公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第2号
- 発言数
- 56 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1956/02/07
会議録
○加藤委員長 これより会議を開きます。 公職選挙法の一部を改正する法律案を議題として審査を進めます。 ―――――――――――――
○加藤委員長 本案は、第二十三国会に参議院が提出した議案でありまして、同会期中に本委員会において審査を終了するに至らず、今国会に継続いたしましたものでありますので、あらためて提出理由の説明を、聴取することを省略いたしまして、直ちに質疑に入ることにいたします。質疑の通告があります。順次これを許します。竹谷源太郎君。
○竹谷委員 一、二お尋ねしたいのでありますが、この改正案によりますと、選挙運動用の無料はがきは、それぞれ増加になりまして、ことに参議院全国区の場合には、候補者一人について六万枚、金額にすると一枚五円で三十万円ということで、供託金よりも十万円もこの無料はがきの値段だけで多いわけであります。これを他の候補者から譲り受けて悪用するというような危険性も考えられるのでありますが、これについて提案者はどうお考えになっておるか。また、この六万枚の無料はがきを郵送に付する場合、郵便局の特定あるいは投函された郵便局において、それぞれその枚数を各候補について記録を残して全国的に集めて、六万枚をこの候補者は超過しておらないかどうかというような取締りの完璧を期し得るやいなや。これはそれぞれ自治庁並びに提案者の御意見を承わりたいと思います。
○小林参議院議員 この無料はがきの売買というようなことは、従前においても心配がなかったということは申されませんが、このたびは枚数がふえるので、またそういうものが余分になるのではないかと御心配で、もっともでありますが、取締りそのものについては、別段前と変った措置がとられるというふうには考えておりません。いずれにいたしましても、相互自粛と申しますか、そういうことに期待するほかはない、こういうふうに考えておるわけであります。
○兼子政府委員 無料はがきの増加につきましては、お説のごとく増加する案になつておりますが、取締りができるかどうかという点は、従来もやっておることでありまして、その点は差しつかえないと考えております。
○竹谷委員 従来もやっておると申しましても、勝手に郵便箱に投函したり何とかやっているわけなんで、単なる罰則くらいでは、取締りの完璧を期し得ないと思います。同じスタート・ラインで、ハンディキャップなしに、フェア・プレイの選挙をやらなければならぬのでありますが、他の候補者は六万枚、ある候補者は十二万枚というふうに出しましたならば、やはりこれは人情で、選挙郵便をもらった有権者は、とにかくその人に投票を誘引せられる可能性が非常に強いのであのまして、この点、選挙違反として検挙された者がなかったのよ、そのような違反が真実ないのであるか、また取締りが困難で発見が困難なためであるか、どちらかであろうと思うのでありますが、その点に関してもう少し具体的な御答弁をお願いいたしたいと思います。――ただいまの無料郵便の取締りに関することは、次会に一つ詳しく具体的に御答弁をお願いいたしたいと思います。 次に、昨年の春行われました仙台市長の選挙の状況をみますると、選挙管理委員会の事務取扱いが不手ぎわでございまして、県の選挙管理委員会において選挙無劾の裁決を下している始末でございますが、これが故意にまで入っているのじゃないかと疑われるのであります。これは確たる証拠はないのでありまするが、不在者投票その他に関して非常に明朗を欠く事例があったようでございます。これにかんがみて、事務当局としては、そうした不在者投票等に関して反省をして改めなければならぬと考えられる点、あるいは選挙管理委員会の事務取扱いについて今後厳重な注意を要する点がないかどうか、これまた公正な選挙執行にとりまして重大な問題でございますので、御意見を承わりたいと思います。
○兼子政府委員 不在者投票の選挙管理事務につきましては、選挙管理事務関係者は非常に苦労の多い仕事でございますが、できるだけ不在者に投票させたいという理想からの制度でございまして、われわれ責任者といたしましては、選挙管理関係の職員に対しまして、府県別に、さらに、府県におきましては、市町村の職員に対しまして、講習会等の手段によりまして、十分に趣旨の徹底をはかって参りておる次第でございます。ただ、前回の地方選挙におきまして、御承知のごとく、仙台市長選挙におきまして、さような点について遺憾な点がございまして、あのような事件を起したのでございますがその後、そのような事例につきまして、各都道府県選管に対しまして、不在者投票の管理事務にこのような疎漏があった、注意をされたいというように、注意を喚起いたしております。なお、近く予想されます参議院の選挙に対しましては、その前に、そのような点につきまして、各都道府県にさらに事務の徹底を期したい、かように考えております。
○加藤委員長 島上君。
○島上委員 今度の法律案では、選挙運動の期間を五日間短縮すことになっておりますが、参議院の選挙は、御承知のように、全国区、地方区ともに、衆議院に比べれば比較にならぬほど、広範囲の地域にわたって運動をするわけであります。従って、普通に考えますと、運動の日数はむしろ衆議院に比べて相当長期にわたることを必要とすると思われますが、特にこの期間を短縮した理由は、単に経費の点にあるのか、その他短縮しなければならぬ重大な理由があるのか、承わりたいと思います。
○小林参議院議員 この点に関しましては、実は、私ども参議院におきましては、期せずにして、期間が長過ぎる――経費の関係もありますし、実際問題といたしまして、立会演説会が始まるのに大てい五日あるいは一週間の間がある、その間においては実際においての選挙運動は行われない、従って、この期間を打ち切ってさしつかえない、こういうふうな世論から、むしろ立会演説会が始まる直前くらいから期間にした方がよかろうというような話でありまして、ほとんど大した議論もなしにこの短縮にみな同意があった、こういうふうな実情にあることを申し上げておきます。
○島上委員 それだけの理由では、どうも理由とて少し薄弱のように思えるのです。選挙運動、つまり政策を有権者に浸透理解せしめるため二十五日間あれば十分であるということであるならばよろしいと思いますが、今私が申しましたように、広範囲の地域にわたるために相当の期日を要する――私ども、参議院選挙は直接やったことはありませんけれども、衆議院の選挙から判断して、そう思われるわけです。そして、短縮すると、かえって、その反面に、事前運動が一そう猛烈に行われるという弊害が集まれてきはしないかということが心配される。そういう点をどのようにお考えになっておりますか。
○小林参議院議員 これのために事前運動が別段の変化を来たすというふうなことは、私ども考えておりません。実際問題といたしまして、私ども、参議院の選挙をいたすにつきまして、全国区の選挙においては、期日からいえば、一面幾ら期間があっても足りないということが申されますし、地方区の選挙からいたしますれば、立会演説のプログラムができましてから、これに従ってほとんど選挙区内を走り回る。それでもって大体運動の効果がおさめられる、こういうふうな考え方をしております。また、費用の点におきましても、前の五日間というものが、非常に費用がかかると申しますか、実際の運動を始めないのに費用がかかる、こういろふうな心配もありますし、今申したように、大体立会演説会がわれわれの希望するだけのことができれば、その間にその他の運動も並行してある程度できる、こういうふうな考え方からいたしたのであります。
○島上委員 期日の問題はよく納得できない点もありますが、質問はこのくらいにしまして、今のに関連して自治庁に伺います。 実は、この前の選挙法改正の際に、やはり、期日の短縮問題とも関連して、立会演説の回数はなるべく多くする、法律に三回以上とはっきり入れようというような議論もありましたが、可能な限り最大限立会演説会をやろうということになって、法律の条文には回数の点をはっきり言いませんでしたが、改正の際に、立会演説会の回数は努めて多くしようという精神は取り入れられておったはずですが、さて、実際にあの法律改正後昨年二月衆議院の選挙をやりましたが、各地方の選挙管理委員会は、どこでも、私の承知している限りでは、演説会の回数をふやしていない。東京などは、回数をふやそうとすれば、夜二回、昼間二回やることも可能なのです。ところが、実際には従前通りだった。参議院の選挙の際にも、期日を五日間短縮して、立会演説会の回数を多くしてカバーすることができるならば、それでもよろしいと思いますが、選管が、そのように、実際可能であるにもかかわらず、同数をふやさなかったという事実にかんがみて、政策浸透の機会が一そう少くなると思われるのです。そこで、自治庁にお伺いしますが、私の承知しておりまする限りでは、演説会の回数は、可能であるにかかわらず、ふやさなかったと承知しておりますが、全国的に見て、法律改正前に比較して、立会演説会の回数を増加しておるかどうかということを、具体的に事実に慕いで御答弁を願いたいと思います。
○兼子政府委員 御質問の立会演説会の回数でございますが、私どもといたしましては、事情の許す限り回数を増加させるということで、都道府県を指導いたしたのでございます。しかしながら、府県によりましては、地勢の関係で、この前石川県の喜多さんの御意見にもありましたように、回数をよけいにしますと、一回の立会演説会が十五分になってしまう。そういうような地勢のところもあるわけでございまして、府県によりましては、そう回数をふやせないという限界点もあるのではないかというような気がいたしております。 ただ、同じような面積の府県であって、府県によって、相当回収を多くやっているところと、回数が少いところと、アンバランスがあるわけでございますが、それにつきましては、法律の趣旨から、できるだけよけいにやるように指導いたしたのでありますが、この立会演説会の計画につきましては、都道府県の選管は、それぞれ、候補者名の方々の意見を聞いて、計画を立てているのではないかと思います。その結果、前回の選挙でどうなったかという数字につきましては、今取り寄せておりますので、後ほど正確なことを御報告いたします。
○島上委員 その点につきしてもう一度伺いますが、それは、そのように指導されたのかもしれませんけれども、たとえば、それぞれ候補者の意見を聞く、ところが、甲の候補者は、もっとやれるのだからもっとふやしてほしい、たとえば、昼間やれるのだから昼間街頭でもいい、あるいは会場もあるからふやしてほしいという意見を述べ、乙の候補者は、反対だ、ふやす必要はない、こういう意見があるといたします。しかし、法律の趣旨から申しますれば、可能な限りは立会演説会の回数をふやすべきものなんです。ところが候補者によって今言ったような意見がある。この場合に、選管自体が、演説会数をふやせば、世話もやけるし、経費もかかるというようなことから、勢い回数をふやすことにちゅうちょするといろ傾向があったのではないかと思います。私は、今度の参議院選挙については、これに対してはもっと強い指導あるいは督励というようなものが必要ではないか、特に、期間が短縮されるとすれば、そういう回数増加ということでカバーしなければならぬと考えております。自治庁は、来たるべき参議院選挙に対しては、昨年の衆議院の選挙にかんがみて、もっと立会演説会の回数を可能な限りふやせという強い指導をされる考えた持っておるかどうか。
○兼子政府委員 御趣旨の通り指導いたすつもりでございます。
○島上委員 次の問題ですが、今度は、個人演説会告知用。ポスターの制度を廃止して、選挙運動用ポスター一本に改める、これは、前から議論のあったところで、私どもも賛成しているのでありますが、念のため伺っておきますと、この選挙運動用ポスター一本にしたということは、その中で演説会報告知用のポスターを作ってよろしい、また然純たる演説会と無関係の選挙運動用ポスターを作ってもよろしい、定の枚数の中でどのように使ってもよろしい、こういうふうに理解しておりますけれども、その通りであるかどうか。
○小林参議院議員 お説の通りでございます。
○島上委員 今度は新聞または雑誌の選挙に関する報道の自由に対する規制が若干強化されたわけでありますが、告示の日前六カ月以来引き続き発行するものが、これに一年以来引き続き発行するもの、こういうふうに規制が強化されたわけです。これは六カ月を一年に延ばさなければ非常に弊害が多いということが理由であろうと思いますが、私どもは六カ月以来引き続き発行するという際にも多少議論があったところでございまして、これをさらに一年にしなければならぬというふうになると、言論報道の自由に対する規制になることは明らかでありまして、特にそうしなければこういう弊害があるいう事実がありましたならば、あげていただきたいと思います。
○小林参議院議員 この点はいろいろ議論のあるところでございますが、実は、選挙に当りましては、選挙前後に続出する臨時的あるいはその場的のかような出版物が、選挙に対して非常な妨害にあるいは選挙の公正を害する、こういう心配がありまして、私どもこういう言論機関にいたしましても、ある程度の安定性を持ったものでなければ、公正な批判はなかなか困難ではないか、こういうことで、実は、私どもとしましては、この問題につきまして、十日に一ぺん、あるいは一週間に一ぺんと、こういうふうに発行されるものについては、かような自由を一つ制限しようじゃないかというふうな意見もあったのでありまするが、しかし これらの中にも安定したりっぱなものがあるということで、その面の制限は排除いたしました。場合によると、六カ月もいろいろの選挙が継続する、こういうふうなことがしばしばあるために、どちらかと申すと、六カ月ではその選挙のためにのみ発竹されるというふうな心配がある、従ってせめてこれを一年に延期するならば、相当安定した、また世間的にも信用のできる新聞、雑誌というものがわれわれ期待できるじゃないか、こういうような考え方から、六カ月ではそういう趣旨のものが少し短か過ぎる、せめてこれを一年に延ばしたいというのが、私どもの考えでございます。要するに、選挙の公正を害する、あるいは選挙に無用な妨害をする、こういうふうな弊害を一つこの際除きたい、こういうことで、これは、選挙をおやりになる各位からいろいろこの向きの希望がございまして、私どもも、この程度ならばそう言論の自由を害する点はあるまいということで、かようにいたしたのであります。
○島上委員 現行法によりますと、選挙運動用の自動車に候補者の氏名及び所属政党を記載することができなかった。これは実際上非常に不便でありまして、この結果巧妙な脱法行為が行われたことは前回の選挙の事実に徴して明らかで、今回政党、及び候補者の氏名を記載し得るように改めたことは、私ども非常に賛成するところで、けっこうだ思いますが、ただ、改正前の法律によりますと、政党名及び候補者氏名並びに政策スローガン等も、一定の大きさの範囲内では差しつかえなかったが、今度は、候補者の氏名と所属政党名を記載することができる、こうなって、政策スローガンに類するものの記載は認めていないようですが、特に政策、スローガンの記載を認めない理由――政党と氏名のみを認めて、政策等にわたるものを認めない特別の理由がありましたら、伺いたい。
○小林参議院議員 これは、お話のように、その必要があるいはるかもしれませんが私どもの考えとしましては、今のように、衆議院――あるいは政党の整理と言うと語弊がありますが、二大政党が対立したということで、もう政党自身の政策というものは自民に大体徹底しておる、こういうふうな趣旨から、大体その政党を表示すれば目的は達し得るじゃないか、こういう考え方と同時に、また、こういうふうな自動車あるいは船舶等にごてごてといろいろなものを書き並べるということはかえっていけない、こういうふうな考え方からいたしたのでございまして、御議論がありますればまた検討もいたしますが、この程度で今の欠陥を補うことができるじゃないかというふうに考えます。
○島上委員 現行法よりは改正になるのでそれは今よりはよくなるという点は私どもも認めますけれども、政党名を認めるということになれば、その政党が掲げておる簡単な政策を記載することを認めないという積極的な理由はないと思うのです。二大政党に整理されたといいますけれども、 おそらく、参議院選挙の際には、二大政党どころではない、いろいろな政党が立つだろうと思います。政党とか政党類似の団体が立つ。その政党名によっては、その政党名を表示することが、政策の表示に非常に似通った、それと同じような効果を上げ得る場合があると思う。たとえば、中小企業党というものを作って参議院選挙に立つということも可能なんです。一人一党で立ってはいけないということはないのです。さような一つの政党名を表示することによって、その人の掲げておる政策を表示する、それに近いような効果を上げることも可能な場合があり得ると思う。そうなりますと、一定の大きさはきまっておりますから、その大きさの範囲内で書く分には――ごちゃごちゃして効果が上らないか上るかということは、候補者なり運動する人が判断してやっていくことで、積極的に、政策を書くことは認めない、スローガンを書くことは認めないという理由はどうもないように思われる。もう一ぺん、積極的に政策やスローガンを掲げては工合が早い、こういう弊害が翻るという点があったら、一つお答え願いたいと思います。
○小林参議院議員 私が今申しましたように、表示はできるだけ簡明直截に、わかりやすくと、こういうふうな考え方から、こういうふうにいたしておるのでありますが、特に簡単な政策等も制限しなければならぬという積極的な理由は、ないというふうに思います。従いまして、またこちらでも一つよく御相談の上で、私どもの方にお話し願いたいと思います。
○島上委員 それから、自動車に氏名及び政党名を記載した文書を掲示ずる点ですが、これは、現行法にありますように、その大きさは縦二百七十三センチ、横七十三センチの大きさであろうと思いますが、大きさと枚数――枚数といえば、両方の横に一枚ずつ、うしろに一枚、こういうふうに制限されるのか。大きさと枚数について一つ。
○兼子政府委員 先ほどの御質問の立会演説会がふえたかどうかという問題でございますが、お答えいたします。二十八年の総選挙のときには、全国で五千四百十四回でございました、昨年の総選挙では五千七百九十回でございました。差引三百七十六回増加いたしておりまして、ちょっとまだ計算しておりませんが、八%くらいに相当いたすと存じます。
○小林参議院議員 今のお尋ねのことでございますが、大きさの制限は、現行通り。また現行法でも枚数の制限はしておらぬそうであります。
○島上委員 それでは枚数の制限については現行法通りと解釈してよろしいわけですね。これは意見はありますが、またそれはあとに譲りますが、要綱の第十九にあります「確認を受けた政党その他の政治団体は、自己の所属候補者のみならず、他の政党その他の政治団体の所属候補者の推薦、支持その他選挙運動のための演説をもすることができるものとすること」、これも私どもは賛成です。非常にいいことだと思いますが、ただ、念のために伺っておきたいのは、この「所属候補者の推薦、支持その他選挙運動のための演説をもすることができる」というのは、政党及び政治団体が許されているいわゆる政談演説、衆議院の選挙区において一回行う政談演説に限るのか、それとも、街頭演説の際にもこれを認めるのか、そういう点が、この要綱だけでは不明確のようですから、はっきりしていただきたい。
○小林参議院議員 今のは、お話の通り、定められた政談演説会と同時に、許された街頭演説会においても差しつかえないというふうに……。
○島上委員 私は、きょうはこの程度にして、次会にまた質問いたします。
○小林参議院議員 ただいまの私のお答えを訂正いたしたいと存じますが、今の応援の演説は、正規の政談演説会に限られております。
○加藤委員長 森三樹二君。
○森(三)委員 私は、参議院の方からこういう広範な改正案が提案されたことについて、非常に御苦労に対しては敬意を表するものです。これはもちろん十分ではありません。われわれはまだまだ改正しなければならぬ点は多々為ると思いますが、その点は逐次質問するといたしまして、その質問に先だって、私は、せんだってから、自治庁の選挙部長に、質問並びに警告を発したいと思って、再々電話したのです。ところが、どうも、どこか別室の方へ行って、秘密作業をやっていられるようで、なかなか出てこない。きょうは幸い自治庁の関係者が出てこられたので、質問したいと思うのですが、実はこれは重大なことなのです。つまり、内閣から委嘱された。単制度審議会で、過般一月三十日に小委員会を開催して、そうして、いわゆる今問題になっておるところの小選挙区制の別表を小委員会に諮るということになっておる。ところが、それを、われわれに何らの相談もなく、勝手に期日を延期したまま、いまだに期日を明確にしない。しかも、自民党の方では、自治庁を中心としたこの別表の改正について、各議員諸君が、個別的に内容を検討して、自分たちに都合のいいような地盤割りをしておる。これは兼子さんもよく知っておられるはずだし、その他そこにおられる自治庁の諸君も知っておられるはずだが、われわれ小委員といえども議員は入れない。議員を入れると、非常に各党派に影響をもたらしていけないから、議員は省いて、ごくわすかな特定の委員でもって、小委員の中からさらに小委員会を作って、別表を作るのだ、これは絶対に秘密にする、こう言っておきながら、あなた方の方では、すでにその内容を、自民党の方と折衝して、そうして今作業を進めておる。こういうことは、実際現在小選挙区制という問題で非常に世論が高まっておる折柄、あなた方のやっておることは非常に政府与党に味方したようなへんぱな行動であるということが、非常にやかましくなっておる。 そこで、私まずお伺いしたいのは、その小委員会を勝手に延ばすということは私はできないと思う。やはり、小委員会を正式に開いて、延期するかどうか、それから、延期するならば、次会をいつにするか、そういうことを諮って延期すべきであって、勝手に無期延期のような態度をとることはけしからぬと思う。まずそれに対するところのあなたの見解を承わりたい。私は、本来ならば、きょう別表の作成の小委員長をここに午後でも呼んでもらいたいと思っておる。 それから、われわれ議員は入れないと言っておきながら、現在、自民党の方では、割り振りについて、あなた方が作っておるものを持ってきて、お前の選挙区はこうする、だれそれのはこうするといって、作業をやっておるということは、まことにあなた方に与えられた職責の範囲を逸脱したところの行為であると考えておるのですが、これに対する答弁を聞きたいと思います。
○兼子政府委員 お答えいたします。 まず第一に、小委員会を一月三十日に開く予定であったのを、なぜ開かなかったのかという御質問でございますが、これは、おっしゃる通りに、十二月小委員会のときに、次会は一月三十日に開くということがきまったわけでございます。われわれは、そういうことで、できとるだけ委員の方にお願いをいたしまして、一応やっていただいたわけでございますが、最後のときになりまして、委員の中から御発言があって、行政部の意見――自治庁の中の組織でございますが、行政部の意見は入っておるかというような御質問がありました。それで、その問題は主として町村合併の問題でございますが、そのような意見があったのでございます。それから、一月三十日には、どうしても起草委員会がそういう点からいうと技術的に間に合わないということになりまして、小委員会といたしましては、起草委員会の区画案は小委員会のときに出すということになっておりまして、小委員会は起草委員会の案のできるのを待って開こうこういうように小委員長、会長、副会長とお集まり願って御相談願ったのでありますが、そこで一月三十日はとりあえず延ばしておるわけであります。起草委員会は、現在町村合併の点をもう一度検討してもらっておりまして、あと一回くらいやればできるということに相なっております。なお、その起草委員のうちから、ただ区画割りの案だけではなく、小選挙区制実施に伴っていろいろな法制的整備の問題をあわせてやるべきであるという意見が出まして、それと一緒に発表してもらわなければ困るというような意見が出たのでございます。そのような理由から、小委員会は、それならばしばらく延ばそうではないか、このような決定に相なったのであります。それが第一点の御質問の経緯に対するお答えでございます。 第二点は、自由民主党の方で区画割りをやっておるではないか、選挙制度調査会は国会議員方々を除いて起草委員会を作った趣旨と反するではないか、このような御質問でございますが、組織は、おっしゃる通りに、国会議員を除いて起草委員会を作って、起草委員会は案の作業を進めておるのでございます。従いまして、自由民主党の方でいろいろ三やつておられるという話もわれわれ聞いておるのでありますが、これは一月十二、三日か五日ごろだったと思いますが共同通信が具体的の区画案を報道機関に流したのであります。その結果、中央の新聞は扱わなかったと思いますが、地方新聞は、それぞれ自分の府県ではこういう選挙区になるという別表を、新聞によってあげておったようでございます。それにつきまして、われわれのところにも照会が参りますし、中には、こうしてくれと、兵庫県の一部の市町村議員の有志などからは電報などが参つておった次第でございます。そのように、われわれも、具体的に新聞に出ました案は検討しておりませんが、おそらく前の緑風会なり促進会の案をもとにして若干手を入れて作ったものだ、あるいは緑風会の案そのものであるか検討しておりませんが、すっと新聞を案ではなく、緑風会の案と同じか、あるいはそれをもとにしていじったものではなかろうか、こういうふうに考えております。そのような新聞等に出た関係もありまして、また、党の方も、これは小選挙区をやるというようなことが首脳部の方できまったわけではないそうでありますが、そんな相談があったというようなことから、それぞれ研究をされておるというふうに聞いております。従いまして、これは、党独自で、いろいろと促進会の案なりふるいは緑風会の案なり、中には、そういうことにおかまいなく、自分たちの意見をお取りまとめになっておるのではないかと思います。電話等で言ってこられる方もありますが、府県別の定員をどうするかということがきまらなければ、具体的の府県の案は立たないわけでございますが、いろいろと御意見は言ってこられましても、とうてい私どもの参考にならない意見もおるわけでございます。大体第二の点につきましては申し上げた通りであります。
○森(三)委員 兼子さんの第一点の私に対する答弁は、それはやっぱり違うのですよ。つまり、その起草委員会の委員長は矢部貞治さんだけれども、実際リードしておるのはあなたがリードしておるのだから、結局選挙制度の調査会の連行についても、あなたがその中心人物となってやっおることは明らかなのです。そのあなたがそこに入っておって、そうしてこの別表の改正についてもあなたが中心になってやっておることも明らかなのです。その作業ができないというのは、われわれから考えれば、結局、あなた方は自民党と話し合いをしながら、その圧力によってそれが延びておる。そうでなければ、一月三十日に当然発表しなければならないものでしょう。それを、待ったがかかって、発表しない。そういうこと自体に、あなたは職責上公正を欠く点があると言わざるを得ないと思うのですよ。あなたはきぜんたるところがない。あなた自身も、さっき言ったように、議員は省いて別表の改正割りをするんだということをあそこできめたでしょう。それで、あなたが中心となってやって、一月三十日に発表する段階になっておりながら、結局、自党側からストップがかかって、そうして発表しない。しかも、あなたが今言ったように、別表改正のみならず、それ以外の選挙制度の改正すべき点もあったので、それらも研究して後日に発表することにしたので延ばしたと言いますけれども、それならば、なおさら、一月三十日に小委員会を開いて、別表改正に対する作業はこの通りになっております、今発表する段階に来ておりますとか、もう少し時間がかかるとか、そういうことを段階として説明をして、なおまた、それに付随するところの制度の改正についても、なお足らざるところがあるから、もう少し検討したいというようなことを説明して、そうして小委員会に諮って進行すべきものじゃないですか。いまだかつて、昨年の六月の中旬から開いたところの選挙制度調査会において、日程をきめておいて開かなかったときがありますか。そういうこと自体が不明朗なのですよ。ちゃんと次回をいついつにするということを言ったならば、一応そこでもって委員会を開いて、そうして、現在の段階においては、別表の改正にこの通りになっておるのだ、全国の中でもってまだこの点がむずかしいけれども、ほとんどあとはできたのだ、できないのはこういうところができないんだ、あるいは、制度の上でこういうところが足りないから、いまだ発表する段階に達しておりませんとか、いわゆる操作の段階をあなたが説明をして、そうして次会をいついつにするかということをやるならばいいけれども、開かないで無期延期にするという、そういろ無責任なことがありますか。私はそれを追求したいのですよ。あなた方が勝手にそういうことをする権限は私はないと思う。結局、それは、あなたが重大な圧力によって自分の意思を曲げていると言わざるを得ないと私は思うのです。そこに兼子選挙部長としての政治的な――つまり公務員としての職責の不公正な点があると言わざるを得ないと私は思うのです。まずそれから聞きましょう。
○兼子政府委員 一月三十日に小委員会を開催するということをきめましたのは十二月でございましたが、その当時は、一月二十日に国会が再開される、そうすれば、大体一月三十日ならば、総理に対する質問等も終って、小委員会が開けるではないか、こういう見通しでおきめ願ったわけでございますが、御承知の通り、予算の提出が延びまして、一月三十日が総理の施政演説質問の日にぶつかりてしまったわけであります。どうするかということを事務的にいろいろと考えたのでございますが、会長や副会長、小委員長にお集まりを願いまして、予定通りやった方がいいかどうかということを相談したのでありますが、総理の施政演説、それから質問等があれば、どうしてもその期間は避けた方がいいではないか、このような見解に達したわけであります。それからさらに、起草委員会で、先ほど申し上げましたように、行政部の意見が入っておるか、十分意見を交換したかというような御質問が出て、その点はまだだということになりまして、この関係につきまして今検討いたしておるのでございます。小委員会をなぜ三十日に開いて、延ばす手続をそのときにやらなかったか、そういう仰せでございますが、一月三十日の午後は、大体ただいま申し上げましたような国会の方の日程もございまして、われわれはお集まり願おうかどうかということを考えたのでございますが、とりあえず、起草委員会の方の案もそのような作業の進行状況でありますので、一月三十日の招集は予定でおりまして、またその日にするという書面を出しでおらなかった関係上、私の方はそのままにいたしたのでございます。はなはだその点が手落ちだったとおしかりをこうむっておるわけでございますが、以上のようないきさつでございます。
○森(三)委員 それはあなた詭弁ですよ。一月三十日にやるということは予定だとは何ごとです。一月三十日にやるということはきまっておったでしょう。従来、きょうならきょう委員会をやれば、次会をいつやるということはお互い相談して決定しておるんですよ。予定じゃないんですよ。次の期日はそこで決定しているんですよ。いまだかつて開かなかったことは一ぺんもないじゃないですか。従って、私の言うのは、一月三十日にやるということは決定しておるのだから、延期するかしないかということは、一応招集をして、そうして、小委員会に諮って延期するならよろしいのです。まず操作が十分できておらないから、現在検討しておるので、延ばしてもらいたい、こう言うならよろしいですけれども、あなた方勝手に延期したいという通知を私らのところによこしたでしょう。それがいけない言うのです。一たんきまった期日は、いまだかつて委員会を開かなかったことはないのであります。過去において、やはり、きょうはそれじゃまだ操作が十分できておらないからといって、一応開いて、そして短時間でもって延期したこともあるのです。そういう形式をとらなければならない。あなた自身の頭を改造しなければためですよ。次会の期日がきまっておったのではなくて予定されておったと言う。予定されておったのではない。確定しておる。確定しておる委員会は絶対開かなければならないのです。何か特別な天災地変で心ない限り、必ず開かなければならない。開いて、延期するなら延期する。その現段階においての状態というものを発表しなければならない。私はこの問題はこの程度にしておきますが、絶対に次会開くといった日は必ず開いてもらわなければならない。そこで、私は、現段階において、いつごろ次回の小委員会を開くのかということをまず質問したい。 それから、第二は、いわゆる別表の改正について操作はどの程度できておるか。もうすでに、私の考えでは、あなた方は発表する段階に来ておると思う。できておると思うのです。しかるに一方、自民党は各府県別の各議員を集めてやっておる。それができなければやらないのか。自民党側において毎日代議士会を開いておりますよ。個別的な折衝をして、幹部が、お前のところはこうしたら必ずお前は当選できるだろう、この村を入れるとか、あの町を入れるとかやっておる。それが済まなければ発表できないのかどうか。しかし、そういうことはできないはずだ。それに起算委員会が独自の意見でもって作ったものを発表すべきであって、政党や議員のわがままな意見をそこに入れて、そうして作り上げたものを発表するというのでは、小委員会で決定したところの議員を入れないで別表を作るというところのあの大原則に背反するところも大きいものだ。そこで、兼子選挙部長に私はここで重ねてお尋ねするのだが、あなた方は、自民党でやっておる個別的な別表の改正のその問題とにらみ合せて、それならばよろしいというのができ上ったときに発表するのか、あるいは、それとも、いわゆる小委員会できめたところの大原則によって、議員やその政党のいわゆる意見というものを挿入しないところの起草委員だけの厳正な意見によって作り上げたものだけができた段階において発表するのか、それのあなたの意見を私は聞きたい。 それから、第三点は、あなたは、先ほど、一月の二十五、六日に共同通信にすっぱ抜かれて、地方新聞に別表の割り振りが出たと言っておるが、緑風会の小林君の作った案というものは、去年から発表されてみんなそんなものは知っていますよ。事新しい問題ではない。カビがはえているのだ。その一月の二十五、六日に共同通信にすっぱ抜かれて地方新聞に出たというのは、小委員会で、原則としてあくまでも一人一区でもって、いわゆるイギリス流の一人一区制のものを作るのだ、二人一区というものはこの際ほんとうに万やむを得ないもの以外は作らないのだという原則をきめたものを、あなた方が操作したものをすっぱ抜かれたのだ。そのすっぱ抜かれた責任というものは重大だと思うのです。これに対する責任をあなたはどう考えているか。 それから、第四点は、あなた方が作ったところの案というものは、自民党の側にちゃんとツツーで持って行ってしまっているのだ。本来なら、それは何人にも見せたり連絡したりしてはいけないものです。新聞記者諸君もそれを非常にほしがっている。われわれはそれは参考に見たいですよ。ところが、それをあなた方は絶対に秘密にしなければならぬものを――兼子部長は知らないと言うかもしれないけれども、それがちゃんと自民党の方には行っておる。あなたは知っておっても知らないと言われるかもしれませんけれども、それに対する責任も私は聞きたい。 とりあえずその四点お伺いいたしたい。
○兼子政府委員 小委員会の開催につきましては先ほど申し上げた通りでありますが、私どもの方では、三十日に開催するという通知は、形式的には出しておらなかったものでありますから、本質はきまっておったではないかと言われれば、おっしゃる通りきまっておったと思うのでありますが、三十日にやるということについては私どもそういう考え方をいたしておりましたので、手続がおくれました。 それから、ただいまいろいろとお尋ねがございましたが、選挙制度調査会の案はどのような進行をしているかということは、先ほど来申し上げました通りに、一月三十日に何とか間に合せなければならぬということで、一生懸命調査会の方もやっていただきまして、一応案のもととなるものは作り上げたのでございますが、町村合併について行政部の意見が入っているかどうかという委員の御質問に対しまして、それはまだだということから、再検討をいたしている次第でございます。 案ができたのか、どうかという同製や、いろいろとそれ以下の問題は、一つの案ができているということを前提に置いての御質問だったようでございますが、案はデータでできているのであって案として印刷物にはいたしておりません。それでもりますから、共同通信に出たのは、われわれ、どんなものが出たか、よく検討いたしておりませんが、すっぱ抜かれたとか、すっぱ抜いたという問題はないと考えております。 それから、自由民主党の方でいろいろやっているではないかということでございますが、これはあるいはやっておられるのではないかと思います。新聞等を見ますと、いろいろ研究されているようでございますが、これと選挙制度調査会とは、あくまでおっしゃる通りに別個な問題でありまして、政府が選挙制度調査会に諮問をいたしているのでございます。 それで、選挙制度調査会の案がどこまてできたかという問題でございますが、次々に検討いたしているのでございますが、まだ案は完成いたしておらないのであります。町村合併の検討はまだ半分しか進んでおりません。 それから、小選挙区制実施に伴います制度と申しますか、法律の改正の考え方というような点は、弔う一回さらに御検討を願う予定でございます。昨日でありましたか、起草委員会をやったのでございますが、われわれとしては午後までやってほしいというつもりでおったのでありますが、委員さんの御都合で、大体午前中で済むつもりでお集まりいただきました方々が多い関係上、きのうは終了いたさなかったのであります。次回は十日でございますが、起草委員会がありまして、これはどうしても終了いたさなければならぬ、さように考えております。 大体その見通しで、まだ案ができておりませんから、大体来週い々起草委員会を開催いたしたい、このように考えております。
○森(三)委員 今兼子さんが言われた一番最後のところに重大な問題がありますよ。つまり別表の改正をする、別表を作るということは、これは起草委員会でやるかもしらぬけれども、それに伴う法律案を作る云々というということをあなたは今習われた。しかし、選挙制度審議会は、いわゆる制度そのものの審議であって、法律案作成なんというものは委嘱されたらち外だと私は思うのです。それをやるということはおかしいと思う。いわゆる答申案を作って答申すれば審議会の任務は終了したのであって、これを法制化し成文化することは、それこそ政府の仕事ですよ。あるいは、議員立法の場合は、議員がみずから法案の原案を作ればいいのであって、起草委員会は、別表の作成は確かにあそこで作るということにきまったけれども、法案を云々するということは行き過ぎもはなはだしいものだと私は思う。 それについてもあなた方の答弁を聞かなければならぬ。 それから、あなたは、さっき、一月三十日には別表は確かにできたと言っている。またできてなければならないはずだ。いいですか、一月三十日に小委員会は確かに別表を発表するということをあなたは確約したのです。もしそれができていないとすれば、それは任務の懈怠もはなはだしい。われわれは当然あなたが発表されるものだと思っていた。別表ができておりたというのが当りまえで、できていなければあなた方の任務の懈怠です。そういう約束であった。ところが、おなたの今の答弁を聞いていると、行政部の方から、町村合併の問題があるから、その検討ができているかと言われたので、しばらく延期した、こう言っておる。そのことを私から言えば、あなた方はそれくらいのことを考えないはずはない。町村合併の問題だってあなた方は知っているのだから、それを含めて別表というものは出たのたけれども、一方の方から、待ってくれ、今そいつを発表されると相当紛糾が起きるから待ってくれと言われたので、延期したと私は思っている。しかし、それはさておいて、あなたは行政問題として町村合併の問題がそれに織り込まれたらどうかというので、延期して、その町村合併の問題を今度あなた方が作ったいわゆる別表に織り込んでいくというのですが、それが、私らの考えから言うと、今自民党のやっておるところの調整と並行してやっておらないとあなたは言う。全然別個のものだと言っている。ところが、自民党の人に言わせると、ちゃんと、選挙の起草委員会の方からこういう案が来ていると言っている。あなたは委員長じゃない。矢部君が委員長だから、あるいはあなたの知らない間に回っているかもしれない。私は、小委員会に出席した場合、矢部小委員長の責任も十分追及しようとは思っているが、それに対して、あなたは、矢部小委員長がやっているところの内容が、自民党や何かの方に行っておらないように思っておられるけれども、これは私は大きな錯覚だと思うのですよ。あなたは知らないかもしれぬけれども、それは矢部君なんかどんどん流している。だから、私は、この問題はそこに重大な盲点があると思うのです。だから、今後の作業については厳に秘密を守り、議員といえども、あるいは政党といえども、あなた方の任務の遂行主なすべきところの別表作成については、全く容喙を許してはいけないと思うのです。あなた方は注意をされてはおるだろうけれども、その注意というものは、あなた自身の注意は怠っていないかもしれぬけれども、しかし、その起草委員会というものの形においての任務遂行という上から言うならば、私は非常に注意が欠けている点が多々あると思うのです。その点について兼子さんどう思うか、一つ御答弁願いたい。
○兼子政府委員 第一は、私の発言が起草委員会が法案作成と言ったということでございますが、この問題は、起草委員会は別表を作成しろという委託を受けたのです。ところが、別表の作業をやっておりまして、いろいろ御意見が出たわけでございますが、小選挙区制に伴って、選挙をよくするために、連坐制の強化とか、公民権の停止とか、あるいは公認の問題とか、そういう問題をあわせて実施するようにしてほしいということも、起草委員会としては、これは正式にいえば任務外かも存じませんけれども、いろいろと議論になったところをまとめようじゃないか、こういうことになったのであります。それがそういうことをまとめるという関係がある――考え方をまとめるということでございます。別段法律を作るという問題ではございません。私が先ほど申し上げた言葉が悪ければ、そのように一つ御了承願いたいと思います。 それから、二番目には、一月三十日に案ができたと私が先ほど言うたではないかということでございますが、あるいは言葉が少し過ぎているかもしれません。(森(三)委員「できているのが当然だよ」と呼ぶ)それはまだできていないのです。現在でもまだ案ができていない。案の中身のどういうふうにすべきかということはいろいろとデータを作っておりますが、案にいたしますと、先ほど秘密ということから御注意がございましたが、どうしても新聞関係等そういう方面に流れますので、そういう点は案という形にしないで、一月三十日にはもちろんできておりません。でありますから、先ほど申し上げたような新聞に流れたというのは、そういう意味から言っても、私どもは、安心をして、新聞の記事を検出しておらないのであります。一月三十日に間に合うように一生懸命やったのでございますが、先ほど申し上げたように、町村合併の検討が済んでいるかというような委員会の御発言がありましたので、それがまたということになって、事務的にはその、再検討をやってる次第でございます。それから、三番目の、その作業の性質にかんがみて、今後十分取扱いに注意して秘密を守れというような趣旨の御発言がございましたが、私どもも、そのように考えて、起草委員の方々には材料は作業いたします場合に一応お配りいたしますが、お帰りになるとまには皆さんに置いていっていただいております。でありますからそういう点も十分注思いたしておる次第でございます。
○森(三)委員 それは兼子さんは注意を払っているでしょう。払っているかもしれぬけれども、実際に今作業の実情というのは自民党の幹部の方にはわかっているのですよ。わかっているから、各議員を呼んで、お前のところはこういうようにきめようと思うのだ、お前はこれはどうなんだ、いや私はこれでは困る、この町を私の方につけてくれ、この町は向うにやってくれと、現にやっているのですよ。あなたのやったのはもうちゃんと見ているのですよ。そこにあなたは大きな錯覚があるのです。自分たちのやっていることがだれにも漏れないと思ってやっているけれども、漏れるどころじゃない。そのままがきている。私から言わせれば、あなた方がお互いにツーツー話し合いの上でやっているように思っている。ということは、せっかくあなた方が作ったのに今度はまた、自民党の方で作った案でこうしろ、ああしろということになれば、結局、せっかくあなた方が作ったものは、ぶちこわしになってしまう。だから、それよりも、あらかじめ自民党と相談をして、表面はなれ合いでなく、内面はちゃんと話し合いをつけてやっているとわれわれは考えているのですよ。それだから、自民党のいわゆる各議員の個別折衝が済まないうちは、別表の発表というものは私はしないのじゃなかろうか、それでこういう政治的な謀略でもって引っぱっているのだ、かように考えているのですよ。もっとも、兼子選挙部長としては、大政党の圧力がかかればそれ、自分の意思の通りに動けないのは無理もないが、しかしながら、やはり委員会は委員会としての権威を保ってきぜんとしてやらなければ、事選挙に関する問題だ。われわれは、今後、選挙があれば、直接与党の弾圧も相当あることと覚悟している。その場合はやはり、選挙の公正を保つために、権力と争い、やはり法を守るために戦っていかなければならぬ。従って、やはり、兼子選挙部長としては、その圧力があろうと何であろうと、与えられた職責を公正に扱うというものはできないと思うのですよ。しからば、いわゆるこの別表の完成というものはいつごろできて――さっきあなたは二月の十日に小委員会を開く予定だということを、言われたが、その三月の十日には、それじゃ別表の発表というものはできるのかどうか、あるいはもっと先でなければできないというか、それをちょっと答弁してもらいたいのです。そうして、兼子さん、あなたは一月三十日にはまだ別表はできておらなかったと言った。しかし、私の前の質問のときには、別表はできておったという、ような答弁をしたようですが、あれは一月の三十日に別表はちゃんと発表するという確約をしておったのだから、できておるというのは、あなた方が光全に責務を遂行したものと言えるのですけれども、できておらなかったら、詭弁だと思う。できておったというなら、当たりまえです。その点もかねてお聞きしたい。
○兼子政府委員 先にあとの方の御質問にお答えしますが、一月三十日に案ができておったかという点でありますが、案はできておりません。大体の考え方と申しますか、それはきまっておったのでございますが、ただそれにつきして、先ほど来申し上げおりますように、町村合併等の未検討の分があったということ、それでいわゆる案として印刷物にはしておらないのでございます。案としてきまっておらない。ただ、一月三十日に出したいという気持で努力をしたという、そういう趣旨で先ほど申し上げたので川あります。一月三十日には案はできておりません。 それから、今後どのようになるかという見通しの問題でございますが、十日に起草委員会をやりまして起草委員会でやりますのは、考え方をきめていただくわけでありますが、それを整理をいたしまして、いわゆる世間でいう案の印刷物にするのでありますがそういう準備を考えまして、小委員会の日収をきめる。大体十日に起草委員会をやりますれば、どうしても十三日ぐらいに小委員会をやりまして、小委員会のときに起草委員長から発表する、こういう初めの予定になっておりますから、小委員会の日取りがきまりますと、そのときに御発表願う、こういう順序に進んでおります。
○森(三)委員 兼子選挙部長として実にやっておるように私は表面受けられるのでありますが、これはもう、別表という問題は、議員の生命を決定するものであって、各議員についてはこれほど重大なものはないのです。従って、これを知りたいということは、もう自民党の諸君としても当然だ。そこで現在個別折衝をやっているんですが、その個別折衝になるところの基礎材料は、今起草委員がやっている材料というものが自民党の幹部にちゃんと握られて、お前のところは大体こういう構想だがどうだ、こういうことで進められている。あなたは知らぬといえば知らぬかもしれないけれども、われわれの考え方では、もうあなた方と相談の上やっているように思っている。しかし、あなたの人格を信じて、そうでないようにわれわれは解釈を今後はしたいと思っている。 そこで、十日に起草委員会を開いて、十三日に小委員会を開く予定たというのですが、私どもとしては、あなたがそういう構想ならば、それを守って、とにもかくにも一応開いてもらわなければならない。今まではあすこでもってきめた日程で必ずちゃんとやっておったんですが、このごろはそれが非常に不明瞭になったように思う。その、不明瞭ということは、ある政党とその起草委員会が緊密な連絡をとって、自分たちの都合のいい地盤割り別表というものを作りつつある。そこに大きな原因があるとわれわれは断定せざるを得ない。とにもかくにも小委員会を開いて、死花作業がどの程度までできておるかということでよろしい。本来ならば一月三十日にできるものが延びているんですから、現在できている段階において、とにかく十月の起草委員会、十三日の小委員会を開いてやらなければ、世間から非常に不明瞭な審議会であるという不評を買っております。これは兼子さんとしては責任は非常に重大だと思う。従って、今後、この選挙制度審議会の運営に関しては、あくまでも、明朗で、社会一般が納得するコースをたどってもらわなければならぬと思う。これに対する兼子さんの決意をお尋ねしたい。
○兼子政府委員 小委員会の開催でございますが、小委員会のとき、起草委員長から、与えられた問題について御報告を願うということになっておりますので、案の途中で、ここでこういうことになっていると、案を示さずにお話しいただくのはできるかと思いますが、そうでなければ、ちょっと新聞等の関係もあって――従来新聞等からわれわれが注文を受けておりますのは、まとまったものでやってくれということで、やはり各新聞社でスクープというものが問題になっておりますので、その面から、クラブの諸君からも、私どもは非常に厳重な要求を受けておるわけでございます。従いまして、起草委員会で最後の案がきまりましたならば、これを印刷いたしまして、正式に発表する、こういう順序を踏みたいと考えます。起草委員会なり小委員会お事務の方は私どもの方でやっておりますので、その扱いにつきましては今後十分注意して参りたいと存じております。
○森(三)委員 大体現在進められているところの小選挙区制に関する別表の作成並びに選挙制度審議会の進行等についての質疑はこの程度とします。 そこで、私は、あらためて兼子さんにお尋ねしたいのは、過般行われたところの京都府の参議院選挙に関して、、飛行機でもって棄権防止のビラをまき、しかもそのビラには自由民主党のネームが入っておった。それが大きな選挙違反の問題として取り扱われております。これに対して自治庁はどのような取調べを進行されたか、そうして現在の段階においてどのようになっておるか、御答弁願いたい。
○兼子政府委員 京都府の参議院補欠選挙につきまして、おっしゃるようなビラがまかれたということは、私ども、あの翌日ですか、新聞で承知いたしまして、すぐそういうことがあったかないかということを府の方に尋ねたような記憶がいたしておりますが、その後その取調べがどうなているかということは、まだ承知いたしておりませんので、警察の方からどうなっているか至急調査いたしたいと考えております。
○森(三)委員 それでは、次会に、選挙部長あるいはまた刑事部長等からでも、その点については、お尋ねしたいと思う。 そこで、私は、この参議院側から出された選挙法の改正案についての質疑を行いたいと思うのでありますが、われわれは、選挙法の改正については、改正されたその選挙法が実に公正に行われることを期待しておるのであります。ところが、実際選挙ををやってみると、もう違反だらけである。いろいろ違反が起きました場合においても、常に、時の権力は、政府与党の味方をして、そうして反対党を弾圧するというような方向がしばしば現われている。今回の京都の参議院選挙についても、兼子選挙部長はその問題がどうなっているかさえも今知らないという状況である。これは、逆に、社会党がもし飛行機でビラでもまいたならば、大へんなことだと私は思う。ところが、政府与党が、そういう大がかりな、飛行機でもって棄権防止に名をかりて党勢の拡張のビラをまいた、それに対して選挙部長としてはその成り行きがどうなったかということさえも知らないということは、私は、その無関心な態度に対しては、不満の意を表明せざるを得ないと思う。これは大きな選挙違反です。われわれが、たとえば十枚、二十枚のビラまいても、いわゆる平和を欲する者は社会党へという、そういう宣伝ビラを選挙中にまいたといって、それが起訴されて処罰されている例が多々あるのです。ところが飛行機でもってまく以上は、何万枚まいたかわからない。数限りない、ビラをまいてその問題が、われわれが大いに重視しているにかかわらず、兼子選挙部長はその問題の成り行きをまだ検討していないということについても、非常出に心は遺憾だと思うのです。今回のこの改正法律案の提案理由を見ますと、一つの便宜主義といいますか、選挙に対するところの不便を取り除く、できるだけ公正にしょう、こういう点はわかりますが、いわゆる選挙の違反か起きた場合における取締り、処罰規定等に関しては何ら改正が行われていないのです。選挙違反の処罰についてはいろいろな議論がありますが、やはり、各国の法制を見ましても、選挙違反に関する罰則というものは相当厳重に守られておるのでありまして、わが国においても、もちろん処罰規定はありまするけれども、現実の問題として、取り扱われた場合には、そこに和は非常に不公正があると思うのでありますが、これに対しまして、この改正案は、処罰、取締り等に関しては何ら改正が行われておらないと思うのであります。その点に対して提案者の御意見をお尋ねしたいと思うのです。
○小林参議院議員 今回の改正案は、主として、参議院選挙の運動方法、こういうものについて考えられたのでありまして、そのついでに、当面ごく必要な常識的なものを含ませた、こういうことにすぎないのであります。 罰則の点については、お話のように、一般的な問題としていろいろこれを改正すべしという意見があり、また、今の日本の選挙法の罰則があまりに煩雑で、形式的に流れている、こういうふうな点についても選挙制度調査でお話の出ておることもお話の通りでありまして、これらの整備につきましては、かような一部の改正の際でなくて、大改正の際にでも根本的にやっていただくのがよかろう、こういうことでそれらはその機会に譲る、こういうふうに御了承願いたいと思います。
○森(三)委員 処罰の問題を改正するとなると、今お説のごとく、相当内容的にむずかしい点も多々あると思うのでありますが、今小林さんの御説明を聞きますと、今回の改正の趣旨はもっぱら来たるべき参議院選挙にかんがみての改正が重点であるというお話でありました。そこで、私は重ねてお尋ねするのでありますが、参議院選挙というものは、全国区と地方区とでありますが、非常に選挙区か広いわけであります。従って、中央政府の農林省あるいは建設省、その他の重要な部課長等の地位にあるものは、その地位を利用して、建設資金であるとか、あるいは補助金であるとか、そういうようなものに対するところのいろいろな事前運動的な方策を講じておるということを、しばしばわれわれは耳にしておる。そのようないわゆる公務員の立候補制限ということが常に問題となっておったのでありますが、この点に関しては何ら考慮か払われておらないと思う。私は参議院選挙については、特にこうしたところの問題がいつも問題になっていると思うのです。すでに、新聞等では、参議院選挙は済んだのだ、事前運動は済んで、選挙の勝敗の大体の票はきまったとさえ言われておる。われわれはもちろん必ずしもそうとは思っておりませんが、しかし事前運動というものは相当該を奏するものであることは、これはお互い選挙場裏に立っておるものとしては、うなずけるものです。こうした公務員の地位利用に関する事前運動等におけるところの取締りについてはどのようにお考えになっておるか、本法案ではそれはございませんが御考慮になったのだが、立法する段階にならなかったのか、その点もお尋ねしたいと思うのです。
○小林参議院議員 これは、お話の通り非常に弊害吉があるということを、私どももよく認識しております。従いまして、かつて、緑風会としましては、高級公務員の立候補を制限するという法案を提案したことがございますが、この法案は審議未了に相なっておるのであります。今回の改正においても、私どもは、特に、さような必要を認めて、その主張をいたしたのでありまするが、この改正自体は、もう選挙をすでに前にしておるので、従って、いろいろ取りまとめの困難のものはあと回しにして、各党の話し合いのついたものだけをとりあえず出そう、こういうことでこの提案をいたしておるのであります。これは、御承知の通り、選挙制度調査会においても、これらの公務員の立候補制限について何らかの規定をすべしというお話し合いが出ておるのでありまして、私どもは特にこれに同感しておるのであります。ただ、今回は、各党の間でその点の話し合いができなかった。そのことを私どもとしては遺憾に思っておるということだけを申し上げておきます。
○森(三)委員 お尋ねしたいことも多多ありますが、時間も大体来ましたのですが、そうすると、小林さんの提案理由をかいつまんで申しますと、罰則規定あるいは立候補の右前運初等に関しても考慮しないことはなかったのだが、しかし、とりあえず、目前の参議院選挙を一途として、手続的なような、こうした内容の各党話し合いのついたものだけをピックアップして改正したい、こういう御意見ですか。
○小林参議院議員 さような趣旨に一つ御了解願いたいと思います。
○森(三)委員 私は、また後日質問することとして、きょうはこれで終ります。
○加藤委員長 他に御質疑はありませんか。――別に御要求もないようでありますから、本日の質疑はこの程度にいたしておきます。 ―――――――――――――
○加藤委員長 この際、本案について参考人より意見を聞きたいということにつきましてお諮りいたします。昨日の理事会におきまして、各派の理事各位と協議いたしました結果、各派において推薦した者二名を参考人として本委員会に出席を求め、本案について意見を聴取し、本案の参考し資することを申し合せをいたしましたが、その候補者の一名と朝日新聞社社友の野村秀雄君、他の一名に目下社会党側で選考中でありますが、同党において決定次第その通り選定することとし、支障のない限り、来たる十日午前十時より本委員会に出席を求めて意見を聞くことにいたしたいと存じますが、このように取り計らうことに御異議ありませんか、 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤委員長 御異議なしと認めます。よって、その通り決しました。 本日はこれにて、散会いたします。 午後零時二十一分散会