公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第23号
- 発言数
- 28 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/04/20
会議録
○小澤委員長 これより会議を開きます。 前会に引き続き、内閣提出の公職選挙法の一部を改正する法律案、中村高一君外三名提出の政治資金規正法の一部を改正する法律案、中村高一君外四名提出の公職選挙法の一部を改正する法律案、以上三案を一括議題といたします。 質疑を継続いたします。青木正君。
○青木委員 今回の公職選挙法改正案の趣旨、目的とするところは、もっぱら衆議院における小選挙区制度採用に伴うものになっておりますが、先般も当委員会におきまして、衆議院選挙の関係と参議院選挙の関係についての論敵があったのであります。またこの法律は、むしろ小選挙区法としての単行法で出した方がよかったのではないかというような御議論もあったようでありますが、現在参議院選挙につきまして、普通選挙が目前に迫っておりますので、改正することはもちろん困難と存じますが、早晩、小選挙区制度採用に伴いまして、参議院制度につきましても検討する必要があるのではないか、かように私ども考えるのであります。それからまた、私、この問題は先日も御質問申し上げたのでありますが、地方議会つまり都道府県議会の選挙につきましても、町村合併に伴い、また今回の小選挙区制度に関連いたしまして、当然何らかの改正を要するのではないかと思うのであります。こういう問題につきまして、政府にどういう心構えでおられるか。具体的に申し上げますならば、選挙制度調査会に、こうした地方議会についての選挙制度につきましても、諮問なさるような御意向があるかどうか、また政府内部におきまして、何らか具体的な検討を進める御準備がありますかどうか、その点を承わっておきたいと思います。
○太田国務大臣 今回の小選挙区制度の改正に関連して起る問題は、どなたもお考えになるように、参議院制度をどうするか、それから府県の問題につきましては、府県の区域の方が、小選挙区の区域より広いところも相当あるということを考えつつ、府県制度についても改正をすべきではないかということかと思います。 参議院制度につきましては、よく全団議員がどうとかいうような説もあるのでございますが、今回取り上げられたのは、単行法として衆議院議員選挙だけ抜きましてやるのがけっこうと思いますが、それができなかったものですから、公職選挙法の一部改正になりました。参議院選挙につきましては、もちろん今度の選挙が済んだ後におきまして、十分考えていきたいと思います。 それから府県の制度、ことにだれも考え及ぶ小選挙区制度の区割りよりももっと広い区域内において、県会議員の選挙等があるじゃないかという点から、これにも小選挙区制度的のものを持ってくるのじゃないかという御説も承わっております。参議院選挙といい、府県会議員選挙といい、衆議院選挙と相当違った点がございますので、今回はこれを切り離しました。しかし、もちろん府県に小選挙区制度をしくというような考えは今持っておりませんが、ただし、現状がいいかどうかということにつきましては、よくその点も調べまして、改むべき点は改めたい。また、その点につきましては、選挙制度調査会等に諮問するかということですが、今すぐ、時の点ではっきりとは申し上げられませんが、諮問してやっていきたい考えでございます。
○青木委員 府県会議員選挙はたしか昨年行われたのでございますが、県によりまして、あるいは来年とか再来年あたり行われるところがありますかどうか、選挙部長にお陶きいたします。
○兼子政府委員 府県会議員選挙は全円一律でございます。三年後に行われるわけであります。
○青木委員 府県会議員の選挙の一番不合理な点は、御承知のごとく、府県会成員の選挙区の区割りは郡市の区分になっておりますので、ところによりますと、郡が一ヵ村しかなくなってしまうところもありますので、これも急速に適当な措置を講じてもらいたいと思うのであります。 それから今回の改正案につきまして事務的な点について二、三承わっておきたいと思います。これは経歴放送その他放送の利用が今回の改正案におきましても規定されておりますが、最近御承知のごとくテレビ放送がだんだん普及して参ったのであります。今回の公職選挙法の改正案には放送の規定がありますが、テレビ放送については何も規定がないのであります。これはテレビ放送も含む意味でありますか、その点をお聞きしておきたいと思うのであります。
○兼子政府委員 今回の改正案には、政党の政策放送につきましては、テレビ放送を含めたいという考えでございます。
○青木委員 法律の条文を見ますと、別にその点ははっきりしていないようでありますが、条文の解釈として、放送という用語に普通の放送並びにテレビも含む、こういう解釈をとっておるのでありましようか。
○兼子政府委員 現行の法の解釈からいきまして、録音ということはございませんので、政策放送の方につきましてはテレビも入れ得る、これはやっていきたいと考えております。
○青木委員 これは条文の解釈でそういうふうに認めるというお話でありますが、何か他の法律でそういう用語を用いた場合、テレビも含むのだというような解釈が行われているかどうか。また郵政省方面の考え方はどうか、そういう用語でテレビが含まれるのかどうか、その点もはっきりしておいた方がいいのじゃないかと思います。
○兼子政府委員 「放送」という字句におきましては、テレビも含むわけでございます。
○青木委員 政党の政策放送の方に入っておりますが、個人の候補者の経歴放送は十回認めております。その経歴放送の面には、テレビは実際問題として含まないという解釈になるのでありますか。
○兼子政府委員 第百五十条におきまして、政見放送の規定でございますが、「その政見を録音し」ということになっておりますので、テレビを入れますと、さらに録映と申しますか、(「録画」と呼ぶ者あり)録画、そういう表現がないと、政見放送ではできない、このように解釈いたします。今回の改正案は、第十四ページでございますが、第二百一条の五の第九号の「放送については、次の区分による回数以内 但し、日本放送協会の放送設備を利用するもの」、この中にテレビの放送がございますので、この中で含む、このように解釈いたします。
○青木委員 解釈上の問題といたしましても、疑義があると困ると思うのであります。これに伴う政令をいずれ公布すると思うのでありますが、政令においてそういう点をはっきりするとか、何か疑義がないようにしておく必要があるのではないかと思うのであります。
○兼子政府委員 百五十条の先ほど申し上げました後段の規定で「その政見を録音し、」ということになっておりますから、政見放送にはテレビは入らないわけでありますが、今回の第九号の規定では全部入る、このように立法いたしております。それで、御指摘の放送規定の点でございますが、改正いたしまして、この法律が通りましたならば、テレビ放送につきましても規定をいたすことにいたしております。
○青木委員 その点はそれでわかりました。 もう一つ、政党演説会で、ビラの頒布に枚数、大きさ等何らの制限がしてないのでありますが、これは常識的に考えまして、一つの演説会でそう何万枚というようなどうを頒布することもあり得ないと思うのであります。しかし、考え方によりましては、演説会に頒布するビラは無制限であるというところから、会場にむやみにビラを配布する、それがまた各方面に散布されるというような危険がないとも限らぬと思うのであります。またポスターにつきましては、大きさの制限等がありますが、ビラについては、別段の制限もありません。ビラでありますから、およそ社会通念から見てわかるわけでありますが、そのビラに事寄せて、特別のきれいな絵はがきを配るとか、いろいろな問題が起きないとも限らぬと思うのであります。こういうこまかい点は、何も法律の条文に規定する必要はないかと「思うのでありますが、政令なり何なりで、やはりヒラについてもある程度の規制をしておく必要があるのじやないか、こういう考えもいたすのでありますが、お考えを承わりたい。
○兼子政府委員 この政談演説会の会場において頒布するビラにつきましては、従来からこの規定がございまして、従来通りの規定としてやっておるのでございますが、御指摘のごとく、ヒラということでもっと華麗なものを頒布するおそれがないかという御疑問でございます。そういう点につきましては、本来ならば、法律に規定を要する点と存じますが、なお研究いたしまして、できるだけ御意見の実現をはかりたいと思います。
○原(茂)委員 関連して。ビラの配の問題の前の放送の問題をちっともう一度お伺いしておきたいのです。九号の「放送については、次の区分による回数以内 但し、日本放送協会の放送設備を利用するものは、それぞれ当該回数の半数以内に限る。」こういう条項の説明があったわけであります。それで、この中にはテレビが入っておるのだというのですが、放送の概念からいいますと、いわゆる放送というものとテレビ放送と、二つにはっきりと区別ができておるわけです。これをただ、放送設備という言葉がここにあるからといって、テレビ放送設備もこの中に含むのだというと、今の電波法の中に出てくる放送法一切が、あるいは協会の予算の立て方に至るまで、令部この放送という言葉の中に一括しなければいけなくなってくる。現在では、ごらんの通り、放送とテレビ放送とは全然別個に予算を立てておるわけでしょう。こういうふうにはっきり概念的にも二つに分けるのが常識であり、慣例であり、しかも予算もそのようになっておるのに、ここに放送設備といったからといって、この放送の中にテレビ放送が入っておるのだというのは、少し行き過ぎな考え方です。非常に概念が混乱しておるので、もっと突っ込んで聞きますと、回数が(イ)(ロ)(ハ)(ニ)(ホ)できめてあるのだけれども、候補者の選択によって自由に、おれは六回なり四回なり、全部テレビでやりたい、片方は録音でやりたい、人によって自由に回数が選択できるということにもなるのです。これはやはりもっとフランクに、この放送というものの解釈は、単なる録音を中心にした放送だつたのだ、こういうふうに訂正されないと、こればかりでなくて、ほかの方へ非常に大きく波及して、あらゆる面を改正しなければいけなくなると思う。この点はもっと率直に、テレビ放送も入っているのだというお答えを、この際、今後研究するということに変えるか、間違いだと言いにくかったら、とにかくもう少し研究した後にこれはやる。こうしないと、今はっきり言い切られてしまうと、非常に影響が大きいと思います。
○兼子政府委員 その放送にテレビ放送を含むかということにつきましては、百五十条の解釈から申しまして、先ほど申し上げたような見解で、後段に「録音し、」ということが入っておりますので、現行法はテレビを含まない。それでこれをはずしました場合には、テレビを含むのだという解釈をとておつったのであります。ただいまの御意見によりまして、なお研究いたしまし会に訂正を申し上げたいと思います。
○原(茂)委員 研究した結果、もし訂正を要すれば次会にとこういうのですが、その場合は、この回数に関しても、はっきりした規定を、やはり内訳を設けて回答してもらいたい。
○兼子政府委員 放送の回数の問題でございますが、これは政令の放送規定の方で書くつもりをいたしております。従来もそういうことに放送規定の方でやっておりますから、テレビとラジオの回数は、放送規定で書き得るものと解釈いたしております。
○原(茂)委員 その放送規定で書く場合に、テレビで何回、録音で何回、こういうことをはっきり研究した後に回答してもらいたい、こういうことです。
○滝井委員 実はわれわれの方で、この公職選挙法の一部を改正する法律案を社会党として提案をする場合においても、今申しました放送設備の中にテレビジョン放送設備が入るか入らぬかということをいろいろ検討した結果、どうもやはり疑義があるという結論に達して、私の方の提案の六ページをごらんになりますと、『第百五十条第一項中「放送設備」の下に「(テレビョン放送設備を含む。以下同じ。)」』というように実はやったわけなんです。そして、同時に、さいぜんのあなたがおっしゃったように、今度は百五十条の『「その政見を録音し」の下に「又は録画により」を加え、』と、はっきりするようにしました。そしてなお「政見放送については、事情の許す限り、テレビジョン放送武備により放送することもできるように努めなければならない。」というように、割合明白に私たちの方はしたのです。というのは、どうもこれだけでは、今のように政府提案の方の法案の構成の状態から見て疑義が多く出てくる。回数その他についてもはっきりしない、というところでやつたわけなんです。そこで、これはやはり今のような政府の方の御意見であれば、少くともあそこにテレビジョン放送設備を含むというくらいなことは入れるか、あるいは政令でやるというのはなかなか問題があるが、最小限、そのくらいならばそうむずかしい修正でもないと思うのです。これはやはり政府の方で自主的に、自発的に、ここははつきりしてもらう必要がある、こう思うのです。これは太田長官からも、あとで御答弁願いたい。
○兼子政府委員 解釈につきましては、先ほど来申し上げている通りでございますが、これは法律で、テレビ放送は可能だという、ただいままで申し上げました解釈を申し上げているわけでございます。それで、実際の今後の選挙におきまして、テレビ放送をやるかどうかという点は、なお放送協会と十分連絡をいたしまして、その可能性の限度等を見た上で、放送規定の方で取り上げたい、このように考えております。
○原(茂)委員 今、法律的な概念としては、放送の中にテレビを入れるのだ、こういう御説明があつたのですが、実際の選挙にこれを使う滑合に、テレビの普及状態というものを考慮しないと、これはゆゆしき問題なんで、現在のままテレビを使うということは、事実上は不可能なんですよ。たとえばこの六月に参議院選挙で使うとすると、テレビは全国で十二万台しか正式には普及してない。こんな台数であって、これを選挙に利用されたら非常に不公平が起きるわけです。そうでしょう。ですから、実際には見える人と見えない人があるのです。ラジオの今の普及度合いというものは、絶対的なものです。テレビというものは、また非常に限られた少数のものですから、従ってもし選挙する人がどう選ぼうとしても、実際にこれが使われた結果は、あまねく公平に政見の発表というわけにはいかないのです。ですから、注意しておくわけですが、現実の問題としては、テレビをここに含めるといっても、選挙をへるときには、実際には不公平、不均等が起きて使用がむずかしい、こういうことも考慮すべきだと思う。大臣一緒に答えて下さい。
○太田国務大臣 放送につきましての範囲、解釈論が、いろいろ政府側の意見も出ておりますが、放送法の中での放送ということの定義は、『「放送」とは、公衆によって直接受信されることを目的とする無線通信の送信をいう。』何だかはっきりしたようで、少しあいまいな点もございます。従って解釈論が出ている。それから解釈を統一してというお言葉は、先ほど申し上げた通りであります。普及の程度につきましては、ふえ方は非常に足が用いように思います。しかもこれは十回のうち、どつちをとるかということになっておりますので、その点も考えなければならぬと思います。なお今ちょっと疑義の点もございましたから、この次までにはっきりと申し上げたいと思います。妙なことで、金持ち階級が云々といいますが、イギリスでこの間の選挙で初めてテレビを使ったのでありますが、私どもはテレビというのは相当上の人と思ったが、イギリスでは、ダービーを見たい人はダービーを兄にいくので、テレビなんか見ない、上流階級のものじゃないという判断もされておるので、国情によって違うと思います。こういういろいろな点を考えまして、この次のときまでにはっきり御返事を申し上げたいと思います。
○青木委員 テレビにつきましては、ただいまの質疑応答で大体わかりました。なお、十分御研究の上、現段階におきましては、テレビを使うことがどうかという御議論もありますが、当然これは早晩相当程度普及することが予想されますので、こうした施設も選挙におきまして十分利用できるように、そういう考え方に立って御研究をお願いいたしたいと存ずるのであります。 時間も参りましたので、私の質問はこれをもって一応保留しておきます。
○小澤委員長 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時三十三分散会