P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
24回国会衆議院1956/05/23

決算委員会国有財産に関する小委員会 第2号

発言数
13
登壇者
4
会派数
1
開催日
1956/05/23

会議録

山本猛夫自由民主党

○山本小委員長 これより決算委員会国有財産に関する小委員会を開会いたします。  本日は当小委員会における調査の重点として、前会あげましたもののうち大阪拘置所の土地問題、これにつきまして調査を進めたいと存じます。本件は決算委員会あるいは理事会において問題となり、それで特に調査のためにこの小委員会が設置せられたものでありまして、問題は小委員会各位も十分御承知のことと存じますが、この際本問題の経過につきまして法務省当局並びに大蔵省当局より説明を聴取することにいたします。  まず法務省からは竹内経理部長より御説明を願います。

竹内壽平検事(大臣官房経理部長)

○竹内政府委員 大阪拘置所の敷地問題につきましてこれまでの経過を概略御説明申し上げまして、ただいま御調査の焦点になっておりますところの土地交換に関する評価等の点に触れて申し上げたいと思います。  大阪拘置所は現在大阪市北区若松町の裁判所の裏に本所がございます。これは大正七年の建設にかかるものでございまして、収容定員は四百五十二名でございます。戦後犯罪が急激に増加いたしまして、昭和二十一年の七月の末には収容人員が千五百三十二名というほとんど四倍に近い数字を示しましたので、その対策に苦慮しておりましたが、同年八月に集団逃走事件を惹起いたしました。これは過剰拘禁を原因とするものでございました。そこでとりあえず堺にございます大阪刑務所の中に分禁所を設けまして一部被告人をそこに移したのでございますが、被告人ばかりがふえたのではなくて、既決囚も逐次ふえて参りましたので、大阪刑務所におきましても処置に困りまして、その後付近の適当なる施設を物色しておりましたところ、府下四条町に松下電器株式会社の工場がありました。それをば昭和二十四年五月に買収いたしまして、施設を施しまして拘禁所といたしまして開設を見たのでございます。この方は収容定員が千二百二十八名でありまして、本庁と分禁所と合わせますと千六百八十名の収容定員でございます。ところがこの松下電器の工場跡は工場施設をそのまま利用いたしまして、内房式と申しますか、工場の中にさらに房をもう一つ設けるというやり方できわめて恒久的なものであります上に、拘置所当局といたしましては二面拘禁と申しますか、本庁と分禁所とかけ持ちで管理をするという、非常な困難な問題に遭遇いたしまして、いずれにいたしましても総合的な拘置所を設けなければならないということが議に上りまして、いろいろ立地条件等を考えまして、裁判所に比較的近いところということで物色いたしまして、昭和二十六年三月、五月、八月の三回にわたりまして、いわゆる天満敷地、大阪市北区北錦町にございます元関西軽金属再生工業株式会社の戦災罹災工場跡でございますが、そこの敷地が合計一万一千九十二坪二合一勺であります。この敷地をば三千四百八十万一千五百円の価格で買収をいたしたのでございます。直ちに着工いたしますために当時整地に取りかかったのでありますが、地元民の猛烈な反対にあいまして、その年の十月には大阪市会が反対決議をいたしまして政府に通達をいたしております。次いで二十七年の第十一国会及び第十二国会におきまして、衆参両院の法務委員会がこの問題を取り上げまして、各委員会からそれぞれ調査委員を現地に派遣されまして調査をされました結果、いわゆる天満の敷地は拘置所敷地としては適当でないという御結論を出したようでございました、当時政府委員からそれでは一時工事を中止しまして、よりよき敷地を物色いたしたいという答弁をいたしております。自来昨年九月に至りますまでに、その間五年になりまするが、衆参両院の御要望にこたえるために、現地はもとより法務省の責任者といたしまして、あらゆる敷地の物色をいたしました。その間二十数カ所を見ておりますが、いずれも大きな施設でございますので、帯に短かしたすきに長しと申しますか、適地が得られませんで、昨年の九月には当時話題に上っておりました城東区別所町の敷地というのがございまして、この敷地は裁判所からかなりの距離にあります。十キロ以上離れておりますので、適地とは申せませんが、もしもこれが市当局のごあっせんというような形でわれわれの手に入るものであるならば、これもやむを得ないところとして私どもは受け入れようというような考え方をいたしまして、当時政務次官も事務次官も現地に参りまして、市当局あるいは市議会当局の方々に御相談したのでございますが、遂に市会の方におきましても、この問題についてごあっせんするというわけには参らぬという結論をお出しになりましたので、遂にわれわれは今まで探したけれども、結局天満の敷地へ戻るほかないのではないかというような考えになってきたのでございます。ちょうどその折にただいま調査の御対象になると思います都島区内に延原観太郎氏の所有にかかります延原工場の敷地などを拘置所敷地としていかがなものだろうかという御紹介をいただいたのでございます。紹介しました人は天理教の此花大教区の信徒の代表という肩書きを持った細見育一という方でございました。それでちょうど思い悩んでおる折でございましたので、さっそく現地の当局者が延原工場を視察いたしまして、これならばいいということでありましたので、私も技官を伴いまして、現地に参りまして、技官にもそれぞれ所定の調査をさせましたところが、ここの敷地は土地としましては、二口に分かれておりますか、合計一万九千百七十六坪七合二勺でございます。その上に建物もあるわけでございますが、この細見氏の話によりますと、天理教におきましては、もしも法務省が内諾を与えるならば、この延原工場の敷地を買収をいたしました上で、法務省の天満の敷地と物々交換という形で交換をしたい、そしてもし交換ができますならば、因縁のある天満の敷地でありますので、そこで合理教としては保育園等を作りたいという話でございました。当時法務省としましては、できるだけブローカー等の介在を除去して、できるならばこの延原観太郎氏本人と直接交渉で取引がしたいものだという考えをもちまして、延原観太郎氏にその旨を申し入れたのでございましたが、当時の延原氏としては、天満の土地はみなの注目の的になっておる因縁つきの土地であるので、どうしても直取引でそこの所有権を持つということは避けたい、第三者の自分の方は、今の工場を売り払えばいい、土地がほしいのではないということで婉曲に断わられてしまったのであります。やむなく細見氏の線を通じて話を進めるということになりました。それにしましても、天理教の保証が得られるかどうかということで、天理教本部の方へも連絡してある程度の保証を得まして、この土地は天理教の信徒が浄財を出されて、それで買収した上で法務省と交換するという線を出したのでございます。そしてその取引を進行せしめておりましたところが、中途で良島某という方がこの出資者の一人に現われたのでございます。この方は天理教の信徒ではないようでございまして、全く細見氏が資金集めに窮しまして、こういう土地のブローカーをしておられる良島氏らに連絡をつけたようでございました。こうなって参りますと、法務省としてはそういうブローカー相手に取引をするという考えを持ちませんので、この話は中絶をしたいということで、細見氏に対して内諾を取り消すとともにこの話を中絶いたしたのでございます。その後時期も切迫しておりましたので、あらためて延原観太郎氏に対しまして直取引でこの話をつけたいという申し入れをしましたが、このたびはすでに時機も熟しておったものと見えまして、延原氏もそれでは直取引をしようかというような気分に変って参りまして、話が逐次進行して参りました。そこで問題は、この天満の土地と延原氏の持っております先ほど申した一万九千坪余の土地を物々交換という形で入手いたしたいという方針を立てたのでございます。この交換につきましては、皆様御承知の通り国有財産法で交換はできるのでございますが、いろいろ条件もあります。その手続につきましても、これは地元の財務局の評価に関する同意、それから単に評価だけではございませんで、交換の適否につきましても同意を要することになっております。しかしながらこれはあくまで御同意を得ることでありまして、主体をなすものは法務省当局であろうと考えております。そこでこの二つの土地につきまして、とりあえず私の方では安田信託銀行株式会社大阪支店に対しまして鑑定を依頼いたしましたところ、一応の結論の鑑定書を得たわけでございます。それを腹づもりにいたしまして、大阪財務局に対しましてこの評価方をお願い申したのでございます。その際大阪財務局におきましては、この土地がいろいろと問題の土地であるというような点にかんがみまして、きわめて厳正なる態度で評定に当ったのでございます。そのことは私の方からも厳正なる態度で評価してほしいということをお願いもいたしましたし、私どもの方の便宜をあまり顧慮されずに、もっぱら国有財産の評価という観点から評定をされたように伺っております。そこでその依頼に基きまして、大阪財務局では両土地につきまして評定調書を作っておられまして、その結論はそれぞれ出先大阪拘置所長あてに財務局長から回答されておるのでございます。この評定によりますと、お手元の資料に差し上げましたように、ごく大づかみに申しますと、私の方で鑑定を依頼しました安田信託の評価によりますと、天満の土地につきましては平均単価が九千五百円になっておりまして、延原工場跡の敷地につきましては平均単価が六千円ということになっております。これに対しまして近畿財務局における評価は、天満の方が平均単価が一万三千五百二十八円でございまして、延原所有の土地は六千円でございます。私の方としましては、この評定の結果評定調書の記載等をしさいに検討いたしまして、もとより私どもは不動産の評価につきましてはしろうとでございますが、ものの考え方、方法、判断の経過等をしさいに検討いたしまして、大蔵省の出先機関である大阪財務局の評定は、まさに正鵠を得たものである、かように思量したしまして、この評定に従ったのでございまして、その決意をいたしますとともに、同意を求めたのでございます。そして大阪財務局の同意を得まするとともに、所定の手続によりまして、法務大臣から大蔵大臣に内協議をいたしまして、その正式同意を得た上で、現地に交換の承認を与えました。その結果、本年の二月二十二日、大蔵大臣の内諾を得ましたので、二十三日付をもちまして、拘置所長あてに認可の通知を発しました。たしか二月の二十八日に現地におきましては契約を結んだのでございます。ところが三月になりまして、先ほど申した良島某なる人が、私どもの方で細見氏との間の話し合いを打ち切りにいたします前に、延原氏との間にこの土地を良島を含むいわゆる細見の線に売ることにしよう、そのかわり、その売買契約をするに先だって、五千万円の金を入れてほしいということから、その五千万円のさらに手つけ金というような意味で、五百万円を入れておったそうでございまして、このあとの四千五百万円が約束の時期までに入らなかったので、そちらの方の話も打ち切りになったようでございます。それで私の方はそういう関係は詳しく存じておらなかったのでございますが、良島氏がそのような関係を利用しまして、三月二日にこの土地につきまして仮処分の申請をいたしまして、その申請に基く決定がございました。その後三月の二十日ごろには本訴訟が提起されるといったような事柄がございましたが、この点もその後仮処分の解放があり、重訳の取り消しもありまして、ただいまでは訴訟関係はない、すっかりきれいになっておるのでございます。  なお最後に、先ほど申しました本契約をいたしましたが、この本契約の条項といたしまして、ここの土地には戦時中の協調融資による銀行からの借金に基く担保が入っているわけでございますが、この担保権を抜きまして、きれいなものにして私の方に引き渡すということになる、そのときに登記をするということになっておりますが、その関係がまだ残っておりますために、本契約はいたしておりますが、所有権の登記はまだ未了になっておる状況でございます。  以上が大体の経過でございまして、申し上げておきたいことは、この交換に当りまして、私どもは問題の土地でありましただけに、できるだけ公正な態度で、あくまで疑惑を受けることのないように配慮いたしたつもりでございます。なお延原氏につきましては、先ほど申し上げたように、私の方から少し無理を言ってかえてもらうような形をとったのが真相でございまして、延原氏の方から売り込まれてかえたというようないきさつのものではないのであります。  その他なお本件につきましては、いろいろ巷間で反対もありますし、また反対を理由づけるかのごとく、いかにも不当な価格で取引がなされているようなことも聞かぬことではございませんが、ただいま資料として配付いたしましたこの評定調書等をごらんいただけばわかりますように、まことに公正なるものであると私はただいまでも信じておるのでございまして、どうぞその点十分御了承願いたいと思います。  以上をもって私の一応の説明を終ります。

山本猛夫自由民主党

○山本小委員長 本件に関し、次に大蔵省管財局天野第一課長のご説明を求めます。

天野四郎大蔵事務官(管財局国有財産第一課長)

○天野説明員 本件に関しまする大蔵省の立場は、国有財産法に、各省各庁の長、すなわちこの場合は法務大臣でございますが、法務大臣が行政財産とする目的で土地を取得しようとするときは、大蔵大臣に協議しなければならないと規定しておりまして、これに基いて法務省から協議があったのでございます。そうしてその協議のときにおきましては、いろいろと関係書類の提出を願っておりまして、たとえば取得しようとする事由とか、あるいはその予算額とか経費の支出額、あるいは評価調書、その他図面とか、こういった関係書類をお出し願いまして、検討することになっておりますが、その際検討の対策となります価格が妥当であるかどうか、またそのような交換をすることが適正かどうか、あるいはまたこれに伴う予算的な措置があればその方面はどうだ、こういう点が中心になるわけでございます。そうして本件につきましては、法務省の方におきましてかねかね適当な候補地、交換の受け地を探しておられたわけでございますが、ちょうど昨年の暮れになりまして、善源寺町にいい候補地が見つかったから、これと交換したいと思うが、ついてはまず財務局で評価してくれないかという御依頼があったわけでございます。これは正式にはそういった関係書類が参りまして、それに対しまして大蔵大臣がイエスかノーかを回答すればよろしいのでございますが、通例このような正式書類を取りかわす前に、事前の内協議がございまして、それについていろいろと御相談に応じておるわけでございまして、この場合も、そのような評価の点について御依頼がございましたので、お引き受けいたしましして評価いたしたような次第でございます。その結果は、ただいま法務省の方から説明がありました通りでございまして、私の方といたしましては、この際交換する受地も渡し地も両方とも適正に時価に評価いたすわけでございます。この時価に評価いたすことは、財政法の九条に基いて当然のことでありまして、その時価に評価いたす方法といたしまして、われわれはいろいろな方法を採用しております。たとえば相続税とか、固定資産税の課税標準がどうであるかとか、あるいは精通者の意見はどうであろうかとか、売買実績はどうであろうかとか、そういういろいろな点からわれわれの方は判断するわけでございます。この場合におきましては、まず渡し地の方、すなわち天満の方でございます。この方をABCDの四地区に分けまして、そうしてそれぞれの地区について評価をいたしたのでございます。その評価をいたす際には、今申しましたように相続税の課税標準からも判断いたしましたし、それからまた精通者の意見も十分聞きました。その精通者の意見は法務省の方から御依頼されました安田信託のほかに、三菱信託、勧銀、勧業不動産、これらの専門家の方々の御意見も承わりまして判断をいたしたわけでございます。ことにA地区につきましてはさらに六つの小地区に分けまして、それぞれ適正に評価いたしました。その結果はA地区が単価が一万二千五百円、B地区が九千五百円、C地区が七千円、D地区が八千円と評価いたした次第でございます。

生田宏一自由民主党

○生田小委員 お聞きしておきますが、ここに出ておる評価はみな時価ですね。

天野四郎大蔵事務官(管財局国有財産第一課長)

○天野説明員 そうでございます。

生田宏一自由民主党

○生田小委員 安田信託と近畿財務局の評価が出ていますが、これは同じ時期に評価したことになっておりますか。

天野四郎大蔵事務官(管財局国有財産第一課長)

○天野説明員 さようでございます。

生田宏一自由民主党

○生田小委員 よろしいです。

山本猛夫自由民主党

○山本小委員長 説明を御継続願います。

天野四郎大蔵事務官(管財局国有財産第一課長)

○天野説明員 それから交換受地の方でございますが、これは渡し地と違いまして、ABCとかいろいろ分ける必要がございません。大体同じように見てよろしいような情勢でございますので、この方は一本で六千円という単価が適用されております。これも同じように安田信託、勧業不動産、勧銀あるいは税務署、それからさらにこのような精通者のほかに相続税の課税標準、これらを適正に判断いたしまして、そのような結論を出した次第であります。  このように評価はわれわれといたしましてベストを尽しまして適正にいたしたつもりでございますが、これは余談でございますけれども、先日衆議院の松原大蔵委員長の方からお話がございまして、本件について評価の内訳を説明しろというお話がございました。これは委員会ではございませんが、そういうようなお呼び出しがありまして、参上いたしまして説明いたしました。その方面に非常に詳しい松原委員長から両方大体いいところをつかんでおる、さすが大蔵省だと非常におほめにあずかった次第であります。余談ながら申し添えておきます。

山本猛夫自由民主党

○山本小委員長 お諮りをいたします。本日は当局から本件につきまして御説明を伺いましただけにとどめたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山本猛夫自由民主党

○山本小委員長 それでは本日は当局から御説明を伺いましただけにとどめまして、次会に譲りたいと思います。次会は公報をもって御通知を申し上げます。本日はこれにて散会いたします。   午後二時二十五分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗