P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
23回国会参議院1955/12/07

文教委員会 第2号

発言数
67
登壇者
9
会派数
3
開催日
1955/12/07

会議録

飯島連次郎緑風会

○委員長(飯島連次郎君) ただいまから文教委員会を開きます。  議事に入る前に御報告をすることがございます。当委員会の委員でありました故大山郁夫君に対し昨日委員長の名前で香典を送っておきました。右御報告いたします。  本日の議題は当面の文教政策であります。  まず文部大臣から御発言を願いたいと思います。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) 第三次鳩山内閣で考えておりまする文教政策のあらましを申し上げたいと存じます。  これは今回自由民主党が先月の十五日に結成されまして、これは全国の党員代表が集まった党大会でございましたから、そのときに党の一般政策としてきめましたのがこれであります。これを内閣で検討いたしまして、過日の閣議でそのままに新内閣の文教政策といたすようにきめておるのでございます。  その第一の、一番大きなことは、ずっと今の教育制度、これは御承知の通り昭和二十年の十月十日にマッカーサー司令部が幣原内閣に要求いたしたことに始まっております。自来積み重なった文教制度をずっと検討いたしますると、大きなところで不明なところがある。その第一は、憲法の上においては国が教育をする義務と責任がある。すでに責任がある以上は教育がどう行われておるかを監督しなければ責任は負えません。教育がゆがんできておるのに国は黙っておれということだけでは責任が負えませんから、この国の教育に対する責任と監督の関係を有機的にどうしたらいいだろうか、こういう教育の根本の問題がある。また学校制度、わけても大学の制度にどこかに合わぬところがあるじゃないか、数から申しても世界中、日本を除いた全世界の大学と同じ大学の数があるのですね、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ずっと寄せても四百そこそこ、こっちは四百九十持っておる。しかしながらすでにできたものを減すわけにはいきませんが、この内容充実ということを考えなければないかん、大きな問題であります。それは学校の行政、これにあるのです。戦後十年を経たわが国でありまするから、高い見地で、広い視野で一つ日本の教育制度というものを考え直そうということから、文部省ではなく一つ内閣に教育制度審議会とでもいった、これは仮称でありまするけれども、そういうものを作ってみっしり一つ考えようということが第一でございます。これはまだ過日閣議の承諾を得ておりまするがいかなる格好で、たとえば憲法調査会のように法律で構成を作るとか、あるいはまた法制の上でこういうものを作ってよろしいという頭を出してほかは政令でいくか、そこらの点は未定でございます。しかしながらメンバーとしちゃ学界の長老、耆宿はむろんのこと、政界の方々、実業界の方々、各方面の公平な方々に入ってもらうことは予想されております。こういうことがこの内閣の考えておりまするところの一つでございます。  それからして教科書の問題です。これは自由民主党の組成分の一つである元の日本民主党では相当程度調査いたしたのでありまするが、最後に結論が大かた出ておるところで解散合併しました。党においては形式上いまだ教科書の問題について党議はきまっておらんのであります。しかるに幸いに前文部大臣が中央教育審議会に諮問されておりまして、その諮問に対する答申が一昨五日の午後にでき上りました。一部新聞にも報道されておりまするが、どうか御委員会で御審議の対象の一つとしてお使い下さるようにただいま配付いたしました。この案については私も敬意を表し、重要な参考資料といたそうと思っております。むろんさっき申し上げました通り政党内閣制度でありまするから党にもこれを報告いたしまして検討願って党の案としていずれこれと同様、または幾分修正したものが出てくると思います。それを見た上で成案を得て御委員会に御報告申し上げまするが、中途の過程ではございまするけれども、どうぞごらんおきを願います。  世間で問題となりました国定か、検定かということについては、やはり検定をとっております。しこうして検定をもう少し公明にしょう。あらかじめ世間に公示された調査員に調査させる。それから調査の結果審議会できめまするが、審議会は責任のとれるようなふうに審議してもらおう。できた教科書は一ぺん作ったからといって、日進月歩の今日、いつまでもこれを使うことはよろしくないから検定に期限をつけよう、こういうふうなことを書いております。それからして、採択については、採択区域をきめよう。私どもの、もと属しておった党派では同じ考えを持っておりまするが、採択区域を広くやった方が父兄の都合がいいというので、たしか県と書いてありまするが、これは郡、市の単位にしよう、こういうことを書いておるのであります。それからして、採択のことは、その基準内の採択委員会でやろう、それは校長、教員及び教育委員会の委員及び学識経験者、こういうふうに書いております。今までのような一校別々ということは行き過ぎだという意見でありまするが、皆さんの御意見をお聞かせ願いたいのであります。発行のこともここに第三点としております。価格の安くなるようなふうの工夫をしよう。認可基準を引き下げよう。まず大体こういうことでありまして、どうか十分なる御検討を願いたく存じます。  この教科書問題に引き続いてでありまするが、わが国は敗戦後でありまして、子供に教科書を買って与えることのできぬ人がある。それでも今まで生活保護法の適用を受けるのは、こちらが心配するまでもなく、生活保護法でいきまするが、純粋に生活保護でないもので、やはり教科書が手に入らぬのがあるのであります。小学校は言うに及ばず、中学でもあるのであります。そこで文部省では、これを準要保護児童といっております。下調べしたところが四%くらいあるそうです。七十三万人くらいあるそうです。これには中学校に至るまで、一つ教科書だけは無償でいこうかという考えをもって大蔵省にその請求をしております。種類はちょっと違いまするが、今の給食ですね。これが教科書よりもなお人道的でありまして、給食の金をもってこぬから、ほかの子供が食べるのに食べずにおるというのじゃあまりにもよくありませんから、四十三万人程度には一つ給食費を補助しよう、こいつには三億四、五千万の金が要ります。けれども、こういう考えも持っております。  それからして皆さんの御尽力でわが国育英事業というものが毎年の予算にありまして、優秀な学徒でしかし経済上の理由で勉学ができぬものがあるので、この育英事業を拡張いたしまして、採用の数もふやし貸す金も高めるという考えを持っておるのであります。単価の増をいたしたいと思っております。  それから特殊学校ですね。すなわち盲学校、ろう学校それからして特殊教育精神薄弱の人、養護学校、そういう施設なり教育内容なり教員の養成について力をいたそうと思っております。それからまた僻地教育、これも参議院の皆様の従前熱心に御勧奨下さったところであります。この僻地教育の振興についてもさらに拡大して行きたい。  それからして学生寮です。私ども東京におりましても地方の父兄が言ってくることは、入学したけれども宿舎がないということなのです。東京は皆焼けたのですから、それは無理ありません。たまたまあると六畳の間一ヵ月五千円取られる。そこでまあ私の家へでも置いてくれといわんばかりにたくさん言ってこられますけれども、とてもわれわれだってそうたくさんの人を相手にできるものじゃない。そこで前担当者の時分から府県別に法人にしまして学生寮をやる計画があるのであります。来年度は三千人ぐらい一つやってみよう、こういうことでございます。  以上申し上げました教科書の無料配布、準要保護児童の給食、育英事業、特殊教育、僻地教育の振興、学生寮といったようなことは、これをつづめて教育の機会均等を得せしめるという意味で内閣は取り上げておるのでございます。  それからわれわれの党も内閣も日本の将来は科学の振興にあるということを考えておりまして、その適用としてまず学校教育に理科系統を強化し、それから各種の科学研究には、今日でありますから金はないのでありますけれども、十分なる施設をいたしたい、こういうことであります。その考えの適用の一つとして、今まで私立大学は人文系の方が多いのですね。法律とか商業とかいうのでありますが、私立大学で理科系の研究をしておるところにはやはり適切なる補助、援助をいたしたい、これは中教審からも同様の答申があるのでございまするが、これを今年は実地に一つ行なってみたい。すでに国会においても問題になっておりまする原子力であります。これも初めの頃は私は原子力というのはいかにも恐るべき兵器に使われるものだ、これを研究しかけるということは恐ろしい道を歩むというので一部国会内にも反対の空気もあった時代もありまするが、昨年八月の原子力平和利用の会合が開けて以来国内の世論も一変いたしまして、原子力研究に遅れたならば一等国たる資格がないとまで極言されておりまするが、これもやはりわが国においても始めるべきだというので、田無に原子核研究所がありまするが、そのほかに京都大学及び東京工業大学で原子炉の研究を始めていただくことに考えております。  それから航空学であります。航空の物理、応用、それについてやはり今大学の学部は、さき申したような理由でなるべく押えておるのでありまするが、航空だけは一つ航空学科を復活すべきだろう、こういう考えを持っております。  医術に関係する方ではガンの研究、それからビールスの研究、放射線の基礎医学、こういうことの研究を助成いたしたいと考えております。  なおこのカテゴリーに入るものは、御承知の地球電磁気の研究をやってもらっておりまするし、さらに世界各国の研究所と歩調を合せていかなければならぬのはあの南極地域の観測でございます。これにも文部省では力を入れて、他の国と、一たん敗戦しましても、学問の水準においては肩を並べていくために南地域探険のためには相当の金額、四億近くの金を使わなければならぬと思っております。  以上は私立大学の理科学研究の振興なりあるいは原子力究研なり、原子炉の研究なり、航空の研究なり、ないしは地球電磁気の研究等は、これをわれわれは科学振興のための文教施設、こういうふうに一括した考えでございます。  なおわれわれは社会教育に力を入れたいと思っております。青年の指導とか、青年学級、また御婦人の方の婦人学級、大会といったような方面にも力を入れたい。  それから前年には新生活運動の貧相は文部省でおあずかりしておったのでありますが、来年度は内閣の予算のうちに計上することになっておりまするけれども、これも国のためにすべき重要なことでありまするから、直接間接、あるいは精神的に実際的に、新生活運動がますます発展し、国民に浸透するようにいたしたいと考えておるのであります。  それから参議院の後藤文夫さんあたりが非常に熱心にやられました開拓青年隊、あれは大へんいいということで成績もようございますが、これは建設省の方にやってもらうことにいたしております。しかしながら青年指導という面においては、文部省においても非常な関心をもっておりまするし、できるだけの推進をいたしたいと思うのであります。  以上は社会教育を振興するというカテゴリーのうちでやっておるのでございます。  それから国民劇場の運営とかあるいは国立劇場の設置も各方面の御意見によって着手いたしたいと思っております。リクリエーション大会、芸術祭、それから問題は違いまするが、わが国の文化の保存であります。これらの点についても十分なる注意をいたしたい。  なお非常にむずかしいことで、こちらの方の力でいけるかどうかしりませんが、党でやれとおっしゃるのは、覚醒剤を使用する青年を一つ厚生省なり法務省と協力の上絶滅したいと思っております。また不良出版物、これも法規上非常にむずかしいことでありまするが、不良出版物の抑制もいたしたい、まあかようなことをおもなる項目として逐次やっていきたいと思っています。  なおこのほかに、緊急の施策といたしまして別にぬき上げたものがございます。以上の一般政策のうちに含んじゃおるのでありまするけれども、特に緊急の政策として教育委員会のことを研究せよ党の緊急政策では教育委員会の改廃という文字を使っております。いかに改廃するかは今熱心に研究中でございます。それから教科書制度を改善する、これは今申し上げた通りで、緊急政策でありまするから、緊急にきめていきたいと思っております。それから教育者の政治的中立であります。  これについては、ちょっと一言お断りいたしますが、きのう衆議院で、教育者の政治的中立を厳守すると、そうすると文部大臣は教育二法案を改廃して取締りを厳にするかというお問があったのであります。それに対して私は、それは法律の改廃はまだ案がきまっておらぬけれども、政治的中立ということは、法律で処分するとか、行政で取締るとかいったようなことのほかに、それへいくまでにひざを突き合せて勧説勧奨をしなくちゃならぬのじゃないかというのです。それをある新聞では、勧説を直接間接の間接と書いて、勧奨をインタフィアレンスという意味の干渉と書いておるのです。あれは私の言ったのは、勧説は勧める、勧業銀行の勧と、演説の説と、それから勧奨は、その勧で、奨は大将の将の下に大を書いた私の方はパースウェィションの勧説で、勧奨はエンカレッジメント、そのつもりで言ったのを新聞が違っておるのでございます。けさ速記録を見ましたら、速記録はやはり私の文字を使っております。あなた方に誤解をお招きしゃせんかと思って、きょうは旨い直してどう言ったらいいか、ひざ詰め話し合いとでも言えばよかったのですが、少し古い字を使い過ぎて、はからざる誤解を招いて相済みませんでした。やはり過失は私の方にあるのです。  以上でございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 今大臣から一応の所信表明があったのですが、これに対して各委員から質疑もございましょうが、その前に最近ずっと問題になっております期末手当の問題について本日閣議が開かれ、政府として一応の結論が出たやに承わっておるわけでございますが、これはまあ緊急案件でございまして、今大臣の説明に引き続いて期末手当の問題について報告願いたいと思います。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) 御もっともです。今から三十分ほど前に急いで取りきめました。これはこういうことにいたしております。  一つは、人事院の勧告通り〇・二五ヵ月分は国家公務員についてはこれを増額するということであります。もとと加えれば一・五〇になりますね。これをこの夏や、あるいは昨年と違って、法律を修正してそれを明白にするということでございます。教職員の多く従事されておる公立学校は法規によってこれに準ずるということでありますから、これに準ぜられるのが原則であります。その次は、その金額は補正予算は出さないのです。法律で出すことにきめておりまするが、この〇・二五の財源は既定の人件費の節約によって捻出することといたします。必要な場合には旅費も庁費も節約するようにいたします。けれども大きなものになるというとそれだけではいきません、というのは、もしそういう場合には既定経費の流用を行います。すなわち一月以後の年度に地方へ回す四半期分の支払い計画の一部を繰り上げて使う、一般のところでは人件費と旅費というものでまかないますが、大きなアイテムは繰り上げを許すということが一つであります。前に申しました通り、地方公務員については国家公務員と同じ率でありまするが、義務教育のものはその通りおそらく十二億、半額負担で、これは財源措置をするのです。この国会で補正予算は出しませんが、次の四半期のやつを使うて、次の四半期分に、通常国会の何日ごろか、終りに補正予算をつけることに考えております。しかしそれでも不安なのは、高等学校は義務教育でありませんから、半額国庫負担でございませんから、地方の公共団体でない高等学校の職員の方々、中学校、小学校の職員の方々も半額は政府からくるけれども、あとの半額は地方に依存せざるを得ない、これが相当な額なんです。十七億日本全国であると思います。これは、簡単に言えば黒字の府県は出すことにしてもらいます。しかしどうしても資金繰り上できん地方団体は短期融資を願うならばしょう、こういうことになっておるのでございます。以上が今期の期末手当の仕組でございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 議事進行について、これは委員長からお諮り願いたいと思うのですが、質疑の順序ですが、まあ清瀬文政の一端の開陳があったのですが、これと期末手当の問題とどちらを先に質疑をするか、私の私見では期末手当の問題について先に質疑をして、そのあとで先ほど大臣の説明になったことの質疑をやるようにしてはいかがかと思うんですが、一応お諮り願いたいと思います。

飯島連次郎緑風会

○委員長(飯島連次郎君) ただいま矢嶋議員からお諮りのありました大臣に対する質疑の順序でありますが、大臣の御希望は……。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) どちらでも私は。

飯島連次郎緑風会

○委員長(飯島連次郎君) 今日はこのあと特別に制約もなさそうでありますから、大体矢嶋君の御希望によって期末手当のほうを先に御質疑していただいたらいかがかと思います。御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) 委員長ちょっと申します。衆議院の予算委員会が今開らけておるのです。私に対する質疑はなさそうですからここへ来ておりますが、あれがすんだとたんに閣議があることになっております。ですからそれがいつ頃になるか知れませんけれども、それだけどうぞ御了承おきを願いたいと思います。今日のはちょっと重要な閣議でございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 では私伺いますが、大臣今度政府から国会に出された補正第二号の中の既定経費の節約という百六十億、この内容について文部大臣は公立小中学校の建物整備費等の既決予算の削減を了承したと私は承わっておるのでございますが、それが事実でございましょうかどうか、それを私は伺いたいと思います。  その答弁のある前に、もうちょっと附加いたしますが、この百六十億の財源捻出に当っては、与党の自由民主党の代議士会でも非常に議論となって、結局例年の通りに普通の事業をやって、そして繰越金が自然に出たそのものを充てるのであって、十分公共事業をやれるものを前もってそれを差し止めて、それにより浮かした金を百六十億の財源とはしないのだと、こういう了承の下に与党の議員総会は終ったやにわれわれは了承しておるわけでございますが、もしそうだとすれば伝えられるこの既決予算から五十六億中一割の五億余の施設予算を削減するということは、私は教育に及ぼす影響も大きいし、さらに年度の後半期にはいった現在地方自治体に及ぼす影響というものは非常に私は大きいと思うのですが、大臣はいかように考えておられるのか、お答えを願いたいと思います。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) いま矢嶋さんのおっしゃった後段のほうはその通りですが前段は少し違っておるのです。あの学校建設の費用を打切ったということじゃないのです。これは党の会合で問題になる以前から、初めから閣議で打切ることはしない、ただ今年は御承知の年度の初めが七月で遅うございましたから、折角計上しておっても年度末までに工事がそこまで進まぬものがあるだろうということで、建設省においてはそれが非常にたくさんある。農林省においてもありまして、文部省においてもその一部分を見積ったのでございます。打ち切りはしません。それゆえに初めからしてどの財源と、はっきりの指定はしないで、大体あのへんでめどを置きまして、その一割くらいという腰だめでありまするが、文部省のやっておりまする各種の事業で不用になりそうなものについて五億四千八百万円を先に使って、同じく日本国内で非常に緊要な赤字は補填する、しかしながら次の補正予算が通常予算にはこの融通のものは優先的に計上するということになっておって、地方の方の嘱望されておりまする公立学校の建設等の進行には絶対に差し障りのないようにいたしたい、こういうことで大蔵大臣その他閣僚も了承いたしております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それでは重ねて伺いますが、各自治体は建設計画というものをちゃんともう立てているわけですね。そうして各都道府県教育委員会の所管公務員は文部省の所管局並びに課と十分連絡をとって計画を進めているわけですね。従って打ち切らないという原則に立てば、これが予定されている事業というのは繰り延べということは考えられないわけです。ですから一日も早く既定経費を配分するところの事務を完了すれば、予定されておるところの建築計画というものはスムーズにいくわけです。従って所管局長としては昭和三十年度の既決予算を計画通りに配分計画を立てて進んでいってよろしいと、こういうことだと大臣の説明ではとれるわけですが、よろしゅうございますね。大臣に聞いているのですから、大臣お答えになって下さい。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) そのことは所管の局長から事実について、私の答えたのはあの通りで、余りそうなものを使うので、それで建設の実行には事実上は妨げがないようにしたい、こういうことなんですが、そのやりくりをどうすとかは一つ局長から願いたいと思います。

小林行雄文部省管理局長

○説明員(小林行雄君) 公共事業費の系統に属する公立文教施設費でございますが、最近数年の実施の状況を見ますと、それぞれ年度末にかなりの繰越額を実は生じておるのでございます。今回の地方財政対策として文部省に公立文教施設費から捻出するものとして割り当てられましたものが、五億四千八百万でございますが、ここ数年の繰越額はこれを上回るような実際の実情でございますので、これが大臣の御発言の通りに打ち切られたのではない、繰り延べられるということでありますれば、後年度においてこれは優先的に付けられるということでございますので、そう非常に大きな混乱を生じ、深刻な影響を生ずるというようなことは実はなかろうと思っております。これの仕事の運び方につきましては、各府県におかれましてそれぞれ建設計画はただいま矢嶋委員のおっしゃったように持っておられますが、実際の進捗の状況は各府県それぞれまちまちでございます。府県の中でも市町村によって具体的な事情が違いますのでまちまちでございますので、その中でたとえば本年度内には着手もされないようなもの、あるいは全然まだ着手していないようなもの、あるいは土地その他の問題があってなかなか本ぎまりにならないようなもの、そういうふうなものもだんだんあるのでございますので、そういったものから繰り延べるようにしたい、各府県とは心を合せて話し合いの上でその額をきめて参りたい。でありますから実際本年度の事業実施については繰り延べられても支障のないものを繰り延べていくというようにしたいと考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 では局長に伺いますが、事務当局としては大蔵の事務当局から一割程度の節約をしてほしいというような通達と申しますか、連絡と申しますか、そういうものは受けていませんですか。

小林行雄文部省管理局長

○説明員(小林行雄君) この八十八億の公共事業系統費の節約繰り延べの中に公立文教施設費が入るということを聞きまして、実は本年度の公立文教施設についてはさらにこれが補正をしてもらいたいというような要望も実はございますので、できるだけ削減の額を減らしてもらいたい、できればまあ取り除いてもらいたいというような交渉はいたしたのでありますが、そういった意味から私ども直接の主管者としては今日削減されるということはまことに残念なことでございますが、しかし大臣から御発言もございましたように、この地方の赤字補填対策、と申しますのは当面の最も緊急な政策でございまして、現在最優先的に考慮されるべきものになっているということから、そういう政府の最高方針がきまりました以上これに協力していかなければならないと、こういうふうに考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 まあ三百人になんなんとする議席を持った大与党になっているわけだから、国家公務員のあなたが忠誠を誓う気持はわかりますが、ちょっと局長の言葉はおかしいと思うのです。あなたは、打切らないのだから例年の通り自然と出てきて生じたところの繰り越しになる事業のそれに伴う剰余の予算を回すだけであって、何ら地方自治体が計画している建設計画には影響ないという御発言ですけれども、現にあなた、政府側からは方針として約一割を額減する、節約するようにという連絡を受けているわけでしょう。それに基いてあなたは事務当局として仕事をなさっているわけですね。従ってあなた方の窓口では既決予算の節約をするということになったから、だから予算の補助金の配分が十分にできないということはあなた方の窓口から出てくるわけですね、言葉として。これは非常に矛盾するじゃございませんか。

小林行雄文部省管理局長

○説明員(小林行雄君) 先ほど申しましたこの五億四千八百万のこの数字の中で、大体大蔵省に保留されておりましたものが一億八千万程度ございます。それを差し引きますと大体三億六千万程度ぐらいをすでに府県に補助通知をいたしましたもののうちから削減するということになるわけでありますが、これは先ほど申した通り従来の繰越額の数字から申すとそれほど……、これに比較いたしますれば、これを上回るような数字が年々繰り越されているわけであります。その繰り越しされるものの中にはいろいろまた事情がございますが、なかには全然工事に着手していないようなものもあるわけであります。でありますから、すでに工事を始めておりまして三月までにはこれは明瞭に完了すると、工事完了するというようなものまでも無理やりに打ち切るというようなことは考えておりませんので、まだ工事に着手していないようなもの、それからいろいろな、たとえば市町村の予算の関係から本年度はむずかしいというような事情のものもあるようでございますので、そういったものを主にいたしましてこの三億六千万を生み出したい、こういうふうに考えております。従って、もちろんこれは先ほど申しましたように公立文教施設というものの性質から申しまして、これは削減されない方がいいにきまっておりますけれども、今回の、ことの性質上からこの程度はやむを得なかろうというふうに考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 町長の説明はわかりました。大臣お聞きの通りです。これは結局、現に大蔵省で一億八千万押えておって、さらに既決予算の配分の中から三億六千万節約しろということを連絡しているわけですから、都府道県は、だからそれだけ計画している建設計画というものは事業量が減るわけです。計画していて、今から始めようというものをストップしなければならなくなってくるんです。これはさなきだに施設の問題が重大な今日、まことに私は遺憾なことであり、また与党の代議士会等の意向と私は逆行するものであると思うのですね。なぜ私はこれを伺っているかというと、あとの期末手当の問題についても、果して今の地方財政下において、国家公務員と同様に支給されるかされぬかという問題もありまするし、この地方財政の問題とこれは直接関係があるから伺っているわけですが、ここでさっきの大臣の御意見から言えば、こういうふうに私は確認されるべきだと思うんですね。既決予算を一律に一割なら一割というものを次回の国会において補正予算を組むときの財源とするためにはじき出せというような、そういう指示を事務当局にすることなく、また文部省の事務当局も、都道府県教育委員会に、一割程度の節約というようなことを指示することなく、そういうことは何も話しのなかったこととして現在の建設計画を進めていく、そして自然の姿でいろいろの事情の結果として、実際事業が行われなくて、そこに繰越金ができてきた場合に、それを次期国会の補正予算の財源とする、こういうような認識のもとに仕事を取りはこんでいただかなければ、既決予算の中から一割ははじき出すんだぞという、こういう大前提のもとに仕事を進めていったのでは、私は非常に違ってくると思うんです。果してそういうような考え方で農林省、建設省がやるかということは問題だと思うんですよ。農林省、建設省所管関係では仕事をやっていって、そうして一律にはやらないで、実際に剰余を生じた面だけを財源に充てる。ところが文部省の方は正直に、わずか五十大徳程度の予算の中から、五億有余を節約の名において事業を縮小するということは、これは非常に遺憾なことで、この点私は文部大臣の責任でもあると思うんですが、さっきの私の見解はいかがでございますか。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) 矢嶋さんのお説は、文部省を鞭撻して、がんばれとおっしゃってくださるので、大臣としては非常に感謝しております。ただ、しかしながら、公立学校の施設の復旧には少しも差しさわりなくする。私は現実知りませんが、前に予算ができた後に、大蔵省が一般の方に、予算の使途については十分に注意せい、節約できるものはしろといったような通知を回したということを、まあほのかに当時聞いておるんです。それと今度の流用とは別ごとなんです。今度数日前に赤字解消のために、年度内には使うことのできぬ、また使うことのできなさそうなものを流用せいといった後においては、前のように打ち切ってしまえという通知を私はしなかっただろうと思うんです。文部省の施設復旧に妨げになるというのであったならば、私は極力その防止に努めまするが、この程度では、公立学校の文教施設復旧に、ほっといても年度末に向うに行くものが従前あったんです。その限度内において日本の地方財政を、日本の地方財政はほっとけば崩壊しますから、同じ日本人のすることでありますから、その余裕のあるものを地方財政のために流用するということはよかろうという判断で同意いたしておるのでございます。(「わからん、了承できぬ」と呼ぶ者あり)

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 今の問題に関連いたしまして、文教関係費既定予算の中で、公立学校の施設費の分については、ただいまの質疑応答で明らかになりましたが、その他人件費を節約するとか、あるいは旅費を節約する、あるいは予算の流用をする、そういうことによって〇・二五の金を生み出したい、こういうことですが、これの概略説明の資料もいただいておりませんので、大体お話し願いたいと思います。それから追加しますが、地方公務員である教員に対しても、地方官庁に対してそういう国でとるような方法を指示しておるのかどうか、そういう点です。

天城勲文部大臣官房会計課長

○説明員(天城勲君) 先ほど決定になりました年末手当に対する閣議決定、これには既定人件費の節約その他必要な節約によって捻出する。必要な場合には、さらに旅費、庁費の節約を行うものとする、こういうことになっておりますけれども、いかなる経費をどう削るかは各省の事情で違いますので、私たちも目下これをいかなる形ではじき出すか、計算いたしておりますので、何がどれだけ出るかということをここでまだはっきり申し上げる段階にございません。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 いつできる。

天城勲文部大臣官房会計課長

○説明員(天城勲君) 事務的には今本省の方で進めておりますけれども、流用ないしは移用という問題も含んでおりますので、事務的に大蔵省とも連絡いたしませんと最終的にはきまりませんと思います。

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 そうすると閣議決定は、どの程度の節約ができるかという数字というものが明らかにならないで、総額だけを決定した、こういうことになると思うんですがね。ただいまの御説明であると、各項目についてどの程度節約できるかわからぬ、これから研究するんだ、こういうお話しです。そうすると、閣議決定は数字の裏づけのない決定になる、こういうことになると思うんですがね。大臣いかがですか。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) まあ極端に言えばそうでございまするけれども、大体の荒筋はわかっておるんです。文部省自身の職員、それから公立学校の職員、そういうものは出そうなんです。大体これをきめるまで、私が内部的に会計課長等に聞いたこともございます。それから義務教育の分は、これは十二億も要って、どっかり文部省からこれはできない、それは四半期のものを持ってくるより仕方がないんです。まあ正直に言えば腰だめでありまするけれども、全く見当なしにやったことじゃございません。

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 それでは大体の数字の検討もされておるようでありますから、大体でいいですから御説明を願って、それから地方官庁に対してはどういう指示をしておるか、その点先ほどの説明にはございませんでしたから、あわせてお願いしたいと思います。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) 今会計課長に報告してもらいまするが、これも大体のことと思って下さい。急いで二、三分間に、閣議決定に必要な腰だめの数字ですから。

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 大体でけっこうです。

天城勲文部大臣官房会計課長

○説明員(天城勲君) 大体文部本省と国立学校関係、要するに国家公務員関係の〇・三五の財源三億二千八百万円ぐらいだと概算いたしております。それから義務教育国庫負担で半額国庫負担になっております額が大体十二億でございます。この二つの財源について大体の見当はつけておりますけれども、各費目についての詳細はなお検討中でございます。

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 大体の中味ですね、大体の数字でいいですから、今文部大臣に……。

天城勲文部大臣官房会計課長

○説明員(天城勲君) これは実は二、三試案を立てておりますので、最終的にどれが出るか私まだ申しかねますけれども、大体給与関係の欠員と待って参ります不用額その他なるたけ将来の第四・四半期がまだ残っておりますから、事業に差しさわるような金を避けまして、こまかい項目を拾って私ども計算しておるわけでございますけれども、大体人件費関係の欠員の不用額を中心になされるのじゃないかと思っております。

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 重ねて質問しませんが、先ほど地方に対してどういうふうな指示をしているかということに……。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○政府委員(緒方信一君) 地方に対しての指示で、ございますが、これは先ほど閣議決定になったばかりでございますし、また文部省としては何も指示いたしておりません。ただこのことは血管といたしましては地方自治庁の主管であろうと考えております。自治庁とよく相談をいたしたいと考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 ただいまの問題に関連して、大臣は国家公務員と地方公務員の差等はつけないようにいたしたい、またはそういうふうにするという御意向を表明されておりましたが、次の四半期を繰り上げて義務教育関係の十二億をはじき出すにしましても、あとの十三億という問題があるわけですが、大臣はこういう閣議決定の線で地方公務員である義務教育学校教職員並びに高等学校関係の教職員に一・五〇が支給できると、こういう見通しのもとに閣議では臨まれたのでありますかどうですか。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) この地方公務員、それからまあ差しあたりは地方教育公務員ですが、これが国立学校教職員の待遇を基準として同様の待遇を受けるということですね、法規にある、同様の待遇を受ける、その待遇をする義務者はだれだということになるんです。そうすると学校を設立した公共団体、それが義務者なんですね。ですから国家公務員に関しては政府の方で直接その義務の履行として国立学校の教師、それはもう義務でやらなきゃなりませんが、それからして教員給の半額はこれも義務になります。ただあとの教員給の半額と、義務教育の教員給の半額と義務教育でない人の年末手当ということについては当面の責任者は地方公共団体でございます。地方公共団体の財政の窮乏しておることは今日公知の事実で、前段御質問があったように国から無理をして補正してやらなきゃならぬような状態が起きておるのであります。それゆえに地方公共団体においても国と同じように、あるいは流用あるいは節約をしろということは所管の自治庁から通達されることと思います。しかしながらこの通達がありましても、ない袖は振れないから、けだし地方の公務員だろうと思うのです。そこで最後にどうしてもいかぬ場合には申し出れば短期の融資は与えるということの言質を得ているわけなんです。それ以上は法制上もまた経済の現状よりしても文部省としては何ともいたし方がないといったことを御了承願いたい。しかしながら通達とかさっき言った勧奨といいますか、ことは人間界の、ひとり公務員でなくても不平等ということは民主政治の根幹にも関することでありますから、同様の待遇をお受け下さるように十分努めたいと存じております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 私さっき伺った点は、地方自治体の行財政の立場からも、このたびの百六十億円の財政措置というものが私は決して今の地方財政を救うのに適当な措置と考えていないのです。それ自体に私は問題があると思うのです。それにもってきて大臣は国家公務員、地方公務員を平等に扱いたい、さように努力したいと言われておりながら、こういうことで閣議をとりまとめられた点については、私は納得しかねるものがあるのですが、何ですか、さらに突っ込んで伺いますが、この短期融資というのは、利子補給をするとか、さらに元金はそのうちに国庫の方で肩がわりするとか、そういう点で閣議では話し合いがついているのですか、何ですか。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) その話し合いはついておりません。今からどういう処理をされるかは別として、今までの瞬間ならば、それはついてはおらぬと答えるよりしようがありません。しかしながら地方財政の窮乏を一括して解消するために、本年度分ではありませんが、予算全体として、地方財政の改革、行政の組織も含めて改革するということは一つの内閣の目標でありますから、その際今回のものも含まって解決されることは私は希望しておりますが、今の瞬間、この瞬間においては、閣議でそれをきめておるのではございません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 政府としては、人事院勧告を尊重して、すなわち〇・二五をプラスして支給する、これは政府の方針ですね、そうすると地方公務員の場合は、国家公務員に準ずるということが閣議決定なんですね、従って文部大臣としては、地方自治体を直接所管している自治庁の長官と連名のもとに、政府としては人事院勧告を尊重して〇・二五をプラスして期末手当を出す態度を決定したのであるから、地方公務員においても一・五〇が支給されてしかるべきだ、そういうふうにすべきだという意味の政府の態度を表明した文書を私は直接所管の自治庁長官と、それから実際受益者であるところの教職員に関係がある文部大臣と連名で私はそういう文書を出さるべきだ、そうして地方自治体が努力されて出したのちに起きるところの事態については今後の地方行財政の再検計と、それから残る四半期における次の国会における補正等の問題によって処理されると、こういうふうに私はこの際は乗り切られるべきじゃないかと、かように考えますが、大臣の御所見、いかがでございましょうか。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) お言葉の前段の地方公務員なり、公立学校の教職員を国立学校の教職員に準ずるというのは閣議決定じゃない。これは法律なんです。法律の結果、準じた待遇を地方庁で、府県でしなきゃならぬということになっておるのです。ですから、彼らが府県でそれをやらなきゃならぬことは、実は一つの義務なんです。しかしながら今日過渡時代の日本で法律の通り歯車が動いておりませんから、お説のように、地方自治庁と連名してか、または各別にか、何か国が行われるような通知なり措置はしたいとは考えております。この点において矢嶋さんのお考えの根本と私どもと違ったことはございませんから、善処はいたします。

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 私も今の問題に関連してお尋ねをいたしますが、国家公務員と地方公務員との公平なる取扱いの問題です。これは先ほども大臣がお話しになったように、公平な取扱いをしたい。われわれもそうあるべきであるというふうに考えておるわけなんです。ところが、これが財源の問題で伺っておりますと、短期融資によってその財源を生み出す、こういうお話しです。義務教育については半額負担であるから、半額分だけの短期融資を考慮する。その他の地方公務員については全額短期融資について汚職する。しかもこれは申し入れのあった地方公共団体に限ると、こういうお話しであります。これは従来もこういう措置がしばしばとられましたけれども、その結果、公平に実施されたかどうかということを考えて見ますと、必ずしも公平には実施されておらないというのが今日までの大体の実情であったわけです。これは大臣もよく御承知のことであると、私は考えておるわけなんです。従って大臣のおっしゃるように、公平な取扱いをしたいということが短期融資という財源では実際上困難であるということです。私はそういうように判断するわけなんです。そこで先ほど大臣もお話しになったように、通常国会では補正予算をしてこの年末に使った金についても考慮して予算を立てるんだと、こういう説明がありました。そうすると補正予算を組む際に、この年末手当の増額分に使った金は当然その中で見らるべき性質のものだと、こう思うのですが、少くともその措置をしない限り、私は公平な結果というものは生まれてこないと思いますがね。そこで通常国会で補正予算を出される際、この年末手当の分については考慮するという考えを持っておられるのかどうか。伺っておきたいと思います。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) お問いのうちで補正予算とおっしゃるが、補正予算か、あるいは他の方法かは閣議決定では明確にしておりません。財源措置を講ずる。しかも財源措置を講ずるには、一般の経費については講じないのです。ただ義務教育費国庫負担を繰りかえた分だけは財源措置を講ずるので、ほかの一般の国家公務員、また地方には地方公務員の年末手当のために流用したものは、それは財源措置は講じないのであります。義務教育費を振りかえた分だけは財源措置を講ずると、こういうことになっているんです。  それから従前私もちょうど政務調査会長をやっておりまして、この夏、去年の冬のごとくそれに巻きこまれて実に苦労して、二日も三日も寝ずにやりましたが、あのときとはだいぶこれは進歩しているんですよ。ともかくも、法規で〇・三五を加えて出すことをきめまして、それから一番主な義務教育の分は、ともかくも、いま出しておいて、あとで財源措置をするということまで進歩はいたしております。しかしながら何を申しても国家財政、わけても地方財政が苦しい今日ですから、どうか皆様においてもある程度御了承を願いたいと、私は切に希望いたしております。

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 私の伺っているのは、国家公務員と、地方公務員とが平等な扱いを受けるということを伺っているのです。成るほどおっしゃったように法改正を行なって、期末手当の増額を図る、これは相当な前進であると思います。これは私は非常によいことだと思うのです。けれども、財源の問題ですね、国家公務員に対しては財源の措置は行なわれるようであります。しかし地方公務員に対しては赤字に苦しんでいる地方公共団体には財源というものがないと思うんです。ですからこの点はやはり財源を見てやらなければならぬ、こういうことを言っているわけです。苦しいから地方公務員の分は財源を見られないのだと、こういうことでは話しが通らないと思うんです。公平な取り扱いを受けることができないと思う。少くとも地方公共団体には教職員が相当おるわけですから、文教の責任者としての文部大臣が、この点について、もう少しはっきりとした考えを私は持ってもらいたいと思う。そういう意味で、やはり公平に実施されるように、今の計画では困難だから、もう少し考えてもらいたい、こういうことなんです。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) さっきも申しました通り、財源措置をするのは義務教育費負担の部分だけであって、国家公務員の分の財源措置はないんですよ。平等だからというわけじゃありませんけれども、地方公務員もその点は同じことで、ただこの義務教育負担だけが財源措置をすると、こういうことなんです。それからして、平等にするというのは、閣議で平等にすると言ったのじゃない。法律が平等にせいということになっているんです。そうすると、いうと、地方、すなわち都道府県において平等にする責務を持っているのですからして、政府の方で都道府県に平等にして上げてくれという、間接お勧めをすることは合法でありまするけれども、今国会であなた方の前に、国の責任として平等な措置を与えろということは、これは言えないんです。言える最大は、国の力でできなんだから金を貸してあげるから、それで成るべく平等にしてあげなさいということが、われわれなり、国会議員の諸君の言えることなんです。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 ちょっと待った。文部大臣、あなたは法律学者だもんだから、それが却って災いしていると思うんです。それは法律的に言えばその通りです。ところが現実に大臣御承知の通りに、国への依存度というものは非常に強いわけですね。非常に強いわけなんです。法律の通りに給与支給責任者が、文部大臣とは無関係で、自治体の長だと、だから一長が云々というのでは、現実の問題を処理できぬわけですよ。現在昇給昇格それ自体すら行われていないというのが実情ですね。これは昇給昇格が適時的確に行われない状態で、私は勤労者、具体的に学校教育に携わっておる先生方の士気が上るだろうかと非常に心配に思うのですが、それ自体行われないのが実情です。そこで臨時国会の召集すら地方自治体は要求して、そして開かれたのがこの国会なのですね。従ってそれほど依存度が強いわけなのですから、だから国家公務員と地方公務員と差別をつけずに支給されるように法律がなっている、そうあるべきだとなれば、短期融資をするに当っても、利子補給をするとか、いずれ年度末においては元金も肩代りして国家で持つのだというような、そういう申し合せ、含みというものがなければ、あまりに地方公務員をそでにした冷たいやり方じゃないですか、しかもその大部分というものは文教という関係からあなたと不可分の関係にある教職員関係者だということになれば、私は大臣としてはもう少し御努力なさってしかるべき余地があるのじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) 私が法律を知っておるからといって非難を受けましたが、法治国家ですからして法律を無視して金をつかんで出すなんということはいかがなものか。けれども、できるだけのことはこれは矢嶋さんしますよ。だけれども今の制度で地方公務員に、また地方の教職員に、直接国でもって年末手当をやろうなんと言ったんじゃ人が承知するものじゃありませんし、それから今から短期融資をするということは、元本を補給するということは、国から与えることですね。そんなことを初めから言えるものじゃありませんが、しかしながら赤字解消ということも二つのことで、これがきっと赤字になるのですから、何かの処遇は自然あとで起ることでありましょうけれども、今初めから金を借りにこい。元金は国家が出してやろうなんということを言ったら、あなたのほうはいいとおっしゃるけれども、一般の国民は政府に対する非難ごうごうですよそれは。ここのところはこのくらいのところでなければ妥当な行政といえんじゃありませんか。

飯島連次郎緑風会

○委員長(飯島連次郎君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

飯島連次郎緑風会

○委員長(飯島連次郎君) 速記をつけて。

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 十二億の問題についてお尋ねいたしますが、これは〇・二五の増額に伴う義務教育関係の教職員に支払う年末手当の半額に相当するわけです。この金は地方公共団体が年末手当を増額しない場合においても政府はこの金を地方に配分する、こういうふうに了承して間違いございませんか。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) 十二億という数字は、義務教育として従事されておる教職員の俸給へ〇・三五の手当をするということではじき出した数字でございまするからして、私はさように配付されるものと心得ております。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 ちょっと数字の点でお尋ねしたいのですが、今大臣が発言になりましたように、〇・三五は地方公共団体に、もう初めから計算に入れているのだと、こういう御答弁でございましたが、文部省では、この期末一・五〇の計算は文部省所管で総額幾らになりますでしょうか。文部省関係全部入れて、国家公務員も――。

天城勲文部大臣官房会計課長

○説明員(天城勲君) 国家公務員としての文部本省及び国立学校分として約三億三千八百万、それから義務教育の半額国庫負担分として十二億でございます。そのほか、地方の高等学校分、非義務の教職員分と、それから小中学校の先生の地方負担分、それが十七億でございますから、財源としては、数字としましては三十二億ほど全体として要るわけであります。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 そうしますと、先ほど問題になりました地方の財源が乏しいので、国にぜひあとの地方の分も大臣にお願いしたいというのが、このわれわれの念願なんでございますので、もし全部地方までお世話いただくということにでもなると、何ぼになりますか。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○政府委員(緒方信一君) ちょっと失礼申し上げましたけれども、地方の自己財源として幾らほどの金が要るかということになるだろうと考えますけれども、今会計課長が申しました金額は、国立学校の分、それから文部省の分、それから国庫負担金として十二億円、これが含まっておりますから、その合計十五億三千万ほど引きまして、その残額が地方の純粋の負担分、かようになります。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 そうしますと。〇・二五が地方の負担になりますでしょう。その〇・二五の地方の負担は、金額にして幾らになりますか。

天城勲文部大臣官房会計課長

○説明員(天城勲君) それば先ほど来申し上げておるのでございますけれども、義務教育で十二億でございます。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 そうしますと、それの倍になるのですね。またもう一つ十二億になるのですね。

天城勲文部大臣官房会計課長

○説明員(天城勲君) 〇・二五を教職員に出せば、三十四億かかるのでございますけれども、半分は国でございますから、十二億が義務教育国庫負担の金ということになります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 話を一番初めに戻しまして、小林局長にあらためて伺っておきますが、それは大臣からお話しありましたように、例年繰り越しというものがある。従ってその程度のものを一応目安に入れておるのであって、実際学校施設の建築に差しつかえがないと思う、こういう立場において閣議決定並びに自分は了解しておるのだ、こういう文部大臣の御答弁がさっきあったわけであります。従って事務当局の局長としては、このたびの百六十億の財源捻出にからんで、地方、都道府県教育委員会に対して、かくかく程度の金額を節約せよ、今継続中の事業をこの程度縮小せよとか、あるいは今にも始めようとしておるところの事業計画をストップせよとか、そういう意味の、要するに今の建設計画に支障を来たすような、かような指示、示達というものはなされてきてない。このことは大臣の答弁からはっきり出てくるわけでありますが、さようにしていただけますね。

小林行雄文部省管理局長

○説明員(小林行雄君) 先ほどお答え申し上げました通り、府県によってはこの繰り越しの実情がいろいろまちまちでございますので、近く関係府県の施設主管課長等に集まってもらいまして、工事の実施状況もよく説明を聞きまして、実際年度内に完了しないような工事等については十分御相談をしてその額をきめたいと思っております。でありますから、文部省としては今回御相談の上できめました以上は、それはそれほど大きな事業実施上支障を生ずるとは考えておりません。また実際に認められたものにつきましては、来年度において最優先的にこの繰り延べられた額についての予算をつけたいというふうに考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 希望を申しておきますが、大臣の意見から言いましても、決して強制されないように事務当局の窓口である局長に特に要望いたしておきます。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 今の局長の御答弁ですね、各府県の責任課長に集まってもらって、文部省の方からいろいろ案を出して御相談になると思います。それを御相談になる前に当委員会に諮っていただきたい。それは今こういうふうな心配がわれわれの間にあるわけですから、果してそれで支障なくやれるものかどうかわれわれとしても検討したいと思いますから、ぜひ一つそういう過程をとってもらいたいと思います。それは一つ委員長の方でもそういうふうに計らっていただくようにお勧め願いたいのであります。

小林行雄文部省管理局長

○説明員(小林行雄君) 実はこのことが突発的にきまりましたものでございますので、私どもの方でまだ具体的な数字というものは出しておりませんが、先ほど申しましたように府県の実情がまちまちでございます。また繰り越しの状況も非常にまちまちでございますので、具体的に話し合いの上でだんだん数字をきめて参りたい、いろいろ考えられる数字というものがあるわけでございますが、これをこの委員会にお示しするということはちょっと困難じゃないかと思っております。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 いずれにしても最終的にはまとまったものができると思うし、ある段階では文部省の大体の案というものがまとまらなければ話にならないと思うのです。節約しなければならないワクというものはきまっているわけですから、そこで今のような通り一ぺんのことではなくて、われわれの安心できるような、あるいはわれわれの検討できるような段階において、たとえばそれが一つの府県だけでも……、一つの府県じゃ工合が悪いですけれども、数県まとまった段階で、この県はこれにはこれだけ、これにはこれだけ、こういうことになった、大体こういう標準でどの県でもいくのだということでも、これはやろうと思えばできると思いますから、一つそういう段階を経てもらいたいです。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) 御意見よくわかりましたがね、お聞きの通り今から一時間ほど前にきまっただけで、ここへ入って来た三十分前のことで、まだ内部の相談もするいとまもないのです。このテキストも事務当局にここで見せるわけですから、これはいずれ相談いたしまして、何分の措置をいたしますから、今日はどっちも一つ聞かずにおいて下さい。

飯島連次郎緑風会

○委員長(飯島連次郎君) ではこの問題に関してほかに御質疑はありませんか。ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

飯島連次郎緑風会

○委員長(飯島連次郎君) 速記を始めて。それでは本日はこれで散会いたします。    午後三時二十八分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗