外務委員会 第33号
- 発言数
- 73 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1956/04/17
会議録
○前尾委員長 これより会議を開きます。 国際金融公社への加盟について承認を求めるの件を議題といたします。質疑を許します。
○穗積委員 議事進行。委員会の審議のことについて、先ほど理事会で申し合せをいたしました通りに、次のように委員長においてお取り計らいを願いたいのです。きょうは実は日ソ漁業交渉のことについて緊急質問をいたしたいと存じて、外務大臣の出席を要求いたしましたが、外務大臣は参議院の委員会の先約があるというので出席が困難のようでございますから、そこで譲歩いたしまして、明日は定例日ですから午後一時から開いていただいて、そこでさしていただきたい。従って本日は、国際金融公社の質問が残っておりますのを継続していただきたい。そこでもし質疑が完了いたしましたら、本日の委員会は質疑打ち切りで散会にしていただきたいと思います。そして明日の委員において討論、採決をしていただきたい。これは先刻の理事会の了解事項でございますから、間違いのないように、さようお取り計らいを願いたいと思います。委員長においても了承していただきたいと思いますが、よろしゅうございますね。
○北澤委員 ただいま穗積委員から議事進行について発言があったのでありますが、日ソ間の漁業問題について、明日外務大臣の出席を願って質疑をするということに私は賛成であります。ただ問題は、それと関連のない金融公社の問題の採決を明日に延ばすということは、理由がないと思います。ですから、それとは切り離して、金融公社の問題はきょう質疑を継続して、もし質疑が終ったならばきょう採決ができるようにお取り計らいを願いたいと思います。
○田中(稔)委員 私は穗積委員の議事進行に関する御意見に賛成であります。と申しますのは、実はわが党の党内事情としまして、金融公社の案件についてまだ賛否の態度がきまっていないのであります。そしてきょう外務委員だけでなく、大蔵委員等の関係の諸君と十分打ち合せ、その上で採決に臨みたいと思いますから、どうぞ一つお互い政党間の仁義を御尊重願いまして、きょうは質疑だけにして、あす採決ということにしていただきたいと思います。
○北澤委員 この国際金融公社に関する件は、一ヵ月以上もこの外務委員会に付議されておりまして、これに対して質疑を繰り返すこと数回に及んでおります。社会党の方はまだこれに対する態度がきまっておらぬというようなお話でございますが、国際金融公社に日本から出資するについての国内法はすでに大蔵委員会を通り、衆議院を通過しております。従いまして、すでに社会党としては、この問題については賛成という態度を大蔵委員会において示しておるわけであります。そういうようなことでありますから、すでに一カ月以上もこの委員会に付議になっており、しかもたびたび質疑が行われておりますので、もしきょう質疑が終ったら採決できるように私どもは希望するわけであります。
○前尾委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○前尾委員長 速記を始めて下さい。岡田春夫君。
○岡田委員 それでは一、二の点だけ伺います。この前からいろいろ質問があったのですが、どうも明確になっておらないのは、一点は、この低開発地域というのは一体具体的にどこをさすのか、こういう点については必ずしも明確な御答弁がなかったわけであります。またこの低開発地域というものはどこできめるのであるか、理事会でおきめになるのであるか、どういう機関においてきめられるのか、この点についてまず伺いたいと思います。
○湯川政府委員 低開発地域の定義につきましては、はっきりした定義は今までのところできておりません。その個々のケースが出てきた場合に、理事会で審議するわけであります。
○岡田委員 理事会でこれを審議するというお話でございますが、理事会というものは本来どういう機関にしても、一般的な業務の運営の問題について、それぞれの出資者その他からの委託を受けて決定をしていく機関だろうと思うのです。むしろ低開発地域という基本的な規定に関するようなことはすでに先にできておって、その上でこの低開発地域の中のたとえばイランにするか、あるいはイラクにするか、あるいはどこにするかということをきめるのが理事会の任務だろうと思う。低開発地域はどこどこであるかということをきめるのが理事会の任務になって、それも一つの任務であるというのは、ちょっと今までのこういう機関の運営としては、やや原則からはずれてくるような感じを受けるのでありますが、こういう点はどうなのですか。
○湯川政府委員 先ほど言葉が少し足らなかったかと思いますが、理事会で低開発地域の定義を決定するという意味ではありませんで、この公社は「加盟国特に低開発地域における生産的民間企業」云々となっておりまして、加盟国であれば事業の種類によってもちろん融資を受けることができるわけであります。ただしかし、低開発地域に重点を置くというだけのことであります。 そこで低開発地域の定義につきましては、経済社会理事会等でも今まで論ぜられたことがございます。一人当りの国民所得を基準にするとか、その地域が工業化されているかどうかを標準にする、そういうことも加えるとか、あるいはその地域の経済的独立性をどういうふうに勘案するとか、いろいろな議論がありまして、一定した定義はございませんけれども、しかし常識的に見て、個々のケースが出た場合に、こういうのは低開発地域に間違いない、だからこの事業は一つあれしょうじやないかというふうに理事会で審議してきめていくわけでございます。低開発地域の定義をきめるという意味ではございません。
○岡田委員 国際金融公社の運営の基本となるべきものが、今の低開発地域の問題を含めてもまだ実は必ずしも明確になっておらない。私の考え方からいうならば、この公社が発足するに当っては、これに出資をするような国は、当然この公社の性格というものを明確に知っておらなければならない、ところがこの公社が発足するに当って定款もまだないようでありますが、この定款はあるのでありますか。実はこれは関連して湯川さんに伺っておきたいのですが、この前に日本の国内で海外移住会社法案というのが出たときに、これは各省とのいろいろな関係でだいぶ去年もめたわけですが、そのときにもまず定款を出して、その定款に基いてその会社をどのように運営するか、そういう基礎に立って審議ふしなければ審議にならないではないかというような意味で、定款を提出していただいた先例があります。この国際金融公社法の場合においても当然定款があるはずでありますし、定款も御提出にならなければならないと私は考えるのですが、この定款の問題については今までどなたも触れておりませんが、この点はどうなのですか。
○湯川政府委員 国際金融公社協定としてただいま御審議を願っておりますこの協定が、いわゆる定款に該当するものでございます。これによって金融公社の性格といったようなものははっきりしておると思います。
○岡田委員 これはしかし協定であって、このこと自体が定款であるとは考えられないと思うのです。別にこれ以外の定款を作らないのだというお話ならわかりますけれども、このこと自体が定款だというお話では、ちょっと受け取れないと私は思うのですが、との点はどうなのですか。
○下田政府委員 こういう例はあるのでございまして、条約法人と申しますか、国際法人と申しますか、そういう国際的の性格を持った法人格声持っておる公的企業につきましては、関係国の合意である条約が即定款ということに相なっておるわけでございます。
○岡田委員 先般御提出を願った世界銀行の融資状況を見ますと、アジアに対しては二億七千五百万ドルの融資が行われたということになっておるのですが、これは融資の承認額であって、実際の支出額ではないのではねいか、というのは、私はエカフェの資料で調べてみたのですが、この資料がちょっと古いので伺っておきたいのですが、一九五四年の十月まででは、この融資の承認額は二億三千万ドルになっております。二億三千万ドルの中で一億四百万ドル、大体半分くらいが実際の支出額になっている。ここに提出されているのは承認額であって、実際の支出額ではないのではないかと感じるのですが、この点はどうなのですか。
○湯川政府委員 ここに出ておりますのはおっしゃる通り承認額でございます。東南アジアに対する世界銀行の融資状況は、銀行のできましたときには比較的東南アジア地域には融資が少かったのでありますが、その後、最近に至りまして非常にふえて参りまして、昨年の暮れには、これは貸付承認額でございますが、三億一千八百万ドルばかりになっております。全体の約一三%くらいでございます。
○岡田委員 ところで、私は最近の資料はまだ内容について検討してないからわからないのですが、一九五四年十月までの資料に基いて調べると、内訳を見ると、たとえば日本が四千二十万ドル、いわゆる後進国、低開発地域といわれないような地域の融資も含めてこれだけの額になっておるのであって、純然たる意味における後進地域に対する融資額は、この中でも非常な僅少な額になっているように感じるわけです。そうすると、先ほどお話のように三億一千万ドルの融資が決定されておっても、これは承認額であって、大際の支出額はそれの何%かになり、しかもその中に後進国あるいは低開発地域といわれないような地域まで含めているから、それを差し引くと、実際には低開発地域に対する融資というのは相変らず僅少なものではないか、このような判断ができるわけです。そういう数字的な状況がもしおわかりにほるならば、この機会にお答え願いたと思います。
○湯川政府委員 世界銀行の融資は御承知のように、別に低開発地域に重点を置くといったようなことはございませんので、条件を備えたものにはいずれでも融資するわけであります。しかしアジアの総額のうち、日本を差し引いたものは全部いわゆる低開発地域に属するものと思いますが、詳細な数字は、もし御必要であればあとでお知らせいたします。
○岡田委員 私の伺いたいのは、世界銀行の融資ですら後進国地域の関係では非常に僅少なものだ、しかも世界銀行の姉妹銀行のような立場にあるIFCができて、大体世界銀行と同じようなものだというような観念存持って東南アジア関係に資本を投下するといっても、これは非常に困難ではないかと私は考えるわけです。そうすると、いや、世界銀行の場合は国の保証が必要だけれども、IFCの場合には国の保証なりそういう条件はないから、これの方がずっと便利なはずだ、こういう答弁をなさるだろうと思うのです。しかしそうじゃない。というのは、このIFCの場合においても何らかの形の担保が必要だということはこの前御答弁になっておられる。何らかの形の担保が必要になってくるならば、国が保証するとしまいとにかかわらず大した差はない。それはどうしてかというと、御承知のように後進地域においては、今国が中心になって、経済における計画化といいますか、建設計画がどんどん進んでいるわけですから、そういう場合においては、その国における建設というのは、ほとんど国がタッチしてやっておる、そういうことになっている。そうなってくると、むしろ国の保証が必要だとかあるいは何らかの担保が必要だとかいうようなことで区別して、IFCの方がいいからIFCの方から借りようかなどということは、いわゆる受益国としてはほとんど考えられないのじゃないか。そうなってくると世界銀行と変らない性格として扱われることになり、そしてもし日本がこのIFCを通じて、東南アジアの諸国に対して何らかの資本的な輸出その他のようなことを考えるとしても、これは依然としてアメリカのひもつきの世界銀行と同じなんだといって、相手にされないというようなことになってしまうのじゃないか、そういうことでは無意味ではないか、私はそういう点を考えるから、この点について伺っておきたいと思うわけです。
○湯川政府委員 世界銀行のアジア地域に対する融資がだんだんふえてきておることは先ほど申し上げた通りでございます。しかし何といってもやはり世界銀行はいろいろな条件がむずかしいし、この金融公社は特に低開発地域に重点を置くということを協定でうたって、そして世界銀行は条件がきついために、なかなかこういった低開発地域に回りかねる分をさらにこの金融公社によって補完していこう、こういうのでできた協定でございますから、重点はやはり低開発地域にいくと思います。
○岡田委員 低開発地域へやるならば、国連の第十総会において再三討議もされ、後進地域、低開発地域から非常な大きな期待を持たれておるSUNFEDの方式でいくのが最も妥当だと思うし、これは受益国の方が最も求めておる機構として言われておるわけですから、むしろIFCをとらないでSUNFEDでいくべきだと私は考えるのです。この点は再三この前から申し上げておった通りでございますが、SUNFEDはなかなかできない、この間何か局長からのメモをもらって外務大臣は四年くらいできないだろうというようなことを言ったのだが、四年くらいできないという何らかの根拠があるのですか、どうですか。
○湯川政府委員 SUNFEDにつきましては、昨年の第十回国連総会で特別委員会ができまして、その委員会で各国政府の意見をまとめるということになっておりますが、そのまとまった意見が暫定報告として第二十二回の経済社会理事会に出まして、それがことしの暮れころに開かれます総会に提出されて、最終報告が第二十三回の経済社会理事会に出るということになっております。こういった進み工合から見て、かりにSUNFEDが成立するとしても、明後年以降になるのじゃないかという見込みをこの前は申し上げたわけであります。
○岡田委員 しかし国連の総会の議決に上ると、一九五七年までに決定して玉七年に発足する、大体そういう方針が決定しでおるように私は国連月報その他で見ておるのですが、それは違うのでございますか。
○湯川政府委員 二十三回の経済社会理事会に出まして、それで協定案のようなものがきまって、それから各国にそれが回付されて承認を求める、そういったような手続をしますと、やはり明後年以降になると思います。
○岡田委員 SUNFEDが後進地域あるいはいわゆる低開発地域から非常に要求せられているのにかかわらず、このSUNFEDができないで難航しておるという理由はどういうところにあるのですか。
○湯川政府委員 この審議のいろいろな手続に時間をとっている点もございますが、まあ大体原則というものにつきましては各国とも賛成しておるようでございますが、分担金ないし出資額というものがSUNFEDの場合相当多額になりますので、その割り振りをどうするかというような点が、なかなかまだきまらないでおります。
○岡田委員 これはSUNFEDに実際においては反対しているのはアメリカなのです。アメリカが、軍備の縮小が先決問題である、軍備の縮小をやってその残った額に対して出資をしようではないか。これはフランスのアイデアに基いてSUNFEDの構想が相当進んでいるわけですから、それに対してアメリカが反対しているというところにこれは問題があると考える。ところがIFCの場合はアメリカが賛成している。アメリカがやろうとしている。ところが後進地域はIFCなんか問題にしておらない。しかしSUNFEDの場合には後進地域は非常に強くこれを支持している。ところがアメリカはこれに反対している。こういう実情だと思う。そうなってくると、たとえばIFCに日本が加盟してみても、アメリカが賛成をして後進地峡が反対しているIFCにおいてはこれはほとんど役に立たない。東南アジア開発のために日本が何らかの資本的な輸出をしようとしても、このIFCによっては期待をすることはできないのではないか。アメリカのひもつきだ、こういう印象を与えるだけで、プラスにならないでむしろマイナスになってくるのではないか、こういうふうに私は考えていることは再三申し上げた通りであります。SUNFEDに対してアメリカが反対していることは、あなた自身お認めになるだろうと思います。この点はいかがでありますか。
○湯川政府委員 SUNFEDとIFCと、は事業の対象がだいぶ違っておりまして、SUNFEDの方は道路とか灌漑とか学校とか病院とか、そういった経済社会的基礎構造の開発を、主たる対象としております。IFCの方は生産的民間企業に、民間と協調融資をする、こういうふうになっておりまして、対象は必ずしも同じではございません。またIFCにつきましても、これは別に低開発地域が反対をしているということはございませんで、大部分のそういった低開発地域の国は、これに賛成して加入の意思表示をしております。従ってSUNFEDについては、アメリカとかイギリスとか大きな醵出をしなければならないであろう国が、なかなか態度がきめられないということはございますけれども、しかしIFCについて別に低開発地域が反対だということはなくて、事実はむしろ賛成の意思表示をしているわけでございます。
○岡田委員 これで私終りますが、大体世界銀行の加盟国、これの大半がIFCに姉妹会社であるから加盟するのだということになって、日本も入るわけですが、しかし世界銀行に入っておっても、こんなIFCなんか入ってみてもつまらないといって加盟を拒否している国があるはずです。この国は国連の第十回総会の報告においてもはっきり報告をされております。どの国とどの国が加盟を拒否したのか、その理由はいかなる理由であるか、との点について伺いたいと思います。
○湯川政府委員 大部分の国は加盟の意思表示をしておるわけでございますが、今のところはっきりと加盟しないということを意思表示をしておりますのは中国——台湾、これは分担醵出金の関係であります。それからあとはまだはっきりしませんが、ユーゴが加盟しないのではないかと思います。これはおそらく多額の借入国であるからだろうと思います。
○岡田委員 もう一つノルウエーがそうじゃありませんか。私の記憶が間違っておるかもしれませんが、ノルウエーかスウェーデンがそうじゃないかと思います。
○岡田委員 最後に伺いたいのは、中国は株式数とすると六千六百四十六株、日本の約三倍になっているわけです。それからユーゴスラビアはこれは四百四十三株で非常に少いのですが、こういう点から見ても、この株式の引き受けその他に相当異同が出てくるのではないか。こういう異同が出てくるということ自体は、IFCに対してやはり関係国はあまり魅力を持たないということが現われているのじゃないか。そうしてまたこの株自身を引き受けないとするならば——これは一体初めから引き受けないのですから、そうすると、これはほかの方にまた追加割当か何かの方式をとるのか、あるいはIFC自身の公社としての手持株として残るのか、こういう点ではっきりわから広い点が第一点と、それから株の全体の構成が変ってきて、アメリカの独占の株の持ち株が非常にふえてくることによって、ますますアメリカ的性格が強くなってくるのではないかということを考えるわけです。ということは、これはもともとの発足はカラカス宣言から出ているから、アメリカはこれを背負い込まなければならぬことになって、IFCがいわゆるアメリカの独占的な性格になって、ますます低開発地域に対してこれの役割が果せない結果になってくるのじゃないかという点も私は考えるわけです。そういう点はこの株を持たない場合にどうなるか、そういう点についても伺っておきたいと思います。
○湯川政府委員 ある国がこの協定に入らず、この株を持たないという場合には、それはそのままになりまして、結局全体の出資額がそれだけ集まらないということになります。
○前尾委員長 森島君。
○森島委員 二、三点簡単に御質問いたしますが、私はこの委員会に全部通じて出席したわけではないので、あるいは質問が重複します場合には御注意を願いたいと思います。 前回の討議を見ておりますと、外務省ではこれは国際復興開発銀行の姉妹機関だというふうな観点から、十分な事務的な勉強をしないで、ぼやっとこれを委員会に出されたというふうな感じが私はしてならないのです。委員会の討議の模様を見ましてもその点はうかがい得るのです。こういう点を別にしまして、原加盟国と加盟国との区別がありますか。原加盟国と加盟国は待遇において何らか異なるところがありますか。
○下田政府委員 第一点につきましては、定款以外のことは、公社が発足しまして理事会が業務の準則を決定いたすことに相なりますので、ただいまのところとしましては、細部まではっきりしていないという点は、まことにやむを得ないと存ずるのであります。第二点は、原加盟国、つまり世界銀行の加盟国が原加盟国に相なるわけであります。それとあとから加盟する国とは別に差別待遇は受けないと思います。
○森島委員 しかし世界銀行の加盟国が全部なり得るわけではないのではないですか。第二条の一項の規定を見ますと、この規定するところに従って必要な文書を一定の期限前に器託した国が原加盟国になるということで、必ずしもその範囲は一致するものとは思えないのですが、その点いかがですか。
○下田政府委員 仰せの通りでございまして、先般も御指摘がありました旧仏印三国、これは世界銀行ができたときまだ独立しておらなかった、それからまた韓国、アフガンも世界銀行ができるときに加盟しておりませんので、そういう国は公社にも原加盟国として入れないという関係があるわけであります。
○森島委員 それからもう一つお伺いしたいのは、株式の割当が別表ですか、附表のAできまっておりますが、これを決定した基準はおそらく世界銀行の例に従ったものと思いますが、この点はどういうふうになっておりりますか。
○下田政府委員 仰せの通り世界銀行の割当をそのまま踏襲しているわけであります。
○森島委員 ただいま岡田君が御指摘にはった質問と裏表の関係になると思いますが、現に必要文書を寄託した国はどこどこでございますか。
○下田政府委員 十四ヶ国でございまして、オーストラリア、カナダ、セイロン、コスタリカ、ドミニカ、エクアドル、エジプト、エチオピア、アイスランド、メキシコ、パナマ、ペルー、イギリス、アメリカでございます。
○森島委員 そうすると、附表Aに掲げてある国はそれよりもずっと多い。これは一九五六年十二月末日までに必要文書を寄託するということになっておりますが、そうすると非常にたくさんの国がまだ加盟していない。日本として原加盟国となってもその後に加盟国となっても、別にその地位とそれからその取扱いとにおいて、差別的な待遇がないといたしますれば、これを今急いでこの規定の期日までに寄託を了せねばならぬという特殊な何か理由がございますか、どうですか、この点を伺いたいと思います。
○下田政府委員 別に特殊な理由はないと思います。それぞれの国でやはり国会に提議する等、国内手続がありますために、すでに加盟した国は十四ヵ国でございますが、ただいまのところ大体加盟の意思を持って、もうすでに準備しておる国、あるいは加盟の意思表示をしている国はすでに四十九ヵ国ございます。
○森島委員 それでは、先ほど岡田君の質問に対する御説明に対して、加盟する意思のない国が三ヵ国かあるという御答弁だったですが、今御指摘になりました数十ヵ国は果してほんとうに加盟するのであるかどうか、その準備を整えておるのであるかどうか、この点について明確なる何か御判断になる資料があるのですか、どうですか、この点を一つお伺いしたい。
○下田政府委員 これは公社の設立準備に当っておる当局からの情報でございます。
○岡田委員 関連してちょっと。それではこのIFCはいつごろ発足するというお見込みを立てておいでになるのですか。
○下田政府委員 当初は本年の五、六月ごろ、でございましたが、あるいは六、七月ごろと、一月くらいおくれるかもしれません。
○岡田委員 私はそうはいかぬと思うのです。というのは、このIFCを発足するに当って規定があるわけです。少くとも三十ヵ国がこれに加盟して、七千五百万ドル以上集まらなければ、発足はできないということになっておる。そうすると、先ほど申し上げましたような大株主である中国あたりがどんどんと脱落してくるということに触ると、事実上この発足は相当延びるのではないかという感じがする。先ほどあなたの御報告によると、四十九ヵ国というお話ですが、第十総会の正式報告によると、四十三ヵ国が参加したいという希望を持っておる。しかしその中で十四ヵ国ですか、正式の意向を表明したということで、それ以外のことはまだきわめて不明確であるというようなことを、実は正式報告として出されているわけです。それ以降の状況を見ると、これは去年の第十総会——去年の冬でしたか、ですからあなたの今の御報告と比べると、それ以降にまだあまり変化がないのです。とするならば、その後において加盟への可能性はほとんど前進をしておらない。そうなってくると、六月の発足などと言っても、事実問題として発足はできないで、結局年内は不可能というようなことになってしまうのではないか、そういう見通しも立てられると思いますが、そういう点ちょっと関連して伺っておきたいと思います。
○下田政府委員 新しい国際機関が発足する場合の常の例でございますが、大体の見当がつきました締め切りのまぎわになって、どどっと入る例が多いので、日本もその一つでございます。ただいまのお読みになりました印刷物のあと、三月一日の事務当局からの報告を見ますと、先ほど申し述べましたように、四十九ヵ国はもうはっきり加盟いたす。すでに署名をいたしまして、出資、寄託いたしました国が十四ヵ国、その中にはアメリカ、イギリス等の大株主も入っておりまして、ただいまのところ資本は五七%余り集まっております。でございますから、この一、二ヵ月の間に七五%に達することはきわめて容易ではないかと思っておるのでございます。それで、見込みでございますから、たとい一、二ヵ月おくれるといたしましても、日本は世界銀行の理事国であり、同時に新公社の理事国になるわけでありまして、日本一国のみならず、タイ、ビルマ、セイロンの三つの東南アジア諸国の利益をも代表して、日本が発言しなければならない、そうしていわゆる東南アジアにおける中立系の色彩を持っておると世の中から見られておりますインドとか、インドネシアとか、ビルマとか、そういった国も入ろうとしておるのでありますから、やはり日本は東南アジアに力を入れるとなりましたならは、なるべく早く入る必要があるのではないかと存じております。
○森島委員 あと一、二点、事務的なことを伺いたいのですが、第三条の業務の中の第三項の三に、「公社は、公社が融資した資金がいずれか特定の国の領域内で費消されるべき旨の条件を課してはならない。」私にはちょっとわからないのですが、具体的な例を引いて、わかりやすく御説明を願いたいと思います。
○下田政府委員 これは公社が、たとえばビルマに融資いたしました場合に、その融資を受けました企業が機械を入札する場合に、今後はアメリカからだけ買うなどということはいかぬ、国際入札をして、日本の方が安ければ日本の機械を買うために使わなければいかぬ、これもやはりひもつきを避けるための新しい規定でございます。
○森島委員 その次に、第四条の第七項、「公社は、銀行を通じて、国際連合と公式の取極を結ぶものとし、また、関係分野において専門的責任を有する他の公的国際機関と公式の収極を結ぶことができる。」という規定がございますが、これはどういう趣旨で、どういう目的で、こういった取りきめをするということになっておるのでございますか。これも具体的な例を引いて、一つ御説明願いたいと思います。
○下田政府委員 国連の傘下に設立されましたいわゆる専門機関その他の国際機関は、その機関と国際連合自体との間に取りきめを結びますし、また保健に則するWHOと、農業や農産物に関するFAOという専門機関同士で、取りきめを結ぶ場合がございます。これはいろいろな情報を交換し合うとか、あるいは相手方の機関の会合にはこちらの方の代表者をオブザーバーとして参加せしめるとか、そういう概して事務的な取りきめを結ばれるのが常でございます。
○前尾委員長 田中稔男君。
○田中(稔)委員 一、二点お尋ねしたい。第三条の第九項には「政治活動の禁止」ということが書いてあります。ちょっと参考のためにお聞きしたいと思いますが、国際復興開発銀行に関する協定ですが、定款ですか、こういうものにむそういうふうな規定がありますかどうか。
○下田政府委員 同様の規定がやはりございます。
○田中(稔)委員 ちょっと読み上げていただきます。
○下田政府委員 国際復興開発銀行の協定では、第四条の第十項に、やはり「政治活動の禁止」と題しまして、「銀行及びその役員は、加盟国の政治問題に関与してはならず、また、決定を行うに当って関係加盟国の政治的性格に影響されてはならない。その決定は、経済的事項のみを考慮して行うものとし、これらの事項は、第一条に掲げる目的の達成のため公平に考慮されなければならない。」という規定がございます。
○田中(稔)委員 そういうことがあっても、銀行の業務の運営に当っては、やはり政治的な色彩が加わっていると私は思う。今度のこの協定にも同じようなことを書いてある。これはただ言葉だけの問題になって、実際において、やはりアメリカのインフルエンスが非常に大きく作用して、この業務をやるについて、いろいろな政治的な考慮が行われる、へんぱな扱いが行われるというおそれはないでしょうか、ちょっとお伺いいたします。
○下田政府委員 これは実際問題と法律問題と両面がございます。実際問題といたしましては、やはり金のある国の遊んでいる金を低開発地域のために利用しようとする、しかも金のある国のひもはできるだけつかないようにしようというのが、この規定の趣旨でございますが、しかし何といってもそこへ入ってくる金は、金持の国の金であるということは事実でございます。でございますから、法律的の見地から、こういう規定や、先ほどのアメリカの機械だけしか買ってはいかぬということをしてはいかぬとか、そういう見地から、金のある国の金を使いながら、しかもひもを断とうという試みは、この協定の各所に見られるわけでありまして、現実の情勢におきまして、この協定が法律的に悪いのではなくて、ある特定の国が金をかかえておるということで、これは何ともしょうがないことでございます。
○田中(稔)委員 下田条約局長は語るに落ちるようなことになっておるようであります。確かにりっぱなことが書いてあるのですが、それは法律上の問題で、政治上の実際の効果においては、銀行の場合も、過去において協定の趣旨に反するようないろいろな扱いなり行動があったということをお認めになったようでありますが、そういうふうに確認してよろしゅうございますか。
○下田政府委員 金のある国の金を使いながら、その金のある国の政治的の影響を最小限にしようという意図がこれだと思います。それで日本でも、御承知のように干拓事業のなにに来るのはオランダ人であります。役員等もできるだけ国際的な広い範囲から人選しようとしておるのでありまして、現在の世界におきまして一部に偏在しておる資金を、その偏在しておる国の政治的影響力を最小限度にして利用しようという仕組みは、どうしてもこれ以外にないのではないかと考えるわけであります。
○田中(稔)委員 最近ダレス国務長官がSEATOの会議に行って、最近のアジアのいろいろな情勢を見ました上で、アジアに対するアメリカの援助について考えを新たにしたことが新聞に書いてあります。それは大統領の意見にも現われているようでありますが、つまりソ連の経済援助なんかを受けているような国、中立的な立場にだんだん変っていっている国に対しては、アメリカは援助はやらない。もしそういうことをやると、結局ソ連からの援助を受けることを一つのおどかしに使っては、アメリカからまたさらに有利な条件で援助を受ける、卑俗な言葉で言えば、ソ連とアメリカを両天びんにかけてうまいことをやるというような、どうもそういうことになっては困るということを考えているようですが、そうなりまして、もうはっきり反共的な立場に立ち、アメリカの政治的な意図に賛同して動くような少数の国だけに経済援助を集中するというような、どうもこういう考え方に固まりつつあるように私は思うのです。そういう際でありますならば、特に金融機関は大体アメリカのリーダー・シップのもとに運営されるのでありますが、今の局長の御懸念のようなこと、また私どもの懸念でもありますが、これは今後ますますひどくなっていく、政治的考慮を排すると書いてあるが、実際には非常に極端な政治的考慮のもとに、この金融機関が運営されるおそれが十分にあると思います。それについて局長の御意見を一つお聞きしたい。
○下田政府委員 この国際金融公社は、実は国連の傘下に発足いたしたものでございます。従いまして全く国際的の見地からいろいろな仕組みが考えられておりまして、ある特定国の政治的影響力を排除する点につきましては、現在までのところでは一番進んだ規定をたくさん掲げておる協定だと私ども公平に見て思っておるわけであります。
○田中(稔)委員 その問題はそのくらいにしまして、その次に日本がこういう出資をしてこれに加わる。そうして東南アジアの低開発国に対して、この金融機関を通じて投資をする場合に、日本の民間の金融機関が協調融資といいますか、それに協力するのでなければ、大したことはできないわけですが、日本の民間の金融機関は、この協定に対してどういうような一体考えを持ち、どういうような態度をとろうとしておるか、おわかりになりましたらお聞きしたいと思います。
○湯川政府委員 特に日本の民間金融機関の意向といったものは、あまり見当らないのでありますが……。
○田中(稔)委員 質問が悪かったかもしれませんが、とにかく日本の民間の金融機関も、協調融資というような形でやはり協力するわけでしょう。またそうしなければ・日本として大きな仕事はできないと思いますから、そういうことについての民間の金融機関の態度といいますか、今予見できれば一つお聞きしたい。
○湯川政府委員 日本の民間金融機関としては、こういう金融公社のようなものがなくて、単独にしなければならない場合に比して、こういうものがあるならば、それだけ投資が確実になりますから、こういった機構に日本も入るということは、おそらく歓迎する立場にあると思います。
○田中(稔)委員 非常に歓迎しておるわけですね。——大した関心がほいのですか、もう一回はっきり……。
○湯川政府委員 私の知っておる限りにおきましては、大へんけっこうな機関だと考えておると思います。
○前尾委員長 これにて本件に関する質疑は終了いたしました。 次会は明十八日午後一時より開会いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時五十七分散会