運輸委員会 第30号
- 発言数
- 20 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/04/24
会議録
○松山委員長 ただいまより運輸委員会を開会いたします。 日本国有鉄道法の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。 本案に対する質疑は去る二十日をもって終了いたしておりますので、この際これより討論に入ります。 討論の通告がございませんので、討論は省略して、これより直ちに日本国有鉄道法の一部を改正する法律案(内閣提出第一一〇号)を採決いたします。 本案を原案の通り可決いたすに御異異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松山委員長 御異議がございませんので、本案は原案の通り可決いたしました。 この際下平正一君より発言を求められておりますので、これを許します。下平君。
○下平委員 ただいま採決、決定をされました日本国有鉄道法の一部を改正する法律案に対して、別紙のような附帯決議案を提案いたしたいと思います。 附帯決議案はお手元に配付してありますが、朗読いたします。 本法施行に当り、政府及び日本国有鉄道は左の事項について必要なる措置を講ずべきである。 一、広く国民の声を国鉄の業務の運営に反映させる為。部内に総裁の諮問機関を設けること。 諮問機関は、業務に関する重要事項を調査審議し。又は意見を述べることができるものとすること。 諮問機関は、産業経済界、労働界、学界等の有識者を以って組織すること。 二、日本国有鉄道の財政については、己に臨時公共企業体合理化審議会及び日本国有鉄道経営調査会の答申にも指摘せられているところであるが。政府はこの問題に対して速かにその責任と方途を明かにすべきである。 右決議する。 以上の決議案を提案いたしたいと思いますが、若干の趣旨を説明いたしたいと存じます。 今回日本国有鉄道法の改正が行われましたけれども、この日本国有鉄道法の改正は、今日の日本国有鉄道を経営していく、あるいは今日当面をしておるいろいろの国有鉄道の困難、そういうものを打開するためにはきわめて不十分だと思います。抜本的な改正というものはもっともっと広範に行われなければならないと思いますが、諸般の情勢からやむを得ずこの改正案に私どもは賛成をいたしますが、その際特に注意をしなければならぬ点は、国鉄の経営というものがほんとうに民主化され、利用者あるいは一般国民大衆等から広く教授を受けるような形で運用されていかなければならぬと思います。今回の改正ではそういった面がやや欠ける点があるような気がいたします。こういう面を補うために、この際広く国民の各階層を代表する意見というものを経営の中に、運営の中に持ち込むために、どうしても諮問機関的なものが必要だ、かく考えましてこの案を提案をするわけであります。この諮問機関は、やはり単なる総裁が勝手に選ぶというような形でなくて、ある程度その選ぶ範囲、選ばれる範囲等も限定をした形でなければ、独善的な運営になりがちだと思いますので、第三項において選ぶ範囲というものを明確にして、そうしてこの諮問委員会を有効に利用していくべきだ、こういうふうに考えまして、この諮問委員会を提案をするわけであります。 第二番目に、今回の日鉄法改正は国鉄の経営を改善する、行き詰まった国鉄の経営を打開をしていくというところにあるわけでありますが、その根本的な問題は何といっても国鉄の財政の再建をはかる、ここに問題の焦点が結ばれなければならぬと思います。従って従来の臨時公共企業体合理化審議会においても、あるいは今回の日本国有鉄道経営調査会においても、この財政の再建の問題等については、相当なスペースを使って勧告をいたしているわけであります。たとえてみれば、予算の立て方、あるいは過少資本を増加する問題等々、たくさんの財政再建に対する方策を建議をいたしておりますが、今回日鉄法改正に伴って、当然行われなければならぬこの財政再建の問題というものが、この日鉄法改正に伴って少しも提案をされてきておりません。そこで私どもといたしましては、この日鉄法改正と同時に、こういった重要な一要素であるところの国鉄の財政について、この際やはり明確に政府あるいは国鉄当局ともその責任と解決の方途を明らかにする必要があると思います。 以上、こういう二つの観点から、冒頭に読み上げました日本国有鉄道法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案を上程いたしたいと思いますので、全員の皆さん方の御賛同をいただきたいと思います。
○松山委員長 ただいま下平正一君より提案をされました日本国有鉄道法の一部を改正する法律案に附帯決議を付すべしとの動議を採決いたします。本附帯決議を付するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松山委員長 御異議がございませんので、さように決しました。 なお、ただいま可決されました法律案の報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松山委員長 御異議がございませんので、さよう取り計らいいたします。 この際、運輸大臣より発言を求められておりますから、これを許します。運輸大臣。
○吉野国務大臣 いろいろありがとうございました。ただいま御決議になりました附帯決議はいずれも適切なものだと存じますから、私は十二分にこれを尊重いたしたいと思います。私の責任に属することはもとよりでございますが、国鉄総裁の事業運営の範囲に属する部分につきましても、私は強力なる指導を行いまして、この決議案の趣旨が貫徹いたすように努力するつもりでありますから、右申し上げます。
○松山委員長 なお、国鉄副総裁よりも発言を求められておりますから、これを許します。副総裁。
○小倉説明員 ただいま附帯決議案並びにその御趣旨を拝聴いたしました。国鉄といたしましては、その企業の重要性にかんがみまして、広く国民の声を企業の運営に反映させる必要もございますし、また重要事項についても国民の意見を十分聞く必要もございますので、これらに対処するため、広く有識者からなる総裁の諮問機関を設ける等、適切な措置を講ずる所存でございます。 —————————————
○松山委員長 これより倉庫業法案を議題といたしまして、質疑を行います。通告順に従いましてこれを許します。木村俊夫君。
○木村(俊)委員 まず第一にお伺いしたいと思いますが、倉庫業に対して発券の許可ができましてからもう約二十年になると思います。その間におきまして、この倉庫業自体の許可制がとられなかったという理由ですね。そういう経過的な理由を承われば、大体今回倉庫業法案を提出された理由がわかると思いますので、その点をちょっと伺いたいと思います。
○天埜政府委員 提案理由の説明にも述べられておりますが、戦後経済の特殊事情によりまして、貧弱な倉庫業者が輩出されて、倉庫業の設備、経営の面におきまして遺憾な点が少くないばかりでなく、その結果として各種事故が相当発生しておるにもかかわらず、倉庫証券の発行規制を主たる目的とする現行法をもっていたしましては、これら倉庫業の現状の弊を救済することができないというような状態でありまして、その間の事情を概略御説明申し上げまするならば、戦後におきます特殊の経済事情といたしまして、倉庫保管物件の大宗を占めております主要食糧が、政府の統制下に置かれております。また経済基盤の壊滅に伴いまして、銀行等による金融が、対人信用を尊重したことによりまして、倉庫証券に対する需要が著しく減少いたしましたために、倉庫証券を発行しない倉庫業の存立が可能であった点があるのであります。戦災及び接収によりまして多数の営業倉庫が失われまして、庫腹が著しく不足いたしましたために、さらに終戦直後における経済救済物資の出回り、経済復興や朝鮮動乱による荷動きの活発化等によりまして、倉庫業が数年前までは比較的日の当る産業と目されたこと等のために、業者数及び庫腹がともに著しく膨張いたしまして、その過程において貧弱な設備業者が対立して今なおあるというような状態でございます。 右のように庫腹が著しく膨張いたしまして、業者もまた激増した反面に、朝鮮動乱がやまりまして、その反動的な不況と経済救済の実施によりまして、倉庫業は何ら対策を有しないままに、過剰のままその経営が逼迫して参ってきておるのであります。受寄物に対する人的、物的管理状況は自然的に悪くなりまして、ここに数年来相当数の事故が発生しております。二十九年と三十年中にこちらの方でわかりました大きな事故数を申し上げますと、火災による倉庫及び受寄物の被災三十二件、風水害による倉庫及び受寄物の被害十一件、受寄物の盗難が二十七件、受寄物の横領及び窃取が十二件、受寄物の数量または品質に関する詐欺が十件、関税納付金の横領というようなものが二件というふうに、相当数の事故が出ております。 倉庫業の監督につきましては、倉庫業の約九割が倉庫証券を発行しておりました戦前におきましては、現行の倉庫業法による発券規制の面から、戦時中は企業許可令により、また戦後二十六年ごろまでは建築資材の窮迫の面から、それぞれ便宜的ではありますが、倉庫業の営業上の急所を押えることによりまして、倉庫業を実質的に指導監督することもできたわけでございます。戦時統制ないし経済統制が撤廃された今日におきましては、倉庫証券を発行しない業者が非常にふえております実情に照らしまして、倉庫証券の発行規制を主たる目的としております現行法では、すでに倉庫業法の名に適しないようになっておりますので、これを改正しなければならぬというふうなことになって参ったわけでありまして、倉庫証券を発行しない倉庫業者についてはほとんど見るべき法規もなく、自由放任に近い状態になっておりますので、この倉庫業の公益性にかんがみまして、何とか設備の悪い点、管理の不十分な点を改正いたしまして、先ほど申したような事故をなくしていきたいというような点でこの法案を出したわけでございまして、戦後におきまして、倉庫証券を発行しない倉庫業者が相当ふえておりますので、その実態を把握するために、昭和二十五年に法律第百六号によりまして倉庫業法の一部を改正いたしまして、倉庫営業の開始等について届出制を設けたのでありますが、その結果、これら非発券の倉庫業の実態を知ることができて参りまして、いよいよ今回改正の必要性を痛感いたしまして、ここに許可制の倉庫業法を提案いたすことになった次第でございます。
○木村(俊)委員 今回の改正案によりまして、倉庫業自体の許可をなさるという理由はよくわかりますが、そこでこの許可制の運用いかんによりましては、従来ありました、ことに終戦直後雨後のタケノコのように発生してきた弱小倉庫業に対して、相当差別的待遇をいたしておりはしないかという心配が、陳情その他においていろいろ現われておりますが、その点につきまして、許可制の運用方針というものがもしありとすれば承わっておきたい。
○天埜政府委員 今回の法案によりましては、第五条におきまして許可をする基準をきめているのでございますが、この第五条に一号から四号まで掲げてございまして、その基準といたしまして、一号から三号までは欠格条項、第四号が「倉庫の位置、構造又は設備が保管する物品の種類に応じて運輸省令で定める基準に適合しない」ものについては、許可できないというふうな規定にしております。先ほど申しましたようにいろいろな事故がございますので、その事故をなくする手段といたしまして、一、二、三号の欠格条項に当てはまる者は許可できないのでありまして、第四号の位置、構造、設備が保管する物品の種類に応じて運輸省令で定める基準に適合しさえすれば、許可するということにしております。その許可の基準の「倉庫の位置、構造又は設備」というような点につきましては、他人の荷物を善良なる管理、保管をするということにおいて、十分足りる範囲において最低限のものであれば差しつかえないということにしてございまして、この点については、在来あります中小の倉庫業者についてもそんなにきびしいものではありませんし、また経過規定といたしまして、二年の間にその不備な点は救済していくように行政指導をしていきたいと考えております。
○木村(俊)委員 よくその許可方針の内容はわかるのですが、最近倉庫業が乱立いたしまして、非常に各所で事故が多い。その事故が多いところを、たとえば構造、設備等の改良、改善その他で予防し、また防止することはできるかもしれない。乱立のために倉庫業自体の運営と申しますか、業務上非常に差しつかえが多い、そのために料金のダンピングがあり、従って従業員の待遇低下にもなり、いろいろ社会的な弊害が出ております。そういう乱立の状態が、現在の倉庫業の一番大きな弊害でないかと思うのですが、同様の現象というものは、港湾運送事業が現在登録制になっておりまして、登録を申請すればほとんど全部登録を受理するということのために、港湾運送事業自体が非常に乱立状態で、その弊害は先般社会党の正木委員から、われわれの手元に港湾労働組合からかどこか知りませんが、一種の陳情になって出ております。それと同じような弊害がこの倉庫業にも非常に顕著になっておる。そういう点が私は現在の倉庫業自体の一番大きな弊害の点ではないかと思います。そうなりますと、第五条の第四号では、果して現在の倉庫業の一番顕著なそういう弊害を除去できるかどうかということに私は危惧を持っております。その点について局長の御意見を承わりたい。
○天埜政府委員 倉庫業の安定化のためには、企業の許可について需給状況を考慮するということの必要は十分考えられるのでございますが、現在直ちにこのような措置を講ずる場合には、あまりに統制的なうらみがあるのじゃないかというふうに考えまして、一応現段階といたしましては、不況時に際して遊休未利用の倉庫が増大したような場合においては、第十五条の規定を新たに設けておるのでございますが、これによりまして不況カルテルを行うことを認めまして、業者相互間において、集荷数量を実績等に応じて配分する等の協定を行なって、自主的に過当な競争を防止して、倉庫業の安定を確保することができるようにしておるわけでございます。もちろん将来倉庫業の不況が慢性化し、その絶対量が過剰であるというようなことが明確になった場合においては、需給関係についても何らか法的措置が要るかもしれないというふうに考えておる次第であります。
○木村(俊)委員 今御答弁になりました第五条第四号の運用いかんによっては、ある程度その目的が達成できるという御説のようでありましたが、一部技術的な基準の運用である程度その点の匡救ができるかもしれません。しかしながらもう一方荷主側の立場に立ちまして、その倉庫の経済的な機能、そういう観点に立って見ますと、技術的な基準に適合しておるから全部これを許可するというふうな運用方針だけでは、どうも全部が処理できないのではないかと思います。そこで私が申し上げたいことは、この第四号の点で、運輸省令でどういう内容を規定になるかわからないが、単にそれのみでなく、その他倉庫業の的確な遂行に支障のないような経済的な機能の面にも着眼をして、ある程度許可方針というものをおきめになった方がよりいいのではないかというような気がします。これは私ども委員の中でも多少修正意見がございますので、後ほどまたあらためて修正意見については申し上げたいと思います。 そこでもし万一第四号におきまして運輸省令で定める技術基準以外において、経済的な基盤、たとえば立地条件その他において局地的な基準については、もう少し許可の基準について追加をするというふうなことを考えた場合に、運輸省当局としてはどうお考えになるか、率直に承わりたいと思います。
○天埜政府委員 御趣旨の点は、まことにごもっともでございまして、倉庫業の経済的機能を十分に発揮さして、その的確な遂行を積極的に確保するという意味におきましては、第五条の各号の基準はいささか不十分であったかというふうにも思えるのでございます。
○木村(俊)委員 そこで申し上げたいのは、第五条第四号の規定の内容ですが、今申し上げた通り単に技術的基準に着眼をして許可をやられるということのみならず、倉庫の経済的機能に着眼をして許可をするという観点から申しますと、第四号の規定では非常に不十分であろうと思います。しかしながらこの倉庫業自体の非常に公共性の強い点に着眼をして、さらにこれを需給調整の面からも考えて許可をするといろふうに一足飛びに行くのには、まだいろいろ問題が多いかと思います。特に第四号の倉庫自体の構造または設備、そういうものの立地条件あるいは設備の改善その他の面におきまして、単に運輸省令で定める技術的基準に適合するのみならず、その経済的機能から見ましても、運輸省でこれならば許可してよろしいというふうに、進んで許可基準を広げるというふうにむしろ修正した方がよりいいのではないかという気がいたします。 そこで本日の質問はこの程度にとどめますけれども、運輸委員会の中でも修正意見についてはまだ案を練っておりませんが、後日修正をいたしたいと思います。
○松山委員長 本日はこれをもって散会いたします。 午前十一時五十八分散会 ————◇—————