社会労働委員会 第4号
- 発言数
- 105 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1955/12/13
会議録
○委員長(重盛壽治君) それでは社会労働委員会を開会いたします。 この際、先般当委員会におきまして決定して、ソ連地区の引揚者の実情調査のため舞鶴に委員派遣した派遣委員の報告を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんでしょうか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(重盛壽治君) 御異議ないと認めます。 派遣委員の方の報告をお願いいたします。
○山下義信君 ソ連地区引き揚げに関する実情調査のため、本委員会より森田、奇山、山下の三委員が舞鶴に派遣されましたが、その調査の概要を御報告申し上げます。 御承知の通り、昭和二十五年四月、ソ連がタス通信で、日本人の引き揚げは一部の者を除き打ち切り、完了の旨を発表いたし度したので、信濃丸の入港を最後としてソ連地区の引き揚げは一時途絶の状態となっておったのでありますが、昭和二十八年十一月から、三年七カ月の間中断されておりましたソ連地区在留同胞の引き揚げが久しぶりに再開されることに触りまして、今回はその第五次引き揚げを迎えた次第でございます。 今回まで舞鶴における引き揚げ取扱い人員は六十五万人を数えるのでありますが、その内訳は、ナホトカより四十五万二千五百十五人、その他より約二十万人ということになっております。ソ連地区よりの引き揚げ再開後は・健康状態が悪化してきておりますのが目立ちますが、これを中共地区よりの引き揚げと比較してみますと、次の諸点に相違点を見出すのでございます。 まず、ソ連地区は出迎え家族が多いということであります。中共地区の出迎え者は引揚者の約九割前後でございますが、ソ連地区の出迎え人は十六割となっておりますので、いかに留守家族がソ連地区よりの引き揚げに対して関心を持っておるかということがうかがわれるのでございます。 次に健康状態につきましても、入院患者は、中共地区は引揚者の五%でありますに対して、ソ連地区は七%でありますから、ソ連地区には不健康者が多いということでありまして、従って舞鶴援護局におきましても、特にレントゲン、血圧の検査等を引揚業務として実施しておるのであります。最近ソ連地区の高血圧症が多く、引揚者の二二%を占めておる状態でございます。 また所持金、手回り品等につきましても、所持金は中共地区の引揚者は、一人当り平均三百九十七香港ドルに対しまして、ソ連地区の引揚者は何にも持っておりません。無一物でございます。手回り品等も中共地区の一人当り一・七個の荷物に対しまして、ソ連地区からの引揚者はゼロでございます。つまりソ連地区は健康を害し、全く裸一貫の手ぶらで引き揚げて参っているという状態でございます。 最近のソ連地区よりの引揚者はかってのいわゆる反動性というものは見られませんで、いずれも感激にあふれ、引揚業務に対しても非常に協力的であるということが特徴でございます。 今回の第五次引き揚げは、去る十二月十一日予定通り順調に行われまして、元陸軍軍人二十名、一般人二十三名・合計四十三名であります。そのうち十三名は病人でありまして、いわゆる刑期未了者であります。入院を要する者は十名、その内訳は、直ちに病院に送りました者一名、担架で送りました者四名、護送いたしました者が三名、歩いて参りました者が二名ということになっております。いずれも成年の男子のみでございますが、所持金、荷物、遺骨というようなものは何一つ持っておりません。 私どもはこれを桟橋に迎えましたが、いずれも感謝感激の念に満ちて上陸をいたしました。上陸終了後、引揚船大成丸に椎名船長以下をたずね、その労苦をねぎらい、また古田日赤乗船代表らとも会見いたしまして、引揚業務の状況を聴取いたしました。それによりますと、ナホトカにおいては、ソ連側より予想外の優遇を受けたとのことでございます。また船中におきましても乗り組みの実習生がよく奉仕をいたしまして、引揚者みずからも交代で病人の看護等に当ったということであります。 次に、引揚代表の五名と会見いたしまして、ハバロスク、タイセット、カザクサソ、ブラゴベスチェンスタ地区等のラーゲルにおける在留邦人の生活状態についての報告を聴取いたしましたが、いずれも食事、生活環境、作業量等は日本人に適せず、通信、慰問品の到着は不十分であるとのごとであります。その詳細は略しますが、ハバロフスク地区における例に徴しますれば、残留者は第一収容所に八百名、第二収容所その他に二百三十四名を数えております。食事は昭和二十八年以前に比較しますれば、最近はやや良好ではありますが、優遇とは思えないとのことであります。給与金は、昭和二十八年当時は一人当り百五十ルーブルでありましたが、最近は六十ルーブル程度となった、嗜好品も買えませんので十年来の抑留による消耗から体力を維持することができない状態に陥っているというととであります。 現在収容所の同胞は何を考えておるかということを申しておりましたが、留守家族に対する国民のあたたかい援護に感謝するとともに、人質としてのわれわれの引き揚げについては、日ソ交渉における条件とすることなく、国の方針を誤まることのないようにしていただきたいということを申しておりました。また老齢、病人、若者をすみやかに引き取るように、国会及び政府は強く折衝していただきたいということであります。 第二に、日赤は万国赤十字社を通じて、医師を派遣し、医療薬品を送付すべきことを、要望いたしておりました。 第三に、平和協議会その他の団体等を通じまして、五十才以上の作業を免除し、その他の者の作業時間の短縮等についても打つべき手を打つていただきたいと望んでおりました。 なお、これらの収容所におきまする抑留邦人の現況等については、内地に伝えられておりますることとは大いに相違があるということをしきりに彼らは強調いたしておりました次第でございます。 以上が収容所における全抑留邦人の強い希望であることを付加いたしておりました次第でございます。 以上簡単でございますが、御報告申し上げます。
○田村文吉君 委員長、今御質問申し上げていいですか。
○委員長(重盛壽治君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(重盛壽治君) 速記を始めて。
○田村文吉君 お言葉の中に、内地の人が想像していたのとはだいぶ違うということは、どういう意味でありますか。
○山下義信君 ただいま御報告中に述べましたように、引揚者の代表の方五名の方と私ども派遣委員の一同が会談をいたしましたときに、その中の一人の奥田信一氏が特にこの点を述べられたのでございますが、先般ソ連を訪問をいたして収容所を視察された国会議員の人たちに収容所の実情をみていただき、お話もいたしてのでありますが、それが内地において伝えられておるところでは、収容所における抑留邦人の生活待遇その他ソ連の取扱い等について相当良好な程度のように伝えられたように聞いておるけれども、実情は相当ひどいのであって、もしかように伝えられておるとするならば、われわれといたしては事実に相違しておるので非常に遺憾に思っておるというような意味の陳述がございまして、そのことに触れまして御報告いたしたのでございます。
○田村文吉君 わかりました。
○委員長(重盛壽治君) まだ御質問もあろうかと存じますが、一応この際お諮りをいたします。 ソ連地区からの引揚者の中から参考人として当委員会に出席を求めまして実情を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(重盛壽治君) 御異議ないと認めます。従って人選、日時、日時は大体十六日にやりたいと思いますが、最終決定その他の手続等は委員長に御一任願いたいと存じますが、よろしゅうございますか。
○青山正一君 委員長まことに失礼でございますけれども、その参考人喚問の際におきまして、奥田信一さん、それから竹失清吉さん、このお二人を中に加えていただきたいと思います。
○委員長(重盛壽治君) それは委員長に一任と申しましても私は知りませんから、皆さんの意見を拝聴して決定いたしたいと存じます。どうぞ一つ……。 それでは、本報告に対していろいろ御質疑があろうかと存じますが、次回に回して、この問題を処理いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(重盛壽治君) 御異議ないと認めます。
○委員長(重盛壽治君) 次に、社会保障制度に関する調査を議題といたします。厚生行政に関して厚生大臣に対する質疑を行います。御質疑のある方は順次御質疑を願います。
○高野一夫君 私は大臣の御見解を伺いたいのでありますが、大臣が御就任前のことに引っかかっておりますので、一応その前に政府委員の方に伺って、あとで大臣の御見解を伺いたいことが二、三ございますので、しばらく時間をちょうだいいたしたいと思います。 まず先般来森永事件に関連いたしまして、食品衛生法の不備欠陥並びに食品衛生監視員の素質向上の問題、こういう点についていろいろ本委員会で検討を加えておったわけでありますが、先般休会中のこの委員会に、厚生省から食品衛生法の改正要綱案なるものが出されて、それではとうていわれわれ了承することができないきわめて小範囲のものである、こういうふうに考えておりますので、私は二、三の具体的例をあげて、さらに大幅の改正の必要を申し上げたいわけであります。 まず第一に、山口衛生局長に伺いますが、この食品衛生法はわれわれが委員会で討議したところで多少は空気もおわかりであろうと思いますが、相当大幅の改正をして、そしてその改正案を次の通常国会に出す準備なり、そういう御意思があるかどうか、これが一点。 次にはわれわれの調査によりますれば、全国の食品衛生監視員のほとんど三分の二というものは何ら化学の素養のない者である。こういうような人が食品衛生監視の第一線に立ったところで事実上ほんとうの衛生取締りができるわけはない。そこでこの食品衛生監視員は、化学の素養のある者あるいは医学の素養のある者、そういう専門家を三分の二取りかえるべきである、こういうふうに考えて、そして至急に取りかえることはできないかもしれぬが、順を追うてそういうふうに素質改善に努力してもらいたい、こう思うわけでありますが、これが二点。 これについて一応局長の御見解を伺っておきたい。
○政府委員(山口正義君) 御指摘いただきました食品衛生法につきましては、先般当委員会で一応私どもの考えておりました案を申し上げましたところ、種々御指摘をいただきまして、私どもの考えておりました案だけでは、今後に対処いたしますのにとうてい十分でないという御注意をいただきまして、具体的に事例をあげて御指示もいただいたわけでございます。従いまして私どもといたしましては、その後御注意をいただきました線を十分考えさせていただきまして、また私どむもそのほかの点等も検討いたしまして、現在さらに広い範囲にわたって食品衛生法の改正につきまして、私どもの試案を現在検討いたしておるわけでございます。まだ本日ここで御報告申し上げる段階には至っていないのでございますが、しかしながら、ただいま御指摘ございましたように、事は非常に急を要する問題でございますので、先般来急いで検討を続けているわけでございます。通常国会にはぜひ国会の御審議をお願い申し上げたい、そういうつもりで現在準備を進めているわけでございます。 それから第二の点監視員の問題につきましては、御指摘の通り、化学の知識をもった人が割合少ない。医師あるいは獣医師そのほか特定の講習を受けた者が衛生監視員になっているわけでございますが、食品の状況がだんだん複雑になって参りますに従いまして、化学の知識を必要とする度合がますます多くなって参りますことは御指摘の通りでございます。ただいまお話がございましたように、すぐこれを全部入れかえるなんというようなこともむずかしい点もございます。現在のものに対しまして、できるだけそういうふうな講習をする等のことによりまして知識を授けますと同時に、できるだけ基礎知識を持った人をこの食品衛生監視員に充てていきたい、そういうふうに考えているわけでございます。
○委員長(重盛壽治君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(重盛壽治君) 速記を始めて。
○高野一夫君 大臣に伺いますが、ただいま山口局長からお聞きの通りの説明がありましたが、大臣の御見解も同様と了承してよろしゅうございますか。
○国務大臣(小林英三君) この問題につきましては、先般の森永ミルク事件等もございまして、私も非常にこの問題には関心を持っておりますので、厚生省の食品衛生法等に関する今後の問題につきましては、ただいま局長が御答合弁申し上げた通りにいたしたいと思っております。
○高野一夫君 大臣にそれじゃ直接伺いますが、私はコカコーラの問題でちょっと伺いたい。それは厚生省は従来コカコーラの輸入を禁止しておった。ところがこの夏にこれを輸入する許可を与えるとか与えぬとかいうことで世間を騒がしたわけです。ところがコカコーラを輸入いたしますれば日本の清涼飲料業界はほとんど全滅する。それでわれわれはなぜこの問題をここで取り上げなければならぬかということは、清涼飲料業界の全滅によって労働力吸収の問題に非常な影響を及ぼすということが一つ。それからコカコーラそのものの本質に多少の疑念を持たざるを得ない点がある。これは原料からきたこと。それからもう一つは、コカコーラを飲んで習慣性がつくということ。こういう点について疑念を持っておりますので、そこでこの輸入は軽々に許可すべきものではなかろう、こういうふうに考えております。そこで厚生省にお願いするのがまず一つ。お尋ねしたいことは、このコカコーラについて厚生省は清涼飲料としてこの原料品質についてかねてお調べになったことがあるかどうか。またないとするならば、これに対して疑念をお持ちにならぬかどうか。また検査をする御意思があるかどうか。あるいはすでに準備にでも着手されているかどうか。こういう点について大臣に伺ってみたいと思います。
○国務大臣(小林英三君) ただいま高野委員からお尋ねのコカコーラの輸入云々という問題につきましては、これはまあ所管が通産大臣のことだろうと思いますが、このコカコーラ自体の成分云々という問題につきましては、まだ適切な成分等は調べておりません。
○山下義信君 私は食品衛生に関連してちょっとこの際間へはさましていただいて、一分間ほどお尋ねしたいのです。 先ほど山口公衆衛生局長は、高野委員の質問に対して、今後食品衛生行政の強化についてお答えになって、大臣の御方針もお答えになったのですが、食品衛生行政の強化というものは、法律を改正して監視員をふやして、監視員の資格について高野委員の指摘されたような点を是正すれば、それでできるものですか。食品衛生行政の強化はそれでできるのですか。私はお尋ねしたい。一体食品衛生について厚生省はどういう基本的な態度を——方針を持っているのですか。言いかえたら、どんな国民の信頼のできる力強いきぜんたる態度を持っておいでになるのですか。これはかって榊原委員が御指摘になったこともありまして、私は深く榊原委員の当時のお話に感銘したのでありますが、どのように法律や規則でこれをせせってみたり、人数を少々百人や五十人ふやしてみてところで、厚生省の当局の態度がこの食品衛生の問題に関する限り常に軟弱であり、ぐらぐらしておって、そういう様子を見せておって何の食品衛生の行政の強化ができるのですか。今の黄変米、あれは一体何ですか。私はここに着席しておって、実に憤慨にたえぬ。決算委員会に何をしゃべろうとしているのですか。厚生省当局は黄変米の処分をこうするということは、私は新聞で見ました。新聞であなた方がああいうことを発表し、あるいは決算委員会に臨んで今社労委員会がここで開かれている。あなた方がもしこの委員会で報告しようとするならば、今その機会があるじやありませんか。よその委員会で所信を表明したり、新聞社に発表しておいて、なぜこの委員会で表明しませんか。黄変米をどう処分しようとするのですか。みそとしょうゆとアルコールをどこへ売っていいというのですか。だれがそういう決定的な案をきめたのですか。学者がそれでいいという結論を出したのですか。黄変米のこの毒素の問題はあなた方のお手柄なんです。食品衛生上これを指摘して、きぜんたる態度でこの配給を停止なさった。なぜこのきぜんたる態度を一貫なさらぬか。他の委員会で決算上損がゆくじゃ、得がゆくじゃと言われると、その処分についてすぐ妥協的にぐにやぐにやにしていってしまう。損は損です。しかしながら国民を守るという上においては、この委員会をして、言わしむれば、金と命にはかえられない。いろいろにその態度をぐにやぐにゃとなさる、黄変米の処分をよその委員会に行って発表なさる、答弁なさろうとする前にここで正式に御報告なさい、この機会に。私は要求する。厚生大臣並びに公衆衛生局長、厚生省の方針をこの委員会に御報告願いたい。黄変米はこの委員会が取り上げて問題にしたところなんで、善後措置の厚生省の方針がおきまりになったならば、こういう確信のもとにこういう処分をすることにきまったと、この際御報告を願いたい。 それから関連していま一つは、森永の補償の問題でも、前回に大臣が委員長の時代に取り上げた。きょうは何でも新聞を見るというと、補償額はきまったという。それは刑法上の最後の結論は司法の審判を待たなければわかりませんが、厚生省がどれだけきぜんたる態後をとって、この問題に処しているかということは、私どもの印象はきわめて薄い。弔う事件は司法当局にまかしたきりなんで、一体補償というのをきょう発表なさったならば、委員会において御報告なさい、この席上で。新聞で発表なさったり、いろいろなさるよりは、ここで開かれたこの委員今本に、政府当局は補償額はこう五人委員会がきめた、こういう方針を持っておる、その金額は適当だと思う、適当でないと思う、どうするということの厚生省の方針をここで御報告なさい。そういう根本的な、事いやしくも国民の生命を守る、保健を守るという食品衛生行政に関する限りは科学的な裏づけが、これが変化しない限りには、厚生当局の方針は何ものが来ても曲げないというきぜんたる態度を一貫して下さらなければ安心ができない。一方からつつかれると、すぐぐにやぐにやぐにゃと適当に妥協してしまう。せっかく振り上げたと思うと、すぐぐにやぐにやになってしまう。そうして末端においては餅屋のようなところにはちよこちょこ行くかしらぬけれども、大メーカー、大資本家に対してはきぜんたる態度をようしないという印象をわれわれは受ける。こういう態度では、全国に少々、千人や千五百人、スズメの涙ほどばらまかしれても、これで何をもって食品衛生の強化ができましょうか。最近は食品関係の営業がどんどん増加して、仕事がはんらんしておる。私はそういう厚生省のきぜんたる御方針がなくちゃ法律や人数を少々ふやしていっても、それでもって食品衛生の強化には私はならぬと思う。私はその問題をこの委員会ではっきりしていただきたいと、さように考えておりますので、関連して質問いたしました。
○国務大臣(小林英三君) ただいまの黄変米の処置その他につきましての山下委員の御意見は、これはその通りであると思います。実は先般の衆議院の決算委員会におきましても、たまたま十三万九千トンばかりの黄変米が倉庫に残っておりまして、これが約一カ月に二千万円ぐらいの倉敷料を取られておるといろ問題が決算委員会の問題になったのであります。そこでその問題に関しまして、厚生省の黄変米のそれに対する考え方につきまして私の意見を徴された。私は実は御承知のように、就任間がないものでありまするし、ただ、今までの厚生省がとりました経過につきましては一通り承知いたしております。すなわち黄変米のうちでタイ国黄変米に対しましては、すでに食品衛生調査会のうちで黄変米特別部会といろのができておりまして、十六人の学識経験者、学者等がおられるのであります。それの研究の結果によりますと、タイ国黄変米というものは皆さんもすでに御承知だろうと思いますが、つき直した結果、皮が一部むける程度になれば、これは主食としても差しつかえないという結論が出ておるのでありますが、これも私は、むしろ多量にありますイスラソジア黄変米の方をどうしたらよろしいかという問題につきましては、いまだこの黄変米特別部会におきまして結論を出していない、こういうことを私は就任早々経過を承知しておる。これはですから私はこの問題について山下委員の御質問に対して率直に私の意見を申し上げた方がいいと思いますが、この間の決算委員会におきましては、決算委員会の諸君は、約十四万トンの黄変米がそのままになっている、それから倉敷料も年に三億六千万円弱も取られておる。これに対する厚生省の処置、意見はどうだという話でありました。そのことは私は実は事務当局からこのイスラソジアの黄変米の処置については、従来農林省の方で、みそ、しょうゆは一部分でありますが、みそ、あるいはアルコール、澱粉、その他のものに転用するというようなことを答弁してよろしい、ということが、これは打ちあけた話でございます。その席におきまして私はその通りの答弁をいたしております。それから答弁いたしまして決算委員会が散会されまして、私が考えましたことは、大臣といたしましてそういう答弁はしたものの、イスラソジア黄変米の処置について、みそとか、あるいはそういうものにまわしてよろしいと言ったことに対する従来の厚生省として、そういう裏づけがあったかどうかということに実は疑問を持ちましたものでありますから、そこで厚生省の事務当局にもそれはどうかというような話で、まだ的確な裏づけは考えてないが、とにかく農林省との間にケース・バイ・ケースにおいて、差しつかえない、つまり米によりましては、これはいいだろう、あれはいいだろうと、こういうことでやっておるという話を聞きました。私といたしましては、これはもうその決算委員会でただいま問題になっておりますように、これが十四万トンあろうとも、あるいは百万トンあろうとも、あるいは一トンであろうとも、厚生省当局としてこの黄変米の処置云々という問題につきましては、これは国家財政の問題が幾らあろうとも、厚生省自身の見解というものは、これははっきりしていなくてはならぬのだ、国が財政上非常な不利益だとか何とかいうことは別問題だと、こういう私は見解を持っておりますものでありますから、そこでこの間の衆議院の決算委員会において私の答弁したことは、これは私自身といたしまして、自分で顧みて非常に当を得ていない。私はこの事務当局を通して、学者がこう言ったとか、ああ言ったとか、個人的に聞いてみればこうだとかいうような問題は、それは聞いております。個人的には大体いいだろうというような話であったということは聞いておりますが、黄変米という問題が非常な長い間の経過をとってここまできておりますものですから、私が直接にそれらの特別部会の学者、お医者さん、その他これに当っておる諸君の見解を直接聞いてみて、そうして私が、これはみそとしても、あるいはその他のものに使っても少しも差しつかえがないんだと、こういう確信を私みずから得たときに、私は国会の決算委員会におきましても、もちろんこういう社会労働委員会の諸君にも、これは私が責任を持って、あるいは確信を持って声明ができるんだと、こういう考えを持ちましたものでありますから、そこでちょうどそれがおとといあたりのことであります。私は昨晩のうちにそういうようにしたいと思ったんですが、時間的にこれはできなかったのですが、明日の夕方にそれらの特別部会の諸君に御参集を願って、そうして私みずから諸君の御意見を聞き、私がその諸君の御意見を聞いた結果によって自分の意見を一つ固めたい、こういうことにいたしましたもので、そこできょうの決算委員会におきましても、昨日来から私の意見はいま一日、二日待っていただきたい、この臨時国会中には必ず御回答申し上げる、御回答といいますか、私の意見を申し上げるということを申し上げておいたのであります。ただいま決算委員長が私をお呼びになっておることは多分その問題だろうと思っております。山下議員のお説明はごもっともでありまして、私は国の財産に関する損益の問題は度外視して、国民の食品衛生の見地からいたしまして、厚生省としてはっきりした見解をここに持つべきものである、こういうふうに考えております。 なお森永のミルク事件等におきまして、先ほど高野委員から御質問になったことに対する山下さんの御意見につきましては、一応事務当局から答弁させまして、その上で必要があれば私から答弁いたしたいと思います。
○政府委員(山口正義君) ただいまお尋ねの森永の補償の問題でございますが、先般も委員会で私御報告申し上げましたように、五人の方々が数回、はっきりした回数は記憶いたしておりませんが、相当たびたび御会合になりまして、そうして各方面の意見を聴取され、大体結論に近づいておられるということは承わっておるのでございますが、大体山下先生の御指摘のように、原則として平等に取り扱いたいというようなこと、それから刑事責任は司法当局で検討されておるので、その問題には全然触れないというような原則に立ちたいというお考えのことは伺っておりますが、ただいまの御指摘のように、具体的に額をどういうふうにおきめになったかということはまだ私ども承わっておらない段階でございます。
○山下義信君 ただいまの大臣の御答弁は、非常に率直に良心的に御答弁いただきまして、私は了承いたしました。それで今後の御方針は、今お述べになりましたきぜんたる態度で、あくまで国民の保健衛生の責の責任当局として善処するのだ、こういうことでありますので、私は了承いたします。がしかし、私どもの承わるところでは、たとえば黄変米の事件が起きる、何の事件が起きる、食品衛生上憂慮すべき重大なる事件が起きるごとに、それらの研究を随時それぞれの学者をお集めになって研究を委嘱せられるようであります。それはそのつど問題によりまして専門な学者を必要とするでありましょう。がしかし、あるいは学者また人でありますから、神さんでないのでありますから、その研究の委嘱を受けた学者の人たちが学問の研究上のみならず、それだけでなくして、あるいは人間でありますから、その中にいろいろ感情もまじり、いろいろ見解の相違も来たし、いろいろあるでしょう。そういうような事態が私は従来あったか、あるかどうかわかりませんけれども、しかしそういうことはあり得るだろうということが考えられる。今後もそういうことがあるかもわからぬ。私はいつも問題が起きるごとにそれは力足らずして、施設足らずして、これを部外の協力というか、部外の力を活用する、これは随時随所活用なさってもよろしいが、しかし私はこういうものに対する科学的な結論、裏づけというようなことも、部外の学者とか何とかいうことを多くお用いにならないで、国の責任において、国立何々研究所というものがどれだけあるのかよく存じませんけれども、あなた方の御所管の研究所でそれを研究さして、従ってそれは政府当局で責任は持つのだということにあるのが私は本筋じゃないかと思うのです。従ってそれがために今日お持ちになっておるその方面の研究所というものが不備ならばこれを一つ十分充実なさる、それに学者が足りなければ常にそれを委嘱するなり何かの方法をお持ちになって、厚生省みずからがその研究結論に責任を持ってこれを自主的に出してゆくという形をおとりになるのが当り前じゃないかと思うのですが、今でもそういうふうにやっていらっしゃるのかどうか知りませんが、私はそういうことに何か打たれるべき手があるのじゃないか、また打つべき必要があるのじゃないかということが痛感されるのでありますが、何か明年度の予算等にでも御計画があるのか、今後にそういう御計画があるのかということを承わっておきます。 それから山口局長は、今大体新聞に出た通りを御報告になったのでありますが、では五人委員会はきょう補償額を具体的に金額もきょう出すのだというようなことに聞いておりましたが、そういうことはないのですか。
○国務大臣(小林英三君) ただいまの山下委員の御意見私も非常に同感する点がたくさんあります。厚生省におきまして、たとえば森永ミルク事件につきましても、あるいは黄変米の事件につきましても、厚生省所管のたくさんの機関があるのでないか、それらに委託をして十分に研究調査をして、それによって厚生省みずからこれに対する確固たる考えをきめればいいのじゃないか、こういう御意見につきまして私はごもっともだと思います。私もこの問題につきましては、従来厚生省がどういうような態度をとったかということにつきましては、経過報告のみによって承知しておるのでありますから、まあこういう問題につきましてはまず厚生省の所管の、たとえば予防衛生研究所でありますとか、あるいは国立の衛生試験所でありますとか、あるいは大学の研究所でありますとか、これは厚生省ではございませんけれども、そういうところにも委嘱をして、そうしてそれで結論を得られるところは厚生省みずからそれによって結論を得て、そうしてやってゆくということが私はいいと思います。ただ私が今までの経過から知り得たところによりますと、あの当時黄変米の問題については非常に国民感情というものがまじっておりまして、事人命に関する問題にまでもいろいろ新聞の世論等も相当広範に叫ばれて、また国民自身も非常にこの問題に対してはおびえておりました関係もございましたりしまして、厚生省の、厚生大臣の諮問機関でありまする食品衛生調査会のうちで特に十六人のりっぱな人たちを選んでそうしてこれが調査に当らした、こういうことでありますが、その後こういう問題につきましてはいち早く厚生省所管国立のそれぞれの試験研究所に委嘱いたしまして、そうしてそれによって早く結論を得るものは厚生省において結論を得てゆきたい、こういうように私は考えております。 なおその他の問題につきましては、応事務当局から御答弁申し上げます。
○政府委員(山口正義君) 五人委員の方々が補償に関しましての具体的な額につきまして、近く御意見をお出しいただけるということは伺っておりますが、今日お出しいただくということ私どもの方には承知いたしておりません。
○山下義信君 関連質問はこれで終ります。私の質問はまたあとでいたします。
○谷口弥三郎君 厚生大臣にお伺いしたいと思いますが、すでに昨年来問題になっておりましたいわゆる新医療費体系、これがその後いろいろと御研究になった結果、あるいは中間報告が出たとか、また近々出すとかいうようなことを聞いておるのでございますが、近々お出しをいただけるのか、あるいはどういうふうになっておるのかをどなたかに説明さしていただくとか、それらの点について大臣に一応お伺いしたいと思います。
○国務大臣(小林英三君) ただいまの谷口委員の御質問につきましては、四月の一日からして医薬分業の法律がいよいよ施行されるわけでありまして、それに伴いまして、従来の技術的の問題とそれから物に対する薬価の問題というものが自然その実施に伴って分れて参りますので、それらを別々にした観点からいたしまして、新しい医療費の体系を作っていく必要があることは、御承知の通りでありまして、厚生省といたしましては、至急に四月の一日目から十分に実施し得るように期間内におきましてこれを決定をいたしまして、それぞれの審議機関にもかけまして、そうして十分な余裕をもって四月一日から実施するようにいたしたいと思っておるのであります。ただ、私が就任いたしましてからよく厚生省の関係事務当局にも言ったのでありますが、この新医療費体系によって、いわゆる従来の点数の制度による総額の金額というものと、新しい医療費体系による総額の金額というものがこれは違っちゃいけない、しかも独善的にこれでいいというような簡単な考え方で点数をきめちゃいかぬ。これは表から見ても裏から見ても、横から計算しても縦から計算しても、いずれの場合においても万違算のないように点数表をきめるべきである、こういうことを私も事務当局に注意いたしておるのでありますが、まだ検討中でございますから、いずれ確定いたしましたら発表申し上げたいと存じますから、御了承願います。その他の点につきましては事務当局からお答えいたさせます。
○谷口弥三郎君 ただいま大臣のお話によりまして、いろいろと検討されておるということをお伺いいたしましたが、すでに私ども聞いておりますところでは、かなりできておるというようなお話でございますから、事務当局の方から一つただいままでの状況を、まあ簡単でもよろしゅうございますから、一応お出しを願いたいと思います。
○政府委員(曾田長宗君) 大臣から今日までの私どもの仕事の梗概をお話し下さいましたのですが、私どもとしては、一つの方針に従いまして、それは今もお話になりましたように、国民の医療費がこの新医療費体系に移ったということだけによって増減しないということが一つ、それから医療費の支払い方というやり方につきましては、従来薬治料というような形で、いわゆる薬代でございますけれども、そのうちに医師の診察料的なものが入っておって、そうして純粋と申しますか、物と切り離された医師の技術料というようなものが必ずしも明確に支払われていなかったというような事情から、この物と技術に対する報酬というものを区別するということを一つの根本的な方針と考えるということ、また医師の収入、特に実収入でございますが、こういうものが大いに削減を受けるというようなことがないよう、というような点は、前からの新医療費体系に関する考え方というので、それを今回も踏襲いたしておるわけであります。しかしながら、当時——昨年でございますが、お話し申し上げました体系というものの基礎になります資料は、大体二十七年のものでございましたので、これが古くなっておりますので、新しい資料を得なければならぬ。ところが前回と同じように詳細なものを作りますというと、これはやはり二、三年の期間を要するというところから、せめてちょうだいいたしました短かい時間の間に得られる限りの資料を得てそうしてこれを加味して新しい体系を立てて行く。たとえば、いろいろな各診療行為別の頻度が変って参っております。またその間に薬価の変動——大体は安くなっておるわけでありますけれども、かようなものを実際の調査によって把握いたしまして、こういう点を加味して新しい体系を立てて行く。その点数等について申せというお話でございますが、これはある程度の案も立ててみまして、そうしてかような考え方で大体先ほど申し上げましたように、総医療費の増減というようなことを来たさないかどうかということの検算をし、その場合に多少多くなり少くなりいたしましたところは、また新医療費報酬の点数を若干補正して参る、これを数回繰り返していくというような作業をやっておりますために、今のところ、まだ私ども事務当局としましても最後的な数字が出て参りませんので、まだ大臣にもおはかり申し上げていないというような状態でございます。点数等につきまして今一々申し上げることは、まあ新聞なんかにもちょいちょいと出ておりますけれども、その後また変更をいたしたり、あるいは今もにらんでどちらの姿がよろしかろうかというようなことを検討しておる段階でございます。いましばらく御容赦を願いたいと思います。
○谷口弥三郎君 私の申し上げたのは、とにかく新医療費体系というものが出ます場合には、これは国民全体あるいは特に関係者におきましては非常な大問題でありますので、大体のところができたら、われわれにも一応見せていただきたい。聞くところによると、各方面にすでに中間報告などをされておるというのであるにもかかわらず、ここでは全然その点についてあまり——むろん点数のどうこうというのじゃありませんが、大体のところぐらいはこの委員会にもお見せをしていただきたいというのでありますからして、どうぞ委員長におかれましても、なるべく早くそのできたのからでも見せていただくようにお取り計らいを願いたいと思います。
○山下義信君 私一つだけお尋ねしたいのですが、実はけさの新聞にも出ていたんですが、今回のソ連の実験した水爆の放射能の、空気中に含まれているものについては、何ら人体に危害がない、影響がないということの報告がけさの新聞に出ていたのですが、ああいう問題は厚生省の所管ですか、大臣。
○国務大臣(小林英三君) そうです。
○山下義信君 それから、厚生省の所管であるならば、私はもうその方面のことは全然しろうと、無学でわからないのですが、いやいや、一般の国民でも学閥的には通暁している者は少いと思うのですが、荒筋としてあれを見ますと、これから原水爆の実験は幾らどこでされても、一向日本の国民には危害もなけらにゃ悪い影響はないのだ、ちっとも差しつかえはないのだというような、取り方によってはそういう誤解を招くおそれがある。あれはどこで発表したのか、今ここに新聞を持っておりませんが、政府の機関のむのが公的に発表したのか知らぬが、もしそういうものを発表するんだったらよほど注意をして、国民に誤解を与えないように、わかるとように、厚生省が責任を持って発表せにゃ私はいけないのじゃないかと思うのですね。一向危害がないのか、危害というと悪いが、悪影響はないのか、何ら痛痒を感じないものか、どうなんですあれは。もしそういう水爆実験をされて、それが空気によって、気流によって、日本のこの谷に落されても一向何ともないという、ああいう発表を国民にされて、もうそれでいいのですか、どうなんですか。それで私は、こういうことをみていて、昨日舞鶴から帰って、いろいろ留守中のいろんなものを見ていると、一昨昨日でありましたか、厚生大臣は、衆議院の予算委員会の質疑応答で、この水爆実験によって放射能の危険が増大しているのはどうか、こういう質問が衆議院の予算委員会であった。これは毎日新聞でありますが、大臣は、最近アメリカのABCCが放送したという、一向原爆の人体に対する影響は、俗に言う原爆病なんというものは、事実はないのだということをアメリカ側が否定した、それを引用なさった。これは記事は簡単であるから私はわからない。間違いじゃないかと思うのですが、従って影響はきわめて少いというような答口弁をなさって、それからまた今後国立でそういうような原水爆関係の障害の予防あるいは対策、いろんなものの施設を作るのだというようなことの質疑応答があったというようなことが出ている。私はこれは短時間ではいかぬと思うから、あらためて当委員会が適当な時期に私はこれを取り上げていただきたいと思うのです。委員長に、これはこの機会に要望しておきます。今日は時間がありませんから、また私どもの研究もみじんでありますから、ここで詳細な質疑応答をするいとまがございませんが、これはこの穂のことを、水爆の実験の放射能の影響の問題であるとか、あるいは原爆の影響の問題であるとかというような事柄が筋が立たなくてこんがらがって、そうして人体に影響のあるようなないようなことがこんがらないようにどこかで整理してもらいたい。そうして当局の所見というか、そういうことも整然と一つ一貫した御方針、施策というようなものもよくわかるように一つ出していただきたいと思います。 そこで私はここで質問することは、今日の新聞の報道、衆議院では、一向人体には痛痒も感じないというような、影響がないのじゃというようなことは、これは先の黄変米のお話じゃないが、それでもう決定的に、今後水爆の実験がどこでされても、国民には水爆の影響は何らないので、何ら心配はないのだというような印象を受ける。ある一つの新聞はそれは学者によって違うのだ。そんなことはまだ研究がみじんなんだ。それはどこの空気を取ってきたのか、どこの観測か知らぬが、そんなことを言うのは軽率だと言って、まだ被害甚大説を言っている学者もある。そういうことは学問の研究と国民感情の、この国際情勢の、水爆の禁止運動をやっておるところの、この戦争が平和かという問題とこんがらがっちゃっている。どこかの空気をちょっと取って、学者が研究して、それをすぐ学問的に人間の健康に、命にどうとかこうとかという学問的なことと、おそるべき人類破滅の水爆の競争だ、実験だ、戦争だ、平和だという問題とですよ、国民をして混乱させて、錯覚をさせるような、そういう発表がですね、権威ある機関とか、そういう公的な機関を通じて行われるということは、私は非常に軽率だと思う。国民が混線しますよ。ですからそういうことも厚生省がもし所管ならば、これは傍観しておることはできないと思う。学閥の研究と実際の影響と、何だってかんだって、あなた水爆の実験のそこの放射能が大気を汚染して、日本をぐるぐる回って何ともございませんというようなことは、学者が実験室で言うことと国民の感情とは一致しませんよ。これは私の言っていることは無学な者の言っているばかげた叫びで、学者は一笑するかどうか知らぬが、それだってソ連の水爆について言うのか。マーシャル群島の福竜丸の水爆実験はえらい影響を及ぼして、マグロを捨てたじゃありませんか。それは今度のソ連の水爆について言うのか。ついせんだってはあれだけ騒ぎを起して、われわれ国民の身近かに危険が迫ったんじゃありませんか。 そういうととが今朝の一流新聞のトップ記事にずっと報道されて、それが厚生省の所管で、何らそれに対して国民に誤解のないように、よく理解をさせるように、何らの措置もとられぬということはそれでいいのか悪いのか。私はけさ新聞を見ると、あっ、これは非常に重大なことを報道されておるが、これは一つ厚生省にも気をつけてもらわなければならないということを感じたんです。これは水爆の問題ですから、今ここで水爆の放射能のこの問題について、厚生省は一体日本の国民にさらに影響がないのかどうかということについて、どういう所見を持っておられるかということも、この機会に私はお述べを願っておきたいのです。 それから今のこんがらかっていることが、この新聞記事、衆議院の予算委員会の質疑応答を見ても、アメリカのABCCがあの日本に落した原爆についてのその影響あれによるところの影響を受けた人はいないのだというようなことの声明をしばしばしている。これも全国の新聞に載せた。こんなけしからぬことってあるもんじゃない。これはもう権威者がみな、東大の教授からしてみなでもって原爆の影響があるということを事実をもって証明して、死亡もしているという生きたそこに事実があるのでしょう。そしてABCCにはあなたの方の予防研究所からちやんと所長が行っているんです。そして原子病に対する治療というようなものも、いろいろ厚生省が尽力してやっているのです。それを原子病によるそういう患者というものは、日本にはいないのだということをアメリカ側が発表して、これは公式の官辺のあなた方の方から何らの所見も発表されないということは、私はこれは奇々怪々だと思うのですよ。これは世紀の重大問題ですからね。森永も黄変米もでありますが、それ以上に重大なものは水爆の影響とか原爆の影響ですね。これは所管しておるあなた方政府の方の官辺筋かこれに対してノー・コメントなんていうことはあるはずないのですから、厚生省の方では、まず水爆の放射能に対しての研究というのは、一体何を研究して今朝のごとき発表をしたのか。人体に影響があるのかないのか、ないというならあなたの方が四億五千万円で要求しようとしている放射能影響研究所ですか、それなど必要ないんじゃないか。今朝の研究発表で人体に何の影響もないというならば研究の必要も何もないじゃないですか。これからどんどん水爆の実験をどこでやってもいいのですか。そうではないでしょう。何か特殊の事情で、特殊の場合をとらえて、学者が特殊の研究で、今の段階ではこうだというならば、新聞ならすみっこの方に三行で報道するか、あるいは報道しなくてもいいことなのです。それが水爆実験だというから大きく報道され、国民が読んでみて、水爆は幾らやられても何の影響もないのだそうだというような印象を与えやすいような報道が今朝されておるので一ありますから、私はこの機会に政府当局の公式の発表をもしここでお述べを願えるならはいただきたいと思うのです。
○国務大臣(小林英三君) ただいまの山下委員の御意見はごもっともと思います。ことに国民が大きな関心を持って、従来とも放射能に対する被害というものの甚大なことが国民に信じられておる現在でありまして、ABCCの発表なんかにつきましても、今後ああいうような国民の考えの上に大きな影響を及ぼすような問題につきまして、しかむそれが厚生省として当然とるべき措置である問題につきましては、厚生省として今後新聞その他に所見を発表いたしまして、国民が誤まりなきようにいたしたいと存じます。 なお私がこの間衆議院の予算委員会において答弁いたしましたのは事実でありまするが、最近ABCC所長の方から、あの新聞の報告に対しては自分の方で誤まりがあったから訂正いたしたいという申し出があったのでありまして、こういう問題ともからみ合せまして、厚生省として、私のただいまの考えとしては国民の誤解を解くために厚生省の所見も発表いたしたいと思いますが、なおこの問題につきましては、十分将来研究いたしまして善処いたしたいと思っております。
○政府委員(山口正義君) 大臣のお答えに少し補足してお答えをいたします。今朝の新聞に出ました記事につきましては、昨日、厚生省に設置してございます原爆被害対策に関する調査研究連絡協議会の環境衛生部会、食品衛生部会が開かれまして、そこで専門家の方々が寄られて、今回の調査によりまして判明いたしました放射能の量ならば、現在は世界各国で用いております人体内の放射性同位元素の最大許容量と、空気及び水の中の最大許容濃度という各国で共通に使っております基準がございますが、それに比較いたしまして、その恕限度よりはるかに下であるから心配はないという意見が昨日結論として出されたのでございまして、決してただいま山下先生から御指摘のように、これで水爆実験が決して心配ないというようなことでは毛頭ございません。今後の実験の規模、やり方等によりましては当然昨年のような問題も起ってくるのでございまして、そういう点につきましては、こういう方面を担当しております私どもといたしましては、気象関係の中央気象台その他と始終連絡をとりながら、その恕限度とにらみ合せて十分な監視をやっていかなければならないと考えているわけでございまして、一方において原子力の平和利用が進むにつれまして、やはりその障害の問題も最初から大きく取り上げていかなければならないということも厚生省当局としては考えているわけでございますので、先ほど御指摘のございました障害に関する研究所等の案も考えているわけでございます。今朝の新聞の報道がそういうふうな誤解を与えるような大きな出し方をいたしておりまして、これによって水爆実験が心配ないというようなことを国民に与えては大へんでございますから、そういう点につきましては今後十分注意して参りたいと考えております。 ただいま大臣からお答えがございましたABCCのホームズ所長のあの新聞の談話がございましたので私ども意外に感じまして、直ちに本人に連絡しようと思いましたが、東京にすでにおりませんでしたので、広島の方に連絡をいたしておりましたところが、ただいま大臣のお答えにございましたように、あの新聞発表について自分の考えておったところと間違っておるような出し方もしておるからぜひ訂正発表をしたいというふうに申し入れが参っております。その内容につきましてはまだ詳細に参っておりません。それによりまして、十分検討をして誤解を解くようにいたしたいと考えております。
○山下義信君 私の質疑はこの程度にしておきます。この問題、その他の問題の質疑は次回に保留いたしますが、ついでに山口公衆衛生局長に伺いますが、ABCCのあの施設について、アメリカ側と日本政府側と何か交渉等があったように外電等で報道されておりますが、そういうことで、何かあなたの方でやっておられますか。
○政府委員(山口正義君) 御質問の意味は、あの施設を日本に移管するとか何とかということですか。
○山下義信君 そういうことであります。あるいはまた共同経営とか、今後の運営について日本側と協議するのだということがワシントン電報その他で伝えておりますが、何かありますか。
○政府委員(山口正義君) その点につきましては、数年前から、講和条約が成立いたしましたころから、あの施設を、率直に申し上げましてもらえればというような意見も相当日本の学界方面にも出ておりました。そういう話も一時出たことはございますが、現在ではそういう話は進んでおりません。ただアメリカといたしまして、今後あのABCCで研究を続けていくという場合に、どういうふうな研究方法でやったらいいか、その調査を続けたらいいかというようなことについて、日本の学者の意見も十分取り入れて相談してやっていきたいという申し出がございました。そういう相談の機関を持ってやっていきたい、そういう考えでございますので、あの施設を直ちに共同管理するとかあるいは日本に移管するというような話は現在進んでおりません。
○田村文吉君 今の問題に関連してちょっと伺いたい。ちょうど今いい問題を山下委員から出されたと思いますが、よく水爆の実験がございますというと、たとえば遠くの方で何万カウント空気が汚染されたとか、水がどうとかという問題がよくいわれる。その場合の問題として、一体これが害があるのかないかということについては、もう害があると言う人もあるし、近ごろはだんだんなれっこになって、三万や五万のカウントがあっても何も害はないのだ、こういうようなふうにおろそかに考えるような点もあるのです。そこで私は山下委員は後日でもいいと言われたが、厚生省は一日も早く、一体何万カウントのものが何日続いたらどうなるかというようなことは、各学者の御研究もすでに済んでおると思いますから、こういうものはもっと早く国民に知らせていただいた方がいいのではないか、こう考えるのでございますが、まだそういう資料というものは整わないのか。研究が完成していないならいないと、いるならばもっと早く国民にこういうことは知らせてもらえるような方法をとるべきであると考えるのでありますが、いかがでございますか。
○国務大臣(小林英三君) 田村委員から御質問になりました人体に対する恕限度の問題でございますが、現在は国際基準といたしまして、各国でそれぞれ利用されておりまする米国の国立標準局の発行の人体内の放射性同位元素の最大許容量と空気及び水の中の最大許容濃度というものを一応採用しておるのでありまして、なおわが国におきましては原爆被害対策に関する調査研究連絡協議会というものに恕限度に関する特別部会を設置いたしまして、この問題をただいま研究いたしておる状態でございます。
○田村文吉君 いつまでも研究、研究じゃいかぬので、とにかく厚生省としては、今日はこの限度までは許容するという世界的の原子力委員会ですか、というものできめたものを標準としてやっていくんだ。あるいは一番被害を受けたのは日本なんでありますから、日本の学者の研究等によりますというと、このくらいのものが何日間も滞留する場合においては害があるとか、ないとかというようなことは、はっきりとこれは国民に知らしておくべきではないか、それによっていろいろ政治的の問題等は解決されていく必要があるのでありまして、そういう問題について国民は事実はわからぬのです。そういう点を一つはっきりさせて発表される用意があるかないか、これを一つ伺いたい。
○政府委員(山口正義君) ただいま御指摘の恕限量につきましては、大臣が申し上げた通りでございます。ただこの恕限量につきましては、一口に何万カウント、あるいは何千カウントと申しますと非常にわかりいいのでございますが、ものによりましてあるいは空気、食品、あるいは体内照射とか、体外照射とか非常に専門的にむずかしくなって参りますので、その表現の仕方によほど注意をいたしませんというと、かえって誤解を招くと思うのでございます。また水につきましても何万カウントと申しますと、ときに一リッターにつきまして何万カウントという数字がよく出ております。これは標準では一CCについて何カウントということが出ておりますので、表現は十分注意しなければならぬと存じますけれども、これだけ問題がやかましくなって参っております折りから、昨年のマグロのような場合には、体表面から十センチ離したところで百カウントというようにわかりやすい数字で一般に公表したのでございますが、できるだけ一般の方に誤解を与えないように、しかも学閥的に間違いのないような方法でこれは学者の方に、これは大臣もお答えされましたように、恕限量につきましてどういうふうな現わし方が一番いいかということを検討されておりますので、なるべく早く、ただいま御指摘のような数字を発表できるようにしたい、そういうふうに考えております。
○藤原道子君 私は先ほどから大臣の御答弁を聞いておりまして大へん率直で、これはよかったと思っているのです。ぜひ一つ、厚生大臣としていろいろな点で大臣に期待するところが私は非常に大きいのでございますから、まずそのことを今後力をもって御推進願いたいということをまず最初にお願いしておきます。 そこで、最近年末を担えての助け合い運動というようなものに際して毎日のラジオを聞いておりますと、これが人間の社会で許されるべきことだろうかというような、非常に暗いことばかりが放送されております。私は助け合い運動というような美名に責任を転嫁するわけにはいかないと思います。結局声なき者の声を取り上げるのが政治だ、かように考えておるのでございますが、その点について大臣はどういうふうにお考えになっておるでしょうか。結局政府が盛んに新聞を通じて放送されることは非常に明るいのです。非常に希望が持てるのです。ところがそれが実際にはうらはらになっておる。毎日新聞は親子心中だ、一家心中だというようなことがしきりに報道されておるのでございますが、こういうことのよって起る原因はどこにあると大臣はお考えでございましょうか。まず大臣の所信をお伺いしたい。
○国務大臣(小林英三君) 藤原委員の御質問でございますが、ただいまこの厚生省といたしまして提唱いたしておるのでありますが、民間の社会福祉事業団体におきましては、厚生省の提唱に基きまして、六日から全国一斉に歳末の助け合い運動を実施していく。主といたしまして放送を通じまして国民に生活困窮者の実情を訴えまして、そうしてそれによって醵出されました義捐金は、浮浪者の一時収容施設でありますとか、あるいは一般の社会福祉事業でありますとか、あるいは生活困窮者の世帯に配分することになっておるのでありますが、また一方市町村の福祉協議会におきまして助け合い運動を実施いたしまして、各戸の訪問、あるいは催し物等の開催によりまして、主として麦、餅類、あるいは毛布であるとか、木炭であるとか、あるいは日用品、雑用品等の品物を集めまして、そうして生活困窮者の家庭に配給することになっておるのであります。特に病人をかかえております世帯に対しましては、日赤、済生会、あるいは朝日新聞の厚生文化事業団の無料巡回診療を実施いたしておるのであります。また生活保護法によりまする被保護者につきましては、寝具あるいは衣料等に困窮する者に対しましては、本年度当初予算におきまして一億円を計上いたしました。実情に応じまして一時扶助としてこれらの支給を行うことになっているのであります。 なお浮浪者の越年対策につきましては、その収容施設を東京と大阪に五カ所設置いたすべく、これに要しまする経費の予備支出を要求する予定になっておるのであります。 なお藤原委員のお尋ねになりました、こういうようなたくさんの生活困窮者というものが出る、原因はどうかというお尋ねでございますが、これはやはり今日の日本の再建途上におきまする経済的あるいは産業のいろいろな面におきましてこういうような人々が出ているんだと思いますが、厚生省といたしましては、こういう問題の救済と申しますか、手配と申しますか、こういう問題につきましても今後十分に一つ適当な処置を考えたいと存じております。
○藤原道子君 私は助け合い運動が悪いというのではございません。これも大へんいいことだと思いますけれども、政府自体の政策を私は伺いたい。まず第一にこの児童福祉法がある、児童憲章ができておる、これらを見ると、日本の子供ぐらい恵まれている子供はないんじゃなかろうか、こう思うのでございますが、その実際においてはどうかというと、子供は相変らず紙屑のように町かどに捨てられておるんです。つい、二、三日前の新聞を見ましても、この養護施設にある子供の一日の食費が五十七円六十銭なんです。こういう記事が出ておる。五十七円六十銭で果して人間生活と言えるかどうかということでございます。ところが厚生省もさすがにちょっぴり親心を出していただいて、これが六十何円ですか、六十四円四十二銭を要求しているけれども、なかなか大蔵省にきいてもらえないというような記事が出ているんです。人間の子供なんですね、ところがその六十四円四十二銭でも、主食に三十二円五十五銭取られるので、副食は三十一円八十七銭だ、こういう記事が出ております。これに対して大蔵省がきいてくれないというのだというような記事が出ておりましたが、果してその後どういう経過になっておるのでございましょうか。東京都の抑留されておる犬の食費が一日五十円、しかるに人間の子供が五十七円六十銭、どうも私は納得がいかないんですが……。しかも法務省関係の子供はこれよりもずっと高い養護費を獲得しておりますが、なぜ厚生省の施設の子供がこんな低い状態に放置されているのか、私は納得がいかないのでございます。大臣はこれに対してどうお考えか、またこれを獲得する見込みがあるのでございますかどうですか、その点を伺いたい。
○国務大臣(小林英三君) 今お尋ねの点でございますが、私実はまだ就任早早で、そこまでまだ掘り下げて研究いたしておりませんからして、一応この問題につきましては児童局長から御答弁いたしまして、その上でまた私の考えを……。
○藤原道子君 いや、私は大臣の一つ考え方を最初に聞きたい。
○国務大臣(小林英三君) それはもう今の藤原議員の御趣旨につきましては、現在のそういう支給されている金額というものは十分とは存じません。十分に今後それらの点につきまして大蔵当局とも折衝いたしまして、予算の獲得をいたしたいと存じております。なおその他の問題につきましては一応児童局長から答弁いたさせます。
○政府委員(高田浩運君) ただいま御指摘のありました児童福祉施設の賄費は、現在五十七円六十銭ということになっております。これでは不十分であることは、ただいま御指摘の通りでございますし、現実に身長でありますとか、体重でありますとか、そういった観点から見ましても、これらの施設に入っております子供が一般の水準に比べますとかなりの隔りを示しております。もともとこういった施設に入って参ります児童というのは、入ってくるとき、そのときすでに栄養的に見ますれば不十分な状況に置かれてきて、ある意味での栄養的の病人でございますので、むしろ普通に食わしていくというよりも、これらの栄養的な病人をある程度施設で冶していくというふうな考え方も交えて考えなくちゃならぬのではないかと思うのでございます。そういう点から見ましても、この現在の単価というものはまことに不十分であるというふうに考えております。これが引き上げにつきましては、三十一年度の予算編成に当りまして私ども懸命の努力をいたして参るつもりでございます。 経過というお話でございますが、ただいままだ大蔵省等の意見が確定的には参っておりませんので、今後予算の最終的な折衝の段階までなお上そうの努力を尽したいと考えております。
○藤原道子君 今局長のお話を大臣お聞きの通りに、施設の子供は栄養的病人だからこれを治していかなきゃならないという言葉があった。ところがこの五十七円という単価は、昭和二十六年にきまったっきりで、今まで一銭も上っていない。その間生活保護なんかの基準は若干上がっている。給料ベース等も上っている。ところが声なき者の声が取り上げられないということを、ここを私は言うのでございます。子供はこういうことを応えられない。しかもあなた、これで主食費を引くと副食費はわずか二十何円、これで今日まで五年間子供は放置されていた。こういうことがあっては、私は困るのです。しかも、今度六十川口四十二銭ですか、要求されたというのだけれども、これをもってしても副食費は三十一円くらいなものですね。おやつ代が二円いくらとか見てある。一日に三円いくらですか、三円いくらのおやつ代とすればリンゴが四分の一ですか、栄養的病人に対しておやつ代がリンゴの四分の一くらいでいいと思っているのですか。なぜもっと子供に対して——、あなたにもお子さんがあると思うのですが、もっと強い要求をして、せめて法務省並みにこれを扱うわけにいかないのですか。
○国務大臣(小林英三君) 藤原委員のお説はごもっともでありまして、ことに私は今お話のこの五十七円六十銭というものが二十六年にきまったものであるということも実は今初めて拝聴したようなわけでありますから、こういう問題につきましては十分に勉強いたしまして、声なき子供の問題につきまして十分一つ予算を獲得していたしたいと思っております。
○藤原道子君 私は子供にかわって、厚生省がこれをやってくれなければどこがやるかということをお考えいただいて、もっと強く一つ子供を守っていただきたい。見せかけの法律なんというのは何にもならない。法律を守ることをまず私は実行してほしい、これを強く要望いたします。 そこで私、時間もございませんので、非常に残念でございますが、生活保護の問題でございますが、最近生活保護に対して非常な制限が加えられておる。そうして新聞を見ると、乱給があるからこれを是正するのだというようなことが強く言われておるのでございますが、これはなるほど乱給も若干あるかもわからない。けれども、乱給以上に漏救、救いに漏れている者がたくさんある。この救いに漏れている者が、親子心中となって現われたり、あるいは一家心中の悲劇を起す結果になっておると思うのでありますが、これに対して大臣はどうお考えになっておるか。もっとあたたかい政治をしてほしいのですが、非常に生活保護にこのごろ圧力がかかってきておる。ところが、生活保護法はすべての国民を救わなければならぬと規定しておる。これも法律通りいけばこういうことが起るはずはないのでございます。
○国務大臣(小林英三君) 藤原委員のただいまの御意見は、その通りだと思いますから、この問題につきましては、新しく新任いたしました私といたしましても、十分に御趣旨に沿いたいと思います。 なお、ただいまの御質問に対しまする現在の模様といたしまして、関係事務当局から一応答弁させます。
○政府委員(安田巌君) 生活保護法は国民の最低生活を保障しておりますものでございますから、これが適正に運営されなければならぬということは、これはもう藤原委員のおっしゃる通りでございまして、私ども常々それが適正に行われることを実は唯一の念願といたしておるわけでございます。ところが、実際問題といたしましては、生活保護法の仕事をいたします第一線の機関の福祉事務所、これがやはりいろいろ手が足りないような事実がございまして、最近乱給というようなことがいろいろと見出されてきておるのでございます。これは会計検査院でありますとか、あるいは行政管理庁等で、いろいろ生活保護のことにつきましても最近関心を持って参りまして、独自の立場でお調べになっておりますけれどむ、お調べになるごとにやはりそういう問題が出てくるわけでございます。そういう点につきまして私ども責任もございますので、またそういったようなことをもう一度調べ直しておりますが、残念ながらそういったような乱給の事実があります。そういう点が新聞記事等に現われておるわけでありまして、私どもといたしましても、そういう乱給の是正もさることながら、漏救もあってはならないと、こういうことで努力をいたしておるわけでございます。 それから一家心中のお話が出まして、こういう暗い記事が暮に現われるということは、私ども非常に心を悩ましておるわけでございまするが、やはりよく調べてみますと、生活保護法というものがございますから、食べることができなくなって自殺したというようなことでなくて、事業に失敗したとか、負債がどうにもならないとか、あるいは一家が不和であるとか、あるいは病身の前途を悲観したとか、そういうようなことがやはり一つの原因になっておるようでございます。まあやはりこういったようなことに対する対策は、福祉事務所はもちろんでございますけれども、民生委員あるいはそのほか隣り近所のいわゆる同じ共同社会の方々にいろいろと気をつけていただきまして、そういうようなことが起らぬように事前によく発見に努めるというようなことについても努めなければならぬというふうに考えておるわけでございます。今後とも一そう気をつけたいと思っております。
○藤原道子君 福祉事務所の人手が足りないから十分できないならば、その人手をふやしてほしいのです。福祉司はたくさん学校を出てあるのです。養成された人はいるのだけれども、予算に制限されて人員が入れられない。そのために福祉司が過労になる。過労になった結果が、当りが悪くなって、この間新発田に起った事件などは、福祉事務所へ行くのを地獄の階段を踏むような気持がして行けないという、福祉事務所の門をたたくことすら困窮者はちゅうちょする、こういうことなんです。それから一家心中は生活困窮で起るんじゃないかという答弁でございましたが、これはまあ一面そういう点もあります。事業失敗者もある。ところがこの間売春婦が私のところに逃げて来た。子供の話を聞いても、お父さんが肺病になって福祉事務所に頼みに行ったけれども入院の許可がない、どうしても許可してくれない、やむを得ず身を沈めた、こういう例があります。そうして若干ごたついているうちに、やっと私はこの間努力して入院させましたけれども、そのときには子供にすでに肺病がうつっている。もしお父さんが肺病になったときに、生活保護法で医療券が発行されておりましたならば、この一家は私は救われていたと思う。身を沈めるようなこともなかったと思う。そういう点は私はずいぶん人手が足りないのだか、官僚的なものの考え方なんだか知らないけれども、そういう悲劇が名所に起っておるということも一つ念頭に入れて、今後あたたかい対策を立ててもらわなければ困ると思う。福祉事務所はだれでも相談に行けるところ、喜んで相談に乗ってくれるところ、救いの手を差し延べてくれるところでなければならないと思うのでございますが、私は今後そういうことを強く要望しておきます。 それからいま一つ生活保護法の適用が非常に厳しくなって来ておる。ということは、この前、まあ前年やはり委員会で問題になりましたので大臣も御承知でごさいましょうけれども、入退所基準をきめますときに、これはその入院の適正を期するためというような言葉だった、患者の福祉を守るのだというような言葉だと思いますが、それが最近は全く逆でございます。実は私怒りに堪えないのでございますが、ずいぶんそういう事件があると思うのですが、私のところへ先月ですか、急に倒れたので見てもらったら肺病の末期だと、すぐ入院しなければいかぬという医者の診断だった。そこで福祉事務所にお願いに行ったところが、入退所基準による医療審議会の裁可を得なければ入院ができない、許可できない。けれども、病人は重体だ、しかも間借りをしている。四号半、三畳の家へ四人家族のところへ転がり込んで病気になったのだから、非常に家の人も危険だから早くしてくれというので、私のところに泣きついて来た。厚生省にすぐ電話をかけて、こういう実情だからもしも入退所基準に合わない、何と申しますか、医療扶助審議会がパスできなかったら、入院費は私が負担します。結核のまんえんを防ぎ、本人の希望をいれればすぐ入院させてやってもらいたい、さらに福祉事務所へも私は電話をかけたのですが、善処いたしましょう……。私旅行して戻って来たら遂につれない扱いのままに死んでおります。こういう例が出ております。あるいはこの方針によって最近医療券が打ち切られ、一部負担がふえておる。このごろ地方へ私ども講演なんぞ参りますると、座談会に訴えられるものは、きびしい一部負担の強制のために家庭不和が起きている、離婚問題が起きている、こういう例は枚挙にいとまがないのであります。こういうことがあるということを局長は御承知でございましょうか。
○政府委員(安田巌君) 生活保護法がまあ極端に締められておるようなお話でございますが、これは数字の上で申しますというと、最近一、二年間に七万人から八万人くらいに被保護者がぶえておるわけでございます。それから医療扶助につきましても従来なかったごとでございますけれども、本年八月に至りまして四十万人をこえるレコードを作った、こういうような数字で、ただ概括的に言いますと、必ずしも藤原委員のおっしゃるようなことはないんじゃないかと私は思っておりますが、しかし個々の問題につきましては私詳しく存じませんが、そういういったような、御指摘のあるようなことがないように努力いたしたいと思います。ただ昨年もいろいろこちらで問題になりました入退所基準でありますが、これはやはりまだ適正に行われてない点があるんじゃないかというふうな気がいたすのであります。たとえば一例をあげますというと。いまだに地方の療養所あたりに入っております患者が、地方庁までのこのこ出かけて来るという事例だとか、あるいはそういった会合に歩き回っているという情報が私どもに入ってきます。こういうのはいわば医療に乱給があるというかまをかけて歩いておるわけでございまして、そういうことが世間に伝わりますと、やはり入退所基準を作ってもう少し締めなければいかぬのじゃないか、あるいは適正に行われていないじゃないかというようなことを言う人が出てくるのであります。そういうような点もあわせて一つ考えていきたいと思います。
○藤原道子君 私は局長の言葉として受け取りかねる点があるんです。なるほど生活保護を受ける人が若干ふえておる、医療保護もふえてきたと言われる。これは数字の上から見ればふえておりますよ。だけれども、厚生省が発表した要保護者の数は約一千万人と言われておる。保護を受けておる者はわずかに百九十二万人とかいう話なんです。ということになるとボーダー・ラインの人が非常に多いということ、しかも最近経済の行き詰まりの関係からずいぶん失業者がふえております。困窮者がふえておるから、生活保護も若干人数はふえたかしれないけれども、まだ救いに漏れておる一千万人の人間、ボーター・ラインの人がおるということを考え、そういう人たちが病気になれば結局医療扶助が若干ふえてくるのは当り前だと思う。私たちはこのボーダー・ラインにある一千万の人の対策を厚生省でむっと真剣に考えなければいけない。医療扶助はふえてくるということは乱給ではなくて、実際に長い間の栄養失調とか、生活の疲れが病気になってきているんだというふうに考えるならば、私は局長の言葉はそのまま受け取れないのです。それから入退所基準をもっと締めた方がいいという意見もある、それはそういう意見もあるでしょう、なるべく予算は削りたいのですから。あるいはまた若干そういう患者がないとは私も言わないけれども、そういう人が若干いることによって多くの人が犠牲になるということは、私には忍びないことだと思う。あるいは入退所基準の問題等々についてもずいぶんあなた方の答弁を聞くと都合のいい答弁だけがなされるので、私は最近なるべく地方へ行きますと、療養所をたずねて実際を自分の目で見ております、実際を。施設長へも聞く、患者へも聞く、そこの職員にも聞く。実態を調べておるのでございますが、私はまずその点について、そこまで話がきましたので医療の問題に入っていきたいと思うのでございますけれども、医療扶助審議会が通らなければ入院の許可ができないということに対して、それは動かすことのできない基準なんですか。そこでこの人間、一月に二回しか審議会は開かれない、ところが一日に開かれて二日に行ったとする。そうすると、次の審議会で通るまではいかなる重症といえども扱うことができないという建前でございますか。
○政府委員(安田巌君) その前に、生活困窮者と申しますか、要保護者が一千万人で、生活保護を受けておりますのが百九十四万人ぐらいでございますけれども、その差が生活保護法が適正に実施されていないという結論に持って来られると非常に困るのでございます。まあ生活保護には一つの水準がある。これは藤原先生、よく御存じでそういうことを言っておられるのじゃないかと思うのでありますけれども、水準がございまして、その上に若干の申があるわけでございます。その巾の中で暮しておる人が一千万人近くあるということでございます、生活保護を受けておる者も入れまして。でありますからして、そういう人たちに対して生活保護法を適用するということは、生活保護法の基準を二割なり、三割なり上げるということでありまして、そういったような中の階層が非常に大きく広がっておるということが日本の今の経済の実情であり、あるいは国民所得というもののまた一つの反映だと思うのでありますが、そういうわけでございますから、そういう人たちに対する私どもは対策を考えなければならない。これは防食対策でありますとが、いろいろと言われておることを私どもはできるだけやりますけれども、しかしこれは社会福祉行政だけでできることじゃないのでございまして、私どもといたしましてもその点につきましては努力はいたしますけれども、それだけで一千万の問題が解決するということはちょっと無理じゃないかというような気がいたしておるのであります。 それから審議会の問題でございますが、これはやはり個人でお医者さんがごらんになりました場合に、いろいろごらんになる何というか標準につきましても、いろいろ御経験その他で違いがありますので、必ずしも一人のお医者さんが見まして入院させなければならないというものが、皆さんがごらんになって入院しなければならぬということになるとは限らないのでありまして、そういうふうに、審議会でこれは入院を要しないじゃないかというような例が相当あるのでございます。中にはいろいろ故意に間違った申請をされておるような例もございまして、そういうことがありますと、勢いやはりそういった一つの権威のある機関できめていくのが適正な一つの医療対策じゃないかということで私どもやり始めたのでございます。ほんとうに特に緊急を要して次の審議会まで待てない、だれがみても入院を要するのだというような場合、必ずかけなければならぬというほど強いものじゃないと思いますが、しかしまあこれは一つ一つのケースにつきまして、一々その場で判断すべきことでありまして、一般的にそういうことがいいのだということになりますと、皆かけられませんものでございますから、その辺が非常にむずかしいところだと思うのであります。
○藤原道子君 安田さんが言われたごと、私なにも一千万人が全部生活保護を要する人だというのじゃない。そういうボーダー・ラインの人がいるから、ちょっとしたつまずきで生活保護を受ける人がふえてくるのは当り前じゃないか、まして失業者がふえている今日だから、七万ぐらいの被保護者がふえても五十万にはならないということを申し上げたのです。ボーダー・ラインの人が即保護の対象者とは私申し上げておりません。 それから個々のケースによってやらなければ、そうきめると、みそこないで入院せぬでもいいものでも入院させつ結果になるから締めているのだと、ごう解していいですね。ところが、さっき申し上げたように、医療扶助審議会を待てなくて死んだ人もある。また最近つき添いの問題がある。私これもこの間陳情を受けたばかりでございますけれども、やはり結核性カリエスで、近所の人が見るに見かねて担架に乗せて病院に持って行った。病院は入院を要すると言う。けれども、医療扶助審議会が通らなきゃだめだといって、担架へ乗せて行ったものをそのままうちへ持って帰る。それで審議会にかけたらむろんパスして、入院したときには重態で動けなくて人手を要するという結果になる。私は、こういう二十日近くも待たされた間に病気がどんどん進行する場合がたくさんある、だれが見ても入院を要するというような場合には、その動かすことのできないたてとしてこれを錦の御旗で振り回されたのじゃ、病める人が迷惑をする、そうして国費も結局よけいかかる結果になる、こう思いますので、そういう点に対してはもう少し伸縮自在に幅を持たせていただきたいと、こう思うのです。これは強く要望いたしておきます。ところが最近完全看護だからつき添い婦は要らないというようなことになってきたために、医療券で入った患者さんたちが非常に心配しているのです。この結核カリエスの人も、身動きができないからつき添いをつけたい。ところが病院は完全看護になっているのだからつき添い婦は要らないといって、八十二才になるおばあさんが看病に行っているそうでございます。その老婆に帰れ、福祉事務所でもつき添い婦の看護券の申請をすれば出してやろうと言ってくれるけれども、病院をおそれて、その人たちは看護券の請求ができない状態にある、こういうことを言って訴えてきていますが、こういう場会合にはどうなるのですか。
○政府委員(安田巌君) 完全看護をいたします場合には、その入院料の中に看護料が入っておりますからして、そういう場合に申請をすればつけてやるという福祉事務所の方が間違いであります。
○藤原道子君 そうすると、完全看護が実施されて完全看護料が入っているのだから、完全看護完全に行われているとお考えですか。
○政府委員(安田巌君) さようでございます。
○藤原道子君 あなた方は各療養所へ行って実態をごらんになったことがございますか。完全看護料が入っているから完全看護ができておると断言してはばからないのですか。
○政府委員(安田巌君) 私も全部は回って見ませんけれども、全国で少しずつは回っておりますが、やはり完全看護として認められて完全看護の料金を取っております所に対しましては、生活保護の医療扶助におきましてはつき添い料を払わない、こういう建前になっております。
○藤原道子君 それでは医務局長にお伺いしますが、完全看護の実施されている所でいかなる重症患者に対してもつき添いをつけなくてもやっていけると医務局長はお考えでございますか。
○政府委員(曾田長宗君) 少くとも私どもの施設におきまして完全看護を実施されているという所では、他からつき添いを入れてもらわないでも、少くとも必要な看護だけには事を欠かないようにいたすという建前になっております。
○藤原道子君 そこで医務局長にお伺いいたしますが、大臣が委員長であられる当時に、つき添い制限の問題に対して当委員会で決議がなされている。その決議には、 附添婦制度廃止の基本方針については、それが医療内容の向上に寄与する限りにおいては止むを得ないとしても、現実にその廃止が、看護要員の増加及び設備と給食の改善を実施するに非ざれば、看護に支障が起るような場合にはこれを強行してはならない。更に廃止する場合でも現在の附添婦の配置転換等については万全の方策を講じなければならない。 よって政府は此等の実情を十分考慮の上慎重なる方途を講ずべきで、ある。 右決議する。 ということが当委員会で六月二十三日に決議になっている。そこでこの決議の趣旨にのっとってどれだけの医療の改善がなされたか。最近政府はつき添い廃止を強行しておいでになる。それについては看護要員が充実してきた、あるいは諸般の改善がなされたということでございましょうが、どれだけのこの決議の趣旨が生かされているか。医療内容の向上がどの程度なされておるかということを私は伺いたい。
○政府委員(曾田長宗君) 先般の国会におきまして、こちらの決議もございましたので、私どもその決議の趣旨に沿いまして、できるだけ円滑にこの新しい看護体制を整えて参りたいというふうに考えておる次第であります。いろいろ各施設の状況を検討いたしまして、そうして人員の配置等も一応ちょうだいいたしました人数をどういうふうに配置するのが一番よろしいか、また配置いたしました人数で実際に新しい体制に移って看護に支障を来たさないかどうかということを検討いたしまして、まずここならば実施が可能であるといふうに考えられましたところから逐次実行に移っておる次第であります。かような状況でありますので、今日まで実施いたしましたところは、もちろんこの切りかえのときには同じことでありましても、多少のごたごたは起りがちでございますが、ただいままで報告を受けておるところではおおむね順調に進んでおりまして、中には今度の人員の配置を受け、そうして新しい体制に入りましたために非常に診療の、診療と申しますが、看護の面で改善をみたというようなことを具体的に申しているところもあるのであります。たとえばある施設におきましては。
○藤原道子君 お名前を、一つ……。
○政府委員(曾田長宗君) 小千谷でございますが、小千谷等におきましては朝飯と夕飯の食事時間でありますが、いつも先生方からも指摘を受けておりますが、とかく勤務の状況から朝飯はおそくなり、そうして夕飯は早く出して仕事を切り上げるというような状況があったのでありますが、この辺のところを、朝飯および夕飯、特に朝は三十分早くして、そうして夕飯は三十分おそくできたというようなことも言って来ております。この辺のところは各施設ともできるだけさように努力いたして参りたいというふうに考えておる次第で一あります。
○藤原道子君 私は小千谷とか最近おやりになっているところは従来もあまりつき添いがいなかった、つき添いを必要としなかった、そういうところをおやりになってそれを全般に当てはめるということは私はできないと思うのです。施設へ参もますと、厚生省の厳命だからやはりやらなければお互いの首に関係するというような恐怖心もあるのであります。私はもともつき添い制度というものは、医療の内容の向上と、つき添い婦を必要としない医療内容の整備いうことには私は賛成なんであります。だが現段階においては無理がある、こう思うのでございますが、いかがでございますか。
○政府委員(曾田長宗君) いろいろな困難を伴うということは私どもは十分考慮いたしておるのでありますが、ただいま申されました従来からつき添いのあまりおらなかったところだから、今度の新体制にも支障なしに移れるだろうということと拝聴いたしたのでありますが、確かにそのような事情はございますけれども、しかし従来からうき添い婦が全然なかった、あるいはつき添い婦がきわめて少数にしかいなかったという施設は、それでは職員に手の余裕があって、そうしてそういう必要のないところで、あったかというふうに考えますと、これも御承知のように必ずしもそうではないのでありまして、今のように多少の人数を配置したということにしまして、かようなあるところでは多少の増員にさえなっておるところもあるわけであります。この増員に伝ったところ、あるいはほぼ同数、あるいは若干数減じて配置いたしましたところでも、今日まで割合に円滑に新体制に移行できたようだというふうに考えておりますところでも、なかなか今後困難があるのではないかというふうに考えられますところと比較いたしましたときに、決して多数の看護用員でやっておるわけではないのでありまして、このようにある一定数の看護人員で相当な看護内容のものが実現できるということにいたしますると、他の大ぜいの看護用員を要し、あるいは他からつき添い婦さんに大ぜい来ていただいておるところというところが、その人数をたとえば若干減じましても、新しい体制に移りましたならば必ず看護に手を欠く、支障を来たすというふうにもなるまいかと思うのでございまして、もちろんそのためにはいろいろこちらでも御注意下さいました施設の点、物的な設備の点、あるいはこの今申しましたように新しい体制、組織を作るというようなことで、この問題を大体切り抜けて参り得るの、はないかというふうに思っておる次第でございます。
○藤原道子君 そういうふうな表面看護用員の整備によってこのつき添い制度を廃止していく、比較的スムーズに行っているということは一方的な考え方であって、そこには非常な無理がある。こういう点に対して私は若干お伺いしたいのでございますが、従来重症患者は個室に置いておいたが、ところが個室に重症患者を置いておいたのでは、結局つき添い婦がいなければやっていけない。だから個室にいた重症患者を大部屋に移して、そうして軽症患者が個室に配置されたというような例が上ってきておりますが、それらに対してはどうお考えですか。重症患者が大部屋に移されればうなり声によって、やはり同じ重症患者の片方がうなれば片方は寝られない。それでは病勢が悪化するというふうにはお考えにならないでしょうか。何でも予算を節約し、医療制度の改善だといってつき添い婦を廃止して、その足らざるは患者の犠牲において切り抜けよう、こういうお考えのように私には考えられるのですが、それはいかがなんです。重症患者を大部屋にたたき込んで、それで用員の手間を省くというようなやり方でも良心的な政治とい入るのでございましょうか。
○政府委員(曾田長宗君) 例をあげてお答え申し上げたいと由思うのでありますが、もちろん例でございますから、必ずしもすべての場合に該当するとも言えないかもしれませんが、たとえば今日まで重症者に一人に一人ずつつき添い婦が外からついて看護に当っておった。ところがこの一人に一人のつき添い婦がついておりましても、これはなるほど名目的には二十四時間看護に当っておるということにはなっておりますけれども、ほんとうの重症者でありますならば、二十四時間絶えずこのそばにおってやらなければならぬというような事情がございますが、これは相当な期間にわたりますならば、これは一人のつき添い婦がついておりましてはとうてい実行不可能なことでございます。これをたとえば、三人の患者を一部屋に入れまして、そうして三人の看護用員が八時間ずつ三交代でついて参るということになりますれば、私どもとしましては、この患者の病無の急激な変化というようなものに対しましてこの措置はより上そうよく行き届くのではないかというふうに考えておりまして、もちろん、この利点のためには今も御指摘になりましたように、隣の患者の声だとかあるいは隣の患者に看護婦さんがいろいろ世話をやいている、そういうようなことが多少耳ざわりになるとかという不利な点もございましょうけれども、この利点あるいはより都合の悪い点というようなことを両方にらみ合せて参りますならば、看護の本質からいって、これは決して低下するというものではなかろうというふうに思っておる次第でございます。
○藤原道子君 私はそれはちょっとおかしいと思う。重症患者は一つ部屋に六人入れて、そのまん中にいすを置いている。六人の重症患者ということになれば、だれか一晩のうちにしょっちゅう問題が起ると考えても差しつかえない、間違いないと思う。そうすると、六人の患者は六人とも一晩中寝られないということになりはしませんか。それが医療に及ぼす影響はどうなんでしょう。上医務局長は一つ良心的に考えてもらいたい。あなたは患者を守る立場にあるのであって、予算を編成する立場ではない、それが厚生省のしかも医務局長の使命だと私は思う。六人の重症患者を一つ部屋に入れて、こっちはうなっている、こっちは注射をしているというような場合に、六人全体が、たださえ一人でも苦しいのに、自分自身さえ非常な不安にかられておるのに、他の病人の苦しいうめき声に刺激されてなおさら病勢が悪化する、それでもかまわない、予算が節約されればいい、ここに一人つけておくことが正しい近代的医療のあり方だと断言なさるのですか。
○政府委員(曾田長宗君) 私どもは先ほど申しましたように、一人に一人のつき付い婦がついておりましても、決して二十四時間十分に見張っておるということはできないのでありまして、さような状態に比べまするならば、今申しましたように、三人程度のものを一人のものが見張っているということは、決して看護内容の低下というふうにも一がいに言い切れないと思います。
○藤原道子君 局長は病気なさったごとあるのでしょうか。私はそういう答弁では満足できない。もしも重症であったならば、一人で二十四時間やることが困難なら、八時間交代で一人の重症患者をみとってやるのが医療のあるべき姿じゃありませんか。家庭に重症患者があったらどうしますか。あなたが重症患者であったと仮定いたしまして、他に人の重症患者がそばにいてそれで療養ができるでしょうか、それが国の医療の親心の現われでしょうか、それを伺いたい。予算を切り詰めるのが目的か、患者を守るのが目的か、それを聞かしていただきたい。
○政府委員(曾田長宗君) 今申し上げましたのはあくまでも平均的に申し上げたので、もちろんそのうちの一人の患者さんが特に容態が悪いというようなことになりますれば、さらに看護婦を動員いたしまして、できるだけの看護はいたしますし、それからまたさらに今のようにきわめて重態であって、他の患者に非常に不安の念を起させて病状に悪影響があるというような工合に考えられましたときには、私の方の考えといたしましても、さような患者さんはそこからまた連れ出しまして、そしてほんとうに個室でなければいけないというような患者さんには、そういうような時期にさような看護をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
○藤原道子君 それでは今まで重症患者は個室に置いてきたのが誤りだったのですか。今までの国の医療のあり方は重症患者が個室にいたのです。軽症患者が大部屋にいたのです。ところがつき添い婦の廃止が起ってから急遽完全看護するの名目、面子を立てるために大部屋に患者を収容したのです。そして軽症患者が個室へ入っているのです。これは一体どういうわけですか。従来もそうすべきであったのが誤りであったとこうお考えになるのですか。
○政府委員(曾田長宗君) この新しい態勢を立てていきますのについては、各所におきましてもいろいろなやり方をしてみて検討をいたしておるというような面が今日においてはございます。所によって二人入れてみ、あるいは三人入れてみる、実は私どもとしましては、三人以上ということは好ましくないというふうに申しておるのでありますが、さようにいろいろやってみておるところがあると思います。それから重症患者は個室に入れないというようなお話がございましたのですが、私どもとしては重症患者は個室に絶対入れないというような考え方は持っておりません。また重症患者の中におきましても、いわゆる重態と申しますもののうちにも容態の小康を得ておりますものもございます。またその間に特に病状が悪化したというような時期もございますので、私どもとしましては、今まで各療養所においていわゆる重態、重症というふうに考えられました人たちも、むしろ今申し上げましたように、三人ぐらい一緒になっていただいて、そしてそれは何も大部屋に持っていってごてごて一緒という意味ではございませんで、いろいろ間仕切りをするというような方法で、一人の看護婦が大体その病状を見ていられるというような姿が立てられますれば、これはむしろ二十四時間絶えず不眠で容態を見守っておるという意味においてよりいいことではないか。ただ、今申し上げましたように特殊な時期に、特に重態の場合というようなときなんかにそこに入れることがいいかどうか。私どもは個室の利用ということを決して排除いたしておるわけでなしに、さようなときにはむしろさような方法をとるべきであるというようなことさえも考えておる次第であります。
○藤原道子君 間仕切りをしてと言われますが、上下があいておってカーテンを引いただけです。上下素通しなのです。それでも間仕切りと言われるのですか、そんなにまでしてつき添い婦廃止を強行しなければならないのか。私たちの委員会で決議いたしましたのは、見せかけだけの医療内容の向上ということをいっていない、真に患者の療養に幸いするような方法を考えてもらわなければ困る、それのみならず、どうです、そういうことのためには、この間私衆議院の厚生委員会を傍聴しておりましたら、患者さんに便器の使用なんかでも時間割りでやるということじゃないですか、午前三時、六時、九時と、午後一時、四時、八時、十二時、このときに便器、尿器を持って歩き、そのときに用便をしてくれ、こういう無理な注文をして、それで支障なくやっておりますという答弁をなさるのでございましょうか。ところがそのとき私は実にけしからぬと思ったのは、政務次官が答弁されて、それは癖だ、習慣だ、私は体育専門学校でずいぶんきびしくされて、一日一ぺんしか用便をさせてもらえなかった、これでも私は耐えてきたのだ、だから習慣だから差しつかえないということを言っていらっしゃった。そういう考え方で私は厚生行政をやられては困る。一体どうなのですか。病人は時間割り以外に便をしないで済むとお考えですか。
○政府委員(曾田長宗君) 最初の間仕切りの点につきましては、これは必ずしも今度の予算をちょうだいいたしましてからの問題ではないのでありまして、いろいろ先ほど申しましたように、一部屋に三人入っていただくというような場合には、そこに、ある簡易な仕切りがあった方がより患者さんはそれを希望されるというようなことがありまして、それではどういうような間仕切りがいいか、単純なつい立のようなものもございます。あるいはカーテンだけの方法もございます。あるいはまたベニヤ板のようなものでこの仕切りを入れるというようなこともございまして、そういういろいろな方法があると思うのでございます。ただいまのこの上、下があいておるというお話も、これがほんとうにちょっとお座なりの二尺や三尺の仕切りだけでやっているというようなことでは私どもも不十分と思うのでございますけれども、相当な高さのものでございますれば、上、下と申しましても、かえってこれを天井から床までつないでしまいますと、空気の流通も悪くなります。また掃除の際等にも下にごみがたまるというようなことがございまして、こういうようなことはむしろ上、下をある程度あけておくということが適当であると私ども思っておるのでございます。ただそれがどの程度のものが最もよろしいかということは今後も検討して参りたい。 それから今の便器を持って回る話が出ました。実はこれも今御指摘のように、衆議院の方でもお話がございましたのですが、私の答弁が悪いので、私の申しておりますことがどうも言葉が悪いかもしれませんけれども、十分にお汲み取り願えなかったような節がございまして、私はむしろあの席におきましては、私の申し上げたことを全部取り上げていただいた方がよろしいというふうに考えて、さよう申し上げたのであります。ただいまも重ねてこの御質問がございましたが、私また同じように答弁、へたなことを申し上げやせぬかと思って多少おじけづいておるのでございますけれども、私が申しました意味は、決して患者さんに何時と何時以外にこの大小便をしては困るというような意味ではございませんので、一応どなたでも朝には多く大便の排便があるわけでありますが、こういうような工合に、さような時期を見はからいまして、この便器を持って看護婦あるいは看護婦の助手が回っていってそうして便をとっていくというように、何と申しますか、御用があるならばということでこちらでお伺いする、そういうような意味でございまして、もちろんそのときに御用がなければそのままお断り願ってけっこうであります。またその後に御用があるならば、ナースコールなり、インターフォンなりで呼んでいただく。まして御自身がお出かけになるのに対しては何にも固い習慣を、何時と何時に排便をするという習慣を無理やりにつけるように訓練をすとかいうようなそれほどの考えを持っておりません。ただこちらで、御用を伺いに回る時間を大体きわめておるという意味でございます。
○藤原道子君 時間がないので非常に残念でございますが、私はそういう無理をしてまでも急速につき添い婦の廃止をしなければならないか、決して無理をやっちゃいかぬ。無理をやらないで、しかも現在のつき添い婦さんだちの配置転換等をも考慮しながら、医療の内容の充実をはかるのが望ましいことであるということが当委員会の趣旨であったと思うのです。にもかかわらず、内容の充実をはかる前に、どうしたらやっていけるかという言いわけだけを考えて、そうしてこれを強行しておるところに私どもの不満があるのです。私はそれは歩いて行ける人ならば、制限する必要もないし、歩いて行ける程度の人を問題にしているのじゃない。寝ている人が問題で、重症患者を一つ部屋に集めてうめき声やなんかで眠れない思いをしておりながら、なおかつ便器を時間割にする。そういうようなことで、それで療養の趣旨に沿っておるかどうか、病人というものがそんなに規則的にやっていけるものかどうか、もっと病人の身になって考えてもらいたい、ということを申し上げておる。今言ったように、時間の関係であとは次に譲りますが、三十代のつき添い婦でなければ常勤に転じてはいけないというような指令が出されておるんですか。四十以上の者は常勤労務者に使ってはならないというような指令が出ておるんですか。
○政府委員(曾田長宗君) 私どもといたしましてはさような指令は出しておりません。ただこの新しい看護態勢への移行ということについてはいろいろ無理のないように研究をして参らなければならぬと、一方ではこのつき添い婦、今までついておられましたつき添い婦さんたちが、こちらで病人の態勢によっては、おいで願わなくてもよくなるというようなことになりますれば、その方々のうちには、何とかこの新しい仕事も見つけなければならぬというような万も出てこられます。で、かような方の、いろいろお世話といいますか、相談にも乗るということが一方で大切なことでございます。そういうような意味で、できるだけ療養所に多数の方に残っていただくと、多少勝手がわかっている方に残っていただくということも必要だと思うのでありますが、また他面におきましては、何といたしましても、療養所の主任務と申しますのは患者さんのお世話をいたすことでございますが、患者さんにできるだけよく看護の手が届きますように、十分健康で働きのある方という方に残っていただきたいと、この療養所の当事者が患者さんも含めまして考えることは無理からぬことでございます。で、こういう人たち、こういうような事情におきまして、あまり老齢の方では仕事が無理ではないかというような考え方は入って参ります。さような意味で、あまりな高齢の方は無理である。そしてできるだけよくこの看護サービスが実施できる方、こういうような方がお残りになる、また残っていただきたいというふうに考えるのも無理はないと思うのでありまして、私どもはその両者はよく考えて、できるだけ無理のないように実施計画を立ててもらいたいということを申しておる次第であります。
○藤原道子君 私は最後に、大臣にお伺いいたします。大臣が委員長当時に、このつき添い制度廃止に対しての、無理なことをしないようにという決議がなされております。それから今お聞きのように、もっといろいろな具体的な例を持ってきょうは参っておりますけれども、時間の関係で私割愛いたしますけれども、このつき添い廃止をいたしますために非常な無理をなされておる。患者の福祉が度外視されて、結局予算の節約に重点がおかれておるように私どもには考えられてならないのでございます。だけれども、厚生行政というものはそういうものではないと思う。患者の福祉を最も考えていただきたい。ことに最近公的医療が非常に退歩の状態にあるということを私どもは憂えております。従いましてあるいはプロパンガスを置いて、若干の給湯器を置いたからそれでいいとか、申しわけ的な洗濯機を備えつけたからこれで事足れりと、あるいは重症患者を大部屋へ入れる、軽症患者は個室へ入れて掃除も患者にやらしておるというような無理をして、しかも看護婦さんたちの欠員等がございますために、看護婦が労働強化のためにへとへとになっておる。あらゆる職業をしてその落ちつく先がやっとつき添い婦になって生活をささえておる、その人たちの行先きもないというようなときに、こういう無理をしてまでも私はこのつき添い廃止を強行していただくというような考えは、大臣が委員長当時にも私はなかったと思う。どうぞそういう点を御考慮願いたいのでございますが、これに対して大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小林英三君) 藤原委員の仰せの通り、つき添いの問題につきましては、私がちょうど当委員会の委員長をいたしております当時のできごとといいますか、事件でございました。従いまして私がまだ大臣に就任をいたしますよほど前から、各地のつき添い婦の方々から私ども委員の職にあります者のところまで陳情の書面等も参っておりました。これはおそらく社会労働委員の諸君のところに全部参っていただこうと思います。私も実はこの問題につきまして、参議院の委員会におきまして、先ほど藤原委員がおっしゃったような決議をして、やっておった関係がありますので厚生省が参議院の委員会の決議に反するようなことをしているとすればはなはだこれはけしからぬ、こういうような考えを持って、いずれ委員会が開催されました暁には、この問題についてもただしていきたいと私自身も実は思って曲ったのであります。ところが私がはからずも厚生大臣に就任したということになりましたので、さっそく実は私ほかの所管の問題よりも先に事務当局によりまして、この問題について検討してみたのであります。ところが事務当局の、今もいろいろ御答弁申し上げているのでありますが、十月から十二月の一日現在までにおいて、全国の百八十二カ所の国立療養所におきまして、これを一月から三月までの間に全面的に急にやりますということはなかなかそこに非常なむずかしい点がありますので、まず傾斜的にやってみたいという考え方から、十二月の一日現在までに四十九カ所やってみた。ところがその四十九カ所の国立療養所に使われておりましたつき添い婦の方々は五百九十五人、約六百人でありますが、このうちで四十九カ所の療養所にいわゆる何といいますか、名前はまあ雑仕婦とかいろいろな名前をつけておりますが、とにかく常勤労務者として採用いたしましたものが約百八十六人ある。しからばそのほかはどうしたか。そのほかは派出看護婦会から参られた方もあったから、これらの方は看護婦会にお帰りになって、またその他の所の職務に従事しておられる。それから厚生省のあっせんあるいは自分みずからで他に転職された者もある。それから患者との契約期間がまだ切れない方はそのままでおられる、契約期間が切れて初めてかわられると、こういう状態であるということを、私は大臣就任早々、実はこれを気にしておりましたものですから聞いたのであります。そこでまあ二月から実施するやつを十月から始めて十二月一日現在四十九カ所をそういうように処置しているという——問題がいい悪いということはいずれいろいろ御議論の分れるところと思いますけれども、まあ厚生省の事務当局としては傾斜的にやっていくという方針からやってみたということであります。いずれにいたしましても、あとまだ相当の数が残って常勤の者にかえることになっておるわけでありますが、参議院の決議にもございまするし、その決議を尊重いたしまして、できるだけ一つ決議に副うように、あとの問題は私はやっていきたいと思っておるのであります。まあ今までの経過はそうでございます。なお十一月の十九日付をもちまして、厚生事務次官並びに労働事務次官からしいたしまして、各府県知事あてに、労働能力に応じまして職場転換方を依頼いたしまして、職安あるいは福祉事務所あるいは公私立病院が今後新しくできるようなところがあればこれに転換していくとかいうような工合に、労働、厚生両事務次官から各府県知事あてにお願いしておりまして、何とかこれはできるだけ一つ御決議に沿うように今後の問題についてはいたしたいと、こういうように私は考えておるのであります。
○藤原道子君 ちょっと大臣に最後にもう一つお願いしておきたいのですが、患者の犠牲と看護婦さんたちの犠牲で、事を処するというやり方は絶対にやめてほしいのです。それから四十代の者は使ってはいけないという指令が出ているやに聞いているのです。ですからもしそういうことになれば、三十代の者はたしか二〇%しかいない。そうすると、とにかく三〇%としても七〇%のものはだめになる。四十代、五十代は働き盛りなんです。それを三十代なんて制限をつけるようなことの絶対にありませんように、特に強く要望しておきます。内容をさらに御検討いただきまして、重症愚考を一つの部屋に閑じ込めたりするような無理をなさらないように強くお願いしておきます。
○高野一夫君 時間がありませんから簡単に大臣に伺いたいと思いますが、まだ大臣、政府委員に対しまして数カ条伺いたいことがありますけれども、それは他日に譲りまして一点だけ大臣の御見解を伺っておきたいと思います。それはこういうような場合には、大臣はどういうふうにお考えになるかということです。それは、厚生省が厚生行政を全国にわたって円滑ならしめるために指令を出す、地方に指令を出す、あるいは通牒を出す、それがたまたまその地方において押えられて、そして厚生省の方針とは逆行した態度をとられることがある。それは私は二つの事例をここで申し上げたい。一つはこの九月に厚生省が来年四月から実施せられる医薬分業に関する周知月間をやった。ところがいろいろな各新聞なり、ポスターなり、何枚か作られて、そして各都道府県にどういうふうに配分されたか知りませんけれども、ほとんど大部分の都道府県において衛生部長の手元でそれが押えられてしまって、ほとんど張り出されない。厚生省はこの法律の周知徹底をはかるために努力しようとしたにかかわらず、地方庁において衛生部長の手元においてそれを押えている、それをやらない、こういうことになりますれば、これは厚生省の努力もふいになるし、あるいは法律を作ってもそれを国民に知らせることができない。あるいはまた金を使っても予算のむだづかいになる。ところで、これは大臣の就任以前のことでありますからおそらく大臣は詳細は御存じでないかとも思いますが、この担当官が、これに対してどういう手を打たれたかということも私は詳細に聞きたいのでありますが、これは時間の関係で他日に譲ります。そこで今後もそういうような事例が起らぬとは限らぬので、こういうようなことが過去において起ったということについて大臣はどういうような御批判をされるか。今後また同じようなことが将来起るかもしれない。起った場合にはどういう手を打つべきか、どういうふうにお考えなのか。衛生部長は地方公務員であるから、それを強制することもできないかもしれないけれども、どういう方策をおとりになろうとされるのであろうか、これが第一点。 もう一つは鼠族こん虫駆除に対する補助金の名目がなくなりまして、交付金の中に入っておる。これも医薬分業の周知月間と同様でありまして、地方において交付金であるがために、ほとんど鼠族こん虫の駆除には使われておらない。ほかに流用されることは、これに対して厚生省は従来どういう手を打っておるか。それを知らんぱなしにしているのかどうか。これも非常に私は問題にすべき点だと考えておるのでございますが、政府委員に対する質問は他日に譲るとして、この鼠族こん虫の駆除に要すべき交付金の中に算定してあるはずの金が、そのほかのほうに流用されておる。これは私は厳として慎しまなければならない問題だと思うのでありますが、このことについて、今後厚生大臣は何らか手をお打ちになるお考えをお持ちであるかどうか。こういう点について、二点について、二つの事例を申し上げて、大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(小林英三君) 今高野委員のお尋ねでありますようなことが事実といたしますれば、これは私といたしましても、相当の具体的な手を打たなければならぬと考えます。私が今ここで高野委員に直ちにお答えする前に、過去の問題でありますから、一応こういう問題がどういう事実によって現われておったかということを、一応事務当局から説明させまして、その上で、今後における私の見解を述べたいと思ます。
○藤原道子君 関連していないのですが、やはりその点、さっきの締めくくりを忘れておったので……。児童福祉法と、厚生省の養護施設にあるものと、法務省の関係にあるものとの子供の予算が、厚生省の関係の方が低いというのはどういうわけですか。なぜ向うの施設にいる子供と同じにとれないのですか。
○政府委員(高田浩運君) 少年院等におきまする食費と、児童福祉施設の食費とは、御承知のように、児童福祉施設の方が低く現在まではなっております。これは現在そうなっておるわけでありますから、いろいろ過去のいきさつがあろうと思いますけれども、私就任早々間もないのでよくわかりませんが、一つは年令上の問題が、相当数年令上の差というものが考えられるのじゃないかと思います。そのほかの点につきましては詳細承知いたしませんが、これは過去の問題でございますので今後は児童福祉施設の食費の引き上げにつきましては、独自の見解をもちまして、努力いたしたいと考えております。
○説明員(小山進次郎君) ただいま高野先生がお話になりました第一点の点につきましては、お言葉通りではございませんけれども、ややそれに近いような事情がありましたことは、私どもも大へん遺憾に思っております。ごくかいつまんで経過を申し上げますと、当初八月の十五日から九月の十五日にかけまして、医薬分業を主といたしまする新しい医薬制度の趣旨を国民に徹底さしたい。あるいは啓蒙いたしたいということで、全国を通じまして周知運動をいたすことにいたしまして、こういった広報宣伝の素材といたしまして、壁新聞とか、あるいはパンフレットというようなものを作りまして、これを全国の衛生部の人を通じて普及さしていくということをいたしたわけなんでありますが、この問題につきましては、まあいろいろ御存じのような背景もある問題でございますので、端的に申しますというと、各県とも二の足を踏みまして、なかなかあっさりやってくれなかったというような事情がございます。しかし特におくれておりまするところ等につきましては、それぞれ個別に注意したり、あるいは説得したりというような方法をもちまして、とにもかくにも一応広報宣伝はいたしたのでございますけれども、活発な広報宣伝というわけには参りませんけれども、厚生省といたしましては、一応この問題については広報宣伝をしようとした最小限度の目的は達せられたものというように考えております。 今後の問題につきましては、これは何といってもやはりこういう広報宣伝を十分効果的にいたしますためには、これを阻害するような事情を極力事前に排除しておくということが必要だろうと思っております。その意味におきまして、前回の問題がありました直後から、関係の団体等と話し合いまして、言葉は多少適当ではございませんが、医薬分業の是非ということについての議論は一応別としても、とにかく国の法律できまり、これが来年の四月一日から実施されるという厳たる事実は、これはお互いに国民である以上、承認してかかってもらわなければいかぬのでありまするから、そういった制度の趣旨が正しく国民に伝わるということについては、一つお互いに協力してやろうじゃありませんかというお話し合いをしておりまして、この点は私ども原則的には御了解を得つつあるものと考えております。従ってこの広報宣伝につきましては、もう一度二月に行う予定にしておりまするが、この二月の場合におきましては、前回見られましたようなふぞろいをなくして実施できるものと考えております。いずれにしても、これはお互いに話し合って、極力問題を具体的に解決をして進めていくということが最も適当な解決方法であるだけでなく、また突き詰めて申しますならば、実はそれ以外に解決の方法はない、こういうふうに考えております。 それから第二の平衡交付金算定の基礎になりまする地方財政需要に見込んでおった費用を、地方が思う通りに使ってくれないという事例が、これは現にありますることは御指摘の通りでありまして、非常にこれは残念に思っておるのであります。でこの問題につきましては、過去において代表的なものとして、児童措置費がかってこれに入れられておったために、わが国の児童福祉の制度がどれくらいゆがめられたかわからなかったという実績がありまして、これは主として当委員会の御発議によりまして、現在の姿に戻していただいたわけでありますが、そういうような事情よりいたしまして、一面においてはぜひとも国の最低限の水準は確保したいと思いますものについては、地方行政の方にかなり意見はあるのでございますけれども、国の最低限の社会保障を確保するという意味合いからいたしまして、必要と思うものはこれは補助金に取り上げていくということを私どもとしては考えているのであります。先ほどのお話にも出ておったのでありますけれども、たとえば福祉事務所における福祉主事の設置に要する費用というようなものを、こういう形で確保していきたいというようなことが、来年度の予算に考えられておるわけであります。それ以外のものにつきましては、これはやはり絶えず説得をし、指導をし、勧奨するということを繰り返していくという以外に、現在のところ方法はございませんが、しかしこれを強力に、しかも熱心にやりまするならば、必ず目的を達するものだと、かように考えて、もしも思う通りにいっていないとするならば、これは厚生当局の努力足らざるものと考えまして、今後ともそういう努力を続けていくということにいたしたいと思っております。
○高野一夫君 大臣に伺いますが、ただいま政府委員の御説明は私は納得できない。この間の医薬分業周知月間運動、あれでもってある程度相当の効果をあげたというふうのお考えならば、これはすこぶる甘いのであって、ああいうことで効果が上ったものとするならば、金を使って周知月間をやらぬ方がいいと思っている。私は全国を調べて、東京都はどうなった、大阪はどうしたということのデーターを詳細に私は持っております。そこでこれはあとで省内にお帰とになりましてから、大臣はさらに詳しく担当官からお聞き願うことにいたしまして、また必要があれば次の機会に私の方からどこの県はどうしたということの詳細なるデーターを提出して、そうして事務当局の考え方がいかに甘いか、いかに先ほど山下委員もおっしゃったが、弱々しい厚生省であるかということが暴露されておる。今のネズミのお話でもその通り、手をつかねてただ説明していればそのうち何とかなるだろうというようなことで、年々年々数億の金が厚生省の仕事に使われないで、ほかの仕事に消えていくというようなことでもって、まあ説明したらば来年は何とかなるとか、来年はならなければ再来年何とかなるだろうというような考え方では、とうてい私は厚生行政を全国民に強力に円滑に推進せしめるゆえんにはならないと考える。そこで先ほどの周知月間につきましては、具体的には他日データーをもって申し上げます。今の政府委員の御答弁は非常に食い違っている、他日はっきり数字をあげて申し上げたいと思います。そこで私は大ざっぱな問題として、先ほど大臣に対する質問に戻るわけでありますが、さような事例が過去にあった、確かにあった。そして鼠族の問題にしましても、周知月間の問題にしましてもあった。こういうことを二度と繰り返してはいけない、一日も早く改善策を講じなければいけないと思うのであります。この点についての大臣の御見解、さらにこういうようなことが、今後繰り返されたる場合にどういうようなふうの御処置をとられたら最も適当であるとお考えになるかどうか、それをこの委員会において私は伺っておきたいと思います。
○国務大臣(小林英三君) ただいまの高野委員の御質疑につきましては、先ほど総務課長からもちょっとお答えしたのですが、私は初めて大臣に就任いたしまして、この厚生省の職員といいますか、事務当局に私が初めてあいさついたしましたことは、これはもうどこの省でもそうだろうと思いますけれども、ことに厚生省のように国民の社会保障の問題をあずかっている省といたしまして、まあ厚生省の省員というのは、非常に優秀な人がたくさんいるのでありますけれども、いくら優秀であっても、たくさんな、厚生省は……、全国に五万もいるそうでありますが、本省だけでも二千人、これらの諸君の厚生行政をなす上において自分自身の、一人々々はいかに優秀な人であっても、ちょうど高野委員が今御質問になりましたように、すべての問題に対して計画的に先手を打っていく、ただこういう仕事をあてがわれているからこれをやればいいというのでなしに、その仕事に対して計画を立てて先手を打っていく、後手をとらないということがあらゆる方面において必要でありますけれども、ことにこの厚生行政の上においては必要であるということを私はあいさつの中に言ったのでありますが、今の総務課長の挨拶の中にもありました、これは事務当局としてはある程度の周知月間に成果を収めたと思っておるのであります。高野委員は場合によっては全国的の具体的の例示をしてこれを立証してみせるというお話でありますが、まあ私はこういう方面につきましては、専門家である高野委員のおっしゃることでありますから、高野委員のお考え方のようにこれは相当の成果が上り得なかったというような事例があったと考えます、私も。しかしこういう問題につきましてはもうただ何月から何日、八月の十五日から九月の十五月までがこういう月間であるから、この四月一日から実施される医薬分業の問題を周知徹底する上においてこれをやればいいんだ、これだけじゃ私はいけないと思う。これをやるにはどういうふうにしたらこれが周知徹底できるかということを十分に研究して、たとえばビラ一枚の印刷の仕方でも、設計でも、デザインでも、いかにしたらば周知徹底できるかという計画的なこまかい考えまでも、それを各府県に区分したときに、それをどういうふうに入れていくか、どういうふうにしたらこれがほんとうに周知徹底できるかということをこまかいところまでも前もって研究をして、そうしてやるということが私は必要であろうと思います。これは今の医薬分業をあらかじめ周知徹底するということだけじゃございません。すべての問題において私はそうだろうと思う。今後そういう面につきましては十分に一つ気をつけてやっていきたいものだと思っております。なお今の周知徹底の問題が十分であったとは思わないということも事務当局認めておるのであります。私も就任いたしました以上は、今後こういうことに対してむしろ能力をあげてその趣旨が十分に普及できるような工合に、あらゆる方面から検討してやっていくことが必要だと思います。
○高野一夫君 どうかそのようにお願いします。
○委員長(重盛壽治君) 大変時間がたって、委員長も質問を申し上げたいことがあったんですが、次回に譲りますが、ただ一言だけ申し上げておきたいと思うのですが、今までいろいろ御審議願った中での必要資料は事務当局をして一つお出しを願いたい。たとえば水爆関係の問題、あるいは医薬分業の問題、これらの問題は相当長い間かかってかなり紛糾をかもした結果がきてをるので、ただ事務的に処理されては困るので、十分な連携をとっていただきたい。 それから先ほど来問題になったつき添い看護婦の問題等が、局長はどうも、藤原さんに対する答弁を聞いておると、あるいは予算に拘束されて処理するようなふうに聞えるんだが、私が言うまでもなく、それはどの省でもそうでありまするが、特に厚生省の関係は予算に拘束されて人手を減らすようなことになったんでは、これは重大な問題です。問題はしかし病院の意向をどう聞いたか、これを直す立場にある医師の意向をどのように聴取されたか、現在のその立場におられる従業員たちの声をどう聴取したかという問題も考え合せなければならぬし、できるならば委員会において、あるいは委員長の名において実地調査をする必要までありはせんかというふうに考えられるので、無理やりに急速にこういう問題を推し進める、一応の厚生省の決定であるからやらなければならぬというような考え方は、まず少しでも新大臣ができたんですから、新しい角度に立って再検討するという段階にきておるのではないかというふうに考えられます。その他のすべての問題もやはり予算に関係があるので、局長その他の意見の中では予算面云々という言葉が若干出ましたが、もちろん予算に重点を置かなければなりませんが、鳩山内閣の何といいますか、公約といたしましても、社会保障制度の拡充強化には相当力を入れておられるときでもありますので、事務当局といたしましては、あと一カ年間の重要な問題でございますので、十分なる検討をされて、適切妥当だと思うものは予算化して、それを大臣が、これからのあるいは閣僚会議予算委員会等において厚生省の予算として獲得できるよう御努力を願いたい。 もう一つは、先ほどどうも問題が起りましたが、厚生大臣は閣議というような、どうしても出なければ予算をもらえないからというような閣議の問題は別といたしまして、社会労働委員会を第一義としていただきまして、社会労働委員会の開かれるときには、よそへは勝手にお約束をなさらないようにしていただきたい。 以上申し入れまして、一つこの点で御努力を願いませんと、特に冒頭の予算の問題は一ヵ年間関連性を持ちますので、十分なる御奮闘を一つお願いいたします。でき得れば大臣の所見を伺ってきょうは閉会にしたいと思います。
○国務大臣(小林英三君) この社会福祉の問題あるいは社会保険の問題あるいは公衆衛生の問題等の、いわゆる社会保障に通ずる一般の問題につきましては、これは鳩山第三次内閣あるいは新しくできました新党——自由民主党といたしましても、政策の大きなウェートを持った部分としてやっておる、政策を掲げておるわけでございます。たとえば委員長からおっしゃられるまでもなく、閣僚といたしましての、担当大臣といたしましての私は、この予算の獲得に万全を期したいと思っております。 なお大臣の当委員会出席につきましては、これはもう優先的であることはもちろんであります。ただ、今までの何として、予算委員会の開会中におきましては予算委員会が優先するというように私は聞いておりますから、こういう問題につきましては十分調査いたしまして、今までの慣例に沿いたいと思います。
○委員長(重盛壽治君) 本件に対しましては、まだいろいろ御質疑があろうかと存じますが、本日の質疑はこの程度にいたしまして、残余は次回に譲りたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(重盛壽治君) 御異議ないと存じます。一応委員会はこれで閉会いたします。 午後一時四十三分散会 —————・—————