P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
24回国会衆議院1956/05/04

外務委員会 第39号

発言数
196
登壇者
11
会派数
2
開催日
1956/05/04

会議録

前尾繁三郎自由民主党

○前尾委員長 これより会議を開きます。  千九百五十五年五月三十一日に東京で署名された農産物に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定第三条を改正する議定書の締結について承認を求めるの件、農産物に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。  質疑を許します。松本七郎君。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 外務大臣がお見えになる前に、事務当局にある程度質問いたしたのでございますが、農産物協定の当否を判断する上で、大事な点が私は二つあると思うのでございます。それは世間にいわゆるひもつきというか、日本に農産物を売り、あるいははなはだしきに至っては、贈与の分についてもいろいろこまかい義務を負っておるわけです。それの使用の仕方についても特に効果が上るようなものでなければならない。それについての監視をアメリカがする。この前の答弁にもありましたが、学童にアメリカからの贈与分でできた食糧を給食します。それの実情視察をアメリカの係官が、日本の係官と一緒ではあるけれども、学校を見て回るわけなのです。それからそれについての広報計画、日本政府としてはそれを広報しなければならぬわけです。そろいうふうな贈与分についてまで、日本にいわゆるいろいろな義務が課されておるというような点、そこまでしてもこれを日本が受け入れた方が有利なのかどうか、それについてはアメリカの国内の経済状態及び国際市場の関係から、アメリカが非常に余剰農産物の処分を急いでおる節はないか、こういろあらゆる点を私どもは広い観点から考察しなければ、余剰農産物の協定の真の意図というものはつかみにくいと思うのです。  それからもう一点見のがすことのできないのは、この第三条に、「農産物をアメリカ合衆国に対する非友好国が入手する可能性を増大する結果をもたらしてはならない。」こういう制限規定がある。この非友好国とは一体どういう国かということをいろいろ質問いたしたのでございますが、これは結局ソビエトあるいは中国を中心にしたところのいわゆる共産圏に属する諸国であるということが明らかになったわけでございます。これが将来ふえることもあるであろうし、またいわる非友好国は減ることもあるであろうという点も明確になったのでありますが、そういうふうにふえるとか、減るとかいうことよりも、当面はやはりいわゆる共産圏諸国に対してこのように特別の扱いをすること自体が、日本にとって果して利益になるかどうか、これは私は今後の情勢からきわめて重大な問題であると思うのでございます。こういうことを中心に私は今日は外務大臣に少し基本的な問題からお伺いしねければねらぬわけでございます。  最初にややこまかくなりますけれども、行政機構の改革とからみまして、外務大臣の施政方針の演説などでしきりに経済外交ということを言われておるのでございますが、これからの日本の外交関係のいろいろな行政機構において、経済的な問題を処理する部門というものは、相当重んじられてこなければならなくなるだろうと思うのです。それについて、私は外交官試験などについても、従来と少し変った点を考慮する必要があるのじゃないか、なるほど非常な秀才がたくさん集まっておることはもう間違いないと考えますけれども、最近の外交官試験の問題などを見てみましても、これはやはり問題があるのではないか、この時期ははっきり覚えておりませんけれども、陸奥宗光外交あるいはマーシャル・プランについての問題など出ております。マーシャル・プランなどは当然知らなければならぬことであるし、また陸奥外交なども当然なことでございますけれども、こういう問題を出す委員が、それらの問題についての解答を印刷物として公けにされておらない点に問題があるのじゃないか。そういう点が全然公けになっていないのです。従ってたとえば東大なら東大でその講義を受けた者は、きわめて有利な条件で試験が受けられますけれども、商科大学の出身者が一人も受からなかったという例も最近あるように、そこに非常にハンディキャップがあるのではないか、そういうことが世間でもよくいわれております。ですから今日のように——昔のようにただ外交の技術だけを身につければいいというような一つの型ができてしまうということは、これからの日本の外交を進める上に非常に不利な点があるのではないか、もっと広く人材を採用するというような、門戸を開放する方法をあらゆる点で考究する必要かあるのではなかろうか、そういう、意味でこの外交官の試験委員についても、もう少し幅広く委員を委嘱するというようなことが必要ではないかと思うのでございますけれども、こういう点について、行政改革と関連して、外務省の特殊の面に何らか考察を加えておられるかどうか、伺っておきたいのでございます。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 私は今言われました外交官試験について門戸を開いて広く人材を集めよという御趣旨は、その通りだと思います、そうしねければならぬと思います。過去におきましてわれわれの経験している、私自身も試験を受けたものでありますから、経険しておるところによりましても、実は外交官試験はいかなる他の試験よりも門戸を開放し、かつまた試験科目などは広くなっております。これは従来とも伝統的にさような方針をもってやっておるのでありますが、しかしなお今日においてもその点についてはいろいろ御批判はあることだと思います。しかる上は一そうそういうことについて注意をいたして努力をしていきたいと考えます。外交問題を処理するのにはどうしても人材を広く集めて、広い頭でもってこれを処理していくというように養成しなければならぬことは言うまでもございません。さような意味でもって御趣旨を十分取り入れていきたい、こう考えております。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 特にその経済関係がもう少し充実する必要をお認めになりませんですか。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 ええ、それは認めます。ただ経済関係と申しましても、御承知の通りに学生もしくは学生上りの人を選考するのでありますから、われわれが実際に取り扱っておる経済問題に重きを置かなければならぬという意味とも一致はいたさないと思いますが、経済学科にいろいろ重きを置かなければならぬ、こういうことは御同感でございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 そこで次はアメリカの現在のブーム、景気というものを外務大臣はどのように見ておられるか。この前大橋忠一さんでしたか、余剰農産物の受け入れについてアメリカの農産物が非常に余って困っておるということを指摘されたのですが、全般的にアメリカの現在のブームについてどういう観測をされておるか伺っておきたい。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 非常に広範囲のお尋ねでございます。私はアメリカの経済状態が世界経済の有力なる一中心をなしておるということを考えます。アメリカの経済が今非常にいい、こういうことは世界経済の大きなファクターとして重要視しておるわけでございます。私はそのなぜ経済状況がいいかという一々については、さしあたって今ここで御答弁する用意を持っておりませんけれども、これはいろいろなことから観察することができると思います。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 その原因その他をこまかくお伺いする必要はないと思いますが、今後このアメリカのブームは相当続くと見られるのか、あるいはもう近い将来に壁にぶつかるという結論を持っておられるか、そのくらいの大まかな見当はどうだろうというふうなところは、一応常に関心を持っておられてしかるべきだと私は思うのですが、現在どういう観測をされておるかを伺いたい。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 それならばそういう御質問を伺えればすぐお答えできます。私は当分続くと思います。これは今すぐ大変化を持つというふうには考えておりません。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 昨年の十二月にアメリカのCIOが出した数字を見ますと、一九五四年から五五年の間ですが、会社の利潤が大体二六%増加しておる、ところが労働賃金の増加は四%だった、農業所得は一〇%も減少しておる、こういう数字が出ておるのです。こういうふうな向うから発表しているいろいろなものを見ますと、一方生産の方はどんどんふえながら、これを消費するいわゆる有効需要と申しますか、購買力の方がこれに追っつかないという状態が、かなり深刻になろうとしておるということが指摘されておるのです。そういう点から見ると、第一に今までアメリカの一つの特徴として指摘されたのは、いわば非常な負債によって消費をやってきた、いわゆる月賦によって、自動車にしろあるいは住宅にしろ月賦が多いのです。これは現在収入がなお将来伸びるということが確実な場合には、それは月賦で買うということもいいでしょう。けれども将来だんだんこういうふうにして生産力の方はふえるが、一方収入の方はそれに歩調が合わないというような状態が出てくるような場合に、そういうことが予想されると遂に、月賦の購入ということが大きなパーセンテージを占めておりますと、将来これは大きな恐慌にぶつかる危険が考えられるわけでございます。そういうふうにしてこの消費者信用は年間百億ドルに達するというほど大きなものだということが伝えられておるのです。こういうふうな状態から特に農業問題は一そう悪化しておるということが、アメリカのいろいろなところで指摘されておるのです。この間大橋忠一さんもこの点を特に指摘されて、アメリカの農業が現に何年かの間農業恐慌で苦しんでおるではないか、そういうことからこの農産物の世界的な市場の確保ということにアメリカが狂奔しておるというこの事実をやはり認めないと、こういう事実に基いて私どもはこの協定の判断なども考えませんと、大きなあやまちを犯すと思うのです。そういう事実を大臣はお認めになるかどうか、その点をまずお伺いしたい。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 私はアメリカで農産物の生産が非常に多くて、市場を外国に求めておる、こういうことは事実として認めておる次第でございます。それをどういう工合にして運用するかということは、またおのずから別の問題でございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 そうするとそういう事実をお認めになって、そうしてアメリカがこの農業恐慌をどういうふうな方法で切り抜けようとしておるかという、いろいろな大統領の教書に基いたりあるいはその他の関係者の言明等を見まして、アメリカの今後の農業政策ということから考えますと、この余剰農産物をそうやすやすと受け入れることは、必ずしも日本に有利でないという結論が出るように思うのですが、そういう点は大臣はどう考えておられるでありましょうか。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 むろんこれは国際間の取りきめの問題でありますから、向うの希望とそれからまたこちらの希望が妥協をしていかなければできることではございません。従いまして日本側として余剰農産物をそのような程度で受け入れて、そうして利用をする、こういうことについては日本側の希望がございます。それとアメリカ側の希望と合致したものでありますから、私はこのくらいの程度で行ってよかろう、こう考えておるのでございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 それは希望と言いますけれども、日本がそれを希望するという結論を出すときに、アメリカの国の実際の経済状態を考え、そしてまたそれを受け入れるときの条件等を勘案して結論をださなければ、ただばく然と日本は食糧が足りない、向うは余っておる、買うよりもただの方がいいだろう、こういうことでは私は済まないと思うのですが、どうでしょうか。何かそういうふうに簡単に考えておられるような気がして仕方がないのですが、大臣の御意見を伺っておきたい。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 今の御趣旨は、アメリカの方でも余剰農産物を売りたいという希望があるが、これは用心しなければならぬ、こういう御趣旨のように私は思って御返答したわけです。むろん私は相手方の状況をつぶさに検討しなければならぬと思っております。それと同時にこちらの欲するところも十分に調査をしなければなりません。しかし今この余剰農産物の全般的のことについてのお話でございます。これはおのずから一般的のお話になるのであります。そうしてみるとこまかい条件等の御議論ではございませんので、こまかい点は別に十分に検討しなければなりませんが、その検討の上でこれで妥結をすることが適当である、こう考えたということを申し上げたわけであります。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 そのこまかい条件でも、一見小さいように見えてもそれが非常に重要な場合があるのです。たとえば、御存じかどうかわかりませんけれども、今度の贈与分ですね、次年度からだんだん贈与分は減るわけです。けれども学校の給食率というものは、初年度をどこまでも維持しなければならぬという規定になっているわけです。そうすると贈与の量はだんだん減ってきますが、給食はそのまま維持しなければならぬ、こういうことになる、日本の政府として給食はなるべく高いところの水準を保ちたい、またそういう政策をとることはけっこうなことです。けれどもこれを外国と取りきめをして、贈与の分は減るが、給食の水準はそのまま維持しなければならぬ、こういうことを交換公文で約束する必要は私はないと思う。それは日本の独自の立場でやればいいことです。それをわざわざ贈与をしてもらう相手のアメリカと、そういう給食水準を維持しなければならぬというような取りきめをすることは、一種の内政干渉になるおそれがある。ですからそういうことは、こういう交換公文からはずすべきだと思うのですが、大臣のお考えを伺いたい。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 私は今のお話はごもっともだと思います。そう言ってしかるべきものだと思います。ただ問題は、かような人道にも関係をするような大きな一般的の問題でありますから日本政府は給食を続けてやるのだということを、たとい外国との間でもはっきり意思表示をして共鳴を得て、そうしてこの場合は米国でありますが、米国にも気持よく出してもらう、食糧を供給してもらう、こういうことは私は主義の問題としてそう拒否すべきじゃない、非難すべきじゃないと思う。そこで交換公文でもってそれをきめることは主権の侵害というところまで私は議論を進めるには当らないように考えておるわけであります。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 そういうことを交換公文にうたう必要がどこにあるかというのです。日本で給食水準を高くするという政策をとることはけっこうだし、それはやればいい。足りない食糧を外国から買うなり、あるいは贈与をしようというなら受けるのもいいでしょう。だけれども、それをやるために日本では給食水準は初年度の率を守ります、贈与分がだんだん年々減ってきても給食水準だけは守ります、ということを、何でここでわざわざうたう必要があるかというのです。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 それは私が今申し上げた通りに、さような政策をはっきりさして、そうして向うとの意思の合致を得ることが、一そう事を容易にして、この交換公文をこしらえるということは、私はそうそれにこだわるべきことではないと思います。しかし全体としては、何もそういうことについて書く必要はないのじゃないか、とこう言われることは、私はその点は私の気持としては御同感の意を表するわけでございます。しかしこれを書いたからといって、別に何はない。そうしてはっきりと向うとの間に意思の合致があってこのことが成就すれば、別に差しつかえないことだ、こう私は考えます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 それならばアメリカの係官が贈与分の給食について学校を視察して回る、現場を監視するということはどうですか、好ましいと思われますか。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 私はこれは見せてやっても差しつかえはないように思います。それが一々の干渉とまでは考える必要はないように考えます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 今日御承知のように、日本にはたくさんのアメリカの基地があり、そして占領状態が——今度は法的には占領ではなくなった、独立国家になったと言われますけれども、実情は、国民の目につくところは依然として占領状態の継続のようなところがたくさんあるのですね。そういうときにわざわざこの贈与分の給食状態を、アメリカの係官が各学校を視察して回ることは、むしろ弊害の方が多いような気がするのですが、そういう点についてもう少し考慮されるお気持はないでしょうか。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 私が先ほど申し上げる通りに、そういう問題については、実は将来はそういうところまで十分考慮したいような私の気持であることを申し上げておるわけであります。しかし今ここまできた問題を、それによって、こういう協定と申しますか取りきめと申しますかこれはやる必要がないという御議論には、賛成ができないわけでございます。御趣旨のあるところは、将来私はその趣旨をもって進みたいと考えておるわけでございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 それならば、この監視する場合に、それは日本政府にまかせてくれ、アメリカの係官が一緒に回ることは遠慮してくれ、こういうことを実際の運営の面で言われる御意思はございますか。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 それは取りきめは取りきめとして、それを運用する方面においていろいろそういうことも注意をして、運用をし得ることは運用して少しも差しつかえないと思います。さようなことは気をつけてしかるべきだと考えております。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 アメリカの経済状態、特に農業状態をもう少しいろいろお伺いしたいのですが、あまりそればかり言っていても何ですから、もう一つの問題に移りたいと思います。  先ほど申しましたように非友好国、つまり共産圏にこの食糧が行く可能性を増大してはならない、こういうふうな規定があるのですが私どもの一番関心を持つのは、今日の日本として、こういうふうな共産圏に大きな壁を設けこれを特別扱いをするようなやり方で、果して日本の国際的な地位が向上させられるかどうか、特に最近ではソビエトの二十回の党大会以来、ソ連の世界政策も相当変ってくるだろう国内情勢も変ってくるだろうと考えられる時期に際会して、今までと少しも変らないアメリカの共産圏に対する態度をそのまま日本も踏襲してやるというような行き方が、果して日本の利益に合致するかどうかということには疑いなきを得ないと思うのですが、まずこの点から外相の見解を伺っておきたい。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 今の御質問は、この協定の第三条関係において非友好国といっておるのは共産国である、共産国に対して日本側が特に区別的の考えをもってやることは、特に第二十回共産党大会以後においては考えものじゃないか、よくないじゃ、ないか、こういうお考えでございます。私は共産国であるから日本が特に特別な考え方をもってやらなければならぬという考え方は持ってはおりませんが、第二十回の党大会以後ソ連の政策が非常に変ったのであるから、こっちもそれに応じてすっかり政策を変えなければならぬという御議論は、私は直ちにとるべきじゃないと思います。変ってきたことは認めなければなりません。第一これがどう変ってきたかということは、今日世論を見てもこれは非常に検討を要します。日本が政策を変えるように変ってきたかどうかということは検討を要します。私はこういうような大きな問題については、つまりある場合において平和に変ったということが言われるから、すぐ変るのだ。こっちもすぐ変えなければならぬ急角度にすべてものをやるということはかえってよくないと思う。徐々にお変えになったらいいと思う。それが非常に必要なことだと思います。それだからこれはどういう政府ができてもよほどお考えになった方がいいと思います。急角度にそういう大きな問題を取り扱うことは、国家としては非常に注意しなければならぬ点である。これはほとんど外交の定義でございます。しかしその問題はそれにしておいて、ここに「非友好国」云々とございますけれども何も日本はアメリカとの間が友好でない国があったと仮定してもそれに対して日本側が特に敵意はむろんのこと非友好的の態度を示しておるというわけではございません。つまりアメリカが気にいらぬ国にはアメリカからもらうものであるからやらない、こういうことだけのことにすぎません。また実際としては日本以外の国にこれを転売するというようなことは考えておらないわけでありますから、それはそれでよかろうかと思います。第三国にはこれを送らぬというような意味でございまして、そういう点についてアメリカからもらうものはアメリカに対する非友好国には送らない、こういうことでございますから、その点で差しつかえないと思います。日本として何もソ連圏に対して特に敵出村というのは言い過ぎでありますけれども、非友好的の考え方をもって進めていく、こういうことではございません。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 今第三国に送らないという意味だと言われたけれども、それは違う。第三国に送らないというのならそう書けばいい。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 そう言いはしない。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 そう言われたじゃないですか。第三国には送らないという意味だと言われたじゃないですか。非友好国と限定してある。三角貿易というものもあるのです。だからもらった食糧を第三国に送るということはあり得るのです。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 私はそういうふうには申さない。しかしここにははっきり「日本国内で、消費するものとする。」と書いてある。日本国内で消費する、第三国には渡さないという意味がはっきり書いてある。ただ「同様の農産物をアメリカ合衆国に対する非友好国が入手する可能性を増大する結果をもたらしてはならない。」といって念のためにそれを書いてある。だからそのくらいのことは何も差しつかえないと思います。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 この後段は何のために書いたのですか。念のために伺います。要らないじゃないですか。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 双方の協定の結果それがあるわけであります。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 どうして協定する場合にそういう要らないものを同意したのですか。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 これは差しつかえない。これは当然差しつかえないと思って協定しました。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 それはあとで事務当局に御質問いたしますが、急激に変える必要はない、徐々に変えればいいのだ、こう言われますけれども、今の内閣の政策を見ておると、いわゆる共産圏に対する政策というものは徐々に変っておるというが、かえって悪くなりつつある。最初は中国との貿易をもっと盛んにしょう、あるいはソビエトとの国交回復を、早期にやると言いながら、現実にはだんだんそれが遠ざかりつつある。貿易についても政府がもう少し乗り出してしかるべだと思う。今のいろいろな民間貿易にしても、政府が力をかさないために、順調にできるものも順調にいかずに支障を来たしておる面がたくさんある。そういう点を少し政府が力をかしさえすれば、向うにとっても日本の誠意というものが理解できて、将来のためにどれだけ好転する結果をもたらすかわからないものがたくさんある。渡航の制限しもそうじゃないですか、ああいうふうに今度はむしろ強化しようとしておるじゃありませんか。あなたの言われることは全然矛盾する。そういう点はどうですか。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 さような一々の点について御議論を展開するなら、私は一々お話して差しつかえございませんが、しかしそういうような点は私は従来の方針をそのままやっております。変りはございません。これは情勢の変化に適応していかなければならぬ、こう考えておりますが、方針は少しも変りはございません。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 共産圏に対する問題はまだありますが、一通り先に進んでからあとでまた質問したいと思います。この協定の内容をそう詳しく御存じでもないのでしょうから、おもな点を少し指摘してみたいと思います。  この協定によって日本が購入する農産物は、第一には円貨の積み立てで買える、外貨を必要としないということ、それから返済期日が長期である、それから利率が低いというようなことが最大の利点として強調されておるわけです。しかしこの前の御答弁によりましても明らかなように、結局返済はドル建であるということが前提になっておることは明らかなのですが、その利率についても、アメリカの農産物が手に負えないほどあり余って処分に困っておるというような点を考えるならば、決してそうありがたがるほどの低利率ではないと思うのです。そして品質の点と勘案して考えれば、一般の商取引とそう違わない条件で購入する結果になるだろうと思う。そういう条件であるにかかわらず、購入したものの処分についてまでいろいろな制限規定がこの協定の中に置かれてある。そういうふうに購入後においても、その買ったものの処分が制限され、おまけに今度はもらったものについてまでその使用について制限され、その使用状況について監視までされ、それについてアメリカからもらったのだからありがたくちょうだいしましょうというような考え方を児童に植え付ける広報計画まで日本政府はしなければならぬ。こうまでして私はこの余剰農産物をもらう必要はないと思うのです。以前からこれは問題になったことですが、特に今度は贈与の分で、先ほどから申しますように、いかにもよそからちょうだいしてありがたいというような気持を児童に起させながら、実はこの給食水準というものはそのままにして、アメリカの贈与分は年々減ってくるのです。ところが給食水準は今まで通りにしておかなければならぬということになりますと、結局それは理屈から言えば、日本はアメリカから買おうが、あるいはよその国から買おうが、それは自由だといいましても、今日の関係では結局最初にきまった給食水準を維持するためには、引き続いて、今までもらった方が減りますから、その分を今度はアメリカのあり余って困っている農産物を買うという結果になると私は思うのです。この交換公文の内容を検討してみると、そういうふうな大きな危険をはらんでおる。悪く考えればアメリカがあり余った農産物を何とかして売りさばこうとやっきになっておる。その一つの政策として、体のいい贈与という形でもって将来の市場を確保しようというような——意図はどうか知らぬですけれども、結果は私はそうなると思うのです。その点について外務大臣は検討されたのだろうか、伺っておきたい。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 私自身がさようなことについて専門的に十分検討したと申し上げるだけの何はございません。しかし私の持っておる知識によって、十分にそういう点も考えてみました。米国の考え方もこれは十分に検討をいたさなければならぬ、またいたしたつもりでございます。そうして先ほど申す通りに、そのくらいな程度においてこれを妥結することがいいと判断して、これをやったわけでございます。その点についていろいろと御意見のあることは、これはごもっともな点も多分にあるように考えます。将来の参考には十分になります。しかしながら私の判断といたしましては、これを受け入れたから、将来アメリカの農産物をますます買わなければならぬ、そういうようなことは、取りきめの上では何も出ておりませんから、それを責められるわけでもないでしょう。ただそういうことに実際なりはせぬかと言われるのだと思います。それは買おうと思えば、こちらがアメリカから買った方が有利であると思えば、それは買うもよかろう。しかしそうでないと思えば、少しも買う必要はないのでありますから、これは取りきめのプラス、マイナスにはその点の考慮は要らぬとこう思います。ただお話の中に返済はドル建である、こう言われますけれども、これは御承知の通りにドル建ということになっておっても、日本の単独の選択によって、日本が選べば円で返済することもできるということになっておるわけであります。以上です。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 それは円建だったら今度は利率が高くなるでしょう。だから結局はドル建ということに、実際問題としては落ちつくのではありませんか。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 それはそのときの事情で日本に最も有利なようにこれを選択すればいいと考えます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 そこで、先ほど申すように、品質その他から考えて、決してあまり有利な条件とは考えられないのですが、もう少し最近の東南アジア諸国が示しておるような、断固たる態度と申しますか、もう少し強い態度で臨めば、入れるにしてももっと有利な条件で、あとの使用、処分の方法その他についてまで、いろいろやかましいことを言われないで済むような協定が結べたのではないかという気がするのですが、どうでしょう。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 ずいぶん努力いたしましてこういうところまでこぎつけた次第でございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 大臣お急ぎのようですからまとめて伺います。  この前共産圏に対する態度、ことに中国その他の旅券制限の問題でお伺いしたときに、各省の大臣とも相談して今度きめた基準について、一つここで発展しよう、できるだけそういうふうにしまし十うという御答弁があったわけです。今日でも直ちに発表していただければ一つ発表していただきたい。それからもう一つあります。もう一つはこれもやはり対共産圏、特にソ連に対する問題ですが、この前から漁業交渉で、漁業官の問題を言ってきておりますね。ドムニッキーの変更と漁業担当官を置きたいということです。これは河野農林大臣に自由裁量でやれというふうな訓令を出されたと伝えられておるのですが、その事実があるのかどうか。それからこれはまた外務大臣として方針をはっきりきめるべきだと思うのですね。おそらくソビエトの方針では、漁業制限をやろう、そして許可制をとろう、こういうことは変らないと思うのです。そうするともしも漁業官を置かなければ、あの制限内の二千五百万尾をとることもできなくなると思うのです。向うがそういう方式をとってくる以上は、やはり二千五百万尾の制限内での漁獲をするためには、向うの許可をもらわなければならぬのです。だからこっちが漁業官の派遣を認めなければ、制限内の漁獲さえも、この協定ができるまではやれないという結果が出てくると思う。ですから、どっちみち協定ができようができまいが、その制限内の漁獲をやるか、あるいはそれ以上の漁獲をやれるようになるか別として、とにかく漁業担当官というものの派遣は認めなければならないものだと思うのです。そういう点は非常に憂慮しておるのですが、その二つ御答弁願いたい。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 関連して。あなたは、これから何か閣議か党の幹部会か知らぬけれども、御出席のようだから、簡単にお尋ねしておきたいと思うのです。というのは、今の松本委員の質問に関連しまして、この間こちらから河野代表が漁獲制限とそれから海難救助に関する協定、いわば一般協定を結ぶ用意があるということで、一般的なワクを出されたようだが、その内容は発表になっておりませんが、おそらくわれわれの聞いておるところでは、そういう問題だけを提案したというふうにわれわれ理解しているが、果してそうであるかどうか。それに対して、きょうは新聞がないのでよくわかりませんが、昨日向うから返事があって、そしておそらくは一般的なことであるならば、こちらの方にも異存はない。だから今度は具体的にその内容を示し合って話・そうじゃないかというような段階にきておるようだから、そうなるというと・今度は順序としては、日本側から漁獲制限に対する具体的なこちらの方針と、それから海難救助に関する方針、つまり協定の内容にわたるものを、こちらから提示しなければならない段階にきていると思うのです。聞く、ところによると、五日でございますから、もうすぐのことですが、外務省のそれに対する方針の訓令を出された、持たしてやっておるかどうか知らぬが、外務省というか政府の方針をこの際差しつかえない限り明らかにしていただきたいと思うのです。これが関連して私の質問の一点。  それからもう一つは、今からいらっしゃるのは日比賠償の問題だと思うのです。日比賠償について、向う側から仮調印したものを変えてもらいたいというような虫のいいことを言ってきているようだが、そのために、高碕全権の出発がきょうの予定がおくれて、今のところ八日とか九日といっているようだが、それに対しては、一体外務省が変更をするつもりであるのかしないつもりであるのか、その点をはっきりしていただきたい。  この二点追加して質問しておきますから、また再質問せぬで済むように明確にお答えをいただいておきたいと思います。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 お二方の御質問の趣旨は、項目があまり多いので、実は忘れてしまいました。できるだけ思い出し思い出しやりますけれども、私の足りなしところはまた御質問をいただきたいと思います。そこでしまいの方から行きます。  フィリピンの問題について仮調印をいたしました。仮調印をいたしました後に、フィリピン側から若干の希望が出ておることは事実でございます。それはわが方としては、仮調印をしたものは変えたくないという建前で進んでおります。十分向うの意向も聞きまして、しかし差しつかえないものならば、これもまた妥協のために、向うの言い分を十分に考慮するという気持がないこともございません。しかしこれは一両日はかかります。二、三日は全部の何をはっきりと確定する、調印文正を確定するまでには時日がかかりますから、その確定文がきまりましたらば、すぐ全権を派遣することにしたい。(穗積委員「もうすでに仮調印したものは変更しないで交渉しろという電報を打っておるのじゃないですか。そうしておいてまた今度は変えるのですか」と呼ぶ)そういうことで、申した通りに仮調印したものは変えたくないという方針をもって進んでおります。(穗積委員「その方針を堅持するわけですね。」と呼ぶ)ただどういうところに向うが希望を持っているのかということは十分に聞かなければなりません。(穗積委員「聞いた上で電報を打っているのじゃないの、変えないというように……。」と呼ぶ)電報はしょっちゅう打っておりますよ。それは毎日打っております。それが外交交渉だ。わかりきっている。  第二は日ソ漁業問題。日ソ漁業問題も、こちらからいろいろ案を持って参りました。これは漁業制限に関する問題、海難救助に関する問題・大体二つの項目に分れているということは、御説明をした通りであります。それについて第一回の会合において、わが方の案を提示して、ソ連はそれを考慮するということを約して、次の会合でソ連のこれに対する対案といいますか、ソ連の考え方を言うことになっております。今さような状況になっております。そうしてわが方の言う漁業制限の問題、それから海難救助に関する二つの委員会で、今討議を進めております。その大安は以上の通りであります。それについて内容の一々のことを申し上げることは差し控えます。これが今日までの状況であって、向うもこちらの言い分は十分聞いて、そして妥協して結末を得ようという態度のように見えます。これが漁業に関する日ソ交渉の問題でございます。むろん日ソ交渉でも日比賠償でも、一段落がつきますれば、また御報告を申し上げます。  漁業官の問題がございました。これは交渉の上で出てくるかもしれません。それが出てくれば、交渉によってこれをきめるということになります。しかし交渉の俎上に上ったことを全部政府代表が一存できめるということには、しかけはなっておりません。これはいつでも外交交渉はそういうものでございます。それは本国政府と一々連絡をとった上で、さような意思表示をいたします。電信も往復をいたしております。まだそういうところまでは参っておりませんが、その上で政府代表としても考慮をしましょうし、また連絡の上は、政府としても考慮をしなければなりません。さようにして漁業問題は、あらゆる努力をして、わが漁業権の保護を少しでも有利に導くようにやっていきたい、こういう方針で進んでいることを申し上げておきます。旅券の問題は、お約束の通りに関係各省及び内閣あたりで慎重に今相談をいたしております。不日——大要は意見がまとまっておりますが、これは慎重を期さなければなりませんから、はっきりした御答弁をすることを他日の機会に、なるべく早く申し上げることにいたします。(「不日は今週か来週か」と呼ぶ者あり)なるべく早くやりますよ。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 この前の続きで、将来どれくらいの外貨を日本として必要とするのか、その見通しをまずお伺いします。賠償それから外債、その他の事務的な支払いをしなければならないものを含めての、年間どの程度の支払い能力が日本としてあるのかということと、それから政府の見通しとして将来どの程度の外貨を日本として必要とするかということをまず伺います。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 将来どの程度の支払い能力があるという点につきましては、それはまたどのくらいの収入があるかということにもかかっておりますし、そういったいろいろな要素は必ず固定していないで、しょっちゅう変りますので、今ここで直ちに、幾らまでは絶対に支払い能力があるというようなことは簡単にお答えできないと存じます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 しかし日本として年間の支払い能力が大体どのくらいのものがあるかということくらいはわかっておるでしょう。そのつど動いているのですから変化はするでしょうけれども、大体の年間の支払い能力というものくらいわかっていなければならぬでしょう。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 支払い能力とおっしゃいますのは、いろいろな輸入や何かについての支払い能力ということだと思いますが、そうしますとこれは輸出にかかっているわけです。輸出が現状通り伸びていけばそういう程度のものが……。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 そうじゃありません。賠償協定なんかやっているでしょう。フィリピンの賠償のような賠償協定なんかを結ぶためには、日本の支払い能力というものが基礎にならなければ、賠償がどれくらい支払えるかということが出てこないでしょう。だからそういうような賠償などの協定をやっている以上は、日本の支払い能力の計算というものがある程度できているはずなのです。そういう日本の賠償あるいは外債その他全部をひっくるめた支払い能力というものが、現在の国情から年間一体どのくらいのものと政府は考えておられるかというのです。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 この問題につきましては、大蔵省を中心としまして、また経済企画庁、外務省も参加いたしまして検討いたしておることは事実でございますが、賠償その他の対外支払いのためにどれくらいの能力があるかということを申しますことは、同時に、その範囲ならまだぶんどれるということをインドネシアやヴェトナムその他に教えることになりますので、これは何ら正式な数字を出さぬということに相なっておるのであります。もちろん今まで決定いたしましたビルマの賠償、タイの特別円、今度決定いたしますフィリピンという決定済みのものから割り出す数字は直ちに出るわけでございますけれども、将来のものを含めましてこの種の対外支払い能力または対外支払い見込額というようなものを出すことは、現在の日本の立場からいうと有害であるということで、出さないことに相なっておりますので、御了承願いたいと思います。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 今の答弁はおかしいですよ。そういうことを言えば支払い能力限度一ぱいに取られるから言わないのだ、そういうことを言うこと自体が実はおかしいのです。だから私の聞いているのは、対外的に発表されておる日本の支払い能力というものはどれくらいかということなのです。言えるものを聞いておるのです。言えば取られるから言わないというようなことを言われること自体がおかしな話です。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 御意見といたしましては、新聞等にもいろいろ発表があったのであります。現在の外貨事情から見て、年間一億ドル、つまり三百六十億円ぐらいの額を、賠償その他の特殊対外債務の支払いに充当してもよいではないかという御議論も出ておることを承知いたしております。あるいは現在の保有外貨の現況から見まして、また貿易の伸展の見込みからいたしまして、そういうことも言い得るかも存じません。しかしどれくらいのものをまず予定していいかという点は、やはり対外関係からいいまして、この際政府側から申し上げることは差し控えさしていただいた方がよい、そういうふうに存じておるのであります。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 それからこの前余剰農産物の品質のことを伺ったときに、品質はそう悪くない、品質の悪いものは〇・五%しかない、こういうことを言われたのですが、われわれの聞いておるところでは相当品質の悪いものがあって、そのためにわざわざカナダから入った小麦とまぜてパンを製造しておるというようなことを聞いておるのですが、その点はどうでしょうか。

丹羽雅次郎農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○丹羽説明員 お答え申し上げます。日本の場合のパンの製造につきましては、技術的立場からプロティーンの多いカナダ産の小麦とアメリカ産の軟質小麦とをまぜて作る方がよりよいものができる、こういう意味で両者をまぜ合せて作っておるわけでございますが、これは特にアメリカ産の小麦の品質が悪いという意味ではございませんで、そういう質の違う小麦をまぜて作る方が適当なパンができる、こういう技術的な問題でございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 そうすると品質はやはり悪くないとしますと、この余剰農産物は国際価格よりもこの前の資料によっても安いのですが、一体品質が悪くなくて安いということはダンピングだ、こういうふうなことも言えると思うのですが、その点どうでしょう。

丹羽雅次郎農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○丹羽説明員 御承知の通りアメリカにおきましては支持価格制をとっておりまして、CCCの輸出用価格は国内向け価格より安いことは事実でございます。そうしてその間に一種の財政負担が行われておりますことも事実でございます。しかし輸出用価格としてアメリカのCCCが決定いたします価格は、国際小麦協定に基きまして、カナダ、豪州等がそれぞれ世界に向けまして決定発表いたします価格と均衡をとって決定いたしておるわけでありまして、基本的には国際小麦協定に基きます小麦の価格によっておるわけでございまして、この意味におきまして、価格の水準そのものとしてダンピングがされているとは私どもも考えませんし、ほかの国もそういう意味の批判はいたしておらないように承知いたしております。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 それから第一回分の変更された分三百万ドル、これはこの議定書決定後に来ることになっておるのか、あるいはすでに来ておるのでしょうか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 この取りきめが効力を発生してから来ることになっております。従って今まで来ておりません。これからでございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 それと関連して現在の給食状況と、それからおそらく不足分があるだろうと思うのですが、その不足分はどういうふうにして補われておるか。

宮川孝夫文部事務官(管理局学校給食課長)

○宮川説明員 お答え申し上げます。現在のところは贈与分は全然来ておりませんので、一般的な計画で実施をいたしておるわけでございます。ミルクにつきましては三十年度は一万六千トンほど使用をいたしております。それから小麦の方は十四万五千トン、これは原麦でございますが、大体その程度使用いたしております。十一月一日現在の調査によりますと、完全給食、これはパンとミルク、それに給食料理まじえましたいわゆる完全給食でございますが、小学校で五百八十二万人、そのほかにミルクを主にして若干の料理を給しておりますのが、百八万人という数字になっております。中学校の方は、本年度から新たに実施をいたしまりので、実際上は試験的に十万ほどの完全給食をいたしておりましたが、本年度は大体五十万くらいまで伸ばして参りたい、こういう計画でございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 その計画でいくと、贈与分が来た後には、どのくらい不足することになるのですか。

宮川孝夫文部事務官(管理局学校給食課長)

○宮川説明員 私ともの計画といたしまして、小学校が完全給食で六百三十八万三千人、中学校が五十万人、それに保育所の方が五十七万人、こういう計画をいたしておりますが、これは小麦で申しますと十八万五千トン、ミルクの方は一万九千五百トン、これで所要量がまかなえる、こういう計画でございます。従いまして、小麦の方では十万トンを贈与されますと、八万五千トンが購入の分になります。ミルクの方は七千五百トンを贈与されますと、一万二千トンが外国産、並びに内国産の購入分というふうに相なるわけでございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 今度は贈与分が減ってきた場合に、給与水準を維持しようとするときの不足分はどういうふうになっておるか、すでに予定されておるのでしょうか。

宮川孝夫文部事務官(管理局学校給食課長)

○宮川説明員 それは大体同じような水準を保って参りますから、贈与分が減る分は、それだけミルクについては輸入と国内産の両方をもって充てる、小麦の方もこれは輸入をもって充てる、こういうことになると思います。現在どれだけのものがどういうふうに減るかということは、今後の本年度の給食の全体の状況によりまして、わかりてくると思いますので、現在予定しております数量で申せば、結局贈与分が減る分は購入の分をもって充てる、こういうことになる予定でございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 次に移りますが、第三項(a)の、受領する際に引き渡し場所に立ち会うことができる、こういうことになっておるのです。この日本側の立会人は、引き渡された農産物に関する合衆国農務省の検査証明書の写しを二部だけ受領して、その証明が譲渡許可の記載事項に合致していることを確認することができる、こういうふうになっているわけです。これを要約しますと、日本側の立会人は、検査証明書と譲渡許可の記載事項とを照合し、それが一致しているかどうかを書類の上で見るだけ、こういうことになるだろうと思います。ただ書類の上で検査するというだけでは、立会人の意味はほとんどない。実際に立会人が品質の検査あるいは重量の検査をして、初めて立会人の意味があると思うのですが、これでは一体何のための立会人であるかと疑わなければならぬと思うのです。これだったら、ただ書類を突き合せればいいので、こういうふうなところを見ると、第三項の(a)によって、あたかも立会人を置いて、そうして公正であるかのごとく、見せかけの架空の条項であるといっても、これは過言ではほいと思うのですが、もしも受け取った品物が品質が特に悪いとか、あるいは量目に不足が生じたというような場合には、だれが責任を負うのでございますか。

丹羽雅次郎農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○丹羽説明員 御承知の通り、穀物のような非常に、バルクが大量な取引に相なりますと、現物を一つ一つ検査して、一つ一つ重量をはかるという方法は、必ずしも全量について行うことが事実上不可能でございますので、もっぱら制度的に品質の確保を講ずる措置を常に講じておるわけでございます。そこで今度のグラントにつきましても、妙な品物が参りますことは、私どもといたしましても非常に困るわけでございますので、どういう品物をよこすかという問題につきましては、ここに書いてあります通り、向うの譲渡承認書というもので明白にそれをきめるわけでございます。そうしてその通りの品物が渡されるかどうかということは、アメリカ合衆国の国立の検査機関の証明書によってこれをチェックいたすわけでございます。日本の検査官もそうでございますが、国立の検査官の証明書をもってファイナルといたすということは、これは国際取引においては当然であり、かつ適当なことであろうと考えておるわけでございます。問題は、ハッチにおきまして、その検査証明書と違ったものが常に積まれてこちらに送られることが、一番いかぬわけでございますので、ハッチにおいて厳重に証明書と譲渡許可書との条件の突き合せをやったものを積み出して参る、こういう措置によって不適なものが入らないようにいたしておるのでございますが、検査証明書、譲渡承認書に記載された品物を引き渡すということは、ここにも書いてあります通り、アメリカ政府の責任でございますから、それが引き渡されない場合は、アメリカ政府に対してクレームの問題にねるわけでございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 そうすると、品質なんかはとにかく向うのアメリカの機関にまかせて、信頼して、一々検査をしない、こういう建前なのですか。

丹羽雅次郎農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○丹羽説明員 品質のどういうものをほしいか、どういうものを引き渡すかという問題につきましては、こちらがまず申請書を出しまして、向うが譲渡承認書を渡すわけでございます。これは商取引におきまする契約書のようなものでございます。国家間でございますので、変な名前の譲渡承認書、こういう名前に相なっております。ここにたとえばアメリカの規格二号の品物であるとか、そういうふうに明白に記載されるわけでございます。その規格に合っておりますかどうかは、アメリカの国立の機関の検査によるわけであります。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 ただアメリカの国立の機関にまかせきりでなしに、品質を何らかの形で日本側も検査する権利ぐらいは、留保してしかるべきだと思うのですが、どうなのでしょうか。全然向うに品質についてまかせて、こっちはただ書類の突き合せだけをやるというのでは、何か一方的のような気がするのです。

丹羽雅次郎農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○丹羽説明員 これは余剰農産物あるいはグラントのみならず、一般の取引のものにつきましても、海外におきます取引におきましては、国が一々検査官を現地に出しておりませんで、また各国それぞれ世界に物を送っておるわけでございますから、いい品質の規格を作りまして、その規格通りのものを海外に出すということは、国の政策といたしましても非常に努力を払っておるところでございます。州の検査官というものが責任を持ってやっておるわけでございます。私ども世界中で、その検査官が検査規定、規格通り検査をするという建前は尊重いたしておるわけでございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 そうすると万一品質、数量が相違した場合は、その損失はどこが負担するのですか、アメリカですか。

丹羽雅次郎農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○丹羽説明員 この交換公文にも書いてあると存じますが、譲渡許可書並びに検査証明書と現物とが違っておればアメリカ政府の責任であります。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 それから今度交換公文の五項、これは第一回の協定の場合の交換公文と内容が異なっておるわけです。ことに第二条「森林、畜産及び畜産品、港及び貯蔵の施設、国内用肥料並びに国内てん菜糖工業の発展」、こういうものは前回にはねかったわけですね。これをわざわざ今回ここに別個に出した理由はどこにあるのでしょうか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 お答えいたします。これは今回の交渉において、交渉経過でこういう新しいアイテムを入れた方がいいということで入っただけのことであります。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 その方がいいという理由を聞いておるのです。前回と同じように、第五条の「相互に合意される目的の範囲内のその他の経済開発計画」にこれは包摂されて十分だと思うのです。特に農林畜産部門だけ一条加えた理由を聞いておるのです。なぜそういうように別にしなければならなかったか。ちょっと考えると河野農林大臣が出かけていって話をしたとも伝えられておるのですが、農林大臣の一つの手柄をここに特筆するというような意味で、わざわざ農林畜産関係だけを別扱いにしたようにも伝えられるのです。これは第五条の相互の合意された目的の範囲内におけるその他の経済開発計画、この中に入れてもけっこう差しつかえないもののようにも思うのですが、わざわざこれを別にした理由を聞いておるのです。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 その点につきましては、昨年の協定を御審議の際に国会側の御意見といたしまして、これはやはり農産物の購入によって得る資金の使用であるから、農林、畜産方面への使用の重点を強調すべきであるという委員側の御意見がございまして、その点も私どもの交渉の際に念頭に入れまして交渉の結果、これを掲げることと相なった次第であります。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 それから政府間の借款におきましてその使途、計画あるいはその他の関係資料を相手国政府に通報するということは、これは国際慣習になっておるのでしょうか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 これは向うとしても、借款をやる場合に、それがどういうことにあと実施されて、使われたかということを知りたいというのは当然のことであります。そういう希望もっともでありますから、通報することになったのであります。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 これは個人が銀行から借りる場合は当然なことなのですけれども、事が政府と政府との間において、向うが今度は希望したから入れたと言われるのですが、それが普通の国際慣行になっておるのでしょうか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 こういう例はほかにもたくさんありまして、一種の慣行と見て差しつかえないものと考えます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 それから第二条で、日本銀行のアメリカの特別勘定に積み立てられたものを、日本政府が必要に応じて協定に属する交換公文第四項によって日本銀行に支出された後に——その使途は日本の自由であって、その使途とか計画の明細を報告するような必要はないと思うのでございますが、ここでもやはり名前は借款といっても、一報告をしなければならぬことになっておるわけです。先ほど大臣にもおもな点は御指摘したのですけれども、拾い上げると幾らも出てくるのですが、こういう点はやはり一種の主権侵害とは言えないでしょうかどうでしょうか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 事後の実施状況を報告することは、格別主権侵害ということは考えておりません。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 それから贈与分で三年度、四年度分が、一九五七年六月三十日までに譲渡の許可を得るために、あらかじめ政府は贈与を受ける旨の意思表示をする必要があるのかどうか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 ただいまの点は譲渡許可書の申請をすることによって意思表示をします。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 去年協定を結ぶ際、この贈与分が今回のような条件でなされるということを知っておられたのですか。数量は減額されるが、水準は維持されるということですね。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 昨年の協定におきましては贈与分は一年限りのものでございましたので、そういった長期的な話はございませんでした。その後第三条の改訂問題と関連して長期計画の話に変ったわけでございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 昨年の協定第三条の条件に関する相互に受諾することができる取りきめに従って行うことを約束する、こういうふにあるのは贈与分をいかに学童に配分するか、それから綿花の加工賃をいかにするかというような、そういった技術的な面での取りきめであると了解しておったのです。またそういうふうに政府側も答弁があったわけです。相互に受諾することができる取りきめというのは、そういう贈与が初年度から四年度にわたって行われること、また次年度の贈与は初年度の贈与分が満足に実施されることを前提とする、そういうふうな点にまで言及は昨年のときはなかったように思うのですが、私が理解している通りだとすると、昨年のときの政府の答弁というのは、結果からいえば相当欺瞞的だったということになるのですが、どうでしょう。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 昨年は御承知の通りに一年間だけの場合でございましたから、それでその一年間の贈与について条件等の細目は別にできる取りきめでやろう、こうなっておったのでございます。その点を今度は変えまして、新しい話として長期にわたる贈与という約束が新たにできたわけでございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 そうすると、これは今度のような条件を含んだ贈与なら、なおさらやはり交換公文でなしに協定文で明確にすべき性質のものじゃないかと思うのですが、この点もう一度政府の考え方を伺っておきたい。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 その点に関しましては、協定のうしろに交換公文がございます。この交換公文がやはり「贈与が相互に受諾することができる両政府間の取極に従って行われるものと了解いたします。」ちょうど昨年の協定の第三条に匹敵する内容を持った交換公文ができておるわけでございます。でございますから、この協定の署名と同日に行われましたこの交換公文が、ちょうど去年の協定の第三条に匹敵するものでありまして、先ほど来御質問がいろいろございましたガリ版刷りの方の交換公文は、それの細目取りきめなわけでございます。この細目取りきめは、従いまして昨年の協定の第三条の今度の議定書で変りましたもの、それが第一の基本的な取りきめでございます。それからこの協定の最後についております交換公文、その二つの基本的の取りきめの実施細目に相なっております。ですからいきなりゲラ刷りの交換公文がすべてをきめるものでなくて、本元の基本は協定にくっついております基本的な交換公文になっております。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 今度のような贈与方式は、アメリカの一九五四年法のどの規定に基いたのでしょうか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 一九五四年法の第二部、贈与に関することを規定しておりますパート・ツーに基いております。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 この前農林水産委員会との連合審査のとき、久保田委員から質問があって、日本が昨年非常に豊作であったにかかわらずこういうふうな余剰農産物の受け入れがふえた理由を聞かれたのですが、あのときには米は入っていないのだ、こういう御答弁だったのですが、久保田さんから米が入っていなくても、結局食糧全体として同じことだという御意見が開陳されたわけですが、われわれもまだあの答弁では納得できないのです。昨年の豊作にかかわらず今度これがふえたという理由がどこにあるか、もう一度詳しく御説明願いたい。

清井正食糧庁長官

○清井政府委員 ただいまの御質問の点でございますが、私どもただいま需給計画を樹立いたしまして国内の麦類のいわゆる民間出回り量、消費者に向けられる分を計量いたしまして、そのうちさらに必要な政府買入量を推定いたしまして、重要に不足する分を外国から輸入するという形によって、毎年需給計画を立てておることは御承知の通りであります。豊作による影響は確かに麦にも参っておることは事実でございます。ただし年々の大勢から見ますと、食生活改善なり粉食普及なりの施策が逐次徹底しておりますので、精麦、小麦ともに非常な需要増になってきておるのでございますが、本年は三十年産米の豊作によって若干その増高傾向が鈍っておることは事実でございます。ただしこれは御承知の通り三十年産米の豊作の続いておる間の一つの現象でございまして、具体的に申しますと、昨年の米の出回り期、すなわち十月からことしの夏の終りごろまでの状況になっておるのであります。私ども需給計画を立てまして、またただいま御審議願っております協定の問題になります場合には、主としてこれは会計年度なりあるいは七月、六月の計画になっておるわけでありまして、若干その間にずれがあるわけであります。需給計画の建前といたしましては、豊作の影響はことしの夏まで大体見ておりまして、それ以降の問題は主としてもとの平生の状態に戻るという考え方をとっておるわけであります。彼此勘案いたしまして需給計画を立てますと、数量においては昨年度の計画といたしまして、大麦については若干ふえておりますけれども、小麦につきましては相当減っております。いずれにいたしましても私どもといたしましては、特にこの協定のために需要をふやすということでなしに、国内の重要を勘案いたしまして、国内供給量を差引きいたしましたものを輸入いたすという、純然たる食糧庁の需給計画樹立の立場から計算いたした数字でございまして、何らこの協定のためにふやしたという事実はない次第でございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 それからアメリカの綿花は例の支持価格関係で相当高値になっておるわけなのですが、綿花を買い入れる際の標準価格は、メキシコ綿を基準にするのですか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 別にどこの原綿を基準にするということはなくて、そのときの商取引によります。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 その次は先ほどの共産圏の問題に関連するのですが、最近アメリカが余剰農産物をソビエトを初めとして、いわゆる共産圏の諸国に自分が売却する機運があるわけです。おそらく今後はこういうことがもっとすっと進展してくるだろうと思うのですが、もしこういうことが実現した場合に、この協定の第三条第一項との関係はどうなってくるか。何らか政府としてこういう点考慮されておるでしょうか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 このアメリカ合衆国に対する非友好国に対して輸出しないという約束は、これはアメリカの農産物貿易の促進及び援助に関する法律にそういうことがありますので、これをやる以上はこういう条件が要るわけであります。一方ただいまお話のようなソ連圏にも出そうというような意見もあったようでございますけれども、そういう趣旨の法律も結局できておりませんし、これはこのまま改正されておりません。今回の取りきめではこの通りでやむを得ないものと考えます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 そうするとアメリカが実際に共産圏に合糧を出し始めたら、直ちにこの協定も改訂する、こういうふうに理解していいですか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 これの基礎になっております農産物貿易の促進及び援助に関する法律というものが変れば、それは当然変る、固執しないと思います。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 それからこの第三条に、「日本国によるこれらの農産物の取得は、これらの又は同様の農産物を」云々としてあるのですが、これらの又は同様の農産物」とある同様の農産物というのは体何ですか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 これはこの入れた農産物を出せないことはもちろんであります。それからそれと同和類の農産物も出せない。さらにまたその、原料を使って加工したものも出せない。そういった場合であります。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 そうすると、全般的にアメリカから購入した山又産物もその中に含まれる、そしてそれに加工したものも含まれる、こういうわけですか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 協定によってアメリカから買った農産物、それから同和の農産物もです。もし同種の農産物をどんどん出せるということであれば、アメリカからどんどん入れて、そして同種の農産物を出すということになれば、アメリカ側の立場としては、意図している趣旨に合わないわけですから、それは出せない、こういうことになっておるわけであります。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 そうすると、わが国でとれた小麦というのは全然除外されると考えていいですね。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 それもアメリカに対する非友好国には出せないということに、規定の上からはなっております。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 日本でとれた小麦全体ですか。農産物全部……。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 この協定でアメリカから入れる農産物と同種類の農産物は全部であります。それは、先ほどお話ししましたように、もしどんどんアメリカから入れて、そして日本で余剰を作って出すというのであれば、アメリカ側としては、その意図する趣旨に合わないということになるわけですから、それはやむを得ないわけでございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 それは、アメリカから小麦を少量入れておるから日本の小麦は外に出せないというのなら、これは明らかに実質的な内政干渉です。そういう解釈が当然出ると思いますが、そう解釈されないのですか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 アメリカから入れたために余裕ができた場合にはそれは出せない、因果関係がある場合には出せないというわけであります。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 それでは、アメリカから入れた量だけは出せないのであって、その出せない限度というものがあるのですか。制限に限度があっていいはずです。

下田武三外務事務官(条約局長)

○下田政府委員 別に限度はアメリカの法律にもこの協定にもございません。これはただ理論的には問題になることでございますが、実際には、日本は足らないからこそアメリカの小麦を買っておるのでありまして、小麦を買ったからといって日本に余剰が生ずるはずはないわけでございますから、これは全く抽象的な理論の問題でございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 そんなものをここへ響く必要がないと思うのですけれども、それはそのくらいにしておきましょう。  それから葉タバコの購入ですね。これは昨年でも専売公社の倉庫にはストックで数年間のたくわえがあると言われておったのです。本年もまた引き続いて購入することになっておるのでありますが、体現在の在庫量はどのくらいであって、年間の需要量はどの程度かということをお伺いいたします。

吉良秀通外務事務官(経済局第三課長)

○吉良説明員 現在の在庫重は、大体専売公社から伺っておるところによりますと、三十三ヵ月分のあれがある。アメリカ産の葉タバコの適正在庫期間というものは大体二十四カ月、約二カ年分、こういうふうに聞いております。それから見ますと、このたび千五百トン入れるのは若干多い目にはなっております。しかし御質問には含まれておりましたかどうかちょっとうかつにしておりましたが、将来の輸入を調整することによりまして、多少よけい目のものを買っても、大体タバコというものは相当寝かしておかなければならないということもありますので、大体将来の輸入によって調整することはできるというふうに、専売公社から伺ってやったわけであります。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 その点も伺いたいと思っていたのですが、あまり長期に在庫をしておると、自然品質も低下するおそれがあるのではないかと思うのです。少し購入量が多過ぎるような気がするのですが、それはどうですか。

吉良秀通外務事務官(経済局第三課長)

○吉良説明員 多少その御懸念はわれわれも実は心配したのでありますけれども、専売公社から伺いますと、よけい寝かしておいたからといって、決して品質は悪くならない、むしろ葉タバコのためにはいいのだというふうなことでございましたので、やったわけであります。それからこれで多少手持ちが多くなるわけなのですけれども、将来の輸入を調整することによって大丈夫だという結論になったわけであります。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 それから小麦協定の更新の見通しはどうでしょう。輸入数量それから価格。

丹羽雅次郎農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○丹羽説明員 ただいま小麦協定につきましては、まだ日本国といたしましてもサインをいたしておりません段階でございますので、情報として報告申し上げます。数量は世界的に大体八百四十万トン程度が輸出入の保証量に相なるように承知をいたしております。それから価格につきましては、在来マニトバ一号で上限が二ドル五セント、下限が一ドル五十五セントであったわけでありますが、この協定が今年の七月に失効をいたしまして、今後に結ばれます協定の案といたしましては、上限、下限とも五セント引き下げということに、案におきまして代表団限りの話し合いは一応終ったようであります。各国ともこれはいずれも本国でそれに対する態度を検討中でございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 小麦協定の会議で、アメリカの余剰農産物の売却についての非難が出てくることが予想されるのですが、政府はどう見ておられましょうか。先ほどから申しますように、やはりアメリカのダンピングだとか、従来の市場を圧迫するとか、いろいろな苦情が出るのではないかということが考えられるのですが、どうでしょうか。

丹羽雅次郎農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○丹羽説明員 会議が始まります前には、御指摘のような意見が出るであろうということを私どもも情報として伺っておったのです。実際の会議が始まりまして——会議は実は先月の二十七日で終ったわけでございますが、それまでの経過におきましては、アメリカに対しますそういう批判が会議の場におきまして直接出たことはないように聞いております。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 それから第一回分の借款の総額とこれに使用された部門別金額、それから今度の協定による借款分の使用計画、この詳細をお出し願いたいのです。今わかったらすぐ……。

吉良秀通外務事務官(経済局第三課長)

○吉良説明員 お答えいたします。第一次協定に基きます借款円の使用計画及びこの使用実績につきましては、この前に資料要求がございましたので差し上げてございますが、ごらんになっていただいたでございましょうか。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 あとで調べます。

吉良秀通外務事務官(経済局第三課長)

○吉良説明員 これで大体御承知願えるかと思うのでございますが、第二回の方の、今までに外務省としてわかっております計画を御説明したいと思います。  電力資源の開発に七十八億八千三百万円、第二が、灌漑排水、開拓及びこれらに関連する事業、これに四十七億三千八百万円、三番目が日本国の経済の生産性の増進、これに十億円、四、森林畜産及び畜産製品、港湾及び貯蔵施設、国内肥料並びに国内テンサイ糖工業の開発、四十一億四千五百万円、こういうふうな大体の計画を持っております。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 それから過去数年間の小麦、大麦の作付面積とその収穫、それから今度は、外国からの、輸入数量……。

丹羽雅次郎農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○丹羽説明員 麦類の、まず輸入の方から申し上げます。昭和二十五会計年度におきまして、小麦は百四十五万九千トン入れております。二十六年に百四十九万五千トン、二十七年に百五十九万四千トン、二十八年に百八十九万四千トン、二十九年から非常に増大をいたしまして、二百十三万七千トン、それから三十年度に二百二十三万六千トン。  大麦の方を申し上げますと、二十五年に四十万三千トン、二十六年に七十六万一千トン、二十七年に百十六万一千トン、二十八年に七十七万二千トン、二十九年に四十八万四千トン、前年の三十年度におきまして六十八万一千トンを入れております。  それから生産、わが国におきまする小麦の実収高を原麦の石で申し上げますと、二十五年が九百七十七万八千石、二十六年が一千八十八万五千石、二十七年が一千百二十三万二千石、二十八年が一千三万九千石、二十九年が一千百七万五千石・三十年が一千七十二万二千石でございます。  大麦について申し上げますと、二十五年が八百二十四万六千石、二十六年が九百七十二万六千石、二十七年が九百九十一万二千石、二十八年が一千十万四千石、二十九年が一千百六十五万七千石、三十年が一千五十五万三千石に相なっております。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 面積はどうですか。

丹羽雅次郎農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○丹羽説明員 小麦の作付面積を申し上げますと、二十五年には、七十七万町歩、以下二十六年が七十四万一千町歩、二十七年が七十二万七千町歩、二十八年が六十九万二千町歩、二十九年が六十七万七千町歩・三十年は六十六万九千町歩。  大麦の方を申し上げますと、二十五年が四十三万三千町歩、二十六年は四十二万四千町歩、二十七年が四十一万一千町歩、二十八年が四十万八千町歩、二十九年が四十五万二千町歩、三十年が四十三万七千町歩であります。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 それからここ数年間のアメリカの農産物の収穫と輸出量、それがわかりましたら……。

吉良秀通外務事務官(経済局第三課長)

○吉良説明員 お答えいたします。まず小麦につきまして、一九五三年度、つまりアメリカの年度でございますから、七月から始まりまして翌年の六月末に終る年度でございます。小麦が十一億六千九百五十万ブッシェル、それに対しまして輸出が二億一千六百万ブッシェル、五四年が、生産が九億六千九百万ブッシェル、輸出が二億七千百万ブッシェル、五五年が、生産が九億一千五百万ブッシェル、輸出はまだ五五会計年度のはわかっておりません。大麦につきましては、五三年に、生産が二億四千三百万ブッシェル、輸出の数字はつまびらかでございません。五四年は、生産が三億七千万ブッシェル、輸出はわかっておりません。五五年、生産が三億八千七百万ブッシェル、小麦、大麦につきましてはそのような状況でございます。  なお御参考までに綿花について申し上げます。綿花年度は八月から翌年の七月までになっておりますが、一九五三年には、生産が千六百四十三万俵、輸出が三百七十六万俵、五四年におきましては、生産が千三百六十九万俵に対しまして、輸出が三百五十万俵、一九五五年が、生産が千四百八十四万俵、輸出はまだつまびらかになっておりません。そういうふうな状況でございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 贈与分と協定による購入分というのは不可分なのでしょうか。贈与を拒絶しても協定分は購入することができるのかどうか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 その点は不可分ではございません。分けられます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 それからMSAによる三十六億円の贈与分の措置はどうなっておりますか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 私の方で直接主管しており属せんが、大体あれは使うプロジェクトがきまって使われつつあると思います。詳しいことは大蔵省から説明していただいた方がいいかと思いますが、ただいま最近の模様を聞いたところでは、三十三億円だけがたまって、それが使われておるという状況だそうでございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 日本における入札は指名入札でしょうか、あるいは自由入札でしょうか。

丹羽雅次郎農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○丹羽説明員 お配りしました資料の備考に書いておきましたが、米につきましては、アメリカの米を扱う商社として十三社を指定いたしておりますので、その十三社の入札によるわけでありますから、いわば指名競争入札でございます。麦につきましては、地域指定制をとっておりませんで、麦を扱います商社の登録をやっております。その登録を受けました商社の競争入札でございますので、これも一種の指名競争入札でございます。

前尾繁三郎自由民主党

○前尾委員長 福田昌子君。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 このたびの協定は政府の要望によって結ばれたのですか、それともアメリカ側からの話し合いによって結ばれたのですか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 日本側の要望によって話をして作られたわけでございます。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 この贈与分の規定を新しく交換公文として今回なさっておられます。この贈与分の中で第四年度の分まで量がはっきりきめられてありますが、この第四年度というのは昭和何年になるのですか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 この協定の効力が発効して第一年度が始まりまして、そうしてその四年目ということでございます。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 そういたしますと、おそらくこれは今国会で何とかきまるでございましょうから、第一年度というのは昭和三十一年、ことしだということでございますか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 この協定が成立いたしますと、そこからすぐ第一年度が始まるわけでございます。従って、今年これがもし成立すれば、そのときからすぐ第一年度が始まります。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 今年からが第一年度ときまりますと、それから第四年度まであと三カ年間この贈与分が約束されるわけでございますが、この贈与分と借款になります協定の分とは直接の関係がございますか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 その点は全然関係がございません。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 そういたしますと、仕款いたします農産物の買付をやらなくても、あと三年間、昭和三十四年まで贈与分だけはもらえるということになるのですか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 贈与は全然別個の取りきめになっておりますから、御解釈の通りでございます。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 この贈与分の中で、「第四百八十号第二章に基く農産物が引続き一供給されうること」を条件とするとなっておりますが、このアメリカの法律の第四百八十号第二章というのはどういう法律になっておりますか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 このアメリカの公法四百八十号というものによって農産物を売ったり、贈与を行なったりすることができるようになっております。その第一部は販売の方でありまして、第二部で贈与のことがきめてございます。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 それから推定いたしますと、結局余剰農産物の買付をやらなければ、贈与分も贈与されないような感を受けるのでございますが、この点もう一回御意見を伺いたいと思います。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 その点は、先ほど御説明申し上げましたように、これは贈与と別個の取りきめになっておりますから、贈与だけということも可能でございます。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 大体今年はこの農産物の協定を日本政府の御希望によってお結びになったということでございますが、来年度のお見通しとしては、また来年度も受けたいという希望であるかどうか、この点もあわせてお伺いしておきます。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 その点につきましては、まだ、必ず来年度も受ける、買うという方針は、確定したものではございません。ただしかし全体として利益になることであるから、こういうのは続けたいという意見を持っておられる方はございます。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 こういう贈与を受けております国は、ほかにどういう国々があるのでございますか。

吉良秀通外務事務官(経済局第三課長)

○吉良説明員 お答え申し上げます。昨米会計年度におきまして贈与を受けております国は、ヨーロッパにおきましてはイタリア、ユーゴスラビア、ダニューブの洪水援助というダニューブ沿岸諸国、それから近東及びアフリカにおきましてはリビア、アジアにおきましてはネパール、パキスタン、ヴェトナム、こういう国が昨米会計年度におきまして贈与を受けております。そから本米合計度におきましては、昨年の十二月までしかわかっておりませんが、贈与を受けました国といたしましては、リビア、イタリア、インド、パキスタン、コロンビア、グアテマラ、コスタリカ、ブリティッシュ・ホンジュラス、こういうふうな国でございます。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 アメリカ側との話し合いがあって、この協定を昨年度も結んでおりながら、ことしになってこの協定を排除した、つまりこの協定を結ばなかった国としてはどういう国があるか、お知らせ願います。

吉良秀通外務事務官(経済局第三課長)

○吉良説明員 現在までに持っております資料におきましては、昨年度やりながら今年度断わったという国については、まだ聞いておりません。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 この協定によりまして借款いたしました分につきましては、借款年限は大体四十年間、利子は四分ということを伺っておりますが、その元金の支払い方法というのはどういうことになっておりますか。

吉良秀通外務事務官(経済局第三課長)

○吉良説明員 大体基本的な方式といたしまして、三カ年据え置きまして、あと三十七カ年において均等償還することになっております。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 ことしの協定分では、海上輸送費というものが昨年度に比べまして、非常に暴騰いたしておるように考えられるのでございますが、この海上輸送費の増加というものは、どういうわけで昨年に比べて多くなったのですか。

丹羽雅次郎農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○丹羽説明員 昨年四百万ドルが、ことし特にふえておりますのは、実は昨年の綿花はCアンドFで取りきめをいたしまして、綿花の商品代の方に運賃が入っておったわけであります。今度商品の方は全部F〇B建で単価をはじきまして、綿花の分の運送賃も海上輸送賃の方に回しました関係上、外見上ふえておるわけであります。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 この贈与分として受けます場合の海上輸送費というものは、どういうことになっておりますか。

丹羽雅次郎農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○丹羽説明員 贈与分の海上輸送賃は、全部日本持ちでございます。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 そうしますと、この協定本文に書いてあります五百九十万ドルの中に含まれておりますか、それとは別個になっておるのですか。

丹羽雅次郎農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○丹羽説明員 協定本分の五百九十万ビルは、先ほど来の御説明にありました第一章の販売、日本の円貨買付分の運賃でございます。この中にはグラントの分の運賃は入っておりません。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 そうしますと、グラント分の運賃としてどれだけを見ておられるのか、それは今度の国内の予算の上において、もうすでに決定、承認をされておるものか、この点をあわせて伺いたいと思います。

丹羽雅次郎農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○丹羽説明員 食糧庁特別会計の外国食糧買付予算の中に見えております。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 大体額面にしてどれくらいでございますか。

丹羽雅次郎農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○丹羽説明員 手元に正確な資料がございませんが、小麦につきましては、約十四万ドルの十万トン分が計上されております。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 それもやはりアメリカの商船法によりまして、その半分はアメリカの船で運ぶということになっているのしょうか。それともどういう船を使うのですか。

丹羽雅次郎農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○丹羽説明員 商船法によりまして、半分は米船によって運ぶことになっております。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 大体グラントの分の輸送費というのはどのくらいになるのか、概略でようろしゅございますが、金額でお示し願いたい。

丹羽雅次郎農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○丹羽説明員 手元に資料がございませんが、グラントの分につきましては、食糧庁のコスト価格とか別に、食糧庁が外国食糧を売り渡します価格から、国庫補助のトン当り一円分を控除した価格で売ることに相なっておりますので、コスト計算はただいまやっておりません。従いましてちょっと手元に資料がございません。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 グラントの分とかいろいろアメリカ側からそういうものをいただきました場合においては、その使用状況とか、今後の使用計画というものを、広報計画で双方が満足するように発表しなければならないということになっておりますが、今までいただきました、たとえば昨年度の贈与分についても、すでにこういうことをやっておられたのでございましょうか。それともことしからそういうことを約束されたのでございますか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 昨年はまだ贈与が始まっておりませんでしたので、それはございませんでしたが、今度贈与の分について協定をする際に、こういう話し合いに相なりました次第でございます。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 ことしからお始めになられたのだそうでございますが、この贈与をいただきました分を主として学童給食に使うというこのことにつきましては、学童給食に使うべしという向う側の要請でこういうことがきめられたのでございますか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 それは日本側の希望でもあり、向うもそれに賛成だというわけでございます。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 日本側から学童給食に使いたいこいうことであったのでございますか、それともアメリカ側から学童給食用になら、これだけのものを贈与するというお話だったのでしょうか。どちらからそういうお話だったのですか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 日本側から希望を申し出たわけでございます。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 借款分の使用計画でございますが、昨年度の使用計画は資料をちょうだいいたしましたが、生産性本部にお使いになるという計画のもとで御計画をされておりながら、ほとんどまだ使われてないような情勢に資料がなっておりますが、生産性本部にお使いになるというのは、どういう方面にお使いになる御意思で御計画になりましたか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 ただいま大蔵省の係官の方から伺ったところによりますと、今月になりましてから使っておりまして、一億五千万円のうち一億四千万円何がしというものがすでに使われておるそうであります。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 その一億四千万円が、どういう形で、どんなところに使われているのか伺わせていただきたいと思います。

吉良秀通外務事務官(経済局第三課長)

○吉良説明員 生産性本部は、御承知の通りいろいろな生産性に関する調査のために、いわゆるサーヴェイイング・チームをアメリカに派遣いたしましたり、またアメリカから日本に、そういう関係で日本の生産性につきまして、いろいろな研究ないしは日本の産業に対するアドヴァイスを、与えてくれる、そういうような使節団が参りますし、それに関するような調査がございます。ので、その方面にその一億五千万円は使われることになっております。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 この学童給食用も、昨年使いました分につきまして、アメリカ側から報告を求められたことがありますか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 先ほどからお話いたしましたように、贈与の分はまだ実施されておりませんので、今度取りきめができたわけであります。今まで従って入っておらないわけでございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 ちょっと捕捉してお伺いしたいのです。先ほど大臣にお伺いしたときの問題なのですが、政務次官からでもけっこうですし、どなたからでもけっこうです。私どもちょっと不審に思うのは、今日のこういった経済的な問題が非常に複雑になってきておるときに、外務大臣が余剰農産物の協定の当否を研究するとか、いろいろな経済外交を推進する場合、もちろん経済担当閣僚と相談もされるでしょうが、まず外務省内において十分突っ込んだ検討を必要とすると思うのです。今度の場合でもアメリカの経済の実態なり、あるいは世界の経済状態というようなものを相当詳しく検討する必要があると思うのです。余剰農産物は一つの例です。こういう問題を検討される場合に、果してどの程度外務省として意見の交換をされるのか、どういう運営をされておるのか。あなた方がどういう形で大臣にいろいろな意見を具申されたり進言をされるのか、そういったことを少し実情を伺いたいのです。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 もちろんこういった問題は大きな政策問題でございますから、関係閣僚の間で十分に御協議があるわけでございますが、その前にいろいろ外務大臣として判断の資料にされるものは、できるだけ広く集めて御説明していくつもりでございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 それでそのいろいろの客観的な資料をただ提供するだけにとどまるのか、あるいはその資料によって事務当局は事務当局としての何らかの意見というものを付して出されるのですか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 なるべく意見を付して出すようにしております。ただそれをおきめになりますのは、大臣のレベルのところでおきめになるのであります。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 それで先ほどの問題はどうでしょうか。外務大臣はできるだけ考慮したいと言っておられたのですが、例の外交官の採用試験の問題です。これは違っていたら訂正してもらいたいのですが、私の知っているところでは、試験委員がたとえば陸奥外交にしても、あるいはマーシャル・プランにしても、解答文というものが公けにされていない。その試験委員の陸奥外交に対する考え方、あるいはマーシャル・プランについての考え方というものが東大なら東大で講義しただけであって、これが世間に公けにされていない。従って東大以外の、たとえば一橋を出た人が外交官の試験を受けようとしても、そこにハンディキャップがある。どうしても講義を受けた者が非常に有利になる。ですから、そういう点を何とか改めないと、一つの型ができてしまう、一高、東大コースといって、これは秀才に違いないけれども、どうしてもそういう型ができる。それというのも講義を受けた人が特に試験に有利であるというところから、そういう一方的なものになりがちである。なるべくそういうところを改めていくように努力する必要があるのではないか。大臣はそういうことは十分考えると言われるけれども、幾ら大臣はそういう気があっても、やはり事務当局、今のスタッフの中心がそういうところを改めた方がいいというような意見を持っておらないと、なかなか大臣の考えだけでこういう改革はできるものではないと思う。そういう点について多少事務当局も考えておられるのでしょうか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 これは私からお答えした方がいいかどうかわかりませんが、試験委員はそういった学識経験の十分ある人で、公平な人ということで選ばれているわけでございますが、それは必ずしも東大の教授に限らず、いろいろな民間の方もいられるわけであります。そしてまた採点される場合も、何も自分の説の通り書かなければ六点をやらぬこいうことはないと思うのです。やはりちゃんと筋道が通って論旨が通っているという場合には、それにもやはりいい点をつけることと思います。従ってその講義を聞かなければだめというものでもなし、あるいは講義をしてない方もありますし、その点でそんなに何か不公平なことがあるというふうには考えおりません。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 それから日本外交官の語学の不足ということが方々で言われるのですけれども、研修所を改革する案は立てておられないのでしょうか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 これも私からお答えすべきことかどうか知りませんが、語学は大事ですから、できるだけやらなければならぬという点は申すまでもないことで、一生懸命やっておるわけであります。研修所の点につきましては、最近特に経済知識というものが非常に大事だということで、経済関係の講習をふやすという計画で進んでおります。

前尾繁三郎自由民主党

○前尾委員長 次会は公報をもってお知らせいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十九分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗