公職選挙法改正に関する調査特別委員会閉会中審査小委員会 第1号
- 発言数
- 39 件
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- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/08/21
会議録
○青木小委員長 これより公職選挙法改正に関する調査特別委員会閉会中審査小委員会を開会いたします。 きのうの派遣委員の報告に関連いたしまして、公職選挙法の改正に関する問題について質疑を行います。質疑の通告がありますので、順次これを許します。田中織之進君。
○田中(織)小委員 昨日本委員会の閉会中の現地調査の報告の際に、特に山本利壽君から報告せられました、各市町村の選挙管理委員会の活動のための経費を十分まかなえるように、この際思い切って国の方で全額その費用を負担するような方法を講ずべきではないか、こういう意見が述べられた点につきましては私も賛成でございますが、それに関連をして一、二、特に中央選管の委員長がお見えになっておりますから、その点を伺いたいと思うわけでございます。 それは、たまたま山本委員から指摘せられました、公明選挙運動並びに棄権防止等をもう少し平素から強化すべきではないか、選挙がいよいよ始まりまして、政党あるいは関係団体等が行う公明選挙運動あるいは棄権防止運動というものは、ともすれば、候補者を公認しており、あるいは推薦しておる団体等が行う場合には、その特定候補の運動とも見られる危険性がある、その意味で、これは選挙管理委員会一木にしたらどうか、こういう山木委員の御意見があったわけでありますが、私も、原則としては、それに実は賛成なのであります。しかしながら、今回の参議院選挙、最近行われましたいろいろの選挙において、特に私の出身地の和歌山県で行われた選挙時における公明選挙運動、あるいは特に棄権防止運動というものが、これは私は一つの大きな弊害を伴ってきておると思うのです。それはなぜかというと、和歌山県のように――これは自民党の組織が実に各町村に行き波っておる県でありますが、知事がたまたま自民党の県における最高幹部である、そういう場合に、県の行政組織が、直ちに、各地方の郡市における選挙管理委員会の分局員の兼任辞令をもって、投票日あるいは投票の前日等に、この棄権防止運動のために宣伝カー等を出して行う。特に、投票日においては、足の不自由な人たちにも棄権をさせないということで、村の選管あるいは地方事務所等の選挙管理委員会、県の管理委員会の分局員の人が、オート三輪車その他の車に乗せて投票所へ連れていくというような状況があるのであります。本来ならば、投票人の自由なる判断に基いて投票を行うのでありますが、こういうことになると、私は、勢い、そういうようにかり出される結果が、いなかのことでありますから、だれに投票すればいいかというような質問も間々出るのであります。そうすると、それは、そういう権力機構につながっておる候補者に――そういう指令が非常に行き届いておるというような形になると、これは一つの大きな欠陥を伴ってくる。従って、山間部の非常に交通便の悪いところが投票率九八%、こういうような村が出てくる。全般には七割切れるような状況でありながら、山間部の、これは何らか特別の意図に基いてかり出しを行なったのでなければ、とうていそれだけの投票率は出ないというような結果が、現に具体的に現われてきておる。私は、そういう意味で、特にこの公明選挙運動あるいは棄権防止というようなことについては、むしろ、選挙が始まったならば、これはやるべきではないという意見を実は持っておる。これは平素からやっておくべきであります。選挙が始まりますと、これはやらない方がいい。ある意味から見れば、政党に対する不信であるとか、議会政治に対する国民の不信というものが出ておれば、私はやはり選挙の投票の際の投票率が低いという結果が、議会制度あるいは選挙制度というものに対する一つの国民の批判が投票率によって現われてくるのであります。私は、今申し上げましたような事例をもって、選挙にかり出しをやる、これは名前は棄権防止運動であるけれども、それは私は適当ではないという考えを、最近数日の選挙を通じて、時に私の出身地の和歌山県の実情から、そういうように痛感しておるのであります。その意味で、選挙管理委員会の経費が十分にないということは私も認めますので、その点から見て、費用を十分まかなっていく。また、公明選挙起動、これはむしろ平素からやるべきで、選挙が始まったならば、やはり選挙管理に関連する人たちは、これはそういう選挙運動に従事してはならないことにはなっておるのでありますけれども、ともすればそこに私は弊害が出てくると思う。その意味で、公明選挙運動あるいは棄権防止運動というものは、むしろ平素からやるべきで、その費用はもちろん国から出すべきである、こういうふうに考えるのでありますが、この点について、自治庁の選挙部長なり、あるいは幸い本日中央選管の委員長がお見えのようでありますから、松村さんからその点についての御所見を伺いたいと思います。
○松村説明員 ただいま、啓発運動と申しますか、そういったことが平素において力強く推進されなければならないという御趣旨のお話でございましたが、中央選管で仕事を扱っております者は、そういうような工合にやはり考えておるのであります。元来、この啓発運動と申しますか、これは法律にも書いてありますがごとく、常にあらゆる機会をとらえて政治常識を向上せしめなければならぬということを書いておるのでありまして、むしろ平素のことが非常に大事なのであります。今お話のありましたごとく、選挙の期日が示されてから後の動きになりますと、啓発運動というよりも選挙運動になるおそれが私はあると思います。むしろ、今お話のありましたごとく、期日がきまりましてから後において棄権をしないようにとかいう運動というものは、むしろあまり力強く具体的にならないような方向に進むべきであると考えます。従いまして、どうしてもこれは、平素から、あらゆる機会に選挙についての、この民主政治における非常に重要なる意義を、いろいろ適当なときを考えましては、始終啓発の行動に出るということが当然必要と考えます。そして、この選挙管理の仕事は、地方の知事とか市町村長であるとかいうような行政関係からはこれを離しまして、選管に中心を置き、選管が責任を持ってその仕事を担当することになっておるような傾向から見ましても、平素管理委員会として始終この方面に力を尽さなければならないと考えるのであります。ことに、直接有権者と接触いたしておりますのは、市町村が第一であり、次に府県、中央と、こういうような順序になるのでありますから、特に第一線はやはり市町村であろうと考えます。その方面において、平素、啓発運動に力を尽し得るような方向に、始終活躍をするということが必要でありますから、従って、そういう方面に財政上のいろいろな基礎の確立をいたしますような国の費用の支出ができるような工合にすべきであろうと考えております。今お話がございましたごとく、選挙になりましてから動くということは、どうも政治運動あるいは選挙運動ということになるおそれがありますので、啓発運動から、政治運動と申すよりも政治教育の方の思想になるのでございますから、平生からあまり目立たないで不断の努力をこれに注ぐという方針で参りたいと考えておるわけでございます。啓発運動につきましても、適正なる選挙の行使されるようにということ、あるいは棄権ははなはだよろしくないことであるというような棄権防止の宣伝ということに平素から力を尽し、また平素に重点を置いていかなければならないという趣旨で、従来もいろいろなすべきことをいたしておるような次第でございます。全く御意見と同じ考えを持っておる次第でございます。
○田中(織)小委員 松村さんが、私と同じように、やはり公明選挙運動あるいは棄権防止というものは、高い意味の政治教育ということで、むしろ平素から行うべきで、選挙の期日が公示された後においては、むしろ選挙運動、政治運動とまぎらわしいものは少くとも選管はやるべきではないという、私と全く同じ見解を持っておられる点は非常に喜ばしく思うのであります。 それと関連をいたしまして、これも私の出身地で行われたことでありますが、今度の選挙は、いわゆる啓発に関する経費というものがない点から、また地方選管の方からこの点については何らかの指示が与えられたために、若干の町村ではあったようでありますが、この棄権防止のために景品をつける傾向があったのであります。たとえば、抽せんの結果、景品といたしまして、硫安一俵であるとか、あるいは所によると金で三千円であるとか、こういうような金銭あるいは物品等の景品、これは、確かに、投票率を高めるためには、平たく考えればいい方法かもしれませんけれども、相当の金額の物品を与えるということで、一種の射倖心を利用した形でやる棄権防止運動というものは、これは明らかに行き過ぎである。むしろ害あっても益がない結果になると思う。そういう意味で、各町村の選管等で、これは特に投票日に行われることでありますけれども、そういう景品付の棄権防止の勧奨をやるということは、むしろ全国一斉にやめさすべきだ。前段に申し上げた、また選管の委員長の賛成を得られたような趣旨で、平素から努力をいたしておりますれば、私はそういう必要もなくなると思うのでありますが、射倖心を利用してまでやるような棄権防止というようなものは、全国的にやめさせた方がいいと実は考えておるのでありますが、この点についてはいかにお考えになられますか、伺いたいと思います。
○松村説明員 ただいまのお話につきましても、どうも具体的にあるものを賞として棄権防止をするという行動に出ることについては、これはいろいろな弊害を生ずると思うのであります。それは、何人が出すかによって、やはり選挙をどういう方向に導きたいというような趣旨が反映しておるがごとき感も与えるのではないかと私は思います。そういう意味において、選管以外の方面でその棄権防止のいろいろな具体的の運動をされるということは、ことに選挙期日のきまった後においてなすことは、むしろ私は選挙運動だと思いますから、そういうことは決していいこととも考えませんし、むしろそういうことは阻止すべきものであろうと私は思います。そういう趣旨で、なるべく平素に重点を置くという方向に常に持っていきたいと考えておる次第でございます。
○田中(織)小委員 その点については、全く私の申し上げている意見に賛成のようでありますので、どうか一つ、本日の委員会においても――いずれ各市町村選挙管理委員会の諸君に選挙全期間中を通じて非常に御苦労を願うのですから、その意味で、十分その費用をまかなえるだけのものを国において見るということが確立されることは、私は非常にけっこうだと思います。そういう費用が確保されたら、啓発等の活動は日常から行うようにやっていただきたいと思うのでありますが、まだ主計局がお見えにならなければ、なお選挙管理委員会で行います選挙管理の問題について一、二お伺いをいたしたいと思います。 一つは、投票の管理人と投票の立会人の選任に関する問題であります。これは、ほかの県の状況はよくわからないのでありますけれども、私の県の実際について申し上げますと、各町村に投票所が設けられます。そこの投票の管理人は、これは正式には法律的なものではありませんが、町村にいわゆる区長というものがございましてその区長が投票管理人になるわけであります。ところが、たまたま今日二大政党がそれぞれ組織を拡張する方向にありますので、区長といえどもやはりいずれかの政党に籍を持つことになっております。その籍を持った区長が選挙運動をやる場合は、当然公職選挙法の規定に基いて投票管理人にはなれないわけでありますが、区長さんになりますと、少くともその部落のいずれかの政党の幹部級に属する。そういう人たちが選挙運動をやる。あるいは、選挙運動をやらないといたしましても、党籍を持っておる人が投票管理人として投票箱の前にでんとしてすわっていることは、私はやはり投票に一つの影響を与えると思います。そういう意味で、投票一票管理人というものは、やはりいずれの政党にも所属しない人にしなければいかぬ。もちろん特定候補の選挙運動をやつておるということが明白な場合に、私の方で指摘をいたしまして、その選挙管理人を投票前日交代せしめた事例は和歌山県にございます。ございますけれども、私はやはりその点はむしろ規則の上でも明確にすべきではないかと思うのです。なお、その投票管理人、立会人の問題については、これは同一政党に所属する者が二名以上あってはならない、こういう規定があるわけでありますが、その点になりましても、これがとにかく厳重に行われておるかどうかという点については相当問題があろうかと私は思う。 そこで、これは一つの提案でありますけれども、投票立会人は選挙管理委員会で選任することになっておるわけであります。これはかつてわれわれも投票立会人というものを冬投票所に立てた経験がありますけれども、むしろ、この点は、私は、各政党なりあるいは候補者――もちろん、開票立会人の場合のように候補者が多数になるというような場合は、抽せんという方法をとらなければならぬ結果にもなる。そういうようなところから投票立会人を各候補者から選任するという制度は、これはもう数年前の法律改正の際に改めたのでありますが、むしろ、私は、この点は、今日のように保守か革新のいずれかの政党にはっきりしてきておるような段階におきましては、各政党からの投票立会人も、開票立会人と同様に、もっと端的にいえば、各候補者から投票立会人を選任するような方向に、もう一ぺん元に戻したらどうかという意見を、これは私らの党の意見というまでにはあるいは至らないかもしれませんが、少くとも、私は、今度の選挙を通じて、そういう投票立会人の選任がどういうようになっておるかをつぶさに調査してみますと、そういうような弊害の面も出てくるから、むしろ、その点は、各候補者から投票立会人を立てるというような昔の制度に戻した方が、いざこざがなくて済むのではないか、こういうふうにも考えるのでありますが、その点について、前段の投票管理人はいずれの政党にも所属しない――もちろん選挙運動はやってはならないことは規則の上で明らかになっておりますけれども、政党に所属する者が投票管理人であるというようなことは、私は適当でないと思うのであります。投票管理人の選定の場合について、その点をどういうように考慮されるか。それから 投票立会人の場合は、あるいはこれは各候補者から昔のように選任するということになりますれば、当然法律改正をしなければならぬ点であると思う。いろいろの御意見もあろうと思いますが、私は各候補者から各投票所ごとに投票立会人を立てた方がむしろすっきりするのじゃないか、こういうふうに考えるのでありますが、その点についてはいかにお考えになっておりますか、伺いたいと思います。
○兼子説明員 お答え申し上げます。 投票立会人の選任の問題でありますが、第三十八条で規定がございまして、現在は選挙管理委員会が投票区における選挙人名簿に登録された者のうちから選ぶということになっております。それから、そういう人たちが政党に所属している場合はどうかということになりますと、第四項で、同一政党所属の者を三人以上選んではならないという、同一の政党が独占するような弊害を避ける防止規定だけ第四項に置いておるのであります。そこで、ただいまのお説のごとく、投票立会人を候補者に選ばせることがいいかどうかということにつきましては、私どもなお研究をいたさなければならないと思いますが、前回の改正の趣旨から考えまして現在のところ、まだお説の、ごとく開票立会人と投票立会人は全く同じ方式でいいのだという確信までは私としては持っておらないのでございます。なお研究いたしたいと思います。
○田中(織)小委員 投票管理所の管理人の場合ですが、これは、いなかの例だと、その部落の区長が当る、こういうふうになっておるのですが、たまたまそういう区長が政党に所属しておる、投票箱の前に管舞人としての区長がでんとしてすわっておることが、やはり一般の選挙民に影響を与えますので、その点についてどうお考えになるか、それを……。
○兼子説明員 投票管理者に区長を実際問題として任命しておるという例で、その区長が政党に所属しておる場合があるというお話でございますが、その場合には投票管理者ももちろんすわっておりますが、投票立会人がすわって見ておるわけでございまして、個々の選挙人が投票管理者から威圧を受けるかどうかという問題でございますが、最近のごとく選挙が頻繁になって参りますれば、有権者は、そういう面もだんだんとむしろいわゆる圧力というものは薄く、ほとんどないと考えていいのではないかというふうにわれわれは見ておるのであります。ただ、その投票管理者が立会人の意見を聞いて業務を執行するわけでございますが、その間に業務の執行の公正の確保という点でどうしても問題があるということになれば、これは立法上措置をしなければならぬ、かように考えております。
○松村説明員 大体の考え方としては、私はこういうふうに考えておるのです。投票の一番の要点は、秘密投票ということにあると私は思います。そこで、投票の方の場合は、やはりできるだけ投票所というものを多くしまして、投票の便宜をはかるということに方向づけなければならぬと私は考えます。その結果、今いろいろお話のごとく、人選について細心の考慮を払うことはどうしても必要でございますけれども、あまり政党に関係してはいけないとかいうような制限の方は、投票の場合にはあまり重点を置かないで、投票所はなるべく多くし、開票所はなるべく総合してやるという方向に持っていきまして、重点はなるべく開票の方に置きたいという考えを私は持っております。秘密投票を重んずる方面から申しましても、投票の場合は、今かりに威力のある人がいたといたしましても、秘密投票が守られておるとすれば、あとで開票の際にわからなくなるという点もあるわけでございます。開票の方面の立ち会いなり、そういう方面にできるだけ重点を置いてやつていきたいというふうに考えております。
○田中(織)小委員 その点は、最初に第一問で申し上げました、やはり公明選挙運動の平素からの趣旨徹底が行われておれば、そういう弊害は私は起らないと思うのです。ところが、現実には、投票所に顔役がすわっておるというようなことが、やはり投票に影響を持っておるのは、少くとも現状では私はいなめない事実だと思うのです。そこで、投票管理人あるいは投票立会人というようなものの選任について、再検討すべき時期ではないかというふうに私は考えておるわけでありますが、その点について、先ほど、選挙部長兼子君から、開票立会人と同じように、投票立会人を各候補者から選任するというような片の制度に戻した方がいいかどうかというところまでまだ結論が出ていないというお話がありましたが、しかし十分調査と研究をやつてもらいたいと思います。これは、一つには、まだやはりそういう影響が及ばされる傾向が払拭できない現状においては、この点については、一つやはり選挙の公正を期す――もちろん秘密の保持はされておりましても、投票に至るまでの間、候補者の選定の問題について、これは選挙の結果に重大な影響を持つので、そういうようなことは事前の選挙運動の政治意識が非常に高められるということになると、そういうことではなくて、自由なる判断に基いてということに当然なるわけでありますが、まだそれが啓発運動も十分でない現状におきましては、いつの選挙においても棄権防止を相当やかましくいわなければならぬ段階においては、私はあわせて一つ御研究を願いたいと思う。 それから、もう一つ、これは直接選挙管理には関係のない問題でありますけれども、これは、むしろ、今度調査に出られた委員諸君が、地方でどういう声を聞かれたという問題でありますが、私は、選挙管理の立場から、投票日を日曜日、休日に選ぶということについて、これは長短それぞれあると思うのですけれども、少くとも、私の経験――これは私一人の経験かもしれませんけれども、私一人の経験から申しますと、私はやはり休日はなるべく投票日にすることはむしろ避けるべきではないか。これは、特に選挙管理に関する諸君は、休日休養はとれないわけでありますから、もちろん御賛成を願えるかとも思いますけれども、一般に勤労者等で工場等に通勤をしておるような人たちでも、私はむしろ休日でない方が投票成績というものはいいのではないかと思う。休日になりますと、一たん家に帰って、一週間の疲れを休める意味で、どうしても寝てしまう、あるいはどこかに遊びに出てしまうという形で、これはやはり投票率に影響を持ってくる。そういう点から、休日を投票日にするということについては、むしろこの際再検討すべきではないか、こういうふうに考えます。最近の選挙は、いずれもできるだけ休日というような形で選挙の期日が決定されるのでありますが、この点は、もうこだわらないで、むしろ休日を投票日にすることは避けるべきではないか、こういうふうに私は考えるのでありますが、選挙管理の立場から、この点についてはどういうようにお考えになっておられますか、伺っておきたいと思います。
○松村説明員 せんだっての選挙期日を決定します際にも、休日がいいか平日がいいかということは、いろいろ議論もありまして、いろいろ検討もいたしました。ただいまお話のございましたごとく、前に休日であったから、今度も休日にしておこうというようなことで、せんだってのときは私どもはきめたのです。別に深くどっちがいいかという利害について詳細な検討は、その際に論議はいたしませんでした。大体そのようなことで考えたのでございます。どっちにもいろいろな考え方が起るものでありますから、日曜であれば非常に自由なんだから、自由の範囲の広いところで御本人が決定された方がいいのではないかということも考えられることでありまするし、あるいは、百平日であれば、みんなとともに、ある時間をさいて、はっきり自分の義務を果し得るではないかというような議論もあったりしまして、議論がどっちも立つようなことになりまして、理論的にこれがいいということできめたわけではございませんから、休日が理論的にいいから休日にしたという、そういう意味ではございません。せんだってきめました場合も、前に休日であったから、今度も休日でいいではないかというようなことでございました。休日にすべきものであるという強い結論からやったという意味ではないということだけ、御了解願いたいのであります。
○田中(織)小委員 なお、派遣委員の班長さんから報告された事項に関連して、幾つか伺いたい点がございますが、直接的に選挙管理に関連した問題だけにして、あとの問題はまた別の機会にしていただきたいと思います。
○青木小委員長 井堀君。
○井堀小委員 大蔵省の責任者の出席を要求いたしておりますが、まだお見えでないようでございますので、漸次質問を続けながら、大蔵省の関係者に対しましては後刻お尋ねをいたしたいと思います。 今回の各地の実情調査の報告がすでに行われましたので、大要は明らかになっておると思いますが、この報告はいずれも共通した点に多くの問題があるようであります。ことに、選挙の運動に直接当面いたしました選挙管理を担当されておりまする人々、あるいはこれと協力して取締りの立場にありました警察並びに検察庁のそれぞれの報告がかなり詳しく行われておりますが、そのいずれにも共通しておりまする点は、選挙法のいう公正な選挙を実施するという理想とは、現実はかなり距離のある事実を具体的に指摘されたことが報告されておるのであります。その最も極端な事例は、まず第一に、選挙の一番重要なポストは、言うまでもなく選挙管理を行いまするその組織と運営の問題でありますが、選挙管理委員会の訴えは、いずれも、今日のような脆弱な組織と構成ではとうてい選挙法の命ずる公正な選挙運動を実施することが不可能だという理由を、具体的にそれぞれ例をあげて述べられたものにほかならぬと思う。これはこの際私どもは抜本的に手を加える必要のある事柄だと思うのであります。そうしませんと、いかに議会政治の刷新浄化を期待いたしましても、特に日本の議会政治は民主政治を指向いたしておりますことは申すまでもありません。こういう高い理想ににわかに到達しようとする努力は、やはり選挙を公正に行うということは、これは万人の一致した結論であります。これを一番端的にしかも効果的に実行していくためには、私は、選挙法もそれをすでに指摘しておるのでありますが、選挙管理というものが、まず公正で、しかも徹底的に選挙法の精神をあまねく実施できるという態勢を整えることにあると思う。この点に対するそれぞれの意見が報告されておるわけであります。この点に対して、私は、当局の見解を一つこの際明らかにして、われわれが調査に参りました責任の一端をこの際果したいと思うのでございます。 そこで、順次お尋ねをいたしますが、まず第一に、一つ自治庁にお尋ねをいたしたい。それは、先ほど来の報告の中にも、あるいは同僚田中委員の質問にも言及されておりますように、選挙管理を公正にかつ徹底せしめようとすれば、現在の選挙管理委員会の制度をこのまま不問に付すわけにはいかぬのです。現に訴えが起っております。端的な事例は、あれもやれ、これもやれという非常に大きな仕事を要請しておるけれども、その行動をする組織、委員会は、全く少数の名誉職と地方自治体のごく限られた兼職の職員を使って行うというような状態では何事もできぬ、こういう訴えなんです。そこで、私どもはあらためて法律を再検討する必要に迫られるわけですが、一番大事なことは、何といいましても、選挙人の政治常識というものが向上されてくるということと、一方選挙運動をやる者の自粛自戒が徹底してくる、この二つが、いずれから論議を進めて参りましても、結論としてにわかに解決を迫られる問題だと思うのです。諸外国の実例を学ぶまでもないと思うのです。この二つの問題をこの法律はすでに命じておるのです。ことに自治庁と選挙管理委員会には強い要請が法律によっても行われておる。たとえば、第六条の義務のごときは、私はかなり過重に失するのではないかと思うくらいの、きわめて明白な態度を法律は規定しておるわけです。ちなみにこれを朗読してみますと、自治庁長官、中央選挙管理会、都道府県の選挙管理委員会及び市町村の選挙管理委員会は、選挙が公明且つ適正に行われるように、常にあらゆる機会を通じて選挙人の政治常識の向上に努めるとともに、特に選挙に際しては投票の方法、選挙違反その他選挙に関し必要と認める事項を選挙人に周知させなければならない。こういうふうに命じておるわけであります。そこで、私は、具体的に一つ自治庁にお尋ねをしたいと思いますが、周知徹底させるためには、それぞれの事業が行われるわけであります。法律もこれを命じておるようでありますが、現在、自法庁は、選挙人の政治常識を向上するための啓蒙宣伝活動というものは、具体的にどういうことをおやりになっておるか、この点をまずこの機会に明らかにしてもらいたいと思います。
○兼子説明員 選挙法の第六条で、常時啓発の規定があるのでありますが、何分にも経費を伴うものでありまして、これは、常に、地方の選管の方から、財源関係が弱いということをわれわれは聞いておるのであります。自治庁といたしましては、年間約五百万くらいのうち、主たるものは公明選挙時報という出版物を月二回発行いたしております。これは市町村それから青年団、婦人会その他、そういう常時啓発が組織の末端まで参る仕組みになっております。これか経費の主たるものでございます。それ以外は、常時印刷物等を作りまして、公助選挙連盟と一編に末端に指導の資料を出す。最近やりましたのは、特に会議の進め方、そういうディスカッションの仕方につきまして公明選挙連盟が中心で、その会議の進め方につきまして指導の印刷物を出しております。これが、今回の選挙の前から、末端に一般の印刷物で――公明選挙とかあるいは棄権防止とかいいましても、効果は少いのじゃないか。結局、一人々々の熱心な人をつかんで、その組織によって政治の浄化をはかっていくと申しますか、棄権の防止運動を徹底していく、こういうような考え方のもとに、公助選挙連盟を通じて、そういう点に重点を置いております。それ以外は一般の印刷物を流す。今回はポスターとかパンフレット、それから小さなリーフレットのようなもの、あるいは壁新聞、それから選挙に際しましてはニュース映画の前につけるトレーラーというようなものを出しております。さらに、先般の選挙の前は、公明選挙連盟が中心になりまして、各地方新聞に、新聞協会と連絡をいたしまして、各地方新聞の企画で、中央から講師を派遣して、講演会、座談会をしていただきまして、それで各地方紙に、その座談会、講演会等の記事を載せていただく。これは初めて公明選挙運動がマスコミに乗ったと申しますか、地方新聞の発行部数が相当ございますので、おそらく五百万部くらいに相当する新聞に公明選挙運動が取り上げられた、そのように見ているのでございます。
○井堀小委員 私のお尋ねした全部をお答えいただいてないかもしれませんが、これも同様、法律の第二百六十一条第二で、その行うべき事業を具体的に明示いたしております。その一部分がただいま選挙部長から報告されたようでありますが、これを引例いたしてみますと、二百六十一条の規定の中で、国において財政上必要な措置を講ずる必要のある事業として、ここに掲載されております。この事業は国が金を出してこれだけやれという法律の命令であることには、いささかも疑問を持つ余地のない明文であります。「都道府県及び市町村の選挙管理委員会が第六条第一項の規定により行う選挙に関する常時啓発のための左に掲げる費用については、国において財政上必要な措置を講ずるものとする。」という決定的な法文であります。そして四つの項目に分けて、具体的に事例が示されております。すなわち、講演、討論、研修、講習、映画等の開催に要する費用、二は、新聞、パンフレット、ポスター等の文書図画の刊行または領布に要する費用、三は、関係各種の団体、機関等との連絡をはかるために要する費用、四は、その他必要な事業を行うに要する費用、こういうように、きわめて明確に、法律は自治庁並びに選挙管理委員会の仕事を明示いたして、そしてその費用は国がこれを負担すると明らかにしているのであります。でありますから、まず第一にお尋ねいたしました、どういう事業をおやりになつているかということは、これだけのものは、すでにこの法律ができてからかなり久しい期間を持つのでありますから、必ずや実行に移されているに違いない。先ほど、部長は、費用が意のままにならぬとおっしゃいましたが、一体、これだけの事業をおやりになるのに、どれだけの費用を計上されてこれを要求されたか、この点に対する御答弁を加えてしていただきたい。さらに、今あげました四つの項目について、あなたからお答えいただきましたのは、第二の新聞、パンフレット、ポスター等のごく一部を例としてあげられたようであります。私もその程度のものは頒布を受けて承知いたしております。しかし、その程度のものがこの第二にいう事業の範囲として受け取っているのであるか、あるいは、もっとやろうとしているけれども、経費の点で思うようにならぬというならば、どれだけ要求されて、その結果このようになったということであろうと思いますが、われわれは、この際予算を審議する立場に立っておりますので、そういう事実を正確に把握して、必要な経費については、国が、惜しみなく、こういうものに対しては当然負担することは法律が命じておるので、私は問題ないと思う。そういう事実をまず明らかにしていただきたい。くどいようでありますが、二百六十一条の二の四つの項目について、どれとどれが実施できないか、こういう点について明らかであれば、この際御答弁願いたい。
○兼子説明員 二百六十一条の二の規定によりまして、常時啓発の費用を国が財政上必要な措置を講ずるという原則がうたわれておるのでございますが、現在の予算の建前から参りますと、地方団体などの常時啓発につきましては、交付税で財源措置をしている形になっております。その経費は約一億円見積もっておるのでございますが、各地方団体のうちには、財政上余裕のある団体と申しますか、交付税をもらわないで自分で運営をしておる団体におきましては、かりにその財源の計算がされておりましても、予算化が非常に困難な面があるのでございます。それから、それ以外の国の選挙、参議協議員の選挙あるいは衆議院議員の選挙につきましては、そのつど、選挙に際しまして、これは常時啓発費ではございませんが、いわゆる啓蒙の経費を約一億円組んでおるのでございます。今回におきましても、その経費が約一億円組んでございます。そのほかに、今回は特に約三千万円――中央一千万円、地方二千万円でございますが、それが、今回、特に参議院議員の選挙の重要性からいたしましてその啓発費を地方に委託をいたしたのでございます。 この二百六十一条の二の四号までの各項目にいかなるものが組まれておるかというお尋ねでございますが、第一号の講演会、研修会、このようなものにつきましては、先ほど申し上げましたように、特に新聞等の利用につきまして、公明選挙連盟を通して、役所直接でなく委託をいたしておるのでございます。それから、映画会等は、これは個々の地方に委託費を出しましたもので、地方で行なつております。それから、第二号の新聞等につきましては、これは、本来の常時啓発の費用で、公明選挙連盟におきまして編集をお願いしまして、公明選挙時報を発行いたしております。それから、パンフレット、ポスター等は、これは、選挙の前、大体今回の選挙を見通しまして、その数カ月前から、それぞれ各種の出版物を流しております。それから、第三号、第四号は、これは、規定はございますが、各種団体、機関一との連絡をはかるために要する費用これは公明選挙連盟が各団体――三十八団体でございますが、各団体を構成メンバーにしておる組織でございますので、あそこでもっぱら各団体には連絡をお話し合いいたしまして、それぞれの、たとえば青年団であるとか、あるいは婦人会、そういう団体で自発的に動くようにお願いいたしております。第四号は、その他必要な事業を行うに必要な経費ということでございますが、大体事業の扱いはそのようなことになっております。
○井堀小委員 この四つの事業活動はかなり広範にわたるものであると私は察知しておるわけです。また、これなくしては、法律の明文にあるすべての公職に関係ある選挙が公正に行われるための日常活動や、あるいは選挙に当面しての事務遂行がどんなものであるかは、常識でおよそわかる。しかし、わかりやすくお尋ねをするために、私も調査しております。きっと自治庁にはいい資料があると思う。これは、申すまでもなく、近代国家の共通した大きな特徴は、政治が人民の生活の大半を律するものであることはいうまでもない。ことに日本憲法はこのことを明文に現わしておるわけです。ですから、日本の福祉国家を推進していくためには、これは、国会が、最高の機関としてその地位が保障されるだけではなくして、その責任が追及されておるわけであります。これに随伴する行政並びに司法のそれぞれの機関も、憲法によってきわめて明確に規定されておるのであります。こういうものが行動を起し、その基礎をなすものは、いうまでもなく選挙に出発することは、民主国家の当然のことであります。その選挙が正しくしかも徹底的に民意を反映する形において行われなければ、あとのものはから回りすることはいうまでもない。世論はとかく政治の貧困や政府の政治力を非難する向きがありますが、適切な批判だと思いますけれども、しかしその根幹を断つことに対する追及が私は足りないと思う。これはやはり選挙の問題に言及せざるを得ない。従って、近代国家における選挙に集中しておる努力と、それからその経験というものを学ばなければならないと思うのです。それからでき上ったものだけをうのみにしてまねをするということは、借り衣裳にひとしいと思う。こういう点で、やはり議会を通じて福祉国家にかなりの成績をあげておると思われる先進国の実例をわれわれが見てみますと、多額の費用を選挙運動につぎ込んでおる。ことにその費用の大半が宣伝啓蒙費、すなわち国民の民主的訓練、すなわち、この法律で言うならば、選挙民の政治常識の向上に集中されておることは疑いのない事実だと思う。この点は自治庁はきっと勉強されておると思う。日本の選挙に注がれておる経費と先進国のそれと比較していらっしゃると思うが、その金額はいかがでありますか。
○兼子説明員 お答えいたします。 日本の現在の国の選挙は、私の記憶で申しますと、衆議院が十五億で参議院が十七億であります。これは公営関係で少し変つてきたのであります。そのうち特に日本の選挙費は公営の経費が相当多いのであります。特に参議院の全国区の新聞広告は一人一回が十二、三万円いたします。それが二回ありますから、一人で相当の金額を占める、そういう関係でございます。それで公営費が約六億くらいであります。そういたしますと、大体管理執行の経費が十億程度と見ていいのでありますが、イギリスの選挙の予算がどのくらいかと申しますと、百万ポンドでありますから、大体十億程度であります、向うは執行の事犯品貝が非常に少い人数でやっております。そのかわり日本人に比べて給料が高い、賃金が高いという関係がございますが、大体、事務費の方は、ほぼ、人数を別にしますれば――有権者とそれから事務従事者の数、これを別にいたしますれば、金額から見ますと大体同じくらいではないか。そういたしますと、あとは、日本の公営費の関係が、向うは公営がほとんどありませんから、公営費の関係で日本がそれだけ高くなっておるということが言えるのではないかと思います。それから、国の予行に対する選挙費の占める割合から申しますと、大体イギリスの方は国民所得が日本の五倍でありますから、その比率からいうと、五分の一にさらにウエートが落ちてくるということは言えるのではないかと思います。
○井堀小委員 私のお尋ねいたしておりますのは、直接選挙の事務管理のための費用についてはあまり興味を持たない。今イギリスの例をあなたはおとりになりましたが、私の調査と多少違うようでありますが、多少の相違は問題じゃないと思います。私どもの伺いたいのは、イギリスが今日少額の選挙事務経費で高い能率とよい結果をもたらしているのには、いろいろ理由があると思うのでありますが、その最も大きな理由は、イギリスの歴史を見ればわかる通り、かなり腐敗した選挙が何回となく繰り返されて今日のようなものになった、長い経験を無視するわけにはいくまいと思う。そういう苦い経験を切り抜けてきたのは、やはりわが国の選挙法のいう選挙民の政治常識を引き上げるための訓練に莫大な経費と努力を費したことは、あまりにも有名な歴史である。日本の場合は、そういう過程を通らないで、結果だけを求めようとするきらいがあると私は思う。そこで、この法律の中にも、啓蒙宣伝に対してはかなり具体的な――先ほど来お尋ねをした事例にもあるように、具体的な事例を八して、しかも国の乏しい経費から大胆に支出することを約束する法律を作っておるわけであります。こういう点について実は私は伺いたいのであります。 現在日本と同じようなケースというものはそうざらにあるわけじゃないと思いますけれども、啓蒙宣伝に対する経費というものが、先ほど来のお話を聞けば、現在の法律の規定最小限度の義務も遂行されない状態であることは、きわめて明確になってきた。これは、大蔵省と自治庁を前に置いておいてこういうことをお尋ねするのは、多少皮肉のそしりはあるかもしれませんが、悪くとらないで下さい。われわれは、予算に対する討論の態度から必要であるので、率直にお尋ねをするのであります。こういう経費を自治庁が要求する際に、聞違いを起しているのじやないかという心配をわれわれはする。何ぼ何ぼ要求したけれども、何ぼに削られたというようなことを、私は聞こうとするのじゃありません。相当のものを要求したであろうが、国全体の経費の関係から削られるということは、われわれも想像ができるわけであります。やぼを言うわけではありません。しかし、先ほど来言っておりますように、ものには順逆がありますから、政治の上に限られた金を、最も効果的に、適所に、重点的にということは、日本の財政からいえばあり得ることだと思う。こういう点からも判断していって、私どもは、選挙のための啓蒙宣伝のためには、とかくの出費を思い切ってするという態度でなければ、日本憲法を施行するときの正しい態度じゃない、こういうふうに理解しておるわけであります。これに食い違いがあれば別ですが、おそらくお互いの立場は明らかでありますから、そういうものに異論の余地はないと思う。こういう点から実はお尋ねをしておるのでありますから、前置きは長かったのですが、答えていただくことは簡単です。ことに、私は、他の問題にはこの際言及をいたさない。先ほど言いました、ことに二百六十一条の二に示されております四面の仕事だけは、ぜひ最小限度でも実施してもらいたいという地方の切々たる要望もあり、また私どもの当然の義務でもあると思いますから、この点だけに限って一つ明確なお答えだけをこの際聞いておきたいのです。ありのままでけっこうです。三十一年度の予算はわれわれ拝見しておりますが、やはりこういう要望がありましたから用意がなければならぬと思う。これをやるために、一体どのくらいの経費を自治庁は用意されておるか。その金額も、大まかでけっこうでありますから、これだけの仕事をやるためには大体どのくらいの費用が要るという大づかみの考えがおありであれば、それを一つ……。
○兼子説明員 二百六十一条の二に規定する常時啓発の問題でございますが、自治庁としてどれだけの予算要求をし、いかなる計画を持っているか、このようなお尋ねの御趣旨と思いますが、私どもといたしましては、現在常時啓発の経費が、交付税で計算されておりますのが一億と計算をされておるということになっておりますので、とりあえずその一億を、委託費と申しますか、国の方から地方団体に出すために振りかえてもらえないかということを、これは毎年お願いをいたしておるのでございます。明年度の予算の要求につきましては、まだはっきりと態度をきめておらないのでありますが、この点につきましては、例年大体そのような考え方をとっております。ただ、一億円で、それに規定する仕事に十分かといいますれば、必ずしもそうではございませんが、現状から見まして、現在の地方財政の窮乏から、ますます現在の交付税の制度では期待が持てない、非常に仕事がやりにくいということから見ますれば、一億円程度は国で確保して、他は地方団体で交付税の方で組んでいただいてもいいと思います。国の委託費は一億円程度何とかいたしたい、かように考えております。
○井堀小委員 問題はかなりたくさんあるのですが、すでに報告も行われておりますから明らかだと思うのです。いずれの点からいきましても、これは啓蒙宣伝という積極的な活動を開始する以外に、たとえば選挙取締りの立場からの苦衷が最高検、地検、それから警察本部のそれぞれの係官から詳細なデータをあげて説明がありました。これを要約して言うと、ほかの事犯と異なって取締りが非常にむずかしい。そのむずかしいのにはいろいろ理由があるのですけれども一ということは、取締りによって選挙を粛正することは、本末を転倒しておることです。でありますから、取締りは本来ならばこれは排すべきで、これを強行すれば選挙が暗くなることは、従来の選挙慣行の示す通り歴然たることであります。しかし・選挙をやる者は競争を争うのですから、そこには、スポーツのようなものにありましても、公正な強力な審判があり、きびしいルールの中においてもなかなかむずかしいのです。これと異なりまして、選挙の方は広範にわたつて、しかも選挙を争うものは、スポーツと異なって一つの強い線があるのであります。でありますから、そこには、理想に達するまでは、どうしてもやはり取締りをある程度強化するということが、選挙法を膨大にしておる重大な理由だと思う。これは、できれば、あとで私は数字をもって検察庁と警察関係の政府の責任者にただす予定をしておるのであります。あとさきになりましたけれども、その事例を展開していけばすぐわかるのです。法律を作つておる以上、選挙法に限ってルーズにその法律が採用されては大へんなことなんです。法治国ですから、いずれの法律もその与えられた自由裁量以上のことをやってはいかぬことは、あまりにも明確な法治国の常識です。しかし、実際問題は、選挙法に関する限りは、検察庁にしても、裁判官にしても、あるいはその初期において摘発する警察官の態度にしても、かなりその自由裁量というものは法律の限界を越えておるということが、調査の結果明らかになっておるのです。また統計も、説明を分析すればすぐ明らかです。しかし、それを満たすものは、やはり選挙管理委員会と、また自治庁の法律にいう常時啓発という言葉を使っておりますが、われわれは啓蒙宣伝と理解しておりますが、そういう活動を積極的にやるべきだということについては異論はないのです。でありますから、取締りの方で困難のあるものを正常化するためにも、またその方に使われておる経費を節約する意味においても、あるいは選挙事務の上においても、いろいろの事態が起っておりますけれども、私は、そういう事務の大半は、選挙法に対するあるいは政治常談に関する選挙民の向上さえある程度行えれば、こういう問題はナンセンスになると思われることが、深刻な問題となって争われておるわけであります。こういう点から結論としても出されておりまするのは、すなわちこの法律の例をとれば第六条の規定であります。それから、さらに受けて立っておるのが、今いう二百六十一条の精神であります。これにあなたは一億の程度だといっております。もちろん、三十二年度の予算については、具体的に私は何もそのことを聞くほど執着を持ちませんけれども、しかし、この法律はすでにわれわれにある程度の金額を示さなければならぬことなんです三一百六十一条の二の規定を見てごらんなさい。これこれの仕事をやれ、それは自治庁と選挙管理委員会、これだけの費用を出します、やれ、こういっておるわけでありますから、これだけの仕事をこういう方法でこうやりたいということは、この際自治庁はわれわれの前に明らかにすべきだと思う。きょうにわかにお尋ねをいたしておるわけではなく、法律が規定しておることであります。いつでもわれわれに答弁のできるような次第でなければならぬと思うのでありますが、実際はそうでなく、こういうものがどうもから回りしておるということを、実際調査の上であまりにも如実に見せつけられておる。今お尋ねして御答弁しても、御答弁がしにくいと思いますが、そういうところにあると思う。でありますから、きょう直ちにここでお答えできなくてもけっこうでありますが、二百六十一条の二の一から四の項目を、法律の精神に従ってできるだけ合理的に進めていくためにはどれだけの経費が必要だ、もちろん、仕事の分量というものは、この文章に書いただけでもかなり幅があると思います。こういう地方の要請にこたえられる予算の組み方というものがあると思う。これを増額してこなければ、私は選挙法に対する画龍点睛を欠くものだと思う。こういう意味でお尋ねをしておるわけですが、どうか一つ率直なお答えをこの際希望いたします。こういうために、現在の選挙管理委員会の組織と実情について、一つ自治庁の見解と――中央選管は他の選管との関連もありましょうし、特に中央選管それ自体の運営に対するいろいろな御経験もあろうと思いますから、両方にお尋ねいたしたいと思います。 まず、自治庁にお尋ねしたいのですけれども、選管のメンバーは、この仕事の性質からいえば、中立で、しかも公正な、人格高潔な人でなければならぬことは言うまでもありませんけれども、しかし、そういう者をにわかに求めることがむずかしいということも、実情やむを得ぬと思う。しかし、これをある程度カバーしていくためには、その機構で補う。最もよき人物があれば、また国民の教養が非常に高くなっておれば、そういう必要はないかもしれませんけれども、日本のような実情からいえば、私は、人の十分補えない事情においては、機構にそれぞれ力を注いで、足りないものを補うということは常識だと思います。ところが、行ってみますとわかるように、選管の事務局というものは、府県の場合は大体自治行政のほんの指借りだ、職員も兼職だ、こういう実情なんです。これは実例をあげればわかるのですが、せんだっての所沢市の選管の交通事故という不幸な出来事の結果明らかにされたのですが、私は驚いた。過労のためああいう交通事故を起したということは、大体間違いのないことです。というのは、結局、市の総務課長が――総務課という仕事は最も激務です。それが選挙のすべての采配を振うような事務局長とかを兼務しておるという事実、これはたまたまそういう出来事で明らかにされたわけです。だから、いわば片手間の事務局で、そうしてこう言つては失礼ですけれども、委員の方々というものは、これは地方でも答えがありましたが、日当、実費弁償の形をとっておるようでありますが、それが実費かどうかということはなお疑問があろうと思いますが、私は何も金をたくさん出すことがいい人を得られるという主張ではない。しかしあまりにも事実にそぐわない処遇ではないか。これも改善すべきである。それから、事務局の構成がそういうようなもので、一体こんな大きな仕打がやれるかどうか。それは日本の政府の行政機構のどれを取り上げてもわかる。こんな高い理想を、しかもにわかに実現しなければならぬ大任務を帯びた行政機関がどこにありますか。この議論を私はにわかにふっかけようとは思いませんけれども、漸進的でけっこうです。昨年一億だったからといって、それにこだわる必要がどこにあろう。こういう問題について気がついたら、これこれをなすべきだという提案を行なって議会の協力を求めるという自治庁の態度が私は必要なことだ。この選管の構成その他に対する自治庁の具体的な御意見をこの際伺いたいと思います。なお、困難があれば、書面で出していただいてもけっこうです。
○兼子説明員 選管の機構の強化の点につきましてお尋ねがございましたが、私ども、選管の機構につきましては、平素からいろいろと頭を広めておる問題であります。と申しますのは、何と申しましても、選挙の実際の事務は市町村でやっていただかなければならないのでございますが、最近地方団体の財政が非常に窮迫して参りまして、地方団体の財政の見地から、ややもいたしますと人を減らしてくる傾向がございます。そういう点におきまして、選挙関係事務は、選挙のときには非常に夜も寝ないで働かなければなりませんが、平素におきましては、ちょっとよそのように仕事があることがはっきりいたしません。名簿の事務とか、いろいろと常時啓発の仕事をいたしますれば、あるわけでございますが、そういたしますと、ともすれば市町村の人事部局に対して弱い立場にあるのでございます。なおまた、頭が直接市町村長になく、選管は民間人を委員にいただきまして、委員会組織でございます。しかも、その選管の職員の機構だけでは、いざ選挙という場合に仕事ができない、全庁員をあげて協力を求めなければならぬというような、一時に殺到する事務という関係上、現在の実情におきましては、府県におきましては地方課、市町村におきましては総務課系統で兼務でやっておるというのが多いのでございます。一部の大きな市におきましては、専任の職員機構を持っておるという形になっておりますが、それにつきましては、現実の運用を見ますと、あまり独立性が強くなりますと、選挙のときに応援を求める点が円滑にいかないという一利一害はございますが、できるだけ強い機構にいたさなければならぬ、このように考えております。 なお、ただいまもお話がございました選管の委員の待遇の問題でございますが、地方自治法の改正に伴いまして、いろいろと問題がございましたが、最近部内で協議いたしまして、大体この前の国会で、二百三条でございますかの修正の趣旨に従いまして条例等の措置をやっていただくということに方針をきめて、そのように末端の方にお知らせをするということにいたしております。
○井堀小委員 中央選管の委員長さんにお尋ねをいたしたいと思います。先ほど来自治庁にお尋ねしております私の考え方をお聞き下すったと思いますから、述べる必要はないと思います。私どもは選管に期待するところが非常に大きいのです。にもかかわらず、これを遇するにあまりにも冷淡だという事実をよく承知してきておる。そのゆえにお尋ねするのです。しかし選管が政治権力から独立していなければならぬことはあまりにも明白な事柄である。建物が県庁の建物を使うとか、自治庁を使うということにこだわる必要はないかもしれませんが、しかし、人間の欠点は簡単に環境に支配されやすい弱い性格を持ち合せておるということも考慮を払わなければならない。三権分立の常識だと思い、そういう意味で、私は、選挙に対する扱い方は、よほど工夫しなければならぬと思うのでありますが、そういう意味で、せっかく管理委員会の方のよい芽を出したのですから、実際はその機能がそういう法律や憲法の期待したものとかなりズレがあるということは、率直に私は考えて、はなはだ失礼な言い方ですけれども、不満を感じておるわけです。そういう意味で、活発にやっていただきたいという念願が前提になってお尋ねしておるのですが、こういうよい機会でありますから、われわれ国会に対しても、選管のあり方についていろいろな御注文がおありだと思う。われわれ、地方で、それぞれ断片的ではありますが、伺って参りました。第一には、経費があまりにも少額だということ、これは共通した主張であります。それから、その出し方にまた問題があるようであります。さつき自治庁の方からお話がありましたが、私は、地方交付金という制度がどういうものであるかは、専門家ではありませんから、詳しくは知りません。しかし、事実の運び方を伺ってみますと、かなり知事の裁量というものが影響することは間違いない。公選、知事である限り、選挙管理委員会とどういう関係に置かなければならぬかということはあまりにも明確だ。そういうくされ縁がどこにもあってはならぬことは、申すまでもないことであります。こういう点に訴えがございました。額は非常に少く、またその金銭のルートについても、これは明らかになっておる点であります。こういう機会に、それも莫大な経費をここにつぎ込むということは、日本の財政の現状からいえばできぬかもしれません。しかし、他のものとのつり合いを考えて重点的にある程度増額するということは、私は困難ではないと思う。しかし、その要求はどこから起るかということは、当事者の切実な主張があり、関係者の協力によって行われてくるということでなければならぬ。その訴えすら思うようにいかぬのではないかという関係――この前の地方でやりました公聴会で、私は福岡の班に参加したのですけれども、九州一円の管理委員長のお集まりのあとで懇談会をいたしました際に、自治庁の次長がその席にはべっておりましたが、かなり遠回しの言い方でありますけれども、われわれの受け取り方としては、自治庁の次長に陳情するような選管の委員長の態度なんです。まことに残念だと私は思った。そのわずかな接触でありますけれども、そういう感じを受けております。こういう機会に、あなたは全国選管の統率者でもありますから、この際率直なあなたの御意見を聞かしていただきたい。
○松村説明員 ただいまお話の、ございましたような工合に、私どもとしても選管のあり方についていろいろと考えさせられております。元来、この選管の仕事が普通一般の行政事務から独立をして、選挙は公正に行われるという趣旨で定められており、その方向で今日まで進んで参って、相当効果を上げていると私は感じておるのであります。ただ、従来からの沿革上、地方の選管にも、あるいは市の方の職員であるとか、あるいは地方庁の職員が同時に選管の仕事をしているということがまだ行われており、まだ十分分離してないと思う。それを行うということのためには、今お話のございましたごとく、経費の上においてもこれを独立させて、もう少し独自の見解で動き得るような方向に持っていっていただかなければならぬと思います。ことに中央選管ということになりますと、実際の仕事が市町村の選管がもとになって動いておりまして、その上に都道府県の方でこれを指揮監督しており、さらにその関係を大まかにながめまして中央の選管でやっております。そうして、第六条の規定では、常にあらゆる機会を利用してということの任務を授けておるにもかかわらず、中央選管の委員は非常勤とすることになっております。非常勤で常にあらゆる機会を利用せよというようなところに、私は矛盾があると考えるのであります。少くとも専任者を一人くらい置いて常時考えさせ、必要に応じて委員会を開くということであれば、法律の要望しております常にあらゆる機会ということの実現もできるかと思いますけれども、実際は非常勤であります。非常勤で常にあらゆることを考えろというような制度であることが、どうしても徹底せざる一つの原因になっておるのではないか。ことに、そういう関係から、自然他の職務を持っている者がそれを兼ねて、すべての委員がそういうような状態であるというのが現状であります。少くとももっぱらそれに従事する者も加えて構成をする必要があるというふうに、私どもとしては痛感いたしておるわけであります。今日におきましては、非常勤である関係上、われわれが集まって平素仕事をするというような組織にはなっていない。そんな関係がありますので、そういう点もわれわれとしてはいろいろ考えさせられると思うのであります。何としてもそういった点について御考慮を願いたい。ことに地方の選管が普通の行政から独立して力強く仕事ができるような工合にしていただくことが、一番の急務であるというように考えておる次第であります。
○井堀小委員 大蔵省主計局長が忙しいそうでありますから、もう少し聞いてからお尋ねする方が親切であると思いますが、理解の早い方でありますから、おのみ込みになったと思います。私どもは、地方の実情を調査して、その報告があり、それを今さらに検討してお尋ねをしておりますが、一番問題になりますのは選管の関係費用であります。選挙関係の費用は、法律で先ほど来論じて明らかであります。国の負担はいずれも自治庁を経由して地方交付金の形で流されておるというこの不合理であります。大蔵省はこの不合理に対してはどうなされるという見解でしょうか、一つ聞きたいと思います。
○森永説明員 先ほど来お伺いいたしておりまして、民主政治の基礎として選挙の運営がいかに大切であるか、これは私どもも全く同感であります。従いまして、私どもも、直接間接選挙に関連した経費につきまして、いたずらに出し渋るということは毛頭ないつもりであります。過去におきましても、苦しい財政の中から最優先的に必要なる経費を計上して参ったつもりであります。ただ、問題は、ただいま御指摘のように、二百六十一条の二の都道府県及び市町村が行う常時啓発についての費用の出し方の問題、これが問題であるようでありますが、私どもの考えといたしましては、その事業が国の事業であるかあるいは都道府県市町村の事業であるかということによりまして、予算の計上の仕方も違ってくるわけであります。国が行います常時啓発、これについては現実には県市町村に委託する事柄もありましょうが、そういう国の仕事である場合には、これは国の予算に計上する、都道府県市町村の事業である場合には、これはそれに必要なる財源措置を講ずる、現行法のもとにおいては地方交付税の中にそれに必要なる経費を見積る、そういう建前になっておるわけでありまして、その建前に準拠いたしまして、都道府県及び市町村が実施いたします啓発宣伝の事業費につきましては、これを地方交付税の中に算入して参ったわけであります。地方交付税に算入いたしました場合に、現実にその県なり市町村なりがそれだけの仕事をやるかやらぬか、これは必ずしも地方財政計画に見られた通りの金額が当該事務に具体的に支出されておるわけではないのてございまして、その間県、市町村の自主性が尊重されまして、それよりも多く出しておる場合もごさいましょうし、また少いというところもある。しかし、これはあえて選挙関係の経費だけではないのでございます。産業関係、民生関係、衛生関係その他の分野の仕事につきまして、同じようなことがあるわけであります。各省の立場といたしましては、これは選挙の関係だけではございませんが、それらの場合に、できるだけこれをひもつきにして行政目的を浸透させたいということを考えますし、それに対して、各地方団体の側では、できるだけ地方自治の精神を生かして財源はいただくが、それを現実にどうあんばいするかは、やはりその地方の自主性を生かして使っていくのが建前である。従って、補助金をできるだけやめて、交付税の方に回してくれというような両方違った立場が、ほかの問題についてもあるわけでございまして、この選挙関係の常時啓発費用の問題につきましても、他の通産省の問題、農林省の問題、厚生省の問題と実は同じ問題であるわけであります。そこに、地方自治の方向として、自主財源を充実した方向にいくのか、あるいはひもつき財源をまたふやしていく方向にいくのかという二つの大きな方向がございまして、政府部内におきましても、いろいろな問題について真剣な議論が行われておる次第であります。私どもといたしましては、これは根本的には自治庁の立場もおそらくそうであろうと思いますが、できるだけ地方自治の精神を生かして、ひもつきの精神は廃止する。従いまして独立財源あるいは交付税なりをできるだけ充実して、地方の自主的な活動によって目的を達する。それにはやはり府県の自覚なり認識がもちろん大事でありますが、それにつきまして努力しなければならぬことはもちろんでありまして、財政上の制度としては、できるだけひもつき補助金を整理して、自主財源の充実に向っていく、そういうことが地方財政を考える場合の一つの方向ではないかと考えるわけでございます。この常時啓発の問題につきましても、根本は実は同じ問題ではないかと考えるわけでございまして、必ずしもこれを委託費に切りかえることが適当ではないのではないか、地方団体に財源を与えることにより、地方団体の自主的活動を促すことによって、常時啓発を促進させる、その方向に沿っていま少しく努力しなければならぬのではないか、一般論といたしましてはさように考えておる次第であります。
○井堀小委員 端的に伺います。二百六十一条の財政上の必要な措置は国において講ずるという明文は、われわれどこから見ても疑う余地がないと思います。この経費は国の経費で扱うことが妥当だというふうにお考えになりませんかどうか。
○森永説明員 財政上必要な措置を講ずるということは、財源措置を講ずるということも財政上必要な措置の中に入ると、私どもは考えておるわけであります。
○井堀小委員 財政措置を国が講ずるという責任は疑う余地がないことは、あなたの御答弁で明らかな通りであります。その金の性質とルートの問題が当然関係を持つことは今さら言うまでもない。これは先ほど来申しましたから、他の条文の引例はいたしません。これは地方自治庁の長官と三つの選挙管理委員会がこれこれのことをやれと、法律で命令しておるわけです。これは御存じですか。
○森永説明員 第六条の規定はよく承知いたしております。従いまして、自治庁長官あるいは中央選挙管理会等の行う仕事につきましては、国の予算で直接計上いたしております。都道府県川の選挙管理委員会及び市町村の選挙管理委員会に属する部分につきましては、国において財政上必要なる措置といたしまして、所要の経費を交付金の中に算入いたしておる、さようなふうに割り切っておるわけであります。
○井堀小委員 一体、そういう経費を大蔵省の裁量で交付金の中に入れてみたり、あるいは他の直を通じて金さえいけばいいという考え方は、法律の解釈からいって成り立たぬと思いますが、あなたの御見解を伺いたいと思います。
○森永説明員 これは、根本は国の仕事であるか、あるいは都道府県市町村の仕事であるかということで割り切れるわけでございます。国の仕事でございますれば、これはもちろん国が予算にみずから計上をしなければなりません。都道府県並びに市町村の仕事に属する場合には、原則として交付金として見て財源措置を講ずるのが建前でございますが、もっとも補助金という建前がございます。県及び市町村の固有の事務について国が助成する意味で補助金を出すというやり方はございます。しかし、これもその仕事が各地方団体に普遍妥当的に行われるような仕事である場合には、むしろ補助金で見るよりも交付金で見る方が、現在の地方財政法上の建前から申しますと、より適当ではないかというふうに考えますが、要するに、その事業の主体が国であるか、市町村であるか、都道府県であるかということによって、予算の計上の仕方も異なってくるわけでございます。
○井堀小委員 それではお尋ねしますか、一体国の仕事であるか、地方自治体の仕事であるかという認定はどなたかなさるのですか、政府内でそういうことが一体統一したものになっているのですか。あなたのお考えか、あるいはもし政府のお考えだとするなら、これはあとで一応大蔵大臣に出席を求めて御答弁いただきたいと思います。森永説明員多くの場合、法律上の規定によりまして、事業の主体がはっきりいたしていると思います。
○井堀小委員 私は今限定した法律についてお尋ねしているわけです。すなわち公職選挙法の六条、それに関連する二百六十一条の二のことについて、先ほど来ずっと自治庁と選管に対してお尋ねして、それに関連してあなたにお答えをいただいているわけです。この点については、私どもは、何も国会議員の選挙は国の仕事、市町村会の選挙は市町村の仕事だというふうに割り切った考えはどこにも持っておりません。特にここでは「選挙人」と明確になっている。選挙人というのは、公職選挙ですから、市町村もあれば、あるいは参議院もあれば、知事もあるでしょう。あるいは衆議院もあるでしょう。そういう公職関係の選挙全体を正しく行うためには、選挙人全体の政治常識を向上する運動をやれ、こういつている。それがあるときは団体がやる場合もあるでしょう。また地方自治に関係した者がやることもあるでしょう。あるいは国の公職を持たぬ人がやるかもしれぬ。そういうことをここで区分けをつけるような、そんなむずかしい問題ではなくて、国民の政治常識を向上していく、しかも公職選挙仏の目的を遂行するための手段であるということは、いささかも疑う余地がない。それを一々何ですか。地方の団体のやる場合は地方の責任だ、民間がやる場合は、先ほど選挙部長はそういう者を委嘱してやつているというお話がございましたが、そういうものを予算に組むときには大蔵省が一々きめておかかりになるのですか、その点をちょっとお伺いしておきます。
○森永説明員 予算を組みますときには、その経費の性質に応じまして、国がやるべき仕事を県なり市町村、民間に委託する場合には、これは国の委託費として計上をいたします。しかし、そうではなくて、県なり、市町村なり、あるいは民間のプロパーな仕事である場合、しかもそれに対して財政援助を行うという場合には、これは、委託費ではなくて、地方団体の場合には交付税でその財源を見るのが本来でございましょうし、あるいはその仕事が普遍固定化していないという場合は補助金で見るというのが筋でございましょう。そういう一つ一つの経費の性質、負担区分に従いまして予算を編成いたしまして、国会の御審議をいただいておるわけでございます。やはりこの負担区分というものがはっきりいたしませんと、経費も区分が乱れてくるわけでございます。一応そういうふうに各仕事の所属、性質等に応じて、適当な予算の経費区分をいたしておるわけでございます。
○井堀小委員 どうも地方交付金にこだわっておる。いずれ、そういう問題については、政府の所見を正確にお尋ねして、国会の意思を国会の意思としてわれわれは定めるべきだと思います。論議をこういうところで戦わすべき事柄ではないと思います。しかし、先ほど来自治庁や選管にお尋ねして質疑応答を聞いていただいたのは、こういう仕事が、国どころではなくて、民族の大きな理想遂行であるということをあなたも冒頭御答弁になっておる。そういうような問題をお聞きいただいて答弁を願ったが、非常に答弁は残念だったと思います。ことに私の質疑の中で特に選管の委員長さんの答弁をいただいて、選管というものはあらゆる権力から独立してなければならない。ことに被選挙、公職選挙の形において選ばれてくるそれぞれの人々が、これに多少でも支配的な立場をとるようなことは、排除をしていかなければならぬことは常識なんです。そういう点から考えても、地方交付金の形で流せば、それが要するにどういう形に流れているかということは、あまりにも弊害が顕著になっているというわれわれの調査の結果の上に立って自治庁にお尋ねして、関連してあなたにお尋ねしたわけですが、御答弁としてはまことに食い違った御答弁をいただいて、残念に思っております。委員長にお願いしておきますが、いずれ、こういう問題は、当然政府の責任において御答弁願って、なおわれわれ国会の意思として明らかにしていくべきだと思います。一応この点に対しては質問を打ち切りたい。 次に、関連してお尋ねいたしたいのは この六条の2と二百六十一条の二の関係だけに限って、私どもはもっと積極的な活動を方々から要望されてきておるわけであります。これに対するわれわれの意思をどうきめるかは、これから国会の運営になるだろうと思いますが、政府としてはこういうものに対して十分一つ御検討をいただいて――あなたは最初に議会政治ことに民主政治に対する責任の地位を自覚された御答弁がありましたので、これ以上聞こうとはいたしません。それを実際に予算の上にどう組むかということについては、自治庁と十分御連絡の上で、国会の意思を誤まりなく把握してもらい、ことに選挙全体に対する国民の要望には、もっと大蔵省の率直な考え方が民意と沿うように、十分御考慮をいただきたいと希望いたしておきたいと思います。
○青木小委員長 本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十五分散会