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24回国会衆議院1956/05/22

国土総合開発特別委員会 第21号

発言数
80
登壇者
11
会派数
2
開催日
1956/05/22

会議録

廣川弘禪自由民主党

○廣川委員長 これより会議を開きます。  北海道開発庁設置法案及び北海道開発庁設置法施行法案の両案を一括して議題といたし、質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許します。森三樹二君。

森三樹二日本社会党

○森(三)委員 私は、ただいま議題になりました北海道開発庁設置法案に対する質疑をせんとするものでありますが、まず私どもは、北海道における資源の総合的な開発こそは、日本の国民生活上きわめて重大であり、また人口問題における北海道の占むる役割からいたしましても、非常に重大な関心を打たなければならぬと思う。この場合、北海道開発庁長官並びに関係閣僚に対し、何がゆえにこの北海道開発庁設置法案をこの際出されるのか、こうした根本問題について質疑をしたいと思うのでありますが、まずそれに先だちましてお尋ねしたいのは、実は私は昨年の四月以来、北海道開発審議会の委員として、各種の北海道開発計画に関する重要事項につきまして、参画して参ったのであります。最近におきましては、かの北海道開発公庫法につきましても、昨年来委員会並びに小委員会に出席をいたしまして、何回となくこれが審議に当って参りました。その他北海道の開発に対するところの計画の審議、農林、水産、公庫と、開発庁の目的とするところのあらゆる事項にわたって審議をいたして参りました。ところが、今回政府から提案されましたところの北海道開発庁設置法案につきまして、私どもは政府が国会に本法案を提出するに当っては、ここに黒沢会長はおられませんけれども、従来の例から見るならば、その前に、当然黒沢会長を中心とする北海道開発審議会に付託され、そして慎重審議をして、われわれのこれに関するところの答申というものがなされなければならない、私はかように考えておるのであります。ところが正力さんは、担当大臣でありながら、これについてわれわれ開発審議会の委員としての職責を、十分果す機会を与えなかった。これにつきましては、やはり私は、本法案の審議の冒頭に、大臣の御所見、そして言葉を改めるならば、これについての大臣の責任を一応お尋ねしたいと思うのであります。

正力松太郎自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○正力国務大臣 北海道開発庁の組織につきまして、これはヌエ的である、これは何とか改良しなければならぬというので、やつておるのであります。御承知の通り、今のところでは実施機関でもないし、変な形になっておる。これはたれが見ても、今日の北海道開発庁の機構がいかぬということは、あなた方もそのように考えられると思う。今のようなことではいけません。そこで、しからばどう改革するかということにつきまして、自由民主党と折衝したところ、ありのままの話ですが、なかなかめんどうだった。いろんな案を書いても、それがこわされ、こわされして、これがために開発庁も困ってしまいまして、それで実は審議会の議にかけようと思いましたが、時間がだんだん経過してしまっなものですから、それに、幸いにしてというわけではないのですけれども、法律上かけなくちゃならぬということにはなっておりませんので、かけなくちゃならぬと思いながら、実は法律的にきまっておるわけでもなし、不本意ながらも、この辺は御了承得られると思いまして、やったわけでありますから、この点は一つ御了承願いたいと思います。

森三樹二日本社会党

○森(三)委員 ただいま大臣の御答弁を聞きまして、私ははなはだ納得できないと思いますのは、当然かけるべきだと思ったけれども、法律的にはかけなくてもいいという見解が出たので、かけなかったのだというような、政治家としてまことに当らざる御答弁だと思うのであります。法律的にかけてもいい、かけなくてもいいという判断は、だれがなさったのか、あなた御自身がなさったのか、一体それは政府の見解なのか、私は将来のために、あらためてお尋ねをしておかなければならぬと思う。しかも、かけないでいいというようなものならば、私は、審議会は全く何のために設置されたかわからないと思う。自民党の諸君だって、従来、たとえば先般自民党の諸君も非常に熱心に審議されておった公庫法、あの法律については、何回となく審議しておるのです。それにもかかわらず、そういう不届きな見解を大臣並びに与党の諸君がお考えであるとするならば、私は、審議会会というものはもう有名無実になると思うのです。それならば、今まであらゆる問題でもって審議会にかけなかった事項がございますか。これは大臣が一方的なお考えでもって、かけなくてもいいと思ったからという、あなた個人の専断的なお考えですよ。そんな考えを持っておるものは、おそらくそう多くはないと思います。与党の諸君といえども、やはり良心的なら、かけるべきものであったという考えを十分持っておるだろうと思います。私は正力大臣の政治的発言としては、非常に納得できないと思います。どういうわけであなたはそういう無責任な御答弁をなさるのか。われわれ審議会の委員と、いたしましては、従来北海道の開発に関する事項ならば、おそらくそれが法案であろうと、予算であろうと、あるいはまた農林、水産、公庫等、万般の開発計画について、われわれは審議にあずからないことはない、かくあるべきだと思うのです。しかるに、今回のあなたの、かけなくてもいいというような御見解は、どこから生まれてくるのですか。このような、北海道開発のための機構改革という重要なる法案を、審議会に諮らない、そうして、それを諮らなくてもいいというような、ぬけぬけした御答弁をなさることは、われわれ審議会というものを全く無視した御態度であると断言せざるを得ないのでありますが、重ねて私は、大臣の良識ある御答弁を願いたいと思います。

正力松太郎自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○正力国務大臣 それは私が先ほど申し上げました通り、自分はかけたいとは思いました。思いましたが、時間がなかったのと、それから言葉が少し悪かったかもしらぬけれども、法律上の明文からいえば、ただ諮問機関である、そうしてこれは官庁の機構の問題である。この第九条をごらんいただけばわかりましょう。第九条「審議会は、開発計画に関する重要事項について、調査審議し、その結果に基いて北海道開発庁長官に建議することができる。」開発計画に関する重要事項であります。役所の機構については何もこれはありません。私はそんな無責任なる言は申しません。よくお調べ下さい。

森三樹二日本社会党

○森(三)委員 これは大臣として、あなたがそういうふうな無責任な御答弁をなさることは、今後のこの法案審議に当りまして、非常にその審議を円滑ならしめないと思うのです。ということは、あなたは、法的にこれをかける必要がなかったということと、それから、時間がなかったということを言われておりますが、法的にもかけなくてもいいというようなことは、これはあなた個人のお考えであって、十分検討の余地があると思う。これは開発計画に関する重要事項でありますから、広くいえば、機構改革というものも、北海道開発の一つの重要ポイントにならざるを得ない。でありますから、広く解釈すれば、やはりこの第九条にも抵触せざるを得ないのです。それにもかかわらず、あなたがそういう独断な御答弁をなさって当委員会を糊塗しようとする、そんな御態度は、はなはだ遺憾である。少くともあなたとしては、法的に云々というような御発言かある前に、相当大臣としての政治性の良識に訴えて、これはやはりかけるべきであったという御態度をとらるべきだと思うのであります。と同時に、あなたはかける時間がなかったと言われるけれども、私どもから言うならば、時間がなかったとは言わせない。これはこの法案を提出する三日前でも四日前でも——審議会というものは、毎日毎日行われておるものじゃありませんが、おかけになるというところの誠意が一片だにあるならば、一日でもおかけになることは十分できた。あなたがかける意思がないから、結局かけないという結果になったのであって、まことに私はその御答弁は、第一点についても、第二点についても、納得することができないと思うのです。こうしたところの重要なる機構の改革をせんとするならば、広く世論にも訴え、あるいは開発審議会委員にも十分審議をさして、しかる後に、政府が確信と責任を持って国会に提案されることこそ、きわめて良心的な態度であると思うのでありますが、あなたは、あえて審議会という重要なる機関があるにもかかわらず、ぬけぬけと、時間がなかったというようなことを言われることは、私どもは実に納得できないのであります。大臣はもう少し誠意のある御答弁をなされることを、特にお願いしてやまないのであります。

正力松太郎自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○正力国務大臣 私の答弁の言葉が足りない点があるかも知れぬ。しかし私は、誠意を持って正直に申し上げております。この解釈も私の独断の解釈じゃございません。よくこれは調べた結果、申し上げたことであって、決して単独の意見じゃありません。  それからなお、先ほども申し上げたように、根本は、今度の機構改革は私は不満です。こんなことじゃいけないのです。もっと徹底したものでなければいけない、しかし、いろいろの結果こういうことになってしまったので、私はこの機構にも満足じゃありません。満足じゃないけれども、こういうようになりました。(「不適当なものは出すな」と呼ぶ者あり)出さぬ方がいいとおっしゃるが、まあ今のよりか幾らかは進んでおる、幾らか進んでおるなら、それじゃ出そう、私はこう思いながら、出しました。不十分です。(「そんな不見識なことがあるか」と呼ぶ者あり)それはほんとうです。私は不誠意な答弁はしておりません。これは正直な話ですよ。(「正面だが不見識だ」と呼ぶ者あり)それは見解の相違です。(笑声)

森三樹二日本社会党

○森(三)委員 大臣は、この法案を開発審議会にかけなかったのは、時間的に許さなかったというのですか、もう少し詳細に、時間がなかったということについて、大臣ばかりでなく、大臣を補佐する一つの機関である田上さんあたりからも、お聞きしなければならぬと思うのです。どういうわけで時間かなかったか。これを提案する二日か三日前に、審議会を開こうと思えば、できないことはなかったと思うのです。あなた自身がなさる気がなかったから、しなかったということに帰着すると思う。あなたは時間がなかったと言う前に、これは法的にかける必要がなかったということを、すでに言われているでしょう。その言葉の通り、あなたは、かける必要がなかったからかけなかったというのであって、それならば、時間の問題でなくなってくるでしょう。時間がなかったから、かけなかったということは、あなたの諮弁ととられざるを得ないと思う。そうした詭弁をあなたが言いなさるということは、まことに不可解であります。——田上さんはあとでよろしいのです。今、私はずっと大臣に聞いていこうと思うのですが、それは不可解だと思うのです。あなたの言われる第一点について、これはかけなくともいいものだとあなたは言われているでしょう。かけなくともいいのだというからには、時間がなかったということは、それはほとんど必要でない答弁になってくる。そうしますと、あなたは、初めからかけなくてもいいのだという考えのもとに、これを押し通されて、そうしてかけなかったということにならざるを得ないじゃないですか。あなたが時間がなかったということは、言いのがれの一つになるじゃないかと思うのですが、この点はいかがですか。  もう一つ、あなたは、この法案はこれは不十分だ、不十分で、十分なものでないのだけれども、しかし出さないよりましたと思ったから出しました、という御発言がありました。そんなことを言うのは大臣としては落第ですよ。そういうような無責任な放言はなさらぬ方がいい。正直なら、初めからこんな法案を出さなければいい。私どもは、あなたも十分御存じのような、あの小選挙区というようなゲリマンダーの法案によって、国会は全く他の法案の審議は麻痺状態に陥った。ああいうものを初めから出さなければ、国会の良識は麻痺しなかった。ああいうゲリマンダー、みずから党利党略の悪法であるということを考えながら出して、結局世論の前に打倒されて、まことに体裁の悪い、本文と別表とを截然と区別して、片ちんばな、人間のからだでいえば、胴体と頭を両断したような、そういう結果になって今苦悶しているのか、いわゆる小選挙区法案であります。現在では与党内でも、あんなものは初めから出さなければよかった、という声が非常に強く、岸幹事長の責任問題になっている。あなたの今の御発言は、大臣として全くこれは信任に値せざるところの御発言だと思うのです。不十分だけれども、まあ出した方がましだろうと言うが、この国会に対して、あなたは責任大臣として、やはり確信を持った法案でなければ出さないという建前でなければならぬと思う。そんな確信のないものをなぜ出したか。それならば、その確信のあるところの法案ができるまで、この法案は撤回されて、そしてあなたが、これならばという最も確信のある法案ができるまで、この法案の審議は一応見合すべきだと思う。今後国会の本会議並びに委員会に提案される法案というものは、担当大臣が根本的に自信と責任を持って提案されるということが、民主主義政治におけるところの重要な態度でなければならぬと思うのでありますが、それにもかかわらず、あなたはまるで子供だましか何かのように、自分としては不十分だ、不十分だということを、何回となく今申されておる。それならば、あなたがこの重要な国会に、無理をしてこの法案をお出しになるところの真意が私はわからない。いさぎよく撤回なさる意思があるかどうか。もし撤回しないとするならば、それならば、これに対してあるいは政府が再びまた修正でもなさり、修正案でも出すというお考えがあるのかどうか。そういうような、みずから非常に不十分であるということを自覚されている法案を提案するということは、全く国会を無視する態度であるといわなければならぬ。こんなことで北海道の開発が促進されるはずがございません。私は、正力さんはもっと政治家として良識的な人だと思ったけれども、ただいまの御発言を聞くと、実に不用意な御発言で、自信の全くないところの御発言であります。私はきわめて遺憾の意を表せざるを得ないと思うのであります。

正力松太郎自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○正力国務大臣 私は詭弁も弄しませんければ、子供だましの話を言うたつもりはありません。私はありのままを正直に言いました。政治家として適当であるかどうかは、見解の相違であります。とにかく私がありのままを申し上げた通りに、この法案は私は満足いたしておりません。しかしながら、現在より一歩進んでおる。残念ながら満足する法ができなかった。しかしながら、現在よりいい。私は北海道の開発は、一日でも早く、一歩でも進めるのが開発だと思います。いいものができるまで、いつまで待ってみても、それはできません。北海道の開発は、一日でも早く、一歩でも前進しなければなりません。そう思いましたから、私は不満足ながら、これに賛成したのであります。それですから、これについて議論にわたることは、すべて私は意見の相違と思いますので、これでいいと思います。

森三樹二日本社会党

○森(三)委員 大臣は、言葉をかえて言いますと、追い詰められると、見解の相違だということを言う。見解の相違、見解の相違でもって済む問題じゃないと私は思います。みずから不十分だと言われておるでしょう。これは足らないのだと言われておる。そうしたものを出すということは——いわゆる民主政治というものは、責任政治ですよ。いわゆる麦作あるところに、民主政治というものは確立せられるのである。あなたのように、自分としては不十分で、よくないものだというようなお考えを持ちながら、何ら根底に確信もなく、この法案をお出しになって、そしてわれわれに審議を要請され、この法案を可決せんとされておる。こういうような行政機構の改革については、もっと慎重審議されて、世論というものをもう少し検討しなければならない。しかも、こういうものについては、先ほども申しましたように、いわゆる審議会という機関があるのだから、審議会でもって三カ月なり五カ月なり日をかけて、十分審羨してから、次の臨時国会あるいは通常国会にお出しになって一向差しつかえないものである。何のために自分で不十分だ、足らざるものだと思いながら、お出しになるのか。例の北海道開発公布法案のごときは、去年の五、六月ごろから、長い間の期間を通じて審議しているのですよ。さればこそ、あの法案はとにもかくにも、この委員会において満場一致の態勢でもって通過し、参議院においても通過して、すでに効力を発生しているのです。やはりあれは開発審議会という機関を通して、そして何回となく慎重審議をしてきたればこそ、あのような法案成立を見るに至ったと私は思うのです。今回のこの開発庁設置法はどうですか。自民党の内部では、いささか検討されたかもしれぬけれども、政府といえども、全く検討する期間もなく、あなたも、今自分からその不明をここでもって暴露されておる通り、まことに十分でない、足らざるものだということを言っておるわけです。だから、開発審議会というものが重要な機関としてあるのでありますから、そこでもって三カ月なり五カ月なり半年なり、練りに練って、これならばというあなたが確信をお持ちになられてから、本法案を国会に提案されることこそ、あなたが政治家としての責任を果すものである。今後あなたのように、不十分だと自分で思いながら、国会にぬけぬけと法案を出すというような政府、与党の考えや、あるいはそうした大臣のあることは、国会の審議に非常な遅滞を生ぜしめ、われわれ審議をするところの委員といたしましては、常に不安のもとに審議をしなければならぬ。確信のない法案と取っ組んで審議するくらい、ばかばかしいことはないと私は思うのです。これは正力さん、いかがですか。あなたが提案者の側に立っておられるから、そう言われるかもしれないが、逆に、あなたが提案されたものを審議する側に立った場合、提案しておるその提案者の方が、私はこれについて自信かないのだ、十分じゃないのだ、足らないのだ、しかし、とにかくこれを出して、通った方が、通らないよりかいいのだというような、そういう危なっかしい——しかも、われわれといたしますならば、それじゃ大臣は、一体この法案が相当大幅に修正されるか、あるいは審議期間中に、政府がまた修正でもしようとするお考えなのか、という危惧さえするのであります。現に私どもは、あらゆる法案を通じまして、大ていの場合、政府に対して質問をいたしましても、あなたのように答弁をなさる大臣というのは、ほんとうにないですよ。過般の選挙法案につきましても、太田自治庁長官は、いわゆる二大政党育成のためには、この小選挙区法案というものは絶対に通さなければならぬものだ。私どもが、何回もゲリマンダーと、その盲点を突いて追及しましても、太田長官は、あくまでも区割り案等について最も妥当であると言って、不十分であるというようなことは、なかなか言わないですよ。正力さんは、今正直だと言われるけれども、正直にあなたがこの法案は不十分だと言うならば、私は、正直にこういう法案はお出しにならなかったことの方か、政治家としての正力さんが良識を備えられたものだと思うのです。私は、今後各大臣が、自分でもって提案された法案を、十分でないというようなことを当委員会においてしばしば御発言になるということであれば、責任政治をみずから冒涜するものである、かく断ぜざるを得ないと思うのであります。私は、すべからくこの際法案を撤回されまして、審議会において三カ月なり五カ月間なり十分審議をさせて、練りに練って——もちろんこの審議会には、与党の諸君も野党の諸君も皆出ているのですから、ここでもって十分練って出されることが、むしろ賢明だと思うのです。そうしないことには、あなたは見解の相違とかなんとか言って、苦しい御答弁をなさっているけれども、やはり北海道開発の重要なる基本的な機構改革の法案であるがゆえに、この際私はこの法案を慎重に取り扱うことが、責任ある大臣としての御処置である、かように考えているのでありますが、もう少し正力さんには、責任政治家としての御答弁を願わなければならぬと考えております。

正力松太郎自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○正力国務大臣 私は責任政治家として答弁しているつもりです。今の不十分という意味は、少しお考え違いがあるのではないか、実施機関としては不十分である、法案としては現在よりまさっている、十分なものである、という確信を持って出しております。十分でないものは私は出しません。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 関連して。大臣はただいまきわめて重要な発言をされました。少くとも政府が法案を国会に提出するということについては、あらゆる面から総合いたしまして、これは最も適切妥当であるという確信の上に立って提出されなければならない。これは、国会というものが国権の最高機関であって、唯一の立法機関の府であるという立場から見た場合には、大臣のただいまの発言並びに先刻の発言は、きわめて不見識であると思います。しからば私は大臣に伺いますが、あなたがこの法案を国会に提出する際に、不十分である、必ずしも満足しているものでないと言われるけれども、どういう点が不十分であるか、それをお聞かせいただきたい。

正力松太郎自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○正力国務大臣 私が不十分だと言うたのは、実施機関としては不十分だということであって、法案としては決して不十分ではありません。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 実施機関として不十分であるとか、あるいは法案としては完璧であるとかいうことは、それは詭弁です。少くともこの法案について、不十分であるということを明確にしていただきたい。

正力松太郎自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○正力国務大臣 事をたびたび繰り返すようですが、私は実施機関としては、これは不十分であると申し上げているけれども、全部徹底して言っておりません。しかしながら、現在のような法律はヌエ的ですから、それを改めるには、今よりいいのです。それを改めるために託したのであります。決して矛盾いたしておりません。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 一体実施機関として不十分であるとは、どういう点が不十分なんですか。また実施機関という点は、どういう点から出てきたのです。

正力松太郎自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○正力国務大臣 実施官庁ならば、つまり北海道開発庁がみな直接やらなければなりません。ところがそうではない。農林省に予算を渡すとか、運輸省に渡す、あるいは建設省に渡す、これがいけないというのであります。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 そんなことを聞いているのではないのです。北海道の総合開発を推進していく場合に、どういう機構がいいか、悪いか、の問題を今論じているのではないのです。この北海道開発庁設置法について伺っているのです。森委員はそういう見地に立って伺っているのです。その際にあなたは、この法案について不十分な点がある——何も実施官庁を言っておるのじゃないのです。明確にして下さい。

正力松太郎自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○正力国務大臣 同じことをたびたび繰り返すことになって失礼でありますが、要するに、これは実施官庁として、は不十分であるけれども、現在の法律を改正するにはこれが最もいい、こう信じておるわけであります。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 大臣、速記をごらんなさい。あなた、そんなことを言っているのじゃないのです。この法案についてあなたは不十分であると言った。そういう点は——あなたは途中で追及されていったから、だんだんと考えを変えて、実施官庁とかなんとかいうことを持ち出した。そんなことを言っているのじゃないのです。この法案について不十分だという点は、どういう点が不十分なのですか、納得のいくような御説明を願いたい。大臣は責任がありますよ。

正力松太郎自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○正力国務大臣 先ほどで十分御理解あったことと思いますけれども、また重ねてお問いになりますから、申し上げますと、実施機関としては今の制度は不十分であり、この法案も不十分である、こういうのです。しかしながら、現在の制度よりこういうように改正した方がよいという確信があったから、これを提案いたしたのであります。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 実施機関としてこの法案が不十分であるということは、どんなところから出てきたんです。これは明確にいたしておきますが、実施官庁とかなんとかいう問題は、この法案とは別個の問題です。今春儀に入ったのは、北海道開発庁設置法案について審議に入ったのですから、この北海道開発庁設置法案について、どのような点が不十分なんです。

正力松太郎自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○正力国務大臣 現在の法案は、先ほど申した通り不十分であります。それだから、これを改正して出した、こういうわけであります。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)委員 正力大臣に関連質問として、ただいまの問題について質問をいたします。大臣は五月五日に、たしか郷里の富山県の選挙区ににしきを飾って帰られた。そのときに大臣は、日中談話でいろいろお話をなさっておるが、特に行政機構に関する問題に触れられて、自分は建設省と運輸省とを併合して、交通省のごときものを設置することを至当と認める、こういう発言をしておることが新聞に伝えられておりますが、これは事実でありますか。

正力松太郎自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○正力国務大臣 私は、建設省と運輸省を合併して省を作るなんということは言いません。ただ私は、建設省と運輸省というものは一つになれば便利だと思う、という話はいたしました。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)委員 このことは、責任ある閣僚として非常に無責任な話だと思うのです。これは倉石大臣も見えておられますが、特に今、政府はあげて行政機構に関する重大な時期に達しておるわけです。関係法律も、それぞれ次官会議やあるいは閣議を通して、最終的に諸般の行政機構改革についての案が出ておるわけです。そういうふうに積み上げてきて、今出しておりますか、閣僚の一人として責任を負います大臣が、全く閣議にも通してない、自分だけの主観的な機構についての発言を外でされるということは、非常に重大なことだと思います。もし新聞の報道に誤まりがなければ、交通省を設置することがよろしいと思うと、こういう発言をしておるわけです。あなたはこの委員会でそういう言葉は言わない、あるいはそういうようには表現しておらぬ、こうおっしゃるかしれないが、あなたはいわゆる有料道路論者であって、この点については、公庫法案その他のときにも、有料道路会社を作ろう——私は、そのこと自身の見解につきましては、正力さんの事業人としての構想や、ものの考え方につきましては、いろいろとおもしろいものの見方である、賛成、反対は別といたしまして、そのことは一応問題になることだと考える。しかし、それはあくまでも正力個人の構想であって、責任内閣制のもとにおいて、共同の責任を負わなければならないところの閣僚としては、やはり閣議を通して、閣議においてディスカッションしてまとまった結論こそ、閣僚として表明すべき問題だと考える。ところが政府は、今閣議を通しまして、建設省と自治庁その他を併合いたしました内政省設置法案というものを提出しておる。建設省という一つのものを対象にした行政機構としては、あなたが五月五日に郷里で談話を発表される以前に、すでに四月二十六日には内政省法案というものが衆議院に上程されて、長官、大臣から説明かなされておるのです。政府のそういうような提案がなされる以前ならば、閣議決定の以前に、あるいは国会に提出する以前に、大臣がそういう発言をするということは、これはなお協議の途中であって、実現の可能性があるかもしれない問題でありますから、そういう時期においては、大臣の立場としての構想を発表するということはあり得るし、そういう政治的責任はわれわれも了解できると思うのであります。しかし、あなたが五月五日に車中談を発表したとぎには、すでにその十日以前に、衆議院には、政府が責任を持って建設省を中心とするところの内政省設置法案が提出されておる。その政府みずからが提出しておるところの法案を、否定するがごとき言論を旅先においてされるということは、明らかに閣内不統一であって、大臣として不謹慎な態度であると私は考える。その意味において大臣の御所見を明らかにしてもらいたい。

正力松太郎自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○正力国務大臣 先ほども申しました通りに、私は建設省と運輸省とを合併して、交通省を作ればいいということを言っておりません。そんなことを書いた新聞は一つだけです。そういう根拠のないことを基礎として追及されては、はなはだ困ります。ただ、北海道を開発することについては内地と違っておるMこれはどうしても建設、運輸を一つにした方が便利だ、それだから自分はその構想を持っておる。それを新聞が誤まってしまったのです。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)委員 大臣は、自分のことを書いたのは一つの新聞だけだと言っておりますが、それは読まれたのも一つの新聞だけなんです。錯覚されては困る。大臣は全国の新聞に毎百日を通しておられますか、それには限度があると思う。あなたがお読みになった新聞では、一つだけ気がつかれたというだけで、他の新聞には幾多出ておるのです。われわれは口々の報道において、多かれ少かれ報道機関に信頼を置いておる、少くとも権威のある新聞に対しては、われわれは信頼を置かなければならない。あなた自身新聞社の社長ではありませんか。あなたは新聞の報道を信用しないで、そういう新聞を出しておるのですか。あなた自信報道陣の中で飯を食べられ、今日に社会的地泣、大臣になる基礎を幸かれた。そのあなた自身が、新聞を侮辱することはあり得ないと思う。あなたが見られた新聞は一つであったかしらぬが、しかし他にも幾つか新聞に出ておるのです。従って、あなたは少くとも信頼すべき新聞に報道せられた談話については、やはりそれだけの責任を負ってもらわなければならない。それが間違った、まるっきり根も葉もない報道とは思われない。あなた自身、交通行政については格段の興味を持っておられる。また一つの見識もお持ちである。従ってあなたは、できれはそういう運輸省と建設省——今現に問題になっておる道路法と道路運送法が対抗しておるが、こういう、一とについて不満を持っておられるでしょうし、あるいは有料道路の問題とか、道路公団について関心を持っておられると私は期待しておる。それはまじめな意味で期存しておる。しかし、そういうあなたの持っていらっしゃる基本的構想それ自体と、事業人として、あるいは個人として、希望される一つの施策——責任ある関係として、現実の一つのワクの中に仕事をしていらっしゃる閣僚として、すでに建設省に対するところの問題は、内政省設置法として国会に提案された十日後に、そういう見解を発表されるということは、まことに不思議だと思うのです。そこで、なぜ私がこの問題を追及するか、なぜ、五月五日のこの交通省案に対する発言を私がここで申し上げるかと申しますと、あなた自身が、先ほどの北海道開発庁設置法というものの提案については、不満足であるという意思を表明されたからであります。なぜならば、今度の政府が提案をされておるところの諸般の行政機構の改革については、一貫性を欠いておるということが、あなたの考え方の土台にあるからです。あなたの考え方の中には、これは河野一郎行管長官が大ぼらを吹いて打ち出した手前、この国会へ何とかして提案せざるを得ないというので、間口を広めたいわゆる内政省案という実施困難な、実施の見通しもない、国会を通過する見込みもない——現に内閣委員会の連中は、通過するということは、だれも言ってないのです。与党の諸君が言っておるのですよ。(「審議するいとまがない」と呼ぶ者あり)審議する意思がないのです。いとまがないというのと、意思がないのとは別です。全然意志がない。もし、いとまがないと与党の諸君が言うなら、大へんな問題です。いやしくもわれわれは、この問題は、すでに一月三十日の議運においても、次いで二月三日の議運においても、根本官房長官に来てもらって、この二十四国会における政府の法律案の提案について質疑をいたしております。そのときに根本官房長官は、累年繰り返されるような議事の仕方をいたさないように努めます。少くとも政府の提案すべき法案は、すべて三月中旬ごろまでに提出いたします。こう確約いたしております。何ならば、休憩して、速記録を持ってきて、一つ根本長官の答弁を明らかにしてもいい。政府は、ほんとうにこれを国会の権威のために慎重審議をして、余すところなく疑義を明らかにして、法案を通すという用意があるとするならば、当然三月半ばまでに約束通り内政省案にしても、北海道開発庁案にしても、出しておらなければならぬのです。それがもう五月末近くになって、残すところわずか二十日間くらいの、どたんばに出したということは、すなわち政府自身の不誠意や与党の不統一からですよ。今ごろになって、審議の時間がないから、進まないのだという話はないのです。ちゃんと審議のできるように、最初からわれわれは相談しておったのです。そういうような事情から、大体今度の北海道開発庁の問題について、あなた自身が消化不良なんです。この案は、率直に言いますと、大臣が起案したのでも何でもない。それは田上次長なんか、泣きの涙で、仕方なく、廣川弘禪委員長におだてられて、こういう法案を作った。どこに一体こういう行政官庁があるのですか。これが出てきたのは、もともと北海道省からでしょう。(「情勢が変化したんだよ」と呼ぶ者あり)情勢の変化じゃない。そういうでたらめなことを言うな。日本の今日の状態から見て、実現しないような大ぶろしきを広げて、道民を惑わさせておいて、それが実現困難になってきたら、だんだんしりつぼみにして、何とかこの国会に出しておかないと、参議院の選挙にも工今日が悪いから、その大ふろしきを縮めるために、この法案を提出した。何ら大臣の意思が変ってきたのじゃない。大臣は強要されて提出されたんだ。まことにお気の毒にたえないと思う。与党からやられ、またこの委員会会で、こうして全く自分としては何らの自信もないこの法案を審議させられて、大臣としての大事な時間を、しかも原子力委員会の方も、科学技術庁も、あれもこれも大いに御心配の最中に、かようなくだらない法案に時間をとられておりますことは、大臣自身としても大へんだと思う。なぜならば、大臣みずからが出すことを希望して、みずから自信を持って提案したものではない。外部の圧力に押されて、しかも、いろいろな政治的な体面の上から、やむを得ず出した案だからですよ。だから、大臣か出先に行って、北海道開発庁の問題を発言したついでに、有料道路の問題を一席ふち上げ、あげくの果てに、交通省ができればいいというところに、話がずれていくという一つの必然的な過程が出てくる。こういう点があるから、大臣にこの見解を明らかにしておいていただきたい。大臣がこの法案に対する不満の意を表明されたということは、ここからきているのでしょう。だから、そのことを正直に述べられた方が、この法案をスムースに審議するに早道だと思うわけです。

正力松太郎自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○正力国務大臣 いろいろと長くお話を聞きましたが、要点をお答えしておきます。これは実施機関としては不十分な法案でありますが、現在よりか確かにいいことは事事でありますので、私は喜んで提案したのであります。何とぞ慎重御審議をお願いいたします。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 大臣はこの汝案は不満足である、不十分である。それで、どういう点が不十分ですか、と伺いましたら、実施官庁としての立場から見るならば、不満足である、こうおっしゃった。ほんとうにそういうふうにお考えならば、実施官庁として考える場合に、実施官庁は賛成ででございますか。

正力松太郎自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○正力国務大臣 私は、北海道開発庁の現状は、非常なヌエ的な、間違ったものだと思っております。だから、こういうものを作ったならば、一日も早く実施官庁に移したいと思っております。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 そうすると、開発庁長官は、現在の開発庁はヌエ的だ、これではいけない、やはり実施官庁にしなければならぬ、そういうふうにお考えですか。倉石行政管理庁長官がお見えになっておりますから、行政管理庁長官の立場から、北海道開発庁を実施官庁にするということについてどう考えるか、承わりたい。

倉石忠雄自由民主党労働大臣・行政管理庁長官事務代理

○倉石国務大臣 開発庁の問題につきましては、私どもといたしましては、非常に重要な問題でありますから、目下慎重に検討いたしている最中であります。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 目下検討中である。そうすると、実施官庁にする方がいいとも、悪いとも、まだ結論が出ていないということでありますか。

倉石忠雄自由民主党労働大臣・行政管理庁長官事務代理

○倉石国務大臣 行政管理庁の立場からは、ただいま別に結論を出しておりませんか、検討をいたしております。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 そこで重要な問題が止まれてくるわけです。政府としては、実施官庁というものにしたい、その場合に、閣僚の一人である正力長官が、少くともこの北海道開発庁設置法というものについて、どういう点が不満足であるかということを伺ったならば、実施官庁としての考え方においてこの法案が不満足であると言われたことは、これはもう閣内の不統一、あなた一個人の考え方ということになるのです。そういう、政府として、少くともまだ閣僚全体の意見の調整もされていないものを、不満足な理由として出すということは、無定見です。その点はどうですか。

倉石忠雄自由民主党労働大臣・行政管理庁長官事務代理

○倉石国務大臣 行政管理庁として、政府全般としての行政機構に対する方針をきめるということにつきまして、目下慎重に検討中であるということでございまして、北海道の開発について、実施官庁にしなければだめだという有力な御意見もありますので、そういうことを、あわせて検討中であるということでございます。北海道開発庁の担当大臣としての御意見は、これは御自由なことでございまし、もちろん閣内において、行政機構の話、北海道開発総局の話のときにも、そういう御意見が正力大臣以外からも出て参りましたが、ただいまそれを実行に移すという段階に参っておらないということを、私は申し上げておるわけであります。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 倉石大臣にお伺いをいたしますが、一体国の行政機構というものについて、少くとも第三次鳩山内閣が組閣されて、必ず重点的に思い切った行政機構の改革をやるのだということは、これは公約です。そういう見地に立って、行政機構についていろいろの観点から検討されて、少くとも内政省案については、本二十四国会に上程され、審議中なんです。一体長官は、行政機構について、それときわめて関連のある、重要なる国土開発という見地に立つところの、北海道の開発というような問題を切り離して、部分的なものをお出しになって、それで国の行政機構というものが円滑に運営されるとお考えですか。

倉石忠雄自由民主党労働大臣・行政管理庁長官事務代理

○倉石国務大臣 御承知のように今般の行政機構改革につきましては、行政審議会の答申を待って、この答申を基礎にいたしまして、関係法律案を提案いたしたのであります。しかし、これは行政審議会の答申のときもそうでありますし、政府もそうでありますが、この行政機構は、根本的にやはり再検討すべきものであるけれども、今度は第一次的に今回の案を提案いたした、こういうことでございまして、引き続いて第二次の機構改革も、政府では行政審議会にお諮りをいたして、検討しておる、こういう事情であります。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 それは倉石大臣の一応のお考えとしては理解できますが、これが国の行政機構全体の面について、非常に関連のない事項ならばいざ知らず、きわめて重要なるこの問題について、一次とか二次とかいうことは、いたずらに国の行政を複雑化して、国民が迷惑し、その行政に携わる役人が迷惑するということであります。そこで私は正力長官にお伺いしますが、そうすると、実施官庁という問題は、政府として考え方は固まっておらない。かりにあなた自身のお考えとして、実施官庁にすべきだ、現在の開発庁はヌエ的であるというお考えのものならば、そういう政府の意思さえも統一されていない、まとまっていないものを、この法律の提出に際して、不満足だ、不十分だという理由に、実施官庁としてこの法案は不十分だということは、これはきわめて無責任な発言ですよ。あなたの発言は……。ほかに理由があるならば、そのほかの理由を承わりたいが、少くとも実施官庁としての、いわゆる法の内容としては不十分だということについては、理解できません。

正力松太郎自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○正力国務大臣 先ほどたびたび繰り返し申しますように、私はそう信じております。ただ、この法案は、現在よりいいから、ぜひやりたいと思っておるのであります。

薄田美朝自由民主党

○薄田委員 行政管理庁長官にこの際関連して質問したいと思います。北海道開発庁の法案は、私ども非常に不十分だと思い、不満足ですが、行政の改革というものは、そう一ぺんにきれいになるわけでもありません。私どもは、将来北海道開発庁を実施官庁にしようというようなことで考えておりまして、附帯決議というようなことにしたいと思っております。それについて、こういうふうに皆さんから非常に御要望があるのでありますから、行政管理庁長官として、そういうふうに将来実施官庁にするというようなことについて、どんなお考えを持っておりますか、一応行政管理庁長官の意見を一つ承わりたいと思います。

倉石忠雄自由民主党労働大臣・行政管理庁長官事務代理

○倉石国務大臣 先ほど申し上げましたように、閣内におきましても、北海道の特殊性にかんがみまして、これはぜひとも強力なる実施機関を設けて開発をするにあらざれば、道民の期待に沿うことは困難だろうというふうな御意見は非常に強いのでありまして、そういうことも基礎にいたしまして、第二次の機構改革について検討をいたしたい、こう思っております。

薄田美朝自由民主党

○薄田委員 いろいろ考えていただきますが、非常に要望が強いのでありまして、どうか十分委員会の意見も尊重していただいて、十分考慮していただきたいことをお願いしておきます。

森三樹二日本社会党

○森(三)委員 先ほど来、同僚諸君の質問に関連しまして、本法案がいわゆる実施官庁化の目的には沿わないものだという、不十分なものだという御発言がありました。また倉石君からも、現在閣内においては、これは行政機構の改革としては、将来十分検討しなければならぬ問題であって、結論が出ておらないというような御答弁がありましたが、そういたしますと、いわゆる実施官庁化という問題は、正力さんが全く独善的に力み返っておられる問題であって、いまだ閣内においては、これが何ら具体的に計画されておらないということも明らかになったのであります。私は正力さんは、思いつきの放言をされて、そうして先ほど来の質問にもありましたように、みずからこの法案を作らんとしたものではなくて、むしろ自民党のいわゆる北海道開発特別委員会において策定された一つの法案を、ここに政府提案として出したにすぎないというような印象も、私はすでに十分受けるのです。そうしますと、あなた自身は、もうこの法案をあくまでも堅持し、維持し、そうして今国会に通過をはからんとするような気魄は、見受けられないというような気が私はするのであります。それならば、私が先ほどから申し上げる通り、この法案は撤回しまして、そうして開発審議会において、一つ五、六カ月間の余裕期間を置いて、十分検討さるべきものだ、このように私は考える。そうしなければ——今ここでもって、先ほど来薄田君も言われたように、附帯決議か何かでもって通そうというようなお話もありますが、そういう無責任な審議というものは、今後北海道の重要な開発の問題に関してなさるべきではないと思うのです。やはりあくまでも政府は、責任を持ったところの法案を提出して、慎重審議の上、私は国会を通過さすものならばさすべきである、このように考えておるのでありますが、これに関して正力さん並びにその他の高碕長官からも、一つ関連的に御答弁を願いたいと思う。

正力松太郎自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○正力国務大臣 先ほどたびたび申し上げたことでありますけれども、私は現在の制度ではいけないのだ、これをどうしても改正しなければならぬと思うのでありまして、それには、実施機関とするにはこの法案では不十分ではあるけれども、現在を改めるにはこれがいい。だから、ぜひこの国会で通したいと思います。よろしく御協力を願います。

高碕達之助自由民主党農林大臣臨時代理・経済企画庁長官

○高碕国務大臣 お答えいたします。今回の行政機構の改革によりまして、北海道の開発につきましては総局がこれに当る。それから地方の開発につきましては内政省が当る。しかし全国を総合いたしまして基本的の計画は、経済企画庁で立てる。この方針はちっとも変っておりません。かつ各内政省なり北海道庁で立てます開発計画について、そこを来たした場合には、経済企面庁はこれを調整するという任務を持っておりますから、今回の行政改革におきましては、経済企画庁といたしましては非常に便利になる、こう見て、おるわけでありまして、各行政機構の改革をなさることは、けっこうだと存じております。

森三樹二日本社会党

○森(三)委員 今高碕さんから、おざなりの御答弁を私は聞いたのだが、高碕さんも、この法案について十分御検討になっていらっしゃらないのじゃないか、という気が私はするのであります。どうも各閣僚の意見が不統一であって、全く政府は確信を持った御答弁をなさらない。正力さんも正直だというけれども、どうもあまりはっきりした答弁もなさらぬし、高碕さんあるいはまた倉石国務大臣等におかれても、三人が三人とも、自信を持った統一ある御答弁をなさらないのであります。将来、私はあらためてまた御答弁を要求するときもあると思うのでありますが、正力さんの、不満ではあるけれども、不十分ではあるけれども、現在の機構よりもこの方がいいから出すのだ、というおざなりの答弁であります。しかし、それこそ見解の相違でありまして、すなわち昭和二十五年に北海道開発のための開発法が成立いたしましたが、これは特に北海旭開発法と銘打った一つの基本的な法律であり、しかもその第一条には「この法律は、北海道における資源の総合的な開発に関する基本的事項を規定することを目的とする。」第二条には「国は、国民経済の復興及び人口問題の解決に寄与するため、北海道総合開発計画を樹立し、これに基く事業を昭和二十六年度から当該事業に関する法律の規定に従い、実施するものと、下る。」二項は「開発計画は、北海道における、土地、水面、山林、鉱物、電力その他の資源を総合的に開発するための計画とし、その範囲については、政令で定める。」このように、目的並びに総合開発計画について、第一条並びに第二条に明確に規定されておるのでありますが、今回のこの北海道開発庁設置法を見ますと、その第一章の総則におきましては、いわゆる行政機構に関するところの目的を規定したにすぎないのでありまして、全く本末転倒をしておる。正力国務大臣は、この設置法の方が現行法よりもいいのだというような御説明でありましたが、私は、非常に逆行といいますか、後退といいますか、むしろ北海道の開発というものを、根本的にそらしたような感じを受けて仕方がないのです。すなわち今回の設置法の第一条によりますと、目的としてこの法律は、北海道開発庁の所掌事務の範囲及び権限、明確に定めるとともに、その所掌する行政事務を能率的に遂行するに足る組織を定めることを目的とする。」いわゆる組織を定めることを目的とするということが第一条の目的になっている。開発法には北海道開発の目的と開発計画というものが明確に第一条、第二条に規定されておいる。ところが今度あなたが不十分々々々と言われるこの開発庁設置法案は、その第一条の目的に、行政組織を定めることを目的とするというような、根本的な問題にあらずして、行政機構自体を目的としたところの規定をしておるのでありまして、このような法律の体裁というものは、全く北海道の開発を快本的にてらしたものである。一体目的がどこにあるのか、疑わざるを得ない。すべからく法は、その主眼たるところの目的をはっきり明確にしなければならないのです。しかるに一方、北海道開発法というものが、その基本的な目的を明確にうたっておるに反し、今回の法律はそうじゃない。単に国の行政機構の一環として、機構改革を第一条の目的にうたっておるということは、大きな時代運行である。法律としての体裁からいえば、現行の開発法が、いわゆる基本法として北海道の開発の憲法に位するものならば、今回提案されたところの開発設置法というものは、基本法の下に属する単なる事務規定にすぎないような、形式的な法律に成り下っている。これは正力大臣どういうようにお考えになりますか。一方は、国でいえば憲法に当る開発法というものが、現在明確にあるのですよ。ところが、今回あなたが不十分だといってこれを出されておるということは——なるほど不十分なことはよくわかる。今回の法律の第一条は、北海道の開発の目的にあらずして、単に「行政事務を能率的に遂行するに足る組織を定めることを目的とする。」というような、いわゆる組織がその目的になっているじゃありませんか。これはこの目的からいうならば、天地雲泥の差だ。これではっきりした。なるほど、あなたが不十分だ、不十分だと言われるのは、あなたみずから良心的に不十分だということを自覚されておるのだと思う。私どもは、北海道開発の根本精神を没却したのが、現在あなたが提案されておる開発庁設置法案だと言っても過言でないと思うのです。この点について一つ明確なる御答弁を願いたいと思う。

廣川弘禪自由民主党

○廣川委員長 森君、念のためお話ししておきますが、高碕長官は時間を急ぐそうでありますから、高碕長官に関連のあるところをなるべくおやり願います。

正力松太郎自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○正力国務大臣 北海道開発法の、この基本法の精神を順奉するために今の組織を改正する、つまり開発庁を実施機関にしなければ、この基本法の精神か徹底したいと私は信じております。そこで、今の制度ではいかぬから、幾分でもよいものにしようというので、今度の法案を提案したわけであります。

森三樹二日本社会党

○森(三)委員 あなたは開発々々と言われますけれども、それなら、政府が今提案されておるところの法律のどこに、その開発の目的が書いてありますか。何もないじゃないですか。開発の目的はどこへ行ってしまったか。(「第三条に書いてある」と呼ぶ者あり)第三条にあると言うけれども、少くとも目的というものは、いかなる法律においても最重要な事項であります。こうした目的を失った法律というものは、大臣が開発の兵の目的というものをそらしたものだ、開発自体に対するところの考え方が非常に後退しておるのだ、このように、私は考えざるを得ないのです。この点について大臣はどのようにお考えですか。それがあなたの不十分だと言われるところだと思うのですが、どうです。

田上辰雄北海道開発庁次長

○田上政府委員 森委員のただいまの御質問、北海道開発法を……。     〔「大臣、大臣」と呼ぶ者あり〕

正力松太郎自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○正力国務大臣 開発法の精神を実行するためには、今回の法律が必要なんです。私はちっとも矛盾していると思いません。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 ただいまの森委員の質問に関連して申し上げますが、正力国務大臣は、北海道開発法の精神を、北海道開発庁設置法の中において行うということを言っておるのですけれども、その精神であるところの北海道開発法を、この北海道開発庁設置法の施行法では、その第一条においてこれを廃止するということを規定しておるのです。根本精神を廃止してしまっておる。そうして組織法の中においてその精神を実施に移そうったって、これはできないのですよ。精神を失わしてしまって、どうして北海道の期待するところの総合開発をやるというのですか。精神は一体どこへ行ったのですか。その点をお尋ねしたいのです。

正力松太郎自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○正力国務大臣 精神は少しも変えておりません。精神にのっとってやっております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 変えておるのじゃない、精神をなくしておるじゃありませんか。法案を見てごらんなさい。北海道開発庁設置法施行法の第一条には「北海道開発法は、廃止する。」ということが明確になっているじゃありませんか。あなたの言う精神というのは、まずこの法案を出すときに、精神をなくしているので十よ。首を落してしまったのです。

正力松太郎自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○正力国務大臣 設置法の第三条に、この精神をちゃんと載せております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 設置法と北海道開発法との差別ぐらいわからぬのでは、大臣は務まらぬですよ。

正力松太郎自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○正力国務大臣 いや、共本法の精神は、ちゃんと三条に載っておるから、私はちっとも矛盾しておらぬと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これは、ただ便宜的に載せたのですよ。載せたけれども、これは、ただ申しわけ的に第三条にうたっておるのです。本米から言うと、この法律の使命とするところは、いわゆる第一条の目的にうたうべきである。これは何もうたっていないじゃないですか。第一条に「この法律は、北海道開発庁の所掌事務の範囲及び権限を明確に定めるとともに、その所掌する行政事務々能率的に遂行ずるに足る組織に定めることを目的とする。」これが設置法です、その二にあるから、精神は矛盾していないということは、とんでもない話です。すでに精神の失われた北海道総合開発というものを、今後どういうよな期待のもとに進めるかということは、大臣から明確に御答弁願いたい。

正力松太郎自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○正力国務大臣 第三条にちゃんとこれが明記してありますから、それでわかると思います。

森三樹二日本社会党

○森(三)委員 われわれの同僚各委員からも質問しておる通り、これは実際において、私どもとしては、この目的がどこかへ失われておる。これは実に遺徳にたえないのです。正力さん自身も、私は不十分である、不十分である、と何回も連発されておりますが、やはり御自身が、こうしたところに大きな誤謬のあることを自覚されておっての発言じゃないかと私は思うのです。あなたは、自分は正直に答弁するとおっしゃっておるけれども、私はその点が、正力さんにはその正直の上に、不がつくのではないかということを非常に心配しておる。私は法案の根本精神というか、根本理念といいますか、あくまでも目的としては、北海道の開発を第一条に掲げて、そしてこれをどうして実現するかということについて書かれるならば、いいのではなかろうか、目的がどこかへ失われて、単なる行政機構そのものをここに出されたということは、何とあなたが御答弁なさっても、北海道開発のためには大きな一つの逆コース、後退を意味するものだ、このように考えざるを得ないのでありまして、これについて一つ重ねて正力さんの御答弁を願いたいと思う。

田上辰雄北海道開発庁次長

○田上政府委員 私、補足説明を申し上げたいと思います。北海道開発法を廃しまして、北海道開発で設置法を提出いたすのでございますので、ただいま森委員がおっしゃいましたように、実体法的な形が失われて、機構の設置法の形で提案をいたしておるのであります。従って、そういう疑問をお持ちになるのも、ごもっともであるとは思います。しかしながら、北海道開発法の内容をごらんいただきますと、第一条、第二条、これが実質的な内容を持ったものでありまして、あとをごらんになりますと、大部分は組織法的な内容が盛られておるのであります。これは現在の法的な体制からいきまして、一つの特異な法律の形になっておるわけであります。しかしながら、形の上では北海道開発法という実体法的な名称であり、その第一条、第二条は実体に触れたものかと思いますが、今回提案をいたしております北海道開発庁設置法案におきましてこれを考えますと、北海道開発庁を設置するという形でございますので、それで先ほど来御指摘のように、目的のところには一般の省庁の設置法の形を取りまして、第一条に御指摘のような「組織を定めることを目的とする。」という書き方になっております。しかしながら、大臣からも御答弁がありましたように、第二章の第三条にこの実体の内容、開発法において書かれております目的が、完全に取り入れられておるのであります。すなわち第三条をごらんいただきますと、「開発庁は、北海道における資源を総合的に開発し、」これは開発法の第一条であります。「国の経済自立の達成と人口問題の解決に寄与するため、」ということで、目的をはっきりいたしておるのでありまして、これは北海道開発法において第二条に記載されておるものであります。この「任務」というのは、できました開発庁自体の全部の任務であります。それと、その次の第四条に掲げてあります「権限」、この任務と権限を持った官庁が新たにできるのでありますから、従来の開発法の実体を少しもそこなわずに、従来通りの行政運営ができるという確信を持っておるのであります。法的な形が変りますので、疑問の点はごもっともだと存じますが、以上申し上げたように、実質的に何ら支障のないものであるということを御了解いただきたいと思います。

森三樹二日本社会党

○森(三)委員 この問題は、またあとで十分質問するといたしまして、この開発庁の職分等につきましては、従来の開発法においては、次長制についても次長を一人置く、それから本法案においては、参与制というものはやはり認められておりますが、この次長制というのは、ここに全く規定をされておらない。これは私は立法の一つの欠陥でなかろうかと思うのです。やはり次長制というものは、あくまでも本法案に明確に維持されることが必要ではなかろうかと思うのでありますが、これについての御答弁を願いたいと思います。と同時に、北海道の開発につきましては、何といっても審議会が重要である。その審議会におけるところの内容につきましても、従来の開発法におきましては、審議会は建議をする、あるいはまた諮問に応ずるということで規定されておりますが、今回の設置法におきましては、むしろ逆に、諮問並びに建議というように逆の立場に置かれた。私どもは、やはり現行の建前のように、達成あるいは諮問に応ずるという立場を取ってもらいたいという考えを従来持っておりましたが、何がゆえにこのようにひっくり返したのか。あまり技術に走り過ぎたというのか、あるいはまた根本問題に大きな故障を生じたというのか、私は非常に不可解な感じを持っておりますが、これにつきまして大臣に何か確信あるお考えがあるならば、お尋ねしたいと思うのであります。  それから、次にもう一つこれに関連して、北海道開発審議会の組織及び運営に関して必要な事項は政令で定めるということになっておる。従来ははっきりと明文をもって、審議会の会長等においては互選をするということが、開発法第十条の4に規定されておりますが、こうしたことも、やはり審議会の運営を正確に、間違いのないようにするためには、私は明確に互選するということを規定することが、法制上正しいものだと思う。しかるに、これを単に政令に委任するということは、非常に私は危険性がある。言うならば、法律は委任的でなく、本法に厳格に規定すべきである。特にこのような取扱いをしたのは、何らかの意図があってしたのではなかろうか。(「ない、ない」と呼ぶ者あり)ないと言いましても、やはりわれわれが審議する場合には、十分その内容を検討しなければ、法には抜け道というものがたくさんある。抜け道のない法律をわれわれ作っておかなければ、将来不安です。あるいは間違いがあっていけないと思うのでございます。これらに関して、一つ御答弁を願いたいと思う。

田上辰雄北海道開発庁次長

○田上政府委員 第一の御質問の次長制でございます。これは次長を廃止する意味ではなくて、今度国家行政組織法が新たに案として出ておりますが、それによりまして、大臣を甘く省庁におきましては、当然、次官または次長を置くということが明記されることになりますので、その基本法の方に明記してあるから、関係各省の設置法につきましても、全部次長の条項は取ることになっておるのであります。従って、実質的に次長がなくなるのではなくて、法律の根拠が基本法に明記されましたので、この北海道開発庁設置法案からは除いてあるのであります。  それから第二の審議会の規定につきまして、第七条でございますが、審議会が諮問機関であるという使命と、同時に建議機関である使命と、二つありますことは、北海道開発審議会の特色であります。そして従来は建議の力が先になっておりまして、諮問についての条項があとになっておりますことも、ただいま森委員のおっしゃった通りであります。これは順序を法律的に整理しただけの問題でございまして、内容については、全然変化のないものでございます。法制上は諮問橋関ということが、一応の本質的な建前でありまするので、それを先に持ってきた方が法制上体裁がいいという程度の整理であります。実費的には、全然変更がないと御承知をいただきたいと思います。  最後の、審議会の会長の事項だとか、あるいは組織運営についての事項を政令に譲っておりまする点につきましては、これは従来の開発法にありまする、審議会自身がこういうものを独自にきめていくという内容になっておりまする規定を、一応法制上の建前から言いまして、あまりに奇異な条文でありましたので、これを普通の条文の形に整理をこの際いたしただけであります。従って、これらのことにつきまして、政令を用意いたしておりますが、全然従来の運営と変らない内容のものを、政令できめるだけであります。さよう御了承いただきたいと思います。

森三樹二日本社会党

○森(三)委員 今、田上さんの御答弁がありましたが、私は、この審議会というものは尊重されなければならぬ。今後審議会があらゆる問題につきまして十分検討する。そこで地固めをして、そうして北海道開発に関するところの法案であるとか、あるいはまた予算、あるいは開拓に関するすべての問題については、審議会の審議において、十分その機能を発揮しなければならぬと思うのです。そこで今回審議会の委員が、従来二十名でありましたものを三十名に増加したということは、民主政治の確立の上からいたしましても、私はけっこうじゃなかろうかと思いますけれども、しかし審議会お機構運営の衝に当る会長等に対しては、現行法のように、互選をするということが明確に本法にうたわれることが必要でなかろうか。これを政令に委任するということは——政令は御承知の通り、立法機関の審議を経なくても、簡単に変えられるものです。従いまして、国会の承認を経ない形の政令でこの審議会の運営を動かすということになるならば、私は、審議会というものはそれだけ軽んじられている、また軽んじられるような結果が今後現われないとは保障できない、このように考えておりますが、なおこの点については、後日またあらためて御答弁を要求したいと思うのであります。  それから、今回の設置法を見ますと、どうも関係各省と北海道庁との間に、いわゆる中門トンネル式な機関として、北海道総局というものが第三章に規定されております。その北海道総局の長は、北海道総局長官とするというように、長官というような名称を使っております。北海道には現在は知事がおりますが、昔は北海道長官という名称を使っておった。通俗的には、何となく北海道に二人の長官ができるというような感じさえも受けるのでありまして、これは北海道の道庁の機構に対する一つの対立的な、摩擦的な機関を設置するような形が生まれるんじゃなかろうか。いわゆる対立と複雑化がそこに起きるのではなかろうか、このように考えられるのであります。私どもは総局の設置に関しましては、非常に慎重な検討を今加えておりますが、現在の段階におきましては、反対せざるを得ない考えであります。どういうわけで、このような総局を設置されるのであるか。あらゆる通産にあるいは海運局、陸運局、建設局等の事務的なものをここに集中され、また補助事業等についても、総局がこれにタッチするというような建前をとるのであるが、それは北海道知事の権限を縮小するというような意図が、そこには現われているんじゃなかろうか。そういう政治的な意図があって、この法律案というものが提案されたとするならば、私どもは北海道の開発を促進することができない、私はこのような判断に立たざるを得ないと思うのでありますが、長官はいかなる御所見がございますか。

正力松太郎自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○正力国務大臣 今の北海道知事の権限を制限するのではないかというお尋ねでありますが、決して北海道知事の権限は制限いたしません。ちっとも変りません。

田上辰雄北海道開発庁次長

○田上政府委員 総局の機構は、さきに大臣から提案理由の説明で申し上げましたように、今回開発行政の一元化をできるだけはかるという意味におきまして、現地行政機関といたしまして、従来の開発関係の支分部句でありました北海道開発局のようなもの、また札幌通産局、北海道海運正、札幌陸運局等の出先機関を一つにして、できるだけ第一線において行政の総合的な調整をはかりつつ、かつ強力に開進を促進していくということをねらいといたしたものでありまして、さきに説明をいたしましたように、各関係省、たとえば農林省、運愉省、建設省等から補助関係の仕事の一部を新たに取り入れたりいたしておりますが、しかしながら、これは決して単なるトンネルの機関ではないのでありまして、先ほど申しましたような趣旨に基きまして、できるだけこれを総合的に処理するということをねらっておるのであります。従って、決してお話のように、いたずらに専務機構の複雑化をはかるということではございませんで、むしろこれをますます効率的に、総合的にすることを企図いたしておる案でございます。  なお北海道庁、北海道知事の権限につきましては、ただいま大臣からお答えになりましたように、この案におきましてはその点を特に留意をいたしまして、道の自治権につきましては全然これに触れたいという態度で、国の出先行政機関の統合を計画したのでありまして、この点は誤解のないように特に言葉を添えておきたいと思います。

森三樹二日本社会党

○森(三)委員 今、機構の複雑化にはならないというような御答弁がありましたが、今のあなたの御答汁をお聞きしてもわかるように、実際上は、通産局、海運局、陸運局、建設局の仕事の一部がいわゆる北海道総局によって実施されるということになるならば、おのずから、機構はその全体が総括されるのではなくて、その一部が総局によって取り扱われることになるので、これは当然複雑化ということが行われるのではないですか。またあなたは、知事の権限は弱体化しない、あるいは知事の職分については何ら侵さないというようなことを言われますが、実際の農林関係その他の補助等についても、北海道庁を通じて折衝されておるようなものが、直接的に総局でもって実施されるとなれば、これはおのずから知事の職分は、侵害といいますか、それだけ分割される結果が生れるんじゃないか。だから、あなたは、知事の権限に対しては何ら制限するものじゃない、というような御答弁をなされておりますが、事実上はそういう結果が起ることは明白だと思うのです。従って私どもとしては、この総局案の実施に当って、将来北海道庁の職務権限とは、お互いに摩擦するというような場面ができてくるのではないか。(「ならない」と呼ぶ者あり)ならない、ならないと言いますけれども、実際問題としては、そういう実情がはっきりと生まれてくるのではなかろうか、このように考えておりますが、もう少し明確に長官からお伺いしたい。

正力松太郎自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○正力国務大臣 先ほど次長からも答弁いたし、私も御回答いたしましたように、これは各官庁の出先機関を統合したのでありまして、決して知事の職権を侵すものではありません。しかし今お話しのように、形式はそうでも、実際上は複雑になって、知事の権限を侵すんじゃないかという御心配は、ごもっともでありますので、そういうことのないように、できるだけ注意いたします。

森三樹二日本社会党

○森(三)委員 ただいま長官は、知事の権限を侵害するようなことはない、なるべく、そういうふうに上ないようになっているんだ、こういうふうに言われております。しかし、北海道庁が北海道の開発に関する政策を立案、策定をして、そうして政府に交渉をするというようなし実際の取扱いが、今度は、総局がいわゆる強力なトンネル機関として、直接政府との間に話を進める。北海道知事というものは、結局抜けがらといいますか、当該折衝から——いわゆる表面は、それはもちろん制限を受けないと言われましても、形式はどうあろうとも、実質上は、そのために、いわゆる総局長官というものの権現が強化されて、知事の実質上の権限は、制限を受けざるを得ないと私は考える。しかも北海道総局長官というのは、名前を聞いただけでも、北海道に長官が二人できるように考えられる。従いまして、われわれは単に名称にとらわれるわけではないけれども、実際上の北海道開発の予算並びにその開発の政策策定等については、二つの頭というものか、今度北海道に居並ぶことになる。むしろ逆に言うならば、北海道総局長官がいわゆる北海道開発の実権を掌握するという形になって、知事は北海道開発の第二次的な存在にならざるを得ないと思う、この点、大臣はとういう御解釈をお持ちですか。

正力松太郎自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○正力国務大臣 先ほど申し上げましたように、決してそういう御心配のないようにいたしますから、御安心願います。

森三樹二日本社会党

○森(三)委員 きょうは時間の関係でこの程度にしますが、要するに、長官も次長も、北海道知事の権限を制限することはないのだということをしばしば述べられておりますけれども、こうした総局というものは、その名のことく、結局は形式においても、実質においても、知事の職分を侵犯する。そうして北海道開発については、知事は第二次、第三次的なものになって、北海道庁というものは、内地の各府県庁と違ったような形式にだんだんと追い詰められていくんだ。また、あなた方はそうしようと思わないかもしれないけれども、いつの間にかそういう結果が招来されると、私は考えざるを得ないのでありますが、これにつきまして、長官はほんとうに、この総局長官の職分と、知事の職分の関連において、そうした間違いが今後一切ないという確信を持てますか。この点をお尋ねいたしておきまして、本日は一応これをもって私の質問は留保しておきます。

正力松太郎自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○正力国務大臣 森委員の御心配、ごもっともと思いますが、先ほども申した通り、決してそういう心配がないと自分は確信しております。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 先ほどの森委員の質問に関連するのですが、今度の北海道開発庁のこれが、従来の基本法である開発法を廃止したために、開発手続のはっきりした目標というものが、非常に低調になったような感じがするという点は、私も同感なのであります。そこで、その問題について、従来の開発法におけるいわゆる北海道開発の計画開発計画というものが、計画としての性格上において、相当食い違いがあるんじゃないか、差異があるんじゃないかと思うのです。従来のものは、これは国の開発計画、従って地方公共団体がその計画についての意見を出す場合においても、内閣に対して出しておる。従って従来の開発計画というものは、これは閣議でもって決定したんじゃないかと私は思うのですが、今度のものは設置法の中での開発庁の計画というような工合になっておる。その取扱いが、同じ計画という名前でも違うんじゃないか。従来のは国家的な計画であり、今度のは開発庁の計画だというようなことで、この計画としての取扱いが、性格が違うんじゃないか、こういうふうに思いますが、その点はいかがでしょうか。

田上辰雄北海道開発庁次長

○田上政府委員 ただいまの御質問、一応形の上でそうお思いになるのも、ごもっともだと思うのでありますが、結論といたしまして、これは全然変らないということをお答えしたいのであります。国の開発計画と申しましても、必ずしも内閣自体が作るものが国の計画ではないのでありまして、国の行政機関、たとえば開発庁が作りましたものも、国の開発計画でございます。しこうして従来の第一次五カ年計画は、昭和二十七年から三十一年度まで立てられておりまするが、この計画は、実はお話のありましたように、内閣の閣議で決定したものではございません。開発庁自身、並びに開発審議会にかけましてでき上ったものでありますか、いろいろな事情から、閣議決定には至らなかったものであります。しかしながら、今日まで、すでに御承知の通り、この計画に基いて、開発庁並びに関係各省協力いたしまして、この計画の実施に努めて参っておる次第であります。そして今回開発庁設置法として出しておりまする北海道開発計画も、実質的には全然変化がないのでありまして、これも従来の第一次開発計画に沿いまして、次の第二次北海道開発五カ年計画を立てていかなければなりませんが、この第二次の計画こそか、この法案が成立いたしますならば、この法案にありまする第三条の開発計画でありまして、実質的に全然変らないものであります。ただ、この開発計画が、開発庁自身の計画、あるいは審議会自身の計画でなくて、内閣の閣議を経まするならば、これは内閣自身の決定的な方針となるわけでありまして、それだけ権威づけられるわけであります。将来でき得ることならば、閣議決定の線に沿い、内閣としての権威ある計画にいたしたいと思います。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 しかし、われわれがこの法を論ずる場合におきましては、とにかく明文の上に現われた範囲においてこれは解釈をし、論議をするほかはないと思うのです。そういたしますと、従来の開発法においては、第二条において、ある程度開発計画なるものの内容を規定しておるのです。しかもその細部については政令で定める。こういうふうに書いてあるのです。ところが今度のは、ただ北海道総合開発計液ということになっておって、どういうふうな内容のものを、どういう形のものを作ろうが。それは何らの限定もない。従って、従来の開発法における開発計画の性格は、これは計画として確定する以上は、少くとも閣議の決定を経なければならぬ性格のものだと私は思うのです。それをしなかったということは、それを実行するだけの熱意が政府になかったといわざるを得ないのです。しかし今度の設置法におけるのは、何らそういうふうな——ただ開発計画とありまして、内容がどうであるかというようなことの規定がありませんから、よく各省で見られる何カ年計画というような、ただ外部に新聞発表する程度の計画でも差しつかえない、そういうことにもなるわけなんです。そういう点で私は、従来の開発法における開発計画と、今回の設置法のは相当な相違がある。少くとも今度の設置法における総合開発計画というものは、従来よりも、法文上は軽く取り扱われておる。こういうふうに解釈せざるを得ないわけなんです。あなたのお気持はわかるけれども、法文の上では、明らかにそうなっておるのです。もしもそうでないとするならば、今度の設置法の中でも、その開発計画の内容、その範囲等については、政令で定めるとかなんとかいうことがはっきり書いてなければ、単に北海道総合開発計画といえば、何でもいいのですから、どんな計画であろうが、それはかまったことでない。しかも、今度の行政組織における事業の運営と、これは関連があるのですから、あとでまたその際に、この矛盾についてお伺いをしたいと思うのです。  なお、この機会に資料をお願いしておきたいと思うのです。それは北海道の開発における隘路として、北海道は他の地域よりも税金が高いということがよくいわれております。この税金が高いということについての資料をいただきたい。それから、産業の利潤が内地に吸収されて、そうして北海道内においてこれが再投資をされることが足らないといわれておりますが、その産業の利潤が中央に吸収をされるということについての資料をいただきたい。それから電力料金が高いといわれておる。これについても、各地域における電力料金と比較をした表をいただきたい。それから運賃が高い。そういうふうなものについての具体的な資料。こういうものをいただきまして、またあとの機会に一般的な質問を申し上げたいと思います。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)委員 ただいま北山委員から資料の要求がありましたが、私からも資料をお願いしたいと思います。それは統合の対象になっている北海道開発庁、札幌通産局、それから札幌陸神品、北海海運局、これらの関係機関の職員の定員がどうなっておるか、数字を明らかにしてもらいたいのと、それからその職場ですね、どういうところに配置されておるのか、それぞれ職場が分散しておったり、特殊なものがあると思いますから、どこへどう配置されておるか、その資料を出してもらいたい。  それから資料提出を要求するに当って、特に大臣に希望するのでありますか、前回の公布法案の審議に当って、われわれは再三資料を要求したにもかかわらず、ついに資料々提出しなかったわけです。資料々提出しないために、あべこべに委員のうちから暴露的な資料が持ち出されて、皆さんが非常に窮地に陥られたという前科があるわけです。従ってそういう不誠実な態度では、われわれはこの法案をこれ以上審議することができません。前回に明らかにそういう反則をして、糾明されたのでありまして、ただいま要求した資料を明日午後一時までに提出いたしませんと、明日の委員会の審議を拒否いたしますから、そのつもりで明日午後一時までに一つ提出願います。

田上辰雄北海道開発庁次長

○田上政府委員 ただいま御指摘の資料は、できるだけ尽力いたしまして、御指定の時間に間に合うようにいたしたいと思いますが、ただいまいろいろお述べになりましたうちの、産業利潤の関係の資料は、ちょっとおくれるかもしれませんですけれども、できるだけの努力をいたしまして、御希望に沿うように全力をあげたいと思います。

廣川弘禪自由民主党

○廣川委員長 明二十三日午後一時より三閣僚を招き質疑を継続いたすこととし、本日はこれにて散会いたします。     午後五時九分散会

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