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24回国会衆議院1956/03/09

決算委員会 第13号

発言数
73
登壇者
8
会派数
2
開催日
1956/03/09

会議録

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 これより会議を開きます。  本日は去る六日の理事会の申し合せに基きまして、会計検査院の検査実施状況につきまして検査院当局より説明を聴取することといたします。  申すまでもなく当決算委員会は衆議院の常任委員会といたしまして、所管事項として決算の審査あるいは国政に関する調査をなし、もって国費の使用を監視する等、国民の付託にこたえんとするものであります。また会計検査院は国の収入支出の決算を検査する等の憲法上の国家機関であり、内閣に対して独立の地位を有するものでありまして、検査院の行う検査により毎年幾千件の批難事項が上っておるという状況であります。当委員会といたしましてもこの検査報告を重視し、決算の慎重審議を行なっているのであります。会計検査院の職責の重大性にかんがみ、そのあり方あるいは検査実施等につきましてはいささかの疑惑もあってはならないと思うのであります。つきましてはこの際、会計検査院長より検査実施の実情を聴取し、あわせてその所信のほどを承わりたいと存じます。  なお去る二月二十二日の委員会におきまして、田中委員より検査院長に対しまして、検査に関連して三十三万八千円云々との質問がありましたが、いまだ明確になっておりませんので、これにつきましても発言があればこの際あわせてこれを求めます。東谷会計検査院長。

東谷伝次郎会計検査院長

○東谷会計検査院長 ただいま委員長から発言を求められましたので説明いたしたいと思います。  会計検査院の検査実績に関しましては、御承知のように昨年の十二月十二日に二十九年度決算検査報告を内閣に提出し、内閣から本年一月に国会に提案されておる通りでありまして、二十九年度の検査報告の不当事項は二千二百四十六件、不当の金額は七十三億何がしに上っておるのであります。詳しくはその検査報告の通りでございます。会計検査院は、ただいま委員長から仰せになりましたごとくに、憲法上の機関でありまして、会計検査院法第一条によりますれば、内閣に対し独立の地位を有する独立の機関であるのでございまして、会計経理を監督し、その適正を期し、是正をはからなければならないのでありまするので、その検査は公平であり、厳正でなくてはならないのでございます。従いまして会計検査院の綱紀は厳正であることが強く要望されておるのでありまして、私どもは常々綱紀の確保に努めておる次第であります。ところが近ごろ一部の新聞などで会計検査院の綱紀が乱れているというような記事が掲げられまして、私どもは非常に意外でもありますし、また非常に遺憾に思い、迷惑に感じておるのでございます。皆様方に対しましてもいろいろと御心配をおかけいたしておるようでありまして、まことに申し訳ない次第に存じておるのであります。この際、会計検査院の綱紀の確保についての所信を述べさせていただきたいと存じます。  まず申し上げておきまするが、会計検査院におきましては綱紀の頽廃というような事実はないということを確信いたしておるのでありますので、その点を明言いたしておきたいと思うのであります。御承知のように会計検査院は昭和二十二年に大拡張されまして、それまで三百人程度の職員でありましたが、急に千二百人に増加いたしたのであります。ちょうど世の中も混乱いたしておりますし、国の会計秩序も整っていない際に新しい職員が多数入りましたので、実地検査の際などにおける態度やそのときの心がまえと、接待、供応などを受けないように徹底的に訓練する必要を痛感いたしたのでございます。そこで昭和二十二年から二十五年にかけまして職員に訓示的な文書をもって自粛を求めますと同時に、検査を受けておる受検査庁に対しましても検査院側の覚悟を明らかにするとともに、接待などをして下さらないよう御協力方をお願いしておったのであります。このたび一部で問題になりました昭和三十一年二月十一日付の私どもの役所の事務総長名の文書も、従来と同じような趣旨で出しておるのでございまして、かような文書を外部にお願いするといって出すことは非常識ではないかというような考え方もなきにしもあらずでありますが、私どもはあえて非常識と思われましても、その趣旨が徹底し行われることを願いますあまりに、外部に対してああいった文書を差し出したような次第でございます。こういうふうに会計検査院といたしましてはいろいろと手を打ったのでございますが、何分にも新しい、訓練を積まない職員が戦後の混乱時に方々に多数出張いたしました関係もありまして、二、三の不祥な事件を起しましたのはまことに相済まない次第でございます。これらの事件につきましてはそのつどこの決算委員会に御報告いたしておるのでございまするが、本日は重ねてこの点を申し上げておきたいと思うのであります。  第一は昭和二十三年八月に京都におきまして物価庁の差益金の検査の関係で三人の職員が十四万三千円の供応を受けたという事件がございます。第二は昭和二十六年七月から昭和二十八年一月にかけまして、東京霞ヶ関の国有財産関係の分で二人の職員が二十六万円の現金を受けたという事実でございます。第三は昭和二十九年三月から七月にかけまして、東京の国鉄関係の分で、一人の職員が十万八千円の供応を受けたという事件でございます。いずれも刑事事件として起訴されまして、第一の京都の事件、第三の国鉄の事件は有罪の判決が確定いたし、それぞれ失職いたしましたが、第二の国有財産の関係の事件は、うち一人が第一審に対し控訴いたしております。このような不祥事件を出しましたことはまことに遺憾でございまして、申しわけない次第でございますが、会計検査院といたしましては、もちろん会計検査は十分にいたしまして、その結果を会計検査院の決算検査報告に掲げてございます。その後はこの事件にかんがみまして、部内にも会計検査院職員たる自覚を促し、自戒に努め、外部に対して威信を落さないよう行動することを強く要望いたしておるのであります。最近におきましては当然のこととは言いながら、この種の事件を起しておりませんし、今後とも絶無であることを強く期しておるような次第でございます。  なお去る二十八年に長野県で会計検査院職員に対し、一人当り五万六千円の接待をしたということが一部で問題になっております。このときの検査は長野県下全域にわたって行なったのでございまして、その際立ち会い説明のため長野県の職員多数も同行いたしたのでありますが、会計検査院の職員は八名で宿料として八日または九日分三万四千円を払っております。その後調べましたところ、県の職員が延べで、この検査の場合に運転手を含めまして約二百九十人、会計検査院の職員が延べで六十八人、全体で三百五十八人分の経費といたしまして三十九万五千円払っていることが明らかになったのでございます。この問題の三十九万五千円は、前申しました会計検査院職員の支払った三万四千円を含めた全体の経費でございます。  ところで御承知のように昨年八月会計検査院の機構が大きくなりまして、一局が増設され、新しい職員も入って参りました。それに昭和三十一年度からは調査官制度も実施されるように予算を要求しておるのでございます。こういたしまして、ますます実地検査も充実されるわけでございまして、かたがた新生活運動も展開されるときでもありますし、私どもといたしましては、この際先ほど申し上げましたと同じような通牒を部内に出しまして、新しい会計検査院の職員に対しまして、検査の気がまえと自覚を呼び起させると同時に、在来からの職員に対しましても認識を新たにすることを求めたのでございます。これも会計検査院の事務総長名でやったのでございます。そういたしまして同時にこの趣旨を達成し、長野県の例のようなむだな出費を避けるためにもぜひとも検査を受ける方、受検査庁の協力を得る必要がありますので、各省事務次官などに対しましても、文書をもって総長名で協力方を御依頼いたしたのであります。右の文書を会計検査院の内外に出しました意味は以上の通りでございまして、会計検査院といたしましては厳正の上にもさらに厳正を期する意図にほかならなかったのでございます。世の中の一部で言われておりますような問題が何かあるので、この文書を出したのであろうというようなことは絶対にないのでございます。会計検査院といたしましては、将来とも綱紀を厳正にしまして一般の御期待にこたえる所存でございます。以上の通りでございますので、何とぞ御了承を願いたいのでございます。  またただいま委員長から、先般の田中さんの御質問に対しても説明をするようにということでございました。田中委員からの御質問の問題についてでありますが、実は田中委員の御質問は速記録によりますと、会計検査院は大きな問題をあげていない、それについて会計検査院の職員は酒を飲んでいる、そしてその金が三十三万八千円ということをお示しになっただけで内容がよくわからなかったのであります。いろいろ調べてみましたがわからぬのであります。その後、二、三日前でありましたか、国鉄の関係で三十三万八千円だというようなことをお聞きいたしたような気がいたしますので、国鉄の関係も取り調べたのでありますが、思い当るようなことはないのであります。なお、速記によりますと、造船関係と仰せになったようにも見受けられるのでありますが、その方面でも、その金額にと申しますか、こういったような事項を見出すことができないのでございます。しかし私どもとしていろいろ調査をいたしましたところ、終戦直後のことでありますが、昭和二十三年度から昭和二十四年度にかけまして、特別調達庁の呉調達局において、日本通運に支払った運賃の点で不正事件があるという問題が当持あったのであります。しかし二十三年、二十四年の検査のとき、検査はむろんいたしたのでありますが、証拠書類が非常にうまくできておりまして、私どもの方の検査ではこれがわからなかったのでございます。ところが越えて二十六年の五月に地元の中国新聞でありましたかに、この不正の問題が掲載されたのであります。そこでそれではというのでさっそくその当時調査いたしましたところ、一応事実がわかったのであります。先ほど申しました呉調達局においての運賃の不正支払いの金は三百三十万円を支出しているのであります。これは表面運賃として出しているのでありますが、実は運賃には使わないで、そこに進駐しております進駐軍などの接待費に使っているという容疑でその不正の問題が取り上げられておったようであります。しかし会計検査院といたしましては、取り調べたのでありますが、当時二十三年度及び二十四年度分は私どもの方で調べたのは二十六年の暮れでありまして、すでに決算を確認いたしておりまして、二十三年度、四年度は国会に提出しておりますので、決算審査の批難事項として取り上げるわけにも参りませんので、そのまま処理をいたしておるような状況でございます。それからこの接待費の中には、会計検査院の職員が供応を受けておるというようなことも聞きましたので、それもあわせて調べたのでございますが、何分にもその関係書類は検察当局に押収されておって、詳細なことはわからないのでございます。呉へは二十三年度と二十四年度と二年間に約十回くらい実地検査に行っておるのでありますが、たまたま私どもの方で調べました書類の中で、二名だけ具体的事実がわかりましたので、その分については厳重な訓告の処分をいたしたのであります。その他の分は具体的なことがわかっておらないのでございます。そういたしまして日本通運と調達局職員の不正容疑としても、その後不起訴の処分になったのでありまして、私どもといたしましては検察上の機密に属する書類についてとかくのせんさくもできなかったのでございます。  なお先般の田中委員からの御質問の中に、たしか三十三万八千円と仰せになりまして、私個人がこの問題に関係しておるかのようなお話を承わったのでありますが、私も二十四年十月に呉に視察に参っております。ちょうど今から七年前のことでありますので、よくはっきりした記憶もないのでありますが、記憶を呼び起しますと、ただいま申しますように七年前の二十四年十月でございまして、呉に私が一泊いたしましたときに、調達局の局長など数名が私の宿に来まして、一緒に食事をしたいというので、断わるにも断わり切れないので、私の泊っておる宿で一緒に食事をした記憶があるのであります。私の方は三名でありまして、私の随行二名の分は宿泊料としての支払いはもちろん終えておるのでありますが、そのとき一緒に食べた経費は幾らであるかということ、先方が幾ら払ったかというようなことは私どもの方にわかっておらないわけでございます。  問題の実情は以上の通りでありますので、何とぞ御了承をお願いいたしたいのでございます。

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 発言の通告がありますので、順次これを許します。田中彰治君。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 私はまず委員長に、この問題を申し上げる前に申し上げておきたいのですが、決算委員会は、政党政派を超越して厳粛にやらなければならぬということは——国民が泣いて納めた血税をいかに有益に、各官庁あるいは公社、あるいはまた政府が融資しておるか、こういうところで有益に使ったか、むだがあるかないか、あるいはまた不正があるかないか、いかに使われておるかということをよく調べて、これを国会に報告し、国民に知らしめる。そして次に予算を組むときにはこういうむだをなるべくなくするようにしなければならないという関係上、決算委員会というものは、あまり派手な委員会でもありませんし、またこういうことを正直にやると、非常に敵も多くなる、あるいはまたいろいろな利害関係も多方面に及ぼすので、なかなかこれが公正にやられないところに今日までの決算委員会の欠陥があったと私は思います。  そこでこの前鳩山総理がおいでになったときに、三十八万余のこういうものが会計検査院の中にもあるじゃないかと私は申し上げた。もちろんそのとき国鉄と言ったのは——国鉄に事件がないことはない。今申された十万円でも、事件があり、またその他にもあったのでありますが、これをあばいて、現在の会計検査院の人たちに傷をつけるよりも、むしろ反省をしてもらって、今後こういうことをなくしていただきたいから、私はばく然と申し上げておいた。ところが理事会に、この間ちょっとおくれて参りましたが、行ってみると、山本君が時間があるとかいっていろいろのことを弁じておられたが、その席上でも私は相当なものがあるから、それに対する資料を一応国鉄からも出してもらいたいし、あなたの方でもよく事件を調べて、事件の審理中のものなんかであったら出してもらいたい。その資料によって私たちも考える。しかし理事会ではそれだけのことであって、あとあなたの発言を求め、その時期は委員長に一任するということで終っておった。ところが本日委員会開会のわずか二十分か三十分くらい前に私の方の山本委員から電話がかかって、君のこの間発言したことに対して会計検査院その他を調べたが事実がない。それに対して君に答弁を求めるんだがという話が私にあって、私は驚いてここへ来た。本来理事会はそういうもののためにあるのだから、田中がこういう発言をしたが、これに対してその前に事務総長が委員長室に呼ばれているのだから、こういうことがあるんだということで、君はこれに対して答弁をするのに一つ調べておいてくれとか、答弁してもらいたいとか、またこれは答弁しないで、ここで話し合いをしようじゃないかと言われるのが当然だと思う。しかるにそういうことなく、決算委員会において正しい発言をした者のうしろに回って速記録を調べたり、いろいろなことをやって、そしてこの決算委員会の開かれるわずか前にそういうことを言って、もし田中がそれに違ったことを言ったら、一つつるし上げてやろうというようなことを委員長及びわが党の委員の中に考えている者がもしありとするなら、これは重大な問題と思う。これを通じて選挙区が知ってくれるだろうが、私は二年半も決算委員長をやってきたが、きょうのようなこんな委員会を開いだことがない。もしそれでは田中がうそのことを言っているのではなくて、事実のことを言えば——ここで全部年月日や名前を読み上げてもいいが、もしそういうことが事実であったとしたら、会計検査院の方はどういう責任をとられるのか、まずこれを申し上げる前に委員長に聞いておきたい。  それから委員会にしても、私はここにおられる人たちともずいぶん長くやってきたが、われわれの委員会にはそんな変な空気がなかった。むしろ私がこういう発言をしたならば、君の発言に対してはまず材料をくれないか、これに対しては知らしてくれないか、あるいはこういうことはいけないことだから、ここでちょっとこうしてくれないかといって、私が応ずるか応じないかはわからぬが、理事会できめてやっていくというのが理事会であるのに、きょうのような空気で、もし私が材料をそろえて——大ていそれくらいのことはやるだろうと思っておったから、そろえておったからいいが、そろえておらなかったら、ここで非常に正しい発言、正しいことを言った人間がここで恥をかいて、私はつるし上げを食って帰らなければならぬということになる。こういうことがいいか悪いかということは、委員長も少し考えられた方がいい。第一、社会党の委員長なんというものは、もっとわれわれ与党の委員が隠そうとすることでも、当然明快に、はっきりやられるのが委員長じゃあないか。まるで与党の委員長であるのか何であるのかわからないような委員会のやり方は、私はよろしくないと思う。ここで私は申し上げておきますが、今後そういうことをされるならば、われわれは委員として、理事として、国会議員として、国民にこのすべてを訴えなくちゃあならない。そういうことを代議士の選挙区へ行っても、あるいはまたその他の機関によっても、訴えなくちゃあならぬ、そういうことは一体委員長がいいと思われるのか、悪いと思われるのか、まず委員長にお聞きする。

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止〕

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 速記をとって下さい。  それでは田中君の質問に対して簡単に経過を御報告申し上げます。大部分の理事の方々は御存じと思いますが、六日の理事会の申し合せと申しますか、御決定は、きょうのような委員会を持つ日時等は委員長一任、それに取り扱う問題の範囲等も一応委員長に一任、こういう申し合せができたのです。しかし委員長といたしましては、一任されておりますけれども、理事会でいろいろ御発言がなされておりますから、その御発言の趣旨を十分尊重して、そこで問題の範囲並びに日時等に検討を加えまして、いろいろ具体的な問題を調べていただいたのですが、私といたしましては、あの空気から見ましても、国民に対する疑惑を解消する意味におきましても、問題になっている事項は全部この際資料を出してもらいたい、こういう建前で会計検査院当局と話し合いました。他の案件は全部わかったのですけれども、たまたま速記録に載っておりました三十三万八千円の問題は、事務総長等から聞いた話でもどうもはっきりしなかったわけです。国鉄関係並びに造船疑獄関係ではないということまでは大体わかったのですが、直接の問題としてはわからなかったわけです。それでその取扱い方をどうするかということでいろいろ相談しました。これは会計検査院との相談ではなくて、この委員会の運営上の問題としていろいろ私も事務当局なり調達庁を呼んで相談しました。これは不問に付する問題ではないが、会計検査院としても直ちに事態が明らかにならぬものですから、そこで私から田中委員に質問をしてここでお話をするという一つの方法も考えられる、あるいは自発的に御質問してもらうという方法も考えられるが、将来の先例になることも考えまして、私から委員長発言の際に最後に会計検査院当局にこの問題に対する解明を求めた方がかえって議事の運営上いいのではないか、そういう意味で委員長発言の最後にこれをくっつけたわけです。私といたしましては、政党的な立場とかあるいは個人的な立場で特定な意図を持ってこの議事の運営に当っているということはいささかもない。これだけは今までの経過から見ましても信用してもらいたいと思います。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 私は委員長のお言葉に対して遺憾に思う。私は決算委員会の理事なんだ 委員なんだ あなたが委員長なんだ。それだから私がそういう発言をしたことについてあなたが委員長として公平にやられるならば、むしろそのスキャンダルを出しておる人たちを呼んであなたがお調べになる前に、田中君、君の発言に対してはどうであるか、あるいはまた向うをお調べになったら向うはこういうことはないと言うが君はどうであるか、これに対して君もやっぱり数字を出すとか日にちを出すとか証拠をもってちゃんと答弁のできるように、いつ幾日にやるから、君やるようにしておいてくれ、あるいは向うを調べたらないと言うが、田中君どうだと言ってあなたは私に聞かれるのが当りまえです。これを検事局の場合にでもしてごらんなさい。検事が検事総長の下におって、事件をあばいてきた。ところがその検事総長が被告人を呼んで、お前こういうことをやったことがあるかないかということを調べておいて、そのあばいに検事にはそれを何も教えないでおるのと同じことだ。いよいよこの委員会が始まる二十分か十分前にそういうものをくっつけて、田中委員一つこれを聞いてみようじゃないかということを言うが、あなたは会計検査院にそういうことを言って答弁をさせるようになさるならば、なぜスキャンダルに対してやっているこの私に対して委員長としてそれをなさらないのですか。それを調べる同僚の委員、しかも理事である私には与えないでおいて、調べられる人間にそういうものを漏らして、そういう答弁をあなたが書かして、そういうものをくっつけさせることは、おかしくないですか。

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 六日の理事会で、確かに私も記憶しております。この問題を出したときに私確かめようかと思ったのです。ところが当時の懇談会は、私の理解の仕方は、委員長と理事との間の懇談会ではないのです。だから会計検査院がそれに対して答弁するなら、私もそのあっせんをしますけれども、私の主観的な意図を持って理事と私の論議をする場所じゃないと認識したものですから、あの際はあえて田中さんあなたは出したらどうかということを助言しなかった。そのことは私はいまだに間違ったと思っておりません。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 委員長がそういう運営の仕方をされることが大きな間違いである。私は会計検査院にこういうものがあると言って委員として指摘しているのですよ。私はこの委員会の理事ですよ。それだからあちらの方に、お前はこういうことを田中から指摘されているのだから、こういうものは君の方にあるかとか、ないかとか、資料を出せとか、答弁の用意をしろとか、発言しろと言われるならば、私に対しても、こういう工合に許してあるから、君もこの日にはこういうふうにりっぱなものを出してちゃんと質問するようにしなさいと言われるのがほんとうじゃないでしょうか。私がこれを持ってきたからいいですが、もしこれを持ってこないで、知らないで入ってきたら、私は一体どうなるのですか。それをあなたが当然なことだと思ったら間違いですよ。だれにでも聞いてごらんなさい。

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 会計検査院にやった覚えはありませんよ。勝手に私のやらぬことをやったかのごとく仮説を立てて……。   〔「やっているじゃありませんか」「議事進行」と呼び、その他発言する者あり〕

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 議事を進行いたします。私は理事会の決定通りに運営しておりますから、さよう御了承願います。質疑を継続して下さい。田中彰治君。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 私はこの前鳩山総理大臣がここに来られたとき言ったのだが、会計検査院の中にも思わしくないことがある。三十三万八千円余のものが、これは公文書によって会計検査院の接待費に使われておる。その中には鉄道——これは鉄道は別ですけれども、鉄道にもあることは事件になったのだからわかっているでしょう。鉄道、造船あるいはその他にも広がっている。しかし私はきょう申し上げるこの内容を言わなかった。この内容を申し上げるのはちゃんとこういったものを持ってこなければならぬ。御注意だから、御注意をした。そういうことがあったら、あなたはどういう処置をなさいますかと言った。それに対してあなたは、そういうことがあったら調べて、一つ今後ないようにしますと言えば済んだ。ところがあなたは、会計検査院においてはそういうことはございませんと言ったから、僕はある、あなたの名前もこれに載っていますよということを申し上げて、それで打ち切った。その質問に対してあなたの方で反省してもらえば、私の方はやる必要がないのだから、やらなかった。そこで今度の理事会でああいう問題が出たが、僕は一言も言わなかった。私が発言したのは、ほんとうのところに触れておらなかったのだ。ただ鉄道とか、造船とかはほんの一部しかないものだから、その方のものもちょっと出してもらいたい、しかもニューエンパイヤも、鉄道会館問題も、私の委員長時代に手をかけたときの問題なのだから、一応そういうものを資料だけ出してもらいたい、資料をまた私も調べて、あなたの方に言うことがあれば言いますわと言って、実に穏やかに私は済ましておいた。だからそういうことがなければ、これはあなたの方にこういう質問はしない。いいですかね。ところが田中委員の言ったことに対してあなたの方が違うと言われるから、違わないということを反発する前に、これをやらなければならない。またそのときもそうだ。理事会でやるなら、田中委員、この聞こういうことを言われたが、実は君、院長や事務総長を呼んで聞いたら、どうもそういうことはないと言うが、田中委員、君はどういうことを根拠として言われるのかと言えば、私はこういうものを根拠にしてやるんだから、御注意下さいということで済むんです。何も私は会計検査院の古傷を出して喜ぶものじゃない。それが今日のような結果になって、私が材料をここにそろえておったからいいが、そろえなければ、私は全くこれによっていい赤恥をかいて、私のような勝ち気なものは実際代議士を辞職でもしなければいかぬような状態である。  そういう事態になったから申し上げるが、これについてあなたは、今ここで名前から月、日はわかりませんが、その月と年はわかっておるが、もしそういう事実があったとしたら、どんな処置をとりますか。これが一つ。  これは重大な問題であるから、きょうは一つ名前は言わぬで、金額と年と月さえ言ってもらえば、調べた上で回答すると言うなら、許してあげてもいい。しかし今言ってもらいたいというなら、全部ここで話をしようと思う。その御回答を。

東谷伝次郎会計検査院長

○東谷会計検査院長 ただいまの点でございまするが、先ほども申し上げましたように、先般仰せになりました範囲で調べましたことでは、それに該当するものはございませんでしたが、会計検査院で検査報告をしないものがあるのではないかということでいろいろ調べてみましたら、呉の調達庁の不正問題に関係した事項の中に接待費の関係がありまして、その中で氏名のわかっておる者については会計検査院の内部でこれまでに十分注意をいたしまして、将来このようなことがないようにということを厳重に訓戒を与えておるのであります。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 名前を申し上げないでまず申し上げましょう。事件は、呉調達庁における、今あなたは三百三十四万と言われましたが、三百三十四万八千八百二十八円の公金の不正事件です。その使途次の通り。進駐軍の接待費が三十八万七百六十円、手当が百十万八千六百円、局運営協議会に使った接待費が十五万九千百十六円、会計検査院接待費が三十三万八千五百五十五円、本庁関係の接待費が四十四万五千八百八十一円、それに他官庁の関係が十万九千九十八円、内部の関係が三十七万百九十八円、その他が六万六千六百二十円、自動車賃が三十七万円、合計三百三十四万八千八百二十八円、こういう工合になっておる。  そこで今度は、そのうち会計検査院に接待したといって呉調達庁から公文書で提出されているものは、名前は、もし言えと言えば、あとで言いますが、某事務官外二名五万七千円、某事務官外二名七万五百五十五円、某事務官四千八百六十七円、某総長外二名一万四千百四十円、某課長外二名十三万七千三百五十三円、某事務官外三名三万九千九百十円、某副長外四名一万四千六百三十円、合計三十三万八千五百五十五円。そのほかに国鉄と言ったのは、国鉄の事件を起して十万何ぼあるから、国鉄と言ったことも決してうそでない。このほか、そういうものもからんでおれば、ニューエンパイヤもからんでおれば、造船のことも少しある。そういうことを申し上げたのだから、田中彰治の申し上げたことは何もうそはございません。  それから日を言いましょう。一番初めの五万七千円は二十四年、二番目の七万五百五十五円が二十四年の七月、その次の四千八百六十七円が八月、その次の一万四千百四十円が二十四年の十月、その次の十三万七千三百五十三円が二十五年の二月、その次の三万九千九百十円が二十五年の四月、一万四千六百三十円が七月、このほかに名前を申し上げれば確かなんですが、まああなたの関係もございますから名前だけは遠慮しておきましょう。それとも名前も言った方がいいとおっしやるなら、名前も全部申し上げることにいたしましょう。

東谷伝次郎会計検査院長

○東谷会計検査院長 ただいま田中さんからお示しの点でありますが、先ほど御説明いたしましたように、私どもの方では氏名のわかっておりますのは二名だけでありまして、二名につきましては先ほど申しましたように厳重に訓告いたして、自戒するように当時厳重に注意をいたしたのであります。  今お示しのうちで一万四千円というのがございまして、田中さんから某事務総長ということでございました。次いでその一万四千円の関係は二十四年十月だというお話もございました。先ほど私が冒頭に説明いたしましたように、私も呉に視察に参ったのであります。思い起せばやはり私が事務総長であったのであります。そこで先ほど申しましたように接待といいますか、一緒に飯を食べることはかたく断わる所存でございますので、私の宿に局長その他が参りまして一緒に食べたいと言っておったのでありますが断わった。相当断わりましたが、たってお話も聞きたいということでありますので、追い返すことも実はできかねましてやむを得ず食べた、私は一緒に食事をいたしたのであります。そのときの支払いに相当するのが一万四千円かどうかは確認できませんが、日にちの関係からいってそれに相当するかもわからぬと思うのであります。向うが数名おったと思いますが、私どもの方の関係の者は宿料は払っておるのでございます。それならばお前はこれはどう思うのだ、こう仰せになるかと思うのであります。私はやむを得ないで食べた。食事をともにし、自分は自分の食事をとったのでありますが、ともにしたのはよいこととは思っておりません。それで私自身は深く自粛自戒の念に燃えておるのでありまして、今後さようなことのないように、私も気をつけまするが、院内の職員に対しましても——この供応を受けないようにすることがいかにむずかしいかということを、実は私は身をもって痛感しておるのであります。このときにも断わっておるのであります。非礼でも何でも相手を怒らしてもいいから断われということを私は言うのでありますが、このとき私は向うの言葉に負けて一緒に飯を食べたのであります。そういうようなわけでありまして、やむを得ないとはいうものの、よくないことであったと思いますし、将来は十分に注意するつもりでありますし、院内には自粛を強調する所存であります。そういうようなこともなかなかむずかしいことであるし、自分だけが守ろうとしても相手方が、守ることに協力してもらうというと大げさになりますけれども、そういうことを考えまして非常識とすら思えるような文書を相手方に事務総長の名前で出しまして御協力を願っているようなわけでありまして、その点は何とぞ御了承願いたいと思うのでございます。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 私はあなたの人格から申し上げて、別にこれをやられたから職責を曲げたとも思いませんし、またあなたがそれを出せと要求されたとも思いませんが、一応会計検査院だとか検事だとか警察官を誘惑するには、断わるやつを無理にやるということ、これは私もわかっている。だから私は言わなかったけれども、私の御忠告に対して遺憾の意を表して、調べてみますとかなんとか言ってくれればいいのですが、それをあなたの方ではそういうことはありませんというと、私はそれはあるじゃないかと言わなくてはならない結果が今日出てきておる。私もこれではいかぬと思っている。しかしこれによって事務を曲げられたわけではないでしょうが、昭和二十四年の十月の一万四千百四十円といえば相当な飲食費であって、今のような物価が高いときでも、一人千円か千五百円出せば酒の二本くらい飲んでちょっとくらい食って、百円か二百円の折くらい持って帰れる。昭和二十四年の時代にこれだから、人が変に思ってこういうものを公文書に書いて出したと思うのです。  もう一つ申し上げますが、私は名前を言うのはやめましょう。名前はこの通り何十人と載っておる。私の方は決して虚偽のことを言っておらない。また院長が先ほど言われるように、田中君の言ったことは調べてみたら、どうも、なかろうかと言うけれども、私もばかではございますけれども、新潟県の選挙のたびに、十五人の代議士の中で最高点で四回も出してもらっておるのですから、そんないいかげんなことを申し上げるようなことはいたしません。どうかこの点を一つ御注意申し上げる。今日はそれでは名前を発表するのはやめましょう。今後注意して下さい。私の言ったことに間違いない。ニューエンパイヤは田中彰治が手をかけたときに、あとに回ってそういうことをされ、国鉄を調べているとき、やはりそういう刑事事件が起り、造船にもちょっとありましたが、これは大きな問題ではございませんから申し上げません。そういうようなことがあるのです。会計検査院にも不正があるのが当然であって、ないのが不思議だと思う。千何百人もいるのですから、会計検査院の中にも間違いはある、あってあたりまえ。ところがいつの批難事項を見ても出ていない。各官庁はここにきて全部やられてひどい目に合うが、会計検査院は少しも批難事項がないということはおかしいというあらゆる方面からの声があるから、ちょっと御忠告申し上げたのであって、何も私がこれを追究してどうしよう、こうしようという、きたない考えは持っておりません。むしろこういう御忠告を申し上げて、今後していただかないように、これをよくやっていただくことはけっこうなんですから、私はもうこれ以上申し上げません。一応私の申し上げたことについては、日も月も金額も、ぴしゃっと円まで出しておるのでございますから、間違いのないことを田中彰治がやったのだということをあなたの方で御記憶されればけっこうです。これで私はやめます。

東谷伝次郎会計検査院長

○東谷会計検査院長 ただいま田中さんからお話がございましたが、先ほど申しましたように、二十四年十月の分は多分そうだと思いますので、私はやむを得なかったことではあるがよくないと思っております。でありますから将来は十分に注意するつもりでおります。  なおただいま会計検査院の検査事項というものがないじゃないかということでありまして、この点は私一応釈明させていただきたいと思うのであります。会計検査院の予算は四億内外のものでございましてその大部分は人件費であります。それから出張旅費が四千万円ばかりあるのであります。物件費というものはごくわすかであります。わずかでありますが、今お話のように会計法そのものを守っていくことはなかなかむずかしいのでございます。そこで私が事務総長でありましたときでも、たとえて申しますれば、計算証明というものを月末に出せということでございますが、各庁はこれを実行しているところがあまりないのであります。そして会計検査院を調べて見ると、ようやく翌月の月半ばに出すようなことでありますので、それでは遠くのところは来ないのが当りまえだから、会計検査院はすぐにでも出すようにということで私は督励いたしまして、計算証明も廊下一つ隔てて行けるのでありますから、直ちに会計検査院は提出させております。なお物品の検査などは、毎日でもいいから会計検査院の実地検査をしなければならぬということを検査担当の課に申しつけてあります。ただいまの事務総長もそういうことを言明しておるのでありまして、いつごらんを願ってもよろしいのでありますが、私どもの倉庫にお入りになってごらんになりますと、秩序整然として出し入れがきちっと合っております。どこの役所の方が来られて、会計検査院の倉庫をちょっと見せてくれ、物品出納簿等の照合関係を見せてくれというときでも、模範的でなければならぬということで終始それを実行させておるのであります。その他の支出の状況においてもしかりであります。従いまして、会計検査院には幸いに検査事項はないのでありますから、その点は何とぞ御了承願いたいと思うのでございます。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 それは旅費も少いし、またいろいろ不便の点もありますから、そういう点はできるできないは別として努力もいたし、また皆さんも十分に仕事ができるようにしなければならぬ、これはわれわれも痛感しております。しかし千何百人もおって批難事項がないということはけっこうなことです。けれども一般の役所は、あなたが言われる通り監察員を置いて一生懸命やっていて、あれだけの批難事項が出てくるのに、会計検査院だけがどうしてないのだろうということになって、一応そういうことについてお聞きするのは、われわれに与えられた責任だから、お聞きするのは当然である。また今後、われわれだって過失があるかもしれません。またあなた方の過失もあるかもしれない。そういうときにわれわれが、あなたこういうことがありますよと言うのですから、あなた方もよくそれをお聞きになって、そうしてお調べになって、こういうことがあったら今後注意すると言われれば、何も委員会であなた方を調べていかなければならぬということはないのです。しかしこのごろは御承知のように、裁判所でも、裁判官でもああいう工合に国会が委員会を設けてやっておりますし、われわれも一つの監督のもとに押えられているのと同じことで、こういう立場にある者は、やはりそういう事実があれば正直に申し上げてやるというのが当然なことです。別に私に会計検査院の方に対して私怨もなければ何もないのです。だだ私は今日こういう波乱が起きたのは——こういうことをやるときには委員長ももう少しりっぱな運営をしてもらいたい。田中君、君は会計検査院にこういうことを言っておるが、調べたらないじゃないか、どういうものを持っておるのか、ちょっと見せろと言われれば私は委員長に見せますよ。——これで終ります。

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 委員長の運営の仕方がまずいからそういう結果になったということは、事実を指摘して下さい。どういうことですか。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 私は会計検査院のこういう確実な証拠を持っている。

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 私は出しておりませんよ。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 あなたはなぜ出さないのですか。そんなことで委員長が勤まりますか。

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 質疑を継続いたします。吉田賢一君。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 ただいまの田中君の御質問の呉の案件でありますが、これについてもう少しはっきりしたい点があるのでありますが、これは呉の調達局でありますか、特別調達局といいましたか、それが検査の対象になった役所であります。そこで調達局長ほか数名と会食なすったというあなたの御答弁でありますね。そこで調達局が検査の対象になっておる場合に、調達局長ほか数名で、一番おもな人が調達局長であるというのであれば、やはり相当穏当を欠くと思います。その点はどういうふうにお考えになったのでありましょうか。

東谷伝次郎会計検査院長

○東谷会計検査院長 今お示しのように、これは調達局でありまして、そこの長は調達局長であります。それで当時私視察に参りまして、調達局、それから国有財産の関係の財務局とか、いろいろ呉に集中しておりますものを幾つか視察いたしたのであります。時間の関係で呉に泊りまして、そのときに数名の者が来て一緒に食べたいというので食事をした記憶があります。それが調達局長ほか数名であったか、あるいはほかの方々であったのか、それははっきり覚えておりませんが、これは調達局の関係でありますので、調達局関係とこう申し上げました。調達局の関係の人が数名——あるいは調達局でない人があったかもしれません。その人については七年前のことでありますのではっきり覚えておりません。しかし調達局の人がおったということは確かのように思っております。局長であったかどうかはわかりません。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 どうも私自身にこれについての資料がございませんので十分に伺えませんが、あなたの方の検査院といたしましては、検査で地方に出張されたときの最近の事例をお述べ願うより仕方がないと思いますが、関連いたしますので当時のことにさかのぼっていただいてもけっこうであります。そこで、この地方における検査出張員もしくは検査院の視察された方の食費関係、会食関係というものは、これはワクとか規定とか方針とか、何か輪郭がなければなるまいと思います。その辺についてはどういうふうな御方針とかあるいは規定があることになっておりますか。

東谷伝次郎会計検査院長

○東谷会計検査院長 あるいはちょっと御質問の趣旨を間違えて御説明するかもしれませんが、ワクと申しますか、御案内のように公務員は、日当、宿泊料をもらって出張いたすのであります。従って食事は日当から出し、宿泊料は宿泊料の中から出すのでございます。会計検査院としては現在の旅費額が非常に少いことを考えまして、特に各方面に指定旅館というものを作りまして、旅費の範囲で泊れるように協定をいたしておるのであります。その額ははっきり覚えておりませんが、七百円内外だと思います。それで公務員の宿泊料は最下級が七百五十円になっておりますので、それで支払える程度に指定旅館を定めてなるべくそこに泊ってもらう。それのないとこで非現業その他の寮があるところは寮に泊る。寮に泊ればそれよりも安いということになっておるのであります。これで答弁になりましたかどうかわかりませんが、そういうような状況でございます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 これはすでに七年も前のことでありますから、そのときのことをいろいろと追及していくことは、あなたの記憶もはっきりしないのでいかがと思いますけれども、いずれにしても刑事事件になったような案件であるならば、やはりだれと会食したかというおもな名前くらいはお覚えになっておらなくちゃなるまいと思います。ことにあなたの方として戒告をしたものもおありのことでありますから、調達局の局長であったか、呉の財務局長であったか等々について、はっきりしないということはどうも遺憾に思います。しかし古いことでありますので、私はこれ以上ここで掘り下げていこうとは思いませんけれども、いずれにいたしましても、やはり会食ということが国費乱脈の糸口になっておるということは、これは各省庁の乱費の実情に徴しまして、あまりにも顕著なことでございます。でありますから、そこらについて——七百五十円が多いのか少いのか、これは別といたしまして、もっと何かしゃんとしたけじめがあって、共同で食うこと、食って悪いこと等々については、これはほかの官庁と比較しまして、格段の厳格さがなければならぬと私は思うのです。ただし人間ですから、飢えさすようなこともできませんので、それならそれでまた別の方途を講ずることは、これは別問題でございます。裁判官がやみ米を買うことが良心的にできなくて飢え死にしたというような実例も戦後あるのでございます。そういうような非常に高い道徳的な良心生活をした人もあって、日本の裁判制度が今日維持されてきておるのであります。しかしそのうちでもやはり最近の事例によれば、裁判官の堕落事件が出たりして世上伝えられておるのでございますので、あなたの方としても、国費の乱脈を防ぐということが最大のねらいである検査院であって、その糸口が会食であるということに思い至りますと、会食関係ということは犯罪の入口であるというくらいに、私はきわめて厳格な考え方で臨まなければなるまい、こう思うのであります。もうすでに七年も前でありまするから、今私もあまりとやかく言いたくございませんけれども、いずれにしても、どうも人間の名前まではっきりしないということはいかがかと思うのです。それはほんとうに五年たっても十年たっても、あなたが検査院に職を奉じていなさる間は忘れることのできない、一つのいやな印象でなければならない。あるいは調達局長だれそれだれそれ、何人の人間であったというくらいは、即座にぴんと確答できるというのが本来でなければならぬと思うのであります。そういう意味において、そこがぼやっとしておることは、非常に遺憾なのであります。そこで伺った次第なのであります。  そこで、それはそのくらいにしまして、さらに聞いてみたいのであります。これも私自身資料を持っておりませんので、真偽のほどはわかりませんが、伝えられるところによると、地方の副知事とかそういうものが、あるいは遠方まで汽車で出迎えに来るというようなことがあるとかないとか伝えられるのであります。うそであれば大へんけっこうなのであります。ほんとうであれば大へんなことであります。そういうようなことがあり得るのかどうか。ほんとうであればほんとうに大へんなんです。そもそもそういうことは世上だれ一人、普通なら考えられないことでございます。そういう辺については一体どういうふうになっておるのでありましょうか。

東谷伝次郎会計検査院長

○東谷会計検査院長 ただいま吉田さんからお話でありますが、実は初めのお言葉は、私が言わなくちゃならぬことを仰せになった気持がいたすのでありまして、はらわたをえぐられるような気持がするのであります。私どもの職責は、お示しのように血税の行方を探究しまして、血税をして安住せしめるということであるのでありまして、それが宴会費とか饗応費に使用されるということは、とうてい許すべからざるところであるのであります。ただいまの氏名がわからぬということで、お尋ねでもありませんでしたけれども、ちょっと申し上げてみますが、実はこれが昭和二十三、四年のことが昭和二十六、七年に検察庁で調べられたのでありますが、当時会計検査院の者で一人も調べられた者はもちろんございません。事件そのものは不起訴になったのでありまして、その当時、私どもの調べる範囲でわかった者は、先ほど申しましたように厳重訓戒を与えたのでございます。  それから、ただいまの副知事さんが出迎えるということでありますが、実は私どもが、と言ってははなはだ言葉が過ぎるのでありますが、私など参りましても、ついぞ副知事その他の者に遠くまで出迎えを受けたという記憶がないのでありまして、新聞には、どの新聞かにあったように私も先般読んだのでありますが、これは私はないと断言してよろしいんじゃないかと思っております。私に関する限りは記憶もございません。その新聞記事を見て話し合ったのでありますが、どうもそういうことに出くわした人はないように聞き及んでおるのでございます。またそういうことがあってはならぬと思っております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 具体的にご説明になりました二十八年度の長野県の事件でありますが、これは総計三十九万五千円ですか、支払われておるのでございます。これもやはりどういう原因でこんなになったか、実に奇怪に思うのでございます。これはあなたの方は八人行かれて三万四千円支払いをなし、県の役人が延べ二百九十人で何がしかをお払いになった、こういうことになっておるのでありますが、これはもう少し具体的に述べてもらわぬとはっきりしないのであります。検査院が延べ六十八人、県の役人が延べ二百九十人、こういうようなことはどうしてこんなになるのでありましょうか。もう少し具体的に述べていただきたい。これは院長でなくても、総長からでもいいんですが……。

東谷伝次郎会計検査院長

○東谷会計検査院長 実は検査に参ります場合には、検査を受ける者と検査をする者、すなわち会計検査院と相手方と、なるべくといいますか、同じ宿に泊らないようにということは指示して、実行さしておるのであります。まあその方が検査するのにも都合がよろしゅうございますし、そうすべきであるというふうに私ども考えております。ところが長野県のこの場合におきましては、宿もそうたくさんないところでありますし、結局南北に分れて、たしか二組行っておったと思うのでありますが、同宿する場合が多かったのであります。そうなりますと、やってはいけない会計を一緒にして支払うというようなことに相なりました関係で、お互いに延べの部分を出しておるわけでありまして、検査院関係が延べ六十八人、長野県の県庁の関係が二百九十名という関係になったのでありまして、結局同じ宿に泊っておるものですから、そういうことになった関係だと思っております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 これは何ですか、同じ宿に泊って、ただし別々に食事をして、別々に宿泊をして、別々に勘定をして、六十八人三万四千円は別、二百九十人の県の役人は別、別勘定が二つあったというのでありますか。そうでなしに、ごっちゃにした、込みの勘定でこれだけお支払いになったのか、それはどっちですか。

東谷伝次郎会計検査院長

○東谷会計検査院長 ちょっと事務総長から説明いたさせます。

池田直会計検査院事務総長

○池田会計検査院説明員 ただいまの吉田委員の御質問に対して、私から少し詳しく御説明申し上げたいと思います。  御意見ごもっともに存じます。長野県の場合の実地検査の際に要しました宿泊料等の経費はお手元に差し上げてございますが、二十八年の八月十七日から二十五日までの間、会計検査院側といたしましては農地関係四名、林道関係四名の二班が時を同じゅうして参りました。長野県は御承知の通り南信、北信両域にまたがりまして非常に広い県でございます。しかも交通も必ずしも十分に便利ではございません。そうした関係で、県庁の所在地から検査現場、検査現場と申しますれば農地関係全域にわたりましたので、相当へんぴなところにも参ります、農地関係でございますから災害復旧等の工事費の補助でございますので。従いまして長野県なら長野県の県庁所在地に始終日帰りができますれば便利だったわけでありますが、それができなかったわけであります。もう一班の林道関係になりますと、さらに長野県の全域にわたりまして林道をかきわけて工事の検査に参るのでありますが、今申しましたような事情で、長野県庁から日帰りで検査を済ますことはとうていできないことでございます。それから検査現場の個所数が相当多い。そうした関係で、実地検査は毎日朝早くから夜おそくまで勉強しますので、県側の説明者がかなり多くついて来ます。そうした関係で県側の同行者も立ち会いのためにたくさん出かけるわけであります。  それから宿泊関係でございます。これはただいま申し上げましたような次第で、県側の立ち会いの説明官が余儀ない必要な関係で、県側の人も相当宿泊するということになります。そうしますと私どもの関係の経費と県側の経費の支払い関係、これは判然と分離することが最も必要なのでございます。できれば当然旅館を別にすべきでございます。ところが長野県の特殊な事情で、これだけの人間が参りますと——県側の説明官、私どもの方の出張官との間の連絡その他の関係で、やはりなるたけ県側の人も近いところに泊る必要がある。それにへんぴなところを回りますと、県側の人とあるいは検査院側の泊る宿泊施設と二つ分離することは適当でない。そうした関係で自然同じ宿に泊った。こういう関係で、今考えますと非常に遺憾なことでありますが、そういう次第でこうなった次第でございます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 宿が少いので同じ宿で泊った場合におきましても、やはり同じ床の中へ一緒に入ったわけではないのでありますから、これはきついようでありますけれども、別に支払うというのが当然ではないであろうか。また共同宿泊がやむを得ないというようなときには、やはり相当厳重に指導方針を持って臨まれる必要があるのではないか。大体共同宿泊をするというようなことは、万やむを得ざる場合共同宿泊になっても、支払いは別にする。それがなしにごっちゃに食うたということになると、御承知の通りいなかの人はみんな酒も飲むのでありますから、一ぱいともに飲む。ともに飲めば気持もゆるむ。気持がゆるめば検査もできない、こういうことになりがちでありますから、やはりこういうような案件は、宿泊についての規制が厳重に行われていなかったことの結果であると思うのであります。ただし長野県側においてはどういうようなつもりでこれだけの莫大な金を使ったかわかりませんけれども、やはりいなかの県でありまするから——大県といえども宿料として払う三十万円をこえる支払いというようなものは相当の支出でなければなりません。検査のために協力するという意味におきましても、これは大きな支払いになりまするので、私はこの案件は長野側におきましても相当よくなかった例ではないであろうかと推測するのであります。御説明にずっと詳しくなっておりませんので、その詳しい事実経過ははっきりいたしませんけれども、いずれにしましても、不便とはいえ同宿したということ、大きな金を使ったということはいなめませんので、これは質問する側がまことに遺憾に思う次第であります。  そこで宿泊等については、検査院といたしまして、たとえば山の中へ行って公共事業、林道その他を実地検査なんかするときには、事実上はあるいはわらじきゃはんというようなこともあろうし、反面から検査に出て行く出先の人を思うと、今おっしゃった食費が七百五十円ですか、それからその他の旅費はどのくらいついておるかはっきりいたしませんけれども、いずれにしても非常に疲労するような作業が継続されるんじゃないかと思うのであります。ことにコンクリを割るような実地検査になりますると、私は相当な労力も要ると思うが、そういう場合の宿泊とか食費とかいうようなものについては、これらの作業に当る人が経済的に何の顧慮をしなくてもいいような方法は講ぜられないものであろうか。こういうと、これはまた別の予算関係になってくるのかもしれませんけれども、何かその辺が無理をしておるんじゃないだろうかという感じがせぬではないのであります。これは東京あたりの本省から地方べ汽車に乗って行って机の上で仕事をするのとはだいぶん違いますから、そういう重労働に従事する給与関係はどういうふうになるんだろうか。これがまた一つの共同宿泊になり、ごっちゃな飲み食いをするということの誘因になるのでないだろうか、こういうふうに思うのですが、その点はどういうふうになっておるのでありましょうか。   〔委員長退席、片島委員長代理着   席〕

池田直会計検査院事務総長

○池田会計検査院説明員 お答え申し上げます。まず同宿したことが悪い、かりに同宿がやむを得なかった場合には、会計を厳重に分離してすることが必要だ、御趣旨はごもっともでございます。私どもといたしましてもそうした指導で、またそういった気持でやっておったわけなのでございますが、たまたま長野県の特殊事情もあったにせよ、こうしたことをでかしたことははなはだ残念と思っております。私の方も今お話のように、会計だけは必ず分離しろ、また分離する決意でやっております。農地関係、林道関係等は、特殊な事情ということを申し上げるのははなはだ恐縮でございますけれども、一日のうちに朝早く起きまして夕方相当おそくまで非常なべんぴなところを特別の作業衣を着ましてきゃはんがけで参るのでございます。そうして現金なんかも、必ず自分で直接払うべきでありまするので持って行けと言いますけれども、そうした事情でございまするので、あるいはうっかりすると川の中なんかにも入って、護岸の工事がよくできておるかどうかということも見たりします関係で、つい会計を分離するのに不便だったというようなことも言っておりました。その点は釈明みたいでございますので、私からもうこれ以上申し上げませんが、将来はそんなことが絶対ないように考えております。長野県の場合は特に特殊の事情で、私の方も遺憾ではございますが、そういう事情でございます。  なお第二の関係でございますが、こうした場合に、今国家公務員の宿泊料、旅費、これが相当安いのではないか、何か対策を講ずべきだ、そうしなければやはりこうした無理が出がちな感じがする、これはごもっともでございます。先ほど会計検査院長から旅費のことも一応御説明がありました通りに、宿泊料が七百五十円、こういうようなことになっております。少し上の方でも大体八百円でやっていく、こういうことになっておるわけでございます。そこで長野県の場合、今お話の通りはなはだ残念でございますが、私どもといたしましても、国家公務員の宿泊料等につきましても、やはり無理がいかないようにあることが望ましいと思っております。戦前の旅費でありましたら、当時の物価事情に比べまして、全然宿ということに心配はありませんでした。しかし今日は私から申し上げるまでもないような事情になっておる次第でございますが、会計検査院といたしましても、特別の職責を持っておりまして、一般の公務員に比べて特別厳正なる態度で臨むべきことは、先ほど来お示しの通りでございますので、そんなつもりでやる上に何らか特別の旅費等もやはり必要ではないかということも、決算委員会の皆様方からたびたびお伺いしたような次第でございます。しかしやはり国家公務員として働いております以上、他の公務員に比較しまして特にあつい旅費ということも簡単にはできない次第でございますが、会計検査院の職員といたしましても、できるならほかの公務員と同様に、やはり相当の、無理のない宿泊料等もいただけるようにいたしたい、こういうようなつもりで努力いたしておるような次第でございます。

神近市子日本社会党

○神近委員 関連して。これは私だけが知らないのかもしれないので、少し気がさすのですが、検査をなさるときには、抜き打ちになさいますか、それとも前もって何月何日はどこをやるというような予定を発表なさいましてなさるのでしょうか。副知事が汽車の中までお仰えに来るというようなことを考えると、事前にそれが通告されているとも考えられます。私どもが知っている限りでは、よく東京都内なんかで手入れが行われるが、あれは抜き打ちにやろうというような気持でやるようですけれども、必ずそれが事前に漏れて、つくろわれた真実を見せるという結果になっているのです。だから、もし会計検査院の旅程とかあるいはどこからどこをやるということが事前に漏れれば、やはり同じような工作が行われているのではないかというふうに考えられます。これは私だけが知らないのかもしれないので、ちょっと気がさすのですが、ちょっと承わっておきたい。   〔片島委員長代理退席、委員長着席〕

東谷伝次郎会計検査院長

○東谷会計検査院長 ただいまの御質問でございますが、二十二年までの会計検査院では、抜き打ちはできないことになっております。要するに帝国憲法から引きました会計検査院法では、抜き打ちはできない、あらかじめ通知していくということになっておったのであります。ところが今お示しのように、それでは思うような検査ができないことが間々ありますので、二十二年に会計検査院法を全面改正をいたします時分に、予告しなくても行けるというようにいたしましたので、現在は予告しないでも行けるのであります。しかし大きな役所に行きます場合は、一応予告して書類を整えさせておくということも、私どもの検査上必要でありますので、まずパーセンテージからいえば、半分以上といいますか、多くの場合は予告して会計検査に参ります。それから物品の検査でありますとかあるいは現金の検査であるというようなものは、抜き打ち的に検査に参ります。それからなお補助工事などで各県で非常にたくさん工事をやっておりますのは、県側には補助工事で検査に行くということは予告いたしますが、どことどこを検査するということは向うへ行きまして、その日にきめてその日に参る、一種の抜き打ち的な検査をやっておりますが、今の御質問に対しては、抜き打ち的な検査の方がパーセンテージとしては少いのであります。ただ予告して行くから副知事さんが迎えに出るということには私ども考えてないので、どうも記事にはございますけれども、私自身会ったことはございませんので、それはないと思っておるのでございます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 それから一般官庁におきまして私どもしばしば見るのでありますが、東京へ陳情に参ります地方公務員あるいは各種団体の代表者、そういう人が各行政官庁に参りますと、大小手みやげを持ってくるということが今なお行われておるのであります。これはあなた方もよく御承知と思います。私どもは不思議に思うのですけれども、平気でやりとりをしておるのが実情であります。これはやはり厳格に取り締らなくちゃならぬと思うのでございまして、この委員会におきましても各省庁の責任者に来てもらったときに、こういったこともしばしば述べたことがあるのであります。そこでそういうような弊風が今日公然と行われておるという実情にかんがみますると、地方の検査を受ける団体とかあるいは公共団体とか官庁等におきましても、やはりみやげというものがつきまとうのじゃないかということを実は案ずるのであります。みやげはまあこれが社交の範囲であればよろしいけれども、社交の範囲でよいとしておるというと、その線を越えてしまうので問題が起るのであります。会食でも同じことであります、コーヒー一ぱいも社交であるが、山海の珍味も社交だということを言う人があるのであります。そこてみやげの問題でありますが、検査員が全国をまたにかけて行かれると声に、みやげを出されるということがやはり私はあると思うのです。これについて、あればその実情、あった場合にはどうなさるのか、どういうふうにしておられるのか、これはぜひはっきりしておきたいと思います。

東谷伝次郎会計検査院長

○東谷会計検査院長 ただいまのお言葉でありますが、みやげ物をもらってくることはいけないというふうに私どもは考えております。そこで以前もそうでありましたが、ことしの二月十一日に出しました部内通牒におきましても、御案内の通りでありますが、総長命でもって事こまかにみやげをもらってきてはいけないという一字句を加えてあるのであります。先ほども申しましたが、宴会は受けない、みやげ物はもらって帰らぬ、そういう覚悟で出張いたしましても、ただいまお話のように、相手方の方はみやげ物を出すのが慣例であるというふうなことがあるようでありまして、よく出すのであります。そこで相手方の方にぶしつけな話でございますが、総長命で会計検査員が行って書類などを作らせて迷惑をかける上に、さらに供応とかその他の御迷惑をかけてはいかぬから、部内の者にはよく言ってあるから、どうぞ御協力願いたい、そして別紙の通り部内には通達してあるから、ごらんの上お願いしますというので、別紙にはみやげものをもらっていけないというようなことを書いて、県知事とかあるいは各省の事務次官にお願いをしておるのでありまして、みやげものをもらってくることは禁止をいたしております。しかしたまにもらってきた場合がありますと、これもぶしつけではありますが送り返さしておるのであります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 これは、他の例をあげますと裁判官の例であります。私は非常に高い規律からお尋ねしておりますので、そういうふうに御理解願いたいのであります。裁判官が調査のため地方に出張いたしますが、しかし裁判官がみやげをもらって帰ったということは絶無でありまして、裁判官はみやげなんかとらぬものだということになっておるのであります。あなたも長い官界生活のうちで、おそらく裁判官がみやげを持って帰ったという例など聞いたことがないと思う。今日、裁判官が地方に出張に出た場合にみやげものを持って帰るべからずなんていうことを、最高裁判所が地方の下級裁判所に通達でもすれば、それは噴飯ものであります。ここです。会計検査院が通達を出してみやげをもらうべからずというようなこと、またやってくれるなというようなことは、私は今日では論外にしていただかなければならぬと思うのです。当然のことで、そんなことを今さら通達なんて問題じゃないのだというふうになるべきじゃないかと思う。それを、綱紀の厳正を維持する上においてあえて文書で通達を出すというようなことは、やはりいろいろと世評を受けることは当然であります。一言もそういうものは出さない、しかしその事実があれば断固として馬謖を切る、私はこれがほんとうじゃないかと思う。また通達というものは、出せば出すほどばかにされてしまうものです。これは、何ぼかあるから通達を出すということになるのです。ですから、そういうことがたとい何万のうちの一つであっても、私はこれを見のがすことはできない。その事実を通して、実行においてこれをとめてしまうというような措置がほんとうだと思うのです。毎年こういう通達を部下に出したり官庁に出したりしておるということを聞くのでありますけれども、そもそもこれはそういうものじゃないと思うのであります。あなたの方としては、そういうことは絶対にすべきではないのであります。事実があればそれを指摘して、どんなに手塩にかけたかわいい部下といえども、これは会計検査院のためじゃないのです。会計検査院が千数百名の職員をもって重要な国家財政の粛正に当っておられる、これは日本のためなんです。あなたはたまたま院長として最高首脳部にあり、その者はたまたまあなたの部下なんです。日本の会計検査院が行政官庁に独立しておるというゆえんのものは、一切に独立しなければならぬというゆえなのであります。国会といえども、裁判所の裁判の進行に関与はできないのでありまして、そのゆえんのものは司法の独立を全うせんとするためであります。ですから、最高裁判所が部下にこういう通達でも出すということであるならば、おそらく裁判官会議で問題になりますよ。少くとも裁判所というものは、その程度のものを維持しております。ですから酔っぱらって裁判したというだけで、和歌山の裁判所の裁判官は、六十一歳になって、みずから辞職したのだから、恩給は棒にふっていないのでありますけれども、直ちに辞職してしまっております。綱紀を厳正に維持するということはここであります。ですからあなたの方としても、新生活運動に同調するなんて、そんななまぬるいことで綱紀の維持ができるものじゃありません。それはぶった切ってしまわなければいけません。私どもはそう思います。私もこんなことを言いたくありません。われわれも国会の立場において財政の粛正を念願しておるのであります。あなた方の本来のお立場も、財政の粛正のための尊い仕事に当っておられる。こういった同じ立場にありながら、こんなことを言いたくありません。けれどもみやげものをもらってはいかぬ、やってくれるな、そんな中途半端ななまぬるいことをやっておられるから、こんな問題が起ってくるのです。そういうものは、絶対に事実によって示してもらわなければいかぬと思います。院長、どういう決意をもって臨んでいかれますか。

東谷伝次郎会計検査院長

○東谷会計検査院長 ただいま御指摘の通りに私も考えております。ただ通達を出しましたことは、新しい職員がおりますので、新しい職員に言い聞かせ、それを実行さすために、外の協力も求めようというのでございましたが、今のお話を聞きまして、私もそのように考えております。やはり禁令に反してみやげものを持って帰ることがあれば、断固とした措置をとらなければならぬと考えております。今後それを実行したいと思っております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 たとえば千円のみやげものを持って帰ったときに、それを返品するというようなこと自体が間違っております。そのときには、そのみやげを出したところの役所の最高の首脳部と交渉しなさいよ、なぜこんなことをしたのか。たとえば農林省の方の出先機関が検査を受けて、地方の名産だからといって千円のみやげを出した、それならば農林大臣に談判なさい、そうして綱紀の粛正をはからせなさい。そうしてあなたの千五百名の部下にそれをみせしめにしなさい。私はそこまでいかなければいかんと思う。返したからそれで済むというような、そんな問題じゃないのであります。でありますから、これはもう実に絶好の機会であります。これらの問題に対する院としての考え方を根本的に立て直していかなければならぬと思います。でありますから、まあまあこのぐらいというようなことではいけません。また新入の職員であろうと何であろうと、そもそも検査院に奉職しようという者は、奉職せんとするその日から、厳然としてその規律に服していくと約束して入っておるはずであります。禅坊主は禅寺に入ったときに、一週間も十日も土下座さしてすわらせておく。そのくらいの決心を持って今日の検査院に入るのでなければ、検査院の仕事は勤まりません。それで新入の職員だから訓辞しなければならぬ、世間で新生活運動をしておるからそれに同調させなければならぬ。そんなぬるま湯に入っておるようなことではいけません。ほんとうに一切をささげていくという気魄に満ちた人で検査院は構成しなければならぬと思う。しからば新入の職員であろうと古い職員であろうと、これらの点につきましては、もう同列に厳然として臨んでいかなければならぬと思うのであります。これは繰り返しになりますから、もう御答弁は要りませんが、新生活運動に同調するとか、新職員にこれを示すとか、相手方に同調を求めるとか、それはいけません。それはもう絶対に検査院のとる態度じゃありません。普通の行政官庁の態度です。そういうことであるならば、国会に検査院を属さしめなければいけません。そういうことであるならば、普通の行政官庁と同列に置かなければいけません。行政府から独立する以上は、行政府に対して厳然とせねばいけません。たとい末端の小役人があなたの方にわいろを提供しましても、政府の最高の責任者に向って談判しなさい。そのくらいな厳然たる態度を持っておるのでなければ検査院の重責は勤まりません。今日は非常に重大な時期でありまするので、これらに対する考え方は根本的に徹底していただかなければならぬと思います。声を励まして申し上げるゆえんはそこにあるのであります。一々裁判所を例にとってまことに恐縮でありますけれども、裁判所があんなつまらぬ事件をあっちこっちに起しても裁判官としてひんしゅくしております。私の友人の裁判官にこの間会ったときもそうでありました。山口県の事件あるいは和歌山県の事件なんかも身近に感じたごとくに彼は嘆いておるのであります。私は今日の検査院にはそういうような気持がほんとうにみなぎっておらなければならぬと思うのであります。そういう趣旨におきまして、お言葉につきましてはまことに食い足りないんです。私はどうしてもあなたにほんとうに強い決意を持って臨んでもらわなければならぬと思います。なお一言ごれに対する御所見を伺っておきます。

東谷伝次郎会計検査院長

○東谷会計検査院長 ただいまの御意見まことに身命に徹するものがあるのでありまして、その通りに実行いたしたいと存じております。ただ先ほど禁令を犯してみやげものをもらって帰ったときに返せばいいというふうに私が申したとすれば、それは私の言葉が足りぬのでありまして、返さすと同時に厳重に訓告を与えまして、将来こういうことのないようにということはいたしております。そのときに泣いて馬謖を切るというところまでは行っておりません。それは今後よく考えましてお言葉の趣旨をも体しまして措置いたしたいと存じております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 あなたの方は普通の行政官庁以上の厳重な服務規律があってしかるべきものと私は信じております。そこであなたの方としましては、各省庁に何らかの通達を出して同調を求めるというようなときには、そんな中途半端なことをなさらぬことです。そうして直ちに総理大臣に向ってなさい。行政の首脳部は閣議でありまして、閣議の首長は総理大臣でありますから、総理大臣に向ってそれを要請する。そうしてこの点について同調を求めるというようなことは要らぬことです。そういう要らぬことをなさるというのは、そもそも出発点において認識が足りないところがあるんじゃないかと思うのであります。多く申しませんけれども、これらは非常に重大な、基本的な態度でありまするから申し上げた次第であります。

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 次に山田長司君に発言を許します。山田長司君。

山田長司日本社会党

○山田委員 先ほどから同僚の田中委員及び吉田委員より強い要請がありますので、私からお伺いすることもどうかと思いますが、二、三お伺いしておきたいと思うんです。実は今月の五日の日の読売新聞の記事についてでありますが、この読売新聞の記事に出ていた問題につきまして、吉田委員から先ほど質問された内容にも触れてくるのでありますが、あなたの方に千数百名の職員がいることから、あなたの方で微に入り細にわたった忠告を職員にしたということから、会計検査院もかくのごときものを出さなければ会計検査院当局が収拾がつかなくなってしまっているのではないかというように、国民に対する印象というものが非常に悪いのです。このことにつきましては吉田委員から今質問されましたから、私はとやかくこれ以上触れることを避けますけれども、一つ伺いたいことは、あなたの方の職員というよりは会計検査院長をした人、佐藤基さんが東京都の副知事に入っておったり、あるいは鉄道会館の会計の監査をやっておったり、あるいは日本交通公社に監査で入っておったりして、これが会計検査をやる上においては、かなり精神的にも、あなた方を初めあなた方の部下においても支障を来たすと思うのです。こういう点について会計検査院当局しかもあなたの立場でこれらの場所の検査をするときにどういうふうな訓示をしてお臨みになられるものか心構えを伺っておきたいと思います。

東谷伝次郎会計検査院長

○東谷会計検査院長 お答えいたします。私の前任者の佐藤君が今お話のように東京都の副知事になっております。これはどういう事情で副知事になられたか実は私は一向存じておらないのでありまして、各方面の要請でなったのだと思っておりますが、それに対してお前はどう思うかということの感じはここで申し上げることを差し控えたいと思っております。第二の、下岡君が鉄道会館の監査役かになっておりますが、これはなるほど会計検査院に検査官をしておりましたが、その前身が日本銀行に長くずっと三十年ばかり勤めて日本銀行の理事をした人でありまするので、私もどういうわけで行かれたかということははっきり存じませんが、なんでも伝え聞くところによりますと、財界といいますか、日本銀行出身であるからというので入ったのだということであります。これは真偽はよく存じません。それから日本交通公社に今から八、九年前にやめました近藤という人が監査役に入っております。これもどういう事情でしたかはっきり記憶いたしておりません。それで検査をするときに差しつかえになるのではないかということでありますが、東京都の検査も全面的ではございませんが、補助工事の面は見ることになっております。鉄道会館の方は直接には検査の対象になっておりません。それから日本交通公社も直接の検査の対象になっておりませんが、検査の関係のところに先輩が行っておる場合は検査がしにくいだろう、一応そういうふうに考えられないこともないのでありまするが、そういう人たちのおるところへ行く場合には、私もそうでありまするが、局長なり総長から十二分に、そういうことを全然容赦する必要はないから厳重に検査しなさい、公平に厳正に検査しなくちゃならぬということはそのつど言い聞かしておるのであります。今のところ検査上差しつかえは感じておりません。

山田長司日本社会党

○山田委員 ただいまのような問題につきましてはあなた方が幾ら公平な考え方で検査の衝に当るといっても、やはりあなた方の同僚、しかも先輩が一つの役所の副知事をしているというような場合であっては、私はやはり公平を期する上において、仕事をやられる上にかなり支障があると思うんです。あなたは全然支障がないようにお考えのようですけれども、何か一つの問題が起って、東京都庁なら東京都庁の場合に局部課などに問題が起ったときには、必ずこれが副知事の耳に入ると思うんです。そういう場合に副知事があなた方のところへ連絡をつけるようなことはあり得ると思うんです。そういう点で今まであなた方は公平を期する上において全然支障はなかったかどうか、参考に伺っておきます。

東谷伝次郎会計検査院長

○東谷会計検査院長 お言葉でございまするが、たとえそういうことがありましても、会計検査院は内閣に対して独立して、政争の外にといいますか、政党関係も持ちませんし、従いまして政治的に動くということはもちろんありません。個人のあるいは先輩の請託があったといたしましても、それは聞くことは聞くといたしましても、判断のときにそれによって曲げるということはあってもいけませんし、今まであった事実はございません。

山田長司日本社会党

○山田委員 会計検査院の首脳者が本を出して、外交員か末端の町村にまでその本を売り歩いて、しかも会計検査院の推薦状が出ているというような話を伺うのですが、そういう著書をだれか出しておるか、それからもしそういう場合推薦状を出しているとすれば、その推薦状をどこの経費で出したものか参考に伺います。

東谷伝次郎会計検査院長

○東谷会計検査院長 会計検査院の職員が著書を出しておる、これは戦後のことでありまするが、二、三出しております。この著書は財政とか会計に関する著書でございますが、その著書を検査を受ける各団体の方に強制して売りつけるとか、推薦状を書くとかいうようなことは絶対にいたしてはいけませず、いたしておりません。従いましてどの経費からはということはないわけでございます。要するに推薦状は出しておりません。

山田長司日本社会党

○山田委員 もう一つ伺いますが、先ほどの田中委員の質問の中で、三百三十余万円の使途の問題について、それからさらにその中の宴会に出た場合に、席を同じくした人の記憶が全然ないというようなことをおっしゃられておりますが、やはりこういう問題は非常に重要な問題なので、ぜひその記憶を新たにして再び禍根を残さないように努力していただきたいと思うのですが、そういう点全然記憶はないものですか。

東谷伝次郎会計検査院長

○東谷会計検査院長 先ほど申し上げた通りでございまするが、何分にも七年あまり前の話でございまして、そのときそれが問題になったということであれば格別でございますが、だいぶ前の話でありますので、私はとまった宿で一緒に食事をした人がだれであったかということは、実は実際の問題で何のたれべえということは覚えておりません。ただ調達局の人が来ておられたであろうと私は推測いたしておるということを申し上げておるのであります。

山田長司日本社会党

○山田委員 地方の公共団体の立場からは、一応法規上地方の寄付募集については禁じられておるかなり強い条項があるにもかかわらず、各都道府県において税金以外に町村における税金に類する募集がなされておりますが、これについて会計検査院から何らの指摘がなされておらないように思うのですけれども、どういう理由で指摘をされないかお伺いいたします。

東谷伝次郎会計検査院長

○東谷会計検査院長 地方公共団体でありますとか、あるいは慈善事業団体などで寄付をつのっておるようでありますが、それにつきましては直接の検査の権限はないというふうに考えております。ただ国が寄付を受ける場合におきましては、たとえば今ごろはないでありましょうが、以前は裁判所でしたか、税務署を建てるからその一半を持ってもらいたいというようなことで、国の官庁の名において寄付をお願いするというようなことが戦後ございました。それが相当な額にも上りますし、結局強制的な面もあるように思われますし、それがまたかたがた国の歳入になっていないというので、検査報告に数年前に二ヵ年続いて出しまして御審議を仰いだことはございます。地方庁につきましては、先ほど申したようなわけでございます。

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 次に臼井委員。

臼井莊一自由民主党

○臼井委員 この機会に私は会計検査院法をまだつまびらかにいたしておりませんので、少しお伺いしたいのですが、一応検査院法の第一条によると「会計検査院は、内閣に対し独立の地位を有する。」こういうことになっておりますが、今いろいろ同僚各位の御質問によっても、会計検査院は裁判官と同様な見識を持ってしなければいかぬ、こういうことになると思うのです。そこでお伺いいたしますが、これは何でございますか、裁判官と同様な地位を保障されておると解釈してよろしいのでございましょうか。

東谷伝次郎会計検査院長

○東谷会計検査院長 多少沿革的に申し上げますと、明治憲法時代の会計検査院法におきましては、第一条に「会計検査院ハ天皇ニ直隷シ国務大臣ニ対シテ特立ノ地位ヲ有ス」ということになっておりまして、独立の憲法上の機関であったのであります。その当時の会計検査院の職員は課長、部長、院長これを入れまして会計検査官と総称しておりましたが、これは身分の保障を得まして、刑事事件に関係しない限り地位の保障を持っており、しかもそれは年令の制限もなく、幾つになっても勤めておられるということになっておったのでございまして、停年制もしいておりません。この点で裁判官とやや同じであります。どちらかというと会計検査院の方が長くおるというようなことになっておったかと思うのであります。戦後の日本国憲法からきまする現在の会計検査院法におきましては、今お示しのように第一条に「会計検査院は、内閣に対して独立の地位を有する」というようになりまして、政府とは独立いたしておるのでありますが、その中の大部分の職員は普通の一般官庁と同じ程度の身分保障しかないのであります。ただその中に三人の検査官がおります。それは国会の承認を経ねばならぬものでもありますし、天皇の認証を得るということになっておりまして、私もその一人でございますが、その三人だけは身分の保障を得ておりまして、刑事事件にあらざれば免職さすということはできない。しかしながら明治憲法時代の会計検査院法と違いまして、六十五になれば退かなければならぬということと、一期が七年間であるという任期の点がきめてございます。先ほど申しましたように、その他の者、結局事務総長以下の千二百人の大部分というものは一般公務員と同じ保障があるだけであります。

臼井莊一自由民主党

○臼井委員 そこにやはり任務は重大であり、心構えとしては裁判官とも同じようにしなければいかぬという重大な職責があるのですが、一般の公務員と同じということから、地方においても官庁においても儀礼的に何かみやげ物を出す、こういうふうに取扱いがちであると思うのです。三人の検査官の方々にしても、責任者のあなたにしても、こういうことで仕事を命ずるのにやりにくいというような点はございませんのですか。

東谷伝次郎会計検査院長

○東谷会計検査院長 ただいまの点でありまするが、御案内のように会計検査院は三人の検査官からなっておる検査官会議と事務総局とをもって組織されておる複合体でありまして他の役所にはこういう例はございません。人事院には総裁がおって事務総長がおりますが、事務総長は総裁の直属機関ということになっておりまして、単独機関になっています。しかし会計検査院におきましては、事務総局は検査官会議に対立しておる組織体の一つになっております。しかし対立ではいけないのでありますから、検査官会議の指揮監督を受けて会計検査に従事するということになっておるのでございます。従いまして検査をする上においては、身分保障のある検査官の指揮監督によって動きますから、ほかの役所の方々よりも違った系統の指揮を受けるということになっておるかと思うのであります。結局指揮ですから、一つ一つ場合によれば指さし示し、一般的に監督してやるということになっておるのであります。

臼井莊一自由民主党

○臼井委員 最高の方の指揮はそれでいいのですが、現場に行く方のことも、重大な問題については班長といいますか、そういうような人くらい——相当の地位の保障されている者が、じかに行くことの必要を私は感ずる場合もあるのじゃなかろうかと思う。これはやはり対人間との問題になりますから、その点を実はちょっと考えたのでお伺いするのであります。  もう一つは、他の官庁への転任、転出でございますが、それはどの程度にいたしておりますか。結局学校を出て一つの資格を持って入るとか、試験を受けて入るというばかりでなく、ほかの省とか何かべも相当自由に出入りをするのでございましょうか。

東谷伝次郎会計検査院長

○東谷会計検査院長 出張のときでありまするが、お話しのように班長でも物足らぬのでありまして、私どもの方は大体課長の下に副長というのがございまするが、課長及び副長を首班にして、係長なり班長をそれにつけてやるのでございますが、それだけでも人が足りませんので、先ほどちょっと御説明いたしましたが、三十一年度からは、新たな制度でありまするが調査官制度というのを置いていただくことになりまして、調査官が今度四百二十二名にふえるのでございます。四百二十二名を幹といたしまして、課長なり副長なりが一緒に検査に行く。検査に行きますには、検査を受ける方でも納得していただくような人をなるべく行かす。こう申しまするのは、つまり若い者が行きますと、検査を受ける方でもいろいろな——説明するにいたしましても、あるいは理解してもらう上においても、場合によると時間を要するということにもなりますので、私どもの方も十分熟した人を調査官にして、それが実地検査をするということに、今度切りかえることにいたしております。  他官庁との交流でございまするが、外国などの例を見ますと、よそで相当に働ける人のみを会計検査院に採用するという例もあるのでありまするが、私実は長い間会計検査院におりまするが、よそで非常にできる人を会計検査院に入れて、そうして適当なときに会計検査院からも外に出すということは考えないではありませんが、これはほんとうの実情を申しますと、よそで非常にできる人はなかなかきてくれません。それからまた外へ出しますと、なかなか帰らないというのがいつわらざる事実なんであります。やはり会計検査院は、どちらかといえば旅役者であるし、縁の下の力持ちでありますので、若い人とか壮年の人のある部類の人には向かないと見えまして、そういう事態がございます。しかし会計検査院もいつも同じような考えで検査をするということでなしに、時勢に順応しました検査をしていかなくてはならないのであります。その点から考えまして、三十年度におかげで一局ふえたときには、大蔵省の非常によくできる人にきていただきまして、たしか三名ばかり課長をほかから迎えて新しい空気を流入することに努めた次第であります。

臼井莊一自由民主党

○臼井委員 そうしますと四百二十二名の調査官も今度できたことであるし、現在の制度で十分厳正にやっていける、運用できる、こういうお考えと了解してよろしゅうございますか。

東谷伝次郎会計検査院長

○東谷会計検査院長 ただいまの御質問でありますが、先ほど申しましたように三十年度で一局ふえ、三十一年度は調査官をふやしましたが、それじゃそれで十分かと仰せになりますと、実は十分とは思っておりません。けれども財政の現況にかんがみまして、やはりこの程度で三十一年度は一応がまんをして、あらん限りの努力を尽してできるだけ徹底した検査をやっていきたいと考えております。

臼井莊一自由民主党

○臼井委員 もう一点お伺いしますが、会計検査は原則として大体前年度の決算を調査されると思うのですが、現在進行中の年度の調査もしておるのでございましょうか。それができることになっておるのでございましょうか。

東谷伝次郎会計検査院長

○東谷会計検査院長 これは前の会計検査院法でも同じでありますが、決算を検査するということに憲法にも定めてあります。決算を検査するといいましても、昭然として検査はできませんので、やはり月々のものを検査いたしまして、そうして決算がきた時分にその決算を確認するということであるのでありまして、前の明治憲法時代の会計検査院におきましても、決算になるべき毎月の支出収入を検査いたしておるのであります。ただ、そういたしますとただいま御質問のように、お前のところは決算を検査すると書いてあるじゃないかという御意見が確かに出るのであります。それで今度の会計検査院法におきましては、昭和二十二年に大改正いたしまして、常時に検査をする仕組みと申しますか、それを明瞭にいたしまして、会計検査院法の中に常時検査ということを、たしか三ヵ所掲げておるのであります。そしてなお明瞭にするために、毎月の収入支出を検査するということに現在規定をいたしておるのであります。従いまして決算にならない今の進行中の工事、進行中の物品の製造というようなものを検査することに相なっております。また検査もいたしております。

臼井莊一自由民主党

○臼井委員 大体わかりますが、そうすると国会に対する報告だけが、前年度をまとめてこちらへ報告してくるというのですが、何か重大な問題のあったとき、その年度内でもこちらに報告するような事例はございませんか。

東谷伝次郎会計検査院長

○東谷会計検査院長 国会に出ますのは、決算が国会に出ますときに、決算に会計検査院の報告書をつけて政府は出さねばならぬので、従いまして決算が出るときだけ正式には国会に出るのであります。ただいまで申しますと、二十九年度の決算及び検査報告書がこちらに出ておりますが、それでは進行中の検査の結果を、国会に報告したことがあるかということでありますが、正式に報告した事例はありません。ただし委員会で、何といいますか、国政調査といいますか、そういうようなことで、特にある事件を限りまして要望なされましたときに、私どもの方の検査がそれに到達しておる場合におきましては、検査官会議の議決を経ましてこちらへ御報告し、御説明をいたしておる例はございます。

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 次に田中彰治君。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 ちょっと会計検査院長にお尋ねしますが、先ほど山田委員から言われた鉄道会館それから交通公社、こういうのは直接検査院の検査の対象になるところではないとおっしゃいましたが、それは法律上そうなっておりますけれども、ただ、たとえば交通公社は鉄道の切符を売る、そういう場合に、切符の代金を延滞したとか、その金を払わないでほかへ回したという事件が応々起きる。そういう場合に、鉄道を調べに行ったときに、やはり会計検査院の人たちが公社などにおられると、公社のそういう点も調べなければならなくなってくるから、一応はいろいろなものが非常に影響するのではないか、また鉄道会館もあの建物を使わしたり、土地を貸したりしているから、あれに対する取り立てとか、あるいは不当な事項とか、いろいろなものが出てきた場合、やはり鉄道を調べる場合に、これが進んでいくと、鉄道会館の会計とかそういうものにも携わって調べるような事態が出てくる、そこに会計検査院の幹部の方々がおられたりすると、やはり初めて入った人とか、元使われておった人たちは非常に影響されるのではないか、こういう点を山田委員がお尋ねになったと私は思うのです。会計検査院の直接の対象でないとおっしゃいますけれども、そういうことで関連の対象が出てくる場合があるのでありますが、そういう場合に検査院長として、そういう人たちが入っていると、やはり会計検査院のあなたの方の方がそういうところまで進んだ場合にそういう情実関係とかいろいろなものが多少出てくるんじゃないかと思うのですが、これに対してどう考えておりますか。

東谷伝次郎会計検査院長

○東谷会計検査院長 日本交通公社たどは、今お話のように、鉄道の切符を売りまして相当な売上代金も無利子で持っておる、それの支払いがおそいというような事態があるのであります。これは、鉄道の検査の場合に、なぜ早く取らないかというので相当きつく責めておるのでありまして、検査院の者がそこにおるからというのでゆるめるようなことがあってはまことに申しわけありませんので、その点を特に気をつけて、ほかとつり合いのとれないようなゆるやかな検査はいたしておりませんし、またいたすようなことは絶対にいたしません。  それから、鉄道会館の問題で、土地などを借りておりますが、先年も土地の代金の取り方が少いというので批難をいたしましたが、これとてもやはり先輩同僚がそこへ行っているからというので、鉄道会館のかかわっておる土地の使用料の徴収に対して手心を会計検査院がやるというふうに見られてはならぬのでありますから、厳正にやらなければならぬし、やっておるつもりであります。今後そういうことは絶対にやらさせません。

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 他に御質疑はございませんか。——ないようでありますから、次会は公報をもってお知らせいたします。  本日はこの程度にて散会いたします。    午後四時三十五分散会

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