内閣委員会 第8号
- 発言数
- 247 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1955/12/16
会議録
○委員長(小柳牧衞君) それではこれから開会いたします。 原子力委員会設置法案並びに総理府設置法の一部を改正する法律案を一括議題といたします。 まず、昨日問題となりました原子力委員会の性格につきましての御説明を政府から求めます。
○国務大臣(正力松太郎君) 昨日、原子力委員会について御質問がありまして、ところがあの答弁が表現の少し足らぬところもありましたので、今日ここに改めて申し上げます。 原子力委員会は原子力利用に関する諸般の事項について企画し、審議し、決定する機関でありまして、その決定は内閣総理大臣が尊重しなければならぬというような機関であります。その法律的性質は法制局長官からお答えすることにしたいと思います。
○政府委員(林修三君) お答えいたします。ただいま正力大臣から御説明いたしました通りに、この原子力委員会設置法では、委員会はこの第二条の各号に掲げるような事項について企画し、審議し及び決定するということになっておりますが、これにつきましては結局委員会の決定だけで、それが直ちに国家意思として外部に発表される、あるいは外部に実施されるということではございません。第三条でもわかります通り、その決定した事項は総理大臣に報告され、総理大臣はその決定を尊重してこれを実施に移す、そういう建前になっております。従いまして、この原子力委員会の決定いたしました事項についてのいわゆる行政事務の分担、管理する大臣は、これは内閣総理大臣になっているわけでございます。そういう意味から申しますと、この委員会の性格でございますが、これはいわゆる国家行政組織法第三条の府、省、庁、委員会、こういうものには当らない、かように考えるわけでございます。第三条の府、省、庁、委員会は、結局ここでは大体これは国家意思を決定し、外部にこれを実施する権限をもっている機関をさすのであります。従いまして、第三条の機関でないとすれば結局これは第八条の機関の中に入る、かように考えるわけでございます。第八条の機関、この行政組織法の建前から申しますならば、この第八条の機関は非常に広い範囲を包含しております。第三条の行政機関及びその地方所属部局を除く機関、これはすべて第八条の機関として考えているわけです。この機関もその意味においては第八条の機関に当ります。こういうふうに、考えております。
○委員長(小柳牧衞君) それでは質疑のおありの方は御質疑を願いたいと思います。
○田畑金光君 第八条の機関であるということは、昨日の政府の答弁で曲り曲ってようやくそこに落ちついたわけなんです。それでまあ第八条の機関であるとしても、まあこの「(諮問的又は調査的なもの等第三条に規定する委員会以外のものを云う。)」、この「等」の中に含まれるであろうというようなお話であったわけであります。そうしますと、まあ諮問機関でもない、さればといって諮問機関であるとも言えない。法制局長宮の御答弁によっても第八条に当るものであると言われまするが、第八条のどういうものに当るのか、どういうように呼べばいいのか、一つその点をさらに御説明願いたいと思います。
○政府委員(林修三君) 結局この第八条は、「審議会又は協議会(諮問的又は調査的なもの等第三条に規定する委員会以外のものを云う。)」と書いてございますが、まあ一応ここの意味は、この審議会あるいは協議会というものは一応合議制の一種の機関をさして、それで第三条の行政委員会に当らないものすべてをこの意味で含ませて、これは書いてあるものと思います。従いまして、いわゆる普通に諮問機関と言われるもの、あるいはそれに類するものすべてここに入ってくるものだと思うわけであります。で、この機関は、御承知のように総理大臣から諮問があって、その諮問に応じて答申するという建前にはなっておりません。従いまして、そういう意味でこれを諮問機関ということはあるいは不適当だろうと思います。しかしいわゆる自分自身が国家意思を外部に向って決定表示する権限を持つものではない。そういう意味においては行政委員会ではない。従いまして、まあ一種の審議機関というようなものと見るべきだろうと思うわけでございます。
○田畑金光君 これはどういうわけでこのようにむずかしい性格の委員会に落ちついたのか、もしそのように性格が非常に解釈上混迷を招くというものであるなら、この国家行政組織法等について一部改正して、もう少し、現在の法の中で収めることができぬとするならば、新しい性格のものを挿入する、入れるということも考えられようと思うのですが、どういうわけでこんなに混乱を招く、混迷な性格を持つようなものが生れたのか、この事情を一つお聞かせ願いたいと思うのです。
○政府委員(林修三君) あるいは私から申し上げることが適当かどうかわかりませんけれども、これは私ども決してそう性格が混迷したものとも実は考えておらないわけでございますが、これは要するにこういう組織を作りました理由は、私聞いておりますところから申しますれば、原子力に関する行政というものについては、やはり内閣の責任というものをはっきりさせて行きたい、従いまして、いわゆる内閣内の国務大臣のこの行政責任、やはり国務大臣がこれについて行政責任を持つという建前を貫いて行きたい、こういう一つの立場があるわけであります。それと同時に、この原子力の利用ということは、いろいろ各方面に非常に重大な関係のあることでございますから、それの決定方針についてはなるべく民主的な態勢をとって行きたい、そういう二つの要請をかみ合せて、こういう組織ができたものと考えております。いわゆる行政委員会、国家組織法第三条の行政委員会にいたしますと、もちろんその場合でも総理府に置けば総理大臣が一応の分担管理大臣にはなりますけれども、総理大臣対原子力委員会の関係は比較的うすいものになりまして、そこに内閣の行政責任を全うするという意味において、果してそれが適当かどうかという問題が出て参りますので、ここではそういう行政委員会にはしないで、こういう審議機関にして、その決定を総理大臣が尊重してやるという意味で、ただいま申し上げました二つの要請を組み合せて、こういうこととしたわけであります。
○吉田法晴君 ちょっと関連。私今日遅れて参りまして、今の法制局長官の答弁を伺わなかったのですが、第三条にいう行政委員会ではない、それから第八条にいう審議会または協議会は、昨日は第八条にいう審議会または協議会でもない、いや、「諮問的又は調査的なもの等」と書いてあるその「等」と昨日答弁された。その広義の点から見ると、審議会または協議会の一種ではあるけれども、「諮問的又は調査的なもの等」の書いてあるその「等」の中に入るという、こういう、まあいろいろ検討すると、第八条のそのものずばりではない、別のもののような性格がだんだん明らかになって参ったわけでございますが、もう一点ここで伺いますが、混迷があるということでありますが、混迷なんですね、私はいきさつがあると思う。私は実は昨日帰りまして、手元にありましたいろいろなものをごちゃごちゃ整理してみましたら、教育学術新聞というのに、この原子力委員会のできますまでのいろいろ意見がございまして、それがほんとうであろうと思うのですが、行政委員会にすべきであるという合同委員会の意見もある、それに対する政府の強い反対があって、こういうものになったと、こう書いてありました。今の法制局長官の答弁からいたしましても、行政委員会でない、しかもまあ民主的に行うと、そして政府の責任のとれるようにというお話である、その辺二つの委員会をつき合せてでき上った委員会でありますから、そこでそういう二つの性格が出るのはこれは当然だろうと思う。そこではっきりしない。行政委員会でもない、それから行政委員会的な要素も持っておる、こういうものをどういうものと理解するか、解釈するか、こういう問題だろうと思う。まず「等」の中に入るという説明を繰り返すと、林さんは首を傾けなさったが、その辺を答弁を……。
○政府委員(林修三君) 実は先ほどお答えしたのでございますが、昨日も私聞きますと、決して第八条の機関でないというようなことは申し上げたことはないそうでございます。私が申し上げましたのは、第三条にいう行政委員会ではない。従いまして、この行政組織法の建前から申し上げますと、第三条の行政機関あるいはそれの地方所属部局を除く機関はすべて第八条に入る建前をとっております。従いまして、この機関は第八条の機関でございます。第八条のどれに当るかというさっき御質問がありましたので一応お答えしたわけでございますが、ここに「審議会又は協議会(諮問的又は調査的なもの等第三条に規定する委員会以外のものを云う。)」と書いてあります。これはおそらく「審議会又は協議会」という名前で、ここは行政委員会というものを除いたほかの合議制の機関をすべて抱括してここで現わしたものだと思います。従いまして、諮問的なもの調査的なもの以外のあらゆる合議制の機関で行政委員会に当らないものはここで包含しておる建前と、かように考えております。この機関は普通でいえば総理大臣の諮問に応じて何々する、あるいは何々を調査するというものではございませんから、諮問的、調査的ということは当らない。従いまして、それ以外の種類のものだろう、こういうことが言える、こういうことはさっき申しました一種の審議機関、かように申し上げたのでございます。第八条の機関には当然これは当るわけでありまして、それ以外のものではないのであります。
○吉田法晴君 関連して続いてお願いしたいのですが、合同委員会なり、行政委員会にすべきだという主張があったことはお認めになりますか。
○政府委員(林修三君) 私も実はよくそこは存じないわけでありますが、新聞紙上等で、行政委員会というものにするというような案が新聞に出たことは知っております。
○吉田法晴君 これはきのうも千葉委員から指摘がございましたが、第三条が国の行政機関としての中心的な規定ですし、あるいは「府、省、委員会及び庁」、そして第八条は「第三条の各行政機関には、前条の内部部局の外、」云々と書いてございまして、いわば審議会または協議会という名前はまあとにかくですけれども、それを諮問的なもの、あるいは調査的なものと言おうと、あるいはどう呼ぼうと、第八条に概念されておるものは、さっきあなたの言われる責任を負う中心的な行政組織ではなくて、いわばそれの諮問に応ずるもの、あるいは研究をして各省庁の責任者に対して建言をする、あるいは諮問に答える、こういう性格のものであるということは、これは大体間違いなかろうと思います。そうすると、先ほどのお話の国務大臣が委員長になって、そして少くとも法文の上から言っても決定をする、こういう任務を持っておりますものが、行政の責任を持っておるものが、その行政の内容は、あるいは審議の決定にとどまって、それから先こまかい、何と申しますか、執行をやるかどうかということはその次にして、まだあとに問題が出てくるのですが、その審議決定までは行政は行政だと思うのですが、それを国務大臣が責任を負ってやる、こういう機関をこしらえた場合に、それが第八条にいう「審議会又は協議会」だというのは、これは前半の質問を認められるならば、私の主張を認められるならば、何と申しますか、堅白同異の弁ではございませんが、第八条に言っているものと、それから原子力委員会でここに規定されているものとはいささか違うと言わざるを得ぬと思うのですが、いかがですか。
○政府委員(林修三君) 先ほどもちょっと申し上げましたように、これはいわゆる国家の意思を外部に向って表示するという権限は持っておりません。従いまして、第三条の行政委員会ではないということを申し上げざるを得ないのでありますが、ただここに第二条に掲げてありますような事項につきまして「企画し、審議し、及び決定する。」、そういう権限を持っております。その決定はそのままでは国家の思想として外部に対して表示せられない。ここに第三条に書いてありますように、内閣総理大臣はこの原子力委員会の決定事事を聞いて、これを尊重してやる、こういうことになっております。従いまして、その性格からいえば、第八条に書いてあります「審議会又は協議会」、これは言葉はほかの名前でもいいと思いますが、ここでは代表的に並べてあるものと思いますが、ここにあるような種類の機関ということが言えると思うのです。で、ただいまそういうような第八条の審議的な機関の委員長に国務大臣を充てるのはおかしいじゃないか、こういうお話もございましたが、これはまあ例は実にいろいろあるわけでございまして、普通の諮問機関的なものに例がたくさんあることは御承知の通りであります。そのほかにたとえば科学技術行政協議会、いわゆるスタックと言われておるものもございまして、いろいろ科学技術の連絡調整をやっておるわけです。これは会長は総理大臣で副会長に国務大臣も入っております。ほかにもこの第八条の機関の会長、委員長等に国務大臣あるいは総理大臣がなることはたくさん例があります。必ずしもおかしくないと考えております。
○吉田法晴君 なるほど他の委員会で国務大臣が入っておっても、その委員会の性質が、第八条本来のものであるから、これは問題はないと思うのです。ところがこの原子力委員会の委員長は、正力国務大臣がこの委員会ができたらなられる。そうすると、正力国務大臣は原子力担当ということで国務大臣になられる、いわばそのほかに省庁のとにかく行政を見られるかというと見られぬわけです。そうすると、国務大臣は、きのう原子力委員会は実に広大な権限を持ってこれから大いにやるんだという御抱負を述べられたんですが、そのやるというのは、委員会なら委員会の、まだあとからありますが、法文に出ておるところからいうと、審議、決定せられるということになるかもしれませんけれども、審議、決定の機関を代表して、そうしてその決定を推進するように動く、こういうことになるんじゃありませんか。ほかの場合の委員会に、国務大臣がそこに出る場合省庁の代表として出るのでないということは、これは言えるかもしらぬ。これはほかにそういう例があるからといって、今例をあげられましたけれども、それとこの場合とは実質的に違いはしませんか。
○政府委員(林修三君) これは先ほどからも申し上げます通りに、この原子力委員会は、この法律案の第二条に規定されておるような権限を持っておるわけでございます。しかしそれを国家の確定した意思として外部に対して執行するのは、この第三条に書いてありますように、総理大臣がその報告を受けまして尊重しつつやるわけです。その行政事務を補佐する行政機関は、これは別途総理府設置法の一部を改正する法律案を出しておりますが、原子力局でございます。これが原子力委員会設置法の第三条に基きまして、総理大臣が尊重しつつ行政事務をやりますについての補佐部局であります。それで今これはまだ決定していることじゃありませんが、正力国務大臣が原子力担当云々と仰せでございますが、これはおそらく内閣総理大臣がこの原子力委員会及びこの総理府設置法に基きまして原子力関係の事務についてのいわゆる分担管理大臣になりますが、その事務の一部を国務大臣に委任してやる、これは従来も行われておることでございますし、一種のいわゆる内部的な、この原子力委員会の委員長たる国務大臣にそういう行政事務、原子力局の所掌事務についての権限を総理大臣が委任する、こういう二つの性格をこの場合に国務大臣は持たれる、かように考えております。別にそれはおかしくないと思います。
○吉田法晴君 それじゃ関連ですから、ちょっとあともう一つでありますが、そうすると、原子力委員会の委員長としての国務大臣と、それからその原子力行政をやる場合の原子力局がやります行政、それを一部分担する原子力問題担当の国務大臣、これとはたまたま一つであるけれども論理的には別なんだ、こういう御説明のようですが、それはやはり実際問題としてはおかしくないですか。原子力局というのは総理府に作るのであります。特に原子力問題担当の国務大臣というものを作って、そして委員会なら委員会の委員長にもする、委員長として国務大臣を担当させる、これもはっきり書いてあるのだから……。それからその執行をやる場合の原子力局なら原子力局の行政担当の責任を負わせる。そうすると、なるほど論理の上ではそれはそういう説明がつきます。つきますけれども、そういうものが行政組織法なら行政組織法に考えられておるか、考えられてはおらぬ。考えられておりません。とにかくそういう一つの機関が国務大臣としての委員長あるいは原子力問題担当、そういう行政機関が二つに分れて、一つは委員会、行政委員会でない委員会、それからあと執行する別の機関ということは、普通の場合には、それは行政委員会なら行政委員会で、それは論理的には行政委員会の場合にも二つに分けられましょう、協議して決定をする場合、それからそれを執行する場合、二つに分けられましょうけれども、その二つの機能を一つの機関が持っておる、この場合には、その法文上は別々だ、こう考えるけれども、実際には一つである。それならば、ただ説明だけを行政委員会ではないという説明をして、そして委員会の国務大臣と、それから原子力局担当の国務大臣とは、これは別なんだと、こういう説明をしいてしておるだけではないですか。
○政府委員(林修三君) いや、決して説明をしいてしておるわけじゃございませんで、理屈から申せば、先ほど私が申し上げました通りになると思います。これは御承知のように原子力委員会設置法をごらんになりますれば、第七条では「委員長は、国務大臣をもって充てる。」、これはまさに委員長は国務大臣をもって充てるのであります。しかし国務大臣たる委員長は「会務を総理し、委員会を代表する。」、こういう権限であります。国務大臣たる委員長の権限は第七条の二項に書いてあるものだけに尽きるのであります。原子力委員会の内部におきまして「会務を総理し、委員会を代表する。」権限もあるわけです。いわゆる原子力の事務を、原子力関係の委員会の決定しました事項を執行に移す段階の仕事は、これは原子力局の所掌事務でございまして、これは結局その責任大臣は内閣総理大臣であります。内閣総理大臣でございますが、これは原子力行政を円滑にやって行く意味で、今のところ、たとえばこの委員長たる国務大臣とこの総理大臣の職務を一部委任して原子力担当を命ずると、これが国務大臣とたまたま一致させてやっておるわけであります。これは原子力委員会を円滑にやるためにそういうことの取扱いをしよう、こういうことです。行政組織の問題とは別だと、こう考えます。
○田畑金光君 これは正力国務大臣にお尋ねいたしますが、非常にこれは重要な委員会であるということは、昨日の答弁でよくわかりましたが、重要な委員会であればあるほど、これは慎重に政府部内においても検討なされて提案されるのが妥当だと、こう思うわけであります。どういうわけで、この原子力関係法というのが、この臨時国会にかくも短時日のうちにおいて上げなければならぬことになったのか、原子力基本法を見ましても、来年の一月一日から実施をする、従って原子力委員会設置法等も来年の一月一日から施行する、こういうようになっておるわけであります。まあ時代が時代であることはよく了解できますけれども、こういう重要な法案を取り扱うのに、私は臨時国会で十分な審議も、十分な政府側の意思の統一も行われないままに進めて行くということは、今後の原子力運営のために非常に不安を感ずるわけですが、どういう次第で、こう急いで提案をなされたのか承わりたいと思います。
○国務大臣(正力松太郎君) このことは、昨日もちょっと申し上げたごとく、日本は原子力に対する利用ということが非常におくれております。そのことは昨日申した通りに、議員諸君もこの間ジェネバへ行って来てびっくりして、そうして帰って来て早くやろうと言いました。また政府においても、その議員諸君の話を待たずしても、これはおくれておるということを痛感したのであります。一日も早くやるということは一日だけでも国家のためになり、そうしてどうしても平和日本の産業革命は、これによって一日も早くやればやるだけ効果があると確信して進めたわけであります。それから政府部内でも一つも不統一はありません。昨日の答弁ではいかにも違うように聞えましたかもしれませんが、みな言うことは同じことを言っておる。言葉の現わし方が違うので、いかにも不統一めいたことで昨日御注意がありましたから、われわれは法律というものをあまりわからぬから、それで今日は法制局の人に来てもらうということで、法制局長官に出てもらったわけでありますから、法律的機能でもみなそれぞれ間違ったことは言っておりません。ただ現わし方がみな別だっただけです。その点は私おわびいたします。
○田畑金光君 そのように法案の解釈の現わし方が違うほどまだ政府部内の思想の統一もできていない状態なんですよ。お話は議員の人方が海外の視察をして来たところ、これは大へんだと、こういうわけで政府もその気になって法案を出されたというわけですが、こういう重大な原子力問題を取り扱おうとするならば、もう少し慎重さがあっていいのじゃなかろうかと、こう思うのです。そうしますと、政府の方で議員の人が視察して急がなければならぬから早く出そうと、こういうことでなったわけですか。政府部内でもよりより原子力の問題については検討をなさって、原子力関係の法律案を出そうということになされたのか、どっちなんです。
○国務大臣(正力松太郎君) それは両方であります。決して議員諸君が言われたから政府が驚いてやったわけではありません。政府の方でも早くやらなければならないと気がついて、現に私のごときは、私個人としても今年の春から早くやろうと主張した一員であります。ところがなかなか広島なり長崎なりのあの原爆におそれをなして、原子力というとおそろしいものに考えた。外国にはそういうことはなかったからすぐ飛びついた。日本では割にこれを急いで飛びつかなかったというわけであります。だからそのことがわかった以上は一日も早くやりたい。現に私ども遺憾に思うことは、今度原子力のアジアセンター等について外務省当局は非常にやっております。ところがこれはもうセイロン、マニラに決定する。これなども日本の受け入れ態勢ができておればと思う。これは私なお努力しているが、これなども立ちおくれた一つだと思っています。だから一刻も早く受け入れ態勢を作りたい。そうして早く実働に入りたい。こういう考えであります。決して議員諸君に言われてやったわけではありません。政府がそれをやったのであります。どうぞその点を一つ……。
○田畑金光君 正力さんが個人としてこの問題には非常に先見の明を持っておられることはわれわれかねがね承わっておる。新聞で見ていたんです。しかし政府部内においてこの問題が検討されておるということは、非常に進んでおるということは聞いていなかったわけで、正力さんが入閣されたので原子力行政問題も大へん進んできたとお見受けするわけですが、肝心のその第一任者であられる、正力さんの昨日来の御答弁を承わっておりますと、まことに頼りない感じがするので、どういうわけでこういうような法案を急いでやられたのか、非常におかしく思うわけなんです。それでお尋ねしますが、これは何でしょうか、アメリカとか、ソ連とか、イギリスですね、今日原子力の科学の最も進んでいる国々等の行政機構とか、あるいはいろんな関係法案というものを参考にされてやられたと思うわけですが、今問題となっているこの原子力委員会というものは、外国等においても同様な形で運営されておるのですか、どうですか。
○国務大臣(正力松太郎君) 詳しいことは行政管理庁の管理部長が説明しますが、実は外部の方もよく調べております。そしてほんとうは実は外国の方でみんな委員会は決定しております。ところが日本の内部においても、またこれは単なる諮問機関として、行政決定を持たしていかぬという議論もありましたので、そこが幾らか議論になったときに、先ほどのようなことになったんだろうと思います。いずれその詳しいことは管理部長からお答えさせます。
○政府委員(岡部史郎君) お答えを申し上げますが、この原子力機構につきましては、政府といたしましては、この春以来、原子力平和利用準備調査会の総合部会におきまして検討を重ねて参っております。それからまた行政審議会におきましても科学、学術、技術行政機構と関連いたしまして、原子力平和利用に関する行政機構をどうするかということにつきまして、これも検討を重ねて参りました。その際におきまして、世界各国の原子力行政機構がどうあるかということにつきましても、あとう限りの検討を重ねて参ったわけであります。それら各国の事情をいろいろ考慮の上、わが国の事情に最もふさわしい機構として今度の原子力機構を政府としては決定した次第であります。なお各国の原子力機構がどうなっているかということにつきましては、資料がございますので、今お手元に差し上げてもよろしいかと思っております。
○田畑金光君 私のお尋ねしていることは、そう広範な問題、行政機構を今ぜひにというわけじゃなくて、昨日来性格が非常に不明確であるとして論議を巻き起しておるこの原子力委員会というようなものですね。これはたとえばアメリカ等の例をとられて作られたのかどうか、それを質問いたしておるわけなんです。その点を……。
○政府委員(岡部史郎君) 御承知の通り、アメリカの原子力行政に関しましては、原子力委員会、アトミツク・エナージ・コミッションというきわめて強力な行政委員会組織による行政機構がございまして、この原子力委員会は、原子力政策に関しまして、事細大となく軍事及び純学術上に至るまでその政策を決定し、これを実施する広範なる権限と膨大なる機構とを持っております。従いまして、わが国におきましてはこれを参考といたしましたが、そのまままだこれにならうべきではない、ならう必要がないというような考え方で今度の機構を作り上げたわけでありまして、そういう意味におきまして、もちろんほかの国と並んでアメリカのも参考にはしたということを申し上げることができます。
○田畑金光君 ただいまの御答弁によりますると、アメリカにおける原子力の行政委員会というものは、純学術的な問題だけでなく、軍事問題についても調査、審議する最高の決定機関であるように承わりました。そうしますと、日本の場合はアメリカの方も十分参考にしたが、現在のこの原子力の科学あるいは技術の状況というものはまだ初歩的であるという意味合いから、当面こういう独自の原子力委員会の性格になされたのかどうか。今後の原子力の研究が進むに応じて、そのような高度の行政委員会に持って行かれようとされるのか。私たちはこの原子力委員会設置法を読み、原子力基本法を読んだとき、また原子力委員会のあずかる所掌事務と、原子力局のあずかる所掌事務とを考えたとき、どうもそこに統一のとれないというか、一貫しない行政機構というものが感じられるわけなんです。この点はどうでしょうか。
○政府委員(林修三君) これはちょっと先ほどからの御答弁を補足して申し上げますが、もちろんアメリカは今お話がございました通りに、行政委員会の制度でやっております。わが国で行政委員会制度をとらなかった理由は、これはいろいろ今お話のような事情もあるかもわかりませんが、それよりも主としての事情は、アメリカの行政組織と日本の行政組織の建前が違うという問題でありまして、いわゆるアメリカは大統領制度のもとにおける制度でございます。行政委員会という制度が、アメリカの独自の行政機構の発達史からいって相当重きをなす。わが国の場合は内閣制度というものがございまして、内閣が行政権の主体として国家に対して責任を負う、そういう立場から申しますと、この委員会制度というものを果してどの程度まで取り入れるかということにつきましても、いろいろ批判の問題もございます。そういうことをいろいろ考え合せて、行政委員会、その行政組織の性質等から考えて、委員会制度に適したもの、または適さないものいろいろそこにあるわけでございます。今度の設置法はそういうことをいろいろ考えてできたものであります。
○田畑金光君 内閣制度をとっておるから、この種の委員会を行政委員会でやるのはどうかというようなことは、これはおかしいと、こう思うのですが、行政組織法に基く機関であるということは、先ほど来のお話にあった通りであって、それが原子力問題を取り扱う委員会であるがゆえに、純然たる行政委員会にするのはどうかと思うことは、われわれ理解ができないのです。昨日政務次官はこういう趣旨の御答弁をなさっていたのです。それは原子力というものは非常に高度の科学あるいは高度の技術を持ち、新しい研究の分野である。これによって国民の福祉あるいは産業の振興、こういう大きなかぎを握られておる、そういうようなことを考えたとき、超党派的にこれは一つ運用を考えなければならぬというので、超党派的な機関として原子力委員会、こういうようなものが今規定されたような性格で生まれたのだ、こういうような趣旨の説明があったわけなんです。これはある意味においては政治的な配慮というものも十分うがった説明かもしれませんが、この務政次官の答弁と、今の法制局長官の答弁とどのようにこれは調整をするのか、こういう考え方でこの委員会というものは持たれたのかどうか、この点は政務次官の昨日の答弁について国務大臣の御意見を承わっておきたいと思います。
○国務大臣(正力松太郎君) 昨日の齋藤政務次官の答弁と私の答弁と別に食い違っておらないと存じます。これは要するにそういういろいろの配慮から、こういう原子力委員会と原子力局という二本建でできたということを先ほど申し上げた次第でございまして、もちろん原子力委員会という制度をこういう性格のものとして作ったのは、きのう政務次官の言われたような趣旨からだと、かように考えます。
○田畑金光君 これは国務大臣にお尋ねしますが、原子力というものが利用され、発達してきますと、これは勢い新しい産業革命というものが生れてくると思うのです。で、まあ非常に抽象的な質問になるかも存じませんが、蒸気機関の発明によって資本主義が生れてきた。こういう今日までの経済の移り変り、あるいは常にそれに伴う社会組織の変遷というものを考えたとき、この原子力によって新しい産業革命が起きる、こうなってきますと、当然これは産業構造というものも、経済組織というものも一つの大き転換期に立つのじゃなかろうかと思うのです。またそのように新しい方向に進まなくちゃならぬと、こう考えるわけなのです。というのは、この高度な熱エネルギー資源というものが資本主義的な個人の営利、あるいは個人の私的資本、これによって襲断されるということは、あまりにも社会的な一つの不平等が生れる、あるいは社会的な富の配分というものが不公正をきたす、こういうようなことをわれわれは予測されると思うのです。従って今後の原子力の開発利用というものは、あくまでもこれは私的資本の利潤ではなくして、国家公衆のために、公共の文字通り福祉のために応用し、利用されなくちやならぬ、こういうように私は考えるわけなのです。そうなって参りますと、当然新しい産業革命に応じて、今までの経済の組織あるいは産業構造というものも新しい方向に進まざるを得ない、こう考えるわけですが、こういうような基本的な問題について当然私は正力国務大臣は第一人者でありますから、そういう面についても一つの構想を持って指導なさっておられると考えまするが、この点についてどういう御所見を持っておられるか、承わっておきたいと思います。
○国務大臣(正力松太郎君) それはお話の通りに、今度の原子力によって将来は必ず産業革命はくると思います。私どもはいずれにしても、今は政府機関のうちにおいて研究開発をやっていますけれども、将来は民間に譲るべきである。このおそるべき力に対しては相当の国家としては調整をとるつもりでおります。で、必ずこのおそるべき力をそのままに野放しにするわけには行きません。これはどうしても相当な調整を国家はとるつもりでおります。
○田畑金光君 原子力の開発あるいは利用という問題は、おそらくこれは国家資本によってなされると思うのです、ほとんどの面においてですね。そうなって参りますると、あなたのお話のように、おそるべき力を持ってくると思うのです。そのおそるべき力を野放しにしたのではこれは容易なことではないと、こう思うのです。これは物理的な危険の防止について十分な措置を考えるとともに、社会的な、経済的なおそるべき力の脅威というものについても一つの規制というものをやらなくちゃならぬと思うのです。そうなって参ったとき、これはおそらく今後の原子力科学というものが国家援助、補助、あるいは国家のあらゆる資金的な支出によって助長されて行くものと私は考えるわけですが、そうしますと、その出てくる果実は同様に国民全体のためにこれは還元されなくちゃならぬと考えるわけであります。そうなって参りますと、あなたのお話のように単なる規制、単なる調整という程度では私は済まされないと思うのですが、もう少し根本的に資本主義というもののあり方についても一つ転換期に立たねばならぬのじゃなかろうかと私は考えるのですが、その点はどうでしょうか。
○国務大臣(正力松太郎君) お話はまことにごもっともなんですが、私はこの間からどの委員会でも申しましたが、一体資本主義、資本主義といってあまり神経質過ぎる、むしろ資本を利用しろと私はいつも考えるのでありまして、そうしてその取扱いも国家である以上大衆の利益が主です、大衆の利益を離れたことでやったら国家はどうします。だからその点は十分考究しておりますから、今具体的にどうするか、これはもう少し過程を見なくちゃちょっと今断言しかねる点がありますが、要するに私は資本というものはおそるべきものじゃない、これを利用すべしというのが私の主義でありまして、その方針で進めて行きたいと思います。
○田畑金光君 いや、それは正力国務大臣の御答弁は、そのお言葉に関する限りはよく理解できるわけです。資本はもちろん国家公衆のために利用しなければならぬ。その気魄は大丈夫ですけれども、しかし要するにその気魄を現実の社会組織の中に、経済組織の中に生かすために制度的なものというか、一つの根本的なものの考え方が必要だと思うのです。そういうようなことを考えたとき、要するにこれは一つの生産手段の問題になってこようと思うのです。原子力という一つの生産手段、この生産手段を個人の私有にゆだねるかあるいは個人の資本蓄積の手段として放任するか、それとも原子力というものはあくまでも国家の責任においてこれを管理し、運営しその持ってきたらすところの利益、果実というものは公衆のために還元するか。こうなってきますと非常に私は重大な、ここは今後の日本の経済組織のあり方について重大な分岐点に立つのじゃなかろうかと思うのです。そういうような点についても、私は担当国務大臣は十分に検討をなされておらるると思うので、だからこそ一日もゆるがせにできない。ただ臨時国会にでも早く出さないとこれは大へんだ。大へんだということは、やがてそういう時代がくることを予想せらるるわけであります。そういうような点について、もう少し私は根本的な面も掘り下げていただきたいと思うが、それはどうでしょうか。それは原子力基本法の中にそういう構想というものが出ておるのでしょうか、出ておらないのでしょうか、その点はどうですか。
○国務大臣(正力松太郎君) いまだ将来のことについての構想まではここにも出ていないと思います。ただここに出ておるのは、原子力基本法というのは、原子力はみんな平和利用に限ること、そうしてこれは従って例の三原則に基いて、自主、公開、自由というふうに行かなくちゃならぬ、そうして国際的に行かなければならぬということを思っておるのでありまして、私は先ほどアメリカでは原子力委員会では軍事……日本は厳重にそれを戒しめて、どこまでも平和一点ということになっております。そうして先ほど申し上げたように、おそらく資本に対する影響は非常に大きいから、これはさっき言ったように、繰り返していうようだが、資本は利用すべきで、そうして原子力を大衆の利益に供するということが第一の主眼である、そういったことを十分に考えているということだけを申し上げておきます。
○田畑金光君 私はたとえば原子力基本法の原子力の開発機関として原子力研究所を設ける、原子燃料公社を設置する、こういう一つの公社組織等がここに頭を出して行くということは、当然これはそうなければならぬことだが、同時に、この公社組織でもっと運用するというようなことは、やがて私が先ほど申し上げたような形で、原子力の開発利用というものが運用されねばならぬという一つの現われであろうかのごとく私は考えたわけなんです。それから一つ話をかえて、委員会の構成について……。昨日、国務大臣は非常に重要な委員会であるから、国民のあらゆる層の代表、朝野をあげて国民の各層からりっぱな委員に出ていただくと、こういうようなお話でありましたが、四十名か、五十名くらいの委員が出るならば、そういうことも言えようと思いますが、よく調べてみると、この委員というのはただ四名ですね。どうもそれは国民各層、朝野をあげてというには、ちょっと四名の委員では少なすぎるような感じを持つわけなんです。何十名かと思って見たのですが……。それでどうでしょうか、この委員の選出というものは、今言ったような基準からお選びになるとするならば、どのような人たちをこの委員に充てようとするお考えなのか、承わっておきたいと思います。
○国務大臣(正力松太郎君) それは各界を総括した一人というつもりであります。それですから、何しろ四人ですから、これは十分慎重に今審議しつつありますから、どうぞその点は……。
○田畑金光君 いや、いや、そういう十分に審議を進めておるということじゃちょっと済まされぬと思うのですよ。もう一月一日というと来月でしょう。おそらく来月からこれを施行するのについても、この法律が通れば、当然今度は委員の構成等は、しかも国会両院の承認を通じ、総理大臣が任命するわけですが、そういうことになるでしょう。そうなって参りますと、担当国務大臣と目されておる正力さんの方でどういう層から出されるかということは、およそ考え方がまとまっておると思うのですが、もう少し一つ誠意をもってお答えを願いたいと思うのです。
○国務大臣(正力松太郎君) いずれ国会で御承認を得るつもりでありますが、何しろ今、事人事に関するものだから、あまり外部に漏れるといろいろ支障が起りますから、一つもう少しお待ちを願いたいと思います。ただ問題は、財界からも学界からも、そうしてまたその他の界からも出すつもりでございますから……。
○田畑金光君 財界、学界はわかりましたが、そうしてその他の界はどこですか、その他の界は……。
○国務大臣(正力松太郎君) それはもうどうせ何ですね、申し上げなくともわかるのですが、労働界の方を考えなくてはならぬと思います。
○田畑金光君 もう一人は……。財界、業界、労働界、言論界はどうですか。
○国務大臣(正力松太郎君) 言論界までは考えておりません。
○田畑金光君 財界、学界、労働界というところから出されると、こういうわけですね、今の御構想は……。そうですか。それではこれは法文の解釈になりますので、これは後ほど質問いたします。それから昨日の御答弁によりますると、委員会において企画、審議、決定された事項について総理大臣がこれを尊重しなければならない、こういうことになっているわけですね。尊重しなければならないという非常に強い拘束的な規定になっているわけなんです。そうしてそれじゃ具体的にはどういうことだというと、九九・九%は尊重しなければならぬ、これが尊重しなければならぬという内容というお話があったわけなんです。この点は法制局長官どのようにお考えなられるか。
○政府委員(林修三君) これはこの法文に書いてあります通りに、「これを尊重しなければならない。」とございますから、尊重する義務は、これはもう百パーセントございます。ただしかし一から十まで当然それによって拘束されるか、法律的にそのままそれを総理大臣が尊重しなければならないかというと、そこに若干のゆとりはあるということは言えましょうが、尊重しなければならないことは、これは一から十まで尊重しなければなりません。
○田畑金光君 そうすると、法制局長官の考え方では、尊重しなければならぬといってもある程度のゆとりがあるようですが、何%くらいゆとりがあるのですか。
○政府委員(林修三君) そういう。パーセンテージでこれは言うことはできないと思いますが、もちろん読んでいただけば、「尊重しなければならない。」とございますから、決定の一部を尊重しなくてもよいということは、これはあり得ない。すべて尊重しなければならない。ただ、ただいまも申し上げました通りに、委員会の決定したことはそのまま総理大臣がやらなければならないという法律的拘束は、それは法律的に言えば必ずしもないわけです。場合によっては、先ほどの、きのうからお話が出たかもしれませんが、例外的にはそのパーセンテージを言うわけには参りませんけれども、例外的の場合もあり得ないわけではない、こういうことも言えるわけであります。
○田畑金光君 これは原子力委員会の第一の大事な性格は「民主的な運営を図る」ということだと思うのですね。そうでしょう。「民主的な運営を図る」ということは、結局私は第一条の「民主的な運営を図る」ということと、第三条の内閣総理大臣はこれを尊重しなければならないということとは相通じておる問題だと思うのです。でありますから、昨日の大臣の御答弁では、あるいは政府委員の答弁では、九九・九%という表現を用いられておるわけなんです。で、私たちは民主的な運営であるということ、そうしてまた、しかもこれは超党派的に組織される機関であるということ、あるいは最高権威を網羅して構成する機関であるということ、そうして総理大臣はこれを尊重しなければならぬ、そういうことになって参りますると、法律的には法制局長官の解釈もその通りかもしれませんが、しかしこの法律の建前から申しますると、委員会の決定された意思というものが、そのまま総理大臣の原子力行政に関する意思決定になる、こうわれわれは見てよろしいと思うのですが、その点はどうでしょうか。
○政府委員(林修三君) 原則的にはおっしゃる通りだと思います。特別な例外がない限りおっしゃる通りになるわけであります。その意味においては、きのう九九・九%とおっしゃったこともその通りだろうと思います。現実的にはそうだろうと思います。
○田畑金光君 正力国務大臣にお尋ねいたしますが、第二条に委員会の所掌事務が載っておるわけでありますが、たとえば私は予算の問題について考えてみました場合に、「関係行政機関の原子力利用に関する経費の見積及び配分計画に関すること。」、これを見ましても、当然これは予算というものが伴うわけですね。この予算の問題について原子力委員会がかくかくの経費が必要であるという一つの見積りを立てた、予算の計画を立てた。そうなって参りますると、これは委員会の意思決定として大きな比重を持つわけなんです。そうなって参りますると、第三条によって総理大臣はその決定を尊重しなければならぬ。今、法制局長官も認められた通り、委員会の意思決定としては総理大臣がそのままこれを認める、こういうことになって参るわけですね。そうしますと、原子力行政機関に関する限りは、ある意味においては予算の編成権というものもこの委員会が持つ、こういうことになってきょうと思うのです。そうなった場合、現在のこの大蔵大臣の予算編成権というものに対して一つの強いワクをはめるというか、制約を与えてくるわけです。この委員会の権限を非常に強くしたということは、同時にその他の行政各部の権限の問題と衝突する面が出てくると考えられるわけですが、その点はどのようにお考えになりましょうか。
○国務大臣(正力松太郎君) それはここに書いてあります通りに、「原子力利用に関する経費の見積」いう字句を用いておりますので、これについては事務当局の方から説明いたさせます。
○政府委員(賀屋正雄君) なお補足して説明をさせていただきたいと思います。ここに書いてございます「関係行政機関の原子力利用に関する経費の見積及び配分計画に関すること。」は、昨日も補足説明で申し上げました通り、原子力の利用に関する経費を要求いたします行政官庁は、たとえば通産省でありますとか、あるいはアイソトープの利用に関係のあります農林省、それから運輸省もありましょうし、各省に今その関係の経費が計上されるわけでございます。その場合におきまして、各省がその省の御相談で今年度幾ら要求するかということをおきめになりまして、大蔵省に対して要求されるわけでございまして、ただその場合に要求いたされます前に一応この原子力委員会の方へ御連絡をいただきまして、そこでその見積りの方針その他につきまして、この原子力委員会が意見を述べると、それからその予算をどういうふうに査定するかという予算の編成権はこれはあくまでも大蔵省にあるわけでございまして、各省がまず基本的な要求案を作りまして、それに対して原子力委員会からの勧告によりまして、それによって多少変った案がまた大蔵省に出ましても、大蔵省はまたそれを国家財政の全般的な見地からどういうふうに査定するかということは、これは大蔵省の本来の権限で自由にできるわけでございます。それからそのようにいたしまして予算ができ上りましたあとにおきまして、これをどういうふうに具体的な費目に配分するかという点につきましても、この原子力委員会に一応各省から御連絡をいただきまして、それについての意見をこの原子力委員会が述べ得る機会を持つと、そういうふうにいたしまして、まず予算の要求の段階から、いざ成立しましたあとの実行の点に至るまでこの原子力委員会が総合調整をすると、こういう考え方のもとにこの条文を入れたわけでございまして、これがありますからと申しまして、各省が非常に拘束される、あるいは大蔵省が予算の編成権に制肘を加えられると、こういうことにはならないのではないかと存じます。
○田畑金光君 今の御説明によりますと何ですが、委員会の所掌事務というものは調整とか、あるいは見積りを立てるとか、あるいは配分をするとか、または規制をするとか、いろいろなされておるけれども、結局は各省大臣の所管事項はその省の運営によって処理されるという点が自由のようになって参りますると、今度は強力な、委員会の権限というものはそれほど強力じゃないのですね、非常にこれではだんだん一つ一つ解明して行くと、強力どころかまことにこれは頼りがない委員会のように、骨抜きになってくるわけですが、どういう面でその所掌事務の中に特にこの委員会の強力な所掌事務があるわけですか。
○国務大臣(正力松太郎君) これはその原子力局という今簡単なものでありますが、追って技術庁という、科学技術庁といいますか、総合した技術をまとめたものを作ることに予定しております。それにみんな含まれるということであります。そうしてそれに各省に行っております原子力に関するものをみんなそこへ総合するつもりでおります。
○田畑金光君 そうすると、その科学技術庁というのはいつごろ作られる予定か、次の通常国会には法案を出される御予定でしょうか。それともう一つは、科学技術庁ができた場合に、総理府の原子力局というものはその中に入って行くのか、その科学技術庁と今度は原子力委員会との関係はどういうことになるのですか。
○国務大臣(正力松太郎君) 今政府で考えておりますのは、そういう庁を作ってその中へ入れまして、そうして今の原子力局といいますものがその一部分になります。そうしてその長官が今の予定ではやはり原子力担当の大臣なり、長官になる予定でおります。
○田畑金光君 いつごろ出されるのですか。
○国務大臣(正力松太郎君) 次の通常国会に出します。なるべく早く出すつもりでおります。
○田畑金光君 そうすると、次の通常国会になるべく早く科学技術庁設置の法案を出されると、こういうわけですね。
○国務大臣(正力松太郎君) その通りです。
○田畑金光君 その場合、この原子力委員会というのはやはりこういう性格のものであって、そうしてその原子力委員会の庶務は科学技術庁の中に置かれる原子力局が担当する、こういうことになるわけですか。
○国務大臣(正力松太郎君) その通りであります。
○田畑金光君 それからこれは条文の解釈になりますが、これは政府委員の御説明でけっこうですが、第十一条「委員会は、委員長及び二人以上の委員の出席がなければ、会議を開き議決をすることができない。」、これは二人以上というと二人も、四名ですから委員長と委員二人が出れば会議は開けるわけですね。
○政府委員(賀屋正雄君) その通りでございます。
○田畑金光君 そうですか、そうすると、「委員会の議事は、出席者の過半数でこれを決し、」とありますが、委員が二人でた場合に半数というのは一人ですが、一人で委員会の意思決定ができると、こういうことになりますか、それでよろしいですか。
○政府委員(賀屋正雄君) この第三項に書いてございます出席者の中には委員のみならず委員長も入るわけでございます。委員長は当然出席いたしておるわけでございます。従いまして、二人という場合は三名いるわけでございます。
○田畑金光君 ただその場合「委員会の議事は、出席者の過半数でこれを決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。」と、二人出たときは可否同数ですから委員長が決すると、こういうわけで、二人出ても議事の運営はできると、こういうわけですね。
○政府委員(林修三君) いや、そうはならないわけでございます。今、賀屋政府委員から御説明した通りに、この定足数は委員長と二人以上の委員でございますから、最低三人出席がなければ会議は開けません。従いまして、委員長と二人の委員の出席者、この三人で委員会を開いた場合には、出席者の過半数ということは、これは二人が賛成する場合に過半数であります。可否同数というのは、たとえば委員長と委員が偶数で出たという場合には、それは可否同数ということになるわけであります。今お尋ねの場合は過半数ということは二対一ということにならなければ過半数ということにはならないわけでございます。
○田畑金光君 それから第十四条についてお尋ねしますが、常勤の委員はとにかく委員会の仕事に専念をしなければならぬ原則になっておるわけです。ただ、しかし内閣総理大臣の許可があった場合は、「報酬を得て他の職務に従事し、又は営利事業を営み、その他金銭土の利益を目的とする業務を行うこと。」ができると、こうなっているわけですが、どうでしょうか、この常勤委員というものは、このように重大な委員会の常時仕事に携わられる方であるとすれば、第十四条の二項の場合等というものは考えられないと思うのですけれども、これは財界の人を入れるためにこういう条項を残されたわけですか。
○政府委員(賀屋正雄君) お説の通り、常勤の委員は毎日常勤いたしまして、専心この原子力委員会の事務に当っていただくことになるわけでございますが、何しろ非常に重要な委員会でございますし、この関係の経験者で、真にこの委員会の委員たるにふさわしいという人を具体的に選考いたします場合に、たまたま他の職務に従事しておる、あるいはたとえば会社の顧問などになり、あるいは取締役になっておりまするというような場合、その人がどうしても原子力委員会の委員に選考できないということになりましては非常に困る事態が生ずるわけでございますので、例外的にその程度はよかろうということで内閣総理大臣が認めまして許可した場合には、委員にたる資格を与えてもよかろうという考えのもとに規定いたしました条項でございます。
○吉田法晴君 前の質問が途中で切れたのですが、田畑君の質問に関連をして少しこまかいところから聞いて参りたいと思います。委員会は一人の国務大臣と委員四人で五人と、こういうことになっておりまするが、その四人の、何と申しますか、どういう人から選ばれるという抽象的な基準を先ほど正力国務大臣から承わったのですが、この四人という数字と、それから原子力四人男と言われる人たちの数字はたまたま偶然一致するのですが、そういう関連性はございませんね。四人男というのは名前を言わなくてもおわかりだと思います。どうですか。
○国務大臣(正力松太郎君) むろんそういうようなことはありません。それからなおこの機会に、先ほど言論界からはとらぬと申しましたが、適当な人がおりましたらとりますから御了承を願います。それから学界、財界、労働界と言いましたが、これはただその例をあげたので、要するに広く全国から適当な人を選ぶということであります。
○吉田法晴君 先ほどお尋ねをいたしましたのは、国会に議席を有しておりまするものが委員の中には建前上入らぬだろうという点を念を押したのでございますが、明答がございませんでしたから重ねてお尋ねいたします。それから学界というお話でございましたが学界から出られるかもしらぬという人たちについて、実際にたとえばアメリカから最近帰って来ました嵯峨根寮吉氏等有力であると新聞はいうわけであります。しかもそれを四人男が、国会の原子力四人男が推薦するだろうと、こういうことで書いてある。これはまあ新聞のことだから責任は持たぬとおっしゃるでしょう、おっしゃるでしょうけれども、法案を作りましたいきさつ、あるいは機構の問題に関しましてまで、四人の諸君の相当のこれは活動があったことは間違いがないようであります。特にこの設置法に関連をいたしまして決定をせられました十二月一日の閣議に至りますまでの模様を報ぜられておりまするが、これらの点を見まして、ここで審議をいたしております内容、それから政府委員の答弁から現われて参りますものと報ぜられておりますものが相当関連をいたしますだけに、肯綮に当っておりますだけに、委員の点についてもこういう推測が、記事が荒唐無稽だというわけには参らぬ、あたかもこれだけの原子力問題が実質的にはきわめて少数の人で強引に押され、あるいは人事の問題についても影響をされるという報道を聞くに至っては、私どもじんぜんと……、あるいは人事の問題といったような、法案審議から言いまするならば、こまかい問題でありましょうとも、これはやはり明らかにしていただかなければならぬと思います。正力国務大臣から一つ責任のある明確な答弁をお願いいたします。
○国務大臣(正力松太郎君) この四人の委員には国会議員は入れぬつもりでおります。それからなおあとのその人事についていろいろ新聞に報ぜられておりますが、新聞社は何も知っておるわけではありません。まだどこにも言うておりませんから……。そうして人選は天下の納得の行くような人を選ぶつもりでおります。
○吉田法晴君 今その嵯峨根さんの名前をあげてまことに失礼ですが、有力ですが、お尋ねの最後の点はどういう……、範囲は言われました項目は三つまでは……。最後の一人は言われなかったけれども、しかしその人選について中曽根君等四人の諸君の発言が非常に強いのだということがいわれておるが、そういうことがあるかどうか。前に法案を作るについても相当な影響力があった、あるいは議会でのおぜん立てに至るまであったということが報ぜられておるから、従って人事の問題についてもそういうことがあるのか、ないならばないとして、どういう方針で、それではどこで御選考になるのか、こういうことをお尋ねしたのです。
○国務大臣(正力松太郎君) 決して、先ほど申し上げた通りに、これは人選については広く天下の納得の行くような人を選びますから……。そうして先も三つを、財界、学界、労働界ともきまったようにお話し申し上げましたが、それはたとえばそのごとくというのでありまして、必ずそれにきめたわけじゃありません。従って先の言論界から入れぬということを申しましたが、あるいは適当な人があればというのでありますから、要するところ、どこからの制肘も受けません。ほんとうに公平に納得の行くような人を選ぶつもりであります。皆さんからもまたいい人があったら御推薦願います。
○委員長(小柳牧衞君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(小柳牧衞君) 速記を始めて。暫時休憩いたします。 午後零時二十九分休憩 —————・————— 午後三時四分開会
○委員長(小柳牧衞君) それでは休憩前に引続いて委員会を開会いたします。 原子力委員会設置法案並びに総理府設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑を続行願います。
○秋山長造君 私は昨日以来の正力国務相と各委員との質疑応答を聞いておりまして、どうもよくわからない点が数々ある、それらを時間的な制約とにらみ合せながら逐次確かめておきたい。 まず第一の点は、今回のこの原子力委員会設置法と、それから従来学術会議が掲げてきたいわゆる自由、民主、公開という原子力の三原則ですね。しかもしばしば政府自体もこれを尊重するということを声明してこられた、この三つの原則と、今回のこの原子力委員会設置法との関係は、どのようになっているのか、その点まずお聞きたい。
○国務大臣(正力松太郎君) その三原則の趣意はちゃんと基本法の方にも出ておりますが、この委員会法の方にも出ております。まず基本法、要するに三原則の研究の自由、運営の民主的方法、技術の公開であります。その点は基本法の第二条に「原子力の研究、開発及び利用は、平和の目的に限り、民主的な運営の下に、自主的にこれを行うものとし、その成果を公開し、進んで国際協力に資するものとする。」、こういうふうにこの三条にうたっております。
○政府委員(岡部史郎君) その組織の点におきまして、民主、公開、自由というような三原則がどういう点に現われているかというお尋ねに対して補足して申し上げますと、原子力委員会設置法の一条には「行政の民主的な運営を図るため、」とうたつてあります。それで行政機関を民主化するという精神が組織上どういう点に一番現われているかと申しますと、普通はその行政機関が合議制の機関になっているということが、これが独任制の機関に比して民主的な構成になっている、こういうように一般的に考えられております。そういう点におきまして、この原子力委員会は五人のメンバーをもって構成されるという点において、第一に、その組織上民主的であるということが言えるわけです。第二点におきまして、その委員が国民の代表機関である国会の承認を経て任命される、任命手続の点におきまして、これがやはり構成上民主的なあり方を保障するというような点に言えようかと思うのであります。そういう点におきまして、この原子力委員会が機構の点においても民主的な工夫がこらされている、こういうふうなことが言えようかと思います。
○秋山長造君 まずその民主的な保障ということについて、もう一歩進んでお尋ねしたいのですが、これはなるほど合議制にはなっているのですね、合議制にはなっているけれども、しかしこの「会務を総理し、委員会を代表する。」というその仕事は、これはもう国務大臣たる委員長に専属しているのですね。別に最も純粋な合議制ならば、当然構成メンバーの中から委員長は民主的に選ばれるべきものである。ところがこの原子力委員会の場合はそうではなしに、なるほど合議的な形にはなっているけれども、委員会において指導的な役割を務むべき委員長というものは、これは委員の意思とは別個に、政府の意思によって初めから天下り的にきまっているわけですけれども、その点が一つと、それからもう一つは、なるほどあとの四人の委員は平等な全く合議制のようですね。ただその中にも常勤と非常勤がある。二人を常勤とする、あとの二人が非常勤、こうなっている。そういたしますと、この原子力問題というような事柄の性質上、非常に専門的な性格を持っているそういう機関の中で、常動的に毎日勤める委員と、それから非常勤的にちょいちょいのぞくに過ぎないという委員と二つあるとすれば、これはもう当然その委員会の運営の指導権というものは常勤委員の手に握られるということは、これは事柄の成り行き上当然だと思うのです。そういたしますと、委員長は常に常勤ですね。だからなるほど委員長以下五人で構成はされておるけれども、実質的にはこの原子力委員会というものは、委員長たる国務大臣並びに常勤委員二人、合わせて三名によってほとんど運営されてしまう。あとの二人はこの原子力行政を民主的に行うのだという建前上、その飾りものとしてあとの二人は置いてあるに過ぎない、こういう形に私はなりやすいのじゃないかと思うのです。特にこの委員会の定足数が三名でしょう。定足数三名ということになりますと、これはもうおそらく、まあ非常勤であっても、それは精勤に出られるだろうとは思うけれども、いろいろな委員会なんかの例を見ると、やはりこれは委員長と常勤者二人、この三人で定足数を満たせますから、それで万事てきぱきやってしまうということになるおそれが多分にあると思う。そうすると、なるほど形は合議制の民主的な委員会であるけれども、実質的にはこれはもうかなり非民主的なものになってくる。よくいえば非常に能率的に運営されてしまう。悪くいえば非民主的になるおそれがあるというように私は思えるのですが、その点はどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(正力松太郎君) その点について管理部長から説明いたさせます。
○政府委員(岡部史郎君) 今、秋山さんのお尋ねまことに一々ごもっともでありまして、合議制の委員会、あるいは合議制の機関につきましては、それらの点は常に大きな考慮に値する問題でございますので、お答えいたします。 第一点の、委員会といいながら実際においては委員長が会務を総理し、委員会を代表することになるのじゃないかというお話でございますが、これはその委員会とか、そういう合議制の機関というものが行政機関であります場合においては、これはいわば一人の大臣なり、長官なりと合わせて同じように考えるべきものでありますが、しかし現実に外部に対して行動いたします場合については、その合議制の機関を代表する個人の地位がなければなりませんので、これを委員長と申しておりますので、これを法文に表わします場合においては、常にその委員会という合議制の機関が行動いたします場合においては、それが委員長の行動として表われることは、これはやむを得ないことでございます。これは他の完全なる行政委員会の場合におきましても常にそういう形態をとらざるを得ない。たとえて申しますると、人事院というのは人事官三人からなる完全なる合議制の行政委員会でございますが、それでも人事院総裁は院務を総理し、人事を外部に対して代表する、こういうことになっております。それから第二点の、委員長が国務大臣であるということは、少し民主的な性格において欠けるところがあるじゃないかという仰せでございますが、この点もまことに御指摘の通りでございます。完全なる、あるいはもっと高度の民主的な形態をとりまするならば、これは委員の中から委員長を互選するというような形をとることが考えられるわけでありますが、御承知のこの原子力委員会は、原子力行政に関して政策を企画、審議、決定するほか広範な権限を与えられております。これはきわめて政府の行政部面における重要なる意思決定機関でありまするので、政府の、あるいは内閣の責任、内閣の政策との和をはかるという意味におきまして、国務大臣を委員長としたということでございますので、その点は本来行政委員会、このような行政委員会というものの発達の歴史から考えますと、純司法的な、あるいは純立法的な機能を行使するためにこれは発達して参ったのであります。それがだんだん本来の行政の部面まで入ってきます場合におきましては、こういうような行政の責任態勢との調和を考慮するというような形であるわけであります。行政委員会の例を申しますと、国家公安委員会にも、あるいは首都建設委員会にもそんな例がある。そういうようにこれは各方面の行政を調和し、考慮した工夫である。そういう点において、しかし御指摘のようなその民主性の徹底しない点があろうかと思うのであります。それから第三点の常勤と非常勤との構成の問題でありますが、これは委員会の決定といたしましては、それは全員で、定足数を全員とするということは、これが活発なる活動を期待する意味においては無理な点があろうかと思いますので、やはりその最大限度をみましても三人以上を定足数とするのでなければ、これは動かないと思いますが、しかし会議を決定いたし、会議を掌握いたします場合におきましては、必ず五人に通知を出すわけなんでありまして、常勤たると非常勤たるとを問わず、その間に権限は相違はございませんから、五人の委員が常に御出席なさるならば、その間に常勤、非常勤の差はないと思っております、それから非常勤の委員が出席を制限されるというようなことは、これはあり得ないことでございますので、その点は御心配の点はなかろうかと思います。むしろ常勤、非常勤の差をつけたということは、その委員を選択する範囲を広くすると、どうしても常勤ではお招きできないけれども、非常勤ならばこの際非常に適任者で、これをお招きできるというような場合もあろうかと、こう思うわけであります。そういう場合の道を広くした。それから最後のお尋ねの、だれか一人が中心になるのじゃないか。常勤の者あるいは場合によっては国務大臣が中心になるだろう、まあ国務大臣たる委員長が中心になるのはこれは当然でございますが、おそらくその合議制の委員会におきましても、何と申しましてもおのずから中心になる人が出てくるというのは、これは委員会の運営上まことに当然のことであります。意思決定するのは各人平等でありますが、それを取りまとめ、中心になるということは、これは委員長のお仕事であろうと思います。
○秋山長造君 まあ今の御答弁の中で、まず第一の委員長の地位についての問題なんですが、これはおそらく委員長は国務大臣をもって当然委員長に充てるという制度は、これはやはり民主主義の原則に対してはある程度の制約を加えるものだと思うのです。だから完全に民主的ということからマイナス委員長をしたあとが民主的ということになろうと思います。しかしおっしゃるようにあなた方の方は幾ら民主的といったところで、内閣の責任ということもあるから、これを調和さしたのだといわれればそれまでだが、それから首都建設委員会とか、国家公安委員会の例をお引きになったのですが、大体首都建設委員会というのは、これは扱う問題が違うのです。それから国家公安委員会の点はなるほどそうなんです。しかし国家公安委員会がこうだから、これもこうあっていいというわけにも行かぬので、われわれをして言わしむれば、国家公安委員会だって、ああいう形にしたのは、まことにわれわれとしてはけしからぬと思うのです。あれは警察権力を中央集権に近づけたというのは、何といっても大きな要素なんで、だからああなっているから、これだって民主的だというわけに行かない。これはやはりその点は民主主義の原則からは少し後退していると思います。それからもう一つ私申し上げたいことは、原子力委員会は、まあ昨日来の正方国務大臣の御答弁では、とにかく法律的な性格はともかくとして、いずれにしても強力な委員会だと、こういうお話だったのです。ところがいろいろ法律的な性格を調べたり、いろいろやってくると、結局あまり委員会そのものは強力でないのではないかというような疑問も起る。第一手足がない。原子力局というものはこれの手足じゃない、別にある。しかも原子力局の担当大臣は、やはり正方国務相がおやりになるということで、だから結局委員会の手足じゃないけれども、原子力局は正力国務大臣の手足であることには間違いない。そうすると、委員会はあまり強くないけれども、委員長たる国務大臣というものは非常に強いということになってくるのですね、実際問題としては……。委員会も主宰し、これを代表し、しかも手足としての原子力局というものをがっちり握っているのですから、委員はあまり強くないけれども、委員長はこれはもうまことに強力な権限を持つ、こういうことになってくると思う。そこで、正力国務大臣が昨日来、とにかく非常に強い委員会だと言ってこられたのは、委員会じゃなしに、とにかく非常に強い委員長だということを言ってこられたのだろうと思う。だから、その委員長の権限は非常に強いかもしれぬけれども、委員会そのものは私は民主的なような形のようにはなっているけれども、これはどうもどういつでいいものだろうかと思うのですが、その点はどういうようにお考えになりますか。
○国務大臣(正力松太郎君) 先ほど私は強いと申し上げましたのは、きのう申し上げた通り、委員会できまったことを総理大臣が尊重しなくちゃならない、総理大臣が義務づけられております。それだから政府委員の説明通り、九分九厘までその通りにやらなければならぬ。そうすると、これは非常に強いものだという意味で申し上げました。それからなお先ほど私がだいぶ権力で……。これは専断にならぬように大いに慎しんで、民主的にやるようにいたしますからどうぞ。
○秋山長造君 これは水かけ論になりますけれども、それは心がまえとして、そういうことで、これはもうわれわれの言うのは、心がまえとしてでなしに、専断をやるにもやれぬような組織にしておかなければ民主的でないということを言っておる。やろうと思えばやれる、やるまいと思えばやれないということでは、民主主義の原則は保障されません。それから第二の常勤、非常勤の問題ですが、何ら差別はないということなんですが、たとえば十二条の委員の給与というような点において、常勤と非常勤がどういう扱いになるのか。それからもう一つは、もちろん会議をおやりになる場合には、常にこの非常勤の委員にも通知は出すのだというお話だけれども、一体その会議はどの程度おやりになるのか。また会議をやらない場合だって、常勤の委員は事実上常に会議をやっておると同じ形になるわけです。だから何といっても、これは悪く解釈すれば、常勤の委員だけでもう既定事実を作ってしまって、非常勤者はたまにのぞくくらいだから、あまりこまかくわからない、常勤者にまかせようという形になりがちだと思う。とにかく忙しくて常勤できぬというような人を予想しておられるのでしょう。だからなおさらそういう形になって、実質上は委員長と、委員長を取り巻く右大臣、左大臣二人の常勤委員と三人でやってしまう。しかもその中でも委員長の権限は特に非常に強力であるし、原子力局という手足を持っておるのです。これは正方さんのあごの振り方で万事きまってくるというようにどうしてもなってくると思う。それから、ついでにもう一つお尋ねしますが、忙しくて常勤できないという人があるかもしれぬということをあらかじめ予想しておられるのですけれども、これはやはり午前中に田畑君から質問しましたように、十四条の二号に出ておるあれですね、会社の社長等、総理大臣の許可があれば委員になれる、これと同じケースなんで、結局財界の人をだれかやはり優先的に想定しておられるのじゃないかという気がするのですが、そこでお尋ねしたいことは、けさほど委員四人も、財界、学界、言論界というようなことをおっしゃったのですけれども、財界の人が一名加わらないということもあり得るのかどうか、あるいはもう今までの行きがかり上、財界の人一名だけは絶対優先的に一つワクをとって、あと残ったのをほかの方へ適当にばらまくという、そういうやり方に事実上なってくるのじゃないかという疑問を持つのですが、その三点について……。
○国務大臣(正力松太郎君) 最後の、財界を特に想定しておるのじゃないかとおっしゃいましたが、そのほかの点は政府委員からやらせます。さっきも財界とか、労働界からとか言われましたが、私の選ぶ標準は、要するにだれが見てもこれが一番適任であるということが主でありまして、決して財界からとらなくちゃならぬという考えはありません。それですからどの界でも、要するに原子力委員会の委員として、国民の代表としてりっぱな人だということに目をつけますから、どうぞ御安心を願います。
○委員長(小柳牧衞君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(小柳牧衞君) 速記を始めて。
○廣瀬久忠君 大臣にお伺いしたいのですが、この原子力問題は非常に重大な問題である。これが今度、その根本法が議員立法でできた。そうしてこれが自民党と社会党と両党完全な協力のもとにできたということは私は非常に重大な意義があると思う。それについて大臣は、この自民、社会両党の協力精神というものを、この原子力立法並びに行政の将来に継続して行こうというお考えであろうと思うが、その点はどうお考えになりますか。
○国務大臣(正力松太郎君) それはただいまの仰せの通りであります。その趣旨はどこまでも尊重して行きます。
○廣瀬久忠君 まことにそれはそうなくちゃならぬと思うのですが、そこでお考えを願いたいことが一つある。それはこの基本法を拝見しても、原子力委員会のこの法を拝見しても、それから原子力局の問題を見ましても、あなたが今おっしゃって、もっともだ、自分もその通りで行くんだというお考えのようだが、しからば先ほど来問題になっておるつまり委員会等の問題、私はこの委員会は非常に性質があいまいであると思うが、まあ私はこれはこれでいいと思うのです。これはまあ理屈はいろいろあろうと思うが、能率的にやはり仕事をする、それに民主的の意味も加えてやろうという意味もある。そうしてこれはやはり有力なる委員会として行政委員会的に将来持って行く方がいいじゃないかというくらいに思うのですが、この委員会の問題はともかくとして、あなたがこの両政党の協力ということ、これがこの原子力法並びに原子力行政の生まれた根本として大切である、この精神を将来も一貫しようというお考えならば、そこで私はこの法の上に、今入れろとは申しません。申しませんが、将来この原子力の立法並びに行政というものは、どの程度発展するか、非常に発展するものだと思う。従いまして、やはりこの原子力法並びに原子力委員会、これ以外に大きな、つまりこういう小さい四人とか、五人とかいうものでなしに、二十人とか、三十人でもいいでしょうが、要するに両政党の協力態勢というものをその委員会の中に織り込んであるところの、協議会でもいい、審議会でもいい、何かそういうものを二つ持つというのが、私はこの精神を永遠に生かす非常に大切な問題であると思う。そこで今すぐそういう種類の協議会とか、委員会とかを置けとは言わない。けれども、これは近い将来において科学技術庁をお作りになろうし、そのほか原子力行政はいろいろな方面に発展すると思うから、今の両党合同の精神を生かして行くような組織を一つ別に考えるべきじゃないか。そうしてこの精神を生かして行くべきじゃないか、こう私は思うが、それに対するあなたの所見を伺っておきたい。
○国務大臣(正力松太郎君) まことにごもっともなお話でありまして、その趣旨をよく尊重いたします。今度科学技術庁のできるときには、その意味を盛り込むつもりでおりますから……。
○廣瀬久忠君 もう一言ちょっと。またこれはいいかげんになってはいけませんから、はっきりいたしておきますが、その科学技術庁というものがどういう形でできるか知りませんが、根本精神は、この両党が合同してこの問題を生み上げたということをよく根本に置いて、そうしてその精神に基いて育て上げるようなものを一つ考えていく。いたずらに、いたずらにという言葉は弊害があるが、とにかく私の言うことは、露骨に言えば、やはり両党の議員を主体に入れたものを考えなさい、こういうことです。どうぞさよう御承知おき下さい。
○国務大臣(正力松太郎君) まことにごもっともな御意見です。その精神をよく考慮して入れて行きたいと思います。
○委員長(小柳牧衞君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(小柳牧衞君) 速記を始めて。
○秋山長造君 ちょっとさっきの御答弁を……。
○政府委員(岡部史郎君) それでは二つお尋ねがございましたが、簡単な方の一つから申し上げますと、常勤の委員には給与法の改正によりまして、これに七万二千円の俸給月額を支給することになっております。それから非常勤の委員は、これは非常勤の委員というのは、その勤務したごとに給与を支払うことになっておりますので、これは最高一口たしか三千円だったと思っておりますが、その範囲内におきまして内閣総理大臣が定めて、そうして支給する。勤務のつど支給することになっております。従いまして、出勤するつどでございまして、どういう機会に出勤するか、何回この委員会を開催するかということは、この法律の最後にあります政令によって定める、あるいは政令の範囲内においてそれぞれ委員会の規則で定める、こういうようなことになろうと存じます。
○秋山長造君 今の件はちょっとあと回しにしますから……。それで大臣についでにお尋ねしますが、今までお尋ねしてきたことは、主として民主主義の原則がどう貫かれるかということ、これはあとで事務当局にももう少し伺いたいと思いますが、次の原子力研究の自由ということですね。この研究の自由、特に大学における研究の自由、この問題とこの原子力委員会設置法との関係はどういうことになっておりますか。もっと具体的に言えば、この原子力委員会設置法のどこにも大学の研究の自由の尊重ということが入ってないように思われる、その点どのようにお考えですか。
○国務大臣(正力松太郎君) それは大学の研究の自由を尊重するために特に付帯決議が出ております。それに「原子力委員会設置法案第二条第三号の関係行政機関の原子力利用に関する経費には大学学部における研究費は含まないものとする。」、これは経費で縛ってはいけないと思いますから、特にこういうことを入れました。
○秋山長造君 それは、今の読まれたのは、これは政府の原案ではないので衆議院の議員がやったことですが、そういう付帯決議がついているから、この法律が研究の自由を尊重することになっているというのはちょっと違うと思うのです。そういう付帯決議をつけなければならぬというのは、政府の原案はその点において不完全であるということを物語っているので、なぜこの原案にそういうことをはっきりお入れにならなかったかということを伺いたい。
○政府委員(賀屋正雄君) ただいま国務大臣が付帯決議案をお読みになりましたが、大臣のお考えは、こういう付帯決議の趣旨もあり、これを十分尊重してやって行くということであります。法律の件につきまして、その点われわれも当然考慮をいたした点でございまして、第二条の七号にもその点をはっきり明示いたしております。原子力利用に関する研究者、技術者の養成訓練に関することは、この委員会がいろいろ審議決定をいたすことになるのでございますが、大学におきまして講座を設けまして、この原子力利用に関する研究をいたします場合に、その講座の内容にまでこの委員会が立ち入るということは、いかにも大学の自治研究の自由を害するというおそれもございますので、この点をはっきり明示いたしたわけでございます。もう一つは、先ほど付帯決議に出ましたような経費の点で、経費で縛ることによってその研究の自由を阻害するおそれはないかというお考えでございますが、この点につきましても、この第三条にはっきりは明示してはございませんが、できるだけこの付帯決議の趣旨で、この大学学部における研究経費をいささかでも制限するというようなことのないような運営をして行きたいと考えているようなわけであります。
○秋山長造君 まずもう一度はっきり初めからお尋ねいたしますが、政府においては大学における研究の自由をあくまでこれは尊重されるという御意思であるのか、どうか、その点をまず聞いてからあと聞きますから、その点どうですか。
○国務大臣(正力松太郎君) それはもちろんそうであります。
○秋山長造君 どこまでも……。
○国務大臣(正力松太郎君) 一応尊重します。
○秋山長造君 そうしますと、今の審議室長の御答弁によると、二条の七号の「原子力利用に関する研究者及び技術者の養成訓練」については、「(大学における教授研究に係るものを除く。)」というただし書きをはっきりつけている、こうおっしゃるんです。もちろんこれも重要な問題です。しかしこれよりももっと大事なことは、やっぱり三号あたりに書いてあるこの経費の見積り、つまり予算の見積りだとか、分配だとか、こういうことの方がもっと研究の自由を保障して行くということから言いますと、これは必要なことではないかと思うのです。ところがこういうものについてはカッコ書きも何もついていない、ないのですね。そして一事務当局の方がただ口頭で、できるだけ大学の研究の自由は尊重しましょうというようなことでは、われわれも責任を持って、それじゃそれでよろしいということは言えませんよ。これはやっぱりせめて七号にこういうカッコ書きをつけて大学の研究の自由を尊重するということを表わすくらいなら、三号にだってもちろん初めからカツコ書きでもつけて、ただしこの経費の中には大学の研究費は含まれないからというふうなことは入れておいていただかないと、ただ衆議院で付帯決議をつけたといったって、付帯決議なんというものは、これこそ政府が尊重する、せぬは政府の自由だし、別に法律的な拘束力を持ったものでない。まあその点一つどうですか。なぜそういうものを初めから、立案するときにもっと用意周到にお考えにならなかったか、現にこの間の学術会議あるいは大学関係者が国務大臣その他へ申し入れにこられたと思うのですが、この説明をつけるんじゃなしに、なぜ法案そのものを初めからそういう疑いの余地のないようになさらなかったかということをお尋ねしたいと思います。
○政府委員(岡部史郎君) 立案の過程から申し上げますと、私ども事務的に立案に従事いたしましたものといたしましても、原子力に関する大学の学術研究の自由をいささかでも拘束したり、これに触れたりすることのないようにということは最初から一番念頭におきまして審議し、研究いたしまして、いろいろな案の途中におきまして、そのような大学の研究を拘束する、あるいは統制するような表現になるような規定の仕方の場合におきましては、これをはっきりカッコ書きで除く必要があるだろう、こう考えまして、いろいろな措置も考えたのでありますが、この三号のような表現に参りますると、むしろこの表現自体は衆議院の決議にも現われております通り、この表現自体は決して大学の研究の自由を阻害するように解釈されるようなおそれはないだろうというような考え方で、それでそういう意味におきましてカッコ書きを入れるほどの必要もないだろうというような考え方で、こういうような表現になったわけでありまして、私ども事務的に申しますると、この三号でカッコ書きがあるいはないことが大学の研究の自由を阻害すると解釈されないと、こういうような考え方なのであります。従いまして、解釈上それを衆議院の方の御決議などから拝見いたしますと、そういう趣旨をここで読めると、こういうように考えるのでございます。
○秋山長造君 これはまあ従来の原子力問題に関する、ここ数年来の経過から見ましても、やっぱりこの原子力問題の推進の上では、これは学者、学界の発言権というものは相当大きかったと思うのです。それだけに政府当局としても、この問題の運び方については当然学界の専門家の方々の意見を事前に十分聞かれて、しかもそれをできるだけ尊重されてしかるべきだったと思うのです。ところがこういう項目について、一方では政府が発表され、他方ではすぐそれと並行的に、それはとんでもない、それでは大学における研究の自由が侵されるおそれがあるというような反論が出てくるということは、われわれ部外者から考えると、一体政府はこういう法案を立案されるのに、大学なんかの方面の意見を聞かなかったのかと思う。政府の内輪だけでこそこそとやられたんじゃないかという気がするのですがね。そういった手続はなさったんですか、どうですか。
○政府委員(賀屋正雄君) その点につきましては、文部省が大学の意見を十分反映して、いろいろ御意見も出たわけでございますが、それをそれぞれ調整いたしまして、こういう法案になったわけでございます。直接大学からこの法条作成に参画していただいたわけではございません。
○秋山長造君 たとえばこの問題についてずっと関係してきていらっしゃる藤岡由夫博士ですね、その他茅さんだとか、これはこういう問題については、行政部門にまで立ち入って今までやってきておられるその藤岡さんが、この案が出たのに対して、私は新聞で読んだんですが、この案が出たのに対して、これではいかぬと、これはもっと学者の大学における研究の自由を尊重するところの保障がなければいかぬということを言って、この政府の原案に対して非常な不満をぶちまけておられる。だからそこらが今まで原子力の問題については藤岡さんなどの意見を徴して、聞いて、一緒に仕事をやっておられる係の皆さんが、今回のこの法律の立案についてだけは、そういうものの意見は一切聞かずに文部省の意見だけ聞いてそれをやるということは、ちょっと私は手続として不十分ではないかという気がするのです。国務大臣、どうお考えになりますか。
○国務大臣(正力松太郎君) 今、政府委員が言った通り、文部省から十分聞いてありましたから、それでよかろうという考えであります。
○秋山長造君 文部省から十分聞いたとおっしゃるのですが、これは何故今まで一緒に、学者と直接一緒に仕事をしてきておられて、その立案の段階になって何故今まで一緒にやってきた学者をのけものにして、今まで相談をかけたことのない文部省の役人に相談をして、そして文部省が言ったからそれでよろしいというような、ちょっと三原則などの問題がはなはだやかましく言われているときでもあるし、私は政府のやり方としては非常に片手落といいますか、不十分な、周到でないやり方ではないかと思うが、これは今後のこともありますから、やっぱりもう少し慎重にやってもらわぬと困ると思う。
○政府委員(岡部史郎君) これにつきましては、いろいろいきさつがございます。もちろんその学界関係からの意見を徴します場合におきましては、政府のルートといたしましては、最終的に閣議決定をいたします場合においては文部大臣の御意向が反映するわけでございますが、そのほかのルートといたしましては、原子力利用準備調査会の会議あるいは専門委員をしておられる学界の方々の御意見、あるいは行政審議会の委員をしておられる学界の方方の御意見も十分に立案の過程におきまして尊重し、承わって立案に携わって参ったわけでございますが、先ほども申し上げました通り、原子力委員会なり、あるいは科学技術庁なりがこの大学の学術研究に関する予算を取扱う場合におきまして、それが大学の研究を阻害しないようにという考慮は、いつもこれを第一に念頭においていることは当然でございます。それでたとえば科学技術庁なり、この原子力委員会が原子力に関する経費を、一つの考えでございますが、一括してここに計上する、そしてそれを配分するというような場合におきましては非常な、ある面におきましてこれを助長奨励する面もあるのでありますが、拘束、統制するという面も出て参りまするので、そのような場合におきまして、大学の研究費をどうするかということにつきすして、これは特段に慎重に考慮しなければならぬ場合であります。その場合におきましても、そういうようなことをすることが大学の研究の自由を阻害するのか、あるいは研究の自由を阻害しないで、大学に大いに予算をつけるためにそっちの方にプラスになるのだというような考え方もございます。学界におきましても、そのような二つの有力な考え方があるように承わっておるのでありますが、このたびの原子力に関しまするこの第二条の第三号の表現につきましては、先ほども申し上げました通り、これは予算を一括計上するとか、それを移しがえするとかいうようなことでございませんので、単に経費の見積りだ、あるいはそれの配分計画だというような点におきまして、先ほど来申し上げました大学の研究の自由というものを何ら拘束する点はないのではないかというような考え方、これは政府関係部内におきましても、そういう点におきましてその点一致した考え方なのでございます。そういう意味におきまして、御指摘の点御心配はごもっともでございますが、おそらくそのいろいろな考え方が、こういう一括計上とか、配分とかいうような考え方の場合における考慮と少し違う点があるのではなかろうか、こういうように考えるのであります。
○委員長(小柳牧衞君) どうです、大臣はしきりに商工委員会で……、まだおやりですか。
○秋山長造君 ちょっと待って下さい。今の問題は、今のような御説明では、これはわれわれはなるほどそれなら安心だという気持にはなれません。これはただ心がまえとして、できるだけ尊重しましょうという心がまえをあなた方おっしゃっておるのでありますので、この法文のどこにも、尊重するせぬにかかわらず、尊重するという保証はどこにもないのですから、だから衆議院の方でも特に付帯決議をつけられたのだろうと思う。そこで衆議院の付帯決議は、これは正力大臣がまるで政府自身の原案であったかのごとき御説明でしたのですから尊重されるでしょうけれども、ただ衆議院の付帯決議は大学の学部ということなんですがね、大体問題は大学学部というよりも大学のいろいろな付属研究所がございますね、付属研究機関が……。そういうところでの研究ということが問題だろうと思う。そういうところ、大学の学部ということになりますというと、さっきおっしゃったように、ただ講座とか何とかいうような、あまり金もかからぬ、口でしゃべってノートをとらせるようなところで、実験設備は少しずつあるというようなことになるでしょうが、やっぱりそういうことでなしに、大学の研究は決して学部の講義だけの自由ではないので、むしろ付属の研究機関、大学院その他における、少くともいやしくも大学というワクの中におけるあらゆる研究の自由であると思います。だから衆議院の方はどういうお考えであるかしらぬけれども、非常に範囲が局限されておると思う。だからなおさら私が先ほど来申し上げるようないろいろな疑問と不安が出てくると思う。その点は正力大臣はどんなようなふうにお考えになるのですか、あるいは大学の学部だとか、何とかいうことでなしに、要するに大学における研究の自由一般というものを十分に尊重して行くのだと、こういうお考えであるかどうか、その点承わりたい。
○国務大臣(正力松太郎君) 今お話しの通りです。大学の一般の自由は十分尊重いたします。
○秋山長造君 まあそうおっしゃられれば、そうじゃないのじゃないかというわけにもいかず、これは信用するよりしょうがないのですが、やはり大臣はとにかく原子力の問題については非常に気負い立って大きな抱負を持っておられる、まあわれわれもこれは御期待申し上げておるのですから、だからそれだけに一つ大いにやっていただきたいと思うけれども、やはりこの学問研究の自由ということだけは、これはいかなる情勢の変化があっても、いかなる場合にも断じてこれはもう至上命令としてやはり尊重されることが、長い目で見てやはり原子力研究の発展の上にもそれは大いに役立つことだろうと思う。これは釈迦に説法ですけれども、その点重ねて一つはっきり御言明をお願いして、そしてやめますから……。
○国務大臣(正力松太郎君) 御質問の趣旨はよくわかりました。必ず大学の自由を尊重いたしますから御安心を願いたいと思います。
○政府委員(岡部史郎君) 先ほどお答えを残しましたので重ねてお答え申し上げます。 第一点は、この原子力委員会の委員長が国務大臣になっておるのを、例といたしまして国家公安委員会とか、首都建設委員会が模範とするに足らぬというようなお話しでございますが、これは全くお説の通りでございまして、私ども模範とした意味じゃないのでございますが、ただそういう例もあると、これはいずれも行政の能率的な見地、あるいは内閣の行政責任の見地と、それから行政の民主的な見地との調和ということについての一つの工夫の例である、こういうような意味で申し上げた次第であります。それから、これは非常に委員長の権限が強くて委員会の権限が弱いじゃないかというお尋ねでございますが、これは委員長は結局「会務を総理し、委員会を代表する。」権限は持っておりますが、その権限はすべて単独で行使できませんで、あくまで合議制の、委員会の多数決の意思によらなければ少しも動けないと、そういう意味におきまして、委員長でなしに、むしろ委員会が強いのである、こう申し上げなければならないと思います。それからこれは非常に専門的なわが国にとって未知の分野である、そういう意味におきまして、この委員会に専門的な学識経験の深い委員がお入りになるならば、その委員会の決定なり、意向なりが、これは実質的に非常に強いものになるのでありまして、それによってそれを行政に具体化するのが委員長の仕事であると、こう思います。
○秋山長造君 先ほど御質問いたしました大学の付属研究機関等の問題は、さっきの正力国務相のはっきりした御言明で一応きりはついたのですが、もう一つの問題は、これはまた別な性格のものですけれども、まあ防衛庁の付属の技術研究所ね、まあ今後さらにこの防衛庁における技術研究機関というものはだんだん時とともに拡充されるおつもりだろうとまあ想像されるのですが、前の砂田防衛庁長官の旅先でのいろいろな言明によると、これはもう原子兵器なんかも日本の防衛庁においてどんどん取り入れてやるべきであるというような、オネスト・ジョンなんかもう古いという、非常に勇ましい放言もずいぶんあった。まあいずれにしましても、防衛庁の技術研究機関ではやはり原子力兵器の研究というようなものも、あるいはすでに着手されておるかもしれないのです。また今後取り上げられることになるかもしれない。これはもう常識です。常識としての予想ですが……。で、こういうものもやはりこの原子力委員会の所掌事務の中に包含されるのかどうか、その点……。
○政府委員(岡部史郎君) これは基本法と原子力委員会設置法と相待ちまして、これはあくまで原子力の平和的利用に関する行政機関でございまするので、いやしくも原子力の軍事的な利用法は全然除かれている、こう考えます。
○秋山長造君 今の原子力基本法が日本における原子力問題のいわば憲法なんです。これにおいては平和利用以外の利用ということは考えておらないのですか。
○政府委員(岡部史郎君) さようでございます。
○秋山長造君 だからいかに防衛庁であっても、何であろうと、いやしくも日本の国内に関する限り、いかなる場所においても、いかなる機関においても、平和利用以外の利用はその研究というものは許しておらないわけですね。これは憲法の建前からいっても、原子力基本法にもはっきり書いてある。ですから今のあなた方としては、防衛庁においてこういう原子力関係の研究がされるということは全然ない、こういう前提に立っておられますか。
○政府委員(岡部史郎君) お尋ねの通りと存じております。
○秋山長造君 従って防衛庁の技術研究所云々という問題は全然これは考えておらぬということですね。そういうことでしょう。
○政府委員(岡部史郎君) さようでございます。
○秋山長造君 それからもう一つお尋ねしますが、原子力委員会の所掌事務と原子力局の所掌事務として列挙されているのをずっと見比べてみますと、大体重複しているのですね。ただ原子力局の所掌事務の中で、四号のアイソトープの利用の問題ですね。それから六号の原子力研究所に関する問題、この二つだけは原子力委員会の所掌事務にはないわけです。これは何か理由があるのかどうか。
○政府委員(賀屋正雄君) お答えをいたしますが、大して大きな理由とは申せないかもしれませんが、原子力局の方の所掌事務の第四号にございます放射線同位元素、いわゆるアイソトープの利用の推進に関することと申しますのは、アイソトープの利用面はいろいろ各省で所管している行政に直接結びついておる問題が大部分でございますので、これはいわば各省段階の施策に直結しているという意味におきまして、ただ原子力局の方はそれを推進するいわば旗を振る、応援をする、こういう程度のことでございますので、原子力局の方の所掌事務として掲げるのは適当でございますが、原子力委員会の方までやる必要はなかろうというふうに考えたわけでございます。それから第六号の「財団法人原子力研究所に関すること。」でございますが、これはまだ原子力研究所に対して政府がいかなる監督をするかということは、法規的には民法上の監督以外にははっきり定まっておらないのでございまして、別に議員提案にかかります原子力基本法案の方におきまして、将来こういう原子力研究所を設ければ、これに対しては政府は別途法律を設けまして、いろいろな監督事項を定めるわけでございますが、そこに至りまするまでの間、民法上の財団法人に対する監督をいたします場合の、主務大臣がだれになるというような点をはっきりさせるくらいの意味合いにおきまして、それは内閣総理大臣が主務大臣に当るのだという趣旨を現わすために、この原子力局の方の所掌事務の方に掲げたわけであります。
○秋山長造君 そういたしますと、最初の点ですね。アイソトープの問題は、特に一項目として原子力委員会の所掌事務に列挙するほどの問題ではない、こういうことですか。私はむしろ原子力委員会法の二条の九号にある「その他原子力利用に関する重要事項に関すること。」、その中にいろいろアイソトープの問題なんか含まれるべきものじゃないかと思うのですが。
○政府委員(賀屋正雄君) 仰せの通り、この原子力の中にはアイソトープを含むと解釈いたしておりまして、アイソトープの利用に関するたとえば基本的な政策のことでありますれば、この原子力委員会の第二条の第一号の「原子力利用に関する政策に関すること。」、これにも入りましょうし、お説の通り、その他第九号で重要な事項、何らかアイソトープに関する重要な事項が生じました場合には、もちろんこれによって所掌いたすことができるわけでございますが、原子力局の方においては、各省が行います行政と直接結びついておるアイソトープの利用の現段階をさらに推進するという意味のことを原子力局の方に明示したのであります。
○秋山長造君 それでわかりましたが、そうすると、六号の原子力研究所にしても、これはまだ設けられていないから、取りあえず原子力局の方の所掌事務としてあげてあるのだが、どうせこれは設けられれば相当大きな役割をしてくる実施機関になるわけですね。そうすると、当然この原子力委員会の所掌事務の中でも、これは相当大きなウエートを持ってくるのではないかと思うのです。その点どうですか。
○政府委員(賀屋正雄君) その点は、先ほどの第九号で、その他原子力の利用に関する重要なことで読もうと思えば読めるわけでありますが、御説の通り原子力研究所に対する監督という問題は非常に重要な問題でございますので、原子力基本法に基きまして、原子力研究所に関する法律が現実に制定せられまして、監督事項のはっきりいたしました場合には、一つの考え方といたしまして、その法律でもってこの原子力委員会の所掌事務を改正いたしまして、特に一号を掲げて明記するということも考えられるのではないかと思います。
○秋山長造君 そういたしますと、先ほどの大学における研究の自由というような問題もあったり、それからまた今の所掌事務等についても多少の疑問が起ってくるのですが、まあいずれにいたしましても、これは現実には何にも整っていないものを、ただ紙の上だけで先に前もっていろいろやられるわけですから、だからどうせ来年の一月一日から施行されることになりますが、それで新年度の予算も組み、漸次形が整って来、科学技術庁もできて原子力局もそれに吸収するということになりますと、やはり遠からざる将来において、この原子力委員会の設置法案、内閣総理府設置法、こういうものは相当また大幅に改正せなきゃならぬというときがくると思うのですが、そういうことを予想されておりますか。
○政府委員(賀屋正雄君) 将来のことでございますので、大幅になるかどうかははっきりいたしませんが、当然この科学行政機構の問題もございますので、そのときには当然何らかの改正が加えられることが必要になってくるものと考えております。
○秋山長造君 まあいずれにいたしましても、この原子力関係の法律が実際に動いてくるというのは、やはり新年度の予算が組まれ、また原子力利用についての年次計画というようなものががっちり固まって来てからだろうと思う。そうすると、法律が国会を通れば通ったままで、そのままの形で予算がきまり、いろいろ機構がまとまってくるときを待つということになるのですがね、こういう年末のきわめて切迫した、まあいわばどさくさの空気の中で、こういう重要な問題を完全に十二分に練らないままでお出しになったというのは、これはまあ大臣にお尋ねせにゃいかぬことかもしれんけれども、どういう事情なんですか。われわれも全くこういう重要なものを一日か、一日半くらいでばたばたと、それあげろ、それあげろということでせき立てられているのですよ。
○政府委員(岡部史郎君) その点は科学技術庁が将来できます場合におきましては、もちろんこの総理府の内局である原子力局というものに吸収されますし、先ほど廣瀬委員からもお話しございまして、大臣からお答えになりました審議機構の問題とか、いろいろ考えられる問題はございますので、変ってくることは事実免れないことと思うのでございますが、しかしわが国の原子力政策を一日も早く審議し、決定するということが必要である、今の情勢において一日も早く歩き出すことが必要であるということは、正力大臣からもたびたび申されました通りで、この原子力委員会というものが一日も早く発足し、一日も早く原子力政策の企画、審議、決定に対しまして大きな歩みを始めるということは、この機構で十分やり得ることでありますので、しかもまた現実に通産省あるいは経済企画庁に分散しております機構、機能を集めて、これを動き出させるということも、やり方によりましてやることが可能でありまして、その必要性もきわめて大きいものと存じております。
○秋山長造君 従来政府でお立てになっておった原子炉築造五カ年計画ですか、ああいうものは今度原子力局ができれば、それで引き継いで行かれるのですか、それとも今まで立てられたああいう計画というのは一応ここで御破算にして、そうしてあらためて練り直されるのか、そういう点はどうなりますか。
○政府委員(岡部史郎君) この原子力委員会設置法の第二条の委員会の権限で「原子炉に関する規制に関すること。」ということもこの委員会の権限に属しますので、この委員会が発足いたしますならば、その点もこの委員会におきまして決定し、実施に移すことになるだろうと思います。
○秋山長造君 もう一点だけお尋ねいたします。十四条の委員の資格要件の中に、積極的に政治運動をやってはならぬということがある。これは国家公安委員なんかの場合にも同じような規定があって、当時われわれいろいろ聞いたんだけれども、結局わからずじまいになってしまった。これはどういうように解釈したらいいですか。
○政府委員(高辻正巳君) 積極的に政治運動をするということの意味いかんということでございますが、これはただいまお話がありましたように、実はほかの法律の規定にも先例がありますので、大体踏襲というような格好で来ておりますけれども、こういうことがどうなるのかというようなお言葉では、あるいはお答えできるかもしれませんけれども、一般的、抽象的に積極的に政治運動をするということを、ある程度具体化してお話しすることは非常にむずかしいのでございます。いずれにいたしましても、ここで初めて設けたものではなくて、大体今まで使っておった言葉をそのままにここに設けて来たということが立案の過程でございます。
○秋山長造君 そうすると、大体立案者は、この原子力委員会の委員になる人は、これはもう政治に関係ない人が最も好ましいというようにお考えになっているのですか、それともそういうことは何もお考えにならぬで、とにかく適任者があれば入れる、そのかわりに政治活動はその間ちょっと遠慮してもらいたいというようにお考えになるのですか。
○政府委員(高辻正巳君) 第十四条の資格要件の一つとして、積極的に政治活動をする行為をしてはならないということになっておりますから、とにかく在任中に、たとえば先ほどの積極的に政治活動をすることの意味にも多少関連するかもしれませんが、普通の公民の一員として投票をするとか、そういうような選挙にあずかるとかいうようなことは、これはもちろん言うまでもなく別といたしまして、そうでない、政治活動のうちでも、政治運動のうちでも積極的だと認められるようなものは、この在任中は少くも行為をしてはいけないということに相なっておるわけであります。そのほかに、さらにそういう傾向のある人をこういう委員会の委員として入れるのがよろしいか、よろしくないか、そこら辺になりますと、私どもとして、まあ法制局といたしましてお答えするのはいかがかと思いますので、それまでのお答えにとどめておきます。
○秋山長造君 これもいささか抽象論になりますけれども、そうすると、結局今の御答弁では何が積極的な政治運動かという客観的な尺度、ものさしというものはないわけですね。結局だから主観的に考えるよりしようがない。で、この十条の二項に総理大臣が不適任と認めた場合は罷免するという。結局だから総理大臣がその認定をするわけですか、あるいは政治運動をやっては困ると、こういうわけですか。
○政府委員(高辻正巳君) 御指摘のように、内閣総理大臣は「委員たるに適しない非行があると認める場合」等におきましては、これを罷免することができるわけでございますが、それはむろん両議院の同意を得て罷免することができるわけで、そこの過程におきまして両議院が、それが果してそうであるかどうかという御判断を下す余地は十分にあろうと思います。
○秋山長造君 私らがこういうことをしつこくお尋ねしますのは、政治運動と一がいに言うけれども、たとえば、じゃ財界のだれか有力者、どうせ一人予想されておられるようですが、そういう人はおそらくまた経団連の会長だとか、何々の会長だとかいうようなことで純経済的に動いておられる場合もあるけれども、同時に大いに保守合同の陰の推進者になる。いろいろそういうようにして、これはもう実質的にはきわめて非常に大きな意味で政治的に動いておられる面が少くないと思うのです。で、そういうものを、政治運動なら、ただ街頭へ行って街頭演説をやったりするだけじゃない。むしろそんなものは小手先の一番端つぼの政治運動であって、一番有力な政治運動というものは、あまり人目につかぬ物陰でやっている場合もある。そういうことを言っていると、結局積極的な政治運動とは何ぞやということが全くわからぬことになってしまう。だからそういうことよりも、もう政治に関係してはいかぬとか、何かそういうはっきりした文言でもって、まあそれにしてもまだはっきり判り切るということはできぬかもしれないけれども、しかしここに書いてあるような表わし方よりも、もう少しはっきりけじめをつけた表わし方というものがないものかどうか、どうですか。
○政府委員(高辻正巳君) これは先ほどもちょっと申し上げましたけれども、実際具体的な行為をつかまえて、こういうことをしてはいけないということは非常にまあむずかしいので、結局やはり最後には「その他」というようなところで区切らざるを得なくなるわけなんでございます。そこで確かに仰せの通りに「積極的に政治運動をする」というようなことはあいまいではないかということは、仰せの通りだと思いますけれども、結局いろいろな場合場合について、もうすべて網羅をすることができれば、それはまたよろしいのでございますが、そういうことも不可能でありますために、何と言いますか、安易な道かもしれませんが、従前の使いなれた言葉を使って、しかもそれだけで罷免をするというようなことになりますと問題でございますので、特に両院の同意を得てというようなことにして、専断に過ぎることがないようにいたしたつもりなのでございます。
○秋山長造君 私の質問は大体これで打ち切りますが、正力大臣はまた帰られるのですね。
○委員長(小柳牧衞君) 今商工委員会におられますが帰ってこられます。
○秋山長造君 正力大臣が帰って来られたら、一つ重要なことを落していましたので一点だけ質問さしていただきたいと思います。
○島村軍次君 簡単にお伺いいたしたいと思います。それは昨日来本委員会の性格について質疑応答が行われて参ったのでありますが、どうもはっきりせぬところがあるということと、行政組織法の第三条と第八条との解釈の問題になって参って、究極するところこの第八条の行政機関だと、しかもそれは第八条中の諮問的または調査的なもの等と、こういうことによって解釈するというようなきわめて不明確な行政委員会であるやに受け取れるのでありまして、この点は相当論議の余地はあると思うのでありますが、しかし全般にわたってこの原子力の問題等は今回初めてでありまして、委員会の性格を将来はっきりし、かつ行政組織法中のこれらの点を将来これを動機にと申しますか、改正をすべきではないかと私は考えますが、それに対して至急に御意思があるかどうか、またあるとすれば、どういうふうな改正の意図を持っておられますか、その点伺っておきたい。
○政府委員(岡部史郎君) 簡単にお答え申し上げますが、この原子力委員会が第三条の委員会でなくて第八条に規定する機関であるということをはっきり申し上げます。それからこの第八条の表現内容につきましては、従来の経験に徴しましても不十分な点は私どもも認めるところでございますので、第八条の改正につきましては目下検討いたしておりますので、成案を得ましたら御審議をいただくことにいたしたいと、こう考えております。
○吉田法晴君 ちょっと関連して。島村委員の質問はそうでなくて、この法律について、二法案について改正云々という御質問であったと思うのですが、私も、先ほど秋山君も申しました。その点についてお尋ねしたいのですが、正力国務大臣がおいでになりましたから大臣からどうぞお答えを願いたいと思う。衆議院でも付帯決議をつけております。それからその後だいぶ楽になりましたけれども、大学付置の研究所は予算に関連して研究が規制を受けるのではないか、こういうことで大学の研究所を含んで研究が規制を受けること、その自由性を失わぬことをこの法案の運用に当って確保してもらいたい。こういう点は強く学界から要望されているところで、その点は秋山委員等も質疑をいたしましたが、その点、それからたとえば三原則の民主性を四人の委員で確保されるというけれども、たった四人の委員で民主性が確保されるとは考えられない。こういうことが一般的にも、あるいは半分出ていればよろしいということで、二人と委員長と三人できめられる云々という点、それから原子力局が将来委員長のもとに包括される。そしてその行政と、それから行政委員会でないと言われる委員会との関係、その他これは今日は午前中、法制局長官が通ったような理屈でもって説明をいたしましたけれども、これは通ったようだけれども、実際は通っておらぬ。同じ機関が原子力担当の国務大臣、これから正力さんなるわけですが、あなたが行政委員会でない委員会の長と、それから総理大臣を補佐するという形で原子力行政を実際にやられる行政機関にもなれる。この一つの機関が二つの任務を持つ、そういうものが論理的にはわかるかもしれんけれども、そういう機関が行政組織法にはあり得ない、こういうことを私は言って参ったわけであります。早々の間であったろうと思いますけれども、この法律全体が相当ずさん、これは基本法もそうですけれども、この設置法にしても、あるいはこれに関連いたします組織についてもずさんだということは、この委員会の審議を通じて明らかになったと思うのであります。そこで今改正の話が出ておりますが、なるべく近い機会に改正をして出す意思があるかどうか。その中で民主性あるいは自主性等について、より一そうこの法律案の中に改正して出してくる御意思があるかどうか一つ承わりたい。
○国務大臣(正力松太郎君) 予算の点につきましては、政府委員から説明いたしますが、この法律は委員会についてはだいぶずさんな点があるということ、で、これを改正する意思があるかどうかという点でありますが、この点はとくと考慮いたします。
○秋山長造君 さっき大臣への御質問を申し上げた中で一つ落していたのですが、この間、嵯峨根遼吉博士が帰って来た、あの帰国談として伝えられている中に、学術会議の三原則をあくまで確保して行くためには、この原子力行政において、文民支配という言葉が使ってあるのですが、文民支配の原則を当初にしっかりと確立しておくことが一番大切だ、そうしてさえおけばこの三原則は今のところは守られるであろうというようなことを報道されておる。これはいろいろな新聞を見ると、全部大体同じようなことを報道されております。で、具体的には、原子力委員の構成、あるいはさらに原子力局等の構成、こういう構成の中で、あくまでこの文民優先というか、文民統制というか、文民支配というか、そういうものをがっちりうたっておく必要がある。だから資格要件としてやはり文民でなければならぬということをあくまで確立しておく必要があるのじゃないかということだろうと思うのです。その問題について、正力国務大臣はどのように考えられておるか。
○国務大臣(正力松太郎君) 先ほどのこの原子力委員会等について改正の意思があるかどうかという話と関連してくるわけですが、私は今度この法案をやりまして、もしほんとうに悪いというならば、いつでもそれは改めるつもりであります。そうして今の文民の意思はこのままで行っても私どもは行われると思っております。とにかくこれで行きまして、そうしていかぬということを感じますれば、いつでもそのように直したいと思います。
○秋山長造君 私が申し上げるのはもちろん法律の条文の上で、そういう文民支配の原則をはっきり確立していただけば、これは一番いいのでありますが、まあそこまで至らなくても、この法律ができれば、すぐ大臣の手元で委員の人選にかかられるわけです。その原子力委員の人選をやる場合に、あくまでその委員は、憲法にありますね、「国務大臣は、文民でなければならない。」、この文民尊重の原則というものは、あくまで尊重されるものかどうか。
○国務大臣(正力松太郎君) むろん尊重しなければならないと思っております。
○秋山長造君 それじゃ文民優先で行かれるわけですか。
○国務大臣(正力松太郎君) なるべくそういうふうにして行きたいと思っております。
○菊川孝夫君 それじゃだいぶ法律論で皆さんお尋ねになりましたので、正力国務大臣に、きわめて常識的な点で二、三お尋ねしておきたいと思います。 一つは、原子力の利用ということを盛んに言われるんですが、原子力というのは、実際につかんでいる人はほとんど少いと思うので、あなたは原子力大臣にこれからおなりになるわけでありますが、一体何に利用されようとするのか。まあ発電か、飛行機か、船を動かすのか、主として正力さんの構想は、第一番に何に利用されようとしているか、一つお話しを願いたい。利用しようと言われても、何に利用されるのですか。
○国務大臣(正力松太郎君) これは原子力は、原則としてこの基本法によります平和的に利用するということでありますから、従っていわゆる産業に利用する、あるいはまたこれに対するアイソトープ等もありますから、それは医学に、あるいは医療に利用して行きたい。こう思っておるわけであります。
○菊川孝夫君 次に、実験の段階から実用の段階に入る目途を一応どの辺に置いてあなたはこれから原子力大臣、委員長としておやりになるか。これも長いことかかって、五年も七年もかかって、それから使うというのであるか、それともどのくらいのときになったら実用、産業方面に利用できると、こういうふうにお考えになっているのでありますか。
○国務大臣(正力松太郎君) これは五カ年目に五万キロワットの動力を出すということになっておりますから、それで行くとしますれば、大体実用に近いものに行くかと思っております。それですから実用に入るのも決して遠いことではありません。五、六年の後には行くだろうと思っております。
○菊川孝夫君 そうすると、この委員会の法律は一月一日からですから、五年先には、大体実際に原子力が日本で利用されるというのがあなたの目途ですな。
○国務大臣(正力松太郎君) はい。
○菊川孝夫君 その次に、そこまで行くには、まあ原子力だからというので、何でも相当経費はかかると思う。一体五年先に五万キロワットかの動力が出るようになるまでには、大体どのくらいの国費を使ったらそのくらいのところまで行くのか。これも構想はお持ちになっているだろうと思う。それはもちろんその通りには参らぬと思いますが、一体どのくらいの経費が要るものであるか、一つ……。
○国務大臣(正力松太郎君) 三年間には私は大体三百億くらい要ると思っておりますが、実際その状況をにらみ合せて、それからあとのことはやって行きたいと思っております。
○菊川孝夫君 そうすると、三年間に三百億としますと、あとの二年はもっとかかると見なければならぬから、約一千億くらいのものは、一応しろうと考えによってもみなければならぬ、こういう程度でよろしうございますか。
○国務大臣(正力松太郎君) はっきりした数字は持っておりませんが、一千億ぐらいかかるつもりでかかった方が安全だと思います。
○菊川孝夫君 それから次に、先ほどからいろいろ委員会設置法について質疑応答を伺っておりますと、政治活動云々というので、いかにも政党の関与を許さぬとかいうことを盛んに言っている。何でも委員会とかいうものは、すぐ政治活動をしてはいかぬ、政党の役員はいかぬというんだが、一体政治的中立ということも大事だとは思いますけれども、何も政党の役員だろうが、国会の議員だろうが、原子力の権威者であったならば、その委員会に入れてもいいと思いますが、盛んに、最近のもう何でも出てくる委員会であるとか何には、政党の役員は排除する、政治活動をしてはいかぬといっている。この思想というものは、一体どこから出てくるのか。これはいかにも国会議員お互いに政党員であるものが、みずから立法するときに、いつでも政党を排除する、政治活動はいかぬということは、自分たちがすぐ何かを政治的に利用しようとする意図を持っているからそういうことになるんだが、少くとも政治家である以上は、わきまえを考えると思う。政治活動と、自分の委員活動とははっきり区別できると思います。少くともこのくらいな見識を持たなければ政治家とは言えぬと思うのでありますが、それをみずから国会で立法する際に、何か委員会を設けるときには、政党の役員であってはいかぬ、政治活動をやってはいかぬというようなことは、これは考えなければならぬと思いますが、法制局長官にその歴史、それから外国例等について最後に伺っておきたいんです。今後、私は政党の役員であっても、そんなものは何ら差しつかえない、政治活動をやってもいいじゃないか。それをみずから、いつでも政治というものは悪いもののように心得て、何かすぐ利権をあさると、こういうふうに結びつけるところに間違いがある。今までそういうふうになったものもあるかもしれませんけれども、これは一ぺんどこから出てきたか伺っておきたい。最後に、これについての正力国務大臣の見解も伺っておきたい。あなたは今まで一応政党員ではなかったのでありますが、今度新しく入られまして、やはりそういうものを排除しておった方がいいかどうか、これは原子力委員会の法案に関連いたしまして、正力さんの一つまず最初に見解を伺って、それから法制局の方から御説明を願いたい。
○国務大臣(正力松太郎君) 私が申し上げたいのは、先ほど皆さんのおっしゃるように、原子力というものは恐るべき力がある。これは大へんな影響を受けるのです。従ってこれは全国民が一致協力してこれをそれだけにしなくちゃならぬ。政党といいますと、これは反対党もありますが、そんなことでなく、全国民が一つになって原子力利用にいく、その意味で申し上げるのであります。
○政府委員(高辻正巳君) 私まことに申しわけないのでありますが、法制局長官でございませんで、次長でございますが、かわりにお答えさしていただきます。行政委員会その他の合議制の審議機関に、政党等の役員等が入ることを排撃することはどうかということでございますが、大体行政委員会なり合議制の審議機関なりというものが、その行政組織の分野に非常に大きな部面を占めて来ました理由には、大体三つあると思うのでございます。それの一つは、非常に専門的、技術的な分野におけるものについて、特殊の技能、知識、経験を持っておられる方を集めて、非常に高度の技術性の行政をやって行こうというために必要であるというのが一つ。それからもう一つは、非常に利害関係の相対立する関係の部門の行政につきまして、利害の調整をはかってそのことをきめて行こうじゃないかというのが一つと思うのであります。それからもう一つは、いわゆる政治的中立を必要とするような行政の分野、そういうものにつきまして、やはり合議制の機関で、そういうことから、何といいますか、影響を受けなくてやって行くのにふさわしい仕事がある。そういう仕事こそは、やはり政治的な関係を離れた方々によって処理していただかなければいかぬだろうという分野が一つございます。で、それはたとえばどういうものかといえば、まあ国家公安委員とか、あるいは公正取引委員というようなものはその部類に属するものと思います。公正取引委員会なんかは、さらに専門的なものが加わりますために、ほかの分子も入りますけれども、大体今まで申し上げた三つの要請により、行政組織の中にそういう特異なものができたということが言えるのではないかと思います。そこでこの本案の原子力委員会でございますが、それはやはり政治的中立というような観点から、今のような一つの制約を付しておるわけでございまして、これだけを取り上げておかしいではないかというようなことにはならないのではないかというふうにまあ考えておるわけでございます。
○委員長(小柳牧衞君) これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小柳牧衞君) 御異議ないと認めます。 これより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
○千葉信君 私は日本社会党を代表して、総理府設置法の一部を改正する法律案並びに原子力委員会設置法案に対し賛成をするとともに、原子力委員会設置法案に対して、次の付帯決議案を提起いたします。 付帯決議 原子力委員会設置法第二条第三号の関係行政機関の原子力利用に関する経費には大学における研究経費を含まないものとする。 右決議する。 私どもは今回この二法案の審議に当りまして、慎重審議の結果、原子力委員会設置法案等につきましては、行政組織法上の疑念を残したままで審議が進められました。同法における第三条に該当するものでないことは明らかでありますが、しかし第八条における行政機関の範疇ということも、この設置法自体にいろいろな支障があり、いろいろな矛盾があるということは各委員から指摘せられた通りでございます。それからまた当然の結論として、民主的な運営の前提としての立場から、委員会の構成の数の問題、特に原子力担当の国務大臣としての委員長、それから常勤の委員と非常勤二人の委員との会議における比重の問題については、これが果して民主的に運営することができるかどうか。むしろこの点は非常にその期待に危惧を感ぜざるを得ません。さらにまた各界の代表を網羅するという言葉がある。大臣のごときは、特に委員の追及にあいまするや、最後には学界、財界の代表を入れると言い、さらに追及されて今度は労働界の代表を入れるとはっきり言明しておきながら、だれの入れ知恵か、それともあと知恵かどうかはわかりませんが、言を翻して、有能な人物ならばどこからでもという表現、学界代表を入れるという最初の御答弁に逆戻りという経過をたどっている。この経過を見ましても、少くとも法律案通過後は目前に迫っておるこの法律実施の時期から考えましても、当然その構想、人選等が具体的になっていなければならない時期でもある。しかもその時期において、ただいま申し上げたような大臣の御答弁があるということは、いかに用意不足、いかに不勉強、いかに不謹慎な態度でもってこの法律案を突如として出したかということを立証しておる点であり、こういう点についてはわれわれは十分今後の運営に対して注意を要するだろうと言わざるを得ない。まあ要は他にもいろいろ問題はありまするけれども、果して三原則が貫き得るかどうかという点、原子力行政における三原則確立という問題が期待できるかどうかという点に、われわれはこの二日間の審議が非常に時間的に窮屈であり、完全な審議をすることができないままに、今日会期切迫を迎えたということはまさに遺憾千万と言わなければなりません。特に大学における学問研究の不必要な拘束を排除するという点については、質疑においてはその方向に沿う答弁がありながら法律自体は必ずしもそうではない、その意味ではどうしてもただいま御提案申し上げた付帯決議案を必要とするという立場から御提案申し上げた次第でございまして、以上をもって賛成並びに付帯決議案提案の言葉といたします。以上です。
○島村軍次君 私は緑風会を代表いたしまして、ただいま審議中の二法案について賛成をいたし、かつ先に社会党から御提案になりました付帯決議案に賛成をいたす次第であります。 原子力の平和利用については、世界的な水準にまで引き上げ、かつまたこれを全国民一致の態勢において研究、調査、利用を進めて参らなければならないことは当然でありまして、そのためには従来の経過からかんがみますというと、この問題については積極的な研究、調査、開発を要するとともに、その行政の執行に当っては民主的な運営をはかるということの必要であることはまた当然と言わなければなりますまい。そこで本日審議中の二法案について内容を検討いたしますと、会期切迫の折から、これらの諸問題を解決するのにはなお不十分な点があり、かつまた検討を要する事項も少くないのでありますが、たとえば行政組織法の性格の問題、委員会の組織の内容等についてもまだ相当の論議の余地があるものと認められるのでありますが、前段に申し上げましたような理由と、なおまたこの基本法制定に当りましては衆議院における二大政党の一致の意見によって、形の上では全国一致の態勢が整っておると考えられるのでありますので、重ねて申し上げますが、この態勢下においては、この運営については、その趣旨を十分に生かすようにこれを希望するとともに、先ほど廣瀬委員から発言のありましたように、この態勢を一そう強化するために、あるいは審議会、協議会等の設置もあわせて御考慮の上で、政府においてはしかるべき推進力の決定については格段な努力を望んでやまない次第であります。 以上の希望をもちまして本案並びに付帯決議案に賛成の意を表する次第であります。
○委員長(小柳牧衞君) 他に御発言もなければ、討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小柳牧衞君) 御異議ないと認めます。 それではこれより採決に入ります。 原子力委員会設置法案並びに総理府設置法の一部を改正する法律案を一括して問題に供します。 両案に御賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(小柳牧衞君) 全会一致でございます。よって原子力委員会設置法案並びに総理府設置法の一部を改正する法律案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。 次に、討論中に述べられました千葉君提出の付帯決議案を議題といたします。 千葉君提出の付帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(小柳牧衞君) 全会一致と認めます。よって千葉君提出の付帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 なお、本院規則第百四条による本会議における口頭報告の内容、第七十二条によりまして議長に提出いたします報告書の作成、その他自後の手続につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小柳牧衞君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。 それから報告書には多数意見者の署名を付することになっております。両案を可とせられた方は順次御署名を願います。 多数意見者署名 田畑 金光 秋山 長造 松浦 清一 井上 知治 菊川 孝夫 村上 義一 廣瀬 久忠 島村 軍次 木村篤太郎 中山 壽彦 青柳 秀夫 酒井 利雄 千葉 信 野本 品吉 長島 銀藏
○秋山長造君 ただいまの付帯決議について、これは非常に重要な問題ですから、正力国務大臣のこの決議に対する御所見をついでにお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(正力松太郎君) ただいま皆さんの賛同を得てまことにありがとうございました。付帯決議については私もできるだけ尊重して行きたいと思います。 —————————————
○委員長(小柳牧衞君) なおお諮りいたします。 日本国との平和条約の効力の発生及び日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施等に伴い国家公務員法等の一部を改正する等の法律の一部を改正する法律案並びに公共企業体職員等共済組合法案につきましては、会期も切迫し、会期中に審査を完了することが困難でありますので、本院規則第五十三条によりまして継続審査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小柳牧衞君) 御異議ないと認めさように決定いたします。 なお、要求書の内容及び手続等は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小柳牧衞君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(小柳牧衞君) 調査承認事件に対する報告書の件を議題といたします。 国家公務員制度及び恩給に関する調査、国家行政組織に関する調査、並びに国の防衛に関する調査につきまして、まだこれらの調査を終了するに至らないのでありますが、議院運営委員会の決定により調査を終了しない場合にも調査報告書を提出することになっておりますので、以上三件の調査承認事件について調査未了の旨の報告書を議長に提出いたしたいと存じます。これに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小柳牧衞君) 御異議ないと認めさよう決定いたします。 なお報告書の内容及びその手続等は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小柳牧衞君) 御異議ないと認め、よってさよう決定いたします。 速記をとめて。 午後四時五十七分速記中止 —————・————— 午後五時十四分速記開始
○委員長(小柳牧衞君) 速記を始めて下さい。 国の防衛に関する調査を議題といたします。本日は駐留軍の飛行基地並びに演習場に関する問題を取り上げます。 まず政府から経過の御説明を求めます。
○説明員(安田清君) 御説明を申し上げる前に一言ごあいさつを申し上げます。 本日はからずも調達庁長官を拝命いたしまして、はなはだ微力、非才でございまして、その任にたえないことを非常に危惧しております。御命令でございますので、公務員といたしまして最善の努力を尽くす。今後とも一つよろしくお願いいたします。(拍手) ただいま御説明を要求されました飛行場の問題に関しましては、かねがね政府側からるる説明をいたしております通り、行政協定に基きまして、日本政府がこれが提供を覚悟いたしておる問題でございます。安全保障条約に基きまして駐留いたしております駐留軍の目的は、御承知の通り、言うまでもなくいわゆる日本の防衛のためでございます。そういう意味からかねがね駐留軍の方から日本の防衛を、全うするために、現在ございます飛行場では新しい飛行機の発着には支障がある、これでは十分なる責任が果たせないという意味におきまして、滑走路を長くいたしたい。それに必要な土地の提供を日本政府から受けたいという要請が出ておったわけでございます。しかしながら問題は非常に重大でございまして、滑走路の延長をするために土地を出すということは、いかなる土地におきましても非常に重要な問題でございます。あるいは農地がつぶれ、あるいは家を引越さなければならぬというようなことを当然招来するわけでございます。慎重に政府といたしましては、この問題に取り組んだわけでございまして、そのような観点からいろいろの飛行場についての要請があったのでございますが、国の防衛を米軍に分担していただいておるということではありますけれども、といって米側の要求をそのままのむというようなことではない。防衛上の必要からの要請であろうとも、これが民生その他に及ぼします影響その他から考えまして、できるだけ目的を果たせる最小限度においてこの問題を処理いたしたいというようなことから、かねがねお耳にも届いておると思います。現在駐留軍が使っております四十ばかりの日本の中の飛行場、どの飛行場を拡張すれば最小限度の飛行場でこの最終目的が達せられるかというような点に慎重な考慮が払われ、その他拡張いたします土地の民生に及ぼす影響その他についても、政府部内のおのおのの各関係官庁と十分な相談をいたしました結果、問題になっております立川飛行場その他ということで一応仕事を進めることにおきめいただきまして、その実務を調達庁が担当いたしておるわけでございます。 こういうような状態で飛行場の拡張という問題が今日に至っておるわけでございます。
○委員長(小柳牧衞君) 御質問おありの方は御発言を願います。
○吉田法晴君 安田次長が長官に、何と申しますか昇任をされて、今日おいでになりましたことについては、安田さんが従来福島調達庁長官のもとに、ややもすると強硬と申しますか、あるいは警官を使い、法とあるいは道義を無視してむちゃをやろうといたしました方針に比べまして、いわばやわらかい態度でお臨みになるかのごとき印象を受けますので、その今後の施策に期待をいたしたいと思います。 そこで、今の一般的な御方針はあんまり福島さんと変らなかったのですが、政府の今置かれております安保条約、行政協定等に対する一般的な責任から考えますならば、あるいは今のようなありきたりの御答弁かもしれませんが、新任せられまして、従来と違ったやり方をやっていくんだ、こういうお気持がございますならば、この際一つお示しをいただきたいのでございます。たとえば、これは前の大臣のときですが、五つの飛行場の拡張のうち、一つはやめることもあり得る、あるいはやめるために努力をする、こういう言葉がございました。あるいはあとで取り消されましたけれども、鳩山総理にもそういう言明がございました。そういうその後の実情、あるいは調達庁としては、従来の経験と申しますか、やっております際に、十分地元の窮状あるいは影響等を認識されて、変更される可能性もないわけではないと、かようにお考えになりますかどうか。その点が一つ。それからもう一つは、福島さんの時代に、初め九月ごろでありますが、これは拡張するかしないかわからぬ、あるいはまして収用するとかせぬとかということは問題でない、とにかく青写真を作るため、案をたてるために測量をさせてもらうのだ、こういうお話でしたが、そういう法に基かないいわば調査をさせてもらうのでありますけれども、頭を下げて所有者に調査をさせてもらう段階に、警官を使い、そして多くの者を傷つけ、あるいは混乱から検挙をする者もございましたが、そういう、人の土地を頭を下げて測量させてもらうときに、こん棒をもってなぐりつけながら測量をするというようなことが行われました。これが世論の指弾を受けましたことは御承知の通りでありますが、そういう点について、今後新長官は心しておやりになると申しますか、今後必ずしも従来のようなむちゃはやらないのだ、こういう御方針でございますか。その点まず承わりたいと思います。 〔委員長退席、理事長島銀藏君着席〕
○説明員(安田清君) お答え申し上げます。西田前労働大臣が五つの飛行場のうち一つをやめるかもしらぬというような御発言があったということは私も実は新聞で拝見をいたしました。しかしその後新聞にもはっきり御自身でお話しになっておりましたように、ちょうど前大臣がおやめになる直前であったわけでありますが、冗談をおっしゃったのがほんとうに書かれたのだということでございます。事実はまさにその通りであろうと私も信じておるわけであります。で、この五つの飛行場に関します限り、八月五日でありましたか、六日でありましたかに、政府の声明が出ております線が、現在も変っておらないわけでございまして、あの声明の線にのっとってわれわれは仕事をやっておるわけでございます。そういうような状態でございますので、政府としての御方針の変らない限り、私といたしましては、既定方針通り、この五つの飛行場については仕事を進めていく責務がある、こういうふうに考えておるわけでございます。それから、しからばこの仕事を進めていく上において、従来とどうやり方が変るか変らないかという御質疑がございましたが、この点に関しましては、かねがね調達庁といたしましては、事を円満に運びたいという根本方針はしょっちゅう貫いておったわけでございまして、ただ事志と違いまして、御指摘のありましたように、調査測量をするのに衝突が起ったというようなことは事実であります。はなはだ悲しむべき事態であるとは考えております。しかしながら冒頭にも申し上げましたように、この飛行場の拡張ということは、国全体のためとして政府でお考えになり、おきめになった仕事でございます。この仕事を遂行しないでおくというわけには参らないかと考えます。従いまして、しかもこれがもう遂行いたします上において十分に御協力と御理解をいただいて進められればこれにこしたことはないわけであります。われわれの努力によりまして、そういうふうに今後も進めたいと考えてはおりますけれども、ただまあ過去にございましたように、国がどうしてもやらなければならぬという仕事、この仕事に関しまして、法律上の手続その他によって合法的に入って測量させていただきたいというのが、できないというような状態では、やはり公務員としての責務にはずれるのではないか、これはやはり国の業務を遂行しなければならぬというような状態が今後起らないことを私は希望いたすわけでありますが、過去に起きましたような状態がもし起るような事態になれば、やはりああいうことにならないとも限らないという心配が一つあります。しかし方針といたしましては、この業務をどうしても遂行するという途上に、できるだけああいう事態が起らないように気をつけてやっていきたい、こういうふうに思っているわけであります。
○吉田法晴君 大へんこうかたく、何といいますか、かたい態度で答弁をされておりますが、少くともこの問題は、こうした基地問題は、きわめて高度な政治問題、従ってまあこれは初日ですから少しかたくなって出てこられる点もわからぬことはありませんが、それでは国民の間に恨みを買い、調達庁がアメリカのとにかく手先として日本の国民の権利と生活をじゅうりんするという非難はこれはますます大きくなるばかりだろう。個人的にも、安田さんもまた病気になってあれされるならいい方で、これはその恨みた買ってやめざるを得ないというふうになるだろうということを申し上げて、何と申しますか、熟慮、そうしてかたくならないで、国民の公僕として、国民の権利と生活を守るためにお働き願うことを要望をいたします。 一つ関連をいたしまして、同じようなことですが、市内にあります大きな飛行場については、これは当然移すべきだという議論が、これは野本さんもいつか内閣委員会の際に述べておられました。私はその後今の各閣僚の中にも個人的にはそういう意見を持っておられる人が相当あることを知っております。これは常識だと思うんです。そういう点について、調達庁長官としてどういう工合にお考えになりますか、これも一つ御答弁を願いたいと思います。
○説明員(安田清君) お答え申し上げます。市内にあります飛行場を移すべきだという御議論でございます。なるほどいわゆる行政区域といたしまして、市内にあります飛行場が数カ所あると思っております。しかし飛行場の移転ということは、これは言うべくしてなかなかむずかしい問題でございます。こういうふうに考えております。御承知のように、あれだけの大きな面積が現在の飛行場に使われている、これを移転いたしますということになれば、狭い国土の中で、それと相当する面積を見つけて、しかもそこに打っていくという作業になり、まあ卑近な例でございますけれども、従来あります飛行場を整備するということで拡張をいたしますにつきましても、これだけのまあ問題が起るぐらいの性格を持っているわけであります。ましてや新しい飛行場を新規にそこに作る、片一方の飛行場は変えるわけでございますけれども、こういうことはこれはなかなかそう簡単にできる問題でもない、こういうふうに考えるわけであります。従いまして、これは移した方がいいというところまでは……あるいはそうかもしれません、それじゃ現実にそれが移せるかということになりますと、申し上げましたような事態、なかなか簡単にはいかない問題である。こういうふうに考えます。
○吉田法晴君 その辺もかたくならないで一つ御答弁を願いたいという要望を感ずるのですが、時間がおそいですから必要な点について御答弁を願いたいと思います。先般来大高根、それから砂川について強制、あるいは強力を伴って、あるいは警察の暴力を伴って調査が行われましたが、この土地物件の調書に署名をするかしないかという問題がございます。というのは、調査がきわめて粗漏である、たとえば砂川の場合にテープが切れた、その切れたテープをゆわえて、それで測量をしておる、この際にまあ警察官がテープを持って、あるいはポールを持って測量をしたというような行き過ぎもございましたが、とにかく測量はいいかげんでありました。距離を測量いたしましたとしても、正確な測量ができてないことは、これはもう何人も否定することはできないと思うのであります。それから大高根の場合には測量班と立合人とが一緒にいなかった。砂川の場合にも川辺におったことは間違いないでしょうけれども、測量のそばに立ち会って、一々立ち会っていなかったことは、これは間違いない事実であります。そこで土地物件の調書というものはどういう性質ものと考えられるのか、そういう粗漏な調査でいいのか、いわば砂川のごときは測量をしたという格好をとるだけでいいと、こういう点が明らかであります。そういうので測量あるいは調書というものが有効だと考えられておるのか。それから私どもの理解では、立会人は本人に立ち会いを求める、それはその土地所有者の土地に立ち入るのですから本人に立ち会いを求める。本人の立ち会いが拒否された場合に市町村長に本人のかわりに立ち会ってもらう、市町村長の立ち会いが拒否された場合に都の吏員なりあるいは県の吏員が立ち会う。いわばこれは土地所有者のかわりに利害関係者として、土地所有者の代理者として立ち会っておるということは、これは法の建前であろうと思うのですが、そういう人が測量に、現実に立ち会っていなかったそういう人が署名をした場合に有効だと考えられるのかどうか、大高根の場合には、ですから現地に、現場にいなかったからということで署名をすることができない、責任を持つことができないというお話でありましたが、砂川の場合には署名がなされた。これは上からの命令で署名がなされたと言いますが、そういう事実、調査の性格、あるいは調査をされたかどうかと、こういうことが確認をされないで署名というものがなされ得るのかどうか、あるいはそういう裏づけのない署名であっても有効であると考えておられるのかどうか、その点を一つ承わりたいと思います。
○説明員(安田清君) 砂川等の調査その他につきまして現場の状態が平穏無事でなかったというようなことで警官の出動があったということはまさにお説の通りでありますが、いずれにいたしましてもわれわれといたしましては十分なる熟練いたしました技術者を現場に派遣をいたしまして、そうして適法に測量を済ましましたわけでございますで、この測量調査等に基きまして土地物件調書の作成をいたしておるわけであります。で、これについては十分信頼のできる適法性のあるものと考えております。で立会人のお話が出ましたが、立会人は今申されましたような法的手続を済ましまして御本人なり、あるいは町長さんなりがお立ち会いを願えなかったので、この吏員の方にお立ち会いを願って現場に入り調査測量をやったわけでございます。この方々が現地に先生も御存じのようにおりまして、そしてこの調査測量がなされたと、なされた結果についておのおのの立会人の御署名をいただければ、これで土地物件の調書というものは十分適法性のあるものができ上ったと、こういうふうに考えております。
○吉田法晴君 先ほど切れたテープが結ばれておった、それからポールを警察が持った、あるいはテープを、持ったテープが曲ったまま測量がなされたということを、云々ということを事実を申し上げたのですが、適法になされたと言われますが、私の申し上げるのはそういう警察が持って、それから切れたテープを結んだような測量というものが適法なのかどうか、そういうことを今申しあげたわけでございますが、抽象的でなく具体的な関係についてお尋ねをしておるわけでございますから、一つ具体的にお答えを願いたいと思います。
○説明員(安田清君) お尋ねのございまし調査測量に関しましては実施をいたしております東京調達局がこれを実施いたしました。私といたしましては、東京調達局その他から、大高根については仙台の調達局から調査測量は十分適法に、適正な調査測量を済んだという報告を受けておったわけでございます。それ以上のことは私といたしましてはそれを正式に信ずる以外に道がないわけでございます。
○吉田法晴君 下の方から適法に行われたという御報告がきたから適法に行われたものと思う。こういう御答弁ですが、私は警官が測量をするというようなことが適法であるか、あるいは切れたテープをつなぎ合せて測量をすることが正確な測量であり、そういう巻尺で行われた測量が、それが適法な測量である、あるいは提供の可否を決定するような基礎になる調書として有効であるかどうか、こういうことをお尋ねをしておるのです。
○説明員(安田清君) でき上りました測量は適法であり、有効であると考えておるわけでございます。
○吉田法晴君 でき上った測量は云々というお話は一般的な話ですか、抽象的な話ですか、一般的にはわかるのです。それから適法になされたという報告があったから云々ということでございますが、もう少し、逃げないで答弁を願いたいと思います。そんなら、事実をあげて私は今申し上げておるわけでございますから、この裁判なら裁判というものを争われなければならない、ここでとにかく具体的な事実をあげているのですからそれについてあなたの具体的な判断をお示し願いたい。
○説明員(安田清君) 先ほど申し上げました通りでございます。従いましてでき上りました測量については十分信憑性のおけるものと考えております。
○吉田法晴君 それじゃ適法に行われたという報告があったからそう思うけれども、私が申し上げるような事実があったらいかがです。
○説明員(安田清君) 事実があったかなかったか、その点は私はそういうふうな報告を受けておりませんので。
○吉田法晴君 それじゃ、ですから報告を受けておらぬからそれは適法になされたものであろう、こういう御想像であります。御想像ごもっともであろうと思うのでありますが、これは私が申し上げるからあるいは資料になりませんかしりませんけれども、そういう事実が証明されたら、あるいはそういう事実があったらどういう工合に考えられますか。あるいはそのときは別に考えられるかどうかということをお尋ねしておきたい。
○説明員(安田清君) 責任あるものが仕事をやりまして、責任あるものが適正に測量は済んだと、しかもその結果測量図もできたといっておるのでございます。従いましてその測量の方法等についても十分信憑性のある方法がとられたものと信じておるわけでございます。
○吉田法晴君 それじゃ事実を争いまして、あるいはその方法は今申し上げませんけれども、そういう事実が、責任あるものが測量した云々というお話ですか、その責任あるものが私が申し上げるような測量の方法をとったとしたならば、とったということが明らかになるならば、長官として責任をとられますか、どうされるか承わりたい。
○説明員(安田清君) 御指摘のようなことがあったといたしましても、測量といたしまして、いろいろ現場ではかりました数値そのもので測量図を作るわけでありまして、このはかります方法その他についてそういうようなもし事実かあったといたしましても、結果は正しいことであると、こういうふうに考えております。
○吉田法晴君 間違っておっても正しいと、こういう御答弁のようなんですが、これらの点は押し問答になりますから他日に譲りたいと思うのですが、それでは先ほど質問をいたしました中に、立会人の立ち会いというものはだれのために行われ、そうしてどういうような立ち会いでなければならぬと考えておられるのか。それからその立会人の署名というのは法的にはどういう意味なのか。その点を重ねて御答弁を願いたい。
○説明員(安田清君) 御本人のない場合の立会人のことにつきましては、私は立会人は、測量が要するに適法に行われたということを確認されるための立会人である、こういうふうに考えております。
○吉田法晴君 法の建前からいいますならば第一次が本人でありますから、本人のかわりにという点はお認めになりませんか。
○説明員(安田清君) 本人のかわりにという意味ではないと思っております。
○吉田法晴君 法律の解釈の点になりますからその点ももう少しあとでいたします。 新聞の模様によりますと、少くとも砂川の点について知事が総理と、それから大臣、前調達庁長官と三人ですか四人ですか、会って、そうして知事に頼んだ、新聞によりますとあっせんを頼んだと書いたのもございますが、どういうことを知事に頼まれたのか。それから知事というのはこれは自治体の長であります。公選をされた東京都民の代表としての知事であります。それに調達庁の下請作業をやらせ得るようにいつなったか伺いたいのです。先ほど警察が調達庁の測量をポールを持ったり、テープを持ったりして測量をするような事実がございましたが、これも、警察法が警察官に調達庁設置法が適用せられるようになったという話を聞かぬのであります。どういうことをお頼みになりましたのか。それからどういう権限、あるいは法理解釈に基いて調達庁にどういうことを御委嘱になりましたのか一つ承わりたい。
○説明員(安田清君) 東京都の知事が砂川の問題について調停をしようということが新聞に出ておりました。申すまでもなく都の知事は自治体の長でございます。国の機関の長としての知事の仕事ということも地方々々には定めてあります。しかし新聞等に報道になっております砂川問題について調停をしようということは調達庁としての仕事でないことはもちろんであると思います。しかし地方自治体の長としての知事は、卑俗な言葉で申し上げれば都民の父であろうと思います。ところが現実の砂川の拡張問題を控えまして、町が簡単にいえば二つに分れて、町民がお互いにいがみ合っているというのもこれ事実であると思います。そういうような事態から知事さんといたされましては、この拡張問題がだんだんと大詰めに近づいてくる。今のままのような状態で進めば町の中に何といいますか、いろいろな障害が起き、しこりも残るであろうというような、いわゆる都民の父としての感覚から、ここで問題の調停をはかりたいという御希望があるように承わっております。八月の二十四日でございましたが、五日でございましたか、知事さんみずから現地においでになりまして、やはり問題の解決をはかられた経緯もありますので、同じような気持で知事さんはこの際もう一皮地元に対して政府の意のあるところも伝え、あるいはまた地元の意見も聞きというようなことで居中調停をやりたいというお気持があるものだと拝察をいたしております。
○吉田法晴君 今の御答弁の大半は砂川で反対派と条件派の二つに分れておって、その二つの調停をする、大部分がこう答弁です。ところがしまいには居中調停というお話です。その居中調停というのは砂川の中の前半に言われましたような意見の相違がある、それの調停ではなくて、調達庁と地元との間のいわばあなたの言葉でいえば居中調停じゃないかと思うのです。その点どうなんですか。
○説明員(安田清君) 私は知事さんから直接伺つたわけではございません。新聞等で拝見いたしましたところによれば、知事さんがともかくこの砂川の問題について、今のままで推移すればおもしろくないということから、調停を試みようというようにお考えになっているものと拝察をいたしているわけでございます。
○吉田法晴君 新聞によると、その前に政府で予算を増額をして平均二十万ですか、五万ないし五十万というのですか、協力奨励金というのか、包み金というのか、ポケット・マネーというのかしりませんけれども、そういうものを出すことをきめた。各基地ごとに幾らずつということをきめた。これはほかの基地拡張に対してもこれが基準になるだろうということがかねて言われている。そういう案をきめて、その案を示して地元民にも話をするかのように、少くとも新聞、ラジオは報道しております。そうすると、単に居中調停というか、あれでなくて、早くいえば幾ら出したら片づくか、こういうことで東京都知事が都民に会う、こういうことではないかと私は思うのです。そこで聞いたわけです。そうすると、主観的にはどうであろうとも、客観的には調達庁でやる仕事を知事が受け持って、調達庁のかわりに知事が都民に会う、こういうことになるのじゃないかと思うのです。この点はなお新大臣、あるいは前福島長官等も全くその通りであるとは言われませんけれども、そういう意味のことを、内容についてですよ、内容の点についてそういうことを肯定されたかのごとく私は聞いておるわけです。ですが、安田新長官どういう工合に考えておられるか、その辺、承わりたいと思います。
○説明員(安田清君) お話のようなことでありましたといたしましても、これは別に調達庁の事務を知事に委任する、あるいは委託するということではないというふうに考えております。
○吉田法晴君 そうでしょう。拡張をするかしないか、知事としては案を持っておられる、あるいは金を持って、それは現金は持って行かないでしょう、現金を持って行かないかもしれませんけれども、一つの案を持って、あるいは向うから話があるならばそれを取り次ごう、こういうことで、いわば金をポケットに入れたと同じような格好で都民に会うというならば、それは調達庁がやるべき仕事を知事がやったということじゃないですか。常識的に考えてどうですか。
○説明員(安田清君) まあこじれました問題を、いわゆる居中調停をやろうということでもございますれば、ただ中にお立ちになってということも方法の一つかもしれない。しかし地元の希望もよく聞き、政府が考えておることもお聞きいただき、両者勘案して何とか円満な解決の道がないかというようなことで御努力をもし願えるものとすれば、これは決して調達庁自体がやるべき問題そのものではない、このように考えております。
○吉田法晴君 大体どういう構想をもって都民、砂川町民に会おうとするかということは、私の質問を認められました。それでは先へ進みます。 五万円ないし五十万といった協力謝礼金の性格を承わりたいと思います。私の聞いた点もございますが、予算委員会で私が質問をいたしました。衆議院でもその性格について質問がなされたと聞いておりますが、私が聞いたところでは、そういう土地、あるいは物件等の補償費の一部でなくて、あるいはその広狭数量等に関係なしに支払われるといったような金が出たことはない。従ってそれについてどういう工合に考えるのか、こういう質問を二、三度繰り返しましたが、そういう事実はない、暗にそういう支出の仕方が国の財政資金の中から出されることについては、今会計検査院として好ましくない、こういう私は御答弁であったと思うのでありますが、協力謝礼金の性格と、それから協力謝礼金を出すことについて、会計検査院等にも御連絡と申しますか、了承を得られたのかどうか、あるいはそういう発言の後に調達庁として考え直されるというか、再検討されようということであるかどうかその点を一つ承わりたいと思います。
○説明員(安田清君) 立川等の飛行場の拡張に関しましては、私といたしまして冒頭に申し上げましたような経費でこれをやろうというふうに決心をいたしておるわけであります。しかしこの拡張に伴いましては、地元のお受けになる犠牲が相当また深刻であるということもよく政府としては了解しておるわけであります。従いましてこの土地の接収等に当りましては、まあ適正な額の補償を機を失せずして払うように十分今後やっていきたいと、こういうふうに考えておるわけですが、申し上げましたようにできるだけ円満に早くやりたいという考え方が根本にあるわけです。こういうふうに地元の方々が非常な打撃をお受けになるのにかかわらずよく国の方針に御理解と御協力をいただくというような方々に対しましては何らかの形でその労に報いたい。こういうふうに今考えていろいろと案を考えておるわけであります。
○吉田法晴君 性格についてはどういう性質のものですか。
○説明員(安田清君) 申し上げましたようにそういうふうな御協力をいただいたことに対して何らかの簡単に申し上げますればお礼をしたい。こういうふうに考えておるわけでございますから、もしこれを金銭でお礼をするということになれば、そういう性格の支出と、こういうことになると思います。
○吉田法晴君 補償であるならばともかく、協力に対する謝礼というようなものは今まで民間ではとにかく政府では出したことがない、こういうはっきりした答弁を会計検査院の名前は忘れましたが、責任者が参りまして予算委員会で答弁をした。あるいはそれが裏を返せば好ましくないということは間違いないと思うのですが、そういう態度が会計検査院から表明されたあと、再検討せられるかどうか、こういうこともお尋ねしたのです。それについて答弁がございません。重ねてお伺いいたします。
○説明員(安田清君) われわれといたしましてはそういう考え方を持っておりますが、もちろんこれを実施に移しますについては国の金でございますから、国の予算の支出として適法なものを支出する考えは持っております。
○吉田法晴君 その点は私は会計検査院のあれがございましたから、正式な態度の表明がございましたから、おそらく再検討されることと思うのであります。協力に対して謝礼をする。土地を売ってくれ、その売ってくれという言い方がどの程度にどういう態度であるかはともかくとして、これは土地を売ってもらうことに間違いないと思う。それをその土地の広狭等によらないで、協力の程度等によってやるということは、私はそれは国の公正な活動ではないと、こういうことを申し上げたのでありますが、そういう切りくずしに似たようなことをやらないで、あるいはそれを知事を通じてやらないで、従来のような、福島長官の御態度でなしに、新しい長官、新任されてそういう点について相当の再考慮、あるいは態度を変えられるというつもりであるか、最初申し上げた、あるいは新任の辞に砂川にも行ってひざを交えてというか——行って街頭で会ってしばらくしたらすっと帰ってくる、あるいは新潟の場合のごときは福島長官逃げてしまった、こういうことでなしに、砂川に行ってみずからあるいは砂川の町民のところへ泊り込んでも、ひざを交えても話す、こういうような態度と気持はお持ちでございますか、長官に重ねて伺います。
○説明員(安田清君) 御指摘のようなことにずいぶん調達庁といたしましては努力をいたしましたわけでございます。しかし砂川に関しましてはずいぶん実際の実務をやっております東京局長や首脳者も現地に参りまして——お話し合いに行っておるわけでありますが、われわれといたしましてはなおその努力を続け、しかももし先ほどのお話のありましたように知事が調停をやってやろうというようなことなら、その御好意に甘えましてあらゆる手段を講じまして、問題が迅速に円満に解決するように努力をいたしたい、こういうように考えております。
○吉田法晴君 最後に土地の測量のことで答弁が落ちておりましたが、立会人の立ち会いの実態がどういうことでなければならぬと考えておられますのか。その砂川なら砂川に行っておけばそれでよろしい、測量に立ち会わないでそれでよろしいと、こういうふうにお考えになりますのか、それが一つ。 それから今の御答弁では知事がせっかく言ったから知事に頼んでおいて、調達庁長官としてはもう一度とにかく砂川町まで行って話をする、こういうつもりはないという話のようでしたが、そういうことなのか。それはそれでもいいですが、今後どういうふうにしようとせられますのか——どういう計画なのか具体的にプログラムと申しますか、心組みと申しますか、そういうものを砂川なり、あるいはほかの基地について構想がありますればこの際御発表を願っておきたいと思います。
○説明員(安田清君) お答えを申し上げます。立会人の立ち会いの何といいますか方法の御質疑かと考えます。立会人は当然調査立ち入りをやりますときに立ち会っていただくわけでございます。ただこれがいわゆる測量というようなことになりますとまあ現地にくいを打って寸法をはかるという作業があろうと思います。くいを打つところを初めから見ておって、という必要はないのじゃないかと考えます。くいを打たれたあとで見ていただいてもいいこういうふうに立ち会いの問題は考えております。測量いたしまする実際の技術者、実務者と同じ行動を初めからしまいまでとらなければ立ち会いでないというふうなことには考えておらないわけでございます。 それから今後の計画に対しまする御質疑でございますが、たびたび申し上げますように実務に関しましては東京局長が責任を持ってやっておるわけでございます。問題が御承知のような状態でございまして、一定の計画を立てましてもその通り進みますかどうかわからない、臨機に最も有効な措置を講じ、たびたび申し上げますように国家の要請でございますこの基地問題を早く解決いたしたい、こういうふうに考えております。
○小柳牧衞君 ちょっと伺います。基地の演習その他による賠償の問題ですが、この賠償は相当内容を査定もしなきゃならぬし、調査もしなきゃならぬと思うのですが、しかし一面国の行政に協力しようという誠意があり、政治的にはいろいろの意見を持っておっても、それを押えてその方途に進んでおるようなものに対しては一そうこれらの補償の決定を早くして、そうして少しでもその苦痛、損害を緩和するのがいいんじゃないかと思うんですが、大体補償の支払いは相当私はおくれておるんじゃないかというようなことも想像されるんですが、実際その補償の支払い等は大体にみてどんなふうな状況になっておるんでしょうか、お尋ねいたします。
○説明員(安田清君) 演習場等の補償の問題で御指摘のように支払いがおくれておるというのは遺憾ながら事実と思います。問題は演習場等でいろいろの射撃をやりましたり何かいたしまして立木に被害があり、これに関します補償の問題、これはわれわれの方では中間補償と、こう申しておりますが、御本人たちからこれだけの立木その他に損害があったからという御申請をいただいて、そうしてそれに基いてお互いの話し合いの結果金額がきまったら払う、こういうことになっております。何分にも地域が膨大なる演習場その他でございますので、立木その他の被害を調査いたしますのに庁内あげて努力をいたさせまして、一日も早くこの支払いがいくようにせっかく努力いたしておりますが、非常に広い範囲にわたりますので調査決定までに相当な時日を要しておりまして、被害者の方に御迷惑をかけている点についてはまことに遺憾と思います。何らかの工夫をこらしまして従来よりも敏速にいくように努力をいたしたいと私はただいま考えておるわけであります。
○小柳牧衞君 ただいまの御趣旨はよくわかりましたのですが、しかし全国的に見て相当おくれておるのじゃないかという気もしますし、ことに調査の対象は、ほとんど前例のない特殊なものである。たとえば畜産に対する影響とか、漁業に対する影響とか、そういうようなことも考慮しなければならぬので容易でないということはわかりますけれども、しかし、これは一日も早くやることが非常ないいことではないかと思うので、一段と努力を願いたいと思うのです。実は私は新潟に関係あるのでありまして、最近あの地方の補償の問題についてそれらの陳情を受けておるのであって、その点から考えまして、全国的に見てはずいぶんそういうようなことがあるのじゃないか。また査定はもちろんこれは国の経費にかかることであるから厳格にやらなければならぬことは当然でありますけれども、厳格という名のもとにずいぶん無理な査定をして、ことに大蔵当局の方から言えば、できるだけそれはそういうように流れやすいことだと思うのですが、そういうような点については、調達庁としては別な立場において十分考慮を払っていただかなければならぬと思うのですが、これらについての御所見をお伺いしたいと思います。
○説明員(安田清君) 漁業その他の補償について、技術的に非常にむずかしいということは、これは御指摘の通りでございます。損失の補償ということでございますが、損失額をつかまえなければならない、漁業その他の補償に関しましては、当初法律ができまして、仕事を始めましたときには、われわれといたしましても水産庁その他のお知恵もいろいろ拝借いたしまして非常に苦労をいたしましてやりましたわけでございます。そういうふうな不なれな点もございまして、非常におくれて御迷惑をかけております。幸いに最近はだいぶ手なれて参りましたので、自慢にはなりませんが、従来に比べてだいぶ早くなった、こういう状態でございます。まあ東京近辺の漁業の補償に関しまして、今年の四月から九月まで上半期に起りました被害については大体この年末ごろにはお支払いができるというくらいのスピードになっていることを申し上げますが、なお今後ともいろいろとやり方について工夫をこらしまして一日も早くしかも適正な補償ができるように努力いたしたいと考えております。
○小柳牧衞君 今の点はぜひ十分に御考慮をいただきたいのでありまして、せっかく政府の施策なり行政にできるだけの協力をしたいという熱意をもっているものも、もしそういうふうなことに十分に納得できないということになると、自然その熱意もさめることと思うので、このごろ重要な問題になっておりまするから、この点は調達庁としても非常な親心をもって進んでもらいたいと思います。まあ、そうやっておられることと思います。けれども、具体的に見るとなかなかそうでない、相当長く滞っているものもあるのじゃないかと思いますから、ごく概括的な話でありますけれども、特に私は要望しておく次第でございます。
○説明員(安田清君) 御指摘のございましたように、敏速にいっておらぬということは、ほんとうに遺憾に存じております。ただやはり一番苦労をいたしますのは、何といいますか、被害とそれから原因との因果関係のつながりが明確でないような気がする、それにつきまして間接的な被害、こういうものにつきましては、なかなかそこで損害補償ということを算定いたしますのに非常に苦労をいたします。そういうようなことから、実は非常におくれている点もある。たびたび申し上げて恐縮でございますが、いろいろのことで困難なところは過去の経験において十分わかっております。どうしてこの困難を克服するかということは、私今後十分部下を督励いたしまして、研究いたしていきたい思っております。
○小柳牧衞君 今の吉田君の質問に対してお答えがあったように、何といいますか、慰謝料といいますか、特殊の支払いもしておるような状況でありまするから、ほんとうに損害を受けたと考えて、しかもそれを要求すると同時に、政府の施策あるいは行政に協力しようというものに対しては、そういうような点も一つ考えていただきたいと思うのですから、どうぞその点を特に御留意願いたいと思います。 〔理事長島銀藏君退席、委員長着席〕
○委員長(小柳牧衞君) 本日はこれにて散会いたします。 午後六時十二分散会