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23回国会参議院1955/12/13

文教委員会 第5号

発言数
129
登壇者
9
会派数
3
開催日
1955/12/13

会議録

飯島連次郎緑風会

○委員長(飯島連次郎君) ただいまより文教委員会を開きます。  まず、今朝の理事会の経過について御報告をいたします。昨日の委員会におきまして、地方教育職員の期末手当に関し政府が緊急適切な措置をとるよう委員長及び理事で当委員会の総意を関係当局に申し入れるということがきまったわけであります。よって理事会で相談をいたしました結果、今朝総理大臣、大蔵大臣及び自治庁長官とお会いをいたし、委員会の意のあるところを十分に説明をし、適切な措置をとられますよう要望して参りました。  次に、高等学校の教科課程について参考人を呼んではどうかということが昨日の委員会において提案をされたのでありますが、本件に関しましては、協議をいたしました結果、通常国会においてあらためて協議をするということに相たりました。  次に愛知県の学区制の問題について委員派遣を行なってはどうかという提案がございましたが、本件についても種々協議をいたしましたが、結論をみるに至らなかったわけであります。  以上理事会の経過について御報告をいたします。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 まず期末手当の件でございますが、委員長並びに理事の方が関係大臣に要望した場合に、自治庁長官並びに大蔵大臣はどういう御返事をなさったか、念のために伺っておきたいと思います。

飯島連次郎緑風会

○委員長(飯島連次郎君) お答えをいたします。  自治庁長官は、過日の本会議において、答弁をなすったような既定の方針と所信に基いて、できる限りの努力を最後までいたしますと、こういうことでありました。それから大蔵大臣は、今度の臨時国会に対してなされた措置が、われわれ大蔵当局としてなし得る最善の措置だと考えておりますと、そういうことでありましたが、なおこの後始末の処理についてはどうお考えになりますか、こういう理事の方の質問に対しましては、その問題につていは大蔵当局としては特にどうするということは考えておりません。しかし、それに対してさらに後始末をするということをやっていただかなければ真の政府の意のあるところが実施されないということであったら、この点については、特に意を用いて結末がつくようにさらに努力をしていただきたい。よくわかりました。と、こういうことでありました。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 念のために文部大臣に伺っておきますが、ただいまの委員長の発言は、大臣お聞きの通りです。なお、昨日の衆議院の地方行政委員会で法案を上げるときに附帯決議がなされ、それに対して大蔵大臣は了承した、善処するということを委員会で公式発言をされております。で、本問題については、本委員会で再三再四審議したところでございますが、これが委員長並びに理事の方々の執行された線に沿ってできるかできないかということは、文部大臣に最も関係深い地方教職員にとっては、非常に重大な問題で、閣僚のうちではこの問題に関する限りは、自治庁長官と並んで、それ以上に実質的には清瀬文部大臣が最も関係が深い問題でございます。従って、私は伝えられるところの本年度の補正予算あるいは三十一年度の予算編成に当って、結論的には国家公務員と同じ年末手当が法に準じて支給されるようになるものだ、そういう見通しのもとに文部大臣は自信を持って御努力いただけるものと私は推察しているわけでございますが、念のために文部大臣の身通しとその決意のほどをこの際私は承わっておきたいと思います。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) 私としては、できるだけの努力はしたいと思っておりますが、見通しについては、私は今ここに明言することはできません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 まあ今の問題については、大臣の格別の努力を要請しておいて、一応ここで質問を打ち切って、次の教科課程についての委員長のただいまの発言について伺いますが、教科課程については昨日審議したわけでございますけれども、参考人を呼んで意見を聴取してはどうかということについて御協議なさった結果、これは通常国会に云々ということになられたということですが、これは参考人の意見を聞く必要があるかないかということを通常国会においてあらためて協議するという意味でございますか、それとも、これは高等学校教育についてさらに日本の新教育全般について昨日論じられたようにきわめて重大な問題であるから、参考人の意見を聴取することはけっこうなことであるが、本国会はもう余すところ二、三日しかないので、時間的余裕がないから、参考人の意見を、聞くのはいつ聞くかということはあらためて通常国会でやろうという立場なんでありますが、委員長の発言で不明確な点がございますので、いずれかを承わりたい。

飯島連次郎緑風会

○委員長(飯島連次郎君) 補足いたします。矢嶋委員の後段におっしゃいました通りでありまして、今国会では時間がないから、参考人の意見を聞くということについてはどなたも御異議がありませんが、時間的に次の通常国会においてそれを実施したいと、こうい意味であります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それではここで所管局長である緒方局長に要望しておきますが、本委員会でそういう意見があり、そういう企てがあるということは、所管局長としては十分関心を持っておっていただきたいということを要望しておきます。

飯島連次郎緑風会

○委員長(飯島連次郎君) そこでただいまの参考人の件でありますが、これは通常国会において取り上げるということに御異議ございませんですか。

木村守江自由民主党

○木村守江君 ただいま委員長の採決みたいなことだったのですが、これは臨時国会は消えてしまうのですよ、三、四日で。ですから、通常国会で新たに文教委員会で委員長、理事会でこの問題を取り上げて参考人を呼んで聞くか聞かないかというような問題をあらためて協議してそれから決めるのでしょう。それでないと、これはこのあとの文部委員というものは、必ずしもこの文部委員とは違ってくるのですよ。都合によれば、委員長もかわるかもしれないのですよ。だから、今から来国会の問題までそういう話をしておくのでたく、その問題は来国会において委員長、理事会において相談をしてそれから決める、そうしておくほうがやっぱりすっきりしていると思うのですがね。

飯島連次郎緑風会

○委員長(飯島連次郎君) 速記をやめて下さい。   〔速記中止〕

飯島連次郎緑風会

○委員長(飯島連次郎君) 速記をつけて下さい。  それでは参考人の件に関しましては次の通常国会においてあらためて理事会に諮り、その上で参考人の件を決定して実施に移したいと考えます。さよう取り計らうことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

飯島連次郎緑風会

○委員長(飯島連次郎君) それではさよう決定いたします。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 学区制の問題について。今具体的に起っておる愛知の学区制の問題について、委員派遣をして調査してはどうかという件について委員派遣をするかしないかということにまとまらなかったということなんですが、これは私湯山理事と十分きょう他の委員会に行っておって話し合いをする機会がなかったものですからここであらためてお伺いするわけですが……

飯島連次郎緑風会

○委員長(飯島連次郎君) ちょっと速記をやめて。    〔速記中止〕

飯島連次郎緑風会

○委員長(飯島連次郎君) それでは速記をつけて。  委員派遣の件につきましては一応議運にも諮り、所定の手続を経て休会中にこれが実施できるように取り計らいたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕     —————————————

飯島連次郎緑風会

○委員長(飯島連次郎君) ではさよう決定いたします。     —————————————

飯島連次郎緑風会

○委員長(飯島連次郎君) では文部大臣に対する文政一般の御質問のある方は御質問願います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 文政一般については他の方の質問もありましょうから、私は一それはまだあと回しにして、とりあえず今の問題についてお伺いいたします。  これは指導と助言の立場にある文部省の教育委員会法の運営についての指導と助言をいかようにやっているかという立場から伺うのです。その具体例として愛知の学区制と私は佐賀県の教育委員会の運営状況について伺いたいと思います。なぜ急にこれを伺うかといいますと、私は最近文部大臣は教育に対する国の責任と監督権の強化ということを言われておりますが、この監督権の強化ということはどういうものになるか明確でないわけですけれども、今文部省にある権限の助言と指導というものを適当にやられていないのじゃないか、その立場から伺うわけですが、愛知県の場合、もう来年の四月は新入生が入ってくるわけですから緊迫した時期にあるわけです。あの大県を二学区にするというのですね、しかも相当県民には反対の意見が出ているということを私ども聞いております。この際に文部省としては学区制は堅持していくと、そういう助言と指導をしたいという気持があるということは昨日の答弁に出ているわけなんでございます。従って文部省としてこれについて十分調査をされたと思いますし、さらにそれに基いて適切なる助言と指導をしてしかるべきだと思うのですが、これに対する大臣の見解、これを一つ、それからもう一つ助言と指導の立場から伺うのですが、佐賀県の教育委員会で二ヵ月ほど前起った事件ですが、七名の教育委員のうちに教職員の定員減に関連して教育委員会が非常に意見が対立した。それから県の理事者側とも意見が対立して、ついに四名の教育委員が辞職願を出してやめてしまった。それで残った教育委員は三人なのですね、その三人のうちの一人は長いこと病気で病院に入っている。残った二人のうち一人は県議会選出の教育委員、もう一人の方は公選された教育委員、その二人の教育委員の人が、近く教育委員の補欠選挙をやるにもかかわらず一人の人が教育委員長になり一人の人が副委員長になってその二人の方で県内の世論をまっ二つに分けておる行政機構、行政制度、そういうものを二人できめて、そして原案送付を県議会側にやったわけです。かような教育委員会の運営というものが果して私は立法精神に沿っておるものかどうか、これは私当時聞いたから局長には私文書をもって所見を伺ったわけですが、本日までそれに対するお返事をいただけないままいるわけですが、私は指導と助言の立場にある文部省としてはこれに対して何らかの意思表示があってしかるべきだと思うのです。七人の教育委員のうち、県民から公選された委員というものはたった一人です。その県民の大勢がどなたも異議がないというような問題を、教育委員会法に禁じてないからというのでやることは、まあよくないが、そういう場合も考えられるのでありますが、それほど県内の世論がまっ二つに割れて、それなるがゆえに四人の公選の教育委員が辞職したわけです。そして補欠選挙が近く行われるということがきまっているのに、その補充もすることなく、県議会選出の教育委員一人と公選された教育委呉一人のたった二人で、一方が委員長、一方が副委員長になってそういうことを議決して原案を送付するということは、これは私常識的に考えて全く暴力的な法の運営だと思うのです。これらに対して文部省としては指導と助言をする責任、権利があり、また義務があるわけですから、何らかの意思表示があってしかるべきだと思うのですが、愛知の学区制の問題と関連して、現在の文部省の立場として、どういうお考えでいらっしゃるか、この二点について文部大臣に伺いたいと思います。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) これは所管の局長よりお答えする方が適当かと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 あなたは法律の専門家だから御見解があると思うのですが。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) 一応聞いて下さい。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○政府委員(緒方信一君) 第一の愛知の学区制の問題でございますが、きのうの御質問に対しまして、私現在の教育委員会法にきめられております通学区域の制度は、私としてはこの際改正する意思はありません。そういう気特はない、こういうお答えをいたしておきました。愛知県の学区の問題は今お述べになりましたように従来はいわゆる小学区制でございました。それを教育委員会が先般これを二つの学区に改める決定をしたわけでございます。このことは教育委員会の五十四条に定めております県の教育委員会の権限を行使したわけでありまして、そのことが適当であるかどうかという問題は別に起ってくると思います。しかしこれが適当であるかどうかということは、やはり私は教育委員会制度の本旨から申しましても、これは教育委員会は住民から公選され住民の意思を代表して教育行政を行う機関でございますから、その教育委員会がきめたことは一応それは住民の意思を代表するものと見なければならぬと思います。そこでただ問題は、先般衆議院におきましてこの問題につきまして県の教育委員会と名古屋市の教育委員会の両方の方を参考人として呼ばれましてその事情の聴取がございました。私もそこに呼ばれまして出席いたしましたのでよく事情は知っております。その席でも伺いました。これによりますと、いろいろと両方の教育委員会の間に見解の対立があるようであります。そこで県の決定が正しいか、それに対立した見解を持った市の見解の方が正しいかということは、これは指導助言の権限は文部省にあるかもしれませんが、一がいにこれは中央できめらるべきものでないと思います。やはり地方の実情によって決定せらるべき問題だと考えるわけであります。事情はよく調査いたしておりますけれども、どちらがいいといったような指導助言はいたしておりません。ただこの対立によりまして今お話しのございましたように、新学期も差し迫ったこのときに高等学校の教育が愛知県においてうまくいかないということであれば、これはきわめて遺憾なことでございますので、この対立がすみやかに解決いたしますように私どもは祈っておるわけでございます。そこでいろいろと両方から事情等も聞いておりますが、これは相当隔たりのある見解が述べられております。こういうときに中央の官庁が指導助言の権限がかりにあるといたしましても、こういう地方の問題が対立して激化しておるところに役人が話をするということは、かえってこれは火に油を注ぐような結果にたらぬとも限らぬ、かようなことがございますので指導助言をいたしますのにもよほど適当な時期を見なければならぬ、かように存じております。非常にむずかしい問題だと考えております。従いまして指導助言はいたしておりませんが、時期を見て、もし必要がありと認めるならば、そのときにこの件につきましては一考する、そういう状況でございます。  それから次の佐賀県の問題でございますが、これも今事情をお述べになった通りだと存じております。ただこれは適法であるかどうかという点につきましては、これは二人の教育委員でやりますことが適法でございます。七人の教育委員のうち三人が残って四人はやめる、そこでまあ一人が病気であれば、二人の人が協議してやる。これは教育委員会法の手続からいって適法でございます。これが委員が全部かけた場合には教育長が事務を執行するという規定もございます。そういう意味におきましてこの問題を緊急に処すべき事情があったと思います。従いまして二人の委員でやるということも適法であると思います。ただこういう大きな問題は、それを全員で協議をするという方がいいと思います。それは正しいと思います。この問題に対しまする指導助言の関係でありますけれども、私ども県の教育委員会からいろいろ法律的な問い合せ等もございましたからこれは書面は出しておりませんけれども、口頭ではいろいろ相談にのつております。ただその人員の問題、定数の問題は、これは御承知のように県の条例できめるわけでありまして、県の条例を議会が議決をします場合に、知事がその条例の原案を作って出すということじゃなくて、県の教育委員会から原案の送付な待って、そうして、それによって原案を議会に提出する、これが通例であるというふうな規定なんです。通例であるということでございますので、必ずそうしなければならんということじゃない。そこで知事が単独でも出せる、これは法律上の効力から申しますと。しかしそれは望ましいことじゃないと存じますけれども、そういう規定なんです。それからあるいはまた県会においてもこれは発案権がある、そういう事情いろいろにつきまして県の教育委員会からお問い合せ等があって、そういう法律上の疑点等につきましても解明等はいたしまして、指導いたしました。そこであの問題は御承知のように県の知事側は千名ほど初めは整理のお話しがあったようでありますが、だんだん話がまとまって四百七名でございましたか、それで一応県の教育委員会としても原案を作って一ぺん送った、こういう実情もありましたのですが、しかしそれを原案として送付をしても、もっと知事の方で大きなものを吹っかけて来て、それが議会で議決されるのじゃないかという観測もあったようでございまして、そういうことでいろいろ誤解が起ったようでありますけれども、結果としましては、四百七名だと存じますが、それで条例が通ってしまったようでございまして、今日その欠員になりました委員もたしか充員されております。その後格別なその違った決議も教育委員会としてないようでございまして、大体それで問題は落ちついて来ているのじゃないか、その原案送付の問題は落ちついているのじゃないか、かように考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 もう一回伺います。一の学区制の問題ですが、これは愛知の問題を一つ離れて伺いますが、一般論として局長は学区制というものは、小学区制と大学区制はいずれが巣ましいとお考えになっておられるかですね、一般論としてですよ。私は学区制をとった理由から考えて、学区制は私は一般論としては小さいほどこの目的は達せるものと考えます。大きな県を二学区と、あるいは全県一学区、こんなものは学区制じゃないでしょうが、そういうものが一般論として望ましいのかどうか、この一般論としてのあなたの御見解を伺います。  それから第二点の教育委員会法の運営についてでありますが、議会に案を出す場合に、知事が単独でやることもまた違法ではないと、しかし望ましいことではないと、かように川長は答弁されましたが、私はこのことはやはり今後教育予算関係にしわ寄せがもたらされようとしておる現在、非常に私は重要な発言だと思うのですね。教育委員会法の立法精神、教育委員会法を改めれば別ですよ、いろいろ意見はありますけれども、今の教育委員会法が生きておる間は、この立法精神からいって、知事が単独に案を議会に出したからといって違法ではない、そういう法の盲点があるにしても立法精神からして絶対にそういうことはやるべきではないと存じます。また文部省としては立法精神からしてそういうことはやってもらいたくないというぐらいな、それくらい積極的な私は気持があってしかるべきだと思うのですが、この点と、それからもう一つは、佐賀県の場合ですね、これは望ましくないということはあなたもお認めになったわけですが、もしああいう運営をする教育委員会があるとすれば、私は教育委員会法の一部改正をやらなければならんじゃないかと思う。たとえば、少くとも公選されるところの委員数の過半数は委員として在籍しなくちゃならんと、こういう私は法の一部改正をしなければ、教育委員会法の立法精神からいって私は問題だと思う。これも極端な法の盲点をついた場合であって、現行の教育委員会法は民意を尊重する立場から公選制でしょう、それをただ一人の公選された委員さんだけで、その県で非常な重大問題となっておる案件を議決するということは、法の盲点というものを極度に悪用した、立法精神を完全に無視したものであって、こういう運営をする教育委員会が今後もあるとすれば、少くもこの公選されるところの委員の定員の過半数が委員として在籍しなくちゃならんというような、法の一部改正を要するんじゃないかと思うんですが、以上伺っておきます。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○政府委員(緒方信一君) 第一、学区制の問題であります。その小学区制が好ましいということは必ずしも言えないと思います。この規定を見ましても、県の教育委員会は「数個の通学区域に分ける。」こういうように規定しておるのでございます。もちろん文部省といたしましても、最初から必ずしも小学区制でなければならんとは指導しておりません。現実の問題といたしましても、この制度のできましたときから小学区もありますけれども、そうではなく大きな学区も現実にずっと初めから存続いたしております。さように考えております。  それから第二の問題でありますが、これは私やはりおっしゃいました趣旨はそう思います。規定はちょっと矢嶋先生あるいは条文を、ほかの条文をごらんになっているかと存じますけれども、私が申しましたのは教育委員会法の六十三条の三であります。「第六十一条に現定する事件については、地方公共団体の長は、同条の規定による教育委員会の原案の送付をまって、当該事件に係る議案を地方公共団体の議会に提出することを常例とする。」、この条文であります。いわゆる予算の原案の送付権の場合の条文ではございません。こっちは常例であります。「常例とする。」と法律上書き分けておるのであります。でありますから、法律解釈は私が申しましたようなことになります。ぎりぎりの場合にはそういうことが問題になります。佐賀県も聞いて参りましてそういう指導をいたしました、法律上の解釈をいたしましたということを先ほど申し上げたわけでございます。  それから先ほどの、委員が欠けた場合に欠けたままで議決することについて改正の要があるじゃないか、こういうお話しでありますけれども、これはやはり欠けた場合には議決ができないというような規定はこれは無理だと思います。合議機関のこういう委員会におきまして、行政が中断しちゃいかぬわけでありますから、いろいろな事故によって委員が欠けた場合でも、残存の委員で議決することができる。もし全部たくなった場合には、この現在の教育委員会法におきましても、教育長がこれをやる、あるいはまた教育長が欠けた場合はどうという、非常に念の入った規定ができております。私は現行法で差しつかえないと思っております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 緒方局長は非常によく勉強されているし、努力型だし、頭脳明祈た点は私敬意を表しているわけですがね。しかし、どうも自説を固執する傾向があると思う。それでその立場から私は改めて一つ聞くんだが、佐賀、の教育委員会のああいう運営は、望ましいのか、望ましくないのか。それから、もし二人でやりたいと思うがどうだろうかと聞かれたような場合は、そんなことはよした方がいいでしょう、法的には違法じゃないけれども、やはりそれは穏やかでないでしょうと言うのか、またやりたければやりなさいと指導するのか、その点を明確にしてもらいたい。  それからもう一つ学区制の問題でも、あなたはどうも少し自説を固執していると思う。だから私は、はっきり具体的に聞くんですよ。愛知県のようにあの大きな県を二つの学区にするんですね。これは学区制というもののよさというものが生かされると思いますか。ことにきのうも議論し、きょうもまた出てくるんだが、文科コース、理科コース、文理科コース、家庭コース、職業コース、こういうような五つのコースになった場合に、こういうような教科課程を実施した場合に、愛知県をたとえば二学区でやった場合に、各学区はどういう学校色というものが出てくるかということですね。それは学校の優劣がはっきりついてきますよ。これは受験準備専門学校とか、昔の実科女学校というような形がはっきり出てきますよ。これはあなたそういうことが頭に描けぬはずはないと思うのですがね。従って、学区制というものを設けた理由と学区制のよさと、これを堅持しようということになれば、一つの県を一校一学区制にするか、あるいは郡単位、郡市単位程度の学区制にするか、それはともかくとして、具体的な愛知県の場合に、あの大県を二学区にするというようなことは、学区制を設け、学区制をこれから維持していこうという立場からはあまり望ましい方法じゃないという考えぐらいはあなたは持っていらっしゃると思うのですが、それをどうして言えないのか。そこに冒頭に言ったように、あなたはよく努力されているし、頭脳も明析なんだが、どうもほんとうに考えていることを言われないと思うんだが、この今の学区の問題についても、私の意見に対して反駁される余地はないと思うんですがね、どうですか。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○政府委員(緒方信一君) 私は別に御意見を反駁しているわけじゃございませんが、私は私の考えを申し上げておるわけで、ございまして、その第一の佐賀県の問題につきまして、私は二人でやったことは望ましくないということは先ほども申し上げておりません。私はその場合々々について判断したければならぬと思います。適法かどうかということになれば、適法でございます。しかし、その場合に果してその事情に適応しておったかどうかということについては、これはまた別な判断があろうと存じます。ただあのときに別に二人でやるからといって相談を受けたわけじゃございませんけれども、今日から判断するわけでありますけれども、やはり先ほど申しましたように、相当大きな整理の要求が知事の方から出まして、そして教育委員会としてはいろいろ研究した結果、四百七名だったと思いますが、そういう意見を一応出された。それを正式に今の六十三条の三に基く原案として送ってもらいたいということを知事の方では要望されたわけでありますが、これに対して教育委員会の中にはいろいろ意見があって、四百七名で原案として送っちまうと、これが議会に送られてしまうと、修正されてもっと大きな整理になって現われやしないかということで、いろいろ審議するところがあったように私は聞いております。従いまして、送られた人の判断は、これはやはりそれで出すべきだという判断で送られたと思います。二人三人で、三人の残存の委員で原案として出されたのでありますから、それで出すべきだ、その方が有利だということで送られたと思います。果して結果はそうなりましたので、これはその場合々々によって判断しなければなりませんので、あながちこれは中央からそれがいいとか悪いとかいうことを、現地の事情から離れております中央が指導助言をすることはむずかしいし、そうしてまたそう一々個個の事情について言うべきじゃないだろうと、私はそう考えております。  それから学区制の問題でありますが、これは先ほどから申し上げますように、これは何も大きな学区の方が悪いということは私はないと思います。ただ今度の問題は四十三を二つにした。これは非常に大きな変革でございますから、これに対する判断、批判はいろいろあると思います。しかし、それが適当であるかどうかということは現地が現地に即してきめるべきものだ、かようなことを先ほどから申したつもりであります。また今日、先ほど申しましたような実情として、県の教育委員会と市の教育委員会と対立をしております。そこで非常に摩擦が起っておりますから、そういうようなときに、権限のない……こうしなさいという権限がもし文部省にありますればよろしゅうございますが、そうでもない、ただ指導助言の範囲しかない文部省がものを言うということは、私は問題を複雑にするだけだと思いますので、意見を差し控えておるわけであります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 反対ですよ。指導、助言ということに対するはっきりした基準を持っていないから混乱するのですよ。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 今日は教科課程の問題をお聞きすることにしておりましたが、その前に、もう十二月になりますと各府県とも教育予算の編成期に入っております。そこで、昨年も十二月には各府県に対して自治庁の方から、来年度予算については教員の定数はこういうふうに見積るべきだというような意味の通知が出ております。これは局長は御存じのことと思います。そこで来年度児童生徒はどれくらいふえるお見込みでございますか。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○政府委員(緒方信一君) 約五十一万でございます。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 その五十一万の生徒、児童に対して教育施設も相当不足を来たすと思いますが、それに対する対策はもうすでにお持ちになっていらっしやるかどうか。

小林行雄文部省管理局長

○説明員(小林行雄君) ここ数年御承知のように児童生徒が急増をいたしております。現在の予算では、この全部を御承知のような暫定最低基準の計算でその基準通りのものをすべてに持たせるというまでに実は行っておらぬのでございますが、今年度の予算につきましても、また自治庁の方の関係の起債の面につきましても、その配分に対しましては特に児童、生徒の増というものを非常に大きな要素にいたしまして配分をいたしております。明年度の予算につきましては、それぞれ項目ごとに、かなり多額なものを要求したいというふうに考えておりますし。また中学校整備とか、不正常授業につきましては、できればこれは三十二年度の児童増まである程度考えて予算を要求したいというふうに考えております。なるべくこの生徒児童の増というものを考えて、予算の執行をいたして参りたいと思います。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 そこで明年度五十一万は完全に収容できるかどうか、現在文部省の方で御計画になっておるのでは、施設においてどれぐらいの不足を来たしそうでございますか。

小林行雄文部省管理局長

○説明員(小林行雄君) 先ほど初中局長からお答え申し上げましたように、大体中学校においては児童の増加が十二万でございまして、小学校の方が約四十万でございます。三十九万一千ということに次っております。で、中学校の方の整備につきましては、これは一応年次画といたしましては、文部省といたしましては一応不足坪数の……、これは御承知のように将来年々増加していくものでございますけれども、大体五分の一程度のものを年次計画的に予想をいたしております。それから小学校の方の関係は、不正常授業の解消ということでございますが、これは約不足坪数にいたしまして、まあ三十六万坪あるいは三十七万坪程度でございまして、それを三年あるいは四年程度で解消したいということで予算を組んでおるわけでございます。これは要求を組んでおるわけでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 それで今まあそういう不足な状態に、今回のこの補正予算でまたその中から吸い上げをやろうという御計画ですが、そういうことをしますと、新学期の施設の不足が一そう大きくたるというような懸念はございませんか。

小林行雄文部省管理局長

○説明員(小林行雄君) この今回の地方財政対策といたしまして、その一つの財源にこの公立文教施設の経費が一部見込まれておるわけでございますが、ただ事業の実施の実情から申しますと、この公立文教関係の事業につきましては、年々相当の繰り越し分というものが実はあるのでございます。その繰り越しは必ずしも全部がもちろんいらないというものではございませんで、翌年に繰り越されて事業を完成するというものがかなりあるのでございますが、実際その中には、ある程度全然まあ着工されずに年度繰り越されておるというようなものもあるわけでございまして、現在文部省の、この公立文教施設の関係で、大蔵省の保有分を除きまして大体三億六千万程度のものを繰り延べればいいというような計算になるわけでございますが、現在の自然の情勢からいって、その程度の繰り延べはこちらの方から特に指図をして繰り延べさせるというようなことをせずとも自然に出るのではなかろうかというふうに一応事務当局としては推測をしておるわけでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 そうすると、来年ではたく、当初には不正常授業ですね、それは児童数にしてどれくらいある、この問題ですが……、これはあとでけっこうですから……。で、三十年度の予算を立てるときに大体どれくらいと見込んでおった、それから今日の状態でどれくらい、これは予算の執行の面においてそういうとめおきその他で差ができておると思いますから、当初計画と今日の実情とそれの比較をあとでお知らせ願いたいと思います。

小林行雄文部省管理局長

○説明員(小林行雄君) 実はこの不正常授業につきましては、ことしの五月一日現在で、まあ暫定最低基準である〇・九坪までの不足坪数が五十二万三千坪ということになっております。それから明年度三十一年度の児童増加に伴う坪数が、これは推定でございますが十万七千坪、ただしこれから本年度起債あるいは国庫補助で実施する分を実は差し引くのでございますが、それが大体先ほど申しましたよう次三十六万九千坪というようなことで、これは予算要求の一番大きな基礎にいたしておるわけでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 ちょっと……、ただいま来年度の予算の問題にたっておるわけですが、委員長を通じて明年度予算の概算要求書ですね、これを公式でも非公式でもいずれでもいいから、われわれ委員に至急に配付するよう委員長として要望してもらいたい、これが第一点。  もう一点は、今湯山委員に対する答弁ですが、三億六千万円の繰り延べは特別な指図をしなくてもできると、こういう発言が速記に残りましたが、従って私伺いますが、各都道府県に対してすでに建築関係で補助配分をしたもの、そのうちの、各県は何百万あるいは何千万返せとか、それをストップするようにと、こういう指図は絶対しませんね。

小林行雄文部省管理局長

○説明員(小林行雄君) 政府の地方財政対策として見込まれております。その財源として見込まれております五億四千八百万、これは先ほど申しましたように、私どもとしては自然に、現在の工事を実施して参ってもある程度従来の実績、繰り越しの実績からいって出るものではなかろうかというふうに考えております。で、先般も各府県の主管課長に集ってもらいまして、現在の各補助事業の実施の状況につきまして現在状況を調査してくれということで報告を求めることにいたしたのです。おそらく私どもの推測としては、特に文部省の方から一律にお前の県は幾らというよう次ことを割り当ててやらなくても、従来の繰り越しの実績からいけば、それほど太きた障害にならずに繰り越し額でまかなえるのではなかろうかというふうに一応考えております。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 これは資料をいただいて、またお尋ねすることにいたしまして、五十一万の生徒、児童増に対しましてどれくらいの教員増を文部省としてはみておられますか。

稲田清助文部省大学学術局長

○説明員(稲田清助君) 教員の養成につきましては、御承知のように数年間漸減の方針にあるわけでございます。二年課程を減らして四年課程をふやしつつある、その方針をそのまま踏襲して参りましても、最近の二面における五年間の教員現職教育計画その他もにらみ合せまして、現在の助教を一八%をさらに増大させる見込みはないものでございますから、従来の計画を踏襲することにいたしております。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 それで五十一万の児童、生徒がふえれば、当然今度は実際の現場に配置される教員の数がふえなければならないと思います。今の養成の面はよくわかりましたが、現実に全国で何名ぐらいの教員増、そういうことを計画しておられるか。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○政府委員(緒方信一君) これはただいま大蔵省と折衝を進めておるところでありまして、まだ数字は固まっておりませんけれども、大体去年七十二万でございましたか児童、生徒がふえまして、それに対しましての増加の実績の比率をこの五十一万に対してもみまして、それを基礎にして要求いたしております。大体実員に比べまして一万三千ぐらいの増を今要求いたしております。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 それで昨年は一万四千幾らかの増をみたわけですね。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○政府委員(緒方信一君) 一万二千五百です。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 全部消化されましたか。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○政府委員(緒方信一君) 実績は、これはちょっと計算の仕方がいろいろございますけれども、政令の関係がありますけれども、それを差し引きますと一万二千ちょっとだったと思いました。少し……。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 余つた。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○政府委員(緒方信一君) はあ。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 これはもう私は大達文部大臣、それから安藤文部大臣、松村文部大臣、代々の文部大臣にお願いをしておるのですけれども、ちょうどその時期にたると大臣おかわりになりまして、今日まで私の申し上げたことを御了承はいただいてもお取り上げになって下さらなかったのですが、今度は幸い文部大臣おかわりになったすぐでございますから、今度は新しい文部大臣は御実現願えると思いますので、ぜひ御善処願いたいと思います。それは、一昨年は教員の増を二万名みておりました。ところが実際は、現場で消化されましたのは二万七千名に足りませんでして、たくさん政府でお考えになったのよりも教員が余りました。それから昨年も、昨年といいますか、本年度も、今局長の答弁にありましたように、ずいぶん窮屈な少い教員数をみたにもかかわらず、現場ではやはりそれさえも消化できない。これは要するに自治庁の方でおっしゃるのとそれから文部省の方でお考えにたるのと、最近は大分合ってきておりますけれども、合わない点が多いのでございます。自治庁の方で財政計画のときにうんと締めて参りますし、昨年はまた自治庁の方から十二月に、一昨年を上回らないように定数をきめろというような通牒を出したりいたしまして今日に至っております。ところが、当初のよりも一昨年の基準は引き下げられておりますし、昨年はまた生徒、児童増に対する基準は引き下げられております。これは局長御存じの通りです。そうすると、平均してみますと、生徒、児童増に対してなるほど教員数の実数はふえてはおりますけれども、生徒、児童、つまり学級に対する比率というものは新しく加えられるものの比率が下っておりますから、実際の現場は下ってきているわけです。こういうことが重なって参りますと、実際に非常に困難な教育状態になって参りまするし、せっかく文部省のほうでお考えになったことも行われない。特に文部者のほうでこれだけはぜひ要ると思った教員さえも地方はこなさない、こういう実情にありますので、定員の配置の問題については今一万三千名という御予定をしておられますけれども、これも今日の地方財政の実情では一万一千名か二千名も要らないかもしれませんから、一つぜひ文部大臣におかれましては適切な措置を講じていただいて、大蔵省、自治庁とも御相談下さいまして、現在の率を維持するということよりも、現在そういうふうに下げられた率を回復するように御尽力いただきたいと思いますが、これについて大臣の御所見を伺いたいと思います。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) 今湯山さん仰せの趣旨を尊重したい思います。

飯島連次郎緑風会

○委員長(飯島連次郎君) ただいま矢嶋委員から要求のありました明年度の予算要求書については、これは今後の一般の問題を審議するについて非常に参考になるわけでありますから、一つなるべくすみやかな機会に当委員会に御提出いただきたいと思います。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) 了承いたしました。ただ、少しまだ未定のところがありますけれども、未定は未定のままで申し上げます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 もう国会が終ってこの次にお目にかかるときには、第二十四通常国会でいわゆる清瀬文政に基く緊急政策等はほぼ骨格ができて、あるいは予算案の中に、あるいは法の改正、あるいは新立法という形で相まみえることにたると思います。したがって、私は、時間がちっと過ぎているようですけれども、少しばかりここで伺っておきたいと思います。昨日も伺ったのですが、文部大臣、きのう、きょうのわが国の日刊新聞の主なるものを目を通されましたか、どうですか。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) たいてい読みました。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 さすが文部大臣であり、民主国会に席をおいている清瀬代議士だと思いますが、期せずして日本の大新聞は社説に当面の第三次鳩山内閣の文教政策について取り上げていますね。あれをごらんになりましたか。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) どの記事のことか知りませんが、たいていの社説は読みました、文教に関する限り。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 私は、この点には要望だけ申し上げておきます。第三次鳩山内閣ができてあなたが文部大臣となられて今後展開されるであろう文教政策は、まだ明確でございません。ここで委員会で何回も承わりましたように、党の大会で決定したものがあり、さらに緊急政策というものは、あるいは新聞あるいは大臣の言葉として承わっているわけでございますが、まあ十分明確でないわけです。それだけに、今まで発表された範囲内から、だいたい日本の各階層の人は、どんなものが出てくるのだろうか、今まで戦後十年間積み重ねて参った日本の民主教育の過去の努力というものが水泡に帰するような、あるいは大きく逆コース的な過程を通るのではないだろうかという危惧の念を日本の有識者層の方に持たせることは、私は毎日非常にはっきり現われてきていると思うのですね。たとえば大学協会の方々、その代表として東大の学長が皆さん方にお目にかかったとか、あるいは日本の大日刊新聞が期せずして社説に取り上げているところの期待と危惧の念ですね、これは一致しております。事文教の問題であるだけに、これは大胆の過去、現在それから将来に対する見通し、それからあらゆる面から私は科学的にしかも慎重にこれを検討され、決して教育のことでございますから、党利党略のもとに軽率のそしりを免れることのできないような、そういう態度をとられないように十分慎重に慎重な態度をとっていただきたいということを特に私は要望しておいて第二十四国会で実現せられたいと思っておりますが、この御要望お聞き入れいただけるでしょうか、念のため承わっておきます。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) 教育のことは重大でございますから、軽率な処置をしようとは毛頭思っており準せん。それゆえに特に内閣に審議会を設けて、一党一派じゃなく他派の人の言うことも、民間の人のおっしゃることも聞いて、たとえ内閣がかわりましても教育の根本は変らないようなものを作りたいと、こう思っております。新聞の論説をずっと見まするというと——批判は私ありがたく受けるのです——危惧の念を持っておるとは思わないので、われわれを鞭撻をしておると思います。今の逆コースということですが、私ども戦前の教育を復活するとか、あるいは超国家主義の教育をやろうとか、中央集権にしてしまうとか、そんたことは考えておらないので、私どもの世界観は失礼だが一部社会主義の方よりもなお寛大な思想を持っておるのです。どの型にはめなければならんという考えを持っておりません。鳩山総理も御承知の自由主義者です。私の半生歩んだ道も、国民の自由、個人の個性、民意を尊重する、そういうふうな方に進んでおるので、世間の批判は私は大いに耳を傾けている。今矢嶋さんが慎重にするということを保証するかとおっしゃいましたが、無条件にそれはやるつもりであります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 次に承わっておきたい点は、今国会が始まって大臣は事あるたびにすなわち院内において、あるいは院外における記者団会見等において盛んに文部大臣の監督権の強化ということを言われているわけですが、監督権の強化ということはどういうことをお考えになっておるのか。まだ具体的なものが出ていますまいが、少くとも監督権の強化というものが大きな活字として出て来る以上は、かようにいたしたい、それから法的に法の改正あるいは新しい立法なり、大まかなことをお考えになっていると思うのですが、このことは私は非常に重大な問題だと思います。内容がわからないだけに私は非常に心配しているわけですが、その監督権の強化ということはどういうことをお考えになっていらっしゃるのですか。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) 国家の教育に対する責任がございます。責任がある以上は監督ができないものについて責任を負うわけにいきませんので、そういう意味で党として今度の審議会においては一つ監督権の明確化、必ずしも強化とは言っておりませんが、そういうことをやろうということを党できめまして、いかなる規定、いかなる方法ということはまだ審議会の意見に従うことでありますから、今申し上げることはちょっと進み過ぎかと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 文部大臣責任がある、従って若干の監督権云々ということを申されているわけですが、この監督権の強化という内容と程度、方法ですね。それによって教育の今の民主的な、体制、地方分権的なものはこれは私非常に中央棄権的なものになるおそれがあると思う。それはだれが何と言おうが、吉田さんの時代から鳩山さんの時代を通じて、最近の機構改革等から考えても中央棄権的な方向をたどっているということは、これは私は否定できないと思うのです。まあ、問題によればある程度、あまりばらばらに地方分権が度を過ぎた場合には工合が悪いということはそれはあるかもしれないが、だからといって非常に中央集権的になることは、これは私はよほど警戒しなければならんと思うのですが、その立場から、この監督権の強化というものは非常に私はいろいろな場合が考えられると思うのですが、大胆としては中央集権化して、かってのようた、あるいはかっての体制に近いようた形において、文部大臣が全国の教育というものを一手に握って指示指令していくという、そういう中央集権化を頭に描かれているのではないだろうとは私はまあ推測するのですが、それはどうですか。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) 戦前の制度に復帰をする考えでないということで御了承を願いたいと思います。どういう形を取るかがむずかしいから、そこで審議会を設けるのでありますから。実際見ましても、この間新聞で某高等学校の記事があって私も驚いたのです。上級生が腕力を振うて下級生をいじめる、単に子供のいたずらじゃなくして、金を要求して切符を買えといって、つまりそれで下級生は朝弁当を持って出るけれども、出なかったらお母さんに叱られるし、学校へ行けば上級生にやられるし、某公園で一日暮らして帰って来るということがありました。実にもうゆゆしきことでありまするが、今の法制で、私立某高等学校にしからば手入して、調査をして、校長を呼んでどうしろといったようなことは言えるのだろうか、私も非常にこれは頭を悩ましているのであります。やはり国で教育の責任を持つという以上は国民に対して責任を持つ、憲法にあるのです。責任を持つ以上は何か発言権がなければ責任が持てない、私はこういうふうな考えを持っておりまして、教育界の先輩の方々、またあなたのようなエキスパートに一つ聞いて、どうしたら一体国民が満足してくれて、国家として、また国家の代表たる文部省としてこの教育がうまくできるか、それに心胆を砕いているわけでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 時と場合で私ちょっと違うのじゃないかと思いますので具体的に伺いますが、きょう本委員会の目頭に都道府県の教育委員会の運営について、あるいはそのうちの具体的な問題について学区制の問題等がそこで論議されたわけですが、そのときの緒方局長の発言は非常に極度に御遠慮なさった態度ですね、ところが教科課程の問題では、文部省は一応の基準を示す、しかしその実施するところの権限とその責任は都道府県教育委員会にある、こういう場合には非常に文部省は、言葉は適当でないかもしらんが、官僚支配的な強い力を発揮、する、こういうようなところは私はどうもそのときどきの御都合主義で、自分らの都合のいいようにやられて、一貫していない点があると思うのですが、いかがですかね。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○政府委員(緒方信一君) 先ほど学区制とそれから教育委員会の条例に対する原案送付権の問題、送付権と申しますか、送付の制度につきまして文部省が指導を要する関係について御答弁申し上げたのでございますが、これは学区制をきめることは明らかに教育委員会法に、都道府県の教育委員会がこれをきめるとございまして、明らかに都道府県の教育委員会の権限でございます、学区制をいかにきめるかということにつきましては。ところが教育課程につきましては、これはこの前の委員会でも申し上げましたけれども、教科に関する事項をきめる権限は文部大臣にございます。それは学校教育法四十三条でございます。そこでこの度の改正は、その四十三条の規定に基いて、規定に基く文部大臣の権限といたしまして高等学校の教育課程を変える、改変するのです。それを来年度の四月から実施していく、かようなことになります。そこでその範囲においてこれを各県におきまして実施する権限と責任、もちろんこれは県の教育委員会にあるわけでございまして、そして法律に基いて私は申し上げておるわけでございます。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) 疑いの起らぬために補足しますが、今矢嶋さんの心持がちょっとわかりかねるのです。緒方局長は現在の法制のもとにおいての話なんです。私に対する先刻の御質問は、審議会制度を改正するのだから、ああいうふうな逆コースの改正をしゃせんかとおっしゃる。緒方君は現行の制度に精通し、文部行政については詳しい人で、今の範囲でやっているのであって、私の今改正しようというのはそんなことも含めまして、日本の教育制度全般をどうやるかということを慎重に……あなたが先刻おっしゃった通り慎重にやりまして、独立後初めてですから、一ぺん日本の理想的の教育の形を一つ作ってみたい。その時分には決して逆コースに行うことは思っておりません。こういうことで二つ別別のことでありますから申し上げておきます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 先ほどの大臣の、国の権限という立場から、もうちょっと掘り下げて聞きますが、今の現行法の中で義務教育無償達成の責任はあると思う。先ほど湯山委員から建築関係の質問があっておったのですが、お聞きの通り、父兄の負担というものは非常に大きくなる、教育の機会均等も年々前進よりはむしろ後退ぎみにあるわけですが、そこで私は、この国の責任を果すためには、来年度の予算の編成については当然大きく盛り込まれないと、そういう予算の性格にはしたいで、国の責任と監督権は明確にするというようなことで、法案の中に監督権を強化するものだけ出てきたのでは、これは大臣のお話しは非常に私は矛盾してくると思いますので、その責任を果すためには来年度の予算の編成に当ってはどういう基本方針で進まれようとしているのか、それをお伺いしておきます。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) 今の国の責任を明らかにし、これに必要な監督を明確にするというのは、それはこの次に臨時政育委員会法を作る心持なんです。そういうもので明確にするつもりでございます。来年度の予算は現行制度のワク内で予算を立てるほかはありません、一新制度ができておりませんから。そうしてどういう心持でやるかは大体大づかみに三つぐらいな大きな方針を立てております。一つはかりに私は教育の機会均等と申しておりまするが、経済上の理由で勉学の不十分な者、たとえばほんとうの生活保護を受けないでもそれに近い要保護者、こういう人には教科書は無償で配付する。これで五億の金が要るんです。それからしてこの給食の補助をいたします。これも三億くらい要るんだと思います。それから同じカテゴリーに入るものには特殊学校、盲ろう学校の方にも力を入れたいと思います。今のわが国の状態で住宅が非常に不自由する結果、地方から学生が来ましても、おるところがないのですね。はたはだしきは六畳の間を五千円で借りて学校に行く。それもなかなか探さないとない。そこで学生寮なども作るということ。また今までの育英事業も拡大して、この柱がつまり教育の機会均等と言ったのでございます。もう一つ、第二は科学技術、これに重きを置きたい。私立学校はやはり文科系が非常に多いんです。また文科系では非常にいい学校があります。けれども理科系の方に手薄でありますから、やはりそれを充実さすために、政府の資金も使っていく。国立学校はもちろん今日日進月歩の世の中、あるいは原子力の研究もさせる。非常に金が要ることですけれども、原子炉の研究、それから航空力学、そういうふうな科学方面に国立学校も力を入れさせる。こういう一連のことが第二の考えであります。第三は社会教育、青年教育、婦人教育と、そういうところに力を入れていこう。大体そういう三つの柱でいくつもりでありますが、これは現行法のワクの中でやるので、今のこととは別に、一つ二段にお考え願いたいんです。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 今お話しになった内容は、先ほど私が要求いたしました概算要求の中に数字として示していただけますね。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) むろん示します。それからまたこちらの方でまとめたものがありますから、それも今本ぎまりではありません。大蔵省に要求するところですけれども、その限度において……これは今ここにありますけれども部が足りませんから、次回にお渡ししたいと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 今の御発言の中の一点だけ具体的なことを伺いますが、教育の機会均等の立場から盲ろう関係の学生に云々ということを申されましたが、これは何ですか、就学奨励法の拡大それから充実、具体的に言うならば小中を高等学校まで延ばす。その教科書を無償で渡すとかあるいはこういう青ろうの学生は全寮主義をとっているわけですが、寮生活を続けるに当っての給食豊を大幅に持つようにするとか、こういう具体的な内容を伴っておるのかどうか、そういう具体的な内容を伴わなければ、ただ教育の機会均等の立場から盲ろう云々たどと言っても、これはアドバルーンにすぎないと思うのですが、具体的にこれを一つお伺いいたします。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) さように考えております。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○政府委員(緒方信一君) 盲ろうの関係につきましては、現在大蔵省と折衝いたしております点は、貰ろう学校あるいは就学奨励法の制定のときにも付帯決議等もございましてその趣旨を尊舞いたしまして、これをお話しのように拡大していく、かようなことで今折衝いたしております。具体的に申しますと、ただいまお話しの通りでございまして、高等学校の部分につきましてもこれをぜひ予算措置をしたいと、かように思いまして、大蔵省と折衝いたしております。なおまた奨励費の費目につきましてふやしていきたいと、かように思っております。

飯島連次郎緑風会

○委員長(飯島連次郎君) ただいま予算委員会から大臣の御出席の要求がありますので、特に大胆に御質問の方は御質問願います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 大臣は就任以来党議が優先するのだ、党の方針に基いて自分は文教政策を展開していくのだ、党の方針は大会でこうこうときまっているということを何回も承わったのですが、たとえば今の教育機会均等を具現するための具体的に述べられたことというのは、これは党できめられたことです。従って今一部について局長から具体的な説明がございましたが、そういうものは私はこの年末年始にかけての予算編成の段階において、必ず実現化するものだと、かように信じますが、大臣としてはもちろん御努力なさるでしょうし、この実現というものについては相当な自信と見通しを持っておられるものと思います。念のために承わっておきます。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) このことはやはり党結成のときにきめられたことでございまして、大蔵大臣も党員でございまするから、一方国家の財政力の許す範囲においては同意を願えるものと私こう思っております。ほかの思いつきの政策と違いまするから実現したいと思っております。

川口爲之助自由民主党

○川口爲之助君 大臣に一、二お尋ねしたいことがあるのですけれども今予算委員会においでになるのですか・…それではまたの機会がございますね。

飯島連次郎緑風会

○委員長(飯島連次郎君) 明後日いたします。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 それでは教科課程のことを局長にお尋ねしたいと思いますが、よろしゅうございますか。具体的なことをお尋ねいたしたいと思います。それは文部省でおきめになった教科課程に従ってきめられた教育課程の例です。コース制、これが実施されるのは高等学校の一年生に入学したときからでございます。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○政府委員(緒方信一君) コース制の具体的な例というお話しでございますけれども、お示しましたいわゆるコース制類型の実例を五つほど出しましたが、これは事例でございます。参考ですからその通りにやれというものではございません。それを参考にして作ってもらいたい、こういうことでございます。それから一年から実施されるか、適用されるかというお話でございますが、一応その類型そのものは一年から適用されると申した方がよかろうかと思います。ただそこにも書いてございますように、一年におきましては分科をしないで全部の生徒に共通な科目を履修させていく、こういうことでございまして、分科させて類型を作るのは二年からということになると思います。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 局長はこの通りやれというのではないということは、私もよく知っておりますけれども、しかし今回の教科課程は従来に比べて必修が非常に多くなっております。従来は必修と、選択必修と、こういうふうになっておりましたが、今回は必修が多いので当然多少の形の相違はあってもこういうふうなコースがきめられなければやれないようになっておりますから、コースというものの前提をこの通りやれというのではないとかどうとかでなくて、この通りやれといってやらすのではたいにしても、こういう形のものができて、それが実施されるという前提で一つお答え願わぬと話が合わないと思います。そこでこのコースを選ぶのは各人の意思で選ぶのか、あるいは旧制の高等学校のようにAコースは何名募集する、Bコースは何名募集すると、こういう形でやられるのですか。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○政府委員(緒方信一君) これは学校の規模によりまして幾つのコースができるか、これはいろいろであろうと思います。あるいは学校によりましてはそうたくさん複数のコースができない場合が起ってくると思います。でございますから一がいには申し上げられませんけれども、複数のコースを作ります学校におきましては、これはやはり初めから分けて募集するということにならぬのでございます。入ってきた生徒の進路、特性にかんがみまして学校で適当に、それは進路、特性と申しましても所与の条件のもとでございますからそう変った形はできないと思いますけれども、入ってきた生徒の進路、特性、希望に基いてコースをきめる、かように考えております。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 入ってから一年生のときにきめるということが今の局長の御答弁でもよく分ったのですけれども、中学校から高等学校に入ったすぐの子供というのは、高等学校の先生は実際には全くわからないといってもいい状態です。そういう先生がどういうふうにして、進路は本人の希平等でわかるとしても、特性等を把握して適切たる指導ができるか、これについて局長はどうお考えになりますか。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○政府委員(緒方信一君) これは今中しましたように初めからそれを分けるのではないということを申し上げましたのはその趣旨でありまして、年に入学しました生徒につきまして十分本人の希望も聞くでございましょうし、十分教師が進路指導もいたしましょうし、そういうようなことで類型の複数のあった場合には、そのどれかのものを選ばしていく、こういうことになります。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 それはいっきめるのでございますか。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○政府委員(緒方信一君) これは学校のやり方でありますけれども、今度出しました一般編の一番最後のところでございますけれども、「学校は、学年の開始以前、じゅうぶな余裕のある時期において、課程別または類型別に、教科、科目および単位数の配当表等を生徒に示し、その履修について適切な指導を与える。」こういうことをきめておるわけでございます。一年生に入れまして一年間の指導をやる、その間におきまして次の学年の始まる前の十分余裕のある時期においてそういう指導をする、こういうことでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 そうするとコースを分けるというのは二年生からということですか。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○政府委員(緒方信一君) 分科していくのは二年からごございます。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 この例に示されたのではすでに一年からこういうふうに分れておりますけれども、これは間違いですか。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○政府委員(緒方信一君) 私が二年から分れると申しましたのは、複数のコースができる場合に分れた違った類型は二年から出て参るということでございまして、一年生におきましては全部同じような共通の科目を履修させる、こういうことでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 私の尋ねておるのと少しお答えが違うようです。一年で同じような科目を履修するというのはよくわかっております。ただ一年で家庭科たら家庭科のコースをやったのは二年までずっとそのままいくのか。それから一年のときに理科なら理科のコースということをきめたものは、そのまま三年の終りまでいくのかどうかということをお聞きしておるわけです。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○政府委員(緒方信一君) それは一年は数字をごらんのように、皆そろえてありますので、これはお答えの仕方でございますけれども、予定としましてはそういうふうなコースで幾つも分れますが、一年においては全部同じ教科、科目を履修させますから、実際上履修するのは二年から、これでよろしいと思います。こういうふうに御理解を願います。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 一年の終りに、一年生全部にそれぞれ志望を述べさして、そうしてその上で教師が適当な指導を加えてコースに入れる、こういうことになりますか。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○政府委員(緒方信一君) 大体そういうことになろうと思います。これは学校でやりますことでございますから、いろいろ学校の考えによりまして、やり方についてはいろいろあると存じますが、原則としてはそういうことであります。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 それではお尋ねいたしたいのは、学校の事情によってコースの少い所もあるかもしれないと思いますが、そのコースは全部生徒の希望に従えるようになるというお見込みを持っておられますか。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○政府委員(緒方信一君) これはそうはたかなかいくまいと思います。ただしかし、これは生徒の進路、特性と申しましても、これに共通するあるものをとらえることはできると思います。それによって幾つかのコースができると思いますけれども、これはやはり最初に申し上げましたように、現在与えられた条件のもとにそれが行われるわけでありますから、現在の自由選択制のもとにおいても同様なことでございますけれども、その制限はやはりどうしてもあると思います。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 それではそういう場合、たとえばAのコースならAのコースは五十名しか収容できない。Eのコースはやはり五十名しか収容できない。そういう場合に、一方に八十名希望があって、一方に二十名しか希望がないというような場合には、もし同長が当事者であればどういう措置をなさいますか。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○政府委員(緒方信一君) 当事者であればというお話しでありますけれども、これはその生徒の希望と、それから学校の条件もあり、そこは適当な調節を校長としてはからなければならぬと思います。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 その適切な調節というもののケース、これが非常に大事なところだと思いますので、適切な調節というケースは、局長がお考えになっているのではどういうものがございますか。たとえば、高等学校校長が困っているんだ、何とか指導してもらいたいと言ってきたら、局長はどういう御指導をなさいますか。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○政府委員(緒方信一君) これはやはりその個々の場合に具体的に即さなければ、ここで概括的に八十と五十とどうすればいいかと言われましても、すぐお答えはできません。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 それでは私は質問を変えますが、その場合に、試験によってやるとか、試験によって成績順にとる、あるいはくじ引きでとる、あるいは私は一番希望に合うようにするとすれば、二十人で一クラスを作って、八十人というクラスを作らないで、二つのクラスにするというふうに、いろいろの場合があると思います。局長は私が今述べた三つの場合ではどれをおとりになりますか。ほかにあればほかのをおっしゃっていただきたい。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○政府委員(緒方信一君) それはやはり試験でやるとか、くじ引きというのもどうでございましょうか。ただ先ほども申しましたように、これはやはり教員の数、それから設備、施設、これらのこともございますから、やはりどうやるかということを具体的にここで返事しろと言われましても、これは言えないと思います。これはやはり従来の選択制の場合も同様だと思います。いろいろなケースがあって、それは校長は校長として責任をもって適切に指示いたしておりますから、文部省としての方針を示せば、それによって一応その実情に即するような実施が行われていく。これはそういうむずかしい場合もありましょうけれども、校長の責任上してやっていけるものだと存じます。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 それは局長は非常に間違ったお考えを持っておられるので、従来の選択の場合は、そういいながら本人の希望に沿うような措置ができたんです。私はその実例を申上げますと、今のような場合、全部一年生で化学なら化学をとりたい、あとまあ生物なら生物をとりたいという場合は、一年生は化学は一ぱいでとれないから、今年は生物をとっておいて、来年化学をとれというような指導ができて、従来の選択必修の場合であれば、それでもって本人の希望するものがとれるような措置が今のようたワク内においてもできたわけです。それからまた女子のことであれば、生物の方へ片寄って、家庭科の方が少いという場合には、そうしてまた家庭科をとる希望があれば、今年は家庭科をとっておきなさい、あるいは二年のときは休んで、三年のときに家庭科をとればよろしい、そうして二年のときに生物をとれといったような調整が、これは教師が誠意をもって努力すれば、大きい学校は大きいたりに、小さい学校は小さい学校なりにできたわけです。だからその生徒の希望が一〇〇%無視されるということはなかったわけです。それが場合によれば漢文をとりたいというのを、漢文はとても入れないから、習字のリタインで済ますというような点はありましたけれども、基本的なこういうコースについて、本人の意思を無視するというようなことは従来ではできなかった。それができないことが、学校にとっては非常にまあ手続上は煩項です。で、時間割の編成についても、教員が何日も徹夜をし、校長さんもそのために苦労をした事実は認めますけれども、むしろ今日までのやり方の方が生徒の希望にも沿えるし、そうして今のような指導もできたわけです。ところが今のようにコース制になってしまって、そうしてそれはそれなりに時間割が組まれてしまいますから、そうすると、ここでとれなくてもあとからとり返す、自分の時間割の間を見て、自分は化学をとらなかったからどこかでとろうと思っても、今お示しにたったコース制では、どんなにやってもできません。元の時間割のようにきちっとしてしまう以外にないわけです。そこで今の点をお聞きしているわけですから、局長は今のように非常に適当にやるだろうというけれども、一人々々の生徒の立場に立って、一体局長の立場においてはどういう指導をして本人の希皇を達成なさるか。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○政府委員(緒方信一君) 今お話しの点は、やはり結論におきましては同じことをお答えするよりほかございませんが、ただ今後の改正の教科数の編成の仕方につきましても、御承知の通りそこにも書いてございますように、またこちらの参考資料にも出しましたものにも書いてございますように、一定の科目は、学校において固定したカリキュラムをやっておりますけれども、なお、その個人差に応ずるその選択の余地をそこに残してあるわけであります。今おっしゃいましたように、特に何をやりたいということにつきましては、その希望を十分とって、そうしてこれはやはり教室の数、設備等が許す範囲におきましては、そこに個人差に応ずるものをつけるということになっております。でございますから、これは従来におきましても、大体変りはないと、私はそう思います。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 従来においても変りはないと局長簡単におっしゃいますけれども、非常に変っております。変らないなら今こんなことをする必要はないんです。変るから、また変えようとなさってこれをやっておられる。そこで局長の言われるように、簡単にこの問題をお考えをいただいては困ります。それは、局長はきのうも学校の校長さんが賛成しておるというようなお話しですけれども、それは校長の立場に立てば、時間割を作るために職員が何日もかかるし一それから学年の発足当時はやはりごたごたします。一週間あるいは二週間くらいは教室の移動とか、出る場所々々によって違いますから、ごたごたしますけれども、しかしそれでも一応生徒の希望した教科はとれるような体制が今はとれておるのです。ところがこういうふうに固定してしまえば、それは絶体できません。これは私は断言できると思います。局長がもしできるとおっしゃるなら、具体的に何名の学校で、これこれの希望でというのをとってやってみたらいいと思うのです。私もやってみます。局長もおやりになってみたら……。局長の言うように絶対できないのです。それの一つの例として、今のように、百名なら百名のものが、家庭科二十名、それから理科コース八十名になったときに、あなたはどうなさるか。従来のやり方であれば、その八十名を一年目には、お前は物理をとれ、お前は化学をとれというようにして二つに分ける。そして大体全部希望する科目をとらすことができたのですけれども、今のようなコースになってしまえば、どうしても理科コースを二つに分けて、そうして従来よりもたくさんの教員と施設を作らない限りできない。こういうことになりますが、局長、そうお考えになりませんか。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○政府委員(緒方信一君) 従来と変らないのじゃないかと私申し上げましたのは、現実の制度におきましても、実態は私が今申しましたようなことにならざるを得ないのじゃないかということを申し上げたわけでございます。それからまた今いろいろ御指摘の点でありますが、今度の改訂の趣旨というものが、これは自由選択制を改めて、全部なくするわけじゃありませんけれども、一部改めて、そうしてこういういわゆるコース制といいますか、学校の方で課程を組んで、そうしてそれを与えて行くというふうにした趣旨は、これは教育を計画的にやりたい。生徒の選択能力というものを、先ほど希望ということを私申しましたけれども、希望だけでこれを決定することはやはり間違いじゃないか。そこの批判に立っておるわけでございますから、そこは直そうとしているわけです。でございますから、そこは従来と変ってくるわけです。しかしながら、先ほどから私の申し上げますことは、選択制のいい点もこれは残していきたいというわけで、個人差に応ずる若干の選択というものを学校が課程を作る場合に残していきたい、こういうことで、そこである程度のものは救われていくと、こう思うわけでございます。でございますから、趣旨としては変っておりますから、その点は御了承を願いたいと思うのでありまして、その方がいいというような立場に立ってこの改訂が行われておるわけでございますから、そのことを付け加えておきます。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 局長は私の申し上げたいことを曲解している。希望というのは、何も野放しの希望ではありません。中学校からの、何といいますか、観察記録もきておりますし、それから大切なことは、ホーム・ールムというものがありまして、その教師が、一年に入ったときから三年まで一その子供をじっと見て行きます。そうして一年までは、まあ今これになろうがなるまいが、大体どこも同じですから……。で、一年が終るころに、お前はこういうだから、これをやったらよかろうという、ホーム・ルームの担当教師、教科担任ではありません。毎日生活をともにする教師と相談の上で、生徒は自分の来年取る単位をきめる。その希望を申し出るという指導を、今日どの高等学校の教師もやっております。そうしてお前はまあこういう方面へ行ったらよかろう。そのためには、今年はこれを取れという、適切な指導をしているのであって、そういう生きた指導を無視して、こんなふうにこつこつとしたものをやって、そうして今のように教師の指導を死物化する、固化定するということが果していいかどうか。これは私は教育の基本的な問題としてお考え願わなければならないと思うのです。いかがでしょうか。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○政府委員(緒方信一君) その指導をしないで、こつっとしたものを初めから与えるということを、これできめてしまうということを申し上げたわけじゃないのでございまして、ただいまお話しのように、一年に入りまして、ホーム・ルーム等によってよく見て参ります。教師の方はそうしなければならぬと思います。そうしますうちに、おのずから類型が、その特徴や、あるいは進度等もございます。まあ希望もございましょう。そういうもので頭型が大体大づかみにわかって行くと思います。そのグループ、グループに従いまして、そうして学校でできる範囲におきましてのコースを組んで行く。そのコースを組む場合には、カリキュラムを組む場合においては、学校側において慎重に考えて計画的なものを与えよう、こういうことでございます。全面的に今お話しの点を私は否定するわけじゃございません。しかしこの改訂のような程度に類型をわけて行って、そうして計画的な指導を与える。この方がより適切だという結論に立ってこの改訂をいたしているわけであります。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 計画的な指導というものは、どういうことを指しているのでしょうか。局長の言われるのは、教科の配列という意味でしょうか。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○政府委員(緒方信一君) すべて各教課課程を組むにつきまして、自由選択、生徒が自分の希望、あるいはさっきお話しのようにこれは教師が指導もいたしますけれども、しかし原則として自由選択という建前じゃなくて、学校側で配慮した計画のあるカリキュラムを組みまして、そうして計画的なカリキュラムをきめる、こういう趣旨でございます。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 たとえて言えば、局長の言われるのはもうちゃんとおぜんにのった御馳走が並んでいるのをお前はどれを食べるか。で、その中には多少いらないものもあるし、きらいなものもあるけれども、とにかくもう料理を出された。食べなくちゃならないということなんでしょ、たとえばですね。それから従来のはそうじやなくて、それに合わして、必要なもの、必要でないものは、これは大体きまっているわけですから、その中でも特にこれを食べろ、これを食べろということを本人の意思によってきめる、そしていらないものはのけて、いるものだけを、取るようにすると、これが従来の行き方です。これについては教師も非常に苦心して指導します。責任がありますから。そのどちらがいいか、私は易きについてはいけないと思うんです。こういう段階で局長はどちらがいいとお思いになりますか。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○政府委員(緒方信一君) 私が申しておりますことも、それができてしまったあとは、今おっしゃったようなことになると思います。おぜんに今並んだものを、そのおぜんにつく場合に、これは生徒の選択だけじゃなしに、教師、学校の配慮によっておぜん立てをするということであります。しかしそれを作る場合に、全然生徒の希望、まあ希望と申しますか、特性等を全然無視してやるというわけじゃなくて、それは十分見て、それにつく、こういうことで、そう騒ぐものじゃないと思っております。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 それじゃ局長の言われるのは、二年になったときに生徒のとりたい希望をとって、教科の。そうして希望の出てきた教科、私は何がとりたい、私は何がとりたいというのを集めて見て、その類型によってコースを作るんだから、今年の二年生によって作られたコースと、来年の二年生とは違うし、また再来年の二年生とはまた違うコースが……。こういうふうになるわけですか、局長の今言われる通りならば。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○政府委員(緒方信一君) 先ほど申しますように、これは希望ということだけを申し上げますと、そういうことになるかもしれませんけれども、必ずしも希望だけじゃなくて、その土地の状況、あるいは学校も、その地域の状況等から見ますというと、おのずからやはりそこに適当なカリキュラムというものが、ある程度固定するのじゃないかということは考えられます。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 そうでしょ。そこで、現在は今のように学校の苦心、努力によって、それから教師の適切な指導によって、理想的には行っておりません。これは局長もおっしゃる通り理想的には行ってないけれども、できるだけそういう方向に進めてきております。それをそれ以上に今局長の言われたようにしていくということが果していいことかどうか、これは局長、どうお考えになりますか。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○政府委員(緒方信一君) やはりその生徒の自由にまかせるということよりも……。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 自由にまかせるのじゃないのです。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○政府委員(緒方信一君) いや、制度として、実際の指導は今度の場合も同じことでございますけれども、制度として生徒に自由に選択させるという建前じゃなくて、今度のような、よりその指導を強化し、そうしてその指導の具体化として学校の方で組んだ改訂案をもって指導していく、その方が適切ではないかと思います。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 それでは学校でカリキュラムを作って、一応三つ作って、そしてお前はどれを選ぶかというカリキュラムを選ぶわけでしょう。その点をはっきりさせて……。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○政府委員(緒方信一君) その通りです。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 それでは、さっき言ったように百名なら百名が八十名と二十名になったらどうするか。これをもう一ぺんお答え願いたい。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○政府委員(緒方信一君) それは先ほどお話しの通りで、ここでどっちとも言えません。それはその状況を見なければわからんわけであります。私がそこの校長になりましたら決定いたします。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 どう決定しますか。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○政府委員(緒方信一君) それはその具体的条件がわからなければちょっとわかりません。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 とにかく今型にはめてやるということと、そして適切な指導のもとに、そしてまた学年学年によって希望の多い少いもあります。そういうことの巾があるような、弾力性のあるようなやり方とどちらがいいか、これは私は学校によってコースができていることも知っておりますけれども、それには私がさっき言ったように、ことしの二年生のコースと来年の二年生のコースとは若干違います。どの学校も大ていまた次の年の希望……これは上級学校の入学試験の傾向等あります。その年の希望等もありますけれども、違うのが普通です。それをするということは非常に困難な仕事ですけれども、今日までそれをやってきたわです、その中で、それを今日くずしてまたこういうふうな動脈硬化のようなものにするということは、教育の面から言えば一つの退化だと思いますけれども、これは局長、もう少し今の点についてはお考え願いたい。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○政府委員(緒方信一君) 今湯山さんおっしゃいました、私が先ほど地域によってある程度固定するということを申し上げましたけれども、現在でもそれが実態でございます。制度じゃなくて。実態としてそういうふうになっております。そういうことを申し上げます。やはり今年と来年度のコースは若干修正されるということはあると思います。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 その点は非常に基本的な問題ですから、十分御検討願いたいと思うのでごいます。

飯島連次郎緑風会

○委員長(飯島連次郎君) ではこれで散会いたします。    午後五時四分散会      —————・—————

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