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23回国会参議院1955/12/14

地方行政・農林水産委員会連合審査会 第1号

発言数
108
登壇者
14
会派数
3
開催日
1955/12/14

会議録

石村幸作自由民主党

○委員長代理(石村幸作君) ではこれから地方行政、農林水産委員会連合審査会を開会いたします。  地方行政委員長が本会議で委員長報告のため出席しておりますので、その間、私が連合審査会の委員長の職を務めさせていただきます。  それでは昭和三十年度の地方財政に関する特別措置法案を議題といたします。  御質疑のおありの方は順次御発言を願います。

棚橋小虎日本社会党

○棚橋小虎君 地方行政委員長並びに委員各位にごあいさつ申し上げます。  ただいま議題となっております昭和三十年度の地方財政に関する特別措置法案は、地方財政の赤字補てんのため、公共事業費の一部をもってこれに充てようとするもののようでありまして、農林水産委員会にいたしましてもきわめて関係が深い法律案でありますので、連合審査をお願いいたしましたところ、会期切迫して特に御多忙のところを御快諾いただきましてありがとうございました。農林水産委員会を代表して御礼を申し上げます。  これから重政、江田、溝口、森、その他の委員から順次発言せられる予定でありますから御了承をいただきたいと存じます。

重政庸徳自由民主党

○重政庸徳君 政府委員が来ておらなければ質問したってちょっと困るのですが……。

石村幸作自由民主党

○委員長代理(石村幸作君) 政府委員ですか、政府委員は自治庁の鈴木次長、それから自治庁の財政部長の後藤君、会計検査院の事務総局の次長の小峰君、これだけが出ております。今あとから大蔵大臣、農林大臣、自治庁長官も出席のはずになっております。

重政庸徳自由民主党

○重政庸徳君 臨時地方財政特別交付金の百六十億円は、地方財政措置の必要額の百八十八億円の中から地方負担の二十八億円を差し引いた……、いわゆる百八十八億円と決定いたしておられるらしいのですが、これはどういうことになっておりましょうか、どういう意味で……。

鈴木俊一自治庁次長

○政府委員(鈴木俊一君) 今回の地方財政の窮乏を救うための財源措置の額につきましては、ただいま御指摘のように臨時地方財政特別交付金として百六十億円を予定をいたしておるわけでございますが、これに関連をいたしまして地方の公共事業費の不用額等の関係で、地方団体の方が負担をいたします分につきましても二十八億程度の負担減少を生ずるということで、両者合せて百八十八億、こういうことになっておるのでございます。  これは 一体地方財政の窮乏のこの際におきまして、どの程度の財源を地方に賦与するかということについてはいろいろ議論があったわけでございますが、先般地方制度調査会におきましておおむね二百億円程度、こういう答申がございまして、またその答申がきまります際におきましては、大体地方交付税の税率にして三%程度、こういうような話があったのであります。もちろんこれは地方財政の実は一番大きな問題をなしております給与費の問題については、政府がやっておりました給与実態調査の結果がまだ判明いたさなかったために、給与費の関係を取り除きまして、それ以外の問題につきましてどの程度の財源措置をするか、この見地から大体交付税の税率二二%というのを二五%に引き上げる。すなわち三%程度の額を賦与することが適当であろう。こういうような意見が地方制度調査会等の中でも非常に有力でありまして、それが答申では大体二百億程度、こういうことに相なっておるのでございます。  政府といたしましても大体その線をとりまして、今回は交付税を三%引き上げたその同額程度の交付の財源措置をいたそう。こういうことが今回決定をいたしました措置の主たる経緯並びに理由でございます。

重政庸徳自由民主党

○重政庸徳君 われわれが想像するには、ただ単に地方交付税の三%を算出の基準にしたように考えるのですが、そうするとほんとうに必要な、措置せなければならない必要額はどのくらいになっているか。

鈴木俊一自治庁次長

○政府委員(鈴木俊一君) この地方財政にどの程度の財源措置をしたらよろしいかということにつきましては、大体そういう総体的な観察をいたしますために、今日地方財政計画というものを作っておるわけでございますが、この地方財政計画を一つ一つ構成の要素につきまして洗っていって審査をしてきめていくのが一番合理的なことと考えておりますけれども、なかなかこれは今回の際におきましてはいろいろ議論の存する問題がございまして、そういう方式によりませんで、今申し上げましたように地方交付税の計算上従来から問題になっておりましたものをこの際解決する、こういう考え方に立ったのであります。  たとえば、それじゃどういうものが問題になっておるのかと申しますると、国税三秋の減税による関係で七十二億程度地方の税収が当然にこれは減って参っておるわけでありまして、そういうものを補てんをするとか、あるいは奄美群島の復帰に伴いまして、従来奄美群島関係のものを地方交付税の計算上別個に取り扱ってみておりませんでしたが、そういうようなものをさらに加えるとか、あるいは警察費が御承知のように昨年の七月から国家地方警察も市町村自治体警察とともに府県警察に移管されたわけでございますが、   〔委員長代理石村幸作君退席、委員長着席〕  そういう関係で見足りていない分を平年度化、要するに十二カ月まるまる見るべきものの分、そういうものが五十四億ある、そういうものとか、あるいは恩給費の関係の一部でございますとか、そういうようなものを見る必要がある。こういうのが今回の三%相当額ということを算定するに当りまして具体的に話し合いに上ったわけでございまして、そういうものに基きまして、今回は地方財政計画を修正をいたしたわけであります。修正した地方財政計画が、実はこの百八十八億と表裏をなすわけでございます。

重政庸徳自由民主党

○重政庸徳君 そうすると百八十八億は、必ずしもそれだけなければならぬというものではないように、私は今の説明によって聞くのだが、結局徹底的にやるということになると幾ら要る……、その中の三%で百八十八億というような説明になっておるのですが、これはまあ大蔵大臣が見えねばしようがないのだが、自治庁とすれば、その財源はどういうものを考えておられますか。

鈴木俊一自治庁次長

○政府委員(鈴木俊一君) この財源につきましては、まあいろいろの案が政府として決定されますまでの段階におきましてはあったわけでございますが、今回国会に提案をして御審議を願っておりますこの案におきましては、百八十八億のうち百六十億相当分は、今回は取りあえず交付税及び譲与税の特別会計において借り入れるが、年度末までの間に予算の補正をいたしまして、その裏づけとなりまするところの財源は、庁費でございますとか、あるいは賠償関係の費用でございますとか、あるいは公共事業費の不用となります額等を見込むことによりましてこれを捻出すると、こういうような建前に相なっておるわけであります。

重政庸徳自由民主党

○重政庸徳君 われわれが聞くところによると、公共事業の不用額ということが、まあ大体農林省に三十億、建設省に四十億というようなことを聞いておるのですが、聞くところによれば、百八十八億は、必ずそれだけなければ方法がないというのではないので、公共事業から三十億、農林省から三十億、建設省から四十億というものは、決してその不用額というものは私は常識をもって出ないと思います。だからそういうものは必ずしも、百八十八億今年度なければやむを得ない、しょうがないものだということにはならぬと思うのだが、自治庁はどう考えておられますか、その点……。

鈴木俊一自治庁次長

○政府委員(鈴木俊一君) これは三十年度の地方財政の帰趨がどうなるかということにつきましては、ずいぶんこれはいろいろと議論があるわけでございますが、私どもといたしましては、先ほども申し上げましたように、本来この地方交付税を計算上当然見込まなければならないものが見込まれていない。そういうようなことの結果として、地方財政の各団体の財政運営のいかんにかかわらず、やはり今日の状況においては赤字は不可避である。しかもその総額というものは、計算をして参りまするというと、今回政府としては百八十八億の総体的な財源措置をいたしたものでありますが、私はこれは決して十分というようなことは言えないので、まあ全くぎりぎりの最小限度であり、国家財政の一方の要求からいたしまして、これ以上のことはどうしても困難であるというところが、今回百八十八億という一つのめどに到達したゆえんであろうと思うのでございまして、地方財政だけの側から申しますならば、これは私どもといたしましては、さらに国の側において考究をしていただくべき筋があるのじゃないかというふうに考えておるのであります。

重政庸徳自由民主党

○重政庸徳君 その百八十八億のうち公共事業費に関係のある百六十億というものは、自治庁の方ではそれを財源に見合って考えておられるというけれども、まだ私どもの委員会の審議においてはきまっておらない。おそらくそんなものは出ないという見当である。また農林大臣も、必ずしも無理をして農民に迷惑をかけてまでそういうものを出す責任は有しておらぬということを申しておるのですが、どうも次長のお答えと、農林大臣のお答えと、そこにも非常にそごがある。  私どもは、地方交付税に回す百六十億を公共事業費から出すということはどうも納得いかぬ。のみならずこれが実現するとは思わない。次長どうお考えになっておりますか。

鈴木俊一自治庁次長

○政府委員(鈴木俊一君) これは私どもといたしましても、この財源の調達は、直接の責任でございませんので、私どもでこうすべきであるとか、ああすべきであるというようなことは、これは差し控えなければならぬかと考えておりますが、従って私申し上げますことも、大蔵省筋から伺っておりまする話として申し上げるわけでございますが、私どもが話を伺い、かつ了解をしておりますところでは、この百六十億関係の財源の調達について、公共事業費につきましては、具体的に現に工事を執行いたしておりますものの事業を縮小をして、その財源を生み出すというようなことではなくて、例年の例によりまするというと、大体相当多額の公共事業費の不用が出る。たとえば昨年におきましては、当初百億の公共事業費及び公共事業費に準ずる事業費の節約をいたす予定であったが、それをさらに若干緩和しまして、八十億程度の節約をいたしたけれども、それでもなおかつ昨年におきまして六十五億程度の不用額が出た。こういう話でございまして、両方合せますれば百四十五億程度の要するにゆとりと申しますか、工事執行能力との関係からいいまして、そういう数字が出たと、こういうことでございます。本年は予算の成立の関係とか、その他の原因によりまして、まあ従来の例程度のところのいわゆる不用額というものが出るのではないかというふうに私どもも推察されるのであります。従いまして現実に工事を執行いたします面における御不便というか、支障なしにこのような財源の調進ができるであろう、こういう見通しを私どもとしては聞いておる次第であります。

重政庸徳自由民主党

○重政庸徳君 これは大蔵大臣が見えねば御答弁ならぬだろうと思うのですが、自治庁の認識があまりに不足しておるので、私は認識を改めるために最後に申し上げておきますが、いわゆる下用額ということはないので、これは繰越金、繰越額ということになるのだが、おそらく繰越額を当てにしておるのだろうと思うのだが、農林省関係を例に申し上げましても、二十七年度の繰越額はきわめて少い、ここに資料が出ておりますが、四億程度になっておる。それから二十八年度の繰越額が十一億、二十九年度の繰越額が十三億ということになっておる。この繰越額でも決して不用額ではない。そういうふうになっておるのを、ここで三十億当てにするというのは全く認識不足だと思う。建設省も同じくそうだろうと思う。この点は全く認識不足で、もう一度よく、大蔵省に属することだけれども、一つ調査して、これを当てにしておる以上は、もっとしっかりした認識を持ってやってもらいたいと、私はこう思う。

松岡平市自由民主党

○委員長(松岡平市君) なおこの機会に御報告申し上げます。  ただいま太田自治庁長官、そのほかに谷垣農林大臣官房長、政府委員が出席いたしております。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 今、重政委員の質問に自治庁次長の方から答えておられたのですが、その問題はもう少し御質問してみたいと思いますが、きのうの農林水産委員会で河野農林大臣が答えられた答弁によりますと、今度の公共事業費の中から持っていく金、これは今のお答えのように、どうしても使えない繰り越しの金がそのぐらい出るんだ、従って政府としては一律に公共事業費の何%を天引きするとか、あるいは特定の事業をこれを待てとか、そういうような指図をすることは、絶対にしないのだ、今やりかけている仕事はむしろ積極的にどんどんやってもらったらいいのだ、しかもなお予定しているところの八十八億ですか、それ以上の繰越額が出てくるんだ、そういうような答弁をされたわけですが、その点は今のお答えでもちょっとそういう趣旨に聞えましたが、自治庁の方でも全く同じ認識を持ってやっておられるわけですか。

鈴木俊一自治庁次長

○政府委員(鈴木俊一君) 今の点は私ども全くそのように考えております。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 そこで繰越額というのは、ここに数字をいただきましたが、これが過去の実績なんですか、大蔵省の十二月十三日付の「公共事業費繰越額調」、これですか、過去の実績は。

鈴木俊一自治庁次長

○政府委員(鈴木俊一君) 私どもその資料を実は拝見しておりませんのですが、おそらく大蔵省からの資料だと存じます。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 ちょっとこれを見ていただきたいのですがね。この資料でいきますと、先ほど重政君が申しましたように、たとえば二十九年度において農林関係が十二億、運輸省、建設省関係を加えたものが四十七億、こういう数字になっておりますが、先ほどの百億をこえるというような次長のお話なり、それから今予定している八十八億というものとは相当の隔たりがあるわけですが、この点は一体どういうことになりますか。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 政府の方で繰越額というものを算定されますと、こういうことになるかもしれません。現実の地方団体の財政運営を見ておりますと、農林省関係によりますと特に年度の終りになりまして、第四四半期になりまして補助金が来るのであります。事業の確定しますのが第四四半期のものが相当ございます。そういうものをやります場合には、現実には手をつけまするが、実際は繰り越し事業のような格好になるのであります。しかし繰り越し事業の格好になりますると精算払いのものが相当ございますので、補助金が渡らないのであります。地方団体といたしましては一応この事業が完了したことにして補助金をもらうという格好にしております。現実にはそれは事業繰り越しの格好になって、雑歩金という制度が昔からあるのでありますが、そういう格好でもって実態は繰り越し事業というような格好になっているものがたくさんあるのであります。従いましてここに出ております数字以上の現実の繰り越し事業が今まであると私どもは考えております。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 そういう現実の繰り越し事業というのは、御説明を聞いただけでは私どももなおはっきりいたしませんが、しかしそれは大蔵省の見る繰り越し事業とは違うわけですね。そこでそういうようなことは別に今日まで会計検査院の方でも問題にされていないのだとすれば、今までずっとやってきておったことであり、今後もそういうことをやっていかなければ、実際に地方で公共事業を行うのに非常な支障が出てくる、やり方を変えることになりますから。そういうことになるわけでして、そうするとあなた方のおっしゃるような百億をこえるような繰越額あるいは今度の当てにしておられる八十八億というような繰越額を出そうと思うと、相当今までのやり方では無理をしなければ出てこないのだ。  今鈴木次長が肯定されましたような、河野農林大臣の言う特定の事業を減らしたりあるいは一律に削減をしたりすることをしないで、むしろどんどん仕事をやっていただきたいというような方針とは食い違ってくると、こういうことを考えざるを得ませんが、そうではございませんか。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) この問題、先ほども申した雑歩金の問題にからんでおりますが、これは会計検査院からときどき指摘されるのであります。しかし今度の補助金の適正化の法律が出ました場合に、それが違法になるかならぬかという議論があるのであります。これは今のところそういうものは違法にならないという従来からの慣習がありますので、ならないという建前になっております。従ってこの制度はやはり続くのではないかと思いますが、これは年度の終りになりまして事業の認証が参り、補助金が参る以上はやむを得ない措置なんであります。雑歩金という格好でもって工事が完了しないのに一応完了したことにして補助金をいただきまして、それを別途会計にいたしまして、そして実際に完了したときにそれを支払いをする、こういう格好になっております。そういうものをとらえていきますと、府県には数億くらい持っておる府県が相当ございます。そういうのは従って十二億——農林省関係、建設省合せたものでありますが、相当そういうものがありますので、現在の予定されておる事業の繰り越しというものは、不用額に立つかどうかという問題になりますと、私どもはできるというふうに考えております。  それからもう一つ事業の打ち切りではなくて、事業の繰り延べというように私ども伺っておりますので、これは事業は続くわけでありまして、年度区分の上で下用額は立つというように私どもは解釈しております。従って来年度早々やはりそれは補助金がつき、起債がつく、従って事業はそのまま行われるものだ、かように考えております。

重政庸徳自由民主党

○重政庸徳君 今のこれも全く認識不足で、ここに資料が出ております。前にも申し上げましたが、農林省の例をとってみても二十七年度が四億、それから二十八年度が十一億、一度に、二十九年度が十二億八千万、こういうようにふえておるということは、この一、二年今申されましたようなことが過去において行われておった。これは検査院もやかましいし、非常に表面から言えば不都合だというので農林省も取締って、そうしてそういうものは繰越金に回すということで、これがこういうように現実に急速にふえて参った。だからもう今おっしゃるようなことが行われておらないと私は思う。そういうところはもう少し調査していただけばいいように思う。農林省もお見えになっておるが、その点私が言う通りに農林省も取締って、その結果として繰越金がふえておると私は思うんですが、農林省いかがです。

小倉武一農林省農地局長

○説明員(小倉武一君) 今、お話しの点でございますが、昨年、一昨年と繰り越しが比較的従来と比べると多いということにつきましては、お話のような点について注意をして参ったということは、確かに一つの理由であるかと私どもは考えております。

重政庸徳自由民主党

○重政庸徳君 そうすると今自治庁のお考えというものは、全くそういう予想の繰越金が出てこないことになる、その点いかがですか、自治庁は。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 私は繰り越しをするものと、これから不用に立てるものと二種類あると思います。一つは現実に農林省あたりで補助金をリザーヴしている事業があります。三月なりまして相当多量の補助金が流れて参ります。この流れて参りますものはまだ事業の認証がはっきりしてないんじゃないかと思う。そういうものが完全に不用になるのであります。  それからもう一つ事業認証をして事業の始まるのがおくれているものがあります。そういうものは事業繰り越しの格好になります。国の方からごらんになりますると事業繰り越しの額というのが少いのでありますが、地方団体の決算等を見ますと、現実の事業繰り越しというものはもっと多数にございます。従って私どもは大体この程度の繰り延べというものは、従来の経験からいたしますると大体可能ではないか、かように考えておるのでございます。

重政庸徳自由民主党

○重政庸徳君 そこが非常な焦点になってくると思うんです。まだ金が第四四半期として交付になっておらぬと申しましても、計画は当初にすでにきまって、事業団体においてはその計画で進ませてきておる。請負契約も持っておるところもありましょう。あるいはまた実地に仕事の都合で仕事の進捗をしておるところもあるというので、今農林省が第四四半期の金を保留しておる、それを全部押えるということになると非常に末端では支障を生ずる。だからその点が焦点で、われわれは農林大臣の答弁によっても、農林大臣はそんなことは主張しておらない。だからこれは全く自治庁がそれをそういうような安易な考えで公共事業費の繰り越し、不用額、それを財源に充てるということはもってのほかだろうと思う。この点どうお考えになりますか。

鈴木俊一自治庁次長

○政府委員(鈴木俊一君) ただいま御説明を申し上げましたが、私どもといたしましては、先ほど来申し上げておりますように、こういうふうに公共事業費の本年度における不用額、来年度に対する繰り延べということになるわけでございますが、そういうものを財源に見込むべきであるとか、見込んでもらいだいとかいうことを私どもの方では決して申し上げておるわけではないのでありまして、これは大蔵省が国家財政の健全化を大いに堅持する必要があるという御見地から、そういうような財源の調達の方法をお考えになったわけであります。私どもといたしましては、その点については大蔵省の考え方に従って、今回は、先ほど来御説明申し上げておるわけでございまして、この不用額はいずれ将来の問題でございますから、一応政府が予定いたしましても、果してそういうふうになるか、どうかということはこれからの問題でありますから、それが的確に必ず出る、あるいは出ない、こういうことは断定的なことは申し上げられないと思いますが、私どもといたしましては、大蔵省の考えておられましたようなそういう数字で一応出るのではないかと、こういうように推察をしておるわけでありまして、そういう趣旨で御説明を申し上げたわけであります。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 今の財政部長さんの答弁でいきますと、たとえば現在なお公共事業の保留分があると、そういうものが年度末になってだっと今まで出されておったけれども、そういうものは不用額になるのだというようなことでしたね。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) いや、ちょっと違います。私が申しましたのは、現在各省の補助金でもって割当のきまってないものがまだあると私ども思っております。現実に私どもは起債対象の事業でそれを経験しておるのであります。われわれは起債を早く地方団体にきめてやりたいと思っておりまして、八月、九月ごろからどこの県、どこの団体にどういう補助金をつけて、どのくらいの事業認証をしたかということを調査しております。それを基礎にいたしましてこの起債を割るわけであります。ところがなかなか出てこないのであります。ことしは一応九月の終りで締め切りまして、それ以後出てきたものは起債の対象にしないと、こういう強い方針で参ったのでありますが、やはり各省からいろいろまだもうちょっと待ってくれということで、十月の終りで締め切って、やっと十一月になりまして起債の割当をしたのであります。ところが、その起債の割当をいたしましたが、まだ残っておるものがあるのであります。ところが各省が各地方団体がきめてないものがまだあるということであります。そういうものは不用に立つと申しましても、これは補助金としてことしの分はリザーブ、とめおいて節約に立つもんじゃないか、かように思うのであります。こういうものがまだ多少残っておりますもちろん全体の補助金から見ますると、額は大したことはないと思いますけれども、こういうものが三月ごろになってぼっと一ぺんに出てくるのであります。それが地方団体の従来の赤字の原因なんであります。全部予定した財源を注ぎ込んで予算を作っているのに、年度の終りになって事業の拡張をして補助金がぽんと百億とか二百億が出ていくというのがわれわれの一番困っておる問題であります。  そういうことから考えまして、私はある程度のことしの節約になる補助金もあると、かように申し上げたんであります。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 農地局の局長さん見えておりますからちょっと聞いておきますが、まだ地方へ渡してない補助金というものは、今の解釈のように不用とされるような考え方でおられるのですか。

小倉武一農林省農地局長

○説明員(小倉武一君) まだ渡してないということがありますものは、たとえば予算成立後間もなくいろんな事情で保留といったようなことが行われるのであります。たとえば、本年度で申しますると、府県で一割の保留額がございます。この解除がちょうど今回の問題が起ります直前に五%だけは解除するということがありましたけれども、直後にこの問題が起きる、そういうことでございまして、大蔵省としては、結局その分の金は出さないといったようなことになっておるわけです。それが、たとえば来年度になって解除になるといったようなことがあり得ることでございますので、そういうことでおくれるというのはあり得たのでございます。なおそのほか若干事業について配付額がきまらぬというようなこともございますが、問題としては、むしろ当初からの調整のための保留、これがおそらく大きな理由になっておるだろうと、こう思うのです。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 そうすると、それは実質的においてこの五%の天引きということになりますね。だから農林大臣は天引きなんかしないのだと言われますけれども、農林省として天引きということを言わぬでも、大蔵省の一割保留分を五%しか解除しないで、あとの五%については依然として解除しないということになれば、これは実質的に天引きをするということなんでしょう。だから農林大臣の言明とは違うということですね。

小倉武一農林省農地局長

○説明員(小倉武一君) これはいろいろ予算の使い方といたしまして、行政的には措置としてやっておることでございまして、それは使わないで残すということを必ずしも見ておるものではございませんのです。たとえば、本年で申しますれば、漸次解除になってくるというような傾向になっておったわけでございますけれども、むしろこれは最終的に決定になるのはおそらく補正予算というような格好でなければ最終的には決定できませんので、行政的には何と申しますか、事実上の問題として、若干の調整の保留ということがあるわけであります。そういうことのためにおくれるということは、これは現在でもあるのであります。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 局長うまいことを言われても、大蔵省の方でなかなかそれは解除しない。解除されたところになると、自治庁の今の後藤さんの見解でいくと、もうそんなものはおそらく解除されても不用額になるのが例ですということになると、自主的な天引きということであって、農林大臣が見えてから、もう一ぺん農林大臣の真意いずこにありゃということを聞きますが……  それからもう一つお聞きしたいのは、今のような形で公共事業費について一律に天引きするのでも、あるいは特定の事業をやめろというのでもないのだ、自然にそういう繰越額が出てくるのだということになると、地方で節約を予定されている二十八億というのは、これは公共事業の非常に進捗したところはこれは節約はゼロになるかもわかりませず、そうでないところは非常な大きな額になるかもわかりませんが、そういうことは今後地方財政の赤字を調整していく上において別に一向差しつかえないのですか。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 一律の天引きでなくて、事業の不用のできるところだけやるということになりますると、おっしゃいますようなことになります。それで私どもは一応この今度もらいました百六十億の金は、従来の交付税の例によって配りまして、その上で公共事業の不用がどういうふうになったかという結果をある程度見まして、二月に特別交付税を配付いたしますので、その際にある程度の調整を行いたい、かように考えております。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 そうすると公共事業をどんどん進捗したところは国から受ける恩恵は多く、公共事業を縮めて小さくしたところは受ける恩恵が少いということになるわけですね。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 年度の途中でこういう措置が行われましたので、私どもとしては、公共事業の執行状況がアンバランスになりますというと、それに出します一般財源の量が変ってくるわけであります。従って一般財源を固定するというのが交付税の建前でございますから、一般財源が不足するところのものについてはやはりある程度調整する。これは恩恵ということでなく、年度の途中でこういうことが行われたために起った財政的な措置と考えておるのであります。

松岡平市自由民主党

○委員長(松岡平市君) 御報告申し上げます。ただいま大蔵大臣並びに大蔵省主計局次長原純夫君、宮川新一郎君、それぞれ政府委員が出席いたしました。先ほど御報告申し上げておりませんが、農林省の農地局長小倉武一君が説明員として出席されております。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 私、もう一点だけ大蔵大臣が見えたからお聞きいたしますが、今のでこぼこの調整というのは、私は今後やっぱりいろいろ問題になると思うのでして、これは地方財政委員会の方で十分御検討願いたいと思うのですが、大蔵大臣がお見えになりましたから、ちょっとお聞きいたしますが、今後の公共事業の節減という問題については、農林大臣の答弁によると、一律に天引きをするとか、特定の事業を削れとかいうのではないのだと、これは大いにやりかけている仕事はやってもらえばいいし、それから今後もどんどん事業をやってもらえばいいんだと、やってもらってもなお八十八億以上の繰越額が出てくるのだと、そういうようなことを農林大臣は答弁をされたわけですが、ところが一方において大蔵省の方では、この農林省の公共事業については一割の保留をやっておられまして、なお今日も五%だけは保留分が残っているわけですが、そういう保留分が残っているということは、これは実質的には一律天引きと同じことになると思うのですが、そうしますと農林大臣の方針とは違ってくるわけで、その五%の残というものは、これは農林大臣の言明に従えば、すみやかに一応解除すべきものでなければならぬと思いますが、これは解除措置を至急におとりになりますか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 大体この公共事業につきまして、私が申し上げるまでもなく、例年不用額といいますか、繰り越しが出るのであります。まあどんどんという農林大臣のお言葉については別ですが、正常に普通にやります場合にそういうふうに繰り越しが出てくる、これを財源とする。むろん従いまして一律に削除していくというふうには考えていないわけであります。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 それでは答弁にならぬではないですか。一律に削除しないというのなら、五%保留しているのは解除しなければならないのじゃないかということを聞いているのです。

松岡平市自由民主党

○委員長(松岡平市君) ちょっと私から大蔵大臣に、途中でおいでになりましたから、大蔵大臣に論議の過程を参考のために申し上げますが、大体大蔵省から先ほど、昭和二十七年度、八年度、九年度の繰越額というものの調べを資料として提出しておられます。この資料によるというと、繰越額というものは農林省、運輸省、建設省合せて昭和二十七年度に十九億一千百万円、二十八年度に三十六億九千六百万円、二十九年度に四十七億四千六百万円、これだけしかないことになっておるが、今回八十八億の繰り越しをするという財源は実際においてないんじゃないか。ところが自治庁は、それは例年のやり方から見てあるようになると、こういうお話でありますが、農林省は、農林大臣の御答弁では、一律に切るというようなことはせぬ、どんどんやってよろしいという御答弁をしておられますが、今農地局長の説明によりますというと、一割保留してある、そのうちの五分はすでに出すことになったが、あとの五分はそのまま保留してあるのだ、そういうものをやらぬとまあ何とかつじつまが合うというような線になっております。ところが農林大臣は一律にやらぬ、切らぬと言っておる。しかし五分初めから予算を押えるならば、それは一律に切ると同じことじゃないか。大蔵省はその五分留保しておるものを出す必要があるのかどうか、出しても、一律に切らないで出しても、八十八億は自然に残ってくるということを立証してもらいたい、こういうことがこの委員会の現在までの論議の中心でありますから、その線に沿って御答弁を願いたい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) この今問題になっておりますいわゆる五%の保留でありますが、これは予備費が初めから非常に少額であったのであります。それで災害の場合等を考えて、一応これを閣議の了解も得まして、将来の財源として、保留して、非常な際に備えるようにいたしたものであります。これはむろん大蔵省が保留しておるわけじゃありませんが、各省において災害に備えてこれが五%、これを今回地方財政の経費に対して財源に考えた次第であります。それでよろしゅうございますか。

原純夫大蔵省主計局次長

○政府委員(原純夫君) 補足して申し上げたいと思います。お承知の通り、当初三十年度の予算編成の際、例年予備費は百三十億円というものをずっと組んで参っておったのでありますが、非常に編成難ということから、とりあえず八十億ということで、五十億減でスタートしたわけであります。例年の災害復旧費の当年度分の所要額というものを見ましても、いつも百数十億になっておりますので、非常に心配がありましたわけであります。  そこで予算を執行いたします際に、せっかく成立した予算でありますから、私どもが無理やり押えるというようなことはいけない、でありますが、秋になって通常台風等がありますれば、困るのは目に見えておる。従ってその際に各省流動的にといいますか、弾力的に運用ができるようにお願いいたしたいということを閣議にも御了解願い、その趣旨で各省にお願いいたしたわけであります。それに沿いまして、各省がそれぞれしかるべき態度で若干そういう弾力を保留するということをやられた分がいわゆる五%なんでありまして、省によっては若干の違いもあるかと思いますし、また私ども一律に何%というようなことを押しつけがましくいたしたわけではなく、おそらく困るであろうというようなことでお願いしておったわけです。  これが幸いにも今年は非常によい年になりまして、災害が非常に少い、この八十億の予備費で苦しいですが、何とかやっていけるということになりました。ところが一方で地方財政の方はこれは大へんな赤字であるというようなことになってきて、私ども財源がないないというので苦労しておったのでありますが、差し繰りをして、しかもやはり公共事業費というものが地方財政に影響が多いということから、そういう面も一緒に差し繰りして、地方財政の急を救おうというようなことになりましたので、それらのいわば弾力性の留保というようなものが、各省の今後この財源を生み出します場合に相当ものを言ってくると思っておりまするが、それらは最終的に百六十億のうちその半分あまりを公共事業関係で出そうというような考えで、今各省一番摩擦の小い方法で、また一番效率を害しない方法でやるという考えでやっております。そういう趣旨でありますから一つ御了承願います。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 原君のような頭のいい人に似合わぬまずい答弁ですよ。大体予備費というものと公共事業費というものを一律にされては困ると思うのです。公共事業費は公共事業費であって、公共事業費に予備費の性格を含ましてそういう役割を担当するというて、そんなことは大蔵省のような頭のいい官僚諸君がおっしゃるのはおかしいと思う。なおわれわれ農林水産委員会としては一割天引きなんというようなばかなことは、これは国のやり方を乱す。その他そういうような公共事業費として出ておるものを一割も天引きし災害に備えるということは、そんなことは国会がきめるんで、行政当局がかれこれ言うべきじゃないということを委員会でも決議をして、あなた方に申し入れをしておるわけです。これはあなた方どういう答弁をされてもわれわれの方が筋道が立っておる。今ごろそんな議論を引っぱり出されるのはおかしいと思う。しかしこれは大蔵大臣と原君だけを相手にしてもなかなか解決がつきませんから、とにかく今大蔵省の言い分と河野農林大臣の言い分は違うのですから、農林大臣が見えてから農林大臣と大蔵大臣二人置いてそこではっきりきめてもらいます。

松岡平市自由民主党

○委員長(松岡平市君) ちょっと原政府委員にお尋ねしますが、今江田君が言われた通りにわれわれもこう解してよろしいか。要するに予備費が少い、予備費に備えるために公共事業費を大蔵省が、強制的じゃないとおっしゃった。しかしながら一割程度何となしに押えたんじゃないが、協力を求めて、手元へとめておいて、予備費の用をさせようという趣旨であるんだ、今年はそれを予備費として使わぬでもいいから節約の方に使うんだ、こういうふうに御説明になったと了承してよろしうございますか。

原純夫大蔵省主計局次長

○政府委員(原純夫君) その弾力性をとっておいていただきます。費目はあえて公共事業費に限らず、各省の所管予算全体でお願いいたした建前になっております。ただ、もちろんそういう際に、やはり公共事業費というものが(「国家予算を君たちででたらめに解釈しちゃいかんよ」と呼ぶ者あり)削減されるということはございますが、お願いいたしましたのは、所管経費全体についてそういうかまえで、秋には困る公算が多いから、御用意を願いたというふうにお願いいたしたのであります。

松岡平市自由民主党

○委員長(松岡平市君) ちょっと私もう一ぺん言いますが、予備費が一文も要らないということなんだ、あなた方の御解釈によりますと……。今年は予備費が少いから留保しておいたのだ、万一のときのために……。そうすると予備費がなくてもよいということになる。予算をきめたあとで一割を二割にしてもよろしい、あなたのおっしゃる通りだったら。各省とも全体として二割は万一の場合に備えておけということで押えておかれる、年度末までに。そうすれば予備費などという制度は全然要らないというような議論になっていくようでございますが、あなたの答弁は違うのではないかと私は思うのでございますが、大蔵大臣からそういうことをやられたかどうか。これは農林と地方行政の連合の委員会でございますけれども、一つこれは重大な御発言だと思うので、あとで誤解のないようにはっきりしておいていただきたい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) この五%の率は、先ほど申し上げましたように、まあ予備費が少なかったですから、大きな災害でもあった場合に何とか処理しなければならぬという意味で内々御相談をした、内々といいますか、御相談を各省でやったということで……、しかしこれは今度の関係におきましては、(「国会の議決を無視するものだ」と呼ぶ者あり)これを無理にどうするというような考えを持っておるわけではありませんので、こういうような弾力性を持たしておる状況であるので、これは各省で御相談を……、この財源については今何もこうだとしておるわけではありませんので、一律にやるわけではありませんから、実情に即するように各省と御相談を申し上げて、やれるものをやっていく、かように考えておるわけでありまして、一律にずっと五%どうする、そういうことは考えておりませんことを申し上げます。これはこういうふうになっておりますから、こういうもののうちで相談すれば、まあそれならこの分はよかろう、これでいこうというので、そういうような関係においてそういうものがあるということを私は考えており、申し上げておるわけであります。

松岡平市自由民主党

○委員長(松岡平市君) 大蔵大臣に私がお尋ねしたことをはっきりしておきたいことは、そのことではございません。今言うように、一割にしろ、予備費が少いから予備費の身がわりとして予算を各省に大蔵大臣が命じて押えておった、押えておくんだ、予備費のかわりに押えておくんだという御答弁でよろしいかということをお聞き申し上げたのです。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 重ねて答弁いたしますが、今の点は大蔵省として特に一割を押えておる、押えておるということは、私は承知いたしておりませんので、これは災害がありました場合に、各省で災害にはどうしても対策をしなければならぬ。ところが予算全体として予備費も少いから、そういうときに弾力性を持って、執行に支障がないように弾力性を持って、その点でお考えになりつつ、差しつかえないところはおやりになったらどうでしょうかと、こういうふうな申し入れと私は承知いたしております。

松岡平市自由民主党

○委員長(松岡平市君) 災害等があったときには、必要があれば補正予算を組んで災害に対応することでございましょう。そういうふうになると思うのです。そういうときのために予備費がある。ちゃんと公共事業費なら公共事業費として議会が議決したものは、公共事業費としてその年度内に使うというのが建前だと私たちは理解しておるはずです。ところが先ほど来から原主計局次長の御答弁によるというと、予備費が少いから……今言うように補正予算等を組むことができるはずだと思うのです、必要ならば……。しかしそういうことをされたか何か知らぬけれども、とにかく何となしに押えておったとおっしゃる。あなたは押えておらぬとおっしゃる。押えておらぬとおっしゃるならば、先ほどの農地局長の、大蔵省のそういう示達といいますか、大蔵省からそういう話があって自分の方では一割は押えておる。そのうち五分は解除したけれども、あとの五分はまた押えられるのだという農地局長の御答弁と、政府の御答弁が非常に混乱して参りまして、委員会としてどれがほんとうかわからないと思うのです。もし何であればしばらく休憩いたしますから、統一した御答弁をお願いしたい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 私その示達自体を見ておりません。見ておらぬからどうと言うのじゃありませんが、これはあくまで私の考えとしては自発的に、現業を担当しておる各省において自発的に考えておいてほしい、(笑声)こういういとであると思います。

重政庸徳自由民主党

○重政庸徳君 農地局長にまずお尋ねしますが、五分解除したというのは、解除してからまた押えられた場合に、それは地方に公告しておらぬのではないかと思うのですが、その点どうですか。

小倉武一農林省農地局長

○説明員(小倉武一君) お話のように五分解除というお話がありました後に、いよいよ解除についての仕事のやり方について相談をしておるうちに今度の問題が起きまして、五分解除の通達はまだいたしておりません。

重政庸徳自由民主党

○重政庸徳君 大蔵大臣、当初から公共事業費の不用額は八十八億というようなことでわれわれ憤慨しておったのですが、大蔵大臣の考え方は、きょう初めて不用額と名づける大臣の考え方がわかったのです。それではもう予算の当初から不用額ということになるので、これは今いろいろ論議せられた重大な問題があとに残る。それから末端ではやはり最初の計画通りに仕事を遂行しておる。おそらろくその中でまだ仕事をしておらぬところもありましょう。しかしながら一割全部押えるということになると、これは末端に重大な支障を生ずる。それについて支障を生じた場合には、あるいは融資するとか利子補給するとかいうようなお考えはありますか、大蔵大臣にお尋ねいたします。

原純夫大蔵省主計局次長

○政府委員(原純夫君) それでは私から……。よく御趣旨がくみ取れなかったのですが、事業が繰り延べになるというような……。

重政庸徳自由民主党

○重政庸徳君 それはよく聞いておってもらいたい。重大な問題ですよ。一割天引き——結局天引きなんだ、一割天引きするということになると末端には重大な支障を生じてくる。これはやはり仕事をする面においては、一割は来るものとして計画をして仕事を進行しておる。それからまたその一割を完成せねば九割仕事をした効果がない部分が相当ある。そういうものには政府はただ切り捨てごめんでそのままにしておくつもりか、そこまでやはり農民のことを考えてこの処置を講じたのか、どういう手当をするのか、そういうところに考えを及ぼしておるかいないかということをお尋ねしたい。

原純夫大蔵省主計局次長

○政府委員(原純夫君) その措置は、やろうときまって計画を地方に示達しましたものを一律に押えるというようなことではございませんで、秋に通常の台風災害等が起るならば非常に困るから、ある程度内輪になるかもしれないということを考えて、当初からそういうふうにやっておいていただきたい。それを私どもとしては一律一割でというようなことでなしに、それを考えて、各省は工事によって、その進度と申しますか、これの区分をつけられることもあろうかと思います。災害が少いという場合は、非常にけっこうな場合だから、ずっと全体できることになるわけでありますが、あとで赤字になって、急に災害だからといって事業をある程度ちょんと切るということになっては申しわけないというようなことで(「災害だけをちょん切るということはあり得ないと呼ぶ者あり)ありましたので、そういう趣旨で即応の態勢ができるようにというふうにお願してあった。従いまして、そういう通常の災害が起りました際にも、そういう気持でやっておいていただければ、まあ摩擦が少く何とか収拾できるというようなつもりでいたわけでございます。

重政庸徳自由民主党

○重政庸徳君 どうもいくら言ったところが、かれこれかれこれと結末がつかぬのですが、実際大蔵省が、今の御答弁によると、やはり最初から一割というものは不用額であるというふうにお考えになっておるから、そういう結論が出るので、そうではない、仕事をする方面においては。おそらく農林省も計画としては、一割を減にしか金は行っておらぬが、計画としては一割を減にした計画は立ててない。だから当然一割を天引きすると、末端においては非常に支障を生ずる。だからこの点は考えの相違かもしらぬけれどもが、そういうむちゃな考えを持って行政をやっておられては非常に困る。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) ちょっとその辺御質問でありますが、これはやはり災害に備えまして、災害事業は弾力性を持って経過しておる。もし災害がなくなれば、これはむろんそういう予算で年度内に施行するのですから、これはやはり私は年度内に施行すべきだと思います。ただ実際においてそういうような関係もありますので、事実において延べるものが私はある。そのほか暫定予算を二度も組んだ関係から、多いから、それで事業が翌年の年度に繰り延べになるものが出てくる。そうすると、まあ資金が、そこで不用額ができてくる。これは不用額は財源に充ててあるので決して初めから予算額を一割天引きするというような、そういうような一律的な強制的なことをやっておるのではないということを御承知を願いたい。

溝口三郎緑風会

○溝口三郎君 大蔵大臣に伺いますが、先ほど大蔵大臣は予算委員会で繰り延べと繰り越しの区分を説明していただいた。繰り越しは従来通り事業は資金とともに翌年度へいわゆる繰り越していくのだ。繰り延べは事業は翌年度で行う。資金は不用額で本年度立てるのだ。そして翌年度の事業については新しく財源措置は別途に講ずるのだという御説明をしていられたと思う。それでただいまの問題に入りまして、一割の保留をしてあったのを最近五%は解除したが、あとは五%は押えられると、それは三十年度の事業としてこれは地方に通達して、これだけの事業は三十年度の事業として行うのだ。しかし今その補助金はすぐにはいかんが、これは別途に新しく考慮すべきだということで、事業分量はあくまでも私は打ち切りではないから、本年の事業としてこれは地方に通達してやっていく必要があると思っておりますが、その辺はどういうふうに解釈しておられるか、事務当局からはっきりお伺いしたいと思います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 先ほどから各省がおやりになっております弾力性を保つためのやり方が、私の説明に不十分の点がたくさんあるようでありますが、各省とも総予算額を全部個々の具体的な計画に割当てて、それの何パーセントというようなやり方をなさっておるのではなくして、総額のうちある程度をいわば手元に留保されるというような形で、残りの額で具体計画を認証し地方に示達される。でその際順位の低い、といいますか、特定の事業をあと回しにするというようなことで、それはいわば留保見合いでやっておられる場合もありましょうし、あとで災害が少くて全額使えるという場合には、継ぎ足すというようなつもりでやっておられるのもありましょうしいたしますが、そういうふうにやっておられますので、お話のように全額はもう年度初めに示達が済んでしまっているというようなことはないというふうに、私ども承知いたしております。

溝口三郎緑風会

○溝口三郎君 その点はっきりしたいのですが、普通の公共事業を一応保留しておる、そうして災害が出てきた場合は、その事業費を災害の方に振り分けていかなければならぬといった場合に、保留しておいた事業量は打ち切ってしまって、そうして災害の復旧事業をやっていくのだというのが従来の例だと思います。今回は五%保留しておる分は、場合によればその事業費は不用が出るかもしれんが、五%の事業は打ち切ったのじゃないのだ、本年度新たに繰り延べという言葉を使った以上は、五%も即座に解除すべきものと私は思うのですが、そういうことをなさる意思はないのですか。

原純夫大蔵省主計局次長

○政府委員(原純夫君) 地方財政の危急を救いますための財源が要ることはたしかなのであります。それをいろいろな方で出そうという中に、公共事業費関係もお願いして出そうということでございます。そうしますと、各省はそうやって計画をつけずに留保されている、いわば金額的に留保されているものについて、この際計画を裏づけ、しいて——しいてと申しましては何ですが、して、そうしてどうしても使うということになりますかどうか、その辺はいろいろやり方があろうと思います。私どもそのやり方は各省、お考え願うということで、今各省せっかく実際の現地における実情もからみあわせてお考えのことと思いますが、その辺そういうふうにおやりになるかどうか。これはいろいろ場合があろうと思いますが、財源としてお出し願う場合に、一番何と申しますか、やりやすい、当てになる部分ではないかというふうに思っております。

溝口三郎緑風会

○溝口三郎君 もう一点だけ伺っておきます。先ほど自治庁からのお話で、従来の繰り越し事業ですが、二十九年度は四十七億、二十八年度は三十六億、二十七年度は十九億が現実に繰り越している分がある。そのほかに例年いわゆる天引きが一割とか五%とかある。そういうようなものをいろいろ希えると、本年度も八十八億は相当いけるのじゃないかというような御説明だった。もし今の保留の分がなくなれば、やはり四十七億以上、八十八億というものは、普通にやっておって繰り越しの事業量が出てくるとは考えられないと思うのですが、先ほどここへ出ている繰り越しのほかに、なお保留になった分があるというようなお話があったのですが、それはどういうふうに……。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) ちょっと私どもが申し上げたのと違っております。私どもは政府の方で出された繰り越し事業と、地方団体で現実に繰り越して年度をまたいでやっておる事業の量とが、数字が合っていないということを、地方の方でわれわれが考えておりますところの決算等で見ましたり、実際の実情を当ってみました数字と、そこに出ている数字とは非常に隔たりがございます。現実にそこに出ている以上の繰り越し事業があるということを申し上げたのであります。従って私どもはその程度の事業の繰り延べは大体やれるだろう、こういうふうに申し上げたのであります。

溝口三郎緑風会

○溝口三郎君 ただいまの御説明で、これ以外に地方の方へ配付になって使わないでいる事業費があるのだ。それは私はやはり四月、五月のうちに、新しい年度の配分がこないうちに、必要な分だけはどうしても季節的にそういうものはやっていかなければならぬ仕事じゃないか、そういうものも今度財源を立ててしまうと、四月、五月には末端においては空白時期が当然出てくると思うのです。そういうことはお考えにならないのですか。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 事業の繰り延べでございまするから、これはそういう年度をまたいでやる場合にも事業はあるのであります。ただ年度の区分で来年度にまたがる事業の来年度分の補助金を本年度は渡さない、そういう措置でありますから、来年度早々に補助金を出すとか、来年度早々それに見合うところの資金を出せば事業は行われる、こういうように考えております。

溝口三郎緑風会

○溝口三郎君 先ほど、大蔵大臣が予算委員会で御説明になった分は、補助金は今不用に立てないけれども、事業は四月以後続けてやっていってもいいのだ、それの補助金分については別途に財政措置を講ずるのだというふうに御説明になったように思いますが、今と同じように解釈されていいのですか。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 大蔵大臣も同じことをおっしゃったのではないかと思いますが、表現の仕方が多少変っておりますかもしれません。事業の繰り延べと申しますのは、事業は行われるのであります。それで年度の区分がございますので、三月三十一日以後の事業は来年度の事業になります。その場合に来年の分にわたるものの補助金を今後は取り立てる、今年度は不用に立てているから、来年度はその事業に対して補助金もつけますし、起債もつけます。それで補助金がおくれれば、それに対しては短期資金で前借りをして支払いをする、こういう格好になるのでありまして、その点は大蔵省と同じ答弁だと私は思っております。

溝口三郎緑風会

○溝口三郎君 そういたしますと、末端の仕事をやっているのに、たとえば農林省では通知を出して、本年度は一万町歩をやる分が九万町歩の補助金があるのだ、一万町歩の分については不用額に織り込んでしまった、だけれども一万町歩はあと四月から続けてやっていってもいいのだ、それの補助金はできるだけ早く新年度に優先的に配分するのだ、三十一年度の補助金については、これは別途にその分だけを確保するように努力されれば、来年度の仕事に支障のないようにやれるお見込みはあるのでありますか。

谷垣專一農林大臣官房長

○政府委員(谷垣專一君) これは来年度の予算折衝の過程に具体化することかと思いますけれども、今溝口委員の言われました趣旨と同様の趣旨で、私たちは大蔵省の方と折衝いたしたいと考えております。

溝口三郎緑風会

○溝口三郎君 ただいまの、農林省では来年の新規事業については当然来年の予算折衝で考える、その上に今年度繰り延べになった事業については、ぜひとも大蔵省に別途に折衝したいのだという希望をもっておられるのですが、かりにこれが繰り延べになるならば、農林省で考えているように、大蔵省は新しく財源措置をこれについて御考慮になれますかどうか、その点をお伺いしたい。

谷垣專一農林大臣官房長

○政府委員(谷垣專一君) 先ほど申し上げましたのは少し私の言葉が足りなかったかと思うのであります。来年度の予算の金額、その他は、大蔵省の方と折衝中でございますので、はっきりきまっていないわけであります。これは当然国会の方で御審議を願うことになるわけでありまして、まだ事務的にもきまっていない。ただ本年度こういう形におきまして事業が来年度に繰り延べされるようなものにつきましては、そういう部分も余計に私たちはみてお考えを願いたいという形で大蔵省と折衝したい、こういうふうに申し上げたのであります。

溝口三郎緑風会

○溝口三郎君 もう一つだけでやめますが、先ほど農地局長は一割の保留分については、まだ地方へは配分していないのだ、しかしこれは配分はさしあたりなさって事業は地方では用意してもいいのじゃないかと私は思うのですが、その財源についてはこれはもう少し別に考えるかもしれぬが、事業は継続して続けてやっても差しつかえないということをおやりにならないと、地方では打切られるのかどうなるのか、ちっともわからぬから、たるべく早く態度を御決定になった方がいいと、そういうふうな取扱いはしないのですか。

小倉武一農林省農地局長

○説明員(小倉武一君) これは保留あるいは節約分に限りませんでも、今の時期になりますれば、各事業——各地方ごとのどういうふうな事業進捗状況になっているかということと見合いまして、予算の配分を調整するという時期がございます。そういう時期にたまたま際会いたしておりますから、そういう事業と一緒にこの点を十分考慮して参りたいと考えております。

松岡平市自由民主党

○委員長(松岡平市君) ちょっとはっきりしませんが、農地局長は一割留保してある、そのうち五%を解除するのだけれども、まだ五%を解除しない。一割留保していらっしゃいます。それを解除なさいますか、なさいませんか。

小倉武一農林省農地局長

○説明員(小倉武一君) これは私一存では実は申しかねるのであります。ただ事業の進捗状況を十分勘案いたしまして、当然このままで進行できるものを無理にとどめるということは避けたい、かような意味で申し上げたのであります。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 この問題は農林大臣と大蔵大臣の見えたところで、政府としての統一した意思表示をしてもらわないと……、大蔵大臣は多少耳が遠いのか、まともな答弁をされませんから、農林大臣に来ていただかないと……。

松岡平市自由民主党

○委員長(松岡平市君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

松岡平市自由民主党

○委員長(松岡平市君) 速記をつけて下さい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 私農林大臣のお考え、どういう発言したかわかっておらないわけなんですが、そう違っているように私自身は感じでおらないのです。はなはだ何ですが、どこが違っているのか端的に御指摘を願えれば、私はまた申し上げればおわかり願えるかと思います。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 まず第一に、原君の説明を聞いているというと、公共事業費というものは、本来の公共事業費という性格のほかに、災害があったときの予備金の性格も帯びるような意味をもち、さらに地方財政が足らなくなれば、そこへも回すような性格ももち、そうなってくと、国会でわれわれが何を議決したところで意味がないことになる。何を議決したところで、事務当局の方で勝手な解釈をして、公共事業費というのは、災害の予備金であり、地方財政の赤字を負担する金であるということになると、そういうことになると、どこまで続くかわからぬ。だからそういうことは一つの根本問題としてあなた方の考え方をはっきりしてもらわなければならぬということが一つ。  それから第二の点は、この八十八億という公共事業費の繰り越しといいますか、公共事業費の中から出てくる今度の赤字財源というものは、これは一律に天引きをすることを要せず、かつまた特定の事業を削ることを要せず、しかもなお、これだけのものはどうしても繰越額が出てくるんだ、従っていまやっている事業はどんどんやればいいのだし、さらに地方の方では積極的に事業を起してもらっても、八十八億というものは使い残りの金が出るのだ、こう言っておるわけなんです。そういう一律天引きせんということを農林大臣が言っておるのに、大蔵大臣の方は、あなたの方は強制したのではないと言いのがれをされますけれども、現実に公共事業費の中の一割を天引きをさして、五%を解除したけれども、またそれが解除でないようなことに持っていっているわけなんです。そういうことは実質的に一割の天引きなんですから、だから天引きをしないという、一律天引きをしないという農林大臣の考え方と、大蔵大臣の言明ではありませんが、大蔵省の実際にやっていることとは明らかに食い違っているのじゃないかということを、これをはっきりしてもらいたいというのです。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 一つの点ですね、この公共事業費を予算で国会の御承認を受けた後に、大蔵省で勝手に予備金が少いから予備金に充てるような措置をとると、そういうことはこれはやるわけでもありませんし、またできることでもありません。ただ実際において各省で現業でおやりになっておるところで、やはり災害ということは公共事業等についてはやはり考えておらなければならない。そういう場合には、災害のありそうな時期に、ことしは全体に対して予備金が少いから、そういうおつもりでお仕事をなさればというような相談をしたという程度と私は考えるのでありまして、これは災害がなくなれば、年度内の仕事をやることはその通りおやりになって少しも差しつかえないと思う。それからまたそんなことに一割とっておいて、地方の今度の財政の窮迫に処するために財源に充てると、そういうことを初めからいかにも企図しておるかのような何ですが、そういうようなことも絶対ない。ただそういうようなことしは情勢がありましたから、自然事業の繰り延べという量が多くなるから、その後自然に繰り延べが多くなったところを、まあ地方もいわゆるこういう大へんなときにありますから、事実多くなるのだから、その分を一つ財源に充てるような御承認を願いたい、こういう考え方であるのでありまして、どうぞその点は……。いろいろと何かあったでありましょう、言葉の上でいろいろあったかもしれませんが、私はさように考えておるわけですから、どうぞ御了解願いたいと思います。  それから八十八億のことなんですが、これについてはしばしば申し上げましたように、地方の仕事の実情を無視して一律にこれを出すために特に操作をするというわけではないのでありまして、これは現業各省で十分御検討下さって、そのくらいはことしは出るからというお話で、それを財源に充てるわけでありますが、まあどういうものをどうするか、無理のないようにいきたいというので、これについては農林省、建設省初め実際仕事をなさる各省と今具体的に折衝をしておるわけであります。私はそう何も根本的に考えが違うことでありませんので、どうぞ御了承得たいと思います。

松岡平市自由民主党

○委員長(松岡平市君) 質疑中ですが、農地局長ちょっと……。いつまでたっても結論が出ないので、私は農地局長の御答弁なり、それから先ほどの自治庁の財政部長の答弁の間に非常にわれわれが理解できないような答弁の食い違いがあると思う。農地局長は一割天引きをしてあるから、それをとめるようなふうな話であるけれども、私は実際はそうじゃないのだ。今までやってきたうちに、公共事業のうちにはすでに事業認証したものもある。しかし、ないものも相当ある。しないものの方がまだその一割くらい残っているのだ。私はこういうことだと理解しているのですがね。従って事業認証したものにはみんな金はやるのだ。事業認証は、いろいろの事情のために事業認証できないものはとても事業はやれっこないのだから、それはやらんでもいい。そういうものが一割くらいにはなるかもしれない、あるいは五分で済むかもしれない。一割であれば一割事業認証しないのだからやれない。五分でも七分でも事業認証したらどんどんやります。それを一律にとめるのじゃないのだというふうに後藤財政部長は答弁されるし、農地局長はそうでなくて、一割という留保分で御答弁になるから非常に理解が困るので、そうじゃないでしょうか、どうでしょうか。

小倉武一農林省農地局長

○説明員(小倉武一君) ちょっと私の言葉もあるいは足らなかったからと思うのでありますが、補足をいたしましてお答えにかえたいと思いますが、ただいまの調整のための保留ということと、今後の繰り延べということとは、実は私のあるいは御説明が悪かったかと思いますが、直接に関係はございませんのです。お説のように各事業の進行状況を見まして、これは先ほど言ったようないろいろな事情もございますが、なお、これはあることと思いますけれども、それに農林省の関係の仕事につきましては、天候の関係で仕事がおくれる、あるいは補償等の関係でおくれるということも実際問題としてございます。そういうことのための繰り越しということもございますので、そういう仕事の進行状況を見て、具体的に見た上でないとどの程度繰り延べができるか、あるいは繰り越しになるのか、これは直ちに申し上げるわけには実は参らないのでありまして、そういうことのために必要な準備、検討をただいまいたしておるのであります。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 先ほど私ども御質問を聞いておりますと非常に混乱をしているのじゃないかと思いますが(「混乱は向うだ」と呼ぶ者あり)私どもの方から申しますと、私どもの方は、地方自治体が事業をやるのであります。事業をやる場合に認証がきまっているものときまっていないものとあります。きまっているものときまっていないものと区分をしてお話が願えれば、ちゃんとまあ農林省の方もお答えができるのじゃないかと思いますが、まず私が簡単に申し上げますと、事業の認証がきまっていないもの、この問題として先ほどの一割天引きという問題があるのであります。調整用の保留分の問題があります。従ってこれは私の方からは、きまっていないのでありますから、これはあと追加するかしないかという問題であります。それから事業認証のきまっているもの、きまっているものは、これは一律天引をして一割事業を減らすか減らさんかという問題であります。これはまあ事業の進捗状況によってやるのだ。それが年度の終りになって、本年度不用分が立つような事業をやるのだ、こういう筋になっておるのであります。従って事業認証のあるものとないものと区分して私は御説明申し上げた方がいいのじゃないか、かように考えたのであります。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 混乱していると言われまするけれども、私はあなたの答弁されたようなことを聞いているのじゃないので、私が聞いているのは国会で議決をしたる公共事業費の性格とはいかんということが一点であって、これは大蔵大臣の方はいろいろ答弁されますけれども、先ほど来あなたの部下である原主計局次長の答弁というものは、明らかに国会の議決を無視したところの意見を持っておられるわけなんです。混乱はそこに大きな混乱がある。それからもう一つの問題は一割天引きというものはしないという農林大臣の言い分と、大蔵省が現実にやっている一割を留保しているということとは矛盾しているのじゃないか。その問題については私の耳が悪いのか、大蔵大臣のお答えが一向はっきりしない。私の耳が悪いのか、大蔵省の答弁が混乱しているのか、どっちかだ。私は耳が悪くないと思う。

原純夫大蔵省主計局次長

○政府委員(原純夫君) この一割留保の問題につきまして申し上げ方が非常に悪かったと思いますが、こういう趣旨でございます。国会で御議決いただきました公共事業費はまさに公共事業費、その目的に使うべきであります。ただ……(「その通り、ただはいらんことだ」と呼ぶ者あり)先ほど申しましたような事情がありますので、必要な場合には予算の補正をお願いして事態に合うような措置をとらなければならないということでございます。そういうおそれが多分にございましたので、その場合にはよろしくお願いしますということを各省にお願いしてあったということでございますので、一切われわれが行政部の裁量とかいうようなことで、国会の議決されたものを違ったやり方をするという意図は一向持っておりませんから。現に今回もすべてこの事態を調整いたしました上で補正予算をお願いして、はっきり御承認を願って、その通り執行しようということでございますので、御了承をいただきたいと思います。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 原君の健全財政維持のために、しばしば職域をこえた行動は今回だけではありませんから、またこれは別の機会にゆっくり話し合いしたいと思いますが、ただ一割保留を解除するかしないかという、大蔵大臣そこだけはっきり言ってもらわぬと、あなたがはっきりしなければ農林大臣にここへ来てもらって、どっちが違うんだということを言わなければならぬ。そこから先に、実際に使える金が出るかどうかということは別問題ですよ。まず一割保留の問題を解除するかしないかということですよ。

原純夫大蔵省主計局次長

○政府委員(原純夫君) その問題につきましては、災害のために補正をお願いせんならぬというような事情でなくなって、地方財政で財源を捻出しなければならぬというような問題に問題が変ってきたわけでございます。そこで、今各省実施の工事の進捗状況をにらんで、その一割分をどういうふうにしようかということを御検討中であるわけであります。それを伺いまして、私ども善処いたしたい。まあそれがはっきりできますれば、今国会にも補正をお願いすべきであったわけでありますが、何分非常な件数のことでございますから、一つそういうふうに御了承願いたいと思います。

森下政一日本社会党

○森下政一君 私は事務当局の原さんにもう一ぺん質してみたいんですが、途中で入って来ましたので、原さんと農林当局とのいろいろな質疑応答を聞いていないんです。しかしその後あなたが江田君に答えておいでになることを聞いて、先刻来こういうふうに了承したのです。予備費も少いことである、災害の発生も予想できない、そういうときに支障のないように公共事業費の一割を、大体そういうときに間に合うように弾力性を持たせる意味で執行を留保するというふうに各省にお願いしたんだ。こういう事実があったのかどうかということをまず第一に知りたいんです。そういうことがもしあったとするなら、江田さんの言われる通りに、国会で議決した公共事業費というものに予備費の役割を帯びさせるような意味で、その執行の留保をされたという事実があるのか。そうなると、私は江田君の言われる通り、そういう事実があったのかどうかということを、まず第一に確かめたいと思う。今の御答弁によると、災害は幸いになかったが、地方の財政の赤字補填という問題が起ってきたから、今度はその方にその留保分というものを振り向けたいんだというふうに、それだから各省によろしくお願いします、こういうふうに聞えるんですが、そうなんですか。

原純夫大蔵省主計局次長

○政府委員(原純夫君) ただいまあらためて申し上げましたように、災害の際、あるいはその他何によらず追加的な歳出が必要だと申します場合に、新しい財源をみつけて補正予算を組むというやり方もございまするし、成立いたしております予算を、補正でこれはこれだけ減らしたいということを添えて補正予算をお願いするというやり方もございます。今回の場合、この一割というのは非常に固いはっきりしたものとしてお受けのようでございますが、私ども各省にお願いいたしましたのは、災害の際に困るようなおそれが相当多いから、毎年各省も予算の実行、特に公共事業費の実行に当りましては、年度の初めに全部総額を事業認証はできないのでございます。やはりある程度は留保をお持ちになるようなこともございます。そういう際に、何と申しますか、補正予算を組む際に、まあ必要が起るかもしらぬから、どっちにでも動けるような態勢をとっていきたいというふうなお願いをしたわけで、それを各省は毎年ある程度の留保を取るのを若干多くお取りになったというようなところは御了解いただきたいと思うのでございます。

森下政一日本社会党

○森下政一君 各省にお願いして、万一災害等の発生した場合に弾力性のある使い方のできるような工合にお願いしたと言われたが、結局年度当初にそういうことを大蔵省がやったわけですね。それは何か書面でやっているわけですか。

原純夫大蔵省主計局次長

○政府委員(原純夫君) その旨は、予算が成立しましたあとに、閣議において大蔵大臣から文書を配って御発言があって、各閣僚にお願いをされて、その御了承を得て、私ども事務当局として、そういう趣旨であるからお願いいたしますということを事務的にも申し上げております。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 だから大蔵大臣どうですか。私が聞いていることに端的に答えていただけませんか。保留分はここで解除されるのか、解除をされたあとで実際に使えぬ金が出るというんだから、八十八億以上のものが出るというから差しつかえないわけで、それを一体どうして留保して費かなければいかぬのですか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) ずっと一律におっしゃるように保留をして置くという考えは持っておらないんです。ただ実際問題として、やはり一割くらい今残っている。それは今までのやり方のよし悪しは別として、それだけやはり残っている。そういう場合に、実際に現業省で事業の進行状況から見て、そうしてこれだけやはり繰り延べになるんだ、こういうふうな形で行きたい。これはまあ私はごくすなおな、各現業省で十分認めて、すなおに繰り述べになるようにやっていきたい、こういうふうな考えをいたしております。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 あなたはすなおに答弁されていると言うんですが、そんなら一体農地局長に聞きますが、今、原君なり大蔵大臣の、まことにすなおなと称せられる答弁を聞いて、あなたの方はすぐに今の保留している分を解除する措置がとれますか。とれればそれでいいんです。

小倉武一農林省農地局長

○説明員(小倉武一君) 保留分を解除するということは、先ほど申し上げましたように、その点はまだ私ども一存では参りかねます。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 それじゃ大蔵大臣だめじゃないですか。あなたはそんなことにはならぬと言われるけれども、農地局長の方は、今の答弁だけ聞いたんでは、解除するわけにいかぬというんだから、そこでやはり農林大臣が来なければ話がつかぬ。

原純夫大蔵省主計局次長

○政府委員(原純夫君) かわって申し上げますが、ちょうどただいまこの財源をどうやって何しようか、同時にまたその繰り延べがあるであろうから、あまり仕事には影響を及ぼさずにやりたいということで、各省具体的な作業を検討しておられるということでございますので、御趣旨はよくわかりましたから、私どもその御趣旨には沿い得るように、一生懸命具体的な案を検討いたしますから、一つこのところはこれでお願いしたいと思います。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 そうすると、さっき江田君が言う通り、保留分を一応解除した、こういう形で、それから、解除するが、まだいろいろ検討すれば何かそれを来年に回すようなものが出るかもしれないのだから、それを誠意をもってお互いにやる、こう解釈していいのですか。それでなければあなたの言うことは絶対通らない。押えておいて調整していくという話はない。一応解除する。お互いの信用の上でいろいろ国の財政のこともわかるのだから、そういう不用額が真にあるならば、それは一つ極力出す、こういうお話ならばこれは話はわかるのです。何か頭を押えておいて、あなたのおっしゃることはこれは問題にならない。そこははっきりしてもらいたい。

原純夫大蔵省主計局次長

○政府委員(原純夫君) 財源を出していただかにゃならぬということもありますので、今ちょうどそういう一切をくるめて各省御作業の際でございますから、今ここでその分を解除するということをはっきり言えと申されてもちょっと困るのでございます。ただそれは決して意地悪くどうしようという意味ではなくて、各省が折角やっておられる作業をお互いに出し合い、相談し合ってどういうふうにやろうかということを考えておりますので、御趣旨のほどはできるだけそのようにいたしますから、本日のところはこれを必ずということを言わせないでいただきたい。

松岡平市自由民主党

○委員長(松岡平市君) なお、御質疑はたくさんあると思います。のみならず農林大臣がついに出席されなかったことははなはだ委員会として残念でございますが、事情やむを得ません。当初の予定もございましたし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十二分散会

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