決算委員会 第12号
- 発言数
- 104 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/03/07
会議録
○上林委員長 これより会議を開きます。 去る二月二十四日本委員会に付託になりました昭和二十九年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに国有財産無償貸付状況総計算書を一括議題とし、審査に入ります。まず大蔵当局より右両件に対する説明を求めます。山手大蔵政務次官。
○山手政府委員 ただいま議題となりました昭和二十九年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに国有財産無償貸付状況総計算書についてその大要を御説明いたします。 まず、昭和二十九年度国有財産増減及び現在額総計算書の内容について御説明申し上げます。 昭和二十九年度中に増加しました国有財産は行政財産六千六百一億七千三百九十七万円余、普通財産六百七十四億千四百六十一万円余、総額七千二百七十五億八千八百五十九万円余であり、また本年中に減少しました国有財産は、行政財産三百六十八億四千八百十一万円余、普通財産百九十七億五千二百四十七万円余、総額五百六十六億五十九万円余でありまして、差引総額において六千七百九億八千八百万円余の増加となっております。これを前年度末現在額七千五百九十三億六千八百十八万円余に加算いたしますと一兆四千三百三億五千六百十九万円余となり、これが昭和二十九年度末現在の国有財産の総額であります。 この総額の内訳を分類別及び種類別に申し上げますと、行政財産においては公用財産九百九十一億三千三百三十三万円余、公共用財産一億五千百二十五万円余、皇室用財産三億二百九十四万円余、企業用財産六千六百七十億九千二十八万円余、合計七千六百六十六億七千七百八十三万円余となっており、普通財産においては六千六百三十六億七千八百三十五万円余となっております。また、国有財産の総額を区分別に申し上げますと、土地五百五十七億千四十五万円余、立木竹五千五百七十二億九千八百四十四万円余、建物千八十二億二千四十二万円余、工作物七百十六億六百三十七万円余、機械器具九十五億九千九百九十一万円余、船舶二百二十一億九千三百三十八万円余、地上権、地役権、鉱業権等の権利一億百五十六万円余、特許権、著作権等の権利一億八千四百九十五万円余、有価証券及び出資六千五十四億四千六十六万円余、合計一兆四千三百三億五千六百十九万円余となっております。 次に、国有財産の増減の事由について、その概略を申し上げます。 まず昭和二十九年度中における増加額を申し上げますと、その総額は、七千二百七十五億八千八百万円余でありますが、この内訳は第一に、当該年度中に新規に取得した財産は八百三十一億三千四百万円余でありまして、この内容のおもなるものは購入、新営工事等により取得したもの三百四十七億二千六百万円余出資により取得したもの三百七十四億五千三百万円、代物弁済を受けたもの八十四億五千五百万円余、寄付、国庫に帰属、租税物納等によるもの二十四億九千九百万円余となっております。 第二に、価格改定によるものは五千八百六十七億四千四百万円余でありまして、このうち国有林野事業特別会計所属の財産について昭和二十九年四月一日現在で行なった価格改定による増は五千八百六十七億三千四百万円余となっております。 第三に、所管がえ、用途変更、種目変更等国の内部の間で生じた移動によるものは、四百二十九億四百万円余であります。 第四に、新規登載その他の事由によるものは百四十八億五百万円余であります。 次に、減少額について申し上げますと、その総額は五百六十六億円余でありまして、この内訳は 第一に、売り払い、譲与、財産の減耗等による国有財産の減少額は百六億三百万円余でありまして、この内容のおもなものは売り払いによるもの四十七億六千三百万円余、譲与によるもの三十八億二千八百万円余、取りこわし、移築等によるもの二十億千百万円余となっております。 第二に、所管がえ、所属がえ、用途変更、種目変更等国の内部の間で生じた移動によるものは、四百二十八億五千五百万円余であります。 第三に、伐採その他の事由によるものは三十一億四千百万円余であります。 以上が昭和二十九年度国有財産増減及び現在額総計算書の概要であります。 次に、昭和二十九年度国有財産無償貸付状況総計算書について、その大要を御説明申し上げます。 国有財産法第二十二条並びに同条を準用する第十九条及び第二十六条の規定により、地方公共団体等に無償で貸し付けてある国有財産の本年度中に増加した総額は、一億三千四百五十五万円余であります、また減少した総額は一億二千三百十八万円余でありますので差引千百三十六万円余の純増加となっております。これを前年度末現在額一億八千九百十四万円余に加算しますと二億五十万円余となり、これが昭和二十九年度末現在において無償貸付をしている国有財産の総額であります。 この増減のおもなるものを申し上げますと、増加したものは、公園の用に供するもの千五百十八万円余、生活困窮者の収容施設の用に供するもの一億一千六百六十七万円余等でありまして、減少したものは、公園の用に供するもの六百三十二万円余、生活困窮者の収容施設の用に供するもの一億一千六百六十七万円余等であります。 以上が昭和二十九年度国有財産無償貸付状況総計算書の概要であります。 なお、これら国有財産の各総計算書には、各省各庁から提出されたそれぞれの報告書が添付してありますので、それによって細部を御了承願いたいと思います。 以上、昭和二十九年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに国有財産無償貸付状況総計算書の大要であります。 何とぞ御審議の上、すみやかに御承認下さいますようお願い申し上げます。
○上林委員長 引き続き会計検査院当局の説明を求めます。池田事務総長。
○池田会計検査院説明員 昭和二十九年度国有財産検査報告につきまして、その概要を説明いたします。 昭和二十九年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに無償貸付状況総計算書は、昭和三十年十月二十九日会計検査院においてこれを受領し、その検査を了しまして同年十二月七日内閣に回付いたしました。 国有財産の昭和二十八年度末における現在額は、七千五百九十三億六千八百余万円でありましたが、昭和二十九年度中に増加いたしましたものが七千二百七十五億八千八百余万円でありまして、同年度中に減少いたしましたものが五百六十六億余万円でありまして、同年度末における現在額は一兆四千三百三億五千六百余万円となり、前年度末に比べて六千七百九億八千八百万円の増加となっております。 次に、国有財産の無償貸付状況について申し上げますと、昭和二十八年度末には一億八千九百余万円でありましたが、昭和二十九年度中に増加いたしましたものが、一億三千四百余万円、同年度中に減少いたしましたものが、一億二千三百余万円、差引千百余万円を増加し、同年度末における無償貸付財産の総額は二億余万円となっております。また、国有財産の取得、処分及び管理について不当と認めましたものは、昭和二十九年度決算検査報告に掲記しておりますが、これらの事項を取りまとめて申し上げますと、国有財産の取得に関するもの十一件、同じく管理に関するものが二十二件、同じく処分に関するものが十二件、計四十五件でありまして、これらの事項につきましてはいずれも昭和二十九年度決算の御審議の際説明いたしたいと存じます。
○吉田(賢)委員 この大蔵省提出の総計算書、薄い方でありますが、それから検査院のこの報告にも、二ページの末尾に有価証券その他が六千五十四億円ということになっております。これの内容を一つ文書で出すようにしていただきたい、こういうように考えます。もちろんこれは国有財産法に規定したもののみであろうかと存じまするが、かねて当委員会で問題になっておりました国有船舶につきましては、やはりこれは普通財産として入っておるのかと思いますので、もし入っておればそれに関する資料、これだけ一つお出し願いたいと思います。
○上林委員長 よろしいですね。——右両件につきましての質疑は次会に譲ります。 —————————————
○上林委員長 昭和二十八年度決算中国民金融公庫、住宅金融公庫、中小企業金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行関係について審査を進めます。すなわち昭和二十八年度決算検査報告三七七ページより三八四ページにわたりまして報告があります。別段批難事項はないようでありますが、検査報告につきまして会計検査院当局より報告を求めます。上村第五局長。
○上村会計検査院説明員 国民金融公庫、住宅金融公庫、中小企業金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行につきまして、それぞれ検査報告に概要が記載してございまして、この概要の点につきましては特に御説明いたす点はございませんが、一、二特殊の事項が記載してありますので、その点について御説明いたします。 まず最初は国民金融公庫の代理業務契約の問題でございまして、この契約によりまして受託金融機関は取扱いの委託を受けた普通貸付の貸付金が回収不能となったときは、公庫に対して回収不能元金の半額に相当する金額を補償するということになっておりまして、一面延滞もあるわけでございますが、この回収不能となった時期ということはどういう時期をさすのかということが必ずしも明確でございません。これを他の農林漁業金融公庫等につきますと、元利金の延滞がありまして、一定期間を過ぎた場合には、その元利金に対して一定の金額を受託金融機関で補償するというような条項がある等の点から見ましても、明確にする必要があるのではなかろうか、かように考えて記載しておるわけでございますが、この点につきましては、その後国民金融公庫におかれまして業務方法書、契約書の改正を行う等の処置をとられて明確にされるような方法を講じておられます。 次は中小企業金融公庫でございますが、同公庫につきまして、二十九年三月から十月までの間に二百十九件の貸付金につきまして調査しました結果、四十件、八千二百余万円につきまして貸付の目的以外に使われた事態がございました。そのうち検査報告を提出いたします時期までに十八件、四千五百万円については繰り上げ償還の措置が完了しておりませんので御報告してあるわけでございますが、その後現在におきましては大部分が回収されておるというふうに承知いたしております。かような事態の起りますのは、受託金融機関のふなれと公庫側の監督が不十分であるという意味におきまして記載したのでございますが、その後公庫におきましてこれらに対する処置をとられまして、できるだけかような事態の起らないように措置をとっておられる次第でございます。 以上をもちまして、御報告を終ります。
○上林委員長 各当局よりの補足説明はないようでございますから、これより質疑に入ります。吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 国民金融公庫について一、二伺います。 国民金融公庫は、申し上げるまでもなく、国民金融公庫法第一条によりまして「銀行その他一般の金融機関から資金の融通を受けることを困難とする国民大衆に対して、必要な事業資金の供給を行うことを目的とする。」同第十八条によりますれば、「生業資金の小口貸付の業務を行う。」として、業務の範囲を規定しております。これも同じく独立して事業遂行の意思を持って、適切な事業計画を持つ者で、銀行その他一般金融機関から融資を受けることが困難な者に対して、小口の事業資金を供給するというような趣旨が記載されておりますので、国民金融公庫の融資の目的がここに明確にされたものと思うのであります。つきまして伺いたいのですが、この事業報告書によりますと、たとえば第五回は二十八年四月から翌年の三月末まで、六回は二十九年の四月から三十年の三月末まで、いずれも業種別融資が報告されておるのであります。そのうち金融業及び保険業に対しまして、直接扱いは事件数において二百五十九、代理所扱いは三十七、こういうことになっておりますが、金融業と称するのはそもそもどういう実態のものであるかの御説明を願いたい。
○石渡説明員 そういうことはないはずでございますが……。
○吉田賢委員 ないとおっしゃるのでしれでは示しますが、あなたの方からお出しになりました二十八年度の業務報告書の第十ページ、業種別貸付の報告であります。これにそのような記載がされておりますること、並びに同じく二十九年度分については第九ページにも同種の記載があるのですが、いかがですか。
○石渡説明員 どうもそういう記憶はないのでございますが……。
○吉田(賢)委員 そうすると、私の間違いですか。これはあなたお持ちでしょう。これはあなたの方の国民金融公庫から出しております業務報告書です。これに金融業及び保険業と書いてあります。
○石渡説明員 これは確かに書いてありまして、まことに申しわけございませんが、ちょっと私記憶にないものでございますからお答えできません。そういうことはないはずでございますけれども……。
○吉田(賢)委員 あるじゃないですか。
○石渡説明員 ないはずなのにあるのでございますから、何か御説明をしなければ申しわけないですが、ちょっと御説明できないのです。
○吉田(賢)委員 どうも公庫から出した資料によって質問をしても説明ができないというのでありますが、説明できなければ、やむを得ませんから、次回に準備してその点御説明願うことにしましょう。 そうしたら、その次は説明できますか。鉱業というたらこれは鉱山業であろうと思いますが、これについても、同趣旨であれば同様に扱っていきたいと思います。
○石渡説明員 これは金属工業、石炭工業、石油及び天然ガス生産業、非金属工業となっておりますが、ごく零細なものでございますので、ごく小口なものは扱わしていただいております。
○吉田(賢)委員 そういう抽象的な答弁でしたら、これも準備して下さい。あなたの方には検査院の批難事項は今のところないのでありますけれども、やはりこういう点は大事なことでありますから、十分に御準備の上、答弁してもらうことにいたしましょう。 なおこの機会に伺っておきますが、基本的な方針といたしまして、あなたの方は大体融資の対象はどのくらいな資産、信用、営業の規模のもの、それを最高の限度をどのくらいに置いておられるのか、その点を一応伺っておきましょう。
○石渡説明員 大体貸付の額が平均二十万円前後というところで今やっておりますようなわけで、資本金が一千万以下とかいう中小企業の限度でございますけれども、もう少し中あるいは小のところになるべく重点を置いてやっておるのでございます。幾ら以上は貸さないという規定はございませんが、なるべく小口のところへやるという程度でございます。そこにはっきり内規を設けて非常に窮屈になってしまっても困りますので、ごく小さいところという程度なんでございます。
○吉田(賢)委員 あなたの方は、はっきりと限界を設けることは窮屈になって困るとおっしゃるかもしらぬが、同時にまた借る側の国民の立場から見ますると、銀行のつるはなし、銀行で融資の道がないというような零細な業者がこの融資の対象に置かれるのが、さきに私が読み上げました法律の精神だろうと思うのであります。従ってあなたの方は、窮屈でないようにしようと思えば貸さぬでもいいものに貸すという結果が招来されるのであります。というのは、銀行でたやすく借れる人が、なおあなたの方で借れば金利が安い、安い金利だからそれでその方を使う、こういうことになりますれば、本来貸してもらわねばならぬところの零細な業者、国民が、この機関を活用することはできないのであります。ことにその点については、きょうは多く触れませんけれども、二十九年度の検査院の報告によれば、三九〇ページにも記載されてあります。他の政府関係機関から貸付を受けておるもの、多額の現金、預金を保有して、その他経営状態から見て資金繰りに余裕があると誠められておるもの、そういうものになおあなたの方は貸しておられるという事実が指摘されておるのであります。こういう点から見ると、あなたの方としてはワクを持つことは窮屈だということになるかもしらぬけれども、法律の趣旨を徹底さしてもらわなければ、もし他の政府関係機関から金を借りたり、多額の余裕金があったり、現金があったり、預金があったりするものが、どんどんこの金を食っていくということでありましたならば——そうでなくても、国会が同意をして、そして政府の財政資金がこういった金融機関によしんぱ向けられても、それは名目上であって、実はひもがついて特定した取引先があって、それでないと貸さぬのだというような声がちまたに満ちておる。これが中小企業金融に対する今の世論なんです。こういう点から見まして、われわれはそういう辺は厳重に詰めていかねばならぬと考えるのであります。だから余裕があるようなものに相当貸して、余裕のないものに貸されぬということになりましたならば、一体何のためにこういう国民金融公庫というようなものを設けたかということを疑わねばならぬ、こういうことになりまするので、国民金融公庫のあり方を再検討せねばならぬということに発展するわけであります。そういうわけでありますから、この点は、あなたの方としては何でもないようにお感じになるかもしれませんけれども、国民金融公庫のあり方、借る方の側からいたしましたならば、まことに重要な点であるということをとくと御了解願っておかねばならぬのであります。でありまするので、これらの点から考えまして、やはりどういう規模のものに貸す、どういう規模のものには貸さぬということは、およそ相当明確な業務の方針が定められて、ないしは毎年それらについて再検討していく、こういうことがされるのが当然であろうと思うのであります。そういうことについては十分になされておるはずでありまするが、いかがでございます。
○石渡説明員 今御指摘いただいたことは、十分反省すべきことがございますので、なるべく小口にいたすように努力しておりますが、中でときどき少し行き過ぎなことがございますが、しかし全体的に見ていただきますと、割合に小口に行っておるのではないかと考えられます。百万円以上の貸付というのは、全部で見ますと、一%に達しません。もちろん今のお話の通りその中でも大口に貸すのはひどいじゃないが、もう少し小口にやれという御趣旨は十分反省いたしております。それで当初から中小企業金融公庫さんの方と取引のあるのに貸すことはどうかという問題がございましたが、多少のところで重複しても差しつかえないじゃないか、向うへ取引があったから、こっちは貸さないんだ、そこまでいたさないでも、ごく小さい業態であったら、あちらから取引があるのもよろしい、こちらでも多少いいという場合があってもいいのではないかということで、多少両方から取引があるというのも少しはございますが、それは一つ小さいところはお認め願いたいと思っております。それから普通銀行と多額の取引かあるのに貸しておるじゃないか、預金のたくさんあるのに対して貸しておるじゃないかという点を御指摘いただきましたが、確かに多少行き過ぎたというのもございます。それで今後は十分その点については注意いたします。
○吉田(賢)委員 代理銀行の代理業務の方でありますが、あなたの方の直接の場合よりも、代理銀行の取扱いの分がむしろ特別にお得意先に利用されるというのが多いのじゃないか、こういうふうに思うのでありますが、その辺についてはどうお考えになりましょうか。
○石渡説明員 普通資金について、今大体国民金融公庫の方で直接に三分の二、それから代理所の方で三分の一取り扱っております。それで代理所に取り扱わした方が工合がよくはないか、その方がいいというお話でございますが、確かに行き渡りまして非常にいい部面もございます。しかしまた一面どうしても預金を強制される、あるいは出資を強制されるというので、どうも代理所は困る、やっぱり直接にやってくれという要望がかなりございます。それで一がいに代理所はいけないとは申しませんが 代理所には、取引が従来ない方でも貸せるなら貸してもらうように常に注意はいたしておりますが、代理所の立場上どうしても従来の取引先に公庫の金を代理貸しするという傾向は免れないと思います。それで代理所にも頼むが、こちらもやるという現在のところでちょうどいいところへいっているかと思っておりますが、どうでございましょうか。
○吉田(賢)委員 私の質問したのをあなたが趣旨をお取り違えになっておるのでありまして、私はせっかくの金融公庫の資金が代理所——代理所がここにあげられておりますのは、多くは信用金庫であります。その他相互銀行などでありますが、この代理所扱いが特定したひもつきに限定せられる危険があって、従って本来の趣旨を逸脱することがよくあるので、十分にそこは目が届いておらぬのではないか、こういう角度から実は伺ったのであります。代理所扱いが本来の融資目的の趣旨を逸脱するという弊害がむしろ多いのではないかという角度から私は今聞いておるのであります。もっとも信用金庫等々それぞれ零細なものでありますので、一々そんなに目が届かないのが実情かもしれませんけれども、むしろ私の観測としては、逆の角度から見ておるのでありまするが、趣旨は金庫等に対しまして十分徹底さすような方策は絶えず講じていくべきだと思うのでありますが、その辺についてのあなたの方の実情を伺っておきたい。
○石渡説明員 今間違えていろいろ申し上げまして取り消します。それで代理所の方が誤った貸付をしないようにどういうふうな指導をしているかということにつきましては、私どもで従来実はしばしば代理所の方へ出向いて指導するということを多少怠っておりましたので、最近は手分けして回っております。それでいけとこいなろを指摘して、かなりよくなっているはずでございますが、代理所本来の使命にかんがみてかなり貸付してくれるようになっておると思っております。
○吉田(賢)委員 それではあなたに約束しておいていただきたいのですが、これは私ども今中小企業の融資につきまして、たとえば年末融資等につきまして、国会におきましても幾ら融資の額をふやすべきや、こういったときに常に問題になりますのは、末端の貸付におきまして、必ず特定したものに貸付あるいはひもつきのものに貸付あるいは預金の強要をしいられ等々するので、むしろそういう面に対する貸付を徹底的にやるのでなければ、政府資金が中小金融のために幾ら増額されても、それだけでは問題は解決せぬということ、これはもうあちらこちらで議論があるわけなのであります。でありまするが、今御答弁によりまして、もう一つあなたも実態をおつかみになっておらぬのかという心配もありますので、これは今申しましたような特定したものが利用できるような、そういうことに終らないように、本来の趣旨を徹底さすように、これは何らかの方法で厳重に全国のあなたの方の代理所に対してしかるべき通達をしてもらいたい。ここにあげられておりまする業務報告書の第五ページないし六ページにおきまして、全国のあなたの方の代理金融機関が記載されております。こういったところへ直ちに、そのようなことのないように本来の趣旨に一そう沿うように、何らかの措置に出られんことを希望したいと思いますが、いかがでございましょう。
○石渡説明員 もとよりお話の御趣旨の通りやることは私どもの責任でございます。さっそく各代理所の方へ御趣旨のようなことを厳重に申す所存であります。
○吉田(賢)委員 これは一々今例をあげませんが、やはり一般には金融が緩慢でありといえども、みずから融資を受くる能力のない階層の中小企業者等等におきましては、なお悪質な高利貸しがばっこして吸血的な貸付行為を行なっておるということは、われわれ目に余るのであります。こういったものに対しましても、なかなかあなたの方の機関はそう活用されないのであります。従ってここにあげられておるでありましょうこの申し込みと、それから貸付の実績等につきましても、おそらくは口頭で断わってしまうというものもずいぶんあると思うのであります。ほんとうに書面を出して初めて断わるというようなものは少いだろうと思う。こういう点から考えまして今の措置はぜひ即刻とっていただきたいと思います。 委員長、この国民金融公庫の最初に質問しました点は、これはやはり一応ためておかなければならぬのでありますから、きょうは終りたいと思いましたけれども、やむを得ませんので一つそれだけ保留さしていただきたいと思います。
○上林委員長 一応二十八年度は終了した形にしてもらって、二十九年度の際に一つお願いする、そういうふうに取り扱わせていただきます。
○吉田(賢)委員 けっこうでございます。二十九年もわたっておりますから。
○臼井委員 業務報告を拝見しますと、小口貸付とか遺族国債、母子家庭貸付とか恩給担保とか、これらは代理所に依頼しないで直接扱いでやっていられるようです。これらは非常に零細な額だろうと思うのでございますが、大体大口では、今伺うと百万からに上るあれがあるようですが、これは少いのはどのくらいの程度を貸し付けておるのでございましょうか。
○石渡説明員 母子家庭は、これは貸付の残高が現在二億八千万で、貸代の品数が一万一千口でございます。それで残額から申しますと約二万円から二万八千円、それから恩給担保貸付は三十億貸して、貸付口数が七万四千口で大体四万円でございます。大体恩給担保の方は、恩給の二年半以内でということに一応の制限がございますが、なるべく行き渡らせたいために、従来は消費資金が五万円、自己資金が十万円ということで、これは絶対というわけではございませんが、大体そういう制限でやっていたようなわけであります。ですから恩給の多い方は比較的早く返るとか、少い方は比較的年限がかかるとかいうようなわけでございます。 それで恩給担保の金融並びに母子家庭の金融を直接だけでやって代理所にやらせないのはどうかということは、実は恩給担保の金融をほんとうにやるという以上は、ほんとうは百億から百五十億ぐらいのお金を用意してかからないと、手分けしてみなでやるというわけにはいかないのです。現在比較的乏しい資金でやっているものですから、直接にやるだけで、お客様が順番で待っているものは比較的少いものですから、直接だけでやっております。それから母子家庭の方は、これも金額は比較的わずかでございまして、大体この程度で落ちついているのでございます。
○臼井委員 ただ私たち考えるのは、額がきわめて少いので、代理店に依頼するほどの額でない、こういう点からだろうと思うのですが、そうなるとずいぶんむだ足する人が、せっかくはるばる汽車賃をかけて足を運んでも、結局は額が少いので貸し付けられない、こういう人が相当あるだろうと思うのです。むしろ近所でこういうごく零細なことを、もし借りられないにしても、あまりひまや足をかけないで済む方がよいのではないかというので、そういう点をお伺いしたわけなんです。それから先ほど吉田さんのお話のあった、大体聞いてみると二十万程度で足りないというように言っているのですが、それが百万からまとまってしているものがある。だから金融の道があるのにしている。これらは相当考えなければならない問題なので、これらの点では商工委員会等でもいろいろ総裁に質問してみたようですが、中小企業金融公庫との何か連絡がとられておるのですか。たとえば額が多い、これは中小企業の方に回るようにということはもちろんとられていると思うのですが、私は中小企業金融公庫の方はまだ伺っておりませんけれども、その額との連絡はどういうようなことになつておりますか。
○石渡説明員 私の方は二百万まで貸していいということになっておりますが、実際は二百万貸付というのはほとんどございません。それで中小企業金融公庫さんの方にそういうのをどんどん回すかというと、私の方でこれは大き過ぎると言ってお断わりいたしますが、それでは中小企業の方に行きなさいと連絡はいたしておらないようなわけでございます。
○臼井委員 しかし連絡しなくとも、もちろんそういう金融の道がある、こういうことはお話になって指導されておると思うのでありますが、一つそういう点をよく御指導いただいて、そうしてほんとうに零細な、たといこれが多少リスクを伴っても、やはり零細なものを救っていく、こういう点によく重点を置かれるようにお願いいたしたいと思います。
○吉田(賢)委員 今の恩給担保の点をちょっと伺っておきたいと思うのですが、私どもは恩給の受給権者から、ことに遺族の方ですが、最近ぼつぼつまた昔流行した悪質な恩給担保の貸付があるかのような印象を受ける質問が二、三あちらこちらであったのであります。そういうことは法律上無効であるとかなんとかいって指導者は説明しておられましたけれども、やはり私は適切なる融資の道はもっと大胆に門戸を広げる必要があると思うのであります。今伺えば原資が不足であるので全体の需要に応じられないというような趣意に伺いましたが、それならばそれでその方面に、たとえば生業の資金等、これはやはり新しい業務などに必要な場合はどんな方法をしてもそれを利用したいということになりますので、せっかく門戸を開いたのでありますから、やはり適当な貸付がなし得るように、これはもっと政府資金をとるように要請されたらいかがなものでございましょうか。こういうことは大蔵当局との間で少し問答せにやいかぬのでありますけれども、あなたの方はもっと積極的に計画をお立てになったらどうか、こう思うので、この点に対する御意見を伺っておきます。
○石渡説明員 実はお話の通りずいぶんお願いしていますけれども、なかなか思うように出していただけませんので、私ども非常に困っています。出していただきたいということは常にお願いいたしております。
○吉田(賢)委員 それでは次に開発銀行の方にお伺いいたします。開発銀行におきまして例の外航船舶の建造につきまして融資されておりまするが、その後の状況について伺ってみたいのであります。第一に総計五十四社でありましたか、例の利子補給の対象になりました外航船舶の建造資金の借り入れ先につきまして、第一に元利金の残額の総計、これを一応伺っておきまして、二点といたしましてはその後の元金及び利息あるいは延滞利息などの支払いの状況、これを数字でよろしいから簡明に御説明を願いたい。
○小林説明員 ただいまの御質問に対しましては鹿喰理事から詳細に御説明申し上げたいと存じます。
○鹿喰説明員 それでは私からお答え申し上げます。全部の開銀の元高といたしましては千二百十五億でございます。そのうち利息を元金に加えましたものが、まだ六十一億ございますので、合計いたしまして千二百七十六億貸したわけでございます。その回収をいたしまして三十年の十二月三十一日現在におきます残高は千二百九億になっております。それを引きました六十七億が返ってきた、それで内入れ猶予の額は八十五億三千三百万、元本の延滞額といたしましては十五億でございます。利息の繰り述べをいたしております額が四十五億でございます。
○吉田(賢)委員 そこでこれらの貸付先の船会社、総計五十四でありましたか、五十七でありましたか、この船会社も最近海運界の好況に乗ってそれぞれ非常な利益を上げておるということであります。一万トンの船がサンフランシスコを往復すると一億円の水揚げがあるというふうにも言われております。私は詳しくは存じませんが、過去において多額な損失があったようでありまするから、これらの引き当てにするという数字は除くといたしまして、一応それぞれの期末決算として相当額の利益を上げておるように思うのであります。これは経理上私の方も運輸省から資料をとりましたけれども、いずれもこれは繰り越し損益の関係上赤字赤字ということになってしまっておるのでございます。世間では船会社が今なお赤字だということは常識上一応考えておりません。従ってその当期における利益は大体どのくらい上っておるのでありましょうか。最高どのくらい、最低どのくらいという計算はなし得ると思うのでありまするが、御説明願えましたら……。一つ一つでなくてよろしゅうございます。
○鹿喰説明員 御説明申し上げます。最近は大体御承知の通り海運界が回復して参りまして相当の利益を上げ得るようになりましたけれども、なお過去における欠損が多うございます。ことに定期船会社におきましてはまだ不定期船あるいはタンカーよりも回復がおくれておるような状況でございます。しかしそれを合計いたしまして昨年の九月期にはおよそ百億円程度利益が出ておると思います。もちろん繰り越し欠損は相当大きなのがございますので、そのうちからそれを引きますから、おそらく正味の利益の出たところは割合少うございます。ただし本年の三月期の決算には、海運界はその後ずっとよろしゅうございますから、それ以上の利益が出るだろうと思います。それで百億円程度の利益のあったためと思いますが、二十九年度の回収の実績は十二億二千四百万円、さらに三十年度におきまして、三十年の四月から十二月までの実績によりますと三十六億七千三百万円というように、回収が好調を呈するようになって参りました、それで合せて四十九億円ばかり回収されております。それがさきに申しました六十七億五百万円のうち四十九億二百万円というのが、大体二十九年から三十年の十二月までに納めた回収という状況になっております。
○吉田(賢)委員 あなたの方はかつての海運界不況にかんがみまして、元本の分割弁済の期限が到来してもなお支払わなかった各船会社に対しまして、相当償還についての条件の変更の契約をなさって、支払いの猶予をなさったように御説明を受けたと思うのでありまするが、そういうお約束の結果どのくらいの金額が猶予せられたことになったのでございましょうか。もしくはそういうことは全然誤りであるのでございましょうか。
○鹿喰説明員 それは先ほど私の御説明申し上げました内入れ猶予額八十五億三千三百万円というのがその数学でございます。そのほか利息の繰り延べをしております額が四十五億五千三百万円となっております。
○吉田(賢)委員 利息の繰り延べをしておられる四十五億、さらに元本の支払い猶予をせられておる八十五億、合計百三十億円に達するわけであります。そこであなたの方といたしましては海運界の好況に見合って回収をできるだけするという基本的な方針を立てていかなければなるまいと考えるのでありますが、今一方におきまして、利子補給に対する一般会計の予算が毎年三十億円以上上るということが国会においても問題になっておるのでございます。あなたの方としては補給の関係はないわけでありましょうが、やはり開発銀行の融資の、特に外航船舶の建造についての融資のその後の回収という問題は、これは海運界の不況によって船会社等のずいぶんと強い要望の結果金利も引き下げするし、あるいはまた特別の融資についての計らいもせられるし、利子補給等せられるしというような幾多の恩典ができたわけでありますから、そういうような経過にかんがみまして、海運界が復活、回復しまして、好況の波に乗っていくというときには、可及的すみやかに元利を回収するという方針が、どうしても基本的になければならぬと思います。あるいは資本蓄積等の意見もありますので、この制約も一方あろうかと思いますけれども、しかしあくまでも国家の財政資金を預かっておる開発銀行の立場でありますので、このような観点から見ますと、今お述べになりました昨年九月末現在でしたか、十二月でしたか、ちょっと月は聞き落しましたが、百億円、利益を上げておるということでありますから、このようなときにはさらに条件の変更をやる、そして支払いの猶予をしております元本につき、また利息のたな上げをしておりますというもの、これらをあわせて百三十億円にもなりますので、こういう面について何らか新たなる折衝をせられて回収をはかるということが必要ではないであろうか、可能ではないであろうか。聞くところによれば運輸当局の当委員会における説明によりましても、これらの船会社もいつまでも過去の繰り越しの損金ということに拘泥せずにやがて配当をするだろうということも言っておりますし、あなたの今の御説明を通してみましても、この三月——今月におきましては、もっと明るい計算の結果を、これらの船会社は公表することになるだろうと思うのであります。こういう際でありますから、大切な国家資金を借りておる船会社の立場といたしましても、でき得るだけすみやかに元利の償還をはかりたいというふうに協力をするのが当然だろうと思うのであります。やはりここは国民の常識及び国民感情にこたえる意味におきましても、何とか打開しなければいくまいと思うのであります。ただ法律上及び税法あるいは経理会計上の理屈によって過去の損金に充当していくような経理の仕方ばかりしておりましたら、国民は納得しないのであります。でありますから、ここは国民感情なり常識を十分に御考慮になって、上げた百億の利益についてもお考えになって、元利の回収の対策を積極的に講ずるということが必要ではないかと思いますが、総裁はどうお考えになるのでありましょうか。
○小林説明員 ただいまの御質問に対しましては、私どもまことに同感でありまして、御承知のように、最近における日本の海運界の事情は一変いたしまして、非常に好転をして参り、従って各船会社の業績も非常に向上をして参っておりまして、先ほど鹿喰理事から御報告申し上げましたごとく、二十九年度並びに三十年度の十二月末までの回収金というものは、銀行が予定をしております額よりも総計四十九億回収を増加しております。かように開発銀行は元金回収に対しては各会社の経理内容に即応しまして、順次回収に努めておる次第であります。また利息の問題におきましては、利息を海運界の不況のために開発銀行は引き下げたのではありませんで、暫定措置といたしまして六分五厘の契約を三分五厘の利子を納付することに暫定的に認めたのでありまして、今日のごとく海運界が回復して参りました暁には、契約の六分五厘の利息にこれを復活いたしまして、利息も完全に徴収して参りたいと考えておる次第であります。
○吉田(賢)委員 御趣意はよくわかりましたので、これはすみやかにしかるべく適切に手順を進められんことを希望したいのであります。申すまでもなく、六分五厘というような金利にいたしましても、今日の実情からすれば、一般の国民としましては全く安い金利ということになるわけでございますし、ことにそれが三分でありますか、支払いが猶予せられておるというような事実にかんがみ、また総計千二百億円を越えます膨大なこれら海運業者に対する元利金が残債権として残っているという事実にかんがみまして、こんな安いただに近いもので金が使えるというような特典を与えられておるこれらの業者でありますから、大多数の国民の立場から見ましても、元利回収につきましてすみやかに積極的に英断をもって、一つ適当な交渉をせられて、あらためて条件を逆に変えるというような手順を進められんことを御希望申し上げておきます。 それからなお一点、具体的な事実でございませんので、この点についてはそうでなければない、何かあるようであれば一つ資料として出していただきたいのでございます。それは近時開発銀行の貸付資金が使用されたかいなやの状態——融資を受けたその資金の使用の事実あるいは交付の時期の問題、こういう点でございますが、たこえば電源開発の資金などを相当額適切に使用していかずに、時期がおくれて使用されるために、事実上交付された貸付金が当該電力会社に余裕金として残ることがある、そういう状態にあるということが伝えられるのであります。これは一々の会社について具体的に調べてみなければわからぬのでございますが、そういうようなことがありましたならば、あなたの方としては審議会等の審議に対しても相当要請をなさるべき筋でないかと思いますとともに、あなたの方として貸付の実際業務を担当しておられるのでありますから、その資金を交付すべき時期、用途、またそういうような余裕金としてあるような事実の有無等については厳重に見守っていかなければならぬお立場であろうと思うのでありますが、そのような状態にありという——これは一々私が事実を申し上げるのではないので、そういう質問に対する御答弁はあるいは恐縮なんでありますけれども、そういうふうなことはないのでございましょうか。それを一つ伺っておきます。もしありといたしましたならば、どういうふうになっていくのであろうかということを聞いてみたいのでありますが、いかがでございましょう。
○鹿喰説明員 ただいまの開発銀行の融資を受けましたこの資金の使用が対象の工事に充てられておるか、あるいは適切なる時期に交付されておるかというようなお尋ねでございます。これにつきましては、私どもは資金を交付する場合には、それぞれその工事の進度度合いに応じて区切りまして、資金を交付するようにいたしておりますし、またその事後におきましても、果して私の方から出した資金がその対象工事に的確に投入せられ、また適切に使用せられておるかどうかということにつきましても、全部については監査ができませんけれども、場合によっては監査もいたしております。そしてその調査報告もちゃんととってあります。もちろん毎月それぞれ資金使用の会社からはこういうように資金を使用したということの報告をとっておりますほかに、今申し上げたように銀行自体からも出向いて行きまして監査をしておるような状態でございます。中にはまま時期的に資金繰りの関係で、あるいはそういう場合に金繰り上から見て多少余裕が出たということも絶無ではございませんけれども、大体においては先ほど言いましたように資金が適切に使われておる、あるいは交付の時期が適当であったというように聞いております。大体そういうことであります。
○吉田(賢)委員 それらにつきましては私自身が的確な材料を持っておりませんので、いずれ二十九年度のときに材料をもちまして伺ってみることにいたします。開発銀行の質疑は本日はこの程度にいたします。
○上林委員長 開発銀行に対する御質、疑はございませんか。——ないようですから、開発銀行関係者の方々、時間の都合もおありと思いますので退席なさってけっこうです。
○吉田(賢)委員 輸出入銀行について伺います。あなたの方も二十八年度分につきましては検査報告における批難事項は上っておらぬのでありますが、あなたの方は常時多額の余裕金があったが貸付金額が漸次増加するにかんがみて、その後貸付の状況が資金不足の状態に陥っておる、こういうことでございます。ちょうど昨年の二十二国会におきましても砂糖の輸入益金、パイナップル等の輸入益金の七十三億円余りが輸出入銀行を通して日本の輸出貿易の資金に振り充てられようというような計画もあったのでございますが、こういうようないろいろな実情にもかんがみまして、余裕金が今日の状況ではどういうことになっておるのでございましょうか。実はあなたの方の業務報告書等々を十分に調べれば、その点は質疑するまでもなく出ておるのかと思いまするけれども、一応伺っておきます。
○山際説明員 ただいまお話のございました通り、輸出入銀行は昭和二十五年の暮れに創立いたされまして、二十六年の二月から営業を開始いたしておりますが、何分にもこの銀行が設立の目的とされました俗に申すプラント輸出と申しますものは、日本としてはむしろ最初の経験と申してもよい輸出貿易でございますけれども、創立の当初二、三年というものは遺憾ながら用意いたしました資金が十分に心要とせらるるほどの貿易量の伸びがございませんでしたが、そのために昭和二十八年度の暮れにおきましては、相当の余裕金をもって二十九年度に入ったわけでございます。幸いにいたしまして、二十八年度の終りごろから状況が一変いたしまして、二十九年度、三十年度と引き続きわが国のプラント輸出は相当顕著なる増大を示して参ったのでございます。その大部分はお聞き及びの通り船舶の輸出が非常に急増をいたしました結果でございますが、その情勢を反映いたしまして、自来資金はむしろ貿易の計画に対して十分でない状況になって参っておるのであります。二十九年度は二十八年度にほとんど倍する貸付金額の飛躍をいたしております。引き続き三十年度におきましてもなおその増勢は顕著なのでございます。三十年度におきましては予算上予定せられました増資は百四十億、それから借入金が八十億、合せまして年間二百二十億の資金増大を予定されておったのでございますが、ただいま御指摘のごとく財源等に十分手当をいたすだけの余裕ができません事情もございましたために、実行上といたしましては出資金として七十億、借入金として四十億を今年度すでにちょうだいをいたしましてなお年度末までに六十億を政府から交付を受けることになっております。従いまして、二百二十億の予定に対しまして百七十億ということに相なるのでございます。従いましてこの年度末における金繰りは楽ではない見込みでございます。ただ御承知のように、プラント輸出と申しますものは建造に相当時間がかかりますために、直ちに金が要るわけでもございませんので、契約をいたしましても交付の時期は来年度に持ち越すということもございますので、なるべくさような操作をいたしまして、せっかくできました日本の輸出契約につきましては、できるだけ本行設立の趣旨に従う金融上の促進措置をはかりたい、かように考えておる次第でございます。三十一年度の問題といたしましては、やはりわれわれの希望いたしますだけの資金量は予算上交付を受けることがむずかしいような情勢でございまするので、あるいは本行と民間との協調融資の割合を工夫するとか、その他多少の従来のやり方には変更を加えまして、乏しい資金をもって十分その効果を上げますような措置を考えざるを得ないかと実は考えております。
○吉田(賢)委員 今造船会社に対しまして、あなたの方は金利はどのくらいでお貸しになっているのでございますか。
○山際説明員 造船会社の輸出船に対して今私どもの方が供給しております資金の利率のお尋ねがありましたが、年四分を適用いたします。その理由は、これが市中銀行の協調融資になりまして、実際上の負担はまず五分二、三厘程度になろうかと考えまするが、国際競争場裡におきまするいろいろな情勢を見ますと、日本の船舶の輸出が最近伸びましたとは申しましても、なおまだ列強の輸出船に対する信用度に比べますると低いのであります。せっかく今輸出市場を開拓されつつある際でございまするから、できるだけの助成をというつもりでその程度の金利を適用いたしております。これは競争国における金利の情勢に比較いたしまするとまだまだ安いとは申しかねますけれども、しかしながら日本の一般の金融情勢から申しますると、まずこの程度にとどめてしかるべきかと考えてさような率でやっておる次第でございます。
○吉田(賢)委員 国際的な競争に耐え得るというのであれば、大体どのくらいの金利によって耐え得ることになるのでありましょうか。
○山際説明員 御承知のように個々の事情に基きまして具体的に適用せられます金利は変っておりますけれども、まず概観といたしまして四分五厘から五分と思えばいいのではないかと考えております。
○吉田(賢)委員 市中銀行は一般に一割くらいかと思いまするが、市中銀行と協調融資になりますると、結局船会社の輸出造船につきましては、大体あなたの方の貸付の割合と市中の割合と合わせて金利を計算すると、何分くらいが支払っておるわけでございましょう。
○山際説明員 先ほど造船会社の実際上の金利負担を五分二、三厘と申し上げましたが、これは私の方の四分と市中銀行の出しております金利が今大体二銭六、七厘かと思います。それをつきまぜまして実質上の負担がその程度になっておるわけでございます。
○吉田(賢)委員 輸出入銀行につきましては格別伺うことはありませんから……。 中小企業金融公庫について一、二点伺っておきたいのでございます。これは最近中小企業者にとってはとても大きな希望を持たれて発足をせられたのでございます。二十八年九月以来業務を開始したと記憶しておりますが、最近のあなたの方の業務において、口頭も合せて実質的な申し込みと貸付の実績は口数においてどのくらいの比率になるのでございましょうか。
○国府田説明員 私の方の実際の申込件数でございますが、私の方は大部分が代理店を通じて貸しておるので、的確な資料をとりにくいわけでございますが、大体約半分くらいが取り上げられておると見ていいのじゃないかと思います。
○吉田(賢)委員 これは非常に重大なことでございまして、実質的に、百の申し込みがあって五十を貸し付けておるということは、ちょっと想像されぬのであります。百の申し込みに対して貸付の実績は十あるいは五でないかというのが一般の常識でございます。あなたの方は、いろいろな手続を経て最後に振い落とすという段階までいかれた数が二分の一というのかもしれませんけれども、実はそういう方面について、とても中小企業金融公庫の金はわれわれには手が届かぬ、あるいは、数ヵ月かかって五十万円の金を借りるのには五万円の経費が心要であったとかいうように、かなり選に漏れた人の不平があるのでございます。これはあなたの方の金融機関の本来の使命にかんがみまして非常に重大な事柄でございます。これを的確に把握しておられなければとうていその目的は達しないのであります。たとえば、口頭で申し込みがあった場合に、何ゆえにそれを拒むか、成規の申込手続を進めさせないのはどういうわけであったのかというようなことを、あなたの方としては全国的に日々の運営実情として絶えず把握せねばならぬと思うのでございます。それができていないのでただいまのような御答弁になったかと思うのでありまするが、そういうことを十分に日々月々調査し統計し、その状況などを調べるようなことはおやりにならぬのでございますか。
○国府田説明員 ただいま私が答弁いたしましたのは、正式に申し込んだものをどういうふうに処理しているかということを一応御答弁申し上げたわけでありまして、今お話がありましたように、中小企業の公庫の資金の需要が、その表面に現われたものばかりでなく非常にたくさんある、現在におきましても非常な要望があるということは、代理店から私の方に資金のワクをくれないかという要望が非常に強いことから見てもわかるわけであります。ただ私の方といたしましては、年度間の資金の量が限られておるものですから、その資金の割合に比較いたしまして各代理店に資金のワクを与えておるわけでございます。そういうわけで、実質的には今非常にたくさん需要があるということはお話の通りでございまして、この把握の方法につきましては、私の方といたしましては最近支店網を整備して、全国の重要なる都市には支店を置く、また常に代理店あるいは業者との連絡を密にするように心がけておりまして、この的確な把握には常に努力していきたいと考えておる次第でございます。
○吉田(賢)委員 さきに国民金融公庫の御質問を申し上げましたとき、あなたはここにおられたかどうか存じませんが、いわゆる代理店扱いについていろいろわれわれ疑問を持っておったのでありますが、これは正そう中小企業金融公庫の貸付業務の上において適切な問題であるわけであります。そこで民間の声としましては、金融公庫へ行っていろいろと話を聞けば、いかにも親切にたやすく融資ができるようなことの説明を受けるのだけれども、一たび代理店に行くというと、代理店には従来の縁故関係もないしあるいは預金もないしといったようなことでとてもだめでありますというような声は、私が聞いたのだけでも二、三にとどまらぬのでございます。そこでワクをほしい、ワクをほしいという代理店の要望は、裏を返せばもらった資金を自分の取引先へ流して、取引のなかった一般の資金需要者の方にはなるべくそっぽを向く、こういうような結果があちらこちらでもずいぶんとあるのではないか、こう思うのであります。それを的確に把握なさることが必要でないか、こういうことにも帰着するのでございますので、これはやはり一面におきまして代理店の扱い関係を相当私どもは再検討しなければならぬのではないかと思います。そういうことでありますので、一点聞いてみたいことは、一体代理店の手数料というものは今どのくらい出しておられるのでございましょうか。
○国府田説明員 ただいまの代理店の手数料でございますが、私の方の貸し出しには甲方式と乙方式というのがございまして、甲方式と申しますのは、償還期に償還できない場合には代理店が八割の責任を負う、これが甲方式でございます。それのレートでございますが、三百万円以下は実収利息の四五%ということにいたしております。これは現在私どもの金利は九分六厘でございますから、元本に対して四分三厘の手数料を差し上げておる、こういうことになります。それから三百万円をこえるものは四〇%手数料を差し上げることにいたしております。これがやはり今の元金に直しますと約三分八厘、こういうことになっておるわけであります。それから乙方式と申しますのは、代理店が三〇%責任を負いまして、私の方が七〇%責任を負う、こういうふうな仕組みでございます。それにつきましては先ほど言うように三百万円を境といたしまして、三百万円以下のものには三〇%の手数料を差し上げるわけです。それが約二分八厘につくわけですが、三百万円をこえるものにつきましては二五%差し上げまして、これが元本に対して二分四厘の手数料、こういうことになつておるわけでございます。いずれにしましてもこれは実収の利息があった場合に差し上げる、こういう仕組みになります。
○吉田(賢)委員 そうするとあなたの方で代理店に支払っておる手数料は年間何ほどになりましょうか。二十八、二十九、三十、及び三十一年は予算でもよろしいから、それを一つ御説明して下さい。
○国府田説明員 大へん恐縮でありますが、二十八年の数字を今持っておりませんから、二十九年から申し上げましてごかんべん願いたいと思いますが、二十九年度の実績におきましては、手数料が平均三分四厘についておるわけでございます。
○吉田(賢)委員 ちょっとその金額を言っていただきたい。
○国府田説明員 金額は二十九年度は十一億円でございまして、三分四厘、その出し方は、私が申し上げるまでもなく運転資本の平均残高をもとにして計算いたしたものでございます。三十年度、これはまだ完結いたしませんから一応の仮計算でございますが、これは十五億でありまして三分六厘、こういう予定になるのではないかというふうに仮計算をやっておるわけであります。それから三十一年度でありますが、これは予算をもとにして計算いたしたわけでございまして、手数料は金額としまして十七億、これが三分、こういうことになっております。
○吉田(賢)委員 そうしますと一方におきまして借主は、ただいまの甲方式でありますか、ただいまお述べになりました年次に利息を総計どれほど支払っているのでございますか。概要の数字でよろしゅうございます。
○国府田説明員 これは二十九年度でございまするが、二十三億になっております。それから三十年度、これはもちろん仮計算でございますが三十七億、こういう予定になっております。三十一年度は予算に従いまして計算いたしますと四十六億、こういう数字になっておるわけであります。
○吉田(賢)委員 そこでこの中小企業金融公庫の金利が九分六厘、もっともこれはそう長期のものではないためでもありましょうが、資金の性質からも一面くるのでありましょうが、さっきもお聞き及びであったと思いますが、開発銀行の外航船舶の融資のごときは、開発銀行の貸し付けております金額は一千二百億円をこえて元利の金があり、そして金利をたな上げしているだけが四十五億円もあるわけなんです。その開発銀行の金利が六分五厘、そのうちたな上げを三分しておる。そうすると三分五厘で使えるわけだというようなことなのです。これが大きな企業家である。それが毎年一回の航海で一万トンの船が一億円の水揚げをするということである。一方泣きの涙で金を借りに行っておる年末に差し押えを食って夜逃げしなくちゃならぬ、首つりしなくちゃならぬという羽目に追い込まれる階層である中小企業は金利が九分六厘である。そうして利息だけ二十九年度が二十三億円、三十年度は三十七億円、三十一年が四十六億円がさらに予定されておるのでありますが、そこで思いますことは、私はこの中小企業金融公庫の性質にかんがみて、この営業をするということはやはり代理業といえども純粋な商業的利益を上げるべき筋じゃないと思います。やはり公共性を多分にお考え下さって協力してもらわなければならぬと思うのです。あなたら御承知と思うけれども、民間で納税組合とか協会とかというのがあって、税金を納めましょう、払いましょうというのに、それぞれ町の有志が寄って、お互いに税金を納めることに協力をしておる。そういうことをやりましても別に手数料をもらっておらぬというような事実もございます。そこで中小企業の金融のために協力するこれらの代理業者はおもに銀行でありましょう。これらのおもな銀行は資本も相当あるし、また業務もなれておりますから、手数料を三百万円以下は利息の四割五分、三百万円を過ぎると四割とるということは少し多過ぎやしないだろうか。これは民衆のこの金庫の性質にかんがみて、協力をしてもらう趣旨におきまして、手数料の引き下げを一つやったらどうだろう、こういうことを積極的にお考えになってはどうか。それならば金庫を利用する多数の中小企業者の金利が幾らかでも安くなるのではないであろうか、こういうことを考えるのであります。元来この種のものに協力するのならば、最低の手数料でなければならぬはずであります。ことに国家が国民の金を使ってこれらの代理業者に渡そうということになりますと、私はなおさらそういうことを考えるのでございます。ことに三十一年度の予算におきましても十七億円が計上せられておるということも思えば、一そうそういうふうに考えざるを得ないのであります。これはあなたの方として、この金庫の性質にかんがみて、その辺を折衝して、もう少し借りる人の立場を有利にするということをお考えになりませんか、それを一つ伺ってみましょう。
○国府田説明員 ただいま金利の問題に関連して手数料の問題についてお話がございました。金利は昨年の七月一ぱいまでは一割でございましたが、八月から四厘下げまして、九分六厘にしておるわけであります。もちろんこの金利が最終的なものであるということでもございませんが、金利そのものはいろいろな関係によってきまるわけでございます。もちろん中小企業者のためには低いに越したことはないわけでございまして、私の方としても低い方をいかなる方法でとるかということは十分研究すべき問題でございますが、これはほかとの関連等において私の方が一人抜けがけするわけにはいかないと思うのです。 同時に手数料の問題についてお話がございましたが、この手数料の沿革と申しますと、これは開発銀行の中小企業貸し出しの手数料を一応標準にいたしましてきめたパーセンテージでございます。これは二十八年の九月に私の方が営業を始めた早々におきましては、各代理店も長期の資金の貸し出しになれないところもあるし、また件数あるいは金額が非常に小さい割合には手間がかかる、こういうわけで一応開発銀行の手数料を標準としてそのままやったわけでありますが、その後金融情勢が変りまして、同時に金融公庫の代理店に対する資金のワクというものが大きくなって参りましたので、必ずしも資金あるいは件数の少いときと同じ率である必要もない。また金融情勢がだんだんと正常化いたしまして、いろいろな関係で利ざやも減ってくるという情勢にありますので、三十一年度からはお説のようにまた代理店の方の中小企業金融、ことに国家資金という点についての協力も得たい、こういうふうに懇願いたしまして、大体四月一日から手数料を一五%平均引き下げる予定にしておるわけでございます。それでありますので、先ほど申し上げましたように二十九年度、三十年度、三十一年度と貸し出しの絶対額がふえるものでありますから、手数料の金額の絶対額はふえますけれども、手数料を払うパーセンテージは、二十九年三四%でございますが、それがだんだんと減ってきておるようなわけでございますから、一つ御了承を願いたいと思います。
○吉田(賢)委員 今の手数料を四月一日から一五%引き下げられる、これはけっこうであります。それはやはり借り主にその利益が流れていくということが望ましいと思うのです。といいますのは、四分引き下げということは、これは一般に金利をどこもここもみんな引き下げておるのでございますから、何もあなたの方に限ったことではないのであります。おそらく原因はそこに由来しておるのだろうと思います。でありますので、これは一般傾向に基くものである。元来中小企業金融公庫の金利が高いのです。国の機関で一割近くとるというようなことではとてもやっていけないと思います。この点は中小企業金融公庫の法律が作られるときに相当論議になった点だろうと思いますが、私は一つの盲点だろうと思います。これは今日多く議論はしません。また追ってのことにいたしますけれども、この点はやはり十分検討をせられて、中小企業のためにはかることがあなたの方の使命です。金利は安きにしくはないのです。それから一五%引き下げは借り主の利益においてその金を処理するように進めなければいかぬと思います。そういうことを希望しておきます。 それから住宅金融公庫の方に伺いますが、あなたの方は当委員会に何らの資料もお出しになっておらないのですか。
○鈴木説明員 私の方は会計検査院の検査の結果国会へ出す報告事項に別段具体的のものがなかったようでありますので、私の方から進んで資料を提出申し上げてはおりません。
○吉田(賢)委員 委員長、これは資料は要求しなかったのですか。
○上林委員長 要求しなかったと思います。
○吉田(賢)委員 ちょっと御意見を聞いてみたいのですが、私の方は会計検査院の報告事項を審査するばかりでなく、やはり政府関係金融機関の決算を審査するのであります。従って一般にどの金融機関におきましても、それぞれ二十八年、九年、三十年にわたっての一切の業績を御報告になっておるのです。会計検査院の批難事項があるとかないとかいうことにはかかわらぬのでありますが、それは一体どうお考えになっているのですか。
○鈴木説明員 お答えします。年報は係の方まで提出しておりますけれども、別に御要求もございませんでしたものですから、特段の資料を出してはおりません。
○吉田(賢)委員 私は何もそういうことにこだわるわけじゃありませんが、金融公庫年報とかいう雑誌を一冊委員会へお出しになっておるのであります。雑誌もいいと思いますけれども、でき得るならば、この委員会の審議に御協力になる意味において、一切の決算に関する資料をお出しになるべきだと思うのです。こちらが要求しなかったのが悪いのかもしれませんが、ほかの政府関係の金融機関は相当詳細なものを全部出しております。会計検査院が批難をしなかった年は何もないというようなお考え方が潜在しておりましたらこれは大へんなことであります。そういうことじゃないかと思って私は伺っただけであります。 それでは二十八年度におけるあなたの方の資金需要と資金計画の概要を説明して下さい。
○鈴木説明員 住宅金融公庫の二十八年度におきます事業計画といたしましては、大体年間戸数にいたしまして五万五千戸の計画でございます。その細分を申し上げますと、個人並びに住宅組合に対する住宅が大体四万四千戸程度、賃貸住宅、これは御承知のごとく鉄筋コンクリート、耐火構造のみの賃貸住宅、いわゆるアパートでございますが、これが五千戸。それから、二十八年度から初めて特別の法律ができまして、すなわち、御承知の産業労働者住宅資金融通法が制定されまして、この年に六千五百戸分貸し付けるということに相なったので、総計先ほど申し上げた五万五千戸程度に相なっておる次第であります。これに対しまする貸付金額は二百十三億三千五百万円ばかりに相なっております。この需要でありますが、ただいま全部に対する個別の正確な資料を手元に持ち合せておりませんが、一番需要を判断するのに著しいと思われます個人住宅の需要の状況は、これは御承知のように、住宅を必要とする人で、かつ公庫からの貸付に対する返済能力があり、並びにその借入金によって建設する住宅が憲法に言う健康にして文化的なる住宅であり、また公庫の建築基準に適合する住宅であるような資格に合いまするものには公平に割り当てることにしておるのでありますが、大体この年におきましても用意した資金に対しまして申し込みが約六倍程度に上っておると記憶しております。ことに二十八年度までは個人住宅の貸付条件等三十年度よりよかったのであります。逆に申しますと、借受人が、いわゆる頭金という名で俗称せられておりますが、公庫の貸付金以外にみずから自己資金を準備しなければならない程度が三十年度より楽であったのでありまして、今から考えますと建築費等におきましては、二十八年度ころは相当高くてなかなか建てにくくはなっておりましたが、借受人としては当節より恵まれたる状況にあったと考える次第であります。 大体お尋ねの要点に合っておりますかどうですか、一応以上をもってお答えといたします。
○吉田(賢)委員 あなたの方は直接木造の住宅を相当お建てになっておるのですか。
○鈴木説明員 御承知のごとく私の方は現在におきましてもそうでありますが、過去昭和二十五年に開始いたしまして以来常に住宅建設の資金を供給し、お貸付いたしておるのでありまして、借り受けた個人、あるいは住宅組合または都道府県が出資貸付等をいたしました財団法人に貸し付けて、先ほど申し上げました耐火構造の鉄筋コンクリートのアパートを建ててもらう等のことをしておりまして、木造住宅につきましては、個人の多くが現在までのところ木造住宅を建てられる方が非常に多いのであります。産業労働者住宅資金融通法によって資金を供給いたします相手は産業会社でありますが、この産業会社も、大会社もあれば比較的零細なる中小企業ともいうべきような事業会社もございますので、それらに供給した金の中でやはり木造住宅を建てられる産業会社も少数ございます。
○吉田(賢)委員 二十八年度に九億百万円利益を上げておられますが、これはどういう内容ですか。
○鈴木説明員 御承知のように私どもの方の貸付利率はほとんど全部が年利五分五厘でございまして、二十八年度ころにおきましては特別のもの、産業会社に貸し付けるものが六分五厘の利息をちょうだいしておるだけでございまして、他は全部都道府県の指示する財団法人、個人住宅、組合住宅はもとよりすべて五分五厘の年利をいただいておるだけでございます。それで特別会計の諸雑費、事務経費等、あるいはまたことに金額のかさみますのが、都道府県に建物の建築基準に合うか合わぬか、設計の審査並びに工事が始まって以後は現場における工事の進捗状況を検査してもらう、そういう委託事務に対する手数料を都道府県に払っておりますと同時に、貸付の申し込み、受付、審査並びに貸付金の払い出し、また将来進んで償還に入りますと、元利金の収入というようなことに対しまして委託金融機関に手数料を払っております。これら及び公庫役職員の人件費その他すべての諸経費を差し引きました残金が大体申し上げて利益金に残る次第でございます。
○吉田(賢)委員 あなたの方で発足以来貸付金の延滞金額は年々総計どれくらいになっておりますか。概要でよろしゅうございます。
○鈴木説明員 概要で申し上げますと、総平均いたしまして、償還の具体的の期日までに納めない、それより延滞したということを区別いたしまして、概要九六・何がし程度でありまして、これは年々むしろ若干ずつでありまするが回収率が向上して参っておるのでございまして、現在は九七・五、最近たしか五程度に……。
○吉田(賢)委員 償還ですか。
○鈴木説明員 期日内に償還されるパーセンテージであります。
○吉田(賢)委員 それで聞きたいのは、延滞といっても、たとえば三日延滞しても延滞だろうが、延滞処分というのは、普通銀行などでしますね。だから延滞したので処分するというそれに該当する延滞者、延滞金額は年度末にどれほどになるのか、これを聞いておるのです。
○鈴木説明員 今申し上げましたのは期日前に納められたパーセンテージを申し上げたのでありまして、いわゆる滞納になりまして回収不能ということになりますものは、ほとんど申し上げる程度になっておりません。というのは、一つは御承知のように貸付年限が非常に長いのが多うございまして、われわれの方といたしましては相手は庶民でありまするし、できるだけその実情を調査いたしまして無理なことはしたくない。ことに当節住宅の居住権というものは相当強く叫ばれている今日でありまするから、ここに緩急すこぶる苦心を費しておるということを申し上げたのでございます。
○吉田(賢)委員 ただいま法律が手元にないのでわかりませんが、利益を上げたのは九億円、それから二十九年度は十一億六千万円の利益をお上げになっておる。これはやはり国庫に納付すべき筋ではないか、こう思うのでありますが、検査院の説明によると、全部滞った貸付金の引当金に充てるということになっておるのだが、滞るというものはほとんどないというのであるならば、九億円は、十億円は、これは国庫へ納付するのが至当でないかと思うのですが、いかがですか。
○鈴木説明員 当然に一応は政府納付金として年度剰余金を納付すべきことに相なっております。ただ私の方が、貸付年限が長い割に創立以来まだ経過年月日が二十八年当時では三年、四年、ただいまでも五、六年経過しておるだけでございますから、最も短かい貸付年限が木造で十八年でございまして、それに対しましてもまだほんの短かい年月でございますから、元利金の取り立てば、われわれとして怠慢に陥らないようには極力努めておりまするけれども、割合に皆さん真剣にまじめに納めていただく方々がほとんど大部分であります。そこでただいま申し上げたような程度の滞納の状況にしか相なっておりませんけれども、今後の先の長い年限を考えますると、あるいはまた経済界の状況等の影響いかんによりましては取り立て不能に属しまするような金額が漸次多額に上るような将来も案ぜられますので、一般の金融機関に対しまして、これは民間の会社等に対しましても、税法の上から貸付債権の残額の千分の十五程度までは滞り貸し償却準備積立金をしてよろしい、そういう積立金をしても税法上の税金は免除すると相なっておるのと同じ歩調におきまして、他の金融公庫、政府機関等も同じ扱いと存じまするが、われわれの方の公庫に対しましても貸付残額の千分の十五までは積立金として社内留保ができるということに主務官庁からの示しがありますので、その程度の積立金をいたしておる次第であります。もっともこの積立金はただ死蔵するのでございませんで、その年その年における貸付金に加えまして、少しでも多くの住宅需要に応じまするように貸付の方へ回して運用をしておるような次第でございます。さよう御承知を願っておきます。
○吉田(賢)委員 ただいまの点ですが、利益の千分の十五を社内留保するということは、例のいろいろな税の特別措置法等々によっていろいろな大会社に利益が均霑するような法律があることを存じておりますが、あの法律はやはり住宅金融公庫に適用するんですか。
○鈴木説明員 その法律は直接私の方には適用はないのでありまするが、それを準用すると申しまするか、同じ方針で主務官庁からそういう取扱いを受けておる次第であります。
○吉田(賢)委員 その社内留保するという法律が直接適用ないということであるならば、住宅金融公庫法の第二十七条によりまして「公庫は、毎事業年度の損益計算上利益金を生じたときは、これを翌事業年度の五月三十一日までに国庫に納付しなければならない。」ということが書いてあります。この原則によってこの金は処理すべきものではないかと思われるのであります。そうしますと法律に規定せられておらぬのにこの法律の規定に反して社内留保しておるという結果を来たすのではないかと考えるのでありますが、いかがですか。
○鈴木説明員 これは公庫の国庫納付金に関する政令というものに、ほかの公庫とともに規制される規則が出ておりまして、そのうちに大蔵大臣の承認を受けて雑損に立てるという取扱いをしてよろしいということに相なっておりますので、その規定によりまして毎時大蔵大臣、これは私の方の主務大臣の一人でもございまするが、監督を受けてそういうことに相なっておる次第であります。
○吉田(賢)委員 私は十分に研究しておらぬのでありますが、非常に重要な御発言のように思うので検査院にちょっと伺いますが、一体大蔵大臣がこの法律の趣旨に反したそういう政令によって社内留保を認めることができるというようなことをする権限があるのでございましょうか。
○上村会計検査院説明員 私の方で考えておりますのは、ここの表現もそういう言葉を使っておりますが、一応九億余万円の利益が出た、実は「一応」という言葉を使っておるわけでございますが、法律に言う利益というものは、やはり引当金を計上したならばそれを控除したものがこの法律に言う利益金だ、かように実は考えておるわけでございます。
○吉田(賢)委員 ところが引当金をするという法律の根拠はないのであります。その根拠はなく、ただ政府が政令を出して、その政令の中にこの金庫も公庫も適用される、それによって今のような社内留保をするという、ところが公庫法の二十七条はそういうことを認めておらぬ、その公庫法に反する政令を出すということは、その政令は法律違反の政令になるのではないでしょうか。
○上村会計検査院説明員 ただいまの点につきましては公庫の予算及び決算に関する法律というものがございますが、その三十七条の三項に「第一項の利益金の計算の方法及び納付の手続については、政令で定める。」というところがございまして、これを受けてきて今のような計算方法になる、法的にはそういう形になっております。
○吉田(賢)委員 ただしかし鈴木さんにだめを押しておかなければならぬことは、やはりこの法律の精神は貫いてもらわなければならぬと思うのです。これはきょう結論を出さないで私も研究いたしまするが、第一項から第三項までは第一項の趣旨を貫いていかねばならぬと思うのです。損益計算の控除、つまり第三項は、第一項の特別勘定の損益を控除して行うとするその計算の方法、納付の手続などは政令によるというので、第一項によりまして利益金があればこれは納付せなければいかぬ。その利益金の計算の仕方を政令によるということは、この法律を骨抜きにしてしまう。たとえば貸付金の五割も七割も利益があってもなお公庫内の留保になってよいというような政令が許されるのであろうかと思います。政令というものは法律の範囲内においてなし得るのでありまするから、法律の精神をなくしてしまう、骨を抜いてしまうというような政令はないはずなのです。法律は国会を通り、政令は内閣が作るのだから、国会を通った法律の精神に沿うて政令はできる。その議論からいうならば、利益をなくしてしまうようなそんな逆の政令は私はできないと思う。もっともこれはあなたと政令論をやってもしようがないし、また検査院当局と政令論を論争することもどうかと思うのでありまするが、私はそう思うのです。これはもっと研究しますけれども、法律の文理的な解釈からするならば、今の政令は法律を骨抜きにしてしまう、法律の骨を抜くような政令は政令として無効であるというふうにも考えられます。これが九億だからいいのです。これが九十億円だったらどうします、三百億円だったらどうします、それでもそういう政令さえあれば別に国庫に納付せぬでもいいのじゃないか。千分の十五は偶然なのです。そうでなくしてこれが千分の六百となってもいいのか、こういうことになりますとそんな無茶な政令というものはできません。そもそも政令はやはり利益の範囲内におきまして計算の仕方なりあるいは納付の手続なんかが規定さるべきものではないかと思うのです。これはもっとも法律の条文を見ての私の文理解釈の一応の解釈にすぎませんから、これはあとのことにいたします。あとのことにいたしますが、いずれ昭和二十九年の審査の際に譲ることにいたします。これでよろしゅうございます。
○上林委員長 それではこれにて昭和二十八年度決算中、国民金融公庫、住宅金融公庫、中小企業金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行関係につきましては質疑を一応終了いたします。 本日はこの程度で散会いたします。 午後二時一分散会