決算委員会 第9号
- 発言数
- 110 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/02/27
会議録
○片島委員長代理 これより会議を開きます。 本日は委員長が所用のためちょっと他出いたしておりますので、理事であります私が暫時委員長の職務を代行いたします。 本日は日本国有鉄道関係につきまして審査を進めます。 それでは昭和二十八年度決算検査報告三三一ページより三五九ページに至る報告番号二二一〇ないし二二二四を一括議題として、これより質疑に入るのでありますが、審査の便宜上昭和二十九年度決算検査報告三四四ページより三六六ページに至る報告番号二二一一ないし二二二三をもあわせまして一括議題とし、まずこの分につきまして会計検査院当局より説明を求めます。上村第五局長。
○上村会計検査院説明員 二十八年度の分につきましては、すでに御説明いたしてありますので、二十九年度について御説明いたします。日本国有鉄道につきまして、二十九年度の検査報告に掲げました不当事項は、全部で十三件になっております。てのうち工事に関するものが五件でありまして、まず予定価格の積算が当を得なかったため、工事費が高価になったものが三件ございます。 まず第一が二二一一号でございますが、これは名古屋鉄道管理局で二十九年十二月、住友機械工業株式会社に八百三十二万円で、名古屋港用品庫配炭所水平引込式橋型起重機新設工事を請け負わせたものについてでございますが、予定価格の積算に当りまして、作業の実態把握が不十分であったため、工事用電力量を多く見込み過ぎたり、架設費等に人夫の宿泊経費が見込んでありますので、さらに宿泊料を見込む必要がありませんわけでございますが、工事所要人工の算定に当りまして、宿泊料相当額を人夫に換算して人夫賃に積算したため、工事費が総体におきまして約百四十三万円くらい高価になっておる事態でございます。 次は二二一二号でございます。これは関東地方資材部で、電動機車軸受け金八百三十組を、単価四千九百円、総額四百余万円で製作させたのでありますが、予定価格の算定に当りまして、ホワイトメタルの所要量を他の材料であります銅鍋及びハンダの体積と重複計算したり、またはロスの見方が甘かったため、約六十四万円が高価になっていると認められる事態でございす。 次は二二一三号でございます。これは釧路鉄道管理局で、北海道軌道施設工業株式会社に二千余万円で請け負わせました根室本線重軌条更換工事についてでございますが、予定価格の算定に当り、まず所要人夫賃の算定につきまして、請負作業に含まれます十二の種目の作業の基準人工の合計をそのまま採用しまして、キロメートル当り線路工三百四十人というふうに積算してあるのでございますが、その基準人工なるものは、各作業を単独に行います場合の所要の人工でございまして、本件のように多種目の作業をあわせて一貫作業を行います場合には、作業の重複する部分も考えられますので、基準人工の合算によりますことは、必ずしも適当とは考えられません。幾らが妥当であるかという点はなかなか困難でございますが、旭川管内で行いました軌条更換の積算人工、キロメートル当り二百五十三人程度で積算したといたしますれば、約百六十万円が過大に積算になっていると考えられます。なお工事費の積算のうち、飯場費の中に主食、副食費は二百二十万円ほど積算してございますが、これらは賃金で見るものでございまして、賃金のほかにかようなものは見込む必要はないのではないか、かように考えるのでございます。 次は工事のうち、工事契約方法が適当でなかったため、工事費が高価になったと考えられるものが二件ほどあります。二二一四と二二一五号でございます。 まず二二一四号でございますが、これ札幌鉄道管理局で室蘭高圧配電室設備工事を請け負わすに当りまして、主体工事であります配電盤製作改造工事とその他の諸工事とを一括して八百九十五万円で新生電業株式会社に請け負わせたのでありますが、その主体工事でありまする配電盤の製作工事につきましては、予定価格を六百四十一万一千余円としておるのでございますが、この点につきましては別途株式会社明電舎北海道出張所から見積りを徴しましたところ、五百十万円で施行する申し出がありましたものでありますから、これを分けて契約するような方法をとりましたならば、相当有利に契約できたと考えられるのでございます。一括契約いたしましたため、約百二十万円が高価になっておると考えられる事態でございます。 次は二二一五号でありますが、門司鉄道管理局で施行いたしました門司隧道排水設備改良工事でありまして、これも二二一四号と同じように、主体工事とその他の工事を一括請負に出したため、約百八十万円が不経済になった事態でございます。これらの事態は、機械の製作業者が工事につきまして国鉄の指名業者でないという点から、かような事態が起ったものではないかと考えられますので、今後十分な留意が必要と考えられるのでございます。 次は物件についてでございますが、二件ありまして、いずれも高価に購入したと認められる事態でございます。最初は二二二八号でございます。これは関西地方資材部で二十九年度中にクレオソート注入木材六千余本を五千万円で購入しておりますが、予定価格を算定いたします場合に、すでに廃止になっております物価庁の告示価格を基礎といたしまして、木材価格と物価の変動を勘案いたしまして決定した指数を乗じて定められたものでございますが、告示価格が一本当りできまっておりましたのを、石当り価格で換算します場合に、計算の誤まりがあったり、あるいは一般市況やその他の地方資材部の購入事例を考慮しなかったために高くなったものであります。関東地方資材部程度のもので購入いたすといたしますと、約三百九十五万円が節約できたと考えられるのであります。 次は二二一七号でございまして、関東、関西両資材部で二十九年度中に螢光放電管四万六千八百三個を千九百余万円で購入しておられるのでございますが、市況の状況や他の資材部の購入事例等十分参酌せられなかったため、高価に購入せられたものと認められる事態でありまして、中部資材部と同程度の価格で購入せられたといたしますと、約五百万円が節減できたことになるわけであります。 次は役務についてでございますが、三件ございます。まず二二一八号でございます。これは日本海陸運輸株式会社に請け負わせました石炭荷役の料金の問題でございまして、二十九年九月までは国鉄の機械を無償で使用させているということから、作業能率の点をも考えまして、通運事業法による工事料金の一割五分から五割程度を割引いたしました料金で荷役料金が定まっておったものでありますが、その後荷役機械について国鉄の営業局の定めておられます使用料を取ることといたしまして、荷役料自体につきましては、割引することをやめて、公示料金通りを支払うことに改められたものでございます。改められましてから三十年九月までに機械使用料としまして五百七十三万余円を徴収いたしまして、荷役料といたしましては五千九百余万円を支払われておるものでございますが、今改正前の工事料金から割引する方法によるその間の荷役料金を計算いたしますと、三千七百五十八万余円となりまして、改正前と改正後を比較いたしますために、これに機械使用料を加えて考えてみますと、改訂後の方が約千六百万円ほど高くなっておることになるのでございます。作業の状況はいずれも前後を通じて同様でありますのに、このように不経済になりましたのは、機械の使用による作業の効果について考慮が十分でなかったため、かえって不合理な結果となったものでございまして、適切な料金改訂とは考えられない次第でございます。 次は特定業者に継続的に施行させる作業の単価が高価となったと考えられるものが二件ございます。 二二一九号でございますが、これは東京鉄道管理局で二十九年度中に株式会社鉄電社に請け負わせました電気設備の検査業務の作業料金でございます。この作業料金は検査種目のおのおのの推定所要人工数に賃金を乗じまして、一般経費を加え、一件当り千七百円から四十銭と定めまして、検査の実績に応じて支払ったものでございますが、支払わられました料金から計算した人工数と実際に会社で要しました人工数を比べてみますと、実際の方が六三%くらいになっておるわけでございます。また会社の実際の平均給与も料金の基礎となっております賃金よりも高くなっておるのでございます。しこうして本件は随意契約で独占的に施行さしておる特殊なものでございますから、この間の実情を調査し、料金の決定をすべきものと考えられるのでございます。今二十八年度の実績を考慮し、作業料金を定めて支払ったといたしますると、約百七十余万円が節約できたと考えられるのでございます。 二二二〇号は、二十九年度中に東鉄工業株式会社外五名に請け負わせた砕石及びふるい砂利の採集運搬についてでございますが、その契約単価は予定数量に基いて算出されたものでありますが、実際は予定数量を相当上回る結果になったものでございまして、従って数量が増加しても経費のふえぬ点もございますので、業者に相当有利の結果となっておると思います。この作業も国鉄と特殊なつながりのもとに行われておるものでございまして、生産した全量を国鉄に納入しておるものでございますから、数量の増加した場合に適応するような処置をとることとしていましたならば、国鉄の計算によりましても、約二百八十万円が低減できたと考えられるのでございます。 次は不正行為三件でありますが、二二二一号から二二二三号でございまして、旭川鉄道管理局外二ヵ所で職員が人夫賃の水増しをする等のことによりまして、合計五百八十余万円の不正行為をした案件でございます。 以上簡単でございますが、二十九年度の御説明を終ります。
○片島委員長代理 次に運輸当局あるいは国有鉄道当局において説明があれば、この際発言を許します。
○片岡説明員 二十八年度の決算報告につきまして本検査院の方から御説明がありましたが、私の方で簡単に二十八年度の御指摘の事項について御説明を申し上げまして、そのあとで二十九年度のただいま御指摘の事項について御説明を申し上げるようにいたしたいと思います。 二十八年度につきましては、工事の進捗状況について、工事経費予算示達の遅延についての御指摘でございますが、制度運用の簡素化を行いまして早期示達の方法を講ずるとともに、工事の設計及び資材の調達の促進をはかり、工事の円滑な施行を推進することにいたしました。建設工事で数年にわたって施行するものは、継続費によって施行することが望ましいという御指摘でございますが、新線建設工事費の財源は原則として新川たな資本の調達によらなければならないものであります。しかるにこれらの対象工事はおおむね収支採算の困難なものが大部分でありまして、政府の出資、借入金、鉄道債券等による財源の確保は困難な状況でございます。一方国鉄の部内事情といたしましては、現在の財政状態では逼迫した輸送力の降路打開等のため最小限度の必要資金の確保も十分でない状態でございますので、建設工事について継続費として財源を拘束いたしますことはまことに忍びがたい状況でございます。 二番目の災害応急工人の請負契約について、災害応急工事の施行に当りましては、とりあえず仮契約を締結させまして、工事の実態をよく把握させた上で本契約を締結させることといたしまして、個々の場合に適応した契約を締結して正当な支払いができるようにいたしました。 三番目の工事施行に関する部局間の連絡についてでありますが、部局相互に関連する工事の施行に当っては、部局側の連絡を一そう密にいたしまして、工事施行の時期、順序等について慎重に考慮いたしまして、工事の手戻りとなる等の不経済な事態が起らないように十分連絡をはかるよう指導しております。その他工事の設計、入札あるいは監督についても十分注意して遺憾のないよう努力いたします。 それから物件についての御指摘の事項でございますが、資材の過大調達につきましては、準備要求とその更生処理の適切を期しまして、また現品の把握に努めて死過蔵品の発生防止に努力いたしております。 資材の購入関係について、資材の購入に当りましては市場価格の把握に努め、予定価格の積算を正確に行い、不経済な購入とならないよう十分注意いたします。 それから役務関係につきましては、石炭がらの処理につきましては、従来各局によって不統一の点がありましたし、また今回会計検査院の御指摘もありましたので、二十九年十二月に石炭がら処理手続という依命通達を制定いたしましてその取扱いの標準を定めて処理方法の適正をはかることにいたしました。 それから職員の不正行為につきましては、二十八年度の職員の不正行為によって国鉄が損害をこうむった事故が数件指摘されておりまして、まことに遺憾に存じます。事故発生の都度その原因を究明して善後措置を講じ、内部牽制組織をさらに強化いたしまして、同一事故が再び繰り返されないよう発生防止に努力しております。三十年十月二十八日には経理局長名をもって現金事故防止について詳細通達いたしました。二十八年度の御指摘の事項に関する概要の一般論としての御説明でございます。 それからただいまの二十九年度についてのお話に対して説明をいたします。二二一一号の西名古屋港水平引込式橋型起重機の据付工事費について御指摘を受けたものでありますが、本件工事の予定価格の積算に当りましては、既往に施行いたしました同種工事の製作費と据付費との比率とか、トン当り経費を勘案し、またその積算内容を参考として予定価格を算定したものでありまして、特に過大な積算とは考えないのでありますが、予定価格の積算内容がきわめてずさんであったことはまことに遺憾なことでございますので、関係責任者に対しましては処分をいたしました。 それから電車、電動機車軸受金の製作費が高価と認められるものであります。関東地方資材部で二十九年度に契約いたしました軸受金の製作が高価と認められるものの御指摘でありますが、材料の所要量の正確な計算はきわめて困難なことでありましたことと、当初の予定価格では入札額との差額が大きくて不調となり、再度の公告によって契約ができたような実情でございまして、この場合特に低額に契約できたとも考えてはおりませんけれども、予定価格の積算に当りましては、今後は製作工程等を十分よく把握いたしまして、適正所要量を算出するように十分注意いたします。 根室本線軌条更換工事の工事費が高価と認められるものでありますが、根室本線の重軌条更換工事と同年度に旭川鉄道管理局で施行いたしました工事と比較すると所要人工の積算が過大であり、また飯場費の積算についても過大であるという御指摘を受けておりますが、本件重軌条更換工事の予定価格は、施設局で作成いたしました保線作業基準量表を基とし、それに釧路局の実情を考慮して積算したものでございます。旭川鉄道管理局で施行いたしました工事は、国鉄の直営部分が含まれておりまして、また外注工事の分についても工事施行内容が異なる部分もあるので、本件工事と線路工人工等が相違しているのはやむを得ないことと存じております。また飯場経費は請負価格構成上心要な経費でありますが、本来飯場仮設費と飯場費とに分けて積算しなければならなかったものを、飯場費一本で積算したのは適当な方法ではございませんので、この点につきましては今後十分注意をいたします。 二二一四号、二二一五号、工事契約が当を得ないため工事費が高価となったと認められるもの、工事の施行に当っては、その一部を分割して専門の製作業者等に直接施行させる方が有利と認められる、こういうことでございますが、二二一四号の札幌鉄道管理局施行の、室蘭特別高圧配電室設備工事、その十四の配電盤製作工事と、二二一五号の門司鉄道管理局施行の関門隧道排水設備改良工事のボアホール・ポンプ工事、この二つが指摘されております。配電盤の製作工事は、在来の配電盤の機械的操作方式を電気的操作方式に改めるため、油入遮断器などの高圧部分の階下への移設とか、これを操作いたします配電盤面の改良、移設作業等、電気主回路だけでも数回にわたる複雑な作業を配電盤の機能を生かしながら行わなければならない工事でありました。 次にボアホール・ポンプの据付工事でありますが、工事場所が普通の場所と違いまして、関門隧道の試掘縦坑内でありまして、エレベーターのワクとか、タラップ、旧ポンプ設備の排水管等の支障物が多くて、電源とともに新旧ポンプを切りかえていく複雑な工事内容でありました。 以上の通り複雑な工事でありまして、関連工事の関係者相互の連絡段取り等を円滑に行わせるため、一括して工事を請け負わせたものであります。しかしながら工事によりましては、御指摘のように分割して請負することが経済的である場合も考えられますので、今後は十分これらの点を注意いたします。 次は二二一六番でございますが、関西地方資材部で二十九年度に購入いたしましたクレオソート注入の枕木の予定価格の算定の際。計算を誤まった等のことで予定価格が過大となり、購入価格が高価となったと御指摘を受けたものであります。比較されました中部地区は需要供給の関係で割安に購入できたものと考えられますけれども、他部局の購入価格を参考とするなどの配慮に欠けておりまして、相当高価な購入となったことは遺憾であります。今後市場価格の把握に努めまして、また他部局との連絡を密にして経済購入に努めます。なおその後予定価格の積算方法を是正いたしまして廉価に購入いたしております。 それから次には二二一七号の螢光放電管を高価に購入いたしましたものと認められるものでございますが、関東関西両地方資材部で二十九年度として購入した螢光放電管が同年度に地方資材部、特に中部の資材部で購入いたしました価格に比較して著しく高価であるという御指摘を受けております。比較されました中部地方資材部とは、その購入方法とか契約条項等が異なっておりました関係もありますし、また需要供給による市場価格の関係もあり、価格に相違を生じたものと考えられますが、なお比較的高価であったことは遺憾に存じます。今後部局間の連絡をさらに密にいたしまして、経済購入に努めたいと思います。 次には二二一八号でございますが、御指摘の有川港外六ヵ所の石炭貨車積荷役料金については、従来機械使用料を相殺する考えで公示料金を割引した料金で契約しております。会計検査院の御指摘もあり、機械使用量を別途徴収することに改めましたが、かえって不経済となるような結果となりましたことは遺憾に存じております。しかしながらこの石炭の荷役契約については会計検査院の御指摘もあり、二十九年度から種々是正改善の措置を講じましたため、総価におきましては既往年度に比べまして相当低額に契約いたしております。なお本件につきましては会計検査院の御指摘の趣旨を十分検討の上善処いたします。 次に二二一九号でございますが、東京鉄道管理局が二十九年度に随意契約によって株式会社鉄電社に自費電気の検査業務を請け負わしておりますが、積算の内容と施行者の実績とが著しく相違しているから、施行者の作業及び費用の実情に即して契約単価を決定すべきであるという御指摘であります。本件作業は部内事情によって二十七年度以降同社に施行させることにいたしました。当時国鉄自体でこの検査事務を実施しておりました作業の実情をしんしゃくいたしまして、作業人工を査定して契約単価をきめておりましたが、業者の実績人工の把握が困難でありました関係上、二十八年度算定の基準をそのまま採用いたしましたが、業者の実績人工において著しく相違のあったことはまことに遺憾であります。さっそく積算内容を是正いたしまして、経費の節減をはかることにいたします。なお関係者は処分いたしました。 次には二二二〇番の砕石の問題でございます。東京鉄道管理局で砕石及び砂利の採集及び運搬契約に当って、予定生産量が単価決定の要素となるにもかかわらず生産量が相当上回っているのに単価を改訂していないという御指摘でございます。予定単価の積算に当っては国鉄の投下資本、それから業者の設備費、人件費等、経費の実情を詳細に検討いたしまして、これと年間予定生産量を規定して一立方メートル当りの単価を算定して契約単価としたものでございますが、二十九年度は特に予定数量を相当上回って購入することになったのに、単価の改訂の措置を講じなかったのは遺憾でございます。三十年度においてはさっそく是正処理いたしました。なおこのような契約方式については検討の余地がありますので、十分研究いたしまして、さらに適切なる価格とするように措置いたしたいと考えております。 職員の不正行為についてでございますが、二二二一番から二二二三番まででございます。職員の不正行為によって国鉄が損害をこうむった事故が毎年指摘されておりますので、まことに遺憾に存じております。事故発生の都度その原因を究明いたしまして善処の措置を講じ、部内牽制組織を強化して事故の発生防止に努力いたしております。本件事故の詳細は提出いたしました資料の通りでございますが、なお不正行為者はもちろんのこと、関係責任者はそれぞれ処分いたしました。以上でございます。
○片島委員長代理 それではこれより質疑に入りますが、質問者の便宜上本日の出席者をお知らせいたします。会計検査院より上村第五局長、運輸省から伊能政務次官、権田鉄道監督局長、国鉄側から十河総裁、片岡監察局長、石井経理局長、佐藤施設局長、岡工作局長、高原建設部長、今井管財部長、河島資材局燃料課長。以上であります。質疑は通告順に行います。吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 私は本日は主として概括的な御質問を申し上げ、なお若干具体的な批難事項に触れてみたいと思います。 二十八年度検査報告の三三二ページの「連絡運輸収入および貨物後払運賃の回収状況について」、特に連絡運輸収入の滞納問題について伺ってみたい。これは報告書並びに提出された資料によりますと、三ヵ月未満のものないしは一年以上にわたる滞納期間で、二十八年度末には四億五千四百余万円、七年度には四億五千万円、二十九年度には五億八千二百万円、三十年度には、三十年十二月現在までで四億三千七百万円、こういう状況らしいのであります。これは滞納者はいずれも私鉄会社等でありますが、非常に膨大な滞納といわなければなりません。これはもっと回収が適切に行われればこんな大きな滞納はしないものと思われますが、何ゆえこんな多額な滞納があり、現在どうしているかについて国鉄当局から御説明を承わります。
○石井説明員 お答え申し上げます。運輸会社の連絡精算期限の滞納につきましては、御指摘のような数字に相なっております。私どもといたしましてはできるだけこの滞納を少くいたしたい、かように考えております。この発生いたしました原因につきましては、いろいろインフレーションの過程等におきまして社業の経営がうまくいかないというのもございますし、あるいは中にはその会社の設備拡充資金に流用したのではないかと考えられるようなものもございます。私どもといたしましては、既往に発生いたしました滞納額については、これを極力回収いたします。分割回収その他によって回収するほか、一挙に回収するということは、はなはだ困難なことでございます。新しく発生いたしますものを、なるべく滞納というようなことにならないように、今後の発生額の回収を確保しよう、そして過去におきます滞納額を逐次回収して参りたい、こういう考えでやっておる次第でございます。 実は連絡運輸会社につきましては、私どもといたしまして非常にむずかしい立場にあるのでございます。それは連絡運輸会社が滞納いたした場合は、連絡運輸契約に基きまして、連絡運輸をやめればよろしいわけでございます。ところがこの連絡運輸をやめるということは、私どもの債権確保の建前から申しますと、今後の発生というものがなくなりまするから、一応今までの被害で食いとめられるということにはなるのでございますが、これは単に会社に打撃を与えますばかりでなく、その社線の沿線の地元の旅客あるいは荷主の方々のこうむる迷惑の方がより大きいわけです。こういう一般公共の利害に関する重大なことでございまするし、かつまた連絡運輸を廃止することによって、おそらく会社としては成り立たないという会社も相当出てくることと考えられますので、会社がつぶれるということになりますと、これまたその地方にとりましての重大な利便等の影響があるわけでございます。従いまして、私どもといたしましては、なるべく会社の存立をはかりながら回収をやって参りたい、かように考えて参ったのが、主として今日まで、滞納額は多少漸減はしておりまするが、思うように入って参らない原因でございます。そこで私どもといたしましては、思い切って連絡運輸を廃止したいということを経理上の立場からは考えておりまして、再々監督官庁でございます運輸省にも御相談申し上げたわけでございます。運輸省といたしましても、先ほど申しました事由によりまして、できるだけそういうまあ荒療治と申しますかは避けたい、そこで運輸省の方でも、会社の責任者をお呼び出しになって、重々戒告を加えられて、この納入について強い御指示をなさっておられるわけでございます。具体的に今いろいろ考えられる措置、私どもとしてとられる措置は、いろいろ講じておるのでございますが、しかしその方法は会社々々によって事情も異なっておりまするので、いろいろ申し上げにくいのでございまするが、一例をあげれば、たとえば会社に対しまして私どもの方の払い分が、これは連絡運輸では精算いたしますが、それ以外にたとえばある会社では別に石炭や砂利などを販売いたしております。そういうものを私どもの国有鉄道で買っております場合には、そういうものの売払い代金と相殺するという方法はもちろん議じているわけでございます。またある場合には、その会社に対して運送業者から支払うべき債務がございます。その債務を直接私どもの方へ回すという三者契約をいたしまして回収をはかっております。何といたしましても決定的な方法を私どもとして、現在はとりがたいので、思うようにはかばかしく参らないことを非常に遺憾に思っておる次第でございます。
○片島委員長代理 質問者も答弁者も、できるだけ要を得て簡潔にお願いいたします。
○吉田(賢)委員 この私設の会社が連絡運賃を滞納するという事実は、国鉄としても支払い分があろうが、会社としても運賃をとっておるのでありまするから、商業採算的な見地から、つまり商業行為的な立場から、国鉄はこれらの社に当って請求をして参っておるならば、こういう大きな滞納はなかったのじゃないであろうか、今断ち切れば公共的な不便を民衆に与えるというようなことを懸念せられておりまするが、そういうことの以前に、商業的行為として、正当に受け取った運賃をお互いが精算するということであるから、時をはずさないようにして、適切に交互の精算がなされておったら、私はこういう事実は生じなかったろうと思うのです。必ずどこかの段階でそれがあったのでこげつきになったものも相当あるのじゃないかと思う。その辺については、関係を断ち切ってストップするとかいなやということの前に、なぜ受け取った運賃をお互いがきれいに精算するということを時をはずさずやらすということを行わなかったか、この点について、一つ運輸当局から御説明願いたい。簡潔にお願いします。
○石井説明員 連絡運輸の精算は、ただいまお話のございましたように、私の方の取り分と払い分とを相殺した残りを会社側に請求いたすわけでございます。その請求に対して、会社が滞納して納めなかったという結果から生じたものでございます。
○吉田(賢)委員 私の聞くのは、精算の時期適切であったならば、こういう問題は起らずに済んでのではないか、こう思うのです。たとえばこれは同月にしないで、翌々月に精算をしておるようでありまするが、もしそのような事態の危険があるならば、一カ月繰り上げるとか、中間にするとか、毎月計算するとか、何とかの方法があっただろうと思うのだが、その辺、精算の時期適切でなかったのでこういう事態になったのじゃないかと、こういうふうに感じているのです。
○石井説明員 その一カ月なり二カ月なりの精算期間の分だけたまっておりますれば、お言葉の通りかと思います。そういうことでなくして、ためております方は、毎月の払いを逐次延滞して参って、こういうふうな累積になっておるわけでございます。従いまして、時期の適切というお話がございましたが、現在滞納しております会社につきましては、そういうことはない、かように考えます。
○吉田(賢)委員 どうもあなたの答弁はわからぬ逐次だんだん加算累積して多くなったということ、それはわかる。けれども、累積していくときに、たとえば今月の分を四月の末日にお互いに交互計算するときに、過去の滞納のほかに今月分が何ほどか滞納せんとする、そういうときに厳重な交渉を続けていくならば、私は何も会社がつぶれることを心配したりあるいは連絡をストップすることの懸念をするという必要なしに、お互いに商業的に交渉はできるのでないかと思うのです。それをどうしてしなかったのだろうかと思うのです。
○石井説明員 お話しのように、毎月発生した債権の取り立てにつきましては、一生懸命厳重に会社側と交渉いたしておるのでございます。会社側は、誠意のないというところもございましょうが、資金がないということで滞納いたしております。しからばその資金をどうしたのかということになりますると、結局過去におきます経営の赤字、あるいは設備の改良等に流用してしまったのではないかと、かように考えておる次第でございます。
○吉田(賢)委員 私の言うのは、滞納があまり大きな金額にかさまないうちに、最終的な適切な措置をおとりになれば、こういうふうにならずに済んだのじゃないかということなんですよ。
○石井説明員 こういう事態が発生いたしましたのは数年前でございまして、その当時のやり方としては、御指摘のように債権の回収についてあるいは努力するところに欠ける点があったのではないかということも、御指摘を受けてもやむを得ないかと思うのでございますが、その後私どもといたしましては逐次回収に努めておりまして、最近の結果では、もちろんおほめにあずかるようなところまではいっておりませんが、一昨年末よりは昨年の方が若干焦げつきを減らしておる次第でございまして、努力はいたしておるということは御了承願いたいと思います。
○吉田(賢)委員 どうもわかりません。——では聞きますが、このあなたの方で出しておる表に会社の名前がずらりと出ておりまするが、このうちで二十八年度、二十九年度、三十年度にわたって株主の配当をしておるような会社はあるのですか、ないのですか。それは実情はどうなんですか。
○石井説明員 連絡社線につきまして配当をいたしておるような会社はないと思っております。
○吉田(賢)委員 あなたがお調べになっての今の御答弁なんですか。ないと思うというのは、大体の推測をしておられるのですか。
○石井説明員 実は参議院の決算委員会でそういう御下問がございまして調査いたしましたときに、たしかないという実績が出ておったのを記憶しておりまして申し上げたのでございます。なお一そう調べまして、正確なところを申し上げたいと思います。
○吉田(賢)委員 今の点につきまして、会計検査院の御調査ができておりましたら、一つ説明を願いたいのですが……。 運輸省の監督局長の權田さんが見えておりますね。運輸省はこれらの点につきまして、五億円、六億円の債権を持った国鉄の案件でありますから、いずれお調べになっておると思うのだが、その点はいかがでしょう。
○權田政府委員 お答え申上げます。滞納がこのようになりました事情は、今国鉄から御説明申し上げた通りであります。(吉田(賢)委員「配当だけでいいんです」と呼ぶ)配当の件は、実はただいま資料がございませんので、後刻至思取り寄せまして御提出申し上げたいと存じております。
○吉田(賢)委員 検査院はおわかりありませんか。
○上村会計検査院説明員 ただいまの点については十分わかっておりません。
○吉田(賢)委員 それでは運輸省当局から至思に資料を出すということでありますから、その上で質疑を進めることにいたします。 なおその際に、たとえば長岡鉄道、これは二十八年の末に千七百六十万円あり、それから二十九年の末に千七百六十万円あり、三十年の十二月に千六百八十万円、ほとんど数字か変っておらぬ。こういう会社もありますから、これら各滞納会社について担保を取っておる事実についても資料としてお出しを願いたい。なおそういうような、全然支払っておらぬのではないか、あるいはまた支払ってもまた滞納ができ、支払っても滞納ができというので、結末の数字がやや一致したのかもしれません、この辺はよくわかりませんが、それらの経緯、これは大体つかめばいいのですから、詳しく要りません。たとえば、一例として御坊臨港鉄道も大体類似の数字が並んでおる。南薩鉄道も大体似ております。船木鉄道、十和田鉄道等みな類似の数字が並んでおります。それは全然支払いの能力がないというのか、あるいは支払いつつまた一方にたまりつつあるので、数字があまり動かぬというのか、これらについて数字で資料として御説明を願います。この問題の質問はあとへ残すことにいたします。 その次に伺いたいことは、二十八年の三三六ページ、資材の過大調達について、この問題であります。まず国鉄の資材部長に伺いますが、国鉄が、二十八年度、二十九年度、三十年度にわたって、いわゆる資材と称するもの、石炭、車両などは——これは特に別に重ねて述べていただきたい。年間何ほどの需品を調達したのであるか。
○片岡説明員 本日担当の局長が出ておりませんので、正確な資料を持っておりませんので、あとから……。
○吉田(賢)委員 しかし大体わかるでしょう。国鉄の資材に支出する予算というものは、相当膨大なものであるかり、それならば詳しいことは追って聞くことにして、政務次官おいでになるから、一つ述べてもらいたい。
○伊能政府委員 お答え申し上げます。国鉄全体の資材調達の額につきましては、鉄道車両、レール、石炭その他の主要調達物品総額約一千億円くらいあります。
○吉田(賢)委員 そのうち車両、石炭ないしは修理用の材料はどのくらいあるのでありますか。
○石井説明員 大体石炭が二百七十六億……。
○吉田(賢)委員 何年度ですか。
○石井説明員 三十年度の計画でございます。車両が……。
○吉田(賢)委員 実績を言って下さい。
○石井説明員 二十九年度の実績で、石炭が二百八十九億、車両が百四十八億、自動車が二億七千万、そのほかのものが全部合せまして、一千二百十六億でございます。そのうち約八十億は製作貯蔵品で自家製作、従いましてその八十億を除いたものが部外調達ということになっております。
○吉田(賢)委員 二十八年度の関東並びに大阪、関西の資材部管内の用品庫の検査院の調査が記載されてあるのでございますが、大体資材局長でないと、この資材の管理状況はわからぬのですか、ちょっとこれを聞いておきましょう。
○石井説明員 資材の管理状況につきましては、資材局長が担当局長でございますので、詳細なお答えはほかの者ではちょっとできかねるかと思います。
○吉田(賢)委員 そうすると資材関係は燃料課長だけが見えておるのですか。
○片島委員長代理 そうです。
○吉田(賢)委員 きょうは何かお差しつかえですか、どうなっておるのですか。
○石井説明員 資材局長はただいま出張中でございますから、燃料課長が、主として御指摘の中には燃料関係の問題が多うございますので参ったわけでございます。
○吉田(賢)委員 そうではなしに、この資材の過大調達というのは、燃料及び車両は除いてありまして、その他の物件が載ってあるのでございます。しかし御出張中であればやむを得ませんから、これは保留することにいたします。 この機会におわかりであれば聞いておきますが、政務次官は事務にも精通しておられる方だが、年間の調達物資についてここに記載されておりますように、年度内の払い出し実績に比べて、百%以上の残額を保有しているというような種類の物資は、大体どのくらいを推定しておられるのですか。だいぶ前のことでありますが、当委員会におきまして、不要不適格物資の処神などをした場合に、十億円をこえておったという答弁があったことを今なお記憶しておりますが、これはまあずいぶんと膨大な死蔵物資があるのではないかという推定すらせられるのであります。大体どういうふうに御推定になっておりますか。
○伊能政府委員 私も最近の資材の調達配給の関係につきましては、こまかいことまでは承知をいたしておりませんが、今吉用先生御指摘の点につきまして、百%以上繰り越し貯蔵をするようなものが相当の額に上っておるという点でございますが、この点はおそらく当該年度を越します工事あるいは当該年度早々に直ちに着手をしなければならぬ工事というようなものとの見合いで、その物品々々によって、その年度年度で違うんじゃないかと存じますが、最近の資材調達機構につきましては、御承知のごとく戦後におきましては戦前と異なりまして、地方資材部等を設けまして、でき得る限り本庁で調達する物品と、各大きな鉄道管理局所在の地方資材部等において、迅速にまた地方の実情に適応した形で調達をせしむる物品というように分けまして、その能率化と同時に貯蔵もできるだけ少く、配給の迅速をはかるというような形に合理化をされておるわけでございますが、ただいま御指摘のような点につきましては、そういうような事態も事実として現われます以上、必ずしもその通りにあるいはなってない面もあったかと存じますが、根本は年度越しの工事その他の関係で直ちに手をつける予定になっておるものについては、従来の使用実績に徴して著しく貯蔵が多かったというような例も時折あるような状況でございますが、その年度年度、その品々によって変る場合が多い、かように考えます。
○吉田(賢)委員 あまり御承知でないのだから、これは御推定のお話以上に出ておりませんから、よくお調べ願って、次に責任者に出ていただいて質問を続けることにいたします。 それからこれも御質問申し上げる基本的な前提になりますので伺うのでありますが、あなたの方で近時伝えられる、いわゆる外郭団体なるもの、これは行政管理庁の調査に際しましても勧告などもありまして、外郭団体なるものの定義づけもあったというと少し言い過ぎですが、外郭団体を指摘したようであります。行政管理庁のいわくでは百もあるように言うのですが、一体外郭団体と称するものはどれほどあるという御見解ですか。
○伊能政府委員 いわゆる外郭団体という内容の定義づけについては、行政管理庁が明確に指摘したように私は承知いたしておりませんが、行政管理庁自体の見解において、外郭団体として指摘をしたというもののうちには、必ずしも国有鉄道との関係において、何と申しますか、相互扶助という形ではないのでありますが、相互に仕事上連携をとる必要があるというようなもの、あるいは鉄道を対象に物品を納入している会社が果して外郭団体であるかどうかというようなことにつきましては、私どもはさようには考えておりません。ただ鉄道を主たる取引の対象として考えているがゆえに、それが外郭団体であるという考え方はいかがかと思いますし、また関係各省その他においても、同種の補助金を当該省から得て仕事をしているというようなものについて、国有鉄道についてはそういった種類の外郭団体というものは比較的少いように存じております。外郭団体というものについて、いろいろ私自身も疑問を持っておりますし、また行政管理庁の指摘の内容についても、いろいろな角度から考えられておりますので、どのくらいあるかという点についての具体的な数字は、私自身としてもお答えいたしかねるものと存ずる次第であります。
○吉田(賢)委員 けれども、これはここ数ヵ月来起った問題でなく、当委員会におきましても、外郭団体は数年来懸案になっていることでございますし、幾たびか資料もいただき、論議もかわされたことでございますから、あなたの方においては、相当外郭団体問題は明瞭な何らかの結論を持っておられるものとわれわれは考えておったのであります。それなら具体的に伺いますが、あなたの方でたとえば研究費とか寄付金とかあるいは補助的な経費とか、そういったものを交付している団体は、これは外郭団体なのですかどうですか。
○伊能政府委員 ただいま吉田先生御指摘のような趣旨のものは、いわゆる外郭団体だろうと私も考えております。
○吉田(賢)委員 たとえばその他の、出版物を代行委任しているような種類のものはいかがですか。
○伊能政府委員 出版物の代行云々という抽象的なお話でありますが、かりに鉄道協力会といったようなものについては、いわゆる外郭団体という意味の中に入っても差しつかえない、かように考えます。
○吉田(賢)委員 あるいはたとえば鉄道の金額において重要な部分を占める工事ないしは比較的独占的にある企業体、会社などがこれを請け負う、こういうふうになっておる。例を上げまするならば、各管理局管内にある何々鉄道工業株式会社の類であるとか、あるいはその他ここにしばしば出て参りまする新生電業株式会社であるとか、あるいは日本電設工業株式会社であるとか、こういっただれが見ましても、世間では国鉄の最も重要な工事をほとんど専属的といいますか独占的といいますかやっておるような、こういう種類のものは外郭団体に入るのですか入らないのですか。
○伊能政府委員 先ほど申し上げましたように、そういう種類のものを外郭団体として、少くとも私はあまり考えておりません。ただ御指摘のように、事実上いろいろ競争契約、請負問題その他で指名競争入札をする、あるいは事実上の独占というような形がときに現われた事態もあるかと存じますが、最近におきましては外郭団体としての処理ではなくして、要するに公平なコマーシャル・ベースに立って常に競争すべきものということで、最近の事例は御指摘によって改訂をいたしておりますので、そういう取引の関係が鉄道を主たる対象としておるかいなかということだけで外郭団体と決定することは、少し疑義があるのではないか、かように私考えております。
○吉田(賢)委員 外郭団体かどうかということは、これはただ常識的にものを言うために必要であるだけではないのでございまして、やはり国有鉄道の経営の現在と将来にわたりまして、非常に重要な関連を持っておりまするので、それを明らかにしておかねばならぬと思うのであります。そこであなたの方、国鉄の首脳部においては、いわゆる伝えられる外郭団体なるものが、行政管理庁においても外郭的団体という字句まではっきり使っておるのでありまするが、この外郭団体なるものについてその定義をあげ、区別し、あるいは除外し、中に入れ等々して、その上あるいは存続せしむるとか補助をどうするとか、関係を整理するとかしないとか、いろいろ問題は起ってくるのでありまするが、外郭団体に対する各般の対策とか方針とか、そういうものはお考えになっておらぬということに聞いていいのですか。
○伊能政府委員 その点につきましては、御指摘のように行政管理庁の勧告の内容にもございましたし、また国鉄みずからいわゆる外郭団体と考えましたもの、あるいはそれに類似のものにつきましては、公正妥当な取扱いをする、またいわゆる外郭的団体との関係を明確にする必要がありと考えたものにつきましては、先般三十団体もしくはこれに類似の会社等につきまして、国鉄自身の態度を明らかにいたしておりまするし、またわれわれもその内容について拝見しましたが、妥当と考えておるような次第であります。
○吉田(賢)委員 今指摘されました団体名、それから態度を明らかにしました趣旨を当委員会に資料にでもお出しになっておりますか。
○伊能政府委員 旧臘新聞等において、国鉄総裁談として、またそれに伴う各般の処置について明確にいたしておりまするので、もし当院へ資料として提出いたしておりませんければ、直ちに提出の措置をとりたいと存じます。
○吉田(賢)委員 それは至急にお願いいたします。 次に、外郭団体の資料が出ましてからなお掘り下げていきますが、若干ここに現われておりまするので、これを通しまして少し伺います。二十八年の二二一四番と、それから二十九年の二二一四ないし五番でありますが、二十九年度分について伺うことにいたしましょうし さきに御説明がありましたごとくに、二二一四番については、室蘭の特別高圧配電室設備工事その十四の施行に当って、主体工事である配電盤の製作改造工事その他諸工事、こういうことになっております。八百九十五万円で新生電業株式会社に請け負わせた。これは金額は小さいです。結局批難された金額は百二十万円程度のものであります。またその次の二二一五番については、関門隧道の排水設備改良工事の施行に当り、主体工事であるポンプ工事を付帯工事と合せて、総額は千九百六十三万五千円、また批難金額は百八十万円ということになっておるから、金額は大したものではないのでありまするが、少し伺ってみたいと思うんです。この前者の札幌鉄道管理局におきまして新生電業株式会社に請け負わした、これが一部下請けさしておりまするのが株式会社明電舎、これは資料によって明らかであります。ところでこの新生電業株式会社というものは、ここにも若干貸借対象表などが出ておりまするが、この会社並びに日本電設工業株式会社、これは次の番号の関門隧道の件であります。この会社についてまず伺いまするが、これは相当重要な部分というよりも国鉄の仕事量を請け負っておるようでありまするが、一体この新生電業の方はどのくらいの資本金を持ち、かつ年間どのくらいの国鉄の工事をやっておるのか、それの御説明をまず願います。
○片岡説明員 お答え申し上げます。新生電業は資本金四千八百万円でございます。そして国鉄との取引の実際は八億八千六百万円でありまして……。
○吉田(賢)委員 二十九年度の仕事量、資本金をお述べになるときには二十九年と言って下さい。
○片岡説明員 日本電設でございますが、二十九年現在におきまして資本金九千万円でございます。仕事量は、国鉄との関係におきましては三十三億二千万円でございます。
○吉田(賢)委員 ところでこの株式会社明電舎はどのくらいの資本金を持った何の会社ですか。
○伊能政府委員 私から申し上げるのはいかがかと思いますが、株式会社明電舎は、御承知のように大崎の駅の向う側に膨大な工場敷地を持っており、また名古屋等各地に主工場を持っております電気機器メーカーとしては有力な会社でありまして、現在明電舎がどれほどの資本を持っておるかということは私は詳細承知しておりませんが、数億の資本金とお考えいただきたいと思います。
○吉田(賢)委員 そこで伺うのでありますが、資本金の大きいのが必ず堅実な会社とは言えません。けれども私どもしろうとにおきましても、明電舎の名前は関東においても関西においても相当著名であります。大きな電機のメーカーのようにも思うのでありますが、この会社が五百十万円で見積りをした。ところがその会社にさせない。そして資本金が九千万円で年間の国鉄の工事量が三十数億円の日本電設工業株式会社に仕事をさせる。これは他の付帯工事があるという理由によって総合的に引き受けさせておる。現実におきまして明電舎に配電盤の製作改造工事はやらしておる。どうもふに落ちぬ。やはりこれは明電舎にやらすよりも、あなたの方と特殊な関係にあるこの種の新生電業会社に仕事を独占さす、こういう趣旨があるのじゃないだろうか、こう思うのでありますが、どうして明電舎にさせないのでありますか。
○片岡説明員 今の御指摘の点でございますが、この問題は二つに分けるべきであるという今のお話でございますけれども、先ほども御説明申し上げましたが、二階にあります油入遮断器などそういうものを階下へおろす、そしてその配電盤を生かしたままで十数回の複雑な作業をやらなければならないこいうことにつきまして、その高圧電気について特に両者関連の深い仕事でありますから、これを一括してやったような次第でございます。 なお先ほども根本論といたしましてお話がございました外郭団体の措置についての問題でございますが、こういう場合について具体的の場合に当って公正にするためには、別に委員会を設けまして、これを分けて行う場合はどういうふうに分けて指名をするということにつきまして、今後の問題としては新しく措置をいたすような方法をとっておるような次第であります。
○吉田(賢)委員 一体この新生電業の代表取締役とか社長というのはどういう経歴の人ですか。
○片岡説明員 国鉄にいた藤井という人です。
○吉田(賢)委員 国鉄で何をしていましたか。
○片岡説明員 国鉄の通信課長をしておった方であります。
○吉田(賢)委員 何という名前ですか。
○片岡説明員 藤井永三郎といいます。
○吉田(賢)委員 工事が複雑であって作業が複雑であるかどうか存じませんが、御説明にそうおっしゃっておりましたが、しかしながらこれによればあなたの方では明電舎から見積りをとったでしょう。明電舎から見積りをとるということは、都合によってそこへさせてもよいというのでとったのではないのでしょうか。ところが見積りをとって百十万円と出たがその方へはさせない。やはり特殊な関係にある新生電業株式会社にさす。ここに私は疑問を持つのです。あなたは大したことではないようにお考えになっているか知りませんけれども、国鉄の年間およそ千億品の資材の購入をする、国鉄の工事量が何ほどになっているか、今説明を聞いてないのだが、数千億円の支払いをする国鉄の経営におきまして、年間数十億円の仕事量が確実に得られるというような関係は、これはもう企業体といたしましてはこの上ない大きな権利です。でありますので、そういったものに国鉄の仕事が独占されるというようなことがあっては、これはやはり国鉄の本来の立場から考えても私どもは正しくないと見るのです。これは金額は小さいけれども現実には明電舎に仕事をさせておるのです。そしてまた国鉄も明電舎から一応見積りをとっておるのである。それに仕事をさせないで新生電業に仕事をさしてしまうというのはどうしてもふに落ちない。どうしてこれを明電舎にさせることができないのか、私どもは明電舎と何の関係もありません。また明電舎がどこにあるのかも存じません。ところが見るところいかにもあなたの方が新生電業の方に身びいき過ぎる。明電舎がどんな仕事をするかわからぬ。誠実にやるかわからぬというなら別ですよ。御説明のごとくに日本で著名な大きな会社でもあるし、数億の資本を擁しておる会社でありまするが、なぜこれを排してこの新生電業にさすのかどうしてもそれは納得しにくいのですが……。
○片岡説明員 明電舎につきましては、大体こちらで予算の見積りを積算いたしまする関係等で、札幌管理局の方で今の見積りをとったものと思いますが、国鉄の工事をいたしますには、工事をいたします確認書を持っておるものに対して請負わすことになっておりますが、この場合は明電舎が確認書を持っておりませんでしたからで、特に独占的に新生の方に与えようかということは、管理局といたしましては考えておらなかった次第であります。なお今のお言葉でございまして、大したことと思っておらないということでございますが、こういう点につきましてはわれわれは将来に向って大切に考えていかなければならないと思っております。
○吉田(賢)委員 伊能次官に聞きますが、それならば制度の罪のようになる。明電舎に確認書がなければ制度を改めればいいじゃありませんか。明電舎に仕事をさせて弊害があるというならば下請さすことにも運輸省は干渉せねばならぬ。運輸省は下請することについて干渉したのかしないのか、実質的に能力があり誠実に仕事をするものに仕事をやらない、ただ確認書がないというので仕事をさせないということではあまりに形式にすぎやしませんか。それなら確認書制度というものを改めればいい、それはどうお考えになりますか。
○伊能政府委員 ただいまの片岡局長の御説明が足らなかったかとも存じますが、事実はこういうことだろうと存じます。明電舎は電気機器のメーカーでございまして請負工事までをやっておらぬと私は存じております。従いまして御指摘の点につきまして、配電盤の製作とそれの取りつけ、その他さいぜん片岡局長から御説明申し上げましたものと切り離して円満な工事ができるかどうかというところに問題があったのではなかろうかと存じますので、この点は具体的に事例を十分調査をいたしませんとここで明確なお答えはできませんが、工事をいたします際に全体として、工事としてそれを実施する——品物として買って持ってきてそれを工事に取りつけるということだけでなく、工事として全体を請負契約——いわゆる改造工事せしむることが適当であったという札幌鉄道管理局の認定のもとにこれをおやりになったのだと思います。
○吉田(賢)委員 あなたはこれをお読みになったのですか。
○伊能政府委員 今拝見いたしました。
○吉田(賢)委員 これには配電盤の制作改造の工事は明電舎がやっておると書いてある。あなたの御説明によれば工事ができないので、単なる配電盤のメーカーだからとおっしゃっておるのだが、工事をやっているじゃないですか、どうなんです。
○伊能政府委員 言葉の問題でございます。鉄道の工事というのは、おそらく買うことについても工事という言葉を使う場合があるのであります。さいぜん資材局長は答えませんでしたが、資材関係は物品購入契約ということで、工事の問題は入りませんが、電気関係におきましてはすべて工事として、請負契約、工事契約等によってやっておりますが、ときに資材関係の仕事で購入契約によってやるべきものが工事と申しますか、仕事の郷合あるいは仕事を急速に片づけなければならぬという場合、そういった類似のことで工事として見積りをとるという場合もまれにあるということを私は承知をいたしております。この場合に果してどうであったかという詳細は、さっそく事態を調査いたしませんとわかりません。
○吉田(賢)委員 これはあなたはここで言葉でごまかすようなことは今後まだ幾多の問題があるのでありますから、しないでおってもらいたい。それなら検査院に伺いますが、明電舎は配電盤の製作、改造の工事——私ども工事というと、ある機械を製作するということではなしに、やはり建物に取り付けるとか、あるいは設備の一部をなすとか、そういった工作的な関係が伴うものを工事という、こう思うのです。これは常識だと思うのです。そういう概念的な工事というものを明電舎はしたのですか、しなかったのですか。その点をはっきりしておいて下さい。
○上村会計検査院説明員 これにつきましては、製作改造は明電舎がやっておるわけでありますが、取り付けば明電舎がやっておりません。なお御参考までに申し上げますが、明電舎は私の記憶では建設業法の登録業者と考えます。
○吉田(賢)委員 問題は確認書がなかったということが基本になるのでございますが、建設の仕事をする登録業者になっておるということが検査院で明らかにせられたのであります。そういたしますと明電舎に仕事をさすということは、今次官の御説明では仕事ができない、する資格が実質的にないような御説明だが、実質的にはあるわけなのです。この点は一体どうなるのでしょうか。やはりこれを言葉で解決するのではなくして、明電舎の見積りをとり、明電舎は、工事についての実質上の資格を持つ、そういうことが事実あるわけなのです。なのにそれにさせなかった、こういうことにどうも帰着するのであります。何と考えましてもこれは公平を欠きます。私どもこの委員会は何も明電舎の肩を持って言うのではないことは前言の通りであります。明電舎への肩を持って言うのではなしに、国鉄の事業を一部の業者に独占をさすということが弊害を伴うから、その弊害の伴うことを絶つことが終局の目的なんです。そこでこの点は幾たびか論議をせれら、また行政管理庁においても工事施行者の固定化ということを指摘しておったと記憶しまするが、こういうことも思い合せますと、金額は小さいけれども、露出しておりますこの性格は、やはり国鉄の経営全体を通ずる重要な問題であろうかと思うのであります。重ねて伺いますが、確認書がないので明電舎に仕事をさせなかったと言うが、確認書のいかんにかかわらず、実質的に建設等についての資格を持っておった明電舎を排した積極的な理由は、そうではなしに、やはり新生電業株式会社に他の工事と合せてこれをせしめるということの方が、あなたの方の慣例なり、新生電業との関係においてそれが常道で、いわば部外者的な立場の者は国鉄の仕事は容易にできないのだということに帰着するのじゃないですか。それならそれで、今後どうするかという問題が生ずるのですが、そうではないというのであるならば、私どもはもっと掘り下げてみたいと思うのです。
○片岡説明員 今の確認書の問題でありますが、ちょっと補足いたしておきますけれども、この場合におきまして、明電舎からは入札の参加の申し出かありませんものでございましたから、確認当日もなかったのでございます。なおこれらに対する今後の国鉄の根本的な方針でございますけれども、その後におきまして、外郭団体に対する改善の方針をきめまして、請負業者資格及び指名審議会というものを中央、地方を通じまして設置いたしまして、そして従来の資格審査委員会に部外の権威者を加えた審議会を作りまして、広く公正に請負業者を選定いたし、かっこれらの指名についても機会の均等を得るように改めておりますので、今後におきまして、今御指摘の国鉄のこれらに対する方針というものについては、大いに改善を加えていこうということにいたしております。
○吉田(賢)委員 入札の申し込みがなかったかどうかは存じませんが、一体明電舎から国鉄管理局が見積りをとったのは、何の目的で取ったのですか。
○片岡説明員 これは積算書類を作りますにつきまして、それを参考とする必要もございますので、取ったものであります。
○吉田(賢)委員 一体何ですか。人が商売しておるのに、商売の目的のために出すのじゃなしに、単に参考にお前さんの方の書類を出してくれ、お前さんの方には発注したり、契約をする意思は最初からないのだけれども、参考にしたいから、見積りを出してくれ、そういうようなことができるのですか。またそんなことをおやりになるのですか。もしくはそういう趣旨であるということでも明瞭にしてやるのですか。従来そういうことを国鉄としてはやっておるのですか。
○片岡説明員 特にそれをお前の方へ依頼するということを前提にするわけではなしに、実際の価格の見積りを伺うということはございます。
○吉田(賢)委員 それではさかさまです。お前の方には注文しないのだが、参考のために見積りをとるのだ、そんなことを言って一体商売人をたぶらかして要らぬ経費を使わすということがあるのですか。これは逆ですよ。
○片岡説明員 これは注文しないのだがと言って断わるわけではございません。
○吉田(賢)委員 最初から注文するつもりがないのに、五百十万円の見積りをさせる。五百十万円の見積りの内容がどんなものか存じませんが、やはり物によりましては、相当慎重にあるいは技術、いろいろな物資、時間労務などが多く費やされて見積りがされるのが普通だと思うのです。全然そこに発注したり、契約する意思なくして、単に参考にするというだけで、そんな乱暴な不道徳なことをやっていいのですか。それはどうお考えですか。もっと聞いておきましょう。それならばあなたの方ではほかに多くの需品があります。ちょうど千億円の需品があるが、最初から由乙丙丁という特定の者に請け負わして、納入させるということを予定して、これらの者だけに指名入札をするということに当初からもくろんでおって、全然それを納入させる意思のない第三者からいろいろな見積りを取る。そういうようなことを実際おやりになっておるのだろうか。
○片岡説明員 予定価格を積算いたします場合は、ものによってでございますけれども、各方面の価格を聞きましてそれをきめるわけでございまして、そういう面につきまして実際の業者に伺うということはやっております。
○吉田(賢)委員 これは政務次官に聞きますが、相手は商売人ですよ。冗談に見積りはしない。人間も、労力も、物資も要れば、時間も要るのです。そして国鉄から見積りを聞かれれば、あるいはこれは契約でき得るのかわからぬと思う。これは常識ですよ。全然契約する意思もなく、相場を調べるために、積算の基礎の参考にするために、そういうようなことを、相手に意思も打ちあけずにやっておる。これは相手に明瞭に言うて、それならそれとしてその見積りに対して適当な報酬をお払いになればよい。そういうことを全然秘めて、注文する意思もなしに見積りを取るということは実に非道だと思うが、あなたはどうお考えになるか。
○伊能政府委員 この場合については、吉田先生御指摘の点も私ども十分わかりますが、さいぜん申し上げましたように、一千億円というような莫大な資材の調達をいたします際には、いわゆる市場価格の測定と申しますか、算定と申しますか、国有鉄道はいろいろな方法で自分の調達する物品が一体どのくらいの値段をしておるかという一般的な調査もいたしておりますと同時に、この場合においては御指摘のように、私、別に新生電業の弁護をいたしておるわけではございませんで、先生御指摘のごとき明電舎云々のお話も私どもよく了承いたしておるのでありまして、新生電業についても御指摘をいただきましたように、従来そういったことがあるというような疑惑もありましたので、さいぜん局長が御説明いたしましたように、今後は適正な会をもってやるということになりました。この場合事業を推定いたしますと、明電舎自身は配電盤、水銀整流器その他のいろいろな電気機器について、国有鉄道とは密接な取引を現に持っております。機器の購入契約においてはいろいろな取引を持っておりますので、このものも機器として購入する場合には明電舎が適当であったろうという札幌鉄道管理局の考え方を前提とされて、おそらく工事全体の予定価格を積算する上においてまず相当大きな金高を占める配電盤は幾らくらいであろうかということを聞いたものと推定されるわけでありまして、単にこういう場合に明電舎だけでなく、さらに他の電気機器メーカーにもあわせて聞くという場合もずいぶんあるわけでございます。従って購入を前提としないで、お前のところには注文しないのだがということでなくして、おそらくこの場合には明電舎がやることが適当と考えて予定価格を積算する資料として一応明電舎に照会を発した、かように考える次第でございます。
○吉田(賢)委員 それはいくら御説明になりましても疑問は解けません。もう少し保留しておきましょう。次の番号の日本電設工業株式会社も同様であります。これにつきましても、金額はわずか百八十万円にすぎません。しかしながらやはり直接専門のポンプ業者に日本電設工業株式会社は事実上下請させておるらしい。前記の荏原製作所九州、山口代理店に下請施行させておるということを述べております。これらの事実につきましては、あなたの方もお認めになっておるのであります。しかもそれの金額は日本電設工業株式会社よりも安くなっておる、こういうのでありますが、これらもやはり、これはどのくらいの業者か存じませんけれども、一つの日本電設工業株式会社という特権的な存在が、やはり下請業者を食っておる一例で、国鉄は漫然と日本電設工業株式会社に独占をさせておるという一つの例ではないかと考えられるのであります。これらにつきましても、御説明はまあ同じようなことに帰するのかわかりませんが、日本電設工業株式会社というものは、前の新生電業と比べますればずっと大きいようでありまするから、一そうこういう事例はひんぱんに繰り返しておるのかも存じませんが、この会社の代表者は、経歴におきまして国鉄に何らかの関係がある人でありますか、名前等々述べて下さい。
○片岡説明員 社長は、国鉄におりましたもので、名前は岡中と申します。
○吉田(賢)委員 もと何んですか、
○片岡説明員 電気部の電力議長であります。
○吉田(賢)委員 私は正確な発言は資料を得てしますが、推定をお許し願えるならば、この日本電設工業株式会社、それから新生電業、これらの会社は国鉄の電気工業の事業ないしは今ここに述べられておりまするようなこの種の事業におきまして、相当な割合の事業をなす会社であるのではありませんか。たとえばその仕事量において第何番目くらいに属するのでありますか。これらについて一つ概況を御説明願いたいのです。
○片岡説明員 電気関係といたしましては、電設工業は事業量としては一番多い会社になっております。
○吉田(賢)委員 新生は……。
○片岡説明員 新生がその次だと思います。
○吉田(賢)委員 これは昭和二十八年の決算報告にも出てくるのです。三四一ページ、二二一四番、これにも日本電設工業株式会社、新生電業株式会社は出てくるのです。二十七年は今記憶しておりませんが、ともかく繰り返しておるのであります。一番、二番というような重要な仕事量を持っておるものが、年々会計検査院に不当を指摘せられる。不当を指摘せられるということは、国鉄に損害を与えておるということであることは申し上げるまでもないのであります。国鉄に損害を与えることは、国民の血税を食っておるということになるのでありますから、一番、二番の仕事量を持ったこれらの会社が、年々こういうふうに批難をされるというようなことであるならば、国鉄といたしましても——あなたはこれは外郭団体でないと言う、外郭団体でなければよろしいが、いずれにしましても、最も重要な一問題として、この種の会社に対して検討を要するのじゃないだろうかということをわれわれは考えるのであります。何らかここに国鉄の職員とこれらの会社との間に私的な関係でもあって、こういうようなこともできるのではないだろうかという推測すらされるのであります。そういうようなことを思いますると、ここに二年続いてこんな問題を引き起しておりますときは、金額が数百万円であるから問題が小さいというべきでないと私は思う。当然これは重大な問題と考えねばならぬのですが、この点につきましては、伊能さんは大臣と御相談になって、相当御準備の上で一つ答弁に当るようにしてもらいたいと思います。そういうおつもりで今後来てもらいたいと思いますが、どうお考えになりますか。
○伊能政府委員 そういう疑惑を日本電設並びに新生電業等が受けますことにつきましては、国鉄の工事全般としてもはなはだ遺憾だと存じておりますので、これが処理については、御指摘のように、十分運輸省としても大臣と相談して対策を考えたいと存じておりますが、さしあたり国鉄自体としても、そういうことのないように、最近におきましては工事契約者の指名委員会を作りまして、これはさいぜん局長からも御説明いたしましたが、外部の公正な第三者も入れて、きわめて公正な方法で請負人の氏名を決定するという措置によって、これらの疑惑を解消いたしたい。かような措置は現にとっておるような次第でございますが、今後におきましても、御指摘をいただいたような疑惑については解消するように万全の措置を考慮いたしたいと存ずる次第であります。
○吉田(賢)委員 それではもう一点……。これは資料によりまして具体的に今後質問に入らねばなりませんが、物品購入に関連してであります。この二十九年度検査報告書の三四八ページの「まくら木の調達について、」相当重要な案件らしく、検査院は詳しく指摘しておられるのであります。私どもまくら木というものが鉄道路線の非常に重要な部分を占めておることにかんがみまして、これが価格の算定において、あるいはまたそのまくら木そのものの品質等において、いかがというようなことも検討を要するものと思うのであります。まず概括的な点を伺っておきまするが、これは随意契約によるのを原則にしておるのですか、それともそうでない、指名競争入札によるのを原則にしておるのですか、その点いかがですか。
○片岡説明員 随意契約でございます。
○吉田(賢)委員 入札によることと随意契約によることとは根本的に非常に重大な違いがあることは申し上げるまでもございませんが、これは二十九年度の年間まくら木の購入額は五百四十万本、金額にして、代金三十七億円、非常に膨大なものでございまするが、これを入札によらずして、随意契約にしたのは何を基本にしてそういうふうにせられたのでありますか。
○十河説明員 まくら木の購入につきましては、昔から非常に困っておりまして、随意契約で適当な価格——場所場所で値段も違います、材質も違いますので、これの製作、搬出に相当いろいろな設備もあるいは人も要します。なかなかこれは競争入札にしてもうまくまとまらないということで、もしまとまらなくて輸送に支障を来たすようなことがあっては大へんだということで、厳重な選択、監督をいたしまして、随意契約にやっておることと心得ておるのであります。
○吉田(賢)委員 どうもあなたの御説明は、随意契約にした根拠が明らかでないのでありますが、一体年間千億円の需品の調達をなさるのに、随意契約と競争入札の区別の標準は、それならばどこにお置きになっておりますか。概括的にやって下さい。
○十河説明員 市場で容易に調達のできるようなものは、でき得る限り競争入札にいたしております。市場で容易に調達のできないような特殊のもの、——まくら木のごときは鉄道に特殊のものであります。そういうようなもので、先刻申し上げましたような事情にあるものは、やむを得ずこれは随時契約にいたしておるのであります。これは鉄道では古くから随意契約でずっとやってきております。これだけはなかなか——一部分のものは競争でもできる場合ありますが、大体において随意契約でないと調達が非常に困難であります。それゆえに、随意契約にいたしておるような次第であります。
○吉田(賢)委員 あなたの方ではほかの行政庁と違って、契約については国有鉄道法の四十九条によって、一般競争入札によってこれを申し込ましても、なお公正な協議を経て、これと契約を締結することができるという方法をお設けになっておるのであります。古いしきたりであるから随契であるということはどうも合点がいきません。やはり古い時代から新しい時代に移っているので、まくら木の三十七億円の需要というものは、全国のあらゆる業者がそれぞれよいものをできるだけ誠実に納入したいという人があろうと思います。だからこれは一般競争入札にしてでも、さらに公正な協議をして、適当な契約条件をきめることができるのですから、古いしきたりがあるから、市場性がないから、それで依然として随意契約にしていくということは、これが弊害のもとでないかと思う。あなたはいろいろと国鉄の運営について、改めるものは断然改めていくようなことをしばしば言明されたことがあるやに私も聞いておりましたが、古いしきたりになずんで、三十七億円が検査院でいろいろと非難されるような事態が起っておりながら、改めることをしないのは、一体どういうわけなのであろうか。こういう特殊な契約の方式もあなたの方で案出しておられるのでありますか。公正妥当な協議をする機会がいくらもあるわけです。だから、われと思わん全国の業者に呼びかけて、検収を的確にやって、公正な協議を適当におやりになれば、何ら不安がないのであろうと思うのであります。予定価格等の積算についても、いろいろと検査院が批評しておることは、お読みになったと思う。だからそういうような古い習慣に何もとらわれることはないと思う。ことに三十七億円もという莫大な金額に上っておるのであります。こういうようなことにつきましても、新しい構想を今までお持ちになっておらぬのでありましょうか。私はこの問題は次のときに詳しく聞きますが、依然としてそういう方法、つまり随契によって、従来の慣習であるから、そうやっておるのだということに帰すると、何らそこにこれをすっかり改めるということも、今お考えになっておらぬのですか。
○十河説明員 日本の木材の資源は年年枯渇しつつあるので、まくら木の調達は年々困難を増していくばかりであります。一般のものは大体入札を原則といたしております。しかしながらこういうまくら木のような特殊なものは入札では容易に調達ができない。場所によってはできる場所もあり、あるいは数量によってはできますが、五百万丁という大量のまくら木を調達いたしますには、よほどその点を考えなければ困難であるというところから、これは随意契約にいたしておるのであります。先刻も局長からもお話申し上げましたように、私は工事であるとか、あるいは物品の納入であるとかいうふうな問題につきまして、世間から疑惑を受けるようなことはできるだけ避けたい、こう考えまして、いろいろな委員会を作りまして、国鉄の部内だけでなく、公正な部外の方にもお立ち会いを願いまして、こういうふうな契約にしたらよかろう、こういうところから買ったらよかろうというふうなことを御相談いただきまして、国民の信頼を受けるような方法で、工事をし、物品を調達いたしたいと念願いたしております。今後もさらに研究いたしまして、まくら木につきましての、何らかうまい方法を案出できますれば、そういうふうに改善するにやぶさかでないということを申し上げまして、御答弁としたいと思います。
○吉田(賢)委員 あなたは今の問題の焦点にお触れになっておらぬのです。詳細な資料がまだございませんけれども、今のようなそういう御説明だけでは、随意契約が適当だという根拠は何も出て参りません。何人から買っておるか存じませんけれども、競争入札にしましても、協議する機会があるのですし、年々資源が枯渇するかどうかは別といたしまして、これとても直接生産業者から買わないような事例がずいぶんあるらしい。中間業者によって搾取せられておる例がずいぶんあるらしい。そういうようなことを考えますと、ここはやはり根本的にお考えにならなければいかぬので、どうするかこうするかについては、名案がなさそうなお話ですが、これはやはり問題の核心にお触れになっておらぬからであります。これは次の機会にいたしましょう。
○片島委員長代理 それでは以上をもちまして、本日は予定いたしておりました日本国有鉄道関係の昭和二十八年度決算につきましては、一応終了いたします。 次会は公報をもちましてお知らせすることとし、本日はこの程度にて散会いたします。 午後一時九分散会