運輸委員会 第4号
- 発言数
- 94 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1955/12/13
会議録
○委員長(左藤義詮君) ただいまより運輸委員会を開会いたします。 まず、運輸事情等に関する調査のうち、日本国有鉄道の経営についての行政管理庁の勧告に関する件を議題といたします。 昨日来、河野行政管理庁長官の出席を求めておりますが、本日もいまだ出席を得ません。できるだけすみやかに出席を要求しておりますが、ただいま運輸大臣が出席せられておりまするので、できますれば、運輸大臣に対する御質疑を願いたいと思います。
○内村清次君 河野行政管理庁長官に対しましては、ぜひ一つ、きょう出席をいただきまするように、委員長からは厳重に申入れ、委員の要望を実現させてもらいたいと思います。 そこで、運輸大臣にお尋ねいたしますが、行政管理庁は、さきに日本国有鉄道の経営調査の結果に基く勧告を出しておるわけですが、これは現運輸大臣には引を継ぎ事項の形であろうと思うのです。しかしながら、非常にこの問題は世論の反響も大でございますし、現在、当運輸委員会におきましても、国鉄当局の説明を聞きましても、あるいは資料を委員の間で検討いたしましても、相当その経営の実態に対しましては注目すべき点があるようでございます。こういう見地から、あわせて行政管理庁の勧告がなされておりまするが、運輸大臣といたしましては、この勧告に対しましてどういう態度であられるか、この点をまず御質問申し上げます。
○国務大臣(吉野信次君) 私も、お話の通り、引き継ぎを受けまして、自分でもざっと目を通しておりますが、大へんごもっともな点もございまするし、また、お話の通り、経営の根本に触れる問題でもございますから、中でまあすぐ実行し得るものはなるべく国鉄当局としてさっさとやったらよかろう。根本的の問題につきましては、これは、私に対する勧告でございますから、私の方でまたよく意見をきめまして、国鉄当局とよく相談もいたしまして、何分の根本に触れた回答を一ついたしたいと、こう存じまして、ただいませっかく検討中でございます。
○内村清次君 運輸大臣の方では、今検討中だと、こうおっしゃっていますが、勧告の実体というものは、それに対する答申的な問題は、期限は切ってないですか。
○国務大臣(吉野信次君) 期限はございません。
○内村清次君 これは、私たちは早急に運輸省の態度を御決定になる必要があると思うのです、もちろん、これは先ほども言いましたように、世論の反響もありますし、のんべんだらりと、勧告を受けただけで運輸省がこれに対する答申もしないというようなことでは、その経営の実態というものがどうなっておるか、世論はこの勧告を重視しまして、国鉄の経営に疑惑を持つだけだと思いますから、これは、先ほども言われましたように、根本的な問題も確かにあります。がそれを運輸大臣の方ではまだ今でも聞き流しのような形になっておるのですね。検討はしておるといっても、閣内におきましてもいつ一体発表するというような作業の状態になっておるのか。検討中だけでは世論は納得しないと思うのですが、大臣の方針としまして、いつごろまでこれを検討して、そうしてこの勧告にこたえるという態勢ができまするか、この点を一つお伺いしたい。
○国務大臣(吉野信次君) これは等閑に付する考えは少しもございません。ただ、御承知の通り、あの問題はずいぶん根本に触れておりまして、運輸省といたしましても、御承知の通り、やはり各方面の専門家を委嘱しまして、六月から根本に対していろいろ検討いたしております。その結果、あるいは法律の改正なり、あるいは予算面なりについていろいろ考慮しなければならぬ面がございますから、どうしても通常国会の何までそれらの問題を解決しなければならぬ羽目に迫られておりますために、少くとも国会に御提出申し上ぐることにつきましては、年内に早急に実は結論を得たい、こういうつもりで、経営調査会の方へそういうお願いをいたしております。多少延びてもいいものはあと回しにいたしまして、続けて御審議を願うこういう段取りにいたしております。
○内村清次君 この経営調査会というものは、私は、実態といたしましては、この委員会の委員の方々の御発言もあり、当時の三木運輸大臣がそういった機関を設けようというようなことになったことは、これは事実です。しかし今回の勧告の問題が即国鉄経営の調査会の課題であるとは、私たちは考えておらない。これは性格といたしましては別個と思うんですが、運輸大臣はどう考えますか。
○国務大臣(吉野信次君) それは調査会は諮問機関ですから、やはり責任は私にあるわけであります。私としてその問題は解決をするのでありまして、しかしせっかくああいう調査会がございまして今審議を進めておりますから、そのやはり答申を尊重するということも、これは当然だろうと思います。
○内村清次君 この答申を尊重することは、してもらいたいのです、私たちは。しかし、それは先ほど言いましたように、別個の性格からあれは出た。と同時に、その中途におきましてこの勧告がなされたわけです。だから、むしろあなたが御答弁をされるとすれば、その勧告事項に対しても、これは今まで自分の方で作っておったところの経営調査会があるから、ことに一つ勧告事項も含ませて、調査のことも一つ委任して調査してもらおうじゃないかというようなお気持ならば、今の答弁でもよろしゅうございますけれども、私は勧告がなされた以上は、運輸大臣の責任においてこれに対する答申をおきめにならなくちゃならぬ。だからいっその答申をなさいますかと、こう聞いているわけです。どういうような事情になっておりますか。
○国務大臣(吉野信次君) ですから、今申し上げました通り、あの経営調査会の方にもあの行管のことはちゃんと申し上げまして、こういう問題も起きておるからといって、その意見を今研究してもらっております。それですから、そういうようにせっかく研究を、年内までに、その一応の成案を得まして、それを私は参考にいたしまして早急に態度をきめる、こういうことを申し上げたわけであります。
○内村清次君 それでわかりました。そういうような答弁がなされていをますと、経営調査会の性格もよくわかりますしね。私たちが、最初三木運輸大臣が約束をしました経営調査会の性格と、それに付随したところの勧告事項に対する、それもあわせて検討して、運輸大臣に答申をするというような、その性格の調査会であるということもよくわかりました。だから、問題はまだ運輸大臣のところには、勧告事項は年内でないと一応の問題は答申がなされないと、あるいはまたはその他の問題に対しては、まあ新聞紙上聞きますと二カ月間ばかりの延期をしておるようでございますが、そういった事態に答申をみて、それからこの勧告事項に対するところの運輸大臣の答申の態度決定をなされるというような、そういう時期であるということを確認してよろしゅうございますか。
○国務大臣(吉野信次君) その通りでございます。
○早川愼一君 運輸大臣が根本的な問題があると、こう言われましたが、実はわれわれこの勧告を読みますと、根本的な問題が確かにあるのです。それは何かというと、現在のつまり公共企業体をどうするか、独立採算制でやらせるかどうか。現在の独立採算制必ずしも自主性があるとはわれわれ見ていませんが、もういっそのこと、国営に還元するのだというようなにおいがするように思うのですが、そういうことをさして根本的とおっしゃるのですか。その点をちょっとお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(吉野信次君) この前も確かに申し上げたわけですけれども、あれは大体、御承知の通り、国営の形なんですね、今のやつは。ただ国営というものをやるのに、官僚組織でやるか、公社の形でやるかという違いがございますので、国有鉄道につきましては、六年前から、御承知の通り、公共企業体といいますか、公社の形をとっております。そこで、公社の形をとっておりますものの経営のやり方について今問題がございますので、それだからといって、すぐそれがいけないから官僚組織にするということまで、一足飛びの結論は出ないのであります。やはり今の公社の形で、いろいろな改善すべき点はあるだろう、こう私は考えております。しかしそういう根本の点につきまして、経営調査会はどういう結論を出しますか、そのこともまた参考にいたしまして、また世論の趣向などにつきましても参酌をして、きめにゃならぬと、こう考えております。
○早川愼一君 ちょっともう一言重ねてお伺いしますが、それじゃ公社の形で、その形を変えるのだというお考えではなくて、公社の形で改善すべをところを改善していくのだ、こういう御答弁のようにお伺いするのですが、そう理解してよろしいの、ですか。
○国務大臣(吉野信次君) 私はそう思うのですが……。
○早川愼一君 私どもは、ちょっと考えが大臣と違うのかもしれません。独立採算制ならば、もう少し自主性を与えるとか、あるいはまた資金が足らぬ場合には、これは運賃の問題に触れてくると思いますが、現在のがんじがらめにしておいて、国鉄にうまくやれといっても、それは無理じゃないか。そういうようなお考えのもとに改革をされようとするのか、もしくは国営の形に持っていった公社にするのだというお考えか。そこは非常にポイントが違ってくるのですが、その点をお伺いしたい。
○国務大臣(吉野信次君) その問題は、今ここでどっちかということを言うのは、まだ早いと思うのであります。ただ、公社というものでやっているのですが、公社がうまくいかないことだけは事実なんです。果してしからば、現在の日本の状態において、国営の鉄道というものを公社の形でやるのだが、どういうあり方が一番理想的か、これは私は根本だろうと思います。そのあり方がきまって、その尺度に従って、現在の国鉄というものについては、どういうふうになっているか、こういう点に改善の方途の策というものが自然に見出されるであろう、こういう私は考えの仕方をいたしております。
○早川愼一君 わかりました。
○内村清次君 この点は、行政管理庁の方でも私たちもだいぶ、もちろん新行政管理庁長官には発言はしておりませんけれども、きょう実はしたいと思っておりますけれども、ただ前、川島行政長官ですね、それからまたその部長あたりの話を聞いてみますと、国営ということを前提として、監察の希望するところは考えておりませんと、こういうような発言をいたしておりますからして、それでは現在の公社をよりよくするための考え方で勧告をしたのか、こう聞いてみますと、まあよりよくするというような、はっきりした確信ある態度から出た勧告のようでもないし、まあ現在やっているところの公社組織の経営の実態を見て、そうしてただそれを、こういう点が欠陥があるのだというような勧告をやっているように考えているわけですが、で、今の大臣のお話を聞きますると、全然国営にするというような点までは考えておらないが、それでは運輸大臣の権限強化をねらっているというような思想に対しましては、大臣はどうお考えになりますか。
○国務大臣(吉野信次君) その点も実はまだ全く白紙でございます。果してあの企業体を運営するのに、行政大臣の権限を強化することがいいか悪いか、そういうようないろいろ問題があるようですが、そういうことを全部引っくるめて、一つ根本的に考えてみたい。ただ、それを実行する段取りになりますと、ちょっと申し上げておきますけれども、何せ非常にこれは根本的な問題で、理想的にいえば、その政策というものもずいぶん多岐にわたるものもあるだろうと思うんです。それですから、今通常国会ということを目安にいたしまして、私どもが検討いたしました結果の策を、一時にみなこの際すぐ実行に移すことができるかできないかということは、ちょっと私もまだ予断がつかないんです。しかし、どうしてもあれだけの世論が起っておりまするから、あの国鉄の経営というものに対しましては、将来の公社としてのあり方につきまして、根本的な方向だけははっきり国民の前に明らかにしたい。そうして実行については、おのずから段取りというものがございましょうから、それに従って着々その方法を実現するようにいたしたいというのが、ただいま私の持っておりまするあの勧告に対する感じでございます。
○内村清次君 その感じの点ですが、ただいまのお感じだけでは……。私たちもまだ少しは感じがあっただろう、たとい引き継がれた大臣といたしましても、当時議員の立場であられた大臣といたしましても、この勧告の実体を大臣の責任において検討いたしたときにおいて、この点この点は大かたこれはほんとうじゃないかというような感じが具体的にあったはずだと思いますが、もしもおありになったら、その点を一つ具体的にしていただきたいことが第一点。 第二点は、運輸大臣としては、運賃値上げの問題に対してはどうお考えであるか、その点を一つお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(吉野信次君) それですから、さつき申し上げました通りです。あの勧告を一通り読みましたが、もっともだと思う点がある(「それはどこですか」と呼ぶ者あり)それはさっきから申し上げているんですが、ただ、それを今責任ある当局として、具体的な問題として、この委員会で、これはこうだ、ああだと言うことはいかがかと思います。これはやはり責任ある立場となれば、その個人の感想だけを述べるということは意味をなさないんですから、やはりある程度こちらの方で確定の意見をきめた上でお話をしなければいかぬと思うんです。 従いまして、運賃の問題について、端的に運賃を上げるか、下げるか、このままにするかという問題じゃなくして、根本は国鉄というものの将来のあり方をどうするか、それをやることについて運賃というものを上げなければならぬのかどうかという問題になるんですから、今ここに運賃を上げた方がいいとか、上げない方がいいとかということを申し上げることはいかがかと存じます。
○内村清次君 そうすると、運輸大臣は、これは公式のこうした委員会で、あるいはまた運輸大臣として責任ある言明をすることは、運賃問題については白紙であると。同時に、またそういった公社形態、あるいはまたそういった操作という問題に対しても、これは何も手をつけていらっしゃらない。同時に、具体的な御感想に対しましても、調査会の決定を待って、調査会に対しては勧告の事項も含めて、一つ調査会の結論を出してもらいたいという要請はしているけれども、まだ調査会の決定がなされていない現実においては、運輸大臣としての公式の態度は、御発表は差し控えているというように承わってよろしゅうございますか。
○国務大臣(吉野信次君) お言葉ですけれども、何も手をつけていないというんじゃないんです。それはもう大いに私は考えているんです。ただ、今ここで具体的な問題でどうだこうだというお話だから、それはまだ申し上げる段階には至っていない、こういうことを申し上げているのであります。
○内村清次君 これは実体論といたしまして、大臣の御言明では、通常国会には法案になすべきものは法案にしていく、法律形態に持っていくというような御発言もあったのです。そうしてみますと、時期的に考えまして、何とか新大臣としての抱負がここにもう確定しておるような時期ではなかろうかと私たちは思っておりますから、きょうはぜひ大臣に来ていただいて、そういった白紙の状態のような御態度ではどうだろう、もちろん民主的な考えでございまするから、そういう機関の決定も尊重してもらわなくちゃなりません。大いにしてもらわなくちゃならんが、時期的に、予算はすでに与党の方ではその骨格は決定をした、しかもまた大蔵省も今三十一年度の予算の操作にかかっておるという時期に、そういうような問題をまだ研究中だ、発言できないというような御態度では、どうだろうかと私は思うのですが、どうですか、この点。
○国務大臣(吉野信次君) お言葉ですけれども、それで今差しつかえないと私は思うのです。ということは、これは今官庁内部のことなんですから、来年度のことをここで一々、せっかく御要求がありましても、私に申し上げろということは少しお手やわらかに願いたい。
○内村清次君 これはあなた、方向だけは示していいでしょう。でないと、あなた、大臣になって今日になっても、一つも抱負についての御発言がないというようなことでは、それはちょっとおかしいですよ。抱負だけは、方向だけは、これは一つ権威ある委員会の席上ではっきりお示しになっていいじゃないですか。
○国務大臣(吉野信次君) それですから、公社としてのこれからのあり方というものを、将来に対してはっきりした方向を示そう、こう申し上げるのです。今具体的に運賃を上げるか上げないかという方向を示せとおっしゃられても、それはちょっとお答えいたしかねるのです。
○早川愼一君 関連してちょっとお聞きしたいのですが、運賃の問題ですね、どうもあの勧告を通覧してみますというと、国鉄は戦前の状態に十分復帰している。つまり危険度はない。それから運輸収入におきましても、十分支出をまかなっている。その上に、国鉄は減価償却というものを要求して——行管の勧告文を見ると、膨大なる減価償却を要求している。そんなものは必要ないんだと。減価償却というものは、これは何かむずかしい理論が出ておりまして、公共企業における減価償却というものは、現状を維持していればいいのだ、すなわち取替費だけ出していればいいのであって、具体的に数字をいえば、五百億円とかいう国鉄の要求は過大に過ぎる。せいぜい二百億程度でいいのだ。こういうような主張が勧告案に載っているんですね。 で、今大臣は、運賃問題については全く白紙のようにおっしゃったですけれども、実はこれは従来の経緯から見ますと、国鉄は何とか運賃を上げたい、物価に比例しても無理である。それから現に三十年度において、運賃を上げる計画を政府に要求した。しかし政府は一兆円予算の限度において、物価を上げることは困るというよう意味合いから、それを無理に押えた。ところが、現大臣は、今度は三十年度はそれを無理に押えておるけれども、三十一年度になったら何とかこれを考慮しなければならぬ、こういうことを言っている際に、行管の勧告を通覧すると、鉄道の経営は黒字である。運賃を上げる必要はないんだということは言っていないのですけれども、これはたびたび行管の方面へ質問したところが、いや、運賃の問題には触れておりません。また川島前長官は、いや運賃は国家の総合的見地に立って運賃を上げるか上げぬかをきめるべきで、行管の意見によってきめるのじゃないと言いながら、すでにこの勧告の内容を見ますというと、全くこれは運賃を上げなくてもいいんだという結論にしかならない。そういうものを政府の部内で、私はこの勧告案のこまかい、さまつなことについては、これは何も直接行管はそういうことを期待するのではなくて、経営の根本について改めてもらいたい点を指摘しているのであって、一一の予算の執行の悪い点とか不都合な点を指摘しているのではないと言いながら、実は、全体の現われた感想は、運賃を上げなくてもよいということなんです。そういうようなものを運輸大臣として受け取られて、いずれ何か反駁をされるだろうと思いますが、もし運賃を上げないならば、これはよほど政治的に見てどうかと思うんですが、こういうようなことを、まあこれはあなたは新大臣ですから、別に前内閣とは御関係がないとはいいながら、まあ世人はやはり鳩山内閣の実質的な延長であると、こう見ている際に、この勧告をそのままほったらかして、運賃をどうするか、国鉄をどうするかというようなことは、これはやはり根本問題です。 私は、これはよほど運輸大臣としては、間違ったことを行管が言っているならば、私は減価償却というものが、独立採算制をとった以上は、十分なる減価償却は運賃の原価に含むべきものだというふうな解釈をしておるわけですけれども、まあ奇妙な減価償却論がここに現われて、そうしていかにも世人を惑わしておる。ジャーナリズムが取り上げたので、おれの知ったことじゃないと言いながら、そういうような非常に政治的に影響のあることを、政府としてただほっておくということは、ちょっとおかしいと思うんですが、御意見いかがですか。
○国務大臣(吉野信次君) せっかくのお尋ねですけれども、やはりそういう問題についてかれこれ私が述べますと、さっき内村さんに言われたこととちょっと調子がとれませんので、やはり個々の具体的の内容の問題ですから、まあそれらのことも私ども承知しておりまして、それらのことも十分引っくるめまして今考えておる、まあこの程度で一つごかんべんを願いたいと思います。
○大和与一君 大臣にお尋ねしますけれども、ちょっと関連するわけですけれども、さっき言われた国鉄は今国営の形である、それを公社の形にだんだんしたいと思っておる、こういういいかげんな話があったのですが、国有であったのを公社に改めるというのは明確にきまっていると思うんです。そうすれば、その公社としての機能を発揮するために、やはり建前は企業体としての公社にするのだから、それを政府は今までやってきたのだから、それをまた戻すというようなことよりも、公社としての機能を発揮されておるかということについて考えておるという話ならわかりますけれども、先ほどの話だったら、公社の形で、何となくいいかげんで、だから、またいつでも国営の形に変えるということがあり得るというふうなお話であると思うんですが、その点をはっきりしていただきたいと思います。
○国務大臣(吉野信次君) つまり私の言い方が悪かったかもしれませんが、理論上、国有国営の形体というものをやるのに、御承知のように二つあるわけです。一つは、官僚組織でゆく形です。つまりこの前の日本の国有鉄道の、鉄道省という形でやった形なんです。それから片っ方は、何と申しますか、公社といいますか、英語でいうパブリック・コーポレーションの形です。御承知の通り、イギリスの労働党がやりました鉄道なり、あるいは炭鉱なりの国有というものも、国営の官僚組織をとらないで、パブリック・コーポレーションの形をとっておるわけです。それですから、理論的にいえば、二つとも国有なんです。国有国営の形式なんです。それをただ、官僚の役所の組織でゆくか、あるいは公社の組織でゆくかと、こういう建前であると私は了解しております。 そこで、せっかく官僚組織の形をとらずに、国有国営の形体をとって、公社としての形体をとったのですから、そういう六年の歳月を経まして、いろいろ経験も積んで、その過去の何によってどうもうまくいかない、これが今の問題でございますから、それをどうしたならばうまくいくか、こういうことについて私は根本的に検討してみたい、こういうつもりでございます。
○大和与一君 まあその問題はそれくらいにして、今度の行管の勧告は、大体今のものからいっても、そう危険はない。まあ簡単な言い方かと思うんですよ。そうすると、もしもそのことが間違いであったら大へんなことだと思います。そうすると、私は、たとえば減価償却の問題なんかは、新聞のあらゆる社説を見ても、大体国鉄の意見を支持している。あるいは専門家もそういうふうにしているというようなことは御承知の通り。もしそうだったら、これはうそであるとか、いいかげんなことであるということになったら、これは行管は当然責任を負うべきです。もしも国鉄の言うことがまるきりうそだったら、国鉄の最高責任者、幹部はみんなやめてもいいと思う。それくらいの決心でやるべきだと思う。こんなことを軽々と、政府が勧告だといってやられたんじゃ、たまらんです。ですから、その点はもっとはっきり見きわめて、とことんまでやっていく、こういうふうに考えて、もしも明確になったらいずれかに責任を持たせる、こういうふうな御決心がおありになるかどうか伺いたい。
○国務大臣(吉野信次君) 実は私ども率直な感じを申し上げますと、行政管理庁というような、監査と申しますか、外から批判する立場と、それから国鉄当局の現場の立場では、同じことを見るのでも、多少見方が違うんです。さっき早川さんから御指摘になりました減価償却の問題にしましても、私もこまかいことはわかりませんけれども、ちょっと読んでみましても、トンネルは公共資産だから、あれは減価償却はしなくてもよろしい、悪くなったら予備費か何かでやったらいいというような意見も書いてあるようです。けれども、これも学説にもいろいろ何がございまして、せんじ詰めるとそんなに実質は違っていない。ただ、立場を変えた批評家と、それから現場というものの間で、いろいろな食い違がくるわけですから、それだから、あの勧告のうちでも、実際国鉄側として聞くべきものが多々あると思います。そういうものは、まああの勧告を待たずとも、どんどん実行するものは実行していいし、またうちにおいても、現場の方から、そうおっしゃられても、実際からいえばそういうものでないという説明をして、また行管側でもこれを了とする点があろうと思います。ですから、これはやってみなければわかりませんけれども、私の感じでは、そう大して根本的に違った雪と炭というような結論にはならずに、大体のところでお互いに立場を了解すれば、同じところの線が引けるんじゃないかという、これは私個人の考えでありますが、私はそう考えております。 従いまして、今おっしゃるような、非常に責任がどうだこうだということは、私は全然考えたことはございません。
○大和与一君 まあ大へん中をとったような言い方をされますけれども、それじゃ、一体運輸大臣は、その行管の勧告と、それから国鉄の当局なり、あるいは経営調査会ですか、そういうものの諮問機関の結論を十分お考えになって、勘案してきめるんだが、しかし今のような、何というか、えらい幅の広い言い方では、そんな簡単なものじゃない。そんな簡単なものであれば、事務的に連絡がとれる。また小さな問題でも改革案を出してもいいこともありますけれども、国鉄の全体の運営を終局的にそれをよくする、こういう考え方に勧告が立っていなければならぬ。それがなくて、いいかげんに、準備も不十分で、この間も聞けば、技術陣は日本一だと、こういっておだて上げるから、それじゃお前の方で十分それに見合うだけの準備をして出したかといえば、一言もお答えがない。あるいは財政の権限を与えているが、独立採算じゃない。御承知の通り、日鉄法で改正してやって、運輸大臣と大蔵大臣と話がきまったから、ようやく予算の流用ができるということなんです。そういうことなんかもよく勉強して下さい。 そういうふうに実際に具体的な問題があるのだから、それを今おっしゃるように、簡単に、両方の話を聞いて、運輸大臣がまん中を出すというのじゃ困りますよ。やるからには明確に、きぜんとしてやり、悪いところは行管に責任を持たせるというくらいにしてもらわなければ……。全く行管の態度は、大臣も聞いていると思うが、どうもわからないのですが、どうですか。
○国務大臣(吉野信次君) 私の申し上げたのは、その両方の何を、まん中のところに常識的に線を引くという気持はないのです。ちゃんときまったことの案を立てられて、両方に納得の行くような説明ができる、私はこう思っているのです。
○大和与一君 だから、できない場合には、私が言ったように、きちんとどっちかにけじめをつけて、責任を持たせる、こういう決心を持っていただかなければならぬと思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(吉野信次君) 私はできると、こう思っておるのですから、できない場合がどうだこうだということを、今実はお話を申し上げる……。また立場でもございませんでしょう。
○大和与一君 それじゃ、今の経営調査委員会がいろいろなことを言っておりますけれども、やっぱりこれだって行管がああいうふうに出したから、それに対していろいろ参考にもするし、とらわれもするし、いろいろなごちゃごちゃが起っているのです。だから、行管のやっていることが全部正しければ、問題にならないのですよ。それはいいこともあるけれども、一番大事な財政の権限の問題とか、その他のことになると、きわめて不十分だと私は思うわけです。ですから、今の経営調査会は国鉄の問題を今後どうするかというテーマをやっているわけなんですよ。一番大事なことをやっておって、それを行管から勝手に言いっ放しで、そんなことをほうっておいてやられたのじゃ、経営調査会はらちが明かぬし、それから運輸大臣も一体どういうふうなお考えを持って、ただ聞いてやるということでなくて、どういう基準で、あるいは運輸省として、運輸大臣として、どんな調べ方をして、正しい結論を出そうとするか。そのよりどころくらいはお話しいただければ、ありがたいのですが。
○国務大臣(吉野信次君) まあそこは御意見の違いかもしれませんけれども、行管から何も国鉄のやり方を、責任を追及するという意味で勧告したわけでもなかろうと思うのです。要は、国家、人民のために、あの大組織の企業態をどうしたならば、これがよりよく行くか。こういうことなんですから、だから、私は行管のなにじゃありませんけれども、私が思うのには、もしその勧告の結果がよりよき形態のなにになれば、そこに行く段取りについて、行管の言ったことについて、多少あとで見て、実際において合わない点があったからといって、それは別にとがめることもないだろうし、また行管の方も理論的に多少通らなくても、行管の側の理論ですね、それはしかし何も定説なり世上の通論でもないものがあるわけですから、反対の点もあるわけですから、反対の論が通っても、結果がよければそれでいいのであって、お互いに言い合ったことについて、責任がどうだこうだという問題は、これはあまり起らないのじゃないかというふうに実は考えているものですから、それだから、先ほど申しました通り、違った場合の責任がどうだこうだということは考えてもおりませんし、また私も運輸大臣として、それをどうだこうだと言う筋合いのものでもなかろう、こういうことを申し上げておるのです。
○内村清次君 これは運輸大臣が責任をとるべきです。私はそう思う。それは国鉄の指導監督は、これは運輸大臣ですから……。その点になると、あなたは幾らか軽い。それはもう勧告が出された直後に任命されておられる運輸大臣であるから軽いでしょうが、いわゆる前任者、あるいはまたコーポレーションに移行してからの大臣は、これは責任をとるべきですよ。問題は……。しかしこれはもうおらない大臣を責任追及してもだめですから、問題は、そういう観点を考えたならば、大和委員が言われたように、行政管理庁も言いっ放しはいけないと思う。やはり責任をもって、たしかに自分の勧告した事項に対しては、国鉄は全面的に反省すべきである。そうしてその経営を、たとえばこれは行政管理庁の事務当局の話でも、まだ大臣と会っておりませんけれども、事務当局の話を聞きましても、国営に移管するところの前提にそれをしたのじゃない。ただ公社をよりよくしようという考えでもないようだけれども、先ほど言ったように、現在の企業の経営実態を見て、こういう欠陥があるのだということを指摘したにすぎないということで、逃げているのですけれども、しかしああいった勧告をなされた以上は、勧告したところの行政管理庁も、責任をもってこれに対しての勧告は信頼して、やはり国鉄の反省を強く要求しなくちゃ私はうそだと思うのです。これの反省をしたときにおいては、その反省の実体に対しては、監督者の運輸大臣が、今日まで監督権がどうも緩慢であったと、いわゆるコーポレーションに移行したところの国鉄を、監督者の運輸大臣が指導監督が不徹底であったというそしりは、やはり免れない問題だろうと思うのです。だから、この点はまあ責任の軽い新大臣といたしましては、先ほどのお話のように、まあ民主的に経営調査会の決定も待ち、さらにまた断を下して、自分の新方針に従って、勧告にこたえると言っておられるから、私はその時期の早く来ることを待っております。 待っておりますと同時に、また法律、立法によって今後の形態を変えてゆこうと。もちろん国営という形ではできないけれども、コーポレーションの形態もよりいい形態に変えてゆこうというお考えがあるということは、ただいまの御答弁でもうわかりましたから、この点は十分私たちも尊重いたしますが、ただ行政管理庁が、ただ言いっ放しという、こういう機構自体に対しましては、いい面もあると思うのです。やってもらわなくちゃならない。外部からの批評機関として……。権限は、批評機関的な性格かもしれませんけれども、責任追及の機関ではないとは思いますけれども、しかしあげてこれが政治問題になってくると、責任追及という問題がやはり派生してくるわけですから、しかしこういった行政管理庁の今回言われましたことに対しても、十分責任をもってもらわなくちゃならぬと私は思うのですよ。それに対しては、やはりこれは運輸大臣といたしまして、ぜひとも自分の監督指導下の国鉄がどういう範を示してくるかという実態を、よく一つ見きわめていただいて、そうしてこれにこたえる部分はこたえてゆくという、率直な気持でやっていただきたいと思うのです。この点は御同感でございましょう……。
○国務大臣(吉野信次君) その点は、全くお話の通りでございます。
○大和与一君 今日は行管に関連した質問が多いから、国鉄に対することはまた別の機会にお尋ねするわけです。それで、行管が責任をもって勧告を出したわけですけれども、やはりこれはウサギをつかまえるくらいの力はあるだろうけれども、象を同じ考え方で不用意にやったのでは、逃げちゃうんです。それと同じように、国鉄というものは、公社、官庁を含めて一番複雑な問題なんです。それをほんとうに十分な成算というか、準備をされて、そうして万々怠りなくやって、その上で勧告をやれば、こんな大きな食い違いが出るはずはないんです。そうすれば、別に世論が動いたり、新聞がおもしろがることはないが、そこがやはり行管がうっかりと国鉄を軽く見てやって、食いついたらひどい目にあった。 こんなところも一応一つの見方にもなるとして、運賃値上げの問題についても、勧告には書いてないけれども、勧告と同様に、日本国有鉄道に関する経営に関する調査という報告書を見れば、出ていないんですよ。そうすると、私は行管の今回の意図がどうも不十分だったと、準備もどうも不十分な点があったのじゃないか、こういうふうに考えますが、その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(吉野信次君) さあ、その点になりますと、これはどうも私がお答えをするのはどうかと思うんですよ。やはり行政管理庁の……。
○大和与一君 あっちにはまたあっちに聞くんです、幾らでも。今は大臣に……。
○国務大臣(吉野信次君) 私は行政管理庁がそれをやったからどうだこうだということを、今ここで意見を述べるという立場にございませんので……。
○大和与一君 そうしますと、あなたは勧告は単なる勧告であって行政的なものではない。これははっきり行管でも言っているわけですね。そうなると、私はやっぱり大臣が、何というか、この問題をなるべく早くきちんとするために、さっき私が質問したことについてはお答えがないようですが、どういうふうな心がまえというか、一つの大きな柱が何本かできると思いますが、その柱を一つ教えてもらいたいと思います。
○国務大臣(吉野信次君) そういうことは抽象的に申し上げても、まあ大和さんのようによく御存じの方には意味をなさぬと思いますが、やっぱりこれは具体的な問題になるのですから、もう少し時を私ども貸していただきたいと思う。実際お話の通り、なかなかあれは膨大な組織でございますから、実は私の感じからいえば、行管のごときは、これは単に一つの例示なんですね。行管の書いたことがすでに国鉄というものに対する批評の全部を尽しているものではないので、たまたまあれを機会に、ああいう形でいいかどうかという根本に触れるものですから、それですから、さっきも私が率直に申し上げました通り、私の在任の間に、すべての問題がいかないかもしれぬ。これは物理的に、どんなに勉強いたしましても、なかなかそこの目安は届かないと思う。ただ、下僚の言うことを聞いておっただけでは意味をなしませんので、だから、せっかくお引き受けしたのですから、口幅ったいことを申し上げまして、はなはだ恐れ入りますけれども、大体の方向くらいは私は一つお示しして、皆さんの御批判を仰ぐようにしたい。この気持で、私は率直に申し上げますけれども、少し言い過ぎるかもしれませんが、一ぱいでございますから……。
○片岡文重君 大へんけっこうな御意見だと私は思います。決して言い過ぎじやないと思う。その抱負をもってやっていただきたいと思うのですが、先ほどからの御答弁を伺っておりますと、確かに準備ができておらぬという一語に私は尽きるのじゃなかろうか。率直に申し上げて……。行管との間における連絡不十分、行管、運輸省、それから国鉄、との三者の間における連絡の不十分ということは、これはどんな理屈をつけられても否定しがたいことであり、そのために、国民によけいな憶測の時間を与える事態を提起したということも、否定し得ないことだと思う。これらの問題を償うてなお余りある解決をしなければ、私は行骨としても、運輸省としても、国鉄としても、相ならぬ立場に今置かれておると考える。で、運輸大臣としても、当然その一人として十分な措置を、期待というよりも、むしろ決意されておられると思いますので、ただいまの御答弁で私は今後に待ちたい思うのですが、一体今、そこでこういう質問をするのははなはだ愚問かとも思いますけれども、特に運賃の問題等はおそらくや来年度予算の前に、これは本格的に取り上げられてくる問題だと思います。で、運賃の問題を検討する場合には、公共企業体としての現在の国鉄の根本に触れて検討していかなければならない。そういう点からいたしますると、せっかく大臣がみずから身を挺して調査をされるとおっしゃっておられることに、われわれは期待はいたしまするけれども、そういつまでもその時間をお待ち申し上げるわけにも参るまいと思います。大体、たとえば監督の強化であるとか、あるいは経営委員会の問題であるとか、いろいろと具体的に大筋な問題が組織の問題にしてもあると思いまするから、これらの問題を一つ一つ具体的に明確な御答弁が願えるためには、大体どの程度の時間をもってすればよろしいのか、大臣としての目安をここにお示しいただいて、私たちとしてはともどもに勉強をして、よりよい国鉄の経営というものをなし遂げていきたい。御協力申し上げるのに私たちとしてはやぶさかでないのですから、そういう点で大体どのくらいお待ちしたらいいのですか。
○国務大臣(吉野信次君) お尋ねがございましたから、これはまあ実は役所の事務の内部の問題ですけれども、私といたしましても、今お尋ねがございましたから、あけすけに申し上げますが、今月の二十日くらいまでに一つ一応の、急ぐ予算関係なり、法律関係なりという、議会関係について処置をしなければならぬ問題についての経営調査会の一応の、最終のあれはむずかしければ、その中間でもいいから、一応の議論のあるところを知らしていきたい、こう思っております。そうしてあと年末がございますから、年末の間に試験勉強のようなわけになりますけれども、とにかくそういう問題について取っ組んでみまして、そうしてどうしても、通常議会が再開されるというようなころには、そこにいかないかもしれませんけれども、それに臨むときには腹づもりが、皆さんにお目にかかるときに、それはいろいろテクニカリーの問題ではっきり御答弁ができない問題もありましょうけれども、腹づもりは大体どうだこうだというぐらいは持って、通常議会の再開に臨まないといけないのじゃないか、率直に申せば、そういうつもりで私は今段取りをいたしているわけでございます。
○片岡文重君 了承いたしました。
○内村清次君 ちょっと、これも関連した問題でございますけれども、実は御承知の通り、盛んに新労働大臣が公共企業体等労働組合法を改正するということを、これは新聞を通じても何回となく発表していらっしゃる。これは当面の問題の、しかもまたこれは経営の実体でありまするところの労働関係、もちろん職員が大きな関心を持っている問題です。しかもまた国会とも関連した問題でございます。こういう労働大臣のまあ新方針に対しまして、おそらくこれは国鉄の監督者である運輸大臣といたしましても、何か閣内において、あるいはまたはその事務的な問題において、そういうような話がなされているかどうか。あるいはそれに対して運輸大臣はどういう御方針であるか、その点を一つお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(吉野信次君) お話の点はまだ聞いておりません。しかし、お尋ねがございましたから、これも卒直に申しますが、労働関係の方は労働大臣の方だということは私は考えておりません。ということは、企業をやるのに労働関係、雇用関係が、これは企業の実体で一番重要な問題ですから、どうしても国鉄を根本的に考えるときには、私の当然の職権の一部にその企業体の労働問題のあり方というものは入らなければいかぬと思います。ただ、それをさっき申し上げました通り、私も微力でございまして、それを今すぐやるかやらぬかということは、今弁明の限りではございませんけれども、どうしてもそういう問題というものはやはり引っくるめて考えないというと、私は将来の公共企業体というものの健全な発達というものは望めないのだ。これは私の信念でございます。
○内村清次君 確かに御意見、私も同感ですから、こういった労働大臣の方針があるとすれば、その内容はまだ検討の余地ございましょうけれども、やはり現在の公共企業体等労働組合法では不満足な点が確かにあります。特に仲裁裁定の問題に対しましては、まあ今は名前は変って社会労働委員会、昔は労働委員会ではございましたけれども、引き続いてその委員会がその仲裁裁定の結論は出しておったわけです。もちろん結論は仲裁委員会がやりましょうが、国会に付託された場合の国会としての立場は、まずこの委員会が中心となっておったわけでございまして、それもあなたのおっしゃったように、やはり経営と労務管理というものは一体にならなければならないということでやってきたわけです。しかも、資金内容または経営の内容というものは、この委員会が一番オーソリティである。いつもそういう問題と関係して、この委員会は運輸大臣とはある点は協力関係を持つ、ある点は運輸大臣の一つ方針についても批判をしていくというような立場でおったわけですから、まあぜひとも、そうやったきっかけが労働大臣の方からなされておるとすれば、一つ密接な連絡をとって、今までの是正すべき点は一つ是正してもらいたいと思いますが、この点は強く要望いたしておきます。
○片岡文重君 前国会の終りに、傷痍軍人の国鉄無賃乗車に関する法律が通過いたしております。で、大蔵省との間に早急に協議をして、すみやかに政令を出してもらおうということにお約束をなさっておられるが、最近伺いますると、運輸省、大蔵省、厚生省、それから自治庁、この四者の間でいまだ話がまとまらない。政令も従って目安がつかない。で、少くとも三十一年四月一日から実施するという目途をもって、前国会で非常な努力を各議員諸君がなされて、この法律は可決されておる。せっかくこの前国会で努力をされたものが四月一日から実施できないという危険な状態に今置かれておるということですが、これに対して運輸大臣は聞いておられるのかどうか。また聞いておられるならば、どういう措置を今とりつつあるのか、また将来どういうことになっていくか、そのお約束が実現できるのかどうか、その点一つお伺いしたい。
○国務大臣(吉野信次君) 確かに私も引き継ぎを受けました。受けましたけれども、法律が通っているんだが、何か事務的に多少、今お話しの通り、何かまだそこに調わぬところがあったということを言っておりました。その点はまあ事務だから、とにかく法律が通っている以上は、これは必ずその期日までに実施するようにやれということを事務の者に申しておきました。多分御期待に沿うようになると思います。何か政務次官から補足することがございましたら……。
○片岡文重君 それはなるだろうということではなしに、四月一日までの間に……。だいぶこの事務的な手続が複雑で、相当な期間を要するということで、前国会に急いだのですから、それはもう十二月半ばになって目鼻がつかぬということは、今のせっかくの大臣の言葉ですが、はっきり一つしておいていただきたいと思う。
○国務大臣(吉野信次君) やります。やりますが、一つ事務的に……。
○説明員(細田吉蔵君) 傷痍軍人の無賃乗車に関する法律の関係をお尋ねでございますので、事務的な現在の進行につきまして御説明申し上げたいと思います。実は私どももあの法律に基をます政令がもっと早く実はまとまるものというふうに考えておった次第でございますが、実際問題といたしまして、当ってみましたところが、一番問題になりますのは、いわゆる無賃乗車を受けることができるという人をどこで確定するか、どこで認定するかという点につきまして、いろいろこまかく当ってみますと、これは私どもの方は実はしろうとでございまして、もっと簡単なものではないかと思っておったわけでございますが、いろいろむずかしい問題があるようでございます。で、この点につきまして、実は政令の案は一応作っておるわけでございまして、それをもとにいたしまして、まず厚生省と実はいろいろ当っておったわけでございますが、大体の、前に申し上げました点につきましては、方法が確立できるというような見通しは立ったわけであります。次は、まあ事務をどういうふうにしてやるか、その経費はどれくらいかかって、それをどういうふうに要求すべきかという段階でございまして、その点は自治庁との関係になって参ると思います。これはまあやり方でございますけれども、自治庁の方で御あっせん願わなければならないというふうに私ども考えておるわけでございまして、ただいまその点につきましていろいろ協議をいたしておるわけでございます。 なお、予算につきましては大蔵省へすでに私どもの方といたしましては要求いたしておりまして、それにつきまして大蔵省との間に数回の交渉を持っておるわけでございまして、われわれといたしましては法律で定められておりますように、四月一日からはぜひとも実施をするという線で、今鋭意やっておるところでございまして、大体そういう運びになっておる次第でございます。
○内村清次君 大臣にちょっとお願いしておきますが、この問題はやはり相当いきさつもあった問題であったのです。まぎわに運輸大臣、大蔵大臣を呼んで決定したといういきさつもあるのでございますが、問題は、その該当すべき選定の場所とか、そういう点が問題になっておったとおっしゃっておりますけれども、こういう点もその関係者はごく、何といいますか、一つの団体でございます、おそらくですね。で、まあその大筋は、大体傷癖者の人たちでございましょうからして、そういう人たちに意見も民主的に聞いてもらって、そして一つ役所関係は、あるいは厚生省もまたがっておるでしょう。また大蔵省あるいは運輸省という形になっておりましょうが、国鉄も含めまして、そこで一つ期日に間に合うようにこれはやってもらわないと、国家の一つの何といいますか、補償的な重要な問題でもございますから、期日に間に合わないというようなことでは、法律の権威もそこなってくると思いますから、この点は一つ運輸大臣、十分お考えになって、早急に決定していただくということでよろしゆうございますか。
○国務大臣(吉野信次君) 承知いたしました。
○平林太一君 今の内村君の問題ですが、事務当局の御説明は、いわゆる事務的なことで取り運びがおくれていると、あるいはそのためにいろいろと停頓しておるというふうに感じられるのは、事柄が事柄であると、こういう問題は。だから、そういうようなことはむしろ枝葉末節の問題である。だから、このことはまあ大臣、吉野君に私はこのことを申し上げるのは、こういうことを大臣がやるのが、やはり政治的にこれをやれと、いついつかまでやれということで、解決できる問題だと思います。そうすることが私はやはり大臣の、いわゆるそのことに処する大臣としての御態度である、かように思いますから、一つ大臣にそういうことでお願いいたします。
○国務大臣(吉野信次君) 承知いたしました。
○平林太一君 それからこの機会に先刻から内村君そのほか野党の諸君から質疑がありましたが、いやしくも国家の国利、国営、国策、こういうものに対しましては、私自身としては野党も与党もないと思います。そういうところにいやしくもそういうことの、ことに国利、国営、国策というものに対しての特に態度なんですね。正しい行為に対しましては、これは一つしかない。一あって二あるべきものではございません。それですから、今回の国鉄に対する問題に対しては、この事柄が、国鉄がそのになっておるところの使命、あるいはその任務というものはどういうものであるかということを根本にこれは考えて、そして解決すべき問題だと思う。たとえば、ここで事務当局で御答弁があるかどうかしらぬが、一年間に国鉄が乗車せしめておるところの総人員はどのくらいありますか、ちょっと伺いたい。
○政府委員(伊能繁次郎君) 大体三十億余りでございます。
○平林太一君 だから、りつ然としてこはれ驚かざるを得ない。三十億のいやしくも人命をあずかっておる国鉄が、それが単なる行政監察——スキャンダルはこれは別の問題なんです。行政監察はスキャンダルを摘発して、監査の対象になるものは、いわゆるスキャンダルというようなものを追及してゆく場合には、なり得るものだと思うのであります。監査の結果、これが今日三十億の人命をあずかっておる国鉄が、いわゆる老朽施設とかあるいは復旧もしくは修理施設というものが停頓しておる状態である。国鉄の従事員というものはこのために、非常に何か、人心みなきょうきようとしておるというような事態。こういう中に事件が頻発したら、どうなりますか。こういう関連から、根本の何か公共企業体であるとか、国有にするとか、国鉄にするとかいう問題は、これは奇想天外なものはあり得ない。何をやっても、現状の施設でこれを改善し、あるいはこれに苦心経営を払い、あるいは経綸施策をこれにほどこしてゆけば、事足りるものだと思うのであります。だから、そういう問題に対しましては、私は吉野君御自身としてはやはり身をもって、この際三十億の人命に対しまして、いやしくもそういう事態から通じて、監査によって何かそこ一に一つの支障を来たしたというようなことのないように、そのためにまず御自身は非常な御不利な立場に立っても、身をもってこれを守るという態度で私はやっていただきたいと思うのであります。 同時に、運賃の問題も、これまたきわめて重大な問題であります。重大な問題だが、今日三十億の人員の乗車に対しまして国鉄のあげておる収入は、あるいは二千億といい、あるいは三千億といわれておる。私は政治的に申しますから正確なことは当事者におまかせするが、かりに二千億としても、その一〇%にして二百億になる。一割上げれば二百億です。そうするというと、一割というものが、たとえば東京から大阪までに対して、八耳円に対して八十円上る。八十円だけのことによって人命の保障が得られるならば、私はあえて国鉄値上げの問題も、小刻みに考える必要もないと思います、個人的に。そういうものは何か過大に物を考えれば、そういうことはいけないと、こういうことになるかもしれないが、しかし値上げする前には当然、これをあずかっておるところの吉野君としては十分な経理上の御計算になり、そういうものをなさることは当然のことです。 どうかそういうような角度で、今度の国鉄の問題には当っていただきたいと思うのです。行政監察が出てきたというような事柄に対しては、従来のことに対してのごとでありますから、そういうことは御無理ごもっともである。今後そういうことは改めましょう……。これは根本には触れる問題ではないと思います。私はそういう、行政監察した部分的なものはいわゆる是正して、そうして指摘対象が改善せられればそれでいい、こういうことです。その根本の問題に対して、私はこの際吉野君からその点をはっきり伺っておきたいと思うのです。そういうような今までの行政監察がなにしていたから、だからそういうものに対して十分検討して、何かそういうむのを納得するのだということでは困るのであります。その点明確に一つやっていただきたい。ただ、大過なく、無難にいわゆる運輸大臣の職責を済ませればいいというようなお考えでおありになるのか。あるいは大臣としてそのためには一月、二月でやめても、国鉄のなにを守るのだというようなことについて伺っておきたいと思います。
○国務大臣(吉野信次君) まあ御意見でありましたが、私もまあさつき申し上げました通り、さまざまの行管というようなものが一つ契機になりましたけれども、それだけではないので、やはり根本的な問題と取り組んでやる、こういうつもりでございます。十分一つ、私としてはせっかくお引き受けいたしましたのですから、全責任をもって、全努力を傾けて、この問題に当りたい。この決意だけは持っております。
○平林太一君 根本的という問題を技術的にお考えになっちゃいかぬと思うのです。大臣として何か機構を改めて改革するのであるとか、そういうようなことを根本的にお考えになっては、先刻来の質疑の問題もそうですが、そういうものは幾度変えても特別のものが出てくるものではないのです。現在の機構を通じてよくするということが、新しく変えてやるよりも、それが一番もう最も能率的である、また効果的である。その間空白もない、こういうことになるのでございますから、その根本的の問題というのは一応あなたの信念において、何か他動的によそからの何で、いわゆる行管の一つの意見によって根本的の問題を考える……。根本的ということは、あなたの根本的なものを、まず経綸というものをお持ちになって、そうしてその根本的な問題に対処するということをこの際深く御注意申し上げて、これはむしろあなだを庇護するということになりますが、そういうことを申し上げておきます。これに対してイエスであるとかノーであるとか……。
○国務大臣(吉野信次君) 私も割り切って言えば、お話の通りであって、よりよく安全に、どうしてサービスを向上するかという点に尽きておるのです。 ただ、そこが少し違うかむしれませんが、手続とおっしゃいますけれども、あれだけの大組織を動かすのにはやはり手続というものは無視はできないのですね。これは決して根本ではないことは私も十分承知しておりますけれども、長年の上歴史をもって積み上げたつの組織でございますから、だからやはり自然、手続ということも、手続はどうでもいいのだというようなわけにも行きかねるのだという——私のように役人を長いことやっておりますと、自然少しそういうことにとらわれるかもしれませんけれども、しかしそこいらは今平林さんの御意見、私も役人の足を洗ってだいぶしばらくになりますので、多少は政治的のこともこれから勉強したいと思っておりますから、そこは一つ御趣旨に沿うようにせっかく努力いたしたいと思っております。
○平林太一君 了承いたしました。
○委員長(左藤義詮君) 運輸大臣は決算委員会へどうしても急いでおりますので、しばらく席をはずしますが、国鉄総裁が所用のために出席できませんので、天坊副総裁が参っております。この際国鉄当局に御質疑がございましたから……。
○内村清次君 何はどうですか、行政管理庁、長官は……。
○委員長(左藤義詮君) 今折衝しております。
○内村清次君 おりますか。
○委員長(左藤義詮君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(左藤義詮君) 速記を始めて。 日本国有鉄道の経営について行政管理庁の勧告が出まして、とれに関して行管の説明を聞いているのですが、大臣の出席がおくれておりますの、で、中途でございますが、この際国鉄当局のこれに対する説明を聴取いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(左藤義詮君) 異議ないと認め、さよういたします。
○説明員(石井昭正君) それでは、行政管理庁がお出しになりました勧告は、これは運輸大臣あてにお出しになりましたものでございまして、私どもの方としてはこれに対して直接お答えする立場ではないわけでございまするが、しかしながら、いずれ運輸省の方からも私の方にいろいろ御照会もあることと存じますし、また特にこの問題につきまして、事前にいろいろ世上の御論議をかもしたというような関係もございますので、管理庁の御勧告の内容について私どもの考えております意見を述べさしていただく機会を与えていただきましたのをしあわせに、若干時間を拝借いたしたいと存じます。 根本的に私どもは、政府なり、あるいは国家と申しますか、あるいは国民の皆さんと申しますか、それが国内輸送の根幹である国鉄に対しまして、どの程度の規模の施設を持たなければならぬか、またその施設の保安度はどの程度でなければならぬかということ、またどれだけ旅客、貨物の輸送量を俗に申せばこなさたければならぬか、ただそれを数をこなすというだけでなくして、どういうサービスをもってお送りしなければならないか、今のような通勤の場合のいわゆる運送地獄というような状態でいいのか、あるいはまた貨物輸送につきましても、荷主が御希望するときに御希望する貨車が提供できないというようなことでもいいのか、あるいは三日も四日もかかって到着するというようなことでもいいのかというようねこと、こういうことは、やはり決定するのは交通政策の根本ではなかろうかと思うのであります。こういう交通政策の根本というものをはっきり前提に、打も出して把握していただいて、初めて国鉄の経営に対する御批判が出てくるべき性質のものではないかと思っておるわけであります。こういう交通政策の根本に触れる問題を行政管理庁というお役所がおやりになることがいいかどうかということについては、私は決してとやかく申し上げるわけではございません。もしおやりになるのでしたらば、こういう政策の根本というものについてのはっきりした御見解を確立されてしかるべきではなかろうかと。これにつきまして管理庁の御意見を今まで伺っておりましても、現在の程度の輸送の状況をもって足るのであるか、あるいはもっと改善する必要があるか、施設の安全度も今のままでいいのか、今のままでは危ないのかというような点については、あるときはしからざるがごとく、あるいはしかるがごとくで、一貫したどういう観点に立っているかということが私どもにうかがわれないということが、まことに残念な次第でございます。 私どもは、輸送の安全を確保するためには、過去におきますところの財政的苦境のために累積されております応急、施設の取替と、現在早急に解決を迫られております通勤輸送、あるいは東北、北陸方面の貨物輸送の異常の福迫の緩和、そうして今度政府において確立されました経済六カ年計画の実行の裏づけとなる輸送要請、一れに即応するためには、設備の拡張増強が必要である。また企業の合理化、経営の基礎となる、そうして将来の輸送費用の低減をはかって、ほんとうの意味におきますところの国民の輸送経費というものを、これを軽減するために必要な輸送の近代化、具体的に申しますれば、電化、ディーゼル化あらゆる作業の機械化というものに、必要なこれらの三つの重要な問題に対して、実施に必要な資金の調達をどうすべきか、その資金の額はどの程度あるべきか、そういう点について、またその基礎となる国鉄財政の健全化をはかるということが、国鉄経営をお考え願う上の大眼目でなければならないと考えておる次第でございます。こういう点について、管理庁の方でいか触るお立場にお立ちになっているかということが、全体を通じてはっきりいたしておらないように思われます。 第二点といたしましては、管理庁のお考えが、公共企業体としての性格、これはもちろんいろいろ御見解もありましょうし、また現在の公共企業体のやり方自体についてはいろいろの考え方もあると思いまするが、しかしこれを財務的に見ました場合には、国鉄を独立企業体として存続していくということは、事業継続に必要な経済力というものを自己の企業内で作り出していくということが、これが根本的な建前であろうと思っております。現在政府が国鉄に対してとっておられます財政政策は、そういう考え方であると考えております。従って、私どももそういうお考えにのっとった考えで事業を継続発展せしめて、いわゆる公共の福祉を増進するためにやっていかなければならないと考えております。そういう点につきまして、行政管理庁のお考え方は、国鉄を国の営造物法人である、従って、それに対する国家投資を回収する必要がねいという前提に立っておられますが、こういう考え方で参りますと、現有施設の更新というものに対しまして、やはり国鉄内にそれを果していく経済力が生まれてこないわけでありまして、そういう際には国家の再投資が必要となるわけでございます。それでは政府は、現在国鉄の立っております財政政策の考え方並びに国鉄に減価償却制度を採用したという根本に相反するものではないかと考えておる次第でございます。 それから、これは私ども申し上げたくない点でございまするが、行政管理庁の御調査の数字その他には、決して間違いであるとは申し上げかねまするが、しかし私どもの方では納得しがたい数字が多々あるのでございます。この点は私、会計検査院の御検査の場合には、必ずその対象となっている事案を確定して、そのことについての数字については公文書をもって御所望になって、その数字に一応間違いのないというところへこぎつけて、それの上でいろいろ御指摘なり御叱責があるわけであります。管理庁のおやりになり方については、そういう点については非常に一方的でございまして、御自分の方でお調べになった数字をそのままお出しになっておりまするが、この点は私どもの方で、その内容をいろいろあとから調べますると、ずいぶん違ったのもございまするし、また独断と思われる点がございます。こういう点は経済批評家の方、第三者が御発表になる分には、私どもとやかく申し上げることはないのでありますが、いやしくも責任のある官庁の御調査ということであるならば、もう少し慎重を期していただいてしかるべきではなかろうか、こういう感じを持っておるのでございます。 それから勧告の内容の問題ではございませんが、行政管理庁が勧告をなされるまでに、中間的にいろいろ世間に御発表になっておりますが、その御発表になっている大きな問題点は、国鉄は赤字だといっているが、実は黒字である。その根拠はまあいろいろございまするが、その一番中心をなすものは、減価償却費は現在やっておる三百億程度でもなお過大償却である。百七十億円ないし二百億円で足りるんだということ。それから第二点といたし、こういう黒字経営ができているのは、運賃が安くても輸送量が増加しているんだから、それでカバーできているという点。第三点は、もう施設は安全を確保されている、国鉄が主張している緊急取替の必要性はない、こういう三点。それから、それをおのずから推し進ました結果として、運賃値上げなどとはもってのほかであるというような御意見、こういうものが出ておったわけでございまするが、これはもちろん正式の御発表ではないことは重々承知いたしておりまするが、世間に取り上げられた取り上げられ方は、ただいま申し上げましたような四点でございます。この重大な四点について、今度の御勧告では何ら御説明がないという結果になっております。従いまして、非常に世間でいろいろ論議をかもしておりますことが、御勧告の面では取り上げられた問題になっておらないんだというような結果になっておるようでございます。 次に、経営の刷新、合理化につきましては、これは国鉄としては従来とも非常に努力をして参ってきたわけでございまするが、私どもも力足らずして、なお皆様方にいろいろおしかりを受ける点も多々ございまして、まことに申しわけないと思っております。今後もなお十分努力いたしまして、全力を尽してやって参りたいと考えております。まあその第一歩といたしまして、過日いろいろ御批判がございました外郭団体というものの整理方針につましても、一応の案を得てこれを発表いたしました。この方向で進んで参りたいという決意を固めておる次第でございます。その他の点につきましても、十分努力をいたしていくつもりでございまするが、どうか一つ今後とも御指導、御鞭達をお願いいたしたいと考えております。 で、管理庁の勧告は、大体におきまして三つのグループに分れておりまして、第一のグループにつきましては、これは公共企業体制度そのものについての問題でございます。この点につきましては、現在運輸省において、国鉄経営調査会という所で、この問題についても非常に広範な御検討を行なっておられます。私どもといたしましても、現在の制度そのものがこれで万全である、一番いい姿だというふうには考えておりません。なお、よりよき方面に御改革願えるということは非常にけっこうなことであろうと存じまするので、その結果をお待ちしておるわけでございます。ただ、管理庁の御勧告によりますと、財務運営上広範な自主権を与えられているというような御表現がございまするが、これは国有鉄道法の内容あるいは実際の国鉄の運営について、非常に御理解の深い皆様方が御承知で、私から釈迦に説法というようなことを申し上げる心要もないと思いまするが、むしろ公共企業体のあり方としては、財務運営上から見た姿が、決して自主性があるものとはいえない。むしろこの点にこそ、現在の私どもの公共企業体の国鉄の当面している悩みがあるのではないかといって差しつかえないことではなかろうかと考えておる次第でございます。 ただいまお手元に私どもの方の資料をお配りいたしましたので、詳しいことは資料をごらん願いたいと存じますので、ごく大ざっぱに説明いたしたいと思います。 勧告事項の第二のグループは、これは一番大きな問題でございます。これは施設の機能維持という点で、あるいは経費の問題についてもいろいろ御指摘がございます。第一に、恒年度多額の修繕費が業務費等に流用されておる、また工事経費においても相体的不急工事というのが行われておるということでございまするが、この修繕費が業務費に流用されておりますることは、私どもも決して事実でないと申し上げかねるわけでございまするが、これは御承知の通り、昭和二十四年でございますか、当時はまだ占領治下でございまして、予算の査定がG・H・Qの手に握られておったときでございますが、昭和二十三年ごろまでは業務費の予算と決算はほぼ一致しておりました。昭和二十四年度には物価は前年に比して約四〇%ふえておるにもかかわりませず、予算は百三十一億から七十七億というふうに四二%も減額査定されたのでございます。これでは実際にやっていけないということが明らかでございます。しかしながら、G・H・Qは鉄道関係には、皆さんも御承知の通り、非常に頑迷と申しますか、むちゃをする人がいたことは御承知の通りでありまして、どうにもなりませんので、大蔵省の方でもこの点を参酌して、この不足分に見合うものを修繕費というところの項目に入れてG・H・Qのオーケーをとったということが発祥でございまして、それ以来その形を続けて参っておるということに、形式的な点についてはこれは十分おしかりを受ける点があるかと思います。しかし実質上の必要性はこれはまことにやむを得ざるものでありまして、大体国鉄の業務費は、御承知のように、ほとんどその大部分が現場の営業運転に必要な経費でございまして、切符の紙代、印刷代・機関車の飲む水の代、あるいは列車の光熱料というような、あるいは職員の被服費というようなものでございます。一般会計の庁費に相当するものはわずか一四%程度でございまして、こういう部分はいつも一般会計の庁費節約に相応して節約をいたして、それ以上の節約むいたして参っておる次第でございます。それ以外の現場経費は今申し上げたようなものでございまするが、たとえば私経済で申しますれば、なるほど屋根がいたんで雨が漏るということはわかってはおりますが、しかしながら何といっても当面の水道代、ガス代、電気代は払わなければならない、こういうような遠境に置かれているわけでございます。従いまして、業務費がその必要な程度支出されたということは、これは決算をもって御報告申し上げておるわけです。行政管理庁自体においても、業務費自体については非常に大勢的に見て逐年圧縮されつつある、こ一いうふうに言っておられるのであります。私どもといたしましては、被服費なりあるいは研修関係の費用なりは非常に他と比較して圧縮されておりますので、むしろ増額をしていただきたいという気持を持っておるくらいでございまするが、ただいま申し上げましたようなことで、業務費が査定になっておりますので、必要最小限度の流用でやって参ってきておるわけでございます。 また相体的不急工事といってあげられておりますうちで、最も大きなものは、札幌用品庫の新築工事でございまするが、札幌用品庫はすでに五十年も経過しておりまして、あのような気候のところでもって五十年たっております木造倉庫、これに貴重な資材を毎年見積り十数億も入れております。倉庫として保管の万全を期しがたいことは当然でございまして、これを取りかえるために新しい近代的な倉庫に取りかえる。しかしながら私どもはこれと同時に、北海道のほかの倉庫の面積を減らしまして、これに集中管理をいたすこ一とにいたしました。倉庫面積はかえって一四%減りました。そうして用品経費が年間約七百万円ぐらい節約できるというふうに考えております。しかもこの用品庫の用地、これが駅前のいいところにこういうものを移しまして、その売却によりまして約一億円の収入を予定いたしておる。そういうふうなやり方でやりました。この用品庫の建てかえが不急な工事であるという御指摘を受けるのは、はなはだ私どもとしては納得できかねておる次第でございます。 それから財産台帳などが不整備である、こういうようなことを言っておられるのでありますが、この点も私どもは非常に意外な感じを持ったのでございます。国鉄におきましては、固定資産に関する財産台帳といたしましては、固定資産原簿というものを備えつけております。これと別に、保守を担当いたしております現場、つまり保線区とか電力区とか建築区であるとかいうところでは、その保守を担当する施設について必要な保守台帳あるいは図表を備えつけておりまして、これで施設の管理をやっておるわけでございます。これらの財産台帳並びに保守台帳が戦争中、戦災によつて焼失したものがあることは確かでございますし、また終戦に際して、よけいなことをしたのでございますが、わざわざ焼いたものもございます。しかしそのために昭和二十二年度から二十三年度未にかけましては、現地調査を実施いたしまして数量の把握を行なっております。そうして過去のいろいろな資料によって取得価額なども整理いたしております。従って、二十三年度以降におきましては、ある一部の資産についてのみいり取得したか不明だ。これは戸籍が焼けてしまったものでございまするから、いかに苦心してもわからないというものはございますが、現在あるものの管理に不行き届きを来たすとということはなし、あるものはすべて把握をいたして台帳に載せておる次第でございます。 しからば、なぜ管理庁がこういうことを言われたかということは、これはこの報告書の方を見まするとよくわかるのでありますが、仙台鉄道局に参りまして、昭和二十七年度に新しい帳簿ができております。で、この新しい帳簿に対して古い帳簿から記帳をいたす際に、古い帳簿のけつだけを新らしい帳簿に書いた。従いまして、もしずっと過去にさかのぼって見るためには、古い帳簿と合せてごらん願えばいい。それが二十七年慶に改正いたしました新帳簿だけをごらんになって、二十七年度以前のことはこれでちっともわからないじゃないかという御指摘なんであります。これは全く古い帳簿を合せてごらん願えば、かような誤解はないものと考えておる次第でございます。また大阪鉄道局を調査になりまして、これは多分局であろうと思うのでありますが、現場の施設台帳の写しをごらんになったわけであります。そういたしますと、この局で持っております写しは、当該年度に行いました工事は、途中の進行のつど記載いたさないで、決算期に全部一括記帳するというようなことをやっておったわけであります。従って、現場の元の台帳にはちゃんと改良工事を施行していれば必ず記帳しておりまするが、この写しの方にはその年度中にやっております工事の件は、まだ記載ができていないということでございます。そういうものをごらん願って、不備だとおっしゃられるなら、それは帳簿をそのつどつけろということをおっしゃっているならば話がわかるのでありますが、不備だという御指摘はいささか極端に過ぎるのじゃないか、かように考えております。また施設台帳の写しをまあ決算期にまとめて一括記帳いたしますことがいいか悪いか、これは秋の方でまた比較検討申し上げなければならない問題でありまするが、もとの台帳はちゃんと整備できておるのであります。そこだけごらんになってそういう御指摘を受けたということが誤解の原因であると思っております。 さて、問題は減価償却費の問題でございまするが、その前に、管理庁の方では施設の状況についていろいろ御意見が出ております。で、施設の状況については結局昭和十一年度の修繕費と、それから取替推定額を合計して、これに物価上昇率と資産数量の増加を見込むと約四百九十億円となって、現在はそれが八百七十六億円だから、三百八十六億円も金を余計投じておるんだ、こういう御議論をなさっておるわけでございます。しかし昭和十一年の取替推定額というものは、これは全く管理庁が御勝手に推定になったのでありまして、当時益金として約一億程度の繰り入れをいたしておりますが、そのうちの三〇%が取替推定額になっている、こういう御議論であります。なぜ三〇%かと言われるならば、昭和十五年に時の管理局長が国会で答弁したのが三〇%だ、こういうことでございまするが、昭和十五年のときにおきます益金受入額は二億三千万円程度にたしかなっておると思うのであります。従いまして、二億三千万円の三〇%ということから、あるいは取替推定額は常にとも今となってはわからないことでございまするが、少くとも取替推定額ということは一種の減価償却費に相当するものとしてお考えになる以上は、ある程度毎年コンスタントなものであるということでなければならぬと思うのであります。そういう点から見ますると、毎年の益金の繰入額に対しての多少によって左右されるように三〇%という率をかけるという推定は、あまり根拠のあるおやり方ではないと思います。それから物価上昇率は、これはまあ物価指数はわかっておりますが、資産数量の増加でありまするが、資産数量の増加については大体七割程度増加しているということは、もう調査書にも長官みずからお書になっておるのであります。しかるに、ここで推定にお使いになった数字は四三%という数字をお使いになった。これはどこがら出すかというと、物量計算すればこういうことになるということであります。しかし私どもは、国鉄資産のような多額のものを、このあらゆるものを電気施設、車両施設等全部をあわせたものを、物量計算して平均を出すということが事実可能かどうかということについては非常に疑いがあるわけであります。そうなりますと、非常に多くの推定が入ると思うのであります。それよりも、むしろ価格の増加でもって割合をお出しになる方が費用の捻出、費用の妥当性という点からいえば、当然ではないかと思うのであります。ただ私どもの方で管理庁のやりました物量計算というようなやり方で資産数量の増加を計算いたしましても、大体八〇%をこすというような数字も出ております。そういうことでございまして、資産数量の増加などにつきましても、そういう非常に大まかな推定がある。そういうようなものをお使いになってこうなるというような御議論は、まあ非常に仮定が多過ぎる御議論であって、むしろ現在の実態を中心にごらんになるべきではなかろうかと思うのであります。 現在の実態については軌条、車両その他ずい道、橋梁等についていろいろ御説明があるようでございまするが、軌条の問題一つをつかまえましても、私ども非常に納得しがたいものがございます。というのは、大体昭和二十六年度には戦時中の購入不足を埋め合せているということでありますが、この根拠になる数字を拝見させていただきますと、大体今で三万三千トン一年に投入すればいいという計画でございます。従いまして、三万三千トン投入すればいいということは、現在の私どもの持っておるレールの数量二百三十五万トン、これを取替えるのに七十年かかるという数字でございます。そのような非常に少い数字を基準として御計算になって、そうして昭和二十六年には戦時中の投入不足がもう済んでおるんだから、もっと今のものは改良されておるということは、はなはだしい早計なる御議論だろうと思うのであります。事実私どもの方で行政管理庁的な考え方で計算をいたしますと、約四十万トン以上の投入不足となる数字を持っております。また同時に、現実にレールの方の不良レールを調査いたしましても、現在二十万トンという具体的な数字があるほどでございます。 それから車両、ずい道、橋梁、橋脚というものにつきましては、これはお手元に実情を示した印刷物等もございまするが、この点につきましては特に御議論を申し上げるよりは、運輸省に置かれました経営調査会におきまして、実際に実態にわたっていわゆる学界の権威を委嘱されて実際の調査をされた結論が最近の経営調査会で発表されまして、新聞紙上にも載っておりますので、皆さんも十分御承知のことと思いますので、これをごらん願えれば、私どもの申し上げておったことが決して誇張であったりうそであったりするということではなくして、ほぼ私どもの申し上げていたところが、何と申しますか、はっきりと実際上実証せられたというような結果になっておりますので、この点は特に詳しく申し上げることは避けたいと存じておるのでございます。 そういたしますと、ただ問題は、それでは一体、そういうことであるのに、なぜそれではそういう方を手をつけないで、老朽施設の累積が増すようなことをやっておったのかというようなことになれば、また管理庁の御意見もそういう必要があるならばすでに手を打っているはずだ、手を打ってないところを見ると心配がないんだという御意見のようにも見受けられるのでありますが、それは申すまでもなく、私どもの要求している施設の必要性を申し上げたのはもうすでに三年以上前でございますが、昭和二十八年以後毎回予算編成の際にはそういうことをお願いいたして参ったのであります。しかしながら、その当時、そのつどでございまするが、結局政府の方において実情はわかるし、その必要も認めるのだが、結局減価償却費の増額ということになると、運賃の改正ということになる。で、現在は運賃の改正は、これは一兆円緊縮予算をやった当初だから、今やるということは政府全体の政策上まずいから、話はわかるが、もうしばらく時期を見て、あるいは昨年度におきましては政府がおかわりになった当初でございまして、まだ政府自体としても新政策の実施にかかる前である。従って、これはしばらく待ってもらいたいというようなことで、私どもどしては決して希望のないことではない、ただ時期が悪いからということで、管理庁のおっしゃるようにそんな必要はないんだというような意味合いで、これを言い渡されたということではないのであります。従いまして、私どもは必ず近い機会に減価償却費を増加していただいて、そういうようなものを逐次整備していく時期が参るのではないかということを確信いたしておりますので、従いまして、ここもう一年待てるものはもう一年待って、そのかわり、当面の輸送増強のためにしなければならない混雑緩和と安全輸送力の増強という方へも資金を回すというようなやり方を考えまして、そういう点で資金配分の、工事の資金配分をきめまして、国会に予算として御提出申し上げまして、国会の御承認を得て実施をしている次第であります。そういうわけでございまして、私どもも決して勝手に資金を優っている、好きな方へ使っているというようなことではなくて、その当時の情勢における国鉄財政のワクの中で、どこを重点的にすべきか、また施設の老廃老朽というようなむのに対して、どの程度まで手をつけるかというようなことで御検討願っているわけであります。しかしそれがいつまでも毎年々々、次の機会、次の機会ということになっては大へんなことになるということで、お願い申し上げているのが最近の実情でございます。 それから次に減価償却費の問題でございますが、この点は行政管理庁の方と私どもの方と、何か理論的に食い違っているというような感じを当初私どもは抱いたわけであります。それはなぜかと申しますと、行政管理庁の方で御指摘になっておる数字が、今申し上げましたように、先ほど申し上げましたように、非常に少い数字でございまして、現在行なっております償却費ですら過大償却であるというように言っておるので、それでは根本的にいろいろ考えてみると、どうも減価償却というのが必要ないのだというような考え方であります。資産が荒廃したときにはあらためて再投資すればいいというように解釈しなければ、とてもうなづけないような数字をお示しになっておるのであります。しかし勧告に現われておりますところは、それほど私どもと御意見の相違があるわけじゃないし、また最近いろいろの機会に管理庁の御意見を拝聴いたしますと、ほとんどそういう点の差がなくなってきたように感じております。たとえて申しますと、初めに管理庁の方から、償却費というものが、これは全然取替費以外に使ってはいけないのだというようなお考えのように私たちも拝聴もいたし、そういうお考えであるかと思っておったのでありますが、しかしそれもそうではないので、第一義的にはそういうところに使うべきである、必ずしもそれをもって取替改良拡充に優ってはならないというようなことで、減価償却としてはむしろほかの政策の問題であるというお考えのように拝聴いたしております。それからまた耐用年数といたしましても、物理的耐用年数ということをお考えになっているかといえば、必ずしもそうではなくて、ある程度の陳腐化というものを見込んだ経済的耐用年数であるべきだということであらて、従ってその資産の取替も同種同形というものでなくて、近代化された新しいものが出てくるのは当然であるというようなふうにも言っておられるわけであります。そういたしますと、私どもの主張いたしておりますことと、根本的に違っているところばほとんどなくなりまして、耐用年数の考え方が、私どもが法人税法にのっとっておりますのは、これは国鉄は必ずしもそうでなくていいのだろう、こういうことになってくるのだろうと思います。しかしながら、私どもも法人税法を決して万能と思っておるのではねくて、現在では第一次再評価ベースという低いベースで計上させられておりますが、そのときの計算においては、そうやかましいことを言わなくても、もともと足りないのだから、足りない計算をやっているのだから、いいんじゃございませんか。もし適正な減価償却費というものを計上していただくことになりますれば、それは耐用年数も十分御検討願いまして、必ずしも法人税法をもって万能と申し上げておるわけではないということは、これは私ども経常調査会の席上でかねがね申し上げておるわけでありまして、従いまして、そういう点についても、私どもははなはだ大きい根本的な食い違いは、今日理論の上ではないというように感じているわけでございます。ただ問題は、管理庁の方で、車両を取替にしたらどうか、あるいは隧道、プラットホーム等をこれを永久資産的な取扱いにしたらどうかというようなことを言っておられますが、これは結局耐用年数の問題についてはっきり意見が落着いたしますれば、どちらにころんだとこして、全体的に長い目で見た鉄道の経理上は別に相違はない問題であります。ただそうした場合におきましては、やはり私どもとしては、鉄道の事業の安定性ということ並びに運賃の安定性という観点から、費用の平均的配分を目途としておりまして、機械的、平均的に配分いたしますことを趣旨としております。償却制度によった方がより妥当である、取替方法に上る方がむしろ一歩時代を前にさかのぼることになるのだ、こういう感じがいたしているわけであります。 そこでこの点の問題といたしましては、そういう食い違いがなければ、何ゆえに管理庁の方で二百億とか百七十億とかいう、きわめて、私どもから見るとほとんど半分にもならない数字が出て参ったのか。この点が私どもとしては、未だに解明することのできない問題として残っているわけでございます。で、現在私どもの償却資産が一兆八千億ということを言っておりますが、これは昭和三十二年の実態調査を基礎に、その後の物価の変動と、それからその後に増加いたしました財産等差し引きまして積み上げた数字でございまするが、との数字が非常にでたらめな数字であるかのごとき御印象のような御意見も、これは管理庁ではございませんが、一般の方から伺ったこともあるのでありますが、この点につきましては現在資産再評価を実施いたしております。実は本年度末を目途としておりまするが、ただいまのところでは非常に大まかな数字でございまするが、大体その中間でもって、ある程度の数字をつかんでおります。そういたしますと、厳密な資産再評価——この資産再評価の方法につきましては、私どもの独断ではいけませんので、学界、学者の方、あるいは財界の方、あるいは銀行の方々の御参加を願って、その方法あるいは評価額等についても十分に御審議を願った上でやっておりますが、その方法によってただいまのところつかんでおります数字は、どうしてもやはり一兆九千億程度にはなるのじゃないかということで、決してこの数字は、過去一定のときの調査のベースから数字の差引をやったのでございますが、そう間違いのある数字とはいえないという確信を十分持っている次第であります。そとで二再評価資産価格ば兆八千億である。そうして減価償却費の考え方については、ほとんど私どもと大差ないといたしまして、出てくる結果が、私どもといたしましては四百八十億なり五百億という数字に対して、一方では百七十億とか二百億という数字が出るということは、まことに考えられない大き開きでございます。この点がどうも私どもとして最も了解しがたい問題でございます。 それから修繕費の中で改良資本投下をやっているものが約八十億あるというようなことを言っておられたと思うのでありますが、この八十億の内容は、これは説明書を拝見いたしますと、はっきり記憶はいたしておりませんが、車両の特別修繕、更新修繕という車両の修繕のやり方が、資本支出であるという御感覚が一つ。それから私どもの方で補充工事として処理いたしております。これは、私どもの方でも実際上資本支出と同じものだということは認め理する場合は、補完工事引当金でもって一括記帳をいたしております。そうしていわば償却をその場限りでやっているという格好をとっておりますが、それで問題はむしろ車両の修繕のやり方が資本投下であるというようなお考えのようであります。 そのほかにもう一つ、私どもとして納得できないことは、車両費以外の修繕費の一割をもって資本支出とみなすと、こういう御見解でございます。これは少し乱暴でございまして、車両の修繕内容については、これはもう見解の相違で、私どもの方は修繕費をもってやるのが妥当だと考えても、管理庁の方ではそうで念いと害われるならば、それは見解の相違でございますが、とにかく一般の修繕費の一割が資本支出だという御推定は、やや乱暴に過ぎるのでは血いかと思います。そこで、見解の相違となりました資本支出の方につきましては、これはいろいろ考え方もございましょうが、かりに、資本支出とそれを整理いたしましても、それに伴う償却費というものは翌年度から重なって参りまするから、従いまして、長い間の経費といたしましては同じことに焦るのではないかと、こういうふうに思います。最初の数カ年間は違っておるかもしれませんが、そういうことになるので、これをもって国鉄が黒字になるということはおかしいと思うのです。すなわち、ある工事自体は、必要でそれをやるわけであります。やった経費の整理の仕方によってお金が生まれてくるということは、これは考えられない。それは経費の整理の仕方だけのことでございまして、長い目ことは当然ではなかろうかと思います。そういうようなことでございまして、私ども、この第二のグループの御指摘に対しましては、まあ全面的に資産の実体面からも、経費のいろいろのお考えの面からも、必ずしも管理庁の御意見に御納得申し上げるわけにはいかないのを大へん残念に思っておるのでございます。 三番目のグループは、これはいわゆる経営の刷新合理化でございます。この点につきましては、先ほど宵頭で御説明を申し上げた通りでございます。ただ、外郭団体につきましては、先ほど整理方針も確立いたしましたことを申し上げましたが、管理庁の今回の御指摘は、昭和二十八年にお上げになった点については、重ねてはお上げになっておらないのであります。昭和二十八年にお上げになった点については、その後、これは十分の御満足は得られないとは思いますが、改善について努力を続けておるということは、管理庁もお認めにねっておられるわけでございます。ただ、今回新たに御指摘になりましたのは、工事関係の外郭的団体とでも申しますか、とにかく鉄道に依存度の高い団体について公正を欠くものと見られる取扱いがあるのではないか、こいう御指摘が今回の中心でございます。この点と、その二の工事計画の積算あるいは契約の内容等につきまして、契約事務の内部牽制制度というものにつきましては、これは前段の外郭団体の刷新というところでもって、私どもの方でもできるだけ御趣旨に沿うような改善策を構じております。ただ、大へん遺憾なことは、この工事契なりました数字そのものにつきましては、これは私どもといたしましては、全然そういうような傾向のものがないということはまことに申し上げかねるわけであります。たくさんの工事でございまするから、いろいろ不行き届きな点もございましただろうと思いますし、そういう点はできるだけ改善いたしたいと思いますが、管理庁のお出しになりました数字というものが間違いのない数字であるかと申しますと、残念ながら、いろいろな点を検討さしていただきますると、とても管理庁で御指摘になるような数字にはなっておりません。ずいぶん違った結果が私どもの方では出ております。従いまして、私どもの方といたしましては、おしかりをいただくのは私どもの至らないところで、やむを得ないと思っておりますが、五の結果に対して五のおしかりをいただくのは、これはもう当然でございますが、五の結果に対して十のことをやったといっておしかりをいただくような結果になっている点が多々あるようでございます。これは、私どもといたしましては、大へん残念に思う次第で、決して私どもは正当な事実、ほんとうの事実について、間違った点、ないし、不行き届きというような点があれば、十分おしかりをいただいて、更正をいたしたいと思いますが、それが非常に大きな数字になっておるというようなことにつきましては、具体的なことにつきましては一々御質問によってお答えすることとして、その点、いささか遺憾に存ずる次第であります。 それから車両の新造について、現有設備でやった方が得だというお話、これは将来の題題として御指摘になったので、過去においてこういう余地があったのにやらなかったということを言っておられるのではないわけであります。それから四番目の被服工場・製材工場、志免炭鉱等の付帯事業については、これは、私どもも何とかしなければいかぬということは十分承知いたしております。さればといって、具体的にこうせよというやり方をお示しになって、それが政府の方でもお差しつかえないということであれば、喜んで私どもいたしたいのでありますが、志免炭鉱のごとき、今日現状において国鉄で炭鉱を自営するということを考えたならば、それはとんでもない話だということになるのは当然でございまして、私どもも今日志免炭鉱を新たに自営しようかというような考えを持っておるのではないのでありまするが、さればといって、今日どうしたらばいいかということにつきましては、これは率直に申しまして、労働問題もございますし、いろいろの観点から、右から左にはやり得ない。従って、今日では、独立採算制をしいて、経営の能率化をやっております。たとえば、年末手当の問題なんかにいたしましても、志免炭鉱として経理の許し得る範囲においてこれを支出いたしまして、一般の組合と同じパーセントで支出をするというようなことはやっておらないのであります。そういうふうに、独立採算によってなるべく合理化をはかるようにさせておる次第であります。 共済組合の物資部について御指摘がありましたが、この御指摘の中で、七十五億円を支出しておるということは、これは法律できめた事業者負担をやっておるわけで、これは給付の内容となるわけで、これを組合の事務費に充当するわけにはいかぬと思います。この国鉄の共済組合に対しても、政府職員共済組合と同様、職員を組合の事務に従事させることは認められておるわけでございます。これは、一般のほかの官庁も同じことでございます。ただ問題は、その職員の数等が妥当かどうかということだと思うのでありますが、この点は、昭和二十五年度の三千人を越しておりましたものを、逐時縮減して参っておるのであります。今後もこの方針でやりたいと存じております。運賃の割引についての御意見もございました。これは近く改正をいたしたいと思います。 鉄道公安官制度につきましては、これは経済情勢も相当変ったことも事実でございまするが、ただ、今一般警察にすべてこれをゆだねるということは、これは犯罪捜査の面からいえば、現在の一般警察の面に十分御信頼できるかと思うのでありますが、しかし、私どもの方の仕事は、むしろ犯罪の捜査の面よりも、防犯でございまして、事故が起る前にこれを防ぎたいということが、これが営業の自衛の観点からも必要なわけでございます。そういう観点から、今日公安官がやっております仕事が全部一般警察の方にお願いできるかどうかという点で疑問がありまして、やはりある程度私どもの方で自衛的にやらなければいかぬ。その自衛的にやる形は公安官という形でやるのがいいかどうかという点は、また別個に御検討がある問題だと存じまするが、私どの方といたしましては、公安官という制度でやっていくのがいいのではないか、こういうふうに考えております。ただ、一般の経済情勢も、終戦直後と違って、大へんよくなって参ったのでありまするから、人数は次第に縮減していく、こういう現状でございます。 そういうわけで、第三のグループにつきましては、私どもも決して管理庁の御指摘に対してとやかく申し上げるわけではございません。私どもも前々から反省をいたしておりました点でもございます。できるだけこういう方向に向って改善を進めて参りたい、かように考えておる次第でございます。
○委員長(左藤義詮君) 御質疑はございませんか。
○早川愼一君 昭和二十三年でしたか、公共企業体として独立採算制をとられた。そして鉄道内部の会計はいわゆる発生主義に組みかえられた。しかるに、国鉄の予算として国会に提出されるときは、一般官庁のような会計でですね、少しも内容がわからぬわけです。たとえば会社でありますと、受け入れ貸借対照表で、たとえばさっきおっしゃった減価償却などもはっきりして、損失は損失と、また資金はどういうふうにして、借入金でまかなうかどうするかということは、はっきりするわけですね。その点はどういうわけで国鉄予算は、内部では発生主義になっておるのに、国会に提出され、あるいは外部に発表されるときは現金主義になっておるか。まあ沿革からいえばわれわれは了解できるのですが、二十三年そういうような新しい改革ができたときに実施されるべきであった。しかるにそういうことを実施されないで、外部の人は減価償却というものの理論的根拠もはっきりわからず、資産がどうなっておるかもわからず、相変らず黒字があるものだとしか了解ができないという形になっておることは、非常におかしいと。それから減価償却も、今お話を聞くと、そのときの国の財政状態によってどうでも伸縮自在にするというようなことは、およそ企業会計として非常に間違っているのじゃないかと思うんですが、その点はどうして改革できないか、一つお伺いしておきたいと思います。
○説明員(石井昭正君) 早川委員御承知の通り、日本国有鉄道が発生主義をとりましたのは、国鉄が公共企業体になる一年前の二十三年のことでございます。そうして国鉄が公共企業体になって、いわゆる日本国有鉄道法ができましたときは、その財務会計制度につきましては、なお従前の例によるという暫定的な措置によって出発したわけです。その後国会、特に当参議院の運輸委員会で非常にその点もいろいろ御注意もございましたし、その後この点をもっと公共企業体に適当な財務制度に改革せよというお話で、数次の国鉄法の改正もございましたのですが、その間におきまして、やはり依然として政府の方の御方針によって、私どもの方としてはいわゆる統計予算制度というわけで、企業会計としての措置をおとり願いたいということでお願いしておりましたが、いろいろの関係で、政府の方で改正案の中に組み入れなかった。新内閣の方で公共企業体合理化審議会がございまして、そのときにもいろいろこの問題を御討議になったわけであります。まあ、その点につきましてもその方向へ向うという程度の御決定で、率直に申しますと、現在国会に提出しております予算は、これは資金予算と申しますか、現金予算と申しますか、そういう形で提出するという格好が今日も継続しておるわけでございますが、しかし、同時に御参考までに、受け入れ貸借対照表というものは、必ずつけ添えて出しております。また前々年度も受け入れ貸借対照表も添付して、御審議の参考にはいたしておるつもりでございます。
○内村清次君 この行政管理庁に対する国鉄の見解は聞いたわけですが、これは先ほど運輸大臣が言われましたような、運輸省内にあります経営調査会で、そっくり国鉄を裸にした見地において審議をしてもらっている。あるいはまたその席上でも、ただいまのような御意見も含めて審議に供しているというわけでございますか、どうでしょうか。
○説明員(石井昭正君) 行政管理庁が、経営調査会で御発表になりました御意見は、勧告の出る町に中間的な形であるとして御発表になりましたのでございまして、それは御勧告の内容と比較いたしますと、借手の点は相違はございまするが、大体大綱的には違いはないと私どもは拝察しておりますが、私どもは経営調府会の席上では、中間的な御発表に対しての御意見は、ただいま申し上げたように、腹蔵なく申し上げて、御審議をしていただいております。ただこの勧告そのものが出ましてからは、勧告そのものに対する結果につきましては説明はいたしておりません。しかしその内容に盛られておりますことは、大体前の御説明のときに申し上げております。
○内村清次君 そこで、これは十二月の六日の日でございますが、国鉄の外郭団体の整理という見出しで新聞に出ている。まあいろいろな外郭団体に対する国鉄の総裁の談話もつけて出ているわけですが、これは勧告の一環を満たしていこうというお考え方で、運輸省の勧告に対する意見を待たずして、自主的にやられた問題でございましょうか。あるいは、今まで懸案としてあったのを、そのまま御発表になった、実行に移していくということでございますか。その点はどうでございましょう。
○説明員(石井昭正君) 外郭団体につきましては、かねてより国会におきましてもいろいろ御指示もございますし、御意見を十分私どもも拝承しておりますが、その点について整理しなければならぬということは、何も行政管理庁の御指摘を待つまでもなく、私どもの方で平素から検討いたしておったわけであります。従って、この前の外郭団体の方針につきましての発表は、意味でやったわけではございません。しかしその内容については、大体御指摘におこたえできる内容が入っているということもお答えできるかと思っております。
○内村清次君 その点はまたあとで、どうせ国鉄総裁、あるいは天坊副総裁も見えていらしゃいますけれども、あとでまた御質問をするといたしまして、一応きょうは説明を聞きましたのですから、また行政管理庁の方の勧告の内容の点に対しましても、十分な質問がされておりませんが、大体この辺で委員に研究をさせてもらいまして、そうして質問を続行するという形ではどうでございましょうか。
○一松政二君 この行政管理庁の勧告の中で、さっき経理局長の説明の中で、一応私の耳にとまったうちの一つだけ問題にしておきますが、減価償却と修繕費というのが一番大きな金額であり、これまた問題であって、修繕することによって耐用年数が延びたり、また新しくある程度そのものが長くできれば、これを資産と見るか、損益で落してしまうかということは、こういった企業体の経営をするときの中心問題になって、それの取扱いいかんによって黒字にもなり赤字にもなる。それがまた考えようによっては、これをごまかしの経理をすれば幾らでも黒字が出るし、いわゆる会社がたこ配をしたなどの原因にもなる。ここは私は先ほどの経理局長の説明だけでは少し納得ゆきかねた点があるのですが、これは他日に譲りたいと思います。この点は一つ議論のあるところであり、耐用年数が延びるという問題がある。延びるということほ、それだけ生産が増しておるということになりますし、とれをまたすべて全部経費で落してしまえるほど利益がたくさんあれば、これはまたこれに越したことはない。普通の私企業であれば、ファニチュァーなどというものは一円かそこらにやっておき得れば非常に健全な経営なんだが、これは日本の税法上許さない。税法上の欠陥もあるが、これは一つ議論のあるところでありまして、私は一応議論があるということだけ申し上げて打ち切って置きたい。 ちょっと、ついでですから、私はこの間初めて請願駅という問題に逢着して、私は今まで、請願駅というものを全部地元の負担にさして国鉄がやっておるかどうかということも、今まで自分が直接しなかったから知らなかった。たまたまこの間私の郷里に一つの問題があって、全部、監督費から直接の工事、あらゆる取替から駅舎から、何もかも、土地も家も全部地元で建てさせて、さあそれを国鉄に寄付する形をとって、今までやっておるというお話なんです。そういう話であれば、年に何か六つか十くらいはできておるとすれば、かりにそういうふうに仮定すれば、国鉄は一カ年間に、千百万円か千二百万円かくらいの工事費のように承わるのですが、そうすると、年に一億円くらいは無償の財産をかりに受けておるわけです。これを経理局長はどういう経理をされておるか。それを利益の中に計上しておるのか、どういう経理をされておるのか、ちょっと承わりたいのであります。
○説明員(石井昭正君) 寄付を受けました資産は、これは資産であり、中の固定資産の増加といたしまして上げております。その見合いますものは、たしか資本剰余金という相手課目を作りましてやております。
○一松政二君 それは結局、利益の中に計上されるわけになると思いますが、さようですか。
○説明員(石井昭正君) 損益の方とは関係なく、資本積立金でございます。がないということも、ちょっと私にはよくわからない。これは議論にわたるかもしれませんから、他日に留保しておきまして、私の質問は今日はこの程度でやめておきます。
○委員長(左藤義詮君) 速記を止めて 〔速記中止〕
○委員長(左藤義詮君) 速記を始めて。 本日はこれをもって散会いたします。 午後四時二十五分散会