P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
24回国会衆議院1956/03/10

社会労働委員会 第17号

発言数
46
登壇者
9
会派数
2
開催日
1956/03/10

会議録

佐々木秀世自由民主党

○佐々木委員長 これより会議を開きます。  医療制度に関し、新医療費体系について調査を進めます。  まず政府より説明を聴取いたします。小林厚生大臣。

小林英三自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 新医療費体系につきましては、一昨年来の問題でございまして、いろいろの経過もございますから、この問題はむしろ局長に説明させることにいたしたいと思います。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 新医療費体系に基きまする点数表の作成の経緯につきまして、簡単に御説明申し上げたいと思います。  一昨年の九月に、新医療費体系を厚生省は発表いたしまして、二十六年の一月の臨時診療報酬調査会の答申の趣旨にのっとって、医師、歯科医師及び薬剤師の専門的技術に対する報酬を物の対価と切り離して評価するという原則と、国民の医療費負担に変化を来たさないという原則とを考慮いたしまして、昭和二十七年に実施いたしました医療経済精密調査の結果に基いて作成した新しい診療報酬体系であったのでございますが、これは御承知のように国会及び関係団体から各種の貴重な意見が寄せられた次第でございます。この体系は御存じのように、いろいろな御意見が寄せられまして、三十年の一月から医薬分業と同時に実施する予定になっておったのでございますが、一昨年の十二月、二十回国会におきまして、医薬分業の関係法律が改正されまして、その実施が本年の四月まで延期されましたので、これに伴いまして、この体系も本年の四月から実施する予定でございました。厚生省はその後種種研究を重ねました結果、基本的な思想は、一昨年の体系のそれを踏襲いたしまして、昨年新たに実施いたしました社会医療調査、国民健康保険医療給付実態調査及び社会医療内容精密調査の結果に基きまして、一昨年各方面の御意見をちょうだいいたしましたので、それらの御意見をも勘案して、新しい点数表の形式をもって、この体系を具体的に表現をいたすことといたしたのでございます。  ただいま申し上げました基礎調査の概要でございますが、その中の一つの社会医療調査及び国民健康保険医療給付実態調査、これは昨年四月に社会保険診療報酬支払い基金または国保の診療報酬請求書を審査する機関へ提出されました診療報酬請求明細書から入院分は十分の一、外来は百分の一を抽出いたしまして、昨年三月中に行われました社会保険及び生活保護法による各種診療行為の回数と点数とを調査いたしました。これは社会保険等の種類及び医療機関の種類別に集計をいたした次第でございます。  なお、この二番目の社会医療内容精密調査でございますが、これは前に申し上げました昨年三月の回数並びに点数の調査の付帯調査といたしまして、全国の医療機関から、病院は約五十分の一、一般診療所は約百分の一、歯科診療所は約二百分の一を抽出いたしまして、昨年七月中の社会保険及び生活保護法による診療に関し、投薬及び注射に用いた薬の価格及び剤型、時間外診療の割合、歯科の補綴の材料の原価等、主要な診療行為の精密な内容を調査いたしたのでございます。  以上申し上げました調査をいたしたのでございますが、これらの調査に基きまして点数表の作成に当ったわけでございます。その際に私どもが考慮をいたしました基本的な原則は、新医療費体系の精神であります物と技術とを分離して評価するということを主眼といたしましたこと、それから二番目には、現行点数から新点数に移行する時点におきましては、総医療費並びに社会保険等の種類及び医療機関種類別の医療費に著しい増減を来たさないようにするということ、それから各診療行為の点数につきましては、昨年実施いたしました、前に申し上げた調査の結果に基きまして、昭和二十七年の新医療費体系の基礎になりました調査の結果から出ております原価計算というようなものを勘案いたしつつ作成をいたしました。さようなことが基本的な態度でございます。  なお、この新しい調査を前に申し上げたようにいたしましたので、新しい調査の結果に基いて、各診療行為の点数を再検討いたしましたこと、診療行為の難易度を若干考慮して点数をきめましたこと、さような点がおもなる点でございます。  大へん恐縮でございますが、新点数表の新点数の概要につきまして、ごく要点だけをこれから御説明を申し上げさせていただきたいと思います。  診察料につきましては、医療の適正化と支払い方法の合理化とを考慮しまして、初診料は現行四点のものを十二点といたし、再診料は従来ほとんど支払われておらなかったのでございますが、これを三点として、再診のつど支払うことといたしました。なお所定の診療時間以外の初診及び再診につきましては、従来二点を加算しておりましたが、今回は特に午後十時から午前六時まで、いわゆる深夜の初診及び再診につきましては、それぞれ八点を加算して支払うことにいたしました。これは歯科も同様でございます。  それから指導料でございますが、指導料につきましては従来ほとんど支払われていなかったのでございますが、これを五点といたしまして、結核その他の慢性疾患について、初診後一ヵ月目から二週間に一回支払うという建前にいたしました。  三番目といたしましては、検査料でございますが、検査技術の難易度を考慮して全面的に改正をいたしました。なお検査に使用する薬剤及びフィルムというようなものの価格は検査技術料と分離して別にお支払いすることにいたしました。  四番目は薬治料でございますが、薬治料は調剤技術料と薬価とに分けて支払うことといたしまして、従来薬治料のうちに含まれていた診察料的部分は、診察料に含めて支払うことといたしました。調剤技術料は、散剤及び水剤につきましては、一日一剤につき〇・六点、薬局の場合は七円ということにいたし、薬価は薬価基準に定めるものを支払うことといたしました。なお医師等が請求する普通薬の価格につきましては、六十円以下のものは十五円刻みの四階級に分けまして、各階級の薬価はその平均価格で支払うという便宜の方法をとろうといたしておるわけでございます。  五番目に処方箋料でございますが、これは一昨年の点数表には出ておりませんでしたが、薬局において調剤する場合の処方箋に限り支払うことといたしまして、処方箋一枚について一点ということにいたしました。  注射料でございますが、注射技術料と薬価とに分けて支払うことといたしまして、従来注射料に含まれていた診察料的な部分は、診察料に含めて支払うことといたしましたのは、薬治料と同様でございます。注射技術料といたしましては、皮下筋肉内注射は一点、静脈内注射は二点を支払うことといたしました。なお注射に用いる普通薬の薬価の支払い方法は、薬治料の場合と同様に、六十円以下のものにつきましては、十五円刻みの四階級に分って平均価格を支払うというふうなことにいたしておるわけでございます。  次は処置料でございますが、診察と明瞭に区別しがたい単純な処置料につきましては、一昨年の場合と同じように、原則として診察料に含めて支払うことといたしました。  次は手術料でございますが、技術料を除く原価、所要時間、手術に携わる医師数及び難易度等を考慮いたしまして、全面的に改正をいたしました。このため最高の手術料は、現行の七百点から千三百点に引き上げられております。  なお入院料につきましては、従来入院患者の薬治料及び注射料に含まれていた再診料的な部分を、再診料として支払うかわりに、入院料に含めて支払うことといたし、普通給食の行われる場合は、一般患者三十二点、結核患者三十点、精神病患者二十八点ということに相なっております。  最後に、歯科診療におきましては、その特質にかんがみまして、再診料は設けず、処置料として支払うことといたしました。なお歯科の補綴料は、補綴の技術料と材料費とを支払うことといたしまして、処置料の中に含まれていた診察料的部分と同じく、補綴料の一部は初診料に含めて支払うという建前をとった次第でございます。  以上が新点数表作成の経緯並びにそのおもなる項目につきましての概略の御説明でございます。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木委員長 以上で説明は終りました。  次に質疑の通告がありますので、これを許可いたします。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 議事進行について。これだけたくさん資料をいただいているので、今の説明だけではちっともわからぬ。どうしてこういう資料が出たか、資料の説明をびしっとしてもらわぬと工合が悪いのです。抽象的なこういう一枚の説明ではわからないですよ。たとえばどうして十二点になったのか、その算定の基礎を説明してくれなければ、今の説明だけではわからない。二十九年には詳細に体系を御説明になったのですから、今度も当然御説明にならなければならないと思います。

曾田長宗厚生技官(医務局長)

○曾田政府委員 ただいま保険局長から説明がございましたように、今回保険局の方からお示しいたしました新点数を作り上げるということについては、その基本的な考え方があるわけでありまして、その基本的な考え方に基いて点数表が作られたのでありますが、その基本的な考え方というものを特別に資料として出さなかった、いわゆる新体系というものを点数と切り離して皆さんにお示ししてないということを、先般からも再々御注意と申しますか、御要望と申しますか、ございました。私どもとしましては、考え方としましては、二十九年にお示ししました当時の新医療費体系というものとあまり変っておらぬのであります。またこれを変えようといたしましても、その基本になります調査資料が二十七年の三月及び十月の資料でございますので、あれに匹敵する新しい資料が実はございません。ただ皆様方から二十九年当時に発表いたしました案に対して、いろいろな御意見がございましたが、その御意見をどの程度に取り上げられるかということを、私どもとしてもお約束通りいろいろと検討をいたした次第であります。そのことについて今保険局長から一応結論的に申し上げたのでありますが、多少重複するかもしれませんが、私おもな点について一つずつ申し上げてみますれば、一つの批判としましては、物と技術に対する報酬というものをきっぱりと分けるということを言明していながら、物と技術に対する報酬が必ずしもはっきり分れておらぬではないか、一緒になっておるではないか。たとえば診察料の中に処置料を含めるというような考え方、こういうようなことはせっかく診断と治療、あるいは物と技術とを分けていながら、またこれを一緒にしてしまっている。これは矛盾ではないかというようなお話があったのであります。これに対しまして私どももその御批判は十分よくわかるのでありますけれども、これも前に私どもの意見を申し上げてはおきましたが、一応私どもとしては、現在の診療報酬というものを分析いたしてみる。たとえば注射なら注射をとりました場合に、注射に要する薬品それから注射をいたすに必要な綿なりアルコールなりこういうようなもの、それから注射器も破損いたすでありましょうし、こういうような損耗料、それから注射のときに手伝いをいたします看護婦等の労務費、人件費こういうようなもの、それから医師のほんとうの労力というもの等に分析してみるということであります。かように分析いたしました結果、これを注射料として定めていくというようなときには、一ぺん分析したものをまた再統合いたしまして、そして支払い時の便宜を考慮して参るということが実際的な問題であろうというふうに考えたのであります。いわゆる注射の場合でありますならば、注射の薬品の原価というものと、それから今申し上げましたようないろいろな注射に要する経費、及び医師の注射に要する技術料こういうものを一括して注射技術料と申しておりますけれども、この中には経費も含めて注射代としてお払いする、実際問題としてはさような形が妥当である、こういうふうに私どもは考えた次第であります。それと同じように、ただいま申し上げました処置というものを含めましたのも、これは今の、物と技術とは少し問題が違うかもしれませんけれども、私どもは、たとえば眼科、耳鼻科というようなところにおきましては、実情分析をいたしました結果、診察料としてお払いする技術料部分は比較的少額でございました。むしろ処置料というものの中に含められて支払われておった額が多いのであります。これを処置料としてお払いするということになりますれば、診察料としては非常に少額のものをお払いする、すなわち内科、小児科に比べますならば、診察科的な報酬というものはきわめてわずかなものになる、こういうことで診察料を各科別、専門別に定めますならば、処置料を残しておいてもよろしいのでありますけれども、内科、小児科に比べて眼科、耳鼻科等は診察料が低いというような形もいやでございますし、また全科というような方々でありますならば、内科、小児科の患者も見るし眼科の患者も見る、耳鼻科の患者も見る、こういうようなときに、Aの患者からは診察料を四点なら四点、それから乙の患者からは二点とるとか一点とる、こういうようなことでは非常に取扱いもわずらわしゅうございますので、診察料は一つにまとめて均一にいたす、そのかわりに、さような場合には診察料に実際の経費分析よりも多額に支払われたというような場合には、処置料をそのかわり特にお払いをしない、処置料と合せてこのバランスをとっていく、こういうようにいたしますれば実際問題としては非常に支払いの形が簡易になって参ります。こういうような意味で一応はこまかく分析はするのであるけれども、さてこれから支払いの具体的な形として再編成いたしますときには、これはまた合せていくということも妥当な考え方であるというふうにしたのであります。たとえば手術料にいたしましても、手術に使ういろいろな薬品もあります。包帯材料もあります。消耗するあるいは損耗する器械類もございます。あるいは手術室の万般の光熱水道、いろいろなものも入り用であります。それに対して手伝いの看護婦あるいはそのほかの助手らの人件費も入り用であります。また一群大切なのはほんとうに狭い意味での医師の手術料になるのであります。これを一々別にして支払うのではなしに、少くとも今日の状況におきましては、さようなものも含めて手術報酬としては医師に対する技術報酬が主でありますから、こういうものに対する報酬も加えて盲腸炎の場合には何点、肺葉切除の場合には何点というふうに定めることが実際的には便利である。ただその点数を編み出します場合には、このこまかい分析をしたデータに基いて編み出すべきだ、こういうように考えたのであります。この意味におきまして、私ども物の価格と技術に対する報酬をこまかく分析いたしましても、実際の支払いの形といたしますときには、これを再統合するというふうな方針をとりました。この点が一部からいろいろな御批判を受けましたけれども、私ども必ずしも間違っておらぬというふうに考えておる次第であります。  それから第二番目は、いわゆるワク内操作といわれておる問題でありまして、医療費の総ワクを定めて、その中だけでもって一方の報酬を削り、一方の方をふやしていくというようなことでは適正な診療報酬が出てこないという御批判であります。これは私どもとしましてもごもっともな点もあるのであります。しかしながら今日同じ診療が行われております場合に、診療報酬を急に増加するということは、報酬を受け取る側といたしましては望ましいことでありますけれども、支払われる側としては、これに対して直ちに納得がいくかどうか、またそれだけの力があるかどうか、余裕があるかどうかということ等も考えていかなければなりませんので、私どもとしてはこの問題は別個に考えていかなければならぬ、一応私どもの当時、また今日もそのまま持っておる医療経営の分析でございますが、これによりまして、それに要するものの費用あるいは労務費、それから医師の技術の評価ということになってくるのであります。今日におきましても、医師の技術評価が低い、もう少し高く見てもらわなければならぬのじゃないかというような御意見は、私どもも十分さよう考えておるわけであります。しかしながら、それでは医師の技術料の評価をいかように高く見るべできあるかということになりますと、ただ高くなればよいというわけにはいきませんし、またさればどの程度、一割上げればよいのか、二割上げればよいのか、五%ではがまんができないのかというようなことも、ただいまのところでは定めがたいのであります。この問題は、また別にいろいろ関係者のお集まりを願って、十分に検討して参らなければならぬ。私どもとして、ただ可能と申しますが、一応皆様方にお示しいたし得るその方法は、調査をいたしました当時において、医師がどの程度の技術報酬を得ていたかという事実であります。その当時得ておりました技術報酬というものを、どういうふうに再配分することが一歩合理的な姿に近づくゆえんであるかということの問題でありまして、私どもはこの新医療費体系の考え方というものに若干の数字を入れて皆様方にお示しいたしましたのは、絶対的という意味ではございませんので、ただその当時医師に支払われておりました報酬というものを、よりバランスのとれたものにいたすということを目途として考えるならば、いかような姿になるか、非常に長い時間かかりまして、労力のよけい要った診療に対しましては、よりよけいな報酬を支払うというような考え方で参ったならば、いかような姿になるかということを出したのでございます。ただいまのようにいわゆる技術の再評価ということの問題は、私どもとしてこれを退けるという意味ではないのでありまして、むしろ別の問題としてこれを検討すべきものだ、一度に何もかも一気に解決しようといたしましても、なかなか結論が出て参りませんので、この問題は、別の問題として皆様方にお示しします新体系というものは、新しい体系に基く点数で請求いたしましても、従来の請求点数と変りがないということで、一応案を作り出してみるということにせざるを得ないというふうに考えたのであります。この技術料の再評価、ワクが広がって参るという問題については、また別個に考えて参りたいというふうに思っておるわけであります。  それからその次には、技術の報酬につきまして、ただ単にいろいろな診療行為に要した時間の長短というものだけで技術料の配分をいたしたということに対して、これは非常に機械的に堕しておりはしないか、同じ時間かかっても、非常に注意を要し、緊張を要するというものにはよけいの報酬が支払われなければならぬではないかというようなこと、あるいはまた、同じ時間費された手術であっても、非常に老巧な人がやられた一時間なら一時間というものと、割合にかけ出しの医師の一時間というものとは、報酬に差があってもいいのではないかというようなお話、いわゆる技術差の問題が提出されたのであります。これにつきましては、私どもできますならばさような点を考慮のうちに入れて参りたいというふうに考えたのではありますが、これもその方法がなかなかむずかしいのであります。ことに個人的な技術差を認めるということはこれはきわめて固難でありまして、私ども事務当局だけとしましては何としても案が立たないのであります。この個人差の問題は将来専門医制度というようなものでもできました暁には、それとにらみ合せてまた考慮いたして参るということで、今回はこの問題を保留をいたしたいというふうに考えたのであります。それに対しまして手術の難易さ——非常にむずかしい手術あるいは比較的やさしい手術、こういうようなものについては多少手をつける方法があるのではないか。確かにむずかしい、比較的注意——いかなるものでも不注意でよろしいというものはございませんけれども、非常に高い緊張した注意をもって、手術をしなければならぬもの、あるいはまたかなり長い経験を経た人でなければ手術ができないというかような手術の差異はございます。こういうものについては若干の差を考えることは可能であろうというふうに思ったのでありますけれども、この手術の難易さを客観的に評価いたしまして、一定の方程式を出しますことは、なかなかむずかしいのであります。私どもとしてはこれはある程度常識的と申しますか、この手術はどの手術よりもよりむずかしい手術だ、高い緊張度を要する。こういうようなものは、少くとも同じ専門の先生、外科なら外科、眼科なら眼科、耳鼻科なら耳鼻科の先生方の間にはこの手術の方がよりむずかしい、よりやさしいというような区別はある程度できておるようであります。こういうような点を取り入れて多少手術の難易さというものを入れていくことは可能ではないか。しかしこれも絶対的な、客観的な基準というものはどうしても見つけにくいというふうに考えまして、私どもとしましては、一通り基準として出します技術料としては、一応平等に時間でもってはかったものを出しまして、これを基礎的な資料といたしまして、この資料に対して、どの手術はよりむずかしい手術であるから、平等に、機械的に時間だけで按分した技術報酬というものより幾分よけいに見るべきである、あるいはどの手術は幾分軽く見てもよろしい、こういうような点を手入れをすると申しますか、多少手直しをするというような程度でいくよりほか実際問題としては手のつけようがない、こういうように考えたのであります。今のように、基本的に申しますれば、ある程度常識の範囲を脱し得ないというふうに考えるのであります。その意味におきましても、若干の考慮を加えたものを一つこしらえてみたらどうか。これはあえて申し上げますれば、私どもが主として担当いたしておりますいわゆる新医療費体系としてどの手術は何割むずかしい、どの手術は何割やさしいというようなことを申し上げる資料はございません。ただこれを保険の点数に具現いたします場合には、さような点も考慮して点数に多少の増減を加えるということは、方針としてはけっこうなことであろうというふうに考えた次第であります。  それからその次には、二十九年の資料におきまして考慮いたしましたのは、総医療費が新しい体系に基く点数に移っていっても、支払い者側から申しましてもあるいは受け取る側である診療担当者側から申しましても、新しい姿に移っても古い姿で請求した場合と比べて激しい増減が起らないということを検定いたしたのであります。しかしながら、当時においても注意されましたように、それでは内科、外科、眼科、耳鼻科というようにおのおの専門別に見たときに、その増減はどうなっておるかというようなお話については、十分な検定が当時できておらなかったのであります。また当時におきましては、必ずしもこれをはっきり皆様方に申し上げるほど私どもの腹がきまっておったわけではございませんけれども、診療所ならば診療所全体として増減がないということであるならば、大きい支障はないのではなかろうかというような考え方も持っておったのでありますが、この点はさらに検討すべきであるという御注意もありまして、今回は内科、外科、産婦人科、眼科、耳鼻科、小児科といったような各専門科につきましてそれぞれ新しい点数を定めまして、従来の旧点数で請求した場合と請求点数に増減が起らないようにということを注意いたしまして、これも百パーセントぴたりというわけにはいきませんけれども、できるだけ増減に大きい幅を持たせないようにということに注意いたした次第であります。さような点を、今度の点数を定めます場合に注意をしてもらいたいという一つの基本的な方針といたしたわけであります。  それから初診と再診の問題であります。初診と再診につきましては、御承知のように前回お示しした具体的な実態調査の結果によりますと、初診は六・二分、再診は四・六分という数字になっておったと思います。この場合に、今申し上げましたようにこれは初診、再診に医師の費しました時間で按分した技術料が含まれておるわけであります。しかしながら初診と再診というものを考えます場合に、初診のときにはその患者の基本的な診療の方針というものが立てられまして、そのときにできるだけ正しい方向が立てられますならば、その後の診療も非常に効果的に行われる、こういうような点もございまして、この初診というものが特に重要性を持っているということ、またそれだけにお医者さん方も初診の患者についてはより注意を集中して、ていねいにごらんになるというような点からただ時間だけで按分いたしました報酬よりは多少差をつけてしかるべきではなかろうかというように考えまして、初診により重点を置いて、そして再診料から初診料の方に報酬も若干回していくというこの方針は、私どもとしても好ましい処置である、かように考えた次第であります。それにさらに、これは必ずしも私ども新医療費体系それ自身の考え方ではないのでありますが、むしろ保険の方からの考え方といたしまして、御承知のように従来からも診療報酬の払い方に一件払い的な考え方というものがあったわけでございまして、それにいろいろな妙味がある。すなわち患者によりまして、より手数のかかる患者もございましょうし、あるいは割合に簡単にいく患者もある。しかしながら百人の患者、あるいは一月分の患者、一年分の患者の平均を見ますると、大体どこのお医者さんにおきましても、一件当り何点くらいというところにおおむねそろってくる。少くともそのうちでもって非常に高い薬を使うとか、特別の治療は別といたしまして、たとえば五十点以下とか、百点以下というような診療である限りにおいては、大体平均がそろって参る。そういうようなことであるならば、一々こまかい計算をやるよりも、一件払い的に、すなわち平均的にお払いをするということが、事務的にも非常に簡素化されるというような考え方がございます。これは私ども今申し上げましたように、そもそもこの医療費の体系自身の問題ではないと思うのでありますが、保険としての支払いの便宜というような点からは、これもなかなか妙味のある考え方である。これを全部すべての診療について、今日本で採用することは、困難でありましょうけれども、かような考え方を若干加味いたします。具体的に申しますれば注射料でございます。この注射も人によりまして、たくさん注射を必要とする患者もありますし、たくさん注射を要しない患者もございます。しかしながら大体注射料というものは、一人についてどれくらい平均的にいたすかというようなことがわかってきてもおります。そういたしますればそのうちの一部を診察料の方に回して、平均的な支払いというものに近づけたいという考え方、私どもも反対をいたさなかった次第であります。ただこういうようにいたしまして、初診料、再診料にさような一件払い的な考え方を込めて、個個の診療行為に対して、一々支払うべきものを、再診料、初診料としてまとめて払う、あるいは再診料を軽くして、初診料に持っていくというようなこの二つの考慮を考えますと、初診料は非常に高くなって参るのであります。あまりに初診料が高過ぎますと、今度患者が初めてお医者さんのところにかけつけるという診療の件数でありますが、これを押える逆効果を生じはしないか。この点は私どもとして、できるだけ病気になったならば、早くお医者さんのところに行っていただいて、そしてあまり病気がこじれないうちに、早くなおしてしまうということを奨励いたしておるのであります。その方針にもとらない限りにおいて、この初診料をある程度ふやしていくということは、必ずしも間違った考え方ではないというふうに私ども考えたのであります。  大体以上のような考え方で、具体的な数字は昭和二十九年に皆様方にお示しいたしました、あの資料に基いて、そしてその後皆様方の御意見、御批判というものに応じて、以上おもな点だけを申したのでありますが、かような考慮を加えた結果を保険局の方にも申し伝えまして、そして保険局の方でその方針に基いて具体的な点数をお定めになるというような事情でございまして、これも新医療費体系というような大それた名前をつけ得るかどうか、私ども自身も考えて多少じくじたるものはあるのでありますが、かような考え方に基いて、今回新医療費体系に基く点数というものとして具体的にお示しいたしたというような事情でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 今、新体系作成の経緯と、基本的な原則、新点数の概要、そしてそれらのあなた方が出されたものに対する批判に対する反批判があったのです。こんなにたくさんの資料を厚生省は去年の暮れにみんなの議員に配ったのです。私はこれを説明してくれというのです。何も局長さんに批判の反批判をやってくれといったのではない。きょうは医療費体系の説明を聞く日なんで、質問をする日ではない。これだけくれた資料を、今言ったように六・二〇三点という科学的なものが出ておるのだが、それをもとにして、抽象論ではなくて、この数字の中からどういう工合にしてこれが十二点になったという、それを説明してもらうためにこの会を開いてもらっている。たくさん資料が出ておるのに、この資料は説明せずに、ただこれだけを読んじゃって、そして説明だというのでは困るのです。これだけ読んでもわからぬから、おそらくこれをくれているのだろうと思う。今のようにこれだけでわかるなら、こういうものをくれなくてもいいのです。ところが、こんな膨大な資料を読まなければこれがわからぬということで、おそらく膨大な資料をくれていると思う。だから、六・二〇三点というのを去年は作りました。ところが、今度は十二点になったという。今一件払いとか、いろいろ御説明になった、これはその資料から出てきているものなんです。二十九年のものを基礎にして、それを積み重ねて今度の資料が出てきているのですから、それを御説明してもらわなければならぬ。私たちの方はこれを説明してくれということです。考え方はどんな考え方でもそれはまた質問すればいい。問題は資料の説明を要求しているだけなんです。それがおできにならぬことではしょうがない。

舘林宣夫厚生技官(保険局医療課長)

○舘林説明員 お配り申し上げました資料について御説明申し上げます。  健康保険及び船員保険の改正診療報酬点数表案の説明という、総括的な説明部分がございます。これは本点数表を作りますについての総括的な考え方、点数の内容について総論的に書いてございまして、この部分については、先ほどおおむね保険局長から御説明したわけでございます。これを総論といたしまして、次いで健康保険及び船員保険の改正診療報酬点数表案というものがございます。この案は三種類に分れておりまして、資料の一の一として一般診療の場合をお示ししてございます。次が一の二として歯科診療の分がございます。資料の一の三として、これは薬剤師関係の支払いの点数表でございます。次に、資料の二といたしまして、これは社会医療調査及び国民健康保険医療給付実態調査結果表でございまして、昨年の四月審査分、すなわちおおむね昨年の三月の診療内容についての請求書を支払い基金において取りまとめまして、統計調査部において集計いたしました。今回の点数表を作ります最も基本的な基礎資料にいたした調査結果表でございます。これは各診療行為の頻度並びにそれに伴う点数を詳細に書いてございます。さらに資料の三といたしまして、社会医療内容精密調査というのがございます。これは昨年の七月に、ただいま申しました三月の診療内容の調査の補足的な部分といたしまして、投薬、注射の内容、その中の薬価の配分等の頻度状況をみるために行いました精密調査の結果をお示ししているわけであります。また、あわせて歯科におけるインレー、補綴、修理等に用います金属材料等の調査もこの際に取ったわけであります。次に資料の四といたしまして医師、歯科医師及び薬剤師数、病院、診療所の施設数、病床数及び従事者数並びに薬局数、医薬品販売業者数、病院、診療所の患者数及びその治療費の支払い方法、それから国民の傷病の罹患状況、その治療方法及び治療費、国民総医療費等につきまして関係資料を取りまとめまして、つけ加えてお出しいたしたわけでございます。大体おもなる資料は以上御説明申し上げました点でございます。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木委員長 滝井委員に申し上げますが、これは重大な問題であります、また広範にわたりますので、いずれ委員会において十分質疑等によってお尽しあらんことをお願いいたします。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そういうわけにはいかないのです。これだけでは何にもわからぬのですよ。出てきたものが何にもなっていないのです。たとえば十二点について、今いろいろ先払い思想みたいなものがあるようでしたけれども、そのことはこの資料を見てもわれわれわからぬのです、説明してもらわなければ。今までの六・二〇三点というものはこの前も説明してくれたのです。たとえば総治療費を総点数で割って、そうしてその初診の経費を割ると六・二〇三点が出てくるという説明でわかっているが、これを読んでも十二点というものがどうして出てくるかということがわからぬ。これが出てくるからにはこの資料の中から出てくるわけです。だからこの資料からこうなるということを説明してもらわなければ審議も何もできない。ただわれわれが医療費体系を作りましたからよろしくと、こう持ってきても、その基いた元がどういう結果で十二点になったのかということをここで説明してくれなければ、私たちとしてはどうもこうもならぬのですよ。おそらく私のように一生懸命やった者がわからぬのですから、失礼な言い分かもわからぬけれども、きょう初めてお聞きになる方はわからぬと思う。今の御説明でわかった人がおったら大へんなものだと思う。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木委員長 わかりました。この問題についてはいずれ理事会を開いて、その取扱い方を慎重を期したいと思いますから、きょうはこの程度にしておきたいと思います。  質疑の通告がありますのでこれを許可いたします。八田貞義君。

八田貞義自由民主党

○八田委員 今新医療費体系について説明があったわけでありますが、これにつきましてはいろいろ中央社会医療協議会等におきまして審議されまして、また参議院におきましても審議されましたが、いろいろな矛盾撞着を含んでいるものである、こういうようなことで今紛糾状態にあるわけであります。こういうような紛糾状態に導いたのは、前提条件として、厚生当局において間違った考えのもとにやられておったということになるわけでありますが、まずその前提とは一体どういうことかということを申し上げますと、厚生省はこういった新体系を樹立する場合には、前もって総医療費、総点数の総ワクを日本医師会とか、あるいは歯科医師会とか、その他関係諸団体に示しまして、そのもとに点数配分作業を実行する事実を内示すべきであります。またさらに作業上の基礎的なルールをきめるべきであります。ところが新体系の精神をくんだ、あるいは新体系に基くところの新点数表が、医師会や医学界の代表の参加なしに、またこれらの団体との間に公然たる形での意見の交換もなく、全く一方的に、診断も治療も、その実際を身につけない人人によって、一役所内で極秘のうちに作成された過程は官僚独善だ、こういうふうに批評されてもいたし方がないのであります。新点数の発表直前まで総医療費の総ワクである点数及び作業上のルールが極秘にされ、突然ぽっかりと出されたのでは審議のしようがない。滝井委員が盛んに審議ができないと言うのはここにあるのです。さらにまた、この新医療費体系の矛盾撞着を個条書きにして申し上げてみますとたくさんあがってくるのです。きょうは委員長から、時間がないから簡単にしてくれということでありますから、せっかく勉強しましたいろいろなこまかい点については避けますが、ただ私が厚生大臣にお伺いいたしたいのは、この新体系に基くところの新点数表というものは矛盾撞着もはなはだしい。これを実施しては医療界が混乱し、医療制度の破壊になる。そこで四月一日の医薬分業を控え、暫定案を作ろうということをお考えになった。しからば暫定案というものは一体いつまでの暫定案か、また暫定案をお立てになった後の旧点数は一体どのようにして改訂されていくか、これについての大臣の御構想をお聞かせ願いたいのであります。

小林英三自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 新しい医療費体系は、今事務当局からその構想、内容、経過等につきまして御説明申し上げた通りでございますが、厚生省といたしましては医薬分業に対しまして、これならばやっていけるだろうという自信のもとに医療費の体系を作ったわけであります。しかしこれは私どもたびたびこの委員会においても申し上げておりますように、画期的な問題でございますから、私といたしましては、法制上にきまっておりまする中央社会保険医療協議会に御審議を願っておりますと同時に、各方面の御意見も十分に拝聴して、でき得れば四月一日からスタートいたしまする医薬分業にも間に合わせたい、こう思っておったのでありますが、いろいろの情勢を判断いたしますと、今日ただいまこの新しい医療費の基本的な問題の解決はむずかしい。こういう見通しのもとに暫定的な医療費の体系を整えまして、そしてまず四月一日から医薬分業をスタートいたしたい、こういうふうにいたしたことは御承知の通りでございますが、さてそれでは根本的な新しい医療費の体系をいつ打ち立てるか、それからまた暫定的な問題はいつまでやるかという御質問のようでありますが、これは私も昨日でありましたか、医療協議会にも出席いたしまして、いろいろ厚生省といたしましての考え方並びに今後のこれに対する方針等も御相談をいたしたのであります。そこでいろいろの御議論もありまして、結局厚生省としては基本的な、根本的な新しい、医療費の体系を、いつまでにわれわれの答申を得ようというのかというような御議論もあったのであります。私は、非常に慎重を期すべき問題でありますし、また医療協議会そのものにいつまでに作れということを、諮問をいたしました私どもから申し上げるということもどうかと思いまして、できるだけ早く御答申を願いたいということを申し上げたのであります。たた問題といたしましては、四月一日から現実に法律によりまして医薬分業を実施する考えでございますから、これに間に合うように、暫定的な処置の問題につきましては、私は今月の二十日ごろまでには何とか御答申を願いたい、こういうことを希望し、さらに、しかしそれにしても、厚生省として根本的な新しい医療費の体系をいつまでに作ってほしいのかということも、一応言ってみたらどうかというような御意見もございましたので、私といたしましてできれば早い方がいいのだが、そういうことを皆さんからおっしゃるならば一応私の希望を申し上げましょうというので、六月一ぱいくらいでお願いできたらどうかというようなことを、希望として申し上げたにすぎないのでございます。これはやはり医療協議会におかれまして、あらゆる観点から慎重に引き続き御審議を願うわけでありまして、今月の二十日ごろあるいは二十日前に暫定的のものができまして、それに引き続いて、慎重を期して各方面の満足するような基本的な新しい体系ができれば、まことに幸いだと考えておるのでございます。

八田貞義自由民主党

○八田委員 ただいま暫定案について中央社会保険医療協議会において審議してもらう、大体二十日ごろまでにそういった暫定案のお示しを願いたい、こういうような大臣の御答弁がありましたが、社会保険医療協議会というのは審議機関でありまして、大臣が厚生省の考え方として暫定案の考え方を一応中央社会保険医療協議会にお示しになっておるかどうか、全然ただ一方的に私の方はもうお手上げだ、仕方ないからあなたの方で暫定案を作ってくれ、こういうように言われたか、またあるいは大臣が、大体医薬分業に対してこの部分が不可分関係にあるからこの点について暫定案を作ってくれ、こういうふうな考え方を出して、そうして審議を願っておられるか、この点を一つ明快にお答え願いたいと思います。

小林英三自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 現にただいままで新しい医療費の体系の御答申を願うべく御審議を願っておりまして、すでに十二回も回を重ねて御審議を願っておるわけでありますが、ただいま私が申し上げましたような判定のもとに暫定的のものをお願い申し上げようということになったのでありますが、今八田さんから御質問のありました、厚生省みずからが暫定的な問題についての案を作って、これに対する答申を願うか、あるいは医療協議会の方にお願いするかということはいろいろ考え方があると思いますけれども、私が昨日お願い申し上げましたことは、基本的な医療費の体系というものは引き続き御審議願うものとして、現実的な問題といたしまして、四月一日から医薬分業をスタートするのであるから医療協議会といたされましてもこれに間に合うように、とりあえずこれをやったらどうかというような案を一つ御答申を願いたいというここをお願い申し上げておるのであります。

八田貞義自由民主党

○八田委員 大臣、それではちょっと納得できないのですが、新体系について新体系の精神に基く新点数表というものを医療協議会で今盛んにやっているのです。その暫定案を作ってくれとおっしゃるならば、全般的な点数改正をもっての暫定案か、ある一部、具体的に申しますれば、二十二国会におきまして調剤と処方せん発行に関するところの例外規定を設けて、それで医薬分業を四月一日から実施するということをきめたわけであります。そのときに不可分関係が新体系と医薬分業との間にできたわけであります。そこで大臣は、二十二国会の法改正の趣旨をよくお考えになるならば、厚生省として二十日までですから、全部の新点数表の改正を暫定案としてお願いになったのか。そうじゃないと私は思うのであります。ですからその中で、医薬分業にこの点がどうしても支障があるのだ、この点の点数だけを変えて、あとの旧点数については——もっともっと新点数並びに旧点数について審議を願って、新しい第二次、新点数と申しますか、そういったものを作ってほしい、こういうふうにお申し出になったのじゃないでしょうか。

小林英三自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 今の問題につきましては、私は先ほどから申し上げておりますように、基本的な新しい医療費の決定をするということはなかなかむずかしい問題でございますので、四月一日からスタートいたします医薬分業を実施するに差しつかえない程度の最小限度の暫定措置をしていただいて、できるだけ早く根本的の案ができるまでの間、ほんとうの暫定的措置をやっていただきたいというように私どもは希望いたしておるのであります。

八田貞義自由民主党

○八田委員 大臣、私は暫定案の内容をお聞きしているのです。その点はいかがですか。

小林英三自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 暫定案の内容とおっしゃいましたが、今申し上げておりますように、やはり考え方は医薬分業でございますから、どこに線を引くかということは、物と技術とをどこに線を引いて分けるかということは、やはりあわせて医療協議会の方にお願いしているわけでありまして、厚生省といたしましては、この案についてこうしてくれということはいたしていないのであります。すべてをあげて医療協議会において四月一日からスタートする医薬分業に対して運用ができる程度の暫定案についてやってもらいたい、あとは引き続いて根本的の問題について一つ案を作っていただきたい、こういうことをお願いしておるのであります。

八田貞義自由民主党

○八田委員 どうも答弁が同じようで私は閉口しておるのですけれども、もう少し具体的にお知らせ願いたいのであります。というのは、私の質問しておりますのは、医療協議会というものは諮問機関なんです。大臣は諮問機関をあたかも議決機関のようにお考えになって、諮問機関であるところの医療協議会が大臣の考えとマッチする案を出された場合にはいいでしょうけれども、もしも大臣並びに厚生事務当局と全然違うような暫定案を出された場合に、一体大臣はどうされるのですか。医療協議会の意見を全面的に受け入れられるお考えなのですか。これは諮問機関なんですよ。あたかも議決機関のごとく大臣はお考えになって、今の御答弁をされたと考えますけれども、私は医療協議会にはそんなふうな権限はないと思う。その点はどうですか。

小林英三自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 医療協議会はもちろん諮問機関でありますし、同時にまた建議をすることもできるのでありまして、私は今日のいろいろな客観的情勢から考えまして、基本的な新しい体系の御審議を今日まで願っておるのでありますから、医療協議会の方におきまして四月一日からスタートする医薬分業に対しまして、こういう方針でとりあえず暫定的の処置としてやるということを厚生省からもお願いをし、向うからも建議して参りますことは決しておかしくはないと思っておるのであります。

八田貞義自由民主党

○八田委員 それでは私はもう一回お聞きしなければならぬのです。私はあまりくどく聞くのは好かないたちなんですが、そこでどうでしょう。大臣の方から、医薬分業にはこの点がどうも不可分の関係にあるからこの点の点数表だけは変えてくれということをやはりお話になっておるのじゃありませんか。あるいはまた大臣がお話にならなければ諮問機関であるところの医療協議会も一体どのような暫定案を二十日までに作っていいかわからない。大体の輪郭でも示してもらわないと、諮問機関ですから、大臣が二十日までとおっしゃってもどうにもならないと思うのです。こうなりますと、期間がもうないのです。どうかはっきりと、この点とこの点を改正してくれということを医療協議会に言ったんだ。またもしも私が質問をして、いや私がうっかりしていたとお思になるならば、この点について何とか早くやってくれ、こういうふろに御態度をお改め願いたいと私は思うのでございます。

小林英三自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 これは昨日も参りまして、ほとんど公開の席上といっていいくらいに協議会の委員各位のほかにも事務当局もたくさんいるところで申し上げたのでありまして、私は今八田委員に御答弁を申し上げました通りに、厚生省としては案も提示をしていないのでございます。

堂森芳夫日本社会党

○堂森委員 関連質問……。厚生大臣にお尋ねをしますが、これは大へんなことじゃないでしょうか。あなたは厚生大臣でございますね。(笑声)厚生省が何にも案なしに諮問機関である医療協議会にまかすから頼むとか、一体そんなことがありましょうか。それでいいのでございましょうか。何にも案がないのでございますか。もう少し具体的に御答弁を願いたい。

小林英三自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 私はいろいろな情勢を判断いたしまして、ただいまの暫定案の作成につきましては医療協議会にお願いをいたしまして、医療協議会にも専門家がたくさんいらっしゃるのでありますから、できた暫定案について検討をして、それを実施するということがただいまのところ一番いいことと思ってやっておるのであります。

八田貞義自由民主党

○八田委員 どうも大臣はっきりしてくれぬと、私が何回も大臣に質疑のやりとりをして時間をむだにつぶすことになるのでありますが、大臣が諮問機関に対して何らの方針をも示さずに具体案を作れ、暫定案を作れと言われても私は困ると思うので、この点もしも大臣が今までそういうふうにお考えになっておられたならば今日さっそく改められて、諮問機関に対してはっきりとした案をお示しになって、こういう点について暫定案を作ってくれというふうにおっしゃる気持はございませんか。

小林英三自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 八田さんに対します御答弁は、先ほどから御答弁申し上げている通りでございますが、なお私どもの方の局長も医療協議会の一メンバーでございますから、その医療専門担当局長からも一言その点につきまして御答弁申し上げさせます。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木委員長 八田君に申し上げますが、これから大臣は閣僚会議がありまして、十二時までということで来ておりまして、さっきからその催促が参っておるのでありますが、よろしゅうございますか。

八田貞義自由民主党

○八田委員 了承いたしました。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 医療協議会に、分業の前提となります新点数として厚生省が妥当なりと考えております点数表の改正案は、すでに諮問をしてございます。しかしながら先ほど来大臣が仰せになりましたように、昨年の暮れ以来昨日までに十三回でございますが、御審議をいただきましたけれども、なにさま非常に膨大な改正でございますので、今日までのところ医療協議会としては御結論が出ておりません。しかしながら一方四月一日の分業というものはすでに追っております。従いまして厚生大臣が出した諮問は引き続き審議をするけれども、片一方において分業の時期が迫っておるから、われわれとしてはそれまでに結論が出せない。従って分業に必要な範囲の小部分の、これは新医療費体系とかなんとかいうことではないのでございまして、点数表の改正というものをこの際やっておいたらどうだ、そうしてわれわれは、諮問をしておる全般的な点数表の改正については引き続き審議を続けていこう、いわゆる中間的な答申でとりあえずやっておけ、という御答申は医療協議会としては当然お出しになれるものでございますし、それがまた答申ということで変だというならば建議という方法もあるのでございますから、別に法律上何ら差しつかえのない行き方であろうかと存じます。また医療協議会におかれましてもその方針で昨日来暫定案についていろいろ御検討をいただいておるような状況でございます。

八田貞義自由民主党

○八田委員 今あなたは法的解釈を持ち出し、それを一方的に解釈をしておられますけれども、私はこれは非常に問題があると思う。一体今あなたの言われた医薬分業に必要な程度にというのを、あなたはどういうことを考えておられるのですか。四月一日の発足に際して、この点はどうしても暫定案を作ってもらわなければならぬというお考えが一方にある、このことはあなたは専門家ですし、しかも担当局長ですからよく御承知のはずだと思う。ですから大臣にそういう知識を与えてやらなければならぬ。大臣は今聞いてみるとほとんどそうした知識がない。それであなたは大臣に必要な範囲の点数の改正案を出せということを話したことがあるのかどうか。その点をはっきり説明してほしいと思うのです。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 分業に必要な範囲の点数の改正ということにつきましては、今御指摘のようにいろいろどの範囲までやるかということにつきましては議論のあるところだと存じます。そうしてその必要の範囲の点数の改正をいたしますと、またそれに関連して波及するところも理論的には出てくるかもしれません。しかしながらさようないろいろ波及するというようなこと、若干の不合理等につきましてはとりあえず目をつぶって、小範囲の点数の改正をやっておくということも可能でございます。従いまして私どもといたしましてはその範囲をどうするかということにつきましてはその道の専門家であられる医療協議会に御検討をいただいた方が妥当なものが出ると存じまして、私ども厚生事務当局といたしましては別にこの点とこの点をやってくれとかいうようなことで御相談を申し上げてはいないのでございます。ただいま大臣のお答えになりましたように、そういう方向でとりあえずの点数改正というものを御検討願いたいという希望を厚生大臣として医療協議会に申し述べられまして 医療協議会の方ではよしきた、それではやろうということでただいま御検討をいただいておる最中でございます。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 関連して。どうもきのうから聞いているとおかしいのです。当局の説明によると、四月一日から医薬分業は実施する、しかし今問題になっておる新医療費体系はちょっと工合が悪い、何とか四月一日からやらなければならぬけれども、暫定的な方法をとるその問題について医療協議会に頼んでおるけれども、しかしその審議の途中であっても、あるいは国会の了解を得る期間がなくても、四月一日から実施するのに必要な時期になればあえて告示して実施に入っていくのだ、こう言っておるのであります。それはどういうものなのかはっきりしてもらいたい、どれでやろうとするのか、それがあるはずなんです。何もなしにそれができっこないじゃないか、それは一体どういうものか、これを明確にしてもらいたい。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 それをただいま医療協議会で御検討いただいておるわけであります。それで中間的な答申ということになりますか、あるいは建議という形になりますか、そういう御意見をいただきまして、それに基きまして厚生省としては告示をいたしたい、かように考えておるわけでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 関連して。高田さん、よく聞いて下さい。分業に必要な限度をやると、こうおっしゃいましたね。二十九年の体系を思い出して下さい。四つの原則を立てました。まず第一は日本の現状の医療の診療報酬を分析していく、第二番目の柱は総医療費に変化を与えない、第三番目は個々の医療機間の所得額に変化を与えない、四番目にあなた方は何を出したかというと、分業に必要な限度を出してきた。そして二十九年は分業に必要な限度の体系をつくったはずだ。間違いないはずだ。そうすると政府は二十九年にすでに分業に必要な限度の体系は出しておる。その分業に必要な限度を越えて、全日本の新医療報酬の体系の変革をやるというのが今度のあなた方の体系じゃないか、政府に分業に必要な限度がわからぬはずはない、あなた方はそういう脆弁を用いてはいかぬです。僕らが何も勉強せぬで黙っておると思ったら大間違いですよ。政府は出しておるじゃないか。今になってあなたのその言葉は何ですか。私は昨日以来黙って聞いておるが、あなたの言うことは実に脆弁だ。そういうことで局長が勤まりますか。分業に必要な限度というものをちゃんと政府は示しておるんじゃないか、あれがあなたは分業に必要な限度でないというならば、あれを撤回して下さい。あれを撤回するならば、現在出ておる医療費体系は全くもとがなくなる。なぜならば二十九年の体系を基礎にして今度の体系が出てきておるのだから。その四本の柱のうちの一番大事な分業に必要な限度という体系をあなた方がわからぬというならば、まず二十九年のものを撤回しなさい。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 一昨年御審議をいただきました新医療費の体系並びにそれに基く点数表というのは、御指摘の通り、分業に必要なる範囲とすればこの程度が妥当であろう、こういうことで出したわけでございます。その際これは滝井先生なんか一番よく御審議をいただいたのでございますが、まだあれが足らぬじゃないかこれが足らぬじゃないかという難易さの問題とかいろいろな御指摘がございまして、それでその御指摘を先ほど来医務局長が申しましたようにいろいろと検討をいたしまして、しかもそこに一年三ヵカ月の余裕がございましたので、新たに調査もいたしまして、そうしてそれらの御意見を十分に検討をいたしまして、今年は非常に広いものを出したわけでございます。それも御指摘の通りでございます。従いまして私どもといたしましては、分業の前提になる医療費の体系としては先ほど御説明をいたしましたあの範囲のものが妥当であるという解釈のもとに、昨年の暮れに医療協議会に御諮問を申し上げておるわけでございます。しかしながらこの分業に必要な範囲ということのこの範囲につきましては、医療費の体系というものは有機的な点数表でございますので、ここをいじればここもいじらなければならぬ、あそこもまた影響してくるというふうなことで非常に広がっておるわけでございますが、それの御審議について今日までまだ結論が得られそうにもございませんので、それでいろいろ不合理はあっても、あるいは彼此有機的なものが途中で断ち切られたような格好になっても、それらのことについては暫定的な問題であるから、この際目をつぶってとりあえずもうやむを得ない程度のものを点数表の改正として——これは何も新医療費体系とかなんとかいうことでなくて、点数表の改正として行なっておいて、そうしてわれわれが分業の前提として考えられる新しい医療費の点数表としてはこれが妥当であると信じて出しましたものについては引き続き御検討をいただく、こういうことになるわけでございます。滝井先生もよく御存じのように、分業に必要な範囲というものはどういうふうに考えるかということにつきましては、これはいろいろ論議があるわけでございます。従って、ことに点数表というものが有機的な一体性の関連を持っておりますのでいろいろ論議があるわけでございます。従ってそれらにつきましては医療という問題についての法律上の機関であり、また専門家が一番お集まりになっておる医療協議会でその範囲を御検討いただいて、その意見に従ってわれわれがこの暫定的な措置をきめていくということは現状におきまして最も妥当な方法である、かように大臣も考えられ、私ども事務当局も考えた次第でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 分業に必要な限度はどういうところだと言うたら、そういうものは私はわかりませんというのがあなたの御答弁だった。ところがあなた方の今回の医療費体系の基礎をなすあの二十九年に出された新医療体系なるものの一本の柱の中に、分業に必要な限度ということがきちっとあったはずなんです。それを今になってそういうことはみんなが忘れておると思って、知りませんと言うことはけしからぬ、少くとも政府の考えでは、あの二十九年のときにはこういう分業の限度は考えておりましたということは正直に言うべきだ、あなたが忘れておれば別ですよ。それから今また昨日あるいは一昨日の答弁と食い違った答弁になってしまった。暫定案というものはあなたの方はあくまでも物と技術を分離する、この基本精神は貫いた暫定案だということであった。私はそういう暫定案というものは太鼓判を押してもできぬ。そうして現行の点数表を暫定的にある程度変えていく以外にないだろうと言ったら、物と技術を分けてやっていくのだということをあなたはおっしゃった。大臣はわからなかったがあなたがおっしゃった。ところが今のあなたの答弁では単なる点数表の改訂で参りたいという。こういうことであればこれは現行の点数表を改正しなければならぬ、こういう答弁と同じじゃないですか。その二点をもう少しきちっとやってもらわなければいかぬ。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 二十九年にお見せをいたしました新医療費体系は、まだまだこれは問題を含んでおるのだけれども、この程度が分業をやるについて必要な範囲としてわれわれは考えておるということを申しましたことを、私は先ほどのお答えで肯定をいたしました通りでございまして、別にそれを否定をいたしておりません。それからしからば暫定案の内容でございますが、これは今申し上げましたように、一番専門的な人がお集まりになっており、また法律上の点数表の改正でございますので、いずれはそこにかけなければなりませんので、そういう法律的な権限を持っておられまする医療協議会で御検討を願うことが一番妥当であろう、こういうふうに申したのは、これも間違いございません。それでしからば現行の点数表の改正ではないか、物と技術を分けるという基本精神について、それはそうだと言ったけれども、それは間違いかこういう御質問でございます。この点については別に私は間違いだと思っておりません。御存じのように物と技術を分けるということにつきましてはどの部分まで分けるかということが結局問題でございまして、たとえば極端な例をあげますれば、薬治科というようなものについて物と技術とを分けて支払う方式というものも考えられるわけであります。さらにそれを広げてどこまでいくかということも考えられるわけであります。今回お出ししておりまする全般的な点数表の改正につきましても、先ほど医務局長が御説明申し上げておるように手術料その他については物と技術とを一緒に払っております。これは別に物と技術を分けたことにはなっておりません。分析はいたしておりまするけれども、点数としては払っておるわけでございます。従いまして物と技術を分けるという建前でものを考える場合にも、その範囲は非常に小さいところから非常に広いところ、今回の基本的な点数の改正表以上にも及び得るわけであります。従って私は最小限度のところでもやはり物と技術とを分けるような支払いの方式にならなければ分業に差しつかえがあるのではあるまいかというふうな考え方を私自身は持っておるわけでございます。一番範囲の狭いところで行われましたさような観点からの点数表の改正を、現行点数の改正だと見るかあるいは新医療費体系というふうなものの思想をくんだ改正だと見るか、あるいは分業に必要な範囲の改正だと見るか、これは見方でございまして、結局どっちにも見られると思います。しかしながらとにかく今先生が御指摘のように物と技術を分けるということは、最小限度においても行わなければ分業に工合が悪いのじゃないだろうかという見解を私自身は持っておるわけであります。しかしそれは私も医療協議会の委員の一人としてそういうことを述べたいとは存じますけれども、協議会全体としてこの範囲をいかにするかということにつきましては、ただいま御審議の途中でございましてどの範囲にいたされるかということは協議会の委員各位全員によって御決定をいただくことになるかと存じます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 どうもだいぶニュアンスが違ってきましたね。この前は私は、暫定案の基本的な精神というものは物と技術を分けることを貫いていくのか、こういうことをお尋ねしたのです。速記をお読みになればわかる。あなたはその通り、物と技術は最小限度を分けていくんだ、こういうことだったわけです。ところが今だんだん御答弁を聞いてみると、今度は 一昨日になって御答弁され始めた——そうじゃなくて、やはり政府の基本的な方針としてあくまで出てくる暫定案というものは、あれは幅はありますが、物と技術とを分けるという新医療費体系の精神を貫いたいわゆる暫定案を作っていくのか、それとも物と技術と分ける思想のない——現在の支払い方式は物と技術を分ける方針というものはないわけです。それは結果的には、お金として支払われたときには一緒になっていることは当然なのです。しかし、政府の基本的な、一昨日述べたような方針からいった場合に、物と技術とを分けたものを——どうしてもこれはあなたの今の個人的な御意見のようになりますけれども、医薬分業を四月一日からやるためには、少くとも最少限度物と技術を分けるという、その思想が新点数の中に入っていかなければだめだというのが政府の基本方針なのか。それとも現点数のように、物と技術を分けない、長年健康保険ができて以来の支払い方式を変えていくということなのかということを、私はもう一ぺん確認をしておきたい。今度は個人ではなしに、政府の立場で言って下さい。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 滝井先生、非常によく御存じだと思うのでございますが、やはり分業をやるには薬治料の部分につきましてはこれは最小限度は分けなければいかぬと思うのです。そうしないと分業はできません。従ってその部分については、これは最小限度分けなければならぬだろうと私は考えます。ただ、分けたものをどういうふうな形で支払うか、どこへくっつけて支払うか、あるいはどういう名目で支払うか、これにはいろいろ方法があろうかと思います。それは具体的な方法の問題でございまして、その部分についてはやはり分けざるを得ないんじゃないかというふうに私は考えております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そういう工合に分業の必要な限度は政府はおわかりになっているわけです。それを正直に初めから言えば、こんな大きな声も出さずに済むし、質問の時間もとらぬのです。だから、そういう場合に薬治料は分けなければならぬ、分ければそこで幾分はみ出すものも出てくるだろうから、そこでそれは診察料につけるか注射料につけるのか、こういうことになるだろう、そう言えばそれで話はおさまる。必要な限度は出てきたんじゃありませんか。それを必要な限度はどうも専門家にまかせなければわかりません、わかりませんというから、こういうことになる。これ以上私は追及しません。そういうことがわかればけっこうです。それでいいですから、一つしっかりやって下さい。

八田貞義自由民主党

○八田委員 今局長は薬治料についてだけというが、今度はあなたはそういうふうに考えているのですね。政府としては薬治料だけですか、その範囲は。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 私は滝井先生にお答えをしましたのは、政府が薬治料だけを分けるということを、その政府の方針として申し上げたわけじゃございません。その点はもしも滝井先生がさように御理解をしておられますならば、私は訂正をさせていただきたいと思います。最小限度はそこだ。従って、薬治料だけを分けた場合に各界にアンバランスができたり何かしたりいろいろな問題が起ると思うのであります。そうすると、薬治料に手を触れればほかに手を触れていかなければいかぬという問題が起ってくるわけであります。従いましてその範囲は非常にめんどうな問題であるから、専門家の医療協議会で御検討を願おう。しかもここには各界の代表、診療担当者の代表も入っておられまするし、あるいは金を支払う側の代表も入っておられますし、事業主、被保険者あるいは公益の代表の方も入っておられるわけでありますから、それらの方の御意見の一致したところで線を引こう、こういうつもりでおるわけでございます。従って今私が滝井先生にお答え申し上げましたのは、私どもとして分業に必要な範囲は薬治料を分ければいいんだということを申し上げたわけじゃございません。最小限度がそこだということを申し上げたわけであります。

八田貞義自由民主党

○八田委員 それをあなたは滝井委員だけに話したのですか、そこをはっきりして下さい。滝井委員は納得したって私は納得いきません。あなたは国会において発言をしているのです。滝井委員個人に話しているのじゃないのです。そういう態度はいけません。滝井委員の質問にだけ答えたってだめです。滝井委員は関連委員は関連質問としてあなたに質問した。そこを間違わないで下さい。暫定案の内容の具体的な点はどうかということを私は質問した。そうしたら関連質問で滝井委員が質問して、薬治料の点だ、こういうふうな範囲をあなたは話した。その案が厚生省の考えであるならば、協議会からあなたの考えとマッチするような暫定案が出た場合にはあなたは納得するでしょう。しかしそうじゃなくて、薬治料以外のものについて協議会でもって案を答申した場合、あなたは一体どうするのです。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 私は滝井委員の御質問に対しましてお答えをいたしたのでございますが、それは滝井先生だけにお答えいたしたわけじゃございませんので、委員会にお答えしたことに私は心得ております。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は十二日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十六分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗