決算委員会 第34号
- 発言数
- 437 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/05/14
会議録
○上林委員長 これより会議を開きます。 歳入歳出の実況(パッカード・マリン・エンジンの払い下げ及び購入等)に関する件について調査を進めます。本日はお手元に配付いたしてあります通り、元保安庁装備局長中村卓君、元保安庁第二幕僚監部警備部長長沢浩君、元保安庁第二幕僚監部技術部長松崎純生君、元保安庁第二幕僚監部技術部船舶課長矢幡孝一君、元海上保安庁海上警備隊総監部技術部船舶課山下龍雄君の五名の参考人より実情を聴取することといたします。先ほどの理事会におきまして御協議願ったのでありますが、まず第一に長沢浩君、山下龍雄君、中村卓君、松崎純生君、矢幡孝一君の順序で実情を聴取することといたします。 それではまず長沢浩参考人から始めますが、委員長よりの総括的な点についての質問は省略して、直ちに委員各位の質疑に入ります。質疑の通告がありますが、申し合せの順序によりましてこれを許します。なお防衛庁長官が出席いたしますが、まだ見えておりませんので、防衛庁長官が見えましたら並行して質疑を続行いたします。それでは質疑に入ります。吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 長沢さんにお尋ねいたしますが、あなたは昭和二十七年七月ごろあるいは同年末から翌年の夏ごろにかけまして、どういう職におられましたか。
○長沢参考人 私は当時、六月までは海上警備隊警備部長、その自後保安庁海上警備隊警備部長であります。
○吉田(賢)委員 その後の職歴、現在の海上幕僚長までの職歴は——簡単でよろしゅうございますが……。
○長沢参考人 二十八年の十月海上幕僚監部幕僚局長、それから二十九年の八月海上幕僚長であります。
○吉田(賢)委員 あなたに伺いますことは、御承知の通りにかねて当委員会において問題になっております海幕が二十九年度の救命艇に搭載するパッカード・エンジンを購入いたしました以後の購入の関係、つまりパッカード・エンジンを海上保安庁、防衛庁に購入いたしました案件につきまして二、三伺いたいのでありますが、なおほかの参考人の方にも、随時これは並行的にお伺いする方が、かえってお互いに重複しないで便利だと思いますので、ほかの方も一つそのつもりで御了承を願いたいと思うのであります。 第一に伺いたいことは、長沢さんが二十七年の夏ごろからパッカード・エンジンを保安庁の方へ売り込みにきておるという事実を御承知になった一番初めはいつごろのことでございましょう。
○長沢参考人 私は売り込みというその事実に対しては、いつごろからということははっきりした記憶がありません。
○吉田(賢)委員 売り込みと申しましたのは適切でなかったかとも存じますが、それならば保安庁において魚雷艇を作ります計画があるかどうかとか、あるいはどうせそのような魚雷艇にエンジンを積み込まなければなりませんので、そういう関連において、部外から、保安庁の外から、そういうような問題についての問い合せとか、あるいは面会とか、そういうことをあなたはなさった御記憶はございませんか。
○長沢参考人 二十七年の今おっしゃったころには私記憶ございません。
○吉田(賢)委員 それでしたらこういうふうに伺ってみましょう。あなたは元の海軍の将官であった小林省三郎という中将を御承知でございますか。
○長沢参考人 存じ上げております。
○吉田(賢)委員 その方から何かこの種のエンジンのことにつきまして、二十七年ごろに何か話はございませんでしたか。
○長沢参考人 それは私今記憶にないのであります。
○吉田(賢)委員 小林省三郎という名前も現われ、あなたという名前も現われ、寺井という方が当時あなたと同じように、警備部ですか、もしくは二幕におありになったでしょうが、そういう方の名前も実は出ておるのであります。今記憶はない、思い出していただいたらなおけっこうなのでありますが、それは何も重要なことではないのですよ。やはり事の端緒を知らんとするだけのことでありまして、重要なことを伺っておるという意味でも何でもないのであります。そういう寺井さんという方も何か御一緒であったかのように聞くのですが、何か簡単な伝言でも、口添えでも何でもいいですが、そういうことはございませんでしょうか。
○長沢参考人 私が当時警備部長でありまして、寺井義守君が私の下の警備課長をやっておりました。それで私と寺井君とは直属の部長と課長の関係でございます。
○吉田(賢)委員 そうしましたらこういう点を伺ってみましょう。あなたの方では、たとえば魚雷艇を作るとか、あるいは大、中、小はありましょうが、警備船を作るときに、たとえば二十八年度の予算において警備船を作るということについて、大蔵省と予算の交渉をしなくてならぬ。そういうときに、あなたの警備部で相当基礎的ないろいろな協議もあることだろうと思います。二十八年度の予算について、そのように警備船の建造計画については、いろいろあなたも協議にあずかっておると思いますが、それは間違いありませんか。
○長沢参考人 二十八年度の船艇の建造計画につきまして、魚雷艇ということについて研究を始めております。
○吉田(賢)委員 研究を始めておるというのではわからないのですが、二十八年度の艦艇の建造計画——警備船か魚雷艇か知りませんが、要するに沿岸を警備する船のことでしょう。いろいろと称号はその後変っておるようでありますが、要するに予算の方に出るには警備船らしいですが、警備船の建造計画については、あなたは御協議に乗っておるのでしょう。
○長沢参考人 今の御質問は、お前は計画したかということでございますか。
○吉田(賢)委員 協議に参加したかどうか。
○長沢参考人 もちろん参加しております。
○吉田(賢)委員 それでは二十八年度の予算に計上すべき小型警備船を計画することについては、いつごろ開始されましたか。つまり予算案の積算の基礎を明らかにしなければなりませんが、それはいつごろのことですか。
○長沢参考人 二十七年の暮れごろであったと記憶しております。
○吉田(賢)委員 あなたは今海幕長として重要な地位にあられるのですが、予算を要求するときに、年の暮れに着手するようなことは想像されません。普通は九月ごろから予算折衝に入るのであります。十二月というともう大体固まるときであります。一月に閣議決定されまして国会へ提出するのでありますから……。そういう点から考えまして、十二月、暮れということは想像できないのであります。要するに、夏ごろから秋にかけて、予算のもとになりまする計算関係、建造計画、内容、そういうものは十分あなたの方で御協議になっておると思いますが、八、九月ごろじゃないのですか。
○長沢参考人 二十七年の夏ごろには当時私は警備部長として魚雷艇の研究はいたしておりますが、予算要求の基礎資料としてはやっておりません。
○吉田(賢)委員 夏ごろということに限定しなくて、秋でもよろしゅうございます。あなた暮れと言ったから私はあえて申し上げるのですが、暮れに始まることはないのであります。常識上考えられない。ですから夏がいけなければ秋でもいい、九月、十月でもいいのですが、その点ちょっとはっきりしておいてもらいたい。
○長沢参考人 秋といいますと、十月ごろは研究いたしておりません。
○山本(猛)委員 船田防衛庁長官に当問題に関連して御質問申し上げます。 ただいまお聞き及びの通り中村元保安庁装備局長その他四名の参考人においでをいただきまして、当委員会で問題になりましたパッカード・マリン・エンジンの関係につきまして究明を続けておるわけでありますが、あなたに当委員会で特にお尋ねをいたしておきたいことがございます。それは本日の参考人喚問に関連いたしました事柄でございますが、何がゆえに七万二千円から買い上げました一千二百五十万円という数字が出て参ったのか。国民はこれに対しまして相当以上の疑惑を持っておりますので、長官として責任上懇切丁寧に当委員会を通じて国民の疑惑を解くように御説明を願いたいのでございます。
○船田国務大臣 この問題についての事実の御調査は、すでに当委員会において各証人あるいは参考人をお調べになり、また事務当局から詳細お聞きになっておられることでございますから、それによって十分御判断のつくことと存じます。 私は先般当委員会においても、あるいは内閣委員会、予算委員会等におきまして申し上げましたように、このパッカード・マリン・エンジンの問題につきましては、そこに非常に誤解があるように存じます。私、率直に申しますると、四年有余の時間の差のありますることを無視されて、七万二千円で米極東軍が放出したものを当時のくず鉄を処理する者が一台十万五百円で買った。そうしてしかもそれを四年後の昭和二十九年度の予算に計上されて高速救命艇に使うということに決定されたのは昭和二十九年になってからのことでございまして、その間に少くとも三、四年の時間が隔たっておる、こういう事実に基いてこれを研究いたして参りますると、どうも議論の焦点が、その時間的の差のあるということを無視されておるのではなかろうかという感じがいたすのでございます。結論的に申しますれば、現在防衛庁が一台千二百五十万円で買い上げたパッカード・マリン・エンジンというものが、それだけの値打のないものかどうか、こう申しますればその値打は十分あるのでありまして、(「ノーノー」)そうしてしかもその買い上げにつきまして、そこに不正不当というようなものは、少くとも私が長官として調べましたところにおいては不正不当というものは見受けられない、こういう事態でございます。すなわち払い下げが行われたのは昭和二十六年の三月から四月にかけてのことでございまして、当時米極東空軍が持っておりましたものを一台二百ドルすなわち七万二千円で放出した。そうしてそれがQM物資として放出されておりますので、それを当時の東京通産局が預かりまして公入札にして、一基十万五百円で落札をした、こういうことでございまして、その点につきましては私は何ら不正も不当もなかったと存じます。それからそれを防衛庁が昭和二十九年度の予算において初めて高速救命艇に使うものとして研究を始め、そうしてかような戦時物資として製作されておるものでございますから、米軍に対しまして供与方を極力懇請いたしたのでございますが、しかしその供与ができないということの確答を得ましたのが、昭和二十九年の一月でございます。従ってほかに適当なものがあるかということで、極力研究いたしましたが、これに相応するような性能を持っておりまするイソタというイタリアの機械、これは現にパッカード・マリン・エンジンの部品の製造権を持っておるものでございますので、それらとも引き合いをいたしましたが、いずれも相当な高価につくということでありますので、そこで間組の持っております問題のマリン・エンジンを買うことにいたしました。そしてしかもそれは間組は土建業者でございますが、その販売の委託を受けた富士重工業株式会社は、飛行機の製作その他の重工業をやっておりまして、そして十分補給もつき得る、アフター・ケアができるということでございますので、その富士重工業会社を契約の相手として、これの買い上げを決定した、こういうことでございます。従いまして、私の関する限りにおきましては、その間に不正、不当はないと信じております。しかしその間において参考人あるいは証人等を十分お調べ下さいまして、そうして私の申し上げておることが正しいか、あるいはまたその間に万々一にも防衛庁関係の者におきまして、不正、不当の行動があったということでございますならば、それに対しましては、十分なる処置をいたすつもりでおります。いずれにいたしましても、世間に非常な疑惑を投げかけたということにつきましては、私は非常に遺憾に存じますので、その真実を十分当委員会において御究明下さいまして、はっきりさしていただくことを、私は念願いたしておる次第でございます。
○山本(猛)委員 あなたの今の御説明を伺っておりますというと、かくほどに明瞭になっているのに、疑惑を持つ方が悪いんじゃないかといったようなふうにも聞こえますけれども、もう少し親切にお答えを願いたい。たとえばもう一つは、あなたは穏当に説明されておりまするけれども、その穏当な口調の中に、あなたはこういうことを言っておられる。二年も三年もかかったんで、そのうちに情勢が変ってきたから、こういう値段になるのは当り前じゃないかということを言わないばかりにおっしゃっておる。何がゆえにその二年、三年時間を経なければこれを買うという決定ができなかったか、それを明らかにしてもらいたい。
○船田国務大臣 高速救命艇を予算に計上いたしましたのは、御承知の通り、昭和二十九年度の予算でございまして、それまではかようなエンジンを使うということを防衛庁としては考えておりません。防衛庁の前身である海上警備隊あるいは保安庁におきましても、そういうことは考えていなかったと存じます。防衛庁が予算に計上いたしましたのは、昭和二十九年度の予算でございます。従いまして私はその間に相当な時間の隔たりがあったのではないか、そういうことを申したのでありまして、決して皆さんがお調べになっておることに対して、とやかく批評がましいことを申し上げたわけではございません。
○山本(猛)委員 それならお尋ねをいたしますが、七万二千円という原価を御承知でございましたか。
○船田国務大臣 それは事務当局から御説明申し上げた通りでございます。
○山本(猛)委員 事務当局から御説明を願っておりましただけでは、国民の疑惑が解けないのです。従って当委員会では、どうしても七万二千円のものが究極に至って千二百五十万という数字になったのであるか、こういうことは当委員会がいろいろと苦心惨たんをして御説明を伺おうといたしましても、今日もってなお国民の疑惑が解けないのです。従ってこの疑惑が解けない以上は、当委員会としては、どこまでもこの問題を御追及申し上げなければなりません。そこで一体このままにこれを新しく購入したといたしまするならば、これは御承知の通り米国式のものでございますが、現在では米国ではこういうものを使っておって——あるいは使うことをやめたかどうかわかりませんが、もし米国式のものを新規購入するとすればどれくらいであるか、あるいはまたその他の国でかようなものを製造しておって、それを購入するとすればどの程度のものであるか、まずそれを御研究でございましょうから、伺っておきます。
○船田国務大臣 その問題につきましては、私よりも専門の事務当局から御説明申し上げさした方が適当と思いますが、私の聞いておりますところでは、昭和二十九年度の予算に計上いたしました高速救命艇に使うエンジンといたしましては、問題になっておりますパッカード・マリン・エンジンがよろしいということで、これは先ほども申し上げましたように、米軍の戦時貯備物資としてとってあるものでございますから、それを極力米軍側に供与方をお願いいたしたのでございます。ところがこれも先ほど申し上げましたように、昭和二十九年の一月になって、どうしても上げられないという返事を米軍側から受け取ったものですから、そこでそれにかわるべき適当な性能を持っているものを探しましたところが、それと同じような性能を持っておりますイタリアの会社のインタにおいて作っておりますのは、どうしても税抜きで千八百万円くらい、それに税金がかかりますから、それは二千数百万円になるものと存じます。そういうので、それらと引き合いをいたしてみますが、どうしても——それに外貨の割当も受けなければなりません。そういうものを買い入れるには外貨の割当を受けなければならぬ、こういうようないろいろな事情がございます。米軍側から供与は受けられない。それから同じような性能のものを買おうとすれば、より高い金を出さなければならぬ、こういうことで、結局パッカード・マリン・エンジンを、間組の持っておりますものを買い入れる、こういう交渉に進んでいった次第でございます。しかもその買い入れにつきましては、これも御説明申し上げたことと存じますけれども、調達実施本部におきましても、原価計算その他の方法によりまして、また東京関東財務局の評価も参考にいたしまして、結局において千二百五十万円という価格を出しまして、そして契約がととのった次第でございますので、従って私はその買い入れ価格が不当であるとは考えておらないのであります。そして現にそのパッカード・マリン・エンジンをつけました高速救命艇は、所望の四十ノット以上という速力をりっぱに出している。りっぱに高速救命艇としての役割を十分果し得る船にそれが取りつけられているわけでございますから、そこで私は先般来そこに不当、不正ということはないというふうに信じておりますということを申し上げているわけでございます。
○山本(猛)委員 米式はどれくらいでございますか。現在お買いになりましたパッカード・マリン・エンジンがそのままで新規購入ができるとすれば、どれくらいの価格でございましょう。
○船田国務大臣 それについては、はっきりしたことはちょっと申し上げかねますが、これは事務当局から申し上げた方がいいと思います。
○石井説明員 当時調査をいたしました限りでは、米当局からはわれわれの方に価格の通報がなかったのでございます。ただし先方から来ました文書の中に、ネゴシエーション・ウイズ・コントラクター・コンサーニング・フアーザー・プロダクション・ハヴ・リザルテイッド・イン・コースト・リクワイアメント・グレートリー・エクセス・オブ・フアンド・アヴェイラプルすなわち新規購入について製作者にネゴシエーションをしてみたが、値段が非常に高いので日本側に対して供給できないという文書が来ております。従いまして新規製作をいたしますと非常に高い金額になったことと存じております。
○山本(猛)委員 どうもそういう程度の御説明では国民の納得を得られないのです。ですからもしそういうように新規のものを購入するのには膨大な予算もとらなければならないしということで、間組が持っていたものを買い上げたということなら一応わかりますけれども、何がゆえに七万二千円なり十万何がしなんというものを千二百五十万もの数字で買わなければならなかったか。その原価がおわかりになっていたとしたならば、どうしてもう少し安くお買いになる努力をなさらなかったか。またなされたとするならばその経緯を伺いたい。これは長官に伺いたい。
○船田国務大臣 このことにつきましては調達実施本部の関係官から今まで御説明申し上げている通りでございまして、先ほども申し上げましたように、そこにいろいろのいきさつはございますが、とにかくパッカード・マリン・エンジンを使うことが一番よかろう、しかしそれは新品として米軍側から供与が受けられない、また同じような性能のものを手に入れるとすればより以上の金がかかる、こういうようないろいろな事情もございました。そこで間組の持っておりますものを買い入れた。しかしその買い入れるにつきましては、先ほど来申し上げておりますように十分原価計算もいたし、またその評価につきましてもただ防衛庁だけの考え方でなく、関東財務局の、その専門の人の鑑定も受けまして、そして千二百五十万円という価格に決定いたしたのでございまして、決してそれが非常な不当なものであるとは私考えておらないわけでございます。
○山本(猛)委員 不当なものであるとか不当なものでないとかいうことをあなたがおっしゃっても、七万二千円が千二百五十万円になったのです。しかもこの間にいろいろ参考人及び証人を取り調べましたところが、ブローカーの一団が暗躍をして運動費を使ったとか、防衛庁にどういう運動をしたとか、あるいは大蔵省に値段の査定をさせるために動いたとかいうような疑惑があって、当委員会は苦しんでおるのです。ですから私は当委員会を通じてそういう国民の疑惑を解きたいので、あなたからもう少し具体的に、一つここで明らかにしていただきたい。こういうことをお尋ねいたしたのでございます。従って伺いますが、こういうものをほしいという場合には、どこでほしいという意思を御決定になりますか。あなたの役所のどの部門で、これがほしいという意思を御決定になりますか。
○船田国務大臣 こういうものを要請する原局は海上幕僚監部でございます。
○山本(猛)委員 そういたしますと、その海上幕僚監部は、その品物に対して価格をどれくらいという希望をお述べになりますか。
○船田国務大臣 これは海幕長も来ておりますから、その方から十分御説明申し上げた方がよいと存じます。
○山本(猛)委員 それでは長官からそういう数字的な技術的なことはおわかりにならないといたしますれば、適切な方に御説明願います。
○長沢参考人 私は艦艇を作りますときに、その性能の要求をいたします。従ってどれくらいの速力を必要とし、またどういう耐波性を必要とし、またおおむね何馬力ぐらいのエンジンを必要とする、こういう基本的な要望をいたします。
○山本(猛)委員 その値段の希望はお述べになりますか。
○長沢参考人 値段につきましては、私どもは成立予算を見まして、この以内において成立するよう、そういう希望を申し述べます。でありますから幾ばくという的確な値段は私の方からは申し述べられません。
○山本(猛)委員 長官にお尋ねをいたします。今御説明のような場合には、その価格の査定はどの部門でおやりになりますか。
○船田国務大臣 最終的に調達をいたしまする責任者は調達実施本部でございます。従ってその値段の交渉も調達実施本部がやることになっておるわけであります。
○山本(猛)委員 本件についてはどういうような経緯でそれをお取り計らいになりましたか。それを伺っておきたい。
○船田国務大臣 これは先ほども申し上げましたように、昭和二十九年度の予算の実施についてのことでございますので、その当時扱いました事務当局から御説明申し上げることが事実を判明させる上においてよかろうかと存じますので、そういうことにいたしたいと思います。
○山本(猛)委員 長官の言われるように、当時その衝にお当りになった方の御説明を要求いたします。
○武内説明員 このパッカード・マリン・エンジンにつきましては、昭和二十九年十二月に海幕長から一応実施本部に調達要求が出ております。その予算はエンジンと船体及び無線機等を含めまして、一隻四千四百万円、二隻で八千八百万円ということになったのであります。調達要求を受けまして当方といたしましては、このパッカード・マリン・エンジンというものは当時日本にあるものは、われわれの知っている範囲では、この富士重工が間組から委託を受けましたエンジン以外には、われわれは当時そういうものの存在を知りませんでした。しかも海幕からの調達要求は単はこのパッカード・マリン・エンジンということでなしに、これはパッカード会社の作りましたメーンテナンス・マニュアルというものがございます。これは何と訳しますか、修理の基準となる本でございます。これによりまして、これが製造公差の中に入るものである、しかも馬力は千五百馬力、回転は二千五百回という精度の高い新品と同様の規格を示されておるのであります。この要求を受けまして、われわれは果してこの富士重工が販売の委託を受けましたものがいかなる性格のものであるかということを調べたのであります。と申しますのは、あるいは密輸入であるとか、あるいは現在は間組が所有し富士重工が販売委託を受けておりますが、その間に正当に取引されておるかどうかというようなことを調べました。そういたしますと、先ほど長官からお話がありましたように、二十六年の四月でありましたか、東京通産局が立川の極東米軍から払い下げを受けたものである、そういうことであったのであります。それでこの価格の査定につきましては、当方といたしましては十分慎重を期したのであります。まず第一に、このパッカードの新品の価格は幾らであるかということを知りたかったのでありますが、先ほども警備部長が申し上げましたように、非常に高いものになるというだけでありまして、アメリカにおけるところの価格というものはわかりません。これは御承知のようにマリン・エンジンでありまして、アメリカの海軍が特にパッカード会社に作らせましたエンジンでありまして、市販品でありません。この辺がその価格のわからない原因であると私は考えておるのであります。次にこのマリン・エンジンに対抗するエンジンは世界にもう一つあります。先ほど御説明にありましたイタリアのイソタのエンジンであります。これを貿易商社を通じて照会いたしましたところ、関税抜きで一千八百八十万円、関税を加えますと二千万をこえる、こういうことであります。しかもわれわれの常識といたしまして、この程度のガソリン・エンジンの価格というものは大体一馬力一万円前後というのが常識であるようであります。現にT34メンターのエンジンも当方で調達いたしておりますが、これは二百二十馬力で二百二十万円ということになっております。この辺も一馬力一万円前後というのは大体常識的なものであります。さらに慎重を期する意味におきまして、東京財務局が軍の払い下げ機械の評価につきまして長年の経験を有しておりますので、特にここに照会をいたしましてこれの回答を得たのでありますが、——これは富士重工の持っておりますエンジンの当時の客観的評価だということを先般も財務局長は申しておられましたが、これが千三百六十万円という回答でございました。当方といたしましては、物を調達いたします際におきましては必ず予定価格を作成いたすのであります。本件につきまして当方は、千二百九十万円という予定価格を作成いたしたのであります。これはやはりイソタのエンジンからその耐用命数及び経年による原価を引きまして、それに間組が富士重工に委託いたしまして支出いたしました修理費を加えまして、千二百九十万円というのがわれわれの予定価格でございました。この予定価格は、御承知の通りわれわれが調達いたします場合における最高価格でございます。これ以上の価格ならば当方はもう買わない……。
○山本(猛)委員 簡単でいいです。海幕から要請が出て、そうして調達関係機関でどの程度で買えるかということを御調査になった、これまではわかりましたが、そういう予算を取るところはどこでございますか、長官に伺います。——海幕から要請が出て、今それで調達庁で調べた、そこまでわかりました。
○船田国務大臣 予算要求をいたしまする担当の局は内局の経理局であります。
○山本(猛)委員 それでは本件が海幕から要請が出ましてから、本件の買い入れに関するところの予算が計上されて、予算が取れたまでの時期がどれくらいでございますか、それを長官から伺いたい。
○船田国務大臣 私就任前のことでございますので詳しく調べておりませんから、今調べた上で御返事を申し上げます。
○山本(猛)委員 事ほどさようにあなたは本件に対しては勉強が足りない。これは長官、一つもう少し御勉強を願いたい。こういうふうに大問題になって、当委員会で調べておりますることは相当長い期間であります。それにもかかわらず国民は疑惑を解くことができない。ですからあなたは当然当面の最高責任者として、こんな程度のことはお調べになっておかなければいけないのではないですか。
○船田国務大臣 ごもっともでございますが、そう何もかにも長官が全部知っておるというわけではございませんから、その点は一つあしからず御了承願います。私は正直に答弁を申し上げておるのであります。概算要求は大体御承知の通り八、九月にいたしますが、しかしいよいよ予算が最終的にきまりますのはどうしても翌年の一月ごろになるわけでございまして、昭和二十九年度の予算につきましても、概算要求をいたしておりますのは二十八年の八月にいたしております。しかしそれが最後にきまっておりますのは翌年になっておるわけでございます。
○山本(猛)委員 翌年のいつでございますか。
○船田国務大臣 先ほど申し上げたようにパッカード・マリン・エンジンが米軍から譲渡不可能となったのが、昭和二十九年の一月十五日にはっきり判明いたしております。その後におきまして、今調達実施本部長が説明したような経路をたどっておるわけであります。
○山本(猛)委員 それで大体明瞭になりましたが、海幕から要請が出て調達関係で値段、性能を調べ、そうして経理へ回って予算がとられる、こういうふうに経緯はわかって参りましたが、それではこの三つの部門が関連いたしました機関で、こういう問題が起りました場合に検討するということはやっておりませんかどうか、それを伺っておきたい。
○船田国務大臣 今の御質問はどういう御質問ですか、もう一度……。
○山本(猛)委員 それではもう一度申し上げましょう。防衛庁のお仕事というのは、迅速果敢を要することが原則ではないかと私は思うのです。それなのに、二十八年の八月に海幕から要請されたものが半年を越えて、そして二十九年の一月十五日に予算を計上した結果、その買おうという意思が確立をしておるということでございますならば、相当時間がかかっております。相当時間がかかっておって、この間に、伺っておりますというと、海幕は海幕の考えを持っておって要請するだけ、調達関係は調達関係でそれを調達する用意をするだけ、経理は予算をとるだけ、こう三位三様にばらばらになっておりますが、これを統括いたしました運営によって、物を調達するということをおやりになっておりますかどうかということを伺っていたのです。
○船田国務大臣 もちろん防衛庁といたしましては、最後には総合的に長官が決裁をしてやることでございますが、ただいま申し上げましたのは昭和二十九年度の予算に高速救命艇二隻分を計上した、こういうことについての概算要求は前年の八月にあった、しかしそれはどういうものを使うかということにつきまして研究はいたしましたが、しかし昭和二十九年の一月半ばに米軍側からは供与は受けられない、こういうことが判明をいたしましたので、その後、先ほど調達実施本部長から説明申し上げましたような経路をたどって間組の持っておりまする、そして間組から販売委託を受けておりまする冨士重工業会社と折衝をして最終的に決定をした、こういうことになっておるわけでございます。
○山本(猛)委員 大体明瞭になりましたが、次に伺っておきたいことは、本問題についてはいろいろな疑惑が投げかけられて、そこにあたかも讀職でもあるかのように国民に印象を与えております。それに関しましては長官はさいぜんのお答えにおいてさようなものは絶対ないということをおっしゃっておられますが、どういう内部調査の結果さいぜんお答えになりましたさような讀職関係なしというような判定をお下しになっておられるか。それを伺っておきたい。
○船田国務大臣 この問題が起りました後、関係の次長、内局の局長を初め各参事官、それから陸海空の関係者を全部招集いたしましてしさいにその間の事情を調査いたしました。調査いたしました結果は、ただいままで私が答弁を申し上げておるような経路をたどってこれが買い上げられておるのでありまして、その間に私の承知する限りにおきまして、調べた範囲におきましては何ら不正もなし、また不当な行為もなかったと私は信じております。しかしもし皆様方が十分これをお調べになり、証人の喚問なりあるいは参考人をお調べになりまして、そして疑わしい点がございまするならば、どこまでも究明していただきまして、そしてその真相をはっきり国民の前に示していただくことに対しまして、私は何らこれを阻むような考え方は持っておりません。十分お調べを願いたいと思います。
○山本(猛)委員 それならば伺いますが、本日おいでになっております御本人を前に置いて大へん手きびしくお感じになるかもしれませんが、一つ具体的にお伺いいたします。本日ここに参考人として出席をせられました山下さんは、しばしば本件の売り込み運動員と酒食をともにしているということが当委員会に明らかにされております。あるいはその金品関係にも関連したいかがわしい行動をしておるというようなことも本委員会において疑惑の的となっておりますが、この山下さんに対するお取調べはどういうふうになさいましたか。
○船田国務大臣 山下技官は私は直接は調べておりません。事務当局をして調べた結果によって私は判断をいたしておるのでございますが、弁当程度のものを一緒に業者と食べたという事実はあるように聞いておりますけれども、それ以上のことはいたしておりません。しかもそれはきわめて簡易な食堂においてめしどきに弁当を食べた、こういう事実でございまして、それによって特に要請を受けたとか、あるいは請託を受けたとかいうような事実を認めることはできません。従って私は山下技官に対しては何ら処分すべきものでないと考えておるのでございます。
○山本(猛)委員 私の質問もだいぶ長くなりましたので、他の委員からもあなたに対する関連質問が出ているようでございますから、最後に二つの案件を参考まで伺っておきます。一つは、現在の防衛庁の諸般の方面に担当せられている方々は各省からの出仕、しかも二年を限度とした出仕ということに相なっているそうでございますが、さようなことになっておりますかどうか。それを伺っておきます。
○船田国務大臣 これはただいま山本委員の御質問のうちにもありましたように、今までのところは遺憾ながらそういう実情であったように存じます。この点につきましては、今後防衛庁としては人事の問題については十分に自主的にりっぱな公務員を養成するようにして参りたいと思いまして、数年来これに努力をいたしておるわけでございます。
○山本(猛)委員 もう一つ。今のお話がよくわかりませんが、それでは現在二年間を限度として、原則として各省から出仕をされておられるということに対して、それを改変するという御意思でございますか。
○船田国務大臣 防衛庁が自主的にりっぱな公務員を養成していくようにしていきたいという考えは持っております。しかし何といっても防衛庁は新しい役所でございますので、その構成につきましては各省から援助を受けております。従ってたとえば先般転任されました装備局長のごときも、運輸省から約二年ということで防衛庁の方に勤務されたのでございますが、二年余たちましたので、先般国鉄の経理局長に久保君が転任されて、そのあとに小山君が装備局長に新任されたという事実はございます。
○山本(猛)委員 久保君がその疑惑の対象になっているのです。当委員会でこういう問題が起ってくると、すぐもとの役所でありますところの鉄道関係とかに帰ってしまったというようなことをやっていることは、その久保君だけにとどまらないというようなことが国民の疑惑になっております。ですからあなたが是正をされていこうという御意思の中に、機構の改革に対するお考えがあるかどうかということを伺っていたのが一つ、もう一つは、二年たてばやがては帰って参るということになりますと、そのもとの部署であった自分の直属の長官なりあるいは直属の関係者、こういうような人から、たとえばこういうものがあるから防衛庁に売り込んでくれといわれました場合には、それにはむげに断れないという実情も人情として起って参るでありましょう。たとえば物資購入に関連してでございましたならば、そういうようなところに疑惑を生ずる原因ができはしなしかということも考えますので、私は現在の各省からの二年出仕制というものに対して、積極的にあなたがこれを是正していく御意思があるかないか、それを伺っていたのです。
○船田国務大臣 ただいまの御質問の趣旨も含めまして刷新をして参りたい、そして防衛庁独自の自主的な人事をやるように進めていきたい、かように考えます。しかしただいま申し上げました装備局長の更迭はこの事件とは何ら関係はございません。
○山本(猛)委員 それじゃもう一つだけ。ただいま新しい有能な公務員を養成になると長官はおっしゃいましたけれども、私も本件が当委員会の問題になりましてから、防衛庁の機構あるいは防衛庁の内部のことを多少勉強いたしております。それによりますと、なるほど有能な者を試験制度によって御採用になっている。だがしかし、一例を申し上げますと、名前は申し上げませんが、防衛庁で採用試験の結果、ある有力なる産業会社から御採用になった人は、かつて勤めておった給料の三分の一ももらえない、その結果食べていくことができない。しかも制服の人たちがのさばっていて、そういう人たちの待遇に関する是正をはばんでいるが、これを切り開いていこうとはなさらない、こういう実情があるようであります。そういう点に対しまして長官はどういうふうにお考えになりますか。
○船田国務大臣 会社に勤めておった者が非常に安い月給で防衛庁に勤める、従ってそういう者が悪いことをしやしないかという御懸念のように承わったのでございますが、さようなものは私はないと信じます。なおもしそういう疑わしいものがあるようでございましたら十分御注意を受けまして、私どもはそれを是正しあるいは戒飭するのに決してやぶさかではございません。人事の刷新はどこまでもやって、そして疑惑を一掃して参りたいと考えております。
○山本(猛)委員 実例を申し上げます。ある会社から、防衛庁の仕事に非常に興味を持った、相当程度有能な青年が、昨年の入所試験に合格をして、入所されました。ところが決定の報酬を見ますると、手取り一万一千をようやっとこえる程度で、前に勤めておったところでは約三万円に近い手取りがあった。そのために、せっかく入って、防衛庁の仕事は興味を持って、勉強にもなるのではあるけれども、それでは食べていけない、家族を養っていくことはできない。それで他に就職運動をしているというようなのが、一人や二人じゃございません。そういう実例がございます。これを長官はどのように是正をしようとなさいますか。
○船田国務大臣 公務員になります者はまた公務員としての一つの誇りを持って公務員になっておるものと思います。ただ給与だけで公務員に——公務員の待遇が悪いから、そのプレスティージュを害するというようなことはないと私は考えます。今山本委員のおっしゃいましたような事実があるかないか、私は十分調べまして、今後公務員としての、防衛庁の職員としてのしっかりした矜恃を持って職務を遂行するように、戒飭して参りたいと存じます。
○山本(猛)委員 今長官のお話を伺っていると、長官も防衛庁へおいでになってから、だいぶ武士は食わねどというようなお考えに変ってこられたかのようにも考えますけれども、武士は食わねどでは生活できません。従って先刻長官がお答になりましたように、有能な公務員を養成するという御趣旨には、これは沿わない結果になります。これ以上私は具体的な例をあげては申し上げませんけれども、今長官のお述べになりましたような御趣旨で、そしてこういうことの起る禍根もそこにあるのではないかということに心をいたされて、御善処が願いたいのでございます。
○上林委員長 議事の進行上ちょっとお諮りいたしますが、辻政信君、坂本泰良君、小松幹君、小笠原八十美君の四君から、長官に対する関連質問の申し出がございますが、順次許してよろしゅうございますか。——関連の質問ですから、一つ時間は十分考えて御質問願いたいと思います。順序は今読み上げた通りにいたします。
○辻委員 先ほどの山本委員の質問に対して船田長官から、本件に関して、防衛庁の部内にほ一切の不正と不当はないという御答弁を承わったのであります。 それではお伺いしますが、三十一年度の予算において、これと同じような高速救命艇を、たしか海幕で一隻、空幕で二隻整備なさる計画があったと存じておりますが、その点はいかがですか。
○船田国務大臣 その通りでございます。
○辻委員 それではそのときの、その救命艇に必要なエンジンは、やはりパッカード・エンジンの千二百五十万円というのを予算積算の基礎にされておりますか。
○船田国務大臣 予算を計上する基礎といたしましては、一応千二百五十万円というものを基礎にいたしております。
○辻委員 引き続いて間組にある六基をこの予算でお買いになるお気持ですか。
○船田国務大臣 この問題につきましては、現にかような疑惑を起し、国民にも非常な心配をかけておる問題でございますから、それらの点も十分考慮いたしまして、できるならば米軍の供与を受けることに最善の努力をいたして参りまして、なるべく国民の疑惑を一掃するような方法をとって善処して参りたいと考えております。
○辻委員 不正不当がないと信じておられるなら、何を遠慮されるか、堂々と買ったらいいじゃありませんか。
○船田国務大臣 まことにごもっともではございますけれども、しかしかような疑惑を受けておるということは、いわゆる古い言葉の、李下の冠とか、瓜田のくつとかいうこともございますから、それらの国民感情というものもよく考えて善処して参りたいと思います。
○辻委員 それでは結論として、不正ではないが、少くも不当であるということは言えるじゃありませんか。不当にあらず不正にあらずというなら、世の中がこぞって反対しても、堂々とやるべきでしょう。疑惑を与えた、その疑惑を繰り返してはいかぬということをお考えになるなら、長官の心中には、不正ではなかったが、少くも不当という気持があるから、そういうことが起るのであって、積算にはっきり千二百五十万円ということを組んでおきながら、ちゅうちょされるということは、それ自体が、はっきり不正ではないにしても私は不当と思いますが、いかがでございますか。
○船田国務大臣 これを買い入れる方法、手段、評価等につきましては、私は不正も不当もなかったと信じます。しかしこういう大きな問題になっておるというこの事実も私は無視するわけにはいかぬと思います。この事実を見た場合におきまして、そういう事実をここにあえて繰り返すということは、私は適当ではない、従いましてただいま申し上げます通りに、できれば米軍から供与を受けるというような手段によりまして、再びそういう疑惑を受けるようなことのないように善処していくことが適当ではないかと考えておる次第でございます。
○辻委員 疑惑を受けたということは過去の事実であります。その過去の事実をわれわれは究明しておるのであります。でありますから、手続においては不正はないが、疑惑を与えたという点に不当ありと見ておるのです。それを不当にあらず不正にあらずとおっしゃるならば、世の中がこぞって反対しても、堂々と信念で買えばいい。買うということが、疑惑をさらに増すということに不当があるんです。でありますから、長官が部下をかばおうとする気持はわかりますが、国民に与えた疑惑の政治的責任、これがより大きいのであります。はっきりと不当であることを国民に謝して、再びこのようなことを繰り返さないために、間組の六基は価格の上から適当であっても、断じて買わないという意思表示をこの場においてやることが、あなたのいわゆる政治的責任を明確にされることだと私は思いますが、いかがでございます。
○船田国務大臣 ただいま御忠告の点は十分考えまして善処して参りたいと思います。 なお、先ほど私が答弁申し上げましたときに、昭和三十一年度の高速救命艇のエンジンの積算の基礎として、千二百五十万円ということをあげたのは、そういう趣旨ではございません。これは間違っておりましたから、訂正しておきます。
○坂本委員 本日は長沢海上幕僚長以下の参考人から十分その意見を聞きたい、そういうつもりでおりますが、ちょうど長官の答弁がありましたから、私は一点だけ長官にお聞きしておきたい。
○上林委員長 先ほど申し上げました通り、きょうは長官出席中は並行して質疑を願うことになっておりますから……。
○坂本委員 長官は、四年もかかって、値段その他形状の変化がある、なお不正不当はない、それも部内の方で十分調査をした、こう御答弁があったわけですが、現在通産省に価格の評定をしたとか、あるいはイタリアに一基しかないとか、そういう千二百五十万円で買い入れたところの値段に対する、外部的の一応の説明がつくようにちゃんとできておる。しかしながらここに問題は七万二千円で払い下げを受け、十万五百円で松庫商店が払い下げを受けた、これが千二百五十万円にもなっておる。そうしてこの点を調べると、松庫商店に本件のエンジンについての実際上の金が払われたのは千六十万円にすぎない。しかるに七千三百万余りの金が出ておる。こういうことで、表面はそう言われても、このエンジンについては七万二千円が千二百五十万円にもなった。これが大きな疑惑であり、その間に不正不当はないかというので、われわれは国民の代表としてここに審理を進めておるのである。そうしてその半分の金がブローカーその他には出て、実際は一千六十万円しかこの代金の実際の金は支払われていない。ここに防衛庁にも収賄あるいは業者の方にも贈賄がありはしないか、非常なここに疑惑が起きておるわけです。これはわれわれがこの決算委員会において、国民の代表としてこれを調査するだけでなく、防衛庁自身がもっと慎重にされて、そうして不正不当がなければどうして不正不当がないか、今長官の御答弁を聞きますと、事務当局その他に聞いた、山下技官には部下から聞かした、私はこれでは防衛庁自身としても済まないと思う。従いまして本日の参考人は防衛庁関係の方々であるけれども、やはり事実は事実として、そうして人間はあやまちがあるから、あやまちがあったところはあったところとして、堂々と真実を述べなければいけない。今までの参考人その他の答弁を聞いても、長官も弁護士で経験があるでしょう、私も弁護士で経験がありますが、これはどの点がうそをついており、どの点がごまかしている、どの点を誇張し、どの点を縮小しているということくらいはわかる。それでわれわれはここに審査を進めておりますが、長官はもっと政治的責任の上において、防衛庁みずからが決算委員会よりももっと先にこの真相を究明して発表さるべきものである。しかるに今の御答弁を聞くと、単なる表面上の調査をして不正不当はない、しかし不正不当はないけれども、今辻委員が言われるように、今度の三十一年度の予算にそれは考慮しなければならない、私はそれではいけないと思うのです。従って長官は、単に防衛庁で書類とか、その他下僚が説明する表面だけのことをもって不正不当がないと言われるか、あるいはもっと突っ込んだ審査をして、そうして防衛庁には断じて不正不当がないと言われるか、その点を承わりたい。
○船田国務大臣 私の調査し、部下をして調べさせましたところにおきましては、ただ形式的に調べたのではございませんが、不正不当はございません。しかし現に当委員会において皆さん方が、ほとんど連日にわたって御調査をなさっていらっしゃるのでございますから、もしその間に多少なりとも疑惑がおありになりましたならば、あらゆる手段を講じてこれを究明していただくことが、私は一番適当であると存じます。従いましてこの前の決算委員会のときには、私は政策的なあるいは事務的なことつにきましては、内局の者が責任をもって当っておるのでありますから、制服は原則として出したくないということを申し上げましたが、今回のこの調査につきましては、事実を究明するという趣旨におきまして、制服の者も進んで決算委員会に出て答弁に当り、説明をするようにということを申しておるような次第でございまして、もしこれ以上不正不当があるというお考えでございますならば、その具体的な点を御指摘を下さいまして、十分究明していただくことをお願いいたします
○坂本委員 私はあとで参考人にも聞かなければなりませんが、もう一点だけ聞きたいのは、四年前に七万二千円で米軍から払い下げられた。四年前といっても三年ちょっとですが、それを千二百五十万円で防衛庁が買い上げた。これはやはり不当な価格ではないかと思うが、長官は断じてそう考えられませんか。
○船田国務大臣 これが不当な価格であるかどうかということは、現に高速救命艇につけておりますエンジンがそれだけの値打ちがあるかどうかという問題だと思います。私どもは千二百五十万円で買い上げて、現に四十ノットの所望の速度を越えて四十一ノット以上も出して、高性能を発揮している高速救命艇でございますから、私はそれは決して不当な価格で買ったのではない、かように信じます。しかしこれにつきましては、皆様方のお考えがあるいは違うかもしれませんから、十分現物をごらん下さいまして、あるいは専門家に評価さしていただいて、そうして果してその値打ちがあるかどうかということを十分御究明下さって、その上でもし私らが申しておりますことが間違っているということでありますならば、私は十分責任を感じて処置をいたすつもりでおります。
○坂本委員 私はその現在の価格よりも、米軍から払い下げ、そうして通産省から払い下げたこの七万二千円のエンジンを、三年ぐらいで千二百五十万円、こういう価格によって買い上げている。しかも昭和二十七年の千六十万円払い下げの当時から、すでに保安庁に対する——当時の海上保安隊に対する運動が進められている。そこに大いに疑惑がある。それでもあなたは現在の価格が、価値があればそれで買っても差しつかえない、もとは七万二千円のものが百何十倍に上ってもそれは不当でない、長官はそういうふうにおっしゃるのですか。
○船田国務大臣 いきさつはいろいろございましょう。しかしそのいきさつの間において、防衛庁の職員の間に不当不正なものがあったという御判断でありますならば、具体的な事実をおあげ下さって、そうしてそれを究明されることについては、私は決して妨げるものではございません。先ほども申し上げましたように、現在高速救命艇に取りつけておりますエンジンが、それだけの値打ちがないというのならば、私今坂本委員のおっしゃった通りに十分責任を感じますけれども、しかし現在高速救命艇につけましたものは十分値打ちがあり、しかも防衛庁の設計書に従って、また所望の高速度をより以上に出しているのでございますから、役に立つものを持っているのでありますから、従って私はその買い上げが不当な価格で買い上げたとは考えない、こういうことを申しているのであります。
○坂本委員 私が聞きたいのは、この防衛庁が買われる金はやはり国民の税金でございましょう。買うに当って、三年前に七万二千円で払い下げられた、そういうことがわからずに——知っていたとわれわれは思うのですが、知っておればなおさらです。不正があるということは、これからさきの調査によるでしょうが、少くとも今現われている事実だけでも、七万二千円が千二百五十万円になっている。それを調査もせずに、ただ現在の価格で、あそこはイタリアの何だ、あれはどうだという形式上のことだけをちょっと聞いて買い上げた。それをあなたはまだ不当でないとおっしゃるのですか。
○船田国務大臣 どうも私は今坂本委員がおっしゃることがわかりません。前に払い下げたときに安かったから、それを高く買い上げたのはけしからぬという、ただそれだけのことでは私は納得しかねます。昭和二十五、六年に安かったものが、その後において非常に値上りしたというものもほかにないではないのでありますから、従ってその買い上げの価格が不当であるかどうかということは、現実にそのものに値打ちがないというのなら、それは不当ということが言えるでしょうけれども、しかし値打ちのあるものを値打ちのあるような価格で買い上げたということについては、私は不当はない、かように考えます。
○上林委員長 次は小松幹君。
○小松委員 私は日本の将来の青年なりあるいは若い者が、命をかけて自衛のために戦おう、あるいは大臣から言えば戦わせるという一つの目的を持っておる自衛隊なり自衛軍ならば、私は、その持物に対してはもう少し高価なものを感じ、もう少しピューリタンでなくちゃならぬ、かように考えております。戦力なき自衛隊なるがゆえにこうしたブローカーの多く介在した中古エンジンでも買って持たせさえすればよい、早く走れさえすれば、そのいきさつなり精神的なものはどうでもいいんだ、こういうようにお考えになっているのかどうか、そのことをまず最初に承わりたい。
○船田国務大臣 当時買い上げるときには、ただいままで調達実施本部長その他から御説明申し上げたようなことによって買い上げておるのでありまして、その買い上げについては私は不正も不当もなかったということを信じております。しかしその後のお調べによりまして、七万二千円で払い下げたものが、数年の間に幾多のブローカーの手を経て、しかもそのブローカーの間においていろんな争いがあったというこの事実が今日明らかになったんであります。もしそういう事実が明らかになっておりますれば、おそらくその当時の責任者もこれを買い上げるということはしなかったであろうと思いますけれども、しかしその事実がそこまで究明されておりませんでしたその当時におきまして、他の適当な品を入れるためにはより以上の金がかかり、また米軍側に供与方をお願いしたけれども、それもできなかった。そこで四十ノット以上の速力を出す高速救命艇としては、パッカード・マリン・エンジンが一番いいということであり、そうしてしかもそれまでには部品がそろわなかったというようなこともございますが、富士重工において十分その補修もつく、こういうことで、しかも相当な、一基について数百万円をかけておるという事実も判明しておりましたから、そこで千二百五十万円という価格が決定いたしたわけでありまして、それは決して不当ではない、私はそう信じております。
○小松委員 私は大臣にこのことの言いわけを承わりたいと言っているのじゃないのです。少くとも憲法を改正して、自衛の国軍を作ろうとなさる内閣の、少くとも国防大臣、あるいはそういう性質を持った大臣として、自衛の軍備の精神的な支柱というものをお尋ねいたしておる。それが事情のとかくは別にして、アメリカの七万幾らで払い下げた中古エンジンをあちらこちらのブローカーが介在したことは事実関係者はみな知っておる、あなたは知らなくても関係者は知っておる、そういうものを買い上げて、これを日本の青壮年に渡して、そうして国を守れ、少くとも命をかけて国を守れ、こう言われるのかどうか。いわゆる精神的のものはどこに求めておるかということを私は聞いているのです。そういう何か商売人の考え方で買い入れたもので、命を的にして国を守れと言い得るのかどうかということをあなたに聞いておる。
○船田国務大臣 ただいま御質問のように、もちろん今後の問題といたしましては、かような疑惑のあるものについてはそれを買い入れたりあるいはそれを使用したりということはいたしませんで、そうして今御質問のありましたように、精神的な支柱を十分固めていきたい、物質の面においても十分精神的の支柱を固めていくようにいたしたい、かように考えます。
○小松委員 先ほど辻委員からそういう立場でこのいわゆる三十年度、三十一年度に作られる高速救命艇にこのパッカード・マリン・エンジンを使用するかしないかという一つの事後処理のことを迫られたと思う。そのことについてはあなたはまだはっきりした態度を表明していない。先ほど私が命をかけてのこうした国軍の再建の精神的な支柱を聞いたときには、こういうものに対しては精神が大事だと言っておきながら、この事後処理についてはっきりしたあなたの態度が釈明されていない。一体今後少くともこのパッカード・マリン・エンジンの残りの十四基の問題についてどうするか、はっきりここで釈明していただきたい。
○船田国務大臣 これは先ほど辻委員にも御答弁申し上げておりますように、第一には米軍の供与を受けるというような手段を講じまして、疑惑のかからないような公明な手段によって入手することを考えていきたいと考えております。
○小松委員 そういう抽象論を言っているのではない。二十二基のうちにすでに今墨田川造船に二基いっております。残りも三鷹の工場に十四基残っております。この残った十四基のうちで本年度予定されているものについてあなたはどういう態度で臨むかということを聞いておる。同時に付帯的に、その契約が成り立たなければ、今あるあの問題についても問題がくると、逆に工場の方から逆ネジを食って、今後の修理等については保障しないという問題が起ってきたときに、あなたはこの事後処理についてどうするつもりか、明確に答えていただきたい。
○船田国務大臣 修理につきましては富士重工が責任を持っておりますから、今御懸念のような点はないと存じます。三十一年度の予算に計上されておるものをどうして入手するかということにつきましては、先ほど来申し上げておりますように、疑惑を受けておるものについてはなるべくそういうことのないようにいたしまして、すなわち米軍の供与を受けるということに最善の努力をしてみるつもりでおります。
○小松委員 最善の努力をしてみるのはよそのエンジンなんだ。この三鷹に十四基残されておるパッカード・マリン中古エンジンをどうするのかということをはっきり言っていただきたい。
○船田国務大臣 先ほど来申し上げておりますように米軍から供与が受けられますれば、もちろんそれを第一に入手することにいたしたいと思います。受けなかった場合にどうするかということにつきましては、先ほど来申し上げておるように疑惑のかかっておるものは、その疑惑を一掃する方法をとって参りたいと考えております。
○小松委員 疑惑のかかっておるというのは今の言葉の場合はそこにおられるところの幕僚関係に不正、不当の疑惑がかかっておるかということだと私は考えます。それより私が言いたいことは、そういう疑惑より別に、ブローカーが介在して七万というものが一千万もはね上ったということを多くのブローカーがもうはっきりここで公述しておるのです。これはもう疑惑がかかっておるのははっきりした事実なんだ。こういうようなものを国軍の柱となるところの——もう少し精神的なものを打ち込んでいかなければ私は命をかけて守れないと思う。そういうところにやはり持っていくのかどうかということを聞いておる。その幕僚関係の疑惑はどうでもいい。この中古エンジンの問題なんだ。——どうでもいいということは、私の聞いておることと別個の問題として考えて、別個の問題として考えた場合に、その中古エンジンのいきさつから考えて、いよいよアメリカがいいエンジンを放出せなければやはりこのエンジンに飛びついていくのかどうか、それを聞いている。
○船田国務大臣 米軍の供与を受けるということに最善の努力をして参ります。その他はただいま辻委員、小松委員から御忠告のありました点を考慮いたしまして善処して参ります。
○小松委員 大臣はシーメンス事件というのを御存じかどうか。いわゆるドイツから買った軍艦のリベート問題がどのような問題として政治的に具現されたかということを御存じだろう。当時は山本内閣だったと思うが、その内閣なり海軍大臣がとった処置についてあなたはどう考えておるか、知っていることを聞きたいのです。
○船田国務大臣 あの時山本海軍大臣のおとりになった態度は実にりっぱであったと私は考えております。
○小松委員 リベートの問題は、日本は別として外国では当りまえの通念になっておると聞いておりますが、少くとも当時シーメンス事件で問題になったのは、日本の精鋭を乗せて、命をかけて守る軍隊の中に、そうしたリベートの介在するようなことで軍艦を作ったのでは国は守れないという一つの崇高な気持で、あの大騒動が起って、内閣は責任をとっておる。大臣も責任をとっておる、私は事は大小にかかわらず、こうした中古エンジンを、しかもアメリカが要らぬものとして七万円でくず鉄として払い下げたものを高価に買い入れる、これが自衛の国軍のシンボルであるという日本の自衛隊を考えた場合に、日本の青少年をこれに乗せられない。そうした場合にあなたは防衛庁の長官としての政治責任をどう考えておるか。中古エンジンの問題はたかが一億か二億の問題だから大したことはないとお考えになっておるのか、この点をはっきりしていただきたい。
○船田国務大臣 私はこの問題を決して軽視はいたしておりません。従いましてしばしばこの委員会においても申し上げておりますように、その間の事情を決算委員として十分御究明をいただきまして、黒白をはっきりさせていただくことを私はお願いいたします。
○小松委員 黒白をはっきりさせると言われるが、もう逐次はっきりしてきている。またこの委員会でもはっきりするでしょう。今まではっきりしたところでは、少くともブローカーが介在して、放出のくず鉄中古エンジンを防衛庁がいろいろな形で買い上げているということは事実なんです。この事実の前に立って、あなたは防衛庁の最高責任者としての政治責任をどうお考えになっておるか、どう処置されるかということを聞いておる。
○船田国務大臣 私が今まで当委員会あるいは内閣委員会、予算委員会等において答弁申し上げておりますことがもし事実に違って、防衛庁の中に汚職、涜職等の問題が不幸にしてあったといたしまするならば、私は十分責任をとります。
○小松委員 私の聞いているのは、防衛庁の中に汚職、涜職があればあなたに政治責任をとれということを聞いているのではない。防衛庁の中に汚職、疑獄があれば、それは当然です。言う方がやぼだ。私はそこの面をついておるのではなくして、こうしたブローカーが介在した中古エンジンを国軍のシンボルである高速救命艇に使ったというそのことなんです。そのことがあなたたちが好きな自衛隊のシンボルとして、精神的なものをささえることに妥当であるかないかということを聞いておる。こういうことが随所に行われて、そうして命を的に死んでいけというような国軍を作るのか、こう聞いておる。その点です。
○船田国務大臣 この問題が自衛隊の若い諸君に精神的に影響を与えたということは私も非常に心配いたしております。従いましてただいま小松委員の仰せられた御忠告は十分考えまして、今後善処して参りたいと存じます。
○小松委員 その善処というのは、まだあなたは言いわけの段階をやっておると思うのです。ほかのいわゆる公述の質問に対しては言いわけもいいと思うが、私は現在までの事実に立ってあなたの良心的な政治責任を問うておるわけです。これは戦力なき軍隊であるから、この程度は大したことはない、このくらいのことは朝飯前だ、もっと大きな事件がやってきたら、それはそのときには防衛庁長官として政治的な責任をとらなければならないが、このくらいのことは大したことはない、だから汚職、疑獄が直接に防衛庁のあなたの足元に火がついてこなければ別に意に介するところはない、かように思っておるのかどうか、その点なんです。
○船田国務大臣 たとい汚職、疑獄というような問題がなくとも、こういう問題が起っておるということについては非常に私は遺憾に存じます。しかしこれは事実を十分究明していただいて、不正不当があるかないかということをはっきりさせていただくことが、一番その疑惑を一掃する上において必要なことであり、せっかく決算委員会といたしましてもそれに手をつけておられるのでありますから、今後十分その点について御究明を下さいまして、事実の真相をはっきりさせて、それを国民の前に明らかにしていただくことが適当であり、私はそれをお願いいたしておる次第でございます。
○小松委員 それでは方向を変えて、あなたは再軍備賛成論者であろうと思う、またそれの積極的な推進論者であろうと思う。そうした場合に一体あなたはどういう点で日本をほんとうに守りこなせると思っておられるのか、今まであげられておる日本の武器は、少くともアメリカの第二線、第三線のお古になった武器ばかりを与えられておるのです。お古の武器を与えられて、それで日本の自衛が一体どこから割り出して計算的に、技術的にできるとおっしゃるのか、それにかてて加えて、その購入に関してきわめてずさんであり、きわめて批判される面があるとするならば、そのシンボルである精神的なものもだめだ、持っておる武器も二流、三流の廃品になる中古だ、技術的な水準においてももう過去のものだとなった場合には、日本の国を一体どんな形で守るとおっしゃるのか、その意味をもう少しはっきり申していただきたい。
○船田国務大臣 小松委員の御質問の真意をつかむのに、あるいは間違っておる点があるかもしれませんが、なるほど現在の自衛隊を整備するにつきまして、重火器あるいは艦船、飛行機その他の装備品につきましては大部分を米軍の供与に待っておるということは事実でございます。しかしその供与される艦船、兵器その他の装備品等が今小松委員のおっしゃるような役に立たないものであるとは私は信じません。また米軍の供与なしには、現在の日本の財政経済力におきましては、われわれの希望するような自衛隊の整備はできませんから、従って米軍側からの供与に期待するものの多いことは今後においても同様であると思います。しかしさればといってわが自衛隊が全く戦力なき自衛隊であるかと申しますと、決してそうではございません。いわゆる憲法第九条に禁止する戦力ではございませんけれども、しかしわが国土の防衛につきましては十分防衛し得る態勢を今整備しつつあるわけでありまして、今後におきましても十分それはできるものと私は信じております。
○小松委員 技術的の問題はまた別に申し上げます。私が今言っておるのは、こうした中古をブローカーの介在によって買ってきて、そうして救命艇に乗せるという防衛庁長官の心境は、私はピューリタンではないと思うのです。少くとももう少し正直に考えるならば、こういうものに手をつけて、しかも唯々諾々としてこしらえておる、そしてこれをもって国を守ろうという考え方をするならば、それは雇い兵以外の何ものでもないと思う。それをもって日本の自衛をやっていこうというお考えならば、これもわかるのです。しかし私は今後の日本の行き方を考えたときに、先般のC46ですか、あの飛行機も乗り手がないというような状態、今度作っておるT33ジェット機の練習機も、川崎航空機工場に注文がついて岐阜県で作っておるのですけれども、全部が日本の青年の体格に合わないげたばきのものであるということを聞いたときに、こういうものに日本の青年を乗せて、そして一体国が守れるか。中古エンジンを集めて、そしてその中古エンジンをかけて、これをもって国軍のシンボルだと考えておる長官の頭脳を疑う。こういうことで日本の再建なりあるいは自衛なんということは私はできないと思う。私はシーメンス事件の先例をとるのではないが、あなたたちがほんとうに国民の前に公約して精神的な自衛というものを早く打ち出そうとするならば、政治責任をとるべきです。防衛庁の汚職がどうだこうだという前に、今後の再建のためにあなたたちはいさぎよく国民の前にこうした問題の政治責任をとる必要がある、かように考えて、最後にあなたに、この問題の発展のいかんにかかわらずこういうことを国民の前に、国会の中で醜状をさらしたということについてあなたは政治責任をとるかとらないか、それだけを承わりたい。
○船田国務大臣 この事実がただ新聞やラジオに大きく伝えられたというだけで、私はみずからの政治責任をとるということは考えておりません。先ほど来申し上げておりますように、パッカード・マリン・エンジンを一基一千二百五十万円で買ったということが不正であり、不当であり、しかもその間に防衛庁の中に汚職等の問題がもし不幸にしてあるということでありますならば、私は十分責任をとります。従ってそういう点につきましては皆さん方が十分事実の真相を究明していただくことを先般来お願いしておるわけでありまして、私は決してこの問題を軽く考えておるというようなことはございません。またただいま小松委員の仰せられた御忠告の部分は、私は十分了承いたしまして、今後善処していきたいと思います。
○上林委員長 次に小笠原八十美君、御発言を願います。
○小笠原(八)委員 長官に簡単に伺います。今まで各委員からの御質問に対する長官の答弁を伺っておると、結局において七百幾らのものがここに千二百幾らという値段で取引が行われたということに国民は疑惑を抱くのだ。それに対して長官の方では、これはよく調べて、現在の新しい値段にすると莫大に高いものであるからこの程度で買っておる、また現在使用するだけの値打があるのだからこれで差しつかえないのではないかというふうに聞えるのであります。それはわかりますが、ただここに国民が疑惑を抱いた点の取調べができておるかどうかということを私は伺いたい。それはなぜならば、防衛庁というところはすべてのものを購入するのに、金さえあるならば安く買えるのに高く買わなければならぬという防衛庁でもあるまい。安く買わぬ限りは折衝した経路というものがあるだろう。そしてやむを得ず高く買ったのだという経路がどこかになければならぬ。その点をその当時折衝した各関係者がお取調べになったかどうかということを御調査になったかどうか、その点を伺いたいのであります。
○船田国務大臣 それは先般来事務当局からも詳細御説明申し上げておることによって御了承がいただけると存じますが、その買い上げにつきましては十分原価計算もいたし、またどういう経路で入手したかということにつきましても調査をいたしまして、しかも関東財務局の専門家の意見も聴取いたしまして、それらを参考として最終的に千二百五十万円という価格で契約が結ばれたものでありまして、そこでは決して不当はない、私はそう信じております。現にそのものが取りつけられました高速救命艇というものが十分高性能を発揮しておるのでありまして、これも現物について十分お調べをいただくことを私は希望いたします。
○小笠原(八)委員 私は不正とか不当とかいうことを尋ねておるのではありません。事務当局の答弁によってよくわかったことと思うというお話があり、先刻来長官も十分お調べになったという御答弁がありましたから私はお尋ねするのでありますが、先刻皆さんから言われた通り、現在の新品の価格と対照してみてそれで不正じゃない、決定した、また鑑定もさせた、こういうことを御答弁になるけれども、値段がここにある。どんな人に鑑定させようが、同じ政府の中の通産省でもって十万で投げ出したものを、二年たとうが三年たとうが、それを今度同じ政府が買うときには千幾万で買った。その内容調査に対してはしばしば折衝したのでわかっておるということをおっしゃられるけれども、疑いを持つところはどこかといえば、実際に間組が持っておって運動費に莫大なものを投じておったのだから、折衝の次第によってはもっと値下げができたのじゃないかという疑いを持っておる。間組の所有では絶対に値下げをされないという事情がどういうところにあったかというところまで突き詰めて御調査になったかどうかというところに疑いがあると思う。今取引しておるものでも、たった一秒間に三百万、五百万の値上げをしても喜んで買い手がつくものを売る方がちゅうちょしておる品物がある。そんなものは何も不思議がない。このエンジンの百倍か何倍かのものか知らないけれども、今現にある。三年たとうが四年たとうが、それの問題でなくして、折衝次第によっては半分とかもっと安く間組に値下げさせることができたのじゃないか。また役所としても会社としてもそういう折衝をするくらいな人間がおらなければならぬ。それがどういうことになっておるかということに疑問があるのじゃないかと思います。不正不当もなかったということはわれわれもわかる。現在値段がこうだから、値打のあるものだからここに買ってもいいじゃないか、人がどうもうけようといいじゃないか、こっちは必要あってこっちの予算で買ったといえばそれまでだけれども、そこを突きとめなければとても疑惑は解けないだろうと私は思うのでありますが、その点の経過内容をよくお調べになって御承知かどうか、その点を伺いたい。
○船田国務大臣 まことにごもっともでございまして、この買い上げの交渉については前後三ヵ月余を費しておるようでございます。最初は一基四百万円というところから交渉を始めておることは事実のようでございます。しかしこの評価につきましては、先ほど来申し上げましたように、原価計算もいたし、また同じ役所と申しますけれど、関東財務局は、そういうものについての専門家もおりますので、幾多の商品を手がけた専門家の評価も聞きまして、そして最終的に千二百五十万円となったのでございますが、間組が入手したことにつきまして、その入手の価格が幾らであったか、これは大体私の聞いたところでは、九百万円くらいかかったというようなことも聞いております。しかしその最終値段がどういうふうになっておったかということは存じません。それから間組の前に、どれだけのどういうブローカーの手を経てきたかということは、買い上げ当時はおそらくわからなかったであろうと存じます。なお三ヵ月の折衝をいたしましたその時日の経過につきましては、私よりも当時の事務当局の方が明瞭に知っておるわけでございますから、もし御必要がございますれば、その点をもう一ぺん御説明させることにいたしたいと存じます。
○小笠原(八)委員 この問題の疑惑が一番多いだろうと思いますが、先刻山本君に対する武内さんの御答弁にもあるように、一体ものを購入するときには、予算措置の関係があるんで、よく価格の問題——ただいまも長官が言われた通り、鑑定もさせ、予算を作る上にこうだ、こういうことを出されるということは、これはごもっともなことだが、同時に間組に入ったのは七百万円で入っておりますから、絶対に売らなかったんだ、それだから千二百万円もやむを得なかったというところの結びがつくところの経路と、その前に同じ政府という言葉は当らないかもしれないけれども、関財が調査する上にも、その経路を知らないはずはないんだから、七万か十万で民間に払い下げたものは、たとい途中にどういう人が入ろうとも、とにかく千二百万円ということにはね上ることになれば、これは国民にも議会にも問題になるくらいのことは準備してかからなければならぬのだから、そこの経路なんかはちゃんとわかって、その点は新しいエンジンが幾らだということを調査して、間組から買うという段取りに行きつく前に、どうしても間組からはこういう価格で買わなければ手に入らないという説明までの間を詳しくやっていさえすれば、現在長官の言われる通り、今のエンジンが十分な能力があり、価格にしてもその他のものを購入するより安い、それだから買ったんだというその御答弁の結論に達する。それがために不正もなければ不当もなかったんだ、こういうふうにちゃんとわかるようなことになるんであります。だからものによっては、そんな飛び上ってちょっとの間に三百万、五百万値上りすることも決してびっくりもしない、ことに三年もかかって必要に応じてやったこともいいと思いますがただもっと安く折衝ができるものをしなかったというところに疑惑があるんじゃないか、こう思うところを伺っておるのでありますから、そこをもう少し詳細に、長官の方ではそこまでお調べにならなかったら、事務当局でもいいですから、前にもあるいは御答弁なすったかもしれませんが、そういう詳しいところまでしてなかったら、そこをもう少し明確に御答弁願えれば、それで疑惑も解けるものなりと私は考えるので、再度ここにお尋ねするわけでありますが、事務当局でもよろしいです。
○船田国務大臣 ただいまの点はまことにごもっともでございますので、当時これを扱いました事務当局から、もう一ぺん詳細に御説明いたさせたいと思います。どうぞ社会党の諸君もお聞きを願いたいのでございます。
○石井説明員 当方といたしましては、本品の政府放出価格はきわめて安かったことを理由といたしまして、当初一台当り四百万円で交渉を切り出したのでございます。四百万円とこれを見積りました理由は、部品の補充等に八十六万円かかる、それから分解、組み立て、調整等のために、費用が二百六十五万円かかると申しまする間組並びに富士重工の言い値を認めまして、このほかに本件それ自体の転得価格、これを十万円と踏みまして、これは別段根拠はございませんけれども、いわゆる腰だめ価格といたしまして、交渉を切り出したのでありますが、先方はあくまでも時価による買い取りを主眼して譲りませんでした。当方としては、土建業者でございまする間組が、本業以外の本品の取引で莫大な利潤を得たというような世論も考慮して、何とか安くするようにということを再三再四交渉いたしたのでありますが、先方では、本品の取得のために一億四千七百万円を負担しておる、さらに部品の補充のために千二百万円余を負担している、なお分解、組立て、調整のためには一台当り二百六十五万円を必要とするということを主張いたしまして、同時に対抗品でございまするイソタの価格等も承知いたしておりましたので、千七百四十二万五千円を要求して参りました。数次の折衝を重ねたのでございますが、最終段階におきましては、千三百五十万円という金額を固執いたしました。そこで私ども事務当局といたしましては、内部で相談をいたしまして、このような値段であったのでは購入を中止したらどうかというようなことも評定いたしたのでありまするが、もし高速救命艇を作り上げますために代替品イソタを輸入いたすとなりますると、これはさいぜん来説明ございましたように、輸入税を入れますと二千二百万円かかるという事情がわかりまして、さらに経費の増加を来たす理由がございまするので、やむなく当方の認める適正な時価、すなわち財務局の評価等も参考にいたしまして、われわれの決定した千二百九十万円を値切りまして、千二百五十万円で買ったのでございます。 なお小笠原先生のお話では、放出価格とのアンバランスがいろいろ問題になるようでございますが、御審議の御参考までに申し上げますと、二十六年三月、四月に同時に放出されましたホールスコットというのがございます。これは馬力は六百三十馬力、目方はほぼ一トン三、四百で同じでございますが、ホールスコットもパッカードも同じように放出されておりますが、馬力が半分であるにもかかわらず、ともに同一値段の二百ドルということで放出されておりまして、この価格を基礎といたしまして、完成されまして回るという機械の価格のベースにいたしますることは、いろいろな問題があるのじゃないかと思われますので、御参考に申し上げておきます。
○小笠原(八)委員 折衝の経過はわかりましたが、そこで今の折衝した方に伺うのだが、時期について、間組と折衝したのと関財の方の鑑定ということを今ごっちゃにして言われたが、鑑定の方が早かったのか、折衝の方が早かったのですか。またその鑑定をしてもらうのに、大蔵省関係の鑑定はいかにも世間に証明するのにはまことにりっぱなものでありましょうが、大蔵省あたりで鑑定してもらうのには、間組と折衝をするとするならば、そういう買い入れ値段とか、あなた方の折衝の経路もよく通じて鑑定してもらうことになるのですか、ただ新しいエンジンあたりを参考にしてこの価格を鑑定してもらうことになるのですか、そういうことは一体どうなんですか。
○石井説明員 財務局に依頼いたしましたのは、本品の取得経路並びに現在の状況、すなわち付属品の有無その他われわれの方が期待いたしておりまする完成後の性能、このような主として技術的な状態を文書をもって知らせ、関財局におきましては、これをさらに原物について調査して評価をされたものと伺っております。 なお財務局に評価を依頼いたしましたのは三十年の二月二十四日ごろでございまして、回答は三十年三月末にいただいております。われわれの方が交渉いたしましたときにはまだ財務局には鑑定を依頼いたしておりませんでした。
○上林委員長 この際暫時休憩いたします。 午後二時より再開して、参考人各位より実情を聴取いたします。 午後一時一分休憩 ————◇————— 午後二時十八分開議
○上林委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際お諮りいたすことがあります。すなわち先ほどの理事会で協議願ったのでありますが、本件につきましてさらに調査を進めるため、また沢証人との開通もありますので、来たる十六日に菊岡英雄君を証人として喚問し、証言を求めるよういたしたいと存じますが、これに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上林委員長 御異議なしと認めます。よって規則第五十三条により議長を経由して出頭を求めることといたします。 —————————————
○上林委員長 それでは参考人各位に対する質疑に入るのでありますが、午前の審議中船田長官に対する関連質問の通告が細田綱吉君と佐竹新市君からございましたが、時間の関係上午後に回していただきましたので、順次これを許します。細田綱吉君。
○細田委員 他の委員諸君からの質疑も大体終ったようでございますので、簡単に長官に質問します。 昭和三十一年度の予算には、合計三隻の高速救命艇が予算に載っておる。これは当然の義務として防衛庁はこしらえられるのだが、先ほど来の御説明を聞いていると、このエンジンというものはこれしかない、イタリアのイソタはもっと高くつくというのですから、これ以外にないとしますると、富士重工が保管しておりまする十四基というものが当然問題になってくるのですが、大体そう見て差しつかえありませんか。
○船田国務大臣 これは午前中の当委員会におきまして、辻委員の御質問にお答え申し上げましたように、とにかく国民に非常な疑惑を投げかけておる問題でございますので、そういう問題になっておりますものを、たといそこに不正、不当がないといたしましても、こういう疑惑のかかった事実は、これは相当重く見ていかなければならぬと思います。従ってそういう疑惑を一掃する、そういう疑惑のかからない、また先ほど小松委員も仰せられたように、自衛隊を育成して参りますためには、そういう精神的支柱もきわめて必要でございます。従って三十一年度の予算の執行につきましては、できるだけ米軍の供与を受けるということに最善の努力をして参りたいと存じております。
○細田委員 それは午前中あなたの口から伺ったのです。米軍の供与を受けるよう最善の努力を払う、しかし供与を受けられない場合はどうするか、供与を受けられなくてこの予算の執行の過程において当然問題になってくるのは、富士重工が保管しておる十四基でこれはほかにないのであります。従って供与を受けられない場合は冨士重工の保管している十四基を基礎にして、高速救命艇の建造にかかられるのかどうか、そこの点をはっきり伺いたい。
○船田国務大臣 もしどう努力いたしましても供与を受けられない場合におきましては、それまでには大体当委員会の御意向もわかりましょうから、そういう当委員会における空気もよく考えまして、そうしてその上で疑惑のかからないような方法によって善処して参りたいと思います。
○細田委員 当委員会は御承知のように強制権を持っておるわけじゃないから、検事のように身柄を収容してはっきり自白調書をとるわけにいかぬ。従って大体その受ける印象というものを各委員が把握される程度及びその報道に基く国民の印象が結局最終のものになるであろうということの想像はつくのです。従ってただいま長官の言うように、当委員会の結論をといっても、これはわかりません。まだ告発の手続をとるようになるのかあるいはどうなるということはこれは私自身もわかりませんけれども、大体委員会の審査した他の事例に比べて、そういうものが委員会の性格です。言いかえれば各参考人諸君並びに当局の答弁を求めて受ける印象、これによる各委員の判断ということになると思うのです。そうしました場合、結局受けられなかった場合、今申し上げましたように当委員会の結論は、検察官のように身柄を拘束して自白調書をとったり、あるいは起訴という結論になってきたり、そういう意味の具体的な問題にはならぬと思う。そういう場合にこのマリン・エンジンが結局自衛隊の方で購入せられるということに大体われわれ見ていいのか。
○船田国務大臣 私は先ほど来申し上げておりますように、そういう疑惑を一掃するようにして参りたいと思います。私自身といたしましては、そういう多少なりとも疑われるようなことはいたしたくないと考えておりますが、しかし最終的に三十一年度の執行に当りましてどうするかということは、今ここに直ちに言明する用意を持っておりませんので、当委員会の結論をよく伺いまして、そうしてどこまでも疑惑のないように善処して参りたい、かように考えます。
○細田委員 長官の御意思はよくわかりましたが、かりに供与は受けられない。当委員会の結論は先ほど申し上げたような結論であるというふうな場合に、三十一年度の予算の執行に当って三隻の建造をした場合、この価格は一千二百五十万円を至当と考えられるかどうか、これを伺いたい。
○船田国務大臣 買い入れ価格については一基千二百五十万円ということを出しましたことは、何ら不当ではないと私は考えております。しかし今後の問題といたしましてどうするかということは、先ほど来申し上げておる通りでございます。
○細田委員 あなたは不当でないと言われるのだが、これは全国民ことごとく不当だと思っている。実は昨日の日曜も私のところに来たある未亡人、主人は内地で戦災によって死亡した人ですが、四人の子供をかかえて、子供をかかえて死のうと思ったのが五回あるそうです。どういうときであったか、詳しく聞きませんでしたが五回ある。その人がいろいろ新聞やラジオの報道を聞いて印象を受けていたのでしょう、この中古エンジンの話がたまたまその未亡人の口から出た。今何か五万円の生活資金の貸付があるそうですが、せめてああいう金があるならば、もう少しわれわれ未亡人の方に回してくれたらというようなことまで言っている。全国民の印象は、これは不当であるということは間違いない。違法であったかどうかということは別ですが、一千二百五十万円が不当でないと言われるのは長官一人なんです。全国民は少くとも不当であるということは印象づけられておる。そこで一千二百五十万円が不当でないというなら、米軍からの供与が受けられなかったとするならば、これは一千二百五十万円で買われると思うのだが、大体この前の松庫金物店ですが、くず鉄店ですか知らないが、この松庫がした証言においては、香港地方には百万円出すと幾らでもある。これは幾らでも入ります。現に私の某友人が香港で支店を持っておって、そこに問い合わせてよく知っておると言っておる。これは御承知のように松庫という人は安い金で買われて一千二百五十万円という高額ですぐ売られておるのだから、かなりくやしくて方々調べたのでしょう。そういうところを見ても、これは不当でないというのは、これは船田長官一人です。今私が昨日の未亡人の述懐を申し上げたように、ほんとに国民の汗と血の税金です。これが香港地方から——それは中古品ですから合格するものも、不合格のものもありましょう。それからまた部分品をとりかえなければならぬものもありましょうが、少くとも百万円、あるいは二百万円で買えるということは、これは松庫証人が宣誓の上供述しているのだからはっきりしている。ただ内地にないということだけです。入り用だったらいつでも入る、幾らでも入ると言っておるのです。しかも御承知のように間組が三友に出した一億四千七百万円のあの領収書は、これは証人の供述によってわかるように、中身は七千何万円しかいっていない。ただそれをデータとして防衛庁に示すために架空の領収書を作って、こういうふうに元がかかっておりますと説明しておる。こういう事実を御存じであり、そしてなおかつあなたは、この価格が不当でないとお考えになるのですか、もう一度伺いたい。
○船田国務大臣 この買い入れにつきましては、調達実施本部長からもたびたび御説明申し上げましたように、十分慎重な手続をとり、原価計算あるいは価格の鑑定というようなものも受けてやったものでございまして、そしてしかも現実に高速救命艇としての性能を十分発揮しており、現実の価格が相当な価格を持っておるものでありまして、これを千二百五十万円で買い入れたということについては、何ら私は不正不当な価格ではないと信じております。 なおただいま御質問の中にありましたような、一市民のお話があったということでございますが、そういう方に対しては同情を惜しむものではございません。しかしこのエンジンの買い入れについて防衛庁が不当に値打のないものを値段を高くつり上げて買い込んだ、あるいは不正不当の手段が行われたというような事実は全く認めることはできません。
○細田委員 船田防衛長官が、かように一億円以上の予算を執行されるに至っては実に危険きわまる。あなたの方の防衛庁の事務当局の説明でもその間にいろいろ費用がかかっているということであります。費用のかかっている一つの部分は、今一億四千七百万円という経費がかかっている。そして現実にあなたの方に提出されている。それが少くともあなたの方の計算の基礎になっている。そしてここへ呼び出したら七千何百万円しかいっていないということがはっきりしている。そして松庫商店からいえば香港では百万円で幾らでも無数に入る。そういう点に目をおおうて、なおかつ国民の税金で一基あたり千二百五十万円で買われてなおあなたは不当でないとお考えになるか。その点さらに伺っておきたい。
○船田国務大臣 今後の問題といたしまして、もし松庫何がしが言った通りに、香港で百万円で手に入る。しかもそれが四十一ノット、現在出しております快速力の救命艇として使えるのだということでありますれば、松庫商店に頼んで買うということも考えられると思います。しかし現実に問題になりました高速救命艇につけるパッカード・マリン・エンジンを買うその経緯におきましては、不正、不当ということはなかった、かように信じておる次第でございます。
○細田委員 これは私の同僚先輩諸君がいろいろ調べ上げておるが、大蔵省の査定自身にもいろいろブローカーが出ていって、データを出して、そこに暗躍がある。またあなたの方も先ほど他の委員諸君が質問しておりましたように、いろいろ業者との間で会食もしておられる。その間贈賄、収賄があったかどうかそれは別問題としまして、今申し上げたように少くとも香港でこれは買えるわけです。そしてそんな古いものではない。それは戦争用のものです。太平洋戦争終期にこしらえられたものはいずれも新しいか、あるいは終期あるいは朝鮮事変の前後に作ったものであるならば、これはいずれもあなたの方で買われたように二百時間内外しか使っていないであろうことは想像がつく。そうむちゃくちゃなスクラップにしかできないような古いものでないことは想像がつく。少くとも先ほど来言われておるように、七万二千円のものが一千二百五十万円にはね上るのだから、国民の血税を使われるあなたとしてはよほど慎重でなければならぬ。少くともそういう方面にいろいろあるであろうことはあなたの方の技術家は大体知っている。このパッカード・マリン・エンジンというものがどの方面で使われておったか、アメリカ方面で使われておるのでないことははっきりしている。極東方面が、主であったことははっきりしている。朝鮮事変当時の使用に持ってきたならなおさら、極東専門だ。これが香港地方にないということはない。そんなことはしろうとでも想像がつく。少くとも香港方面にもそういう価格で幾らでもあるということを承知で一千二百五十万円というものが不当な価格でないといわれるのか。あるいは一億七千五百万円の間組が支出経費として出したデータが真正なものだとお考えの上不当でないと言われるのか、さらに伺いたい。
○船田国務大臣 この購入の経緯につきましてはしばしば事務当局から御説明申し上げた通りでございまして、その間に私としては何ら不当として認むべきものはないということを申し上げた次第でございます。ただ今後どうするかということにつきましては、今お話のように、百万円で買えるものをわざわざ買わずに千二百五十万円出すという、そういうような不当な支出をするということはいたしません。従って三十一年度の予算の執行につきましては何とかしてこれは米軍の供与を受けるということに最善の努力をして参りたいと思います。
○上林委員長 佐竹新市君。
○佐竹(新)委員 先般本委員会に証人として参りました桑原氏は、本委員会でこう言っておるのです。パッカード・マリン・エンジンを東京通産局から払い下げを受けて、これを使うところは一体どこかということをいろいろ調べてみた。結局当時の保安庁よりほかに使うところがないということが、わかった。そこで松庫の方では、当時の保安庁の船舶課の方に行きまして数回にわたって交渉したが、三つの難点があった。その一つは航続力が二時間くらいである。それからいま一つは非常にガソリンを食う、経済上合わない。それから一つはアメリカが製造を中断しておるから部品がないということのために、どうしても保安庁だけ、ほかは向かないから売り込もうと思って一生懸命やったけれども、当時の保安庁が買ってくれなかった。こんな高い値段で買ってくれるならしまったことをしたと言っておったのです。その保安庁にあれだけ運動をして再三交渉したが、そういう条件で買わないということがはっきりして、昭和二十七年に松庫が払い下げを受けながらすぐ売り込み運動をやったができなかった、本委員会でこう言っておるのです。そのものがあらゆるブローカーが介在して運動した結果によってこれが売り込めるようになったといういきさつ、ここに非常に問題があると思うのです。どういうわけでそういうふうに、初め買わないということであったものが買うような結果になったかということ、この間のいろいろな事情をあなたはお調べになりましたか。
○船田国務大臣 ただいま御質問がありました払い下げの時期は、昭和二十六年の四、五月ごろと私聞いております。その当時は海上保安庁でございまして、防衛庁はもちろんございません。海上自衛隊もその当時はないのであります。その当時は、おそらくこういう高速力を出すエンジンというものの使い道はまだなかったのではないか。従って一基二百ドル、すなわち七万二千円で米軍がQM物資で放出したものを、通産局が払い下げたときに公入札にした結果は、一基十万五百円という値段で払い下げた。これは要するにスクラップの値段だと思うのです。ところが防衛庁として買い上げるようになったのは、昭和二十九年度の予算でございまして、そのときにおきまして、他の同種類のものをも比較検討いたしましたが、一番安いのがこの問題になりましたパッカード・マリン・エンジンであるということになり、しかもそれを米軍側に供与を依頼したけれども、とうとう得られなかった。こういうようなことでありましたので、その間組が持っており、そしてしかもその補修等につきましては責任を持って富士重工がこれをやる、こういうことでありましたし、また部品等につきましては、数百万円の金をかけて部品を入れて、そして完全なものとして動くようにする。またそれがなったから、それで千二百五十万円で買い上げた、こういうことでございまして、その払い下げとそれから買い上げとの間においては、そこに何ら因果関係はないのであります。従って十万五百円で払い下げたものが、千二百五十万円になった。それだけの事実を取り上げてお比較になりますれば、非常な不当な値段で買い上げたことになりますが、しかしその間には、三年余の年月がたっておりますのと、それからただいま申し上げたように、その間に何ら因果関係を持ってそれが継続しておったものでない、こういうことであります。そしてしかも買い上げにつきましては、先ほど来事務当局から御説明申し上げておりますような、相当慎重な手段を講じてやったものでございますから、従って千二百五十万円という価格で買い上げたということには、不当はない、こう私は申し上げておるのです。私はそういう信念を持っておる次第でございます。
○佐竹(新)委員 長官は二十九年というあなたの方が買い上げることに決定してからのことを言われるのですが、二十六年松庫が東京通産局から払い下げを受けて、それから松庫にその品物があるということがわかって、二十七年ごろからずっと防衛庁へ運動しておるのです。これが継続されたのではない。二十九年に突然こういうものができたというのですが、二十七年からずっとやっておる。山下さんも二十七年ごろにはもう使うんだ。それからこの委員会に出た沢、それから杉山、これら等で銀座三丁目の山下料亭でも会っておられるし、また渋谷の岩本という料亭でも会合しておるということが明らかになっておる。そういう二十七年ごろからずっと計画的にこれを運動している。間組が背後におって、それらのブローカーを使って運動しておる。この間二十九年で突然こういうものがあるから、これを時価に見ても千二百五十万円するものだということで、あなたの方で買い入れをされたんじゃないのです。これは松崎さんのところへも行っておるのです。ところがその当時松崎さんは非常に反対された。これはとてもいけないということで強硬な反対があった。そのあなたの部内で反対があったが、最後にこれを買い入れるような結果になったということは、どういうことからなったかというあなたは経緯を知られぬのですか。あなたはそれをずっと運動しておられるのを知らないのですか。
○船田国務大臣 その経過は聞いております。しかし今御質問にありましたように、その間に継続的に運動をして、そして高速救命艇にこのエンジンを使うようになったということについての、その事実の認識が違うのでございます。私どもの調べたところによりますると、昭和二十九年度の予算に初めて高速救命艇二隻というものが計上されまして、国会の御承認を経て、これを実行するようになったのでございますが、それにつきまして、どういうエンジンを使うか、その研究をいたしまして、そして米軍側にパッカード・マリン・エンジンの供与をお願いしたのは、二十八年から二十九年一月にかけてのことでございますが、その二十九年一月半ばに米軍からは供与できないという返答を得ましたので、その後において具体的に間組及び間組の委託を受けました富士重工を相手にして買い入れの交渉をいたしたのでございまして、その間に二十六年、二十七年の当時、その間において継続的に運動されたとおっしゃられますけれども、私どもはそうは考えておりません。もしそれにつきましてその事実が間違っているということでございますならば、その点につきましては、当委員会において証人あるいは参考人等をお呼び出しになりまして、十分お調べを願いまして、私どもの今まで認識しております事実と違っているということでございましたならば、十分私はそれに対しての責任は負うつもりでおります。
○佐竹(新)委員 あなたはそう言われますが、最後に間組やその当時いろいろ介在したブローカー連中が金の山分けをしている。これは二十七年ごろからすっとこの連中がやってきた。二十九年度に米軍の供与を求めたがそれもできないということで、どこかよその方から買い入れられたのなら別です。まだその当時にはよそにもあったわけです。後に間組が買った青木商店ですか、これらから間組が買っているわけなんです。四基二百万円で買っております。一基が五十万円。ほかに付属品もついておりますが、これにもあった。防衛庁の方でそういうものが要るんなら、これこれのものが必要なりという公示をして、公開入札にしてやられていろんならともかく、そうじゃない。ブローカーの運動があって、ずっと暗躍したものが最後に成功をおさめている。これは継続しているんです。これを間組でなくして、どこかよその方から、その運動に携わらぬものを買われたというなら、その間に疑惑を持たぬ。しかしながら二十七年ごろから始終山下さんあたりと飲んだり、銀座のキャバレーを歩いているのをみな知っている。そういうことをしておいて、何にも防衛庁の中には疑惑を持たれるような不正なことはございませんと言われるのは、あなたはその当時の長官ではなかった、あなたの方の下僚からそういうことを言われた報告だけをして、ここで責任をのがれようとされるからそういう結果になる。これは明らかにその当時からやっている。もう防衛庁の中でも相当反対があった。私の聞いているところでは、増原さんも松崎さんも、これはいかぬ、どの点についてもこれは困るということを言われたということを聞いている。そのものがどうして納まるようになったかというと、これは一種の政治工作が行われた。というのは、死なれた人にむち打つようなことはいけませんけれども、中助松代議士が、前の防衛庁長官の砂田重政氏の南方時代にいわゆる部下であった。そういうような関係から増原さん、あるいは砂田さん、あるいは中助松、これは南方で司政長官時代に一緒におられた、そういうところの聞き込みを得て、そしてその沢というのと杉山というのと塚元が中助松さんの部屋におって、私設秘書と言っておった——これもいずれ証人に出しますが菊岡という人間、前身は新聞記者で、これが前の政友会の院外団だが、そういうことでいろんな渡りを知っておる。そうしてそういうことから中助松氏がいろいろ運動をやるでしょう。それにやはり防衛庁関係に非常に親しい安倍源基さんも一時は運動された、三田村武夫さんも頼みに行ったんです。結局成功しておるのは砂田重政氏の手を通じて食い込んでいくことに成功しているのです。これは明らかなことなんです。これはあなたの方でなにをされなければ幾らでも——言うたことがみな違うといえばそれまでのことなんです。映画にとったり写真にとったりしておらぬのですから。しかし事実はそういうことから食い込んでいったのです。菊岡のごときは、緒方竹虎さんにまで頼んだ。ところが緒方さんはその当時そんなことはいかぬだろうと言った。緒方さんは吉田さんに話されたが、そうしたら吉田さんが、今の日本が水雷艇を作るなんと言ったら大へんなことになるだろう、社会党でも聞いたら大きな問題になるだろう、そんなことはできぬと言って大いに反対された。防衛庁の内部でも反対をされた。それなのに何で入るようになったかということをあなたは調べてみなければならぬ。そういうブローカーとかここに出ておる証人に会っておられる。会わない人もおられるでしょうが、ほとんどの人は会っておられる。会っていろいろな話をしておる。そうして事が成功するように、成功するようにと思ってやっておられる。ことに山下さんはその中の推進力としての力を持ってやられたんだ。こういうリストというものはこちらにちゃんとでき上っているのです。それをあなたは二十九年度に事新しいようにして、そうしてそれ以前のことは何にも関係がないと言っておるが、成功したから納めておるんだ。それをどうやって説明されますか。
○船田国務大臣 ただいま佐竹委員のおっしゃられたようなことにつきましては、当委員会においても十分お調べを願いたいと思います。私はそれをまっこうから否認しようとか反対しようとかいうことを言っておるのではございません。十分お調べを願いたいと思うのです。ただ昭和二十九年度の予算に高速救命艇二隻が計上されて、そしてその予算の執行に当りまして問題のマリン・エンジンを買い込んだということにつきましては、先ほど来御説明申し上げておるように、その前の問題とは何ら因果関係を持っておるわけではないのです。前にはなるほどあるいは売り込みがあったかもしれません。しかし私はそれを十分関知しておりません。しかし私の聞いておるところでは、その当時は売り込みが成功しなかったということは、結局これをディーゼルエンジンとして売り込もうとしておった。ところがこれはガソリン・エンジンだ、ガソリン・エンジンでは魚雷艇等には不向きである。それと、非常に快速を出すもので、その当時の海上保安庁といたしましてはそれほど快速のものは必要ない。こういうことであったから売り込みは成功しなかったんだ。また海上保安庁としても買う必要がなかったんだと私は聞いております。ところが昭和二十九年度の予算におきましては快速救命艇というものを計上されまして、そうしてそれについてはどうしても時速四十マイル以上、速力が出るものでなければならぬというので、それをいかにして入手するかということにつきましては、先ほど来御説明申し上げたようなことでございまして、何らそれを入手するについては不正、不当な手段を講じておるものではない。しかし私がこう申し上げても、お疑いでありましょうから、それにつきまして当委員会において証人なりあるいは参考人なり十分お調べをいただき、あるいは刑事上の手続をとるなり何なりせられまして、十分真相を究明していただくことをむしろ私は念願しております。
○佐竹(新)委員 本委員会は検察庁ではありませんから、いずれこういう問題は犯罪の容疑が濃厚になれば——検察庁も今調べておるそうでありますから、それはそういうふうになるでしょう。しかしわれわれが言うのは、あなたがそう言われましても証人が宣誓をしてここで証言をする、その証言がもし違っておった場合にはこれは偽証罪に問われる。ここまでの宣誓をして証言しておることなんです。これによりますると、証人も明らかに言っておる、中助松氏に頼みに行った、そうして中助松氏が砂田重政氏あるいは増原次長、これらの方々に運動してこういったものが納まっておる。それはあなたが何と言われましても、これは人が違って納まっておったら問題はない、そういう悪らつないわゆる潜行運動をしてそうして売り込んだ。そのためにはここにもありますように、青木商店から二十九年に買い入れているのですが、この二十九年の夏に米軍が払い下げた放出価格は一基当りが三万四千七百五十円、これを今言う五十万円の価格をもって、三万何ぼのものを五十万円で買って、そうして三十一年度の予算にあとの残りを納めるというようなことをずっとやられておる。そうしてみれば、この間は日野証人は国家のために間組がやったんだというような大言壮語を吐いておりました。三万五千円ぐらいのものを五十万円で買って千二百五十万円で納めようという、これも間組じゃございませんか。そうしてみれば、この二十七年から二十八年に継続して運動を計画的にやったんですけれども、あなたは当時の長官でないから、ただ事後の報告をそういう器用な報告にして受けておられるからそう信じておられる、あなたの人柄からしていっても、何か言ってもあなたはそう信じておられるのですよ。しかしながら私はこれを買い入れたことに対して、いろいろ折衝された人に贈収賄があるかないか、それはまだ明らかになっておりませんから知りません。これは検察庁でやることである。しかし当委員会としては、一応防衛庁としても道義的な責任は負わなくてはならないということははっきりあなたも考えられなければいかぬと思う。それをあなたは二十九年をたてにとって二十九年だ、二十九年だ、そうして米軍から供与方を求めたがこれはできなかったということで、ここに全部の焦点を置いて、その以前の継続のあることは一つもあなたは考えておられぬ、その以前からの売り込みが成功した、そういうようなことになって、初めは技術上の問題でも反対があったのが変った動機というものは、どこで変ってきたかということはまだこの委員会において明らかにされていない、松崎さんがおいでになるが、松崎さんは反対をされたそうです。それがまた沢の証言によっても明らかです。菊岡というまだここへ証人に呼んでありませんが、これから聞いてみても明らかである。杉山から聞いてみても明らかである。猛烈に反対された、これが売り込まれるようになったそのいきさつは何か、反対があったが買うようになったのは何かということなんです。そのいきさつが明らかにされておらなければ承服はできない、納得はできない。あなたは二十九年から話をされたのではいけない。継続して運動されたので、買わないという猛烈な反対があったのを買うようになったのはどういう動機かということ、こういうことがこの委員会で一つも明らかにされていない。少くともあなたはその当時の責任者ではなかったけれども、間が悪いことに長官という立場においでるから、あなたもやはり責任者とならなければいけない、その経過を一つはっきりさしてもらいたい。そうでなければ納得がいかない。どうですか。
○船田国務大臣 私の知る限り、調査いたしました範囲におきましては、一応前にそういう売り込みといいますか、採用してもらいたいという話があったけれども、それが断わられたというのは、魚雷艇の機関としては不向きであるということで断わった。しかし高速救命艇としてのエンジンは二十九年度の予算に計上し、そうしてしかもこれは最初からパッカード・マリンエンジンを使おうということで調査を進め、そしてその購入方を計画しておったわけでございます。従って昭和二十六、七年の払い下げ当時と、二十九年度の予算執行について買い上げをしたものとの間においてはそこに何ら継続的な関係はない、かように私は考えておる次第でございます。 価格の問題につきましては先般来御説明申し上げ、また事務当局がたびたび説明申し上げておりますように、不当な価格で買い上げたんではない、現に役に立つものを適当な値段で買い上げておる、こういうふうに私は信じております。しかしなおただいま御指摘になりましたような経過は私存じませんから、それは関係の当局から十分御説明をお聞き願いたいと思います。
○佐竹(新)委員 繰り返して申し上げまするように、間組が初めから運動しておって最初に間組が納めた。問題は簡単なんです。あなたの方でどう答弁されようと、間組が最初から計画的に運動しておった。これがほかの人へ変って納まったというなら話は別なんです。しかしながらやはりそのものがやっておる、そうして今あなたの御答弁によりますると、売り込みのあったことも知っておった、そういう売り込みをしたということがあれば、今度あなたが購入になるのは何も間組のものを買わなくてもいいんだ。どういうわけで間組から買われたか、どういういきさつで買われたか、あなたがおわかりにならなければ、あなた以外の関係者から明らかにされてもらいたい問題である。売り込みの運動をした、こういうものから買うということになれば、役所としては将来危険性がある、いろいろな問題があるからこれから買うまいか、そこでどうしても必要であるならば、一応公示されて、これこれのものが必要なんだ、価格は大体どのくらいという競争入札をさせてやるのならいい。運動を続けてきた間組に持っていく、終始一貫間組になっておるじゃないか。そこに疑惑が持たれるというのです。役所のものは何でも公開して入札制度にしてやる、一番安いものに落していくのが当然なんです。それが後に出てきておるのは、青木商店に同じものが出ておる。公示して公開入札でやっておれば問題にならない。終始一貫一人のものに政治工作をさせて、裏面運動をやらして成功させておる。この点はどうなんです。あなたの方は公示されて入札されたか。その点が大きな手落ちではないか。
○船田国務大臣 裏面的にどういう運動が行われておったかということは、私は存じません。もしそういうことについて御疑念があるのでしたならば、十分参考人なり、証人なりをお呼び出しになってお調べを願いたいと思います。私は決してそれを阻止してはおりません。また防衛庁の公務員でありましても、それが制服であろうとセビロであろうと、だれでも出しまして十分御納得のいくように御説明をさせたいと思います。ただ高速救命艇の予算が計上されましたのは、たびたび申します通り昭和二十九年度の予算でありまして、どういう種類のものを使うかということについて、最初米軍側にぜひ供与をお願いすると言ってお願いをいたしたのでありますが、それがどうしても得られないということの判明いたしましたのが昭和二十九年一月半ばでございます。ところがたまたま間組の持っておりますものが、それまでは使えなかったものが部品を入れて使い得る、そしてしかもその補修につきましても十分責任を持って富士重工会社が引き受ける、こういうことになり、なお富士重工としても、数百万円の金をかけてそして完成品として、動き得るものとしてこれを納めることができる、こういうことを申し、それについての確信を得ましたので、従ってたびたび調達実施本部長が説明いたしておりますような慎重な手続をとりまして、そうして一基千二百五十万円という価格を出して購入いたしたのでありますから、従いましてこの舟遊救命艇用のパッカード・マリン・エンジンを防衛庁が買い入れたということについては何ら不正不当はない。しかししばしば申し上げておるようでございますが、そこにその運動をしたということについて御疑念があり、また防衛庁の中に何らか不正不当を働いた者がありはしないかという御疑念がありますならば、その点は十分究明していただくことを私はむしろお願いをいたします。
○佐竹(新)委員 それは今私が申し上げたように検察庁がやることです。しかしながらこれは間組一つではない。私が今あなたに質問しておるのは、少くともそれだけの価格のものを買い入れられるのだったら、あに間組一つじゃない、後に青木からも出ております。それからまた松雄商店から言いますならば、香港の方面から一基百万円ぐらいで幾らでも手に入る。公開入札をされましたら、伊藤忠であろうがどこであろうが、やはり外地にはどういうものがあるか商人だから見ておる。そうして、安い価格で間組の持っておる機械と同じような性能のあるものであったらこの方がいい。何も公けにせられずに、初めから疑惑に包まれておるこれらのブローカーどもが、相当暗躍したその品物がやはり二十九年度の予算でもって買い上げられておる。それまでになぜ公開入札をして、それで安いものを入れていかなかったか。公示されて、そういうパッカード・エンジンと同じものをだれか国内に持っておるか、またそういうものを入手するようなものを持っておるか、これは商人ですから公示されればすぐ集まって、そうして入札というような結果になる。そういう道をとらずに、疑惑に包まれた者から買われたというところに防衛庁の手落ちがある。あなたは下僚の者がみな贈収賄を受けたなら、あるいは犯罪行為があったなら、そういうようなものは十分この委員会で調べてくれと言われるが、ここは検察庁ではない、国民の代表として国の予算に対して、つまらぬ予算の使い方をしておれば責めるところです。この委員会においては十分究明しなければならぬ。そういう公開入札の手続を何もしておられぬのということである。一体あなたの方では、みなそういう方式をもって買い入れられるのですか。ガソリンでも何でも、防衛庁の服でも何でも、みなそういうふうにある特定の商人から買い上げられるのですか。入札して、その入札の結果においてこれこれのものだったら適当な値段であろうというので、ほかのものは買うのですかどうするのですか。
○船田国務大臣 今の調達の実施の状況につきましては事務当局から詳しく御説明申し上げた方がいいと思いますから、お許しをいただきたいと思います。くどいようですけれども、先ほど来私の申し上げておりますことは、その当時高速救命艇用のエンジンとしてはパッカード・マリン・エンジンが一番よろしい、そしてこれにつきましては第一に米軍側に供与をお願いしたができなかった、そして今お話のような他にも適当なものがあったじゃないかということは、当委員会において最近になりましてそういう話が方々から出てきたのでございます。その当時においては、そういうことは全然考えられなかったのであります。従って間組の持っておる、そうして販売委託をいたしておりまする富士重工、しかも富士重工はこれについての補修の全責任を負う、こういうことになり、かつ部品も整えるという見きわめがつきましたから、富士重工と契約をしてこれを買い入れた、こういうことでございます。今後の問題といたしまして、もし他に安いものが入るという見きわめがつきますればもちろん間組から買う必要はないのでありまして、われわれといたしましては血税であるこの国費を使う場合におきましては一銭一厘たりともむだのないように使うということは、私どもも常に心がけて、今後においてはもちろんそういうことに進んでいきたいと思っております。
○上林委員長 事務当局の答弁を求めますか。
○佐竹(新)委員 あとからでけっこうです。それは二十九年にあなたの方で米軍に供与方を求められておる。米軍はこれを断わったというのですが、この決算委員会の調査の報告によると、二十九年の夏に米国の海上輸送部隊から放出した。その価格は一基当り三万四千七百五十万円、これは夏ですよ。なぜ防衛庁は断わられたか。これは青木商店が払い下げを受けておる。これを間組が買っておる。要するに防衛庁は早く言ったらアメリカから非常にかわいがってもらっているのだ。市場に持っていって放出するものがあったら防衛庁がどうしても買いたいといって頼んだら——これは夏に出しておるのです。米軍に断わられたといったら、防衛庁はかわいがってもらわぬじゃないか。防衛庁はアメリカからトラの子みたいに大事にされておる。そのものから断わられておる事実はどうなんですか。これをはっきりしていただきたい。
○船田国務大臣 その問題につきましては契約部長から御説明申し上げます。
○石井説明員 まず第一に、本物件を随意契約で間組から購入いたした理由でありますが、本品の購入は救命艇の建造計画と並行すべきものでございます。エンジンの納入につまずきがありますと主機のない船体ができ上ることになりまして、そのような状況下でしいてエンジンを買うことになりますと、足元をつけ込まれるといったようなことになるわけでございます。しこうして一般競争契約によりまして最低価主義で落札者をきめますと、無責任な業者の介入を防ぐことができませんので、彼らの納める入札保証金や契約保証金に信頼して船体の建造計画を進めるということになるわけでありまして、調達方法としては非常に危険であると考えます。ゆえに本物件は故品の所有者等の納入に期待して一般競争契約により購入することを適当としない物件と考えました。一方、指名競争入札を考えますると、本機は航空発動機の系統に属するエンジンでありますので、航空発動機メーカーの手によって整備され、性能を保障されたものでなければ当庁が信を置いて購入する対象にならなかったものであります。ゆえに指名業者の範囲は本邦における航空発動機のメーカーであります富士重工、川崎航空、新三菱の三社となるわけでございます。しかしながら当時川崎も新三菱も本機には何らの交渉を持っておりませんでした。従って事実上供給可能なものは間組、富士重工の提携関係に立つものしかなかったわけでございますので、随意契約といたしました次第でございます。なお当庁において調達いたそうといたしましたものはパッカード・マリン・エンジン4M二五〇〇の新品もしくは新品同様の構造、性能を有するものの購入をしたのでございまして、ここに「もしくは新品同様」と申しますのはパッカード会社のメインテナンス・マニュアルにおきまして製造公差の範囲におさまることが確実であるものを意味したのでございます。従いまして単にパッカード・マリン・エンジンの名をもって呼ばれた故品などと同一視することはできないものと考えております。
○佐竹(新)委員 あなた方事務当局はそれは器用な答弁をされるだけです。その証拠には青木商店に三万五千円で米軍から放出したものを今度買うことになっておるじゃないか。これは今度の三十一年度予算に入っておる。そんなことを言うたって、あなたの言われるのはしろうとごまかしですよ。そういうわけのものではない。それよりか、防衛庁も今日になったらこれは大ミスなんですからはっきり道義上の責任を負われて、われわれは国民に対して済まぬということをはっきりされたらその方がまだいい。そんな答弁をされたらウナギにひょうたんで、つるつるどっちにでも抜けよう抜けようという態度、この委員会で答弁をうまくやっておいて、抜けたらあとはそれでもういい、あとは野となれ山となれ、そういうわけにはいきません。国民の税金だから……。これから防衛庁のいわゆる経費というものは非常に高まっていくのです。国の予算の中の大きな部分を防衛費に使っておるのです。あなた方がそういうような購入の仕方をやられたら、安心してこれだけの予算を出すことはわれわれにはできはしない。でたらめに——何もしておらぬ。とにかくあちこち器用にあなた方が泳ぎ回って、そうして料亭の奥で酒を飲んだりキャバレーに行ったりしておる。そんなことをして千六百万円も分け前を取っておるじゃないですか。そういうようなばからしいことをしておきながら、やはり依然としてそのことを何か合理化しようとしておる。それであったら米軍がなぜ断わったのですか。供与方を求めたのに民間に払い下げしている。一方においては夏に放出して、一方においては防衛庁は断わられておる。普通の商店には放出しておる。どういう理由で米軍から断わられたか。品物がないと言ったのか。あって断わったのならば米軍がおかしいじゃないですか。三万五千円くらいのものだったら千二百五十万円で何台買えますか。そのくらいの価格で放出しておる。これにいろいろ修理費を加えたところが百万円くらいあったら一基買えるのだ。百万円も要りはしない。何でそういうように米軍から断わられたのか。その点はどうです。
○船田国務大臣 米軍から供与ができないという理由ははっきりしたところを突きとめておりませんが、大体は戦時物資で今放出ができない、こういうことであったと聞いております。また今青木商店云々の問題は、これはスクラップとして出されたものと存じます。
○佐竹(新)委員 念のために、断われた内容はわからないで断わられたのか。係は一体どういう理由で、どういうことにして断わられたのか。これは日本の防衛のために使うところの機械です。払い下げたのは東京通産局に持っていってQM物資として放出しているのです。青木商店も同じことです。あなた方が断わられて市場に出ておる。そんなばかなことがありますか。あなた方は一生懸命アメリカに忠勤を励んでおる。その防衛庁がアメリカに頼んで断わられていて、市場には安い値段で出ておって、それをブローカーを通じて千二百五十万円で買う。そんなべらぼうな話はない。だれが考えてもない。それでは防衛庁であなた方に月給を出しておるのはもったいない。行政整理でもう少ししっかりした者と入れかえなければ安心して防衛庁に購入させることはできはしない。どろぼうを飼っているようだ。そんなばかなことはない。つるつる言い抜けされたらいいように思っておる。もう一ぺん、何で米軍に断わられたか。米軍は東京通産局にも青木商店にも出しておる。この分は東京通産局が前だ。そんなことで米軍に断わられましたからやむなくこうしました、そんな答弁の仕方はない。
○小山政府委員 先ほど来大臣からお答えになりましたように、米軍からは二十九年一月十五日にこれは供与できないという回答が来たわけでございます。私どものすべての供与物資に関する交渉は、各幕僚部が軍事援助顧問団を通じましていろいろ交渉しまして、軍事援助顧問団はこれは本国のそれぞれの機関、空軍の兵器補給関係のところだと思いますが、そこに交渉いたしまして事実を確かめて返事がくるわけでございますが、本件の返事は、パッカードは現在製造をやめておる、それで貯蔵したものは相当あるが、これは現在持っている船の維持用と将来の戦時動員用のためであって、これは分けることはできぬ、それからかりにそれを新しく作ると非常に高いものになって値段はとうてい引き合わない、なおパッカード以外にはなかなか適当な内燃機関はないだろうというような趣旨の公文が軍事顧問団を通じまして、二十九年一月十五日に海幕の技術部長あてに参っております。なおただいまのお話のように、その後青木商店なるものに米軍から払い下げがあったという事実は、実は私ども最近これを承知したような次第でありますが、現在これは通産省の関係になりますが、現地の各部隊が、いわゆるスクラップといいますか、不要品として払い下げる種類のものは——従来は通産局に渡して、通産局が一定のやり方のもとに払い下げるようなことをやっておりますが、現在は、各部隊ばらばらのようでございまして、通産局に連絡してやるものもございますし、どこにも連絡せずにやるようなものもございます。当該青木商店に払い下げたものは、これは所管も違いまして、米陸軍の輸送部隊のもののようでございます。実はその事実は、今申しましたように、だいぶあとになってわれわれ初めて知ったような状況でございます。
○佐竹(新)委員 結局出たところは米軍から出ておるのですが、あなた方は軍事顧問団を通じて本国の方に、正式な機関でなにして断わられた、技術部長あてに断わりが来ておる、こう言われておりますが、しかし出ておるのは米軍からです。この米軍から出たやつは、それじゃ何かやみの品物を将校が勝手に流したのですか。通産局へ出したそういうものを防衛庁で買っておるというのは大へんなことなんです。正式な機関でアメリカの方に持っていって、軍事顧問団を通じてやられた、それが断わられたという。同じアメリカから出ておるのですが、このやみというのは、将校が何か悪いことをして横流しをしたものなんですか。そういうものを青木商店がもらって、それをまたあなたの方で買うというのは大ごとなんです。こんな品物だったら、なおさら買えやしないじゃないですか。そんなことはあなたの方で調べておるのですか、調べておらぬのですか。横流しか何かしたものをあなたの方で買ったということになるのですよ。いわゆる正式な関係を通じてやってあるにはあるが今後その製造を中断しなければならぬ。その製造を中断しておる、あってもそれは供与することができない、中断しているから、今後それを取りつけるために必要だから、あっても出せないということだった。そのものが鉄くずのようなものと一緒に通産局に払い下げられた、あるいは市中の商店に払い下げられていくと、それを防衛庁が買うということになっている。これは正規のものでなくて、何か将校が悪いことをしてやみ流しをした、そういう結果になる。そんなものを防衛庁が買うということは、これはまた大ごとで、問題は別になってくる。その点はどうですか。
○小山政府委員 二十六年に東京通産局を通じて米軍が払い下げたものは、QM物資と称しまして、当時政府と米軍の間でちゃんと話し合いができておりまして、その制度に乗っかって流したものであります。 それから、われわれが今米軍にいろいろこういうものをくれないかという交渉をしておりますのは、MDAPと申しまして、MSA法に基く援助ということで、それも手続がきまっておりまして、毎年装備編成がきまりますと、それに基くものを一定の計画で、これだけは供与を求める、これだけは国内調達するというふうに仕分けをしまして、その制度に基いてやっております。 ただ青木商店に払い下げてありましたものは、これはおそらく向うの部隊部隊の何といいますか、不要品の処理の払い下げ手続というようなものがあるのだろうと思いますが、各部隊ばらばらにやっておりまして、その実態は、たくさん部隊のあることでございますし、需要者であるわれわれの方には必ずしもつかみかねる面がある、こういう状態でございます。
○佐竹(新)委員 あなたの方では、ここでいろいろ合理的に器用な答弁をされまするが、これは何としても、防衛庁は初めからこれを買い入れる意思がなかった。それが政治交渉によってなされたということは、本委員会で宣誓をして証言を求めた者もはっきり言っておる。運動の結果そうなっておるということを言っておる。だから防衛庁だけが、そうじゃなかったそうじゃなかったというように言っておるが、新聞社もそう思っておれば、国民もみんな疑惑を持っておる。これは不当に売り込まれたものではないという考えを持っておるのはあなた方だけなんです。 これは、堂々めぐりのような答弁をいつまでもやられるのですから、また追ってわれわれの方でも調査して、参考人を呼んだりしてやりまするが、長官には最後の質問をいたします。あなたは、それでもっていわゆる道義上の責任も負わない、決して自分の方では悪いとは思わない、道義上の責任を負うことはできぬ、こういうように言われるのですかどうですか。その答えによっては、あと一回質問したいと思います。答弁願います。
○船田国務大臣 このパッカード・マリン・エンジンを高速救命艇用のエンジンとして買い上げたということにつきましては、先ほど来申し上げておるように、何らそこに不正不当はないと私は信じます。しかしなおブローカーが活動しておったとか、あるいはそれが防衛庁とどういう関係があるかというようなことについて御疑問がございまするならば、十分その点を究明していただきたいと思います。刑事事件にされても何でも十分に究明せられまして、そうしてその真相ははっきりさせていただきたいと思います。ただかような問題がここに起りましたということは、私はまことに遺憾に存じますので、今後の問題といたしましては、午前中に申し上げましたように、疑問のないように善処して参りたいと、かように考えます。
○坂本委員 ただいまの佐竹委員の質問に対する長官の答弁について、して一つ聞きたいのです。というのは、この問題は、七万二千円のエンジンが一千二百五十万にもはね上って防衛庁が買うておる。そこでこれを調査するのは、われわれは防衛庁にも重大なる不正不当の問題がある、あるいはこれに対する刑事上の問題があろうという見込みをつけて調査を進めておるわけです。しかしながらこの決算委員会でやるだけでなくて、七万二千円のものを一千二百五十万で買い上げたという事実だけについても、長官みずからが防衛庁内部について十分もっと調査しなければならぬ。その調査をしたといってここに答弁されておるが、それはほんの形式だけの問題であって、ただ概念的に不正不当はない——もちろん不正不当のないように、ちゃんと形式上の書類とかそういういろいろなものはできておる。できておるけれども、ここに国民もわれわれも一番疑問に思うのは、ここに刑事事件もあるいは不正不当の問題もあろうというのは、七万二千円のものが一千二百五十万ということになっておる、ここにあるのです。だから、さっきから二十九年度の予算々々とおっしゃいますけれども、防衛庁においてはこうですよ、二十八年四月から研究に着手して、そうして二十九年の予算で認められたわけです。この問題は、二十七年の七月に間組が買い受けて、防衛庁に対して運動を開始しておる。元海軍中将を介して、その部下のここに出られておる方々に面会を求めて、そうしてこれを防衛庁は買うという確信のもとにこの運動を始めたという証言をしておるのです。だからこの予算がきまって買い入れの際に、初めて米国では中止をしておるとか、イタリアでは何千万円とか、あるいはアメリカに要求したら、品物はあるけれども戦時物資だからこれはできないとかいうような、こういうことをせずに、防衛庁は昭和二十八年の四月から研究に着手して、そうして救命艇に対してマリン・エンジンを取りつけるというこの研究を始めたときに、このエンジンが幾らで入り、どういうものであるかということをなぜ考えてやらなかったか。そういう点について長官は調査されましたか。 さらにもう一つそれにつけ加えて聞きたいのは、七千三百万しか出ていないのに、一億四千七百万という偽造の領収書を作って、そうして防衛庁に出しておる関係がある。実際このエンジンについて金が出ておるのは、一千六十万円です。こういうような関係があるのに、お前たちはどうしてこういうふうに購入したかというような根拠に立って長官は調査されたかどうか、私はそれを伺いたい。 さらに長沢参考人には、昭和二十八年の四月に研究に着手して、マリン・エンジンをこの船に使うということをきめるならば、なぜその際にこれはアメリカでは製造がどうなっておるか、入手はどうなっておるか、そこまで考えなかったか。ただわれわれは研究をして、そうして金は幾ら払ってもよろしいという、そういう考えでこの研究に着手されたか、あるいは見通しをもってやられたか。もう一つはすでに間組からあなた方に通じて、政治家からあるいはブローカーから売り込みにきておるから、それを高く買い上げてやろうというために研究を始められたか、この三つだろうと思うのですが、どうです、その点をお伺いしたい。
○船田国務大臣 私は先ほど来御答弁申し上げておるように、この買い入れについては何ら不正不当はない、かように確信いたします。もし私の申し上げておることが間違っておるんだというならば、十分皆さんの権限の範囲において御調査をお願いして、その黒白をはっきりさしていただきたい。刑事事件にするなり何なりして、そうしてはっきりさしていただきたい。私はむしろそれを念願いたします。
○長沢参考人 今のいろいろ関連の御質問に対しまして申し上げたいと思います。魚雷艇と高速救命艇の二種類の話が出ておるのでありますが、高速救命艇の方は、どちらかといいますと、後方の補給とか保安とかの関係に従事する船艇でありまして、魚雷艇の方は直接警備、防衛行動にじかに参加する艦艇であります。従いましてこの魚雷艇につけますところのエンジンと、それから高速救命艇につけますエンジンについては、その間に性質上の相違があっても、私の方は一向差しつかえないのであります。従いまして私はこの運動が大いに奏功して、ついに高速救命艇に採用されるに至ったかどうかということは存じませんけれども、私はこれは全然別個な問題として、魚雷艇としては落第して、高速救命艇に新たに採用せられるに至ったと思っております。
○坂本委員 すでに二十八年の四月からこの研究に着手しておる、さらに七千三百万しか出ていないのを一億四千七百万という、うその領収書に基いて、そうして一千二百五十万円という高い値段が出ておる、こういうのがここの委員会でわかったからそういうような基礎に基いて長官として部内の調査をされたかどうか、その点をお伺いしておる。なおそういう調査をした上でも知らなかった、やはり二十九年の予算が決定した後において、初めてその買い入れを交渉した、予算が決定する前までは何らそういうような買い入れの見通しも、あるいはアメリカの会社においては製造が中止しておるというようなことも知らずに、この高速救命艇に対してマリン・エンジンを取りつける、こういうような研究を進めて、二十八年の四月ですから、二十八年の七、八月ごろはすでに予算の予定ができて、そうして二十九年の予算にかけられた、こう思うのです。そういうような関係で、すでに二十七年の七月の本件の七万二千円というような問題から、ずっと三ヵ年引き続いてきておるわけです。そういう点に立っても調査されて、なお不正不当もないと言われるかどうか、その点をお聞きしておるのです。
○船田国務大臣 もちろん坂本委員のおっしゃった通り、それらの点を調べた上で私は申し上げておるのでございます。
○坂本委員 長沢参考人の先ほどの御発言がございましたが、二十八年の四月ごろから研究に着手して、そうして高速救命艇にマリン・エンジンを取りつける、こういうようなことが二十八年の七、八月は決定して、その上に立ってこの高速救命艇の予算が組まれた、こう思うわけです。そこでその際においては、アメリカの会社においてはすでに製造を中止しておるとか、戦時物資だからこれはもらえないとか、あるいは戦時物資だけれどもアメリカがたくさん持っておるからもらえる、こういうような入手の問題、価格の問題についても、やはり研究の内容にして、そうして二十八年の七、八月ごろに二十九年度の予算としてこの高速救命艇の予算を要求されたかどうか、その点をお聞きしたい。
○長沢参考人 魚雷艇に関しましては、(坂本委員「魚雷艇ではない、高速救命艇です」と呼ぶ)ちょっとそれに関連いたしますので申し上げますが……。 〔吉田(賢)委員「質問したことに だけ答えてもらえばよい」と呼ぶ〕
○坂本委員 防衛庁から出ている資料によりますと、「高速救命艇を配備する必要があるので、昭和二十八年四月ごろより研究に着手し、」こう書いてある。だから魚雷艇ではないのです。高速救命艇について二十八年四月ごろから研究に着手して、二十八年の七、八月ごろはすでにこの高速救命艇についての予算が大体あなたの方ではできたと思うのです。その際にこのマリン・エンジンを採用した。その場合に価格の点、入手の点、それからアメリカでこういうものの製造が中止されているかどうか、そういう点をやはり見通しをつけてこの研究に四月に着手され、そうしてその秋の予算にこれを組み込まれたかどうか、その点です。魚雷艇の問題ではない。
○長沢参考人 二十八年度の今おっしゃったころには、高速救命艇としてどういう船を要求するかということについて、夏に予算の何をやりますから、研究を始めておったと記憶しております。(坂本委員「その秋には二十九年度の予算を組んだでしょう」と呼ぶ)そして二十八年の末までにある程度の予算の構成をやったと記憶しております。(坂本委員「その際の今のエンジンについての見通しを」と呼ぶ)エンジンの性格並びに価格ということに関しましては、ある見通しをつけたと思います。(坂本委員「どういう見通しをつけたか」と呼ぶ)これは人命救助のためのものでありますので、非常な高速を中心とする。その艦艇の大きさはどのくらいであるか、そうすると約三十トン内外である、これに必要な馬力は非常な高速度を出すのにどういうものがいいか、こういうことを研究しておったと思います。
○坂本委員 マリン・エンジンをこれにつけるということは、その研究の結果、秋の予算の際にはきまっていなかったのですか。
○長沢参考人 エンジンの種類は、そのときはパツカード・エンジンということは何らきまっておらないし、パッカード・エンジンということは要求しておらないと記憶しております。
○坂本委員 そうしますと、あなたの方では予算なんかを組まれるときには、こういうパッカード・エンジンというような重要なものを取りつける場合に、その入手とか価格とかいう点について何も考慮されずに、その当時は予算の要求をされておりましたか。
○長沢参考人 もちろんそれは私の方としても考えます。ただ精細な現実の値段を売っているそのところから当るというようなことはいたしませんが、当時の一般標準価格の概要ということは胸に持ちまして計画いたします。
○上林委員長 質問の通告がありますから、関連質問はこれで一応終りたいと思います。午前中から継続しておりました船田長官に対する関連質問は一応これで終ります。 なお質疑を続行いたします。吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 船田長官が本日御答弁になりました最も重要な点といたしまして、あなたは第一に、このたびの中古エンジンについて防衛庁のとった態度に対し、国民なり、ないしはこれを審議する者が誤解しておるという前提に立っておられます。これが一つと、それからもう一つは、いわゆる一基千二百五十万円で購入したことは不正、不当はない。ただしそのような事実がありとすれば責任をとる、こういうふうにおっしゃっておるのです。これはまことに重大な御発言でございますので、これにつきましてはおそらく詳細な事実の検討、経過の調査などをなさったものとして聞いておりましたけれども、依然としてあなたは十分に御調査になっていないということを私ども感じるのであります。そこでなおあなたについてどうしてもお伺いし、またきょう出ておりまする参考人の諸君にも同時に並行して聞いていき、明らかにしなければならぬ点が数項ございます。第一にあなたは昭和二十九年度にパッカードを高速救命艇につけることになって初めて予算に計上された、こういうふうにおっしゃっておる。そこで松崎元技術部長に伺います。二十七、八年当時はあなたは技術部長であったと思うのだが、技術部長といたしまして予算の概算要求等については相当重要な役割があることはもちろんなんです。二十八年ですよ。長官は二十九年に初めて予算を出したと言うのです。二十八年にガソリン・エンジンを警備船小型のものに取りつけるということの予算要求をした事実があるのでありますか。
○松崎参考人 二十七年の末ごろに高速巡視艇、というのは今の魚雷艇でございます。それの予算を出した、こういうふうに記憶しております。
○吉田(賢)委員 あなたの方の政府原案並びに成立予算の二十八年度警備隊用の船舶建造計画内訳によれば、そういう表現をしてないのです。これは警備船の小型となっておるのです。いいですか。それがその後最後に丙型駆潜艇となった、こう思うのであります。そうしてこれは四十トンないし六十トンでありますから、それに該当することは申し上げるまでもございません。それにガソリン・エンジンを主機関とするということをもって予算要求をされたことは事実でしょう。
○松崎参考人 ディーゼル・エンジンまたはガソリン・エンジンという予算要求であったと記憶いたします。
○吉田(賢)委員 あなたは予算要求並びに前後のいわゆる運動につきましては一から十まで御承知なんですから、その辺はあんまり言葉を飾らないで率直にお述べを願いたいのです。同年度のものは隻数にして六隻、金額の合計は九億円、こうなっております。そうしてそのガソリン・エンジンは二隻じやありませんか、ディーゼル・エンジンは四隻じゃありませんか、この内訳というのがほんとうなんでありましょう。どうですか、記憶を喚起して下さい。
○松崎参考人 それは予算要求当時にそういうことはなかったのであります。その後ほんとうの基本設計を出してもらうときにディーゼル・エンジン四、ガソリン・エンジン二というようなことを検討しておったことは覚えております。
○吉田(賢)委員 ディーゼル四、ガソリン二隻ということを検討しておったことがある。それで結局表に作ったのはガソリン・エンジン二隻、ディーゼル・エンジン四隻ということにしたのがほんとうじゃないですか。
○松崎参考人 庁議でそういうふうな検討もしたことがあると思います。
○吉田(賢)委員 そうして結局はこの成立予算によっても——これはあなたが大蔵省と折衝しました経過について私の方で文書をとっておりますので、これに基いておるのであります。想像で言っておるのではないのであります。あなたの方はこの概算要求についてのもとになるいろいろな書類があるでしょうから、それらを御調査になって、きょうは直接じゃないでしょうけれども、おそらくはうしろに控えておられる方はすでにみな御承知なんです。いいですか。そこで二十八年度にはすでにガソリン・エンジンというものが予算の中に入っておるということをあなたは否認しますか。
○松崎参考人 いたしません。
○吉田(賢)委員 よろしゅうございます。経理局長に伺いますが、当時はあなた在任じゃありませんけれども、二十九年に初めてガソリン・エンジンが予算に上ったと長官は言うのです。けれども経理担当のあなたは前任者の場合も十分に御調査になったと思うのだが、今松崎元部長が申すごとくに、これを是認しておられるのです。あなたにおいても同様だろうと思いますがいかがですか。これは私表を持っておるのです。
○北島政府委員 お説の通り二十八年度の船舶建造計画におきまして、警備船小型につきましてガソリン・エンジンまたはディーゼル・エンジンということで予算要求をいたしまして、これが成立しておることを認めます。
○吉田(賢)委員 そこで長官に伺いますが、これはあなたも在任当時ではございませんので調べるべき対象になるわけなんだが、今日は二十九年に初めてガソリン・エンジンが予算に上ったとおっしゃるのだが、あなたの部下が述べるごとくに、また旧部下の責任者が述べるごとくに、二十八年にすでに予算に上っておるのでございます。この事実はあなたはお認めになりますか。
○船田国務大臣 ただいま松崎君及び経理局長が答弁したことは、その通りであろうと存じます。
○吉田(賢)委員 それならば二十八年の予算にすでにガソリン・エンジンが上ったことが明らかになりました。ガソリン・エンジンは私寡聞でありますけれども、技術家に聞いたら当時軍用のガソリン・エンジンは例のパッカード・エンジンとホールスコット、それからイソタ以外にはないというのですが、そういうような事情のもとに組まれた予算である以上は、今ほかの事務当局が言うがごとくに、ホールスコットは馬力が低い、とても低性能でこれに適しないといったようなことで、今の救命艇、以前は救命艇でありませんけれども、いずれにしましてもパッカード・エンジンの方が優秀であるという点につきましては、これは先般から御説明があったわけなのであります。そういたしますとやはり予算要求は二十七年の九月から概算要求を折衝開始いたしまして、翌年一月にこれが閣議決定になりましたことは申し上げるまでもありません。それならば二十七年の秋から冬にかけまして、ガソリン・エンジンがもうすでに登場してきておる。そうしてこれが二十八年の一月に予算化して閣議決定したわけなんであります。これが三月の解散、いわゆるばかやろう解散によりまして一応流れたのであります。この間の事情、こういう重要な点はあなたは御承知になっただろうと思います。御承知になったと思うから聞くのでありますが、その通りでございましょう。
○船田国務大臣 高速救命艇の予算が計上されたのは二十九年度の予算でございます。
○吉田(賢)委員 私の伺いまするのは、高速救命艇に備えつけたパッカード・マリン・エンジンのことなんであります。よろしゅうございますね。高速救命艇は二十九年に始まったことは、これは申し上げるまでもございません。けれどもガソリン・エンジンが予算化したというのは二十八年からです。そのガソリン・エンジンの実体は何かといったら、パッカード・マリン・エンジンなんです。そのマリン・エンジンを予算化すべく努力されたのは二十七年の秋なんです。そうして間組が入手したのが二十七年の七月なんです。二十七年の九月にすでにそれを予算化すべく大蔵省と折衝が開始され、二十八年一月に予算化した。二十八年の三月にばかやろう解散で一応流れた。こういう経過をたどっておるのであります。ですから高速救命艇そのものは、二十九年予算から始まったにいたしましても、ガソリン・エンジンそのものは以前から予算化しておりますから、そこに問題があるのです。ですから高速救命艇について、それを問うておるのではないのです。ガソリン・エンジンの問題を質問しているのです。その通りお認めになるのではないのですか。こんなことはあなたに聞きたいことではありませんけれども、あまり形式ばった御答弁に終始なさる、これは悪い癖です。実体をわれわれは追究しようとしておるのでありますから、形式的な答弁はおやめ願いたいのであります。何も高速救命艇のことを聞いておるのではないのです。そんな性能がどうのこうのということを聞いておるのではない。それに積んでおるガソリン・エンジンのことを聞いておる。それがパッカード・マリン・エンジンということについて問題があるのであります。それを聞いておる。ですからすでに二十七年の秋から、このガソリン・エンジンが予算化され、努力されつつあったということは、よもや知らぬとはおっしゃいますまい。長官、どうです。
○船田国務大臣 私は先ほど事務当局が答弁したことは事実だろうと存じます。それ以上のことは、今御想像になるようなことは、私はそうは考えません。
○吉田(賢)委員 しかしそのこと自体が即千二百五十万円の不当購入と即断はいたしません。しかしそのような事実があったということは、調査の段階において最も重要視すべきことなんです。二十八年に一たびパッカード・マリン・エンジンが予算化したということは見のがしがたい重大なことなんです。それは二十七年から努力が継続されて、数ヵ月後に予算化したのであります。これを捨てておいて、そうして購入の当否を簡単に論ずることはできません。ですからそのことが直ちにあなたの責任をどうと言っているのではないのですから、あったことはあったこととして、部下がお述べになったことは、率直にお認めになるべきだと思います。ただし今お述べになったごとくに、部下が述べるところをその通り御信用になるという御趣旨と私は聞きます。 それならば、すでに二十七年の夏から研究もせられ、調査もせられ、翌年の一月に予算化したという以上は、やはりこれは間組が入手し、売り込みの開始、そういうものと非常に近接するのです。むしろつながってくるのです。でありますから、ここに非常に重大なことがあるのです。矢幡元船舶課長見えていますね。あなたに聞きますが、二十七年の夏、あなたは大森トラクターに、このパッカード・エンジンの試運転か何かで、山下技官あるいは第一通商の平、その他何名かの者とごらんになりに行きましたでしょう、そのことはございましたね。
○矢幡参考人 お答え申し上げます。試運転ではございません。倉庫に入っているものを、パッカードはディーゼル・エンジンがあるということなので見に参りました。それで汐留の倉庫に格納しておるのを見ました。それから大森の自動車工場に格納を解いてあるのを見ましたが、それはディーゼルではなくして、ガソリン・エンジンだということで帰って参りました。
○吉田(賢)委員 そこで、すでに二十七年の七月十五日ごろと証人は言うのです。七月中に本件のパッカード・エンジンはディーゼルにあらずしてガソリン・エンジンであるということを確認しておられる。あなたはもちろん専門家でもあるし、技術官である山下氏も同行しておりまするから、保安庁内においては、すでにそれは明らかになっておる。そういたしますると、その次に来るものは何であろうか。何ゆえに一体この二十八年の予算に予算化されたけれども実行されなかったのであろうか、そこに問題が一つあるのでございます。これは技術部長か次長に聞かなければわからぬと思うのだが、そこで技術部長の松崎さんに聞きますが、これは当時だんだん御答弁になっておる各位のその答弁の中の一節に出ておりましたごとくに、アメリカ軍に対しまして、パッカード・エンジンが入手できるかどうか等について、あるいは部品が入手できるか等について御照会になったらしい。これは昭和二十九年とおっしゃっておりましたけれども、二十八年の一月十五日付で第二幕僚本部の技術課長あてで、日本の海上保安隊用のパッカード・ガソリン・エンジン調査の件といたしまして、パッカード・ガソリン・エンジン入手可能性に関する情報を要請せる米極東軍司令部の書簡について艦船局の裏書事項、こういうものでアメリカの艦隊の方から海軍中佐ジョンソン何がしという人間から、このエンジンの市場性のないこと、入手困難であるという情報が二十八年の一月に入った。こういうことはほんとうじゃないのですか。これはコピーでありますから真偽はわかりませんけれども、そういう趣旨のものが来ておるのでありますが、これはあなた御記憶であろうと思います。あなたもし御記憶なかったら、中村元装備局長に伺ったらわかると思うのだが……。
○上林委員長 船田長官に対する御質疑が残っておりますか。残っていなければ、時間の都合があるそうですが。
○吉田(賢)委員 船出長官だけでは御答弁できないと思うんです、できるだけ船田さんに主としてお尋ねいたしますから……。
○松崎参考人 二十八年の暮れごろに(吉田(賢)委員「七年の暮れだ」と呼ぶ)七年の暮れではございません。二十八年の暮れごろにアメリカの海軍武官に(吉田(賢)委員「ちょっとこれを見せてやれ、偽造かどうか。そういうものは全然ありませんか。若干それはコピーが間違っている点があります、最後の名前が」と呼ぶ)五三年とございますから二十八年です。
○吉田(賢)委員 一年間違っておるというのですか。
○松崎参考人 そうだと思います。こういうふうな書類をもらったことはございます。
○吉田(賢)委員 一年間違っておるというのですね、
○松崎参考人 私は二十八年の末ごろに頼みに行ったことがございます。
○吉田(賢)委員 二十八年の分はまた違うのです、別なんです。これは要するに、米海軍の作戦部長あてで……。
○松崎参考人 ちょうど艦船部長の見えたころだと思います。
○上林委員長 発言は委員長の許可を得てやって下さい。
○吉田(賢)委員 それは違いまして、米海軍作戦部長あてで、日本海上保安隊用パッカード・ガソリン・エンジン調達の件について、貴信の御記載の書類のパッカード・マリン・エンジンの内燃機は現在生産されておらぬ、米太平洋艦隊司令官の第一次裏書事項第二項に列挙してあるパッカード・ガソリン・エンジンの全在庫品は、整備用及び戦時用として絶対に必要であります、今後の生産遂行に関しては業者と商議を行った上、結論として、価格要件が、使用可能の軍備資金がはるかに上回ることがわかりました云々とありまして、米海軍艦船局の次長E・W・何がしとなっておる、それがあなたのあれですね。
○松崎参考人 それを私は言っているのであります。
○吉田(賢)委員 そこで、長官がお急ぎのようでありますから、このような事実を一応前提といたしまして、——前提は若干不備でありますけれども、長官に二、三伺うことにいたします。大体事実の経過の関係はさきに佐竹委員からも相当お述べになっております。そこで、予算関係の一点は、私が今申しましたように、第一に、あなたの方の予算に関する二十八年度船舶建造計画書の内訳、これは要求並びに成立予算の両方とも大体同趣旨であります。これによってすでにガソリン・エンジンが予算化しておるということは明らかなんであります。一方この予算がばかやろう解散で流れて、暫定予算になって、七月に本予算がまた成立いたしまして、その後実行されましたものがアメリカとの渉外によって故障となりまして、ガソリン・エンジンは使わずして、ディーゼル・エンジンを使ったというのがどうも事実の経緯らしいのであります。あなたとしましては、初めて二十九年に予算化したとおつしゃいますけれども、実はそうじゃなしに、二十八年にすでに予算化しておったのです。二十九年におきまして初めて救命艇というものに姿が変ってそれに積み込むということになったわけですから、ガソリン・エンジンがずっと継続して売り込まれるということと、警備船あるいは丙型駆潜艇、それから救命艇に変って参りましたものとは——救命艇は二十九年が初めてですけれども、ガソリン・エンジンは前からずっときている。計画はこの通りなんです。ですからあなたの、二十九年に初めてガソリン・エンジンが問題になっておる、パッカード・マリン・エンジンが予算の内容として実際に使用されることになったのであるという御趣旨は間違いなんです。よろしゅうございますか。ここははっきりと御銘記願いたいのです。 もう一つあなたの非常に重大な事実の誤認がある。それはあなたが出席せられなかったときに、あなたの部下の、多分石井契約部長であったかと思いますが、この一千二百五十万円の単価を決定する重要な基礎といたしまして、間組が一億四千七百万円を支払っておるという事実を強くお述べになったのです。これは速記録に明らかなんであります。それが重大な根拠になっておる。きょうはそれをお述べになっておりません。なぜならば、これは坂本委員がさきに指摘しましたごとくに、事実偽造である、事実でないことが書かれておるということが明らかになっております。正木証言によって明らかになっておる。そんなものを軽々しく信じられたのです。しかしきょうはそれが不利と見えて、これを根拠にはお述べになっておらぬ。もってのほかなんですよ、いいですか。偽造の領収書ということはこの委員会で明らかになっているのですよ。何べんも追及せられたのです。これを信じた、こうおっしゃっておる。間組が一億四千七百万円の金を払ったのを、一千二百五十万円で買ってやることの妥当性という客観的の一つの根拠にされたのです。まことにむちゃな話です。軽率手万と言わなければならぬのであります。これが一つ。 もう一つ申し上げておきましょう。契約部長に聞きますが、小笠原さんのお問いの際の答弁と思いますが、財務局の評価というものを根拠にしておられた。財務局の評価は昭和三十年三月三十一日、間組から買ったのは三十年三月二十八日、買ってから後に評価したのです。そんなことをどうお思いになりますか。領収書は偽造である。財務局の評価は買ってから後に取っている。その財務局は、あなたによれば、専門家であるし、古い機関を売ることになれているからとおっしゃるけれども、こういった外国製のマリン・エンジンを、財務局が専門家だなんて、そんなことを人が聞いたら笑いますよ。財務局へ行って聞いてごらんなさい。日本の市販性のないマリン・エンジンを、そこが専門家なんて言いましたら、人が聞いたら笑います。この二点をどうお考えになりますか。あなた自身が重大な誤認をしておられます。
○船田国務大臣 私は、しばしば申し上げておりますように、防衛庁の事務当局が申し述べておることに、契約部長、調達実施本部長がこのマリン・エンジンを購入することについて述べておる事実を事実として認めております。私も事実の誤認はないと確信しております。
○吉田(賢)委員 事実の誤認がないと言っている。それならば、ここで明らかになったことまでもあなたはあえて強弁して否認なさろうとするのですか。間組がいわゆる三友産業株式会社という幽霊会社、破産会社に対して一億四千七百万円を払いましたという事実はないのです。およそ人間の持ち得る判断によってはないのです。ないのでありますのを、真にありしごとく誤認せられて、それを価格決定の重大な基礎とせられたことは、少くとも行政の失敗ではないですか。なぜもっと調査しなかったかと言いたいのです。そういううそが暴露してきたのです。それからまた、財務局は契約してから後に評価している、そういう二つの点について、あなたは何らの過誤なかりしごとくおっしゃるのだけれども、過誤なしというくらいに強いことをおっしやるならば、こういう間違ったこと、うそのものを前提にして、一体それをどうお考えになるのですか、長官として、その点ですよ。
○船田国務大臣 もしその間に防衛庁の内部に不正、不当のものがございますれば、それに対しては十分責任を負います。しかし、今吉田委員のあげらましたことについては、どうも事務当局の説明したことと違ったようにあげられておるのでありまして、そういう事実を私に認めろと言っても、それは私は無理だと思います。私は、調達実施本部長やあるいは契約部長が説明しておりますことを事実と認識いたしまして、従って、これまで調査いたしました範囲においては不正、不当はないということを申し上げているのでございます。
○吉田(賢)委員 言葉はどうとでも言えますよ。そんならば事実認識の問題から離れてあなたの感想を聞きましょう。一億四千七百万円の領収書は偽造であったと私はあえて申し上げます。それに対するあなたの感想を聞きます。財務局の評価を契約後にさしたということについては一体どうお考えになりますか。
○船田国務大臣 この契約をいたしますときに評価をしてもらったということは、もちろんそれを参考にいたしまして評価をいたしたのでございます。
○吉田(賢)委員 評価を契約のあとでしたのですよ。あなたはごらんになったのだろうと思っているのです。あなたの方が出している資料によれば明白になっているのです。これはだれもみな見るところなんですよ。間組から買い受けの契約をした後、昭和三十年三月三十一日に財務局長渡辺逸亀からあなたの方へ評価の評定書が来ているのです。そういうようなものについてあなたは感想が一体ないのですか。
○上林委員長 石井契約部長から発言を求められておりますが、どうしますか。
○吉田(賢)委員 あなたはよろしい。長官のお考えを聞きます。御感想を聞きます。
○船田国務大臣 ただいまの御質問の点は、回答の日付はなるほど御指摘のようでございます。しかし内容的にはその前にすでに防衛庁としては財務局の鑑定を十分聞いておるのでございます。
○吉田(賢)委員 少しほどほどに言ってもらわぬと困りますよ。間違いもほどほどに言って下さい。口で財務局の鑑定を聞いておった、そういうことは今初めておっしゃるのです。ここに別紙六として添付せられておりますものは公文書です。よろしゅうございますか。そしてこれは財務局長の名前で防衛庁調達本部貴殿としてきておるのでございます。これが売買契約、間組から買い受けた後です。だからこれについて聞いておるのです。あなたは前に言葉で聞いておったというふうにおっしゃるのだが、これはまことにたけだけしい御発言と申さなければなりません。こんなことはもっと率直にお認めなさいよ。あなたそんなむちゃなことありますか。そんな乱暴なことありますか。
○船田国務大臣 私は事実を曲げてなんか言っておるのじゃございません。私は正直に、私の承知しておりますことを申し上げておるのでありまして、決して無理に事実を曲げたり、あるいはことさらに秘匿いたすというような意思を持って言っておるのじゃございません。
○吉田(賢)委員 それなら聞きますが、一体関東財務局長からいつ、だれが、どんな方法でお聞きになったのです。
○船田国務大臣 事実の問題は事務当局をして答弁せしめます。
○吉田(賢)委員 あなたが御答弁になったじゃないか。私は言葉のあげ足をとるのじゃないのですよ。けれどもあまりおっしゃることが白々しいから言うのです。言葉のあげ足はとりません。けれどもあなたが事実についてお述べになったのじゃないか。
○船田国務大臣 お言葉ですけれども、私は白々しいことを申しておるのじゃありません。(「知らぬことは知らぬと言ったらいいじゃないか」と呼ぶ者あり)私は正直に申しておる。私は先ほどから申し上げておりますように、事務当局の説明を事実として認めて、そしてそれに基いて答弁をいたしておるのでございます。その事務当局の説明によりますれば、三月三十一日の日付になっておるけれども、その前にすでに評価については聞いておる、こういう事実を聞いておりますから、その通りに正直にお答え申し上げたのでありまして、私は何もしらを切っておるのでも何でもございません。
○吉田(賢)委員 これまでこの点につきましては、渡辺氏も証人として出頭せられ、それからまた契約部長も発言せられ、小笠原委員の御質問に対する答弁もありましたけれども、この日付以前に言葉で財務局長から評価を聞いたということはただいま初めです。よろしゅうございますね。それならそれでこれまでにあなたの部下はなぜ一体答弁の際に言わなかったのだろう、そう思うのです。私が日時を指摘したのは当委員会を通じて初めてです。それはそうではなしに、前もって言葉で聞いておった、こういうことでは白々しいという印象を受けるよりしようがありません。よろしゅうございます。こんな問答しておっても果てしがありません。それならば松崎元部長さんに関連をいたしますので、あなたに聞きますが、立川の米軍が払い下げましたQM物資としてのパッカード・マリン・エンジン、これを払い下げた責任者はロバートという大佐でありましょうか。
○松崎参考人 存じておりません。
○吉田(賢)委員 それならば次長に伺いますが、あなたは知りませんか。
○増原政府委員 存じておりません。
○吉田(賢)委員 防衛庁のだれでもよろしい。それならばこういうことを知っていますか。そのロバート大佐が払い下げた、払い下げたけれども、アメリカの帳簿には記載されておらなかった、記載されておらなんだことが一つの原因になってこの大佐の方は何らかの処分を受けた、こういうことは聞いておりませんか。
○増原政府委員 私はその点承知しておりません。
○吉田(賢)委員 それならば松崎元部長に聞きますが、この立川の米軍から払い下げを受けたパッカード・エンジンにつきまして、間組で入手しましてから後に今のようなロバート大佐の一件が暴露いたしまして、そこで厚木の米軍の基地の方から間組に対しまして部品の入手があるような情報が入って、間組がこれを受けるようなことになり、ついに不可能に終って、その間あなたも助言し、またあなたの助言を求めるというような、そういういきさつがあったことはいかがなことでございます。
○松崎参考人 存じておりません。
○吉田(賢)委員 そこでそういういきさつがあったので、部分品についてアメリカへ照会するに至ったということではありませんか。
○松崎参考人 部品についての照会をアメリカへ出したことは私は存じておりません。
○吉田(賢)委員 そこで中村元装備局長に伺いますが、部品についてアメリカへ入手が可能かいなやを照会するに至ったというそういういきさつがあなたの手元で考えられ、あるいは協議せられた、こういうことになっておりませんか。
○中村参考人 お答えいたします。富士重工の方からぜひ一台分何とかりっぱな部品を備えて試運転をやってみたいという話がございまして、これにつきましては当時の保安庁といたしましてもガソリン・エンジンのりっぱなものに関心を持っていた関係上、それに参与いたしまして、アメリカの方へやったことがございます。
○吉田(賢)委員 それでは参考人各位につきましてはもう少しいろいろとお尋ねしなくてはなりませんので、先に長官に御質問を済ませたいと思います。 そこで長官にお伺いしたいのですが、あなたが就任されましてから後の問題は二十九年度の予算の執行なんであります。本年の三月、パッカード・マリン・エンジンを二基購入したということが、あなたの御就任後の問題であります。そこであなたの御就任後の具体的な問題を聞くのですが、各同僚委員の御質問で相当明らかになっておりますけれども、なお私として、納得のできないことは、前段御質問申して明らかになったごとくに、少くとも二十七年の秋、あるいは冬以後二十八年の一月には、予算の要求がせられ、八年には予算化し、そうしてこのガソリン・エンジンなるものを購入するという一つの方針が一応きまったのであります。そして相手はだれかというと間組なんですね。その間組との間のやりとりがずっと継続して参りまして、そこでだんだん皆さんの御質問になりましたごとくにいろいろな人が出入りいたしました。この事情の経過につきましては、あなたはそういう事情はあっただろうけれども、それにもし不正があるならば刑事事件を起すなり何なりして当委員会の権限のあらん限りを使って究明してくれ、むしろこれを希望するというような、私に言わせれば放言ですよ。しかし少くとも防衛庁が物を買う価格決定は、今日の利用価値というものを研究、調査するほかに、その物の経歴、持ち主の所有の事情、あるいはまたその以前の段階において国が所有しておったとき、その国の所有の物を民間に払い下げた、こういった経過についてやはり御調査になるということがあなたの省の予算執行上における予算管理の行政長としてこれは当然の責任じゃないかと思うのですが、これに対する御所見はどうでありますか。
○船田国務大臣 その点は全く吉田委員御指摘の通り十分あらゆる事情を調査、研究して、そうして一銭たりともむだにならないように調達をするということが本旨でなければならぬと存じます。その点については私は十分注意をしてやっていくつもりでおります。
○吉田(賢)委員 もしその事情の過程におきましてさきに御指摘申し上げましたごとくにあまりにも乱暴な荒唐無稽な領収書をあなたの部下は過信しておる、あるいはまた運動費が何千万円と使われておる。その運動費は何に使ったかは別といたしまして、そういうようなことになってきますと、少くとも国家が装備品等を購入する精神から見まして穏当じゃないと私は思うのです。つまりそういうことを考慮に入れて価格決定をしなければ穏当じゃないと思うのです。さきに石井部長は随契によったのはこれは市場性もないものであるし、その他適当な法律上の理由があるようにお述べになりましたけれども、随契がいいとか悪いとかは一応別といたしまして、価格構成の根拠といたしましては、もし今のような間違った書類が基礎になって、もしくはそれを重要な参考にせられましたならば、その価格をきめるということには少くとももっと考慮していかねばならぬのではないであろうか、よしんば二十九年のときに千二百五十万円だから三十一年の三月に支払うものもそれでいいじゃないかというのでは少し形式になり過ぎるおそれがある、やはりあなたの立場においてこれを検討させなければいかぬというふうに考えるのです。もしそういうふうに一億四千数百万円の領収書が偽造であったり、あるいはまた何千万円と荒くれたブローカーが金をまき散らしたようなことが積み重ねられて、そうして間組が数千万円の金を出したというような事情が明らかになれば、やはりこれを資料として価格減殺の根拠に主張するということが物を購入する国の予算執行の官の立場としまして当然だろうと私は思うのであります。そういうふうに考えて参りますると、かりに不正がないとします、けれども実に遺憾だというふうにあなたはお思いになりませんか。
○船田国務大臣 ただいま吉田委員の御指摘になりましたようなことがことごとく事実であるといたしますれば、それは価格形成について十分考慮しなければならぬと存じます。従いまして三十一年度予算の執行につきましては当委員会における皆様方の御発言も十分考慮いたしまして善処して参りたいということを申し上げておる次第でございます。
○吉田(賢)委員 私は今将来の予算のことを言うておるのじゃないのです。あなたはあなたの責任におきましてすでに予算を執行された、去る三月二十数日の購入、これはこの十日ほどの前に金をお払いになったのです。ここで問題になりまして坂本委員がその金払うのを待ったと言ったら待てませんといってとうとう払っている、それも将来待てませんといって払っている。そういうようなことでありまするので、これはまことに奇怪なことと申し上げなければなりません。 もう一つだけ聞いておきます。これでどうぞ御退席下さい。さっきの青木商店から購入しました払い下げの三万四千何がしという一基の分です。これはまだ富士にきれいにしてちゃんと飾ったものが二基あります。まさにこれは買わんとしたけれども、一応そのままになっておるのでございます。これらについては最近耳にして初めて知ったというふうにあなたはお思いになった。私はこの際将来のことをあなたに聞きませんけれども、すでに委員会におきまして購入の経路、価格形成の根拠あるいはまた官庁としての保安庁並びに防衛庁の諸君が民間の人々との往復の事情等につきましては多大な疑惑がかかっておるのであります。必ずしもこれは刑事事件としての疑惑とは申しません。しかしながらごうごうとした世論はこれに対して大きな疑惑を持っておる。こういう疑惑につきましてはあなたは省みて少くとも相当の責を感じなければならぬのに、ただこれは大きな誤解に出発するものである、四年も時期が経過しておる、時間差のことも無視した議論であるの何のかんのと放言しておられる。そんなむちやなことは行政府の態度じゃありませんぞ。国民の金を預って予算を執行していなさることは申し上げるまでもございません。こういう意味におきまして私は少くとも相当な責を負うような表明をあなたはせられねばならぬと思うのです。いかがですか。
○船田国務大臣 これも先般来申し上げておりますように、その購入につきまして不正な手段が購ぜられたとか、あるいは価格において非常に不当であったというようなことが事実明らかになりました場合においては十分その責任は負います。しかしながら、これも申し上げておることでございますが、この二十九年度の予算の執行につきましては、買い入れについては不正不当というものはなかった、こういうふうに考えておりますが、なおそれらにつきまして御疑念の点は十分究明していただくことを私はお願い申し上げます。
○吉田(賢)委員 中村さんに聞きますが、あなたは二十八年度予算がばかやろう解散で流れましたことを御承知でございますね。そこであの予算が流れました直後、もっと具体的に日を申しましたならば二十八年の三月の末のことであります、大蔵省の防衛庁関係の主計官にガソリン・エンジンのことについてお電話をかけませんでしたか。そんなこと覚えておりませんか。
○中村参考人 全然覚えておりません。
○吉田(賢)委員 しかしあなたはそうおっしゃるけれども、あなたは沢というブローカーとこのパッカード・マリン・エンジンの保安庁への売り込みの問題についてお会いになったことはございましょう。宣誓して証言していますが。
○中村参考人 ございます。
○吉田(賢)委員 それは二十七年の八、九月ごろかとも思いますが、そういう御記憶はありませんか。
○中村参考人 はっきり覚えておりませんが、二十七年の秋ごろかと存じます。
○吉田(賢)委員 それは沢の言うところと一致しております。そこであなたに対して保安庁において魚雷艇を作るかどうかというような問い合せはその話のうちに出ましたでしょうか。
○中村参考人 はっきり覚えてございませんが、あのエンジンを使う計画があるかどうかというような質問があったというふうに記憶しております。
○吉田(賢)委員 そこであなたは山本武器課長あるいは芥川船舶課長ですか、あるいは松崎技術部長とかあるいは矢幡船舶課長、そういった人々の間にやはりその問題につきまして、つまりパッカード・マリン・エンジンを購入する件、つまりそれを備えつけるところの魚雷艇を作る問題等々について、あるいは技術上の意見を聞いたりあるいは協議したりあるいは事情を聞いたり、問い合したり、そういったようなことをなさった事実はございませんか。
○中村参考人 ございます。
○吉田(賢)委員 そこで二十八年の一月に、さきに松崎元部長が認められたごとくに、二十八年度予算にガソリン・エンジンはすでに計上せられたが、ばかやろう解散によって予算は流れた。そこでブローカーが流れては困る、何とかこれは何かに使ってもらわなくては困る、あるいは使ってもらうようにということをしきりに運動をしたらしい。その他の証言によると、あなたのところのみならず、そのほかのところにも政客がだいぶ往来しております。そこでその当時の大蔵省の村上主計官に向ってあなたは、先ほど私がお尋ねしたようなそういう最終の電話になったようなことはございませんか。
○中村参考人 ……。
○吉田(賢)委員 ちょっともう少し言った方が御記憶の喚起に都合がいいと思います。つまりそれは予算は流れた、しかし繰越金がある、繰越金が使えないかということが、外部の、大体売り込む側の方針であったらしいのです。それをあなたの方へ持ち込むあるいは大蔵省に問い合せをいたしました中間において、あなたもしきりにその折衝の渦中にあって、大蔵省に電話をかけたりなさった、こういういきさつをわれわれは聞き及んでおるのでありますが、そう申し上げると、記憶を御喚起になると思いますが、いかがでしょうか。
○中村参考人 全然記憶ございません。
○吉田(賢)委員 そんならば伺いますが、一体二十八年度に一たん予算化したパッカード・エンジンが、今度実行においてディーゼルに変ってしまったが、それはどういう事情でしょう。
○中村参考人 変りましたのは、私が装備局長をやめて国鉄に戻ってからのことでございますから存じません。
○吉田(賢)委員 それでは長沢さんに聞きましょう。その点はどういう事情なんでしょう。
○長沢参考人 ガソリン・エンジンにつきましては、私どもはこれに乗って使う意味から、被弾の際の危険というものが頭にこびりついておりましたので、その対策のないガソリン・エンジンは魚雷艇にはごめんこうむりたいという意見でございました。
○吉田(賢)委員 元の防衛庁の長官の砂田氏がいろいろと御努力になっておったことが証言によって明らかなんですが、砂田氏が御尽力になったことが直ちに即いいとか悪いとか批評するのではないのです。これは政治家の動きというものはいろいろな意味におきましてものを決定する上において重要な要素になることがあり得るのであります。これはやはり何ですか、再びガソリン・エンジンが、今度は救命艇にかわって、そこに取りつけられることにまた再転してきた、こういうことに相当有力な根拠になるべきだとわれわれは推定するのですが、その点いかがですか。
○長沢参考人 今の御質問のはっきりした意味がわからなかったのでありますが、何か長官から言われたかということでありますか。
○吉田(賢)委員 口早のためにおわかりにならなかったら恐縮ですが、長官であった砂田重政という人を御承知でしょう。あの方が当時中助松代議士の先輩としていろいろと御尽力になったことが、証言で明らかになっております。よろしゅうございますか。尽力というのは防衛庁に対する働きかけなんです。それが、次に救命艇に備え付けるということを最終的に実現することになったのに大きな理由になっておりませんか、こういうことをお尋ねするのです。
○長沢参考人 私はそのいきさつは存じません。
○吉田(賢)委員 増原次長に伺いますが、あなたは、砂田重政氏が南方におられたときに、この中助松氏と一緒に砂田氏の下におられたとかいうふうに承わるのです。それはどちらでもよいのですが、そういう特殊な関係のために砂田氏の御尽力というものが、この再転して保安庁が買い込むことになった上において、相当有力な要因をなしておると思うのですが、その点についてはどうお考えになっておりますか。
○増原政府委員 この間証言を聞いておりまして、中助松氏の話が出ました。中助松氏は、私の記憶では戦争中昭和十七年ごろだったかと存じますが、当時シンガポールで私は応召の少尉でございました、そこで砂田さんは二十五軍の顧問をやっておりました。砂田さんは同郷の先輩で前から承知をしておりました。それがたしか十七年の五月であったかと思いまするが、中央へ砂田さんが連絡に帰るということで、そのとき私に一緒に帰ってくれということでありまして、昭南島で部下とか何かという関係ではございません。それで一緒に帰って来ましたときに当時事務所と申しますか、何かホテルにもうけて、たしかそこで中氏にお目にかかったのが初めであります。それで中氏を承知しておりました。たしか二十七年の九月かに解散がございまして、抜き打ち解散でございましたが、そのときに中氏が代議士に当選して出てきたと思います。そのときに国会で廊下で出会ったときに、非常にいいエンジンがあるが、何か——当時は保安庁であったと思いますが、保安庁で使う道はなかろうかという話を受けたことがございます。砂田さんからこの件について話を受けたというようなことは、私ちょっと記憶にございません。
○吉田(賢)委員 しかし金額は三百万円、あるいは死後三百万円、合計六百万円という金が中氏の方にともかくいっておるという証言があるくらいでありまして、数百万円の金が運動資金として運動した人のふところに入るということは、容易ならざるものがあるのであります。ここに何かいいものがあるからというようなことでなく、何回と行っておるということ、会っておるということ、ことに今度証人になります菊岡という人は、中氏の外部的な秘書という役をしておったらしいので、中氏の事務所を中心にして運動がしきりに行われたということも、他の多くの証言においてこの点は一致するのです。従ってそう簡単なものではないと私ども考えておるのです。しかしまあそれが直ちにあなたの方の不正とかいう意味ではないのであります。とにかく事ここに至りましたについて重要な役割をしておったことは間違いない。重要な役割の橋渡しにつきまして、あなたとの関係が非常に密接であったということも、これもどうも一致するのであります。そこであなたにそう伺ったわけなのでありますが、実際は何回となくそれらの人々——以上述べたような砂田とか中とかいうような人々があなたとの話し合い、もしくは直接具体的な話をかりにしないでも、あなたの指図によって、ある人を紹介したとか、ある人に立案さしたとか、研究さしたとか、そういうような関係において、あなたの部下に、この調査、研究、立案、交渉、問い合せ等等をさしたというのが、ほんとうは真相ではないのでございましょうか。
○増原政府委員 私が中氏に会いましたのは、この戦争中を除いては、中氏が代議士になってからでございます。中氏はたしか八年になくなったかと思いまするが、その間は国会の廊下あたりで会ったほかは、会ったことはございません。廊下で会いまして、このエンジンを一つ何とか使うようにならないかという話を受けたことは、三、四回くらいはあったのじゃないかと思います。これははっきり記憶はございませんが、それくらいはあったかと思います。
○吉田(賢)委員 山下さんに伺いますが、あなたが初めてパッカード・マリン・エンジンをごらんになりましたのは、あるいは大森のトラクターのところであったか、その他の倉庫であったかと思いますが、非常に熱心な技術者というようにあなたを伺っておりますが、そこであなたは、間組からこの保安庁の方へ広い意味におきまして、一種の売り込みですね——参考人は政府の説明員というようなお立場でなしに、証人のごとき気持を持って、ほんとのことを述べてもらいたいのですよ。よろしゅうございますね。そこであなたが初めてこのパッカード・エンジンをごらんになりまして、そして保安庁に対して間組から売り込むために、ブローカーが暗躍しておるのです。ブローカーがたくさんおりまして、そしてあなたもずいぶんお苦しい立場にお立ちだろうと思うのですが、この間組のものとして、保安庁へ売り込みを、一番最初あなたが知りましたときは、これは二十七年の七月ごろじやなかったでしょうか。
○山下参考人 一番最初にこのエンジンを見ましたのは、二十七年の七月であります。間組の所有であるらしいとわかったのは、二十八年の八月ごろです。
○吉田(賢)委員 あなたは一番最初から技術者としまして、非常に第一線と言いますか、一番先端で御交渉になっておりますので、間組ともずいぶんと親交があったらしい。従って間組の所有であることをいつ知ったかというと、二十八年の八月というのは、ちょっと私ども納得がしにくいのであります。二十八年の八月といいましたら、それはガソリン・エンジンが予算化しまして、ずっと後のことなんです。松崎さん自身も二十七年の秋から冬にかけまして、予算化したことを御承知なんですよ。いいですね。ところがそれを知らなかった。予算化するときには間組のものであるということは、だれ知らぬものはないのであります。それならブローカーのものか、そんなばかなことはありませんよ。これだけのものが。ですからあなたが翌年になって知ったというのはちょっとおかしい。記憶違いでございましょう。二十七年でありましょう。二十七年の七月に初めて見た。その八月に間組のものであることを知った。それがほんとうじゃないですか。
○山下参考人 二十七年の七月に見た。これは私は第一通商のエンジンであると信じておりました。それから二十八年の一月ごろになりまして、第一通商が手を引きまして、これはどこのエンジンだろうかと不思議に思っておりまして、それから解散とかそういうことで交渉がとだえておりましたのですが、二十八年の八月ごろ間組と富士重工が提携しているということがわかりまして、そのときにこのエンジンが間組のものであるということがわかったのであります。
○吉田(賢)委員 ですから、間組は土建屋ですし、エンジンを持っているということは、われわれ考えても不思議なんです。それから第一通商というのも単なる商売人です。だからエンジンを持つということも不思議なんです。どっかで委託を受けるとか何とかなら別ですよ。ですからその場合は、あなたも見に行くのは、単にただ見物に行くのじゃあるまいし、試運転にも立ち合っておられるし、また何回も見に行っておられるし、人との交渉もある。それ以来平とあなたと会っておる。平を御承知でしょう。会ったのが二十七年ですよ。平も会っておりますので、平の勤めておった第一通商の所有であるというふうに最初考えておったというのは、ちょっと受け取りにくいのであります。そこはほんとうは間組のものであるということを御承知あったと思うのであります。いずれにしましても、これらのブローカーあるいは間組の周辺の者、間組顧問と称する者が防衛庁に向ってこのパッカード・エンジンを売り込みに参りましたのは、二十七年の夏でございましょう。
○山下参考人 二十七年の夏に第一通商がこのエンジンを見てくれというようなことで参りまして、私はその当時第一通商の所有ということは考えられませんが、第一通商がどこかの所有物の販売を委託されているんだろう、こういうふうに考えまして、特にそれがどこの所有であるかということは追及いたしません。
○吉田(賢)委員 あなたは技術屋さんですか。
○山下参考人 そうです。
○吉田(賢)委員 ではガソリン・エンジンとディーゼル・エンジンの区別は一見しておわかりなんでしょうね。
○山下参考人 わかります。
○吉田(賢)委員 矢幡さんに伺いますが、矢幡さんも技術屋さんでしょうから——技術屋さんというと失礼でございますけれども、あなたもガソリン・エンジンとディーゼル・エンジンは一見しておわかりでございますか。
○矢幡参考人 私は造船をやっておりますので、エンジンの方はあまり詳しくございません。一見してわかるというほど知識はございません。
○吉田(賢)委員 そこで松崎さんに伺いますが、あなたはその方の専門家であるし、権威の方なんだが、あなたがごらんになりましたのはいつごろでございますか。
○松崎参考人 二十八年の春ころじゃないかと思います。
○吉田(賢)委員 そこでごらんになる前にいろいろとお聞きにはなっている。
○松崎参考人 二十九年の春でございます。
○吉田(賢)委員 それは実物を実験させることは一応問題外におきまして、事実はたとえば沢からもお聞きになり、あるいは今の山下さんなりあるいは矢幡さんからいろいろお聞きにもなっているし、また中村さんとの折衝もあり、その他の問題もいろいろお聞きになっておりますから、事実はお聞きになっている。そこでパッカード・マリン・エンジンにつきまして、初めてあなたがこれをお知りになったのは——見てもよし、聞いてもよし、何でもよろしゅうございますが、実験法規上あなたがお知りになったのはいつでございますか。それは二十七年でございましょう。
○松崎参考人 パッカード・エンジンというものは、昔からできております。
○吉田(賢)委員 間が所有しているこのものですよ。このものにつきまして——このものというのは二十七年からずっと続いておりますから、これをお知りになったのは二十七年の夏でございましょう。
○松崎参考人 間組のものかどうかということは私も存じませんでしたが、日本にパッカード・エンジンがあるということは知っております。
○吉田(賢)委員 それは日本にあるとかそんなことを聞くんじゃなしに、とにかくあなたに持ち込んできたでしょう。持ち込んできて、魚雷艇を作ったらどうだろうかといろいろあなたに御相談をかけた。相談かたがた売り込みです。いろいろあなたの助言を得ようとしたり、そういうことで、間組の所有するものということについて知識を得ましたのは、二十七年でございましょう。
○松崎参考人 公開運転をやるというふうな話のことだと思いますが……。
○吉田(賢)委員 そのころ。
○松崎参考人 はあ。
○吉田(賢)委員 そこであなたに伺いますが、その当時この相場の話を、あなたはブローカーの連中のだれかに大体どれくらいするだろうとか、そんなことをお話になりましたか。
○松崎参考人 このエンジンについてでございますか。——記憶がございません。
○吉田(賢)委員 当時一馬力一万円くらいするだろう、ただし入手の経路にいろいろかんがみると、まあ八千五百円だろう、そんなことを言われたことはありませんか。
○松崎参考人 記憶がございませんが、ガソリン・エンジンというものの相場としまして、私は大体馬力一万円前後であるということは常識的に考えておりました。このエンジンが幾らするということは、そのものを存じませんし、そういうことを言うた覚えはありません。
○吉田(賢)委員 そこで山下さんに伺いますが、あなたは技術屋さんであるので、非常に熱心に、このエンジンを何とか利用して何らかの船に——たとえば熱雷艇、警備船その他の船に搭載するか何か利用したいというように、提唱するがごとく執着しておられたというようにいわれるのですが、それはそうでございましょうか。技術者としては当然だと思いますが……。
○山下参考人 これは世界で一番高性能のエンジンでありまして、こういうエンジンをつけた高速艇の出現が防衛庁であろうとあるいは海上保安庁であろうと、技術屋としてこういうりっぱな船ができるということは望ましいことである、こういうことは考えておりました。それは対外輸出であろうとどこであろうと、別に自分が作らなくてもいい船だということは技術屋としてやはりうれしいことであります。
○吉田(賢)委員 そうではありますけれども、非常にガソリンを食うものであり、あるいは航続時間が非常に短かい。もしくはパッカード会社が生産を中止しておるというような情報もあるというようないろんな事情にかんがみて、用途は、国とかあるいは軍事用とか特殊なところでないと使えないものである。そういうものであることは常識でございましょう。あなたがこれが高性能のものだと言われるごとく、それを使うものが、民間の会社とかそこらの土建屋とか、そこらの発電用に使うというようなことは常識上想像されぬと思う。やはりこれは軍用ですね。軍用一本という以外にはちょっと方法がない。これが常識ではありませんでしょうか。
○山下参考人 それが常識でありまして、現に私が防衛庁に入ります前に、南国特殊造船という、やはり墨田川造船と同じように三十ノット以上の高速艇を作っておりました会社に在職しておりまして、その当時、昭和二十四、五年ごろであったかと思いますが、南方諸地域からもパッカードを積んだ魚雷艇の引き揚げなどもございましたし、いずれにしてもこういう高性能のエンジンは軍用艇以外には例えないであろうということは確信しておりました。
○上林委員長 ちょっと議事進行に関連して、今吉田委員以外に坂本、細田、小松三君から質疑の通告がございますが、通告なさった方々御質問なさいますか。——相当時間もたっておりますから、一つ整理をしてお願いします。
○吉田(賢)委員 そこで当時日本におきまして、こういう一種の軍艦のような武器を積んだものが初めて作れるようになったのは二十八年と思いますが、あんまり専門的な技術屋さんが保安庁にはなかったというふうに聞き及んでおります。その点がどうかということを、技術屋さんだからあなたに聞くのです。それが一つ。 もう一つは、そういう技術的見地から見ますと、やはりこの際日本におきましては保安庁以外にこれを使うところはない、こういうことは一応言い得ると思うのですが、そういう点どうでございましょう。
○山下参考人 これは別に保安庁でなくても、高速艇を必要とするところは、たとえば税関の監視艇にいたしましても、海上保安庁の巡視艇にしましても、高速であるということは必要なことであります。ただガソリンであるから危険だからというので使わなかったのでありまして、ガソリンの危険性というものが除去されれば、やはりそういったパトロール・ボート——警備艇、というようなものに需要が出てくるのではないかと思います。
○吉田(賢)委員 だから私はあなたに伺ったのです。あなたは軍用でないと需要がないとおっしゃる、それは常識ですよ。予算もかまわず、金も何ぼでもある、ガソリンも幾らでもあるというようなそういう方面なら別ですよ。そんな簡単にいきません。ですからそういう特殊な制約を受けておりますがガソリン・エンジンは、軍以外には用途はなかろうと言ったらそうだとおっしゃる、それなら日本は保安庁以外には使うところはないだろうと申し上げたんですが、これはあなたは当然お認めになるべき筋です。それならそれでよろしゅうございますけれども、まだその前の質問に答えていないけれども、それはそれでよろしゅうございます。 もう一つ尋ねて終りますが、そこで中村さんに伺います。技術屋さんの山下参考人が述べましたように、軍用以外には用途がないようなパッカード・エンジン、この種のものは、当時保安庁以外には買い手がないというようなことになれば、これはあなたが装備局長だったから聞くんですが、そういうような場合には、やはり保安庁以外に買い手がない、市場性がない、使い道がない、使用者の側から見まして一般性がないというような、この種のものの評価というものは相当困難でなければならぬ、簡単じゃない、こう思うんですが、あなたは当時はその価格評価なんかにつきまして、そういうふうにお考えになりませんでしたか。これは別の角度から聞かなければならぬ問題ですけれども、あなたにちょっと聞いておきたいんですが……。
○中村参考人 もうちょっと詳しく伺いたいのでございますけれども、評価そのものが相当むずかしいだろうということは考えられました。ただしこれは一回日本の部分品だったかで試運転をやりまして、この当該問題になりましたエンジンは、使いものにならないという技術的判定が下っておるというふうにも聞いておりました。
○吉田(賢)委員 そこであなたに聞くんですが、だからですよ、使い道が非常に制約されておる、しかもガソリンがよけい要るし、航続時間も短かいし等々非常に制約されているというので、そこで一方横浜ではおととし米軍が一基三万四千余りでくず鉄屋に売って、現に富士重工にあるのですが、りっぱなものですよ。今防衛庁が買い込んだのと同じものがあります。そういうふうに非常に制約されていて市場性がないので、価格というものはくず鉄みたようなもので売れる、買い手が少い、こういうような特殊性を持っておると思う。そこで価格計算が非常にむずかしくなると思います。そういうようなことも、たとえばあなたの立場で当時購入するということになれば、価格はどうだろうかというようなことを——間組が、時価で時価でということを主張したという答弁もさっきあったのですが、時価が何ぞやということになったら問題です。それでありますので、これらの点から考えますと、くず鉄並みというような考え方もある、あるいはまた時価ということも、あるいは持っておる人は言うたかもわからぬ。いずれにしてもきわめて用途が制約されておるというので、あなた方も、当時たとえば予算を組むにしましても、大蔵省と話をするにしましても、その辺はかなりむずかしいものだというようなお考えが少くともあって、ときには非常に安く見積らなければならぬ。ガソリン・エンジンは安く手に入るかもわからぬ。そんなこともお考えになりませんでしょうか。そんなことを当時お考えになったかどうかだけでよろしゅうございますが。
○中村参考人 一般的、抽象的な問題として、ガソリ・ンエンジンということを考えまして、それにつきましては、先ほど松崎部長から申し上げましたように、一馬力一万円ですか、それぐらいのものだろうというようなことで、予算の積算はしただろうと思います。具体的な問題を考えて、非常に安く買えるとか、高く買えるとか考えて、予算の積算その他をやったということは存じません。
○上林委員長 次に細田綱吉君に御発言を願います。
○細田委員 まず次長に伺っておきますが、あなたの方で四月の二十日付で出された調書、この調書で現在変更されるような部分がありますか。あなたの方の御見解はこの通りだと伺ってよろしゅうございましょうか。——本委員会に提出された四月二十日付の調書、調書というか、プリントというか、参考書類であります。
○増原政府委員 私どもの出しました資料、これについてこの間この委員会の質疑で明らかになっておりまするが、五、購入価格についてのカッコ三のところ、向うの方の言いました値段は向うがそう主張をしたという意味にこの間は申し上げておりまするが、この点この書きものでちょっと言葉が足りないので、実際に支出した額は次の通りだと主張しておるというふうにこの間質疑応答で申し上げましたが、できればそういうふうに直したいというところだけでございます。この間これは質疑で明らかに……。
○細田委員 三枚目の……。
○増原政府委員 第五ページのまん中ごろのカッコ三……。
○細田委員 はい、わかりました。 中村参考人にちょっと伺いますが、あなたは事務系統の方ですか、技術系統の方でしょうか。
○中村参考人 事務系統でございます。
○細田委員 一億四千七百万円の間組の領収書、それは当時あなは御信用になったのですか。
○中村参考人 私は今初めてこれを拝見いたしましたので存じません。
○細田委員 それでは調達本部長にお願いします。
○武内説明員 お答えいたします。当方から間組へ係官を派遣いたしました際は三通の領収書があった。それは二十八年三月十日、二十八年三月三十一日、二十九年七月九日、こういう三つの代金の支払書、その写しを当方では持って参った。この一本の領収書につきましては係官は記憶がない、こう申しております。
○細田委員 ただいま御答弁の三回について、トータルは今の金額と違いありませんか。
○武内説明員 お説の通りであります。
○細田委員 それの内容は御信用になりましたですか。
○武内説明員 さらに受け取ったという三友の総務部長の正木氏にもこれを渡しました、私も受け取っておる、こういうことです。従って一応この領収書を信じておったわけです。
○細田委員 現在この領収書の原本は、防衛庁の本機械の価格形成の資料として保管されておるわけですね。
○武内説明員 原本は保管しておりません。
○細田委員 あなたは技術系統の方じゃない、事務系統の方だから伺うのですけれども、少くともあなたのさっきの御答弁では、トータルにおいて間違いはない、一応信じた、こういうのですが、本領収書の正木という人は、これは三友の重役でしょう、取締役でしょう。
○武内説明員 総務部長ということを聞いておりまして、取締役ということは聞いておりません。
○細田委員 ほんとに総務部長として御信用になったかどうか。今一つは少くともトータルにおいて一億四千七百万円、しかもこういう膨大な金の伴うマリン・エンジンの価格形成の重要な資料、これで三友の人で実際はない、重役でないのに三友を代表して領収書を発行しておるんだが、こういうようなことはしょっちゅうあなたの方でやられておるのですか。この前証人が出たときに間組の人は、いやだれでもいいから、こういうから今正木君にしてもらったんだ、こんなばかな転倒した答弁はないですね。発行する方はだれでもいいかもしれぬが、受領する人は少くとも会社の代表名義でない者が一億四千七百万円なんというようなでかい領収書をただ取って、発行する方はだれでもいいからというばかな話はない、受け取る方はそれであってはならぬ、そんなことはちょっとわれわれには信用できない、防衛庁がこの金額はトータルにおいて正当であると思ったという、その説明者が正木君だ。しかしこの正木君という人は三友の人でない。あなたの方は、この正木君という人は三友の人だとどうしてお考えになったか、この根拠も一つ伺っておきたい。
○武内説明員 これは取引があった事実に対する領収書でございます。それをあとでわれわれの方でトレースしたわけでございます。お示しのように非常に金額が多い、三友の重役でもないというようなことでありますけれども、一応領収書にはさように書いてありますので、それに従って間組にも出し、なお私にも出した、こういうことであります。
○細田委員 一応取引の事実というけれども、あなたもこの前いろいろの証人の喚問でお聞きでしょう。七千何百万円しか渡っていないのです。しかもこの人は三友の人じゃない。だからあなたの方は一応言ったところが重大な見落しだ。そうでなかったら特別の便宜をはかったためにこういうものをことさらにとっておる。一億四千七百万円というのは膨大な金ですよ。あなたたちには目くされ金かもしれないが、さっき長官に言ったように、未亡人が五人も子供をかかえて飛び込もうかと思ったといったような人たちから取った税金だ。それをあなたたちは、どこの人かわからぬのに、向うでだれでもいいのだというので発行した領収書を何も検討しないで、そのトータルの金額において信用するのですか。一応取引の事実と言われるが、取引の事実は現在でもあったと考えておるのですか。
○武内説明員 取引は一応あったと考えております。
○細田委員 それでは取引のあったということを正木君から聞いたでしょうが、一応そう言うのでしょうが、正木君という人は三友の社員です。少くとも領収書を三友を代表して発行する人たちです。あなたは価格形成の点において、いろいろ将来こういう問題にもぶつかる。またあなた方がほかの問題でいろいろ防衛庁に納入した領収書をとる場合、だれでもいいのだというようなことで、だれでも領収書をとるのですか。
○武内説明員 取引の対象として領収書をとる場合におきましては、これは別問題ですが、これは間組と三友の取引に基いた領収書を見せられたのでありますから、しかも正木は三友の総務部長という名刺を持って当方の係官と接しております。以上のような理由から取引があったものと考えております。
○細田委員 いや、あなたは防衛庁に納入した領収書の場合に、代金をまさに領収いたしましたといって一億も二億ものでかい金を、だれが領収書を発行しても、それでいいというような事務の執行をされておるのですか。
○石井説明員 私どもが契約の相手方から徴しまする領収書でございますれば、これは役員自身の名による領収書なり、あるいは役員の委任に基くそれぞれの担当者の領収書を徴して事務を処理しております。
○細田委員 これだけ大きな価格を構成する資料として、三友の社員でないような人が三友の代表者なりとして一億四千七百万円の領収書を出している。間組がこういう費用がかかっているということをあなたの方はうのみにしている。そうして原価を計算している。これは事務系統の人ならいろはです。三友の人であるのかどうか、重役であるかどうか、しかもこの人たちは従来からあなた方に会って知っている。どこのブローカーであるかということを知っている。どうしてこの一億七千四百万円というようなでかい領収書をそういう見落しをされるのですか。
○石井説明員 私どもの予定価格形成の根拠は、これは適当な価格から形成されておるのでありまして、間組が正木から出した領収書によって金を支出していると主張いたし、かつ本人である正木が確かに受取っていると申しておりますから、価格の関係については、それ以上のことは調査する必要はありません。
○細田委員 あなたの方の見積書提出に対する査定はきわめてずさんなものですね。ただそう言っておりますればそれでいいのですね。現に本件はそうです。何でもそう言っておりますればいいんだね。あなたの方は国民の税金を乱費している。どうなんです。検討が原価計算の上に必要ではありませんか。その検討をしないで原価計算ができますか。
○石井説明員 間が支払いました金額が、われわれと間の間にあります概算契約とか実費計算の契約とか、そのようなものに基いて調査するのでありますれば、もちろんとことんまで調査するのでありますが、今回の契約においてはそのような関係に立っているわけではありません。価格を調査するための資料とか、歳出を決定する根拠になっておったものではありませんので、その程度の調査しかしておりません。
○細田委員 それではあなたの方の一台当り千二百五十万円の価格形成の根拠をもう一度おっしゃって下さい。
○石井説明員 本機は相当品でありますイタリアイソタ社ASM一八四を輸入するといたしますと千八百八十七万四千円であります。これを経年減価四〇%を見込んだ。そうしてこれを四〇%見込みましたものに、分解、試運転、組立て等の費用百六十一万五千円を加えて千二百五十万円といたしております。
○細田委員 四〇%引いたわけですね。その根拠はどういうわけですか。
○石井説明員 本機はその使用の実態から見まして、経年減価を相当と認めるものと判定をいたしました、しかして本機は木造船の動力漁船あるいは薬品船と同じような耐用命数に相当するものと考えられましたので、大蔵省の固定資産耐用年数表によりまして七年間の定率償却という原則に立ち、残存価格三%と認めますと、ただいまの四〇%という減価率に相なっております。
○細田委員 中古エンジンというのは、機能の点からいえばあるいはそうかもしれません。しかし一般市場において中古エンヂンというものは、ものによっては半額以下である。あるいはもっと低い。自動車なんかだれでも使えるから、そういうだれでも使えるものなら、あなたの算定方法はそれでいいのかもしれない。どこへでも市場性を持って売れるからだ。ところがこういうものは特別のものでしょう。桑原証人も言ったように、百万円で香港方面にたくさんあるというのです。それをこういうような結果から考え出したような算定方式で、国民の税金を湯水のごとく使っている。実際そうだ。そういうばかな無責任なことでは、防衛庁のあなたたちにはとても予算をあずけておかれないと思う。一応聞いているというけれども言い訳ですよ、ちゃんとあなたの方へ原価はこれだと言って最初出ている。きょうは一応の相手方の言う主張であるというようなことを増原次長は言っておったのでありますが、あなたの方は、間組がこういうような原価がかかっているのだ、費用を使っているのだと言って、ちゃんと本委員会に説明している。こういうようなことからいって、実にあなたたちの予算の執行はでたらめなんです。これは親子心中するような人たちから取っている税金ですよ。かりに直接税を取っていなくても、間接税でたくさん取っているでしょう。半額は間接税で取っている。そういうような貴重な国民の血と汗を実にあなたたちは無責任きわまる使い方をしている。そして結果において、いや一応の相手方の主張である、いや四〇%どうのこうのというようなことを言って、実に無責任な予算の執行をしておると思う。あとの質問は、私ちょっと先に出なければなりませんので、留保しまして私の質問を終ります。
○上林委員長 次に坂本泰良君に御発言願います。
○坂本委員 一、二点お伺いしたいのですが、本件のマリン・エンジンのことについて元海軍中将の小林省三郎氏が長沢氏、松崎氏それから矢幡氏、当時の中村装備局長こういう方々に面会されたことがありますか、いかがですか。
○長沢参考人 私は小林中将にお会いした記憶はありません。
○坂本委員 一回も……。
○長沢参考人 一回もありません。
○松崎参考人 お会いしたことはございません。
○中村参考人 私もございません。
○矢幡参考人 私もございません。
○坂本委員 われわれの調査並びに本委員会における証人の証言によりますと、ことに沢氏の証言によると、保安庁で魚雷艇の計画がある、これに対して三井が主たる——三井というのは第一通商と思うのですが、これが売り込みをやっているのだが、もっと強い線で運動しなければならぬというので、小林元海軍中将を通じて当時の旧海軍の部下であった長沢氏とか増原氏に運動をしなければならぬというので依頼した、こういうことを聞いておるのですが、増原次長もそんなことはありませんでしたか。
○増原政府委員 私もお会いした覚えはございません。
○坂本委員 そうしますと間組の日野謙三それから経理課長の塚元、こういう人に会ったことはありませんか。増原次長いかがでしょうか。
○増原政府委員 私、この間証人台に立たれたのを見ておりましたが、お会いした記憶ございません。
○坂本委員 当時の海上保安隊の関係者であった長沢参考人、松崎参考人は、この沢という人に会われたことがありますか、いかがですか。
○長沢参考人 私はお会いした記憶がどうもないのでございます。
○松崎参考人 私はございます。
○坂本委員 塚元氏は保安庁の上の方からずっと山下技官まであいさつに行ったということを言っておるわけですが、長沢さんはお会いしたことはないとおっしゃるがどうです。それから、松崎さんは何回会ってどういう用件でお会いになったか。
○松崎参考人 私は、井上という方だったと思いますが、井上という方は富士重工の技術者でございますが、その方がパッカード・エンジンがりっぱな性能を出すようになった、一ぺんこれを見てくれんかといってこられたときに塚元さんが一緒だったんじゃなかったかと記憶しております。
○坂本委員 それはいつごろでございますか。
○松崎参考人 二十九年の四月ごろだったと記憶します。
○坂本委員 この沢とか杉山とか正木、黒岩、こういうような人がこのエンジンのことで長沢当時の幕僚監部警備部長のところに、要件は別にしてあいさつに来たことはありませんか。その点はいかがですか。
○長沢参考人 私は今考えておるのですけれども、おいでになったと言われるのでしたらあるいはお目にかかっているのかもしれぬと思いますが、私記憶しておらないのでございます。
○坂本委員 この連中がこのパッカード・エンジンの売り込みについて面会に来たことはありませんか。その点どうですか。
○長沢参考人 思い出せません。
○坂本委員 松崎当時の技術部長はいかがですか。
○松崎参考人 沢さんという方が見えたことを記憶しております。
○坂本委員 それはいつごろですか。
○松崎参考人 二十八年……。
○坂本委員 何月……。
○松崎参考人 月は記憶ございません。
○坂本委員 二十七年の八月の中ごろに中村装備局長のところに今あげました沢とか杉山、正木、黒岩、こういう連中がこのエンジンのことでお伺いしたことございませんか。
○中村参考人 先ほど申し上げましたように、沢氏の見えた最初が秋ごろだったと記憶しております。あとの方はは一つきり覚えておりません。
○坂本委員 二十七年の秋ごろ、だれの紹介で参りましたのでしょうか。
○中村参考人 はっきり覚えておりませんが、多分鉄道——私は国鉄の出身なものでありますから、国鉄関係の先輩の方の御紹介じゃなかったかという記憶がございます。
○坂本委員 矢幡船舶課長と山下技官は、二十七年の八、九月ごろこのパッカード・エンジンの試運転に立ち会われたことはございませんでしたか。
○矢幡参考人 私はございません。
○山下参考人 八、九月ですか。十一月には参っておりますが……。
○坂本委員 二十七年の十一月に試運転に行かれた。その十一月の試運転の際には、その試運転の結果は先ほど証言があったと思うのですが、どういう人が集まりましたか。
○山下参考人 このときにこちらから参りましたのは四人ですが、向うにおられましたのは杉山さんと正木さんと、あと第一通商の方が二、三人、それにまあ運転関係の方がおられたと思いますが、名前は覚えておりません。
○坂本委員 あなたの役所の方から、あなたとだれがおいでになりましたか。
○山下参考人 海幕からは志賀という人と山下と二人参りました。
○上林委員長 時間も相当たっておりますから、一つ質問を整理して下さい。
○坂本委員 志賀という方はどういう方でございますか。
○山下参考人 志賀という方はエンジンの専門家であります。
○坂本委員 あなたはその当時保安庁の海幕の公務員でいらっしゃいますが、この試運転にはどういう資格で立ち会いになりましたか。
○山下参考人 これは技術部長の命令を受けまして参りました。
○坂本委員 技術部長と申しますと松崎さんと思うのですが、松崎さんはどういう理由で、どういう関係でこういう命令を出されたのですか。
○松崎参考人 そのときの命令をはっきり覚えてはおりませんが、いつでも船舶課長が出張する場合には、私のところにきて許可を受ける。それから船舶課の技官の出張のときには船舶課長が決裁をする。
○坂本委員 矢幡は船舶課長ですね。やはり命を出されたのですか。
○矢幡参考人 はっきりは覚えておりませんが、私の課員が出ますときには、必ず私の許可を得て出ることになっておりますので、そのときも許可を得て出たと思います。
○坂本委員 許可されるについては、どういう理由で試運転に立ち会うか、その点いかがでしょうか。
○矢幡参考人 この場合でございますか。
○坂本委員 この場合です。
○矢幡参考人 この場合は、私は今はっきり記憶がないのでございますが、山下君のそのときの記憶によりますと、技術部長から一つ行って見てこいと言われたという記憶がありますので、部長からそういう命があったとなれば、私は私の課員を出すことに異議がありませんので、その当時命令を出したと思います。
○坂本委員 山下技官はどういう命令を受けてこの試運転に立ち会われましたか。
○山下参考人 これは第一通商の方から、この前見ていただきましたパッカード・エンジン、これが回るようになったので、参考のために、勉強のために見に参りませんか、こういう勧誘を受けまして、この前見た関心のあるエンジンでもありましたから、回るものなら一応勉強のための見学ということで行っても差しつかえない、こういうように記憶しております。
○坂本委員 その前にも一回見たというのは、そのときはどういうふうな資格で見られましたか。
○山下参考人 その前は二十七年の七月でありまして、これは課長と参りましたが、やはりパッカードという、このときはディーゼル・エンジンであります。ディーゼル・エンジンがあるから参考のために見ていただきたい。そんなエンジンがあるはずはないと一応考え直しましたが、いや確かにある、現にあるから見てくれというようなことで、やはりわれわれとしてもいろいろな珍しいものは、技術上の資料としまして参考のために必要なので、一応勉強のために参ったのであります。
○坂本委員 山下さんはこれを見に行った帰りに、ことに二十七年の十一月は、その試運転の帰りに新橋の山下という料亭でごちそうを受けられたことがあるのですか。
○山下参考人 試運転に行った帰りではございません。これは二十七年のいつごろであったか記憶はしておりませんが、第一通商の方から、われわれはこういうパッカードというものがどういうエンジンだかわからないし、また魚雷艇に積むということもわからないし、魚雷艇というものも見たことも聞いたこともない、いろいろずぶのしろうとでわからないので、技術的なことについ教えていただきたいから、みんなたくさんおるから一つ説明してくれないか、こういうようなことを頼まれまして、勤務時間外に第一通商、その当時三信ビルにございましたが、そこに参りまして、いろいろ私の持っております資料で説明いたしました。おそくなりましたのでお食事をどうぞということで参りました、
○坂本委員 あなたはそうおっしゃるけれども、それだけでなくて、再三再四、間組の関係とかあるいは杉山、沢、こういう連中と食事なんかされたことはないですか、その点はどうですか。
○山下参考人 もう一度、期日は覚えておりませんが、やはり山下で食事をしたことはございますが、それ以外には記憶はございません。
○坂本委員 この杉山証人の証言によると、このパッカード・エンジンの運動をする雑費として飲食費に百九十万円くらい使った、こういうことを証言いたしておるわけなんです。われわれはいろいろ聞いておるわけですが、増原次官は中代議士に三、四回は会った。どうですか、料理屋で飯を食ったり何かしたことは、このパッカード・エンジンの問題で間組関係とか、杉山、沢、こういう連中とやられたことはありませんか、どうですか。
○増原政府委員 私この件で食事をしたようなことはございません。沢証人がこの間証言で、私に一ぺん会ったというふうに言われまして、私顔を見ましていろいろ思い出そうといたしましたが、いつどこで会ったか記憶はございません。
○坂本委員 長沢、松崎氏はどうですか。百九十万円も運動費に使っておるわけですが、あなた方は儀礼的の程度でやったかもしれませんが、食事なんかされたことはありませんか、どうですか。
○長沢参考人 ありません。
○松崎参考人 私もございません。
○坂本委員 もちろんここでは言えないでしょうが、中村装備局長はどうですか。
○中村参考人 ございません。
○坂本委員 これは実はここで言えないだろうと思うのですが、百九十万円の飲食費を使っておるわけですよ。これはここに大きに疑問をわれわれはまだ持っておるわけですが、なお最後にもう一つ聞きたいのは、増原次官は船田代議士とは面会されたことはありませんか、このエンジンの問題で。
○増原政府委員 先ほど申し上げたように、船田さんは前々から承知をしておりまして、昭南等でさらに御懇意を願いましたので、よく承知をしておりますので、ときどきお目にかかることはございます。しかしこのパッカードのことを船田さんから頼まれたということは記憶にございません。
○上林委員長 各参考人に対して他に御質問はございませんか——ないようでありますから、参考人に対する質疑は以上をもちまして終ります。 参考人各位には長時間を調査に御協力下さいましてありがとうございました。退席されてけっこうです。 本日はこの程度にて散会いたします。 次会は公報をもってお知らせいたしますが、十六日午前十時半より証人菊岡英雄君より証言を求めることといたします。 午後五時三十九分散会