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23回国会参議院1955/12/13

農林水産委員会 第6号

発言数
44
登壇者
8
会派数
3
開催日
1955/12/13

会議録

棚橋小虎日本社会党

○委員長(棚橋小虎君) ただいまから農林水産委員会を開きます。  農産物価格安定法の一部を改正する法律案を議題にいたします。本法律案ば、衆法第四号をもって衆議院議員芳賀貢君外十三名によって提出され、去る十月予備審査のため衆議院から送付、即日当委員会に予備付託になったものであります。まず提案者から提案理由の説明を開くことにいたします。

芳賀貢日本社会党

○衆議院議員(芳賀貢君) ただいま議題になりました農産物価格安定法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。  御存じのように米麦についで重要な農産物として、いも類及び菜種は、生産者が零細多数の農家であり、また需要の変化に即応して生産を調節することが困難である事情及び季節により、また豊凶により相当な価格の変動を示すものとして、これを正常な価格水準から低落することを防ぐために昭和二十八年に農産物価格安定法を制定し、現在に至っているわけでありますが、最近におきましては、これまた重要な農産物であります大豆が諸種の原因により異常なる価格の低落を来たし、農家経済に深刻な影響を与えつつありますことは、委員各位のすでに十分御承知のところであります。  この大豆を栽培いたしております農家はほとんどが開拓者か、積雪寒冷地帯あるいは僻遠の地域の零細畑作農家であるのであります。従いまして、大豆価格の異常な低落は、これの農家に対して容易ならぬ打撃を与えるものであります。政府は、最近の事態に対処し、大豆価格のこのような低落を防止するため、行政的にその応急措置を講ぜられておりますが、これらの生産農家の経営安定をはかります基本的な措置としましては、農産物価格安定法を改正して、同法を大豆に適用し得る途を開くことが、農業政策上絶対に必要なことであると思うのであります。以上が本法案を提出した理由であります。  以下その内容について、概略の御説明を申し上げますと、第一点といたしましては、本法の適用農産物であるカンショ生切干、カンショ澱粉、バレイショ澱粉、菜種に大豆を加え、正常水準価格より低落した場合は政府が買い入れることができるようにしたのであります。  第二点は、政府の買入価格を定める方式については、菜種両様の政令の定める算式とするようにしたのであります。その他につきましては、本法適用農産物と同様であります。  以上が、この法案の大要でありますが、何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことを切望いたす次第であります。

棚橋小虎日本社会党

○委員長(棚橋小虎君) 本法案の審査は日をあらためて行うことにいたします。  その他予定した議案につきましてはただいま関係大臣の出席を交渉中でありますから、そのまましばらくお待ちを願います。速記をとめて。   〔速記中止〕

棚橋小虎日本社会党

○委員長(棚橋小虎君) それでは速記をつけて。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 先ほど衆議院の方の議員提案として、大豆を農産物価格安定法の一部に入れると、こういうのが出たのですが、この問題について農林省当局としてはどういうような考え方を持っておられるのか、という点を一つお伺いしたい。

谷垣專一農林大臣官房長

○政府委員(谷垣專一君) 大豆の問題は、ごく最近は少し値段が持ち直しておりますが、十日ぐらい前までばかなり価格が落ちておりました。特に東北、北海道の開拓農家、あるいは一般農家もそうでございますが、開拓者の方々の現金収入はかなり大豆に依存しておりますので、それの対策を講じろという御要望がありまして、それで農林省といたしましては、その対策といたしまして、まだ外貨割当をいたしておりません未発表分の外貨が多少残っておりますので、それを当分割当をしないで、保有をして、様子を見るということが第一点と、それから外貨割当の当時に条件をつけましたそれぞれの用途別のところにそのまま流れないで、若干の横流れがあるということで、市場攪乱をしておるようなことも聞きますので、その点を、当時の割当をいたしましたときの用途別に流れていくような監視をいたしたい。それから第三点には、食管特別会計の中に、えさ用の大豆としまして、若干まだ買付けをいたしますワクが残っておりますので、そのワクで買付けまして、結果として市場から一応たな上げにするようなやり方をやって参りたい。これはそれぞれの横縦の話し合いによって交渉を進めることになりますが、そういうやり方でやっていく。それから第四には、開拓者に対しまして融資の方法をとる。こういうような四点を中心といたしまして対策を講ずることにいたし、その一部につきまして、すでに実施を見ておるのであります。それで恒久対策といたしまして考えられますことは、そのほかに農産物価格安定法の対象物資といたすやり方でありますとか、あるいは関税賦課の問題でありますとか、あるいはまたさらにその他のやり方、たとえば現行の割当制度をもう少し到着時期その他についていろいろコントロールをする、あるいは政府が買付をやっていくようなやり方とか、いろいろな恒久策が考えられるかと思いますが、根本的にはさらに大豆生産の生産費を安くいたしますというような生産奨励の方途が必要かと思いますが、そういうような諸点がいわば恒久対策と申しますと何でありますが、かなり先を見ました対策として必要かと思います。それで農林省といたしましては価格安定法に入れますとか、関税の問題でありますとか、その他政府買付ができるかどうかというような問題等につきましては、影響するところがかなり広範囲にわたりますし、またもう少し検討を要する点もかなりあるように思いますので、これらの点につきましてはもう少し時間をかけてやっていきたい、こういう考え方を持っておるわけでございます。農産物価格安定法に入れます場合に、入れることを考えましても、そのこと自体は果して適当な生産者の意図しまするような点までの支持価格が可能であるかどうかというような問題もあるわけであります。あるいは関税等の問題にいたしましても、果してその関税分が消費者に転嫁されないでいけるかというような問題もあろうかと思います。それから基本的には現在六十万トン程度の輸入をいたしておりまする大豆の国内生産は、今年は非常に豊作のようでありますから、四十五、六万トン、五十万トン近い数字になっておりますが、出回りを予想されるのは二十万トンくらいじゃないだろうか、そういうような非常に海外に依存いたしておりまする程度の高い商品でありまして、生産者と同時にやはり消費者の立場も相当考えた対策が必要じゃないか、こういうような観点から農産物価格安定法にすぐそのままこれを入れることの結論を出しますことは、もう少し検討いたしたい、こういう考え方でいるわけであります。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 今のお話の中にちょっと一点はっきりしない点があったのですが、飼料用大豆のワクが残っているので、その残っているワクで国内産を買い上げるということがあったのですが、その点はどうなんですか。

谷垣專一農林大臣官房長

○政府委員(谷垣專一君) それは国内産じゃございません。輸入大豆の方です。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 そうすると、食品用として入ってきている輸入大豆を飼料用の方へ買い上げる、こういうことですか。

谷垣專一農林大臣官房長

○政府委員(谷垣專一君) そういうことになります。食品用あるいは油脂用であると思いますが、もちろん国内大豆の何といいますか、競合関係といいますか、食品関係が多いのでございます。輸入業者に割り当てましたものは、これはそれぞれ輸入業者に割り当てるのですが、これは国内の販売先のきまっておるものも多かろうと思いますけれども、もしも話し合いでそれらのものが国内の飼料用として買い上げができれば、飼料用として回すことができるわけです。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 どういう対策をとるにしても、まあ一体大豆というもの、国内大豆というものはどの程度の価格であればいいかということは、僕らもはっきりわかりませんが、しかし最近の実情から見ると、まず中共物で二千六百円程度ですか、アメリカで二千四、五百円ですか、これは僕の見通しではまだ下ると思うのですが、特に中共にしたところで、まだまだ取引の仕方によっては下る余地があると思うのですが、そうなってくると、どうしても国内の大豆はある程度の価格支持をやろうと思えば、どうしたところでこれはやはり赤字が出ることになってくるのですが、そういうようなことについ今かりに融資をしたところで、これを融資のしっ放しでずっとほっておくわけにはいかぬでしょよう。そうかというて、それじゃ国内の大豆生産を保障するのにある程度まで値段がつり上がるということを待つということは、これまた食品に与える影響、油に与える影響、えさに与える影響等、いろいろなものがありますが、一面ではえさ価格を下げていかなければならないという面も出てくるわけであります。そうしたところで何か国内大豆については保護政策をとらざるを得ぬと思うのでありますが、そういう際には結局食管で赤字を補てんするということになりますか。それよりほかに方法がありますか。

谷垣專一農林大臣官房長

○政府委員(谷垣專一君) これは先ほど申し上げましたように、いろいろな問題が生じてくると存じます。関税をかけますれば、これは今のところ定率法で一割しかかけられません。その範囲内におきましては、これは税金といたしまして国庫収入になるわけでありますが、結局先ほどの国内産の出回り二十万トンと輸入いたします六十万トン、この比率におきまして、どちらの方に——つまり消費者の方に負担されます方がどれだけ企業努力その他で吸収されるかという問題になろうかと思います。それから価格安定法に支持価格を置きます場合には、支持価格がどの程度になるかということによって非常に問題が変ろうと思います。先ほど言われましたように、やはり輸入大豆価格等のかなり長期にわたります見通し等も考えないと、財政負担等のワクの面にも相当むずかしい点もあろうと思います。もしもこれでやるといたしますならば、農産物価格安定法は食管法上のあれになるわけでありますが、それだけの赤字分はやはり何かのことで補てんしていかなければならない、こういうことになると思うのであります。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 あなたの方の考え方はそういう考え方としても、通産省とか大蔵省あたりはこの問題について何か考え方を持っているわけですか。

谷垣專一農林大臣官房長

○政府委員(谷垣專一君) 今度の問題に関しまして、まだ正式な意見の交換はいたしておりません。交換をいたしましても、まだ向うで結論を出していないというような状況であります。しかし今までの例から見ますと、関税等につきましては、かけた方がいいという議論はあるかもしれません。これは今までの経過から申しますと、大蔵省は関税をかけろという声が強かった、農林省の方では、関税をかけると消費者の負担になるからということで、今まで関税をかけない方針を堅持してきました、こういう経過であります。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 それからもう一つ、現在の外貨の割当をしないものを一時保留するということは、これはやはり本年度の輸入予定量というものは年度内には入れるということなんですか、保留しっばなしということになるのですか。  それからもう一つ、一体外貨のつけ方ですね、これは輸入実績というものでやっているのだろうと思いますが、そうしますと、ここで輸入額を保留した場合には来年度の実績にはそれは入って来ないわけでしょうね。そういう点はどうなりますか。

谷垣專一農林大臣官房長

○政府委員(谷垣專一君) 外貨割当のそういう点、ちょっと私またよく存じませんので申し上げかねるのでありますが、この前段の御質問の、今保留いたすと言っておりましたものをこの年度内に全然割り当てないのかどうかという問題でありますが、今のところ私たちの方といたしましては、状況を見ておるということでございまして、割当をしないということではなく、保留をしておるとこういうわけでございます。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 まだもう少し聞かなきゃなりませんが、大臣が見えたからやめておきます。  それからもう一つ、この前要求しておいたのですが、これはあなたに要求したのか、だれに要求したのか忘れましたが、この予算面に現われておる、えさでの七億の赤字ですね、これはどうしてこういう赤字が出るかということを、内容を資料をもって説明するということになって、そのままになっておりますから、畜産局長にこれについて適当なときにお願いします。     —————————————

棚橋小虎日本社会党

○委員長(棚橋小虎君) 昭和三十一年度農林省関係予算に関する件を議題にいたします。  この点については、すでに両三回委員会の問題にして、一応事務局の説明を聞いたのでありますが、本日は河野農林大臣の出席を得ましたので、この件について農林大臣に対して御質疑の向きは、この際御質疑を願います。  なお、来年度の米国余剰農産物見返り円の国内における使用計画について、江田委員、重政委員及び溝口委員等から政府当局に対して質問の御要求がありますが、河野農林大臣に対してはこの機会に御質疑願いたいと存じます。

森八三一緑風会

○森八三一君 大臣の御出席をいただきましたので、二、三の点につきましてお伺いをいたしたいと思います。  おそらくこの新聞記事は大臣の御意思を率直に表明したものではなくて、むしろお話しになったことは非常に違った報道がなされておるとは思いますが、事はきわめて重要でありますので、大体想像はいたしておりますが、一応この際明確にしておきたいと思います。と申し上げますのは、二十六日に神奈川で大臣の御出席のもとに開かれました懇談会の席で、現在の農業協同組合は腐敗もはなはだしく、そのほとんどが不良組合と言ってさしつかえないと、こういう御発言があったと新聞は報じております。おそらく再建整備というような法律が制定せられまして、全国に二千数百の組合がそういうような範疇に入って、再建、立て直しの最中でありますので、そういう組合のあることは非常に残念であり、この振興、更生をはかるべきであるというような趣旨のお話であったと思いますが、新聞記事によりますると、こういうような表現がなされております。協同組合関係人としては非常に名誉をそこなわれたというような感じもおそらくこれは抱くと思いますので、もしどういうような趣旨でお話しになったのかということについてお伺いできますれば、再建整備を進めておるさなかにあり、農村の経済事業の中核として振興、発展をはかって参らなければならぬ協同組合の将来のためにも非常にいい影響をもたらすと思いまするので、この際協同組合に対する大臣の所信をお伺いをいたしたいと思います。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(河野一郎君) お話しの通り、新聞の記事は何と申しますか、局部的に表現しておりまするので、全体の気持は、今森さんのお話しになったような再建整備の必要を説いたのでございます。そこでこの機会に、協同組合の問題もしくは再建整備の問題について一言申し上げて御了解を得たいと思います。  再建整備につきましては、明年三月をもって一応その法律も終るようでございますが、私は、現在の協同組合につきましては、かねて申し上げております通りに、農産物の販売を有利にするより以上に、万一その時期が参りまして米の統制を撤廃するというようなことにでもなりますれば、どうしても協同組合が非常に強力になりまして、そして平均売りの単位になり得るというまでに整備されることは絶対必要である、現在の程度の協同組合をもってしては、なかなかそれだけの能力を発揮することが困難な地方があるのではないかと思うのであります。そういう意味から申しまして、私は一段と協同組合の再建整備には政府としてもこれに力を入れていかなければいかぬと思っておるのでございます。ところが残念なことには、再建整備によってよくなっておりまする組合もむろんありますることはけっこうでございますが、そうでなしにまだまだなかなかそういうふうにいきかねておるものもあるように思うのであります。かてて加えて、現在の再建整備法によりする十カ年の間によくするというようなことでは、とうてい私は間に合わないと思うのであります。そうではなしに、もっと少くとも五年くらいに再建整備の目標を置きまして、そしてこれが完全に活動できるように、そして安心して、農村に信頼をされて活動のできるようになっていかなければいかぬと思うのでございまして、その意味においてもまだ不十分じゃないかと思うのでございまして、それらをくるめて一つ十分に案を練りまして、そうして来たるべき国会にはいろいろ御審議を願い、御協力を願わなければいかぬのじゃなかろうかと思うのが私の現在の心境でございます。ということでございますから、決してほめようとは思っておりませんけれども、これをもっとよく立て直さなければならぬということは、私の現在の心境でございます。さればといって悪く言ってつぶしてしまっては困るということは森さんと全く同意見でございますから、そういう意味で御了解を願いたいと思います。

森八三一緑風会

○森八三一君 ただいまのお話で一応よく理解をいたしました。が、お話のありましたように、農業協同組合が将来の農民の自主的な経済機関として成長発展をはかるために十年計画というのでは手ぬるいから、もっと一つ強力に進めていこうというようなお話を承わりまして、非常に意を強くするのでありますが、それに関連いたしまして、先国会でも大臣の所信をお伺いいたしまして安心いたしておるのでありますが、金融機関の再建に関連いたしまして、調整勘定の政府納付が六億一千五百万円行われており、三十年度予算にそれが一億円だけは予算化された、残り五億一千五百万円だけは残っておる。それはその当時の衆参両院の法律制定の趣旨から申しましても、納付完了の直後における予算に当然措置さるべきものであるという趣旨であったのでありますが、三十年度予算にそれが現われておらぬ、そこでこれはどうなりますかという質問に対して、三十年度予算の補正が行われるときか、もしくはそういうチャンスがなければ三十一年度当初予算には国会の意思通りにこれを措置するというお話があり、大蔵省の原主計局次長からはややそれに反するようなお答えがありましたので、事務当局の話はこれは別でございまして、政府としてはどうお考えになるかということで国務大臣としての大臣のお話を承わりましたところ、三十年度補正予算もしくは三十一年度予算には当然国会の意思通りにこれを措置するというお話があったのであります。そこでただいまお話しのように、農業協同組合の再建整備ということを急速に進めていこうという御意思と、両院の決定を得ました金融機関再建に関連いたしまする調整勘定の納付金を決定通りに使用することは、全く方向を一つにすると思うのでありますが、三十一年度予算にこれはお話しの通り、国会の意思の通りに処置されるというように理解をいたしましてよろしいかどうか、重ねてお伺いいたします。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(河野一郎君) 前議会で御指摘になり、今お話の通りのやりとりのありましたことも私はその通りと強く記憶いたし、ぜひそういうように実現しなければならないと考えておるわけであります。

森八三一緑風会

○森八三一君 三十一年度の予算に関連いたしまして、先般官房長あるいは予算課長の説明を承わりますると、農業改良基金制度というものを新しく創設いたしまして、従来補助として進めて参りました数多くの施策のうち貸付金の制度に振りかえていくというような構想が述べられておるのでありますが、もちろん各種の農政を進めて参ります場合に、補助の方策をもって進めていかなければならぬものと、貸付金の建前をとられるものと、おのずからそこに問題があろうと思いますけれども、今農林省でお考えになっております保温折衷苗代の補助金であるとかいうような、きわめて零細な補助金ということになりますると、これを貸付金の制度に振りかえることによって、その取扱い上の繁雑さ等からいたしまして、おそらく農林省で意図せられておるようにこの仕事をスムースに推進していくということは非常な困難ではなかろうかということを私どもは心配しておるのでありますが、これに対しましてどうお考えになりますか。私どもはやはり従来通り補助金の施策をもって進めることが、急速に増進しなければならない食糧確保の問題を解決いたして参りまするためには当然な対策であるというように思考いたしておるのでありますが、これに関しまする大臣のお考えを一々承わっておきたいと思います。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(河野一郎君) ただいまお話しの基金制度につきましては、いろいろ御意見もおありかと存じますが、われわれとしては従来の零細な補助金はなるべく事情の許す限りこの途を選んでいきたいというふうに考えておるのであります。経過の段階におきまして、多少の御指摘のようなことはあるかもしれませんが、それらにつきましては、農業普及員でありますとか、その他技術指導面において、もしくは町村のそれぞれの係の者に十分御努力を願ってやって参りたい。  この機会に一言付け加えさせていただきたいと思いますが、私といたしましては、全国各町村が合併をいたしまして、町村の基盤が、行政区画が非常に大きな変更を来たしております。従って農林省の指導の対象として非常に大きな行政区画になっておりまするところもできて参るわけでございます。そういうような関係からいたしまして、ここに一つの新しい農村という言葉が当るかどうかしりませんが、生産の単位というようなものを作り上げていく必要があるであろう。昔の古い言葉で申しますれば、石黒先生等がおやりになりました村作りというようなことを新しくこれを考え直しまして、新しい農村の建設というようなことでその村、その地方を一つの農業経済単位といたしまして、そうしてそこに新しい村を作っていきたい。それには総合的に各種の施策を統一して持っていきたいというようなことを考えております。それには全国画一的に、もしくは考えております従来の補助金の制度でありますとか、もしくは法律で申しますれば寒冷地帯でありますとか、傾斜地何とか、もしくは湿田単作地帯でありますとかいうような個々のいろいろの法律がいろいろの角度から出ております。こういうふうなものをこの際今申し上げますような各農村の単位にして、全国をどのくらいに分けたら——これもむろん研究しなきゃなりませんが、大体今まで一万あった町村が三千に減る、三千では大き過ぎるでしょうから、その倍にして六千にするか、八千がいいか、五千がいいかわかりませんが、それぞれ皆でよく相談をして、一つの村の農村の単位を形成いたしまして、そこに一つの総合生産計画を立てて、そうして協同体を中心にしてやっていくというようなことを考えていきたい。そういうふうに順次発展をして参りたいという一つの理想の下にいろいろな農林政策を進めて参りたいと実は私は思っておるのでございます。むろんこれには各方面の御批判もございましょうし、御批評もございますから、いろいろ修正是正しなければならぬ点が多かろうと思いますけれども、どうしてもそういうことに何らか一つの基盤を持ちまして、それを対象にして行政を進めていく必要があるだろう。ただ一方に行政区画の変更ということを目標にして大きく統合されたそれを一つのこちらが対象にして農林行政を進めていくというところには、どうしても無理ができてくるというような気持もいたしますので、実はそういうことも今考えてせっかく検討中でございます。  従いまして、これらの補助金につきましても、その施行に当りましては、早くそういったようなものを作り上げて、そういうものに自主的に各地各様にその政府の与えるところの保護、補助、助成を一つ十分に活用していただくというようなことがいいのじゃなかろうかと思って、折角勉強中であることを御了承いただきたいと思うのであります。

森八三一緑風会

○森八三一君 今のお話の町村の合併統合によりまして、末端における行政の単位が非常に大きくなる、それに関連いたしまして、農業上の諸施策が後退をしないように十分考えていかなくてはならぬ。そのためにはいろいろなことが考えられますので、十分研究をして、取り組んでいこうというお話はごもっともでありまして、しかるべき結論が早急に出ますることを期待するのでありますが、そのことと、今ここに私が取り上げておりまする、従来助成をもって推進されて参りました各種の施策が改良基金制度に振りかえられて、貸付金の制度に変るということによって、非常に大きな後退を招来するのではないかということを心配するのであります。例を保温折衷苗代にとりますのでありますが、おそらく一農家単位にいたしますれば八百円とか千円とか、わかずかな借入金だということになる。そういうような借入金を現在の制度下において借り入れいたそうといたしますれば、かなり繁雑な手続を要するのである。自然そういう手続の繁雑さにたえかねまして、やろうとする農民はそのことに手がつかぬ。その結論は、せっかく進んで参りました過去六カ年間の経験によって相当の成果を上げておるこの仕事が、ここで終止符を打たれるという危険が非常に強く考えられるのであります。もちろん融資をするのだから、そうして今までの成績によっていいということを認めておるならば、それでもやれるじゃないかということは理窟の上では申されますが、全国各地に参りました指導者の諸君なり、あるいは農民の諸君に直接お目にかかりまして、そういうことに関する打診をしてみますると、私の心配しておりまするようなことが異口同音に述べられておるのであります。そういうような実態を考えますると、ここで急速に基本的な問題の解決される前に、このことだけを切り離して農業改良基金制度に移していくということは、非常に冒険であり危険であるというように私思いまするが、こういう点について、さらに従来の制度を継続していくというような方向に再考をいただきたいと思うのでございますが、そういうようなお考えをお持ちいただけますかどうか、さらにお伺いいたします。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(河野一郎君) この基金制度につきましては、予算を一応農林省として考えまして、大蔵省に要求をいたします際に、私は基金制度その考え方はけっこうだと思う。それでいこう。しかし今御指摘のように非常に経過的に無理なもの、それから目的を達するのに困難なものというようなことについては、この中に入れることを別途考えてもよかろうという考えでやっておるのであります。なお詳しいことはよく事務当局の意見を微しまして、私は考えることにいたしますが、そういうことでございますが、なお目下予算は検討中でございますから、よく御趣旨のあるところを承わりまして、よく善処することにいたします。

重政庸徳自由民主党

○重政庸徳君 私は地方交付金の関係で、公共事業費を三十年度八十数億持っていかれたのであります。しかもこれを不用額として持っていかれた。私は不用額ではない。これは繰り越しであろうと思うのであります。と申しますのは、いろいろな事業の関係で三月三十一日までに支払いができなかったもの、いわゆる四月にならなければ、検査の関係なんかで支払いをするということが公正を欠くというようなことで繰り越しになった金額がある程度あるのであります。これはその八十八億のうち農林省は三十数億ということになっておりますが、大臣はほんとうにそれを不要額とお考えになっておるかどうか。まずその点をお伺いしておきたい。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(河野一郎君) 私も繰り越したと思っているのですよ。不用額繰り越し額、どうもそこのところ私よくわかりませんが、要するに今年度中に使用が仕事が残ってしまって、来年に仕事が回るもの、これを仕事をやめて打ち切ってしまって、これからやらないのだということはないのであって、それからまたその金は要らないということは、今年度の支払い上からいけば、仕事ができていないから要らないというかしれぬが、仕事自身は繰り越して引き続きずっと継続して来年やるのだということになるのであって、事業自身は繰り越していくのである。従って予算は明年度の予算にこれから継続にして出すのだということに考えております。それじゃそんな金はあるわけはないじゃないかとおっしゃれば、これはそっちの方が専門家だから詳しいでしょうが、今までの例からいくと、遺憾ながらこういうようなものが出ている。個々の事業について調べてみると、年度内に完成しないものが二割残るとか、三割残るとかいうものがあるようです。そこで実はこういうことははなはだよろしくないというようなことから、けさの閣議でも決定をしたのでございますが、ひとり農林省関係といわず、建設省、運輸省の港湾というようなものについて、いずれも事業がおくれていたり、それから計画進行上そごを来たしたりしておるものがあります。これらについて全面的に調査を願おう、昔の言葉でいえば査察を願おうということにいたしまして、私は今日付をもって直ちに全国の各工事場に対して、一つ明年四月一日を期して査察を願うことにしているから、そのつもりで万遺漏なきを期せということの指令を出すつもりでいるわけでございます。これはきょうの閣議では、私の考えでは衆参両院の農林委員の方々に代表をして、農林省関係の仕事を一つ見ていただこう、しかもこれは従来の行管でやっておりますとか、もしくは会計検査院でやっておりますような、会計上のぼろを拾い出すということでなしに、建設的に一つ御示唆をちょうだいするという意味で査察を願おうというふうに考えておったのでございますが、農林省だけでなしに、建設省も今申しましたように、運輸省もその他いろいろあるのでございますから、きょうの閣議では行政監察の長官たる私にどういうふうな方法でそれを実行したらよろしいか、どういう制度をおいてやったらよろしいかという案を作れということになりましたので、まあ私は今申し上げましたように、単にこれは農林省だけで衆参両院の委員の方にというわけにも参りませんので、民間の有識の方々をお願いをして、そうして御示唆を願い、いろいろ検査を願おうということでいたしたいというふうに考えているのでございまして、予算を一旦編成いたしまして、それが今ごろになると、昨年も百億切ったとか、またことしも八十億切るとかいうようなことは、実にこれはこれを担当しているものの責任も私は相当に考えなければならぬと思うのでございますが、どうもそれが従来まあ悪い慣行が——悪い例で、取るときには一生懸命大騒ぎをやって取りますけれども、やっているうちに残ってしまう、これは重政さんのような専門家の前で恐縮でございますが、重政さんも実際やっていらっしゃるときもそうだったのじゃないかと思います。また一応調べてみますと、設計上のやり変えがあってみたり、ないしは雨が降って、長雨のために工業がおくれているとか、畑地の買収がどうしても話し合いがつかないというようなところでおくれるようでございます。そういうものがだいぶあるのでございます。でございますから、明年度からは絶対そういうことのないように、この機会に一つ気分の一新、立て直しをしなければいかぬということで、私は積極的に実はけさの閣議でそういうことを決定をいたしまして、その処置に出ていくというふうに考えているのでございますが、今年度につきましては、今申し上げるように、大体従来の例と申しては恐縮でございますが、現在のあり方、姿からみて、あの程度のものは事業が年度内に予算の支払いの段階にいかないで残るということは当然考えられることだというふうに思っているわけでございます。

重政庸徳自由民主党

○重政庸徳君 不用額でないという農林大臣のそういう御認識で私は安心したのですが、実は大蔵大臣の発言から不用額々々々ということが通ってしまって、で、実際の不用額というものは今申しましたように非常に農林省はお調べになっても少いだろうと思うんです。やはり検査の関係で、仕事はしてあるが、九割まで仕事は遂行しているが、あとの一割がどうしても三十一年度の四月に回る、だからここでそれを支払うことは法規に違反するというようなことで繰り越しになるので、実際の不用額というものはほんの僅かでないかと私は思うのであります。と申しますのは、二十七年度から二十八年度に繰り越した額というものは農林省で非常に少い、それから二十八年度から二十九年に繰り越した額もそれは多いけれども、二十九年度から三十年度に繰り越した額は非常に少いというようなこと、それはどうしてかというと、非常にそういう検査がやかましくなったので、それで二十九年度から農林省がそういう方法をとった。繰り越していいというそういう性質のものは繰り越していいということで、そういう方法をとったのであります。事務次官に聞きましたところが、二十九年度から三十年度に繰り越したのが十億余りということになっておりますが、それはそういう性質のもので、金から言えば今年度三十年度に支払う、二十九年度に支払わなかったということになるのだけれどもか、実際問題としてはそういう性質のものではないということを一つ御認識になっていただきたいと思うのであります。今大臣も申されましたように、こういうことをやっておっては、ほんとうに特に食糧増産の食糧の責任を一手に負われている農林大臣からいたしますれば、これは五カ年計画、六カ年計画、非常に苦心して作った計画が、全く瓦解に帰すると、私はそういうふうに思う。まあ国営等の大きい仕事はこれは後来にわたって、あるいは三年か四年か後において繰り延べるということになるのだが、しかし小さい仕事に至りますれば、特に今年度旱魃で、そしてこの水路をつけねば、今年度中につけねば二百町歩の旱害をこうむるというような性質のものがそういう事業には非常に多いが、これらはやはり公共事業費の削減で、これらになたを加えるということになってくると、全く直接のお百姓に非常に精神的にもあるいは実際にも非常な影響を私は及ぼすと思う。全然支障のないものはこれは不用額としてやむを得ないのですが、それではそういう農林省から出すという三十数億の金は、三十年度事業費を減額せねば不可能と思う。だからやむを得ずそういう血の出るようなものを顧みずして私はここで削減せねばならぬ結果になってくるだろう。これに対してはただ切り捨てごめんでなしに、私は相当考えてもらわなければならぬ。と申しますのは、そういう部分の削減に対してはあるいは融資をする、そういうものに対して融資をして計画通りに仕事を遂行さす、その融資に対する政府としては私は事後究明する必要があるだろう、なおまた法律による切られた部分は工事を遂行することができぬ、これはあるいは行政的措置かあるいは法律によるかして、これは繰り越し工事と言いますか、仕越し工事と言いますか、そういう計画のもとに工事を遂行することができる、こういう措置をお講じになるお考えはありますかどうか。私はこれはどうしてもそうやらなければいけぬように思います。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(河野一郎君) 工事が進んでいるものを繰り越すというようなことは全然考えておりません。工事が進まないものの金を回すというのであって、工事が進んでいるにもかかわらず、一方に三十数億出さなければならぬからそれを切っちゃって、そして金の払いをとめちまうんだ、工事を中止さすんだというようなことは全然考えておりません。そういうことは全然考えてないのです。工事が進んでいるものはけっこうなことで、どんどん進んでいいのであって、そうでなくて、進めようと思っても、先ほど申しますように用地の買収がごてていていかぬとか、あるいはそのほかの賠償の問題で片づかんとかというようなことのために事業がおくれていて、やろうにも進めないとか、もしくは今ようやく進み出している、年内には二割の仕事が残ってしまうとか、三割の仕事が残るというようなものを、各工事ごとに事情を聞いて、そうして話し合いの上で、それじゃこのくらいのものはもうできぬだろう、この辺のところだろう、こういうことでやめていこう、こういうつもりであります。だから今お話のように融資をしようとか、これは工事ができておるのならそれは融資はできますけれども、工事ができておらないものは融資のしようがないのですから、工事ができておるものはこの通りやってよろしいのですから、それをのけるということは考えておらないので、従って先般も大蔵省の方に、決して一律に幾ら切ってそうして幾ら出すとか、農林省で幾らの責任を負って、それだけのものを必ず公共事業費から出すとかいうようなことでなしに行っているわけでありますから、それはまあ重政さんのように、全国をぎゅっとにらんでみれば全部わかる人ですから、若し非難が、まずいことがあったら、お叱りを受ければすぐ御期待に沿うようにいたしますから、その点は一つおまかせおきいただきたいと思います。御趣旨に沿うようにいたしますから。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 関連して。今ので大体はっきりわかりましたが、そうしますと、三十数億円という公共事業費が減ってくるのじゃないでしょうか。減ってくるというのは、これはやろうにもできないところでそういう金が出てくるのであって、農林省としては積極的にあるいは一割削れとか、あるいは特定の事業を削れとかいう指示はなさらないということを予解していいわけですか。  それからもう一つ、そういうことでなおやむを得ずして繰り越すというような事業があった場合には、これは来年度において予算に組めばいい、こういうことでございましたが、来年度の公共事業費ということは、やはり食糧増産の六カ年計画に基いて農林省なり政府としてはお組みになると思うのですが、そうしますと、食糧増産六カ年計画によって組まれたものに、今回の繰り越し分がプラス・アルファになる、こう釈解してよろしゅうございますか。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(河野一郎君) その点は私もそういうふうに考えていきたいと思っているのでございます。ところが六カ年計画の年度割というものが、これは非常に融通性があるものでございまして、六カ年がぴしっと六つに割ってありませんものですから、ただ六つに割ってある、もしくは六つでなくても第一年度は幾ら、第二年度は幾らということが、財政当局と総合的にやはり六年の最終目標をぴしゃっときめているというので、その間を順次コンクリートしつつあると、こういうふうなものでございますから、御期待に沿うようにここで明確に御答弁ができませんことははなはだ残念でございますが、私も今お話しの通り、大蔵省と最初はここでもってそれじゃ三十何億繰り延べる、そうすればその三十何億は昭和三十一年度のプラス三十何億ということの予算を絶対に認めて、工事を施行しなければいかぬということをこの間も話を大いにやったのでございますが、それは今申しました通りに、必ずしもそういうようなことにはっきり出てこないのがはなはだ残念でございますが、私としては先へ延ばすほどめんどうになりますから、なるべく御期待に沿うようにして参りたい、そうしてなお事業も進めるようにしていきたい、こう考えているわけでございます。

東隆日本社会党

○東隆君 私は先ほどの重政先生とか皆さんの御質問に関連をするのですが、先ほどお話しになった通達をするという場合に、農林大臣のお考えは、どうも日本の国を東西に長いようにお考えになっておられるのじゃないかと、こういう疑問を持つわけです。それは日本の国は南北に長いので、おそらく予算を使用する場合に非常に問題がある。私は昨年北海道のいろいろな仕事によって批難事項が大分出ました。そこでその理由はどこにあるかと、こういうことを考えたときに、会計年度がこれが非常に災いをしているわけで、特に秋から春にかけて仕事をやらなければならぬ農業関係のいろいろな仕事、こういうような仕事はちょうど今の会計年度のために実はぶち切られてしまう。そこで私は一年の十二カ月の予算を十五カ月で使えるような方法を一つ講じてもらいたいとこういうので大蔵委員会に実は提案をしたのです。財政法の一部改正に関する法案を出したわけでありますが、これに関連して大蔵省は同様な案件で財政法の一部改正、それからその他の法案を出して、そうして事故繰り越しを非常に簡略にするようにしたのであります。これは昨年の五月の上旬法律になって出ているはずでございますが、これによって実は二十九年度から事故繰り越しをだいぶやっておるわけで、全国的にやっておりますが、特に北海道ではこの問題を大きく取り上げてやっておるわけであります。今年度は暫定予算でもってだいぶおくれておりますから、そのために仕事がおそらくそっちの方面に相当回って行くだろうということを予想をしておりました。そこへ今度の問題がぶつかってきておるわけで、従っていろいろ事情を十分に御調査になると思いますけれども、三十一日までにかりに竣工届を出したといたしましても、今までのことを考えてみますと、雪の中で、そこでそれが完全にできておるはずがございません。そこで会計検査院なんかも北海道に参る場合には五月には参っておらない。大てい七月あるいはそれ以後に行く、こういうようなことになって、これはそこへ一応の何と言いますか、情状酌量があるようであります。そういうような点から考えて、どうしても仕事を進めて行くために事故繰り越しというようなことが当然行われなければならぬわけであります。そこへもってきて今の不用額あるいは繰り越しをやったものに対して大幅に削る、こういうようなことが起きます。これは仕事ができない。これはもう毎年のことなんでありますので、そこでこの点を十分にお考えを願いたい。こう思うわけであります。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(河野一郎君) 北海道の方は御指摘のように、東北、北海道は気候の関係上これから仕事ができにくくなりますので、農林省ではこの方面の事業の施行を早めるという意味で、予算の配分を努めて東北、北海道の方面から先にいたしまして、事業を早手回しをしておるそうでございます。従って繰り延べの必要があるようなものはほとんど現在あの方面では少い、こういうことになっておるそうでございます。これは今会計の方から私の方に注意がありまして、そうなっておるそうでございますから、御指摘のようなことはあまりないようでございます。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 さっきの御答弁の中で、六カ年計画というものは最終目標がきまっておるだけであって、その年次別のものはできていないというお話でしたが、ところがあなたの方からいただいたこの食糖増産六カ年計画一覧表というのがあるのですが、それでいきますと、三十二年度以降のことは書いてありませんが、六カ年間の計画と三十一年度はどうという数字だけはここに出ているのです。これは近ごろは資料は大臣の厳重な監督を経ておる資料ですから、今さらこれがないということではないと思いますが、これはどうなりますか。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(河野一郎君) これは新聞等でも御承知と思いますが、企画庁で目下検討をいたしておりまして、それがまだ閣議の方まで上って来ていない状態でございます。今内輪の話を申しますと、党の政務調査会と企画庁で一応民間の委員の方でお作りを願ったものを打ち合せをして検討中で、近日のうちにそれを閣議の方に持ってくる。まだ大蔵省の方でも多少意見はあるようでありますし、その三者の間を調整中ということになっておるので、一応去る議会において最初の三カ年間のものはということで、一応の企画庁の案をそちらの方に出しましたが、その当時も大蔵省とわれわれの方の間で食い違いがありまして、しばしばお小言をちょうだいいたしましたようなわけでありまして、これは財務当局が了承を与えておる案ではないということで御了承をいただきたいと思います。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 せっかくの六カ年計画を、みずから権威をそこなうことのないようにお願いしたいと思います。  それからもう一つお聞きしたいのは、今の問題じゃありませんが、三十一年度における余剰農産物の見返り円資金の使い方の問題ですが、これはせんだっての二十国会の当時見返り円資金が問題になりましたときに、当委員会でもあるいは予算委員会でも八郎潟という問題が非常に強く出て、そうして政府の方でも八郎潟については積極的に考えるということであったと思うのですが、その後一体八郎潟というものはどういうことになっているのか。当委員会ではせんだって来この問題がやかましくなりまして、当然この八郎潟をやるべきじゃないか、オランダの技術者が来て設計をしなければならぬという問題があるということだが、しかしオランダの技術者が来てもこれはやめるべきだという結論が出るのではないのだ、こういうことをこう変えたらいいのじゃないかという結論が出るだけのことだということを農地局長も言っておられることですから、それならばこの準備のための、たとえば電気の工事をするとか、あるいは官舎を建てるとか、そういうようなことはすでに三十年度でもう今からやっておく方がむしろ仕事を効率的に進め得るのじゃないか、愛知用水の経験から見てもそれだけのことは先にやっておくことの方が必要なんじゃないか、こういう意見が強いわけですが、その点は今度の見返り円資金の使い方について八郎潟というものをどういうようにお考えになるかということと、それからあわせてこの問題の見返り円資金の方で熊野、剣山ですか、奥地林道の開発という構想があるようですが、その構想は大ざっぱでよろしいが、大体どういうことをお考えになっているのか、その点をお聞かせ願いたい。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(河野一郎君) ただいま御指摘になりましたように、八郎潟の干拓事業は非常にいい仕事である、ぜひこれはやらなければいけない仕事であるということは私も全く同意見であります。しかし愛知用水の例にとりましても、北海道の機械公団の例にとりましても、十分の調査をいたしまして、十分の用意をした上でかかりませんと、割合にむだが多いのではないかという気持をことに最近私深くいたしておるわけであります。そういう点から行きまして、八郎潟の干拓事業につきましては十分の調査をせよ、そうしていやしくも工事にかかり、仕事を始めたならば、一気呵成にできるように、途中でまだ調査が残っておるとかいうことがないように行こうじゃないか、それならば愛知用水もそうすればよかったというお叱りを受けるかもしれませんが、たまたま御承知のように余剰農産物の見返り円資金でありましたので、この資金を使うのに愛知用水が適当だということになっておるところへ、私昨年暮にこの地位になりましたので、それを引き続き進めて行く、もっともほかには方法がなかったと思うのでありますが、しかしこの二つの事業を目下専念してやっております際であり、なお資金としては決して明年度の予算を編成いたしますのにも不十分ではございませんが、しかしなおまだ水利の模型実験をやる必要があるだろうというようなこと等もございまして、もう一段と調査を十分にしようということで、調査費としては十分に予算を組みまして、そうして全部完了した上でやりたい、こういうふうに思っておるわけであります。一部には調査が来年一ばいかかるわけじゃなかろう、調査ができ次第かかるという心ぎめをしたらどうかという意見もしばしば承わるのでありますが、私としては今そういうふうなことも考える必要がありはせんかというようなことで、実情を今よく技術方面から聞いておるということであります。  剣山のことでございますが、これは熊野にあわせて両方とも今調査を命じております。

重政庸徳自由民主党

○重政庸徳君 今の大臣のお考えになっている御答弁、私はちょっと考え方が違うのですね。今江田委員からも発言されたように、オランダの技術者が来ても、これをやらぬでもいいという結論は、私ども調べたところではそんな結論は出ない。先ほどのこの委員会でも、局長でしたか、私質問いたしまして、局長もいろいろな情勢からそういう結論が出るとは考えておりません、こういうことであったのであります。愛知用水を比較にとられますが、愛知用水は、私は当初に大臣にも質問いたしました通り、とうてい今年度あの金をよう使わぬという見通しを立てておったのであります。まだ三カ月ぐらいあるが、とうてい使わぬ。という結論を出してもいいくらいに遅々として進んでおりません。こう申しますのは、やはり準備というものが要るんでして、八郎潟に今言う電気設備も相当要りますし、あそこは主として浚渫船を、サンド・ポンプを使わなければならぬ、だから電気の設備が主要な部分になってくる。なお愛知用水の例をとってみると、今技術者の受け入れもできない。おそらく技術者の取け入れ設備も今年度中かかるのでしょうと私は思う。そういういろいろなことから考えてみると、わずかでもないが、とにかく十億ぐらいは三十一年度に組んでおれば、三十一年度から調査が済むと、いっときにはなやかに工事にかかることができる。それをやはり調査は調査でそのままで一年おくれてくると、やはり三十二年度でなければ、大臣が御納得のいくいわゆる着手ということにはならぬのじゃないか。これはやはりあのくらいな規模になってくると仕事というものは全部そういうようなもので、愛知用水も着手しておるでありましょうが、そういうわけで、今要するところ私は今年度中に技術者の受け入れ態勢ができればこれはやまやまではないかというようにも考えておる。いろいろそういうことを御勘案、御研究下さって、私の今申し上げておることが間違いだったらしようがないが、もしさようなものだという御納得がいきましたら、一つ三十一年度にそういういわゆる下準備、これが最も必要なんですから、そういうものだけでも一つ整備するというお考えになっていただきたいと思うのですが、その点御意向を一つ聞かしていただきたい。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(河野一郎君) 今御指摘のようなことは、いずれもこれは実施の中に入る問題、電線を引っぱっていくとか、家を準備するとかというようなことは調査ではない。そういたしますと、そこに施工団体を作る必要ができてくる。私はなるべくむだをさしたくない。それから金利の計算等も、これは国家の予算にはもちろん大事なことで、でたらめに使っちゃいかぬことですが、この金は使い出したら、その日からまあ三年据え置きということにはなっておりますけれども、金利の食う命であります。してみれば、かかったならばもうすぐにでかし上げて、すぐに利用度を高めていくようにしていかなければならぬものと思うのであって、ところが今まで不案内でありましたから、技術者の方でできている、準備万端整っているというので、いいものだと思って食いついたら合点がいかない。はなはだ重政さんにそういうことを申し上げてお気の毒ですが、技術者の方でじゃんじゃんしりをたたかれて行ってちょうどいいのじゃないかというぐらいに、今度の二つの工事で少しこりたと言っちゃ恐縮ですが、よほど準備が万端整ったという場合に出かけていって、一ぺんにさっとやり上げるのが一番経済的であって効能的である。それじゃ始めろといってかかってしまってから、あとからあそこがどうだのここがどうだのと、こういう今のように不用とか繰り延べ額とかいって、予算だからこれは済みますけれども、これは金利のかかる金でありますから、なるべくしぼってしぼって、しぼり上げたところでかかるのがいいのじゃないか。だから万全を期してやるべきである。やらぬということは全然考えておりません。しかも金の点についても、決して金がないからやらぬというのじゃないのでありまして、これはぜひやらなければならんものだが、これを最も経済的に仕上げるためには、今申し上げたように、用意万端整った上でやるのがいいのじゃないか。で、こんなことを途中でもっていろいろな苦情がついてみたり、そんなものを一々おじぎをして解決するのには容易なものじゃないので、愛知用水でも御指摘の通り、私はおそらく三分の一の金も使わぬのじゃないかというように思うのであります。そんなことははなはだ遺憾でありまして、一ぺんそういう間違いをしたらば、もう再びそういうことのないようにしていかなければならぬというので、これは少しかた過ぎるかもしれませんが、八郎潟については、これからの仕事については最も慎重にやっていきたいというふうに考えておるわけでございますが、よくなお勉強しまして、御期待に沿うようにいたしたいと思います。

棚橋小虎日本社会党

○委員長(棚橋小虎君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

棚橋小虎日本社会党

○委員長(棚橋小虎君) それじゃ速記をつけて。

重政庸徳自由民主党

○重政庸徳君 どうも私の考えとそこが違うので、非常に能率的に大臣のお気に入るように着手して、能率的にやるために、いわゆるそういう設備というものを三十一年度にやる方が、この事業を早く仕上げる上においていいのじゃないか、まあこう考える。日本では最近いわゆる能率、経済効果ということがやかましくなって、日本だけではない、これは当然なことでありまするが、やはりものをやるとなると時間が非常に経済効果の最も大切なものだと思う。その点今まで経済効果の中に、着手して仕事を仕上げる時間というものを日本で入れておらなかった。そういう意味からいっても私はこれはそういう設備をどうしてもする必要がある。愛知用水のおくれているのは、やはりまあ大臣のお考えは、金をやれば一度ににわかにできるというお考えでやったのかもわからぬが、まあほかにも原因はございましょうが、ともかく遅々として進んでおらない。おそらく今年中考えても、技術者の、仕事をする人の受け入れ態勢もできておらぬというようなことで、だからそういう意味において、私は一つ来年度ほんとうの仕事をする予算がきたら、いっときにやるというような態勢にお考えになっていただきたいと思う。来年またそのままにしておきますと、当然今度は三十二年度にその轍を踏む、愛知用水の轍を踏むだろうと思う、かように考えているのです。決して御答弁は要求しませんが、一つよく研究していただくようにお願いいたします。

棚橋小虎日本社会党

○委員長(棚橋小虎君) ではしばらく休憩いたしまして、午後一時半から再開いたします。    午後零時十二分休憩   〔休憩後開会に至らなかった〕      —————・—————

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