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24回国会衆議院1956/02/08

建設委員会 第4号

発言数
57
登壇者
9
会派数
2
開催日
1956/02/08

会議録

徳安實藏自由民主党

○徳安委員長 これより建設委員会を開きます。  建設行政に関する件につきまして調査を進めます。前会に引き続き昭和三一十一年度建設省関係予算につきまして馬場建設大臣並びに政府当局に質疑を行います。  前会の発言が中止になっておりますので、三鍋義三君から御質疑を願います。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 前回の委員会におきまして、私は、大臣に就任されたときの御心境と、予算の審議過程を通じて、あるいは予算を提出される段階に至りましたそのときの御心境と、その間に何ら変るところがないかどうかということをお尋ねしたのでございますが、これは何も私は皮肉をひそめて申し上げておるのではないのでありまして、政治というものはやはり正直でなければならない。少くとも国民に疑惑を与えるようなものであってはならない。いわゆる民これを信ずとでも申しますか、国民の心から信頼できる政治でなくてはならないと考えたからであります。たとえば昨年の四十二万戸の公約は一体どうなっておるのでありましようか。住宅難にあえでいる国民が、旱天に慈雨を仰いだ思い、あるいはおぼれる者がわらをもつかむといったような心理で民主党にすがったのではないかと私は思うのであります。ところがいざ中身をあけてみると、四十二万戸のうち政府の資金で建つものは十七万五千戸である。しかも増改築分も一戸に数える、六坪とか八坪といったようなものまでも含まれているといったようなみじめなものであったのであります。残りの二十五万四千戸は民間の自力建設だというのであります。一体住宅対策はどこに置いておるのか。自力で建設できる者を対象にしているのか。建てるにその能力なく、住むに家のない人を対象にしているのか。これらは本会議におきまして二階堂委員、また当委員会におきましては瀬戸山委員、その他与野党を問わず政府に鋭く追及したのは、私はこれは国民の信頼を裏切りたくないからであったと思うのであります。そうして今度こそ、あなたが大臣に就任されたのを機といたしまして、こういう欺瞞性を一掃いたしまして真の住宅対策を立てていただけるのではないか、こう思っておったのに、このたび提出された予算案を見ますと、がっかりしてしまいました。がっかりしたのはひとり私だけではないと思うのであります。あなたが大臣に就任されたその直後において都下の住宅問題を視察しておられる新聞記事を見たように私は思います。それぞれの人がそれぞれの立場であなたに訴えている写真も載っていたように思います。そうして大臣と直接にお話しすることのできた庶民の感激というものがあったと思います。と同時に、この大臣こそ私たちの願いを満たしてくれるものと胸ふくらませていたに違いない。こういう善良な大衆の気持を裏切ってはならない。これは何もあなたの毀誉褒貶の問題ではないのでありまして、私たち政治家の責任であると思うがゆえに、私が以下お尋ねする疑点について明確に御答弁をお願いしたいのであります。言うたことは必ず実行する。できないことは言はない。やるつもりで一生懸命にやったけれども、どうも思うようにいかなかったというなら、その気持をおわびするといった——これは何も政治家だけの問題ではありません、私は私たちの日常生活における信頼の問題である大事な点であると考えるのございいます。私はあなたが建設大臣の立場でこの予算編成に非常に御努力なさったであろうことは想像できるのでございますけれども、私は政党としての態度を追及しておるのでありますから、はっきりと明確な御答弁をお願いしたいのであります。  まず最初にお尋ねしたいのは、この三十一年度の住宅対策についてであります。その第一点は、三十年度の公共事業費に関連してでありますが、一体これは繰り延べするのか削減するのか、これをはっきりしてもらいたい。公営住宅五千戸、金額にいたしまして約九億五千万円が削減されるのではないかという工合に聞いておるのでございますが、この五千戸はいつ補充されるのか。三十一年度に補充するとすれば、それは公営住宅四万八千戸建設計画に含まれておるのかおらないのか。含まれているとすれば、明年度の公営住宅は実質的には四万三千戸となるのではないか、このように考えるのでございますが、御所見を承わりたいのであります。

馬場元治自由民主党建設大臣

○馬場国務大臣 住宅の問題につきましては、御所論の通りに、できるだけ庶民性のある住宅をたくさん建てまして、住宅難などという言葉を聞くことのないようにという考えで努力をいたして参っておるのでございます。問題は三十一年度の計画がどうなっておるか、こういう御質問のようでありました。これは先般予算説明のときにも申し上げた通りに、公営、公団、あるいは公庫、いわゆる政府の施策によりまして建てまするものと、今お話の中にありました民間の自力建設によるものと、合せまして約四十三万戸を建てたい、こういう計画でやっておるのであります。(三鍋委員「大臣・質問の要点をつかんで、それに答えていただきたい」と呼ぶ)御質問はさらに進んでこの三十年度予算の削減の問題であります。そこで御承知の通りに、町村財政関係で公共事業費に影響を及ぼすということがあり得るわけでありますが、この予算の処置につきましてはただいま検討中でありまして、まだ確定をいたしていないのであります。従いましてただいまの段階では、その点に対するはっきりしたお答えを申し上げかねる状態でありますので、これはきまり次第に機会を得て申し上げたいと思います。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 私、質問の本質に入る前に、できるのかできないのか、こういつたことをはっきりとしていただきたいという気持を表明しておるのでございますから、これから御質問申し上げることに対する大臣の御答弁もなるべく簡単でよろしゅうございますから、はっきりとしていただきたいのでございます。この問題につきましてはなお党内にお遂ましていろいろと御審議になっている過程のように承わりましたから、どうか一つこの点を明確にいたしていただきたい、このように考えます。次にお尋ねしたいのは、昨年の国会において第二期の公営住宅建設の三カ年計画が議題となったときに、私の党の小松委員が質問いたしましたのに対して、当時の建設大臣の竹山さんは何と言われたか。第一期の計画十八万戸は実績において十二万四千戸ばかりしかできなかった、今度は良心的に考えて十五万五千戸の計画を立てたという意味の御零口弁があったのでございます。いわばごまかしではない、実際に建築できることを計画したのだと言わんばかりに確言されましたので、私たちも当委員会におきまして大きな期待を持ってこれを御承認申し上げたのでございますが、それが第二年度において早くも計画戸数の五万二千戸を四千戸も下回る計画になっておるように思います。これでは住宅対策審議会の存在も、また国会の承認というものも意味をなさないのではないか。これをどうされるのか。三十二年度において補充されようとでも考えておられるのかどうか、これをお聞きしたいのであります。私こういうやり方は許せないと思うのであります。はっきりとしていただきたい。

鎌田隆男建設技官(住宅局長)

○鎌田政府委員 お答え申し上げます。昨年の国会におきまして公営住宅の第二期の三カ年計画を御承認いただきましたその戸数は、今お話がありました十五万五千戸でございます。第一期は十八万戸に対しまして十五万五千戸を御承認いただきました際に、十五万五千戸に減った理由、そういうことに関連いたしまして、十五万五千戸はなるべく実施できるような計画にする、こういう御答弁を申し上げたことは確かでございます。そこで十五万五千戸の年度割は別に決定はいたしておりませんけれども、一応これを考えてみますれば、初年度五万戸、第二年度五万二千戸、第三年度五万三千戸というようなことにいたしますれば十五万五千戸になるわけでございます。第一年度の三十年度につきましては五万月分を計上いたしておったのでございますが、今回の第二年度の昭和三十一年度分といたしましては、前回大臣から御説明申し上げましたように四万八千戸となっておるわけでございます。四千戸の減でございます。これは賃貸住宅の供給という面におきまして、もう一つの方法といたしまして、公団が賃貸住宅アパートを建てまして国に提供するという事業をやっておるわけでございますが、これもやはり賃貸住宅で、確かにお話のように多少家賃は高いのでありますけれども質もいい。それから貸家であるということは公営住宅と同様でございます。そこで今回の計画全体を通観していただきますと、公営住宅の方では四千戸減っておるのでございますが、公団住宅の賃貸住宅は二千戸増加してございます。そこでその両方の関係におきましては約二千戸ばかり減るわけでございますが、われわれといたしましては後年度におきましてこの賃貸住宅、貸家の供給ということには努力を重ねて参りたい、こういうふうに考えております。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 三年間でこれを実施する、その戸数の割り振りは多少融通性を持つということは、私一応納得できるのでございますけれども、今局長がお話しになったような御答弁は私は承知できないのでございます。それは公営住宅と公団住宅、これはどのように御説明になりましょうとも、私はあとから公団住宅で御質問申し上げますけれども、これは一致しない点があるのです。しかしそのように御答弁なすったといたしますれば、あとでまたお聞きしたいと思います。  次にお聞きしたいのは、三十年度に実施された八坪及び六坪、この小規模の公営住宅が三十一年度に引き続いて計画されておる。こういう小規模の住宅は将来またまた住宅の過密化を来たすことは明らかでございます。住宅政策の一番困っておるのは過密住宅の処置の問題ではございませんか。こういう愚策をまたまた繰り返して行われようとしておる。これは断じて許すことができない問題であると思います。私は建設大臣にお聞きしたいのでございますけれども、この前もちょっと私新聞記事を読んだのでございますが、あなたは戸数をそろえるために六坪ばかりの公営住宅を建てたり、増改築分を一戸分に計算したりという数だけを整え、大きく見せかけようとする対策には反対だとはっきりとおっしゃっておるのでございます。その舌の根もかわかないうちにこういう計画をまた繰り返されておる。これはどういうお考えなのでございましょうか。しかも昨年のたしか六月十五日だったと思いますけれども、住宅関係の諸法案が当委員会において可決された際に、小規模住宅の建設は本年度限りとする旨の付帯決議が可決されておるのでございます。こうやって皆さんが一生懸命に熱心に審議された、そうしてその結果決議された問題を軽々しく無視されている。これは私は国会の意思を尊重しない態度であると考えるのでございます。私はこれは大臣に一つぜひ計画を考え直していただいて、こういう小さな住宅問題を解決していただきたい、このように考えます。大臣はあなたのお考えになっておる通り、こういう小さいものをなくしようという御意思があるかどうか、お尋ねしたいのでございます。

馬場元治自由民主党建設大臣

○馬場国務大臣 六坪などという小さい家を作ることをやめたらいいではないか、さきの国会でも委員会においてそういう強い要望があったそうでありまして、それは私も聞き及んでおるのであります。その御趣旨を尊重いたしまして、六坪くらいな小規模な住宅は昨年度よりもずっと実は減らして計画をいたしております。ただここに申し上げておきたいと思いますことは、私いろいろな方一面から陳情を受けましたが、一部では、小さくてもよろしいから、なるべくたくさん作ってもらいたい、六坪でもけっこうだ、とにかく家炉不足をして困るのであるからぜいたくは言わない、小さくてもよろしいから数をふやしてもらいたいという陳情を実はしばしば受けたのであります。それらの点も考慮いたしまして、これを全削するという態度に出でないで、議会の御議論を尊重しつつ、一面そういった強い要望もありましたので、この六坪の住宅もいささか残して計画をいたした、こういうつもりでございます。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 大臣がずっとお回りになってそういう声、また陳情もあったかと思いますが、それはもうどうしても家がないから、やむにやまれない気持で言っておるのであって、私はそれが本音ではないと思うのです。この点はやはり国民の声のその奥にあるものを考えて、その希望をもちろん満たしてやらなければならないけれども、この希望を満たしてやっても、それで多少住む家ができたのでございますから一時は満足するかもしれませんけれども、一月、二月、半年も住むと、これじゃどうもならぬといった気持、これが私は住宅を希望している人の本音でないかと思いますから、これは何とか一つ今後とも考えていただきたいと思います。  次にお尋ねしたいのは、住宅金融公庫の三十一年度の資金構成を見ますと、運用部資金から百二十六億、簡易保険から七十億であって、無利子の資金が全然投資されていないように思うのであります。公庫が資金運用部などから十八年償還、年利六分五厘で借り入れてこれを償還十八年ないし五十年、年五分五厘で融資する業務を行っているのでありますが、公庫の貸付金利は借り入れ金利に対しまして逆さやの形になっております。その関係上無利子の資金がある程度入らなければ経理上当然赤字が出てくる、こういう結果になると思うのでございますが、この点どのようにお考えになっておるのでございましょうか。

馬場元治自由民主党建設大臣

○馬場国務大臣 御説の通り資金構成が経営にかなり窮屈になって参りましたことは事実でございます。従来の蓄積いたしておりました資金で何とかやりくりしていかなければならぬのでありますが、ただこれを運営するにつきましては、たとえば分譲、それから家賃、そういったもののいわゆる家屋を利用いたします者の負担にならないように留意をいたしまして、運営をいたしていきたいと思っております。詳細のことにつきましては局長から説明をいたします。

鎌田隆男建設技官(住宅局長)

○鎌田政府委員 住宅金融公庫の資金構成問題でございますが、ただいま大臣からお答え申し上げましたように、今年度は政府の出資金がゼロでございまして、政府融資の金ばかりになったわけであります。この資金をもって昨年までと同様の融資率あるいは融資利率そういうものを維持できるかという御質問だと思うのでございますが、これは従来公庫が創立以来数カ年間にわたりまして百億あるいは少い場合でも五十億程度の出資をいただいております。その蓄積がございまするので、今年一年くらいは赤なしにどうやらやっていけるという見通しを全体の資金につきまして立てたわけでございます。そういう結果今年までの分といたしましては、従来の蓄積をずっと全部計算してみますると、どうやら今までの融資率並びに融資の利率を維持できる、こういうふうな見通しになっております。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 そうすると、来年度はやはり政府資金をここへつぎ込む、そういうことに当然なるわけでございますね。

鎌田隆男建設技官(住宅局長)

○鎌田政府委員 三十二年度の事業につきましては、今後再検討いたしてみませんと、今のところ見込みが立ちません。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 当然そういうことになっていかなければならぬと思います。  次に住宅金融公庫の融資率についてでございます。本年度一〇%引き下げられたまま明年度においてまたこれがそのまま踏襲されるようでございます。これも先般の国会において本年度限りとするという旨の決議が行われておるのでございます。この融資率の引き下げは頭金の増大を来たしまして、広く国民大衆のためのものであるべき公庫が、一部有産階級の特権となることは明白ではないか。こういう点から考えまして、融資率の引き下げをいわゆる本年度限りといたしまして、明年度からこれを復元する意思があるかないかお尋ねしたい。

鎌田隆男建設技官(住宅局長)

○鎌田政府委員 融資率につきましては、昭和三十年度の予算のと遂に確かに従来より一〇%下った予算が組まれておったのでございます。それを国会の本、委員の御意思によりまして実施に当ってはなるべく融資率を引き上げるようにという付帯決議に基きまして、三十年度の実施はいろいろなやりくりをいたしまして五%上げまして、木造住宅につきまして七五%の融資率で実行いたして参っております。三十一年度の予算に当りまして建設省といたしましてはなるべく法律一ぱいの線まで引き上げるべく努力をいたしたのでございますが、全体の関係上・そこまでは到達いたしませんでしたけれども、三十年度当初の予算よりは五%上りまして、つまり三十年度の実施しております線まで融資率を上げて実行いたしております。そこで、もう一つ申上げたいと思いますのは、融資率を上げましたのが一つございます。それは増築融資でございます。これが三十年度は五〇%でありましたのを、三十一年度の予算におきましては六〇%の融資にして一〇%上げております。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 それぞれの立場で御努力なさっていることはうかがえたのでございますけれども、これは何とかして一〇%までに引き上げるように一つ御努力願いたいと思います。  それに関連いたしまして、私昨年の委員会であったか、お願いしておったのでございますが、新潟あるいは名瀬、この大火地帯に対しましては特にこの点を御配慮願いたいと思うのでございますが、この点いかがでございましょうか。

鎌田隆男建設技官(住宅局長)

○鎌田政府委員 災害が発生いたしました場合の復興のための住宅融資につきましては、確かにお話のように、普通の場合よりも非常にシリアスな問題でございますから、融資率を法律一ぱいまで上げたいということで昨年解決いたしましてその通り実行いたしております。三十一年度におきましても、もしかそういうような事態が起りました場合には努力をいたしまして、法律一ぱいの線まで、つまり五%引き上げをするように外力いたしたいと考えております。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 三十年度におきまして一〇%程度の引き上げをしていただいたのでございますか。

鎌田隆男建設技官(住宅局長)

○鎌田政府委員 三十年度の分は全部解決いたしまして、全部引き上げました。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 次にお尋ねいたしたいと思いますのは、住宅公団におきましても、明年度は財政機構融資及び民間資金に大きく依存しておると思います。本年度国と地方公共団体からの出資が、国からはたしか六十億、地方公北団体から十六億、合せて七十六億円あっ  たと思うのでございますが、明年度はわずか十九億の出資があるだけであります。そのために利息の関係などから、建設コストは高くならざるを得ない。従って家賃の値上げも必然となるのでございますが、先ほど局長のお話しになった公営住宅と公団住宅の問題の、利用者の立場から考えますと、私はこれはやはり考えていただかなければならない、このように思います。一体このようにやっていきまして、公団の家賃はどれくらいに見込んでおられるのでありましょうか。局長にお尋ねいたします。

鎌田隆男建設技官(住宅局長)

○鎌田政府委員 公団の資金構成につきましては、確かに三十年度より三十一年度の方は落ちておるという見方ができるとも考えられます。ただ家賃につきましては、三十年度の家賃に対しまして、ほぼ同じ水準で参りたい、こういうふうに考えております。ほぼ同じ水準ということを申上げましたのは、たとえば坪数を大きくしたり、あるいはいい家を作ったりした場合、その質の向上の分だけは上げざるを得ない、こういう意味でございまして、水準としては同じ水準にいたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 大体どのくらいに見込んでおられますか。

鎌田隆男建設技官(住宅局長)

○鎌田政府委員 大体全国平均にいたしまして、一戸当り四千二百円程度と考えております。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 次に公団住宅は本年度に比しておっしゃる通り三千戸が増になっておりますけれども、その陰には公営住宅が犠牲になっているのではないかという工合に考えるのでございます。一体大臣は現在住宅に一番困っておる階層をどの辺に見込んでおられるの、でありましょうか。次に民間の自力建設二十五万五千戸などに至っては、私はもう質問の外であると考えるのでありまして、問題にいたしません。私がお聞きしたいのは、真の大臣の住宅対策でございます。大臣はお医者さんではないから、この例はちょっとおかしいかもしれませんが、私はやはり相通ずると思います。ここに二人の患者がやってきた。一人は急性肺炎、一人は慢性胃腸病だ。そういう場合にどちらを先に診察され、これの処置をされるのか、これは考えてみればおのずから明らかでございまして、まあ両方とも大事な患者でございますけれども、やはり一瞬を争う患者を先に処置してあげる、これが私は大事だと思います。こういう点から考えまして、大臣の真の住宅対策、どの階層に重点を置こうとしておられるのか、これをお聞きしたいのであります。

馬場元治自由民主党建設大臣

○馬場国務大臣 公営住宅を実はなるべくたくさん作りたいのでありますが、御承知の通りに地方の財政が非常に困窮をいたしておりますので、公営住宅を建てますことが地方の財政に大きな負担となるということも考えなければなりませんので、この程度におさめるよりほかにあるまいということになったのであります。今二人の患者、急病人と慢性の病人という御設例でありましたが、お話のように、今息を引き取ろうというような重病人に早急に手当をしなければならぬのは申すまでもないのでありまして、実はそういう意味におきまして先ほど申し述べました六坪の住宅もこれを全削をしない、ほんとうに困っておるという人は、とにもかくにも早急の対策としてこれを住宅難から救わなければならぬ、こういう気持で小さな住宅も、議会の意思は尊重しつつ千六百戸くらいを残さなければならぬと考えた次第でありまして、真に困っておる人たちは、なるべく早く、少しでも多く住宅難から救いたい、こういう気持で実は一ぱいなのであります。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 大臣の御答弁の御見解が偽わりないといたしますれば、私はやはり公営住宅に今後ともほんとうに重点を置いていただかなければならないと考えるものでございます。住宅問題は大体以上で打ち切りまして、次に災害復旧関係について若干お尋ねしたいと考えます。  昭和三十一年度災害復旧関係予算を見ますと二百五十三億、その二百五十三億中の大部分を占めるところの補助工事が二百三十七億になっております。この予算を調べてみますと、過年度災については三分の一程度、三十年度の緊急復旧事業については六五%程度を復旧するとの御説明であったのでございますが、今これを概算してみますと、三十年度災害は約九十億、緊急復旧事業の六五%を復旧いたしますのに約四十億が必要だと思います。さらに二十九年度以前の過年度災の残、これは七百三十億と聞いておるのでございますが、その三分の一を復旧すると叩いたしますと約二百四十億要るのではないか、会せますと三百八十億ということになります。これでは直轄災害を含めた二百五十三億をもってしてもとうてい規定の方針通り復旧は不可能である、私はこのように考えるのでございますが、これに対しまして大臣はいかなる処置をおとりになるのでございましょうか。

米田正文建設技官(河川局長)

○米田政府委員 災害復旧のうち河川局関係のものを申し上げますと、今お話の通り都道府県及び市町村の実施をいたします災害復旧に関しまする国の補助といたしましては、三十一年度以降の残事業が七百三十億程度あります。それから三十年度災としては三十一年度以降に残しますのが大体六十八伏程度になるのであります。合計いたしますと、三十一年度以降の残事業が七百九十九億・大体八百億程度になるのであります。このほかに直轄の災害がございます。直轄の災害が三十一年度以降の残事業が二十二億種度であります。これらを全部合せますと、市店補助及び三十年度災害も全部含めて三十一年度以降に繰り越されたものが八百二十一億でございます。これに対して今お話のございましたように、三十一年度予算に計上いたしておるものは二百五十三億程度でございます。そういたしますと、大体全部で申し上げますと、パーセンテージは三〇・八%になるのであります。われわれの計算では三十一年度以降の全残事業と三十一年度に計上しております復旧費の額を比率で表わしますと、今申しましたように三〇・八%でありますが、また政府部内にはいろいろと意見がございまして、最近の工事の実績を見ますと、入札の残金等も相当にある。おそらくこれは昨年来の物価を見ると、全体としては幾分下りぎみになってきておるというような実情から入札残金等が出ておるのであろうというような見当を政府部内ではつけておりますので、それらを総合勘案いたしまして三〇・八%でありまして、三三%になっておりませんけれども、大体三分の一程度というもので今後いけるではないかという考え方からお話のような表現をいたしておるのでございます。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 この問題につきましては、なお後日いろいろと詳細にお聞きしたいと思います。幸いにして三十年度災害は大へん少かったのでございますから、私はこういうときにこそ今までやろうとしてなし得なかったところの過年度災の復旧を促進するような措置をもっと積極的にとらるべきではないかと考えるのでございます。三十一年度も大したことはなかろうといったような甘い考え方では大へんなことになるのではないかという懸念があるのでございます。この点に対しまして大臣はどのようにお考えでございましようか。

馬場元治自由民主党建設大臣

○馬場国務大臣 御所論の通りでありまして、三十年度は幸いに災害が大したこともなくて済みましたことはまことに御同慶にたえないのでございます。それがことしも来年も幸いにして災害が少ければまことに天佑と申すべきものであろうと思うのでありますけれども、災害のないときにこそ将来のあるいはあるかもしれない災害に対して十分備えをなすべきじゃないか、まことにその通りだと思います。ただ乏しい財政の中からの仕事といたしましては、これをもって現在のところ最善を尽すよりほかありませんので、与えられたる予算の範囲内において事業を効率的に進めていくよりほかにないと思います。なお災害復旧につきましては過年災はもちろん一日も早くこれが解消いたしますように努力を続けて参る所存であります。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 次にダムの関係につきまして若干御質問いたしたいと思います。現在すでに着工しているダムについて見ましても、これを完成するのには三十一年度以降なお三百二十億以上の公共事業費がいるものと推定されるのでありますが、現在のような六十九億五千万円程度の予算措置をもってするならば、完成までになお四、五年かかるものと思われるのであります。三十一年度に完成を予定されておるところの五十里ダムについて考えてみますと、二十五年度に着工いたしまして、それ以来公共事業費が約四十億、七ヵ年をもって完成することになっているのであります。これをもし三ヵ年で完成することができる、こういう計画を立てましたときにどうなるかと申しますと、その短縮による経済効果というものは実に大きいのであります。災害の防除あるいは農業効果によって約十五億五千万円、電力量によりまして十一億、これは資金に対しまして四六%を見込んだのでございますが、合わせますと二十六億五千万円になります。そして工事の短縮によるところの金利の減、これによりまして二億五千万円、これは資金に対して約一一%、こういう工合になると思います。以上の金額を合計いたしますと約三十億、このように概算されるのであります。この期間の短縮によるところの経済効果並びに国費の節約というものはいかに莫大なものであるかということがわかるのであります。従ってこのダム等の建設につきましては、これが予算の増額はもちろんでございますけれども、いたずらに間口だけを広げるというやり方ではなくて、着工したならば必ず三年間ぐらいでこれを竣工する、完成する、こういう措置をとることが必要であるのではないでしょうか。国が貧乏であればあるように、こういった点にこそ考慮が払わるべきであると思うのでございますがいかがでございましようか、零細な国民の税金であります。血の出るような思いで納められたとうとい公けの金を使用するために、最も効率的に効果的に使用さるべきであると考えるのであります。自分のふところが痛まないからといったような安易な考え方がみじんもあってはならないと思うのであります。大臣のこれに対する御見解を承わりたいのであります。

馬場元治自由民主党建設大臣

○馬場国務大臣 ダムは御承知の通りに本年度は五十里ダム外二つが直轄では完成をいたす見込みであります。補助事業の方は宮川ほか三ダムだけ完成をする予定であります。御説の通りに間口だけ広げてだらだらやっておったんじゃしようがない、これは私どもも全く同感でありまして、着工をいたしたらなるべく早く完成をさせて、次から次に片をつけていくというやり方でなければならぬ、かように考えております。かねて省内でもその話をいたしておりまして、着工したらなるべく早くこれを完成するようにといふことでそれぞれ督励をいたしておる次第でございます。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 大臣のお気持はよくわかるのでございますが、気持はそうであっても、実際にやはり実施面におきましてその気持を現わしていただかないと何にもならないのでございまして、まああっちからもこっちからも、いろいろとまたそれぞれ地方民の強い要望もありましようけれども、私は税金を効率的に使うという立場からいたしまして、国が貧乏であればあるだけ、こういうところは情実に押し流されることのないように、確固たる信念と御計画をもつて、今後とも一つ進めていただきたい、このように要望いたしておきます。  次に道路関係についてお尋ねいたします。道路整備費の財源等に関する臨時措置法に基くところの道路整備五カ年計画においては、これは道路の舗装とかあるいは改築及び修理がなされるものであります。道路の新設というものは全然含まれていないのであります。従って三十一年度の予算において、ガソリン税収以外の一般財源として四億九百万円炉計上されているのでありますが、これは道路整備五カ年計画の財源でありまして、当然道路の新設には使用できるものではない、このように考えます。たとい新設に使用できるといたしましても、四億何炉しかで何ができますか。ところが三十一年度の予算を見ましても、本年度同様に道路整備五カ年計画以外に、一般会計におきまして道路新設の予算は全然計上されていないのに非常に不思議な思いをするのでございますが、これは一体どういうお考えでございますか。新設は全然やらないのでございますか。この点を道路局長にお伺いいたします。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫(凱)政府委員 お話のように五カ年計画におきましては改築・補修というものが入っておりまして、新設につきましては計画いたしておらないのであります。新設の解釈でございますが、この新設というのは、新たに路線を設定して、それを道路にしていくのを新設と考えております。現在ある路線を改良いたしまして、一部分をつけかえるというようなことは、改築と解釈いたしておるわけでありまして、今の日本の道路の状態から、今ある線路をまず改良すべきだろうという考え方から五カ年計画には新設というものを含めておらないわけでございます。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 先ほどの私の、いろいろの問題点でお尋ねしておる論旨からいいましても、まず早急に効率を上げて効果的にといった点から考えましても、今の道路局長のお考えは妥当であると思うのでございますが、しかし新設をすることによって、より以上に現在よりも効果的に効率的に成果を上げ得るものが必ず私は各地方にあると思うのでございます。またその要望も実際強いのでございます。これらに関しましても、私はやはり結局は財源の問題になると思うのでございますけれども、大臣におかれましても、こういう問題を強く取り上げていただきたい、このように要望いたします。  次に海岸保全の問題でございますが、海岸法は、理事会に先日お示しを願ったときに、提出予定法案の中に入っておったやに思うのでございますが、これは本気でやられる気持かどうか。おでん屋ののれんがちらっと出ておって、中へ入ってみると本日休業というようなことになるのでないかといったような心配があるのでございますが、これはどこまで本気でおやりになるのか。私は日本海あるいは四国地方の海岸地帯に住んでおるところの住民は実に生命の不安におののいておると思うのでございます。人間の生命ぜ尊重する点からも、国土保全の上からも、金がないからといって済まされない問題であると私は考えるのでございます。台風は来るか来ないか、来るかもしれぬし、来ないかもしれない。それはわからない、しかしこの海岸侵食、あるいは沈下といったようなものは現実に起っておる状態なんです。これは私一日もゆるがせにほうっておくことのできない問題であると考えるのでございます。こわれてしまってから、生命炉奪われてから対策を講ずるといったようなやり方はいけない、こういう点から考えましても、また先ほどからもたびたび申し上げておりますように、費用を効率的に効果的に使おうという点から考えましても、今度こそこの海岸法という法律は何としてでも通したいという気持は、私委員各位の一致したお気持であると思うのでございますが、熱意のほど、何としてでもこれを通すお気持でおられるかどうか。やかましいからちょっと抱いて寝ておくといった程度のものか、一つ大臣からはっきりと御答弁願いたいと思います。

馬場元治自由民主党建設大臣

○馬場国務大臣 海岸の問題は、私も現地を見たり陳情を受けたりいたしまして、これは捨ておけない問題であるということを痛感いたしております。そこで海岸法をぜひ提出いたしまして、御審議を願い、これが通過をはかりたいと考えております。現在法案を準備いたしておるのでありますが、それに関しまして問題と相なりますのは、運輸省との関係、農林省との関係がございまして、これらの関係各省とただいま折衝をいたしております。それの折衝つき次第、法案として御審議を願いたいと考えております。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 農林省運輸省の関係がなかなかむずかしいやに聞いておるのでございますが、私はこういう各省で所管争いがあるのかどういうのか知りませんけれども、やはり人命尊重、国土保全という立場から、各省の立場を超越した対策がどうしても立てらるべきであると私思いますので、この上とも大臣の御尽力と、この法案の成立を心からお願いいたす次第でございます。  大体、私の質問はこれで終らせていただきます。

徳安實藏自由民主党

○徳安委員長 逢沢寮君。

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員 私は大臣がおられる間に、私の質問はきわめて簡単でありまするが、ちょっとお尋ね申し上げておきたいと思います。それはこの予算の効率的利用について、申し上げるまでもなく、建設予算というものは非常に莫大な予算であります。この予算の執行に当っては、最も効率的にこれを運用せねばいかぬということは申し上げるまでもないことで、従来こうやっておるのだが、この点に関して、私一つ基本的のことをお尋ね申し上げたい。そこで特にわが党は、政策の上からいっても、民業を圧迫しないという方針でやっておる、なるたけ官営を排して、民業を圧迫しないという方針でやっておるのだが、建設省もやはりそういうような方針で事業を遂行しておるかどうか、これをまずお尋ね申し上げます。

馬場元治自由民主党建設大臣

○馬場国務大臣 民業を圧迫しようというつもりはごうまつもないのでございまして、そういうような事例は、私寡聞にしてまだ聞いておりません。

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員 馬場建設大臣はまだ就任後日が浅いからそういうことはおわかりにくいと思うのだが、建設省自体で直営施工しておるものがある。これは漸次漸減しつつあると思うのだが、今ここに配付されたこの表を見ると、それが逆行しているやに見える。今来ておる表によると、公共事業費の中で、三十年度、三十一年度のを比べても、道路用の機械というものが三億六千百万円などという増額になっておる。これは非常に時代逆行ではないか。こういうようなことは、民業が非常に萎靡しておるときだから、直営でやらずして民業でやるべきじゃないか。これは一つの事例だが、そのほかの点でもいろいろの事情はあると思うのだが、直営施工の点が相当多量にある。この点に対して大臣の将来の見解を承わりたい。

馬場元治自由民主党建設大臣

○馬場国務大臣 仕事の性質、軽重によりまして、直轄事業の中でも請負にいたしたり、あるいは直営をやったりいたしております。これはお話の通りであります。特に重大であると思うような仕事、そういう仕事は直営でやっておるのがたくさん参あると思います。それは従来とてもその通りであり、将来もやはりそういろ方針でいくつもりであります。そのために民業圧迫とかなんとかということを考えるべき筋ではなかろう、かように考えております。

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員 今大臣から特に重大というようなお言葉があったが、今日の施工技術の点においても、特に重大なりというような、そんな性格のものはない。むしろ特に重大なものだから民間企業に移すことが、経済の点においても、また遂行の点においてもこれは必要だ。それは私どもから考えるといろいろの関係があると思うが、それを漸減方式にやるつもりか。今のお話によると、将来もこれはある程度はおやりになると思うが漸減するつもりか、広げてやるつもりか。広げてやるつもりならわれわれの考え方とは考え方が違うと思うが、この点について伺いたい。

馬場元治自由民主党建設大臣

○馬場国務大臣 いかにしてりっぱに事業をやりおおせるかということを基準といたしまして、先ほどからもお話、がありましたように国民の税金を使うのでありますから、いかにこれを効率的に、よりよく成果あらしめるかということを標準といたしまして仕事をやっておるのであります。従いまして従来の方針に特に変更を加える必要はないと私は考えております。具体的な事例については政府委員から説明を申し上げます。

米田正文建設技官(河川局長)

○米田政府委員 今のお話は今後直営でやるか請負でやるか、はっきり言えばそういう御質問だと思いますが、私どもとしましてはこの両論について昔からいろいろと議論のあることは御承知の通りであります。しかし今日の現状、いろいろな点から考えまして、御承知のように漸次請負の量を増加せしめつつあります。これはいろいろな事情がありますので、私どもとしては今後なお請負事業の量をふやしていく方針をとっております。ただ量が急に非常にふえるというようなわけには参りませんけれども、漸次そういう傾向になって参っております。  それから機械の問題でございます。が、これも実は仕事に直接の問題よりも、今建設省としては機械施工というものについて能率を上げていく研究をいろいろいたしております。従いまして業者に、直接新しい機械を買ってわずかな仕事をさせるというようなことはとても業者の負担にたえられないというような実情もございますので、特殊の機械について、は官庁で持って、そうして試験をするというような意味でやっているものが相当ありますので、すぐそれで直営能力を増強しようという趣旨には直接なっておらぬものがたくさんあります。この点もつけ加えておきます。

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員 今米田河川局長のお話で大体了承できるのであります炉、まだ各地建においては相当量の漸減方式ではあるかもしらぬけれども、実際面においてはなかなかそうはいっていない。従って民業圧迫の声もあるから、今お話のように漸減方式は一つとってもらいたいと思います。  さらにもう一つお尋ねいたしたいのは、その工事の発注に当って、これは現行の制度ではやむを得ないかもしらぬが、非常に不公平が行われておる事実がある。これを一つ十分是正してもらわなければいかぬ。それは例の建設美法があるために非常な矛盾がここに行われておる建設業法もこの建設委員会で作ったものだから、われわれにもその一部の責任がある。責任はあるが、最近ここ二、三年の例を見ると非常な矛盾が行われておる。どのような矛盾かといいますと、建設業法ができた当時には技術を尊重するために、技術やいろいろの経験のない人の数が非常に多くなっている、それでは発注者が要望するような遂行ができない。そこで相当の経験を持ち、相当の施設を持つ、こういう者を中心にやりたい。ところがこれを許可、案にするということはできないから、そこでそういう方策によってこれを是正しようというのが建設業法を作るときの趣旨であった。ところがそれが現在ちょうど逆になっておる。当時約二万人であった建設業者が、最近の調べによると六万五千人に達しておる。三倍以上になっておる。二万人のものが、六万四千九百何十人になっておる。そこでそういう矛盾が一つできてきておる。しかしながらこれを抑制することはできぬ。営業の自由を抑制することはできぬと思いますが、それがために点数制度というのがある。これは大臣はよく御承知ないと思うが、各業者に、お前の方は千点だ、お前の方は一点だという点数を入れてある。こういう世界にない例ができておる。そこで点数の多い業者には一定の仕事をさす。たとえていえば、一億以上の仕事をするのなら九百点以上なくちゃいかぬ、こういうようにせよということになっておる。これは官房長は御承知だと思いまするので、この制度について私ちょっと申し上げておきまするが、私の調査によりますると、点数があるために、公平に分配しようたって、公平に分配できぬことになる。それでこの点数制度を一つ是正する用意があるかないかということについてお伺いいたしたいと思います。

柴田達夫建設事務官(大臣官房長)

○柴田政府委員 ただいま逢澤委員から、建設業法の問題につきましてお尋ねがございました。一つは、登録制度を現在実施いたしておりますが、業法制定の目的から見て、その後ますます登録業者がふえておって、競争が激しくなっておって所期の目的を達成しておらない。これは会下お尋ねの中にもございましたように、何分にも登録制度でございますから、許可で制限をするわけには参らない。ただ脱法的な業者の無用の競争を押えるという効果は事実上果していると思います。ただ業者の方がふえて参りますのは、これは自然の勢いでふえて参っておりますのを、登録制度で人為的に制限するものではございませんので、やむを得ないものであると思います。従いまして、建設業法があるために失着が増加しておるというふうには私ども考えません。登録制度でそれ以上にさらに競争が乱れたり、あるいは何と申しますか、言葉が悪うございますが、もぐりの人が出るというようなことを予防する効果は果しておるものと考える次第でございます。  それから、あとの方のお尋ねの点数制度、これは建設業法でやっているものではございません。建設業の審議会がございまして、審議会の中で企業合理化方策というものがございまして、企業合理化方策の中で、審議会の慫慂によりまして、資格審査という方法を自主的に、これに賛成する発注者と業者の間で事実上実施をいたしておるということでございます。  さてこれにつきまして、先般来審議会におきまして、これをさらに法的なものにするかどうかという問題がございまして、これを法的なものにするということになりますならば、確かに今お話のございましたような点数表、あるいは最近はこれを審議会では等級表に改めているようでございますが、そういう一つの資格審査というものが法的に用いられるようになる、そうすれば、それについて今お品のような不公平の面がありますならば、それがさらに法的に取り上げられるということになりまして、確かに慎重を要する問題であると存じます。もちろんその資格審査のやり方につきましても、それによってむしろ業者の方、みずからが公平に、そうして業界の発展のために役に立つ、こういう所期の目的を持っておるものでありますが、何分にもその資格審査の実質たるや、非常に公平を要する面から申しまして、正確を期することができない、また正確を期したといたしましても、それが絶対に間違いのないものであるということを確保する手段を欠いておるという点におきまして、これを直ちに法的に用いるという点につきましては、まだ研究を要する問題があると思います。それからまた発注者や建設業者の方々が十分にこれを了解して、よしこの制度でやろうということになりまして実施することになりませんと、せっかくこれを法的に用いましても、今まさしくお話がございましたような不公平な面だけが出てしまったのでは何にもならない。かように考えておりまして、この問題についてはなお考究を要すると考えております。ことに先般の中央建設業審議会におきまして、この問題を法制化するかどうかにつきましては、なお十分にさらに研究をすることにいたし、その法制化については慎重を期せられたいという御答申をいただいておる次第でございます。本国会におきましても、建設業法を改正して、今お話のございましたような点を法制化する考えは持っておらない次第でございます。今後さらに慎重に、いい方法ができます場合にさらに審議会等の御措置を待ちまして、これを取り上げて参りたい、かような慎重な態度で臨みたいと考えておる次第でございます。

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員 今の審議会の制度は、建設大臣としては、承認しておりますか、お尋ねします。

馬場元治自由民主党建設大臣

○馬場国務大臣 これは建設業法に基いた機関でありますので、もちろんこれの存在は承認をしていくつもりであります。

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員 建設業法の中に、その審議会の必要性があって、審議会を作っておるのだから、その審議会の責任というものは建設省にあると私は思う。その建設省の傘下において、これから申し上げるような不公平があるということを一つ確認をしてもらいたい。   〔委員長退席、内海委員長代理着    席〕  私の調査するところによりますと、これは二十八年度と二十九年度の調査をしておるが、これによりますと、二十九年度においては、請負総額が大体四千三百七十七億円あります。その中で、政府関係の事業が二千九百九十八億円、民間の事業が千三百七十九億円ある。それを合せて四千三百七十七億一円になるのです。そのうちで千十一億は純民間の事業、それから千八十五億円というものは、地方の公共団体や災害復旧などによって、つまりその地方・のごく小さい事業で、いわゆる六万六千何百人の中の大部分の人がやる仕事です。地方の農道を直すとか、小さい橋を直すとか、十坪の住宅を建てるとか、こういうような仕事がそれだけある。そうしてそのあとを計算するとどういうことになるかというと、二千二百八十一億円というものを純請負い業者がやるということになる。これが二十九年度の実績であります。それから二十八年度はこれより少し大きくなっております。二十八年度には五千八十億円になっている。うち政府機関によるものが三千四百五十億円、それから民間のが千六百三十億円、これを両方合せたものが五千八十億円になる。このうちで地方公共団体や災害復旧で単独で地方でやるものが千十一億円、民間事業が千八十五億円ある。これはさきに申し上げた通りで小さい住宅を建てるとか、小さい道路をこしらえる一とか、こういう性格のものですが、それが千八十五億円ある。この二つを合せると二千九十六億円、そこで五千八十億円から二千九十六億円をマイナスすると、二千九百八十四億円が純請負い業者がやる仕事になる。ところがここにこういうような大きな矛盾がでてきている。それは私の調査によっておるものだから若干違いがあるかもしれませんが、私の調査によると、六万五千人ある業者の中で一番から六番までの者がどれだけの仕事をやっておるかというと、千百六十億円をやっております。そうして十番までの者がなんぼかというと、千三百二十五億円です。そうすると全国の業者の中で十位までの者で半分をやっているということになる。これは一体どうしてそんなことになるかというと、今の点数制というものがしからしめる。この点をよく考えていただかなければいかぬのだが、かりに一件一億円以上の仕事ということになると・全国には指名業者が十数人しかいない。点数でお前のところは何点だということを入れているからそんなことになる。こういうようなことを知ってやっておるかどうか。お前の資格はこれだけしかないということになっている。こういうような矛盾が日本のいかなる営業の中にあるか。建設業法によって管理しておる審議会がこんなことをやっておる。これを知っておられるか知っておられないか、この点をまずお尋ねいたします。

柴田達夫建設事務官(大臣官房長)

○柴田政府委員 ただいま数字をあげて御説明いただきましたような状況につきまして、的確に存じてはおりませんけれども、請負い額において少数の大規模な業者の方々が多くの、額を占めているという趨勢につきましては、私どもも存じ上げているのでございます。そのようなことがございますゆえに、業界の仕事がすべての業者に同じように公平にしていかなければ非常に業界が不振になるという点に建設業者の重大な問題があるということも承知をいたしているのでございます。ただこれらの現象は、すべて今の審議会が慫慂いたしてありますような企業合理化と申しますか、先ほどお話のございました点数式とか等級式の資格審さの結果、このような結果が招来されているとばかりは考えられないのでございますが、しかしそのような傾向をこれがさらに助長するようになるということにつきましては、もちろん望むところではございません。そういうような結果が助長されるためにこのような制度があるのではなくして、発注者がとにかくそれぞれの業者の実質的な力、あるいはいろいろな標準について十分知った上で、そうして自分の判断で発注するということが公平であるという趣旨に基くものであろうと思うのでございます。今のお話によりますれば、それがむしろそういう大業者と申しますか、点数制の上位の業者にばかり有利に用いられているという点がありますれば、これは十分注意をしなければならないことであろうと考えます。ただこの審議会が慫慂しておりますのも、それを採用するかしないかは全く各発注者なりの任意でございまして、しかも現状におきましてはそれがきわめて少数のものにしか用いられておらないというふうに伺っておるのでございます。この審議会の企業合理化方策のためにこの現象がすべて起きていることは私どもは実は考えておらないのであります。ただそういうような方向にこの点数制が動いておるものとすれば、これがもっと公平に運用されるように指導を加えて参らなければならないものと思うのであります。

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員 けしからぬことだと思うのです一体お前には指名をしない、こういう制度をこしらえておいて、そう思わないというのはどういうものです。点数制というのは、さきに申し上げたように、入札する資格がないということで無資格にしておいて、そうして公平に行われておるとどうして一言えますか。点数制はすなわち次格制度である。無資格では発言権がない。発言権があって、そうして相互に切瑳琢磨して負けるなら、これは仕方がない。けれども発言権を与えずにおいて公平ということがどうして言えますか。点数制というものはすなわち発言権を与えられていないものができる。従ってそこに集中するということになる。発言権を与えていないから発言することができない。具体的に言えば、入札をするのに、入札をさす資格を与えていないものだから、入札することができない。そういうような制度をこしらえておいて、不公平でないとどうして言えますか。私どもが申し上げるのは、これはすべて資格制度をなくせとは言いません。しかし全国の大事業者数人の者を優先しておいて、ほかの者に発言権を与えていない。それで公平ということが一体どうして言えますか。

柴田達夫建設事務官(大臣官房長)

○柴田政府委員 その任意にやっております制度におきましても、絶対に資格がない、すべての基準におきまして資格がないというようにはなっておりませんで、相当に幅があるように私どもは承知いたしておるのであります。そしてそれを用いるといなとは、全くこれは任意でございまして、ただその資格がこういうふうであるということを参考にして発注者が任意にやるのである、こういうふうに私どもは了解いたしておるのでございます。従って、今度はいろいろの仕事によりまして、それぞれの者がやはりこれに応じ得るだけの機会は同じように与えられているのであります。またそれを見る者が、どう用いるかということが問題であると思うのであります。これはあくまで任意制度でございますから、これによって審議会が責任を負っている、こういうようなものではないと私どもは考えるのであります。

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員 あなた知らぬからそんなことを言っている。政府機関の官庁はみなそれを採用している。建設省がこんな点数制度をこしらえて、各官庁に回しておる。回しておるから、工事の発注に際しては、資格がないから指名することはできぬでしょう。あなた知らぬのじゃないか。政府機関の各官庁炉行なっている。この建設業法に基いて、その審議会がこういうような審議をしておる。何々会社は何点持っておる、こういうことはずっと知らしてある。これによって指名してやる。それは任意に採用しているところもありますが、これをもとにしてやっておるのだ。文部省にいたしましても、あなたの建設省自体もそうしてやっている。ここにおられる各局長の傘下においても、みなこれを執行しておる。ただ執行していないのは、これをやられると地方の業者が仕事に参加することができないから、地方庁においては、かりに一億円の仕事なら、これを十に分けて小さくして、千万円ずつにして、地方の者になるたけやらすような制度をとっている。ところが中央官庁においては、それを一括して一億なら一億、十億なら十億ということにする。そこで、それに対しては今の点数制によって資格がきまっている。それだからその資格者以外の者は参加することができない制度になっている。私はこの間業界の会に臨んでみた。そうしたら全国の会長さんが集まっておったが、これは京都府の会長さんの話です。住宅公団の仕事は、京都府においては一千万円以上の資格を持っている者は一人もないのだ、こういう話があった。ちょうどそういう話がありましたら、全国の会長さんも、それはどこでも同じだ、こういう話があった。従って、住宅公団の仕事で、一千万円以上の仕事をするのは地方の業者では一人もない、こういうような事実がある。これは、さきに申し上げた通りその点数制を置いて、資格制度というものをこしらえているからそういうことになる。   〔内海委員長代理退席、委員長着    席〕  従って、資格制度というものは、官房長は今そんなことをやっていないと言うけれども、あなたは知らぬからそんなことを言っている。そこに並んでいる人はみんな知っている。この制度を将来どうするか、つまり継続するかどうかということについてお尋ね申し上げます。

内海安吉自由民主党

○内海委員 議事進行。逢沢さんの再三にわたっての御質問でありましたけれども、柴田官房長の御答弁は、ほとんど逢沢さんの御質問に対して満足を与えるところの答弁をしていない。要するに、御勉強炉足らぬのじゃないかというように私も聞き及ぶのでありますが、きょうは大臣も予算の打ち合せのためにちょっと出ておられますので、この問題はきょうはこの程度に済ませて、次会において、御勉強なさって、そして十分、満足のいく答弁を与えられんことを望みます。   〔「異議なし」「賛成」と呼ぶ者あり〕

徳安實藏自由民主党

○徳安委員長 逢沢さんよろしいですか。

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員 よろしいです。

徳安實藏自由民主党

○徳安委員長 ちょっと速一記をとめて……。   〔速記中止〕

徳安實藏自由民主党

○徳安委員長 それでは速記を始めて。  本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十六分散会

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