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23回国会参議院1955/12/15

予算委員会 第7号

発言数
375
登壇者
26
会派数
5
開催日
1955/12/15

会議録

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) それではただいまより委員会を開会いたします。  昨日に引き続きまして一般質疑を継続いたします。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 まずもって文部大臣にお伺いいたしたいのであります。国民道義の頽廃から考えまして、今日ほど文教の刷新が要望されているときはないと考えるのであります。在来ややもすると第二の国民を作るべき教育の問題が党派的に利用されたというようなこともないでなかった。こういう点を遺憾といたしておったのでございまするが、今日は国民多数の支援を得て成立いたしております鳩山内閣の文部大臣として清瀬さんが御就任に相なったのでありますので、私どもは実は総理大臣以上に文部大臣の今日の時代において重責であるということを痛感せざるを得ないような感じを持っております。そこでややともすると清瀬さんは保守反動だとすぐ反撃を食うようなことを、お受けになる傾きもないではないのでありますが、この施策に対しては十分にやわらかにしかもしんの強い、固いところをお示しになることであろうと私どもは期待しておるのでありまするが、いたずらに摩擦を多くするということはむろんこの重大な文教振興の時代におきまして慎しまなければならぬことではございまするが、しかしあくまでもしんのお強いことについては私は少しも疑いを持たぬのでありまするけれども、以下さような意味からいたしまして、二、三の点についてお伺いをいたしてみたいと存ずるのであります。  第一に、私ははなはだ抽象的な言葉になりまするが、占領政策でずっと参りました以後の文教政策に対して、文部大臣というものは一体この文教政策を十分に把握しておられるだろうかということを歴代の文部大臣に対して常に私は危惧の念を持って考えて参ったのであります。はなはだ抽象的でございまするが、一体今の制度で文部大臣は十分に文教政策を把握して行けると、こういうふうにおかえになっておられますかどうか、これをまず第一点に一つ伺いたいのでございます。  第二に、私がお伺いいたしたいのは学問の自由であるとか、あるいは大学の自治というような問題は、昔から言われていることでございまして、私どももまた願わしいことであるとは考えるのでございまするけれども、そのいずれも、やはり、この大きな文教政策の一環の末端の流れとしてあるべきものであって、文部大臣の把握さるべき大きな文教政策の一つの流れである、かように私どもは解釈いたしたいのでございまするが、ややもすると、文部省というものと大学、あるいは学問の自由というような点からして、背馳するような場合が起らぬでもないのでありまするが、こういう点については、文部大臣はどうお考えになっておられまするか。これを第二点としてお伺いいたしたい。  第三番目は、現在、各地で問題になっておりまする、県及び市町村の教育委員会の制度というものが、果して文部大臣の文教政策の推進の上において、いいとお考えになっておるか、改良すべきものがあるのではないか、あるいは全廃した方がいいのではないか、こういうような疑問が出てきているのであります。かりに、存置するにいたしましても、あるいは選挙の方法によるのが正しいのか、選挙以外の方法によってこれをするのがいいか、また、内容も、今のような、実際の行政にタッチすることよりも、諮問機関程度になすべきがほんとうでないか、というような意見もあると思うのであります。この点について、どうお考えになっておられるか、まず、以上三点につきまして御所見のほどを伺いたいと思います。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) 御下重なるお言葉で、私の責任をお認め下さり、また御鞭撻にあずかったことを感謝いたします。  第一の問題、今日の文教制一度では、どうしても文部大臣自身が手を下して教育の実際を把握することができないのでございます。過日、新聞にも現われましたが、東京の某高等学校で、上級生が下級生に暴力をふるい、それが連続的で、残酷で、下級生は通学することを得ず、附近の公園で遊んで帰るといったことが伝えられております。今、できる方法で真否を調べさしておりまするけれども、今の教育制度で、これを直接にどうするという法規がないのでございます。これは一例でございまするが、それゆえに、この内閣では、臨時教育制度審議会とでもかりに称すべきものを内閣に作りまして、教育制度の全体について検討していただきたい、かように考えておるのでございます。明治以来学問の自由ということが唱えられております。私は、これは尊いことだと思うのです。また、新たなる分野を開拓して学問をするには、真に研究は自由でなければなりません。しかしながら、これを実際に過程として施す持分には、すなわち教授、訓練になりまするというと、やはり国の一定の規格に従うべきものだ、かように思います。  府県並びに市町村の教育委員会のことは各方面より非常に議論が出ておるのでございます。田村さん御承知の通り、はや昨日もこの問題をどうするかについての大きな会合が開かれております。そこで、この内閣を支持しております自由民主党では、緊急の政策として、教育委員会の改廃を検討し、実行すべしということになっておりまするので、せっかく今党内においても、数日以来熱心に研究いたしておりまして、結論が出ましたら、閣議で賛否をきめて御報告申し上げたいと思います。本日はまだ確たる回答を私の口より申し上げる時期に達しておりませんが、改廃をすることは事実でございます。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 今の教育の問題、ことに普通教育一般に関する問題につきましては、全国の父兄の一般が非常に心配しておる。これは子供を持っておる人、あらゆる人が心配しておる。でございますから、私はいわゆる爛頭の急務じゃないかと思うのでありまするが、じんぜん、審議会とかいうようなことで日が延びるということを実は非常に心配しておる。すでに十年のほど、私どもの予期しない教育方針で教育が続けられてきたのでありまするが、この教育を直して、また今後のものを早く正しい道に直していくということには、非常な努力が要り、また勇気が要りまするが、また、急いでやっていただかなければならぬ。こういうように考えますので、せっかく、今の文部大臣の御答弁ですね。どうか、いたずらに調査会、審議会というようなもののために日数を空費することのないようにお進めをいただきたい、かような希望を付しまして、私の第一問を終りたいと思います。  第二問でありまするが、やはり問題によくなっておりまする、小中学における社会科で修身及び地歴を教えておるということに相なっておるようでありまするが、どうも専門的に歴史とか地理というようなものがないために、非常に私ども接しまする少年の歴史地理等に対する知識が昔に比べると雲泥の相違があると、かように考えるのでございまするが、現在の社会科で教えているような方法で、あるいは先生の努力が足りないためにそうなのか、制度の上から言って問題があるのか、こういう点について疑いを持っておる。当然に歴史地理というような重要な学科、及び修身というようなものについては、特殊に学科をお設けになることが必要であるということは多年唱道されてきておる議論であります。これにつきましては、文部大臣はどうお考えになっておられますか。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) ただいま御指摘のことについては、私も同感でございます。前任者、前々任者、詳しく言えば、安藤君、松村君、これも改訂には努力されております。幾分は変りましたが、これでは私はまだ不十分じゃと考えております。けれども、これ以上改正するのには、やはり学校教育法その他の根本に手を入れなければならぬじゃないかと思うておりまするから、何らかの方法によって、国民が、日本の歴史、日本の地理、これらに認識を深め、また倫理道徳のことについてもよく体得するような組織にいたしたいと考えております。いい工夫があればどうぞ今後とも御教示を願いたいと思います。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 次にお伺いいたしたいのでありまするが、紀元節の復活というような言葉を用いますというととかく何か古いことを言うようなふうに一般に考えやすいのでありますけれども、私はあらゆる団体がその創立を記念するという意味でその日を祝祭日とするというようなことは当然なことであって、お互いが誕生日を祝うというのと少しも変るところないのでありますが、ことに古い歴史を持っておりまする私どもの日本のような国において当然その肇国の日をお祝いする、肇国の日をきめていくというようなことは当然すぎるほど当然なんでありまするが、終戦後日本の国家主義というものが非常に強過ぎたために今度の戦争になったのだというようないわゆる進駐軍の考え方、占領政策から願わしくないということで紀元節ということはなくなっておるのでありますが、すでに今日独立を取り戻した日本といたしまして、いろいろの憲法の改正であるとか、問題はたくさん……早く占領政策の是正というような問題もありますが、国民の形の上に一つ現わしていく一つの方法としては早く紀元節、節という名前をつけるか、いわゆる肇国の日をきめて、肇国のその日をお祝いするというのが当然ではないか、こういうふうに考えるのでございます。あるいはこの紀元節を否認した議論の中には学問的に青史の上からいわゆる新暦の二月十一日というものは必ずしもその日に当らぬとかどうかというような意見、議論もあるようでありまするけれども、かようなことは神話があったら神話でも何でもけっこうです。ある日をきめられて、その日をもって国の肇国の日としてお祝いをするということが当然だと思うのでありまするから、数年来この種の請願もたくさん出ております。当然に私はさようなことが改廃さるべきだと思うのでありまするが、いわゆる祝祭日の中に紀元筋を加えるということが当然だと考えるのでありまするが、文部大臣のこれに対する御所見はいかがでございますか。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) そのことについても御意見と全く同感でございます。どういう民主主義の国でもあるいは独立の記念日とか肇国の日は国定こぞって祝っておるのでございます。今日の制度では祝祭日は立法事項になっておりまするので、御意見を尊重して十分研究したいと考えます。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 文部大臣に対する質疑はこれで終りました。  次に通産大臣と大蔵大臣にお伺いいたしたい点が二、三あるのでありますが、まず両省に関連の問題でございまするが、先国会で砂糖の価格安定及び輸入に関する臨時措置に関する法律案というものが出まして、いわゆる特殊物資に対する輸入価格と国内価格との差が非常に多い、これを国家が吸い上げておくのは当然じゃないかというような考え方で法律案が出たようでありますが、この臨時国会には出ておりません。出ておりませんが、国民はこの問題については非常な関心を持っておりまして、みすみす何十億か——百億、二百億にも上るような、これはひとり砂糖だけの問題ではありません。あらゆるものが今日の自由経済において為替管理あるいは輸入管理をやっておられる限りにおいてはこういう現象が起るのは当然なんであります。当然でありまするから従いましてそこに差益が出てくる。こういうものを国家は知らん顔をして特殊の人たちの利益にまかしていいもんだろうか、こういう点が問題になっておりまして、これは放置すべき問題でない、こういうふうに考えますのでありまするが、これはまず通産大臣にお伺いしたいんですが、早くこれに対する対策はひとり砂糖だけの問題じゃない、あらゆるそういうような自由経済において為替の障壁を作る、あるいは輸入の管理をするという場合には当然に起ってくる問題でありますので、この調整方法は何らか考えられなければならぬと思うのであります。どういうお考えでいらっしゃいますか。

石橋湛山自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 輸入物資に著しい、何といいますか、差益が現われるということは好ましいことじゃありません。結局いろいろな関係でやむを得ずそういうものが出ます。それについてはむろん国庫に吸収するのが当然だと思いましてお話のようにこの前の国会に法案を出したんですが、残念ながら不成立になりました。そこで三十一年度からどうするかということについては今関係各省とも相談をしております。砂糖が一番おもなものでありますが、そのほかの物資もあります。またどういう方法——この前の国会と同じ方法で行くか、それとも何らか他の方法で行くか、まだ決定しておりませんが、目下しきりに検討をしております。三十年度つまり本年度にすでに現われておるところの砂糖についての過剰利得については取りあえず輸入業者及び精糖業者と、あの法律が不成立になりましたので話し合いをしまして、取りあえず利益と認められるものを自発的に砂糖業者の方から積み立てて、そうしてこれはもしほかに法律ができなければ政府に審付するという心がまえでそれを積み立てることになっております。そういうわけで来年度のことはまだ決定をいたしておりません。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) ただいま通産大臣から御答弁の通りであります。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 何らかの対策を御研究になるということでございますが、こういうことを見のがしておきますということは、私非常に社会人心に与える影響は大きい。でありまするからこれはほうっておけない問題なんです。で必ず御対策をお立てになるのか、ならぬのか。お立てになる場合に私は砂糖だけじゃないと思うんです。あらゆる物資がそういう輸入が窮屈にされて国内物資が上るということは当然起り得ることなんです。これに対する為替管理、貿易管理をやっている限りでは当然に起るんだが、これに対する対策はぜひ立てなければならぬ今日の問題でありまするので、研究なさるのはいいですよ、なさるのはいいが、前の法案のままでいいかどうかということは、これは御研究なさるのはよろしいが、来たるべき通常国会には必ずこれに対する対策はお立てになるのか、御決心をお持ちかどうか、それを一つ伺いたい。

石橋湛山自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) これは必ず対策を立てるつもりで今検討しておるわけであります。砂糖だけじゃございません、捕捉のできる限りは捕捉をいたして行きたい、かように考えております。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 大よそその金額はどのくらい見込める見込みでいらっしゃいますか。

石橋湛山自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 御承知のように三十年度においては一応砂糖等の過剰の国庫の収入七十億円とたしか予定をしておりました。三十一年度はどれだけになるかは輸入量あるいはそのときの相場等の関係によりますからなおわかりませんが、三十年度は大体七十億円の国庫の収入を見込んでおった。それが基準になっております。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 砂糖以外はどうです。

石橋湛山自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 七十億円が砂糖以外も入れて、バナナ、パイナップルも入れてです。いわゆる時計などはまだ入れておりません。これはこういうこまかいものも技術的に入れ得れば一つ入れようとは考えておりますけれども、三十年度においてはまだ入れておらない、予算には。しかし、これは金額からいえば幾らでもあるまいと思います。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 さっきのお話の中に、今年度の分に対しては寄付の形でも入れてもらうというお話もあったんでありますが、私は何だかそういうことが非常におかしいので、法律のままに動いてやっていったことで利益が出た、そのことに対して寄付をさせられるというようなことでおもしろくないのです。ですから、これは一体法律を作らないのが悪いのです。今までのように、自民が分れておってなかなか話がつかぬという場合は、これはやむを得なかったんですけれども、今日のように強力な政党になられたんですから、一日も一刻も早くこういうものはなさることが国民全部にこたえるゆえんだと、こう私は考えるのでありますので、重ねてその点を要望いたしまして、その点に関する質疑は打ち切ります。  それからこれは必ずしも通産大臣をわずらわさぬでもよろしいのですが、公共中業局長さんがおいでになったらそれでもけっこうでございますが、全国に電休日というのがあるのですね。東京は工場以外にはないのです。ところが、東北、北陸等になりますると、もう毎年でございまするが、十一月から毎日雨が降っている、二時半から三時になるとまっ暗です。そこで、月に二回電休日をやられると照明の方法がないのですね。のみならず、ふだんでも一体暗いのでありますから、電気のこない日は実際仕事ができぬと、こういうような非常に困った状態にもう過去十年きている。当時は電力会社の電源というものが豊富にございませんからやむを鮮ない、しょうがない。電気の発電所の掃除をするとか、電線の若干の修理をするために休むといえばしょうがないとあきらめておったのです。今日はおかげをもちまして電力も相当豊富になったと同時に電源というものがたくさん入る。方々から入るようになったんだから、それであるのに東京だけはないのですが、東京以外のところはおそらく全国そうじゃないかと思うのでありまするが、いまだに電灯をとめている。月のうち二回なら二回、こういうことはきわめて不都合で、民生の安定上遺憾に考えております。これは技術的にできないのかどうか、こういう点は一つ通産大臣からよく各地方の電力会社にお話合いを下さいまして、そういうことはなくしてもらいたい。東京のもし郊外電車が月のうち二回とまるというと、これは大へんなんです。東京ならそういうことについて非常にやかましく言うのだ。ところが、いなかになるとそういうことは平気でもってやっているのですね。こういう不都合な行為は私は一日も早く除去すべきもんだと思うのでありますが、もし事業局でおわかりであればそのてんまつをお知らせ願いたいし、また大臣としてはこういうことについて一つ善処していただきたい。こういう小さいことからやはり少しでも国民の幸福を招来するようなことをしてやるのが政治だと思うのです。どうぞ一つこれに対して……。

石橋湛山自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 供給規程の中に月二回までは工事などのために休んでも、必要があれば休んでもよろしいという規定はあるのでありますが、しかし、以前あったように、もう一定の何日の第何々曜日には必ず休電というようなことは今は行わせていないはずであります。ですから、まだ新潟県などでもってそういうことをやっているとすれば、それは実はむしろ案外なんでありますが、さっそく調べまして、そういう事実がありますれば通産省の方から各電力会社に厳重にそういうことをやらないように申し渡すつもりであります。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 今新潟県ではとおっしゃったんですが、これは東北全部なんです。それから北陸もどうだといって聞いてみたんです。北陸もそうなんです。平気でもって月二回は休むのですね。これは非常に今までの独占のあれにのったまま、ちっとも電力会社は反省しておらぬのですね。そういうことを当りまえだと思っている。こういうことは一日も早く一つ直さなければならぬのですから、どうか大臣がもしそういうことがなかったはずだという考えであったら、よく一つ厳重にやってもらいたい、こういう希望を申し上げます。  次に、時間もありませんが、大蔵大臣にお伺いしたいのでありまするが、今度の予算補正は、私は大体において御趣旨はけっこうだと思うのです。というのは、地方財政の窮迫の私は根本の原因は、公共事業をやる、その負担と地方がやはりしなければならぬ、できるだけ公共事業というものはよけい地方ではやりたい、こういうような問題が重なってきて、地方財政というものは非常に悪くなってきている。むろん、そのほかに人件費の問題であるとか、問題はありますよ。ありますが、そういう問題が非常に多いのでありますが、今度は交付税に見合うものを若干お考えになって、公共事業費を削減された。これは実質の削減になるか、ただ繰り延べだという御説明の通りになるかしりません。しりませんが、私はこの趣旨が地方財政を救う道になるのじゃないか。というのは、できるだけ地方が自分の危険を自分の計算において、自分の責任において有効的に金を使う、こういうことになりますれば、私は在来の工事というものが、あるいは三分の二で済むとか、あるいは二割節約ができるというようなことがあり得ると思う。大きな国全体の財政支出の上からいくというと、まあ減額ができると、こういうふうに私は考える。こういう意味で大蔵大臣が、自治庁とも関係がございますが、そういうような考え方で交付税をふやしてもいい、若干ふやしてもいい、しかし公共事業費というものは削るのだ、こういうようなあなただけが、一人で閣議でがんばっておられるかしりませんが、私は大いに声援したいと思う。そういうつもりで一つ地方財政というものを立て直さなかったならば、悔を千載に残すことになると思うのであります。こういう点について大蔵大臣のあえて強い御所信を伺いたい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) まことにありがたいお言葉で感謝いたしますが、要するに、今日の地方財政におきまして、まず何としても歳出を圧縮するということが、私はやはりこの基本線である。これをむろん圧縮と申しましても、妥当な、適正なものにする意味でありまするが、その上でそうあって財政の方を考える、こういうふうにもつていかなくては立て直しが困難である。この線を貫いていきたいと思っているわけであります。どうぞよろしくお願い申し上げます。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 ちょっと最後に私は毎回申し上げることでございますが、日本のこの直接税というものが非常に高い。負担にたえられないほど高い。ことに勤労者の所得税に対しては、最近において御考慮があるかのように聞いておるのでありまするが、非常に高いのですね。これはもう物価を下げるとかいうことについては、絶対に見込みがないのです。こういう状態では。でありまするので、私はまあこれは一つ一萬田大蔵大臣がいつまで大蔵大臣をおやりになっているか、あるいは総理大臣におなりになるか、それは知りませんよ、知りませんが、一つあなたの在職中に、少くも、この勤労所得税あるいは直接税を一つ半分ぐらいに減らす政治をおやりにならなければいかぬと思うのですが、ぜひ一つそういう希望を、私は申し述べて、そういうことについてお進みになっているかいないか、こういう点を一つ私はお聞きしたい。詳しい材料を申し述べたいのですけれども時間がありませんから残念ながら申しませんけれども、要するに非常に面接税、所得税が高いのです。ことに勤労所得に対しては戦前と戦後というものをお考えになったらわかるのです。これではなかなか民生の安定もできないし、勤労者も楽にならない、でありまするから、世の中は騒然としてうるさい問題がしょっちゅう起っております。これはどうしてもあなたの御在職中にぜひ一つ半分に減ずるという大雄を掲げてお進めいただきたいと思うのですが、いかがですか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 私も全く同感であります。しばしば申し上げました通り、今日、やはり日本の税制が直接税に重さが片寄っておる。またそのうちでも給与所得、これがやはり負担が重いと私も考えております。今後税制の改正等におきましては、まず給与所得の軽減を取り上げていきたいと考えます。ただお説のようにこれを半減するというようなことは、これは実際上困難と思いまするが、考え方は今申し上げた通りであります。

木村守江自由民主党

○木村守江君 私は自治庁長官にまずお尋ね申しますが、地方財政の赤字が非常に膨大な数字を示しておると言われておるのでありまするが、政府の計算によって真に赤字とみなされるところの金額は一体どの程度であるか、長官の御答弁願いたい。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) それでは大臣が間もなく参りますが、政務次官がおりますから……。

早川崇自由民主党自治政務次官

○政府委員(早川崇君) かわって……。  給与費を除きましては、先般地方制度調査会の答申によりますと、約二百億円という数字が昭和三十年度において出て参ります。従って今回の特別措置法案によりまして、そのうち百八十八億円という財源措置をいたしたわけでございます。そのほか給与の問題が未解決でございます。この点は最近給与費の実態調査の結果が出て参りまして、それによりますと、国家公務員に比べまして、地方公務員は月大体三十円程度高いのでありまするが、財政計画の基準になっておりまする俸給額よりは百七十円だったと思いまするが、かなり大幅に高くなっております。国家公務員の場合でもそれだけ不足しております。この分が地方の赤字ということになっておりまするから、約四百数十億円という数字が出ておるわけでございます。

木村守江自由民主党

○木村守江君 ただいま自治庁政務次官から答弁がありましたが、大蔵大臣はこれを認められますか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 今回地方財政三十年度の赤字、この財政の窮迫に対しまして、ただいま話がありましたように、交付税の三%に当る百八十八億の財源措置をとったのでありますが、私はこれで三十年度の地方財政の赤字、窮迫は打開できると、かように考えておるわけであります。

木村守江自由民主党

○木村守江君 ただいま両大臣から答弁がありましたが、給与費を除いた地方財政の赤字、これを解決すれば地方財政の赤字が解消できるというような考え方は、これは地方財政の実際を知らないものだと言わなければいけないと思うのであります。地方財政の大きな負担が、その大部分が給与費であるということを考えたときに、この給与費を除いた赤字の解消ができれば、それで地方財政の赤字が解消できたというような解釈には私はどうしても承服できません。その問題について御意見を伺うと同時に、今川御承知のように地方財政に関する特別措置によりまして、百六十億円が地方財政をまかなうようになったのですが、この百六十億円によって地方財政が一体どうなるというような考えであるのか。これによって地方財政の赤字が累増してくるのか、あるいは単年度の赤字は出ないというような考え方であるか、御説明を願いたい。

太田正孝自由民主党自治庁長官

○国務大臣(太田正孝君) 木村さんにお答えいたします。  少しおくれて参りまして失礼いたしました。今政務次官も大蔵大臣も言われたことと思いますが、今回の措置というのは結局赤字を食いとめると申しますか、防止する程度でございます。これで全部云々というわけじゃございません。初め地方制度調査会の答申は二百億でありましたが、答申の中にもこれは大まかに見たので再検討してくれというので、その点をよく再検討しつつ、一方に大蔵大臣のいわゆる財政の状況と考えまして、ことに健全財政主義とあわせて、まあこの百八十八億に当る程度のもので赤字を防いでいくとこういう考え方でございました。  今、第二の御質問だったと思いますが、どんなふうに百六十億を配分するかと、こういう問題でございますが、これは名前を臨時地方財政特別交付金といたしまして、交付税の例により配分することにするつもりでございます。交付税の例によりとございます意味は、本年度限りでございまして、従来の交付税の単位費用、それを増額して算定がえをいたすのでございます。どんな点を画したか。どんな点を単位費用として増額するかと申し上げますと、主として土木費、失業対策費、農林水産などの産業関係の投資費用を増すことにいたしたのでございます。消費的方面の方は府県の恩給に関する分の足らないところをふやしていきたい。消費的分にはほんの少ししか入れていかない考えでございます。

木村守江自由民主党

○木村守江君 ただいま自治庁長の答弁によりますと、本年度の百八十八億は赤字の防止程度だというような答弁でありましたが、先ほど大蔵大臣の答弁によりますと、これと相当食い違ったような答弁でありまするが、大蔵大臣も自治庁長官と同じような考え方で百八十八億を計上いたしたのかどうか、重ねてお尋ねいたしたい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 私はこの百八十八億の財源を地方財政に充てることによりまして、三十年度の地方財政の今日の窮迫は打開がしていける、かように申し上げたわけであります。自治庁長官の答弁と違うところはないように思います。

木村守江自由民主党

○木村守江君 どうもあまりはっきりしませんが、時間の関係で進めます。  次に年末手当の増額に要する財源でありまするが、これは一体どう考えておるか。百六十億のいわゆる特別処置によっては考えられていないようでありまするが、一体これに入っておるのかいないのか。

太田正孝自由民主党自治庁長官

○国務大臣(太田正孝君) 百六十億円の中には入っておりませんでございます。

木村守江自由民主党

○木村守江君 そうすると年末手当の増額分については、地方においても節約であるというような考え方であるだろうと思うのですが、政府の財源からはあるいは節約できるかもしれませんが、初めから赤字である地方財政に節約の余地があると考えておるかどうか。またこれはいろいろ毎日のように論議になっておりまするが、そういうような方法が財政法上違反だというような考え方も論議されておりまするが、一体どういうふうな考え方でこれを捻出されるか。

太田正孝自由民主党自治庁長官

○国務大臣(太田正孝君) 年末手当の問題につきましては、すでに御承知のことと存じ上げますが、人事院の勧告をいれまして増額すると、この問題が国家公務員に対してとられる、すべてがこう右へならえの方式で私は考えております。無論自治体に対してこっちが命令するということはできませんので、地方自治体として同様な措置に出られることを期待いたすにすぎません。これをどうやって作っていくかということも、これもまた右へならえでございまして、国の方であるいは予算のやりくり、節約等によりまして生み出していく、地方の方においてもその方式をとっていってもらいたい、ただし金ぐりの点で困った場合におきましては、短期融資をしていく、この三段の方式でやっていくつもりでございます。地方に赤字の出ている今日、そんな余地はないのじゃないかというお言葉でございます。現在の特別措置を今度とるにいたしましても、お聞き及びでもございましょうが、昨年から相当の節約をしております。世間で地方財政は少し放漫だということがありますが、なかなか聞いてみますると相当思い切った節約をしております。三十年度の赤字につきましてもこの方針を続けていかなければ三十年度の百八十八億というものもうまくいかないわけでございます。で、どんな程度にいけるかというと、この点もまだ三十年度の現に行なっている節約の点はわかりませんが、やはり国へ右へならえという意味で、できるだけの節約をする、人件費で、さらに足らぬ場合は物件費、庁費にも及び、これまた右へならへでやっていく方式でやっていきたいと思っております。どれだけのものがどう出るかということは、今のところわかりませんが、私どもの期待といたしましては、できるだけの節約をしていただきたい、こう考えております。

木村守江自由民主党

○木村守江君 ただいまの説明によりますと、国はこの地方財政の処置を行う手段をとったのは、〇・二五の期末手当の増額を考えた前にこれは決定した問題だと思うのです。それが百八十八億で間に合う、大体防止策ができると言われたならば、なぜそのときに一体その地方の財政の節約によって、今度が〇・二五の経費七十億です、それが浮いてくるとしたならば、それをなぜ節約によって補って、いわゆる百十八億ですかにしなかったか、そういうような節約できるものをうっちゃっておいて、そうして財源のないところから百八十八億を捻出する、そして捻出した上にまだ七十億くらいの節約ができるのだというような考え方は、私は終始一貫していないと思うのですが、これに対してどういうようなお考えですか。

太田正孝自由民主党自治庁長官

○国務大臣(太田正孝君) ただいま申し上げました通り、初め三十年度の計画を立てますときにおきましては、節約をしつつこれが出る、やってもらわなければならぬ、こう考えておりまして、その後に人質院の勧告でこれをいれるようになりましたが、閣議におきましても国の方とそろえてやっていこう、現在の節約の程度というものははっきりまだつかめませんでございますけれども、やってもらわなければならぬという方針はきまっているわけでございます。そのときに、これだけの額が節約できて、これだけの額がという意味においては計画を立てたわけではございません。

木村守江自由民主党

○木村守江君 どうもこの答弁もあまりはっきりしていないように思いますが、私は節約のできない地方団体の〇・二五の捻出は不能だというようなところから、先般衆議院の地方行政委員会で付帯決議が行われたと思うのです。この付帯決議の趣旨を一体どうして実現していくつもりであるか。特にこの問題につきまして大蔵大臣に所信をお尋ねいたしたいと思う。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) この付帯決議につきましては今後十分検討をいたしまして、あの趣旨に沿うように努力をいたして参りたいと思います。

太田正孝自由民主党自治庁長官

○国務大臣(太田正孝君) 私も同様でございまして、私の立場としては極力次の通常国会におきまして結末をつけていきたい、措置していきたい、それに努力をいたしたいと思います。

木村守江自由民主党

○木村守江君 今回政府のとった措置には地方財政計画上の給与費の措置が含まれていないようでありまするが、府県の職員の給与実態は先に判明しておりまして、市町村の実態調査の結果はつい先だって判明したはずでありますが、いつ一体これを用いていくつもりか。給与費の算定の錯誤の問題は、地方財政の中心問題であると私は考えております。これに対する措置を含まないような財政措置では、私は今年度もやはり赤字が累積していくというように考えざるを得ないと思うが、一体どういう考えを持っているのか、両大臣の御答弁を願います。

太田正孝自由民主党自治庁長官

○国務大臣(太田正孝君) すでに発表いたしました通り、実態調査の結果は、どう申しますか、たとえば五大都市が非常に多かったけれども市町村は少かった。教員の関係はすこし多かった、こういうような事実が現われて参りました。現在行われている給与費とそれから財政計画上にある数字と、国家公務員の標準はどうなるかというとこの三つが標的になるのでございます。お言葉通り給与問題が一番中心問題でございます。結局現在給与されているものと財政計画上の数字と比べてみますと、百九十億円くらい違うかと思います。国家公務員の現状の額と財政計画と比べると百六十億円ぐらいになると思います。これらの措置はもちろん三十一年度の基本的方策をきめるときに処理しなければならぬと思います。今回はこれは触れておりません。

安井謙自由民主党

○安井謙君 さっきの木村君の質問に関連しまして一言伺いたいのですが、例の〇・二五を地方が支給しなければならぬ場合には、節約はやれるだけやれ、しかし足らない場合の短期融資の措置をとられるというお話ですが、これは年内に全部を片づけられるつもりですかどうですか。たとえば幾百幾千ある公共団体に、一々年末にこの措置ができるとも思えない。そこでさしあたっては節約以外の流用財源のようなものも認めて措置をしておいて、いわゆる短期融資というものは来年の一月以降に入ってもその措置を財政当局は認めるという行き方でお考えになっているのか、それとも全部そういった短期融資の措置は、折衝をやって、年内にすべて片づけてしまう、こういう手はずになっておるのか、その点伺いたい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 短期融資になっておりますので、一応はやはり年度末にはこれを決済をしなくちゃならぬと思っております。ただしかし実情に応じまして考えていきたいと思っております。

安井謙自由民主党

○安井謙君 その短期融資の結末の問題でなくて、短期融資をする措置ですね。する措置は、一体この十二月中にすべての公共団体に手配を終るというお考えですか。こいつは私は技術上は非常に困難な問題だと思うのですが。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) これは年末の手当を出すためでありますから、これに間に合うようにやって参りたいと考えております。

木村守江自由民主党

○木村守江君 今回いろいろな工夫の結果、百六十億円の財源措置をして地方財政の赤字を救うというようなことについては、その努力に対しては私たちは敬意を表せざるを得ませんが、このような状況を繰り返していたのでは、私は決して地方財政の健全化を来たし、国家財政の確立もできないと私は考えておりますが、政府は一体地方財政の立て直しにつきましてどんな根本的な構想を持っておるか、これを承わりたい。

太田正孝自由民主党自治庁長官

○国務大臣(太田正孝君) 御指摘の通り、国の財政とも関連いたしまして地方財政を健全化するということは、非常に大きな問題でありまして、すでに大蔵大臣も言われた通り、明年度における予算の際にこれをやって参りたい。どういう方法でいくか、地方制度調査会の御答申もありましたので、これを尊重していきますが、私の見たところによれば、結局財源以上の行政が行われているのではないか、これをつり合わすようにしなけりゃいかぬではないか。結局そうするにつきましては、根本問題として先ほど御指摘になりました給与の問題にどうしても取り組まなければならない。あるいは公債費の問題、これも利子の問題もありますし、今庄でふえてきた問題も考えなけりゃならぬ。二十九年度までのものは別の御審議を願っておる。再建債で一応片づけるといたしましても、公債費の問題はどうしても考えなけりゃならぬ。それから制度を、国と地方を通じまして、合理化する方向を取る。これはまた言うまでもないことでございます。大きな問題は補助金の問題でありますが、これも地方側からいえば押しつけられたというようなこともありますけれども、国と地方を通じまして補助制度というものをもっと合理化していかなけりゃならぬ。まあこんな四つばかりの点を考えておりますが、しかも財源といたしまして非常に弾力性が乏しいのでございますが、これが地方税の現状でございますので、地方税全般にわたりまして検討を加え、いろいろ地方制度調再会及び臨時税制調査会の御答申もありますので、何とかして地方税の弾力性を置くようにしたい、これが基本的の私どもの今日の考え方でございます。

木村守江自由民主党

○木村守江君 今回地方財政の赤字の対策といたしまして、公共事業費からその節約によって八十八億を捻出されたようでありますが、これについては先般来災害復旧事業はこれを除外するというような御説明であったようでありまするが、さよう考えて差しつかえありませんか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) さようでございます。

木村守江自由民主党

○木村守江君 それではこのことによって、たとえば食糧増産費、あるいは建設省関係の緊急な事業に対して支障を来たすことは絶対にないと了承してよろしゅうございますか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 災害対策に関する限りにおいてはありません。

木村守江自由民主党

○木村守江君 次に大蔵大臣にお伺いしますが、時間の関係で……、御承知のように先般来在外資産の問題について非常な院外の運動が行われておりまするが、われわれは先国会において、故国を離れて苦労と辛酸との結果、海外に幾多の資産を築き上げたものが、敗戦によって水泡に帰した、これに対する国家補償を考えなければいけないというような決議案を全会一致でいたしたのでありまするが、これに対して大蔵大臣はどのような具体策を持っておられますか、御説明願いたい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 在外資産の処理につきまして、六月の国会で衆参両院の決議もありました。従来この処理は非常に複雑多岐でありまして、困難なる問題ではありまするが、きわめて重要でもあります。そこで法律に基きまして審議会を設けてここで検討を願って、決議がありましたにつきましては、さっそく決議の趣旨をこの審議会に通じて、この線に沿うて御審議を願っておるわけでありますが、何さま事が大きいので、今日までまだ結論に達しておりません。なお今後いろいろな情勢も大きく変化すると思います。党とも十分相談いたしまして善処いたしたいと考えております。

木村守江自由民主党

○木村守江君 次に土地開放の問題でありまするが、この農村民主化と農業生産の増強というような目的をもって遂行されました農地改革は、何といっても占領政策の一環として私は一方的に旧地主の犠牲によって行われたということを申し上げても過言ではないと思います。これに対して政府は一体国情の安定に伴って、何らかの方途を講じて、開放農地に対する国家補償を考えてやらなければいけないと考えておりまするが、どういうふうに考えておられますか。私は世界の民主主義国の土地開放の姿を見ましても、ソ連、中共においてはわかりませんが、いずれの国においても日本のような方法をもって土地を強奪するがごとき姿をもって開放した所はないと思います。農地開放の問題で最も有名な国は世界でフィンランドがその一例であると思いまするが、このフィンランドにおいて土地を開放した、第一次開放したのはいわゆる国であって、それから市町村自治体、あるいは教会、私設会社、次に荒廃地主なっておりまするが、日本はこれと相当違っておりまするが、その上フィンランドにおいてはこれによって無数の自作農を作り得ましたところのその農地を開放した地主に対しては、その当時の物価水準で土地の代価を支払われております。この例をもってしましても、私はこのまま放置すべきではないと考えておりまするが、大蔵大臣はどういうふうに考えておられますか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 御質疑の点につきましてはいろいろと意見もあろうかと存ずるのでありまするが、しかし政府といたしましては当時の価格は、当時といたしまして妥当なものであると考えておるわけでありまして、従いまして今日これに対して補償をいたすという考えは持っておりません。

木村守江自由民主党

○木村守江君 ただいま大蔵大臣は当時の価格としては妥当なものであったと言われておりますが、どういう論点からそれが妥当であったと言われるのですか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) これにつきましては訴訟もあったように存ずるのでありまして、最高裁判所の判例も妥当と判決しておるように私記憶いたしております。

木村守江自由民主党

○木村守江君 この問題にについては見解の相違があると思うのですが、これは大蔵大臣の再考を願いたい。今の答弁は私は了承できない。  次に厚生大臣にお尋ね申し上げますが、法律第百四十五号で奇形児のような医薬分業案ができましたが、この法律を施行するために現行医療費体系でやっていけるかどうかまずお伺いいたしたい。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) 医薬分業を実施するに当りましては、法の趣旨にのっとりまして医師は患者を診察したときには処方箋を交付するようにいたし、また薬剤師は処方箋に基きまして調剤することを建前とするように十分に指導するつもりでございまするが、何分にもわが国の長年の慣習もありまするとともに、法律には処方箋発行の除外例も詳細に例記されておりまするので、これらの点につきましては医薬分業が十分に円滑に行われるようにいたしたいと思うんでありますが、なお医薬分業を行う上におきましても、いよいよ四月一日からやるということにいたしますと、これが趣旨徹底を十分に民間あるいは専門家にも明らかにする必要がございまするし、すでに厚生省におきましては、ことしの八月十五日から九月の十五日までの一カ月間広報月間といたしまして趣旨徹底をいたしたのでありますが、なおこの趣旨徹底につきましては四月一日を前に控えまして、来年の二月中にさらに十分にこれの趣旨徹底をいたしたいと思っております。

木村守江自由民主党

○木村守江君 聞くところによりますれば、厚生省は法律第百四十五号の実施に当りまして、現行医療費体系ではやっていけないので、こうしても新医療費体系を作らなければいけないというような考え方であられまするが、この新医療費体系というものは、一体どういうような予算を根幹として作られるのかお伺いいたしたい。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) いよいよ四月一日からして医薬分業が行われるのでありますが、従来で参りますと、医者の技術というものはいわゆる薬品というものとが混淆されて計算してありますが、いよいよ医と薬とこれが別々になりますためには、技術という問題と物という問題を分けて考えなくちゃならんと思います。従いまして、そういうことから考えましたいわゆる点数表というものを新たに作る必要があるのであります。目下厚生省におきましてはこの点数表を慎重に検討中でございます。

木村守江自由民主党

○木村守江君 法律第百四十五号を実施するに当りましては、御承知のように医者は処方箋を出して、これを薬剤師からもらうことになりまするが、その新医療費体系における処方箋の料金は、一体どれくらいに計算する考えでありますか。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) ただいまお聞きの処方箋につきましては、一応これは診察費の中に含めてやりたいと思っております。

木村守江自由民主党

○木村守江君 そういうような処方箋料の考え方では、私は処方箋を出さないような医薬分業になると思うんですが、処方箋を出さないような医薬分業というものは、私は全くその医薬分業の本旨にもとるものであって、百四十五号の法律が無用になってくるというように考えられますが、いかがでございますか。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) 専門家であります木村委員の御質問もありまするし、これを今お説のように処方箋というものを診察料から分けた場合にどうするかという問題も、これも考えなくちゃならん問題であります。そういうふうな問題につきまして、もし分けた場合にはどうするか、句点につけるかというようなこともあわせてこれから十分に検討いたします。そういうふうに全般の問題に対して慎重を期したいと考えております。

木村守江自由民主党

○木村守江君 よくわかりましたが、私はこの法律第百四十五号を施行するに当りましては、現在の保険経済が破綻に瀕するのじゃないかということが心配されまするが、大臣はいかが考えますか。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) ただいまの御質問でございますが、私は従来の技術と物とをわけて、新しい点数を作ります場合におきましても、従来の場合と比べまして、たとえば医療費のトータルという問題につきましても、縦から見ましても横から見ましても、うしろから見ましても表から見ましても、その作業の結果同じになるように十分に作業をいたしまして、そうして万遺憾ないようにいたしたいと存じております。

木村守江自由民主党

○木村守江君 大臣、そこのところが問題なんですが、一体現在の医療費のワク内で新医療費体系を作ろうと思うのか。それとも現在の医療費よりもワク外で、減少したもので新医療費体系を作るのか。聞くところによりますると、保険経済の赤字補てんのために、現在の医療費の二割減ぐらいの予算で新医療費体系を作るというようなことになりましたならば、これは医薬分業法案によりまして、一方においては被保険者に過重な負担を負わせ、一方においては医療担当者である保険医は非常な犠牲をこうむる。これによらなければこの法案の実施はできないということになると思うのでありまして、この点をとくと考えられまして、あまり厚生省の役人の連中にごまかされないようにして、私はやってもらわなくちゃいけないと思うのであります。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) 木村委員の御心配の点につきましては、十分に私は承知いたしましております。私は新任早々に考えましたことは、ただいま考えられておりますところの健康保険の赤字対策という問題、しかしこの新医療費体系というものは、あくまでも健康保険の赤字対策とは全然別個の問題であります。先ほど私が申し上げましたように、あらゆる観点からこれを検討いたしまして、そういうふうに全然関連のないことでやっていきたいと思っております。

木村守江自由民主党

○木村守江君 ただいまの大臣からの御答弁で大へんに満足しましたが、どうぞその通りにやってもらいたいと思います。  それから次にお尋ねするのは、たとえば鉄道病院とかあるいは電電公社の病院、あるいは警察病院というような病院がありまするが、これらは相当な赤字を出しております。この赤字を補てんしておりまするが、この補てんというものは間接的には国民の負担です。こういうような特殊の少数の人を加入しておる病院に対しては、赤字の補てんを国民の犠牲にしておきながら、実は保険に対する国庫の補助が一割において限定されておる。しかも赤字が累積しておるというような格好を、ただいま申しましたような、一方においては被保険者の犠牲において、一方においては保険医の犠牲においてやらなければいけないというような考え方は、片手落ちな考え方であると私は申し上げなければいけないと思うのでございますが、どうでございますか。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) ただいまの御質問のような問題もあるやに開いております。しかしこの問題は各省とのいろいろの折衝ということもございまするからして、今後十分に検討してみたいと考えております。

木村守江自由民主党

○木村守江君 私はこの際大臣が就任されましたのを契機といたしまして、やはり一般国民健康保険と同様に国家の補助が二割になるようにすべきだ、これによってはじめて私は新医療費体系の、これはだれも承認でき得るような形態ができるんだと考えております。どうぞその方向において御努力を願いたいと思います。  それから大臣にお願いしたいことは、何といっても日本の最も大きな問題は人口問題だと思います。この人口増加の問題につきまして、これは今日までいろいろな方法をとって参られましたようでありまするが、依然としてあまりきき目がない、依然として一年に百万人以上の人口の増加があるというような状態でありますので、これは厚生大臣としてこの問題と大きく取り組まれると思うんですが、これに対してなおこれからどういうような政策をもっていかれますか、お聞かせを願いたいと思います。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) 御質問のようにきわめて狭小な国家の土地に毎年毎年百が人づつも増加するような今後のことを考えまして、十年後には一億万人になるんじゃないかというようにいわれております。人口問題、これは国家全体の大きな問題でございます。人口問題の解決ということは一厚生省の問題でございませんで、あるいは土地という問題につきましても考えなくちゃならぬ問題でありますが、とりあえず厚生省といたしましてやらなければならない問題がございます。それは人口問題審議会等の大臣の諮問機関等の会合におきましても、たびたび決議されている問題でありますが、まず第一番目に私は家族計画というものの推進が必要であると思います。この家族計画ということは、合理主義の上に立ちまして国民一人々々がその能力に応じまして、たとえば経済的の能力、あるいは母体自身の能力、その一人々々の能力に応じまして健全な家庭を作るということでありまして、主といたしまして個人の福祉、家庭の福祉をはかる一という観点に立つことでありまするが、現在行われておりまするところの受胎調節というものは、こういうような今私が申し上げましたような理論のもとに推進を、しているのでありますが、しかしながら御承知のように人口がだんだんとふえて参る、この受胎調節の普及をはかるということは、基本的には個人の福祉の向上をはかることになりまするけれども、一方から考えますと、国家の立場からみますれば、人口問題の解決の一つの大きな手段としてきわめて必要な問題だろうと思っているのでありまして、そこで厚生省ではこの問題を取り上げまして積極的にいたしたいと、まず昭和二十七年以来保健所に併設しておりまするところの優生保護相談所、これに国庫補助金を交付いたしまして、事業の助成をはかって参ったのであります。昭和三十年度の補助金といたしましては、わずかでありますけれども約二千七百万円、今後も相当額の国庫補助金を交付いたしまして、この相談事業の強化をはかって参りたいと思っておるのであります。ことにこの受胎調節の普及に当りまして非常に必要なことは、実地の指導ということであります。そこで今全国の動員されておりまするところの助産婦、保健婦、看護婦というものは、木村さんも専門家であられまするから御承知のように、約十八万人と算定しておりまするが、このうちで受胎調節の実地指導に当り得るものと指定したものは約三万人ございます。で、今後この助産婦だけでも約五万人おりますからして、これに適当な講習を与えるということになりますれば五万人は確保できる。このうちからさらに確保いたしまして三万人のほかに二万人くらいは増加できると期待をいたしておるのでありますが、さらに昭和三十年度におきましては、生活困窮者に対しまして無償でこの指導を行いまして、そうしてコンドームでありますとか、あるいはゼリーでありますとか、あるいは錠剤等器具もしくは薬品を無償でまたは半額で提供するために、約三千二百数十万円を計上いたしております。で、国民のだれもが受胎調節をか行うということにできますならば、非常に効果が見られるように期待をいたしておるのであります。  で、厚生省といたしましては、昨年行いました受胎調節の普及度の調査によりますると、全国の十五歳から四十九歳、この生殖年令層にある夫婦のうちで、約三三%の人々が受胎調節を行なっていると推定されておるのでありまして、戦前はこれが約三三%であったのでありまして、相当普及されたと見ておるのであります。昭和三十一年度におきましては、現在の約九千万人の人口のうちで、受胎調節を必要とするものが約一千万人と推定いたしておるのでありますが、先ほど申し上げましたように三三%の人々がすでに済んでおりまして、これが約四百五十万人と推定いたしますると、残りの五百五十万人に対して三十一年度は受胎調節を普及いたしたい、こういうように考えておるのであります。この問題が私は今後人口問題の一つの方法として非常に重要な問題だと考えております。

木村守江自由民主党

○木村守江君 いろいろ遠大な計画を聞かしてもらいましてありがとうございました。それについて一再これはお願いしておくことですが、この受胎調節の実地指導員ですが、ただいま十八万人の全国の助産婦のうち、まあ三万人が有資格者だというようなことを言われたようでありますが、ややもすれば厚生省の方針というものが、これは保健所にいる、いわゆる自分たちが使っておる役人というようなものが、受胎調節の実地指導の適格者だというような考え方を持っておられると思うのですが、これは大きな間違いだと思うのです。受胎調節の最も必要なものは、これは貧民階級でありまして、そういうような点からいいますと、全くそのいわゆる裏町の長屋の方にしょっちゅう足を突っ込んでおるところの、開業しておる助産婦が指導しなければだめなのでありまして、そういう人たちは決して保健所へ行っていわゆる受胎調節の相談などはいたしません。そういう関係で私は非常に間違いがあると思うのでありますから、どうぞ今まで考えておった役人の一方的な間違った考え、役人でなければだめなんだというような考え方を捨てられまして、一般の助産婦にこの資格を与えられまして所期の目的を達せられるよう要望いたしておきます。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) ただいまの木村さんの御説のように、今後保健婦のみでなしに、在野におきまする助産婦等に嘱託いたしまして、十分にこの方面を活用して参りたいと思っております。

木村守江自由民主党

○木村守江君 次に文部大臣にちょっとお伺いしますが、六三制の義務教育は、アメリカの占領政策の一環として日本に実施されたことは、今さら言うまでもありませんが、苦しい中にも義務教育を三年延長し得たということは、まことに日本の教育のために慶賀することだと私は考えております。ところがややもすれば終戦後の日本の義務教育が三年延長されましても、何か現在の六三制の義務教育には間が抜けたような、魂が入らないような点があるんじゃないかというようなことが論議されまして、この結果ややもすれば六三制そのものが何か悪いんじゃないかというような批判を受けるようになって参りましたことは、まことに残念なことだと私は考えております。そういう点から私はいろいろ考えて参りましたが、一体六三制の義務教育そのものは、私は最近アメリカへ行って参りまして、アメリカの経済力とアメリカの社会組織の上においては、六三制の義務教育の教課内容そのものでよかったのではないかと思われまするが、日本の経済力と日本の社会組織の上においては、そのまま六三制の教課内容を取り入れたのでは、私は何としても間が抜けたような、魂の抜けたような結果になるんではないかと考えて参ったのであります。経済的の問題につきましては、貧乏は貧乏なりに教育ができましょうが、何といっても日本の社会組織がアメリカの社会組織と比べましたときに、アメリカには教会がありまして、学校に入らない前から人倫の道を教え、宗教心を涵養する機会がありまするが、こういうような人倫の道を学び、宗教心の涵養をされた上に六三制の教課内容を積み重ねて、それで初めて人間として役立つ教育ができて参るのだと私は考えております。ところが日本においては、不幸にしてそういうような社会組織がありません。人倫の道を教える、宗教心を涵養する機会がありません。それにいきなり六三制の教課内容そのままを押し込んでいったのでは、私は人間として必要な、社会人として必要な教育ができないんじゃないか。ここに私は六三制の義務教育が世間から物足りないような、魂の抜けたような、ややもすれば人間として必ずしもこれは必要でないというような結果を再現しているんじゃないかと考えられまするが、文部大臣はいかがお考えでございましょうか。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) ただいま御指摘のことは実際に即しごもっともな御意見でありまして、私もほぼ同様な観察をいたしております。一体これはどこから来たんだろうか、それを一つ考えなきゃならぬと思っておりますが、戦後の教育は、人間性を内面から啓発することと、批判力をつけることと、こういうことが理想でいっているんです。その理想それ自身は、昔の徳目を掲げまして、それに一々訓話をつけてこれを諸説さすといったことよりも、理想としては参っているんです。ところが人間性の啓発、批判力の養成というのも児童の年令、性癖とぴたっと合うて初めていけるのでありますが、これは大へん違うものがありはしないか。それからして今御指摘の道徳の問題ですが、とりあえず英米ではキリスト教というものがあって、あの教義のバイブルはごく簡単ではありますが、盗むなかれ、殺すなかれという道徳があるのです。わが国においても道徳の基準はあったのでありまするが、昭和二十年十二月に道徳と地理とともかくもやめろ、そうしてこれをやめてしまった。けれどもおそらくはやめても個人に道徳性を教えることとを禁じたのじゃないと思いますけれども、そのヴァキュームを満たすだけの十分な工夫ができませんので、近時私の前任者、前々任者すなわち安藤君なり松村君、ああいうお人柄で非常に考えられて、やはり小学、中学及び高等学校の課程に道徳文書を入れることに御努力なすっております。これは小、中学では本年の四月から、高等学校では来年の四月から実行されるのでありますが、幾分の効を奏すであろうと思いますけれども、もう少し十分に力を入れなければならぬと私自身は考えておるのでございます。いい工夫がございますれば、どうか議場内、議場外において一つお教えを賜わりたいと思っております。

木村守江自由民主党

○木村守江君 なお文部大臣にお尋ねしますが、先般高知県の知事選挙で、現職の教員が相当選挙運動をやって、違反に引っかかった者があるというようなことを聞いておりますが、この事実はあるかどうか。それからこういうような心配もわれわれいたしまして、やはり教職員の政治運動の中立性を保つ、政治的中立を保つというような点か心教育二法案を作ったようなわけでありますが、今一体この法律はどんなふうに運用されておるか。この法律によって所期の目的を達することができるかどうか。日本の教育をほんとうに中立を保ち得るような状態に置くのには、どうやった方がいいか、その御意見をお伺いしたい。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) 過日の高知県の知事の選挙に際しまして、小学校の教員が候補者のビラをはがした。それからもう件は、児童を使うて一種の印刷物を配布せしめたということは、現地の新聞に数回載っておりまして、これは重大なことだと思って真相は今調べさしております。私も読んで驚いたのでございます。後段の、先年両院で御尽力になりました教育二法、あの法律に適用をして十分にいかなかった事件もございましょうしいたしますが、実際はあれが目的とする結果は十分に得られておるとは思えないのでございます。これをどうするか、まだ施行一年にもならぬのでありますが、あるいは必要な改正をしなければならぬか、あるいは別の手段をとらなければならぬか。党においても十分御研究を願い、また内閣においても研さんして、次の通常国会には何とか申し上げる機会を得るだろうと思います。

木村守江自由民主党

○木村守江君 農林大臣、通産大臣にも伺いたいのですが。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 今農林大臣はよそに出ておりますので、とりあえず今政務次官が来ております。

木村守江自由民主党

○木村守江君 大石政務次官が来ておりますから、大臣と同じ考えだろうと思いますので質問いたします。  第一に米の統制をどうするつもりか。このまま行なっていくつもりか、それとも撤廃するつもりが、御所見を伺いたい。

大石武一自由民主党農林政務次官

○政府委員(大石武一君) 農林大臣にかわりましてお答えをいたします。  今世上統制撤廃のことがいろいろと論議されておりますけれども、農林省当局におきましては、統制撤廃ということはまだ考えておりません。これは与党の政策の方針に従いまして善処して参りたいと思っております。これに対処し得るように十分に目下研究準備をいたしておる次第であります。

木村守江自由民主党

○木村守江君 ただいま統制撤廃は考えていないということを言われましたが、私は本年度の予約制度の実施に先立ちまして、その事前申込的な性格にかんがみまして、増石補償を行い、集荷の完璧を期すべきだということを再三主張いたしたのでありまするが、大臣はその要請を退けまして、かつ追加予約は絶対に行わない。予約制度以外の方式は絶対に採用しないというようなことを再々言明されましたために、われわれはこの政府の言明を信用いたしまして、農民の努力に待ちまして、政府の要請量以上の成果をおさめる米の集荷を見たのであります。しかるに政府は予約制度を崩壊し、これを否定し、統制を撤廃する意を含む統制撤廃と直結するような特別集荷制度を採用するというような考え方があるようでありまするが、それは一体どういうわけでそういうことをしなければいけないのか。特別集荷制度によってどれだけ安く、一体米を買い得るか、どれだけの数量の米を集め得るのか。または私はかようなことをして、いたずらに農民に、不安と不信を与えるようなことをして、しかもやみを黙認し、その温床地を作るようなことをやらなければならない理由がどう考えてもわからないのですが、その点につきまして御答弁を願いたい。

大石武一自由民主党農林政務次官

○政府委員(大石武一君) お答えいたします。  ことしは米の予約制度を採用したわけでございますが、手前みそではございませんが、幸いにこの制度が当りましたし、また非常な豊作に恵まれまして、予想以上の集米を見たわけでございます。第三次予約も終りましたが、これで約三千百万石の米が集まりました。しかし政府の集米の目標は三千九百万石を予期いたしておりますので、まだまだ農家には米を売り渡し得る余裕があると思いまして、これを何とかして集めたいと考えております。従いまして、この集める方法といたしましては、今までのような手段をとりまして、農協を中心としてさらに商人系統の機関をも動員いたしまして、十分なその働きによって所期の目的まで到達をしたいと念願する次第でございます。このような方針で参りまして、世上伝えられておりますような特別集荷制度ということは考えておりません。今までの制度を生かして、いろいろな方法を考えまして行うだけでございます。決して時代に逆行するようなことはいたさない方針でございます。

木村守江自由民主党

○木村守江君 大体ただいまの答弁でわかったのですが、私は方向をかえて見ますと、現在集荷予定額が三千百万石、これは早晩政府に買い上げられるのであって、その後本年度の農家保有米が三千八百万石、こう予定しますと、本年度の集荷が大体七千九百万石と言われております。そうすると残りが一千万石あります。たとえば剰余米の一千万石を、これはどんな方法かによって買い上げなくてはいけないということはわかります。そうするとですね、これをそのまま放っておくと、これは食糧管理制度が自壊することになりますから、これはどうしてでも買い上げなくちゃならぬと考えておりまするが、そういうような剰余米を一体、今農協からあるいは一般商人から買い上げるというようなことを申されましたが、私は先般農林大臣が、農協は集荷が悪いから一般商人から買い集めるのだというようなことを言明したように聞いておりまするが、これは間違いですか。

大石武一自由民主党農林政務次官

○政府委員(大石武一君) お答えいたします。大臣の発言は妥当でございます。ただ表現方法が少しきついので、あるいは強くお感じになったかと思うのでございます。で、もちろん農協を中心として集米いたさなければなりませんけれども、農協の活動が思うようにいかない、鈍いと思われまする場合に、どうしても商人系統の機関を子分に勅買いたしまして集米いたしたいと、こう思う次第でございます。

木村守江自由民主党

○木村守江君 農協の活動が鈍いようだと言われますが、現在まで集荷の九八%は農協でやっております。どういう点から農協の活動が鈍いと言われるのですか。

大石武一自由民主党農林政務次官

○政府委員(大石武一君) お答えいたします。鈍いと申したのではございません。鈍いようなと申し上げたのでございます。その点を十分に御了解いただきます。

木村守江自由民主党

○木村守江君 現在の食管制度は、二十九年度の減収加算をここで決定しました。それから予算米価と実際に行われた現在の生産米価との開き、それに集荷数量の増大というような関係で、大体二百億円の赤字が見込まれなければならぬと私は思うのですが、これを一体どうなさるつもりであるか。これはまさか消費者の米価値上げというようなことをやろうと思いましても、今現在の状態においては、生産地においては配給米よりも米が安いという状態で、とうていこれは消費者の米価値上げというようなことはできません。一体これをどういうようにするつもりなのか。それからこの財政的な負担を一体どうするつもりか。今後食管制度を一体どうやって運営していくつもりか、お伺いいたしたい。特にこれは大蔵大臣にもお願いします。

大石武一自由民主党農林政務次官

○政府委員(大石武一君) 農林省関係の分だけお答えいたします。確かに食管会計に赤字が出ることは考えられますけれども、まだ不確定な要素が多分にございますので、どの程度になるか、まだ見当がついておりません。その不足額、赤字とその方法につきましては目下研究中でございます。それ以外のことにつきましては大蔵省当局にお開きを願いたいと存じます。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 今通産大臣もすぐ参りますから……。

木村守江自由民主党

○木村守江君 通産大臣にお尋ねいたしますが最近私は欧米を回って参りましたが、日本の特産物として海外において誇り得る一つのものは、何といっても生糸であろうと思います。その特産物を輸出品として海外に信用を保っていくためには、何といっても品質の向上と商業道徳を重んずるということに大きなポイントがあると思われますが、いかがでございますか。

石橋湛山自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) お説の通りであります。でまあ通産省としてもそれに極力努力いたしておるつもりでありますし今後もやるつもりでおります。

木村守江自由民主党

○木村守江君 ところがこれらのことに逆行する一つの姿は、何といっても生糸は農林省で所管しており、絹製品は通産省と分れております。そういう関係で、必ずしも方針が一致しておりません。たとえばこのために農林省では生糸のバーターを許しております。通産省は絹織物のバーターを許しておりません。また第三国との為替決済ということは禁止しておりまするが、これを黙認しておって生糸を安く国外に出しておる、持ち出しておるというような結果が現在行われておるのが実際の姿であります。これをいかようにお考えになられますか。

石橋湛山自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) これは一極の役所のなわ張り争いみたような点もありまして、全くそういう点があることは遺憾でありますが、通産省としては一つ農林省とできるだけ打ち合せもいたしておりまするが、なお一つ海外に対する宣伝その他については一元化するようにいたしたいと、今後努力いたしたいと思っております。

木村守江自由民主党

○木村守江君 これはどうしても通産大臣が言われましたように、一元化しなければ、これは非常に日本の絹織物の品位を下げて信用を失墜する大きな原因であり、また日本の製品が外国から駆逐される大きな原因であると思う。実際の状態を見て参りましたので、これは慎重なる御検討を今後要するものと考えられまするから、お考え置きを願います。  それから生糸はそのまま海外に輸出するよりも、私はこれを国内において加工して絹製品として輸出することが経済面から考えましても、また、労働大臣が雇用政策というような問題を取り上げていますが、この点から考えましても、やっぱり絹製品として出す方がよいと思われまするが、大臣はどういうふうに考えておられますか。これに対してどういうような助長策を考えておられますか。

石橋湛山自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) これもお説の通りであり、ことに靴下の原料としての需要がほとんどなくなりました今日においては、どうしても日本は絹織物としてできるだけ輸出するという方針をとらなければいかぬと思っております。それに対しては大きな市場はやはりアメリカ方面でありますが、あの方面へ絹織物についての宣伝広報を大いにやる、あるいは見本市等を行うというようなことをやりますと同時に、国内の生産業者の方も指導いたしまして、良質のまたかつ海外の需要に一致するような品物を作らせる、デザインその他についても研究をさせる、こういうふうな方針をとっておる次第でありまして、逐次その効果は上っているのじゃないかと思うのでございますが、これからも続いて同じ方針で相当強力にやりたいと、こう考えております。

木村守江自由民主党

○木村守江君 ただいま通産大臣の答弁によりますと、まことにけっこうな方策でありますが、私は現在の姿は必ずしもそうじゃないのじゃないかと考えられます。一例を申し上げますと、御承知のようにあの可燃性織物の問題で、これは法案でもってアメリカで有名になりましたが、川俣の軽目羽二重の問題がありますが、この軽目羽二重の絹織物業者というものは一般に小資本でありまして、自力では優秀な織物を買うことができません。従って品質の向上もできません。個々別々にその販売方法をとっております。こういうようないい物ができないその上に、また個々別々に勝手に自由競争をしておりますために、商業道徳を疑われるような結果を招来して、日本の絹織物に対する信用を低めているというのが実態だと考えております。こういうような状態から考えまして、この際輸出振興という点から、この小資本の業者を協同組合的なものに作り上げまして、これを組織化せしめて、そうして国家的に低利な融資を与え、そうしてほんとうに輸出品としてりっぱなものを作っていくということが輸出振興の大きな狙いではないかと、私は考えて参ったのであります。諸外国の例をとってみますと、外貨雄得のためにはいろいろな方面においていろいろな方法を行なっております。私はフィンランドに参りましたが、フィンランドでは一ドル、二百三十マルクかのいわゆる価弊価値を国家が保障して、三百二十マルク、百マルクづつ一ドルについて国家が保障しております。そうして外貨の獲得をしておるような状態でありまして、こういう点から考えますと、いま少しく外貨獲得の点から輸出製品業者に対して、政府が力を入れてやるべきだと思うのですが、この協同組合等を作って、これに対する低利の融資をして強化せしめて品質の向上をはかっていくような考え方は持っておられませんか、どうですか。

石橋湛山自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 持っていないどころじゃありません。大いに持っているのでありまして、現に府県を通しまして相当の融資をして、これは形は補助金でありますが、実際においては融資という形にして、そうして織機の入れかえは相当強力に行なっております。ですから県によりましてはかなり県そのものが熱意を持って、たとえば福井県などは最近の例でありますが、福井県、石川県筆は相当織機の入れかえを強力に行なっております。川俣のことにつきましては、実はその点についてどういうふうになっておりますか、私今存じません。あそこは昔から常に問題を起すところでありますから、なお一つ研究いたしまして、軽目羽二重等も改善の処置を講ずるようにいたしたいと思います。

木村守江自由民主党

○木村守江君 それではどうぞこの軽目羽二重の問題につきましても、特別な御配慮をお願いいたしまして、私の質問を終ります。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 戸叶君、今外務大臣も追って参りますが、引き続いて始めていただきます。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 外務大臣はどのくらいで参りますか。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 四、五分はかかります。今本会議の答弁に立っておりますから、それが終り次第参りますから……。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 委員長、これはどういう状態にあるのですか。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 今外務大臣がこっちへ来る途中にありますので、ちょっとそのままお待ち下さい。ちょっと速記をやめて。   〔速記中止〕

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 速記をつけて。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 外務大臣に対する質問が主なるのでありますが、外務大臣がアリソンさんと今この国会内で会談しておるそうでありますから、その帰るのを待って質問したいと思いますが、その質問しておる間に時間をとられてしまって質問ができなくなると困るので、なるたけ質問の時間を簡単にして答えの方を長くしてもらうように注文つけてから質問いたします。  石橋通産大臣は、前の内閣の時代から拡大均衡を唱えて積極政策を党内において打ち出しておった方でありますが、通産大臣としての実績においては、まあ貿易が、石橋さんの力ばかりじゃありませんでしょうが、去年の倍もの成績を上げてきたし、中共貿易においても若干見るべきものがあると言われておりますが、今後において日本の国際収支の、バランスを保つ上においては、どうしても貿易を盛んにしなければならない。特に輸出を盛んにしなければならないと思いますが、それには第一に、やはり東南アジアと中共貿易を盛んにすることを考えなければならないと思うのですが、両者に対する構想はどういうふうにお持ちになっておりますか。

石橋湛山自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 今その日本の産業として輸出を伸ばす必要があるとは申すまでもありませんが、それにはやはり輸入をする工夫をしなければならないと私は思うのです。輸入を閑却視しては輸出はできない。ことにこの東南アジアについては、御承知のように、現在東南アジアが日本に対して輸出し得るものは非常に限られております。米、それからせいぜい砂糖というようなものが多い。これはさらに日本がまあ賠償問題の解決、あるいは進んではコロンボ会議等のあの計画に参加して技術及び資本の輸出も相当に行いまして、東南アジアの開発にまず協力をして、そうして日本がその開発された物資の輸入を将来はかるというような大きな構想で今後いかなければならぬと考えております。中共の方はやはり東南アジアに比較すればもうすでにある程度の関係がありまして、日本も輸入すべき品物も現にあるわけでありますが、これはまたしばしば御質問の中にあるように、現在の国際情勢上、日本からの輸出品がはなはだ限定されておって思うように伸びません。しかしこれもココムの関係で、まあ機会あるごとに私自身もその問題をとり上げて、アメリカの当局者及びココムの当局者らに要請をしておるのであります。まあ昨年以来の状況は、全般的にココムの禁輸を解除するということはむずかしいので、やはり個々にと申しますか、ケース・バイ・ケースに特認を受けて輸出をするという方法をとって各国ともやっておりますが、まあ数から言うと、日本は相当、昨年の夏ころからの状況は割合特認を受けた数は多いようであります。中には多少戦略物資というやかましいカテゴリーに入るものも、たとえば亜鉛鉄板であるというようなものは今までむずかしかった。これらに対しても特認を受けて輸出ができるというようなことで、非常にめんどうではありますが、そういう特認を受けるという方向で今までもやって参りましたが、今後もしばらくその方法でやる以外には道がないだろうと思います。そういうことでできるだけ輸出をするように考えたい。それでまあ中共貿易は伸ばしたいと、こういう考えであります。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 どうも通産大臣が輸入をはからなければ、輸出を盛んにすることができない。特にそれは東南アジアにおいて必要であるという点を力説されておるのは、もっともな意見だと思いますが、ところが、今の内閣でやっているところの余剰農産物の受け入れの問題やなんかを見ても、これと逆だと思う。東南アジアから米を買って、そして日本の品物を売り出さなければならないという、そういう基本路線に反したことをやっておるのであります。これに対して通産大臣は、あまりその見解が無視されておると思いますが、それに対する見解。  もう一つは、中共貿易に対する問題といたしまして、対アメリカとの関係、ココムとの関係というものが問題になっておりますが、中共貿易そのものに対しては、プリンシプルとしてはこれに反対でないということを、アメリカの国務省のマーフィ氏なんかも、この正月に私がお会いしたときに、明確に述べております。それにもかかわらず、この中共貿易が進んでいないということは、何かアメリカの対極東政策に不明朗なものがあるのではないかという印象が強いのですが、これはどうか。  もう一つ、ココムとの関係でありますけれども、特認ということは今始まったことではなくて、これを通じて、イギリスなり、フランスなりが中共貿易において実績を上げておるのです。日本の当事者がまごまごして、間が抜けているから、結局それによって実績を今まで上げられなくて、やっとこのころ幾らか成績を上げることができたのでありますが、こういうことは、明らかに今までの通産官僚というものが、戦争中と戦後において、ちょっと国際的な結びつきから遮断されておったので、そういう結果になったのだとも思うのでありますが、そういう欠陥がどこから生まれたか、これをどうやって具体的には埋めようとするとか。問題は実績をかせぐということだと思うのであります。  それからもう一つは、明年度北京、上海において日本の見本市を催すことになっております。御存じの通り、ソ連は大規模な見本市を中共においてやっております。また中共の日本に持ってきた見本市というものも、私は世間が一般に評価しているほどそれほど大したものでないと思いますが、現在の中共としては、できるだけの力を注いで、あの見本市を日本で催したと思うのでありますが、かりに、もし日本と中国との関係が、今政府同士において完全な結びつきがないからというふうなことで、北京や上海に催される日本の見本市というものを、民間だけにまかして、貧弱なものをやったとするならば、これはむしろやらなかった方がよかったというような軽卒のそしりを受けるのですけれども、政府はこれに対してどういうふうな援助の手を伸べるか、これをも述べていただきたいと思います。

石橋湛山自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) ココムについての直接の折衝をする日本の窓口は外務省なんです。通産省は外務省に人を出しまして、ココムにも通産省から人が行っております。今までは確かに、ココムだけではありますまい、すべてのもので、経済外交といいますか、そういう方面に努力が足らなかったといいますか、政府全体として、第一金もかけておらぬ。相当の金を使わなければ、なかなかアメリカなどでも仕事ができないもののように聞いておりますが、そういう点において、今までの政府が努力を欠いておったということは、これはあると思います。そこでこれは一つぜひ強力に、特に三十一年度の予算などにおいても、そういう点については、外務省もしくは通産省の予算をふやしていただいて、そして人も充実し、在外公館の数もふやすというようなことをやっていきたいと考えております。  それから中共の見本市は、これはお話の通り、だれがやるにしても、やる限りは未熟なものでは因ります。ここにもココムの関係が出てくるので、果して禁輸物資を、見本市といえども、陳列できるかできないかという問題もあろうと思います。近いうちに政府の態度をきめて、一つ準備をしたいと思うのであります。ただし、これは御承知のように、今の国際関係が中共と直接旧交が回復されていないというわけですから、政府が表面へ乗り出してどうするということは、これは困難があると思いますが、何かの形でやはりわれわれの態度をきめて、一つしっかりしたものをやるように指導したいと、こう考えております。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 具体的な面で、さっき、東南アジアに対しては輸入をはからなければ輸出が盛んにできないという石橋構想が、現内閣においてはくずされておるのですが、米のようなものをどうして東南アジアからもっと買って、米や、麦の問題もそうですが、アメリカよりも東南アジアから買うというふうに通産大臣は努力されないのでしょうか、その点を。

石橋湛山自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) これは努力いたしております。努力いたしておりますが、まあ米は、ことに実は日本へ、私もよく専門のことを知りませんが、配給をするのにまあタイ米くらいまでならまだいいが、ビルマ米とかいうようなものになりますと、非常に日本で、日本国民の食糧として嗜好に適しないというような難点もあって、現状においてはどうも十分な、向うへ要求するだけの米の輸入ができない状況であります。それからアメリカの過剰農産物のことは、これはまあ問題は別でありまして、これは果してああいうものを入れることがいいか悪いかということは、いろいろ議論があると思います。私にも私自身の考えも多少ないではありませんが、これは政府全体の考えとして、まあそういう方針を決定いたしました。なるべく日本の国内の産業に支障を来たさないように、またほかの貿易に支障を来たさないようにというような配慮はいたしております。それにしても、多少なりアメリカの米が入るということは、それだけほかの方の需要を減らすわけでありましょう。しかしアメリカの米は、米の性質が第一いいものですから、これは農林省としても、食糧の方面としては、やはりアメリカから米がほしいという立場にあるものと存じます。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 外務大臣がお見えになりましたから、外務大臣に質問いたします。  今国会における一番重要な問題は、何といっても日ソ交渉と地方財政再建整備の問題だといわれておりますが、特に日ソ交渉の問題を中心として、われわれは、政府の今すぐやっていけるところの緊急対策と基本対策というものがどういうところに置かれているのか。それからもう一つは、領土問題をめぐっての政府の見解というものが、内容的にはどういうものであるか、そういうことを知りたいと思うのです。

重光葵自由民主党外務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(重光葵君) 日ソ交渉が今ロンドンにおいて行われておるわけであります。全権が不在のために、事実上中絶の形になっております。しかし、これはソ連全権がロンドンに帰って交渉の準備ができますれば、何どきでもわが全権もロンドンに帰って交渉を続ける、こういうことに相なっております。  山交渉の方針でございますが、方針は、日ソ間に横たわっておる重要案件を解決をして、平和条約をこしらえて、国交調整をはかりたい、正常関係を設定したい、こういう一貫した方針で進んでおります。  領土問題が重要な案件であることは申すまでもございません。そこで領土問題はいろいろ複雑な関係があることは御承知の通りでありますが、日本固有の領土として認められておる領土の回復は、これを主張したいという方針で進んでおります。これまでも主張して参ったのでありますが、さらに交渉を継続すれば、それは主張していきたい、こういう方針で進んでおります。ただ、交渉の内容について一々申し上げることは、私は差し控えるべきであると思いますが、さような方針で進んでおることを申し上げます。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 日ソ交渉と国連加盟とは不可分のようにも思われますが、日ソ交渉を急速にまとめるという決意を持っておられるのかどうか。現に松本対ソ全権は、マリク・ソ連全権のニューヨークからロンドンへ帰任する日程の見込みがつかないとかいう理由で、ロンドンヘの帰任を来春に延期することになったというようなことも新聞で報じておりますが、このことが事実かどうか、外務大臣から承わりたい。

重光葵自由民主党外務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(重光葵君) 国連加入問題が、今日の情報によりますというと、まことに失望すべき状態であることは残念なことでございます。日ソ交渉にソ連がこれをひっかけて、拒否権を使っておるのかどうか、こういう問題につきましては、私は何とも申し上げかねます。ソ連は日ソ交渉進行中にかかわらず、十八カ国一括提案、——八カ国のうちには日本も含まれております。それが通過すれば、日本の国連加入ということができたのでございますから……。そういうわけで、その意味において、日ソ交渉と関連なく、国際連合に加入するということについては、一応異議はないという状態であったのでありますから、私はそれを額面通り、そう解釈をいたしておるわけであります。しかし、それがどういうことにソ連が関連せしめておるかという、何と申しますか、ソ連側の方針いかんということについては、私は今申し上げる材料はございません。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 日本が国連に加入できなかったということは、台湾政府がむちゃなことをやり、またソ連も無理をやっているからだとは、一般も見ておりますけれども、この見通しに対する外務省の観察の甘さというのは、これはだれでも認めるところであって、まだ重光さんとして辛いだったのは、もしも中間報告でもあの前日あたりに求められたら、心配ないくらいのことを言っていたのではないかと思うので、そうすると、重光外相の更迭ということまで問題になる危険性があったのですが、重光さんはこの難は免れたと思うのでありますけれども、多少は免れたと思いますが、しかしそのあなたの腹心であるところのアメリカの大使なり、あるいは国連大使にだけ責任を転嫁するということは、あなた御自身としてもできずらいので、結局共同責任を免れざるを得なくなるかもしれないと思うのでありますけれども、いずれにしても、新聞でももうすでに顔ぶれまで書き立てておりますが、国連大使とアメリカ大使の更迭の決意をなされたかどうか、それを承わりたい。

重光葵自由民主党外務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(重光葵君) 私の観察が甘かったという御結論のようでございます。これは御批評はいずれともしていただきたいと、こう考えますが、私の観察は実は甘くも辛くもなかったと思っておるのであります。  これは本委員会でもあったかと思いますが、国連加入の国際連合における議事がどういうふうに進行して行くかということは、私は努めて客観的にはっきりと申し上げておきました。いろいろ故障があちらにもこちらにもあったのでございます。しかしその故障は日本自身に対する故障ではない。日本を国際連合に加入せしめるということについては、ほとんどと申しますか、もしくは全部異存はなかった。しかし日本に原因を持たない他の方面の原因によって、いろいろ故障がありました。それを一つ一つ故障は排除されました。排除されて、最後に残ったのは台湾の国民政府の態度でございます。これは国連組織の強化という点から見ても、東亜の一般平和という大局の点から見ても、何とかして国民政府が外蒙の加入反対を取り消してもらいたい、こういうことで、非常に努力をいたしたのでございます。日本としては、日本自身面接そういう要請もし、まあアメリカ側は、大統領が三度にわたって、直接蒋首席にそのことを勧説したということであるにもかかわらず、これができませんでした。その故障は最後まであったのでありまして、その故障さえ除かれますれば、何とかなりはせんか、こういうことでございます。  私は日本の国際連合加入を熱望いたしており、この国民的要請を何とかして達成させたいとこういうので、いろいろ施策をいたしたのでございます。それは事実でございますが、国連加入はできたとも、またたやすくできるという見通しもつきませんでした。その故障は除かなければならぬと思って、一生懸命その故障を除くことに努力をいたしました、さようなこと。そして出先きにはその方針によって全力を尽しました。まあ実に、昼夜を分かたず、努力をいたしたのでございます。またそれがために、日本に対する、日本の国際連合加入ということに対しては、だれも異存がないところまで来たのであろうと、こう思います。ただ問題は、外蒙のことについてそういうことになったのであります。国民政府自身も日本の加入は少しも異存はなかったのであります。外蒙の加入に異存があったのであります。さようなことでこういう結果になりましたことは、まことに残念であります。日本としては非常な失望でございます。  しかし私は出先きの活動はむしろ感謝しておるのであって、決して私は出先きの活動が足りなかったとか、勉強が足りなかったために、こういう場合になった、こういうふうに考える気持ちになっておりません。しかし外交全般に関することはむろん、これはいかなる場合があっても、外交を担当しておる私は責任を負わなければなりません。それは十分に御批判をいただいて、私は少しも差しつかえないのであります。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 この問題は、外務大臣が考えているほど、私は単純な問題じゃないと思うのです。これはやはり日本外交に自主独立の態勢ができていないで、頭の切りかえができていない結果、こういうことになったので、アメリカにだけすがっていれば、その情報だけ入れていれば、間違いがないというような考え方が、大体アメリカ大使なり国連大使の頭を支配している。そういう頭の切りかえを外務大臣がさせない結果がこういうふうになったので、このことはアメリカ外交に対するところの、どちらかといえば、信頼感なり何なりから、イギリスあたりにおいても非常に今度は一ぱい食ったという感じで、不信の念をアメリカ外交にまで向けられているということが伝えられておりますが、このことは私はアメリカとしても、単に台湾とソ連だけの責任じゃなくて、反省しなければならない点があると思うのですが、もしも出先の国連大使なりあるいはアメリカ大使なりが責任をとらないというようなことになると、これは外務大臣の責任だけでなく、アメリカ外交に対する不信というものも私は招くと思うのです。そのへんのけじめは、やはりしっかりしておいた方がよいと思うのでありますが、特に加瀬国連大使の更迭だけは、この際やむを得ないと思いますが、外務大臣はどう考えておりますか。

重光葵自由民主党外務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(重光葵君) 今お話しの一般的な大局の御批判は、私は十分参考に供したいと考えております。しかし今申します通りに、出先きとして最善を尽した場合においては、これを責めるわけには参らぬと、私はこう考えております。これは十分に事態を検討した上でなければ、結論を出しかねることを申し上げます。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 外務大臣はもう、事態をよく検討したあとにおいてこれを処理するということを言明しておりますから、当然これは何らかの処置に出ると思うのでありますが、この問題とともに、私達が考えなければならないのは、今後われわれは国連加盟をどういうふうにやっていくか。日ソ交渉を済ませてそれから単独交渉という道を行くか、それとも、今度やったような方式、この失敗を二度繰り返さないような方式で、来春の臨時総会というようなものにおいて国連加盟を求むるか、この二つの道だと思いますが、外務大臣はいずれの道を選ばんとするのですか。

重光葵自由民主党外務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(重光葵君) 日ソ交渉において、日本の国連加盟をソ連が将来拒否しないような話し合いをいたしたことは、事実でございます。これは将来ともその態度で差しつかえないと思います。しかしソ連は、御承知の通りに、十八カ国一括提案——十八カ国のうちには日本も入っております。十八カ国一括提案を支持したのでございます。これは日ソ交渉にかかわらず、支持してくれたのでございます。もし十八カ国案が通過をいたしておるならば、日本の加盟も実現した。すなわちソ連は日本の加盟、を実現することに異存がなかったのでございますけれども、十六カ国一括案——ソ連の案でございますが、これが通過をいたしたときに、ソ連は次の総会でもう日本の加盟を許すことには反対しないと、こういう言明をソ連代表がいたしております。しかし、次の総会までにはどういうことが起るかわかりません。またソ連がそういう言明通りにやるかやらぬかということは、私は今日断言はできません。できませんけれども、私はそういう公けの席で述ました政府の方針は、その通りだと信じております。そうでありますから、次の国際連合の機会にあくまで日本の加盟を実現するように努力することが最も適当だろうと、こう考えております。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 外務大臣が言われるように、次にソ連がどういう態度で出るかということもわからないと思いますけれども、それにはやはり日ソ交渉というものを順調に運ばせなければならないと思うのであります。一番最初に私が質問したのに対して外務大臣は明快な答えを与えておりままんが、どうも政府は、基本問題を解決して平和条約を一気に締結しようというような、この路線をひたむきに走つているようでありますが、緊急対策として戦争終結宣言を行い、抑留者を返してもらい、歯舞、色丹を返してもらい、外交代表を交換して、そうして領土問題——一番問題になっているところの領土問題としての南樺太、千島の返還は、後日の国際会議に残してこれを解決しよう、こういう考えは持っていないかどうか、この点をもっと明瞭に示してもらいたいと思います。

重光葵自由民主党外務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(重光葵君) 私は日本政府としてきめた方針、すなわち主要な問題を交渉によって解決して、平和条約を締結し国交を回復したい、この線をあくまでも主張していくのが少くとも今の段階である。それを今日から、その先のことを今きめることはできないことだと考えております。あくまで交渉を進めていきたい、こういうふうに考えております。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 それで特にこの領土問題というのは、政府は今この問題に非常にこだわって、こだわり過ぎるほどこだわってやっている態度は、一面においては、これはうなずけるのでありますが、それがために、今、日ソ間において緊急を要するところの国交調整を置き去りにしようという、何か策略があるのじゃないかという印象を一般に与えるということは、今の政府の外交としてきわめて不明朗だと思うのであります。そこで政府は、今日問題にしているところの日本の領土権の主張の問題でありますが、それは樺太、千島全体の返還を求めるというようなものだと思いますが、果してそうでありますか。

重光葵自由民主党外務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(重光葵君) 領土問題につきましては、日本固有の領土と従来も認められておった地域は、これはあくまで返還を要請し、主張したいと、こう考えております。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 そり固有の領土とは何ぞや、それを具体的に示してもらいたい。

重光葵自由民主党外務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(重光葵君) 問題になっておりますのは、北海道の一部と従来考えられておった島々のことでございます。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 それでは、南千島、樺太については、政府では放棄してもいいという腹を持っておられるのですか。

重光葵自由民主党外務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(重光葵君) これは南千島は北海道の一部と、日本の固有の領土であったと考えております。従来とも、これは歴史的に日本の領土を離れたことのない島々でございます。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 政府がソ連と交渉の過程にあるから大事をとるのでありましょうが、日本の領土に対する主張というものが非常に強大である。そのことが日本の世論にも悪印象を与えて、また逆  には、反動勢力というものがこの日ソ交渉をぶちこわすために、ただむちゃくちゃな議論を出したりするので、これがために、私は今後において日本の国内は、憲法改正の問題とからみ合って、私は非常に険悪な空気が流れると思う。この責任は一にこの政府の不明朗な態度であると思う。われわれは明確に樺太、千島は日本の領土であると、社会党は当初から、戦後の保守党の虚脱状態の中にあったときから、領土権の主張を行なっている。これは社会党の今まで掲げた政策を見ればわかる。われわれは社会主義政党であって、世界平和を願うものであるけれども、戦いに破れたがゆえに、勝った国が破れた国から領土を奪ってもよろしいという原則を、間違った考え方を変えようとして、今まで戦っているのですが、政府にはそういう見解は持ち合せないのですか、それを承わりたい。

重光葵自由民主党外務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(重光葵君) むろん、この戦争によって起された事態は、もとに戻してもらうということが根本でございます。それはそうでございます。しかしながら、南樺太、千島等については、いろいろその後の国際関係がからみ合っておるということも、御承知の通りであります。従いまして、純粋に日本の領土全部を返してもらうということには、主張はいたしましても、それが全部その通りになるとは予期することができないのであります。予期することのできないものでありますが、歴史上日本領土でなかったことのないような所については、これは日本が強く主張するということは当然、正当なる強い主張だと考えております。社会党の方で失われた領土を全部返せとあくまでも主張されるということは、その御方針を私はよく承わっておきます。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 今の当事者として、外務大臣が軽卒な言動をしては大へんだという気持はわかりますが、今の答弁にもあるように、その後の国際関係がからみ合っているから、主張してもその通りになるとは予期することができない、こういう腰抜けの、信念のない答弁では、それは主張しない方がいい。主張するということは、信念に基いての主張でない主張は、すべきでない。私はこの戦後における外交は非常に多難な道を歩まなければならないと思いますが、特に外務大臣の頭の中には、カイロ会談なり、あるいはヤルタ協定なり、ポツダム宣言なり、あるいはサンフランシスコ講和条約なりの規定というものが、頭に非常にしみついてしるのじゃないかと思うのですが、特に樺太、千島の領土権に対しての主張を規定づけたヤルタ協定の、一、外蒙古の現状は維持する。二、一九〇四年の日本国の背信的攻撃により侵害されたロシア国の旧権利は次のように回復される。(イ)樺太の南部及びこれに隣接するすべての島は、ソビエト連邦に返還する。それから三、千島列島はソビエト連邦に引き渡す。こういう戦時中の軍事謀略協定と思われる協定に、外務大臣は拘束されようとするところの考え方を持っているのかどうか。それとも、このヤルタ協定は原則的に破棄されてしかるべきであるという見解を持っておるか。この点を明らかにしてもらいたい。

重光葵自由民主党外務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(重光葵君) ヤルタ協定なるものは、日本の全然関係のない協定でございます。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 このことをお聞きしたのは、実は国連に対して拒否権を発動したところの台湾政府の、国府ともいっておりますが、この台湾政府が外蒙の問題でもって拒否権を発動しているのです。こういうことが起きたというのは、ヤルタ協定に関連して、国府がかつてソ連との交渉において一応外蒙の独立というものは認めているのです。その後においてソ連が中共を承認したことから紛争が起きて、今度は外蒙の独立の承認を取り消すという騒ぎを台湾政府はやっているのです。こういうことをやっているところに、一貫しないところの、台湾政府の筋の通らない動きがあるので、蒋介石政権と同じようなとまどった外交路線を重光さんが歩むと、あとで取り返しのつかないことになるのではないか。  われわれの言っておるのは、問題をむずかしくしようとするのではない。緊急を要すべき日ソ交渉は、今円満に片づけなければならない。しかしながら、民族の悲願というものはいつまでもとどめておいて、話し合いにおける国際会議において、特に国連の中に入ってでもその問題は片づけなければならない。これはソ連だけの問題でなく、沖繩、小笠原の問題も関連があるのであって、ソ連だけにわれわれは要求するのではない。やはりそういう点からして、私はこの際重光さんの態度はもっと骨のあるところがなければならないと思いますが、それを明確にしてもらいたい。

重光葵自由民主党外務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(重光葵君) ヤルタ会議から出ることについては、日本は一切拘束されぬのでありますから、これは問題外であります。台湾の国民政府がこれにも間接に関係があったということは、過去の事実として私もそう思います。台湾政府が国連加盟に、今回の問題について拒否権を使ったということが間接に——間接にではありますが、日本にとって重大な影響を与えたのでありますから、そういうことは非常に遺憾に思っております。それを防ぎたいと思ってわれわれは努力をいたしたのでございます。  さて、日本側の主張でございますが、領土権、特に領土に対する主張は、日本は正しい主張を強くしなければならないと、こう考えております。しかし日本がこれまで結んだ条約の規定は十分に守らなければならぬと考えております。私は日本の固有の領土として日本に属しておった地域を日本に返してもらいたい、こう主張するのは正当な主張であると、こう考えまして、これは強くいたしたいと、こう考えております。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 重光外務大臣がヤルタ協定に何ら拘束されないと明言したことは、これはやはり大きな私たちは収穫だと思うのです。これと同じような性格を持ったところの、一九一五年におけるイタリヤが三国同盟を離脱して連合国に加担したところのロンドン協定がありますが、ヤルタ協定と同じような性格で、今日のユーゴスラビアの土地、北アフリカの土地を連合国側でイタリアに与えるから、連合国に加担して参戦しろというあの秘密協定に応じたイタリアが、ヴェルサイユ講和会議においてその主張をしたときに、アメリカの大統領ウィルソンは、われわれの講和条約は、戦争に勝ったものが領土を奪うのではなく、次の平和を保障するための講和条約だから、戦時中の軍事秘密協定に応ずるわけにはいかないといって、これをけ飛ばした歴史的な事実があります。サンフランシスコ融和会議においても、日本の代表の吉田茂がもっと民族の憂いをになって、とにかく敗戦国とはいいながらも、あの会議に臨んだならば、そこにおいて主張が通らないにしても、民族の悲願というものを世界に訴えるだけの私は見識を示したと思うのですが、そういう意味においてこのことは今後においてもずさないでもらいたい。そうして南樺太の領土権の問題ですが、これはヤルタ協定においては、日露戦争で取ったものであるから、ロシヤが取るのは当りまえでないかという考え方の上に立っていると思いますが、外務大臣は明治八年におけるところの樺太、千島交換条約において、維新ののちにおいて未成熟な日本政府が帝政ロシヤの圧力に抗しかねて、そうしてあの屈辱外交を結んで樺太を涙ながらに譲渡しなければならなかったという、あの条約につづられている悲憤というものを私は忘れることはできないと思う。しかもその前において、幕末において間宮林蔵の探険において、シーボルトの文書においても表われておるように、樺太は日本人が発見し、日本の領土であるということは、世界的に確認されておる事実である。幕末から明治維新にかけての混乱によって樺太、千島を奪われ、しかもそういう歴史的事実を背景にして、アメリカにおいてセオドラ・ルーズベルトが日露戦争によって南樺太の返還を日本にさしたのであって、戦争に勝ったが故に日本が領土を略奪したというような観念だけで見ることは間違いじゃないか。しかし現実の問題においてはなかなか私は樺太、千島の問題を今ソ連がすぐに返すとは思わない。日本に好意を持っているアメリカすらも沖繩、小笠原を頑として返さないのである。しかも軍事基地を持っているのである。こういう事実があるときに、ソ連だけに南樺太、千島を返せと言ったって、ソ連が返しっこがない。これは無理な注文だ。われわれの民族の悲願を傾けての主張は主張として世界に訴えるだけのものを持つと同時に、現実の調整に対して外務大臣たるものが具体的な調整能力を示さないでぐらぐら暮していると、この間国連加盟の問題で蹉てつしたと同じような蹉てつを繰り返すだけであって、日ソ関係の懸案を混乱から混乱へ導くだけであって、私は何らの収穫も得られないと思うが、どうですか。この問題に対しての決意を示してもらいたい。

重光葵自由民主党外務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(重光葵君) 御議論の点は南樺太、千島の返還をあくまでも主張しろと、しかし実際においては何かこれはソ連側において返しそうにもないから別の方法を考えたらよかろう、こういうふうに伺いました。私は日本固有の領土であった地域に対する日本の主張は正しいものである、強力にやるべきものだということを先ほど申し上げました。その主張は交渉においてあくまでも維持したい、こう考えております。そうしてその正当な主張を認めてもらって、講和条約を締結したいという当初の方針を変えることはできないと、こう考えております。交渉をやって見ない前にそののちのことを考える、今われわれがそれを論議することは少し早きに失するのじゃないかと、こういうふうに考えております。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 重光外務大臣の、前の答弁によりますと、ソ連の態度ももっとおとなの態度をとってほしいという答弁、国連問題で注文が少しあったようですが、たしかに私たちもソ連としても五十二カ国が総会で十八カ国一括加盟の問題を了承しているのでありますから、台湾政府がモンゴールの加盟の拒否権を発動しているのもソ連の考え方が一つで、この十七カ国の加盟申請を生かすことができたので、その点ではソ連としてももっと私は大所高所からこの問題には対処してもらいたいというふうに思っておりますが、それと同時に外務大臣は触れておりませんが、大体台湾政府の態度は何ごとでありますか。外務大臣は非常に同情的に見ておりますが、自分の国の立場だけを考えて、人の迷惑を考えないというものが隣にいるということは、非常に私たちは迷惑であります。特に現実において中国を支配してない台湾、名実ともに台湾政府である。それが外蒙の独立の問題を云々するけれども、かつては中国においても蒙古人は外敵なりといって、万里の長城を作った歴史もあるくらいで、またみずからがその独立を承認したこともあるくらいなのである。そういうむちゃくちゃな意見が生かされているということは、私は日本政府が李承晩に遠慮しすぎたり、アメリカが台湾や李承晩をかわいがりすぎたり、あるいは利用しようとしたりするところに、この混迷が生まれているのであって、日本がもっとアジア全体の大局的見地から立って、台湾や李承晩の主張もあるだろうけれども、その限界を心得えて、自分の国のことだけにとどめて、ほかに迷惑を余り及ぼさないようにさせるだけの私は態度が必要だと思う。それにはおのずから中共承認ということも起きてくると思う。今までは政府のやることを、われわれはがまんにがまんを重ねてとにかく見ておったのであるが、今日における国民政府と称するところの台湾政府のあり方というものは、全くアジア全体を混乱に導き、世界に迷惑を及ぼして、てんとして恥ずることのない態度だと思いますが、それに対してどういう御見解を持っておられるか。

重光葵自由民主党外務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(重光葵君) まあ国民政府の態度、すなわち国連加盟問題に対して拒否権を使ったと、こういうことが私はいかにもそれは遺憾に思います。残念に思っております。それがためにそういうことのないように、大局を論じて要請をしたわけでございます。しかしそれはいれられませんでした。しかし、いれられませんのは、この拒否権を使うということは、国民政府の国連組織における地位、権限によってやったことなんでございます。それだから大局に、日本側の見解に反するからそういうことは不当であると、こう言って日本側がこれを責めるという、その理論的の根拠は少いように思うのでございます。いずれにいたしましても、東アにおける諸国が、いい関係をもって進むということは当然心がけなければなりません。従いまして隣国との関係も、こちらも無論十分に考慮して行かなければなりませんし、向うに対しても十分善隣のよしみを実行してもらう、こういうようなことは当然やるべきことで、けっこうなことだと思います。その意味でもって拒否権の行使などはしてもらいたくないと、こういったわけでございます。今後も大体そういう考え方で行って差しつかえなように考えます。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 時間がありませんから……。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 自治庁大臣はどうなっておりますか。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 今参議院の地方行政で討論中で、終り次第すぐ参りますから。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 それでは自治庁長官はあとにしまして。  御承知の通り日本の南海の孤島である奄美群島は、一昨年の十二月にわが国に復帰して、同時に奄美群島復興特別措置法が制定されて、これに基いて復興計画が作られ、復興の方途が講じられているのでありますが、これすら非常に不十分であったところに、不幸にしてこの群島の中心都市である名瀬市は、去る十月十四日火災に襲われた。さらに引き続いて本月三日さらに大きな火災に襲われたために全く壊滅的な状態になっている。しかし南海の孤島であり非常に不便であるために中央との連絡が非常に悪くて対策その他についてなかなかうまく進捗しなくて放置されている。ほんとうに文字通りの南海の孤島として、みなしごにされておる状態でありますが、自治庁、建設省あたりでは、あるいはすでに係官を派遣して御調査になったと思いますので、まず一つ建設大臣に、その調査によって事態をどういうふうに災害の実情その他を報告をお聞きになったか、まずそれから御説明を願いたい。

馬場元治自由民主党建設大臣

○国務大臣(馬場元治君) 名瀬市が二回にわたる火災による災害をこうむりましたことは、まことにお気の毒千万であります。先般十二月三日に発生いたしました大火につきましてはさっそく係官を現地に派遣をいたしまして、罹災の実情をつぶさに調査いたしたのであります。その調査の結果によりますと、焼失区域が十月十四日の分と十二月三日の分を合せまして三万八千三百五十一坪、それから罹災の月数は千二百四十六戸、世帯千四百五十二世帯、人員五千八百四十五人、損害額が約十五億二千万ということに相なっております。この実情の調査に基きまして、建設省といたしましては、まず住宅の問題でありますが、復興対策といたしまして、災害公営住宅を本年度百八十戸、明年度百八十戸、合計三百六十戸、これと住宅金融公庫による融資住宅を三百戸、かように計画を立てておる次第であります。そうしてその融資率につきましては、なるべく罹災者の方々の利便をはかりますようにというつもりで、本年度の融資率を引き上げまして、木造は八割、簡易耐火構造と耐火構造は八割五分ということにいたしたいと考えております。なお区画整理事業、都市計画事業、これもさっそく着手をいたさなければなりませんので、都市計画事業については全部国庫で負担をする、土地区画整理事業については従来二分の一であったのでありますが、それを十分の六ないし九まで引き上げることにいたしたいと、かような方法をもって住宅の対策並びに区画整理事業及び都市計画事業を実施して参りたい、かように考えておる次第でございます。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 いろいろ御計画になっておることを聞いて意を強うする次第でありますが、問題はこの住宅建設でありますが、今お話のように百八十戸と百八十戸、三百六十戸を計画しておられ、融資率も相当引き上げる努力をしておられるようでありますが、これらはすでに予算の措置としてはできているのかどうか。その点が従来ただ戸数の計画だけであり、あるいは大臣の希望だけが述べられるだけで、予算の裏打ちなり資金の確保がなされていないうらみがしばしばあるのでございますが、これは確実に確保しておられるのかどうかということが一点。  第二点は、融資率が八〇%あるいは八五%ということでありますから、相当高率な融資率として、その御努力のあとは認めるのでありますが、しかし御承知の通り南海の孤島であり、しかも八年間にわたって放擲されておったために、非常な貧窮の状態にあるので、それ以外の自己負担の金その他についての調達の余力がほとんどないという実情であります。従ってこの点については、大体どの程度の、そういう特別な配慮をさらにおやりにならなければならないと思うが、その点をどうお考えになっておるか。従ってこの点はさらに大蔵大臣その他が金融的な措置をお考え願わなければならない問題になると思うのですが、大蔵大臣はそれをどういうふうにお考えになっておるか。たとえば中小企業金融公庫の融資ワクを増額するとか、あるいは融資条件を緩和するというようなこと、さらには国民金融公庫の更生資金であるとか、普通買付資金の特別ワクを設定さしてもらう、あるいは国及び県の余裕金を預託して金融的な措置を講ずるとか、こういう緊急に特別にこの災害その他に関連をして考えなければならない問題が非常にたくさんあると思うのですが、何せ南海の孤島であるために、なかなかそれが思うように事態が進捗をいたしておりませんので、これは特段の御決意を持たれて、すみやかなる対策を講じていただかなければならないと思うのでありますが、大蔵大臣はこの辺をどういうふうにお考えになっておるか。  さらに信用保証協会の問題でありますが、これは復興法によって特別に設置をした信用保証協会でありますが、ガリオア、イロアの資金、あるいは復興買付の資金を非常に強引な形で実は取り上げて、高利貸しも顔負けするような形であの貧窮な諸君から取り上げて、そうしてその取り上げたものを国庫に四千三百万円でありましたか、無理に納入をさせられた。われわれは、これ自体が非常に無理な政策であり、態度であると思っておるのでありますが、すでに国庫に納入されたのでありますからこれを今さら何やかや言っても追いつかないことでありますが、同時にその取り立ての過程の苛斂誅求であったことを考え、同時にこの資金はすでに国庫に入っておるので、すみやかにこれ一つ信用保証協会の方に返す、このことは早急に返して大島の復興のために使わせるという英断を早急にとられる必要があると思うのでありますが、この点は大蔵大臣はどういうふうにお考えになるか、ぜひその点も詳しく御説明を願いたいと思います。  それから時間がありませんので、全部一活してお尋ねをいたしますが、農林大臣に一つお尋ねをいたしますが、奄美大島の林道の建設に際して、特殊のただ一人の業者のために特別な配慮がなされて、ただその一人のための利便をはかるような林道建設が盛んに行われておるために、そのために島民のふんまんはその業者に対すると同時に、政府の片手落ちな措置に対して非常な批判が行われておるのでありますが、これをどういうふうに考え、どういうふうに手直ししようとされるのか。さらに特に今度の大火を契機にいたしまして、建築資材が非常に高くなっておる。しかも建築資材が高くなって、それから距離的に非常に遠いものだから、さらにコストも高いというようなことで、非常に建築資材も商い。そこでこの建築資材の物価騰貴の抑制について何か特別の措置を考えられる考えがあるかどうか。これは絶対に必要であると思うが、どういうふうに考えられるか。  さらにそれに関連をして、従って根本的な対策としては建築資材を島内から作り出すためには、国有林の払い下げの問題をここで英断をもって今まで懸案になっていることを御解決になる必要があると思うのですが、これらの点をどういうふうにお考えになるか。農林大臣の御所見をお願いをしたいと思います。

馬場元治自由民主党建設大臣

○国務大臣(馬場元治君) 私に対する御質問に対してお答えいたします。  公営住宅の方は目下予備金の支出について要求をいたしております。それから金融公庫の方は公庫自体の資金で十分間に合うと存じます。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 中小企業金融公庫につきましては、大体新潟の大火に準じまして融資ワクの増額、それから融資条件の緩和をお説のようにいたしたいと考えております。  国民金融公庫につきましても、貸付金の特別のワクを約三千万円を設けまして、さらに貸付の利子の引き下げ、これも考慮いたしたい。  なおお話にありました信用保証協会の保証能力の拡大につきましては、これはいろいろの点から特に別途考慮いたしたいと思います。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(河野一郎君) お答えをいたします。  奄美大島の林道の点についてのお話は早速取り調べさせて後刻申し上げます。  それから大火の対策としての木材の点は早急に措置をいたしまして、すでに六千石ほど払い下げをいたしまして、そのために市価は相当引き下っておるということにわれわれの方は考えております。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 国有林の払い下げの問題……。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(河野一郎君) これは自治庁からの要求は、それについて十分親切に検討して扱うつもりでおります。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 では自治庁大臣に。すでに係官を奄美大鳥の大火の調査に派遣されて、その報告を受け取っておると思いますが、さらに自治庁としてのこの大火に対する総括的な対策を御報告願いたいと思い出す。

太田正孝自由民主党自治庁長官

○国務大臣(太田正孝君) 佐多君にお答え申し上げます。  名瀬市の今回の大火は罹災人口五千八百四十五人、罹災戸数千二百四十六戸、罹災坪数六万坪に及び、名瀬市の中心部が甚大な被害を受けたのでありますが、去る十月八十戸を焼失した直後でありまして、復興途上にある奄美大島群島にとって非常な打撃を与えたものでありまして、衷心同情にたえないところでございます。一日も早くその復興をはかりますために、政府としてもできるかぎりの措置を講じたいと存じております。  名瀬市は申すまでもなく地域がきわめて狭く、人口が密集しておりまして、かねて都出計画事業を合理的に執行することが要望されていたところでありますので、今回の火災を機会に、災いを転じて福となしますためにも、この際都市計画事業及び土地区画整理事業を執行いたしますことが同市復興の第一条件であると存ぜられます。幸いにしてこれに関して奄美大島群島復興特別措置法の一部を改正する法律案が各党の共同提案で衆議院に提出されまして、先ほど地方行政委員会において満場一致で可決されたところでございます。政府といたしましても、今国会中にその成立を期待しており、成立の暁はできるだけ財政援助により都市計画を実施して、罹災地の復興をはかりたいと考えているのであります。  また住宅問題につきましても、緊急に措置する必要がありますので、とりあえず応急の仮設住宅三百五十戸はすでに建築中でありますが、本建築の公営住宅につきましても、公営住宅法及び奄美郡島特別措置法によりまして、建設省と相協力してできる限りの措置をすみやかに取り計らいたいと存じております。なお建設省におきましては、公営住宅法に準じて約三百六十戸の公営住宅の建築を考えてその実現に努めておるのでございます。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 住宅建設の問題でありますが、特に住宅金融公庫から店舗付の住宅をぜひお考えを願わなければ、先ほどの御報告にもありますように市街地の中心地でありますので、普通の住宅では間に合わないので、そういうものとして一つぜひ特別な措置をやられるように要望したいと思うのでありますが、この点をどういうふうにお考えになっておりますか。  それから先ほどの信用保証協会の問題で大蔵大臣の御答弁でありますが、何か考えておられるのか、考えておられないのかわからないような薄っとぼけた御返事でありますが、これは先ほど申したように、四千万円のガリオアの資金を返済されたものでありますから、ぜひこれは国庫からもう一ぺん戻して信用保証協会の基金として復興の一助にするように、これは火災がない前からいろいろやかましくお話をしていた問題であるので、じんぜん日を送って今に至るまで解決してなかったのですが、この大火の機会に復興を本腰にやるという意味において、災いを転じて福となすというつもりを一つ発揮されて、この点だけは早急に解決していただきたいと思いますが、大蔵大臣の態度を重ねてお尋ねいたします。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 信用保証協会に関しまして、国庫から金を引き揚げてはというお話、これは十分詳しく私どもその間の事情をまだ聞いておりませんので、よく事情を調査いたしまして、事態が事態であります、できるだけ検討を加えて親切に扱うようにいたしたいと思います。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 ぜひ万全を期して遺漏ない措置を、しかも時間の問題であると思いますので、時間を考えながら早急に善処されることを要望いたしまして、私の質問を終ります。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) それでは八木君の行政管理庁長官に対する留保された分についての御質疑を願います。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 行管長官に最初にお伺いしたいのは、行政改革の目的についてでありますが、従来政府の発表によれば、国情に非常にウエートをおいていらっしゃる。これは占領政策是正の点からもっともでございますけれども、国力にもやはり相応した行政機構ということが必要であって、要は国情と国力に相応した簡素、合理的、能率的な行政機構を作って国民の負担を軽減する、あわせて公務員の全体の奉仕者たる立場を明らかにする、こういう点にあると思うのですが、いかがでございましょう。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(河野一郎君) お答えいたします。御趣旨ごもっともでございますけれども、実は今回の行政機構の改革に当りましては、人員の整理は私はこの際は目途とすることは避けたいという考えでおるわけでございます。と申しますのは、一方において行政官吏を整理いたしましたところが、それは結局他に転換する十分な職業を見出すことは困難であります。従ってこれは失業者としてまた別個考慮するということになると思うのでありまして、むしろおのずから他に機会があって、進んで官吏の諸君が他に転換を希望される時期を作るようにしていかなければならぬのであって、今私たちが考えております機構の改革は、後段お述べになりましたような経費の節約であるとか、人員整理であるということでなしに、行政機能を十分に発揮できるような、そしてまた国民の側から申しますれば、十分便益を得られるような、時間を拝借してちょっと申し上げますれば、ただいまですと、役所の中が職階制等のために分課が非常に多く行われております。いたずらに課の数がふえておると私は思っております。これらのために一人の官吏が長く同じところにとどまることがないということになる場合が多いのでございますから、そういうことを避ける意味において、もしくはまた優秀なる能吏をして十分に行政を担当し、その職務を発揮できるようにしていきたいという意味からやりたい。従って課の数は思い切って減してよろしいのじゃないか。さればといって課長はみな失業するかというと、失業さす必要はない。それはその職務に十分深く掘り下げて、そして国民の指導者として、もしくは国民の協力者として十分その職務を発揮するような方向にもっていく方がいいのじゃないかというふうにして改革して参りたい、こういう考えでございます。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 課の整理等の問題は非常に私御同感でありますが、ただ国力に相応したものにして、国民負担を軽減するという点にウエートを置かないということは画龍点睛を欠く、かように思うのでありますけれども、この問題に深く立ち入ることは時間の関係上差し控えまして、次の問題に移りたいのですが、改革達成の方法でありますが、アメリカの御承知のフーバー委員会のように、三百人からの専門家を使って非常に大がかりでやるという方法もあれば、この前の政令諮問委員会のように練達な人が中心になって立案して、それを強力に政治力でやるという方法もあるわけでありますが、中途半端でやると、かえって有害無益、かように考えますので、どういう方法でおやりになるのかということが一つ。もう一つは官僚の抵抗に対していかなる対策をお持ちになるか、この二点を伺いたいと思います。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(河野一郎君) 御承知の通り行政機構改革につきましては、従来たびたび御検討がなされまして、それらに対する記録は一切あるわけでございます。従ってあらゆるモデルがあると私は思うのでございまして、そのうちのどれを取りどれを捨てるかということの組み合せ、もしくは原案のうち妥当なものがあれば、妥当なものをとるということで足りるのじゃないかと思います。従いまして、今回は基本的に最初から一切をやりかえる、勉強し直すということでなしに、今までのお調べになりましたものをどう実行していくかということに一番重点がかかっておるのでございます。そこで今回の臨時国会にお願いいたしました審議会の拡充によりまして、民間の有識な人人によって作られたる審議会に、その従来の調査研究ないしはまた現在の状態等をお諮りいたしまして、そしてここに案を作っていただけば、ある程度のものはできるのじゃないか。もちろん細部にわたってまで考えなくてもよろしいのじゃないかということでございます。それにつきまして、基本のものをこの際やっておきまして、細部にわたってはそれぞれの設置法によってこれを肉付けしていくという方法でいいのじゃないか。問題は省を幾つにするか、どういう省にしていくかということが基本であり、どの省にはどの程度の局を置くということが必要であるか、もちろんそれはどの省によってどの事務を分割するということはむろん大事なことでございます。これはもちろん申し上げるまでもございません。従って分けられたる事務は幾つの局においてこれをやればよろしいか、その局の中はどの程度の課にこれを分けることがよろしいか、これは申し上げるのも御無礼でございますけれども、分ければ際限もないことでございまして、これはある程度に数はきめてよろしいのじゃないか、こう思うのであります。そういうふうな方針で、その省の内部において、どの課においてどれを行うということは設置法においてゆっくり研究しても間に合うのじゃないかというふうな、大ざっぱな考え方でいけるのじゃないかと思います。  そこでこの実行の方法でございますが、これはわれわれどもは保守勢力を結集いたしまして相当な力を得ている、国民の支持を得ていると思うのでございますから、従って官僚の抵抗ということでございますけれども、今回はそういうことはあまり考慮におかずに、総理大臣の声明にもあります通り、これは戦後の政治の第一歩としてこれからどうしてもかかっていかなければならぬ、これと税制は基本のものでありますから、これからどうしてもやっていかなければいかぬという考えのもとに、この通常国会までには案を持ちまして、御審議願い、実行に移したいという考えでいるわけでございます。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 具体問題について一つ二つ。予算局を内閣なり総理府に置くという案は、過去すでに三回出ております。ところがこの問題について、私は従来主計局が国費の節約について相当一生懸命やっておられたというこの実績は認めるのでありますけれども、理論的に申せば、やはり総理府なり内閣に持ってくるということが正しいと思うのであります。このことが一つ。内閣か総理府か、どちらに置かれるか。それから人事院を廃止して人事行政を総理府なり内閣に持ってくる、これも理論的に正しい。これは人事局にされるのか、人事委員会にされるのか、この二点を伺います。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(河野一郎君) お答えいたします。そういう具体的な問題につきましては、ただいま申し上げました通り、今後各方面の御意見を十分拝聴いたしまして、最終的にきめたいと思いますので、しばらく御猶予をちょうだいいたしたいと思います。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 予算局、人事局、経済企画庁、行政管理庁等はやはり総理府にお持ちになる方がいいと思いますが、そうすると、やはり総理府には総理大臣の下に総理府長官という国務大臣が必要じゃないか、こう思いますが、その点か第一。それから内政省、社会省等の点に対して御言明ができればしていただきたい。それから外局もやはり内局に入れる方がいいと思いますが、この問題、あるいは出先機関の中では地方管区等は原則として廃止するがいいと思うのであります。この点。それから統計調査のような仕事は各省に分かれて、非常に民間の方でもめいわくをこうむっているのでありますが、これらは総理府に一つまとめていただきたい。営繕、購買等の問題は、これは一つ従前のように大蔵省にまとめていただきたい、こういう希望。  それからもう一つは監察機関の問題でありますが、会計検査院、行管、それから各省の内部監察及び今度査察使なんかお出しになるような新聞記事も拝見したのでありますが、これらの点について何か具体的なお考えがあれば、構想でも承わってみたいと思います。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(河野一郎君) お答えいたしますが、大体先ほどお答え申し上げました通りに、私今ここで意見を申し上げる段階ではないと思いまして、差し控えさせていただきたいと思うのでございますが、私個人の意見を申し上げますれば、大体ただいま御指摘になりましたような方向に私は考えておりますけれども、しかしこれは各方面の御意見を十分拝聴いたしまして、そしてまた総理のお指図によってやることでございますから、今ここで申し上げるのはまだその時期に煙しておらぬと思います。  それから一言つけ加えさせていただきますことは、行政監察、会計検査院、それから数日前新聞に出ました査察、これはおのずから職分を全く明確に異にいたしているように私は考えております。会計検査院は、会計の事後においてその不当不正等を十分検査をするのが会計検査院の職分であり、また行政監察庁といたしましては、その行政行為が、金ももちろんでございますけれども、金でなしに妥当であるかどうか、十分能力を発揮しているかどうかというような点に触れて私はもっていくべきものだと思う。もしくはいたずらに遅滞をしているものはないかどうかということ等について、十分能率を上げるように、積極的に建設的な方面に重点をおいてやるべきものと考えております。さらにまた今回考えておりまする査察のことは、われわれども政府部内だけでなしに、とかく民間の御批判も強うございますから、それらの方々の十分御納得のいくように見ていただくことも必要でございましょうし、ないしはまた役人たちのいわゆる官僚の独善でもいけませんので、民間の方々の十分な御注意や御協力を賜わる意味においても必要ではないかというように、一応割り切って考えているのでございまして、もちろん査察の制度は制度としておくのではないのでありまして、臨時、随時やるべきものだと考えております。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 最後に……。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) もう時間がございません。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 一分だけです。——いつも行政機構改革等がありますと、非常勤の職員の方に人間を持って行くというくせがあります。で、これらのくせはまことによくないので、御承知の通り、非常勤職員も今おそらく四十万人以上いると思いますが、このうちで常勤の仕事をしている人は、すみやかにやはり常勤の中に入れてやってもらうことが正しい。それから整理した人をこの方へしわ寄せすればこれは何にもならないのですから、その辺を一つけじめをつけていただきたいということが一つ。  それからもう一つは、事務の運営の問題でありますが、従来は下から伺っていって結局上で裁決する、非常に時間がかかる。これは民間会社のように、まあ言葉で言えば科学的管理法ということになりますか、上から下へ事務を流すという点に一つ重点をおいていただきたい。  それから今監査機構のお話がございましたが、各省の内部監察でも重複していることが相当にあるので、十分この点も一つ御検討をいただきまして、要はこの行政改革は非常にむずかしい仕事でありますから、河野国務大臣の強い実行力で、先ほどもお話のありました通り、要は実行にある、案はもう出尽しておりますから、どうか一つ非常な決心をもって実行に移っていただきたいということを、私お願いいたしまして、私の質問を終ります。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) それでは以上をもちまして、一般質疑は終了いたしましたので、二時四十分まで休憩いたしまして、二時四十分より総括質問を続行いたします。  ただいまより休憩いたします。    午後二時五分休憩    ————・————    午後二時五十五分開会

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) それではただいまより委員会を再開いたします。  まずお諮りいたします。  本日理事溝口三郎君が委員を辞任されました。つきましては欠員になりました理事の補欠互選を行いたいと思います。  この互選は先例によりまして指名を委員長に一任されたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 御異議ないと認めます。  それでは理事に館哲二君を指名いたします。   —————————————

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) ただいまより総理大臣に対する総括質問を行います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 質問する前に、委員長にお尋ねいたしますが、総括質問でございますから、主として総理にお伺いするつもりでございますが、外務大臣も場合によったらお伺いするかもしれないので、おいで願いたいことを委員長に要請しておいたわけでございますが、外務大臣まだおみえになっていないようでございますが。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 承知しております。要求大臣は目下至急要求しておりますが、御要求のうち大蔵大臣、文部大臣、防衛庁長官等もみえておりますから、質疑を始めていただきまして、そのうちに、自治庁長官並びに外務大臣を要求しておりますから、追ってみえます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 まず総理にお伺いいたします。総理は第一次鳩山内閣あるいは第二次鳩山内閣を組閣した当時は、総理の外交方針に対するお考え方というものは、国民の相当の分野に支持を受けておったと思います。全国民が待望してやまなかったところの国連加盟は、不成功に終ったわけでございますが、本日現在における総理の御心境を承わりたい。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 私は第一次鳩山内閣、第二次鳩山内閣の際に、議会において諸君にお答えをいたしました外交の基本方針は、今日においても変りはないと思っております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 国連加盟が不成功に終ったことに対する御心境も合せ承わっているわけでございます。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 国連にはぜひ加入いたしたいと考えておりましたが、御承知のような経過によって、国連加入の目的が達成できなかったことを遺憾に存じております。遺憾には存じておりますけれども、国連加入は決してその希望を捨てることはない、近い将来において、その目的は達成できると思っております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 総理は国府が最後まで拒否権を発動すると予想しておりましたか、どうですか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) アメリカの大統領が三回も台湾政府に対して勧告をしてくれたので、台湾政府もたぶん軟化をしたものだろうと推測をしておりました。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 その推測、並びに昨日本委員会において中山委員の質問に対して重光外務大臣がかえって明るくなったという意味の答弁をなされておりますが、そのときにおける重光外務大臣は、その後ソビエトが十六カ国一括案を提案するというような場合は予想される一つの場合として予想していなかったのではないかと推測いたしますが、これらの外務当局の見通しについて、総理は甘過ぎたというような御所見にあられるのではないかと存じますがいかがでございますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 国連加盟問題に対して国民政府が最後まで拒否権を使うものとは私は考えておりませんでした。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 私は国民政府が最後まで拒否権を使ったこと、並びにその報復手段と申しながらもソ連が拒否権を発動し、しかも最後になって、あらためて安保理事会の招集を要求し、日本をも含むところの二カ国を除いて、あらためて十六カ国の一括案を出されたことをかえりみるときにほんとうに憤りを感じます。国民政府並びにソビエトは、その国の立場に立つならば、まことにあざやかと申しますか、巧妙と申しますか、その進み方でございました。わが日本国民の立場に立って考えるならば、全くほんろうされた感じで、煮え湯を呑まされたような感じがいたします。総理の御心境いかがでございますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 私は残念に思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 今後総理はいかなる努力をされるつもりでございますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 日ソ交渉はまた近く再開されまするし、その際にも国連加入ができるようにできるだけ努力をしたいと思っております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 ただいまも総理が発言されましたが、日ソ交渉とわが国の国連加盟とはきわめて密接不可分の関係にあるということをお認めになられますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 関連があることを認めます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 そこで伺いますが、本国会でいろいろ質疑がされておりますが、鳩山総理の日ソ交渉に対する方針というものは、松本全権が帰国されて一週間程度までは、あなたの考え方を私はとっていたと思う。ところが一週間経過後、保守合同の線がだんだん出てくるに従って、あなたのお考えというものは陥没して、重光外務大臣の方針というものが非常にクローズ・アップして来て、大きく私は方針が変ったと認定せざるを得ないのでございますが、いかがでございますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 日ソの方針は当初と変っておりません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 伺えばそういうことを申しますが、私はそれは詭弁だと思います。私はこの秋ロンドンへ参ったときに松本全権に会っていろいろ伺いました。また松本全権を激励もいたしました。そのときに私は松本構想というものが一歩も引けない、突っ込むところまで突っ込んでおるという感じを受けました。その後、松本全権は日本に帰って、いわゆる歯舞、色丹を中心とするところの領土の問題、通称松本構想と言われておりますが、これは鳩山総理の意向を受けて、そうしてマリクと交渉を展開して行ったものである。これがもし受け入れられない場合には、抑留邦人は永遠に帰らぬであろう、かような表現をもって松本さんはその信念のほどを示しておったわけです。その当時総理は、保守合同に当って、外交政策についてはっきりと意見が一致することが大切であるということを言っておられました。そのときの総理の日ソ交渉に対するところの基本的態度というものは、当初からあなたが国会を通じて表明されておりました早期妥結の方針であったことは絶対に私はいなめないと思うのです。それが保守合同以来、領土の問題についてあるいは暫定協定の締結等について、大きく変ったということは、私は少くともマリク、その背後にあるところのソビエトを相当に私は刺激しておると思います。このことがあるいはこのたびの国連の加盟に関して初日にああいう態度をとっておりながら、翌日改めて、日本どうかと言わんばかりに日本と外モンゴールを除いたところの十六カ国の一括加盟案を出してきたというところに私は現われてきておると思うのです。このあなたの外交方針の転換は松本全権としても迷惑でございましたでしょうし、その責任はきわめて重大だと考えますが、責任をいかがお考えになりますか、責任ある答弁を要求いたします。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 私は変っておりません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 一応ここでとめて次に移ります。  では、日比賠償について民間借款という一億五千万ドルというものは、これは政府の保証を必要としないのか、また二千万ドルと伝えられるところの現金賠償というものは現金賠償でなくて済むように話し合いがついたのか、その点について伺います。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 二億五千万ドルの政府の保証はしなくていいだろうと思います。二千万ドルの現金賠償はただいま交渉中であります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 外務大臣、今の答弁でよろしいですか。

重光葵自由民主党外務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(重光葵君) その通りでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 時間がないから私はさらに突っ込んでは参りませんが、結論としてここで伺いたい点は、日ソの外交交渉あるいは日比の賠償交渉にしても、あなたの意を受けて第一線で働いておったところの松本全権並びにト部在外事務所長代理は総理のお考えが変ったとかのように考え、当惑しているのじゃないかと私は考えます。あなたは何と言おうが、これは私は相当変った、従って今後のこれらの交渉の前途について国民は非常に心配しているわけでありますが、あなたが一応掲げた公約でございます。これはうまく成功しない場合に、当然鳩山総理は政治的責任を問われるべきものと思いまするがいかがでございますか。またこれらの交渉の妥結についていつごろまでに国民の前にこの成果をあげてみせるというような見通しを持っていらっしゃいますか、お答え願いたいと思います。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 私は自分の考え方の貫徹をはかるために全努力を費すつもりでございます。できなかった場合のことはただいま考えておりません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 うまくいかなかった場合には、これは鳩山総理の政治家としての最も大きな公約であっただけに、明らかに私は責任を問われるべきものだと考えます。そこでこれに関連して伺いますが、二月選挙において緒方さんが率いておられたところの自由党は百八十名の議席から百十二名と減じました。この数字をいかように総理はお考えになられますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) いかように考えるというのはどういう意味でありますか。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 民意の裏にあるものをどういうふうに推測しているかということを伺っているのです。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 民主党は当初の理想とした通りの勝利を得たとは思いません。しかしながら民主党の方が自由党よりも心の味方を得たと考えました。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 そこで私は伺いたい点は、緒方さんはあなたを出たり入ったりまた出たりとかように誹謗された方です。しかも選挙においては民意はここに明確に出たのです。従って私は個人的には緒方さんという人をりっぱな人だし敬服しておりますが、少くとも政治家として考えた場合に緒方さんは首班となるところの資格が今のところない。もし首班となり政権を担当する以上は、総選挙という民意の現われを通してでなければできないものと私は考えますが、総理の所感いかがでございますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) あなたの考え方が民主主義のルールだと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 従って私はもしもあなたが健康上あるいは政策上の行き詰りを来たして責任をとった場合には、必ず私は民意を問う意味において解散が行われるべきで、そういうトンネルを通すことなく、緒方内閣というものは絶対に成立し得ないのだ、またかつての自由党を中軸とするところの政権というものは民主主義のルールからあり得ないのだ、かように私は考えますが、いかがでございますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) チャーチルがやめましてイーデンに譲りまして、そのあと直ちに選挙がありました。それですから前後はあるいはつくかもしれないが、政権の移動には総選挙が伴うのが原則だと考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 将来のことは予想いたしかねるのでございますが、しかしあえて伺います。総理は解散の時期をいつと予想しておりますか、憲法改正案ができてから解散するお考えでございますか、伺います。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 私はまだ解散の時期は考えておりません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 次に伺いたい点は、ソビエトはアジア地域に経済外交を強力に推進して参りました。これをいかように考えていらっしゃるかということと、また先般三木運輸大臣はあなたの個人の代理ですか、何と言うのですか、それでおいでになったように承わりましたが、あなたはアジア地域に健康が許すならばみずから出かけていきたいが、それが健康上許さないから、三木さんにかわって行ってもらった、こういうように三木さんの海外出張をとってよろしうございますか。それらに関する御所見を総理並びに副総理から伺います。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 三木君が私の代理と言いましても、総理大臣の代理としていくというようには考えておりません。ただ個人の代理というような考え方ならば適当だろうと思うのです。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 ソビエトの経済外交の積極化はどう考えるか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) ああそうですか、ソビエトの経済外交はずいぶん関心を持って見ております。日本としてもやはり経済外交に重点を置いて、そうして近隣諸国と交渉するのがよろしいと考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 副総理の答弁を一つ。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 外務大臣ですか。——外務大臣答弁ありますか。

重光葵自由民主党外務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(重光葵君) ソ連のアジアにおける経済的な政策の運用と申しますか、策動と申しますか、いろいろ進出をしておることにつきましては、非常に注意を払って見ておるわけでございます。それが今自由民主陣営の方面の神経を非常に刺激しておることも事実でございます。その成り行きを十分見ておる状況でございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 もう少しただしたい点がございますが、次の問題に移ります。  それはこのたびの国会において、相当国民に関心を持たした問題としては教育の問題が論じられたことでございます。そこで若干私伺いたいのでございますが、総理は教育に関する国の責任というものはどういうものであるとお考えになっておりますか。文部大臣は不明確だと言っておるのです。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 国はすべての国民にできるだけ平等に、つまり広く教育の機会を与えるように努力すべきものと考えます。従いまして公立学校や私立学校における教育についても、その水準の維持、適正な運営について意を用いなければならないと思っております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 文部大臣があらゆる委員会でわが国の教育制度の抜本的改革、しかも教育基本法まで手をつけるのだというような発言をされて、非常に国民に不安、動揺を与えるおそれのある点を私は遺憾といたします。しかも教育に関する国の責任が不明確だと言いますが、これは憲法二十六条によって教育の機会均等、義務教育無償というものがはっきりとうたわれておりまするし、この憲法を基にして立法されました教育基本法にはっきりと国の責任というものは明確になっております。そういう教育施政をやらなければならない責任が国にあり、また行政府にあるわけでございます。従って私はここで文部大臣に伺いますが、この責任を遂げるために教育の機会均等並びに義務教育無償という線を推し進めるために、どういう具体的な構想を持っておられるか、御答弁を願います。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) 国民に均等なる機会で、あるいは貧しき人の子弟には奨学資金も貸与し、またできるだけ教科書を安く発行し、準要保護児童などには無償で供給し、また今日学校給食等もその心持ちで拡大するといったようなことで、現実に教育の機会均等をはかりたいとかようと考え、着々成案を練っておるところでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 文部大臣の言はけっこうです。もししかし、そういうことを実現するとするならば、私は今の憲法がわが国の文化国家の建設を指向しているように、今のような予算の性格というものをそういうように方向づけなければできぬと思いますが、大蔵大臣、わが国の予算案をそういう文化憲法に、ふさわしいところの予算に性格がえをするところの弔慰がございますか伺います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) お答えします。今お話のように教育が国家にとっていかに大事であるかは言うまでもありません。従いまして予算編成に当りまして、昨年度におきましても、大体総予算に対しまして一二%近いものを計上いたしておるのであります。しかし今日の財政の現状からなかなか思うように運びませんが、御趣旨は十分体してやるつもりでおります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 総理に伺いますが、学問の自由、大学の自治というものについて、どういうお考えを持っていらっしゃいますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 大学には自由、自治を与えなければならないと考えるのは当然です。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 次に伺いますが、わが国の義務教育九年を堅持するつもりでございますか、これをも検討されるお考えでございますか、総理の個人的見解を承わりたい。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 九年制を変える意思があるかどうかという……。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 そうです。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) ただいま持っておりません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 次に伺いたい点は、文部大臣は盛んに愛国心云々と戦前あるいは戦時中の郷愁を起したような発言をされておりますが、私も愛国心を認めます。その愛国心というものは、あくまでも個人の尊厳、人権の尊重という新憲法に基いたところの、私はわが郷土、わが国を愛するという愛国心でなければならない。決して個人の尊厳を無視したかつての天皇中心の愛国心であるべきものでないと考えますが、これに対する総理の御所見を承わります。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 自己の人格の尊厳、自由の尊厳はあくまでも維持しなきゃならないと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 総理は主権在民の今の憲法はこれでよろしい、これは堅持していくというお考えでございますか。これをも改正する心要があるというお考えでございますかそれを承わります。と申しますことは、文部大臣はあまりにもとっぴな私から考えればとっぴですが、発言をされますので、わが国の現在の教育制度というものが、また制度の内容が、全く天変地変のごとく変るのではないかという国民に不安と動揺を与えますので、私は基本的なことをあえて伺っておくわけでございます。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) ただいままでの基本方針を変える意思は私個人としては持っておりません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 次に移ります。それはこのたび予算審議の中心になりました百六十億円の内容についての資料を本日まで出されていないのですが、いかなる理由に基くのか、その点と、それから公共事業費の不用額八十八億をこれに充てると言われておりますが、この内容並びに実際において、たとえば各省庁において一割節約せよと、こういう指示を出すのか、またある省によっては、補助金を各都道府県に分配してある。その分配済みの一割は返納せよという、こういう指示を出すのか出さないのか。そういう点が非常に不明確でございますので、明確にお答え願いたいと思います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 百六十億の財源は、大まかに言って、一般経費の節約、公共事業の不用額、賠償金不用額、こういうものを財源に充てるのでございますが、その内訳につきましては、今関係各省と打ち合せをいたしておるので、詳細にまだ申し上げる段階に達しておりません。なお、公共事業の不用額を財源に充てるに際しまして、一割抑える、こういうようなのをどうするかというお話でありまするが、債務負担行為を一割見当弾力的に考えて負担行為を繰り延べていくというような考え方、こういうふうな相談は実は予備金が少ないために、不時な天災が起った場合、これに対応するためにそういうことを考えつつ工事の施行を願いたい、こういう事柄であったのであります。従いまして天災がなくなったあとにおいて、あえてこれをこのまま一割を押える、こういう考えはもっておりません。ただしかし、ここで公共事業からお話のような約八十八億、八、九十億財源をどうしても必要といたしまして、それをいかに捻出をするかということについて、現に一割そういうふうに事実のんで繰り延べになっておりますから、その事実を見て、いかにその内容について考えるかということを今各省と相談中であります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 依然として不明確でございます。私が若干調べたところによりますというと、農林省のごときは前から留保してあったその予算で十分このたびのを吐き出すことができるようです。だから実質的に今度の公共事業費の不用額の捻出について何ら差しさわりがないようです。ところが省によるというと、非常に過分な吐き出し方をしなくちゃならんというように、これは各省庁によって弱肉強食の内容になっております。またある省によりますというと、すぐに補助金を配分済みのその中から約一割見当引き上げなければならないような、そういう指示を出さなければならないような省庁もあるようですが、ここで私は繰り返して伺いますが、すでに配分済みの補助金をその中から一側返納せよというような、そういう趣旨は政府としては絶対ありませんね。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) そういうことはありません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 次に伺いますが、総理、来年度の防衛費関係の予算編成に当って、この減額について、さらに具体的に防衛分担金の減額について、総理は対米折衝をいかように展開して、どの程度にこれを押えたいという、努力したいという御所信を持っていらっしゃるか、伺います。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 今回私その問題に関係しておりません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 かわって答弁願います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 防衛分担金につきましては、これから防衛庁費等考えまして交渉するのでありますが、今のところきまったところはありません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 では大蔵大臣、それに関連して伺いますが、あなたは防衛費をどの程度に来年度は抑えたいというようにお考えになっていらっしゃるか、ということは防衛費の問題は、賠償費の問題が出て来る、恩給費が増額になって来る、さらに雇用の増大政策をとるために予算が要る、ともかく新たに必要とする予算が非常に大きいわけでございますが、そういう角度から大蔵大臣としてはどの程度に押えなければ、インフレなき拡大経済の予算は組めないというような見通しを持っておられるか、その点伺っておきます。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 予算の編成方針につきましては、今度党並びに各大臣とも相談しましてきめるのでありますが、防衛庁費がどういうふうであるかという点につきましては、予算全体の総額というものも考えなくてはなりません。また国民負担との関係等等考えて慎重にきめなくてはなりませんが、しかし防衛ということ自体に特殊な事情がない限り、私の考えだけでありますが、昨年度の千三百二十七億は——全体の防衛に対する防衛庁費が八百六十八億でありますが、こういうものについて大きな飛躍があるとは考えておりません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 次に伺いますが、私の計算によるというと、今の陸海空の自衛隊の総人員は本年度末において十九万五千七百十一名、約二十万名でございます。来年度さらに約二百二十億円を必要とするところの増強計画を防衛庁の方で立てられているようでございますが、これは私は今の純然たる志願制度に何らかの制約を加えることが将来予想されるのではないかと思いますが、総理としては純然たる志願制度にして、この若干青年諸君に義務づけるような徴兵制の方向に一歩も進まないということを、ここで約束できますかどうか、総理に伺います。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 徴兵制度をとる意思は現在毛頭も持っておりません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 防衛長官に伺いますが、今の私の十九万五千という数字は間違っておりません。来年度人員としてどの程度増加する計画を持っておられるかということと、さようになって現在防衛大学の退学者等が激増して困っているということを聞いておりますが、純然たる志願制度で量的に質的にあなたが期待されるような人員を確保できるとお考えになっていらっしゃるかどうか、その点についての防衛庁長官の御所見を承わります。

船田中自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(船田中君) 三十年度の人員は、ただいまも御指摘がございましたが、自衛官が十七万九千余、それから自衛官でない背広が一万六千、合計十九万五千八百十一ということになっております。三十一年度防衛庁として考えておりますのは、自衛官が十九万八千余、非自衛官が一万八千余、合計いたしまして二十一万六千余ということを考えております。しかしこの程度の人員の増加につきましては、志願制度で十分採用ができるものと確信いたしております。  ただいま防衛大学校の退学生が多いというお話がございました。第一期生にはかなりありましたし、また第二期生にも多少ございました。これはまことに遺憾でございますが、しかしだんだん防衛大学校の内容がわかり、事情がはっきりするに従いまして、この退学者の数は非常に減っております。今年の志願者の数等から見ましても、将来多少の増員がございましても、採用には何ら差しつかえない、かように確信いたしておる次第であります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 最後に総理に強く私は夢望申し上げておきます。それは先ほど私が質問した問題に関連することですが、わが国が終戦後十年経過して、日本の教育の制度並びに内容というものが常に変るがごとに、国民に不安と動揺を与えるということを——私は非常にこれは重大な問題だと思います。それは若干欠点のある面もございましょうが、大きな筋としては、やはり戦後発足したところの民主教育制度並びに民主教育の内容というものは、過去並びに現在の教育と比べるときに、私はいい方向にあると思います。従って再び次の国会においてまみえるときには、この鳩山内閣としては、何らかの線を打ち出して出てくるわけでございますが、この改革に当っては、あくまでも慎重に慎重を期していただくべきものだと、かように私は考えると同時に、強く総理に要望申し上げる次第でございますが、お聞き入れいただけますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 一向差しつかえないと存じます。

片柳眞吉緑風会

○片柳眞吉君 委員長、農林大臣は。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 今督促しておりますから、間もなくくると思います。

片柳眞吉緑風会

○片柳眞吉君 私は総理ほか関係大臣に。まず最初にことしの米の豊作を中心としての問題につきまして御質問いたしたいと思うのであります。ことしの米が近く実収高が確定すると思いまするが、農林省の第二回の予想収穫高によりましても七千九百三万石でございまして、過去の最高の収穫統計よりも八百万石以上の増収でございまするし、平年作にしますれば少くとも一千五百万石の大豊作でございまして、これはきわめてけっこうなことであります。ところが最近の情勢を見て参りますると、せっかくのこの豊作が国民生活の安定なり、あるいは国民経済の培養にどうも百パーセント寄与しておらないのではないかというような感じを持つのであります。また他の方面では、豊作の結果困るむきも出ておるというようなことでございまして、まずこの問題から御質問をいたしたいと存ずるのであります。  そこで本年度から従来の供出制度をやめまして、予約売渡制に変ったのでありまして、第一次、第二次の予約を通算しますると、三千百十一万石の予約は確かに集まっておるのでありまするが、ただ私どもの過去の経験からみて参りまして、また未曾有の豊作からして参りますると、この程度で政府の買入れがとまりますると、少くとも千数百万石、見方によっては二千万石近いやみが天下に横行するのではないか。こんなようなことに私は推定をいたすのであります。現に米のやみ価格はもう急ピッチに下りまして、最近の調査では消費地では一升大体百十八円である。希望配給の百二十円を下回っておりまするし、生産県では一升百六円、私も過般東北地方へ行って参りましたが、東北の生産地帯においては、すでに百円を切っておる。こういうような状況でありまして、やみ米が下って、消費者の負担が楽になったという意味においてはよろしいことかもしれませんが、不公平なやみ米を放任しておいて、その結果、国民生活が多少楽になったというのでは、これは私は政治ではないというふうに実は思うのでありまして、そこで農林大臣がまだお見えになりませんので、これは農林大臣からの御答弁の方がしかるべきだとは存じますが、私はこの前にも、食糧管理特別会計は、やはり農家の余裕米はできるだけ吸い上げて、消費者に増配することが建前でありまして、米を買えば買うほど赤字が出ても、これはむしろ健全なる赤字というような考え方を申し上げたわけでありまするが、そこでこういうようなことをしておりましては、せっかくの豊作も、これはどんどん米を食い込んでしまいまして、せっかく政府が奨励しており、あるいはまたアリメカからの余剰農産物の受入代金で、政府が国内において粉食なり、麦食の指導普及をやる、こういうことを考えておられるわけでありまするが、逆にむしろ米を食い込んで、粉食麦食は逆行しておるということは、これは実際であります。それからかような非常な豊作でありまするが、一体外国からの輸入食糧がそれに応じてある程度減っておるかどうかという点も、必ずしも明確でないのでございまして、私は非常にえげつない表現でありまするが、このままでいけば、いわゆるどんぶり勘定の豊作だという表現をいたさざるを得ないのであります。これが正規に政治の面に、国民生活の安定なり、国民経済の進展上、一〇〇%豊作が生きてきておらないということを、実は遺憾に存ずるのであります。  そこで農林大臣がお見えにならんようでありますから、まずこれは大蔵大臣に御質問いたしたいと思いますが、今年の米が大豊作でありながら、三千百万石ぐらいしか現在予約の申し込みがないということでありますが、その辺の事情を、いろいろ農村を歩きまして、農村のほんとうの声を聞いてみますると、やはり最後の心配は税金の点を非常に心配をいたしておることが、これが実際のようであります。もちろん従来の供出割当制から予約売渡制に変ったわけでありまするから、従来の石あたり所得標準の課税方式を、反当所得標準に変えられたことは、私は当然だと思いますが、ただやはり農家の気持としては、米を政府に売れば売るだけ、やはり税金がかかってくるということを、これを心配しておるようであります。特に私どもはこういう点でまず政府のせっかくの考え方が農村に普及をしておらないということにつきまして、今後どういうようなお考えを持っておりますか。  それからもう一つは、従来は供出数量に大体応じて税金がかかっていったわけでありまして、供出割当も一応農業委員会等が中心になりまして、農家の意見が反映した結果、多少凹凸はございましても、供出割当量というものは、農家との相談の結果決定したわけでありまするが、今回の反当所得標準で参りますると農業団体の意見等を十分聞くべしという通牒は、これは確かに出ておりまするけれども、しかしやはり最終的には税務当局が反当の生産量等は決定するのでありまして、その辺がやはり農家としては高く生産量をおさえられて、税金が重くなるのではないかという心配がこれは実際にあります。  そこで御質問をいたしたい点は、そういう趣旨を農村に徹底したことと、課税方式が変って——それはもちろん豊作の結果、所得がふえたに応じてその税金がふえることは、これは当然でありまするが、大豊作と課税方式との変更がからみ合って、従来よりも税金が重くなるということを実は心配をいたしておりまするので、そういうことはありませんと思いまするが、どういうことを考えておりまするか。  もう一つは、これは主税局長もお出でのようでありまするが、前の国会の大蔵委員会で、ことしの予約に応じまして、農家に対しては千四百円の平均控除があるわけでありますが、それでいきますると、ことしの作が平年でありますれば、大体戸数にして約六十万戸程度ではないか、税額にして七十億くらいではないかという、これは平年作を前提としての御答弁があったわけでありまするが、七千九百万石と、課税方式を変えたということでありまするが、大体どのくらいの戸数と、税の見込額がどのくらいになりまするか、おわかりになっておりますれば御答弁を願いたいと思います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) ただいまお話がありましたように、この標準率の切りかえは、義務供出制度から予約売渡制度にかわりましたこの技術上の理由に基くのでありまして、これによりましてこうなりましたからといって、課税を強化するという意思は、政府は毛頭持っておりません。  なおこの反当りの生産について、よく農業団体その他町村長、いろいろありましょうが、実際よく事情のわかった人の意見をよく税務当局が聞きまして、間違った、あるいは不当な査定のないようにいたすことは、今後とも一そう私は督励として、そうやらしたいと思います。  それから七千九百が石のこの豊作の結果の税収のことですが、豊作の結果、農家の所得が増加いたしますし、従いまして農業所得税の増収も予想せられておるのであります。しかしながら農家は平均所得水準が低いのであります。このために実は私も若干意外に思うくらいに豊作の割合には所得税収の増加となって現われてこないようであります。所御税のこの課税農家の戸数の増加、農業所得税収の増加額等につきましては、目下慎重に調査検討いたしておるわけであります。御了承いただきたいと思います。

片柳眞吉緑風会

○片柳眞吉君 そこでこの反当所得標準で賦課する場合にこういう考え方を私はとれないかどうかという点でございますが、と申しまするのは、同じ政府機関で農林省の農林統計調査という機構がありまして、これが少くとも米の生産高なりあるいは減収等については専門機関でございまして、当初は相当の批判がございましたが、漸次この調査も非常な改善をされておると、こう思うわけでありますが、そうなってくると、同じ政府機関で専門家であるところの農林統計調査機構の調査というもの、これをむしろ重点にきめた方が、私は同じ政府機関の中で税務署よりも確かに専門家であることは事実でありますので、同じ政府機関で、せっかくの機関のデータが利用されておらぬということは、農村に行ってもちょっとおかしいというようなことなんでありまして、その辺どのようなお考えを持っておりますか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) よほど技術的な面になっておりますので、政府委員より御答弁いたさせます。

渡邊喜久造大蔵省主税局長

○政府委員(渡邊喜久造君) お答えいたします。税務署の方で反当りの標準率をきめます場合におきましては、結局それぞれのたんぼにおける収穫高がどのくらいあるか、まあ上田、中田、下田と、こういったようなことを中心にしまして、坪刈り等でやっておるわけであります。それで結局全国的な収穫高がそれに幾らになってくるかというような場合におきましては、やはり今御指摘になりました参考の統計などは十分参考にいたしまして、その間にあまり大きな開きのないように従来もやっておりましたし、今後もやると思います。ただ一応税務の方で調べておりますのは、それぞれの田における分であると思います、といったようなことがございまするので、多少調査の目的が違いますので、やはり税務署としましては税務署としての調査が必要になってくるのじゃないか、かように考えております。

片柳眞吉緑風会

○片柳眞吉君 農林大臣まだおみえにならぬようですが、どんなことでしょうか。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 今督促しておりますが、片柳君の御質問中、自治庁長官に関する分を先に……。

片柳眞吉緑風会

○片柳眞吉君 それでは自治庁長官に対する御質問をいたします。  こういうような豊作の事情でありまするが、もう一つは、地方財政が非常な窮迫であるということであります。そこで私どもは地力へ参りまして——自治庁長官にも御存じと思うのですが、農村県——米の生産県で大豊作でありながら豊作による利益といいまするか、豊作事情というものが府県財政にはほとんど反映しておらぬということが多少私はふに落ちないような感じを最近は持ってきておるのでありますが、そこでこれは質問としては農林大臣にですが、一体この生産県では自分の県内の消費者をまかなうというよりも、むしろ東京なり大阪の大消費地の消費者を食わせる意味で、県の農業改良課なり農政課が指導して米の増産をやるわけでありますが、それがどんどん消費地へ出てしまって、県財政にはほとんど何らの反映がきておらぬということが多少ふに落ちないという感じを昨今持っておるわけであります。そこで今回の税制調査会の中間答申で農業事業税を新しく起して府県財政の窮迫をある程度緩和していきたい、ところがこれは御承知のように過去にもございまして、悪税として廃止をされておるのでありまするし、農業団体は非常な反抗もすでにいたしておりまして、しかも固定資産税が非常に農業には一般のものよりも高いということ、これはもう御承知の通りであります。個人の分配所得に対する農業所得が一七・五%でありまするが、固定資産税総額に対して農家の負担する率が三六・六%というような比率を私はもらっておりまして、大体これに間違いないと思うのでありまするが、そこで何らか地方財政を税の面からも処置しなければならぬということは、これはもう私わかりますが、農業税を作ることは、これはちょっと私は農業負担がさらに過重になるのではないかということで、これに対する御見解と、それからもう一つはこういうことであります。遊興飲食税というものを、むしろ私は、中央で取って、これを公平に府県に還元したことの方がどうもやはり正しいのではないかという感じを常に持っておりまして、特に平たく申し上げますると、大体遊興が、遊興といいますると、米なり米で作った酒なりですね。ビールなり、あるいは漁村で獲ったところの魚なりですね。農村の野菜が運ばれて大都市で大饗宴が張られておる。その上に遊興飲食税というものがあるわけでありまして、またいなかの人もなけなしの金を持って都会地へ出てきて、ある程度遊興もしておるだろうと、こう思うのですが、しかも地方税として遊興飲食税が完全に把握されておりますれば、私はこれはまた別でありまするが、どうもそういうこともないようでありまして、いなかの県では遊興飲食税を取るのに相当の努力をしておりまするが、消費地ではどうもその辺が手ぬるいのではないかというような感じでありまして、そういう点からしても、私は府県財政を農業事業税ということでやるよりも、むしろ遊興飲食税を中央で徴収して、これを配分した方がよろしいのではないか。私も東京都の出身でありながら、あえてそういうことを申し上げるわけであります。  まずその二点につきまして御見解を承わりたいと思います。

太田正孝自由民主党自治庁長官

○国務大臣(太田正孝君) 農業事業税につきましては、お話にありました通り二十三年でございましたか、そのときには営業税を事業税にしたときに農業事業税もありましたようでございますが、その後二十五年であったと思いますが、今お話しの通り固定資産税の方でやって、やめてしまいました。その同定資産税が相当高い率をかけるということは、私もそう思っております。この問題は申し上げるまでもなく、農業政策及び主食の問題と非常に関係を持っておることで、それから他の諸税との関係もありますのと、ただいま申しました固定資産税の関係と主食に対する農業施策というものとも関係をいたしている。他の諸税との振り合いなどもありまして影響するところが非常に多いと、農家四千万人といわれる非常に大きな問題でございますから、そんな点を十分考えてからきめたいというので、私はにわかに飛びついてやろうという気は今持っておりません。  第二の遊興飲食税につきましては、これは入場税と並んで府県移管問題が常に起っておるのでございます。しかし、把握することもできないというようなお言葉もございましたけれども、先般御承知の公給領収証というのですか、公給領収証の制度が実施されまして、ある意味の納税秩序はあれで回復したいと努力しておる最中でございますから、今のところはまだ移すという考えは持っておりませんのでございます。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 片柳君、農林大臣が出席されましたから……。

片柳眞吉緑風会

○片柳眞吉君 固定資産税の問題でもう一つ自治庁長官に御質問いたしたい点は、今までも固定資産税が農家に重いということは今申された通りでございますが、この考え方が農家の諸収入から生産費を控除して大体それを還元をするというわけですが、その生産費そのものが、これは米価問題でも、農林大臣もおいででありますが、生産費の見方が非常に低いのであって、それがはね返って結局固定資産税が重課されておるということではないかと思うのですが、そこで、農林大臣も御出席になったわけでありまするが、農林大臣が今回小作料を改訂された。たしか従来平均五百二十五円というものが千九十一円に上りまして、結論としてはこれは私は正しいと思っておるのであります。それは要するに小作人の諸収入から、いわゆる生産費という所得を保証する意味の生産費方式で計算した生産費と、それから一定の利潤を引いた、その余力のうちから千九十一円を納め得ると、こういうことでありますから、私はこれは大体正しいと、こう思っておるのですが、ところが小作料の引き上げの場合にはそういう計算をしながら、税金を賦課する場合には今育った非常に低い生産費でみるということも、同じ政府の政策でも一貫せぬと思いまするし、それからもう一つは、小作料を上げると、今度はそれにはね返って農地の売買価格が上って、今度はまた固定資産税が重課されるということになると、これは、いたちごっこでありまして、そういうことは、ぜひ、これはやめてもらいたいと思いますが、それに対するお答えを願いたいと思います。

太田正孝自由民主党自治庁長官

○国務大臣(太田正孝君) 先ほど私が、事業税の問題は答申にもございますし、八十億も見込んでおるのでございますから、よく考えたいという意味で申し上げたので、にわかに賛成論もできないと申し上げたことを、どうぞ、きまったわけじゃございませんから、御了解願いたいと思います。小作料が上りましたにつきまして農地の固定資産税を上げるかということでございますが、結論から言うと上げる気はございません。申し上げるまでもなく、従来固定資産税が小作料相当額に達したようなものもあるから、そんな点まで考えてみますると、むしろ小作料が上ったことが固定資産税の運用上これでよくなったような気もいたしますので、この際上げる気は持っておりません。

片柳眞吉緑風会

○片柳眞吉君 自治庁長官にもう一つ地方財政の点でお尋ねいたしたい点は、地方競馬の問題でございまして、これは農林大臣もおいででありましてよく御承知なわけですが、現在のところは地方競馬は県と戦災市町村だけになっております。競馬場の所在町村も最近入っておるようでありますが、ところが戦災町村も大体戦後十年を経過して大体もう一巡したのではないかという感じでありまして、そこで地方競馬は、むしろ府県がこれをやって収入にするか、町村に認めるのであればむしろ戦災町村は一応大体もう一回りしましたので、全国の財政状況の悪い町村にむしろ順番をつけてやるという考え方はどうであろうか。これはきわめてこまかい問題でございますから、御即答がなければ御研究願ってもけっこうであります。

太田正孝自由民主党自治庁長官

○国務大臣(太田正孝君) 競馬につきましては、前内閣のときに、新生活運動の一端といたしましてそれをふやさないと、こういう方針がきまっておるのでございます。またその方針を続けていく考えでございます。ただ施設をする団体とその競馬場を利用する団体とがございまして、施設はふやさないけれども、現在の施設のある団体とそれを利用したい団体とが、話し合いによりましてそれに参加するということは考えております。ことに貧弱な町村の財政も考えまして、今まで大体は許しておるようでありますが、施設はふやさない、こういう考え方でおるのでございます。

片柳眞吉緑風会

○片柳眞吉君 それでは農林大臣がお見えになりましたのでお伺いいたしたいと思いまするが、先ほど実は豊作が百パーセント生かされておらないのじゃないかという前提で質問をいたしておるわけでありますが、第一次、第二次で三千百十一万石は予約で出て参りましたが、これでいっても相当のものがまだ農家にダブついておると思いまするが、今後の農家の余剰米を政府がいかにしてこれを吸い上げ、買い入れする御方針でありまするか。先ほど大蔵大臣には、農村団体が統制撤廃反対を主張しながら米を出さないのはおかしいのではないかということを、私は地方に行ってもお話しをしておるわけでありますが、税金の点が確かにあるようでありまして、この点をはっきり農村にわかってもらうことがぜひ必要と思いまするが、そういうことを前提として、今後いかなる方法でこれを吸い上げられるお考えでありまするか。まずこれをお伺いいたしたい。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(河野一郎君) いろいろ事情がありますことは御承知の通り、あまり政府に予約をしますと統制撤廃を手伝うようなものであるというようなこと、税金が云々というようなことがあり、また協同組合等のこれに対する指導の上におきましての多少の遺憾の点があるような節もございましたので、米屋さんを使って集めようかというような準備も実はしたわけでございます。ところが協同組合の諸君が米屋を使うというようなことはとんでもない話だということでございましたので、問題は、集荷ができて、やみ米がなくなるということになればよろしいのであって、好んで米屋さんの御協力を願おうとするのじゃありませんので、よくお話し合いをいたしましたところが、さらに一段の御努力を願って、先ず三百万石ぐらいを目標にしてさらに馬力をかけようということで、せっかくまた努力を始められたようでございますから、これらの成果に相当の期待ができるのじゃないかと思うわけでございます。まあ、お説の通り政府としましては、なるべくたくさん集めるように努力するということで、せっかく考案しているようなわけでございます。

片柳眞吉緑風会

○片柳眞吉君 それでは時間の関係もありますので次に参りたいと思いますが、これは農林大臣にも別途陳情等もいたしているわけでありまするが、先ほど申しましたように、豊作の結果やはりマイナスの面もどこかに出て来ているということでありますが、それは先ほど申し上げましたように、せっかく今日まで進んで参つた粉食、麦食が逆行している、これは明瞭な事実でございます。米の統制撤廃を前提としてもやはりわれわれの食生活に麦の食生活を織り込んでいかなければならんと、こういうわけでありますが、非常に最近は麦が売れなくなって来ている。麦を台所で食べなくなって来ている。これは顕著な事実だと思うのであります。そこで余剰農産物の資金で粉食の奨励をするという足元から、粉食からむしろ逆行しているということでありますが、そこで帰するところは米の値段が下って来ているということでありますので、やはり麦の消費者価格を下げていかんと、結局高い麦は食わずして、安い米に食いつくことは、これは当然ではないかと思うのでありますが、そこで今年の麦の売却価格をきめました——たしか六月だと思いまするが——米価審議会においての対米比価で麦の売却価格が決定をされておりまするが、当時の配給と「やみ」とを平均いたしましたいわゆる実効米価は、十キロ八百七十二円を基礎として、小麦はその六割二分であるとか、精麦は六割六分というようなことで決定をされているわけでありまするが、ところが最近のような、やみ米が下って参り、希望配給の百二十円というものも出て参りますと、正確な計算はしておりませんが、八百七十二円が八百十数円に私は落ちているのではないだろうか。要するに基準の実効米価が五十円がらみ落ちて来ているわけでありますから、これでは絶対に粉食の普及はされないと思うのでありまするが、その意味で麦の消費者価格というものを下げることがこの際ぜひこれは必要ではないかと、こう思いますが、これに対して農林大臣はどういうお考えを持っておられるのか、御質問をいたす次第であります。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(河野一郎君) お説の通り、今年の豊作の影響を受けまして、やみ価格が非常に暴落いたしておりますことは事実であります。その結果、やみ価格が暴落をいたしましたので、麦の消費が非常に減退いたしまして米の消費に転換されまして、せっかくの粉食奨励が逆行いたしておりますこともその通りであります。が、しかし、これはやみ価格でございますから、政府の施策によっていかんともしようがございませんので、私としましては根本的にやみ米をなくするということに努力をすることが第一と考えております。かたがた麦の価格を従来きめました当時の事情が、やりきたって参りました点につきまして疑義がある。六、七月のころの価格を基準にして対米比価の計算をしてみたり、経済の傾向を参酌してきめたりするところにいろいろの難点がある。これはすべて戦争中から占領行政の影響を受けまして麦の増産にあまりに熱意を入れましたために、米の価格と麦の価格との比率において遺憾の点もあるようにも私は思うのであります。それこれ勘案いたしまして、今回政府内部に米、麦、じゃがいもその他一般農産物の価格はいかがあるべきかということを御審議願うための審議会を開きまして、根本的に再検討を願っておるわけでございます。その結果を見まして全面的に農産物の価格の安定値を政府としてどこに求めるかということの結論を得たいということを考えておるのでございまして、これができました上で基本的に私は考え直してみたいと思っております。そこで差し当りの問題でございますが、今、片柳君からお示しの通りに、現在全国の精麦業者等には倒産をする人が非常に多くなってきたということも聞いておりますので、先般これらの事情をしんしゃくいたしまして、実は一部、内麦、外麦について値下げをいたしたようなわけでございまして、今後も引き続き必要が起りますれば十分それら不自然の状態にありますもの、不合理の状態にありますものについては考慮をして参りたいと考えておるわけであります。

片柳眞吉緑風会

○片柳眞吉君 次に食糧輸入量との関係でございますが、平年よりも千五百万の大増収であるということでありますが、国内の自給力がふえたに応じて食糧輸入はどういうふうにお考えになっておりまするか。いろいろ各国との条約等の関係もありまして、いろいろな事情があると思いまするが、一般的のお考えではどういうようなお考えで輸入数量を決定するか、お尋ねいたします。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(河野一郎君) ただいまお話にありました通りに、麦と米の消費量が従来に例を見ないような状態にあると思うのでございまして、これらを勘案して明年度の需給推算をいたしますことはなかなかむずかしい点がございますが、今せっかく検討中でございまして、経過的なものは持っておりますけれども、結論として明年度の施策を根本的にきめるという段階に立ち至っておりません。これらの需給の推移を十分見て、そうしてなお価格の点等から勘案いたしまして、需給の見通しをつけてやっていきたいというふうに考えておりますので、今ここで結論的に申し上げる段階に至っておりません。

片柳眞吉緑風会

○片柳眞吉君 それから次には消費者価格の問題でありまして、これはなかなか軽々には決定し得ないことはよくわかるわけでありまするが、こういう考え方が農林大臣はとれないかどうか。先ほど豊作であっても生産県の財政にはほとんど寄与していないということを自治庁長官にも御質問いたしたわけですが、それにやや相似た考え方で御質問いたすのでありますが、米の生産地帯と東京、大阪のような米の消費地との間に、将来消費者価格をいじるという場合におきましては、この間にやはりある程度の差等をつけてもいいのではないかという感じを、私、最近非常に持っておるわけでありますが、これは単に生産地の米屋さんが配給辞退で困っておるというようなそういう小さい点からではなくして、ともかく生産県では米のやはり増産に県全体をあげて相当の貢献をいたしておるわけでありまするから、それを送ってもらって配給を受けておるところの消費地との間には、若干の差等が私はあってもよろしいのではないかと、こういう私のまあ私見でありまするが、どんなお考えを持っておられますか。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(河野一郎君) 厳密に申しますれば、生産地の消費者諸君は運賃その他において掛りのかからないものを差し上げるのでございますから、安くてよろしい、政府の負担もあまりかかっておらないのでございますから、安くてよろしいという議論も成り立つかもしれませんが、これを完全に政府が専売に近い厳密なところまでやるならば、今言うように立地条件等も勘案して価格差をつけるということも考えなければならぬ場合もあるかもしれないと思います。一般物価についてもそういう事情があるのでございますから。しかし現在の食管法の運用はそれほど実は厳密に行われておりません。御承知の通り生産地におきましては多少の価格差をつけましたところが、やみ米はそれより下って下回っておるというようなわけでございますから、やみの取引を厳重に処罰して、いやしくもゆるがせにしないというところまで厳重にやっておるということであれば、それは今のお話のような点もあるかもしれませんが、現在経済のことでありますから実情に即して私は考えていったらいいじゃないかというふうに思っております。しかし実情を甘んじておるわけではございません。「やみ」をそのままにしておいてよろしいというわけではございません。いずれ来週からでも各方面の権威の方々をもう一ぺん農林大臣のところにお集まり願って、米の問題につきましては十分検討を加えて、そして明年どうするかということを考え直してみたいと実は私は考えておるようなわけでございます。それらの点を一つ御了承いただきたいと思います。

片柳眞吉緑風会

○片柳眞吉君 次にこれは大蔵大臣と農林大臣あるいは行政管理庁の長官としてお聞き願いまして御答弁願いたいと思います。私はかねてから塩の専売制につきまして疑問を持っておるのであります。たばこのように相当の交付金を納めまして国家財政に非常に寄与しておれば、私は財政専売として合理性を認めます。たばこ耕作は農業ということであっても、専売公社がそのめんどうをみることについて何ら異存は持っておらないのでありますが、ところが、たばこ以外の塩あるいはショウノウということになりますと、これは実は財政専売といいますが、ほとんど国家財政に益しておらない、むしろショウノウのごときは、最近の業務報告を見ましても一億円近く赤字を出しておるということでありまして、一体財政に寄与しないものを専売としてやることが果して財政上正しいかどうか実は疑問さえ持っておるのでありまして、大蔵省のこの専売公社の業務報告書にも、財政専売が原則であるが、しかし需給調整なり産業保護というものもあり得るということはすでに付加されて説明しておりますが、元来私は、専売益金の生じないものを、ああいうがっちりした専売でやることが果してどうだろうか、そういうような実は基本的な考え方を持っておりますが、それに関連いたしまして、塩と申しまするとやはり家庭用なり、あるいは、みそ、しょうゆ、つけもの、その他の国民生活に欠くことのできない、米に次ぐ非常に重要な物資であります。ところが産業保護というようなことであるかもしれませんが、専売公社が売りまするところの塩の売り渡し価格につきまして非常に差等があるのであります。ソーダ工場に使う原料塩が本船渡しでトン当り三千六百円、工場で渡せば三千六百七十円に専売公社がきめた。一定の経費を加算したもので売るということになっておるようでありますが、三千六百円から七百円だ。ところが家庭用なり、一般の業務用、水産用だけは最近多少安くなったようでありますが、今言った、みそ、しょうゆ、つけもの等の家庭用などの一般食料塩はトン一万三千円から一万四千五百円、非常に開きがあるわけでありまして、こういうことが一体許されていいかどうか。しかも益金は生じておらぬ。産業保護といえば、確かにソーダ工業の方は保護されておりますが、逆に家庭用なりあるいは一般の業務用の塩というものは保護されないいうことになるのであって、こういうようなことが果して私はよろしいかどうか、根本的な考え方を持っておるのでありまして、行政機構の改革というような問題もありまするし、あるいは国家財政の財政収入をふやすというような問題もありまするが、一体そういうものを専売公社の専売としてやるとが正しいかどうか。これは私はむしろ大蔵大臣に一つその点につきまして御見解を伺いたいと思います。今言った一般用塩と工業塩等にこういう差などをつけないで、ソーダ工業を保護する必要があればむしろ別途にやるべきであって、家庭用なり、業務用、みそ、しょうゆといっても結局大衆負担になるわけでありますが、そういうものを高くしてプールするということはどうも正しくないのだ、こういうふうに思うのでありますが、以上につきまして御所川見を一つ承わりたいと思います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 塩の専売でありますが、これは私の考えですが、塩は生活必需品であります。従って需給を安定させる、価格も安定させるということが非常に大切である。それで、単に財政的な収入ということ以外に、そういう公益的な目的をもって専売をいたしております、かように考えておるのでありまするが、しかし、こういうことは私はやはり情勢の変化等で常に検討を加える必要があると思っております。これを検討を加えてみたいと思っております。  それからただいま食料塩と工業塩の価格差のことにつきましてお尋ねでありますが、工業塩は安くなっております。これはソーダ工業その他特殊の化学工業について安い塩を供給いたしておるのでありますが、これは主としてこういう基幹産業、二次の基幹産業になっておりますが、同時にこれが日本の輸出に非常に関係のあるものと考えております。しかしそれだからといって食料塩も、私はできるだけやはり生産費を下げるという考え方からして、価格を下げ得るように持っていきたい、かように考えておるのであります。なおそういう価格差のことについては今後一そう検討を加えて参りたいと思います。

片柳眞吉緑風会

○片柳眞吉君 それでは農林大臣がお急ぎのようでありますから、農林大臣に、先ほど大蔵大臣から御答弁がありましたから、御質問いたしたいと思いまするが、先ほど木村議員から農地改革による旧地主さんの補償の問題につきまして御質問がありまして、大蔵大臣からは、そういうものを国が補償するという意思はないという御答弁であったのでありますが、ところが最近何といいますか、旧地主を組合という、言葉は悪いかもしれませんが、そういう人からいわば一定の運動資金を集めて大々的な運動をやっているのを、各地で私どもは行って見るのであります。民間の人が運動することを抑止することは、これはできないわけでありまするが、しかし、そういうことをやる意思がないということでありますれば、そういうような無益な運動をいつまでもやらせることは、かえって害毒を流すことではないかと私は地方に行って実は痛感しておるのでありまして、これをもちろん抑止するとか禁止することはできませんが、何かそういう政府の態度方針が明確になれば、こういうようなことがなくなる。もちろん旧地主さんを別途の意味でこれの対策を考えることは、これは私は何ら異議はございませんが、補償として国家の補償を要求するということが全くだめなものであれば、むしろはっきりその方針を宣明した方が、かえって親切ではないかと思うわけでありますが、先ほど大蔵大臣からも御答弁がありましたので、大蔵、農林両大臣から一つこの点につきまして御答弁を願いたいと思います。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(河野一郎君) 御承知のように、この問題につきましては、法律上は判例がたくさん出ておりますので、はっきりしておると思うのであります。しかし政府としてこれを取り扱いまする取り扱い方につきましては、いずれよく閣議等で相談いたしまして、明確な答えを一本にして申し上げたいと思います。

相馬助治日本社会党

○相馬助治君 ただいまの答弁に関連してお尋ねしたいと思うのですが、農林大臣としては、問題の性質上慎重な態度をもってやらなけれならないことは、それは私もよく了解いたしますけれども、実は一つの大衆運動として巻き起っておりますこの運動というものは、この種の問題を誘発してくるところの内容を持っていると思うのです。すなわち、いかなる人が政権を作っていても、その種の人たちにどんなに同情をしていても、とうてい補償することの不可能な問題というものは、幾つも今後予想されると思うのであります。従いましてこの問題につきましては、不幸な話ですけれども、伝え聞くところによると、某々氏が参議院議員の全国区に立候補するために、こう人たちをおだてあげてやっているのである、そういうようなことも、うわさされています。これは単なるうわさであれば、けっこうでございまするけれども、この問題をあのまま放置しておきますというと、非常に関係するところは深く大きな問題になっていこうと思いますので、ぜひともこの問題については、明確に政府が態度を表明していただきたいと思うのであります。従いまして、いずれ閣議に諮ってというお言葉でありますが、ここ一、二日のうちに、早急にそういう答えが出るところに参っておりますか。またそういう日時については、いまだ明言をできないというところですか。ぜひともこの問題について、しつこいようですが、もう一度農相のお考えを聞かしておいていただきたいと思います。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(河野一郎君) お答えいたします。なるべく早く相談をいたしまして、お答えをするようにいたします。

片柳眞吉緑風会

○片柳眞吉君 それでは塩の専売制につきまして、もう一ぺん大蔵大臣に御質問いたしたいのでありますが、できるだけ塩の生産費を安くしていくということは何ら異議はございませんが、ところが最近の国内塩につきましても、いろいろ対策をお考えのようでありますが、国内塩の収納価格が、トン大体一万三千六百円というふうに私は調査をしております。ところが輸入価格は大体トン当り九ドル内外である。そうしますると、三千円ちょっとで外塩が買い得る。塩のことでありますから、やはり国内である程度できるという考え方も、これは了解できないことはないのですが、あまりにも、けたが違っておる。こういうようなものについて、果して国内塩の増産ということをやっていってよろしいかどうか。大体外垣が相当数量外国から入ってきますが、国内の価格をさらに下げ得る見込みがありまするかどうか。そうでないと、先ほどの、できるだけ食料塩を安くしたいと言っても、これは結局それができ得ないということになろうと思いますが、むしろ外塩を多くして、国内塩はそう大した期待が持ち得ないというようなお考えでいきますかどうか。その辺をお伺いしたいと思います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 価格の点から申しますれば、ただいまの御意見のような点が十分あるのでありますが、大体この産業政策といたしまして、食料塩の八割程度はなるべく国内で生産をしようという一応の、方針をとっておるのであります。この点も考えていただきたいと、かように考えます。

片柳眞吉緑風会

○片柳眞吉君 最後に大蔵大臣に御質問いたしますが、先ほど農林大臣は、余剰米を今後できるだけ買って、やみをなくしていきたい、こういうことで、ぜひそう願いたいと思いますが、そうなってくると、また赤字問題が出てくるわけでありまして、聞くところによりますと、業務用米も大して売れないと、それから正規の配給にしても東北地方では七割から八割が配給辞退であるということでありまして、そこで食管会計がやはり三千百十一億になる、さらにそれ以上農林大臣は買っていきたいということになりますというと、相当やはりまた別の赤字が出てくるかと思いますが、これは概算でけっこうでありますが、現状の三千百十一億でいってどの程度のお見込みになりますか。そうなってくると、食糧証券の発行限度は、ただいま別途法律案が出ておりますから、資金の点は食糧証券の発行限度の引き上げでまかない得ると思いますが、その赤字がどのくらいであるか。その赤字を、通常国会も開かれますが、それをやっぱり補正をするとお考えになりますかどうか。最後に御質問をいたします。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 御承知のように、この食管の赤字、三十年度において七十億、二十九年三十億、それで百億のインベントリーで大体バランスがとれる、これが当初の考えであり す。ところが今いろいろお話のように、いろいろな関係から、おそらく私は相当赤字がふえておると思っておりますが、しかしそういう点について、まあ農林大臣もおられるので、あるいは的確のことがお話できるかもしれませんが、検討を加えております。が、しかし今お話がありましたように、どうしてもこの予算の補正をしなければなりません。その際までには明らかにいたしたいと、せっかく努力はいたしております。

片柳眞吉緑風会

○片柳眞吉君 その補正は、そうすると今年度の通常国会にお出しになることになりますか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) そういうことになります。食糧証券の発行限度だけは今国会で法律改正をお願いしておるのであります。

片柳眞吉緑風会

○片柳眞吉君 以上で私はけっこうであります。

高橋進太郎自由民主党

○高橋進太郎君 この際大蔵大臣並びに総理大臣にお尋ねいたしたいと思いますが、まずその第一点は地方財政の問題であります。  私から申し上げるまでもなく、地方財政の最近の窮乏状況はまことに目に余るものがあり、今回の臨時国会もそのために開かれておるという状況でございまするが、これに対する本年度の措置はいわゆる暫定措置であって、根本的な問題に触れないのでございまするが、他の委員会等において大蔵大臣の御答弁を聞いておりますると、それらはすべて三十一年度において抜本的かつ根本的な措置を考えたい、こう言っておられまするが、それに対する大蔵大臣の御構想を承わりたいと思います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) この地方財政につきましては、実は三十年度の予算のときから申しておりますように、まず従来の赤字を棚上げをいたしまして、で、まあ三十年度大体うまくいくだろうという考えで構想いたしたのでありますが、最近特にこの窮状を現わしておる。で、今回特別措置をいたしたのであります。結局従来の赤字、さらに三十年度の窮状をこの措置で打開して、そうして将来地方財政が赤字を出さないようにする措置は三十一年度において根本的にやりたい、こういう考えであります。これについてはどうしても、しばしば申し上げましたように、行政、それから税制、さらにまあ財政の運営面に、この行、財、税の三方面にわたって根本的に考えて、赤字の出たもとを確かめてやらなくてはならぬ。従いまして、考えておりますことは、まずこの行政面、行政機構の簡素化、あるいは合理化、まあ具体的にごくわかりやすく申しても、非常にたくさんな委員会なんか、あのままでいいのかという問題があります。さらにまた税におきましては——大体従来仕事が非常に多くてそれにふさわしい財源が地方になかったことも原因で、そうして財源がなくして、主として地方債の発行によってこれをまかなうという行き方、これでは借金をしては仕事をするのですから、行き詰まるということは、私、当初から、やはりやむを得なかったことでありましょうが、面白くない。こういう点も改めまして、まず地方における税の偏在の是正ということも、さらに中央、地方の税の徴収——そうしてまず歳出面を、どうしても仕事の分量が多いのですから、歳出面をできるだけ圧縮いたしまして、その上でまあ財源を確保する、さらにその上で財政の運営の適正合理化をやる、こういうのが今考えている基本の点であります。

高橋進太郎自由民主党

○高橋進太郎君 大体御構想を承わったのですが、先般中間報告として御発表になりました地方団体の給与の実態を見ますると、従来とかく地方公務員の給与実態は高いということを言われたのでありますが、この予想を裏切りまして、きわめて低位にあるほかに、ある特殊な、あるいは富裕団体、いわゆる富裕団体と称する公務員の給与実態を除いては、概して国家公務員に比較して低位にある。しかもその内容を見ますると、いわゆるピンからキリという言葉がございまするが、きわめて貧弱な、しかも低いところの給与ベースにあるという実態がきわめて見られるのでございまするが、これはひとえに、いわゆる地方団体と、こう称しながらも、その内容において千差万別であり、しかもその財政状況はきわめて多岐にわたっておるのでございますが、その大きな一つの原因として、現在の地方財政の税体系というものが、どうしても都会地であるとかあるいは工業地であるとか、いわゆるそのときの経済の好況に依存するような場所にきわめて偏在しておると、こういうところが非常に大きな原因に見られるのでございますが、そういう意味からいうと、プール財源と申しますか、そうした未開発であり、また経済的にはきわめて今後開発しなければならんような場所が税財源がなくて、いわゆる個人で言うならば貧富の差がますますひどくなるというような状況でございまするが、今回の蔵相の構想の中でそうしたいわゆる税財源の偏在を何らか是正するという点についてお考えを承わりたいと思うのであります。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 先ほども申しましたが、税の偏在、言いかえれば富裕な所と貧しい所、この税の偏在を是正する、これは私は税の関係において考えなくてはならない問題だと思っております。なお開発という点についてのお話でございますが、今後地方債は私は採算的な将来性のある事業については地方債を許していく、かように考えておるわけであります。開発事業なんかはやはりそういうふうな関係において資金の調達は可能であろうと考えております。

高橋進太郎自由民主党

○高橋進太郎君 最後に地方財政の点について総理に御所見を承わりたいと思うのであります。地方財政がただいま申し上げました通りいろいろな角度から再検討され、またこれが窮乏化の原因等についても各方面から検討されておるのであり、かつまたただいま大蔵大臣のお話も、これに対する抜本的措置も考えたいと、こういうお話でございまするが、私はその最も大きな根本的かつ基本的な窮乏の原因となっておりますのは、たびたび当委員会並びに本会議等において御指摘申し上げました通り、現在地方公共団体の事務が、どの程度までが国家の事務であり、どの程度までが固有事務であるかということが明瞭になっていない点が第一点と、同時に現在の日本の行政機構がいわゆる中央集権でございまして、明治維新以来、かつまたそれに引続くところの幾多の戦争を通じて、従来はこれはやむを得なかったと思うのでございますが、ほんとうに国家百年のために平和国家を建設する、こういうような観点から見まするならば、ほんとうに国の政治及び行政というものが国民に直結するところのこの地方団体に対して思い切って事務を委譲し、同時にこれを中核として、政治、行政を運営するということが、国のあらゆる観点においてこれは基本でないかと思うのであります。そのためには、現在のようにあらゆる問題が中央の機構に握られ、かつまたこの出先機関が、現在、私の郷里は仙台でございますが、仙台には百余にあまるところの出先機関がございまして、わずかの補助金をもらい、あるいは起債等をいただきまするにつきましても、あるいはその他の許可、認可事項につきましても、これらの出先機関の、かつまた各省別にそれらの手続を踏み、さらに中央において、各省において十重二十重にその網がめぐらされるというような、こういうような行政事務において、きわめて金のかかる、簡易にいかないというところが、私は地方団体の財政の窮乏の大きな原因をなしておると思うのであります。従ってこの地方財政の根本的な改革といたしましては、その基本として国の行政の運営を根本的に改めて、そうしてむしろ現在の中央策権的なやり方を排して、地方公共団体を中核とした行政運営に支点をおくべきであり、中央はできるだけこれを簡素化して、そしてむしろ地方の住民と直結するところの、この地方団体を中核とした行政運営に支点をおかなければならないと考えるのでございますが、総理は第三次鳩山内閣を組閣せられ、その組閣に当って思い切った行政改革を行うということを声明せられておるのでありまするが、その行政改革の御構想の中に、こうした問題についてのお考えの一端をこの際御指示願いたいと存ずるものであります。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 地方財政の健全化の根本対策を至急確立する必要があるといことは、高橋君のおっしゃる通りであります。これについては行政機構の改革と地方制度調査会の答申と、両方を尊重いたしまして、明年度を期してどうしても改革をいたしたいと考えております。そうして将来再びこういうような赤字が生じないような根本対策を樹立いたしたいと考えております。

安井謙自由民主党

○安井謙君 ちょっと今の高橋君の質問に関連して伺いたいのですが、その地方制度改革について、現在地方制度の一番矛盾しているところと申しますか、経営の混乱する原因の一つには、従来ある市町村という自治体と都道府県という自治体とが二重に重なっておるという実情があろうかと思うのでありますが、そういった点にまで将来触れたお考えで改革をお考えになっておるのかいしりか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 地方制度の改革につきましてはすでに地方制度調査会の第一次答申がありましたので、政府としてはこの線に沿うて地方制度の改革を断行いたしたいと思っております。  なお地方制度の根本的改革につきましては、地方制度調査会においては府県制度の改革を中心として引続き慎重な検討が続けられておりますので、政府としてはその答申を待って所要の措置をやっていきたいと考えております。

安井謙自由民主党

○安井謙君 これは大蔵大臣でもけっこうでございますが、今の高橋君の質問に関連いたしまして、税制を相当考えたいというお話でした。その原因の中には地方税の偏在という問題を取り上げておられる。地方税の偏在という現象は、私どもからみますと、これは先ほど高橋委員の言われたように、地方の経済状況に即応した税が偏在と称せられている税の一つであろうと思う。それからもう一つは、地方の、ことに農村等におきましては、これは片柳委員も指摘されましたが、地方の好不況とほとんど影響なしに税源が固定してしまっている、地方団体に。そこに住民の経済状態と無関係に地方団体の税源が固定しているところに非常に困難がある。そこで税源を下手にいじるということになりますと、これは中央集権にやはりなってしまうという傾向が非常に強かろうと思います。そうでなくして、むしろ地方の税源をもっと国有なものを与えるという工合にお考えになっておられないかどうか。その点を……。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 御意見の点も十分尊重いたしたいと思います。

高橋進太郎自由民主党

○高橋進太郎君 先ほど大蔵大臣の御答弁の中に、地方起債の問題に触れられておるのでございまするが、要するに現在、先ほどのお話にもありました通り、地方財政と、こう一つかみに申しましても、その間、千差万別であり、しかもこの窮乏を打開するためには、私はやはり、中央に頼るということもこれは一つの方法でありますが、根本的にはやはりこの地方団体みずからの力で立ち直り、同時に地方団体が相互に助け合うということがやはり基本線にならなければならぬと思うのであります。そういう観点から、現在のように地方債もすべて預金部資金に頼る、中央に頼るというやり方を捨てまして、地方金庫と申しますか、あるいは自治金庫と申しますか、そうしたものを作って、そうして、まあ政府の出資も必要でありましょう。またそういう富裕団体あるいは資金の余裕のあるところも、進んで相互扶助の観点からこれに預金し、あるいは貯蓄すると、こういう工合にして自治団体それ自体が相互にまずお互いに助け合っていくと、こういうような線も大いに打ち出さなければならぬと考えるのでございまするが、これに対する大蔵大臣の御所見を承わりたいと思います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 常に言われることでありますが、財政の健全ということは何も国に限ったことでもありません。地方に限ったことでもありません。これは日本の国全体でありますから、国、地方を通じて健全になる。またその意味は、同時にまた地方は地方でく主体として健全になる。全く同じように考えております。

高橋進太郎自由民主党

○高橋進太郎君 最後に大蔵大臣並びに総理大臣に在外財産の補償の問題をお尋ねいたしてみたいと思うのであります。  申し上げるまでもなく、終戦後営々として築いてきたところの在外財産をそのままにして幾多の引揚者が引揚げて参ったわけでございます。で、これらの引揚者はいずれも海外発展という大きな国権の発揚のために外地において奮闘せられた方であり、かつまた今度の戦争によりまして、あるいは国権の喪失によって最も多くその被害を受けられた方であると思うのであります。しこうして、これらの在外財産のあるものについては、いわゆる講和条約において、賠償の、ある意味から申しますればカタにもなっておるというふうに考えられるのであります。なお二、三の国においては、日本のこれら邦人の功績を認められて、これらの在外財産を進んで返すというような国も見られておるのでございまするが、大部分はいわゆる賠償のカタとしてこれらは没収された、うき目を見ておるのであり、また日本自体としても、ある意味から申しますれば、賠償のカタとしてこれらの在外財産をその支払いに充当しているという然がないでもないのであります。従って、そういうところを総合して考えてみますれば、何らかやはりこの点について国家が措置するということは必要であり、かつまた今後日本の海外発展を推進する意味から申しましても、これらの引揚者に対して、その在外財産の問題につきまして、何らか政府においてあたたかい措置を考えるということはきわめて肝要であり、適切であると考えるのでございまするが、この点に対する総理並びに大蔵大臣の御所見を承わりたいと存じます。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 在外財産の問題はきわめて複雑多岐に亘る問題でありますので、政府としては学識経験者の意見を徴しまして、方針を立案することが適当であると考えて、在外財産問題審議会を設立いたしました。同審議会は、在外財産問題の処理一方針いかんという諮問に基きまして、鋭意審議中でございます。第二十二国会における在外財産処理促進に関する衆参両院の決議については、政府はその趣旨を直ちに同審議会に連絡をしておりまして、同審議会も従来に引き続いてこの問題の処理方針を活発に審議中でございます。本問題はきわめて重要な問題であり、同時にまたきわめて複雑な問題であります。同審議会の答申があるまでにはなおある程度の時日を要すると思われますが、政府としては可及的すみやかに答申が行わるることを期待しております。この答申を持ちまして、直ちに本問題の処理については検討を開始する方針でございます。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) ただいま総理大臣から御答弁があった通りであります。なお、この件につきましては、党並びに関係方面と十分折衝いたしまして、できるだけ私はやはりあたたかい気持を示し、かつ実現をしていきたいと、かように考えます。何分これは外交上、財政上大きな問題でありますので、十分慎重に考えておるような次第であります。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 まず第一に、三十一年度の予算の編成の見通しですね、予算大綱をいつごろ作り、いつごろ国会に提出されるか、この点一応見通しについて伺っておきたい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) ただいまのところ大体一月下旬を目途として考えております。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 言うまでもなく、この予算編成については、毎年ですが、特にまた今年は防衛分担金の折衝、これが非常に重大な問題になっておりますが、伝えられるところによると、今この折衝は非常なデッド・ロックにぶつかっておると、それは最初政府が、この川前の国会でもこれは総理も答弁されましたが、三十一年度の防衛分担金の折衝に当っては、この四月の日米共同声明に必ずしもこだわらないで、すなわち日米共同声明では、三十年度に防衛分担金を三百八十億にまけましたが、それは一年度限りである、本年度限りである。で、次の防衛分担金の折衝は、行政協定二十五条のB項の一億五千五百万ドル、五百五十八億を基礎としてやるということになった。そこでおそらく、日米共同声明はそうなっておるから、三十一年度の防衛分担金の折衝については、政府が希望するように二十年度の三百八十億の基礎では、スタートがその基礎ではいかないのではないか、こういうことを質問したところが、いや、必ずしも行政協定二十五条の(b)項にとらわれないで、この五百五十八億にとらわれないで、三脚八十億でスタートしてできるであろう、こういうことを御答弁になっておるのですよ。ところが最近どうですか。アメリカがやはり日米共同声明をたてにして、それをスタートとしてきている。それで今デッド・ロックの状態だと思うのですが、この今の折衝の段階はどうなっておりますか。今、一月下旬に予算が出る、こういうようなあれでは非常におくれるし、さらに私はまだそれでももっとおくれるのではないか、こう思うのですが、今の段階はどういう段階になっておりますか、折衝の……。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) デッド・ロックになっておるということはありません。のみならず、実は三十一年度の分担金に関しましてまだ交渉いたしておりません。近いうちに始めよう、こういう状態であります。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 全然話し合いはやっていないのですか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) やっておりません。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 今折衝していないで、全然三十一年度の予算の見通しは立たないわけですね、そのあれでは……。大体鳩山内閣は今度は絶対多数を取っている。それなら民主的財政からいえば、ほんとうは前年度の、翌年度の前の十二月上旬、三十一年度予算ならばこの十二月の上旬ぐらいに出すのが望ましい。毎年々々ずっとおくれておる、いわゆる予算の提出は。そのために結果からいって国会で十分予算を審議しないような形において提出されておる、結果においでは。それが今防衛分拠金の折衝がそういう形であると これはもう非常にまたおくれるのではないか、一月下旬に大体ほんとうにできるのでしょうか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) できるように交渉を進めていく覚悟を持っております。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 政府の方針はどうなんですか、その基礎です。交渉の基礎はやはり三百八十億をスタートとしてやるつもりでありますか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) これは今後の交渉に待つことでありますが、私の考えといたしましては、昨年がこれ三百八十億の分担金で、相当の一年間に防衛の強化もやっておるわけであります。従いまして、やはり三百八十億というものが、有力な私は基礎になるべきだと考えております。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 外務大臣お見えになりましたから、これに関連して御質問いたしますが、さっそくですが、外務大臣、今防衛分担金のことを質問しておるのですが、きょうアリソン大使と会われたようですが、これは防衛分担金の問題ではないのですか。

重光葵自由民主党外務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(重光葵君) そうではございませんでした。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 今大蔵大臣は、防衛分担金の折衝の政府の考え方の基礎は、三十年度の、本年度の三百八十億、これを基礎にして削減を要求したいと言っておりますが、ところが日米共同声明では、御承知のように本年度の削減は一年限りである。この前の国会で御承知のように、三十一年度の防衛分担金の折衝のスタートは、行政協定二十五条の(b)項、五百五十八億を基礎にするというようになっておるわけです。そこで政府は三百八十億をスタートとしてやろうとしても、アメリカ側の方で三百八十億スタートとすることを了承するとは思えないのではないか。日米共同声明にあんなにはっきり書いてあるのだから、どうしても五百五十八億がスタートになるのではないかということを前に質問したわけですね。そうしたら政府は、必ずしもあれにとらわれない、大丈夫であろうと、こう言っておったのです。ところが最近伝えられるところによりますと、アメリカ側は相当強硬であると言われている。そうなると、それでわれわれの見るところでは、いろいろな新聞その他によるところでは、ちょうどデッド・ロックの状態に乗り上げている、こういうような観測をされるのですが、この今の計画はどういうふうになっておりますか。

重光葵自由民主党外務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(重光葵君) それはごもっともな御質問でございます。去年は去年限りでということに共同声明で相なっております。それはその通りでございます。しかし昨年申し上げました通りに、ことしはことしでまた新たな見地で交渉するということも申し上げておりました、日本としてはですね。そこで新たな見地でやっておるのでございます。新たな見地で、正式にはこれからやるつもりでございます。しかしいろいろこの打診はしてみております。打診はしてみておりますが、アメリカ側は去年そういうことであるから、行政協定の何から出発するのが当り前じゃないかという議論は、打診は一応やってはあります。しかしこちらの方はこちらの方で、また新たな見地で交渉か、進めたいと思います。そしてそれには私は、このアメリカ側の希望はありましても、相当なそこにわが方の立場も認めてくれるのだろうと、こう思って進めております。交渉は困難なことになるかもしれませんが、私は妥結の見込みは十分にあるように考えて、しかもこれは予算に間に合わせるようにしたい、こういうことでせっかく努力をいたしておるわけでございます。(「交渉しているのじゃないか」と呼ぶ者あり)そういう内輪の打診等の内容は差し控えます。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) ちょっと補足を、よろしゅうございますか、誤解があるといけませんから……。私はこの今三百八十億というものを出しましたが、何もこの一億五千五百万ドルというものを一つ基準として新らしく設定されまして、それからどういう法律論をしておるというわけではないということだけを御了承願いまして、私の言うのは 一億五千五百万ドルというものをかりに基準に……、これはいろいろ今後の問題がありましょうが、あれもまあ常識的に考えて、昨年度の三百八十億よりもたくさんな分担金を負担するというものはちょっと常識的に考えても考えにくいというような意味で申し上げたので、三百八十億からして一億五千五百万ドルに変ったというふうには必ずしもおとり下さぬでも私はいいだろうと思う。それだけを一つ……。新たにいわゆる基準ベースがあれで変ったとは……これはいろいろ意見がありましょう。一億五千五百万ドルというものが、五百五十八億というベースが三百八十億に変ったという意味で、それから私は引くと必ずしも言うのじゃありませんので、その意味で申し上げたのではありません。(木村禧八郎君「それは少しおかしいですね」と述ぶ)  言いかえれば、私の考えは、財源的には分担金の負担が昨年度よりも三十一年度の方が多いということは常識的に考えにくい。だからそういう方針をもって臨みたい、かように申しているわけであります。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 その点も前の御答弁とだいぶ違ってきて、少し弾力性を持つようになっているのです。この前はそういう御答弁じゃなかったのです。大体三十年度のものを基礎にして、スタートにして考えたいというお話だったのです、確かに。ですから今度は、今の重光外務大臣のお話でも、打診をしていると、その打診の模様は相当やはり強硬らしい。大体五百五十八億をスタートにしたいというので………。また伝えられるところによると、アメリカの国防省とあるいは国務省との間に必ずしも意見の一致していないようにも聞いておりますが、しかし相当強硬のように見受けます。一番われわれ結果として心配するのは結局、もし五百五十八億でスタートすれば、防衛分担金は本年度より多くなる公算が大きい。今そういう状況下に私はきていると思うのです。率直に言ってですよ。ですから非常に苦しんでいられることは、これはよくわかります。ですから相当ここで決意しなければだめなんですよ。今、二百八十億スタート、誤解を受けちゃいけないからと、そんなことじゃだめであって、断然三百八十億でスタートするのだというふうにこの前言われたように思うのですが、なぜそこをはっきり言われないのですか。

重光葵自由民主党外務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(重光葵君) それはその通りです。その通りです。それは向うが去年限りと言っても、それは今年の数字を必ずしも変えるということを意味しているのじゃないということを去年も御説明をいたしたと、こういうわけであります。わが方としてはわが方の主張をもって進み得るわけであります。そうですから、むろん去年の数字を基礎にすることはでき得るのであります。いわんや去年の分担金よりも今年の分担金が多いということは不合理じゃないかということは、これは当然耳をかしてもらわなければならぬ議論であります。それははっきりした決意を持っていくということも、それはこちらの主張は確かな主張に立って進み得ると思います。ただしそれは今これからそういう方針でもって折衝するのでありますから、しばらく成り行きを見ていただかなきやならぬと思うのであります。今日それをはっきりと、どういり工合にどうするということを申し上げるのは、交渉前に言うべきではないと、こう考えます。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 これはそうびくびくして、何かはれものに触れるような交渉の仕方はしなくてもいいと思うのですよ。三十年度の場合も大蔵省は、駐留軍が減る、減るから駐留費も減る。従ってもっと削減する理論的根拠というものが作られたわけです。大蔵省も……。来年度も相当減るやにいわれておるのでしょう。従って駐留費も減る、駐留費が減るものだから、はっきりとこういう論拠を持って、今年度よりも減るのだと堂々と主張しなければなりませんし、それから三百八十億よりもふえた場合、絶対断然応ぜられないと、そのくらいの意思があるのかどうかですよ。

重光葵自由民主党外務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(重光葵君) 今のお話は私は賛成です。そういう工合にしてやろうと思うのです。少しも何も遠慮はございません。そういうことについて……。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 遠慮じゃない。じゃ、かりにこえるような場合にどうします。三百八十億をこえるような場合には、そういう可能性が出てきているのです、今の段階は。であるからわれわれはここでやっぱり問題にせざるを得ないです。重大な問題ですよ。三十一年度予算の中心問題ですから、非常に重大な段階にきているから、われわれはここで大きい関心を示し、しかもこれは国民の共通の利害の問題として、大いに政府を鞭韃しなければならんのですよ、そういう意味でも……。そこで決意を相当はっきり表明しなくちゃまた国民の支持も得られませんよ。

重光葵自由民主党外務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(重光葵君) そういう御趣旨でやります。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 しかし、なかなか楽観を許さぬようでありますから、また国連加盟みたいに甘い考えでもちろん折衝できないと思うのです。あとでそういう結果にならぬように十分努力されることを希望します。  次に、総理大臣に御質問したいのです。総理大臣はこの前の六月十日のこの委員会で、補正予算は災害以外には組まないと、補正予算を組んだ場合には責任をとるということを言われたのですが、どういう責任をおとりになったか、伺っておきたいのです。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 地方財政の窮状にかんがみるとき、これを放置することは許さなくなりましたので、政府はこれに必要な財源措置をするために今回予算の補正を行なったのでありますが、これは一般会計予算の既定のワク内においての調整でありまして、予算の性格には変りはないと考えておりますので、責任をとる考えは持っておりません。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 それはいわゆる二枚舌というんですね。この前の速記録をよくごらんになってもらいたいんですが、何回も念を押して言ったのです。それで予算の性格は変らないと、こう言いますけれども、変っているんです。  それから昨日総理は八木幸吉氏の質問に対して、保守合同をやって新党ができたが、そのときなぜ解散をやらなかったかという質問に対して、政権の担当者も変らない、それから政策の異同もないということが予想せられたから解散しないと言っているんです。  ところが保守合同によって政策は変ってきています、実際に。一番変ってきているのは外交問題です。日ソ交渉だって、自由党の意見が入ってきましてから、第二次鳩山内閣がやってきた当時と非常に変ってきてるんですよこれは。また符節を合せるように、保守合同から、日韓交渉が非常に困難な状態になり、あるいはまた国連加盟の問題もこういう状態になってきた。たしかに外交政策は後退しているんですよ。自由党の意向が入って政策は変っています。また、具体的に言いまして、この補正予算は、次の通常国会で一般会計の補正をやるということになっていますが、この百六十億を地方に融通する、この資金を一般会計で穴埋めする場合、その内容を見ますとやはり相当の変化があるんですよ。にもかかわらず、何ら解放もしない、それから責任もとらない。これではいわゆる絶対多数というのにあぐらをかいて、そうして公約というものを無視していると言われてもいたし方ないのじゃないかと思うんです。この点総理大臣はどうお考えですか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 私は前回に答弁いたしました通りに、このたびは政権の移動によったものとは考えないのであります。政権の移動のある場合においては、政権の移動には解散が伴う方がいいと考えます。(「そうだ」と呼ぶ者あり)政権の移動は、やはり国民の意思を問うて、そうして政権担当者をきめるということが民主的ルールだと思うんですけれども、このたびは政権の担当者は変りませんし、あなたのおっしゃるように外交についても異同があったとは思わないんです。変化があったとは思わないのです。第一次内閣当時に日ソ交渉について私が言いましたその根本方針は、少しも変更はないのであります。それですから政権の移動とは認めないで、そこで、解散はいたさなかったのであります。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 そうしますと、第二次鳩山内閣を強化し発展さした、実質的にはその延長であって、強化発展さしたと、こういうふうに解していいわけですか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) そうです。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 そうしますならば、この前補正予算は絶対に組まないとそう言って、あとで御訂正になりました。災害を除く場合には組まないのだと、こう訂正された。何回もあの当時、地方財政の問題があり、あるいはまた給与ベース、年末手当等々でわれわれは当然補正が問題になると思って質問したのですが、絶対に組まないと、こういう御答弁だったのです。それがまだそんなにたたないうちに、こういうふうに補正が出てきた。従ってこれは本来ならば責任をとって、あれだけはっきりと公約されたのですから、責任をとって解散をして、新しい内閣のもとではっきりした補正を組むべきである、これが常道でないでしょうか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 予算の性格を変えるような補正の場合においてはあなたのおっしゃる通りに解散の手続をとる方がいいと思うのです。予算の性格を変えないのでありますから、この程度の補正については解散の必要はないと考えます。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 時間がありませんからそれでは伺いますが、予算の性格は変らぬ変らぬと言いますが、予算の性格には、おそらく総理の頭にあるのは、インフレ的に予算の規模を拡大したり、インフレ予算にしていないのだ、地固めの、一兆円予算で地固め予算である限りにおいては変らないのだと、そういうことを意味していると思うのですよ。  しかし予算の性格の中にはもう一つ重要なものがあると思うのですよ。たとえばどういう費目に重点を置くかという費目間の均衡というものですね、そういうものが変ってくれば、やはり性格が変るのですね。ところが今度の補正では、公共事業費がこれが相当繰り延べあるいは節約等されるのですね。それであの百六十億、一般会計補正をしますと、その費目間にバランスの相違が出てくるのです、違いが出てくるのですよ。これはやはり大きな予算の修正なんです。前に総理が言われたときは、こういう意味での修正もしないという意味であったのであって、この点どうしても私は、今になってそういうことを御答弁になりますが、私は食言だと思うのです。もう一度くどいようですけれども……。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 財政の健全性を堅持したいというのが、一萬田君が作った予算の性格だと思います。このたびの措置は、一般会計予算の既定のワクに影響を及ぼさない範囲になされた調整措置でありますから、財政の健全性を堅持するという立場は貫かれているのであります。それですから予算の性格に変りはないと申したわけであります。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 もうこれでやめますが、予算のワクが変らないというだけが、性格が変らないという意味じゃないのでありまして、たとえば鳩山内閣は前に選挙で公約しまして、社会保障の充実と言ったのです。ところが生活保護費は八億も前の予算より減っております。結核対策は二億円も減っているのです。公営住宅費は前よりも、二十九年度が百十八億であったのが百六億に減って、十二億も減っている。非常に公約が無視されておる。それは防衛費と民生安定費との均衡というものが、これが一つの予算の性格なんです。ただ健全になるかならぬか、ただ赤字を出すか出さぬかだけじゃないのです。  予算の重要性は民生にどれだけ重点を置くか、あるいは不生産的な再軍備費にどれだけウェートを置くかと、そういう点が非常に重大なんです。あるいは公共事業費に重点を置くか、あるいは結核対策あるいは生活保護対策、どういう費目に重点を置くかということが、一つの予算の重要な点なんですよ。そこに変更が加えられているのです。ですから予算の性格がやはり変ってき、そうして補正予算を組まないという鳩山内閣の別の政策は、ここで変っているのです。にもかかわらず依然として、前は責任をとる、そうして総辞職かあるいは解散をする、じゃ、一応辞職しましたが、その辞職はさっきのお話を聞きますと、これは責任をとって辞職したのじゃなくて、第二次鳩山内閣の強化発展にすぎないのだ、こういうのでは、何ら責任をとったことには私はならないと思うのです。これは食言だと思うのですが、あくまでも食言。今さらになって総理は、そういうことは私は言えないと思うのです。  鳩山内閣は道義の刷新とか、それから政治道義の刷新とか、国民道義の高揚とか、いろいろ言っておりますが、その第三次鳩山内閣のスタートのしょっぱなにおいて、この補正予算を通じて公約を裏切って、二枚舌を使ったということになっておる。どうしても私はこの点については責任を感ぜられなければならないと思うのですが、最後でありますから、最後にこの点もう一度くどいようですが、重要な問題ですから一つ御答弁をいただきたいと思うのです。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 私は住宅問題について約束をしてきたのが、その金をしぼり上げたというようなことをお述べになりましたけれども、事実上使うことのできなかった金だけを集めて、そうしてそれを地方財政の窮乏に充てたのでありまするから、できるものをしなかったのではない。できるものをしなかったのとは違って、できなくて余った金を集めて地方財政の窮乏に充てたのでありますから、あなたのような攻撃は不当だと、私は考えます。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 時間がありませんから……。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 私は総理に財政懇談会の答申に関する見解をお尋ねしたいと思います。  財政懇談会の答申は、公共中業費、食糧増産費等の中で不適当の補助金を整理すること、行政機構の簡素化とによって、財政規模の拡大を防ぎ、健全財政の建前を堅持することを主張いたしております。また税制につきましては、過重な給与所得者の負担軽減を主張いたしておるのでありますが、この答申に対して政府はどのようにお考えになっておるかということを最初に承わりたいと思います。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 財政懇談会は財政規模の拡大を防ぐ観点から、また特に地方財政の窮状にかんがみまして、公共事業費その他各種の補助金のうち、不適当と認められるものの整理を力説しております。この点については、政府としてもその方向で慎重に検討することにしたいと考えております。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 この答申を来年の予算に相当繰り込むお考えでいらっしゃいますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 慎重に考慮したいと思っております。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 行政整理の問題は非常に熱心にやっていらっしゃいますが、補助金の整理は、相当地方等の陳情等もございまして、なかなか勇敢におやりにならぬとむずかしいと思うのでありますが、相当決意をお持ちになっておやりになりますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 慎重に考慮をいたしまして、勇気を出してやっていきたいと思っております。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 もう一点伺いますが、それは米の統制撤廃の問題であります。私は米の統制の問題は、もはや経済の問題ではなくて、道義の問題になってきておるのじゃないか、かように存じます。と申しますのは、御承知の通り月に十五日しか配給がない。あとの米は間接直接やみ米を食っておる。しかもこのやみ米というのは公定の値より安くても、やはり売買すれば法の建前から罰せられる。一言で言うと、法を破らなければ生きていけないというような制度になっておるわけであります。私はどうしてもこの法というのはもう少し重んじなければ、国の道義というものが高くなければ、これは秩序が保っていけない。だから今後米の統制撤廃問題についていろいろ技術上の問題もあります。また生活困窮者に対してはこれは安く払い下げるという政治的の考え方も、いろいろ方策は立てられましょうが、根本問題として、これに対して総理が取り組み、また裁断をお加えになるときに、非常に法が乱れておる。何とかしてこの法が乱れない、法を犯さなければ生きられないというのであっては、法の実体をすでになくしておることですから、道義の問題という建前から、大所高所からこの問題について一つ取り組んでいただきたいというのが私の切なる願いでありまして、かような不愉快な生活状態をいつまでも続けるということはわれわれ耐えられない。幸いに今年は大豊作でありますから、この問題を解決するに天の与えた一つの機会だと私は考えておりますので、どうぞ首相にお願いしたいことは、道義の観点からこの問題を一つ慎重に大所高所から処断をしてもらいたいと切に私は願っておるのでありますが、これについての御見解を承わって、私の質問を終ります。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 食糧の統制を撤廃することは非常に重要な問題であります。各界の意見を聞きまして、また諸情勢を十分検討の上態度を決定いたしたいと考えております。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 道義の点、一つ強い意見の表明をお願いしたいと思います。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 法律を犯さなくては生活ができないというようなことは、法の神聖を害するものでありますから、できるだけ廃したいとは思いますけれども、いろいろのむずかしい問題が付随して参りますので、検討を加えて一つ善処したいと思っております。

曾禰益日本社会党

○曾祢益君 私は鳩山総理に外交問題に限って御質問を申し上げたいと思います。  最初に日ソ国交調整の問題でございますが、総理はしばしば日ソ国交調整は大局上ぜひなるべくすみやかにやるべきであるから、従って保守合同の犠牲にするようなことは断じてないかのようなことをしばしば明言されておられたのであります。またわれわれはそのことを強く支持して参ったのであります。すでに自由民主党の結成によりまして、新党の外交政策が発表されたのでありますが、これをわれわれが読みました率直な感じから言うならば、われわれが受け取っておった、また国民が鳩山総理の真意として受け取っておったような大局上日ソ国交調整を早くやる、この線は非常に変ったと言わざるを得ないと思うのでございます。しかし、総理は今国会を通じてのしばしばの機会におかれまして、ただいまも木村委員の御質問に対してもさように答弁されておったと思うのでありますが、一つも変っておらない、かように言っておられるのであります。果して総理は第二次鳩山内閣のときのあなたの御意見と、あるいは御見解、この問題に関する御見解と、新党によるこの新政策に基く日ソ国交調整の基本方針との間にほんとうに一貫性があるとお考えであるかどうか、これは一つ率直にお述べ願いたいのでございます。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) ソ連と日本との関係が、戦争状態終結未確定の事態に置いておくということはどうしてもできないと私は思うのであります。いわんやジュネーヴの最初のときのように、戦争は当分ないというような空気の場合におきましては幾分か延びてもいいでしょうけれども、外相会議においてはこのジュネーヴのスピリットというものは飛んでいったというのがまあこのごろ多くいうところであります。そういうような状況において、ソ連と日本との関係を戦争状態終結未確定の事態に置いておくということは非常な危険だと私は思いますので、ソ連との間の国交関係を正常化したいという熱望は決して減退するはずはないと私は思っております。

曾禰益日本社会党

○曾祢益君 これは私はまことに総理のおっしゃる通りだ、これは総理の初志がそうであったことは、去る七月の国会の参議院の、本院の外務委員会において同僚羽生委員から、断じてその保守合同のために、今総理がおっしゃったような日ソ国交調整が日本の平和のために、あるいはさらに日本のより自主独立の立場を築き上げるために絶対に必要である。こういう御見解は断じて保守合同のために犠牲にされることはないだろうということを御質問申し上げたに対して、総理はほんとうに衷心から感動されて、涙ぼうだとして流れるという情景であった。これは私たちは、総理のほんとうの気持はまことに正しい、また率直でよろしい、かように考えておったのであります。  今また、伺うところによれば、ジュネーヴ巨頭会談に生れたジュネーヴ精神がしぼんでしまったのではないかというこの情勢を考えて、ますますその初志を固められたということは、われわれもまことに同感の意を表するのにやぶさかでありません。ところが遺憾なことには、総理の気持は変らない、いな、むしろ初志は固まったと言う。内外の情勢からそうなったにかかわらず、この自由民主党の政策協定そのものは、どうもそういったような大局を誤まるのではないか。もとより国民は国交調整のすみやかなることを希望するとともに、他面日本の正しい主張を続けて、なし得る限りその貫徹を期したいということは、たとえば居留民の問題、あるいは領土問題についてもこれは当然でございまするが、問題は、大局は何かというこの大きな判断ということが絶対必要である。こう思うのでありまするが、ところがこの政策協定を見ますると、一つの例をあげましても、これは政策の変換である。  自由民主、党の政調会長が十一月十六日の、たとえば朝日新聞の座談会の記事がございまするが、ここにおきましてもはっきりと、これは今度の新政策である。新党の上に立って生れてくる新政策は当然に、新政府は当然元の内閣の政策にこだわる必要はない。新党のきめる方向に沿って外交交渉をすればいい。少し方針が変りましたというくらいのことを相手に言っても差しつかえない。すなわち、方針が変ったということを新党の政調会長が公然言っておるのであります。  しかし、これは抽象論であるという御議論であると思いまするから、具体的にいささかそれを点検してみるならば、たとえば居留民の即時返還を主張する。これはもとより何人もこれを望んでおります。それにはまた十分な言い分がございます。しかしその即時返還ということは、文字通りに進めるならば、これは水田君が言う通り、抑留者が釈放されないのに平和条約を結ぶというばかな話はない。ばかな話はないと思うけれども、これはみな総理も御承知のように、ロンドンの会談を通じてソ連の要求が那辺にあるか、あるいは主張が那辺にあるか、これは明瞭である。従ってこの一つを貫徹しようと思うならば、まさしく国交調整はたな上げになる、こういう説明であると思うのであります。  第二に、領土問題につきましても南千島を要求する。同じく水田政調会長は、南千島を要求して、その要求が通るまでねばっていればいい、要求が通らない間は平和条約を結ばなければいい、こういうふうに言っておるのであります。  私たちは決して領土に関する公正な主張に、政府が再交渉に乗り出すということに水をかけるような気持は毛頭ございません。しかし、もし水田君の言う通りならば、これは南千島の要求が貫徹しなければ交渉はたな上げである。すなわち国交調整という大局はこれによってだけでもこわれる、これは明瞭でございましょう。さらに同じく領土問題について他の返らざる部分が遺憾ながらございます。それが北千島と南樺太なのか、あるいは全千島と南樺太なのかわかりません。その部分については国際会議においてきめる、このことを平和条約に書く、こういう、これも厳重条件とするならば、まさしくこれはソ連は断じて承服しないのではないか。そうなれば、この条件一つだけでも日ソ国交調整は事実上打ち切りになってしまうのではないか。こういう条件が積み重ねられておるのであります。これらの条件は総理は十分に御承知であるはずである。しかもこの条件ができて、その上に立った新政府である以上は、政策が変更されておる。私は今の総理のお言葉から拝察するならば、むしろ政策が変更されたというか、もしそれが少し言い過ぎであるならば、政策の遂行について厳重なるワクがきめられた。そのワクの上でやっていくことは、これから交渉を始める場合にはそれもいいかもしれない。しかしロンドンの交渉の実態を知った上でこのワクを作ったということは、まさしく旧自由党の諸君が言っておったような、鳩山さんの正しい行き方をむしろ危険なりとして、そういったような火遊びはやらずに、言うなりほうだいになって、日ソ国交調整はむしろ打ち切った方がいい、こういう強硬論が事実において勝ちを占めておるのが、この新政府の政策ではないでしょうか。この点についてもう一ぺん明確に総理のほんとうのお気持を国民の前に明らかにしていただきたいのであります。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 私はたびたび諸君に答弁をいたしましたような信念をただいまでも持っております。それを実行いたしたいと考えております。

曾禰益日本社会党

○曾祢益君 総理はもちろん代行委員の一人であられるのみならず、現実に外交の衝に当る内閣の首班であられるのでありまするから、総理の考え方というものは、これは決定的な要素であることは、これはだれもわかっておる。しかし同時に、——かようなことを大先輩に申し上げるのは失礼千万でありますが、政党内閣である以上は、党のやっぱり政策というものをきめたこの大きなワクというものは、これは政府を拘束するのは、これまた当然だ。(「その通り」と呼ぶ者あり)国民の前に総理は、自分の所信は変えない、あるいは初志はひるがえしておらない、このつもりでやると言っておられまするが、しからばこの水田君の発言を、あなたは首班、総理の名において、この発言は誤まりである、自分はさような点にこだわらずに、大局の目標を完遂するために、依然として自分の初志を貫くことをやるのである、水田君の言っておることはこれは言い過ぎである、こういうことを断言することができるかどうか、もう一ぺん明確にお答え願いたいのであります。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 私は私の信念に従って行動をとります。

曾禰益日本社会党

○曾祢益君 総理の信念は、私が想像するようでありますが、どうも信念と客観情勢との間にズレがあるようであります。その客観情勢というものは、国内的には今私が申し上げました党が加えた制約であります。第二には、——繰り返して申して恐縮でありますが、これはソ連と交渉する前にこういう趣旨で貫徹に努力しようという段階においては、これは多くの国民が納得するでしょう。しかしソ連の態度は、繰り返し申し上げるようにもうわかっておる。ロンドンにおける交渉は決してむだではなかった、双方の主張は出尽しておるのであります。今やそろそろ決心をして、右にするか左にするかを決心する段階がおおむねきておるのではないか。これはもう政治家たる総理に申し上げるのも失礼のくらいおわかりの通りであります。従ってわれわれは、近く再開されるロンドン会議に、国民の輿望に沿った正しい主張の貫徹をわれわれは希望いたします。いたしまするが、しかし客観情勢から見るならば決してなまやさしいものではない。政治次としてははっきり、これは困難なるものは困難である、この点を明確になさるのがほんとうではなかろうか、われわれはかように考えるのであります。  そこで交渉をこれからまだやるのであるから、そういうことを言うのは言い過ぎかもしれないけれども、大きく分けるならば、ソ連の主張通りに歯舞、色丹を、しかもそれを条件付でもらって、そうして居留民の問題も講和条約後という条件でこの平和条約を結ぶのか、あるいは自党の諸君が主張しておったように、またこの政策協定が示しているように、厳重な条件をあくまで貫徹するということによって、事実上日ソ国交調整はたな上げになつてもいいんだ、仕方がない、これは民主党の幹部の諸君でそういうことをプライベートの話のときは平気で言う人がたくさんいるのです。そういうことは総理も御存じだと思う。自由民主党の方に……。  果してそういうようにたな上げするということになるのか、あるいはわれわれ社会党が、これは統一前から完全に一致しておりましたように、委員長を通じて二度総理に申し入れましたように、平和条約でやるのが正しい、正しいが、われわれがそうして領土問題についてもアメリカに対してもソ連に対しても正当な主張をするのは正しいけれども、しかしわれわれは大局を失ってはならないから、もし平和条約が遅延するような場合には、領土に関する主張を放棄しない形で国交調整を早くやれ、これはかつて総理がまず戦争状態終結宣言を出したらどうかということを、再びこの際もう一ぺん考えてみる必要があるのではないか。この方式でいくならば、居留民の引き揚げも実現できます、歯舞、色丹の返還もできるでしょう。しかも返らざる領土について日本は永久に領土権を放棄するような形にならない、しかも日本の平和のために、安全のために国交調整の大局はすみやかに実現できる、こういう方式は残されておる。われわれはそういうことを言っておるのであります。でありまするから、われわれの委員長鈴木茂三郎初めとして、何も今日直ちにこのいわゆる暫定方式に切りかえろとは申しません。しかしその間を十分にお考えになって、そういう意味の弾力性をもって進んでいただきたい。断じてこの水田君の言ったような、この厳重な条件を重ねることによって交渉の打ち切りに持っていくことがないように、この際明確にもう一ぺんはっきりと御答弁を願いたいのであります。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 御趣旨はよくわかりますけれども、今日においては前申したことを繰り返すよりほかに私の答弁はあり得ないと思います。

曾禰益日本社会党

○曾祢益君 大体の気持においては通うところがあるように思いまするが、交渉の衝にある政府の首班からの御答弁としては、あるいはこれから交渉をまだ続けていくのでありまするから、むずかしいと思いまするから、今日直ちに暫定方式等についての決定的な御意見をここで伺おうと、これ以上追及いたしません。十分にしかしこの点はお考えになっていただきたいと存ずるのであります。われわれは、もし正しい方向でいくならば、それこそ社会党は大きな見地からその方向を支持していきたいと考えておるのであります。  そこで時間がございませんから、いま一つ、当面の問題となっておりまして、本日もしばしばこの会議においても、本会議においても論議されました国連参加の問題について私の質問を行いたいと存じます。今さらこの厳粛なる事実を前にして、過去にさかのぼってやるだけでは問題は解決しないと思います。もちろんその責任の所在なり、いろいろの問題があることを私は否定する意味では断じてございませんが、しかし何といっても直接には台湾国民政府の外蒙古に対する拒否権の発動、これでまあ第一段階の国民の輿望であった日本の国連参加ができなくなったのでありまするが、と同時に、第二回にソ連がアメリカの十七カ国案に対して、すなわち日本に対して拒否権をふるったということよりも、十六カ国一括加入案に日本を加えてなかった。この点ははなはだ私は遺憾であると思います。国民政府のやり方もまたソ連の態度もはなはだ遺憾であると存ずるのでありまするが、しかしこれまた厳粛なる事実であって、この事実を事実として、その上に立って、果して日本の政策がこの点に関し、国連参加問題に関し、あるいは外交問題一般についてこれでいいのかどうかという、これをもう一ぺんみずから反省もし、検討をする必要があると思うのであります。  そこで外交政策そのものについて申し上げるならば、今申し上げたように、ソ連の態度は、なるほど十八カ国一括加盟のときには、日ソ国交調整とは無関係に日本の加入に賛成してくれたようでありますが、今や国府の態度がきっかけでありましたけれども、これはできない。すなわち言いかえるならば、日ソ国交調整をやらなければ、事実上日本の国連加盟は至難であるということが明らかになったと思うのであります。従って、だからこそわれわれは日ソ国交調整をやはり急いでやらなければならない。何も今まで日本が主張してきたが、この機会を失ったというようなことを今さら育ってみても始まらないと思う。ソ連は十六カ国承認加盟案を出しましたときに、次の国連総会では日本の加盟に対して反対しない、あるいは賛成する、こういう意思表示をしておるようでありまするが、しかし同時にその裏においてやはり日ソ国交調整ができることを事実上の条件として考えておるであろうことは、これは言うまでもないことである。しかもなお今度の十六カ国案において明らかなように、ソ連は果して次の国連総会において日本の加盟に無条件に、ほかの国と関連せしめないで、外蒙古なんかと関連せしめないで、そうしてあるいは中共の国連代表権問題等の他の案件とも関連させないで、無条件で日本の加盟を単独に承認してくれるかどうか、ここには相当なやはり危惧をわれわれは感ぜざるを得ないのであります。なればこそわれわれは日ソ国交調整についてほんとうに真剣になって、やはり日本の単独の国連加盟を絶対的に確実にするために、日本としてなし得る最大の要点というものは、やはりソ連との間の話し合いを遂げることにあるわけであります。(「しかり」と呼ぶ者あり)  従ってこの点については十分に総理は御承知とは思いまするが、そういう意味においても日ソ国交調整をすみやかにやって、そうして日本の国連加盟のこの国民的、超党派的な希望を達成するに最善の努力をしていただけるかどうか、まずこの点伺いたいと思います。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) できるだけの努力を払いたいと考えております。私もあなたと同様な考え方をしております。

曾禰益日本社会党

○曾祢益君 もうすぐ終りますから、お許しを願いたいと思います。  非常にはっきりした御答弁を得て感銘しております。そこで日ソ国交調整の線から打開していくことと、いま一つどうしてもわれわれは総理にも、——今、外務大臣はおられませんが、ぜひお考え願いたいのは、今度の例を見ましても、特に十六カ国一括加盟案をソ連が出しました。その中には御承知のようはフランコ・スペインという、典型的なファシストとして、われわれ社会主義政党は世界じゅう、これは中共なんかとは問題にならない、これは国連加盟の資格がないと考えておる国も、しかも最も反ソ的な国として知られた国まで今度はソ連は入れておる。これはわれわれとしてよほど考えなければならない。ということは、何もわれわれはスペインを日本と同様にこの際国連に参加しない方がいいということを言うのではなくて、なぜスぺインに対してソ連は拒否権をふるわなかったのか、これは十分に胸に手を当てて考える必要がある。  いろいろな事情がございましょうが、御承知のようにスペインは中南米諸国という多くの友邦を持っております。ソ連としてはそういう世界政策的な観点から、日本のような孤児に対しては拒否権をふるうでしょう。中南米の諸国に守られたスペインは、いかに彼らのイデオロギーの敵であっても拒否権をふるえなかった。ここを考えるならば、われわれの日本の外交というものがほんとうに多角的で、世界に友を求めなければ、日本の国連加盟は困難である。基本は日ソ国交調整であるが、同時に今度の失敗は、この国連加盟問題について、日ソ国交調整はまだできておらない、アメリカに頼む。アメリカのアイゼンハワー大統領から蒋介石総統に三度も手紙を出してくれた。これもわれわれはその努力を感謝いたします。しかしそういう外交では、日本が自主的に世界に友を作る外交に切りかえなければ、この問題の解決は困難である、私はかように考えるのでございます。  従いまして総理に伺いたい点は、そういう見地から、やはり日本の外交について、今までの路線でなくて新たな路線、非常に抽象的になりまするが、いわゆるアメリカ一辺倒の外交ではだめである。世界に友を求める、そうして特に新興国、アジアの後進国、あるいは中小の多くの国がございます。大国の拒否権のこの乱用、大国の権力闘争のためにほんとうに正しい日本の国連加盟ができない。これに対して同情もし、ほんとうに憤慨する国がある。これらの数多くの国々との外交を緊密にする、こういう方針にぜひ外交を切りかえていく必要がある、かように考えるのでございまするが、総理の御意見を伺いたい。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 曽祢君の言う、世界に友を求めるという外交方針というのは、正しい行き方と考えます。

曾禰益日本社会党

○曾祢益君 いま一つ、私は台湾政権に対してただ感情的にぶっつかるだけでは問題は済まないと思うのでありまして、静かに日本と全中国、広く中国全体との関係についてわれわれはこの際やはり反省していく必要があると思いますが、まあ台湾政府との関係は、下手をすればさらにまだ現状においては拒否権の問題の関係もありますので、きわめて機微なものがございます。と言いましても、しかして台湾の今度の態度は、決して日本に対する悪意から出たものではないこともわかっております。しかし、だからと言ってこのような自暴自棄的な態度は、決して台湾そのもののプラスでない。のみならず、日本としてはやはり台湾政府に対してはっきりと抗議すべきであると思うが、その点はいかがお考えになるか。  時間がありませんので、続けて質問をいたしますが、いま一つぜひお考え願いたいのは、やはり拒否権の存在、今度は十六カ国加盟できたことは、国連が一つの国連になる一つの進歩としては賛成でありますが、しかし拒否権の存在あるいは大国中心主義の国連というものはほんとうの姿ではない。来年は国連の憲章の改正という問題も日程に上るわけであります。これらの点について拒否権の問題、あるいは国連が普遍性において欠けている点、あるいは平等性において欠けている点等から、国連憲章の改正というような点についても慎重にして、相当積極的なこれは研究もし、必要とあれば改正問題についての態度をきめていくべきではないかと思いますが、この点どういう、台湾政府に対する抗議の点と、国連憲章改正問題に関する政府の考えについて、御意見を伺いたいのであります。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) それらの点については外務大臣からある機会に答弁してもらいます。

曾禰益日本社会党

○曾祢益君 その点はそうも思ったのでありますが、総理においても十分にお考えを願いたいと思っております。  最後に、こういったような新らしい外交政策をとるにしても、また私は当初に、いたずらに起ってしまったことだけを追及するのではいけないという意味で申し上げたのですが、しかし今度の事態の不手ぎわな点については、これは総理も御同感であるわけであります。外務省の見方が甘かった、こういうことも事実でございますので、そこでこの際、何といたしましてこの甘かった外交の責任者に対してどういう措置をとるのか。さらには外交の責任者といえば外務大臣でありますが、さらにはやはり行政官である以上は出先の大使公使等についてもこの際入れかえを断行して、清新はつらつたる人事を断行するようなお考えがあるかどうか。外務大臣の責任と、出先の大公使の入れかえ等についての総理の御所見を、これは総理大臣としてお答え願いたいのであります。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 外務大臣を初め外交の使臣ができるだけのことをやってくれたということは認識しております。それですからこれを変更する意思は今のところ持っておりません。

安井謙自由民主党

○安井謙君 私の質問しようと思いましたことは、おおむね同僚議員からも関連して質問があったようであります。それに大蔵大臣、自治庁長官も本会議に御出席のようでありますから、私は簡単に総理の御所信だけ伺いたいと思います。  御承知の通りに、前国会から継続審議になっております地方財政再建促進法は、ただいま参議院で本会議にかかっている次第であります。あるいはまた今回出されておりまする三十年度の暫定措置といったような、地方財政に対する諸種の手を政府は打っておられますが、しかしこれはあくまで従来までの問題を糊塗しようとする当面の措置でしかないことは御承知の通りであります。  実は五年前にシヤウプ勧告によりまして、地方税制度は根本的な改正が行われました。そうして地方自治というものが確立されたことになっておりますが、その間五年、地方と中央との財政トラブルというものは実に深刻になって参っております。これはどうしても来年度あたりから根本的にお考えをいただかなければならぬと思います。  そこでその一端といたしまして、今日政府のいろいろ質問等に出ております御答弁を伺っておりますと、どうしても偏在した財源を是正しなければいかんということでありますが、偏在した財源を是正するというためには、従来の地方税を一部また中央にこれを吸い上げ、それを公平に分けるというような考えがあるやに見受けられるのであります。しかし現在偏在した財源といわれておりますのは、今日ではいわば地方税として非常にふさわしい税制で、事業税にいたしましても、あるいは遊興飲食税にいたしましても、これを政府へ吸い上げて、さらに公正なる観点と称するものによって配分をいたそうとしましても、これではやはり財政の根本的な欠陥は埋まるまいと思うのであります。そういうふうな意味から、私どもはむしろ今後地方財政について政府がお考え下さいまして、私はもっと地方自体に固有の税源なり財源というものを、新しく国の財源から分けるというふうな方向でものをお考えいただきたい。そうでなければこれからの地方財政の根本的な解決はあるまい、こう思うのでございますが、その点に対しましての総理の御所見を一言お伺いしたいと思います。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 地方制度調査会の答申を待ちまして、根本的に慎重に考えたいと思います。

安井謙自由民主党

○安井謙君 地方税が実は前国会でございましたが、前々国会にも、あの入場税が中央に移管されました際にも大へん問題があったのでありますが、さらにより多く中央へ集中しようという傾向につきましては、これは私は非常に時代逆行になると思いますので、その点につきましては総理の十分な御配慮をいただきたい、こう思う次第であります。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 承知しました。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 木村君、もう時間がありませんから簡単に……。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 簡単に……。先ほど実は大蔵大臣が、防衛分担金について答弁するはずだったのが、途中で本会議の方へ行かれて、答弁せられませんでしたから、この際総理にはっきりした御見解を、防衛分担金について伺っておきたいと思うのです。  来年度の防衛分担金については、先ほど外務大臣も御答弁ありましたが、三十年度、本年度の防衛分担金の線をこえない、こういう方針で交渉している。防衛分掛金といいましても、内容は合衆国軍交付金、施設提供等諸費、それか 軍事顧問団交付金、この三つでありますが、両方合せて四百五十九億、これをこえない、そうしてまたこれを削減するという方針で交渉されるということでありましたが、もしこれをこえるようなことがあったらばどういう態度をおとりになりますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 昨年は防衛分担金の交渉をよく知っておりましたが、ことしは防衛分担金の交渉を私は一つも関係していませんので、よく知りません。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 これは来年度の予算を編成するに当って、——この防衛分担金を削減するという交渉を今アメリカとやっているわけですね。これが三十一年度の予算を作るのに一番重要なめどになる問題です。これについて総理、全然まだ御存じないのですか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) どういう態度において交渉しておるか、一度も報告を受けません。これから交渉するようです。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 もう一点……。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) ではもう一点だけ。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 政府の交渉するに当っての方針というものがあるわけでしょう。その方針がなくては交渉できないわけですが、その方針というのは、先ほで外務大臣の言われましたように、合衆国軍交付金においては三百八十億円をこれをもうこえないと、本年度の三百八十億の線を基準にして交渉するのだ、こう言っておったのですが、アメリカ側は五百五十八億の線でその折衝をすると、こういうふうに言っている。そこで意見が分れて、今重大な段階にあるわけです。こういう点総理は御存じないというのは私はおかしいと思うのですが、その三百八十億の線をあくまでもこえない、それをまた減らすと、そういう方針であくまでもおやりになる方針かどうか。外務大臣はそういう方針であると言ったのですよ。総理もそういう方針であるか。それをこえたような場合には一体どうされるのか、この点を伺っているのです。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) こえないような、昨年の予算とほぼ似た程度においてやりたい、それに努力をするということは聞いております。それ以上のことは聞いておりません。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 以上をもちまして、昭和三十年度特別会計予算補正(特第2号)に対する質疑は一切終局いたしました。従いまして、明日午前十時より予算案に対する討論採決を行います。  本日はこれをもって散会いたします。    午後六時十一分散会

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