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24回国会衆議院1956/03/12

行政監察特別委員会 第3号

発言数
17
登壇者
5
会派数
2
開催日
1956/03/12

会議録

高木松吉自由民主党

○高木委員長 これより会議を開きます。  小中学校における教科書関係事件につきましては、すでに調査を終了し、理事諸君とも協議の結果、議長に提出するため委員長においてすでに配付してある通りの報告原案を作成したのでありますが、本報告案を議題といたします。  なお、これにつきましては濱野清吾君及び西村力弥君より修正意見が提出されておりますので、原案とこれらの修正意見を一括し、趣旨の弁明を求め、討論に付し、採決することにいたします。  この際お諮りいたします。理事会の申し合せの通り、修正意見の趣旨説明及び討論の時間は三十分間以内にすることに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高木松吉自由民主党

○高木委員長 御異議がなければ、さよう決しました。  それでは、発言の通告がありますので、これを許します。濱野清吾君。

濱野清吾自由民主党

○濱野委員 ただいま議題になっております本調査報告書は、本件の調査事実に徴しまして修正することが適切であると信じますので、次に申し上げます通り修正をいたしたいと存じます。  一 「小、中学校における教科書関係事件調査報告書」四五頁四行目の次に左の文を加える。  しかし石井証人の挙げた小学校用教科書「あかるい社会」に叙述してある諸事実、特に日清、日露の戦争についての説明の如きは日本だけが悪く正しくない戦争をしたような印象を植えつけるものがあり、又そこにわざわざ反戦論者の名前堺利彦、幸徳秋水などを掲げている編集のやり方は明らかにある意図をもちながら一方的見解に立って日本歴史を説明しているものと認められる。  また中学校用教科書長田新著「模範中学社会」は平和を題材とした叙述のうち、戦争の起る原因を「死の商人」ということのみによって説明し、その他多くの要因についてはこれを無視しており、賃金論や平和運動に関する巧みな叙述も結局事実の一面のみを捉えた説明におわつている。したがってこれら教科書の内容は基礎教育の段階における中立性の原則に抵触するものであると認められる。しかもこれら教科書の著者が日教組講師団に所属しているものが多いことは大いに注目すべきである。  更に教科書発行会社はこれら教科書を使用する教師に対し教授上の指針を与えるため、教科書に附随してつくられた教師用指導書を配布しているが、この指導書に対し、樋口証人(二葉株式会社取締役)は「指導書つまり教師用は五十冊に一つの指導書を無料で進呈していることになっているのであるが……」と証言している。指導書は当該教科書に対する著者の著述上の見解や指導方針を解説したものであるにかかわらず、行政当局がこれを放任していることは教科書検定の趣旨を没却するものである。  二 七五頁八行目の次に左の文を加える。  しかしながら特定の教科書の編著者を含む集団が評価基準を作成し、採択に関係ある教師に対しその組織を通じて示すことは問題とされなければならない。しかもその内容において例えば「資本家と労働者、地主と小作人等の関係で生産の問題が考えられているか」「社会の発展が法則的に示されるような時代区分がされているか」等階級観念や一方的見解にたつ歴史観に基く事項を挙げて教科書採択の基準としている点は公教育の中正を保持するものと認め難いところである。  三 八五頁八行目以下三行を削り、次の通り改める。  この弊害面についての現地調査の結果、たとえば佐賀県における学生協系特約は、前にも述べた通り公正取引委員会から警告を発せられているにもかかわらず、事態は依然として改善されていない。即ちその株主並びに役職員の構成も大部分は学校の教職員若しくは教職員であった者で構成され、教科書の採択に直接間接に関連をもち、採択の公正を阻害しているものと認められる。したがってその教科書の取扱い部数も逐年増加し旧来の特約を圧倒し、昭和三十年度においては、全県下に供給される教科書部数の七〇%に達し、しかもこの特約と当初から取引している二、三の発行業者の教科書のみが著しく増加している実情にある。  最近供給機関の採択面における弊害の発生している事実と関連し、その弊害の防止を主要な理由として、特約の複数に存在している府県においては、合併により一本化しようとする傾向が生じ、近く福岡県においても旧特約と学生協系の特約が合併することを声明しているのは注目すべき現象である。  四 一〇四頁一行目より一〇五頁一行目までを削り次の通り改める。  これらワーク・ブックの中準教科書などは主に教科書発行会社が発行しておるがテスト・ブックは殆んど専門の業者が発行しており、その発行部数もテスト・ブックが大半を占めている。  その販売方法は準教科書は教科書と同様に特約や取次を通じて販売されておるが、テスト・ブックはいわゆる「カツギヤ」といわれる特定の販売人によって直接学校に販売されており、又販売に際し準教科書は定価の一割程度、テスト・ブックについてはそれ以上の金が学校に戻されて売込まれておるが、これらの戻し金について学校側は正規の経理をしておらないようである。  戻し金についての一例をあげれば、大日本図書は小学校一年用の社会科の準教科書の販売に当つて「……なお本書は準教科書としての仕来りに準じ相当額の学校歩戻しを御実施願いたく存じます」と記載した通知書  を各特約に出している。この点について早川証人(大日本図書株式会社常務取締役)は「ワーク・ブックあるいはテストなどを学校へ納めるときは慣習で定価の一割程度ということが実施されている。一割を戻してでも普及をはかつてくれ、こういうわけであります」と証言しており、樋口証人(二葉株式会社取締役)は「私の方で発行しております準教科書といわれるものに対しましては私どもの方は学校側に対して商慣習としまして一割を戻しております」と証言している。  五 一〇七頁十行目より一〇八頁七行目までを削り次の通り改める。  しかもこのような尨大な編集費の内訳については本委員会においで何等の説明も得られなかったのであるが、ただそのような尨大な編集費を要する理由について米田証人は「北教組本部が編集方針を決定するが実際の編集活動は支部、地区、学校班というように下部組織が行っておるので全組合員が何らかの面で編さん活動に参加しており大体一回の夏・冬休み帳ごとに延べて一万五千人ぐらいが動員されております。又この編さん活動を通じて現在北海道における七千人の無資格教員の質の向上を合せてねらっている」旨証言している。  しかしこのような広範な編さん活動は実際には下部組織などにおいては殆んど組合活動と区別することができないこと、また前述のように編集費の内訳が明瞭でないことなどから考えてこの編集費は実際には教職員の組合活動にも使われておるのではないかと思はわれる。  なおその点について委員から「このような広範な編さん活動は組合活動ではないか」との質問があったが、それに対して米田証人から「編さん活動というのは教職員組合活動のなかの一環としての教育研究活動の一つの仕事になっているわけです」との証言があった。  又、北教組が一冊について編集費などの名目でとっている八円は当然課税の対象になり北教組は脱税をしているのではないかとの質問があったが、これに対して吉武証人(札幌国税局長)は「公益法人の収益事業に該当するから当然税の対象になる」旨証言している。  その後本委員会の指摘により札幌国税局が調査した結果昭和二十六年から二十九年までの分については北教組は昭和三十年十二月二十二日付をもって四、〇二三、八六一円の所得額を申告したのであるが、これに対して札幌国税局は、一四、八四一、九六七円の所得額の更正と行政罰として一八九、一五〇円の過少申告加算税額を決定している。  六 一一〇頁三行目と四行の間に次の文を加える。   3 福岡県の学習帳  福岡県では福岡県中学校教育研究会が編集し福岡県中学校生活協同組合の発行している中学校用の夏・冬休み帳が年間十一万部使われている。  この夏・冬休み帳は定価三十円であるが、その販売に当って学生協は二十八円で直接学校に渡している。二十八円の内訳については中学生協の説明によると仕入単価十七円五十銭、編集費三円、基礎調査費一円、運賃諸掛費一円、見本代等五十銭、ロス代一円、利益四円となっており中学生協は一冊につき四円の利益をあげているわけである。  所が学生協の出資金二六五万円の中教職員七千六百人が七六万円出資しているのに対し生徒十八万九千人が一八九万円を出資しており、出資金の七〇%は生徒の出資になっているのであるが、これらの生徒に対して現在に至るまで一銭の割り戻しもしていない実情であって、学生協は生徒を利用して営利行為をしている結果となっている。  北海道、福島県、福岡県における学習帳の編集、発行などの実情は以上の通りであるが、他の府県における実情もこれらと大同小異であるものと推定される。  そのことは日教組が昭和三十年九月十三日、十四日、埼玉県長瀞において全国書記長会議を開いた際、夏・冬休み帳についての対策として「1、組合員に原価計算を報告する。この際もうけていないことを明らかにして納得させる。2、税務署にはすでに実施している通りで了解工作をする。3、早急に帳簿整理をする。この際組合本部の会計と完全な分離をする。4、関係方面との帳簿照合を完全にしておくこと」をあげて税務署工作、帳簿整理等を指示していることによってこの間の事情を裏付けているものと思考される。  七 一一二頁二行目「一方的見解におわる惧れのある」を「一方的見解におわっている」に改める。  七 一一三頁6号の次に次の一号を加え7号を8号とする。   「7、教科書発行会社が特定の教科書に附随して発行している教師用指導書については文部大臣はその内容等につき適宜監督の措置が講ぜられるよう配慮すること」。  九 一一四頁四行目中「阻害されている疑」を「阻害されている事実」に改める。  十 一一五頁六行目中「関連を有する疑」を「関連を有する事実」に改める。  十一 同頁九行目中「発生している疑」を「発生している事実」に改める。  十二 一一六頁七行目「4、教育委員……。」以下を削除し、「4、現場教員など採択関係者が学校生活協同組合系特約供給所の業務にたずさわり教科書採択の公正を阻害している事実もあるから、教育委員及び現場教員など採択関係者が供給業務にたずさわることができないよう供給と採択を明確に分離する措置を講ずること」に改める。  十三 一一七頁六行目「脱税の疑のあるものもあり」を「脱税の疑があり、国税庁より行政処分をうけた事実もあり」に改める。  十四 同質九行目「その使用については……」以下を削除し「この点については特別の注意を払い制度その他検討を要するものと認められる」に改める。以上が、本修正をお願いしたい理由であり、かつまた趣旨でございます。

高木松吉自由民主党

○高木委員長 次に、西村力弥君。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 本行政監察委員会は、昨年から教科書等に関する調査を行なって参ったのでございまするが、われわれの行政監察委員会の動きに対する警戒は、この調査を通じて教科書の国定化にあるのではあるまいかという疑惑、及び教師の組織である日教組に打撃を与えていこうという陰謀、こういうものを警戒して参ったのでございますが、ある場合においてはともに協力し、ある場合には鋭く対決して本日まで参り、委員長はその結論を集約せられたのでございますが、私たちは、この委員長の報告書に対しまして、どうしても納得することのできない点があったのであります。すなわち、行政監察特別委員会の権限の範囲は、将来の教育行政をこの報告書の結論によって拘束するということは、どうしてもわれわれの受け入れることのできないことであったのであります。それで、われわれとしましては、その修正方を要望した次第でございますけれども、結局するところ意見が一致を見ずに、本日相互に修正の意見を出すことになったことは、私たちまことに遺憾とするところでございます。しかしながら、これまたともに教育の真実を守ろうとする動きの対立であるとするならば、われわれとしても、厳然としてわれわれの主張をここに述べなければならないということになってきておるわけなんでございます。私たちは、委員長の報告書を全面的に修正することをもって、ここに提出をするものでございまするが、全文を読むことは煩瑣になりまするので、最初の大要を述べて、あと残部は速記録にとどめていただくことを要求するものであります。  それでは読みまするが、   行政監察特別委員会において調査致しました「小中学校における教科書関係事件」について報告申上げます。   先づ最初に本調査の結果明らかとなつた最も重要と考えられる問題についてその大要を報告し、次に調査事項全般に亘りやや詳細に報告することに致します。  第一章 調査の結果明らかになつた問題点の大要と政府及び関係者に対する要望  第一 教科書に関する検定について   この点につきましては、現行検定事務と教科書の内容の両面から調査を致したのでありますが、検定教科書が国定時代の教科書にくらべて、内容においても体裁においても、はるかにまさつていることが明確にされました。教科書の内容が偏向しているかどうかということが問題となりましたが、現在使用されている教科書は公正な立場を保持しており、教育基本法の精神にてらしてとくに偏ぱだと認めるむきはありませんでした。しかし、叙述表現等で的確さをさらに要するものや、漢字の使用等で各教科書間に連絡が充分とられていないものなどがあることがわかりました。   この原因としては、1、文部省の学習指導要領が、ひんぱんに無計画に改訂されるため教科書もたえずそれに従わなければならないこと2、調査員の氏名が非公開であるために検定に明朗さを欠くこと3、各教科書会社が文部省の退職者を競つて採用していることからくる検定の公正が阻害されやすいことなどが指摘されているのであります。   教科書の検定については、創意にとんだ特色のある教科書がつくられるように、検定基準や学習指導要領をさらに簡素化し、欧米のほとんどの国々にみられるような民間での自由発行の方向に進むよう、根本的な面で検討を加える必要があると認めます。  この点につきましては偏向性があるという先ほどの修正意見も出たのでございまするが、しかし、教育というものは、事実を事実として、事実の前に児童生徒を立たせるということが全く大事なのでございます。その事実を記述する、そのことをして偏向であるというならば、これは何をかいわんや。新しい時代を作る教育の姿とはいえない。教育として退歩することであろう。私たちは、この偏向性の指摘に対しまして全く遺憾であり、またその偏向性が偏向という烙印をもって後退せしめられるならば、日本の将来に対する教育の与える影響というものは、まことに重大であると思うのでございます。この件に関しては、公正なる石山脩平教授あるいは田中文部次官、これらの人々がはっきり偏向を否定しているにかかわらず、町の教育者と自称する石井証人の証言をのみ唯一のたよりとして主張せられる点に対しては、私たちはどうしてもその妥当性を承認するわけには参らないのでございます。  次に、発行についてでありまするが、  第二 発行について   教科書を発行している会社は、年を追つて増加し、それに伴つて教科書の種類も多くなっており、なかには事業能力において若干の疑問のもたれるものもないではありません。   しかし、教科書で最も大事なことはよい教科書ということであつて、内容の面から悪いものは自然に淘汰されて、よい内容のものが残つていくことが本筋であり、従って教科書の種類が多すぎるという非難はあたらず、教科書の発行者あるいは著作者の資格及び発行する教科書の種類については、何らの制限も設けず発行を自由にすることが必要であります。  この件に関しましても、弱小会社がいかに良心的にやつても、その資本力の弱小から、児童生徒に非常なる不利、不便を与える場合があるから、これを法的に規制しなければならぬ、こういう意見を報告書は持っておるのでありまするが、これは、やはり、自然淘汰を待って、当然に悪い教科書は捨て去られる、これを待つのが当然でございまして、これを法的に拘束するということになれば、全く大資本の会社のみがおのれの資本力によってずさんに作つたものだけが残されるというような結果を招くであろう、こういうことも考えられる。もちろん、発行会社にからまるいろいろな問題、宣伝費の膨大さとか、あるいは宣伝のために手段を選ばないとか、そういう問題に対する牽制、是正ということは、絶対必要と考えるのでございまするが、教科書の内容いかんによって、自然淘汰されることを待つことなく、法的な規制によって発行を制限しようとするようなことは、われわれの認められるところではないのでございます。  次に  第三 採択について   教科書の採択については、現行法規のうえでは、教育委員会は教科書採択の事務を行うことになっておりますが、この解釈の仕方が不明瞭であるために、採択をめぐつて現場教師と教育委員会との間に紛争を起している事例があります。しかし、採択については、みずから教育指導計画を立て、教育内容の編成の仕事にあたる教師が、純粋に教育的立場から自主的に採択すべきであることが理論的にも実際的にも認められます。   なお、教科書を選ぶための施設が不充分であるためにその内容的なくわしい検討が出来ない実情であり、それに乗じて業者側が不正な販売競争を行っている事実も認められ、教科書採択の自由と公正が阻害されている疑いもあります。   従って、政府や教育委員会その他採択関係者においては、次の点に考慮を払い善処されるよう要望するものであります。   1. 現場教師が自主的に教科書を採択する権限を法規の上で明確にすること、現場教師の意見を無視して、県やその他の地域で、教科書を何種類かに制限して一方的におしつけることは厳に排除すること   2. 教師が常時教科書の内容をくわしく比較研究することが出来るように、国庫負担によって教科書閲覧室を常置するなど展示会制度を改善すること   3. 駐在員を通じての不正な売込み、研究会、講習会の開催、献本等、教科書会社の不当な販売競争をやめ、不正行為については発行停止などの処罰規定を設けること   4. 採択が一方的に偏するという理由から地方版が問題となりましたが、教科書本来の使命に鑑み、地域の実情、児童生徒の特性に最も適合するよう、さらに研究を進め一段の努力をすること  このように、採択の問題についてわれわれは意見を持つものでございます。採択権がさまざまの業者の売り込み競争によってゆがめられるということは、先ほど申し上げました通り、厳重にこれを是正する必要がありまするが、ただ、あくまでも、教育の責任を持つ教師が自己の純粋なる良心に従って採択することについて、こういう方式は守り抜かれなければならないものであるとわれわれは考える。そのことによって生ずる弊害というものはないと断定せざるを得ないのでございます。地方版の教科書云々が採択公正を阻害する、こう申しまするが、地方の実情に即した教科書を編集して、これをもって教育の実績を穂み重ねていこうとする教師の立場は、これは当然のことでございます。しかも、自分たちが、これを最良のものとして、地域の実情に即するものとして編集したものが、採択部数が増すということは自然の理でございまして、ここに不正な問題が動いて採択部数がふえていったのだという証明は、何ら見ることはできないのであります。しかも、実際に当って調べてみますと、採択部数が減った場合、あるいはその減っている部数にはさまざまの計数が現われているのでございまして、無制限に部数がふえていくというようなことは、事実の調査からは判明しなかったのでございます。  第四 供給について   教科書供給の現在の状態は、終戦直後にくらべて、かなりの改善が認められるのでありますが、教科書というものの性格から、完全供給の義務ということを強く要望し、次の点について一段の考慮を払うことが必要と考えられます。   1. 児童生徒の転校等の場合に、教科書の供給を円滑にするため予備本を備えておくよう、特約供給所および取次供給所にたいする監督についても考慮を払うこと   2. 特約供給所については、その供給地域が重複している場合、不当な競争の生じないようにし、また単独の場合、独占的地位によるサービスの低下等を生じないよう適当な措置を講ずること   3. 取次供給所の選定にあたっては、学校側の便宜を考慮し、従来の供給区域についても再検討を加えること   なお、学校生活協同組合から発足した特約供給所の問題でありますが、学校生活協同組合が教科書配給に手をつけたのは、終戦直後既成取次店のサービスが悪く、その上児童生徒から教科書代を前金で取立て、不当な利益を得ていた等の欠陥を克服するために着手されたものであったことが明らかになり、その後文部省や公正取引委員会からの指導もあり、会社に切替えられ供給機関としてすっきりした形になりつつあることが認められます。  第五 価格について   現行教科書の価格は、その価格構成をくわしく検討しますと、相当低減できる余地のあることが発見されました。もちろん、現行の価格でも他の品物とくらべた場合にその商品価格と比べて教科書の価格が高すぎるとは考えられないとの多数の証言がありましたが、義務教育諸学校における教科書は憲法にもとずき無償で配布さるべきものであります。   従って、次の諸点について積極的な努力を払い、早期実現を期すべきものと考えます。   1. 政府は早急に義務教育諸学校における教科書の無償配布の実現のため予算措置をすること   2. 昭和三十一年度においては、とりあえず貧困家庭、罹災家庭の児童生徒にたいする無償配布を必らず実施すること   3. 教科書の最高価格の査定の徹底を期すること   4. 教科書発行にたいする低利な国庫融資や、用紙資材の特配、運賃、郵税等の軽減措置を講ずること   5. 駐在員を廃止し、宣伝費の節減をはかる措置を講ずること  第六 教科書以外の学習用図書類について   大部分の教員組合では、夏や冬の休業期間における児童生徒の家庭学習の資料として、夏休み帳や冬休み帳の編集に協力したり、直接編集を行つたりしていますが、これは現場教師が日常の教育活動の中から児童生徒に地方の実情に即した生活および学習の手引を与えようとするもので、教師の献身的な努力によってなされていることが明らかにされました。  この点に関していろいろその出納の不明朗とかいうことを申しておりまするが、われわれの主張したい点は、夏休み、冬休みの生活を、ほんとうに教師の良心とそれから教師と児童の信愛感とのきづなをもって、これを学習帳につないでなされるべきであると考えるのでございまして、この点につきましても、さような結論を持つものでございます。   このような夏、冬休み帳等の学習手引は、現場の教育活動の中から生み出されることが望ましいと考えられます。これに関する諸経費の取扱いについて、一部問題を指摘されましたが、不慮の疑惑を招かざるよう留意すべきものと考えます。   以上のように小、中学校における教科書は、検定制度実施以来進歩向上してきたことが認められますが、指摘しましたように欠陥もすくなくありません。しかし、それらの欠陥は、検定制度が第一歩を踏み出したばかりで未完成なところから出て来ているものと考えられます。   国定には絶対に反対だということは、証人の一致した結論でありました。さらに、統制を強化して、実質的に教科書を国定化の方向に進めることにも反対であり、あくまで民主的な検定制度を育成し発展さすべきことを強く要望されました。   教科書は、教師が学校でそれぞれの教育指導計画に基いて教育活動を進めるうえでの重要な教材でありますから、政府ならびに関係者におきましては、民主教育確立のため適切な措置を講ずるよう要望するものであります。  以上が大要でございまするが、冒頭に申し上げましたように、第二章以下の詳細なる部分については速記録にとどめることを要望して、私の修正意見を述べ、かつまた趣旨説明を終るものでございます。

高木松吉自由民主党

○高木委員長 この際お諮りいたしますが、西村君の修正意見の個所が相当多量に上る見込みでありますので、これはお手元の印刷物にて御了承願い、ただいま発言の残余の部分は、これを速記録に掲載することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高木松吉自由民主党

○高木委員長 御異議なければさよう決します。  これにて趣旨の説明及び討論は終了いたしました。  それでは、ただいまより採決に入ります。  西村君提出の修正意見について採決いたします。西村君提出の修正意見に賛成の諸君の御起立を求めます。     〔賛成者起立〕

高木松吉自由民主党

○高木委員長 起立少数。よって、西村力弥君提出の修正意見は否決されました。  次に、濱野君提出の修正意見について採決いたします。濱野清吾君提出の修正意見に賛成の諸君の御起立を願います。     〔賛成者起立〕

高木松吉自由民主党

○高木委員長 起立多数。よって、濱野清吾君提出の修正意見は可決されました。  次に、ただいまの修正部分を除いた報告書の原案について採決いたします。修正部分を除いた原案に賛成の諸君の起立を願います。     〔賛成者起立〕

高木松吉自由民主党

○高木委員長 起立多数。よって、修正部分を除いた原案は可決されました。  なお、字句の整理等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御了承願います。  なお、本報告書を関係当局その他に送付いたすことに賛成の諸君の御起立を願います。     〔賛成者起立〕

高木松吉自由民主党

○高木委員長 起立多数。よって、さよう取り計らうことにいたします。  次に、お諮りいたします。本件につきましてただいま決定を見ました本報告書に基き、ただいまお手元に配付いたしてあるような簡約な報告を議院において口頭でいたしたいと存じますが、これに賛成の諸君の御起立を願います。     〔賛成者起立〕

高木松吉自由民主党

○高木委員長 起立多数。よって、さよう決しました。  なお、字句の整理等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますので、御了承願います。  ただいま辻原君より発言の要求がありましたので、この際これを許します。辻原弘市君。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 ただいま、小中学校における教科書関係事件に関する報告書に関しまして、社会党を代表して西村君が修正意見の開陳をいたしたのでありますが、この修正意見がただいま当委員会におきまして廃棄せられましたので、この場合、議院にこの意見を報告するために、国会法第五十四条及び衆議院規則の第八十八条に基き、報告書を委員長を経由して議長に提出いたしたいと存じますが、その手続をとられんことを要望いたします。

高木松吉自由民主党

○高木委員長 ただいま佐々木委員より発言の通告がありますので、この際これを許します。佐々木君。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木(秀)委員 ただいま、辻原君から、少数意見としてこれを議長に出してもらいたい、それからまた少数意見を取り上げてもらいたいというのでありますが、国会法第五十四条または衆議院規則の第百十五条にもありますように、「委員会の審査した案件が議題となったとき」というのであります。それで、この報告書というのは議題となっていないのであります。議題となっていないものを少数意見として取り扱ったことは、国会の例を見ましても今日までありません。ことに、行政監察委員会の報告書なるものは、今までの例を見ましても、第五国会あるいは第六国会あるいは第七国会に少数意見として取り上げてもらいたいという意見は出ております。ちょうど第五国会のとき私と林百郎君の間に取りかわされた速記録がここにあるのでありますが、これを全部読むということは省略いたしますが、少くとも、少数意見というのは、一つの議題となって、その少数意見が判断の資料に必要だということであれば、これは少数意見として取り上げることは当然でありますが、この報告書は、単なる、いわゆる委員会が独自でやる報告なのであります。議題となっていないのであります。だから、報告書なるものは委員会の統一した意見でなければならない。少数意見があるから、ここにその少数意見を本会議なりあるいは議長に提出するということは、国政調査上の運用からいたしましても、私は妥当なやり方じゃないというように考えます。また、取り扱っている、おやめになった大池事務総長の話をここに読み上げてみましても、こういうように書いてあるのであります。「考査特別委員会の委員長報告と、他の特別委員会の委員長報告とは性格が違うということです。ほかのものは、委員会に付託されたものを議題とする場合には、審議が終ったならば、委員長が結果を報告しなければならない義務を国会法上持っておる。従って義務を果して、それの少数意見があれば、少数意見者が少数意見を述べることができるという取扱いになっておる。考査特別委員会は、委員長の報告を必要とせざる事柄です。それをあなた方の方で決議されまして、」委員長が議長に報告したいという取りきめに基いて報告するんだ。そうすれば、これは議題になっているものじゃない。ちょうどあのときは加藤勘十さんが委員長だと思ったのであります。それまでは、委員会の報告というものはやってもやらなくてもよかった。ただ委員会の独自の立場において報告をやろうということをきめて報告するのでありますから、これは議題ではないのであります。だから、判断の資料にすべき事柄を少数意見として取り扱うのでありますから、そういう点において、辻原君の今申されておることは、これは議題の判断の資料ではないのですから委員会の統一した報告書なるものがきめられなければならない、こういうふうに思うのであります。しかも、ただいまのように、すでに採決が終りまして、濱野君から出ました修正案が多数をもってきまった以上は、それ以外の少数意見というものは断じて取り上ぐべきものではない、こういうふうに私は考えるのであります。

高木松吉自由民主党

○高木委員長 ちょっと速記をとめて下さい。     〔速記中止〕

高木松吉自由民主党

○高木委員長 速記を始めて下さい。  本日はこれにて散会いたします。     午後零時五十二分散会

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