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24回国会衆議院1956/01/20

議院運営委員会 第3号

発言数
72
登壇者
9
会派数
2
開催日
1956/01/20

会議録

椎熊三郎自由民主党

○椎熊委員長 それでは、これより議院運営委員会を開会いたします。  第一に、開会式の日取りの件について御相談申し上げます。前会の議運の理事会におきまして、内閣官房長官においでを願いまして、予算の提出時期について見通しをお尋ねいたしました。官房長官は、おそくも一月二十五日ごろまでには出せるであろうということでありましたので、理事会といたしましては、一応宮中の御都合等もお伺いいたしまして、二十五日に開会式を行うということに申し合せをしておいたのでございます。その予算の提出につきましては、今日のところ二十五日までには不可能のような状況にあります。しかしながら、一応取りきめました開会式は、いつまでも遷延することもどうかと思いまして、今朝理事会を開きまして、開会式の日取りについてはどうするかということをご相談申し上げましたところ、先般の理事会の決定通り、予算の提出いかんにかかわらず、開会式は二十五日午前中に取り行うということに理事会は決定いたしましたが、開会式を二十五日午前中に行うことに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

椎熊三郎自由民主党

○椎熊委員長 それでは、御異議がないようでございますから、さよう決定いたします。  次に、式次第並びに式辞案等についてお諮り申し上げます。開会式に関係いたしまして前開会式以来、来賓として東京在住の認証官の方々をお招きするということでありましたが、今回はさらにそれに加えて、その他新たに全国都道府県議会議長会会長、全国市議会議長会会長、全国町村議会議長会会長、全国知事会会長、全国市長会会長、全国町村会会長、以上大君を招待しようということが提案されまして、理事会におきましては満場一致同意を得たわけでございますから、二十五日の開会式にはこの方々に招請状を発することにいたします。  さらに、これに関連いたしまして、前回招待いたしました東京在住の認証官について内容を検討してみましたところ、国会の開会式としては必ずしも適当な選考でなかったのではないかという意見等もありまして、理事会は一応委員長に、参議院の議運の理事会との相談の結果きめてもらいたいということで一任されました。先刻参議院と相談の結果、新しく加わる六名は異議ありませんでしたが、従来の認証官について再考することになりました結果、最高裁判所長官、会計検査院長、取高検察庁検事総長、人事院総裁、公正取引委員会委員長、これだけを来賓としてお招きすることに決定いたしました。このように両院の意見が一致いたしました。そこで、二十五日の開会八にお招きする人も、ただいま申し上た地方公共団体の代表者並びに今申し上げたそれぞれの長官、これだけをお招きすることに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

椎熊三郎自由民主党

○椎熊委員長 それでは、御異議ないようでございますから、二十五日の開会式には以上申し上げた方々に招請状を発することに決定いたします。次に、国会の役員たる委員長が、開会式に際して陛下を奉迎、奉送したり、あるいは式場における着席の件、拝謁件等についていろいろ意見がありまして、一応お手元に配付してあります開会式関係という書類の中の第二項、これを衆議院の理事会におきましては原案通り一応認められましたが、参議との交渉の結果、特に運営委員長が車寄せでお迎えしたり、あるいは副議の次に運営委員長だけが拝謁したり着席の位置も副議長の後方に立ったりするということは、必ずしも特段の意味で反対するものでは===ないが、他の委員長との間に差別待遇と思われるようなことがあってもどうかと思われるから、あえて新形式を追う必要はないのではないか、ただ両院の委員長は国会の役員であるから、中央広間の両わきに、衆議院側は衆議院側、参議院側は参議院側の方に整列してお迎えすることは異議はないが、その他今回は留保しようということで、それに同意して参りました。従って、委員長奉迎の場所等の点につきましては、両院の委員長は中央広間に分れてお迎えするということだけ決定して、残余の問題は留保ということでござい出す。そのように決定してよろしゅうございますか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

椎熊三郎自由民主党

○椎熊委員長 さよう決定いたしました。次に、開会式があまりに簡素に過ぎるのではないか、式典であるから、もう少しりっぱにやりたいというところから、音楽の演奏、たとえば、陛下来臨の際に君が代等を奏楽したらどうかという意見等もありまして、お手元に配付してあるような一応の案を立てておりました。これは衆議院の議運の理事会におきましても結論を得ませんでたが、結論を得ざるままに参議院の理事会と相談いたしましたところ、あえて取り立てて反対しなければならぬということもないが、やってみておもしろくないからやめなければならぬということも不体裁だし、思いつきのようでもいかぬから、なお研究の余地があるのではないか、今回は一応留保して、次の国会開会までにさらに名案があったら検討しよう、そういうことで分れて参りました。その通り決定してよろしゅうございますか。つまり今回は音楽を入れるということはしない、従前通りということです。それでよろしゅうございますか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

椎熊三郎自由民主党

○椎熊委員長 そのように決定いたしました。  次に、開会式の式辞の案文は、両院の一致した案ができましたので、事務総長から朗読を願います。

鈴木隆夫事務総長

○鈴木事務総長 それでは朗読いたします。    第二十四回国会開会式式辞案   天皇陛下の御臨席を仰ぎ、ここに第二十四回国会の開会式を挙げるあたり、衆議院及び参議院を代表して式辞を申し述べます。   わが国はさきに国際社会に復帰してより、常に国連憲章の規定する義務を尊重し来ったのでありますが、いよいよ諸外国との友好を図り、もって世界平和の確立に努力せんとするものであります。   この際、われわれは国会の民主的運営の完きを期し、地方財政の再建、社会保障制度の充実、国際貿易の振興、原子力の平和利用等各般にわたる適切なる施策により、ひたすら経済の発展と民主の安定に力をいたし、民主国家としての理想達成に邁進しなければなりません。  ここに開会式を行うにあたり、われわれに負荷された重大なる使命にかんがみ、日本国憲法の精神を体し、おのおの最善をつくしてその任務を遂行し、もって国民の委託に応えようとするものであります。

椎熊三郎自由民主党

○椎熊委員長 ただいま朗読した式辞案でございますが、これは両院の議運の理事会において一致した意見のもとに作成されております。この通り確定するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

椎熊三郎自由民主党

○椎熊委員長 さよう決定いたします。     —————————————

椎熊三郎自由民主党

○椎熊委員長 次に、開会式に引き続きまして、先刻の理事会では、今回、永年在職議員の表彰を行おうということになりました。慣例によりまして、議員大麻唯男君、堤康次郎君の両君がすでに在職二十五年以上に達しましたので、開会式当日午後一時より本会議を開き、議長の発議をもって表彰文を朗読し、これに対して両君から謝辞が述べられる、そういうことでござます。なお前例によりまして、議員おのおのから=金をいたしまして油絵を作成し、長く院内にこれを掲げ、保存する。それから小さな油絵の同様のものを作って御本人に贈呈する。前例によりますと、議員一人二百円を醵金しておりましたが、今回は五百円ずつを醵金していただく、なお不足の部分は国会の費用の中からやりくりして充当する、そういうことに理事会では了承いたしました。さよう決定してよろしゅうございますか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

椎熊三郎自由民主党

○椎熊委員長 それでは、御異議ないようですから、開会式当日、永年在職者議員の表彰式を行うこと、並びにそれの謝辞を承わること、あるいは議員一人五百円ずつの醵金、このことをただいま申し上げた通り決定いたします。     —————————————

椎熊三郎自由民主党

○椎熊委員長 次に、参議院議員の堀木鎌三君がブラジル大統領就任式に特派大使として派遣されることになりました。これは院議の同意を必要としますが、二十九日から三日間開かれる儀式に間に合うようにするためには、二十三日に堀木君は出発せられるそうでございます。その出発は参議院議長に請暇を求めて、個人的に旅行として出発せられますが、この特派大使となるために、二十五日の本会議に特派大使としての要請について政府より同意を求める件が上程せられます。これに対して先の理事会では、外務省顧問としての派遣に同意の件となっておりましたが、これは前例等もあって、各省顧問等になって外国に行くということはよろしくないという、かってそういう前例もあって否決された点もありまして、同様形式ですから、外務省顧問としては社会党は反対であるということでございます。そこで、ただいま政府の御意向を承わりましたところ、特派大使として承認を求めたいということでございますから、そうなれば、松本、全権大使の先例等もありますので、あえて御異論がないようでございます。一これに同意を与えることを議題に供して差しつかえございませんか。

野原覺日本社会党

○野原委員 議題に供することは差しつかえないわけですが、私は特段に反一対するわけでもありませんけれども、国会法第三十九条のただし書きの、両議院一致の議決に基き云々という、この点の趣旨からいたしまして、明確にしておく意味で質問をいたしたいと思います。第三十九条のただし書きを見てみますと、「内閣行政各部における各種の委員、顧問、参与その他これらに準ずる職に就く場合は、この限りでない。」これは両議院一致の議決を経なければならぬ、こういう規定があります。この規定によって、最初にお伺いしたい点は、堀木鎌三君は外務省顧問に任命するからというので出されたのだろうと思いますが、特派大使ということも、これも第三十九条のただし書きに該当する、こういう解釈をとられておるのか、一体、その他という場合は、どういうような内容を包括するものであるのか、これはそのつど、やはりこういう法規の解釈は、国会法の解釈でもありますから、議運で明確にしたいので、まず、これについて事務総長の見解をお伺いしたいと思います。

池田禎治日本社会党

○池田(禎)委員 議事進行について……。先ほど来承わっておると、二十五日に国会の開会式をやるというお話のようですが、それは、私どもが今日官房長官においで願ったのも、総理の施政方針の演説、わけても三十一年度予算案というものを二十五日にはどんなことがあっても提出するから、社会党一致の要望である一月二十日から二十三日という国会開会の要求を、特に政府の方で二十五日まで譲歩してもらいたいということで再三お話があって、その結果、われわれは二十五日ということで、本院で正式に決定しておる。これは開会式だけでなく、予算案を伴うものである。予算案を伴わないで開会しても、国会は空白になるからという、こういうことは明らかに本委員会の会議記録に載っておるわけです。そこで、議事の運びといたしまして、今申しました特派大使の件を先にすることが妥当であるか、それとも政 府の予算案に対する態度について官房長官の説明を求めるか、このどちらが 先かということを、まずお諮りを願いたい。議事を運ぶ都合上、あなたがやっておるようにやった方がいいということなら、私は別に異議は言わない。しかし、これが前提となることでもあり、本委員会において正式に議決されたことについて、新聞紙上ひんぴんと伝えられておる。特に官房長官のごときは、本予算を提出するのは三十日だ、などと新聞に発表したり、いろいろなことを言っておる。これは、むろん本委員会の官房長官の言明と相反するものがあるわけです。私は個人として申し上げますならば、冒頭にこれを取り上げて、しかる後、他の議事案件というものを論議されても、そう大して手続上不備というか、不便ではなかろうと思っておりますが、これについては、委員長がこの通りにしてくれということなら、別に異論はありません。ですから、その点、一応お諮りを願いたい。

椎熊三郎自由民主党

○椎熊委員長 実は、政府がいつ予算案を提出するかということは、本日の議運では最大の問題でありまして、議論のあるところでもございましょうし、そのために官房長官を招致しておるのでございます。開会式の日取り、順序、表彰等のことは、先刻来の理事会では大体異論のないところでありましたから、そういう形式的なような問題は先に片づけておいて、そうして、内閣の所信の披瀝を願ったり、あるいは各党の意見の開陳を願ったりする、このあとに、すぐその問題に移りたいと思っておりましたので、そういうふうにきめていただくと、ゆっくり施政方針演説とか、その他の問題で十分論議ができると思いますが、いかがですか。

池田禎治日本社会党

○池田(禎)委員 あなたが議事の運び上そうすることが妥当であるとお考えなら、私はあえて異論はない。ただ、どうも本委員会の議決したことと相反する結果が出ておる。残念ながら現実はしかりであると思う。従って、その前提の上に立って、本会議の運び方をどうするかということであって、二十五日に開会式をやるということをおきめになっておいて、あとは、事態やむを得ないからこういうように願いたいということなら、まことに当を得たやり方であるとは言えない。従って、私はあえてそれを持ち出したわけです。ただし、委員会での議事の運びのことであるからということなら、その点は了承いたします。

椎熊三郎自由民主党

○椎熊委員長 池田さんに申し上げておきます。開会式並びに予算案の提出、施政方針演説等で議運を開いたのは、きょうが初めてでございまして、今まではみな理事会でございます。その点だけは御了解を願います。  そこで、運び方はどういたしますか、今の堀木さんの問題が済むと、すぐ官房長官に対する質疑を行って……。

池田禎治日本社会党

○池田(禎)委員 それはいいのです。

椎熊三郎自由民主党

○椎熊委員長 それでは、池田さんの御同意を得ましたから、ただいまの堀木譲三君の問題はいかがでございましょうか。

鈴木隆夫事務総長

○鈴木事務総長 先ほどの御質問にお答え申し上げますが、三十九条の前段におきましては、「議員は、内閣総理大臣その他の国務大臣、内閣官房長官、内閣官房副長官、政務次官及び別に法律で定めた場合を除いては、その任期中国若しくは地方公共団体の公務員又は公共企業体の役員若しくは職員と兼ねることができない。」こういうことがございまして、「但し、両議院一致の議決に基き、その任期中内閣行政各部における各種の委員、顧問、参与その他これらに準ずる職に就く場合は、この限りでない。」ということになっております。ところで、外務公務員法というものによりますと、特命全権大使、特命全権公使、政府代表、全権委員、それから政府代表または全権委員の代理、顧問及び随員等は外務公務員ということになっておりまして、ここにも、もちろん顧問とはございますが、政府といたしましては、外務省の顧問とする場合には、この三十九条のただし書きによらねばならぬものと思っております。

野原覺日本社会党

○野原委員 第三十九条の前段の解釈としては、これは両議院が一致して決議をした場合といえども、公務員につくことができないという……。

鈴木隆夫事務総長

○鈴木事務総長 法律で定めてある場合を除いて、ということでございます。

野原覺日本社会党

○野原委員 ただし、委員、顧問、参与ということは、一致の決議を得た場合はこの限りでない、こういうわけでしょう。従ってこれは広く包括して、両議院が一致の決議をした場合といえども、外務公務員としてはつくことができないという解釈をとるべきではないのか。そういう解釈の上に立って、顧問と委員と参与と、明確に例示的なものをあげてきておる、こう解釈したい。従って堀木鎌三君の特派大使、これは私は両議院に諮ること自体が問題ではないか。このような見解をとるものですが、いかがですか。

鈴木隆夫事務総長

○鈴木事務総長 それはありますけれども、今のただし書きによりまして、行政各部の顧問はよろしいと書いてありますので、その顧問というものが、果して公務員であるかどうかという問題が起るといかぬものですから、この特別な法律によって、外務省としてはそういう場合の顧問を、やはり外務省顧問というのは公務員と見なす、こういうように書いてあるわけでございます。

山本幸一日本社会党

○山本(幸)委員 これは解釈の問題ですが、資格は外務省の顧問という資格でしょう。

椎熊三郎自由民主党

○椎熊委員長 だから訂正するというのです。社会党は顧問なら反対ということで、内閣の方では、特派大使として承認を得たいというのです。

山本幸一日本社会党

○山本(幸)委員 特派大使というものが、その他に準ずるかという質問です。その他に準ずるのですか。

椎熊三郎自由民主党

○椎熊委員長 そういうことです。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員 顧問では困るということですね。

椎熊三郎自由民主党

○椎熊委員長 それでは、ただいま御相談申し上げました二十五日午後一時からの本会議において、二十五年勤続の両君の表彰式の後、堀木鎌三君の特派大使の同意を求める件を議題に供することを確定してよろしゅうございますか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

椎熊三郎自由民主党

○椎熊委員長 さよう決定いたしました。     —————————————

椎熊三郎自由民主党

○椎熊委員長 そこで、私から当委員会を代表して根本官房長官にお伺いいたします。  先般の運営委員会理事会におきまして、官房長官の御出席を求めまして、政府の予算提示の時期等について、およその見通しを伺いましたが、それによりますと、おそくも二十五日までには提出ができるであろうということでございました。私どもはそれに基きまして、開会式を二十五日の午前中にやるということにきめて、その日の午後は施政方針の演説を承わるということまで申し合せておきましたが、その後、政府は二十五日までに予算が提出できるのかどうか、できないとならば、いつできるのか、それらについて明確なお答えを願います。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○根本政府委員 先般の本委員会において、三十一年度予算案提出の時期について見通しを申したときには、確かに、十七日に閣議決定をして参りますれば、二十五日には提出ができる、こういうことでその見通しを申し上げたのでございます。しかるところ、予算の内容についていろいろと閣内においても議論がございまして、そのために、実際上、十七日の閣議決定は行えなかったのでございます。昨日予算閣議を開きまして、これは臨時閣議でございましたが、これで大体のものがきまりましたけれども、計数整理等、いろいろの問題が残りましたので、本日の繰り下げ閣議で正式決定をいたす運びになっておるのでございます。そういたしますれば、印刷の都合等、大蔵省の印刷局方面の事情も調査してみますると、印刷ができまするのが二十九日、日曜の晩、もしくは月曜の午前十時、には完全に提出ができる。こういう報告に接しております。従いまして、三十日を予定しておる次第でございますが、先般申し上げた見通しと違いましたことは、まことに遺憾でございます。内閣の全体の責任において予算がきめられまするので、この間いろいろの意見の調整、従ってそれに基くところの計数整理等の関係上、十七日の予定が本日二十日になるということで、これが三日間延長になったというような状況でありますし、さらに印刷の都合もありまして、三十日提出の予定と今考えておる次第でございます。

井上良二日本社会党

○井上委員 私からちょっと官房長官にお伺いしたいのですが、官房長官は、先般本委員会の理事会にも非公式においでを願いまして、国会が再開をいたします準備のために、政府の予算案編成の最終的な見通しについてお話かありました。国会としましては、大体二十日ごろに再開されるのが通例になっておりますが、政府の予算編成の関係もあって、また日曜日等の関係も考慮しまして、二十三日は無理であろうから、二十五日ならどんなことがあっても提出できるという、非常な確信のめる御答弁に基きまして、わざわざ本日議運の委員会を開いて、二十五日開会式を行い、政府の施政方針演説の段取りをきめることに実はなってきたわけです。私ども昨年末から政府の予算編成の事情をいろいろな角度から見て変りまして、特に今度の三十一年度予算の審議は、御存じの通り本年は参議院の半数改選の選挙が行われるということもございまして、どうしても国会の審議が十分行われる時間的余裕も考えなければならぬ関係もあって、ぜひ一つ国会において慎重審議のできる期間を与えるために、国会提出がおくれないように、できるだけ約束した日時に提案をされますようにということを、われわれは期待して見守ってきた。ところが、昨年末から本年にかけまして、与党との調整、また政府部内における各省関係の調整等が遅々として進んできません。そこで、われわれ社会党としましては、かって官房長官の言明もございましたが、心配でございましたので、党といたしまして、正式に二十五日には必ず予算案を国会に上提して、国会で十分審議できる余地を与えられるようにという申し入れをいたしたのであります。この申し入れに対して官房長官は、必ずできます、必ずやります、というたびたびの強い言明でございました。われわれは非常にその強い確信のある言明を期待して、待っておったのでございます。ところが、ただいま承わりますと、やっと本日閣議決定が行われて印刷にかかる、こういうことでございます。その結果によると、これらは一にかかって印刷の都合だけで、約十日間印刷に日時を要するということになるわけです。官房長官みずから、私どもの申し出の際にもお話がございましたが、かつて、予算編成の閣議決定が終って国会に提出するのには、いろいろ困難はあるけれども、督促をすれば、大体五日あれば印刷はできる。だから二十日には一・最悪の事態十六、七日には方針をきめて、もしそれがおくれて二十日くらいになりましても、五日間もあれば印刷はかってできた前例がありますから、二十五日に出ることは絶対間違いありません、こういう政府代表としての強い発言をわれわれにされておるのであります。かつて国会に前内閣が提案をいたしました場合、閣議決定後に印刷が五日間でできた前例がありますのに、いかなる理由によって、あと、さらにもう五日間待たなければ印刷ができないのか。今日は一にかかって印刷の能力の問題になってきておるわけです。こういうことは私どもは認められません。特に今度の国会の重要性から考えて、衆参両院とも十分予算案に対する質疑を行わなければならぬことが予想されますので、月末までこれを延ばしていって、実際予算審議が来月になるというようなことになったのでは、また会期末いわゆる年度末で、両院で大へんな問題を起してくるという事態を予想しなければなりません。そういうように、全く政府の怠慢というか、政府のいわゆる予算編成に対する努力の足らなかったことが、国会全体に非常に大きな迷惑と問題を生んでくることになっております。あなたは、印刷はかつて五日でできたという言明をされたのですが、あれはうそですか。そうでなければ、他の問題と違います、内閣の印刷局を督励されて、非常な努力で、かつてさような前例もあるのでありますから、五日間で印刷できるようにでき得ないものでございましょうか。どういうことで十日もかからなければ印刷ができないのか、その点を一つ明らかに願いたい。そうして、何ゆえにかくもあなたの言明と現実が違うように閣議決定がおくれたのかという、この政治的な政府の責任の点についても御答弁を願いたい。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○根本政府委員 まず、印刷が見通しからおくれるようになった理由について申し上げます。実は、先般理事会のときに、五日間でできた前例も申し上げました。これは当時大蔵省の文書課長の方から聞いたとき、そういう前例があるということでした。ところが、あとでいろいろ調べましたところ、それは、大体予算の大部分がきまっておりまして、ただ公共事業費とか、あるいは防衛分担金という問題だけが残ったときの前例でございます。その点の説明一がなかったために、私が皆さんに申し上げる場合において、そうした前提条件を申し上げなかったのは、私の不注意の至りでございます。今回の予算案につきましては、すでに御承知のように、最終的にきまるまでに、与党との間の調整もございます。従いまして今般は、一項目がきまらない、数項目がきまらないのでなく、全体の予算の項目につきまして、その間において動きがありましたために——従来も十日間はやはりかかっておるそうでございます。大体のところが事務的にきまっておりまして、先にその部分は印刷しておいて、あとで差しかえというか、技術上のことは知りませんが、そういうことでできておったという例を、全面的に五日間でできたというふうに聞いて、それを申し上げたのは私の手落ちであったと思います。  それから、先般申し上げた見通しからおくれたという事情は、ただいま申し上げましたように、予算の大綱、予算編成方針については、すでにきまっておりまして、昨年末から本年の十四五日までに作業を終り、十七日は閣議決定できる、かように信じておったのでありますが、閣議の議論の進行の過程において、どうしても全閣僚の意見の一致を見ることができなくなって参りまして、そのために、おくれてしまったわけであります。閣議は、御承知のように多数決でなく、全会一致の形でいくために、若干の時間がかかったことはまことに遺憾でございますが、そうした事実に基いたものでございまして、政府としてはその点については、皆さんに対し遺憾の意を私は表する次第であります。従来の見通しと違った点については、故意にそういうふうに前から考えて見通しを申したのではなく、事実十七日に閣議決定していけるというふうな見通しであったのが、現実の閣議の進行の過程においておくれたという事情でありまするので、何とぞその点は御了承していただきたいと思います。

井上良二日本社会党

○井上委員 ただいま官房長官からは、実に無責任きわまる御答弁でございます。第一は、事務的な問題としては、印刷の所要時間が十日を要するということは、大蔵省の事務当局に聞けばすぐわかることです。それを織り込んでおけば、最大限少くとも十五日までに予算案をまとめなければ、二十五日に提案はできない。これは事務当局としては重大な失敗です。それからいま一つ、閣僚間の了解、調整ができないためにおくれたという話です。与党との調整は当然のことでありますが、閣僚間の意見が調整できないためにおくれたと言う。一体閣議の主下着はどこにおったんです。閣議の主宰者たる総理大臣は、温泉に行って保養しておるじゃありませんか。国家の重大な年間予算を組み、国政全体の方向をきめる大事な予算を編成する閣議が連日開かれており、すみやかに国会の審議を待たなければならぬ重要な段階にあるときに、この閣議の主宰者たる内閣総理大臣は、伊豆の温泉に行っていて、ほとんど予算がきまるまで顔を出しません。だれが予算案をまとめたのです。だれが予算案を一体紛淆させたんです。とんでもないことですよ。しかも、あなたがいろいろ閣僚間の調整をとって、できるだけ早く結論を得るように連日努力された。あなたの努力に対しては敬意を表しますが、あなたは一内閣の番頭にすぎないのであってほんとうの責任者は温泉におったじゃないか。そんなことをしておって、それで国会に提案がおくれた理由が、閣僚の意見の調整ができなかったと言うが、それで一体内閣の責任がとれますか。その点はどうです。鳩山総理は、予算編成に対しては、一つも審議の主宰者をやっておりません。ここ二、三日前に帰ってきたから、最終結論については、こうなった、ああなったという報告は、大蔵大臣や関係閣僚から、あるいはあなたからも聞かれたと思うが、肝心の総理がさような態度をとっておって、それで予算がまとまるのか。閣僚間の意見の調整が困難でおくれました、そんなことが国民が理解できますか。あなた、そうお考えになりませんか。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○根本政府委員 総理は温泉には行っておりません。川奈のホテルで、実は伊勢の方に出張して参ってからからかぜを引かれて、そのために静養して、やむを得ない状況であったのであります。しかし閣議の状況は、毎日電話で御連絡いたしまして、指示を受けてやっておりました。御承知のように予算編成期になりますれば、やはり各省の所管の立場からも、国務大臣として十分に意見のあるところでございます。従いまして、その間若干の時日がおくれるということは、いろいろ御批判は受けましても、政府としては、真剣にやっておるつもりでございます。なお、総理が出席できなかったというのは、決して怠慢ではなく、事実病気の結果、あそこで静養される方が、国会に対して、国会開会後に十分に体力を充実さして御審議におこたえするのが、積極的な責任をとるゆえんである、こういう判断のもとに、総理はあそこで静養されておったのであります。

井上良二日本社会党

○井上委員 私、総理の個人的健康問題に対して、とやかく批判的なことを言っておるわけじゃありません。問題は、総理が伊勢へお参りしてお帰りになる道すがら、伊豆へ保養に行かれた。そこで全く保養されておるかと思うと、与党の有力な幹部や、あるいはまた来訪者には一々面会をされて、政局談や党内事情等の懇談や指導をされておる。しかるに肝心の国家予算の編成については、重要な、与党として公約した公約の内容の案件等について、閣議全体をうまくまとめて、すみやかに案件を処理して、予算案として国会に上程するという、内閣の最高責任者としての役割が果されておりません。そこを私は究明しておる。さようなことで、予算案の編成がおくれた、つまり厚生大臣は厚生大臣で、自分の所管をやかましく言っており、農林大臣は農林大臣で言う。それぞれ各省所管の大臣は、それぞれのなわ張りで意見を言う。それをまとめて、国家的見地から調整してうまくやっていくのが総理大臣の役割で、その肝心の調整をはかり、円満に事を処理していく役割の総理大臣は、川奈のホテルで昼寝しておられた。これでは国会として、まともに聞いておられません。しかもさいぜん申し上げた通り、実際に印刷は十日もかかるという前提がある以上は、この間の調整の問題は、何としても政府の大きなミスであります。大きな見込み違いであります。そういう見込み違いを全然明らかにせずに、それでもって三十日なんてできません。今になって多数の力を背景にして言われたんでは、われわれ野党としては黙っておれません。だから、あなたでこれ以上答弁ができなければ、内閣総理大臣を本委員会に出席を求めます。

野原覺日本社会党

○野原委員 井上委員の質問に対して、官房長官としても、終始遺憾の意を表されておるわけでありますが、私は単に遺憾の意だけでは済まされない問題だと考えます。もし遺憾の意を表することによって、このままで押し切ろうとするならば、私どもは二十五日に開会することに対しても、ここで重大な決意をして、この委員会でその意思を表明しなければなりません。というのは、昨年暮れの十二月二十三日に、この国会が自然休会に入りますときに、議運の大きな問題は、自然休会明けをいつにするかということであったと思います。そのとき私どもとしては、恒例によって二十日に開いてもらいたい、昭和三十一年度予算は重大でもあるし、聞くところによれば、政府は二百五十に近い重要な法律案件を準備しておるやに聞くから、参議院選挙もあるので会期延長をひんぱんにやることは不可能だし、会期延長にはわが党としては了解できないので、憲法上の会期内で予定された案件が十分審議できるような措置をとれということで、出た結論は、官房長官御承知のように、二十三日ということであった。おそくとも二十五日ということで、私どもは、不満ながらこれを了承せざるを得なかった。だから、二十三日には再開いたします、おそくとも二十五日には開会をいたしまして、予算案の提出もするし、施政方針の演説もやるということで了解をさしておきながら、二十五日には単なる儀式の開会式だけであって、肝心の、国会が最も力を注がねばならぬ予算案の上程審議は三十日からであるという、この五日のロスを伺った責任は、私は、単に官房長官がここへ出てきて、もみ手でいかに陳謝しようとも、了解できない。従って、一体どういうわけで五日間のロスができたのか。井上委員の質問に対しては、鳩山首相は川奈のホテルでかぜを引かれて養生しておったということでありますが、かぜを引かれれば、養生の必要は当然出てきます。私はかぜを引いた患者に国会に出て来いなどと、むちゃなことは申し上げませんけれども、問題は、鳩山総理が川奈のホテルにすっ込んでおったことが原因で三十日提出になったのか、それとも一体どうなのか。  それからもう一点は、あなたは五日間で確かに印刷できると言ったんです。あなたは今言を左右にしておる。おそらく今日の議運でこの点が追及されるだろうと思って官房長官としては、四苦八苦でああいう答弁をされておるとしか解釈できない。あなたは何回も言明した。予算案の印刷は五日でできます。十七日に完了すれば、二十五日には十分提出できると言ったのが、今日聞くところによれば、十日間だと言う。そういう全く頼むに足らぬ答弁を、いつの場合でもされるということでは、私ども官房長官を信頼できないわけでございますが、この点について、あなたは、私が軽率であったということを、先ほど申されたか、申されぬか、私記憶ありませんけれども、認められるかどうか。  それから、国会の審議が制約されたということについて、政府はどういう責任を痛感されておるのか、議運で、単に悪うございました、見込み違いでございました、という陳謝だけで、このことは済むと考えておるのかどうか。国会は予算を審議する場所で、開会式をやる国会ではない。予算審議が国会の務めであることは、御承知の通りであります。五日間もあなたはロスを作ったわけでありますが、このことに対し政府はどのような責任を、官房長官でなく、政府全体として考えておられるのかその三点について質問します。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○根本政府委員 第一点の、総理が御病気になったために閣議をしばらく休まれたという事実でございますが、総理が御出席にならなかったために、予算の取りまとめがおくれたというふうには解釈いたしておりません。それは先ほど申し上げた理由と、それから政党内閣でございますゆえに、党との調整の間において時間がかかったというとは皆さん方御承知の通りでございます。従いまして、総理の閣議に対する御出席が若干欠けたためというふうには解釈いたしていないのでございま  もう一点の、先般の理事会において申し上げたときには、大体七日間かかります。しかし、非常に早くやった場げたのでございます。大蔵省の文書課に言いましたところ、詳しく調べられまして、従来五日間でまとまったこともありますが、それは先ほど申し上げたように、大部分のものがきまっておって、一部の数字の差しかえというときの例でありまして、その点の説明かなかったのは非常に遺憾であった。私も、その点を詳しく資料をとって御説明しなかったのは、私の確かに手落ちでございました。その意味において、私は遺憾の意を表しておる次第でございます。なお、印刷並びに閣議決定がおくれるために、国会における予算審議の期側が非常に制約された。これについての責任の問題でございますが、これは内閣全体として、こういう手違いを起したことについては、国会に対して非常に遺憾の意を表するのみならず、今次国会の審議にあたりましては、法律未の提出等できるだけ努力をいたしまして、審議に差しつかえないように努力をして責任をとっていく考えであります。かように考えております。

山本幸一日本社会党

○山本(幸)委員 官房長官に関連してお尋ねしたいのです。実はあなたの答弁、説明に対し、あげ足をとる意味ではありませんが、私も一つ遺憾なことがある。それは先般の議運で、今、井上、野原の両氏から言われたようなことで、われわれはやむなく了承しておるわけです。ところが、その後あなたは、いろいろ予算の固め方の進行状況によって、あるいは二十八日には出る、あるいは三十日には出る——一昨日か昨日かの新聞には、二十八日とおっしゃった。おっしゃることは自由かもしれませんけれども、少くとも今日までの経過からいくならば、二十五日には必ず出しますと、議運であなたが言明なさった。それが支障を来して、二十八日とか、三十日と、中途でラッパを吹かれる、二十日に議運が開かれるということを御承知の上にかかわらず、そういうラッパを中途で吹かれるということは、議運の権威にかかわるわけです。議運が二十五日過ぎに開かれるならやむを得ぬと思いますが、きょう議運が開かれて、当然あなたにもいろいろ相談をしなければならぬ、話し合いもしなければならぬことはおわかりだと思う。そういうときに、事前にラッパを吹かれるというやり方は、議運を無視しておると思うが、そういう点あなたはどう思われますか。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○根本政府委員 私がラッパを吹いたというふうになっておりますが、実はラッパを吹いたのではございません。御承知のように、社会党の方から国会対策の方々がお見えになりまして、ぜひとも二十五日に予算を提出すべしというあらためての御要請があったのであります。そのときに、実は現在のところでは二十五日にはどうも不可能になっておるようであります。この調子でいきますれば、与党との調整の関係もありますから、はっきり申し上げられませんが、あるいは二十八日になるか、三十日になる可能性も実はあるやに思われますということを、社会党の国会対策の各位に申し上げたのであります。それが新聞に伝えられておるのでございます。決して私が積極的に自分から新聞に発表したものではなく、そういう形でございます。社会党が正式に御要請になった場合に、全然今のところはわからないということを申し上げることも、政府の立場として大へん失礼だと思いまして、事実を事実として、私は社会党の代表の方にお答えしたのであります。それが新聞に出ておるという状況でございます。

山本幸一日本社会党

○山本(幸)委員 お説はごもっともらしいのです。ところが、官房長官、実はあなたくらいの常識家で、そうして有能な官房長官でしたら、私は気がつくと思うのですが、社会党からそういう申し入れをすることは、これは二十五日の約束に基いて申し入れをしておるのですから、この申し入れは当然だと思います。その場合に、かりにあなたが二十八日とか三十日を予想せられる場合には、一応二十日の議運ではその点を明らかにすることぐらいは、つけ加えておかぬと、やはり議運としては今後の運営上支障を生ずるのです。そういう点を私は心配しておる。しかしそれ以上のことは申し上げません。  それから、もう一つ申し上げたいことは、さっきのあなたの説明を聞いておると、従来五日でできたケースもある、それは事前にきまったものだけを印刷しておいて、あと一、二項目を、技術的にどういうふうに追加したのか知らぬけれども、やったことはある、こうおっしゃった。そうすると今度は、昨晩まとまってしまった。さっき一のあなたの話では、きょう午後からの繰り下げ閣議で最終的にきまったものを印刷局に回した場合には、あなたの説明によれば、やはり一週間か五日でできるじゃないですか。そういう勘定になりませんか。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○根本政府委員 これは不確定なことを私が見通しを申し上げることのできない状況にありますので、昨日から本日にかけて、実は先ほども午後二時ごろ、この問題は確実性を確保してお答えしなければなりませんから、大蔵事務次官にあらためてまた聞いたのでございます。それで従来のこともありましたから、ここで計数整理ができたならば、もう少し短縮できないかということを、あらためて私はただしたのであります。ところで大蔵事務次官も、今印刷の関係で相当おくれるという形にありまして、それがまたさらに見通しが違うと、非常に重大な責任になるということで、さらに念を入れて、印刷局の、単に最高の責任者のみならず、実務に当っておる方にも調べさせようということで、その結果は二十九日の晩一ぱいか、あるいは三十日の午前十時というふうにしておかないと危ないとも思われますので、さように御了承してほしいというお答えでございました。今までは、大蔵省の文書課長の方からの報告を私はそのまま実はお聞きして御披露をしておりましたが、それもだいぶ事実と違っておるような点もありますので、特に念を入れて聞きただしたような状況であります。

池田禎治日本社会党

○池田(禎)委員 官房長官の今のお話によると、ぎりぎりでも二十九日の晩か、三十日の朝でなければできないということを言われておりますが、それは私はどうかと思う。たとえば、あなたが先ほどから印刷の能力ということをおっしゃいますが、歴代の官房長官ないしかっての内閣書記官長というものは、国会に対する重要な政府の代表機関です。印刷能力や技術を知らないことはない。あなたは二十二国会においても、二十三国会においても、政府予算案を提出して、そうして印刷局の印刷能力や技術を調べて、この委員会に説明されたことは何べんもある。今ごろ印刷能力を聞くがごときは、怠慢千万であると思う。あなたは先ほどから与党との調整ということをおっしゃいましたが、本委員会においては与党も野党も、過去の長い経験に徴してみても、やはり二十日から二十二日までが常会の再開日であるということは認めておる。これは長い間の習慣であります。それを与党の方で、またあなたの方も、二十三日でよいと思うけれども、しかし二十五日になれば、予算を伴って施政方針演説ができるから、まけて野党も同調してほしいというようなことでもって、二十五日というのは、いろいろな曲折を経てきめられたのであります。それを今日、あなたは三十日にやると言うが、しかし本委員会で決定したところの二十五日開会式、これは宮中の事情もありましょう、そういうことも調べてきめた。これは残念ながら一事不再議という原則で、変えるわけにはいきません。本委員会の権威においても変更することは相ならぬ。しかしあなたの言うようなことで、開会式が行われて五日間も施政方針の演説が行われないという国会がございましょうか。残念ながらさような前例はない。あなた方は多年政党政治家として国会に議席を持ち、しかもあなたは官房長官として予算案を提出するのに、印刷の能力を知らぬで臨むなんというようなことはない。今ごろそういうことを言っておるのはまことにこっけいだ。むしろ私は、今なお政府が与党との間の最後の調整ができていないから延びるというならば、率直にそのことを申されたらどうですか。私は専門家ではありませんから、あえて逆らいませんが、従来の慣例から言うならば、いかなる膨大な予算案も、大綱は一週間でできております。昼夜兼行でやった例はあるのであります。私は単に新しい憲法だけではない、帝国議会時代からのを見ても、それは事実であります。その点をあなたか胸に何か一物置いて、ほんとうに具体的な最後の案がいまだきまっていないから、三十日なら大丈夫だということを言明なさるのか、能力にまかしてあなたがそういうことを言うのか、その点を解明してほしい。むしろ、まだ残りておるなら残っておると、あっさり申されたらどうですか。この点いかがですか。

椎熊三郎自由民主党

○椎熊委員長 池田さん、ちょっとお待ち下さい。参考までに申し上げますが、ただいまあなたの発言の中に、開会式をやって五日間も施政方針演説をやらぬという前例はないということですが、これは全部調べ上げてありまして、前例はたくさんあります。開会式をやってから八日、あるいは最大なのでは三十九日、間があります。ですから、全然そういうことがないということで、御議論なさらないでそういうこともあるが、今度の場合は約束に基いての議論にしていただきたい。前例に根拠を置かないでお話し願えればけっこうであります。前例なら、たくさんあります。

池田禎治日本社会党

○池田(禎)委員 前例がないということは取り消しましょう。ただ、しかし、私はそういう特例というものを本日調べておりません。いずれその事例をとりまして、いかなる場合においてそういう特例が行われたか、今回の場合と対照いたしました具体的事実をあげて、私はさらに官房長官にただしたいと思います。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○根本政府委員 先ほど申し上げたことで実は尽きておるのでございますが、せっかくの御質問でございますから、お答え申し上げます。印刷能力については、これは私が本日あらためて大蔵省の事務当局からただした結果を申し上げておるのでございます。なお。本日現在までの間に計数整理ができていないことも事実です。それで本日の七時か八時ごろには、計数整理の大体がまとまるという報告も受けておるのでございます。従いまして、三十日ということを申し上げましたのは、本日閣議決定の後印刷に回しまして、そうして大蔵省が印刷局において責任をもって提出を受けることができるという報告を受けて、それによって申し上げておる次第でございます。私の主観はそこには入っておらないのでございます。

井上良二日本社会党

○井上委員 私がさいぜん申し上げましたように、予算案の国会への提案がおくれたのは、与党との予算編成に対する調整の問題も一つの理由にはなっておりますが、それは政府としては政党政治をやっておる以上は、三十一年度予算を編成するに当って、何よりも先にそのくらいの意見をまとめるということは絶対条件であります。そういうことが予算案の編成がおくれた理由にはなりません。問題は、政府が責任をもって国会に予算案を提出することになっておりますから、議院が提出するわけにはいかないのです。政府が提出権を持っておるのです。その政府が、いわゆる閣僚間における意見の調整ができずに、いたずらに日時を遷延させたというのは、これは政府の責任ですよ。政府の責任者たる総理が予算案に対して積極的な関心を持って、これを早く国会に提出するように、全体の意向をまとめることに努力をしなかったことは事実です。そういう状態のもとにおいて予算案がおくれたということで、われわれに了解せいと計ってみたところで、それは了解はでき得ないのです。だから私は、一応政府の意向を明らかにしてもらうためには、これは国民に対する当然の義務でありますから、内閣総理大臣の出席を求めます。内閣総理大臣の出席が、多数の意見で必要がないということになりますならば、私どもは少くとも二十五日は開会式をやって、直ちに午後の本会議で内閣の施政方針演説を聞くという段取りで参っております。本日官房長官からさような発言を初めて、正式に承わりまして、もしこのままいきますならば、私どもの考えとは非常に食い違いを生じて参りますので、一応党としましては、二十五日の開会式をやったまま月末まで、都合が悪ければ二月  一日まで、内閣の施政方針演説は聞けないということになりますから、そんな長期にわたって空白にしておいて=いいかどうかということは重大な問題でございます。だから、党の方針を一応検討する必要がありますから、内閣の申し出の通り本会議における政府の施政方針演説は来月の一日になるような見通しのもとにおける国会の開会式の日取りは、一応保留させてもらわなければなりません。そこで、あなた方の方から、一応内閣としても、何としてもこれは不手ぎわな予算編成の結果でありますから、その責任者である内閣総理大臣の出席を求めて、そこで私どもが総理からいろいろ事情を承わりまして、了承いたしますならば、これはまた私どももそれによって協力して一向差しつかえありませんが、今日のところは、官房長官と私どもとの間には、二十五日ということで約束をされた、その約束が内閣の御都合で約十日間もおくれるということになっておりますので、遺憾ながら私どもといたしましては、総理がここで内閣の御都合を弁明願いますまでは、このまま応じるわけには参りませんから、一応委員長としてどうお取り計らい願えましょうか、お尋ねしておきたいと思います。

椎熊三郎自由民主党

○椎熊委員長 社会党の主張は、二十五日に施政方針の演説をぜひやるべしとの主張でございますか。

井上良二日本社会党

○井上委員 そうです。

椎熊三郎自由民主党

○椎熊委員長 そうすると、前例はあるのでございます。予算を提出しないで、予算要綱を提出して施政方針の演説をやったことは、芦田内閣当時において、あるいは片山内閣当時において、あるのです。それでよろしければ、政府は施政方針の演説をやるにやぶさかではないのですよ。それでよろしゅうございますか。

井上良二日本社会党

○井上委員 ちょっと待って下さい。委員長は私どもの提案に対してちょっと飛躍し過ぎます。というのは、まず今官房長官から政府の御都合をいろいろお伺いしましたが、私どもとしては一応総理の意見を聞きたい。総理の意見を聞いた上で、なるほど内閣としてはやむを得なかったということで、その提出がおくれたことについてわれわれが譲歩するかもしれません。ところが、総理を実際呼ぶ必要がないという与党側の意見ならば、私どもこの委員会はこのまま休憩を願って、一応党の態度をきめなければなりませんから、このまま進めてもらうことは困りますし、ただいま委員長の御発議のように、もし予算大綱、あるいは政策大綱等を一応中心にして施政方針演説をやった場合はどうやるか、予算案の提出がおくれるがそれでいいのか、ということがかりにありましても、それは一応織り込みましてそれでお受けいたしますか、予算案は提出されなければいかぬと申しますか、その点も一応党と相談しなければ、直ちにこれでいいというわけにはいかぬだろうと思います。

椎熊三郎自由民主党

○椎熊委員長 そこで今井上さんの御発言によりまして——根本官房長官の先ほどからの発言は、主として実際上こうなったという事実の説明をしておるようでございます。これが了承しかねるから、総理大臣を呼んで事実の説明をせよというのでしょうか、それとも、総理大臣が来て遺憾の意を表すればいいのだということでございましょうか。

井上良二日本社会党

○井上委員 遺憾の意ではありません。予算編成がおくれて国会提案がおくれたということは、これは内閣としては政治的に重大な問題ですよ。その政治的に重大な問題を、官房長官が技術的にこうなる、ああなるということを私どもは承わって、さようでございますか、といって引き下がるわけには参りません。であるから、予算案の編成がおくれて国会提出がおくれたという理由は、一にかかって鳩山内閣の閣内の不統一が一つは問題になっておるし、一つは、総理が現実にその不統一を統一して、予算案をまとめる最高の責任者であるにかかわらず、いなかったという問題もあって、従って、その予算編成に関する政治上の責任を鳩山総理に一応聞かなければなりません。それで鳩山総理が、いろいろ自分はああもした、こうもした、党の相談を受けたということで、その経過を政治的な責任において御答弁下さって、われわれ一同が了承しますならば、それで一向差しつかえありません。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員 予算のおくれております問題は、野党だけではございません、与党の、しかも議運の委員といたしましては、非常に遺憾の意を表しておるような次第でございます。なおまた先ほど来審議中に、印刷の日時の問題等につきましては、これまたしろうとが言うような話でございまして、この点もわれわれは同意しかねるような状況ではありますが、事実においておくれるということは、どうにも今からやりよりはないと思うのです。そこで官房長官も心から遺憾の意を表し、なお陳謝もしておるのでございまして、先ほど井上さんから言われたように、官房長官は内閣の番頭でございますから、番頭として、今までおくれた原因についてるる説明があったようなわけでございます。従って、どうか一つ総理大臣を呼び出してというようなことも——これは当然の言い分かもしれませんが、総理大臣を呼び出してまでもということでなく、一つこの程度で会議をまとめてもらいたいと思うのですが、いかがでしょうか。

山本幸一日本社会党

○山本(幸)委員 それは荒舩さん、こういうことなんだ。実はわれわれは先般の二十五日再開の問題で党に帰ったときにも、党からつるし上げを受けた。すぐお前らは妥協してくるというので、非常な迷惑をしておるわけだ。またそれと関連しておるわけではないが、あなたの方からかねがね御承知の、たとえば懲罰の条項をこの際一つ改正したいという案も出ておる。ところが今のように、先ほどからいろいろ諸君らが御質問なさったように、せっかく議運で二十五日ときめておきながら、しかもそれは間違いありませんと言って引き受けておきながら、政府与党の御都合でまたぞろこれが延びた。そこで果して在来の実績からいって、一般予算というものは何十日で上っておるか知りませんが、そういうことで、もし予算の審議が、おくれただけ延びるというようなことになって、そうして会計年度末にごたごたが起きたときにすぐ懲罰問題、これはいろいろな出してくる問題を見ても、やっておることを一々私どもは見ておると、一切を多数の力でもって何でも押し切ってしまう、こういう傾向が多分に見受けられるわけです。だから私どもとしては、やはりいろいろな点を総合して考えたときには この際やはりおくれた理由については技術的な面だけでなし——官房長官の御説明はよくわかりましたよ。それだけでなくて、やはり政治的な責任については総理大臣から明らかにしてもらった方が、今後国会を運営する上においても非常に好ましいのではないか、こういうきわめて大きな角度から井上さんは発言しておられると思う。だから、ぜひそれに同意してもらって、そうして総理大臣がここに来られて、いかなる弁明をせられるか、その弁明次第によっては、われわれもあっさり引き下って、それでは一つ協力しようじゃないかと出ないとも限らぬ。これは一つぜひ呼んでもらって……。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員 委員長、速記をとめてもらって一つ懇談に移りたいと思いますが、どうでしょうか。

椎熊三郎自由民主党

○椎熊委員長 それでは荒舩君の要求により、速記をとめて懇談に移ります。   〔速記中止〕

椎熊三郎自由民主党

○椎熊委員長 速記をとって下さい。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員 三十日の予算提出の表明に対して、だいぶん御議論があるようでございますので、なるべく円満に社会党さんと話し合いをつけたい、こういう前提に立ちまして、別室で理事会を開いて御協議を願いたいと思いますが、いかがでしょう。

椎熊三郎自由民主党

○椎熊委員長 いかがでしょうか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

椎熊三郎自由民主党

○椎熊委員長 それでは、一つ話し合いを慎重にするために、ここで暫時休憩いたします。直ちに委員長室で理事会を開きます。    午後五時四十七分休憩      ————◇—————    午後六時二十四分開議

椎熊三郎自由民主党

○椎熊委員長 休憩前に引続き会議をひらきます。  ただいま理事会を開きまして懇談申し上げましたけれども、事すこぶる重大問題でございますし、各党の委員諸君も党の意向等も考えなければならぬということで、ここだけできめられない大問題でありますので、本日はこの問題はこの程度にしておきまして、明日午後一時から議運を開きまして、主としてこの問題について御相談申し上げたい。

池田禎治日本社会党

○池田(禎)委員 私は明日に持ち越さないために一言申し上げておきますが、先ほどの前例があるという点、開会式を行なって、しかる後に施政方針の演説が五日以上延びた場合が幾たびかあるという中におきまして、新憲法のもとにおいては、そういうものは特例の場合しかない、かように私は思っておりました。事実そういうことが行われた場合におきましても、ほとんど臨時ないし特別の国会なんです。さらに昭和二十三年の第二次吉田内閣成立後におけるところの状態におきましては、年度内——年度内ということは、年内に開会式を行なって、そうして一月の休会明けに施政方針演説を行なった、そういうことにおいて延びた事実はあります。従って五日間以上、これは事実あります。けれども、その場合は当時占領軍がおりまして、GHQとの間に予算折衝等の問題があったので、今回のごとき常会であって、しかも内閣は何らの異常なき状態のもとにおいて行われたということは、私は残念ながらそういう例はない、特殊の場合のみであって、今回の場合にこれは適用すべきものにあらずということを、あえて一言申し上げておきます。

椎熊三郎自由民主党

○椎熊委員長 それでは明日午後一時から議運を開くことに御決議願います。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

椎熊三郎自由民主党

○椎熊委員長 さよう決定いたしました。     —————————————

椎熊三郎自由民主党

○椎熊委員長 なお散会前に、雑件と申しましょうか、別な問題で御了承願いたいことがあります。それは人事の問題であります。事務総長から一つ……。

鈴木隆夫事務総長

○鈴木事務総長 事後承認をお願いいたしたい件ですが、参事の大山武君と木下末秋君と西川重次郎君の王氏は、先日来それぞれ一身上の都合によりまして辞職いたしたいとの申し出がございました。国会法上、参事以上の職員につきましては、その任免には議長の同意と当委員会の御承認を得ることになっておりますが、たまたま休会中でございましたので、受理いたしておきました。この際事後承認を願いたいと思います。

山中貞則自由民主党

○山中委員 そのやめる人の職名と理由ですが。

椎熊三郎自由民主党

○椎熊委員長 その理由等は今詳しく伺いましたから……。  それではただいまの辞任の事後承認は、その通り事後承認するに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

椎熊三郎自由民主党

○椎熊委員長 さよう決定いたしました。     —————————————

椎熊三郎自由民主党

○椎熊委員長 それから予算の問題は、多少説明を必要とする点もありますので、明日の議運で劈頭にこれをやらしていただきます。  それから委員派遣の件は、先ほどいろいろな御意見がありましたが、今委員長も招致いたしまして、十名のうち四名くらい減らしたらどうかということで、大体の了解をつけて帰ったようですから、あすまでに四名を減らして、あらためて申請があろうかと思います。そういうふうな形で申請がありました場合御了承願いたいと思います。これも明日の問題にいたします。それでは本日はこれをもって散会いたします。   午後六時二十九分散会

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