建設委員会 第36号
- 発言数
- 97 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/08/27
会議録
○瀬戸山委員長代理 これより会議を開きます。 閉会中御参集願いまして御苦労さんです。徳安委員長が都合によりまして本日出席ができませんので、その指名によりまして私が委員長の職務を行います。 まず台風第九号の災害について調査を進めます。その被害状況につきまして馬場建設大臣より説明を聴取いたします。馬場建設大臣。
○馬場国務大臣 台風第九号による公共土木施設以外の一般被害は警察庁の調査によりますと三十一都道府県に及び、死者五十一名、負傷者百九十一名、行方不明十四名、建物の全壊千八百五十四尺半壊三千四十五戸、流失五十二戸、水田の流失埋没七十四町歩、冠水八千九百五十七町歩、畑の流失埋没百八十三町歩、冠水二千六十六町歩、罹災者数、概数二万四千八百六十一人、罹災世帯数五千八百八十二戸となっております。 公共土木施設の被害は、今回の台風は普通の台風に比較いたしますと降雨量が少くて、従って河川のはんらんにときがたまたま一致いたしましたために起りました災害が大部分でありまして、従って海岸地帯の災害が非常に多いのであります。 各都道府県別の被害は、お手元に差し上げております資料によって、数字が記載せられておりますから、ごらんを願いたいと存じます。直轄と補助、この両方の災害を合せまして合計十四億七千一百十八万三千円ということに相なっております。これが対策といたしましては、被害の甚大な長崎県外三県については準備完了次第に緊要な災害復旧個所を選定いたし、緊急査定を実施いたしまして、九月下旬にはこれが完了を見る予定であります。なお海岸に著しい被害を受けました佐賀県に対して、地方財務局の特別融資額の範囲内におきまして、とりあえず一千万円だけの融資が八月二十三日に決定をいたしました。その他の県に対しましても、必要に応じ融資あっせんの準備を進めておる次第であります。 なお今度の台風による住宅の災害でありますが、その災害の実情につきましてはお手元に差し上げてあります資料の最後のぺージをごらん願いたいと存じます。なおその表には大館の火災に対する状況も記載せられておりますので、これまたごらんを願いたいと存じます。この住宅の災害に対する対策といたしましては、まず第一に公営住宅法に基きまして滅失戸数の約三割の戸数の災害公営住宅を建設するつもりであります。次に住宅金融公庫におきまして滅失戸数の約三割の戸数について建設資金を融資いたします。次に住宅融資保険に基く融資の促進をはかる、かような対策をとって参りたいと考えます。 次に秋田県大館市の大火に関しまして一言申し上げたいと思います。罹災者の数その他につきましては、ただいま申し上げました通り、お手元に差し上げております資料によってごらんを願いたいのでありますが、その災害に対する対策といたしましては、住宅の復旧につきましては、ただいま申し上げました公営住宅の建設、あるいは建設資金の融資その他によりますほか、できるだけ住宅公団による住宅建設をはかって参りたい。続いて防火建築帯の拡充をはかるつもりであります。さらに被災地を含む約八万坪の土地につきまして区画整理を実施するつもりであります。なお昭和二十八年四月、昭和三十年五月及び今回、この三回にわたる大館市の大火災の経験にかんがみまして、不燃都市の建設を目途といたしまして復興をはかって参りたい、かように考えておる次第であります。以上台風第九号による災害並びに大館市の大火に対する状況及びこれが対策について概略を申し上げた次第であります。
○瀬戸山委員長代理 ただいまの馬場建設大臣の説明につきまして質疑を行います。通告順に従ってこれを許します。津津貴君。
○逢澤委員 ただいま先般来の大館並びに台風被害の復旧対策についてはその大要は拝承いたしたのでありますが、私どももこの九号台風の被害に対しまして九州地方の各県をつぶさに見聞したのでありますが、その被害が、今お述べになりましたように、今回は暴風と高潮による海岸地帯の被害が多かったことは、これは同感であります。ところがこの対策といたしまして、過去の法定による対策についてはすみやかにこれを実施するということでありますから、これは問題はないと思うのでありますが、ただ今般の被害の特徴といいますか、かつてないようなことに対する対策についてお尋ねをしてみたいと思います。たとえて言いますと、佐賀県のあの干拓地帯における破堤の結果、家は確かに現存しておる、家はあるのだが、毎日二回ずつ潮が浸入しておる。しかも一メートル余にわたる潮が、干満のたびに出入りするものだから、家はあるけれどもその家を実際に利用することができない。そういう実情がある。ところがこれは破壊しておるのではない、浸水しておるのである。現存しておる家だ。これらに対しては、地元の人もまた県の係の連中もこの対策について非常に心配しておる。現行の法律の範囲によると、現存しておる家だ、破壊しておるのではない、浸水しておるのだ。一百戸も目の前に毎日潮が出入りしておるのでありますが、まずこれらに対してはどのような対策によってこの被害を救済する気持がありますか。これを一つお尋ねしておきたいと思います。
○鎌田説明員 ただいまお尋ねのようなケースのことでございますが、私も現地を見に参りました者の報告を聞いて、今お尋ねのような被害につきまして承知をいたしておるのでありますが、その家は水が引けばまた使える家であろうかと思います。ただかなりの補修といいますか、かなりの手を加えなければいけないことは事実だろうと思います。ただその人たちの生活を考えますと、やっぱりその田畑とともにある人々でございますから、田畑の復旧といいますか、とにかく水を早く出さなければいけないのだと思います。その間の措置としましては、やはり一時的なバラックといいますか、収容所を作る必要があろうかと思うのでございますが、その応急的な収容施設につきましては、罹災救助法によって一部とりあえずのバラックを建てなければならないのじゃないか、こういうふうに考えている次第であります。それから水が引きましてあとの復旧対策、これが非常にむずかしい問題でございますが、これは補修費に属しますので、補修費に対する融資というものが今までのところ過去の災害につきましてずっととられてないのでございます。今までの風水害の場合もかなり補修という問題、大破あるいは半壊というものに対する手当も必要であるということで、そのたびに現地からの要望が非常に強いのでございますが、いろいろな国の全体の財政の立場というようなことから、これらに対する対策のルールがまだ確立していないことは事実でございます。そういう問題につきまして、全体の恒久的な対策としては、この前の委員会において二階堂委員からも御指摘がありましたので、いろいろその全体の融資の方法とかそういうことについては検討中でございます。今度のさしあたりの問題としては、今のところそういうルールがございませんので、何らか適当な方法を研究しなければならないと考えておるわけでございます。
○逢澤委員 緊急対策として潮が浸入しないような措置を講じ、そうして修繕すれば元通りになる、これはお話の通りでありますが、具体的にいってあの場合には堤防を復旧するということは十一月の中旬以降でなければならない。そうするとまだ三、四カ月も先のことになってくる。それまで手がつけられない。御承知のようにあそこは資材がない、石がないところであるから、その石を持ってくるのが十一月の中旬でなければとてもだめだろうということになると、数カ月後でなければその家に入ることができないというような実情であります。そこでバラックとかなんとかいう対策を速急にやりませんと、他の地方と違って干拓農民、しかもあれはまだようやく植付ができるようになって、昨年初めて米がとれたというようなところで、営農の諸君もようやく生活ができるようになったというとたんにやられておるものだから、非常に人心が動揺している。そこに何とかバラックならバラックを建ててやるのだという対策を早急に講じませんと、非常に不安がみなぎっておるということを私まのあたり見てきております。佐賀県における知事の話で、従来の経験によるとなかなかそれが速急にいかないのだということですが、私どもは督励をして、そんなことは常識的に、即刻知事の責任においてやるべきであるということを言っては来ておりましたが、あなたの方で何かの手を速急に打ってもらいたいと思います。 第二の点は、これは浸水ではないのですが、長崎県の高島だとかあるいは熊本県の天草の竜ケ岳町のごときは、十メートル以上十二メートルないし十三メートルもあるというような大きな波が襲来したものだから、そんな波をかぶって浸水しておる。ところが今の法規からいくと町長の心配しているのはどうも該当しないだろう。波をかぶって屋根はもちろん飛んでいる。潮水が家具も畳も、いろいろなものを襲っておる、こういう特例なのです。これを浸水と見るかどう見るかということについては、地元の役所の方々ではだいぶ疑問があるらしい。けれども、現実はかつてないような——あの地方では、ああいう台風は局部的にはかつてないと七十、八十の故老が言うのです。そこでそのような大きな波をかぶって、非常な零細な漁民の方々が家具を失ってしまう。そこで学校とかお寺などに避難をして、ようやく今その家の復旧に取りかかっておるのであります。これらに対する対策はどういうような方法をもって対処する考えでありますか、一応お尋ねしておきたいと思います。
○鎌田説明員 波で破壊せられましても、あるいは川の水で破壊せられましても、破壊の程度によりますけれどもやはりこれは非常な災害でございますので、その対策をぜひ講じたいというふうに考えております。今、高島の住宅がかなり波のためにやられたというお話でございましたが、あそこは御承知のように局で非常に土地がない、岸壁のすぐそばへアパートのようなものを建てている。そのアパートは鉄筋コンクリートのような丈夫なものでなく、昔のもので木造でモルタル塗りというものがかなりたくさんあった。それがかなりやられた。そういうケースには、これはもちろん鉱山というかどこが主になっておりますかそこの事業主があります。そこで、土地がないところでありますのでまた岸壁のそばへアパートなり何なりを建てなければいけないのだろうと思います。そういう場合には、波に対してかなり堅牢なもの、つまり鉄筋コンクリートのアパートのようなものを建設する必要があろうと思いますので、その事業主に対しまして住宅金融公庫から融資でもいたしましてそこへアパートを建てるようなことを今後勧奨していきたい、こういうふうに考えておるわけであります。 なおその海岸地帯の漁村その他の破壊せられましたものにつきましては、その破壊の戸数に応じまして第二種公営住宅を建設していきたい、こういうふうに考えております。
○逢澤委員 次は、災害の復旧に当って予算の関係、また従来の慣例の関係上原形復旧を原則としてやるという話は、しばしば出、この委員会でも取り上げられておるところでありまするが、私今回の被害を拝見いたしまして、いろいろの関係上原則的にはそうでなくちゃならぬと思いますが、特例としては原形復旧ではだめだということをはっきり認識していただきたい。それは、大臣もごらんになった、河川局長もごらんになって自分でよく頭の中に入ってきておると思うのですが、あの高島の防波堤と岸壁というようなものは 現在十五トンばかりのブロックで築いておる。これを十五トンばかりのブロックで原形復旧したって、すぐやられるということははっきりわかっておると思います。これは河川局長も現実を見てわかっておる。あの防波堤は吹き飛んでしまっておる。その場合に、少くとも次は三十トンか四十トンくらいのものを使ってやらねば、原形復旧してみたところで、形だけはできても実質はできないということはよくごらんになっておると思う。それから、あの四南側に面しておる岸壁のごときは、コンクリートの相当強固なもので、裏付が一メートルもあるようなコンクリートでやっておった。それが飛んでしまっておる。鉄筋コンクリートの家の一部が破壊されておる。こういう状況なんでございます。すなわち、災害復旧に対してはあくまでも原形復旧を原則としてそしてそれ以上には田ないという考え方をこの災害に対してもとられるか、こういうような対策に対して具体的なことを、河川局長は現地をごらんになっておるのだから、伺っておきたいと思います。
○山本説明員 私どもも現地を見まして、今度の波浪並びに高潮によりまして相当丈夫なものもこわれておるという現実を見たわけでございまして、それに対しましては、特に重要な地区につきましては再度災害をこうむらないようにやらなければならぬということは私どもも認識を強くいたしたのであります。ただし、災害で全部それをやるということが困難な場合につきましては、災害復旧助成なりあるいは関連事業なり、ほかの費目をつけ加えまして、合併施行いたしまして、再びああいうふうなことが起らないようにしたい、こういうふうに考えております。
○逢澤委員 それに関連してですが、ただいま大臣からの御報告がありましたように、復旧は早急にやる。二カ年くらいでやるというような何かお話しになりましたことを文献の中で拝見したか、聞いたんですが、それは私どもしばしばこの委員会でも論議されておるところで、これは原則は承認いたしますが、局部的には、特に高島の一例のごときを考えると、あの復旧は全部を一ぺんにやらなければ、一年も二年もかかってやるということでは、やるまでに抜けてしまう。これは局長も現地を視察なさったんだから頭にぴんと来ておると思いますが、その他の地方におきましても、これは年度計画によって財政の関係上その道を選ばざるを得ない場合もあることは私どもも承知しております。しかしながら局部的には年次によってこれをやるということでは、災害は待ってくれない。そこで地方民の人心が動揺しておるところも、九州各県ではたくさんある。一体国会は何をやっておるか、この実情を知らないかということを、私どもは現地に行ってしばしば教えられておる。これに対する特別の考え方は考慮せられておると思いますが、この点を一つお尋ねいたしたいと思います。
○山本説明員 お話はお説の通りでありまして、とうてい三年かかってやるというようなことでは、効果も十分ではありませんし、また地元に対してもまた災害を受けるということもありますし、しかもやり直しをしなければならぬというようなことが起きることも予想される個所が多いのでありまして、今の高島の護岸であるとか、あるいは佐賀県の海岸堤の締め切りであるとか、ああいうふうなものにつきましては、特に個々に審査いたしまして原則的には緊急を要するものは三年ということになっておりますけれども、特にああいう河川につきましては、拾い出しまして予算措置を講じたい、こういうふうに考えております。
○逢澤委員 実はこれは災害関係の直接の管理者である建設省の皆さんとしてはそういうように良心的に考えていただけると思いますが、しかし災害復興に対する点については、大蔵省関係の連中も出席していただいて、親しくその点を理解してもらいたいと思います。委員長においては、適当な機会に大蔵省関係の連中も出席してこの審議を進められるようにお願いしたいと思います。 それからもう一点お尋ねしておきたいことがあるのです。それは佐賀県の干拓堤防の一部と、福岡県の大川市、柳川市の間の筑後川の下流地帯の点でありますが、あれを拝見すると、堤防のないところがある。特に大川市のごときは下流には堤跡がない。従って少し高潮が来ると、遠慮なしに市街地に水が入ってくる。あなたもごらんになったと思うが、大川市の大川橋の下流のところのごときは、平常の満潮面から一メートルはない。七、八十センチしかないのです。屋敷があって、堤防というものは一カ所もないということになる。いろいろ筑後川の改修を事務所の連中が来て説明しておりましたが、年次計画はあるらしいが、あれは早急に対策をやらぬと、堤防なしに六、七万という都市の人口を擁しておる市街地に人間を置いておるということは、われわれその責めに任ずべき建設委員としても、建設省としてもあまりずさんだと思う。根本的な対策はできぬかもしれませんが、せめて何とか波よけ程度のものを作っておけば、常時の被害がないと思います。少し高潮のときには、八朔潮には毎年少々は侵入してくるんだというような昔からの慣例を地元の人は了承して黙っておりますが、今回の被害に対しても非常に深刻になっておる。しかもあそこの地帯には建設省と関係の深い建具屋さんが千軒もあるが、建具屋さんだから、紙とか、のりとか、小さい木材とかいうものをやられておる。もしそれが少しの波よけ程度のものでもあったら、そういうような被害は起きないと思う。いろいろ筑後川に対する年次計画もあるようでありますが、私どもは現地の事務所長にもそのことを話した。また事務所長も、この年次計画を改訂してでもこの辺は何とか局部的に手当をしなければならぬということは言っておりましたが、いずれ本省の方にも話があると思います。その時分には何とか早急な対策をやってもらいたい。これに対するお考えを承わっておきたいと思います。
○山本説明員 筑後川の下流地帯の無堤防地帯から今回の高潮によりまして浸水いたしました。福岡県の下流部並びに佐賀県の地帯につきまして潮が浸入いたしまして非常な災害を受けたことは、利どもも現地を視察いたしたのであります。この地帯につきましては、一部非常に地盤の低いところの大詫間というところにつきましては、堤防も現在におきましても構築中でありますが、今仰せになりました大川市につきましては、まだ何も工事が実施されていなかったというのが実情でございます。そこで今回の高潮は大正三年以来のものでありまして、非常に被害も及ぼしますし、また非常に計画立案上におきましても貴重な資料でありますので、これらを基礎にいたしまして現在もすでに改修計画はあるのでありますが、さらに十分な計画をいたしまして年次を繰り上げてまでも一つ早くやりたい、こういうふうに現在におきましては私どもにおきましても考えております。
○逢澤委員 最後にもう一点建設大臣の所見をただしておきたいと思います。 それはこうした災害の場合における緊急施設は、一応今回は大臣を初め枢要な連中も現地に行き、査定官も早急に現地に送ってもらって査定をしていただいておるということは、私どももまた地方民も非常に感謝しておる。しかしもう一歩進めなければならぬと思う。それは家が今若干の手入れをすれば持つものが、基礎も何も洗われてしまっておる。それを少し手入れをすれば、八朔潮が来ても、二百十日なり二十日の風にも何とか対抗ができるというような公共施設や、あるいは個人の公共施設に関連している建物などもある。ところがやはり査定を終っておかないと、あとからいろいろ文句が出てくる。それでは補助をもらう対象に非常に支障がくるというので、しばしば災害を受けるところの知事さんなどが、知事の責任において若干おしかりをこうむってもやむを得ない、この実情を黙視するに忍びずというように勇敢にやってくれておるところの県もある。ところがまたある県によると、政府の査定を受ける事前にいろいろの工作をしておるとおしかりをこうむると同時に、その査定から除外されるようなおそれがある、こういうような考え方から、今復旧すればごく簡易にできるものをそのままほうっておくところがある。たとえて申しますと、このくらいの石を十本とか二十本とか入れ込めば未然に防ぐことができるものを、そのままほうっておくためにその次に風がくればそれが数十メートルの被害を及ぼして、ついには浸水になるというような危険ができてくる。こういう点を数カ所私は見てきておる。そこで知事さんにも、部長さんにも、また農地関係の方々にもそう言っておる。これはあなたたちの良心的な責任において勇断をもっておやりなさい。もしそれが補助の対象にならないというなら、私どもはどこまでも立証して、その対象にすることに努力するということを言ってきておりますが、しばしば災害対策としてその衝に当られる皆さん方は体験なさっておることだと思う。こういう点はすでに地建の方にもお話を賜わって、恒久施設はむろん厳重な査定の上に着手しなければいかぬと思いますが、緊急対策としての事柄は——金の大小は別、むろん緊急対策ですから大きなものではない。こういうものに対しては即刻手分けをして、人心の安定と被害を最小限度に食いとめるだけの措置は、建設省の当局として、常にこれを下部に浸透させておく必要があると思う。それを今申し上げたようなことが下部の間にあるということは、政治が怠慢であるということで、地方民は非常に嘆いておる。こういう手当に対しては地方の町村長ないし地方の土木出張所長を信頼して、災害があると同時に、直ちに復旧対策、緊急対策をなし得るのだという習慣をつけておく必要があると思うのです。これに対する大臣の所見を伺っておきたい。
○馬場国務大臣 逢澤委員からいろいろな点についてお尋ねがありまして、それぞれ担当の局長からお答えをいたしましたが、その中で特に申し上げておきたいと思う一、二の点について付言いたしておきたいと思います。逢澤委員もごらんになりました佐賀県の有明海沿岸いわゆる大正がらみ、昭和がらみ、こういった干拓地の堤防が波浪のために崩壊をいたしております。その第一線の提防の内部に住宅が建っております。その住宅が現在一部水浸しになっておる、その実情をつぶさに見て参ったのであります。そこでこれに対する対策を一体どうすればよろしいか、現在そこに住居をいたしておりまする人々は、県や村のあっせんによりまして、縁故者をたよって一部はそこに住居を定めております。縁故のない諸君は早急に、バラックその他の施設を作りまして、ここに収容しようということで、現在は寺院なんかにも収容いたしているようでありますが、さらにこの緊急措置を拡大していこうということを考えているようであります。なおこれはごらんになりました通りに、速急に恒久的な対策をとるということは、事実において不可能な状態にあります。九月一日を中心といたしまして、また潮位の高い、潮の一番満ちて参りまする時期が到来をいたします。有明海は干満の差が非常に大きいのでありまして、そのために九月一日を中心とする、いわゆる高潮のときが非常に憂慮されるのでありますが、これに対する対策を立てるに当りまして、何しろ時日がございません。恒久的な工事を行うということは、これは事実において不可能でありまするので、応急的に土嚢の積み上げその他の工事を現在もやっておりまして、さしあたりひどい浸水のないようにいたそう、第二線堤防で防止をしようというのが大体の方針であるようであります。 先ほどお話の出ました通り、災害が起りますると同時に時を移さず海岸の工事に関する権威のある技術者を直ちに現地に派遣をいたしまして、応急策並びに恒久策の検討をいたさせたのでありますが、現地の技術者並びに本省からも河川局長あるいは地建の局長それぞれ参りまして、協議をいたしました結果は、先ほど御指摘になりました通りに、十一月半ばくらいまではかかるだろう、応急的な工事をやりまする場合八十五日を要する。その間には雨のHもあるだろうし、風の日もあるだろう、従ってそれらの実稼働日数八十五日ということになりますれば、やはり十一月半ばまではかかるのではないか、その間の措置をどうするかといったようなことで、いろいろ検討してみたのであります。これは御指摘のように何年もかかってやるというわけには参りません。なるべく早く海水の侵入を防ぐ措置をとらなければ容易ならざる事態をかもし出しまするので、これらの点につきましては御意見の通りに、できるだけ早く復旧を見るように努力いたすことは申し上げるまでもございません。 なおこれは建設省の所管ではないかもしれませんが、罹災いたしておりまする気の毒な方々、現在その付近だけの田地田畑を耕していた人たちは非常に困っておいででありまするから、これらの工事に働いてもらうとか、その他の方法を講じまして住宅の問題、生活の問題、できるだけのことをいたしたい、実はかように考えている次第でございます。 なおこの緊急な問題、少しばかりやれば防止ができるといったような点につきましては御指摘の通りでありまするので、十分注意をいたしまして御意見に沿うようにいたしたいと存じます。ただ考えなければなりませんことは、今度の災害の実情を見まして、先ほど御指摘になりましたように、現状を回復しただけではとうてい将来の大きな災害に対処することはできないであろう、かように観察せられるところがそこここに見受けられるのでありまして、これらにつきましては先ほど局長から申し上げました通りに、あらゆる予算措置を講じまして、単なる復旧にとどまらずに、それ以上の方法をとらなければならぬ、かように考えておりますが、それだけにこれら恒久対策についてはよほど慎重に調査もいたし、研究もいたし、技術的にも遺漏のないように慎重を期さなければならぬ、実はかように考えておる次第であります。その辺御了承を賜わりたいと思います。
○瀬戸山委員長代理 次は前田榮之助君。
○前田(榮)委員 今回の第九号台風並びに大館市の大火について建設大臣より御報告がございましたが、これについてまず第一に大臣にお尋ね申し上げたいのは、わが国の風水害は歴年必ずある状態であり、非常な被害国としての不名誉な状態であることは御存じの通りでありますが、幸いにいたしまして、二十九年、三十年等は近年まれに災害が少かったのであります。こうしたときに過年度災害の処理を十分いたしまして将来の災害をできるだけ未然に最小限度に防ぐということこそが必要であると思うのでありますが、その点には十分なる施策が行われておるとはわれわれは考えられない。まことに残念だと思っておるわけであります。 そこで大臣にお尋ね申し上げるのは、本年も今後第十、第十一といろいろな台風が生まれる予想がつくわけでありまして、この災害に対して従来政府がとって参りました三・五・二の比率によるところの災害復旧、こういう計画が立てられましたけれども、大体において大勢は、どういう状態で災害復旧をやられても、なお依然として過年度災害として三カ年で完了しない情勢なのであります。そこで今回の災害については、馬場建設大臣は災害地の中心たる長崎県の方でもございますので、相当力を入れられると思っておるのでありますが、今山本河川局長の答弁では、三年を待たず二年でできるだけの力を入れて復旧の促進を行う、実はこういう頼もしいことを聞くのでありますが、大体馬場建設大臣はこれらの災害に対して、今回のものばかりでなしに、全体として従来の三・五・二の比率を堅持される考えか、また今回のような従来の風水害の災害とは多少量や率において違った点があって非常に急速を要する災害については、三カ年を待たず二カ年でやるという方針を立てるのか、この災害に対する根本方針というものをこの際明らかにいたしてもらいたいのであります。 まず第一はその御答弁によって御質問申し上げたいと思います。
○馬場国務大臣 災害復旧が従来おくれておりますることはまことに遺憾千万でありまして、災害国といわれているわが国におきまして、その復旧がおくれておりまするために、しばしば台風時にさらに大きな被害をこうむっているということはまことに遺憾千万でございます。これが速急に復旧を実施いたしますることは私どもの責任でありまするので、あらゆる方途を講じて参りたいと考えておるのでありますが、ただいま御指摘のように、緊急を要するものは三カ年ということになっておりまするのは、これはいわゆる原則でございまして、その場合々々の実情に応じまして、三カ年を要したのではその効果が乏しいとか、あるいは、次の災害にさらに大きな被害をこうむるおそれありと思われるような重要なる場所につきましては、さような原則にとらわれることなく、なるべく短期間の間にこれが完成を期したいと考えておる次第であります。
○前田(榮)委員 大体の根本方針はただいま申されたのでありますが今回の災害について、具体的にいかなる年度計画に基いて行おうとされているか、この点はまだ明らかにできない状態でございましょうか。
○馬場国務大臣 これは御承知の通りに、現地の実情を一応調査をいたし、さらに技術的な査定をいたしまして、これによって計画が立てられるわけでありまするので、その結果の完了を待ちましていわゆる計画を立てるということに相なります。ただいま急いでそれを実行いたしておるのでありますが、九月中にはその調査が完了をいたすつもりでありまするので、それに基きましてできるだけ早い計画を立てたい、かように考えております。
○前田(榮)委員 そこでさしあたりの問題といたしましては、災害地につなぎ資金の融資をいたしまして、次の風水害に対してさしあたり緊急必要なる一つの防御工作を行うという点からも何らかの処置を行わなければならない。現地におきましては当然つなぎ資金というものが必要になるわけであります。そこで、佐賀県においては一千万円のつなぎ資金というお話を承わったのでありまするが、長崎県におきましては、知事の陳情によりますと五億一千三百万円のつなぎ資金の要求が出ているようであります。もちろん地方府県の要求そのままを承認するというわけにも参らぬことでございましょうから、それぞれ御検討、御査定をなさるには違いございませんが、あまりにこの要求額と査定額の差がはなはだしいということは、日本の行政上の一つの欠陥ともいうべきものがあるのでありますが、長崎県の五億一千三百万円、さしあたりのつなぎ資金として要求してもらって、これこれの工事を行うということでありますが、これらに対して、馬場建設大臣はいかなる処置をとられるお考えなのか、お聞かせ願いたいと思うのであります。
○馬場国務大臣 お話のように、緊急を要する問題については、いわゆるつなぎ融資をいたすのであります。これは予備金が支出いたされるまでの緊急の措置としてのいわゆるつなぎ融資でありますので、先ほど申しましたように、佐賀県の申請に対しましては、さしあたり一千万円というつなぎ融資を認めることにいたしました。長崎県からの要求も書面によって承知をいたしておりますが、これは十分に検討いたしましてさらに大蔵当局とも相談もいたしました上で、やむを得ざるつなぎ融資の申請なりと認められるものに対しましては、なるべくすみやかにこれが実行をいたしたい。予備費が十月には支出できるかと思いますので、それまでの間の緊急を要する部面に対しては適当の処置を講じたい、かように考えておる次第であります。
○前田(榮)委員 それからその次にお尋ね申し上げたいのは、原形復旧の問題は逢澤君からお尋ねがありましたから省略いたしますが、一カ所の被害個所十五万円をこえたものに対し国庫支出の対象とされておる点でありますが、今回の台風の中心地帯から相当離れたところは、割合雨量が少かったために被害は小さいようでありますが、小さいながら個所は相当あるわけなのでありまして、その小さいところは、十万円に満たないところが部落あるいは町村にありまして、被害復旧対策にならない額の点があって、それを総計いたしますと、町村の負担としてはたえられない程度に——今日地方財政貧困な時代において、地方の町村からいろいろな意見が出ておるようであります。私は先般山口、島根の方を私用で回ってみたのでありますが、その際われわれに訴えられる町村側の意見は、口をひとしく、この一カ所の損害額ということでなしに、やはり部落とか、あるいは町村を単位とした被害額というものにしてもらわなければ困る、こういうことであります。これは今回の海岸堤防等が随所に破壊いたしておる情勢から考えましても、この際必要ではないかと思うのでありますが、この点改正される御意思があるかいなかをお聞かせ願いたいと思います。
○山本説明員 お説の通り、現行の法律によりましては、府県工事は十五万円以上、市町村工事は十万円以上ということになっておりまして、それ以外のものに対しましては別途起債を考えるということになっております。そういうことでありましてそれらの起債につきましては、私どもといたしましても自治庁の方にできるだけその線に沿うように、交渉もして参ったのでございます。これは法律を改正いたしまして、十万円以下のものにつきましても考えるようにしよう、こういう点についての意見でございますが、この点につきましては、今直ちにどうするということも申し上げにくいわけでございまして、今後におきまして実情をよく研究いたしまして考えてみたい、こういうように思っております。
○前田(榮)委員 もう一つお尋ね申し上げておきたいのは、今回の災害が高潮並びに風の災害といいますか、そういう方面のために、海岸、島嶼地帯に被害が必然的に多くなったことは申すまでもないのでありますが、そこで佐賀県の干拓地帯が農林省と建設省の所管の関係、その他の海岸においては、漁港と一般海岸堤防との関係というようなことでやはり農林省と建設省の共管の個所が多いと思う。これは地方では大へん迷惑な話でございまして、いずれにいたしましても日本政府の行うべきことでありますから、もちろん御協議なさることだと思うのでありますが、それの協議がうまくいっておらないと因るので、そういうことはどういうふうに取り扱おうとされておるか。これは実際問題で重大な問題でございますから、もっと真剣になって取り扱ってもらいたいのでございます。それの御意見をお聞かせ願いたいと思う。
○山本説明員 この問題につきましては、私どもといたしましても慎重に考えなければいかぬということは、お説の通りでございまして、先般の国会におきまして海岸法を制定いただきましたので、その政令を近く公布いたしまして、それに伴いまして各省の所管ははっきりさせるつもりでございます。そうして今おっしゃいますように、一つの目助を持つ堤防なり海岸施設が二省以上の省にまたがるというようなことは、現在においてもないのでございますけれども、一つの構造物は一省が責任を持ってやるというふうな形にいたします。今回の災害につきましても、農林省と打ち合せしなければならぬ点がございますので、事務的に向うへも申し入れまして、よく相談の上やる、こういうことで進めております。
○前田(榮)委員 最後に大館市の大火についてお尋ね申し上げたいのですが、秋田県は過般の能代の大火と引き続いての大火で、住宅困難な時代にこういう大火があったことはまことに残念なことであります。日本の文化の一つの恥辱とせなければならぬと思うのであります。そこで大臣の御説明にございましたように、防火帯の施設を強化するということでありますが、防火帯の施設を徹底的にやって再びかようなことの起らないようにしてもらわなければならぬと思うのであります。そこでそういうことはただ一カ年で完成するとは思われない。当然一つの年度計画を立てて、確実な計画のもとに実施しなければならぬと思うのでありますが、これらのもっと具体的な計画ができているならば一つ御説明を願いたい。 それから公営住宅三O%を行うということでありますが、この公営住宅は不燃化建築を行うのかどうか。なおまた近代的都市としては都市の高層化という関係もございまして、従来の平屋建などというものはもう時代おくれなのでありまして、当然四階五階の建物が必要である。そういう場合にこの大館市程度の都市において、東京都や大阪市等でやっているような住宅ということではなしに、やはり一階は商店街等に使う、市街地に合う住宅というものをこの際考えて行わなければならぬのじゃないかと思う。こういうことについてももう少し具体的に計画を確立されて行わなければならぬと思うのでありますが、それらの計画はすでにできているのか。またそういう計画を立てようというお考えがあるのか。大館市の復旧に対するところの根本方針とあわせて、具体的な年度計画等を明らかにしてもらいたいと思う。
○鎌田説明員 大館市の火災の復旧対策の根本的な考え方につきましては、先ほど大臣から申し上げましたように、不燃都市を実現するためにあらゆる策を講ずるという考え方でございます。そこで防火帯の設定で、ございますが、この大館市は、実は前々回の大火のときに一部防火帯をすでに指定をいたしておりまして、そのうちの一部分の事業について実施をいたしております。その結果、その防火帯が今回の火災でかなり有効に働いて、火災を食いとめたという実例もございますので、地元の方のこの防火帯に対する信頼はかなり高まっております。従って今回ぜひこの防火帯を拡充いたしたいと考えている次第でございます。 そこでもう少し具体的に、数量的に申し上げますと、実はこの防火帯は、前にやりましたもののほかに、今度国道沿いに五百五十メートルにわたりまして両側を防火帯の指定をいたしたいと考えております。すでに防火帯の指定をいたしまして、まだ未造成の間口の延長が約六百メートルございますが、これと合せますと、千七百メートルばかりの間口の防火帯を造成することになるわけでございます。それを二年半くらいにわたりましてぜひ作るようにいたしたい、今年度はさしあたりそのうち一部分を補助いたしたいというので、その資金の手当を現在いたしているところでございます。 なおこの防火帯の造成に当りまして、防火帯内に建てます個人の方々に、補助のほかに住宅金融公庫による特定の融資をいたしたいと考えているわけでございますが、それだけでも足りません場合、もう少しこの防火帯内の共同建築のようなものを造成して急速にやりたいという現地の御要望もあるようでございますので、その店舗と住宅を合せまして、ただいまお話のありましたような高層化の線に沿いまして、日本住宅公団に建てさせまして現地の方々に分譲する。こういう方法をとりますと、実は頭金がなしに、月々の償還金だけで分譲を受けられるわけであります。そういうような方法もあわせて行いたい。この方法につきましては、すでに前回の新潟の大火のときに柾谷小路に防火帯の実施をいたしまして、実はあれから半年でありますが、すでに日本住宅公団の分譲の共同住宅が完成しかかっております。そういうふうに割合に半年の間に急速に永久的な建築ができるという方法もございます。そういう方法も今回ぜひ大館のメーン・ストリートにとるようにいたしたい、こういうふうに考えている次第であります。 それから公営住宅の普及対策でございますが、公営住宅方式によります住宅の供給でございますが、これも木造のいわゆる第二種公営住宅を建てるということだけでなしに、ぜひ簡易耐火構造程度の住宅つまりブロック構造の住宅を建設するようにいたしたいというので、現地とただいまいろいろ協議中でございます。そういう対策によりましてなるべく不燃化した都市を実現していきたい、こういうふうに考えております。
○瀬戸山委員長代理 三鍋義三君。
○三鍋委員 大体各委員からこの災害対策に対する御質問が尽されたと思うのでありますが、私最後に大臣にお尋ねしてみたいのは、毎年起る災害、そして毎回開かれる当建設委員会、その委員会で審議される内容をずっと聞いておりますと、ほとんど同じことを一つのワク内において論議されているといった感じを強く持つのであります。小さいコップの中の水をかき回しているような感じを受けまして、何か頼りない、希望のない、一体こういうことをおざなりにやっておって、ほんとうに国民のための災害対策というものをまじめに取り上げているのかどうかということを、審議している委員各位もそこに大きな疑問を持っていると私は推測するのであります。そこで私は、大臣にお尋ねしたいのは、もう少し何とか根本的、抜本的な対策が政策として打ち出されないものか。せめてどんぶりの中の水をかき回すくらいな——大きなことは今は望まれぬでしょうけれども、そういった対策を、来年度の予算を審議される段階に入っておられると思うが、大臣の御所見をお承わりしたい。昨年は幸いにして災害が少かったのでありますが、そういうときにこそ何とか乏しい予算によって少しでもという気持を持つのが常識であるのに、災害、治山、治水費が大幅に削られているといったようなああいうやり方でなしに、予算折衝に当られる段階といたしまして、せめて自由民主党の掲げておられる政策の中において何とかもう少し、同じことを繰り返して小さいワクにはめられて私たちが悩んでいるこの気持を打開することができないものか、これに対する大臣の御所見を伺いたいのであります。
○馬場国務大臣 例年災害が起る、これはまことにわが国の宿命とも申すべき事態でありまして、これが対策をすみやかに、しかも全面的に樹立いたしまして、実行をいたすということは当然のことでありまして、皆様方とともに常にこの問題に対しては頭を悩ましておるのであります。ただ遺憾ながらわが国の財政の実情におきまして、必ずしも予算がわれわれの希望通りに参らない。そのために思うた通りの仕事ができない、こういう実情にありますことは御承知の通りであります。遺憾千万に存じておるのであります。さればと申しまして、もちろんこのままでやむを得ない、放任するような気持は毛頭もないのでありまして、何とか与えられたる範囲の予算において善処をいたしますのみならず、予算の編成に当りましては、御指摘のように全力をあげてこれが増額をはかって参りたいというのは、私の年来の宿望でございます。今度予算を編成するに当りましては、御指摘の趣旨はもう十二分に骨身にしみておりますので、できるだけの努力をいたすことは申すまでもございませんが、治山、治水、災害の防除、そういった方面に貢献をいたしますダムの建設等につきましては、特に構想を新たにして皆様方の御審議を仰ぐことがあるかと考えます。 ただ、この際申し上げておきたいと思いますのは、災害ごとに御指摘のように同じような議論を繰り返しておるのは、いかにも残念であります。ただおざなりにやっておるというわけではございませんので、実は与えられました予算の範囲内におきまして全力を尽しておるつもりであります。先般私は犀川の上流の砂防工事を実地に見て参りましたが、その砂防工事に直接当っております現地の諸君のごときは、急傾斜の山腹に身を危険にさらしながら一生懸命に砂防のことに当っておりましてその成績も着々上っておるのであります。現地の諸君のあの真剣な努力を見ますごとに頭の下るような思いがいたすのでありますが、われわれは中央・地方一体となりまして、この治山治水の問題に真剣に取り組んでおる、こういう事実だけはぜひ一つお認めを願いたい、かように考えておる次第であります。なお御意見一々ごもっともでありますので、御趣旨を体してできるだけの努力を払いたいと存じます。
○三鍋委員 誠実なる大臣の御所見を承わりまして、私たちも非常に心強く思うのでありますが、当委員会におきましても、大臣の御構想に全面的な協力を惜しまない熱意と努力を尽したいと思いますので、どうかただいまの御所信に伺って、一つ来年度の予算処置その他につきまして十分御配慮をこの上ともお願いしたいと思います。 次に河川局長にお尋ねしたいのであります。先ほど前田委員からもお話がありましたように、これからまた台風その他の災害が予想されるのでありますが、とにかく限られた予算内において、その災害をできるだけ小さく防ぐための応急処置といいますか、指示、助言といいますか、そういうものを各都道府県に対してどのようになされて、どういう対策を講じておられるか、これをお聞きしたい。
○山本説明員 年々台風等の被害がありまして、ことしもすでに豪雨並びに台風によりまして数回、全国各地に被害を受けたのではございますが、これを最小限度に食いとめる手段といたしましては、災害を受けたところは、危いところはできるだけ早く復旧しておく、手当をしておくということと、それから構造物の痛んでおるものにつきましては、それを早く維持、修繕をしておく、それから次は、一朝有事の際に水防等によりまして極力被害を最小限度にとめるというふうな、いろいろな方法が考えられるわけでございます。そういうわけでありまして、改修工事、治山治水の工事につきましては、出水期に備えましてできるだけ工事を急ぐということがまず第一に必要になってきます。それから出水に当りまして、万一のことがあってはいけないので、水門とかあるいは構造物等の点検を出水期に当って十分にしておく、それから水防計画を十分に、機動的にできるように、資材を重要なところに配置しておく、それから水防訓練等を行いまして、一朝有事の際に、並も機動的に、有機的に働けるようにしておくことが必要なことでございまして、今の水防計画等につきましては、毎年度危険個所等を地方建設局並びに県の方で、十分現地を勘案いたしまして、水防団体に知らせておく。そういう事実を基礎にいたしまして、地方の水防団体では、県を中心といたしまして、水防計画が樹立せられております。その重要なものにつきましては、建設省にもその認可の申請が参っております。そういうような方法をとっておくことが必要なのでございまして、出水前に当りましては——大体五月ころでございますが、それらの点について万遺憾なきを期するように、各地方建設局並びに知事さんの方に処置をお場願いをし、また処置するように命じております。それから台風あるいは、雨の発生する前におきましては、気象庁と密接な連絡をいたしまして、どのくらいの台風がくるであろうとか、あるいはどのくらいの雨が降るとか、あるいはどのくらいの洪水がくるとかいう点につきましては、洪水予報並びに水防警報等を適時発しまして、水防団等の活動があやまちなく十分できるように指示を与えるというような処置をとっております。
○三鍋委員 ただいまの御答弁は、私ごく常識的な御答弁のように承わったのでありますが、大体堤防が決壊するとか、あるいは浪害をこうむるとかいう、この災害の状況を見ますと、当然やられると思っておるところがやられているんですね。これはもう少し何とかならないかということを考える。それから水防の訓練も充実して対策を講じておるとおっしゃいましたが、あれはいつだったですか、竹山建設大臣のときだったと思いますが、利根川の水防訓練を私見学に行ったのですが、なかなか元気よく、動作機敏に訓練ができておることは認めるのですけれども、ああいうことで堤防の決壊その他応急処置が実際にできるのかという、原始的なものから一歩を出ないような気がするのですが、もう少し何か機械力、機動力を発揮して、近代科学的な、そういう応急対策を考えていられるのかいられないのか、こういう点も今お説明がありましたから、ちょっと疑問の点をお聞きするのでありますが、いずれにいたしましても私の言わんとするところは、少い予算で当然予想される災害を未然に最小限度に防ぐために、どのような努力を科学的根拠によって対策を講ぜられているか、これをなお御検討の上、災害を最小限度に防ぐような方策を講じていただきたい、こういうことなのであります。 それから別紙二の表で、融資の点でありますが、これはどういうのですか、私しろうとでありましてわからないのでありますが、査定額と決定額でありますが、これはどういう比率でなされるのか。あるいは査定額を何年かの、あるいは半年及び一年といったそういうめどのもとにこの決定額が出るのか、ここら辺をお聞きしたいと思います。 それからもう一つ、北海道その他審査額と決定額の空欄になっておるのはどういうのか、これをお尋ねしておきます。
○山本説明員 ただいまの問題につきまして御説明申し上げます。この表におきまして、最後の欄に融資という欄がございまして、審査額と決定額という二つの欄がございます。この審査額が空欄になっておりまするのは、まだ都道府県からつなぎ融資の申請がなかったもの、あるいはこれからなされるものと考えられるものもありますが、いずれにいたしましても、各都道府県から申請のなかったものでございます。 それから審査額と申しますのは、応急の復旧工事を要するものを県から持って参りまして、それを私どもと大蔵省の主計局の方で査定いたしまして、応急復旧工事を必要とする額ということできめたものでございます。それに対しまして、決定額というのは、その審査額に対しまして国庫の負担率三分の二をかけまして、さらに工事をやるために前渡金で渡す三割というのを見ておりまして、結局それだけの処置を講じておきまして、予備金の出るまでの仕事はそれで進められるという計算になっております。
○三鍋委員 大体そうすると、応急処置ができるということになるわけですね。
○山本説明員 そういうことでございます。
○三鍋委員 もう一点。秋田県の相次ぐ大火の問題でありますが、秋田県は木材の産地でありまして、材木に不自由がないからかもしれぬけれども、実に結果的にははでなことになっておるわけでありますが、今度大館の六百九十二戸を焼失しておるのでありますが、これは私なかなか人の力で防ぎ得ないいろいろな問題があると思いますけれども、三回もこういう災害が起るということは、やはり問題だと思うのでありますが、最後の大館市の火災がこういう大火になった原因は一体どこにあるか、もし御調査ができておればお聞かせ願いたいと思います。
○鎌田説明員 原因につきましては、国家消防庁その他におきましてもいろいろ検討をされておるようでございますが、私の聞いております範囲におきましては、やはり何といいましても水利が悪かった。あそこは御承知のようにまだ水道は敷設しておりませんで、最近できかかっておった水道がまだ水が通っていなかった。もう少しで水が通るようなことになっておったのでありますけれども、まだ水が通っていなかったというような、つまり水利が非常に悪いというような点、それから風速がかなり強かったというような点、いろいろございまするが、結局はやはり都市全体が非常に燃えやすい状態といいますか、ほとんど耐火構造の家屋はなくて、今度焼失いたしました地域のほとんど全部が木造でございます。その中に土蔵がかなりあったようでございますが、土蔵のうちでも、やはり燃えましたもの、あるいは残りましたものもかなりございますが、土蔵があっただけで、あとは全部木造家屋であるというような点、そういう点が重なり合って今回の大火になった、こういうように来えております。
○三鍋委員 そこで私お聞きしたいのは、もうちょっとで水道の水が通るところだった、こういうわけですね。これは水道が通っておっても、風速が強い場合なかなか防ぎ切らぬ場合もあるだろうと思うのでありますが、何も大館市だけでなくして、こういう大火があるのですが、そのあとへ建築されるわけですね。そういう場合に、防火地帯とかあるいは防火建築ということも考えられるでしょうけれども、やはりまず道路の整備とか、下水とか、水道とか、こういうものが先に計画されてそうして整備されて、それと相前後して立ち上っていくというのが常識のように考えるのでありますが、もちろんこれには予算その他の関係があると思うのでございますけれども、今後こういう大火のあとの建築に対しまして、こういった何か指導をなされておるのか、もう適当にやれといった形でやらせられているのか、結局燃えてしまったら、やはり国民全部の負担になり、罹災者は非常に苦しむのでありますから、こういう面につきまして住宅局長のお考えをお尋ねしたいと思います。
○鎌田説明員 確かにお話のように建築面だけではカバーし得ない問題だと思います。もちろんこういう罹災都市につきましては、これは計画局の所管になりますが、十分の都市計画事業を実施いたしまして、道路の幅員を確保し、あるいは水道の問題、下水の問題、あらゆる面の検討をやはりいたす必要があろうと思います。なおその上で建築対策としてはどうすべきかという問題でございますが、私どもとしましてはなるべくこの地力の都市まで防火地域を指定いたしまして、防火帯をさらに指定し、これに補助、融資等をあわせまして、なるべく不燃の建築をよけいにしていくという方策をぜひとっていかなければならぬ、こういうふうに考えておる次第でございます。なお住宅のようなもので、なかなか個人の趣味といいますか、習慣その他からやはり従来の木造を好むような点がございます。そこでそういうものにつきましては、なるべく住宅金融公庫の融資というような面につきましても耐火構造の方を有利な条件にするというような方法も講じまして個人が建設する住宅につきましてもなるべく耐火構造のようなものを多くするような方策も講じていきたい、こういうふうに考える次第であります。
○瀬戸山委員長代理 山田長司君。
○山田委員 本年度の災害には幸いにして出会っていないのですが、いつ何どき災害に出あうかわからない北関東の問題につきまして、一言大臣及び河川局長に伺っておきたいと思うのです。実は五里四方にわたる足尾銅山を持っておるという関係で、一たび風水害があると栃木、群馬の北関東の一帯はかなり大きな被害を受けるわけです。大臣も現地をおそらく視察されておると思うのですが、足利の岩井山というところがありますが、あの岩井山の周辺は毎年々々予算の問題で、水害が起ると非常な被害を受けることがわかっていながら、これが遅々として進行せずにおるので、その周辺の住民たちは農を業としておる人たちにしても商を業としておる人たちにしても、いつ何どき自分の家が片づけられるかわからぬ、これはおそらく河川局でそういう大きな改修計画の発表がなされておるという関係からきておると思いますけれども、一体これは今どういう関係に置かれておるか、地元の百姓としては実際いつ自分のところが片づけられるかわからぬという事態のために、安心して仕事ができないでおる、こういう状態に置かれておりますので、これについて一つ伺っておきたいと思うのです。御承知の通り足尾が五里四方裸山である関係で、一たび風水害がありますと二時間、三時間後にはこの地方一帯というものはかなり危険な状態にさらされる関係がありますので、やはりただ現地を視察しただけではなくて、これは前の建設委員長もおいでになって見ておられますけれども、地元の人たちにとっては全く死活問題なのです。ですから建設省としてどんなふうなお考えを持っておられるか、大臣及び関係当局に一つ伺いたいと思います。
○馬場国務大臣 御指摘の岩井山につきましては私も重大な問題であると考えまして、現地を視察いたしましたので、現地の状況は大略承知をいたしておるつもりであります。ここは御承知の通り下流が湾曲いたしておって、その湾曲部にいわゆる岩井山という小さな丘が存在しておる。そこでその周囲の堤防その他の決壊いたしましたこともあったそうでございまして、これが改修はできるだけ急がなければならぬ、かように考えておるのであります。ところであの個所は非常にむずかしい個所だそうでございまして、岩井山を境といたしまして上流の方の砂の大きさと下流の方の砂の大きさが、わずかに岩井山一つを隔てて砂の大きささえも違うといったような状況だそうであります。従いまして技術的にもこれをどういうふうに改修したらよろしいか、非常に慎重を要しますので、ただいま研究所で精密な検査を行わしております。あの河川の流れと同様な流れを五十分の一でしたかの模型を作りまして、その洪水時の流量であるとか、あるいは水の流れの早さであるとか、土砂の堆積の状況であるとか、あらゆる方面からこれが研究をいたさしております。何分非常にむずかしい個所だそうでありますので、急ぐことも必要でありますと同時に、慎重を期して十分に検討をいたしませんと、もしその改修工事にあやまちでもあります場合には大へんなことになりますので、一面急がなければならぬという要求、一面りっぱな工事をしてあやまちなきようにしなければならぬという要求、この二つの要求をできるだけ満さなければならぬというつもりで、ただいま懸命に研究をいたさしておるのであります。御意見はよく私も承知をいたしておるところでありますが、詳しい点については河川局長より説明を申し上げます。
○山本説明員 ただいま大臣から申し上げましたように、岩井山の下流につきましては主として大正時代に改修工事を行なったのでございまして、一応改修工事が済んでおったのでございます。また岩井山上流の足利、桐生方面の改修工事はたしか昭和十六年ごろ新しく改修工事に着手いたしたのでございますが、その後二十二年、二十三年に非常な水害がございましてお説のように土砂の流出も非常に多くて、惨たんたる状況を呈したのでございます。そのときに岩井山の付近の堤防も切れまして、あの辺に非常な災害を起したのでございます。それ以後におきまして桐生、足利方面の堤防工事は相当進捗したのでございますが、何と申しましても岩井山の問題を解決するのが今後におきましては中心の問題でございますし、また急を要する問題でございます。しかしああいうふうに非常に屈曲が激しい個所でございますので、あれに変革を与えるということは上流並びに下流の川に対しまして相当の影響が予想されるのでございます。先ほど大臣からお話がございましたように、川底の土砂の問題にいたしましても、あるいは川の突き当る形にいたしましても、上下流に相当の影響を及ぼすということが予想されますし、またああいうふうな工事を今までにやった例も非常に少いのでございます。従いましてこれを川をつけかえるなりの方法を決定するということは、将来に対しまして非常に重要な問題でございます。そういうふうな理由から、現地の状況に最も近い模型を土木研究所で作りまして、昨年から実験をしております。その内容は、あそこの部分につきまして現在の川の流れと同じような流れを現出するような模型をいろいろ修正いたしまして作っております。それに水を流しまして、川をいろいろな形に変えまして、水の当り工合であるとか、あるいは土砂の移動工合であるとか、そういうふうなものを調べまして、最も理想的な形を模型の上に作り出してみるというふうな方法を今研究中でございます。その結論を待ちまして、あの部分の計画を最終的に決定したい、こういうふうに考えております。
○山田委員 大体大臣と局長のお話で要領は得たのですが、やはり地元に何百名という生活者がいるわけです。一体模型を作って研究されているのはいいのですけれども、地元の農民としては常に不安な状態に置かれておると思うのです。その点で、模型は大体いつごろになったら完成するのか、やるのかやらぬのか。——やるつもりではあるようだけれども、一年も一年半もたってもさっぱりその様子がない。しかしこの台風期を前にしては、地元の人たちとしてはこの前数十人の人を水死させているというような関係がございますから、空を見ながら、風の工合を見ながら年じゅう苦労していると思うのです。こういう点で、やはり建設省としてはもっと明らかな立場を明示してやる必要があると思うのです。一体いつごろ、その模型による試験の結果が出るものか、それからその出た結果によってはいつごろから一応工事にかかるのか。いずれにしてもあの事態というものは結果的に悪いということがはっきりしているのですから、その点何とかもう少し誠意のある大臣の御答弁をいただきたいと思うのですが、いかがですか。
○馬場国務大臣 これは先ほど来申し上げます通りに、決して放任いたしておるつもりではないのでありまして、非常にむずかしい事態でありますだけに、われわれといたしましてはできるだけ慎重に研究をして、いやしくも工事をやったならば二度と再び流域の方々に御迷惑のかからぬように、かようなつもりで実は研究を実施いたしておるのであります。特に土木研究所に命じまして模型を作って研究をしておりますのは、さような意味合いからの配慮でありまして決してこれを等閑に付しているというようなわけ合いではないのであります。ただ、お話のように流域の方々の御心配は十分わかりますので、できるだけ早い機会にその結論を得ましてこれを実行に移したい、かように考えておるのであります。研究のしっぱなしで実行をしないという考えでは毛頭ございません。皆様方の御協力を得て、なるべく早くこれを実施いたしたいというように考えておるのであります。
○山田委員 大臣も現地に行ってみてわかっているように、一雨台風があれば必ず災害が起ることはわかっておるのです。これは現地の人ばかりでなく、大臣自身もわかっていると思うのです。ですから、長い間の研究の結果が出たら、地元にどういうような方針で進むんだというようなことくらいはやはり明らかにさせないというと、農民自体が農に精を出す張り合いがないと思うのです。こういう点はやはり明確に、研究の結果の結論はいつごろ出る、その結果によってこういうようにしたいのだということを現地の出張所の所長に、部落の人あるいは村や市の人たちに何か明示の方法はないものですか。
○山本説明員 この点につきましては、従来地元の方々に対しましていろいろと御迷惑をかけたような点も考えられますが、今後におきましては、今模型実験もやっておりますからその見通しを早くつけまして、さあきまったからすぐというようなことがないように見通しをつけまして、地元の方々によく納得していただいて工事を進めるように取り計らうつもりでございます。
○瀬戸山委員長代理 私から建設省にお伺いいたします。 大館の火災の現場は先日私も見て参りましたが、その復興計画その他については先ほど御説明がありました。その際に非常に感じたことは、先ほど住宅局長からも説明がありましたように、二十八年の火災のあとにいわゆる防火地帯を一部作っておりまして、それが非常に有効な力を発揮しておる、それで延焼を防いでおるという実情であります。それからあそこにブロックの工場が一つありまして、私も見ておりますが——ブロック建築も今徐々に普及しておるようでありますが、間にブロックの耐火構造の家があるところは助かっておる。もう一つ、火災の末端の方で個人で建てた鉄筋の家を除いて、その間隙を縫って延焼しておる。こういう実情で、防火帯といいますかいわゆる不燃建築がいかに重要であるかということを現地で如実に証明しておったのであります。そこで現場では先ほど御説明がありましたように、連続の大火で戦々きょうきょうとしておる状態であります。万難を排して不燃都市を作りたいという市当局、また地元の人たちも考えておるようであります。先ほど防火帯の話が出ましたが、これはぜひ実施していただきたい。私からも希望を申し上げますが、ただここで問題になるのは、国の補助以外に市と県の負担があるわけでありますが、秋田県も大館市も非常に財政が貧困な地方公共団体であります。そういうことでいわゆる再建整備団体ということになっておりまして、地方財政が非常に窮屈になっておる。かりに防火帯に指定されて国の補助金が出ても、市や県の負担がなかなか困難だというのが現地の実情なんでありますが、そういう問題について建設省は、これは建設省ばかりの問題ではありませんけれども、どういう考え、どういう見通しをしておられるかこの際明らかにしてもらうと、県にしても市にしても、将来の計画が立つのではないかと思いますが、これは住宅局長でもけっこうです。
○鎌田説明員 防火帯の造成は、確かに今お話のように、国の補助とそれから地元の補助と二つが合さりまして個人に対する補助、こういうことになるわけでありまして、国が坪当り六千六百円の補助をいたすわけであります。それに対しまして県と市、これはいずれでもけっこうなんですが、合せましてやはり同額の六千六百円、それで個人にはそれを合せまして一万三千二百円の補助がいく、こういうことになっております。従いまして国と同額の資金が要る。国は何ぼ要るかということを今計算中でございますが、今度指定しました防火帯に全部不燃建築が立ち並ぶごとを考えますと、約三千万円ちょっとくらいの金が国として要ります。従いまして、地方もやはり三千万円程度要るわけでありますが、その点につきましては、確かに御指摘の通り、あの地方はなかなか困難な財政的な事情にあるようでございます。この点につきましては自治庁ともよく相談をいたしまして、善処いたしたいというふうに考えております。
○瀬戸山委員長代理 その問題は現地では非常に心配されておりますから、これは各委員からもお話がありましたように、焼けない家、焼けない都市を作るということは、常に言われておる重要なことですから、どうか一つ政府自体も積極的に御相談下さって、こういうところは救済するという意味で御努力願いたい。 それからもう一つ、これに関連しておりますが、私現場を見まして、こう言ってはなんですけれども、東北地方の建物というものは非常に貧弱で、火災に対しては絶対弱いという状況なんです。ですから人家、いわゆる連檐地区だと火災が起ると大火になるのは当然だという状態を示しております。そこで先ほど申しましたように、火山灰の利用でブロック建築などをぼつぼつ始めておるという状況なんですが、それと先ほど台風関係で多くの建物が災害をこうむっておる、こういうことを考え合されて、例の北海道に試みております耐寒住宅という名前でやっておりますが、ああいう制度を、日本全国というわけにはいかぬですけれども、こういう東北地方みたいに、非常に建築物が脆弱なところ、火災の非常に危険のあるところ、それから台風に始終やられて建築が災害をこうむる、こういうところにはあの法律を広げるか、あれに似たような法律を制定して国がやはり力を入れるということが必要じゃないかと思うのですが、それに対して今日ただいま結論はもちろん出ないと思いますけれども、どういう考えを持っておられるか、この際承わっておきたいと思います。
○鎌田説明員 東北地方の家屋が、他の地方の家屋に対しましていろいろの点につきまして劣っているということは確かにお話の通りでございます。そこで東北地方の気象その他あらゆるそういう外的な条件を考えてみますと、確かに東北地方の家屋というものは純粋科学的に考えれば、もう少し防寒構造でなければならぬと思います。それと同時に耐火構造にしたい、こういう考え方に相なります。御承知のように北海道につきましては、北海道防寒住宅建設等促進法というのができまして、北海道にできます公営住宅は全部耐火構造、防寒構造でなければならぬというふうになっておりますし、また住宅金融公庫から貸し出します住宅についてはすべて耐火建築であり防寒建築でなければならぬ、こういうふうになっておるわけであります。この制度を東北にまで拡充するかどうかというお話でありますが、これを指定いたしますと、地元に対して建築的には非常なプラスになりますが、また経済的な負担といいますか、そういうことではかなりの制約を受けることにも相なります。そこでそういう両面につきまして相当検討を要する問題だと考えられるのでございますが、どういう方法でやったらいいかは別といたしまして、この東北地方の家屋の防寒構造あるいは耐火構造の促進につきまして何らか検討をいたしていかなければならぬ、こういうふうなことはただいま御指摘の通り考えていますが、近き将来に十分検討いたしたい、こういうふうに考えております。
○瀬戸山委員長代理 どうか一つ、その問題は非常に重要だと思いますので、御研究願います。それでは第九号台風に関連する質疑はこれで終ります。 —————————————
○瀬戸山委員長代理 次に道路に関しまして渡辺惣蔵君より質疑の通告があります。これを許します。 この際渡辺君に御参考までに申し上げておきますが、建設省の道路局長その他の係官、運輸省から田中施設課長、日本国有鉄道から施設局長の今井四郎君、こういう方々が見えております。渡辺君。
○渡辺(惣)委員 実はきょうは、九号台風や大館の問題につきましての重要な委員会でありますから、私もこれから質問いたしますことは私なりに緊急性を持つと考えまして、特に数日来建設大臣及び運輸大臣の出席を求めておったわけであります。ところがきょうは運輸省の方は、大臣はもちろんのこと鉄道監督局長も見えられないで、施設課長の田中さんがいらっしゃっておる。田中さんについては別に文句があるわけではないのでありますが、この問題は率直に申しますと、道路法三十一条の規定に基いて全国の国有鉄道並び私鉄と道路との平面交差除却に関する規定が明確になっておるわけであります。従ってこの問題を処理しますためには、いやでもおうでも建設大臣と運輸大臣とが問題によりましては協議をしなければならぬことになっておりますので、当然私はそういう手続がとらるべきだ、そう確信をいたしておるわけであります。 私が今具体的な問題として提示いたしておりますのは、私の関連しておる地方でありますけれども、類似の問題が全国至るところにあるわけであります。そこで、そういう私の地方の特殊な問題だけをこういう席で質問いたしたのではかえって申しわけないと実は存じまして、過般私の手元から五月三十日付で衆議院の議長を通しまして質問書を提出いたしておったわけであります。ここで問題の概要の説明を省略するために、質問書の主要事項をここで申し上げておきます。 「北海道滝川町広小路における道々滝川浜益線と国鉄函館本線並びに根室本線との踏切は、滝川町と新十洋川、雨竜両村及び浜益町との交通の要路にあたる交通のひん繁なる地点であるにもかかわらず、一日平均十時間の踏切しゃ断を余儀なくされているものであり、これがため急を要するものとして昭和二十八年平面交さ除却の工事に着手したものである。しかるに工事着手後四箇年を経過してもその三割程度しか進ちょくせず、滝川町と右三筒町村の交通はまひ状態となり、また附近の商店街は、生活のもとを失い困窮をきたさんとしている状況である。この原因は、主として道路管理者と国鉄との間における道路と鉄道との立体交さに関する協議基準の協定が建設省と国鉄との間において成立してないためである。聞くところによると、この滝川のような例は全国に相当数あり、全国的に重要な問題として各地に論議されつつあるので、滝同時の問題に関連して次の事項について伺いたい。 一、立体交さの工事費用の分担協議基準の協定は、現在どのようになっているのか。一、なぜ分担協議基準の協定がこのように遅れたのか。また河川との協定は、すでにできているのになぜ道路との協定のみがこのように遅れたのか。一、現在早急に立体化を必要とする箇所が全国で何箇所あるか。一、工事に着手したが協定ができないため工事がなかば放置の形となっており、地方住民が非常に迷惑を被っていると聞くが、そのような箇所は何箇所で、どこどこであるか。一、このような箇所に対しては、今後どのように措置する所存であるか。一、この分担協議基準の協定を速やかに行う意思があるかどうか。もしあるとすればそれは何時までに結ぶのか。 これに対しまして六月三日付で内閣総理大臣から益谷議長を通しまして私に回答が出ております。これも説明しますよりも読み上げた方が簡単ですからそういたします。 「立体交さの工事費用の分担協議基準の協定は、現在どのようになっているのか。」については、「道路と鉄道との交さに関しては、道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第三十一条によって処理することとなっているが、在来の踏切道が立体交さによって除却される場合における費用の分担について、従来は昭和十五年三月に締結した内務、鉄道両省協定により工事費は折半負担を原則として処理してきたが、国鉄が公共企業体になったことと国鉄の財政事情により、踏切道除却に関する国鉄の負担は国鉄において受益のある場合に限り、その範囲内で負担する方針としこの協定の踏襲が困難であることを表明している。国鉄のこの方針については道路管理者側の了解が得られなかったため、運営上相互に支障があった。昭和二十九年以来、建設省と国鉄の両者間に新協定を結ぶべく協議が進められてきた結果、ようやく解決の見透しを得るに至っている。」 「なぜ分担協議基準の協定がこのように遅れたのか。また河川との協定は、すでにできているのになぜ道路との協定のみがこのように遅れたのか。」については、「道路管理者は経費負担の折半主義を主張し、国鉄は受益のある場合にのみ負担する建前をとったため、双方多大の努力にもかかわらず、協定取り極めに困難をきわめたためである。」 その次「現在早急に立体化を必要とする箇所が全国で何箇所あるか。」については、「道路整備五箇年計画によって実施を要する踏切除却箇所は、百七十六箇所であるが、そのうち特に早急に施行したい箇所は約三十箇所である。」 次「工事に着手したが協定ができないため工事がなかば放置の形となっており、地方住民が非常に迷惑を被っていると聞くが、そのような箇所は何箇所でどこどこであるか。」については「現在のところ滝川町の場合以外はない。なお、滝川町の件については、既に暫定協定によって処理することに決定している。」 次に「このような箇所に対しては、今後どのように措置する所存であるか。」については「本協定が近く成立する見込みであるので、これにより処理したい。」 次に「この分担協議基準の協定を速やかに行う意志があるかどうか。もしあるとすればそれは何時までに結ぶのか。」については「踏切問題は重要な事項であるから、二箇月以内に協定を成立させるべく努力したい。右答弁する。」これが、質問書及び答弁書に関係する全文であります。 そこでお伺いいたしたいのでありますが、これは機関の上では鳩山内閣総理大臣からの答弁書ということになっておるのでありますが、もちろん運輸大臣及び建設大臣はこの点について十分お知りだと思いますので、まず責任の所在を明らかにしてもらいたいと思います。
○馬場国務大臣 もちろんわれわれ承知をいたしておりまして、責任を持って右よう申し上げた次第であります。
○渡辺(惣)委員 運輸省の方は……。
○田中説明員 運輸省といたしましても今建設大臣の言われた御趣旨と全く同じでございます。
○渡辺(惣)委員 そうしますと、きょうは運輸大臣も監督局長も見えませんが、ここにこの問題を持ち出したのは、事務的には処理のつかない四年間の空白があるのです。しかも地方住民は非常に迷惑をこうむっているので、どうしても政治的な処理をしなければならぬのできょうおいでを願ったのですが、あなたで運輸大臣の責任を負えますか。
○瀬戸山委員長代理 渡辺君に申し上げておきますが、運輸大臣は目下海外旅行中で出席できませんので御了承願います。
○田中説明員 事務的のことに関しては責任を持てますが、内容によっては責任を持てない場合もあると思います。
○渡辺(惣)委員 それは困る。だから特に最高責任者に御出席を願わないと、実はあなたには事務的に地元もお世話になっていると思いますが、それでは同じことを繰り返すことになりますので、そういう事務的な措置でなく、政治的に国としてどうするのかということの意思を決定するために特に関係機関においでを願ったので、ここで私が質疑いたしましたりしたことについて責任を持って処置し得る態勢に運輸省が置かれているのかどうか。片や建設大臣馬場さんのいらっしゃるところで、道路局長初め関係者の建設省側に質問をいたしましても、運輸省にも聞かなければ片手落ちになりますから、私はあらためて運輸委員会に出て運輸大臣に直接質疑をしなければならないことになってくる。それではあなたの立場がお困りになると思いますので、あらかじめ責任を負えるかどうか。責任を持ってこの問題の処理をする、そういう決意を持ってここにお出かけになったのであるかどうか、大へん意地の悪い質問のようでありますが、伺っておきます。
○田中説明員 出席要求は監督局長に参っておりまして、実は大臣には参っておりません。監督局長がきょうは、申訳になりますが、会議のために出られませんので私代理で参ったのでありますが、先ほど申し上げたように事柄によっては私で責任が負えない場合も出てくることを重ねてお答え申し上げます。
○渡辺(惣)委員 そうしますと責任の負えないような事態につきましては、あらためて運輸委員会なり適当な機関を通して質問いたしますが、これで見ますと、そちらの答弁書によりますと、運輸省と建設省の間に協定がはっきり結ばれない困難な事態が出ておりますが、これをもう一つここであなたの立場から、なぜ協定が結ばれないのか、明確にしていただきたいと思います。
○田中説明員 今まで協定が結ばれなかったのは前のお答えにも申してあるように、国鉄といたしましては受益の限度ということを、実は過去のことになりますが、当時のCTS、アメリカの方から指示がございまして、受益の負担という形で進んだのであります。それが道路管理者側から折半負担ということで参ったので、なかなかその間の協定が結ばれなかった、こういうことであります。
○渡辺(惣)委員 アメリカの指示によってきめたということになりますと、アメリカ占領軍が撤退しましても、今日でもそれがなお正しいとお考えになっておりますか。
○田中説明員 元運輸省ないし鉄道省のころには、お互いに国家の機関でございまして、折半負担という構想もあったのでありますが、国鉄が公共企業体になりまして企業の面でも相当の制約を受けるということになりましたので、この考え方はCTSから示唆されたのではございますが、考え方といたしましてはもっともなことだとわれわれも思っておるのであります。
○渡辺(惣)委員 そこで質問いたしますが、あちらから示唆されたのを後生大事に、それを唯一の基盤にして理論的な根拠、よりどころを作って折半主義を否定して、そして利益があればやる、なければやらないのだ、こういう建前をとっておりますが、運輸省の方もそれが妥当だということで、国鉄の方にその建前の裏づけをしておられるということになりますと、少し事がめんどうになって参ります。きょうは、その利益があったらやろう、利益がなければやらぬという建前をとられる今井国鉄の施設局長もいらっしゃいますが、これは利益を受ける方でありますから、監督官庁としての運輸省自身がそういうようなものの考え方を、今後公共性にかんがみて是正する必要があると考えておるか、絶対それ以外に考えられないと考えておられるのか、この点について所見を伺いたいと思います。
○田中説明員 ただいまお答えいたしました考え方は一つの考え方でございまして、これは運輸省もこの通り絶対的に進んでいくという考えは持っておりません。先ほど企業性という面から申したのでありますが、一方国鉄の公共性がございまして、その面からも共通の通行路である踏み切りについては、何とかこれを打開しなければいかぬという状況に参っておりますし、特に最近戦後から積った個所が、前の答弁にもありましたように三十カ所にわたるというふうな状態でございまして、運輸省といたしましても、この問題は自動車の交通が非常に多くなった最近、踏み切りの事故も非常に激増しておるということから、交通政策上から何とかこの処置をしたいということで、ただいままだ構想中でございますが、道路と鉄道の交差に関する法律案を研究いたしまして、実は建設省にもその構想につきましては指示して今研究中でございますが、この案によりますれば、内容につきましてはまだはっきりいたしませんが、国として増加する踏み切りの事故をなくすという意味から、国が大きな責任を持って除却するという思想でございまして、これはまだ構想の範囲でございますので、はっきり結論は申し上げられませんが、先ほど申しました受益がなければやらないという性質のものではございません。
○渡辺(惣)委員 話が飛躍をされてきましたが、週給省でそういう平面除却の法律案の提出を用意しておられるということは聞いておりますが、それは将来のことで通過をするかどうかもわかりませんし、案件も見ておりませんので、今火急当面した問題はそのことによっては何ら解決されないわけですね。そこで、そういう問題はしばしば二つの省のセクショナリズムで責任のなすりっこになってしまいますとわれわれ地方住民が非常に迷惑を重ねていくわけです。実はそのために四年間も道路は掘ったが、水は流れない、水は沼のようにたまってしまう、交通は一切遮断されている、付近の住民は全然商売にならぬ、こういう事態が出ておりますので、これは何か建設委員会に運輸省の方を呼び出して意地の悪い質問をするようですが、実は問題は主として国鉄側の折衝に胚胎しておりましたから、皆さんにおいで願ってこの席でお話願わなければならなくなったのですが、非常に深刻な迷惑をしているわけです。ですから、資料として、北海道から九州までの関連した問題でありますので、全国百八十カ所という個所について平面交差の除却に関する個所的な問題もありますので、一つ建設省及び運輸省からその資料を全員に配っていただきたい。一体どことどこが残されており、当面火急の問題の紛争処理困難な三十カ所というのはどことどこであるか。これはそれぞれ全国に関係がありますから、三十カ所の個所を明確にしていただきたい。 それからもう一つの問題は、暫定協定が結ばれているということですが、これは道路局長及び運輸省の田中課長、御両所に承わるのですが、どういう協定が断定協定で結ばれているのか、その点を一つ明らかにしていただきたいと思います。
○富樫説明員 踏み切りを除却する問題につきましては、先ほど渡辺委員からお話があった通りの問題がございます。従来は内務、鉄道両省で協定いたしましたものによりまして実施してきたのでございますが、国鉄が公共企業体になりましてから新たに協定をする必要が起りまして逐次折衝を重ねて参ったのでございます。今の段階では折半主義をやめまして、原因者側が三分の二を負担する、それから相手方が三分の一を負担するというふうなことで話がまとまりかけておったのでございます。ここに暫定協定ということを申しておりますが、これは先ほどお話がありましたように、運輸省ではこの問題について法律もお考えのようでございますが、それができる前に協定を結んでそれによって処理していきたいというものでございます。この暫定協定がまだできていないわけであります。われわれの方では先ほど申し上げましたような負担の割合でどうであろうかということで国鉄の方に申し入れてあるわけでございますが、国鉄の方はいろいろ御都合もおありのようで、まだ御回答をいただいていないようなわけでございます。
○田中説明員 ただいまの御説明にちょっと補足したいのでございますが、今の鉄道受益側が三分の一で原因者側が三分の二の協定が結ばれかかっておったということも事実でございますが、それが、運輸省の方で先ほど申し上げましたように相当思い切った方策をしなければいかぬ、と申しますのは、立体交差の問題だけでなく、今の平面交差でもいろいろ踏み切りの設備がごさいますが、この踏み切りの設備に対しましても交通量に対して十分の施設あるいは人員配置ができていないような状況でございます。これも一緒にひっくるめまして、鉄道と道路との交差という根本的な解決をしようということで、その構想が今申しました三分の一ないし三分の二負担と若干思想が違っているものでございますので、われわれは法律を通そうという熱意を持っておるのでございますが、まだそこの間に期間がございます。しかしその法律案が成立いたすといたしましても、その間の一年ないし二年をほっておくわけにいかないということで、運輸省の立場といたしましては、せっかく協定が結ばれかけているなら、将来法律ができる場合には全く自由な立場で議論するという余地を残しまして、二、三年のうちに解決しなければならない問題は暫定的な協定をして、すみやかに今困っている踏み切りの処置をするようにしたらいいのじゃないか、こういう考えを持っておるのでございます。 参考までに申し上げますと、滝川の問題も実は八月一日に契約ができまして、ごく最近予納金を——国鉄が出す金と、それから逆に今度は国鉄側で受託しなければならぬ工事があります。その国鉄が授託する金額の額の方が多い関係で国鉄側に金を予納していただきまして工事をやるという建前になっておりますが、この予納の通知も出しまして、向うから金が国鉄の方に納付されれば、すぐに工事に着工するという状況になっておるということを国鉄の方からも私聞いて参っております。そういう状況にございます。
○渡辺(惣)委員 そうすると暫定協定というのはまだできていないのですか。
○田中説明員 まだできてございません。
○渡辺(惣)委員 そうすると、この二カ月以内に協定を成立させるべく努力する、暫定協定はできるので、正式の新協定を二カ月以内に成立させるということがこの答弁書に明確になっておるのですが、六月三日から起算しますと八月の三日がこの答弁書にある二カ月ということになるのですが、暫定協定もしなければ新協定もまだできておらぬというのですが、そうするとそのまま放置するというのですか。
○富樫説明員 先ほど暫定協定がまだできていないと申し上げましたが、これは新協定と間違えて申し上げました。滝川の件だけにつきましては暫定協定ができておりますが、その暫定協定というのは、国鉄は受益の十カ年分を出し、残りを道路側が負担するという協定でございます。
○渡辺(惣)委員 滝川の問題にしぼって暫定協定ができておる、こういうことになりますと、国鉄側が受益の十カ年分を出すというのですが、受益とは何であるかということです。国鉄が直接、間接受ける受益をさすのか、踏切番の人件費と踏切番の維持費だけを出すという意味なのか、ここには非常に重大な問題が含まれて参りますので、受益負担を十年分出すとはいかなる算定の基礎であるか、明確にしてもらいたいと思います。
○田中説明員 受益の負担の額でございますが、これは一年間に要する施設の費用あるいは踏み切り番所の修繕、あるいは踏み切り警手の費用、こういったものの年額を全部トータルいたしまして、これの十年分でございます。
○渡辺(惣)委員 それはどういう計算の基礎でやっているのか、国鉄側及び運輸省側で一方的に算定されたのではわれわれは理解できない。この問題はやがて全一国的に及んで参りますから、あなたの方はできるだけここでしぼっていこうというのも無理はないのだが、しかしこの問題はすでに一国鉄一運輸省の問題ではなくして、国民全体の問題であるから、そこはもうちょっと踏み切って、より能率的に効率的に事態が進展するような処理方法をとらなければならぬと思うのです。ことに地方財政が赤字で困っておりますところなどは、地方団体の農道あるいは県道等の場合は、特にそういう場合が大きく出てくると思うのです。そういう百八十件もあります地方のうちには、多数の府県道が含まれておりますので、そういう場合には全くできない相談をあなた方がしかける、そうしてやる用意があるのが、協定ができないからということで、そのままの事態でいくということになる。もう一点は受益の十カ年という算定が、今発言がありましたが、全然理解できない、これは国鉄及び国はこの施設ができますと半永久的に受益をするのです。何の根拠があって十年間にしたのですか、十年一昔という昔のことわざで十年ということにしたのですか。一体どういう根拠で十年という受益負担の算定の根拠をそこに求めたか、この根拠は将来とも問題になりますから、その根拠を一つ明確にしてもらいたいと思います。
○田中説明員 十年の根拠につきましては、私も実ははっきり申し上げられませんので、よく研究いたしまして答弁したいと思います。
○渡辺(惣)委員 主管の代任者が明らかに説明つかないような根拠を持ち出してこの問題を現実にしぼろうという態度をとっていることになりますと、これは非常に危険きわまる御意見たということになります。何らの責任も負えない十年説というものが持ち出されて、半恒久的に、むしろ永久的に——これは立体交差になりますと百年や二百年は持つのですから、そういう事態の中に十年間の受益負担だけを山して、平面交差を立体交差に切りかえるというのはどういうこれは学説に基くのですか。
○瀬戸山委員長代理 この際日本国有鉄道施設局長今井四郎君から御答弁願います。
○今井説明員 私から国鉄の立場で少し御説明したいと思います。ただいま受益十カ年の根拠についていろいろと御指摘がございましたが、これはむしろ監督官庁である運輸省からこうであるという説明をするのがしかるべきでございまして、私どもは監督を受けているわけでありますが、いずれにいたしましても非常に煩雑であることは事実でございまして、そうしたことが、ただい建設省の方から御答弁がありましたように、今後新協定を結ぶ一つの理由になっていると私は考えております。先ほど建設省のお話にもありました通り、でき得る限り早くこの立体交差の問題をもっと促進いたしますために、ただ国鉄が受益の負担だけを持つというのでなしに、簡明にしてしかも現実に現場の工事促進に効果のあるような、新協定の結ばれることを、一刻も早く実現するようにさしていただくように、国有鉄道は考えておる次第でございます。いろいろと政策的にむずかしい問題がございましょうと思いますが、国有鉄道といたしましては、大体三分の一を国有鉄道が、ああいう滝川のような場合は負担するというように希望いたしておる次第であります。先ほど建設省の御答弁にもございました通り、滝川について暫定の協定がでさたと申しますのは、でき得る限り早くただいま申し上げましたような、鉄道が三分の一持つということを実現するということを前提で、それまでとりあえず従来の方法によります鉄道が受益するだけを持つということであれを進めていこうときめたということだと私は考えておる次第であります。ですからもしこうした線に沿いまして双方で協議を進めますならば、近い将来には新しい協定ができる。そういたしました場合には、滝川につきましては、その協定に切りかえて処理するように相なることと、私は申し送りを受けております。そうした場合に、これははなはだ具体的で申しわけないのですが、大体滝川の問題につきましては、現在かりに取りきめました経費負担よりも国有鉄道が約二千万円負担が増加するということを承知いたしております。国鉄といたしましては、その財源も、滝川問題の急速処理、現地に御迷惑をかけないためにその二千万円を準備いたしておる、かような現在段階でございます。国鉄といたしまして滝川の問題並びに今の受益負担ということの考え方につきまして、御説明申し上げた次第でございます。
○渡辺(惣)委員 大体国有鉄道及び運輸省、建設省の考えております現在の考え方はわかったのですが、ただいまの今井さんの御発言で、近い将来に新協定が結ばれるまで暫定協定で行く、こういうお話がございましたが、その近い将来ということはどういうことを意味するのか、聞くところによりますと暫定協定の中には十二月三十一日までに新協定を結ぶので、その時期には暫定協定をその中にすべり込ましていく、こういう意味の御発言があるかに聞いておるのですが、一体新協定締結の時期はいつなのか、ただいまの説明全体を聞きますと、暫定協定という一つのケースが出てきておることと、新協定を結ぶ時期の問題が出てきておることと、もう一つは立法措置を講じようという意向を持っておることと、この問題について三つの段階がここに出てきておることになるのです。しかし三つの時期は、最初のものは恒久対策の問題で、これは相当時間がかかる問題であります。暫定協定と、近い将来という新協定との時期、そういう点が漏れ聞いているような事態があるとすれば、その点を明らかにこの際していただきたいと思います。
○田中説明員 先ほど新法律案とこの三分の一の負担という考え方に若干思想的に違いがあると申し上げましたが、この新しい法律案を実はまだ建設省には構想を申し上げたばかりでございまして、建設省ともよくお話をいたしまして、でき得べくんば法律案の趣旨に沿ったような新協定にもっていったらどうか、こういうふうに考えているわけであります。従いまして、いつ締結するというはっきりした時間のお約束はちょっとここではいたしかねますが、われわれとしては踏み切り問題の除却につきましては、一刻も早くしなければならぬという気持がありますので、なるべく早く法律案をもとにいたしまして、建設省ともお話して、もしその話し合いがうまくいかないにしても、当面の処理をどうするかということについてもあわせ考えながらこの法律案を進めていきたい、こういうふうに考えております。
○渡辺(惣)委員 法律案はわれわれが審議するので、あなたは原案を出すだけですから、通るか通らないかわからないようなそんな話をわれわれはここで聞いても始まらない。私が質問したのは、暫定協定というものが結ばれていることが明らかになった。その暫定協定の中に、私が漏れ聞いているのでは、この暫定協定は十二月三十一日までに新協定が成立した場合は、暫定協定をこれに移行するという申し合せがある、こういうふうに聞いておるので、そういう事実があるかないか。あなたは将来の第三段階の恒久対策のことを言っているが、今火のついている火急の問題について質疑をしているのです。この点を一つあるのかないのか、その責任の限度、時期、どういう法律を用意しているのか、この点を明らかにしてもらいたいと思います。
○田中説明員 国鉄の方で暫定協定を結んだ書類によりますと、昭和三十一年十二月三十一日までに本協定が成立するときには、その協定によって再協議することができるものとする、こういううたい方がしてございます。
○渡辺(惣)委員 そうすると暫定協定と新協定とのつながりはどうなるんです。再協議はただ相談するというだけですか。暫定協定の責任所在と新協定の責任所在は、単に再協議をするということで尽きるのですか、その点がはっきりしないのですが、その点を明確にしてもらいたい。
○田中説明員 この内容につきましては国鉄の方から一つ……。
○瀬戸山委員長代理 ちょっと私からお尋ねします。あまり渡辺さんがやかましい顔をされるから、こっちはおどおどしておる。大体先ほど今井局長は資金まで用意しているというお話なんですが、問題は、滝川の踏切を早く解決するということはやられる方針なんですか、やられない方針なんですか。それさえきまればあとの一般論なんでゆっくり考えてもらっていいと思うのですが、それはどうなんですか。
○田中説明員 これは新協定でやる方向で進んでおります。
○瀬戸山委員長代理 田中さん、もう一ペんその点をはっきり答えて下さい。
○渡辺(惣)委員 きょうの等分では満足いたしませんから、きょうは質疑は保留しましてあらためて次官なり政務次官なり関係局長に来ていただきまして、そのときに全国に関する問題ですし、法案等も用意しておるということになると、重大ですからあらためて質疑をいたしますから本日はこれにて打ち切ります。
○内海委員 委員長を通してお諮り申し上げたいと思うのですが、台風第九号の被害の状態を拝聴いたしますと、長崎県が百二十一億という莫大な被害を受けておる。そこでこの被害の内容を見ましても住宅だけでも七十億、いわば八〇%までは長崎県が行われることになっておるのであります。そこで、この際前例によりまして建設委員会より特に、委員長のお考えでけっこうでありますが、数名の委員を派遣せられまして、これが緊急対策の上に資していただきたい、こう考えるものでございますが、どうぞ委員長から委員の諸君にお諮りを願って、御決定を願いたいと思います。
○瀬戸山委員長代理 ただいま内海君よりお聞きの通りの委員派遣に関する動議が提出されました。第九号台風による災害の実情及びこれが復旧事業の実施状況等につきましては、現地調査の必要があると私も考えております。ただ御承知のように今引き続いて第十号台風が発生して、場合によっては本土に接近するかもしれないという事態にあるようであります。そういう事態でありますからこの十号台風の情勢ともにらみ合せまして、この両台風のいずれかをどういうふうに視察するか、この問題につきましては、その派遣の時期、委員の数、それから委員の選定、こういう問題は委員長に御一任を賜わりたいと存じますがいかがでございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○瀬戸山委員長代理 それでは御異議なしと認めまして、さように決定いたします。 本日はこの程度で散会いたします。 午後一時十七分散会