決算委員会 第20号
- 発言数
- 187 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/04/03
会議録
○上林委員長 これより会議を開きます。 昭和三十年度一般会計予備費使用総調書(その一)、昭和三十年度特別会計予備費使用総調書(その一)、以上二件につき承諾を求めるの件、並びに昭和三十年度一般会計国庫債務負担行為総調書、以上三件を一括議題といたします。 まず前回の委員会におきまして、吉田委員より要求のありました資料につきまして、自治庁より説明を聴取いたしたいと存じます。石渡説明員。
○石渡説明員 前回の委員会で、吉田委員から御要求がございました資料を本日お配りいたしましたが、それにつきまして御説明を申し上げます。 まず最初のページにありますのが、委員の任命の日でございます。ここに問題となっておりましたイギリスへ出張いたしました委員の発令の日は、五月十二日ということになっております。それから二ページは、委員及び選挙部長の海外出張につきまして、閣議了解人事の写しでございます。それから三ページの「海外渡航について」というのは、これは渡航審議会の承認の写しでございます。その次のページは、これは高橋、矢部、坂三委員の海外出張につきまして、総理大臣の旅行命令の決裁の写しでございます。 ここで若干御説明申し上げたいと存じますが、前回、前々回の委員会で、資格の点が問題になっておりましたが、資格につきましては、選挙制度調査会委員という資格において命令を受けております。それから命令権者でございますが、これは選挙制度調査会令によりまして、選挙制度調査委員は内閣総理大臣が任命するということになっておりますので、旅費法にいっております旅行命令権者の各省の長は、所属の総理大臣ということになっているわけでございまして、総理大臣の決裁を経て命令が出されているということになるのでございます。 それから用務地でございますが、用務地はグレート・ブリテン国ということになっております。過日選挙部長がロンドンというようなことを申しておりましたが、これはこのようにイギリスに出張を命ずるということになっております点を御了承いただきたいと存じます。 それからその次のページは、これは大蔵省令によります旅行命令の様式に基きました命令簿の写しでございますが、旅行権者のところに印はありませんが、これは前の決裁の写しで旅行命令がなされているということでございますので、この印がないわけでございます。 それから次のページの概算請求書の写しでございますが、これは旅行命令にあります十八日から六月四日までという期間におきまする旅費法に定めまするところの定額による概算の請求でございます。ここでは出発と帰着につきましての外貨に関係のない分については請求炉なされておりませんので、これはあとで申し上げます精算の際に追給をいたしております。それから雑費の三千円という概算の交付でございますが、これは後に申し上げますように、九百円しか使用いたしませんでしたので、その差引計算を精算の際にいたしております。 それで旅行地でございますが、これは旅行命令にありましたグレート・ブリテン国ということになっておりましたので、その国内の目的を達する上に必要な地域であれば、命令を受けた者の選択によって行けるということになるでありまして、概算の請求におきまししはバーミンガム、グラスゴー、エジンバラ三つの地域を選んでおります。しかしながらこれにつきましては鉄道賃について請求がございません。これは実費支給でございますので、精算の際にということでこの請求がなかったわけでございます。それから次のページは精算請求書でございますが、これにつきましては、帆算の際に申し上げましたように、出発と帰着の外貨に関係のない分の日当について追給をいたしまするが、雑費の三千円から実際に使用いたしました九百円を差し引き、概算と精算の差額の五千二百七十円について追給をいたしております。 ここでこの用務地について概算と同じようにバーミンガム、グラスゴー、エジンバラが記載されておりますが、これは私どもの方のミスでございまして、前回の選挙部長の答弁にありましたように、鉄道ストの関係からいたしまして、これらの地域に事実行かなかったのでございまして、また精算といたしましても、鉄道賃の請求はなかったのでございます。いずれにいたしましてもイギリス国内に滞在いたしておりましたので、滞在の請求については、これは問題ないわけでございます。 それからここで過日来問題となっておりましたが、これ以外にフランクフルトからボンに立ち寄って、ドイツの選挙制度を調査いたしたのでございます。これの関係からいたしまして、帰着が六月四日ということになっておりますが、実際の帰着は六月七日に延びておるのでございます。この関係につきましては、旅行命令以外の地域に参った点について問題になったのでございますが、われわれの事務的な解釈からいたしますると、この関係は私的な旅行とみなさざるを得ないのではないかと存ずるのでございます。外貨の点は、これは定額支給でございまするので、多くを要しましても追給をいたしません反面、少く使いましても返還を命じないという定額主義をとっておりますので、この外貨の節約によって得た余裕によって、ドイツに二日間でございますが、その分をまかなうことになるのであろうと思うのでございます。そうして非常勤の委員につきましては職務上の問題は起らないのでございますが、選挙部長につきましては、服務問題ということが残ると思うのでございますが、これにつきましては、出発に当りまして、もしできたらドイツの方に寄って選挙制度についても調査をしたいというようなことで、前大臣の了解も得ておるということでございますので、その点も御了承をいただきたいと存ずる次第でございます。以上概略でございますが、御説明を申し上げた次第でございます。
○上林委員長 前回の委員会におきまして吉田委員より要求のありました資料について自治庁より説明を聴取いたしましたが、これに対する質疑はあと回しにいたします。 それでは予備費のうち総理府所管中英国における選挙制度等の必要な経費の項目につきまして、当時の自治庁長官でありました議員川島正次郎君より当時の状況等につき意見を聴取したいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上林委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。吉田委員。
○吉田(賢)委員 川島さんに伺いたい要点は、実は昨年の五月に、ただいまの選挙制度調査会が発足する前に、今おあげになりました高橋、矢部、坂並び兼子選挙部長を総理大臣がイギリスへ選挙制度調査に派遣いたしまして、その事務一切をあなたの方でおとりになった、こういうふうに聞いております。つきましてはその旅費は全部予備費で支出し、予備費の承諾を今求められておりますので、本委員会においてこれを審議中でございます。このような事情であなたのお名前が出て参りまするので、一、二伺ってみたい、こういう次第になっております。 第一に伺いますが、当時自治庁の長官であられましたあなたが特にこの四名の方々をイギリスに派遣することになった選考事情につきまして聞きたいのであります。目的は大体明らかになっておるのでありますけれども、小選挙区論者といった人を特に選ぶような事情があったのかなかったのか、この辺について一つ御意見を伺っておきます。
○川島正次郎君 お答え申し上げます。実はあのときは、私の考えとしましては、十名前後の委員の方にイギリスに行って御調査願う、こういうことで大蔵省と折衝いたしたのでありますが、大蔵省の意向としまして、経費の関係その他で委員は五名にしてもらいたい、なお事務当局一名、計四名に限る、こういうことになりまして、結論的には委員五名、兼子選挙部長の四人にイギリスへ行ってもらったわけであります。当初はもっと多いわけであったのであります。 人選につきましては、高橋、矢部、坂三委員のほかに内交渉した人がありますけれども、いずれも御用の関係で御承諾を得られませんで、結局右申し上げました主君ということに相なったわけであります。
○吉田(賢)委員 そこで、これらの人々の旅行の目的地はイギリスでありまするが、あなたがドイツに行くことの了解を与えたということが答弁されたのでありますが、そういう事実がありますか。
○川島正次郎君 派遣が決定されました後に、坂委員からイギリスの調査が済んで後に、もし時日の余裕があるならば、既定された旅費の範囲内でもってドイツへも回って、ごく短期間でドイツの選挙制度を調査したいというお申し出がございましたので、それは差しつかえないから一つ調べてもらいたいということを坂君に言っておきました。その際ちょうど同席しておりました兼子選挙部長からも坂さんが西ドイツに行かれるならば、私も同行して行ってみたい、こういうことのお話でありまして、それもよかろう、こういうふうに私は返事をいたしたわけであります。
○吉田(賢)委員 これらの人の形式的な任命は総理大臣ということになっておりますが、実質的には自治庁の長官がその事務を担当せられたことに間違いないのでございますか。
○川島正次郎君 法規上そうなっております。
○吉田(賢)委員 そこで公務員を海外に出張せしむる場合に、大蔵大臣に旅行者から申請をいたしまして、外国向けの支払い許可申請に関する各般の手続がなされるはずでございます。あなたの立場は公務員の旅行先を自由に他の国へも出張を認めるというような権限が一体あるのでありますか。どうですか。
○川島正次郎君 イギリスの調査が終りましてから、なお時間の余裕がありますし、それから旅費は一切増額しない、こういろ制約があるのでありまして、せっかく行ったついででありますから、西ドイツの選挙制度等も調査されることは選挙制度調査会に必要な資料を提供する道だ、こう考えて承認を与えたわけであります。
○吉田(賢)委員 もしそうであれば、ドイツへ行って調査してきたその旅費関係も精算するというのが公務員の外国への旅費規程の趣旨ではないのでありますか、いかがですか。
○川島正次郎君 坂君にいたしましても、兼子君にいたしましても、イギリスの選挙が終って帰りがけにドイツを通って帰った、こういうことになるのでありまして、私はその点は差しつかえないのではないか、こう考えております。
○吉田(賢)委員 会計課長に聞きますが、国家公務員などの旅費に関する法律第三十四条によりますと、航空賃は現に支払った旅客運賃、車賃はその実費額によるということになっておる。あなたのさっきの御説明によると、渡し切りであって、余っても返さなくてもいいということをおっしゃっておるのでありますが、この趣旨に抵触すると思いますが、それはどうですか。
○石渡説明員 ただいまの旅費法に定めておりますように、実費額の支払い証明によって精算をされて、それに基いて支払いをいたしておりますが、航空賃につきましては、航空券を実際に購入をいたしました日本交通公社の所長の証明によって支払っております。この証明の内客は、航空会社名が英国海外航空会社でございまして、航空賃が五十一万八千九百六十円、それから搭乗区間が東京・ロンドン往復ということになっております。その通り支払いをいたしております。
○吉田(賢)委員 現実に旅費精算請求書によりますと、あなたの方では書き違えだというふうにおっしゃっておりましたが、それぞれ本人は署名捺印して請求しておるのでありますから、第三者のあなたが書き違えだというようなことではどうも委員会は納得しないのであります。私も納得できない。三十一日にエジンバラを出発してロンドンに帰着した。それから一日にはロンドンで宿泊しておる。それから二日にはロンドンを発して東京に帰っておる。言いかえますと、一日にロンドンで宿泊して、二日にロンドンを発して東京に帰着する。こういうことになっておるのであります。そういたしますと、精算書というものは実情に即してなされるのではないでしょうか。そしてまた行ったことがないところが宿泊地として書いてあるというような御説明のようにさっきも拝聴しましたが、当時自分がそれぞれ署名捺印した請求書に行ったことのない土地を書くということも一応不可解な事実と申さねばなりません。要するにこういう点は事実に即して運賃を精算するというのが公務員の旅行に関する旅費の規程であろうと思うのであります。これは事実に即しておらぬのであります。この点につきましては、川島さんは当時の自治庁の長官であられたのですが、どうお考えになっておりますか。つまりそれでは込みの運賃はつかみ渡しであって、どういう道を通ってこようとも、また精算書が事実に即しない経路が書いてあっても何でもいいのだ。こういうことに一体精算書はなるものでありますか。そういうことであるなら、何も精算書というものをとる必要もないのであります。またこんな公務員の旅費規程の法律を作る必要もないと思う。こういうふうに事実に即しないで旅費が精算請求せられるということは御説明で明らかであります。たまたまドイツへ行ったことについて、ドイツへ行った日数が一日、二日であったということは小さな問題とおっしゃるかもわかりません。しかし会計の法規はそういう趣旨にはなっておらぬのであります。この点についてどうお考えになりますか。
○川島正次郎君 私は会計法上のことをよく存じませんから、もう一度会計課長から御説明をお聞き願います。
○吉田(賢)委員 この四人の方が旅費の精算請求書を出して、不足があるからもらいたいといって、さらに請求して金をとっておられる。ところがその内容を調べて見ますと、イギリスの、行ったことのない土地が記載されてあるのであります。たとえばエジンバラなんかは行ったことがないそうであります。ところが本人が行ったことのないところを記載して旅費を請求しておられる。それからドイツのボンにも行っておられる。ボンに行ったのは何でもこれは鉄路で行かれたらしい。というのは前回の御当人の御説明なんであります。こういうドイツへ鉄路で行き、ドイツに滞在しました経費は書かれておらぬのであります。受け取った。金が余っても返さなくていい、足りないときは適当にやって、要するに旅費の範囲でドイツへ行ってくることを了解した、こういう御説明なのでありますが、それならば第一は、行かないところを行ったとして請求しておる事実はいかがですか。それから行った外国、ドイツの土地に行って、その要った旅費の精算が行われておらぬということは実費請求の法律の趣旨に反しはしないか。これらの矛盾から推して参りまして、あなたの言うごとく過不足は勝手に本人の損益に帰するということであるならば、後日精算してさらに不足額の請求をするということも、これは筋が通らぬではないか、こういうふうに考えるのであります。こういう三点につきまして、当時の責任者であられたあなたから、一つはっきりした御答弁を願いたい。川島さん、あなたはわかりませんか。
○石渡説明員 どうも前大臣ではこまかいことはおわかりにならぬでしょうから、私から御説明いたしたいと思いますが。概算につきましては先ほども御説明申し上げましたように、グラスゴー等に参りたいという予定で概算の際に記載して請求をいたしておるのでございますが、精算の際にこれは私どもの方の事務の手違いでございまして、概算の通り請求すればいいということからいたしまして、概算そのままをここにあげたのでございます。実は鉄道賃も請求はございませんが、滞在につきましては、いずれの地に滞在いたしましても滞在の定額は同じことでございますので、このことで御了承いただきたいと存ずる次第でございます。
○吉田(賢)委員 そうしたら川島さんに伺いますが、一体公務員が外国へ旅行いたしましたと遂に、一般的に行ったところを書かなかったり、行かなかったところを書いたり、鉄路行って空のを請求したり、したりしなかったり、そういうことは要するに大した問題にならぬのでありますが、この精算とか請求とかいうことは、一体官庁といたしまして、そういう会計というものはかなり厳正に行われるというふうになっておるのではないでしょうか。一般的に川島さん、あなたはどうお考えになりますか。まあ会計法規をわしは知らぬと言いましても、そうもいきますまい。
○川島正次郎君 旅費請求書を私は初めて見ますので、実は吉田さんお尋ねの事情は知らなかったのでありますが、今のお話のようでありますと、おそらくこれは間違いじゃなかったかと思うのです。間違いならば訂正する道をとることが必要ではないかと思います。なおこの事情を私よく調べまして御返事をいたします。
○吉田(賢)委員 これは第一済んだことでありまするのと、それから金額、道回り等が非常に大きな額並びに距離等でありませんので、私は多く追及するつもりはないのであります。ないのでありまするけれども、とかく旅費というものはおろそかな精算をせられるということになりがちであるといううわさもずいぶんありまするので、この点相当精密に伺ったのであります。事務当局の間違いであったということならばまことにこれは遺憾でありますが、川島さんも前任者といたしまして、一応調べた上で何らかの処置をしたいということでありまするから、それでは適当に文書でも出していただいて、それで一応終ることにいたしておきましょう。よろしゅうございます。
○上林委員長 それでは川島議員に対する質疑はこれでよろしゅうございますか。
○吉田(賢)委員 よろしゅうございます。
○上林委員長 自治庁の資料の説明に対する質疑も一応終了してよろしゅうございますか。
○吉田(賢)委員 よろしゅうございます。 —————————————
○上林委員長 それでは厚生、農林、通産、運輸、建設、これが見えておりますが、どうしましょうか。一括していいのですか。
○吉田(賢)委員 引き続いて質疑を継続させていただきたいと思います。
○上林委員長 それでは質疑を続行いたします。吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 外務省の方は見えていますね。
○上林委員長 外務省は今すぐ見えるそうです。
○吉田(賢)委員 厚生省は見えておりますか。
○上林委員長 出席しております。
○吉田(賢)委員 厚生省の名瀬の災害に対しまして、災害救助費を三千六百万円お出しになっております。これは昭和三十年十二月二十七日の閣議決定になっておりまするが、これは全部所要の業務が一切完了ということになっておるのでありますか、その点をちょっと伺っておきます。
○堀岡政府委員 支出済みでございます。
○吉田(賢)委員 作業です。業務はどうなっているのですかと聞いておるのです。支出済みは書いてある。
○堀岡政府委員 業務とおっしゃいますと災害救助に関するたき出しでございますとか、小屋がけでございますとか、一般災害救助の際支出する県の支出、それに対する補助をいたしております。(「もっと大きな声で言え」と呼ぶ者あり)災害救助法に基きます小屋がけでございますとか、たき出しでございますね、それから医療費の支給、それらに要します県の費用に対しまする国の補助金でございます。
○吉田(賢)委員 そういうことを聞いているのじゃないのですよ。これは私も法務委員会におきまして、罹災都市の借地借家に関する法律案の作成にも参加して存じておりますが、その目的となっておるいろいろな事業が具体的に進行して完了しておるのかどうか。残っておるのかどうか。不足があるのかどうか。金が余ったのか、あるいは足りなかったのか、そういうことを具体的に聞こうとしておるのです。法律的に補助金であるとか、国庫負担金であるとか、そんな根拠を聞いておるのじゃないのであります。
○堀岡政府委員 名瀬の火災によりますところの災害救助に関する費用として、三千六百万円の支出をいたしたわけでありますが、これの事業は全部終了いたしております。
○吉田(賢)委員 それなら何をしたというのですか。具体的におっしゃって下さい。
○堀岡政府委員 具体的に申しますと、緊急避難の場所の設置でございます。それとたき出しの費用、それから被服、寝具等の衣料費それから学用品、それの輸送費、それから小屋がけ等に要します人夫賃、当時の医療の費用、それから水の供給とか、応急住宅の仮設でありますとか、罹災者の救出、こういうものでございます。
○吉田(賢)委員 それでは大体何ほどの事業費を予定したのですか。
○堀岡政府委員 一応被災戸数がはっきり出ています。それから罹災者が出ています。それにそれぞれの所定の率をかけまして、単価を出しているわけでございます。これは非常にこまかくなりますので、何でございましたら別刷りの資料で差し上げたいと思います。
○吉田(賢)委員 ここはいろいろと、公共施設、公共団体等の建物なども罹災を受けたと思うのであります。これはあなたの方の所管ではありませんが、事業はかなり残っておるようです。 それに関連しまして建設省の方に伺いますが、名瀬の火災による官庁施設の災害復旧の経費が、予備費として、厚生省と同一の四千万円あまり決定いたしまして、前会いただいた資料では支出済みがまだわずかに十五万円であったのでありますが、これは全部支出済み、事業完了ということになっておりますか、どうですか。
○建部説明員 名瀬の火災復旧に、官庁の建築といたしまして、一般の合同庁舎と、港湾関係の官庁等を収容いたします港湾合同庁舎と二件、この予備費で建築に着工いたしましたが、現在一般の合同庁舎の方におきまして契約額が二千六百十九万二千円、三十一年三月末現在におきまして支出済みが千六百九十九万五千円、繰り越し額が九百十九万七千円となっております。それから港湾合同庁舎につきましては、契約額が一千三百三十万一千円、支出額が八百六十二万三千円、繰り越し額が四百六十七万八千円ということになっております。
○吉田(賢)委員 そうしますると、建設省の仕事では約千三百万円余りが繰り越しになっておりますが、厚生省関係においても当然これに伴ってやはり業務がおくれるというのが普通のようにも考えられますが、その点については全然そういう関係にはないということになるのでありますか。
○堀岡政府委員 厚生省の所管は、たとえばたき出しが罹災後十五日間でございますとか、避難場所は大体五、六日とか、あるいは一週間とか、火災後におきまするところの短期間の応急事業だけでございます。主として長くかかりますのは、仮設住宅でございますが、大体済んでおります。精算書は県の方から参っておりませんが、原生省におきましては概算払い全額支出済みでございます。
○吉田(賢)委員 そうしますと、あなたの方は地方の公共体に対して支払ったという趣旨なんですか。
○堀岡政府委員 さようでございます。
○吉田(賢)委員 現に建設省の資料によれば、火災による住宅施設というものの復旧についてもかなりこまかい仕事が計画されたようであります。従って私があなたに最初に聞いたのは、本省として支出済みであるかないかという点よりも、実質的に名瀬災害復旧という緊急な事業自体が完了したか、まだ進行の途中であるかという点を聞こうとしたのであります。ただいまの御説明によると、その点は建設省の計画も官庁の建物のみに限らず、一般民家等にも相当手が差し伸べられているようでありますから、従って現実に末端の業務が完了しているかどうかということはまだ確認していないというように了解していいのではないですか。
○堀岡政府委員 県からの精算がまだ提出されておりませんので、お説のような意味に御解釈なさって差しつかえないと存じます。
○吉田(賢)委員 これはいつ精算するのです。
○堀岡政府委員 六月まででございます。
○吉田(賢)委員 年度末にもなりますし、すでに国会に予備費の承諾を要求していると遂に、この金の支出が済んでいるかいないかということを本省は確認するという義務はないのですか。
○堀岡政府委員 急いでそういうことをやるように督促をいたしておりますが、まだできませんので、なるべく早くやるようにいたします。
○吉田(賢)委員 由来官庁などにおきましては、年度末になったときに法規の許すぎりぎりの最後まで報告しないというような、そういうだらしないことなのでしょうか。やはり予備費の承諾を求めるという段階に立ち至るならば、すみやかにそういう一切の精算の資料を整えて準備するということが政府の当然の責任であるように思うのですが、この点については一体会計課長以外だれも見えておらぬようでありますから、主計局次長に伺いますが、ただいまのような問題について、地方公共団体が国家の分担金とか、補助金、負担金などを適切に使用することを怠っておるという事実も一般的にいってないではないのであります。でありますので、ことに予備費を使用いたしましたときに、予備費が果して一切末端において業務の主体の方面において支出済みであるかどうかということの精算を、この国会に承諾を求めるのに間に合うように整えるということが、私は一般的な態度として必要でないかと思うのでありますが、これについて大蔵省のお考えを聞いておきたいと思います。
○宮川政府委員 吉田委員の御指摘のように、予備費の使用につきまして予備費の支出状況はどうなっておるか、たとえば補助金につきまして、補助金を交付いたしました地方公共団体がどのようにそれを使用しておるか、残額はどの程度あるかというようなことはできるだけ詳細に調査いたしまして、御審議の際にこれを調書として出しまして御審議願うのが適当かと思うのでありますが、たとえばただいま問題になりました名瀬市における火災の補助金につきましては、厚生省から答弁がございましたように鋭意督促しておるのであろうと思いますが、遠隔の地あるいはその他のことで調書がおくれておるんではないかと思うのであります。今後大蔵省といたしましても各省によく連絡いたしまして、予備費の支出状況がどうなっておるか、特に補助費等につきましてどうなっておるかということにつきましては、できるだけ御審議の際にごらん願うように努力いたしたいと考えております。
○吉田(賢)委員 この予備費の各費目を見てみますと、災害復旧の経費が大部分なのであります。従って災害復旧でありますから、われわれはなるべくこのようなやむを得ざる経費というふうに見て寛容な態度をもって臨むように考えておるのでありますが、しかし現実に支出が行われておるのか行われておらぬのか、事業がどうなっておるのかということを所管省が把握しないで国会に予備費の承諾を求めるということは、私は予備費の精神を軽視しておるのじゃないかと思う。昨年度の予備費におきましても、しばしばこれらの点につきまして予備費の過大要求、予備費制度の乱用ということが憲法、財政法の趣旨をじゅうりんするのではないか、こういった少しきつい言葉すら使ったのであります。だから予備費につきまして国会に承諾を求めるときには、一応その段階における精細な計算の必要な書類といったものを取り寄せて、そして責任を持って一切の答弁に当るというふうにするのが順序であります。なるべくとかなんとかそういうことではないと思うのです。そういうことになりますと、それは末端において乱れてしまうし、あるいはまた予備費支出の目的を達しないかもわからぬと思うのです。各省庁概して災害復旧でありますので、特にそういうふうに思うのです。これはやはり何とか大蔵省として各省に対してしかるべき方法をおとりになる必要があると思うのだが、こういう何らかの措置をおとりになりますか、なりませんか。
○宮川政府委員 御指摘通り予備費は憲法の例外といたしまして、国会の協賛を経ないで内閣の責任において支出をするものでございまして、要するに緊急の用に充てるために出したものでございますので、緊急の用に充てるために予備費を出す以上は、予備費の承諾を国会に求めます際に、どういうふうに金を使ったかということをば出すのが至当かと思います。私どもといたしましてもできるだけ予備費の使用につきましては厳正にいたすように心がけておりますが、何しろ各省各庁にわたりまして相当な金額になっておりまして、項目も多数ございますので、全部につきまして詳細な資料を的確に出すことがあるいは間に合いかねる場合もあろうかと思いますが、できるだけ詳細に使用状況を御審議の際に出すように各省と協議いたしまして、大蔵省として努力いたしたいと考えます。
○吉田(賢)委員 これは大臣が来られたらはっきりと言質をとっておくべき案件だと私は考える。必要な経費をお使いになることは何とも申し上げませんけれども、やはりあとで承諾を求める案件でありますから——各省といったところが二つか三つで、少いのは一つ、多いのでも七つか八つでありますから、こんなものは各課が分担してやれば二、三日ですっかりできるのであります。資料が整うの整わぬのというそんな問題ではありません。でありますから、こういう中途半途の資料によって結果がわからぬような御説明にならぬように、もっときちっとできぬものかと思うのです。いやしくも今日は会計の責任の方がみんな見えておるのでありますから、われわれしろうとにもこんなにわかるような抜けたところがあるというのではまことに心細いと思うのであります。大蔵省といたしましては、相談するのどうのというそんな問題じゃないのですよ。あなたは帰って局長なり次官や大臣と相談しなさい。そうしてやはり予備費の承諾を求める際には、必ずどういうふうに金が使われたか、現実の具体的な状態を直ちに説明し得る資料を持って審議に臨む、こういう態度をとってもらわなければ困る、こういうことを強く要請しておきますから、御協議をして大蔵省の一つの方針としてはっきりして下さい。また厚生省に向っても申し上げておきますが、今あなたは厚生省から金が出ても地方公共団体が使っておるのか使っておらぬのか知らないような実情であるが、これはやはり私はこの精神を軽視なさっておるのではないかと思うのであります。ことに新潟の問題もあります。今度また能代の問題もあります。毎年あなたの方のみならず建設省その他におきましても、こういう大火災等のあとかなり問題を持ったまま二年も三年も経過しておるということは御承知だろうと思うのです。罹災者の間におきましてもとかくの紛糾もあるし、またいろいろな問題がそれからそれへ起ってくるのであります。やはり厚生省として予備費などの支出の状況については精細に、有効に効率的に適切に使われたかどうかくらいなことは、国会へ来るときにはちゃんとつかんでこなければ申しわけないと私は思うのです。あなたが会計課長なら支出しましたということだけでは私は答弁にならぬと思うのです。現実に一体何をしたのか、いつ何をして果してそれが予備費の趣旨に沿うておったかどうかということまであなたの方では確認をせられて、そうして国会で良心的に答弁してもらわなければいかぬ、こう思うのです。使っておるのか使っておらぬのかわからぬ。まだ報告が来ません。六月に来ます。六月といったらもう国会は済んでしまうのですよ。五月までしか国会はないのです。国会が済んでしまってから報告が来る。そうしてそれならばまた来年、とそんな間の抜けたようなことで予備費は使わるべき筋ではないと思う。もっと厳格なワクと精神がこれには伴っておるはずです。ですから同じようにあなたの方は末端に対して申されるべき筋であろうと思うのです。これは一つ今後の御注意を喚起しておきたいと思います。それとともに、この間の東北の能代の大火のこともありますので、すみやかにその事業についての予算の執行状況を明らかにして、文書で明細に報告していただきたい、こう思います。 次に建設省につきまして、ただいま名瀬の問題を伺いましたが、やはり予備費が繰り越しになるということは御検討を要すべきことでないかと思います。繰り越しになるような予備費は、どこかに間違いがあったのではないか、もしくは手違いが生じたのではないか、こう思うのであります。繰り越すような予備費ならば、何も予備費を使わなくても、補正予算もあるし、また次の通常一般の予算の編成で要求せられてもいいのであります。しかし事は災害復旧という非常緊急の事態に照応するための予備費でありますから、やはり使い残りというようなことで繰り越しということがあったならば、これはどういう事故が発生したのかということを御検討されねばなるまい、こう思うのであります。地方の公共団体などから詳細にそれぞれの御報告は受けておられるのですか、いかがですか。
○建部説明員 私の方の四千余万円の予備費につきましては、これは国の行政を行います建築で、名瀬の大火で罹災した分でございまして、一般の合同庁舎に入りますのが、名瀬の税務署、名瀬の労働基準監督署、名瀬の職業安定所でございます。それから港湾関係といたしましては、名瀬の海上保安部と名瀬の入国管理事務所、それに検疫所でございます。これにつきまして建設省の地方機関でございます九州地方建設局が現地につきまして詳細に調査いたしました。それによりまして災害を受けているということを確認いしまして、これに対する復旧に着工したのでございますが、当初は三十年度一ぱいで竣工すべく努めたのでございますが、何しろ災害を受けましたのが遠隔の島嶼でございますので、資材の輸送その他で思わぬ日数を費しまして、一部繰り越さざるを得ないという状況になった次第でございます。この点御了承を得たいと思います。
○吉田(賢)委員 やはり予算を無理やりに使ってもらうのも困りますが、司時にまた繰り越しという場合は、相当厳密に繰り越しのやむを得ざりしかいなやを検討せられねばならぬと思うのであります。とかく国の予算の繰り越しがあまり莫大になりまするので、そこで繰り越しの制度につきましてもしばしばわれわれも論議して参りました。明許繰り越しのごときは、予算の五割も取るような官庁すらあるのでございます。そのような資材運搬等による事故繰り越しでありましようけれども、やはり官庁の業務でありまするから、やむを得ざりしやいなやにつきましては、相当厳重にお調べを願わねばなるまい、こう思うのであります。あなたの方では適当に今のような資材運輸等の事情によりというような事情をお述べになっておられまするから、この線は深くお尋ねをすることはきょうは差しとめておきまするけれども、いずれにしましても、予備費の繰り越しというものはまことに格好の悪いものでございまして、そういうことがないような適切な事業の遂行を望まざるを得ないのであります。 そこで、あなたの方はさらに新潟の火災の場合もあり、このたびまたさらに秋田県の大館市の火災があり、このたびの能代の大火災があり等々でありまして、いずれ官庁関係の営繕の仕事などはくびすを接してたくさんに重なってきておると思いまするが、こういうような名瀬の実情にかんがみまして、適切に業務を遂行して予備費の使用、支出が適当であったかどうかについて特に注意をしてやっていただきたいと思います。これにつきまして名瀬以外の他の方面においてもいずれ相当な繰り越しが生ずるのであろうと思いまするから、一応その繰り越しの額と今後に対する措置についての御所見を一つ簡単に伺っておきましょう。
○建部説明員 官庁の建築といたしましては、新潟の大火では税務署が半焼をいたしましたけれども、特に緊急に復旧する必要がなかったものと思われますので、これには予備金を出しましておりません。それからその他の最近の火災につきましても、いまだ官庁が被害を受けたという報告を受けておりませんので、現在のところこれにつきましても考えておりません。官庁の建築物につきましてだけは以上のような状況でございます。
○吉田(賢)委員 そうしますと、今の建設省所管の本年度の予備費の承諾を求められておる中では、さっきお述べになりました名瀬以外の繰り越しはないということになるのですか。
○小宮説明員 新潟の防火建築帯造成事業の予備費の使用状況につきまして申し上げます。 新潟の大火の後におきまして、新潟市内の防火建築帯造成事業としまして、政府は造成事業費の方で二百万円を予備費として支出をいたすことになっております。これは二むねの民間の建築につきまして地元公共団体が補助金を交付いたします場合に、その補助金に対しまして二分の一の国庫補助をすることになっております。二月七日に予備金の支出を確定いたしたのでありまするが、今年は積雪が予期に反して多かったことと、何分民間の建設に対する補助事業でございます関係上、土地の関係のトラブル等もございまして、工事の進捗が督捉いたしましたにもかかわらずおくれまして、三月末におきましては、市の報告によりますると、おおよそ五〇%程度の工程に達している見込みでございます。まことに申しわけない次第でございまするが、今後も適切な指導によりまして、極力すみやかに進行させるようにいたしたいと思います。
○吉田(賢)委員 そうしますと、新潟の五〇%程度の支出、全体としまして二十三億五千六百万円が使用決定額でありまするので、これはちょっと資料が古いかもわかりませんけれども、これによると九億七千万円が残額になっておりまするが、大体どのくらいになるのですか。総計いたしますると、三月末現在で予備費の支出が済んでおらぬもの——支出という意味は、具体的に一つ新潟県へ補助金を交付する、その新潟県における事業を述べてもらわぬとわからぬことになりまするが、まずあなたの方といたしまして、いろいろな種類の経費になっておりますから、全体を通じまして今日まで支出しておりまするものがどのくらいになるわけでありましょうか。
○関盛説明員 ただいま吉田委員からお話の建設省関係の予備金の支出に関しまする事業の年度内消化の見通しの件でございます。各項目につきまして若干申し上げたのでございますが、全体といたしまして所管事業がどのような進捗状況になっておるかということにつきましては、全般としての御指摘の通り、詳細な実態を把握してお手元にお示しいたさなければならないわけでございますが、三月末の報告がまだ提出されておりませんので、至急に取調べをいたしまして差し上げるようにいたしたいと思いますから御了承願いたいと思います。
○吉田(賢)委員 建設省におきましても、厚生省と類似の事情が内在するようであります。やはり予備費使用の趣旨にかんがみまして、当委員会に対して文書でよろしいから、現在の実情、工事、事業等の進捗状況を精細にお出し願いたいと思います。 それからなお申し上げなくちゃならぬことは、これは希望でありますけれども、建設省の建設工事等の事業にこれはなっておりますから、特に一般市民、業者との利害関係が相当あるように思われますので、その辺につきましても、予備費が最も効率的に適切に使用されんことを望みますので、これらの点も御考慮せられて照会なり文書作成なりはせらるるように望んでおきます。 それからちょっと飛びまして、少し方面をかえて農林省を聞きましょう。 農林省につきまして、これは農林省も類似の事項であるようであります。農林省本省の関係は漁港についてちょっと伺っておきます。漁港につきまして、昭和三十年十月二十一日閣議決定の分並びに十二月九日閣議決定の分、前者は三千三百万、後者は三千五百余万、こういうことになっております。これはその後出た資料によれば大体支出済みかと思いまするが、一応具体的に事業の進捗につきまして簡単に御説明願いたい。
○岡井政府委員 御報告申し上げておる吉田先生のお手元の資料では、相当額支出未済の分が残っているかと思いますが、その後私の方でも報告を督促すると同時に、事業も早目に進展するようにという督励をいたしました結果、第一次分——ただいまの御質問は第一次分と思いますが、三千三百万円の分につきましては残が百五十万円だけ未報告の分がありまして、あとはほとんど進捗しておるのが実態でございまするが、これも三月末までには、未報告でございまするが、ほとんど全部消費済みになっていると思われますので、あらためて最近の資料をもう一度お手元へ差し上げる予定にしております。
○吉田(賢)委員 ちょっとどこか言って下さい。これは詳しいことは要りませんが、どこでございすまか。漁港の個所です。
○岡井政府委員 漁港の個所は、北海道は全部支出済みでございます。岩手も全部支出済みでございます。秋田が一万四千円残っておるのでございますが、ほとんど支出済みであります。
○吉田(賢)委員 それでは一つそれは文書で出して下さい。 それからその次に、十二月十六日の閣議決定の拿捕漁船の乗組員の救済に必要な経費、これはおそらく韓国に拿捕された漁船の乗組員の救済経費かと存じますが、この事業はどうなっておりますか。
○岡井政府委員 これは全部支出済みでございます。事業は主として抑留家族の差し入れと、及び船員の給与保険の未加入者に対する見舞金等でございます。
○吉田(賢)委員 それでは水産庁関係はそれでよろしゅうございます。 農林省はちょっと待って下さい。特別会計のことがありますので……。
○上林委員長 お諮りしますが、本会議が午後三時だそうですから、午前中の質疑はこの程度にしていただいて、一時半ごろから再開してもらいたいと思いますがどうですか。——よろしゅうございますね。 それでは午前中の質疑は一応この程度にし、午後一時半まで休憩いたします。 午後零時十二分休憩 ————◇————— 午後一時五十分開議
○上林委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 昭和三十年度一般会計予備費使用総調書(その一)、及び昭和三十年度特別会計予備費使用総調書(その一)、以上二件につき承諾を求めるの件及び昭和一十年度一般会計国庫債務負担行為総調書、以上三件につき午前中に引き続き質疑を行います。吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 農林本省昭和三十年度発生農業施設災害復旧事業、災害復旧処理事務費等につきまして昭和三十年十二月九日閣議決定の分、金額は二億一千九百余万円並びに事務費の方は一百余万円になっておりますが、これにつきましてその後の事業進捗、現在の状況の御説明を願います。ほかにたくさんありますから簡潔に願います。
○任田説明員 二億一千九百万円の復旧費の中身は、大体七百カ所程度の災害がございまして、それにつきまして現在までに農林省の農地局といたしましては農地事務局を通じまして補助をいたしておるわけでありますが、事務局から各府県に全部支出をしておるわけであります。
○吉田(賢)委員 午前もの委員会におきましても厚生省関係は特に地方公共団体に対する補助金等の関係の経費であったのであります。これも今御説明によりますと農地事務局を通じて地方の公共団体などに交付せられておるもののようでありまするが、その事業の進捗状況が知りたいのであります。これは数百カ所でありますから一々言ってもらう必要はありませんが、概してどうなっておるのですか。それとも現在つかんでおられないのかどうか。ここが問題だったわけですが……。
○任田説明員 各県におきましては本年度確実に三月末を期していきますものについてかねて計画を立てまして、それでほとんど実施しておるわけなんであります。それに対して確実に実施されるものについての要求を選択いたしまして、その必要性から見ておるのでございます。しかしながら今先生のおっしゃいますように農地事務局を介してやっておるのでございますので、厳密に申しましてどこまでというようなはっきりしたものは完全にはつかんでおられない状況でございます。
○吉田(賢)委員 これはあなたが午前中に御出席になっておったかどうか存じませんけれども、厚生省の、たとえば名瀬の火災、災害復旧に関する厚生業務について、地方公共団体に対する補助金の予備費の支出の案件があったのでありますが、これは事業の現在の状況がどこまで進捗してどうなっておるかという事実をつかんでおられないのであります。そういたしますると本省から地方の公共団体に予備費を交付しておる、こういう事実はわかるのでありますけれども、交付された予備費が果して適切に支出されておるかどうか、事業は進んでおるかどうか、やはりここまで明らかになってこないと予備費使用が適切であったかどうかということの判断ができないわけであります。あなたの方としては地方公共団体に出したからもうあとはどうなってもよい、そうして当然国会は事後承諾をすべきものだというお考え方はやはり予備費の支出の趣旨に合わぬのであります。予備費はどこまでも果して適切に最終の支出がされておったかどうかということを、各省庁が把握になって国会で御説明にならぬと、あなたの方から他の地方団体に渡したというだけではわれわれは判断のしようがないのであります。でありまするので、これはまことに遺憾なことであります。ことに災害復旧に関する経費が大部分を占めているのは予備費の実情なのですが、各省とも実情、事業進捗の状況がわからぬ、こういうことなのです。金は渡しておるけれども事業はどうなっておるかわからぬというのでは、実は御説明にならぬのであります。やはり事業あっての金の支出であります。それが何ですか常にやはりそういうふうで、たとえば厚生省の最初の御説明によると、それならばいつ最終の報告があるのかと聞けば、六月にあるという話です。六月というと国会が済んでしまうのであります。そういうふうに法規の最終の時期まで待ってやっと報告がくるということでは、ほんとうに予備費支出が適切であったかどうかということが国会はわかりません。どうしてもそれはあなたの方は今御説明になると遂に一切の末端における事業進捗の状況あるいは支出の適否、こういうものが把握されて御説明がないと私の方は困るわけなのです。いつもやはりそういうことになっておるのですか、これはどうなのですかね。
○任田説明員 申し上げるのが足らないところがございまして何ですが、毎年三月末現在でもってどういう状況になっておるかという報告をとることにいたしておるわけでありますけれども、まだ十分その報告が参っておりませんので先ほどあの程度に申し上げたわけでございます。
○吉田(賢)委員 やはり予備費は次の国会の承諾を得たるめにお出しになったのでありますので、三月末日現在というのは一般の会計年度の終りの意味でありますから、これは一般の原則としてはそうであるかもしれませんけれども、国会で承諾を求める以上は一切の材料は用意しておかないといくまいと思うのであります。そこでやはり農地事務局を通じてあなたの方は事業の進捗状況を即刻報告せしめて、そして当委員会にやはり文書で報告して下さい。これはやはり今後の問題といたしまして、今後は、国会に予備費の承諾を求めるときには、そのときにおける最近の事業進捗の一切の状況を明らかにした資料をやはりお集めになって、そして国会にお出しになる、こういうふうにしてもらうと、予備費審査が適切に行われるのであります。今やってみると、めくらの審査なんであります。何にもならぬのです。ここにお書きになっておる資料によれば、繰り越しもない、不用額もない——それは繰り越しがないことはわかりますけれども、実質上地方公共団体が金を使っておらぬとするならば、何かの事故があったのかもわからぬ。事実上繰り越しておるのかもわからぬ。あるいは地方公共団体が財政不如意のためにほかのものに使ってしまって、そして事業だけは完成しておるのかもわからぬ。いろいろな場合が想像されるのであります。でありますので、ここに繰り越しもない、不用もない、備考も何もなしというようなのでは、まことにきれいな表になっておりますけれども、これでは国会の審査はできませんので、この点は一つ十分御考慮願いたいのであります。直ちにそういうふうな措置をとっていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○任田説明員 ただいまの先生の御要求は、もともとそういうふうに考えておりまして、報告を求めることにいたしておりますから、それではさっそく催促いたしまして、御提出申し上げます。
○吉田(賢)委員 それから林野庁に伺いますが、スギタマバエの駆除ですか、これは薬を散布したのでありますか、ちょっと詳細はよくわからぬのでありますが、こういう経費は一般会計で予算をとっておられるのじゃないのでございますか。
○仰木説明員 スギタマバエにつきましては、二、三年前から鹿児島県の一部に発生いたしておったのでありますけれども、その後生態の調査等を詳細にいたしまして、駆除の方法等も確立いたしましたので、この激害地でありますところの鹿児島、宮崎、熊本等につきまして、応急駆除をやらなければならぬというような観点に立ちまして、この予備費の配賦を受けて駆除に当ったわけであります。
○吉田(賢)委員 それでわかりますけれども、この種のものは、これは二、三年前からとおっしゃると新しい害虫なのかもしれませんが、こういうものは、ひとりこういうハエのみに限らず、その他の害虫があろうと思いますので、害虫駆除に対する経費というものは一般会計で相当おとりになっておるのじゃないかというふうに私は見たのでありますが、これはどうなんですか。とってないのですか。
○仰木説明員 マツクイムシその他法定化されておりまする害虫につきましては、従来、御指摘のように、一般会計からこの駆除費をとってやっておるのであります。
○吉田(賢)委員 ですから、マツクイムシという項があるのではないでしょうから、害虫駆除とかなんとかの予算の項目があるのでありましょうから、それでもって支弁ができなかったのでありますか。それらは使い切って、なかったのでありますか。その辺が聞きたいのであります。
○仰木説明員 おのおのの害虫につきましては、それぞれ使途がきまっておりますので、これは別途要求いたしたわけであります。
○吉田(賢)委員 そういう聞き方をしておるのではないですが、害虫についてマツクイムシがどうの、スギタマバエがどうのという、そういう細目にわたって予算の項目がきめてあるのではなかろうと思いますので、すでに計上された予算をもって支弁することにして、なお不足であったのでこれを支出したというのであるか、それを聞きたいのであります。
○仰木説明員 害虫の発生いたしております数量は、非常に多くに上っておりますので、既定の経費ではこのスギタマバエまでには駆除が及びませんので新たに出したわけであります。
○吉田(賢)委員 足りなかったというのですか、適切に言って下さい。足りなかったというのですか。質問申す趣旨がおわかりになりませんか。
○仰木説明員 虫別に法定化されておりまして、その法定害虫について予算をそれぞれとっておるわけであります。
○吉田(賢)委員 そんなことはないでしょう。虫別に予算の項目がきまっておるということはないと思いますがね。これは会計課長ですか。
○上林委員長 林野庁の指導部長です。経理課長が見えておるそうですが、一般会計はわからぬそうですから。
○仰木説明員 虫別に目の中に予算が計上されておるわけであります。
○吉田(賢)委員 だからそんならば、それは虫別の目の金は使い切って足りなかったのですかとこう聞いておるのです。何でもないことですから一つはっきりしておいてもらいたいのですが。
○仰木説明員 御指摘のように不足いたしましたので要求いたしたのであります。
○吉田(賢)委員 やはり林野庁における害虫駆除という問題は、非常に重要な林野事業の一つに属すべきことではないかと思うのであります。こういうものは臨時突発の予備費というようなものでなくして、これは当初予算に計上いたしまして、全国的に計画を持って進むべきではないか、こういうふうに思うのでありますが、その辺はもちろん計画性があるのであろうと思いますけれども、どうもこれを見ると出たとこ勝負のような感じがせぬでもないのでありますが、相当重要な費目に属するものと思いますので、重ねて聞くのでありますが、これは林野庁といたしましては全国的に害虫駆除に対する相当対策を持っておられるのですか。
○仰木説明員 御指摘のように害虫に対する対策につきましては、林野庁でもそれぞれの虫別にいろいろな方策を樹立いたしておるわけでございます。
○吉田(賢)委員 私の伺おうとしたのは、やはり予備費なんかで使うというようなことがいかにもそのときそのときの思いつきのような感じがいたしますので、計画性を欠いておったのでございます。 食糧庁の特別会計につきまして三百億円の内地米麦の買い入れの予備費を使っておりますが、現在の買い入れ契約数量支出の総計をちょっと御説明願います。
○森本説明員 お手元に配付してあります資料では、二月末現在になっておりますので、それ以降三月最近までわかりましたのは、中旬までの買い入れ数量でございますが、これによりますと、配付いたしました資料よりもさらに七億七千万円程度増加いたしております。従って二月末現在では十四億七千万円、予備費の残額があるような形になっておりますが、三月中旬までで合計をいたしますと約七億残額があることになっております。
○吉田(賢)委員 そうしますと三月末現在で買い入れ契約はこの七億の分は除外されておるのですか。
○森本説明員 契約は現在のところ米が出て参りましたときに直ちに契約をする形になっておりますので、おそらく三月の末におきましては残額程度は契約しておるものと考えておりますが、まだ詳細な報告が来ておりませんのでわかっておりません。残額がありましても、おそらくごくわずかなものであろうと考えております。
○吉田(賢)委員 これはあなたの方では直接つかめないのですか。全販連でやっておるものが大部分かと思いますが、これは何日目くらいな分があなたの方では捕捉できるのですか。
○森本説明員 私どもの方では旬ごとに報告をとっておりまして、たとえば三月の下旬でありますと、一週間か十日ほどおくれて集計をして報告になります。
○吉田(賢)委員 そうしますと、これは全国的に府県へ割り当てているのですか、あるいは割当をしておらぬのですか。
○森本説明員 御承知のように現在は予約買い入れ制度になっておりますが、予約しておりますものはすでに作付を終りましたと遂に予約をして、そのものが契約の履行として出荷をされるわけでありますが、現在はすでに予約しておりますものが出荷を完了しておりまして、それ以上のものを持って参りましたときに契約をする、こういう形になっているわけであります。
○吉田(賢)委員 私の聞きたいのは、それ以上のものを持って参りましたときに、契約の数量というものは府県別もしくは地区別に割り当ててあったのかどうかということです。
○森本説明員 割当はしておりません。持ってきましたものは全部買い入れをすることになっております。
○吉田(賢)委員 そういたしますると、たとえば青森から九州に至りまするまで、それぞれ持ってきた場合に契約をする。これは必ずしも七億円の勘定じりがゼロになるというのではなくて、そこに数字の過不足が生じるのではないかと思いますが、この点いかがですか。
○森本説明員 過不足が生ずることは事実としてはございます。
○吉田(賢)委員 もし契約高が七億円を超過いたしまして契約しますると、その資金はどうなりますか。
○森本説明員 補正予算が今度の国会で通っておりまするので、この補正をやった財源をもって支出をすることに相なります。
○吉田(賢)委員 食糧庁はこれでよろしゅうございます。 次に外務省に伺いますが、外務省のこの予備費は去年の四月十五日の国際会議の旅費などでありますが、これはアジア・アフリカ会議なんですが、この種の国際会議はあらかじめ必要な会議費というものが予算に計上をされているのではありませんか。
○中川(進)政府委員 予算の立て方といたしまして外国旅費に関しましては一々こういう用件でこれくらいの格の人がこれくらいの間行く。ついては幾ら幾ら必要であるというふうに基礎を固めまして、その積算の基礎に立ちまして外国旅費はもらうのでございます。従いましてこのアジア・アフリカ会議はそのときに予見しておりませんでしたので、財政的・に基礎がなかったということで予備費の請求をいたした次第でございます。
○吉田(賢)委員 このような国際情勢下におきましては世界的な規模における国際会議もしばしばあるようでありますが、これは本省予算におきましては、たとえば三十年度あるいは三十一年度には、一般的には相当額をお取りになっているのですか。
○中川(進)政府委員 御指摘の点に私どもも気がつきまして、三十一年度の一昨日から始まりました本会計年度におきましては一般的な外国旅費というものをとってございます。
○吉田(賢)委員 それはどのくらいですか。
○中川(進)政府委員 三十一年度の外国旅費は約一億一千万程度と記憶いたしております。
○吉田(賢)委員 三十年にはなかったのですか。
○中川(進)政府委員 三十年度はございますけれども、今申し上げましたようにいろいろな会議の旅費を積み上げまして約八千七、八百万あったと存じます。
○吉田(賢)委員 それは繰り越しはないのですか。
○中川(進)政府委員 ございません。
○吉田(賢)委員 それでは通産省に伺います。これは大蔵省の関係におきまして同趣旨のものであるかと思いますが、詳しいのが出ておりませんので一応簡単に御説明願います。昭和三十年八月二十五日付閣議決定の分千四百余万円の口並びに同じく十二月二十一日付の退職手当の不足補てんの分であります。
○出雲井政府委員 それでは通産省関係の予備費の使途について御説明申し上げますと、成立予算におきましては整理退職手当と普通退職手当、前者につきまして約四千七百万、後者につきまして一千七百万計上いたしておりましたのですが、八月に至りまして現実の整理退職者の数が明らかな姿をとって参りましたので、一々個人別に計算いたしますと、実際の支出が七千一百万程度必要となる。これに比較いたしまして、その当時八月二日で集計いたしてみますと、普通退職手当の方は約八百万程度という数字に相なったのでございます。七千一百万と成立予算の四千七百万との差は、三十年度に入りましてからは高給者、永年勤続者が目立って整理退職いたしましたので、こういう数字に相なったわけでございます。そこで八月二日で締め切りまして、所定の手続を経て八月二十五日に普通退職金の一千七百万の方から整理退職の方に九百万余を回しまして、整理退職についての七千一百万と四千七百万との差額分一千四百万を、大蔵大臣の決定を経て予備費を使用いたしたわけでございます。普通退職金の方は八月二日で締め切りましてそのとき現在でほとんど使用いたしておりましたので、十二月十五日に締め切りまして、普通退職金の不足分一千四百万を十二月二十一日に所定の手続を経て第二回の予備費の使用をいたしたわけでございます。
○吉田(賢)委員 それは全部支出済みなんですか。
○出雲井政府委員 全部支出済みでございます。
○吉田(賢)委員 いつですか。
○出雲井政府委員 一月二十日に支出済みでございます。
○吉田(賢)委員 次に海難事件の審判に要する調査経費について伺います。三十年五月三十一日閣議決定、海難事件審判に要する調査に必要な経費七十五万円、これをごく簡単に御説明願いたい。
○梶本政府委員 昨年の五月十一日、宇高連絡船の紫雲丸と第三宇高丸の衝突事件のときに、臨検旅費といたしまして理事官が現地に出張いたしましたもの、それから証人の旅費、調査費関係としましては通信費が九万一千円、潜水費、実際水にもぐって調査いたすのでありますから、それが二十万円、自動車の雇い上げが六万円、現場の用船料が三万五千円、その合計が七十五万円に当るわけであります。
○吉田(賢)委員 次に昭和三十年十二月二十七日付南極観測用船宗谷の代船購入に要する経費八千五百万円でありますが、これはちょうど国庫債務負黒行為にも関連しておりますので一括して伺いたい。昭和三十年度運輸省所管債務負担行為南極観測用船宗谷の改装に必要な経費、これは四億六千七百十三万円になっております。この南極の観測というのはいつ実施することになっておるのでありますか。
○梶本政府委員 南極観測は最近新聞でもあっちこっちで非常に取り上げられておりますので、詳細は省略させていただきますが、正確には国際地球観測年の観測、こういうのがほんとうの呼び名でございます。予備調査といたしまして今年の十一月から来年の三月まで向うへ予備的に参るわけでございます。そこで機械を備えつけたり何かいたしまして一応こちらへ引き揚げて帰ってくる、これが予備調査でございます。それから本観測は来年の十二月から再来年三十三年の四月まで、これが本観測でございます。観測隊員の引き揚げは昭和三十三年の十月から三十四年の三月までに実施する、こういうことでございまして、一応予備調査に参りまして、そこで機械等を据え付けて帰って参りまして、また来年の秋に出発いたしまして、今度は向うで越年いたしまして、その次の春ごろにこちらに帰ってくるということになっておるわけでございます。 先ほどの国庫債務負担行為四億六千七百十三万円、三十年度の補正予算としましては五千三百万円御承認をいただいた額がございます。お手元にあるいは資料が行っておるかと思いますが、「契約済みのもの」と、それから「契約見込のもの」というふうに書いてございますが、もうすでに契約済みのものでは二千四百馬力のディーゼル機関を二基、あるいは船体の改装工事、それから設計費、それから青写真その他、こういうものをもうすでに契約いたしております。それから、さらにこれから契約見込みのものといたしましては、揚貨機、つまりクレーンでございますが、それを四台、それから繋船機兼揚貨機、これが一台、それから青写真等でございます。 それから若草丸の問題でございますが、本観測を実施するにつきまして、結局運輸省の方で輸送を担当するというふうに閣議できまりました。ところが、残念ながら現在砕氷船がわが国にはございませんので、結局耐氷船ということになるわけでございます。耐氷船は国鉄の持っております宗谷と、運輸省の海上保安庁が持っております宗谷丸とこの二はいしかございませんので、結局どちらを使用するかということになったのでありますが、海上保安庁の宗谷を使用しようということに相なったわけでございます。ところが海上保安庁では、この宗谷を灯台補給船として使用いたしております。つまり離れ小島にございます灯台を一年に何回かずっと回りまして、そこに必要な衣料品だとか食糧品だとかを補給する船でございます。一日もこの船をなくするわけには参りませんので、これを南極に持って参ります場合にはすみやかに代船を準備しなければならない、こういうことになりまして、結局いろいろと物色いたしました結果・大阪商船が沖繩航路に使っておりました若草丸というちょうど手ごろな船がございました。千百トンでございますが、この船がいいということになりまして、それを八千五百万円予備費使用として御承認をお願いしたわけでございます。船舶の購入費が七千百万円、それからやはり灯台補給船に向くように改装しなければなりませんので、その改装費といたしまして千四百万円、合せて八千五百万円。もうすでに購入費の方は払っております。改装の方も昨年度末に日立造船の神奈川工場ででき上って、運輸省の方で受け取っておる、こういう次第でございます。
○吉田(賢)委員 改装の方は昭和三十年度以降二カ年間における国庫債務負担行為らしいのであります。そこで、すでにディーゼル・エンジン二基あるいは船体の改装工事、設計などの契約ができたのですね。これは納期が六月になっておって、ディーゼル・エンジン二基、これが八千三百万円。こういう場合には、通常はそれぞれ契約したと遂に四分の一支払うとかいうことが、一般の船舶建造の契約の慣習のように聞き及んでおります。やはりこれらにつきましても、そのように機械の買い入れの代金等々が早く必要であるのじゃないかと思うのだが、その辺の支払い義務の履行の契約、趣旨、内容はどうなっておりますか。
○坂本説明員 新潟鉄工所の二千四百馬力のディーゼル・エンジンにつきましては、契約上竣工までに三回に分割して支払うことになっております。年度内に検査をいたしまして、補正予算でいただきました金のうちから四千百三十万円を新潟鉄工所に支払っております。
○吉田(賢)委員 新潟のみならず、たとえば二月十四日に契約しました改装工事は日本鋼管浅野ドック、設計については一月、納期が二月、写真等は一月、納期が三月、こういうことになっておりますが、これはいずれも補正予算の経費をこれに充当することになったのでありますか。
○坂本説明員 船体の改装工事につきましては、現在検収をいたしまして約一千万円支払う予定でございます。設計費につきましては、三月九日百二十万円全額支払い済みでございます。青写真その他につきましては、二十一万八千四百円全額すでに支払い済みでございます。支払い手続を進めておりますのは、船体改装工事の日本鋼管に対する一千万円であります。
○吉田(賢)委員 起重機四台、その他あなたの方から御提出の四億六千七百余万円の内訳でありますが、契約は三十一年二月末であり、納期は七月ということになっております。これも契約と同時に一定の金額を支払うことが普通のように思うのですが、どうなっておりますか。
○坂本説明員 契約見込みのものとして提出いたしました資料が、その後工事施行の関係で幾分変化が生じましたので、実際いたしました契約について申し上げますと、八百九十二万一千円契約残があるわけでありますが、これは主として通信機系統を、工程の関係から年度内に契約しなければならぬので変りまして、相手方であります国際電機株式会社あるいは日本無線株式会社等との契約を三十一年三月七日にいたしております。これらの納期は三十一年七月かあるいは六月で、契約のと遂に手付金というようなものを支払うことになっておりませんので、途中工程検査をいたして支払うわけでございますが、支払う時期は三十一年になっております。
○吉田(賢)委員 船体改装工事費は三億七千三百七十九万円になっております。納期が十月ということになると、三十一年度の予算にでも計上したのですか、それとも補正予算でも組むことになるのですか。やはり二カ年内の債務履行期間が与えられているようで、十月には改装完了と一応考えられるので、完了すれば全額支払いが必要になってくると思いますが、その辺はどうなっておりますか。
○坂本説明員 船体改装工事の契約額三億七千三百余万円につきましては、先ほど申し上げましたように、三十年度に約一千万円支払いますが、残りは三十一年度予算として文部省所管に南極観測事業費というのが七億五千万円成立しておりまして、それを予算総則により運輸省に移しかえをいたしまして、その中から支払うことになっております。目下文部省とその移しかえにつきまして下交渉をしておるところでございます。
○吉田(賢)委員 そうすると、三十一年度文部省予算の、七億五千万円の南極観測の経費というものは、そのうちに船体改装工事費が全部含まれた積算になっておるわけですか。
○坂本説明員 七億五千万円の内訳は、船体改装費も含め、あるいは設営関係の費用、観測関係の器材の購入費等を合せたものが七億五千万円でございまして、概算で申し上げますと、そのうち約五億円程度が運輸省に移しかえられることになっております。
○吉田(賢)委員 そうしまするとこの国庫債務負担行為によりまして三十年度以降二カ年、これは三十年度、三十一年度ということになるのですか。三十一年、三十二年ということになるのですか。この文章はどういうふうに了解すればいいのでしょうか。
○坂本説明員 砕氷船宗谷の改装は、三十一年と三十二年の二カ年度にまたがらなければ完成しないことが確定しておりますので、従って国庫債務負担行為をとりまして契約だけをしたわけであります。そのうち年度内に支払えるのは五千三百万円でありましたので、それを補正予算でいただきました。残額は文部省の南極観測事業費を使うということになったわけであります。
○吉田(賢)委員 ちょっと聞き落したかわかりませんが、この説明書によれば、最もおそい納期は三十一年の十月になっております。従ってこれは三十一会計年度のうちに入ると思いますが、その後納期が繰り上げにでもなったのでありましょうか。これならば当然やはり債務の最終期は三十一年度でいいように思うのであります。ちょっとこれは理屈のようでありまするけれども、この間の関係は、どういうわけで三十二年まで債務を負う権利をおとりになったのですか。
○坂本説明員 国庫債務負担行為調書に、三十年度以降二カ年と書いてございますのは、三十年度と三十一年度との二カ年という意味で書いたものでございまして、三十二年度にかかるわけではございません。
○吉田(賢)委員 さっき、三十一年度及び三十二年度とおっしゃったのではなかったのですか。私はまた、この文章から見ると三十年及び三十一年の二カ年かと思って、そのような趣旨かと伺えば、さにあらずして三十一年、三十二年だという御説明だったから、それで三十一年に一切納期が完了するが、三十二年度まで債務負担の権利をとる理由はなかろう、こういうふうに伺ったのですが、これは三十年、三十一年なんですか。
○坂本説明員 三十一年、三十二年と申し上げましたのは間違いでありまして、三十年度と三十一年度の二カ年でございます。
○吉田(賢)委員 宗谷関係はもうよろしゅうございます。
○上林委員長 運輸本省、海上保安庁に対する御質疑は他にございませんか。——ないようでございますから、運輸本省、海上保安庁は退場なさってけっこうでございます。 —————————————
○吉田(賢)委員 次に労働省に伺います。労働省関係は、昨年十二月九日の閣議決定による労働施設についての災害復旧の経費、四百七十余万円であります。これはほとんど使われておらぬのでありますが、これは国庫負担金でありまするか、補助金等のものでありまするか、あるいは何か直轄的な業務についての支出になるのですか。その点いかがなんですか。
○三治政府委員 この四百七十二万円になっておりますのは、労働省の職業安定局の施設で、福岡身体障害者公共職業補導所、これは国立でありまして、経営は県に委託している施設でございます。従って国有財産の火災による寄宿舎の焼失の経費でございます。
○吉田(賢)委員 それはどこが復旧事業の主体になるのですか。県でありますか。それとも国ですか。
○三治政府委員 国でございます。ただし工事は福岡県に委託してやらせております。
○吉田(賢)委員 それは現在工事が進行しておるのですか。
○三治政府委員 三月三十一日で竣工十定と報告が参っております。
○吉田(賢)委員 そういたしますると、まだ竣工予定であって、きょうは四月三日ですから日もまだ間がありませんが、そうすると建築の経費は福岡県に交付になる、こういう関係になるのですか。
○三治政府委員 交付ということではございません。工事を委託して、委任支出の形にしております。
○吉田(賢)委員 そういたしまするとその委任支出は、すでに四百七十二万円全部支出済みなんで、従って受任者の福岡県知事において受け取って、そして事業は三月末に完了の見込み、ただしまだその実情はわからぬ、こういう状態なんですか。
○三治政府委員 お説の通りでございます。
○吉田(賢)委員 労働省よろしゅうございます。
○上林委員長 労働省関係、他に御質疑ございませんか。——ないようでございますから、それでは労働省の方よろしゅうございます。 —————————————
○吉田(賢)委員 私は一般会計はそれで終りまして、次に特別会計について一、二お尋ねいたします。 大蔵省の三十年度特別会計の予備費の支出状況につきまして、このうちに三十年の十二月十五日、旧輸出契約に基く賠償金支払いに必要な経費、外国為替特別会計において賠償金一千三十九万五千円を支払っておられるのであります。この事情を簡単に述べていただきたい。
○片桐説明員 事態は外国為替の外国貿易に関する複雑な機構に関連しておりますので、簡単に要点を申し上げます。 昭和二十四年の四月に占領軍によりまして、わが国の円とドルの、交換比率、為替レート三百六十円というのがきまりました。当時はまだ日本の銀行は外国為替業務を取り扱うというふうになっておりませんでしたので、日本の輸出業者はたとえばアメリカに対して輸出した場合には、その輸出代金を一ドル三百六十円の割合で換算してもらいまして、貿易特別会計から円貨の払い出しを受けておったわけでございます。その間にただし日本銀行がその仲介の手続をやっておりましたので、それに手数料といたしまして為替金額の十分の一%を徴収しておったわけであります。従ってたとえば一ドルに対して実際の輸出業者が手取りになりますのは十分の一%、すなわち三十六銭を差し引きました三百五十九円六十四銭というのが輸出業者の手取りであったのであります。しかるに同年の十二月一日に外国為替および外国貿易管理法が施行されまして、これによりまして、日本の銀行も為替業務を営むことができるようになったのでございます。これに伴いまして為替の売買相場というのが同法によりまして定められたのでありますが、これによりますと、為替銀行の買い取り相場は一ドルにつきまして三百五十八円四十五銭というふうに定められたのであります。これは従来輸出業者の側からいたしますと一ドル輸出した場合には三百五十九円六十四銭手取りがあったものが、この十二月一日以後は一ドル輸出しました場合は為替銀行で買い取っております相場が三百五十八円四十五銭・言いかえれば若干相場が悪くなったわけであります。当時この十二月一日以前に輸出の承認を得ておりまして、実際の輸出が十二月一日以後に行われたというケースが相当あるのであります。この場合に十二月一日以前に輸出承認を与えられたときに、その輸出承認書には、この場合の輸出のドルと円との換算率はすべてこの輸出の申請が承認されたときにおける公定外国為替相場によるという文句が入っておったのであります。ですから輸出業者といたしましては当然その十二月一日以前の三百五十九円六十四銭で外国為替を買ってもらえるものだ、こういうふうに考えておったのであります。しかるに先ほど申し上げましたように、十二月一日に変更が行われた結果、それ以後実際に輸出が行われて為替手形を為替銀行に持っていった場合には、業者としては三百五十八円四十五銭しかもらえなかった、これははなはだ不当であるというのがこの輸出業者の方々の意見であります。これに基きまして昭和二十六年に訴訟が起きまして、結局三十年の五月にこの判決が確定いたしまして政府側が敗訴になったわけであります。従いまして政府としましては、これらの方々に対しましては旧レートすなわち一ドルについて三百五十九円六十四銭という相場で手形を買い取らなければならなくなったわけであります。しかるに実際においては、先ほど申し上げました三百五十八円四十五銭で買い取ったわけでありますが、この差額分だけは利息をつけてその業者の方々に差し上げなければならないというはめになったのであります。この点がここにございます外国為替資金特別会計から旧輸出契約に基く賠償金という形で支出を余儀なくされたわけでありまして、この判決が確定いたしましたのが昨年の五月でございますので、三十年度の予算にはこの分につきましては経費が計上してなかったのであります。勢い予備費を使用せざるを得なくなった次第でございます。
○吉田(賢)委員 そうしますと、その輸出業者の一ドルに対する損失の金額はどれくらいになるのでありましょうか。
○片桐説明員 これは、輸出業者の一ドルに対する損失の金額は、三百五十九円六十四銭から三百五十八円四十五銭を引きました、一ドルについて一円十九銭の損が立ったわけであります。
○吉田(賢)委員 そうしますと全国の輸出業者はずいぶんだくさんにあると思いますが、総計どのくらいの人数になり、どのくらいの損失を受けたということになるわけですか。
○片桐説明員 これは実は詳細なる数字がわからないのでありますが、大体におきまして全国で貿易業者は七十九社、それで損失金額は約四千五百万円と想定されております。
○吉田(賢)委員 そうしますと外国為替管理法の施行を二十四年十二月一日になさるときに、以前の政府における輸出承認の公定相場の買い取り価格というものが大体わかっておるのでありますから、その前の輸出契約をしておった人々の損失は政府は大体予定されておったのではないでしょうか。予定というよりも予測し得たわけではないでしょうか。その点いかがですか。
○片桐説明員 実はこの点につきましては、政府といたしましては、輸出承認は為替銀行の買い取り相場がきめられる前にあったけれども、その公定相場で買い取るという文句は、その後にきめられた為替相場によってやっても差しつかえないものだという見解を持っておったわけであります。この点が裁判上問題になったのですが、従いまして当時この訴訟が実際に起きましたのが昭和二十六年でございますが、それまでは政府といたしましてはこの問題は政府の見解が正しい、政府の見解通りにやって差しつかえないものという確信を持っていましたので、実は今お説のように詳しい当時の調査はできていなかった次第でございます。
○吉田(賢)委員 私の伺うのは、外国為替管理法を施行なさるときにずいぶんたくさんの輸出業者があり、輸出契約をし、それぞれ外貨を獲得する関係にあった業者の立場は、これは大蔵省としましてはこの差額が当然損失になるだろうということが管理法施行の際大体わかっておったのではないだろうかということを伺っておるのでありますが、いかがですか。
○片桐説明員 この点につきましては確かに現在考えますとお説のように考えられるのでありますが、当時はやっとその外国為替銀行ができました当時で、この新しいレートによって為替業者に支払いをなしましても、大体業者としましてはこういう事態が若干予想せられなくもないし、それからもう一つは承認当時の為替レートで買い上げるという措置は、当時はまだ為替の予約といったような制度が全然なかった時代なので、業界の不安を除去して輸出を促進するためにとった恩恵的な措置であるというふうに考えておりましたので、ノーマルな形に返った場合には正常なレートで取引しても差しつかえないものという考えを持っておったわけであります。従いましてその点につきましては大蔵省並びに当時の貿易庁が十分検討を加えたものとは存じますけれども、本件の実行当時においてはこのために業界が非常に不当な損失をこうむるというふうには考えていなかったわけでございます。
○吉田(賢)委員 もし管理法を実施する当時にとのような損失が予見せられておったならば、その後数年経過して訴訟が確定し、判決が確定して金利までもとられるというような損失を国はこうむることなくして済んだのじゃなかったか、こういうふうにも考えられるのであります。またそういう場合には、他の要素もありますけれども、外国為替管理令をいつ施行したらいいかという施行の時期もまた考えるべきではないだろうか、とかく善後措置の問題も考慮する余地があったんじゃなかったかとも考えますので、私はお尋ねするのであります。そこでもう一つ、七十九社、約八十社が四千五百万円の損失をこうむった、こういうことになりますると、これは千三十九万五千円となっておりますが、まだこれは未払いということになりますのでしょうか。その関係はどうなっておるのですか。
○片桐説明員 実は本件の訴訟のありました事件、これは一つのモデル・ケースとして、輸出綿糸布組合が取り上げたケースなんでありますが、ここに同様なケースが他にございまして、総計先ほど申し上げました四千五百万円程度になるのでありますが、すでにこのうち約六十数社に対しまして、千三百四十六万円余りが支払われております。また未払いが先ほどお説のようにございまして、これは証憑書類その他が確定し次第支払いをいたすように準備いたしております。
○吉田(賢)委員 そうしますと、そのあとの未払いはどの資金をもって充当するということになりますか。
○片桐説明員 これは昭和三十年度の外国為替資金特別会計歳出予算の中に、国債整理基金特別会計繰り入れという金額がございます。これは本来は外国為替資金証券、あの発行利子を国債整理基金に繰り入れる金額なのでございますが、この利子金額が若干余りましたので、これを流用させていただきまして、この分から支払いをさしていただく、こういうふうに考えております。
○吉田(賢)委員 これをもちまして、昭和三十年度一般会計予備費使用総調書、それから特別会計同様、なお国庫債務負担行為の総調書について、私は質問を終ることにいたします。
○上林委員長 大蔵省関係予備費関係に対する御質疑はございませんか。なお予備費関係に対する他に御質疑はございませんか。——ないようでございますから、右三件に関します質疑は以上をもちまして終了いたします。討論採決は次会に譲ります。 —————————————
○上林委員長 次に昭和二十九年度決算を議題といたします。 本日は総理府のうち防衛庁所管について審査を進めます。それでは昭和二十九年度決算検査報告三五ページより六七ページに至る報告番号七ないし三一につきまして、まず会計検査院当局より説明を聴取いたします。保岡第二局長。
○保岡会計検査院説明員 防衛庁の二十九年度決算検査の結果を説明申し上げますが、まず総括事項といたしまして、三五ページの末行から述べてありますところは三つありまして、一つは予算の繰り越しについても、もう一つは不当事項の一般的原因、もう一つは資材の現品と帳簿が一致していないという三点であります。 予算の繰り越しについて前年と比較してみますと、二十九年度は二百三十四億、前年は二百五十七億であります。それでそのうちのおもなもので器材費関係で四十六億、前年度は百十九億であります。それから施設整備費関係で九十二億、前年は九十億、やや同じであります。船舶建造費関係で九十一億、これは前年度は三十五億、これは予算が非常に違っていたわけであります。概して同じような理由でありますが、前年よりも好転はしております。 不当事項は、工事が七号から十一号まで、物件が十二号から二十八号まで、用地取得が二十九号から三十一号までであります。共通の原因といたしまして、十分検討を行わないで実施に移したということが原因となっております。これは先ほど申しました繰り越しとも関係がありますが、急がないで着実な予算の執行が望ましいということも述べてあります。 次に工事でありますが、工事の施行につきましては、予定価格を正確に作、成しないで請負契約を締結した。これは十号でございます。また設計変更が非常に多くて、相当な設計変更を成規の手続をしないで現場でやってしまう。すなわち契約条件の無視である。これは八号にあります。またその他手戻り工事、不経済工事が行われております。これが九号とか七号とか十一号であります。この原因は設計計画が完成しないのに着工してしまう。従って着工前の計画が不十分であったということが原因と考えられます。 次に簡単に各項目を申し上げますと、七号は、設計の粗漏で、燃料タンク十五基をこしらえた場合に、入れかえ設備を初め考えていなかった、そのために不経済になったという件であります。 八号は、契約条項を無視して、コンクリートの配合を契約の仕様書通りに行わなかったのにそのままとしておいたという件であります。 九号は、同じ所の弾薬庫の敷地の切土を部隊に施行してもらったのでありますが、この部隊の施行が切り過ぎをやりまして、そのマイナスの仕事に燃料を使って、また埋め戻しをそれだけよけいにかかったという件であります。 それから十号は、ちょっと複雑しておりますが、三つの件がここに入っております。一つは積算が過大であったということでありますが、松島の弾薬庫の工事は、二十九本のトンネルを掘ったトンネル式の弾薬庫であります。第一地方建設部で十八本のトンネルを三人の請負人にやらせる。それから引き続いて仙台の建設部で十一本を同じ前の三人の請負人に施行さしたものでありますが、その予定価格が正確につかめていなかったというわけであります。なおその内容を申しますと、材料や労務の歩がかりが実情に合せてされていなかった。(ア)の方で掘さく費で約二千万円、(イ)の方で型ワクで計算誤りがありまして、これで約五百万円、(ウ)の方でコンクリート工事で約七百万円が過大に積算されていまして、全体で約三千五百万円が過大になった。 その次に、また書きのもであります。が、これは第二の件といたしまして、契約仕様書と違うことをしてそのままにして精算していた。これは百万円を減額させたという点であります。 その次に、なお書きに書いてありまして、仙台建設部の入札に当りまして条件を付けまして、落札者は第一建設部の仕事をした二人の請負人に二十万円ずつ渡す、こういう条件で入札さしております。これは現場施工の失敗や設計のミスを隠してしまう不明朗なケースでありまして、金額のいかんにかかわらず、忌むべきだと存じております。 次は琵琶湖のそばの今津の部隊に対する給水工事の水源の問題でございますが、これは琵琶湖の湖岸に井戸を掘って水をとろうとしたのでありますが、陸の方から落ちてくる水が入って参り、使いものにならなかった。これは本工事の前に調査工事を行っておるのでありますから、水質の試験をしなかったということが欠点になっております。 次に一二号から二八号の物件に入ります。まず一二号から一八号は、不急の物品を購入しているのであります。そのうち一七号と一八号は、陸上幕僚幹部の方に余っているものを海幕、空幕で買っているという件であります。これは部隊の現況なり在庫なり実際の必要度なりを十分把握しないで調達したことに原因があると思います。防衛庁の特殊事情として、供与物資の関係があり、これに対しては早期把握に努めて、ダブって国内調達をしないことが必要であります。またその在庫保有物品を含めて在庫保有数量を明確にすることが必要だというのは前文に書いてあります。 次に個々に申し上げますと、一二号は不要なものを購入したという件で、冷凍機の修理工具は、冷凍機がないから要らなかったのであります。 一三号は、不要の購入でドーリーというのは連結車でありますが、これが編成定数が改訂されたため、必要がなくなったのに買ったという件であります。 一四号は、二十九年十月から十二月、三十年一月から二月に必要な二万着と、三十一年に必要な五万着の冬服、計七万着を購入しているのでありますが、その前に早晩米国から七十万着が給与されることがわかっていたのでありますから、さしあたって必要な二万着は仕方がないといたしまして、五万着は差し控えるべきでありたという件であります。現在七十万着分が全量そのまま倉庫にある状態であります。 一五号は、赤外線警報器、これは弾薬庫の警戒用の目的で二十七年から五十台を購入しておりますが、三十年九月までに二十九台が設置されたにすぎませんで、設置されたものは故障が続出の状態である。弾薬庫の工事の進捗とにらみ合せて買い急ぎをしないで、その設計についても十分研究して、現場に合うようにしなかったから不経済となったものであります。 二八号は、高周波線輪を在庫、使用実績を勘案しないで買い付け、千二百個を購入した。装備基準から申しましても、二百二十五個買えば十分であったという件であります。 一七号は、四万トンレッカーを陸上自衛隊であり余るほど持っているのに、海上航空自衛隊用として購入した。 一八号は、やはり航空自衛隊用として購入した中無線機がありますが、これは陸上自衛隊にあり余っている重無線機を簡単に修正して使用できるので、これを利用して節約すべきであったという件であります。 一九から二三は、物資器材の規格の決定がよくなかった。すなわち十分研究しないで大量注文した。使いものにならないものでありますが、これは前年よりも減っております。これらは研究機関の活用が必要である。不完全な仕様書によって契約するため、検収の際に完全な品質試験が行われないで、検収が無意義になることがあるから注意しなければならぬというのが前文に書いてあります。 一九号は、塗料剥離剤ですが、仕様書の指定がすべて不備であったため、半年の後に使いものにならなくなったという件であります。 その次の二〇号は、機関銃の空包を発射するために使います補助具をまだ十分研究が行われないうちに千四百九十一組も大量に発注したが、これでだめだったものですから、五百組に落しまして単価を上げて買い取り、そのままほっておいて研究を続けまして、これを改造してようやく使えるようにしたものでありまして、初めから使えるようになっていれば二百十五万円節約できた。なおこれに付随いたしまして、右補助具の発注と前後してこれに対する空包を購入しておりますが、改造後のものにこの空包は使えないものでありますからへむなしく保管されている。 次の二一号は、二〇号の改造した、使えば改造型に使える空包でありますが、まだこの型ができないうちに購入して大量在庫となって、使えなくなった前例もあることでありまして、購入措置がよくなかったというわけであります。 次の二二号は、電動式フォークリフトを弾薬用に使用する目的で購入したところ、弾薬庫の状態に対して不適当であるばかりではなく、これを使うためにはパレットが必要なのにその準備がなく、一方この機械を用いないで、まくら木による集積方法によって集積する目的で、大量のまくら木を購入している件であります。 次の二三号は、設計が不経済であったという件でありまして、車両無線機用バイブレーターは、電源を一種類の二十四ボルトだけ考えればいいのに、六ボルト、十二ボルト、二十四ボルトを考えて設計が不経済であったという件であります。 次の二四号から二五、二六の三件は、もっと安く買えたという件であります。二四号は、年度末に至りまして、冬服を五月納期といたしまして、業界の最盛操業中に発注したものでありますから、それで比較的高価になったと認められるものであります。まだ冬服ですから急がないでよかったという件であります。 二五号は、ハラゾン錠の実験材料でありますが、これを輸入業者が一キログラム四千円で売っているのに七万円と見込んで積算しているために高価になったという件であります。調査が十分でなかったと認められるものであります。 次の二六号は、航空発動機の予備品の購入でありますが、ビーチ・エアークラフト製の航空機の発動機用予備部品を伊藤忠から購入しておりますが、この部品のメーカーはコンチネンタル・モーターズで、代理店は野崎産業でありまして、これはそれよりずっと前から販売していたということを考慮しないでやったものですから、損をしたという件であります。 二七号は、輸入品であるコンピューターを買うために、年度末に前金払いをしておりますが、その必要はなかった。外貨の割当輸入承認は三十年の八月でありますから、そんなに早くやる必要はないという件であります。 二八号は二件ありますが、本文の方は、自動車エンジンの冷却水であります。冷却水に添加いたします不凍液でありますが、不凍液が納入品を調べますと契約通りのものが入っていなかったという件であります。 次は携帯燃料、これも一年程度で使用に耐えなくなったという件であります。なお書きの分は携帯燃料の分であります。 次は用地の取得に関する三件でございます。この前文に書いてありますことは、実施において評価要素が違っておる。また所有者間に著しく不均衡を生じているということであります。この原因は実地の検討が不十分で話し合いに入るということであります。 二九号は、北海道の然別演習場用地の二百五十万坪の買収でございます。これにつきましては立木と採草の補償につきまして、立木を見ますとまき材くらいであるのに用材と評価したり、材積二千石を一万石と計上したり、またクマザサの密生しているところを採草地としたり、事実に基いて評価していないという件であります。 三〇号は、旭川の燃料弾薬庫、訓練場用地六十八万坪の買収のうち、半分畑地として買収しているものを見ますと、坪で百三円から四百十円となっておりますが、こんなに違った原因は、農作物の種類別作付面積等について、確実な資料を持たずにやったこと、原野を畑地としたり、収入の多い作物の作付面積を実際より多くしたり、単位を間違えて百万円高くしたり、全然根拠のない金額を増したり減らしたりしたものがありまして、従って所有者間におきまして著しい不均衡を生じておるものであります。 三一号は、新潟県の大日原演習場用地二十五万坪を買収したもののうち、開墾途上の畑地を普通の畑地と同じ農作物収入があるとして補償費を払ったことであります。そのために約三百五十一万円の開差を生じているものであります。 以上概要だけ御説明いたしました。
○上林委員長 防衛庁当局より特に説明があればこの際これを許します。永山政務次官。
○永山政府委員 昭和二十九年度の防衛庁費の決算の概要について御説明いたします。 昭和二十九年度の防衛庁費の歳出予算額は七百四十二億八千五百二十万八千円であります。これに前年度から繰り越した金額二百五十七億一千五百九十一万五千円を加えますれば、歳出予算現額は一千億百十二万三千円となるのであります。この歳出予算現額のうち歳出済み歳出額は七百七十九億四千六百五十二万八千円でありまして、これを歳出予算現額に比較いたしますれば、二百八十億五千四百九十五万五千円の減少になっております。右の減少額のうち翌年度へ繰り越した金額は財政法第十四条の三の規定による明許繰り越しのもの二百十九億二千百一万六千円、財政法第四十二条ただし書きの規定による事故繰り越しのもの十五億五千八百十三万八千円、計二百三十四億七千九百十五万四千円でありまして、全く不用になった金額は四十五億七千五百四十四万一千円であります。 右の繰越額のうちおもなるものは、器材費四十六億九千五百四十四万七千円、施設整備費九十二億八千五百十六万七千円、艦船建造費九十一億三千二十九万五千円でありますが、この繰越額を生じました理由の概要を申し上げますれば、一、器材費につきましては装備品の大部分は一般市販品と異なり、特殊の規格性能が要求されており、わが国における製作経験が乏しいため調達に際し規格の決定、使用書の調整に慎重を期し、少数の試作による性能試験の結果を見て発注するように努めて参りましたので、発注までの準備段階に相当の日時を要するため契約が遅延したものであり、また輸入品につきましては輸出国側の生産事情、輸入手続等に意外の日子を要したことによるものであります。二、施設整備費につきましては、演習場等の取得に当り、用地の選定につき地元民の納得を得ること困難な場合が多く、またその納得を得たあとにおいても価格の折衝に意外の日子を要したためであります。三、艦船建造費につきましては、戦後の空白期間を置いて、初めて艦船の発注が行われましたため、要求性能の決定及び基本設計の作成に意外の日子を要したこと、特に米国から供与を受ける搭載兵器の引き渡しが遅延したため細目設計の作成に不測の日時を要したこと等に基くものであります。 またこの不用額のうち、おもなるものは、人件費が三十二億一千百七十一万八千円、食糧費四億三千九百四十八万一千円、特別退官退職手当三億七千二百四十五万五千円、旅費三億二千五百九万円でありますが、この不用額を生じました理由を申し上げれば、一、人件費につきましては、予算編成の前提とした定員の充足状況に比し、その実行が若干遅延したためであり、二、食糧費につきましては、右の定員の充足遅延に伴うものであり、三、特別退官退職手当につきましては、予算に計上された陸曹の満期除隊者が予想外に少かったためであり、また四の旅費につきましては、部隊の移駐が年度後半になったため、自衛官の家族招致が大部分新年度に繰り越されたこと、及び船舶受け取り外国旅費につき米国からの供与船舶の引き渡しが一部取り消されたこと等によるものであります。 次に会計検査院の昭和二十九年度決算検査報告におきまして防衛庁として御指摘を受けましたものは、第七番以下第三十一番に至る二十五件であります。これらは大別いたしますれば、工事の施行に当り処置当を得なかったもの、不急の物品を購入したというもの、物資、器材の規格の決定が当を得ないもの、その他調達計画が当を得ないというもの及び用地の取得に当り処置当を得ないと認められるものということになります。これの案件の経緯につきましては、それぞれの政府委員及び説明員より十分に御説明申し上げるつもりでありますが、昭和二十九年度においてかような御指摘を受けましたことはまことに遺憾しごくであります。御指摘の案件の中には、実行者といたしまして、一応は事情のもっともと思われるもの、または結果的には遺憾であったが、やむを得ない事情があったと認められるものもございますが、なお一そう冷静慎重に検討いたしますれば、この指摘のように、さらに正確を期し得て改善の余地があったかと思われます。 船田長官は、就任以来、綱紀の粛正につきまして特に留意いたして、機会あるごとに監督指導をいたして参りました。ことに経理の面につきましては、国民のとうとい汗の結晶である防衛庁予算の執行に当り諸法規を順守し、一銭一厘といえどもこれをおろそかにすることなく、最も効果的に使用するよう戒めて参ったのでありまして、今回の会計検査院の御指摘を機会にさらに反省を加え、この趣旨を一そう徹底させるとともに、将来につきましては再び過誤を繰り返さぬよう事務的の指導において万全を期したい所存でございます。 なおこのたびの会計検査院の指摘事項につきましては、十分にその事実を究明いたした上、処分すべきものについてはそれぞれその状況に応じ、厳正な処分をいたした次第であります。 以上をもちまして説明を終ります。
○上林委員長 以上をもちまして防衛庁所管昭和二十九年度決算に関する会計検査院当局並びに防衛庁当局の説明は終りました。 防衛庁に対する質疑は次会に譲ります。 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時三十三分散会