地方行政委員会 第2号
- 発言数
- 14 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1955/12/07
会議録
○委員長(松岡平市君) ただいまより地方行政委員会を開会いたします。 議題に入る前に私から御報告いたしておきます。十二月六日付で委員秋山長造君、若木勝藏君、赤松常子君、島村軍次君は委員を辞任せられました。同日補欠として選任になった委員は、加瀬完君、森崎隆君、松澤兼人君、後藤文夫君であります。公報に載っておりますが、念のため私から御報告申し上げておきます。 本日は前回の委員会のお申し合せに従いまして、地方行政の改革に関する調査中、地方財政に関する件を議題に供します。本日は太田自治庁長官、根本内閣官房長官が出席せられております。 私から官房長官並びに自治庁長官に申し上げますが、十月十五日、当委員会は決議をしております。御承知だと思いまするが、その決議の要点は、地方財政の破綻状況に対して当委員会の審議の結果、政府が何ら具体的対策を立てておらぬ。従って政府のかかる態度が続く限りは地方財政再建促進特別措置法案は当委員会は審議を進めない、進めることができない、こういう趣旨の決議をいたしまして政府に申し入れてございます。こういう状況でございまするが、私から申すまでもなく、当臨時国会は地方財政の再建整備のためということが主たる召集の目的にもなっております。それには地方財政再建促進特別措置法案、参議院で継続審査になっておりますこの法案を審査することは政府も強く希望しておられると思うのでございまするが、この決議から政府が何らかの具体的対策をお立てになったという事実を明らかにしなければ再建促進特別措置法案の審議を当委員会としては進めていくわけには参らぬ、この点につきまして願わくは政府側からどういう具体的対策を立てたかということを進んで解明していただいて当委員会の了承を得ていただく、こういう趣旨でございます。
○政府委員(根本龍太郎君) ただいま委員長からお示しありましたごとくに、去る十月十五日の本委員会の御決議の件は政府も了承しております。政府といたしましてはその後地方財政の赤字に対する対策について種々協議をいたしました結果、すでに閣議決定いたしまして、本日の夕刻には印刷が間に合いそうでありまするので、国会に提出することになっておりまするのは、昭和三十年度の地方財政の特別措置に関する法律案を提出いたしまして御審議を願いたいと考えておる次第であります。内容についてはこの法律案が正式に上程されるときに当りまして、関係閣僚から提案の理由その他を申し上げることになっておりまするが、概略を申し上げますれば、地方の赤字を、本年度における赤字の対策といたしまして、既定経費の節約等によりまして百六十億の財源を出しまして、これによって本年の赤字の対策にいたしたい、こういうことでございます。 何とぞ本委員会の御決議もあることでございまするが、政府の方といたしましてはただいま申し上げました措置を講ずることについて本夕刻には提出する予定になっておりまするので、地方財政再建促進特別措置法案とともに、一つ委員会を正式に開いていただいて、すみやかに御審議の上御賛同あるように切にお願い申し上げる次第であります。
○国務大臣(太田正孝君) 私太田正孝でございます。はなはだこの席を借りて申し上げるのは恐縮でございますが、自治庁の仕事に携わることになりました。はなはだ未熟、不行届の者でございますが、よろしくお願いいたします。 今、委員長からお話しになりました問題につきましては官房長官からお話しのあった通りでございます。十月十五日に御決議をなさった内容の中心となるものは、三十年度における適切なる財源対策を立てなければ審議を進めることができない、こういうお言葉でございまするが、これにつきまして今官房長官の申しました通り、一方に国庫の財源関係もにらみ合せ、地方の窮状をも合せましてここに作りました案は、すでに御承知の通り、また本会議においても私がちょっと申し上げたことでございますが、本年度に限りまして地方交付税の繰入率を三%引き上げられることによる増収額を財政措置することにしたのであります。これに基きまして百六十億を地方交付税の例によって算定し、交付することにしたのであります。その算定の基礎は地方交付税の税率を三%引き上げることによる増収額は百八十八億円でありまするが、財源を捻出するために公共事業費を節約するとか、あるいは地方の負担の二十八億円減ずるのでありますので、これを控除した百六十億円を地方交付税の例によって配分することとしたのであります。法律関係といたしましては予算の方において予算総則を変えますなどの法律があります。ここに御審議願いまするのはその配分に関する法律でございます。ただいま官房長官の言われました通り、印刷のでき次第上程いたしたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○政府委員(早川崇君) 私このたび自治庁の政務次官になりました早川崇であります。はなはだ地方行政に対しては未熟でございますが、審議の過程でいろいろまたよろしく御指導をいただきたいと思います。一言ごあいさつを申し上げます。
○森下政一君 委員長、皆さんと一ぺん御相談願ったらと思うのですが、本日夕刻には大体本委員会に付議されるであろう法律案ができるというのだが、それまでに簡単な今御説明があったが、それで質疑を始めていくのでありますか。それとも印刷ができ上って、法案ができた後に、おそらくこの問題はこの国会ではかなり重要な問題なので本会議で説明もあるのじゃないかと思われる、その後に質疑を始めていくのか。きょうどういうふうにされるのか、一度皆さんとお諮り願ったらと思いますが、いかがでございましょうか。
○委員長(松岡平市君) 速記をとめて下さい。 午後一時五十七分速記中止 ————◇————— 午後二時二十一分速記開始
○委員長(松岡平市君) 速記をつけて。 それでは先ほど森下君の御発言もございまして、速記をとどめていろいろ御相談を申し上げましたが、政府側の申し出によりましてあらためて適切な措置を講じたかどうかということを聞くまでは再建促進特別措置法案の審議はこのままにとどめておくということにいたします。
○中田吉雄君 ちょっと太田自治庁長官と鈴木次長がおられますので、島根県の労政課長の就任を拒否するという島根県職員組合の闘争があることは御案内だと思います。山形県の労政課長の飯塚静雄君を自治庁の要請で島根県の労政課長に任命されたところが、島根県職員組合としては、この拒否闘争を広範にやってかなり重大な事態になっておるわけであります。この点について地方自治の円満な遂行上私も人事の交流の大原則については認めますが、御存じのように、島根県庁の新陳代謝と財政再建という名前のもとに九月初めに退職を募集し、十一月三十日にこれを打ち切って九十三名の退職の発令をいたしたわけであります。ところがそのとたんに他県から自治庁から押しつけられたとまあ聞いているのですが、労政課長を押しつけられてこれを拒否する広範な闘争が行われているわけであります。人事を交流するということは私も認めますが、百名近い首を切っており、しかも島根県で人材をなしとしないさなかにそういうことをされたことについて、長官はどういうふうにお考えになりますか。
○政府委員(鈴木俊一君) ただいまの人事の交流の問題につきまして、私が事情を承知しておりますので私からお答えさせていただきたいと思います。 島根県の人事の問題につきましては、御指摘のように山形県の今の飯塚君を島根県の課長に任用する、こういう人事がたしか今月の一日に発令をされて行われたと思うのでございますが、これは自治庁はかねてこの人事の交流につきましては、府県間の問題あるいは自治庁と府県との間の問題といたしまして、それぞれ関係当局の完全な了解のもとに人事の交流をいたしております。これはひとり自治庁だけではございませんで、農林省でも建設省でも厚生省でも労働省でもそれぞれの府県の部課との間の交流というものは今日はもう一般化して、一般的に行われているわけでございます。その一つのいき方といたしまして、自治庁におきましても事務関係の者の人事交流をいたしておりますが、ただいま御指摘のございました県は、島根県が行政整理をやっている際に新しく一人職員を採用してもらいたいということで申しているのでございませんで、たしか島根県の一課長を他の中央の官庁に転任をするようなあっせんをいたしまして、そのかわりに山形県にいる一課長をとった、こういうことを書面によってお願いをいたしましたところが、これはだいぶ前からのお話でございましたが、比較的最近になりまして承知した、こういう連絡がございまして、そうして人事の異動を発令いたしたわけでございまして、これは自治庁としてはそういうあっせんだけでございますから、山形県の知事と島根県の知事との間における直接的な人事の発令があったわけでございます。自治庁はそういうわけで押しつけるとか、そういうようなことは適当でございませんし、やるべきでございません。そういうようなことは全然いたしていないつもりでございます。
○中田吉雄君 実は島根県の職員組合の委員長が本日参りまして、私が聞きましたところによると、九月初めに退職募集をし、十一月三十日に九十三名の退職発令をし、ほとんど同日付で発令をしたということを聞いているわけでございます。かなりその裏面には、退職すれば第四条を適用してやるとか、いろいろな強制措置を実際はとって、百名近く退職をさせているさなかに、これは島根県の方から出た人だそうであります、もし島根県庁におったら、これは一係長程度だという、そういう百名近く首になっているさなか、それからこれが島根県におったならば、順当な昇進をしても一係長程度にしかいかないものを、自治庁のお声がかりということで、そういう労政課長になっているという点、そういうような点が非常に刺激しているようであります。そうして私言いたくないのですが、たとえば鳥取県におきましても昨年知事選挙をして十二月四日に選挙があって知事が当選確認書をもらったのが十二月七日です。選挙と知事が当選の確認書をもらう中間に自治庁から地方課長を差し向けてこれはすでに転任を予想される副知事をなだめてそういう措置をやっておられるのです。なかなかかなり広範な、知事は官選できないが少くとも人事の面で掌握するというような手が巧妙にとられて、実際地方自治がそういう面からネグレクトされておるじゃないか。特に自治庁がやられる中心のポストは財政課長、総務部長、まず県の予算を握る財政関係の部課長、町村長を握る地方課長、こういう三つのポストをほとんど自治庁のさしがねで、全国的なプールをする意味もあるでしょうが、その面から知事が交付税をもらわなければならぬ、自治庁にいかなければならぬという弱みがあって、それは完全な了解のもとでしょうが、しかし知事が職員組合に話しておるのは、あとあと自治庁にもお願いしなければならぬし、というような苦衷も起きておるわけであります。それは人事を全国的なプールでやるということは、人材登用の面から地方自治を振興する面から了承しますが、そういう県の枢要なポストを特に握ることによって事実上公選を押えていくというような措置が広範にとられておる。昨年鳥取県でもとにかく当選して確認書をまだもらわない中間に……知事が当選してから県政を運用するにはどういうふうな人事をやるべきかということを考慮してきめるべきもので、そういうことがやはりこの島根県にも私できておるのじゃないかと思いますが、その辺もう少し……。
○政府委員(鈴木俊一君) 人事の交流の大原則は御承認になっておられるようでございますが、御承知のように今日、何か今のお話でございますると、直接自治庁がいろいろやれるような感じにもとれるようなお話でございますが、そんなことは今日の公選知事のもとでは絶対不可能であります。公選知事が任命権者でございまして、公選知事が完全に了解しない限りは一切の人事はできません。ただいまの島根県の場合も、島根県のある課長が今回宮内庁の事務官に転任をいたしました。その転任するにつきましては自治庁としてはあっせんをいたしましたが、その関係でそのあとに山形県の課長を推薦をして、これでよろしいと、こういうことになっていたしたわけでございまして、一般的に行政整理をしておる際に、さらに一人の人を採れと、こういうような話で持ち出したのでは全然ございません。その辺を一つよく御了承をいただきたいと思うのでございまして、人事の交流と言いまする以上は、一人の人が他に転任をした場合には、あとにそのかわりの人を一人採っていただく、こういうことでなければ交流ということは一切できないのでございます。これは自治庁のみならず、建設省では、土木部の部長、課長というものはほとんどこれは建設省のあっせんによって異動ができておりまするし、あるいは衛生部というものはこれは御承知の通りすべて厚生省であります。最近は農林省におきましても、農林部とか、農地部とか、林務部関係の職員につきましては相当広範なこれは異動が行われておるのでございまして、これはやはり県の行政の水準を上げまするためにも、また中央に勤務する役人の実際上の経験を積みまして、りっぱなものにだんだん育て上げていき、ひいて全体の行政の水準を上げていくためにもこれはぜひ必要だと思っております。問題は御心配になりまするように、ここに押しつけるというようなことがあるかないかということでございますが、それは先ほど来申し上げまするように、今日上から下に何か話をするような状態には全然なってないわけでございまして、公選知事の完全な了解のもとにこれを実施いたしておるわけでございます。その点は島根県の場合におきましても、他の場合と少しも変っていないのでございます。
○中田吉雄君 任命権者が知事であるということは、それは自治法のもう初歩ですから私も知っているのです。しかしやはり千数百億の交付税を分ける自治庁、さらに起債の配分をする自治庁、こういうようなことが、鈴木次長としてはきわめてスムーズに話し合いでやっておられるようでも、そこにやはり逆鱗に触れては困るからというような弱みもあり、やはり全体としてはそういうふうになりやすいと思うのであります。こういうことについてはいろいろ話がありますが、きょうは申し上げませんが、ただそういう百名近い——宮内庁に行ったか知りませんが——百名近い首を切るとき、もう一つは、とにかく学歴、勤続年数からいえば、まあ係長ぐらいだというふうな、島根県の人事課で査定してみるとまずその程度だというような点で、非常にこのままいけば職員組合の圧力等もあり、おそらく知事としては地方事務所長かどこかに転任させざるを得ないというような問題も起ると思うのですが、こういうようなことについて事態を円満に収拾するような考慮をされるという用意はないかどうか。
○政府委員(鈴木俊一君) ただいまの具体的な人について何か評価されましたようなお話でございますが、私どもは、今の具体的の人は現に山形県におきまして相当長く数年にわたって課長をしている者でございまして、それが一係長にしか値しないというような権威ある断定というようなことはとうていできないと思うのであります。現に山形県におきましてこれは課長として登用されている人でございますから、その人が他の県に参りましてまた課長として登用されるということについても、これはいささかも私は不思議がないと思うのでございます。その点が、個々の人事の交流の具体的な人の問題になりますと、これは非常に微妙でございまするので、それ以上のことは私は申し上げることを差し控えたいと思います。
○委員長(松岡平市君) 本日はこの程度で散会いたします。 午後二時三十五分散会 ————◇—————