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24回国会衆議院1956/11/07

公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第37号

発言数
51
登壇者
10
会派数
2
開催日
1956/11/07

会議録

青木正自由民主党

○青木委員長 これより会議を開きます。  公職選挙法改正に関する件について議事を進めます。  この際お諮りいたします。去る十月初旬に開かれました全国選挙管理委員中央会議におきまして、選挙関係法令、選挙管理委員会制度及び選挙の常時啓発に関する事項等につきまして、種々の改正意見等があったのでありますが、これらに関しまして、東京都選挙管理委員会委員長松崎権四郎君、愛知県選挙管理委員会委員長川本良一君、新潟県選挙管理委員会委員長笹川加津恵君及び北海道選挙管理委員会委員長松浦榮君、以上四君を参考人として出席を求め、本日の委員会において意見を聴取するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

青木正自由民主党

○青木委員長 御異議なしと認め、よってさよう決しました。  ただいまより参考人より意見を伺うことにいたしますが、この際参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。  本日は御多忙のところ御出席をいただきまして、まことにありがたく、厚く御礼申し上げます。それではまず松崎さん、川本さん、笹川さん、松浦さんの順序でお願いいたします。それが済みましてから、委員より質問を行うことといたしたいと存じますので、さよう御了承願います。  それでは、最初に東京都選挙管理委員会委員長の松崎権四郎君に意見の御開陳をお願いいたします。

松崎權四郎東京都選挙管理委員会委員長

○松崎参考人 御指名を受けました東京都選挙管理委員会委員長の松崎権四郎でございます。  お尋ねにあずかりました、去る十月四日、五日の両日にわたり、自治庁、都道府県選挙管理委員会連合会の共同主催をもちまして東京都において開催いたしました選管十周年記念全国選挙管理委員中央会議の模様につきまして、不肖私がその議長を勤めました関係から総括的に申し述べ、あわせて、この会議において、新しい民主政治の健全な発達を期するための基礎たるべき選挙制度全体について意義深い決議が行われておりますので、これを説明申し上げ、十分な御理解と、その決議の実現方につき格別の御配慮を賜わりたいと念ずるものでございます。  この中央会議を開催いたしました目的は、申し上げるまでもございませんが、昭和二十一年九月二十七日、第一次地方制度改革に伴い、選挙管理委員会制度が創設されまして、本年はちょうど満十周年の記念すべき年でありますので、これを記念し、全国の選挙管理委員が相つどい相寄って、過去を反省自戒するとともに、将来の選挙管理上の諸問題につき真剣なる討議研究をするということになりまして、決して単なるお祭り騒ぎの類のものではなかったのでありますが、果して、この会議の結果を見まするに、内容的によく十年の意義を生かし、一つのエポックを画し得たものと存じている次第であります。参会者は、会場等の都合から、都道府県及び五大市の選挙管理委員全員と、一府県につき当該府県の市及び町村の選挙管理委員代表五名のほか、東京都の各区からその代表委員一名ずっと制限いたしましたが、当日の参会者は、選挙管理委員会のほか書記も含めまして、総計六百名に上る盛会でありました。  中央会議の第一日は、十月四日、明治神宮外苑日本百年館において、午前十時から開催し、功労者の表彰式を行いました後、会議に入り、役員選出の上、会議運営方針を取りきめました。特に、本会議への提出意見は多数に上り、かつ提案に至る段階まで府県でも十分に練ってきた意見でありますので、これらを慎重審議いたしますため、第一から第三までの三つの分科会を設けることとし、第一分科会は選挙関係諸法令に関する事項、第二分科会は選挙管理委員会制度に関する事項、第三分科会は選挙の常時啓発に関する事項をそれぞれ審議するものとし、全参会者は所定の分科会に出席することといたしました。  各分科会は午後一時から同所において一斉に会議を開いたのでありますが、その会議の状況につきましては、追って各分科会の代表者からお話があると存じますが、各分科会は、午後一時から午後六時近くまで、途中わずかの休憩時間をも憎んで、非常に熱心な、真剣な討議が行われたのでありまして、この中央会議の実質的意義が各分科会の討議研究にありましただけに、その真剣さは十分に中央会議開催の趣旨を達成いたしたものでありました。  第二日目は、すなわち翌五日、文京区関口台町極山荘において、午前十時から前日午前の総会会議に引き続いて開催いたしまして、全参会者に対し、第一日の各分科会における審議結果をそれぞれの分科会委員長から報告があり、あわせて各分科会における審議結果に基く決議要望がありました。この決議要望によりまして、満場一致次のような中央会議決議及び宣言を行なった次第でございます。宣言と決議の写しはお手元に差し上げてございますが、その決議の内容につきまして簡単に申し述べたいと存じます。    決 議   最近の選挙界の実情をみるに、い  まだ理想選挙に程遠いものがあるの  は、誠に遺憾のきわみである。選挙  管理委員会発足以来十年の体験にか  んがみ、今や国民の総力を挙げて選挙  界多年の宿弊を一掃すべきときと考  える。これがためには、選挙管理委  員会機構の充実強化を期するととも  に、所要の法制の整備を図る必要が  ある。よって左記事項の実現を期す  る。とあって、次に「第一選挙制度に関する事項」「一選挙法規は、各選挙に共通する事項を除き」——これは今の公職選挙法でありますが、この公職選挙法を、各選挙に共通するような、いわゆる総則的なものを一つの条章として掲げまして、そして、その内容で、国の選挙を行う場合、あるいは地方選挙を行う場合というがごとくに、「各選挙ごとに区分してこれを設け一般国民にわかりやすい規定とすること。」この趣旨は、現行公職選挙法を、各選挙ごとにばらばらに、かつての各種選挙法のように戻すということではございません。公職選挙法の中で、各選挙に共通する部分は、たとえば総則というようなふうに持って参りまして、そして各種の選挙ごとに条章にまとめて規定をいたしまして、しかも、この場合において、準用あるいはこれを読みかえる等のことはとらないで、一般国民にもすっきりとわかりやすいように規定をするというのでございます。  次に、「選挙人名簿は、これを永久名簿にする等脱漏防止とこれが調製事務の合理化を図ること。」これは、お聞き及びのこともあろうかと存じますが、数年来住居を有している者は、脱落するという事例は、そう多くではありませんが、選挙のつど各地に出ております。これは毎年々々作りかえる現行制度にもその原因がありますので、その防止と労力とそして費用の節減、一石二鳥となるという趣旨でございます。  三に、「記号式投票制度を実施可能な選挙から実施するよう検討すること。」この趣旨は、申し上げるまでもございませんが、投票の効力判定に当りまして、有効、無効の判定困難な投票が、いまだにかなりございまして、全くなくなるという見通しもございません。しかも、それが当落に影響を及ぼすような場合は、まことに問題は深刻でございます。そこで候補者数の少い選挙からまずこれを採用するようにしたいというのでございます。記号式にいたしますれば、今述べましたような深刻な紛争などもなくなりまするし、また投棄者が候補者の氏名の書き違い等もいたしませんし、従って無効投票も少くなりますし、また開票事務も能率化いたします。記号式投票採用に伴う候補者氏名印刷の順序、不在者投票及び補充立候補のあった場合百等の問題はありますが、現状では、かれこれ較置いたしまして、記号式投票制度がまさるものと存じます。ふりがなでもつけてするようにすれば、書くよりは読む方が楽である。開票の場合に、これは混記であるかあるいは誤記かというような問題も、作今は選挙ごとに各所に、ずいぶん起っておりますが、無効投票の統計等もお取り寄せ願いまして、投票の現状などをそれぞれの選挙によってお調べ願いますと、適切にわかると思うのでございます。  第四は、「選挙運動については、画一主義の弊をさけ各選挙の種類及び選挙区の実情に即するよう再検討すること。」たとえば、選挙運動用自動車の使用できる台数について参議院地方選出議員選挙や知事選挙は、都道府県議会議員選挙と同じ台数の使用しか認めないということ、また、北海道でも一台、小さな県でも一台ということは、やはり実情に合致していると言うことはできないのではないかということであります。  「五選挙公営の中には、たとえば候補者の氏名及び党派別の掲示等その労力費用に比して効果の少ないものもあるので、それらについては再検討すること。」氏名掲示の制度につきましては、佐野市における誤記事件以来、第一線の市町村選管の労苦は深刻でありまして、誤記は注意によって防げるとしても、この事件以来、氏名掲示にいたずらする者が出ており、氏名掲示にいたずらをやるのです。その完全な状態を毎日選管委員や事記が見て回るというほどの労力と神経を使っております。ところで、他のいろいろな公営部面を総合してみますと、氏名掲示が、これほどの精神的、肉体的負担を忍んでまで存置しなければならない必要不可欠な制度であるとは、とうてい考えられません。投票所、記載所の氏名掲示制度は必要と思いますが、投票所のほかの氏名掲示は廃止の御英断をぜひともお願いいたしたい。これがその趣旨でございます。  なお、これには現われておりませんが、投票の前日または当日、投票所の一町以内のポスターを選管が撤去する現行制度及び違法文書の撤去命令制度につきまして、最近はこれらの制度の逆をいく脱法的行為が公然と行われる例が非常に多い状態でありまするから、これらの点については、その合理的な改正については、あわせて御配慮を得たいと存じます。  「六被選挙権のない者の立候補禁止等現行法における規定の不備を補い、解釈に疑義のある点を明確にすること。」被選挙権のない者であっても、立候補可能であるという制度を悪用しまして、選挙運動の公営を利用し得るということは排除すべきである。なお、一例として、被選挙権の有無の判定権限が、無投票当選の場合を除き、選挙会にあるということは、現行法上明文がない。もしないとするなら、被選挙権のない者でも、開票管理者がその者の投票を有効と判断してきておれば、多数得票者であれば、みすみす被選挙権のない者でも当選人と決定しなければならないことになる。これは一例でありますが、このような規定上の不備を補い、かつまた解釈に疑義のあるような点を明確に規定されたいという趣旨であります。  「七選挙法規の改正は、選挙の直前にこれを行わず、法の制定から施行までの間に十分日時をおいて国民に対する周知を図ること。」これはもう申し上げるまでもないことと思います。このようなことは混乱の起る原因ともなりますので、ぜひ御配慮をお願いしたいと存じます。  「第二選挙管理委員会制度に関する事項」「一選挙管理委員の定数を増加するとともに、独立の事務局を設置して組織の強化を図ること。」「二選挙管理委員会に予算の執行権を与える等その独立性の強化を図ること。」予算の執行権すら与えられていないということは職務の独立性にも影響がありますから、このような選管の独立して職務を行うため必要最小限の権限は与えられなければならぬという趣旨であります。  「三選挙管理委員会の組織及び運営等に関しては、公職選挙法中に規定すること。」選管の職務の態様から考えまして、公安委員会が警察法に規定されていますがごとく、公職選挙法中に規定すべきではないか。これによって、選管の自主性と中立性、その職務の独立性がより明確となると信じます。  「第三選挙の常時啓発に関する事項」「一常時啓発のための費用は、地方交付税に含めて交付することはなく、委託費の交付により必要額を確保すること。」「二最近の選挙においては、組織的な戸別訪問等悪質の選挙違反の続出する状況を示しており、かくしては、公明選挙運動の推進を著しく阻害するので、抜本的対策を講ずること。」「三有権者に対する政治常識の向上及び選挙の意義の徹底については常時行われているところであるが、さらに次代を担うべき青少年に対しても、選挙の権利と義務について十分に教育が行われる必要がある。よって教育課程に右の配慮を行うこと。」一についてはこれまで繰り返しお願いをして参りましたし、二、三の事柄も明白でございますから、これ以上賛言を加える要はないと存じます。  以上が決議の内容のあらましでございます。  これをもちまして私の陳述を終りますが、どうか、右決議の趣旨につきまして冒頭にもお願いいたしました通り、ぜひ実現できますよう、せっかく御配慮を賜わるよう、切にお願いをするものでございます。

青木正自由民主党

○青木委員長 次に、川本良一君。

川本良一愛知県選挙管理委員会委員長

○川本参考人 私は愛知県の選挙管理委員会委員長の川本良一でございます。  ただいま松崎会長からお話のありました、十月の四日、五日、選挙管理委員会制度が制定されまして十周年記念として、全国中央大会を開催いたしたのでございます。その際、第二分科会といたしまして選挙管理委員会制度につきまして、四十数目の項目中、ただいま私が申し上げます十項目ほどにつきましてことに要望が強かったのであります。それを申し上げてみたいと思います。  第一番に「選挙管理委員会の委員の定数を一人乃至二人増加し、会議の定足数は、定数の過半数とすること。」これは、現在のきまりで参りますと、選管委員の数が、県が四名、市町村が五名となっておるわけでございましてこの会議を開きますには五名以上が出席をいたしませんと会議が開けないのでありますが、市町村におきましては五名になりますので、一人欠席をいたしました場合には会議が開けない。そうすると、これは補充員を持つて参りまして、補充員の人によって会を運営していかなければならないわけでございますが、この場合に、補充員の人を呼び寄せるなり何なり、相当の手続等の関係がありまして、時間もかかりますし、運営上非常に困難が伴う。それで、これを一人ないし二人増しまして、しかも、この会議を開きますには、三人以上の定足数ということでなく、半数の人が集まりますれば会議が開けるような制度にしていただきたい、こういうことであります。  第二番目は、「選挙管理委員は、地方公共団体の議会の議員及び職員と兼ねることができないものとすること。」現在行われておりますところでは、県の副知事さんあるいは総務部長さんというような方、あるいは県会議員の方、市町村の議員の方、あるい役場の助役、収入役というような方が管理委員になっておるのでございますが、こういうような方が管理委員になっておりますと、選挙の中立性を守って参ります上にどうかというような疑念がございますので、こうした方は兼職をやめてもらいたい、こういうことであります。  三番目として「選挙管理委員会の事務局は必置制とし、書記は専任制とすること。」これは、現在県では地方課の行政係が兼務いたしております。町村の役場へ参りますと、総務とか戸籍とかの係の人がこれを兼務いたしておりまして専任いたしておりません。それで事務が非常に複雑をいたして参りますので、誤まりなどがたまたまあるわけであります。ですから、これをなくして運営を円滑に行いますために、事務局を置き、専任の書記を置いていくようにいたしたい、こういう要望でございます。  四、「指定都市の選挙管理委員会の区選挙管理委員会に対する一般的指揮監督権を明確に規定すること。」県が市町村の選挙管理委員会を監督いたしますことは自治法に規定されておるのでございますが、五大都市のその区の選挙管理委員会に対します監督権というものが明確にしるされておりません。それでこれを明確に規定していただきたい、こういうことであります。  五、「市町村の選挙管理委員会の機能が停止した場合においては、知事が臨時選挙管理委員を選任することができることとするか、又は県の選挙管理委員会が代ってその事務を行うことができることとすること。」これは、地方におきまして、選挙管理委員の方が病気でなくなるとか、あるいは都合によりましてやめるというような場合、あるいは市町村長のリコールの問題などがあります場合に、この管理委員が欠けておりますと、なかなか議会を開いてこれを決定してくれません。都合の悪いことがありますと、なかなかやってもらえない。それがために、選挙管理委員が欠けておって、その補充に非常に困ることが今まで多々あったのであります。こうした場合には、実際に選挙の執行ができないような状態になりますので、そうした場合に、県知事がこれを代行するか、あるいは県の選挙管理委員会が代行する規定を作つていただいて、これを円満に行なっていくようにいたしたい、こういうことであります。  六、「選挙管理委員会に予算の執行権を与えること。」これは先ほど松崎さんからもお話があったのであります。が、選挙管理委員会には予算の執行権がございません。議会におきまして、交付金などの形において選挙関係の費用をちょうだいいたしておるのでございますが、これが、各府県に参りまして、適切に全部選挙関係の費用に回っておるかどうかということを知るすべを私どもは持っておりませんし、また、実際におきまして、その額がすべて選挙管理委員会に使われておるかどうかというようなことについても、大へんに疑問があるわけなんであります。そうしたことから参りまして、予算の関係を選挙管理委員会においていたします場合には、これは明確になって参りますから、執行権を与えていただきたい、こういう要望でございます。  七、「地方公共団体の長が歳入歳出予算のうち選挙に関する事務(選挙に関する啓発、周知等を含む。)に係る部分についての議案を作成する場合においては、あらかじめ選挙管理委員会の意見をきかなければならないよう法定すべきである。」これは、公職選挙法の第六条に、常時啓発の項目があるわけなんでありまして、この常時啓発をいたす選管がいろいろな行事を考えておりましても、予算がありませんければ、やれないわけでございます。それで、知事さんなりあるいは市町村の長が、常時啓発に関しまする予算を組みます場合には、あらかじめどういうような仕事をするかということを聞いて、予算を組んでもらいたい。これは前の六の問題ができればこういうことはないわけなんだと思いますが、六の執行権が与えられない場合には、やはり、本年はどういうような行事を行う、どういう啓発運動をするかということを聞いて、予算を組んでいただきたい、こういうことでございます。  八、「地方自治法第百八十条の四の規定は、選挙管理委員会の独立性を侵し、かつ弱体化させるおそれがあるので本条を削除せられたい。」これは、勧告権——総合調整権と申しまするか、勧告権というものでございます。これがありますために、相当脅かされる面が多々ある。だから、これは、選挙管理委員会の厳然たる性格を生かします上において、削除していただきたい。  九、「選挙に関する各種争訟事件の調査について、選挙管理委員会においても、裁判所におけるごとき権限を有するものとすること。」御承知の通り、選挙には、選挙無効だとか、あるいは開票の関係とか、いろいろな問題で争訟が起っておるわけでございます。これは選挙管理委員会に対しましても起ってくるわけなんでございますが、これを普通裁判と同じような取扱いをさせていただきたい、こういうことでございます。  第十、「選挙管理委員会に関する規定を地方自治法より公職選挙法に移されたいこと。」先ほど松崎会長からもお話がございましたように、他の委員会には独立した法律がございます。選挙管理委員会にはこれがございませんので、これを明確にしていただきたい、こういうことでございます。  第二分科会におきまして審議されましたのは、いろいろありますが、おもなものはただいま申し上げました十点でございます。どうかよろしくお願いをいたします。

青木正自由民主党

○青木委員長 次に、笹川加津恵君にお願いします。

笹川加津惠新潟県選挙管理委員会委員長

○笹川参考人 私は、選挙の常時啓発に関する事項につきまして御説明を申し上げたいと思います。  この十月の四日、五日の両日にわたりまして、全国の選挙管理委員会から提出されました意見は、百三十数件の多きに達したのであります。一々これをここに御説明申し上げる必要はありません。まず、私どもがやって参りましたこの常時啓発を反省してみようじゃないか、どういうものが一番効果的であったか、またどういう時期にこれをやつたならばいいか、あるいは、これを二つに分けまして、視覚に訴える、すなわちポスターを張るとか、ビラをまくとか、あるいは映画、スライドをやるというような、目から選挙民に訴えることが効果的なのであるか、あるいはまた聴覚に訴える、すなわち討論会をやるとか、講演会をやるとか、座談会をやる、そういう方がもっと効果的であるかというようなものを十分検討いたしました結果、第二といたしましては、それじゃ将来こういう方向に行こうじゃないかという結論を得たのであります。第三におきましては、それじゃそれをやるといたしましても、何分経費が伴わなければ、希望だけで実行に移せませんので、この経費の点に関係いたしまして、検討を加えたのであります。  これを一つ総合的にお話し申し上げる前に、一体公明選挙運動、常時啓発の運動というものが果して効果的なのかどうか、こういう問題なのでありまするが、これはやらないよりやった方がいいにきまっております。ただ、金の値打ちに比較いたしまして、果してそれが効果的であるかどうかということは、十分考えなければならぬ問題であります。  まず、私は一、二の例を上げて申しますと、さきのいわゆる衆議院の総選挙の結果、買収、供応等の悪質違反が非常に数多く摘発されたのであります。これを見まして、世論は、公明選挙運動は空転している、から回りしておるというような批判を浴せたのでありまするが、果してそうであったか、こういうことなのでありまするが、当時、私どもは、事前運動が盛んに行われておりましたので、この防止のために、検察庁と警察とわれわれ選挙委員会と三者一体となりましてこの事前運動防止の懇談会を作ったのであります。その席上、私どもは、もしあなた方があまりに選挙の違反を摘発するということが急のために陰気な選挙になってはいかぬ、特に形式犯ということに重きを置くのかどうか、それよりも、買収、供応というような点に重きを置いてやるのか、いかん、行き過ぎのないようにとわれわれは意見を申し上げたのであります。しかし、当時の世論というものは、新聞といわず、ラジオといわず、また婦人団体、青年団体等も、ことごとくこの公明選挙運動に乗り出しておりましたが、これを背景といたしまして警察も相当活躍したように思われます。しかし、何といっても、私どもの見のがし得ない点は、自治警察から当時国家警察に切りかわったのでありまして、今まで弱体化しておりましたところの自治警察、地方の小ボスに遠慮がちでありましたところの警察が、思い切って選挙の違反に対しまして乗り出し得たということが最大の原因でありまして、これに対して、結果から見るならば、なるほど選挙違反は未曽有の大きな数字に上っておりましたが、この数字だけを見て公明選挙運動は空転しておるということは、私は皮相の見解だと思っておるのであります。この数字が上るのは私は当然だと思っておった。これは一つの例であります。  それから、過日の参議院選挙の直前に、社会党の青年部、自民党の青年部、一般の青年の代表婦人の代表、公民館の代表、学生の代表等を私どもがお招きいたしまして、討論会をやりました。いろいろの意見が出ましたが、中に、これは自民党の代議士の皆さんもおいでかもしれませんが、どうもお前の方では金を使い過ぎるじゃないか、そういうものに対しててんとして恥じない、これからわれわれ青年が次代のいわゆる政党を背負っていく場合において、そういうものを一体どうするのだというような質問が社会党の青年部からありました。これに対しまして、自民党では、粛正委員会を作っておるのであるから、そういう人に対しましてはわれわれは今後一つ本部に向って除名を嘆願する、さらに、きかない場合におきましては、これに協力しないというような発言がございましたが、今度の参議院選挙の結果、自民党新潟県のある幹部が選挙違反にひっかかりました。これは白か黒かまだ判明いたしませんが、その会議の席上で、青年部がこれを取り上げまして、どうだ、一体ああいう人はとにかく除名した方がいいのじゃないか、あるいはみずから離党すべきであるというような強烈な意見を開陳いたしました。これなども、とにかく私どもが公明選挙運動を推進した一つの反映でないかと考えておるのであります。ことに、先般の県会におきまして、ある県会議員が、私に、一体委員長は公明選挙運動をどういうふうにやってきたか、また将来どういうふうにやっていくのかということの質問がございましたので、私は答えました。それに対しまして、われわれはもうことごとく賛成だ、われわれは大いにそれに協力するから、知事に向ってこの予算を獲得するように大いに努力してもらいたい、われわれも協力するというので、われわれに激励の言葉を与えていただいたのであります。きょうもこの委員会に私どもも千里の道を遠しとせずして参りましたが、少くとも、この新潟県会におけるように、皆さんからもどうか一つ、この公明選挙運動の費用と申しますか、常時啓発の費用というものを、できるだけ一つ多くとっていただかなければならぬということを私はお願いするのであります。ことに、今後少くとも国会議員の選挙、衆議院の選挙というものは、もう政党の争いであって、主義政策の争いであるのでありまするから、よけいなべらぼうな金を使うというような候補者に向っては、選挙民みずからこれに鉄槌を下し、司法にひっかかる前に、裁判にひっかかる前に、われわれ選挙民でまず第一に落選というところの審判を下すためには、何としてもわれわれは公明選挙というものを強調する必要があると思うのであります。  これは私の意見を加えたのでありまするが、そこで、まず第一の、先日課題となりました一体われわれがどういうふうに反省したか、こういうことから拾い集めまして、それじゃ一体どういうのが一番効果的であるか、将来一つどういう問題を取り上げてわれわれは乗り出したらいいかという問題に移るのでありまするが、視覚に訴えるとか聴覚に訴えるということは、その地方によりまして、場所によって、あるいは時間的の関係におきまして、正反対の意見が出ておるのであります。たとえば、ポスターを張る、ビラを張るというのは、都市部においては何の効果もないのだ、むしろこれは郡部において主力を注ぐべきだというような意見もございますが、これらも取り合せまして、十分に一つわれわれは考えなければならぬと思うのであります。  そこで、常時啓発の今後の進め方につきましては、第一に、これを積極的に反省いたしまして、その効果的なものを最もよく活用するようにしたい。  それから、第二におきましては、選挙啓発のモデル地区を作る。そこにわれわれがいろいろの課題を与えて、自主的に、モデル地区において、こうもしたならば公明選挙運動ができるじゃないかというようなモデル地区を作って、それを一ついろいろ推し進めて行ったらいいじゃないか、こういうことが第二点であります。  それから、第三点は、話し合い運動を普及徹底させるということ、これは、むずかしい言葉で申し上げますと、共同研修、いわゆる高等井戸端会議と私は申し上げますが、これは大体十四、五人集まりまして、各自が意見を発表する、そして私どもが助言者となってその足らざるを補うというような形にしております。これも新潟県下におきましては八カ所にやりましたが、非常に効果的であった。詳しいことは申し上げませんが、私が参りましたところでは、これは三十六、七から六十歳くらいの婦人の集まりでありましたが、そこで一番問題となりましたのは、全国区の制度を廃止したらどうか。これは私の意見ではありません。そこでの発言でありますが、何もわかりはしないああいう人たちに対して投票するということは、どうもおかしいじゃないかという意見がございました。それから、国民審査の方法また小選挙区制などの話もありました。それから、憲法改正、再軍備の問題でありますが、かりに再軍備がなくても、おそらく徴兵制度はあるまいというようなことが、こういうおかみさん連中から発言があった。私はびっくりして聞  いておったのであります。それから、死刑廃止というような問題、あるいは日本の人口は多過ぎるから産児制限をしたらどうか、これを法的にきめたらどうか、スウェーデンのような、ああいう人口の割合に多くないところは、非常に国民が幸福じゃないかというような発言が、五十、六十のおかみさん連中からあった。これに対して、われわれは、政党政派に片寄らず助言を与えたのでありますが、これなども新しい試みとして非常に効果的じゃないか、かように考えております。  それから、第四番目といたしましては、公民館との連絡を密にいたしまして、青年学級、母親学級などございますので、ここに一つ選挙指導の講座を設ける。あなた方から御足労願うことも私はけっこうだと思いますが、そういう講座において丈の政治というもの、政党のあり方、あるいは政策というものはこうだというようなことを指導していただくならば、これは常時啓発の運動に非常に効果的だと私は考えております。これは私の意見でありますが、総合的にこういうことをやったらどうかという結論であります。それから、新聞、ラジオ、掲示などの報道機関の力は偉大なものでありまして、これを利用すると申しますか、われわれの知り得る材料をことごとく提供いたしまして御協力を求める。ただ、ここに、私もラジオ放送なんか相当やりましたが、話上手な人、これが一つの条件、それからあんまりかた苦しいかみしもを着たような話はやめてもらいたい。それから、私どもの立場から申しますと、あまり他党の政策の批判、攻撃をするのはやめてもらいたいという三つの条件がついております。話の上手な人はなかなかありませんので、これに頭を悩ますのでありますが、新聞社も放送局もこういう条件をつけて参ります。これなども、あなた方の御協力を願い、極力新聞、ラジオの協力を願って、広く積極的に活動したらどうかというふうに私は考えております。私は国会議員の政治討論会というものをしばしばやりましたが、一番最初やりましたのが、指揮権の発動の直後であります。これは、国民が政治に対する熱意を非常に多く持った直後でありましたので、会場は五千五百人ないし六千人の聴衆で、講師の演壇のところまで参りました。窓という窓は鈴なりでございましたが、こういう機会を利用いたしまして、指揮権を発動したこと、またそれに対する各党の代議士の皆様から十分御説明を願うということを私はやっておるのであります。それから、先般の小選挙区制の問題が持ち上りましたとき、私は国会まで参ったのでありますが、これは両者の御賛成を得ることはできません。それで私は取りやめたのでありますが、こういう大きな問題がありましたときには、やはり国会議員の皆様が御出席下さいまして、討論会を開いたらいいじゃないか、こういうふうに考えております。まあ大体こんな程度であります。  それから選管の機能の問題でありますが、これは、今川本さんからお話がありましたので、私は申し上げません。ただ、委員の任期は三年でありますが、これを少しく延ばしたらどうか。というのは、これは経験が非常にものをいうのでありまして、まず私どものところに参ります訴願というのがあります。それを審査するということになりますと、正しい筋を通すという本筋は変りません。しかしやはり相当の経験がなければならぬと私は思います。さらに、県の選挙管理委員長は被告として今度訴えられるのです。私も高等裁判所へ何回となく参りました。また最高裁判所へも参りましたが、新潟県は貧乏ですから、弁護士をお願いしないのでありますが、こういうこともときどきあるのでありますから、三年をもう少し延長していただいて、やはり堪能の人をということが特に必要でないか、私はこういうふうなことをつけ加えて申し上げるのであります。  それから、最後に、先ほど触れられました啓発の費用の問題でありますが、これはもう、この前も塚田さんが自治庁長官の当時私どもも運動いたしまして、一億円のいわゆる常時啓発の費用を計上していただいたのでありますが、さてほんとうにわれわれがそれをいただいて実行に移すということになりますと、お手元に差し上げてあります表がございますが、これは各県に割り当てた当初予算の基準でございますが、これは二十九年度は六四%、三十年度は四四%、三十一年度は四四%、このうち追加予算で多少増額しておるかもしれませんが、ある県におきましては非常に不仕合せだ。新潟県はその一つかもしれませんが、赤字財政の都道府県におきましては、なかなかこういう問題につきまして金を出してくれませんので、何としても、今後いただく場合におきましては、これはこれといたしまして、さらに、交付金でなく、この委託費としてちょうだいできるように一つ御配慮願いたい、こういうのであります。あるいは、知事との関係、またある県のごときは、何でも公明選挙運動、常時啓発の費用がとれません県もございましたが、こうなりますと、これは選挙管理委員長のかなえの軽重を問われるというような、実に不愉快な問題もございますし、ある県では公明選挙運動が盛んであっても、ある県では微々たる問題であるというような不公平な結果もありますので、これを一つ、今申し上げましたように、委託費として御交付願うように私切にお願いしたい、かように考えております。  そこで、まず、私どもは、まあ私どもから申しますと希望でありまするし、またぜひ実現さしていただきたいことは、さてそれじゃ君たちの言ったように予算をとってやる、また機構の強化拡充もしてやるというようなお気持でありましても、せっかくいだたいた予算というものをむだにしてはならぬ、こういうふうに考えます。選管の委員は全国に約一万人ございます。現在は町村合併の結果五千人でございますが、この中でも選挙の常時啓発というような問題に対しまして多少不熱心な人もあるということで、ここで一つ監督を強化する。私どもは、座談会、討論会を開くに当りましても、そこの選管の熱意ということ、あまり熱心でないところによりましては、会場も設備も聴衆の来る度合いというものも、それがすぐ選管の熱心さというものに関係してくるのであります。こういう金をいただく以上は、この監督を強化する。これはお役人から監督してもらうということではありません。民間のある団体からこういう監督の機関を作つていただいてそういうものに対しましては一つ責任を追及する。まずみずから私どもはそういう適任者でないというような考えを起して、みずから退くというような考えを起すという意味もありますので、この責任追及の機関を作る、こういうふうに私は要望したいのであります。選挙管理委員会ができた当時というものは、これは立会人程度のものでありましていわゆるうば捨て山、もうあまり役に立たない人聞をこの選挙管理委員にしたのは十年前の話でありますが、今日におきましては、ただいま申し上げましたように、第六条にも常時啓発の責任を負わされておるのであります。一方に執行管理の責任があり、あるいは弁護士にかわって——弁護士にかわってではありません。われわれが裁判へ行って司法の問題にも相争わなければならない問題が多々ありますので、こういうような時代おくれの人たちが多少あるならば、そういう者は監督権の発動によりまして辞職を勧告しても差しつかえない、かように考えております。  以上申し上げましたが、公明選挙の常時啓発というようなことは、何となく雲をつかむような感じで、話しにくいのであります。一つよくおくみ取り願いまして、御協力を切にお願いいたす次第でございます。

青木正自由民主党

○青木委員長 次に、松浦榮君。

松浦榮北海道選挙管理委員会委員長

○松浦参考人 私、先般の中央会議におきまして、第一分科会の委員長をいたしましたので、そのときの状況を申し上げたいと思います。  第一分科会は、中央会議の第一日の午後一時から午後五時にわたりまして、きわめて長時間でありましたけれども、非常に熱心に論議されたような次第でございます。人数は、三つの分科会に分れましたので、第一分科会は約二百五十名の会員であります。第一分科会の研究課題は、公職選挙法令改正に関する事項についてであります。この研究課題は、「中央会議提出意見」 「全国選挙管理委員中央会議」という冊子がお手元に差し上げてあるようでございますので、これをごらんになるとわかりますが、第一分科会は、全部で百九十項目にわたっており、追加がありましたので百九十二になり、後の追加全部を入れますと、二百項目以上になったのでありますが、こういった多くの改正意見が出まして、選挙管理委員といたしまして日ごろ抱いておりますところの改正意見は、ここに漏れなく網羅せられて提出されたと存ずるような次第でございます。その二百項目にわたるものを逐一項目別に審議しておりましたのでは、とうてい時間が許しません。この中には、関連事項あるいは類似事項、共通事項などもありますので、このうちから委員長が七十項目ばかりを選びまして、それにつきまして論議をしたような次第でございます。その七十項目につきまして審議され、その採択されました事項につきましては、やはりお手元に「全国選挙管理委員中央会議における採択事項」という冊子が差し上げてあると思いますが、この通りになっておるわけであります。これを逐一ここで申し上げましては時間を要しますので、皆さん方お読みいただきますならば、非常に幸いだと存ずる次第であります。このうちでも特に重要な事項につきましては、先ほど連合会の会長をしておられる松崎委員長から御報告がありましたように、決議事項といたしまして、先ほどお読みになりました事項があげられております。  そういった状況でございまして、これを一々ここに詳しく申し上げますと、非常に時間を要しますから、その模様を大要申し上げますと、その中には、選挙管理委員会として論議するには少し問題が大き過ぎる、また政治問題などにからまる事項などもありますが、そういう問題もやはり論議されたのであります。それは選挙管理委員会としてはどうしても関心を持たざるを得ない事項でありますので、論議されたのでございます。そのお手元の採択事項としてあげてあります事項の中に、たとえば、4の「衆議院議員の定数の更正は、国勢調査の結果によって更正するを例とするよう規定されているので、速かにこれが更正を行われるよう要望したい。」あるいは、5の「参議院全国選出議員制度を再検討すること。」あるいは、56の「最高裁判所裁判官国民審査投票制度を廃止すること。」こういうような大きい問題、また小選挙区制の問題なども論議されたのであります。それからまた、次には、今日におきましてはなかなかその実現がむずかしいような問題でありまして、一考を要する問題でありますけれども、将来は必ず実行していただかなければならないというような意見もあったのであります。たとえば、その採択事項の中の8にあげてありますが、「基本選挙人名簿の調製は、住民登録により調製できるよう立法化」していただきたいということであります。その次の9に、「選挙人名簿は選挙人の申請による永久制に改正すること。」それから13にいきまして、「記号式投票を実施可能な選挙について採用すること。」というようなこと、これなどは、やはり漸次この制度を実現するように努めていかなければならないように思うのでありまして、この点も御考慮をお願いしたいと存ずる次第であります。その他のいろいろな改正意見、これはわれわれ選挙管理事務当局といたしまして提出したような事項でございますけれども、やはり選挙の実際に当つておられるところの立候補者、その他選挙運動者、また選挙人一般の利便というような点からも顧慮しなければならぬことにつきまして、いろいろ論議がかわされて、改正点ができ上ったような次第であります。  逐一申し上げますと時間を要しますので、この程度にいたしまして、最後に、最も重要問題として取り扱われましたのは、なお一そう連座制の強化をしていただくようにお願いする。また、選挙法規の改正は、選挙の直前に行われるという例が多いのでありますから、できるだけ早くお願いしまして、そうして一般に周知徹底さした上で実施されるようにしていただきたいというのであります。なお、選挙事務費がいろいろな面において不十分な点がありますので、その増額をお願いしたいということであります。たとえば、投票管理者の手当が三百円程度でありますのを、五百円にお願いしなければならない、あるいは投票、開票、選挙立会人の二百二十円を四百円程度にしていただかなければ、この手当といたしましてはお気の毒であるというような議論も出まして、そういった面、その他の面からいたしまして、選挙執行管理の事務費の増額をお願いしたいということなどであります。  以上、簡単でございますけれども、そのときの状況を申し上げまして、なお皆様方の御質問がありますならば、お答え申し上げたいと存ずる次第であります。

青木正自由民主党

○青木委員長 以上で参考人の意見の開陳は一応終了いたしましたが、質疑がありましたら、この機会にお願いいたします。

竹谷源太郎日本社会党

○竹谷委員 いろいろ選挙管理委員中央会議の皆様が御研究になりました御報告を拝聴いたしまして、大へん参考になったのでありますが、それにつきまして一、二お尋ねしたいのであります。  決議の第一、「選挙制度に関する事項」というのの一番先の「選挙法規は、各選挙に共通する事項を除き、各選挙ごとに区分してこれを設け一般国民にわかりやすい規定とすること。」この趣旨は非常に賛成でありますが、選挙管理委員会の方で何かこれについて具体的な草案でもあるか、あるいは自治庁の方で研究したものがありますかどうか。もしそういうふうなものがあれば、どのような構想でお考えになっているか、この機会にお尋ねしておきたいと思います。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子説明員 ただいまのお尋ねの件でありますが、これは、自治庁といたしましては、こういう考え方は、内部の議論では賛成論と反対論とあるわけでございますが、まだ具体的にどういう構想でまとめ上げるかという具体案は持っておりません。

竹谷源太郎日本社会党

○竹谷委員 第二の選挙人名簿と永久名簿ですが、この点は事務当局としてはどのようにお考えですか。これもお尋ねしておきたいと思います。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子説明員 これは、前々から、先ほど松崎委員長から話が出ましたように、管理事務当局といたしましては、このような意見があるのでございますが、なお、これを実施いたしますにつきましては、さらに十分検討を加える必要があると思っております。

竹谷源太郎日本社会党

○竹谷委員 第四番目の選挙運動の画一主義の弊を避ける。これも考え方によって妥当な方法があれば大へんけっこうだと思います。  次に、第五番目の候補者の氏名及び党派別の掲示、これは選挙公営の始まりました当初からやっておるわけでありますが、われわれも多分に疑問を持つておるのであります。しからばこれにかわるような何か公営の方法があるかどうか、また、現在行われておりますラジオによる党派並びに候補者の氏名、経歴等の放送、あるいは選挙公報、立会演説会その他で十分であって、これは省いてしまっても、何ら候補者の党派並びに氏名の周知徹底に支障がないかどうか。この点、選挙管理委員会としては、これを全然廃止してよろしいのか。あるいはこれにかわるような何かいい施策があるかどうか。もしあれば一つ御意見をお漏らし願いたいと思います。

松崎權四郎東京都選挙管理委員会委員長

○松崎参考人 今お話のうちにもございましたように、ラジオもだいぶ普及されて参りましたから、もう少し適切な方法であれを利用する。あるいは、新聞紙も近ごろではとっていない場合もある。だが、大ていはとっているので、これらに対する広告の方法もまた考えたい。あるいは、選挙公報はもちろんですが、新聞紙などの折り込みというようなものによって周知徹底する。先ほども一応申し上げましたが、氏名掲示も当該投票所の前に行う。投票所の中に掲示をするということは、投票する場合に候補者を定める最も必要な条件であります。だが、市区町村で広く通りに掲示するということは、近ごろ困ることに、あれにいたずらをするいたずら者が所々方々にふえてきたのです。そうしてその掲示してある党派別の党名を変えてみたり、あるいは名前から党名について棒を一本引っぱって消してしまう。これはりっぱな候補者で、あとから辞退したというようなものじゃないのです。従って、これは選挙無効の原因にもなってくるのであります。これは、掲示をしますと、そのあとは昼夜分たず表の掲示した掲示板を始終ぐるぐる見回っていなければならないというような問題を起しているのであります。それほど外の掲示が有効に扱われているかどうか、むしろ労力の点の方が多いのではなかろうか、従って、今も一部お説のうちにありましたように、ほかの方法をもって周知をすることを考えたらどうかというように考えてとりあえず今二、三の例をあげてみたわけであります。

竹谷源太郎日本社会党

○竹谷委員 選挙管理委員会としては、なかなかこれはお手数なことと御苦労さまに存ずるのでありますが、これは都会や町場ではもうやめてもいいかと私は思うのです。ただ、不便な農山村に行きますと、この間も、実は私の選挙区なんですが、今まで選挙に一ぺんも行ったことのない部落に行った。そこには去年分教場のりっぱなものができて、子供が六、七十人。百戸ぐらいある。それで、村の中心の役場や郵便局のあるところから二里半、今まで自動車も通じなかったので、われわれも行かなかったわけです。そうして、そこにはやっと分教場はできたが、電話もないのです。だから、急病人ができた場合に、お医者を呼ぶにもまことに困るわけです。それから一キロぐらい離れたところに、従来の部落と、それから開拓民も入って十五戸ぐらいあるが、まだ無電灯部落というようなところがあるのでありまして、そういうところでは、およそ新聞をとっている人も少いし、ラジオを架設している人も少い。そういうことになると、そういうところの住民は、選挙公報以外では、なかなか候補者の名前も——それは、注意して見れば、どこかで見ることができるわけでありますし、ラジオもどこかでやっておれば、聞けばいいわけなんですが、そこまで選挙民は熱意を持ってこない。そういうときに、やはりその部落に一カ所くらい掲示板があれば、立ちどまって見て、候補者の名前なりあるいは党派を見る。ラジオで音では聞いておったが、文字がわからない、こういうふうでありますと、記号式ならばよいが、現在の氏名を自書するという投票の方法では、なかなか候補者の名前も完全に書くこともできないということにもなる。この点は、都会や、町場や、普通われわれの往来するところでは問題はないと思うのですが、そういう地帯も日本には非常に多い。また開拓民もずいぶん方々に散らばって入っているのでございますから、この問題を考えるときは、選挙管理委員会とされても、また自治庁でも、それにかわる方法か何かを考えた上で廃止する必要があるのではないか、こういうふうに私は思うのでありまして、十分御検討をお願いしたいと思う次第でございます。  それから、第二の選挙管理委員会制度の中で、選挙管理委員会には事務局を設け、もしくは専任職員を置くという問題、これは持っているに越したことはないし、ことに県なり市町村の公務員が選挙の事務を片手間に兼ねておるということは、選挙の厳正なる、そして間違いのない執行の上からいっても支障がありますし、それから、場合によっては、政治的勢力によって公正を欠くようなことを事務職員がするということもなきにしもあらずでありますから、事務局なり専門職員の設置は最も望ましいのであるが、地方財政上許されないのが現状であろうかと思う。こういう場合に、私は、やはり、専門職員でなくとも、選挙に関する仕事を主とする職員ぐらいはぜひ望ましい。年中選挙があるわけではありませんから、選挙事務の余裕のあるときをもつて、県なり市町村なりの事務を補助するという、今とは逆の方法で、いわゆる選挙を主とする公務員を一人なりあるいは何人かなり置いて、それの方を主にする、そして余裕がある時間で、県庁なら地方課の仕事、市町村なら庶務なり税務なりの仕事をする、こういうことにさせることは、同じ経費で、選挙事務の公正なり、あるいは間違いがないように防止する多少の役立ちがあるのではないか。現在の財政をもって、選挙事務がよりよく行われるような効果を上げ得るかどうか、この点に関しまして、自治庁当局の方はどうお考えでありますか、御意見を承わりたいと思います。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子説明員 お尋ねの点でございますが、われわれといたしましても、できますれば専任の職員制を確立いたしたいと考えるわけでございますが、御承知の通り、地方財政の現状からいたしまして、現在、県庁の地方課におきまして、行政係が選挙事務を兼ねておるような形になっております。でありますから、別個に行政係から離して選挙係を一つ設け得られるかどうかという点でございます。そうした場合に、果して適任者が得られるかどうかということも考えなければならぬと思います。ただ、現在の姿で選挙係長という名称に切りかえ、あわせて平素は行政の事務をやるということになりますれば、現在と実態は変らないのでございます。その辺のところで、財政上そのような措置を講ずるかどうかということは、非常にむずかしいのであります。やるといたしますれば、国の経費でそのような機構を確立するということを、地方財政と切り離して考えなければならない、このように考える次第でございます。

竹谷源太郎日本社会党

○竹谷委員 今の兼子選挙部長のお話は大へんおもしろいと思います。ある程度は国庫から交付金を出さなければならないのであります。選挙事務は最も重要な国家事務でありますので、その事務費は国費で負担する、そして国家公務員にする、それで県庁の事務を補助させるということになれば、その公務員の考え方が非常に違ってきて、公正になる。そうすれば、地方の選挙等も、政治的な事由に左右されずに、少くとも市町村なりあるいは県に一人以上の国家公務員で、専門に選挙を公正にやるという誇りある責任を持った公務員がそこにおって、それが中心でやるということになれば、あとの補助者は、県の職員であり、あるいは市町村の職員である。あるいは選挙管理委員の中に不公正な人はまあないとは思いますが、あっても、その下にあって、中心となって選挙を執行する事務職員が確固たる態度でいくということになれば、選挙の公正確保の上に資するところ非常に多いと思うのであります。この点は一つ十分自治庁でも検討してもらいたいと思います。  それから、笹川さんにお尋ねしたいのですが、いろいろ選挙の啓発運動をおやりになっておられるということで、御苦労さまに存じますが、その場合は、費用なりあるいはそういう会合を主催する主催者、またその経費、それらのものはどんなふうにしておやりになっておるか、参考までにお尋ねしたいと思います。

笹川加津惠新潟県選挙管理委員会委員長

○笹川参考人 大体一つの計画を立てまして、その計画について、私どもの方では自治課と申しますが、そこの課長を初め、選挙の方のことは支庁でもやっておりますが、そこの人と話し合いの上で、一つこういう計画だが、こういう予算をとってもらえないか、当初予算の場合はもちろん私どもの計画を出しまして、そして逐次その際費用をもらっておるという格好でございます。ただ、新潟県のごときは赤字財政の最もはなはだしい県でありますので、実は思うようには参らぬのであります。ことに課長あたりが板ばさみになって、選挙管理委員会の方では、ぜひこういう問題をやれ、あるいは常時啓発にこういう計画を立ててやれというふうに言っておりましても、その上に総務部長、副知事あるいは知事がおりまして、なかなか私どもの思うようにはいきません。ただ、計画の何分の一かは、そのつど経費を計上してもらってやつておるというような現状であります。やはり、これは、今おっしゃったように、金の面は国の委託費としていただくならば、県庁の職員でもけっこうでありますから、単品に責任者を置いて、あとは自治課なり地方課なりの職員を使ってやり得るのであります。

竹谷源太郎日本社会党

○竹谷委員 そうすると、今県費ですか。

笹川加津惠新潟県選挙管理委員会委員長

○笹川参考人 はあ、県費でございます。そんな格好になっておりますので、どうか一つよろしくお願いいたしたいと思います。

山本利壽自由民主党

○山本(利)委員 ちょっと関連して兼子部長にお尋ねしたいのですが、選挙管理委員会の費用はこの交付金の中にまぜて出しておるのだけれども、大体どのくらいを選挙管理委員会の方に回さねばならぬという明示があるわけですか。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子説明員 現在選挙管理委員会の経費は、これは府県の機関でございますから、その委員さんの費用とかある  いは事務局で使う費用につきましては、交付税の方で計算をいたしております。それから、選挙管理委員会がいわゆる常時啓発にやります仕事の経費の問題が先ほど来問題になっておるのでございますが、これも、現在の建前は、二十九年から地方交付税の中に一億円という計算がされておるわけでございます。この実現が、地方財政が窮乏化したために、府県におきましては全体の計算で四千万円の計算になるわけでございます。府県人口一人当り八十銭、市町村人口一人当り一円二十銭の計算でいたしておりますので、府県が四千万、市町村が六千万の計算が入っておるわけでございます。その実現が四千万のうち千八百万というような数字だつたと思いますが、この前の委員会でお等えした通りでございます。そのような形になっておりますので、現在はともに交付税で処理されておるわけであります。そのほかに、衆議院議員の選挙、それから参議院議員の選挙につきましては、これは国の選挙でございますから、それに要します経費は国の方から委託費の形で選挙のつど流れるわけであります。

山本利壽自由民主党

○山本(利)委員 私がお尋ねしたいのは、今は交付税の中に加えてあるが、その場合に、大体これだけは選挙管理委員会で使うべき金だという、その金額が指示してあるのかどうか。それが指示してあれば、それに対して実際にこの県ではこのくらい使った。指示しただけ全部行っておれば文句はないわけだけれども、私の懸念するところでは行っていないのじゃないか。貧しいものだから、ついほかに使われてしまう。そこの関係はあなたの方ではよく御存じかどうか。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子説明員 先ほども申し上げましたように、交付税の計算では、一人当り府県八十銭それから市町村一円二十銭の算出基礎を持っているのでありますが、交付税の性質上、これは一般財源として処理をされますので、それをどういうふうに予算化するかということは、それぞれ公共団体の長の権限に属するわけでございます。従いまして、選挙管理委員会としての算出の基礎はそうなっておっても、その予算化が非常にむずかしいということで、先ほど来お話が出ておる次第でございます。

山本利壽自由民主党

○山本(利)委員 その場合に、大体その予算基礎を算定してあるのに、実際それだけ使っていないという。その実際に使っておる選挙管理委員会の方べ回した金と、それから予算基礎と、その差額がどのくらいであるか。どの県ではどうであるかということは、あなたの方で全部出ておりますか。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子説明員 この前トータルで申し上げましたが、当初予算において府県で四千万の算出基礎のうち千八百万くらいだったと思います。それで、府県によりましては、常時啓発を当初予算に計上していなかった府県もあったと思いますが、財政が窮乏して参りますと、このような非常にアンバランスの事態になってくるのでございます。私どもの方からこれをこの程度計上しろというふうなことは指示をしておりません。交付税の性質上、これは地方にまかされておる問題であります。

山本利壽自由民主党

○山本(利)委員 そこのところがまことに私はおかしいと思う。予算を立てる場合の基礎金額は、大体この問題にこれだけ使わなければならぬということで立てておきながら、それがほかへ回ってしまう。そして、あとからそれに対して何らの監督というか注意というか、いろいろなことをしないで、それを一括してやったもんだから、地方の方では当然思うように使っていいのだというのでは、まことにここのところがおかしいとわれわれは思うのですが、そのつど、あなたの県においては、この選挙管理委員会の方へ回すべき金がそれだけ行っていないということに対して、効果はなかったかもしれぬけれども、そのつどあなたは係として注意していらっしゃるかどうか。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子説明員 交付税で計算をされますので、現実に金が行くわけではないのであります。ただ、その個々の団体の方では、交付税を配分する場合に、この団体ではこれだけの経費がいるという基準を算出するわけであります。一方、基準収入の算出もいたします。税の方があるいはそれ以上入るかもしれませんが、そういう算出をいたします基礎にその金額が入っておるということでございまして、従いまして、いわゆる不交付団体、東京とか大阪とか、市では二百数十あると思いますが、そのようないわば交付税法上財政力豊かな地方団体には交付税は行かないわけであります。そういうとこるほ非常に予算化がむずかしいということは、一方あるわけであります。

山本利壽自由民主党

○山本(利)委員 それでは、交付税の行くところではいい。行かないところに対しては、あなたの方から文句は言いにくい思うのですが、そこ参考人の方にお聞きしたいのですが、実際に 富裕県において この選挙管理委司会関係の方へ回す費用が少いのか、あるいは、実際においては、交付金の方の予算の基礎を、選挙管理委員会の方で使う金のことも考えて出した——そういう貧弱県というと言葉が悪いかもしれぬけれども、そういう方においての管理委員会へ回る金が少いのか、そこの実情はどういうことになっておりますか。

笹川加津惠新潟県選挙管理委員会委員長

○笹川参考人 この問題は、ここで常時啓発の予算計上額調べというものを差し上げてありますが、これで、各都道府県では、お前の方ではこれだけの有権者がいるんだから、一人当り八十銭ずつ常時啓発費用に使ったらどうか。一億円というものは、国の方から、これは常時啓発費の費用に使ってもいいということになっておりますから、そうしますと、大体有権者の割当によりますと、北海道はこれくらい、新潟県はこのくらい、青森県はこのくらいというふうに基準がいくわけです。そうすると、そのものをそっくりいただけば何も不足はないのです。事実各府県の財政状態による場合もあります。また知事の熱意いかんにもよります。また選挙管理委員会のそのときの交渉のいかんにもよりまして、なかなか、実際、これだけ一つほしいといっても、これが目的通りにちょうだいできないのであります。知事が県会へ発案するまでは、課長あるいは総務部長あたりと数次の交渉をいたしまして、そのつど、こういう計画があるから、どうか、これを一つ予算に計上してもらいたいというような格好にいっておるのであります。全く話はいいのでありますが、絵に描いたもちと申しますか、実際使う金というものは微々たるもので、各府県によりましては、使う金を一文も県で計上してくれなかったという県がございます。全国の選挙管理委員長会議には、あなたの方は一体幾ら予算に計上してもらったかと、おのおの発表される。そうすると、何もとれなかったというような委員長は、実に肩身の狭い思いをするのですから、そこを一つ、国家から委託費としてこういう基準でいただくならば、われわれも大へん楽だ。また思い切って一つこれに努力を傾けることができることになるのであります。

山本利壽自由民主党

○山本(利)委員 この選挙管理委員会が十分なる活動をしていただくには、費用がいるということは当然なことである。しかも、その費用の出し方において先ほど来伺いますと、まことに遺憾の点があるという。これでは実際の活動はできないと思います。それで今度の要望も出ておるわけでありますが、これに対して、これは、兼子さんの方にも、自治庁の方に向っても、当然今度の決議、あるいは平素においても要求があったと思うけれども、明年度の予算編成について今しきりに各省とも折衝しておるようでありますが、どういう工合にやっておるか、その実現を期しておられるかどうか、その点について……。

青木正自由民主党

○青木委員長 山本君にお諮りしますが、参考人に対する御質疑が終ったあと、今のお話の点がこの前の委員会で決議になっておりますので、それは別にその問題だけを取り上げまして、そして自治庁並びに大蔵省当局から明年度予算の関係は質問しよう、こういうことになっておりますが、そのときでよろしゅうございましょう。

山本利壽自由民主党

○山本(利)委員 了承しました。

青木正自由民主党

○青木委員長 参考人に対する御質問はございませんか。——なければ、次に、過日本委員会において決議を見ました、選挙の常時啓発費の財政措置に関する件について、その後の経過等について関係当局より説明を求めることにいたします。自治庁の兼子選挙部長と大蔵省の相澤主計官が参っております。  なお、参考人の皆さんには、御多忙のところ、長時間にわたりまして貴重なる御意見の御開陳をいただきまして、まことにありがとうございました。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子説明員 先ほど山本委員からも御質問になりました問題ですが、従来は、常時啓発費につきましては、御承知のごとく地方交付税で処理をされておつたのでございますが、その金額が一億円——市町村一円二十銭、府県八十銭の人口割の計算をいたしておったのであります。しかしながら、地方財政の窮迫とともに、選挙管理委員会において、これの予算化が非常にむずかしくなったということからいたしまして、本年八月二十三日に、この委員会におきまして、御承知のごとく決議がされたわけでございます。その御趣旨に基きまして、自治庁といたしましても、常時啓発の仕事は、従来は府県の経費でやっておったのですが、選挙を公明化するということは国の仕事ではないかということからいたしまして、国費で委託費として府県、市町村にお願いしよう、このような考え方のもとに、三億円を大蔵省に予算要求しております。その考え方は、都道府県につきましては、講演会、座談会、それから公明選挙のつどい、それから小団研修、協議会、宣伝幕、立看板、文書の印刷費、映画、スライドの作成費、表彰費、事務費等でございますが、一府県当り大体三百六十三万円を算出いた価しましてこれが全府県で一億二千百万円ばかりになります。それから、五大市が、同様な根拠でいきまして、中身は若干違いますが、一市当り百万円になります。それから、市が、その後数がふえたのでありますが、要求をいたしました当時は四百九十一市、それに東京の特別区二十三区を加えまして、二十万五千円ばかりの算出基礎に対しまして、五百十四地区について計算いたしますと一億五百万ばかりになります。他は、町村でございますが、町村は、印刷物等府県で相当作成いたしますので、町村の小団研修、それから回覧板、そのような経費におきまして一万六千円程度を計上いたしまして、これが六千八百万、合計府県が一億二千万に対して、市町村が一億八千万ばかりということに相なるわけであります。このような予算の要求をいたしておりまして、九月の上旬に大蔵省の方に提出をいたしました。九月の十八日に主計局の事務当局に対して私から予算の説明を行いまして、十月の上旬に自治庁長官から大蔵大臣に予算の説明をいたしてございます。まだ予算の内示がございませんが、昨年でありますと、正月早々になって、どれだけ予算を認めるかという内示があったのでございます。現在このような段階に相なっております。

相澤英之大蔵事務官(主計官)

○相澤説明員 ただいま選挙部長から説明がございました通り、私どもの方に自治庁当局から三億円の常時啓発の委託費の要求がございます。従前の地方交付税の算定基礎に相なっております常時啓発の一億円をこの委託費に振りかえてほしいという御要求のようでございますが、私どもの方は、まだ説明を聞きまして事務的な査定をしておる段階でございます。それで、省内としてもまだ十分に意見をとりまとめておりません。この前の本委員会の決議の御趣旨もございますので、慎重に検討いたしたいというふうに考えます。

山本利壽自由民主党

○山本(利)委員 大蔵省の方にお願いするのですが、先ほど来全国の選挙管理委員会の方々からもるるお話があったように、この点については非常に困っている実情だと考えるのです。また、われわれが実際選挙をやります場合にも、あるいは各方面を視察して回った場合にも、この点については何とか国家において処置されなければならぬ費用でありますから、この点は大蔵省側において十分の御理解がないと実現しない。日本の政治の浄化であるとかいろいろ叫ばれておるけれども、それを達成するためには、選挙管理委員会の常時活動を盛んにして、一般民衆のこの方面に関するところの知識とか常識とかというものを高めておかなければ、いつまでも違反が出て、それに対して、また、捜査であるとか、告発であるとか、いろいろな点においてずいぶんの手数がかかってくる。これは全部国家の費用を増すばかりでありますから、その点について、こういう問題は、社会保障方面において、医療保障に予防措置ということをこのごろやかましく言っておるのと同じ関係に立つと思うのであるから、一兆億円をこえる国家予算からいって、わずか三億円程度のことはまことに僅小なものであると考えますから、十分予算査定においてはこの点について御尽力をいただきたいと思う。これは、くどいようでありますが、今まで省内の大体の御意見は、今その準備中であるとか、協議中であるとかいう段階でありましょうけれども、この問題に対する重要性を果して主計局その他において考えておられるのかどうか。今まで一億円であったから、今度も一億円ぐらいにしておいたら十分ではないか、三億円なんてだいぶ水増しがあるから、ここらでちっとはねてもよいといったようなことに落ちつきやすいと思う。そんなことでは、せっかく日本の選挙の浄化ということが叫ばれており、それを推進しようという空気が世間に高まってきたときに、それを阻害するものであると考えるが、本日御出席のあなたから、それに対する御所見をいただいておきたいと思う。

相澤英之大蔵事務官(主計官)

○相澤説明員 私、実は最近地方財政の担当にかわりましたばかりでございまして、従来の経緯は前任者から聞いておる程度でございますので、必ずしも十分詳しく承知しておりませんが、常時啓発の必要性につきましては、私事務当局といたしましても十分考えておる点でございまして、それが、二十九年度以来、交付税の算定基礎に一億円の常時啓発の費用を計上するようになったということに現われておるのかと存じます。ただ、先ほど来お話がございました通り、交付税の算定基礎となっておる経費、たとえば今の常時啓発の経費でございますが、これが現実に都道府県ないし市町村の予算に具体化されない。従って、一億円見ておきながら、実際には四千万円程度にしかならない。この問題につきましては、いろいろな点で、ほかに関連する問題があるわけであります。と申しますのは、地方交付税法の第三条の二項におきまして、「国は、交付税の交付に当っては、地方自治の本旨を尊重し、条件をつけ、又はその使途を制限してはならない。」こういうふうに書いてある。これはまさに交付税の性格をよく現わしているものでありまして、交付税の算定基礎に一億とあるからといって、たとえば、自治庁が、公明選挙の費用に一億円を必ず都道府県ないし市町村は組まなければならないということを指示することはできないわけであります。これは他の経費につきましても同様なのでございます。ただ、第三項におきまして、「地方団体は、その行政について、合理的、且つ、妥当な水準を維持するように努め、少くとも法律又はこれに基く政令により義務づけられた規模と内容とを備えるようにしなければならない。」つまり、この選挙管理委員会の経費につきましても、都道府県ないし市町村のいわば固有事務に、これは地方自治法によってなっておるのでありまして、その本旨を生かすためには、その所要の経費を十分に計上しなくちゃならないということになっておるわけであります。この点におきまして前の使途の制限あるいは条件をつけてはならぬという点と相補っているかというふうに考えられるのであります。そこで、委託費三億円の御要求につきましては、先ほど私申し上げました通りに、まだ省内においての検討の段階でございまして、どのような形になりますかは、これは閣内及び省側との折衝の問題がございますので、今ここにはっきり申し上げる段階に至っていないことを残念に思うわけでございますが、委員会の決議の御趣旨もございますので、それを十分に慎重に検討したいというふうに考えております。ただ、交付税に計上しました算定基礎となっておりますもろもろの経費につきまして、それが現実に予算化されていないという理由で、全部補助金とかあるいは委託費に振りかえていくということになって参りますと、都道府県ないし市町村の事務がいろいろと広範囲に広がっていくという形になります。そうなりますと、地方自治の原則と根本方針と申しますか、それに多少抵触する面があるのじゃないか、非常に障害があるのじゃないか、また交付税の本来の趣旨というものも殺される面もあり、そういう点で、これはほかの問題とも関連がありまして、問題があるのじゃないかというふうに、私個人としては考えております。

青木正自由民主党

○青木委員長 私からちょっと一言選挙部長また相澤主計官にお尋ねしたいのですが、ただいまの選挙部長のお話ですと、今度委託費三億円を要求する、これは交付税を委託費に切りかえるというようなお話であったのですが、本来常時啓発については国も責任があるが、同時に地方公共団体も法律によって責任を持っておるので、両方ともその費用を持たなければならぬ、こういう建前である以上、やっぱりただいまの相澤主計官の説明のごとく、交付税の算定の基礎の中にも当然に常時啓発の費用を入れなければならないし、そうすると、交付税と委託費と両建でやるというのが本来の筋じゃないかと思うのですが、そうせぬで、交付税はやめてしまって全部委託費にするということになると、実際の支出の面から見ても、また筋を通す意味から見ても、両方出すというふうにせぬとおかしいのじゃないか、こういうふうに思うのですが……。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子説明員 先ほどのお尋ねの点にもありましたが、交付税の現在の算出基礎一億につきましては、これは従来通りの考え方を持っております。ただ、一億の要求を切りかえたと申しますのは、毎年予算の要求といたしましては、そのほかに一億円要求をしておったということがございますので、それを三億に増額をいたしておる、このような次第であります。

井堀繁雄日本社会党

○井堀委員 大蔵省にちょっとお尋ねをいたします。今の六条の常時啓発の問題ですが、これは、地方交付金の中で一部まかなえるか、また委託費の形にするのがいいかという問題には、いろいろ議論があると思うのですが、そのどちらがよいかということの判断は、役所の場合には、一体、自治庁がそういうものに対して一応の見解を立てて、大蔵省はどの程度そういう問題に対する——予算の額の問題はとにかくとして、どういう形式を妥当とするかというような判断を、これから行政庁の間で話し合いをなされるわけですが、どちらにそういう問題の判断の中心を求められるのか、行政庁のそういう関係について、この機会にちょっと聞いておきたい。

相澤英之大蔵事務官(主計官)

○相澤説明員 これは、交付税の算定の基礎になっております経費につきましては、交付税の額に、これは正確に申しますとそうではないかもしれませんが、関係がございます。それから、委託費になりますと、委託費として交付税と離れる一つの事項として上ってくるわけであります。そして、これは、他の経費の要求と同じように、各省庁の要求をまとめまして、事務当局で検討し、また内示、復活交渉、その他の点における折衝の段階を通りまして、きまってくるわけでありまして、どちらが最終的に決定するかというその辺は、ちょっとどちらがきめるというような問題ではないのではないかと思います。

井堀繁雄日本社会党

○井堀委員 私の伺っておるのは、この六条の関係のことを聞いておるのです。常時啓発に対する費用を適用するということを、一応国会では意思決定したわけです。それをあなた方に実行してもらわなければならぬわけです。その実行してもらう場合に、一体、行政庁としては、どちらの判断が、そういう問題を左右する上にウェートを持つかということは、非常に大事なことなんです。これから御相談なされるわけで、われわれは干渉しようとは思いません。しかし、われわれの意思を尊重してやってもらわなければなりません。それがそこなわれるような結果になりましてはいけませんから、前もって——もっと突っ込んでお聞きするとよくわかるでしょう。私どもの判断からすれば、選挙管理委員会の要求を自治庁が受けて、やはり行政庁は国会の意思をできるだけ曲げないようにすべきだということは、これは何人も異存のないところだと思います。ところが、実際問題となりますと、大蔵省の予算に対する——今までのわれわれの審議した経過の中で、今もあなたがちょっと発言されておりましたように、交付金の性格と、今われわれの要求しておりますものとの性格を混同されてはいけないと思う。今あなたはそういう特段の説明があったから、お尋ねしておるわけです。これは、交付金の性格とは別個の要求を、選挙法の第六条によって、国会はしておるのです。これは、日本の場合にとっては、議会政治を、あるいは民主政治を育成していくためには、一番重要なものだと考えるのです。国会みずから地方に出ていろいろ実際に調査もやり、今も参考人の意見を伺っておるように、一番大きく欠けておるものは、やはり日本の政治情操を育成していくというところに、あらゆるものが集約されてくるのではないかということは、大体一致した調査の結論なんです。それを実現するためには、第六条の法律の精神を実現させたいという結論になったわけです。だから、額が多くなるが少くなるかという問題は、大蔵省としては、全体のやり繰りの間でいろいろな意見が出てくることについては、われわれは想像できる。しかし、その使途の性格についてまで一体大蔵省が入り込んで発言し得るものであろうかという疑いを持っておる。こういう点に対して、この機会に大蔵省と自治庁のはっきりした見解を伺って今後の成り行きを見守っていきたい、そういう意味でお尋ねしているのですから、はっきり一つ御答弁願います。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子説明員 六条の常時啓発の経費につきましては、二百六十一条の二の規定によって、「左に掲げる費用については、国において財政上必要な措置を講ずるものとする。」このような規定に相なっておるわけでございます。これで現在は交付税で処置をされておるわけでございますが、委託費に切りかえまする場合に、この規定でいけるかどうかという問題が一つあろうかと思います。われわれといたしましては、従来、財政上必要な措置を講ずるというのは、交付税で必要な措置を講じてもよろしいし、委託費という方法によってもよろしいのじゃないか、このように解釈をいたしておるのでございます。この解釈につきまして、政府部内にもし食い違いがありますならば、必要な関係の規定を改正いたしたい、このように考えております。

井堀繁雄日本社会党

○井堀委員 選挙部長の答弁はまことに異なことを言っておる。そうじゃないですよ。交付金でいけば、さっきから御説明がありましたように、これは、交付金に関する法律の規定に基いて要するに自治の自由裁量というものは大幅に保障しておる。一定の金額を自治に配分したら、その配分の内容については制限をしてはならぬという精神があるわけです。これはあなたが一番よく知っているように、選挙法第六条に規定しているのは、常時選挙に関係したことだけではありません。教育啓蒙の広い範囲の活動が必要だということは、選挙法の重要な部分としてあげられておる。われわれが選挙法を審議する際にたびたび問題になるのは、やはり選挙の公正、厳正に行われるためにはどうすればいいかということです。一つには、もちろん選挙法によって競争を規制していくということがあるわけです。他面には、選挙法の協力を求めるというところに、選挙法の大切なところがあるわけです。それはやはり啓蒙宣伝に待たなければならぬ。それが一番よい方法である。その啓蒙宣伝のための経費を法律では出せということを規定しておきながら、地方交付金の中でこれがまかなわれているという矛盾がつかれているわけです。もちろん、私は、地方交付税の中でこういう問題を扱ってはならぬという意見は、毛頭申し上げておりません。地方自治を尊重することは、自治内における啓蒙宣伝の範囲のまた異なった自主的な道もあるかと思う。しかし、今われわれの審議している当面の選挙法改正の問題は、全国一斉に行われる啓蒙宣伝の問題なんです。ある地区においては全然行われない、ある地区においては活発に行うということがあってはならない性格のことを論破してきたわけです。でありますから、交付金によってこの費用をまかなうという考え方は、前提としてくずれているわけです。委託金としてやるか、あるいはどういう形式で予算を組むかということは、これはやはりわれわれの意思も国会の意思もきまってないわけです。ただ、独立した予算を必要とするということの意思は出てきておる。この問題については、あなた方の考え方を今われわれ見守っておるわけです。どういう意見が出てくるか。もし交付金の中でこれをまかなうということになると、従来と変らない。金額をふやすかふやさないか、額の問題になるだけだ。この点は、僕は、今までの国会の意思に対する自治庁の見方、見解というものは一体どういうことかという疑いを持っておる。もう一ぺんこの点に対して選挙部長の見解を開いておきたい。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子説明員 従来の第六条の常時啓発の経費につきましては、御承知のごとく交付税で処理をされているわけでございます。その法的基礎は二百六十一条の二の規定によっておるわけでございます。ただ、それでは、常時啓発の仕事は、府県市町村の仕事だけではなく、国も重大な関係を持つ仕事ではないか、国の性格が強いのではないかということからいたしますれば、交付税でまかなうということは妥当ではないではないか、このような議論になろうと思います。八月二十三日の御決議の趣旨も、そこから出発をいたしておると思うのでございますが、予算といたしましては、先ほど御説明申し上げましたごとく、委託費として三億を本年要求をいたしておる次第でございます。

井堀繁雄日本社会党

○井堀委員 兼子選挙部長の答弁は、わかったような、わからぬような一いろいろあるでしょうが、しかしこの際はっきりする必要があると思う。行政庁がどういうふうに考えるかは別の問題ですが、国会の意思は尊重してもらわなければ困る。ここで取り上げられた趣旨は、あなたも今ちょっと触れられたように、きわめて明確なんです。交付金の内部でまかなえる経費というものには、いろいろな矛盾もあり、不合理もある。その不合理を要するにこの際排除して、六条の精神を生かしたいというところにあるわけです。この精神にこたえられるような予算を要求してもらわないと困る。この点を私は特に自治庁にもはっきりしてもらい、あるいは大蔵省も、そういう国会の意思に対しては十分尊重する立場に立って、予算編成について話し合いをしてもらわなければ困る、こういう意意でお尋ねをしたわけであります。はき違いされては困る。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子説明員 おっしゃるような御趣旨で予算の要求をいたしまして、大蔵省に説明をし、現在査定の最中の段階になっておる次第でございます。

青木正自由民主党

○青木委員長 他に御発言がなければ、本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十七分散会

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