予算委員会 第4号
- 発言数
- 169 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1955/12/09
会議録
○委員長(西郷吉之助君) ただいまより委員会を開会いたします。きのうに引き続きまして、本日は総理に対する総括質問を続行いたします。相馬助治君。なお質問者相馬助治君から、総理は御不自由でございますから、着席したまま御答弁なさって差しつかえないということでございますから。
○国務大臣(鳩山一郎君) どうもありがとう……。
○相馬助治君 私は鳩山内閣総理大臣が、若干おからだが不自由にもかかわらず、非常に熱意を持って各委員会、本会議に出席されている態度に対しましては、心から敬意を表しておるものです。そこでこの際、私は内閣総理大臣にお尋ねしたいと思いますことは、一切の理屈を抜きにして、現在の日本に必要だとされる政治は国民に自信を与える政治でなければならない、また国民もそのなす政策に対してそれ相当に批判はあるとしても、何か頼れるところの強力な内政、外交、そういうものが敗戦後十年の今日において行われることを期待していると私は考えております。鳩山総理の所信発表の演説によりますれば、二大政党の対立を喜んで、これが理想的形態であると述べております。またその次の段階で、幾つかの政党間に見られた従来の不明朗な政治的かけ引きの余地を遮断したことにむるということも述べられておりまして、この二つに対しては私も総理のおっしゃることに全幅的に賛成であり、そうなければならぬと、かように思っております。そこでこの際お尋ねしなければならないのは、民主主義の政治といえば、当然国会を通じて政策をもって与野党が拮抗して建設していく政治であり、これを別な角度から見ますれば、政党による責任政治でなければならぬと思います。そういう形からいたしまして、今の代行委員制度というものは、責任政治の角度からいたしまするというと、非常に変則なものであると私は考えるのでございまするが、首相のこれに対する御見解はいかがでございますか。
○国務大臣(鳩山一郎君) 代行委員制度は非常な変則であるという相馬君の御意見には私も同感であります。
○相馬助治君 そこでそういうことになりますれば、一日も早く総裁を選任して責任政治体制を確立すべきだと思うのですが、それまでには若干の時日があるようにお見受けいたしておりますが、そこでこの間においても代行委員間においては定期的に会合をするなりなんなりして、少くとも四者間の発言等は統制される必要があるのではないか。勝手気ままなことを放言されることは、あなた自身にとっても御迷惑ではないか。具体的な例をあげまするならば、鳩山、重光両相とも朝鮮問題については隠忍自重して平和交渉にこれをまかせるべきであるとおっしゃつております。その通りだと思います。しかるに緒方代行委員は高松市において、事と次第によっては実力行使もやむを得ないとおっしゃっております。これはその意見がいい悪いでなくて、代行委員間の意見の食い違いが問題であろうと思いまするが、こういうことについては四者間においてどのような取りきめと申しますか、その意見の一致に対する考慮が払われておるのか。また今後どういうふうにされるお気持か、承わっておきたいと思います。
○国務大臣(鳩山一郎君) ただいま代行委員制度について何の打も合せもございません。毎週一回会うというような話もありません。しかし今指摘せられたるがごとき意見の相違は非常に残念です。将来そういうような意見の相違が世の中に現われないように万全の措置を講じたいと思います。
○相馬助治君 そのことを期待します。そこで先般鳩山首相の本院における所信発表の演説を聞いて非常に不思議に思ったことはわずか二十四人ほどの与党である民主党をかかえていた時代には、僅か二十四名の方の非常に熱意のこもった拍手に送られてあなたが登壇をし降壇をしております。しかるに先般は絶対多数を制したはずでございまするけれども、参議院におけるところの与党の拍手も何だかどうも熱意を失っているように感じて不思議な感じがいたしました。これはどう考えても総裁を一日も早く選任すべきである。そうして責任政治を確立しなければならない、とこういうふうに考えるのでございまするが、三木代行委員等が申しておりまするように、少くとも参議院の改選以前において、具体的に言うねらば三、四月ころには総裁公選を断行すべきであると首相はお考えであるかどうか、この点を承わっておきたいと思います。
○国務大臣(鳩山一郎君) 三、四月ごろまでにはわが党の総裁も確定するものと考えております。
○相馬助治君 現在の内閣は、政権の移動であると野党からかなり手きびしい質問があったことに対しまして、首棚は、これは政権の移動ではなくて、むしろ第二次鳩山内閣が公約したその公約を絶対多数の保守合同の上に沿って、これを押し通す政治的良識のもとに生れた内閣であるとおっしゃっております。私はこれに対して議論はあると思いまするが、そのお考えを認めるものです。そこで問題は、そういう、ことになりまするならば、その三、四月、ころに予想ざれるところの公選の場合には、当然あなたはかねて縣案の日ソ協定その他公約を実施するためにも総裁公選に立候補し、そうして引き続いて政権相当の意思を国民に明瞭にすべきが筋合であろうと考えており、一部にはこれを期待しておると思うのですが、さようなる考え方、期待は誤解ではございませんか。その通りだと承知してよろしいですか。
○国務大臣(鳩山一郎君) 私は、私の健康が許す限り、世の中と約束したる諸政策の実行はぜひなし遂げたいといち熱望を持っております。
○相馬助治君 本月例めて首相は秘書の肩を借りずに本会議に登壇をされて、国家のために喜びにたえないと思って私は見ておりました。そうしますと、今のお言葉の通りだと考えますと、健康が悪くならない限りにおいて、いわゆるこのままの状態でいくならば、四月には引退するというような一部の説はとらざるところである、断固政権を相当して、国民に公約したところの諸問題、懸案解決のためにがんばる意思であると、かように明瞭に承知して差しつかえございませんか。
○国務大臣(鳩山一郎君) 今日の状態からいえば、四月に私は引退をする意思はも持っておりません。
○相馬助治君 よくわかりました。そういたしますと、代行委員であるところの三木氏の発言というものは、これは単に一個人の発言と受け取るべきではないと思うほど重要であろうと思いまするが、この三木氏の発言を見ますと、四月に公選し、その総裁には緒方氏が適当であるという発表をしておりまするが、そのことを御存じでいられますか。
○国務大臣(鳩山一郎君) 私は存じません。三木料の意見は最近聞きません。存じませんけれども、多分三木肴はそういうような考えは持っておらないだろうと推測はいたします。
○相馬助治君 三木吾はそういち考えを持っておらないであろうと推測していると、こういうことですか。
○国務大臣(鳩山一郎君) そうです。
○相馬助治君 鳩川首相のそういう期待にもかかわらず、とにかく三木氏の発言は、四、五カ所において四月公選、後任総裁は緒方、こういうことを明瞭に言い切っておるのでございまするが、これは近く三木氏を交えての代行委員の話し合いの際にはこれらの意思を確かめて、少くともかかる一つの予想的な発言というものは、代行委員の中からは発言せしめたいように強力なる意思を持ってその発言を制限するお気持をお持ちでございますか。
○国務大臣(鳩山一郎君) 私は、私の友人たちの意見を尊重いたしまして進退をしたいと思っております。しいて友人たちを説いて政権を継続したいという意思は毛頭持っておらぬのであります。
○相馬助治君 私は前段においては、国民に公約した線をどうしても推し進めるために、健康の許す限りは政権担当の意思ありと、こういう内閣総理大臣の御見解は至当であろうと思うのです。それは弱腰を示すべきでないと思うのです。しかし友人を説いてまでその政権に恋々とするものでないということは、君葉の上では見えておるのでございまするけれども、前段と食い違うと思うのでございまして、私どもといたしましては、あくまで今の段階においては政権担当の意思ありと、こういろ前段のことをよくお聞きし、同時に代行委員間においてかようないろいろの発言をし、国民に多くの問題を投げ与えるというようなことのないように、一つ首相の立場からはおやりいただくことの方が国家のためによろしいと存じて、先ほどの贋間をいたしたわけでございます。そこで先般、所信発表演説という異例のことをおやりでございましたが、これは施政方針演説と違うと思うのですが、あのようなことは正しい国政運営、議会運営の立場から認められるとお考えでございますか。きわめて異例に属するものだとお考えでございますか。
○国務大臣(鳩山一郎君) 私は議会の始まるときに、私がどういうような所信を持っておるかということを発表するのは、国民に私の考え方を示す唯一の重大な方法だと考えますので、その必要を認めたのであります。施政方針演説というのは、従来各省が何をやるかということを詳細に言うのが先例になっておりますので、これは通常国会の始まるときに施政方針演説をやるのが、従来の例にならうのがいいと思いますので、通常国会においては施政方針演説を演説するつもりでございます。
○相馬助治君 異例の所信発表の演説でございましたがゆえにこそ、私はもっと鳩山内閣に国民が期待している線、いわゆる保守党の中においては珍しく大衆の感覚というものを把握されている首相に期待したものが大きかったと思うのですが、残念ながらあの所信演説の程度では、国民が第三次鳩山内閣が何をやろうとし、これに自分たちがついていくのであるというふうに感奮せしめる段階にまでは私は至らなかったと、こういうふうに思うのです。一番先に申し上げましたように、今の日本に最も必要な政治、国民に自信を与える政治、そういう角度からいたしまするならば、これは述べていることとお考えになっていることについてはよくわかりまするが、内容的にはきわめてどうも簡単でおざなりで支ったように、こういうふうに考えるのでございまするが、これに対しては見解の相違本あろうと思うので、これ以上お尋ねいたしません。ただ、今までの私の質問でわかりましたことは、世上伝えられている四月引退説などということには耳をかすものではない、国民に公約した諸政策断行のためには、鳩山内閣総理大臣としてはあくまでその政権の座にあって、その責任を遂行すると、こういうことが明瞭であるようでございまするので、以下三、四点私は質問をしていきたいと思います。 外交の問題は、望むらくは超党派的な立場に立って、この際祖国再建の角度から遂行すべきであろうと考えます。野党の立場を持っておりまする私たち社会党といたしましても、この問題についてはより積極的に考えなければならない筋合いだと思いまするけれども、われわれ野党側が超党派的な立場に立って、強力外交推進のために一臂のお力をかすというのには、その前提が必要だと思うのです。すなわち、あなたの党内の外交の考え方をまとめることがその一つであり、国民大衆の納得するところの基本的なるものを示すということがその第二であろうと思うのです。そこで鳩山内閣総理大臣といたしましては、今後非常にむずかしい国際岡の諸情勢に応じて、超党派的な外交を必要とするといちお考えをお持ちかどうか。そういうことは理想であるけれども、現実に日本では不可能だというので絶望しておられるかどうか、この点について、承わりたいと思います。
○国務大臣(鳩山一郎君) 諸外国にもその例がありまする通りに、重要なる外交政策というものは、党派の争うべきものではないので、超党派的にきめていくのが非常にいいと思います。それでありますから、ソ連との交渉なぞにつきましても、私の方の党派は、まだ自由党と合体する前に、三党首とたびたび会合いたしまして、松本全権からも、外務大臣からも、日ソ交渉についての詳細を御報告して参つたのであります。これも外交問題は超党派的にやりたいという微衷にほかならないのでございます。
○相馬助治君 一歩進めて野党にまでその手を伸ばし、あるいは協力を求めようとする具体的な方策を現在お持ちですか。いまだその段階にあらずというふうなお考えでございましょうか。
○国務大臣(鳩山一郎君) その当時の私が内閣を作っておりました第一次内閣、第二次内閣当時においても、野党たる社会党の党首に対しては、ソ連の交渉については逐一御報告して参りました。
○相馬助治君 それで具体的に一、二その問題についてお尋ねしてみたいと思うのですが、この第一次鳩山内閣のあと解散されたときに、中ソに対してもできるだけ平和的な交渉をもってこの問題を解決したいという当時の民主党の公約というものは、国民の歓迎するところとなって、民主党が第一党になるために大きな役割を架したと思うのです。その後、ソ連とは交渉に当っておることはわれわれも承知しておるところで、その交渉のことが不手際であるとか何とかいうことは別といたしまして、そこで問題になるのは、中国との問題を将来どらされるつもりなのか。いわゆる国民政府を承認しておることからくるところのいろいろな諸情勢、むずかしい困難性といちのがあろうと思うのです。重光外相の態度は、わが党の鈴木委員長の質問に対しては、中国とどういう手を打つのだ、こういうふうに非常に強気な御発言で国民を驚かせたのですが、その後のだんだんの御説明を聞いてみると、国際的義務に反しない限りにおいては、できるだけ貿易の促進、居留民の問題、戦犯の問題をやっていきたい、こういうふうに発言されておるようでございます。現に中共が六億三千万の国民を持って、今やあの大陸に隆々たる勢いで復興しつつある現実は、何人も否定できないと思うのです。同時に千九十六人の戦犯者の諸君がありまして、この戦犯者に対しましては毛首席は、先般中共を訪問したわれわれに対してもこういうことを言っております。日本の政府が責任を持って中国に対して国交回復の用意ある旨の声明がなされるならば、正式の平和条約なり、ないしは中共と国交取りきめが行われる以前においても、これら戦犯者の問題は解決されるであろうというような意味のことを申しております。この中国の外交、中共に対する外交の基本的な考え方を首相はどこに置かれるか。これについてこの際承わっておきたいと思います。
○国務大臣(鳩山一郎君) 中共との国際関係はとにかく国際国交は正常化いたしたくても、国際条約の関係から、ただいますぐ中共と国交を正常化すると言うと、誤解がありますかしら……、とにかく国際関係においてソ連との国交を調整正常化するという程度に中共を取り扱うことはできないことはあなた方の御承知の通りであります。それですからして、とにかく隣国の中共とけんかをしていかない、仲よくやっていきたい。悪い感情でつき合わないようにしたいというような方面に努力をすべきことは当然だと思います。そして外務大臣は、中共との貿易を増進して、緊密の程度を強化したいというように申したのであります。私もそう考えます。
○相馬助治君 今までの行きがかりから考えれば、そうしてまた外交の責任者としての重光外相の立場からいたしますならば、さきに私が述べたような考え方を、この際述べる程度以上のことを発言するということは、きわめて困難な情勢であろうということは一応私は考えるのです。ただ私が内閣総理大臣としての鳩山さんにこの際伺っておきたいのは、中共の気持を悪くさせないようにしたいということ、しかし一方においては中共を認めておりません。認めておらないで、そうしてその認めておらない国と感情を悪化させないようにしていきたいというのは、これはどうもいささか先方から言わしめればむちゃだと思うのです。周恩来がこういうことを言っておるのです。いまだ世界の歴史をひもどいても、戦争に破れた国が戦争をかつてやって被害を受けたその国から仲よくしょうという手を差し伸べたときに、いやだと言ってこれをきらって逃げるというような歴史的な事実のあることを知らない。具体的に言えば、中共が日本に仲よくしよう、こう言うのに、日本がなるべくこれに関係しないように逃げを打っているということは、アメリカに気がねしてではあろうけれども、少しおかしいじゃないか、こういうことを意味しているのだと思うのです。日本とか、アメリカとか、中共とか、固有名詞は使わなかったが、そういう発言をしているのです。そこでですね、この千九十六人の戦犯者諸君を私は撫順の戦犯者収容所で、この目で見てきました。この中の一人の人が、こういうことを私に言ったのです。われわれは十年間近くもここに捕えられておる。一日も早く帰りたい。だがしかし、私たちを早く返すために中国と不利な交渉等はしないでいただきたい。身はたとえ戦犯収容所の中に倒れるとも、私は祖国の運命を重しとする。とこの人は言ったのです。だから今の日本の状態からして、中国とわれわれはへたな交渉をしないのだという理屈にはならないのであって、気の毒な立場にある戦犯者の諸君が、わが身よりも祖国の運命を重しとすると育ったこの衷情に対しても、かつまた、経済的な今の現実から言いましても、一方に国民政府を承認しているというむずかしい立場はあろうと存じますし、正式な交渉を持つということについては、国際的ないろいろな関連上むずかしいと思いまするけれども、もう少し現在の鳩山内閣において、積極的に政府の責任において、このことは将来こうしたいというくらいな方針なり構想なりはお聞かせ願わなければ、私はこの場を引き下るわけには参らぬような感じがいたします。一々かようなことを例に引いて恐縮ですが、私は、私個人の運命よりも祖国の運命を重しとすると言った撫順戦犯収容所につながれている同胞のあの眼を今思い出します。いろいろな角度から、ぜひとも中共に対しては、鳩山内閣は現在はこうだが、将来はこうするのだというぐらいな確たる一つ見解を、この際ぜひとも私は国民の声を代表して承わっておきたいと思います。
○国務大臣(重光葵君) 私からお答えいたします。今仰せのように、中国に捕われている人々の気持は実に悲壮なものであることばよく私どもも承知をいたしております。それだから中国の問題はこれを等閑にふしで、いるというようなことば少しも考えておりません。これらの抑留されている人々の運命を思い、これを救出したいということは、これは最も力を尽さなければならぬことであると、こう考えております。従いまして、中国との全局面で、中共を承認するとかいうような大きな政治問題にこれを引っかからせるというと、これはなかなか容易なものではございません。そう簡単には参りません。そこで私どもは、これは人道問題として、あくまでこれは救出をする、人道問題として取り扱おなければならぬ、こう考えおります。従いましてこの問題を処理するのには、大局の政治問題、つまり承認問題というようなことには関係はないという建前をとっております。そこで抑留者の送還の問題に限っては、従来から赤十字社その他によってずいぶん先方と折衝をしてもらって、結集は相当上げております。けれどもそれに満足せず、政府は直接中国側と交渉をすることに決定をしてゼネバでわが代表と中国の代表と接触をして、そのことについて常に交渉を進めておるわけでございます。それがこちらの希望通りには参りませんけれども、相当実を結んで、最近も興安丸が出発し、たような状況でございます。この問題はあくまで全局の政治問題とは離れて交渉を続けて差しつかえない、こういうふうに考えております。
○相馬助治君 私はそこが問題だというふうに考えるので御質問をしているのでございまして、外相から重ねて見解を承わっておきたいと思います。それはどういうことかと申しますと、こちらとしては戦犯の問題は人道上の問題であるから、一般の政治問題、外交問題と切り離して解決をしたい、かような願いを日本側が持つ、このこと自体は私はけっこうだと思う。それでけっこうだと思う。だがしかし相手のあることです。しかも周恩来の声明によりますというと、居留民であるとか遺骨であるとかあるいは中日貿易であるとか、こういう問題と戦犯の問題は本質的に違う。中国において戦犯の問題は国民の主権に属する問題であると申しております。国民の主権に属する問題である。その内容的なものは何かというと、中国は日本の軍閥と今の国民大衆とをはっきり分けておる。分けておるけれども、かつて日本の軍閥によって多くの犠牲をしいられたことを今日、中国の国民は忘れていない。その戦犯の問題は国民の主権に属する問題であるからして、中共の政府が国民に向って納得のいく説明ができない限りにおいて、この問題は解決しない、こう申しております。これは先般国会議員団が中共をたずねたときに、自由党からも民主党からも当時行っておりまして、しかも民主党の上林山君が団長でした。後に鳩山首相も尋ねておるので、その話は十分通じていると思いますが、そういうふうに申しておる。従って中国に対する自主的な日本の態度を決定しない限りにおいては、これは人道問題だから帰してくれと、さようなことを言うても、問題はわれわれの期待にかかわらず、解決しないというところまで参っておると思うのです。従って出先のゼネバで交渉させたとか、させないとかということを別として、この際、鳩山内閣の英断をもって、また重光外相に対して私は戦犯の問題をとやかく言うことはむしろ失礼だと思うのであなた自身がよくこれらの問題については御理解の通りなのでございまするから、何か抜本的な手を、基本的な構想をこの対中国交渉においておもちになるべき段階が来ていると思うんですが、いかがでございますか。
○国務大臣(重光葵君) あなた方が中国に行かれて、中国の首脳部と会見されて、いろいろ向うの言い前を聞いてこられた、向うの言い前はそうでございましょう——そうでございましょうが、しかし、その向うの言い前がそうであるから、その通りにしなければいかぬという御議論には承服することはできません。(相馬助治君「そうは思っていません」と述ぶ)そこで戦犯の問題が一体あり得べきことかどうかというようなことまでも議論になるわけであります。私は戦犯の問題でも、戦争に負けたから起ったことなのであって、これらの抑留者の問題はやっぱり人道問題として当然解決すべき問題だ、こういう理屈は戦争に勝った、敗けたでなくして、これは私は天下の公理だと思っている。それは必ず主張を受け入れてもらわなければならぬことだと私はそう思っている。従ってその主張はあくまですべきだと思っている。それをもって、それならば政治問題にひっかけて、中共を中国として承認しろという向うの言い前は、それは無理というものであって、それを承認しなければならぬと向うが言うから承認すべしという議論は、これは承服することはできないのであります。これはあくまで人道問題として、向うにそのことを認めてもらわなければならぬと、私はこう考えております。
○相馬助治君 私は議論をしておりません。こちらの言い分は言い分、向うの言い分は言い分、それでわれわれは向うに行って、向うの言い分を聞いて、はあそらですか、さようにいたしましょうというようなことは言うべき筋合いでもむいし、また言うべきことでもない、かように考えておる。ただ、私が事実問題としてお尋ねしておるのは、当方としては戦犯の問題は人道上の問題なんだ、他の外交諸問題と別なんだから、これは別個に切り離して解決しろということを言っても、一体解決するのか、しないのかということなんです。どうもこの分ではしないのじゃないか。しないということになるならば、一体この際基本的に考えていくわけにいかないのか。ですから、考えるわけにいかな冷それからまた戦犯には気の毒だけれども、これはあくまで人道上一本で進むんだ、それ以外には鳩山内閣として、重光外相としても手がないんだ、今の段階ではこうなんだと言うならば、それでも仕方ないのです。ただこの際御見解を承わっておきたいと思うのでお尋ねしておるので、私は議論をしておりません。もう一度、一つ抜本的にこの際考え直すべき段階が来ているのじゃないかということをお尋ねしておる。
○国務大臣(重光葵君) この際抜本的に立て直すということは、方針を変えろということであるから、私は議論だと思います。それは当然に議論を含んでおる。私は抑留者を送還してもらうためにはあらゆる努力をしなければならない、それはすべきだと思う。しかしその根本はどこにあるかというと人道問題だとして、すみやかにすべてのものを差しおいてこれは解決すべき問題だと、これは敵も味方も共通の議論だと、私はそう思って主張しておるのであります。しかしそれがためにその根本の建前から、なおいろいろな手があるかもしれぬ。民間において向うに折衝する方法も一つでありましょう。そういうようなことでいろいろやるということは、これはあらゆる手段を尽さなければならぬ、こら思っております。抜本的ということが方針を変えろということであったならば、それは議論でありますから、その議論には承服はできない、こういうことを申しておるのであります。
○相馬助治君 重光外相のお気持ちはわかりました。要するに戦犯者には十分気の毒に思うが、そしてまたそれを帰すためにはあらゆる手を打つが、しかし基本的に中国に対する態度、それを今改める段階でもないし、そういう意思はない、そういうふうに今受け取りました。これに対して私はこれ以上議論をいたしません。 鳩山内閣総理大臣にこの際承わっておきたいことは、今の重光外相の答弁をそのまま、首相といたしましては御承認されますですか。
○国務大臣(鳩山一郎君) 外務大臣が言いました通りに、ただいま中共を承認するということは、ただいまの事態においてはまだ決定できないと思います。
○相馬助治君 一歩進めて、承認ということでなくても、この際居留民の問題、戦犯の問題、それは単に赤十字社というものにまかせておかずに、政府がより積極的に何とか考えるという意味で、この中共の政府と政府が正式な話し合いを持つというような御意図を首相はお持ちになっておりませんか。
○国務大臣(鳩山一郎君) 中共が強力なる独立国として現存しているということは、これは否定ができないものであります。この現存している中共と仲をよくするということについては万全の策を講ずべきものだと思います。ゆえに中共と貿易を緊密にして、お互いに有無相通ずるような国柄にたっていくということは必要だと思う。それですから、その妨害になっているココムの制限などを解くことに骨を折っておる。そして中共と日本とがお互いに実質的に仲よくしていくことはお互いに有利だということを自覚していって、だんだんに改善されてくるのを待つのがいい、こういうふうに考えております。
○相馬助治君 またあるいはそれは単なるお前の議論だと言われるかもしれませんが、その自覚と言いますけれども、中共と日本との国交の回復というか、貿易その他の取りきめというか、そういう問題について私は率直に自覚しなければならない面は、中共と日本のどちら側に多いか、こういうことになれば、世界の情勢その他からして、日本側に多くの自覚しなければならない点があるのではないかというふうに考えておるんです。 そこで一点お尋ねしておきたいのは、十月十七日に日本の国会議員団の団長の上林山榮吉君と先方の人民代表者会議とで出した共同声明の事実を首相は御存じですか、あるいは存じておりませんか。
○国務大臣(鳩山一郎君) 共同コミュニケについて、そういうことも新聞にちょっと出たことは承知しております。政府としては関与したものでもありませんし、政府としてはこのコミュニケに対して責任を負うことはできません。
○相馬助治君 私はそれを第二段にお尋ねしようと思ったことで、政府として責任を負えなんということは申しません。それは明らかに今の段階では、立法府である国会と執行機関である政府とは違うのであって、政府が共同コミニュケに対してとかくのことを言ったり、ないしはこれに対して責任を負うべき筋でないということについては私もさように思っておりますが、ただ政党の責任政治の形において、あなたが当時総裁であったところの民主党の——この日はまだ保守合同ができていないのですから、十月十七日というのは一民主党の上林山君が署名をして共同声明を出したというこの一つの実例は、民間団体の代表者が共同声明に捺印したのとはいささか趣きを異にしていると思うのであって、それを新聞で見た程度で、よく知らぬということについては、御賢明な鳩山首相のお言葉とも受け取れないし、また上林山君にしては重大なる裏切りをしているということになるのです。というのは、政府が聞くか聞かぬかは別として、このことは鳩山総裁にもよく申し上げるということを彼自身申しておりまするし、国会議員団の一員として、われわれもまたこのことを政府が聞くか聞かぬかは別として、こういう事実のあったことを申し上げるということを彼に約束させてあります。で、政党の立場から、責任政治の立場から、この種のものを政府はどうお考えでございますか。いわゆるこれはきわめて異例に属する、違法であるというふうな御見解をお持ちになるか、あるいはまたこれは批判すべき筋のものでないというふうにお考えになるか。一般の外交の常識上からの見解を重光外相にお尋ねし、同時に鳩山首相からは、当時の民主党の総裁としての立場から、自分の党員であるところの上林山君調印にかかる共同声明というものに対してどの程度の責任をお感じになるか。これを区分けして承わっておきたいと思います。
○国務大臣(重光葵君) 私はこれは理屈はきわめて簡単だと思います。上林山岩が行ってやられたのは、それは国会議員として行かれたのかもしれませんけれども、しかし国会議員として行かれたって、公けの資格をもって行かれたわけでも何でもない。政府を代表して行ったわけじゃむろんない。つまり個人の資格で行ったわけだ。そこで先方といろいろ話をするということも、これは有力な個人でありますから非常に有益なことでありましょう。そしてまた有力者と話したのであるから、それだけの値打はここにあると見なければならぬ。しかしそれは何も政府及び党にしても私は正面から関係のないことでございますから、何ら政府としての責任をとらなければならぬことは一つもございません。むろんその内容等については、われわれも実は何も知らないのでございますから、それは総理が御存じになって聞かれたかもしれませんが、その聞かれたということも私は存じません。さようなわけでありますから、これはきわめて簡単明瞭なことでございます。政府としては関係もなく、また責任をとるわけにもいかぬということはこれはわかり切っておる。
○相馬助治君 外相の答弁はわかります。それで党としてはどうでしょう。当時の鳩山総裁として——今後もあると思うのです。こういうことは。
○国務大臣(鳩山一郎君) わが党の党員が行って共同コミュニケに署名したという事実について、党の責任を問われたわけですか。
○相馬助治君 そうです。
○国務大臣(鳩山一郎君) 党としては私は関知しておらないのでありまするから、その責任をとるわけには参りません。
○相馬助治君 議論はありますが、そのことはわかりました。 次に、私ただ一点だけお尋ねして質問を終りたいと思うのですが、その他たくさん予定をしていたのですが、時間の関係で……。
○吉田法晴君 関連して——大へん恐れ入りますが、相馬君は鳩山総理に、中国——まあ外相は中共という言葉を使われますが、今の大陸の中国についてのどういう外交方針をもって進まれるか、こういう御質問をしておる。だんだんあまりこまかくなってきてその基本的な質問がぼけてしまったのですが、ことしの二月やられた選挙の際には、当時の民主党総裁として、あるいは第一次鳩山内閣当時の総理として国交調整という問題を選挙に問うたのであります。その国交調整の中には、ソ連に対するあれもありましょうが、中国等国交回復しておりません諸国に対する国交調整という問題が選挙の公約として入っている。従来は、先ほどちょっとお話になりましたような二つの中国ということを総理は言うてこられました。で、戦犯の問題に関連をして相馬君から質問を申し上げたところが、戦犯の問題は人道上の問題として、あるいは貿易その他の問題にしてもあるいは文化の問題にしても、いわゆる戦犯を人道上から救済をしたいという点からそういうものも望ましい、こういう外相の説明でございました。いわば戦犯を救助したいという人道的な問題からのみ中国についての、何と申しますか、関係がみられているかのごとくきょうの答弁では外相から答弁がありました。ところが問題はそうじゃなくて、国交調整というものを約束された鳩山総理として、今後中国との関係、国交調整たり外交方針をここで述べていただきたい、こういうことを相馬君から求めましたので、その基本的な点は、あまりこまかいことにかかわらずに鳩山総理から一つ重ねてお示しを願いたいと思います。
○国務大臣(鳩山一郎君) 私はソ連とも国際関係を正常化したい、国交を正常化したい、戦争状態終結未確定の状態から終結したといち確定の事態を作り上げることに努力をしたいということを申しました。ソ連に対しては一国の承認ということは問題になりませんからこれはそのままでいいあけです。中共は承認をすることのできないような事態がありますので、承認はできなくても、戦争状態終結を確認する事態を作り上げるといろ国交の正常化はできるはずです。承認問題を取り除いて。そういうような事態を作り上げるのにどうしたらいいかといえば、貿易関係を緊密にしてお互いに貿易に熱心になってつき合うようになれば、戦争状態は終結したといろ事態がここに作り上げられてくるのでありますから、そういうことにいくほうがいいだろうというような考えをもって、ソ連や中共のごとき自由主義国家群の中に入れない国でも仲よくしてゆくことに努力しなければいけないという考え方をもっていたわけであります。それについては今日においてもやはり努力をしているわけであります。
○相馬助治君 首相に一点伺っておきたいと思いますが、対朝鮮問題に端を発して、最近国内に右翼の台頭があるようにお考えでございますが、その事態を首相はどういうふうにお考えですか。またこれに対して何らかの対策をお考えでございますか。この際御見解を承わっておきたいと思います。 時間がありませんので外相に一点伺っておきたいと思います。これで私の質問は金部終るわけですが、国連加入について現在どのような段階にあり、しかも日本としてはどのような手を打っているか。具体的に申しますれば、総会はうまく通った。ところが理事会においてかなり問題がある。そこで国民政府が拒否権等を発動するならば非常にこれは重大な問題になる。従ってそういうことを予見されて、賢明なる重光外相においては十分なる手を打っていると思うのですが、この際ぜひともその間の専横及びこれに打っている手、こういうふうなものを国民の前に明らかにしてほしいと思うので、その報告を一つこの委員会を通じてしてほしいと思います。
○国務大臣(鳩山一郎君) 朝鮮問題に触れて右翼の活動が敏活になってきたという御質問でありましたが、私は一向そういうことを聞いておりません。
○相馬助治君 途中ですが、海賊李承晩を葬れというようなビラがもう非常に多く張ってありまするし、その他いろいろな方面にこの動きが非常に活發なんです。それでそういう事態が現にあるのです。何か対策をと思ってお尋ねしたのですが、そういう事態をお認めになっていないということじゃどうにもこれは手が出ません。そういう事態があるのです。
○国務大臣(鳩山一郎君) とにかく朝鮮問題に対して激越なる言葉が不用意に発せられるということは、朝鮮問題を解決する上に非常に不利益になるのです。それでありまするから、私はそういうことのないようにしたいと思いまして、朝鮮問題に対してそういう傾向に走らないように警告を発しておるつもりでございます。
○相馬助治君 積極的に取締りまでやりますか。
○国務大臣(鳩山一郎君) そういうような事態は非常に害になりまするから、よく公安委員会とも相談をいたしまして……。
○相馬助治君 公安委員会と相談して取締りも考慮しますか、場合によっては。
○国務大臣(鳩山一郎君) 協議をしたいと思うのです。
○国務大臣(重光葵君) 国連加入の問題について報告をしろ、こういうことでございます。御趣旨はよくわかりました。実は昨日この委員会の席で、千田委員の御質問が同じ質問でございました。そこで昨日は十分詳しくそのことを報告をいたしました。あなたはおられなかったかもしれません。
○相馬助治君 いや来ておりました。だからその後の……。
○国務大臣(重光葵君) その後のことはきのうの質疑のことになりますが、この十八カ国を一括加入せしめるというカナダ案でございます。これが二十八カ国の支持によって提案されておるのでございます。この問題を取り扱うために特別政治委員会というものをこしらえて、それを取り扱っておったのでございます。そこで、その委員会は、数は五十二対二票で賛成可決されました、そして棄権が五つでございましたが、その棄権という意味は、この日本の加入に反対するという意味じゃ少しもないのでございまして、五十二対二でこの十八カ国加盟案がその委員会は通過したのでございます。しかしこれはその案に対する審議機関でありましたけれども、連合への加入そのものは、今度は安全保障何事会の推薦を得なければなりません。安全保障理事会の推薦によって今度総会でそれが最終的にきまるのでございます。総会は今のところ十五日に決定されております。そこで安全保障理事会をその前に通過したければたりません。そこで、昨日報告をいたしました通りに、ここに国民政府の態度というものが非常に注目されておるのでございます。国民政府に対しては、日本政府としては、台湾駐在の日本大使をして、及びここの国民政府の大使を通じて、十八カ国の加盟案をみんなのむように、つまり外蒙古のことに腰を入れるために日本の加入ができないという結果にならぬように、すなわち拒否権を使わないように、国際連合を強化するという大きな見地から、かつまた東アの大局から見て日本を入れるという見地から、そういう拒否権を使おぬように、強く要請をいたしました。その最初の向うの政府との接触は一度ではございません。たびたびの機会においてそれを強く要請をいたしました。しかし日本の要請よりも一番きくのはアメリカの要請でございます。これはアメリカと国民政府との関係から見て明らかなことでございます。国民政府に拒否権を使わないように、アメリカ政府が措置することが非常にいいことでありますから、それをたびたびアメリカ政府にいろいろ連絡をして、その措置を講じたのであります。その結果とは申しません、アメリカ政府はアメリカ政府としての考え方がございます。その結果とは申しませんが、その後において、アメリカ政府は、どうしても国民政府に拒否権を使わせない方がいいという考え方でもって、国民政府に強くそれを要請しました。特に大統領は自分で三回の要請を蒋主席に対してやりました。電信でやりました、そして一回は一番強硬な反対の回答を得ております。二回は少し緩和した態度の回答を得ております。三回目は、国民政府に対して将来いろいろな国民政府の国連における地位について保障を与えろというような代償をもって、国民政府は拒否権を使わないようにしてもらいたいというところまでいったのでございます。この結果はわかりません。明日あたりに理事会が開かれますから、明日あたりは国際連合加入の、何と申しますか、クライマックスに達する時期でございます。明日くらいの後には、あるいは日曜、月曜日ごろには大ていはきまるのではないかと、こう考えております。その大統領の三回目の勧誘が、きき目があることを非常に期待しておるわけでございます。そうなりますというと、理事会がそういうことで拒否権も使わずして日本の国際連合加入ということを推薦するということになりますれば、総会はもうほとんど問題なく通過いたします。それが今のところでは十五日、十六日の見当でございます。これらの問題については、いわば外交機関をあげて過去数ヵ月にわたって努力をいたしております。何となれば、これは国際連合の地元だげの問題ではございません。国際連合に加入しておる六十カ国の各本国政府の態度によるわけでありますから、各本国政府に日本の立場を説明し、強く希望を要請する必要がございました。そういう手続を絶えずとって交渉を続けてきたわけでございますから、全世界にもわたった交渉というふうに相なりました。そういうことにつきまして、重大な問題でございますから手落ちのないようにあらゆる努力をして参りまして、在外機関にも非常に活動してもらいました。まあその結果がどれまで出ましたかということはこれはあまり申し上げることもできないのでございますけれども結果は今の通りに、問題は国民政府だけになりまして、あとは全部日本を支持するという状況になりました。そういうわけでございます。
○相馬助治君 ちょっと……。
○委員長(西郷吉之助君) 非常に時間が経過しておりますから……。
○相馬助治君 ちょっと発言、重光外相に一分。国連憲章の規定によれば、一括承認ということの方が筋が違うので、これは個別的に出すことが正しいと、こういう観点から、国民政府の言っていることにもよりどころがあるというところに大きな問題があると思うので、非常に問題は複雑で、困難だと思いますけれども、アメリカに期待すると同時に、自主的に今のお説の通りに十分一つがんばってほしいと思います。私の質問を終ります。
○佐多忠隆君 それに関連して簡単にちょっと……。今の質問で、特に質問したいのは、日本からは衆参両院議員、院議をもって決議案を向うに出したわけですが、その決議案をどうお扱いになったのか、それから国連には電送されたということを聞いておりますが、それに関連して、その院議をさらに国府あるいはアメリカに対してどういうふうに扱われたか、その結果が、特にその反応が、どういうふうに現われて参ったかということについての、最終の事態の御報告を願います。
○国務大臣(重光葵君) 簡潔に御報告を申し上げます。両院の決議案は、お約束しました通りにすぐ直もに電報をもって国際連合の事務総長、総会議長及び安保理事会の議長等に伝達をしまして、そしてこれを全加盟国に回してもらいたいということを要請しました。昨日それにやはり電報をもって返事がございまして、受取ったと、そして各国の代表に今漏れなく配付したと、こういう回答がありました。ところが、これはちょうど十八カ国一括加入案の審議の委員会に間に合いまして、そうして総会の議長が、タイ国の外務大臣でございますが、タイ国の外務大臣は非常に日本に好意を持っておる人でございます。そこで、議長から委員会にこの日本の国会の決議は非常に重要な意義を持っておるんだから、各国代表は特に注意をしてもらいたい、こういう注意を喚起したそうでございます。そこで各国代表は非常に注意をしたわけでございます。その結果で、その委員会は今申しました通りに十八カ国加盟案が賛成五十二、反対二、棄権五ということで可決されたのでございます。事情はその通りでございます。それが近く安全保障理事会の審議に上るわけでございます。そして最後には総会の決議になるわけでございます。かような筋になっておることを御報告いたします。
○委員長(西郷吉之助君) それでは本日の委員長及び理事打合会におきます取りきめによりまして、矢嶋三義君の質問中外務大臣に対する分を直ちにお願いいたします。
○矢嶋三義君 重光外務大臣に限ってお尋ねいたします。 まず第一番に伺いたい点は、私は先般アメリカを視察した次第でございますが、そのときに外交官として、しろうとの私にまず強く響いたことは、このアメリカの国と、よくもまあ日本は戦争をやったものだということを、私はばかばかしくなるほど感じた次第です。そこで私は、名前は申しませんが、数人のわが国の外交官に対して、あなた方は大東亜戦争の始まる以前に、外交官として、在外公館員として、いかなる進言を、当時のわが国の政府になしたのですかということを伺いましたところが、大部分の方が、われわれは五一五事件以来ものが言えなくなったので、あまり意見を言わなかった、そのためにああいう結果がもたらざれたと思うが、国会議員の皆さん方にかように外国を回って見ていただくということは、われわれ外交官としても幸いである。こういう言葉を聞いて、私はその在外公館員としての心がけ、無責任さというものを、私は注意をした次第でございます。 ここで私重光外務大臣に伺いたい点上は、なぜこういうことを伺うかと申しますといちと、私は初めて大臣に質問する機会を持ったわけでございますので、あえて伺うわけでございますが、現在の日本の国際的立場というもの、さらに世界の情勢というものは、戦前とずいぶんと変っていることは申すまでもございません。大臣は戦前においても戦時中においても、わが外交界の大先輩であられたわけでございます。現在引き続いてわが国の外交の最高責任当局におられるわけでございますが、そこで私伺いたい点は、こういう新しい時代に、かつて外交官としてもわが国の第一人者であったあなたは、わが国の外交を推進するに当って、過去についていかなる反省を持ち、またその反省の中から、新しい時代における外交責任者としての心がけ、外交官としてのセンスというものですか、そういうものを、どういうお心がけでおられるかということを、私はまず第一番に伺いたいと思います。
○国務大臣(重光葵君) 戦後の外交関係は、おのずから戦前とほ違って参りました。そこで新しい事態に応ずべく、十分新しい国際情勢を科学的に考え、それに対応する十分の用意をしなければならぬ、こういうふうに考えておる次第でございます。
○矢嶋三義君 その科学的という点、まことに不明確でございまして、これは私は追及したいわけでございますが、時間が費消されますので、これと関連して次に伺って参りますが、私はやはり科学の進歩とともに、世界は時間的に非常に小さくなった。従って世界各国の相互関係というものは、従来に比べて比較にならないほど緊密になって参った。こういう時代においては、私は国際間の理解をお互い深めるということは、きわめて大事だと考えるわけでございますが、その角度から具体的に私は伺いたい点は、できるだけ日本は国際会議等を積極的に日本に招致して、そしてこれに対して開催が容易であるように、従って国としても助成策をとり、国際理解を深める、あるいは私痛切に感じたのでございますが、芸術、文化を通じての相互間の理解を深めるということはきわめて大事だと思いますが、そういう立場から文化担当の外交官というものを主要なる各国に配置するというような、かような方面に私は効力されてしかるべきじゃないかと思うのでございますが、いかがでございますか。(「その通り」「その通り」と呼ぶ者あり)
○国務大臣(重光葵君) さような新しい分野に対して尽さなければならぬと、こう考えます。御同感でございます。
○矢嶋三義君 そこで、昨日来再三質問の出た問題でございますが、わが国と国交を開いてないところの、たとえば中共との関係にいたしましても、私他の議員諸君の質問を承わっておりますというと、鳩山総理は承認を今するわけにはいかないが、お互いに人の交流とか、あるいは物の交流によってできるだけ相互の理解を深めることがお互いのためにも、また世界の平和のためにもなると、こういうお考えのもとに、政府としても先ほど外務大臣から答弁されたように、ジュネーヴにおいてあるいは中共との問においては直接交渉も始めた、こういう御答弁でございますが、今後も具体的に伺いますが、まあ具体的に中共を取りますが、こういう国交を正式に開いていない国との人の交流ですね、こういうものを通じて、これらを盛んにすることによって相互の理解を深めていくという政策は、私は引き続いて積極的に進めらるべきものだと考えますが、この点私は総理に伺いたいのですが、委員長、総理の答弁はできませんか。
○国務大臣(鳩山一郎君) よろしゅうございます。人の交流は非常に必要だと考えております。
○矢嶋三義君 外務大臣御異議ございませんね。
○国務大臣(重光葵君) そういうことになると存じます。
○矢嶋三義君 そのことと、次に私が伺うことは矛盾をしやしないかと思います。後ほど防衛庁の長官にも伺いたいのでございますが、わが国の国民感情として納得しかねる問題が最近幾つかありますが、そのうちの一つとして、アメリカ軍によるところの第三国軍人の日本国内におけるところの訓練の問題でございます。この問題については、かつて本院においても質疑が行われたことがあるのでございますが、ただいま私が一つの例として申し上げました中共と中国の関係を取り出した場合に、約四百人からの中国の軍人を日本国内の米軍基地において訓練したいという要請がなされているわけですれ。これは私は日本の国民の感情としてはどうしても受け入れることはできないと思うのです。今アメリカ軍がわが国に協定のもとに駐留しているわけでございますが、納得できぬことだと思うのです。またただいまの中共とできるだけ仲良くしていきたい、人との交流もはかりたい、こういう鳩山総理のお考えからしても、この四百人からの中国の軍人、その中国と中共がどういう関係にあるかということは申すまでもございません。そういう軍人をわが国内の基地において訓練することを許容するというようなことは、非常に私は矛盾して来ると思うのでございますが、これは従って私は婉曲に国民感情を背景としてお断おりすべきものだと、かように考えますが、これだけ、これも一つ総理、あと聞きませんからお答え願いたいと思います。
○国務大臣(鳩山一郎君) 人の交流というようなことに対してのお答えをいたしますと、その人というのは軍人をむろん意味したものではございません。軍人の養成のために他国の人が交流をしてみましたところで、国と国との間の親交の程度が深まるものとも考えません。それは別の話であります。中国の軍人の多数が日本にはいり込んで来るかどうかということについては、私はよく知らないのでありますけれども、それに対しての取扱いは外務大臣から答弁してもらいます。
○国務大臣(重光葵君) 今のお話は中共の軍人でなくして、国民政府の軍人ですか。
○矢嶋三義君 そうです。国民政府の……。
○国務大臣(重光葵君) 国民政府は日本が中国の政府として承認しておる政府でございます。中共との関係も実際問題としてこれは非常に考慮しなければならぬということはるる申し上げておる通りでありますが、国民政府とはこれは友好関係を結んでおるのでありますから、国民政府との関係も一層これは考慮しなければならぬ日本は地位におるのでございます。そこでそれならば一体国民政府の軍人を多数日本国に入れて訓練をすることをしなければならぬか、こういう問題とはまた違います。これはその問題について検討しなければならぬ問題でございます。国民政府の問題について特に軍人の教育の問題について、特に問題のあることを私は承知しませぬが、しかし、この東南アジア、こうした台湾政府を入れてアジアの軍人について、さような問題が起っております。そこでそれは一体どういう法規関係で、どういうことになるかということを、各方面から今検討をして、そして今審議をいたしておるところでございます。まだ結論には達しません。
○矢嶋三義君 先ほどの中共、中国のところの中国は、国民政府の誤まりでありますから訂正置き願いたいと思います。外務大臣率直に簡単に伺いますが、私はあなたは国民感情といってもわかると思うのです。この国民政府、国民政府側の四百人に余るところの軍人のわが国内における訓練要求というものは、私はこれは婉曲にお断わりしてしかるべきだと、そういうふうになることを外務大臣としては期待して努力されておることと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(重光葵君) その御意見は十分伺っておくことにいたします。
○矢嶋三義君 次にお伺いいたしますが、あなたは今夏アメリカにおいでになったわけでございますが、そのときに日本の防衛分担金の問題については漸減に関するところの一般方式をとるようにという話し合いがついたやに伝えられておりますが、この一般方式による防衛分担金の減額ということを達成するためには、その裏づけとしてわが国の長期防衛計画というものの確定をあなたは要望されて帰ったものと思いますが、いかがでございますか。この点と、それからこのたび予算の編成期を控えて防衛分担金の交渉はすでに始められたものと思いますが、始めているかいないかということと、その目安をどういうところに置いているかという点についてお答えを願いたいと思います。
○国務大臣(重光葵君) 私が渡米をいたしましたときに、いろいろ米国の当局者と話し合いをいたしました6そのうちで、日本は条約の規定によって防衛力を増強する意向があるのだということをはっきり申しておきました。そしてまた防衛分担金はこれをだんだん少くして、なるべく早くなくするようにしたいという意向もはっきり申しておきました。その結果、ああいう共同声明を出して、防衛分担金の問題は、なるべく防衛分担金の一般漸減方式というものを一つ考えようじゃないかということになったことも事実でございます。それによりまして帰朝後防衛分担金をなくする方向に進む話し合いをずっといたしております。そうして明年度の分担金の問題は予算とも関係がございますから、なるべくすみやかにこれを妥結をするように、結末を見るようにせっかく努力を続けておる状況でございます。
○矢嶋三義君 防衛分担金減額の交渉を続けているならば、その目安をお答え願いたいとお聞きいたした次第でございます。
○国務大臣(重光葵君) その目安は、来年度の分担金はなるべく少くしたい、それからなるべく短期間の間に分担金のないような方式を一つ考えたい、こういう目安でおります。
○矢嶋三義君 一般漸減方式でやった際に、長期防衛計画というものは提示する必要はありませんね。
○国務大臣(重光葵君) 長期防衛計画というのはまだ政府に成案を持っておりません。おりませんから見せたくても見せられません。(「アメリカヘ持っていったじゃないか」と呼ぶ者あり)これはなるべく早くこしらえたいという考え方で今進んでおります。(「アメリカヘ何を持っていった」と呼ぶ者あり)アメリカヘ説明したのは、今申します通りに、日本は防衛力の増強をやるという十分な意向を持っている、用意を持っている、こういうことを申したのでございます。
○委員長(西郷吉之助君) 時間が来ていますから、もう一問で……。
○矢嶋三義君 それではもう一問伺います。それは国連加盟の問題について、国民政府側からわが国に対して、従来のわが国と中共との関係はかくかくな点が好ましくないから、今後かようにしてもらいたいとかいうような、かような部類の申し入れが日本の国連加盟と関連して国民政府側から要請があったかなかったか、この点と、それから第二点は、国民政府の代表の理事会における拒否権の発動を阻止するために、わが外交当局から積極的に今私が申し上げたような線に沿うところの発言を、意思表示を国民政府側にしたことがありはしないかどうかという点、それから第三点は、私は世界の世論から言って、結論的には日本の国連加盟というのは実現するであろうと、外交にしろうとの私ながら、さように私は確信を持っております。この前提の下に一点伺うわけでございますが、日本が国連に参加した後に、武力をもって集団保障に協力するのかしないのか。たとえばアイスランドとかパナマは軍備を持たないで国連に加盟いたしておりますし、またオーストリアは去る五月国家条約の成立によって独立し、永世中立を表明したわけでございますが、こういう国も参加するわけでございますので、私はわが国は武力をもって集団安全保障に積極的に協力するという、そういう態度をとる必要はない、そういう形において私は加盟を進めて参るべきではないか、かように考えておるものでございますが、以上三点についてお答え願います。
○国務大臣(重光葵君) 国連加入の問題に関連して中国−国民政府から何らの要望を申し出でたことはございません。わが方の国連加入に対する要請は国民政府に十分にいたしてきたことば先ほど説明した通りであります。国連加盟は、これは国会の決議によっても、非常に強力に日本が要請してきたところでございます。その要請は、日本として何らの条件とか保留とかということなしに、これば加入をする希望を表示してきたわけでございますから、今回もし加入ができることにたりまするならば、その形において加入することになるだろうと、こう考えております。
○矢嶋三義君 今後のこちらの対処する心がけというものを聞いておるわけです。さっきの角度から。それに対するあなたの御所見を承わっておきたい。
○国務大臣(重光葵君) 今後のさような問題は、加入後に十分検討をして処置することにいたします。
○委員長(西郷吉之助君) それでは矢嶋君、時間がだいぶ過ぎましたから……。
○小林武治君 私は特に鳩山総理に対しまして、総理は外交問題について非常に御熱心であることはまことにけっこうであるのでありまするが、外交も私どもは足元が固まらなければ十分な効果は発揮できないというふうに考えておるのでありまして、ただいま日本の地方行財政というものはまことに重大な時期に立っておる。従って総理にとの方面にさらに重大な関心を持っていただきたい、こういう趣旨から私はあえてこの質問を申し上げるのであります。私どもは総理に各委員会に出ていただくということは不可能でありますので、この席をかりて特に申し上げておくのであります。 すなわち政府はこのたび三十年度の財政の赤字見込みに対しまして百八十八億円の財源措置を講じたのでありまして、その政府の誠意についてはわれわれも一応これを了としておるのでありまするが、そもそも赤字の原因というものは、国の財源措置が不十分であったこともその一半の責任を負うのは当然でありまするが、一方においては地方団体側においてもその責任がないとは私どもは思わないのであります。すなわち地方団体側がややともすれば、赤字の原因は一にこの政府の責任であるように言うておるのは、私どもとしては首肯しがたいのであります。要は、地方制度そのものの欠陥と同時に、運用のよろしきを得ないところも大なる原因であるのでありまして、従ってこれの根本的の解決というものは、制度そのものの改善と同時に、これを運用する人の心がまえを改めなければならないと思うのであります。いずれにしましても、当面地方財政の問題は、政府並びに地方団体がいたずらに他を責むる、こういう愚を改めまして、両者が相待ってそれぞれの分野において経費の節約または効率化等について最善を尽さなければならぬのでありまするが、政府は、このたびのせっかくとった措置に対しまして、地方側のとるべき心がまえあるいは措置に対しまして何らかの政府としては地方に要請をなしたか、または今後要請する意向があるかどうかと、こういうことについてまず伺っておきたいのであります。
○国務大臣(鳩山一郎君) 地方財政の健全化をはからなくてはならないということについては、私も非常な熱意を持っております。地方制度調査会の答申を得まして、これを尊重して強力に推進いたしたいと思っております。それで特に申し上げておきたいのは、行政の規模、地方の行政機構の改革とそれから税制の改革とに留意をいたしまして、そうして将来赤字の生じないように健全財政の基礎を作っていかなければならないと思っております。
○小林武治君 このたびの措置でありまするが、一応は政府は財源的措置をしたと、こういうことでありまするが、この措置は、いずれかと申せば、また相変らずのごまかしであるとこういうふうに言わなければなりません。特にこの財源の大部分がすでに成立した予算の公共事業費の打ち切りとかあるいは繰り延べと、こういうふうなことによることは、われわれとしてはむしろ賛成しがたいのであります。しかし政府のこのせっかくの工夫も、今申す通り相変らずの彌縫策にすぎないのでありまして、これの根本的の解決というものは、どうしても占領政策の行き過ぎの所産である地方制度を大幅に改正しなければ目的は達成できないと、こういうふうに思っておるのでありまするが、政府は真剣に一つ次の通常国会にこの地方自治法の根本的改正を提出する決意と用意があるかどうか。これにつきましては、実は前回の国会におきましても、政府はきわめて微温的の自治法の改正案を出されたのでありまするが、その改正案すら衆議院ではろくな審議もしないで審議未了になっておるように承わっておるのでありまするが、この点の決意を特に伺っておきたいのであります。
○国務大臣(鳩山一郎君) 小林君の、占領時代の政策の是正をして、そうして根本的に直さなくてはいけないという御議論には私も全幅の賛成をいたします。やはりこれは政府としては、地方制度調査会の結論を尊重して、そうしてよく遺漏のないように検討していかなくてはならないという考え方をし、ております。
○小林武治君 今のこの制度の改正等に関連して二、三総理の所見をただしておきたいのでありまするが、現在御承知のように地方団体は財政的にはその半ば以上がもう国に依存せざるを得ないような状態にありながら、地方自治あるいは政治の民主化ということからして、政府から見たらいわばほとんど手放しの状態にあると、こう言うてもさしつかえないのであります。どんな問違いあるいは行き過ぎ等がありましても、今の政府としてはこれを大体傍観しなければならんと、こういうふうな状態にあるのでありまするが、私どもとしては、いかに自治体と申しましても、これは国の基礎的の構成分子である以上、国としましても全体との調整の必要から何らかの必要なる措置をとり得るようにしておかなければなるまいと、こういうふうに思っておるのであります。従いましてこの重要問題が今自治庁のような弱体の政府機構にこれをまかせておくということは、私はきわめてどうかと、こういうふうに思っておるのでありまして、政府部内におきまして、地方団体の利益を強力に代弁すると同時に、これと全体との連絡調整あるいは府県間の調整等のための機構として、いわば自治省というようなものを作ったらどうかと、こういうふうに思うのであります。この意見につきましてはよく政治の中央集権化だとか、あるいは旧内務省の復活だとか非難はあるのでありますが、私は警察権を現在のような機構にしておる限りは、内務省の復活というような心配はいるまいと、こういうふうに思うのでありまするが、かような意味でもって自治省を作るというようなことについて総理はどういうふうに考えておられるか、伺っておきたいのであります。
○国務大臣(鳩山一郎君) 自治省を作るとかあるいは内政省を作るとかいうようなことについては、ただいま決定しておりません。
○小林武治君 このことは決定はしておらぬと思いますが、総理がどう考えるかと、こういうことを伺っておきたいと思います。
○国務大臣(鳩山一郎君) 行政機構は改革しなくてはいけないということは私がたびたび申した通りでありまして、行政機構の改革の一環としてこういうような点は考えたいと思っております。
○小林武治君 町村合併がきわめて順調に進行しておる、また一方国家事務もいわば非常に増加しておる、これにつきまして、府県につきましてもその規模あるいはその性格等を変える必要がありはせんかと、こういうふうに思うのでありますが、この点につきまして、総理は府県を合併させるとか、あるいは府県の性質を国の出先機関的のものに変えるとか、こういうようなことについてはどういうふうに考えておられるか、伺っておきたいのであります。
○国務大臣(鳩山一郎君) これはやはり地方制度調査会で研究しておりますので、その答申を待ってきめていきたいと思っております。
○小林武治君 すべてお聞きすれば何々調査会の答申を待ってと、こういうことになっておりますが、これらの調査会から結論が出てもほとんどそのままは行われたことがないという、こういう実情でありまして、私は責任ある政府なら、自分の考えを持たなければ、人の言うことがいいか悪いかわからないと思のでありまして、私はそういう答弁ではなく、おれはどう考えるということをぜひ伺っておきたいと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(鳩山一郎君) ただいま私は行政機構の改革をしたいと抽象的に思っておるだけでありまして、どう改革するかということについてば、これからの仕事でございます。(「四月がくるぞ」と呼ぶ者あり)
○小林武治君 私どもの言うことも一つ耳にとめておいていただきたいのであります。そう言うておるうちにすべてせっかくの時期が過ぎていくと、こういう心配があるのであります。 次にお聞きしたいことは、府県の赤字の原因でありまして、これについてはいろいろ言われておるのでありますが、知事が公選である、こういうことも私は関係があると思うのであります。特に知事が二選、三選をねらったような場合には、一そうこの弊害を認めざるを得ないのでありまするが、かような弊害ばかりでなく、県の自治体たる実質や機能もおいおい薄れていくような傾向にある今日、知事を官選にした方がいいのじゃないかというふうな声も、地方民の中にも真剣に唱える者が多くなってきておるのでありまするが、これについてもう一つ総理のお考えを伺いたいのであります。
○国務大臣(鳩山一郎君) 現在の制度を改めて官選にしなくてはいけないというような声のあることも知っておりますが、ただいまのところ私はまだそれに対してどうしようかという決断をしておりません。
○小林武治君 どうも何でもそういう状態じゃ、これから政治をやられるにも私は少し心細いと、こういうふうに思うのでありますが、次に財政困難の原因の中に、今申すような地方の行政機構が非常に複雑しておると、こういうことがあげられておるのでありますが、特に戦後続出しました行政委員会の多くはまことに困った存在であると、こういうふうに思っております。この中で私どもは地方教育委員会のことでありまするが、地方行政の一元化を妨げるというばかりでなく、むだな経費もこのために相当使われておるということであります。数年来全国の市町村長等も一致して、再三地方教育委員会を廃止してもらいたいという決議をいたしておるのでありまして、これが実現を非常に要望しておるのであります。私などもこれなどはどうしても廃止したい、こういうふうに考えておるのでありまするが、このままにしておきましては、財政が非常に窮迫しておるこの際、来年の十月にはあらためて地方教育委員の選挙をしなければならぬという状態でありまするが、それに間に合うようにぜひ何らかの措置を政府はとるべきではないか、こういうふうに思うのであります。これにつきまして総理は、どういうふうに思われるか。 この教育委員会の問題は、地方制度改正の一番大きなこれは重大な眼目であるのでありまして、地方としても全く今真剣にこれを希望しておるのでありますが、どうぞ一つ総理大臣として今のような答弁ではなく、人まかせにしておかないで、ほんとうにそうか、これは内閣の責任として何とかしなければならない問題である、こういう一つ認識をぜひ持っていただきたいのであります。また、私どもは府県の教育委員会はこれを廃止してもよろしいと思うのでありまするが、もし存置させるとしたら、委員の選挙だけはやめてもらいたい、こういうふうに思っておるのでありますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(鳩山一郎君) 教育委員会の廃止並びにこれの改善については私もよく聞いております。その必要があると考えております。
○小林武治君 この問題は実は前に地方制度調査会からもこれを廃止すべしという答申が出ております。総理は答申を重んじてということでありまするが、ぜひ今言明されたように、次の通常国公において適当な措置をとられることを私は期待いたしておるものであります。 もう一つ伺いたいのは、選挙制度の問題であります。実は私どもはこの参議院に小選挙区制採用の法案を提出しておるのであります。これの是非等につきましては非常にいろいろ賛否の議論があるのでありまするが、大かたこれは議論もすでに尽されておる、こういうふうに思っておるのであります。すなわち、いわば世論の大勢は、政局の安定あるいは費用の軽減等による選挙の粛正、または政界浄化の見地からこれを支持する、こういう方向に傾いておるように思うのであります。今日におきましては、これを採用するかどうかという最後の決定をなす段階にきておると思うのであります。私どもとしては強くこれの実現を要望しておるのであります。また先般選挙制度調査会の際にも、総理は小選挙区制が自分はいいように思う、こういうようなことも言われたように聞いておるのでありまするが、このことはただ政治の責任の衝にある者がいいと言っておるだけではいけないのでありまして、よかったら実現の方向に進むのが、私は政治家の責任であろうと思うのでありまして、この問題を積極的に一つ総理として推進するというお心持があるかどうかということを伺っておきたいのであります。
○国務大臣(鳩山一郎君) 小選挙区の方が選挙が楽にできる、金がかからないでできるというような利益があるのでありまして、小選挙区の方がいいとは思いますけれども、中選挙区というか、とにかく現在の制度が永続しまして、一つの組織を作ってしまったのでありまして、なかなか現在の代議士諸耕が小選挙区がいいということには賛成はしにくいような実情があるのであります。それでありまするから、小選挙区がいいとなっても、これを実行するのには十分の用意がないと、なかなか実行ができないような状態であります。それでありまするから、まず第一に党内をよく固めるようにしまして、後に小選挙区の断行をいたしたいと勘案いたします。
○小林武治君 今の問題は代行委員としてもこれがよろしいと、こういうことであるならば、どうしてもその向きについて積極的に一つお力を出してもらわなければこれはむずかしい。あなたがおやりになりたいという熱意が強ければ強いほど、私はこれが実現の方向に向うものと思うのでありまして、私は今選挙制度調査会にも出ておるのでありまするが、せっかくこれができましても、政府では大体どんな結論が出るにしましても、いつごろ結論を出してもらいたいというふうな御希望も出ておらない。従って変な言葉で言えば、漫然と論議をしておるという傾きもないではないと思うのでありまするが、これらについても一つ御注意を願いたい、こういうふうに思うのであります。 もう一つ時間があれば承わっておきたいのでありまするが、先ほどからの問題で、地方の財政における給与問題ということが非常にやかましくいわれておるのでありますが、これにつきまして、現在のいわばこの公務員の昇給制度でいきますれば、ほとんど限度がなく上っていく、こういうふうな状態になっておるのでありまして、いわゆる非常に長年勤続するという、いわば老朽者の多いということが、これを圧迫しておる大きな原因でもあるのでありまするが、これは一つ停年制を設けたらどうか、こういうふうに思うのでありまするが、先般、これは政府として一応提案されたのでありまするが、これが通らなかった。またこれに加えて教職員関係で文部大臣が反対してこれがつぶれた。こういういきさつもあるのでありますが、私どもは現在の地方側の要望から見ても、これを何とかしなければなるまいと思うのでありますが、これについての総理の御意見、また、できたら文部大臣は前の大臣と変ったのでありますが、今度はどういうふうにお考えになるか、それを伺っておきたいのであります。
○国務大臣(鳩山一郎君) 健全財政を実現するためには給与制度の合理化も考えなくてはならないということを、きょう参議院の本会議で私は申しました。給与制度に対しても、その合理化をできるだけすみやかにやらねばならぬという考え方を持っております。
○国務大臣(清瀬一郎君) 停年制のことにつき実態を調べてみましたところ、かりに五十五を期限としますると、そうたくさんはないのです。教育の効果を上げるためには、今直ちにこれを採用することは適当でなかろうと存じております。
○小林武治君 総理大臣は給与の合理化をすると、こういうふうにおっしゃっておりますが、その中には今の停年制のような問題も入ってお考えになっておるかどうか、その点もお聞きしておきたいのであります。
○国務大臣(鳩山一郎君) 考えなければならない問題だと思っております。
○矢嶋三義君 総理にお伺いいたします。第一次鳩山内閣並びに第二次鳩山内閣の誕生当時は日本の労働組合と勤労階級は鳩山内閣に好意を持って、その政策の具現を大きく期待しておりました。従って鳩山内閣打倒というような言葉は全く聞かれなかったのでございますが、第三次鳩山内閣に至って鳩山打倒という看板を見、声をよく聞くのでありますが、これは大臣はいかなる理由に基いてこういう変遷がきたされたとお考えになっていらっしゃいますか。
○国務大臣(鳩山一郎君) 私にはよくわかりません。
○矢嶋三義君 総理は政治家として世論の動向というものに常に心がけておられますかどうか。
○国務大臣(鳩山一郎君) もちろん心がけております。
○矢嶋三義君 しからば総理はそういう変化については、原因は那辺にあるかということを探求することは、私は政治家として当然とるべき態度ではないかと思いますが、自分にもわからないとは何と無責任な発言でございましょうか。少くともあなたは、あなたを取り巻く方々にいろいろと意見を聞き、検討されていることと思いますが、あなたの想像をもってするならば、どういうところにあると御想像になられますか、あえて重ねて答弁を求めます。
○国務大臣(鳩山一郎君) 私は世論の多数が鳩山内閣を打倒したいという希望は持っていないと考えております。
○矢嶋三義君 少くとも、多数でなくても、一部でも鳩山内閣打倒というようないまだかつて見なかったところの声がほうはいとして起ってきているというところに、政治家としての総理は当然私は考えるところがあってしかるべきだと思うのであります。従ってあえて伺っておるわけでございます。あなたの想像でげっこうでございますから、承わりたいと思います。
○国務大臣(鳩山一郎君) どういうわけで打倒という声が起きたのか、それがわからないと言ったのであります。
○矢嶋三義君 わからなければ教えて上げたいのでございますが、時間がないから多くは申し上げませんが、あなたの中共あるいはソビエトに対するところの外交方針とか、あるいは住宅建設等の社会保障政策等の呼びかけが、さらに吉田内閣当時、吉田総理がとられたところのガスが部屋に充満するという、かような政治に対してガス抜きをする、かくのごときあなたの性格から来る明るさというものに、あなたに大きく国民が期待し、その政策具現を見守っておったわけでございますが、これがほとんど完全に近いほど裏切られてきたところに、鳩山内閣の打倒という声が聞かれるに至ったということを、あなたは肝に銘じて私はいただきたいと思います。 そこで私はあなたに重ねて伺いますが、私はいかなる国でも政治を成功させるためには、国民大部分の方が、特に勤労大衆に期待を持ってもらう、かれらに清新さと魅力を感じさせるような、かような私はやはり革新的、進歩的なにおいのするところの政策というものを掲げて、ともどもに一つがんばろうという気持を私は勤労大衆に与えるような政治家でなくちゃならぬし、また政策でなくちゃならぬと考えるのでございますが、これに対して総理はどういうようなお考えを持っていらっしゃいますか。もし私に同感であるならば、あなたは先ほどの同僚議員の質問に対して、社会党に政権が行くことは喜ばしくない、渡したくないという発言をされているわけでございますが、それを実現するためには、今私が言うようなセンスのもとに政治をやられることが大切でございますが、具体的にどういう政策を明年度予算に織り込もうとされているか、具体的に一つ御所見を承わりたいと思います。
○国務大臣(鳩山一郎君) 国民に希望を与えながら政治を進行していくというあなたのお考え方に対しては私も賛成であります。明年度の施政方針につきましては、通常国会の劈頭においてこれを出します。その施政方針の演説の前に私の所信を表明いたしまして、私の理想の一端を国民に示したのであります。これもまた国民に何をする考えを持っているか、どういうことをする理想を持っておるかということを示す必要があると思ってやった次第であります。
○矢嶋三義君 どうも総理は第一次、第二次内閣を担当されている当時に比べますというと、非常に気魂が喪失されたと申しますか、積極的な政治家としての態度が非常に減退されたように思うのでございますが、これは私は日本の国家並びに民族にとっても不幸だと思うのでございますが、あなたは内心現在の保守合同の形態というものには不満を持っていらっしゃるのではございませんか、お伺いいたします。
○国務大臣(鳩山一郎君) 私は保守合同はよくもできたものだと考えております。こういうような合同の形式というものは、外国においては珍しいのでありまして、よくも日本においては従来の感情を一擲して合同ができたと感心しております。
○矢嶋三義君 頭のない政党などというものは私は多くその例を知りません。しかし質問を少し具体的に持って参りますが、その一つとして伺うわけでございますが、総理も先ほどやはり国民に希望と魅力というものを政治というものは持たせなければならぬということを肯定されたわけでありますが、少くとも最近の鳩山総理の言動に対しては国民は何らの浩新さと魅力というものを感じていない。この点私は、総理は来年度の施政方針をこれから考えられるに当っては十分心していただかなければならないと思います。 その一つの具体的な例として承わるのでございますが、たとえばわが国の青少年諸君というものは、男子にしてはプロ野球を夢み、女子にしては少女歌劇を夢みておるという状況です。自分はしっかり勉強して世界有数の一つ学者になって尽そうというようなこういう気持を持ってる子供というものは非常に少いわけなんです。もちろん。プロ野球も少女歌劇もこれは大切なんでございますが、私はどこかに政治のピントがはずれているのではないかと思います。従って私は日本の国土、それから人口過剰、それから資源が不十分、こういうようなわが国の条件を考えた場合に、私はわが国の教育、文化、ことに科学技術向上のために研究体制のしっかりしたものを確立するというような積極的な態度がこの際に表明されてしかるべきかと考えるわけでございますが、総理並びに文部大臣の所見を承わっておきます。
○国務大臣(鳩山一郎君) 一国が戦いに敗れました場合には、その国の風潮が非常に頽廃をするというのは、これは世界的の事実でありまして、この頽廃せる空気を清新なものにして、強力なものにするということは、少し時間がかかるものと思います。何も今の日本の風潮の一端を見て悲観するには及びません。だんだんと回復するように努めれば必ず回復するものと私は確信しております。 詳細なことは文部大臣から答弁をしてもらいます。
○国務大臣(清瀬一郎君) 今総理よりお答えの通りでございますが、矢嶋さんも御承知の通り、わが国の教育制度にも大きな欠陥があろうと存じます。日本が戦争に敗れましたのが昭和二十年の八月でございます。九月に旧敵国がわが国を占領いたし、十月二十二日に出したのが、占領国の日本の教育制度の改革の目標というものです。あれが基準となって今の教育ができました。引き続いて同年の十二月三十日に修身教科と歴史と地理をやめろという指令が出たのです。その裡年の春になってアメリカより教育使節というものが来て、わが国の教育制度、これを進駐軍の思うがままに作りまして、国会も名義的にありましたから、これを法律化して、日本の法律制度のようにいたしましたけれども、実際においては日本国民の自由の意思じゃございません。実にわれわれ子弟の教育を、日本ということを抜いてしもうて、占領軍のなすがままにされたということは残念なことであります。(「当時の政治家の責任だ」と呼ぶ者あり)当時のことを考えると、はらわたを寸断される思いがいたします。(「追放をおそれたからだ」「西ドイツは拒否しているぞ」と呼ぶ者あり) ただ、わが国が独立を回復いたしましたときは、憲法の改正と日本教育制度の改革をしなければならぬ道理でありましたが、そのときの政治家は急激に当てつけのようなことをすることは政治上、外交上おもしろからずとして怠っておるのでございます。(「自己を守るためだ」と呼ぶ者あり)それゆえに私は国民の風潮、道義は、ひとり学校だけのことではない、社会情勢一般に関することでありまするけれども、日本教育の内容と学校制度を変えるということは非常に重要なことと考えまして、過般も閣議の御了承を得て、一つ内閣に教育改革の落ちついたりっぱな審議会でもこしらえてもらいまして、今矢嶋さん御心配のような風潮をすみやかに挽回いたしたい、かように考えております。どうかその節はいろいろと御示教を仰ぎたいと存じます。
○矢嶋三義君 私の質問のピントを取り違えられておられるように私は考えます。しかもただいまの文部大臣の発言というものは、私はおそるべき内容を持っていると思います。詳細についてはいずれ文部委員会で伺いたいと思います。 ただ私はここで今あなたがそういう答弁をされましたから一言だけ伺っておきますが、それは民主教育制度の根幹となるところの民主主義と、それから教育の自主性、教育の地方分権、こういう柱はあなたは守られるつもりでございますか、これをも占領政策の云々というような立場において検討されるというお考えでございますか、お伺いします。
○国務大臣(清瀬一郎君) 今御列挙のことはすべていいことで、私賛成であります。それから当時の教育基本法に書いてあることもみな賛成であります。ただあれだけではもう一つ足らぬ、わが民族の古来持っておるいいところ、よき伝統は少しも顧みず、真理と平和を愛する、勤勉と責任を感じる、これはすべていいことで、その通りやっていきたいと思います。ただしかし日本のような一民族一国家の国でば、国家意識というものを全部抜いてしまつて、全くのコスモポリタンにしようというたらこれはどうかと思います。あればいいけれども、まだ足らぬところがあるというのが私の教育観です。
○矢嶋三義君 総理に伺いますが、総理はあなたの党では来年の四月総裁公選となっているわけでございますが、この公選の形態は、この文字の示す通りの百パーセントの公選の形態がよろしいとお考えになっておりますか、それとも規約はそうなっておっても、話し合いによって、結論としては投票しないで総裁が選ばれるというような形態が望ましいと今お考えになっていらっしゃるか、その点を伺います。
○国務大臣(鳩山一郎君) 公選の形態はいろいろな方法がありますが、しこりの残らないように総裁を作る必要があると思います。イギリスにおいてはずいぶん長い間民主政治が継続されておりますが、かつて実際は総裁の公選をした事実はないのであります。大てい推選の形式において総裁はきまっておる。現実に投票をした総裁の選挙というものはイギリスの二百年の民主政治においてただの一回もございません。
○矢嶋三義君 ということは、総理としてはしこりが残らないところの公選の形態としては、話し合い、協調、推選の形がよろしい。しかもいろいろの政策、国民に公約したところの政策具現のため、あなたの健康の許されるまで総理の職におってやりたいと、こういうお気持で現在いらっしゃると了承いたしますが、そうでございますね。(「その通り」と呼ぶ者あり)
○国務大臣(鳩山一郎君) 現在の状態ならば、まあもう少しの間はできるかもしらぬという考えを持っております。
○矢嶋三義君 もう一点これに関連して伺っておきたいのでございますが、先ほどあなたの人気がちょっと勤労大衆に落ちたと申しましたが、その一つとして、前言を無視されるところにある。その一つの具体的な例が、保守合同と民意に間うところの解散をやらなかったという点に関連があるのですが、これも他の同僚議員諸君が質問されましたので重ねて伺いませんが、私は来年の四月もし公選がされて、新自由民主党の総裁がきまった直後において私は解散がなされてしかるべきだ、民意に間うてしかるべきだと、最も適当な時期だと、こう私は考えるものでございますが、総理の御所見いかがでございますか。
○国務大臣(鳩山一郎君) ただいま私それについては考えておりません。
○矢嶋三義君 考えたならば、どういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(鳩山一郎君) その事態が生じたときに考えます。
○矢嶋三義君 それでは次に伺いますが、経済審議会の方で経済六カ年計画というものを発表されております。また正式には発表されておりませんが、防衛庁当局に防衛六カ年計画というものがあることは、これは私は間違いないと思う。また経済六カ年計画にも関連がございましょうが、第二次鳩山内閣のときに社会保障六カ年計画という、こういうものも発表されているわけでございます。これらの計画を政府としてはいつ閣議で最終決定をし、これらを有機的に計画的に結合さしたところの政策を打ち出されるつもりか、それが昭和三十一年度の予算編成に間に合うようにやるのかやらないのか、これらの見通しについて承わりたいと思います。
○国務大臣(鳩山一郎君) 経済六カ年計画についてはまだ閣議において評議をしたことはございません。
○矢嶋三義君 時間がかかって困るのですが、私が伺っているのは、まだ閣議決定していない、経済審議会が答申があっているわけです。これはもう長きにわたる問題なんですね。従って来年度の予算編成方針というのは十二月二十日までにきまるというわけです。しかも経済六カ年計画は、これは五カ年計画に短縮して来年度から発足するというわけですから、これらの見通しですね、こういうものは明確に持っておられなければならぬと思うのです。で、その点を伺っているわけですが、いつ閣議決定をして、それは昭和三十一年度の予算編成に間に合うようにやるつもりなのかどうなのかという点を伺っているわけです。
○国務大臣(鳩山一郎君) 企画庁長官からその点については答弁をいたします。ただいまここにおりません。
○矢嶋三義君 そういう点に総理は関心を持っていないということは、私は納得できないのですがね。 そこで横に飛びまして、船田長官に伺いますが、防衛六ヵ年計画というものは、重光さんがアメリカに持っていったものは承知いたしております。また来年度あなたの方で増強する予定で、現在大蔵省と交渉中の予算額並びに内容等についても私は承知をいたしております。私はここで承わりたい点は、いわゆる防衛六カ年計画まだ草案でございましょうが、今あるその計画を遂行するのには予算総額どの程度要ると大まかにつかんでいらっしゃるか、それを承わりたいと思います。
○国務大臣(船田中君) 防衛六カ年計画につきましては、これは政府の成案としてできておるものではございません。防衛庁の試案として考えておるのでございまして、その内容につきましては、今矢嶋委員御承知のようでございますから詳細ここで申し上げませんが、これを実現するとなれば相当な金額の要ることは当然でございます。 それで先ほど御質問のありました経済六カ年計画とも見合いまして、日本の財政力、経済力、また民生安定ということとも調整をはかりまして、その中におきまして、日本の国力及び国情に相応する防衛態勢を整備したい、こういう考えで進めております。
○矢嶋三義君 防衛六カ年計画なるものは、政府決定となるのはいつか、いつを目標に努力されているのか、これが一つと、それから来年度自衛隊の増強必要予算として二百二十億が伝えられておりますが、これはあなたのところで一応持っていらっしゃる計画の第一年度と関係があるのかないのか、その点をお答え願います。
○国務大臣(船田中君) 大蔵省の方に要求いたしておりまする防衛庁の経費につきましては、千三十数億円ということになっておりまして、その中にただいまお示しのようなものは含んでおる次第でございます。
○矢嶋三義君 私の答弁にならぬです。——時間を省かれるのがこわいですよ。
○委員長(西郷吉之助君) 矢嶋君、もう一度御質問して下さい。
○矢嶋三義君 そういうことをお伺いしたのではないわけです。私が伺ったのは、まだ政府決定していないあなたのところに持っている防衛六カ年計画、これは重光さんがアメリカヘ持っていらっしやったわけです。この防衛六カ年計画の第一年度として、この今あなたが言われた数字、その中の内容が、来年度増額されるものが二百二十億と言われているわけですが、これは関係があるのかないのか、この二百二十億の増強というのは、あなたの方で一応政府決定はしていないが、持っているところの防衛六カ年計画第一年度とみなしているのかどうかということを伺つているのです。
○国務大臣(船田中君) 防衛六カ年計画と来年度の予算の編成とはもちろん関係を持っておる次第でございます。
○矢嶋三義君 それでは伺いますが、経済六カ年計画というのはまだ閣議決定していない、伝えられるところによるというと、これを五カ年に圧縮して、昭和三十一年度を第一年度として発足するということになりますと、あなたのところの経済六カ年計画とちぐはぐになってくるわけですが、そういう調整はいつやられるつもりか、そういう点明確にしなければ、次々に社会保障六カ年計画もあるいは経済六カ年計画も、そうして毎年の経済規模を五%づつ引き上げていって、そうして年々生活水準を四%づつ上げていくとか、あるいは昭和三十五年には云々とかいうようなことを報ぜられても、国民はどういう立場において政府に協力していいのか、はっきりよりどころがつかめなくなっている。従ってこういう点は早急に明確にして、国民の協力を得るならば得るという態勢を、政府は責任ある態度をとるべきだと思うのでございます。従ってそういう角度から伺っているわけです。 あなたの所管の範囲内において伺いますが、防衛六カ年計画にはいつごろ政府決定に持ち込もうと目途を立てて努力されているのか、それを承わります。
○国務大臣(船田中君) なるべく早い機会に政府の方針を確立するようにいたしたい、かような目標を持って努力いたしております。
○矢嶋三義君 お先まっ暗な政府の方針でございます。それでは私は片や社会党議員でなくして、ともに政府と一つしっかりやっていくという気持は私にしても起りません。非常に私はここで不満を表明いたしておきます。 そこで質問を続けますが、まあ閣議でどういうふうに決定するか知りませんが、経済六カ年計画を見ますと、予算総額は六兆六千億、こういうふうに発表されているわけです。あなたのところの防衛六カ年計画にいたしましても、これは数千億を要するところの予算でございます。こういう場合にいかにこの資金の裏付けをしていくかということはきわめて私はむずかしい問題だと思う。また一方これは総理も十分御承知のように毎日の新聞を見ても、自殺者とかあるいは生活困窮に基くところの一家心中というものが毎日の新聞を賑わしている日刊新聞というのは、日本の国を除いて、いずれの国においても見られないと思うのでございます。 私は先般欧州を旅行したときにスエーデンに行ったのでありますが、人口が少いといろ条件もございますけれども、すべての国民が一定水準の生活をほんとうに楽しんでいる。予算にメスを入れてみると、社会保障費だけが全予算の二八%を占めております。私はここでちょうちょうと申し上げなくても、欧米各国の予算の中における防衛費の関係と社会保障費関係というものは大体下位に組まれているのが普通でございます。そこで私は総理に伺うわけですが、伺うのは、日本は戦争に負けた、領土は狭くなった、三十六万平方キロというところに九千万人になんなんとする者が住んでおって、しかも年々人口は百万ずつふえていっている。こういう国情下に、今船田長官の方で計画されているようなかような私は防衛増強政策というものはきわめて——私は再軍備が必要であるとか必要でないということを離れて、日本の経済力並びに日本の国民生活の水準の引き上げというような立場から、私はきわめて無理なことだと思う。従ってここに政治家が、日本の政治家としてとるべき態度は、社会政策に重点を置くのか、防衛力増強に重一点を置くのか。かりに両面をやるにしても、ウエートをいずれに置くかということは、私は具体的に予算案を組む前提として私は真剣に考えなくちゃならぬ問題だと考えますが、総理の御所見は、いずれに重点を置かんとするのかということを私は伺いたいと思います。
○国務大臣(鳩山一郎君) 日本は防衛力を一つも持っていないものですから、最初の年度においては防衛の費用が比較的増すということはやむを得ないと考えております。むろん社会保障費の相当な額を費さなくてはいけないということは、これは当然のことで、言うまでもないことでありまして私の内閣ができましてから、社会保障費というものはふえてはいる次第でございます。将来においても社会保障費には重点を置いて参りたいと思っております。
○矢嶋三義君 重ねて伺いますが、当面防衛分担金の減額の問題、それからおそらく米軍側と防衛庁の間では長期防衛計画の内容についてその是非論が私は内容的に行われていると思うのです。この際に私は総理並びに防衛庁長官はアメリカに追従することなく、日本の国家経済、国民経済の実情、さらに国民の世論というものを十分向うに納得させてやられなければならないと私は考えます。私の見ているところでは、少し日本は対米追従外交に過ぎるのではないか、こういう点を私は感じているわけでございますが、これに対するところの両大臣の答弁と、それからちょうど厚生大臣と建設大臣がおいでになっているから伺います。 それは総理も聞いておっていただきたいのでございますが、私は西ドイツを視察した場合に、ドイツの経済復興の実情と、そのよってきたところの経過をいろいろと調べてみたときに、私は現在の日本の自衛力増強政策といろものは非常に限定を過ぎているということを痛切に感じ、当面何としてもやるべきことは、抽象的になりますが、国土の開発、それからよく問題になりますところの日本の、災害国の災害対策、災害復旧の問題、過年度の災害等、たくさん残っている。災害は災害を生んで、年々二千数百億の日本の富というものは犠牲にされているあけです。この最も関係の深いのは、そこにおいでになっているところの建設大臣ですが、従って建設大臣から承わりたい点は、一体この日本の過年度災害というものをどういう計画で、これは経済六カ年計画とかあるいは防衛六カ年計画を立てる場合には当然これは立てなくちゃならぬ問題だと思うのです。農林大臣あるいは建設大臣を中心に、日本の過年度災害の復旧と、災害が災害を生まないようにするところの国土保全の年次計画というものは、私ははっきりと瞬り込むべきだと思うのですが、それについて建設大臣はどういう見解を持っているかということ。 それから厚生大臣に承わりたい点は、今、私は人口問題に触れて質問を展開して参ったわけでございますが、ともかくですね、この日本の人口問題に対して、この計画的などういう政策を厚生大臣としては持たれているのか。先ほどまた、総理大臣は社会保障政策を推進したい、従って社会保障費の全予算に占めるところのパーセントというものを引き上げて参りたいということを答弁されたわけでございますが、あなたの前任者川崎厚生大臣は、その任期の末期に、社会保障六ヵ年計画というものを発表されておられます。あなたもこの方面についてはまあ御熱心であり、識見を持っていられるわけでございますが、明年度の予算編成期も間近に迫っているわけでございますが、新大臣としての御抱負もこの際に承わっておきたいと思います。 従ってまず総理から、次に防衛庁長官、建設大臣、それから小林厚生大臣の順序にお答を願いたいと思います。
○国務大臣(鳩山一郎君) 防衛費については先刻申しましたように、日本は全くの無防備の国であったために、当初において防衛費のかさむことはやむを得まいとさっき答弁いたしました。それによって御了承願いたいと思います。
○国務大臣(船田中君) 防衛六カ年計画はもちろんわが国の経済長期計画の中においてまかなっていくようにいたし、またそのつもりで計画を立てているのであります。特に防衛費が総予算に対して過大であるとか、あるいは国民所得に比較いたしまして過大であるとは考えておりません。また経済の状況、民生の安定ということと調整をはかっていかなければならぬことはもちろんでございますが、先ほど西ドイッの例をお山川しになりましたが、西ドイツでは大体予算との比較においては、防衛のために支出しておりますものは総予算の三五%、これは国情が違いますから直ちにもって比較にはならぬかもしれませんが、約三五%、国民所得に対しまして九%、これに比較いたしますると、日本の場合は、国民所得の約二%強ということになっておりますから、防衛関係の費用が過大であるとは言えないと思います。
○国務大臣(馬場元治君) 私に対する御質問にお答えをいたします 直轄災害に関する復旧の残事業は、二十八及び二十九年度災害に関するものでありまして、合計九億一千万円でありますが、これは三十一年度予算で全部完了せしめたい、かように考えております。 補助災害に関する復旧残事業は、二十五、二十六、二十七、二十八、二十九年災害に関するものであって、国庫負担額としては七百二十三億円という金額になっておりますが、これは三十一年度以降三カ年度で完了せしめたい、かように考えている次第であります。 なお、現在報告を受けておりまする地方公共団体の過年度災害についての仕越し額は約七十億円ということになっておりますが、これは主として二十八年度、二十九年度災害に関するつなぎ融資の未返還に基く仕越しでありまして、三十年度予算の配分につきましては、仕越しの工事について相当の考慮を加えてきたところでありますが、地方公共団体に対して未着手工事を優先して施行する点から、この未返還工事が仕越し工事として持ち越されている実情であります。そこで来年度における予算の増額並びにその早期支出等の措置と相待ちまして、これらの措置について努力をいたして参りたい、かように考えている次第であります。
○国務大臣(小林英三君) ただいま矢嶋委員から、日本の人口問題並びにごの経済六カ年計画にマッチいたしまする社会保障五カ年計画につきまして御質疑があったのでありますが、まず人口問題は、戦後のわが国におきまする最も重要であり、かつまた困難な問題の一つであることは申し上げるまでもないのであります。最近発表されました本年度の国勢調査の中間報告によりましても、わが国の人口はすでに八千九百万人を突破いたしまして、現在のこのままで参りまするというと、十年後には一億人を突破するのではないかというように言われておるのであります。狭小な国土におきましてこのような過剰人口をかかえておる、しかも経済の自立と雇用問題の解決を今後はかっていかなければならないことを考えまするときに、政府といたしましても真剣にこの問題を取り上げていかなくちゃならぬ問題だと思います。厚生省におきましては、さきに人口問題審議会を設置いたしまして、各界の権威者によってこれが対策等につきまして十分審議をお願いいたしました結果、ただいままでに人口の量的調整に関する決議及び人口収容力に関する決議をいたしたよらな次第でございます。今後これらの決議を参考といたしまして、さしあたり当面の緊急対策といたしましては、家族計画施策を強力に推進いたしまするとともに、人口収容力の点につきましては関係各省とも十分協議いたしまして、広く経済政策全般の見地からいたしまして、最も効果的なる施策を実施いたさなければならぬものと考えております。なお、厚生省といたしまして、人口の抑制という関係からいたしまして、家族計画の普及いわゆる受胎調節をいたすために、すでに相談所七百九十カ所、指導員三万人を考えておるのでありまするが、なお、生活困窮者等につきましては本年度は器具の無料配給をいたしまして、そうして予算的には昨年の数倍の予算を請求をいたしておるのであります。 それからこの経済六カ年計画にマッチいたしまする社会保障五カ年計画につきましては、この経済自立と完全雇用の達成を目標といたしまして、それによりまして国民所得の増大、消費水準の上界が見込まれておるのでありますが、反面なお相当数の不完全就業者の存在が予想されます。また一次、二次、三次産業部門間の雇用の配分を考慮いたしまするならば、経済計画の円滑なる遂行を妨げる要因が相当含まれているとみることができるのであります。さらに今後急速に増大いたしますところの生産年令人口を考慮いたしますと、労働力化率の抑制のためにも経済六カ年計画の実施と並行いたしまして、社会保障施策の強力な推進が必要であると考えるのであります。このため厚生省といたしましては、本年七月企画室を新設いたしまして、社会保障長期計画の検討に着手させました次第でございます。社会保障長期計画の基本的な考え方といたしましては、昭和三十五年度を目標といたしまして、医療保険の完成を期するほか、低所得者層に対しましては、生活保護、児童福祉等公的扶助並びに福祉施設の推進をはかりたいと考えておるのでございます。なお、この老人の問題は今後一そう深刻化すると考えまするので、これにつきましても、国民経済の発展をも勘案いたしまして、慎重に検討いたしたいと考えております。
○矢嶋三義君 最後に……。
○委員長(西郷吉之助君) 非常に時間を経過しておりますから……。
○矢嶋三義君 これが最後でございます。 総理に伺いますが、ただいまの小林厚生大臣の御発言については総理はおそらく御同感であり、またこれを支持されるものと存じますが、あえてあとで御答弁をいただきたいと思います。私は政治というものは、一日も無為に過ごしてはたらないと思います。ただいま厚生大臣の御所見の発表もありましたし、また高碕国務大臣の方ではいろいろと計画を持たれているようでございますが、絶対過半数の議席を占められました御三次鳩山内閣の現在持っていらっしゃるところの政策というものには、私は計画性と合理性がまだ伴っていないと思うのです。一日も私は政治は無為に過ごしてはならない、早急にこれを有機的に統合し、計画性と合理件を持たせるように特に強く要望しておく次第でございます。 伺いたい最後の点は、先ほど総理並びに防衛庁長官は、日本の現在の防衛関係費というものは決して過重ではない、こういう御答弁をされているわけでございますが、与党の議員の一人一人の方々が個人として申される場合は、大がい少しむりだと、こういう予算を組むよりは、まだ優先的に組むべき予算があるというような御所見を持っていられる方が大部分です。腹に入れておっても言わない方もありますが、公けにそういうことを発言される人もたくさんあるのです。これは与党の議員諸君の中に個人的にはみんなそう思っていらつしやる、ほとんどといっていい。ましてや国民の大部分というものはそういう考えなんです。従ってこの国民の声というものは常にあなた方は腹に入れられておって、この軍備に関する限りはアメリカと非常に関係が深く、ひもつきになっているわけですが、対米折衝する場合に、そういう骨はしっかり私は持っておいていただかなければならないと思います。で、鳩山総理のこの開放的な、やや庶民性を持っていらっしゃるところのあなたの人柄から、鳩川人気というものが出たわけでございますが、その一つの要素としては中共あるいはソ連の問題を取り上げてアメリカにはいはいといってはついていかんぞ、国民の声を背景に、主張すべき点は主張していくぞというこの第一次並びに第二次鳩山内閣を組閣した当時の対米基本的態度というもの、あるいはこれはアメリカの若干感情を害したかもしれませんが、その態度に国民は清新さと魅力と期待とを持ったわけでございますが、最近の鳩山内閣の言動を見ておりますというと、吉田内開の当時と同様に非常に対米追従方針に変っていったと私は思うのです。これは私が言わなくてもニューヨーク・タイムスにしろ、あるいはエコノミストにしろ、そういう所論を掲載して、それは外電として日本に入っております。で、私はここであなたにお伺いしまた要望いたしたい点は、あるいは具体的にオネスト・ションの間にしても、あるいは基地拡張の問題にしても、あるいはさっき私は外務大臣にちょっと聞きましたが、外国軍人の国内におけるところの訓練の問題にしろ、あるいは国民生活と非常に関係が深いところの防衛関係費、長期防衛計画の作成、そういう点に当っても、私は一つ国民の声を背中に背負って骨のある態度をとっていただきたい、かように私は国民の名において要望すると同時に、そういう私の所見に対してどういうお考えでいらっしゃるか、最後に伺って私の質問を終りたいと思います。
○国務大臣(鳩山一郎君) 小林君の厚生政策について申しましたことについては、私は賛成であります。 それからアメリカとの関係について最後に御質問がありましたが、アメリカと日本とは協力関係に立つということを基調として外交をやっていった方がいと思っております。協力ということはても一々主張すべきことは主張いたしまして、できるだけこれも狭い範囲内におけるところの必要なる最少の限度を見つけてやっておる次第でございます。
○矢嶋三義君 外国人の訓練は断わるべきでしょうね。どうですか、長官、それを最後に。
○国務大臣(船田中君) 外国人の訓練の問題はこれは外務省の扱いでございますから、外務大臣から御答弁申し上げたことによりまして御了承をお願いいたしたいと思います。
○矢嶋三義君 最後にその点総理に伺うのですが、私は断った方がいいと思うのです。
○国務大臣(鳩山一郎君) 外務大臣の先刻答弁した通りでございます。
○委員長(西郷吉之助君) 以上をもちまして総括質問を終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十一分散会