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24回国会衆議院1956/03/12

決算委員会 第14号

発言数
153
登壇者
8
会派数
2
開催日
1956/03/12

会議録

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 これより会議を開きます。  政府関係機関の収支(日本開発銀行の電源開発融資)に関する件について調査を進めます。  本日は参考人として関西電力株式会社社長太田垣士郎君に御出席を願っております。ただいまより本件につきまして、太田垣参考人より実情を聴取することにいたしますが、その前に太田垣参考人に一言ごあいさつ申し上げます。  本日は御多忙中にもかかわりませず、御出席いただきまして、厚くお礼を申し上げます。本問題につきましては、当委員会としましても、しばしば会議を開き、また参考人として石川鉱業所代表石川石君をも招き、調査を進めて参ったのでありまして、太田垣参考人におきましては、当委員会の意のあるところをおくみ取りいただきまして、本件の調査に御協力を願いたいと存ずる次第であります。  それでは、委員各位より参考人に対して質疑の通告があります。順次これを許します。  なお質疑に入る前に一言申し上げておきますが、委員の質問中はすわったままでけっこうでございますけれども、答弁なさる場合は、立って一つお答え願います。  それでは質疑に入ります。生田宏一君。

生田宏一自由民主党

○生田委員 太田垣さんにお尋ねいたしたいのは、庄川水系の発電事業に対することでございますが、これは政府の金を開発銀行等より電源開発に支出をいたしておりますので、当然決算委員会の審議の範囲に入るものでございますから、わざわざおいでを願ったわけでございます。  庄川水系の椿原のダムあるいは鳩ヶ谷の発電所の関係のことでございますが、それより先にお尋ねしておきたいと思いますのは、この電源開発につきましては水没等の補償要綱についての閣議決定がなされております。これはもちろん電源開発をする皆さんのためにこの要綱ができたのでございますから、言うまでもなく電気事業者の事業上の遂行に便ならしめるための要綱だと私は思っておるのでございます。これにつきまして太田垣さんは、従来この要綱に記載する旨を順奉されて参っておられまするが、また将来もこれを順奉されるお考えでございますか、お尋ねいたしたい。

太田垣士郎関西電力株式会社社長

○太田垣参考人 今の御質問に対しましてお答え申し上げます。閣議決定事項につきましては私ども常に注意いたしまして、その線に沿ってやりつつありますし、将来もまた変更のない限りはその線に沿ってやっていきたい、こう考えております。

生田宏一自由民主党

○生田委員 それではもう一つ、前にお尋ねいたしておきたいのは椿原ダム、並びに嶋ヶ谷発電所に関して、鉱業権あるいは所要土地の関係等、地元関係の買収補償等がなされておりますが、これらにつきましては一応会社のやられたことでございますから、太田垣さんは会社の最高の責任者なので、よく御責任のあるところは御承知と思いますけれども、一々のこまかいことにつきましては御存じないところがあるかとも思います。しかし会社のその部署の責任者がおやりになったことにつきましては御責任を持っていただくのでございますか。

太田垣士郎関西電力株式会社社長

○太田垣参考人 ただいまの御質問にお答え申し上げます。補償関係につきましては、各河川ごとにやりますつど、非常にたくさんの補償関係がありますので、重要な問題につきましてはある程度私も存じておりますが、今おっしゃった通りに個々の小さい問題については、払今全部記憶しておるというわけにも参りません。しかしながらそれは各責任のある担当者をして行わしめまして、そうして自後私がそれを決裁することになっておりますが、その担当者の行いましたことについての責任は全部私が持っておる、こういうことでございます。

生田宏一自由民主党

○生田委員 それでは事実関係についてお尋ねをしたいと思うんですが、私のお尋ねいたしますのはあの椿原ダムあるいは嶋ヶ谷発電所の関係地籍にある石川石氏という鉱業権者の鉱業権との間の関係でございますが、これはこの前の委員会で公益事業局長にお尋ねをいたしましたときに、公益事業局長は名古屋の鉱山局の関係でございますが、試掘登録の七五一四号は昭和二十八年の七月に鉱業権の設定がなされており、それから同じく試掘七五一二号は二十八年の八月八日に設定がなされております。嶋ヶ谷の発電所関係でございますが、この方は仕事の着手になったのは二十八年の八月二十八日、こういうように承わっておるのです。また椿原の発電所は二十八年の十一月に湛水をした、こういうことを聞いておるのでございますが、そうしますと、石川氏の鉱業権設定以後に施設あるいは事業を関西電力の方でなされたことになるわけでございます。そうしますると、これは水没等の補償要綱の第四条に規定いたしまする補償の手段からいたしますと、それは原則として補償費は前払いということになっておりますし、またそのことがはっきりしないときには概算払いの支出の道を認めておるようでありますが、それができておりませんことが一つ。それからもう一つは昭和二十六年に出願をいたしております出願第一二三七号の項目につきましては、関西電力の発電計画、水路の計画があるので、その関係でこの鉱業権が今日なお設定の手続がとられておりませんことにつきましても、会社側と石川氏との関係には私たちが了解することのできないような要素があるのではないかと思いまするので、この双方の問題について会社としてはどのようにお運びになりましたか。お尋ねいたします。

太田垣士郎関西電力株式会社社長

○太田垣参考人 お答え申し上げます。第一の点は一応仮払いの方法によってやるべきでなかろうか、こういうお話だと思います。鉱業権そのものに対して私どもが当然にこれは補償しなければならないということの前提に立ちましてやる場合は別でありますが、この鉱業権につきましては私ども補償すべきかどうかということに一つの疑義を持っております。従いまして前払いという措置はいたしておりません。  それから第二の問題でございますが、これはまだ許可になっていない鉱業権でありますので、私どもはこれに対して補償云々ということができませんので、この点も私どもはやっておりませんです。以上であります。

生田宏一自由民主党

○生田委員 補償すべきかどうか疑義があるというのはどういうような理由によるものでありますか。  それからもう一つは、許可になっていない地所につきましては、あなたの方の関連の予定計画があるかどうか。予定計画を含めて計画があるから、この方は困るのだということが鉱山局の方から本人に示されておりますので、あなたの方の計画があるかないかは、これはあなたの方から鉱山局あるいは通産局の方へお出しになったのですか。あるいは公益事業局の方が役所と役所の間でするようにしたので、あなたの方は全然御存じないのか、そのどちらであるかお尋ねいたします。

太田垣士郎関西電力株式会社社長

○太田垣参考人 お答え申し上げます。第一の点につきまして私どもに疑義があると申しますのは、これは実例といたしまして、これと同じ案件が今富山地方裁判所において係争中でございます。これはどういう疑義を持っておるかと申しますと、鉱業権そのものの性格によってできた一つの向うさんのおっしゃる補償問題であって、私どもが権利を侵害してできた補償ではない、こう考えております。それはどういうことかと申しますと、私どもはしろうとでございますから、常に法律家の意見なりあるいは法制局の通達なりを基本にして物事を考えておるのでございますが、鉱業権そのものはその地区の鉱物を採集なさって獲得なさるという権利であって、それを実行なさるには、もし河川にそれがかかっておれば河川法の許可を受けなければならない。なおその地面が他人の地所である場合には、その所有権者とお話になって採掘をなさる。そこにおいてその実行をなさって初めて完全な鉱業権と言えるのでありまして、まだ使用権の解決もなし、また河川を利用する許可を受けておられないものであれば、これは当然その権利が実行し得べき立場に立っておられるものとは私どもは解釈できないのであります。従いまして私どもは、これはどういう表現をしたらよいかわかりませんが、不完全な権利に対して私どもは河川の使用権なり土地の所有権なりを持ってそこに湛水したのであります。これは鉱業権の性格そのものからくることであって、私どもがこれを侵害したとは考えておりません。そこでこの点を私どもは理由にしております。目下同じようなケースが富山県の地方裁判所で係属中でございます。

生田宏一自由民主党

○生田委員 それはあなたのお考えでございますか。公益事業局並びに鉱山局あたりからあなたの方へ示した意見でございますか。

太田垣士郎関西電力株式会社社長

○太田垣参考人 これは私個人の意見ではないのでございまして、法律家の意見も聞いておりますし、それからかつてこれと同じような事件が四国であったことがございます。それに対しまして建設省の河川局長から法制局第一部長に対して、こういう場合に補償すべきかどうかという質問書が出ております。それに対しまして法制局の第一部長から河川総合開発事業の実施に係る鉱業権の補償についてという法制局一発第一一七号という公文書が昭和二十八年十二月二十四日に出ております。それによりますと、ただいま私が御説明申し上げたような趣旨が明記してございます。そういうものについても私どもは態度決定の有力なる参考資料としておる次第でございます。

生田宏一自由民主党

○生田委員 その中に何が書いてあるか、この席であとで見せていただいて、その質問はあとでいたすことにいたします。  それではお尋ねをいたしますが、このケースにつきましてはこの前の委員会で公益事業局の局長も出て参りまして、試掘権であってみても、あなたの方が何ら施設をしておられない地区に鉱業権が設定されておって、以後あなたの方がその鉱業権の地籍内において稼働することができないような状態になったときには当然補償問題が起きてくる、ただしその地区内における鉱物の量が果してあるかどうか、また補償するに値する鉱石があるかないかによってものはきまるのです、こういうことを、あなたの今おられる席にすわっておって川上君がはっきり御答弁をされておるのです。それで私は公益事業局の考え方をよく聞いてあなたの方にお聞きをしておりますので、あなたが別に政府のどこかから出た書類によってお答えになりますならば、私はこの委員会が終りますまでにその文書を拝況して、それからお尋ねしなければならないことになるわけです。それではお尋ねをいたしますが、かりにあなたかそういうことをお考えになるとしても、事実関係をお尋ねしなければこの問題はなかなかはっきりして参りませんから申し上げますが、この通産省から事実調査に参りましたときの報告書の中に書いてありますものによりますと、あなたの方は自分の土地の所有の中に水をためたので当然のことをしたのだ、こういうのですが、私は鉱業権というものは、これは他人の土地の中にある鉱物を掘り出すことを政府から認めてもらうのが鉱業権の設定ですから、何も地上の問題ではございません。そこでこの鉱業権というものを政府が認めておるわけでございます。ただしかし、これを掘りますときに、その所有者の土地の一部を借りてみたり、あるいは穴を掘ることを承諾を得てみたり、あるいは道路をつけることを承諾を得る、こういう地上侵害については、それは両者間の話し合いできまることでしょうけれども、しかしながら政府がその鉱物があるということを認めてこれを試掘させようという権利を認めたことは間違いのないことです。ところがあなたの話によりますと、自分の土地の中へ湛水したのだ、こういうのです。あなたのお話になったのによると、その土地は非常に早くお買いになったように書いてございますが、その土地を取得せられた月日はいつでございましたか。事実関係を一つ一つ承わりたいと思います。

太田垣士郎関西電力株式会社社長

○太田垣参考人 お答え申し上げます。売買契約が昭和十年十二月四日から昭和十一年五月二十二日までに完了しております。それからそれの所有権移転登記が昭和十一年四月一日から昭和十一年十一月十日までに完了いたしております。国から借地いたしましたのは、昭和二十八年十一月一日から昭和三十三年三月三十一日までの借地契約をしております。

生田宏一自由民主党

○生田委員 白川村でございましたか、白川村役場の土地台帳で調べてみますと、関西電力が土地を買ったのは昭和二十八年十一月十二日、また国の方に国有地の貸付申請をしたのが昭和二十八年十二月六日、こうなっておるのですが、これは十年あるいは二十年の時日の相違がございます、ことに契約をしたのと土地を取得したのとは違うと思うのですが、あなたの方は契約の方を言っておられると思うのですけれども、取得したのは昭和十何年だというふうになっておりますが、白川村の役場で調べてみますと、昭和二十八年十一月十二日に土地を取得している。また政府に借りることを申請したのは昭和二十八年十二月六日となっておるようですが、その辺はいかがでございますか。

太田垣士郎関西電力株式会社社長

○太田垣参考人 お答え申し上げます。借地の方は昭和二十八年十二月六日付契約ということになっております。それから所有権の方は、ただいま私が申し上げました通りと考えております。

生田宏一自由民主党

○生田委員 土地台帳の謄本はとっていただけますか。

太田垣士郎関西電力株式会社社長

○太田垣参考人 お答え申し上げます。   〔委員長退席、吉田(賢)委員長代   理着席〕 非常に件数が多うございますので、時間がかかると思いますけれども、時間さえがければとり得ると存じます。

生田宏一自由民主党

○生田委員 私ははっきりしたものだけ一つ申し上げておきますが、あなた方の方で湛水をいたしましたのが昭和二十八年十一月十四日となっていると思うのです。そうしますと自分の権利のある土地の上に湛水したのだとおっしゃいますけれども、昭和二十八年十二月六日に借地権申請をしているのですから、そのときには借地権は生じていないのです。あなたのおっしゃることではっきりしていることの一つがすでにここで間違っている。この土地台帳をお調べ願って土地台帳を出していただきたいと思います。これがもし間違っているといたしますと、私の言うことが正しくてあなたのおっしゃることが間違っているといたしますと、通産省の方へあなたの方から申告をした、通産省の調査の基礎になっております関西電力の申し立てが、根底からくずれて参るということが一つ。湛水したときには国の方の借地権が成立しておりませんことをあなた方にもお認め願っておきたいと思います。さようでありますね。

太田垣士郎関西電力株式会社社長

○太田垣参考人 その方は大体さかのぼって効力を発生せしめているような結果になっております。それからもう一つお答え申し上げますのは、ただいまの御質問は当然補償すべきものであるという前提のもとに御質問のように承わりますが、私どもはただいま私が説明申し上げましたように、もし採掘権を持っておられても、たとえばその河川においてそれ以上の公益的な事業がそこに起されるということであれば、あるいはその埋没している一つの鉱物と、そうしてそこに行われる一つの事業と、公益事業であるということにおいてもし軽重がありとすれば、あるいはそれが許可にならない場合もある、こう私どもは考えております。従いまして私どもはそれが当然あるべき権利であるとは考えておりません。従ってそういうふうに考えます。

生田宏一自由民主党

○生田委員 電力を開発するということは大切なことでありますからわれわれも国家の金を何千億も出してあなた方や九電力会社にやってもらっております。しかしながら公益の事業をあなたがされるからといって、他人の財産、他人の権利を侵害して、それに補償の責任をあなた方が負わないというお考えでありましたならば、あなたは公益事業の担当者としては根本的にお考えが違うと思う。ただし許可しないことはございます。許可しないことはございますが、それはどちらかが公益性が、利益性が多いということの判断がついたときにこれを許可しないことはございます。しかし試掘権というものはここにすでに設定をされているのですから、三つの鉱区のうちの一つはまだ試掘権が設定されておりませんが、試掘権というものが設定されているのでありますから、試掘権の性格について自分はこれを認めがたい補償の責めに任じがたい、あるいは任ずるということでありますれば、それは個人の見解として裁判所で判定を受けなければなるまい。しかしながら許可しないことがあるということになりますと、許可はすでにできておることなんですから、その許可権というものは、一つの権利としてあるいは財産権として、その評価を当然国の方から認められておるのですから、すでに権利を受けたものを、あなたの方の事業を推進するために遂行できないという状態に追い込んだときには、補償すべきが当然のことです。私はそう考えるのですが、もしこの考えにあなたがいやさようにお考えにならないんだということになりますならば、私はあなたが関西電力の社長としての地位について、あるいはそのお考え方について、いささか問題を異にしますけれども、新たな観点であなたに対しては問題を惹起せざるを得ぬと思うのです。その点について、すでに試掘権というものは設定されておるのですから、その試掘権に対して、鉱物があるということが判明しましたならば、その補償の責めに任ずるというのは川上公益事業局長は明瞭に答弁をされておる、それは試掘権を認めておる答弁をしておる。しかしあなた方は、さっき試掘権を認めないというお話もあったのですけれども、今度はそうではない、私どもの方の利益が大きいならば許可をしないだろうというが、許可はしないのではない、許可はすでにしておるのです。あなたのお話は少し狂ってきておるように思うのですが、一つ整理をしてお答えを願いたいと思います。

太田垣士郎関西電力株式会社社長

○太田垣参考人 ただいま承わりますと、私ども他人の権利を侵害していつも補償しないように言われるのですが、決してそんなことはないのであります。当然補償すべきものは現在までも補償しておりますし、将来も私どもは補償する考えにおいてはやぶさかでないものであります。ただしかしながら、私どもといたしましては、やはり公益事業を預っております関係上、疑義のあるものとかあるいはまだ権利を侵害しておらないと考えるものについて補償するということはできないと考えます。従ってそういうものにつきましては、それはおのおの見解の相違という点もあると思いますので、そういうことになりますれば、やはり私は法によって裁断をしていただくよりほかに道はないと思います。

生田宏一自由民主党

○生田委員 あなたの方で権利を侵害したかしないかということについて、事実関係でお尋ねしたいと思います。二八年の八月八日までに石川石君の所持しております七五一二号ないし七五一四号地籍内に、あなた方の何か会社の施設があったのでございましょうか。お尋ねをいたします。

太田垣士郎関西電力株式会社社長

○太田垣参考人 施設はありません。

生田宏一自由民主党

○生田委員 ところが七五一二号については、鉱業権の設定を受けましたときに、いろいろの条件がついてございますが、この中で関西電力株式会社発電用水路の予定水路を含むその他電気工作物に支障を与えざること、そういう条件で試掘権が設定されておるわけです。  それからもう一つは、七五一四号につきましては、あなたの方の水路がその中につく予定だから、試掘の施業案についてはこれを認めるわけにいかないから変更しろということを鉱山局から命令を受けておる。そこで鉱業権者は、はなはだ自分の権利を遂行することができないので、あなたの方のいかなる施設が行われるか知らぬけれども、予定計画を含めてあなたの方の施設に支障を来さないような方法でやれということを命じておられるのですから、鉱業権者はあなたの方へ、どのような計画でおやりになるのですかということをしばしばお尋ねしておる。ところがあなたの方からは、その計画は未定であるというお答えがあっただけでありますが、そういう事実は御存じでございますか。あなたの名前で出された文書もあるし、また経理部長の名前で出されたのもあるし、いろいろありますが、これについてはどのようにお考えでございますか。

太田垣士郎関西電力株式会社社長

○太田垣参考人 お答え申し上げます。その御照会を受けましたことは、まさにその通りでございます。ただ問題は、電源開発の計画はその期間いろいろと設計の変更もありますし、変化もその経過においてするのが常道でございまして、あるいはここをこうやって水路にするというところを、岩盤が悪いからこちらに変更しようじゃないかというような変更はたびたびあるものでございます。なおある程度計画ができ上りつつある過程におきましても、私どもとしてはこれは簡単に発表できない関係もございました。しますのは、いろいろとこの間と申に事件関係が輻輳いたしまして、極端な例をとりますと、その計画を知るとすぐその湛水地域にバラックを建てるというようなこともあるのでございます。従ってそういう計画については、私どもある程度営業上の機密事項といたしまして発表せぬことにいたしております。その点は一つ御了承願いたいと思います。ただし、われわれの監督を受けておる官庁からの場合には、私どもはその点は御報告申し上げる、こういうことにいたしております。

生田宏一自由民主党

○生田委員 今のお話によりますと、計画はできておるのであるが発表しない、そうすると、あなたの方のまだ決定をしていないというこの文書は、石川石君に対する私文書ですから、これを公示したわけじゃないのですが、会社の文書ですからやはり法人の私文書だと思うのですけれども、これは決定はしておったのだけれども実際には決定しないと回答した、こういうお話になるのですがさようですか。   〔吉田(賢)委員長代理退席、委員   長着席〕

太田垣士郎関西電力株式会社社長

○太田垣参考人 私のただいまの言葉が非常に足らないようで、誤解を招いたようでございますが、決定したと申しましたのが言い違いのように思います。ある程度のワクはできましても、そこにただいま申し上げましたようないろいろな事情によって変更がされますので、従ってまだ照会中の時期は最後決定に至っていない、こういうことなんでございます。まだ未計画の問題です。これを一つ御了承願います。

生田宏一自由民主党

○生田委員 それではお尋ねをいたしますが、椿原ダムの湛水をいたしましたのは何年何月でございましたかお尋ねをいたします。

太田垣士郎関西電力株式会社社長

○太田垣参考人 二十八年の十一月十四日と今記憶しております。

生田宏一自由民主党

○生田委員 昭和二十八年ですね。

太田垣士郎関西電力株式会社社長

○太田垣参考人 お答えいたします。そうでございます。

生田宏一自由民主党

○生田委員 それではお尋ねをいたしますが、昭和二十八年の十一月三日に石川君はあなたの方へどのような計画でどのように湛水されるのでありますかと私文書を出しておる。読み上げますと、前略しますが「当方より同年拾月拾七日附書面を以て標記椿原ダムの貯水後に於ける当方の鉱区地区に及ぼす浸水面積等につき、具体的なる御回答を求めましたところ、その回答期限(拾月廿八日)を過ぎたるも何等の御回答にも接しません。依って御社は当方鉱区内に於いて確たる施設計画もなく且つ当方が今後その鉱区内に於いて如何なる採掘施設等を行ふも何等御異存支障なきものと、認めますから御諒承願います。次に伝関するところに依れば、御社の椿原ダムは此の拾一月中に貯水開始との由、聞き及びますが若し貯水を実施されるならば左の二項目につき御承諾願います。」こういって手紙を出しておるのでございますが、十月十七日に出したものにつきましてはあなたの方で御回答なしです。また十一月三日に出したものに対してもあなたの方は御回答なしです。十月十七日にはどんなものを出しておるかといいますと、前略「御回答の内容は私の期待するものに反して甚だしく抽象的なもので誠に遺憾に存じます。私が御照会を求めました去る昭和廿八年八月三拾目附御社宛の書面に鉱区図面まで同封申上げたるは御社の諸施設につき具体的明確、精細な計画の開示を求めた次第であります。例えば一、椿原発電所調整池の湛水区域が当方鉱区(第二鉱区試第七五一二号)に如何程の浸水面を持つことになるか。即ち現在の水面より何米迄の高さで当方鉱区のどの線まで浸水するか等お知らせ願いたく。二、第一鉱区(試第七五一四号)に於ける御社の計画支取水隧道約二〇〇米乃至三〇〇米とは如何なる規模の調整池をもろ用水路がどの地点からどの方向に開鑿されるものか等々の正確なる具体的内容を要求する次第であります。お互ひに土地を基礎に事業施行を為すものの交渉に於いて地点、施設内容等に具体性なきものは何ら回答の価値なきものであります。右につき来る廿八日迄に更に適確なる御回答を煩したく、」こういってあなたの方へは十月十七日と十一月三日にお尋ねをしておるわけです。ところがあなたの方は、十一月の湛水したのは何日ですか。

太田垣士郎関西電力株式会社社長

○太田垣参考人 十四日です。

生田宏一自由民主党

○生田委員 それから十一日して湛水した。あなたの方の椿原のダムについて湛水をする十日前ですから、ダムができ上るまでくらいには——私は電気のことを多少知っておるのですが、ダムができ上るまでには湛水の水位をきめてゲートを取りつけてあるはずです。ゲートを取りつけるのは少くとも湛水をする二、三ヵ月前にはゲートの取りつけができておるはずです。ゲートの位置がきまれば、もう湛水の位置はきまっておるのです。湛水の位置はきまっておるにもかかわりませず、あなた方の方ではこのときに至ってなおかつ詳細を回答することなしに、回答してもあなたの方で適当にごまかしたものなら別ですけれども、それに対して回答を全然しないという処置に出てあなたの方は湛水をしてしまった。そうしますとあなたの先ほど計画がほんとうにできていなかったから言わなかったのだというお話は、これは全くうそのことになる。私をごまかしても、それはできないことです。ダムを作りますときには最高水位というものをきめて、また洪水時の調節もちゃんと考えていますから、水がたまり過ぎないように放水をすることになっておるでしょう。そこにゲートというものがあるわけでしょう。そのゲートの位置がきまりましたならば湛水の水位はそこにきまっておるはずです。そのゲートというのは湛水をする少くとも二、三ヵ月前あるいは六ヵ月前に取りつけを開始する。また製作を命ずる。製作を命じたのは一年も前に製作を命じておる。ですからあなたの方の計画が水位において狂うということは、もう湛水をする半年前には水位に対してはこれを動かしがたい計画ができているはずです。私は私の県の公営で電気を作りましたのでよくそのことは知っておるわけです。他人をごまかしても私をごまかすことはできない。にもかかわらずあなたの方ではどうしてそれを明示してやらなかったか、また明示しないのはともかく、今ここであなたは計画はほんとうにきまっていないから言わなかったのだと言うけれども、十日前すらもあなたはまだきまってないとおっしゃる。もしあなたの先ほどのお考えが少し間違っておったならば、この際間違っておったとか、あるいは会社の経営の範囲内で、その経営の政略的な意味でこのような返事を出し、またこのように返事を出さなかったのだ、こうおっしゃるなら、はっきりそうおっしゃっていただきたい。

太田垣士郎関西電力株式会社社長

○太田垣参考人 お答え申し上げます。ただいま私が未定とかなんとか申しました椿原の分についてはある程度きまっておりましたが、まだ鳩ヶ谷の方は未定になっておったのであります。さいぜんも申し上げますように、私どもそういうことをはっきり申し上げることが——一応私どもは営業上一つの機密事項としておるということを考えておりますのと、それから従ってまだ発表せねばならぬという義務もないと考えておるものですから御回答申し上げなかった、こういうわけでございます。

生田宏一自由民主党

○生田委員 公益事業局長は今来ているのですか。

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 松尾鉱山局長、川上公益事業局長、市浦開発業務課長が出席しております。

生田宏一自由民主党

○生田委員 それでは、少し複雑になりますけれども、今のお話は非常に重要なことですから公益事業局長の意見を聞きます。局長はこの間、試掘権であっても、その試掘権というのは、鉱物があるということが確認されるならば、その後に生じた電源開発の施設のためにその鉱区の稼働性がなくなったというときには損害補償に応ずるのが普通です、ただ鉱物があるかないかということが問題だ、こうおっしゃったのですが、今の太田垣さんの御意見とは全然相反するのですが、あなたの御意見はいかがですか。もう一度あれは再確認できますか。それが一つ。それから試掘権に対して補償することについて法的根拠がないというふうに考えておるという太田垣さんのお話ですが、あなた方はどういうふうにお考えになりますか。それを一つお聞かせ願いたい。

川上爲治通商産業事務官(公益事業局長)

○川上政府委員 私がこの前申し上げましたのは、試掘権も採掘権も鉱業権の一つでありますので、その試掘権が前に設定されていて、そうしてあとからほかの権利が設定されて、その前の鉱業権、すなわち試掘権に対しましていろいろ侵害する場合におきましては、これはどちらが公益上大事かということによってきめることになりますけれども、かりにその電力の方が大事だということになりましたときに、その試掘権のところが掘れないというような場合におきましては、それに対しては適当の補償をしなければならないであろうということを申し上げたわけであります。ただしその試掘権というのは、ほんとうにその地区に鉱物があるかどうか、そうして探掘して将来経済的な価値が出るであろうかどうかというような点を詳細調べた上でなければ、じゃ、どの程度これを補償すべきであるかということは、はっきり出てこない。そういうのがはっきりしました上で、既存の試掘権というのがあるならば、あとで権利をもらった方から、当然その仕事をするときに補償の問題が生じてくるということを申し上げたわけであります。

生田宏一自由民主党

○生田委員 今ので太田垣さんの御意見とは全然違っておるということがはっきりしたと太田垣さんもお認めになると思うのです。ただしあなたは、事業局長がそういってみても私の考え方はそうではない、こうおっしゃるかもしれませんので、そこで私が一つあなたにお聞きしておきたいのは、試掘権という問題がかりにあってみても、土地は自分が買ったんだ、浸水したのはわしの土地の上だ、どうせ石川石が流れを掘ろうとしても、おれがおれの土地の上を使うことを承諾しなければ掘れないじゃないか、自分はそれを承諾する気持はない、こういうのだろうと思います。これが一つ。それからもう一つは、石川石に対して、会社の営業政策上計画はできておったけれども真実を言わなかった、この二つであろうと思うのですが、そうであったらそうとお答え下さい。

太田垣士郎関西電力株式会社社長

○太田垣参考人 ただいまの試掘権問題について、私が湛水区域にどうせ試掘はできないだろうというようなことを考えておるかということでございますが、私どもは決して自分自身のそんな考えによっておるのではない。あくまで謙虚な気持で、これが法的にほんとうに完全にそういう何があるものであれば、私は法に従う。従って法的にわれわれはそこに疑義がありますから、そこで係争しておるわけでありまして、係争の点が解決つかない以上は、私どもはこれを承認するということは、現在の立場としてはできない、こう考えております。

生田宏一自由民主党

○生田委員 それでは川上局長にお尋ねしますが、これは裁判ではございませんので、決定的な御意見として承わるというのではないのです。しかし試掘権に対しては、一つの鉱業権の設定としてこの権利を認めて、もしあとからその地区内に施設をして迷惑をかけた場合には、その試掘権の鉱区内に、莫大な高価な、しかも探掘を必要とする鉱物が埋蔵されている場合には、この補償に任ずるのが公益事業局の法理的解釈だということに、先ほどのあなたのお答えを解釈しておるのですが、全くその通りでございますか。あるいは太田垣さんの言う通りに、環境が整っておっても、熟しておっても、試掘権というものは本質的な権利として補償に値するものでない、こういう御意見を述べておりますが、そういう疑いもあるのか。あなたがさっき言われたように、法理論的に言ってこれは一つの権利として補償の範疇に入るのか。それは行政に携わる公益事業局長としてどのようにお考えになるのか。それをお尋ねしたい。

川上爲治通商産業事務官(公益事業局長)

○川上政府委員 私が今まで申し上げたのは、先に採掘権なり試掘権が設定されてあって、あとで発電関係の権利を獲得していろいろな施設をしようというような場合において、さきの試掘権に補償の必要があるかどうかという点については、経済的な価値があるのだったらこれは補償しなければならぬということを繰り返し申し上げてきたと思います。いろいろ聞いてみますと、今回の問題につきましては、その水利権の設定なり、あるいはその土地の所有権の設定というのが、試掘権よりも前に権利を得ておるというようなことになりますと、この試掘権というのがあとに設定されますと、試掘をする場合においては、この土地の所有者すなわち所有権を持っている人、あるいは水利権を持っている人、そういう人に相談をしまして、その人の承認を得なければ試掘はできないというような問題が生じてくると思うのですが、その問題が一つこの点についてはあると思うのです。その場合におきましては、普通ならば、その試掘権というものと土地所有権というものとどちらが大事であるかということを判定いたしまして、地方の通産局長におきましては知事の意見なりそういうものを聞いて、場合によりましては、その土地の所有の一部についてそこから試掘をやらせるというようなことをさせるわけでございます。そういう問題がありますので、この問題につきましては、私が今まで申し上げておるのは、前に試掘権が設定されておるならば、あとからこの権利をもらって湛水なり電気関係の工事をする場合におきましては、これは当然前の権利の侵害ということになりますので、その試掘権が経済的な価値を持っておるならば、これは当然補償を要するということを申し上げたのであります。

生田宏一自由民主党

○生田委員 それではあなたの今言われるような疑義が解決をして、完全な状態において補償問題が起きた場合には、その前に設定した試掘権というものは認められる、こう解釈してよろしいですね。

川上爲治通商産業事務官(公益事業局長)

○川上政府委員 これは私が今まで繰り返し申し上げますように、その試掘権が前に設定されていて、あとから電気関係の施設なり権利なり、そういうものが設定されて施設なりをする場合においては、これは私は当然その試掘権に対しては補償すべきだというふうに考えております。ただその内容については経済的な価値があるかどうか、ほんとうにそういう鉱物があるのかどうか、その辺をよく調べてみませんというと、どの程度補償すべきかということは出てこないかと思います。

生田宏一自由民主党

○生田委員 ちょっと伺いますが、土地の所有権というものは、地下と地表、それから地上、この三つのうちどれに該当するものでありましょうか。

川上爲治通商産業事務官(公益事業局長)

○川上政府委員 土地の所有権というのは、もちろん鉱業権とは両立するものであって、これは地表の権利である、私はそういうふうに考えておりますが、これは法的にはどういうふうになりますか、あまり詳しく調べてみておりませんけれども、ただ鉱業権と所有権というのは両立するものであります。従いまして、鉱業法におきまして、土地の所有権がありましても、鉱業権をあとで設定された場合において、その鉱業権の対象となる鉱物が相当豊富であって、これは経済的にどうしても成り立つ、その方が公益上大事だというふうに認定されましたときには、土地所有権を排除して、そうして採掘をやらせるというような建前になっております。

生田宏一自由民主党

○生田委員 それでだいぶんよくわかりましたが、今のお話を聞いてみると、要するに問題はその鉱区内における鉱物の埋蔵量と、その品質がきわめて有益なものである、あるいは価の高いものである、あるいは国家がこれを要請するものであるかどうかということになってくるのです。そこで先ほどお尋ねしてみると、太田垣さんは、私の所有地区内でありましても、きわめて有利な鉱石を掘り出すにつきましては、私の地区内を使用することぐらいはあえていなむのじゃありません、こういうお話がありました。それは私は当然だと思っておるわけです。そこで私はお尋ねをしたいのですが、一体鉱物があるかないか、あるいは、たとえば関西電力の所有の土地以外のところからその鉱物を掘れるものであるか、掘れないものであるか、私はこれは掘れると思うんです。たとえば遠いところから縦坑なり横坑なりおろしていって、そうして着工せしめれば掘れると思う。しかしそれは採算上の問題になって、きわめて不利な採算を覚悟しなければ採掘はできないことになります。しかし完全に露頭が出ているところであって、その付近から鉱脈の状態をよく見通せる地位から坑道をあけていきますならば、その坑道は近いし、あるいは着工に対してもほとんど百発百中いくに間違いない。しかし五十メートルとか百メートルという遠方のところから縦坑をおろすとか、あるいは斜坑を掘っていくということになりますと、必ずしもその鉱脈の推定が的確でないという場合が起きて参ります。そうなると、かりに自分の土地から掘り出してみましても、その損害というものはダムの湛水による損害でありまして、自分の土地の上だから湛水をしたので、自分が鉱山に対して何も損害補償をする必要はない、こういう議論は私は成り立たぬのじゃないかと思う。かりに鉱物があるならお掘りなさい、あなたが掘るのもよろしかろう、こう言ってみても、きわめて不利な条件のところから掘ってみなければならない。あるいはそれがうまく着工せぬかもわからない。こういうことになると、これは大へんな損失を鉱業権者にかけることになる。露頭部の近くから坑道を掘りますならば、多少そこにリスクはあっても、しかし十分に採算の持てる鉱山でも、非常に遠いところから縦坑なり斜坑を掘っていくということになれば、採算上これは自信が持てないということになれば、これはやはりその鉱業権者に対しては相当の損害を与えたということにならざるを得ないと私は考えるのですが、そういうような事情が補償の範疇に入るか入らぬか。損害をかけたということになるかならぬか。そういうことでなければ、山のどっからでも穴をあけていくことができるのですから、それだけの鉱物があれば掘れれば掘ったらいいじゃないかということにもなる。またこの場合においては、湛水をしたその水ぎわから五十メートル奥地までは、関西電力の方で、鉱業権を施行することを拒否する権利が与えられていると私は解釈しているし、またあなたもそのようにお答えになっておりましたが、そうすると湛水地域以上に、相当広範囲な地域が制限を受けることになるのです。これらもまた大きな制限の損失になると思うのですが、こういう点についても公益事業局長はどのようにお考えになりますかお尋ねいたします。

川上爲治通商産業事務官(公益事業局長)

○川上政府委員 これは非常にむずかしい問題と思うのですが、私は、試掘権が前に設定されていて、あとから水利権なりあるいは電源開発の施設、そういうものができる場合においては、その前の試掘権の一部に、今言ったような湛水とかいうようなものができますと、その下の鉱物が掘れなくなるということになりますれば、もしその下に相当な鉱物がある場合においては、これはやはりその鉱業権に対する一つの侵害だというふうに考えますので、従ってこれは補償をしなければならないだろうということを申し上げていたわけなんですが、しかしこの水利権の方が先であり、土地の所有権の方もまたずっと先であるというようなことになると、問題は少し違ってくるのじゃないかというふうに考えておりまして、その際に湛水なりするところの下の鉱物資源に対して補償しなければならぬかどうかという問題については、これはまた別な問題で出てくるのじゃないかというふうに考えます。これはそういうようなむずかしい問題でありますので、私は従来の判例なり、そういうものを参照にして御返事しなければならないかと思うのですが、今言ったような後者の場合におきましては、これはいろいろ問題、疑問の点があるようでありますので、私が最初申し上げました、前にその鉱業権というのがちゃんとあって、そのあとでいろいろなほかの権利が生じて、そのために侵害される場合においては、その鉱業権に伴ういろいろな鉱物があって、経済的にも採掘の対象になり得るという場合におきましては、これは補償しなければならぬということを申し上げているわけであります。

生田宏一自由民主党

○生田委員 あなたの今言っているのは、さっきお答えになったのとは違うと思うのです。土地の所有権が先に設定しておられるような場合にはまた問題が起きてくる、こうお答えになった。その直後に、その地下と地表と地上の権利についてお尋ねしたところが、かりに土地の所有権があっても、地下の鉱物の採掘についての権利というものは両立して認められているのであるから、だからそれがきわめて必要な鉱物であるならば、これは法律命令で出して、そしてその鉱山を採掘することもできるのだ、そういうようにあなたはおっしゃるのです。ところがそういうことになると、太田垣さんの言っているように私の所有地なんだから、この鉱業権というものは私は認められない、こういう御意見についてはあなたはそうでないという結論をお出しになったと思うのですが、お二人の解釈はどちらが正しいのですか、それを一つ。

川上爲治通商産業事務官(公益事業局長)

○川上政府委員 土地の所有権というものとそれから鉱業権、これは決して競合するものではなくて、それぞれの権利は成立し得る。従って鉱業権をそこに設定されてあって、そうして相当な鉱物がある場合におきましては、その土地の所有権に制約されて、それが掘れないというようなことでは困るので、これは土地の所有権を部分的に排除して、そうして鉱物の試掘ができるのだ。しかしそれをやる場合におきましては、その土地についてもちろん土地の所有者と話し合いをしてやるわけなんですが、話がつかぬときには、鉱業法によりまして土地収用法を適用いたしまして、その土地を収用して試掘を行うようにできるということを申し上げたわけでございます。土地の所有権というものとそれから鉱業権というものとは、これは両立し得るものであるということを申し上げたのでございます。

生田宏一自由民主党

○生田委員 今の川上局長の御意見ですが、これは太田垣さんは御同意なさいますか。

太田垣士郎関西電力株式会社社長

○太田垣参考人 私は別に鉱業権を認められない、こう申し上げたわけでないのでありまして、私どもはその鉱業権を侵害したつもりはないのであります。従って補償の義務はないと思っておる、こういうことを申し上げたわけであります。

生田宏一自由民主党

○生田委員 鉱業権は認めるが、自分の方は侵害をしておらぬ、こういうことだとおっしゃるのですが、それなら侵害をしておるか、おらぬかは、あなたは侵害していない、また鉱業権者は、侵害をされておる、こう主張しておるのですから、それで果して侵害をしておるか、おらぬかは実地においてこれを確かめる以外に方法はないと思いますが、いかがですか。

太田垣士郎関西電力株式会社社長

○太田垣参考人 これはただいま申し上げましたように、法的の解釈がお互いに違っておるのでございます。従ってこれは私はやはり当局の判定を待つより道はない、こう考えております。

生田宏一自由民主党

○生田委員 当局とは裁判所でありますか、あるいは公益事業局あるいは鉱山局でございますか。

太田垣士郎関西電力株式会社社長

○太田垣参考人 裁判所でございます。

生田宏一自由民主党

○生田委員 それではあなたの試掘権を認めがたいというお考えを、一つ具体的にこの問題について述べていただきたい。そうしないと、ただ私はどうも補償の義務を負えないというだけのことではちょっとわかりかねますので、その具体的な御意見を一つ述べていただきたい。

太田垣士郎関西電力株式会社社長

○太田垣参考人 これは私さいぜんもちょっと触れましたが、専門家でありませんから、そう詳細にお話し申し上げるというわけにもいきませんが、この前御説明申し上げましたように、鉱業法によりますと、鉱業権の設定の許可は、その鉱区において登録を受けた鉱物を採取し及び取得する権利を付与するにとどまって、鉱区たる他人の土地の使用に関する権利をも当然に付与するものでないことは鉱業法第百四条ないし第百七条からも明らかであります。また鉱業権者が河川の敷地から鉱物を採取するには河川法第十八条または第十九条の許可を要することは、鉱業法第六十四条の規定に徴しても明らかであります。従いまして鉱業権者たる石川氏がもし河川の敷地から鉱物を採取されるためには、河川法第十八条または第十九条の規定による許可を得られなければならないのであります。しかし石川氏はかような許可を得ておられないのでありますから、河川敷地を鉱区とする鉱業権を保有されていましても、ただちに鉱物採掘のために鉱区たる河川の敷地を占用しまたは発掘し得べき具体的地位に立っておられるわけではありません。従いまして石川氏は河川敷においてまだ鉱物を適法に採取し、現実に鉱業権の効用をおさめ得べき地位には立っていられないものと考えます。またもし鉱業権者たる石川氏が、河川敷でない他人の土地から鉱物を採取されますためには、その土地の権利者と契約して、その土地を使用されるか、もし他人との間に契約が成立しないときは、鉱業法第百四条ないし第百七条の規定により通産局長の許可を得なければならないのであります。しかし石川氏はかような契約も許可も得ておられないのでありますから、他人の土地を鉱区とする鉱業権を保有されましても、直ちに鉱物採掘のために鉱区たる他人の土地を占有し、また発掘し得べき具体的地位に立っておられるわけではありません。従いまして石川氏は他人の土地においてまだ鉱物を適法に採掘し、現実に鉱業権の効用をおさめ得べき地位に立っておられないのであります。  一方私どもの方は、地方行政庁から与えられました水利権によって適法に発電用堰堤を築造し、湛水地域については土地所有権ないし借地権の土地使用権を獲得しまして湛水したのでありますから、その結果として石川氏の鉱区が湛水区域と化し、そのことによって鉱物の採掘及び取得は困難となり、鉱業権の経済的価値が著しく減殺されたといたしましても、それは鉱業権そのものの性質のしからしむるものでありまして、弊社が石川氏の鉱業権そのものないしその現実の効用に対して不法に侵害を加えたとは考えておりません。  以上の理由によりまして、弊社は石川氏に対して損害賠償の義務を負うべき何物もない、こう考えております。もちろん石川氏が現実に鉱業を営まれて、坑道を掘っており、弊害その坑道等を湛水によって埋没したような場合には、これは調査して、義務があるもなれば当然適正なる補償を行うべきは言うまでもありません。こういうふうな見解でございます。

生田宏一自由民主党

○生田委員 今の太田垣さんの御意見を聞かれたと思うのでありますが、試掘権の認定について今の御意見は正しいのですか、正しくないのですか。これは公益事業局長の御意見として承わっておきたいと思います。

川上爲治通商産業事務官(公益事業局長)

○川上政府委員 鉱山局長が見えておりますから、そういう点については鉱山局長の方が専門家であると思いますが、私も今まで何べんも言っておりますから、申し上げますけれども、鉱業権というものと土地所有権との関係は、土地の所有権が先であった場合を申し上げますと、土地の所有権というものを甲という者が先に持っており、あとでその地域について試掘権なり採掘権なりそういう鉱業権があとで乙に設定された。その場合において、乙がその試掘権なり採掘権を行使する場合におきましては、当然地表からその坑道を切るなりあるいは地震採鉱とか試錐採鉱とかそういう特別な調査もしなければなりませんので、勢いその土地の所有権者に対して話し合いをつけなければならぬわけであります。その際におきまして、今の鉱業法におきましては、試掘権者である鉱業権者は、土地の所有権者と相談して、とにかくここへ坑口をあけたいからということで話をちゃんとつけなければならぬことになっておる。話をつけないでいきなりその土地を荒らすと申しますか、そこへ坑口をあけることはできないわけでございます。しかし、その土地の所有権者との間に話がつかないという場合におきましては、通産局長が一種の裁定をすることになっております。通産局長が許可をしますと、結局これが優先的になりまして、その土地を一部収用するという結果になって参りまして、それによってその鉱業権を行使することができることに相なるわけであります。しかし通産局長が許可をする場合におきましては、どうしてもその土地を通らなければ試掘ができないとかいうことがはっきりしませんと許可するわけにはいかぬだろうと思うのですが、そういう許可によって鉱業権を行使することができることになっておるわけであります。私は今まで、土地所有権と鉱業権は両立するのだということを再々申し上げましたが、両立するためには今言ったような手続を踏まなければならないわけであります。従いまして、今太田垣社長の方から話がありました、その土地の所有権者と鉱業権を行使するについての話し合いがはっきりついていないと、通産局長の許可を受けて鉱業権を行使するというふうになるという点につきましては、私は同じ意見であります。

生田宏一自由民主党

○生田委員 それでは鉱山局長にお尋ねしますが、太田垣さんの御意見によると、鉱業権は設定をせられた。しかしそれが試掘をする、稼働をする場合に、もし河川敷ならば河川法による認円、また土地の所有者が不同意ならば週産大臣からの収用法による手続、この二つを了しない以上は、完全な鉱業権じゃないから、単なる試掘権をとっただけのものについては補償の義務がないのだ、こういうような御意見ですが、鉱山局の御見解を承わります。

松尾金藏通商産業事務官(鉱山局長)

○松尾政府委員 先ほど参考人の立場からおっしゃいました意味が、ただいま質問者の言った意味の通りであるかどうか、私もはっきり解釈はできないと思いますが、もちろん試掘権といえども鉱業権という権利がはっきりしておるわけでございますから、試掘権があるというだけで補償の対象にならないということには私はならないと思います。しかし、先ほど来公益事業局長がるる述べましたように、試掘権という鉱業権は地下の資源を採掘するための予備段階の権利でございますから、その試掘権という権利を現実に行使をして操業をやってみて、そして埋蔵鉱量が確認をされ、あるいは少くもそのための操業の段階に入って、ある程度の実損が生ずるということが、やはり補償問題にはからんでくると思います。今回の場合にその事実認定の問題として、そういうふうになるかどうかという問題は、私自身もこの事実を十分確認することはむずかしいのではないかと思います。

生田宏一自由民主党

○生田委員 それでは鉱山局長にお尋ねします。事実認定の問題がからまってくるのですが、あなたの方が鉱業権を設定されましたときに条件がついております。それは「関西電力株式会社発電用水路(予定水路を含む)その他電気工作物に支障を与えざること」こういう条件です。そこで、鉱業権者はそういうことがあってはならぬので、それでは関西電力はどのような施設を計画しておるのか知らしてもらいたい、その計画を知らなければこれに障害になるようなことはできないはずですから、その具体的な計画をお尋ねしたいと、関西電力の方へは鉱業権を設定された翌月からしばしば文書でお尋ねしている。それにはお答えをしませんとか、またそれについては計画が未定であるとか言って延ばしているうちにこの年の十一月になって湛水した。もう一つは、試掘の施業案なるものをあなたの方へどうしても出さなければならぬ。この施業案は、日付は少しぐらい間違っているかもしれませんが、二十八年の十月一日あなたの方へ七五一二号と七五一四号で出してある。ところがあなたの方では、それについて約一ヵ年ほど認可を与えていない。そして二十九年の四月ごろだと思いますが、あなたの方から鉱業権者を呼び出して、この施業案を変更をしなければならぬとだいぶ圧力を加えている。そして二十九年の六月か九月に、これでよろしいと言って、一年引っぱって施業案を認可している。しかし、そのときにはすでに湛水しておって有効なる試掘、隧道の掘さくはもうできない状態であった。関西電力の方は、幾ら具体的計画を示してもらいたいと言っても隠して出さない。湛水は二十八年十一月十四日となっておりますが、それまでに試掘をやろう、隧道をどこかからあげようといってみても、関西電力のものに支障を来すことをしてはならぬ。それではどういう計画があるのですか、支障を来さないようにしたいと思いますから。その計画は言わぬ。それで本人がしびれをきらして施業案を出すと、一年もそのままほうっておいて、二十九年の四月ごろに呼び出して何か圧力を加える。そして湛水した後にもうこれでよろしいと言ってみたところで、水が鉱区の有効な露頭の上をおおってしまって採鉱することができない。これはもうみな証拠があるのです。往復文書によって関西電力にはちゃんと……。しかも昭和二十八年十月十七日の文書には、湛水しない前に鉱量の調査の必要もあるのだ、だからその計画を知らしてもらいたい、こう言って二十八年の十月十七日の文書には「亦当方提出の図面につき御不信ならば御社の設計図面を以て説明御回答賜りたく存じます。御承知の通り降雪期も近づき一部鉱量調査の要もあり当方は早急に各所に採掘施設を致します。」こういう文書をあなたの方の関西電力の方に出しておる。また通産省の方へはその前後に施業案なるものをちゃんと出しておる。そしてその施業案をあなたの方では押えて翌年まで一年知らぬ顔をして、そしてこれを受理しない。実際は施業案というのは受理すればいいのですが、あなたの方はこれを正式に受理しないで、だれかの机の中に持っておって、本人に対しては一年たっても受理の通知を出していない。こういう状態で、もし悪意に考えるならば、本人には試掘権を渡したけれども、しかいこのまま本人が試掘、採鉱をやっていくならば、あるいは関西電力の方に相当の補償をしなければならぬかもしれぬ。そこでそのような事態の起きないようにというので、結論は鉱業権はやったけれども、その鉱業権を行使することを役所と関西電力とがお互いに腹を合してやったかどうか知らぬが、しかしこれをはばんだ結果になっておる。この事実をあなたの方はお認めになりますかどうか、今私はお尋ねしたいと思います。お認めになるならば、この鉱業権がこの鉱区の中に施設をしよう、採鉱の施業をしようとしてもし得なかったという状態をあなたの方でお認めになりますかどうですか。鉱山局長にこの二点についてお尋ねします。

松尾金藏通商産業事務官(鉱山局長)

○松尾政府委員 名古屋の通産局鉱山部におきまして、今御指摘のございました施業案の届出を受理したことはただいまお話の通りでございます。その間私どもの方の調べによりますと、当初の届出から受理通知まで約八ヵ月かかっておるようでございますが、この間の詳しい事情は、私も事実を十分承知しておりませんが、ただいまお話のございましたような、非常に特殊な意味をもってそういう操作をしたとは私ども考えたくないと思うのでございます。なお実際問題といたしまして、先ほど申しましたように試掘権が権利であることは間違いございませんが、実際そこに埋蔵鉱量がどれだけあるかという判定は非常にむずかしいのでございまして、もちろん試掘権の設定を許可いたします際にはそれが絶対に経済的に成り立たないというようなことが初めからはっきり確認されておりますれば、それは試掘権の成立にならないのでございますから、実際におきましてそのような認定が初めからできるわけではありませんので、一応試掘権の申請者からここに埋蔵鉱量があって経済的に成り立つという申請が出ますれば普通の場合であれば若干の調査期間を置いて試掘権が成立するのであります。従いましてそのようにして成立した試掘権が、果して現実に埋蔵鉱量が相当あって経済的に成り立つものであるかどうかということは実際に試掘をやってみなければなかなかむずかしいのでございます。そういうことの結果による埋蔵量の確認があり、実存があるかどうかという点が現状ではまだ確認されていないではないか、その点だけが問題になると思いますというふうに先ほど申し上げたのであります。

生田宏一自由民主党

○生田委員 川上公益事業局長のお話も鉱山局長のお話も問題は経済的価値があるかどうかということにしぼられてきたようです。それでもしそれが相当の高い経済的価値があって、しかも湛水によって鉱業権の価値が侵害せられてほとんど見込みがないという状態になったとするならば、先ほどからいろいろ意見も出ておりましたが、つづまるところそこに落ちついてくると、この鉱業権に対しては補償義務を生ずるのかどうか。その点だけを鉱山局長と公益事業局長からはっきりした御意見を聞いておきます。

松尾金藏通商産業事務官(鉱山局長)

○松尾政府委員 先ほど申しましたことをあるいは繰り返すことになるかもしれませんが、要するに試掘権という段階での権利が一体どれだけの経済的な価値があるかどうかという点は、現実に埋蔵鉱量が相当程度確認されなければ、その実存量がどれだけあるかということが確定できませんので、そういう意味でこの問題の判定は非常にむずかしい、こういうふうに申し上げたいと思います。

川上爲治通商産業事務官(公益事業局長)

○川上政府委員 これは権利があとで設定されたか、先に設定されたかということが非常に問題だと思うのですが、私は今まで何べんも申し上げましたように、試掘権すなわち鉱業権というものが前に設定されて、あとからいろいろな権利が設定されて、そのためにその鉱業権の行使ができなかった、しかもその鉱区内において相当の埋蔵量なりあるいは品位の高い鉱物を持っておるという場合におきましては、これは私は補償の対象になるということを申し上げていたわけでございます。

生田宏一自由民主党

○生田委員 問題になるのは経済的効果が高いかどうか、こういうのですが、高かったらそれはどうなるのか。それは補償の義務があるのかないのか。それを私は聞いておるのです。

松尾金藏通商産業事務官(鉱山局長)

○松尾政府委員 それが現実に高いということが確認されますればそれは補償の対象になると思いますが、ただもう一度、先ほどさらに公益事業局長が申しましたように、この場合には試掘権としての価値があることが確認されましても、ほかの権利との競合の問題になるから、それがどちらが先に設定されてどういう競合関係に立っておるかという別の問題があることは、これまた別問題でございますが、その方の条件が満たされますならば、しかも経済的に価値があるということが埋蔵量その他で相当程度確認されますならば、当然補償の対象になると思います。

生田宏一自由民主党

○生田委員 それでは、大体結論に近づいたように思いますが、問題は経済的価値があるかないかという問題にしぼられてきたと思うのです。しからばこの鉱区の経済的効果は、ボーリングをやるとかそういったような方法でその埋蔵量を調べる道があるかどうか、あるいは同じ鉱脈を走っておる隣接の鉱区もあるでしょうし、また稼動鉱区もあるように聞いておりますが、調べる方法があるかどうか。鉱山局長にお伺いをいたしたいのでありますが、いかがでございましょうか。

松尾金藏通商産業事務官(鉱山局長)

○松尾政府委員 実はどういう施業案をお出しになってどういうふうにされておりますか、私事実を十分承知いたしておりませんので、ここではっきりしたお答えが申し上げかねるのであります。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 関連して。私はちょっと総務会があったのではずしておりまして、なんですが、通産局の方々にお聞きしたいんだが、試掘権が価値あるとかないとかいうことでなく、試掘権の権利というものは——このごろは設定されるまでに一年も二年もかかるのです。早くても半年ぐらいかかる。しかし試掘権というものは、きょうこういうものをあれしたいから出した、その郵便局が受付したときから試掘権の権利が認められておる。その人が試掘権を出して、私が五分あとに出しても両方許可しないから、許可するときには一分でも先に出した方を許可する。試掘権を設定して登録税を納めたから権利があるというのではない。試掘権は願い出たときに、その人に占有の権利がある。それから今度は試掘権を許可して、そして税金を納めて、初めて自分の試掘権になったというしるしをそこにあれする。それからもう一つ、試掘権に施業案なんか出しませんよ。鉱山局長は何か考え間違いをしている。採掘権の許可には施業案が要るが、試掘権には施業案は要らない。それからもう一つ、石炭だとかそういうもので層が一定しているものは、なるほど隣接鉱区を調べたり、あるいは地質的なもので調べればなんですが、金とか銀とかモリブデンというようなものは性質上ポケットのものだから、これはあなたの方でボーリングを入れるとかなんとかいうものではなくて、試掘権の許可を得たものはやはりそれは相当あるものなりとして許可を得て登録税を納めたのだから、私は相当価値のあるものとみなすのが当然だと思う。もしあなたの方でそれが価値ないとみなされるならば、あなたの方がそこにボーリングを入れたり、それを調べるなりして、君はこれだけの価値ありと言うけれども、鉱山局で調べた結果これだけしか価値がない、この鉱床において、隣接鉱区において、何において価値ないということをあなたの方で出されれば別だが、人のものを侵害した以上は、価値あるとかないとかいうことでなくて、その人に試掘権の権利があるかないかということが、私は論争の点だと思う。質問される人たちが幾らかそういうことに経験がないから、なんですが、試掘権というものは、私がこの国会なら国会の下に金があるといって、これを出す。そうするとあなたの方で許可されるときは——国会の建物があってここを試掘したのではいけないから許可しないということでやられるなら別ですが、試掘権を認められて、あなたの力で許可される、試掘権の権利は一体どこにあるか、それは図面を書いて郵便局に受付をさしたときからある。それは占有権を持っているもので、今後許可になってくるだけの権利はあるのです。そこで今度登録というものは、これはお前の占有権だから、これを調べて共同出願者がないからお前にこれを許可するといって、これを自分のものなりと役所が認定してくれる。そのときに試掘の権利があるということをあなたの方で認識しておかなければなりません。郵便局に出したときに権利がある。やはり試掘権は占有権を持っているんだから……。この辺をあなたの方で知っておられないから、こういうような損害とかなんとかになると、試掘権の権利に対して侵害したんだから——この試掘権の権利をあなたの方がないと言われるならば、ないだけの根拠を、あなたの方でその地質において、その隣接鉱区において、科学的にちゃんと納得いくように出してこられるならば、それはそれで論争するかもしれないけれども、侵害した以上は設定されておる試掘権に対しての弁償は、試掘権者の言う通りに弁償しなければなりません。  それからもう一つ、その出した日にさかのぼってみて試掘権者が先に願いを出してあるとすれば、あとからやったものは、たといそれを登記されようがどうされようが、それは無効ですよ。その点はあなた方は考えて論争されなければいけない。私はこれをきょう關谷君のために応援してやろうと思ったが、総務会で小選挙区の問題で忙しいからあれしたんだけれども、それをよく考えてやらなければいけない。その御答弁を願います。

松尾金藏通商産業事務官(鉱山局長)

○松尾政府委員 ただいまお話のございました点は、確かにお話のように、試掘権について申請をされますれば、先に申請書を出した方が先願権がある、いわゆる先願権という意味では、当初に申請書を出されますれば先願権としては確かにそういうものがあることはお話の通りでございます。しかし現実に試掘権として、鉱業権として成立いたしますのは、これも今お話のございましたように、許可があって登録その他の手続がなければ試掘権としては成立しない。当初の申請によってはそれによって先願という意味の権利はそのときに発生いたしますけれども、しかし先願であってもそれがかりに不許可になりますれば、その次の先願者がまた試掘権を獲得する場合があるわけでございますから、これは私から特にお答え申し上げなくても十分御承知の上での御質問と思いますが、そういうことになると思います。  それからたまたま今施業案のお話がございましたが、これもお話のように当然採掘権者でなければ施業案の問題は起らないのであります。この場合には、たまたま試掘権の場合に何か施業案の話があったようでありましたので、ちょっと触れたわけであります。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 あなたそんなことをおっしゃいますけれども、試掘権を出すには大がい調べて出す。調べないでただここにあるからといって出す人はない。調べて出すから、試掘権を出すにはちゃんと時間まで書かせるから、それを出したときに先願権の権利もあるし——先願がなければ試掘権は当然おりるわけです。特殊なものでなければおりないということはない。だからこれは先願権のあることは間違いない。先願権だって権利ですから……。それじゃもしこういうことがあったらどうしますか。たとえばつまらない人が試掘権を出した。そのときに鉱山局に悪いやつがあって、三井とか三菱とかと組んで、その先願権をあと回しにして、それを却下して、もしそこに試掘権の申請が出ておるものを許可したときは、刑事問題が起きて、大へんなことになる。やはり試掘権の届を郵便局に受け付けさせたときに先願権があるので、先願権に占有権がなければならぬ。試掘権は先願権に含まれてあるものと見なければならない。それから特に試掘権に施業案が出してあるとすれば、その場合試掘をするということで出したのだから、これまた重要に認めてやらなければならぬ。これは採掘と同じことです。あなたの方は試掘権だから損害賠償の対象にならぬということは、なるほど試掘権は登記とか何とか不動産のような工合に行きませんけれども、しかし試掘権を侵害して、それを調べてみないと価値がわからないから、賠償の対象にならぬということを鉱山局で言われたら大へんなことになる。それなら昔から試掘権の出してあるところをどんどんわれわれが掘って、採掘の許可を得てやって、損害の対象にならぬとやっていいのですか。それは大へんなことですよ。しかも試掘に対して、もし施業案を出して掘れという許可までしてあったら、採掘権と同等に考えるべきである。あなたの方でそういうような考えを持たれると、大きな間違いです。そんなことをしたら、北海道あたりで何十年眠っておるところの有名な炭鉱でも、やはり金山もあります。そういうものを採掘の届を出したから、おれの採掘権があると、そこを許可しないうちに掘ったらどうしますか。こういう問題が起ったときは、その解決がつくまでそれをとめなければならぬ。これは実際あなた方の手落ちです。だから損害賠償は成り立ちますよ。そういう点をよく御研究なさってやられた方がいい。そういうことでなければ、これからこんなことが例になって、三井、三菱、明治なんかの持っている明治時代から眠っている宝庫を、あしたから全部掘り出しますよ。いいですか、これは重大な問題ですよ。この解決に対しては、そういう点をよくお考えになって御答弁願います。

松尾金藏通商産業事務官(鉱山局長)

○松尾政府委員 これは私きょう一番当初に申しましたように、試掘権も鉱業権であるという権利ははっきりしておるのであるから、試掘権として成立しておればこれは権利としてもはっきりした権利であるし、試掘権であるからという理由で補償の対象にならないということは決してございません。これははっきり正式に申し上げてございます。

生田宏一自由民主党

○生田委員 そうすると、あなたは僕の質問に対してはあいまいなことばかり言う。太田垣さんは試掘権というのはおりておるけれども、これは埋蔵する鉱物を採取するための試掘なんであって、これには土地の所有権者の承諾を得なければならない。あるいは河川法の十八条ですか、十九条ですかによる認可も得なければならない。それもできていない。そういう試掘権を得た後における事後の手続が完了していないのだから、こんなものは補償の対象にならないのだ。現実には採鉱に着手していないものに、どれだけ鉱物があるかもしれぬのに、私はそれについて補償する義務はないと思う、こう言い切っておる。それに対して、あなたに聞いてみると、あいまいなことばかり言う。試掘権というものは認めて補償の対象になるというのなら、その事後の手続がそろうておろうがおるまいが、それで試掘権として補償の対象になるかならぬか、それを私は聞いているが、あなたは少しもはっきりしない。それはどっちですか。

松尾金藏通商産業事務官(鉱山局長)

○松尾政府委員 先ほど来申しておるように、試掘権としての権利がはっきり鉱業権として確認されておりますれば、それは権利に間違いないのでございますから、その試掘権が侵害されて実害が生じた。その実害があるかどうかについては、その試掘権の対象としては、鉱区に相当量の鉱量があるというような確認がなければ試掘権の経済的価値がはっきりしない。そこに損害の実額の問題があるということを申し上げたわけであります。

生田宏一自由民主党

○生田委員 今のお話によれば、試掘権者、鉱業権者は、湛水をする前に鉱量の調査もあるから早く自分は設備をしたいのだ。だからどこからどこまで水がたまるのか、あなたの方の計画はどのようになっているのか知らしてくれ、こう言っても実際にどこまで水がたまるということは、私が先ほど太田垣さんにお尋ねしてよくわかっているが、半年も一年も前からわかっておるが、会社が不利になるからそれで他人にはこれを漏らせませんといって答弁しておる。そうしてそういうような誠実な鉱業権者の要求についてはほおかむりをして何も言わない。そして湛水をしてしまって、採鉱、試掘すべき露頭も水につけてしまっている。また水がたまっているのですから、そのたまった水の水ぎわから五十メートル先まで制限で掘れない。こういうような状態をあとからこしらえておいて、しかも採掘しようとしても、開西電力の計画に支障を来たしてはいけないということをあなたの方で条件をつけているのだから、それでは私はこれこれにしますといって、わざわざ作らぬでもいいような施業案を作って、あなたの方に持っていっても、一年も握りつぶして受理していない。そのあげくは、どんな計画かということを水をためる十日前に聞きに行っても、それさえも返事をしない。そして聞きに行って手紙を出した十日後に湛水をして、そしてその鉱区に対しては致命的な損害を与えておきながら——あなたの方がぐるになってやられたといわれても仕方がないような環境においてそういうことをしておきながら、その本人に対しては、そういうような環境でありながら、関西電力社長の太田垣さんは試掘権はあるであろうけれども、しかしそれは私の所有の土地の上から掘られなければならぬだろうが、私は同意を与えませんぞといわんばかりの話です。また河川敷から掘ろうとすれば、河川法の適用を受けるように認可を得ておらぬじゃないか、こういうだけの理由で、こんなのには補償の責任がないと言い切っているじゃないですか、どうですか。それは鉱山局長としてあるいは公益事業局長として、この水没地の補償について、あなた方はそういう建前で解釈していいと思うておるのですか。それを私が幾らお聞きしても、試掘権というのは認めるが——そこまでははっきりしております。それで経済的な価値があるならば、こう言っておる。そのあとは口の中でむにゃむにゃ言っていて、決してはっきりしたことを言わない。あなた何か関西電力との間によほど密接な関係でもあるのですか。そうでなければこんなことをはっきり言えぬはずがないでしょうが、どうですか。

川上爲治通商産業事務官(公益事業局長)

○川上政府委員 決してむにゃむにゃと申し上げているわけではありません。私ははっきり申し上げておるように、鉱業権というものが、それが試掘権であろうが採掘権であろうが、前に設定されていて、あとからたとえば水利権とかあるいは電気関係の施設とか、そういうものができたために、その鉱業権が侵害される場合においては、その鉱業権の内容に応じて適当に補償すべきであるということを、私は何べんも申し上げておるわけであります。しかしその鉱業権の内容については、よく調べてみないと、幾ら補償をすべきであるかということは出てこないということを申し上げておるわけであります。

生田宏一自由民主党

○生田委員 そうしますと、この問題は実地調査ということに焦点がしぼられてきたのですが、もしそのような場合に、鉱山局長なり公益事業局長は担当業務の問題でございますから、実地調査ということになり、ましたならば、あなた方において全力をあげて鉱量調査あるいは経済的効果の調査をやることはできますか。

川上爲治通商産業事務官(公益事業局長)

○川上政府委員 公益事業局としては、私の方はそういう問題に対しましては十分協力をいたしますし、現場の通産局をしましてその調査に対しましては協力いたします。

松尾金藏通商産業事務官(鉱山局長)

○松尾政府委員 鉱業権者がおやりになることにつきまして、私どももそれに協力することは当然であります。もちろんこれはお断わり申し上げるまでもないと思いますけれども、私の方自体がこの試掘権の地域に対して、どのくらい埋蔵鉱量があるということの試掘をやるとか探査をやるという筋合いではないことは、申し上げるまでもないことであります。鉱業権者がおやりになることは鉱山局としては申し上げるまでもなく当然協力するつもりであります。

生田宏一自由民主党

○生田委員 その経済的効果というものは鉱業権者がやるのですが、しかし建前は一方的にやってはいかぬでしょうね。だからその調査には関西電力もむろん立ち会って協力せしめなければできないと思うのですが、いかがですか。

松尾金藏通商産業事務官(鉱山局長)

○松尾政府委員 補償云々の問題でありますれば、補償請求者と補償を請求される方の両当事者間の問題でありますから、補償をする方の側でこれだけの経済的価値ありということを立証するのが普通の場合ではないかと思います。

生田宏一自由民主党

○生田委員 しかしながら、もし調査をする場合に、湛水をしたから調査が非常にむずかしくなったという状態ならば、それは湛水前に鉱量調査もしたいから、こういって申し出をしておる鉱業権者の主張をじゅうりんしているのですから、これは当然関西電力の方にその責任があると思うのです。これは手紙を読み上げますが、昭和二十八年十月十七日付の石川石灰から関西電力の太田垣士郎氏への手紙です。「また当方提出の図面につき御不審ならば御社の設計図面をもって説明御回答賜わりたく存じます。御承知の通り降雪期も近づき一部鉱量調査の要もあり当万は早急に各所に採掘施設をいたします。」こういう採鉱施設をしたいから、そうすれば鉱量調査もできるのです。ですからあなたの方の計画はどうなっているのだ、その計画を知らしてくれ、それで差しつかえないことでやろう、こういって鉱量調査の必要を申し入れておるのに、それから二十日もしないうちに水をためて——それまでは計画はまだ未定だ未定だと言いつつ、二十日もしないうちに水をためてしまって、そしてこの鉱量調査をすることができないような状態に追い込んでいるとすれば、関西電力の方に責任があると思う。だからこの鉱量調査には関西電力も会社の実力をもって大いに協力すべきである、こう思うのですが、これは鉱山局長並びに太田垣さんにお尋ねをいたしたい。

太田垣士郎関西電力株式会社社長

○太田垣参考人 ただいまの御質問にお答え申し上げます。私どもはさいぜんるる申し上げます通り、権利侵害はない、こういう建前でおります。従いまして私は現地の調査に立ち会うことはできない、こう答えました。

松尾金藏通商産業事務官(鉱山局長)

○松尾政府委員 私、関西電力の方の権利関係はまだ十分承知いたしておりませんけれども、先ほど来話を伺っておりますと、関西電力としては水利権の行使に続く手続が済んで権利を行使されたようであります。同時に試掘権の方は試掘権として成立したところの鎌掘権の権利行使としての手続を進めておるだろうと思います。当事者間がてこで競合したのではないか、その辺の競合関係は、両方の権利関係が、どういうふうにその競合関係が成立するかということになっております。その以後の事実の確認は私もまだ十分にお答えできないと思います。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 ぼくは関西電力の方にも申し上げておきますが、そちらの方に試掘権があったのだが、土地を買ってそれで僕のところから掘らなければ掘れないじゃないかというような、あなたの方の鉱業権に対する横暴な考えはなおもっと研究された方がいい。これは土地収用法もありますし、また鉱脈が走っているところはどこからでも掘れるのです。そんなことであなた方がそういうものを、鉱業権を無視されるようなやり方はいかぬと思う。それからもう一つ私は鉱山局長に言うのだが、施業案が出て、事業をするからという届が出て、一年もほうっておくというようなことは鉱山局の責任ですよ。しかも、試掘権なんか最も簡単に、早く試掘をさせるということが条件になっておる。こういうことはおかしいじゃないですか。第一電力会社なんかは通産省の陰に隠れて、この間も富山に行ってそういうことがあったのだが、あらゆる横暴なことをしてそれが通るというようなことを通産省は監督できないのですか。そんな横暴なことをこの委員会で言わしていいのですか。鉱業権は君は持っているかもしれないけれども、おれの土地はおれが買ってあるのだから掘れるなら掘ってみろというようなそんな横暴な答弁をさせていいのですか。第一君らだいぶ古いのだし、聞いているとおかしいじゃないか。しかも届を出して一年間もほうっておいたのは責任問題ですよ。ただ申しわけないじゃ済まない。これは全部下まで調べていったら責任を負わなければなりません。関西電力が国会に来てそんな法律を無視した答弁はできないじゃないですか。ただ経費がよけいかかるとか事業がやりにくいとかいいという問題で片づくのじゃないです。あなた方がやるとすれば、国民の血税のような政府の金をたくさん借りて事業を計画していながら、一部政治家と結託したりいろいろなことをして横暴なことを考えているからそういうことをここで言うのです。鉱山局長は一体どういう意味でこれを一年間ほうっておいたのか、一年間許可しなかったか。そうしてもし関西電力が弁償の価値がないというなら、あなたの方と関西電力とあれして、お前これだけの損害があるというけれども、この鉱区はこれだけしか値打ちないのだということをあなたの方で示して出したらどうか。第三者が聞いているとおかしいじゃないか。もし私が初めからここで立ち会ってやったことなら、あなた方にそういう答弁はさせない。かりに試掘権だって権利ありますよ。きょう願いを出せば占有権者がない以上きょうからあるのですよ。それからあとで試掘願いが出ても許可しないでやはり占有権者に許可するのじゃないか。そんな鉱業法がありますか。鉱山局長、あなたはどう思うのです。ここで願いが出たら、これはおれの土地だから掘らせぬでもいいのだといってそれで済むのですか。その御答弁をお願いします。

松尾金藏通商産業事務官(鉱山局長)

○松尾政府委員 先ほども申し上げたかと思いますが、先願がございますれば、先願権といえるかどうか、これは法律上では多少議論があると思いますけれども、当然先願の人がそれだけの優先権を持っておることは間違いございません。お話の通りであります。しかしこの鉱業法にもございますように、たとい先願であっても願いを出しさえすれば当然許可になるということでは必ずしもございません。やむを得ない場合には不許可になる場合もございます。そういう場合には鉱業権を取得するのは先願の場合では次の優先者が権利を取得することもございますので、法律で保護されておりますのは先願という意味だけのことでございます。鉱業権の内容として申されますのはやはり試掘権、採掘権ともに鉱業権の許可があって、それに基かなければ鉱業権の内容は成立しない、これは先ほども申し上げた通りであります。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 それは間違った解釈ではないのですか。あなたの今言われるのを聞いていると、先願権はあるけれども、先願というものに対して不許可をするかもしれない。不許可をしたら二番目の人が許可になるかもしれない。二番目の人が許可になるなら一番目の人になるのじゃないですか。不許可にする場合には、先願があった場合、それから治安を維持するとかあるいはその他の公共施設を維持しなければならぬ場合に却下するのだ、その場合二番目の人には許可になりませんよ。あなたの今の解釈を聞いていると先願権があったとしても却下するかもしれない。また二番目の人は受けるかもしれない、そんな条件はないじゃないですか。一番目の人を却下して二番目の人がどうして受けるのですか。先願があった場合でも却下する、却下する条件には公共施設等があってどうしても掘れないというような場合、この場合二番目の人は受けませんよ。同時に一番の人を却下して二番目を許可するということはありません。そういう場合はどういう場合か説明して下さい。

松尾金藏通商産業事務官(鉱山局長)

○松尾政府委員 私の申し方が不十分だったかと思いますが、先願主義ということが鉱業法で確立している以上、当然先願の人から順序に許可になるわけであります。その先願の第一順位者にこの鉱業法で規定されておるような欠格条項なり何なりがあって不許可にならない限りは、当然その人が鉱業権を取得するということはお話の通りであります。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 そういう場合にはあなたの方で許可して、そうして登録税をとるんでしょう。登録税をとればその人は自分の鉱区だということは認識しているのですから一つの財産権です。その財産権に対して今度は自分が掘りたいからと言ってそういうものを出せば、試掘権は採掘権と違いまして掘ったものはそのまま売れないのですから、掘ったものは鉱山監督局の許可を得て売るのだから、これは簡単に許可しなければならぬものだ。まず一月、おそくても二月ぐらいで仕事の許可がなければならぬ。それを一年も二年も許可しないでおいて、そしてそれが関西電力のためにみな荒されて財産がめちゃめちゃにされた場合、やはり税金を納めて現に登録している財産権、あなたの方で許可しているのだが、それに対してあなたの方でみずから進んで関西電力に反省を促すとかそれをとめるとか、その意味で試掘権者にとにかく納得させるようにすることが鉱山監督局の任務だと私は思う。そうでしょう。これに対してどういうお考えを持っておられるのですか。

松尾金藏通商産業事務官(鉱山局長)

○松尾政府委員 試掘権が成立いたしまして、試掘権を現実に行使する場合には、それについてまた他人の土地を使用したりあるいは立ち入ったりする場合には鉱業法の規定でその手続を経なければならないわけであります。本件の場合にはそのような手続にどれほど相なっておったかわかりませんが、現実に試掘がどの程度進んでおったか 私も十分承知したしておりませんが、試掘権として成立した以上は当然試掘権の行使をする権限は、申すまでもなくあるわけでございます。その試掘権の行使について他の権利から侵害されて、しかもその試掘権が客観的に見て経済的価値ありというようなことになりますれば、その競合関係その他のことを調整して補償の問題に入っていく、かように考えております。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 登録税を納めて許可されておるその試掘権者が、その中を掘るにも図面を書いて出して、そこでもって許可を得て掘ったものをまた監督官庁へ報告して、そしてそれを販売しなければならぬというような厳重な法律があるにもかかわらず、その試掘権をほかの人から全部侵害されてしまう、掘られないようになってしまう、そういうようなことを放任するということはおかしいじゃないですか。そして今になって、その試掘権がどれだけの価値があるか調べなければ賠償法が成り立たぬということはおかしいです。私はどこの憲法を見ても試掘権及び採掘権というような人の財産を電力会社ならば何をしてもよろしいということはないと思う。日本の憲法にもそんなことは書いてない。あなた方がこんなところに出られる前に、あなた方がみずから進んでやられる。そして試掘したいという施業案が出たら、それは二ヵ月ないし三ヵ月以内に許可となるべきものだ。それを許可しないでおいて、この問題が起きてから調べなければならないというのはおかしい。あなたの方で経費を使ってお調べになって、君の試掘権はこれだけの価値があるものだということは大切なことですよ。しかもモリブデンとか金などというものは小さい一部の鉱脈であっても十間か二十間で大きなポケットヘくることもある。金やモリブデンというものはなかなか調べるのも大へんだ。関西電力だってそうだ。横暴だからこんな事件が起きるのだ。あなた方もやはり国民の税金を借りたりあるいは国家が保証をして外国から金を借りてお使いになる。いわば公共事業でしょう。その公共事業をやっておったらもう少し観点を改めて、あなた方がそういう方向に歩いていかれればこんな問題は起きてこない。少し関西電力は横暴です。あなた方の資本でやっておるのじゃない。国家の資本を借り、それで足りないときは国家の保証を得て外貨を借り、政府のあらゆる世話になり、政府のいろんな法律に保護されてやっておる。それにもかかわらず、しかも登録税を納めておる人のものを侵害してしまっておる。また侵害していないというが鉱業権の中におったら侵害でしょう。試掘権者といえども黙って掘れない。登録税を納めてこの鉱区が自分のものになっているけれども、これをためしに掘るにはその監督官庁の許可を得て、そうして掘ったものを、土がどれだけ、かすがどれだけ、いいものはどれだけ出ましたといって報告して許可を得なければ販売できないというふうに法律にある。試掘権者でさえそんな厳重な法律を行使するのに、あなた方が行って調べて、掘って、水をためられたりなとしても侵害じゃないのですか。あなたの御答弁を願いたいと思います。

太田垣士郎関西電力株式会社社長

○太田垣参考人 これはあなたが御出席にならないときに、ずっと読み上げて答弁いたしたはずでございますが、もう一度読み上げます。御参考までに当社に今責任がないという御説明を申し上げました大体の理由を申し上げます。「鉱業法によりますと鉱業権の設定の許可は、その鉱区において登録を受けた鉱物を掘採し、及び取得する権利を附与するにとどまり(同法第五条)鉱区たる他人の土地の使用に関する権利をも当然に附与するものでないことは、鉱業法第百四条乃至第百七条からも明らかであります。また権業権者が河川の敷地から鉱物を掘採するには、河川法第十八条又は第十九条の許可を要することは、鉱業法第六十四条の規定に徴しても明らかであります。従いまして鉱業権者たる石川氏が若し河川の敷地から鉱物を掘採されるためには、河川法第十八条又は第十九条の規定による許可を得なければならないのであります。然し、石川氏は、斯様な許可を得ておられないのでありますから、河川敷地を鉱区とする鉱業権を保有されていましても直ちに鉱物掘採のために鉱区たる河川の敷地を占用し、又は掘鑿し得べき具体的地位に立つわけではありません。従って石川氏は河川敷に於てまだ鉱物を適法に掘採し、現実に鉱業権の効用を収め得べき地位には立っていないものと云う外ありません。又若し、鉱業権者たる石川氏が河川敷でない他人の土地から鉱物を掘採されますためには、その土地の権利者と契約してその土地を使用されるか、若し他人との間に契約が成立しないときは、鉱業法第百四条乃至百七条の規定により通産局長の許可を得なければならないのであります。しかし、石川氏は斯様の契約も許可も得ておられないのでありますから、他人の土地を鉱区とする鉱業権を保有されましても、直ちに鉱物掘採のために鉱区たる他人の土地を占用し、又掘鑿し得べき具体的地位に立つわけではありません。従って石川氏は、他人の土地に於て未だ鉱物を適法に掘採し現実に鉱業権の効用を収め得べき地位に立っていないのであります。一方弊社は、地方行政庁から与えられた水利権によって適法に発電用堰堤を築造し、湛水地域については、土地所有権乃至借地権等の土地使用権を獲得して湛水したのでありますから、その結果として石川氏の鉱区が湛水区域と化し、そのことによって鉱物の掘採及び取得が困難となり、鉱業権の経済的価値が著しく減殺されたと致しましても、それは鉱業権そのものの性質の然らしむるものでありまして、弊社が石川氏の鉱業権そのもの乃至はその現実の効用に対して不法に侵害を加えたと云うことは出来ないのであります。以上の理由によりまして弊社は、石川氏に対して損害賠償の義務を負うべき何ものもないと考えるのであります。」こう申し上げたのであります。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 あなたはそういうことを言うが、鉱山局長もここにおられるし、公益の局長もおられるのだが、そういうことをあなた方が考えると大へんですよ。なるほど河川から掘る場合には許可を得なければならない。しかし許可をするかもしれないということが条件です。土地があなたの土地であっても、鉱物というものは深く土の中に何百尺入っておるか限定できない。あなたの土地だからといって、もし一尺土の下にあるモリブデンなり金なりを取ったらあなたは窃盗になる。彼は掘るとか掘らぬとか言っておるのじゃない。その試掘を受ける中にある一切の鉱物が彼の権利であるということです。五寸掘ったところにもしモリブデンや金があるとしても、これはほかの土地から続いてくるのです。おれの土地だからといって掘るということはできない。土地の所有権はあなたのものだからあなたの所有権の中にあるけれども、鉱物一切というものは出願権を持っておるその人のものですよ。だからそんなわけにいきませんよ。今話を聞いておると、たとえばそういう権利を持っておるけれども、土地を他人から借りておらないから、それは権利がないとか、掘ることができないとか、価値がないとかおっしゃいますが、もし通産局長がこの中のモリブデが非常な重要なものであるから、土地収用法にかけてもいいとか、こういう命令をして掘れるとかいうような法律を適用されたら掘れるじゃないですか。いわんや河川なんかのことについては私は掘れると思う。もしあなたの方で河川を掘り出して中に露頭があったらどうしますか。あなたが人の財産を無断でこわしたということになる。水利権はあなたが許可をとったかもしれない。しかしその露頭の中にモリブデンが一匁あってもそれは試掘権者の財産ですよ。それを侵害することになるんですよ。それをあなたが勝手に取ったということになる。あなたが勝手に取ってポケットに入れないけれども、どこかへほうり投げたということになる。これは窃盗罪を免れませんぞ。その中にあるその人の財産を、あなたが仕事をする上にあなたが上の方の土地だけを取られても、この露頭のモリブデンというものはこれは試掘権者のものだから、そのままに残されておれば別です。それをあなたが取って捨てられたらどうしますか。そんな簡単にはいきませんよ。どうですか。それをあなたは考えておられますか。あなたには水利権を許可されておる。水利権を許可されてあるから、あなたは水利権をやられるのはいいでしょう。けれども、その中に人の財産があったらどうしますか。もし役所があなたの隣接の土地にこのダムを掘ってもいいという許可をした、その中に、たとえばもとおった私が宝石を置いたとか、家を建てておったとかしたら、あなたはそれを勝手にこわしてもいいか。これは私の屋敷の中だから入ってこれないといって、その家をこわしてもいいで通りますか。さようなわけにいきませんよ。それに対してあなたはどういうお考えを持っておられますか。御答弁を願います。

太田垣士郎関西電力株式会社社長

○太田垣参考人 私はそういうふうな積極的に他人の財産を侵害しようという考えは毛頭持っておりません。私どもこういう仕事をしております関係上、やはりあくまで法律を尊重して、それに従っていきたいと思っております。現在同じような問題が富山地方裁判所で係争中なんであります。従いまして、これの判定が下りますれば、私どもあくまでそれに従って事を運びたい、こう考えておるのであります。今も申します通り、決してそういうふうな横暴な考えを持っておりませんので、法律によってかくあるべしという裁定が下りますれば、私どもは謙虚な気持でその法律に従う、判定に従う、こういう気持を持っております。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 とにかくあなたが何とおっしゃっても、その試掘権の中にあなたの方でダムをやられたときに、土地はいいですよ、たとい一寸、一尺の零項があろうとも、それをあなたが掘って捨てられたとか、それを保管されたら、それはあなたは責任を負わなければなりませんよ。そんなことをしたら鉱業権なんというものは何の価値もありません。私がお宅の牧場の下に金があるとして出願した、ところがあなたは、この牧場はおれのものだから土の下までおれのものだといってやられますか。この土地はおれのものだか、鉱業権はお前のもので、その中にある金とか鉱物は出願した鉱業権者のものだということになっておる。鉱業権者のものだから、それをあなたが勝手に露頭を取られたり、そこへ水をためたりしたら河川は許可できないはずです。そして許可を取っているということと仕事のできるということとは別問題です。一生仕事のできない鉱区もあります。福岡県の飯塚市に行ってごらんなさい。市の下は全部石炭鉱区です。これは日鉄鉱業が持っております。そこで、そこを掘れば大きな建物が瓦壊してしまったり、鉱害が起きるから、石炭を掘りたくても掘れません。けれども、やはり彼は試掘権を登録して、自分の財産としてある。だからそこへ井戸を掘って取るというわけにはいきません。井戸を掘って取ってもそれは盗掘になります。それは窃盗になります。こういう点をお考えになったときに、あなたの考えはおのずと変ってこなければならぬ。鉱山局長がいますが、そういうことは知っているでしょう。そういうことを知っておれば、これは賠償が成り立つじゃないですか。こんなことをしてはいかぬじゃないですか。しかも登録税を納めてあるじゃないですか。もし一寸でも露頭をかいてあったら、これは免れませんよ。その露頭の中にモリブデンが五十匁でも百匁でもあったらどうします。あったら弁償します、裁判に負けたら払うといっても、どろぼうをしてそんなことで済みますか。人の財産を侵略しておいて、どろぼうの判決が確定したらおれが払うといっても、現在侵害したことはわかっている。人の財産を侵害しているのだからそんなことは成り立たぬじゃないですか。あなた方がそういう成り立たないことを成り立たせて、大きな財閥の陰に隠れてそういうことをやっておられるからこういう問題が起きるのですよ。何というあなたのやり方ですか。鉱業権者の財産を侵害しているじゃないですか。もし一寸でも露頭をこわしたらどうしますか。鉱山局長、あなたの方では窃盗罪が確定したら処分しますか。試掘権者のものでなくても、試掘権者の掘るまでは国有財産ですよ。どうしますか。それをあなたにお聞きしておきましょう。

松尾金藏通商産業事務官(鉱山局長)

○松尾政府委員 土地の所有権者が、自分の持っている地下に鉱業権が成立しておって、その鉱業権の法定鉱物を掘るということになれば、当然今のお話の通りでございます。

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 他に御質疑はございませんか。

關谷勝利自由民主党

○關谷委員 関連して二、三点だけお尋ねをしておきたいと思います。  お話を伺っておりますと、試掘権というものは許可になっているのでありますが、この試掘権を許可する場合に、今の水利権とか、あるいは土地の所有権者との協議というふうなことが条件にはなっておらないのですか。そういうふうなことはどうなっておりますか。これを一応伺っておきます。

川上爲治通商産業事務官(公益事業局長)

○川上政府委員 ちょっと御質問の趣旨がわからなかったのですが、試掘権を許可する場合におきまして、条件といいますか、行政的な指導の項目をつけ加えまして、すでに水利権が設定されて、関西電力の工事を進めることになっているので、それに対していろいろ支障がないようにしろという意味の、これは条件といいますか、そうじゃなくて、行政的な注意事項をつけ加えてあることを聞いております。

關谷勝利自由民主党

○關谷委員 お尋ねしておりますのは、試掘権を許可する場合に、その地上権者あるいはこの水利権というものとの関連を解決してあるかどうかというふうなことが、試掘権許可の条件になるかならぬか、条件といいますか、前提条件になるかどうかということを承わっておるのであります。

川上爲治通商産業事務官(公益事業局長)

○川上政府委員 その試掘権を設定する場合に、その水利権なり、そういう電力関係の権利関係者と話をつけておかなければ許可ができないかどうかという意味の御質問ですか。——それは私の方としましては、そういう許可をする際におきましては、水利権とか発電関係の問題と話し合いをちゃんとつけておいた方が望ましいと思うのですが、ただ鉱業権というものと土地の所有権というものとは、私が最初何べんも申し上げましたように、併立し得る問題でありますので、別に条件をつけるとかなんとかいうようなことがない場合もあるわけであります。

關谷勝利自由民主党

○關谷委員 そういたしますと、これは合法的て成り立っておる試掘権というふうに見て差しつかえないと思うのであります。そうしますと、これが取れなくなったというふうなことになってくると、当然関西電力は公益事業であるからそこへ工事をやってもいいということにはなりますが、そのために鉱業権が消滅したというふうなことにはならぬと考えます。これは私たちしろうとでありますので深いことはわかりませんが、これは当然侵害になり、補償すべきものである、このように考えるのでありますが、これは先ほどから太田垣社長は、法によってきめるのだ、こういうふうに言っておられますが、こういうふうな権利を侵害して——今しているとか、していないとかいうことではありませんが、これが侵害しておるということになりますと、大体このような補償は湛水前に補償しなければならぬ、仮払いといいますか、そういうものをしなければならぬということになるのでありますが、そういう際に、もしそういうふうな方法がとられておったならば、湛水前に調査も済んでおるはずでありますが、もしこれが法によって補償をすべきものである。侵害した、こういうことになった場合には、この湛水しておる水を原状に復して、そして調査をされるのかどうか、この点を伺っておきたいと思います。

太田垣士郎関西電力株式会社社長

○太田垣参考人 私どもは、ただいま申し上げました通りに、同一の件が現在裁判所で係争中なのであります。従ってこれが法的に確然とそうすべき義務のあるものとなれば、それはやることにやぶさかではないのでございます。

關谷勝利自由民主党

○關谷委員 そういたしますと、法によって補償すべきものであるということになれば、湛水前の状態に戻して調査も進める、こういうことに伺っておきます。いろいろこれは法の見解を異にしておるようでありまするので、これはそれがきまった後われわれとしても研究もしたいと思います。  さらに先ほどから伺っておりますと、いろいろ土地の取得日時の関係もあるようでありますが、これに対しては、今の関西電力の言っておりまするのと、石川鉱業権者が言っておりますのとは、土地台帳に記載せられた面からいきますと、はなはだしく食い違っておるようであります。昭和十九年十一月にできておると一方は言っておりますし、一方は土地台帳は昭和二十八年の十一月からあとだというふうなことで、この鉱業権が先立っているというようなことも聞いておるのでありますが、そういうふうなことについては、これは公益事業局としても、私は調査を進めてもらいたい。関西電力にもその土地台帳の写しを出すことを要求いたしまするが、さらに公益事業局としても、調査をしてもらいたい。  なおこの補償問題につきましては、公益事業局としては、こういうふうにいろいろ公益事業ができるために被害を受けて困っておる人がたくさんあると思う。一方では大きな資産を擁して、そのために顧問弁護士もつけるというようなことで、その法の解決を待って後だ。一方では自分の持っておりまするものが侵されて、そのためにそれの発掘もできないということになりますというと、食ってもいけない。それを平然として見ておるというふうなことは、公益事業局としても許されぬことである。大体関西電力あたりが、先ほどから伺っておりますと、自分たちは法によってやっていくんだ、人の迷惑というふうなことは、その法に基いたあとでやるんだ、今の場合は知らぬのだというようなことを——どの電力会社もそうです。この間から、富山の北陸電力あたりの社長が言っておりまするのも、やはり同じように、何といいますか、小さい者は裁判でこい。そのあとで問題の解決がついたらしてやるんだ。一切それまでやらぬのだ。まことに横暴な考え方であります。一体公益事業会社というふうなもののこの考え方自体というものが、私は横暴だと思う。そういう場合には、公益事業局というものが、もう少し零細なものに対して仲裁といいますか、援助の手を差し伸べてやって、もう少しあたたかい解決の方法がありそうなものだと思う。これから先公益事業局はこのような方向に向いていかれるつもりがあるかどうか、この点局長の御意図を伺っておきたいと思います。

川上爲治通商産業事務官(公益事業局長)

○川上政府委員 今のお話の趣旨につきましては、私どもの方としましては、これは電源開発促進法におきましても、やはり他人の権利を侵害しましたときは、適正な補償をしなければならぬということにもなっておりまして、努めて今日までそういう気持でやっておりましたが、もし今先生がおっしゃいましたような問題がございましたならば、われわれとしては、極力その法の精神に照しまして、適正な補償をするように持っていきたというふうに考えております。  ただここで一言申し上げておきたいのですけれども、実はそういう面もあるかと思うのですが、また反面におきましては、非常に膨大なる補償を必要以上の補償をしておる場合が非常に多いわけでございます。たとえば佐久間ダムの建設の場合におきましても、実際の工事費としましては三百八十億くらいかかっておりますけれども、当初補償関係のものとしましては、一割足らずというふうに踏んでいたのですが、実際問題としては二割くらい補償しているというような問題がありまして、これは田子倉の開発にしましても、あるいはその他の方面の開発にしましても、最近における補償の額というのは、非常に大きくなっているわけでありまして、それがひいては電気料金に影響するというような問題が出ているわけでありまして、閣議決定の補償の要綱がありますけれども、その要綱以上に非常に補償している場合があるわけであります。われわれとしましては、そういう場合におきましては、適正な補償をしなければならぬ。従いまして過当な補償に対しましては、一面押えると同時に、また先生が今おっしゃいましたような、どうしてもこれは出すべきだというような補償につきましては、それを押えてやるというのはおかしい、そういうものにつきましては、極力適正な補償をするように指導して行きたいというふうに考えます。

關谷勝利自由民主党

○關谷委員 私が最後に申し上げておきたいのは、今北陸電力でありますか、係争中であるといいますが、こういう問題は、裁判所というふうなところにおいても専門ではありませんし、大体公益事業局長や鉱山局長が一番詳しいのでありますので、この点よく研究をせられまして、早く結論を出して、できることならそういう係争中のものに対しましては、こういう見解であるといって、もしそういうことが長引いて小さいものが困っているという場合には、積極的にそこまで出てやるべきものである、私はこのように考えているのでありますが、この点につきましても、よく研究をしてもらいたいし、これについて解決とは別途でけっこうでありますが、公益事業局長と鉱山局長とで、具体的な問題は、今まで応酬しておりますから、よくわかっていると思いますので、この問題に対する見解というものを一つ出して、われわれにお示しを願いたいと思います。  なおこれは法の解決についてもいろいろ問題がありましょうし、いろいろ事実が鉱業権者の言うのとなお関西電力や公益事業局、通産局の言うのとが違っている場面もありますので、現地の調査等もしなければならないと思いますが、そういうものの調査を終えました上で、重ねて関西電力の社長を参考人として召還をしていただきたいということを要望して、私の質問を終ります。

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 参考人の召還の取扱い方は、理事会で御相談願います。  それからもう一つ、關谷委員から今要求の出ました今までの経過の調査方ですが、それは関西電力と公益事業局と二つに出ております。関西電力に対しては私から指図はちょっとできないと思いますが、公益事業局は出していただけますか。

川上爲治通商産業事務官(公益事業局長)

○川上政府委員 私の方としましては、一応の調査の資料を出しているわけなんですが、その資料と鉱業権者あるいは関西電力の言っている、たとえば試掘権とか、あるいは水利権とか、あるいはその他の問題についての許可の年月日とか、あるいはその浸水の反別の問題とか、そういう問題についていろいろ食い違いがあるようですから、その点につきましては、詳細にもう一ぺん調査をいたしまして、提出をいたします。

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 関西電力の方はいかがでしょうか。

太田垣士郎関西電力株式会社社長

○太田垣参考人 お答えします。今現地調査の方は、非常に雪が深い関係もありますので、もう少し時間をかけて……。

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 現地調査じゃないですよ。今までの経過の認識の仕方が非常に食い違っているので、両方で調査してそれを出してもらいたい。公益事業局は出してもらえますが、関西電力はどうですか。私の手元まででもけっこうです。

太田垣士郎関西電力株式会社社長

○太田垣参考人 調査資料が御必要ならば提出いたします。

生田宏一自由民主党

○生田委員 先ほど太田垣さんが読み上げました書類、あれははっきり耳に残ったところも残らぬところもあるのですが、もう一ぺん聞いておきたいと思います。お話によると土地所有権者との間の了解がついていないということと、それから河川法による認可がないということと、この二つの理由をもって完璧な補償対象理由と認められないということでございましたが、そうでございますか。

太田垣士郎関西電力株式会社社長

○太田垣参考人 お説の通りであります。

生田宏一自由民主党

○生田委員 そうしますと、先ほどからわれわれが鉱山局長や公益事業局長にお尋ねしたことで明らかになっておりますように、あなたが土地所有権者で、そして不承知であっても、国家的に見て必要な鉱物が多数埋蔵されておるということであれば、これは強制収用をもってなし得る、あなたの不同意にかかわらず試掘、採掘され得るということが明らかになっておるのですが、あなたはそのことについては御承知でございますね。

太田垣士郎関西電力株式会社社長

○太田垣参考人 さいぜんから繰り返して申し上げますように、法律的にそうであるべきものならば、私どもはその法律に従うにやぶさかでありません。

生田宏一自由民主党

○生田委員 それからもう一つお尋ねしたいのは、河川敷に関係のある鉱区であって、その河川敷の中を掘ろうというのであれば、それは河川法の適用を受けなければならない。しかし河川がその鉱区にかかっておるのがほんの一部であって、鉱物が河川以外にありますものについては——たとえば最初の河川は狭いものであったが、湛水をしたために水面が広くなって、そして湛水後に水没をしたという前の河川敷にあらざるものがございますね。あるいはまた湛水後、水ぎわから五十メートル以内の制限地区がございますが、これにも鉱物がございますね。そういうものはむろん河川法の適用を受けなくてもいいものであるわけです。また水没によって水面が広くなって埋没した個所も、前に河川敷でなければ別に河川法の適用を受けなくても試掘のできるところでございますね。それらにつきましてはあなた方の方は河川法の適用を受けていないからといって、これを無価備なものとすることはできないことになりますね。その点のお考えを承わりたいと思います。

太田垣士郎関西電力株式会社社長

○太田垣参考人 河川敷の問題で、その河川敷であったもの以外に、湛水で水位が高くなったために、ほかの土地も埋没した、その場合についてのお話のようでありますが、それにつきましてもさいぜん申し上げましたように、その土地が、所有権者と話し合いができて、そしてもう採掘し得る状態になっておるかどうかということが一つの問題であると思いますので、その点もやはりさいぜん私が御説明申し上げました中に含まっておると考えております。

生田宏一自由民主党

○生田委員 そうしますと、河川法の適用を受けなければならないところについては、無理に河川法の適用を受けなくても、そのままそれを鉱業権者が放棄すればいいわけでしょう。河川法の適用を受けなければならない。すなわち河川敷の採掘については、鉱業権者がこれを放棄して、河川敷以外のところだけを採掘することになれば、あなたのおっしゃるような河川法の適用を受けなくてもいいことになりますね。

太田垣士郎関西電力株式会社社長

○太田垣参考人 今私どもの考えておりますところでは、別々に考えておりますので、河川敷の分には適用できないが、その上の、つまり水位が上ったために起った場合には、今度は別の所有権者との了解が要る。そういう解釈を私どもはしておるのでございます。

生田宏一自由民主党

○生田委員 それで河川敷の問題は、鉱業権者がこれを放棄すればこの問題は双方から何ら言うべき問題はないわけでございますね。河川敷の問題は、河川法の適用を受けなくても、そこだけ鉱業権者が放棄すればよいのでございますから……。その点わかっておりますね。  それで今度は河川敷以外のところであって、あなたの所有にかかる土地の上に湛水したその部分については、あなたは、私が了解を与えていないんだから、条件は充実していないんじゃないかというお話でございますが、それについては、あなたの承知、不承知にかかわらず、国が必要と認める場合は強制収用を行って、採掘せしめ得るという道が開いておるということを御存じでございますね。

太田垣士郎関西電力株式会社社長

○太田垣参考人 それは法的にはそうなっておるわけであります。

生田宏一自由民主党

○生田委員 そうすると、もし国家的にこの鉱物が経済的に効果が高くてそうしてこれを採掘する必要があるというならば、あなたの言われる所有権者とあなたとの承諾、不承諾も、あるいは河川敷の問題だけを放棄すれば河川法の適用を受けなくて済むということになるので、もし経済的効果が高いということになりましたら、あなたのおっしゃることは何ら拒否の理由にはならぬ、障害にはならぬという結論になるのでございますが、御承知でございますか。

太田垣士郎関西電力株式会社社長

○太田垣参考人 それは法律によって、いわゆる土地収用法によって、強制的に行われるということであれば、これは私は別の問題だと考えます。

生田宏一自由民主党

○生田委員 それから資料を一つお願いしたいのですが、嶋ヶ谷発電所と椿原ダムの工事の国家の融資を受けた事業計画書というものがありますから、金を借りるために国の方へ提示した予算書と事業ができ上っておりますからその決算書と、それを工事費日別に——これは公益事業局にあると思いますからそれをお出し願いたいと思います。  それからはなはだ恐縮ですが、きょうは問題の未解決部分がたくさんございますので、太田垣さんに後日また御足労願わなければならぬことをこの際確かめていただきたいと思います。

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 それは關谷委員にも申し上げました通り、その取扱いは理事会で御相談いたしますから、そのように御了承願います。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 私は鉱業権者と関電との間に損害賠償請求権があるかどうかはよくわかりませんからそれに触れません。ただしかし、行政的に一、二伺っておきたいのであります。ただし電源開発促進法あるいは鉱業法とか河川法について、これらの関連が私には知識が不十分ですから、十分にお尋ねができないかわかりませんが、鉱山局長ないし政府当局に伺うことにいたします。その前にまず関電の社長の方に伺いますが、あなたの方は、この問題になっておりまする岐阜県の庄川のダムの建設資金は開発銀行の資金をお使いになっておるのですかどうですか、どのくらいお使いになっておるのですか。

太田垣士郎関西電力株式会社社長

○太田垣参考人 これは一部開発資金、一部自己資金、こういうことでございます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 どのくらい使っておりますか。

太田垣士郎関西電力株式会社社長

○太田垣参考人 その工事工事によりますが、大体四分六分とか、七三とか……。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 金利もついでに言って下さい。

太田垣士郎関西電力株式会社社長

○太田垣参考人 これは間違えるといけませんから、はっきりしたものをあとで差し上げてもけっこうでありますが、椿原の建設が五十億近くついておると思っております。そのうち四十億とかあるいは三十五億とかは開発銀行のなにで、あとの十五億とか二十億とかは自己資金、こういうことであります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 それから政府当局に伺ってみたいのでありますが、だんだん両者の主張を聞いておりますると、また資料等によりますると、鉱業権と河川の敷地ないしは流水の占有権でありますか、そういった電力会社の水利権との両者の優劣の関係は、何か河川の使用権の取得の前後によってきまるようにもちょっと見えるのですが、そういう原則には間違いないのでございますか。所管は鉱山局長ですか公益事業局長ですか、どちらでもいいですから……。

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 答弁者を限定して下さい。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 では鉱山局長。

松尾金藏通商産業事務官(鉱山局長)

○松尾政府委員 鉱業権の許可の申請が出て参りますと、先ほど来のお話にもございましたような先願申請の優先権でいって、そういう筋でありますが、その際法律にもありますように、現実には通商産業局長がその許可をいたすのであります。その通商産業局長が許可をいたす際には、こういう場合には許可をしてはならないという場合が法律にきめられております。いろいろな条項がございますが、今御質問のところに比較的関係の深い意味のことを申し上げますと、「公共の用に供する施設若しくはこれに準ずる施設を破壊し、文化財、公園若しくは温泉資源の保護に支障を生じ、若しくは農業、林業若しくはその他の産業の利益を損じ、公共の福祉に反すると認めるときは、その部分については、その出願を許可してはならない。」、こういう鉱業法の規定があるわけであります。こういう意味で鉱業権の設定の許可をいたします際にも、他の経済的なり法律的なものとの調和はこういう意味の程度までは考えて、その許可を判断するわけであります。しかし一たん鉱業権が成立してしまいますと、鉱業権は鉱業法に規定されておるような権利の内容を持ちますように、先ほど来公益事業局長が申しておりますように、その後に発生した権利との調整はまた別に調整する、こういう考え方に相なっております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 ダムの建設、またその他の多目的ダムなんかもだんだんとふえていって国家財政資金をずいぶん食っていく関係もありますので、こういった紛争事件が起ることはできるだけ未然に、行政的措置をもって防ぐような対策が必要でないかと私は一般的に考えるのでありますが、そこで鉱業法の二十四条を見てみますると、鉱業権の設定の出願があったときは、通商産業局長は関係都道府県知事に協議しなければならぬ、こういうことになっております。これで見ますとあらかじめ制限条項に触れるかどうか、出願しても許可をし得るかどうかは、都道府県知事と通産局長すなわち政府において、十分に各般の事情は了知し得るようなことになっているのではないのでありましょうか。これもやはり協議の目的は何か私にははっきりいたしませんけれども、おそらくは他の権利とのいろいろな相剋のようなことを避けるような意味ではないかと思うのであります。また許可の適否についての参考資料かと思うのでありますが、こういう手続の規定がありまするので、政府においては事前に十分に、この場合におきましても関電との関係がわかるのではないかと思うのですが、その点はいかがですか。

松尾金藏通商産業事務官(鉱山局長)

○松尾政府委員 今回の場合に問題となっておる点だけではないと思いますが、その他いろいろな権利関係その他経済的あるいは法律的な利害関係にトラブルが起ることをできるだけ避ける意味で、地元の一番実情に詳しい都道府県知事にも協議をするわけであります。そこで判定ができる限りは、相当事情がわかっている限りは、この協議によってわかるはずであります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 そこで一方河川の管理は地方の都道府県知事にあるようでありまするから、そうすると都道府県知事においてはもし鉱業権に先願の事実があった場合においては、両者のつまり水利権の獲得をする以前に、鉱業権との接触面関係がいずれも了知し得ることになると思うのです。これは一般的に当然だろうというふうに常識的に考えるのですが、この点はいかがでございますか。

松尾金藏通商産業事務官(鉱山局長)

○松尾政府委員 今お話しの通りでございます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 さすれば一応は損害賠償の請求権があるかないかについて、精密な法律的な議論はともかくといたしまして、相当この両者の関係は、すべての場合において都道府県知事も通産省当局も紛争が起らないように十分な行政的の措置をなし得る材料だけは持っておるというふうにも思うのですが、これはいかがなものでしょうか。公益事業局長、どうなのでしょうか。

川上爲治通商産業事務官(公益事業局長)

○川上政府委員 今の鉱業権とそれから水利権その他の権利との調整の問題につきましては、これは私の方からも地方の通産局に対しまして再々通知してありまして、その許可をする前に調整をしておいてくれということは再三言っておるわけであります。また先ほど問題が出ました鉱業法によりましても、やはりそういうものについては許可をしてはならないとか、そういう規定があるわけでありまして、この問題につきましてもわれわれの方としましては、その趣旨に従いまして事前に調整を十分いたしておくべきではなかったろうかというふうに考えるのでありますけれども、そういうことはもちろん現地の通産局長に対しましては通知してあったのですが、実際問題としてその鉱業権の全部ではなくて一部についての競合という問題になりますので、それではどれだけ競合するのであるかというような問題になりますとなかなかむずかしい問題になりますので、その辺が十分ついていなかったのじゃないかというように考えます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 さっきの公益事業局長の御答弁によりますと、佐久間ダムを引例せられて、事業費三百八十億円の一〇%が当初の補償予定額、これが二〇財に上った。二割となりますと七十八億円に達するのであります。こういうような当初の事業計画というものは、計画自体が甘過ぎたのか、ずさんであったのか、一体どこに原因があったのであるか。やはりこれも国の財政の角度から見ると、国家資金を使っているのですから、一体どこに原因があったのだろうか。事前の指導が全然適切を欠いておったものか。あるいは事業主体、ことに電源開発などの事業主体というものが、こういう小さな業者の権利を無視するという傾向でもあるのじゃないか。あるいはまた業者自体においても、損害賠償請求というような不法の要求もあちらこちらにあるのじゃないか。一体何が原因なのかということをわれわれは考えさせられるのであります。そこで行政当局といたしましては、一片の通牒をもって終るべきではなく、佐久間ダムの例によっても三十八億円というもの、これは全部国家資金ないし外資であろうかと思いますが、こういうような場合には事件が紛糾しないような万全の措置を事前にとられるのが、私は行政指導として当然だろうと思います。今後莫大な投融資がせられて、この種の事業が国の直営ないしは事業会社によってさらに起されていくべき一般社会の要請である際において、行政指導の面がこういう法律によって明記してあるにかかわらず、なおかつ紛糾をしげくするというようなことは、どうも私どもふに落ちぬ。裁判によって解決する、これももっともなことでありますが、そういうこと以前の国の行政の建前として、莫大な国家資金が使われていく事業でありますから、事前に相当厳密な調査とか指導とかいうものがなければなるまいと思うのであります。ことに先願主義というのですか、この間そういった言葉をお使いになりましたが、やはり権利取得の前後によって権利者がきまるということになるのであるならばやはりこれらについては行政的な面から一般的に今後十分にお考えになっていかなければならないじゃないかということも考えられるのであります。損害賠償云々の点は私は触れませんが、一般論としてやはり鉱業権も権利ならば水利権も権利でありましょう。両者いずれも両立し、併存していかねばなるまいと思いますが、その全体を行政的に指導し監督し、また国として利害関係を持っているのでありますから、通産省としても相当重大な責任を持って事前指導に万全の手を打っていただかねばならぬと思う。御所見だけ伺っておきます。

川上爲治通商産業事務官(公益事業局長)

○川上政府委員 実はこの補償関係の法律については、現在電源開発促進法によって適正な補償をしなければならぬというだけで、ほかのこと、たとえば補償の基準とか、補償の目的物をどの程度に限定するとかいろいろなこまかいものについては実はほとんど何もないわけでございます。現在その閣議決定の要綱というのがありまして、その要綱で行政指導をやっているわけですが、私どもの方としては、いろいろな問題が起きますので、何とかこれを法律によって詳細をきめて、それによってやりたいというふうに考えております。その補償関係の法律を作りたいということで、この国会におきましても、その法律を出したいということであったのですけれども、補償関係の法律というのは非常にむずかしいのでありまして、地方のいろいろな権利関係にもからみましてなかなかむずかしいのであります。従って何とかそういうある程度の大綱については法律を作って、その法律に基いて措置をとりたいというふうに考えております。今先生のおっしゃいましたような点につきましては非常にわれわれ痛感しておりまして、実はそういう法律がないために困っているというような状況であります。

太田垣士郎関西電力株式会社社長

○太田垣参考人 ただいまの問題について経営者としても一言お答え申し上げておきたいと思います。電源開発の事業は非常に厄介なもの、でありまして、しかもそれが基礎産業に影響し、一般消費大衆に影響するので、われわれは非常に注意をいたしまして、できるだけ公明正大にやりたいと考えておりまして、資金獲得の面とか、技術的な面とかいろいろな隘路がありますが、現在水力電源開発の一番の隘路は補償問題だと思います。と申しますのは、補償問題は無数にありますが、特に補償を得んとするためにやられることがときどきありまして、たとえば大体湛水区域はこの辺だと思うと、悪らつな者になりますと、すぐその上にバラックを建ててしまう。しかもそのバラックには住まないで、湛水前になると住みついてきて、そこで立ちのき料を幾百万円というような不当な者が出てくるわけであります。補償については血の出るような苦労をしてやっているわけでありますが、それらをかいくぐって工事をしていかなければならぬわけであります。従って今局長がおっしゃったように、一つの基準がないために、これから後も補償問題は複雑になるだけではなしに、膨大な補償があるために電源開発もできない時代がくるのではなかろうかと非常に心配しております。その意味からいたしましても、ある程度の基準を作っていただいて、この程度は電源開発について経営者も承服しなければならないし、国家的の仕事をするについてこの程度は利用者もこうという一つの基準を作っていただかないと、経営者といたしましても、将来水力電源開発は不可能になる程度まで補償問題が複雑化するのではなかろうかと考えております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 私はあと質問するつもりはなかったのですけれども、あなたがそうおっしゃると問うておかねばならぬのであります。先願があった場合に先願の権利者の権利を尊重するということは、ひとり電源開発のみならず、日本国民すべて同等であろうと思う。あなたの方が許可を受ける一時間でも一日でも前に憲法その他の法律によって、他の人が、個人もしくは法人が、その地域の関係において何らかの権利を持っているかどうかということは、あなた方の方で調べなければならぬ。調べてあなた方より一日早い権利があったらそれは尊重しなければならぬ。その権利の大とか小とか、そういうことはこの際は申し上げるのではないのでありまして、従ってあなたの方においても補償問題が困難になって電源開発の事業が行われなくなるというのは少し大げさな表現であります。やはりこれはあなたの方が許可を受けようとするときに、その一日前でも何らかの権利が他人にあるかないかということは、大きな財力、人間の手をお持ちになっておるのだから、私は正しく精密な調査ができると思うのです。それを十分にしておらぬというところに一つの原因があるのではないかと実は思うのであります。やはりそういうことのみならず、その他のいろいろな被害もあるということをずいぶん私どもも聞いておりますし、また他の案件でそういう事件がこの委員会でも論議されたのでありますから、そこはあなた自身としては補償問題の紛糾するということをいたずらに心配なさる必要はないと私は思うのです。あなたの方としては、権利を獲得するその寸前でも他の人が権利を持っておったやいなやということをよく調査して、また利害関係もよく御調査願って、そしてあなたがもくろんでおることが適格であるかどうかということもよく御検討になるということ、それで私はいいと思うのです。補償というものをしなければならぬ、あるいはする必要があるときに、他人が補償を要求するということまで電源開発会社が心配することは行き過ぎだと私は思います。でありますから、私が政府当局に確かめたのはそれであるのであります。あなたの方が権利を主張し、いろいろこの法律によりますと、全部は読んでおりませんけれども、やはり河川管理者ないしは出願者、鉱業権者あるいは鉱業権の設定を申請する人においても、手続の段階において私は相当他人との権利の競合あるいは衝突等の関係は明瞭になり得るものと思いますので、そこは行政指導を十分にしなければいかぬじゃないかというので、業者の立場としては何もそんなに補償のことを気にやむ必要は私はないと思います。公正なことを堂々とおやりになればいいと思う。ただ先に権利を取得した者があったかなかったかということを調べるのは当然のことでありますから、その点あなたは補償問題について少し強い言葉がありましたので、一言さらに申し上げます。これは申し上げるだけで、それに対して御答弁は要りませんです。

生田宏一自由民主党

○生田委員 先ほど太田垣さんだいぶ御心配されておる。私もそういうことを事業者としては心配されるだろうと思うのです。予定地の中に家を建てるとか、悪質な者があるということはよくわかるのです。しかし善良なる権利者に対してもこれと同様に扱うのはいかがかと私は思うのです。たとえば本件の問題でも石川鉱業権者はあなたの方の施設に差しつかえのないようにしたいからどのようにしたらいいのであろうか、その計画を知らしてくれ、こう言ってあなたの方にしばしば文書を出して御相談をかけておる。また本人もあなたのところに行ってあなたと一緒に御会談をした趣きもあるということを聞いておる。そこで今補償問題についてあなたの御意見が出ましたので、御苦心もさることながら、この問題はあなたの今の御意見のように、たとえば予定地の中に人の住まない家を建てる人がある。そういう関係から必要以上に関係者に冷淡なというか、これを拒否するとか、あなたの方の計画をその政策上知らさなかったということからこういう問題が起きてきているんじゃないかと思うのであります。それでこれは委員長にお願いなんですが、この前にここへ参考人として呼んだ石川さんが来ております。そこで関電との間の交渉の経過は本人が一番よく知っておることでありますから、本人が太田垣さんとも御面接をしたというような話だと私は記憶しておりますので、この際双方の意見を聞いておいてやればきわめて問題か昨日になるのじゃないだろうかと思いますので、同僚諸君に御了解を得ますならば、参考人として本人が関電との間に交渉した経過についてここで述べさしていただいたらいかがでしょうか。これをお願いします。

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 この前も参考人として呼びましたし、なおきょうまでの取扱い方でこれを呼ばなければならぬ理由が出ますならば、理事会で御相談願ってあらためて出席してもらう、このように取り扱わさせていただきます。御了承願えますか。   〔「文書で出してもらいなさい」と呼ぶ者あり〕

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 それでは本日の太田垣参考人に対する質疑はこの程度といたします。太田垣参考人には長時間御苦労さまでございました。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時十四分散会

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