外務委員会 第16号
- 発言数
- 44 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1956/03/06
会議録
○前尾委員長 これより会議を開きます。 外務公務員法の一部を改正する法律案を議題といたします。ただいま北澤直吉君外四名より本案に関し修正案が提出されましたので、この際提出者より本修正案に関する趣旨説明を求めます。北澤直吉君。
○北澤委員 外務公務員法の一部を改正する法律案に対しまして、石坂委員、須磨委員、福永委員、山本委員、私と共同提案で修正案を提出いたします。 まず修正案を朗読いたします。 外務公務員法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。 第八条の改正に関する部分を次のように改める。 第八条第二項中「政府代表及び全権委員並びにそれらの代理、顧問及び随員」を「第二条第一項第三号から第六号までに掲げる外務公務員」に改め、同項の次に次の二項、を加える。 3 前項の外務公務員については、国会議員のうちから、任命することができる。この場合においては、両議院一致の議決を得なければならない。 4 前二項の外務公務員は、その任務を終了したときは、解任されるものとする。 修正案は以上であります。 この趣旨を簡単に説明いたしますが、国会法第三十九条によりますと、「議員は、内閣総理大臣その他の国務大臣、内閣官房長官、内閣官房副長官、政務次官及び別に法律で定めた場合を除いては、その任期中国若しくは此方公共団体の公務員又は公共企業体の役員若しくは職員と兼ねることができない。但し、両隣院一致の議決に基き、その任期中内閣行政各部における各種の委員、顧問、参与その他これらに準ずる職に就く場合は、この限りでない。」こういうふうに規定されておるわけであります。そこで問題になります点は、従来全権委員を国会議員の中から任命する場合におきましては、過般の松本全権委員の場合におきますように、この第三十九条のただし書きの規定によりまして、「行政各部における各種の委員、顧問、参与その他これらに準ずる職」ということで、国会の両議院の議決を経まして国会議員を全権などに任命して参ったのでありますが、このやり方につきましては、それは多少無理ではないか、こういうふうな意見を持っているものも多少あるわけであります。従いまして、この外務公務員法改正の機会に、そういう無理のないようにしたいというのが私ども修正案を出しました理由であります。 と申しますのは、このただし書きによりまして、「各種の委員、顧問、参与その他これらに準ずる職」ということで、全権委員なり政府代表なりあるいは特派大使をこれによってやろうとするのでありますが、この委員、顧問、参与というのは、あまり大きな権限を持たない職であります。ところが全権委員とかあるいは政府代表というようなものは、陛下の全権委任状なりあるいは御信任状を持って外国に参りまして、条約の締結その他重大な外交交渉を行う権限を持った重要な職であります。従いまして「委員、顧問、参与その他これらに準ずる職」ということでやりますことは、そこに多少の無理があるように思われますので、そこでこの第三十九条の第一項の「別に法律で定めた場合」におきましては、国会議員は公務員を兼ねることができる、こういうふうになっておりますので、この外務公務員法の一部を改正する法律案の修正案を出したわけであります。 そこで問題は、外務公務員法の修正の場合におき策しても、国会議員のうちから全権委員なり特派大使なりあるいは政府代表を任命する場合におきましては、両院一致の議決を要するかどうかという点があるのでありますが、これはやはり両院の議決をはずしまして政府が自由に国会議員を特派大使なり全権委員に任命するということにしますことは、国会議員と公務員とのけじめを少しゆるめ過ぎるというふうに考えられますので、これはやはり従来通り両院の議決を要するということにしまして、国会が国会議員から全権委員などを任命する場合におきましては、そのつど諸般の情勢を考えて、両院の議決があった場合には、国会議員を全権委員なり特派大使に任命できる、こういうふうにしますれば、この国会法第三十九条に関します多少の無理と申しますか、そういうものがなくなるわけであります。それで今回こういうふうに修正票を出しまして、特派大使あるいは政府代表、全権委員というものは国会議員のうちから任命することができる。しかしその場合におきましては両院一致の議決を要するということにしたわけであります。 以上のような趣旨で今回の修正案を出したわけでありますので、一つ委員各位の御賛同をお願いしたいと思います。
○石坂委員 ただいまの修正案につきましては、北沢委員から趣旨を弁明されました通りでありますが、多少付加いたしておきたいと思います。 と申しますのは、今回の政政府提出の法案は主として特派大使に関することであると思いますが、これにつきまして政府の見解では国会法第三十九条ただし書きによってできる、こういう見解をとっておられたようでありまして、私どももその見解は従来の取扱い通りで差しつかえないと思っておるのであります。ただしかしこの際この点に関しましていささか異説を唱える人がございますので、この際その法理論的な解釈上の問題をはっきりいたしておきたい、こういう趣旨をもちましてこの修正案を提出いたしたのでありまして、従来の慣例、あるいはまた第三十九条ただし書きの解釈が間違いだったという見解でおるわけではないのでありますけれども、その点を一そう明確にいたしたいという趣旨をもちまして、この修正案を提出いたしたのであります。何とぞよろしく御審議の上、御賛同を願いたいと思います。
○前尾委員長 次に日本国とカンボジアとの間の友好条約の批准について承認を求めるの件を議題といたします。質疑を許します。岡田春夫君。
○岡田委員 友好条約に関連してちょうど矢口移住局長が帰られたわけですから、友好条約の第、五条に基く移住の問題について現地の状況を一つお語いただきたいと思うのであります。その他の点については御説明をいただいてから御質問して参りたいと思います。
○矢口説明員 お答え申し上げます。現地の状況と申されますと、今度私ら一行が向うに参りましての話し合いの大筋だと判断いたしますので、その点の概略を申し上げさせていただきます。 まず私ら一行がカンボジアに参りました趣旨は、去年の暮れにシアヌーク首相を首班とするミッションが参りまして、その節友好条約を結びましたことは御承知の通りでありますが、そのときに第五条に移住のことをうたっておりましたが、そのうたい方もきわめて大きな筋だけの話し合いでございまして、一切の詳細は現地において、すなわちカンボジアの首府プノンペンにおいて打ち合せをする、こういう約束でございます。その約束に塞ぎまして私ら三名が向うに参りまして、現地の吉岡大使を顧問として話し合いをしたのでありますが、大きな筋は、まずカンボジア側のねらいは、日本に対して要求したいことは経済開発であり、もう一つは人種といいますか、民族の改良といいますか、混淆といいますか、そういったものに大きなねらいがあることを知ったのであります。 まず経済開発の点から申し上げますと、ただに農業だけではなくて、水産業、林業、各種の製造工業、その方面について日本側の協力を得たいというのであります。入れる人間の数は、一年間に一万人、五年間に五万人、これは農業だけじゃございません。あらゆるいわゆる企業移住者を入れましての数でありますが、そういったワクを設けてあるのであります。五年から先は追ってそのとき考える、こういうわけであります。 それから農業のことについてもう少し敷衍いたしますと、向うの提案しておりますのは、約十一個所ばかり国の中央にあるいは辺境にサゼストしておりまして、そこに適宜集団的に入ってもらってもけっこうである。当初は分散主義を希望しておりましたけれども、これは同化ということを目標としております関係上、分散主義を主張しておりましたけれども、会談の最終段階におきましては、いわゆる集団的な移住もけっこうである、こういう工合になったのであります。 それから水産業その他の各種の製造工業につきましては、日本側の技術と資本を導入いたしたい。資本金につきましては、向う側が五一%、日本側が四九%という比率によってやってもらいたい。向うにそういう法規がございますので、そういう結果に相なるのであります。 それからそれについての便宜といいますか、これは主として農業関係のことを言っているのでありますが、持ってくるところのいわゆる機械器共については、無税通関をやる考えであるというような方針とのことであります。 次に第三の人種の混淆ということにつきましては、一日も早く同化をしてもらいたい。ねらいは同化問題であります。同化をしてもらいたい。そのためには現地の女性と婚姻することを強く要望するというわけでございまして、向う側の要望は女性が二割で男性が八割、特に独身の男性を歓迎するというわけであります。この点につきましては、日本側に非常な異議がございまして、まだ妥結に至っておりませんので、今後の折衝に待つことにしてあります。 これが大きな筋道でございまして、われわれといたしますと、日本側から見ますと、大きな点は受け入れ施設をどうするかということになるのであります。これは向うの腹の底に寝ておりますことは、賠償請求権も放棄したことでもあり、かたがた建国早々で一年何がししかなっておりませんので、財政的にもきわめて貧弱な状態でありまして、主としてアメリカとフランスの援助によって国をまかなっておるような状態でありますので、そういったふうな施設に要する金を向う側に出させるということは、相当の無理があるのであります。種々折衝いたしましたけれども、結局そういうことなのでありまして、大部分は日本側で負担しなければ、これが実行できないというような状態にあるのであります。御承知の通り日本からカンボジアまでの旅費は日本側で持つことになっておりまして、すでに二千名分の旅費は大蔵省との話し合いによりまして、御了解を得まして、とっておるのでございますが、それから港から入植地までの一費用は先方が持つ。それから三年間は免税にする。各種の税金から免がれる。それから家を建てる材木その他は向うが提供するというくらいが向うの負担でございまして、自余の分は日本側負担ということに相なるのであります。でありまして、これを中南米のそれに比較いたしますと、その点において不利がございます。中南米におきましては、御存じのことと思いますが、原則といたしまして、受け入れ施設の大部分は先方が持つ、受け入れ国が持つことになっておりますが、カンボジアの場合におきましては、今言ったような事情によって、先方が持ち得ないということになりますと、本件計画を実行するためには、どうしても日本側がこれを持たなければならぬという結論が出るのでございます。 ただどの点がしからば中南米よりプラスであるかということを考えてみますと、第一には非常に親日的でございまして、日本人を兄弟以上に見るという言葉を使っておりましたけれども、確かにそういったような空気でございますので、一つは日本人を兄貴とし、師匠として建国したいという熱意に燃えている。従って移住者にとってはその点は住みやすいということ。それから中南米は主として農業でありますが、各種の工業何でもけっこうだから、あらゆる企業が入ってくることを歓迎するという点が、中南米のそれよりもまさっているのじゃないかと思われます。 しからば施設費はどういう施設に要するかと申し上げますと、それはとりあえずは道路のことや井戸のことや、それよりもマラリアに対する措置を講じなければいけませんので、そういったふうの金、それから一年間の生活費、これはもちろん個人がそれくらいの能力は持つ、だろうと思いますけれども、そういったところに施設費が要るわけであります。しからば本件を将来どうするかということにつきましての関係を申し上げさしていただきますと、これは単にカンボジアだけの問題ではなくして、東南アジア全般に対する一つのモデル・ケースでございまして、もし本件がうまく進展した場合におきましては、自余の国、たとえばボルネオでも、あるいはニューギニアでも、またスマトラでも、未開の大原野がございますので、そういった国にも非常な好影響を及ぼすのじゃないか。もう一つは、各公館長の話を聞いてみましても、隣のヴェトナムにおきましても、ラオスあるいはタイランドにおきましても、本件実施に非常な関心を持っている。豪州、フィリピンまたしかりでありますが、そういったように、ただにカンボジアだけの問題ではございませんので、この計画がうまくいった場合には、自余の国家に及ぼすところの影響が大であるということ、そういう関係で、単に移住問題とか経済開発とかいう問題を離れて、大きな一つの政治問題として本件は取り扱うべきじゃないかということを、私ら向うに参ったものが思ったような次第であります。 また御質問によって申し上げることといたしまして、一応概略のところを御報告申し上げます。
○岡田委員 だいぶ詳細なお話を伺ったのですが、日本側として今後移住問題について交渉する場合に一番問題になってくる点は、受け入れ施設に関連する点だと思うわけですが、受け入れ施設という点については、今の御答弁だけではまだはっきりわからないですけれども、現在のところカンボジアに入植される予定の場所というのは、全然設備がなくて、その設備については日本が全部持たなければならない。そういうようなことで、たとえば家から、道路から、あるいはマラリアなんかの危険から言うと病院から、集団的な一つの村を作っていくというようなことになるだろうと思うのですが、単に農民だけを入れるのじゃなくて、そこには病院も必要だし、あるいはいろいろこまかな品物を販売するような店も必要だということになってくると、そういう集団的な村の建設計画といいますか、そういうものが日本側としては必要になってくるのではないか。単に従来南米方面に移民をさしておったように、何人かのものを向うの方で受け入れてくれればいい、向うの設備の中へただ受け入れさしていけばいいということでは済まなくなってくるのではないか。もっと一つの村作りとしての計画が必要になってくるのではないかと考えるのですが、こういう点については交渉の過程でどのような話し合いになっているのですか、この点も伺いたいと思います。
○矢口説明員 当初は、先ほども少し触れました通り、分散主義というのを向うは主張しておりまして、その理由は同化にあるのです。同化といいますのは、ちょっと脱線いたしますけれども、国の重要部分は中国人に占められておりまして、約三十万といわれておりますが、それが国中に国を作っているような情勢でございますので、日本一人の場合にはそういう工合になってもらいたくないという考えからでしょう、とにかく分散してもらいたいという気持が、確かに向うにあったのでありますが、折衝の段階におきまして、それでは実施できないということから、集団的にグループをなして入ってくること異議ない。たとえば百人、二百人と固まって、お説の通りのいわゆる村作り式なものでも差しつかえないということになったのであります。従いまして、これもお説の通り、家を建てたり道路を作ったり病院を建てたり、ここに新しい日本の出張所といいますか、村作りといいますか、そういったふうなことに自然相なると思います。しかしこれは、長くそうなってもらうことを彼らは希望しておるのではございませんので、一定の段階にきたら、できるだけ分散してやってもらいたいということにはなっております。村作りについての具体的な建設計画というところまでには、まだ詳細な計画は持ち合せておりませんが、まずそれよりも本件移住計画を実行するかどうかということが頭に往復しているわけなのであります。やるかどうかということにつきましては、国の一つの大きな政策でございますので、この政策を遂行するについては、相当の金を覚悟しなければならぬということで、これは政府の上司によって決定していただきたいと考えております。
○岡田委員 私はその予算面もぜひ伺っておきたいと考えておったのですが、その前に、集団的に入ることについては、何か特殊な、国の中に外国人の地帯を作っていくということでは困るのだというようなことを通じて私の考えられることは、これは局長がおられなかったころに私は質問いたしておいたのですが、カンボジアの国の一つの方針というものは、最近非常に明確になってきていると思う。たとえば、シアヌーク首相が中華人民共和国へ参りまして、平和五原則に塞ぐ協定を結ぶ、それからまた、一方においては、アメリカその他の意図しておるSEAT〇に対しては加盟をしない、こういう態度をだんだん明確にいたしてきております。それだけに日本の自民が向うの方へ移住するという場合においても、常に向うの国で考えていることは、平和三原則に基いて、その中においておの政策に基いてやり得るような移民でなければならない、何か集団的に入ってきて、日本の国民がかつて犯したような、新しい満州を作るというようなことでは困るのだ、今後においてはカンボジアで同化をしてもらわなければならないためにも、なおさら、そういう点ははっきりしてもらわなければならないという、一つの政治方針に基いて、カンボジア当局としてはやっているのだと思う。このやっている方針については私は賛成なのですが、そういう方針をやはりはっきりしていかなければ、単に予算の面ばかりでなくて、日本側が移民を出すという場合に、そういう原則に立った移民でなければならないし、これは農業の場合なんかはさほどそういう点は出てこないかもしれませんけれども、工業とか中小企業とかいうことになって参りますと、そういう点が非常に問題になってくると思う。先ほどお話の中で、資本の五一%はカンボジア側が持つということ、そのことを見ても、いかにこの平和五原則に基いて、言葉をかえて言うならば、互恵平等の立場に立ってこの移民を完成させていこう、こういう点を考えているのだと私は考えているのでありますが、こういった政治的な方針に基いて、日本側が移民を出すという場合においては、いかなる具体的な方針に基いてお出しになるということをお考えになっているのか。あるいは別な意図を持ってお考えになっているのか、こういう点についても、現地の交渉を通じまして、あなたのお感じになったことを率直に御意見として承わりたいと思います。
○矢口説明員 お説全く同感でありまして、先方の考えておりますことも、今の平和三原則という言葉は使いませんでしたけれども、そういったふうな政治方針に基いてやっていることは、明らかに看取できたのであります、もともと、現在の移住政策の基本というのは、往年の満州移民とは違いまして、受け入れ国に同化するというところに最大の目標を置いてございます。従いまして、本件東南アジアに対する移民につきましても、同化ということを最大の目標にいたしております。しかしこのカンボジアの場合に、向うが希望するごとく、当初からこっちに五人、こっちに十人とばらまかれたのでは、行き手もございませんし、能率も上りませんので、それでは困るという話で詰め寄りまして、最後に向うは、百人なり三百人なり、しかも当分の間、集団的にお住みになるについては、いわゆる村作り的な形になりますが、それでもけっこうだということに相なったのでありまして、われわれといたしましても平和五原則というような言葉は使いませんけれども、向うに同化する、溶け込むということを最大の目標にしておりますから、自然互恵平等ということにもわれわれは賛成して、その方針のもとに進むつもりでございます。
○岡田委員 そういう点は非常に重要な点だと思うので、これは実際に移民するという段になりますと、そういう点を移民する人々にも十分理解させていかなければならないと思います。そういう点については具体的にどういうことをお考えになっておりますか。
○矢口説明員 カンボジア移民につきましては、まだ一般に海のものとも山のものともきまりませんので、具体的な措置はとっておりませんが、自余の国、すなわち中南米の移民に対しましては常に円化ということを説いておるわけなのであります。御承知かと思いますが、神戸に移住あっ旋所というものがありまして、また新たに横浜にも移住あっ旋所ができました。彼らが渡航する前に一週間なり十費なりそこにおるわけでありますが、そのときにその趣旨のことをよく徹底させておりますし、それから主として農林省がやっております移民の教養訓練というのがありまして、宮崎県やら福島県に移住訓練所がありまして、定期的にそこで訓練を一ヵ月なりあるいは二週間でしたか、訓練いたしておりますが、そのときの最大の目標も、常に同化というところにあるのであります。そのほかに各地に遊説するときにも、また各地で海外移住協会のブロック会議がしばしばありますが、そのときも常に同化ということを第一目標にしておりますが、幸いにして昔と違いまして——昔はにしきを着て故郷に帰るというのが日本移住者の最大の念願でございましたが、戦後は日本に帰っても仕方がないということをみな頭に持っておりますので、向うに同化する、すなわち向うの言葉も覚えるし、向うの人情風俗にも溶け込むというところに、各移住者が力をいたしておるようでありまして、この点は昔よりもはるかにやりやすくなっております。これは敗戦に伴って副産物的に起ったことだと思いますが、従いましてカンボジアにつきましても、同化ということはより多く力説するつもりであります。
○岡田委員 同化という点はよくわかりますが、問題は従来日本の国民が教育され、あるいは理解してきた政治の方針とはだいぶ違ってくるわけです。平和五原則という立場についても、日本の外務省は今でさえまだ五原則についての明確な態度を出さないというようなことで——これはこの前アジア局長ともだいぶやった点なのでありますが、しかしそれだけにそういう政治方針に基いた移民の計画というものを、ぜひ作っていただかなければならないと思う。 そこで先ほどお話を伺っておる点で私が不思議に思った点が一つあるのですが、この移民の問題をことしやるという計画はまだすっかり立っておらないのですか、どうなのですか。今までに移民の問題は、計画は立っておってそれに基いて具体的なこまかい点について交渉に行かれたのだと私は考えておったのですが、場合によってはことしやらないというようなことも考えざるを得ないというような程度で、外務省はお考えになっておるわけなのですか。ぜひともことしは移民をさせなければならぬ、そういうための具体的な方針をお立てになるために今度行かれたことだと思うのですが、何か先ほどのお話を伺うと、移民問題の根本問題をきめなければならないからというようなお話があったように記憶しておりますが、そこの点はいかがになっておりますか。 それからもう一点は、それに関連して、先ほどのお話のように受け入れ態勢の問題と関連して予算上の措置が当然必要になってくると思う。カンボジアの国としては日本の国に賠償請求権の放棄もしておるわけですから、そういう点から見ると、日本の国はそれに応じた、それこそ互恵平等の立場に立って予算上の措置を請じても向うの方にやらなければならないということになると思うのですが、予算上の問題についてはどの程度外務省あるいは大蔵省との話し合いが進んでおるか、こういう点についてももう少し詳細に伺いたいと思います。
○矢口説明員 お答え申し上げます。最初の今年度ぜひやろうという腹があるかどうかという御質問に対しましては、私らといたしましては、とにかくもう少し実態を確かめてみないと、やっていいかどうかきまらなかっというのが実情なのであります。やる以上はりっぱにやりませんと、内外に及ぼす大きな影響がございますので、りっぱにやり遂げたい。やらないのであるならば、初めからやらぬ方がいいというのが、まぎれもないわれわれの考え方でございまして、行ってみて向うの実情も見、若干現場も見、それよりも、もっと具体的な話し合いをしてみて、りっぱにやり得るかどうかということを確かめに行ったと申し上げても差しつかえないと思うのでございます。今度向うに参りましての結論は、日本側で予算上の相当の決意さえするならば、やった方がいいという結論を持って私は帰ってきた次第でございます。といいますのは、経済面のみならず、両国との永久的なる提携、ひいては東南アジア全般に及ぼすところの好影響を考えまして、りっぱにやり遂げるだけの日本側の決意、ことに予算上の決意をするならばやつた方がいいという結論なのであります。 それから、予算上の措置はどれだけのことをやったかという御質問に対しましては、大蔵省の御了解を得まして、二十名の渡航費だけは取っておるのでございます。これは使わなければならぬという義務はもちろんございませんが、それだけの予算は確保しております。それから施設等々に要する経費につきましては、はっきりわかりませんで、ことにその積算の基礎がなければ、大蔵省との折衝も成り立つわけでございませんし、何しろ初めのことでもあり、実際の資料もございませんので、どの程度というあれは何もございませんが、大体の了解は、そのときになれば予備費からでも出すより仕方がないだろうという一応の話し合いが、大蔵省と外務省の間にできているだけでございまして、きまっておりますのは、二千名の渡航費だけでございます。従って施設に要する経費は、予備費からでも出すより仕方がないだろうというくらいの話し合いだと私は了解しております。
○山本(利)委員 関連して。ただいまのお話で、予算上の問題でございますが、これはわれわれからいうと、カンボジアに対する移民というものは非常に厖大であるから、どうしてもこれは実現をさしてほしい。関連質問で長くなってはいけないから省略いたしますが、あらゆる意味から考えて、どうしてもアジア善隣外交を行なっていく、その拠点としてでも、これはよい意味でやってもらわなければならぬ。そこで一つお尋ねしたいことは、二千名の渡航費というものは大体上取ってあるが、今度行って帰られた概算で、二千名の者が向へ入植してまず活動するのに、施設費としてどのくらいあったらいいと思われるかということが第一点です。 それからもう一つは、海外移住振興株式会社というものを作ったころは、中南米方面に重点が置いてあったと思うけれども、この活動をカンボジア方面に向ってもさくことができるかどうかという問題です。さくことができたら、どの程度資本的に可能性があるかどうかという問題です。 もう一つは、この間新聞によりますと、対印経済援助というものが出ておった。これは年間約二億ドルは可能であろうかということでありました。そのときの記事によると、日本の経済資本の蓄積は、年間約三十億からある。そのうちの少くとも一億は大丈夫で、いろいろのことをやりくりしたら、二億くらいも貸本財で援助することができるということであったが、このカンボジアの問題というものは非常に大切であるから、今一億ドルあるいは二億ドルというものがインドに向って回されるならば、そのうちの相当額がカンボジアへいって、これが開発できたら、将来は日本の経済にも利益になることでありますから、その方向へ向けるべく要請すべきであるように思う。この第三点は、アジア局長あたりにお伺いしたいのですが、対印経済援助というものがどういうことになっておるかということ、そのうちのどれくらいをカンボジアの方向へ回せるものか、これらについて御答弁を承わりたい。
○矢口説明員 ただいまの善隣外交の拠点ということは、まことにいいお言葉でございまして、そういう言葉は私は今まで使わなかったのでありますが、まさに言わんと欲するところはそういうところなのでございます。ぜひ善隣外交の拠点としてやりたいという熱情は持っております。それは経済的にも、政治的にも、ともにであります。経済的に触れますと、たとえば一つの織物業を作ったとしますと、あそこを拠点として、品物をあの東南アジア一帯に送り込むという構想でございます。これは外交じゃありません 御質問に答えますと、どのくらいの金が要るかということですが、これは向うの政府でも盛んに聞いておりましたし、途中で新聞記者にもしばしばこの質問を受けて辟易いたしたのでありますが、遺憾ながら詳細な数字はもちろん持ち合せておりません。ただ、私のきわめてラフな考えでございますが、北海道の開発に要する金が、日本政府が負担しておりますのが、子供を入れて一人につき平均して二十万円ちょっと出ると了解しております。特別の融資等は別にして、直接に国庫が負担する分が二十万円でございます。そうしますと、これは外国でございますし、初めでございますから、それよりも相当よけい要るので、まずかりに倍と見て、四十万円くらいというきわめて簡単な計算が出るのじゃないか。そこでかりに五百人送り出しますと、最小限度二億円の金が——まあ二億なりあるいは三億という金が五百人の人間を送り出すのに要るのじゃないか。それが数がふえて参りますれば、漸進的に必要な金も逓減してくるということになるのじゃないかというような計算で、一応向うに話し合いをしてみました。そうしましたら、向うでもそういったふうな大きな金が要るということは、自分からも想像しなかったけれども、自分の国としてはごらんの通りの状態であって、国の予算がわずかに三百億円何がしくらいの予算でございますし、しかも人口は四百万でございまして、有効需要というものはわずかに三分の一くらいしかない、あとはほとんど原始的生活をしておりますから、従って国の税収も少いし、主としてアメリカとフランスの援助によって成り立っている国でありますから、それは日本側で覚悟しなければならないということは、先ほど申し上げた通りであります。 第二点の、移住会社からそういったこれに要するところの資本を出す可能性があるかという御質問でございますが、あの移住会社は、別に中南米に限ったわけじゃございません。日本の移住政策を助成するための一つの会社でございますが、しかし当初における施設のような、採算のとれないことに対しては、移住会社は投資しないということになっております。こういうものに投資いたしますと、会社が直ちにひつくり返りますので、こういったものはいわゆる補助金で、たとえば定着に要する資金というものは採算がとれませんので、これは補助金の形で、中南米においても出すことになっております。会社の投資の対象となるものは、いわゆる英語でペイアブルという言葉がございますが、つまりペイする。利潤が比較的早く返ってきやすいものを直接の目途にしておりまして、初期の定着に要するものは、それの対象になっておらないのであります。それは会社運営上そうせざるを得ないのであります。従いまして、移住会社から定着に要する金を出すということは、これは望み得ません。しかし一つの企業をやる場合に、それに必要であるところの資本金は、これは投資できる可能性がございます。 それから第三点の、対印経済援助のことにつきましては、私は遺憾ながらほとんど存じませんので、ほかの局長から……。
○中川(融)政府委員 インドに対する経済援助につきまして、ただいま山本委員から御指摘のありましたような、三億ドルくらいのものを出すことができるというような記事は、私も見た記憶がございますが、これは全く非公式の、ある人の見解、計算ではないかと思います。政府が何もそういう案を持っているというわけではないのでございます。また正直のところ、インドに対するそのような大きな額の経済援助が、今なされるということは予想できないところでございます。むしろ日本としては、そういう経済援助の力があれば、たとえばこれをカンボジアのような賠償要求を放棄している国に、それに報ゆるために、できるだけ経済援助をやろう、経済協力をやろうということを約束いたしましたので、ぜひこれをカンボジアの方に向けたいと考えております。具体的な問題といたしましては、最近新しい都市建設計画に関連いたしまして、経済調査団がごく最近カンボジアに参りますが、こういうような機会をとらえまして、できるだけ同国との経済協力を増進したいと考えているわけでございます。
○岡田委員 矢口さんはおとついですか帰られたばかりで、まだ外務省としての方針もきまっていないのかもしれませんが、向うに行かれた結論として、この移民はどうしても進めなければならないという結論を持ったというお話です。これは口としてもそういう方針を早くきめなければなりません。外務省の方針として一体どの程度まで移民の計画をきめられる見通しになっているのですか、その点を伺っておきたいと思います。大体その時期はいつごろまでにきめられるという移住局としてこの考え方があるのか、そういう点について伺っておかないと、この移民計画も単なる話に終ってしまうということになりますので、その点も伺っておきたいと思います。
○矢口説明員 いつごろかということにつきましては、近く調査団を出したいと考えています。調査団と言いますのは、土地の選定とか、植える作物のこととか、企業はどういう工業的企業をやるかというようなことの専門家を送りまして具体的に調査をし、医者も入れてどの程度の防疫の設備をしていいかということをきめてやりたいと思います。しかしそういった調査団を出すときは、いよいよ日本移住者を送り出すという腹がすわったときでないとできかねる。と言いますのは、向うの調査をしてけちをつけるというようなことになりますと国交にも影響しますので何ですが、実は帰りましてきようで二日目でありますので、上の方とも十分打ち合せの時間がございませんが、たまたまきのう大臣とお話しいたしましたら、大臣はぜひ何とか小規模のものでもやるようにしたらどうかということを言っておられました。初めは規模が小さくても優秀なもの、農事試験場的なものでもいいからやりたいものだなということを大臣が漏らしておられましたところを見ると、外務大臣の腹は、やはり小規模ながら一つこの際やるべきであるというお考えを持っておられるのではないかと私は想像するのであります。実はきょうの午後から次官とも打ち合せまして具体的な方策を立てるのでございますが、大体大臣がそう言っているところを見ますと、外務省の方針としましてはそういうところにあるのではないか。もちろん外務省だけではありませんで、大蔵省、農林省その他と相談しまして、政府の最高当局に方針をきめていただくことになりますけれども、まず今までのところはそのような状態であります。
○岡田委員 これは大臣が今週中に委員会に御出席になるそうですからそのときにも詳しく伺いますが、先ほどあなたの言われた通りに、調査団を派遣する前に大体国の方針をきめておきませんと、調査費を出してみたが、向うへ行ってみたらどうもうまくない、それは向うの状況ではなくして、こちらの国の方針がうまくないからだということでは、友好条約まで結んでいるカンボジアとの間に何かおもしろくない結果を招いてしまうと思うのです。新聞等で伝え聞くところによると、調査団は大体来月行くようなことになっておりますので、その以前に当然国の方針——荒ごなしにしても基本方針だけはきめて行かないと、行ってみてやめるかもしれないというようなことでは、相手の国に対しても失礼であるし、あるいはまたやめてしまうというようなことになるならば、それだけの経費をむだに使ったというようなことになるわけですから、やはり基本方針は早くきめていただくことが私は、ぜひとも好ましいと思います。国の方針がきまってそれによって実際に行くということになると、二千人分の移住の経費、旅費といいますか、そういう点は、先ほどお話のように予算として当然取ってあるわけですが、それだけではこれは足りないわけです。先ほどお話を承わると、四十万くらいの経費を取らなくちゃならないということに相なってくると、足りない分はどうするかということになってくると思うのです。そういう点について、きょうは大蔵省からお見えのようですから大蔵省にも伺っておきたいのです。国の方針としてきまった場合においては、それだけの経費を当然予備費から出していかなければならぬと思うのですが、こういう点はどのようになっておりますか。予備費の点について事前に外務省とどの程度話し合いが進んでいるのか、こういう点について伺っておきたいと思います。
○鳩山説明員 お答え申し上げます。 カンボジア移民につきましては、先ほど矢口移住局長から詳細御説明があった通りでありまして、予算編成時にカンボジアとの友好条約ができたというような状態でありまして、毎年一万人、五年間で五万人というようなことしかわからないのであります。結局、詳細は予算の実行の面でいろいろ御協力申し上げていくという御了解で、本年は一応カンボジアの関係としては八千百万円を計上してございます。主体は旅費でございますが、これについても、必ず二千人が出るという想定のもとにやったというより、むしろ総体として何らか金を用意しておくという程度のことでありまして、もちろん外務省として三千名が必ず出るという自信があっての数字ではないのであります。なお、先ほど矢口局長が、単に予備費と申し上げになりましたが、実は三十年度の予算がやや余りまして——約一億八千万円から二億円程度の金が余るのではないかという現在の見通しでございます。これは中南米関係の移民が計画より若干下回ったという事情、あるいは運賃を少し値切って安くしたというような事情がありまして、一億八千万円程度余るではないか。来年度は約二千名の移民増加を見込んであるのでありますが、このほかになお一億、八千万くらいの金を使えるという想定がございます。なおこれにても足りない場合には予備費ということになると思います。具体的に現地に移住施設を作るということは今まで南米移民においてやっていないことで、新しいことでございますが、この出題につきましては、今後現地の事情調査を待ちまして、どういう考え方のもとに施設をやっていくか、全く新しいことで、調査団の調査をまずやらなければいかぬ。その結果どういう施設をやるかということがだんだん明らかになってくるのではないか、そういうときになって予算的措置を御相談する、こういうお約束をしてあるわけであります。
○岡田委員 ちょっと伺っておかなければならないというのは、一点は、カンボジアとの友好条約に基いて移住が行われる。この移住の場合には、南米の場合と違って向うの施設を当然こちらの方が考慮していかなければならぬ。こういう形でも移住をやっていかなければならぬという一つの方針がきまるとするならば、それに相応した経費と、いうものが当然組まれなければならない。こういう考え方について、まだあなたの方では方針がきまっていないとおっしゃるのですか。そういうような形で移住をするのだということによって二千名の予算をお取りになったのだろうと思う。そういう意味での考え方でおやりにならない、あるいは二千名分は旅費だけを考慮しているので、それ以外の分はそのときでなければわからないというような程度のお考えなのか。今度のカンボジアの場合は当然そういうものが付随して行われるのであるから、そういう点について付随して考慮していくという考え方で予算の編成をされたのか、これが第一点。 第二の点は、一億何千万円かの金がことしは余った、これが使えるのではないか、こういうお話ですが、これは余るとするならば続いてあと補正予算なり何なりを通じて当然国会の承認を得なければならないと思います。余って、いるというならば、今後どういう手続で、その金を処理されていくのか。それからもう一つは、それだけでもし足りない場合においては、これは国の大方針でありますから、この目的達成のために予備費を出してでも支弁を十分やっていく御決意があるかどうか。こういう点についても伺っておきたいと思います。まだ小さい点もありますけれども、一応それだけ伺います。
○鳩山説明員 まず最初の問題につきまして、予算の積算上渡航費という形で組むか、あるいは現地のたとえば道路の建設費とか、病院の建設費というような形で組むか、こういう技術的な問題もございますが、これにつきましては、なお今後具体的方針を向うと折衝する段階にございます。常識的に見て、日本からの渡航費というものは、日本側が負担するということは従来やっております。それ以上どこまで日本側が負担し、どこから先をカンボジア側が負担するか、これは今後外交交渉をしてきめるという段階でございまして交渉する前に日本側がみんな負担するのだというような予算の組み方はばかばかしいではないかということで、現地へ調査団が参り、あるいは外交交渉をやって、そこで日本側がこの辺まで負担するのはやむを得ないのだという話がきまったことによって考えていく、これが順序で、かつ国のためにもいいのではないか、こういうふうに考えております。 それから第二点は、ことしの金が余っていることにつきましては、これは実は本年度の補正予算を提出いたしましたときに、移民渡航費につきましては繰り越し明許をいただいたわけでございます。それでこれはほっておいても……(岡田委員「繰り越しの承認を得ておるわけですか」と呼ぶ)ことしの補正予算で承認を得たわけです。今後の予備費の使用につきましては、やはりカンボジア移民につきましては、極力政策を拡充していきたいという考え方を政府としてもとっております。従って数府の方針に従いまして、要すれば予備費支出ということでございますが、当初から予備費支出を当然予想したということではございません。なるべく所要な資金は予算化して参りたいということで、ことしの繰り越しの金の一億八千万円、それから本年新たに計上しました八千百万円、約二億六千万円ばかりの金がございまして、なるべくそれでまかなって参りたいのでありますが、なお現地との交渉の結果、どうしてももっと金が必要であるというときには、予備費支出もやむを得ないというように考えております。
○岡田委員 それでは予備費支出も場合品によってはやむを得ない、大体そういうお考えだと私理解しておきます。これはまだ相当具体的になってこないと、ちょっと質問の問題点としてもいろいろ伺えないわけなのです。ただ予備費の支出をやっても、向うの国に対して日本の国が恥をかくことのないように十分な協定に基いて、それに基いた経費だけは実際に予算としていろいろ使える予算もあるわけですから、その分を十分出していただくように強く私は希望いたしておきます。 それから第二の点は、今度の調査団が行くということなのです。調査団の編成は大体どれくらいになるのか、それの経費はどうなっていくのか、これは当然大蔵省の方でこの調査団の経費も出していただかなければならない問題だと思うのですが、それはどうなっているのか。 それから矢口さんに最後に伺いたいのですが、二千人という大体の目標を立てているのだが、これだけを集めるためにはどのような方法をとっていくのか、国内での宣伝といいますか、啓蒙宣伝を十分にやらないと向うの状況と、いうのはわからないわけですから、国内で行きたいという人があっても、なかなか行けないというようなことになるのではないか。そのためには何といいましても、向うの国内の状態はどうなっている、こういう状態についてはどういうようにしていかなければならないというような向うの国内の状態を、日本の移民したいと希望している人たちに教えることが一番重要だと私は思う。そういう教えることについて、具体的にどういう点をお考えになっているか、そういう宣伝のための予算上の措置なども大蔵省と交渉されているのか、あるいはそういう点についてどういう点をお考えになっているか、こういう点も最後に伺っておきます。これは鳩山説明員の方にも伺っておきたいのですがそれだけの目的を達成するためには、国内の啓蒙宣伝が非常に重要だと思うのです。そのための予算措置を今までにとっておらないとするならば、こういう点も十分、一億幾らも金が余っているそうですから、そういう点も関連してやっていかないと、行きたい者だけが自然に集まってくればそれをやろうじゃないかということでは、先ほどから私がだんだんお話し申し上げておったように、平和五原則に基いて新しい建国をやろうといっているこの国に送り出すことですから、啓蒙宣伝あるいは教育のための予算についても十分考慮される必要があると私は考えておりますので、あなたからも一つこれについての御意見を承わっておきたいと思います。まず矢口さんからそういう点もありましたら伺っておきたいのであります。
○矢口説明員 啓蒙宣伝の点でございますが、まことに、ごもっともでありまして、いよいよやるという段取りになりますれば、十分現地の情勢を知らしめまして、行ってから考えておったことと違った、政府にだまされたとかいうことのないように十分に向うの実情を知らしてやらなければならないし、またその責任は十分感じておるわけであります。方法論といたしましては、御承知のように全国に四十三の地方海外協会がございまして、それが各府県庁の中にある移民課といいますか渡航課といいますか、そこは地方において違いますが、それと協力いたしまして、啓蒙宣伝といいますか、実情を知らしめることになっておりますが、幸いにいたしまして、今度大蔵省の御配慮によりまして、そういったような地方の海外協会に対する補助金は去年よりも相当ふえて参りましたので、その点はやりやすくなっておるのであります。そのほかに外務省の者あるいは海外協会連合会、これは中央にございますが、そういうもの、あるいはまたがってカンボジアにいたいわゆるカンボジアの通というエキスパートがおりますので、そういうような人を動員して、要所々々にいわゆる地方のブロック会議みたいなものがございますから、そういうところの会合には出席さして実情をよく知らしめたい。できれば、映画でも間に合えば映画をも利用して知らしめることにいたしたいという考えを持っております。予算措置につきましては、それくらいの経費は、この前の大蔵省の御配慮によって旅費その他も一応ございますので、これから大きくやれば、映画とかなんとかいうことになれば——中南米をやめてこちらに回すということにはできないのであります。中南米は中南米でやはり拡充すべき点が多々ございますので、これは別な問題になりますが、主要な点については一応何がございます。 それからちょっと付言いたしますが、これまでの金が余ったとおっしゃいますけれども、これは去年、中南米に対する人間を五千五百人送り出すはずであったのが、これは理由はいろいろございます、主として先方の受け入れ国の事情によりますが、千人そこそこ、千二百人か三百人であったと思いますが、来年度に繰り越されまして、今年の分を来年に繰り越すことになりますので、これはそれに充ててありますから、それだけカンボジアに回すということは非常に困難な事情があるのではないかということを考えるのであります。 それから船賃が下ったといいますけれども、これは一応下ったところで組んでございますので、これ以上下げさせるならば別でございますが、その方面からも出にくいような事情になっているということを、ちょっと付言しておきたいと思います。 それから調査団の経費のことにつきましては、これから大蔵省といろいろお話ししてきめる、もしいたすとすればきめたい、こう考えております。
○鳩山説明員 最初のカンボジア調査団の派遣につきまして、何人の調査団というところまで正確にはいっておりませんが、そのために四百万円ばかり外国旅費として計上いたしております。それからその他啓蒙宣伝につきましては、移住局長より詳細お話がございましたが、日本海外協会連合会補助金というのがございまして、これは三十年度の二百五十四万円を大幅増額いたしまして四千六百二十二万二千円、三倍増額いたしておるのであります。そのおもな中身は啓蒙宣伝が七百六十三万円、それから海外にあります。海外協会に八百二十八万円、こういうものを増加いたしました。啓蒙宣伝を大いにやるといたしましても、この程度の補助金の飛躍的増加が、ございますので、その中でいろいろやっていただけば十分な啓蒙宣伝ができるのではないかと考えております。
○岡田委員 もう一点だけ伺っておきたいのですが、私の言っているのは、言い方が不十分だったかもしれないけれども、今度は中南米に対する映画を作るという予算もとっておりますが、カンボジアの移民の場合には、中南米とは非常に変った気候、風土にあるわけです。それから向うではまだ建国の当初であるだけに、いろいろな点で違っておると思うのです。そういうことになってくると、移民する人は、日本の国内で向うの状況を知っておるから話を聞くのも一つの方法だと思うが、それよりも向うの国とはどういう国なんだ、おれたちの行くところはどういうところなんだということを文書によるか、あるいは映画——さっき映画の話も出ましたが、映画によって向うの状況をどんどんこまかく見せることによって移民の目的は達成されると思うのです。そういう啓蒙宣伝の経費も相当とって、こういうような国の大方針がきまるとするならば、そういう点についても十分考えていきませんと、海外協会連合会の予算がふえたからがまんしてくれということでは、海外の映画を作るとかなんとかということでなくして、むしろただ国内の移住熱をあおるという程度にすぎないだろうと思うのです。もっと真剣に向うの実情を知らせるということについての具体的な予算措置が必要だと思うのです。そういうことができてきた場合には、今までの海外協合一、連合会に対する補助金がふえたからがまんしてくれというのではなくて、この目的を達成するために、そういう予算措置に対しても十分お考えを願いたいということを私は言っておるわけなのです。そういう点が第一点です。 それから先ほど昨年度の経費というのが繰り越しになっているが、それを融通し合ってというお話があったわけです。これは矢口局長のお話を聞くと、なるほど中南米関係に対する移住の経費を、来年度に振り向けたものを、カンボジアの方面に使っていくわけにはいかないとと思う。そうすると、当然カンボジア関係の経費がなくなってくる。これは予備費の方から出していただかなければならぬということになってくると思うので、こういう点ももう一度確かめておきたいと思います。私はこれで終ります。
○鳩山説明員 先ほど私の御説明が非常に悪かったのでありますが、海外協会連合会の補助金を大幅増額したということの趣旨は、毎年移民を大いにやりたいということはあっても、どうも実績の方が上って参らないというのはどこに欠陥があるのだろうかということになれば、やはり現地の移住希望者といいますか、そういう優秀なる移住適格者というものが集まってこない。これは外務省だけの問題ではなく、農林省においても十分その点に留意しなければいかぬと思いますが、そういう点につきまして何よりもやはり現地の事情をよくわからせる。アマゾンの問題のように現地を知らないで行って非常なショックを受けるというようなことがないように、現地をよく知らせるという必要から、こういう補助金を大いに増額しなければいかぬということになったのであります。その点は私の説明が悪かったのですが、御質問の趣旨と全く同じようなことを考えておるわけであります。カンボジアがそのうち幾らというようなことは私どもこまかい内訳は作っておりませんでしたが、その点は連合会の事業といたしまして、具体的に適切な御計画をお立てになって金が生きるように使っていただきたい、こう考えております。 金の繰り越しの問題につきましては、毎年の移住の実績というものが計画を下回っておりまして、来年は一応五千五百人は、中南米へ送れるであろうというふうに想定しておるのであります。ことしは三千五百名程度行けばいいのじゃないかと思っております。これが来年は、四月から三月までの間に五千五百名南米へ送り出せるという想定のもとにおきまして、一億八千万円余るのであります。私どもとしては、ことしの実績等からみれば、一年間に五千五百人が完遂できれば非常に成績を上げた方と考えていいのじゃないかと思います。それで結局ことしの約二千名分の金が余る、これは来年使はれるのだということは移住局長のおっしゃる通りであります。来年それを含めると、中南米で七千五百名出れるが、それは必ずしも全部出るとは限らないのでありまして、そのときの予算の状況に応じて、来年度の予算が中南米としてどの程度余るかというめどはつくと思いますので、そういったものも活用したい、こういうふうに思います。
○前尾委員長 戸叶君。
○戸叶委員 岡田委員がすでにお聞きになりましたので、私、二、三点だけお伺いしたいと思います。先、ころ新聞か本か読んでおりましたときに、カンボジアの中にも大へん気候が悪くて住むのに非常に苦しい、病気などが非常に多いところがあるということが出ておりましたけれども、今度移住局長がいらっしゃって十一カ所おきめになりました場所は、そういうようなところは避けてあるかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
○矢口説明員 私が参りましたのは、ちょうど日本の七月の上旬くらいの暑さでございまして、現地で話を聞いてみますと、気候は日本の六月ころから九月ころまでの気候のようであります。それから病気の点でありますが、マラリアは相当ございまして、辺境の地点におります。十一カ所というのは、私の方できめたわけじゃございませんで、向う側が十一カ所を提案してきたのであります。その中で、いろいろカンボジア側の機関がございまして、たとえば国連のWHOという機関1これはカンボジア人じゃございませんが、それからICAというアメリカの援助機関がございますが、そういうところで調べて参りますと、われわれが最初に飛びつきたいと思う三カ所くらいのところには、まずそういう病気の心配はないという工合になっております。せんだっての新聞に出ましたのは、新日本放送の記者が二人来ておりまして、それが送った原稿でありますが、ああいう面もございます。決してうそじゃございません。ただ彼が描いたところは一番悪い面を描いたのでありまして、また非常にいい面もなかに、ございますから、真理はその中間くらいにあるのじゃないかと思われますが、気候は今申し上げた通りで、病気に対しましては、今度われわれがその十一カ所の中から選ぶところにはまずそういう心配は少い、しかしそういう措置は一応講じなければならぬと思いますけれども、そういう実情であります。
○戸叶委員 今度の場合にはそういう心配はないとおっしゃいましたけれども、やはりなれないところに行きますと、病人などもどうしても出てくると思います。移民の方々が苦労されるような今までの経験から申しましても、問題はやはりなれないところに行って病気になるのだろうと思うのですけれども、そういう意味から申しましても、移民をなれない土地に送る場合には、日本人の体質をよく知ったお医者さんなりを私は当然送るべきだと思います。そこでその三千人のワクの中に、お医者さんや看護婦さんが入っているのか、あるいはまたそれとは別に政府として考えておられるのか。それと並行して考えられますことは、教育というような面も当然考えられなければならぬと思うのですが、特殊な技術家なり教師なり、そういった人たちも移民の中に入れられる考えがあるかどうか、その点をお伺いいたします。
○矢口説明員 心配は比較的少いのでありますけれども、先ほども申し上げたつもりでありますが、まず医療施設を先行せしめなければならない。それに伴う医者を先行せしめることが、絶対条件だと考えております。 それからワクの問題でございますが、日本から入ってくる日本人、看護婦も医者も全部入れて一万、その中の八〇%が男、三〇%が女性ということになっております。 それから学校とか技師とかいうものは、いずれはやらなければいけないのでしょうが、経費の問題になりますので、最初は学校の問題は、子供をあまり向うでは歓迎しておりません関係上、比較的少いでありましょうが、やがてはそういう工合に相なると思います。
○戸叶委員 医療施設のことをお考えのようでございますが、今度二千人送られる前に、医療施設をおやりになりますか。それとも二千人の中に入れて医療施設をおやりになるのでしょうか。
○矢口説明員 それから移住者は、農業移住者に限定して考えませんと、考えが混淆いたしますが、農業移住者を送り出すときには、まず先行部隊を送り出しまして、一応の建物を建てて、医療設備をできるようにしてからでないとやれないのではないかというのが、一致した考え方です。
○戸叶委員 移住される方々を募集する方法は、大体地方の海外移住協会の方々におまかせのようですけれども、その場合に、年令なり何なりの制限を考えておられるかどうか、この点を伺いたい。
○矢口説明員 中南米におきましてはございます。今度のカンボジアにつきましては、そういうことを別にやっておりませんが、向うはただワクは、八〇%の男性、しかも若い者を希望するということで、若い者が自然応募者になると思いますが、結局は独身の者であって労働能力があるということになりますと、南米のそれのごとく、四十才未満くらいのところに実際上は落ちつくのではないでしょうか。応募者がたくさんございますれば、自然そういった者を選ぶ形に相なると思います。
○戸叶委員 婦人が二千人でしたか許されているようですけれども、これは当然結婚した人たちと考えられると思いますが、その場合に子供はどういうふうになっているのでしょうか。
○矢口説明員 この点は東京の第一回の会合のときにはっきりいたしませんでしたが、今回参りまして聞いてみますと、子供も老人も中年も、未婚の者も人の夫人も、とにかく女性は一切がっさい、二千人のワクの中に入って、男は老人でも子供でも、全部八千人のワクの中に入るというのが向うの説明でございます。
○戸叶委員 先方の望むのは、大体日本の独身の男の人がなるべくたくさん行ってそうして同化することを望んでいるようでございますが、そこである程度問題になって参りますのは、教育の程度というようなことも考えられると思うのです。局長のいらっしゃった期間が短かいために、あるいはその点までお気づきがなかったかもしれませんけれども、向うの一般の教育レベルというものは、日本の一般の教育レベルと比べて、大体どの程度であるか、高いか低いか、その点をお伺いいたします。
○矢口説明員 これは向うでも非常に問題になりまして、向うは同化々々と申します。けれども、顔かたちはしばらく別といたしまして、教育の誰は非常な問題になりますので、露骨に言いませんでしたが、わが方は九割九分九厘まで教育があるのに対しまして、向うはおそらくは教育のある者は全人口の二割にも足りないだろう、すなわち八割以上はいわゆる無学文盲の者でありますから、それとの混淆ということは、言うべくしてきわめてむずかしいのじゃないかということを考えておるのであります。向うにそう露骨にも言えませんので、しかるべくにおわしておきましたが、実際上は教育の面からむずかしい問題が介在しておるように考えられます。
○戸叶委員 私もその点を非常に心配をする一人でございます。今後におきましても、そういう点でも、特に日本から行った人たちが非常に失望を感じて問題を残すようなことになりますと、親善という意味にも反すると思いますので、こういう点をよく考えておいていただきたいと思います。 最後にもう一つ伺いたいのですが、大体一人の渡航費はどのくらいお出しになりますか。
○矢口説明員 一応予算の面では、一人につきまして、ラフの計算でございますが、大体一人百ドルと計算しております。
○前尾委員長 次会は公報をもってお知らせいたします。本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十七分散会