先生も御承知だろうと存じます。ただ今回労組の人も非常に自重せられまして、大多数の地方におきましては、紛争もさほどございませんでしたが、残念ながら東京の三、四の地区におきましては、相当たくさんのデモ隊の動員ということの情報が入っておりますので、ひょっとしてまた過去の事例におきますように構内を占拠するというようなことがありましては、場所によりましてはその日の列車が全部とまってしまうというようなこともありますので、これはデモ隊が数百あるいは数千ということでは、管理者が三名五名寄りましても手当すらもできないような実情でございますので、そういうような情報が入りましたときにはこれの予防的な措置といたしまして少数の公安官に出てもらうというようなことも、また管理者として何にも手を下さないで列車の運行の阻害にまで至るというようなことを黙って見ていることもまた他方面の責任において欠くるところが生じやしないか、かように感ずる次第でございます。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 私はここで国鉄当局と押し問答しようとは思いませんが、一つ委員長にお願いしたいのは、当時の議事録をぜひ委員会に取り寄せて、十分検討の上、これは議会の決定に反するような行動が行われているということは明らかですから、もう一度それを検討して、そうしてそれに反するようなことが行われているとすれば、当委員会におきましても厳重に私は国鉄当局に警告をしなければならぬと思うのです。そこで本日は多忙のところ労使双方出ていただきまして、いろいろ参考意見を述べていただきまして感謝にたえないのですけれども、今まで私ども聞いたところによりますと、労働組合側の御意向といたしましては健全なる労働組合主義に即して運動を進めていく。今次の闘争はいわゆる政治闘争でも何でもなくて、それは全く経済闘争であるということもはっきりして参りました。それからまたこの諸君の企図しているところは、不満ながらその調停案は受諾したのだ、そして紛争の一日も早く解決することを望んでいるということも明瞭になりました。また当局側といたしましても、出された調停案に対しましてこれを尊重していきたいという御意向も明瞭でございます。ただ予算的措置が伴いますので、なお政府との折衝の余地が残っているという点につきましては、これは当然だと私は思うのでございますけれども、ぜひ一日も早く調停案を受諾して、この労使間に起きております紛争を早く処理して、それぞれの業務を一層円滑に運行していただくように万全の努力を払っていただきたい、こういうふうに考えるわけでございます。それで聞くところによれば、政府の方も急いで閣議を開いて、これに対する態度をばきめたいというふうに聞いておりますが、いずれにしても先ほどの御答弁のように公社側で自主的に態度を決定していただきまして、そうして予算措置を講じなければならぬ面におきましては政府折衝をしていただくというようにして、早く態度をきめていただきたいということを強く希望しておきます。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木委員長 中原健次君。

中原健次小会派クラブ

○中原委員 簡単に公社側に対して一点だけお尋ねしておきたい。本来、労働問題の起ってくる根本的な原因、これは今さら申し上げるまでもないと思いますが、労働者の経済的地位の向上、これがまず主眼になると思う。いろいろ雑多な要求をして参りましても、その一番根本にあるものはやはり経済的な地位の向上にあると思う。従ってその経済的な地位の向上を容易ならしめるために、労働組合側の各種の要請、行動というものが起って参ります。その場合に公共企業体の従業員なるがゆえに、わざわざ公共企業体労働関係法ができ、いわゆる労働組合運動の別のわくが設けられているわけであります。従ってそういうことはしばしば公共企業体の労働者は労働者としての基本的な権利をもう喪失しておるものである、こういうふうに考える向きが当局側にあるのではないか、そういう疑惑が起ってくるわけなのです。そういう問題について公社側の代表者の方々はどういうお考えをお持ちであろうか、この際伺っておきたい。

靱勉日本電信電話公社副総裁

○靱説明員 公労法につきましてはもう先生方の方が十分御承知かと存じますが、公共企業体の職員、すなわち労働組合を結成できる職員につきまして、他の労働者の基本的な権利をなくしているのじゃないかというふうにお考えで御質問ですが、御承知のように罷業権というものはない、それから罷業権に関連しまして、あるいは実力行使と申しますか、それに関連したいろいろな行動というものが制限されておるということ以外におきましては、もちろん全般的な権利、基本的な権利というものは保障されておるのであります。こういう罷業権の禁止というのは、一方におきましては事業が公共的な国民の利益に非常に関係するものであるということと、一方におきまして職員の身分というものが法律によって保障されておる、こういうような関連から罷業権というものを禁止しておりますが、その他の問題についてそう制限されておるとは私ども思っておらないのであります。ただ御案内のように、先ほど別の委員から御質問がございましたが、ベース・アップの問題等、これは予算的な措置を講ずる必要がありますので、これはやはり国会において公共企業体の予算を審議するという現在の体制におきましては、そういう制約というものは当然ある。しかしできるだけ自主的な解決と申しますかそういう精神のもとにできておりますので、その間におきましても私どもはできるだけ団体交渉によって双方の意見を一致さしていくという努力をしなければならぬのであります。その他全般の労働条件に関する問題につきましては非常にたくさん組合からも要求があり、また団体交渉によって解決している事例も非常に多いのでございまして、むしろ調停あるいは仲裁にかかる数というものは非常に少い、そういう状況になっております。御質問に対して果して適当にお答えしましたかどうかわかりませんが、御質問の趣旨はそういうところにあったのではないかと存じますので、お答えいたします。

中原健次小会派クラブ

○中原委員 問題は争議権が禁止されておるという一点に格別な事情が加わっておるわけであります。そのことに事寄せるといっては少し適当でないかも知れませんが、しばしばそのことのために、公共企業体の関係労組諸君の場合は、当然行使することが保障されておるはずの労働権が実は無視されがちになる。そのことは言葉を託して、公共企業の上に、または公共の福祉の上に、こういうことにすぐ結びつけていくことになるわけですが、ここに非常にデリケートな問題が発生すると思うのです。労働者の当然の要求より効果的に実現せしめようとする熱意の中からこの労働折衝に公社側が当っておいでになるとすれば、そういう点について誤解の起るおそれはないと思うのです。ところがそうではなくて、なるべく労働者側の要求を退けることがいわば経営者側の手柄ででもあるかのように、そういう錯覚が横たわっておるのじゃないか。従ってそういうところに無理が起ってくる。この無理を行使する場合に、あえて行使した無理を合理化すために、あるいは合法化すために公共云々の言葉に託していわゆる線を越えている、こういうことがしばしば繰り返されているのじゃないか。今までそういう実例をさえ否定することができないのではないか。そこに私は問題があるかと思います。もう一つは、本来この公共企業体の労働組合側がその後直接自分の力で交渉し行動しなければならぬということには、もう一つ問題があると思うのです。それは、わざわざ設定された調停委員会あるいは仲裁委員会、この両委員会の機能が必ずしも十分にくみ上げられておらぬのではないか。しばしば公社側にそうなんです。従ってその二つの機関の決定が、言葉では尊重という発言を耳にしますけれども、実際は尊重どころではなくて、これを無視し去ってきたきらいが今までの実例としてあるのじゃないか。じゃないかでなくてすでにあると思うのです。従いまして公労法に示すところの両機関が決定いたしました決定がしばしば空に終っている。従ってこの調停や裁定が実施されたというためしははなはだ残念ながら少い、こういうところにも私は問題があると思うのです。そういうことになって参りますと公共企業体等労働関係法をたのむことができなくなってくる、そういう結果さえ残念ながら考えられないではないと思う。この点はどうか。従って公共企業体の経営者側の立場から考えて、なるほどそういってみれば調停や裁定に対して必ずしも誠実をもって報いていなかったという反省が当然起ってもしかるべきではないか。今までの経験がそのようなことを言わしめるのですが、いかがですか。とんでもないことを言うというふうにお考えになるか、これに対する三公社側の御見解を一応承わっておきたい。

靱勉日本電信電話公社副総裁

○靱説明員 第一段の、経営者は組合の要求を拒否すればかえって手柄と思っているのではないか、こういうことでございますが、そういうような考えは毛頭ございません。むしろ私ども過去において遺憾に思いますのは、真剣な団体交渉をしているときにおいいてさえあるいは賜暇戦術を行う、あるいは無用にすわり込みをやる、あるいはまたのぼりを局舎の前面にかけるというようなことがあって、われわれせっかく誠意をもって交渉しているにかかわらず、直ちに実力行使に入ってしまうという事態が過去にあった。われわれはもちろん組合に対しまして何ら敵意を持っているわけではない。労働というものの尊厳、価値は十分承知しておりますし、経営者と職員との問が一体となってやらなければ、私どものはかなりサービス的な事業でございますので、そういうようなことができないことは十分承知しておりますから、できるだけ組合の要求に対しましてはわれわれはこたえていきたい、こういう考えでおりますので、そういう御懸念は全くないというふうにお答えを申し上げたいと思います。しからば過去において調停、仲裁等につきましてずいぶんその通りやっていなかった例があるではないか、この点はまさにその通りで、裁定になってもその通りいかなかった場合もありますし、それをのんだ場合もございます。終戦後相当の回数におきましてベース・アップ等を行なってきておりますことは御承知の通りでございますが、裁定につきましては政府なり国会なりがこれについて判断するという形になっておるのでございまして、当時の国の財政状況あるいは政府の方針、また国会におきます考えというものによって判断されるのであります。調停案自身につきましても先ほど来申し上げておりますように、ベース・アップ等の問題につきましてはかなり予算的な問題がありますので、そういうような問題についてなかなか解決つかない場合にやむを得ず仲裁にいく、こういう形になっておりまして、裁定となりますと、これは調停とは別の効力が発生しまして、主としてそれを判断いたしますのは国会ということに相なるわけであります。そういうような事態でございまするから、私ども先ほど申し上げました通りに、現在の労働関係法規について絶対に完全無欠だとは考えておりませんが、その精神をくみましてできるだけ労使間の紛争を生じないようにやっていく、またそういう公社に対する制約が非常にありますが、よく組合側の意見も聞き、管理者としても考えることを言う、場合によりましては、管理者といたしましても政府に十分事情を説明してこの要望をできるだけ充足するというような考えに立って処理して参った事例も多々あったのでありまして、こはは一つの法律体系でありますが、運用におきましては私どもかなり自主的にこれを判断して、できるだけ労使の紛争を円満に解決するというような努力を在来して参ったつもりであります。

中原健次小会派クラブ

○中原委員 しばしば調停、裁定等についてこれを実行に移したことがあるという御答弁でございましたが、実際は数字的にいえばそういう御答弁になるような裏付けがあったかどうか、実はないと思うのであります。ことに調停の段階で公社側がこれを受諾された経験が一体幾回あったか。もう一つ、裁定の場合、もちろん裁定の場合にも措置としては予算を伴う場合がしばしばあったと思います。しかしそうであったにしても公社側の方でこの問題に対して誠意を持ってこれにこたえるという態度をとられた場合が一体幾たびあったであろうか。これは抽象論ではなくて数で計算してみたら正直なところが出ると思うのです。その正直な計算をしてみますと、せっかくのお言葉でありますけれども、御答弁とは実情が違うのではないか、これは違うと言い切っても言い過ぎではないと思います。そういうような経験の累積です。それがだんだんこの労働組合運動に対して次のことを考えさせなければならなくなってくると思うのです。そういうような一つの措置、いわば絶対措置というのですか、そういうような形で当局側が権力を背景としながら労働者を追い込んでいけば、幾らでも追い込んでいける、こういう考えを持たれるに至るということになって参りますと、これは一大事だ。そうすると結局、公共企業体の関係法規ができてきたことの意味を失う、せっかくできた法律の意義を失うと私は思います。こういう諸問題について当局の皆さんの方ではどうお考えになっておいでになるか。いやこれでりっぱなものだ、いささかも顧みて思わなければならぬことはないというふうにお考えになっておいでになるかどうか。これは今後の団体交渉の過程の中に非常に問題になる点だと私は思うのです。これはやはり公社側として当然負わなければならない問題点じゃないだろうかというふうに考えるから今質問しているわけですが、その点はいかがでしょう。

靱勉日本電信電話公社副総裁

○靱説明員 ただいまの御質問でございますが、私ども調停なり仲裁なりをいつも受けないで、しかもあとは権力をもって組合員の行動に対処するというような考え方は、先ほど申しましたように毛頭ないのであります。結果におきまして裁定があるいはそのまま実施されなかったという点がありますが、裁定の効力をどこがきめるかは先ほど申したような次第でありまして、調停案自体につきまして、これがなかなか実施できないというような経済的な、あるいは予算的な理由がある場合におきまして、これはどうしてもみずから実施できないというような場合におきましては、あるいはそのまま受けないで、仲裁にいくということになった場合もあります。しかしながら組合側におきましても調停案をのまなかったというような事例ももちろんあるのでありまして、今どちらの数が多かったかということは、ここで即答はできませんが、ただいまおっしゃいました、何か権力をもって追い込んでいくというようなことは、管理者側としては毛頭考えていないのでありまして、率直に申しますれば、あるいは世間の批判ではむしろ経営者がだらしないじゃないかといわれた批判もずいぶん受けた場合もあるのでございまして、私どもがだらしないかどうか、——ともかく問題に対する基本的な考え方というものは先ほど申し述べたような次第でございまして、今御心配のような考えで私どもは行動をいたしておりません。

中原健次小会派クラブ

○中原委員 本来労働問題という特別な問題が提起されておることは、長い歴史の中で労働者側にいわゆる人間としての権利といいますか、そういうものが満たされるような裏づけがなかった。従って労働階級が人としての価値を取り返すためには、やはりこういう特別な措置を絶対必要とするという判断がこの労働者の地位を確保するための法律的な措置になっておると思うのです。従ってそういう経緯を十分考えてみれば、この際公社側にとっても、あるいはその背景をなす政府側にとっても、やはり私は反省が要すると思う。反省なしに労働問題を考えると、何だか労働者は暴徒でもあるかのごとく位置づけをして、地位をそういうように決定してそれに対する一つの弾圧措置というようなものを考えてくるということは、私らの判断のように運ばれてくると思うのです。そういうことでは人類の社会の進化、前進というものはない。これは私は非常に大事なことだと思うのです。人間としての権利をまず認める。そうして人間としての地位あるいは経済的な諸条件というものをより満たしていこうとする判断が先行しなければ、この問題については妥当な判断はできないのではないか。だからといって私は無秩序であっていいというのではないのです。従ってそこにいろいろな秩序というものが要請されておりますし、先ほどの質疑の中にもそういうお言葉が出ておりましたが、労働者側が一つの企画を持ち、一つの構成を持って、行動のスケジュールを組むということについていろいろな議論があったのですが、そこに問題があると思うのです。そういうようなスケジュールを組むというところに一つの秩序があるのです。秩序のある戦いをしようとするところにそういう問題が起ってくるのでありまして、そういうことをかれこれ考えますと、やはり基本的には労働組合運動に対する側、つまり経営者側ですが、経営者側の判断としてまずもって労働者に当然保障すべきその保障の諸問題を何とかして満たさなければならぬとする判断、これは特に公的な経営の機関ではなおさらのこと、この点は国民全般の考えと、労働組合の考えとが離反しておるわけでも対立しておるわけでもない。この点についてはおそらく国民的な判断が組合側の要求判断にむしろ一致しておると思うのです。ただ問題はその行動の中に、その一線を越えてもらっては困るということがあり得るところにいろいろな秩序とか法律的な制約というものが要請され、また規定されておると思うのです。従ってそういう点の判断がまとまって、先行することが何より大事なのじゃないか。しかししばしば経営者側の立場に立たれる方はとんでもない錯覚に陥っておいでになる場合があるのじゃないか、こういう不安を感ずるのです。そこで今お尋ねしておるわけです。この点はあまり一方に偏するということは、結局私はよき結果をもたらさないことになる、こう思うのです。これは非常に大事な点であります。だからこの点については、お互いに人間としての権利を認め合いながら、そうして人としての権利の中で一番大事なものは、今までしばしば放棄され、あるいはしばしば圧迫を受けておった立場の労働者の権利、それがこういうときに一番最初に問題になるんだと自分は考える。そういう点を今問題にしなければならぬのは、やはり全世界のいろいろな問題がそういうものを一つの基底として発しているからだ、こういうふうに私は思うのです。いかなる問題の場合でも、一番基礎問題は、人間としての権利、それをどのように満たすか、生かすかというところにあると思う。その考え方が労働問題の中の非常に重要な対立点になっている。その考え方の間違いから、対立する考え方から発して、いろいろな紛争が起っている。だからといって私はその紛争を今にわかに解消できるとは思いません。思いませんけれども、これを解決していくためのいろいろな努力の中に、人間の、世界の前進というものが約束されてくるのではないか、こう考えるから申し上げたわけなんですが、そこで今回の三公社五現業の給与問題につきましては、先ほど赤松君が指摘しておいでになられたと思いましたが、政府側におかれても、公社側におかれても、よき解決のために今御判断をしていただいている最中だと思いますので、あえて深入ったことは申し上げるのは差し控えますが、とにかくそういう意味で今回の給与問題を中心とする労働者側の要求を取り上げたあのような形で出ている調停委員会の結論、これを生かすためのほんとうの御判断が願いたいと思うのです。労働者の側としてはいろいろな問題もあったように想像いたしますけれども、とにかくこれを受諾するという線まで出してきておられるというそのことは、労働組合側がよほど異常な決意をもってした受諾だったと思いますがゆえに、特にこのことを申し上げるわけです。従って今回のこの調停委員会の調停案そのものが歪曲されないで正しくくみ上げられた理解の上における措置の基礎として取り上げていただくことにならなければ、政府や公社側がどのように考えておられようとも、むしろその責任は経営側の方にかかってくる。国民の判断はそう思います。国民は今凝視しておりますが、その凝視している国民が、これ以上政府が無理を言っては困る、公社側はこのくらいのことはのむべきじゃないかというのが常識になっているのです。だからあえて申し上げているわけなんです。せっかくの御判断を願いたい。きょうはそれ以上のことを申し上げるのは差し控えまして、ただ一言私の特に重要視している一点を質問したわけでございます。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木委員長 参考人の方々には長時間まことにありがとうございました。  次会は明十三日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することといたしまして、本日はこれにて散会いたします。    午後五時三十七分散会

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