建設委員会 第24号
- 発言数
- 10 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1956/04/18
会議録
○徳安委員長 これより会議を開きます。 連合審査会開会の件についてお潜りいたします。土地収用法の一部を改正する法律案について、法務委員会より去る十三日、当委員会に対し連合審査会開会の申し入れがありました。この際、法務委員会と連合審査会を開会することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○徳安委員長 御異議なしと認め、さように決します。 なお、連合審査会は、法務委員長と協議の結果、本日午後一時半より開会の予定でございますから、お含み願いたいと存じます。 —————————————
○徳安委員長 次に、昨日付託になりました建設業法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。馬場建設大臣。
○馬場国務大臣 法案の説明に入るに先だちまして、御報告申し上げたいことがあります。 昨十七日、福島県常葉町に大火がございました。罹災者の各位に対してまことに御同情にたえませんが、焼失戸数は、ただいま受けました報告によりますと、二百五十四戸であります。これが対策につきましては、直ちに現地を調査をいたす必要がありますので、稗田住宅建設課長並びに計画局の係官をさっそく現地に派遣いたしまして、現地の状況をつぶさに調査をいたしました上で、最も効果的な方法をとりたい、かように考えておる次第であります。 常葉町は都市計画が未決定の土地でありますので、今後計画を決定いたしました上で、区画整理を行いますほか、住宅その他の問題についても善処をいたさなければならぬ、かように考えておる次第であります。 なお、同じく昨日夕方、八戸市におきましてこれまた火災が起りました。焼失家屋の数は百二十二戸でありまして、これは公営住宅法第八条に該当いたしておらないのでありますが、現地の要望がありました場合は、一般公営住宅によって措置をするつもりでおるのでございます。いずれにいたしましても、昨夜起りました災害でありますので、直ちに現地の実情を調査の士で適当な方法をとりたい、かように考えております。関係各省とも緊密な連絡の上に善処いたしたい、一応とりあえずの御報告を申し上げておきたいと思います。 ただいま議題となりました建設業法の一部を改正する法律案の提案理由並びにその要旨について御説明申し上げます。 建設業法は、建設工事の適正な施行を確保するとともに、建設業の健全な発達に資することを目的といたしておりますが、特に建設工事の請負契約に関する紛争につきましては、同法に規定する建設業審議会が解決のあっせんをすることとなっており、これによる紛争処理もある程度の成果をおさめて参ったのであります。しかしながら、建設業審議会のあっせんの方法のみをもってしては紛争処理におのずから限度があり、従いまして紛争の未解決または遷延等の事態を生じ、このため当事者が相当の損害をこうむり、あるいは工事が遅延して公共の福祉に支障を及ぼすような事例が少くないのであります。 かかる事態に対処する措置といたしまして、建設工事の紛争を適正かつ迅速に処理するため、新たに紛争処理機関を設置し、建設工事の請負契約に関する紛争につき、あっせん、調停または仲裁を行わせることといたしました次第であります。 以上がこの法律案の提案の理由でありますが、次に本法案の要旨につきまして御説明申し上げます。 まず第一に、現行の建設業審議会によるあっせんは、審議会の性格等から見まして、頻発する紛争を迅速にかつ効果的に処理するには適当でないと考えられますので、この際、新たに専門の紛争処理機関として、建設省及び都道府県に建設工事紛争審六会を設け、建設工事の請負契約に関する紛争に関しあっせん、調停及び仲裁を行わせることにいたしたのであります。 第二に、紛争処理の手続といたしましては、あっせん、調停、仲裁の三種類の制度を設けることといたしました。あっせん、調停につきましては、当事者の申請によりこれを行うほか、重要な公共工作物等で紛争の結果公益に重大な支障を来たすような場合は、審査会の職権によって行うことができることといたしました。 次に仲裁につきましては、民事訴訟法の適用により当事者間において確定判決と同一の効力を有することとなっておりますので、その手続に慎重を期した次第でありまして、まず仲裁の開始、仲裁委員の選定等は、当事者の合意にかかわらしめ、仲裁委員のうちには弁護士の資格を有する者を加えることとし、また都道府県審査会の行なった仲裁判断に対し不服のある者は、異議申し立てを行なって中央審査会による仲裁をさらに受ける道を開くことといたしました。 第三に、紛争処理の手続に要する費用につきましては、原則として当事者各自の負担とし、当事者の申し立てにかかる費用を要する行為については、当事者に当該費用を予納させることとし、また申請手数料を徴収することといたしまして、国、地方公共団体の財政負担の軽減をはかったのであります。 第四に、都道府県審査会の設置に伴い、従来都道府県建設業審議会の行なっておりました事務の重要な部分が審査会に移管されますので、この際、都道府県建設業審議会は任意機関とし、あわせて地方行政の簡素化に資することといたしました。 その他、以上の諸点に関連して関係各条文の整備を行なったのであります。 以上、建設業法の一部を改正する法律案の提案理由並びにその要旨を御説明申し上げたのでありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
○徳安委員長 次に補足説明を聴取いたします。柴田官房長。
○柴田政府委員 建設業法の一部を改正する法律案につきまして、その要点を逐条的に御説明申し上げます。 本改正案の骨子は、建設工事の請負契約に関する紛争の解決をはかるため新たに建設工事紛争審本会を設置して、紛争につきあっせん、調停及び仲裁を行わせることとするにあります。これに伴い従来の建設業審議会によるあっせん制度は発展的に解消することとなりますので、現行法第二十四条を削り、第二十五条(請負契約とみなす場合)を第二十四条とし、第三章の次に、第三章の二として、「建設工事の請負契約に関する紛争の処理」と題する一章を設けたのであります。改正案第二十五条は、建設工事紛争審査会の設置に関する規定でありまして、あっせん、調停及び仲裁の手続を行わせるため、建設省及び都道府県にそれぞれ付属機関として審査会を設けることといたしたのであります。 第二十五条の二は、審査会の組織に関する規定であります。すなわち委員の定数は十五人以内とし、その資格は、利益代表的な観念を排除して、人格が高潔で視野の広い達識の士のうちから任命することといたし、会長の選定方法等とあわせて本審査会の組織を定めたものであります。 第二十五条の三ないし第二十五条の六は、委員の任期、欠格条項及び解任並びに審査会の会議等に関する規定であります。 第二十五条の七は、特別委員に関する規定であります。紛争処理は本来委員をもって行うべきものでありますが、一時に多数の事件の発生を見た場合、あるいは特殊な事件につき専門的判断が解決のかぎとなるような場合等も予想されますので、そういう場合に処理を全からしむるため、万全の策として紛争処理に参与させるため特別委員を置き得ることとしたのであります。特別委員はもっぱら紛争の処理を担当する職責を有するものでありますから、会長の選挙等審査会の組織体としての活動には参与しないこととなっております。 なお、委員、特別委員については政令で名簿を設けることとし、これを一般の閲覧に供して本制度の活用をはかりたいと考えております。 第二十五条の八は、都道府県審査会の委員及び特別委員の地方公務員法上の地位に関する規定でありまして、これらの者に同法による秘密を守る義務を課したものであります。なお、中央審査会の委員及び特別委員は、国家公務員法第二条により一般職の国家公務員であり、当然に秘密を守る義務を課せられております。 第二十五条の九は、審査会の管轄に関する規定であります。本条におきましては、原則として、当事者たる建設業者が登録をうけた行政庁に付属する審査会が紛争処理に当ることといたしました。すなわち建設工事の請負契約に関する紛争は契約の性質上当事者の一方または双方が常に建設業者であり
○馬場国務大臣 法案の説明に入るに先だちまして、御報告申し上げたいことがあります。 昨十七日、福島県常葉町に大火がございました。罹災者の各位に対してまことに御同情にたえませんが、焼失戸数は、ただいま受けました報告によりますと、二百五十四戸であります。これが対策につきましては、直ちに現地を調査をいたす必要がありますので、稗田住宅建設課長並びに計画局の係官をさっそく現地に派遣いたしまして、現地の状況をつぶさに調査をいたしました上で、最も効果的な方法をとりたい、かように考えておる次第であります。 常葉町は都市計画が未決定の土地でありますので、今後計画を決定いたしました上で、区画整理を行いますほか、住宅その他の問題についても善処をいたさなければならぬ、かように考えておる次第であります。 なお、同じく昨日夕方、八戸市におきましてこれまた火災が起りました。焼失家屋の数は百二十二戸でありまして、これは公営住宅法第八条に該当いたしておらないのでありますが、現地の要望がありました場合は、一般公営住宅によって措置をするつもりでおるのでございます。いずれにいたしましても、昨夜起りました災害でありますので、直ちに現地の実情を調査の士で適当な方法をとりたい、かように考えております。関係各省とも緊密な連絡の上に善処いたしたい、一応とりあえずの御報告を申し上げておきたいと思います。 ただいま議題となりました建設業法の一部を改正する法律案の提案理由並びにその要旨について御説明申し上げます。 建設業法は、建設工事の適正な施行を確保するとともに、建設業の健全な発達に資することを目的といたしておりますが、特に建設工事の請負契約に関する紛争につきましては、同法に規定する建設業審議会が解決のあっせんをすることとなっており、これによる紛争処理もある程度の成果をおさめて参ったのであります。しかしながら、建設業審議会のあっせんの方法のみをもってしては紛争処理におのずから限度があり、従いまして紛争の未解決または遷延等の事態を生じ、このため当事者が相当の損害をこうむり、あるいは工事が遅延して公共の福祉に支障を及ぼすような事例が少くないのであります。 かかる事態に対処する措置といたしまして、建設工事の紛争を適正かつ迅速に処理するため、新たに紛争処理機関を設置し、建設工事の請負契約に関する紛争につき、あっせん、調停または仲裁を行わせることといたしました次第であります。 以上がこの法律案の提案の理由でありますが、次に本法案の要旨につきまして御説明申し上げます。 まず第一に、現行の建設業審議会によるあっせんは、審議会の性格等から見まして、頻発する紛争を迅速にかつ効果的に処理するには適当でないと考えられますので、この際、新たに専門の紛争処理機関として、建設省及び都道府県に建設工事紛争審六会を設け、建設工事の請負契約に関する紛争に関しあっせん、調停及び仲裁を行わせることにいたしたのであります。 第二に、紛争処理の手続といたしましては、あっせん、調停、仲裁の三種類の制度を設けることといたしました。あっせん、調停につきましては、当事者の申請によりこれを行うほか、重要な公共工作物等で紛争の結果公益に重大な支障を来たすような場合は、審査会の職権によって行うことができることといたしました。 次に仲裁につきましては、民事訴訟法の適用により当事者間において確定判決と同一の効力を有することとなっておりますので、その手続に慎重を期した次第でありまして、まず仲裁の開始、仲裁委員の選定等は、当事者の合意にかかわらしめ、仲裁委員のうちには弁護士の資格を有する者を加えることとし、また都道府県審査会の行なった仲裁判断に対し不服のある者は、異議申し立てを行なって中央審査会による仲裁をさらに受ける道を開くことといたしました。 第三に、紛争処理の手続に要する費用につきましては、原則として当事者各自の負担とし、当事者の申し立てにかかる費用を要する行為については、当事者に当該費用を予納させることとし、また申請手数料を徴収することといたしまして、国、地方公共団体の財政負担の軽減をはかったのであります。 第四に、都道府県審査会の設置に伴い、従来都道府県建設業審議会の行なっておりました事務の重要な部分が審査会に移管されますので、この際、都道府県建設業審議会は任意機関とし、あわせて地方行政の簡素化に資することといたしました。 その他、以上の諸点に関連して関係各条文の整備を行なったのであります。 以上、建設業法の一部を改正する法律案の提案理由並びにその要旨を御説明申し上げたのでありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
○徳安委員長 次に補足説明を聴取いたします。柴田官房長。
○柴田政府委員 建設業法の一部を改正する法律案につきまして、その要点を逐条的に御説明申し上げます。 本改正案の骨子は、建設工事の請負契約に関する紛争の解決をはかるため新たに建設工事紛争審本会を設置して、紛争につきあっせん、調停及び仲裁を行わせることとするにあります。これに伴い従来の建設業審議会によるあっせん制度は発展的に解消することとなりますので、現行法第二十四条を削り、第二十五条(請負契約とみなす場合)を第二十四条とし、第三章の次に、第三章の二として、「建設工事の請負契約に関する紛争の処理」と題する一章を設けたのであります。改正案第二十五条は、建設工事紛争審査会の設置に関する規定でありまして、あっせん、調停及び仲裁の手続を行わせるため、建設省及び都道府県にそれぞれ付属機関として審査会を設けることといたしたのであります。 第二十五条の二は、審査会の組織に関する規定であります。すなわち委員の定数は十五人以内とし、その資格は、利益代表的な観念を排除して、人格が高潔で視野の広い達識の士のうちから任命することといたし、会長の選定方法等とあわせて本審査会の組織を定めたものであります。 第二十五条の三ないし第二十五条の六は、委員の任期、欠格条項及び解任並びに審査会の会議等に関する規定であります。 第二十五条の七は、特別委員に関する規定であります。紛争処理は本来委員をもって行うべきものでありますが、一時に多数の事件の発生を見た場合、あるいは特殊な事件につき専門的判断が解決のかぎとなるような場合等も予想されますので、そういう場合に処理を全からしむるため、万全の策として紛争処理に参与させるため特別委員を置き得ることとしたのであります。特別委員はもっぱら紛争の処理を担当する職責を有するものでありますから、会長の選挙等審査会の組織体としての活動には参与しないこととなっております。 なお、委員、特別委員については政令で名簿を設けることとし、これを一般の閲覧に供して本制度の活用をはかりたいと考えております。 第二十五条の八は、都道府県審査会の委員及び特別委員の地方公務員法上の地位に関する規定でありまして、これらの者に同法による秘密を守る義務を課したものであります。なお、中央審査会の委員及び特別委員は、国家公務員法第二条により一般職の国家公務員であり、当然に秘密を守る義務を課せられております。 第二十五条の九は、審査会の管轄に関する規定であります。本条におきましては、原則として、当事者たる建設業者が登録をうけた行政庁に付属する審査会が紛争処理に当ることといたしました。すなわち建設工事の請負契約に関する紛争は契約の性質上当事者の一方または双方が常に建設業者であり建設大臣または都道府県知事の登録を受けており、登録をした大臣または知事が当該業者の業態を最も適確に把握している実情にかんがみ、登録行政庁に付属する審査会において紛争処理に当ることが最も実状に即した解決を得る捷径であり、当事者にとっても便利であると思料したのであります。 第二十五条の十は、申請手続、書類の経由等の規定であります。 第二十五条の十一は、あっせんまたは調停の開始であります。第一号は、現行法により建設業審議会があっせんを開始する場合と同一の規定であります。第二号は、公共性のある施設等で政令の定めるものに関して紛争が生じた場合の規定でありまして、紛争により工期遅延その他公益を阻害するおそれが生じた場合、審査会が積極的にあっせん等に乗り出すことといたしまして、公共工事の施工の確保をはかったのであります。本条にいう公共性のある施設または工作物は、具体的には政令で定めることといたしておりますが、予定いたしておりますのは、鉄道、軌道、道路、橋梁、堤防、河川に関する工作物等であります。 第二十五条の十二は、あっせんについて規定しております。あっせんは対立する両当事者間に円満に話し合う機会を与え解決に導くという最も簡易な手続でありまして、会長が事件ごとに委員または特別委員のうもから指名するあっせん委員に解決を一任し、手続もあっせん委員の判断によって適宜定め得ることとしたのであります。 第二十五条の十三は、調停に関する規定であります。本法による調停は、民事調停法による調停のように裁判上の和解と同一の効果を有するものではなく、単に裁判外の和解の仲介をする程度の効力を有するにとどまり、その効果の点はあっせんと異ならないのであります。ただ、建設業審議会によるあっせんが従来相当の成果をおさめてきた経緯にかんがみ、裁判外の和解の仲介をする手続を軽重二つに区別し、簡易な「あっせん」手続のほかに、やや慎重な「調停」手続を設けることが運用上効果的であると考えたのであります。すなわち審査会は当事者に出頭義務を課し、さらに調停案を作成して当事者に受諾を勧告することができるものとし、調停案決定の方法をも明確化したのであります。 第二十五条の十四は民事調停法第十三条と同趣旨の規定でありまして、請求が法律的にも道義的にも理非明白で互譲の余地がなくまたは互譲による妥協を不可とする場合はあっせんまたは調停をしないことといたしました。 第二十五条の十五ないし第二十五条の十九は仲裁に関する規定であります。由来民事上の争いに関する解決に関してはもとより訴訟によるのが通例でありますが、なお和解や調停などの簡易な解決の道も開かれているのであります。しかしながら訴訟はもちろん和解や調停なども裁判所の手続によるのでありまして、建設工事における紛争のように迅速な解決を必要とし、特に技術上の専門知識を必要とする複雑多岐にわたる施工上の事実認定が解決のかぎとなるような分野におきましては、訴訟や調停などによる解決の方法は必ずしも実状に即せず、むしろ当事者の合意による解決を斯界の権威に求むる手続、すなわち民事訴訟法第八編に規定するところの仲裁手続のごとき制度によらしめることが実状に適するものと思料するのであります。しかしながら、現行民事訴訟法第八編による仲裁手続は、本来商人間の商取引上の紛争の解決を主眼としているのでありますが、建設工事の請負契約に関する紛争のような特殊の領域におきましては、仲裁人の選定その他の仲裁手続そのものに関しまして、当事者間に紛争が起る可能性もあるのでありまして、民事訴訟法の規定のみをもってしては必ずしも十分ではありません。よって、建設事業の国土建設の基盤的事業たる性格にもかんがみ、新たに行政機関による迅速、公正かつ弾力性に富んだ仲裁手続を法定し、建設工事の適正な施工に寄与せんとする趣旨のもとに仲裁制度を設けた次第であります。 第二十五条の十五は、仲裁の開始に関する規定であります。すなわち第一項は、当事者の双方から審査会に仲裁の申請がなされた場合の規定であり、第二項は工事請負契約等においてあらかじめ仲裁に付する旨の合意があった場合は、一方の当事者からの申請により仲裁を開始し得る旨の規定でありまして、いずれにせよ仲裁の開始が当事者の合意にかかる点においては同様であります。 第二項は中央審査会が都道府県審査会の行なった仲裁判断に対する異議申し立てについて第二審的機能を行うことができる旨の権限規定であります。 第二十五条の十六は、仲裁の手続に関する規定であります。審査会による仲裁は、審査会の会長が委員または特別委員のうちから指名する三人の仲裁委員によって行うことといたしましてその指名は原則として、当事者が合意によって選定した者について行うこととなっております。 第二十五条の十六第三項は、仲裁委員の資格に関する特例でありまして、仲裁が当事者間において、確定判決と同一の効力を有する点、従来仲裁人が往往にして法律知識に欠けるため適正なる仲裁判断を下し得なかった点等にかんがみ、仲裁委員のうち少くとも一人は弁護士となる資格を有する者、すなわち法律専門家でなければならないものといたしのであります。 同条第四項は、民事訴訟法の適用についての特則を規定しております。すなわち、本法に仲裁には、原則として民事訴訟法の適用があることを明らかにしたのであります。ただ、仲裁委員の選定手続、証拠調べの手続、仲裁判断に対する異議の申立、費用、手数料の徴収等に関する規定は同法に対する特例でありまして、これは本法の仲裁が行政機関による仲裁であることにかんがみ、設けられたものであります。 第二十五条の十七は、証拠調の規定でありまして、おおむね訴訟における裁判所の手続にならったものでありますが、審査会は裁判所と異なり、当事者または第三者に文書等の提出を強制し、その拒絶に対して制裁を課すことはできません。これらの強制的行為を必要とする場合は、当事者が民事訴訟法第七百九十六条の規定の適用により管轄裁判所に協力を申し立てることとなるのであります。 第二十五条の十八(立入検査)も裁判所における証拠調(民事訴訟法第二百六十五条)に相当する規定でありまして、この場合においても、前条について述べましたのと同様管轄裁判所の協力を求めることができることは勿論であります。 第二十五条の十九は、異議の申立に関する規定であります。民事訴訟法の仲裁においては、仲裁人のなす仲裁判断は直ちに確定判決と同一の効力を生ずるのでありますが、本法による仲裁は、行政機関による仲裁であり、仲裁委員の選定が必ずしも当事者の合意にかかっておりませんので、特に慎重を期し、異議申し立てを認めた次第であります。 同条第一項は、異議申立期間に目する規定でありまして、仲裁判断の効力を何時までも不確定の状態におくことは適当でありませんので、当事者は二週間の所謂不変期間内に限って、異議を申し立てることができることと致したのであります。 第三項及び第四項は、右の不変期間と仲裁判断の効力発生時期との関係に関する規定でありまして、異議申立を許す場合において、仲裁判断の送達と同時に仲裁判断の効力を生ずるものとするときは、当該仲裁判断による強制執行の着手又は完了後当該仲裁判断が中央審査会によって取り消される可能性がでて参りまして、不当に法律関係を錯綜させるばかりでなく、当事者や利害関係人に不測の損害を被らせる虞がありますので、都道府県審査会の行った仲裁判断に関しては、異議申立なく二週間を経過したときにはじめてその効力を生ずるものと致したのであります。 同条第五項は、異議申し立があった場合の手続に関する規定であります。 第二十五条の二十は、手続の非公開に関する規定であります。 次に、第二十五条の二十一は、紛争処理手続に要する費用に関する規定でありまして、裁判上の和解の例にならい、当事者が当該費用の負担につき別段の定めをしない限り、各自これを負担することといたしました。 第二十五条の二十二は、申請手数料に関する規定でありまして、手数料は紛争処理の申請者の負担といたしました。 第二十五条の二十三は、紛争処理状況の報告に関する規定であります。 第二十五条の二十四は、政令委任の規定でありまして、おもな事項といたしましては、委員の報酬、委員及び特別委員の名簿の作成及び閲覧、あっせん又は調停の取り下げ及び打ち切り、異議申し立ての手続、費用の範囲等を予定しております。 以上で第三章の二を終りまして、以下は、建設工事紛争審査会の設置に伴う建設業審議会に関する規定の整備であります。すなわち、今回の改正により、従来建設業審議会の重要な事務でありました紛争の解決のあっせんが建設工事紛争審査会に移管されることとなりましたので、この際地方行政機構簡素化の趣旨にのっとり都道府県建設業審議会は任意機関とすることとして、これに伴う条文の整備を行うとともに、中央建設業審議会の組織につきまして、建設業界の実情を一層反映させるため、委員定数を五名増加することといたしたものであります。 以上、建設工事の請負契約に関する紛争の処理を強化いたしますために所要の改正をはかったのでありますが、この改正により、建設工事紛争審査会の設置、同審査会の委員の人選等のため準備期間を要し、種々経過措置を必要といたしますので、この法律は、公布の日から起算して九十日を越えない範囲内で政令で定める日から施行することとし、あわせて建設省設置法の改正に関する規定を附則中に設けた次第でございます。何とぞよろしく御審議を賜わりますよう、お願いを申し上げます。
○徳安委員長 本案に対する質疑は次会に譲り、本日はこれにて散会いたします。 午後一時五十六分散会