建設委員会 第19号
- 発言数
- 72 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/03/28
会議録
○徳安委員長 これより会議を開きます。 まず官庁営繕法の一部を改正する法律案を議題とし、提出者より提案理由の説明を聴取いたします。瀬戸山三男君。
○瀬戸山委員 ただいま議題となりました官庁営繕法の一部を改正する法律案につきまして、提案者を代表して提案の理由とその要旨を御説明申し上げます。 さきの第十国会で成立しました現行官庁営繕法の趣旨は、第一に建築基準法が詳細に規定しておらない官庁の建築について、その市要性にかんがみまして、構造関係において厳重な基準を特別に設けたことであります。特に防火、耐火の点につきましては、去る第七国会の衆議院における都市建築物の不燃化の促進に関する決議の第三項に、新たに建設する官公衙等は原則として不燃構造とすることの趣旨を尊重して、特に規定されたものであります。 第二に、庁舎の位置については、公衆の利便に適合し、公務の能率増進に適した所を選定し、できる限り一地域に集中できるよう、国家機関の長、地方公共団体の長が協力するよう規定しております。 第三に、でき得る限り今後の庁舎は、合同庁舎として恒久的、不燃建築を促進することを規定しております。 第四に、これまで、各省各庁が個々ばらばらに出していた営繕計画なるものを、統一ある構想のもとに管理し、是正し、予算に適合した単価を考え、建築工事の適正化をはかるために、技術的に建設大臣が統一し、予算大臣たる大蔵大臣と折衝せしめるようにしたものでありまして、本法における最も重要な点であります。 以上、現行官庁営繕法は、官庁営繕の統一に向う第一段階でありますが、法の目的である災害を防除し、公衆の利便と公務の能率増進をはかるためには、さらに計画的、統一的な営繕及び適正な管理が必要でありますので、次の諸事項を眼目として改正しようとするものであります。 まず第一に、都市計画として決定する一団地の官公庁施設を本法に新たに規定したことであります。その趣旨は、公衆の利便と公務の能率増進をはかり、あわせて不燃化の促進と土地の高度の利用をはかるため、単に庁舎の合同建築による集約化だけでなく、郡市の一定地区に、国家機関の建築物と地方公共団体の建築物とを、それぞれの機能に応じて集中配置するよう計画的に建築しようとするものでありまして、これに必要な限度において私権の制限等について規定したのであります。 第二に、現在の営繕計画書に対して建設大臣の意見を申し述べる制度は、一応営繕計画に対する調整はいたしておりますが、工事の執行が原則的に集中実施されていない現状においては、必ずしも統一的に、同一基準により、緩急の度により、経済的に、しかも安全度向く建設するという目的を達しておりません。すなわち、現在の建設省設置法におきましては、一部の例外を除き、国の営繕は全部建設省で行うことになっておりますが、各省の設置法には、また、それぞれ所三事務の遂行に直接必要な事務所等の施設を設置する旨の規定があって、法律的には競合しておりまして、どちらが優先適用されるかわからないので工事の集中実施が行われていないのであります。ここに、国の営繕に関する基本法であります本法に、建設省の施行する営繕工事の範囲を定め、営繕施行の原則的統一を行い、もって建設計画の統一調整、建築物の規模、程度の標準化等を行い、国費を節減し効率的使用をはからんとするものであります。 第三に、国家機関の建築物の維持管理の適正化をはかるため、その技術的な基準を定め、これを各省各庁の長をして励行せしめるようにいたしたものであります。 以上の改正に伴いまして、必要な条項を整理するとともに、関係法律について必要な改正を行うことといたしたものであります。 以上が、官庁営繕法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたす次第であります。
○徳安委員長 続いて逐条説明を聴取いたします。三鍋義三君。
○三鍋委員 官庁営繕法の一部を改正する法律案の条文の説明を簡単に申し上げます。 この法律案は題名の改正並びに改正条文七条、追加条文四条及び附則五項からなっております。 まず題名の改正でありますが、本法案は一団地の官公庁施設及び建設大臣の施工する営繕並びに国家機関の建築物の維持等理等について新たに規定しておりまして、単に官庁営繕に関する事項だけを規定したものではありませんので、官公庁施設の建設等に関する法律と題名を改正したものであります。 次に第一条の改正でありますが、本法案は一団地の官公庁施設及び建設大臣の施工する営繕並びに建築物の維持管理等に関する事項を新たに規定しましたので、これに伴う目的の改正を行なったものであります。 次に第二条の改正でありますが、第一号の建築物の定義につきましては、現行法では建築基準法で用いる建築物の意義で用いておりまして、建築設備は別にしたものとなっておりますが、現行法及び本法案の多くの場合は、建築設備を含めた意味で建築物の用語を使用しておりますし、また逆に建築物から建築設備を除き得ない理由がありませんので、建築物には建築設備を含むこととしたのであります。 第二項の営繕の定義につきましては、本法において官庁営繕の用語を用いる必要がなくなりましたので、これを営繕に改め、また本条七項中建築の定義を建築基準法から引用しておりますので、これを本定義に援用したのであります。 第三項の庁舎の定義につきましては、倉庫及び車中は普通庁舎に付属し、庁舎と一体に取り扱うべきものでありまして、むしろ庁舎とするのが当然でありますので、本法案のように除外規定から削って庁舎とするよう定義したものであります。次に刑務所に類する拘置所、少年院、少年鑑別所、入国者収容所等の収容施設は、刑務所と同様庁舎と区別したものであり、また自衛隊の部隊等の建築物は一般庁舎とは区別すべきものと考えられますので、これを除くこととしたのであります。 第四項の合同庁舎の定義は、二以上の各省各庁の長が使用している庁舎の建設について本法案で規定しましたので、その定義を掲げたものであります。 第五項は、本法案第五条の二及び第五条の三に一団地の官公庁施設に関する規定を設けましたので、その定義を掲げたものであります。一団地の官公庁施設は公衆の利便を目的とするもので、都市計画法第一条にいう公共の福利を増進するための重要施設であり、同法第三条の規定によって都市計画として決定されるものであります。建築物に付帯する通路とは、建築物に付帯するいわゆる一般通路の意味であり、付帯するその他の施設とは、たとえば駐車場などであります。 第六項は、各省各庁の長の定義から経済安定本部総裁を削ったのであります。 第七項は、建築基準法の定義の引用でありますが、建築物については、すでに第一項で定義いたしましたのでこれを削ったのであります。 第五条の二は、一団地の官公庁施設に関する規定を新たに設けたものであります。都市における官公庁の建築物をその機能に応じて一定地区に集中配置することが公衆の利便をはかるためにきわめて緊要であり、これはまさに都市計画法第一条にいう公共の福利を増進することに適合いたしますので、都市計画として一団地の官公庁施設を決定し、これに基き計画的に建設しようとするものであります。 第一項は、一団地の官公庁施設に属する官公庁及びその付帯施設の建設は、都市計画として決定したものに従って行わねばならないことを規定したものでありまして、当該計画に基かない国家機関または地方公共団体の建築物の建築は禁止されることとなるのであります。ここで建築物に建築設備を含まないことといたしましたのは、一団地の官公庁施設は、都市計画としては建築物の立地ということが必要であり、建築物に設ける建築設備は、その制限の対象にする必要がないと認められるからであります。このことは以下次の条にわたり同様であります。 第二項は、一団地の官公庁施設の不燃構造建築に関する規定であります。国家機関の建築物の不燃化をはかることは、本法の根本精神でありまして、国家機関の建築物と同様、一団地の官公庁施設である地方公共団体の建築物もこれにならったものであります。 第五条の三は、一団地の官公庁施設の境域内の建築施設の制限に関する規定を新たに設けたものであります。官公庁建築物の立地は公衆の利便に影響するものであり、官公庁建築物の集中配置を推進することが都市計画の福利増進の目的にもかなうものでありますので、その計画実施の確保のために厳格な建築物の建築の制限を行うものであります。 第一項は、都市計画決定による建築物の建築制限を規定したものでありまして、現行都市計画法の施行令第十一条の二または第十一条の三、第一項と同様の内容の制限であります。ただし書は建築許可を要しない場合の規定でありまして、一時的な仮設建築物の建築を必要とするときなどが許可不要の例となるものと予想されます。 第二項は、前項の許可申請があった場合に、ここに掲げました程度のものにつきましては許可事項とするのが適当と思われますので、この点を明示したものであります。 第三項は、第一項の許可をする場合に、都市計画上必要な条件を付し得ることを規定したものでありまして、都市計画法施行令第十二条にも同様趣旨のものがあります。 第四項は、前条第二項に規定する建築の許可を受けずに建築したもの、または許可に付した条件に違反したもの、またはこれらからその違反建築物についての権利、すなわち当該建築物の所有権等を承継したものに対して、都道府県知事が除去または移転を命ずることができることとして、建築制限の効果を確保したものでありまして、都市計画法施行令第十四条と同様の趣旨であります。 第六条の見出しを改正いたしましたのは、合同庁舎を別に定義いたしましたので、見出しを条文の内容を現わす庁舎の合同建築としたのであります。 第九条の改正は、条文の内容に変更はなく単に字句を整理しただけであります。 第九条の二は、建設大臣の施行する営繕等の範囲について新たに規定したものでありまして、従来建設省設置法に規定しておりました国費の支弁に属する営繕を建設省が行うということは、各省設置法の事務所等設置権限とせり合いしておりましてどちらが優先するかわからなかったものでありますが、今回官庁営繕の基本法である本法に建設省実施の営繕の範囲を規定して建設大臣の所掌範囲を明確にしたのであります。第一項第一号は、一団地の官公庁施設のうち、国家機関の建築物につき建設大臣が行うこととしたものであります。第三号は、合同庁舎の建築は建設大臣が行うこととしたものであります。第一号、第二号に規定しました営繕は、第三号で除外しました営繕といえども、建設大臣が行うこととなります。ただし衆議院議長または参議院議長の所管に属する議事堂及び各省大臣の所管する特別会計の営繕並びに一件二百万円以下の営繕については、建設大臣の行うものから除外しまして、各省各庁で行うこととしております。第三号は、イからヘまでに掲げる除外を除いて全部建設大臣が行う規定であります。例外は現行建設省設置法の線に沿って定めたものであります。第四号は、一団地の官公庁施設及び合同庁舎並びに建設大臣の所管に属する建築物の営繕及びその付帯施設の建設に必要な土地の取得または借地権の取得を行う規定でありまして、その他の営繕についての土地等の取得は各省各庁で行うこととなります。 第二項は、特別な事情がある場合の特例規定であります。その例は、山間僻地の営林署に属する建築物などであります。 第九条の三は、国家機関の建築物等の維持管理について新たに規定したものであります。国家機関の建築物の維持管理を適正に行うためには、特に技術的な管理が必要であると思われますので、技術的な基準について政令で定め得ることとしたのであります。第十二条第三項と相待って、実施励行推進をはかるものであります。 第十条の改正につきましては、第一項及び第二項は審議会の名称変更と字句の整理であります。第三項及び第四項は、従来審議会が行なっておりましたが、審議会がやるよりも建設大臣が行なった方が適当であると思われますので、これを改め、第十二条に含めて規定したのであります。 第十一条の改正につきましては、一団地の官公庁施設の建設を推進いたしますためには、地方公共団体の代表者が委員として参加することがぜひ必要であると思われますので、その規定をいたしたものであります。 第十二条の改正につきましては、第一項はさきに述べた通りでありまして、従来は審議会が実施しておりましたが、建設大臣が行うことが適当であると思われるからであります。 第二項は従来と同様であります。 第三項は第九条の三に照応するもので、建設大臣は必要があれば技術的管理の指導を実地について建設省の職員にさせることができるものとしたのであります。 附則の第一項は、施行の目を定めたものであります。 第二項は、現に昭和三十一年度以前の予算で各省各庁が施行中の工事は従前通り行わせることといたしまして本法の施行に当って経過的処置を規定したものであります。 第三項は、建設省設置法の一部を、第四項は北海道開発法の一部を、第五項は地方自治法の一部を改正したものであります。 以上でございます。
○徳安委員長 本案に対する質疑を行います。質疑なさる方はございませんか。——それでは質疑は本案に対しては終結したことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○徳安委員長 それではさように決します。 —————————————
○徳安委員長 次に公共工事の前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたしまして、質疑を行います。——三鍋義三君。
○三鍋委員 ただいま議題になりました公共工事の前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案に対しまして、簡単に一、二点質問させていただきます。本事業の発展に伴いまして、その反面におきましては保証事業の増加も予想されるので、この場合保証事業会社の保証能力を確保する必要がある、この際保証事業会社の保証金の支払い能力を増大する処置としてその責任準備金及び支払い備金の算出方法を改めたというのがこの改正案を出された趣旨であると思うのでありまして、大体において適切なる改正案であると私は考えるのでございますが、先般提出されました資料につきまして、一、二点お聞きいたしたいと思います。この三保証会社の保証状況の項でございますが、三十年度は一月末までの集計が出ておるのでございますが、これから予想される件数は、大体どれくらいを予想されておりますか、二十九年度の一万九百件と関連いたしまして、その点を一つ御説明を願いたいと思います。
○柴田政府委員 お尋ねにお答えいたします。三十年度の三保証会社の保証状況が一月末まで出ておりますが、見通しとして、最後までにはどれくらいになるだろうかというお尋ねであります。見通しのことでもございますので、正確な計算はできておらない次第でありますが、表にもございますように、一月末までで三社合せて八千六十件、百六十三億という数字でございますが、三月の末まで参りまして二十九年度に掲げてございます一万九百件には達しないであろう、九千件台くらいではなかろうか、金額におきましても、二十九年度の二百六十五億には及ばないのじゃなかろうかと予想しておるような次第でございます。これは御承知の通り三十年度につきましては、中の内訳の方をごらんいただきますと、地方公共団体のところで非常に減っております。これからもすでにお察しいただいておるかと思いますが、予算が暫定予算でスタートがおくれたというようなことや、地方財政の何分の赤字が三十年度がピークであった、かように考えますので、どういたしましても三十年度は、そういうような地方財政等の状況から、保証契約額が従来に比して多少減少することはやむを得ない、こういうように予想しておるような次第でございます。
○三鍋委員 三十年度につきましては、いろいろ予算関係もありますから、減少したのは一応わかるのでございますが、今後の見通しはどうでございましょうか。と申し上げますのは、これはますます発展して、利用価値が高められておるのでございますが、それについての御見解をお聞きしたいと思います。
○柴田政府委員 今後の見通しでございますが、私どもはただいま申し上げましたように、三十年度が予算の執行の出発が非常におくれたということや、地方財政の赤字の上からも最頂点であったというふうに考えるのでありまして、三十一年度におきましては地方財政再建についての相当の根本施策がとられていることでもございますし、また予算もすでに成立をするというようなことでございまして、二十九、三十年度の状況から、三十一年度からは一ぺんにすぽっとよくなるということはないにしても、好転の方向に向うというふうに予想いたしているような次第であります。
○三鍋委員 次にお尋ねしたいのは、機械類の製造に対する前払い金の保証の件数でございますが、これが三十年度はどこもありませんし、二十九年度の西日本の保証会社の状況を見ますと全然件数がないのでございますが、これは何か特殊な事情があるのでございますか、その点ちょっとお伺いしたいと思います。
○柴田政府委員 第一の表の機械類の製造に対する前払い金の保証、この場合でございますが、これは西日本においては別段の理由がなくてなかったということでございます。北海道においても二十九年度三件というような数でございまして、別段の理由はございません。西日本においてなかったということは別段の理由はないのであります。
○三鍋委員 次にこの保証金の弁済事故の状況のところでございますが、東日本の三十年度の建築保証弁済高が千二百四十三万七千七百六十一円、これはどういう内容のものですか、もしおわかりでしたら御答弁をお願いしたいと思います。
○柴田政府委員 ただいま資料の持ち合せがございませんので、ちょっとお答えいたしかねますが、直ちに資料を取り寄せましてお答えいたします。
○三鍋委員 それではまた次の機会に御説明願うことといたしまして、この表で見ますと、国の場合の件数がほかに比較して——もっとも地方公共団体の場合も若干あるのでございますが、国の場合が多いように思うのでございます。これはもっとも契約金額とかそういうものが多いということも原因だと思いますけれども、特に国の場合が多いということにつきましての何か特別の理由があるかどうかをお尋ねしたいと思います。
○柴田政府委員 金額の点におきましても公共工事の中で公共団体の分よりは国が一番大口というような格好になっております。件数もごらんいただきますように、国が二十九年度五件、公共団体が八件でございまして、三十年度国が四件と公共団体が四件ということで、特に国の方が多くはなく、件数からいえば公共団体の方がやや多いくらいに存じております。
○徳安委員長 本案に対しましては御質疑の通告がございませんので、質疑はこれで終了いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○徳安委員長 御異議なしと認めてさように決します。 —————————————
○徳安委員長 次に首都圏整備法案を議題として補足説明を聴取いたします。松井事務局長。
○松井政府委員 首都圏整備法案の逐条の説明を申し上げます。 説明を申し上げます前に法案にミスプリントがございますのでちょっと御訂正を願いたいと思います。法案の中の附則の第六項でございますが、一番最後の行に「首都建設委員会を」となっておりますが、その「を」を削っていただきます。それから附則の第十一項でございますが、二行目にある下向きのかぎを上向きに、それからその下の「とあるのは」という下にございます上向きのかぎを下向きに御訂正願いたいと思います。 それでは逐条簡単に御説明申し上げます。首都圏整備法案は、提案理由で御説明いたしましたごとく、東京都と社会的、経済的に密接な関係のありますその周辺の地域を一体とした広域につきまして、市街地開発区域を設定し、これを整備することによる工業都市の育成、近郊地帯の設定による広域緑地帯の整備等の措置を講じて首都の過大市化の傾向を防止するとともに、首都における重要施設の整備を一そう推進し、もってわが国の政治、経済、文化等の中心としてふさわしい首都圏の建設と、その秩序ある発展をはかるものでありますが、以下同法案の各規定についてその概要を御説明いたしたいと存じます。 第一章におきましては、総則として、この法律の目的及び用語の定義についての規定を設けております。すなわち、第一条におきましては、首都圏整備委員会が総合的な首都圏整備計画を作成し、その実施の強力な推進をはかることにより、わが国の政治、経済、文化等の中心としてふさわしい首都圏の建設とその秩序ある発展をはかるためにこの法律を制定するものであることを明確にいたしております。 また第二条におきましては、首都圏、首都圏整備計画、既成市街地、近郊地帯等の意義をそれぞれ定義しておりますが、これらの定義のうち、既成市街地と近郊地帯について若干の説明をいたしたいと存じます。既成市街地とは、東京都及びこれと連接する枢要な都市を含む区域のうち、政令で定める市街地の区域をいうのでありますが、東京都の二十三区、これと連接する川崎市及び横浜市等のうち、市街地と見られる区域を政令で定めたいと存じております。近郊地帯とは、既成市街地の秩序ある発展をはかるため緑地帯を設定する必要がある既成市街地の近郊で政令で定める区域をいうのでありますが、この地帯は、既成市街地を囲む地帯で、市街地の無制限な膨張を防止するとともに、風景地、生産力の高い農地を保存するほか、公園、運動場等の施設を設けて既成市街地及び衛星都市の共同の利用に供する地帯であります。 第二章は、首都圏整備計画の作成、その計画の実施の調整及び推進等の事務を所掌するため首都圏整備委員会を設置すること、並びにその組織及び運営に関する基本的事項を規定いたしたものであります。すなわち、第三条は、この首都圏整備委員会が、その所掌事務及び権限からみて行政委員会であること、及びその事務が広く各省にわたるものでありますので、これを総理府の外局として置く旨を定めたものであります。 第四条は、委員会の所掌事務及び権限について規定したものであり、この委員会が首都圏整備計画を作成するとともに、事業計画の作成及び整備計画等の実施に関する関係者への勧告等の措置により、関係者がそれぞれの各事業法に基いて行う事業について必要な調整及び推進を行う権限を有する旨を定めたものであります。 第五条から第十二条までの規定は、委員会の組織に関して規定したものであります。まず、第五条で、委員会は委員長及び委員四人で組織するものとし、第六条で、委員長は国務大臣をもって当てるものとしております。また委員は、両議院の同意を得て内閣総理大臣が任命し、その任期は三年といたしております。なお、委員は、この委員会がその機能を十分に発揮し、権威ある科学的合理的な首都圏整備計画を作成してその強力な推進をはかりますため常勤であることを原則とし、ただ、そのうちの二人は非常勤とすることができるものとしたのであります。 第十六条では、委員会の事務局について規定したものでありますが、事務局の職員の定員につきましては、三十一年度は予算の移しかえにより措置せざるを得ませんので、二十二名とするように本法案の附則において行政機関職員定員法を改正することにしたのであります。 第十七条及び第十八条におきましては、この委員会に諮問機関として首都圏整備審議会を置く旨を規定するとともに、審議会は、国会議員、関係行政機関の職員、関係都県の知事及び議会の議長並びに学識経験者で組織する旨を規定いたしております。 第三章は、本法案の主眼をなします首都圏整備計画の作成について規定したものであります。 まず第二十条では、首都圏整備計画は、基本計画、整備計画及び事業計画とする旨を規定するとともに、基本計画においては、整備計画の基本となるべき事項として、首都圏内の人口規模、土地利用等に関する計画を定め、整備計画においては、首都圏の中心部をなす既成市街地、その外周に接する近郊地帯及び市街地開発区域ごとにそれぞれその整備のため必要な都市施設のうちで根幹となるべきもの、並びに既成市街地と市街地開発区域間及び市街地開発区域直互間の連絡をはかるため必要な道路、鉄道、軌道等の交通施設のうちで根幹となるべきものの整備に関する事項を定めるものであり、事業計画においては、この整備計画の実施のため必要な毎年度の事業で国がみずから行うもの、または国が補助もしくは投融資等により財政的、資金的援助を与えているものについての計画を定めるものといたしております。 次に第二十一条では、この首都圏整備計画の決定手続について規定していますが、この整備計画を実施する関係行政機関及び関係都県との連絡を緊密にする必要がありますので、計画の決定に際しては、審議会の意見を聞くことはもちろんでありますが、関係行政機関の長及び関係都県の意見をあらかじめ十分に聞いて定めるものといたしました。なお、この計画が決定されましたときは、これを広く公表することにいたしまして、利害関係者に意見の申し出の機会を与える等の措置を講じたのであります。 第四章は、首都圏整備計画に基く事業の実施に関し、市街地開発区域及び工業等制限区域の指定、国の地方公共団体等に対する財政上の援助、並びに整備計画の実効性を確保するために必要な協力及び勧告等の措置等について規定いたしております。 まず第二十三条について御説明いたします。首都への過度の産業及び人口の集中と、これに伴う環境の悪化、すなわち首都の過大都市化の傾向を防止するためには、首都の周辺にある既存都市を中心として、産業の立地条件その他緒施設を整備し、これを工業都市として、時には住居都市として育成し、ここに職場をあるいは住居を建設して首都へ流入しようとする人口を吸収定荒させる必要が存するのであります。かかる必要に応じ、工業都市または住居都市として積極的に整備するため既成市街地の周辺地域内の区域を指定するものとしたのがこの二十三条であります。さきにも述べました通り、この指定された市街地開発区域については、おのおのの区域ごとに主要施設の整備計画を作成し、これが強力な推進をはかることにしているのであります。 市街地開発区域においては、その人口増加に伴い教育施設の新設または増設が大きな一つの問題点であり、現行の小、中学校の建設のための補助あるいは負担に関する法律によりますと、現実に二部授業等の不正常状態が発生した場合にのみ、それらの教育施設の建設に対し国が補助あるいは負担することになっているのでありますが、第二十四条におきましては、市街地開発区域内において、日本住宅公団等の住宅建設が集団的に行われ、それに伴い人口が著しく増加することが予定されている場合に、この住宅建設と併行して、地方公共団体が小学校または中学校の建設が実施できるよう、国が補助をなし得る道を開いたのであります。 なお衛星都市の建設を強力に推進いたしますためには、以上の小、中学校の建設に対する補助のほか、種々の助成策を講ずる必要があろうかと存じますので、第二十五条におきまして、宅地の造成その他必要な事項について別に法律を定めることにいたしました。 第二十七条は、整備計画に基く実際の事業については委員会自体はこれを執行せず、それぞれ当該事業に関する法律の規定に従い国、地方公共団体または関係事業者が実施する旨を規定したものであります。 第二十八条及び第二十九条は、整備計画及び事業計画の実効性を確保するため、関係行政機関の長、関係地方公共団体及び関係事業者はこれらの計画の実施に関し、できる限り協力すること及び委員会はこれらの者に対し勧告等をなし得ることを規定したのであります。 第三十条は、事業計画に基く事業の用に供するため必要があると認めるときは、国は地方公共団体に対し普通財産を有償譲渡、譲与、減額譲渡をなし得ることを、第三十一条は、国は整備計画または事業計画に基く事業を実施する地方公共団体等に対し、必要な資金の融通またはあっせんに努めることを規定しております。また第三十二条におきましては、事業計画に基き行う地方公営企業の建設、改良等に充てるための地方債について、委員会と自治庁長官とが協議して定めるものについては、特別の場合を除き地方自治法の許可を与えるものとし、企業債の円滑な許可をはかることにいたしました。 以上御説明いたしました事項のほか、本法の付則におきまして、本法の施行期日あるいは施行のため必要な関係法律の改廃を行ったのであります。 本法案の内容は以上の通りでありますが、何とぞ十分御審議の上、すみやかに御可決あらんことを御願いする次第であります。
○徳安委員長 これより本案に対する質疑を行います。前田榮之助君。
○前田(榮)委員 ただいま議題になっております首都圏整備法について簡単に二、三御質問を申し上げたいと思います。 ただいま御説明になり提案されておるこの法律案を見まして、大体においてわれわれはかくあるべしと考えておるものであります。ただここでお尋ね申し上げておきたいのは、首都建設法がありまして、首都建設法に基いて首都建設計画が建てられることに相なっておるのであります。従ってこの法律に基いて首都圏整備法が生まれたとも言うべきではないかと思っておるのでありますが、むしろ私は首都建設法の一部改正を行いまして、この建設法の中へ首都圏整備の内容を含めて、たくさんの法律を作るよりも大体親子関係と言いますか、関連性のある法律を一本に整備をすることが必要ではないかと思うのでありますが、そういう方法をとらずに、首都圏整備法というものを新しく提案をされたのは、首都建設法ではどうもそういうことができないという何かほかに理由でもあるのか、これをお聞かせ願いたいと思います。
○松井政府委員 ただいまの御質問の趣旨は、首都圏整備法を新しく制定するよりも、首都建設法を改正して、それで同じ趣旨のことをやったらいいではないか、こういう御趣旨と思うのでございますが、首都建設法は何分にも東京都の区域を制定された法律でございまして、これを首都の周辺を含めます広域の区域に広げますことに対しまして、一、二問題となる点が考えられるのるでございます。それは、周辺の地域といたしましては、現在におきましても東京の人口が流れ出しておりまして、外周の県から東京都に通勤をしておるような人口も数十万を数えるような実情にあるのでございますが、周辺の地域の方々といたしましては、周辺の県を東京の一つのねぐらにして、そこに住宅を作って東京へ通うというようなことになりますと、周辺の県が東京のために犠牲にされるのではないか、こういったような意味におきまして、周辺の県をそういった東京のねぐら的に利用されるということにつきまして相当反対があるのでございます。そういう意味で首都建設法を改正いたしまして、同じような趣旨を達成するということも考えられるのでありますが、そういった士甘味で首都圏そのものはもちろん東京を中心とはするのでございますが、首都の周辺とする地域を含めまして、その地域の自主性ということも考えまして、対等の立場でこの圏域を整備する、こういう考えでいってもらいたいというのが周辺の県の強い要望なのでございます。そういう意味で首都建設法を改正いたしますということは、多少この周辺の県の気持等におきまして悪い影響があるのではないかと考えられる点が一つございます。それから首都建設法によってできております首都建設委員会の成り立ちが、御承知の通りに現在では、委員長を交えまして九名の委員でできておりまして、その中には衆参両院の代表の方、ほかに東京都知事、及び東京都議会議員の代表等が入っておるわけでございますが、そういった成り立ちで、これを広げていきますと、委員会の構成が非常な人数になりまして、強力な合理的な計画を実際作成して参りますのに、そういう構成でははなはだまずいのでありまして、そういう意味で首都建設委員会の拡充ということよりも、新しく常勤の委員を含めた少数の強力な委員会を作って、それで持っていった方がよいではないか、こういうような考えをもちまして、新しい法律を制定することになったわけでございますが、それにいたしましても実質は首都建設法の精神を拡充していくものでございますことには間違いないのでございます。
○前田(榮)委員 ただいまの御説明ではどうも納得いかないところがあるのですが、時間を急ぎますので次に移りたいと思います。 都市計画法があり、首都建設法があり、それから今度首都圏整備法、こういろいろわれわれは国会で審議をしてやって参りましたが、都市計画法を審議する際におきましても、都市の形成についてはかなり科学的な計画をもって進むように当時当局は説明をいたしたのであります。ところが現実に今われわれの目の前に現われておる東京都を見ますると、近代的都市として、おそらく世界七、八百万の大都市にこんなに乱雑な都市は、私が見たところではないと思う。それでいろいろな計画のもとに整備しなければならぬと思いますが、大体人口のいろんな制限等も考える点において、どういう基準で制限をするか。東京都が八百万の人口を持っている。この八百万の人口はわが国の総人口の一割に近い人口であります。これを東京都に集めておる。ここに日本全体としての不健全性も現われておると思うのです。こういうことをあなたに御注文申し上げることは無理な話でありまして、これは国の政治全体から直さなければならぬ点があると思いますから、この点は、私は議論めいたことを申すことは別の機会にいたしたいと思います。 それで、今御説明になりました、人口の過度集中を防止するということでありますが、大体首都としてどのくらいを予定し、計画し、考えておるのか。これは計画なしに、ただそのときのいろんな情勢に基いて、できるだけ、あまり集まらないようにするという程度なのか。あるいは計画性があって、昭和三十三年度は何方、三十五年度は何かという一つの計画を持って、その計画に近寄らせる一つの法律を作るんだという考えなのか、その点いかがなものですか。
○堀川政府委員 私もよくわからぬのですが、この首都圏なるものは、現在東京都に八百万の人口がおりますが、おそらく昼間は千万越しておるのではなかろうかと思います。こういう考えからいきまして、この首都圏の範囲をいわゆる神奈川、千葉、埼玉、栃木、こういう周辺を一つの首都圏の中へ入れまして、そうしてそこにある中小都市をできるだけ整備いたしまして、あるいは工業都市にし、あるいは住宅都市にし、それに対する交通網を考えていったならば、東京都にそう集中しなくても済むんじゃなかろうかというような考えからやっているんだ、かように考えておりますが、その一つ一つの府県ごとの計画というものは、今からこの首都圏ができますとそれを立てていかなければならぬ。まず五十年ぐらいのものを計画しなければならぬ、こういう考えでおります。
○前田(榮)委員 その次にお尋ね申し上げたいのは、この法律に基いて委員会が設けられる。委員会は二十二人程度となっておりますが、ただ首都建設法に基く委員会であるなら数はそう多くない方がよいと思います。ところが周囲の情勢から隣接町村とのいろいろな関連性を考えてこの問題を処理していこうといたしまするなら、この今考えられておる二十二名というものでは、私はこれは将来いろいろな問題が残ってくるおそれがあると思うので、これでは適当でないと思うのです。この二十二人ということに切りつめたところに、何か予算上の関係で大蔵省と交渉した結果、こういうようになったのか、そうでなしに、やはり二十二人でよいんだ、こういう考えに基いたのか、この点を簡単でよいですから御説明を願います。
○堀川政府委員 現在二十二人ということになっておりますが、これは大体五十二人にする予定であるのでありますが、これが発足するときに予算がついていなかったのでございます。それで建設省あるいは運輸省から切りかえて持っていくので、現在持っていけるという範囲で二十二名ということになった、これは五十二名まで持っていかなければとうていこの仕事はできぬ、かように考えております。
○前田(榮)委員 そういうお考えでありまするならば、われわれは審議の過程においてこの問題を可決をいたして、間もなく委員等についての問題が起るような法律は作りたくないので、同僚諸君と相談をいたしたいと思います。なおここでついでにお尋ね申し上げておきたいと思うのでありますが、この計画部の関係ですが、これも今政務次官の御説明の中にあったように、将来十年ないし二十年の策も十分に計画の中に考慮をしてやるんだというようなお話のようでありましたが、そういたしますると、相当綿密なる調査等をしなければならぬのですが、その点計画部についても現在の法律に現われておるもの以外に必要な点があるのではないかと私はにらんでおるのですが、その点にいかがですか。そういうことをわれわれ委員会で修正等を行うというようなことの場合に、そんなばかないらぬことをするなと言われてもわれわれ困るので、その点をお聞きしたい。
○堀川政府委員 御説ごもっともでございまして、私の方もさように考えておるのであります。部の設置とかそういう充実したものを作って、これを相当研究せなければならぬ、かように考えております。
○徳安委員長 三鍋義三君。
○三鍋委員 実は大臣の御出席を願って御答弁を願いたいと思ったのでございますが、本日御出席ないのは大へん遺憾でございます。そこで今度は政務次官にこの法案に対する根本的な問題に対しまして、二、三御質問申し上げたいと思います。 第一に憲法の第九十五条の解釈についての質問でございますが、この法案は東京都の区域及びその周辺の地域という、いわゆる首都圏のみを対象としておりますところの特別法であります。従ってこれは憲法の九十五条の住民投票が問題になってくると思うのでございますが、憲法の九十五条によりますと、御承知の通り「一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。」と規定されております。この第九十五条の法的解釈につきましては、いろいろと憲法学者その他で問題があるのでございますけれども、現行のこの首都建設法では住民投票に付せられて参りました過去の実態から考えましても、同じ性格を持っておる法案につきまして住民投票の必要がないとされるその解釈には、どうも私たち釈然とせないものがあるのであります。住民投票で決定したものを廃止する場合に、住民投票の必要がやはりあるのではないか、また同じ性格のものが立法されようとするときには、やはりこの九十五条の精神からいって、私たちは住民投票をなすべきであるという見解を持っておるのでございますが、これに対するところの政務次官の御所見をよくわかるように一つ御説明願いたい。
○堀川政府委員 よくわかるようにかどうかわかりませんが、とりあえず前の首部建設法によりまして、住民投票を一たんいたしたのであります。今度の首都圏整備法案も趣旨は同じものでありますので、これは法律的には住民投票はすでに一たんいたしたということで、それでいけるんだろう、これは法律的にそういうように法制局でも解釈しておるので、そうではなかろうかと、私はかように考えております。
○三鍋委員 今度のこの首都圏法案が内容的には前の首都建設法と少しも変らないから、住民投票で承認されている問題であるから、今あらためてやる必要はないという御見解でございますね。
○堀川政府委員 そうです。
○三鍋委員 先ほども申し上げましたように、この法律の解釈にはなかなか問題点が多いのでございますけれども、私たちの見解では、内容、区域に相当に変化をもたらしているのでございますから、法をしっかり守っていくという建前からいえば、あらためてこれに対するところの賛否を問う住民投票というものが必要であると考えるのでございます。もちろんこの投票をやるためには、相当の、一億近いお金が要るという経済問題もありますけれども、法律というものは作った以上は、やはりこれに従って多少めんどうでも、お金がかかっても、これをすっきりした形で実施するということが、やはり法治国として大事な点であると思うのでございます。もう一ぺん一つ政務次官の御所見をお伺いしたい。
○堀川政府委員 三鍋さんと同じように、われわれもこの法案を作るときには、もう一ぺんやった方がいいのではなかろうかという疑義を持っておったのでありますが、法制局で研究さしてみますと、同じ性質のものであるから、一ぺんやった住民投票でいい、こういう解釈であったのであります。そこで一ぺんやった同じ住民投票を二度やるということは、今おっしゃったようにいろいろな手数もかかりますし、そういう関係上、この部分は法制局の言われる通りにそれを省いたような次第であります。
○三鍋委員 専門家がこれで差しつかえないという見解のもとに、その必要がない、こうおっしゃるのだったら一応理解できないことはないのでございますけれども、えてして法律というものは人間が作ったものでございますから、完全なものを要求することはできないでしょうけれども、首都建設法の場合は東京都が中心だった。今度はずっと範囲が広げられたわけじゃないですか。その場合拡大された地域の方々の意見というものは全然反映していないのではないですか。
○水野説明員 この憲法第九十五条との関係におきまして二つの問題点があるわけでありますが、一つの問題点は、現在の住民投票で成立いたしました首都建設法の廃止に住民投票が要るのではないかというのが第一点でございます。この点につきましては、先ほど政務次官からお話がございましたように、首都建設法の趣旨をそのまま継承いたしまして、首都建設計画とか首都建設委員会の拡充強化をはかっていく、こういうことに新法案がなっておりますので、住民投票を要しました首都建設法を廃止するという点につきましては、これは明らかに住民投票が要らないのではないかというふうに考えられるのでございます。それからもう一点の問題は、三鍋委員が御指摘になりましたように、今度首都圏という広域にわたりましてこういう法律を新たに制定をして、東京都のみならず関係の多くの公共団体がその対象になってくるという点につきまして、住民投票が要らないのかどうか、こういう問題があるのでございまして、この点につきましては、私ども内閣、法制局とも打ち合せまして、このように考えているのでございます。すなわち憲法九十五条の特別法と申しますのは、特定の地方公共団体の組織なり運営なりにつきまして特別の規律を定めたものである、こういうふうに解すべきものでございます。ここにございますように、公共団体が特定されるということが一つの重要な要件でございます。それからまた組織なり運営なりにつきまして、特別の規律を定めている、こういうことが第二番目の要件ではなかろうかというふうに考えるのでございます。そこで今度この首都圏整備法で考えております首都圏と申しますのは、東京都の区域と、これと社会的、経済的に密接な関連のある区域を政令で指定することになっておるのでございまして、この社会的、経済的に密接な関連を有する区域と申しますのは、これは時勢の進運とともにいろいろ変って参るのではないかと考えられるのでございまして、いわば流動的なものでございます。従って公共団体が特定されるというものではないのじゃないかというふうに考えられるのでございます。それからこの条文の各内容につきましてしさいに検討して参りますと、特定の公共団体に対しまして、その組織とかあるいは運営につきまして非常に強制をする特別の規律を定める、こういうような条文は御承知の通りないのでございまして、たとえば整備計画とか事業計画の実施に関しまして、関係地方公共団体はできる限り協力をしなくちゃならぬ、あるいは必要がある場合におきましては委員会が勧告をする、こういうような規定がございますが、いずれも関係の地方公共団体ができるだけ協力するとか、あるいは強制力を持たない勧告をするとかいうような規定でございまして、先ほども申し上げましたように、首都圏そのものが非常に流動的なものであり、あるいは各条文の内容に照らしましても、特定の公共団体に対しまして組織運営について特別の規律を定める、こういうようなものではないというふうに考えられるのでございまして、私ども政府側といたしましては、憲法第九十五条の住民投票は、この法案につきましては要しないというふうに解釈をいたしておるのでございます。なおこの憲法第九十五条の住民投票を要するかどうかということは、最終的には衆議院議長がおきめになるというような問題でございますけれども、私ども政府側といたしましては、住民投票は要しないというふうに解釈いたしておる次第でございます。
○三鍋委員 ただいま御答弁を願ったのでありますが、必ずしも釈然とこれを了解することができないのであります。私はやはり問題があると思うのでございます。 次に御質問いたしたいのは、首都圏整備委員会の組織の問題と機構権限についてでございます。首都圏整備委員会は総理府の外局として設置されることになっておるのでございますが、現在外局として設置されている防衛庁とかあるいは自治庁、北海道開発庁とか、公正取引委員会とか、国家公安委員会とか、土地調整委員会、これはそれぞれ独立した実効のある権限を持っていると思うのであります。ところが本委員会の権限というものを見てみますと、第四条の規定によって、首都圏整備計画の作成及びその実施の推進、こういった点が掲げられております。これはあまりにもばく然としておるように思うのでありまして、その結果といたしましては、ただ計画だけをやって実質の伴わないペーパープランになるといったような、そういう機関となる可能性が非常に多いと思われるのであります。だからむしろ総理府の付属機関として設置されたあの原子力委員会のように、その決定については内閣総理大臣がこれに対して尊重しなければならないといった、そういう形になるべきであると考えます。あるいはまた、同じく付属機関でありますところの国土総合開発審議会のように、諮問に応じて作成した計画等につきましては閣議の決定を求める、こういった形をとる方が計画に対する実行性があるのではないか、このように考えられるのでありますが、私の懸念するところは、昭和二十五年において法律第二百十九号により首都建設法ができまして、その結果がどのように成果を上げているかということと関連いたしまして、この点非常に不備であり、また何か不安なものが感ぜられるのであります。これに対して御説明をお願いしたいと思います。
○水野説明員 お答えをいたします。まず第一点の首都圏整備委員会の性格の問題でございますが、首都圏整備委員会は首都圏整備計画を作成して、これが強力な推進をはかる、こういうためにはどういう機関がいいかということを、私ども立案当初におきましてずいぶん研究をいたしたのでございます。現在の首都建設委員会という機関は、御承知の通りいわゆる行政委員会になっておりまして、この行政委員会と申しますのは、御承知かと思いますが、内閣からある程度独立をいたしまして、職権を行使いたしまして、そうして不偏不党の立場で推進をする、こういうような機関になっておるのでございますが、どうも非常勤の委員でばかり構成されておりまして、行政委員会としての十分な機能をなかなか発揮できない。こういうような状況を考えますと、この行政委員会としての十分なよさというものがある、このよさを発揮できますように、その機能を発揮できますように、組織を拡充、強化していく、こういうような方向に持っていった方がいいのではないか、そういうことを考えましたのが第一点でございます。 それからもう一点は、これは御案内の通り、広域にわたる周到な調査のもとにりっぱな権威のある計画を作って参らなければなりません。そういうような仕事の内容を考えますと、独認制の一般の行政官庁よりは、一流の専門家による合議制のいわゆる行政委員会、こういうような組織の方が適当ではないかというふうに考えまして、行政委員会としての機能を十分発揮できますように、少くとも二名は常勤委員を置いて、委員長は国務大臣、こういうような合議制の組織を考えたのでございます。そういうような行政委員会にいたしますと、御承知の通り予算とか人事とか、こういう点につきましてはある程度内閣のコントロールは受けるのでありますが、仕事をする場合におきまして、内閣からある程度独立をするという権威のある機関でございます。そういう行政委員会というような性質のものであります以上、ここで作ります首都圏整備計画というものを閣議決定をいたすというようなことは非常におかしいのであります。これはどうしても行政委員会として、この首都圏整備委員会が立案に当りましては、関係行政機関、関係公共団体の意見を十分拝聴いたしまして、あるいはここに審議会というものを設けまして、関係方面の十分な意見を聞くことはもちろん必要でございますが、そういう運用の面につきましては、関係行政機関なり関係公共団体と十分連絡をとってりっぱな、権威のある、実効性のある計画を作っていく、こういう仕組みにするのが適当である。これは、独認制の行政機関といたした場合におきましては、今お話がございましたように閣議決定という形式もとれるのでございますが、行政委員会たる性質上、閣議決定という形式をとれません。立案に当りましては十分緊密な連携をとりやって参りますけれども、この法案にありますように、委員会が計画を決定する、こういうようにいたしたのでございます。 それから原子力委員会との関係のお話がございましたが、原子力委員会は全く諮問機関でございまして、これは国家行政組織法第八条の付属機関にすぎないのでございます。ただ御承知の通り、原子力委員会には強力な委員の方を任命いたしました。諮問機関にすぎないのではございますが、人選に人を得て、適当な方を委員に任命いたしまして、十分運営において効果を上げている、こういうような性質のものでございます。この原子力委員会の運営状況等にかんがみまして、首都圏整備委員会におきましても、特に常勤の委員におきましては超一流の人を任命いたしまして、その人選に適正を期しまして、十分活躍していただく、こういう考慮がぜひとも必要であるというふうに考えておるのでございます。 次に首都建設委員会の従来の活動状況についてお尋ねがございましたが、これは松井事務局長の方からお答えさしていただきたいと思います。
○松井政府委員 首都建設委員会では、在来いろいろ調査研究をいたしまして、たとえば計画の面につきましては、東京都内の高速道路でございますとか、駐車場でございますとか、その他道路でございますとか公園でございますとか、各種にわたって十三ばかりのことについて計画を立てまして、それの推進に当っておるわけでございます。またそれの推進に関しまして、しばしば関係各省あるいは東京都に勧告あるいは申し入れをしてきております。特に東京都の事業の執行の財源、特に財源の中でも起債等につきまして、非常勤の委員ではございますが、委員の方々もその都度動員されまして、そういった方面に種々あっせん等の労をとっておられるといったような状況でございます。
○三鍋委員 私の質問いたしました要点は、せっかく委員会においてりっぱな計画が作成されたにもかかわらず、それが計画だけに終って、初めに私たちの考えていた法律の精神は踏みにじられるような、あるいはそうとまではいかなくても、遅々として思うように計画が運ばないということになりはせぬかということを心配しましたから御質問申し上げたのでございます。そういう憂いなく完全にこれでいけるのだという御自信とお考えがあるのであればこれ以上の貸間はいたしませんが、この点はしっかりとやっていただかなければならぬ、こう考えます。 次にお尋ねいたしたいのは、整備委員会の予算の一括計上という点について、やはりこれは的確に実施したいという根本的な考えからお尋ねをするのでありますが、事業計画を立てそれを実施するに当りまして各省に対する委員会の勧告ということよりも、委員会が一括して予算を計上し、その計上されたものを各省に移しかえして実施させる、そういう形をとった方が効果をあげる上において大へんいいのではないか、こう考えるのでございますが、政務次官、どうですか。
○堀川政府委員 お説ごもっともでありまして、この首都圏につきまして、三十一年度は計画を十分にいたしまして、三十二年度からは首都圏自身が予算を要求して、その予算を各省に移しかえして工事をやっていく、こういうことになっております。
○三鍋委員 次にお尋ねしたいのは、先ほど前田委員からも御質問になっておったのでございますが、事務局の構成人員についてであります。政務次官からも御答弁がありました、予算関係もありますので思うように人員配置のできなかったことはわかりますけれども、せっかくこういうりっぱな広大な構想のもとにこれが立法されようとしておるのでございますから、これを画餅に終らせないためにもそれを実施し得る人員の整備ということが非常に重大だと思いますので、この点特別に私たちもその御相談に応じたいと思っておりますから、予算措置を何とか講じまして、この法案を実施できる構成に委員を——めちゃくちゃにふやせというのではありませんが、作ったものを実施できる人員構成をぜひとも考えていただきたい、こう考えるのであります。
○堀川政府委員 御承知のように、これを立案いたしましたときに予算要求をしていなかったのであります。さようなわけで、二十二名は各省の予算をつけて持っていくことになっておるわけで、現在は最小限度二十二名要る、こういうことで二十二名をもって行っていわゆる予算がえをいたすことになっております。この法案が通過いたしましたならば大蔵省と話し合いができて、あるいは何かで取れるではなかろうか。もしもそういうことができますならば早速人員整備をいたしましてお説のように取り計らいたい、かように考えております。
○二階堂委員 私は、この首都圏整備法案についてはもう少し内容を質問いたしてみたいので、この次の委員会にはぜひとも大蔵省と自治庁当局を呼んでいただきたいと思います。もう一ぺん大蔵省と自治庁当局を呼んで起債、金融の裏づけ等についての意見をはっきり聞いておかぬと、この法案だけでは骨抜きになったようなものである。きわめて重要な首都圏整備、東京都内及び近郊の地域をりっぱに整備しようという一つの大きな事業計画を持つ法案ですから、これに対しては、どうしても予算の裏づけあるいは起債の裏づけあるいは事業計画遂行についての金融の裏づけというものがなければこれは役に立たぬ法律だ、前にありました法律と比較してみますと、これは相当前進しておるとも考えられまするけれども、そういう点をもう少しこの委員会においてはっきり念を押しておかぬというと、これが骨抜きになるような心配もありますので、この次にはぜひとも一つ大蔵省と自治庁当局を呼んでいただきたいと思います。
○徳安委員長 承知いたしました。 本件に関する質疑は次会に続行することにいたします。 —————————————
○徳安委員長 この際岐阜県新長良橋問題について緊急質問の申し出がありますからこれを許します。栃兼次郎君。
○楯委員 ただいま委員長から言われましたウ飼いで有名な百長良川の新長良橋でありますが、これについて二、三質問をいたしたいと思います。 この橋は二十九年の三月に着工いたしております。ところが橋だけできまして、取りつけ道路の一方が完成をしない、地元において取りつけ道路の問題について相当紛糾いたしておりますので、岐阜市民はこの橋をながめながら渡れないという状態であるわけです。従って岐阜地方におきましては地方新聞等も相当これを取り上げまして、なぜこの橋が渡れないのであろうかというような疑惑を持っておりますので、私地元ではございませんが、どうしてこの橋を完成しないかという点を一つ聞きたいと思います。 まず第一に私がお聞きしたいことは、まだ土地の話し合いが済んでおらないのになぜこの橋の建設にかかったかという点であります。
○富樫(凱)政府委員 新長良橋の問題につきましてはただいま申された通りの状況でございます。現在まだ左岸の取りつけ道路ができておりませんので、橋はできましたが使えない状況であります。これはお話のように地元との間に紛争がありまして、その調停がつきませんためにこのようになっておるわけでございますが、着手いたしました当時はこの用地問題等につきましても解決できる見込みがございましたので着手したわけでございますが、意外に紛争が深刻になりましてただいま訴訟にもなっておるような状態でございます。着手当時におきましては、そのようなことが予想されませんでしたので着手いたしたわけであります。
○楯委員 今道路局長は、大体話がついたから着工をしたと言われますが、私地元ではないので詳細はわかりませんが、一部新聞紙の報道するところによると、紛争のまま工事が並行していったということを言っております。私はこの席上ではこういうことは言いたくはございませんが、土地その他の問題より政治的な背景がある。いわゆる政治的な相剋のためにこの問題が解決をしない、こういうふうに承知をいたしておるわけであります。道路局長はそういう紛争がなかった、こういうふうにおっしゃいますが、われわれの知る限りにおいては、紛争がありながらこれに並行して着工をしていったというふうに聞いておるわけであります。この点一つ思い起していただきたいと思います。
○富樫(凱)政府委員 新長良橋の現況は先ほど申し上げた通りでありますが、右岸の方の取りつけ道路は九〇%できておりましてそれは完成の見込みでございます。左岸の取りつけ道路は二五%のでき方でありますが、これが七五%まだ残っておりますというのがこの紛争のあるためでございますが、これも一部でございます。この左岸の取りつけ道路につきまして二十五軒の家を動かさなければならないわけでございますが、現在までに六軒動いておるわけであります。残りのものも調停のできる見込みがついておりますが、ごく一、二のものだけにつきましてはその見通しがまだつかないわけでございまして、全般的に考えますと一、二の反対のためにこの取りつけ道路の工事がおくれておるのであるという結果になっておるわけでございます。
○楯委員 私と道路局長の話では、この問題はしごく簡単なようにとれるわけでありますが、今日まで建設省の方から地元へ相当の数にわたって調査、調停、検査に行っております。それからこの問題のために県の土木部長がやめております。それから、名前は申し上げませんけれども、与党の相当著名な方たちが入りかわり立ちかわり調停に携わっております。もう処置なしと見て、つい先ごろ県議会においては、もうわれわれのところでは解決はできない、お前たちも一つ何とか解決をしてもらいたいというので、県議会の決議によってわれわれは陳情書をいただいておるわけです。従ってただいま道路局長が言われましたように、あと二、三軒の立ちのきによって解決をするようななまやさしい問題ではないというふうに私ども考えておるわけでありますが、早急に解決をする見通しがあるのかという点をお聞きしたいと思います。
○富樫(凱)政府委員 お話のように、調停のために建設省も県も相当の努力をいたして参りました。またお話のように有力な方々も調停に立たれたわけでございますが、調停できずに今日に至っておるわけでございます。数からいいますと一、二軒でわずかでございますが、この一、二軒が非常に強力で、このために訴訟問題にもなっており、現に訴訟が係属されておるわけでございます。いろいろ調停の案も出されましたのですが、われわれといたしましては、現在の計画が適当であると考えてこの計画を実行することに決しておるわけでございます。これはもともと県の事業でございますが、国も相当の補助金を出しておるわけでございますし、その点からわれわれも一日も早い解決を願っておるわけでございますが、今までにいたしました努力にかかわらず解決に至ってないのはまことに遺憾ではございますが、これ以上にとる方法もございませんので、ただいまのところ土地収用によりましてこの解決をいたしたいということで進めておる次第でございます。
○楯委員 それから、この問題の焦点となっておるのは、政治的な背景は別といたしまして、水害のおそれがあるあるいはないというのが一つの中心になっておりますし、これはわれわれとしてもいいかげんな解決はできないと思います。この点について大体市長、岐阜市側は、今の設計を完成をしていったならば、やがて洪水の場合には岐阜市内は水浸りになるであろう、こういうことを強く主張いたしております。しかし建設省等においてはそういうおそれがない、——これは県もそうでありますが、水害のおそれはないということを言っておる。従って今建設省の立場からものを申されるのでありますから水害のおそれはないとおっしゃるでございましょうが、相当多数の方が水浸しになるということを強く言っております。この建設技術といいまするか、そういう点については確たる確信がおありになるのかどうか、お聞きしたいと思います。
○富樫(凱)政府委員 洪水の問題でございますが、洪水が出ればあの橋を作ったために被害がひどくなるであろうというお話もございますので、これにつきましては河川局長ともよくお打ち合せいたしまして、長良川の河川改修の計画にあわせまして橋梁の計画をいたしたわけでございますし、その点は十分考慮いたしまして、われわれといたしましては、新長良橋のために洪水がひどくなるということはないと信じております。
○楯委員 建設省はそういう御見解であろうとわれわれも想像いたしておりました。しかし洪水に対処して水害のおそれのあるという川は、いわゆる取りつけ道路を陸橋にせよ、こういう主張をしております。従って私は陸橋にされても道路にされましても、そう大差はない、ある程度の差はありましても、これを二年も三年もほっておいて論争するだけの差はない、こういうふうに考えるわけであります。その盛り土と陸橋と、なぜ両者が話し合えないのかという点は、どういうふうにお考えになりますか、お尋ねいたします。
○富樫(凱)政府委員 お話のように盛り土部を陸橋にしたらという考えもございます。しかしこれにつきましては、当初は全部盛り土で計画しておりましたが、その後途中に二カ所橋を設けるということにもいたしたわけであります。それらの関係から水害のおそれはないという考えで、また地元の反対者側ともいろいろお話をいたしました結果、一度はこの計画でよろしいということに話がついたことがあるのであります。その計画を今実行しておるわけでありますが、その後におきまして反対者がまた反対を続けるようなことになりましたので、事は紛糾をしておるわけでございます。十分にその点は、当初から考えますと考慮いたしまして、適当な設計の変更もいたしておるわけであります。
○楯委員 この土盛りにしても水害のおそれがないと局長はおっしゃいますが、これは私ども新聞紙上で拝見いたしますると、建設省の統一された意見でない、こういうふうに受け取れるわけです。なぜかと言いますると、つい先だって出ました地方新聞の切り抜きがありますが、岐阜市長は絶対全部陸橋に設計を変更すべきである、一たん洪水になったときには、土盛りでは旧市内は水浸しになることを断言する、こう言っております。そうしてこの見解は、私の土木行政の経験と建設省の出先機関の専門家と慎重研究、実地調査を行なった結論である、こういうことを言っておるわけです。従って私どもはこの新聞紙等を読みましてわからないし、また地元の人たちの意見を聞いても、建設省の意見が二つに分れておる、こういうふうに受け取れるわけでありますが、ただいま局長さんが言われました土盛りは水害のおそれは絶対にない、こういう見解は、あなた方建設省の統一をされたる意見であるかどうかをお聞きしたいと思います。
○富樫(凱)政府委員 この橋の計画につきましては、長良川の改修計画につきまして河川局並びに現場の事務所等とも相談してきめた計画でございます。従いまして建設省において意見が不統一であるということは、私は考えておらないわけでございます。岐阜の市長さんは何をとらえてそういうことを言われたのか承知いたさないのでありますが、建設省といたしましては、この計画については全部意見が統一しておるものと考えております。
○楯委員 その御答弁を聞いて、私どもも信じたいのであります。従って水害のおそれがないということになれば、そのことをよく反対者に納得をさせ、なお残る問題は補償問題だろうと思います。この問題を早急に解決をしていただきたいと思います。長き年月にわたっておりますので問題がいろいろございます。ございますが、一地方の問題でございますから、ここで多くは言いません。問題は技術的な解決よりかも政治的な解決が残されておるだけであろうと思いますので、一つ早急にこの橋が渡れるように御尽力願いたい。もう橋はかかったが、一年も二年も取りつけ道路がないために、県民は橋をながめて暮しておる。こんなばかなことは、何億の国費を使ってあり得ないと思う。だから早急に解決していただきたいと思う。私はきょう建設大臣にその決意のほどをお伺いしたいと思っておったのでありますが、大臣はお見えになりません。一つ次官のこの問題解決に対する決意をお聞きしたいと思います。
○堀川政府委員 お答えいたします。あの地元の皆さんに対しましては、非常に御迷惑をかけておることは御承知の通りであります。この問題をすみやかに解決いたしたいということは念頭から離れないのであります。かような意味で、われわれといたしましては、できる限りすみやかにやりたい、しかし既定方針通りにやりたい、かように考えておることを御了承願いたいと思います。
○楯委員 既定方針通りとおっしゃいますが、すでに既定方針で二カ年を経過しておるわけです。既定方針通りで解決をされるめどがあるかどうかということをお伺いしたい。私どもはもう何でも早くできて、県民が渡れさえすればいいのです。既定方針でやってすでに二年もたっておる。既定方針通りで早急に目鼻がつくかどうか、一つお伺いいたします。
○逢澤委員 ただいまの説明に関連し、私は質問があります。今お話を承わりますれば、新長良橋については、ほとんど完成したものが二年もそのままになっているという話を聞いて、私は意外に思うのです。この乏しい予算をもって全国にそうした橋梁とか道路の新設に対して、また改良に対しては国民をあけて待望しておるところです。それに対しては地元の人も土地の提供とかつぶれ地の処理について、——これはもとより施工者である国もやりましょう。国もやりますけれども、まず地方庁あるいは市が協力をして、そうしてそのつぶれ地の提供あるいはそれに対する善処を、その要望するものがこれをやらなければならない、それが建前である。どこの県だってつぶれ地は手前の方でやれ、仕事だけはやってくれ、そういうところはないのです。おそらく今話を聞きましたようなことは、全国まれに見る事態だと私は思う。こんなことに対しては、一体将来この事業を遂行するのに対してなまはんかな処置をとられますと累を及ぼすと思う。そういうような県あるいは市に対しては、将来どういうような態度をもって事業の注文に応じていくか、これは私は重大な問題だと思う。莫大な国費をもってやってそれが実際使えないような措置は、一体だれがやっておるか。それはみな地方の人がやっておる。その地方のごく少数の人のこれに対する妨害——一つの権利を持っているのですから妨害とは申しませんけれども、それだけの公共の施設を要求して、そして国もまたその公共の施設に対して応じてやっているのです。その応じてやっているのに対して、ごく少数の人が妨害をして莫大なその施設が利用できないというような措置は、まことに残念しごくであります。そういうふうな地方に対して今後の仕事をどういうようにやるか、注文にどうして応ずるか、こういうことに対する所見を私は承わりたい。と同時に、これから後にそういうような地方の事業計画に対してやはり建設省は呼応していかれるか、こういうような方針などについても承わっておきたい。そんなことでは仕事をする必要がないと思う。
○堀川政府委員 今既定の方針通りと言いましたことは、既定方針を曲げずにその通りの取っつきをやるということであります。 それから今お尋ねになった問題は、こういう問題をなまくらに済ましてはいけない、こういうことであろうと思います。われわれといたしましても、この問題はもうすでに訴訟になっておるのでありまして、被告になっておる建設省といたしましては、できる限りこの問題を解決しなければならない。法によって解決するということも、これは被告である関係上受けて立たねばならぬと考えております。そこで、今収用法によって収用をやっておるのでありまして、それに対しての異議であろうと考えるのであります。こういう問題に対しましては、徹底的にやらなければならぬとわれわれは考えております。 それから、そういう方面に対しては今後どうするのかというお話でありますが、初めからそういうつもりじゃなかったので、みせしめはまたみせしめとしてしなければならぬと思いまするが、初めはできる予定であった二十五、六軒のうち一、二軒がそういう問題で、ほんとうのつけ根のところがやられておるという現状であります。御了承願いたいと思います。 —————————————
○徳安委員長 この際お諮りいたします。議事日程を追加し、海岸法案を議題とするに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○徳安委員長 御異議なしと認め、さように決します。 それでは、昨日付託になりました海岸法案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。堀川政務次官。
○堀川政府委員 ただいま議題となりました海岸法案の提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。 御承知の通り、わが国はきわめて長大な海岸線を有しているのでありますが、海津が鉱工業、農業、漁業等各種産業の発展及び民生の安定と密接な関係を有するものでありますため、国土保全上その防護の必要性はきわめて大なるものがあります。しかしながら、現状におきましては、海岸の管理責任が明らかでなく、海岸の管理に十分な措置が講じられていないため、連年、高潮、波浪、侵食、地盤の変動等により災害をこうむり、特に最近においては管理の不徹底による大災害が続発しているのでありまして、これが抜本的対策を急速に確立する必要があるのであります。海岸法案は、右の趣旨によりまして海岸の管理の責任を明らかにするとともに、海岸保全施設の整備、海岸の保全に支障のある行為の制限等について規定し、海岸の防護に万全を期し国土の保全に資するものであります。 以上がこの法律案の提案理由でありますが、次に海岸法案の要旨について御説明申し上げます。 まず第一に、都道府県知事が防護する必要のある区域を海岸保全区域として指定し、その区域について海岸管理者を定め、海岸の責任を明らかにしたことであります。すなわち都道府県知事、市町村長、港湾管理者の長または漁港管理者の長を海岸管理者として定めることによって管理の徹底を期し、災害の防除をはかることとしたのであります。 なお、この場合におきまして、海岸管理の事務は国の事務であり、海岸管理者は国の機関として事務を処理いたすこととし、海岸に関する国の責任を明らかにいたしたのであります。 第二に、海岸行政における各省大臣の所管を明確にし、その責任の明確化と海岸行政の円滑を執行をはかったことであります。現在海岸行政は、建設、農林、運輸三省がそれぞれの立場から個別に執行しているのでありますが、基本的な海岸法制がないため、その所掌事務の範囲が必ずしも明らかでなく、国庫負担となるべき災害復旧工事の採択等に関し相当の不便があったのでありますが、この際その所管を明確にすることによって、海岸行政の統一的かつ円滑な執行を確保し、その進展に寄与せんとするものであります。 第三に、国の直轄工事に関する規定を設けたことであります。現在海岸に関する工事は、地方公共団体が国の補助を受けて施行しているのでありますが、先般の愛知、三重の大災害の発生に際し、国が県の委託に基き工事を施行した例に徴し、国土保全上特に重要であり、かつ大規模な工事等については、国がみずから工事を行うことにより海岸保全施設の整備の促進を期することといたしたのであります。 第四に、海岸保全施設の築造基準を定め、海岸管理者以外の者の行う工事につき承認の制度をとり、海岸保全施設の統一をはかったことであります。現在海岸保全施設については、その築造が統一的基準に基いて行われないため、脆弱な個所があり、これが全般的な災害を誘発する原因となる場合が多いのでありますが、これにより海岸保全施設の統一的整備が確保され、災害防除の効果が一そう上げられることと信ずるものであります。 第五に、海岸の保全に支障のある諸行為を制限し、海岸保全の効果を上げることといたしたことであります。現在海岸に関する行為制限の法的規制がないため、土砂の採取、土地の掘さく等が放任され、これらの行為が海岸の災害を激増させる誘因となっている場合が多いのであります。海岸の保全は、海岸保全施設の整備と相待ってこれに支障のある行為を規制することによって、はじめてその目的が達せられるものであり、この見地より今後海岸の災害の防止の効果が上ることを期待するものであります。 第六に、海岸保全施設の新設または改良に要する費用につき国の負担責任を明らかにし、海岸保全施設の整備の促進をはかったことであります。従来地方公共団体の行う工事に要する費用につきましては、国は予算措置で補助を行い、その助成措置を講じているのでありますが、海岸法案におきましては、海岸の管理に関する事務は国の事務とし、国の責任を明らかにしたことにかんがみ、これに要する費用につきましても国の負担責任を明確にし、海岸行政の強力な推進を期したものであります。 以上が海岸法案の提案理由及びその要旨でございます。 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことを切望する次第であります。
○徳安委員長 補足説明を聴取いたします。米田政府委員。
○米田政府委員 ただいま提案理由の説明がありました海岸法案につきまして、逐条的に御説明申し上げます。 第一条は、海岸法案の目的に関する規定でございまして、本法案が、津波、高潮、波浪その他海水または地盤の変動等による被害から海岸を防護し、もって国土保全の目的に資し、生産基盤の涵養と民生の安定をはかるものであることを明らかにいたしたものであります。 第二条は、本法案において用いられる用語の定義に関する規定でございます。本法案におきまして「海岸保全施設」とは、海岸保全区域内にある堤防、護岸等海水の侵入または海水による侵食を防止する機能を有する施設をいうのでありまして、かかる機能を有する施設は設置者、所有者または管理者のいかんにかかわらず、海岸保全施設として取り扱われているのであります。「海岸管理者」とは、後ほど御説明申し上げますように、海岸保全区域の管理の責任を有する都道府県知事、市町村長、港湾管理者の長及び漁港管理者である地方公共団体の長をいうのであります。 第三条は、海岸保全区域の指定に関する規定でございます。 第一項は、都道府県知事の海岸保全区域の指定の権限と、指定の範囲を規定したものでありますが、この法律は全国すべての海岸に適用されるものではなく、国土の保全の見地から防護する必要のある海岸の区域に適用しようとするものでありまして、その範囲を明らかにするため都道府県知事をして指定いたさしめることとしたのであります。なお、適用河川、準用河川の区域、砂防指定地、保安林、保安施設地区等につきましては、それぞれの法律によって本法案と同一の目的の行政が行われているのでありまして、行政の重複を避けるため、これらの区域については海岸保全区域の指定を行わないことといたしたのであります。 第二項は、保安林または保安施設地区について第一項の例外として指定できる場合の特例を定めたものであります。保安林または保安施設地区につきましては、原則として国土保全のための行政が行われるのでありますが、例外的に他の目的の行政が行われる場合があり、またその行政の手段が本法案と異なっておりますので、特別の必要がある場合には農林大臣に協議して指定することができることとしたのであります。 第三項は、海岸保全区域の指定の場合における区域の幅の限界を定めたものでありまして、指定によりその区域内におきましては行為の制限等が行われるものでありますから、必要最小限度に限るべきものであるとの趣旨であります。 第四項及び第五項は、右の広域指定の際の手続に関するものでございます。 第四条は、港湾区域及び漁港区域等の海岸において区域を定めて類似の行政を行なっている場合においては、海岸保全区域を重複して指定するときは、それらの区域指定について権限を有する者に協議する旨の規定であります。 第五条は、海岸保全区域の管理につき海岸管理の責任を有するもの、すなわち海岸管理者を定める規定でございます。海岸保全区域の管理の第一次的責任を有するものは都道府県知事でありますが、港湾区域等及び漁港区域につきましては、現在港湾法及び漁港法に基きまして類似の管理が港湾管理者及び漁港管理者により行われており、それらの長に行わせることが行政運用上便宜でありますので、それらの区域につきましては、港湾管理者の長及び漁港管理者の長に管理を行わせることといたしたのであります。なお、都道府県知事が海岸管理者となるべき区域につきましては、現在市町村が管理を行なっている場合があり、現状を尊重することが海岸の管理上適当である場合があることにかんがみ、市町村長を海岸管理者とすべき場合を規定いたしたのであります。 以上が第五条第一項から第三項までの規定による海岸管理者の原則的規定でございますが、同条第四項及び第五項は、海岸行政上便宜のため右の原則万例外を定めたものであります。 第六条は、主務大臣の直轄工事に関する規定でございます。海岸保全施設の工事につきましては、本法案に基き海岸管理者となるべきものが行う責任を有するのでありますが、その海岸保全施設が国土保全上特に重要なものであって、かつ工事の規模が著しく大である場合、二都府県の区域にわたって行う必要がある場合におきましては、主務大臣がみずから工事を行うことによりその整備をはからんとするものでありまして、これによって海岸保全施設の整備を急速に促進せんとする趣旨であります。なお、主務大臣が本条に基きみずから工事を施行する場合におきましては、本法案の海岸管理者の権限中、工事に関するものは、海岸管理者にかわって行い得ることといたしているのであります。 第七条は、海岸保全区域内にある国の公共用財産たる海浜地については、海岸管理者が海岸の保全との関連においてその占用の許可をする旨の規定であります。現在それらの土地につきましては、国有財産法の規定に基き都道府県知事が国有財産の管理の見地から占用の許可をいたしているのでありますが、海岸管理者に海岸保全の見地をも含めて許可をする権限を与えんとするものであります。なお、本条の規定が設けられることによっても、漁獲物、農産物の物ほし場、舟揚場等に利用されている場合において、これが時期的、季節的使用で自由使用と見らるべきものについては許可を要しないことは当然でございます。なお、本条の許可は、海岸保全上の見地から許可不許可の処分をし、必要な条件をつけ得ることを第二項及び第三項において規定いたしております。 第八条は、海岸保全区域内における行為制限の規定でございまして、海岸の保全に支障を及ぼすおそれのある行為を制限し、海岸の管理の完全を期さんとする趣旨であります。第八条によりますと、一見広範な行為制限を課しているようでございますが、その第一項ただし書きに規定いたしておりますように、政令で定める行為については本条の許可を要しないこととなっております。その政令の内容については目下検討中でございますが、他の法令に基く許可を得ている場合において、その許可が本法案の趣旨にのっとっている場合、行為の性格から海岸の保全に支障を及ぼすおそれが客観的にない場合におきましては、これを具体的に列挙いたす所存でございます。なおこの運用につきましては、いやしくも不当に国民の権利を圧迫することのないよう十分に注意を払うつもりであります。 第九条は、海岸保全区域の指定の際において、権原に基き、第七条及び第八条に該当する施設または工作物をすでに設置し、または工事中の者及び制限行為を行なっている者については、第七条及び第八条の許可を受けたものとみなし、あらためて許可を要しないものとし、既存の権利を尊重しようとする趣旨であります。 第十条は、第七条及び第八条に基く許可の特例でございまして、第一項は海岸保全区域と港湾区域が重複する場合において、港湾法の規定による許可を受けた者につきましては、同法の行為制限の目的及び態様が本法案の趣旨と同一であるため、本法案による許可を要しないものとし、国民の利便をはかったものであります。 第二項は、国及び国と同等の立場にある機関がこれらの行為をしようとする場合には、その地位の特殊性にかんがみ許可を要せず、協議することをもって足りることとしているのであります。 第十一条は、第七条の占用の許可または第八条の土石の採取の許可につき、海岸管理者が占用料または土石採取料を徴収し得る旨の規定でございます。 第十二条は、第七条及び第八条に規定する行為を行なっている者に対し、一定の理由がある場合においては、許可の取り消し、行為の中止等の処分をなし得ることを規定いたしたのでありまして、この場合においては行為者の悪意による場合を除き、処分により損失を受けた者に対し通常生ずべき損失の補償をいたすこととしております。 第十三条は、海岸管理者以外の者が海岸保全施設の工事を行いますことは、海岸保全上元来望ましいことでありますが、ただこの場合においてその計画が海岸管理者の計画と矛盾せず、設計が築造基準に照らして適正であることを確保するため、海岸管理者の承認を要するものとしたのであります。なお、国等が行う場合においては、右の承認を要せず、協議をすることもって足りるのであります。 第十四条は、海岸保全施設の築造基準に関するものでございまして、これにより海岸保全施設の統一をはかり、海岸災害の防止の効果をあげんとするものであります。 第十五条から第十七条までの規定は、海岸管理者が管理する海岸保全施設の工事に関連する工事、すなわち、兼用工作物の工事、原因者工事、付帯工事に関する規定でありまして、他の土木法視の例に従って規定したものであります。なお、河川工事、道路工事、砂防工事と競合する場合におきましては、それぞれの法律の規定を優先させることとしてその調整をはかったのであります。 第十八条は、海津管理者が海岸保全施設の工事を行う場合における土地への立ち入り、土地の一時使用についての強権行使のための規定であります。 第十九条は、海岸管理者が海岸保全施設の工事を行う場合において、その施設の敷地外の土地につき損失を生じた場合における損失補償に関する規定でございます。 第二十条及び第二十一条は、海岸管理者以外の者が管理する海岸保全施設に関する監督の規定でございますが、特に第二十一条は、これらの施設が築造基準に適合せず海岸の保全上著しい支障があると認められるときは、その管理者に対し改良、補修等必要な命令を発し、海岸保全の適正化を保持しようとするものであります。この場合におきましても、相手方が善意である場合は、適正な補償をすることによって私権との調整をはかっているのであります。 第二十二条は、海岸保全施設の工事により漁業権の取り消し等を生ずる場合における処分及び損失補償に関し漁業法の特例を定めたものであります。 第二十三条は、都道府県知事の海岸保全施設の整備基本計画に関する規定でございまして、これにより海岸保全施設の整備の目標を定め、その斉一を期したものであります。なお、本計画の作成に当っては、海岸管理者の意見を十分盛り込む必要があるので都道府県知事は海岸管理者に協議しなければならない旨を定めたものであります。 第二十四条は、海岸の管理を適正にするための台帳の整備に関する規定であります。 第二十五条は、海岸保全区域の管理に要する費用についての負担の原則を定めたものでありまして、河川におけると同じくいわゆる公費官営事業として海岸管理者の属する地方公共団体の負担といたしたのであります。 第二十六条は、主務大臣が行う直轄工事に要する費用について、国がその二分の一を負担することといたし、国の負担責任を明確にするとともに、地方公共団体の負担すべき額のうち一部を主務大臣が受益地方公共団体に分担させることによりその公平をはかったものであります。 第二十七条は海岸管理者が行う海岸保全施設の新設または改良に要する費用につき国がその一部を負担する旨の規定であります。なお、本条の負担の対象となる工事及び負担割合につきましては政令で具体的に規定いたすことといたしております。 第二十八条は、海岸保全施設の工事または維持を行うために要する費用を都道府県が負担する場合においては、当該都道府県は、その工事または維持により受益する市町村から分担金を徴収し得る旨の規定であります。 第二十九条は、主務大臣の直轄工事に要する費用の納付または支出の方法を定めたものでありまして、この場合においては国が全額国費で行なった後、地方公共団体にその負担分を納付せしめる方法をとったのであります。これは、河川、道路等の直轄工事における場合と同様でございます。本条の政令の内容といたしましては、地方公共団体の負担の対象となる基本額、その決定の手続等について規定する予定であります。 第三十条から第三十四条までの規定は、海岸管理者が海岸保全施設の工事及び管理に関連する兼用工作物に閲する費用、原因者負担金、付帯工事に要する費用、受益者分担金等に関する規定でございまして、他の土木法規と同一の規定を設けたものであります。 第三十五条は、占用料、土石採取料及び一定の負担金につき、納付の義務を怠る者がある場合における強制徴収に関する規定であります。第三十六条は、占用料、土石採取料及び一定の負担金を海岸管理者の属する地方公共団体に帰属させることとし、海岸の管理に要する費用を当該地方公共団体に負担させることとの調整をはかったものであります。 第三十七条は、この法律またはこの法律によってする処分による義非履行に要する費用は、義務者の負担とする旨の規定であります。 第三十八条は、海岸法に基く事務を行う都道府県知事または海岸管理者に対し、主務大臣が海岸行政上必要な報告を求めまたは資料の提出を求め得る旨の規定でございまして、これにより主務大臣は、海岸行政上必要な措置をとり得ることを確保したものであります。 第三十九条は、この法律に基く処分に関し、不服のある者の訴願に関する規定でございまして、訴願期間につき土木事業の特質にかんがみ訴願法の特例を定めたものであります。 第四十条は、本法案の主務大臣に関する規定でございます。海岸に関する行政は、現在建設大臣、農林大臣及び運輸大臣が、それぞれの立場から所掌し、執行しているのでありますが、現在必ずしもその所管が明白であるとは言い得ないのであります。本法案の制定に伴い、各大臣の海岸行政の所掌の範囲を明白にし、責任を明らかにする意味において本条が設けられたのであります。なお本条の各大臣の所掌の範囲につきましては、現在各大臣において執行しておりまする海岸行政の矢状と各省設置の目的とに照らし定められたものでございまして、これにより今後海岸行政の円滑化がはかられ、その飛躍的発展が期し得ると信ずるものであります。 本条第一項は、所掌の原則を規定いたしたものでありまして、港湾区域等または漁港区域にかかる海岸保全区域に関する行政につきましては、港湾法または漁港法によりまして類似の行政が行われており、その管理者につきましても、さきに述べましたように港湾管理者の長または漁港管理者である地方公共団の長をあてたことにかんがみまして、運輸大臣または農林大臣が所掌することといたしたのであります 次に、海岸保全区域の指定の際において、海岸保全施設につき土地改良事業としての管理が行われ、または土地改良事業計画として海岸保全施設の設置の計画がある場合におきましては、それらの施設の存し、または設置しようとする地域にかかる海岸保全区域の行政は、農林大臣が所掌することといたしたのであります。 なお、その他海岸保全区域の所定の際において、海岸保全施設につき土地改良法には基かないが、農地保全のため必要な事業としての管理が行われている場合におきましては、その施設の存する地域にかかる海岸保全区域の行政は、農林大臣及び建設大臣が所掌することといたしたのであります。これらの区域につきましては、法律上は農林大臣及び建設大臣の共管となるのでありますが、実際の行政の執行に当りましては、両大臣が協議しておのおののもっぱら所掌すべき範囲を定め、運営に支障のないようにする所存であります。 今まで申し上げましたとところにより、各大臣に属せしめられた以外の海岸保全区域につきましては、すべて建設大臣が所掌するのであります。 以上が建設大臣、農林大臣及び運輸大臣の海岸行政の所掌の原則でございますが、海岸保全施設の管理上、その所掌範囲を越えて所掌することが適当である場合があるのでありまして、第二項においてはかかる場合に関係大臣の協議によりその所掌を変えることができることとし、行政運用の便宜をはかったのであります。 第四十一条から第四十三条までは、本法の規定に違反した場合における罰則の規定でございまして、これにより本法の規定が順守せられ、海岸の管理の適正が確保されることをはかったものであります。 次に付則でございますが、第一項は本法の施行期日に関するものでございまして、公布の日から六カ月以内に別に政令で定める日から施行することといたしたのであります。 第二項は、現在海岸保全施設についての工事は、建設、農林、運輸各店がそれぞれの立場から所掌し、その工事を行う地方公共団体に対し助成措置を講じているのでありますが、その所掌の範囲は、第四十条におけるこの法律の所掌範囲とは必ずしも一致していないのであります。そのため現状をこの法律の原則に従いまして直ちに変更いたしますことは、特にその工事が完了しない以前におきましては事務的に混乱を生ずるおそれがありますので、その工事が完了するまでは経過的に現状における主務大臣をその海岸保全施設についての主務大臣といたしたのであります。 第三項は、現在海岸保全施設についての工事を行なっている者は、本法案第五条の海岸管理者とは必ずしも一致していないのでありますので、主務大臣につき経過的に特例を認めたのと同様に、現在施行中の工事が完了するまでは、経過的にその工事を行なっている者を海岸管理者といたしたのであります。 第四項及び第五項は、海岸区域を海港区域または港湾区域等に重複して指定する場合における農林大臣または港湾管理者等への協議の規定と、第四条に規定したことに対応し、海岸保全区域にそれらの区域を重複して指定する場合における海岸管理者への協議の措置を講ずるため、漁港法及び港湾法の一部を改正しようとするものであります。 第六項は、海岸保全施設の工事のため必要な土地を収用することができるように、土地収用法の一部を改正しようとするものであります。 第七項は、第三条において森林法による保安林及び保安施設地区と海岸保全区域との関係について規定したことに対応し、森林法の一部を改正いたしたのでありまして、海岸保全区域についてはこれらの地域を指定し得ないことを原則とし、特別の必要がある場合にのみ海岸管理者に協議して指定し得ることとしたのであります。 第八項は、水底線路の保護区域における制限等と、海岸行政の調整をはかるため、公衆電気通信法の一部を改正しようとするものであります。 第九項は、海岸保全区域内の土地につき砂利採取のための採石権を設定する場合においては、河川区域におけると同様にその設定区域及び存続期間につき海岸管理者の承認を得さしめるため、砂利採取法の一部を改正しようとするものであります。 第十項から第十四項までは、海岸法の制定に伴い所掌事務の変更を生ずるため、土地調整委員会、農林省、水産庁、運輸省及び建設省の各設置法の一部を改正いたそうとするものであります。 第十五項は、地方財政の負担を軽減し、その再建をはかるため目下地方財政の再建等のための公共事業にかかる国庫負担等の臨時特例に関する法律案が提案されておりますが、海岸法の制定に伴い海岸保全施設に対する国庫負担についても特例を定める必要がありますので、その一部を改正いたそうとするものであります。 以上が海岸法案の逐条説明でございますが、何とぞ御審議の上、すみやかに御議決あらんことを切望する次第であります。
○徳安委員長 本日はこれにて散会し、次会は公報をもってお知らせいたします。 午後一時十四分散会