法務委員会 第5号
- 発言数
- 12 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1955/12/12
会議録
○高橋委員長 これより法務委員会を開きます。 法務行政に関し調査を進めます。本日は名瀬市において起った大火災による罹災地の借地借家問題について質疑を行います。質疑は通告順に従ってこれを許します。伊東隆治君。
○伊東(隆)委員 十二月三日の奄美大島の名瀬市におきまする大火につきましては、各方面の非常な御同情を得ておりまして、地元の住民も非常に感謝いたしておる次第でありますが、特にこの法務委員会においていち早くこの問題を取り上げていただきまして、非常なる同情と、また法的な非常措置を講じていただくように相なりましたことは、私、地元の選出議員といたしまして、衷心から感謝いたす次第であります。 十二月三日の大火の前にすでに十月十四日に約百戸に達しまする火事がありまして、しかもそれは商店街の中枢地でございましたので、経済的には名瀬市ば全滅したような状況にありましたところへ、幾ばくも経ずして十二月三日にまた大火がありまして、今度は住宅街とそれから官庁街が全滅いたしたような次第でございます。全人口四万五、六千に比べますれば、その。パーセンテージはさほどではございませんが、さきの商店街の全滅と、またこの官庁街及び住宅街の全滅によりまして、旧名瀬市街なるものはほとんど全滅してしまったと言ってもいいのでございます。四万何千人という人口ば今度の市町村の併合でそれだけに広がったのでありまして、旧市街はほとんど全滅と言っても過言ではないのでございます。そういうようなことでございますので、実にその実情たるやさんたんたるものがあるのでございます。 それで、鹿児島県庁が主となりまして、ただいまいろいろ地元の調査及び対策を講じておるのでございますが、私どもまた中央におきましてもいろいろの対策を講じておる次第でございます。その中で、やはりさしあたり最も重要な緊急を要するのは、借地借家人の権利を一応保護するということであるのでございます。すでに新潟の火災におきましてその前例があるのでございまして、それと大体同じような理由に基くのでございますが、ごく簡単にその実情を申し上げますと、その焼失戸数千二百四十六戸のうちの約二一%が借家戸数でございますし、また四一%が借地戸数であるのでございます。借家の方は借地戸数の半分でございますが、この借地戸数の方はほとんど全体の半分というような実情でございまして、極言する者は、名瀬市の焼失土地のほとんどすべては約数人の所有者に属しておるのだと言っておるくらいに、ほとんどすべてが借地人でございます。新潟の大火の場合に適用いたしました借地借家臨時処理法第二十五条の二の規定は、今度の名瀬の大火におきまして最もその必要があるように感ずる次第でございますので、どうか今度の場合もこの臨時処理法の第二十五条の二の災害及び同条の規定を適用する地区として定めていただくようにお願いいたす次第でございます。 以上簡単でございますが、実情を述べまして、お願いいたす次第でございます。
○高橋委員長 池田清志君。
○池田(清)委員 去る十月十四日及び十二月三日の両度にわたりまして鹿児島県名瀬市に起りましたところの災禍の実情につきましては、ただいま伊東委員から御報告を申し上げた通りであります。私も同委員と同じように、この名瀬市に対しまして、その災禍並びに地域に関し罹災都市借地借家臨時処理法の定むるところによりまして特別立法をいたすべきであるという意見を有するものであります。それに先だちまして、二、三の事柄についてお尋ねを申し上げたいと思います。 同市におきます災害の跡地につきまして、建築関係が乱れておるというようなことでありますと、従来の借地借家関係の実情を維持するために支障を来たしまするもととなりますので、政府及び県市当局におきましてはそれぞれ処置をされておると思うのでありますが、この際お尋ねをいたしまするのは、建築基準法の定むるところによりまして、建築の制限、禁止が現実に行われたかどうかということであります。
○南部説明員 お答えいたします。十二月三日の大火の際には、ちょうど県の建築課長が名瀬市に大火当日出張しておりましたので、即座にこの大火に対しまして基準法による建築制限を行なっております。今度の火災につきましては、実は今度の火災地区内に前火災の地区が包含されておるのかどうかというような、あるいは隣接しておるのかどうかというような点が、われわれとして一刻も早く知りたかったわけでありますが、そういう事情がわからないために、三日の火災の四日に係官を派遣いたしまして、七日には現地に係官が行って詳細の調査をしております。今回の火災につきましては、名瀬の区画整理を根本的にやり直すというようなことで、係官が大いに現地においていろいろの指導なり調査をしておるはずでございますので、その結果に基きまして、建築制限よりももっと徹底した区画整理の手法等がとられるようになると思います。派遣した者がまだ帰京しておりませんので、今明日中には帰ってくると思いますが、詳細はその帰京を待ってからお答えした方が確かかと思います。
○池田(清)委員 ただいまの御答弁で適宜の処置がなされておりますことを拝聴いたしましたから、借地借家の関係で紛争等は起っていない、こう考えるのでございまするけれども、もし実態調査の結果そういう事例等でもございましたらお示しをいただきたいと思います。
○平賀説明員 もし借地借家の関係の紛争が生ずるというような事態になりますと、この罹災都市借地借家臨時処理法におきましてその処理の手続が定められております。すなわち、非訟事件手続で処理するということになっておりまして、法律的な解決の道は十分開いてございますので、その点は御心配は要らないのではないかと思います。
○池田(清)委員 罹災の戸数に対しまする借地借家の。パーセンテージから申しますと、この種特別立法の立法例に比較いたし低位のパーセンテージが示されておるわけであります。しかしながら、いかに低位でありましょうとも、借地借家関係の実情を維持いたし、権利者を法律によって保護するということはわれわれの趣旨とするところでありますが、こういうような低位のパーセンテージの火災並びに地域にこの特別立法をするということによって何らかの不都合が生ずるということがありましては、これまた困ることに相なりますが、この点、不都合があるかないかを一つ法務省の方からお答えをいただきたいと思います。
○平賀説明員 従来の先例を見てみますると、この名瀬の場合よりももっと災害を受けました戸数が少い場合も、やはりこの法律を適用した例があるのでございまして、千戸足らずの場合もその例が現に二、三あるのでございます。でありますから、この名瀬の場合、ことに十二月の場合でありましたら、必ずしも少いとも言えないのではないかと思います。この調べによりますと、借家の戸数が二百六十二戸、借地の戸数が五百二十五戸となっておりますし、十月の十四日の場合、これは数が非常に少うございましたけれども、その数の多寡ということは、借地借家の戸数が一定数に達してなければこの法律の適用ができないというようなものではございませんし、また少いのでそのために特に不都合を生ずるというようなことはございませんと思います。
○池田(清)委員 以上お尋ねをいたしました二、三のことについての当局の御答弁によりまして、私は両度にわたる名瀬市の火災及び名瀬市の地域が罹災都市借地借家臨時処理法の定むるところによりましてその適用を受けまするように特別の立法を一日も早く行われますことを要望いたしまして、質問を終ります。
○高橋委員長 他に御質疑はありませんか。——なければ、この際本問題についてお諮りいたします。すなわち、委員諸君のお手元に配付いたしてあります罹災都市借地借家臨時処理法第二十五条の二の災害及び同条の規定を適用する地区を定める法律案の草案について御決定を願います。本草案を委員会の成案と決定し、これを委員会提出の法律案とするに賛成の諸君の御起立を願います。 〔総員起立〕
○高橋委員長 起立総員。よって本草案のごとく委員会の成案を決定し、これを委員会提出の法律案と決定いたします。 本日はこの程度にとどめ、次会ば公報をもってお知らせいたします。本日はこれにて散会いたします。 午前十一時三十一分散会