内閣委員会 第5号
- 発言数
- 90 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1955/12/13
会議録
○委員長(小柳牧衞君) それではこれより開会いたします。 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 前回に続いて本案に対する御質疑を願います。ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(小柳牧衞君) 速記を始めて。
○田畑金光君 自治庁長官が見えておられますので、若干質問してみたいと思います。 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に関連してお尋ねするわけでありますが、いろいろ問題となり、また政府部内においても議会においても問題とされておりました公務員の年末手当については、人事院の勧告に基いて勤勉手当を入れて一・五カ月分の措置をとることになったわけであります。それに関連いたしまして、十二月七日の閣議決定によります国家公務員に対する年末手当の増額支給についての内容によりますると、国家公務員に対する手当支給の財源措置等について、また政府関係機関職員に対する手当支給の財源措置について一応の方針が決定されておるわけであります。同時に地方公務員に対しても国家公務員の場合に準じて増額支給する場合に、その財源措置についてはやはり国家公務員についてとられる方針に準ずると、こういうことになっておるわけであります。ただその閣議決定の中には、過日官房長官からも報告がなされましたが、その注書として、さしあたり資金繰り上やむを得ない地方団体については短期資金の融通を行うことがあることと示されておるわけであります。問題は、国家公務員については財源措置がなされるといたしましても、地方公務員について果して今の地方財政の赤字の実情からいたしまして、支給されるのかどうかということが非常に疑問視されておるわけであります。これに対しまして、政府におきまして、ことに自治庁長官は格段の努力を払っておられるということは承わっておりまするが、この際地方財政に対しまして、年末手当支給増額に関連いたしましてどういう措置をとられようとされておるのか、この際御説明を願いたいと思います。
○国務大臣(太田正孝君) お言葉通り、今回人事院の勧告を入れました、つきましては、国と地方との公務員の関係でございますが、公平の原則と申しますか、右へならえという意味におきまして、地方における公務員のこの手当増額ということは、私としては各団体がその例にならって行くことを期待しております。すべてが国と同じようにやって行こうという意味で、国の方に節約なり、予算上のやりくりで作れ、地方にもそうやって行け、しかしいろいろ金繰り上困るような場合がありましたならば、従来はとかく問題があったようにも聞いておりますが、短期融資をしてその金を作って行く、それでもなお困った場合どうなるか、財源措置の問題でございますが、私といたしましては、こうやってやった結果がどうなるかということの結局の始末は、別途に今御審議を願っておりまする地方財政措置の問題の百六十億円というものは、結局は補正予算を組まなければならぬようになりますので、そのときに十分私としても努力いたさなければならぬ、さらにそれがうまく行かない場合におきましては、三十一年度の予算のときに措置したい、お聞き及びでもございましょうが、昨日の衆議院の付帯決議におきましても、社会党、保守党両方とも一致いたしまして、通常国会においてこれを措置すべしと、こういう決議をなされましたのです。もちろん私はそのことを常に主張しておりまして、来たるべき通常国会において、あるいは補正のとき、あるいは三十一年度予算のときに善処すべく一生懸命力を尽して行きたいと思っております。なお百六十億円の金の中には、今言った年末手当の問題は含んでおりませんのでございます。さらにお言葉通り、地方が相当節約に努力しております。世間ではあるいは放漫というようなお言葉もございますが、本年に入りましてからは、非常な節約をして、今度の百六十億円というのも節約を続けて行く意味においてやるのでございます。その上に今度の手当問題が起ったのでございまするから、お言葉通り、相当苦しいところがあろうかと思います。いずれにいたしましても、次の通常国会において、これをあるいは補正の問題、あるいは三十一年度予算のときに処置したい、こう考えておる次第でございます。
○田畑金光君 先ほどの私が申し上げました十二月七日の閣議決定がなされたと同じ日に、在京の知事会議においては、地方自治団体に対しても所要財源を既定経費の節減に求めておるというようなことは、地方団体の実情を全く理解しないものであって、地方公務員についての年末手当〇・二五の増額支給は、新たな財源措置のない限り不可能であるというような強い態度を表明されているわけであります。今の自治庁長官のお話を承わっておりますると、まことにそれだけでは公平の原則を忠実に、中央も地方も実施させるということはむずかしいのじゃなかろうかと考えるわけであります。なるほど財源措置の困難な地方団体においては、短期融資の道を考えるかもしれませんけれども、お話のように、通常国会における補正予算で考えてやるとか、あるいはさらにできなければ昭和三十一年度の地方財政計画の中にこれを見込んでやるとかいうような言葉では、もはや政府を信頼してないと、こうみるわけであります。今まで同様なことがたびたび繰返されてきておる、今日の地方財政の赤字はなるほど政府のみの責任でもないし、同時にまた地方団体のみの責任でもないと考えます。こういうことを考えましたときに、今お話によりますると、昨日衆議院の地方行政委員会において付帯決議がなされた、こう申されましたが、その付帯決議の内容をみましても、なかなかあいまいで、ほんとうに政府がこれについては責任をもって財源措置をやるのかどうか非常に疑わしいわけであります。具体的に地方公務員に国家公務員と同様に年末手当を支給させるために、自治庁長官としてはどういう指令、あるいは指示を地方団体に与えようとされておられるのか、承わっておきたいと思います。
○国務大臣(太田正孝君) あるいは誤解が私にあるかもしれませんが、今回の人事院措置をいれたということにつきまして、国の方でもそう楽な財源指貫をするというような立場にはありませんので、予算のやりくりとか、あるいは人件費をどうしよう、物件費までも行けというような決議をした次第でございます。結局この問題は一応のやり方といたしまして、やはり節減ということはどこまでもやって行かなければならぬ。その上でのことでございます。各地方に対する通牒というものは、この間の閣議決定の趣意をよく守ってやっていただきたい。もし、しいて私に言わせるならば、公平の原則によりまして各団体が同じような措置をとることを期待するという以上には、自治の本義から申し上げましても申し上げることができない、かように私は思っております。もちろん言うまでもなくこの問題は切実な問題ですから、節約もする、融資も仰ぐ、そのあとはどうするかということは通常国会において措置したい、それに努力したい、こう考えておる次第であります。
○田畑金光君 私の伺いたいことは、節約をする、なおかつむずかしいところは融資に財源を求める、そのあとの措置について補正予算で処理するとか、あるいは昭和三十一年度の地方財政計画で処理するとかお話になっておりますが、節約もし、あるいはまた既定経費の削減をやってみる、なおかつ赤字、融資に仰がなくちゃならぬという地方団体に対しまして、最終的な責任は政府が一般会計なり、あるいは次の通常国会において明確に処理をされるという御方針であるのかどうか、この点を承わっておるわけです。
○国務大臣(太田正孝君) 申し上げるまでもなく、通常国会における任務といたしましていろいろの問題があります。まだ予算の編成方針もきまっておらないときでございますが、今申しましたような事態がありましたときには、これを措置すべく大蔵大臣と話合って、また閣議にもかけましてその措置をとりたい、その努力をいたしたい。これ以上私としてははなはだ申しわけないことですが、出ることができ得ないのでございます、どうしても……。きのうも大蔵大臣と、同じように通常国会においてこの問題を措置したい、こういうように申し上げたのでございます。
○田畑金光君 そういう通常国会で措置したい、努力したい、それだけでもって自治庁長官は、当初述べられたように、国家公務員に苦しい中から〇・二五の増額支給がはかられるとするならば、公平の原則からいって、地方公務員にも同様の措置を講ずるようにしたい。その公平の原則が実施実行できるとお考えになるのかどうか。単にその努力をしたい、それだけでもって従来の政府の財源措置、地方財政に対してとりきたった態度からいった場合、それだけのことで今の赤字で悩んでいる地方自治団体が増額支給ができると、あなたは考えておるのかどうか。ほんとうに実行、実施させるというなら、自治庁長官としてもう少し明確な態度をもって、国会において答弁されるそれだけじゃ足りません、地方自治団体に対してもしかるべき指示等を与えなければ、せっかく政府のきめられた方針というものは何ら地方団体において実行できないと考えますが、もう少し私は自治庁長官から、きょうは強い明確な意思表示がなされるものと期待しておりましたが、そういうことじゃ恐れ入った次第です。もう一度承わりたいと思います。
○国務大臣(太田正孝君) 閣議決定の趣意にもあります通り、また節約がどうなるかということも未定の問題でございます。もちろん私は全部やれるようなことは考えておりません。困難な問題もそのうち起ろうと思っておりますが、ここで全額をどうするとか、その幾らのものをどうするとか、きまらない条件のもとにおける今回の措置でございますので、私の言った意味は誠実にその結果を見て処理するというほか、国としてもそういう努力しかでき得ないのではないかと存じ上げます。
○田畑金光君 お話を承わっておると、ますますわからなくなってきたわけですが、節約をするとかといっても、まだやってみないことにはわからない、なるほどやってみなければわからないことだが、過日根本官房長官のお話を承わりました。ところが国家公務員については一般会計の財源の節約、あるいは移流用等によって十分まかなえるものだ、大蔵大臣も、あるいは各省庁の所管大臣からも明確に説明を受けておる。国家公務員に関する限りは政府のこの決定した既定人件費の節約、あるいはその他庁費、旅費の節約等、こういうふうなことによって処理し得る、こういうふうなことを明確に答弁になったわけです。今お話を承わりますと、これすらもまだやってみないとわからない。そういうことじゃ不確定な財政の見通しの上に立って、今回の国家公務員に対する年末手当の財源措置をはかられているのですか、その点を承わっておきます。
○国務大臣(太田正孝君) 財源措置としては、結局何度も申し上げて恐縮でございますが、通常国会においてその措置をするという以外には、いわば脇役にあります自治庁として、国の公務員と同様に行きたいということを期待する立場から申しましても、また節減等の点がどう行くかという点につきましても、私としては通常国会を通じて処理するという以外に申し上げようもないと存じます。
○田畑金光君 給与担当の河野国務大臣が見えておりますので……。いろいろこの年末手当支給については人事院の勧告を尊重すべきであると、閣内においても一番熱心に積極的な意見を持たれたのは河野国務大臣であるということをわれわれは聞いておるわけです。同時にまた河野さんは、この地方財政の財源措置についても、いろいろ積極的な意見も述べられ、また大蔵大臣の措置についても意見を交換されておるように承わっておりまするが、今の自治庁長官のお話を承わっておりますると、これは国家公務員には支給されても、地方公務員に対しては事実上支給されない、支給が困難である、こういうあいまいな閣議決定の要綱によって節約しろ、それでできないところは短期融資のめんどうを見てやろう、それじゃそのあとはどうするか、こういう明確な政府の方針が示されないような内容で、今の赤字に悩む地方団体が増額の支給ができるかどうか、これは不可能だと思うのです。現実にわれわれは地方を歩いてみればできない相談なんです。この点に関しまして、政府はもう少しこの国会を通じ、明確な態度を明らかにし、また地方団体に指示される必要があると私は考えまするが、河野大臣はどう考えなさるか、承わりたいと思います。
○国務大臣(河野一郎君) 今、自治庁長官からいろいろお話があったようでございますので、私も担当の自治庁長官のお話の通りと考えますが、私は給与を担当いたしておりまする立場から申しまして、地方の方がこの閣議の決定で出せないという感覚を持っていないのであります。いろいろ御意見もおありのようであります。しかし私は見方によっていろいろあるでしょうと思いますが、中央において節約をし、移流用をして、これだけのものをやろう、やる、現に実施することになっておるのに、地方ができぬはずはない、全般的に見ますれば……。ただそれならば短期融資はどうなんだと言えば、これは中央のように大きくまとまっておるところならば出しやすいが、こまかくなっておるところでは第一出しにくいということがあると思います。ことに市町村等においてはその例が非常に多いと思います。また別の面から申しますると、全国の都道府県市町村におきまして、非常に合理的に計画をしぼって立てておられて、いやしくもそういうものは出しにくいという極端な財政の県もおありかもしれないと思います。総じて考えますのに、私はこれはしろうと論でございますからお叱りを受けるかもしれませんが、中央において約一兆の金を使ってこの公務員に対して年末にこれだけのものを節約し、流用をして出そうということができるならば、地方においても約一兆の金を使って、そうしていろいろ仕事をしておるものが、やっぱりそこに工夫と努力をすれば出てこないことはないだろうという感覚でございます。それはとんでもない話で、現に五百億円借金をしておるではないか、これだけ赤字ではないか、赤字は赤字でございます。借金は借金でございます。しかし仕事自身はしておられるのであります。われわれもそれぞれの県に帰ってみ、それぞれの市町村に帰ってみて、この中からその金が絶対に出ないかという場合、絶対に出ないとばかり言うわけにいかぬだろう、中央の方においての苦しさと考え合わせてみて、これは努力をしてもらう余地が絶対ないということは私は言えないと思うのであります。借金があるからといって、一方において少しの余裕もないということは私はないという気がするのであります。従って閣議決定に問いました通りの結果を、私はこれで一応公平の原則も徹底するかどうかはしりませんが、一応徹底してやればやれるじゃなかろうかということで、担当者としてこれを了承したわけでございます。しからばその短期融資したものについての跡始末はどうするか、これは先ほど自治庁長官からお話しになりました通りに、次の通常国会において、地方財政を根本的に考え直す際に、これもあわせて解決をするということで一応見通しがつくんじゃなかろうかという解釈をとっておるわけでございますが、しかしこれはどこまでも自治庁長官からお答えになりました通りが担当者としての権威のあるお答えでございまして、私は給与の担当者として、そういう見通しでこの決定で差しつかえないじゃないかということで、私はこれでお諮りをしておるわけでございます。
○田畑金光君 今の河野国務大臣のお話を承わっておりますると、まことに地方財政もおめでたい限りだと、こう思うのです。一体今日の府県や市町村の自主財源というものは、一年間のたとえば年度予算を見た場合に、何パーセント、何十パーセント占めておるかということです。これは富裕都道府県と、あるいは農村地帯を持つ府県等とはおのずから違うと考えまするが、自主財源というものは、特に農村県等の場合は二〇%そこらですね、あとの七〇%以上はほとんど国庫に依存する財政の実情にあるわけなんです。そういう自主財源がほとんど保証されていない切り詰められておる地方の貧弱な府県において、国家予算と同じように節約して出せるならまことにこれはありがたい話だが、事実上その論議の前提が大きく狂っているのです。そういうような頭でもって、国が節約するのだから君たちも節約しろ、節約すればそれくらいできるだろう、こんな甘い考え方でこの問題と取り組んでおられるならば、これは大きな過ちだろうと、こう考えるのです。先般地方制度調査会からも答申案等が出されたと思いまするが、とにかく本年度に関しても当然政府が財源措置をやるべきにかかわらず、まだ二百億前後しかやってないということも言っておるわけなんです。また財政懇談会の中間報告等を見ましても、本年度の赤字について政府が何らかの措置をとるべきだということも強くうたっておるわけです。同時にまたもちろん地方行政制度の根本的な改革と、あるいは簡素、合理化等についても要請をしておるわけです。ところが地方制度調査会でも財政懇談会においても、今のままの地方財政はどうにもやって行けぬのだ。これは短期融資の道なり、あるいは財源措置を、交付税の引き上げを考えなきゃならぬのだ。いずれもこれは認めておるのですね。そういう事態の中において具体的に問題をしぼった場合に、公務員の年末手当の支給の問題です。これは多く赤字融資というものに依存せざるを得なくなると思うのです。そういうような場合、通常国会で措置をすると言われておりまするが、要するにその通常国会で措置をするといっても、それは政府の責任において、国家の責任においてやるという意味もありましょうし、あるいはまたそれを府県の責任に転嫁するという道もありましょう。で、ほんとうに国が今の地方の財政、あるいは具体的に公務員に年末手当をどういうふうに支給したいと思うならば、将来通常国会において、政府の責任でこれは処理するのだという明確な意思表明がなされなければ、これは地方団体においては実施できないと、こう考えるのです。この点に関しまして……。
○国務大臣(河野一郎君) だんだんの御意見でございますが、一面確かにそういうこともあると思います。しかし初めからできない、できないと言うたら私はできないと思うのであります。確かに一兆の中で国家からの補助等で賄うものは大体四千億くらい。違うかもしれませんよ、私専門家でございませんから……。そのほかに起債その他によるものが幾ら、確かにそれ自身の財源、それ自身の事業というものは少うございましょう。しかし今回出す金はそういうふうな大きな単位から比べれば少い数でございます。しかも今日の地方公務員の諸君にしましても、今日の給与の段階であれだけ努力しておられると、それに対してこの際みんなで努力をして、そうしてこれに年末手当の三十億や三十五億の金をしぼって出してやろうじゃないかという気持になったら相当の金が出ぬはずはないと私は思う。地方の方は非常に窮迫しておって何も出ない。現に私は地方の行財政にしても一つ建て直しをしよう、一つやりかえをしよう、考え直しをしよう。財源だけ持ってくれば払う。あとは合理的にいっておるから財源だけ出せばよろしいという考え方は私はないと思う。財源措置も悪いでしょうが、現在の地方の行政の運用も今日のままでよろしいと言っておられる方は私はまずまずなかろうと思う。してみれば、そういうところにも節約の余地も残されておるということは、どなたも私はお認めになっておると思うのであります。でございますから、一方において財政の窮迫は認めます。それはその通りでございます。しかし一方において行財政の整備をし、そうしてこれを一つ合理化し、そうして出してやりかえて行かなきゃいかぬというようなことについては、どなたも私は意見は一致しておる。してみれば、そこに年末になるべくこれらの公務員諸君のために努力をして差し上げようという気持になることは当りまえだと私は思うのであります。それを初めからこれは短期融資によるべきものだ、国家で責任を負うべきものだ、これは私は遺憾ながら賛成できないのであります。これはそうすれば地方の今のやり方は全部よろしいのだ、ただ政府の財政の裏づけだけが足りないのだ。であるからこの借金ができたのだ。これ以上しぼっても振っても出る余地はないのだ。非常にりっぱにやっておるのだということを全面的に認めるならば、今の御意見通りに賛成しなければならぬと思います。しかし遺憾ながらさようには考えません。でございますから、まず地方において最大の努力をしていただくのだ。そういう気持になってこそ、私は労働問題の、みんなの気持が一致して解決ができると思うのであります。でございますから、あえて私はこの措置をとるわけでございます。いろいろ御意見もございましょうが、私はそういう考えでございます。
○田畑金光君 あなたは私の言うことを何か誤解しているようだが、私は今の地方行政の運用が万事よろしきを得ておるということを前提として話しておるわけじゃない。先ほど質問の中にも申し上げましたように、財政懇談会等の答申を見ても、地方行政制度の根本的な機構上の改革とか、あるいは各種行政委員会の整理とか、地方税制の改革等、いろいろな全般にわたる再検討を施すべきである、このことは私もその必要性のあることを認めておるわけです。ただ問題はそのような根本的な改革となれば、これはのちほどまた行政管理庁長官としての国務大臣に質問する行政機構の改革の問題とも関連するが、これは政府自身も行政機構の改革は次の通常国会に提案しようと、こう言っているのです。地方団体についてもそういう根本的な機構の改革というものは、これはおそらく昭和三十一年度の財政年度以降の話だと思うのです。私はそのような点はそれとして当然やるべきことであろうが、当面の問題として、この公務員の年末手当の財政措置をどうするかという問題にぶつかって参ったとき、今の河野国務大臣のお話によりますると、地方がとにかく大きな仕事をやっているんだから、まだやりくりをすればできるのだ、そういう甘い考え方で処理をなさったのじゃこれはとても支給ができない、こう考えるのです。この短期の赤字融資について私のお尋ねしたいのは、もう少し政府として明確な態度を示さなければ、ほんとうにやりくりしても、どんなに節約しても出ない府県においては、今でも何億何十億という赤字をかかえておる府県が相当あるのだから、そういう府県においては、事実上この短期の赤字融資について政府の腹というものがはっきりしなければ、事実上これは支給できないのじゃないか、私は府県もできるだけの努力をする、節約もしよう、しかし、なおかつできない府県は、これは政府のいわゆる赤字融資に依存するかもしれない、依存するとしても、その前に政府としてはその負担を将来どう措置するかということが非常に大きな問題だと思うのです。その点について前提はお互いによくわかるわけです。
○国務大臣(河野一郎君) それは先ほど自治庁長官からもお話がありました通り、現在ありまする赤字、これを根本的に行財政の建て直しを地方においてはいたしまして、ことにまあこういうことを申し上げるのはどうかと思いますが、私の担当しておりまする農林省関係の仕事を最も大きく扱っておりまする府県は大体貧弱県でございます。そういう県の持っておりまする財源が非常に貧弱でございます。こういうものをこのままにして、なおかつここで毎期融資をして、その責任は政府はとらぬなどということは、これは私はまじめと申したら当るか、さわるかしりませんが、知事さんはお出しにならぬと思います。そういうことはあるべきはずのものじゃないのであって、今これまでの経緯にかんがみ、そこで十分に委員会等の御答申を尊重して、政府といたしましてはこれらを根本的に考え直して、そうして各府県の財源についても、各府県の行財政の建て直しをして、将来の見通しのつくように各府県が行けるようにすることが、すなわち根本的な改革だと私は思うのであります。その際に今回短期融資いたしますものはそれに繰り入れて、あわせてこれを解決するということでいいのじゃないか、私はこう思うのであります。でございますから、一方においてここで借金をしておけば、融資を受けておけば、この次にどうせその中に入れて解決してもらえばいいというような考えでなしに、できるだけ府県においてはこの問題解決のために、倹約、整理をしていただいて、そうしてなおかつ今お話のような、御指摘のようなところにおきましては、それを過去の各府県の赤字と一緒に合わせて根本的に改革すべきものだ、こういう建前であります。
○委員長(小柳牧衞君) 田畑君どうですか、まだたくさんありますか。
○田畑金光君 今度は自治庁長官に一つ、足りないから……。
○委員長(小柳牧衞君) なるたけ簡潔に……。
○田畑金光君 長官にお尋ねいたしますが、今、河野国務大臣から最後の答弁にはいささか含みのある、味のある答弁が聞けたわけですが、それで一つ、長官としては、とにかく各地方団体が一生懸命に努力した、しかしそれでもなおかつ短期の融資に依存をしなければならぬ、そういうところは要するにまじめにやった地方団体だということになると思うのです。まじめにやった地方団体については、政府としては当然これは通常国会において政府の地方財政計画等に繰り入れて補償してやる、こういうようなことになれば、これは非常に穏当な行き方だろう、こう思うのですが、この点について長官はどういう腹がまえで大蔵大臣等々と話し合いをなされておるのか、一番頼りにしておる自治庁長官は、もう少ししっかりした腹がまえでやってもらわぬと、まことにこれは不安で地方団体はどうしていいかわからぬと思うのです。あなたの態度、あるいはあなたの動きを注目しておるのだから、もう一つ勇気を持って、ほんとうのところはこうだ、そうなればあなたを多くの人方が支持するでしょうから、来年度は地方団体も安心して何とかしてもらえる、こういう期待を持ちましょうから、この際長官の所信を承わっておきたいと思います。
○国務大臣(太田正孝君) 私の申し上げたことと河野大臣が言われたことと少しも違わないのでございます。私も実は入間する前に、地方は少し放漫じゃないかということをずいぶん聞きました。けれども私は本会議において申しました通り、今日の地方の赤字というものは地方においても罪はあったろう、また国の力にも不親切はあったろう、ところが実際を聞いてみますと、世間一般に地方財政に対する注意が深まりました関係もあり、当事者におきましても実は相当な節約をしておるのです。節約なんかしないだろう、できないだろうと思っておったのが、現実におきましては、各地方における節約の状況は、形容して申しますならば相当涙ぐましく聞かなければならぬものがあるのであります。だから河野大臣も言われる通り、とにかく国だってそんなに楽に今回の資金を、予算の措置といいますか、相当に各省に響くと思います。今までの実績から申しましても相当の余地があるじゃないかということは、私自身が言うよりも、今、河野大臣が云うように、あんなにまで怠けたというような世間の声がありましたにもかかわらず、実質におきましては相当の整理もしておるのであります。だから私申し上げましたように、その上にというのでありますから、相当苦しいところはあろうと思います。けれどもその問題は団体によって違うことでもございますし、お言葉のようにいい団体を取り上げてということは、財政措置としてどうなるか、私少し研究したいと思いますが、できるだけ節約を、お言葉を借りて申せば、勇気を出してやっていただきたい。そうして金繰りのうまく行かぬところは短期融資をする、その後においてなお国家が見なければならぬ問題がございましたならば、通常国会において措置する、どうも筋といたしましても、私は政府のとったこの重要方針をもって行くよりほかはない。お考えのほどはとくと了承いたしました。できるだけ私は自分の立場から努力、善処いたしたい所存でございます。
○田畑金光君 お話を承わりまして、どうも期待したような御答弁を得られないのはまことに残念です。で、観点を変えましてお尋ねしたいことは、あなたも入閣されて初めて地方団体の中に涙ぐましい節約をやり、いろいろ人員整理等もやっているところもあるということを発見されたようで、これは大きな国政のためにプラスだろうと思うのです。別に私は何もかも地方団体を弁護しているつもりじゃないのですよ。これはよく誤解のないようにお願いしたいと思うのです。私がいるのは福島県ですが、福島県はかつて吉田自由党の圧倒的多数を占めた、六十一名の定員のうち自由党五十五名の多数を占めた県です。ですからわが思うことならざるはなしという県ですが、その県において、長い吉田内閣のもとにおいての地方財政措置、あるいはその後のまた鳩山内閣の地方財政の措置のもとにおいて、今日相当多額の赤字を出しているわけです。でありますから、私たちも地方財政の運営については相当な批判を持っておるわけでありまするから、何もかも地方団体を弁護しているつもりは何もないのです。そのことはよく前提として御理解願いたいと思うのです。ただわれわれといたしましては、政府にも大きな責任があるという一点から、それで今のあなたのお話はお話としてわかりましたが、それじゃ最初にあなたが述べられた国家公務員に支給するならば地方公務員にも支給できるように、公平の原則から自治庁長官はめんどうをみてやりたい、こういうお話です。そこで今のように窮乏せるところは窮乏せるに応じて、とにかく短期融資なりでも、まあとにかく年末には〇・二五の増額を保障して上げよう。実際それを実行せしめるのに、今申し上げたような赤字府県に対しまして、自治庁長官はどういう配慮でもって実行させようとするお考えなのか、どういう考えでどういう行政上の指導、あるいは指示等を通じて実行させようとするお考えであるのか、その辺の具体的な方法等もお聞かせ願わぬと、あなたの答弁は全くその場逃れの私は危険性があるので、一つはっきりした御方針を聞かしてもらいたいと思います。
○国務大臣(太田正孝君) 短期融資につきましては、今までのだいぶ悪い例もあるようで、地方の御期待に沿わなかったことが大へん多いということは私承わりました。今回の措置につきしましては、大蔵省に地方側の要求を、正しいものはいれまして必ず実行するようにいたしたいと存じます。
○千葉信君 この間も給与担当大臣とこの給与問題についてだいぶ長いことわたり合いましたが、結局今日なおそのときに問題として残った見解の相違から出てくる点が、やはり重要な問題としてこの法律案の審議の段階でかなりしぼられてきていると思うのです。先ほど河野さんが言われたように、今日のような安い給与で一生懸命働いている公務員に対して、この程度の期末手当は出すべきだという御意見はこれはりっぱだと思うのです。全くその通り。ところが河野さんは田畑君の質問に対しても、地方財政のあり方、運営等について十把一からげに荒っぽい見方をして、問題を軽く考えておられる点がやっぱりあると思うのです。まあ河野さんの言われるような自治体もそれはあるでしょう。問題はそうじゃないところをどうするかということ、そうじゃないところの場合ですね。やはりこの年末手当の問題の解決は重い状態でのしかかってきておる。しかも政府の方から出たこの法律案によると、そういう場合には、政府の方でも何も〇・二五でなくてもよろしいという条件があるから問題がある。その点なんですよ。そういう場合にはまあこれは自治庁長官も、さっき河野さんも言われた給与は公平でなくてはいかぬ、当然なことです。能率に応じ、物価の状態に応じ、適正な額にきめなければならぬと同時に、公平ということが一番大事。ところがそういう地方財政の状態、しかも千変一律の放漫なやり方じゃなくて、まじめにやっていて、しかもどうにもならない格好で苦しんでいる地方財政なんです。しかもあとの財政措置について政府の方から明確な態度が表明されないと、その影響がやはり地方公務員の頭にかかってくる。だから問題はですね、そういう点については政府の方でもう少し安心できるような答弁をするとか、国会で法律を変えてしまうとか、もしくは委員会で決議をして政府にはっきり答弁させるとか、そういう方法でもとらないと、この給与法自体の持つ、改正法律案自体の持つ欠陥が、非常に一部のものに不公平をもたらすということになるというおそれが依然として残っておる。まあ河野さんも太田さんも給与は公平でなければならない。私は賛成だと思う。そこでそろそろこの法律案審議の大詰めに来ておるようだから、一体今度の政府のとった措置が、この附則の筋二項を含んですこぶる公平を欠いておるという点があるので、私はその点を聞いてみたいと思う。一体今回この年末における給与の問題、期末手当の問題をめぐって起ったこの紛争の過程の中において、それぞれ団体交渉で、もうすでに決定したところの公共企業体とか、あるいは特別会計現業職員、その団体交渉の結論というものは、これは政府の方もはっきり知っておるはずだし、政府の責任もまたはっきりする。ところがここにこの問題が、一体根本的のこの問題の解決がはたして公平に行われておるかどうかということについて、はっきりその参考にしなければならぬ文章があるのです。それは去年の十二月の十七日、淺井総裁から、当時の給与担当国務大臣に対して出された通牒です。読んでみるからちゃんと聞いて下さい。「本院は十二月六日付をもって、本年十二月に支給すべき一般職の職員の年末手当については、一般職の職員が団体交渉権を認められていないことにかんがみ、公共企業体等職員と均衡を失せざるよう措置されたい旨申し入れました。その後各公共企業体等職員については団体交渉の結果、その年末手当支給率は相当程度増加することに逐次決定をみつつあります。」、これは昨年の十二月なんです。ところが「本来公共企業体職員と一般職職員との年末手当については、前者は一・〇月分、後者は一・二五月分を基本として予算に計上されており、かつ、第十八国会において政府は両者の比率は、右予算上の比率で均衡がとれていると言明しております。従って、団体交渉によって公共企業体職員について、右予算上の一・〇月分より増加する場合には、両者間の均衡がとれるよう万全の策を講ぜられるようここにあらためて要望します。」、私の読み上げた理由は、本来その公共企業体の職員の場合には、年末手当は一カ月分、一般職の職員等の場合には一・二五カ月分というのが、これが予算に組まれて、しかもそれがはっきりそういう差をつけることによって権衡を得ている。これはまあここにもその根拠となっている予算計数、これは数字ではっきり持っております。しかしこれはまあ煩雑になりますから、そこまでは私は読み上げる必要はないと思う。今回の政府のとられた全般の措置については、この人事院総裁の文書から見ましてもまあ公平は失していると思います。そうですね。片方は〇・二五カ月分、気の毒な一般の職員諸君は〇・二五カ月分しかふえない。政府は人事院の勧告をいれておりますが、しかし一方では〇・五カ月分もしくはそれにプラスアルファーで、団体交渉で政府職員に対して支給することになっている。公平だなんということは言えない。しかし僕はこういうことを河野さんに言ったからといって、公共企業体の職員や政府機関のその他の分を引き下げろというのじゃないのですよ。これは勘違いされちゃ困ります。私がここでこういう政府の今回とった措置が不公平であることをここで明らかにした理由は、一方ではそういうふうに有利なものがあるのに、この一般職の水準にさえ達しないおそれのある地方公務員があるということです。それが問題だと思う。一体この間もここで質疑をいたしましたが、今回のこの給与法を、一般職の職員の給与法を出すに当って、政府の方では一般職の職員の場合には明らかに各省庁とも〇・二五カ月分は出せるということをはっきり官房長守も言明しております。出せるのにこんな附則の第二項をつけて差をつけてもよろしい、そこまで行かなくてもよろしい。一般職の職員の場合には〇・二五カ月なんか出ることははっきりしている。それを法律にこんなことを書いている。減らしてもよろしい。それは一体どこへ行くのだ、どこへ影響が行くのか。みんな地方公務員じゃありませんか。河野さんはそれを出すべきだ、出せるという見解をとっておりますとあなたは言うけれども、そんなことなんか節約する余地がない。地方公共団体にどういう印象を与えますか、はったりをやっているとしか感じられません。ほんとうに河野さんが責任をもって給与の公平化、あくまでも公平にやるというためにはこういう附則があっちゃいけないのです。どうしても今その附則をもうここでとるわけにはいかないから、もうその段階は過ぎたからだめだというなら、それなら政府の責任で、非常に節約の余地はない、しかもあなたが言うように安い給与で一生懸命働いている公務員に対して、無理してでも〇・二五カ月分を出すためには短期融資をして、その跡始末についてもっと政府が明確な態度をとらなければならぬ、もっと積極的な答弁をしなければならぬ、それをやることがこの給与法の欠陥の埋め合せをすることになるのです。
○国務大臣(河野一郎君) お話しでございますが、予算の半ばにおいてこの勧告が出たのでございます。従って本来言えば補正予算を組んでやるということも一つの方法でございます。しかし政府は乏しき財源のもとにおいて、何とかかんとかこの人事院の勧告を生かして行きたいという非常な政府の努力がこういうふうになったのでございまして、従って明年度からははっきりしております。すべてのものは理想通りやれることは一番やりたいのでございます。しかしそれには何をやっても経過規定がつきますし、経過において不十分な欠点がつくことはやむを得ぬと私は思うのであります。それはお話しの通りやれば一番いいだろう、できれば一番いいだろう、それはその通りであります。しかし私はみずからこの担当者として、むしろこの勧告を生かし、明年度からは予算に計上してやるべきだ。本年度は途中のことなんだから経過規定としてこういうことだ。しかし実質的には各省の長はこの方針によって出すようにしてくれたまえということで、私は一応御納得が得られるのじゃないかと思うのであります。ただ地方公務員の場合に、この附則がついておるから、中央の方は君らがきめた通りやれるだろう、地方の方はそうは行かぬじゃないか、こうおっしゃるかもしれませんが、それは地方のそれぞれの長において最善を尽す。これはどなたもこういうことで今後の問題を扱って生かして行ってもらいたい。そこで私はこの処置を決定いたしました閣議決定のあとで談話を発表いたしまして、地方のそれぞれの機関におきましても、この政府の処置に一つならって行くようにお願いをするということを明らかにしたわけでございまして、今御指摘のように、なぜこんなものをつけておく、それはつけぬでおけばつけぬがいいと思いますけれども、これは経過規定としてやむを得ぬ趣意と、こう思うのでございます。
○千葉信君 これは経過規定というよりも……河野さんの言うことは私はわかります。この法律の提案に当りあなたの勢力も私は知っているし、大体最善を尽されたことは私も了とする。しかし、にもかかわらず、あなたが言うような考えでやられたその結果としてでもここに問題となり、心配される点がやっぱり残っているということに私は問題があると思うのです。その点がまだしも将来恒久的に立法化すべきその支給率通りにことしはやらないということになった結果、附則の結果、今、河野さんも御承知の通り地方財政の状態が非常に苦しい。節約しなければならぬ、もしくはできるのにしないところもあったりしていることも、これは事実でしょう。しかしそうじゃなくて、もうぎりぎり一ぱいの余地のない地方自治体の場合には、おっしゃるようなことはむずかしい。しかも他に赤字を一ぱいかかえており、これ以上赤字がふえることについつてはしり込みをするのが私は人情だ。そういう場合に国家公務員と同じような水準でこの問題を合理的に解決してやるためには、政府の方として、もう少し積極的に短期融資をした分等については十分了解ができるような答弁を国会でしておく責任が政府としてもあるはずじゃないか、この点。
○国務大臣(河野一郎君) 国会でただいまのようなことを御指摘になると同様に、やはり府県会、市町村会においても同様な意見を御指摘になる方がたくさんおありになると思うのであります。そうしてその県、その市町村の公務員に対する給与はぜひこうあるべしだと、県の財政もしくは県市町村の財政を節約すべきだという意見もありましょうし、これ以上節約が困難であるから短期融資によってこれを実現すべしという主張が当然各府県、市町村においては私はなされると思うのです。なされた場合、その長は当然その妥当性をもってこれを中央の方に言っておいでになれば、中央はそれに対して短期融資の道はちゃんとあるのでありますから、この道がなくして、ただ節約だけでやれというのはこれは乱暴という場合もあるでありましょう。しかし節約をしてもいかぬ、それはその地方、その府県、その議会が決定もするし、勧告もするでございましょうし、中央においてはその融資の道もあけてあるということは、先ほど自治庁長官は、それについては最善の努力をすると言うておられますし、すでにこれは大蔵大臣も閣議決定をいたしました以上、当然これについて短期融資のあっせんをすることを私は期待いたします。この跡始末が十分ではない、跡始末に心配があるという御意見がある者もありますが、跡始末は先ほど申し上げましたように、今までにある借金と一緒に合わせて、これは明年度以降において、これをはっきり全部解決の道を再建整備すべきだということで、私は一応どこにも無理はないのじゃないかというような気持がするのですが、それは意見の違いになりますからあえて私は申し上げませんが、御了承をいただきたいと思うのです。
○委員長(小柳牧衞君) 大体意見の相違ですね。
○千葉信君 まあその地方財政の、つまり短期融資の分の跡始末等の関係については、地方財政自体の問題もあると同時に、先ほど来申し上げているように、今回の給与法の改正によって、地方自治体がとらるべき年末手当の支給の関係で不公平もしくは不利益をこうむる者があってはならないというのがもう一つの問題点なのです。ですから、そういう点から衆議院の地方行政委員会でも、それから本院においても、ある委員会がその問題を取り上げて、やはり政府に対してもう少し反省を促しておく必要があるという、そういう決議が行われようとしていると思うのです。ですから河野さんの言っておられるような問題は、簡単に楽観的に問題を考えていることのできない状態は、そういう点からもはっきりこれは出ていると私は思うのです。これは否定すべくもない実際の状態です。河野さんはおわかりです。しかし私はまあそれ以上ここで河野さんとやっても、大体どうしても一緒にならない平行線ですから、私は、ここいらで自治庁長官に少しお伺いしたいと思うのだけれども、自治庁長官は、さっき何かこの問題についてはわき役であるようなお考えを持っておられる御答弁がありましたが、私はこの問題については、今の段階では自治庁長官は主役だと思うのです。この委員会で問題となっている点については、今、河野さんに対する質問の中でもお話をしましたが、今回の法律案の内容なり、地方財政の状態から言いますと、やはり問題として心配される点が残っています。先ほど田畑君からもいろいろ質問されたようですから、私は重複を避けますが、この際この問題についてはあなた主役のつもりで、この問題について地方公務員が安心できるように、国会であなたの答弁できる限界というものはこれはわかります。われわれも国会におって、この程度が答弁のできる段階だということはわかるけれども、しかしそれではやはり問題は残るのです。あなたとしてはもっと積極的な態度でこの問題についての解決策を、あなたの私案でいいから、どうしようということを考えておらぬか、その点をもう少し明確に説明していただきたい。
○国務大臣(太田正孝君) 私がわき役と申しましたのは、言葉が練れておらぬかもしれません。すでに衆議院におきましても、先般の地方財政再建促進特別措置法の審議において、国の立場あるいは自治庁の立場から監督がましいこととか、あるいは差し出がましいことのないように、憲法に規定する自治体というものを主としてやれという修正まで出たのでございます。しかし、ああせよ、こうせよということを自治体に言う立場にないということを申し上げたいから、わき役という言葉を使いましたので、私の任務とされることにつきましては、むろん積極的に働きかけるつもりでございます。言葉が少しく練れておりませんから、誤解があったかと思いますが、自治をこわすことはしない。とかくこういう問題につきまして国の立場でやるお役所でございますというと、ああせい、こうせいと言うことができますが、これをやってはまた一大事になりますので、私がわき役と申したのは、自治を尊重し、河野大臣も言われております通り、その長、その議会にはしっかりしてやってもらいたいことを期待することの強さの意味で、かような言葉を使ったのであります。どうも言葉が練れておらぬかもしれませんが、私の気持は向うへうっちゃっておいてというよう意味では断じてございません。さりとて国があっちこっちというような普通の行政のようにやることはできない。これは非常に重要な問題でございますので、私は積極的にやりたいということを申し上げておく次第でございます。
○廣瀬久忠君 だいぶ長く短期融資の跡始末の問題についての御質問と御答弁がございましたが、大体わかりました。結局全体を総合して私伺っておきたいのですが、短期融資の跡始末である財政措置については、自治体の建前も尊重しつつ、地方においてほんとうにまじめにこの処理をして行く、それでもどうにもならぬというような地方に対しては、将来取り扱うべき地方財政上の大きな赤字対策の問題、これの一環として、ほんとうにまじめにやった結果生じた赤字と認められるものは適当な措置をやるということについて、自治庁長官初め河野国務大臣も最善の努力をしてくれる、こういうことに私は解釈したいと思うのですが、これで間違いありますまいか。
○国務大臣(太田正孝君) その通りでございます。
○廣瀬久忠君 それでは私は大体よろしいと思いますので、ここでもうこの辺で質疑を打ち切りまして、一つ討論、採決に入ってもらいたいと考えます。(「賛成々々」と呼ぶ者あり)
○委員長(小柳牧衞君) 質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小柳牧衞君) 異議ないものと認めます。 それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
○野本品吉君 私は自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となっております一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、この法案に関しまして、次のような希望意見を付しまして賛成の意を表したいと思います。 第一の点は、今度の国家公務員の期末手当の扱いに関しまして、従来ややもすれば軽く扱われて参りました人事院の勧告が一応尊重されてきたということにつきまして、私はこれは公務員全体の問題として喜んでしかるべきことと考えております。将来もまた公平な立場に立つ人事院の勧告等に関しては、政府においては十分これに耳を傾け、尊重するように配意を希望するわけでございます。 次に、この問題を考えますときに、何と申しましても一番考えさせられます問題は、政治の要諦としての公平の原則を貫くという点でありまして、教育といわず、産業といわず、経済といわず、人事といわず、われわれはあらゆる問題に対しまして公平の原則を貫くことに最大の努力をしなければならぬと思っております。期末手当の問題は、従って金額の問題である前に、公平の原則という観点から見るときにきわめて重大な恩義を持っておるものと考えるわけです。従って地方公務員、あるいは国家公務員という身分上の相違から手当に著しい差と不均衡を来たすということは、同じく公務に従うという同じ立場から考えて、きわめて不合理であると言わなければならぬと思っております。 第三の点は、しかるに現在、地方財政の窮乏は心ならずもこの公平の原則を貫き得ない窮状にあると見なければなりません。従って政府が短期融資の方法によりまして、この窮状打開の措置をとられるということはむしろ当然なことであると思います。で、この場合最も考えられなければならぬことは、いろいろ審議の途上において論議されましたように、この短期融資は当面する地方財政の赤字対策という重大な問題につながるものでありますから、従って現在各都道府県等におきまして、知事と県当局がこの問題に腰を切れない状態におるわけです。この短期融資の跡始末につきましては、自治庁、大蔵省等、関係政府当局は最大の努力を払って善後措置に遺漏のなきを期すべきであると考えます。幸いに自治庁長官及び河野大臣等は、来たるべき国会における補正または三十一年度予算におきまして、この短期融資の跡始末に対しまして適切な措置をとる固い決意のあることを表明されましたが、これは政府の誠意、熱意のあるところを示すものといたしまして、これを了といたしますが、同時にわれわれの強く希望いたす点は、これらの政府の答弁が水泡に帰することなく、従って大多数の地方公務員をして期待を裏切られたというような幻滅に泣かせるようなことのないようにということでございます。 以上、所見の若干を申し添えまして賛成の意を表します。
○田畑金光君 ただいま議題となりました一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に対しまして、社会党といたしましては不満ではあるが賛成の意を表する次第であります。なぜ不満であるか、この点は先ほど来自治庁長官、河野給与担当国務大臣に対する私の質問の中で明らかにしておいたわけでありまするが、今回の政府のこの法律案を提出するに至りました経過を見ますならば、政府は世論の圧力によってようやく人事院の勧告を尊重するというところまでこぎつけて参ったわけであります。人事院の勧告というものに今日までの政府のとって参りました態度は、まことに軽視もはなはだしいと申さなければならぬと思うわけであります。国家公務員法の建前を見ましても、あるいはまた公労法の建前を見ましても、人事院の勧告、あるいは仲裁裁定委員会の仲裁裁定は、御承知のように、これらの公務員あるいは公共企業体職員の労働基本権の制限、禁止の代償として置かれておる制度であるはずであります。にもかかわらず、この法の建前を今日までともすれば軽視し、無視して参りましたのが政府の態度であったことはまことに遺憾にたえません。ようやく院内外の圧力、世論の批判によって人事院の勧告を政府が尊重したということは、おそまきながら、これは政府のために喜ぶ次第でありまして、今後政府といたしましては、十分人事院制度等の制定された趣旨にかんがみ、勧告等は率直に受け入れる、尊重する、こういう態度があってほしいと思うわけであります。ことにまたわれわれが予測いたし、また不安に存ずることは、通常国会に行政機構の改革等が提案されるおもむきでありまするが、その一環として人事院の縮小あるいは廃止ということを考えておるようであります。これらのことを考えてみましたときに、まことに前途われわれは反動的な施策を憂えるわけでありまするが、こういうような点についても、もう少し政府は民主主義の原則を尊重し、歴史の流れによく耳を傾ける、こういう態度をとってほしいと思うわけであります。 第二に、私の特に強くこの際この法案に賛成するに当り政府に要望しておきたいことは、先ほど質問の際に繰り返し、繰り返し申し上げましたように、地方財政に対する政府の措置というものが、今回の法律改正に伴いまして何ら具体的に示されていないということであります。政府の地方財政に対する考え方というものは、まことに抽象的であると申しますか、実相を知らざるもはなはだしいと申さなければならぬと思います。国家公務員あるいは公共企業体職員に対しまして年末手当の増額支給がはかられました以上は、当然地方公務員に対しましても同様な措置がとられるべきであると考えます。しかしながら、今日の地方財政の実情にかんがみまして、地方公務員に対する増額支給がはかられるためには、当然政府において予算上の措置、財政上の措置をとるべきであろうと考えるわけでありまするが、今日の段階における政府のこの問題に対する態度はまことにあいまいであるわけであります。どうか一つ政府といたしましては、この法律案の趣旨が地方公務員にも十分実行できるように特段の地方財政に対する努力を払われ、次の通常国会において、いわゆる短期融資については政府の責任において処理をする、このことが明確に実施されることを強く要望いたしまして、この法律案に賛成の意を表します。
○廣瀬久忠君 私は緑風会を代表いたしまして、本法案を妥当なるものと認めまして、賛成をいたします。
○委員長(小柳牧衞君) 他に御発言もなければ、討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小柳牧衞君) 御異議ないと認めます。 それではこれより採決に入ります。 一般職の職員の給与に関する法律の一部改正する法律案を問題に供します。本法案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(小柳牧衞君) 全会一致でございます。よって本法案は全会一致で原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお、本院規則の第百四条による本会議における口頭報告の内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成その他自後の手続につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小柳牧衞君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。 それから報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますから、本案を可とされた方は順次御署名を願います。 多数意見者署名 木村篤太郎 高瀬荘太郎 田畑 金光 千葉 信 中川 幸平 廣瀬 久忠 野本 品吉 三木與吉郎 西川彌平治
○委員長(小柳牧衞君) それでは暫時休憩いたします。 午後一時三十三分休憩 —————・————— 午後三時三十分開会
○委員長(小柳牧衞君) それでは休憩前に引き続き会議を開きます。 行政管理庁設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 前回に続いて本法案に対し御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○廣瀬久忠君 まず行政管理庁設置法の第二条の第十二号に「国の委任又は補助に係る業務」という文字がありますが、これは主体は府県市町村等公共団体が主たるものであると思うが、実際上の今までの取扱いはどうでありましょうか。
○政府委員(宇都宮徳馬君) お言葉の通りでございます。
○廣瀬久忠君 そこでお伺いするのですが、行政管理庁設置法の第二条の第十一号によって「監察し、必要な勧告を行う」ということが書いてありますが、本来私はこういう行政管理庁が監察をしたり、それから勧告を行うということについては非常に問題が多いと思うのですが、政府の考え方は、この監察の範囲を今回広げないのですが、この監察に付属したる十二号の範囲を非常に広げようと今回はしておる、調査の範囲を広げようとしておる。そういうのはどういう意味から特に今回調査の範囲を広げようと言われるのか、それを一つ伺いたいと思います。
○政府委員(宇都宮徳馬君) 御承知の通り、「各行政機関の業務の実施状況を監察し、必要な勧告を行う」、「前号の監察に関連して、公共企業体の業務及び」云々ということがあるのでございますが、この公共企業体以外にも、最近公団とか、公庫とかいう非常に公共性の商いものができておりまして、そういうものを直接監察いたしませんでも、調査する権限は持つ必要がある。かように考えて、この法律の設定を急いでおるわけでございまするが、特に最近住宅政策の監察に関連いたしまして、住宅公団というものを調査をする必要があるのでございます。さようなことが一つの動機になっているということを御承知願いたい。かように思います。
○廣瀬久忠君 その住宅公団、その他いろいろの公団、公庫等もふえてきておるのでありますが、これらのものに対してはそれぞれ主管大臣があるはずでありますが、主管大臣の監督というものはどうして内閣としては信頼ができないか、それだけでは足らないのか、主管大臣の監督だけでは公団の問題にしても公庫の問題にして足らない、どういうところがどう足らないか、そこをお伺いしたいと思う。
○政府委員(宇都宮徳馬君) 各行政機関の業務の実施状況を監察する際に、その行政機関が監督している公共企業体、その他を調査する必要が起ってくるわけでございます。二条十一号にありまする「各行政機関の業務の実施状況を監察」する。これが本来の業務でございまするが、その際に大蔵省なら大蔵省関係、あるいは運輸省なら運輸省関係の公共企業体その他を調査する必要がどうしても起ってくるので、かような十二号の規定が存在し、公団、公庫等の非常に公共性のあるそういうものがふえて参りますると、どうしても調査の対象を必然的に広めざるを得ない、かように考えておる次第であります。
○廣瀬久忠君 行政管理庁の監察の範囲は行政機構の範囲に限っておる。そうして調査は十二号に特に限定して、ここに公共企業体と、それから府県、市町村というような、もう行政機関と一体不離の関係にあるもののみに一応この立法は限定したのであって、その趣旨は行政管理庁の監察というものの範囲をでき得る限り限局して行かなくちゃならぬという考え方でこの立法もできておるものだと思うのです。そうすると、第十一号で行政機関の監察をやる際にも、調査の方は直接に行政管理庁がなさらないで、第十一号の行政機関に調査をやらせるというような形で行くべきであると思うのですが、今の調査は実際はどういう工合に行われておるのでしょうか。すなわち公共企業体に直接行政管理庁が手を出して調査を行なっておるのでありましょうか。あるいは行政機関の手を経て調査を行うという形でありましょうか、そこをお伺いいたします。
○政府委員(岡松進次郎君) 私からお答え申し上げたいと思います。ただいまの質問と、それから前の御質問にも関連いたしましてお答え申し上げたいと思います。 行政管理庁の監察は第二条の十一号で、各行政機関の業務の実施状況を監察しておるのでございます。しかしながら、今御質問のありましたように、各行政機関はそれぞれ主管の業務に関しまして、監督行政に基きまして自分の主管業務についての内部的な改善というものの責任もあり、義務もあろうと思うのであります。しかしながら、やはり自分の業務を指導監督するという面においては、従来の実績からみまして非常にやはり限度もあり、足らざるところもある。従いまして、政府部内の第三者的な立場に立つ行政管理庁が、側面から行政機関の指導監督の面を監察いたしまして、そして足らざるところを御注意申し上げ、つまり行政主管官庁の事務を横から助言をし、足らざるところを補う、補完協力という言葉を使っておりますが、補完協力的な作用をするのでありまして、どこまでもその主管大臣の官庁の行政事務の改善をはかって行くということに目的があるのでございます。また十二号の監察に関連して調査する団体が、現在は公共企業体、それから国の事務ではございますけれども、主体は自治体であります、府県でございますけれども、仕事は委任または補助にかかわる国の業務でございますので、それに関連して調査するという言い回しを使っておるわけでございます。これはやはり主管官庁が監督しております監査行政に関連いたしまして、非常に重要な国の事務と一体になっておる対象につきまして調査いたしまして、あわせてその監督をしております。主管官庁の監督行政の補完協力をしたい、こういう意味で設けられたのでございます。で、今回この調査の範囲を公団、あるいは公庫、あるいはその他に一応広める改正案を提出いたしましておりますのは、今御質問のありましたように、われわれといたしましては、この法律ができました当時、もちろん公序というものは存在しておったと存じますが、公団というようなものはその当時存在しておりません。また公庫も発足以来まだ日が浅くございましたことと、われわれの監察というものは、実は昭和三十七年の八月から新らしい機構となって発足いたしまして、その事務も非常に新らしい仕事でございまして、なかなかそう手広く監察をするというような、能力についてもみずから限度があるというふうな気持から、一応公共企業体、それから府県の委任または補助にかかわる業務ということに限定いたしましてお願いいたしましたのでございますが、その後公団というようなものも新らしい形態で発足いたしました。またここに述べてあります四公庫等もその後活発な活動を開始しておられます。従来の監察の経過から見まして、それを監督しておりますところの主管官庁と、それに直接監督を受ける密接しておりますこういう公共的な性格の強いものを調査いたしまして、あわせてその主管官庁の仕事の改善をはかるという意味において、そういうものまでも一応調査しないと十分な監察の結果が得られないというふうに考えまして、改正案を提出した次第でございます。
○廣瀬久忠君 ただいまのお話で、やはり主管大臣では監督上足らないところがある。そういうところから横から補強をするのだ、こういうことでありますが、そういうことは二重監督になるということ、それから、ことにほかにも会計検査院のごとき憲法上の有力なる監督機関もある。それに何といっても主管大臣というものがあるのに、それは足らないんだと、足らないから補うのだというように見えるのでありますが、そうすると、内閣というものは自己の大臣を信用しないんだという結論になりかねない。そういうような考え方であるばかりでなく、今までは事務の関係上、公共企業体並びに府県市町村だけに限ったが、これからは公共的の性質のある機関ができればまだふやすんだというようなふうに聞えるか、政府に聞きたいことは、主管大臣をそう軽く見てよろしい、こういうのであるか、あるいは将来まだふやそうというのであるか、そこの考えを政務次官から一つ……。
○政府委員(宇都宮徳馬君) お答えいたします。この十一号の規定にありますように「各行政機関の業務の実施状況を監察し、」、これが行政管理庁の重要な任務の一つでございますが、かようなことは決して各大臣を軽視するというようなことではないのでありまして、かような補完監察行政といいますか、そういうものが必要である、こう考えているわけであります。そうして公共企業体とか、公団とか、その他の非常に国家性、公共性の高い法人企業体を調査の対象になすというのも、決して各主管大臣の監督能力を疑うというわけではないのでありまして、各行政機関の業務実施状況を監察する、この主要任務を十分に行うために調査いたす、こういうわけでありまして、この対象そのものは拡大いたしておりますが、行政管理庁の監察の性格は、今度の法律の改正によっていささかも異ったものにならないのであるということを御承知願いたいのでございます。
○廣瀬久忠君 ただいま「業務の実施状況を監察し、」ということについて、それは言葉にはなかったが、やや事務的なものであって、主管大臣の監督というものに対する不信という意味はないのだと言われますけれども、それは私は一がいにそれに同意するわけには参らないのであります。と申しますのは、今回の国有鉄道に対する監察並びに勧告というものの性質をみるというと、それはなかなか現場の調査ぐらいのものではなくて、相当に大きな政策上の問題にも影響を与えるのであります。こういう問題は、私の見るところではやはり主管大臣が十分に監督すればそれに内閣は信頼すべきものである。それを横の方から行政管理庁が監察して、そうしていろいろな意見を出したというように私にはみえる。それは結局やはり主管大臣の監督に対する不信というものを社会に明らかにする結果になるというふうにしかみえない。それで、そういうことになりますから、この法律でもできる限り調査の範囲は限局するという態勢で今まできているのだと私は思う。たとえば公共企業体三公社のごときは、従来は鉄道省の中にあったもの、あるいは大蔵省の中にあったもの、あるいは逓信省の中にあったものを離したのだから、その関係においては調べてもいいというような工合にみているのであって、新らしく生まれた公庫とか、公団というようなものまで広めるということはよほど考えなければならぬ問題がある。ことに今回の問題について、法人の問題で二分の一以上を政府が義務的に支出するところの法人については、やはり政令で定めてこれを調査するというようなことにし得ることになっている。そうしてその内容は、示されたところによれば、日本輸出入銀行初め有力な経済界の基本になるような会社あるいは銀行というようなものにまで及んでくるという改正になっている。ここまで範囲を広めるということであるというと、私は関係大臣というもののやはり監督権に対して、行政管理庁が非常に監察をし、調査をして、それを勧告するというふうなことになったならば、関係大臣のかなえの軽重を問われる、また不信の問題を天下にさらすというような問題が起きるんじゃないか、そういうようなことをやることはいかにも私は行き過ぎの感じが深い。これは本米、私はやはりこういう種類は、この鉄道省から公社として国有鉄道を分けてしまう。それから専売局も専売公社にしてしまう。それから電電公社を作るというようなことは、これは私はやっぱり占領政策の一つの行き方であって、いわゆるディセントラリゼーションの一つの行き方である。中央集権はできるだけ減らそうという形からきた。そしてそういうものを、まあ引き離したけれども、アメリカの政策で引き離したけれども、しかしそれは引き離しっ放しじゃいかぬから、自分でこういう工合に監督をしてるわけなんだから、しかし今度はもっと、従来の沿革のない公団とか、それからあるいは独立の人格を持ってる公団、それから会社、あるいは銀行というようなものまでその監督の手を広げるという、監督上の作用の手を広げるということは、それはどう考えても行き過ぎな感じを私は持つんですが、政府は今のお考えでは、将来でも公共的なものがあれば広げて行くような考えですが、政府としては行き過ぎだというお考えは持たないのであろうと思うが、どういう工合に考えておりましょうか。たとえて言えば、ここで私は、まあこういうことは実際おやりにならぬでしょう、おやりにならぬでしょうが、日本銀行の監査、日本銀行の調査を行政管理庁がやるとか、あるいは起源開発会社の調査を行政管理庁がやるというようなことは、それは私は世の中の経済人の常識からいったならば問題にならぬのだと思う。それはどういうことをやるのかしりませんが、それは非常な、調査どころの問題ではなくして、その社会的影響というものは非常に深刻だ、そういう深刻な影響を与えても調査をやるんだと、そして大臣の監督権だけじゃ足らないんだというような態勢をおとりになっているのはいかにも行き過ぎな感じが深い。そういう点について意見も異にするならこれもいたし方ありませんが、どういう工合にお考えになっておるか、一つ伺っておきたいと思います。
○政府委員(宇都宮徳馬君) お答えいたします。この行政管理庁の監察の仕事を通じまして、閣内に対立が起ったというような事態はございません。たとえば国鉄公社の監察の問題にいたしましても、これはその当時の担当大臣は十分な理解を行政管理庁の活動に対して持っていたということを私は仄聞いたしておるのであります。また行政管理庁の勧告の結果を国鉄の首脳も十分に尊重いたしまして、また場合によってはそれを喜んで受け入れているというようなところがございます。行政管理庁の勧告は決して糾弾ではなく、まあ親切な助言というふうに解釈していいんであろうと、かように存じます。また日本銀行等に対しましては、われわれは調査の対象にいたそうというようなことは考えておらないのでございまするが、ただ開銀、輸銀等は、これは公共性の問題から申しましても、それから政府資金の、ほとんど全額政府資金でございます。でありまするから、こういうものは当然政令で指定していいんじゃないか、かような確信を持っておるものであります。特にこの行政監察の対象の拡大がわれわれの自由民主党内においても支持されておりました理由は、もしも保守合同ができまして、そうして失政するというような場合には日本はとんでもないことになる。保守党の失政は一番危いものは疑獄ということなんですが、そういうようなものを事前に、つまり防止すると、予防するというような意味においても、公共性の強い国家資金をたくさん使っておるような団体は、十分に行政機関の業務の実施状況の監察と関連して調査する必要がある、そういうような点から、自由民主党内においても多くの強い賛成者を持っておるわけでございます。
○廣瀬久忠君 お心持はわからないことはないんでございますが、結局その問題は主管大臣では不十分だということに帰するのであります。こう思われます。それからなお私は、ただいま列挙された輸出入銀行とか、開発銀行とかいうものは云々というお話がございましたが、これらに対しては大蔵大臣も監督権を持っておるし、それから会計検査院もこれを監査する資格があるのであります。その上になお行政管理庁が大蔵省の監察の一環として、こういうものの調査をやるのだということはいかにも重複であり、行き過ぎであると、まあ私は思う。それのみならず、現在一体こういうことを掲げるほどあなたの方の調査能力というようなものがあるのかどうか、私はその点を非常に疑う。将来調査をやるときにはどういうふうに、増員してまでもやるのか、あるいは現在でもやり得るのかというような点についても、一つなおお伺いしてみたいと思います。
○政府委員(宇都宮徳馬君) お答えいたします。もちろんこれは能力という問題は相対的な問題でありまするけれども、順次これは広げた対象をやって行く能力はあると確信しております。またこの能力は特殊な特別なやはり能力を要しますけれども、今までの監察の経験によりまして、行政管理庁の監察能力は以前よりも充実しておるということも申し上げ得ると思います。
○廣瀬久忠君 要するに私と意見を異にしておるのは、私は主管大臣に主力を注いで、主管大臣の調査を十分にして、そしてこれを内閣のやはり成績を上げるようにするのが担当のほんとうの本筋であり、行政管理庁というようなところで、主管大臣のまあ横から援助するというよりも、横の私はそういう援助よりも、主管大臣自身の部下の監督機能を充実する方がはるかに有利ではなかろうかと私は思うのですが、これは意見の相違である。それからまたあなたの方では、調査能力はおのずからもう今日は充実しておるからできると言われますが、これについてはおのおの見方を異にして、やはりとうてい不可能である。むしろ行政事務的な府県の監督であるとか、あるいは市町村の監督であるとか、あるいは従来政府の一部に属しておった日本国有鉄道であるとかいうようなものについてはできると思いますが、こういう一般の民間のものまで入るというようなことは、いかにも行き過ぎであると思うが、これは意見の相違でありますから、それだけにとどめておきますが、しかし問題は、こういうことになった場合においても、政令の決定にしても、それから調査の実行にしても、それは濫にわたってはならぬと思うのであります。そこで一、二の事項についてお伺いいたしますが、政令の決定ということについては、むろん閣議決定でおやりになるのだと思うが、その点は関係大臣の完全なる了解のもとにおやりになるであろうと思うが、その点はどうであるか。それからこの参考資料によると、四半期ごとに計画を決定すると言われますが、その四半期ごとに調査をする公社なり、あるいは銀行、会社なりについての政令を出されるのであるか、あるいは一括して出して、本法が国会を通過した場合にはすぐに抽象的に出してしまうのかどうか、そういうような点について一つ実際問題を伺ってみたいと思います。
○政府委員(宇都宮徳馬君) 最初の御質問からお答えいたしますが、これはもちろん政令を決定いたします場合に閣議に問わなければなりません。その際には各所管大臣と十分な連絡をいたすのは当然と存じます。またするつもりでおります。それからいろいろな法人を指定して行く場合に、一ぺんにやってしまうのか、順次やって行くのかという御質問でございますが、これは調査能力及び必要に応じて順次いたしたい、かように存じております。
○廣瀬久忠君 そこで今度は調査の施行ということについて伺いたいのですが、先ほどもちょっと伺ったのですが、調査の施行というものは、つまり今の国有鉄道というものについて行政管理庁が直接に触れてやるのか、あるいは運輸省というものを通じて調査をやるのか、要するに調査の施行と所管大臣との間とはどういう関係になるのか、その点を……。
○政府委員(宇都宮徳馬君) この各所管官庁と十分連絡いたしまして、調査自体は直接いたします。
○廣瀬久忠君 それから私は勧告という問題について一つ実際問題をお伺いしたいのですが、監察をしてその監察に関連をして調査をする。そうして結論が出るのであろうと思うのですが、そこで勧告をするというその勧告をするというときに、どういう形式をもっておやりになるのか、閣議決定でおやりになるのか、あるいは総理大臣の考えでおやりになるのか、あるいは行政管理庁所管大臣だけの考えでおやりになるのか、どういうようにおやりになるのか。
○政府委員(岡松進次郎君) 実際の手続でございますから私から便宜お答え申し上げます。従来の形式は行政管理庁長官から主管大臣に勧告を出しております。ただ重要な事項につきましては逐次閣議等に報告されまして、一応の了解を求めて出すというような形式をとった場合もございます。
○廣瀬久忠君 私はこの勧告というものの影響、効果というものは非常に重大だと思うのですが、それは小さい問題であるならば管理庁長官から関係大臣に勧告してもいいかと思うのですが、ものによってはなかなかそうは行かない。今回の運輸省の勧告、こういうものは一体どういう取扱いによったものでありましょうか。
○政府委員(岡松進次郎君) 勧告は相手官庁に対して、先ほども申し上げましたように意見を述べると申しますか、助言をするというようなことでございまして、相手官庁がそれに従わなければならない義務はないわけでございます。従いまして、われわれの取扱いといたしましては、従来監察をいたしました結果につきましては、当該主管官庁とわれわれ事務当局がよく打ち合せをいたしまして、そしてわれわれの意見について非常に独善的なことであって、非常に実現が無理だというようなことを勧告いたすことは努めて避けてございまして、勧告事項はやはり改善の可能性のある、また直接それが行政事務の運営の寄与するということを主眼としておりますので、一応勧告いたしました事項につきましては、相手官庁としましてもそう独善的な、あるいは非常に意見の異なる事項の勧告を受けたというような印象を受けていないと信ずるのでございます。ただしかしわれわれといたしましても、業務運営上多少やはり話し合いましても意見の相違ということはあり得ると存じます。そういうような場合の勧告の形式は、努めてこういう点について再検討してほしいといったような言葉でもって現わすというふうなことにいたしておりまして、決してこういう命令するというような形式は決してとっておりません。また効果もそういうことだろうと私は確信しております。国鉄の場合に関しましては、事前に閣議に了解を狩るというような形式はとりませんでしたけれども、勧告とほとんど同時に閣議に大臣から報告をいたしておるわけでございまして、その前にも行政管理庁長官と運輸大臣とはいろいろお話し合いしまして、勧告の時期等にも打ち合せをしてやっております。決して対立とか、感情の問題が入っておるとか、そういうようなことは決してなかったことを申し上げておきます。
○廣瀬久忠君 勧告の問題についてはただいまお話で、どうも私は国鉄のような大きな問題については、これは閣議決定を経てやはりやるべきものだと思うのですが、今までのお取扱いもありましょうが、しかしただいま政府委員からお話しの、従来閣僚間のあつれき等はなかったということを言われますが、勧告のもののいかんによっては、そうして今の国鉄の問題のごときは、現在の大臣の問題ではありませんが、現在の大臣の仕事についてあなた方の方で行政管理庁で監察をして、調査をして、そうしてこれに対して勧告をするというような場合が起ったとすれば、それは全然その内閣の間のあつれきが起らないというようなことは私は考えられない。何となれば国鉄の問題については運輸大臣が監督権を持っている。その監督権を持っているものを横合いから出て来て、そうして勧告を加えるということであるならば、そこにおのずからあつれきが起きるのじゃないかと、まあ私は思うが、そういうことが今まではわずかにまあ公企業体と都道府県、あるいは市町村というぐらいの範囲でありますが、これからの政府の今のやり方からいうと、もう各行にわたるように、これは広がり得るものであります。そういうようなところまで広がって行った場合に、私は憲法上の内閣の性格、すなわち内閣は行政権のまあ最も主体、主体とは書いてないのでありますが、行政権は内閣に属すると書いてある。そうして行政権を内閣に属して、内閣は行政を推進するについてはこれを統一して、そうして推進をしなければならぬ。それを大臣の間に一方の方から、横合いから勧告をする、勧告という以上はそれはやはり欠点がある、その欠点をこう直せということです。その欠点はお前の監督が不十分であったということに帰する。そういうようなことを行政管理庁が各大臣に対してやり得るというようなことになりましたならば、私は内閣というものは不統一になるおそれがあるのじゃないか、こう思いますが、そういうおそれはないように運用ができるという確信をお持ちであるのか。
○政府委員(岡松進次郎君) 私から便宜お答え申し上げます。ただいままでわれわれ三年間行政監察をやりまして、各省に勧告いたしました。手続といたしましては、先ほど申し上げました大体事務の改善ということで、各省と大体事前の打ち合せで、一応納得したような事項につきまして、勧告をしておりましたので、ただいま申し上げましたような手続でございますけれども、将来また御指摘のような、あるいは今回やりました国鉄に関する運輸省に対する勧告というようなものにつきまして、今閣内で非常に意見の対立のような形が起きてはいかぬ。もちろんそういうようなことは十分避くべきことでありまして、勧告がそういう効果をもたらすとは私考えておりませんけれども、そういうような重要なことにつきましては、管理庁設置法の第四条の八号に、「長官は、監察の結果行政運営の改善を図るため必要と認めたときは、内閣総理大臣に対し、関係行政機関の長に所管事項の改善を指示するよう意見を具申することができる。」という既定がございます。これはただいまも申し上げましたように、この規定の手続を今までは実はとったことがございませんけれども、将来そういうふうな重要な事項につきましては、この規定によりまして、閣議に諮るということになるわけでございますので、そういうような処置をとりまして、何か政府部内で対立するというような形は努めて避けていきたい。いわゆる勧告は当該主管大臣の監督行政をほかから協力し、助言するという真の意味を実現いたしたいというふうに考えておるわけであります。
○廣瀬久忠君 私は勧告ということを行うことに賛成しかねる。私は八号のような工合に取り扱うべきものだとこう思う。事務については勧告をやるけれども、そうでないものは八号によるというようなことは、それは実際問題としては、ごく小さい事務のことはできるでありましょうが、私はなかなか監察をやって、調査をやるというくらいのものになると、そういうようなものは勧告の対象にするということはどうしてもあつれきの原因になる。それよりもむしろ行政管理庁官は総理に報告しあるいは閣議の決定によってこれを処理するというのがいいのであって、ここにこういう今の勧告のような態度をとるということは、必ず内閣不統一の原因になると思うのです。今回の鉄道問題は、これは過去の大臣の問題であるからよろしい。しかし将来はそうはいかない。それからことに今回非常に範囲を広げておる。こういうことになると、非常に各省の間に問題をまくおそれがある。内閣みずから、行政の統一を推進すべきところがみずからこういう点から不統一を来たすということは、実に行政組織としては妥当を欠いているのじゃないか。それはなぜそうなるかといえば、主管大臣というものの監督権に対する内閣総理大臣もしくは内閣の信頼がないということからくるのであります。主管大臣をして十分に監督せしめる、そういうのが最も正しい行き方である。それをそうでもない、こうでもないと、疑い始めれば際限がない。そういう一体大きな大臣に対する監督というようなものは大臣同士の間などでやるものでなくて、そうでなくして、むしろ国会が国政調査権をもって監督するのがほんとうなんです。そういうものを行政管理庁くらいのところでむやみに範囲を広げるというような感じを……むやみにと言っては言い過ぎだが、非常に範囲を広げて監督をやるということは、内閣の不統一を招く原因だと私は思う。これはしかし意見の相違であるといえば仕方がない。それからもう一つ聞きたいのは、一体監督にしてもあるいは八号による意見具申にしても、勧告をするについては、かくかくの事項はこうすべきである、それをこうなっておらぬのはよろしくない、よろしくないから改めろというときには、そこに一つの欠点があるという問題がそこに予想される。私は勧告ということがあった場合に、大臣の責任の問題が起きないで済むかどうかという点について非常に疑義がある。その点は一体どう考えておられるか、大臣の責任というものはないのでしょうか。
○政府委員(宇都宮徳馬君) 非常に重大な問題だと存じます。もちろんその勧告の内容にもよるわけでありますけれども、現在われわれが行い来たったところの程度のものでは、大臣の政治責任をとるというようなことには絶対にならない、かように存じております。特にかような法律がございまして、行政管理庁のかような任務を当然なものとして認めているわけでございますから、大臣の政治責任を云々するというような事態にはならないであろうと、かように存じております。
○廣瀬久忠君 私は法律があっても大臣の責任というものは起きないことはないと思うのであります。ことにこの種の勧告があった場合に、これがやはり国会がこの問題を取り上げて国政調査の見地より監督をするということはこれは当然なことであって、それで、今まではそうであったかもしれないけれども、これから後のことを考えてみると、私はやはり勧告があり、あるいは監査の結果総理大臣に意見具申があったというような場合に、それを国政調査権の範囲において国会が取り上げるのは当然である。国会が取り上げたる場合において、これは大臣の責任であるということが明かになれば、この法律があろうとなかろうと、これは別問題であって、法律があってもなくても悪いことは悪いのだから、これは追及しなければならぬ、そういう問題になる。それほど勧告とか、こういう問題は重大な問題でありますから、これを広げるということは大きな問題である。今度のように広げるということは大きな問題である。それから一体勧告というような形式をとるというのは、打来いいのかということについても非常に問題がある。私の眼目とするところは、要するに内閣は国会に対して連帯責任を負う、一人の大臣も連帯責任を皆持つ、そういう観点からいって内閣制度が責任内閣制度をとっておる以上は、内閣の各大臣の責任に一番重きを置かなければならぬ、重きを置く以上は、その監督権というものに対しても十分に私は信頼をし、そうして監督権行使に必要なる権限を与えなければならぬと思う。そういうものを、それほど内閣の運命に関するような大きな責任問題が起き得るものを、行政管理庁において勧告の形式あるいは意見具申の形式というような角ばった方法をもっておやりになるからこういうことになるのであって、どうも私は今回こういうものをまた広げるということは、非常に私はそこに将来の内閣の国政の上の行政運営の統一性ということから非常に不安を感ずるのであります。しかしこれはすでに行政管理庁法もできておって、私の今の主張とはぶつかっておるのでありますから、それはいたし方ありませんが、私は今回のような調査の範囲を拡大するということについては、非常にそこに疑義を抱かざるを得ないというように私は感ずるのであります。けれどもこれは今までのあなた方の実例から言えば、大臣責任の問題まで起きなかったということでありますし、まあ将来のことは将来でだれもわからぬのでありますが、私はこういう範囲を広げれば将来必らず大臣責任の問題も起きる、起きてもいいのです。間違ったことがあれば起きてもいいのですが、そういうような行政管理庁によって突き出されたことによって大臣責任が起るというようなことは、非常に連帯責任の内閣としてとるべき方法ではない。そうでなくて、各大臣が連帯して責任を負う以上は、各大臣が自己の所管について十分な監督をして、責任を負い得る体制でなければならぬ。それを横から補強するというようななまやさしい大臣責任でははなはだ困る、こういうことが私の見方であります。これは意見の相違でありますからよろしゅうございます。それでいいのでありますが、最後に一つ伺いたいことは、今回のように非常に行政監察並びに調査の範囲を広げるということを臨時国会のこの際にお出しになるほど臨時緊急の必要というようなものがどこにあるのか。その点を一つ。
○政府委員(宇都宮徳馬君) これはやはりわれわれとしては非常な緊要性を認めているわけであります。それは先ほども申し上げましたが、住宅政策の監察を行なっておりまして、これに関連して住宅公団等の調査が必要になっているわけであります。でありますから、一刻も早くこの法律の成立を望んでいるのであります。でありますから、臨時国会に提出いたしたような次第であります。
○廣瀬久忠君 緊急性について私ははっきりいたさないのでありますが、もう一つ伺っておきますが、内閣の統一性ということについてもさっきお伺いしたのでありますが、なおこの内閣の統一性ということについて、何らの懸念はないというようにお考えになっておりますか。その点をもう一ぺん念のために伺っておきます。
○政府委員(宇都宮徳馬君) 廣瀬先生の御疑問の点もよくわかるのでありますが、この行政管理庁という機関は、政府部内におきまして行政の能率を維持する。また綱紀の頽廃を予防するというような、やはり特殊な任務をもって生まれているのであります。この役所の存在価値を認める以上は、もし重大な、つまり監督行政やその他行政の失敗があって、そのために内閣内部に若干の対立が起るということもわれわれはやむを得ないと思っておりまするが、しかしながら、現在のところは、よく内閣が一致いたしまして、行政管理庁の運用をいたしております。特に今度のこの法案なんかにいたしましても、非常に各閣僚一致して改正を支持しているのであります。
○廣瀬久忠君 大蔵政務次官もう見えますか。
○委員長(小柳牧衞君) 今官房長官がすぐ見えます。
○廣瀬久忠君 官房長官、お見えにならなかったから政務次官に大体伺ったんですが、私がこの行政管理庁の問題についてお伺いした大きな問題点を官房長官に一つ伺っておきたいのですが、その一つは、今回行政管理庁の監察並びに監察に付属した調査の範囲を公庫、公団、それから資本金二分の一以上を政府が出しておるところの法人というものにまで広げようというのでありますが、それはいかにも行政管理庁として、あまりに行き過ぎじゃないか。現在能力もないじゃないか。のみならず、私は所管大臣の監督権というものを非常に侵犯するものじゃないか。所管大臣にまかせておけば、大体いいのじゃないか。所管大臣を信頼していいのじゃないか、そういう二重監督、あるいは横合いからの監督という形をとるということは、内閣に対する統一性の妨害になりはしないかと、こういうことをまず伺いたいのでございますが、従って、その問題の要点としては、まず第一には、今度の適用範囲の拡張は行き過ぎではないのだということは、官房長官として断言できるか。もう一つは、内閣の不統一ということに対する影響については心配ないのだということであるかどうかという、そこの二点を聞きたい。
○政府委員(根本龍太郎君) 御指摘の点は、いろいろとこれは研究する価値のあるものとは存じますけれども、従来、直接その省の長たる国務大臣がいろいろと自体監察をやっていることは事実でございまするが、しかし、特にここ六、七年間の実績の結果によりますれば、なかなかそれではできない。そこで本院の決議等もあり、会計検査院をして、厳重にこれを査察せしめるというようなことも再三勧告されたのであります。ところが会計検査院の行うことは、すでに過去になっておるものについて、しかもその行政の責任の地位にあるものがどんどん変っておるというようなことではおもしろくない。そこで出ましたものは、事前監査、予備監査という形においてこれをやれという御決議すら、実は衆参両院の決算委員会で出たくらいでございます。そういう問題と関連いたしまして、せっかく政府に行政管理庁がありましても、これは本来の建前からいたしましても、決算委員会との競合なくして、綱紀の粛正、あるいは政府の実際上の経費の使用が適切に行われているか否かを監査する任務もございますので、その点をやらせることは、決してこれはあやまちではないと、特に最近政府関係機関においてそうした声が非常に強く、各委員会においてもそれが指摘されておる。こういう事実にかんがみまして、今回御承知のように公団が幾つかふえました。これもやはり当然対象にしてよろしい、また政府の出資しておる機関は、これは一面におきましては、国民の税金の負担において行われておるものでございまするので、もとよりその長の任免等については、あるいは政府の責任においてなにしておるから、その人間を信頼すればいいという議論も立ちますが、また一面においては常時あやまちなきを期するために、現在ある行政管理庁の機構を活用してやるということも、これまた国民に対して責任ある政府としてなしてよろしいことではないか、こういう観点からして、今回この改正をお願いする次第でございます。能力ということになりますれば、これは義務的にやることではなく、そうした状態が予測されるあるいはそうしたいろいろの情報が入ったときに、集中的にやりますれば、これは監査の対象を広くいたしましたとしても、決してこれは運用上支障は来たさないと、重点的にやると、こういうふうな考え方であります。 それからもう一つ。内閣の連帯責任制の立場からして、同じ国務大臣である立場において、たとえば運輸大別の所管事項について、行政管理庁長官が勧告する、何かそうすると行政の一体制という立場、平等の立場からするならば、総理にあらざるところの国務大臣が、ほかのものに対して、何か上位に立って勧告するというように見受けられやせぬかというような点もあるようでございまするが、しかしこれは行政の立場上は、決してこれは上下の差はないと思います。国務運営上のこれは任務の差である、これをわれわれは考えておる次第でございまして、たとえば大蔵省がいろいろ予算査定をする、一方は要求する。いかにも上下があるようでありますけれども、これはやはり国務の運営のための任務の差、こういうふうに解釈すれば、その点は問題ないのではないかと考えております。 それからもう一つ。勧告した事実が、実際上調べてみたら違っておるという点も、これは神ならぬ身のやることでありますから、必ずしも絶無とは言えないと存じます。しかしながらそれは監察した立場における、一定の条件における結論を出しまして、それに基いてその長たる勧告を受けたるところのものが、それをさらに参考に資しまして、自己の判断に基いて行政措置をすることでございまするから、その点については終局的には勧告を受けた方が勧告を受けたためにそれの裁判に服するというような関係ではございません。勧告はどこまでも勧告でございます。その勧告に基いて事態をさらに検討の上、それが事実であり、またそれが自分の責任においてなすべきものと感じたときに、これはその勧告を生かして、自己の責任において行政措置を講ずることになろうと思います。従いましてそこの間には、内閣の一体性に基くところの共同の責任をとるべきものが対立するではないかということは、若干感情上にはそういう本人同士にあらず、むしろ逆に勧告を受けた機関の職員と、勧告をした職員との間に、若干そういうことはあるとは思いますけれども、人情としてそういうことがあるでしょうけれども、大臣の立場における権限という観点からするならば、そういうことはないと、かようにわれわれは考えておる次第でございます。
○廣瀬久忠君 私とは意見が違う点が相当あるのでありますが、なお一つお伺いしたいのは、大臣の責任を集中する、大臣の責任の集中をはかる、こういう点について欠くるところはありませんか、このやり方では……。
○政府委員(根本龍太郎君) その点は意見の違うところではないかと私は思うのであります。これは国務大臣としても債務と、それから行政長官としてのまあ責任と権限という問題と関連して参ってくるだろうと思います。これは行政管理庁長官は一つの行政の庁のあれでありますが、それがたまたま国務大臣がそれを担当しておるということでありまして、国務大臣同士としては全然問題ない、ただ行政管理庁長官として運輸大臣たる何のそれがしという人に自分のあれに従って勧告をした、これは責任の集中という点からいたしますれば、現在の政府組織法それ自身が非常に散漫になっておるわけです。御承知のように行政機関たる委員会があります。直接国会その他に責任をとらざる人が重大な行政上の責務を遂行しておる。国鉄のごときにおいては、運輸大臣の監督下にあるけれども、その権限は非常に微々たるものである、国鉄の方は独自の運営でやっておる現状です。しかも責任は全部運輸大臣がとる、調査の手段すらあまり持っていないという関係からいたしまして、行政管理庁の方にむしろ運輸大臣からも勧告を要請してやったような次第でございます。この点は研究の足らない点がまだたくさんあろうとは思いますけれども、現在の行政管理庁の制度そのものが行政上重大なる私は支障にはならないで、むしろ行政の改善の役には立っているだろうと私は思います。
○廣瀬久忠君 私は今のことを伺って私もそう思うのですが、運輸省の官制、運輸省の設置法による第四条三十号によると「日本国有鉄道を監督する」とこれだけ書いてある。実際問題としてこれを監督すると書いてあるだけで、具体的にどういうふうに監督するかという問題に入ると、ほとんど監督できない実情にあるようである。それを放っておいて、そうして行政管理庁の設置法の中に公共企業体としての調査というものが行政管理庁はできるのだというようなやり方は、横にいっているじゃないか。そうでなくして、むしろ私から言わせれば、日本国有鉄道を監督するという運輸省の規定はむしろ強化すべきものであって、行政管理庁の規定を強化するということは横にそれている。そういう考え方でいくと、私から言えば、大蔵大臣に対してその金融機関の監督権についてもっと監督権を与えたらいいじゃないか。その監督権を大蔵大臣には与えないでおいて、行政管理庁の方には与えるのだ、そういうやり方が私はいけないのじゃないか。これは占領政策からきた点もありましょうが、今日から言えば、もっと内閣の大臣にこれを集中しなければならぬ、各省大臣にものを集中しなければならぬ、そうして各省大臣は完全に責任を負って、しかも連帯して国会に責任を負うような体制に持っていかなければならぬ。それが、各省大臣の所管事項に対する監督権は、これは割合いにだめなんです。全然だめなんです。それだから文部大臣は騒いでいる、各省大臣もそうだ。そうしてそれを行政管理庁に持っていこうということが非常に私はおかしい行き方じゃないかと、こう思います。今まですでにできておる法律でありますから、今どうということはすぐにはいかぬであろうが、これを強化するということは、自民党はみずから占領政策の行き過ぎを直すのだと言いながら、むしろそっちに深入りしているのじゃないかと、こう私は思います。こういう点については、あなたとは意見を異にするのであります。 もう一つお伺いするが、たとえば勧告があった、私は勧告なんということを大臣同士でやるべきでないと思います。すでに法律があるから仕方がないが、勧告があった場合、どっちか一方が正しい、勧告をした方が正しいか、受けた方が正しいか、それは国会が国政調査権において判定をすると思う。判定をしていいと思う。これは国会がやるべきだと思います。その判定をしたときに、責任問題が起るということは、むろん覚悟の上のことであろうと思いますが、これでよろしいのか。
○政府委員(根本龍太郎君) まず最初の廣瀬先生の御意見に対しては、私も基本的には賛成でございます。すなわち政府が今回臨時国会では間に合わないからやりませんでしたが、実は行政管理庁が行政機構の改変その他の担当のあれになっておりますが、河野国務大臣をその担当に出させまして、そうして基本的には政府の組織の根本的な再検討に入ろうとしておるのであります。その場合における考え方は、ただいま御指摘のような基本的な態度でございます。しかしながらそれには若干の時日を要しまするので、そこに至るまでの間における暫定的な措置として、今回提案申し上げましたような行政監察の任務は、これは将来においてなされるからと、それまで放っておくわけにも参りませんので、これはこのような法案としてお願いしたという立場でございます。 それから行政管理庁長官が勧告をした、その事実においてもし違いがあるならば、責任をどうするかということのようでございますが、これはもとより自己の責任において官庁の調査に基いて勧告したことでございますから、それについて責任を持つことは当然だと思います。しかしながら違ったからすぐにそのために大臣の職を賭さなければならないというような意味の立場のものではなかろうとわれわれは考えております。これはどこまでも勧告は勧告でございまして、自分の方のかくかくの条件のもとにおける調査の結果は、こういう結果になっておる。従ってこれに基いて勧告を受けておる省庁においてはさらに十分の検討の上善処されたいという意味の勧告でございます。何もこれは判決を下してやったことではないから、その点は道義的にも行政的にも責任は持ちますけれども、その意味において、これは今御指摘のように、非常にきびしい責任を追及するという立場ではなかろうと考えておる次第でございます。
○廣瀬久忠君 私は行政管理庁長官たる大臣並びにその勧告を受けた大臣双方ともにやはり責任の問題が起きるとこう思いますが、その責任の問題というものは、国会が国政調査としてその問題を取り上げたときにはっきりする問題であるとこう思いますが、これはそれでもよろしいのですか、そういうような行政組織の構成というものは、私は妥当性がないのだと、責任内閣制というものはそういうものではなくて、各省大臣がやはり全責任を負って自分の仕事をやるのだ。横からやられた勧告というもののために動くという行き方は適当でないと思うのでありますが、それはすでに一応法律はできておるのであるから、一応はこれはすぐどうということにはいきませんが、それを強化しようというに至っては私は驚くべきである。それを言うのです。今あなたは根本問題については何か私の意見に共鳴をされているようなふうでありまして、なおその上に今暫定的にとおっしゃったが、その問題は、委員会の方の問題はそれでいいと思う。しかしながら委員会に十人も十五人も増そうという問題は、私はそれは暫定的にこれから行政機構改作をあなた方やろうというのですから、それはいいのですが、この監察並びにこれに付随する調査という問題は、決して暫定的とかそういう問題ではなくて、根本的性格として行政制度の占領政策の行き過ぎというものを強化することによって助長していくという体制にしか私には思えない。それじゃ自民党の言っていることとどうも私の見るところではぶつかっているんじゃないかという感じがする。けれどもこれは意見の相違であるかもしれませんが、私はそういう工合に感じる。これで私の質問を終ります。
○田畑金光君 私はまあ行政機構の改革の問題について、河野行政管理庁長官に質問をする予定でおりますので、きょうはこの問題に関しましては官房長官に深く質問をする時間が、こう見ますると余裕がありませんので、この際ちょっと問題がはずれますけれども、前国会の折に当内閣委員会を通じて私は政府にたびたびただした件がありますので、簡単に官房長官にお尋ねしておきたいと思います。 それは本日の朝刊にも出ておりましたが、在外資産補償の問題について官房長官は政府を代表されて、たびたび代表の方と会っておられるわけであります。現在全国からも在外資産補償獲得期成同盟の代表者の諸君や、あるいは引揚者団体連合会の代表等が来ましてこの問題に関し、政府、国会にそれぞれ陳情いたしておるわけであります。すでに御承知のように六月二十三日には衆議院において、六月二十九日には参議院において、すみやかに政府は在外資産補償の問題に関して適切な処置をとることを決議されておるわけであります。この点に関しまして私は当内閣委員会において、第二次鳩山内閣の折に、重光外務大臣、一萬田大蔵大臣にも質問をいたしまして、それぞれの答弁を聞いておるわけであります。それらの答弁は院の決議はどこまでも尊重する、こういうことでありました。そうして昭和三十一年度の政府の方針の中においても十分尊重して参りたい、こういう意思表示がなされたわけであります。この際一つこの問題の取り扱いについて政府部内においてはどういう工合になっておるのか、また第三次鳩山内閣は前国会における院の決議に対してどういう態度をもって今後に対処されようとする御方針であるのか。ことに今月二十日前後には政府の昭和三十一年度予算編成の大綱、基本方針等も大体見通しがつくように承わっておりまするが、この際根本官房長官から政府の所信を承っておきたいと思います。
○政府委員(根本龍太郎君) 過ぐる国会において決議をいただき、また団体の主要な方々にもお会いしまして、私が当時要請されたことにつきましては、私は直ちにその要請の事実は閣議に報告し、善処するようにお伝えすると申しまして、直ちに私が会見した二日後だったか、たしか閣議がありまして、それに報告したほか、私の意見も申し述べておきました。そのときには私は、在外資産の審議会がございますが、この審議会に引揚団体の方に直接関係のある人からぜひこれは一人入れるべきだという意見を出しまして、これが実現しまして、村瀬宣親君を先般これへ入れていただきまして、鋭意その方面の検討を進めていただいておるわけでございます。ところが在外資産の問題は非常に御承知のように広範な、しかもまた非常に不確定な要素がたくさんあるのでありまして、一番問題になりまする中国関係、これが一番問題になる、ところがこれは確認する方法もなかった。それを立証する方法がないので、これは非常にむずかしいのであります。その点について審議会の答申を経てさらにやらなければならない。しかしこの問題は特に十年間、若干はなされておりまするけれども、大した進展は見ていないから、三十一年度の予算編成のときには十分その点を考慮してほしいという点は、外務省にもそれから大蔵大臣にも私はこれはあっせんというような立場でございましょうが、やっておるわけでございます。先般も二十万九千ばかりの署名を持って参りまして、非常に深刻な要請がございましたので、私はそれを受領した、総理にも報告し、関係閣僚にも申し上げまして、三十一年度予算編成のときには十分この点は考慮すべきものであるという点を、私は意見を付して、さらに閣議に諮っている次第でございます。私から今具体的にどうするという案は申し上げかねますけれども、十分に審議会の方の御意見も尊重し、かつ審議会の意見のいかんにかかわらず、これは当然大蔵省としても外務省としても考えてほしいということで、せっかく今あっせんをしておる次第でございます。
○田畑金光君 在外財産の審議会の、現在までのこの問題処理の進捗の状況ですが、承わりますると、全く本質論に入るのではなくして、要するに憲法論で甲論乙駁しているように聞いているわけです。憲法論を今ごろやっていては、とてもこの審議会の答申というものがいつになるか大よそこれは見通しも立たぬ事態ではなかろうかと見られるわけであります。そういうゆうちょうな問題で、この大きな政治的な問題がうやむやのうちに処理されていくということは、政府も結局は窮地に追い込まれざるを得なくなるのではなかろうかと、こう見ているわけであります。で、これは審議会が政府の諮問機関であるといたしますならば、官房長官はこの審議会の現在の取扱っている問題の処理の内容を御存じであるのかどうか。あるいはまあいつごろここから答申が政府に提出される見通しであるのか、その点と同時に、今お話によりますると、答申のいかんにかかわらず、外務大臣、大蔵大臣にはあっせんの労をとっておられる御苦労のことはよく了解できるわけであります。本日自民党の政調会の代表二人がこれらの引揚者の団体の代表にお会いになって、いろいろ昭和三十一年度の財政あるいは立法化等の問題についても検討をなされておるというように承わっておるわけでありまするが、政府与党としても十分この問題については関心を払っておられるように承わるわけであります。今の段階で官房長官からこれ以上の答弁を要求するのは無理かもしれませんが、とにかく来年度の予算編成の大綱等もだんだん固まりつつある現在の段階において、いま一段と政府部内においても御努力をお願いしたいと、かように考えておるわけです。でありまするので、いわゆる審議会の答申がなければむずかしいのか、できないのか、答申のいかんにかかわらず政府は善処されていこうとするような態勢にあるのかどうか、もう一度承わっておきたいと思います。
○政府委員(根本龍太郎君) ただいま御指摘のありましたように、実は与党の方で、ただ陳情を聞いておったのではいけないだろうから、一つ政調のその方面のエキスパートが親しく会って意見を交換してほしいということを、実は私があっせんしてあそこまでいったのでございます。審議会の方は御承知のようにこれは審議会独自の意見として、政府はどうせいこうせいということはこれはいきませんのですが、従って審議会がどういうふうなスケジュールで進まれ、どういう結論になるか、今予測はできません。しかしながら私どもといたしましては、たとえそれが間に合わないからというわけで遷延するわけにいかないと思います。どこまでもやはり行政府としての責任においてこの膨大なる問題を、ただちに一挙にできないとしても、少くとも第一歩を進めていかなければならない。その意味においては、大蔵省なり外務省なりが必要な施策を立てて、そうして閣議に諮ってほしいというふうに私は進めておる次第でございます。その意味において関係閣僚もそれはまことにその通りである。全面的な解決はとうていこれは急にはいかないけれども、三十一年度には何らか一歩を進めたいというような意思は、私には大蔵大臣も外務大臣も言っておりまするので、その点は研究が進められておるものと私は考えておる次第でございます。今後とも十分にあっせんをいたしたいと考えております。
○委員長(小柳牧衞君) 本日はこれで散会いたします。 午後四時五十四分散会